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やる夫が正史を書くようです５８

374 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/04/15(土) 01:08:06.05 ID:MYxhzpKe0: 　　　　　　　　|-_-_-Y　　　　　　 .／-_-_|
　　　　　　　　|-_-_-.|_＿..､-─- ミ/_-_-_-ﾉ
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　　　　　　　廴f7:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::ヽ
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　　　／:／':::::::::::从::::::::ｌ::::::::＼:::::::::::::::::∨::::::',
　　 .／:／ /:::::::::::/　∧::::ﾄ､:::::::::::＼::::::::::::::ｌ::::::::i　　　　　.何がまずいのかしら？
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.　 {:::::i　　 i:::::::l/ ＿___ }:ﾉ　　_＿___　ｌ:::::::::::|::::::::|　　　　　たかだか田舎の鮮卑が官職をもらっただけじゃない
　　＼::ヽ　|:::::::|《~う/ハ　　'~う//,i¨》:::::::::::ｌ::::::::|
　　　 )::ﾉ　|:::::::', 　∨/ﾉ　　 ∨/ﾉ　l:::::::::::l::::::::;
　　（⌒　　|::::::ハ　　　　　　　　　　/:::::::::;':::::::/　
　　　　ノ:::::::::人　　　-～(　　_.､/.::::::::/::::::::l　
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀}　.:　　|＿　_　　∨　/　｀¨´＼乂ｘ乂ｘ,
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　|　|　|ｨぅ笊ア　　,∨　 } ) ∨　:.　　　 /,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',　　',人 ∨ノ　＼八　/}〈 /∨　 :.　　　/,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }人( ,'　　　　　　)'　}/　ｒ彡　∨ 　 :.　　 /,
　　この御時世に勅使が海を渡ってきたのよ。　　　　　　　　　　　　く　　　　　　　　　人　　 .∨　　　　　.,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼,　ｧ　　　／／＼　　∨　　　＼　＼
　　石勒に与する段末波を討てと言われたかもしれないわよ　　　　.　　　＼　　　..: }／　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧ 丶＜／　　　　　　　＼　　　＼　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ,'／)　〃　 ∧　　　　＼　＼　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/／／)　 {　　 ∨　　　　　∧ ＼　＼　　　＼　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／／　　 ',　　　　　　　　 ∨　　＼　＼　＼　

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.対する段末波。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　晋王朝から撫軍大将軍・幽州刺史とされた段匹磾と違い、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　彼自身はこの時点で晋王朝から官職をもらっていた形跡がない。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　これでは、正式な幽州刺史を追い出した段末波を
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　都督幽州東夷諸軍事の慕容廆が討伐する図式が成立してしまう
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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375 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/04/15(土) 01:09:54.90 ID:MYxhzpKe0: 　　八_ノ. . . . . . 八::::ヽ^'，::}
　　　　/. .／￣￣ノ:. :＼:. :.:'，::.
　　　　〉/／)¨¨´:.}:. :＼:. ＼:.'，ﾉ　
　　　 /／／.: ./⌒＼＼:. ､:.，＼　　　　
　　 .乂__／.:/／ x==ﾐ}/:.:.＼:.:l､:::::＼　　　　　　　　　盧諶殿。
　　　　. 八込^　　　ノ.:.::|:. :.. :| ＼::::::＼
　　　　　|:. :､::.､Vフ　|.:.: /.:: .:: |　　＼::::::　　　　　　　何か良い知恵はありませんか？
　　　　八:. ::.≧=‐≦､／.: .: .:ﾉ　　　＼
　　　　　＼:. .: ノWノ.:.:.:.:／-ﾐ　　　　　　　　　　　　　ただでさえ、匹磾との戦で損耗が激しいのに
　　　　　　　l.:)／个､(.:: ／
　　　　　　｢__//::::/:::::|八＼　　　l
　　　　　//　⌒¨⌒゜ |/,　＼____〕
　　　　　八: : : 0: : : : :|//, 　　___| 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　´¨¨¨¨¨)h､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　 -=- 　　 ∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }⌒ｒ　 ⌒ ､　-=-　∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜,ｱ//　　 |　 | ｒｖ-彡,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| { {　　　 |＼| }ﾟ＼乂ｖ
　私たちも建康に帰順すればいいのよ。　　　　　　　　　　.| }八人/)' __,,}ﾉ「/~"'' ＞‐ｧ- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　込　' 　　人 {　　/　,/_-_=-　　　　　　 , へ､
　前々から言っている　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 |　＞｀´イ‐=-ミ-彡 /-_-_-_ =- ⌒＞-/ 人〉〉
　劉琨殿の名誉回復が段末波殿の利にもなる。　　　　　 |　{ 　 /.:.}.:.:.:.:.:.＼　 {-_-_-_／　〃　_,, /⌒＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 {',　{:.:./＼.:.:.:.:.:.}__,{-_-_ / 　 ,ｲ¨¨´／'　　 }　＼
　元々石勒との仲は良好なのだから、　　　　　　　　　　　 |　 |　 -＼/ii,　‐‐‐ｧ人 ___ ／　／::...‐彡　|　　 }　　　 /
　建康とも手を結べば慕容部はこちらへ手を出せない　　|　.:　{-_|　/ ___　__ｦﾚ}ﾉ　　　／＼　...,,:::::〉|　　　}　　　∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | /　,{-_|　|_ﾉ⌒７( /ﾙ＞-彡　　 ' ,　　　　　　　､　　 ', ∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　 {-_　 | 〉／　{　　　* } 〈〉　　　 ∨　　　　　 } :.　　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　,-_-|　|　　　, '　　　ｏﾍ　}　　　　 ∨ ,'　　　　　 :.　　
376 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/04/15(土) 01:12:11.50 ID:MYxhzpKe0: 　　八_ノ. . . . . . 八::::ヽ^'，::}
　　　　/. .／￣￣ノ:. :＼:. :.:'，::.
　　　　〉/／)¨¨´:.}:. :＼:. ＼:.'，ﾉ　
　　　 /／／.: ./⌒＼＼:. ､:.，＼　　　　
　　 .乂__／.:/／ x==ﾐ}/:.:.＼:.:l､:::::＼　　　
　　　　. 八込^　　　ノ.:.::|:. :.. :| ＼::::::＼
　　　　　|:. :､::.､Vフ　|.:.: /.:: .:: |　　＼::::::　　　　　　　　　　盧諶殿が間に入ってくれると？
　　　　八:. ::.≧=‐≦､／.: .: .:ﾉ　　　＼
　　　　　＼:. .: ノWノ.:.:.:.:／-ﾐ　
　　　　　　　l.:)／个､(.:: ／
　　　　　　｢__//::::/:::::|八＼　　　l
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　　　　　八: : : 0: : : : :|//, 　　___| 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　´¨¨¨¨¨)h､
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜,ｱ//　　 |　 | ｒｖ-彡,
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.| }八人/)' __,,}ﾉ「/~"'' ＞‐ｧ- ､
　　　　　ええ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .| 　込　' 　　人 {　　/　,/_-_=-　　　　　　 , へ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 |　＞｀´イ‐=-ミ-彡 /-_-_-_ =- ⌒＞-/ 人〉〉
　　　　　主の名誉回復が我々の望みですもの　　　　　　 .|　{ 　 /.:.}.:.:.:.:.:.＼　 {-_-_-_／　〃　_,, /⌒＼
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377 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/04/15(土) 01:13:07.83 ID:MYxhzpKe0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |_
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　　　　　　　　{　:::::::::/＼　　 :::| ＼::::::|::::::::::::|::::::::}:::::.
　　　　　　　　{　|::::::斗=ﾐ　 /:/─‐＼：:::::|:::::|::::::::}::::::　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　人::::ヽVｿ /'゛斗=ミ　|::::::|:::::|::::::/:::::′　　　 |　　　手は尽くしましょう　　　 |
　　　　　　　 .::::ハ乂x　,　　　弋ツ >:::::::::::/:::/::::::′　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　　　.::/　.::::.　　　　　 xxx　/:::/:::/:／::::::'
　　　　　　　　廴_八:込,　丶　　　　/:::/:::/:::::::::::/)
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378 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/04/15(土) 01:13:47.88 ID:MYxhzpKe0: _,..､-''"~""''';,‐-..,
　　　　　　　　　　｀ﾞ''ｰ-､,__,,..-‐''"'''- ．_,,..-‐''~"~"'''''‐-
　　　　　　,__,,..．-‐　'''""　　　　　 , -'"　　　　　　　　　｀`丶､.
::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;''.:i;;:;: :::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:i;;:;:..
　　　　　　　　 ...::..:..:..::::..:..::.:..:...::..:.il.::::::::::l:ｌl＝ｌll:::::::l:::l:::::::l::.:il::.:....
　　　　　　　　　　　...::..:..:..::::..:..::.:..幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵:::..:...
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　', "ﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,.-‐''"_,,ﾞ
　　　　　　　　　　　__,,.. ．-‐'''""~　,,.. '''
　　　　　　　_,,.-‐''"　　　　＿,,.. '　　
　　　　　　　　　　　　 ┌─┴┴─┐　
　　　　　　　　　　　　 │ .段　部 .│　　　　　　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　 └─┬┬─┘　　　　　　　　　 |　　　　 .段末波に助け舟を出すなんて　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　 ││　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　　　　　　　　　　"''ﾞ"''ﾞ"
379 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/04/15(土) 01:14:33.83 ID:MYxhzpKe0: 　　　　　　　 l　＼　　＿　　　　 /　　.:八
　　　　　　八　　 Y´:::／::￣:::`:く　　 /
　　　　　　　 ,ゝ､_メ:::::: __::::::::ヽ::::: ヽ..人
　　　　　　 /ヾﾚ'''7::::::::://A:::::!::::丶::､ﾑ::::∨
　　　　　　 .|,ｨ介y'::/:／~~~~',: !::::::∧::! ﾑヽ∨
　　　　　 /:::ｨ !:::: !/＿　　 |::ト､;::斗:!:::::l::!: ∨
　　　　 ./ｲ:::| |:::: |´＿ヽ　 l/´__≧|::!::::::!:l:::::∨
　　　　ｲ　!:::ｹｌ::::::!《ｌ::心　 ′ ｌ::心ｱ}:::: Y:::::: }
　　　 {::!　l:::У:!:: l　｀"´　、　｀"´ ':|:::::::!:::: /　　　　　　　　　　　　　　　　正気？
　　　 .V:､ V:::::ﾑ:::!　　　　　　　　 /:::|:::::::}:::/
　　　　 .ヽ:〉l::::::::ﾑ::ﾄ　　　'　ヽ　 /::::ｿ:::::ﾘ:::{　 (
　　　 .ﾄ､ﾘλ::::::::从:l}i:.､　　　.イ{:::/::::::/::::::`ー')
　　　 .乂::_::_〉::::::::::|:ﾘ/ﾄ.｀¨.´,.ィl V: /:/::::::ｌﾄ::::く
　　　　 ./:::ｲ::::ﾑ:::::: V､　∧∧　.ｌ/::::{/_::::::: | ヽ::}　　　　　　　　　　　＿＿　　　　-=ﾆ二二二ﾆ=-
　　　　 {:: {／={ﾄV:::::}｀~~~~~~~´l:::: /=kく＼!　}/　　　　　　　　　　 ⌒ヽ　｀ヽ／　　⌒　　　　　　｀ヽ)h、
　　　　 f≦´　　　}::::人,､,､,､,､,､,.从:::V　ヾ=メｭ､_　　　　　　　　　　　　　∨ /　　 '　　　ヽ　　　　　〈ヽ :,
　　　 /ﾆく__　 }-ｲ'､/// .o　l | |__ﾑ::: V ./ 　／ニV　　　　　　　　　　　　 ∨,'　'　|　　　　 :.　　|　 |　　∨)　:,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_／,' .:　i　 |　　　　:| 　 |　 |　　 ∨ゝ-ｖ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒¨'　:　{i　 :.　　　　 | 　 |＿|　　　∨乂∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　|　{i　　:.　　　 |￣八ノ　　　i}∨乂∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　|　{i― -､　　 ',ｘｔｆ劣示　　 i}　＼乂
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧人/ｨ劣示ヽ ./　　ゞツ　}　八　　＼〉
　　　　　　　　正気も正気。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八|∧　ゞﾂ　 )'　　　　　　} /　 |　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | 込､　　｀　　　　　 'ｲ入_|　　　 |
　　　　　　　　これこそ一石二鳥というものよ　　　　　　　　　　　　　　　　 |　// >､　　ｒ､　　..:::／　 |　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ /´／| ≧ｓ.. 　.／／　　　｀ヽ　　|､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　'∠ --ｧ　∨　¨レ´　　〈〉　　＼八
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,__/　　　¨¨ﾆｱ　 ∨ /　　　　　　　〈〉　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}ヽ____　／　〈〉　　∨　〈〉　　　　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}　　　∨　　　　／＼　　　　　　　　　〈〉　　〉､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　　　　＼　　／{¨ﾟ〉　 >､　　　〈〉　　　　　　/-_-_
380 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/04/15(土) 01:18:17.62 ID:MYxhzpKe0: _,..､-''"~""''';,‐-..,
　　　　　　　　　　｀ﾞ''ｰ-､,__,,..-‐''"'''- ．_,,..-‐''~"~"'''''‐-
　　　　　　,__,,..．-‐　'''""　　　　　 , -'"　　　　　　　　　｀`丶､.
::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;''.:i;;:;: :::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:i;;:;:..
　　　　　　　　 ...::..:..:..::::..:..::.:..:...::..:.il.::::::::::l:ｌl＝ｌll:::::::l:::l:::::::l::.:il::.:....
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　　　　　　　　　　　　 ┌─┴┴─┐　
　　　　　　　　　　　　 │ .段　部 .│　　　　　　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　 └─┬┬─┘　　　　　　　　　 |　　　　私たちは諦めない　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　 ││　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　　　　　　　　　　"''ﾞ"''ﾞ"

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.γ￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　絶対に　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿乂
／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、　
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/　　　　　　　　.太興三年(三二〇年)。
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/　　　　　　　　　　劉琨の故吏の従事中郎盧諶・崔悦らが
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:′　　　　　　　　　 .劉琨の道理を上奏したと『晋書』『劉琨伝』は記す
　∧＼　ﾏ三ｿ| .＼　
./: : ＼＼ヾ-〃 ..∧　
ｌ; : : : : ＼＼.り／: : :i
381 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/04/15(土) 01:19:27.39 ID:MYxhzpKe0: 【>>380はなしでお願いします

　　　　　　　　　　　　　　　-=ﾆ＿＿　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　／-=ﾆ　 ¨¨¨¨｀＼ヽ　　　　＼
　　　　　　　　　　　, '／, /　　　｀ヽ― ､　＼＼　　　ｖ
　　　　　　　＿ /　 / .: 　　　　　＼　＼　＼＼　　∨
　　　　　　　　＼/　 /　:{　　　　i　　　ｖ　　　　＼〉__　∨
　　　　　　　　　/}　 ,'　　{　　　　Ｎ　　　:. 　 ∨　　∨)　 ∨
　　　　　　　　〉　 .:　　 {　　　　{　＼　 }　　 ∨　　∨――ｧ
　　　　　　　　 '　　 {　　 :.　　＼{　, ' ＼ﾊ　　 ∨　　∨乂Xｖ
　　　　　　　　| {　　{　　　　､　　＼ ,ｨi斧竿ｱ　〉　　 ∨乂X}
　　　　　　　　| {　　{　 { ￣　＼　　＼乂ｒソレｲ　　　ﾄ乂X.ｖ
　　　　　　　　| {　　{　 { ｨｆ斧㍉＼, '⌒)　　　 }　　　 } ＼乂ｖ　　　　　　　崔悦。
　　　　　　　　| ∨　{　 {《乂ﾂ　,　　　　　　　ノ　　　 ,'　　＼}
　　　　　　　　|　∨ i　Ｎ　　　　　　　　　　 ⌒７　／: ､　　 |　　　　　　　.あなたの手と記憶も貸して頂戴。
　　　　　　　　 ,ﾉ ∨　 {.人　　　ｒ　　　ｧ　　　/ ／: : : : :ｖ　　 |
　　　　　　　／　 ∨　{ : : ＼　　　　　　　 ,'ｲ ∨¨¨＞､∨　 |　　　　　　　私たちの主が
　　　　　　 ⌒７¨¨ .∨ }: : : : :＞__　　　／　＿レ´ 　 } :∨　|　　　　　　　逆賊で終わるのは絶対に許されない
　　　　　　　　|　　　ﾊ八: : : :{ (＿}＞＜　 _＞ ´　　　　:: : ｖ　|
　　　　　　　　|　　　,'　　ｖ: : {　　　)　　「/　　　　〈〉　ト､ :Ⅵ
　　　　　　　　|　　 /　　　{: : 入　　|‐　 ‐/　　　　　　　,}:::〉＼|
　　　　　　　　|　 ./　　　 :{／　〈〉　|　　/　　　　　　　 ,'::/　　＼　　　　　　.γ￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　|　/ i　　 .: :{　　　　 |__ /　　　〈〉　　　/,:'　　〈〉　｀ヽ　　　　 |　　　当然よ　　　|
　　　　　　　　|./　{　　.:　:{　　　　　レ　　　　　　　／　　　　　　　　〉､　　ヽ＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　　,/　　{　　　 :{　〈〉　　/　　　　　　　　　　　　　　〈〉　　:/‐_ｖ
　　　　　　　/　　　　八　 { 　 _ _ 人　　〈〉　　　　　　　　　　　　　 /-_-_}
　　　　　 ./〈〉　 { /　＼{／//}ヽ ∨　　　　　　　　　　　　　　　/-_-_-}
　　　　　ム ――{,¨¨¨¨ {////:}　}､ ∨　　　　〈〉　　　　　　　　/-_-_-_ハ
　　　　　／　〈〉／}￣￣乂//ノ／∧ ∨　　　　　　　　　　　　/-_-_-_-_-_
382 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/04/15(土) 01:20:07.58 ID:MYxhzpKe0: _,..､-''"~""''';,‐-..,
　　　　　　　　　　｀ﾞ''ｰ-､,__,,..-‐''"'''- ．_,,..-‐''~"~"'''''‐-
　　　　　　,__,,..．-‐　'''""　　　　　 , -'"　　　　　　　　　｀`丶､.
::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;''.:i;;:;: :::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:i;;:;:..
　　　　　　　　 ...::..:..:..::::..:..::.:..:...::..:.il.::::::::::l:ｌl＝ｌll:::::::l:::l:::::::l::.:il::.:....
　　　　　　　　　　　...::..:..:..::::..:..::.:..幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵:::..:...
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　　　　　　　_,,.-‐''"　　　　＿,,.. '　　
　　　　　　　　　　　　 ┌─┴┴─┐　
　　　　　　　　　　　　 │ .段　部 .│　　　　　　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　 └─┬┬─┘　　　　　　　　　 |　　　　私たちは諦めない　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　 ││　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.γ￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　絶対に　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿乂
／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、　
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/　　　　　　　　.太興三年(三二〇年)。
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/　　　　　　　　　　劉琨の故吏の従事中郎盧諶・崔悦らが
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:′　　　　　　　　　　劉琨の道理を上奏したと『晋書』『劉琨伝』は記す
　∧＼　ﾏ三ｿ| .＼　
./: : ＼＼ヾ-〃 ..∧　
ｌ; : : : : ＼＼.り／: : :i
383 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/04/15(土) 01:22:11.72 ID:MYxhzpKe0: 【紀元３２０年冬　晋　幽州　令支】

　　　　　　　　忘れ物はないか？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (~)　　　　(~)　　　　　　　　段末波様の璽は持った
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(~)　　γ´⌒｀ヽγ´⌒｀ヽ　　(~)　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　γ´⌒｀ヽ {i:i:i:i:i:i:i:i:} {i:i:i:i:i:i:i:i:}γ´⌒｀ヽ　　　　　　　　　上奏文一式も持ったぞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {i:i:i:i:i:i:i:i:}（　´・ω・)(・ω・｀　）{i:i:i:i:i:i:i:i:}
　海怖いから陸路じゃダメ？　　（　　´・ω)（::::：::Ｕ）（つと:::::）(ω・｀　　）　　到着後は温嶠って奴を訪ねろと盧諶様が
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（::::::Ｕ::：)（　　　´・) (・｀　　　）(：::Ｕ::::::）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　し─Ｊ　（l::::○::::）（:::::○::::l）　し─Ｊ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　し─Ｊ　　し─Ｊ　　　　　　　嵐に遭いませんように
石勒や段匹磾に捕まる可能性が

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八_ノ. . . . . . 八::::ヽ^'，::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/. .／￣￣ノ:. :＼:. :.:'，::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉/／)¨¨´:.}:. :＼:. ＼:.'，ﾉ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /／／.: ./⌒＼＼:. ､:.，＼　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .乂__／.:/／ x==ﾐ}/:.:.＼:.:l､:::::＼　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 八込^　　　ノ.:.::|:. :.. :| ＼::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:. :､::.､Vフ　|.:.: /.:: .:: |　　＼::::::
　　　　　　　　　　　　船が沈んだら一巻の終わりです　　　　　　　　　　　　八:. ::.≧=‐≦､／.: .: .:ﾉ　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼:. .: ノWノ.:.:.:.:／-ﾐ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l.:)／个､(.:: ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｢__//::::/:::::|八＼　　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//　⌒¨⌒゜ |/,　＼____〕
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八: : : 0: : : : :|//, 　　___| 　　　

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　『晋書』『元帝紀』によれば、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　翌太興四年（三二一年）二月に段末波が皇帝の信璽を送ったとある。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .時系列を考えると、この時の使者が盧諶らの上奏文を持参したのだろう
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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384 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/04/15(土) 01:23:46.28 ID:MYxhzpKe0: ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__ｨ‐'￣｀ヽ
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::ヽ
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|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::::::::::::::::::＼
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::::::f ＼::::::::}
|　　　　　　　　　　続く　　　　　　　　　　 .|:::::::::::::|　　ゝ::::|
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::ヽ　　∨
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ー:､::::::::::ﾍ
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::::::::ヘ＿
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　　　　　　　　＼::::| |:::::::::ィ !{　ﾊ T tｰr ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
　　　　　　　　　` | |ー--ﾚﾘﾙ|rfiﾃヽl ｲﾃz rr----――― ' " ´
　　　　　　　　　　　 | |　　　ヾN ゞｿ　　ゞｿ//　　　　　　　　　　　　　　　　　もう少し続く。
　　　　　　　　　　　 | |　　　　＞:´|､　 -　　,|`:＜
　　　　　　　　　　　 | | 　　　 |::::::::| ＞　イ |::::::::|　　　　　　　　　　　　　　　　お疲れ様
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385 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/04/15(土) 01:28:21.96 ID:LnPH3zXz0: 乙
386 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/04/15(土) 01:51:10.63 ID:Qv7YKiuH0: 乙ですー
盧諶たちが東晋の役に立っているのか立っていないのかよく分からぬ
まあ自由に生きられる人も滅多にいないか
387 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/04/15(土) 06:44:29.41 ID:0UWOsgUNo: 黒略が癒しキャラに
388 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/04/15(土) 07:24:14.45 ID:Gb9UyFm00: 乙でした
こうして見るとこの時期は各地の故族と東晋の覇権争いに見えるけど
陰では名族の影響力争いもガッツリ繰り広げられてるんだなあ
389 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/04/15(土) 07:28:31.96 ID:ghxqHI1C0: 乙でした
まさかこれは異民族同士を争わせる策の内情なのか、と思わせる状況に
390 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/04/15(土) 16:27:18.62 ID:ELLOdWPR0: >>1乙ー。
391 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/04/19(水) 22:51:01.38 ID:oZRt6SlN0: 乙です
何だかんだ西晋の遺臣たちにも高潔な忠臣が多かったんですね…
劉琨さんだって一流ではないかもしれないけど忠烈としか言いようのない生き様だったし
392 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/04/20(木) 10:39:13.18 ID:cPiqhmHfo: まあそれでも晏嬰の言う社稷の臣はいなかったんだろうなあ、と
393 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/04/20(木) 23:38:13.72 ID:XRvGycYs0: 社稷の臣にはなれなかったけれども、それでも自分の出来得る限り最大限あがいた忠義の臣って結構くるものがある
394 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/04/21(金) 01:00:06.49 ID:da61Vqmq0: そんな劉琨さんにも賈謐二十四友だったり司馬倫陣営で活動したりしていた過去があるという
395 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/04/21(金) 23:33:13.28 ID:gYi/ookJ0: まあ楊駿→趙庶人→司馬穎と故主の仇に尻尾を振り続けた人もいるからね…
父祖の名を汚す無様な行いと悲惨な軍事的才能で残当な最期を迎えた割に、後世に芳名を残しているけど
396 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/04/21(金) 23:35:54.05 ID:gYi/ookJ0: あ、賈謐に尻尾を振ってたのを忘れてた
397 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/04/21(金) 23:43:45.71 ID:LQhSve250: >>395
「悲惨な軍事的才能」ならもっと早く死んでただろう

とは言え、一方で石勒を見ると、諜報能力の高さがずば抜けている
敵の怪しい使者は未然に始末できているし、自陣営の謀略は漏れないし
398 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/04/22(土) 00:44:42.93 ID:IJCmSWwq0: 劉琨と陸機を比較しても、どちらも悲惨な最期だったとしか…
399 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/04/22(土) 11:35:11.64 ID:cJIYTpB90: まあでも独り北の地で抗い続けた忠臣と自軍にも憎まれた蝙蝠男では最期の印象がぜんぜん違うのも確か（暴言
400 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/04/22(土) 17:48:28.22 ID:nZFsXr6F0: でもああいった名族名臣達の忠義の対象って何なのか、と考えたくもなりますね
直接の目上なのか、頂点にいる皇帝なのか、王朝の如何を問わぬ中華という枠組みそのものなのか
401 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/04/22(土) 21:15:28.94 ID:wgQLU2KC0: 八王の乱のあとだと西晋と皇帝が忠義を向けるに足るか考えどころな気が…
402 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/04/22(土) 21:26:52.91 ID:tn3vxK9XO: 田中芳樹先生もよく書いてるけど「忠誠を向けられる対象もそれ相応の資格」が必要やから……
403 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/04/22(土) 21:36:56.41 ID:fzCe0RNX0: 監督によっては選手も戦う顔しなくなるという
404 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/04/22(土) 23:25:24.44 ID:gqs9pcqT0: とはいえ、当時としては他に向ける対象もないしね＞忠誠
405 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/04/22(土) 23:43:36.91 ID:3MwQ6aKe0: >>400
名族ほど忠義は方便で一族第一な感がある
406 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/04/22(土) 23:43:57.25 ID:sKFm6DF00: >>401
晋という旗印を仰ぐに足りると認識していた人が、それでも大勢いたことはこれまでの展開で解説されています。
してみると、いつまでも八王の乱延長戦をやっていたのが、つまり内ゲバから最後まで抜きん出た存在が現れなかったことが、
最終的な敗因でしょうか。
407 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/04/23(日) 00:04:12.41 ID:wGdLs1iqo: >>405
後の王朝みてると宦官の方がよほど忠義の臣じゃねってパターン目立つ
（勿論、カスの方が悪目立ちしてるけど）
408 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/04/23(日) 08:17:09.72 ID:snG3+y1v0: 陸機さんの評価ズタボロで草
409 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/04/23(日) 11:58:42.05 ID:pje2m9Je0: >>407
宦官は貴族官僚といった「国家機構の一員」ではなく「王・皇帝個人の家臣」なので主君一人に対してはわりと忠実
ただし「主君のためになる」事最優先なので「国家のために」君主に意見する高官達と衝突しがちだし
その主君がいなくなると秦の趙高みたく「義理は果たした」と言わんばかりに好き勝手始める宦官も出がち
410 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/04/23(日) 14:48:33.45 ID:rJSYlvomo: 司馬遷とか、もうちょっと先で出てくる万人の敵とか、鄭和とかは
切っちゃったってだけで宦官ってカテゴリじゃないのかな
童貫は微妙か

＞「王・皇帝個人の家臣」なので主君一人に対してはわりと忠実
北魏太武帝「・・・」
大燕聖武皇帝「・・・」
明正徳帝「皇帝くらい譲ったったのに」
411 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/04/23(日) 21:50:36.90 ID:GzNoaitC0: 趙高とか義理があったのかすら疑問なんだけど実際どうなんですかね
国傾けて滅んだら速攻トンズラかました奴も50年くらい前にいたし…
412 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/04/25(火) 08:54:08.42 ID:bU2r2466o: 趙高さんは史記を素直に読んでると秦をくっそ恨んでて意図的に滅亡するように仕向けたようにみえる
413 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/04/25(火) 09:30:09.95 ID:VWKNKrxYO: どっちかというと獅子身中の虫ってイメージの方が強い
414 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/04/27(木) 01:11:31.93 ID:OA7zuGJN0: 趙高、王莽、楊駿
同じようで少しずつ違うレジェンドたち
415 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/04/27(木) 05:29:54.15 ID:Kws1q+MZo: そんなかだと楊駿さんが「悪人にもなれない小物」感が溢れてる
416 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/04/27(木) 15:15:03.32 ID:uMrO3cgU0: 北宋には童貫とか言う筋肉モリモリマッチョマンの宦官までいたしな
417 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/04/27(木) 16:18:51.09 ID:+KunF8EI0: 皇帝の遺言を偽造して実権を握るとか相当な悪党だけど思うけどな
残虐ではないってだけで
418 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/04/27(木) 21:40:40.20 ID:rm9Jni/A0: 楊駿は、政権取った後に何をするつもりだったのかが本当に見えない
まあ、すぐ倒されたせいで、腹案はあったかも知れないけど
419 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]：2023/04/30(日) 19:11:08.45 ID:OFFksiLCo: 『対馬の幽霊/Ghost of tsushima』
難易度:難しいその1
(18:36～)

https://www.twitch.tv/kato_junichi0817
420 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします ：2023/05/01(月) 21:02:46.71 ID:KXb7ZW0S0: ＞皇帝の遺言を偽造して

　そういや魏朝でもいましたな孫の字さん。孫礼くんじゃないからね。司馬家に天の梯子をかけちゃったよね。
421 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/05/01(月) 21:34:59.88 ID:/Jww84zG0: いい加減部外者はsageで書き込むって覚えたら？
猿や鳥より学習能力無いんじゃねーのかお前
422 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/05/02(火) 10:28:17.61 ID:Fl2GJlNH0: 「部外者」って
そもそもあなたは一体何の身内なのよ（笑）

掲示板のルールにも無い
スレ主が呼びかけているわけでもないことを勝手に絶対的ルールにして
毎度見るに堪えない言葉を吐いてる方がよっぽどスレを汚してるわ
423 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/05/02(火) 20:04:01.49 ID:lv9JiFGr0: まあsageるに越したことないが
マナー違反にキレてマナー違反した奴を殴る
石虎みたいな事してる様じゃキチにしか見られないわな
424 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/05/02(火) 23:41:01.16 ID:asqd1Pb30: sageしてないニキをいつも口汚く罵る輩は正直見るに堪えないです（小声）
石虎どころか孫峻・孫綝の手合ゾ
425 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/05/03(水) 07:30:37.93 ID:dDYQTyL60: まあ一昔前の2ちゃんならともかく、今はちょっと目を離してたらすぐdat落ちするような時代じゃないし
定期的に保守ageしないとスレが落ちちゃう！　・・・なんて神経質になる必要はありませんから、多分
426 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/05/03(水) 23:23:17.90 ID:Tlcjk+Ob0: こいつが現れたのって結構最近だと思うしそれが部外者がどうのってただの荒らしだと思ってるが
こういう変なのに目をつけられないようにsageた方がいいのは事実なんだが
427 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2023/05/04(木) 02:10:09.46 ID:KIr138q00: そうしたところでこの手のやつはまたほかのことで難癖つけて荒らすやろうな
428 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:04:52.66 ID:rs3FrmGi0: 【>>383の続き】

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429 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:05:31.48 ID:rs3FrmGi0: 　　　　　　　　　　　○壺関　　　ト､_　　　　〇鄴　　　　　　　　　　〉
　　并　　　　　州　　　　　　　　　| 　｀`ヽ､_　　　　　【魏郡】　　　　　,/
　　　　　　　　○長子　　　　 /　　　　　｀`ヽ､　内黄　　　　 _,/ 　〇
｀‐-､　　　　　　　　　 _,,ノ′　　蕩陰×　　｀, 　 ○　＿,,,-‐´　　東武陽
　　ｌ　　　　　　　　　　「　　【汲郡】　　　　　　,'　　／　○　　　　　　　　　【東平国】
　　 ,!　　　【上党郡】　　ｌ　　　　　　枋頭　 /黎陽/　頓丘　【東郡】
　（　　　　　　　　　　　　　〉　　黄橋〇　○　i´ ○／河　　　　　○鄄城
　　 `ヽ､　　　　　　　 /　　　　　　　　ヽ／ ○　　 ○濮陽　〇廩丘　　　【山陽郡】
　　　　 `ヽ､　　 _,,,,,,-‐'′　【河内郡】　　／　白馬
　　　　　 `‐-‐´　　　　　　　　　 ,-‐'´○東燕　　　　　　　　　　　　　昌邑
　　司　　　　　　　　　　　　　　隷　_,-‐'i´ ○延津　　　　　　【済陰郡】　○　　　　　○
,_　　　河橋　温　　　○懐_,,,-‐'´黄　｀-､　　　　　　　　　　　　定陶
　｀｀`‐-,,　_○　○ ＿,,,-一'´ ×官渡 ○陽武　○封丘　　兗　　　　州
　　　　　￣｀ﾞ~~~´　　　　〇滎陽　　　　 !浚儀　　　　　　　　　　　　 ,-､
　　　　　 ◎洛陽　　　　　　　　　 ○ ｀○､　陳留　　【陳留国】　　／　/　 _,,,_
　　 ○　　　　　　【河南尹】　　　　中牟○ ● ○　　　　　　　／　（_,／　｀ヽ
　　河南　　＿,,..-‐- ､,＿　○密　　　　,,開封蓬陂　 ○雍丘　 ,,-‐′○蒙城
　　○　　('´ 　○輪氏　｀､　　　　 ,／　　　　　　　　　　ヽ　　　【梁国】
　新城　　｀`'''‐-､,,_　　　｀‐-‐'''´´　｀~~`ヽ､　　　 ,,_○圉＿,,-‐′
　　　　　梁○　　 _,,) 　　〇陽翟　　　　×洧倉.--′｀´○陽夏　　　　　　　　　　　　　蕭
　　　　 ,,,_　　 ,ィ´【襄城郡】　　　　　 ○許昌　　　　　　　　　【陳国】　　　　　　　　　　　○
　　　 ,／　｀~´　ヽ　　　　　○　　【潁川郡】　　　　　　　　　　　　　　譙
　　,／　　　魯陽）　　　襄城　　　　　　　　　　　　　　　　 ○寧平　　　○　　【譙郡】
,,／　　　　　　　○ ｀`'''i　　　　　　　豫　　　　　州　　○陳
　　　　　　　　　　　ゝ,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　荊　　　　　州　　　）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　【南陽郡】　/　　　　　　　　　　　　　　　南頓　　　　　　　
　　　　　〇宛　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○　　　　○項
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【汝南国】　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　安城
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○　　　　○新蔡
／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､
: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/　　　　　　　　　　七月。
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/　　　　　　　　　　　　祖逖の軍勢が
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:　　　　　　　　　　　　　.石勒軍の前線基地と化していた蓬陂を陥落させた
　∧＼　ﾏ三ｿ|　＼
./: : ＼＼ヾ-〃＿ !＿＿＿__　
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/　　　　　　　　/
i: : : :::＼::＼i../　　　　　　　　/　
430 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:06:23.92 ID:rs3FrmGi0: 【紀元３２０年７月　晋　兗州　蓬陂】

　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　／''''''　　　'''''':::::::＼
. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|　　　　　　　　祖逖将軍。
　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|
. 　 |　　｀-=ﾆ=- '　.:::::::|　　　　　　　　蓬陂の石勒軍が夜の間へ北へ逃げた模様。
　　＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／　　　
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､　　　　　　　兵站を絶ったのは正解でしたな
:　　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|　
　　＞　　ヽ. ハ　 | 　 |｜　　　　　　　 /　/　　!　　　　　　　　　　　 !ヽ　　　　　　　　　 |ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/　　 !　　　　　　　／`∧､〉　〉_.-‐── -　､　|　＼＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/　　　　!　　　　　　/:::::::/ ヽ|／:::::::::::::::::::::::::::::::::＼／::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　{　　　　　!　　　　　/:::::::::::￣::::::::::::::_:::::::::::::::::::::::ヽ:::::ヽニフ＿:::_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|　　　　　 !　　　 /::::::::::::::::/ ::::::: /　|:::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::ヽ:::::::::::::ト
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|　　　　　 !　　　/::::::::::::::::∧ ::::::/　　|::::::::::|::::::|:::ヽ:::ヽ:::::|ヽ::::::::::::!` ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|　　　　　 !　　/／::::::::::::|::/ :::/　　 |:::::::::|ヽ:::!ヽ:::ヽ::ヽ::|::ヽ:::::::::::..　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|　　　　　　! ／:::::::::::::::/:∧{:::::|｀`丶､|ヽ:::::|_,,ヽ|-ヽ::|::::|人::::ヽ::::::::::ヽ　!〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|　　　　　　/::::::::::::::::::/:/ {!'.:::::|ｨ〒ﾑ　　ヽ.| ,ｨ==r､ヽ|::::|　|＼::ヽ:::::::::ヽ
腹が減っては戦はできぬってね　　|　|　　　　　 /:::::::/:::::::::::/　 |　ヽ! 弋ツ　　　弋ツ/´/!::|　 |::::::＼::ヽ:::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|　　　　 /::::::/:/:::::::::/　　　／ヽ'''''　　､　　 '''''／/|ﾘ/　　ヽ::::::::＼::ヽ::::::＼|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨ─､ｨ､　　/::::::/:::|:::::::::::::|　／::/.　､　　r - .,　　ノ |:::〈　　　　＼:::::::＼|:＼::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉─-┤ 〉　/::::::|:::::|::::::∧:::|／/::/　　＞. ヽ .ノ　イ　　|::::|　　　　　＼::::::::|::::::＼:::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |/─-┤/　 {::::::::|::/|::::/　〉´| /::/　　　＿ |　` ´ 　.|　　 |ヽ|　　　　　　　＼:::|::::::::::|:::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `!￣二!'〉　　〉:::::|/ |::::|　/∧ｨ::/─‐/　 /　　　　.〉ヽ__|＿＿,,.. -　‐　'' ､ヽ::|:::::::::|ヽ::::::|
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./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　蓬陂での対陣は約四十日に及んだが、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　祖逖軍が蓬陂へ兵糧を搬入しようとした石勒軍を汴水で撃破。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .兵糧不足に陥った蓬陂の石勒軍は宵闇に紛れて北の東燕へ撤退した
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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431 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:06:56.85 ID:rs3FrmGi0: 【紀元３２０年７月　晋　冀州　襄国】

＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
　)　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
＜　我が軍は東燕へ撤退！！＞
　<　　　　　　　　　　　　　　　　　(
　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌冂冂｢:|丁Ｔi　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､
　　　　　　乂　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＿＿＿|_ 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　 X爻爻爻爻爻爻爻爻
　　　　　　　　爻爻爻爻爻ﾞ　　　　　　　　　ｒ┐┌iT┤＿＿__|二ﾆ|　　　　　　　　　　　　　　水爻爻爻淡淡淡乂乂乂乂
　　　　　⌒￢爻爻爻⌒　　＿_　　　　　　 |:└└ :|└ L.|.:.:.:.|￣｢　　　　　　　　　　　　　　　乂爻淡淡淡爻爻爻淡淡淡
　　⌒爻爻爻爻爻爻T丁「| |｜|　　　　　 |: : : :_:_:|＿　｜.:.:.| 　|　　　　　　　　　　　　　　淡淡淡炎炎爻爻炎淡炎爻
メﾐ　メ爻爻爻父父爻爻爻''|＿|　　　_┌Г|￣卩: :|　ﾛ ¨| : : | 　|　　　　　　　　　　　　　炎淡淡淡乂乂父炎淡淡炎炎
乂爻爻爻乂乂乂乂乂ミ＿ |┌|_冂「 |└二|: : : : : :|　　　|丁Ｔ┬Ｌ　　　　　　　　　　　　　　淡淡淡炎炎淡戀戀淡淡淡
い乂爻父乂乂乂乂乂乂乂≧s｡　　,｡s≦ﾏ≧s｡: :.:|_┌'¨:|￣￣~~||li　　　　 |¨|_|¨|_|¨||¨||¨淡淡淡炎炎炎炎乢刑淡炎
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爻爻父父炎灸炎i爻i爻jﾉ⌒|┌i |￣|┌┐:|　卩|￣＼|:.＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／'
￣|｀｀``爻彡从ミﾐ'⌒∩　　 |└' |─|└┘:| 　　¨¨¨¨¨|≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ|i:i|　∪　∪　　 |　　ﾞΤ¨¨¨~~:|　　　 -=ニ　　　　祖逖の配下の軍勢は封丘まで進軍！！　　≦
￣￣￣￣￣|i:i|洲州ｘｘ　　　|　п |￣|　　 |　ﾛ　　　　:|≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦
　|￣| 　冂 |i:i:|洲洲洲￣￣￣￣￣￣￣　　　　　　 :|／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼
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￣￣￣￣＿＿　　　　‐……￢冖ﾆ二三三￣　　　　=ニ　三三　ﾆ……===ニニニﾆﾆ|＿　　 |　　　　　　　　￣￣
￣￣￣───………………ΞΞΞΞΞ　　　　　 =ニ　 =三　ニ　　====ﾆﾆﾆﾆ￣三三三三￣三三二ニ=…ー
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: ────‐ΞΞΞΞ　　　＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／==＝＝＝三
　: : : : : : : : : : : : ──==＝ΞΞΞΞ 　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ : : ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-=ニ　　　　祖逖は雍丘に駐屯している模様ッ！！！　　≦
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼
432 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:09:33.08 ID:rs3FrmGi0: 　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　ﾄ､
　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ　　　　　　　　　申し上げます。
　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ　　
　　　　　　　　　l　l　　´＝｀　l　　　　　　　　　　　　祖逖配下の騎兵が濮陽周辺で民を捕らえています。
　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ＿,､__ノ　　
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､　　　　　　　　　　すでに五百家が祖逖に降ったとの事
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､　
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::! 　
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿.,. -‐- ....､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 x≦〃〃／ミﾐミﾐミ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ﾉノﾉ〃ヾ⌒彡ミミﾐミﾐ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ミﾐﾙ'　／＿＿ヾ彡ミﾐミﾐ､.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ﾐ'''´ 　 {∠仡孑　　`ヾﾐﾐ毛刈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　';ﾊ, ｀〕､ Yミ　　　　;::::　∨ソYﾊ　　　 x≦￣ア´　　
　　　　蓬陂の陥落に関しては、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }:( くﾂ1 | っ　　　 {:::　　　ｰりﾘ　／ :::::::／:::::
　　　　現地の住民を移住させていたから問題はない。　　　　　 .ヾ:ヽ ,ﾉヾｰ'⌒ヽ　ヾ　　 Y￢从〃:.:.:.／:::::::::::　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ { √￣~｀ヾ　　　　 Y ヾﾘ ||:.:／ :::::::::::::::
　　　　だが、東燕まで退いた事で　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　沁ヾ　⌒　　　　　:／　　 /∧:::::::::::::::::::::::　　　
　　　　民に我らの弱さを見せる結果になったか　　　　　　　　　　　　　　ﾊ　　r::.......,..::／//　／:::::::::≧=＝＝＝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '､　{///,／///　＞'ﾞ´:::/:|幵幵幵幵
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀T¨¨´///＞'ﾞ´::::::::／:ﾆ|幵幵幵幵
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.．-―∨　　／::::::::::::／ :三圦W幵　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/////::∧／::::::::::::／ :::三三/八幵　　　　

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　東燕は黄河の南岸に位置している。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　石勒軍の防衛線が黄河まで下がった結果、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　祖逖に兗州で好き勝手できる余地を与えたと言って良い。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　早速騎兵を使って濮陽の住民を捕らえ、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　手厚く待遇した上で帰還させ、彼らの心を得て帰順を勝ち取っている
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
433 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:11:02.69 ID:rs3FrmGi0: 　　　　__,ﾉY∨　　　　　　　　　ﾉノ}
　　 _,人　　ﾉ　) }}　　　　　＿　 ,ﾉｨ　　
　　冫　､　《巛《　jﾘﾚﾉﾉノ⌒　　人　　
　　乂__ﾂﾄw{N{ﾘﾉノイ'⌒´{　彡'ノ　　）
　　ﾄ-{ ﾉ　　 j 　 ,ﾉ　ﾉ　∨イ彡'）　}　　　　　
　　　ﾐﾐ{N､＿〈人__,ｨｚ--ｧ人ミ　彡ﾄ､ヽ
　　　ミｉ r‐榮ぅ {ﾝｒ‐ｔ笋ラ　｀Ｙ ,ｲ| } ﾉ　　　　　　　　　　俺の領内で人狩りなど冗談ではない。
　　　ミ} ´￣　} |　｀ヽ￣　　|　 }ﾉ_)　|ヽ
　　　　ヽ　　 |　　　　　　　{　人__／〈　　　　　　　　　　すぐに追い払え
　　　　　 lﾄ､　弋'⌒ｿ　　　 |　 /　ｊノ ,ｉﾊ
　　　　　 |ｉ　　＿＿ ,　　　 /　　ﾚ人{
　　　　　　　‘,　　､＿__　　　ノ　　　　i　 |
　　　　　　 |∧ 　〈　　　　ィ´　/　　　　　ﾄ､＿
　　　　　　 |　廴｣　イ　 }　 {　　　　　;　　　　
　　　　　／ｌ　　＼　　|　/ 　 j　　　　ﾉ　　'⌒　
　　　／　 |　　　　ヽ,ﾉ / 　 /　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＼＿／￣￣＼_／|　　　　　　　　　　　　 |＼＿／￣￣＼_／|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿|　 ▼　▼ |_／∧彡　　　　　　　　　＼＿|　 ▼　▼ |_／∧彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　皿／ _彡　・＼　　　　　　　　　　　＼　皿／ _彡　・＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（　⊃　⊃彡　人.ヽ.）　　　　　　　　　　　　（　⊃　⊃彡　人.ヽ.）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,-(＿)--y"'''--/'''"￣　　　　　　　　　　　　,-(＿)--y"'''--/'''"￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　=≡=（｜石.｜　　ヽ　　　　　　　　　　　=≡=（｜石.｜　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / └─‐┘　　　）　　　　　　　　　　　　 / └─‐┘　　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　ノノ￣丶　　ｿ　＼　　　　　　　　　　　 /　ノノ￣丶　　ｿ　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .（⌒;;／／/ /　　　　＼ヽ＼ .＼　　┣¨┣¨（⌒;;／／/ /　　　　＼ヽ＼ .＼
　　　　　　　　　　┣¨┣¨┣¨（⌒;;（⌒;;《_/　《_/　　　　　　ヽ/ラ丶/ラ　 .（⌒;;（⌒;;《_/　《_/　　　　　　ヽ/ラ丶/ラ

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　さすがに石勒も見過ごせず、精鋭騎兵一万に祖逖軍を防がせた
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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434 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:13:19.77 ID:rs3FrmGi0: 【紀元３２０年秋　晋　兗州　陳留郡】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-　　￣　　ミ､ <＾ヽ　　　　　|＞､　＜｀ヽ　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　イ　　　　＜ヽ　..,,＿＞｀　￣ミニ - ﾐ､　％　ヽ　｀　ニ二ミi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　_　-　　｀ー- ≠　　　　　　　　_　　　ヾ　＿j　 j　　　＼　ヽ }i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　＞　´ 　イ　　　￣　ﾐy = ＜　　ﾐ　、　 ‰ - ´.　　　　＼ } }i
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　´ ,／　　／　　　　　＞　 }　　　　ﾄ　　　 i　　ﾊ　ﾐ　　　　　ヽ }i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´　,／　　／ '　　　 ,／　　　l}　　　　 }　ヽ　 l}　　.:　＼　　　' ,　　ヽi
　　　　　　　　　　　　　　　／　イ　　／　　イ　j'　　　／　　　　j}　　　　 j}　　 i}　ﾚ　　l　　　＼　　'i. 　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　／／　/　／　　 /　　 j{　　ｲ　　　　　,i}　　　 ,i}　　　l}　:　　 !　　　　　、 .}l　　ｊ　ヽ
　　　　　　　　　　　　　イ／　 /　/　　　/　　　ィ　 /　　　　　 /　　　　 /　斗　レr ､　 ,′ 　　　　､}l　　ﾄ　　ヽ
　　　　　　　　　　　　イ　ｬ ´　　 ,　 /　　　j　／　 l　,/＿＿　／Ｌメ､厶／,.イ,.ｬ泛ﾚ′ } /　　　　　　　　　}l　 }l　ﾍ　
　　　　　　　　　　イ　 ´％　　　　:　 l　　　　l{ i　　　レ/::::::::::::::〉厶. 仗ﾑ　　'　'^込沙ﾘ_ノ/　　　　　 __/^!/^! }l ヽ }　
.　　　　　イ　　´ ／　　　　　　l　　. 　　 l{ {　　　|/::::〈:::::'rv⌒ヽゞ≠　　　　　ム.─　　　 _,.￣,,_/ノ/ノ!.jl 　 /ヽ
　　　　／　　´ 　 /　　　　　　　乂　乂　　　j{　　〈 V:::::';::::Y　　ぃ　　ヽ_　　　／ヾ＞．　　//////,ヾ/ノjｌ　_ 　-＝
.　　／　´　　　　 l　　　　　　　　｀　ミ､　 _　{ -ヽlヽ::::L人　　ﾍ＞　_ ｀　イ＿＿_〉､マ＞．/,_　　- ＝ﾆ三三ﾆ=
.　 //　　　　　　　乂　　　　　　　　 _　 -ヽﾄ　　ヽ　｀ーＶ || ヽ　　　￣　　｀⌒ヽ :::::::: _＞- ＝ニ三三三二 -　　　　
　 '/　　　　　　　　　　　　　 _　 -　　　　　　j　ヽ　ヽ.　　　 || 　）　　 /　　/　　 j. ｀!三三三三二ニ＝￣＞．　　　　
.　{|　　　　　　　　 _　-　　　　　　　　　　　　　　_　　ヽ　-‐ =＝ﾆ二/　　/　　ﾉ　/:=- 　丁/////// 　｀＜＞．　
.　､　＿.　　-　--　＿＿　　 - ‐=＝ニ二三三三三三三三二ﾆ= {　　/　　<. イ :::::;'　　 .}///////.　　　　｀＜＞
‐ ＝三三三三三三三三三三三三三三三二ニ＝‐　　_ノⅤ　／　｀ ´ヾニ´::::::::::::ノ　　　ﾉ//////　　　　　　　　　｀
ﾆﾆ-‐ 　￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ( ＿　イ＞　。..,, ＿_ ＼￣｀ー-　´　}/////　　　　_ ,,...　-‐　　
￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨///////////////ﾊ　　　　 /,'////　　　ｨ≦ -‐　　￣ -
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Ⅶ///////////////}　　　　 /,'////　　 /´　　(　￣

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　しかし、再び祖逖に撃破された
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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435 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:14:37.95 ID:rs3FrmGi0: 【紀元３２０年秋　晋　冀州　襄国】

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　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　ﾄ､
　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ　　　
　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ　　
　　　　　　　　　l　l　　´＝｀　l　　　　　　　　　　　　先日の敗戦で、祖逖に帰順する者が増えました。
　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ＿,､__ノ　　
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､　　　　　　　　　　我が軍の拠点の者も含まれているとか
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､　
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 x≦〃〃／ミﾐミﾐミ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ﾉノﾉ〃ヾ⌒彡ミミﾐミﾐ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ミﾐﾙ'　／＿＿ヾ彡ミﾐミﾐ､.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ﾐ'''´ 　 {∠仡孑　　`ヾﾐﾐ毛刈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　';ﾊ, ｀〕､ Yミ　　　　;::::　∨ソYﾊ　　　 x≦￣ア´　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}:( くﾂ1 | っ　　　 {:::　　　ｰりﾘ　／ :::::::／:::::
　　我が軍の者がそうなら、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ:ヽ ,ﾉヾｰ'⌒ヽ　ヾ　　 Y￢从〃:.:.:.／:::::::::::　　
　　兗州の塢主たちも祖逖への帰順を考えているかもしれん。　　.｀ヽ { √￣~｀ヾ　　　　 Y ヾﾘ ||:.:／ :::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　沁ヾ　⌒　　　　　:／　　 /∧:::::::::::::::::::::::　　　
　　人質がいるから大丈夫と言いたいが、以前の邵続の例もある　　　.ﾊ　　r::.......,..::／//　／:::::::::≧=＝＝＝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '､　{///,／///　＞'ﾞ´:::/:|幵幵幵幵
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀T¨¨´///＞'ﾞ´::::::::／:ﾆ|幵幵幵幵
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.．-―∨　　／::::::::::::／ :三圦W幵　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/////::∧／::::::::::::／ :::三三/八幵　　　　

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　『晋書』『祖逖伝』に曰く。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　石勒の鎮戍で祖逖へ帰順する者は非常に多かった
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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436 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:17:22.12 ID:rs3FrmGi0: 　　　　　　　　 ,ｨ彡彡　　　　｀｀` ﾞ｀`ﾞ｀ヾ､´ﾞ´　　　ミﾐミﾐ　　
　　　　　　　　　.ｨ彡彡　　　　　　　ﾘ　　　 :}　ﾐミﾐﾐゞ￣⌒ヽ　　
　 .　　　　　　　ｨ彡彡' 　 {　　　U ヾ　〃　　 U　 }　ミﾐﾐﾐヾ.　　　＼　
　　　　　　 __ 　ｨ彡彡ヾ⌒≧x｡､__川廴,x=≦⌒ヾ; ミﾐミヾ≧x.　　　‘,　
　　　　　　／ :|　ｨ彡ｼ豸　　仁・ﾆ戈ﾐ　豸ﾆ・ﾆ戈'　ﾐ气ミzﾆﾆﾑ　　‘　　　　憂慮すべき事態ですな。
　　　　　 /　:! :!7ｨ彡ﾐ彡　亥≠ ｰ=彡,　　} ミ=　　　ij　:}i| :| /心ニﾑ.　　　　
　　　　 / 　 | :|/刈ﾐヒ〈　《: 　　〃 j　　}　　　　　　ｊﾘﾉ;{　Yﾊニﾑ　　　　　　祖逖が兗州まで進出したために、
　　　　/　　.ｉ| :|/彡ｼヽ､:{　:}.　　　八廴ノ入 'ｰ::U::/ ｲイ　ﾊ　}/ﾊニﾆ　　　　　滎陽の李矩と連携する恐れもあります。
　　　 /　　.:i:i| :l./从乂 i:i}:　|　　ｧ'´;/仆ｰ仆､｀ヽ　 :;　| :川ﾉ .,'//}ﾆニ}　　
　____/　　.i:i:ｉ:{ :{//从乂叭 J　　し∠二二二戈ヾ}　　 :}　　　 ////ニﾆﾑ　　　　.一人でも厄介な相手が二人となると
｀ヽi:i:i:i　　:i:i:ｉ沁 Ⅷ'/,}从//ヽ　　　　 .-‐…‐-　　　　.／　　 .////ニニﾆﾑ
　 .Vi:i:　　 :ｉ:ｉ心, ﾏ/:ﾊ　//心　　　　　　　　　　 .／　　　　////ニニニニ
　　.Vi:i:.　　　 :i:ハﾏ./ﾊ　 //心　　　　.:::.　　　 //　　　 ////二二二二　　　　　　 ,ｨﾚ'＼ﾉ　　jﾉ　ノ )ﾉ}
　　Ⅷ:i: 　　 i:i:i:} :}//;ﾊ　////人__＿,.二.,_＿,//　　　　　　　　　　　　　　　　　　__,ﾉY∨　　　　　　　　　ﾉノ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,人　　ﾉ　) }}　　　　　＿　 ,ﾉｨ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　冫　､　《巛《　jﾘﾚﾉﾉノ⌒　　人　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂__ﾂﾄw{N{ﾘﾉノイ'⌒´{　彡'ノ　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ-{ ﾉ　　 j 　 ,ﾉ　ﾉ　∨イ彡'）　}　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾐﾐ{N､＿〈人__,ｨｚ--ｧ人ミ　彡ﾄ､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミｉ r‐榮ぅ {ﾝｒ‐ｔ笋ラ　｀Ｙ ,ｲ| } ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミ} ´￣　} |　｀ヽ￣　　|　 }ﾉ_)　|ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　 |　　　　　　　{　人__／〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 lﾄ､　弋'⌒ｿ　　　 |　 /　ｊノ ,ｉﾊ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ｉ　　＿＿ ,　　　 /　　ﾚ人{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　‘,　　､＿__　　　ノ　　　　i　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |∧ 　〈　　　　ィ´　/　　　　　ﾄ､＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　廴｣　イ　 }　 {　　　　　;　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ｌ　　＼　　|　/ 　 j　　　　ﾉ　　'⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 |　　　　ヽ,ﾉ / 　 /
437 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:19:49.28 ID:rs3FrmGi0: 【紀元３２０年秋　晋　兗州　雍丘】

　　　　　　　　 __くヽ, -―‐ -､尸ー､
　　　　　　　　　 /{_}:':::::::::::::::::::::::::ヽ} ,!:!ﾞ::i
　　　　　　 /::/:::::::/':;:::::::::::::::::::::::ヽ:ヽ:!
　　　　　　 ,'::/:::::::/⌒';:::::::::::ﾊ:::::::::';::::ﾘ
　　　　　　 ,'::ﾉ:::::::;'__　 l::::::::ム !:::::::::}:::::i　　　　　　　　　　あら、上官巳じゃない。
　　　　　 ,'/7:::::::::l,.__｀ﾚﾚｲ,.__l:::::;:ｲ:::::::',
　　　　　 /:::/イ:':;:::',￣　 .　´￣|:ｲノi:::::::::i　　　　　　　　　.洛陽の戦以来だったかしら？
　　　　　 /ｲ::::::八:{ﾞi::!｀　＿＿　ノ! 　i::::::::::',
　　　　 /　!::::/　ﾞ |::|丶 `　 ´ィ" !| 　 ';:::::_i';._　　　　　　　.また私と一緒に戦わない？
　　　　/　,:'::/　　　_ﾞ_/=> ｀´　トヽ’　　_｣　/ヽ!、
　　　 i::! ﾉ:/　　_!　　i　i!　　　// ｀- _└i ,'　・　ｺ
　　　 |::ﾚ/　/、　 ', 　 l　i!ヽ r//　 /　￣|　i:::::ト',
　　 /!:::{＿i　ヽ　',　 _l__il!､//　 ./ 　 /　lイ'ゞ"　',

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , -‐ '´￣￣｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒ===========r‐、: : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |.―‐――‐―丨‐l┤、 :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｌ二二二二二」.ﾆ|‐{ﾐi : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {/ /ゝ､ﾉｲﾉl/ ―:::::ﾄl!: : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |l:/|/:○三三○::::::::ト、: :|
　　　　祖逖パイセンちぃーっすと上官巳は恐る恐る旧交を温めます　　　　　.|/!:ll⊃　､_,､_,　⊂⊃ﾉ: : ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/⌒ヽ__|ﾍ　丶_ノ　　uｲ:i : :/⌒i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . ＼ /:ノ从ヽ,､　 __,　イﾄ:}ﾉ/　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　//ヾゝ八__／:.:.//ﾍ､__∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、.{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ;_、_　,'

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　祖逖は攻勢に出るばかりではなく、地盤固めにも腐心している。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　当時司隷から豫州にかけての有力者だった
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .趙固・上官巳・李矩・郭黙らを和解させ、自身の節度を受けさせた
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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438 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:20:37.29 ID:rs3FrmGi0: 【紀元３２０年秋　晋　司隷　滎陽】

　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　／''''''　　　'''''':::::::＼
. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|　　　
　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|
. 　 |　　｀-=ﾆ=- '　.:::::::|　　　　　　　　洛陽からの撤収は
　　＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／　　　　　　　　見事な判断だったと祖逖将軍は仰せでした
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､　
:　　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|　
　　＞　　ヽ. ハ　 | 　 |｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒ヽ￣／⌒ヽ__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __／　　 /ミ∨／j} 　 } ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//　/　 /⌒ﾞ┴‐く{　　 l 　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //　/　 /　　　　　 {　　　　　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //　/ __厶ノ　　　{廴{ 　 l　　　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈/　/ ´/　　　　　　　 {｀ヽ＼　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈　/__,厶二　　　　 =ｰ＼　　{　｀ヽ |
　　　　洛陽は劉曜や石勒の軍勢が攻めて来るから　　　　　　　　　　　　 }/ 癶,_以ぅ　　　 ‐ﾃ忘ﾐ　＼　＼
　　　　私の手勢ではとてもじゃないけれど守り切れないのよ。　　　　　　 .〈｢ ||　　　　ノ　　｀ ┴勹ｖ―ﾐ＼ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ ||　　　　　　　　　　 |　|'＾ﾉ },ノ
　　　　だから、洛陽の民は滎陽へ移ってもらったわ　　　　　　　　　　　　　|/圦　　､_r‐ ､__,　　　　|　|/／　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //|　ﾄ､　　｀こﾟ´ 　　ノ|　|　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //│ l　|＼　　　　イ　 |　|　|　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //　|　|　| 　|ﾄ‐　　　 |　 |　|　 |　　！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //＿|Ｌ　.⊥8ﾉ　　　　　8 .|　|＿_|　　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／　/ / /ー8- 　＿,｡ｃ*ﾟ |　|　　＞､　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　/ 　 / /　|＼__ﾟ*()+･ﾟ¨　／ |　| 　 /　　ヽ　 l

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　晋　安西将軍　李矩

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　ただ、洛陽にいた趙固はこの時点で死んでいた模様。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　洛陽の百姓は李矩に帰順したため、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .洛中は遂に空となったと『晋書』『李矩伝』にある
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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439 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:21:39.06 ID:rs3FrmGi0: 【紀元３２０年秋　晋　冀州　襄国】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌‐　┌ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｨﾚ'＼ﾉ　　jﾉ　ノ )ﾉ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__,ﾉY∨　　　　　　　　　ﾉノ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,人　　ﾉ　) }}　　　　　＿　 ,ﾉｨ　　　
　　　　　　　　　　　　　　　冫　､　《巛《　jﾘﾚﾉﾉノ⌒　　人　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂__ﾂﾄw{N{ﾘﾉノイ'⌒´{　彡'ノ　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ-{ ﾉ　　 j 　 ,ﾉ　ﾉ　∨イ彡'）　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾐﾐ{N､＿〈人__,ｨｚ--ｧ人ミ　彡ﾄ､ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミｉ r‐榮ぅ {ﾝｒ‐ｔ笋ラ　｀Ｙ ,ｲ| } ﾉ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミ} ´￣　} |　｀ヽ￣　　|　 }ﾉ_)　|ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　 |　　　　　　　{　人__／〈　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 lﾄ､　弋'⌒ｿ　　　 |　 /　ｊノ ,ｉﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ｉ　　＿＿ ,　　　 /　　ﾚ人{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　‘,　　､＿__　　　ノ　　　　i　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |∧ 　〈　　　　ィ´　/　　　　　ﾄ､＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　廴｣　イ　 }　 {　　　　　;　　　　　　￣｀　:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ｌ　　＼　　|　/ 　 j　　　　ﾉ　　'⌒ヽ__　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 |　　　　ヽ,ﾉ / 　 /　　　　　　　　　　＿＿＿＿_＼
.　　　　　　　　　＿＿　　　　　／　　　ﾉ)　　i　　 } / 　 /　　　　　　　　　´￣　　--── ､￣￣｀　､
　　　　　　　　　 ´　　　　￣￣＿＿＿＿＿　　　＿　　--――一' 　／　　　　/　　　　　＼　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ノ´　　　　　　　　　 /　　＼　　　　　　　　　　　ヽ　　　　丶
　　　　／　　　　　　　／　　　　　　　　　ｒ'　　　　　　　　　 i　　　　　ー―　　　　　　　　　　＼　　＼
.　　　／　　　　　　　／　　　　　　　ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　
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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　黄河以南は悉く晋の領土となったと『晋書』『祖逖伝』は記す。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　一方、『晋書』『石勒載記』は、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .祖逖が中原を平定し、撫納によって黄河以南の多くを帰順させたとする
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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440 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:23:04.17 ID:rs3FrmGi0: 　　　　__,ﾉY∨　　　　　　　　　ﾉノ}
　　 _,人　　ﾉ　) }}　　　　　＿　 ,ﾉｨ　　
　　冫　､　《巛《　jﾘﾚﾉﾉノ⌒　　人　　
　　乂__ﾂﾄw{N{ﾘﾉノイ'⌒´{　彡'ノ　　）
　　ﾄ-{ ﾉ　　 j 　 ,ﾉ　ﾉ　∨イ彡'）　}　
　　　ﾐﾐ{N､＿〈人__,ｨｚ--ｧ人ミ　彡ﾄ､ヽ
　　　ミｉ r‐榮ぅ {ﾝｒ‐ｔ笋ラ　｀Ｙ ,ｲ| } ﾉ　　　　　　　　　徐光。
　　　ミ} ´￣　} |　｀ヽ￣　　|　 }ﾉ_)　|ヽ
　　　　ヽ　　 |　　　　　　　{　人__／〈　　　　　　　　　今から俺の言葉を書き記して布告しろ
　　　　　 lﾄ､　弋'⌒ｿ　　　 |　 /　ｊノ ,ｉﾊ　
　　　　　 |ｉ　　＿＿ ,　　　 /　　ﾚ人{
　　　　　　　‘,　　､＿__　　　ノ　　　　i　 |
　　　　　　 |∧ 　〈　　　　ィ´　/　　　　　ﾄ､＿
　　　　　　 |　廴｣　イ　 }　 {　　　　　;　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::;;;;;ミミ; /　　　　　｀ﾞ';;:::::::::::ヽ
　　　　　／ｌ　　＼　　|　/ 　 j　　　　ﾉ　　'⌒　　　　　　　　　　　　　　 /;;;;;';ミミﾐﾂ/;;;';';'';'';;''ヾ,'::::`::::::::::::::::}
　　　／　 |　　　　ヽ,ﾉ / 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:; ;::,＿＿､,＿＿＿＿_,:;:::. ;::::::::::::;'i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i::; ;;::i　　　　　　　　　　ﾞ|::'::. ;__;,-',‐；
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /;; ,: :{──────‐‐{;;;::, ;:ヽ‐'´::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:.　;;':{￣￣￣￣￣￣￣{:::: ::::｀;::. `::::;ﾞi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i;;, '' ,;:|＿＿__,..､＿＿＿_ﾞl;;,_ :::::. :::, :::::iﾞ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /,,;'::';:l;`‐゜‐';i　;;;;;`ｰ゜‐';;;;;|:: `; `;;;::::`:::ﾞi　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'Y ;:::::ﾞi 　::::::l　　　　　　　 {;;;_ ﾞ'ﾞﾞ:::::,';:: ::ﾞ-,　
　　　　　　　　　　　この天才に任せとけ　　　　　　　　　　　 .　　　　　 / ,;; ';:ﾞi　::::::l　　　　　　　 |::ﾞ'';;;;.:.::::`;::.`::;;ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`'i;; ';:::ﾞi　:::{__,,,ゞ　,　　　　,|;, ::;;;;`''::;':::`::::;;ゞ､＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　 _,‐´`ｰ!､ ;ﾞi, ¨ニﾆ￣　　　,‐':{:::';::::'::::::::',,,'''';;;;'　　￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　／　　　/`i; ;::ﾞ､　'''　　　 _,‐'::::::{;;;;:`;::.:::::::::;;ヾ_,,ﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　 /　/ `i;:::ﾞ;,_　　,,／:::::::　 /`'';;:. ;;;;:ヾ ''''
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 |　ﾞｿ;;'''￣:::::::::::　　 iﾞ::::::' .::::'''ヾ

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　石勒はこれを憚り、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　敢えて攻勢に出ずに文書を下して次のように言った
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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441 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:24:50.04 ID:rs3FrmGi0: 【趙王殿下の布告＠『晋書』『石勒載記』】
┏─────────────────────────────┓
　祖逖は幾度も辺境の患いとなっている。

　祖逖は北州の名士で声望があり、故郷への思いがあるかもしれない。
┗─────────────────────────────┛

　　　　ﾋ´ミ仆爪／/ j } /ﾉハ｀ヽ、ミ≧=-ゞY､_
　　　圦ミfｿ￣} } / ,'　＿＿　　　＼ﾐ下千f=-仆
　　　ミ }}ｿV i/ ゝ　Vゝ斗ｲ､ヽ　　　　ヽミ仆≧=}}
　　　乂./　 /　三ミ　￣　　 ',{　　　　　ﾊﾐﾐ　＿ｿ　　　　　　　　祖逖は辺境の患いだ。
　　　圦{ 辷i　　≧=-　　　　　}　　　　　 }ﾐ彡　 .Y　
　　　　人､~ﾊヽ　‐　ｲ　　　　　j　　　　　 iﾐｿ ~ｲ /　　　　　　　　だが、幽州の名士である以上、
　　　　　 Y､ ',　ゝ-=＿＿,　　　',　　　　　V　　 /　　　　　　　　望郷の念を持ち合わせているはず
　　　　　　ﾊ　　 /｀´＿＿　　　　',　　　　　i≧=´　
　　　　　　　',　　壬//≧=-　　　 }　　　　 }////　
　　　　　　　 .ｉ　 Y　　　　　　　　 {　　　／//´⌒
　　　　　　　　|　 {　　　　　　　　　}, イ/////　　　
　　　　　　　　.{　ヽ-=≦≧=-､-=≦///　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／;;;;;:::::;;, /';'　　　　 ,ﾞﾞ'::::::::＼
　　　　　　　　 .',Y//////////////ｲ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::;;;;;ミミ; /　　　　　｀ﾞ';;:::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /;;;;;';ミミﾐﾂ/;;;';';'';'';;''ヾ,'::::`::::::::::::::::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:; ;::,＿＿､,＿＿＿＿_,:;:::. ;::::::::::::;'i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i::; ;;::i　　　　　　　　　　ﾞ|::'::. ;__;,-',‐；
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /;; ,: :{──────‐‐{;;;::, ;:ヽ‐'´::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:.　;;':{￣￣￣￣￣￣￣{:::: ::::｀;::. `::::;ﾞi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i;;, '' ,;:|＿＿__,..､＿＿＿_ﾞl;;,_ :::::. :::, :::::iﾞ...　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /,,;'::';:l;`‐゜‐';i　;;;;;`ｰ゜‐';;;;;|:: `; `;;;::::`:::ﾞi　
　　　　　　幽州は北州って書いた方が見栄えがいいか　　　　　　.'Y ;:::::ﾞi 　::::::l　　　　　　　 {;;;_ ﾞ'ﾞﾞ:::::,';:: ::ﾞ-,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　 / ,;; ';:ﾞi　::::::l　　　　　　　 |::ﾞ'';;;;.:.::::`;::.`::;;ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`'i;; ';:::ﾞi　:::{__,,,ゞ　,　　　　,|;, ::;;;;`''::;':::`::::;;ゞ､＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　 _,‐´`ｰ!､ ;ﾞi, ¨ニﾆ￣　　　,‐':{:::';::::'::::::::',,,'''';;;;'　　￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　／　　　/`i; ;::ﾞ､　'''　　　 _,‐'::::::{;;;;:`;::.:::::::::;;ヾ_,,ﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　 /　/ `i;:::ﾞ;,_　　,,／:::::::　 /`'';;:. ;;;;:ヾ ''''
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 |　ﾞｿ;;'''￣:::::::::::　　 iﾞ::::::' .::::'''ヾ
442 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:25:40.16 ID:rs3FrmGi0: ┏───────────────────────────┓
　故に幽州へ命令を下し、
　祖氏の墳墓を修復して墓守を二家設置する。

　祖逖が趙佗の如く恩を感じ、寇暴を止める事を願うばかりである。
┗───────────────────────────┛

　　　　ﾋ´ミ仆爪／/ j } /ﾉハ｀ヽ、ミ≧=-ゞY､_
　　　圦ミfｿ￣} } / ,'　＿＿　　　＼ﾐ下千f=-仆
　　　ミ }}ｿV i/ ゝ　Vゝ斗ｲ､ヽ　　　　ヽミ仆≧=}}
　　　乂./　 /　三ミ　￣　　 ',{　　　　　ﾊﾐﾐ　＿ｿ　　　　　　　幽州へ使者を出し、
　　　圦{ 辷i　　≧=-　　　　　}　　　　　 }ﾐ彡　 .Y　　　　　　祖逖の家の墓を修復して墓守を置け。
　　　　人､~ﾊヽ　‐　ｲ　　　　　j　　　　　 iﾐｿ ~ｲ /　
　　　　　 Y､ ',　ゝ-=＿＿,　　　',　　　　　V　　 /　　　　　　　.それを恩義に感じて、侵略を止めれば儲け物だ
　　　　　　ﾊ　　 /｀´＿＿　　　　',　　　　　i≧=´　
　　　　　　　',　　壬//≧=-　　　 }　　　　 }////　
　　　　　　　 .ｉ　 Y　　　　　　　　 {　　　／//´⌒
　　　　　　　　|　 {　　　　　　　　　}, イ/////　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ.:ノ.:::::::::::::::⌒ヽY.::::::::::::.｀ヽ::.ヽ
　　　　　　　　.{　ヽ-=≦≧=-､-=≦///　　　　　　　　　　　　　　　〃〃.::::::〃〃⌒ヾVｘ≦､::.｀ヽ:::::::ﾊ
　　　　　　　　 .',Y//////////////ｲ　　　　　　　　　　　　　　　　　〃〃:〃.::::::{::{　　　　　　　}:::::ﾉ:}:::::::::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {{={{::::{{:::{:::八{二二二ﾆﾆミ／:ﾉ}.:::::::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {{:::{{ 〃八(__,ﾉ＿_ ,　　〃:::X/.::ﾉ:} } }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ― -- =ミ　　八八{:::{.::::::て｡ユﾉ八≧=‐-ｖ'.::〃ﾉﾉﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　｀Y::　ﾊﾊ:Ｙ:::::::厂￣￣{　{｀ﾆﾟﾆ:::::::::::〃/
　　　　　書くには書けたが、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ.:　} :}:从::::/　　.:::::ｒ_､_}〉::..　｀Y::::八{
　　　　　また随分と弱気に出たもんだな　　　　　　　　　　　　　／.:::　ﾉﾉ.::::}}::{ｕ　　　ヽノ　　　,::::::{ { ﾊ-,‐―――
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃.:::　〃〃.:::八{　　　　　　　　　 /.:::::}} }::::} l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ. 　　 {{::〃〃.::::::::/.:::ﾊ { ⊂=ー....´⊃:./.::::::ﾉﾉﾉ:::{ l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　　〃::{{:::{::::::::::i:{八{∧　　ー－　 /{:::::〃〃.:ﾉ l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　li　 _从::从八{:::::从　{　ヽ.:　　　　　ｲ　}::::}　}　八
　
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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　石勒らしくない物言いに感じられる。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　それだけ祖逖に手を焼いていたとも言える
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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443 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:26:20.84 ID:rs3FrmGi0: 【紀元３２０年秋　晋　兗州　雍丘】

　　　　　　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　|　　石勒が布告した文書を手に入れました　　|
　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂

　　　　　　　　　　　　　　　r--─‐i　　　　　　　　　　 r--─‐i　　　　　　　　r--─‐i　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　. 　┌─┐　　　　　|　晋　.|　　　　┌─┐　　|　祖　 |　　　　　　　 .|　晋　 |　　　　　　. 　┌─┐　　　　　
　　 .　　　├─┘　　　　　|--─‐'' 　　　 ├─┘　　|--─‐''.　　　　　　　 |--─‐''.　　　　 .　　　├─┘　　　　　
∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二ヽ:::∧二ヽ;::::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;: ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;:∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二
l :ｌl＝ｌll ...::..:.l:ｌl ＝ｌll:..:.l:ｌl＝ｌll::::l:ｌl＝ｌll:::::::l:::l:::::::l::.:::.l:::l:::::::l:::::l:::l:::::::l:....:.:::.l:::l:::::::l:::::l:::l:::::::l:....l :ｌl＝ｌll ...::..:.l:ｌl ＝ｌll:..:.l:ｌl＝
幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵
444 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:27:15.91 ID:rs3FrmGi0: 　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　／''''''　　　'''''':::::::＼
. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|
　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|　　　　　　　　　　いやはや、石勒という男。
. 　 |　　｀-=ﾆ=- '　.:::::::|
　　＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／　　　　　　　　　　なかなか殊勝な振舞いをするものですな
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､
:　　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i　
　　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　＞　　ヽ. ハ　 | 　 |｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_∠:.'´:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:Y:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、:.:.:.:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `、／:.:.:.: /|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.i :.:.:.:.ﾄ､:,:.|:.:.:.:.:.:. i:.:.:.／:.:.:.､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.|:.:.:.ｉ:.| /:.:|:.:.:.:.:.:. |／:.:.:.:.:.:.:`、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.|:.:.:.|:.|'__Vｌ:.:.:.:.:|:.:|'⌒ヽ:.:.:.:.:.:`、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、
　　　本当にそう思う？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:.:.|:.:.:.:ｨ'ﾊ } |:.:.:.:.:ﾄ::〈ヽﾉ }:.:.:.:／:`、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　人:.ﾄ､:.:.| ｔﾘ　|:.:.:.:.:||:i:;∨ ,:.:／:／ :.`､:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.: `､
　　　これで私が石勒を攻めたら、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　>ゝ　 |:.:./lﾉ|:|_〉Ｖ:,_:.:.:.:.:.:.:.:./:`､.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..
　　　父祖の墓を直してくれた恩人に手を上げるのと同じ。　　　　　く　　　／　 :|:|　ヾ、｀'～､;./ﾍ:::::＼:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　ヽ、__　　　 ::! 　　　　 ∨))､:::::::＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　　　素敵な祖逖さんはそういう真似はできないのよ　　　　　　　　　　　心　　　　 ,l:|　　　　　　　∨__＼:::::: ＼:.:.:.:.:.:.i:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ-‐≦{ ヾ:、　　　　　 У/＼､::::::::ヽ:.:.:.:|:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ /ﾊ　　　　 .／／　　ヽ､＿_}__:.|:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 jＩ斗:r''　|:i}　　／／　　　　／　　　　｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /´ / : : l　　Vk　　／　　　／　　　　 /　　
445 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:27:58.98 ID:rs3FrmGi0: 　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　／''''''　　　'''''':::::::＼
. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|　
　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|
. 　 |　　　,ｒｴｴｪ､　　.::::::|　　　　　　　　　　　　　　　　　　あっ！
　　＼　　ヽｒ-ｒｦ　.:::::／　
,,.....イ.ヽ｀ー｀ﾆ´ ―ノﾞ-､
:　　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　＞　　ヽ. ハ　 | 　 |｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｢了ｱ＞.::´::::::::::::::::::::::｀丶　｢｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 >::´;:::::;::ｉ:::::::::ヽ:::::::::::ヽ:::::ヽ! ／､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::/::::/-|::::::::::::i､:::::::::::::∨::∧-.<
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　 /::/::'::::/　ｌ::::::::::::|‘，:::::::::::∨::::';::::‘，
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . 　　　 /:::'::::|:::;'、　 ';::::::::::|　}:ﾄ､:´:::::ｉ:::::::}:::::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ｨ::|:::::|::i　ヽ､丶::::::lイﾘ　V::::::!::::::'::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　 j:|::|:::::|:ｨ芹抃　＼!ィf芹示k:l::::/:::::::::|
　　　　　とはいえ、戦を止める格好の口実ではある。　　　　　　　　　　　.|:|::|､小{　Vり　　　　　V:ンｌ|:::|:/ l:::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　 | !ﾉ:::|.l∧　　　 ′　　　　||:::|　 |:::::::::
　　　　　使者に贈物を持たせて、石勒の所へ送りなさい　　　　　　　　　 |:::::::::| |:込　　　` ‐　´　　ｲ||::; 　 |:::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::::::::|人::|　,＞　 ,_　ィ^i､　.ﾙ′　|:::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　|:::::::::|jＩ斗f´: : ∧　　{　{: :｀i=-. . ,_|::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　 |:::::::/:ｉ: : :|.|: : : : _ヽ/}　'´Y: : : : : : ｀ヽ::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　 !::::/: :|: :rﾞ└､: :(___ ｀ｰ |　| )ヽ:／: :__: :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::/: : :|: :|　　i|:ヽ://:ヽ.,_ゝｼイ: :／: ミヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l/: : ヽ/￣￣　 =‐- ゝ辷彡' ｀　＜: ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.: : : :{≧=-　　＿＿＿＼　　　　 }: :

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　『晋書』『石勒載記』によると、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　石勒が父祖の墓を修復させたと聞いた祖逖は大変喜んだ
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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446 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:30:46.30 ID:rs3FrmGi0: 【紀元３２０年秋　晋　冀州　襄国】

　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　／''''''　　　'''''':::::::＼
. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|
　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|　　　　　　　　　　　　祖逖将軍は
. 　 |　　｀-=ﾆ=- '　.:::::::|　　　　　　　　　　　　趙王殿下の振舞いに深く感謝しておりました。
　　＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-　　　　　　　　　　　　感謝の証として、私めにこちらの贈物を届けるようにと
:　　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　＞　　ヽ. ハ　 | 　 |｜

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾋ´ミ仆爪／/ j } /ﾉハ｀ヽ、ミ≧=-ゞY､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　圦ミfｿ￣} } / ,'　＿＿　　　＼ﾐ下千f=-仆
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミ }}ｿV i/ ゝ　Vゝ斗ｲ､ヽ　　　　ヽミ仆≧=}}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂./　 /　三ミ　￣　　 ',{　　　　　ﾊﾐﾐ　＿ｿ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　圦{ 辷i　　≧=-　　　　　}　　　　　 }ﾐ彡　 .Y　
　　　　　　　　　　　　　よく来たな。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人､~ﾊヽ　‐　ｲ　　　　　j　　　　　 iﾐｿ ~ｲ /　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Y､ ',　ゝ-=＿＿,　　　',　　　　　V　　 /　　
　　　　　　　　　　　　　歓迎しよう　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ　　 /｀´＿＿　　　　',　　　　　i≧=´　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',　　壬//≧=-　　　 }　　　　 }////　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ｉ　 Y　　　　　　　　 {　　　／//´⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 {　　　　　　　　　}, イ/////
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.{　ヽ-=≦≧=-､-=≦///
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .',Y//////////////ｲ　

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　そこで、参軍王愉を石勒への使者とし、方物を贈って友好関係を結んだ
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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447 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:33:16.72 ID:rs3FrmGi0: 【紀元３２０年秋　晋　兗州　雍丘】

　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　ﾄ､
　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ
　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ　　　　　　　　　　　祖逖将軍。
　　　　　　　　　l　l　　´＝｀　l
　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ＿,､__ノ　　　　　　　　　　　趙王殿下が先日頂いた贈物の返礼をしたいと……
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､　　
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::! 　　　ゝ-‐/:::::/:/:::::::::::::::/::!:::::::::|:::丶:::::::::::!::::::::|ヽ:::::::::::ヽ:.... _　　
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| 　　　　 /:::::::!/:::::::::::::::/::/!:::::::::|ヽ:::::,:丶:::!::::!:::!　丶:::::::::::ヽ::::ヽ　　
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::　　 . 　　 //::::/ .!::::::::!:::/:::/ !::!::::::| ,ｘｆ´＼!::::!:::l:::}　　　丶:::::::::!::::::::ヽ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::!::::/ /!:::::::!::_|:_ﾑ-|,.!::::/　　　__,_ヽ!:::l:/ﾆ=-_＜ .丶::::!:::::::::::ヽ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . /:::::!:::ｌ./ .!:::::::!::::ﾊ::,　　|:/　　〃　　|::::| 　｀、ﾏﾑ　ヽ:!::::::::::::::｝　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::::!:::|　 |:::::::!::/　ﾒ,＿ ´　　　 "" /／ヽ、　　ヽﾏ:ﾑ　.｝:::::::::::::!　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . //::::::::!:::ｉ　ヽ:::::!:|　〃　　　　、　　　/ ハﾄ:.:|　　　ｙ｀ﾏ:ﾑ/ヽ:::::::/　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::!::::::::::!:::|　　ヽ::!ｉヽ　""　　 _　-‐ｧ　/川∧|　　 ´ 　｀, .∨:::::/　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::|::::::::::ヽ:ヽ　　｀ｉ! l:.:.ヽ　　　ゝ _　′　｝/　ｌl-　　　　　/ ｀ﾊ:/ヽ　　
　　　　　これはこれは御丁寧に　　　　　　　　　::∧::::::::::|丶:ヽ　// .|:.:.:.:.| ≧ｓ　　　ｲ:.:.:〃　　｝　　_-‐/　/ 、ニﾑ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::|　丶::::::!　　ヽ___　 !:.:.:.:.!　ゞ:.:.、:.:.:.:.:.//　　　>‐ｒ´-‐´　丶、ﾆ、ﾆﾑ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ::::!　　ヽ:::.., /´　　　|:.:.:.:.!　　丶丶.　 //　　／ニ{iﾆ _-　　　 ‐- －‐-- 、　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ::.,　　　)/::.,　　　　ヽ:.:.:丶　　　ヽii／　 _.ニニﾆ{i,´　　　　 , ＝=-　-　´　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ゝ　　　　　ｒ- 、＝= ‐- _ 　-‐ニニニニ/　　　　　',ﾆﾆ/　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉、ヽ　　　∨ニニニニニニニニニﾆ／　,　　,.ヽ　',／　　　　
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/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　石勒は王愉を賓客として厚遇し、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　左常侍董樹に馬百頭・金五十斤を持たせて祖逖への返礼とした
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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448 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:34:06.78 ID:rs3FrmGi0: 　　　　　　　　　　　: ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／
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./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　これによって兗州・豫州はよく治まり、人々は休息を得られたという
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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449 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:35:24.44 ID:rs3FrmGi0: 【紀元３２０年秋　晋　兗州　雍丘】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　まさか本当に和睦が成立するなんて　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂

　　　　　　　　　　　　　　　r--─‐i　　　　　　　　　　 r--─‐i　　　　　　　　r--─‐i　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　. 　┌─┐　　　　　|　晋　.|　　　　┌─┐　　|　祖　 |　　　　　　　 .|　晋　 |　　　　　　. 　┌─┐　　　　　
　　 .　　　├─┘　　　　　|--─‐'' 　　　 ├─┘　　|--─‐''.　　　　　　　 |--─‐''.　　　　 .　　　├─┘　　　　　
∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二ヽ:::∧二ヽ;::::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;: ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;:∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二
l :ｌl＝ｌll ...::..:.l:ｌl ＝ｌll:..:.l:ｌl＝ｌll::::l:ｌl＝ｌll:::::::l:::l:::::::l::.:::.l:::l:::::::l:::::l:::l:::::::l:....:.:::.l:::l:::::::l:::::l:::l:::::::l:....l :ｌl＝ｌll ...::..:.l:ｌl ＝ｌll:..:.l:ｌl＝
幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵

／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、　
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ　
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/　　　　　　　一見、不可解な話である。
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/　　　　　　　　　官軍の将が賊、しかも夷狄と和睦するのは極めて外聞が悪いからだ
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:′
　∧＼　ﾏ三ｿ| .＼　
./: : ＼＼ヾ-〃 ..∧　
ｌ; : : : : ＼＼.り／: : :i
450 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:38:56.33 ID:rs3FrmGi0: 　　　 ./　　　　/　　　　　 l 　　.',　　ﾏ .ヽ V
　　　 .,'　　　メ!　　/　　　 |　　　.|　　　ﾏ ..ﾍ.V
　　　 l　　 .ノ　l　 ./　　　.ｿ!　　ﾘv　　 \　ﾍ!
　　　 .い　/!　|　./　　シ .l 　　/__V　　 l 　', ﾍ
　　　　V / l　 | .,'　.／"" ,' 　ｼ,zｪミ`.s._>!､ .|　ﾍ　　　　　　　　　勅使は何か言っていなかったのかしら？
　　　　ﾒ .|　 .l l ﾒ,ｨf;心'ﾒ .／ ".辷ﾘｿ　fxﾍ\.!　 .V
　　　　 ,'　 l　　Vﾍ.` _~,.ｨ'"　　　　・　 ./ ,ｨ j　.l　\　　　　　　　 .そもそも朝廷へどう報告したのよ鎮西将軍殿？
　　　　,j 　 .い　x示 '" 　　 !　　　　　./-"j j　ﾘ　 l,
　　　 ,'.l　　 .V　ﾍﾍ、. 　 ,　　、　　,.' 　 ,'.,' ./　　|V
　　　,'.f!　　　ﾍx　ﾊ　.|ﾐv　　　　’, イ_　 .//ソ　　 |vV
　　 ., .l l　　　　ﾍ`x l.r| .}ミ .s... イ斗''ﾊ-/.イ　　　 l.iVヽ
　　.,　! lv　　　　＼x'ﾍ.|_ 　￣　_.　"／　　　　　.ﾘﾍ.V.ヽ　　　　　/　./|::::／::::::::::::-－‐....、::::::::::-...、::,
　　,　l .| V 　　 ,..ｲ＼ﾍs._￣~ ~_,.ｨ/　　　　　 .ｿV ﾍﾏ　　＿_ /　./ヽ/:::::::::::::/Yヽ:::::::::::丶::::::::::::::丶:::, 　 .ｒ‐.、
　 .,　.| .l,...V　　/x::.~l.. KY、~ '' ~　/　　　　　　.ｼ＞乂 ___ -‐:::::::::::|　ｉ::::/:::::::::::::::ｌ~~~.l:::::::::::::::::::!::::::::::::::::ヽ::, :::!　.ﾄ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::_ -::::::::::::{　 | /:::::::::::::::/　　 |:::::::::!:::::::ﾊ:::::::::::::::::::ヽ| ｝　|::::..、
　　　　　　　　　晋　譙国内史　桓宣　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::ゝ::/:::::!:::::/:ム、　 !::::::::i::::斗弌::::::::::::ヽ:::i/／::::::::::..、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::::::ﾉ／/:::/::!:::ﾄ:/　　｀　.|ﾊ!::::|:/ ,ｚ、ヽ:::ｉ::::::|::::|::::ヽ:::::::::::....、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::／　　.|::://:i::::! .ｚ≠　　　ｉﾉ/ﾟ/ん心 |:::::!:::::|::::ト:::::::ヽ:::::::|:::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::／　　　.〉:/::::i:::|ｌiｆん心　　}/ 　乂ソﾈ::::|:::::}::/　＼:::::〉::!:ｉ:/
　　　祖逖さんは正直者だから、　　　　　　　　　　　 :／　　　　 /:ﾊ::::::|::| ! 乂ソ　　、　　　　　ﾊ::/::ﾊ!/　　 .∨:::|:::,
　　　石勒の兵が黄河を渡らなくなったって　　　　　　　　　　　 // .|::::::!::ヽ　　　　　　　　　／|´::::/　　　　 }:::l:::::,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　〉:从ハ::ゝ　　　　　　　ﾊ::::/　　　　 /:::::!:::::,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　 /´　 |::! ＼　　　　ｒ ,　　　　　´ |:/　　　　 /::::::/::::::,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,－- _ .ヽ　 .个　　　　　 < 　 .ｉ´　　　 ./::::::/ .ヽ::.,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　ｰ－-.|::::::::≧s　イ/　　　　　　./::::::/　　｝::.,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　 /　　　　　　ヽ .ヽ:::::::: ´　 / 　

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　実際、東晋側の記録は和睦について記さず、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　『晋書』『祖逖伝』は事実のみ述べる姿勢に終始している。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .祖逖が鎮西将軍に任命され、石勒軍が河南へ侵入しなくなったと
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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451 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:39:33.26 ID:rs3FrmGi0: 　　　　　　　　　ｨf≦三二ﾐﾄ､
　　　　　　　 f三二三.斗‐┴───‐-- ､＿_＿_
.　　　　　　　　 j＞'´￣: : : : : : : : : : : : : :　　　　　　　｀ヽ
.　　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　 ..:'´: : : : . 　　}
　　　　　　　／　　　　　　　　　　　／､__: : : : : : :.　 |
　　　　／: : : : : : : : : :　　　　　　／三二三ミト､: : : :.|
　　　　 /: : : : : : : : : : :　　　　　　　／.'´￣￣~｀｀寸ミﾊｉ: :|
.　　　 :′: : : : : : : :　　　　　＞'´　/ / 　 /　 /　＼ﾐﾊ!: :|
..　　/: : : : 　　　　　　　 _..ィ'"　　　/ / 　 /　ｲ　:| 　ﾞ寸: :}
..　ノ＿__ 　　_＿___...ィ´　ｌ　　　 / /　　/ ／ |　 |　　 | }:ノ
..〈´: : : : ｀７'´　 ./ 　 :|:　　:　　 /=ー-..／　 .|　 |　　 | :|
..　＼: : : / /　 /,'　 :/|:..　ｌ　　/ / ..:／｀`ヽ　|　ﾊ　 | :|
.　　　ヽ/ /　 /.:′.:/r|:..　 l 　 i斗ｬ斥芹ミ　 :i　.′}_　| :i
　　　 / /　 /.:/　　{(j'|:..　 l 　 l　弋ぅ::ﾂ　　　ﾉ /　j⌒/:/
.　　 / /　 / ,:′　.:|ﾍj:..　 :　　|, , , ,.｀~　　／ノｨ拆ﾄ .' /
....　/..:' 　.'/　　　 :|　|:..　 l 　 |　　　　／"´　ﾋｼ' ﾞﾑ.ｲ　　　　　　まあ、とにかく、
..　:′ ／/　 l:　　 |　|:..　 l 　 |　　　　　　　　　〉'’:ｉ　:|　　　　　　内政に力を注げる時間ができたのはありがたいわ
....　　'　.:′　|:　　　',八:..　: 　 |....　,､ 'ﾞ￣ ´"'ﾐ､八.:ｌ　:|
.ﾞ／　 ,'|　　|:..　　 ∨ﾊ:..　　 |.＞f/〈〈 (％) x ＼:|　:|
....　　:/ |:. 　 |:... 　　 ∨ﾊ:　　 | 　.!/Λ ＼(⌒)　 _)＿_
..　　:/　ｌ:. 　乂:... 　　ヽ:∧: 　'...　ヽ//＼｀¨¨　r―- ､＼　　　　　　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣ヽ
....　:'　八:..　　｀..r-…ミ.＼',:.　∨....|＼//｀7777｀7ァ、＼＼､　　　　　　 |　　　でしょ？　　　|
...:/ 　/ 　.＼:ﾞγ￣￣＼＼.　､:. ∨..!　Lﾞ''―‐ r――― ､＼ ',　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿乂
ﾞ/ 　/　　　 /　　　　　＼＼ﾞ＼ V ＼＼0 　｀て,＿¨＼＼　 ',
...　,′...　　／　　　　　　ヽヽ　｀ー‐...＼＼　　＼　＼.:| 　 |::l
..../　　／　　　　　　　　　　　｝}.　　　　　ﾞ:,　　　ﾞ,　　＼　　　',

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　石勒も祖逖も実を取ったと言うべきか。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　興味深いのは、両者が和睦を遵守し続けた点だ
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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452 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:42:37.12 ID:rs3FrmGi0: 【紀元３２０年秋　晋　冀州　襄国】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌冂冂｢:|丁Ｔi　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､
　　　　　　乂　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＿＿＿|_ 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　 X爻爻爻爻爻爻爻爻
　　　　　　　　爻爻爻爻爻ﾞ　　　　　　　　　ｒ┐┌iT┤＿＿__|二ﾆ|　　　　　　　　　　　　　　水爻爻爻淡淡淡乂乂乂乂
　　　　　⌒￢爻爻爻⌒　　＿_　　　　　　 |:└└ :|└ L.|.:.:.:.|￣｢　　　　　　　　　　　　　　　乂爻淡淡淡爻爻爻淡淡淡
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い乂爻父乂乂乂乂乂乂乂≧s｡　　,｡s≦ﾏ≧s｡: :.:|_┌'¨:|￣￣~~||li　　　　 |¨|_|¨|_|¨||¨||¨淡淡淡炎炎炎炎乢刑淡炎
;';';'乂爻炎爻乂乂乂爻爻爻∠二二|　　 :|　　 |: : : : |:.:. :|　Ｉ　Ｉ　|¨ＴT┐　_|二二⊥ニニﾆ|　　　　　｀｀｀｀｀∨Ｌ,イシﾟ
爻爻父父炎灸炎i爻i爻jﾉ⌒|┌i |￣|┌┐:|　卩|￣＼|:.:: :|　Ｉ　Ｉ　| : |　 |¨|_| |: : : : :| 　［］　|　　　　　　　000 ∨ﾚ'
￣|｀｀``爻彡从ミﾐ'⌒∩　　 |└' |─|└┘:| 　　¨¨¨¨¨|: : |　Ｉ　Ｉ　|_ :|　　: : : |: : : : :|　　　|￣L|￣| 　　 ||　 {i:i{
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ|i:i|　∪　∪　　 |　　ﾞΤ¨¨¨~~:|　　　　 :|: : |　ｉ⌒ｉ　 | :|　　: : : |: : : : :|:　 ∩┐┌┐┌┐┌┤ ,{i:j:}
￣￣￣￣￣|i:i|洲州ｘｘ　　　|　п |￣|　　 |　ﾛ　　　　:|: : |　|　 |　 | :|　　: : : |: : : : :| 　 |::|└┘└┘└┘└‐}i:i:i}＿
　|￣| 　冂 |i:i:|洲洲洲￣￣￣￣￣￣￣　　　　　　 :|: : |　|王王王王王王王王王王王───‐ |￣|===ｒﾉi:i:i{
｢￣￣￣￣ |洲￣￣￣　　　　　　　　　　　　　　　　＿|: : |　|¨¨7~¨:|￣”二¨¨¨“““　　''''|　　　　　 |　辷三|ﾉi:i:i:乂
　　　　　＿jjjjＬ　　---──……￢冖'''　¨¨￣___二二￢三三二ﾆ|ｨシ´　｀':,　γ⌒ヽ |　　　┌┴-- 　　＿
￣￣￣￣＿＿　　　　‐……￢冖ﾆ二三三￣　　　　=ニ　三三　ﾆ……===ニニニﾆﾆ|＿　　 |　　　　　　　　￣￣
￣￣￣───………………ΞΞΞΞΞ　　　　　 =ニ　 =三　ニ　　====ﾆﾆﾆﾆ￣三三三三￣三三二ニ=…ー
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: ────‐ΞΞΞΞΞΞ　　　　　 =二　三　ﾆ　　 =====二二　　‐‐……　　‐…==＝＝＝三
　: : : : : : : : : : : : ──==＝ΞΞΞΞΞΞ　　　　　　=二　三　二　　 =====二二　- - ￣　: : : : : : ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　申し上げます　　 |
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿乂
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/　
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　　　.今から紹介するのは、
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/　　　　　　　　　和睦中に繰り広げられた石勒と祖逖の逸話の数々である
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:′
　∧＼　ﾏ三ｿ| .＼　
./: : ＼＼ヾ-〃 ..∧　
ｌ; : : : : ＼＼.り／: : :i
453 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:43:40.78 ID:rs3FrmGi0: 　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　ﾄ､
　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ
　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ　　　　　　　　　祖逖の配下の童建なる者が使者を寄越して参りました。
　　　　　　　　　l　l　　´＝｀　l　
　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ＿,､__ノ　　　　　　　　　.使者が言うには、
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､　　　　　　　.新蔡国内史の周密を殺害したために趙王殿下へ帰順したいと
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､　
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｨﾚ'＼ﾉ　　jﾉ　ノ )ﾉ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__,ﾉY∨　　　　　　　　　ﾉノ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,人　　ﾉ　) }}　　　　　＿　 ,ﾉｨ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　冫　､　《巛《　jﾘﾚﾉﾉノ⌒　　人　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂__ﾂﾄw{N{ﾘﾉノイ'⌒´{　彡'ノ　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ-{ ﾉ　　 j 　 ,ﾉ　ﾉ　∨イ彡'）　}　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾐﾐ{N､＿〈人__,ｨｚ--ｧ人ミ　彡ﾄ､ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミｉ r‐榮ぅ {ﾝｒ‐ｔ笋ラ　｀Ｙ ,ｲ| } ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミ} ´￣　} |　｀ヽ￣　　|　 }ﾉ_)　|ヽ　
　　使者の首を斬って祖逖に送り、俺がこう言っていたと伝えておけ　　　　ヽ　　 |　　　　　　　{　人__／〈　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 lﾄ､　弋'⌒ｿ　　　 |　 /　ｊノ ,ｉﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ｉ　　＿＿ ,　　　 /　　ﾚ人{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　‘,　　､＿__　　　ノ　　　　i　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |∧ 　〈　　　　ィ´　/　　　　　ﾄ､＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　廴｣　イ　 }　 {　　　　　;　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ｌ　　＼　　|　/ 　 j　　　　ﾉ　　'⌒　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 |　　　　ヽ,ﾉ / 　 /
454 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:45:52.06 ID:rs3FrmGi0: 【紀元３２０年秋　晋　兗州　雍丘】

　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　ﾄ､
　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ
　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ　　　　　　　　　　　　　「天下の悪は一つ」
　　　　　　　　　l　l　　´＝｀　l　
　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ＿,､__ノ　　　　　　　　　　　　　「叛臣・逃吏は俺にとって深い仇であり、
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､　　　　　　　　　　　将軍が憎む所は俺にとっても憎む所である」
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､　　　　　　そう趙王殿下は仰せでした
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __くヽ, -―‐ -､尸ー､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /{_}:':::::::::::::::::::::::::ヽ} ,!:!ﾞ::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::/:::::::/':;:::::::::::::::::::::::ヽ:ヽ:!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'::/:::::::/⌒';:::::::::::ﾊ:::::::::';::::ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'::ﾉ:::::::;'__　 l::::::::ム !:::::::::}:::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'/7:::::::::l,.__｀ﾚﾚｲ,.__l:::::;:ｲ:::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::/イ:':;:::',￣　 .　´￣|:ｲノi:::::::::i
　　　　　　　　　　　　これは思わぬ心遣いね　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./ｲ::::::八:{ﾞi::!｀　＿＿　ノ! 　i::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　!::::/　ﾞ |::|丶 `　 ´ィ" !| 　 ';:::::_i';._
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　,:'::/　　　_ﾞ_/=> ｀´　トヽ’　　_｣　/ヽ!、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i::! ﾉ:/　　_!　　i　i!　　　// ｀- _└i ,'　・　ｺ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::ﾚ/　/、　 ', 　 l　i!ヽ r//　 /　￣|　i:::::ト',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /!:::{＿i　ヽ　',　 _l__il!､//　 ./ 　 /　lイ'ゞ"　',

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.『晋書』『石勒載記』に曰く。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　祖逖の牙門童建が
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　新蔡国内史周密を殺害し、使者を介して石勒に帰順を申し出た。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　石勒は使者の首を斬って祖逖へ送っている
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
455 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:48:28.25 ID:rs3FrmGi0: 【紀元３２０年秋　晋　冀州　襄国】

　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　／''''''　　　'''''':::::::＼
. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|
　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|　　　　　　　　　　　祖逖将軍は趙王殿下の振舞いに大変感謝しておりまして。
. 　 |　　｀-=ﾆ=- '　.:::::::|
　　＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／　　　　　　　　　　　今後、兗州・豫州で殿下に背く者が出ても、
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-　　　　　　　　　　　これをこちらで受け入れる事はないと仰せでした
:　　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　＞　　ヽ. ハ　 | 　 |｜

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾋ´ミ仆爪／/ j } /ﾉハ｀ヽ、ミ≧=-ゞY､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　圦ミfｿ￣} } / ,'　＿＿　　　＼ﾐ下千f=-仆
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミ }}ｿV i/ ゝ　Vゝ斗ｲ､ヽ　　　　ヽミ仆≧=}}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂./　 /　三ミ　￣　　 ',{　　　　　ﾊﾐﾐ　＿ｿ　　
　　　　　　感謝せねばならんのはこちらの方だな。　　　　　　　　　　圦{ 辷i　　≧=-　　　　　}　　　　　 }ﾐ彡　 .Y　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人､~ﾊヽ　‐　ｲ　　　　　j　　　　　 iﾐｿ ~ｲ /　　
　　　　　　それはさておき、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Y､ ',　ゝ-=＿＿,　　　',　　　　　V　　 /　　
　　　　　　少々物を尋ねたいのだが……　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ　　 /｀´＿＿　　　　',　　　　　i≧=´　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',　　壬//≧=-　　　 }　　　　 }////　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ｉ　 Y　　　　　　　　 {　　　／//´⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 {　　　　　　　　　}, イ/////　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.{　ヽ-=≦≧=-､-=≦///　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .',Y//////////////ｲ　　　　　　　　

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .一方の祖逖。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　石勒の行動に感謝すると共に、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　兗州・豫州の塁壁で石勒に背く者が出ても、一切受け入れなかった。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　ただ、これには裏があり、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　同地域の塢主と内通していたため、石勒軍の動きは筒抜けだったらしい
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
456 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:50:28.20 ID:rs3FrmGi0: 　　　　ﾋ´ミ仆爪／/ j } /ﾉハ｀ヽ、ミ≧=-ゞY､_
　　　圦ミfｿ￣} } / ,'　＿＿　　　＼ﾐ下千f=-仆
　　　ミ }}ｿV i/ ゝ　Vゝ斗ｲ､ヽ　　　　ヽミ仆≧=}}
　　　乂./　 /　三ミ　￣　　 ',{　　　　　ﾊﾐﾐ　＿ｿ
　　　圦{ 辷i　　≧=-　　　　　}　　　　　 }ﾐ彡　 .Y　　　　　　祖逖の母親の墓はどこにあるのだ？
　　　　人､~ﾊヽ　‐　ｲ　　　　　j　　　　　 iﾐｿ ~ｲ /
　　　　　 Y､ ',　ゝ-=＿＿,　　　',　　　　　V　　 /　　　　　　 .先日、范陽郡の祖氏の墓を修復させたが、
　　　　　　ﾊ　　 /｀´＿＿　　　　',　　　　　i≧=´　　　　　　 .祖逖の母親の墓だけ存在しないと報告を受けてな
　　　　　　　',　　壬//≧=-　　　 }　　　　 }////　
　　　　　　　 .ｉ　 Y　　　　　　　　 {　　　／//´⌒
　　　　　　　　|　 {　　　　　　　　　}, イ/////　　　
　　　　　　　　.{　ヽ-=≦≧=-､-=≦///　　　　　
　　　　　　　　 .',Y//////////////ｲ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／''''''　　　'''''':::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . 　 |（●）,　　　､（●）､.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . 　 |　　｀-=ﾆ=- '　.:::::::|
　　　　　確か、折からの戦乱で司隷の成皋に埋葬したと聞いています　　　　　　　　＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :　　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞　　ヽ. ハ　 | 　 |｜
457 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:51:14.19 ID:rs3FrmGi0: 【紀元３２０年秋　晋　兗州　雍丘】

　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　ﾄ､
　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ　　　　　　　　そんな次第で趙王殿下は、
　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ　　　　　　　　　　　成皋にある祖逖将軍のお母上の墓を修復を命じられまして。　
　　　　　　　　　l　l　　´＝｀　l　
　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ＿,､__ノ　　　　　　　　　　　修復が終わりましたので御報告に参上しました
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､　　　　　　
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : :|: : : : : : : :.|∨∧.: : : : :. :.}: : : : }: : : : : : :∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{.:. :.:.|厂∨: : : :.|. ∨∧.: : : :. :.|: : : : |.: : :. :. :. :.}
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.:. :.:.||￣｀ }: :厂´芹云ミ: : : :/|: : / .|.: : :. :. :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.i{: : {ｒ芹示　　　ゞツ.: :. :./ .|. /　 |.: : :. :. :. :.|
　　　石勒将軍には何度も世話になっているわね。　　　　 .|八:.∧　ゞ' ,　　　　　 } : : /　 |/ 　 .|.: : :. :. :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　}∨∧　　　　　　　厶イﾉ　イ　　 |.: : :. :. :. :.|
　　　こちらに何かできる事はあるかしら？　　　　　　　　　　　|: ∨丶　　r─ ､　　／ {ん　　　ｊ: : : : : : : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: : ∨.}＼　ー　'　／　　|　│￣￣￣￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: : : : :|.　＼_, ＜　　 .人　|　　　　　　　　　　＼＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: : : : :|　　　　」　　／／￣}　　　　　　　　　　　　　　　」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: : : : :|　＞ｙ'７　／／{￣￣　　　　　　　＿＿＿／￣￣´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＞　イ　 /　/／／　｀￣￣}￣￣￣￣´　　　　∧
458 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:53:06.54 ID:rs3FrmGi0: 　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　ﾄ､
　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ
　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ　　　　　　　　　　　　　恐れ入ります。
　　　　　　　　　l　l　　´＝｀　l　
　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ＿,､__ノ　　　　　　　　　　　　　.こちらの趙王殿下からの手紙を御覧下さい
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､　
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､　
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::! 　　　　　　　　　　　＿_∠:.'´:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:Y:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ／
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.i :.:.:.:.ﾄ､:,:.|:.:.:.:.:.:. i:.:.:.／:.:.:.､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.|:.:.:.ｉ:.| /:.:|:.:.:.:.:.:. |／:.:.:.:.:.:.:`、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.|:.:.:.|:.|'__Vｌ:.:.:.:.:|:.:|'⌒ヽ:.:.:.:.:.:`、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.|:.:.:.:ｨ'ﾊ } |:.:.:.:.:ﾄ::〈ヽﾉ }:.:.:.:／:`、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　人:.ﾄ､:.:.| ｔﾘ　|:.:.:.:.:||:i:;∨ ,:.:／:／ :.`､:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.: `､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　>ゝ　 |:.:./lﾉ|:|_〉Ｖ:,_:.:.:.:.:.:.:.:./:`､.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..
　　何々、使者の往来はいいとして、互市の設置かぁ　　.　　　く　　　／　 :|:|　ヾ、｀'～､;./ﾍ:::::＼:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:. ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　ヽ、__　　　 ::! 　　　　 ∨))､:::::::＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　　　心　　　　 ,l:|　　　　　　　∨__＼:::::: ＼:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ-‐≦{ ヾ:、　　　　　 У/＼､::::::::ヽ:.:.:.:|:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ /ﾊ　　　　 .／／　　ヽ､＿_}__:.|:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 jＩ斗:r''　|:i}　　／／　　　　／　　　　｀丶:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /´ / : : l　　Vk　　／　　　／　　　　 /　　　
459 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:55:00.87 ID:rs3FrmGi0: 　　　　　　｢了ｱ＞.::´::::::::::::::::::::::｀丶　｢｀ヽ
　　　　　　 >::´;:::::;::ｉ:::::::::ヽ:::::::::::ヽ:::::ヽ! ／､
　　　　　　 /:::::/::::/-|::::::::::::i､:::::::::::::∨::∧-.<
.　　　　　 /::/::'::::/　ｌ::::::::::::|‘，:::::::::::∨::::';::::‘，
. 　　　 /:::'::::|:::;'、　 ';::::::::::|　}:ﾄ､:´:::::ｉ:::::::}:::::::i
　　　 /ｨ::|:::::|::i　ヽ､丶::::::lイﾘ　V::::::!::::::'::::::::|
.　　　　 j:|::|:::::|:ｨ芹抃　＼!ィf芹示k:l::::/:::::::::|　　　　　　　.私は晋の鎮西将軍よ。
.　　　　 |:|::|､小{　Vり　　　　　V:ンｌ|:::|:/ l:::::::::|
.　　　 | !ﾉ:::|.l∧　　　 ′　　　　||:::|　 |:::::::::　　　　　　　返事は書かないけど、
　　　　 |:::::::::| |:込　　　` ‐　´　　ｲ||::; 　 |:::::::::　　　　　　　.話自体は承知したと石勒将軍に伝えて頂戴。
　　　 |:::::::::|人::|　,＞　 ,_　ィ^i､　.ﾙ′　|:::::::::
.　　　　|:::::::::|jＩ斗f´: : ∧　　{　{: :｀i=-. . ,_|::::::::　　　　　　　こんな世の中、助け合いの精神が大事よね
.　　　 |:::::::/:ｉ: : :|.|: : : : _ヽ/}　'´Y: : : : : : ｀ヽ::
.　　　 !::::/: :|: :rﾞ└､: :(___ ｀ｰ |　| )ヽ:／: :__: :
　　　　|::/: : :|: :|　　i|:ヽ://:ヽ.,_ゝｼイ: :／: ミヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　 l/: : ヽ/￣￣　 =‐- ゝ辷彡' ｀　＜: ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　ﾄ､
　　　 /:.: : : :{≧=-　　＿＿＿＼　　　　 }: :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　l　　´＝｀　l　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ＿,､__ノ　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　ありがとうございます　　　　　　　　　　　　　　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::　

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.『晋書』『祖逖伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　石勒は成皋にある祖逖の母親の墓も修復し、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　祖逖に書面で通使の往来と互市の設置を求めた。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　祖逖は返書こそしなかったが、互市の設置を許している
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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460 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:55:43.92 ID:rs3FrmGi0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　⌒ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,.,..,......
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（　　　　'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ｒ‐'''"~ 　 |.|
~|¨|¨"i　|　　o　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ　　　　ヽ　　 ,. ．r'"　　　　'"''''''''''''''''''i――┐.　.|　　　　 |.|
. ! .!　 ! , ﾐく_）ттттr .h．.,_ｕ !!! |_|i` ､　(　　　　　　 .　 -'"._,Ｌ ‐''"＝＝'''Ｔ "Ｔ　|＿| 　　 |..　..|　r.1. 　 .!.!
. ! ｰ!┌.. 卵}}.―‐r.-　　 .|. i⌒j―~┤ｒ-　_ ｭｮ"'　　　　　.レ"~ r.1 ｢~.|-.ｎ-|｢Γｌ |　.|,．､　　 |　　|　|^|　,...､ |
_ﾚさ/.|　. こﾊﾂ　 |　.|　　.|,<ゝ'＿ｲｨ_＿_.i⌒Ｌ　､．,．　　　 (.ｦ,-､,.､ /¨)ﾉ.)-､ｭ ! .|〈ｆ ),ﾄ､ﾉヽ,r>',.!　.,ｆ ζ.ヽﾄ._,ｨ.| ,､ヽ
.　 ',ｉ .| ノﾆﾆﾊ、 ..|　.|　　.|l,.,_.|　　__　　　　　 |〉-.r '''''''ヽ='ィ `､ぅ`,'.} Y{ ''ｒ'.Yヽiﾆ./'｝f''｛｝ｆ,.)､><ﾆェェ f_,.-'-亠,､(ノ
┌─r''1.i__.| ノ}.　|　.|_,...._,Ｌヽ.,'´　　ヽ‐_.ｉ1_┘､_i二二っ_ヾi¨¨i　},'/..l　l.ﾋi　 .l'f､)ィ' i'"1 i ｌ. i `i i.',ヽ~,.' .ｨ　　 i.i-
｜　 |_,.|ｺっ,,１i_　|　.|￣Ｔ,､mi　　　 i_ ,.7A.fヽ_―――．< ~ヽi.゛1　l　l ｌl,.､ i.iｰ'ヽﾆ、､i.l .l_.l　lll.',ヽ'<_/j　　　ﾄi′
⊥．⊥L．‐ ''" l　|　.|　 /皿皿` ．_,ィ(,,,,､)_., ､|ｽ.｢｢￣「￣|__}ｆ"ヽ_ .i　^ﾄ|ｲﾄ､|./. <ﾉ､ﾂくヽﾞ､.i i.ﾉﾘ "lﾖ.ﾉ〈_　　　,' .|￣
- ．_　　　_,.．-'''ｰ-‐Ｌ」口 , -'"_ﾌζ(`ｰ'―`-'"~| l　 .|　 .| |ニニｺ¨　 Ц~i ii.Ｔтl只´ l.l　_〉J',l ll　l　~ l　､￣.ﾄ､|ニ
．_ _,.｀＞´　| .}_ｔ_　　　|,ｨ'＿＿｀'＿`´_`ー_―_''_'ﾄ.ト_''_''"¨_┐ィ=.l　　　 └｀.}_ﾉｉ.Y_ _j `i´.,'　}i l'./| 　 l　 l',　.',
‐'"　　 |　._j　　　｢￣|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_|┘<ヽl―.､.　　　Ｊl.l　ｌ. ｉ. l"''~l　 i｀ﾄi　ﾄ.､　ｉ　l ',　.ｉ---
　　　 .|'　,．．．_,r''>-､　　　.| ｆ.Y iYﾞ､ヽ〉Ｖ.>ヽi i ﾉ┌.────┐　ﾞ､　　　　Ｌj､ﾉ　└､_)　　　　｀ l　l .i　.l"""
　　　 .レ rﾉヽr,>＜.ヽ,-ﾞ､､..|, 〉‐ﾝt ｿヽr">､ノ7-Y７　,.､　 _.,.､　 !""".|　　　　　しU　　　　　　　　　､_ .l ト┤
　　　／､,>｀ﾄ､ﾉ_, ノ､( ヽ_ヽ‐/j　ｎ　.|l ,.-L__l ,r-__,..､l',(　__,<　),.>ｸ､-.､,..`､　　　　　　　　　　　　　　　　　~ ｀"´
　／,,r''ヽ-'ヽ｛,r-_ノ.Ｙ　　|./,ｨ<ﾍ,ｲ< ﾞ､,'　|ノf　Y. Ｙ.¨)'i-( ヽ>-<~ヽr-.<)､)`､
／,,.､｀>''"''"ヽ,r' .〉- l,.r＝|.ﾉ　 i i　　i ',　.ll .ﾚ'-'ｉ.i `‐'ｨ|`rY 口　',ｺﾄ､´ ', } }`､
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ |￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ |￣￣￣￣￣￣￣￣　|
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ |＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ |＿＿＿＿＿＿＿＿　ﾄ､
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／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、　　
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ　
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/　　　　　　　　互市とは、貿易を行うために国境近くに置かれた市場を指す。
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/　　　　　　　　　　三国時代には、
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:′　　　　　　　　　　魏晋と呉の国境地帯に設置された例がある
　∧＼　ﾏ三ｿ| .＼　
./: : ＼＼ヾ-〃 ..∧　
ｌ; : : : : ＼＼.り／: : :i
461 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 13:57:14.40 ID:rs3FrmGi0: 　　　　　　 ,;: '';..,　,..,'' :,
　　　　 ,;:'';, ,;　 ;　　;　 ;　''':,
　　　,;'':.:.　 ;　　;　　 ;　 ;　　'';,
　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',　　　　　　　　おっ、ひょっとして祖逖軍の方ですかい？
　　 ,iﾞ　／　　　　　　　＼　ﾞi!　
　　i!　　　●　　　　●　　　,l　　　　　　　　.漠北産のいい馬揃っていますよ。
　　ﾞi,,＊　　（__人__）　　＊,/
　　　ヾ､,,　　　　　　　　 ,／　　　　　　　　　.大きな声じゃ言えませんが、石勒軍の連中の馬より上質でさあ
　　　　 /::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／''''''　　　'''''':::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|
　　　　　　　　　　ふむ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　 |　　｀-=ﾆ=- '　.:::::::|
　　　　　　　　　　相応の絹と交換という事でどうだろう？　　　　　　　　　　　　　　＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:　　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞　　ヽ. ハ　 | 　 |｜

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　互市が祖逖軍の利益になった様子が『晋書』『祖逖伝』に見える。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　収入は十倍となって
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .公私共に満ち足り、兵士と馬は日に日に潤ったという
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
462 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:02:24.07 ID:rs3FrmGi0: 　　　　　　 ,;: '';..,　,..,'' :,
　　　　 ,;:'';, ,;　 ;　　;　 ;　''':,
　　　,;'':.:.　 ;　　;　　 ;　 ;　　'';,
　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',　　　　　　　　　　毎度あり。
　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',　
　　 ,iﾞ　／　　　　　　　＼　ﾞi!　　　　　　　　　　特別にこの奴隷も付けましょう。
　　i!　　　●　　　　●　　　,l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｺｼﾞﾝ
　　ﾞi,,＊　　（__人__）　　＊,/　　　　　　　　　　.巷で大人気のウマ娘の奴隷がなんとタダ
　　　ヾ､,,　　　　　　　　 ,／　　
　　　　 /::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.　':.:´:.￣:.｀ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ﾄ､　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._ﾊ._:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾆﾆ＼ .､:/｀/ヽ､へ:._:.　 ∠ﾆ∧ . :.:ヽ　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｛ﾆﾆニハ.l:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.｀:＼:..ミﾆニ｝;;;＼:.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／;/:.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.l:l_＼;;;;;＼:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /;;;;//:.l:.:.:.:l:.:.l:.l:.:.:.:.:.:.:l:.l:.:ヽ:.ヽ:.:.ヽ-､l´:lヽ;;;;;;ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /;;;/:/l:.|l:.:.:.l:.:ｌｌ:.l:.:l:.:.:.:.:.l:.l:.:.:l:.:..l､::.lヽ ,l:./:.ヽ;;;;;;;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /;;;;;l:.l l:.:l l:.:.:|l:l;;;l:lヽl:.:.l:.:.:l､l:.:.:l:.:.:lヽ:l ﾘ.l/／ヽ;;;<
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /;;;;;;; l:l　l:.l　l:.:.N;;;;l:lハﾄ､l:.:l lヽ:.ｌｌ:.:lノl:l´-.､ﾌ　 l､r'′
　　　　　　　へーい、らっしゃいらっしゃい。　　　　　　　　　　 /ﾍ/〉,.弋;;ヽl ;;ヽl ;;;ハ　ヽ＼:l`l リ.l:l };;ﾘ二ミ　 l;lヽ´　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l;;;;〉,､l_r-､_,.イ;;;;; __{､　　　　ﾘ　　ﾉ｀　 - 、　ﾄ､_｀
　　　　　　　とってもお買い得な奴隷だよぉ　　　　　　　　　 .l;;;;｀;;;; l　　　￣　　　＞､　　　　　　　　ヽ　 l l:::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l_,. イﾊ　　　　　 _. - ´　l　｀ヽ、　　　　　　　　 l l::::l　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l l:.:l｀ー‐ ''"　　　　 l　　　　｀ー-　.. ＿＿//::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l l:.:l ll／l 　　　　 l　　　　　　 l　　 l　／:::::/
　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│ｌ:.l |l　 l 　　　　 !　　　　　　　　l　／/l'::::::／:.}
　 |　　　事故物件かな？　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　V l　〈l　　　　　 l 　　　　　 l／:::/.l:V´_:.:.:.,l
　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/二ﾆl　　　　　 l　　　　　　　 l _.／ ,l: :l＼:￣:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ l　　　　　 l __　　　＿__ l＿／l : l　ﾄ､:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/ r‐┐　r‐‐ l´:::::l.＿_l::::::::::::ヽ　 l: : l　 l　｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: :/　l:::::::l￣l:::::: l::::::::l　　l::::::::::::::::l 　l: : :＼
463 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:03:45.28 ID:rs3FrmGi0: 　　　　　　　　＿　　　＞:::::::::::::::::::::::::::::::::.....,
　　　　　　　/　./|::::／::::::::::::-－‐....、::::::::::-...、::,
　　　　＿_ /　./ヽ/:::::::::::::/Yヽ:::::::::::丶::::::::::::::丶:::, 　 .ｒ‐.、
___ -‐:::::::::::|　ｉ::::/:::::::::::::::ｌ~~~.l:::::::::::::::::::!::::::::::::::::ヽ::, :::!　.ﾄ、
:::::_ -::::::::::::{　 | /:::::::::::::::/　　 |:::::::::!:::::::ﾊ:::::::::::::::::::ヽ| ｝　|:::..、
／:::::::::::::::::::ゝ::/:::::!:::::/:ム、　 !::::::::i::::斗弌::::::::::::ヽ:::i/／::::::::::..、
:::::::::::::::::::ﾉ／/:::/::!:::ﾄ:/　　｀　.|ﾊ!::::|:/ ,ｚ、ヽ:::ｉ::::::|::::|::::ヽ:::::::::::....、
:::::::::::::／　　.|::://:i::::! .ｚ≠　　　ｉﾉ/ﾟ/ん心 |:::::!:::::|::::ト:::::::ヽ:::::::|:::|
:::::::／　　　.〉:/::::i:::|ｌiｆん心　　}/ 　乂ソﾈ::::|:::::}::/　＼:::::〉::!:ｉ:/
:／　　　　 /:ﾊ::::::|::| ! 乂ソ　　、　　　　　ﾊ::/::ﾊ!/　　 .∨:::|:::,　　　　　　　　　　奴隷ですって？
　　　　　　 // .|::::::!::ヽ　　　　　　　　　／|´::::/　　　　 }:::l:::::,
　　　　　　/　　〉:从ハ::ゝ　　　　　　　ﾊ::::/　　　　 /:::::!:::::,
.　　　　　　 /´　 |::! ＼　　　　ｒ ,　　　　　´ |:/ 　　　 /::::::/::::::,
　　　　　　　,－- _ .ヽ　 .个　　　　　 < 　 .ｉ´________ ./::::::/ .ヽ::.,
　　　　　 /　　　　ｰ－-.|::::::::≧s　イ/　ｒ==|三三三ﾐ/::::::/　　｝::.,
.　　　　　 /　　　　　　ヽ .ヽ:::::::: ´　 / 　|三三三三／:::／三|　/:::/::,
. 　　　 /　　__　　　　　ヽ .丶　　 /｀　.￣/三三／＾´三ﾐ| ／:::/

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／''''''　　　'''''':::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|
　　　はい。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　 |　　｀-=ﾆ=- '　.:::::::|
　　　どうも売れ残りを押し付けられたようですが、断わるのも悪いと思いまして。　　　.＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､
　　　おい、祖逖将軍の目の前だから頭を上げろ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞　　ヽ. ハ　 | 　 |｜
464 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:04:42.62 ID:rs3FrmGi0: 　　　　　　　l:::::::＼　　 _＿＿/::::::::}
　　　　　　　{::::::;へ｀: : : : : :／;へ:::/⌒ヽ
　　　　　ヽ/: :, --――､: : : : ヽ:＼: :∨
　　　　　 /: : ﾚ―――∧: : : : :ﾄ､_ヽ: ∨
　　　　　　　 l: : : /{: : : : /{: :∧: : : :.lーｦ: :.∨
　　　　　 l: : :/　＼／　＼_∧: : : l: : l: : : ∨
　　　　　 l: : :l　u　　　　　　 ∧: : l: :.l＼: : ∨　　
　　　　　 l: : :l　⌒　　　⌒　 ∧: :ｌ: :ﾄ､. ヽ: :ゝ-､　　　　　　　　　　　　　　　うっらら～
　　　　　　 '; : :}: : : 　　　 ∪: :.}: :l: :l　＼　ゝ-､:∨
　　　　　ヽ: ﾄ､　⊂ つ　　 /::l::ﾉ:ノ　　＼　　ヽ}
　　　　　　　　　ヾ　＞-t---tイ:::::ﾚ　　　　　 ∨　ﾘ
　　　　　　　　　　　 L::＿_ 　 l ::　:ｌ　　　 /　　 ∨
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　　　　　　　　　　 [::::::::]ー‐[:::::::::]　　　　,,..._〉
　　　　　　　　　　　 l＿l ￣ヽ:}　 l´￣￣ヾ:::::}ヽ、　　　ヽ､
　　　　　　　　　　　「:::::]　　　l＿l　　　　　ヽ;l: : :｀ー--‐'ﾉ
　　　　　　　　　　　　　(:::::::}＿__〈:::::::}　　＿＿_ノヾ､ー-―''’
　　　　　　　　　　　　｀ｰ'　　　ヽノー―――''￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　((_,／￣￣`￣＼))ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/／ﾊ,　ヾ､　ヽヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ /　ル'　〉ﾘﾊ , 〉　〉　i　ﾊ
　　　　　　　　　ちょうど人手が足りないみたいだし、　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘ j ,ﾙ､!●　　● i　' i'　 j　i )
　　　　　　　　　あなたたちで仕事を教えてやって頂戴。　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ,ﾉﾘ〈　　ワ　ﾘ) i i'　ﾉ j i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉし　　`ｰｩ　ｔ-!ﾘ""　　＿ j
　　　　　　　　　名前がないと不便だし、漢人風に王安って呼びましょう　　　　　　　　　 ./´l ly ,ィヽ､　/」」」.iｺ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / `.ｌスl==j 　＼| l | l |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,/ー､{::::::::::/ー､!　＼ｺ .|

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.『晋書』『祖約伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　祖逖の下に王安という胡人の奴隷がいた。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .主に恵まれたのか、
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　手厚い待遇を受け、雍丘にも随行していた
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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465 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:05:21.06 ID:rs3FrmGi0: 【はじめてのおつかい（やらせなし）】

　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　／''''''　　　'''''':::::::＼
. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|
　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|　　　　　　　　　王安よ。
. 　 |　　｀-=ﾆ=- '　.:::::::|
　　＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／　　　　　　　　　このにんじんを厩舎の馬に食わせてきてくれ
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-　　　
:　　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　＞　　ヽ. ハ　 | 　 |｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／{　　　　　　　／｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {:::::L＿____,-､／::::::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: -=＝=-く: :.＼:::::ﾉ　　　　　-=つ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : :./: : :∧: : :＼: :.ヾ､ー､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : :.∧/ソ　＼: :.∧: : : ﾄ､: ＼　　　　　-=つ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {: : :/　　 ,,　　＼: :ﾄ､: : }:.} : : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧: :l　＞　　＜　｀Y: :}: :l∧: : : : 彡う)　　-=つ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:l: :　,-　-､ : : :　 l: :.l: :}　｀ー'´ ／'
　　　　　　　　いってきまーす！　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　ヽ　ノ　 iー┴.l:/ー､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_＞ t-=＝=l::　　 !'　　〉
　　　　　　　　あっ、チョウチョだ！！　　　　　　　　　　,( ):::}　　 :l　::　 ::l::　　　ーく::ス
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ::ノー､ ::l　::　 ::l::　　　　　::〉:::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 } ::l__::＿_::＼＿＿／￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼}＼:::::::::::::／ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼Y＞´　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ｰ---/:ヨ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |三ﾆ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾏｯﾃ-! く::::::::::〉
466 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:06:36.02 ID:rs3FrmGi0: 【現実は厳しい】

γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
|　　　王安の奴、馬のにんじん全部自分で食ったってよ　　.|
ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　　　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　|　　仕事中にチョウチョ追いかけて仕事の内容忘れたって？　　|
　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
|　　仕事サボって互市で遊んでるのは見た　 |
ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂　　　　　　　　　　　　　l:::::::＼　　 _＿＿/::::::::}
　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ　　　　　　　{::::::;へ｀: : : : : :／;へ:::/⌒ヽ
　　|　　　そのくせ戦場に出たいとか抜かしやがる　　　 | 　　　　　　ヽ/: :, --――､: : : : ヽ:＼: :∨
　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂　　　　　　 /: : ﾚ―――∧: : : : :ﾄ､_ヽ: ∨
　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l: : : /{: : : : /{: :∧: : : :.lーｦ: :.∨
　　　　|　　身の程を知れよ　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l: : :/u ＼／　＼_∧: : : l: : l: : : ∨
　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿乂　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l: : :l　ノ　　　ヽ、 ∧: : l: :.l＼: : ∨
γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ　　　　　　　　　　　　　 l: : :l　＞　　　＜　 ∧: ｌ: :ﾄ､　ヽ: :ゝ-､
|　　　　罰として三食ピクルス山盛りな　　　　|　　　うぅっ！　　　　　　ﾚ'⌒了u ,-ー､uと⌒ヽY: :l　＼　ゝ-､:∨
ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂　　　　　　　　　　　　 .{ヽ::::::ﾄ､u ヽ　ﾉ　ゝ:::::::〉ノ　　＼　ヽ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そんなぁ！！　　.〈｀ミｲ}　＞--- t--ｰ〕ﾆl￣} 　　 ∨　ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ::∠＿＿　 ::l ::　 :[:::::::::ﾉ　/　　 ∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 ::l ::　 ::lﾆ二__ノ　　　 ∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　 ::l ::＿::}::　　　　　　,,..._〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣ヾ::::::＞'￣￣￣ヽ::::}＼＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　Y　　　　　 };イ､: : : : : : : : ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ、　　　 {　　　　＿ノ::::ヽ、｀ー―― ､}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ｰ――'´｀ー―――''￣￣　　　　　　　ﾘ

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　ところが、どうもいまいち祖逖軍に馴染めなかったらしい
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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467 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:07:43.61 ID:rs3FrmGi0: 　　　　　　　　　　　 /＼＿＿_／ヽ
　　　　　　　　　／_ノ　　ヽ､_::::::::::＼
　　　　　　　 |（●）, 　　､（●）､.:::|
　　　　　　　　　 |　　,,ﾉ(､_, ) ヽ､,,　.::::|　　　　　　　　　王安の奴には参りました。
　　　　　　　 |　　｀-=ﾆ=- '　U.:::::|
　　　　　　　　　＼. 　｀ﾆﾆ´　 .::::::／　　　　　　　　　よくあの頭の出来で、レースだのライブだのできるものです。
　　　　　　　　 __,. ＜.ﾑ-ー--´_,／ヽ__
　　　　_, ､＜¨ : : : : :l : :.ヽ　 ∧::〈ヽi :、ヽ、　　　　　　このスレで生きていくには絶望的に知力が足りません
　　　/ : : : : : : : : : : :|＿ : :∨　|:Λ | : :､ : ＞、
　　丿 : : : : : :i: : : : : : :／ :.∧__|::∨＼､: : : : :.｀,

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　((_,／￣￣`￣＼))ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/／ﾊ,　ヾ､　ヽヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ /　ル'　〉ﾘﾊ , 〉　〉　i　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘ j ,ﾙ､!●　　● i　' i'　 j　i )
　　　　　　　　　　　　　　　　そこで賢い私は考えた　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ,ﾉﾘ〈　　ワ　ﾘ) i i'　ﾉ j i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉし　　`ｰｩ　ｔ-!ﾘ""　　＿ j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./´l ly ,ィヽ､　/」」」.iｺ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / `.ｌスl==j 　＼| l | l |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,/ー､{::::::::::/ー､!　＼ｺ .|

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　ある時、祖逖は王安へ告げた
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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468 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:08:32.35 ID:rs3FrmGi0: 　　　　　　｢了ｱ＞.::´::::::::::::::::::::::｀丶　｢｀ヽ
　　　　　　 >::´;:::::;::ｉ:::::::::ヽ:::::::::::ヽ:::::ヽ! ／､
　　　　　　 /:::::/::::/-|::::::::::::i､:::::::::::::∨::∧-.<
.　　　　　 /::/::'::::/　ｌ::::::::::::|‘，:::::::::::∨::::';::::‘，
. 　　　 /:::'::::|:::;'、　 ';::::::::::|　}:ﾄ､:´:::::ｉ:::::::}:::::::i
　　　 /ｨ::|:::::|::i　ヽ､丶::::::lイﾘ　V::::::!::::::'::::::::|
.　　　　 j:|::|:::::|:ｨ芹抃　＼!ィf芹示k:l::::/:::::::::|　　　　　　　王安。
.　　　　 |:|::|､小{　Vり　　　　　V:ンｌ|:::|:/ l:::::::::|
.　　　 | !ﾉ:::|.l∧　　　 ′　　　　||:::|　 |:::::::::　　　　　　　石勒はあなたと同じ人種よ。
　　　　 |:::::::::| |:込　　　` ‐　´　　ｲ||::; 　 |:::::::::
　　　 |:::::::::|人::|　,＞　 ,_　ィ^i､　.ﾙ′　|:::::::::　　　　　　　私はあなたを一人だけにするつもりはないわ
.　　　　|:::::::::|jＩ斗f´: : ∧　　{　{: :｀i=-. . ,_|::::::::
.　　　 |:::::::/:ｉ: : :|.|: : : : _ヽ/}　'´Y: : : : : : ｀ヽ::
.　　　 !::::/: :|: :rﾞ└､: :(___ ｀ｰ |　| )ヽ:／: :__: :
　　　　|::/: : :|: :|　　i|:ヽ://:ヽ.,_ゝｼイ: :／: ミヽ
　　　 l/: : ヽ/￣￣　 =‐- ゝ辷彡' ｀　＜: ヽ
　　　 /:.: : : :{≧=-　　＿＿＿＼　　　　 }: :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /＼＿＿_／ヽ
.　　 /: : : : : :V　　　￣￣￣　 .〕jｘ.,＿ｨ}: :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／,ノ　　ヽ､,__::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |（●）, 　　､（●）､.:::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　,,ﾉ(､_, ) ヽ､,, U .:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 <二ニヽ.｀-=ﾆ=- ' 　.:::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／-‐ 　｀i　｀ﾆﾆ´　 .::::::／
　　　　　　王安を石勒の下へ送るのですか？　　　　　　　　　　　　　　　　　{/´､　　　 ',┐ー--´ﾒ ┴ｭ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　しrヽ　　　　V:::Λ　／ : : :＞、_
　　　　　　敵の間者と思われて殺されるのが関の山では？　　　　　　　　　　,.＜ﾊ､_／￣ V　∨ : : / : : : : :_＞-.､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「 : : : :〈 : : : : : : ヽ/ : : :/ : : : ／: : : : : `、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /. : : : : ∧ : : : : : : :ヽ : : : : : :/ : : : : : : : : }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / y : : : : : Λ : : : : : : : ＼ : : / : : : : : : : : : }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / : :.i : : : : : : Λ : : : : : : : : :ヽ:ﾉ／ : : : : : : : :j
469 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:10:32.58 ID:rs3FrmGi0: 　　　　　　／{　　　　　　　／｝
　　　　　　 {:::::L＿____,-､／::::::}
　　　　　／: -=＝=-く: :.＼:::::ﾉ　　　　　-=つ
　　　　 /: : :./: : :∧: : :＼: :.ヾ､ー､
　　　　 /: : :.∧/ソ　＼: :.∧: : : ﾄ､: ＼　　　　　-=つ
　　　　 {: : :/　　 ,,　　＼: :ﾄ､: : }:.} : : ＼　　　　　　　　　　　　　　　石勒って胡人の王様だよね！？
　　　　∧: :l　＞　　＜　｀Y: :}: :l∧: : : : 彡う)　　-=つ
　　　　　ヽ:l: :　,-　-､ : : :　 l: :.l: :}　｀ー'´ ／'　　　　　　　　　　　　　祖逖将軍ありがとー！
　　　　　　ヽ　ヽ　ノ　 iー┴.l:/ー､
　　　　　＿_＞ t-=＝=l::　　 !'　　〉　　　　　　　　　　　　　　　　　この御恩は忘れるまで忘れないよ！
　　　 ,( ):::}　　 :l　::　 ::l::　　　ーく::ス
　　　ヾ::ノー､ ::l　::　 ::l::　　　　　::〉:::}
　　　　　　 } ::l__::＿_::＼＿＿／￣
　　　　　　＼}＼:::::::::::::／ /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　　　　　　 |`‐-、
　　　　　　　　　＼Y＞´　 ∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /（　　／ヽ: : : : : : : : : : : : : :｀丶} _、ノ
　　　　　　　　　 |ｰ---/:ヨ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　L_ , ´: : : :-‐‐:､: : : : : : : :{⌒～（冖ヽ‐‐-
　　　　　　　　　 |三ﾆ/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: :､: : : : : : : : : :＼: : : : :{__,-‐人: : : :`､__: : : :ﾞ:.
　　　　　　　　　　く::::::::::〉　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／´: : : : ＼: : : : : : : ヽ : `､: : : : :ノ: : !: ヽ: : :`､　　｀`'ヾ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //'∧: : : : : : :ヽ: : : : : : : : :マ＼´: : : : !: : i: ＼: :`､　　　 },ﾞ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //　{:::`、: ､__: : :)丶__: : : : : : :}ヾ'、: : : !: : :i: : :}i `、＼　　 }: i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.ﾞ,　 {::::::iヽ: : :´⌒/~ ヽ: : : : : : : i::::＼、!: : : i: : : }i :i、､: :`､　}: :i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ丿!::::i　､: :i!ﾕ芹弐ミ: : : : : : :i:/⌒ヽ、: :i: : : :,八;　ヽ: : :∨: :i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　从::::! i_t, ､}∨亥-‐´!: : i: : : i!:i　〉ヽ} ):/: : : :i　 i:i　　`､: : ヽv
　　　　　　　大丈夫大丈夫。　　　　　　　　　　　　　　　　 .丿 i::::!::丐ノ /　　　　;ｿ､i: : : ∧、)ソ/: : : : :,　　 i:i　　 `: : ､: i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀､!:::ヽ　'　　　　　;　　i: : :i　＾　ノ: : : : :/　　　 i:i　　/､: : ﾞ,ヽ
　　　　　　　石勒に王安は殺せないから　　　　　　　　　　　　　｀､:::i　　　　　__,　　i: :ﾊ!ノ′'!: : :／丿　　　　i:i／: : :!: : :iヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　): :、　-=ﾆ‐″　 i: i ﾘ　　　!／≪　　　　　／: : ／ !: : :i ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.j/ヾ　　　　　／i: i　　　　 !; iヾ、　　-==‐‐彡ヽ　i: : : i　〉〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: i/ iヽイ　　| i: i　　,＿ !__ヾノ　　　　　　　　ヾ､i: : : :i :i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: i/ i: : :!　ｿ|‐i: iﾆﾆﾆﾆﾆﾆ__＼ヽ　　　　　　　　ヾi: : : i! i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ヽヽi: :丿/-‐'''ヽヾ~￣￣￣′ヽヽ　　　　　　　　 i: : :i!/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .,‐------､/　／／´; ; ; ; ; ; ;`¨¨⌒; ; ; ; i　　ヾ　　　　　　 i: : :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　‐‐---'､/　/; ; ; ; ; ,ｲ; ; ;ヶ￣￣`ヽ; ; ;ヽ　 i! 　　　　　 i: : /ゝ
470 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:11:15.69 ID:rs3FrmGi0: 【紀元３２０年冬　晋　冀州　襄国】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__
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爻爻父父炎灸炎i爻i爻jﾉ⌒|┌i |￣|┌┐:|　卩|￣＼|:.:: :|　Ｉ　Ｉ　| : |　 |¨|_| |: : : : :| 　［］　|　　　　　　　000 ∨ﾚ'
￣|｀｀``爻彡从ミﾐ'⌒∩　　 |└' |─|└┘:| 　　¨¨¨¨¨|: : |　Ｉ　Ｉ　|_ :|　　: : : |: : : : :|　　　|￣L|￣| 　　 ||　 {i:i{
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ|i:i|　∪　∪　　 |　　ﾞΤ¨¨¨~~:|　　　　 :|: : |　ｉ⌒ｉ　 | :|　　: : : |: : : : :|:　 ∩┐┌┐┌┐┌┤ ,{i:j:}
￣￣￣￣￣|i:i|洲州ｘｘ　　　|　п |￣|　　 |　ﾛ　　　　:|: : |　|　 |　 | :|　　: : : |: : : : :| 　 |::|└┘└┘└┘└‐}i:i:i}＿
　|￣| 　冂 |i:i:|洲洲洲￣￣￣￣￣￣￣　　　　　　 :|: : |　|王王王王王王王王王王王───‐ |￣|===ｒﾉi:i:i{
｢￣￣￣￣ |洲￣￣￣　　　　　　　　　　　　　　　　＿|: : |　|¨¨7~¨:|￣”二¨¨¨“““　　''''|　　　　　 |　辷三|ﾉi:i:i:乂
　　　　　＿jjjjＬ　　---──……￢冖'''　¨¨￣___二二￢三三二ﾆ|ｨシ´　｀':,　γ⌒ヽ |　　　┌┴-- 　　＿
￣￣￣￣＿＿　　　　‐……￢冖ﾆ二三三￣　　　　=ニ　三三　ﾆ……===ニニニﾆﾆ|＿　　 |　　　　　　　　￣￣
￣￣￣───………………ΞΞΞΞΞ　　　　　 =ニ　 =三　ニ　　====ﾆﾆﾆﾆ￣三三三三￣三三二ニ=…ー
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: ────‐ΞΞΞΞΞΞ　　　　　 =二　三　ﾆ　　 =====二二　　‐‐……　　‐…==＝＝＝三
　: : : : : : : : : : : : ──==＝ΞΞΞΞΞΞ　　　　　　=二　三　二　　 =====二二　- - ￣　: : : : : : ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　話は分かった　　　　|
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/　
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　　　　王安は手厚く財貨を与えられた上で石勒の下へ遣わされた
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/　
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:′
　∧＼　ﾏ三ｿ| .＼　
./: : ＼＼ヾ-〃 ..∧　
ｌ; : : : : ＼＼.り／: : :i
471 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:12:48.88 ID:rs3FrmGi0: 　　　　ﾋ´ミ仆爪／/ j } /ﾉハ｀ヽ、ミ≧=-ゞY､_
　　　圦ミfｿ￣} } / ,'　＿＿　　　＼ﾐ下千f=-仆
　　　ミ }}ｿV i/ ゝ　Vゝ斗ｲ､ヽ　　　　ヽミ仆≧=}}
　　　乂./　 /　三ミ　￣　　 ',{　　　　　ﾊﾐﾐ　＿ｿ　　
　　　圦{ 辷i　　≧=-　　　　　}　　　　　 }ﾐ彡　 .Y　
　　　　人､~ﾊヽ　‐　ｲ　　　　　j　　　　　 iﾐｿ ~ｲ /　　　　　　　この王安という男は、こちらで用いるとしよう
　　　　　 Y､ ',　ゝ-=＿＿,　　　',　　　　　V　　 /　　
　　　　　　ﾊ　　 /｀´＿＿　　　　',　　　　　i≧=´　
　　　　　　　',　　壬//≧=-　　　 }　　　　 }////　
　　　　　　　 .ｉ　 Y　　　　　　　　 {　　　／//´⌒
　　　　　　　　|　 {　　　　　　　　　}, イ/////　　　
　　　　　　　　.{　ヽ-=≦≧=-､-=≦///　　　　　　　
　　　　　　　　 .',Y//////////////ｲ　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／''''''　　　'''''':::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　 |（●）,　　､（●）､.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　u::|
　　　　　　　　　　　　　　　　あ、ありがとうございます　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　 |　 u ｀-=ﾆ=- '　.::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　｀ﾆﾆ´　.u ::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ーーノﾞ -､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:　　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞　　ヽ. ハ　 | 　 |｜
472 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:13:39.19 ID:rs3FrmGi0: 【左衛将軍は四品官相当なので割と偉い】

　　　　　　　　　　　　　／////|　＿_　　／/ﾊ
　　　　　　　 - 、　　　　////＞''"　　___＼//＼/|
　　　　　　　／　　＼　　〈/／　　　／: : : ヾミ|i／⌒∨
　　　　／　　　　　／／　　　 /三三三三≧=- 　',
　　　　　.: 　　　　 . . .／ /　　　　 /　/　　ｲ　　 `㍉ハ ',
　　　　/　　　　. : : : /　/　　　　　 /ｲ/＞x　И 　 /　 ∨　',
.　　　/　　　 : : : ／|:∥　　　　 : ,xァ=ミ＼|　 /| 八 ∨　,
　　 .: 　/　 . : :／/　ﾚ｛　: 　　　 i《 / Y ﾘ　 /／≦_'Ｔ　|　│
　　 i　/　 . : /: :/' 　Ⅵ　|　　　 |│ 乂_ソ　　　んﾘ》ﾚ:/　: |
　　 | :　 : : :/: :/　　 iＮ　l: :　　 │|::::::::::.　　　　､Vｿ |:|/ 　ⅳ
　　 |│　. : : :/　　　|∧: | : : 　 │|　　　　　　　 :::::::|: :　　|
　　 |│　　: :｛　　　 |i:| | ﾄ: : : 　 |八　　ー‐　､,　　八:　　|　　　　　　　　　石勒様って、かっくいーね
　　、!　　 : ::、　　 |i:| |八　:　　|、　　　　　　　ノ: :　　 ‘
. 　　丶　　 : :＼　 |i:|　　ヽ:　　',＞　　　　　イ |: : 　 //
.　　　　　＼　　: :＼Vﾊ　　　＼　 ,　　＞＜ ∨/: :　 /|/
　　　　　　＼　　: :Vﾊ　/＞‐＼|Т￣|￣|￣|/: : ／､､,,_
　　　　　　　　　）　　: :）ﾉ　|　|　│ │　 |ｨi〔ニ/ イ__,､丶⌒ヽ
　　　　　＿_／　　彡／＼|__,ﾉ__/ ィi〔::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::∨
　　　　　/厂/ ／￣　　　　　 //　　　＿ '/:::::::::::::/:::::::::::::::::::＼}
　　　　乂/ /:::::::／　　　 // 　　 J】　 '/::::::::::|:::::::::::::::/　／＼
　　　　　 .:::::}:/ 　　　　　//　　　　　　　 '/::::::: |::::::::::::/　//　￣＼
　　　　　 |‐ / 　　　　 /　　　　　　　 }::::::::::|:::::::::,'＼//.　／::::: ＼
　　　　　 |-√::::::....　　 ||　　　 ...::::::::...../:::::::::::＼::::{ //＼ /:::::::::::::::::::＼
　　　　　 |__{:::::::::::::::.. 　 || 　 ..:::::::::::::::::::/::::::::::::::::::/＞Ｖ　 ∧:::::::::::::::::::::::::＼

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　王安は石勒の将となった。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　『十六国春秋』『後趙録』によると、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　石勒に仕えて左衛将軍にされたとある。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　王安と似た境遇だった石勒にすれば、他人事ではなかったのかもしれない
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
473 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2023/05/07(日) 14:14:48.28 ID:rs3FrmGi0: 【紀元３２０年冬　晋　兗州　雍丘】

　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　／''''''　　　'''''':::::::＼
. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|
　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|　　　　　　　　　恐れ入りました。
. 　 |　　｀-=ﾆ=- '　.:::::::|
　　＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／　　　　　　　　　祖逖将軍の見立て通りでした
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-　　　
:　　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:./＿　 ......---＼　＼＼:.:.:.:.:.:.:.: ＼　
　　＞　　ヽ. ハ　 | 　 |｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:./　)／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.￣＼:. ＼:.:.:.:.:.:.: ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:{_／:.:.:.:.:.￣＼:.:.:.:.:.:.／:.:.|＼:.: ＼:.:.:.:.:.:.:＼　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼Λ: ＿:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼￣:.:.:.:.: |:.: |＼:.:.: ＼:.:.:.:.: ＼　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒∨ :.:.:.:.:.:｀＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.: |:.: |:.:.|〉　:.:.:. ＼:.:.:.: ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.:.: |:.:.＼:.:.:|:.: |:.:.|Λ ＼:.:.:.:. ＼:.:.:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:.:.:.:.:.:＼:.:.:/⌒＼:.:.:.:|:.:.:.:. ∨ :. |:.:/:.:.|　　＼:.:.:.:.: ＼
　　　　　　　　殺せるわけがない。　　　　　　　　　　　　　　　 /|:.:ﾄ､:.:.:.:.:∨_,ﾉ笊 |:.:.:.|:.:.:.:.:.:| ＼:.:.:.:.: /　　　＼:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: |:.:|　＼ :.:|ィﾟKr|　|:.:.:.|:.:.:.:.:.:|　| |:.:.:.:/　　　　　 ∨:.／
　　　　　　　　王安を殺せば、　　　　　　　　　　　　　　　　　./:.:ｨ|:.: ィ⌒ :.:ﾄ、V┘ |:.:.:.:.:.:.:ハ| ﾉ八:/　　　　　 /／:.:.
　　　　　　　　石勒は胡人の信を失うんだから　　　　　　　　／八:.: |ｱ笊:.|⌒　　ノイ:|:ィ|　人イ/:/　　　　　／:.:.:／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.:Λ|:. ヽ人|　　　　　|人|:|　　 ∨Λ　　　　／:.:.:／:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/:.:.／ |:.: ﾉヽ　　　ｧ　　　 |:|　　＿|　　＿／:.:.:／:.:.:.:／
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/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　石勒も狡猾だが、祖逖もとんだ喰わせ者である
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