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やる夫が正史を書くようです57
- 823 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/02(木) 01:14:05.71 ID:LeT7UFgd0
- 乙
誰かが言ってた補正がないというのがわかる
- 824 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/02(木) 02:09:10.68 ID:MKj1VISt0
- 小勢力が割拠して飢饉の中グダグダやってるけど
三国志の前半みたいで結構好き
- 825 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/02(木) 07:31:23.02 ID:TR7CkwHyo
- この石虎は種籾まで食い尽くす
- 826 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/02(木) 09:17:42.58 ID:n0cY7Pzv0
- 乙でした
>>805
犬羊之衆と書くいうことは、牧羊犬のことを知っていた人物の文章でしょうかね
- 827 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/02(木) 11:11:50.68 ID:GM392lB3O
- 乙です
劉?さん、負けヒロインみたいで癖になりそう
- 828 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/02(木) 18:17:30.89 ID:n+v/IUfW0
- 乙です〜
長安政権が滅びたのになぜか盛り上がって来たーって情勢ですね
- 829 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/02(木) 19:46:04.67 ID:4jWzFHAZ0
- 乙でした
この祖逖が持っている陽性の悲愴感は(変な言い方で恐縮ですが)
何となく往年の姜維を思わせるものがあるなあ
- 830 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/02(木) 21:50:46.08 ID:yMPbUxKQ0
- 乙、王導アンチのかまってちゃんのイケメンポンコツエリートの庾亮もついに登場か
- 831 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/03(金) 01:27:12.80 ID:kcydru3A0
- 【>>767修正】
【紀元317年夏 晋 揚州 建康】
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〜〜〜〜 (晋( ̄| (
、___`t-'ーイゝ-i ┌┐
ヽ] ̄二二二7 /~'7;; |/~''7
〜〜〜〜 〜〜 ""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 (晋( ̄| (
┌┐ 、___`t-'ーイゝ-i
/~'7;; |/~''7 〜〜〜 ヽ] ̄二二二7
(晋( ̄| ( ""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜
、___`t-'ーイゝ-i ┌┐ \__人_人从_人_人从/
ヽ] ̄二二二7 /~'7;; |/~''7 〜〜〜 _) (__
""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜 (晋( ̄| ( ) この祖逖ッ!! (
〜 、___`t-'ーイゝ-i 〜〜  ̄ ̄) ( ̄ ̄
〜〜 〜〜 ヽ] ̄二二二7 /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
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〜〜〜〜 (晋( ̄| (
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ヽ] ̄二二二7
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./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『祖逖伝』に曰く。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 祖逖は本籍地から移ってきた部曲百余家を率いて長江を渡った
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 832 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/03(金) 09:42:11.03 ID:y5339mcu0
- 乙、この殺伐としたイカれたリアル世紀末時代の中じゃ
ドジっ子の庾亮はある意味癒しだ
- 833 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/04(土) 01:56:05.27 ID:GomhVfyB0
- お疲れ様でした。
司馬保・司馬睿と張軌の差は、半独立勢力であっても、隙あらば自分が帝位を窺う(あるいは配下にそれを期待される)皇族と、
権益が保障されるなら積極的に忠勤に励む意味のある非皇族の違いという所でしょうか。
血縁の方が信用できない事態になっています。
とはいえ、実際に自分たちが血を流した張軌陣営から見れば、司馬保は「恥を知れ」と思われて当然。
- 834 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/04(土) 18:40:54.72 ID:gJ7sNEGY0
- おつでしたー
曹嶷は漢側かと思ってたけど勧進文に賛同してるとは…
- 835 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/04(土) 22:53:30.42 ID:fA+5hhGi0
- おつ
南でのささやかな勝利が北では大げさに取られてしまった感じがする…
劉琨は後がないんで仕方ないかもしれないが
- 836 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/05(日) 10:17:03.76 ID:+LKNGW+z0
- 劉琨は雁夜おじさん並に色々補正無しな上にやる事が裏目に出過ぎてるなあ
- 837 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/05(日) 10:52:39.53 ID:CHevN0Zso
- よく一族取り立てる理由に
「一族ならいざと言う時に頼りになるし
異性を王にすると乗っ取られるから」と言うけど
この時代の司馬一族ほど信用出来ない存在がない、レベルというか
- 838 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/06(月) 14:31:47.71 ID:c5UulhRa0
- >>1さん乙ー。
劉琨って、桓温「俺、劉琨に似てる?どう?どう?」の人としか知らなかったけど、
完全にこの時代の最重要キーマンだったんだな。
- 839 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/06(月) 20:10:22.97 ID:Ck1a4Fea0
- まあ曹操が主人公補正無しで敵が強過ぎなベリーハードモードだったのが桓温だから
補正無しで敵強すぎる境遇な所が劉琨に似てると言えば似てるかもな
- 840 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/08(水) 19:12:14.93 ID:iPsoaEYW0
- 異民族と兄弟分になって辛うじて維持できる立場じゃ藁にも縋る想いなんだ…
そしてこんな戦果モリモリの書状送らなくても良いじゃないの王導さん…
- 841 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/08(水) 19:44:07.96 ID:mgkc0BGF0
- >>837
本当に一族同士の殺し合いで国が滅んだからな。しかも何回争ったんだよってレベルだし
- 842 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/09(木) 09:01:20.60 ID:sHD+pjjQ0
- その辺はまぁ
裏切るかもしれない親族と
最初から信用の低い赤の他人の比較だから
- 843 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/09(木) 13:13:15.90 ID:wZvCA5en0
- 一族内のガチ内戦で国が滅んだ例……あと南朝梁くらいか?
- 844 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/09(木) 13:25:19.83 ID:+zFFiKVqO
- 南朝の梁は宇宙大将軍さえいなければ
あんな一族で争って無いと思う
- 845 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/09(木) 22:02:18.41 ID:gOxsWLZI0
- 南朝、宋や南斉に一族の争いを恐れて、わが子以外の男子皇族を粛清した皇帝がいて、
でもやはり継いだわが子は碌でもなく
- 846 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/09(木) 23:02:02.57 ID:S7nMba/c0
- まあ結果、兄貴をだまし討ちで殺された梁武帝が人間のクズかこの野郎って建康へ殴り込んで
東昏侯ぶっ殺したけど、こいつらも一応親戚筋だったりするしなあ
- 847 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/23(木) 01:50:15.92 ID:p0/ex6YU0
- ウマ娘で段文鴦が実装と聞いて。
- 848 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 01:35:32.77 ID:qSjPNxu80
-
- - ──ー - -、
/i ,.-‐''"´ \ i\
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l 御無沙汰しております。
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ 今日の21:30頃から続きの投下します
| i ̄i ̄i ̄i """ |
l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l .中日の岡田投手の故障がエグ過ぎて、
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ / ゴジラ松井がレフトフライで腕折ったやつ思い出した
`/ | | \ /
- 849 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/25(土) 09:22:34.66 ID:L9zewAri0
- わーい
- 850 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 21:49:49.52 ID:qSjPNxu80
- 【>>821の続き】
【紀元317年秋 晋 幽州 令支】
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
盛楽 令支 、-' ヘ
,r'`ー-、_;_, ○ 薊 ● ./´ /
r'´  ̄ヽ, ○ ,r'´ r' r‐
} { ,.、_ノ _"7 /
/ r' 晋陽 太 / 'ー'´
./ ノ ○ ヽ
' { 陽邑○行 厭次ー、 r'‐-,_,_ィ_
} ○襄国 ○ /ヽ_r' _r'´
{ 平陽 山 鄴 ○ r-'´ 〇 r' '
`ヽ } ○ 壺関○ ○広宗ノ 臨淄 }'ー'
{ { 脈 r○廩丘 r'
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
_,..、-''"~""''';,‐-..,
`゙''ー-、,__,,..-‐''"'''- ._,,..-‐''~"~"'''''‐-
,__,,...-‐ '''"" , -'" ``丶、.
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...::..:..:..::::..:..::.:..幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵:::..:...
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ ', "゙
| 匹磾は外にいて、この国を奪おうと狙っています | _,,.-‐''"_,,゙
ヽ______________________乂 __,,.. .-‐'''""~ ,,.. '''
_,,.-‐''" _,,.. '
┌─┴┴─┐
│ .段 部 .│
└─┬┬─┘
││
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- 851 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 21:50:28.85 ID:qSjPNxu80
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、〜'´. . . . .{:.:. :.V/、 --ミ
┌ 、 . . . . . . . . . . ..{:.:.: :.:.、...) /:::::::::|
八:.:.:.:.:/. . . . . . . . .--八:.:.:.:.:.:',:.\:::::::::|
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乂./ / ノ::.}::. \::. ::. ::.\::. ::. ::Vノ
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乂______/.:. ノ.:.:/ 'Vツ }.:: .:: .:: .:: `'〜-\::.:\
そもそもがです。 |::. ::.:/ x芯 ' '/.:: .:: .:: .:: |: ..:: .:| \::.:\
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父兄が子弟に従うなんて、おかしいじゃありませんか。 八.:: .八:.:込 V  ̄) |.:: .:: .:: .ノ.:: .:: .: | \::.::
\::. :\ :::..、 |.:: .:: /.:: .:: .:: .:| \
一旦功があったとしても、 .\::. :\::.>........イ: :|.::/.:: .:: .: .:: .:: |
匹磾がそれを独占するに決まっています .\.:: .}.:: .::「、) 厂/.:: .:: .:: .:: .:人从__ノ
.ノ\}.://W、,:: .:: .:: .:: .: /⌒¨ヽ
/.:: .:: :厂¨Y^Y¨¨}.:: .:: .::/ ',
.{.:: .:: ノ.......厂〉\.}::. ::. ( }
.┌八.:/乂/ /......|乂(⌒ ::::. |
〉- / /....../ {..... .| /\ノ\ |
, ー‐ ー‐ |//, \ノ`'〜---' }
{ {.............:::::::::...............|///, |`'〜------{
¨⌒ 八:::::::::::::O:::::::::::::::::::|////,.| {
- 852 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 21:52:07.89 ID:qSjPNxu80
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/ __ / /.:‖ .} V __ V ,
〈∨/ { .{ i | .i | { }∧∨〉
|〉〈 { /| 从 疾 | ト、.|V } 〉〈.} .i
i〈∧〉{ _|./ .∨, |/ 从_ .i|} 〈∧〉 .|
| .{/ .!'`\∨ { /´ 刈} } .|
| .杙芹ミ、 \ { ィ芹圷7 .} } .|
| .| .辷リ 辷リ /} } !
| .| i| /ノ} } |
.| . |‘, ./ } j} .|
l . | .\ ´ ̄` /i } .i ‖ .|
=- _ .l |___.〕iト .,_ ィi〔___i|_ } |‖i | ,へ __ 、丶` ⌒``〜
¨ -=ミ .从 |==--┐─-::┌ー===:} j/ .i| ./ .> 、丶`  ̄⌒``〜、)L
⌒>ー ──┴:、 .V .{  ̄} |::::::::::::::| 厂 ̄ } / | / / 、丶` \L___ `
/ .iTV {_.」⊥.r=ミ⊥L_ } /ニ=:ァ-v' / / ', ',/⌒〉,ヽ^ 、
} 乂∨ _j{_jL_  ̄‖ / / / _。 / / | | ', \/ ', / V{ \s
人/∨__彡イ /⌒ヽ 〕iト ./、 / / {_。s≦ l 渉.i| ト 、 ', /\ V / {ノ
i l i|\j{ 、/ |/ ノ{
l V八 i| 斗fセ7 ' L / jノ,
|/i抖ミ\j Lり ' 「ハ / ,
小 {り : |)ソ′ i{
あまり時間はない。 .|∧〈 i |ア i{
| 圦 __ _ | | i{
決断を . | 、 | | j{
| \__ ‐ _| |─‐┐ /\
| | __ }==={ri| ノ ̄ {/ /⌒\
| | lh l‐}==={{ | / 厂/ / 、
人 |/(_) ̄ ̄) }/ ⌒// / _ -─‐}
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 劉琨と段匹磾は固安へ駐屯した頃。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 段末波が段疾陸眷・段渉復辰の二人に
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .段匹磾の行動を警戒するよう説いた話が『晋書』『段匹磾伝』にある
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 853 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 21:52:56.02 ID:qSjPNxu80
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{/ \ } V
, , / V :、 V
/ / ‖ i V :, '
/ __ / /.:‖ .} V __ V ,
〈∨/ { .{ i | .i | { }∧∨〉
|〉〈 { /| 从 | ト、.|V } 〉〈.} .i
i〈∧〉{ _|./ .∨疾 |/ 从_ .i|} 〈∧〉 .|
| .{/ .!'`\∨ { /´ 刈} } .|
| .杙芹ミ、 \ { ィ芹圷7 .} } .| 話は分かった。
| .| .辷リ 辷リ /} } !
| .| i| /ノ} } | .兵は出さない。
.| . |‘, ./ } j} .|
l . | .\ ´ ̄` /i } .i ‖ .| .最近の匹磾の振舞いは目に余る
=- _ .l |___.〕iト .,_ ィi〔___i|_ } |‖i | ,へ
¨ -=ミ .从 |==--┐─-::┌ー===:} j/ .i| ./ .>、
⌒>ー ──┴:、 .V .{  ̄} |::::::::::::::| 厂 ̄ } / | / / `iト .,
/ .iTV {_.」⊥.r=ミ⊥L_ } /ニ=:ァ-v' / `':┐
} 乂∨ _j{_jL_  ̄‖ / / / _。s≦` .|
人/∨__彡イ /⌒ヽ 〕iト ./、 / / {_。s≦ |
/}/ / ./ / /|V.∧ ∨ \\{ {∨ ∧ .|
_/:/⌒`iト ./ _/ /_.|_∨∧_ ィi〔⌒\{ ∨ ∧ _.jL
_ -=::::::/ \\∧ / ././ \::\ \_ _。s≦ ∨
-=≦}::::::::::::/ ヽ `∨ ' ' ∨:::`i' { ∨
}:::::::::::' ∨ハ/ ./ ∨::{ .| .∨
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 二人はこれを認め、軍を帰還させてしまった。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 王浚敗北以降の段匹磾の諸々の行動が疑いを招いたのだろう
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 854 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 21:54:47.50 ID:qSjPNxu80
-
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| 襄国への出兵は取り止めになりました |
ヽ__________________乂
_,..、-''"~""''';,‐-..,
`゙''ー-、,__,,..-‐''"'''- ._,,..-‐''~"~"'''''‐-
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│ .段 部 .│
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- 855 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 21:55:46.66 ID:qSjPNxu80
-
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
| ヽ ' _ ` イ さすがは段末波様。
l l ´=` l
ノ ヽ _,、__ノ 鮮卑段部一の勇将と呼ばれるだけはあります。
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_ 我が主も喜びましょう
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|::: ___ 、〜'´. ..{\\
八_ノ. . . . . . 八::::ヽ^',::}
/. ./ ̄ ̄ノ:. :\:. :.:',::.
〉//)¨¨´:.}:. :\:. \:.',ノ
///.: ./⌒\\:. 、:.,\
乂__/.:// x==ミ}/:.:.\:.:l、:::::\
いえいえ。 .八込^ ノ.:.::|:. :.. :| \::::::\
|:. :、::.、Vフ |.:.: /.:: .:: | \::::::\
石勒将軍からの申し付けなら、これぐらいお安い御用です。 ┌┌.、 八:. ::.≧=‐≦、/.: .: .:ノ \:::::
r\\「', \:. .: ノWノ.:.:.:.:/-ミ
しかも、手厚い贈物まで頂けるとは \ } l.:)/个、(.:: /
ー' )7、__ 「__//::::/:::::|八\ l
八/// ',// ⌒¨⌒゜ |/, \____〕
{¨¨ |.八: : : 0: : : : :|//, ___|
八 :}//l .///|///, .|
\ .:::::///|X////|///, ><
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .石勒は劉琨と段匹磾の動きを恐れ、
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 使者に手厚い賄賂を持たせて段末波の下へ派遣した。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 段末波は石勒から受けた旧恩に報いるべく出兵反対に動いたとされる。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ こんな真似が可能だった時点で、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 石勒側は劉琨・段匹磾の挙兵を早い段階で掴んでいたと思われる
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 856 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 21:57:39.23 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 幽州 固安】
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,i゙ / \ ゙i! どうも段末波様が出兵を止めるよう説得したそうで
i! ● ● ,l
゙i,,* (__人__) *,/
ヾ、,, ,/
/::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ
人 /ア´ : : /:::::::: |: :|::|: |: \ _//
\__r[/: : : : :/::::::::: /:.:.|::|: |: : : \{_/
┌「 /:/: : : : : :/:::::::::::/: : :l/: :|: : : : : \
ア/:/: : : : :/::::::::/: : : /: :∧: : : : : : :.
/ /|_|__|/__彡イ: : : : /: :./ ∨: : : |: :|__
| || | | : : ト: :/ |:.:|: : :.:/|:./ ノ∨: : :|: :| ├‐ . 、
むー。 /|_||_| |: : /∨`""j__/ / ""´ ∨: :|: :|_「:.:.|: : :\
/: /: : ノ:.|: / 斗r干ト 斗r干ト、|: :/:./:.:.:./|: : : : :\
そんなに石勒が好きか末波は /: : : l /⌒l∧ 乂_ツ 乂_ツ ノ|:/:./:.:/:/: : : : : : : .
/: : : : : : : \:.:.∧ 〃〃 ' 〃〃 厶:'/: :./: : : : : : : :.:ト、
| : : : : : : : : : \:∧ /:./: : : : : : : : : : : : : | |
|: : : : : : : : : : : :.\)h, ´、` .イ: : : : : : : : : : : : : : :..:.:.| |
/|:.. \:.. : : : : : : |:.:.:\)h, ,.イ::/: :/: : : .:.:/: : : .:.:.:.:.:ノ_ノ
〈:.|:.:.:.:.:.\ :.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.|:.:.|`| ー‐. . . . |´|/: : :.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:./(_
.)|:.:|:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.ノ :.:.:.: |:.:.| .| . . . . . . . |〈:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.{⌒~~~
- 857 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 21:58:28.89 ID:qSjPNxu80
-
_,/ ̄ ̄` ̄\
/ /二◎二ヽ ヽ\
/ ルノハヽゝ,ハi 〉 .i
iv、!● ● i i' 〈
lリ〈 ワ i i' リ えーと、つまり?
_iハ`ーゥ t-ノ i 〈
ヒ/」」」.l/リl ly ,ィリヽ、 ヾ
| l | / `.lシl==j \ 〉
| l ,/ー、{::::::::::/ー、! \
/\ ,....:.:.:.:.:.:.:|人>:::: ト、
<人>\___/:.:.:.:.:.:.┌i.:―ミ::::|:.:.\
<人>:::::::::/:.:.:.:.√|:.:: Y:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.ヽ
<人>/:.:.:.:.:/:::リ:.:.:.:|:|:.:.:.:.:.:.:.:.`、:.:.:.ハ
匸[_匸_]:.:.:.:/:::/:.:.:.:.//:∧:.:.:.:.:.:.:`、:.:人__
,≫―==彡/::/_/:::/:.:.:.:.〈/:/ ∨:.:.:.:.:.:.:|:.√ ̄\
く/ ┌―=≦∠__/:.:.:.:.:.:.:.:厶イ ∨:.:.:.:.:.j/:.:.:.:.:.:.:.:.\
申し訳ないけど、石勒討伐は順延だね。 /¨¨¨ア:.|:.:.:.:.:∧¬ト/}/ ∨:./:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:`、
/ ∠__:.:|人:.:{ ,≫¬y -=彡 У:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、
あたしの軍勢だけじゃ、 / ,,‐┬'’:.:.:.:.\ヽ弋ツ '''/:.:.:.:.::/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、
さすがに少な過ぎて戦にならないだろうし .,′ /´ /:.:.:\:.:.:.:.:.:.ハ ''' /:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧:|
.′ | /:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.込、 - |:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. 〈 <ノ
′ | ./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.> イИ/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./}∧:.:.\_ノ〉
| |∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、__/ア┘ |:.:.:.:.:.:.:.__/⌒\ `'ー‐彡
i | |{_人:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ ./` ´/|:.:.:.</::::/: : : : : : \
|. ├―ヘ \:.:.:.:.:.∧.:.::| |'⌒У 八(⌒´::::/: : : : : : : : : ニ=┐
| ∨ハ: )/}/: :)/ |: :/ /:::::| : : : : : : : : : : : : |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『劉琨伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 段匹磾の従弟段末波は
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 石勒からの手厚い賄賂を納め、独り進まずに計を防いだ。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 劉琨と段匹磾は勢力の弱さを理由に撤退した
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 858 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:00:19.30 ID:qSjPNxu80
-
\_-_-_->'"~~~"''〜、、::::::::::::::::\
\_-/:::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::\
. /∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::::::::::::::::.
〈__,{:八:::::::::::::::::`、:::::::::::::::::::`、::::::::::::::::.
. .::|∧:::::\:::::::::::::::`、::::::::::::::::::|::::::::::::::::::
.::/|:::∧:::l_,,.`'<:::::::::`、::::::::::::::|::::::::::::::::::|
/:/:::|:::::::}:/斗-=ァ\::::::|::::::::::::::|::::::::::::::::/ そんな!
.::/ j八::::从 V} ' |:::/::::::::::::::|:::::::::::::::
〈:〈 /' l:/':ノ |/::::::::::::::/:::::::::::::/
`>> l:::::\ /:::::::::::/::::::::::::::::{
(:::( l::::::::::::... っ /::::::::/!:::::::::::::::::::::::. _
)ノ 八:::::::\:::\ /:::::/ |::\::::::::::::::::::::... ⌒):) ≦――=-<
\:::::::\::::/::/::::}/|:」 \::::::::::::::::::::::...../ _|>゛¨¨¨¨¨¨>s。 `ヽ
\::::::∨::(、:::/ /-_-_⌒\:\:::::::::... >' ., ´ . >s、 \
.:::::::::::)\::::::...... /-_-_-_-_-_-_`、:\::::/ ./ / .:i 〈\ ∨
〈::::厂/-/\::::::ノ/-_-/-_-_-_-_-_.}l:::::\ ,' / .: | | ∨::\ ∨
| :. .:| | .: .: ∨乂\∨
| { ∧八__::| .: .: ル乂X<フ
人 { :. ∧ャtf=ァ:| / / /レ \乂X{
N\人 り レ'| ,イ /} ∨ ` <
| 〈 ノ' レイ} :::∨ /∧
| ∧ _ / ∨ ::∨ /∧
| |: \ ` イ /¨∨ :::∨ /∧
| |: へ..::<〉¨¨¨///>‐、 :∨ /∧
| |: ,' /}}///∨ \::∨ /∧
| |:/ //∨⌒/ <> \v /∧
| :/ .ィ }/ \ /∧
- 859 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:00:52.86 ID:qSjPNxu80
-
,、丶`  ̄ ̄ ̄ ``丶、
/ _ -‐\ \ \ -‐==ニ二二ニ==-
, -=二ニニニ=-\ \ ヽ _ -=二=-‐  ̄ ̄ ‐-=ニ二==-
/ニ=- \ \ ヽ ', /二二 / \二二二=- _
/' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ=- \二=- ''"⌒
/ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄________ -=====- _
|八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二二二二二=-‐  ̄ ‐-=二二二=- _
i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、  ̄ ̄ ̄ -=二ニ=-_
| | ,ィ=ミ\ `" `、 ( ノ人 \ -=二=-_
|i 爪 vリ __、 〈 ヽ \ -二-
八 ハ ' \、 \ \ -=_
ヽ 込 、 - / \ \ \ ∨
| 个 ィ / ' \――― ミ \
| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒ヽ \
__ | | i 八 / '// / ' \ \
/ ∧、八 |{_// / ' , i '⌒\ \
___/_____,/:__\ _ ノ7:/ / /' / V | { ―― 、 \
/ ________|,::/ / , / \ \ | i \
. / /\ ̄ ̄\/////////,|::i_/__ ____/_____\ \ }― ミ_\_
/ ///,',\ \///////二二ニ/7二二二二二二ニ= \ \ | | / /二二二〕
- 860 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:02:12.04 ID:qSjPNxu80
-
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| 薊へ引き上げましょう |
ヽ___________乂
r'ニ;v'ニ;
r=、r=、 _,!0_i0) )i:、
__{0_{0_.} / `ヽ,. ┘ ヽ /ニYニヽ
,、 ,、 /´l r `'、_,ノi、 i ′′ } /(0)(0 ) ヽ
, - (・(・ ){ ) l、 ( ,! /⌒`´⌒ \
( '' ,r'⌒゙i`、 _.r(_ ノ ヽ.__. ^ 、∠! | (- 、 |
ヽー< ,,ノ `´-r _ノ: :\ `T- ヘ> ト-―――-` l !
. i′ ,f´: :,. - - 、ヽ ,,.-テ| ,/ `ヽ、 ヽ `⌒´ / /、
l l: : j :f´: : : : : ヽ,/ '''"´ ,,.: - ヽ `コー /,ノ:::ゝ、
! /: :ノ l: : : : : : : ノ, ,:'" ゙ヽ i,.r‐(´::::| ,.ィ":::::/::::::
/-‐-/: :/: l: : : : : : ,/ / / ,f´:::,::ヽfト--テ:::::::::ノ:::::::::
. _,,..::-,テ /`7: :(: : : : : /ヽ/ 〃 リ:::,'::::::ゝ!r7/ー一'":::::::::::::
`_,:ィ''" _,r''" f: : :ト---ヲ / fノ /::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::
-‐-‐'''フ" ,.ノ,:::::」、,:r'" ,i / /::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::::
、..、く´_,,∠"ィ''"´ / ,> /\、 ,ノ:::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::::::
´ ,ヘr:、-、=---/ ,:イ ,ノ `゙ヽ、/:::::i':::::://:://::::::::::::::::::::::::::::::::::
ーフ´ > ヽ`ー、/ /く _,,..ィ''"゙' _,,:ィf-:、::::::!::/`゙゙ブ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『石勒載記』は、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉琨と段匹磾が薊城へ撤退したと記している。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .この事件は当時の情勢を象徴しているように感じられる
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 861 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:02:55.20 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 冀州 襄国】
__
┌冂冂「:|丁Ti ,、,、,、,、,、,、,、,、,、,、,、
乂 |___|_ | X爻爻爻爻爻爻爻爻
爻爻爻爻爻゙ r┐┌iT┤____|二ニ| 水爻爻爻淡淡淡乂乂乂乂
⌒¬爻爻爻⌒ __ |:└└ :|└ L.|.:.:.:.| ̄「 乂爻淡淡淡爻爻爻淡淡淡
⌒爻爻爻爻爻爻T丁「| ||| |: : : :_:_:|_ |.:.:.| | 淡淡淡炎炎爻爻炎淡炎爻
メミ メ爻爻爻父父爻爻爻''|_| _┌Г| ̄卩: :| ロ ¨| : : | | 炎淡淡淡乂乂父炎淡淡炎炎
乂爻爻爻乂乂乂乂乂ミ_ |┌|_冂「 |└二|: : : : : :| |丁T┬L 淡淡淡炎炎淡戀戀淡淡淡
い乂爻父乂乂乂乂乂乂乂≧s。 ,。s≦マ≧s。: :.:|_┌'¨:| ̄ ̄~~||li |¨|_|¨|_|¨||¨||¨淡淡淡炎炎炎炎乢刑淡炎
;';';'乂爻炎爻乂乂乂爻爻爻∠二二| :| |: : : : |:.:. :| I I |¨TT┐ _|二二⊥ニニニ| `````∨L,イシ゚
爻爻父父炎灸炎i爻i爻jノ⌒|┌i | ̄|┌┐:| 卩| ̄\|:.:: :| I I | : | |¨|_| |: : : : :| [] | 000 ∨レ'
 ̄|````爻彡从ミミ'⌒∩ |└' |─|└┘:| ¨¨¨¨¨|: : | I I |_ :| : : : |: : : : :| | ̄L| ̄| || {i:i{
ニニニニニニニニ|i:i| ∪ ∪ | ゙Τ¨¨¨~~:| :|: : | i⌒i | :| : : : |: : : : :|: ∩┐┌┐┌┐┌┤ ,{i:j:}
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|i:i|洲州xx | п | ̄| | ロ :|: : | | | | :| : : : |: : : : :| |::|└┘└┘└┘└‐}i:i:i}_
| ̄| 冂 |i:i:|洲洲洲 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ :|: : | |王王王王王王王王王王王───‐ | ̄|===rノi:i:i{
「 ̄ ̄ ̄ ̄ |洲 ̄ ̄ ̄ _|: : | |¨¨7~¨:| ̄”二¨¨¨“““ ''''| | 辷三|ノi:i:i:乂
_jjjjL ---──……¬冖''' ¨¨ ̄___二二¬三三二ニ|ィシ´ `':, γ⌒ヽ | ┌┴-- _
 ̄ ̄ ̄ ̄__ ‐……¬冖ニ二三三 ̄ =ニ 三三 ニ……===ニニニニニ|_ |  ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄───………………ΞΞΞΞΞ =ニ =三 ニ ====ニニニニ ̄三三三三 ̄三三二ニ=…ー
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: ────‐ΞΞΞΞΞΞ =二 三 ニ =====二二 ‐‐…… ‐…=====三
: : : : : : : : : : : : ──===ΞΞΞΞΞΞ =二 三 二 =====二二 - -  ̄ : : : : : : ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、 | さすがに今回は肝が冷えましたな |
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ ヽ________________乂
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ .確かに河北の諸勢力は
\ヽ、 _ , イ!::/ 劉琨の音頭の下、司馬睿へ皇帝に即位するよう勧めた
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 862 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:03:47.23 ID:qSjPNxu80
-
_.,. -‐- ....、
x≦〃〃/ミミミミミ、
/ノノノ〃ヾ⌒彡ミミミミミ、
/ミミル' / __ ヾ彡ミミミミ、.
{ミ'''´ {∠i孑 `ヾミミ毛刈
';ハ, `〕、 Yミ ;:::: ∨ソYハ x≦ ̄ア´
}:( くツ1 | っ {::: ーりリ / :::::::/::::: あの時、段末波殿を助けたのがここで活きるとは。
ヾ:ヽ ,ノヾー'⌒ヽ ヾ Y¬从 〃:.:.:./:::::::::::
`ヽ { √ ̄~`ヾ Y ヾリ ||:.:/ ::::::::::::::: .将軍には、私よりも先が見えている御様子
沁ヾ ⌒ :/ /∧:::::::::::::::::::::::
ハ r::.......,..::/// /:::::::::≧====
'、 {///,//// >'゙´:::/:|幵幵幵幵
`T¨¨´///>'゙´::::::::/:ニ|幵幵幵幵
,..-―∨ /::::::::::::/ :三圦W幵
//////::∧/::::::::::::/ :::三三/八幵
ヒ´ミ仆爪// j } /ノ ハ `ヽ、ミ≧=-ゞY、_
圦ミfソ ̄} } / ,' __ \ミ下千f=-仆
ミ }}ソV i/ ゝ Vゝ斗イ、ヽ ヽミ仆≧=}}
乂./ / 三ミ  ̄ ',{ ハミミ _ソ
圦{ 辷i ≧=- } }ミ彡 .Y
世辞はいい。 人、~ハヽ ‐ イ j iミソ ~イ /
Y、 ', ゝ-=__, ', V /
それより邵続の様子はどうだ? ハ /`´__ ', i≧=´
', 壬//≧=- } }////
.i Y { ///´⌒
| { }, イ/////
.{ ヽ-=≦≧=-、-=≦///
.',Y//////////////イ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ だが、彼らの利害は互いに衝突していた。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 鮮卑段部の例は特にそれが顕著と言えるだろう
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 863 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:06:25.56 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 冀州 厭次】
|┃ /ニYニヽ
|┃ ./( ゚ )( ゚ )ヽ
|┃ 三 /::::⌒`´⌒::::\
|┃ | ,-)___(-、| 邵続様!
|┃ . | l |-┬-| l |
|┃ \ `ー'´ / また青州の賊徒が攻めて来ましたっていう!!
|┃ / `ヽ.
|┃ 三 ./ \ 放っておけば住民を拉致される恐れが!!
,⊆ニ´⌒ ̄ ̄ " y r、 ヽ
⊂二、 ,ノ──-‐'´ | | l" | γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
|┠ ' | l/'⌒ヾ | 曹嶷と手を結んだのは正解でしたな |
|┃三 | |ヾ___ソ ヽ__________________乂: : :: : : :∨ : : : : : : : : |
|: : : : : : : : |: : : : |: : : : :{ Y: : : : : : :V : : : : : : : : : |
|: : : : : : : :.」__: {: : : : .{..,-‐=<^ | : : : : : :V : : : : :l : : : : :|
|: : : : : :/. : : ; \: : : /:{ \ 仆: : : ::∨ : : : : : | : : : : |
|: : : : : :|. ::了~丐、\:.|: j 斗千笊ミ≠: : : ::∨: : : : : : :! : : : : |
文鴦殿に行ってもらいましょう。 .|: : : : : :|. : 圦ゞヒ夕 |f´ 戈ツ 刈: : :∨: : : : : : : | : : : : :|
|: : : : : :乂: : : 、゛´ 八  ̄´〃 |: : /: : : : : : : : :| : : : : :|
それにしても、 .|: : : :/ Υ ト。:、___/, \ / 厶イ : : : : : : : : / : : :/
晋王殿下を奉じたにも関わらず、 .|: : :/ / /i!: : : )h、  ̄ ̄ /i: : : : : : : : :/_/
他の郡県を侵略するなんてどうかしています ∨/⌒〉/ |i: :|: : : : > ^ / i|: : : : : : :/: : : \
У /ノ ハ :ヾ>゛ ≧s。 _ / i|: : : : :/: : : : : : : :\
/ // ∧ /______/ ∧ i|: : // \: : : : : : : :\
/ イ //⌒7..厂 / } 厶イ / \: : : : : : : i|
./ , : "/ /.../ 〃 / / \: : : : ::i|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } また、冀州刺史邵続と青州を支配する曹嶷は互いに侵略し合っていた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 864 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:08:10.85 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 青州 臨淄】
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
| ヽ ' _ ` イ 我が主石勒は、
l l ´=` l 曹嶷殿に東州大将軍・青州牧・琅邪公を授けるとの事
ノ ヽ _,、__ノ
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_ .γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、 | 今は手懐けておくに限ります |
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::! ヽ_______________乂
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| X / / `ヽ/ `<i!リ/ .| V /7 / メ、 |
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|::: y'__\/ / /` ̄ヽ/ .\ V .\ ∠ ムイ/、 .\|
` ̄>x_∠_ / \ハ \ ∠/__ i/V \ リ
__ Z〈 < / ∧ .∠/ .| V V ヽ/
. \  ̄ \〉圭<zx \ .∧// | .| V \/
\ 〉 /圭リ/ ̄ ‐--彡ヽ_ノ___ .| | V /
/__ /圭/ ヒz__> _|_ <
..∧ {進{_ } `ヽi!!/// /
\∧ / / / 弋三ア }i!「.|/ /
もらっておこう ` < / / i\ノ ノ /
\_ノ><i|_  ̄ ̄ ―- | Y/V
/| ─ Z/ | 、_ .L__/\\\
./ .|__く | . ̄ 「 V/\\\\
.| ヽ_」 | 〉\\\\\
.|─── | \ ./ /\\\\\
<.|___ |_ \ / イ\\\\\\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 曹嶷に至っては、石勒からも官職をもらっている。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 『晋書』『石勒載記』によると、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .南から王命を受けたが、建康が遠過ぎるため、石勒の襲撃を恐れたという
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 865 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:09:00.55 ID:qSjPNxu80
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ. 曹嶷の蝙蝠外交は青州の支配を確立するためと思われる。
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 彼の支配を嫌った青州の士人は、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ .南方の徐州・揚州や北東の平州へ難を避けた。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: .その中で後世知られるのは、長広郡出身の塢主蘇峻率いる集団だろう
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ / _ _(ヽ_ _-==ミ⌒ヽ_,
⌒>-‐  ̄`ヽニ=- '
/ /、 / ハ 、 、\\\
/ ``ト、 } V斗匕\\ ,ニ=-
/イ r==ミ、} }示苅}⌒ ̄
|:. 、:` vソ , ゞ '/イ | ノ}
/∧ \ヽ t ァ イ.! | {
青州長広郡挺県の蘇峻、字を子高という。 >―`ー、:\`:≧ー≦__{__/}//
〈 {_{ ̄`´ ト、/ヽ} 二二、∨_ト、_/ヽ
長広郡で塢壁を築いて人を集め、 ∧ {ヽ/ヽ.イ_/ヽ:|:/__\ヽ ヽ 〉-、
建康の晋王から安集将軍の位をもらっている。 ヽ { / 人 `<__< ヽ>―〈 ̄
乂_//∧_.//\ └rくノ\ >>‐>
青州刺史の曹嶷が攻めて来ると聞いて、 .〉///`ヽ//∧∨ \/〈 ノ、 ≧ 、}、ヽ_ヽ
数百家と共に海を渡って広陵へ移ったのさ ./ ヽ_//´ ̄.∧∨ l {i八, -、_ `´
/ ヽ_//l ,x==〉.〉 l ヽ \∧ヽ
/ ヽ_//ノ'./|/ヽ// l ヽイ 〉ヘ├ 、
/ /´ //| |\/\. l ./∧ / |_\
イ //| ト、 }\/\__,l_////イ V//// \
__乂 ////| ト、Y//\///////// ∨/___\
. / /ヽ}////| | ∨///\_/////ー イ∨ /////ハ
晋 安集将軍 蘇峻
- 866 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:09:48.81 ID:qSjPNxu80
-
, , 、 、 、i:i、 =- 、 、
/ ,/`! :W ∨ ハ ヽi}__,.入 ハ
/ ‖ ‘, ハ__ l : ハ、,_ ,}ヽ、 ∨
,′ ___ Y/´_ハ ! : }ニミィ_} ‘, Y
厶ィ' ハ}_`! ー=='}/i |\\彡{ | ‘,\__
. _,ィi |∧ト=イ " ' / ,、.| {ミ}ノ,/:l|' ‘, リ.: 何故かって?
. ∧ lノ__/} ' |:八 ,. _ /ィ ∧| レ'メ、
/_// }``ラ | 圦 ヽ、__ノ / ' /-'升 狩猟で生計を立てるぐらいには困窮していてな。
|:_|__lヽ/}ヽ | |'/\ _,.イ //}i;ア-'
... / \\`/、/. |/`//,ィ`ー≦ :| //イ/ 俺の兵士たちが食べていくには、
. | |i:i| l:| __人 {/ {/ィ=ミ_;|/イ / /, 晋王の郡県から食糧回してもらう方が賢いだろう
. ∨-、|i:i|‖ __/ ,../ ./-‐'"/ `ー='〈 ,//彡イ
/ ∨彡、 :}、 ィ=='イ/ / _,./ =、.,_,、 ∨
. /l ,' ヽ ゝ、i:i`,、 ヽ イ〈フ:::::::::::::::;/ィ`ー-∨ _,/
../. l ,' ∨、 } / ー} / ノ::::::_,. ィ" / / '"//´
,. :-:.' ー ' ¨ :.ゝ.、
,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ、
,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`、`ゝ
,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ハ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
このあたりの話は『晋書』『蘇峻伝』にある。 /イハ:!:.:.:l:/ i/ ノノ ノリリハリ:!:i:.:.!:.l
i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ハ!
曹嶷は司馬睿から青州刺史とされたのに、 ∨|:.:.! ノ/i/ノ
同じく安集将軍とされた蘇峻の討伐を目論んだ事になる。 ヘ!:| ノ!/′
ヾ!>ー- ´`-- <イリ
建前と本音が異なるのは明白だ (;;;;;ソ⌒) ̄`´ ̄(⌒ヽ
ヽ;;=;;/__,,、_/;;`ソ
〉;;;;;;;;ソ:/A.i:l;;;;;;!′
く;;;;;;;;;;;;i;!;;;;;;;;i;!;;;;;ゝ
i、__,,/ !、__,,!
`ー'′ `ー'′
- 867 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:12:25.64 ID:qSjPNxu80
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ また、曹嶷と争っていた
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ .東萊郡太守鞠彭はこんな嘆きの言葉を残している。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: .ちなみに、彼も王弥・曹嶷と同じ東萊郡出身だ
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
今は天下大乱であり、強者が英雄となる。 | ヽ ' _ ` イ
.l l ´=` l
私も曹嶷も同郷なのだから、 ノ ヽ _,、__ノ
互いに民に寄り添うべきなのに、 _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
何故争って百姓の肝脳を地に塗れさせているのか? /;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|:::
- 868 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:13:03.49 ID:qSjPNxu80
-
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
| ヽ ' _ ` イ
l l ´=` l
ノ ヽ _,、__ノ 私がここを去れば、災禍は止むだろう
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|::: __
,..::::´:::::::::::::: :`:ヽ、
,r´:::::::::::::::::::::::::: : : : :.
/::::::::::::::::::::::::::::::: : : : : :',
了::::::::::::::::::::::::::: : : : : : : : l
|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
lィ::::lヘ:へ::|::::::::::::::::::::::::::::::「
\ト、(ヽ::::|:::::::::::::::::::::::::::rノ
ヽ´::::|::::::::::::::::_;、::ル′
鞠彭は東萊郡の人々の反対を押し切り、 . ` ‐lイ::::::::::ヽ
千余家を率いて海路遼東の東夷校尉崔の下へ去っていった。 ./⌒ヽ、::::ヽ
|::::::::::::::`¨´!
当時、東萊郡にいた北海郡の鄭林という人物も、これに賛同して追随した .|::::::::::::::::::::::|
|::::::::::::::::::::::|
ヽ__;:---─ヘ
ヽ::::::::;、::::l´
|:::::| |::::|
|:::::| |::::|
` ´ ` ´
- 869 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:14:09.70 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 平州 襄平】
. /ニYニヽ . /ニYニヽ
/ (0)(0)ヽ / (0)(0)ヽ
/  ̄`´ ̄ \ /  ̄`´ ̄ \ 崔様。
| ,-) (-、.| | ,-) (-、.|
| l ____ l | .| l ____ l | 中原からの流民が
\ ` ⌒´ / \ ` ⌒´ / 相次いで慕容部の領地で留まっていますっていう
,、-='l \_,ン g< \ ,、-='l \_,ン g< \
/ \ └〆\ i=i|\' \ / \ └〆\ i=i|\' \
丿 i \ \=i| / i| 丿 i \ \=i| / i|
_,. -、、、,_
,.ィァ´ __j|i__ `ヽ、
/〃 ,ム;;;;;;;;;`! ゙'、
. ′ll _,ィrif''T'll:Tl:ーi、、 jl
| ル'i「::|l| |||::! !:;l|:i:`!j
j/::i::jレ'゙´`ヽ儿|_レ_j;i:::i:|
慕容廆が流民を拘束しているんだろう。 /:|:::i/  ̄` 、 ´ ゙T!′
i::::fミ! r====r .リ
段部や宇文部・高句麗に命じて討伐してやろうか '、::゙ーヽ. 、 / /
ー-゙i 、 `¨´ /
rー'^く`'-、_` ̄´jフ⌒ヽ、
/フ'T'ーrr‐一'`'ーrrー'T゙ヽ、
. // l| ト| ト| l`i::::l、
/:/ 、 l ! ト| ト| i l .ハ::::l
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ とはいえ、疎開先の平州でも
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 東夷校尉崔と鮮卑都督慕容廆の対立が深まっていた。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .つまり、河北情勢はどこも一触即発の様相を呈していたわけだ
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 870 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:15:29.23 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 平州 棘城】
/ニニ二i-γ'ヽニ二二二二\\
. /ニニ>'"~|-.{ }ニニニニニニ`ー、
|二/ .|ニ乂ノ二ニ=- ~´ ̄ ̄\
|-/ |二>'"´ \
|/ .|'" _ -=ニ二二二ニ=- _
. γヽ | _ -ニ二二二二二二二二二二二ニ=− _
} |_ -ニ二二二二二二二ニ=−  ̄ ̄ ̄ '"
| ト} _ -ニニ二二二二>'" :::::::l V|'V|::∧:. '"
. ヽ{ _ -ニニニ二二>'":jI斗:ハ:::::::|ーリ‐リ、:::|::: ~´
. _ -ニ二二二>'"::::::l::/ }/}/ }::::::| .jI斗 iV:|:::! 仮節・散騎常侍に、
. /二二二>'" /:::{::::::: {'jI斗zk `"" ' Vソ ,: }/:l:| 都督遼左雑夷流人諸軍事・龍驤将軍・大単于・昌黎公。
.. /二ニ>'" /イ::::V ::: ',ヽヾソ , {::::::/リ
∠=- ~´-‐ ~´ .|:::V:V ::::', 从/__ どうして段匹磾より下の将軍号しかもらえないのかと?
ヾ{ ヾV:::::', J _ -=ニニニニ{
r\::',≧=- .|ニニ二二二二∧
Vニ\:::|ヘ |ニニjI斗--- 、、┤
,V-γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
/-},/| 例えそれでも、今一度晋王へ皇帝への即位を勧めるべきです |
/ニ-{::ヽ___________________________乂
}ニニV:{:.:ヽ{/ニ二二二二二二二∧
/ニ>' :\ :/ニ二二二二二二二二∧
____ _ .{/ : : : ∧:γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| 新帝の命をもって罪ある者を討伐すれば、従わない者はいないでしょう |
ヽ_______________________________乂
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 強者が英雄となる時代が来たのである
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 871 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:16:05.08 ID:qSjPNxu80
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| ちょっと寄り道 |:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ//
| | >:´|、 - ,|`:< さて、このような情勢に
| | |::::::::| > イ |::::::::| 大きく影響を及ぼしたのが食糧問題だ
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 872 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:17:30.64 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 冀州 厭次】
|: : : : : : : : !: : : : |: : : : :{ ∨: : : : : : : :∨ : : : : : : : : |
|: : : : : : : : |: : : : |: : : : :{ Y: : : : : : :V : : : : : : : : : |
|: : : : : : : :.」__: {: : : : .{..,-‐=<^ | : : : : : :V : : : : :l : : : : :| .文鴦殿。
|: : : : : :/. : : ; \: : : /:{ \ 仆: : : ::∨ : : : : : | : : : : |
|: : : : : :|. ::了~丐、\:.|: j 斗千笊ミ≠: : : ::∨: : : : : : :! : : : : | 今年の収穫は少々心許ないので、
|: : : : : :|. : 圦ゞヒ夕 |f´ 戈ツ 刈: : :∨: : : : : : : | : : : : :| 平原郡の食糧を頂戴しに行って下さい。
|: : : : : :乂: : : 、゛´ 八  ̄´〃 |: : /: : : : : : : : :| : : : : :|
|: : : :/ Υ ト。:、___/, \ / 厶イ : : : : : : : : / : : :/ 私の甥もつけますので
|: : :/ / /i!: : : )h、  ̄ ̄ /i: : : : : : : : :/_/
∨/⌒〉/ |i: :|: : : : > ^ / i|: : : : : : :/: : : \
У /ノ ハ :ヾ>゛ ≧s。 _ / i|: : : : :/: : : : : : : :\ /:. 〈 ̄`ヽト、........〕\ ______
/ // ∧ /______/ ∧ i|: : // \: : : : : : : :\ ト、 \_ソニ7´ ̄厂{^''〜ヽ、〔 ̄ ̄``ヽ、 了
/ イ //⌒7..厂 / } 厶イ / \: : : : : : : i| |....ヽ/:.:.:.:,′:. 人:. `>─=ミ、、 ‘, (
./ , : "/ /.../ 〃 / / \: : : : ::i| |...../:. : :/:: / : :}~''┬……‐、 \/「⌒〕
r‐‐し' : :〆:. イ:.:.:.:.:.:ハ : :ト、:.:.:.:.:. : \ト、 \_廴/
. メi:∨-=彡'"^\:: : :厶}ハノ、 ',:.:.:.:.: : Y:| \ /
. /i:i:i:i|:. : :| : :ト、 : :`ヽ、イんハ∨:: : :i: : :|.:| )/ニ
ん斗r、|:. : :| : :|イ >‐‐┘乂ソ リ:.:.:.:.:|ハ: }イ /ニニニ
人i:i:|⌒|:. : :|:: 坏んハ _、 'ー‐ァ'^リノ' /二二二
ヒャッハーだよね! `¨ 人 : :|\{{、くソ′ /_r‐〉 / : :i//二二二二
\{:. 小 /ィ'^ / / i//二ニ二ニ二ニ
分かった行ってくる!! 乂从 \ ` ー‐''´ ,/ : :{ /二ニ二ニ二ニ
厂∨_>''" ̄厂{:. : :| {ニニニニニニニ
|i : :|/ \ / ∧ : :∨ニ二二ニ二ニ二
リ:. /\__Y \:. \ニニ二ニニニ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \ この時代の記録を調べていると、
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .「人を食べた」という類の記述をよく目にする。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 八王の乱と永嘉の乱という人災に
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 寒冷化・飢饉・蝗害等の天災が加わり、当時の食糧状況は最悪だった。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ どこの勢力を見ても、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 食糧難に頭を悩ませていた話が出てくる
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 873 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:19:34.82 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 冀州 平原郡】
や心乂{ ハ: /「\: | . |_
や仏Y ,ィ゙: : f'V: : :ト..,,ノ:::::|
_,,...‐:::~~\_//|: : : V: : :/、;_:`' ミト 、
,」:::::::::/ ̄/:ノ|: |t‐''゙: :,xく}\|``h、\ト あっ、賞金首の石虎!
\::::; ’ /: ;イ:.人| x宍[\「 '芯ミ:.}: :i\[ノ
V/ 〳/ i:.{: :汽代iノ 、乂ノ价N\} 兄弟分なら兵糧分けてくれるよね?
/\〈-、|/ j: :、: 乂 ,.. ―- 、 ]/〵\_,..ァ゙:
/: : : : : \人_rf'「l (/V^′^フ 八 〵'゙: : :/: : .弟の者は兄の者って言うじゃない!!
,: : : : : : :〳 /{ !||!ヘ >-―- く- 〵: :/: : : : :;
/: : : : : :_jニ{|j }|::::::::| |::| /∧.〵; : : : :.
./: : : /: : : :了', } ::::::::| |::|ノ_,ノ ╲.╲: : : :
,,,,,,,,,,,,,;;;;;ll;;;;;;;;;;;;;;| l;;;;;;;リ)リ;;;;;;|l;;;;(ミ彡/、 Z
l|ヽ= 从;;l |l|;;ll;;;;;l|;;;;;l;;;イl;;;;;;;;;;;;;| l|;;;;;;-〈、|;;;;;;;;;;;;;;,,三∠ノ フ
ヽミ三从;;从|;(;;;;|l;;;;l|;;;((;;;;;(ヽ乂;;;;;;/ノ人、从;;;;;;;;ヽ ∠ |
ミ二ミミ从 ; ;;;;;;゙;;;;゙;;;;;L{{ミ|Y;;";;;;;rテ'';''i゙''ミ゙ イ;;;;{ミヽ∠ノ
゙ヽ乏゙゙从゙ ;;ヽ、、_;;;;;;;;;;;;;{≧Y;ノノ=-゙'''"´彡 ';;;;;;ヾ,,', ヽ
<彡l|;;;;;;;l、;}:/;r't;;;)>| 彡 ̄""´ |;;;;;;〈 |.| }
ノノイ;;;;;;之"゙"''"´ |、 _,,、::::: |;;;;;ノノリ;∠
誰が分けるか! イ彡l|;;;;ヽ ゙:::::::: j _,、 -)゙ヽ::... |;;/- /;;/ミ
l|//l|;;;l~、'、 :::: ゙''::ヽ,/ |(,,ノ;;;ヽ〉ミ
都合の悪い時だけ兄弟面するな!! リノイ;ヽヽ'、 `゙'、l__,,、、、,,_,, / l||;;;;;;;;|∠
"´ノ|;;;;`'-;', (t -'''ヘヘ)}} リ リ;;;;;;;/从ミ
|/l|;;;;;;;;ヽ レ- '''""´ /:::" {;;;从;;;;;;;;)"
l|l||;;l|;;;;;;;;'、 ,,、;;''";; ̄:: ,/:::::" ヽl|リ;;;r''、リ
ヽl |;;;;;;;;;\ " `゙ /::::::" レ',、-ー゙''""゙''ー
//|;;;;;;;', \ 〈 / ::::::: ,、 '´
(从l|;;', ヽ, ヽ:::ノ/ :::::: ,、 '´ ,、
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『邵続伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 邵続は甥の武邑郡太守邵存と
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 段文鴦が率いる段匹磾の兵を平原郡に派遣して食糧を得ようとした。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ しかし、石季龍に破れた
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 874 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:21:01.31 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 冀州 厭次】
八 \ ∨⌒>''^~ ̄ ̄ / / /
\ \//  ̄ ̄~^'' く/ \
. >┘ | \ \ \
<,__/ / | \
/ / | |
| | | |
| 八 \ | |
| | _ノ\ \ | | |
| |/´ \,___ \ | | |
| ∨ | | |
| z≠ z≠‐''^ | | | 正直、食事にありつけるだけでありがたいですわ。
. 八 ハ:: 、 ::;, | | | |
|丶人 、 - | | | | 死ぬまでにもう一度、スイーツを食したいですけれど
|| > < | | | |
.\\ || | | | ]T/〕 | | | |〉
\\ || |/ ̄ ̄ノ | |. /\ \ / /
厂\(\ ||/:.:.:.:/ /| | /..... \ \ / / /
(__ミ } | V:.:.:.:./ ̄\/:.:.:.| ∨ /'⌒ \| |/
{_ 冫\ | |:.:. /:.:.:.:/:.:.:.:/| | / | \
/\ \"゚´~)| ノ―|:.:/:.:.:.:.:.:.:⌒| |//´ | |
(__|_|`¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨´| ⌒\:.:.:.:.:.:.:.:| | | |
):.:.:.:.:.:|:i:※:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iY^i \_/ノ | | |
|\,__人:i:i:*i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i| | )/ 八|/ / Λ|
| \:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iノ ∨___厂:. ̄ ̄|// / | |/
\ ( ̄ ̄ ̄ V:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ノ | Λ| ノ
. \ └<___ )\__厂 \ | / | \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 官軍が自給自足できなくなり、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 石勒軍の縄張りに食糧を奪いに来るという惨状である
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 875 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:22:04.85 ID:qSjPNxu80
- 【>>873修正】
【紀元317年秋 晋 冀州 平原郡】
や心乂{ ハ: /「\: | . |_
や仏Y ,ィ゙: : f'V: : :ト..,,ノ:::::|
_,,...‐:::~~\_//|: : : V: : :/、;_:`' ミト 、
,」:::::::::/ ̄/:ノ|: |t‐''゙: :,xく}\|``h、\ト あっ、賞金首の石虎!
\::::; ’ /: ;イ:.人| x宍[\「 '芯ミ:.}: :i\[ノ
V/ 〳/ i:.{: :汽代iノ 、乂ノ价N\} 兄弟分なら兵糧分けてくれるよね?
/\〈-、|/ j: :、: 乂 ,.. ―- 、 ]/〵\_,..ァ゙:
/: : : : : \人_rf'「l (/V^′^フ 八 〵'゙: : :/: : .弟の物は兄の物って言うじゃない!!
,: : : : : : :〳 /{ !||!ヘ >-―- く- 〵: :/: : : : :;
/: : : : : :_jニ{|j }|::::::::| |::| /∧.〵; : : : :.
./: : : /: : : :了', } ::::::::| |::|ノ_,ノ ╲.╲: : : :
,,,,,,,,,,,,,;;;;;ll;;;;;;;;;;;;;;| l;;;;;;;リ)リ;;;;;;|l;;;;(ミ彡/、 Z
l|ヽ= 从;;l |l|;;ll;;;;;l|;;;;;l;;;イl;;;;;;;;;;;;;| l|;;;;;;-〈、|;;;;;;;;;;;;;;,,三∠ノ フ
ヽミ三从;;从|;(;;;;|l;;;;l|;;;((;;;;;(ヽ乂;;;;;;/ノ人、从;;;;;;;;ヽ ∠ |
ミ二ミミ从 ; ;;;;;;゙;;;;゙;;;;;L{{ミ|Y;;";;;;;rテ'';''i゙''ミ゙ イ;;;;{ミヽ∠ノ
゙ヽ乏゙゙从゙ ;;ヽ、、_;;;;;;;;;;;;;{≧Y;ノノ=-゙'''"´彡 ';;;;;;ヾ,,', ヽ
<彡l|;;;;;;;l、;}:/;r't;;;)>| 彡 ̄""´ |;;;;;;〈 |.| }
ノノイ;;;;;;之"゙"''"´ |、 _,,、::::: |;;;;;ノノリ;∠
誰が分けるか! イ彡l|;;;;ヽ ゙:::::::: j _,、 -)゙ヽ::... |;;/- /;;/ミ
l|//l|;;;l~、'、 :::: ゙''::ヽ,/ |(,,ノ;;;ヽ〉ミ
都合の悪い時だけ兄弟面するな!! リノイ;ヽヽ'、 `゙'、l__,,、、、,,_,, / l||;;;;;;;;|∠
"´ノ|;;;;`'-;', (t -'''ヘヘ)}} リ リ;;;;;;;/从ミ
|/l|;;;;;;;;ヽ レ- '''""´ /:::" {;;;从;;;;;;;;)"
l|l||;;l|;;;;;;;;'、 ,,、;;''";; ̄:: ,/:::::" ヽl|リ;;;r''、リ
ヽl |;;;;;;;;;\ " `゙ /::::::" レ',、-ー゙''""゙''ー
//|;;;;;;;', \ 〈 / ::::::: ,、 '´
(从l|;;', ヽ, ヽ:::ノ/ :::::: ,、 '´ ,、
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『邵続伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 邵続は甥の武邑郡太守邵存と
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 段文鴦が率いる段匹磾の兵を平原郡に派遣して食糧を得ようとした。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ しかし、石季龍に破れた
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 876 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:22:44.56 ID:qSjPNxu80
-
_广ニニうァ
/_/_/: :/ ̄
/´ ̄`ヽj
_/=、: : /ー─‐'う
. -──-、 //7冫\:/: :/´¨
/: イ´',:::::::',:\ , 7='ミヽ'}::',:::ト.イ´
/:/ヽ.: : ',::::::::',: :ヽ.///: : :',∨jrノ
/{:/: : :\ '.:::::::i: ://': : : : 冫'´
|: ナ、: : : :\|:::::::|: //クi: : : ,イ
|:': :\: : :ヽ/ニニ/ /: :ハ: : /
∧: : :ア─'-'、ユ八7─.、}: / ,ヘ ,ヘ
冫__.{::..::..:::::::冫¨/::..::..::リ..' Vム ,.. ---/ /
_r-く {こ_).、::_::_::,イ ',:_::_:イ' Vム /' /:::/ /:::`::.、
. / ,ィ-ヽ._j: :トゝ ̄,... .. ...ヽ/=..l、 Vム::::' '::/ /:::::::::::::::.
/ 冫:ヽ.: : : :ハ:.'::::::. : / |: :.', ,Vムj____{/ /::::::::::::::::::人
l (_ゝ、_}: : {⌒ヽ\:ゝ__∧ i!: :.', ノ:::V jTrく,∧:::::::::::::/:::::'
レ=K´!',: : : :ゝ-,ノ:==、 /: : ! { , -ミー‐ ァ ―‐ ミ::::::::::::::}
{/i!: :ト.ヽ.: : : :/| : : \=='イ: r.:| v{: Yロ'{: Y:::::::::'
∧: i!: : \`二フ':::|: : : :  ̄',: :lトリ v:、 j | ゝ, ノ:::::::/
|:::\ヽ.: : ¨/::::::::!: : : : : ::,: :V , -ヾ}~´,」_ ` -- く::::::ノ
|:::::| ヽ.__/:::::::::::/: : : : : : !: / / ^ヽ )}イヽ
|\ヽ_イ:::::::::::::::::::/: : : : : : :,:/ , ,ヘ / }\ ,. イ::{:::> ):.、_
|: :\_r=======': : : : : : :ノ,ソ 〈 /:::::/ 乂:≧≦::斗r≦´>'" ` 、
ゝ、: : :i!: : : : : : : : : :,.イク. ー':::::::{  ̄´ >く/
}`ー==i!:=ニニニニ =======/ // v'::::::::ゝ、 >'":::::::::ヽ、 \
|: : :.i!: : : : : : : : | ' / {::::::::::::::/~^  ̄::::::::::::::::::::::::}::! 、
{::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::/ニ| )
/ニ;:::::::::,':::::::::::::〃)):::::::::::::/ニニ, /
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } この年の秋は大暑であり、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 司隷・冀州・青州・雍州等で蝗が発生したと『晋書』『愍帝紀』にある
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 877 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:23:56.44 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 司隷 宜陽】
/:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. \:. :. :. :. : //\:. :. :. :./:. :./
:. :. :. :. :. /\:./\:. :. :. /\/ /∧:.\、:./´ ̄》
___/ ̄/:.\ /\// ̄/\ / >:. :. ´:. :. :. ̄ ̄ ̄:.`ヽ
. / ̄:. :. :. :. :. :. :. :./ ∧ /:./:. :. :. :. :. :. :. :. :. :/:/\__/:.\
/:. :. :. :. :. :. /  ̄/ ̄:. :. :/:./:. :. :. :. :. :. :.: :.: :.:/ : /:. :. :. :. :. :. \
:. :. :. : | ̄|: ̄:.: :.: :.: :.:/:. :/:. :. :. :. :. :. :. :. :. :./:. :. /:. :. /:. ∧:. : : \、
:. :. :. :. :| |:. :. :. :.: :..:./:. :/:. :. :. :. :. :/:. : : :/:. :. : : {:.:/:. :. :. :∧:. :. : : :.\
:. | ̄ ̄| ̄:. :. :. :. :. :.:/:.//:. :. :. :. :. :/:. :. :./´ ̄ \:. {/:. :. :. :. :. :.∧:. :. :. :. :. :.
:. |__|:. :. :. :. :. :. :./:./:.i:. :. : : : : :/:. :. :./-:.、 ヽ:._:._:. :. :.',:. :. ∧:. : : :. :. : :. 去年に続いてまた蝗。
 ̄|:. :. :. :. :. :. :. :.:.:./:./:. :|:. :. :. :. :.:i:. :. : ハ:. :. :. }:. :. :.∧:. :. ::. :',:. :.
_|:. :. :. :. :. :. :. :. 〈:./{:. :.|:. :. :. :. :ィ斧ミ 乂: ノ {:. :. :. : i: :|:. :. :.:',:. :. .これはもうダメかもしれんの
:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :./八:. |:. :. :. :圦ん 小ハ (:. :. > ;:i:. :. :. :|: :|:. :. :. :',:. :.
:. :. :. :. :. :. :. :. :. :.:/ )八:. :. :. i:. 乂rツ /:l:. :. :. :|: :|:. :. :. :.li:. :i
:. :. :. :. :. :. :. :. :.:./ \:.:.:|从: :| ィ斧芋ミ /:/l:. :. :. :|: :|:. :. :. :.||:. :| ,,..斗┐
:. :. :. :. :. :. :.: :.:./ i\:. ヽ / ヒrツ ノY/ .l:. :. :. :|: :|:. :. :. :.||:. :| ____ ,,..斗 '' |i|
:. :. :. :. :.: :.: :.:./ V:}ヘ /ノ /:. :. :.:/:.:八:. :. :/.:/ /´ ̄/::::::::::::_,ノ斗 '' ,,..斗 '' ´
:. :. :. :. :. :. :. :.i ):| :. ヽーァ イ/>- 、 ̄ ̄ \/ /:: ̄::>、:/::::\`ヽ ,,..斗 ''
:. :. :. :. :. :. :. :.| _| \ イ// / \ {::::::::::::::::::::し':::::/:::/,,...斗::::::::,
∧:. :. :. :. :. :.:.| //| >--< // / \ .:::::::::::::::::::::::::::::/ :/:::::::::::::>
:.∧:. :. :. :. :. :.| / :i/! / .// } ´ ̄ ̄ ̄} /::::::´ ̄:/⌒ー'ー'‐ '' ´
:. :∧:. :. :. :.: :.| 「∧ ̄ { :.. / .// .} /´ ̄ ̄\ ./:::::::::::::::/
:. :. ∧:. :. :. :.:.| ∧ ∧ ',-- 、 // ̄ .// { ./// ̄ ̄ \/:::::::::::::::::
:. :. :.∧:. :. :. :.| { V,∧ , / .// \ / ./ ./ / ̄ ̄ /:::::::::::::::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 宜陽にいた魏該は、連年の蝗害に頭を抱えていたと思われる
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 878 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:24:37.90 ID:qSjPNxu80
-
,,‐''''´´ ,! l
`、 /黄 【河東郡】 ( 〉 朝歌○
', / `ヽ、 /
', / `ヽ、 _,,,,,,-‐'′【河内郡】
', /河 `‐-‐´ ,-‐'´
', / 〇安邑 ○垣 _,-‐'i´ ○酸
) ,' ○解 ,,,..-‐- 、,,,_ 河橋 温 〇懐_,,,-‐'´ `-、
,''´ 【馮翊郡】 ,' ,,/ 邙山▲ -、,,_ ○ ○ _,,,-一'´ l
'、 l ○蒲阪 大陽○,,-‐'´ 【河南尹】 洛陽○河陰~´ 成皋 ●滎陽 !
ヽ, ) 入 _,,,,...-一'´〇陝 ○十三里橋× ◎ 〇偃師 ○ ○
`~´ 渭水_,,,,,...---‐‐''´×潼関 ‐'○湖○ 新安 ○ 〇緱氏 ▲ 中牟
〇渭城 ,,,-‐'´´ ○華陰 弘農 ○ ●宜陽 河南 _,,..-‐- 、嵩山○轘轅 .,,-一
,--‐‐'^´ 〇 ▲ 澠池 ○ (´ ○輪氏 `、 ○密 ,/
〇長安 〇隠盤 鄭 華山 新城 ``'''‐-、,,_ `‐-‐'''´´ `~~`ヽ、
○覇上 【弘農郡】 ○梁 _,) 〇陽翟
【京兆郡】 ,,,_ ,ィ´ 【潁川郡】 ○許昌
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、 | そんな次第で南の荊州にでも移ろうかと思っておる |
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ ヽ________________________乂:
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 宜陽は洛陽の西に位置し、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 魏該は滎陽の李矩らと連携しながら劉曜ら漢軍の侵攻を退けていた。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:′ とはいえ、次第に飢饉で疲弊していったと『晋書』『魏浚伝』は記す
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 879 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:25:27.14 ID:qSjPNxu80
-
/ニYニヽ /\Y/ヽ
/( ゚ )( ゚ )ヽ / ( 0) (0)ヽ 我々がいなくなれば、
/::::⌒`´⌒::::\ . /::::⌒` ´⌒\ 洛陽にいる匈奴たちに行動の自由を許しますっていう!
| ,-)___(-、| |::::::::::-) __ (-| .
| l |-┬-| l | l::::::: ヽ|!!il|i|!l|. l | 皇帝陛下を見捨てるおつもりかっていう!!
\ `ー'´ /l!| ! . \:: lェェェェ| /
/ \ |i . /⌒〜" ̄, ̄ ̄〆⌒,ニつ 南へ行くなら、
/ ヽ !l ヽi | ,___゙___、rヾイソ⊃ 劉曜に降って関中戻った方がマシだっていう!
( 丶- 、 しE |そ | `l ̄
`ー、_ノ 煤@l、E ノ .| | /´ ̄:\
__《ハ}ノ)): : : : : :\
/`:<: : :/`:<\`:.、ヘ: : :. :.
/: : : : /: : /:.ハ: : :.∧:.∧「 ̄|: :.
/: : : : : :/∧: :/: :∧: : :∧: ∧ ̄|\:.
. /:/: : : : /⌒ヽ '´ ̄ V: : ∧:.:.i: : :\|::.
/:/: : : : /(::. .:´:ノ∨: : i∨!: : : :/\
. /:/: : : |: :i r=ミ r===ァ:i:.:.|)i:八: : :\/:.
そうは言うがの。 . {/i: : : :i|: :圦ヒソ ヒソノ: |:.:.|∧ノ: : : :/\
\从|:込、 ′ |:.:|:.:.| V : : : \/:.
匈奴がおぬしらを大切にするわけがない。 从|i > .^ ィノ:イ/ ∨: : : : : : :.
ィ:´:::ノ<>'//7 /><ニ\ V: : : i : : i
妾は皆のためを思って言っておるのじゃ ./::::-<>ィ〈>'/《/<=> ´ ハ V: : | : : |
. /::::::::::ニノ:::リ イノ= x== 、 ./ニi :. :.:| : : |
八::::::::\:::::::\〈/ /、 <ニ〉 /\/ : : | : : |
\:::::ノ \:::::::>- ' \ //=V i: /:. :.:.|
ー i/.\ ハ }ニノ /.: :. :.:|
/// `¨¨¨¨´ /¨´ /: : :. :./
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .そこで魏該は南への移住を提案したが、将兵は従わなかったという。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 移住先が友軍のいる東でなく南なのは、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j すぐ東の洛陽が漢軍の拠点なため、民を連れての移動が困難なためだ。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ また、将兵が移住に反対したのは、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 彼らのほとんどが雍州か司隷の出身だったのが大きいと思われる
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 880 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/25(土) 22:25:39.93 ID:L9zewAri0
- よくみんな生きてるな・・・。
- 881 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:28:55.86 ID:qSjPNxu80
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、 結局、魏該は単騎で南の南陽郡へ逃げ、配下の将兵たちは劉曜に降っている。
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ この『晋書』『魏浚伝』の記述だと、
\ヽ、 _ , イ!::/ .魏該が配下の反対に遭って、一人で逃げざるを得なかったように見える
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ / 〃}: / :. /:. :. :. :. :. :. :. :. :. :.
i: : : :::\::\i../ / {ll:.}/:./<´ヽ:. :. :. :. :. :. :. :. :.
/`:.<:. :. : ̄ ̄ ̄:.` \〉:. :. :. :. :. :. :. :. :.
/:. :. :. :. `:. :. :. :. :. :. :. :. :|\:. :. :. :. :.} :. :. :.
ト..../:. :. :. :. :. :. :. \:. :. :. :. :. :.\|:. :. :. :. :}:. :. .:.i
|:. :.|: :、:. :. :. :. :. :. :. \:. :. :. :. :. :|\:. :. :. }:. :. :..|
/:.:.:.|: : \:. :. :. .:. .:. .:. .:.\:. :. :. :. \|:. :. : }:. :. :.:|
. /:/:.:.:|:./ \:. :. :. :. :. :. :..ハ:. :. :. :. /\:..:/:. :. :. |
/:/i:.: :./ ':,:. :. :.ヽ:. :. :. :|:. :. :. :..i\/.:.{ :. : : :.|
ぼっち・ざ・ろっくじゃな。 :/ i|:.:叭 /:フ :,:.|:. :.i:. :. l:._|:. :. :. :/: /\:. :. :. :. |
:.{ i|::. :. :. ,ィ斧ハノ:|:. :.|:./ノV:. :. :./:. :.\/:. :. :. :.:|
あやつらに対する配慮が欠けていたかもしれぬ。 :.{ il: :. :. :. :. 以l :|:/ :} V:/:. :. :.:./\:. .:. .:.|
:.{ 八:. :. :./) ""|/ :} ∨|:. :. :. :.\/:. :. :. |
別に寂しいわけではないがの .八{ \/ `ヽ _ / V__:. :. :. :. |\.:. .:.|
f/ 7ゝ、 イ/ }> ´ \:. :. :\|:. :. :.
,v / :{/ .<⌒\〉:. :. .:.|\.:. :.
. // / ./ ´> ´ ̄{二}:. :. :. :.\|: :. :.
// / //, / {ニ/:. :. :. :. :. :. :. :. :.
_//_/ //// / /ニ{:. :. :. :. :. :. :. :. :. :.
/:⌒Y:} .//// / / {ニ: :. :. :. :. :. :. :. :. :. :.
/ ::ヘ::::J / イ /_____ ,/ {ニ\:. :. :. :. :. :. :. :. :.i
- 882 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:29:37.70 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 荊州 南陽郡】
/フY ヽ
/(>)(◎) ヽ
_ /⌒`´⌒:#;; \ 魏該殿!
| -)___(-、 |
.__ |#; |!!il|i|!li| lu.| 過去の事は水に流して、
/ \ ・`⌒´ / .もう一度俺たちの主になってくれっていう!!
〈_/\ .`ijー─‐'" \/゛〉
) /\__/ やっぱ匈奴はロクな連中じゃなかったっていう!!
/ _ /
三 / __ ヽ _/:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. : \
三 ! /r .) __ _ 《⌒)):. :. :./\/\_:. :. :. :. :. :. :. :. :. :\
ヽヽ _/ . /:. :. :.ヽ/: ヽ:. :. :. :. :.>、\ ̄\/\/\___\:. :. :. :. :. :. :. :.:.\
. /:. :. ∧:. /:. :. :.:∧:. :. :. :. :. ∧:. :. ̄ | ̄ | ̄ \:. :. :| ̄ ̄|:. :. :. :. :. :
/:. :. :. :. ∨:. :. : : : :|:. :. :. :. :. :.∧:. :.  ̄/ ̄ ̄/\:.:|__|:. :. :. :. .:.
. /:. :. /⌒ヽ:./´ ̄` |:. : |:. :. :. : :∧.:. :. /__/ .\:. :. /\:. :. :. :.
.. /:. :. /__ __ |:. : |:. :. :. :.: :.:i:. :. :. /\ :./ \:. :. :
.: :. :. :ヽ:.`ヽ (:. :./ |:. : |:. :.|: : : : :|:. :. :i / / \ /:. :.
それ見た事かたわけども。 .: :. :. :.{ x=ミ x斧芋ミ:.:.|: : : : :|:. .:. ; \ / \/:. :. :.
. i:. :.|:. :〃 _)ハ 〃 _)小 ノ : |: : : : :|:. :./ /\ /\.:. :. :
妾の言う事を聞かぬからじゃ . | : :|: 圦 .Vツ ヒ:ツ |:.:.|: : :|:.:.|: / \/ \/:. :. :.
. | : 从:. :.} ノ /:._/ /: ,:. : /: /イ /| /||. :. :. :.
.. 八:. :. 〉:八____ ___,ハ .//:.// _|.ノ〉 ../ || :. :. :.
. ヽ/ | |/,| l∨ ノ / く___,,.斗--<____/ l ,/.|: :. :. :.
| |/,| |i|`´ .。s≦ i // ̄ \/ | .|/ / :. :. :.
| |/,| |i|-=≦>、 | { \ /:. :.: :. :.
| |/,| |i| /{ / :. / .{ //二二ニ\ ヽ /:. :. :. :. :.
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ だが、魏該の配下たちは劉曜からの徴発に苦しみ、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 南陽郡にいた魏該に使者を出し、再び彼を塢主として迎えている。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .配下と合流した魏該は荊州の新野へ移った
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 883 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:32:08.51 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 荊州 襄陽】
____ ....:::´:::::::::::::::::::::::::::::\:`ーrく:::::::::::::`ヽ
/⌒>―:/:::::::::::::::::::::::::;イ{:::::::::::::::::\::ゝ.><\ ̄\
/⌒./:: /::::::::::::::::::::/ムrヘ:::::{::::::| ::: |:::::::ヽ `ヾ
/::::::/:::/:::/ゝー'^´ /\ム::| ::: |::::::::: | ようこそ魏該殿。
./::::::/::|::|:i!:{ /,斗芯アt| ::: |::::::::: |
| ::/|:::|:从N 〃〃bf:::爿 |::|:::|^ヽ::::| 今我々は賊徒討伐に従事しており、
|/ .|:::|:::∧⌒ { 乂少 j::/::|} }リ::/ 魏該殿のような歴戦の将を何よりも必要としています
{ |:::i!::::::ハvzイΥ"\_ イ/|:::| /::/
Y:|:(__{_ ノ' _ /' ./:/¨ル'
从:::八 マ::::ノ /イル'_ /´ ̄:\
\个i イ'_」 ィ^}} } __《ハ}ノ)): : : : : :\
\{ゝ >ー< rf }} }} {{八 /`:<: : :/`:<\`:.、ヘ: : :. :.
/ィirf´{{ {{ ヾ ヾ ヾ \_ /: : : : /: : /:.ハ: : :.∧:.∧「 ̄|: :.
} }} }} ヾ ヾ \ >.:.´.:.:.:.:.:\ /: : : : : :/∧: :/: :∧: : :∧: ∧ ̄|\:.
. /:/: : : : /⌒ヽ '´ ̄ V: : ∧:.:.i: : :\|::.
晋 梁州刺史 周訪 /:/: : : : /(::. .:´:ノ∨: : i∨!: : : :/\
. /:/: : : |: :i r=ミ r===ァ:i:.:.|)i:八: : :\/:.
. {/i: : : :i|: :圦ヒソ ヒソノ: |:.:.|∧ノ: : : :/\
\从|:込、 ′ |:.:|:.:.| V : : : \/:.
我ら一同、周訪殿の指揮に従おう。 从|i > .^ ィノ:イ/ ∨: : : : : : :.
ィ:´:::ノ<>'//7 /><ニ\ V: : : i : : i
郷に入っては郷に従えと言うしの。 /::::-<>ィ〈>'/《/<=> ´ ハ V: : | : : |
. /::::::::::ニノ:::リ イノ= x== 、 ./ニi :. :.:| : : |
ところで、あの杜曾とかいうのは化物か何かか? 八::::::::\:::::::\〈/ /、 <ニ〉 /\/ : : | : : |
\:::::ノ \:::::::>- ' \ //=V i: /:. :.:.|
ー i/.\ ハ }ニノ /.: :. :.:|
/// `¨¨¨¨´ /¨´ /: : :. :./
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 折しも荊州では杜曾の乱の真っ最中だった。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 魏該は配下と共に
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .梁州刺史周訪による杜曾討伐を助け、順陽郡太守に任命された
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 884 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:32:58.53 ID:qSjPNxu80
- 【紀元322年頃 晋 荊州 新野】
. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
<:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :\ __/〉
...<:. :. :. :. :. :. :. :. :. ___ /\:./ \/_\:. :.__:. :.Y/7〉___ ______
.. /:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. /___/-\/ > //:. ̄:. :. /:ヽ{V/´ ̄)) ̄ ̄
/:. :. :. :. :. :. :. :. :. / ̄/:. :. :. :. :. :./___/:./:. :. :. :. :. /: ∧:V: ̄\
:. :. :. :. :. :. :. :. : /| ̄  ̄ ̄ | ̄/ V:. ,:. :. : /:./:./:.:/\/:.ハ:. :. :.
:. :. :. :. :.> ´ |/ / T /:. :{:. :. :.i:. i:. i:. :i i :. :. :.
:. :. :./ /| | / {:. : {:. :.l:.从l(:.ト从 __ |:. i :. :.
:.:/ |/ /| .{:.:/∨《斧ミ从 /:ノ イ:./:. :..i
/ |/ 八:.V i:| Vツ ,.斗ァ.:/:. :. :.|
__ _ \:八 , (ツノイ:. /: :/ .妾は賊を討つ事を願い、
V∧', ー\ (:‐ァ 人://:/ 国へ忠義を尽くそうと思っておる。
V∧', (:.、__ 「:i/_,ノ -=≦----<
. V∧', >ィ::\_l___/_/<⌒ヽ Y〉 今、王公が挙兵し、
. V∧', /(/ノ//:::::::::)::::::::::::::::} Y V .天子へ向かっておるが、
V∧', 〈∧__〈/{´ ̄/>--< ノ 〉〉 妾は与するつもりはないぞ。
Vイ{ト 人/人:〉<ノ /\___/{
〈ヽ{:::)、__,,.斗::::〔..<i:> :. ノ { / /〉 そう王敦殿へ申し伝えい
乂くノ:::::::>:i:i:i:i:i/ Y / ̄ ̄
V//:i:i:> ´ ∨ V
. /:i:/ / ',
. /:i:/ 八 ′
/:i:i:/ 〉 \
. /:i:i:/ , / \
{:i:i/ . / \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 後年、王敦の乱では中立を保ち、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 蘇峻の乱では建康へ赴き陶侃の指揮下に入るも乱中に病死。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .武陵郡で葬られ、従子の魏雄が将兵を継いだと『晋書』『魏浚伝』は記す
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 885 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:34:29.99 ID:qSjPNxu80
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| 腹ペコから始まる民族大移動 .|:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ//
| | >:´|、 - ,|`:< 魏該の南遷は周辺の勢力に影響を与えた
| | |::::::::| > イ |::::::::|
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
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- 886 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:35:28.24 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年8月 晋 豫州 潁川郡】
(~) (~) (~)
.γ´⌒`ヽ γ´⌒`ヽ γ´⌒`ヽ
{i:i:i:i:i:i:i:i:} .{i:i:i:i:i:i:i:i:} {i:i:i:i:i:i:i:i:}
(`・ω・)∧,,∧ (`・ω・)∧,,∧ (`・ω・)∧,,∧
< >(ニO ・ ・ < >(ニO .・ ・ < >(ニO ・ ・
ッッ) ,_lミl !、 ゙i. ッッ) ,_lミl !、 ゙i. ッッ) ,_lミl !、 ゙i
ミ_(⌒~(, (__)|`ッ ト,o_o).⌒~(, (__)|`ッ ト,o_o)(⌒~(, (__)|`ッ ト,o_o)
(, l!、 ̄| |ッ (, (, l!、 ̄| |ッ (, (, l!、 ̄| |ッ (,
(⌒;; _ッ/ッッ~'''''''(, ッ~゙i ゙i _ッ/ッッ~'''''''(, ッ~゙i ゙i. _ッ/ッッ~'''''''(, ッ~゙i ゙i
(⌒;;(⌒;; .(,ッ ゙i_) |_|フニッ(,ッ ゙i_) |_|フニッ (,ッ ゙i_) |_|フニッ
ッ_) ッ_) ッ_)
` (⌒ 、 /ニ Yニヽ
`ヽ \ ,/(>)(<)ヽ
(⌒)ヽ (⌒ -、. / ´`ヽ---/::::⌒`´⌒::::\
ヽ::::::: . | ,-) (-、|
(⌒) .。; ゚ ,,\. `'''⌒) ,;‐=‐ヽ l | '⌒)
(⌒・⌒ ・ = ニ` -、 、 :::::,,.r ' `ニニ´ / ,.r'
'';:. ,、,,・:・ 、、,, =ニニ` ー三----- `''ー─‐'"
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .八月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 洛陽に駐屯していた漢軍が豫州潁川郡に侵入。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .魏該の軍勢がいなくなったため、
`ヘ:ゝ .' 小/ 比較的手薄な潁川郡方面へ攻め込んだと推測される
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 887 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:36:18.02 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年8月 晋 豫州 許昌】
∧/:|`Y丁:| |
| | | |:::L」 ∧
| | ̄ |/|`'|: : : | |__,|@
∧ |癶_|_ | |===== |A
/,,,∧_| | |⊥_|∧::i|∧__|八
| | | |,| ̄|¨'|─:| ̄ヽ| ゙̄| | |ハ
| | | |:| | | :| |¨ ‐_| | |__|
_ | | |_|,| ∧ l :| |- ,_Y∧_| ∧
癶___∧_,,r|⊥i |/ ̄ヽ| /:: :∨‐:| |ヘVヘ|_|: : :|_|:::| xヘ
癶 | | | |'^i'^i | | | |ニ|_/:::ハ__∨| ̄~| | |VヘVヘ::::::::::|::::| |::::| ̄
| ̄|_ _i! ∧ /:', | | | | | | | ハ ハ¨/::∨ ̄ヽ |∠ヽ [\__[]二::|::::| |::::|
¨¨¨,∧¨¨∧∧ ∧ |[]| | |/二二 |ヘ | |/∧ /::∨_∨¨∧ ̄ | ̄| | |\| |ヘ二二| ̄_A : |
:¨ ̄|¨:| ̄| ̄|丁∧xヘ∧ | ̄  ̄/:::∨ ̄VV_| ̄|_|_| | ̄ ̄xヘ|_|_|/ γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| | | |::|/ ̄ ̄/__',__」,,...、、、-─| ̄..|「「「「| | | ̄|ヘ::::::∧「 ̄ |_|:::\|xヘ | ……困りましたね |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ゙゙゙̄| |¨|¨|¨|:|| _ ,-く ̄ ̄ ∧ | | | ∧| ̄|_」L ‐<::::\/|〈:::/ヽ___________乂
 ̄{─‐ttュ_ リ|i_|i_|i_|」⊥-‐ュ_∠\:::_>:::::::// ̄∧ /:::^〉‐ 丶::\: : \,イヽ|/::::/::::::/::ヘ`|ヘL|_|\
: : }.:.:.:_二 ̄/ ̄ ̄i! ̄ヘ::_ -  ̄:::::寸´ |::::::://:::::/ ∨::::/ヘ::::::::∨::::\_イ_|i...||ヽ/::::::/:::::::/:::::::\
'''"´~ 从 _ム-,:/ ∨__∧::::ニハニハ::/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}|¨/_,||\::: ヘ__,.斗匕リ.. || 〈::::::/::::∠_:::::::::::/\
从从;';',∧:::::::∨ |]/ .圦::::[]:::[]:/:癶::::::::癶:::::::::::/ |/_||_Y´ || || |/... ||`'|::://|ヘ^ア /|::|
从;';';';';'ィ' ヤ'"´|-‐ |/ _||_∨::::::::/:::| |i::::::| |i::::: /|i, ::|_||___,|/||⌒|| |...... .| |¨i|:: ¨|_|ア/ ̄|::| ̄
;';';';';';';';'|「┌| |r 「i|==| | |=ヤ=ァ゚::::: ̄:::::::::: ̄:::::∧゚|i,::| ___ | || |レ' |`'| |::::::::/ \、|::|/
;';';';';';';';'|「┌| |‐ ¨|==| | |==| 丁丁丁丁丁丁「「| 「:::| |::::| |「」|| / ヘ | |`Y======| ̄|==
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 今度は許昌に行台を構えていた荀組が頭を抱える番となった
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 888 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:39:28.60 ID:qSjPNxu80
-
/::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\|::::::::|:::::::::゚。
.:::::::::/:::::::::/:::::::::/ ::::: |::::::::| ::::::: |::::::::| ::::::::: i
|:::::|::|:::/::/::::::/:::!::::::::::|::::::::| ::::::: |::::::::|:::::‰::|
||:: |::|:::|:::|::::: i!::::|:::::::|::|:::::::ハ::::::|::|::::::::|Y》':::: | .華恒殿。
.从::| 〕:T::i!ー-|匕!::::: ハ|`:::TT¨丁|::::::::|叺》::: !
`Tハ"" `""  ̄ `"" `"^^|::::::::h⌒:::: | 石勒軍の攻勢を避け行台を許昌へ移したのに、
|:∧ ≧=ミ ィ≠≦.|::::::::|リ:::::::: | 今度は洛陽から匈奴の兵がが押し寄せてしまいました。
|::::ハ |::::::::|V|:::::: |
|::::圦 ' |::::::::|ハ|:::::: | これでは私たち兄弟が設置した行台は立ち行きません
|:::::::|:ゝ. r 、 .ィ/:::::::/Vj::::::::|
|::::::ハ::::::>. ー ' イ |:|::::::::|>ハ|:::::: |
|:::::} {:::::::::::::r〕 _ 。<> '^|::::::::|∧:! :::: |
,.rzzz|:::::トL:::::::// 况´ /::::::/〉.ハ! :::: | // 丶 ヽ \` 、∧
.//´ ̄j :: |`¨ア/ハ /i∧ ,./.|:::::::|/7ニニニ≧ュ // | V 、 , ヽ}≧=- ァ
|..|......../::::/...//..../ V|iiiii∧_//...|:::::::|/............../  ̄`ヽ ,' ' | V、 , V :!ハ
| | { ヽ Vヽ jレ^|\ | V |ヘ|
| | { V, } / ヽ L斗、 | j^Y |
l |’ V {V'、 | ,ィ" jレf笊⌒’ V |7) } '
l | ’ V、{ _,.ノ | } ^弋rツ V´,.ノl
| ' ∧ V´ jI斗、| : | }「 八
j ∧ 丶 ヾゝ乂r〉 U∧/{⌒`
軍才の足りない私たちには厳しい状況です ´ 寸'、\ \ 、 _ ∧ 〉ヽ', ,.斗r ァ冖 、
寸ヽ\_ 丶 , '´ / /ヽ }ー=≦-‐ 7^ヽ ∨
` `'⌒ 个s。., ___ ∠ィ'´ヽ V /`'< / .l| |l
_人 { } } }’ ` 7、 l| |l
,.。s≦'´ } ) ', )/ \ / ',. l| |l
〃{_,. '",. ィ’}ー 7´ l|ヽ \ ' , l| 八
- 889 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:40:20.56 ID:qSjPNxu80
-
/::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\|::::::::|:::::::::゚。
.:::::::::/:::::::::/:::::::::/ ::::: |::::::::| ::::::: |::::::::| ::::::::: i
|:::::|::|:::/::/::::::/:::!::::::::::|::::::::| ::::::: |::::::::|:::::‰::|
||:: |::|:::|:::|::::: i!::::|:::::::|::|:::::::ハ::::::|::|::::::::|Y》':::: | そこで相談なのですが、
.从::| 〕:T::i!ー-|匕!::::: ハ|`:::TT¨丁|::::::::|叺》::: ! 実は私、先月建康から司徒に任じられまして。
`Tハ"" `""  ̄ `"" `"^^|::::::::h⌒:::: |
|:∧ ≧=ミ ィ≠≦.|::::::::|リ:::::::: | 良い機会なので、
|::::ハ |::::::::|V|:::::: | 配下の者と共に建康へ移ろうかと考えています。
|::::圦 ' |::::::::|ハ|:::::: |
|:::::::|:ゝ. r 、 .ィ/:::::::/Vj::::::::| よろしければ、華恒殿も御一緒にどうかと?
|::::::ハ::::::>. ー ' イ |:|::::::::|>ハ|:::::: |
|:::::} {:::::::::::::r〕 _ 。<> '^|::::::::|∧:! :::: |
,.rzzz|:::::トL:::::::// 况´ /::::::/〉.ハ! :::: | // 丶 ヽ \` 、∧
.//´ ̄j :: |`¨ア/ハ /i∧ ,./.|:::::::|/7ニニニ≧ュ // | V 、 , ヽ}≧=- ァ
|..|......../::::/...//..../ V|iiiii∧_//...|:::::::|/............../  ̄`ヽ ,' ' | V、 , V :!ハ
| | { ヽ Vヽ jレ^|\ | V |ヘ|
| | { V, } / ヽ L斗、 | j^Y |
l |’ V {V'、 | ,ィ" jレf笊⌒’ V |7) } '
l | ’ V、{ _,.ノ | } ^弋rツ V´,.ノl
| ' ∧ V´ jI斗、| : | }「 八
j ∧ 丶 ヾゝ乂r〉 U∧/{⌒`
お気持ちは嬉しいのですが…… ´ 寸'、\ \ 、 _ ∧ 〉ヽ', ,.斗r ァ冖 、
寸ヽ\_ 丶 , '´ / /ヽ }ー=≦-‐ 7^ヽ ∨
` `'⌒ 个s。., ___ ∠ィ'´ヽ V /`'< / .l| |l
_人 { } } }’ ` 7、 l| |l
,.。s≦'´ } ) ', )/ \ / ',. l| |l
〃{_,. '",. ィ’}ー 7´ l|ヽ \ ' , l| 八
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『荀勗伝』にはこうある。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 荀組は石勒に迫られ、自立できなくなっていたと。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .翌年彼が建康にいるのが確認できるため、
`ヘ:ゝ .' 小/ この頃には許昌から建康への移動を検討し始めたと思われる
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 890 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:41:14.19 ID:qSjPNxu80
-
, } ヽ,/ / / ’ ヽ 斗 y
' | / , " , / ’ ∨//
./ , / / ' / } i ∨イ
' / ' , イ/| ' /| ハ.| ', |
l∠ イ| | /__jL 斗ハ / j/ } ' vl
| ,从 ,/ ___ ^ノ/ /^'<ハ 八 、
八{ { 八 { ` Vリ⌒ ´ ===x, } / /⌒ 私の従兄に当たる
ヽ乂ゝ` 、 Vソ ´,:| / / 江州刺史華軼は晋王に討伐されました。
\}^'ー、 ' ./,:レレ'
jハ 公、 r― v u人 .私が同行すると、御迷惑をおかけするのでは?
∨-| \ ` ´ ,. イ
{ /\个ー <、
ノ } { `7ーr’}
/ /`ヽ、_j_」 ト 、
//´ ̄`'く //⌒`ヽ ∨}h、 / : : : ,': : ,': : : :l: :./ : : : : : : ゙.: : :ヽ: : : : : ハ
, , | | V ' ヽ :, ヾ}',! ': : : : :l: : : : : : :.|:./: : : : : :|: : :|: :|:.:l: :゙.: :゙ : : :
, ,' ,. --ミ V 、 、 、 \ l : : : : l: : :|:.: : : :|,': : ::': : : :l : : l: :l: :!: : ゙..:|: : l|
|: : : : :|: : :|:|: : : :! : : :': : : ,' : : :': :}:.:|: : :.|:.:.|: : ハ
l: : : : ,' : : |:l: : : :|: : ,' : : :/: : :.,':.:.,':.:|r≦Lrr‐'
, : : : ,';;: : :|;;|: : : |: /_:_:-─/: :/从ィチうリ |
ハ: :/;;;;: : :|;;;l: : : V:∠≦乏ミ Vソ' ::::|
では、建康へ問い合わせては如何でしょうか? ,' : :./;;;;;: : :.l:{ヘ: : : 代乂しソ :::::|
/:./:/;;;;;;::;;::::l;;ヽゝ: ハ ` `" ' ハ:::!
/:,:';/;;;;;;;:::;;:::::|;;;::::∧: : :. .イ|:::::::.
/:/ /;;;;;;;;::;;;::::: |;;:::/ヾ. : :.、 ‘’/:::∧:::::::.
,:': / ;;;/;;;;;;;;;:;;;;::::::〃:/\∨ : : ハ≧=‐r-イ<:/ V:::::.
/:::';;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;::::/::::∧ ヽ: : : ヽ ハ|ヽ >、 V:::::.
,':,';;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;:/:彡' ゙. V: : ハ /{;;;;;} ヽ. }ハ:::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『華表伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 当時群賊が方々で盛んであり、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 豫州諸郡の太守が相次いで出奔し、華恒も郡を放棄して東渡を企図した。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ しかし、従兄の華軼が
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 司馬睿に誅殺されていたため、彼に疑念を抱いていた
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 891 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:41:53.73 ID:qSjPNxu80
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ そこで華恒、王導へ手紙を出して反応を見る事にしたらしい
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::≧ /...........
〃/´::(:::::::/__:::::::::/:::::::_:::::::::::::::::::::::::</ ...............
{乂 :::::::::/´ , ̄ミx /::::::::`ヽ::::::::::::::::/` ‐──‐‐
ヽ. _/ ’ ) \::::::::::::::::Y:::::/
{ ─r‐‐< `Y⌒ヽノ::::/
`Y { Y ノ)}::/
華恒殿が心配する気持ちは痛い程分かります。 } ≠ミノ 丿 ノ/´ ̄`ヽ
ノ /................ \
殿下はこう仰せでした {__ /..........................\
. L ___ノ /.............................. / /
└r /................................//
}__ ノ⌒/\..........................X ___
/ 丶.............../ |\
′ \../ i|......\
{ / \___|............\
- 892 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:42:34.06 ID:qSjPNxu80
- 【晋王殿下のお言葉@『晋書』『華表伝』】
_____
. ´ `
/ ___ r―‐- . \
/ /r┐`ー'^ ゝ' o \
/o `¨ (`Y´) r‐==ミヾ `、
: r‐'r‐ヘ 〈 〉 |⌒ト ∨ ハ
| |〈 |{7´ YLノ|\|_厶 }|o゚ | `、
| |く( |{∧___{⌒´ 〉'^⌒^i:}|_,ノ `、
| ∧゚ oト〃⌒^ー. ´´│〔 〕 |\
| ∧__/ 「 ´´ __ | {f}f}、 |
| i 〔 〕人 < ノ .イ: / |\
ノ^| /f}f}\〈\ __ / :|/..┐ :| 兄弟の罪が互いに及ばないのに、
. |:∧ |\∧ '.辷____,,..彡'|=|'|/ .従兄の罪なんて及ぶわけがありません
/ \|\__,f‐|「∨ //´|=|ニ=-
-‐=ニニr'⌒ー┐ .厶斗ir。ニニニニニ=‐-
/ニニニニニrf \ `二V´}ニニニ゚ir。ニニニニニニニ
/ニニ\ニrf∧ `マ,ノ_,.ニニニニニニ%ニ/ニ/ニニ
. //}ニニニニ%。o 〉 }::/____)。o%¬冖'^∨ニニニ|
. ,.:.:/ニニ{:∨ニニ} ̄`V7∧ニニニニニニニニニヽニ/ニ|
/.:.:|ニニニ∨=/`¨¨7f=〉.:.i:.ニニ/ニニニニニニニ/ニ:|
. 〈/:.:.|ニニニ{ニ乂___/,」/.:.:.:|:.:.∨=/ニニニニニニ|ニニ
. 厶.:.:.\.ニ八ニ/ `¨7:|ニ| .:.:∧:.:.:∨ニニニニニニ ;ニニ
`⌒Τ^ У |ニ|/人\:.|ニニニニニニ7ハ∧|
. |{∧ / :|ニ|¨´ :. `¨│ニニニニニ/ |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 司馬睿は即座に華恒を招聘した。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 時節柄こう言うしかなかっただろうが、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .このあたりの司馬睿の感覚は至って普通である
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 893 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:44:45.57 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 豫州 許昌】
/ ヽ `
, " / } ヽ ∧
/ ' ' 〃 } 、 V '
_,ノ/ ,' j /,' } ハ } V',
7 ' { ム斗r’ ./} 7ート,V ' , } どうやら晋王は私も受け入れてくれるみたいで。
l{ { { ' l ' レ }/`', ハ|`ー :'
∧{', {'∧ ァ=ミ/ ァ=ミ、} '⌒v ,' .御一緒しましょう
八{ ハ.: : : , .: : : : レ ) ノ jレ
^叭 :! __/! /
人 r -- ァ / {/j’
个s。 ,.イ{ ハ{
r>-<_ ,.斗{ . ,: . . . ...:..:.i..:.:.: |:i::.:i |::.:|:::i :|::::|:::i::|::: |::i::|:| :::;::::
人 | ,' } !ト、 ′ . . . .i..:..:.|.:.: : |:i ::| |::.:|:::||::|:::i::|:::::|::i ::|:::|∨)::i
_ ,. 斗≦ノヽ| {__ノr く\> 、 i : :| ..:.i_」ニ|:::-‐|:i¬ |::|:::| |¬:‐-|::ニLj ::|:::[_,〉::::|
, ´/ , '"/ / ,' } ', ヽ ` .,`> 、 |:|i..:.| ..:.:.i: j.斗r‐‐ト、┴└‐ ┘ 斗r‐-ミ」:|i__|:::|)::::::::|
, レ" / ' / } }:、 \ /, ∧ |八⊥ -‐ヘ〔 {:::し(_ {:::し(_ 八:i:| :: i::::::|
. i .:.:.i小 V^ン V^ン i::: | :: | :.:.|
. | .:.:.|::|∧ 、、、、 , 、、、 、 /|::: |∨|:::..:.
|..::..:|::i :∧ /个i::|〉〈|::.:..i
| ::.: l :::: i∧ _ _ / : |::i::|∧|::::::|
では、建康へ参りましょう .|..::.::.::.::.::| :::::...._ ` ´ ...::::::: |::i: |∨|::::::|
|.::.::.:i..::.:.|.::.: / ニ- . . イ\ ::: |::i:::|〉〈|::::::|
. |.::.::.:i ::.::.| ::/ /\ >‐- ´/ `'く|::i:::|∧|::::::|
| ::.::_l ::.::.|:/ ∧ 丶、___,. '′ ∧ ::::i:::|<|::::::|
_,.. -=ニ二| ::.::.| i \ /∧ / i i:::::::|ニニ‐- _
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『荀勗伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 荀組は自らが率いていた配下数百人と共に長江を渡った。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .太保・録尚書事・太尉などを歴任するも、
`ヘ:ゝ .' 小/ 明帝司馬紹の時代の初めに六十五で病死している
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 894 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:45:57.84 ID:qSjPNxu80
- 【紀元318年春 晋 揚州 建康】
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/ i \
/ ノ ....:::::::::::::::亠:....
*⌒ ̄>/ -ァ::::::::::::::/ ̄:::::::::::::::...
*⌒∨ ,ノ /::::::,:::::::/::,::::::::::::::::::::::::::::\
*⌒{ / *:/::::::':::/::::::::/:::::::::::::}:::::::::‘, 南方の水に当たってしまいました。
/ /洞{:::::::/:/::::::::/:::::/::::::::|:::::::::::::,
/ x .∧ /:::::::|:::::::|_i:::::::_/く /:::::::::/、:::|::::::::, うっぷ
/ く/ ∨:::::{_|::::::{i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i\//::::/:i:::::::i
/ , //::::::i|:::|::::|::::i|i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iく._:/:::::/
< / / ト-/|:::区|:::::|、" ̄ ̄ `:i:i|,ヘ;;/
\__{⌒ し' |::::|え|::::|斧。、 r-、 "}:::::| , "/ `丶
\ |::::::|メ圦:::::| Yクー――イ::::::}i / ' / ,' ' 丶
` < |::::::::W ハ::| |Y |::::::::|::::::il| ' ' ' / } ∨ 、
` .|::::::::::::::::::::}{ト=イivト=《:::i:::::i::::;イ ' , ' / | jL_' ! } V∧
!:::::|:::::::i:::::{ L_.イ-ト、_|::ノ:::ノ/::i| // ,' ,.ィ´/!/~「 ' ,'| '十ト ' 、:,
.ゝ {\人:::{ し'` '^`` }ィ1:::::/ ∠ イ l ,' V j' |/| / j' '| 、 :! :|ヾ、
ヽ{ .}/ l| |ハ ,'〃f芯` | / '芯ヾv: | !
八 | / j∧ | ` .Vり ' Vリ ノ'ハハ,'
`ヽ{ (「八| / / / l / /,l| / j'
}丶 _ 、 _ 八
建康って宮殿もあるんですね ハ \ ( } ,
ヽハ _|个s。 , イ
|/ 7 ー-≧f〔ハ|
, - ― =七人 | | ,' }l |__
./ ∧ _ ,. - ' >- {- 'r'、- 二丶
' , ∧ , イ | ', , ヽ' < }ハ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \ 華恒は建康へ移った後に太常となり、
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .荀組・刁協・王導と共に祭祀の在り方について議論した後、これを制定。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 後に散騎常侍・国子祭酒も兼任し、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 王敦・蘇峻の乱を生き抜き、成帝司馬衍の時代に六十九で病死。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 清廉かつ質素であり、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 常に布衣粗食で、死んだ時も家には余財がなかったという
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 895 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:48:32.98 ID:qSjPNxu80
-
斗≦才ニ=ー-- _
/イ ̄  ̄\ \厶
//イ寸}}}寸 寸\ \\ミ辷_
艾ミ寸/厶\ ̄\. } \_寸 寸´
`才 .ア ) 乂\_\ ハ
./// 斗≦` 寸: : :./Vハ 个'
厶从{ァ==、 / 斗ォァ V// ム: }V乂{
八{:斗ォァ}  ̄ }:/ (ノ∧V
.{: ̄ ノ |__/VV
∨ \ 八 マ おや?
.∨ , -─ ..::: V
.' -‐ /:/ ∨
.' /:::/ _V γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
\::....<::::::::/ 斗≦斗≦∨ | ああ、荀崧殿も建康に来ていたんですね |
.∨≦ /ニ二ニ=-‐∨__ ヽ____________________乂
/ /ニニ/ニニニニニ,
,イ / |─彡ニ>─-<ニニ,
/八./ニニ:|ニニ/ニニニニニ寸ニ,
〈::::/ニニ/ニニ/ニニニニニニニマニ,
/::::Vニニ/:ニニ7ニニニニニニニニマニ,
∧:::/ニ/ニニニ|ニニニニニニニニニマニ,
∧/ニ/厂 ̄ |}:ニ|ニニニニニニニニニマニ,
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .また、同じ頃に宛に駐屯していた荀崧も建康に移ったと思われる。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } こちらは司馬睿の皇帝即位後に
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 尚書僕射に任命され、東晋における礼儀の制度を定めている。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 蘇峻の乱で王導・陸曄と共に成帝司馬衍を護衛した後、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 咸和三年(三二八年)に六十七で病死したと『晋書』『荀崧伝』にある
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 896 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:49:23.15 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 司隷 滎陽】
,,‐''''´´ ,! l
`、 /黄 【河東郡】 ( 〉 朝歌○
', / `ヽ、 /
', / `ヽ、 _,,,,,,-‐'′【河内郡】
', ○粟邑 ./河 `‐-‐´ ,-‐'´
', / 〇安邑 ○垣 _,-‐'i´ ○酸
) ,' ○解 ,,,..-‐- 、,,,_ 河橋 温 〇懐_,,,-‐'´ `-、
,''´ 【馮翊郡】 ,' ,,/ 邙山▲ -、,,_ ○ ○ _,,,-一'´ l
'、 l ○蒲阪 大陽○,,-‐'´ 【河南尹】 洛陽○河陰~´ 成皋 ●滎陽 !
ヽ, ) 入 _,,,,...-一'´〇陝 ○十三里橋× ◎ 〇偃師 ○ ○
`~´ 渭水_,,,,,...---‐‐''´×潼関 ‐'○湖○ 新安 ○ 〇緱氏 ▲ 中牟
〇渭城 ,,,-‐'´´ ○華陰 弘農 ○ ○宜陽 河南 _,,..-‐- 、嵩山○轘轅 .,,-一
,--‐‐'^´ 〇 ▲ 澠池 ○ (´ ○輪氏 `、 ○密 ,/
〇長安 〇隠盤 鄭 華山 新城 ``'''‐-、,,_ `‐-‐'''´´ `~~`ヽ、
○覇上 【弘農郡】 ○梁 _,) 〇陽翟
【京兆郡】 ,,,_ ,ィ´ 【潁川郡】 ○許昌
(~)
.γ´⌒`ヽ
{i:i:i:i:i:i:i:i:}
(`・ω・)∧,,∧ すいませーん。
< >(ニO ・ ・
ッッ) ,_lミl !、 ゙i. ああっ、石を投げないで!
ミ_(⌒~(, (__)|`ッ ト,o_o).
(, l!、 ̄| |ッ (, .今日は戦に来たんじゃありません
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、 (⌒;; _ッ/ッッ~'''''''(, ッ~゙i ゙i
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ (⌒;;(⌒;; .(,ッ ゙i_) |_|フニッ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ. ッ_)
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 洛陽周辺に残る晋軍は、
\ヽ、 _ , イ!::/ 滎陽郡太守の李矩が残るのみとなった
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 897 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:50:24.04 ID:qSjPNxu80
-
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii', .李矩将軍。
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
',ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii,' 我が主趙固は、
';:.:.:.:.. / ;#;:;: \ ':, 将軍の御心遣いに大変感謝しておりました。
';::.:.:.:. . ● × ;'
';:::.::.:. (__人__) ;' .危うく劉聡に殺される所だったと
'':;,:.:.:.:.:.;#;;メ;;.;#; ┃ 、:'
,;:'':.:.:. '':, /⌒ヽ ̄/⌒ヽ__
__/ /ミ∨/j} } \
// / /⌒゙┴‐く{ l \
// / / { ∧
// / __厶ノ {廴{ l ∧
〈/ / ´/ {`ヽ\ |
〈 /__,厶二 =ー\ { `ヽ |
結構。 }/ 癶,_以ぅ ‐テ忘ミ \ \
〈「 || ノ ` ┴勹v―ミ \ノ
それで、色好い返事は聞かせてもらえるのかしら? .ト || | |'^ノ },ノ
|/圦 、_r‐ 、__, | |// |
//| ト、 `こ゚´ ノ| | |
//│ l |\ イ | | | |
// | | | |ト‐ | | | | !
//_|L∟⊥8ノ 8 | |__| l
// / / /ー8- _,。c*゚ | | >、 l
/ / / / |\__゚*()+・゚¨ / | | / ヽ l
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } この頃、洛陽にいた漢軍の将を趙固といった
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 898 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:52:57.54 ID:qSjPNxu80
- 【趙固さんの詳細な経歴はWikipedia参照】
|////////////////////
_,, 、、、,,_//////////////////
>''´: : : : :ト、: :`''</////////////
/:i:/: : :l: : :ハ|,,斗i‐:',: ∨/////∧////
/: |i:i/: : : :|: : 厂レ-、ハ : }: :∨/////∧////
/: :《≧≦》 : :|: :,ィzzzzミ}: :}__,、}!///////////
,: : : : : : :\: : 从''´:/:/:. /: / V///////////
{ : : : : : 八: : {: :弋:/:/:.イイ ノ///////\/// 劉聡から寝返るなら、石勒か李矩の二択になる。
',: : : :Y´{: :\乂`''ー` ` ,く//////ヾ/
. ヘ : : 乂{ : : :≧x { ヽ// / だが、石勒に帰順を持ち掛けても反応が鈍かった。
ヘ : : : ヘ: : : \ u. 人 //
. ヘ : : : :ヘ : : : \― ,、ィ!'´ //// ここは李矩の誘いに応じる他なさそうだな
l: : : : : |\: : : :ヽ. /: : :| |////
|: : : : : |.斗\: : :ヽ / |: : :| |////
. ,' : : : : :|≠>'' ̄`ヽ`ヽ:.从. |////
. / : : : : :/''/ ∨ihvム |////
. / : : : : / / l:i:i只:i:》 γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
. / : : : : /. l''´ ヽ| 我が主は李矩将軍に帰順したいと言っています |
. { : : : : ′、 l ヽ_______________________乂
. l: : : : ′ `〜、、,,. ヽ }! |/////
. 从: : { \ ``' ',. . : :八 ,ノ/////
. ∨{ \\ 、. }.: : / {///////
. Vゝ、\ \〉 ``〜┴.V /////////
`寸≧zzzzz\ , イ///////////
〈 ヽ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:\ ,イ//////////////
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .元々漢軍の将として永嘉の乱を戦い、
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 徐州に攻め込んだ折に徐州刺史裴盾を殺し、その娘を奪って妻とした。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 永嘉六年(三一二年)、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .徐州から平陽への帰還途中に食糧が欠乏したために劉琨に帰順。
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ それから二ヶ月余で劉聡に帰参し、以来五年に渡って洛陽を守っていた
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 899 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:53:53.92 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 司隷 滎陽】
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
',ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii,' 帰順を認めてもらえるなら、
';:.:.:.:.. / ;#;:;: \ ':, . 劉聡討伐の先頭に立つと主は言っていました
';::.:.:.:. . ● × ;'
';:::.::.:. (__人__) ;'
'':;,:.:.:.:.:.;#;;メ;;.;#; ┃ 、:'
,;:'':.:.:. '':, /⌒ヽ ̄/⌒ヽ__
__/ /ミ∨/j} } \
// / /⌒゙┴‐く{ l \
// / / { ∧
// / __厶ノ {廴{ l ∧
〈/ / ´/ {`ヽ\ |
〈 /__,厶二 =ー\ { `ヽ |
いいわよ。 }/ 癶,_以ぅ ‐テ忘ミ \ \
〈「 || ノ ` ┴勹v―ミ \ノ
当分の間、洛陽はあなたたちで守りなさい。 ト || | |'^ノ },ノ
|/圦 、_r‐ 、__, | |// |
必要な援助はさせてもらうわ //| ト、 `こ゚´ ノ| | |
//│ l |\ イ | | | |
// | | | |ト‐ | | | | !
//_|L∟⊥8ノ 8 | |__| l
// / / /ー8- _,。c*゚ | | >、 l
/ / / / |\__゚*()+・゚¨ / | | / ヽ l
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 建武元年(三一七年)。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉聡は讒言を受けて趙固の粛清を決め、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 滎陽の李矩を討伐する軍勢へ帰路趙固を斬るよう文書で命じていた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ ところが李矩がこの軍勢を打ち破って文書を入手、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 趙固に渡してしまったため、彼は李矩への帰順を決断した
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 900 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:55:08.99 ID:qSjPNxu80
-
/ニYニヽ
/ (0)(0)ヽ
/  ̄`´ ̄ \
| ,-) (-、.|
| l ____ l | よろしいのですかっていう?
\ `ー'´ /
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. | ´ ̄ / ̄ ̄|___
/ / __| >┐
/ / /ミ} /|l ト、
_/ / / / `ー≦|l│ヽ
{__/__/ / ブ⌒ | | |
/ {______/__,∠ - __ ││|│
廴「 /^/ 癶 f苙`ヽ \| l| |│
| {(_| | ,z二 | l| |/
今、私たちが洛陽に移っても守り切れないわよ。 | ∧l | t苙`犲 リ/
|l //│ | ′ ノ//
対匈奴の前線にしかならないでしょうし、 | // /| | --、 /l | ̄
彼らに預けておいた方が死ぬ気で働くでしょう |// | 「\ ` // l|│
| / /| | ー一 i〔_//|│
|/ //| | |‘,、 \|∧
/ ,∠ ̄| | __; ∨ │∧
//⌒`\| |’,- ノ ; ∨\│ ∧
/// | | ’, ; \ Vl ∧
// | | l∧ ’, :. ; /\ ∨ |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } この時点で洛陽は晋軍の手に戻ってきた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 901 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:55:52.43 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年10月 漢 首都 平陽】
/  ̄` ー -- 、 `/ ヽ |/ \∧
__/ / ´ ̄ ̄`>`Y 厶,/ハ ヾヽ
-ー:´.:ノ/ / | / | ハ: :\
/: : : : :.∨ / / l / 粲 | / i|: : : ヽ
/: : : : : : : / / l ート、L__ |/ __}: : : :/
{: : : : : : :./ | | ヽ/ ´  ̄ .,': : :/
: : : : : : :/ / _| | ,ィ示テミト、 ,ィテト、ト; :./ 陛下。
\: : : : ソ / / |\ ! ヽ 代ノ} {ヘノ!. ハ∨
\: / / ヽ| \ | ゞー′ ゞソ ,' | ヽ 今、江東に司馬氏が江東に跨り、
/ ∧ l ヘ U ヽ |. ! ', 趙固と李矩は相次いで反逆しております
/ / ヽ | { __ ハl ハ
/ ∨ \.! ',\ ( ノ イ ヽ|/ ヘ
. / |、 ∨!≧ュ 、 ィ´ | 〉
/ _ _| \ ! \  ̄ソ`ト、 |_ / l
./ヽ、 /::::::::::| \ | ∧ ∧ | ヽ |/\/ }
ヽ/:::::::::::::| \ !:\ / ‐十ー | \.|::::::∧ / |
漢 皇太子 劉粲
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 趙固粛清の失敗と洛陽失陥に
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 漢の朝廷が動揺していた様子が『晋書』『劉聡載記』に見える
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 902 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:56:40.45 ID:qSjPNxu80
-
/  ̄` ー -- 、 `/ ヽ |/ \∧
__/ / ´ ̄ ̄`>`Y 厶,/ハ ヾヽ
-ー:´.:ノ/ / | / | ハ: :\
/: : : : :.∨ / / l / 粲 | / i|: : : ヽ
/: : : : : : : / / l ート、L__ |/ __}: : : :/
{: : : : : : :./ | | ヽ/ ´  ̄ .,': : :/
: : : : : : :/ / _| | ,ィ示テミト、 ,ィテト、ト; :./
\: : : : ソ / / |\ ! ヽ 代ノ} {ヘノ!. ハ∨ 兵を集める者は皆、司馬鄴の名を用いております。
\: / / ヽ| \ | ゞー′ ゞソ ,' | ヽ
/ ∧ l ヘ U ヽ |. ! ', ここは司馬鄴を除いて、
/ / ヽ | { __ ハl ハ 彼らの望みを絶ってしまうべきではないでしょうか?
/ ∨ \.! ',\ ( ノ イ ヽ|/ ヘ
. / |、 ∨!≧ュ 、 ィ´ | 〉
/ _ _| \ ! \  ̄ソ`ト、 |_ / l
./ヽ、 /::::::::::| \ | ∧ ∧ | ヽ |/\/ }
ヽ/:::::::::::::| \ !:\ / ‐十ー | \.|::::::∧ / |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 皇太子劉粲は晋の皇帝司馬鄴の存在こそが、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 漢に対する反乱が止まない原因と考えていたようだ
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 903 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:58:36.14 ID:qSjPNxu80
-
ィi{:::::::::::::::::::::::::::. : : : : : : > 、
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. : : : : : :.\
. {ヽ /:::::::::::::::::::::::::::/ニ_`ヽ:::::::::::::::. : : : : :.:ヽ
{ \:::::::::::::_> ´ー=ニ三三\:::::::::::::::::. : : : : :、
. __、 ヤ  ̄ ‐=、:::::::::::::::.. : : : :ハ _,イ
. \ / / i / ` <:::::::::::::::イ /
. ヽ/ / / ,! , / i } `¨¨¨´ <__ ィ
___// / / { __ .{ { !, } i i /
. ⌒ー{ /! {. .{ ,ィ´ `.{ ハi ‐- L,_ ! ! く
{/ | { マム:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iYI| Y|:i:i:i:i:i:`ヽ ト 、 \
` ', iト、.マム:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:γ⌒ヽi:i:i} }  ̄ ̄`
. /从 ヽ\:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i弋 ノ:i:i:i! }
. / / 杁:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iィ | j ,}
. {/ .| ハ !\i:i:iャ──‐ァ:i:i:i:i:/イ,} ハ } 士大夫の帰順は望めない。
i , YW个s ` -- ´ ,ィ } / }′
, ,/ニ}} 〈 } -≦//{{/ニ: / , ∧ 、 ならもう必要ないか
, /ニニ: _ xヘ `只 ´_厶、{{,'ニ / イ/ニム \
/ニニ/ ヽ〉._{`〉/}: : :〉' ニニニニニニム ,>
/ニ/ ヽ{ ', ', :{ , ニニニニニニニム/
. /ニ ,´ /} ゙ ゙,:〉!ニニニニニニニニ≧、
∨ニ ,! ,イ 〃 { /l !ニニニ/´: : : : : :_ヽ
. 〉ニ,' ; 〃 ', ,/ ll !ニ/:./  ̄ ̄ ̄/
. /ニ , i / ', 、 .ll.|/:./ニニニニニニ|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉聡は息子の進言に従った
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 904 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:59:50.56 ID:qSjPNxu80
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| 『晋書』『愍帝紀』に曰く .|:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ//
| | >:´|、 - ,|`:< 懐帝の悲劇が今一度繰り返された
| | |::::::::| > イ |::::::::|
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 905 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:00:37.60 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年10月 漢 首都 平陽】
/::::::::::::::::::::::::::::_ -‐……- _:::::::::〉
. 〈::::::::::ト、 __,/ / ` /_,ィ
. \  ̄ ヽ / / / / /、 } く
. / フ / /,/ 〃.‐===‐ ', } } 'マム
. ー=≦ __,/ 〃 { /,!/ 斤テ_ } ,'‐- }、}
. i {./{ ! .{,/ :/ { 辷z} }/.ヒ}/j / }
. | ,! ,^V ∧ .{. ー, {′ '
. Y 弋 V ∧ { __ ; ∧
∨、 ` V ∧ 、 / ∧
∨\ .V ∧ \ ._/ .i| \ ||:.:/⌒\/ / / / | | ∨
} ハ }ヽヽ、 ∧ / ̄ }ヽ i| ィ:::::::| / / , | |∨
' " /「 .}/ \ ∧ ‐ _\ Y 丶i| |::::::::: | -=======-| | ∨ |
≠z ミ.`<\ . 「 ` >__ ゙,! .|::::::::: | / / / .| | ._|__|
/三 ヽ \ r─、! / >-、ヽ .|::::::::: | , ,__ _ 从| / ヽ |
/!三三三\ 〉 : : :\.〈: : :ヽヘ |::::::::| .| / ̄ ̄ ̄ 从__ / | |
. イ |三三三三\ ヽ: : : :,r'!ノ : : 〈\〉 |::::::::| .| ´ J勿 | - 、 .| .从
/::::::::| .| | 乂::::::| イハ | , /
:ィ⌒ヽ | 、::::::リ f:::::| | .,
|:::::::::::| | ー .|:::’ , ' イ
|:::::::::::| | :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. 乂 l |
|:::::::::::| | ' :.:.:.:.:.| |
ヽ:.:.:.:.: .| | |
ー| |≧s | |
..... | |三三≧s。 人
..... | | 三三三≧s。 つ ./ |
..... | | / |
..... | | ≧=- -=≦ | 从
==/ \ /  ̄ ̄ | .| |
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .十月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉聡は狩猟に出発し、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 司馬鄴は行車騎将軍として戎服を着て戟を持って先導を務めた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 百姓が狩猟の様子を見に集まったが、故老は激しく泣いたという
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 906 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:01:20.65 ID:qSjPNxu80
-
_| ̄|_| ̄| | ̄|_| ̄|__| ̄|_| ̄| | ̄|_| ̄|_| ̄|
|_ _|| | ̄ | | | | ̄ | |  ̄|
r┘└へ| |二コ ┌'| |二コ ┌| |二コ ┌'| |二コ ┌┘
. : : : : : : : : : : : : `丶、 〈 〈] ゚,、〈| | o ヽ| | o ヽ| | o ヽ| | o └「 ̄\l
/: |: : : : : : : : : : : : : : : : :. ヽ-ヘ_>ノ_ノ|_|、_ハ/|_|、_八ノ|_|、_ハ/|_|、_ハ/`⊇.ノ
': : : :|: : :| ‘,: : : : : : : : : : :}. -─r─- . . .
/: i: : 「{(__}: |: : ‘,: : : : : : : :_/: : :''"~ ̄`丶、\___
,: : :|: : 乂}: : :| : : ‘,: : : : :ノ⌒⌒`丶、: : : : : : \¨⌒\__
|: :八: : : : : : :|「\:‘,: :/⌒¨¨⌒: : : :\ : /⌒⌒\^/⌒⌒\
|: : : i\: : i : :| )}--(/⌒\: : : : : : 厂/;;;;>''"~⌒\: : i: \: :.__
|: i : |^r=ミ: :| 〔_: :/ .:::::::::: ‘,⌒\: {___,/.::::::::::::::::::::::\|\ |: ::i⌒\
|八八\ヾj :| У.:::::::::::: ‘, ヽ/.:::::::::::::::::::::::::::::: ノ:::::|: |::::::::::::.
`⌒^゙〉 l :| {:::::::\: ‘, .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}:: |: /::::::::::::::::.
ヽ r:|┐ {:::::::::::::ヽ ',:::/.::::::: ::::}:: |/
`| |┘ イ:::::::::::::: ‘, .:У.::: ::::} / ‘,
| | i {:: ⌒\ ‘, ::::{.:: ____ ::::/ ___ }
| | | { \‘,::::::{ / { } \ / /{ ____}\}
| | | { \::::{ /{ ''"~ ̄ ̄\, }ヽ//{,/ '⌒\}}
| |厂} { ヽ}y{/ \_} {,/ |ノ
厂)}┘{ }{(! /,人( |
`Τ: }...{ }ゞ| . : : ::! |
|: :( { } | ,............‘, .|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ その後、劉聡は大宴会を催し、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 司馬鄴に列座の人々に酒を注いで回らせ、杯を洗わせた。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .更衣、手洗いの際には傘を持たせて供をさせている
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 907 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:02:14.24 ID:qSjPNxu80
-
/: : : : : : : : /: : : : : ∨: : : :\: :ヽ
/: : : : : : :../: /∨: :ヽ: : ∨: : : : ∧: ∧
/: /.:.: :../: /: /. ∨: : \: \: :∨:∧:..∧
/: /|: : :./: / !_|_ .u ∨: { ,-寸マ_:∨c()っハ
/: /: !: : :| !/∨ /::ヽ\,--∨∨:|: (ハ): !:'
/: /: :.!: : :{'∨,==彡 :::::::::: ミ==ミ∨: : :.|:..|:.|
|:..ハ: ∧: :.'. / 三≧ ::::::::::: ≦三 . }: : : .!:..!:.!
{: { |: :|:ヽ:∧こつ .こつ/: : : :!: |:.|
ヽ{ |: :∨:ト∧. ' /:/: : /: :|∧
|: : ∨!ヽ、ヽ. _ u ノ:/}: :.∧:..|:.∧ こんなのってないよ
{::!: : :.∨人. ´  ̄ ` ノ/: :/:∧:|ヽ∧
∨: :{ヽ∨: :.> ィ: :./:/从∧' }\
∨:.{ \ 从: r}> ー < .ノハ/:ノ } }' ヽ
ヽ\ _/. \_ _, -< 〉-、
_,,.-‐''!"/ハ __ / ヽ__. / } |`' ー--∩,くニヽ
(ヽ ィ ´ | /::::::::`{ニ}´::::::::`> .| } .ノノ.〉 二'〉
rー `、\ ./、 { \:::::::::/ ヽ::::::::/ ノ / / /ィ/ィ ̄`}
{ 二ミ'、ハ ∨ ..| /:\ノ::} {::::\∧/ ./ ヽ、_{ レ'-' ヽノ
{rー、ヽ' ∧-, | .∨´ ∨::::::::::::://!::::::: ∨ , ヽ! l! /
∨ヽ-' /∧/. ' `ー-、_::/ ,' {:::> ' . / ==={ .!\ / }
〉、 / }、 / ∧∨ ! ´ / / {{__||∨ ! ー- ' } .!
\ ̄、 ヽ ノ l ,' ∧.∨ ! / ./ .{{ || |` l ノ}
漢 尚書 北宮純
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 宴席に居合わせた晋臣の多くが声を失って泣いた。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 尚書郎の辛賓という者は
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .司馬鄴を抱いて慟哭したため、劉聡に殺害されている
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 908 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:03:14.66 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年12月 漢 首都 平陽】
{ 〈〉_丿 :|::./: :. /: :. }i: :. | :'_ 乂ノ、___}
乂_ノ |: . |/: :. /: :. ハ: . }: | .::|: . | i
|: . |: . |: :. /}: :. / |: . }i }i ト、 .::|: . | |
|: . |: . |: . / }: / ,, |::. iii }i__ | \ .::|: . | |
|: . |: . | |_,,. 厶斗 /"´ |: }i iii /``〜、、|: . | |
|: . |: . | |:. / _j/_‐- 、 | /;′ 从- _,,_ VI`:. | |
|: . |: . | |:/,ィ灯⌒メ j/ム=‐'''^´ィ灯⌒メ .|: :. | |
|: . |: . | |i { }:::じ):つ }:::じ):つ }|: | |
|: . |: : . | |i 乂⌒ツ 乂⌒ツ |: :. !|i
|: . |: : : . | |i |: : . |:|
|: :. |: : : . | |i ::い:i::い:i:: ′ ::い:i::い:i:: }|: : . | |
|: : . |: : : . | |i ∧: ::. ||
. |: : :|: : : . | |i、 ハ|: : . |: |
|: |: : : . | 込、 , -- 、 ..イ⌒|: : . l |
,: : : ;|: : : . | | ̄ ~"''〜、、 ,ィi〔 ./|: : . | : |
. / /::|: : : . | | ``〜、、__,,.、丶´  ̄`~゙"''' |: : . | : :|
.. / 乂_ :|: : : . | | \ |: : . |: : :|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .十二月二十日。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 司馬鄴は平陽において殺された。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .享年は十八、
`ヘ:ゝ .' 小/ 諡号は愍帝とされている
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 909 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:04:03.32 ID:qSjPNxu80
- _...._
_,.-':::::::::::::`ヽ、
,..-':::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
__ /:::::::::::::::::::::::::::::\:::::::ヘ
l::::::::::::::::::: ̄::::::ー.../::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
ヽ::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ィ::ニ'::::l
ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ `ヽ:::::::l
\::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:、 ';::::::|
,ン、:::::::::::::::::::::`:-..._:::::::::::::::::::::::/::::::\ ';:::|
/ | |`ト 、_:::::::::::::::::::::`:::ー-......__/::::::::::::::\ヾl
l ト ト. ト、ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
`ハ_|ヾ 弋弍f'ー、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
'´く. 'ーイ l j、7ァt、__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l
rヽ 、 lー'-'ノ_ノ∠Lゝト弋ー-- :::_:ノ 『晋書』『愍帝紀』は、
ヘ ヽ--j..-<}::::::::::::〈.` 皇帝司馬鄴の治世について、次のように結んでいる
,レ-'⌒:、 ヽ:::::::::::ヽ- 、
,. -‐、 ヽニ.:::::;r‐ '´ l::::::::::::::::::::ヘ
,r'::::.,.-' r'´ ::::ヽ __'Jノヽ::::::::::::::::::ハ
/:::::/ | l::: ` ヽ、_ ヽ_,l:::::::::::::::::::::l
. | :::| | lヽ、__,. 、 ';::::::::::::::::::::::::::::::l.、
. | | | |:::::::::::::::ヽ. l::::::::::::::::::::::::::::::|:ヽ
l. l ヽl. ..|::::/::::::::::´:::::::::::::::::::::::::::::::|::::l.
ヽ ヽ.__ ノ | ::|:'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
` ー- 一 ヘ |::::ー-、.._:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::|ヽ
7ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|:::ヽ
/::|::|:ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|::::::ヽ
/::::::|:::|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::|:::::::::ヽ
/::::::::::{:::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::|:::::::::::`
- 910 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:05:46.51 ID:qSjPNxu80
- 【まとめ@『晋書』『愍帝紀』】
┏──────────────────────────────┓
帝は皇統を継ぐも、永嘉の乱が続いて天下は崩離し、
長安城中の戸数は百に満たず、墻は崩れて壊れ、蒿や茨は林となった。
┗──────────────────────────────┛
z匕三チ.: : :. :. :. :.|.: :. :. :. :.|..ト、_
__,r三}二}二二二二二二 |.: :. :. :. :.|..| ||
/ : :: :| |i┌|| |i┌|| |i┌|| |||.: :. :. :. :.|..| ||
} :: : : | |i└|| |i└|| |i└|| |||.: :. :. :. :.|..| ||
. {:: : : :; ;| ┌三三三三三三 |;';';';';' ;'; |..| }}
. };: ;; : ;;| | __li |.: : : : : :.|..|. {{
{ ;; : ; ;:| | /匕三`ヽ...... |.: : : : : :.|..| }}
7′_/ イ´..j ;,; ;.;; | | | |/::::::::::| |: : : :|:.:.:.:.:.:. : |..| ||
..... '⌒ヾ. {;; : ;; :;;| | | |::::::::::. | |: : : :|;';';';';' ;'; |..| ||
_/`ヾニ二/j;; : : ; ;:| | | |::::::::::. | | |.: : : : : :.|..| ||
-=ミく7,У.};;: ; ; ;:;| |二二三三三三三;: : : : : : :|..| ||__
⌒}/7'/ イ;:; ; :; ;:;| |───il───┐;';';';';';';';'|..|二二二)ヽ/ ̄ヾ_ _
--==≦乞; ;:: ; ;;:;..| |;; :: . : ;;; : ;: ; :; ;;;;;;|:.:.:.:.;';';';';'| ;; : : ; ;: ; :: :::\ ヽ7 ヾ/ {'⌒y´}
; :: ; ;;:;. ;:: j ;:: ; ;;:;. | | ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;;:; |:.:.:.:.:.:.:.:.:.| ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;;:;. `ヽ_ ,,〈, r〈,r'}¨i/{/´}
;: : ; ;;:;. ;:: ; ;;:;. ;::. | | ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;; ;:: ; ;;|:.:.:.:.:.:.:.:. |i . ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;;ヘ、 .,イヾ}Y゙'/ヾ/,ィヽ 〈
;: : ; ;;:;. ;:: ; ;;:;. ;::. | | ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;;:;. ;: . |.: : : :. :. :.| ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;;:;.斧、 . ニ=ミ}i∠rf壬 V/
;: : ; ;;:;. ;:: ; ;;:;. ;::. | | ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;;:;. ;: . |;';';';';';' ;'; | ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;;:;. ;: ;:斧、 .}ィ/ _)/r'-=、了
 ̄ ̄ ̄  ̄  ̄≧::| |-、 ;:; ;;: ;;;:;..:..:;;.::::::|;';';';';';' ;'; || ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;;:;. ;: ;:;:;:;:ト、..´ヾ} ⌒´ヽイ/ハこ
,/!_〃}//ニ{/l/i/` ̄`\; ;;:;. ;:: ; ;;; ;; . |.: : : : : : :.i!: ; ;;:;. ;:: ;:;. ;<´ / く`<}/,-‐ミイヽ 》、ー、人ヽ、〉.....}
ヽレ' ,イ⌒{ .′>‐彳/ }く`≧ニニ==、: |.: : : : : :. :.| ; ;;:;. ;:: ;:;. ;::../ / ,ィv⌒ ´Y´≠く/´ \ー/、ヾ'...../》 i 「´/ ヽ
i} /,イ´ ア´ ,rミ//}ィ´¨ヽ}く ̄ヾ.く` ───'. }// ィ´ ヽ ̄ヽ.....}´ヽ/ ヽ ,へ }/,へ
_,≠'{_.<`'⌒У,//くヽ〉、__。rっ。 `⌒~´ i/ { ,'へ. ! 「` / _}/へ/`}=- ' }/ヽ./,_
`了 /´ ヽ、_ヽイ,ィ{ }/´`ヽ' }/. ', i: i
_/ ;/,r 、/ ィ弐{´ヽ`Y´ ヽ }
' / / /}.入.r=`
イ {//
- 911 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:07:16.35 ID:qSjPNxu80
- ┏────────────────────────────────────┓
朝廷に車馬や章服は無く、ただ桑の木の板に称号を記すのみだった。
兵はただ一旅、公私の馬車が四乗あり、器械は多く欠け、食糧の運送は続かなかった。
┗────────────────────────────────────┛
, '´ ̄ ̄` ー-、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1 ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.」
{: :i: i /ゝノイ ノ l/u. ⌒ l :}
| : レ .|:::::::::○三三○ l :|
|: : :(| ⊂⊃:::、_,、_, ⊂l:/
i⌒ヽ: :ゝ:::::::::u::::::: u. ル|_/⌒)
ヽ ヽ 从ヽ,、::::::__,u.イ从/ ヽ/
∧___,ヘi.i:.:\__八__/:i.i ハ /⌒Y⌒uヽ
ヾ .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.} ソ /(○) (○)ヽ
_ /::::⌒`´⌒:::: \
/´ | ,-) (-、|
/' | l ヽ__ノ l. |
,゙ / ) \ `⌒´ /、
|/_/ ヽ
// 二二二7 u' __ ヽ
/'´r -―一ァ"i .-‐ \
/ // 广¨´ /' /´ ̄`ヽ ⌒ヽ
ノ ' / ノ :::/ / ヽ }
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───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 章服は皇帝が着る礼服。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 一旅は五百人の軍勢に相当する
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 912 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:07:56.73 ID:qSjPNxu80
- ┏──────────────────────────┓
巨猾は天まで蔓延して帝京は危機となり、
諸侯は位を捨てる志が無く、征鎮には勤王の挙が欠けていた。
故に君臣が窮迫し、殺辱されるに至ったと言われている。
┗──────────────────────────┛
`\_.:.:.:.:.:.:.:/: : : : : : : :.:.:.:// / ,イ l ヘ:. : ヘ
_r '~、 >''゚~/.: : : : : : :.:.:.:.:.l" / / l }.:.ヘ:. : ヘ
_,.>、\ `くj!:.: .:.:.:. : : :.:.:.:.:.! . :/./ l i l.:.:. l.:. :ハ
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.:.;;.:.:.:.:.:.:.:.j.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l . : : :_\'" / / j ∧;,:.:l:.:.:. : l
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.:.:.:.:.;;.:.:.:l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.圦 弋ーク ´ ̄ んハ }} /;;;;;;.:.:.:.:.:.:| 援軍?
.:.:.:.:.;;;.:.:.l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:! ` ~゚ 弋ソ jl/;;;;;;;;:.:.;.:.:.:.|
.:.:.:.:.;;;;,:.:l:.:.:.:.;,:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:l  ̄` _ :、 .,_ 彡;;;;;;;;;:.:.;;.:.:.:.|
:.:.i.:.:.;;;;;,:l.:.:l.:.;;,:.:.:.:.:.:.:.:.:.l.:.:.l x<_ \_ ん;;;;;;;;:./l.:.:.:/
.:.:|;;,:.:;;;;;;l.:.:l.:.;;;,:.:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.l /-‐- ニ_ー-‐} j;;;;;;;;;;.:/;;l.:.:/
;;.:{マ;,.;;;;;;;l.:.W;;;,:.:.:.:.:.:.:.:.:l.:.:.l / ヽ j /,;,;,;,;.:/;,;,l:./
;;;;ム マ;.;;;;;l.:.l∨;;;,:.:.:.:.:.:.:.:.l.:.:.l l l / ,イ;;;;;;;;;./;;;;//
.ヘ;ム \;;;;!:.l;;∨;;,:.:.:.:.:.:.:.ムマ:、 乂__,,,..、、.,」イ _、<;;;i;;;;;;;;;/;;;;//
‐n 、 =┐00 =┐ _ 、__ 、 _
ヽ=, r‐^' }.〉-、.....l -ヘ ヽ=‐= =-┘ =┐ __」└ヘ, /〉 l 〉
,,l r='ナ-丶 i.l.,.ァ | 厂 '└_' == ヽ= ‐ ''''| 厂 //...,,_ l /
i i' l乂' ),l l.'.i. ,! ! ,..__..l L._ l | ゝ┘ /ァ'⌒l l l_/
'ー '^` -='イ `┘ .r'イ ヽ=‐'イ^ヽ ) ゞ=== ヽ 〈/ ヽーノ 〇
- 913 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:10:19.49 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年12月 漢 首都 平陽】
(~~~)
γ´⌒⌒`ヽ .大変です!
{i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}
(・ω・`≡´・ω・) =3 .洛陽の趙固の軍勢が黄河を渡って侵入してきました!!
`)⌒`) (:::::::::::::)
≡≡≡;;;⌒`) ミ≡≡彡 .すぐ南の絳で略奪を働いています!!!
= ≡ ≡ ;;⌒`)⌒`)
┣“┣“┣“┣“┣“┣“
/ __ 丶ヽ `ヽ、
/  ̄  ̄\ /∧ /ヘ\
, -―¬7 ―‐==>ーー┤ /ヽ∨/ !ヽヽ
/ / ー-―ァ''´ l | ``"´´| ハヘ
/ {ミ 、_ / l | 粲 j / }!
\ /ヾ三三{ \ ヽ{ // リ
ヽ、 / 勹! ! 、__ `ーヾ 'イ_ 〃
目と鼻の先ではありませんか。 .l/ヾ\ / ,′ l ‐千f天圷 テzァk/
/ ヾ:/ / ', ゞ-┘ Lソ/ハ
追い払いましょう ./ / ∨ ミミハ .:.::::::::. 、::::.:. {∧
/ \ /ヾ、l ! ′ j │
. / ヾ \/ | l\ _ , .イi:小
/ /ミ: 、 | ミ≡= l `ヽ、 ´ .ィ个彡 iヘ
. / / ミミ:| l`ー- 、`ーォ< l彡| |:∧
/ミミ / /^ー| l ヽ 〈 /l`ヽ| |彡ヘ
. / ミ/_,r'´:::::::::::|ミミ 、 | /^∨イ | ::::|: =彡|! ∧
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 幸薄い皇帝司馬鄴の治世。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 皮肉な事に弔い合戦にやって来たのは、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .晋軍に寝返ったばかりの趙固の軍勢だった
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 914 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:11:20.28 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年12月 漢 司隷 絳】
冫:::::::::::::::::`ー_
冫_::::::::上,,⌒
/VニニニニニVl
ゝニニニニニニノ_
|ニニニニニニニ/
ヽ_ニニニニニニ\__
ノニニニニニニニニニ`'ャ。,__
,。ャ'´ニニニニニニニニニニニニニニく
_. ._上,,,,,,..-‐ノ' 〉ニニニニニニニニニニニニニニニニニ', ..l1
l 、 」'、ノ`-'"ニニニニニニニニ`゙''゙亡ー-L , 'ニニニニニニニニニニニニニニニニニニ', .l| l1
_..ノ宀'’ニニニニニニニニニニニニニニニ~~''‐ニ . , 'ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ'., │'‐‐ .l|
./=ァニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ', l/l \,,,,,,. │'‐‐
-/レ彡ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ-┘ l..| / .l/l \,,,,,,.
\ニニlニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ_ニニニニニニニニニニニニニニニニニニ', l:lj''ー----‐'´ .| /
 ̄.',ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ┌ナニニニニニニニニニニニニニニニニニニ.', l.│ :lj''ー----‐'´
',ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ', l 彳 │
,-'''''゙゙ニニニニニニニニニl┐ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ',.│ 彳
lニニニニ',ニニニニニニニl lニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ\ .│
lニニニニハニニニニニニニl lニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ\,。ャ------、
',ニニニ≧',ニニニニニニlミlニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニヽ
,。sニニニニニs。,ニニニノ ',ニニニニニニニニニニニニニ \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
/ニニニニニニニニヽ´,。ャ'',ニニニニニニニニニニニニニ ≧ <
-=ニ 劉粲を生け捕りにして陛下を取り返すのだ!! ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『劉聡載記』に曰く。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 趙固らは河東郡を攻めて絳邑に至り、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .司隷の民三万余人が牧場の馬と妻子を連れて趙固軍に逃亡している
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 915 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:12:01.69 ID:qSjPNxu80
- 【紀元318年春 晋 司隷 洛口】
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
-=ニ 趙固は逃げて守りを固めるだけ!! ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
_ _ 冫!i!i!゚チ メll!i!i!i!ノ ._ _,.、‐'"
ぃメ,.二‖ 」 メ!i!i!iノl jo/ ィ¬.ィムチ))''" .,.
.,' ;;l .ノllγ┘ L!i!,.==r'゙ イ/弋_/ '┘ _.、‐''"
,.、、, ,.' .;;l ,,.。*゙ ヒ ィ==ぷ,,」γ/ ./ゞヽ )'''"´
( ィソ) ,.' ,,.。*'゙ メ // 「(////"L .ノ卜''┘
Uト- ソ,.'ヽ弋/┘ --┐ ヘi,,.。*'゙ソ ノ ̄,,.。*'ソへ 、 、、
> / ,.'卜--く 二 ヘi ===ヘi。*'゙ ´"'〜。.。*'゙////へ ミミミゞミミ;;、
イrf〔 〕 │ノ) // ヘi 」l ヘi ,,.、‐''" /厶llへミミミミミ〃:::::ll ヘィり
 ̄o ======ア:::::::∩┌─┐ ヘi ィi〔 └::::'*⊂_」ミ::::::::::::ll////ヽ
、 、、 ,.、''"´ ノ:::::::::::::://__0_」 冫 ヘi// .〕l:::::"'*。.::::::::::ソll::::ノL/::ヽ
彡彡ミミミ彡〃ィ'"::::::::::::: :://!!!!!!!!!│ L____ヘi .lヒ::::::::::::"'*。└ 。.。*'゙" ヘ
彡彡彡彡 レ /:::::::::::::::::::://!!!!!!!!!!!!!〕iト.L ./ ヘr /:::::::::::::/ `¨´.。oぅう _/
彡彡彡 \l::::::::::::::::::::/マ=====:=‖ _//:::::::::メ\r*。。*」 *。,,/
.人:::::::::::::::/‐'"ヽ:::::::::::::::ll:::::::/l:::::::: \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
「 ̄___,.、r''"´l ``'〜、、__‖メィ⌒ャ:::: ≧ <
/ γ:::/└"j :│-─┐ / /-‐"/::::-=ニ 恐れるに足りませんわ!!! ≦
ノ::::// ヒ::::ヘ ̄Lλムメ-┘ / / ≧ ≦
ノ::::/ \::ヘ .\ノ L::::/ /Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
.「 ノ ソ │ /::/ └ iィォ
│ノ ヽ ノ ソ::〔 └─
〉ム
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .劉聡は皇太子劉粲率いる歩騎十万の軍勢を派遣。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 両軍は黄河の南にある洛口で、二十日間に渡って交戦している。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .飢饉に苦しんでいたはずの漢軍が
`ヘ:ゝ .' 小/ 十万の軍勢を動員できるとは思えないが
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 916 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:12:44.16 ID:qSjPNxu80
-
,_:::....::::::........ ( ... ..::::::::::::::::....::::::........ . .::::::... .... ..:::::::`⌒ :::::::::....::::::........ . .::::::...
: ゙゙"'ー-、,, ..::::) ノ::::::........ . .::::::... .... ..:::::::`⌒ :::::::::....::::::........ ( ::::::::
: : : : : : : `(( ,,,;)..::::::::::::::::....::::::........ . .::::::(;;、(,,, 、::::::....::::::..) ノ:::::... ....:::::
: : : : : : : : ) ノ 、.. .. . ... .::::.. . . .:: : ,,) ( :::: :: (( ,,,;) :... . .
: : : : : : : : ( _ ⌒) `ー( .. .. . ... ..( ( ,;;. .. `⌒) ノ .. .. . ...
: : : : : 、:( ( : :) ノ ... .. .. . ヽヽ ,,ノ .. ..::. .( _ ⌒) . .. .: :::.. ... .. .. . ... .
~~^^;:;:'',,,,.....=) ノ-;;;;;~~^(( ,,,;)^^~~~~~^^"'''~) )) ^^'',,~~~~~( ( ''~~^^~~~^~~^^~~~^~~^^~~~^
"^ )ノ ) ノ .,"'`',( (,, ( ''.,,.....=) ノ-':
. ... .::::.. . . .:: : :.. . ... ::: :::.. ... .. .. . ... ... ..::. .. . .. . .. .::::: :: :. ... .::::: :... . .:::: :. ... .::::: :... . .::::
,ィ!´ ̄``i''ー─- 、、、,,_
イ三二二ニニニゞ ( j〉 」´ ̄ ̄``ー-、ヽ .,.:,..:.. .,.:,..:..
... ,... ``ー─'"´  ̄ ̄ ̄ ̄
,ィゞ .,.:,..:.. .,.:,..:.. ... ,...
ー====- ー====-
... ,... .,.:,..:.. ... ,... .,.:,.
_, -─‐- 、ー‐-、ー-、 ;: ;:;: :;:;: ; ; ,ィゞ
,イ、,r'⌒ヾ ヽ ヾ ``''ー- -、-‐''"´ヽ;;: :;:; ;:; :;:; ;: . .,.:,..:..
,r/ (::;;:;:;;/ー-、 j `, _ /ィ´ ;:; :; ;:; : ;: ,ィゞ
ヽ 「i''ー'"´ ,r-‐'ー''''"´ ̄
/ニYニヽ
(ヽ /( ゚ )( ゚ )ヽ /)
(((i )/ ::::⌒`´⌒::::\ ( i)))
/∠_| ,-)___(-,|_ゝ \ 焼きおむすびウマーっていうwww
( ___、 |-┬-| ,__ )
| `ー'´ /´
| /
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 結果は李矩からの援軍を得た趙固軍の勝利。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 漢軍の輜重を焼き払ったのが勝負の分かれ目だった模様
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 917 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:14:01.46 ID:qSjPNxu80
- 【紀元318年春 漢 首都 平陽】
/  ̄` ー -- 、 `/ ヽ |/ \∧
__/ / ´ ̄ ̄`>`Y 厶,/ハ ヾヽ
-ー:´.:ノ/ / | / | ハ: :\
/: : : : :.∨ / / l / 粲 | / i|: : : ヽ
/: : : : : : : / / l ート、L__ |/ __}: : : :/
{: : : : : : :./ | | ヽ/ ´  ̄ .,': : :/
: : : : : : :/ / _| | ,ィ示テミト、 ,ィテト、ト; :./ 我が軍は敵兵三千五百人を殺害し、
\: : : : ソ / / |\ ! ヽ 代ノ} {ヘノ!. ハ∨ その中の千人を黄河へポイ致しましたわ。
\: / / ヽ| \ | ゞー′ ゞソ ,' | ヽ
/ ∧ l ヘ U ヽ |. ! ', 勇敢に戦ったのは間違いありません
/ / ヽ | { __ ハl ハ
/ ∨ \.! ',\ ( ノ イ ヽ|/ ヘ
. / |、 ∨!≧ュ 、 ィ´ | 〉 ,/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ノヾゝ、
/ _ _| \ ! \  ̄ソ`ト、 .|_ / l i':.:.:.:.:.; '´ ̄ ̄`ヽ/./_,ィァ
./ヽ、 /::::::::::| \ | ∧ ∧ | ヽ '、ー一'l l l ヽ ヽ ヽヾ'
、) / ハ._l !_ヽ. ヽ ヽ ヽ、
リルハ,ニ、`゙Vソ/! lヽ ヽ-'
ノ lVソ "〃l. !ノヽj
ムイ人 っ / ノ /
l lヽ,`ー一'´〃-‐、
どんなに強くても、勝たなければ意味がない リ' ノ: :Y: : :l/::::::::::::l
/: : ノl:./j:::::::::::::::',
ヾー--'´:::l:/::"r''´::::::::::::::::::\
____. `,ニニヽl‐'/'´ヽ、‐-、::::::::::::::/\
_______,. :':´`ヽ、::::::::::`ー-一':::::://: /:.:.:.:.:.:/、:::`ー一´:::::::::
ヽ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `ヽ、:::::::::::::::/:.:.:|ー':.:.:.:.:.:./:.:.l::::::::::::::::::::::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 局地的に漢軍が勝利した事もあったが、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 洛陽を奪回出来ずに終わり、戦略的には漢軍の敗北に終わった。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .『晋書』『李矩伝』は、この敗戦で劉聡が怒りのあまり発病して死んだとする
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 918 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:15:40.62 ID:qSjPNxu80
-
(~)
γ´⌒`ヽ 陛下、一大事です!
{i:i:i:i:i:i:i:i:}
⊂(´・ω・`) 宮中にて出火しました!!
ヽ ⊂ )
(⌒)| ダッ .御子息初め大勢の者が火に巻き込まれています!!
三 `J
,.....-――-..、
,/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ノヾゝ、
i':.:.:.:.:.; '´ ̄ ̄`ヽ/./_,ィァ
'、ー一'l l l ヽ ヽ ヽヾ'´
、) / ハ._l !_ヽ. ヽ ヽ ヽ、
リルハ,:::::::::::::::::::/! lヽ ヽ-'
ノ l::::::::::::::::〃l. !ノヽj
これが天意? ムイ人 っ / ノ /
l lヽ,`ー一'´〃-‐、
リ' ノ: :Y: : :l/::::::::::::l
/: : ノl:./j:::::::::::::::',
フラッ ヾー--'´:::l:/::"r''´::::::::::::::::::\
____. `,ニニヽl‐'/'´ヽ、‐-、::::::::::::::/\
_______,. :':´`ヽ、::::::::::`ー-一':::::://: /:.:.:.:.:.:/、:::`ー一´:::::::::
ヽ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `ヽ、:::::::::::::::/:.:.:|ー':.:.:.:.:.:./:.:.l::::::::::::::::::::::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 実際に劉聡が死ぬのは半年ほど先だが、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 建武二年(三一八年)に入ると体調を崩すようになっていたらしい。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .『晋書』『劉聡載記』に、宮中での火災の報せを受けて気絶する話がある
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 919 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:16:19.16 ID:qSjPNxu80
-
\__人_人从_人_人从/
_) (__
) 陛下ッ! (
 ̄ ̄) ( ̄ ̄
/⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
/  ̄` ー -- 、 `/ ヽ |/ \∧
__/ / ´ ̄ ̄`>`Y 厶,/ハ ヾヽ
-ー:´.:ノ/ / | / | ハ: :\
/: : : : :.∨ / / l / 粲 | / i|: : : ヽ
/: : : : : : : / / l ート、L__ |/ __}: : : :/
{: : : : : : :./ | | ヽ/ ´  ̄ .,': : :/
: : : : : : :/ / _| | ,ィ示テミト、 ,ィテト、ト; :./
\: : : : ソ / / |\ ! ヽ 代ノ} {ヘノ!. ハ∨
\: / / ヽ| \ | ゞー′ ゞソ ,' | ヽ すぐに医者を!
/ ∧ l ヘ U ヽ |. ! ',
/ / ヽ | { __ ハl ハ \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
/ ∨ \.! ',\ ( ノ イ ヽ|/ ヘ ) >
. / |、 ∨!≧ュ 、 ィ´ | 〉 < お気を確かに!! >
/ _ _| \ ! \  ̄ソ`ト、 |_ / l < (
./ヽ、 /::::::::::| \ | ∧ ∧ | ヽ |/\/ } /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
ヽ/:::::::::::::| \ !:\ / ‐十ー | \.|::::::∧ / |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 内憂外患。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j それが、当時の漢が置かれた状況だった
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 920 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:17:22.59 ID:qSjPNxu80
- 【紀元318年春 晋 司隷 滎陽】
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
. | `-=ニ=- ' .:::::::| 晋王殿下は李矩殿を
\ `ニニ´ .:::::/ 都督河南三郡諸軍事・安西将軍・滎陽郡太守・修武県侯にすると
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i | /⌒ヽ ̄/⌒ヽ__
> ヽ. ハ | || __/ /ミ∨/j} } \
// / /⌒゙┴‐く{ l \
// / / { ∧
// / __厶ノ {廴{ l ∧
〈/ / ´/ {`ヽ\ |
〈 /__,厶二 =ー\ { `ヽ |
}/ 癶,_以ぅ ‐テ忘ミ \ \
こんな所まで御苦労様。 〈「 || ノ ` ┴勹v―ミ \ノ
ト || | |'^ノ },ノ
それはそうと、 |/圦 、_r‐ 、__, | |// |
皇帝陛下が平陽で崩御なさったと殿下に伝えて頂戴。 //| ト、 `こ゚´ ノ| | |
//│ l |\ イ | | | |
残念ながら、確実みたいよ // | | | |ト‐ | | | | !
//_|L .⊥8ノ 8 .| |__| l
// / / /ー8- _,。c*゚ | | >、 l
/ / / / |\__゚*()+・゚¨ / | | / ヽ l
/ /| / / │/ ̄ | ̄| ̄ /| | / i l
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 一方、司馬睿は李矩の官爵を進めており、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 司隷を巡る攻防は李矩・趙固の勝利と見ていたのだろう
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 921 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:19:29.93 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年11月 晋 幽州 薊】
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
盛楽 令支 、-' ヘ
,r'`ー-、_;_, ○ 薊 ○ ./´ /
r'´  ̄ヽ, ● ,r'´ r' r‐
} { ,.、_ノ _"7 /
/ r' 晋陽 太 / 'ー'´
./ ノ ○ ヽ
' { 陽邑○行 厭次ー、 r'‐-,_,_ィ_
} ○襄国 ○ /ヽ_r' _r'´
{ 平陽 山 鄴 ○ r-'´ 〇 r' '
`ヽ } ○ 壺関○ ○広宗ノ 臨淄 }'ー'
{ { 脈 r○廩丘 r'
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
,. :-:.' ー ' ¨ :.ゝ.、 γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ. | 晋王殿下は劉琨様を太尉に任じると仰せでした |
,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ、 ヽ_______________________乂
,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`、`ゝ
,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ハ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
/イハ:!:.:.:l:/ i/ ノノ ノリリハリ:!:i:.:.!:.l
i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ハ!
∨|:.:.! ノ/i/ノ
ヘ!:| ノ!/′ 再び幽州の劉琨に話を戻す
ヾ!>ー- -- <イリ
(ヘ:::::\i=//:::::/)
{;;\::::::!n/:::::/;/
ト、;;\;;ii;;/;;;;イ
/;;;;ゝ;;;;∨;;;;;;ノ;ゝ、
(;;;;;(⌒)∨/(⌒);;;;)
`´ ̄` ̄ ̄´ ̄´
- 922 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:20:43.59 ID:qSjPNxu80
-
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
. | `-=ニ=- ' .:::::::| 他の官爵は従来通りとし、
\ `ニニ´ .:::::/ 加えて、こちらの名刀を贈呈するとの事
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
,、丶`  ̄ ̄ ̄ ``丶、
/ _ -‐\ \ \ -
, -=二ニニニ=-\ \ ヽ _ -=二=-
/ニ=- \ \ ヽ ', /二二 /
/' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ=-
/ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄___
|八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二二二二
i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、  ̄ ̄ ̄
謹んで刀を身に佩び、 | | ,ィ=ミ\ `" `、 ( ノ人 \
劉聡と石勒を斬って御覧に入れましょう .|i 爪 vリ __、 〈 ヽ \
八 ハ ' \、 \ \
ヽ 込 、 ァ / \ \ \
| 个 ィ / ' \――― ミ \
| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒ヽ
__ | | i 八 / '// / ' \
/ ∧、八 |{_// / ' , i '⌒\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 建武元年十一月。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 司馬睿は劉琨を侍中・太尉に任命している
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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