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やる夫が正史を書くようです57
- 614 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/08(日) 12:03:37.21 ID:okST+hYo0
- そりゃ明確な失点もなしに長幼の序を無視して皇太子(司馬衷)を廃して乱なんか起きた暁には司馬炎陛下が愚物中の愚物になっちゃうし...
- 615 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/08(日) 12:14:25.76 ID:VK+zYHMu0
- 後継者問題に正解はないから…
最初から破綻しているシステムだと言ってしまえばそれまで
- 616 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/08(日) 13:24:59.03 ID:l1tzdkA80
- 大王「最も強き者に」
八王の乱がそれかww
- 617 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/08(日) 18:31:36.55 ID:/1qg33Gl0
- 司馬炎「長男に帝位継がせるから、名臣達で上手く補佐するように」
八王・楊駿・衛カン・賈南風・張華etc「「「つまり私こそが名臣のリーダー格!」」」
問題は司馬衷に名臣リーダーの指名権が無かったって事かなあ(劉禅には一応あった)
- 618 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/08(日) 22:57:51.34 ID:w4Vhfciu0
- 元蜀臣の樊建に司馬炎に朕にも諸葛亮みたいな宰相居ればなあとか言ったみたいだけど
お前じゃ諸葛亮は使かいこなせんよって暗に言ってたのがねえ
現に諸葛亮ですら匙投げそうなくらい末期の晋は酷かったし
- 619 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/09(月) 00:11:01.86 ID:nPRDnOhh0
- >>614
遺言が捏造された件に司馬炎本人の過失はないのか?
- 620 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/09(月) 00:37:25.10 ID:Zx7uF10b0
- 遺言の創作(偽作)って結構あるんだよな疑惑からはっきり言われているのまで
死に際になってから遺言を残すのがそれくらい難しいということだが
- 621 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/09(月) 04:50:57.87 ID:BpFobOFK0
- まぁ元気なうちにはっきりと文書作成してたり
公の場で大勢の前で言ったことならまだしも
死の床で一部の親族や側近相手にボソボソ喋ったことなんて
どこまで本当かなんてわかりっこないからなぁ
- 622 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/09(月) 06:52:23.70 ID:pLg8HxeIo
- 雍正帝「後継者はぎりぎりまで公表しないのが正解ってはっきり分かんだね」
- 623 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/09(月) 19:54:44.57 ID:Zw6KJ9b80
- 陳舜臣が自著の中国の歴史でそもそも司馬衷を皇帝にしたのが
間違いだったってバッサリ切り捨ててるくらいだしな
一方で石勒を大絶賛して石虎をコイツさえいなければもっと早く南北朝時代になってたかも
ってクソミソに酷評してたけど
- 624 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/10(火) 03:20:05.81 ID:m3hObYOz0
- 疑問なんだが
遺言を偽造したとか改竄したとか
どうやったらバレるんだろう
どうやったら証明できるんだろう
結局政敵を打倒した後に
「あいつが先帝の遺命を受けたなんて嘘だったんだ」
「あいつは先帝の遺言を改竄した逆臣だから滅んで当然だ」
って言ってるだけではないのか
- 625 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/10(火) 14:41:21.68 ID:hOpaZBJk0
- 使用人とかが見聞きしてたパターンはあるんじゃない?
- 626 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/10(火) 21:22:32.19 ID:m3hObYOz0
- いやぁそういう「この宦官が自分が聞いてたのと違うと言ってるぞ」みたいなの含めて
後から言ったもん勝ちじゃないかなぁと思ってさ
まぁ史書なんて
そこのセリフを誰が聞いてて記録残ってるの?とか
「深く恨みに思った」とか「内心〜だった」とかどうして他人にわかるの?とか
いくらでもあって気にしすぎてもダメだとは思うけど
- 627 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/10(火) 21:28:22.82 ID:dFdcwkBd0
- ベッドか何かの下で盗み聞きしてた人とかいた気がするけど毎回そんなだったとも思えないしなぁ
当時は周囲にはそう思われてた、くらいの感覚なのかも
- 628 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/11(水) 07:18:53.66 ID:ebXaVlL80
- まあ極論言えば、史書として書かれた物だって著者の偏見、捏造が入ってる事なんか普通にあるしな。
当時の他の文献やら併せて見て、食い違いがあるとかでも無けりゃ誰も疑わないだろうし。
- 629 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/11(水) 13:16:06.41 ID:0J+znLYZ0
- >>613
少なくとも賈皇后は処断しておくべきだったな
- 630 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/11(水) 15:22:40.75 ID:gJ2KKtYzo
- >>628
中国の史書は、量的充実は凄まじいけど、質的にはそれほどではなく、
日本で言えば「今昔物語集」や「平家物語」レベルの記事が少なくないとか
まあ、時の朝廷が都合のいい話を公認したものが正史なわけで、
誰が聞いてたんだよって話まであんまり真に受けるのはいかがなものかってことだわな
- 631 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/11(水) 17:25:02.24 ID:shHHm5q80
- ん?司馬炎の遺詔が本人の意思通りだったって論か?
それだと正真正銘、楊駿の専横は司馬炎の責任になっちゃうな
- 632 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/11(水) 19:12:33.21 ID:parwMdfN0
- >>628
左思の字が「太」沖では無く「泰」沖だったとか、表記ゆれを含めたら無数に間違いはあるだろうし、
正しい表記が埋もれた人の方が多いのかも知れない。
石碑が見つかれば幸運なので、石碑を二つ作ってバックアップを企図した杜預は実に正しかった。
それでも今は行方不明だけれど。
後は、恐らく著者の信条でオミットされたであろう女性の諱。
- 633 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/11(水) 19:41:25.59 ID:kytgnvl00
-
- - ──ー - -、
/i ,.-‐''"´ \ i\
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l .賈皇后誕生の経緯とか、
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l 八王の乱が誰のせいなのかは、
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ このスレを読み返して考えてみてほしいんだぜ。
| i ̄i ̄i ̄i """ |
l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l .その時々の政情が絡んでたり、
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ / 戦犯が一人や二人じゃ済まなくなるので
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- - ──ー - -、
/i ,.-‐''"´ \ i\
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ おかげで鎌倉殿は平静な心で視聴できました
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l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ /
`/ | | \ /
- 634 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/11(水) 20:24:56.57 ID:KsyzMT0to
- 個人的には誰かのせいというよりもう国が腐っていってたんだと思う。恐らく魏の後期あたりから
- 635 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/11(水) 21:26:29.59 ID:parwMdfN0
- 一方で、何だかんだで「中華の統一王朝」としての求心力はあったように思える<西晋
異民族によって滅びたというが、むしろ漢人の方が西晋にトドメを刺したというか
積極的に西晋を見限ったというより、下手にがんばって粛清されるよりも、保身に走った結果というか
- 636 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/11(水) 22:01:47.73 ID:zEZO+we+0
- 求心力というか、選択肢がなかったというか
だらしない司馬氏は捨てて魏なり呉なりを復興させようなんて動きもなかったし
- 637 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/12(木) 03:29:50.44 ID:2DeZFOPa0
- 政権握った者が次々と打倒されていった八王の乱の後でもあり
嫡流が途絶えて皇族から帝位を選んでる状況でもあり
中央に野心がある人からすれば
「あいつが倒れたら次の政権(帝位)は俺じゃね?」と
助けるどころか破滅を願いたいところだし
中央から距離とりたい人からすれば
地方に割拠して自勢力育てたいところだし
見殺しが多発するのも仕方ないね
- 638 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/12(木) 09:17:28.77 ID:ne7wpg7A0
- 趙庶人が一気に加速させた感はあるけど奴がいなくても流れは変わらなかっただろうしな
- 639 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/12(木) 14:09:53.52 ID:6xgi4lVY0
- 仮に諸葛亮がこの時代にいても司馬衷ら中央の奴ら見捨てて
王導と同じことしてただろうな、結果見ればそろいも揃ってみんな劉禅よりバカだったし
- 640 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/12(木) 23:57:54.52 ID:uQSbxmbCo
- 張軌みたく辺境に逃げてたかも
- 641 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/13(金) 10:55:15.90 ID:mRWFk/aTo
- 結局どうすれば良かったんだろうな
司馬攸に皇位を譲ればよかったのか
賈南風に男子が産まれれば良かったのか
しかし司馬攸の時には長幼云々言ってた連中が
司馬衷の時には「こいつに皇帝無理だろ」になるのはなんでなんだよ
- 642 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/01/13(金) 12:51:37.40 ID:6nvCO6z50
- ひとりやふたりの無能のせいでこうなったのではなく
一族そろってダメになってしまったのは、やっぱ教育がなってなかったんでないのか
司馬朗・司馬懿・司馬孚・司馬師・司馬昭らが受けていたのと同程度の教育を
偉くなったあとの司馬一族が受けてなかったんでないのか。
- 643 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/13(金) 13:58:54.68 ID:bI5DkpIm0
- 皇族が軍権握ってる以上、司馬衷の治世なんとか凌いだとしてもいつか内乱起きるのが目に見えてるからなぁ
強いて言えば宗族出鎮のシステム考えた司馬昭が悪い。後の南朝でもトラブルの元になってるし
- 644 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/13(金) 15:23:06.75 ID:6eZNEqdW0
- 昼下がりの更新は珍しいと思ったら無能の上げガイジの仕業でがっかりだわ
やっぱ教育がなってなかったんだな
- 645 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/13(金) 17:14:19.66 ID:xUGv7JD70
- まともな家庭環境で育たず
教育を受けてないから言葉遣いが汚いのよな
- 646 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/13(金) 19:26:37.47 ID:z1Aj02hQ0
- 【「晋辟雍碑」は地味に重要な史跡だと思うのです】
- - ──ー - -、 >>641
/i ,.-‐''"´ \ i\ なんで司馬衷?的な論調が出てくるのは、
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l .干宝や孫盛といった東晋の史家の著作なんですよね。
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ .司馬炎の治世当時だと
| i ̄i ̄i ̄i """ | .司馬衷後継はガチガチの既定路線だったはずです。
l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ / じゃなきゃ、「晋辟雍碑」の祭祀代行させないでしょうし、
`/ | | \ / 親父の治世中に資質を問われる機会は乗り切れたのでしょう
- - ──ー - -、
/i ,.-‐''"´ \ i\
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l 斉王に関しては、
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l .別家(司馬師の家)を継いだ上に司馬衷の傅役兼任。
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ
| i ̄i ̄i ̄i """ | .本人も補佐役は望めど、帝位まではないかなあと。
l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ / これまた「晋辟雍碑」を見る限り、
`/ | | \ / 「晋」の司馬氏の本家は司馬昭→司馬炎→司馬衷というね
※一言に司馬氏と言っても
徳川本家(司馬炎系)
御三家と御三卿(斉王や趙王やら琅邪王)
松平(河間王・東海王)ぐらいには格差はあるかな?
>>635
司馬炎の治世二十五年の意義はそこかもしれません。<「中華の統一王朝」としての求心力
こんなに治世長い皇帝が随分久しぶりというね。
>>642
割とどの王朝でも、王公になると楽したがるのが増えるのでしょう。
>>643
司馬氏の故吏だった毌丘倹、縁戚だった諸葛誕がああでしたからね。
劉裕の宋なんかも似たような事になりますが血縁関係にある者の方がまだ信じられるのでしょう
- 647 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/13(金) 19:57:15.13 ID:YB9gTB3X0
- 他姓の人に軍権を預けて大功を立てられると、公から王そして帝位へという禅定(簒奪)ルートが
曹操・曹丕と司馬親子で前例ができてしまったから、やりにくくなってしまった
実際にこの後の南朝でもそれで王朝交代が続くことになるし
他氏に帝位奪われて一族皆殺しにあうよりは、同族内で帝位が動くだけのほうがまだマシ?
- 648 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/13(金) 21:47:23.24 ID:p+tP81+H0
- 南朝も身内贔屓しまくってたけど結果はお察し
梁の武帝は一応前王朝斉の皇族ではあったけど簒奪選んだ珍しい例だが
- 649 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/14(土) 00:03:42.55 ID:X+rwM07R0
- >>647
同族内で帝位動かしまくると結局他姓に奪われるんだけどね。族滅もよくあるし
- 650 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/14(土) 01:18:21.40 ID:hTC1+bb80
- 長幼の序守って国が亡んだら
「あそこで実力者を後継に選んでたら」と言われるだろうし
実力で選んで後継争いが収まらず国が亡んだら
「あそこで実力主義から転換するべきだった」って言われるだろうし
まぁ結果論的なものでもあるか
- 651 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/14(土) 13:21:36.90 ID:Qy1c4P+y0
- >>646
確かに、司馬炎は成人後の即位で、しかも西晋は久しぶりの統一政権でしたから、
むしろ非漢民族の側にこそ「待望の本格政権」だったのかも知れませんね。
司馬炎政権期に朝貢の記録が増えているのも、非漢民族側の「やっと中国の政情が安定したから通交するか」という認識がありそうですし。
- 652 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/14(土) 21:34:36.44 ID:fJ01AKce0
- 大事なのは、如何にして国家運営する階層に目的意識を共有させるか、なんでしょうね
曹操や曹丕は実力重視の人材登用で、劉備と諸葛亮は漢王朝復興の大義を掲げる事でそれを得ようとしたし
司馬懿・司馬師・司馬昭は司馬一族に目的意識の共有者を求めた
結局、司馬一族とそれを取り巻く名族層の目的意識がバラバラになった結果起きたのが八王の乱だったのかなあ
- 653 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/14(土) 22:37:40.31 ID:QNhjU+SV0
- スレを読んでみるとそもそも西晋が(その後の南朝や華北胡族と比べて顕著に)宗族諸王に力を与えていたようにも見えないんだよなあ
- 654 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/15(日) 07:51:27.20 ID:GMrK5/Iio
- 前漢も、冒頓単于、功臣粛清、呂氏の乱、呉楚七国の乱ともりだくさんではあるんだけど、
晋との違いは、元老が仕事したのと、呉楚七国の乱は期間空いてるのが違うんかなあ?
- 655 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/15(日) 09:50:13.47 ID:POxlVQq/0
- 前漢はキツ過ぎる法律を緩めた実質秦の焼き直し王朝だし
ごたごたした後に名君の文帝が出たのも幸いしたわ
- 656 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/15(日) 14:00:20.40 ID:m7CYhDTL0
- 何か一つの理由とするなら、誰一人として中華を纏められるようなトップがいなかった、
という事になるんじゃないかね。
誰もが権力を握っても長続きしなかったし。
- 657 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/16(月) 07:05:30.81 ID:pUo40eES0
- 司馬亮と司馬瑋が死んでから司馬倫が簒奪するまでの10年弱は一応安定はしたから…
司馬炎だって中華唯一の皇帝になってからの治世は10年で長さには大した違いは無いと思う
- 658 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/17(火) 23:00:26.51 ID:Tgy7mg3L0
- 日本の政治の話するのアレだが、自民党は政治を行ってる間に内輪揉めして
野党は社会党時代から内輪揉めの間に政治をしてるって言われてたけど
末期晋は内輪もめの間に戦争してたら、いつの間にか戦争の間に内輪もめしてた事態になってるな
- 659 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/18(水) 00:01:55.82 ID:seaAW7Jro
- 後漢以来幼帝が多く久々の成人皇帝の曹丕が6年曹叡13年だから司馬炎の25年は久々の長期政権
- 660 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/18(水) 21:09:26.64 ID:jlWL6rfj0
- 衷じゃなくて攸だったら…とか言われるけど次が冏なんだからやっぱダメでしょとしか思えない
- 661 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/18(水) 23:18:11.04 ID:OCdAvS5l0
- 現当主の嫡子を後継に、能力は無能力者で無い限りは不問
→ あんな後継者で大丈夫か?と周囲がささやく
能力の一番高い親族を後継に、ちょっと遠縁でもオッケー
→ あいつよりオレの方が能力高いだろ! と蹴落とし合いになる(むしろ血族で無くても手を挙げる者が)
どっちがベストとも言いがたいのよねえ、平時と乱世で全く判断基準が変わるし
- 662 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/19(木) 21:37:56.60 ID:+xXeRILF0
- まあ色々あるけど最終的に決定打になったのは賈南風が太子の司馬遹を殺したせいだな
陸遜の言う通り、一度決めた太子を大した理由もないのに変えようとしたのが間違いだった
- 663 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/19(木) 23:05:08.69 ID:mjibxhcL0
- 読み返してみてもやっぱり大戦犯は恵帝陛下なんじゃないかと思えてくる
身体的障害があるわけでもないのに三十路で即位して太傅が好き勝手するって何事やねん
- 664 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/20(金) 07:12:41.47 ID:4Uvhnvivo
- >>662
つまり賈南風に男子が生まれていれば
どこからも文句のでようのない後継者だったのに…
- 665 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/20(金) 20:46:32.09 ID:LSGynF4S0
- 世継ぎ問題は太古から現代どころか未来へと永遠と続く問題だから
太子を簡単に変えるのはずっとご法度になってたのよなあ
- 666 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/21(土) 03:05:46.51 ID:8Aci+T3p0
- >>662
司馬遹の遺児3人(司馬虨・司馬臧・司馬尚)が速攻で絶えているのも色々キツい。
成人していれば、正統性で他を圧倒する存在に、つまり他の皇族が変な気を起こすリスクの低い存在になったはずだから。
記録上暗殺されたのは一人だが、残る二人も疑えば疑える状況だし。
もっとも、乳幼児死亡率の高い時代だから、夭折したのはそれこそ天命かも知れないが。
- 667 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/22(日) 23:23:26.98 ID:JAXl8eTt0
- 変えた方が良い時に変えず、変えない方が良い時に変えた
とはいえ根本の原因は気候変動なのかなー
- 668 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/23(月) 23:01:20.87 ID:VQn0at2U0
- 気候変動は事態を悪化させた要因だとは思うけど、変動したら必ず国が滅んで何世紀にもわたる分裂になるってわけでもないしなあ
- 669 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/24(火) 01:09:58.35 ID:0d85iza10
- 隋唐より後は運河があるからまた違った環境かと
- 670 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/24(火) 08:56:56.41 ID:Yle+Zb4v0
- いろんな要素が重なった結果だっていうのは散々言われてるからね
- 671 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/30(月) 23:56:06.32 ID:wAKW7oim0
-
- - ──ー - -、
/i ,.-‐''"´ \ i\
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l 御無沙汰しています。
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ
| i ̄i ̄i ̄i """ | 2/1(水)の夜に次回の投下を行う予定です
l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ /
`/ | | \ /
- 672 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/31(火) 00:05:30.81 ID:fZ9s3ks80
- やたー
- 673 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/31(火) 15:38:54.13 ID:iXdw7q4x0
- ったぜ
- 674 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:04:30.95 ID:kT/GeQoz0
-
'"  ̄ ̄ ``丶、
/ -―‐-ミ \ \
, /:::(O):::::::::::::::\ ヽ
/ ..:::,、丶`  ̄ ̄ ̄ ヽ ',_
, {/ { \ ヽ: ', Vヽ
,' :| ∧ {、 \:―‐i‐ i //〉
:| i/、、\ \__|__:|_ : : ' /
i :| /| \ 〃う刈 》i |): : :K
| :l ィ笊_ 乂ツ |i | : : :|∧
| | l :爪 乂ソ , || |: : : |/∧ 「やる夫が正史を書くようです」第百四回よ。
| | | 込 , .从 |: : : |∨∧
. 八 | 个 ` イ: } |: : : | `⌒ 当スレにおける本編の内容、
ヽ| \|: : : :≧ー |/:| |_: | 及び先の展開のネタバレ行為は禁止になっているわ。
:| |: : ;>rノ^|:H /:/| √/ ̄ \
∧ |7: :._/_ |:. | /:/ , / / /⌒ヽ よろしくお願いね
/ | 、 {:{ F¬ 、 \ヽ:/ { /| / i
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/ ∧ , ,-=二二二 } /: : : : : \
. / ,: : : /: : :i 八二二二ニ:、 ハ /: : : : : : : : :\
- 675 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:05:34.68 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元316年11月 晋 秦州 上邽】
\_人_人∧从_人_∧_人_从_//
) >
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ < 申し上げます!! >
||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | || < (
||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | || /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ
弋ェェt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ェ,ィフ
il_,└───────┘ , i!
:''''"~ ̄~`'' | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l ....;:''''"~ ̄~`''-、__,,....;:''''"~:''''"~ ̄~`''
;:''''"~ ̄~`''-、_ || ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| `''-、
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i
 ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ ̄|| ̄! ̄ ̄;/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
 ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
 ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l! ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
 ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : ≧ <
 ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : :-=ニ 長安が陥落致しましたっていう!!! ≦
`、 ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : ≧ ≦
″| ̄ ̄i| ̄!,,| ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : /Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i ; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄_
''- .._ ~""''' ‐- ...,,__ _,,..-‐''~""''' ‐- ...,,___,,.-‐'
- 676 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:06:31.76 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元316年12月 晋 秦州 上邽】
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
-=ニ 長安周辺にいた友軍は敗走ッ!! ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
-=ニ 皇帝陛下は平陽へ連行された模様!!! ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
/:.:.:.:.:.:./ / '/:.:.:.:.∨:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨ /
/:.:.:.:.:.:/ }:.:.:.:.:.:.∨:./:.:.:.:.:.:.:/YY∨
/:.:.:.:.:.: /|  ̄厂 \:.:.∨:.:.:.:.:.:.:.:∨〉〉〉〉
√:.:.:.:.:. | / ̄| / / / __ \:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |////〉
√:.:.:.:.:.:.:| / | //|/ ア二 ヾ i:.:.:.:.::.:.:.:..:.ヘヘヘ∧
√ :.:.:.:.:.: | ,x==|// iイJハ }i |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
i:.:.:.:.:.:.:.:.:.|〃ノjハ V辷ソ |:.:.:.:.:.:.:.:.:/ :.:.:.:.:.:.:.:.
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.|i{ Vじり 、 、 、 、 |:.:.:.:.:.:.: /:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
御冥福をお祈りします |:.i:.:.:.:.:.:.:∧ `"" | :.:.:.:.: /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
|:.|:.:.:.:.:.:.:.:.: ` ` ` ―― 、 |i:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i
|:.|:.:.:.:.:.:.:.从 { /:: :: :: :: } ‖:.:. /:.:.:.:.:.:.:.:. |:.: |:.|:.|
|:.|:.:|:.:.:.:.:.:.込 V:: :: :: :: ノ √:.:./:./:.:.:.:.::.|:.:|:./|:.|:.|
|:.|:.:|i.:.:.:.:.:.:.:.: 丶 ` ー ′ /√:.:/:./ :.:.:.:/:.|:.:|/│|/
|:.|:.八:.:.:. |∧ / 个i イ √:./|/:|:.:.: /:.八 |' |/
乂辷彡:.:.l / ̄Y >< √:/ |:.:./ミh、 \
>―< ̄\|‐' ∧ |{:./\ j:./i:i:i:i/
. /. . . . . .\- -/, ∧ |{/ \ 寸/__ /
/. . . . . . . . . .'/- -/, ∧ ヽ \ \ \ . .∨ /
晋 南陽王 司馬保
- 677 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:07:59.56 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年1月 晋 秦州 上邽】
l{::::::::::::::/ }}、 _,,、、、、、,,,__/::::/:::::::::::/!
l{:::::::_/レs≦ア^'\:::::::::::\/{::::::::{::::::://
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/ /:::::/ \:::::::::::`ヽ、:::└</_
≧ </:::::/ \:::::::::::::::\=≦::::::\
-=ニ 弘農郡太守宋哲殿が匈奴の前に敗走!! ≦:::::,'" | ‘::::::゙,::::::::::`、:::::::::::::::`、
≧ ≦::::,゙ | |:::::::゙,::::::::::::`、:::::::::::::::゙,
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\:::,゙ | | |:::::::::゙,:::::::::::::ヾ≧s。:::::゙,
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,゙:::::::::::::| _/ / }.\∧:::::::::::゙,::::::::::: }ー<__ノ_)}
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|:::::::::::::::| / } /_ レ ∨::: |:::::::::: }::::::::::::::::::: ゙,
|:::::::::::::::| ,.イ_,、癶 /__/ {``'' - 、,,__∨::|:::::::::: }::::::::::::::::::::: ゙,
|:::::::::::::::|/[___,,、-'′ ``〜、,,__/ }:::|::::::::::::}::::::::::::::::::::::::}
|:::::::::::::: /:::::::: / ::::::::::::::::: }:::|::::::::::::}::::::::::::::::::::::::}
今日もラーメンが美味しいですね ゙,::::::::::::,゙ ヽ__r‐、{ . }::リ:::::::::::,゙::::::::::::::::::::: :}
゙,::::::::::{ \八 驫 ,゙/::::::::/::::::::::::::::::::::::,゙
゙,:::::::::\ o /:::::::/:::::::::::::::::: /:::::/
人::\:::::≧s。,_ _/::::/::::::::::::::::::::/:::::/
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ \_\__\::::::::::ニ===. /::,イ\_::::::::_,>゙´/::/
| 殿下 |  ̄  ̄⌒ア/ 厶==/'''゙´ /:::/ \  ̄
ヽ______乂 / {{ { /,__ /:::::{ ‘,
/ {ニr=ミニニ} ̄:::::::{
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .建興五年一月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 漢軍が東進して弘農郡を攻略し、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 同地の郡太守を務めていた平東将軍宋哲が江東へ逃走した。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 『晋書』と『資治通鑑』に記述があり、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 漢軍が長安攻略の余勢をかって司隷攻略に乗り出したのが分かる
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 678 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:09:37.76 ID:kT/GeQoz0
-
/⌒Y⌒uヽ
/(○) (○)ヽ
_ /::::⌒`´⌒:::: \
/´ | ,-) (-、|
/' | l ヽ__ノ l. | 涼州の張寔様からの援軍が到着しましたっていう。
,゙ / ) \ `⌒´ /、
|/_/ ヽ 張寔様の手紙を預かってきたとも
// 二二二7 u' __ ヽ
/'´r -―一ァ"i .-‐ \
/ // 广¨´ /' /´ ̄`ヽ ⌒ヽ /:.|
ノ ' / ノ :::/ / ヽ } {\ ニ-:.:━‐:.<_/:/i:〉|
_/`丶 / ::i {:::... イ {:.{i:/ヽ/:.:.:.:.:>−く:.:.:.:.:.:.:/
>‐У:.:.:.:/ / ヽ:.:.:.:.:.:\
\/:.:.:.// / |:.:./,:.:.:.:∧ ___
/:/:.:.:.:/ _/} /7メ:./,:.:.:.V》n¨_>
《《/:.:.:.:|// / /|/__ \|:.:.:.:.:.:.トx、
/:./ .:.:.:.:l彡__ /,/ f芥ト |:.:.:.:.:|:.:.: `寸
涼州? /:/l:.:.:.:.:.:.|〃芥i Vソ }i |:.:.:.:.:|:.:.| |i:}
/:/ |:.i:.:.:.: |i{ Vソ 丶 .::::::::: |:.:.:.:.:.:ハ| |/
何かありましたっけ? .|:| Иl.:.:.∧ ::::::: ,. ―┐ /:.:.:.:// ii
乂辷从:.:.:.∧ ∨ _丿 /:.:.:.://ii‖ /つ‐ __ _
__(\ 人:.:.: 个 ィ/:.:./ 彡 / /JししU
{ ―「 Y⌒ニ=->-ゝ」 > <| .// { 丶 }
{ 二} } ∨/_ /--、 _|___\――、 ヽ } /
{ ー┘ / } r‐ /乙_几r'乙|\ / i i /
\ ト//^} /\ 八 \ | ./ー‐∨ | _| ′
/_|__彡iY..::::::::::∨ y |/| ',  ̄ ̄l /\ |\
- 679 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:10:48.82 ID:kT/GeQoz0
-
/⌒Y⌒uヽ
/(○) (○)ヽ
_ /::::⌒`´⌒:::: \
/´ | ,-) (-、|
/' | l ヽ__ノ l. | 恐らく、去年涼州の軍勢をここで足止めした件では……?
,゙ / ) \ `⌒´ /、
|/_/ ヽ
// 二二二7 u' __ ヽ
/'´r -―一ァ"i .-‐ \
/ // 广¨´ /' /´ ̄`ヽ ⌒ヽ /:.|
ノ ' / ノ :::/ / ヽ } {\ ニ-:.:━‐:.<_/:/i:〉|
_/`丶 / ::i {:::... イ {:.{i:/ヽ/:.:.:.:.:>−く:.:.:.:.:.:.:/
>‐У:.:.:.:/ / ヽ:.:.:.:.:.:\
\/:.:.:.// / |:.:./,:.:.:.:∧ ___
/:/:.:.:.:/ _/} /7メ:./,:.:.:.V》n¨_>
《《/:.:.:.:|// / /|/__ \|:.:.:.:.:.:.トx、
/:./ .:.:.:.:l彡__ /,/ f芥ト |:.:.:.:.:|:.:.: `寸
/:/l:.:.:.:.:.:.|〃芥i Vソ }i |:.:.:.:.:|:.:.| |i:}
/:/ |:.i:.:.:.: |i{ Vソ 丶 .::::::::: |:.:.:.:.:.:ハ| |/
|:| Иl.:.:.∧ ::::::: ,. ―┐ /:.:.:.:// ii
乂辷从:.:.:.∧ ∨ _丿 /:.:.:.://ii‖ /つ‐ __ _
__(\ 人:.:.: 个 ィ/:.:./ 彡 / /JししU
{ ―「 Y⌒ニ=->-ゝ」 > <| .// { 丶 }
{ 二} } ∨/_ /--、 _|___\――、 ヽ } /
{ ー┘ / } r‐ /乙_几r'乙|\ / i i /
\ ト//^} /\ 八 \ | ./ー‐∨ | _| ′
/_|__彡iY..::::::::::∨ y |/| ',  ̄ ̄l /\ |\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 『晋書』『張軌伝』に曰く
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 680 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:11:30.96 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年1月 晋 涼州 姑臧】
j、 j||!
, {i!ト1:i:}!r! r=,
j|_`¨j!::!|_!Lソ::|!
/;\ ,.、 .,、 r.、 rマ|!|k'´..:::::::::::::::::.', ,、
,.ィ::;:;iy' .::;ゝ/ :.\ / ,.ヽ、 ,.、 ,.、 ノ i|jリ:i!::::::::::::::;::;:::::|! ,.イ :.\
:;:;:'/.,.;:,:イ . ,., :,::;.,v:;.;.;.,.:;:;:;:ミ 、,.イ ':.\ .イ .;.ヽ、j! !.:.;:;:::::i!:::iレ1:::::i;ト、_ _,.ィ.;:;. .,:;.;:;..\ _ ,.イ:
,.イ .:;:/ ;.,...;.:,:;.,.;.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ィ..;:, ..;:.;.;:,.ゞー_'゚´.. ..;:;:;:;:/Y≦芝!::::::::::::::::::::::::;ヾi!:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:;:;:;:イ .:.;.;.,:;:;:;:.:.;.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:'/..;:;:.,:,:;:;:;:;.:,..;: ';:,.,:;:,.;:..:;:;:;:ir'..:::::::Y/.:::::::::::::::::::::::::::::;jト:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;..:;:;...;:;..;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;;;イ.N!:;;i´j!i Y.::.::::::::::::::::::::::::::;:;i!:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:(爪:..i!ハvヘ.:::::::レ'.:::::::::::::::::::::::::::从:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:iレ'j!:人リ:;1!|!:;:::;:::::::::::::::::::::::::::;::;i:;:i!:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
:;:::;::::;::::::::;::;::::::::::;::::::::;::::;::::::::::;:::;:::::::::;::::;::::;::;::::;:::;:;:;.`ヾiレ'゚.::;::;:::;:::;:::;:::;:::;:::;:::;:::;:::;::ル八':,:.:;:..:;:..:.;::;::::;::::;::::;:
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ' . : . : . : . ' ;.::;:::::;::;::;.`_:-::‐;:-=:ニ;::ニ:´;:ニ.:;≠=.;ir.'.;.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
: : : : . : . : : : . : . : . : . : : : : . ' " . . . . . . '::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.;.:,: : : . : . : . : . :
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ` :.:;::;:::;: ' ::::::::::::::::::::::::::::::::.:::::::::::::;:;:'. : . : . : . : . : . : .
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . '.: ;::.:.:::::::::::::. ':::::::: ' . : . : . . . . . . .
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ':;::::::::: ' ::::: ' . . . . . . . . . .
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ' .;: ' . . . . . . . . . . . . .
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 長安が陥落した後、
\ヽ、 _ , イ!::/ .涼州を統治していた張寔が、南陽王司馬保に手紙を送った
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 681 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:13:20.88 ID:kT/GeQoz0
- 【張寔さんの御手紙@『晋書』『張軌伝』(大意)】
┏────────────────────────────┓
王室の有事に際し、身を投げ出す事を忘れてはおりません。
我が州は遠い地域にあって首尾多難である故、
以前に軍勢を派遣し、公の行動に従うよう望んでおりました。
ところが、途中で符命を受け、軍勢を帰還させるよう勅がありました。
┗────────────────────────────┛
〈ヽ /^〉
∞´ ̄ ̄` ̄\
//:::::::/ /\::::i:i:V
/ /:::::∠ム/ ー-V>>>i
j::v、!● ● i::::::::〈_ゝ
l::::〈 ワ /:::::i y'ハ
そういえば、そんな事もありましたっけ .しヾ`ーゥ t-!,、_У / ヽ
/´LM 」tー〈 〈 ',
/ く央 ゝj⊥,\
,/ー、{ ハ /ー、! \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .文中に出てくる公は南陽王を指している。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 前年の夏頃の話と思われるが、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 張寔が南陽王の下へ派遣した援軍が、南陽王の命令で帰還したらしい。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 長安を救援したい張寔と、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 長安を救援したくない南陽王の間で齟齬が生じていたわけだ
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 682 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:15:40.67 ID:kT/GeQoz0
- ┏─────────────────────────────────┓
ほどなく北地郡が陥落して賊が長安に迫りましたが、
胡ッが進まなかったため、麹允が金五百で胡ッに救援を要請したと聞きました。
これによって、我が軍勢に山々を踏破させようと決めました。
┗─────────────────────────────────┛
〈ヽ /^〉
∞´ ̄ ̄` ̄\
//:::::::/ /\::::i:i:V
/ /:::::∠ム/ ー-V>>>i
j::v、!● ● i::::::::〈_ゝ
………… l::::〈 ワ /:::::i y'ハ
しヾ`ーゥ t-!,、_У / ヽ
/´LM 」tー〈 〈 ',
/ く央 ゝj⊥,\
,/ー、{ ハ /ー、! \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .続いて前回紹介した長安包囲での一幕。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 南陽王配下の胡ッの軍勢が動かず、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 麹允が彼に救援を求めていた事が涼州まで伝わっていたようだ。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 張寔は業を煮やしたのか、涼州の軍勢を長安へ差し向けようとした
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 683 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:16:35.26 ID:kT/GeQoz0
- ┏───────────────────────────┓
折しも朝廷が傾覆したと聞き、
忠義は主上に達せず、派遣した軍勢は危難に及ばなかった事、
深く嘆くばかりであり、責は死してもなお余るものでしょう。
今、改めて軍勢を派遣し、ただ公の命令に従いましょう。
┗───────────────────────────┛
/:.:.:.:.:. へ:.:.:./ |、、、、..,,_ /:.:.:.:.:.:\
≧==≦ >''"(_)__|:.:.:.:.:.:.:.:.:`'<:./ヽ:.:.:.:.:.:\
〈 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ニ-≧==≦
/:.:\/.:.:.:.:.:.:/:.:.:>'"⌒'/:.:.:.:.:.\
/^┐:. /:.:.:.:.:.:.:./:.:./ '/:.:.:',:.:.:.:.:. /
/└_ ∨:.:.:.:.:.:. // ‖ '/:.:.:.',:.:.:.:∨ /
. /:.:.:.:.:└/:.:.:.:.:.:.:.〃 // / }:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.V
. /:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.‖ /:/ / :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
/:.:.:.:.:.:. /.:.:.:.:.:.:.:.: /彡'′ / ゙メx_:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:
なんだ。 //:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.|__ " / /| / \:.:.|:.:.:.:.:.:.|
/ /:.:.:.:√:.:.:.:.:.:.:.:.:| // / ヽ|:.:.:.:.:.:.|
結局私を助けてくれるんじゃありませんか。 .:.:.:.:.:√:.:.:.:.:.:.:.:.:.| ≠=ミ ィ== :.:.:.:.:.:.:.|
|:.:.:.:.:|:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.|::::::::::::.... 、 ..:::::::‖ .:.:.:|:.:|
心配して損しました \:.:.:|:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.| ‖:.:.:.:.:|:/
/ ̄/乂l \:.:.:.:.:.:.| 、_ _, /:.:.:.:.:.:.:|
. / /, V\ :.: ト イ:.:.:.:.:.:.:.:レ
. / /, |- -\j__个s。 _ < 彡イ/}__彡
/ /, |- - |i:i:ミh} フ¨´ ∨ |- -| 1
/ /, |- - |寸i:i:ミh }__ |- -| /|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ だが、長安が陥落したため、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 張寔は今一度南陽王の下へ軍勢を派遣するという。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .要するに、長安政権が潰れた以上、南陽王に従うという意思表示だろう
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 684 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:18:31.87 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年1月 晋 涼州 姑臧】
j、 j||!
, {i!ト1:i:}!r! r=,
j|_`¨j!::!|_!Lソ::|!
/;\ ,.、 .,、 r.、 rマ|!|k'´..:::::::::::::::::.', ,、
,.ィ::;:;iy' .::;ゝ/ :.\ / ,.ヽ、 ,.、 ,.、 ノ i|jリ:i!::::::::::::::;::;:::::|! ,.イ :.\
:;:;:'/.,.;:,:イ . ,., :,::;.,v:;.;.;.,.:;:;:;:ミ 、,.イ ':.\ .イ .;.ヽ、j! !.:.;:;:::::i!:::iレ1:::::i;ト、_ _,.ィ.;:;. .,:;.;:;..\ _ ,.イ:
,.イ .:;:/ ;.,...;.:,:;.,.;.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ィ..;:, ..;:.;.;:,.ゞー_'゚´.. ..;:;:;:;:/Y≦芝!::::::::::::::::::::::::;ヾi!:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:;:;:;:イ .:.;.;.,:;:;:;:.:.;.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:'/..;:;:.,:,:;:;:;:;.:,..;: ';:,.,:;:,.;:..:;:;:;:ir'..:::::::Y/.:::::::::::::::::::::::::::::;jト:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;..:;:;...;:;..;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;;;イ.N!:;;i´j!i Y.::.::::::::::::::::::::::::::;:;i!:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:(爪:..i!ハvヘ.:::::::レ'.:::::::::::::::::::::::::::从:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:iレ'j!:人リ:;1!|!:;:::;:::::::::::::::::::::::::::;::;i:;:i!:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
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: : : : . : . : : : . : . : . : . : : : : . ' " . . . . . . '::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.;.:,: : : . : . : . : . :
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. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . '.: ;::.:.:::::::::::::. ':::::::: ' . : . : . . . . . . .
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ':;::::::::: ' ::::: ' . . . . . . . . . .
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ..γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| 南陽王にも困ったものだ .|
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、 .ヽ______________乂
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 残る有力な司馬氏の宗族諸王は、
\ヽ、 _ , イ!::/ 琅邪王司馬睿と南陽王司馬保の二人となった
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 685 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:19:34.28 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年2月 晋 司隷 滎陽】
,,‐''''´´ ,! l
`、 /黄 【河東郡】 ( 〉 朝歌○
', / `ヽ、 /
', / `ヽ、 _,,,,,,-‐'′【河内郡】
', /河 `‐-‐´ ,-‐'´
', / 〇安邑 ○垣 _,-‐'i´ ○酸
) ,' ○解 ,,,..-‐- 、,,,_ 河橋 温 〇懐_,,,-‐'´ `-、
,''´ 【馮翊郡】 ,' ,,/ 邙山▲ -、,,_ ○ ○ _,,,-一'´ l
'、 l ○蒲阪 大陽○,,-‐'´ 【河南尹】 洛陽○河陰~´ 成皋 ●滎陽 !
ヽ, ) 入 _,,,,...-一'´〇陝 ○十三里橋× ◎ 〇偃師 ○ ○
`~´ 渭水_,,,,,...---‐‐''´×潼関 ‐'○湖○ 新安 ○ 〇緱氏 ▲ 中牟
〇渭城 ,,,-‐'´´ ○華陰 弘農 ○ ○宜陽 河南 _,,..-‐- 、嵩山○轘轅 .,,-一
,--‐‐'^´ 〇 ▲ 澠池 ○ (´ ○輪氏 `、 ○密 ,/
〇長安 〇隠盤 鄭 華山 新城 ``'''‐-、,,_ `‐-‐'''´´ `~~`ヽ、
○覇上 【弘農郡】 ○梁 _,) 〇陽翟
【京兆郡】 ,,,_ ,ィ´ 【潁川郡】 ○許昌
(~)
.γ´⌒`ヽ
{i:i:i:i:i:i:i:i:}
(`・ω・)∧,,∧
< >(ニO ・ ・ 進めー!
ッッ) ,_lミl !、 ゙i.
ミ_(⌒~(, (__)|`ッ ト,o_o).
(, l!、 ̄| |ッ (,
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、 (⌒;; _ッ/ッッ~'''''''(, ッ~゙i ゙i _ッ
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ (⌒;;(⌒;; .(,ッ ゙i_) |_|フニッ(,ッ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ. ッ_)
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 二月。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ 漢の軍勢が滎陽を攻撃した
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 686 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:20:51.78 ID:kT/GeQoz0
-
. / ∧∨ノ{ \
/ / 厶ハ },ノ{ |\
/ / / / `⌒{ | |
{ノ/´/ ̄/ヽ __{__|_l | |
/ |/ ,∠ ∨ `ト、│
{/^{__ィf笠ミ --∨l |ヽ{
{( | | , '符ぅ} l ∨
/\| | |\/
/ / | | ーr‐、_, /| |
/ / /| | \  ̄ ィi | ト _
/ / //| |( ̄l\__ i〔_)| |l |∧ _ / ̄}} 豚が迷い込んで来たわね
/ / //∧│ ̄ ̄ ̄門 ̄| | |l | ∧ \\┬rく ̄)ノ
. / / 厶ィ } | {{ 厂 ̄\| ∧ / ̄) | | |〉 〉ヽ
/ / /\ \\___{{_/ |\ \ (_/{{ ノ / jj}
. / / / ヽ ヽ \ \ト、 |\ ヽ イ{ {{ ___/ ノリ
/ / / ‘, ヽ | | | l / {{ ト=====彡イ
. / / // | |l| {{ | | | l// \____/
/ / / | i |l| }{ | l/ヽ/ ∧  ̄ ̄
. / / / | | \ |l|_/ ̄}{ /|// }}
. | l/ / | /| |l| }{ / j/ ∧ | }}
. │| /  ̄\_j/ | ∨ |l| / }{/ /| ∧ \__ノ リ \__人_人从_人_人从/
. | | | // ̄\) │ ∨ ノリ /{ / | }\__{ / _) (__
. | | | | / ̄\ | ∨彡' / }{ j{ イ/ ) げぇっ李矩ッ!! (
. | | \_| l| \__/ ̄ ̄\/`ヽ }{/\ \_/リ  ̄ ̄) ( ̄ ̄
\ 丁}ト / \ヽ{ | j } }{ _,ノ\ {_/ / /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
\ | | |}> _/ ̄ヽ |_|` /| } ヽ \\/
晋 滎陽郡太守 李矩
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } しかし、滎陽郡太守の李矩に撃破されたと『晋書』『愍帝紀』にある
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 687 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:21:34.18 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年春頃の勢力図】
.,、
、-' ヘ
,r'`ー-、_;_, 拓跋部 段疾陸眷 /´ /
r'´  ̄ヽ, 【段匹磾】 ,r'´ r' r‐
} { ,.、_ノ _"7 /
/ r' / 'ー'´
./ ノ ヽ
' { 'ー、 r'‐-,_,_ィ_
} 石勒 【邵続】/ヽ_r' _r'´
{ 劉聡 r-'´ 曹嶷 r'
`ヽ } ノ }'ー'
{ { r r'
'´`ー-, ヽ / ノ r'
\ 'エ_,.-‐'`ー―‐'―= ‐' .,
 ̄ ̄`ー‐'―'´ (魏該)(李矩)【荀組】 >
劉曜 ,ヘ' ヽ
r-v'γ ヽ ハ_
ィ-v __ゝ、 `{_,、 【】()は晋王朝系
,、_ r' `,=-、
杜曾 `' r' {__'ィ }
,. -――'´`ヽ , _,.r'【司馬睿】 __/`
_/ ヽ ,/ ヽ ノ `^ー'`>
_ィvー'´ Z、 /(陶侃)ー-,r' } ,. :-:.' ー ' ¨ :.ゝ.、
r-‐'´} {`ヘ } ,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
'ー'`" `ー' r、} ,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ、
(王敦) ,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`、`ゝ
,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ハ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
/イハ:!:.:.:l:/ i/ ノノ ノリリハリ:!:i:.:.!:.l
i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ハ!
∨|:.:.! ノ/i/ノ
ヘ!:| ノ!/′
長安政権の崩壊で、滎陽が対匈奴の最前線と化していた .ヾ!>ー- ´`-- <イリ
(;;;;;ソ⌒) ̄`´ ̄(⌒ヽ
ヽ;;=;;/__,,、_/;;`ソ
〉;;;;;;;;ソ:/A.i:l;;;;;;!′
く;;;;;;;;;;;;i;!;;;;;;;;i;!;;;;;ゝ
i、__,,/ !、__,,!
`ー'′ `ー'′
- 688 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:22:15.65 ID:kT/GeQoz0
-
.,、
盛楽 、-' ヘ
,r'`ー-、_;_, ○ 薊 /´ /
r'´  ̄ヽ, ○ ,r'´ r' r‐
} { ,.、_ノ _"7 /
/ r' 晋陽 太 / 'ー'´
./ ノ ○ ヽ
' { 陽邑○行 厭次ー、 r'‐-,_,_ィ_
} ○襄国 ○ /ヽ_r' _r'´
{ 平陽 山 鄴 ○ r-'´ 〇 r' '
`ヽ } ○ 壺関○ ○広宗ノ 臨淄 }'ー'
{ { 脈 r○廩丘 r'
'´`ー-, ヽ / ノ r'
\ 'エ_,.-‐'`ー―‐'―= ‐' .,
 ̄ ̄`ー‐'―'´ ◎洛陽○滎陽 〇 >
○長安 ○○許昌 下邳,ヘ' ヽ
襄城 ○葛陂-v'γ ヽ ハ_
ィ-v○寿春 __ゝ、 `{_,、
,、_ r'●建康 -、
○襄陽 `' r' {__'ィ }
,. -――'´`ヽ ,、 , _,.r' __/`
_/ ヽ ,/ ヽ ノ `^ー'`> ,. :-:.' ー ' ¨ :.ゝ.、
_ィvー'´ Z,、 / `ー-,r' } ,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
r-‐'´} {`ヘ ,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ、
'ー'`" `ー' ,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`、`ゝ
,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ハ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
/イハ:!:.:.:l:/ i/ ノノ ノリリハリ:!:i:.:.!:.l
i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ハ!
∨|:.:.! ノ/i/ノ
同じ二月。 ヘ!:| ノ!/′
ヾ!>ー- -- <イリ
平東将軍宋哲が建康に至ったと『晋書』『元帝紀』は記す .(;;;;;ソ⌒) ̄`´ ̄(⌒ヽ
ヽ;;=;;/__,,、_/;;`ソ
〉;;;;;;;;ソ:/A.i:l;;;;;;!′
ノ`;;;;;;;;;;i;!___i;!;;;;;ゝ、
(_;;;;;;;;;;;7;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ;;;;;;;;)
` ̄ ̄ ̄´` ̄ ̄ ̄´
- 689 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:23:49.75 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年2月 晋 揚州 建康】
/ニYニヽ
/ (0)(0)ヽ
/ ⌒`´⌒ \
| ,-) (-、.|
r`ー^~`┬┬´| l ヽ__ ノ l |ー┬'´ ̄ヽ
}ヽ: : : : : |r┤: \ ` ⌒´ / : :} }: : : : : :}
イノ: : : __ヒ匕Y ヽ. ノ八`ヽ`r――<リ
/::::|: : /:.:.:.:.:.:.:|::::::i|: ヽ、ニニ彡'ハ:::レへ、::::::::::ヽ
/::'⌒,.イ:.:.:.:.:.:.:.:.:|::::::|:|\: :、__/: /!:r'´ヽ Y:::::::::::i
V:::/:.:.|:.:.:.:.:._,.イ!___j:.:.|: :ヽ:__/ |:.{,.ニ ト、::::::::! ,、イ(__ノ>。,`丶
ゝ:.〃!:.:./_/i⌒||:.:.:.|: : : : : : : : : :|:.:`Ti |: :::::::::! /<⌒Y⌒> <\ \
/:.:||:.:.ゝ'´: : : :L=」!.:.:.:.|: : : : : : : : : |:.:.:.L| X:::/ /<,、=ミ\ / >-<二 ヽ :.
/辷j{| V〈 〉∨| | `i__ノ ,|ヽ八
辷ハ十ー{< >}八-ヘ. V <| \〉
/ 〈__/ィぅ笊`Y´ ィ笊ミV\___|\ \
/⌒7 /从ゝ乂ソ`¨´ 乂ソノ/\ /\{\(⌒
/ jリ沁, 〈 /7 /∧ 〈\(\
/ ノ| i|l ヘ _....__ .イ /〈 ∧ }\\
/´∨| 八 {个s。.`` イ//∨巛∨\ ⌒
j/ \{ イう爪,.ィ(.:.:.:.:/`'<( )ー-ミ
/,、<⌒.:「((__)) ∧〉'’.:.:.:.:.:.:.:`'く( `r_
/::::::::::x%\][_/.:.‘《,.:.:.:/.:.:.:.:.\_ノ( \
/:::::::::x%.:.:.:.:.:,ィシ゚'´.:.:.:.:‘《,/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`'(⌒ヽ
晋 琅邪王 司馬睿
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \ 『晋書』『元帝紀』によると、
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .この際、宋哲は愍帝の詔勅を持っていたとされる。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } ただ、内外断絶された
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 長安城の外にいた宋哲が詔勅を持っていたとは考え難い。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 類似の詔勅が涼州にも届いた事が『晋書』『張軌伝』にあるが、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 東晋・前涼の正統性を示すために偽作された詔勅の可能性がある
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 690 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:24:44.37 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年3月 晋 揚州 建康】
,イニニニヘ辷ソノ‐'>'' ´:`''< __//
. /ニニニ< <⌒)ノ :/: : : : : : : : : :/、_ソ
/ニニニ〈ゞソノノ/: : : : : : : : : {⌒、/:∨ /
. /ア´ `ヽ ヽ_`∨: : : : : : : : : :.{乂/: : : ∨
. ,イli{ }l } }}. | : : : : : : : : : : ヤリ: : : : :乂
. // 乂_ノ ノ〃 ノ: : : : : : : : : :ト、トV:/: : : : l`ヽ ろうやおう、こうてい
,、丶` ><_ イ: ハ: : : : : : : |',:.:l 笊:从: : :.}
ァ―=ニニニ/ /ニニニヘ: :.ヘ: : : :l: :从 ヽ',乂: :/ハ: /
ニ/ ̄ / / ̄ ̄ ∧/ }: ヘ: : : ',\', /: : : /
ニ\__./ニニ=-/ `ヽW∨、: ', ヾ‐.イ/}:/ / ___ r―‐- . \
ニニニニニニニ/、、 `ヽ`_ハ´ヽ:',>< / /r┐`ー'^ ゝ' o \
ニニニニニニニ/ `ヽ ヽ ̄ノ /o `¨ (`Y´) r‐==ミヾ `、
`"''-=ニニニニ/ ', V : r‐'r‐ヘ 〈 〉 |⌒ト ∨ ハ
| |〈 |{7´ YLノ|\|_厶 }|o゚ | `、
| |く( |{∧___{⌒´ 〉/○ i:}|_,ノ `、
| ∧゚ oト ○ .〔 〕 |\
| ∧__/i __ | {f}f}、 |
私に皇帝になれと? | i 〔 〕人 < ノ .イ: / |\
ノ^| /f}f}\〈\ __ / :|/..┐ :|
まだ皇帝陛下は存命ではありませんか。 |:∧ |\∧ '.辷____,,..彡'|=|'|/
/ \|\__,f‐|「∨ //´|=|ニ=-
私などではとてもとても -‐=ニニr'⌒ー┐ .厶斗ir。ニニニニニ=‐-
/ニニニニニrf \ `二V´}ニニニ゚ir。ニニニニニニニ
/ニニ\ニrf∧ `マ,ノ_,.ニニニニニニ%ニ/ニ/ニニ
. //}ニニニニ%。o 〉 }::/____)。o%¬冖'^∨ニニニ|
. ,.:.:/ニニ{:∨ニニ} ̄`V7∧ニニニニニニニニニヽニ/ニ|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .三月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 西陽王司馬羕を代表とする文武諸官が、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 琅邪王司馬睿へ皇帝に即位するよう要請したが司馬睿はこれを拒否。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 再三に渡る要請の末、「晋王」に即位する事で決着した
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 691 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:26:47.78 ID:kT/GeQoz0
-
-‐=¬ -―…―-
/ |
/ . -‐====‐- . \
/ x==ミ (⌒) ┐ \
/{ 〈/¨¨⌒ー‐ |: ー┐
/ / /ゝ=-/  ̄ ̄ ̄\ 八 ∧
/ / /O / / / \ \_/O
/ ゚ ///ト/ // } ノ{´ { o|
/ |_f「‐┘/│ r==トミ ./| ノ },//⌒ヽU
/ / Y^Y ∨| :| 圦_爪`ヾ | :/「 ゝ'^{ ;
/ / / 八_ノ 八:| \ン |/:│0 / / ./
⌒¨¨ア / 〈∧〉 ! \ 厶イ x≦ /〈/ 元号を建興から建武に改めます。
ー=彡 -‐ァ / \’ 〃厂 /{
/ / /i/ ′ |\ 〉' //〈 .それと大赦令を出しますが、
/Y ∠ ´ / /::. | - .::/ |⌒´ .祖父母を殺した者・父母を殺した者、
/ |/'^⌒ 厶イ ∧ :ト. ` ..:::::; | 及び劉聡・石勒は大赦の対象外とします
/{ /^ー‐=ニ /└'f^Y ∧ | ..< / ,人
. /Y__,,.. -=ニニニニニニニ% \ .::≧o。o个./; /\{
‐=ニニニニニニニニニニニ ∧〉≧==く} ⌒^ 厶イ
ニニニニニニニニニニニニ∧〉⌒Y Y,〉=-
ニ^ir=ミニニニニ|ニ 〉〉ニr=ァ 〉 :}| }|∨ニ=‐-
ニイ/ニニニニニ|ニ://r=く=\\ \rノ, }ト.ニニニ
=//ニニニニニニ/fア¨ニニ 丶.\ //ニ%ニ:/ニ
//ニニニニニニ//ニニニニニ=-\__/ニニニ%/ニニ
. ニニニニニニ//ァニニニニニ{{ニYニ}}ニニ∨ニニニ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 続けて改元と大赦を行い、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 百官の整備と宗廟・社稷の建設を始めている
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 692 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:27:24.52 ID:kT/GeQoz0
-
{::::.\::::::::::_;. -‐' / -‐:::::::: ∧::::/ ∧::.\::::::ハ
\:::::::ヽ::::ア //.:::: ‐-ミ V jう トミ:::Y:::::{/
}::::::::∨ -‐ ¬く::::::イ ==rく ア }::::::.`ヽ:/.:.:.:
人:::::::/ _ ,......::::く` ゙Y人〃 ノ レ /::::\::::/.:.:.:.: 殿下。
(:::::::ミ=\ ,ィ __ヽ ∨ ト-‐ } r《∧::} ∨.:.:.:.:.:
ー-ミ三iヽ 〃⌒}∧ ∨ ヽ. / | ヽ}/∨.:.:.:.:.:.: 各地で瑞祥が起こったと報告が
∧ ゙ト-‐ヘ:::::.、>‐-》 | ノ ,′.:.:.:.:.:
/.:.:.\、 V , _ア _, ,′ '.:.:.:.:.:.:.:.:
. /.:.:.:.:.:.:.`丶、 ` _ -‐  ̄ / |:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / ,......::::7 / .| _ / / \ / i \
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / | __./ム\ / r=--. | /| ヽ
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / | __ イi´ / ー' ≧==≦ ) ) |// ヽ }
>、 \/ , | /(_ ( / >-< {/////≧x }/
晋 驃騎将軍 王導 > ´ \ \/ ! 〃(_ =ミ、 ヽ { / i |ヽ ./|/////////≧x
 ̄ ―- 〉 /.- 、| ム=彡′ i V_人_ { .| ! / .|//////////| \ノ
____ (____)ヘ{ { | } ^ \ハ ト、〈___|//////////| \
ィ〔///ハ !'/∧ 〉 !〈 `ヽY/ /ィzzzzヽ./´ ̄ ̄ ̄ ミ /
ヽ / ヽ///∧ |//| ヘ_/ | |zzx </〃 之ソ / ___ ', ∨
私は四海の責を果たしていませんし、 ゝ---ヘ///.ヘ_j/| |! | |、 之ソヽ! / 〈  ̄/ ∨
まだ過ちを反省したわけでもありません。 | ハ//// ! .ハ !ヘ { ヽ. j/ ij x爻爻爻爻xx `/
|__/ V/ /.| / | | | iゝ r- 、 .爻 爻x/
どうして瑞祥があるのかと? { / .}/ | | .从 | >. ー ' イ爻 爻
| / x爻 jハ / .ハ{\} |≧≦ ./ ^^ X爻X爻^
`'' ー爻 ∨}/__ -= ーイr=./ i \
__ ..≧>  ̄ ミ、 { { } } / , ',
r{{_=}=__}/ィ-- 、 __rメ X {n_} } ,..:' /
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .世子の司馬紹が晋王太子に立てられた。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 西陽王司馬羕が太保、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 王敦が大将軍、王導が都督中外諸軍事・驃騎将軍に任命されている。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ なお、王導は中書監・録尚書事・揚州刺史なども兼任している
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 693 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:29:07.76 ID:kT/GeQoz0
-
/ / / \
/ \
/ / ,
/ / | ′
/ |
/ / | | | | \
/ イ / | | | | \
/ / | | | | \⌒
/彡} ノ ノ | |\ \⌒
ノ/ | | / ノ人 八 \{
j__ノ}/ j/ ノ\ \ あれだけいた宗族諸王も、
_// ̄ ̄/ ノ{ ノ\{ ̄ 建康に逃れて来られたのは私込みで五人だけ。
__ / / // ―<___/ニ\_
. / / _/  ̄ ̄\ ノニjニニニ\ それで瑞祥なんてどうかしています
/ {/ \ __>――‐<ニニjニニニニニ\
{ ノ\ ノ二二二二二二二二二jニニニニニニ∨
/⌒\/ 厂/ ̄ ̄二二二二二\ニニニニ{ニニニニニニ }
{ {__/ √二二二二二二二二\二二{ニニニニ√ニ√_
{ \ }_√ニニニニニニニニニニ.|ニニ{ニニニニ√ニ√ /
. \ ∨ \ニニニ/ ̄ ̄ ̄ ̄\|ニニ{ニニニニ√ニ√ \
 ̄{ ̄  ̄\ }――く_/\ \ニ{ニニニ√ニ/ / ̄
\___ />ー― \  ̄\/\| ̄ ̄ニニニニ厂 \|
{ /  ̄\  ̄\/ ̄\__{ /ニ} )\
\__/\ _/⌒  ̄ >'⌒ \ \ /二二}/(_ノ }
{二二二二\__/\__/\ }二二二}__ ノ
厂 ̄ ̄ ̄ | ̄\ニニニニニニニ厂\二二ノ ∠/}
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .当時、建康には五人の宗族諸王がいた。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 晋王となった司馬睿、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 汝南王司馬亮の息子の西陽王司馬羕と南頓王司馬宗。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 汝南王司馬亮の孫の汝南王司馬祐、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 司馬懿の弟司馬馗の玄孫に当たる彭城王司馬雄
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 694 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:29:48.27 ID:kT/GeQoz0
-
{::::.\::::::::::_;. -‐' / -‐:::::::: ∧::::/ ∧::.\::::::ハ
\:::::::ヽ::::ア //.:::: ‐-ミ V jう トミ:::Y:::::{/
}::::::::∨ -‐ ¬く::::::イ ==rく ア }::::::.`ヽ:/.:.:.:
人:::::::/ _ ,......::::く` ゙Y人〃 ノ レ /::::\::::/.:.:.:.: ふむ、「五馬浮渡江、一馬化為龍」
(:::::::ミ=\ ,ィ __ヽ ∨ ト-‐ } r《∧::} ∨.:.:.:.:.:
ー-ミ三iヽ 〃⌒}∧ ∨ ヽ. / | ヽ}/∨.:.:.:.:.:.: 五人の司馬氏の王が、
∧ ゙ト-‐ヘ:::::.、>‐-》 | ノ ,′.:.:.:.:.: .長江を渡って一人の司馬氏を龍にする。
/.:.:.\、 V , _ア _, ,′ '.:.:.:.:.:.:.:.:
. /.:.:.:.:.:.:.`丶、 ` _ -‐  ̄ / |:.:.:.:.:.:.:.: そんな童謡を流行らせましょう
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / ,......::::7 / .|:.:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |_ -‐…
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |:::::::::::::::::
l゙ヽ 、 /゙i
! 、ヽ )\._____ / , i , ィ
. l l 、ヾ,シ'´::::::::::::`ヾ /l i/::;;|
/冫';:::::::::, , :::::\/\シ′
. /三'::,::'::, イ:: ::/\::: ::::ヽ三\
. f三〃:::/ノ |:;::/ `ヽヾ::::弋!l三三ゝ
さすがは御主人様。 ,.ィ\{イ::! ● j;ノ ● .l::::人::!;三/ヽ、
/:::::::::∧::l⊃ 、_,、_, ⊂⊃::ソ::::ハ/!::.丶\
今編纂中の『晋紀』にも、その童謡を入れておきましょう .フ:::/⌒ヾ./:;ハ ゝ._) ィ'::;:'/⌒i |::iゝ::: 丶
ヾ;:'\ / ̄ 7,>,、 __, イ!;:;ヘ、__∧ ゞ ヾ::ノ
. / .//`、 l l(_)// |;/ゝ__彡/,. ハ
`ヽ、//、 {⌒`y´⌒}'ヽ, / ノ∨ `ヽ.
` ‐`lニニニニl´‐ ' ヽ/ィ´:.:..,,:.:.:.:ソ
晋 佐著作郎 干宝
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『元帝紀』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 長沙王が実権を握っていた太安年間に
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 「五馬浮渡江、一馬化為龍」なる童謡が流行した。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 他の諸々の瑞祥も含めて、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 晋王司馬睿の正統化工作の一端と思われる
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 695 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:31:17.98 ID:kT/GeQoz0
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/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
/::::::::::::::::::::::::::、:::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
,リ:::::::::::::::::::ヽ:::::::::、::::::::::::::::/:::::::/::::::/:::::::::::::::::::::::ゝ、
/::::::::::::::::::::::::::::\:::::ヽ:::::::::/:::::::/:::/:::::::::/::::::::::::::::::::i
r:':::::::::::::::::::::;;;;;::::::::::::::ヾ、:::',:::://:::::::::::::;;;:::::/::::::::::::::ミ、::::::::!
{:::::::::>::'':::::::::::;;;>`゙ー- ミ:V/,kィ''"´ ヾミ、:::::::ヾ、::::::::::::{
|:::::;:'::::::::::::::<__ >::::::::::ミ、::::::::',
|:::/:::::::::/:::/´ `゙ヾ:::::::::::::ヽ:::::ゝ..__
V::::::/:::::::;' 、 / ミ:::::::::::::::',::::〈´
}:::/:::::::::::; ヽ / }::::::::::::::::::::{ヾ
j:/:::::::::::::{ ,>- .、 、___ ) (__,,.. ,. --< !::::::::::::::ヽ:::', .殿下。
リ:::/:::r-、! /,rfニニミ、 { } ,ィfニニミ、 }:-、:::::::::∧:::,
{:/:::::リ ィ ヽ ゝ ノ / } .{ハ ゝ. ノ ハ. } :::::::∧:', 天下に我らへの信を問う時が来たのです
V:::八 { ハ  ̄ { | | } ,' } 八::::::/ }:::!
リ!:::::::ヾーヘ.',. | | / ツ/::::::::::{ ,j:リ
/ |:::::::::::ゝ..__) ヘ. | | r (.__ノ:::::::::::/ /:/
' |::ハ:::::/:::::::ハ ヽ!.___.!ノ ,ハ::::::::::::::/
,リ }:::{::::::/::∧ ゙ー ------ ― ' ,イ:::}:::::::::,イ
ノ:ハ::/!::::::::ヽ ニ二ニ / |:::ハ::::::/:::|
/´ ノ::{ ヽ:::ハ::}. \ / i:/ .}::从:人
// }/ リ \ / / /´
ヽ ` ---- ´ /
\ /
> .. __ .. <
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .晋王即位・改元と大赦・百官の整備・宗廟と社稷の建設。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } ここに来ての司馬睿の行動は、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j もう皇帝司馬鄴など存在しないかのようである。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 一応、「晋王」と落とし所はつけたが、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ .懐帝の前例を見れば、司馬鄴の生存は絶望的と踏んだのだろう
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 696 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:32:21.86 ID:kT/GeQoz0
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ .やむを得ずと見るべきか、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 遂に馬脚を現したと見るべきか?.
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: このあたりの判断をつけ難い点に王導の巧妙・狡猾さが出ている
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !______
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
{::::.\::::::::::_;. -‐' / -‐:::::::: ∧::::/ ∧::.\::::::ハ
\:::::::ヽ::::ア //.:::: ‐-ミ V jう トミ:::Y:::::{/
}::::::::∨ -‐ ¬く::::::イ ==rく ア }::::::.`ヽ:/.:.:.:
人:::::::/ _ ,......::::く` ゙Y人〃 ノ レ /::::\::::/.:.:.:.:
(:::::::ミ=\ ,ィ __ヽ ∨ ト-‐ } r《∧::} ∨.:.:.:.:.:
ー-ミ三iヽ 〃⌒}∧ ∨ ヽ. / | ヽ}/∨.:.:.:.:.:.:
神州の克復こそ第一ですよ ∧ ゙ト-‐ヘ:::::.、>‐-》 | ノ ,′.:.:.:.:.:
/.:.:.\、 V , _ア _, ,′ '.:.:.:.:.:.:.:.:
. /.:.:.:.:.:.:.`丶、 ` _ -‐  ̄ / |:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / ,......::::7 / .|:.:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |_ -‐…
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |:::::::::::::::::
- 697 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:34:48.97 ID:kT/GeQoz0
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\_ _____ __ /⌒>''´ ,.ィ(辷⌒
\二- _ __辷ア´ / ,.ィ(辷⌒ { 辷- _______
\ 二- _ 辷ア´ ,.ィ(辷⌒ { 辷- // ア´⌒
二=- _ ,.ィ(辷⌒ { 辷--/ /ニ7
___ />''´ <(  ̄)\ ,.ィ(辷⌒ \_ { 辷-/ /ニ7
-‐…  ̄,ィi{辷辷,_ // ``〜く \ \___ィi辷⌒ \辷-ニニ7
,ィi{辷⌒]j辷, / / /´ ̄`\ \ _/´ --‐……三- _ -- ___
,ィi{辷 ]j辷 / / / ) __ } __-三-⌒辷
,ィi{辷 ]j辷./ / }:{ ⌒\ (/ { \ } \_ _ノニ‐⌒ ;辷
,ィi{辷 ノ]辷/ 〈 _,ノノィi炸_\ _ノ__ } 八 \/⌒ ;辷
,ィi{辷 ,ィi{辷/; { \_,ノ 人Lリノ 人(\ィ炸ミ ノ 〈 \_ ____ ;辷
辷 ‖-/彡{ { { {___>{ ( くノノ } } ノ}. \__/´ ;辷
 ̄\ {{_辷 ⌒ { { 从 {从{人_ ' イ-{__/}/ } \ \ ノ辷
::\ \ {i{辷 八 \ く ― 、 八ノ { \,ノ } 「⌒ /辷厂\__
.\::\ \{i{辷 \ \ \ \ イ |{ {__xく } }_ /辷 \ \
\::\. {i{辷 \[\ \_ \ <( リ人{ }从{⌒ }人 \ [辷 _ -三=‐ _
. \::\ \ /⌒\_ノ\{⌒{ ̄\\ \__{ ノ ノ } } ̄\!辷 _ -三=‐⌒ }辷=-
\::\ /ニニニニニ\ニニ{  ̄\ _}_ ノ  ̄ ̄{ ̄ \_} }辷 _ -三=‐⌒\ r{辷⌒
__/ニニニニニニニニニニr%ニ=- __ ィ%┐__ \ \ }辷{__ -ニ=‐⌒ \辷
. /二/ニニニニニニニニニニr%┘ニニニ{ ̄ ̄ ̄ ̄\ %ニニニニ}  ̄ ̄{ ̄ \辷=‐⌒
 ̄ニニニニニニニニニニニニニニr%┘ニニニニニ> _______}ニ%ニニノ\ { \} }
⌒\ニニニニニニ__二r%┘ニニニニニ/ニニニニ=- ニニニ=- _ニ=- ニ\ \ } }\
}ニニニニ/ / /く⌒>―‐くニニニニニニニ=- ニニニ-\ニ=- -\_{ ノ ノ }
 ̄ ̄ ̄ ̄./ / / く⌒\ー‐‐く \ニニニニニニニ‐ ニニニニ-\ニ=- 二二\ / ノ
‐ー ー―{ { / く⌒\ \ニニ\ \ニニニニニ=‐ ニニニニニ=- ニ=- ニニニニ\∠ ノ__
{ { { \ \ }ニニニー┘ニニニニ‐ ニニニニニニ=- ニ=-}ニニニニニニニニニノ
. _\ \> \ }\ }/人ニニニニニニニ/ くニニニニニ=- ニ=-}ニニニニ{ ̄ ̄
=‐  ̄ {ニ/ニニニニノ 厂 { } }´"'''''''''''''`` \ニニニニノ |ニ- ニニニニニ{
 ̄ ∨ニニニ/Lノ 〈_/ \ 、r_ `Τニニニ|二/-二{ ̄{ ̄
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } とはいえ、旗を振った効果は抜群だった
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 698 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:36:07.74 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年春 晋 幽州 薊】
.,、
盛楽 、-' ヘ
,r'`ー-、_;_, ○ 薊 /´ /
r'´  ̄ヽ, ● ,r'´ r' r‐
} { ,.、_ノ _"7 /
/ r' 晋陽 太 / 'ー'´
./ ノ ○ ヽ
' { 陽邑○行 厭次ー、 r'‐-,_,_ィ_
} ○襄国 ○ /ヽ_r' _r'´
{ 平陽 山 鄴 ○ r-'´ 〇 r' '
`ヽ } ○ 壺関○ ○広宗ノ 臨淄 }'ー'
{ { 脈 r○廩丘 r'
'´`ー-, ヽ / ノ r'
\ 'エ_,.-‐'`ー―‐'―= ‐' .,
 ̄ ̄`ー‐'―'´ ◎洛陽○滎陽 〇 >
○長安 ○○許昌 下邳,ヘ' ヽ
襄城 ○葛陂-v'γ ヽ ハ_
ィ-v○寿春 __ゝ、 `{_,、
,、_ r'○建康 -、
○襄陽 `' r' {__'ィ }
,. -――'´`ヽ ,、 , _,.r' __/`
_/ ヽ ,/ ヽ ノ `^ー'`>
_ィvー'´ Z,、 / `ー-,r' }
r-‐'´} {`ヘ
'ー'`" `ー'
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ 司馬睿の晋王即位と時を前後する
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !______
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 699 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:38:53.81 ID:kT/GeQoz0
-
/__/ -―- ``丶、
'/ /::/  ̄ ̄ ̄ \ \
/ ∨ \ \ \
i | |ヽ \ \
i | | | | ト ⌒ヽ
| | | / /'| {xミ |
| :八 / / | 佗 Y 八 洛陽と長安が陥落して社稷が絶えた今、
/ _ ∨! , \ x=ミ |/ , "|' ヽ 天下をまとめられるのは琅邪王殿下しかいないわ。
. / /⌒ヽ }/ / _∧ /vツ ' | i
- / ⌒ --=彡' / ( 、 、 " , / | | .そこで物は相談なのだけど
/ / { / / } / ト ∧ ト ___ /! ; ,
// , 八__/ /⌒'/ / ヽ∧ ∨:./: : :.:| | /
. / i 、 { /____./ __ \、 ∨八从| |:/
l / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/  ̄ ̄ \ \ | / / ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:、: :\:、
/::  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄::/=x==ミr―、 \ \ | , /: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ハハ: \: :ヽヽ
/:::/ ̄/:::::::::::: / } / へ 7}八ヽ八{ ': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|`´ ヽ: :三_〉:_ヽ、_
/: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :| |: :|: : :|:!: : ̄彡´
晋 司空 劉琨 |: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :| }: :|: : :.:|:.|:<
{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.リ、/_/ j从: : :}:|:.|、:_:_≧
\}: : ∨: :|: |≧-_、: : / ィ≦⌒ヽイ: :/: !:.!: /
イY:.:{: : Y ハ斥 ∨ ら:刈 |:/:{:.:|:.|/
-イ: :ト、: 圦 ら::ム マしソ }: :.|: |:.|
建康へ使者となれと? Y、:\:」 マし' , "´ /: /: :{リヽ
\: ハ _ __ ι ィ: /r≦―-、
\:> _ ...イ: :// ̄ ̄ヽ:.i
/\〉:.:./三ヽ j: // // ///Y
/{:.:.:.:.:.:.:\三、/W //}:.∨ }|
晋 司空左長史 温嶠
- 700 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:39:49.62 ID:kT/GeQoz0
-
, /:::(O):::::::::::::::\ ヽ
/ ..:::,、丶`  ̄ ̄ ̄ ヽ ',_
, {/ { \ ヽ: ', Vヽ
,' :| ∧ {、 \:―‐i‐ i //〉
:| i/、、\ \__|__:|_ : : ' / 昔、班彪は劉氏の復興を悟り、
i :| /| \ 〃う刈 》i |): : :K 馬援は漢の繁栄を助ける事を知ったわ。
| :l ィ笊_ 乂ツ |i | : : :|∧
| | l :爪 乂ソ , || |: : : |/∧ .今、晋の国運は衰えたけれど、まだ天命は改まっていない。
| | | 込 , 从 |: : : |∨∧
八 | 个 ` イ: } |: : : | `⌒ 私は河朔で功を立てるから、
ヽ| \|: : : :≧ー |/:| |_: | .あなたは江南で名声を高めてはどうかしら?
:| |: : ;>rノ^|:H /:/| √/ ̄ \
∧ |7: :._/_ |:. | /:/ , / / /⌒ヽ
/ | 、 {:{ F¬ 、 \ヽ:/ { /| / i
.,: | } r人\ヽ ∨_, /: |' / |
/ ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:、: :\:、
/: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ハハ: \: :ヽヽ
': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|`´ ヽ: :三_〉:_ヽ、_
/: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :| |: :|: : :|:!: : ̄彡´
|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :| }: :|: : :.:|:.|:<
{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.リ、/_/ j从: : :}:|:.|、:_:_≧
\}: : ∨: :|: |≧-_、: : / ィ≦⌒ヽイ: :/: !:.!: /
イY:.:{: : Y ハ斥 ∨ ら:刈 |:/:{:.:|:.|/
劉琨殿 -イ: :ト、: 圦 ら::ム マしソ }: :.|: |:.|
Y、:\:」 マし' , "´ /: /: :{リヽ
\: ハ _ __ ι ィ: /r≦―-、
\:> _ ...イ: :// ̄ ̄ヽ:.i
/\〉:.:./三ヽ j: // // ///Y
/{:.:.:.:.:.:.:\三、/W //}:.∨ }|
- 701 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:40:32.39 ID:kT/GeQoz0
-
\: .、
∨:} _,. .--- 、
___ }:/:,: -  ̄`
,. . : :´: : : : : : : : `:/: ´_: : : :`: : .、
,. : /`ヽ、: : : : : : : : : : : : :´ `ヽ: : : \:\
/: :/: : : : : : : : : : : : : ,ハハ: :、: : ∨: :、:`ヽ}
/: :/ : : /: : :/: :/: : : ::.:| マ: {/ハ: : |: : :',
;: :/__/: : :/: : |: : : : i: | |: :∨ニ:!: :|:',: ',
i: :'-≠j!_: :/---!、: : :/: | ⌒ |: : |:{:.:.|マ:!: !ヽ:|
{/:|: : : |:{: /:|:/:|_|: : :/: /} __|: /: |: :|_}:|: | |
,ィ : |: : :.j!:/zィテ斥{: /{:// イィハ }/: : |: :|: \_,
/:/:./|: : /|圦 ら::刈 / ' ら刈'}:.イ|: :|ミ- ´
 ̄{:イ/}:.:/: |: ト弋こソ ヒzソ /:ィ/|:./ 私には管仲・張良の才はありませんが、
/ //:./{: :|:乂 _` 八i |/ あなたには斉の桓公・晋の文公の志があります。
/:イ Y:}:/:込、 「 ∨ イ:イ//
/'{://Y> ` ´ <:.:.|/ .天下を正す功をお望みなら、
ィ:.\二ミヽ、 ̄{/!:.:.:.:.| 決して命令を断わるつもりはありません
/-- 、:.:.:.:.:.\/\|iノ:.:.:.:.{
/ //∧//ヽ:,:.:.:.:` ̄ヽ:.:.:.:.:.ヽ
/ /< >{ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.マ}:.:.:.::::i
/:::::::::::、//' {:::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:||:.:.:.:..:| .γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
/,--- 、:::::::∨' :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ||:.:.:.:.:.| | じゃあ、私の属官という事で建康へ行ってもらいましょう |
{/ ∨}:.:.:.:.:::::::.:.:.:.:.:.:.:.:|l:.:.:.:.:.{ ヽ__________________________乂
/ /' j!:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:||:.:.:.:.:.!
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『温嶠伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 司馬睿が江左を鎮めると、劉琨は温嶠を司空左長史とした。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .ここでいう江左とは、
`ヘ:ゝ .' 小/ 河北から見た場合に長江の左となる長江下流域を指す
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 702 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:42:04.66 ID:kT/GeQoz0
-
∫ι__________ ./丁了
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ
||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | ||
||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | ||
弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ
弋ェェt┼┬┌─ .γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
il_,└──| 北方の有力者の下を回った後、建康へ向かうように |
| ̄ ̄|| | ̄ヽ________________________乂
|| ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄||
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|i | ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄||
 ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ || ̄! ̄ ̄/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄.|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i  ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~ ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l  ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`ll`l
l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″|  ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄  ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾ| ̄`.. ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ | ̄ ̄ | ̄!,, ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ll
| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄___
''- .._ ~""''' ‐- ...,,__ _,,..-‐''~""''' ‐- ...,,___,,.-‐'
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ そして、華夷に檄文を布告し、勧進文を奉った
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 703 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:42:57.48 ID:kT/GeQoz0
-
∫ι__________ ./丁了
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ
||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | ||
||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | ||
弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ
弋ェェt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ェ,ィ
il_,└───────┘ , i!
| ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l
|| ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄||
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|i | ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄||
 ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ || ̄! ̄ ̄/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄.|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i  ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~ ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l  ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`ll`l
l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″|  ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄  ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾ| ̄`.. ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ | ̄ ̄ | ̄!,, ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ll
| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄___
''- .._ ~""''' ‐- ...,,__ _,,..-‐''~""''' ‐- ...,,___,,.-‐'
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| では皆さん、お世話になりました |
ヽ_______________乂
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ この勧進文。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 『晋書』『『劉琨伝』によると、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .河朔の征鎮及び胡人・漢人百八十人が名を連ねていた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 704 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:44:06.37 ID:kT/GeQoz0
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\_-_-_->'"~~~"''〜、、::::::::::::::::\
\_-/:::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::\
. /∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::::::::::::::::.
〈__,{:八:::::::::::::::::`、:::::::::::::::::::`、::::::::::::::::. 琅邪王殿下を皇帝に推戴する。
. .::|∧:::::\:::::::::::::::`、::::::::::::::::::|::::::::::::::::::
.::/|:::∧:::l_,,.`'<:::::::::`、::::::::::::::|::::::::::::::::::| .何か釈然としないけれど、大事な御役目よね。
/:/:::|:::::::}:/斗-=ァ\::::::|::::::::::::::|::::::::::::::::/
.::/ j八::::从 V} ' |:::/::::::::::::::|::::::::::::::: けれど、温嶠殿は我が軍の参謀、
〈:〈 /' l:/':ノ |/::::::::::::::/:::::::::::::/ 私たちのどちらかが行った方が良かったんじゃ?
`>> l:::::\ /:::::::::::/::::::::::::::::{
(:::( l::::::::::::... っ /::::::::/!:::::::::::::::::::::::. _
)ノ 八:::::::\:::\ /:::::/ |::\::::::::::::::::::::... ⌒):) 「 ー 、 -=ニ二二ニニ=-
\:::::::\::::/::/::::}/|:」 \::::::::::::::::::::::...../ ) 〉-=ニニニニニ=- \
\::::::∨::(、:::/ /-_-_⌒\:\:::::::::... , へ _/ / `ヽ\ ∨
.:::::::::::)\::::::...... /-_-_-_-_-_-_`、:\::::/ .∠ _ / ,' / \\ ∨
/ .: | )\ ∨
晋 司空従事中郎 崔悦 ,' .:| .{ | .: 〈○/
./| 八 { | 八 .} ∨\ |
.| /笊_|\八{ ̄\} .∧X \
それはあれよ。 .|/:. 八ツ てう_{ 八∨Xx{
. 八|:: . 乂ツノ /_ソ ∨X{
何かと口うるさい温嶠殿を名目をつけて追い払ったのよ。 / 人 /レ〈// .: Y⌒
>ー、‐  ̄ ̄ ヽ > ` ‐ <イ〉.| .: /∧
おんきょう、だけに .({\} )::::::::::::::::::::∨ ̄ >‐ < / | | ./∧
|ー '::::::::::::::::::::::::::∨ /、;;;;;)^> 〈〉 | |\ /∧
..,┤::::::::::::::::::::::N:::::::::∨ / 〈〉 | | \ /∧
晋 司空従事中郎 盧ェ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } つまり、劉琨は河北の人士の総意として司馬睿の皇帝即位を望んでいた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 705 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:45:08.24 ID:kT/GeQoz0
-
,. : /`ヽ、: : : : : : : : : : : : :´ `ヽ: : : \:\
/: :/: : : : : : : : : : : : : ,ハハ: :、: : ∨: :、:`ヽ}
/: :/ : : /: : :/: :/: : : ::.:| マ: {/ハ: : |: : :',
;: :/__/: : :/: : |: : : : i: | |: :∨ニ:!: :|:',: ',
i: :'-≠j!_: :/---!、: : :/: | ⌒ |: : |:{:.:.|マ:!: !ヽ:| そうかもしれませんね。
{/:|: : : |:{: /:|:/:|_|: : :/: /} __|: /: |: :|_}:|: | |
,ィ : |: : :.j!:/zィテ斥{: /{:// イィハ }/: : |: :|: \_, まあ、親心と受け取っておきますよ。
/:/:./|: : /|圦 ら::刈 / ' ら刈'}:.イ|: :|ミ- ´
 ̄{:イ/}:.:/: |: ト弋こソ ヒzソ /:ィ/|:./ 私の故郷、并州はもうダメでしょうし
/ //:./{: :|:乂 _` 八i |/
/:イ Y:}:/:込、 「 ∨ イ:イ//
/'{://Y> ` ´ <:.:.|/ 「 ー 、 -=ニ二二ニニ=-
ィ:.\二ミヽ、 ̄{/!:.:.:.:.| ) 〉-=ニニニニニ=- \
/-- 、:.:.:.:.:.\/\|iノ:.:.:.:.{ , へ _/ / `ヽ\ ∨
/ //∧//ヽ:,:.:.:.:` ̄ヽ:.:.:.:.:.ヽ ∠ _ / ,' / \\ ∨
/ /< >{ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.マ}:.:.:.::::i アハハ / .: | )\ ∨
,' .:| .{ | .: 〈○/
/| 八 { | 八 .} ∨\ |
| /笊_|\八{ ̄\} .∧X \
|/:. 八ツ てう_{ 八∨Xx{
温嶠殿。 .八|:: . 乂ツノ /_ソ ∨X{
/ 人 /レ〈// .: Y⌒
あなたの才能と名声は呉の地でも響くに違いないわ。 .>ー、‐  ̄ ̄ ヽ > ` ‐ <イ〉.| .: /∧
({\} )::::::::::::::::::::∨ ̄ >‐ < / | | ./∧
おんきょう、だけに |ー '::::::::::::::::::::::::::∨ /、;;;;;)^> 〈〉 | |\ /∧
..,┤::::::::::::::::::::::N:::::::::∨ / 〈〉 | | \ /∧
Y ゝ::::::::::::::::::::ノilil\:::,〈/ ..| | 〈〉\∧
ト、〉:::::::::::::::/ilililililil)::::::) 〈〉 | |〈〉 \v
ウフフ .レ::::::\::/γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| 何が面白いのか分からないわね |
ヽ_______________乂
- 706 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:46:24.15 ID:kT/GeQoz0
-
____ _
r‐‐、__ ⌒^\: : :\ -- /: :\ _
t_>(__r‐‐、 __ _ > ´: : : : : : ,ヘ: : : :V:、
ノ////{^Y_⌒>: : :, : : : : : : : : : : V : : ハ: \
,{///-=≦: : ´: :/: : : : : : : : : ハ: V : : :i : : ', /
rく {////⌒ア: :/: : :/: :i: : : :/:斗{⌒}: :}: : : :}: : : :V /
乂 >--- /: : ' /: :': :斗-: /}: 八{ 八jニニハ: : : :V
}> -- W : i {: : { : /}: :/ノ' x≠ミ个: : : :': : 〕iト :}
| И: |八 乂 ィ笊 ん(_,/: : : 人: : : <⌒
,乂 八{ i: ヽW vリ 乂ツ: : : '^Y: : i : :\
`ト-- ´ ノ {: : 从 ' _ 、 /: : ∠ イ:_:_从:「⌒
∧ ⌒7: :ハ : :込、 V_ノ /イ´/////>、 \ / それではお元気で!
/ 〕iト 八(⌒ヽ{ ≧rf. .rく 乂/////ア⌒7 V /
⌒{ __ /^ア. . . . .}/  ̄ _j//// V /
_ 。o≦. . . . . . 、. . . / //////ハ V
<∧. . . . /. . . . . . \. 乂 {//>´⌒V __ノ
\\. .{. . . ._______. . . .ト --Vト、 ___ --\
\ > ´ _______. . . .\. . . .`ア¨ ¨¨( \ ヽ
└<7i:i:i:i:i:i:i:i:〕iト. . \. ./y----`¨ ^Yハ
/i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i〕iト У 乂 V Y }
/i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:7/ ィ(_ ー‐‐ ァ } ,
_/斗  ̄ ̄\_ニ{(// /乂ィ ノ ∠ノ
「 ---  ̄ ̄ 〕iト ゝ'ゝ<¨ ´ ̄
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 温嶠は河北の各地を経由しつつ、建康を目指したと思われる
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 707 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:48:18.90 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年6月 晋 揚州 建康】
ヾ叉7
_BL_,, ,. _
,,、、-‐'''""´: .: .: .:::::::::.:.:.:. : :``ヾ、、、
,,. '"´. .:.: .:.: : .:r==.: :. :.: .:. :. :. :..: .: :. .::. :.`ゞー-、、
,,. '"´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.`''ヽ、,,
,r'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;;;;;:;:;:;:.;:.:.:.:;;;;;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;:;:;:;:;;;;;;;;;;:;:;:;:;;:>
``ヾ、;:;:;:;:;;:;:;:;;:;:;:;:;r==;:;:;r==、;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;;:;r==;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:r''"´ .
``ヾ;:;:;;:;:::::;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;===;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.:.:.:.:.:.:.:.:,r'゙
 ̄`¨`ヾr==.: .: .: .: .:. :. :. ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :r=z,;,;,;::/
`¨`ヾ.:.: .: .:.:::::::::;:;:;:;:::::::::;:;:.:.:.:.:、、-‐''"´
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,、r''"´. :.: .:. :. . :. :. :. :.: .: .:`ヽ、
,、r'"´.:.::;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:.:.:.: .:. . .:.::::::`'ヽ、
``ヾr==;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;::.:.:. :.: .: . :.: .: . ::.:,r'´
`ヾ::.:.:;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.:. :. :.: ; :; :.: .:.:.::r' γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
゙、:;:;;;;;;;;:;:.:.:::==.:.::::::.:.:.:.:/ | 幽州にいる劉琨殿から使いが? .|
`ヾ.:;;;;;;;==.::.::.:.:..:.::r'´ ヽ_______________乂
_,」;;:;:;:;;;:;::.:.:. :. :.:. j
``ヾ;:;:; :;::;;: ;r==.:.j
゙i:;:;:.:. :.: .:. :.:.:.:,!
l;:;: .:.: .: ..:;;;:;;;!
'i;;;;;:.:.:.:.:;;;;;;;;;!
1;:;:;:;:r=:.::{
ゞ;;;;;;:.:,r'´.:.:``;:ー-..、,,_
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 建康に到着した頃には、六月になっていた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 708 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:49:12.05 ID:kT/GeQoz0
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{::::.\::::::::::_;. -‐' / -‐:::::::: ∧::::/ ∧::.\::::::ハ
\:::::::ヽ::::ア //.:::: ‐-ミ V jう トミ:::Y:::::{/
}::::::::∨ -‐ ¬く::::::イ ==rく ア }::::::.`ヽ:/.:.:.:
人:::::::/ _ ,......::::く` ゙Y人〃 ノ レ /::::\::::/.:.:.:.: 使者の温嶠殿によれば、
(:::::::ミ=\ ,ィ __ヽ ∨ ト-‐ } r《∧::} ∨.:.:.:.:.: 幽州・平州・冀州・青州は殿下の即位を支持すると。
ー-ミ三iヽ 〃⌒}∧ ∨ ヽ. / | ヽ}/∨.:.:.:.:.:.:
∧ ゙ト-‐ヘ:::::.、>‐-》 | ノ ,′.:.:.:.:.: .勧進文を預かっているので御覧下さい
/.:.:.\、 V , _ア _, ,′ '.:.:.:.:.:.:.:.:
. /.:.:.:.:.:.:.`丶、 ` _ -‐  ̄ / |:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / ,......::::7 / .|:.:.:.:.:.:.:.:.
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |_ -‐ / ___ r―‐- . \
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |::::::::::::: / /r┐`ー'^ ゝ' o \
/o `¨ (`Y´) r‐==ミヾ `、
: r‐'r‐ヘ 〈 〉 |⌒ト ∨ ハ
| |〈 |{7´ YLノ|\|_厶 }|o゚ | `、
| |く( |{∧___{⌒´ 〉'^⌒^i:}|_,ノ `、
| ∧゚ oト〃⌒^ー. ´´│〔 〕 |\
| ∧__/ 「 ´´ __ | {f}f}、 |
| i 〔 〕人 < ノ .イ: / |\
宗族諸王Aに過ぎなかった私の名前も有名になったようですね ノ^| /f}f}\〈\ __ / :|/..┐ :|
. |:∧ |\∧ '.辷____,,..彡'|=|'|/
/ \|\__,f‐|「∨ //´|=|ニ=-
-‐=ニニr'⌒ー┐ .厶斗ir。ニニニニニ=‐-
/ニニニニニrf \ `二V´}ニニニ゚ir。ニニニニニニニ
/ニニ\ニrf∧ `マ,ノ_,.ニニニニニニ%ニ/ニ/ニニ
. //}ニニニニ%。o 〉 }::/____)。o%¬冖'^∨ニニニ|
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 『晋書』『元帝紀』は、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 司馬睿の皇帝即位を求める上奏文に名を連ねた主要人物を記している
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 709 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:50:21.80 ID:kT/GeQoz0
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,、丶`  ̄ ̄ ̄ ``丶、
/ _ -‐\ \ \ -‐==ニ二二ニ==-
, -=二ニニニ=-\ \ ヽ _ -=二=-‐  ̄ ̄ ‐-=ニ二==-
/ニ=- \ \ ヽ ', /二二 / \二二二=- _
/' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ=- \二=- ''"⌒
/ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄________ -=====- _
|八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二二二二二=-‐  ̄ ‐-=二二二=- _
i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、  ̄ ̄ ̄ -=二ニ=-_
| | ,ィ=ミ\ `¨ `、 ( ノ人 \ -=二=-_
|i 爪 vリ __、 〈 ヽ \ -二-
八 ハ ' \、 \ \ -=_
ヽ 込 、 ァ / \ \ \ ∨
| 个 ィ / ' \――― ミ \
| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒ヽ \
__ | | i 八 / '// / ' \ \
/ ∧、八 |{_// / ' , i '⌒\ \
___/_____,/:__\ _ ノ7:/ / /' / V | { ―― 、 \
/ ________|,::/ / , / \ \ | i \
. / /\ ̄ ̄\/////////,|::i_/__ ____/_____\ \ }― ミ_\_
/ ///,',\ \///////二二ニ/7二二二二二二ニ= \ \ | | / /二二二〕
. / ///////,\ \/// '二二二|八_ )二二∨)二二二二=:〕 \ | | /| | ̄|ニ| ̄|‐┐
| |/////////,\ \ |二二二 |Z二ニ==-―― 斗七さ:| \八 //∧_ ̄/ ̄彡'
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 司空・并州刺史・広武侯の劉琨
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 710 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:51:45.28 ID:kT/GeQoz0
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(人):,,‐ァ'":.:.:.:.:.:.:.:.:√::\_ /::::: :r'7ノ√
┌―┴rく_/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./::::::::/:.:.`丶、 ./::::::::::r'7ノ::/
└¬ア∧ |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/::::::::/:.:.:.j:.:.:.:.:∨::::::::r'7ノ:::/
____//:.:.:.:.| |/:.:.:.:.:.:.:/:::::::::::/:.:.:./|:.:.:.:.:.:.∨r'7ノ::/
/_,/:.:.:.:/:.:.:.:人{:.:.:.:.:./::::::::::::::/:.:.:.//:.:.:.:.:.:.:.:.∨j/
__/:.</:.:.:.:.:.:/:._____,,'’::::::::::::::/:.:.:.//:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.|く
r=ニ ̄:.:.√:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.\_____,、丶`:.:.:.:.:.:〈/:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.| ハ
|:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∠:.:.:.:.:/)/ヽ//|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.|
八:.:./:.:r‐、_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/〉:.:./r¬ァk、j/ |:.:.:.:.:.:.:.:∧:.∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:厶
∨:ノj / }‐┐:,,'’/:.∨ ん ハヽ 厶_/}/ヽ|/ |:.:.:.:.:.:.:.:.:/:√ ̄\
___ У 〈_/ , ゙ /'’ /:.:.:.:.:.:ハ 弋ツ __ |:.:.:.:.:.:.:./:./:.:.:.:.:.:.:.ハ
__//___>'’{ └t_/ x≪:.:.:.:.:.:.:||.:| " ___ |:.:.:.:.:/.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.人
/ :::o::゚:::| |::人 f´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:乢| ゙ ´⌒'_厶:イ:.:.:./:.:.::.j:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
/::::::::::::::::::八 \,≧¬x ∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.人⌒) _ "_/:.:.:厶/:.:.:.:./:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:\
. |::::::::::::::::::::::::∧_,, '゚/⌒¨):./ \ ∨___:.:.:.:.:.:.厂\ ‘- /⌒:.:/:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:/:.:.:.:.:.:.:..:.:∧|
八::::::::::::::::::::::::::::::>┘ └'’丶 ‘'┘ /⌒Y.:.:.:. /丶 ,,. /:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:./:./:.:.:.:.:.:.:.:/:.:./ リ
≫x:::::::::-< \ | / /:∠:._//\ ¬I爪/\|∧:.:.∧:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:/ /
⌒ニ=- __ \ ∨ \_///:::::/\_二二二/::/ ̄\{ ̄\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:∠./
⌒ニ=- 丶 | / /:::::::/ 丶 (__) _ /:/〈/__/ \:.:.:.:/):.:..:.:.<⌒`
⌒ニ-、 ∨ /::::::::/ /:::|:::| / ∨:.{ 〈:.:.:.:.:.:.:.:.:>
\У::::::::::/ //Y|:::| .′ \〉 `¨¨¨⌒`
/:/:::::::::/⌒Yヽ__/⌒Y/:.{ ∨] .′ ∨
人{:::::::::/ ̄〉\_j/ ̄/::八 Y | \
| ∨:::| ̄/ ,>''"~ ̄ ̄ \ 人 \
段部 撫軍大将軍 段匹磾
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 次に、幽州刺史・左賢王・渤海公の段匹磾。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 『晋書』『元帝紀』に記載はないが、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .二品官相当の撫軍大将軍も兼任していたため、劉琨に次ぐ席次となる
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 711 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:53:00.29 ID:kT/GeQoz0
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ .続いて、護烏丸校尉・鎮北将軍の劉翰。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ 王浚配下から石勒に降った後、
/ ヽ{ ト、ヽ l: 段匹磾に寝返った幽州刺史だ(本編第百三回参照)
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !______
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
|f7::::`、 /f7|
|:f7::::::`、 ______ /::::::f7|
人f7:::/:.:.:.:.:.:.:./ヽ:`丶、:::::f7:|
匸[]匸]:.:.:.:.:.:.:/:.:./:./}:i:.:\f7/
__/_/[:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:/:.://:.|:.:.:.:.\
/:.:_]>:.:._]>:.:.:.:.//:.:.//:./:.:.:.:.:.:.:ハ
/:.:.:く[:|:.:.く[:.:.:.∠/:.:.:.:.〈/:∧:.:.:.:.:.:.:.:.|\
//:.:.:.:.八:.:.:.:.:.-―-ハ:.:.:.:.:.≠‐ jハ:.:.:.:.:/:.:.:.`、
/:.:/:.:.:.:.:.:.:.:`、:.:.:.r虍ヵИ/ r虍ヵ |:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.
/:.:.:./:.:.:.:.\:.:.:.:.:\::代 ツ 弋ツ.厶イ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
あたしの保護下にいるってわけさ /:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:\'''' ''' 厂:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
. И:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ:.:.:.:.:.:.:〉 、 , 人:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∧|
八:八:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:/丶 イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. / リ
_>ヘ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:./ { >=≦ 八:.:.:.:.:.:.:.:.:.(__
\_/ ⌒\_厶/:| 八 | |'∧:.:.:.:/\___/
/ : : : : : : く/ ∨⌒^| || \(: ハ
/: : : : : : : : : ∨ ∨: : | || |: : : :人
人: : : : : : : : : : :冫==ミ. ∨:/, =┘ |: : : : : :〉
\____ // ̄ ̄\_/ ̄`\j :__/
- 712 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:55:33.75 ID:kT/GeQoz0
-
' {\ \|\_/ i{ / ′ ! ',
i / { |/ \ i{ / / / , ',
| {\ | | 'Vヽ ′ ∧ l
| ′ { v'⌒! {/___ 〈| 復 '/', / |
| / ∨ { ハ| ヤf笊うぅ。! / _ ', ∧/ なあ甥よ。
| , 寸人L | i Vソ |/ ィfうぅ。/∨l
/ /\(\l | Lソ , | 朝廷が単于の位をくれたのだが
i / ∧ ', | > /
| ′ / , , | /| i
| i { _l , | ` - イ i| l 、丶` \)_ ,
| | /( j , l\ /⌒`! , | L)\ ',
| | \ ̄⌒`` , |、、〕=- =≦⌒` /] / / l ! X |ー=7 V) ,
| |_ / >― _, | |―厂 l { | /_ {陸八_| |L/ /}フ ',
| 、丶`⌒ / \、ノ |i:i:i{、 | | |/\\` Vj矜 | |ソ ィ /ハ ,丶、
〈 | リ }/ ', ',
段部 単于 段渉復辰 ____ マ__ | /_ ‐」┐ ,
\ /⌒ \r l √-‐/⌒\ ', i
/ ノ⌒){ j/ /// ⌒\ , |
< /Lノ ⌒ / /i{(/  ̄ } ', |
__ノ _// { {i:i:、\/⌒ 〈 !
朝廷も石勒も、余程我々が怖いと見える  ̄ ̄{( ノハ vi:i\|/ ⌒ ', | |
/j个=‐ ≦\ ー⌒ l_ ィ=f⌒ | l
、丶`i:i:/\\ ⌒ ー=ア⌒}i:i:i:i:i:{ !ノ
/(i:i:i:i:i:i:ij //⌒ ̄ ─=ァ⌒ ji:i:i:i:i:i{
/ \i:i ィ // / _/i:i:i:i:i:i:i〉
段部 大人 段疾陸眷
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .単于・広寧公の段辰、遼西公の段眷。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 『晋書』『元帝紀』ではこう記されているが、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 『晋書』『段匹磾伝』では段渉復辰・段疾陸眷と表記される。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 実際は段疾陸眷が父の代から大単于に任命されており、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 段渉復辰は段疾陸眷・段匹磾の叔父で、どこかで単于に任命された模様
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 713 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:57:04.82 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年春 晋 冀州 厭次】
や心乂{ ハ: /「\: | . |_
や仏Y ,ィ゙: : f'V: : :ト..,,ノ:::::|
_,,...‐:::~~\_//|: : : V: : :/、;_:`' ミト 、
,」:::::::::/ ̄/:ノ|: |t‐''゙: :,xく}\|``h、\ト あーっ!
\::::; ’ /: ;イ:.人| x宍[\「 '芯ミ:.}: :i\[ノ
V/ 〳/ i:.{: :汽代iノ 、乂ノ价N\} 文鴦もそれ書きたい!!
/\〈-、|/ j: :、: 乂 ,.. ―- 、 ]/〵\_,..ァ゙:
/: : : : : \人_rf'「l (/V^′^フ 八 〵'゙: : :/: : .名前書くだけでしょ?
,: : : : : : :〳 /{ !||!ヘ >-―- く- 〵: :/: : : : :;
/: : : : : :_jニ{|j }|::::::::| |::| /∧.〵; : : : :.
./: : : /: : : :了', } ::::::::| |::|ノ_,ノ ╲.╲: : : :
|: : : : : : : : !: : : : |: : : : :{ ∨: : : : : : : :∨ : : : : : : : : |
段部 段匹磾の弟 段文鴦 |: : : : : : : : |: : : : |: : : : :{ Y: : : : : : :V : : : : : : : : : |
|: : : : : : : :.」__: {: : : : .{..,-‐=<^ | : : : : : :V : : : : :l : : : : :|
|: : : : : :/. : : ; \: : : /:{ \ 仆: : : ::∨ : : : : : | : : : : |
|: : : : : :|. ::了~丐、\:.|: j 斗千笊ミ≠: : : ::∨: : : : : : :! : : : : |
|: : : : : :|. : 圦ゞヒ夕 |f´ 戈ツ 刈: : :∨: : : : : : : | : : : : :|
いけません。 .|: : : : : :乂: : : 、゛´ 八  ̄´〃 |: : /: : : : : : : : :| : : : : :|
|: : : :/ Υ ト。:、___/, \ / 厶イ : : : : : : : : / : : :/
これは清書ですので |: : :/ / /i!: : : )h、  ̄ ̄ /i: : : : : : : : :/_/
∨/⌒〉/ |i: :|: : : : > ^ / i|: : : : : : :/: : : \
У /ノ ハ :ヾ>゛ ≧s。 _ / i|: : : : :/: : : : : : : :\
/ // ∧ /______/ ∧ i|: : // \: : : : : : : :
/ イ //⌒7..厂 / } 厶イ / \: : : : : :
. / , : "/ /.../ 〃 / / \: : :
晋 冀州刺史 邵続
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 冀州刺史・祝阿子の邵続
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 714 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:57:45.26 ID:kT/GeQoz0
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 青州刺史・広饒侯の曹嶷
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ / 、||川ハ ’/ ./ .ト 、/ /// / ∨ \
i: : : :::\::\i../ / \`゙'<ノlヽ ヽ / } \////| /\
/ \ | ヽ\ ’ / / Y |/ \
/`゙'<| \ \ / ∧ /\ >"
./ / ’ Χ_\ / / Χ \ >レ//
、 / / / \ ヽ/ /. \ ,.ィ ///__
.∧`゙'ー-< _ / /`゙'<x、 / ,.ィソツ ,. イ圭x、
∧ ヽ、 レ、ヾll{ `゙'' fォr; 、 | /_,...;;x≦`ト寸圭x、
‘, \ \ `寸x;,、_ >仕ォ≦圭圭;;; _ Z圭l―
/\ ト ヽ/`Z|;;;;;;;;;;;;;;;;;::| ;;;;; \  ̄`゙'<l
おう、また会ったな .//∧\ \(\. Z;;;;;;;;;;;;:::::| ,.- 、 \ | \
//i ∨\ \ ’/Y/ |;;:/ __);;,, \ / _
//l ∨ \ ヽ\ | |:::ヽ、_,.ィ'"´ ,.ィ ||l ̄
/ | ヽ. \ ヽl\ |:::::::、___,.... -='''"´ _ l!
/∧ \//> 、__/寸::;;: ̄ ̄ ̄ ∨ `゙ヽ、
. //∧ \/川 | / X ∧ ;;;;;;;;;;;;;;;::''" ∨ /
////∧∧ \|l/ ‘, ‘, ∨ /
\.///// ‘, / ト 、∧ l__/
\// ヽ、 / .| ∧ //
/ {" /| ∧;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;//
漢 鎮東将軍 曹嶷
- 715 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:58:30.29 ID:kT/GeQoz0
-
/ :. ィ.;:.:.:.:.:.:.:ヽ
イ:.:.:.:/-|/|∧:;、:.:.〈
リ:.:./ ● く!:,:.:..、
l:.:.l ●/:./ ̄
vヘ - ノ:./ 魔軍司令がアバンの使徒を名乗るとでも?
_,-+ 匸ヘ/V
,《 ヒ⌒j 》、
l::\ l /‖::l
|:::::::ト,Vイ:::::|
|:::::::l介l:::::::| 、||川ハ ’/ ./ .ト 、/ /// / ∨ \
l::::::|人|:::::::l \`゙'<ノlヽ ヽ / } \////| /\
/ \ | ヽ\ ’ / / Y |/ \
/`゙'<| \ \ / ∧ /\ >"
./ / ’ Χ_\ / / Χ \ >レ//
、 / / / \ ヽ/ /. \ ,.ィ ///__
.∧`゙'ー-< _ / /`゙'<x、 / ,.ィソツ ,. イ圭x、
∧ ヽ、 レ、ヾll{ `゙'' fォr; 、 | /_,...;;x≦`ト寸圭x、
‘, \ \ `寸x;,、_ >仕ォ≦圭圭;;; _ Z圭l―
/\ ト ヽ/`Z|;;;;;;;;;;;;;;;;;::| ;;;;; \  ̄`゙'<l
.//∧\ \(\. Z;;;;;;;;;;;;:::::| ,.- 、 \ | \
それ以上は何も言うな //i ∨\ \ ’/Y/ |;;:/ __);;,, \ / _
//l ∨ \ ヽ\ | |:::ヽ、_,.ィ'"´ ,.ィ ||l ̄
/ | ヽ. \ ヽl\ |:::::::、___,.... -='''"´ _ l!
/∧ \//> 、__/寸::;;: ̄ ̄ ̄ ∨ `゙ヽ、
. //∧ \/川 | / X ∧ ;;;;;;;;;;;;;;;::''" ∨ /
////∧∧ \|l/ ‘, ‘, ∨ /
\.///// ‘, / ト 、∧ l__/
\// ヽ、 / .| ∧ //
/ {" /| ∧;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;//
- 716 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:59:59.72 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年春 晋 冀州 厭次】
や心乂{ ハ: /「\: | . |_
や仏Y ,ィ゙: : f'V: : :ト..,,ノ:::::|
_,,...‐:::~~\_//|: : : V: : :/、;_:`' ミト 、 劉演!
,」:::::::::/ ̄/:ノ|: |t‐''゙: :,xく}\|``h、\ト
\::::; ’ /: ;イ:.人| x宍[\「 '芯ミ:.}: :i\[ノ .文鴦もそれ書きたい!!
V/ 〳/ i:.{: :汽代iノ 、乂ノ价N\}
/\〈-、|/ j: :、: 乂 ,.. ―- 、 ]/〵\_,..ァ゙: .難しい漢字書けないけど!!
/: : : : : \人_rf'「l (/V^′^フ 八 〵'゙: : :/: :
,: : : : : : :〳 /{ !||!ヘ >-―- く- 〵: :/: : : : :; , / / )i‐ 、{ /)
/: : : : : :_jニ{|j }|::::::::| |::| /∧.〵; : : : :. / r‐<iノ '⌒ヽ
./: : : /: : : :了', } ::::::::| |::|ノ_,ノ ╲.╲: : : : /  ̄ / ⌒ヽ
/ | .| ',
l .| .人 、\__}i
| | .|. ゝ ̄,ィュ.|
l | ィな⌒ .ソ.| |
| i ` } !
,| ∧ /〕/./
仕方ありませんね。 /| | ∧ _ .ク/
/ | .|、 ∨ / {//
では、私が代筆致しましょう . ./ | |. \_∨ | |
/ } | ─ 、.i |
. / i / / }从─- 、_, -─- 、
| / { / /| |ノ ./ /
| | | | ||/ .: | ト、 / /
ゝ.| | | | |:::/ 〉 ./〉、
晋 兗州刺史 劉演
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 兗州刺史・定襄侯の劉演
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 717 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:01:18.20 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年春 晋 平州 棘城】
/::::/イ}:/::::::::::::::::::::::::}:::::::`ト、
/:::::::{イ:/::::/::::/::::::::/|::: i::::|∧
|::::::::r y::::/芹云个:/ {::::}::::|:::∧
人:::::{ /:::/ じツ 乂云 ∨::∧:ト∧ 例の勧進文だけど、
{::::::::::::{:::::| "" じヘ:::://}::j } .鮮卑大単于ではなく、鮮卑大都督と書いておくわよ?
|::::::::::::|:::::ト、 ' ""厶イ´ /:′
/⌒\ヽ人:: | \`_ -<:::// .正式な文書だし、
/ ∨ミトト≧ヘ::::厶イ/ 朝廷公認の大単于の段疾陸眷と揉めたくないし
r 、 厂 ̄\ ∨ゝ∨≦{乂´
{こy ≧ミ \ }/∧_」 乂ト
∨_'_ }i ̄\ >─./::::}斗_个ト、 .j /i!ム' ==─━─ ーミヽヘ i ハ
ト、 ´ } / `ー─:::::::|< ≦三ミ . <.斗< . 斗== ─ ≠= . \ ルノ
|三彡〉 / }从/ {{⌒} ーヘ. ∨ . <二斗< . <: :: ::::i: :: :: ::::ヽ: :: :: :: ::` マニ> .
| }ト 厂トヘ } }i <._ __ .斗<7. ::: :::: :::::|\: :: :::: :: :: :: ::ヽ: :: :::V 二 > .
マ 二二二 7. ::::::/: :::: |_ _ X´: : i: ::: ::: :::i: :: ::::∨≧≠キ >
晋 渤海郡の人 封奕 ` マ二 l: :::::┼V:::::l ィ≦ミx i!: :: :: ::::l|: :: :: :V≧彡 '
 ̄|: :::::::irrk⌒ 匕ソ ノ i!: :: :: ::::リ: :: :: :〈\
|:i :: ::ハヒソ ""/ !: :: :: :::/:.::::i: :::iハ´
从: ::':::i""' リ: : _::_/: :: :ノル'::ノ
いいですよ。 人:.::人 r‐っ u /Y´r= ミく
{X::: :X⌒ヽ_.. /.:::| |: :: :: :::::〉
しかし、琅邪王を信じて良いものでしょうか? ム斗/ x─┐/.::: l| L.::__:__〈
/j从:::::i二 } i: :::::リ/´ ̄ ̄ `ヽ.
/// ∧::ヽ.ノ从:::::/ . :::: ::: ::: ::: :: ハ
_i// /i 〉::ノ 人/. ::: ::: :: ::: :: ::.〈/∧
慕容部 大人 慕容廆
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 鮮卑大都督の慕容廆。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 当時名乗っていた鮮卑大単于は自称であり、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 長安政権からは鎮軍将軍、昌黎・遼東二国公に任じられていた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 彼が鮮卑都督になったのは司馬炎時代の話であり、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 敢えて鮮卑大都督を名乗ったのは周囲へ配慮した上で見栄を張ったのか
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 718 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:02:53.82 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年春 晋 平州 襄平】
_,. -、、、,_
,.ィァ´ __j|i__ `ヽ、
/〃 ,ム;;;;;;;;;`! ゙'、
. ′ll _,ィrif''T'll:Tl:ーi、、 jl
| ル'i「::|l| |||::! !:;l|:i:`!j
j/::i::jレ'゙´`ヽ儿|_レ_j;i:::i:|
/:|:::i/  ̄` 、 ´ ゙T!′
i::::fミ! r====r .リ 東夷校尉の崔だ!
'、::゙ーヽ. 、 / /
ー-゙i 、 `¨´ / .河東裴氏がそうだったように、
rー'^く`'-、_` ̄´jフ⌒ヽ、 俺たち清河崔氏も各地にいるんだ!
/フ'T'ーrr‐一'`'ーrrー'T゙ヽ、
. // l| ト| ト| l`i::::l、 隴西の南陽王に仕えている奴もいるぞ!!
/:/ 、 l ! ト| ト| i l .ハ::::l
. /::/ l| ト| ト| |.l/ l::::l
/:::/ l| ,fハ ,fハ| ! l::::l
/=/-、,___| `゙'′ `゙^!i___l
. /=/こ'ー一| l |ニニlニ!
7'−、`,二| ____ qヘ-ァ'ー!ニニlニ!
{ / ーl`'ー--一'ヽ l j,´ ヾ ̄`|
─ヽ、 i ニ⊃ ( (_j }ー'゙r‐'゙_, j ノ─‐
`'ヽ、`ニ⊇ `ー ノ `~ヽ‐'" ̄
. ` ̄´ ̄ ̄´
晋 東夷校尉 崔
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .東夷校尉の崔。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 後漢の崔琰の曾孫に当たり、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 王浚によって東夷校尉・平州刺史として送り込まれた人物。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 崔悦と同じ清河崔氏
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 719 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:03:55.30 ID:kT/GeQoz0
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、 以上が主要な面々となる。
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 勧進文に名を連ねた人数を考えれば、
\ヽ、 _ , イ!::/ .今紹介した河北の有力者の配下の面々も名を記したと思われる。
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \ .それこそ石勒派の段末波ですら書いていた可能性がある
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
八_ノ. . . . . . 八::::ヽ^',::}
/. ./ ̄ ̄ノ:. :\:. :.:',::.
〉//)¨¨´:.}:. :\:. \:.',ノ
///.: ./⌒\\:. 、:.,\
乂__/.:// x==ミ}/:.:.\:.:l、:::::\
八込^ ノ.:.::|:. :.. :| \::::::\
.|:. :、::.、Vフ |.:.: /.:: .:: | \::::::
周囲がみんな書いているのに、私だけ書かないのもアレですし 八:. ::.≧=‐≦、/.: .: .:ノ \
\:. .: ノWノ.:.:.:.:/-ミ
l.:)/个、(.:: /
「__//::::/:::::|八\ l
// ⌒¨⌒゜ |/, \____〕
.八: : : 0: : : : :|//, ___|
段部 東部鮮卑の人 段末波
- 720 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:09:26.84 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年春 代 首都 盛楽】
|() , . -―゚―゚―- . 、 ().|
|/ : : : : : : : : : : : : : \|
/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : '、
/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : '、
l: / : /: : : l: : : : : : : : : : : :∧: : l
|: |: | |: : / W : : : : W :| : |: : l
Y||: : |_:l_',: 鬱 |: |__l_Y: :| : ',
':W ∨:W__\: :W Wl|: :/| :',
/: :|\W^冖^ ∨ ^冖^ |/: : |: |: i,- '^ ^'、 天は主のいない中原を我に助けろと言うのでしょうか?
|: : |: : : :l、 i /: : : |: l:{ , --、 ',
W:∨: ∧\ _ , /' : : Y |:', / /¨',∨
Y∨: ∧{ ≧_ _≦ |': //l/l//〈 ヽ_/ i
∠::_:::\Y__ o.().o__ Y´:::::/:::\l |
/―-:、`:ー―/∨:ー―:::::´::::::::::::::'| |
/::::::::::::::::::: ̄ ̄/::∧::\::::::::::::::::::::::::| |
, -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
代 代王 拓跋鬱律 r===========r‐、: : \
|.―‐――‐―h‐l┤、 :ヽ
L二二二二二」.ニ|‐{ミi : : |
{/ /ゝ、ノイ ノl/ ― トl!: : :|
|l:/|/● ● ト、: :|
|/!:ll⊃ 、_,、_, ⊂⊃ノ: : |
/⌒ヽ__|ヘ ..イ:i : :/⌒i
. \ /:ノ从ヽ,、 __, イト:}ノ/ /
/ //ヾゝ八__/:.:.//ヘ、__∧
ヽ、.{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ;_、_ ,'
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー ただ、ここには劉琨と関係を持っていた拓跋部の名が出てこない。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 中原の情勢とは縁遠い慕容部ですらいるのに、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 対漢軍の尖兵と化した拓跋部の名前がないのは違和感がある。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 「代王」拓跋鬱律の爵位は段部の郡公よりも格上なのだから
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 721 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:10:37.81 ID:kT/GeQoz0
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 何故なのか?
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
_/,'  ̄  ̄ 9{_
{゚>‐一 ¬ ̄ ̄`ヽ、 j. \
/ / { \ { ヽ
/ ヽ { ヽ、 \ l ヽ〉. i
/ ∧ l__\ 代ー 、ヽ | |
{ { X´l ヽ\} \_ヽ | l
後世の我々からすると、 .ヽ \∨ ヽ __ | !
「代王」が晋の中興に協力したなんて史書に書けませんからね。 .\小. ィ= ´ ̄ ` l ,′
.l } ' ,' /
記録によると拓跋鬱律は、 |:八 ヽ _フ / /
「天は主のいない中原を我に助けろと言うのか」と言ったとか。 .l 个 、 ィ/ /
l / _>r 'チー/ / _
「僭晋」司馬睿の使者が来たという記録はあるので、 .! !/ } │ / , <_ _, イ´/ ヽ
当時の時点では勧進文に名を連ねていたかもしれません /\/ヽ { __ノ/⌒ヽ./ / /7'´ / l
/ \ハl ∧_ノ X /{ ヽヽ __j
ヽ _// / / / l / ノ / ∨〃
r'  ̄// / { ,/ │ / { /ヽノ ∨
ヽ /// V | / } ヽ l
北魏 司徒 崔浩
- 722 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:13:08.87 ID:kT/GeQoz0
- 【記録を鵜呑みにすると、東晋とも漢・前趙・後趙とも対立する件】
| ,. - '゛ ̄ ̄ ゛ 'ヽ |
レ \. ト、
/ / ! ! ヽ | ハ
/ .:! | ./: ハ ! ! ! レ |
〈 :.::|斗ヤT ト、 | 'T广 ト、| |
∨ :.:|V,斗=ミ ! ヽ:| r=rミ :!:| ! .:|
\| :.|イ ト、:::| ! ト、::i} >| :! :.::| これらの記録が残っている『魏書』は北朝系の史書、
|\|ヘ弋_,リ 弋_ソ / :! :.:.| 現存する『晋書』は唐の太宗の時代の編纂、これも北朝系。
| :ハ. ' / .:.!:.:.:.|
ヽ :.人 Y フ ,ィ .:..!:.:/| 地に確たる歴史なし、というものです
_ _ヽ:.:.|:.> 、 ` , ィヽ:/:.:./.:/_リ
/ ` ヾ.:ト、_|`ー ニ- 'ト、/ ::./ >^ヽ
/ メ! \,.⊥、// ./-、/ \
 ̄)ヽ、 / ヽ /|じ}| /'´ | _ -‐‐/
.r-く \ / /:..:.ー':V ! / | ,..::::´:::::::::::::: :`:ヽ、
,r´:::::::::::::::::::::::::: : : : :.
/::::::::::::::::::::::::::::::: : : : : :',
了::::::::::::::::::::::::::: : : : : : : : l
|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
lィ::::lヘ:へ::|::::::::::::::::::::::::::::::「
\ト、(ヽ::::|:::::::::::::::::::::::::::rノ
ヽ´::::|::::::::::::::::_;、::ル′
` ‐lイ::::::::::ヽ
当時の勧進文と記録から、 /⌒ヽ、::::ヽ
どこかで拓跋鬱律の名が削除された可能性があるかもしれない |::::::::::::::`¨´!
|::::::::::::::::::::::|
|::::::::::::::::::::::|
ヽ__;:---─ヘ
ヽ::::::::;、::::l´
|:::::| |::::|
|:::::| |::::|
` ´ ` ´
- 723 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:13:38.63 ID:kT/GeQoz0
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| 『晋書』『元帝紀』に曰く .|:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ// 続いて勧進文の内容を
| | >:´|、 - ,|`:< .一部ではあるが紹介したい。
| | |::::::::| > イ |::::::::|
| | >-、\! !/::,-< これを書いた劉琨が
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、 当時の状況をどう捉えていたかが見えてくる
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 724 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:15:31.44 ID:kT/GeQoz0
- 【劉琨さんの勧進文@『晋書』『元帝紀』(一部抜粋)】
┏──────────────────────────────────────┓
伏して思いますに、
高祖宣皇帝が大命の基礎を始められ、
世祖武皇帝が遂に中華を創造され、三代に渡って重く光り輝き、四聖が轍の跡に続きました。
恵沢は虞舜に等しく、代数を占えば周朝を超えました。
┗──────────────────────────────────────┛
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、 .西晋に仕えていた人々にとって、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 司馬炎の治世は善政判定されていたらしい。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ .西晋に仕えた経験のない干宝などとはここが異なる。
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \ 後世の我々は、
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____ .司馬懿〜司馬昭を持ち上げて司馬炎をけなすがそうではないのだ
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
_,/ ̄ ̄` ̄\
/ /二◎二ヽ ヽ\
/ ルノハヽゝ,ハi 〉 .i
iv、!● ● i i' 〈
昔は良かった .lリ〈 ワ i i' リ
_iハ`ーゥ t-ノ i 〈
ヒ/」」」.l/リl ly ,ィリヽ、 ヾ
| l | / `.lシl==j \ 〉
| l ,/ー、{::::::::::/ー、! \
- 725 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:18:05.95 ID:kT/GeQoz0
- ┏───────────────────────────┓
元康以来、艱難は頻繁に興り、
永嘉の際には災禍はいよいよ昏迷となり、
天子が制御を失なって醜裔に死に追い込まれたのは、
国家の危機にあって、君主が配下に自由に動かされたためです。
┗───────────────────────────┛
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ このあたりは劉琨から見た八王の乱と永嘉の乱への感想だろう。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ 醜裔とは、外夷すなわち胡人の事
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
_,/ ̄ ̄` ̄\
/ /二◎二ヽ ヽ\
/ ルノハヽゝ,ハi 〉 .i
iv、!● ● i i' 〈
.lリ〈 ワ i i' リ
簡潔にまとめてみたわ _iハ`ーゥ t-ノ i 〈
ヒ/」」」.l/リl ly ,ィリヽ、 ヾ
| l | / `.lシl==j \ 〉
| l ,/ー、{::::::::::/ー、! \
- 726 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:19:23.74 ID:kT/GeQoz0
- ┏─────────────────────────────────────────┓
先代の徳と宗廟の霊に頼り、後嗣の皇帝を建て、旧態を克服する事を明らかにするべきでしょう。
生まれながらにして慎み深く、
賢明さと道理を心に忘れず、玉のような資質は幼少の頃より明らかで、鐘の音のように響きました。
冢宰が法を統べ、百官が政を補佐しており、
四海は中興の美を想い、群衆は蘇る時が来ると望みを懐いています。
┗─────────────────────────────────────────┛
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ そして、司馬睿への皇帝即位の要請
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ / .. -‐…=- ..._
/  ̄ Z._厂 ̄ミx、
/ iヽ
/ 〃 ̄ ) ( ⌒ヽ、 |.ハ
. li |-+‐( )ー- l | l
. | | トハ!夊_メ,ハ/メ人..丿 |
. 人_人 |=== ∨ === i{ニ} .|
. ){ニ} 从 l!"" |
さすが劉琨殿はよく分かっていらっしゃる |"" l人 丶 ' _.ノjノ\ノソ
. ノ⌒)ノ,;ニ三二二三ニミxソ丿
,二三⊂ニ⊃三三ニミ、_
ィニ三三|::I::|三三ニィ=Z
〈 〈三二|∬|ニニニ/ /、ム
ゝ 二二う旦こ二二 ノ 7 ム
- 727 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:19:59.46 ID:kT/GeQoz0
- ┏─────────────────────────────────────┓
図らずも天は災禍を悔いる事なく大災をしきりに至らせ、
国家は未だ難を忘れられずにおり、寇害は常に興っています。
逆胡の劉曜は西都を縦横し、犬羊を並べて天邑を凌虐しました。
臣の上奏文を奉った使者が帰還し、
西朝は去年の十一月に守り切れず、
主上は奪われて幽閉されて再び虜庭に沈み、神器は流離する辱めを受けたと聞きました。
┗─────────────────────────────────────┛
{ 〈〉_丿 :|::./: :. /: :. }i: :. | :'_ 乂ノ、___}
乂_ノ |: . |/: :. /: :. ハ: . }: | .::|: . | i
|: . |: . |: :. /}: :. / |: . }i }i ト、 .::|: . | |
|: . |: . |: . / }: / ,, |::. iii }i__ | \ .::|: . | |
|: . |: . | |_,,. 厶斗 /"´ |: }i iii /``〜、、|: . | |
|: . |: . | |:. / _j/_‐- 、 | /;′ 从- _,,_ VI`:. | |
|: . |: . | |:/,ィ灯⌒メ j/ム=‐'''^´ィ灯⌒メ .|: :. | |
|: . |: . | |i { }:::じ):つ }:::じ):つ }|: | |
|: . |: : . | |i 乂⌒ツ 乂⌒ツ |: :. !|i もう私はいらない子?
|: . |: : : . | |i |: : . |:|
|: :. |: : : . | |i ::い:i::い:i:: ′ ::い:i::い:i:: }|: : . | |
|: : . |: : : . | |i ∧: ::. ||
. |: : :|: : : . | |i、 ハ|: : . |: |
|: |: : : . | 込、 , -- 、 ..イ⌒|: : . l |
,: : : ;|: : : . | | ̄ ~"''〜、、 ,ィi〔 ./|: : . | : |
. / /::|: : : . | | ``〜、、__,,.、丶´  ̄`~゙"''' |: : . | : :|
.. / 乂_ :|: : : . | | \ |: : . |: : :|
晋 皇帝 司馬鄴
- 728 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:21:33.07 ID:kT/GeQoz0
- ┏────────────────────────────────────────┓
臣は常に史籍を見ていますが、
前載を観るに、このような厄運の極まりぶりは古今にありませんでした。
(中略)
京畿が死して九服は崩れて離れ、天下は騒然としたままであり、
夏が夷羿に遭い、姫氏の宗族が犬戎によって離散した事も、これに過ぎるものではありません。
┗────────────────────────────────────────┛
,. :-:.' ー ' ¨ :.ゝ.、
,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ、
,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`、`ゝ
,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ハ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
/イハ:!:.:.:l:/ i/ ノノ ノリリハリ:!:i:.:.!:.l
i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ハ!
∨|:.:.! ノ/i/ノ
ヘ!:| ノ!/′ 劉琨を突き動かしていたのは、一つの危機感である
ヾ!>ー- ´`-- <イリ
(;;;;;ソ⌒) ̄`´ ̄(⌒ヽ
ヽ;;=;;/__,,、_/;;`ソ
〉;;;;;;;;ソ:/A.i:l;;;;;;!′
く;;;;;;;;;;;;i;!;;;;;;;;i;!;;;;;ゝ
i、__,,/ !、__,,!
`ー'′ `ー'′
- 729 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:22:49.36 ID:kT/GeQoz0
- ┏─────────────────────────────────────────┓
臣が聞きますに尊位は久しく空席にするべきではなく、万機を久しく放置しておくべきではありません。
空席の一日で尊位は危うくなり、十二日で政の規則を巡って乱が起こります。
今は百代の後の災厄の時に当たり、
狡猾な賊が国家の隙を狙い、人民は揺れ動いて心を繋げる存在がありません。
見捨てて憐れまないわけには参りません。
┗─────────────────────────────────────────┛
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 皇帝不在の状態が世の混乱を助長するという懸念。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: このような惨状でこそ皇帝という象徴が必要だと劉琨は考えていた
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ / /__/ -―- ``丶、
'/ /::/  ̄ ̄ ̄ \ \
/ ∨ \ \ \
i | |ヽ \ \
i | | | | ト ⌒ヽ
| | | / /'| {xミ |
| :八 / / | 佗 Y 八
/ _ ∨! , \ x=ミ |/ , "|' ヽ
先帝の子孫である琅邪王殿下こそ、それに相応しい ./ /⌒ヽ }/ / _∧ /vツ ' | i
- / ⌒ --=彡' / ( 、 、 " , / | |
/ / { / / } / ト ∧ ト ___ /! ; ,
// , 八__/ /⌒'/ / ヽ∧ ∨:./: : :.:| | /
. / i 、 { /____./ __ \、 ∨八从| |:/
l / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/  ̄ ̄ \ \ | /
/::  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄::/=x==ミr―、 \ \ | ,
/:::/ ̄/:::::::::::: / } / へ 7}八ヽ八{
- 730 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:24:11.30 ID:kT/GeQoz0
- ┏────────────────────────────────────────┓
臣らは忝くも地方を任され、久しく外に在りますが、
宮殿に陪列できずとも、共に盛んな儀礼を見て勇躍したい思いは、南を望んで極みがありません。
┗────────────────────────────────────────┛
/>‐ < } [ ', \ 〕iト
/ く〈(__)〉i:', } [ [ ヽ `、 \
.: \i:i:i:i:i‘, } [ 〔 [ ', `、 _ _ ‐‐−==− __
−−ニ / ′ . / . `、i:i:i:i:', { 〔 〔 [ .[ ∨__ __ −−  ̄Ξニ‐ ‐ ‐
/ ,′ /{ .`、i:i:i} } :[ . [ 〔 〔 Y! __二− ̄
. / ′ . / :{ }‘,i:i:} ,′[ 〔 〔 [ }__
′ {  ̄ ̄~゚^''' ,′∨: [ 〔 ‘, . [ }廴 _」L廊」_ −−ニ
. { } / } ′ . / : ‘, ゚。 [ }⌒``冖冖Z彡'⌒´"''〜、、
. /{ / うぅx、', / / / {:‘, . ゚。 .〔 ′ _、‐^⌒ ____
. // 彡' り )〉V . / / 八 ‘, ゚。 -_ :{ .`''く⌒ _、‐''"~ ´"''〜、、
. //: ハ / / / /⌒',`、 . `、 -_ { ≧=- - =≦⌒`~"''〜 ,,
.: , ゙ / } " " / / / / ツ}/ `、 . \ -_ ', 乂_ _、 -‐¬¬‐- .,,_
. //{ 八 、 _彡' . / ./ / /__、イ \ \ -_ )>。.⌒'' ー ''´ _、‐''"~⌒ ̄ ``ヽ
{.′', / }V _/:/ } ./ / /{ :八\ 、 ``〜、、 ≧=- - =≦ __
{i 乂. / { ⌒¨´ // . /: , ゙ ‘, {\ 、、 ``〜、、 ~"''〜=ニ二 _、‐''"~⌒ ̄ ``ヽ
{i ≧=- ‐┬// // .‘, `、_)>。.``〜、、 ``〜、、__,,.、vヽ` \
. 乂_ i|:{/ /、 ./ `、 `、 :})>。. ``〜、、  ̄ ̄~゚^二ニ=-‐…‐-ミ
`¨⌒. i|/ / 沁,:/ . . . . \ \{廴 〕Iッ。.,,_ ´^''冖¬…¬冖'''^ __ )
/ /{ / . . . . . . . 〕Iッ。.,~''< `^'' ー _、‐''~ _、‐''"~⌒ ̄ ``ヽ
{′ .: / /( . . . . . ⌒)>。. `^'' ー ― ''^´ _ -=ニ⌒ }i
/∧' , //ア゚ } . . _、‐''^~ ̄ ̄\´^''冖¬…¬冖''^ リ
\  ̄ イ/廴___/ _ -=ニ . . 、 \ __ −−  ̄Ξニ‐ ‐ ‐ _彡'
.  ̄_)/ _ -=ニ . . _,.、、 ----->。. ニ- __ ニ‐ ‐ ‐
_)ア゚ _ -=ニ . . . : }Y', __⌒ニ=--- __ - = ニ
)ア゚ / . . . / / Y', =- ^''冖¬…¬  ̄``ヽ
「 ', / . . . / / } ニ‐ )}
- 731 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:25:46.72 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年6月 晋 揚州 建康】
⌒> , ´ /「ノ=- \_∧
___/ / , / 〈ーノ , -- 、 {r、 r、ハ
> _/ / |__/|/ / |\ l|| ∧
⌒>⌒/ / ∧ __>ィ -、|/ |〈 〉「Yハ
/ /イ/イ / / \/,ィ斧ミ、`V{し ハ |《」
/⌒- く / j/|/| /|/| / vツ ハ ー' 〈/ | 劉琨殿や鮮卑段部が
/ /イ /|/ <\/| ' }∧ /,|∧ 私を支持してくれるのは大きいですね。
/ /イ , ---、 /,ー'从 〉'/イ/
{ / /:::::::::::::`ヽ|/\\ ` _ 人∧{ .でも、まだ早いのでしょう?
人/::::::::::::::::::::::::::V::::::\ 、 イ /-|\
----<:::::/|:::::::::::::::::::::}::、::::::::〉' T ∧ |iii「
∧:::::::::::> ´ |:::::::::::::::::::/イ>---=く} イ }/
/⌒\/ |:::::::::::::::V:::::::::::::://`ヽ〈_
|/|  ̄7T /:::::::::::::::::|::::::::::::/::/:::::\ V-、
{::::.\::::::::::_;. -‐' / -‐:::::::: ∧::::/ ∧::.\::::::ハ
\:::::::ヽ::::ア //.:::: ‐-ミ V jう トミ:::Y:::::{/
}::::::::∨ -‐ ¬く::::::イ ==rく ア }::::::.`ヽ:/.:.:.:
人:::::::/ _ ,......::::く` ゙Y人〃 ノ レ /::::\::::/.:.:.:.:
お察しの通りです。 (:::::::ミ=\ ,ィ __ヽ ∨ ト-‐ } r《∧::} ∨.:.:.:.:.:
.ー-ミ三iヽ 〃⌒}∧ ∨ ヽ. / | ヽ}/∨.:.:.:.:.:.:
ここはひとまず丁重にお断わりする所。 ∧ ゙ト-‐ヘ:::::.、>‐-》 | ノ ,′.:.:.:.:.:
./.:.:.\、 V , _ア _, ,′ '.:.:.:.:.:.:.:.:
劉琨殿へ返書を送りましょう /.:.:.:.:.:.:.`丶、 ` _ -‐  ̄ / |:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / ,......::::7 / .|:.:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |_ -‐…
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |:::::::::::::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『劉琨伝』に
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 劉琨の勧進文に対する司馬睿の返書が残っている。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 目標はあくまで皇帝の奪還であるとした上で、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .劉琨の代々に渡る忠勤を称賛し、河北の情勢の報告を求める内容だ。
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 文の内容を見る限り、ある意味で筋書き通りなのだろう
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 732 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:26:36.40 ID:kT/GeQoz0
-
>:::::::::::::::‐- .
─‐… ∠ニ==-::::\::::::::::vヘ
_ /::::::-=ニ>⌒丶\:::::}::::::\
∠/:::::::::::::{ _ノ `\ノヘ::::/
/:::/:::::::::::ノ 〔,. -‐ 、 ∨ / }/
─⌒}/::::{⌒}′ 八 (;;) }廴{_人__〕
∨:::::V ', ー / | {(;;} それにしても、
∨:::ノ| } { 」__」 「 温嶠殿のような優秀な方と仕事ができるとは。
/⌒ ∨八 fニ=== 、 ′
/ ', \ \⌒ヽ/∧ 今後ともよろしくお願い致しますよ
'. \  ̄ / '.
\ / 丶 __/ :}\
/⌒ \:{ / :}\\
/ ∨ ̄ ̄ ̄`ヽ / ̄ \
/ | ∧ \ /: :/: : : : : : : : : : : : : ,ハハ: :、: : ∨: :、:`ヽ}
/: :/ : : /: : :/: :/: : : ::.:| マ: {/ハ: : |: : :',
;: :/__/: : :/: : |: : : : i: | |: :∨ニ:!: :|:',: ',
i: :'-≠j!_: :/---!、: : :/: | ⌒ |: : |:{:.:.|マ:!: !ヽ:|
{/:|: : : |:{: /:|:/:|_|: : :/: /} __|: /: |: :|_}:|: | |
,ィ : |: : :.j!:/zィテ斥{: /{:// イィハ }/: : |: :|: \_,
こちらこそ。 /:/:./|: : /|圦 ら::刈 / ' ら刈'}:.イ|: :|ミ- ´
 ̄{:イ/}:.:/: |: ト弋こソ ヒzソ /:ィ/|:./
江東には管仲がいたんですね。 / //:./{: :|:乂 _` 八i |/
/:イ Y:}:/:込、 「 ∨ イ:イ//
私なんかが心配する必要はなかったようで /'{://Y> ` ´ <:.:.|/
ィ:.\二ミヽ、 ̄{/!:.:.:.:.|
/-- 、:.:.:.:.:.\/\|iノ:.:.:.:.{
/ //∧//ヽ:,:.:.:.:` ̄ヽ:.:.:.:.:.ヽ
/ /< >{ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.マ}:.:.:.::::i
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『温嶠伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 当時の江左は草創の時期であり、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 温嶠は国家の法が定まっていないのを憂慮していた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ ところが王導と談論するに及び、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 彼を江左に管仲がいたと高く評価した
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 733 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:28:42.07 ID:kT/GeQoz0
-
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
. | `-=ニ=- ' .:::::::| 申し上げます
\ `ニニ´ .:::::/
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
/ ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:、: :\:、
/: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ハハ: \: :ヽヽ
': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|`´ ヽ: :三_〉:_ヽ、_
/: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :| |: :|: : :|:!: : ̄彡´
|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :| }: :|: : :.:|:.|:<
{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.リ、/_/ j从: : :}:|:.|、:_:_≧
\}: : ∨: :|: |≧-_、: : / ィ≦⌒ヽイ: :/: !:.!: /
イY:.:{: : Y ハ斥 ∨ ら:刈 |:/:{:.:|:.|/
(これ、別に私いらなかったんじゃ?) -イ: :ト、: 圦 ら::ム マしソ }: :.|: |:.|
Y、:\:」 マし' , ¨´ /: /: :{リヽ
\: ハ _ __ ι ィ: /r≦―-、
\:> _ ...イ: :// ̄ ̄ヽ:.i
/\〉:.:./三ヽ j: // // ///Y
/{:.:.:.:.:.:.:\三、/W //}:.∨ }|
{ \:.:.:.:.:.:.:.:}☆:.:.:| /<  ̄7!/:.|
|`ヽ }:.:.:.:.:.:.:.:||:.:/{/ィ、 {´ {:. |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ なお、同じ『温嶠伝』によると、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 温嶠は何度か劉琨に復命したいと願ったが、結局許可されなかった。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .『晋書』『劉琨伝』では綺麗に別れたが、北への未練があったのだろうか?
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 734 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:30:24.93 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年6月 晋 豫州 許昌】
/::::::::/:::::::::::!:::::::::::ヽ:::::::::::ヽ:::ヽヽ丶::::::::::::::::::l:::::::::`:.
/::::::::/:::::::':::::!:::::::ヽ::::ヘ:::::::::::::::::::::、:::、ヽ:::::::::::::::l::::::trュ::ヽ
..::::::::;:::!:::::::l::::::!::::::::::ヘ:::::ヘ:::::::::-:―:!:、!::::!:::::::::::::::l/フヽ》ソ::ハ
':;::::::i:::l:::::::::l:::::ヘ::::::::::::、マ::´__:ハ:::_l::::l:::::l:::::::::::::::lァミマ)):::::,
{:l::::::l::::',::::::::!-‐+ゞ;::::-‐`´ .笊テ=ミx、;::::::::::l::::lヘミ彡':::::: !
マ:::::ム:::ヘ:´::ヾ- ' ' r'ti:ゝ, }}l:::::::::l::::l乂ソ::::::::::: l
从;::::ヾ;::ヽ x テ示、 乂_zシ l: ::::::l:::f ヽ:::::::::::::::l
ヾ`ヽ::lハ:{{ r'ti、 l:::::::::l:::!l .j::::::i:::::::::l
l::::._;ヽ ゞ ' 、 i:::::::: l::lノ/:::::::l:::::::::l 私、太尉荀組及び司隷・豫州の諸官は、
l:::ハ l::::::::::!:!'ヽ、/l:::::::::l .琅邪王殿下を皇帝に推戴したく思います。
l:::::ヘ l:::::::: l:l::l > x<l:::::::::l
l:::::::::、 、 ァ .!:::::::::l:!::l./:ヽl:::::::::! 元々亡きお兄様もそのつもりだったようですし
l:::::::::::ゝ ` .イ::::::::::!!:::lヽ::/l:::::::::::,
l::::::::::::l:::> < l:::::::::lj::: l//:!:::::::::::,
l:::::::::::j:::::::::::::::> イ -‐ ´!::::::::ll::_::!/ヽ`l:::::::::::ヘ
l:::::::::::!::::::::::::::::::::::r‐j '´ .γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
l::::::::::l、::::::::::::/ヽニミ、 | 許昌におられる荀組様から勧進文が届きました |
l::::::::::! ヾ/ >、 ヽ Y、 ヽ______________________乂
l:::::::::j /r-、 ゝ,.ヽ、彡'´ イl::::::j:j /ニ二二二> ´ >、
,.=-l:::::::::jl´ ̄`>ニ、´ Y、ゝ'´ /l::::::!:! ./ニ/ / x===、 ハ
//>'.!:::::::j.j__,, = 、-' i }. ' .l ::: j:!/ニ/ / /ニrー-=、ニニx.,
/ ハ l:::::::ハ __ ノ .Y / l:::::::':!.ニ/ ./ /ニ/ .| Y ヘ ヾム
晋 太尉 荀組
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『荀勗伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 西都が守り切れなくなると、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 荀組は使者を派遣して天下に檄文を発し、共に司馬睿の勧進を行った。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 劉琨が河北で行った事を
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 荀組は中原で行ったというわけだ
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 735 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:32:01.37 ID:kT/GeQoz0
-
--- ‐‐ ─ヘ、‐‐┐
/::::::::::::::::::::::::::::::∠⌒i::::|
//::::::::::::::::::::::::::::::/ ̄`¨「:::|
::::::::::::/::::::::___/ |::::|
| |::::::/:::::::::::‐┐` ,、___|::::|
U |:::┌‐=牝從汢 ,____ |::::| 宜陽から来てもらったのは他でもない。
U |:::| |:::::| ""` ,紘れ小::|
U |:::人_|:::::| ′""7:::八 琅邪王の皇帝即位を支持するかどうかだ
:::::::::::|:::::| / ̄) 厶イ
(\__ /::::::::::::|:::::ト、 /|:::::|
\__ ` 、 /::::::::::::八 个ヶ┐ ┬=く:::::|:::::|
┌v=‐…‐┘ V:::::-=イ :::::: |_,Λ| ↓∨|::::|\\____ /´ ̄:\
¬弌ニニニ ___ ∨\__彡'^\:\|┬v ‐┤::| ` ::::::: \ __《ハ}ノ)): : : : : :\
..└‐‐‐━ __ ├ ┐‘,___/`:::|| |::人__  ̄\:: /`:<: : :/`:<\`:.、ヘ: : :. :.
/|` | | ‘ |::| Ю Ю ` 、 `: /: : : : /: : /:.ハ: : :.∧:.∧「 ̄|: :.
/: : : : : :/∧: :/: :∧: : :∧: ∧ ̄|\:.
. /:/: : : : /⌒ヽ '´ ̄ V: : ∧:.:.i: : :\|::.
/:/: : : : /(::. .:´:ノ∨: : i∨!: : : :/\
. /:/: : : |: :i r=ミ r===ァ:i:.:.|)i:八: : :\/:.
琅邪王を支持する事で、あちらから援助をもらいたいのう。 {/i: : : :i|: :圦ヒソ ヒソノ: |:.:.|∧ノ: : : :/\
\从|:込、 ′ |:.:|:.:.| V : : : \/:.
劉曜はじきに攻めてくるじゃろうし、 从|i > .^ ィノ:イ/ ∨: : : : : : :.
今年も不作であれば、いよいよ兵糧をまかなえなくなる .ィ:´:::ノ<>'//7 /><ニ\ V: : : i : : i
/::::-<>ィ〈>'/《/<=> ´ ハ V: : | : : |
. /::::::::::ニノ:::リ イノ= x== 、 ./ニi :. :.:| : : |
八::::::::\:::::::\〈/ /、 <ニ〉 /\/ : : | : : |
晋 冠軍将軍 魏該
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 司隷で踏み止まっていた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 滎陽郡太守の李矩と冠軍将軍の魏該
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 736 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:32:35.83 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年夏 晋 豫州 潁川郡】
> '"~  ̄ ~"' <
,. ´ ` .,
/ 、 \
/ \ 丶
, / | \ \ ∨
/ / / | ヽ 、 ∨
. / ' / / | ∨ 寸 ',
/ / ' / , // ノ { | ∨ 寸,
, / ! l ' ' //} ' | {V |、\ , 寸
/´ ! l | \ // / ',{ V | ヽ ヽ jI斗 , ヘ 寸
| ァ''| /|`7ー┼‐‐’{ V ^十七^\ ', } ' }ヽ寸 長安救援のために兵を集めたけど間に合わず。
| /{f'| / zzzzzzzz { ヽ {zzzzzzzX , ' ハ , ⌒
|,'八:| ∧j{` Vhリ \ Vhリ ’\// }/ 相変わらず四方八方賊だらけ。
∧ {小 ∧,.ィ’ /
ヽi小 l U ∧ }/ この機会に江東へ移っちゃう?
}人 /、{
,.斗}> ., ー - ,. <'≧s。,
jI斗r≦斗r{ | ( ≧=-=≦ ^{ } } }- ≧s。.,
. / {'^~ .{ | ', ', | ノ ,' , `~^' ー`ヽ
, j斗r七'^~∧ | } { 七´ { { {⌒ ー--ミト、j}
晋 潁川郡太守 華恒
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 潁川郡太守の華恒
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 737 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:34:38.23 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年夏 晋 荊州 宛】
,:i:i:i:i:i:i:i:/ /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ヽ
/:i:i:i:i:i:i:/rク /:i:i:i:i,':i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:,
i:i:i:i:i:i:i:〈 r⌒i:i:i:i:i:i:i,:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/:i:i:i:i:i:i|:i:i:i
,:i:i:i:i:i:i:i´ ^i|:i:i:i:i:i:i!:i:i:i:i//:i:/:i:/:i:i:i:i从:i|
,:i:i:i:i:i:, |!:i:i:i:i:i:|´ r示ミx´ ':i:i:i:/レ:i:i:, お父様。
ヽ:i:i:i:iヽti:i:i:i:i:i:i:! ` 乂ソ -/炒´/
ヽ:i:i:/ニ!:i:i:i:i:i:i| i /:i:i! 許昌の太尉から使いが来て、
r斗V|:i:i:i:i:i:i:! /,:':i:i:i:! 琅邪王殿下を皇帝に推戴する勧進文に署名するようにと
| \':i:i:i:i:i:i:i ー ./:i:i:i:i:i
ノ |:i:i:i:i:i:i:|> /|:i:i:i:i:i:i:i
/ ̄ ̄ ̄ ̄∨ |:i:i:i:i:i:i:|=//´. |:i:i:i:i:i:i:i
/ ̄ ̄\ \ :i:i:i:i:i:i:i:! 〃 ̄ ̄ |:i:i:i:i:i:i:i 斗≦才ニ=ー-- _
\ |:i:i:i:i:i:i:! 〈〉 |:i:i:i:i:i:i:i /イ ̄  ̄\ \厶
//イ寸}}}寸 寸\ \\ミ辷_
晋 荀崧の娘 荀灌 艾ミ寸/厶\ ̄\. } \_寸 寸´
`才 .ア ) 乂\_\ ハ
./// 斗≦` 寸: : :./Vハ 个'
厶从{ァ==、 / 斗ォァ V// ム: }V乂{
八{:斗ォァ}  ̄ }:/ (ノ∧V
.{: ̄ ノ |__/VV
∨ \ 八 マ
太尉がそう言うのなら、我々にどうこう言える事ではないな ∨ , -─ ..::: V
' -‐ /:/ ∨
.' /:::/ _V
\::....<::::::::/ 斗≦斗≦∨
.∨≦ /ニ二ニ=-‐∨__
/ /ニニ/ニニニニニ,
晋 平南将軍 荀崧
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 宛に駐屯していた平南将軍荀崧。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 彼らは荀藩と荀組の行台の影響下にあり、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .共に司馬睿の皇帝即位を支持したと思われる
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 738 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:36:13.66 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年6月 晋 揚州 建康】
/: :/: : : : : : : : : : : : : ,ハハ: :、: : ∨: :、:`ヽ}
/: :/ : : /: : :/: :/: : : ::.:| マ: {/ハ: : |: : :',
;: :/__/: : :/: : |: : : : i: | |: :∨ニ:!: :|:',: ',
i: :'-≠j!_: :/---!、: : :/: | ⌒ |: : |:{:.:.|マ:!: !ヽ:|
{/:|: : : |:{: /:|:/:|_|: : :/: /} __|: /: |: :|_}:|: | |
,ィ : |: : :.j!:/zィテ斥{: /{:// イィハ }/: : |: :|: \_, 河北ばかりか中原の文武諸官も殿下を推戴すると。
/:/:./|: : /|圦 ら::刈 / ' ら刈'}:.イ|: :|ミ- ´
 ̄{:イ/}:.:/: |: ト弋こソ ヒzソ /:ィ/|:./ 天下の心が一つになりつつありますね
/ //:./{: :|:乂 _` 八i |/
/:イ Y:}:/:込、 「 ∨ イ:イ//
/'{://Y> ` ´ <:.:.|/
ィ:.\二ミヽ、 ̄{/!:.:.:.:.|
/-- 、:.:.:.:.:.\/\|iノ:.:.:.:.{
/ //∧//ヽ:,:.:.:.:` ̄ヽ:.:.:.:.:.ヽ _,、、、、、、、斗==ミs。,,,,_
/ /< >{ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.マ}:.:.:.::::i /:::::::::::::::::-===ミ:::::::::::::}
}(___ノ:::::::::::::::::::::::::::::≫'’ ̄``リ
 ̄ア:::::::::::::::::::::::::::/ ヽ
/::::::::::::::::::::::::::::::{ _,、 __,,,、}
{:::::::::::::::::::::::::::::::::}. {__,ィぅ }"\
そうですね。 { }:::::::::::::::::::::::rミ:::| `ー く. ヽ
.≧=:::::::::::::::::::::::::{ 、,` 、_ -ィ′
交州や寧州にもこの話を打診してみましょう。 。s≦ ̄ ̄ ̄ ≧s。_:ヽ__ ``、 _..._ノ
j{ニニニニ=- _  ̄}
意見が出揃うまで、しばらく時間を要するでしょうが j{ニニニニニニニ=- _ ヽ
j{ニニニニニニニニニ=- _r―-イ
. . . . . . . . . .j{ニニニニニニニニニニ=- \
: : : : : : : : : :}「ニニニニニニニニニニ=- `、
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 当時、すでに交州・広州は司馬睿の勢力下に入りつつあった。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j それらの地域を介して、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .かつての蜀の南中、寧州との接触も行われていたらしい
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 739 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:37:10.87 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年頃 晋 寧州 雲平】
.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ:::::::::::::::::.
/:: /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::.
..: /::::::::::::: |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::.
::::|:::::|::::i:::::l::::::::ヽ:::::::::::i::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::.
::::|:::::l::::|:::::ト:::::::{::ヽ:::::::ヽ:::::__:::::::::::::ヽ::::::::::::.
::::|::::」 卞::」\::ヽゞ::斗爪「::::ヽ::::::::::::::\::::__ヽ
l:::|:::::ハ::| T \ヽ ィ≠示;:::ヽ::::::::ヽ:::::::ト
i从:::ヘ イ示ミ ´ ノリトー`.⌒i::::::\:从
i:人::::|ヽ.弋ソ 弋ソ .i´ }::ヾ::::::`ミ
/ ';:::ヘ ', 、 __...イ::::∧/^^ 晋王朝復興も根性だと
ヽ从`ヘ __ , /::::::::::/ .琅邪王、今は晋王殿下でしたか?
` > イ:::::::::イ
` ┬ |/从 .とにかく伝えてほしい
イ 」 . }`ヽ
イ .i / 外-
,.イ -/ ト===/ ./ >
/ 「 / .|_./ ./`¨¨7 ヽ
i /´7ー-- /ー-- ___/ ./ .i
八/ ./ / _| ./ |
.{ ./ ./ / f ̄ `ー┐../ i |
, .i { ト-- o---i \/ |
晋 寧州刺史 王遜
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『王遜伝』によれば、
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 寧州刺史王遜は息子の王澄を使者とし、司馬睿に勧進文を奉った。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 寧州刺史が単独で言い出すような話ではない。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ これに関しては、司馬睿側から働きかけたと見るべきだろう
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 740 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:39:00.83 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年頃 晋 涼州 姑臧】
j、 j||!
, {i!ト1:i:}!r! r=,
j|_`¨j!::!|_!Lソ::|!
/;\ ,.、 .,、 r.、 rマ|!|k'´..:::::::::::::::::.', ,、
,.ィ::;:;iy' .::;ゝ/ :.\ / ,.ヽ、 ,.、 ,.、 ノ i|jリ:i!::::::::::::::;::;:::::|! ,.イ :.\
:;:;:'/.,.;:,:イ . ,., :,::;.,v:;.;.;.,.:;:;:;:ミ 、,.イ ':.\ .イ .;.ヽ、j! !.:.;:;:::::i!:::iレ1:::::i;ト、_ _,.ィ.;:;. .,:;.;:;..\ _ ,.イ:
,.イ .:;:/ ;.,...;.:,:;.,.;.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ィ..;:, ..;:.;.;:,.ゞー_'゚´.. ..;:;:;:;:/Y≦芝!::::::::::::::::::::::::;ヾi!:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
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:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ そして、張寔が統治する涼州でも司馬睿支持の声が上がり始めていた
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 741 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:40:57.99 ID:kT/GeQoz0
-
, '´ ̄ ̄` ー-、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1 ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.」
{: :i: i /ゝノイ ノ l/ ― l :}
| :レ | ● ● l :| .南陽王は莫大な恥を忘れたくせに尊号を欲しがっていますが、
|: i: (|.⊂⊃ 、_,、_, ⊂ l:/ 天意も徳義もないので難を救える人物ではないと張詵は考えます。
i⌒ヽ: :ゝ ル|_/⌒)
ヽ ヽ 从ヽ,、 __, イ从/ ヽ/
∧___,ヘi.i:.:\__八__/:i.i ハ
ヾ .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.} ソ
, '´ ̄ ̄` ー-、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1 ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.」
{: :i: i /ゝノイ ノ l/ ― l :}
| :レ | ● ● .l :| 晋王は明徳かつ宗家に近い藩屏で先帝も頼りにされておられました
ミ |: i: (| ⊂⊃ 、_,、_, ⊂l:/ 〃
i⌒ヽ: :ゝ ル|_/⌒)
ヽl|lllヽ 从ヽ,、 __, イ从/l|lll/
∧|l||l,ヘi.i:.:\__八__/i.i.|l||lハ バンバン
. ( ⌒ ) .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.}. ( ⌒ )
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『張軌伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 当時、南陽王が尊号を称しようと張寔に謀った所、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 破羌都尉の張詵が南陽王ではなく、晋王司馬睿を天子に推すよう主張。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 莫大な恥という言葉に、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 涼州の士大夫が南陽王に抱いていた感情が透けて見える
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 742 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:42:16.88 ID:kT/GeQoz0
-
j、 j||!
, {i!ト1:i:}!r! r=,
j|_`¨j!::!|_!Lソ::|!
/;\ ,.、 .,、 r.、 rマ|!|k'´..:::::::::::::::::.', ,、
,.ィ::;:;iy' .::;ゝ/ :.\ / ,.ヽ、 ,.、 ,.、 ノ i|jリ:i!::::::::::::::;::;:::::|! ,.イ :.\
:;:;:'/.,.;:,:イ . ,., :,::;.,v:;.;.;.,.:;:;:;:ミ 、,.イ ':.\ .イ .;.ヽ、j! !.:.;:;:::::i!:::iレ1:::::i;ト、_ _,.ィ.;:;. .,:;.;:;..\ _ ,.イ:
,.イ .:;:/ ;.,...;.:,:;.,.;.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ィ..;:, ..;:.;.;:,.ゞー_'゚´.. ..;:;:;:;:/Y≦芝!::::::::::::::::::::::::;ヾi!:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:;:;:;:イ .:.;.;.,:;:;:;:.:.;.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:'/..;:;:.,:,:;:;:;:;.:,..;: ';:,.,:;:,.;:..:;:;:;:ir'..:::::::Y/.:::::::::::::::::::::::::::::;jト:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;..:;:;...;:;..;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;;;イ.N!:;;i´j!i Y.::.::::::::::::::::::::::::::;:;i!:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:(爪:..i!ハvヘ.:::::::レ'.:::::::::::::::::::::::::::从:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:iレ'j!:人リ:;1!|!:;:::;:::::::::::::::::::::::::::;::;i:;:i!:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
:;:::;::::;::::::::;::;::::::::::;::::::::;::::;::::::::::;:::;:::::::::;::::;::::;::;::::;:::;:;:;.`ヾiレ'゚.::;::;:::;:::;:::;:::;:::;:::;:::;:::;:::;::ル八':,:.:;:..:;:..:.;::;::::;::::;::::;:
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ' . : . : . : . ' ;.::;:::::;::;::;.`_:-::‐;:-=:ニ;::ニ:´;:ニ.:;≠=.;ir.'.;.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
: : : : . : . : : : . : . : . : . : : : : . ' " . . . . . . '::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.;.:,: : : . : . : . : . :
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. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ' .;: ' . . . . . . . . . . . . .
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 張寔はこれに従い、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 晋王に皇帝即位を勧めるため、牙門将軍の蔡忠を江南へ派遣した。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:′ .南陽王を支持する一方で、司馬睿に即位を勧める二股外交である
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 743 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:43:34.70 ID:kT/GeQoz0
-
_...._
_,.-':::::::::::::`ヽ、
,..-':::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
__ /:::::::::::::::::::::::::::::\:::::::ヘ
l::::::::::::::::::: ̄::::::ー.../::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
ヽ::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ィ::ニ'::::l
ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ `ヽ:::::::l
\::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:、 ';::::::|
,ン、:::::::::::::::::::::`:-..._:::::::::::::::::::::::/::::::\ ';:::|
/ | |`ト 、_:::::::::::::::::::::`:::ー-......__/::::::::::::::\ヾl
l ト ト. ト、ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
`ハ_|ヾ 弋弍f'ー、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
'´く. 'ーイ l j、7ァt、__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l
rヽ 、 lー'-'ノ_ノ∠Lゝト弋ー-- :::_:ノ 涼州からの使者が建康に到着し、
ヘ ヽ--j..-<}::::::::::::〈.` .司馬睿が皇帝に即位するのは翌年の話になる。
,レ-'⌒:、 ヽ:::::::::::ヽ- 、
,. -‐、 ヽニ.:::::;r‐ '´ l::::::::::::::::::::ヘ .それまで、別の話を進めるとしよう
,r'::::.,.-' r'´ ::::ヽ __'Jノヽ::::::::::::::::::ハ
/:::::/ | l::: ` ヽ、_ ヽ_,l:::::::::::::::::::::l
. | :::| | lヽ、__,. 、 ';::::::::::::::::::::::::::::::l.、
. | | | |:::::::::::::::ヽ. l::::::::::::::::::::::::::::::|:ヽ
l. l ヽl. ..|::::/::::::::::´:::::::::::::::::::::::::::::::|::::l.
ヽ ヽ.__ ノ | ::|:'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
` ー- 一 ヘ |::::ー-、.._:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::|ヽ
7ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|:::ヽ
/::|::|:ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|::::::ヽ
/::::::|:::|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::|:::::::::ヽ
/::::::::::{:::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::|:::::::::::`
- 744 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:44:15.58 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年夏 晋 揚州 建康】
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
寿春 広陵 `ヽ
○ `´○ `ヽ
合肥 ,-、 ,-‐‐、 `i,
○ /´● ~ ○ ヽ,-‐‐-、 _,、`ヽ,
,-,_, 、, /´建康 京口 ,、 `く,!~`=,-`
`ヽ‐´ i ,~ノ ~´‐,‐~=, ○ ヽ`ヽ,~!
,、,i`~○ ゚o (, {,_呉 ヽ,
皖○ _,| 牛渚 烏程○‐´~ ,--`
_,i‐´ ,-‐´
i´ ○虎林 ,=,‐-´,--、
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ \__人_人从_人_人从/
_) (__
) お待ち下さい! (
 ̄ ̄) ( ̄ ̄
/⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
==lュ、 rl========lュ、
rl=========ュ ヽrl==========lュ 、___ノl_
/ ∧ / ヽ rl========lュ rl=======lュ rl=========lュ、;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;rl==
. / / ',rl===============lュ / ヽ/ ヽ / ヽ rl=========lュ、/
/_____/__/ ∧__rl====================lュ rl========================lュ_
三三 三三三|三/ / ', 三/ ∧ / ',=
三三 三三三|::/__________/__, / / ', /_____________ ',
三三 三三三|'|三三三三三三三三三|::::::::::::/___________/__,|三三三三三三三三三三三三三三|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } まだ劉琨の勧進文が届いていない時期の話だ
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 745 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:45:59.43 ID:kT/GeQoz0
-
__ _____ ______
,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
'r ´ ヽ、ン、
,'==─- -─==', i
i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i | それを奪われては我々がゆっくりできなくなってしまいます!
レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||
!Y!"" ,___, "" 「 !ノ i | どうかお許しを!!
L.',. ヽ _ン L」 ノ| .|
| ||ヽ、 ,イ| ||イ| /
レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
, -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
r===========r‐、: : \
|.―‐――‐―h‐l┤、 :ヽ
L二二二二二」.ニ|‐{ミi : : |
{/ /ゝ、ノイ ノl/ / トl!: : :|
この天下の一大事にゆっくりするなど言語道断、 .|l:/|/● ● ト、: :|
物資は来たるべき北伐のために役立てますと兵士Aは…… .|/!:ll⊃ 、_,、_, ⊂⊃ノ: : |
/⌒ヽ__|ヘ 丶_ノ ..イ:i : :/⌒i
. \ /:ノ从ヽ,、 __, イト:}ノ/ /
/ //ヾゝ八__/:.:.//ヘ、__∧
ヽ、.{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ;_、_ ,'
- 746 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:48:02.41 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年夏 晋 揚州 京口】
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
寿春 広陵 `ヽ
○ `´○ `ヽ
合肥 ,-、 ,-‐‐、 `i,
○ /´○ ~ ● ヽ,-‐‐-、 _,、`ヽ,
,-,_, 、, /´建康 京口 ,、 `く,!~`=,-`
`ヽ‐´ i ,~ノ ~´‐,‐~=, ○ ヽ`ヽ,~!
,、,i`~○ ゚o (, {,_呉 ヽ,
皖○ _,| 牛渚 烏程○‐´~ ,--`
_,i‐´ ,-‐´
i´ ○虎林 ,=,‐-´,--、
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| 只今戻りました |
ヽ________乂
==lュ、 rl========lュ、
rl=========ュ ヽrl==========lュ 、___ノl_
/ ∧ / ヽ rl========lュ rl=======lュ rl=========lュ、;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;rl==
. / / ',rl===============lュ / ヽ/ ヽ / ヽ rl=========lュ、/
/_____/__/ ∧__rl====================lュ rl========================lュ_
三三 三三三|三/ / ', 三/ ∧ / ',=
三三 三三三|::/__________/__, / / ', /_____________ ',
三三 三三三|'|三三三三三三三三三|::::::::::::/___________/__,|三三三三三三三三三三三三三三|
- 747 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:48:50.69 ID:kT/GeQoz0
-
, '´ ̄ ̄` ー-、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1 ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.」
{: :i: i /ゝノイ ノ l/ ― l :}
| :レ | ● ● l :| やはり揚州には蓄えがありますねと兵士Aは略奪の成果を報告します
|: i: (|.⊂⊃ 、_,、_, ⊂ l:/
i⌒ヽ: :ゝ ル|_/⌒)
ヽ ヽ 从ヽ,、 __, イ从/ ヽ/
∧___,ヘi.i:.:\__八__/:i.i ハ
ヾ .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.} ソ
L_ , ´: : : :-‐‐:、: : : : : : : :{⌒〜(冖ヽ‐‐-
/: :、: : : : : : : : : :\: : : : :{__,-‐人: : : :`、__: : : :゙:.
/´: : : : \: : : : : : : ヽ : `、: : : : :ノ: : !: ヽ: : :`、 ``'ヾ、
//'∧: : : : : : :ヽ: : : : : : : : :マ\´: : : : !: : i: \: :`、 },゙、
// {:::`、: 、__: : :)丶__: : : : : : :}ヾ'、: : : !: : :i: : :}i `、\ }: i
.゙, {::::::iヽ: : :´⌒/~ ヽ: : : : : : : i::::\、!: : : i: : : }i :i、、: :`、 }: :i
ヾ丿!::::i 、: :i!ユ芹弐ミ: : : : : : :i:/⌒ヽ、: :i: : : :,八; ヽ: : :∨: :i
あら? .从::::! i_t, 、}∨亥-‐´!: : i: : : i!:i 〉ヽ} ):/: : : :i i:i `、: : ヽv
丿 i::::!::丐ノ / ;ソ、i: : : ∧、)ソ/: : : : :, i:i `: : 、: i
また南塘に行ってきたの? `、!:::ヽ ' ; i: : :i ^ ノ: : : : :/ i:i /、: : ゙,ヽ
` :::i __, i: :ハ!ノ′'!: : :/丿 i:i/: : :!: : :iヾ
): :、 -=ニ‐″ i: i リ !/≪ /: : / !: : :i ヾ
j/ヾ /i: i !; iヾ、 -==‐‐彡ヽ i: : : i 〉〉
.i: i/ iヽイ | i: i ,_ !__ヾノ ヾ、i: : : :i :i
i: i/ i: : :! ソ|‐i: iニニニニニニ__\ヽ ヾi: : : i! i
,ヽヽi: :丿/-‐'''ヽヾ~ ̄ ̄ ̄′ヽヽ i: : :i!/
晋 軍諮祭酒 祖逖
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 祖逖は司馬睿に迎えられて徐州刺史となり、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j しばらくして軍諮祭酒に任命されて揚州の京口に移っていた
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 748 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:50:21.95 ID:kT/GeQoz0
-
, '´ ̄ ̄` ー-、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1 ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.」
{: :i: i /ゝノイ ノ l/ ― l :}
| :レ | ● ● l :| 近々祖逖将軍が琅邪王と会うと聞き、
|: i: (|.⊂⊃ 、_,、_, ⊂ l:/ 派手なお召し物が必要か思い兵士Aはやむなく犯行に及びました
i⌒ヽ: :ゝ ル|_/⌒)
ヽ ヽ 从ヽ,、 __, イ从/ ヽ/
∧___,ヘi.i:.:\__八__/:i.i ハ
ヾ .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.} ソ _ |`‐-、
/( /ヽ: : : : : : : : : : : : : :`丶} _、ノ
L_ , ´: : : :-‐‐:、: : : : : : : :{⌒〜(冖ヽ‐‐-
/: :、: : : : : : : : : :\: : : : :{__,-‐人: : : :`、__: : : :゙:.
/´: : : : \: : : : : : : ヽ : `、: : : : :ノ: : !: ヽ: : :`、 ``'ヾ、
//'∧: : : : : : :ヽ: : : : : : : : :マ\´: : : : !: : i: \: :`、 },゙、
// {:::`、: 、__: : :)丶__: : : : : : :}ヾ'、: : : !: : :i: : :}i `、\ }: i
.゙, {::::::iヽ: : :´⌒/~ ヽ: : : : : : : i::::\、!: : : i: : : }i :i、、: :`、 }: :i
ヾ丿!::::i 、: :i!ユ芹弐ミ: : : : : : :i:/⌒ヽ、: :i: : : :,八; ヽ: : :∨: :i
お、よく分かってるじゃない。 从::::! i_t, 、}∨亥-‐´!: : i: : : i!:i 〉ヽ} ):/: : : :i i:i `、: : ヽv
丿 i::::!::丐ノ / ;ソ、i: : : ∧、)ソ/: : : : :, i:i `: : 、: i
そろそろ役人が怒鳴り込んで来る頃…… `、!:::ヽ ' ; i: : :i ^ ノ: : : : :/ i:i /、: : ゙,ヽ
` :::i __, i: :ハ!ノ′'!: : :/丿 i:i/: : :!: : :iヾ
): :、 -=ニ‐″ i: i リ !/≪ /: : / !: : :i ヾ
j/ヾ /i: i !; iヾ、 -==‐‐彡ヽ i: : : i 〉
.i: i/ iヽイ | i: i ,_ !__ヾノ ヾ、i: : : :i :i
\__人_人从_人_人从/ i: i/ i: : :! ソ|‐i: iニニニニニニ__\ヽ ヾi: : : i! i
_) (__ ,ヽヽi: :丿/-‐'''ヽヾ~ ̄ ̄ ̄′ヽヽ i: : :i!/
) 祖逖殿はおられるか!(
 ̄ ̄) ( ̄ ̄
/⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
- 749 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:51:38.79 ID:kT/GeQoz0
-
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, u::| またおたくの兵士たちが南塘で暴れたと報告がありましてね。
. | u `-=ニ=- ' .::::::|
\ `ニニ´ .u ::/ こういった事が続くと、
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ーーノ゙ -、 .お互い面倒な話になるので、今後は控えて頂けると……
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
__くヽ, -―‐ -、尸ー 、
/{_}:':::::::::::::::::::::::::ヽ} ,!:!゙::i
/::/:::::::/':;:::::::::::::::::::::::ヽ:ヽ:!
,'::/:::::::/⌒';:::::::::::ハ:::::::::';::::リ
,'::ノ:::::::;'__ l::::::::ム !:::::::::}:::::i
いやあ、申し訳ない。 ,'/7:::::::::l,.__` レレイ,.__l:::::;:イ:::::::',
/:::/イ:':;:::', ̄ . ´ ̄|:イノi:::::::::i
私たち貧乏所帯なもんだからさ。 ./イ::::::八:{゙i::!` __ ノ! i::::::::::',
/ !::::/ ゙ |::|丶 ` ´ィ" !| ';:::::_i';._
部下たちも泣く泣く、って事で / ,:'::/ _゙_/=> `´ トヽ’ _」 /ヽ!、
i::! ノ:/ _! i i! // `- _└i ,' ・ コ
|::レ/ /、 ', l i!ヽ r// /  ̄| i:::::ト',
/!:::{_i ヽ ', _l__il!、// ./ / lイ'ゞ" ',
/:::ヽ::ヽ_l ヽ , _! l≠‐'- . / l __ ',
/ハ::::|_二 } -‐i ! | `ソ l=く//ソ'`゙、
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \ 『晋書』『祖逖伝』によれば、
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .祖逖の賓客は皆暴傑勇士でありながら、子弟の如く厚遇されていた。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 当時の揚州は大飢饉だったため、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 彼らの多くは建康の富家に押し入って盗みを繰り返していた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 官吏が彼らを捕らえると、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 祖逖はしばしば彼らを擁護して釈放させたという
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 750 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:53:44.26 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年夏 晋 揚州 建康】
ヾ叉7
_BL_,, ,. _
,,、、-‐'''""´: .: .: .:::::::::.:.:.:. : :``ヾ、、、
,,. '"´. .:.: .:.: : .:r==.: :. :.: .:. :. :. :..: .: :. .::. :.`ゞー-、、
,,. '"´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.`''ヽ、,,
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l;:;: .:.: .: ..:;;;:;;;!
'i;;;;;:.:.:.:.:;;;;;;;;;!
1;:;:;:;:r=:.::{
ゞ;;;;;;:.:,r'´.:.:``;:ー-..、,,_
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ ちなみに、南塘とは建康を流れる秦淮河にあった堤防の名である。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 秦淮河を含めて、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .建康の商業地帯として知られていた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 751 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:54:35.87 ID:kT/GeQoz0
-
/..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.`,∧/-/-|/|
/.:::/.:: |::::::::|::|\ :::::::::::::::::::.∨-/ニニ二|/|
l :/{ :::::|::::::::|::|\:\:::::::::::::::::.∨二二二二|/|
_」/八 :: | :: /|/ /\:\:: _.. -‐ァ 二二二二|
\〈/::::|\|/ /xfモ丈\`¨´//ニ/(//-二| / .南塘での騒ぎは
| :::::|丈心, ´ ̄| :::::|::Τ‐''´ :/ /ニ///// 祖逖殿の兵の仕業だったらしいな。
__| :::::|:::. } | :::::|::::|::::::/ニニニニニ/二/
__\二| :::::|::::|\ -‐ | :::::|::::|/ニニニニニ/二/ あの男、どうも好きになれん
\二二二| :::::|::::|::::|`ト..._/| :::::|::::|ニニニニニニニニニ- ..._
\二二| :::::|::::|::::|: |::::ノ==| :::::|::::|ニ二二二/l二二ニ-''"⌒
/二二| :::::|::::|\ ̄`>ーr| :::::|::::|二ニニxく ::::: l\|
 ̄/二| :::::|::::|二\∧ノ | :::::|::::|ニニ<, `,::::::::l
∠二/| :::::|::::|二< >| :::::|::::|>''"~ ̄ } :::::::l /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::≧ /...........
/⌒| :::::|::::|‐---∨-‐| :::::|::::|' / :::::::::: l 〃/´::(:::::::/__:::::::::/:::::::_:::::::::::::::::::::::::</ ...............
{乂 :::::::::/´ , ̄ミx /::::::::`ヽ::::::::::::::::/` ‐──‐‐
晋 中書侍郎 庾亮 ヽ. _/ ’ ) \::::::::::::::::Y:::::/
{ ─r‐‐< `Y⌒ヽノ::::/
`Y { Y ノ)}::/
} ≠ミノ 丿 ノ/´ ̄`ヽ
ノ /................ \
. {__ /..........................\
. L ___ノ /.............................. / /
└r /................................//
}__ ノ⌒/\..........................X ___
/ 丶.............../ |\
′ \../ i|......\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 論者はこれによって祖逖を軽んじたが、祖逖本人は泰然自若としていた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 752 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:56:00.53 ID:kT/GeQoz0
-
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
. | `-=ニ=- ' .:::::::| 祖逖様がお越しになられました
\ `ニニ´ .:::::/
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
/:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. //|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
. /:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ///|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\|
/ 7:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:. //∨|:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.',
|_//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: / |:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
/:./:.:.:.:.:.:.:.:.:\ __/:.:.:.:.:.:.:.:.Λ:.:.:.:.:.:.:.:.:.
. ____/⌒/:./:.:.:.:.∠ \_ /:.:.:.:.:.:./}/_∨:.:.:.:.:.:.|
/ /:.:.:イ/:.:.:.:.:.:Y勹冬ミ._/:.:.:.:.:.:./斗‐'''⌒:.:.:.:.:.:.:|
. / ̄ ̄ ̄{ :.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:/:.:| 乂ソ /_/}/イ笊_/:.:.:.:.:.:.|:|
/ /:.:.:.:.:.| :.:.:.: /:.:. | ヒツ ノ:.:.:.:.:.:.:.ハ|
どうも //:.:.:.:.:.:|:.:.:. /|:.:.:.:| _彡:.:.:.:.:/ ノ/\
. //:.:.:.:.:.:.:.:.:{:.:.:Λ|:.:.:.:| ′ ⌒7:/j/{ /-三三\
. // /:.:.:.:.:.:.:.:./:\{ :.|:.:.:.:|\ ヽ ッ ノ|/\:.:.:∨-三三三三\
/:.:/:.:./:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.人:.:人 イ:.:.| \:.\三三三三三\
:.:/:.:./:.:.:._ -=二二二{二\:.:\ ≧<\:八:.:.\ \:.\三三三三三\
/:._ -=二二二二二二 \二\:.:\ |i:i:i:{ニ{\__:\__ \:.\三三三三三|
:.:| ̄~^''<二二二{(C ̄\___\:.:\」i:i:i:i\二二二二| }:.:.:|三三三三三|
/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:\ニニ{ \:.:\:i:i:i:i「  ̄ ̄ C)]\ }:.:.:|三三三三三|
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ また、『世説新語』『任誕篇』にはこんな話がある。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 祖逖は公私共に質素であり、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .服を好んで着るような真似はしなかった
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 753 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:56:41.39 ID:kT/GeQoz0
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/.:::::/:::::::::::::::::: \:::::::::::::::::::`
/.::: /::::::::::::::::::::::::::::::`, :::::::::::::::::::,/(_... -‐=
::::::::::::::::::::::::|∧l ::::::::::::l::::::::::::::::::::lニ二二二
|:::::::| ::::::::::::::|/∧l ::::::::::::l:::::::::::::::: lニニニ二
|:::/_..ニニつ∨∧l ::::::::::::l:::_.. -‐‥ァニニニ 祖逖殿。
. / )\〉‐-ミ\. ∨∧::::::::: / :/ /ニニニニ
(_/.ニ二, ヽ、∨二∨/\/ :: / / :lニニニニ二 その恰好、まさかとは思うが……
/⌒\ 二二|こノ ゞ==''\//`¨´//| ::::: l二二ニニ
/ニニニl`ニ二|ノ u |`¨¨¨´|::::: |:::::::::lニニ二二
/ 二二lニ|ニ二|` 、 | :::::::::: |::::: |:::::::: lニニ=-‐=
/ニニニlニニ|ニ二|‐\ ̄_.. -ニ| :::::::::: |::::: L:: -ニニニニ
/.ニニ二lニ二|ニ二| |二}===|:::::::::::: l-二二二二二二 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::≧ /...........
. /二二二l二二|ニ二|l 'ニ二二| ::::::::::: l二二二二二二 〃/´::(:::::::/__:::::::::/:::::::_:::::::::::::::::::::::::</ ...............
. /ニニ二二l-ニニ|ニ二| l /ニr'''''"| :::::::::::: lニ二二二二二 {乂 :::::::::/´ , ̄ミx /::::::::`ヽ::::::::::::::::/` ‐──‐‐
ヽ. _/ ’ ) \::::::::::::::::Y:::::/
{ ─r‐‐< `Y⌒ヽノ::::/
`Y { Y ノ)}::/
} ≠ミノ 丿 ノ/´ ̄`ヽ
ノ /................ \
. {__ /..........................\
. L ___ノ /.............................. / /
└r /................................//
}__ ノ⌒/\..........................X ___
/ 丶.............../ |\
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ ところがある時、王導や庾亮が祖逖に会うと、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 彼の周囲には珍しい装飾品ばかり並んでいた。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .諸公はこれを怪しんで、その理由を質問した
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 754 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:58:32.31 ID:kT/GeQoz0
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/ 7:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:. //∨|:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.',
|_//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: / |:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
/:./:.:.:.:.:.:.:.:.:\ __/:.:.:.:.:.:.:.:.Λ:.:.:.:.:.:.:.:.:.
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/ /:.:.:イ/:.:.:.:.:.:Y勹冬ミ._/:.:.:.:.:.:./斗‐'''⌒:.:.:.:.:.:.:|
. / ̄ ̄ ̄{ :.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:/:.:| 乂ソ /_/}/イ笊_/:.:.:.:.:.:.|:| また南塘へ出かけたのよ
/ /:.:.:.:.:.| :.:.:.: /:.:. | ヒツ ノ:.:.:.:.:.:.:.ハ|
//:.:.:.:.:.:|:.:.:. /|:.:.:.:| _彡:.:.:.:.:/ ノ/\
. //:.:.:.:.:.:.:.:.:{:.:.:Λ|:.:.:.:| ′ ⌒7:/j/{ /-三三\
. // /:.:.:.:.:.:.:.:./:\{ :.|:.:.:.:|\ ヽ ッ ノ|/\:.:.:∨-三三三三
/:.:/:.:./:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.人:.:人 イ:.:.| \:.\三三三三
:.:/:.:./:.:.:._ -=二二二{二\:.:\ ≧<\:八:.:.\ \:.\三三三 / ̄:::::::::::::::::::::::::::::::::::::: \
/:._ -=二二二二二二 \二\:.:\ |i:i:i:{ニ{\__:\__ \:.\三三 /.:::::/:::::::::::::::::: \:::::::::::::::::::`
:.:| ̄~^''<二二二{(C ̄\___\:.:\」i:i:i:i\二二二二| }:.:.:|三三 /.::: /::::::::::::::::::::::::::::::`, :::::::::::::::::::,/(_..
::::::::::::::::::::::::|∧l ::::::::::::l::::::::::::::::::::lニ二
|:::::::| ::::::::::::::|/∧l ::::::::::::l:::::::::::::::: lニニ
|:::/_..ニニつ∨∧l ::::::::::::l:::_.. -‐‥ァニ
. / )\〉‐-ミ\. ∨∧::::::::: / :/ /ニ
(_/.ニ二, ヽ、∨二∨/\/ :: / / :lニニ
/⌒\ 二二|こノ ゞ==''\//`¨´//| ::::: l二
だろうな /ニニニl`ニ二|ノ u |`¨¨¨´|::::: |:::::::::lニ
./ 二二lニ|ニ二|` 、 | :::::::::: |::::: |:::::::: lニニ
/ニニニlニニ|ニ二|‐\ ̄_.. -ニ| :::::::::: |::::: L:: -ニニ
/.ニニ二lニ二|ニ二| |二}===|:::::::::::: l-二二二二
. /二二二l二二|ニ二|l 'ニ二二| ::::::::::: l二二二二
./ニニ二二l-ニニ|ニ二| l /ニr'''''"| :::::::::::: lニ二二二二
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 当時、祖逖は壮士に命じ、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 太鼓を打ち鳴らさせて劫盗を行わせていた。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .朝廷の人々は罪に問わなかったという
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 755 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:59:16.28 ID:kT/GeQoz0
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ この話、祖逖が部下に強盗まがいの事をやらせていたのは事実らしい。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ .同じ頃に建康へやって来た
/ ヽ{ ト、ヽ l: 孫盛の『晋陽秋』に『晋書』『祖逖伝』とほぼ同様の記録が残っている
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ / . -―==≠´\_
.......:::´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...ー-
/ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::/.:::::::::::::::::::::`丶
/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/.:::::::::::::::::::ト、:::::::.\
. /.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::ハ:::::ハト、:::::::::.⌒ヽ
/.::::::::::::/.::::::::::/.:::::::::::::/|:::::; l::::| |:!ヽ::::::ハ
:::::::::::::::l::::::::::/:::::::::/::/ |::厶 l::::| |厂{:::∧
|:::::::::::::::l::/.::/.::::::i:::i::::i/厂 |:八 ム、 Y
祖逖は気前が良くて小節に捕らわれなかった。 .|:::::::::::::::/:::∧::::::::Y:::| /,二、/ ヒフ_, {
|:::::::::::::::八{::ハ:::::::| 八|.ィ:::厂, ,; V 、
食客が劫盗を働くと、 |::::::::::::::::::_::::::::l\| ^===彡 \ |
祖逖はそいつらを擁護して守り通したから、 ヽ:::::::::::/ `ヽ:| , ノ |
他の連中はそれを非難したって話の流れだな。 .\::::{ ( く_ |
\ヽ } ,_-xく|
まだ俺がガキだった頃の話だよ \>―ヘ /こ´个\
| \ 丿 ゙゙
/| `ニ==‐―┬=≦ __
| \ \:::::::::::::::::| ∧
| ` ー-=ニ二::_::::| //∧
. / `ヽ ////∧
晋 秘書監 孫盛
- 756 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:01:05.53 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年夏 晋 揚州 建康】
_ .......-――‐/⌒\
/:._/ ̄ ̄|:.|:.:.:.:.:.:.:\_
//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\_
/:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. //|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
. /:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ///|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\|
/ 7:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:. //∨|:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.',
|_//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: / |:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
/:./:.:.:.:.:.:.:.:.:\ __/:.:.:.:.:.:.:.:.Λ:.:.:.:.:.:.:.:.:.
. ____/⌒/:./:.:.:.:.∠ \_ /:.:.:.:.:.:./}/_∨:.:.:.:.:.:.|
/ /:.:.:イ/:.:.:.:.:.:Y勹冬ミ._/:.:.:.:.:.:./斗‐'''⌒:.:.:.:.:.:.:|
. / ̄ ̄ ̄{ :.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:/:.:| 乂ソ /_/}/イ笊_/:.:.:.:.:.:.|:| まあ、その話は置いといてっと。
/ /:.:.:.:.:.| :.:.:.: /:.:. | ヒツ ノ:.:.:.:.:.:.:.ハ|
//:.:.:.:.:.:|:.:.:. /|:.:.:.:| 、、、、 彡:.:.:.:.:/ ノ/i\ .今日、殿下の下に参上したのは、
. //:.:.:.:.:.:.:.:.:{:.:.:Λ|:.:.:.:| ′ ``7-//{ /-ニニ\ 北伐の実施を進言したいと思ってね
. // /:.:.:.:.:.:.:.:./:\{ :.|:.:.:.:|\ マ ァ ノ|/\:.:.:∨-三三三三\
/:.:/:.:./:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.人:.:人 ` .イ:.:.| \:.\三三三三三\
:.:/:.:./:.:.:._ -=二二二{二\:.:\ ≧<\:八:.:.\ \:.\三三三三三\
/:._ -=二二二二二二 \二\:.:\ |i:i:i:{ニ{\__:\__ \:.\三三三三三|
:.:| ̄~^''<二二二{(C ̄\___\:.:\」i:i:i:i\二二二二| }:.:.:|三三三三三|
/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:\ニニ{ \:.:\:i:i:i:i「  ̄ ̄ C)]\ }:.:.:|三三三三三|
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i\ニ.{ |i:iΛ:.:.:.\i{ |:i:i:iノ:.:. |三三三三三|
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:圦 |i:i:i:i:}:.:.:.:.:.:}{ |:i:i:イ:.: ノ-三三三三/
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}ニ\ |i:i:i:ノ:.:.:.:.:.八 |:i:iノ-彡ヘ三三三 /\
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}ニニ}. |i:i:⌒7/:i:i:i\ |:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iV三三/-三}
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 司馬睿の勢力は江南へ来た当初から、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } ほぼ軍事力を持っておらず、戦になれば豪族・塢主の兵を頼りにしていた。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .故に彼らを掣肘できる手段を持っていなかった
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 757 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:01:50.62 ID:kT/GeQoz0
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'´ :::::::::::::::::::::::::..\ ∧/|
./..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.`,∧/-/-|/|
/.:::/.:: |::::::::|::|\ :::::::::::::::::::.∨-/ニニ二|/|
l :/{ :::::|::::::::|::|\:\:::::::::::::::::.∨二二二二|/|
_」/八 :: | :: /|/ /\:\:: _.. -‐ァ 二二二二|
\〈/::::|\|/ /xfモ丈\`¨´//ニ/(//-二| / 北伐?
| :::::|丈心, ´ ̄| :::::|::Τ‐''´ :/ /ニ/////
__| :::::|:::. } | :::::|::::|::::::/ニニニニニ/二/ .しかし、我らは江南に移ったばかりで、
__\二| :::::|::::|\ -‐ | :::::|::::|/ニニニニニ/二/ とてもではないが、そのような余裕はないぞ
\二二二| :::::|::::|::::|`ト..._/| :::::|::::|ニニニニニニニニニ- ..._
\二二| :::::|::::|::::|: |::::ノ==| :::::|::::|ニ二二二/l二二ニ-''"⌒
/二二| :::::|::::|\ ̄`>ーr| :::::|::::|二ニニxく ::::: l\|
 ̄/二| :::::|::::|二\∧ノ | :::::|::::|ニニ<, `,::::::::l
∠二/| :::::|::::|二< >| :::::|::::|>''"~ ̄ } :::::::l /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::≧ /...........
/⌒| :::::|::::|‐---∨-‐| :::::|::::|' / :::::::::: l 〃/´::(:::::::/__:::::::::/:::::::_:::::::::::::::::::::::::</ ...............
{乂 :::::::::/´ , ̄ミx /::::::::`ヽ::::::::::::::::/` ‐──‐‐
ヽ. _/ ’ ) \::::::::::::::::Y:::::/
{ ─r‐‐< `Y⌒ヽノ::::/
`Y { Y ノ)}::/
} ≠ミノ 丿 ノ/´ ̄`ヽ
ノ /................ \
. {__ /..........................\
. L ___ノ /.............................. / /
└r /................................//
}__ ノ⌒/\..........................X ___
/ 丶.............../ |\
′ \../ i|......\
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『祖逖伝』に曰く。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 当時、司馬睿は江南を開き定めたばかりで
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .北伐する暇がなかったため、祖逖は進み出て説いた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 758 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:03:45.67 ID:kT/GeQoz0
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_ .......-――‐/⌒\
/:._/ ̄ ̄|:.|:.:.:.:.:.:.:\_
//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\_
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|_//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: / |:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
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. ____/⌒/:./:.:.:.:.∠ \_ /:.:.:.:.:.:./}/_∨:.:.:.:.:.:.|
/ /:.:.:イ/:.:.:.:.:.:Y勹冬ミ._/:.:.:.:.:.:./斗‐'''⌒:.:.:.:.:.:.:| 晋王朝の騒乱は
. / ̄ ̄ ̄{ :.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:/:.:| 乂ソ /_/}/イ笊_/:.:.:.:.:.:.|:| 上が無道で下が怨んで反乱を起こしたわけじゃない。
/ /:.:.:.:.:.| :.:.:.: /:.:. | ヒツ ノ:.:.:.:.:.:.:.ハ|
//:.:.:.:.:.:|:.:.:. /|:.:.:.:| 、、、、 彡:.:.:.:.:/ ノ/i .藩王が権力争いで自滅した隙に
. //:.:.:.:.:.:.:.:.:{:.:.:Λ|:.:.:.:| ′ ``7-//{ /-ニ .戎狄が中原に毒を流しただけの事。
. // /:.:.:.:.:.:.:.:./:\{ :.|:.:.:.:|\ マ ァ ノ|/\:.:.:∨-三三
/:.:/:.:./:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.人:.:人 ` .イ:.:.| \:.\三三 民は残酷な目に遭ってるけど、
:.:/:.:./:.:.:._ -=二二二{二\:.:\ ≧<\:八:.:.\ \:.\三 .みんな反撃する志を持っているわ
/:._ -=二二二二二二 \二\:.:\ |i:i:i:{ニ{\__:\__ \:.\
:.:| ̄~^''<二二二{(C ̄\___\:.:\」i:i:i:i\二二二二| }:.:.
/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:\ニニ{ \:.:\:i:i:i:i「  ̄ ̄ C)]\ }:.:.
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i\ニ.{ |i:iΛ:.:.:.\i{ |:i:i:iノ:.:.
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:圦 |i:i:i:i:}:.:.:.:.:.:}{ |:i:i:イ:.:
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}ニ\ |i:i:i:ノ:.:.:.:.:.八 |:i:iノ-彡
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}ニニ}. |i:i:⌒7/:i:i:i\ |:i:i:i:i:i:i:i
- 759 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:04:59.54 ID:kT/GeQoz0
-
. /:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ///|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\|
/ 7:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:. //∨|:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.',
|_//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: / |:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
/:./:.:.:.:.:.:.:.:.:\ __/:.:.:.:.:.:.:.:.Λ:.:.:.:.:.:.:.:.:. .大王が私たちを北伐の大将にすれば、
. ____/⌒/:./:.:.:.:.∠ \_ /:.:.:.:.:.:./}/_∨:.:.:.:.:.:.| 各地の豪傑は風に乗って集まるでしょうね。
/ /:.:.:イ/:.:.:.:.:.:Y勹冬ミ._/:.:.:.:.:.:./斗‐'''⌒:.:.:.:.:.:.:|
. / ̄ ̄ ̄{ :.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:/:.:| 乂ソ /_/}/イ笊_/:.:.:.:.:.:.|:| 民も元気を取り戻すでしょう。
/ /:.:.:.:.:.| :.:.:.: /:.:. | ヒツ ノ:.:.:.:.:.:.:.ハ|
//:.:.:.:.:.:|:.:.:. /|:.:.:.:| 、、、、 彡:.:.:.:.:/ ノ/i\ . 私は天下の恥を雪ぐ事を望むわ
. //:.:.:.:.:.:.:.:.:{:.:.:Λ|:.:.:.:| ′ ``7-//{ /-ニニ\
. // /:.:.:.:.:.:.:.:./:\{ :.|:.:.:.:|\ マ ァ ノ|/\:.:.:∨-三三三三\
/:.:/:.:./:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.人:.:人 ` .イ:.:.| \:.\三三三三三
:.:/:.:./:.:.:._ -=二二二{二\:.:\ ≧<\:八:.:.\ \:.\三三三三 ィi〔ィi〔 { ィi〔=ミ \
/:._ -=二二二二二二 \二\:.:\ |i:i:i:{ニ{\__:\__ \:.\三三三 / :/ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ム \
j{.:/‐r‐v‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ム ∨ /
i{ {:‐:| /}‐ ‐ /⌒Y‐ ‐ム v: ∨ /
‖iシ:!′‐ ‐:{_/_,ハ‐ ‐ ‐}: W v∨
‐=‖,イ/ i∨‐ ァ'77zj}:‐ ‐/: :|ム (: ヽ
⌒j}:| : :!`ィ'゛ 乂シ〕Ii<,' :| \ {
j}:レハ 、 // i:\_j :! :{\!
皆の意見を聞きましょう ':/ム ´ j{:j /{⌒ミ⌒i {\{
⌒ ` -=≦i{ノイミ}〉 /\{i\{:v
r‐≦i:i{:i:i:i:i:i〕iト⌒`'<:〉 v
/‐ }i:i:i: {::\:i:i:i:i:iハ \}\
/≧≦i:i:i:i:i{:::::::\:i:i:i:i〕iト 〕iトi、 ヽ
./:i:i:i:i:i:iハ:i:i:i: {:::::::: : \:i:i:i:i:i:i:\ \:}
./:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iハ:i:i:i:{:::::::::::::::: \:i:i:i:i:i:i:ヽ:
- 760 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:06:34.64 ID:kT/GeQoz0
-
,. ''"~ ̄ ̄~"''〜 .._
/ ::::::::::::::::::::::::::::::_.. -‐‐- .._
|\. _ ´::::::::::::::::::::::::: ,. '´::::::::::::::::::::::`ヽ、
|二\ 〈\`ヽ、 ::::::::::::::::: /:::::::::::::::::::::: / :::::::: \
‐- ..._|\|二二\∧ \. \:::::::::::::´::::::::::::::::::::::/..::::::::::::/.::: `
ニニニ`ニ\二二二l:, \〈\ /:::::::::::::::::::::::::´::::::::::::::::/ ::::::::::::,
ニニニニニニ二二l:::::, ∨\:::::::::::::::::::/.: /..::::/|::::::::::::::::|
二二二二二二二l ::::::::, ∨/\::::::::::://..::::∠._ |::|::::::::: /
ニニニニニ二二l::::::::::::::. |∨'‐--‐''"´:::::/ `'ト|::::::::/|
ニニニニニ二二l:::::::::::::::..\ |: \:::::::::::,,. '´\\ 八| :: /: |
ニニニニニ二二l::::::::::::::::::::::::`¨|::::::::`¨¨´| \>'′ノ/..:: |
ニニニニ二二l:::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::: | {/..:::: | 祖逖殿の話は重々分かっているつもりだ。
ニニニニ二二l:::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::: | \ ::::: |
-=ニ.._|\ニニl::::::::::::::::::::::::::::::::: |::::::::::::::::: | 、_ / ::::: | ただ、先立つ物がなくてはどうにもならん。
.ニニニ二\|\ :::::::::::::::::::::::::::: |::::::::::::::::: | \_,> /..::::::::::::|
ニニニニニ二二\|\::::::::::::::::: |::::::::::::::::: | /:::::::::::::::::: | 江南の豪族に絶大な負担を強いる事にもなる
ニニニニニニニニニ\|\::::::|::::::::::::::::: |`' .,,_/|│::::::::::::::::: |
ニニニ二二二二二二二二\|::::::::::::::::: | :::::::::::::: |│::::::::::::::::: |
二二二ニ``〜、、ニニニニ二二|::::::::::::::::: | :::::::::::: ∧|::::::::::::::::::: |
ニニニニニ二二``〜、、ニニニ.|::::::::::::::::: | :::::::: 、ニ二, /|::::::::::|
‐-=ニ..._ニニニニ二二二`ヽ、二|::::::::::::::::: | :: /-ニニ∨-|::::::::::|
ニニニ,>-=ニニニ二二二\|::::::::::::::::: |二\ニニ二二|::::::::::|
二二 / ∠二二二二二二|::::::::::::::::: |\ \ニニ二|::::::::::|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .ここまで司馬睿が中原へ兵を動かさなかった理由。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } それは、先程述べた彼らの勢力の体質、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 及び旱魃・飢饉による食糧難あたりが原因だろう。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 『晋書』『元帝紀』には、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ この建武元年(三一七年)、揚州は大旱魃に見舞われたとある
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 761 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:07:26.92 ID:kT/GeQoz0
-
_,、、、、、、、斗==ミs。,,,,_
/:::::::::::::::::-===ミ:::::::::::::}
}(___ノ:::::::::::::::::::::::::::::≫'’ ̄``リ
 ̄ア:::::::::::::::::::::::::::/ ヽ
/::::::::::::::::::::::::::::::{ _,、 __,,,、} ただ、殿下が晋王を称した以上、北伐は避けられません。
{:::::::::::::::::::::::::::::::::}. {__,ィぅ }"\
{ }:::::::::::::::::::::::rミ:::| `ー く. ヽ ですが我々には、
.≧=:::::::::::::::::::::::::{ 、,` 、_ -ィ′ 千人分の兵糧と若干の布程度しか余裕がありません
。s≦ ̄ ̄ ̄ ≧s。_:ヽ__ ``、 _..._ノ
j{ニニニニ=- _  ̄}
.j{ニニニニニニニ=- _ ヽ
j{ニニニニニニニニニ=- _r―-イ /:.:.:.:.`、:.:.:.:.:.:.:.:. \:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.:.:.:.:.
. . . . . . . . . .j{ニニニニニニニニニニ=- \ /:./:.:.:.|:.`、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:':;:.:.:.:.:.:.:.
: : : : : : : : : :}「ニニニニニニニニニニ=- `、 |:/:.:.:.: |vハ :.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:';:.:.:.:.:.:.:.:.:.:';:.:.:.:.:.:|
/ :.:.:.:. | ̄|:.:.:.:.:.:| \:.:.:.:.'; :.:.:.:.:.:.:.:.|^'' :.;|
/:.:.:.:.:.:.:.| |:.:.:.:.:.:| \:.:.';:.:.:.:.:.:.:.:.| }―┐
/ :.:.:.:.:.:.:/ \.|:.:.:.:.:.:├斗―\:.:.:.:.:.:.:.: |_二{-=ニ \
/:. / :.:.: / f'^う|:.:.:.:.:.ノレ'´ソう_|:.:|:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:∨⌒\
// :.:.: /:.ハ ヒリノj/ Vツ ノ:. |:.:/}ノ:.:.:.:.:.:.|
今の御時世、どこも余裕ないもんね。 `〜、、 / ノΛ:.:/:|:.|:.l /:.:.: ノ/:.:.:.|:__/``〜、、
``〜、 __l/:/|:.|:.ハ ヽ {⌒ア:.:.:.:.:.:ノ{_ `
私の所の連中だけで  ̄´~"'〜、、|:.:.:.|/:.:.人 、 |:.:.:.:. /:.:.:.:.:.\
行っていいなら勝手に行って来るけど ___ ∨:/:.:.:.ノ:.:.\ ` イ |:.:.:.:Λ:.:.:.:.:.:.://
/  ̄/:.:/ :.:.:.:.:. >-=≦ /ニ| :.:/ニ:、:.:.:.〈〈_
 ̄ ̄ ̄ //-‐=二/ /三 //ニ|:./ニニ〉:.:.:.:.\
//ニニニニ/三/三/ 三三 ノ/ニニ/ニ\ :.:∨
///二ニニニ/三/-/三三ニ//ニニニニニ\:.∨
- 762 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:08:05.98 ID:kT/GeQoz0
-
_____
. ´ `
/ ___ r―‐- . \
/ /r┐`ー'^ ゝ' o \
/o `¨ (`Y´) r‐==ミヾ `、
: r‐'r‐ヘ 〈 〉 |⌒ト ∨ ハ
| |〈 |{7´ YLノ|\|_厶 }|o゚ | `、
| |く( |{∧___{⌒´ 〉/○ i:}|_,ノ `、
| ∧゚ oト ○ .〔 〕 |\
| ∧__/i __ | {f}f}、 |
| i 〔 〕人 < ノ .イ: / |\
ノ^| /f}f}\〈\ __ / :|/..┐ :| はい?
. |:∧ |\∧ '.辷____,,..彡'|=|'|/
/ \|\__,f‐|「∨ //´|=|ニ=-
-‐=ニニr'⌒ー┐ .厶斗ir。ニニニニニ=‐-
/ニニニニニrf \ `二V´}ニニニ゚ir。ニニニニニニニ
/ニニ\ニrf∧ `マ,ノ_,.ニニニニニニ%ニ/ニ/ニニ
. //}ニニニニ%。o 〉 }::/____)。o%¬冖'^∨ニニニ|
. ,.:.:/ニニ{:∨ニニ} ̄`V7∧ニニニニニニニニニヽニ/ニ|
/.:.:|ニニニ∨=/`¨¨7f=〉.:.i:.ニニ/ニニニニニニニ/ニ:|
. 〈/:.:.|ニニニ{ニ乂___/,」/.:.:.:|:.:.∨=/ニニニニニニ|ニニ
. 厶.:.:.\.ニ八ニ/ `¨7:|ニ| .:.:∧:.:.:∨ニニニニニニ ;ニニ
`⌒Τ^ У |ニ|/人\:.|ニニニニニニ7ハ∧|
. |{∧ / :|ニ|¨´ :. `¨│ニニニニニ/ |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 率直に言って、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 北伐などできる状況ではなかった。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .だが、祖逖は自分の手勢だけでも北伐する気でいた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 763 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:09:11.42 ID:kT/GeQoz0
-
ヾ叉7
_BL_,, ,. _
,,、、-‐'''""´: .: .: .:::::::::.:.:.:. : :``ヾ、、、
,,. '"´. .:.: .:.: : .:r==.: :. :.: .:. :. :. :..: .: :. .::. :.`ゞー-、、
,,. '"´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.`''ヽ、,,
,r'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;;;;;:;:;:;:.;:.:.:.:;;;;;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;:;:;:;:;;;;;;;;;;:;:;:;:;;:>
``ヾ、;:;:;:;:;;:;:;:;;:;:;:;:;r==;:;:;r==、;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;;:;r==;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:r''"´ .
``ヾ;:;:;;:;:::::;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;===;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.:.:.:.:.:.:.:.:,r'゙
 ̄`¨`ヾr==.: .: .: .: .:. :. :. ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :r=z,;,;,;::/
`¨`ヾ.:.: .: .:.:::::::::;:;:;:;:::::::::;:;:.:.:.:.:、、-‐''"´
`>;:;:,';: .,':;:;:; :;:; :<´
,、r''"´. :.: .:. :. . :. :. :. :.: .: .:`ヽ、
,、r'"´.:.::;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:.:.:.: .:. . .:.::::::`'ヽ、
``ヾr==;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;::.:.:. :.: .: . :.: .: . ::.:,r'´
`ヾ::.:.:;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.:. :. :.: ; :; :.: .:.:.::r' .γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
゙、:;:;;;;;;;;:;:.:.:::==.:.::::::.:.:.:.:/ | 豫州刺史、ですか |
`ヾ.:;;;;;;;==.::.::.:.:..:.::r'´ ヽ__________乂
_,」;;:;:;:;;;:;::.:.:. :. :.:. j
``ヾ;:;:; :;::;;: ;r==.:.j
゙i:;:;:.:. :.: .:. :.:.:.:,!
l;:;: .:.: .: ..:;;;:;;;!
'i;;;;;:.:.:.:.:;;;;;;;;;!
1;:;:;:;:r=:.::{
ゞ;;;;;;:.:,r'´.:.:``;:ー-..、,,_
- 764 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:11:26.30 ID:kT/GeQoz0
-
. /:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ///|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\|
/ 7:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:. //∨|:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.',
|_//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: / |:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
/:./:.:.:.:.:.:.:.:.:\ __/:.:.:.:.:.:.:.:.Λ:.:.:.:.:.:.:.:.:.
. ____/⌒/:./:.:.:.:.∠ \_ /:.:.:.:.:.:./}/_∨:.:.:.:.:.:.|
/ /:.:.:イ/:.:.:.:.:.:Y勹冬ミ._/:.:.:.:.:.:./斗‐'''⌒:.:.:.:.:.:.:| 奮威将軍・豫州刺史。
. / ̄ ̄ ̄{ :.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:/:.:| 乂ソ /_/}/イ笊_/:.:.:.:.:.:.|:|
/ /:.:.:.:.:.| :.:.:.: /:.:. | ヒツ ノ:.:.:.:.:.:.:.ハ| .千人分の食糧と布三千匹を支給。
//:.:.:.:.:.:|:.:.:. /|:.:.:.:| _彡:.:.:.:.:/ ノ/\
. //:.:.:.:.:.:.:.:.:{:.:.:Λ|:.:.:.:| ′ ⌒7:/j/{ /-三三\ .武器防具の支給はない代わりに
. // /:.:.:.:.:.:.:.:./:\{ :.|:.:.:.:|\ ヽ ッ ノ|/\:.:.:∨-三三三三 軍勢は自分で好きに集めていいってさ
/:.:/:.:./:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.人:.:人 イ:.:.| \:.\三三三三
:.:/:.:./:.:.:._ -=二二二{二\:.:\ ≧<\:八:.:.\ \:.\三三三
/:._ -=二二二二二二 \二\:.:\ |i:i:i:{ニ{\__:\__ \:.\三三
:.:| ̄~^''<二二二{(C ̄\___\:.:\」i:i:i:i\二二二二| }:.:.:|三三
, -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
r===========r‐、: : \
|.―‐――‐―h‐l┤、 :ヽ
L二二二二二」.ニ|‐{ミi : : |
{/ /ゝ、ノイ ノl/ ― トl!: : :|
|l:/|/● ● ト、: :|
その条件でよく受けましたねと .|/!:ll⊃ 、_,、_, ⊂⊃ノ: : |
兵士Aは祖逖将軍のイカレぶりに呆れています ./⌒ヽ__|ヘ 丶_ノ ..イ:i : :/⌒i
. \ /:ノ从ヽ,、 __, イト:}ノ/ /
/ //ヾゝ八__/:.:.//ヘ、__∧
ヽ、.{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ;_、_ ,'
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .司馬睿は祖逖を奮威将軍・豫州刺史に任命。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 千人分の食糧と布三千匹を与え、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 武具は支給しなかったものの、募兵の権限を認めている。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 苦しい台所事情が見える
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 765 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:13:11.24 ID:kT/GeQoz0
-
|\ /.::::::::::: /..:/ :::::::::::::::::::: \\
|二\ /.::::::::::/..::: / :::::::: /.:::::::::::::: `,::::.
. \、、 |二二\/.:::::::::: ´::::::: / :::::::: /.:::::::l::: | :::: |::::::,
. \ニ- .,,__________|___厶:::::::::l::::::::::::/ ://| :::::::l::::::| :::/| ::: | /}
. 〈 \ \、、 \ニニ‘''+.,,‐- ..,,_∨∧:::l::::::::::::/// | :::: l:::::/ ://| ::: | _..、-二 /
'ニニ-..._\ニ- \二二 ‘''+.,, ∨∧::::::::: // \ |::::::l::::/ :// :|l:::::| ̄ニニニ/
. 'ニ二二ニ=‐---‐=ニニニ/‘''+.,, ∨/\//ゝ.,,_` \l/∠厶 :|:l::::| 二二二/_
\ニニニニニニニ二/.::::::::::::::::l\二/|i ´ ̄ 、____ /|::l:::|/ : /‐-//⌒ _..、丶}
\ニニ二二二二/ ::::::::::::::: l::::l:::::::::::i|i ` ̄/-|:::l:/ : /二∠ニ=-‐=ニ二 /
-‐=¬ニ二二ニニニニ/.::::::::::::::::: l:::::l:::::::::::i|i 丿 / ̄|::::\/-/ニニニニ二/
 ̄~"''〜=ニ二二二二 )\ :::::::::::: l::::::l:::::::::::i|i\ ..::::::::::|─:l'゙ニニ二二二二/ あの兵力で。
_.. -‐=====‐- .._\ ::::::l:::::::l:::::::::::i|iニニ.\  ̄`__∠_:::::: | ::: |ニニニ二二/
二二二ニニニニ_..ニ=-‐…‐\l::::::::l:::::::::::i|ト、\二,><,二アニ\\ |::::: lニニニ二二ニ- .,,_ どうかしている
二二二二二_ -ニニニ二二二l::::::: l:::::::::::i|i\\/ \ニニ二二| :::: l二ニニニニニニニ=‐-
´"''・‐-=ニ∠二二ニニ二ニ=‐l:::::::::l:::::::::::i|i ∨ :l│ / /~~`_二二|ニ| ::::: l-‐二二二二ニニ_ニ-
<二二二二_..、 -‐=ニニニl:::::::::l:::::::::::i|i)\/∧ :|!‘、ヽ、 |二二|ニl::::::::::lニ=- .._ニ=-‐'''"´
,>ニニニ ̄ ̄/ -‐…l:::::::::l:::::::::::i|i \\∧| ‘、 \) /|二二|ニl:::::::::lニニニ`ヽ、
/ニニ二二二l l:::::::::l:::::::::::i|i\_∧_ ゞ'^\)∨-|二二|ニニl::::::::l二ニニニニ\
ニニ二二{¨| ̄| ̄´"''〜l:::::::::l:::::::::::i|i: \\ //|ニニニ二|二二|ニニl:::::::|ニニニニニニ\
-‐=ニ二ニ` | | :l:::::::::l:::::::::::i|i: `││´ |ニニニ二|二二|ニニl:::::|\ニニニ=-‐
∠ニ=-‐/ニ二ニ=- .._l:::::::::l:::::::::::i|i \∨/ |ニニニ二|/\|ニニニl:: |\\
. /ニニニニ二l:::::::::l:::::::::::i|iニ=- ._ ∨ |ニニニ二|二二|ニニニl::|二\
. /二二二二l:::::::::l:::::::::::i|i 二二二\ | _...-|ニニニ二|\/|ニニニl|‐…‐-
. /ニニ二二l:::::::::l:::::::::::i|iニニニニ二二,/二│ニニニ|二二|ニニニニl
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .庾亮、字を元規。豫州潁川郡鄢陵の人。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 容貌が美しく、談論を得意として老荘を好み、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 当時の人々は彼を夏侯玄・陳羣の類と評し、その厳然な態度を憚った。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 父親の庾琛が八王の乱末期に会稽郡太守になったのに同行、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 司馬睿の属官として重用され、妹が太子となった司馬紹の妃になっている
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 766 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:14:04.59 ID:kT/GeQoz0
-
/ :. ィ.;:.:.:.:.:.:.:ヽ
イ:.:.:.:/-|/|∧:;、:.:.〈
リ:.:./ ● く!:,:.:..、
l:.:.l ●/:./ ̄
vヘ - ノ:./ 後年、中央集権を推進しようとして、各地の有力者に嫌われた人物でもある。
_,-+ 匸ヘ/V
,《 ヒ⌒j 》、 .司馬睿の側近の劉隗・刁協もそうだが、
l::\ l /‖::l この種の人物は東晋の構造上、どうしても憎悪される運命にあるらしい
|:::::::ト,Vイ:::::|
|:::::::l介l:::::::|
l::::::|人|:::::::l / ::::::::::::::::::::::::::::::_.. -‐‐- .._
|\. _ ´::::::::::::::::::::::::: ,. '´::::::::::::::::::::::`ヽ、
|二\ 〈\`ヽ、 ::::::::::::::::: /:::::::::::::::::::::: / :::::::: \
‐- ..._|\|二二\∧ \. \:::::::::::::´::::::::::::::::::::::/..::::::::::::/.::: `
ニニニ`ニ\二二二l:, \〈\ /:::::::::::::::::::::::::´::::::::::::::::/ ::::::::::::,
ニニニニニニ二二l:::::, ∨\:::::::::::::::::::/.: /..::::/|::::::::::::::::|
二二二二二二二l ::::::::, ∨/\::::::::::://..::::∠._ |::|::::::::: /
ニニニニニ二二l::::::::::::::. |∨'‐--‐''"´:::::/ `'ト|::::::::/|
ニニニニニ二二l:::::::::::::::..\ |: \:::::::::::,,. '´\\ 八| :: /: |
ニニニニニ二二l::::::::::::::::::::::::`¨|::::::::`¨¨´| \>'′ノ/..:: |
温嶠殿がいなければ .ニニニニ二二l:::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::: | {/..:::: |
蘇峻の乱で確実に死んでいた。 .ニニニニ二二l:::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::: | \ ::::: |
-=ニ.._|\ニニl::::::::::::::::::::::::::::::::: |::::::::::::::::: | 、_ / ::::: |
このスレで詳細は語らぬが .ニニニ二\|\ :::::::::::::::::::::::::::: |::::::::::::::::: | \_,> /..::::::::::::|
ニニニニニ二二\|\::::::::::::::::: |::::::::::::::::: | /:::::::::::::::::: |
ニニニニニニニニニ\|\::::::|::::::::::::::::: |`' .,,_/|│::::::::::::::::: |
ニニニ二二二二二二二二\|::::::::::::::::: | :::::::::::::: |│::::::::::::::::: |
二二二ニ``〜、、ニニニニ二二|::::::::::::::::: | :::::::::::: ∧|::::::::::::::::::: |
ニニニニニ二二``〜、、ニニニ.|::::::::::::::::: | :::::::: 、ニ二, /|::::::::::|
‐-=ニ..._ニニニニ二二二`ヽ、二|::::::::::::::::: | :: /-ニニ∨-|::::::::::|
- 767 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:14:52.93 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年夏 晋 揚州 建康】
┌┐
/~'7;; |/~''7 〜〜〜 〜〜〜
〜〜〜〜 (晋( ̄| (
、___`t-'ーイゝ-i ┌┐
ヽ] ̄二二二7 /~'7;; |/~''7
〜〜〜〜 〜〜 ""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 (晋( ̄| (
┌┐ 、___`t-'ーイゝ-i
/~'7;; |/~''7 〜〜〜 ヽ] ̄二二二7
(晋( ̄| ( ""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜
、___`t-'ーイゝ-i ┌┐ \__人_人从_人_人从/
ヽ] ̄二二二7 /~'7;; |/~''7 〜〜〜 _) (__
""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜 (晋( ̄| ( ) この祖逖ッ!! (
〜 、___`t-'ーイゝ-i 〜〜  ̄ ̄) ( ̄ ̄
〜〜 〜〜 ヽ] ̄二二二7 /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
〜〜〜 〜〜 ""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜 〜〜〜
┌┐
/~'7;; |/~''7 〜〜〜 〜〜〜
〜〜〜〜 (晋( ̄| (
、___`t-'ーイゝ-i
ヽ] ̄二二二7
〜〜〜〜 〜〜 ""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『祖逖伝』に曰く。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 祖逖は本籍地からの移ってきた部曲百余家を率いて長江を渡った
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 768 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:15:41.23 ID:kT/GeQoz0
-
_ .......-――‐/⌒\
/:._/ ̄ ̄|:.|:.:.:.:.:\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.|:.:.:.:.:≧ <
/:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. //|-=ニ 中原を清めずして!! ≦
. /:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ///|:.:.:.:.:≧ ≦
/ 7:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:. //∨|:.:.:.:./Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
|_//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: / |:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
/:./:.:.:.:.:.:.:.:.:\ __/:.:.:.:.:.:.:.:.Λ:.:.:.:.:.:.:.:.:.
. ____/⌒/:./:.:.:.:.∠ \_ /:.:.:.:.:.:./}/_∨:.:.:.:.:.:.|
/ /:.:.:イ/:.:.:.:.:.:Y勹冬ミ._/:.:.:.:.:.:./斗‐'''⌒:.:.:.:.:.:.:|
. / ̄ ̄ ̄{ :.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:/:.:| 乂ソ /_/}/イ笊_/:.:.:.:.:.:.|:|
/ /:.:.:.:.:.| :.:.:.: /:.:. | ヒツ ノ:.:.:.:.:.:.:. \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
//:.:.:.:.:.:|:.:.:. /|:.:.:.:| _彡:.:.:.:.:/ ≧ <
. //:.:.:.:.:.:.:.:.:{:.:.:Λ|:.:.:.:| ′ ⌒7:/j/{-=ニ 再び大江を渡る事はない!!! ≦
. // /:.:.:.:.:.:.:.:./:\{ :.|:.:.:.:|\ ヽ ッ ノ|/\:.:.:∨ .≧ ≦
/:.:/:.:./:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.人:.:人 イ:.:.| \:.\/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
:.:/:.:./:.:.:._ -=二二二{二\:.:\ ≧<\:八:.:.\ \:.\三三三三三\
/:._ -=二二二二二二 \二\:.:\ |i:i:i:{ニ{\__:\__ \:.\三三三三三|
:.:| ̄~^''<二二二{(C ̄\___\:.:\」i:i:i:i\二二二二| }:.:.:|三三三三三|
/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:\ニニ{ \:.:\:i:i:i:i「  ̄ ̄ C)]\ }:.:.:|三三三三三|
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i\ニ.{ |i:iΛ:.:.:.\i{ |:i:i:iノ:.:. |三三三三三|
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:圦 |i:i:i:i:}:.:.:.:.:.:}{ |:i:i:イ:.: ノ-三三三三/
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}ニ\ |i:i:i:ノ:.:.:.:.:.八 |:i:iノ-彡ヘ三三三 /\
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}ニニ}. |i:i:⌒7/:i:i:i\ |:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iV三三/-三}
- 769 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:16:32.03 ID:kT/GeQoz0
-
/ / / /
lー ''''" ̄ ̄"  ̄ ̄`'、 lー ''''" ̄ ̄"  ̄ ̄`'、
∠,,、 -z ,r――― ''" ∠,,、 -z ,r――― ''"
、 '"´,、ィ / 、 '"´,、ィ /
、 '" ,、 '":ツ / |^l 、 '" ,、 '":ツ / |^l
、-' ,、 '´ / / /'''',,,," 彡 、-' ,、 '´ / / /'''',,,," 彡
| ,、 '´ / / `゙^ _,| │ | ,、 '´ / / `゙^ _,| │ |^l
'´ / /l/ .,/,_ | '´ / /l/ .,/,_ | ;‐i /'''',,,," 彡
// .l_,'" | .| lニ ニ// l_,'" | .| lニ ニl ;‐i `゙^ _,| │
{_,l゙ .〈/!_| lニ ニl {_,l゙ .〈/!_| lニ ニl .,/,_ |
〈/!_| 〈/!_| .l_,'" | .|
{_,l゙ .
, -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、 , -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
r===========r‐、: : \ r===========r‐、: : \
|.―‐――‐―h‐l┤、 :ヽ |.―‐――‐―h‐l┤、 :ヽ
L二二二二二」.ニ|‐{ミi : : | L二二二二二」.ニ|‐{ミi : : |
{/ /ゝ、ノイ ノl/ ― トl!: : :| {/ /ゝ、ノイ ノl/ ― トl!: : :|
|l:/|/● ● ト、: :| |l:/|/● ● ト、: :|
|/!:ll⊃ 、_,、_, ⊂⊃ノ: : | |/!:ll⊃ 、_,、_, ⊂⊃ノ: : |
/⌒ヽ__|ヘ 丶_ノ ..イ:i : : /⌒i /⌒ヽ__|ヘ 丶_ノ ..イ:i : : /⌒i
. \ /:ノ从ヽ,、 __, イト:}ノ / / . \ /:ノ从ヽ,、 __, イト:}ノ / /
. 从 l||l //ヾゝ八__/:.:.//l||l从. . 从 l||l //ヾゝ八__/:.:.//l||l从.
( ⌒ ) .{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ( ⌒ ) ( ⌒ ) .{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ( ⌒ )
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ そして、長江において、櫂を叩いて誓いの言葉を立てた。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 言葉と顔色は壮烈であり、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .将兵は皆慨嘆したとされている
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 770 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:17:41.27 ID:kT/GeQoz0
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j:.: : \ \:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: \:.:.:.:.:.:.:.:.\
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ノ:.:.:.:.:',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',:.:.:.:.:.:.:.:.:.
/:.:.:.:.:.: : ',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : ',:.:.:.:.:.:.:.:.:.
|: /:.:.:. : |Λ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',:.:.:.:.:.:.:.:.|
|/:.:.:.:.:.:.:| ̄',:.:.:.:.:.:.:.:.:.|\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ',\___|
/: : /:.:.:. | ',:.:.:.:.:.:.:.| \:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.', }―┐
/: : /:.:.:.:. \ |:.:.:.:.:.:.|:.|_,_\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|__厂~^''
/:.:.:.:.:.:.:.:./:.y冬ミ|:.:.:.:.:.Λ|/斗=ミ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:∨ ̄~^' \
/:.:./:.:.: /:.:.:{ _)ハ:.:.:.:/ イ´ _ノ:ノ}`Y:.:.:.:.:.:.:/}ノ:.:.:.:.:.:.:.| \
//|:.:. /:./:. Vりノj/ Vヒソ ,ノ:.:.:. / ノ:.:.:.:.:.:.:.:. | ) }
/' |:.:.:.:.:./:.:ハ /:.:.:/:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:. / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
 ̄ ̄~^''丶、 |/|:. /:/|:.:.:} 、 /"⌒/|:.:.:.:.:.:.:.:| ̄ ̄ ̄ \
-‐ ''^~ ̄ ̄`\‐- ..,,_|:/:.:|:.|:.:人 { |:.:.:.:.:.:.:.厂 ̄ ̄| \_
丶., |:.:.:.∨:.:/:.: >、' ‐- イ:.:.:.:.:.:/:.:.|:.:.:.:.:.:', __}
 ̄\/:.:./:/:.:. \ < |:.:.:.:.:Λ : |:.:.:.:.:.:_| ',
/"´ ̄ ̄ ̄/ :.:/:.:.:.:.:.:./)ー=≦ /|:.: /二:.:.|:.:.:.:.:{ ',
. / ___/:/__;;:.: -‐/ニニ/:i:i:} /ニニノ:.:./二二〉:.:.:.:.:.\ ',
"´ /:/ニニニニ/ニニ/i:i:i:///二二/:.:./二 /二\:.:.:.:.:', ',
/二二ニニニニ/:i:i:i/:i:i:{ニニ/:.:./二二二二二\:.: ', ',
//{ 二二二二二./i:i/i:i:i:i:i:jニ-/:.:./二二二二二二 \', ',
/:.://{二/ ̄ ̄\//i:i:i:i:i:i:i:i/\/:.:./二二二二二二二二-', ',
. /:.:.:./ {-/ /⌒\i:i:i:i:i// / :.:/二二二二二二二二二 ', ',
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } こうして祖逖の北伐が始まった
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 771 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:18:28.32 ID:kT/GeQoz0
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、 ところがこの北伐。
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ いつ始まったのかがよく分からない。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: 『晋書』『祖逖伝』には、
∧\ マ三ソ| \ .彼が「いつ」豫州刺史に任命されたかは書かれていないためだ
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
{ 、ノ. -=:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...., } |_ _
/ゝ、 .>/:::::::::::::::_,..-‐:::::/::::::::::::::::::丶:::::ヽン:::::::、:::,
/::::/::::::,./:::::::::::::::/:::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::ヽ:丶r 、:::丶::,
. /::::/:::::,∨::::::::::::::::::!::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::, i }::::::::::::::,
, _. ./::::/:::::; |::::::::::::::::::::!::::::::::::::::::::::/::::::::::::::|、::::::!::::::::, .i }::::::::ヽ:::,
≧‐-/::::/::::; _ _.|:::::::::::::::::::!::::::::|:::::::::::/|::::::::::::::::!丶:::::!::::::::::,i }::::::::::丶:,
/ !:::/::::, .!:::丶:::::::::!:::::::::i:::::::::/ !:::::::::::::::i 丶::!:::::::::::,i!::|丶:::::::::,
,.......!::/::::; _.-‐,:::丶::::::!::::::::::i::::::/ .!i!:::::::::::::| ヽ::::;::::::::,::!:::,ヽ::::::::,
_,..´ !/:::::, .∨::::丶:!:::::::::::|:::/ i|:/|::::::::/ ._斗 ≦!::::::::!i!:::::, 丶::::::,
むぅ〜。 ./::y:::::, /_ヽ|::::::::::/!/`‐-=-i!‐|:::::/ z==ミ::!::::::| i! :::::, .丶:::::,
//::::{:::::, __,.__ {i .!:∧:xz==≠ミ |! .ヽ/ ム ゚ } .〉!:::::| _, ヽ:::,r、 :::::::,
不貞腐れるぞ〜 . /::::::/!::::| ゝ !i |:fzん゚ ソ Vン /|:::::/,´ ハ/ y :::::::,
/:::/ .|:::::!. \ヽi!∧ `¨、、、 、、、i! !::// / :i!:::::,
/ |:::::!-‐--- 、, ニニ r‐--- 、 ` ___/___ / r.、. i! ::::::,
|:::::!ニ=-´ヽム / r =‐-‐ ヽ )-‐_, -´ニニヽ ./ ヽ.i!ヽ:::::,
__, -=-ヽ:::! : : : : : :ヽム´/ / _, -‐ _ , -‐ ==´ヽニニニヽ / |i! ヽ:::::,
ニ=-=´ }::! : : : : : : :ヽムゝ^ -とノ´ __, =-‐ニニニ}-‐´_ -‐ ^ ヽi!
///∧ : `i: : : : : : : : :ヽム _ _ , -‐ニニニ=- ¨ }ニニヲ¨´
////∧ : : : : : : : : : : : : :ムニニニニ=- ^¨´ _ 。s≦ ~ ´
- 772 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:19:22.82 ID:kT/GeQoz0
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、 .約百年後の宋代に編纂された『晋中興書』は、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 祖逖が豫州刺史に任命されたのを「建興初」としている。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ .建興は皇帝司馬鄴時代の元号で、
/ ヽ{ ト、ヽ l: 『資治通鑑』『晋紀』も「建興初」任命説を採用している。
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____ .しかし、この説には首を傾げる箇所がある
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
|: | /} //: : | |
∨ / / ''"゚~ ̄~~"'' { |: : //
rく{/ \\乂|_,//
L// / | ∨ \
// | \| 、
| Λ | `
| | Λ | | |
建興年間の初め頃なら、 | ∨⌒\\ _⌒_| | |
まだ私が兗州で頑張っていたはずですわ。 .| | 「^h ┬┬:| | |
| |: tり L/り| | |
荀氏の御兄弟の行台もあって、 .| |:〉'' ' '' | | | |
三者の連携も可能だったはずですの。 | |:人 v , .:| | | 、
.| |..:..:..:.. _ 、<|..| | | `
それがそこから数年間、 八 |/)..:..〕T⌒T⌒|..| | |:..\ \
まるで音沙汰なしはおかしいと思われません? i⌒V⌒i //厂>r<´⌒ ) ̄∨ ├ヘ.. \ \
( ̄ / ̄ ̄ ⌒くニつ|_/ ::::: 〈 厂| VΛ..:..:.\ \
( ∨ _rへ \\:::|:::\___ノ /___| VΛ..:..:..: \ \
└<::| / 厂 ) \,>┘|__/ / ] | |:::::|..:..:..:..:..:..: \
. /:└'⌒┴<_厂 | /::::::Λ::: 〉/\,厂| | |:::::|: 厂|:..:..:.. | |⌒
/::::::::::::::::::::::::::::::Λ \/ ∨ __ノ::::::| | |:::::|/ | :..:..:| ノ
- 773 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:21:05.11 ID:kT/GeQoz0
-
/ :. ィ.;:.:.:.:.:.:.:ヽ
イ:.:.:.:/-|/|∧:;、:.:.〈
リ:.:./ ● く!:,:.:..、
l:.:.l ●/:./ ̄ .祖逖の作戦能力に疑問符がつきかねないのだ。
vヘ - ノ:./
_,-+ 匸ヘ/V . ただ、同時期に兗州刺史が三人いた記録もあり、
,《 ヒ⌒j 》、 一概に「建興初」任命説がないとも言い切れないのが判断に困る
l::\ l /‖::l
|:::::::ト,Vイ:::::|
|:::::::l介l:::::::|
l::::::|人|:::::::l
、_,;ー'" / `"'-,
`ー=, / / ヽ
,/ f \ `l、
l/'i / /´rヾMFヾ \ ヽ 、 .1
! | l l ヾ(::::: ヽ〉ヽ)ヽ `l ミ ー .、 |
| {レヽ〈:::~``'' ´ ソ |! l } ミ. ミ ト
レヽ,;:::''''`':;|;il~,. -‐' ル )ノl / ミ ノr^,ヾ !
ゝ l;ュ=≡{., (;;,(ニ===、-.l! li /ソ ;;)|./
俺の伝にある話だよな。 `!;ェ‐・オ ""'''< `・ーz'ー'~ |/ フ;;i |!
|:'""`')' ^ヽ;` ̄,. -‐'^ i|;;;;ノ/\ー-、-.,_
俺が琅邪王から、 !;:.. .:;i| ;, ~、´ ,/ |,..ノ; \ ゝ ヽ``)、.,_
李述って奴が荀藩から、 ``ヽ(__,,,,...) \_,,..-' |;;; |〉 トli ヽ
劉演が劉琨からそれぞれ兗州刺史に任命されたのさ。 |::::::::J..,,_ ^ヽ, : 1, ;!;: /l、 ) |
ヽ::r,―--一' . , il/::: :: / ! ; /
各々一郡に駐屯したもんだからもう滅茶苦茶だ .//'i`ー-'´; ' ;. ',/;;;::::: .:::::∧ } ヽイ
/ / L.;_';_._,`.ノ;;;;;;:::::::...::::::::::/ ヽ l ´{
/ |/::::::::::/;;;;/;;|;;;;;:::::::::::::::::::::::( 〉{ 〈
/ /:::''''''''/;;;/ :::::|::::::::::::::::::::::::::ト / 〉 |
| / |;;〈 ::|::::::::::::::::::::::::::::\/ / {
晋 兗州刺史 郗鑒
- 774 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:23:26.63 ID:kT/GeQoz0
-
::::::::::::::::::{:::::/ : !::::::| .|::/;;;;;:::::;;;ハ::!::!:::!:::::::::ヽ
:::: 'マ:::::∧::| :... ゞ::|- |:!::. `´ ノ::}:::|::!::::::ヾ::}
:/ Vミ ゞ| '´⌒!ト:: !|::. ー彡:|:::i!::|:::::::|:|:!
ノ ミ , '≦ミトzzイ}:: {:: 彡:::j!/|:::::/j!
ヾ_ _} .. ミ -t::ッ-ゥcノ::ノミzzx}::/::j:::/
ゝ、) ::.ゝ ー-~~ノ:: ミ (:夂ュ:i'´/ノ'" そう。
~}, ,乂 ... ハ::ィ::}
\, , ,::} ー-::彡.. と、 {:: ノ .その「建興初」の頃なら、俺も兗州の鄒山にいたのさ。
キ;:;{´ ( 、; ; ; ;i ト-'′イ..、
ヾ; ; ; , , ヽ`ー--ζ/ ハニヽ .三年に渡って鼠や燕を食いながら、
`メ; ; ; ;  ̄`ーイ;.ノ ∧ニニト、 石勒軍他と戦いつつ、離反者を出さなかったんだぜ
_ゞ; ; ; ; ; ; ;}'´ ∧ニj}ニ
{'" |ニ--イ ∧ノニニ
|ニニニヘ Yニニ
|ニニニニ:. }ニニニ
-、 ィー''" |ニニニニヘ |ニVニ} ,. :-:.' ー ' ¨ :.ゝ.、
,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ、
,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`、`ゝ
,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ハ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
/イハ:!:.:.:l:/ i/ ノノ ノリリハリ:!:i:.:.!:.l
i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ハ!
祖逖と郗鑒が連携したとか助け合ったといった話も聞かない。 ∨|:.:.! ノ/i/ノ
ヘ!:| ノ!/′
なお、郗鑒は『晋書』『元帝紀』の記述通りなら、 ヾ!>ー- ´`-- <イリ
三年どころか、十年近く兗州に踏み止まっている .(;;;;;ソ⌒) ̄`´ ̄(⌒ヽ
ヽ;;=;;/__,,、_/;;`ソ
〉;;;;;;;;ソ:/A.i:l;;;;;;!′
く;;;;;;;;;;;;i;!;;;;;;;;i;!;;;;;ゝ
i、__,,/ !、__,,!
`ー'′ `ー'
- 775 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:26:19.05 ID:kT/GeQoz0
-
/ :. ィ.;:.:.:.:.:.:.:ヽ
イ:.:.:.:/-|/|∧:;、:.:.〈
リ:.:./ ● く!:,:.:..、
l:.:.l ●/:./ ̄
vヘ - ノ:./ .当時の状況を踏まえれば当然だが、建興年間は記録の紊乱ぶりが激しい。
_,-+ 匸ヘ/V
,《 ヒ⌒j 》、 事件の記録が、
l::\ l /‖::l 『晋書』と『資治通鑑』で時期が食い違っている事例も散見される
|:::::::ト,Vイ:::::|
|:::::::l介l:::::::|
l::::::|人|:::::::l
/:::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::}L_
/::::::::::::::/:/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/´⌒i:
. /::::::::::::::/:/:::::::::::::::::::::::ト、:::::::::::{{::::::::::i::|
/::::::::::::::,'__{_:::::::::::::__l__';:::::::::::::::::::::l:::|
. /イ:::::::::::::{/ \::::::::::::/}/ }::::::::i!:::::::::l:::|
i|:::::::::::::{T::::::T \:::/T::::::::T}:::::::ji:::::::::l::::|
我々の『資治通鑑』が信用できないと? .八:::::::::::{ L:::::」 L:::::::」}:::::/:|::::::::|::::|
. \(ヾ{ }/ノ|::::::::|::::|
頭にきました .八 r ¬ /´ |::::::::|::::|
>c。.,,_ ̄ イ |/ヽノヽ|
. ,.ィ||l //\____
,.、rf「 || // /⌒7/\
. / // || /´ / // /ハ
/ //l / / // }
北宋 資治通鑑編者 司馬光
- 776 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:28:29.05 ID:kT/GeQoz0
-
_...._
_,.-':::::::::::::`ヽ、
,..-':::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
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l::::::::::::::::::: ̄::::::ー.../::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
ヽ::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ィ::ニ'::::l
ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ `ヽ:::::::l
\::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:、 ';::::::|
,ン、:::::::::::::::::::::`:-..._:::::::::::::::::::::::/::::::\ ';:::|
/ | |`ト 、_:::::::::::::::::::::`:::ー-......__/::::::::::::::\ヾl
l ト ト. ト、ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
`ハ_|ヾ 弋弍f'ー、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
'´く. 'ーイ l j、7ァt、__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l
rヽ 、 lー'-'ノ_ノ∠Lゝト弋ー-- :::_:ノ
ヘ ヽ--j..-<}::::::::::::〈.` 『晋書』の記述を見た印象としては、
,レ-'⌒:、 ヽ:::::::::::ヽ- 、 劉演が兗州から去った後に祖逖が豫州へ入った。
,. -‐、 ヽニ.:::::;r‐ '´ l::::::::::::::::::::ヘ
,r'::::.,.-' r'´ ::::ヽ __'Jノヽ::::::::::::::::::ハ 「建興初」ではなく「建武初」ならまだ分かるのだが
/:::::/ | l::: ` ヽ、_ ヽ_,l:::::::::::::::::::::l
. | :::| | lヽ、__,. 、 ';::::::::::::::::::::::::::::::l.、
. | | | |:::::::::::::::ヽ. l::::::::::::::::::::::::::::::|:ヽ
l. l ヽl. ..|::::/::::::::::´:::::::::::::::::::::::::::::::|::::l.
ヽ ヽ.__ ノ | ::|:'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
` ー- 一 ヘ |::::ー-、.._:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::|ヽ
7ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|:::ヽ
/::|::|:ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|::::::ヽ
/::::::|:::|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::|:::::::::ヽ
/::::::::::{:::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::|:::::::::::`
- 777 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:30:31.13 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年夏 晋 揚州 涂中】
┌┐
/~'7;; |/~''7 〜〜〜 〜〜〜
〜〜〜〜 (晋( ̄| (
、___`t-'ーイゝ-i ┌┐
ヽ] ̄二二二7 /~'7;; |/~''7
〜〜〜〜 〜〜 ""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 (晋( ̄| (
┌┐ 、___`t-'ーイゝ-i
/~'7;; |/~''7 〜〜〜 ヽ] ̄二二二7
(晋( ̄| ( ""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜
、___`t-'ーイゝ-i ┌┐
ヽ] ̄二二二7 /~'7;; |/~''7 〜〜〜
""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜 (晋( ̄| (
〜 、___`t-'ーイゝ-i 〜〜
〜〜 〜〜 ヽ] ̄二二二7
〜〜〜 〜〜 ""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜 〜〜〜
┌┐
/~'7;; |/~''7 〜〜〜 〜〜〜
〜〜〜〜 (晋( ̄| (
、___`t-'ーイゝ-i
ヽ] ̄二二二7
〜〜〜〜 〜〜 ""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『元帝紀』に祖逖の名が出るのは建武元年六月の事。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 確実に言えるのは、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 六月より前に祖逖が北伐を始めていた事のみだ。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ それを踏まえて、建武元年六月までの祖逖の動きを簡単に紹介したい
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 778 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:31:57.15 ID:kT/GeQoz0
-
 ̄ ̄○ー、 { _,.-‐'´
項 `}_ } __/
葛陂 `ー-{ ノ 涂中
○ 新蔡 `ーr‐' ̄ ○ ,.--
○宛 ○安城 ○ r―'´○寿春 ,「○建鄴
【汝南国】 ,.----'´ ̄ ○東城 ./
○新息 _/ 【安豊郡】 /
`ー――、__/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ○安豊 ○合肥 __{
○新野 ○弋陽 |
○六安 横江○.|○牛渚
【弋陽郡】 .} ̄ー' ̄} |
ヽ ○樊城 ∧ ∧∧∧∧ `ーv'○東興 ./
 ̄○} i ∧∧ ∧∧∧∧∧∧ `ーr―' ̄
襄陽`} `ヽ ∧∧∧∧∧∧ 濡須口○}
} 'ー, ∧∧∧∧ r'
} 南新市ヽ_,_【江夏郡】 ∧∧∧∧∧∧ _ノ
|○石城 .○ ヽ○安陸 ∧∧∧∧ r―'
.|__ 石陽○ `ー-, ∧∧∧ 皖○ _,.-‐'
.長坂○ | _____>-―‐、 ∧∧∧∧ |
○当陽 ヽ_ | ○| ○\_ |
.  ̄ ̄ヽ_ノ 夏口| 武昌 . ̄| ○尋陽 _r‐'´
___/ ヽ _/
. ̄7 'ー-、___イ
-― -―‐_ ○江陵 /
. ○楽郷__) _,.__ _r‐'○陸口
○'ー'´ ̄ | /
公安 `ヽ r'
>'○巴丘
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 『晋書』『祖逖伝』によれば、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ .祖逖軍は江陰に駐屯し、兵器を鋳造したという。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: ここでいう江陰は長江の北、恐らく淮南のどこかを指すと思われる
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !______
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 779 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:33:45.23 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年夏 晋 揚州 淮南郡】
, '´ ̄ ̄` ー-、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1 ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.」
{: :i: i /ゝノイ ノ l/ ― l :} まさか武器の鋳造から着手するとはと武官Aは感想を漏らします。
| :レ | ● ● l :|
|: i: (|.⊂⊃ 、_,、_, ⊂ l:/ .それと、募兵を行った所、
i⌒ヽ: :ゝ ル|_/⌒) 二千人ほど集まりましたと武官Aは報告します
ヽ ヽ 从ヽ,、 __, イ从/ ヽ/
∧___,ヘi.i:.:\__八__/:i.i ハ
ヾ .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.} ソ
〈 |^ヽ」丿──── 、 / 〉 | }
∧_ /´: : : : : : : : : : : : :\{ //⌒∨
/:|⌒: : :\.: : : : : : : ::\: : : :\/... ∨
/: :|: : : : : : :.ヽ. ∧.: : : :. :.\: : : :ヽ.: : : :. :.∨
/: : :|: : : : : : : :.|∨∧.: : : : :. :.}: : : : }: : : : : : :∨
{.:. :.:.|厂∨: : : :.|. ∨∧.: : : :. :.|: : : : |.: : :. :. :. :.}
|.:. :.:.|i ∨: : :.}/∨∧.: : :: ::|: : : /|.: : :. :. :. :.|
よろしい。 |.:. :.:.|| ̄` }: :厂´芹云ミ: : : :/|: : / .|.: : :. :. :. :.|
|.i{: : {r芹示 ゞツ.: :. :./ .|. / |.: : :. :. :. :.|
じゃあ、寿春の王含殿の所へ御挨拶。 |八:.∧ ゞ' , } : : / |/ .|.: : :. :. :. :.|
/ }∨∧ 厶イノ イ |.: : :. :. :. :.|
大事な事よ |: ∨丶 r─ 、 / {ん j: : : : : : : :|
|: : ∨.}\ ー ' / | │ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
|: : : : :|. \_, < .人 | \__
|: : : : :| 」 // ̄} 」
|: : : : :| >y'7 //{ ̄ ̄ ___/ ̄ ̄´
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .そして、二千余の兵を得た。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 建康出発時に数百家率いていたのを見るに、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 多く見て総勢数千程度の軍勢だったと思われる。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 察しの良い方ならお気づきかもしれないが、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ この時点ですでに支給された兵糧以上の兵士を抱え込んでいる
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 780 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:35:07.83 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年夏 晋 揚州 寿春】
, '´ ̄ ̄` ー-、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1 ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.」 王含将軍には
{: :i: i /ゝノイ ノ l/ ― l :} 本当にお世話になりましたと使者Aは主の言葉を伝えます。
| :レ | ● ● l :|
|: i: (|.⊂⊃ 、_,、_, ⊂ l:/ 今後も何かあった時は頼りにさせて頂きますと使者Aは懇願します
i⌒ヽ: :ゝ ル|_/⌒)
ヽ ヽ 从ヽ,、 __, イ从/ ヽ/
∧___,ヘi.i:.:\__八__/:i.i ハ // l `ヘr> .// ァ `` マL`` / /-‐ _ /_
ヾ .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.} ソ {,′ | /´ ヾ,'/ / ヽ. ヽ',、v/ヤ=z ̄._ \
{ // , , f: / ∧ マ{ゞ' ヽ. ` . `ヽ``ォ
ヤ // ,イ/i{ {f { ', ', ',Xヽ ',\ \ ', :}
ノ〃 / {ア⌒l ∧ :, : ', } lヾ ', :, ヾ ヽ } .,′
~ 7,' ,: : { l ` {i l : トヽ }ヘ l ヘ ヘ j/
f{ / トヘ⌒ } ,: ∧. _i_ l l7,'ノ ∧l , : ∨
.l ハ{ lィ~ム,7 // ´ヘ {ヘヽ } ' l〈j jl:i ', ヘ .∧
あの祖逖殿に助力できるなら喜んで。 ', l }', l}ヤ.{;サ/ ' _ニ._ ヘ,' ,' :X/ ,' }l : X ',
∧{ l ヘll , ''´ ̄``ヾ/ , ./∨ // } l / ', ∨
ですが、そのような貧弱な軍容で大丈夫ですか? l :{ ムイ .イリヘ ./ l l iヘ ',
} iヘ. f=- . _ / 。s<ォ> , .ハ {',∧ ,
j li .ヽ乂: :ノ >>''´ヽ , ,' } :, l , ∧',
,' />ァヘ... 。zァ fif´マヤ i /j/ j , : : ∧,
/ ハ=ム f: rァヤ: :lll ',ム f7 ヽ // / :, i , ヘ
晋 南中郎将 王含
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \ また、後々の北伐の展開から、
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .揚州の都督だった王含の協力を取り付けていた可能性が高い。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 王含の配下にいた桓宣という人物の伝には、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 祖逖の軍勢は力が弱かったという記述が残っている。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 『晋書』『祖逖伝』にも同様の記述があるので、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 祖逖軍が貧弱な軍勢だったのはほぼ間違いないだろう
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 781 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:36:33.55 ID:kT/GeQoz0
-
○壺関 ト、_ 〇鄴 〉
并 州 | ``ヽ、_ 【魏郡】 ,/
○長子 / ``ヽ、 内黄 _,/ 〇
`‐-、 _,,ノ′ 蕩陰× `, ○ _,,,-‐´ 東武陽
l 「 【汲郡】 ,' / ○ 【東平国】
,! 【上党郡】 l 枋頭 /黎陽/ 頓丘 【東郡】
( 〉 黄橋〇 ○ i´ ○/河 ○鄄城
`ヽ、 / ヽ/ ○ ○濮陽 〇廩丘 【山陽郡】
`ヽ、 _,,,,,,-‐'′ 【河内郡】 / 白馬
`‐-‐´ ,-‐'´○東燕 昌邑
司 隷 _,-‐'i´ ○延津 【済陰郡】 ○ ○
,_ 河橋 温 ○懐_,,,-‐'´黄 `-、 定陶
```‐-,, _○ ○ _,,,-一'´ ×官渡 ○陽武 ○封丘 兗 州
 ̄`゙~~~´ 〇滎陽 !倉垣 ,-、
◎洛陽 ○ `○、 陳留 【陳留郡】 / / _,,,_
○ 【河南尹】 中牟 / ○ / (_,/ `ヽ
河南 _,,..-‐- 、,_ ,,-一´ ○雍丘 ,,-‐′○蒙城
○ ('´ ○輪氏 `、 ,/ ヽ 【梁国】
新城 ``'''‐-、,,_ `‐-‐'''´´ `~~`ヽ、 ,,_○圉_,,-‐′
梁○ _,,) 〇陽翟 ×洧倉.--′`´○陽夏 蕭
,,,_ ,ィ´【襄城郡】 ○許昌 【陳国】 ○ ○
,/ `~´ ヽ ○ 【潁川郡】 譙 太丘
,/ 魯陽 ) 襄城 ○寧平 ○ 【譙郡】
,,/ ○ ``'''i 豫 州 ○陳
ゝ,
荊 州 )
【南陽郡】 / 南頓
〇宛 ○ ○項
【汝南国】
安城
○ ○新蔡
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 祖逖軍は淮南から北上し、諸勢力が入り乱れていた豫州へ入った
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !______
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 782 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:37:14.28 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年夏 晋 豫州 許昌】
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
. | `-=ニ=- ' .:::::::|
\ `ニニ´ .:::::/
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i | /::::::::::::::::/::::::::::::::::::ヽ:::ヽ
> ヽ. ハ | || /::::::::::::::::/::i:::::::::::、::::、::::ハ::::ハ
./::/::::::/::/:::::!::::::::::i:::i::::i:::、ハ::;yi
i::::i:::::::i:::::!::!:::i:|::::i::::!:::!:::i::::i:::i、 i:i
!:::|:::::::|!:::!i_i:::i!i!:::ト::i:ii:!=<i::::i-〈|
!i!::!_!,=っ=ミ, ,=っ=i7!:::|, !::!
`¨.i::∧ ゝ- ´ ゝ-´ |:/|/〈|
そうですか。 ∧:::∧ i /:::/X!:|
/::∧:::::::.. _ ./:::::::|><|:!
あの祖逖が豫州に来るのですね。 /:::::::∧:::::::>...` ´....<:ノ/::/:|><|:|
/::::::::::::::i\::!/ `ミ彡</:::/:::!|:><i::|
やっと晋王殿下もその気になって下さいましたか ./::::::::::_>!::i::i:!| i::::i i!::/:::/>=-=!、
彡,=<´ ̄ !:::!::i::i、 i::::∧_!i∨/ / ,==、.i、
/::| i /::/ノ::!i::i=´i:i i !〉:::| / i|=∨i:::\
:::::!、 i ,=、--=,==!_| /::| |/i::::|-\> ̄>/i:::::
i:∧ ||i<>、 >、` ` <=i=-、!:::|∧_ヽ -=、_ \:
:::i:::i|、 ∨ i、< > !  ̄>=-=、__..
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 当時の豫州には、許昌に荀組が率いる行台が存在
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 783 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:39:22.22 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年夏 晋 豫州 譙】
|┃ /ニYニヽ
|┃ ./( ゚ )( ゚ )ヽ
|┃ 三 /::::⌒`´⌒::::\
|┃ | ,-)___(-、| 大変だっていう!
|┃ . | l |-┬-| l |
|┃ \ `ー'´ / 建康から新たに豫州刺史に任じられた
|┃ / `ヽ. 祖逖とかいう野郎が乗り込んでくるっていう!!
|┃ 三 ./ \
,⊆ニ´⌒ ̄ ̄ " y r、 ヽ
⊂二、 ,ノ──-‐'´ | | l" |
|┠ ' | l/'⌒ヾ
|┃三 | |ヾ___ソ
/ニYニヽ
/( ゚ )( ゚ )ヽ
/::::⌒`´⌒::::\
ふざけんな! | ,-)___(-、|
| l |-┬-| l |
建康は俺たちの地位を認めたんじゃなかったのかっていう!! \ `ー'´ /l!| !
/ \ |i
こうなりゃ徹底抗戦だっていう!! ./ ヽ !l ヽi
( 丶- 、 しE |そ
`ー、_ノ 煤@l、E ノ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .豫州東部の譙には、
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 流民を率いていた張平と樊雅が割拠。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 彼らは兗州刺史劉演から豫州刺史と譙郡太守に任命されていた
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ また、建康の司馬睿からも節度を受けており、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 北方の備えとして、二人とも四品将軍に任命されていた
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 784 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:40:37.64 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年夏 晋 兗州 陳留郡】
|\_/ ̄ ̄\_/|
/\ /\\_| ▼ ▼ |_/
/ /\ \ \ 皿 / 大変です!
())ノ__ ○二○二⌒/../
/ /||(二ニ) (___/../ 几l ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ 建康から……(ry)
γ ⌒ /|V||彡Vミ/⌒_ノ二二ノl0
l| (◎).|l |((||((゚ )/⌒/||三三三・) || (´⌒(´
__ ゝ__ノ  ̄(___) ̄ ゝ__ノ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(´⌒(´⌒;;
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
ト、 / \ ,:イ
| \___/ ___ ,,),,) ___ ヽ_/ |
祖逖と組んで譙のトカゲどもを叩くか | ..:::ヾ::::::ヾ:::::::::::/ ヾ::::::::::/ | /
\ ....::::;;;;ジ::::::: ヾ;;;;;/ ヾ;;;;;/ |;;::. シ
 ̄ ̄ ̄|::::::::::::::::: i ̄i ̄i ̄i | ̄
ヽ::::::::::::::::::: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ノ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } また、豫州と北で境を接する陳留郡には、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 塢主の陳川なる者が寧朔将軍・陳留郡太守を自称して割拠していた
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 785 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:42:16.61 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年夏 晋 豫州 梁国】
\__人_人从_人_人从/
_) (__ ,,((彡从((彡;;;;彡彡彡彡,、;;',、"
) 胡蝗だァッ!! ( ,r'"イヽ从从〉从//从从彡彡ー彡彡彡;
 ̄ ̄) ( ̄ ̄ |((;;;;从ijj|从〉/从彡彡;;;彡彡彡彡彡
/⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\ ミアミ从ミ十ン<<ヽ{( ヽ从三三三;;三|
((~ミミ三ii从ミ三ミ);| ヽ三;;;;三ミミミミミ;
'=三(((((从iii」(ヲ''~ ̄'''ヽ~;ヽ~' ー-、
ヌ彡tヽ,=マ~;(;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ii;;;;L;;;;_
(彡''~*。;リ⌒' 、; ;;;;;;;;;;;;;ノ";;ノ''|;;;;;;;))ヽ
|i ij;;;;;;/ノ::::::::::'、==≦ー'"::: |/レノノノ;;;;;;;;;;
今年は冀州が不作だ。 'itk;;;;ノi、`:::''つ:::.、 ::::::::::::::::::::彡,r';;;;;;;;;;;;'リ、
~'ーt''~:::`';;、:::::::::::::: :::::::リ`~;;"ヽノ);j;;;j、
その分の収穫は豫州から奪うか ヽ :: ,ァ'''' ー-、:::::: :::::j;;;;:;:;:;:;:;:::: :::: t;;、,,,
ヽ: " (⌒':::::::::: :::::/;;;:;:;:;:;:;:;:::: ::::: ヽ;;;ミ~~~
. ヽ''''" '':::::::::::::::;、-'";;;'"彡:;:;:;:::::: :::::: )ミ;;;r'"
ヽ ...::::::::;、-'";;;;;;'"::::::;:;:;:;:;:;:::::::::/ミ;;;;t、;;;
. ,,、、`'t'''''''''";;;;;;;;;;;;;;;;::::::;:;:;:;:;:;;;;;;;/ミ;;;;;;;";;;;;
,,,、-ー ''''"~;;;;;;;;;;;;ヽ つ;;;;;;;;;;:::;:;:;:;:;:;;;;/~' 、;;,,、-ー''"
;;;;;;;レ;;r;;;;;;///ヽ ::::: ;;;;;;;;:;:;:;:;:;''":::/:: ;;;;;;;;:;:;:;~""''''
、/;;;;;;;;/;;;//;;;/:ヽ ::::: ;;;;:;:;:;:;彡:::/:: ;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
、ヽ;;;;;;;;Y;;;;/;;;;;/三::::ヽ ::::: '':::::リ彡/::彡;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::
漢 世紀末救世主 石虎
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ そして、豫州の北方からは、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 石虎率いる石勒軍が幾度も侵入を繰り返していた。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .彼らは百姓の稲を競って奪ったため、当時の人々から「胡蝗」と呼ばれた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 786 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:44:10.18 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年夏 晋 豫州 太丘】
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| 祖逖将軍 |
ヽ________乂
r--─‐i r--─‐i r--─‐i
. ┌─┐ | 晋 .| ┌─┐ | 祖 | .| 晋 | . ┌─┐
. ├─┘ |--─‐'' ├─┘ |--─‐''. |--─‐''. . ├─┘
∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二ヽ:::∧二ヽ;::::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;: ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;:∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二
l :ll=lll ...::..:.l:ll =lll:..:.l:ll=lll::::l:ll=lll:::::::l:::l:::::::l::.:::.l:::l:::::::l:::::l:::l:::::::l:....:.:::.l:::l:::::::l:::::l:::l:::::::l:....l :ll=lll ...::..:.l:ll =lll:..:.l:ll=
幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 祖逖は張平と樊雅の勢力を討つべく、譙の東方にある太丘まで軍勢を進めた
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 787 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:46:25.35 ID:kT/GeQoz0
-
, '´ ̄ ̄` ー-、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1 ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.」
{: :i: i /ゝノイ ノ l/ ― l :}
| :レ | ● ● l :| 遂に兵糧切れですと武官Aは報告します
|: i: (|.⊂⊃ 、_,、_, ⊂ l:/
i⌒ヽ: :ゝ ル|_/⌒)
ヽ ヽ 从ヽ,、 __, イ从/ ヽ/
∧___,ヘi.i:.:\__八__/:i.i ハ
ヾ .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.} ソ 〈 |^ヽ」丿──── 、 / 〉 | }
∧_ /´: : : : : : : : : : : : :\{ //⌒∨
/:|⌒: : :\.: : : : : : : ::\: : : :\/... ∨
/: :|: : : : : : :.ヽ. ∧.: : : :. :.\: : : :ヽ.: : : :. :.∨
/: : :|: : : : : : : :.|∨∧.: : : : :. :.}: : : : }: : : : : : :∨
{.:. :.:.|厂∨: : : :.|. ∨∧.: : : :. :.|: : : : |.: : :. :. :. :.}
|.:. :.:.|i ∨: : :.}/∨∧.: : :: ::|: : : /|.: : :. :. :. :.|
|.:. :.:.|| ̄` }: :厂´芹云ミ: : : :/|: : / .|.: : :. :. :. :.|
まあ、ここまでよくもった方でしょ。 |.i{: : {r芹示 ゞツ.: :. :./ .|. / |.: : :. :. :. :.|
|八:.∧ ゞ' , } : : / |/ .|.: : :. :. :. :.|
さて、どうしよっか ./ }∨∧ 厶イノ イ |.: : :. :. :. :.|
|: ∨丶 r─ 、 / {ん j: : : : : : : :|
|: : ∨.}\ ー ' / | │ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
|: : : : :|. \_, < .人 | \__
|: : : : :| 」 // ̄} 」
|: : : : :| >y'7 //{ ̄ ̄ ___/ ̄ ̄´
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ ところが、このあたりで祖逖軍を兵糧切れとなった。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 『晋書』『祖逖伝』によれば、軍中は大いに飢えていたとある
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 788 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:48:01.21 ID:kT/GeQoz0
-
,. :-:.' ー ' ¨ :.ゝ.、
,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ、
,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`、`ゝ
,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ハ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
/イハ:!:.:.:l:/ i/ ノノ ノリリハリ:!:i:.:.!:.l
i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ハ! 司馬睿は祖逖のために兵糧を運ばせていた。
∨|:.:.! ノ/i/ノ
ヘ!:| ノ!/′ .しかし、道が遠いために到着しなかったともある。
ヾ!>ー- -- <イリ
(;;;;;ソ⌒) ̄`´ ̄(⌒ヽ 先程も述べたように、兵糧以上の兵士を抱えたのも大きいだろう
ヽ;;=;;/__,,、_/;;`ソ
〉;;;;;;;;ソ:/A.i:l;;;;;;!′
ノ`;;;;;;;;;;i;!___i;!;;;;;ゝ、
(_;;;;;;;;;;;7;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ;;;;;;;;)
` ̄ ̄ ̄´` ̄ ̄ ̄´
.  ̄ ̄ 、
/ __ ヽ
. ' .ィ゚ ゝ..l
_/ / >'´ ゚̄) 〉
Ζ_ i ̄]ィミ、V /
一応断わっておきますが、兵糧は送っていますからね! / にニl `{/
_/⌒Zィ , └r'⌒! >
千人分! 〃  ̄ ,_>イ辷ト、>-' ´
. -j{ __.. イ::::::::::::;:::::::::::: \
./ )7ィY゚~゚~゚'*。_i::::::::::i\:::ヽ
/′┬イー、_ンィ三ミー |:::::::: |、Λ_ノ
」 ___ノ / .∠.._ ヾ/Ti ¨´ ノ
/ 〉 .//:.:.:.:.:.:.:.`丶. 寸 ーr '´廴_
- 789 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:48:53.39 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年夏 晋 揚州 寿春】
, '´ ̄ ̄` ー-、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1 ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.」
{: :i: i /ゝノイ ノ l/ ― l :}
| :レ | × × l :| 飢え死にしそうなので
|: i: (|.⊂⊃ 、_,、_, ⊂ l:/ 兵糧の融通をと使者Aは王含将軍の慈悲に縋ります
i⌒ヽ: :ゝ ル|_/⌒)
ヽ ヽ 从ヽ,、 __, イ从/ ヽ/
∧___,ヘi.i:.:\__八__/:i.i ハ
ヾ .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.} ソ \ \ {. l ,... l } / /
`z__\ヘ{ヘ/ f‐\ ,... _ } />― 、
〃´ . 。zァr{ヘ {. {-― ´ <ミ..`` <ヤf / =- .
// / /ヽ', ', ヽ ヽヽォ\{ ヤ⌒ヽ `
{. ', ,' ア 、.ィヘ∨ i ', ',ヽ} ‐', ィ∨ ヘ
ヘ ∨ :// / ´l i\ . ヘ : l`ノ /ヽ'.}
\\,' ,' ,'-、 .l/ ∧ヘ ヘl l`X ;l :
だから言ったのです。 f イ { {i_ニ、/ 7 ̄ヘ{ヽ`:} i }.)< } l
{l l ∧',lf{:リ/ .ァfぅ芯x, :,'_Y) ,' ,'l l
うちの桓宣に兵五百と兵糧を与えて差し向けましょう |',∧ {:l ` , 乂;ツ´ /7 } / / l |
| ヽ{l _ / / イ / : ,
l ,' ヘ ヤ ) / TXヤ/ l , /
. - l , rヽヘ_ 。s ´ _lゝ ' l ,ア ,
// . , rゝイ.}_ノ {:::::: ̄::::::::} l /イ
,' f i ,,{ lノ/ `''<zzz:::z」, l ´}
{ l ,: /Y´f `マ`Y\ : ,:
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 祖逖自身も自軍の脆弱さは自覚していたらしく、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 寿春の王含に援助を求めた記録が『晋書』『祖逖伝』に残っている。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .王含は配下の桓宣に兵五百を与えて、祖逖救援に向かわせた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 790 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:52:16.01 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年夏 晋 豫州 太丘】
,.' _`ヽ、 ` k!
f x '彡-‐三ミV ` s、
. | // .i .\ .V
.{ j'" i リ_ >s._ V 王含殿の参軍を務める豫州譙国銍の桓宣よ。
\ .i リ-‐ミs,  ̄"'x-=.V
,'! リ, リ x笊ミ_` <,.ィx `K'"....,,,,_ 彼の命令で兵五百と共に参上したわ。
ii ..リ \ /´ 弋少 y‖ / .ハ .\::::::::~~V
{.V 杙リ,' ’ 彡 ./ ハ、 .\::::::::.i、 .よろしくね
| ..Vヘソヽ リ!v., ' / .i ハ.ミx .ヘミ::::}:
.iリ, .iソj 、.-ァ. .,.' .レ"/ .i }::ハ.\ ヘ.V
j,' V.ゞ'.` s._ ,.イ .// .リ .i::::.ハ} } {≧=ァ'゙.::.::.:.::.::.::.::.::.:.::.:: `丶、:.:\ー‐‐'┐
.ii N ヘ><''::彡'" ./ .ノ i乂::j .リ /.::.ア゚.::.::.:.::.::.::,.::.::.::.::.::.、.::.::.:.::.\::.`、: ̄、
.ii /ii.ヾ ..ハ _》:::∧ x''''' ‐< V !v ./ ./` 、'゚.::.: /.::.::,::.::.::.::./L.::.::.::.::.::.`、::.::.::.::.::`、∧.::. \
.ii .f .iV ヾ .ハ.V┤ f Vヾ、ソ/ 、`.::.::.::,'.::.::/ .::.::. /⌒`,::.::.::.::.::. ‘,:.::.::.::.::. ∨゚,::.::.::.:\
i! i f.i.'V.ハ .ハ、.f i ,.斗孑ミ≧‐-= ,.::.::.::.、`゙.::.::'::.::.::.::,'___ ,.::.::.:}、 ___'.::.::.::.::.::.:.Y、::.::.::.::.:`、
/.::. 、` i{.::.:{.::.::.:´′ }.:}.::.}^\l{`、il.::.::.::.::.,:.::.\:.::.::.::.::..
晋 譙国の人 桓宣 ./.::、`′ l{.::.:{.::.::.::.斗劣ミ j/}:./ 芹テ_iト、 .:.::. {`、.::.:.\.:.::.::.::.
. /.:,:`:,' 从.::. 、.::.:{{ V ツ ノ' V ツ リ:: \.::.{ , .::.:}^ヽ :.:.::.,
/.:/{.: { \「\「 ~´ ′ `~ 从 ::}^ヽ{ ゚.::.::} ゚:,:.::.′
. /.:/^乂{ {.::.::.込. " r ┐ ".仏}}.::} }.::.:} .::.:}
助っ人キタコレ! ./.:/ 、::.::{⌒iト ` ゙ イ }.::} }.::ノ }.::.}
' / \{ /{i{≧ ≦ } }\__}ノ .ノイ .}.::,
. {{ __,r┐ , ‐七I{! V., , , 厂 ̄ ~"ヽ ノイ
. 人、 /...__}_」 / i.....i゚, V 、 / / , _r‐ 、
{....´.___ノ‘, l.....liム \_/ / / , } _{``ヽ ∨
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .桓宣、豫州譙国銍の人。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 先程登場した張平と樊雅と同じ譙国の出身で、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 彼らが一度司馬睿の節度を受けたのはこの人物の説得による。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ これ以降、実質祖逖配下の将として働き、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 後年陶侃の指揮下で荊州前線においても活躍した
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 791 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:54:06.63 ID:kT/GeQoz0
-
, " ~ ヽ、:;:;:Y
,.' _`ヽ、 ` k!
f x '彡-‐三ミV ` s、
. | // .i .\ .V
.{ j'" i リ_ >s._ V ああ。
\ .i リ-‐ミs,  ̄"'x-=.V
,'! リ, リ x笊ミ_` <,.ィx `K'"....,,,,_ 豫州譙国銍の桓宣よ。
ii ..リ \ /´ 弋少 y‖ / .ハ .\::::::::~~V
{.V 杙リ,' ’ 彡 ./ ハ、 .\::::::::.i、 大事な事だから、もう一回言っておくわ
| ..Vヘソヽ リ!v., ' / .i ハ.ミx .ヘミ::::}:
.iリ, .iソj 、.-ァ. .,.' .レ"/ .i }::ハ.\ ヘ.V
j,' V.ゞ'.` s._ ,.イ .// .リ .i::::.ハ} } {≧=ァ'゙.::.::.:.::.::.::.::.::.:.::.:: `丶、:.:\ー‐‐'┐
.ii N ヘ><''::彡'" ./ .ノ i乂::j .リ /.::.ア゚.::.::.:.::.::.::,.::.::.::.::.::.、.::.::.:.::.\::.`、: ̄、
.ii /ii.ヾ ..ハ _》:::∧ x''''' ‐< V !v ./ ./` 、'゚.::.: /.::.::,::.::.::.::./L.::.::.::.::.::.`、::.::.::.::.::`、∧.::. \
.ii .f .iV ヾ .ハ.V┤ f Vヾ、ソ/ 、`.::.::.::,'.::.::/ .::.::. /⌒`,::.::.::.::.::. ‘,:.::.::.::.::. ∨゚,::.::.::.:\
i! i f.i.'V.ハ .ハ、.f i ,.斗孑ミ≧‐-= ,.::.::.::.、`゙.::.::'::.::.::.::,'___ ,.::.::.:}、 ___'.::.::.::.::.::.:.Y、::.::.::.::.:`、
/.::. 、` i{.::.:{.::.::.:´′ }.:}.::.}^\l{`、il.::.::.::.::.,:.::.\:.::.::.::.::..
. /.::、`′ l{.::.:{.::.::.::.斗劣ミ j/}:./ 芹テ_iト、 .:.::. {`、.::.:.\.:.::.::.::.
. /.:,:`:,' 从.::. 、.::.:{{ V ツ ノ' V ツ リ:: \.::.{ , .::.:}^ヽ :.:.::.,
/.:/{.: { \「\「 ~´ ′ `~ 从 ::}^ヽ{ ゚.::.::} ゚:,:.::.′
よく分かんないけど分かったわ! ./.:/^乂{ {.::.::.込. " r ┐ ".仏}}.::} }.::.:} .::.:}
. /.:/ 、::.::{⌒iト ` ゙ イ }.::} }.::ノ }.::.}
' / \{ /{i{≧ ≦ } }\__}ノ .ノイ .}.::,
. {{ __,r┐ , ‐七I{! V., , , 厂 ̄ ~"ヽ ノイ
. 人、 /...__}_」 / i.....i゚, V 、 / / , _r‐ 、
{....´.___ノ‘, l.....liム \_/ / / , } _{``ヽ ∨
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ なお、豫州譙国龍亢が本籍の桓温の一門とは別の一門である。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 双方の一門が同時代に活躍して紛らわしいが、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .同じ地域に全く関係のない鈴木さんが二軒あるようなものだろうか?
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 792 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:55:34.57 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年夏 晋 豫州 譙】
|\_/ ̄ ̄\_/|
/\ /\\_| ▼ ▼ |_/
/ /\ \ \ 皿 / 祖逖将軍とお見受けします!
())ノ__ ○二○二⌒/../
/ /||(二ニ) (___/../ 几l ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ 我ら陳川配下の軍勢、
γ ⌒ /|V||彡Vミ/⌒_ノ二二ノl0 .将軍にお味方して譙攻略に馳せ参じました!!
l| (◎).|l |((||((゚ )/⌒/||三三三・) || (´⌒(´
__ ゝ__ノ  ̄(___) ̄ ゝ__ノ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(´⌒(´⌒;;
..:::´:::::::\:=ニ:"":'':! .{':::::;:ィ´:::::::::::ヽ
/:/:::::|:::::::::::::ヽ::::::::`ヽ',|:/;:ィ:´:ヽ ̄`i}
.:::::::::i:::i:::l::::::::::::::::∧::::-―:V/::、:::::::::::\‖
/::::::::::|:::|::::V:::::::::::::::∧::::::/:::\::::\:::::::::::`、
〃|:::::::::|:::|:::::;V:´::::::::::::∧:::; -、::::::i\::::\:::::::::`、
‘, / |:::::::::ト、lX::::∨:::::::::::::::∧<- .i:::/:::i::\::::\:::::::`、
', {:::::::::{./,ィハΤヽ:、:::::::::::|トヽノ}::::::://::::,\:::::::::::::::\
よろしい。 ‘, ヾ:ト、::ヽ マ} }:ト、:::::::|| f ' }:::/:::::;、 ` :;_::::::::::::......
‘, ノ¨´ || ::::八/ |/|:/::::\ "'' ‐-ミ:≧=-....,_
じゃあ始めるわよ .‘, \ リ |/ ./\ { \:::::::::\ \::::::`ヽ
‘, ゝ , ‐ / V \::::::::ヽ======ミ -z_ \:::::::::
‘, ヽ ,、 ,.ィ`  ̄} r.<¨-=≦,. 。s≦ _, ヽ:::::
‘, 丶-‐≦ ∧ xi〔 }(_ヽ: : `´<_:∨:-:::;‐ ´ }:::
‘, _ -=/ __ -――、ミとV: : : : : : :.} ミ:::ヽ .}/
‘, _ =-  ̄ /´、 `ヽ¨` ‘, ',ム: : :, --ミ| \}
. _ =‐  ̄ ,ィ/ '. | |‘, Y/|///|z、
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 思わぬ援軍を得た祖逖は、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 陳留郡の陳川の勢力に誘いをかけ、共同で譙の張平と樊雅を攻撃した
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 793 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:59:05.27 ID:kT/GeQoz0
-
//
// ,,;;;;;;'''' ,,,;;;;;;'';;'';;;'''';;; .ィi「
,,,,,,;;;;;,,,, // ,,,,,;;;;;;;'' __ mvvyvymv;;;;,,, ___ .ィi「
,,,,;;;;;;;;;;;;'';;;;;;'''''''' // ,,,;;;;'';;;; __ ( /ヽ vmvy, _」L」_ _ ≪ ` .ィi「`
,,;;;;;;;;;;''';;;;;;;'';;;;'''' // . mvr=x,__√ ∨/ }ヽ _、<ノ /≪ ` .ィi「-
;;;;;'''' '' ''' <\ / -─- (_人_ノV/ { /}// ./ ` __ .ィi「=-
mvm;;;'';;;''';;;;,,,,, mvy />'( } > /=- .-=\\:.:.:.:Y/ィi「 _{_ノ:.:.:.:._、<ヽ< -=>
__ r=xMvVyv _mvyvym./ \ ‘i, /=- -=や~''<:.}\ _ ≪ `.:.:.:/{ヽ ヽヽヽう'´
そr=x mvyvmy ( /r=x乂 / ∧ √ -=ヤ _ ≪ ` ~''<:.ィi「> }ノノノ^ /
}YM ( rx _Vx√ }/=-ハ {=-√}/∧ {=-┐=- 乂__≪ `. <≫ `7 //. //
{ ( Y V/{⌒ソ/.た V /∧ } Y=- _、<⌒;/'>─ 、 // ー '7 //
. _─ ̄ _、<=-_YiIム乂_/=- .∧ヽ {;乂_、<⌒/';';'/';/ // V/ -=}. /
_─ ̄ _、<=-_- ̄ YiIム. }=- / }:.:.:Yノ';';';/';'/';';/た';';/ / / { {\ -=}
_、<=-_- ̄ Y {=-{ YiIム た=-厂:.:.:└ 、'/;';'/'/}';';';{─{─Y Y }=-` /
. _、<=-_- ̄ /_ 寸=-YiIム -=7⌒ニ=- 、:. V/';';ノ'/';';';'}`、乂>''~ー:'~^''ー '′ /
. _、<=-_- ̄ 乂/=- / .YiIム_ノ. /:.:.:V/';';';';';';';'ノ:.:.~''<';';';';/:.:.‘i, //
 ̄ _- ̄. // ~' ノ{ /寸iIム /:.:.:.:.:.:..Y';';';'/;/.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ̄.:.:.:.:.:.:\ // /
 ̄ /// {_ノ}ノ 寸iム >- ,,_:.:.Y';/}/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.``〜、、 / //
// / / 寸ム /=-__ノ / } /、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:. //.. //
-=ニ厶ィ ノ 寸/=-{ . /─ ~′\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: :.:.:.:.:.:./:.:./:\
-=ニニ≧=─くニ=- 乂=-〉′_ノ=- / ハ\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}_
-=ニニニ=-  ̄⌒ニ=- _W} \:.:.:.:.:.:.:.: /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ニ\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 譙を巡る攻防は激戦となった
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 794 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:02:00.38 ID:rshbA5yX0
-
/ ,.'" .ハ .ヽ \ V
./ / l .', マ .ヽ V
.,' メ! / | .| マ ..ヘ.V
l .ノ l ./ .ソ! リv \ ヘ!
.い /! | ./ シ .l /__V l ', ヘ 祖逖殿の目的はあくまで劉聡と石勒の討伐よ。
V / l | .,' ./"" ,' シ,zェミ`.s._>!、 .| ヘ
メ .| .l l メ,ィf;心'メ ./ ".辷リソ fxヘ\.! .V .そのためにあなたの力を必要としているわ。
,' l Vヘ.` _~,.ィ'" ・ ./ ,ィ j .l \
,j .い x示 '" ! ./-"j j リ l, ここで降伏しないのなら、
,'.l .V ヘ ヘ、. , 、 ,.' ,'.,' ./ |V 建康はさらに猛将を差し向けて来るでしょうね
,'.f! ヘx ハ .|ミv ’, イ_ .//ソ |vV
., .l l ヘ`x l.r| .}ミ .s... イ斗''ハ-/.イ l.iVヽ
., ! lv \x'ヘ.|_  ̄ _. "/ .リ ヘ.V.ヽ /ニYニヽ
, l .| V ,..イ\ ヘs._ ̄~ ~_,.ィ/ .ソV ヘ マ 丶 /(>#;(0 ) ヽ
/⌒`´⌒ u. \
| (- 、 |
ト-―――-` l !
ヽ `⌒´ / /、
仕方ないっていう。 `コー /,ノ:::ゝ、
i 、\ ;
ここは降伏するっていう | ! /__} ;
,-| . |ー-、/ ゞノヽ
{_ i、___,l | | ;
)ソ(___i)---| |
ゝ-i--i´ ;
`-゙
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ だが、張平は配下の寝返りによって殺害され、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } もう一人の指導者だった樊雅は桓宣の説得によって降伏した。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .譙は祖逖の手に落ちたのである
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 795 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:03:23.81 ID:rshbA5yX0
- 【紀元317年6月 晋 豫州 譙】
/\___/ヽ
/ ,,,,,,,ノiヽ,,,,,,:::i|li:\
|(○), 、(○)、 :|
| ⌒,,ノ(、_, )ヽ⌒ u.::| 祖逖将軍!
|u {,`ト===イ ,} ::::::|
\ ヾニノ .::::/"''=- 一大事です!!
/::ノ"''フ:ノ|゙ x ''|ヽ!:::_,,,L,,ノ,,ノ_ノ゙>i、
. i/ヘ" ムノ:::::| i::::! |-''"::::/ ゙ヾノヽ
/(:::::::゙ソ"_;;;;;;ノ: :V: :ヽ ''"ヽi、 をノ
(::::ヽ,ノ"!,,_::;/: :i: :i: : :ヽ_;;:::::"ヽi、 __∠:.'´:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:Y:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ /
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. 人:.ト、:.:.| tリ |:.:.:.:.:||:i:;∨ ,:.:/:/ :.`、:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.: `、
ヽ >ゝ |:.:./lノ|:|_〉V:,_:.:.:.:.:.:.:.:./:`、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
ん? く / :|:| ヾ、`'〜、;./ヘ:::::\:.:.:.:.:.:.:.:.:\:.:
. ヽ、__ ::! ∨))、:::::::\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
. 心 ,l:| ∨__\:::::: \:.:.:.:.:.:.i
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ヾ /ハ .// ヽ、 __}__:.|
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/´ / : : l Vk / / /
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
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./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } しかし、諸勢力ひしめく豫州、すぐに別の敵が迫って来た
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 796 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:04:00.05 ID:rshbA5yX0
- 【紀元317年6月 晋 豫州 梁国】
r  ̄ ヽ __ [〕[〕
| 人 | _ __ | | r-,
| 狩 | , -'´.:.:.:.:.:.:.:.` \ | | l l
| り .| /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ_ |_/ ヽl
| だ | /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ハ _r┐__
| : .| r´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ゞ、 '‐┐┌‐'
ヽ__ > i(r':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,、_ツ、::.:.:.:.:.:.:.:ヽ lニ コ
ゝ:.:.:.:.:.:.:ヽ、__フル'_,- 、' 、:.:.:.:.:.:.:.:} , |__|
ミ彡:.:.:.ミゞーヽヒー'´_=≠ミ ヾ.:.:ミ:.:.く l^! [〕[〕
ー,:.:.:.ヾ,_,ヘハ`ー´`ー'´ ',:.l'ヘ:.ゝ lニニ ニニl
ル:.:レ r‐ィッ{ ゙'  ̄ ̄ |リ !:.ト /7 | | n
ヾ:.ヘ `´/ヒ.ー=ァ ト_ノ:.:i! lノ |/ l/
ヾヘ ゙`ァ_ || ',:.:.) _r┐__
`ヘ. i'´二 ` ,イl i:.ソ '‐┐┌‐'
ゝ、 ∠ /l li > 、.. _ lニ コ
ilヘ _ イl/ //l ||lミミ 、ヾ、≧ー─ー==ュ |__|
/ヘ三_ ニ __ i/// l |/i三ミミ 、ゝミ三三二 /
_ ... -≠イ ∨/、_,_,. 丶`ーV// ,|/∧ ∨ミ,、 `ゝミ,ィチ´ェ.._
ヒー='' ´ 彡シ´ ミ∨ノ ..ィヘ:: \`ヾ`、 イ ', ∨彡,ィチ´三ニニ≧ _ ,y;
_ -‐= ≧=ュ。.._≠イ ,イミV,ゝ'´ rイハ.: ヾ ` `ー、ニ_\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
∠´ 〈///////三ニ≧ュミミ/::;: .:::ゞ、ヘ:: r = ´, ィ`≧ <
( _ __`=≡≧…丁三シ ;;: ..::::::`"ゝ、 _ /,'´ /:.... ≧ 石勒配下の石虎の軍勢が迫っています!! ニ=-
冫 ̄ |≧≠二三≫イ´ ;;:.,, :::::::/ヾ i::./:::::::,´: ≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 梁国を攻略した石虎の軍勢が譙を目指して南下してきたのである
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 797 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:05:33.00 ID:rshbA5yX0
-
, '´ ̄ ̄` ー-、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1 ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.」
{: :i: i /ゝノイ ノ l/ ― l :}
| :レ | ● ● l :| 石勒軍は全員が北斗神拳を極めた恐るべき集団だとか。
|: i: (|.⊂⊃ 、_,、_, ⊂ l:/
i⌒ヽ: :ゝ ル|_/⌒) ……と武官Aは今聞いてきた噂を披露します
ヽ ヽ 从ヽ,、 __, イ从/ ヽ/
∧___,ヘi.i:.:\__八__/:i.i ハ
ヾ .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.} ソ
/ ./|::::/::::::::::::-−‐....、::::::::::-...、::,
__ / ./ヽ/:::::::::::::/Yヽ:::::::::::丶::::::::::::::丶:::, .r‐.、
___ -‐:::::::::::| i::::/:::::::::::::::l~~~.l:::::::::::::::::::!::::::::::::::::ヽ::, :::! .ト、
:::::_ -::::::::::::{ | /:::::::::::::::/ |:::::::::!:::::::ハ:::::::::::::::::::ヽ| } |::::..、
/:::::::::::::::::::ゝ::/:::::!:::::/:ム、 !::::::::i::::斗弌::::::::::::ヽ:::i//::::::::::..、
:::::::::::::::::::ノ//:::/::!:::ト:/ ` .|ハ!::::|:/ ,z 、ヽ:::i::::::|::::|::::ヽ:::::::::::....、
:::::::::::::/ .|::://:i::::! .z≠ iノ/゚/ん心 |:::::!:::::|::::ト:::::::ヽ:::::::|:::|
:::::::/ .〉:/::::i:::|lif ん心 }/ 乂ソ ネ::::|:::::}::/ \:::::〉::!:i:/
ふぅん。 :/ /:ハ::::::|::| ! 乂ソ 、 ハ::/::ハ!/ .∨:::|:::,
// .|::::::!::ヽ /|´::::/ }:::l:::::,
でもアウトレンジで爆撃すれば、 ./ 〉:从ハ::ゝ ハ::::/ /:::::!:::::,
一方的に嬲り殺しにできるんじゃないの? /´ |::! \ r , ´ |:/ /::::::/::::::,
,−- _ .ヽ .个 < .i´ ./::::::/ .ヽ::.,
/ ー−-.|::::::::≧s イ/ ./::::::/ }::.,
. / ヽ .ヽ:::::::: ´ / /:::/ ./:::/::,
. / __ ヽ .丶 /` 、 ./ ^´ ./:::/ ::.,
/ / ヽ 、 〉 .丶./ | ` 、__ /:::/ ::,
.../ f ( ヽ ハ ./|/r 、丶 ヽ // :,
- 798 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:07:31.96 ID:rshbA5yX0
-
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, u::|
. | u `-=ニ=- ' .::::::| しかし、桓宣殿も寿春へ戻ってしまいましたし、これは相当まずいのでは?
\ `ニニ´ .u ::/
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ーーノ゙ -、
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | || /^'ー =ァ'⌒ヽ-‐====‐- _ .l{ ‘,‘,
^'ー/.::/.::::}iー-‐ ^i:::::::::>''"~"''*、 l{ i:i:i:i
/.::/ .::::::: }l .ノ /::::::::::,、:::::::::::`、 l{ |:i:i:|
/.:::,.:' .:::::::::::::/:^¨¨´:::/ :::::::::::: {^'、:::::::::: ∨.l{ |:i:i:|
,:'.::::::,:'.::::::::::::::::/、::::::::::::: '::::::::::::::::::{-‐`、::::::::i::. l{ |:i:i:|
{.::::::/.::::::::::::::::/:::: \::::: l{:::::::::i{:::::::{ 芹抃,::::ハノj{ |:i:i:|
゚, .::{::::::::::::::: ,゙{::::::::::: \:l{:::::::::l{:::::::{ ^'炒レ'、__ l{ |:i:i:|
}::::{::::::::::::::::' :゚,::::::::::::, ´l{::::::::从:::::乂_ }{ |:i:i:|
それでも戦うしかないのよねえ。 .}::::{:::::::::::::::゙:::: ゚、:::::: { {从:::::::::::::\l「"" 〈l{ |:i:i:|
}::::{:::::::::::::,':::::::::::\人^⌒ 、::::::::::i ノ{ |:i:i:|
大見得切って建康から出てきた以上は . }::::::::::::::::/::::::::::::::::::`ー≧=‐゚,::::::::::l ´{.l{ |:i:i:|
/}::::::::::: /\::::::::::::::::::::::::〈 ,ハ::::::::ト }.l{ |:i:i:|
. /.:,}:::::::: / /=)h,:::::::::::::::/ {l }::::::,' ニ=‐ '゙ l{ |:i:i:|
/.:/:, .::: / /ニニ/ ≧=‐r' }:::/ /.}::::::} l{ |:i:i:|
/.:/:/ .:::/ /ニニ/ ,r┴‐- ミ }/ , ' }:::: ゚ l{ |:i:i:|
. /.:/ ,' .:::/ 'ニニ/ / ̄ ̄ ̄``' 、 {、 .ノィ l{ |:i:i:|
/.:/.::::::::::'/=ニニ/ {l____ \ \ _______j{_i⌒'|:i:i:|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } しかも悪い事に、譙攻略に貢献した桓宣は寿春へ帰還していた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 799 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:08:10.24 ID:rshbA5yX0
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 『晋書』『祖逖伝』によると、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ .石虎は桓宣が去ったのを聞いて譙を包囲したという。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: .勝てる敵としか戦わない石勒軍らしい判断である
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !______
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
ノ>―''ヽ;;;;l|;;;|彡ノノイl|;;|;;;;l;;;;;|;;;;/从;;;;)从从之
之三;;彡;;;、l|;;|;;;lイ/从ノ;八;|llYイノイ/;;从从ニ<
/イ/t=;;;;;ミィ;;;;;;;;;;;`ミ;;人ィ''彡二二ミ゙'、j;;jj;;ュ;;;、)
((/;;|lヽ;;|、'''ィ,t;;ッ=、;;;j人;;;ィ:;ミッ;ラニ' イ;;;/ l|;;lト
゙之;;;'、l|;;゙, ::、` ̄´´":|"ン:::::::::'''イ:.. リ;イ),r';;之ー
{彡;;;ヽ;;;',::::::... ::::|: リ:::: ゙ イ;/ノ;;;;゙l|
何か問題が? ゙|/;;;;;;;|゙:',:::::: : : ::; 、j_, -、::: イ;|゙/;;;l从
ノノ;;;;;;|:l|:', :::: : :::`゙'ー '´" ,':::l|/;从`' 、
,, 、-ーz''"イリ|l|::|l:'、 : ::::::: ,;}、 / :: ゙l、从l|',::ヽ
''" ,、 '":/ /|::}}:::ヽ ::::::r'二゙゙'ヽ , '::: :: ::l|彡 ',从
/イ::/:: ::::/::l| }}:::::ヽ :::::..'""'' , ':::::: :: ::}::l|彡::: ll||
/"://::/ ::::ll/::::l| :}} : :::ヽ ::::.ヽ /::::::::"} }:::|彡 ::: |||
ノ//::/ : ::::ミ/:::::リ :}} ::`---- '´ :::::" } }:::|彡三::|}
/:/::/: :::::/ ,,イ ::::::\:::ー '´ :::" :::|彡三 l}}
- 800 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:11:51.45 ID:rshbA5yX0
- 【紀元317年6月 晋 豫州 譙】
∫ι__________ ./丁了
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ
||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | ||
||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | ||
弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ
弋ェェt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ェ,ィ
il_,└───────┘ , i!
| ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l
|| ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄||
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|i | ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄||
 ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ || ̄! ̄ ̄/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄.|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i  ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~ ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l  ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄ \__人_人从_人_人从/
l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″|  ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄ _) (__
| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄  ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄ ) 申し上げます!! (
| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾ| ̄`.. ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄ ̄) ( ̄ ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ | ̄ ̄ | ̄!,, ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄ /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄___
|\_/ ̄ ̄\_/| |\_/ ̄ ̄\_/| |\_/ ̄ ̄\_/|
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/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } ところが、この時は天が祖逖に味方した
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 801 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:13:20.81 ID:rshbA5yX0
-
,> '" ,>'" ,.斗 ‐‐‐ z彡 ||T,オ , :'/
,> '" ,>'" ./ ,.斗- ≦ ,.> '' "  ̄...==||==  ̄``" ./
,.+'" ,.+'" ./ / 、ヽ` || z=======x
./ ,.+'" .f ./ _LLL_<'''''x / .rz - ==ニlL__.!!ヽzzzzzzzY ー彡
{ ,.+'" { .{'"~ 、 ``ヽ) .OZ_''' === -- = 二_''ry--==≦
.! .,:く_ .八 V ,zz斥 .マ  ̄アZZ =z 穹二二,_ニニ = -
V_  ̄ ̄ ̄ "" ''''''' < >"./ i``ヾ、 l / /「///.:.:.}\---也"  ̄.T
 ̄ ̄ ̄ ̄_三≧< f fV {\\\__ .} メ / / ,z'.ィ".:.:._,./.:.:.:.ミh、---_,.斗セ
Feu! ._,z斧≦---.ヽ! l 苡ヽ''乏ォ y- 二~__./< ,.+'".:,>彡'".:.:.:.:.:.:.:.:}.≦三三
,zヘW,-------,.ィヽ \丶_ヽ /イ .ハl \ /.,>彡'".:.:.:.:.:.:.:.:.,>'" 三三三
Feu! ._0二二二二二二コZZv _,.斗く---/\ `.ー≦},..}.V ハ ``(ニ弁".:.:.:._,.斗 ≦三三三三三 _
.rゞ三三三三三アZネ,>'"-- r.v---ゝ, {l\ ヽ\\x ` <,...z'"./  ̄''マ三三三三三_,.斗 セ≦~
0~ニニニニニニニニ了>'"-- <二ヘ:::V_ ,,./ヽ;;;\ }" \\⌒ヾ `'''''"< `'<z,_,.>ァ,.ィ///////
,>'"--j--マ三:ゝ:::V_{f .`" ヾ .f;リ\\三三三三.``〜、、/ , ,ニ.<////////
,zf"------o-jz` '''"⌒ \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人//
,zヘ.マムv≧<",>'"三三三_,. ≧ <>
_O二二二二二二ニ{ZZZW./y 三三 ,z≦f ̄≧ 南から晋軍とおぼしき敵勢が!!! ニ=-.
rゞ三三三三三三ネ;;ア彡 '" .V!,>'"-.Y__.V. ≧ ≦.
O~ニニニニニニニニニニ了:<三三三.V ,><zzz,V/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\.
>f三三三三三/z彡"....,>''...,V.....l--/ :: ::..v:::: ,z!ニニ,>彡イ: : : : : : : :// _,,.. -‐
,.+''’ V三三三ニ./イ.....,.+",.............,V....! / ::..:::: ,.イ;;;;!z彡'" ム: : : : : : :ム斗 セ "
/ V三三ニ/......./..,..........,.斗-,}....l/ ::_,>''";;;;;/イ ム: : : : : :.メ\ __,,.. -
./ Vニ,z〃...../...,......,.+'"==== V/ ,>''";;/;;;;;,z彡" ./: : : : : :/  ̄
./__ ,.+'"/,ffV_f.....f...,イ========/,.+'";;;;;;;;;;;/;;,z彡" ./: : : : :/
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 寿春に駐屯する王含が、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 再び桓宣を祖逖の救援に派遣したのである
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 802 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:14:30.49 ID:rshbA5yX0
-
_,.yトーゞrッヽv,、_,.
,rk´ミ、''ナ;;爻'、ー;;〃彡;,.
..vf戈ハトシ〈'"リ゙、ヾ、;;jリ、〃、
Yメ从k;;、;;ij;;;ii;ヾ;ッ;仆、ヾくソ
}ソリ"i!;;;;;l;;i;;、;;:;:;;:;';;;};;iリドシゞ,
ツ;;;;;;;;;;ト、;;_リ;;;i!;;ト;=;、t;;;l;;ヒ'
ヲ;i!、:::r',;、=;'、;"リ,、=;''"リ;ij´ まさか援軍が来るとはな。
..};lヾ;;j  ̄´.〃l゙ ̄´ ,';ィ′
7;;;;|', =、j,. /仆、 .ここの晋軍は今までと勝手が違うらしい。
ゞ;|:ヽ ,:ニ> /:: レ ソ\,.、- ' "´;; ̄::
. >.ニト、:\` "'' ///,r/:::::::_,..、''' ..,, .退くぞ
リ;/::;;/::} `:::`:ー'/'∠;:/`゙ヽ・.‐´
:;/::;;;{! `r‐'"フ´〃シ:;;/ " ヽ、. リ'" ,、_,
/::;;イ `'ー ''/ヲリ/;/r'/,r─‐-、 (∴,、-''"
:;;/ `ー-‐/Ξ/ッ/rレヘ{ | ̄| `''" .∧ ヽ
, ' ̄ ̄ ̄ ゙̄ヽ / ', ',
,イ / ノ( ヽ ト、 / ! !
i ヽ─、 ^ |ー' i / ││
ヾ_,,;;;》 〉 ヾj j/ 〈;;_ノ / | |
l ヾニアミ fニアl 〈 | .!
i 〈 i } ,' ,'
御意ッ!! | イrェェェュ ./ / / /
.| \ `ニニ´/ / / /
| ヽ ー '_ / / /
,-ー、 ヽ;;;;;;;;;;;`ー-、 / / /
;;;;;;;;;;\ー、 ,-i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ.. / / /
;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\ / / /
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 桓宣の到来を聞いた石虎は撤退。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 『晋書』『石勒載記』には、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .この一戦は大した敗戦ではなかったためか、特に記述されていない
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 803 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:15:37.47 ID:rshbA5yX0
-
>-.-.――.-.-<.} レ'∠
/\「.7 ./: : 「 ̄: :ヽ/:~:\:`<~: : \
\ V /: :.,へ!: : : : : :ヽ: : : : :\: :ヽ: : : :\
ヾ/: :./: : : :ト、: : : : : ヽ: : : : :.\:.`ト、: : :.\
「 ̄{: : /: : : : :lu\: : : 、_:`ト、: : : : ヽ:l .\: : : \
}: : :lヾ/: : : : : }/ ヽ: : : :ヾー\: : : :ヾ \: : : \ 痛みに耐えてよく頑張った私!
/: : :.〉': : : :,:-'7 l: : : :/ ど ̄ヽ、: : } \: : : \
./: : : イ: : : : :/フ7/:/レ!://:ゝ、 〉: l \: : : \ 感動した!!
/: : : / l: l: : :/ 〈/:/:/:/:/:/:/:/〉 }: l \: : :
. /: : : / .レ'l: : \ u ', /\/\ul u !く \:
/: : : / ヽ: : i:.\ .〉{ 〉ヽ \ ̄~ヽ
: : : / レ'ヽ/ ` /ul / /.\ u\ ゝ ,.' _`ヽ、 ` k!
: : / ,-―/ .∧>、ー‐´/l l.\ uXヽ. f x '彡-‐三ミV ` s、
: :{ l ゝ/u ./ \ .又`´ l l. \ ヾ:、 . | // .i .\ .V
: :l /ニ/ / .\ .\u l l X __ ,イ } .{ j'" i リ_ >s._ V
\ .i リ-‐ミs,  ̄"'x-=.V
,'! リ, リ x笊ミ_` <,.ィx `K'"....,,,,_
ii ..リ \ /´ 弋少 y‖ / .ハ .\::::::::~~V
{.V 杙リ,' ’ 彡 ./ ハ、 .\::::::::.i、
ああ、祖逖殿。 | ..Vヘソヽ リ!v., ' / .i ハ.ミx .ヘミ::::}:\
.iリ, .iソj 、.-ァ. .,.' .レ"/ .i }::ハ.\ ヘ.V::::::ハ
先の譙攻略の戦功で平西将軍に任じられるそうよ j,' V.ゞ'.` s._ ,.イ .// .リ .i::::.ハ} } >、::\
.ii N ヘ><''::彡'" ./ .ノ i乂::j .リ ヾ
.ii /ii.ヾ ..ハ _》:::∧ x''''' ‐< V !v ./ ./`
.ii .f .iV ヾ .ハ.V┤ f Vヾ、ソ/
i! i f.i.'V.ハ .ハ、.f i ,.斗孑ミ≧‐-= ....,,
.{v.i i.j !x } .ノ / .i ,.'/.i! \ ̄ ̄
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } しかし、晋軍にとっては大きな勝利だった
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 804 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:18:08.49 ID:rshbA5yX0
- 【紀元317年6月 晋 揚州 建康】
ヾ叉7
_BL_,, ,. _
,,、、-‐'''""´: .: .: .:::::::::.:.:.:. : :``ヾ、、、
,,. '"´. .:.: .:.: : .:r==.: :. :.: .:. :. :. :..: .: :. .::. :.`ゞー-、、
,,. '"´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.`''ヽ、,,
,r'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;;;;;:;:;:;:.;:.:.:.:;;;;;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;:;:;:;:;;;;;;;;;;:;:;:;:;;:>
``ヾ、;:;:;:;:;;:;:;:;;:;:;:;:;r==;:;:;r==、;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;;:;r==;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:r''"´ .
``ヾ;:;:;;:;:::::;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;===;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.:.:.:.:.:.:.:.:,r'゙
 ̄`¨`ヾr==.: .: .: .: .:. :. :. ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :r=z,;,;,;::/
`¨`ヾ.:.: .: .:.:::::::::;:;:;:;:::::::::;:;:.:.:.:.:、、-‐''"´
`>;:;:,';: .,':;:;:; :;:; :<´
,、r''"´. :.: .:. :. . :. :. :. :.: .: .:`ヽ、 \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
,、r'"´.:.::;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:.:.:.: .:. . .:.::::::`'ヽ ) >
``ヾr==;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;::.:.:. :.: .: . :.: .: . ::.:,r'´< 寿春より!! >
`ヾ::.:.:;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.:. :. :.: ; :; :.: .:.:.::r' < (
゙、:;:;;;;;;;;:;:.:.:::==.:.::::::.:.:.:.:/ /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
`ヾ.:;;;;;;;==.::.::.:.:..:.::r'´
_,」;;:;:;:;;;:;::.:.:. :. :.:. j \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
``ヾ;:;:; :;::;;: ;r==.:.j ≧ <
゙i:;:;:.:. :.: .:. :.:.:.:,! -=ニ 祖逖将軍が石虎の軍勢を撃破ッ!!! ≦
l;:;: .:.: .: ..:;;;:;;;! ≧ ≦
'i;;;;;:.:.:.:.:;;;;;;;;;! /Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
1;:;:;:;:r=:.::{
ゞ;;;;;;:.:,r'´.:.:``;:ー-..、,,_
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 六月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 石勒の将石季龍が譙城を包囲したが、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 平西将軍祖逖が迎え撃ち、これを敗走させたと『晋書』『元帝紀』は記す。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ また、後日司馬睿は天下に檄文を発している
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 805 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:19:18.14 ID:rshbA5yX0
- 【晋王殿下の檄文@『晋書』『元帝紀』】
┏──────────────────────────────────┓
逆賊石勒は河朔にて暴虐を働き、誅を逃れる事歴年に及び、遊魂は彷徨っている。
再び派遣された凶党石季龍の犬羊之衆は、
黄河を越えて南へ渡って鴆毒を放っていたが、
平西将軍祖逖の軍勢が即時これを討ち、潰走させている。
┗──────────────────────────────────┛
ヒ´ミ仆爪// j } /ノ ハ `ヽ、ミ≧=-ゞY、_
圦ミfソ ̄} } / ,' __ \ミ下千f=-仆
ミ }}ソV i/ ゝ Vゝ斗イ、ヽ ヽミ仆≧=}}
乂./ / 三ミ  ̄ ',{ ハミミ _ソ
圦{ 辷i ≧=- } }ミ彡 .Y 何だこれは?
人、~ハヽ ‐ イ j iミソ ~イ /
Y、 ', ゝ-=__, ', V / .犬羊之衆とは随分な言い草だな
ハ /`´__ ', i≧=´
', 壬//≧=- } }////
.i Y { ///´⌒ _.,. -‐- ....、
| { }, イ///// x≦〃〃/ミミミミミ、
.{ ヽ-=≦≧=-、-=≦/// /ノノノ〃ヾ⌒彡ミミミミミ、
.',Y//////////////イ /ミミル' / __ ヾ彡ミミミミ、.
{ミ'''´ {∠i孑 `ヾミミ毛刈
';ハ, `〕、 Yミ ;:::: ∨ソYハ x≦ ̄ア´
}:( くツ1 | っ {::: ーりリ / :::::::/:::::
ヾ:ヽ ,ノヾー'⌒ヽ ヾ Y¬从 〃:.:.:./:::::::::::
`ヽ { √ ̄~`ヾ Y ヾリ ||:.:/ :::::::::::::::
また敵が増えたようですな 沁ヾ ⌒ :/ /∧:::::::::::::::::::::::
ハ r::.......,..::/// /:::::::::≧====
'、 {///,//// >'゙´:::/:|幵幵幵幵
`T¨¨´///>'゙´::::::::/:ニ|幵幵幵幵
,..-―∨ /::::::::::::/ :三圦W幵
//////::∧/::::::::::::/ :::三三/八幵
- 806 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:21:14.83 ID:rshbA5yX0
- ┏──────────────────────────────┓
今、車騎将軍の琅邪王司馬裒らの九軍・鋭卒三万を派遣し、
水陸の四道から直接賊のいる地域に至らせ、祖逖の節度を受けさせる。
┗──────────────────────────────┛
___
「了ア>.::´::::::::::::::::::::::`丶 「`ヽ
>::´;:::::;::i:::::::::ヽ:::::::::::ヽ:::::ヽ! /、
/:::::/::::/-|::::::::::::i、:::::::::::::∨::∧-.<
. /::/::'::::/ l::::::::::::|‘,:::::::::::∨::::';::::‘,
. /:::'::::|:::;'、 ';::::::::::| }:ト、:´:::::i:::::::}:::::::i
/ィ::|:::::|::i ヽ、丶::::::lイリ V::::::!::::::'::::::::|
. j:|::|:::::|:ィ芹抃 \!ィf芹示k:l::::/:::::::::|
. |:|::|、小{ Vり V:ンl|:::|:/ l:::::::::|
. | !ノ:::|.l∧ ′ ||:::| |:::::::::
|:::::::::| |:込 ` ‐ ´ イ||::; |:::::::::
や り ま し た .|:::::::::|人::| ,> ,_ ィ^i、 .ル′ |:::::::::
. |:::::::::|jI斗f´: : ∧ { {: :`i=-. . ,_|::::::::
. |:::::::/:i: : :|.|: : : : _ヽ/} '´Y: : : : : : `ヽ::
. !::::/: :|: :r゙└、: :(___ `ー | | )ヽ:/: :__: :
|::/: : :|: :| i|:ヽ://:ヽ.,_ゝシイ: :/: ミヽ
l/: : ヽ/ ̄ ̄ =‐- ゝ辷彡' ` <: ヽ
/:.: : : :{≧=- ___\ }: :
. /: : : : : :V  ̄ ̄ ̄ .〕jx.,_ ィ}: :
/、: : : : : : :V |:|'///// : :
. /: : \ : : : : :V |:|'//// : : :
- 807 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:22:39.85 ID:rshbA5yX0
- ┏──────────────────────────────┓
石季龍の首を晒せる者がいれば、
恩賞として絹三千匹、金五十斤、県侯に封じ、食邑二千戸を与える。
また賊党が石季龍の首を晒して送ってきた場合でも、封賞は同様とする。
┗──────────────────────────────┛
/ :/ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ム \
j{.:/‐r‐v‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ム ∨ /
i{ {:‐:| /}‐ ‐ /⌒Y‐ ‐ム v: ∨ /
‖iシ:!′‐ ‐:{_/_,ハ‐ ‐ ‐}: W v∨
‐=‖,イ/ i∨‐ ァ'77zj}:‐ ‐/: :|ム (: ヽ
⌒j}:| : :!`ィ'゛ 乂シ〕Ii<,' :| \ {
j}:レハ 、 // i:\_j :! :{\!
':/ム ´ j{:j /{⌒ミ⌒i {\{
⌒ ` -=≦i{ノイミ}〉 /\{i\{:v /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::≧ /...........
r‐≦i:i{:i:i:i:i:i〕iト⌒`'<:〉 v 〃/´::(:::::::/__:::::::::/:::::::_:::::::::::::::::::::::::</ ...............
/‐ }i:i:i: {::\:i:i:i:i:iハ \}\ {乂 :::::::::/´ , ̄ミx /::::::::`ヽ::::::::::::::::/` ‐──‐‐
/≧≦i:i:i:i:i{:::::::\:i:i:i:i〕iト 〕iトi、 ヽ ヽ. _/ ’ ) \::::::::::::::::Y:::::/
./:i:i:i:i:i:iハ:i:i:i: {:::::::: : \:i:i:i:i:i:i:\ \:} { ─r‐‐< `Y⌒ヽノ::::/
./:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iハ:i:i:i:{:::::::::::::::: \:i:i:i:i:i:i:ヽ: \⌒ヽ `Y { Y ノ)}::/
} ≠ミノ 丿 ノ/´ ̄`ヽ
ノ /................ \
. {__ /..........................\
. L ___ノ /.............................. / /
└r /................................//
}__ ノ⌒/\..........................X ___
/ 丶.............../ |\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .何故司馬睿が急に強気になったのか?
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } これは祖逖の譙での戦勝が、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j ちょうど劉琨からの勧進文が届いた直後に当たったためだろう。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 皇帝即位が視野に入り始めた時期の幸先の良い勝利だったわけだ
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 808 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:24:06.35 ID:rshbA5yX0
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| もしかしたら石勒に勝てるかも? .|:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ//
| | >:´|、 - ,|`:< そして、祖逖の勝利は、
| | |::::::::| > イ |::::::::| さらなる期待を抱かせるものでもあった
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 809 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:25:38.80 ID:rshbA5yX0
- 【紀元317年秋 晋 幽州 薊】
∫ι__________ ./丁了
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ
||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | ||
||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | ||
弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ
弋ェェt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ェ,ィ
il_,└───────┘ , i!
| ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l
|| ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄||
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|i | ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄||
 ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ || ̄! ̄ ̄/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄.|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i  ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~ ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l  ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`ll`l
l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″|  ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
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| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ | ̄ ̄ | ̄!,, ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ll
| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄___
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:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
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: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 祖逖の親友だった劉琨も
\ヽ、 _ , イ!::/ .そうした想いを強くしていただろう
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 810 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:27:35.04 ID:rshbA5yX0
-
V/\ ___ /////
V///ヽ 「.:.:.:.:.:.:.:.:.~^'<//
∨//ァ': |r─.:.:ミ:.:.:.:.:.:.:.\
アi/.:.:.:.ア⌒\:.\:.:.:.:\.:\
/|i/.:.:.:.:.| ヽ.:ト⌒|:.:i.:.:.:.
| |i| .:.:.:.:.| '⌒ |.:|y圻ミ .:.:.:| .この手紙を届けるようにと?
ノl'|i| .:.:.:.:.|y圻ミ |/ Vり 」:.:.:.:|
. /:.:.|」i〉.:.:.:.|.| Vり 、 ''''' |:.:.:. \ .「先日、譙で石虎を打ち破った祖逖は私の弟分です」
i .:.:.|〈〉:l:.:.:.:\''''' , 八:.:.:.:ト:.\
└‐t:\ |.:.:|:.:.: \ ` .イ ノ|.:.:人).:.:.) 「今後とも私への御支援の程、どうかよろしくお願いします」
):. )L:.:\.:.:.:.:≧=‐<|:ノイ:ノ:.:|:./:.:.\
(:.(¨r-=ミ:.\i:.:.」,ノニニ'<:.:.:.:.ト:.:.\jノ
ア ノi:i:(:.t:./ r‐t }}」\:.:.:.:\:.:\
/ / ⌒ヽi:iア ノイノノ |i:i:i:iTZ.:人:.:,ノ
/ i ,.イ _ノ ||- |i:i:i:iノ{:.:.Lノ:}
_,/ ̄ ̄` ̄\
/ /二◎二ヽ ヽ\
/ ルノハヽゝ,ハi 〉 .i
iv、!● ● i i' 〈
lリ〈 ワ i i' リ
こちらもお願いできるかしら? _iハ`ーゥ t-ノ i 〈
ヒ/」」」.l/リl ly ,ィリヽ、 ヾ
| l | / `.lシl==j \ 〉
| l ,/ー、{::::::::::/ー、! \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『祖逖伝』に曰く。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 劉琨は親族に手紙を送った際、祖逖の威徳を盛んに称賛した
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 811 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:29:28.76 ID:rshbA5yX0
-
V/\ ___ /////
V///ヽ 「.:.:.:.:.:.:.:.:.~^'<//
∨//ァ': |r─.:.:ミ:.:.:.:.:.:.:.\
アi/.:.:.:.ア⌒\:.\:.:.:.:\.:\
/|i/.:.:.:.:.| ヽ.:ト⌒|:.:i.:.:.:.
| |i| .:.:.:.:.| '⌒ |.:|y圻ミ .:.:.:| 拝見します。
ノl'|i| .:.:.:.:.|y圻ミ |/ Vり 」:.:.:.:|
. /:.:.|」i〉.:.:.:.|.| Vり 、 ''''' |:.:.:. \ 「私は矛を枕にして朝を待ち、
i .:.:.|〈〉:l:.:.:.:\''''' , 八:.:.:.:ト:.\ 逆賊を晒し首にする事を望んでいます」
└‐t:\ |.:.:|:.:.: \ ` .イ ノ|.:.:人).:.:.)
):. )L:.:\.:.:.:.:≧=‐<|:ノイ:ノ:.:|:./:.:.\ 「ただ、常に祖逖が私より先に
(:.(¨r-=ミ:.\i:.:.」,ノニニ'<:.:.:.:.ト:.:.\jノ 馬へ鞭を著けるのではないかと恐れています」
ア ノi:i:(:.t:./ r‐t }}」\:.:.:.:\:.:\
/ / ⌒ヽi:iア ノイノノ |i:i:i:iTZ.:人:.:,ノ
/ i ,.イ _ノ ||- |i:i:i:iノ{:.:.Lノ:}
_,/ ̄ ̄` ̄\
/ /二◎二ヽ ヽ\
/ ルノハヽゝ,ハi 〉 .i
iv、!● ● i i' 〈
lリ〈 ワ i i' リ
_iハ`ーゥ t-ノ i 〈
ヒ/」」」.l/リl ly ,ィリヽ、 ヾ
| l | / `.lシl==j \ 〉
| l ,/ー、{::::::::::/ー、! \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『劉琨伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉琨は祖逖が用いられるようになると、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 親族へ手紙を送って自身の気概を示して見せた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ . .ツ
`ヘ:ゝ .' 小/ 先鞭を著けるという故事成語は、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ この劉琨の手紙の文言に由来している
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 812 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:30:50.82 ID:rshbA5yX0
-
. \ニ=- _ ∨_-_-_-_━─-...ミ
\_-_-_->'"~~~"''〜、、::::::::::::::::\
\_-/:::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::\
. /∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::::::::::::::::.
〈__,{:八:::::::::::::::::`、:::::::::::::::::::`、::::::::::::::::.
. .::|∧:::::\:::::::::::::::`、::::::::::::::::::|:::::::::::::::::: .劉琨殿。
.::/|:::∧:::l_,,.`'<:::::::::`、::::::::::::::|::::::::::::::::::|
/:/:::|:::::::}:/斗-=ァ\::::::|::::::::::::::|::::::::::::::::/ 確かに先んじて北伐を敢行し、
.::/ j八::::从 V} ' |:::/::::::::::::::|::::::::::::::: .石勒の軍勢を打ち破った祖逖将軍は称賛に値します。
〈:〈 /' l:/':ノ |/::::::::::::::/:::::::::::::/
`>> l:::::\ /:::::::::::/::::::::::::::::{ .ですが、あなたも常に賊との戦いに身を置いてきました
(:::( l::::::::::::... っ /::::::::/!:::::::::::::::::::::::. _
)ノ 八:::::::\:::\ /:::::/ |::\::::::::::::::::::::... ⌒):)
\:::::::\::::/::/::::}/|:」 \::::::::::::::::::::::...../
\::::::∨::(、:::/ /-_-_⌒\:\:::::::::...
.:::::::::::)\::::::...... /-_-_-_-_-_-_`、:\::::/
_,/ ̄ ̄` ̄\
/ /二◎二ヽ ヽ\
/ ルノハヽゝ,ハi 〉 .i
iv、!● ● i i' 〈
lリ〈 ワ i i' リ
_iハ`ーゥ t-ノ i 〈
ヒ/」」」.l/リl ly ,ィリヽ、 ヾ
| l | / `.lシl==j \ 〉
| l ,/ー、{::::::::::/ー、! \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 他に先んじて物事を始めるというような意味がある
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 813 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:31:41.29 ID:rshbA5yX0
-
`''<_-_-_-ニ-''"゚~~::::::::~~゚"'::.、 -_-_
`,.:'´:::::::::::::::::::::\:::\:::::::::/_-_-}
.:::::::::::::ノ:人:::::::::::::∨:::\:/_-_-_]
/:/::::::/::/⌒l::::::::::::::∨::::∧-_-_ノ',
. / ,゙::::::::::/ l::|';:::::::::::|::::::::∧::::::::::::',
{ :::::::::/\ :::| \::::::|::::::::::::|::::::::}:::::.
{ |::::::斗=ミ /:/─‐\::::::|:::::|::::::::}::::::
人::::ヽVソ /'゛ 斗=ミ |::::::|:::::|::::::/:::::′
.::::ハ乂x , 弋ツ >:::::::::::/:::/::::::′ そう御自分を卑下なさらなくても良いのでは?
.::/ .::::. xxx /:::/:::/:/::::::'
廴_八:込, 丶 /:::/:::/:::::::::::/)
(⌒ハ::l::\_,,. -=/::://:::::::::::::':(
) ノ::|:::__::ー┴=彡'::::::::::::::::::/(⌒ー--
..:::::/乂⌒\ 八:::::::::::/乂::. / _ -‐\ \ \
. 八:::(/ ⌒乂\(⌒:::::::::::\} ):〉 , -=二ニニニ=-\ \ ヽ _ -=
. // }乂 \ノ人:\ヾ::/ /ニ=- \ \ ヽ ', /二二
/' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ=-
/ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄__
|八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二二
i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、  ̄ ̄
事実だからしょうがないわ。 .| | ,ィ=ミ\ `" `、 ( ノ人 \
|i 爪 vリ __、 〈 ヽ \
私は昔から自分より優れた相手としか付き合わなかった。 .八 ハ ' \、 \ \
ヽ 込 、 - / \ \ \
けれど、今の私にも何かやれる事はあるはず .| 个 ィ / ' \――― ミ
| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒ヽ
__ | | i 八 / '// / ' \
/ ∧、八 |{_// / ' , i '⌒
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『劉琨伝』は劉琨の人柄について記している。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 若くして志があって縦横の才を有し、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .己に勝る相手とよく交わったが、大変派手であり、なおかつ驕っていた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 814 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:32:23.36 ID:rshbA5yX0
-
,、丶`  ̄ ̄ ̄ ``丶、
/ _ -‐\ \ \ -‐==ニ二二ニ==-
, -=二ニニニ=-\ \ ヽ _ -=二=-‐  ̄ ̄ ‐-=ニ二==-
/ニ=- \ \ ヽ ', /二二 / \二二二=- _
/' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ=- \二=- ''"⌒
/ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄________ -=====- _
|八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二二二二二=-‐  ̄ ‐-=二二二=- _
i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、  ̄ ̄ ̄ -=二ニ=-_
| | ,ィ=ミ\ `" `、 ( ノ人 \ -=二=-_
|i 爪 vリ __、 〈 ヽ \ 河北の勢力を結集して、 -二-
八 ハ ' \、 \ \ 今度こそ石勒を討ちましょう -=_
ヽ 込 、 - / \ \ \
| 个 ィ / ' \――― ミ \
| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒ヽ \
__ | | i 八 / '// / ' \ \__人_人从_人_人从/
/ ∧、八 |{_// / ' , i '⌒\ _) (__
___/_____,/:__\ _ ノ7:/ / /' / V | { ) 押忍ッ!!! (
/ ________|,::/ / , / \ \ |  ̄ ̄) ( ̄ ̄
. / /\ ̄ ̄\/////////,|::i_/__ ____/_____\ \ /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
/ ///,',\ \///////二二ニ/7二二二二二二ニ= \ \ | | / /二二二〕
. / ///////,\ \/// '二二二|八_ )二二∨)二二二二=:〕 \ | | /| | ̄|ニ| ̄|‐┐
| |/////////,\ \ |二二二 |Z二ニ==-―― 斗七さ:| \八 //∧_ ̄/ ̄彡'
- 815 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:33:21.21 ID:rshbA5yX0
-
/ -―‐-ミ \ \
, /:::(O):::::::::::::::\ ヽ
/ ..:::,、丶`  ̄ ̄ ̄ ヽ ',_
, {/ { \ ヽ: ', Vヽ
,' :| ∧ {、 \:―‐i‐ i //〉
:| i/、、\ \__|__:|_ : : ' / 段匹磾殿。
i :| /| \ 〃う刈 》i |): : :K
| :l ィ笊_ 乂ツ |i | : : :|∧ .石虎の軍勢が南で負けたのは天が与えた好機。
| | l :爪 乂ソ , || |: : : |/∧
| | | 込 , 从 |: : : |∨∧ 今こそ私たちの総力を挙げて石勒を討ちましょう
八 | 个 ` イ: } |: : : | `⌒
ヽ| \|: : : :≧ー |/:| |_: |
:| |: : ;>rノ^|:H /:/| √/ ̄ \ <]\ /::::[>|
∧ |7: :._/_ |:. | /:/ , / / /⌒ヽ |<]::::::\,.....:::━━━::..../:::::::::[>√
/ | 、 {:{ F¬ 、 \ヽ:/ { /| / i |<]::::::/:.:.:.:.:.√::::7:.:.:ト,:.:\::[>:√
.,: | } r人\ヽ ∨_, /: |' / | |::<]/ア:.:.:.:.:.:./::::::/:.:.:.:}::|:.:.:.:.∨/
[アK[:.:.:.:.:.:.:.:/:::/:.:.:.:.//:.:.:.:.:.:.:.:.,
//:.:}〉:.:.:..//:.:.:.:.:.:〈//:.:.:.:.:.:.:.:.:[ト、
/:.:>〉//:.:.:.</∧:.:.:.:.:.:.:.:./ ∨:.:.:.:.:.:.|:.:.ハ
/:.:</:.|/:.:.:.:.:.:.Ν`∨\/ ´ ∨:.:.:.:.リ:.:.:.:.\
よし、やろう。 /:.:.:.:.:.:.:.|〕:.:.:.:.f灯たヽ ィた灯|:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.\
/|:.::.:.:.:.:.八:.:.:∧| Vツ. Vツ /:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ
劉琨殿を総大将にすれば、 /.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.\{八 ,′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:|
河北の有力者たちも参加するだろうし . .|:.八:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.込、 マ⌒7 |:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/|:.リ
八{ ∨.:.:.:.:.:}.:.:.:.:.:.:.:.> <∨:.:.:.:.:.:.:.:.:/ ,.::/
__〕:.:.:/:.:.:.:.:./:./ .〕 爪__ )\:.:.:.:.:./ /:/
\:._∠_,,...-┴一 ''〈 〉 `''┬--<ー=彡'′
/ : : |/ ‘,____/ |/: : : ∨
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .建武元年。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉琨と段匹磾は石勒討伐を期し、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 段匹磾が劉琨を大都督に推す形で盟約を結んだ。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 各地の郡太守らに対し、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 共に襄国へ集結するよう檄文を発したと『晋書』『劉琨伝』にある
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 816 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:34:55.49 ID:rshbA5yX0
-
∨]::::\...:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:./::「)::::::::|
∨]::::::,≫‐:.:.:.:.:.:.:.:.:‐≪]:::::::人
__冫/_:.:.:.:.:厂l:.:n:.:.:.:.:.:.\/:.:.:ハ
〔_只__〕:.:/::/:.:.|:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.厶
_,, イア:.://:.:.:./:/:.:.://:.:/\:.:.:.:.:.:.:√`丶
\/:.:|//:.:./:/:.:.://:.:/ __ ∨:.:.:.:/ハ:.:.:.:.:.\
/:┌く:::/∠_/:.:.:〈/:.:/ ´ ∨:.:/:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.`、
/:.:.:.:.:`I爪:.:.:.r¬禿/}/ ィ禿¬y/:.:.:.リ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. うちの連中にも出兵するよう言っといて。
/:.:.:.:.:.:.八レ\|{ 弋ツ 弋ツ/:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
|:.:.:.:./.:.:.:.:∨:.:.∧ '''' ''' {:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧:| 固安で合流して襄国へ進軍するってさ。
∨:.:|:.:.:.:.:.:.:.\:.:込、 - - イ∨:.:.:.:.:.:.:.:.:./ リ
\{\:.:.:.:.:.:.:.:Υ > _,. イ ./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:( .ほら檄文
>-ミ:.:.リ __/〔} _/\|:.:.:._/⌒^
/ }/ ∧__/Υ{__/\( `、
/ jニ{// [廷_] // }ニj/ \
人 /ニゝ--イ⌒ト--くニ{ 丿
(~)
γ´⌒`ヽ
{i:i:i:i:i:i:i:i:} _____
はーい ( ´・ω・) | 段部 → |
(:::O┬O  ̄ ̄ || ̄ ̄
◎-ヽJ┴◎ キコキコ ||
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \ .『晋書』『段匹磾伝』によれば、
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .鮮卑段部の段疾陸眷・段渉復辰・段末波にも檄文が送られた。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 襄国に集結するため、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j ひとまず薊に程近い固安という地で劉琨・段匹磾と合流するとされた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ ここでも段部の有力者の一人に過ぎない段匹磾が
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 一族の他の有力者たちより格上のような扱いになっている
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 817 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:37:07.86 ID:rshbA5yX0
-
, - 、, -‐r ‐-.、
,イ ./ ハ
/ ./ / // ./ .!ヽ
. / ./ / ./ //./ / / i、
/イ/ / / // /イ' .! !',
(' / /// /、_ 、 /イ ./! !j 中原で祖逖将軍、河北で鮮卑段部が動けば、
{(、_/イ ,' {、.`⌒゙ /.、_ jイ. !| 相手が石勒と言えども勝ちは揺るがないだろう。
.) 77´ { i、Y , `゙Y//ル
/'^´Yゝ、ミx、!リ ` - ,!イ/ .今度の戦が終わったら、嫁でも探すかな
ヽ: /へ> イ_/'x──‐、 __
斗r<:::::::‐-,-<゙爪(Y')ノ { }-、`!
. __ ,x ´-<´:::\:::::/╋v\、_. ∧ /= イ
マム ̄{::::::::::::::::::::::::::`:´:::::::}`´::::::\ `¨¨7'ニ´.ノ ト、、 ∨///∧__
マム. ',::::::::::::v:{ニニニ}::::::|:{:ニニ}:∧ .{、-_i'ノ} ∨/\ ,、..:::'"~~"''〜ミ/,::``〜、
マム. ',::::::::::::',|:::::::::::::|::::o!:|:::::::::|:!:::`、 .{ ̄::::: | ∨//`、/r‐ミ:::::::::::\:::::::::::\::::::::::::..
マム. ',::::::::::::i!::::::::::::|::::: i!|:::::::::|:i!::::::ヽ.i!:::::::::::i! V/..:゙/::::j\:\::::::::::`、::::::::::::∨::/:::::::.
マム. ',:::::::::::|──´::::::o!`─´::|:::::::::/::::::::::::i! r‐=≠/::/:::::/''"~゚。:.\::::::::`、:::::::::::∨::/:::::::.
\ /::/:{::::| ゚:::l `''〜::|:::::::::::::∨:::::::::::
晋 盧志の甥 廬綝 `'|:/::::{::::!/ :::| |:::::::::::::::|:::::::::::::|
..:/|::{:::::{:::| l/ --=彡:::::::::::::::|:::::::::::::|
.::/} {八::::{::::. _彡 /:::::::::::::::|_r‐ミ:::|
勝ったわね。 .:/ ノ W',\(::::. 丶 /::::::__,r_'⌒ヽヽ\
::( } { ∨V::::::/, ー ´ .::::::└‐ -ミ `、_
お風呂に入ってくるわ ):) } { V:::::::::公, /::::::::::::::/{:::::乂 / `、 ノ
.:::' 廴{ .:::::::::/:::/:::≧=-/:::::::::::::/_彡冖ミ{ _. -=ニ:::::::::::/
::( /::::::./:::/:::::::::::「j :::::::::::::/_、+''"~~"''V_-_-_-_-∧ ̄
乂:... ..::::::::::|::/-‐=≠7ニ{:::::::::::{_-/-_-_-_--∨-_-_-_-∧
_彡::/::::::|:'_-_-_-/ /∧::::::::::∨-_-_-_-/,.∨-_-_-_-∧
- 818 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:37:44.92 ID:rshbA5yX0
-
≦――=-<
_|>゛¨¨¨¨¨¨>s。 `ヽ
>' ., ´ . >s、 \
./ / .:i 〈\ ∨
,' / .: | | ∨::\ ∨
| :. .:| | .: .: ∨乂\∨
| { ∧八__::| .: .: ル乂X<フ
人 { :. ∧ャtf=ァ:| / / /レ \乂X{
N\人 り レ'| ,イ /} ∨ ` <
| 〈 ノ' レイ} :::∨ /∧
| ∧ _ / ∨ ::∨ /∧
| |: \ ` イ /¨∨ :::∨ /∧
| |: へ..::<〉¨¨¨///>‐、 :∨ /∧
| |: ,' /}}///∨ \::∨ /∧ そう上手くいくかしら?
| |:/ //∨⌒/ <> \v /∧
| :/ .ィ }/ \ /∧
|ハ /:} / <> \ /∧
|| .: /\ <> \
|| .: }/弋ノ:\ ,ィ <> 〉 :\
ハ ://>―‐「笊ミ、 <>∧
レーァ:::::::::::::::::乂〉ルノ `ヽ <> | ∨ :`ヽ
/`―ァ::::::::::::::::::::::::::::::∧ \ |-_-∨
/^ニ≧¨:::::::::::::::::::::::::::::::::::∧ <> ¨¨¨ `ヽノ-_-_ ∨ /∧
/|ィ`ヽ}::::::::::::::::::::::イ:::::::::::::::::} ∨-_-_-_-_-_-:∨ /∧
/イ/:::::::::::::::::::::::/ilili}:::::::::::::::::} <> ∨-_-_-_-_-_-:∨ /∧
( /:人:人:::::::::::::::/ililililili}:::::::::::::::::} ∨-_-_-_-_-_-_∨ /∧
)「¨¨ \:\::::, 'ililililililililil}:::::::::::::::八<> ∨-_-_-_-_-_-_∨ /∧
- 819 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:38:30.97 ID:rshbA5yX0
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| その時歴史が動いた .|:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ//
| | >:´|、 - ,|`:< .後から振り返れば、
| | |::::::::| > イ |::::::::| ここからの数年間が歴史の流れを決定づけたと言える
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 820 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:39:02.72 ID:rshbA5yX0
- 【紀元317年秋 晋 幽州 固安】
__ ,.::-ーュ_,、_rv:..、 _ _,,-─-::_,, _::. ` .:::., ..:::ーy
::.`` -、.::... .:、:...-iー..__,、_ ___ノ:.ー、_ ,,--‐'´::....... :i .::::::::`'-‐'" _"::.:.:.:.. ,
_::. ` .:::., ..:::ーy ....:.. :... .:::.`'".:: ::i.. ヘ' ̄`::r、─ 、_, 、_,、--''`'´.:::::::::... .::.. :::. .:::::...ノ-",::~_-
::`'-‐'" _"::.:.:.:.. ,_ - 、::..... :: ::..v :....::" ..:;''.:'" ` ::. :.:.... .::::::::.:.:.:.. :... _,..- '':::::::::... .::.. :::. .:::::...
::. ::..:::.......,;,.. ./:: .:.:: 丶 .. ..:......、 :.、 ノ-",::~_- 、:::::::::::.::...-、 `- :::. .., '":::::::::::::::
\_人_人∧从_人_∧_人_从_//
) >
< 遅いッ!!! >
< (
/^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
r--─‐i r--─‐i r--─‐i
. ┌─┐ | 晋 .| ┌─┐ | 劉 | .| 段 | . ┌─┐
. ├─┘ |--─‐'' ├─┘ |--─‐''. |--─‐''. . ├─┘
∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二ヽ:::∧二ヽ;::::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;: ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;:∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二
l :ll=lll ...::..:.l:ll =lll:..:.l:ll=lll::::l:ll=lll:::::::l:::l:::::::l::.:::.l:::l:::::::l:::::l:::l:::::::l:....:.:::.l:::l:::::::l:::::l:::l:::::::l:....l :ll=lll ...::..:.l:ll =lll:..:.l:ll=
幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 『晋書』『劉琨伝』に曰く。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ 劉琨と段匹磾は固安へ進軍して駐屯し、諸軍の到着を待った
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 821 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:39:41.60 ID:rshbA5yX0
-
/ハ>∧
|人>::∧
/\ ,....:.:.:.:.:.:.:|人>:::: ト、
<人>\___/:.:.:.:.:.:.┌i.:―ミ::::|:.:.\
<人>:::::::::/:.:.:.:.√|:.:: Y:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.ヽ
<人>/:.:.:.:.:/:::リ:.:.:.:|:|:.:.:.:.:.:.:.:.`、:.:.:.ハ
匸[_匸_]:.:.:.:/:::/:.:.:.:.//:∧:.:.:.:.:.:.:`、:.:人__
,≫―==彡/::/_/:::/:.:.:.:.〈/:/ ∨:.:.:.:.:.:.:|:.√ ̄\
く/ ┌―=≦∠__/:.:.:.:.:.:.:.:厶イ ∨:.:.:.:.:.j/:.:.:.:.:.:.:.:.\
/¨¨¨ア:.|:.:.:.:.:∧¬ト/}/ ∨:./:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:`、
/ ∠__:.:|人:.:{ ,≫¬y -=彡 У:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、
/ ,,‐┬'’:.:.:.:.\ヽ弋ツ '''/:.:.:.:.::/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、
,′ /´ /:.:.:\:.:.:.:.:.:.ハ ''' /:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧:|
.′ | /:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.込、 - |:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. 〈 <ノ おかしい
′ | ./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.> イИ/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./}∧:.:.\_ノ〉
| |∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、__/ア┘ |:.:.:.:.:.:.:.__/⌒\ `'ー‐彡
i | |{_人:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ ./` ´/|:.:.:.</::::/: : : : : : \
|. ├―ヘ \:.:.:.:.:.∧.:.::| |'⌒У 八(⌒´::::/: : : : : : : : : ニ=┐
| ∨ハ: )/}/: :)/ |: :/ /:::::| : : : : : : : : : : : : |
八 _,,. イ}| |: : : : :/└- _|厶ニ= /:::::: | : : : : : : : : : : : :∧
` ̄ 乂_/| ̄ ̄Y∩Y ̄ ̄\_/:::::::八: : : : : : : : : :/ 人
{:::::〉///.ЦЦ//////|:::::::::::::::::>┐: : _/ / `、
∨|_/| | \__/::::::::::/:/  ̄⌒`く. `、
∨///.| |///∧|::::::::::::::::::/ 冫 `、
└‐y_/ .L__//∧:::::::::::::::/ / /
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } だが、鮮卑段部の軍勢は姿を見せなかった
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 822 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:40:23.67 ID:rshbA5yX0
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
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| |:::::::::::::f \::::::::}
| 続く .|:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
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\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ// 続きは日を改めて。
| | >:´|、 - ,|`:<
| | |::::::::| > イ |::::::::| .お疲れ様
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
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|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
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- 823 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/02(木) 01:14:05.71 ID:LeT7UFgd0
- 乙
誰かが言ってた補正がないというのがわかる
- 824 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/02(木) 02:09:10.68 ID:MKj1VISt0
- 小勢力が割拠して飢饉の中グダグダやってるけど
三国志の前半みたいで結構好き
- 825 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/02(木) 07:31:23.02 ID:TR7CkwHyo
- この石虎は種籾まで食い尽くす
- 826 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/02(木) 09:17:42.58 ID:n0cY7Pzv0
- 乙でした
>>805
犬羊之衆と書くいうことは、牧羊犬のことを知っていた人物の文章でしょうかね
- 827 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/02(木) 11:11:50.68 ID:GM392lB3O
- 乙です
劉?さん、負けヒロインみたいで癖になりそう
- 828 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/02(木) 18:17:30.89 ID:n+v/IUfW0
- 乙です〜
長安政権が滅びたのになぜか盛り上がって来たーって情勢ですね
- 829 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/02(木) 19:46:04.67 ID:4jWzFHAZ0
- 乙でした
この祖逖が持っている陽性の悲愴感は(変な言い方で恐縮ですが)
何となく往年の姜維を思わせるものがあるなあ
- 830 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/02(木) 21:50:46.08 ID:yMPbUxKQ0
- 乙、王導アンチのかまってちゃんのイケメンポンコツエリートの庾亮もついに登場か
- 831 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/03(金) 01:27:12.80 ID:kcydru3A0
- 【>>767修正】
【紀元317年夏 晋 揚州 建康】
┌┐
/~'7;; |/~''7 〜〜〜 〜〜〜
〜〜〜〜 (晋( ̄| (
、___`t-'ーイゝ-i ┌┐
ヽ] ̄二二二7 /~'7;; |/~''7
〜〜〜〜 〜〜 ""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 (晋( ̄| (
┌┐ 、___`t-'ーイゝ-i
/~'7;; |/~''7 〜〜〜 ヽ] ̄二二二7
(晋( ̄| ( ""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜
、___`t-'ーイゝ-i ┌┐ \__人_人从_人_人从/
ヽ] ̄二二二7 /~'7;; |/~''7 〜〜〜 _) (__
""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜 (晋( ̄| ( ) この祖逖ッ!! (
〜 、___`t-'ーイゝ-i 〜〜  ̄ ̄) ( ̄ ̄
〜〜 〜〜 ヽ] ̄二二二7 /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
〜〜〜 〜〜 ""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜 〜〜〜
┌┐
/~'7;; |/~''7 〜〜〜 〜〜〜
〜〜〜〜 (晋( ̄| (
、___`t-'ーイゝ-i
ヽ] ̄二二二7
〜〜〜〜 〜〜 ""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『祖逖伝』に曰く。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 祖逖は本籍地から移ってきた部曲百余家を率いて長江を渡った
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 832 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/03(金) 09:42:11.03 ID:y5339mcu0
- 乙、この殺伐としたイカれたリアル世紀末時代の中じゃ
ドジっ子の庾亮はある意味癒しだ
- 833 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/04(土) 01:56:05.27 ID:GomhVfyB0
- お疲れ様でした。
司馬保・司馬睿と張軌の差は、半独立勢力であっても、隙あらば自分が帝位を窺う(あるいは配下にそれを期待される)皇族と、
権益が保障されるなら積極的に忠勤に励む意味のある非皇族の違いという所でしょうか。
血縁の方が信用できない事態になっています。
とはいえ、実際に自分たちが血を流した張軌陣営から見れば、司馬保は「恥を知れ」と思われて当然。
- 834 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/04(土) 18:40:54.72 ID:gJ7sNEGY0
- おつでしたー
曹嶷は漢側かと思ってたけど勧進文に賛同してるとは…
- 835 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/04(土) 22:53:30.42 ID:fA+5hhGi0
- おつ
南でのささやかな勝利が北では大げさに取られてしまった感じがする…
劉琨は後がないんで仕方ないかもしれないが
- 836 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/05(日) 10:17:03.76 ID:+LKNGW+z0
- 劉琨は雁夜おじさん並に色々補正無しな上にやる事が裏目に出過ぎてるなあ
- 837 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/05(日) 10:52:39.53 ID:CHevN0Zso
- よく一族取り立てる理由に
「一族ならいざと言う時に頼りになるし
異性を王にすると乗っ取られるから」と言うけど
この時代の司馬一族ほど信用出来ない存在がない、レベルというか
- 838 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/06(月) 14:31:47.71 ID:c5UulhRa0
- >>1さん乙ー。
劉琨って、桓温「俺、劉琨に似てる?どう?どう?」の人としか知らなかったけど、
完全にこの時代の最重要キーマンだったんだな。
- 839 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/06(月) 20:10:22.97 ID:Ck1a4Fea0
- まあ曹操が主人公補正無しで敵が強過ぎなベリーハードモードだったのが桓温だから
補正無しで敵強すぎる境遇な所が劉琨に似てると言えば似てるかもな
- 840 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/08(水) 19:12:14.93 ID:iPsoaEYW0
- 異民族と兄弟分になって辛うじて維持できる立場じゃ藁にも縋る想いなんだ…
そしてこんな戦果モリモリの書状送らなくても良いじゃないの王導さん…
- 841 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/08(水) 19:44:07.96 ID:mgkc0BGF0
- >>837
本当に一族同士の殺し合いで国が滅んだからな。しかも何回争ったんだよってレベルだし
- 842 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/09(木) 09:01:20.60 ID:sHD+pjjQ0
- その辺はまぁ
裏切るかもしれない親族と
最初から信用の低い赤の他人の比較だから
- 843 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/09(木) 13:13:15.90 ID:wZvCA5en0
- 一族内のガチ内戦で国が滅んだ例……あと南朝梁くらいか?
- 844 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/09(木) 13:25:19.83 ID:+zFFiKVqO
- 南朝の梁は宇宙大将軍さえいなければ
あんな一族で争って無いと思う
- 845 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/09(木) 22:02:18.41 ID:gOxsWLZI0
- 南朝、宋や南斉に一族の争いを恐れて、わが子以外の男子皇族を粛清した皇帝がいて、
でもやはり継いだわが子は碌でもなく
- 846 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/09(木) 23:02:02.57 ID:S7nMba/c0
- まあ結果、兄貴をだまし討ちで殺された梁武帝が人間のクズかこの野郎って建康へ殴り込んで
東昏侯ぶっ殺したけど、こいつらも一応親戚筋だったりするしなあ
- 847 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/23(木) 01:50:15.92 ID:p0/ex6YU0
- ウマ娘で段文鴦が実装と聞いて。
- 848 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 01:35:32.77 ID:qSjPNxu80
-
- - ──ー - -、
/i ,.-‐''"´ \ i\
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l 御無沙汰しております。
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ 今日の21:30頃から続きの投下します
| i ̄i ̄i ̄i """ |
l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l .中日の岡田投手の故障がエグ過ぎて、
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ / ゴジラ松井がレフトフライで腕折ったやつ思い出した
`/ | | \ /
- 849 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/25(土) 09:22:34.66 ID:L9zewAri0
- わーい
- 850 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 21:49:49.52 ID:qSjPNxu80
- 【>>821の続き】
【紀元317年秋 晋 幽州 令支】
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
盛楽 令支 、-' ヘ
,r'`ー-、_;_, ○ 薊 ● ./´ /
r'´  ̄ヽ, ○ ,r'´ r' r‐
} { ,.、_ノ _"7 /
/ r' 晋陽 太 / 'ー'´
./ ノ ○ ヽ
' { 陽邑○行 厭次ー、 r'‐-,_,_ィ_
} ○襄国 ○ /ヽ_r' _r'´
{ 平陽 山 鄴 ○ r-'´ 〇 r' '
`ヽ } ○ 壺関○ ○広宗ノ 臨淄 }'ー'
{ { 脈 r○廩丘 r'
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
_,..、-''"~""''';,‐-..,
`゙''ー-、,__,,..-‐''"'''- ._,,..-‐''~"~"'''''‐-
,__,,...-‐ '''"" , -'" ``丶、.
::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;''.:i;;:;: :::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:i;;:;:..
...::..:..:..::::..:..::.:..:...::..:.il.::::::::::l:ll=lll:::::::l:::l:::::::l::.:il::.:....
...::..:..:..::::..:..::.:..幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵:::..:...
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ ', "゙
| 匹磾は外にいて、この国を奪おうと狙っています | _,,.-‐''"_,,゙
ヽ______________________乂 __,,.. .-‐'''""~ ,,.. '''
_,,.-‐''" _,,.. '
┌─┴┴─┐
│ .段 部 .│
└─┬┬─┘
││
"''゙"''゙"
- 851 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 21:50:28.85 ID:qSjPNxu80
-
、〜'´. . . . .{:.:. :.V/、 --ミ
┌ 、 . . . . . . . . . . ..{:.:.: :.:.、...) /:::::::::|
八:.:.:.:.:/. . . . . . . . .--八:.:.:.:.:.:',:.\:::::::::|
〉/. . 、〜'´ ̄ ̄/¨¨¨\::. ::. ::. ::..V/:{
/. . / /::. ::. ::. ::. ::\::. ::. ::. :V/:.
乂./ / ノ::.}::. \::. ::. ::.\::. ::. ::Vノ
/7 / /.:: .:}、/〉\::. ::. ::.\::. ::.
/ / /.:: .::.:/⌒\/〉\::. ::. ::.\::.\
,:_/ /}.:: .:: / 笊うぅ 、}::. ::. ::. ::. ::. .\::::\
乂______/.:. ノ.:.:/ 'Vツ }.:: .:: .:: .:: `'〜-\::.:\
そもそもがです。 |::. ::.:/ x芯 ' '/.:: .:: .:: .:: |: ..:: .:| \::.:\
|.:: .:: .:: ::.、' ' ' /イ.:: .:: .:: : .:: .:: .: | \::.::\
父兄が子弟に従うなんて、おかしいじゃありませんか。 八.:: .八:.:込 V  ̄) |.:: .:: .:: .ノ.:: .:: .: | \::.::
\::. :\ :::..、 |.:: .:: /.:: .:: .:: .:| \
一旦功があったとしても、 .\::. :\::.>........イ: :|.::/.:: .:: .: .:: .:: |
匹磾がそれを独占するに決まっています .\.:: .}.:: .::「、) 厂/.:: .:: .:: .:: .:人从__ノ
.ノ\}.://W、,:: .:: .:: .:: .: /⌒¨ヽ
/.:: .:: :厂¨Y^Y¨¨}.:: .:: .::/ ',
.{.:: .:: ノ.......厂〉\.}::. ::. ( }
.┌八.:/乂/ /......|乂(⌒ ::::. |
〉- / /....../ {..... .| /\ノ\ |
, ー‐ ー‐ |//, \ノ`'〜---' }
{ {.............:::::::::...............|///, |`'〜------{
¨⌒ 八:::::::::::::O:::::::::::::::::::|////,.| {
- 852 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 21:52:07.89 ID:qSjPNxu80
-
/ __ / /.:‖ .} V __ V ,
〈∨/ { .{ i | .i | { }∧∨〉
|〉〈 { /| 从 疾 | ト、.|V } 〉〈.} .i
i〈∧〉{ _|./ .∨, |/ 从_ .i|} 〈∧〉 .|
| .{/ .!'`\∨ { /´ 刈} } .|
| .杙芹ミ、 \ { ィ芹圷7 .} } .|
| .| .辷リ 辷リ /} } !
| .| i| /ノ} } |
.| . |‘, ./ } j} .|
l . | .\ ´ ̄` /i } .i ‖ .|
=- _ .l |___.〕iト .,_ ィi〔___i|_ } |‖i | ,へ __ 、丶` ⌒``〜
¨ -=ミ .从 |==--┐─-::┌ー===:} j/ .i| ./ .> 、丶`  ̄⌒``〜、)L
⌒>ー ──┴:、 .V .{  ̄} |::::::::::::::| 厂 ̄ } / | / / 、丶` \L___ `
/ .iTV {_.」⊥.r=ミ⊥L_ } /ニ=:ァ-v' / / ', ',/⌒〉,ヽ^ 、
} 乂∨ _j{_jL_  ̄‖ / / / _。 / / | | ', \/ ', / V{ \s
人/∨__彡イ /⌒ヽ 〕iト ./、 / / {_。s≦ l 渉.i| ト 、 ', /\ V / {ノ
i l i|\j{ 、/ |/ ノ{
l V八 i| 斗fセ7 ' L / jノ,
|/i抖ミ\j Lり ' 「ハ / ,
小 {り : |)ソ′ i{
あまり時間はない。 .|∧〈 i |ア i{
| 圦 __ _ | | i{
決断を . | 、 | | j{
| \__ ‐ _| |─‐┐ /\
| | __ }==={ri| ノ ̄ {/ /⌒\
| | lh l‐}==={{ | / 厂/ / 、
人 |/(_) ̄ ̄) }/ ⌒// / _ -─‐}
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 劉琨と段匹磾は固安へ駐屯した頃。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 段末波が段疾陸眷・段渉復辰の二人に
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .段匹磾の行動を警戒するよう説いた話が『晋書』『段匹磾伝』にある
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 853 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 21:52:56.02 ID:qSjPNxu80
-
{/ \ } V
, , / V :、 V
/ / ‖ i V :, '
/ __ / /.:‖ .} V __ V ,
〈∨/ { .{ i | .i | { }∧∨〉
|〉〈 { /| 从 | ト、.|V } 〉〈.} .i
i〈∧〉{ _|./ .∨疾 |/ 从_ .i|} 〈∧〉 .|
| .{/ .!'`\∨ { /´ 刈} } .|
| .杙芹ミ、 \ { ィ芹圷7 .} } .| 話は分かった。
| .| .辷リ 辷リ /} } !
| .| i| /ノ} } | .兵は出さない。
.| . |‘, ./ } j} .|
l . | .\ ´ ̄` /i } .i ‖ .| .最近の匹磾の振舞いは目に余る
=- _ .l |___.〕iト .,_ ィi〔___i|_ } |‖i | ,へ
¨ -=ミ .从 |==--┐─-::┌ー===:} j/ .i| ./ .>、
⌒>ー ──┴:、 .V .{  ̄} |::::::::::::::| 厂 ̄ } / | / / `iト .,
/ .iTV {_.」⊥.r=ミ⊥L_ } /ニ=:ァ-v' / `':┐
} 乂∨ _j{_jL_  ̄‖ / / / _。s≦` .|
人/∨__彡イ /⌒ヽ 〕iト ./、 / / {_。s≦ |
/}/ / ./ / /|V.∧ ∨ \\{ {∨ ∧ .|
_/:/⌒`iト ./ _/ /_.|_∨∧_ ィi〔⌒\{ ∨ ∧ _.jL
_ -=::::::/ \\∧ / ././ \::\ \_ _。s≦ ∨
-=≦}::::::::::::/ ヽ `∨ ' ' ∨:::`i' { ∨
}:::::::::::' ∨ハ/ ./ ∨::{ .| .∨
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 二人はこれを認め、軍を帰還させてしまった。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 王浚敗北以降の段匹磾の諸々の行動が疑いを招いたのだろう
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 854 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 21:54:47.50 ID:qSjPNxu80
-
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| 襄国への出兵は取り止めになりました |
ヽ__________________乂
_,..、-''"~""''';,‐-..,
`゙''ー-、,__,,..-‐''"'''- ._,,..-‐''~"~"'''''‐-
,__,,...-‐ '''"" , -'" ``丶、.
::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;''.:i;;:;: :::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:i;;:;:..
...::..:..:..::::..:..::.:..:...::..:.il.::::::::::l:ll=lll:::::::l:::l:::::::l::.:il::.:....
...::..:..:..::::..:..::.:..幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵:::..:...
', "゙
_,,.-‐''"_,,゙
__,,.. .-‐'''""~ ,,.. '''
_,,.-‐''" _,,.. '
┌─┴┴─┐
│ .段 部 .│
└─┬┬─┘
││
"''゙"''゙"
- 855 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 21:55:46.66 ID:qSjPNxu80
-
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
| ヽ ' _ ` イ さすがは段末波様。
l l ´=` l
ノ ヽ _,、__ノ 鮮卑段部一の勇将と呼ばれるだけはあります。
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_ 我が主も喜びましょう
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|::: ___ 、〜'´. ..{\\
八_ノ. . . . . . 八::::ヽ^',::}
/. ./ ̄ ̄ノ:. :\:. :.:',::.
〉//)¨¨´:.}:. :\:. \:.',ノ
///.: ./⌒\\:. 、:.,\
乂__/.:// x==ミ}/:.:.\:.:l、:::::\
いえいえ。 .八込^ ノ.:.::|:. :.. :| \::::::\
|:. :、::.、Vフ |.:.: /.:: .:: | \::::::\
石勒将軍からの申し付けなら、これぐらいお安い御用です。 ┌┌.、 八:. ::.≧=‐≦、/.: .: .:ノ \:::::
r\\「', \:. .: ノWノ.:.:.:.:/-ミ
しかも、手厚い贈物まで頂けるとは \ } l.:)/个、(.:: /
ー' )7、__ 「__//::::/:::::|八\ l
八/// ',// ⌒¨⌒゜ |/, \____〕
{¨¨ |.八: : : 0: : : : :|//, ___|
八 :}//l .///|///, .|
\ .:::::///|X////|///, ><
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .石勒は劉琨と段匹磾の動きを恐れ、
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 使者に手厚い賄賂を持たせて段末波の下へ派遣した。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 段末波は石勒から受けた旧恩に報いるべく出兵反対に動いたとされる。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ こんな真似が可能だった時点で、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 石勒側は劉琨・段匹磾の挙兵を早い段階で掴んでいたと思われる
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 856 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 21:57:39.23 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 幽州 固安】
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,i゙ / \ ゙i! どうも段末波様が出兵を止めるよう説得したそうで
i! ● ● ,l
゙i,,* (__人__) *,/
ヾ、,, ,/
/::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ
人 /ア´ : : /:::::::: |: :|::|: |: \ _//
\__r[/: : : : :/::::::::: /:.:.|::|: |: : : \{_/
┌「 /:/: : : : : :/:::::::::::/: : :l/: :|: : : : : \
ア/:/: : : : :/::::::::/: : : /: :∧: : : : : : :.
/ /|_|__|/__彡イ: : : : /: :./ ∨: : : |: :|__
| || | | : : ト: :/ |:.:|: : :.:/|:./ ノ∨: : :|: :| ├‐ . 、
むー。 /|_||_| |: : /∨`""j__/ / ""´ ∨: :|: :|_「:.:.|: : :\
/: /: : ノ:.|: / 斗r干ト 斗r干ト、|: :/:./:.:.:./|: : : : :\
そんなに石勒が好きか末波は /: : : l /⌒l∧ 乂_ツ 乂_ツ ノ|:/:./:.:/:/: : : : : : : .
/: : : : : : : \:.:.∧ 〃〃 ' 〃〃 厶:'/: :./: : : : : : : :.:ト、
| : : : : : : : : : \:∧ /:./: : : : : : : : : : : : : | |
|: : : : : : : : : : : :.\)h, ´、` .イ: : : : : : : : : : : : : : :..:.:.| |
/|:.. \:.. : : : : : : |:.:.:\)h, ,.イ::/: :/: : : .:.:/: : : .:.:.:.:.:ノ_ノ
〈:.|:.:.:.:.:.\ :.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.|:.:.|`| ー‐. . . . |´|/: : :.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:./(_
.)|:.:|:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.ノ :.:.:.: |:.:.| .| . . . . . . . |〈:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.{⌒~~~
- 857 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 21:58:28.89 ID:qSjPNxu80
-
_,/ ̄ ̄` ̄\
/ /二◎二ヽ ヽ\
/ ルノハヽゝ,ハi 〉 .i
iv、!● ● i i' 〈
lリ〈 ワ i i' リ えーと、つまり?
_iハ`ーゥ t-ノ i 〈
ヒ/」」」.l/リl ly ,ィリヽ、 ヾ
| l | / `.lシl==j \ 〉
| l ,/ー、{::::::::::/ー、! \
/\ ,....:.:.:.:.:.:.:|人>:::: ト、
<人>\___/:.:.:.:.:.:.┌i.:―ミ::::|:.:.\
<人>:::::::::/:.:.:.:.√|:.:: Y:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.ヽ
<人>/:.:.:.:.:/:::リ:.:.:.:|:|:.:.:.:.:.:.:.:.`、:.:.:.ハ
匸[_匸_]:.:.:.:/:::/:.:.:.:.//:∧:.:.:.:.:.:.:`、:.:人__
,≫―==彡/::/_/:::/:.:.:.:.〈/:/ ∨:.:.:.:.:.:.:|:.√ ̄\
く/ ┌―=≦∠__/:.:.:.:.:.:.:.:厶イ ∨:.:.:.:.:.j/:.:.:.:.:.:.:.:.\
申し訳ないけど、石勒討伐は順延だね。 /¨¨¨ア:.|:.:.:.:.:∧¬ト/}/ ∨:./:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:`、
/ ∠__:.:|人:.:{ ,≫¬y -=彡 У:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、
あたしの軍勢だけじゃ、 / ,,‐┬'’:.:.:.:.\ヽ弋ツ '''/:.:.:.:.::/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、
さすがに少な過ぎて戦にならないだろうし .,′ /´ /:.:.:\:.:.:.:.:.:.ハ ''' /:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧:|
.′ | /:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.込、 - |:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. 〈 <ノ
′ | ./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.> イИ/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./}∧:.:.\_ノ〉
| |∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、__/ア┘ |:.:.:.:.:.:.:.__/⌒\ `'ー‐彡
i | |{_人:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ ./` ´/|:.:.:.</::::/: : : : : : \
|. ├―ヘ \:.:.:.:.:.∧.:.::| |'⌒У 八(⌒´::::/: : : : : : : : : ニ=┐
| ∨ハ: )/}/: :)/ |: :/ /:::::| : : : : : : : : : : : : |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『劉琨伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 段匹磾の従弟段末波は
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 石勒からの手厚い賄賂を納め、独り進まずに計を防いだ。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 劉琨と段匹磾は勢力の弱さを理由に撤退した
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 858 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:00:19.30 ID:qSjPNxu80
-
\_-_-_->'"~~~"''〜、、::::::::::::::::\
\_-/:::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::\
. /∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::::::::::::::::.
〈__,{:八:::::::::::::::::`、:::::::::::::::::::`、::::::::::::::::.
. .::|∧:::::\:::::::::::::::`、::::::::::::::::::|::::::::::::::::::
.::/|:::∧:::l_,,.`'<:::::::::`、::::::::::::::|::::::::::::::::::|
/:/:::|:::::::}:/斗-=ァ\::::::|::::::::::::::|::::::::::::::::/ そんな!
.::/ j八::::从 V} ' |:::/::::::::::::::|:::::::::::::::
〈:〈 /' l:/':ノ |/::::::::::::::/:::::::::::::/
`>> l:::::\ /:::::::::::/::::::::::::::::{
(:::( l::::::::::::... っ /::::::::/!:::::::::::::::::::::::. _
)ノ 八:::::::\:::\ /:::::/ |::\::::::::::::::::::::... ⌒):) ≦――=-<
\:::::::\::::/::/::::}/|:」 \::::::::::::::::::::::...../ _|>゛¨¨¨¨¨¨>s。 `ヽ
\::::::∨::(、:::/ /-_-_⌒\:\:::::::::... >' ., ´ . >s、 \
.:::::::::::)\::::::...... /-_-_-_-_-_-_`、:\::::/ ./ / .:i 〈\ ∨
〈::::厂/-/\::::::ノ/-_-/-_-_-_-_-_.}l:::::\ ,' / .: | | ∨::\ ∨
| :. .:| | .: .: ∨乂\∨
| { ∧八__::| .: .: ル乂X<フ
人 { :. ∧ャtf=ァ:| / / /レ \乂X{
N\人 り レ'| ,イ /} ∨ ` <
| 〈 ノ' レイ} :::∨ /∧
| ∧ _ / ∨ ::∨ /∧
| |: \ ` イ /¨∨ :::∨ /∧
| |: へ..::<〉¨¨¨///>‐、 :∨ /∧
| |: ,' /}}///∨ \::∨ /∧
| |:/ //∨⌒/ <> \v /∧
| :/ .ィ }/ \ /∧
- 859 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:00:52.86 ID:qSjPNxu80
-
,、丶`  ̄ ̄ ̄ ``丶、
/ _ -‐\ \ \ -‐==ニ二二ニ==-
, -=二ニニニ=-\ \ ヽ _ -=二=-‐  ̄ ̄ ‐-=ニ二==-
/ニ=- \ \ ヽ ', /二二 / \二二二=- _
/' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ=- \二=- ''"⌒
/ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄________ -=====- _
|八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二二二二二=-‐  ̄ ‐-=二二二=- _
i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、  ̄ ̄ ̄ -=二ニ=-_
| | ,ィ=ミ\ `" `、 ( ノ人 \ -=二=-_
|i 爪 vリ __、 〈 ヽ \ -二-
八 ハ ' \、 \ \ -=_
ヽ 込 、 - / \ \ \ ∨
| 个 ィ / ' \――― ミ \
| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒ヽ \
__ | | i 八 / '// / ' \ \
/ ∧、八 |{_// / ' , i '⌒\ \
___/_____,/:__\ _ ノ7:/ / /' / V | { ―― 、 \
/ ________|,::/ / , / \ \ | i \
. / /\ ̄ ̄\/////////,|::i_/__ ____/_____\ \ }― ミ_\_
/ ///,',\ \///////二二ニ/7二二二二二二ニ= \ \ | | / /二二二〕
- 860 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:02:12.04 ID:qSjPNxu80
-
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| 薊へ引き上げましょう |
ヽ___________乂
r'ニ;v'ニ;
r=、r=、 _,!0_i0) )i:、
__{0_{0_.} / `ヽ,. ┘ ヽ /ニYニヽ
,、 ,、 /´l r `'、_,ノi、 i ′′ } /(0)(0 ) ヽ
, - (・(・ ){ ) l、 ( ,! /⌒`´⌒ \
( '' ,r'⌒゙i`、 _.r(_ ノ ヽ.__. ^ 、∠! | (- 、 |
ヽー< ,,ノ `´-r _ノ: :\ `T- ヘ> ト-―――-` l !
. i′ ,f´: :,. - - 、ヽ ,,.-テ| ,/ `ヽ、 ヽ `⌒´ / /、
l l: : j :f´: : : : : ヽ,/ '''"´ ,,.: - ヽ `コー /,ノ:::ゝ、
! /: :ノ l: : : : : : : ノ, ,:'" ゙ヽ i,.r‐(´::::| ,.ィ":::::/::::::
/-‐-/: :/: l: : : : : : ,/ / / ,f´:::,::ヽfト--テ:::::::::ノ:::::::::
. _,,..::-,テ /`7: :(: : : : : /ヽ/ 〃 リ:::,'::::::ゝ!r7/ー一'":::::::::::::
`_,:ィ''" _,r''" f: : :ト---ヲ / fノ /::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::
-‐-‐'''フ" ,.ノ,:::::」、,:r'" ,i / /::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::::
、..、く´_,,∠"ィ''"´ / ,> /\、 ,ノ:::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::::::
´ ,ヘr:、-、=---/ ,:イ ,ノ `゙ヽ、/:::::i':::::://:://::::::::::::::::::::::::::::::::::
ーフ´ > ヽ`ー、/ /く _,,..ィ''"゙' _,,:ィf-:、::::::!::/`゙゙ブ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『石勒載記』は、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉琨と段匹磾が薊城へ撤退したと記している。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .この事件は当時の情勢を象徴しているように感じられる
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 861 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:02:55.20 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 冀州 襄国】
__
┌冂冂「:|丁Ti ,、,、,、,、,、,、,、,、,、,、,、
乂 |___|_ | X爻爻爻爻爻爻爻爻
爻爻爻爻爻゙ r┐┌iT┤____|二ニ| 水爻爻爻淡淡淡乂乂乂乂
⌒¬爻爻爻⌒ __ |:└└ :|└ L.|.:.:.:.| ̄「 乂爻淡淡淡爻爻爻淡淡淡
⌒爻爻爻爻爻爻T丁「| ||| |: : : :_:_:|_ |.:.:.| | 淡淡淡炎炎爻爻炎淡炎爻
メミ メ爻爻爻父父爻爻爻''|_| _┌Г| ̄卩: :| ロ ¨| : : | | 炎淡淡淡乂乂父炎淡淡炎炎
乂爻爻爻乂乂乂乂乂ミ_ |┌|_冂「 |└二|: : : : : :| |丁T┬L 淡淡淡炎炎淡戀戀淡淡淡
い乂爻父乂乂乂乂乂乂乂≧s。 ,。s≦マ≧s。: :.:|_┌'¨:| ̄ ̄~~||li |¨|_|¨|_|¨||¨||¨淡淡淡炎炎炎炎乢刑淡炎
;';';'乂爻炎爻乂乂乂爻爻爻∠二二| :| |: : : : |:.:. :| I I |¨TT┐ _|二二⊥ニニニ| `````∨L,イシ゚
爻爻父父炎灸炎i爻i爻jノ⌒|┌i | ̄|┌┐:| 卩| ̄\|:.:: :| I I | : | |¨|_| |: : : : :| [] | 000 ∨レ'
 ̄|````爻彡从ミミ'⌒∩ |└' |─|└┘:| ¨¨¨¨¨|: : | I I |_ :| : : : |: : : : :| | ̄L| ̄| || {i:i{
ニニニニニニニニ|i:i| ∪ ∪ | ゙Τ¨¨¨~~:| :|: : | i⌒i | :| : : : |: : : : :|: ∩┐┌┐┌┐┌┤ ,{i:j:}
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|i:i|洲州xx | п | ̄| | ロ :|: : | | | | :| : : : |: : : : :| |::|└┘└┘└┘└‐}i:i:i}_
| ̄| 冂 |i:i:|洲洲洲 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ :|: : | |王王王王王王王王王王王───‐ | ̄|===rノi:i:i{
「 ̄ ̄ ̄ ̄ |洲 ̄ ̄ ̄ _|: : | |¨¨7~¨:| ̄”二¨¨¨“““ ''''| | 辷三|ノi:i:i:乂
_jjjjL ---──……¬冖''' ¨¨ ̄___二二¬三三二ニ|ィシ´ `':, γ⌒ヽ | ┌┴-- _
 ̄ ̄ ̄ ̄__ ‐……¬冖ニ二三三 ̄ =ニ 三三 ニ……===ニニニニニ|_ |  ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄───………………ΞΞΞΞΞ =ニ =三 ニ ====ニニニニ ̄三三三三 ̄三三二ニ=…ー
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: ────‐ΞΞΞΞΞΞ =二 三 ニ =====二二 ‐‐…… ‐…=====三
: : : : : : : : : : : : ──===ΞΞΞΞΞΞ =二 三 二 =====二二 - -  ̄ : : : : : : ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、 | さすがに今回は肝が冷えましたな |
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ ヽ________________乂
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ .確かに河北の諸勢力は
\ヽ、 _ , イ!::/ 劉琨の音頭の下、司馬睿へ皇帝に即位するよう勧めた
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 862 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:03:47.23 ID:qSjPNxu80
-
_.,. -‐- ....、
x≦〃〃/ミミミミミ、
/ノノノ〃ヾ⌒彡ミミミミミ、
/ミミル' / __ ヾ彡ミミミミ、.
{ミ'''´ {∠i孑 `ヾミミ毛刈
';ハ, `〕、 Yミ ;:::: ∨ソYハ x≦ ̄ア´
}:( くツ1 | っ {::: ーりリ / :::::::/::::: あの時、段末波殿を助けたのがここで活きるとは。
ヾ:ヽ ,ノヾー'⌒ヽ ヾ Y¬从 〃:.:.:./:::::::::::
`ヽ { √ ̄~`ヾ Y ヾリ ||:.:/ ::::::::::::::: .将軍には、私よりも先が見えている御様子
沁ヾ ⌒ :/ /∧:::::::::::::::::::::::
ハ r::.......,..::/// /:::::::::≧====
'、 {///,//// >'゙´:::/:|幵幵幵幵
`T¨¨´///>'゙´::::::::/:ニ|幵幵幵幵
,..-―∨ /::::::::::::/ :三圦W幵
//////::∧/::::::::::::/ :::三三/八幵
ヒ´ミ仆爪// j } /ノ ハ `ヽ、ミ≧=-ゞY、_
圦ミfソ ̄} } / ,' __ \ミ下千f=-仆
ミ }}ソV i/ ゝ Vゝ斗イ、ヽ ヽミ仆≧=}}
乂./ / 三ミ  ̄ ',{ ハミミ _ソ
圦{ 辷i ≧=- } }ミ彡 .Y
世辞はいい。 人、~ハヽ ‐ イ j iミソ ~イ /
Y、 ', ゝ-=__, ', V /
それより邵続の様子はどうだ? ハ /`´__ ', i≧=´
', 壬//≧=- } }////
.i Y { ///´⌒
| { }, イ/////
.{ ヽ-=≦≧=-、-=≦///
.',Y//////////////イ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ だが、彼らの利害は互いに衝突していた。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 鮮卑段部の例は特にそれが顕著と言えるだろう
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 863 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:06:25.56 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 冀州 厭次】
|┃ /ニYニヽ
|┃ ./( ゚ )( ゚ )ヽ
|┃ 三 /::::⌒`´⌒::::\
|┃ | ,-)___(-、| 邵続様!
|┃ . | l |-┬-| l |
|┃ \ `ー'´ / また青州の賊徒が攻めて来ましたっていう!!
|┃ / `ヽ.
|┃ 三 ./ \ 放っておけば住民を拉致される恐れが!!
,⊆ニ´⌒ ̄ ̄ " y r、 ヽ
⊂二、 ,ノ──-‐'´ | | l" | γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
|┠ ' | l/'⌒ヾ | 曹嶷と手を結んだのは正解でしたな |
|┃三 | |ヾ___ソ ヽ__________________乂: : :: : : :∨ : : : : : : : : |
|: : : : : : : : |: : : : |: : : : :{ Y: : : : : : :V : : : : : : : : : |
|: : : : : : : :.」__: {: : : : .{..,-‐=<^ | : : : : : :V : : : : :l : : : : :|
|: : : : : :/. : : ; \: : : /:{ \ 仆: : : ::∨ : : : : : | : : : : |
|: : : : : :|. ::了~丐、\:.|: j 斗千笊ミ≠: : : ::∨: : : : : : :! : : : : |
文鴦殿に行ってもらいましょう。 .|: : : : : :|. : 圦ゞヒ夕 |f´ 戈ツ 刈: : :∨: : : : : : : | : : : : :|
|: : : : : :乂: : : 、゛´ 八  ̄´〃 |: : /: : : : : : : : :| : : : : :|
それにしても、 .|: : : :/ Υ ト。:、___/, \ / 厶イ : : : : : : : : / : : :/
晋王殿下を奉じたにも関わらず、 .|: : :/ / /i!: : : )h、  ̄ ̄ /i: : : : : : : : :/_/
他の郡県を侵略するなんてどうかしています ∨/⌒〉/ |i: :|: : : : > ^ / i|: : : : : : :/: : : \
У /ノ ハ :ヾ>゛ ≧s。 _ / i|: : : : :/: : : : : : : :\
/ // ∧ /______/ ∧ i|: : // \: : : : : : : :\
/ イ //⌒7..厂 / } 厶イ / \: : : : : : : i|
./ , : "/ /.../ 〃 / / \: : : : ::i|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } また、冀州刺史邵続と青州を支配する曹嶷は互いに侵略し合っていた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 864 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:08:10.85 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 青州 臨淄】
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
| ヽ ' _ ` イ 我が主石勒は、
l l ´=` l 曹嶷殿に東州大将軍・青州牧・琅邪公を授けるとの事
ノ ヽ _,、__ノ
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_ .γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、 | 今は手懐けておくに限ります |
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::! ヽ_______________乂
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| X / / `ヽ/ `<i!リ/ .| V /7 / メ、 |
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|::: y'__\/ / /` ̄ヽ/ .\ V .\ ∠ ムイ/、 .\|
` ̄>x_∠_ / \ハ \ ∠/__ i/V \ リ
__ Z〈 < / ∧ .∠/ .| V V ヽ/
. \  ̄ \〉圭<zx \ .∧// | .| V \/
\ 〉 /圭リ/ ̄ ‐--彡ヽ_ノ___ .| | V /
/__ /圭/ ヒz__> _|_ <
..∧ {進{_ } `ヽi!!/// /
\∧ / / / 弋三ア }i!「.|/ /
もらっておこう ` < / / i\ノ ノ /
\_ノ><i|_  ̄ ̄ ―- | Y/V
/| ─ Z/ | 、_ .L__/\\\
./ .|__く | . ̄ 「 V/\\\\
.| ヽ_」 | 〉\\\\\
.|─── | \ ./ /\\\\\
<.|___ |_ \ / イ\\\\\\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 曹嶷に至っては、石勒からも官職をもらっている。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 『晋書』『石勒載記』によると、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .南から王命を受けたが、建康が遠過ぎるため、石勒の襲撃を恐れたという
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 865 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:09:00.55 ID:qSjPNxu80
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ. 曹嶷の蝙蝠外交は青州の支配を確立するためと思われる。
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 彼の支配を嫌った青州の士人は、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ .南方の徐州・揚州や北東の平州へ難を避けた。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: .その中で後世知られるのは、長広郡出身の塢主蘇峻率いる集団だろう
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ / _ _(ヽ_ _-==ミ⌒ヽ_,
⌒>-‐  ̄`ヽニ=- '
/ /、 / ハ 、 、\\\
/ ``ト、 } V斗匕\\ ,ニ=-
/イ r==ミ、} }示苅}⌒ ̄
|:. 、:` vソ , ゞ '/イ | ノ}
/∧ \ヽ t ァ イ.! | {
青州長広郡挺県の蘇峻、字を子高という。 >―`ー、:\`:≧ー≦__{__/}//
〈 {_{ ̄`´ ト、/ヽ} 二二、∨_ト、_/ヽ
長広郡で塢壁を築いて人を集め、 ∧ {ヽ/ヽ.イ_/ヽ:|:/__\ヽ ヽ 〉-、
建康の晋王から安集将軍の位をもらっている。 ヽ { / 人 `<__< ヽ>―〈 ̄
乂_//∧_.//\ └rくノ\ >>‐>
青州刺史の曹嶷が攻めて来ると聞いて、 .〉///`ヽ//∧∨ \/〈 ノ、 ≧ 、}、ヽ_ヽ
数百家と共に海を渡って広陵へ移ったのさ ./ ヽ_//´ ̄.∧∨ l {i八, -、_ `´
/ ヽ_//l ,x==〉.〉 l ヽ \∧ヽ
/ ヽ_//ノ'./|/ヽ// l ヽイ 〉ヘ├ 、
/ /´ //| |\/\. l ./∧ / |_\
イ //| ト、 }\/\__,l_////イ V//// \
__乂 ////| ト、Y//\///////// ∨/___\
. / /ヽ}////| | ∨///\_/////ー イ∨ /////ハ
晋 安集将軍 蘇峻
- 866 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:09:48.81 ID:qSjPNxu80
-
, , 、 、 、i:i、 =- 、 、
/ ,/`! :W ∨ ハ ヽi}__,.入 ハ
/ ‖ ‘, ハ__ l : ハ、,_ ,}ヽ、 ∨
,′ ___ Y/´_ハ ! : }ニミィ_} ‘, Y
厶ィ' ハ}_`! ー=='}/i |\\彡{ | ‘,\__
. _,ィi |∧ト=イ " ' / ,、.| {ミ}ノ,/:l|' ‘, リ.: 何故かって?
. ∧ lノ__/} ' |:八 ,. _ /ィ ∧| レ'メ、
/_// }``ラ | 圦 ヽ、__ノ / ' /-'升 狩猟で生計を立てるぐらいには困窮していてな。
|:_|__lヽ/}ヽ | |'/\ _,.イ //}i;ア-'
... / \\`/、/. |/`//,ィ`ー≦ :| //イ/ 俺の兵士たちが食べていくには、
. | |i:i| l:| __人 {/ {/ィ=ミ_;|/イ / /, 晋王の郡県から食糧回してもらう方が賢いだろう
. ∨-、|i:i|‖ __/ ,../ ./-‐'"/ `ー='〈 ,//彡イ
/ ∨彡、 :}、 ィ=='イ/ / _,./ =、.,_,、 ∨
. /l ,' ヽ ゝ、i:i`,、 ヽ イ〈フ:::::::::::::::;/ィ`ー-∨ _,/
../. l ,' ∨、 } / ー} / ノ::::::_,. ィ" / / '"//´
,. :-:.' ー ' ¨ :.ゝ.、
,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ、
,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`、`ゝ
,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ハ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
このあたりの話は『晋書』『蘇峻伝』にある。 /イハ:!:.:.:l:/ i/ ノノ ノリリハリ:!:i:.:.!:.l
i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ハ!
曹嶷は司馬睿から青州刺史とされたのに、 ∨|:.:.! ノ/i/ノ
同じく安集将軍とされた蘇峻の討伐を目論んだ事になる。 ヘ!:| ノ!/′
ヾ!>ー- ´`-- <イリ
建前と本音が異なるのは明白だ (;;;;;ソ⌒) ̄`´ ̄(⌒ヽ
ヽ;;=;;/__,,、_/;;`ソ
〉;;;;;;;;ソ:/A.i:l;;;;;;!′
く;;;;;;;;;;;;i;!;;;;;;;;i;!;;;;;ゝ
i、__,,/ !、__,,!
`ー'′ `ー'′
- 867 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:12:25.64 ID:qSjPNxu80
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ また、曹嶷と争っていた
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ .東萊郡太守鞠彭はこんな嘆きの言葉を残している。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: .ちなみに、彼も王弥・曹嶷と同じ東萊郡出身だ
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
今は天下大乱であり、強者が英雄となる。 | ヽ ' _ ` イ
.l l ´=` l
私も曹嶷も同郷なのだから、 ノ ヽ _,、__ノ
互いに民に寄り添うべきなのに、 _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
何故争って百姓の肝脳を地に塗れさせているのか? /;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|:::
- 868 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:13:03.49 ID:qSjPNxu80
-
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
| ヽ ' _ ` イ
l l ´=` l
ノ ヽ _,、__ノ 私がここを去れば、災禍は止むだろう
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|::: __
,..::::´:::::::::::::: :`:ヽ、
,r´:::::::::::::::::::::::::: : : : :.
/::::::::::::::::::::::::::::::: : : : : :',
了::::::::::::::::::::::::::: : : : : : : : l
|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
lィ::::lヘ:へ::|::::::::::::::::::::::::::::::「
\ト、(ヽ::::|:::::::::::::::::::::::::::rノ
ヽ´::::|::::::::::::::::_;、::ル′
鞠彭は東萊郡の人々の反対を押し切り、 . ` ‐lイ::::::::::ヽ
千余家を率いて海路遼東の東夷校尉崔の下へ去っていった。 ./⌒ヽ、::::ヽ
|::::::::::::::`¨´!
当時、東萊郡にいた北海郡の鄭林という人物も、これに賛同して追随した .|::::::::::::::::::::::|
|::::::::::::::::::::::|
ヽ__;:---─ヘ
ヽ::::::::;、::::l´
|:::::| |::::|
|:::::| |::::|
` ´ ` ´
- 869 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:14:09.70 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 平州 襄平】
. /ニYニヽ . /ニYニヽ
/ (0)(0)ヽ / (0)(0)ヽ
/  ̄`´ ̄ \ /  ̄`´ ̄ \ 崔様。
| ,-) (-、.| | ,-) (-、.|
| l ____ l | .| l ____ l | 中原からの流民が
\ ` ⌒´ / \ ` ⌒´ / 相次いで慕容部の領地で留まっていますっていう
,、-='l \_,ン g< \ ,、-='l \_,ン g< \
/ \ └〆\ i=i|\' \ / \ └〆\ i=i|\' \
丿 i \ \=i| / i| 丿 i \ \=i| / i|
_,. -、、、,_
,.ィァ´ __j|i__ `ヽ、
/〃 ,ム;;;;;;;;;`! ゙'、
. ′ll _,ィrif''T'll:Tl:ーi、、 jl
| ル'i「::|l| |||::! !:;l|:i:`!j
j/::i::jレ'゙´`ヽ儿|_レ_j;i:::i:|
慕容廆が流民を拘束しているんだろう。 /:|:::i/  ̄` 、 ´ ゙T!′
i::::fミ! r====r .リ
段部や宇文部・高句麗に命じて討伐してやろうか '、::゙ーヽ. 、 / /
ー-゙i 、 `¨´ /
rー'^く`'-、_` ̄´jフ⌒ヽ、
/フ'T'ーrr‐一'`'ーrrー'T゙ヽ、
. // l| ト| ト| l`i::::l、
/:/ 、 l ! ト| ト| i l .ハ::::l
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ とはいえ、疎開先の平州でも
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 東夷校尉崔と鮮卑都督慕容廆の対立が深まっていた。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .つまり、河北情勢はどこも一触即発の様相を呈していたわけだ
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 870 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:15:29.23 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 平州 棘城】
/ニニ二i-γ'ヽニ二二二二\\
. /ニニ>'"~|-.{ }ニニニニニニ`ー、
|二/ .|ニ乂ノ二ニ=- ~´ ̄ ̄\
|-/ |二>'"´ \
|/ .|'" _ -=ニ二二二ニ=- _
. γヽ | _ -ニ二二二二二二二二二二二ニ=− _
} |_ -ニ二二二二二二二ニ=−  ̄ ̄ ̄ '"
| ト} _ -ニニ二二二二>'" :::::::l V|'V|::∧:. '"
. ヽ{ _ -ニニニ二二>'":jI斗:ハ:::::::|ーリ‐リ、:::|::: ~´
. _ -ニ二二二>'"::::::l::/ }/}/ }::::::| .jI斗 iV:|:::! 仮節・散騎常侍に、
. /二二二>'" /:::{::::::: {'jI斗zk `"" ' Vソ ,: }/:l:| 都督遼左雑夷流人諸軍事・龍驤将軍・大単于・昌黎公。
.. /二ニ>'" /イ::::V ::: ',ヽヾソ , {::::::/リ
∠=- ~´-‐ ~´ .|:::V:V ::::', 从/__ どうして段匹磾より下の将軍号しかもらえないのかと?
ヾ{ ヾV:::::', J _ -=ニニニニ{
r\::',≧=- .|ニニ二二二二∧
Vニ\:::|ヘ |ニニjI斗--- 、、┤
,V-γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
/-},/| 例えそれでも、今一度晋王へ皇帝への即位を勧めるべきです |
/ニ-{::ヽ___________________________乂
}ニニV:{:.:ヽ{/ニ二二二二二二二∧
/ニ>' :\ :/ニ二二二二二二二二∧
____ _ .{/ : : : ∧:γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| 新帝の命をもって罪ある者を討伐すれば、従わない者はいないでしょう |
ヽ_______________________________乂
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 強者が英雄となる時代が来たのである
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 871 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:16:05.08 ID:qSjPNxu80
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| ちょっと寄り道 |:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ//
| | >:´|、 - ,|`:< さて、このような情勢に
| | |::::::::| > イ |::::::::| 大きく影響を及ぼしたのが食糧問題だ
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 872 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:17:30.64 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 冀州 厭次】
|: : : : : : : : !: : : : |: : : : :{ ∨: : : : : : : :∨ : : : : : : : : |
|: : : : : : : : |: : : : |: : : : :{ Y: : : : : : :V : : : : : : : : : |
|: : : : : : : :.」__: {: : : : .{..,-‐=<^ | : : : : : :V : : : : :l : : : : :| .文鴦殿。
|: : : : : :/. : : ; \: : : /:{ \ 仆: : : ::∨ : : : : : | : : : : |
|: : : : : :|. ::了~丐、\:.|: j 斗千笊ミ≠: : : ::∨: : : : : : :! : : : : | 今年の収穫は少々心許ないので、
|: : : : : :|. : 圦ゞヒ夕 |f´ 戈ツ 刈: : :∨: : : : : : : | : : : : :| 平原郡の食糧を頂戴しに行って下さい。
|: : : : : :乂: : : 、゛´ 八  ̄´〃 |: : /: : : : : : : : :| : : : : :|
|: : : :/ Υ ト。:、___/, \ / 厶イ : : : : : : : : / : : :/ 私の甥もつけますので
|: : :/ / /i!: : : )h、  ̄ ̄ /i: : : : : : : : :/_/
∨/⌒〉/ |i: :|: : : : > ^ / i|: : : : : : :/: : : \
У /ノ ハ :ヾ>゛ ≧s。 _ / i|: : : : :/: : : : : : : :\ /:. 〈 ̄`ヽト、........〕\ ______
/ // ∧ /______/ ∧ i|: : // \: : : : : : : :\ ト、 \_ソニ7´ ̄厂{^''〜ヽ、〔 ̄ ̄``ヽ、 了
/ イ //⌒7..厂 / } 厶イ / \: : : : : : : i| |....ヽ/:.:.:.:,′:. 人:. `>─=ミ、、 ‘, (
./ , : "/ /.../ 〃 / / \: : : : ::i| |...../:. : :/:: / : :}~''┬……‐、 \/「⌒〕
r‐‐し' : :〆:. イ:.:.:.:.:.:ハ : :ト、:.:.:.:.:. : \ト、 \_廴/
. メi:∨-=彡'"^\:: : :厶}ハノ、 ',:.:.:.:.: : Y:| \ /
. /i:i:i:i|:. : :| : :ト、 : :`ヽ、イんハ∨:: : :i: : :|.:| )/ニ
ん斗r、|:. : :| : :|イ >‐‐┘乂ソ リ:.:.:.:.:|ハ: }イ /ニニニ
人i:i:|⌒|:. : :|:: 坏んハ _、 'ー‐ァ'^リノ' /二二二
ヒャッハーだよね! `¨ 人 : :|\{{、くソ′ /_r‐〉 / : :i//二二二二
\{:. 小 /ィ'^ / / i//二ニ二ニ二ニ
分かった行ってくる!! 乂从 \ ` ー‐''´ ,/ : :{ /二ニ二ニ二ニ
厂∨_>''" ̄厂{:. : :| {ニニニニニニニ
|i : :|/ \ / ∧ : :∨ニ二二ニ二ニ二
リ:. /\__Y \:. \ニニ二ニニニ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \ この時代の記録を調べていると、
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .「人を食べた」という類の記述をよく目にする。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 八王の乱と永嘉の乱という人災に
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 寒冷化・飢饉・蝗害等の天災が加わり、当時の食糧状況は最悪だった。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ どこの勢力を見ても、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 食糧難に頭を悩ませていた話が出てくる
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 873 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:19:34.82 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 冀州 平原郡】
や心乂{ ハ: /「\: | . |_
や仏Y ,ィ゙: : f'V: : :ト..,,ノ:::::|
_,,...‐:::~~\_//|: : : V: : :/、;_:`' ミト 、
,」:::::::::/ ̄/:ノ|: |t‐''゙: :,xく}\|``h、\ト あっ、賞金首の石虎!
\::::; ’ /: ;イ:.人| x宍[\「 '芯ミ:.}: :i\[ノ
V/ 〳/ i:.{: :汽代iノ 、乂ノ价N\} 兄弟分なら兵糧分けてくれるよね?
/\〈-、|/ j: :、: 乂 ,.. ―- 、 ]/〵\_,..ァ゙:
/: : : : : \人_rf'「l (/V^′^フ 八 〵'゙: : :/: : .弟の者は兄の者って言うじゃない!!
,: : : : : : :〳 /{ !||!ヘ >-―- く- 〵: :/: : : : :;
/: : : : : :_jニ{|j }|::::::::| |::| /∧.〵; : : : :.
./: : : /: : : :了', } ::::::::| |::|ノ_,ノ ╲.╲: : : :
,,,,,,,,,,,,,;;;;;ll;;;;;;;;;;;;;;| l;;;;;;;リ)リ;;;;;;|l;;;;(ミ彡/、 Z
l|ヽ= 从;;l |l|;;ll;;;;;l|;;;;;l;;;イl;;;;;;;;;;;;;| l|;;;;;;-〈、|;;;;;;;;;;;;;;,,三∠ノ フ
ヽミ三从;;从|;(;;;;|l;;;;l|;;;((;;;;;(ヽ乂;;;;;;/ノ人、从;;;;;;;;ヽ ∠ |
ミ二ミミ从 ; ;;;;;;゙;;;;゙;;;;;L{{ミ|Y;;";;;;;rテ'';''i゙''ミ゙ イ;;;;{ミヽ∠ノ
゙ヽ乏゙゙从゙ ;;ヽ、、_;;;;;;;;;;;;;{≧Y;ノノ=-゙'''"´彡 ';;;;;;ヾ,,', ヽ
<彡l|;;;;;;;l、;}:/;r't;;;)>| 彡 ̄""´ |;;;;;;〈 |.| }
ノノイ;;;;;;之"゙"''"´ |、 _,,、::::: |;;;;;ノノリ;∠
誰が分けるか! イ彡l|;;;;ヽ ゙:::::::: j _,、 -)゙ヽ::... |;;/- /;;/ミ
l|//l|;;;l~、'、 :::: ゙''::ヽ,/ |(,,ノ;;;ヽ〉ミ
都合の悪い時だけ兄弟面するな!! リノイ;ヽヽ'、 `゙'、l__,,、、、,,_,, / l||;;;;;;;;|∠
"´ノ|;;;;`'-;', (t -'''ヘヘ)}} リ リ;;;;;;;/从ミ
|/l|;;;;;;;;ヽ レ- '''""´ /:::" {;;;从;;;;;;;;)"
l|l||;;l|;;;;;;;;'、 ,,、;;''";; ̄:: ,/:::::" ヽl|リ;;;r''、リ
ヽl |;;;;;;;;;\ " `゙ /::::::" レ',、-ー゙''""゙''ー
//|;;;;;;;', \ 〈 / ::::::: ,、 '´
(从l|;;', ヽ, ヽ:::ノ/ :::::: ,、 '´ ,、
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『邵続伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 邵続は甥の武邑郡太守邵存と
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 段文鴦が率いる段匹磾の兵を平原郡に派遣して食糧を得ようとした。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ しかし、石季龍に破れた
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 874 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:21:01.31 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 冀州 厭次】
八 \ ∨⌒>''^~ ̄ ̄ / / /
\ \//  ̄ ̄~^'' く/ \
. >┘ | \ \ \
<,__/ / | \
/ / | |
| | | |
| 八 \ | |
| | _ノ\ \ | | |
| |/´ \,___ \ | | |
| ∨ | | |
| z≠ z≠‐''^ | | | 正直、食事にありつけるだけでありがたいですわ。
. 八 ハ:: 、 ::;, | | | |
|丶人 、 - | | | | 死ぬまでにもう一度、スイーツを食したいですけれど
|| > < | | | |
.\\ || | | | ]T/〕 | | | |〉
\\ || |/ ̄ ̄ノ | |. /\ \ / /
厂\(\ ||/:.:.:.:/ /| | /..... \ \ / / /
(__ミ } | V:.:.:.:./ ̄\/:.:.:.| ∨ /'⌒ \| |/
{_ 冫\ | |:.:. /:.:.:.:/:.:.:.:/| | / | \
/\ \"゚´~)| ノ―|:.:/:.:.:.:.:.:.:⌒| |//´ | |
(__|_|`¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨´| ⌒\:.:.:.:.:.:.:.:| | | |
):.:.:.:.:.:|:i:※:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iY^i \_/ノ | | |
|\,__人:i:i:*i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i| | )/ 八|/ / Λ|
| \:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iノ ∨___厂:. ̄ ̄|// / | |/
\ ( ̄ ̄ ̄ V:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ノ | Λ| ノ
. \ └<___ )\__厂 \ | / | \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 官軍が自給自足できなくなり、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 石勒軍の縄張りに食糧を奪いに来るという惨状である
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 875 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:22:04.85 ID:qSjPNxu80
- 【>>873修正】
【紀元317年秋 晋 冀州 平原郡】
や心乂{ ハ: /「\: | . |_
や仏Y ,ィ゙: : f'V: : :ト..,,ノ:::::|
_,,...‐:::~~\_//|: : : V: : :/、;_:`' ミト 、
,」:::::::::/ ̄/:ノ|: |t‐''゙: :,xく}\|``h、\ト あっ、賞金首の石虎!
\::::; ’ /: ;イ:.人| x宍[\「 '芯ミ:.}: :i\[ノ
V/ 〳/ i:.{: :汽代iノ 、乂ノ价N\} 兄弟分なら兵糧分けてくれるよね?
/\〈-、|/ j: :、: 乂 ,.. ―- 、 ]/〵\_,..ァ゙:
/: : : : : \人_rf'「l (/V^′^フ 八 〵'゙: : :/: : .弟の物は兄の物って言うじゃない!!
,: : : : : : :〳 /{ !||!ヘ >-―- く- 〵: :/: : : : :;
/: : : : : :_jニ{|j }|::::::::| |::| /∧.〵; : : : :.
./: : : /: : : :了', } ::::::::| |::|ノ_,ノ ╲.╲: : : :
,,,,,,,,,,,,,;;;;;ll;;;;;;;;;;;;;;| l;;;;;;;リ)リ;;;;;;|l;;;;(ミ彡/、 Z
l|ヽ= 从;;l |l|;;ll;;;;;l|;;;;;l;;;イl;;;;;;;;;;;;;| l|;;;;;;-〈、|;;;;;;;;;;;;;;,,三∠ノ フ
ヽミ三从;;从|;(;;;;|l;;;;l|;;;((;;;;;(ヽ乂;;;;;;/ノ人、从;;;;;;;;ヽ ∠ |
ミ二ミミ从 ; ;;;;;;゙;;;;゙;;;;;L{{ミ|Y;;";;;;;rテ'';''i゙''ミ゙ イ;;;;{ミヽ∠ノ
゙ヽ乏゙゙从゙ ;;ヽ、、_;;;;;;;;;;;;;{≧Y;ノノ=-゙'''"´彡 ';;;;;;ヾ,,', ヽ
<彡l|;;;;;;;l、;}:/;r't;;;)>| 彡 ̄""´ |;;;;;;〈 |.| }
ノノイ;;;;;;之"゙"''"´ |、 _,,、::::: |;;;;;ノノリ;∠
誰が分けるか! イ彡l|;;;;ヽ ゙:::::::: j _,、 -)゙ヽ::... |;;/- /;;/ミ
l|//l|;;;l~、'、 :::: ゙''::ヽ,/ |(,,ノ;;;ヽ〉ミ
都合の悪い時だけ兄弟面するな!! リノイ;ヽヽ'、 `゙'、l__,,、、、,,_,, / l||;;;;;;;;|∠
"´ノ|;;;;`'-;', (t -'''ヘヘ)}} リ リ;;;;;;;/从ミ
|/l|;;;;;;;;ヽ レ- '''""´ /:::" {;;;从;;;;;;;;)"
l|l||;;l|;;;;;;;;'、 ,,、;;''";; ̄:: ,/:::::" ヽl|リ;;;r''、リ
ヽl |;;;;;;;;;\ " `゙ /::::::" レ',、-ー゙''""゙''ー
//|;;;;;;;', \ 〈 / ::::::: ,、 '´
(从l|;;', ヽ, ヽ:::ノ/ :::::: ,、 '´ ,、
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『邵続伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 邵続は甥の武邑郡太守邵存と
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 段文鴦が率いる段匹磾の兵を平原郡に派遣して食糧を得ようとした。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ しかし、石季龍に破れた
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 876 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:22:44.56 ID:qSjPNxu80
-
_广ニニうァ
/_/_/: :/ ̄
/´ ̄`ヽj
_/=、: : /ー─‐'う
. -──-、 //7冫\:/: :/´¨
/: イ´',:::::::',:\ , 7='ミヽ'}::',:::ト.イ´
/:/ヽ.: : ',::::::::',: :ヽ.///: : :',∨jrノ
/{:/: : :\ '.:::::::i: ://': : : : 冫'´
|: ナ、: : : :\|:::::::|: //クi: : : ,イ
|:': :\: : :ヽ/ニニ/ /: :ハ: : /
∧: : :ア─'-'、ユ八7─.、}: / ,ヘ ,ヘ
冫__.{::..::..:::::::冫¨/::..::..::リ..' Vム ,.. ---/ /
_r-く {こ_).、::_::_::,イ ',:_::_:イ' Vム /' /:::/ /:::`::.、
. / ,ィ-ヽ._j: :トゝ ̄,... .. ...ヽ/=..l、 Vム::::' '::/ /:::::::::::::::.
/ 冫:ヽ.: : : :ハ:.'::::::. : / |: :.', ,Vムj____{/ /::::::::::::::::::人
l (_ゝ、_}: : {⌒ヽ\:ゝ__∧ i!: :.', ノ:::V jTrく,∧:::::::::::::/:::::'
レ=K´!',: : : :ゝ-,ノ:==、 /: : ! { , -ミー‐ ァ ―‐ ミ::::::::::::::}
{/i!: :ト.ヽ.: : : :/| : : \=='イ: r.:| v{: Yロ'{: Y:::::::::'
∧: i!: : \`二フ':::|: : : :  ̄',: :lトリ v:、 j | ゝ, ノ:::::::/
|:::\ヽ.: : ¨/::::::::!: : : : : ::,: :V , -ヾ}~´,」_ ` -- く::::::ノ
|:::::| ヽ.__/:::::::::::/: : : : : : !: / / ^ヽ )}イヽ
|\ヽ_イ:::::::::::::::::::/: : : : : : :,:/ , ,ヘ / }\ ,. イ::{:::> ):.、_
|: :\_r=======': : : : : : :ノ,ソ 〈 /:::::/ 乂:≧≦::斗r≦´>'" ` 、
ゝ、: : :i!: : : : : : : : : :,.イク. ー':::::::{  ̄´ >く/
}`ー==i!:=ニニニニ =======/ // v'::::::::ゝ、 >'":::::::::ヽ、 \
|: : :.i!: : : : : : : : | ' / {::::::::::::::/~^  ̄::::::::::::::::::::::::}::! 、
{::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::/ニ| )
/ニ;:::::::::,':::::::::::::〃)):::::::::::::/ニニ, /
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } この年の秋は大暑であり、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 司隷・冀州・青州・雍州等で蝗が発生したと『晋書』『愍帝紀』にある
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 877 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:23:56.44 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 司隷 宜陽】
/:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. \:. :. :. :. : //\:. :. :. :./:. :./
:. :. :. :. :. /\:./\:. :. :. /\/ /∧:.\、:./´ ̄》
___/ ̄/:.\ /\// ̄/\ / >:. :. ´:. :. :. ̄ ̄ ̄:.`ヽ
. / ̄:. :. :. :. :. :. :. :./ ∧ /:./:. :. :. :. :. :. :. :. :. :/:/\__/:.\
/:. :. :. :. :. :. /  ̄/ ̄:. :. :/:./:. :. :. :. :. :. :.: :.: :.:/ : /:. :. :. :. :. :. \
:. :. :. : | ̄|: ̄:.: :.: :.: :.:/:. :/:. :. :. :. :. :. :. :. :. :./:. :. /:. :. /:. ∧:. : : \、
:. :. :. :. :| |:. :. :. :.: :..:./:. :/:. :. :. :. :. :/:. : : :/:. :. : : {:.:/:. :. :. :∧:. :. : : :.\
:. | ̄ ̄| ̄:. :. :. :. :. :.:/:.//:. :. :. :. :. :/:. :. :./´ ̄ \:. {/:. :. :. :. :. :.∧:. :. :. :. :. :.
:. |__|:. :. :. :. :. :. :./:./:.i:. :. : : : : :/:. :. :./-:.、 ヽ:._:._:. :. :.',:. :. ∧:. : : :. :. : :. 去年に続いてまた蝗。
 ̄|:. :. :. :. :. :. :. :.:.:./:./:. :|:. :. :. :. :.:i:. :. : ハ:. :. :. }:. :. :.∧:. :. ::. :',:. :.
_|:. :. :. :. :. :. :. :. 〈:./{:. :.|:. :. :. :. :ィ斧ミ 乂: ノ {:. :. :. : i: :|:. :. :.:',:. :. .これはもうダメかもしれんの
:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :./八:. |:. :. :. :圦ん 小ハ (:. :. > ;:i:. :. :. :|: :|:. :. :. :',:. :.
:. :. :. :. :. :. :. :. :. :.:/ )八:. :. :. i:. 乂rツ /:l:. :. :. :|: :|:. :. :. :.li:. :i
:. :. :. :. :. :. :. :. :.:./ \:.:.:|从: :| ィ斧芋ミ /:/l:. :. :. :|: :|:. :. :. :.||:. :| ,,..斗┐
:. :. :. :. :. :. :.: :.:./ i\:. ヽ / ヒrツ ノY/ .l:. :. :. :|: :|:. :. :. :.||:. :| ____ ,,..斗 '' |i|
:. :. :. :. :.: :.: :.:./ V:}ヘ /ノ /:. :. :.:/:.:八:. :. :/.:/ /´ ̄/::::::::::::_,ノ斗 '' ,,..斗 '' ´
:. :. :. :. :. :. :. :.i ):| :. ヽーァ イ/>- 、 ̄ ̄ \/ /:: ̄::>、:/::::\`ヽ ,,..斗 ''
:. :. :. :. :. :. :. :.| _| \ イ// / \ {::::::::::::::::::::し':::::/:::/,,...斗::::::::,
∧:. :. :. :. :. :.:.| //| >--< // / \ .:::::::::::::::::::::::::::::/ :/:::::::::::::>
:.∧:. :. :. :. :. :.| / :i/! / .// } ´ ̄ ̄ ̄} /::::::´ ̄:/⌒ー'ー'‐ '' ´
:. :∧:. :. :. :.: :.| 「∧ ̄ { :.. / .// .} /´ ̄ ̄\ ./:::::::::::::::/
:. :. ∧:. :. :. :.:.| ∧ ∧ ',-- 、 // ̄ .// { ./// ̄ ̄ \/:::::::::::::::::
:. :. :.∧:. :. :. :.| { V,∧ , / .// \ / ./ ./ / ̄ ̄ /:::::::::::::::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 宜陽にいた魏該は、連年の蝗害に頭を抱えていたと思われる
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 878 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:24:37.90 ID:qSjPNxu80
-
,,‐''''´´ ,! l
`、 /黄 【河東郡】 ( 〉 朝歌○
', / `ヽ、 /
', / `ヽ、 _,,,,,,-‐'′【河内郡】
', /河 `‐-‐´ ,-‐'´
', / 〇安邑 ○垣 _,-‐'i´ ○酸
) ,' ○解 ,,,..-‐- 、,,,_ 河橋 温 〇懐_,,,-‐'´ `-、
,''´ 【馮翊郡】 ,' ,,/ 邙山▲ -、,,_ ○ ○ _,,,-一'´ l
'、 l ○蒲阪 大陽○,,-‐'´ 【河南尹】 洛陽○河陰~´ 成皋 ●滎陽 !
ヽ, ) 入 _,,,,...-一'´〇陝 ○十三里橋× ◎ 〇偃師 ○ ○
`~´ 渭水_,,,,,...---‐‐''´×潼関 ‐'○湖○ 新安 ○ 〇緱氏 ▲ 中牟
〇渭城 ,,,-‐'´´ ○華陰 弘農 ○ ●宜陽 河南 _,,..-‐- 、嵩山○轘轅 .,,-一
,--‐‐'^´ 〇 ▲ 澠池 ○ (´ ○輪氏 `、 ○密 ,/
〇長安 〇隠盤 鄭 華山 新城 ``'''‐-、,,_ `‐-‐'''´´ `~~`ヽ、
○覇上 【弘農郡】 ○梁 _,) 〇陽翟
【京兆郡】 ,,,_ ,ィ´ 【潁川郡】 ○許昌
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、 | そんな次第で南の荊州にでも移ろうかと思っておる |
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ ヽ________________________乂:
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 宜陽は洛陽の西に位置し、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 魏該は滎陽の李矩らと連携しながら劉曜ら漢軍の侵攻を退けていた。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:′ とはいえ、次第に飢饉で疲弊していったと『晋書』『魏浚伝』は記す
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 879 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:25:27.14 ID:qSjPNxu80
-
/ニYニヽ /\Y/ヽ
/( ゚ )( ゚ )ヽ / ( 0) (0)ヽ 我々がいなくなれば、
/::::⌒`´⌒::::\ . /::::⌒` ´⌒\ 洛陽にいる匈奴たちに行動の自由を許しますっていう!
| ,-)___(-、| |::::::::::-) __ (-| .
| l |-┬-| l | l::::::: ヽ|!!il|i|!l|. l | 皇帝陛下を見捨てるおつもりかっていう!!
\ `ー'´ /l!| ! . \:: lェェェェ| /
/ \ |i . /⌒〜" ̄, ̄ ̄〆⌒,ニつ 南へ行くなら、
/ ヽ !l ヽi | ,___゙___、rヾイソ⊃ 劉曜に降って関中戻った方がマシだっていう!
( 丶- 、 しE |そ | `l ̄
`ー、_ノ 煤@l、E ノ .| | /´ ̄:\
__《ハ}ノ)): : : : : :\
/`:<: : :/`:<\`:.、ヘ: : :. :.
/: : : : /: : /:.ハ: : :.∧:.∧「 ̄|: :.
/: : : : : :/∧: :/: :∧: : :∧: ∧ ̄|\:.
. /:/: : : : /⌒ヽ '´ ̄ V: : ∧:.:.i: : :\|::.
/:/: : : : /(::. .:´:ノ∨: : i∨!: : : :/\
. /:/: : : |: :i r=ミ r===ァ:i:.:.|)i:八: : :\/:.
そうは言うがの。 . {/i: : : :i|: :圦ヒソ ヒソノ: |:.:.|∧ノ: : : :/\
\从|:込、 ′ |:.:|:.:.| V : : : \/:.
匈奴がおぬしらを大切にするわけがない。 从|i > .^ ィノ:イ/ ∨: : : : : : :.
ィ:´:::ノ<>'//7 /><ニ\ V: : : i : : i
妾は皆のためを思って言っておるのじゃ ./::::-<>ィ〈>'/《/<=> ´ ハ V: : | : : |
. /::::::::::ニノ:::リ イノ= x== 、 ./ニi :. :.:| : : |
八::::::::\:::::::\〈/ /、 <ニ〉 /\/ : : | : : |
\:::::ノ \:::::::>- ' \ //=V i: /:. :.:.|
ー i/.\ ハ }ニノ /.: :. :.:|
/// `¨¨¨¨´ /¨´ /: : :. :./
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .そこで魏該は南への移住を提案したが、将兵は従わなかったという。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 移住先が友軍のいる東でなく南なのは、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j すぐ東の洛陽が漢軍の拠点なため、民を連れての移動が困難なためだ。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ また、将兵が移住に反対したのは、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 彼らのほとんどが雍州か司隷の出身だったのが大きいと思われる
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 880 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/25(土) 22:25:39.93 ID:L9zewAri0
- よくみんな生きてるな・・・。
- 881 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:28:55.86 ID:qSjPNxu80
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、 結局、魏該は単騎で南の南陽郡へ逃げ、配下の将兵たちは劉曜に降っている。
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ この『晋書』『魏浚伝』の記述だと、
\ヽ、 _ , イ!::/ .魏該が配下の反対に遭って、一人で逃げざるを得なかったように見える
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ / 〃}: / :. /:. :. :. :. :. :. :. :. :. :.
i: : : :::\::\i../ / {ll:.}/:./<´ヽ:. :. :. :. :. :. :. :. :.
/`:.<:. :. : ̄ ̄ ̄:.` \〉:. :. :. :. :. :. :. :. :.
/:. :. :. :. `:. :. :. :. :. :. :. :. :|\:. :. :. :. :.} :. :. :.
ト..../:. :. :. :. :. :. :. \:. :. :. :. :. :.\|:. :. :. :. :}:. :. .:.i
|:. :.|: :、:. :. :. :. :. :. :. \:. :. :. :. :. :|\:. :. :. }:. :. :..|
/:.:.:.|: : \:. :. :. .:. .:. .:. .:.\:. :. :. :. \|:. :. : }:. :. :.:|
. /:/:.:.:|:./ \:. :. :. :. :. :. :..ハ:. :. :. :. /\:..:/:. :. :. |
/:/i:.: :./ ':,:. :. :.ヽ:. :. :. :|:. :. :. :..i\/.:.{ :. : : :.|
ぼっち・ざ・ろっくじゃな。 :/ i|:.:叭 /:フ :,:.|:. :.i:. :. l:._|:. :. :. :/: /\:. :. :. :. |
:.{ i|::. :. :. ,ィ斧ハノ:|:. :.|:./ノV:. :. :./:. :.\/:. :. :. :.:|
あやつらに対する配慮が欠けていたかもしれぬ。 :.{ il: :. :. :. :. 以l :|:/ :} V:/:. :. :.:./\:. .:. .:.|
:.{ 八:. :. :./) ""|/ :} ∨|:. :. :. :.\/:. :. :. |
別に寂しいわけではないがの .八{ \/ `ヽ _ / V__:. :. :. :. |\.:. .:.|
f/ 7ゝ、 イ/ }> ´ \:. :. :\|:. :. :.
,v / :{/ .<⌒\〉:. :. .:.|\.:. :.
. // / ./ ´> ´ ̄{二}:. :. :. :.\|: :. :.
// / //, / {ニ/:. :. :. :. :. :. :. :. :.
_//_/ //// / /ニ{:. :. :. :. :. :. :. :. :. :.
/:⌒Y:} .//// / / {ニ: :. :. :. :. :. :. :. :. :. :.
/ ::ヘ::::J / イ /_____ ,/ {ニ\:. :. :. :. :. :. :. :. :.i
- 882 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:29:37.70 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 荊州 南陽郡】
/フY ヽ
/(>)(◎) ヽ
_ /⌒`´⌒:#;; \ 魏該殿!
| -)___(-、 |
.__ |#; |!!il|i|!li| lu.| 過去の事は水に流して、
/ \ ・`⌒´ / .もう一度俺たちの主になってくれっていう!!
〈_/\ .`ijー─‐'" \/゛〉
) /\__/ やっぱ匈奴はロクな連中じゃなかったっていう!!
/ _ /
三 / __ ヽ _/:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. : \
三 ! /r .) __ _ 《⌒)):. :. :./\/\_:. :. :. :. :. :. :. :. :. :\
ヽヽ _/ . /:. :. :.ヽ/: ヽ:. :. :. :. :.>、\ ̄\/\/\___\:. :. :. :. :. :. :. :.:.\
. /:. :. ∧:. /:. :. :.:∧:. :. :. :. :. ∧:. :. ̄ | ̄ | ̄ \:. :. :| ̄ ̄|:. :. :. :. :. :
/:. :. :. :. ∨:. :. : : : :|:. :. :. :. :. :.∧:. :.  ̄/ ̄ ̄/\:.:|__|:. :. :. :. .:.
. /:. :. /⌒ヽ:./´ ̄` |:. : |:. :. :. : :∧.:. :. /__/ .\:. :. /\:. :. :. :.
.. /:. :. /__ __ |:. : |:. :. :. :.: :.:i:. :. :. /\ :./ \:. :. :
.: :. :. :ヽ:.`ヽ (:. :./ |:. : |:. :.|: : : : :|:. :. :i / / \ /:. :.
それ見た事かたわけども。 .: :. :. :.{ x=ミ x斧芋ミ:.:.|: : : : :|:. .:. ; \ / \/:. :. :.
. i:. :.|:. :〃 _)ハ 〃 _)小 ノ : |: : : : :|:. :./ /\ /\.:. :. :
妾の言う事を聞かぬからじゃ . | : :|: 圦 .Vツ ヒ:ツ |:.:.|: : :|:.:.|: / \/ \/:. :. :.
. | : 从:. :.} ノ /:._/ /: ,:. : /: /イ /| /||. :. :. :.
.. 八:. :. 〉:八____ ___,ハ .//:.// _|.ノ〉 ../ || :. :. :.
. ヽ/ | |/,| l∨ ノ / く___,,.斗--<____/ l ,/.|: :. :. :.
| |/,| |i|`´ .。s≦ i // ̄ \/ | .|/ / :. :. :.
| |/,| |i|-=≦>、 | { \ /:. :.: :. :.
| |/,| |i| /{ / :. / .{ //二二ニ\ ヽ /:. :. :. :. :.
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ だが、魏該の配下たちは劉曜からの徴発に苦しみ、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 南陽郡にいた魏該に使者を出し、再び彼を塢主として迎えている。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .配下と合流した魏該は荊州の新野へ移った
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 883 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:32:08.51 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 荊州 襄陽】
____ ....:::´:::::::::::::::::::::::::::::\:`ーrく:::::::::::::`ヽ
/⌒>―:/:::::::::::::::::::::::::;イ{:::::::::::::::::\::ゝ.><\ ̄\
/⌒./:: /::::::::::::::::::::/ムrヘ:::::{::::::| ::: |:::::::ヽ `ヾ
/::::::/:::/:::/ゝー'^´ /\ム::| ::: |::::::::: | ようこそ魏該殿。
./::::::/::|::|:i!:{ /,斗芯アt| ::: |::::::::: |
| ::/|:::|:从N 〃〃bf:::爿 |::|:::|^ヽ::::| 今我々は賊徒討伐に従事しており、
|/ .|:::|:::∧⌒ { 乂少 j::/::|} }リ::/ 魏該殿のような歴戦の将を何よりも必要としています
{ |:::i!::::::ハvzイΥ"\_ イ/|:::| /::/
Y:|:(__{_ ノ' _ /' ./:/¨ル'
从:::八 マ::::ノ /イル'_ /´ ̄:\
\个i イ'_」 ィ^}} } __《ハ}ノ)): : : : : :\
\{ゝ >ー< rf }} }} {{八 /`:<: : :/`:<\`:.、ヘ: : :. :.
/ィirf´{{ {{ ヾ ヾ ヾ \_ /: : : : /: : /:.ハ: : :.∧:.∧「 ̄|: :.
} }} }} ヾ ヾ \ >.:.´.:.:.:.:.:\ /: : : : : :/∧: :/: :∧: : :∧: ∧ ̄|\:.
. /:/: : : : /⌒ヽ '´ ̄ V: : ∧:.:.i: : :\|::.
晋 梁州刺史 周訪 /:/: : : : /(::. .:´:ノ∨: : i∨!: : : :/\
. /:/: : : |: :i r=ミ r===ァ:i:.:.|)i:八: : :\/:.
. {/i: : : :i|: :圦ヒソ ヒソノ: |:.:.|∧ノ: : : :/\
\从|:込、 ′ |:.:|:.:.| V : : : \/:.
我ら一同、周訪殿の指揮に従おう。 从|i > .^ ィノ:イ/ ∨: : : : : : :.
ィ:´:::ノ<>'//7 /><ニ\ V: : : i : : i
郷に入っては郷に従えと言うしの。 /::::-<>ィ〈>'/《/<=> ´ ハ V: : | : : |
. /::::::::::ニノ:::リ イノ= x== 、 ./ニi :. :.:| : : |
ところで、あの杜曾とかいうのは化物か何かか? 八::::::::\:::::::\〈/ /、 <ニ〉 /\/ : : | : : |
\:::::ノ \:::::::>- ' \ //=V i: /:. :.:.|
ー i/.\ ハ }ニノ /.: :. :.:|
/// `¨¨¨¨´ /¨´ /: : :. :./
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 折しも荊州では杜曾の乱の真っ最中だった。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 魏該は配下と共に
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .梁州刺史周訪による杜曾討伐を助け、順陽郡太守に任命された
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 884 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:32:58.53 ID:qSjPNxu80
- 【紀元322年頃 晋 荊州 新野】
. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
<:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :\ __/〉
...<:. :. :. :. :. :. :. :. :. ___ /\:./ \/_\:. :.__:. :.Y/7〉___ ______
.. /:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. /___/-\/ > //:. ̄:. :. /:ヽ{V/´ ̄)) ̄ ̄
/:. :. :. :. :. :. :. :. :. / ̄/:. :. :. :. :. :./___/:./:. :. :. :. :. /: ∧:V: ̄\
:. :. :. :. :. :. :. :. : /| ̄  ̄ ̄ | ̄/ V:. ,:. :. : /:./:./:.:/\/:.ハ:. :. :.
:. :. :. :. :.> ´ |/ / T /:. :{:. :. :.i:. i:. i:. :i i :. :. :.
:. :. :./ /| | / {:. : {:. :.l:.从l(:.ト从 __ |:. i :. :.
:.:/ |/ /| .{:.:/∨《斧ミ从 /:ノ イ:./:. :..i
/ |/ 八:.V i:| Vツ ,.斗ァ.:/:. :. :.|
__ _ \:八 , (ツノイ:. /: :/ .妾は賊を討つ事を願い、
V∧', ー\ (:‐ァ 人://:/ 国へ忠義を尽くそうと思っておる。
V∧', (:.、__ 「:i/_,ノ -=≦----<
. V∧', >ィ::\_l___/_/<⌒ヽ Y〉 今、王公が挙兵し、
. V∧', /(/ノ//:::::::::)::::::::::::::::} Y V .天子へ向かっておるが、
V∧', 〈∧__〈/{´ ̄/>--< ノ 〉〉 妾は与するつもりはないぞ。
Vイ{ト 人/人:〉<ノ /\___/{
〈ヽ{:::)、__,,.斗::::〔..<i:> :. ノ { / /〉 そう王敦殿へ申し伝えい
乂くノ:::::::>:i:i:i:i:i/ Y / ̄ ̄
V//:i:i:> ´ ∨ V
. /:i:/ / ',
. /:i:/ 八 ′
/:i:i:/ 〉 \
. /:i:i:/ , / \
{:i:i/ . / \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 後年、王敦の乱では中立を保ち、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 蘇峻の乱では建康へ赴き陶侃の指揮下に入るも乱中に病死。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .武陵郡で葬られ、従子の魏雄が将兵を継いだと『晋書』『魏浚伝』は記す
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 885 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:34:29.99 ID:qSjPNxu80
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
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| 腹ペコから始まる民族大移動 .|:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
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|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ//
| | >:´|、 - ,|`:< 魏該の南遷は周辺の勢力に影響を与えた
| | |::::::::| > イ |::::::::|
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 886 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:35:28.24 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年8月 晋 豫州 潁川郡】
(~) (~) (~)
.γ´⌒`ヽ γ´⌒`ヽ γ´⌒`ヽ
{i:i:i:i:i:i:i:i:} .{i:i:i:i:i:i:i:i:} {i:i:i:i:i:i:i:i:}
(`・ω・)∧,,∧ (`・ω・)∧,,∧ (`・ω・)∧,,∧
< >(ニO ・ ・ < >(ニO .・ ・ < >(ニO ・ ・
ッッ) ,_lミl !、 ゙i. ッッ) ,_lミl !、 ゙i. ッッ) ,_lミl !、 ゙i
ミ_(⌒~(, (__)|`ッ ト,o_o).⌒~(, (__)|`ッ ト,o_o)(⌒~(, (__)|`ッ ト,o_o)
(, l!、 ̄| |ッ (, (, l!、 ̄| |ッ (, (, l!、 ̄| |ッ (,
(⌒;; _ッ/ッッ~'''''''(, ッ~゙i ゙i _ッ/ッッ~'''''''(, ッ~゙i ゙i. _ッ/ッッ~'''''''(, ッ~゙i ゙i
(⌒;;(⌒;; .(,ッ ゙i_) |_|フニッ(,ッ ゙i_) |_|フニッ (,ッ ゙i_) |_|フニッ
ッ_) ッ_) ッ_)
` (⌒ 、 /ニ Yニヽ
`ヽ \ ,/(>)(<)ヽ
(⌒)ヽ (⌒ -、. / ´`ヽ---/::::⌒`´⌒::::\
ヽ::::::: . | ,-) (-、|
(⌒) .。; ゚ ,,\. `'''⌒) ,;‐=‐ヽ l | '⌒)
(⌒・⌒ ・ = ニ` -、 、 :::::,,.r ' `ニニ´ / ,.r'
'';:. ,、,,・:・ 、、,, =ニニ` ー三----- `''ー─‐'"
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .八月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 洛陽に駐屯していた漢軍が豫州潁川郡に侵入。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .魏該の軍勢がいなくなったため、
`ヘ:ゝ .' 小/ 比較的手薄な潁川郡方面へ攻め込んだと推測される
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 887 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:36:18.02 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年8月 晋 豫州 許昌】
∧/:|`Y丁:| |
| | | |:::L」 ∧
| | ̄ |/|`'|: : : | |__,|@
∧ |癶_|_ | |===== |A
/,,,∧_| | |⊥_|∧::i|∧__|八
| | | |,| ̄|¨'|─:| ̄ヽ| ゙̄| | |ハ
| | | |:| | | :| |¨ ‐_| | |__|
_ | | |_|,| ∧ l :| |- ,_Y∧_| ∧
癶___∧_,,r|⊥i |/ ̄ヽ| /:: :∨‐:| |ヘVヘ|_|: : :|_|:::| xヘ
癶 | | | |'^i'^i | | | |ニ|_/:::ハ__∨| ̄~| | |VヘVヘ::::::::::|::::| |::::| ̄
| ̄|_ _i! ∧ /:', | | | | | | | ハ ハ¨/::∨ ̄ヽ |∠ヽ [\__[]二::|::::| |::::|
¨¨¨,∧¨¨∧∧ ∧ |[]| | |/二二 |ヘ | |/∧ /::∨_∨¨∧ ̄ | ̄| | |\| |ヘ二二| ̄_A : |
:¨ ̄|¨:| ̄| ̄|丁∧xヘ∧ | ̄  ̄/:::∨ ̄VV_| ̄|_|_| | ̄ ̄xヘ|_|_|/ γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| | | |::|/ ̄ ̄/__',__」,,...、、、-─| ̄..|「「「「| | | ̄|ヘ::::::∧「 ̄ |_|:::\|xヘ | ……困りましたね |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ゙゙゙̄| |¨|¨|¨|:|| _ ,-く ̄ ̄ ∧ | | | ∧| ̄|_」L ‐<::::\/|〈:::/ヽ___________乂
 ̄{─‐ttュ_ リ|i_|i_|i_|」⊥-‐ュ_∠\:::_>:::::::// ̄∧ /:::^〉‐ 丶::\: : \,イヽ|/::::/::::::/::ヘ`|ヘL|_|\
: : }.:.:.:_二 ̄/ ̄ ̄i! ̄ヘ::_ -  ̄:::::寸´ |::::::://:::::/ ∨::::/ヘ::::::::∨::::\_イ_|i...||ヽ/::::::/:::::::/:::::::\
'''"´~ 从 _ム-,:/ ∨__∧::::ニハニハ::/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}|¨/_,||\::: ヘ__,.斗匕リ.. || 〈::::::/::::∠_:::::::::::/\
从从;';',∧:::::::∨ |]/ .圦::::[]:::[]:/:癶::::::::癶:::::::::::/ |/_||_Y´ || || |/... ||`'|::://|ヘ^ア /|::|
从;';';';';'ィ' ヤ'"´|-‐ |/ _||_∨::::::::/:::| |i::::::| |i::::: /|i, ::|_||___,|/||⌒|| |...... .| |¨i|:: ¨|_|ア/ ̄|::| ̄
;';';';';';';';'|「┌| |r 「i|==| | |=ヤ=ァ゚::::: ̄:::::::::: ̄:::::∧゚|i,::| ___ | || |レ' |`'| |::::::::/ \、|::|/
;';';';';';';';'|「┌| |‐ ¨|==| | |==| 丁丁丁丁丁丁「「| 「:::| |::::| |「」|| / ヘ | |`Y======| ̄|==
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 今度は許昌に行台を構えていた荀組が頭を抱える番となった
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 888 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:39:28.60 ID:qSjPNxu80
-
/::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\|::::::::|:::::::::゚。
.:::::::::/:::::::::/:::::::::/ ::::: |::::::::| ::::::: |::::::::| ::::::::: i
|:::::|::|:::/::/::::::/:::!::::::::::|::::::::| ::::::: |::::::::|:::::‰::|
||:: |::|:::|:::|::::: i!::::|:::::::|::|:::::::ハ::::::|::|::::::::|Y》':::: | .華恒殿。
.从::| 〕:T::i!ー-|匕!::::: ハ|`:::TT¨丁|::::::::|叺》::: !
`Tハ"" `""  ̄ `"" `"^^|::::::::h⌒:::: | 石勒軍の攻勢を避け行台を許昌へ移したのに、
|:∧ ≧=ミ ィ≠≦.|::::::::|リ:::::::: | 今度は洛陽から匈奴の兵がが押し寄せてしまいました。
|::::ハ |::::::::|V|:::::: |
|::::圦 ' |::::::::|ハ|:::::: | これでは私たち兄弟が設置した行台は立ち行きません
|:::::::|:ゝ. r 、 .ィ/:::::::/Vj::::::::|
|::::::ハ::::::>. ー ' イ |:|::::::::|>ハ|:::::: |
|:::::} {:::::::::::::r〕 _ 。<> '^|::::::::|∧:! :::: |
,.rzzz|:::::トL:::::::// 况´ /::::::/〉.ハ! :::: | // 丶 ヽ \` 、∧
.//´ ̄j :: |`¨ア/ハ /i∧ ,./.|:::::::|/7ニニニ≧ュ // | V 、 , ヽ}≧=- ァ
|..|......../::::/...//..../ V|iiiii∧_//...|:::::::|/............../  ̄`ヽ ,' ' | V、 , V :!ハ
| | { ヽ Vヽ jレ^|\ | V |ヘ|
| | { V, } / ヽ L斗、 | j^Y |
l |’ V {V'、 | ,ィ" jレf笊⌒’ V |7) } '
l | ’ V、{ _,.ノ | } ^弋rツ V´,.ノl
| ' ∧ V´ jI斗、| : | }「 八
j ∧ 丶 ヾゝ乂r〉 U∧/{⌒`
軍才の足りない私たちには厳しい状況です ´ 寸'、\ \ 、 _ ∧ 〉ヽ', ,.斗r ァ冖 、
寸ヽ\_ 丶 , '´ / /ヽ }ー=≦-‐ 7^ヽ ∨
` `'⌒ 个s。., ___ ∠ィ'´ヽ V /`'< / .l| |l
_人 { } } }’ ` 7、 l| |l
,.。s≦'´ } ) ', )/ \ / ',. l| |l
〃{_,. '",. ィ’}ー 7´ l|ヽ \ ' , l| 八
- 889 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:40:20.56 ID:qSjPNxu80
-
/::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\|::::::::|:::::::::゚。
.:::::::::/:::::::::/:::::::::/ ::::: |::::::::| ::::::: |::::::::| ::::::::: i
|:::::|::|:::/::/::::::/:::!::::::::::|::::::::| ::::::: |::::::::|:::::‰::|
||:: |::|:::|:::|::::: i!::::|:::::::|::|:::::::ハ::::::|::|::::::::|Y》':::: | そこで相談なのですが、
.从::| 〕:T::i!ー-|匕!::::: ハ|`:::TT¨丁|::::::::|叺》::: ! 実は私、先月建康から司徒に任じられまして。
`Tハ"" `""  ̄ `"" `"^^|::::::::h⌒:::: |
|:∧ ≧=ミ ィ≠≦.|::::::::|リ:::::::: | 良い機会なので、
|::::ハ |::::::::|V|:::::: | 配下の者と共に建康へ移ろうかと考えています。
|::::圦 ' |::::::::|ハ|:::::: |
|:::::::|:ゝ. r 、 .ィ/:::::::/Vj::::::::| よろしければ、華恒殿も御一緒にどうかと?
|::::::ハ::::::>. ー ' イ |:|::::::::|>ハ|:::::: |
|:::::} {:::::::::::::r〕 _ 。<> '^|::::::::|∧:! :::: |
,.rzzz|:::::トL:::::::// 况´ /::::::/〉.ハ! :::: | // 丶 ヽ \` 、∧
.//´ ̄j :: |`¨ア/ハ /i∧ ,./.|:::::::|/7ニニニ≧ュ // | V 、 , ヽ}≧=- ァ
|..|......../::::/...//..../ V|iiiii∧_//...|:::::::|/............../  ̄`ヽ ,' ' | V、 , V :!ハ
| | { ヽ Vヽ jレ^|\ | V |ヘ|
| | { V, } / ヽ L斗、 | j^Y |
l |’ V {V'、 | ,ィ" jレf笊⌒’ V |7) } '
l | ’ V、{ _,.ノ | } ^弋rツ V´,.ノl
| ' ∧ V´ jI斗、| : | }「 八
j ∧ 丶 ヾゝ乂r〉 U∧/{⌒`
お気持ちは嬉しいのですが…… ´ 寸'、\ \ 、 _ ∧ 〉ヽ', ,.斗r ァ冖 、
寸ヽ\_ 丶 , '´ / /ヽ }ー=≦-‐ 7^ヽ ∨
` `'⌒ 个s。., ___ ∠ィ'´ヽ V /`'< / .l| |l
_人 { } } }’ ` 7、 l| |l
,.。s≦'´ } ) ', )/ \ / ',. l| |l
〃{_,. '",. ィ’}ー 7´ l|ヽ \ ' , l| 八
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『荀勗伝』にはこうある。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 荀組は石勒に迫られ、自立できなくなっていたと。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .翌年彼が建康にいるのが確認できるため、
`ヘ:ゝ .' 小/ この頃には許昌から建康への移動を検討し始めたと思われる
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 890 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:41:14.19 ID:qSjPNxu80
-
, } ヽ,/ / / ’ ヽ 斗 y
' | / , " , / ’ ∨//
./ , / / ' / } i ∨イ
' / ' , イ/| ' /| ハ.| ', |
l∠ イ| | /__jL 斗ハ / j/ } ' vl
| ,从 ,/ ___ ^ノ/ /^'<ハ 八 、
八{ { 八 { ` Vリ⌒ ´ ===x, } / /⌒ 私の従兄に当たる
ヽ乂ゝ` 、 Vソ ´,:| / / 江州刺史華軼は晋王に討伐されました。
\}^'ー、 ' ./,:レレ'
jハ 公、 r― v u人 .私が同行すると、御迷惑をおかけするのでは?
∨-| \ ` ´ ,. イ
{ /\个ー <、
ノ } { `7ーr’}
/ /`ヽ、_j_」 ト 、
//´ ̄`'く //⌒`ヽ ∨}h、 / : : : ,': : ,': : : :l: :./ : : : : : : ゙.: : :ヽ: : : : : ハ
, , | | V ' ヽ :, ヾ}',! ': : : : :l: : : : : : :.|:./: : : : : :|: : :|: :|:.:l: :゙.: :゙ : : :
, ,' ,. --ミ V 、 、 、 \ l : : : : l: : :|:.: : : :|,': : ::': : : :l : : l: :l: :!: : ゙..:|: : l|
|: : : : :|: : :|:|: : : :! : : :': : : ,' : : :': :}:.:|: : :.|:.:.|: : ハ
l: : : : ,' : : |:l: : : :|: : ,' : : :/: : :.,':.:.,':.:|r≦Lrr‐'
, : : : ,';;: : :|;;|: : : |: /_:_:-─/: :/从ィチうリ |
ハ: :/;;;;: : :|;;;l: : : V:∠≦乏ミ Vソ' ::::|
では、建康へ問い合わせては如何でしょうか? ,' : :./;;;;;: : :.l:{ヘ: : : 代乂しソ :::::|
/:./:/;;;;;;::;;::::l;;ヽゝ: ハ ` `" ' ハ:::!
/:,:';/;;;;;;;:::;;:::::|;;;::::∧: : :. .イ|:::::::.
/:/ /;;;;;;;;::;;;::::: |;;:::/ヾ. : :.、 ‘’/:::∧:::::::.
,:': / ;;;/;;;;;;;;;:;;;;::::::〃:/\∨ : : ハ≧=‐r-イ<:/ V:::::.
/:::';;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;::::/::::∧ ヽ: : : ヽ ハ|ヽ >、 V:::::.
,':,';;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;:/:彡' ゙. V: : ハ /{;;;;;} ヽ. }ハ:::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『華表伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 当時群賊が方々で盛んであり、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 豫州諸郡の太守が相次いで出奔し、華恒も郡を放棄して東渡を企図した。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ しかし、従兄の華軼が
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 司馬睿に誅殺されていたため、彼に疑念を抱いていた
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 891 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:41:53.73 ID:qSjPNxu80
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ そこで華恒、王導へ手紙を出して反応を見る事にしたらしい
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::≧ /...........
〃/´::(:::::::/__:::::::::/:::::::_:::::::::::::::::::::::::</ ...............
{乂 :::::::::/´ , ̄ミx /::::::::`ヽ::::::::::::::::/` ‐──‐‐
ヽ. _/ ’ ) \::::::::::::::::Y:::::/
{ ─r‐‐< `Y⌒ヽノ::::/
`Y { Y ノ)}::/
華恒殿が心配する気持ちは痛い程分かります。 } ≠ミノ 丿 ノ/´ ̄`ヽ
ノ /................ \
殿下はこう仰せでした {__ /..........................\
. L ___ノ /.............................. / /
└r /................................//
}__ ノ⌒/\..........................X ___
/ 丶.............../ |\
′ \../ i|......\
{ / \___|............\
- 892 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:42:34.06 ID:qSjPNxu80
- 【晋王殿下のお言葉@『晋書』『華表伝』】
_____
. ´ `
/ ___ r―‐- . \
/ /r┐`ー'^ ゝ' o \
/o `¨ (`Y´) r‐==ミヾ `、
: r‐'r‐ヘ 〈 〉 |⌒ト ∨ ハ
| |〈 |{7´ YLノ|\|_厶 }|o゚ | `、
| |く( |{∧___{⌒´ 〉'^⌒^i:}|_,ノ `、
| ∧゚ oト〃⌒^ー. ´´│〔 〕 |\
| ∧__/ 「 ´´ __ | {f}f}、 |
| i 〔 〕人 < ノ .イ: / |\
ノ^| /f}f}\〈\ __ / :|/..┐ :| 兄弟の罪が互いに及ばないのに、
. |:∧ |\∧ '.辷____,,..彡'|=|'|/ .従兄の罪なんて及ぶわけがありません
/ \|\__,f‐|「∨ //´|=|ニ=-
-‐=ニニr'⌒ー┐ .厶斗ir。ニニニニニ=‐-
/ニニニニニrf \ `二V´}ニニニ゚ir。ニニニニニニニ
/ニニ\ニrf∧ `マ,ノ_,.ニニニニニニ%ニ/ニ/ニニ
. //}ニニニニ%。o 〉 }::/____)。o%¬冖'^∨ニニニ|
. ,.:.:/ニニ{:∨ニニ} ̄`V7∧ニニニニニニニニニヽニ/ニ|
/.:.:|ニニニ∨=/`¨¨7f=〉.:.i:.ニニ/ニニニニニニニ/ニ:|
. 〈/:.:.|ニニニ{ニ乂___/,」/.:.:.:|:.:.∨=/ニニニニニニ|ニニ
. 厶.:.:.\.ニ八ニ/ `¨7:|ニ| .:.:∧:.:.:∨ニニニニニニ ;ニニ
`⌒Τ^ У |ニ|/人\:.|ニニニニニニ7ハ∧|
. |{∧ / :|ニ|¨´ :. `¨│ニニニニニ/ |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 司馬睿は即座に華恒を招聘した。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 時節柄こう言うしかなかっただろうが、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .このあたりの司馬睿の感覚は至って普通である
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 893 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:44:45.57 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 豫州 許昌】
/ ヽ `
, " / } ヽ ∧
/ ' ' 〃 } 、 V '
_,ノ/ ,' j /,' } ハ } V',
7 ' { ム斗r’ ./} 7ート,V ' , } どうやら晋王は私も受け入れてくれるみたいで。
l{ { { ' l ' レ }/`', ハ|`ー :'
∧{', {'∧ ァ=ミ/ ァ=ミ、} '⌒v ,' .御一緒しましょう
八{ ハ.: : : , .: : : : レ ) ノ jレ
^叭 :! __/! /
人 r -- ァ / {/j’
个s。 ,.イ{ ハ{
r>-<_ ,.斗{ . ,: . . . ...:..:.i..:.:.: |:i::.:i |::.:|:::i :|::::|:::i::|::: |::i::|:| :::;::::
人 | ,' } !ト、 ′ . . . .i..:..:.|.:.: : |:i ::| |::.:|:::||::|:::i::|:::::|::i ::|:::|∨)::i
_ ,. 斗≦ノヽ| {__ノr く\> 、 i : :| ..:.i_」ニ|:::-‐|:i¬ |::|:::| |¬:‐-|::ニLj ::|:::[_,〉::::|
, ´/ , '"/ / ,' } ', ヽ ` .,`> 、 |:|i..:.| ..:.:.i: j.斗r‐‐ト、┴└‐ ┘ 斗r‐-ミ」:|i__|:::|)::::::::|
, レ" / ' / } }:、 \ /, ∧ |八⊥ -‐ヘ〔 {:::し(_ {:::し(_ 八:i:| :: i::::::|
. i .:.:.i小 V^ン V^ン i::: | :: | :.:.|
. | .:.:.|::|∧ 、、、、 , 、、、 、 /|::: |∨|:::..:.
|..::..:|::i :∧ /个i::|〉〈|::.:..i
| ::.: l :::: i∧ _ _ / : |::i::|∧|::::::|
では、建康へ参りましょう .|..::.::.::.::.::| :::::...._ ` ´ ...::::::: |::i: |∨|::::::|
|.::.::.:i..::.:.|.::.: / ニ- . . イ\ ::: |::i:::|〉〈|::::::|
. |.::.::.:i ::.::.| ::/ /\ >‐- ´/ `'く|::i:::|∧|::::::|
| ::.::_l ::.::.|:/ ∧ 丶、___,. '′ ∧ ::::i:::|<|::::::|
_,.. -=ニ二| ::.::.| i \ /∧ / i i:::::::|ニニ‐- _
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『荀勗伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 荀組は自らが率いていた配下数百人と共に長江を渡った。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .太保・録尚書事・太尉などを歴任するも、
`ヘ:ゝ .' 小/ 明帝司馬紹の時代の初めに六十五で病死している
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 894 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:45:57.84 ID:qSjPNxu80
- 【紀元318年春 晋 揚州 建康】
/ \
/ i \
/ ノ ....:::::::::::::::亠:....
*⌒ ̄>/ -ァ::::::::::::::/ ̄:::::::::::::::...
*⌒∨ ,ノ /::::::,:::::::/::,::::::::::::::::::::::::::::\
*⌒{ / *:/::::::':::/::::::::/:::::::::::::}:::::::::‘, 南方の水に当たってしまいました。
/ /洞{:::::::/:/::::::::/:::::/::::::::|:::::::::::::,
/ x .∧ /:::::::|:::::::|_i:::::::_/く /:::::::::/、:::|::::::::, うっぷ
/ く/ ∨:::::{_|::::::{i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i\//::::/:i:::::::i
/ , //::::::i|:::|::::|::::i|i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iく._:/:::::/
< / / ト-/|:::区|:::::|、" ̄ ̄ `:i:i|,ヘ;;/
\__{⌒ し' |::::|え|::::|斧。、 r-、 "}:::::| , "/ `丶
\ |::::::|メ圦:::::| Yクー――イ::::::}i / ' / ,' ' 丶
` < |::::::::W ハ::| |Y |::::::::|::::::il| ' ' ' / } ∨ 、
` .|::::::::::::::::::::}{ト=イivト=《:::i:::::i::::;イ ' , ' / | jL_' ! } V∧
!:::::|:::::::i:::::{ L_.イ-ト、_|::ノ:::ノ/::i| // ,' ,.ィ´/!/~「 ' ,'| '十ト ' 、:,
.ゝ {\人:::{ し'` '^`` }ィ1:::::/ ∠ イ l ,' V j' |/| / j' '| 、 :! :|ヾ、
ヽ{ .}/ l| |ハ ,'〃f芯` | / '芯ヾv: | !
八 | / j∧ | ` .Vり ' Vリ ノ'ハハ,'
`ヽ{ (「八| / / / l / /,l| / j'
}丶 _ 、 _ 八
建康って宮殿もあるんですね ハ \ ( } ,
ヽハ _|个s。 , イ
|/ 7 ー-≧f〔ハ|
, - ― =七人 | | ,' }l |__
./ ∧ _ ,. - ' >- {- 'r'、- 二丶
' , ∧ , イ | ', , ヽ' < }ハ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \ 華恒は建康へ移った後に太常となり、
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .荀組・刁協・王導と共に祭祀の在り方について議論した後、これを制定。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 後に散騎常侍・国子祭酒も兼任し、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 王敦・蘇峻の乱を生き抜き、成帝司馬衍の時代に六十九で病死。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 清廉かつ質素であり、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 常に布衣粗食で、死んだ時も家には余財がなかったという
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 895 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:48:32.98 ID:qSjPNxu80
-
斗≦才ニ=ー-- _
/イ ̄  ̄\ \厶
//イ寸}}}寸 寸\ \\ミ辷_
艾ミ寸/厶\ ̄\. } \_寸 寸´
`才 .ア ) 乂\_\ ハ
./// 斗≦` 寸: : :./Vハ 个'
厶从{ァ==、 / 斗ォァ V// ム: }V乂{
八{:斗ォァ}  ̄ }:/ (ノ∧V
.{: ̄ ノ |__/VV
∨ \ 八 マ おや?
.∨ , -─ ..::: V
.' -‐ /:/ ∨
.' /:::/ _V γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
\::....<::::::::/ 斗≦斗≦∨ | ああ、荀崧殿も建康に来ていたんですね |
.∨≦ /ニ二ニ=-‐∨__ ヽ____________________乂
/ /ニニ/ニニニニニ,
,イ / |─彡ニ>─-<ニニ,
/八./ニニ:|ニニ/ニニニニニ寸ニ,
〈::::/ニニ/ニニ/ニニニニニニニマニ,
/::::Vニニ/:ニニ7ニニニニニニニニマニ,
∧:::/ニ/ニニニ|ニニニニニニニニニマニ,
∧/ニ/厂 ̄ |}:ニ|ニニニニニニニニニマニ,
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .また、同じ頃に宛に駐屯していた荀崧も建康に移ったと思われる。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } こちらは司馬睿の皇帝即位後に
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 尚書僕射に任命され、東晋における礼儀の制度を定めている。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 蘇峻の乱で王導・陸曄と共に成帝司馬衍を護衛した後、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 咸和三年(三二八年)に六十七で病死したと『晋書』『荀崧伝』にある
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 896 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:49:23.15 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 司隷 滎陽】
,,‐''''´´ ,! l
`、 /黄 【河東郡】 ( 〉 朝歌○
', / `ヽ、 /
', / `ヽ、 _,,,,,,-‐'′【河内郡】
', ○粟邑 ./河 `‐-‐´ ,-‐'´
', / 〇安邑 ○垣 _,-‐'i´ ○酸
) ,' ○解 ,,,..-‐- 、,,,_ 河橋 温 〇懐_,,,-‐'´ `-、
,''´ 【馮翊郡】 ,' ,,/ 邙山▲ -、,,_ ○ ○ _,,,-一'´ l
'、 l ○蒲阪 大陽○,,-‐'´ 【河南尹】 洛陽○河陰~´ 成皋 ●滎陽 !
ヽ, ) 入 _,,,,...-一'´〇陝 ○十三里橋× ◎ 〇偃師 ○ ○
`~´ 渭水_,,,,,...---‐‐''´×潼関 ‐'○湖○ 新安 ○ 〇緱氏 ▲ 中牟
〇渭城 ,,,-‐'´´ ○華陰 弘農 ○ ○宜陽 河南 _,,..-‐- 、嵩山○轘轅 .,,-一
,--‐‐'^´ 〇 ▲ 澠池 ○ (´ ○輪氏 `、 ○密 ,/
〇長安 〇隠盤 鄭 華山 新城 ``'''‐-、,,_ `‐-‐'''´´ `~~`ヽ、
○覇上 【弘農郡】 ○梁 _,) 〇陽翟
【京兆郡】 ,,,_ ,ィ´ 【潁川郡】 ○許昌
(~)
.γ´⌒`ヽ
{i:i:i:i:i:i:i:i:}
(`・ω・)∧,,∧ すいませーん。
< >(ニO ・ ・
ッッ) ,_lミl !、 ゙i. ああっ、石を投げないで!
ミ_(⌒~(, (__)|`ッ ト,o_o).
(, l!、 ̄| |ッ (, .今日は戦に来たんじゃありません
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、 (⌒;; _ッ/ッッ~'''''''(, ッ~゙i ゙i
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ (⌒;;(⌒;; .(,ッ ゙i_) |_|フニッ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ. ッ_)
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 洛陽周辺に残る晋軍は、
\ヽ、 _ , イ!::/ 滎陽郡太守の李矩が残るのみとなった
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 897 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:50:24.04 ID:qSjPNxu80
-
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii', .李矩将軍。
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
',ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii,' 我が主趙固は、
';:.:.:.:.. / ;#;:;: \ ':, 将軍の御心遣いに大変感謝しておりました。
';::.:.:.:. . ● × ;'
';:::.::.:. (__人__) ;' .危うく劉聡に殺される所だったと
'':;,:.:.:.:.:.;#;;メ;;.;#; ┃ 、:'
,;:'':.:.:. '':, /⌒ヽ ̄/⌒ヽ__
__/ /ミ∨/j} } \
// / /⌒゙┴‐く{ l \
// / / { ∧
// / __厶ノ {廴{ l ∧
〈/ / ´/ {`ヽ\ |
〈 /__,厶二 =ー\ { `ヽ |
結構。 }/ 癶,_以ぅ ‐テ忘ミ \ \
〈「 || ノ ` ┴勹v―ミ \ノ
それで、色好い返事は聞かせてもらえるのかしら? .ト || | |'^ノ },ノ
|/圦 、_r‐ 、__, | |// |
//| ト、 `こ゚´ ノ| | |
//│ l |\ イ | | | |
// | | | |ト‐ | | | | !
//_|L∟⊥8ノ 8 | |__| l
// / / /ー8- _,。c*゚ | | >、 l
/ / / / |\__゚*()+・゚¨ / | | / ヽ l
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } この頃、洛陽にいた漢軍の将を趙固といった
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 898 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:52:57.54 ID:qSjPNxu80
- 【趙固さんの詳細な経歴はWikipedia参照】
|////////////////////
_,, 、、、,,_//////////////////
>''´: : : : :ト、: :`''</////////////
/:i:/: : :l: : :ハ|,,斗i‐:',: ∨/////∧////
/: |i:i/: : : :|: : 厂レ-、ハ : }: :∨/////∧////
/: :《≧≦》 : :|: :,ィzzzzミ}: :}__,、}!///////////
,: : : : : : :\: : 从''´:/:/:. /: / V///////////
{ : : : : : 八: : {: :弋:/:/:.イイ ノ///////\/// 劉聡から寝返るなら、石勒か李矩の二択になる。
',: : : :Y´{: :\乂`''ー` ` ,く//////ヾ/
. ヘ : : 乂{ : : :≧x { ヽ// / だが、石勒に帰順を持ち掛けても反応が鈍かった。
ヘ : : : ヘ: : : \ u. 人 //
. ヘ : : : :ヘ : : : \― ,、ィ!'´ //// ここは李矩の誘いに応じる他なさそうだな
l: : : : : |\: : : :ヽ. /: : :| |////
|: : : : : |.斗\: : :ヽ / |: : :| |////
. ,' : : : : :|≠>'' ̄`ヽ`ヽ:.从. |////
. / : : : : :/''/ ∨ihvム |////
. / : : : : / / l:i:i只:i:》 γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
. / : : : : /. l''´ ヽ| 我が主は李矩将軍に帰順したいと言っています |
. { : : : : ′、 l ヽ_______________________乂
. l: : : : ′ `〜、、,,. ヽ }! |/////
. 从: : { \ ``' ',. . : :八 ,ノ/////
. ∨{ \\ 、. }.: : / {///////
. Vゝ、\ \〉 ``〜┴.V /////////
`寸≧zzzzz\ , イ///////////
〈 ヽ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:\ ,イ//////////////
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .元々漢軍の将として永嘉の乱を戦い、
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 徐州に攻め込んだ折に徐州刺史裴盾を殺し、その娘を奪って妻とした。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 永嘉六年(三一二年)、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .徐州から平陽への帰還途中に食糧が欠乏したために劉琨に帰順。
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ それから二ヶ月余で劉聡に帰参し、以来五年に渡って洛陽を守っていた
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 899 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:53:53.92 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 司隷 滎陽】
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
',ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii,' 帰順を認めてもらえるなら、
';:.:.:.:.. / ;#;:;: \ ':, . 劉聡討伐の先頭に立つと主は言っていました
';::.:.:.:. . ● × ;'
';:::.::.:. (__人__) ;'
'':;,:.:.:.:.:.;#;;メ;;.;#; ┃ 、:'
,;:'':.:.:. '':, /⌒ヽ ̄/⌒ヽ__
__/ /ミ∨/j} } \
// / /⌒゙┴‐く{ l \
// / / { ∧
// / __厶ノ {廴{ l ∧
〈/ / ´/ {`ヽ\ |
〈 /__,厶二 =ー\ { `ヽ |
いいわよ。 }/ 癶,_以ぅ ‐テ忘ミ \ \
〈「 || ノ ` ┴勹v―ミ \ノ
当分の間、洛陽はあなたたちで守りなさい。 ト || | |'^ノ },ノ
|/圦 、_r‐ 、__, | |// |
必要な援助はさせてもらうわ //| ト、 `こ゚´ ノ| | |
//│ l |\ イ | | | |
// | | | |ト‐ | | | | !
//_|L∟⊥8ノ 8 | |__| l
// / / /ー8- _,。c*゚ | | >、 l
/ / / / |\__゚*()+・゚¨ / | | / ヽ l
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 建武元年(三一七年)。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉聡は讒言を受けて趙固の粛清を決め、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 滎陽の李矩を討伐する軍勢へ帰路趙固を斬るよう文書で命じていた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ ところが李矩がこの軍勢を打ち破って文書を入手、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 趙固に渡してしまったため、彼は李矩への帰順を決断した
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 900 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:55:08.99 ID:qSjPNxu80
-
/ニYニヽ
/ (0)(0)ヽ
/  ̄`´ ̄ \
| ,-) (-、.|
| l ____ l | よろしいのですかっていう?
\ `ー'´ /
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. | ´ ̄ / ̄ ̄|___
/ / __| >┐
/ / /ミ} /|l ト、
_/ / / / `ー≦|l│ヽ
{__/__/ / ブ⌒ | | |
/ {______/__,∠ - __ ││|│
廴「 /^/ 癶 f苙`ヽ \| l| |│
| {(_| | ,z二 | l| |/
今、私たちが洛陽に移っても守り切れないわよ。 | ∧l | t苙`犲 リ/
|l //│ | ′ ノ//
対匈奴の前線にしかならないでしょうし、 | // /| | --、 /l | ̄
彼らに預けておいた方が死ぬ気で働くでしょう |// | 「\ ` // l|│
| / /| | ー一 i〔_//|│
|/ //| | |‘,、 \|∧
/ ,∠ ̄| | __; ∨ │∧
//⌒`\| |’,- ノ ; ∨\│ ∧
/// | | ’, ; \ Vl ∧
// | | l∧ ’, :. ; /\ ∨ |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } この時点で洛陽は晋軍の手に戻ってきた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 901 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:55:52.43 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年10月 漢 首都 平陽】
/  ̄` ー -- 、 `/ ヽ |/ \∧
__/ / ´ ̄ ̄`>`Y 厶,/ハ ヾヽ
-ー:´.:ノ/ / | / | ハ: :\
/: : : : :.∨ / / l / 粲 | / i|: : : ヽ
/: : : : : : : / / l ート、L__ |/ __}: : : :/
{: : : : : : :./ | | ヽ/ ´  ̄ .,': : :/
: : : : : : :/ / _| | ,ィ示テミト、 ,ィテト、ト; :./ 陛下。
\: : : : ソ / / |\ ! ヽ 代ノ} {ヘノ!. ハ∨
\: / / ヽ| \ | ゞー′ ゞソ ,' | ヽ 今、江東に司馬氏が江東に跨り、
/ ∧ l ヘ U ヽ |. ! ', 趙固と李矩は相次いで反逆しております
/ / ヽ | { __ ハl ハ
/ ∨ \.! ',\ ( ノ イ ヽ|/ ヘ
. / |、 ∨!≧ュ 、 ィ´ | 〉
/ _ _| \ ! \  ̄ソ`ト、 |_ / l
./ヽ、 /::::::::::| \ | ∧ ∧ | ヽ |/\/ }
ヽ/:::::::::::::| \ !:\ / ‐十ー | \.|::::::∧ / |
漢 皇太子 劉粲
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 趙固粛清の失敗と洛陽失陥に
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 漢の朝廷が動揺していた様子が『晋書』『劉聡載記』に見える
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 902 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:56:40.45 ID:qSjPNxu80
-
/  ̄` ー -- 、 `/ ヽ |/ \∧
__/ / ´ ̄ ̄`>`Y 厶,/ハ ヾヽ
-ー:´.:ノ/ / | / | ハ: :\
/: : : : :.∨ / / l / 粲 | / i|: : : ヽ
/: : : : : : : / / l ート、L__ |/ __}: : : :/
{: : : : : : :./ | | ヽ/ ´  ̄ .,': : :/
: : : : : : :/ / _| | ,ィ示テミト、 ,ィテト、ト; :./
\: : : : ソ / / |\ ! ヽ 代ノ} {ヘノ!. ハ∨ 兵を集める者は皆、司馬鄴の名を用いております。
\: / / ヽ| \ | ゞー′ ゞソ ,' | ヽ
/ ∧ l ヘ U ヽ |. ! ', ここは司馬鄴を除いて、
/ / ヽ | { __ ハl ハ 彼らの望みを絶ってしまうべきではないでしょうか?
/ ∨ \.! ',\ ( ノ イ ヽ|/ ヘ
. / |、 ∨!≧ュ 、 ィ´ | 〉
/ _ _| \ ! \  ̄ソ`ト、 |_ / l
./ヽ、 /::::::::::| \ | ∧ ∧ | ヽ |/\/ }
ヽ/:::::::::::::| \ !:\ / ‐十ー | \.|::::::∧ / |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 皇太子劉粲は晋の皇帝司馬鄴の存在こそが、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 漢に対する反乱が止まない原因と考えていたようだ
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 903 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:58:36.14 ID:qSjPNxu80
-
ィi{:::::::::::::::::::::::::::. : : : : : : > 、
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. : : : : : :.\
. {ヽ /:::::::::::::::::::::::::::/ニ_`ヽ:::::::::::::::. : : : : :.:ヽ
{ \:::::::::::::_> ´ー=ニ三三\:::::::::::::::::. : : : : :、
. __、 ヤ  ̄ ‐=、:::::::::::::::.. : : : :ハ _,イ
. \ / / i / ` <:::::::::::::::イ /
. ヽ/ / / ,! , / i } `¨¨¨´ <__ ィ
___// / / { __ .{ { !, } i i /
. ⌒ー{ /! {. .{ ,ィ´ `.{ ハi ‐- L,_ ! ! く
{/ | { マム:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iYI| Y|:i:i:i:i:i:`ヽ ト 、 \
` ', iト、.マム:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:γ⌒ヽi:i:i} }  ̄ ̄`
. /从 ヽ\:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i弋 ノ:i:i:i! }
. / / 杁:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iィ | j ,}
. {/ .| ハ !\i:i:iャ──‐ァ:i:i:i:i:/イ,} ハ } 士大夫の帰順は望めない。
i , YW个s ` -- ´ ,ィ } / }′
, ,/ニ}} 〈 } -≦//{{/ニ: / , ∧ 、 ならもう必要ないか
, /ニニ: _ xヘ `只 ´_厶、{{,'ニ / イ/ニム \
/ニニ/ ヽ〉._{`〉/}: : :〉' ニニニニニニム ,>
/ニ/ ヽ{ ', ', :{ , ニニニニニニニム/
. /ニ ,´ /} ゙ ゙,:〉!ニニニニニニニニ≧、
∨ニ ,! ,イ 〃 { /l !ニニニ/´: : : : : :_ヽ
. 〉ニ,' ; 〃 ', ,/ ll !ニ/:./  ̄ ̄ ̄/
. /ニ , i / ', 、 .ll.|/:./ニニニニニニ|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉聡は息子の進言に従った
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 904 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:59:50.56 ID:qSjPNxu80
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| 『晋書』『愍帝紀』に曰く .|:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ//
| | >:´|、 - ,|`:< 懐帝の悲劇が今一度繰り返された
| | |::::::::| > イ |::::::::|
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
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!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 905 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:00:37.60 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年10月 漢 首都 平陽】
/::::::::::::::::::::::::::::_ -‐……- _:::::::::〉
. 〈::::::::::ト、 __,/ / ` /_,ィ
. \  ̄ ヽ / / / / /、 } く
. / フ / /,/ 〃.‐===‐ ', } } 'マム
. ー=≦ __,/ 〃 { /,!/ 斤テ_ } ,'‐- }、}
. i {./{ ! .{,/ :/ { 辷z} }/.ヒ}/j / }
. | ,! ,^V ∧ .{. ー, {′ '
. Y 弋 V ∧ { __ ; ∧
∨、 ` V ∧ 、 / ∧
∨\ .V ∧ \ ._/ .i| \ ||:.:/⌒\/ / / / | | ∨
} ハ }ヽヽ、 ∧ / ̄ }ヽ i| ィ:::::::| / / , | |∨
' " /「 .}/ \ ∧ ‐ _\ Y 丶i| |::::::::: | -=======-| | ∨ |
≠z ミ.`<\ . 「 ` >__ ゙,! .|::::::::: | / / / .| | ._|__|
/三 ヽ \ r─、! / >-、ヽ .|::::::::: | , ,__ _ 从| / ヽ |
/!三三三\ 〉 : : :\.〈: : :ヽヘ |::::::::| .| / ̄ ̄ ̄ 从__ / | |
. イ |三三三三\ ヽ: : : :,r'!ノ : : 〈\〉 |::::::::| .| ´ J勿 | - 、 .| .从
/::::::::| .| | 乂::::::| イハ | , /
:ィ⌒ヽ | 、::::::リ f:::::| | .,
|:::::::::::| | ー .|:::’ , ' イ
|:::::::::::| | :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. 乂 l |
|:::::::::::| | ' :.:.:.:.:.| |
ヽ:.:.:.:.: .| | |
ー| |≧s | |
..... | |三三≧s。 人
..... | | 三三三≧s。 つ ./ |
..... | | / |
..... | | ≧=- -=≦ | 从
==/ \ /  ̄ ̄ | .| |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .十月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉聡は狩猟に出発し、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 司馬鄴は行車騎将軍として戎服を着て戟を持って先導を務めた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 百姓が狩猟の様子を見に集まったが、故老は激しく泣いたという
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 906 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:01:20.65 ID:qSjPNxu80
-
_| ̄|_| ̄| | ̄|_| ̄|__| ̄|_| ̄| | ̄|_| ̄|_| ̄|
|_ _|| | ̄ | | | | ̄ | |  ̄|
r┘└へ| |二コ ┌'| |二コ ┌| |二コ ┌'| |二コ ┌┘
. : : : : : : : : : : : : `丶、 〈 〈] ゚,、〈| | o ヽ| | o ヽ| | o ヽ| | o └「 ̄\l
/: |: : : : : : : : : : : : : : : : :. ヽ-ヘ_>ノ_ノ|_|、_ハ/|_|、_八ノ|_|、_ハ/|_|、_ハ/`⊇.ノ
': : : :|: : :| ‘,: : : : : : : : : : :}. -─r─- . . .
/: i: : 「{(__}: |: : ‘,: : : : : : : :_/: : :''"~ ̄`丶、\___
,: : :|: : 乂}: : :| : : ‘,: : : : :ノ⌒⌒`丶、: : : : : : \¨⌒\__
|: :八: : : : : : :|「\:‘,: :/⌒¨¨⌒: : : :\ : /⌒⌒\^/⌒⌒\
|: : : i\: : i : :| )}--(/⌒\: : : : : : 厂/;;;;>''"~⌒\: : i: \: :.__
|: i : |^r=ミ: :| 〔_: :/ .:::::::::: ‘,⌒\: {___,/.::::::::::::::::::::::\|\ |: ::i⌒\
|八八\ヾj :| У.:::::::::::: ‘, ヽ/.:::::::::::::::::::::::::::::: ノ:::::|: |::::::::::::.
`⌒^゙〉 l :| {:::::::\: ‘, .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}:: |: /::::::::::::::::.
ヽ r:|┐ {:::::::::::::ヽ ',:::/.::::::: ::::}:: |/
`| |┘ イ:::::::::::::: ‘, .:У.::: ::::} / ‘,
| | i {:: ⌒\ ‘, ::::{.:: ____ ::::/ ___ }
| | | { \‘,::::::{ / { } \ / /{ ____}\}
| | | { \::::{ /{ ''"~ ̄ ̄\, }ヽ//{,/ '⌒\}}
| |厂} { ヽ}y{/ \_} {,/ |ノ
厂)}┘{ }{(! /,人( |
`Τ: }...{ }ゞ| . : : ::! |
|: :( { } | ,............‘, .|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ その後、劉聡は大宴会を催し、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 司馬鄴に列座の人々に酒を注いで回らせ、杯を洗わせた。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .更衣、手洗いの際には傘を持たせて供をさせている
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 907 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:02:14.24 ID:qSjPNxu80
-
/: : : : : : : : /: : : : : ∨: : : :\: :ヽ
/: : : : : : :../: /∨: :ヽ: : ∨: : : : ∧: ∧
/: /.:.: :../: /: /. ∨: : \: \: :∨:∧:..∧
/: /|: : :./: / !_|_ .u ∨: { ,-寸マ_:∨c()っハ
/: /: !: : :| !/∨ /::ヽ\,--∨∨:|: (ハ): !:'
/: /: :.!: : :{'∨,==彡 :::::::::: ミ==ミ∨: : :.|:..|:.|
|:..ハ: ∧: :.'. / 三≧ ::::::::::: ≦三 . }: : : .!:..!:.!
{: { |: :|:ヽ:∧こつ .こつ/: : : :!: |:.|
ヽ{ |: :∨:ト∧. ' /:/: : /: :|∧
|: : ∨!ヽ、ヽ. _ u ノ:/}: :.∧:..|:.∧ こんなのってないよ
{::!: : :.∨人. ´  ̄ ` ノ/: :/:∧:|ヽ∧
∨: :{ヽ∨: :.> ィ: :./:/从∧' }\
∨:.{ \ 从: r}> ー < .ノハ/:ノ } }' ヽ
ヽ\ _/. \_ _, -< 〉-、
_,,.-‐''!"/ハ __ / ヽ__. / } |`' ー--∩,くニヽ
(ヽ ィ ´ | /::::::::`{ニ}´::::::::`> .| } .ノノ.〉 二'〉
rー `、\ ./、 { \:::::::::/ ヽ::::::::/ ノ / / /ィ/ィ ̄`}
{ 二ミ'、ハ ∨ ..| /:\ノ::} {::::\∧/ ./ ヽ、_{ レ'-' ヽノ
{rー、ヽ' ∧-, | .∨´ ∨::::::::::::://!::::::: ∨ , ヽ! l! /
∨ヽ-' /∧/. ' `ー-、_::/ ,' {:::> ' . / ==={ .!\ / }
〉、 / }、 / ∧∨ ! ´ / / {{__||∨ ! ー- ' } .!
\ ̄、 ヽ ノ l ,' ∧.∨ ! / ./ .{{ || |` l ノ}
漢 尚書 北宮純
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 宴席に居合わせた晋臣の多くが声を失って泣いた。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 尚書郎の辛賓という者は
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .司馬鄴を抱いて慟哭したため、劉聡に殺害されている
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 908 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:03:14.66 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年12月 漢 首都 平陽】
{ 〈〉_丿 :|::./: :. /: :. }i: :. | :'_ 乂ノ、___}
乂_ノ |: . |/: :. /: :. ハ: . }: | .::|: . | i
|: . |: . |: :. /}: :. / |: . }i }i ト、 .::|: . | |
|: . |: . |: . / }: / ,, |::. iii }i__ | \ .::|: . | |
|: . |: . | |_,,. 厶斗 /"´ |: }i iii /``〜、、|: . | |
|: . |: . | |:. / _j/_‐- 、 | /;′ 从- _,,_ VI`:. | |
|: . |: . | |:/,ィ灯⌒メ j/ム=‐'''^´ィ灯⌒メ .|: :. | |
|: . |: . | |i { }:::じ):つ }:::じ):つ }|: | |
|: . |: : . | |i 乂⌒ツ 乂⌒ツ |: :. !|i
|: . |: : : . | |i |: : . |:|
|: :. |: : : . | |i ::い:i::い:i:: ′ ::い:i::い:i:: }|: : . | |
|: : . |: : : . | |i ∧: ::. ||
. |: : :|: : : . | |i、 ハ|: : . |: |
|: |: : : . | 込、 , -- 、 ..イ⌒|: : . l |
,: : : ;|: : : . | | ̄ ~"''〜、、 ,ィi〔 ./|: : . | : |
. / /::|: : : . | | ``〜、、__,,.、丶´  ̄`~゙"''' |: : . | : :|
.. / 乂_ :|: : : . | | \ |: : . |: : :|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .十二月二十日。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 司馬鄴は平陽において殺された。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .享年は十八、
`ヘ:ゝ .' 小/ 諡号は愍帝とされている
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 909 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:04:03.32 ID:qSjPNxu80
- _...._
_,.-':::::::::::::`ヽ、
,..-':::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
__ /:::::::::::::::::::::::::::::\:::::::ヘ
l::::::::::::::::::: ̄::::::ー.../::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
ヽ::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ィ::ニ'::::l
ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ `ヽ:::::::l
\::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:、 ';::::::|
,ン、:::::::::::::::::::::`:-..._:::::::::::::::::::::::/::::::\ ';:::|
/ | |`ト 、_:::::::::::::::::::::`:::ー-......__/::::::::::::::\ヾl
l ト ト. ト、ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
`ハ_|ヾ 弋弍f'ー、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
'´く. 'ーイ l j、7ァt、__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l
rヽ 、 lー'-'ノ_ノ∠Lゝト弋ー-- :::_:ノ 『晋書』『愍帝紀』は、
ヘ ヽ--j..-<}::::::::::::〈.` 皇帝司馬鄴の治世について、次のように結んでいる
,レ-'⌒:、 ヽ:::::::::::ヽ- 、
,. -‐、 ヽニ.:::::;r‐ '´ l::::::::::::::::::::ヘ
,r'::::.,.-' r'´ ::::ヽ __'Jノヽ::::::::::::::::::ハ
/:::::/ | l::: ` ヽ、_ ヽ_,l:::::::::::::::::::::l
. | :::| | lヽ、__,. 、 ';::::::::::::::::::::::::::::::l.、
. | | | |:::::::::::::::ヽ. l::::::::::::::::::::::::::::::|:ヽ
l. l ヽl. ..|::::/::::::::::´:::::::::::::::::::::::::::::::|::::l.
ヽ ヽ.__ ノ | ::|:'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
` ー- 一 ヘ |::::ー-、.._:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::|ヽ
7ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|:::ヽ
/::|::|:ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|::::::ヽ
/::::::|:::|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::|:::::::::ヽ
/::::::::::{:::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::|:::::::::::`
- 910 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:05:46.51 ID:qSjPNxu80
- 【まとめ@『晋書』『愍帝紀』】
┏──────────────────────────────┓
帝は皇統を継ぐも、永嘉の乱が続いて天下は崩離し、
長安城中の戸数は百に満たず、墻は崩れて壊れ、蒿や茨は林となった。
┗──────────────────────────────┛
z匕三チ.: : :. :. :. :.|.: :. :. :. :.|..ト、_
__,r三}二}二二二二二二 |.: :. :. :. :.|..| ||
/ : :: :| |i┌|| |i┌|| |i┌|| |||.: :. :. :. :.|..| ||
} :: : : | |i└|| |i└|| |i└|| |||.: :. :. :. :.|..| ||
. {:: : : :; ;| ┌三三三三三三 |;';';';';' ;'; |..| }}
. };: ;; : ;;| | __li |.: : : : : :.|..|. {{
{ ;; : ; ;:| | /匕三`ヽ...... |.: : : : : :.|..| }}
7′_/ イ´..j ;,; ;.;; | | | |/::::::::::| |: : : :|:.:.:.:.:.:. : |..| ||
..... '⌒ヾ. {;; : ;; :;;| | | |::::::::::. | |: : : :|;';';';';' ;'; |..| ||
_/`ヾニ二/j;; : : ; ;:| | | |::::::::::. | | |.: : : : : :.|..| ||
-=ミく7,У.};;: ; ; ;:;| |二二三三三三三;: : : : : : :|..| ||__
⌒}/7'/ イ;:; ; :; ;:;| |───il───┐;';';';';';';';'|..|二二二)ヽ/ ̄ヾ_ _
--==≦乞; ;:: ; ;;:;..| |;; :: . : ;;; : ;: ; :; ;;;;;;|:.:.:.:.;';';';';'| ;; : : ; ;: ; :: :::\ ヽ7 ヾ/ {'⌒y´}
; :: ; ;;:;. ;:: j ;:: ; ;;:;. | | ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;;:; |:.:.:.:.:.:.:.:.:.| ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;;:;. `ヽ_ ,,〈, r〈,r'}¨i/{/´}
;: : ; ;;:;. ;:: ; ;;:;. ;::. | | ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;; ;:: ; ;;|:.:.:.:.:.:.:.:. |i . ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;;ヘ、 .,イヾ}Y゙'/ヾ/,ィヽ 〈
;: : ; ;;:;. ;:: ; ;;:;. ;::. | | ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;;:;. ;: . |.: : : :. :. :.| ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;;:;.斧、 . ニ=ミ}i∠rf壬 V/
;: : ; ;;:;. ;:: ; ;;:;. ;::. | | ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;;:;. ;: . |;';';';';';' ;'; | ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;;:;. ;: ;:斧、 .}ィ/ _)/r'-=、了
 ̄ ̄ ̄  ̄  ̄≧::| |-、 ;:; ;;: ;;;:;..:..:;;.::::::|;';';';';';' ;'; || ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;;:;. ;: ;:;:;:;:ト、..´ヾ} ⌒´ヽイ/ハこ
,/!_〃}//ニ{/l/i/` ̄`\; ;;:;. ;:: ; ;;; ;; . |.: : : : : : :.i!: ; ;;:;. ;:: ;:;. ;<´ / く`<}/,-‐ミイヽ 》、ー、人ヽ、〉.....}
ヽレ' ,イ⌒{ .′>‐彳/ }く`≧ニニ==、: |.: : : : : :. :.| ; ;;:;. ;:: ;:;. ;::../ / ,ィv⌒ ´Y´≠く/´ \ー/、ヾ'...../》 i 「´/ ヽ
i} /,イ´ ア´ ,rミ//}ィ´¨ヽ}く ̄ヾ.く` ───'. }// ィ´ ヽ ̄ヽ.....}´ヽ/ ヽ ,へ }/,へ
_,≠'{_.<`'⌒У,//くヽ〉、__。rっ。 `⌒~´ i/ { ,'へ. ! 「` / _}/へ/`}=- ' }/ヽ./,_
`了 /´ ヽ、_ヽイ,ィ{ }/´`ヽ' }/. ', i: i
_/ ;/,r 、/ ィ弐{´ヽ`Y´ ヽ }
' / / /}.入.r=`
イ {//
- 911 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:07:16.35 ID:qSjPNxu80
- ┏────────────────────────────────────┓
朝廷に車馬や章服は無く、ただ桑の木の板に称号を記すのみだった。
兵はただ一旅、公私の馬車が四乗あり、器械は多く欠け、食糧の運送は続かなかった。
┗────────────────────────────────────┛
, '´ ̄ ̄` ー-、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1 ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.」
{: :i: i /ゝノイ ノ l/u. ⌒ l :}
| : レ .|:::::::::○三三○ l :|
|: : :(| ⊂⊃:::、_,、_, ⊂l:/
i⌒ヽ: :ゝ:::::::::u::::::: u. ル|_/⌒)
ヽ ヽ 从ヽ,、::::::__,u.イ从/ ヽ/
∧___,ヘi.i:.:\__八__/:i.i ハ /⌒Y⌒uヽ
ヾ .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.} ソ /(○) (○)ヽ
_ /::::⌒`´⌒:::: \
/´ | ,-) (-、|
/' | l ヽ__ノ l. |
,゙ / ) \ `⌒´ /、
|/_/ ヽ
// 二二二7 u' __ ヽ
/'´r -―一ァ"i .-‐ \
/ // 广¨´ /' /´ ̄`ヽ ⌒ヽ
ノ ' / ノ :::/ / ヽ }
_/`丶 / ::i {:::... イ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 章服は皇帝が着る礼服。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 一旅は五百人の軍勢に相当する
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 912 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:07:56.73 ID:qSjPNxu80
- ┏──────────────────────────┓
巨猾は天まで蔓延して帝京は危機となり、
諸侯は位を捨てる志が無く、征鎮には勤王の挙が欠けていた。
故に君臣が窮迫し、殺辱されるに至ったと言われている。
┗──────────────────────────┛
`\_.:.:.:.:.:.:.:/: : : : : : : :.:.:.:// / ,イ l ヘ:. : ヘ
_r '~、 >''゚~/.: : : : : : :.:.:.:.:.l" / / l }.:.ヘ:. : ヘ
_,.>、\ `くj!:.: .:.:.:. : : :.:.:.:.:.! . :/./ l i l.:.:. l.:. :ハ
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.:.;;.:.:.:.:.:.:.:.j.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l . : : :_\'" / / j ∧;,:.:l:.:.:. : l
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.:.:.:.:.;;.:.:.:l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.圦 弋ーク ´ ̄ んハ }} /;;;;;;.:.:.:.:.:.:| 援軍?
.:.:.:.:.;;;.:.:.l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:! ` ~゚ 弋ソ jl/;;;;;;;;:.:.;.:.:.:.|
.:.:.:.:.;;;;,:.:l:.:.:.:.;,:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:l  ̄` _ :、 .,_ 彡;;;;;;;;;:.:.;;.:.:.:.|
:.:.i.:.:.;;;;;,:l.:.:l.:.;;,:.:.:.:.:.:.:.:.:.l.:.:.l x<_ \_ ん;;;;;;;;:./l.:.:.:/
.:.:|;;,:.:;;;;;;l.:.:l.:.;;;,:.:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.l /-‐- ニ_ー-‐} j;;;;;;;;;;.:/;;l.:.:/
;;.:{マ;,.;;;;;;;l.:.W;;;,:.:.:.:.:.:.:.:.:l.:.:.l / ヽ j /,;,;,;,;.:/;,;,l:./
;;;;ム マ;.;;;;;l.:.l∨;;;,:.:.:.:.:.:.:.:.l.:.:.l l l / ,イ;;;;;;;;;./;;;;//
.ヘ;ム \;;;;!:.l;;∨;;,:.:.:.:.:.:.:.ムマ:、 乂__,,,..、、.,」イ _、<;;;i;;;;;;;;;/;;;;//
‐n 、 =┐00 =┐ _ 、__ 、 _
ヽ=, r‐^' }.〉-、.....l -ヘ ヽ=‐= =-┘ =┐ __」└ヘ, /〉 l 〉
,,l r='ナ-丶 i.l.,.ァ | 厂 '└_' == ヽ= ‐ ''''| 厂 //...,,_ l /
i i' l乂' ),l l.'.i. ,! ! ,..__..l L._ l | ゝ┘ /ァ'⌒l l l_/
'ー '^` -='イ `┘ .r'イ ヽ=‐'イ^ヽ ) ゞ=== ヽ 〈/ ヽーノ 〇
- 913 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:10:19.49 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年12月 漢 首都 平陽】
(~~~)
γ´⌒⌒`ヽ .大変です!
{i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}
(・ω・`≡´・ω・) =3 .洛陽の趙固の軍勢が黄河を渡って侵入してきました!!
`)⌒`) (:::::::::::::)
≡≡≡;;;⌒`) ミ≡≡彡 .すぐ南の絳で略奪を働いています!!!
= ≡ ≡ ;;⌒`)⌒`)
┣“┣“┣“┣“┣“┣“
/ __ 丶ヽ `ヽ、
/  ̄  ̄\ /∧ /ヘ\
, -―¬7 ―‐==>ーー┤ /ヽ∨/ !ヽヽ
/ / ー-―ァ''´ l | ``"´´| ハヘ
/ {ミ 、_ / l | 粲 j / }!
\ /ヾ三三{ \ ヽ{ // リ
ヽ、 / 勹! ! 、__ `ーヾ 'イ_ 〃
目と鼻の先ではありませんか。 .l/ヾ\ / ,′ l ‐千f天圷 テzァk/
/ ヾ:/ / ', ゞ-┘ Lソ/ハ
追い払いましょう ./ / ∨ ミミハ .:.::::::::. 、::::.:. {∧
/ \ /ヾ、l ! ′ j │
. / ヾ \/ | l\ _ , .イi:小
/ /ミ: 、 | ミ≡= l `ヽ、 ´ .ィ个彡 iヘ
. / / ミミ:| l`ー- 、`ーォ< l彡| |:∧
/ミミ / /^ー| l ヽ 〈 /l`ヽ| |彡ヘ
. / ミ/_,r'´:::::::::::|ミミ 、 | /^∨イ | ::::|: =彡|! ∧
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 幸薄い皇帝司馬鄴の治世。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 皮肉な事に弔い合戦にやって来たのは、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .晋軍に寝返ったばかりの趙固の軍勢だった
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 914 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:11:20.28 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年12月 漢 司隷 絳】
冫:::::::::::::::::`ー_
冫_::::::::上,,⌒
/VニニニニニVl
ゝニニニニニニノ_
|ニニニニニニニ/
ヽ_ニニニニニニ\__
ノニニニニニニニニニ`'ャ。,__
,。ャ'´ニニニニニニニニニニニニニニく
_. ._上,,,,,,..-‐ノ' 〉ニニニニニニニニニニニニニニニニニ', ..l1
l 、 」'、ノ`-'"ニニニニニニニニ`゙''゙亡ー-L , 'ニニニニニニニニニニニニニニニニニニ', .l| l1
_..ノ宀'’ニニニニニニニニニニニニニニニ~~''‐ニ . , 'ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ'., │'‐‐ .l|
./=ァニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ', l/l \,,,,,,. │'‐‐
-/レ彡ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ-┘ l..| / .l/l \,,,,,,.
\ニニlニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ_ニニニニニニニニニニニニニニニニニニ', l:lj''ー----‐'´ .| /
 ̄.',ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ┌ナニニニニニニニニニニニニニニニニニニ.', l.│ :lj''ー----‐'´
',ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ', l 彳 │
,-'''''゙゙ニニニニニニニニニl┐ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ',.│ 彳
lニニニニ',ニニニニニニニl lニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ\ .│
lニニニニハニニニニニニニl lニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ\,。ャ------、
',ニニニ≧',ニニニニニニlミlニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニヽ
,。sニニニニニs。,ニニニノ ',ニニニニニニニニニニニニニ \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
/ニニニニニニニニヽ´,。ャ'',ニニニニニニニニニニニニニ ≧ <
-=ニ 劉粲を生け捕りにして陛下を取り返すのだ!! ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『劉聡載記』に曰く。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 趙固らは河東郡を攻めて絳邑に至り、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .司隷の民三万余人が牧場の馬と妻子を連れて趙固軍に逃亡している
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 915 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:12:01.69 ID:qSjPNxu80
- 【紀元318年春 晋 司隷 洛口】
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
-=ニ 趙固は逃げて守りを固めるだけ!! ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
_ _ 冫!i!i!゚チ メll!i!i!i!ノ ._ _,.、‐'"
ぃメ,.二‖ 」 メ!i!i!iノl jo/ ィ¬.ィムチ))''" .,.
.,' ;;l .ノllγ┘ L!i!,.==r'゙ イ/弋_/ '┘ _.、‐''"
,.、、, ,.' .;;l ,,.。*゙ ヒ ィ==ぷ,,」γ/ ./ゞヽ )'''"´
( ィソ) ,.' ,,.。*'゙ メ // 「(////"L .ノ卜''┘
Uト- ソ,.'ヽ弋/┘ --┐ ヘi,,.。*'゙ソ ノ ̄,,.。*'ソへ 、 、、
> / ,.'卜--く 二 ヘi ===ヘi。*'゙ ´"'〜。.。*'゙////へ ミミミゞミミ;;、
イrf〔 〕 │ノ) // ヘi 」l ヘi ,,.、‐''" /厶llへミミミミミ〃:::::ll ヘィり
 ̄o ======ア:::::::∩┌─┐ ヘi ィi〔 └::::'*⊂_」ミ::::::::::::ll////ヽ
、 、、 ,.、''"´ ノ:::::::::::::://__0_」 冫 ヘi// .〕l:::::"'*。.::::::::::ソll::::ノL/::ヽ
彡彡ミミミ彡〃ィ'"::::::::::::: :://!!!!!!!!!│ L____ヘi .lヒ::::::::::::"'*。└ 。.。*'゙" ヘ
彡彡彡彡 レ /:::::::::::::::::::://!!!!!!!!!!!!!〕iト.L ./ ヘr /:::::::::::::/ `¨´.。oぅう _/
彡彡彡 \l::::::::::::::::::::/マ=====:=‖ _//:::::::::メ\r*。。*」 *。,,/
.人:::::::::::::::/‐'"ヽ:::::::::::::::ll:::::::/l:::::::: \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
「 ̄___,.、r''"´l ``'〜、、__‖メィ⌒ャ:::: ≧ <
/ γ:::/└"j :│-─┐ / /-‐"/::::-=ニ 恐れるに足りませんわ!!! ≦
ノ::::// ヒ::::ヘ ̄Lλムメ-┘ / / ≧ ≦
ノ::::/ \::ヘ .\ノ L::::/ /Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
.「 ノ ソ │ /::/ └ iィォ
│ノ ヽ ノ ソ::〔 └─
〉ム
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .劉聡は皇太子劉粲率いる歩騎十万の軍勢を派遣。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 両軍は黄河の南にある洛口で、二十日間に渡って交戦している。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .飢饉に苦しんでいたはずの漢軍が
`ヘ:ゝ .' 小/ 十万の軍勢を動員できるとは思えないが
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 916 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:12:44.16 ID:qSjPNxu80
-
,_:::....::::::........ ( ... ..::::::::::::::::....::::::........ . .::::::... .... ..:::::::`⌒ :::::::::....::::::........ . .::::::...
: ゙゙"'ー-、,, ..::::) ノ::::::........ . .::::::... .... ..:::::::`⌒ :::::::::....::::::........ ( ::::::::
: : : : : : : `(( ,,,;)..::::::::::::::::....::::::........ . .::::::(;;、(,,, 、::::::....::::::..) ノ:::::... ....:::::
: : : : : : : : ) ノ 、.. .. . ... .::::.. . . .:: : ,,) ( :::: :: (( ,,,;) :... . .
: : : : : : : : ( _ ⌒) `ー( .. .. . ... ..( ( ,;;. .. `⌒) ノ .. .. . ...
: : : : : 、:( ( : :) ノ ... .. .. . ヽヽ ,,ノ .. ..::. .( _ ⌒) . .. .: :::.. ... .. .. . ... .
~~^^;:;:'',,,,.....=) ノ-;;;;;~~^(( ,,,;)^^~~~~~^^"'''~) )) ^^'',,~~~~~( ( ''~~^^~~~^~~^^~~~^~~^^~~~^
"^ )ノ ) ノ .,"'`',( (,, ( ''.,,.....=) ノ-':
. ... .::::.. . . .:: : :.. . ... ::: :::.. ... .. .. . ... ... ..::. .. . .. . .. .::::: :: :. ... .::::: :... . .:::: :. ... .::::: :... . .::::
,ィ!´ ̄``i''ー─- 、、、,,_
イ三二二ニニニゞ ( j〉 」´ ̄ ̄``ー-、ヽ .,.:,..:.. .,.:,..:..
... ,... ``ー─'"´  ̄ ̄ ̄ ̄
,ィゞ .,.:,..:.. .,.:,..:.. ... ,...
ー====- ー====-
... ,... .,.:,..:.. ... ,... .,.:,.
_, -─‐- 、ー‐-、ー-、 ;: ;:;: :;:;: ; ; ,ィゞ
,イ、,r'⌒ヾ ヽ ヾ ``''ー- -、-‐''"´ヽ;;: :;:; ;:; :;:; ;: . .,.:,..:..
,r/ (::;;:;:;;/ー-、 j `, _ /ィ´ ;:; :; ;:; : ;: ,ィゞ
ヽ 「i''ー'"´ ,r-‐'ー''''"´ ̄
/ニYニヽ
(ヽ /( ゚ )( ゚ )ヽ /)
(((i )/ ::::⌒`´⌒::::\ ( i)))
/∠_| ,-)___(-,|_ゝ \ 焼きおむすびウマーっていうwww
( ___、 |-┬-| ,__ )
| `ー'´ /´
| /
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 結果は李矩からの援軍を得た趙固軍の勝利。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 漢軍の輜重を焼き払ったのが勝負の分かれ目だった模様
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 917 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:14:01.46 ID:qSjPNxu80
- 【紀元318年春 漢 首都 平陽】
/  ̄` ー -- 、 `/ ヽ |/ \∧
__/ / ´ ̄ ̄`>`Y 厶,/ハ ヾヽ
-ー:´.:ノ/ / | / | ハ: :\
/: : : : :.∨ / / l / 粲 | / i|: : : ヽ
/: : : : : : : / / l ート、L__ |/ __}: : : :/
{: : : : : : :./ | | ヽ/ ´  ̄ .,': : :/
: : : : : : :/ / _| | ,ィ示テミト、 ,ィテト、ト; :./ 我が軍は敵兵三千五百人を殺害し、
\: : : : ソ / / |\ ! ヽ 代ノ} {ヘノ!. ハ∨ その中の千人を黄河へポイ致しましたわ。
\: / / ヽ| \ | ゞー′ ゞソ ,' | ヽ
/ ∧ l ヘ U ヽ |. ! ', 勇敢に戦ったのは間違いありません
/ / ヽ | { __ ハl ハ
/ ∨ \.! ',\ ( ノ イ ヽ|/ ヘ
. / |、 ∨!≧ュ 、 ィ´ | 〉 ,/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ノヾゝ、
/ _ _| \ ! \  ̄ソ`ト、 .|_ / l i':.:.:.:.:.; '´ ̄ ̄`ヽ/./_,ィァ
./ヽ、 /::::::::::| \ | ∧ ∧ | ヽ '、ー一'l l l ヽ ヽ ヽヾ'
、) / ハ._l !_ヽ. ヽ ヽ ヽ、
リルハ,ニ、`゙Vソ/! lヽ ヽ-'
ノ lVソ "〃l. !ノヽj
ムイ人 っ / ノ /
l lヽ,`ー一'´〃-‐、
どんなに強くても、勝たなければ意味がない リ' ノ: :Y: : :l/::::::::::::l
/: : ノl:./j:::::::::::::::',
ヾー--'´:::l:/::"r''´::::::::::::::::::\
____. `,ニニヽl‐'/'´ヽ、‐-、::::::::::::::/\
_______,. :':´`ヽ、::::::::::`ー-一':::::://: /:.:.:.:.:.:/、:::`ー一´:::::::::
ヽ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `ヽ、:::::::::::::::/:.:.:|ー':.:.:.:.:.:./:.:.l::::::::::::::::::::::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 局地的に漢軍が勝利した事もあったが、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 洛陽を奪回出来ずに終わり、戦略的には漢軍の敗北に終わった。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .『晋書』『李矩伝』は、この敗戦で劉聡が怒りのあまり発病して死んだとする
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 918 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:15:40.62 ID:qSjPNxu80
-
(~)
γ´⌒`ヽ 陛下、一大事です!
{i:i:i:i:i:i:i:i:}
⊂(´・ω・`) 宮中にて出火しました!!
ヽ ⊂ )
(⌒)| ダッ .御子息初め大勢の者が火に巻き込まれています!!
三 `J
,.....-――-..、
,/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ノヾゝ、
i':.:.:.:.:.; '´ ̄ ̄`ヽ/./_,ィァ
'、ー一'l l l ヽ ヽ ヽヾ'´
、) / ハ._l !_ヽ. ヽ ヽ ヽ、
リルハ,:::::::::::::::::::/! lヽ ヽ-'
ノ l::::::::::::::::〃l. !ノヽj
これが天意? ムイ人 っ / ノ /
l lヽ,`ー一'´〃-‐、
リ' ノ: :Y: : :l/::::::::::::l
/: : ノl:./j:::::::::::::::',
フラッ ヾー--'´:::l:/::"r''´::::::::::::::::::\
____. `,ニニヽl‐'/'´ヽ、‐-、::::::::::::::/\
_______,. :':´`ヽ、::::::::::`ー-一':::::://: /:.:.:.:.:.:/、:::`ー一´:::::::::
ヽ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `ヽ、:::::::::::::::/:.:.:|ー':.:.:.:.:.:./:.:.l::::::::::::::::::::::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 実際に劉聡が死ぬのは半年ほど先だが、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 建武二年(三一八年)に入ると体調を崩すようになっていたらしい。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .『晋書』『劉聡載記』に、宮中での火災の報せを受けて気絶する話がある
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 919 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:16:19.16 ID:qSjPNxu80
-
\__人_人从_人_人从/
_) (__
) 陛下ッ! (
 ̄ ̄) ( ̄ ̄
/⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
/  ̄` ー -- 、 `/ ヽ |/ \∧
__/ / ´ ̄ ̄`>`Y 厶,/ハ ヾヽ
-ー:´.:ノ/ / | / | ハ: :\
/: : : : :.∨ / / l / 粲 | / i|: : : ヽ
/: : : : : : : / / l ート、L__ |/ __}: : : :/
{: : : : : : :./ | | ヽ/ ´  ̄ .,': : :/
: : : : : : :/ / _| | ,ィ示テミト、 ,ィテト、ト; :./
\: : : : ソ / / |\ ! ヽ 代ノ} {ヘノ!. ハ∨
\: / / ヽ| \ | ゞー′ ゞソ ,' | ヽ すぐに医者を!
/ ∧ l ヘ U ヽ |. ! ',
/ / ヽ | { __ ハl ハ \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
/ ∨ \.! ',\ ( ノ イ ヽ|/ ヘ ) >
. / |、 ∨!≧ュ 、 ィ´ | 〉 < お気を確かに!! >
/ _ _| \ ! \  ̄ソ`ト、 |_ / l < (
./ヽ、 /::::::::::| \ | ∧ ∧ | ヽ |/\/ } /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
ヽ/:::::::::::::| \ !:\ / ‐十ー | \.|::::::∧ / |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 内憂外患。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j それが、当時の漢が置かれた状況だった
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 920 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:17:22.59 ID:qSjPNxu80
- 【紀元318年春 晋 司隷 滎陽】
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
. | `-=ニ=- ' .:::::::| 晋王殿下は李矩殿を
\ `ニニ´ .:::::/ 都督河南三郡諸軍事・安西将軍・滎陽郡太守・修武県侯にすると
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i | /⌒ヽ ̄/⌒ヽ__
> ヽ. ハ | || __/ /ミ∨/j} } \
// / /⌒゙┴‐く{ l \
// / / { ∧
// / __厶ノ {廴{ l ∧
〈/ / ´/ {`ヽ\ |
〈 /__,厶二 =ー\ { `ヽ |
}/ 癶,_以ぅ ‐テ忘ミ \ \
こんな所まで御苦労様。 〈「 || ノ ` ┴勹v―ミ \ノ
ト || | |'^ノ },ノ
それはそうと、 |/圦 、_r‐ 、__, | |// |
皇帝陛下が平陽で崩御なさったと殿下に伝えて頂戴。 //| ト、 `こ゚´ ノ| | |
//│ l |\ イ | | | |
残念ながら、確実みたいよ // | | | |ト‐ | | | | !
//_|L .⊥8ノ 8 .| |__| l
// / / /ー8- _,。c*゚ | | >、 l
/ / / / |\__゚*()+・゚¨ / | | / ヽ l
/ /| / / │/ ̄ | ̄| ̄ /| | / i l
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 一方、司馬睿は李矩の官爵を進めており、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 司隷を巡る攻防は李矩・趙固の勝利と見ていたのだろう
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 921 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:19:29.93 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年11月 晋 幽州 薊】
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
盛楽 令支 、-' ヘ
,r'`ー-、_;_, ○ 薊 ○ ./´ /
r'´  ̄ヽ, ● ,r'´ r' r‐
} { ,.、_ノ _"7 /
/ r' 晋陽 太 / 'ー'´
./ ノ ○ ヽ
' { 陽邑○行 厭次ー、 r'‐-,_,_ィ_
} ○襄国 ○ /ヽ_r' _r'´
{ 平陽 山 鄴 ○ r-'´ 〇 r' '
`ヽ } ○ 壺関○ ○広宗ノ 臨淄 }'ー'
{ { 脈 r○廩丘 r'
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
,. :-:.' ー ' ¨ :.ゝ.、 γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ. | 晋王殿下は劉琨様を太尉に任じると仰せでした |
,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ、 ヽ_______________________乂
,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`、`ゝ
,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ハ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
/イハ:!:.:.:l:/ i/ ノノ ノリリハリ:!:i:.:.!:.l
i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ハ!
∨|:.:.! ノ/i/ノ
ヘ!:| ノ!/′ 再び幽州の劉琨に話を戻す
ヾ!>ー- -- <イリ
(ヘ:::::\i=//:::::/)
{;;\::::::!n/:::::/;/
ト、;;\;;ii;;/;;;;イ
/;;;;ゝ;;;;∨;;;;;;ノ;ゝ、
(;;;;;(⌒)∨/(⌒);;;;)
`´ ̄` ̄ ̄´ ̄´
- 922 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:20:43.59 ID:qSjPNxu80
-
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
. | `-=ニ=- ' .:::::::| 他の官爵は従来通りとし、
\ `ニニ´ .:::::/ 加えて、こちらの名刀を贈呈するとの事
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
,、丶`  ̄ ̄ ̄ ``丶、
/ _ -‐\ \ \ -
, -=二ニニニ=-\ \ ヽ _ -=二=-
/ニ=- \ \ ヽ ', /二二 /
/' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ=-
/ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄___
|八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二二二二
i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、  ̄ ̄ ̄
謹んで刀を身に佩び、 | | ,ィ=ミ\ `" `、 ( ノ人 \
劉聡と石勒を斬って御覧に入れましょう .|i 爪 vリ __、 〈 ヽ \
八 ハ ' \、 \ \
ヽ 込 、 ァ / \ \ \
| 个 ィ / ' \――― ミ \
| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒ヽ
__ | | i 八 / '// / ' \
/ ∧、八 |{_// / ' , i '⌒\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 建武元年十一月。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 司馬睿は劉琨を侍中・太尉に任命している
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 923 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:23:12.14 ID:qSjPNxu80
-
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
. | `-=ニ=- ' .:::::::| 殿下は劉琨と段匹磾様の働きに期待しておられました
\ `ニニ´ .:::::/
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
, /:::(O):::::::::::::::\ ヽ
/ ..:::,、丶`  ̄ ̄ ̄ ヽ ',_
, {/ { \ ヽ: ', Vヽ
,' :| ∧ {、 \:―‐i‐ i //〉
:| i/、、\ \__|__:|_ : : ' /
i :| /| \ 〃う刈 》i |): : :K
| :l ィ笊_ 乂ツ |i | : : :|∧
| | l :爪 乂ソ , || |: : : |/∧
御期待に沿えるよう努力しないといけないわね | | | 込 , 从 |: : : |∨∧
八 | 个 ` イ: } |: : : | `⌒
ヽ| \|: : : :≧ー |/:| |_: |
:| |: : ;>rノ^|:H /:/| √/ ̄ \
∧ |7: :._/_ |:. | /:/ , / / /⌒ヽ
/ | 、 {:{ F¬ 、 \ヽ:/ { /| / i
.,: | } r人\ヽ ∨_, /: |' / |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 意外に思われるかもしれないが、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 司馬睿ひいては東晋は、河北の諸勢力へ何度も使者を派遣している。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .三国志で例えるなら、孫権と公孫淵のような関係に近いかもしれない
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 924 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:24:10.22 ID:qSjPNxu80
- 【>>923修正】
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
. | `-=ニ=- ' .:::::::| 殿下は劉琨と段匹磾様の働きに期待しておられました
\ `ニニ´ .:::::/
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
, /:::(O):::::::::::::::\ ヽ
/ ..:::,、丶`  ̄ ̄ ̄ ヽ ',_
, {/ { \ ヽ: ', Vヽ
,' :| ∧ {、 \:―‐i‐ i //〉
:| i/、、\ \__|__:|_ : : ' /
i :| /| \ 〃う刈 》i |): : :K
| :l ィ笊_ 乂ツ |i | : : :|∧
| | l :爪 乂ソ , || |: : : |/∧
御期待に沿えるよう努力しないといけないわね | | | 込 , 从 |: : : |∨∧
八 | 个 ` イ: } |: : : | `⌒
ヽ| \|: : : :≧ー |/:| |_: |
:| |: : ;>rノ^|:H /:/| √/ ̄ \
∧ |7: :._/_ |:. | /:/ , / / /⌒ヽ
/ | 、 {:{ F¬ 、 \ヽ:/ { /| / i
.,: | } r人\ヽ ∨_, /: |' / |
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 意外に思われるかもしれないが、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 司馬睿ひいては東晋は、河北の諸勢力へ何度も使者を派遣している。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .三国志で例えるなら、孫権と公孫淵のような関係に近いかもしれない
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 925 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:24:59.46 ID:qSjPNxu80
- 【紀元318年1月 晋 幽州 薊】
∫ι__________ ./丁了
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ
||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | ||
||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | ||
弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ
弋ェェt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ェ,ィ
il_,└───────┘ , i!
| ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l
|| ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄||
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|i | ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄||
 ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ || ̄! ̄ ̄/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄.|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i  ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~ ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l  ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`ll`l
l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″|  ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄  ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾ| ̄`.. ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ | ̄ ̄ | ̄!,, ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ll
| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄___
''- .._ ~""''' ‐- ...,,__ _,,..-‐''~""''' ‐- ...,,___,,.-‐'
\_人_人∧从_人_∧_人_从_//
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、 ) >
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ < 申し上げます!! >
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ. < (
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 年が明けた建武二年一月。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ .かねてより燻っていた鮮卑段部内での対立が表面化する
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 926 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:26:52.62 ID:qSjPNxu80
- 【紀元318年1月 晋 幽州 令支】
/ \ \ ∧ {
, ' \ /: :∨: .
/ 〈\ / 〉 /: : :∧. : .
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/ / | \\/ ∧ , : : : /: : :. : .
≧ < ., | ト、 〉 〈 '/: : : : : : : : :. : .
-=ニ 段疾陸眷様が亡くなりました!! .≦ ′ 人 疾 | \ / /\\; : : : : : : : : :}, :. : .
≧ ≦ .| ! ー-|-‐ \∨ \〉 : : : : : : : /∧ :. .
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\ .j/| ; ∧ ∧|斗ヤ卞] |ヘ: : : : : : ∧/∧ :. .
| | ,' ∨ 弋)ン゚| | }: /: : :/ ∨/, :. :
{ 八 |ィヤT : : : | |.ノ⌒¬{ ∨/, : :
∨ |: :|: Vン | | {,___ /\/, :
|: : : :〈 | ∧ j マニ7 \
もはやこれまでか。 .|i: : : : : . r‐、 | / | | /ニ/ /\
|i: : :.j⌒^\ レ イ |::「ニ二彡'7 '
我が子は幼いが、 |i/ {\ノ )-</ | j:::| | / /
こればかりはどうにもならん / ∨ { | 「 | /::::∨', / /
/⌒{ \_〉/'∧| .|/:::::::::∨' / /
_____/ } \ \ノ { /\__ 〈:::::::::::::::|〈 〈‐=ニ二¨ ̄
\ / [ \ノ }L____{___〉-‐─┐ L,_∨'∧
_,> /⌒} } /// \___ノ ∨'∧
. _,,., '゛ | \,____∧/ /| | | } }
. \ ___彡 | } //| | |‐=ニ二ミ7 /_,. -‐¬
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 鮮卑段部大人段疾陸眷が病死した。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 段匹磾・段文鴦の長兄に当たる
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 927 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:28:10.38 ID:qSjPNxu80
- 【紀元318年1月 晋 幽州 薊】
(~)
γ´⌒`ヽ
{i:i:i:i:i:i:i:i:}
(´・ω・`) 段渉復辰様が段疾陸眷様の葬儀を行うので、
O┬O:) 一族の者に令支へ集まるよう呼びかけておられます
( .∩.|
ι| |j::...
. ∪::::::
人 /ア´ : : /:::::::: |: :|::|: |: \ _//
\__r[/: : : : :/::::::::: /:.:.|::|: |: : : \{_/
┌「 /:/: : : : : :/:::::::::::/: : :l/: :|: : : : : \
ア/:/: : : : :/::::::::/: : : /: :∧: : : : : : :.
/ /|_|__|/__彡イ: : : : /: :./ ∨: : : |: :|__
| || | | : : ト: :/ |:.:|: : :.:/|:./ ノ∨: : :|: :| ├‐ . 、
叔父上かー。 /|_||_| |: : /∨`""j__/ / ""´ ∨: :|: :|_「:.:.|: : :\
/: /: : ノ:.|: / 斗r干ト 斗r干ト、|: :/:./:.:.:./|: : : : :\
まあ、兄上が死んだとあれば、 ./: : : l /⌒l∧ 乂_ツ 乂_ツ ノ|:/:./:.:/:/: : : : : : : .
顔を出さないわけにはいかないかー ./: : : : : : : \:.:.∧ 〃〃 ' 〃〃 厶:'/: :./: : : : : : : :.:ト、
| : : : : : : : : : \:∧ /:./: : : : : : : : : : : : : | |
|: : : : : : : : : : : :.\)h, ´、` .イ: : : : : : : : : : : : : : :..:.:.| |
/|:.. \:.. : : : : : : |:.:.:\)h, ,.イ::/: :/: : : .:.:/: : : .:.:.:.:.:ノ_ノ
〈:.|:.:.:.:.:.\ :.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.|:.:.|`| ー‐. . . . |´|/: : :.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:./(_
.)|:.:|:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.ノ :.:.:.: |:.:.| .| . . . . . . . |〈:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.{⌒~~~´
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『資治通鑑』『晋紀』は、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 遼西公段疾陸眷が卒し、叔父段渉復辰が自立したとする。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .実態は、一族の有力者である段渉復辰が葬儀を仕切っていた程度だろう
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 928 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:30:10.89 ID:qSjPNxu80
-
/:{ /{
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__ √:::::::::ヤム::::: {
_、+ァ.:'".:.:.:.:|:::::::::::::::V/.:.~^':.、、
ィi゙:/.:.:.:. 、.:.:.:|:::::::::::::::::V/.:.:.:.:.:.:.` 、
/i:/.:/.:.:.:.:.:.:Y.:!::::::::::::::::::}!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
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丶:ノ:} ノ :.:. /.:.: √:7.:.:.:.:.:.:.:.V/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ,′
r‐ り !.:./.:.:.:./: /.:.:.:.:.:.:.:.:.: V/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
待てよ ∧ }/l.:/.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: }V/.:.:.:.:.:.:. /
. /∧__ ′/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:V/ :.:.:. イ
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、丶`.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: .:.:.:.:.:.:.:. V/.:.:.:.:\
/.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.: ハV/.:.:.:.:.:.ヽ
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. √.:/.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:ノノ.:.:.:.:/.:.:.:.}
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Y.:/.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./{.:.{_ 〉.:.:.:.:'".:.:.:./
ヽ:{.:.:.:.:.:. ′.:.:.:.:.:.:.: _、+く ゚、{ V/- -=彡
!.:.:.:.:.{.:.:.:斗-=ミ:i:i:i:i:i丶 Y
丶、丶` \:i:i:i: ヽ ヤi,
/ \i:i:i:i゚。 Y
- 929 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:31:51.11 ID:qSjPNxu80
-
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,i゙ / \ ゙i! 我らの大人である段疾陸眷が亡くなり、
i! ● ● ,l 我が主は劉琨様が葬儀へ参列されるのを望んでおられます
゙i,,* (__人__) *,/
ヾ、,, ,/
/::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ
-――-
/__/ -―- ``丶、
'/ /::/  ̄ ̄ ̄ \ \
/ ∨ \ \ \
i | |ヽ \ \
i | | | | ト ⌒ヽ
| | | / /'| {xミ |
| :八 / / | 佗 Y 八
段疾陸眷殿の逝去は残念だけど、 / _ ∨! , \ x=ミ |/ , "|' ヽ
葬儀の参列に関しては私の名代を差し向けましょう。 / /⌒ヽ }/ / _∧ /vツ ' | i
- / ⌒ --=彡' / ( 、 、 " , / | |
少し考えさせてもらえるかしら? / / { / / } / ト ∧ ト ___ /! ; ,
// , 八__/ /⌒'/ / ヽ∧ ∨:./: : :.:| | /
. / i 、 { /____./ __ \、 ∨八从| |:/
l / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/  ̄ ̄ \ \ | /
/::  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄::/=x==ミr―、 \ \ | ,
/:::/ ̄/:::::::::::: / } / へ 7}八ヽ八{
. /:::::::: ̄ ̄::::::::::::::/ | |八 {/|///| ̄ヽj \ )
- 930 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:33:23.79 ID:qSjPNxu80
-
/: :| /|
. __ /_ノ__ /: :/
|/(_ノ_〉: : `\ノ
. (_:..:..:.__/: : :|:Λ: :.ヽ
. Λ|:.../: : |―|:∨-|: :|
/ ∨ : : T忙N/忙:|
〈 |Λ__| V/ お父様。
/ \_|_个:.. ^ イ八
\| _ノ/⌒\ 「 : : |: : :\ .どうして私が鮮卑の葬儀などに……
|/Τ|:..:..:..:..:∨<>⌒\: :\
. |::|:..:..:..:..:: ∨:i\:..:..∨|⌒
ノΛ::\:..:..:..\:i:i:i>:.. 〈|
. / |:..Λ :: \:..:..:..\\>::|
/ :|:..:..:{__/Λ:..:..:..:..\::Λ
|:: /⌒∨/Λ:..:..:..:..:..:..:..∨
|:〈i:i:i:i:i:{ニニΛ:..:..:..:..:..:..:..∨
晋 劉琨の子 劉群
_,/ ̄ ̄` ̄\
/ /二◎二ヽ ヽ\
/ ルノハヽゝ,ハi 〉 .i
私が葬儀に行くと、 iv、!● ● i i' 〈
段部の下に立つみたいで周りがうるさいでしょうし。 lリ〈 ワ i i' リ
_iハ`ーゥ t-ノ i 〈
かといって、誠意を見せないわけにもいかないわ ヒ/」」」.l/リl ly ,ィリヽ、 ヾ
| l | / `.lシl==j \ 〉
| l ,/ー、{::::::::::/ー、! \
- 931 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:34:34.69 ID:qSjPNxu80
-
ト、、 ∨///∧__
∨/\ ,、..:::'"~~"''〜ミ/,::``〜、
∨//`、/r‐ミ:::::::::::\:::::::::::\::::::::::::..
.V/..:゙/::::j\:\::::::::::`、::::::::::::∨::/:::::::.
r‐=≠/::/:::::/''"~゚。:.\::::::::`、:::::::::::∨::/:::::::.
\ /::/:{::::| ゚:::l `''〜::|:::::::::::::∨::::::::::: 劉群殿。
`'|:/::::{::::!/ :::| |:::::::::::::::|:::::::::::::|
..:/|::{:::::{:::| l/ --=彡:::::::::::::::|:::::::::::::| これも社会勉強だと思って。
.::/} {八::::{::::. _彡 /:::::::::::::::|_r‐ミ:::|
.:/ ノ W',\(::::. 丶 /::::::__,r_'⌒ヽヽ\ .お葬式で戦になるなんてないでしょうし
::( } { ∨V::::::/, ー ´ .::::::└‐ -ミ `、_
):) } { V:::::::::公, /::::::::::::::/{:::::乂 / `、 ノ
.:::' 廴{ .:::::::::/:::/:::≧=-/:::::::::::::/_彡冖ミ{ _. -=ニ:::::::::::/
::( /::::::./:::/:::::::::::「j :::::::::::::/_、+''"~~"''V_-_-_-_-∧ ̄ |:.|: .Λ _ /: :./: //
乂:... ..::::::::::|::/-‐=≠7ニ{:::::::::::{_-/-_-_-_--∨-_-_-_-∧ _Λ___,/|'^~ : / ~"''<(: : /: : //
_彡::/::::::|:'_-_-_-/ /∧::::::::::∨-_-_-_-/,.∨-_-_-_-∧ -ニ//:..::|__ノ : : /: : : : : : : : \:. :.//
(_::/:../:..:..::|:./ : : : : : /|: : : | : : : V.:/
/:..:../__,厂 / : : : : : / :|: : : |: : : : :V
「 ̄ ̄ ̄>―┘/ |.: : : :/| : : |: /: : :/: : : : : ::.
| (\ / : |:.斗--| : : |/.:/ /ハ : : : : |:.:
Λ /\\_,/ : : |::// | : : :.:/ /⌒'ト.: : : :|: |
\\(\_/ |: : : : :K茫苅|/|__/_/__ |: : : :|: |
気楽に言ってくれますね \/〈У/|: : : : :|``` 、 茫苅:/: : :.|: |
〈/厂Λ: : : :乂 ``/ : : Λノ
〈/: :/: l∨\|:\ '┘ .:/: : /:/ノ
/: :/: : |: .:| : : : | \_ ,,...、<l:|⌒V/ : : |
./: :/: | : |: .:| : : : |⌒>Yく⌒|: :|:|: : : :| : |:
/.: : :./´ ̄`''<⌒ ≪≫ \__:| : |:
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『劉琨伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 段匹磾が兄の葬儀へ向かう際、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 劉琨は世子の劉群を派遣してこれを送らせた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 弔問も兼ねていたのだろう
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 932 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:35:19.77 ID:qSjPNxu80
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| 『資治通鑑』『晋紀』に曰く .|:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ// 事件は段匹磾と劉群が
| | >:´|、 - ,|`:< .段部の本拠地である令支へ向かう道中で起きた。
| | |::::::::| > イ |::::::::|
| | >-、\! !/::,-< 内容を筋道立てて記している
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、 『資治通鑑』『晋紀』を中心に話を進めよう
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
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!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 933 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:39:15.50 ID:qSjPNxu80
- 【紀元318年1月 晋 幽州 右北平郡】
... ..::. .. . .. . .. .:::
:: :: :. ... .::::: :... .
.::::
.. . .
,,-‐''"´'':、,, ,,_,__ .γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
_,,.--ー''''''"゙゙ ゙゙̄"'''''―--.,,,,,,-‐'゛.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:.: _,,.;:-−''"´`゙''ー、/ヽヾ\ | ………… |
::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"';,_,,.-ー'''"゙゙:,:;.,:;.:::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,:゙',`:;,':,:;.,:;.:::;.:".:;.:'"゙:.:゙,~゙"'ー-:;、,"' ヽ________乂
":;;;: : ;: ;: ;: ; ::; : ;:; :; : :: :; ":;;;: :;: ;: ;: ; ::; : ;:; :; : :: :; ":;;;: : ;: ;: ;: ; ::; : ;:; :
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- 934 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:40:26.60 ID:qSjPNxu80
-
、丶` \L___
/ ', ',/⌒〉,ヽ^ 、
/ / | | ', \/ ', / V{ \
l i| ト 、 ', /\ V / {ノ
i l 渉i|\j{ 、/ |/ ノ{
l V八 i| 斗fセ7 ' L / jノ,
|/i抖ミ\j Lり ' 「ハ / , あの集団が匹磾か
小 {り : |)ソ′ i{
|∧〈 i |ア i{
| 圦 __ _ | | i{
| 、 | | j{
| \__ ‐ _| |─‐┐ /\ 、〜'´. . . . .{:.:. :.V/、 --ミ
| | __ }==={ri| ノ ̄ {/ /⌒\ ┌ 、 . . . . . . . . . . ..{:.:.: :.:.、...) /:::::::::|
| | lh l‐}==={{ | / 厂/ / 、 八:.:.:.:.:/. . . . . . . . .--八:.:.:.:.:.:',:.\:::::::::|
人 |/(_) ̄ ̄) }/ ⌒// / _ -─‐} 〉/. . 、〜'´ ̄ ̄/¨¨¨\::. ::. ::. ::..V/:{
、丶`⌒\ |/⌒{⌒「\ / { { ‐ { /. . / /::. ::. ::. ::. ::\::. ::. ::. :V/:.
、丶` xく\|7 /{_j/^ 、\ \ { 乂./ / ノ::.}::. \::. ::. ::.\::. ::. ::Vノ
/7 / /.:: .:}、/〉\::. ::. ::.\::. ::.
/ / /.:: .::.:/⌒\/〉\::. ::. ::.\::.\
,:_/ /}.:: .:: / 笊うぅ 、}::. ::. ::. ::. ::. .\::::\
乂______/.:. ノ.:.:/ 'Vツ }.:: .:: .:: .:: `'〜-\::.:\
渉復辰殿。 |::. ::.:/ x芯 ' '/.:: .:: .:: .:: |: ..:: .:| \::.:\
|.:: .:: .:: ::.、' ' ' /イ.:: .:: .:: : .:: .:: .: | \::.::\
前にも言いましたが、 .八.:: .八:.:込 V  ̄) |.:: .:: .:: .ノ.:: .:: .: | \::.::\
匹磾が来たのは段部の大人の座を簒奪するためです .\::. :\ :::..、 |.:: .:: /.:: .:: .:: .:| \::.::
.\::. :\::.>........イ: :|.::/.:: .:: .: .:: .:: |
\.:: .}.:: .::「、) 厂/.:: .:: .:: .:: .:人从__ノ
ノ\}.://W、,:: .:: .:: .:: .: /⌒¨ヽ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 段匹磾が自ら薊を出て葬儀に向かうと
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 段末波は段匹磾に簒奪の意志があると宣言した。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .段渉復辰を煽ったように思われる
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 935 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:41:00.39 ID:qSjPNxu80
-
... ..::. .. . .. . .. .:::
:: :: :. ... .::::: :... .
.::::
.. . .
,,-‐''"´'':、,, ,,_,__ .
_,,.--ー''''''"゙゙ ゙゙̄"'''''―--.,,,,,,-‐'゛.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:.: _,,.;:-−''"´`゙''ー、/ヽヾ\
::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"';,_,,.-ー'''"゙゙:,:;.,:;.:::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,:゙',`:;,':,:;.,:;.:::;.:".:;.:'"゙:.:゙,~゙"'ー-:;、,"'
":;;;: : ;: ;: ;: ; ::; : ;:; :; : :: :; ":;;;: :;: ;: ;: ; ::; : ;:; :; : :: :; ":;;;: : ;: ;: ;: ; ::; : ;:; :
'' ;~ ; ::; : ;:; '',;''゚ ; ::; : ;:; ;~'',;'' ;~'',;'' ; ::; : ;:; ;~ ; ::; : ;:; '',;'' ; ; ::; : ;:; '',;''゚ ;~'',;
":;;;: : ;: ;: ;: ; ::; : ;:; :; : :: :; : ;:; ;~'',;'' ;~'',;'' ; ::; : ;:; ;~ ; ::; : ;:; ': ;:; ;~'',;'' ;~'',;''゚ ; ::
:::....::::::........ . .::::::... .... ..::::::::::::::::....::::::........ . .::::::... .... ..:γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
.. .. . ... .::::.. . . .:: : :.. . ... ::: :::.. ... .. .. . ... ... ..| ……葬儀の参列にしては数が多い |
ヽ__________________乂
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
(⌒(⌒ (⌒;;(⌒Y (⌒;;_(⌒≡ . __ (⌒(⌒ (⌒;;(⌒Y (⌒;;_(⌒≡ . __
.(⌒;; (⌒ (⌒;; (⌒ (⌒;;(⌒ヽヽ(⌒;;(⌒.Y __ .(⌒;; (⌒ (⌒;; (⌒ (⌒;;(⌒ヽヽ(⌒;;(⌒.Y __
(⌒;;(⌒(⌒;;(⌒;;;; (⌒; ;(⌒ ;;(⌒;;(⌒;;;;≡≡Y Y (⌒;;(⌒(⌒;;(⌒;;;; (⌒; ;(⌒ ;;(⌒;;(⌒;;;;≡≡Y Y
''''゛゛゛''゛゛゛''''゛''゛゛''''゛゛''゛゛゛'''''゛´''゛'''''゛゛゛''゛゛゛''''゛':'''''゛゛゛"""''"""''''':'"''''"""''"""'''''"''`"'''''"""''""''''""''"''''"""''"""'''''"""'
゛゛゛ '''゛゛゛''゛゛゛'''' ゛''" '''""''" ''''"""''"""''' """
:::::::::::::::::'''''''''''''゙゙゛ "゙゙゛"゙゙゛"゙゙゛"゙゙゛ "゙゙゛" "゙゙゛"゙゙゛"゙゙゛ "゙゙゛"゙゙゛"゙゙゛"゙゙゛ "゙゙''''''''''''':::::::::::::::::
- 936 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:42:22.05 ID:qSjPNxu80
-
/ ', ',/⌒〉,ヽ^ 、
/ / | | ', \/ ', / V{ \
l i| ト 、 ', /\ V / {ノ
i l渉 i|\j{ 、/ |/ ノ{ 剣呑な。
l V八 i| 斗fセ7 ' L / jノ,
|/i抖ミ\j Lり ' 「ハ / , .やはり匹磾を令支へ入れるわけにはいかん。
小 {り : |)ソ′ i{
|∧〈 i |ア i{ .兵を出して防ぐしかあるまい
| 圦 __ _ | | i{
| 、 | | j{
| \__ ‐ _| |─‐┐ /\ 、〜'´. . . . .{:.:. :.V/、 --ミ
| | __ }==={ri| ノ ̄ {/ /⌒\ ┌ 、 . . . . . . . . . . ..{:.:.: :.:.、...) /:::::::::|
| | lh l‐}==={{ | / 厂/ / 、 八:.:.:.:.:/. . . . . . . . .--八:.:.:.:.:.:',:.\:::::::::|
人 |/(_) ̄ ̄) }/ ⌒// / _ -─‐} 〉/. . 、〜'´ ̄ ̄/¨¨¨\::. ::. ::. ::..V/:{
、丶`⌒\ |/⌒{⌒「\ / { { ‐ { /. . / /::. ::. ::. ::. ::\::. ::. ::. :V/:.
、丶` xく\|7 /{_j/^ 、\ \ { 乂./ / ノ::.}::. \::. ::. ::.\::. ::. ::Vノ
/7 / /.:: .:}、/〉\::. ::. ::.\::. ::.
/ / /.:: .::.:/⌒\/〉\::. ::. ::.\::.\
,:_/ /}.:: .:: / 笊うぅ 、}::. ::. ::. ::. ::. .\::::\
乂______/.:. ノ.:.:/ 'Vツ }.:: .:: .:: .:: `'〜-\::.:\
その言葉を待っていました。 |::. ::.:/ x芯 ' '/.:: .:: .:: .:: |: ..:: .:| \::.:\
|.:: .:: .:: ::.、' ' ' /イ.:: .:: .:: : .:: .:: .: | \::.::
後は私にお任せ下さい .八.:: .八:.:込 V  ̄) |.:: .:: .:: .ノ.:: .:: .: | \
\::. :\ :::..、 |.:: .:: /.:: .:: .:: .:|
.\::. :\::.>........イ: :|.::/.:: .:: .: .:: .:: |
\.:: .}.:: .::「、) 厂/.:: .:: .:: .:: .:人从__ノ
ノ\}.://W、,:: .:: .:: .:: .: /⌒¨ヽ
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 段匹磾が右北平郡へ至ると、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 段渉復辰は兵を出してこれを防がせたのだが……
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 937 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:44:41.15 ID:qSjPNxu80
-
,ィ圭||ア '’ __ ,ィ(____,ィ∵ ,ィ(_
炸圭( ,ィ升彡 ノ圭圭圭圭そ 。 佳圭、_
⌒`寸ト、 ,{抄'⌒ ノ斧ミ、 o ∴炸圭圭圭|iて ',∴ ・ _ノ佳佳佳て。
゜ ノ/ ⌒∴ ・ ノ(_ノ圭斥⌒',寸ミ、 ',.:,:・'`¨∵¨¨⌒´
,,、 // ノ( /少'⌒ ` ..,, _,.。x≦少"・ ,ィ(_
π_ノ心、_ノ(,炸||( ,,.,⌒ ・っ ∴ ・ ;,,ィ炒⌒;. c=≠二,ィ炸圭
)圭圭圭圭圭ア ∴:¨'` ` ',∴ ・ ⌒ 寸筵τ'⌒``
τ`[:圭圭圭圭(_ノ廴 τミx。、∴__ ノ廴_,ィ炸廴ィ
)}圭圭圭圭圭そ `⌒'・ __,ィ圭掛x、∵ ,ィ炸圭少⌒'・
_,ィ炸圭圭才寸圭廴。x:≦少"´⌒''''⌒¨∵¨´ ⌒¨¨∵:・ 、〜'´. . . . .{:.:. :.V/、 --ミ
⌒`寸ト、∴`寸ミ、 ∵:・ ┌ 、 . . . . . . . . . . ..{:.:.: :.:.、...) /:::::::::|
`寸そ:¨'`沁っ 八:.:.:.:.:/. . . . . . . . .--八:.:.:.:.:.:',:.\:::::::::|
\_人_人∧从_人_∧_人_从_// 〉/. . 、〜'´ ̄ ̄/¨¨¨\::. ::. ::. ::..V/:{
) > /. . / /::. ::. ::. ::. ::\::. ::. ::. :V/:.
< !!? > 乂./ / ノ::.}::. \::. ::. ::.\::. ::. ::Vノ
< ( /7 / /.:: .:}、/〉\::. ::. ::.\::. ::.
/^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^ / ./ /.:: .::.:/⌒\/〉\::. ::. ::.\::.\
,:_/ /}.:: .:: / 笊うぅ 、}::. ::. ::. ::. ::. .\::::\
乂______/.:. ノ.:.:/ 'Vツ }.:: .:: .:: .:: `'〜-\::.:\
むん! .|::. ::.:/ x芯 ' '/.:: .:: .:: .:: |: ..:: .:| \::.:\
|.:: .:: .:: ::.、' ' ' /イ.:: .:: .:: : .:: .:: .: | \::.::
.八.:: .八:.:込 V  ̄) |.:: .:: .:: .ノ.:: .:: .: | \
\::. :\ :::..、 |.:: .:: /.:: .:: .:: .:|
.\::. :\::.>........イ: :|.::/.:: .:: .: .:: .:: |
\.:: .}.:: .::「、) 厂/.:: .:: .:: .:: .:人从__ノ
ノ\}.://W、,:: .:: .:: .:: .: /⌒¨ヽ
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } ……ここで、段末波が虚に乗じて段渉復辰を殺害
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 938 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:47:53.01 ID:qSjPNxu80
-
(~) (~)
.γ´⌒`ヽ γ´⌒`ヽ
{i:i:i:i:i:i:i:i:} .{i:i:i:i:i:i:i:i:}
(`・ω・)∧,,∧ (`・ω・)∧,,∧ 段末波様!
< >(ニO ・ ・ < >(ニO .・ ・
ッッ) ,_lミl !、 ゙i. ッッ) ,_lミl !、 ゙i. 段渉復辰の配下たちは皆殺しにしておきました!!
ミ_(⌒~(, (__)|`ッ ト,o_o).⌒~(, (__)|`ッ ト,o_o)
(, l!、 ̄| |ッ (, (, l!、 ̄| |ッ (,
(⌒;; _ッ/ッッ~'''''''(, ッ~゙i ゙i _ッ/ッッ~'''''''(, ッ~゙i ゙i. _ッ
(⌒;;(⌒;; .(,ッ ゙i_) |_|フニッ(,ッ ゙i_) |_|フニッ (,ッ
ッ_) ッ_) ___ 、〜'´. ..{\\
八_ノ. . . . . . 八::::ヽ^',::}
/. ./ ̄ ̄ノ:. :\:. :.:',::.
〉//)¨¨´:.}:. :\:. \:.',ノ
///.: ./⌒\\:. 、:.,\
乂__/.:// x==ミ}/:.:.\:.:l、:::::\
八込^ ノ.:.::|:. :.. :| \::::::\
|:. :、::.、Vフ |.:.: /.:: .:: | \::::::\
よくやってくれました。 ┌┌.、 八:. ::.≧=‐≦、/.: .: .:ノ \::::::\
r\\「', \:. .: ノWノ.:.:.:.:/-ミ \:::::
さすが私の精鋭たちですね .\ } l.:)/个、(.:: / \
ー' )7、__ 「__//::::/:::::|八\ l
八/// ',// ⌒¨⌒゜ |/, \____〕
{¨¨ |.八: : : 0: : : : :|//, ___|
八 :}//l .///|///, .|
\ .:::::///|X////|///, ><
/\__:////|X{/// | ///, :',
/::::::::厂7///X{/// | ///〉 :',
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 段渉復辰の子弟と配下二百余人を殺したと『晋書』『段匹磾伝』は記す。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 『資治通鑑』『晋紀』は、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j この時点で段末波が単于と称したとしている。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ ただし、『晋書』『石勒載記』では、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 同族の有力者と思われる段忽跋隣を単于に立てたとする
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 939 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:50:25.65 ID:qSjPNxu80
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、〜'´. . . . .{:.:. :.V/、 --ミ
┌ 、 . . . . . . . . . . ..{:.:.: :.:.、...) /:::::::::|
八:.:.:.:.:/. . . . . . . . .--八:.:.:.:.:.:',:.\:::::::::|
〉/. . 、〜'´ ̄ ̄/¨¨¨\::. ::. ::. ::..V/:{
/. . / /::. ::. ::. ::. ::\::. ::. ::. :V/:.
乂./ / ノ::.}::. \::. ::. ::.\::. ::. ::Vノ
/7 / /.:: .:}、/〉\::. ::. ::.\::. ::.
/ / /.:: .::.:/⌒\/〉\::. ::. ::.\::.\
,:_/ /}.:: .:: / 笊うぅ 、}::. ::. ::. ::. ::. .\::::\
乂______/.:. ノ.:.:/ 'Vツ }.:: .:: .:: .:: `'〜-\::.:\
|::. ::.:/ x芯 ' '/.:: .:: .:: .:: |: ..:: .:| \::.:\ これからは、
|.:: .:: .:: ::.、' ' ' /イ.:: .:: .:: : .:: .:: .: | \::. 胡人が漢人の上に立つ時代。
八.:: .八:.:込 V  ̄) |.:: .:: .:: .ノ.:: .:: .: |
\::. :\ :::..、 |.:: .:: /.:: .:: .:: .:| .そう、石勒将軍のように。
rr 、 \::. :\::.>........イ: :|.::/.:: .:: .: .:: .:: |
「\\ 「V/ \.:: .}.:: .::「、) 厂/.:: .:: .:: .:: .:人从__ノ 上に立つのは、
┌\ \ 、 V/ ノ\}.://W、,:: .:: .:: .:: .: /⌒¨ヽ 強い胡人であるべきです
. \ V/ /.:: .:: :厂¨Y^Y¨¨}.:: .:: .::/ ',
{ }__ {.:: .:: ノ.......厂〉\.}::. ::. ( }
\ ノ)人 ┌八.:/乂/ /......|乂(⌒ ::::. |
. 〉、////〉¨¨ヽ 〉- / /....../ {..... .| /\ノ\ |
\///// } , ー‐ ー‐ |//, \ノ`'〜---' }
/V// } { {.............:::::::::...............|///, |`'〜------{
{ {¨⌒ 八:::::::::::::O:::::::::::::::::::|////,.| {
八 'ー‐、:::::::::::::----|/////, ⊂ニ⊃
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .また、『晋書』『劉琨伝』によると、
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 段末波による犯行は段忽跋隣との共謀だったらしい記述がある。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j ただ、最終的には、いつの間にか段末波が鮮卑段部の大人になっている。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ .今の説明でよく分からなかった方は、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 石勒派の段末波が鮮卑段部の大人になったぐらいに覚えておこう
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 940 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:51:00.18 ID:qSjPNxu80
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... ..::. .. . .. . .. .:::
:: :: :. ... .::::: :... .
.::::
.. . .
,,-‐''"´'':、,, ,,_,__
_,,.--ー''''''"゙゙ ゙゙̄"'''''―--.,,,,,,-‐'゛.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:.: _,,.;:-−''"´`゙''ー、/ヽヾ\
::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"';,_,,.-ー'''"゙゙:,:;.,:;.:::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,:゙',`:;,':,:;.,:;.:::;.:".:;.:'"゙:.:゙,~゙"'ー-:;、,"'
":;;;: : ;: ;: ;: ; ::; : ;:; :; : :: :; ":;;;: :;: ;: ;: ; ::; : ;:; :; : :: :; ":;;;: : ;: ;: ;: ; ::; : ;:; :
'' ;~ ; ::; : ;:; '',;''゚ ; ::; : ;:; ;~'',;'' ;~'',;'' ; ::; : ;:; ;~ ; ::; : ;:; '',;'' ; ; ::; : ;:; '',;''゚ ;~'',;
":;;;: : ;: ;: ;: ; ::; : ;:; :; : :: :; : ;:; ;~'',;'' ;~'',;'' ; ::; : ;:; ;~ ; ::; : ;:; ': ;:; ;~'',;'' ;~'',;''゚ ; ::
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.(⌒;; (⌒ (⌒;; (⌒ (⌒;;(⌒ヽヽ(⌒;;(⌒.Y __ .(⌒;; (⌒ (⌒;; (⌒ (⌒;;(⌒ヽヽ(⌒;;(⌒.Y __
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- 941 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:53:02.53 ID:qSjPNxu80
-
(~)
γ´⌒`ヽ
. {i:i:i:i:i:i:i:i:}
. (´・ω・` ) ≡("" しかし、気が進みませんね。
(mへ◎へm) ("⌒("
/_,/>ノ、 (⌒("≡ 同族を騙し討ちするとか
〈/")/_ノミ ≡≡(⌒
(_/^~ (⌒(("⌒;;
{)::::::\ ______ ,:┐
{):::::::::::冫:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.`/:.:.|
┌n¬/____:.:.:.:.:.:.:.:.:/「):::八`、
┌=ナ'⌒:.:.:.:.:.}\:. ̄`丶:「)::::::::::|:.`、
┌y:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:/:::/:.:.:/):.:.:.:\:::::/:.:.:ハ
[|:.:.:.i:.:.:.:.:._,,'’::/:.:.://:.:.j:.:.:.:.:∨:.:.:.:.:.:.|
┌√ヘ ∨:.|<__/:.:.:.:.く/:.:./:.:.:.:.:.:.|ア⌒¨¨``丶、/
| .| | |. ∨:.:.:.:.∧:./:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.j:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\/
. /` | | |┐∨∧| И:.:.:.:.:.:.:/∨:.:.:.:.:.:./:.j:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:ハ
. | ┘ .i| ∨:.:ハfン}/}// ∨:.:./:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、:.:.:.|
j /丿 ,/\:.:| ⌒苳k,,_j/:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨:.:.|
余計な事言わずに黙って走る ,゙ ' / /\_j八 ' 弋ツ./:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.∨リ
j_ イ ⌒\ ∧ ヽ ー |:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/|/
. / 丿 V∧ >―=≦人:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/)__/ /
′ , 〉⊥ニ=―ヘ |_ \|:.:.:.:.:.:.:.:.:.::(_ / }
{ / ,x≪⌒¨´ |///\__>―┬―=≦ / ,/
. 八 , ゙x≪ |///////////,\ _//
. `¨¨ \_\/////// >―‐</
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ ⌒\____,,x< ̄_/::
√::::::::::::
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『魏書』『段就六眷伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 段匹磾は密かに鎧を巻いて進み、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 従叔段羽鱗と段末波の殺害を望み、彼らの国を奪おうとした。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ ここで出てくる段羽鱗は、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 先程名前が出た段忽跋隣の別表記と言われている
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 942 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:54:37.20 ID:qSjPNxu80
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1! | i
i|l__il___i! | i | | l|
l| ___ l|i |!__il_l!_|i l|__i!_l|i l! ! |
|l i|l ̄ ̄l|! i|! l|____ i|l li___ li! i|l__il_l!
i|_l|! i|l |l  ̄ ̄ ̄ ̄l| l|  ̄ ̄ ̄`i|_li ー====, /
/' /' /'^7' l|__i! il^i! i^l! </
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 ̄  ̄  ̄
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{):::::::::::冫:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.`/:.:.|
┌n¬/____:.:.:.:.:.:.:.:.:/「):::八`、
┌=ナ'⌒:.:.:.:.:.}\:. ̄`丶:「)::::::::::|:.`、
┌y:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:/:::/:.:.:/):.:.:.:\:::::/:.:.:ハ
[|:.:.:.i:.:.:.:.:._,,'’::/:.:.://:.:.j:.:.:.:.:∨:.:.:.:.:.:.|
┌√ヘ ∨:.|<__/:.:.:.:.く/:.:./:.:.:.:.:.:.|ア⌒¨¨``丶、/
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. /` | | |┐∨∧| И:.:.:.:.:.:.:/∨:.:.:.:.:.:./:.j:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:ハ
. | ┘ .i| ∨:.:ハfン}/}// ∨:.:./:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、:.:.:.|
ん? j /丿 ,/\:.:| ⌒苳k,,_j/:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨:.:.|
. ,゙ ' / /\_j八 ' 弋ツ./:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.∨リ
j_ イ ⌒\ ∧ ヽ ー |:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/|/
. / 丿 V∧ >―=≦人:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/)__/ /
′ , 〉⊥ニ=―ヘ |_ \|:.:.:.:.:.:.:.:.:.::(_ / }
{ / ,x≪⌒¨´ |///\__>―┬―=≦ / ,/
. 八 , ゙x≪ |///////////,\ _//
. `¨¨ \_\/////// >―‐</
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ ⌒\____,,x< ̄_/::
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 立場の違いこそあれ、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 段匹磾と段末波の考えていた事はほぼ同じだったようだ。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .どちらが相手に先んじて鮮卑段部の主となるか
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 943 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:55:56.55 ID:qSjPNxu80
-
(~)
,へ,__ γ´⌒ヽ
_| i `ヽ{i:i:i:i:i:i:i:i:}
.//| 〇__(`・ω・´) 敵襲です!
(/./⌒)___,>、_ ) (´⌒(´⌒;;≡≡
.|/ //、 ヽ、_ノ (´⌒(´≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
/ //^ヽ、i |≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
(___./ ̄`⌒ヽ、 丿(´⌒(´⌒;;
{\ __| 〉〈 `:、
∧ \ _、丶`.:.:-‐┴‐--ミ ‘,:..、
〉:::〉 `丶、丶´ ̄.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\ ‘,.:.\
〉:::〉/ ̄}/.:.:/:/:::::: |.:.:.:.\.:.:.:.:.:.:.:.\〉.:.:.:\
{_/:::::/.:.:./.:. /::::::::::|.:.:.:.:.:.:.\.:.:.:.:.:.:.::\.:.:.:.:\
/::::::/.:/.:./.:.:.:.:/:::::::::::/:.:.:.:.:.:.:.:.::|.:.:.:.:.:.:.:.::∧.:.:.:.::.::.
{_//.:./.:.: |.:.:.:./::::::::/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧.::/.:.:.::/.:∧.:.:.:.:::.i
. //7:/: :/ |.:.:.|.:.:./::::/.:.:.:.:.:.:./.:.:.::/ 〈.:.:/.:.:./.::∧.:.:.:.:|
く/ /:/.:./ :.:|.:.:.|///.:.:.:.:.:.:.:/ |.:.:/,.-‐∨:/ |.:.:/.:.|.:.:/ ̄ ̄\
/7.:./.:_|//:^メ廴__.:.:.:.广「/´: : : : :.∨.:.|.:.:.:.: |:/.:.:.:.:|.:.:.:.:.:\
こんな所で!? |イ.:|⌒T¨´.:|\|: : :\/: : : ッf灯⌒フ |.:.:.|.:.:.:/.:.:.:. : |.:.:.:.:|.:.:.:\
|八: :.:.:\.:ャヒ巧ぅト: : : : : : 乂ン j.:ノ|/.:.:.:.:.:.:./.:. :. |.:.:.:.:.:.:\
どこの誰よ!!? /: : :\: :.:.:.:込乂ン /.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.::|.:.:.:.:.:.:.:ハ
. /: : : : :| \.:.:___):、 ' J /.:.:.:.:.:.::/.:.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:./.:.::|
/:/: : : : |.:.:.:.:/┌‐、〉 ┌〜 つ /.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:/.:.:./.:.:.:.:.:./.:.:.:.:|
| |: : : : : \_:|/^''込、 '⌒ ̄ |.:.:.:/.:.:./ ̄.:.:.::/.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.::|
| |: : : : : : :| />、〉:.>。, イ ヽ/.:.:/.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:/
い,: : : : : ::|  ̄ ̄〉.:.:.:.:|'´うT } /.:.:/.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:/
\\.:.:..:∧  ̄_}.:.:.:.:|/ } / |.:.:/.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:イ.:.:.:.:.:.:/
\\.:.:∧ ∨.:/|\_ ___,|.:.|.:.:.:.:.:|//⌒>く.:.:.:.:/
- 944 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:56:50.74 ID:qSjPNxu80
-
|\
|.. ∧
|.. ..∧
「/> ,. |.. .. .∧ /|
|/////>-┴……・・・・…‐- /_,|
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( \ V/ < > ノ /. /. . . ./
\ \ __ /{ \_∠二ニ=- ┬彡ヘ . /. . . ./
\ \ / _) ////Vニ二¨ ̄ ノ: : : : : :\__/
i⌒ヽ ヽ { { \// / __ -=¬彡: : : : |: : : : :.
┌\ \ ,ノ } /人 ¬冖二 //: : :丿: : l : : : : :.
\,)\_) ノ、 //: : :; :>- -=彡イ: : : : : /ヘ: : j__ : : : ::
⌒ヽ、__ \ // /: : :′:: : :lィ芹ハ: :_;_ノイ -─ 辷ニ: : : : i
\ \// ,: : : :j : : : : j ,乂ツ 芹ハ l/: : : : : : : !
\ \ {: : : :{: : : : :l{ "" 乂ツ/ /.: :: : : :| とつげーき!
ヽ \人 : 人: : : :八 ' "",ノイ: , : ; : : : :|
\ \ヘ: ::\: : : :\ ヽ ノ .:/: :://: : : : : |
ヽ、 \}\: 丶: : : :丶 __ ィ厶イ : : : : : :_ノヘ、
{ \ } ∧: : : : : : } {、: :{/: : : :ノ: :/ヘ \
\__人_人从_人_人从/ {\ >-< ∧: : |: : :jヽ、_)\{: :__彡イ{ヘ、 /
_) (__ { }: :ノ: ::人 \ 八: : : :{ 人 _/
) 末波ッ!? ( 人 __彡イ \// \: :{ \ `` :、
 ̄ ̄) ( ̄ ̄ \ { : : /,人__>-‐─━━─ミメ、 \ \
/⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\ \ 乂_{_ {二二二[(⌒)]二二 } j\ :.、
>---ニア }二二ア⌒\二二{ /j \ \
- 945 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:57:37.09 ID:qSjPNxu80
-
ーヽ、_ |:.:.:.ヽ\!ililノi \ヽ ヽー_-_-;_ 〉 イ〃/⌒ヾY、イ:ヽ_:\
ィー-;ゞT:ヽ λ:.:.:.:.:\!il{;∧ ; ヽ _ ー_7∧/.:.| `´ // 入_,. ,ヘハ:ソゞヾ=y ,
-─‐、|」xヽ f:.:.:._; ィ/;i;i|l/〈ミ!: , :.:.:ヽ 7¨/.:.:.:{、 // ,._∧ヘヾ-'才 ノ ./}べ>イ<ノヘ
:;:7ノ .!ト、ヽ}li、/ rイ;i;i;iLィ〉ヾ,:' .i:.斗-‐ '"`ヾニ、 〉 イ';Y{.(ニ-≧← " ヽ/' スイ´ 〉ノ
:;:; ,ヽ i.! ヾ;lil! .};i;「´ 〈 ;:/ i,.┴z彡,  ̄ ∧_!ノ/7、メ゙ .{{ イパ, ヤi、
'"f'’i !/,i i',ヽ>、ヾハ ./ / /´ ̄,./'⌒ヽ-、 .!:.:i. { 7¬;', : ヘ、' / ヽ;'⌒Yilト
>' ヘ!k , } }a l. ! _,.zx、、 ' /八i。 _λili-、ヤ:i. У/iヽ:'ノ'チ、ヽ=,ォ=ハヽ'∧i! }i
ヾ; r) .// ,! .| | 彡'´>'"ヽ r/´ト、:、:ヾ:`:>=彳/_:`ヽ:.、L': :!レーァィ彡ヘ !トx`¨ '//!
ー-`イ`/ヽ/ イ | | r',、_,.才=, ト-ソXaヽ: ミi-‐i'"巡ぇl-':.:._z彡/彡' ' \ v/ヾ /ヾイ.:!
`` ー‐'=≠;:;:{ ! !_/Xゝ='、リ:/ヽ从∨、 \:.、-=ノ \、-彡' /ヘ. \ .}:.:.i
`ヾ:.:.:.:.:k';:;:;:;/ ∠!ヘY∨-‐''"i才-ヘ1 ヽ寸、i - _マヾ゙ ; 7ー- _/__/ヘ_≠=;、Y:.:.;
.\、 ヾ:!./:イ 〈: fゝイ才¨ ̄./イ/┴!` ヽz⇒、≧ /: ヽ ' ,/  ̄/¨7/ ヾ  ̄ゝィ 〉:.{
ヽヽ 、∨ ハ 才/〉':≧メ ||./ ; /イ;i>イ 、:/ヘ メ /'" .:/i \、 i >:ノ
ヽヽ_,∨リ,,. -、ニ:Y :/!゚:ヽ:,'; ; ' '入 ! /べ;i;{:.λ; ヾ_ヽY_ /' / ,ハ ヘ、_〉 }:.:{ : . .
≧三彡<、ヘ: !i;りヾ:-ヽ/ゝr '゙八`ー≠'" :;ik/:.:.:T゙´ヾヘY ヽ、 ヽ \ /'.ノ! : . : :';.:.ヤ : : . : . .
,. -‐_ォ八 _,. Y:∨´`〈λ:iノメ゙ ∧ ヽ :.、 :.. / ハ:.:.:.! l lヾ`ー 二/ヾ´.イ、 : . :.i:.:.ヤ : . : :
./ /:}=;へ-イ:/ ;!`// i.|il!.!- '" ヽ\ 、 - 、 / /.λ:.:.:v, / .l l ヾ 7/¨,.. ハ. . : .: : : . . : . .
-`∨λ:L:_:ヾ才メ´,i.!ヾL!il_!、∨ \ ー--,'べ / iー-ミヘ | ! .//'"_ _ | : : : . : . :
ノ:/:トヾr: ┐!メ ;' .!| 爻ヽツヘ∨ ヾ` ーイ=イ , 八 ヾ:i ,′ :,/イ:..´ !
//:i: /:>ハ/_:_:{; ィ .|| `ミミx ヽ>、 f ヽ` 、 } ,}/ .ハ レ .:/´ ` ヾ、. .:ヽ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
:_: : 才ヘλ: ; ヘ' || ヾミミ ',/ \ ゝ、 \∨ ヾ、:.:.:.:', !: : : :{ }`.:.:}
i : T: : / У´ ヘ.\!! ,-ミ爻 i ヽ ヽ. }、 ) .:.Y ',:.:.:./ . . /:.:./ . : .
ゞ:、!:_イヾヘ' \'; ヾ、ヾ:.:、 ミ爻,ハ \::. :ヽ ヾ:.:/ : . ノ:./ . : : . : . : : : . : . .
/ilililiア、_ノヘ\! ト'f _',、ヾ、才≠爻_,. ー、:.:、 }:.:! : . : . . : . : : . . : : . .
ilil/、ヾ ! i ヾ`¬.\- ヾ, Y/ミ{ヾイ }:.:.ヽヾィ : . : . . . .
'"ヾ:.:. ヾ\ヽ ヾ:. ヽ\ 入ー_ 才`} : . : . ノ:.:.:.:i : . : . .
ヾ:.. `f¨¨\ヽ ヽ\ ヾゝ _ 〉{ : : : . . :` ー ' : . :
`!ーイ ハ '; ヽ\ ', 〈 : . : . . : .
ヽ \ ヽ :.{ `ー 辷_ソ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
}, 入 廴 :.Y
ヾ/ ヘ :.ヽ
- 946 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:59:13.17 ID:qSjPNxu80
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. i:::::::::i i/:::::::i/:|
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. i:::::::i ヽ::::::::';''' ''~~ 。
. i:::::::i τ'::/ .;:
i:::::::i )/
. i::::/ 。 ' 、 ;: 。
f''`⌒( ,,,, !:(',,,, ::,,,,,、...
,!,,,、( /:: ノ:::::::::::::::::) 。 !::::::::::`! 、
:.、 !:::( ノ::`! o (:::::::::::::::::: (:::,,;,;,、; 。
゜ (/ ⌒ 、 ;::::::::::::;;.;~~''
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ヽ::::::::';'' ./:::::::::::,,.//:::::::/
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- 947 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:00:03.50 ID:YokoiBxb0
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,,-‐''"´'':、,, ,,_,__
_,,.--ー''''''"゙゙ ゙゙̄"'''''―--.,,,,,,-‐'゛.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:.: _,,.;:-−''"´`゙''ー、/ヽヾ\
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":;;;: : ;: ;: ;: ; ::; : ;:; :; : :: :; ":;;;: :;: ;: ;: ; ::; : ;:; :; : :: :; ":;;;: : ;: ;: ;: ; ::; : ;:; :
'' ;~ ; ::; : ;:; '',;''゚ ; ::; : ;:; ;~'',;'' ;~'',;'' ; ::; : ;:; ;~ ; ::; : ;:; '',;'' ; ; ::; : ;:; '',;''゚ ;~'',;
":;;;: : ;: ;: ;: ; ::; : ;:; :; : :: :; : ;:; ;~'',;'' ;~'',;'' ; ::; : ;:; ;~ ; ::; : ;:; ': ;:; ;~'',;'' ;~'',;''゚ ; ::
:::....::::::........ . .::::::... .... ..::::::::::::::::....::::::........ . .::::::... .... ..::::::::::::::::....::::::........ . .::::::... ....::::::::::
.. .. . ... .::::.. . . .:: : :.. . ... ::: :::.. ... .. .. . ... ... ..::. .. . .. . .. .::::: :: :. ... .::::: :...
\_人_人∧从_人_∧_人_从_//
) >
< 申し上げます! >
< (
/^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
,ィ!´ ̄``i''ー─- 、、、,,_
イ三二二ニニニゞ ( j〉 」´ ̄ ̄``ー-、ヽ .,.:,..:.. .,.:,..:..
... ,... ``ー─'"´  ̄ ̄ ̄ ̄
,ィゞ .,.:,..:.. .,.:,..:.. ... ,...
ー====- ー====-
... ,... .,.:,..:.. ... ,... .,.:,.
_, -─‐- 、ー‐-、ー-、 ;: ;:;: :;:;: ; ; ,ィゞ
,イ、,r'⌒ヾ ヽ ヾ ``''ー- -、-‐''"´ヽ;;: :;:; ;:; :;:; ;: . .,.:,..:..
,r/ (::;;:;:;;/ー-、 j `, _ /ィ´ ;:; :; ;:; : ;: ,ィゞ
ヽ 「i''ー'"´ ,r-‐'ー''''"´ ̄
- 948 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:00:51.04 ID:YokoiBxb0
-
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
≧ 段匹磾は逃走した模様ッ!!! ニ=-
≧ ≦
/\ /Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
{)::::::\ ______ ,:┐
{):::::::::::冫:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.`/:.:.|
┌n¬/____:.:.:.:.:.:.:.:.:/「):::八`、
┌=ナ'⌒:.:.:.:.:.}\:. ̄`丶:「)::::::::::|:.`、
┌y:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:/:::/:.:.:/):.:.:.:\:::::/:.:.:ハ ,,⌒\
[|:.:.:.i:.:.:.:.:._,,'’::/:.:.://:.:.j:.:.:.:.:∨:.:.:.:.:.:.| / `、 くそっ!
┌√ヘ ∨:.|<__/:.:.:.:.く/:.:./:.:.:.:.:.:.|ア⌒¨¨``丶、/\ `
| .| | |. ∨:.:.:.:.∧:./:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.j:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\//∧ /\ `、 .先を越されたか!!
. /` | | |┐∨∧| И:.:.:.:.:.:.:/∨:.:.:.:.:.:./:.j:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:ハ∨∧/ /:.:.丶、 \_ ___
. | ┘ .i| ∨:.:ハfン}/}// ∨:.:./:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、:.:.:.| ∨∧ |:.:.:.:.:.:.:ハ `丶/⌒Y
j /丿 ,/\:.:| ⌒苳k,,_j/:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨:.:.| ∨/ j:.:.:.:.:./ \_\〉 |[
. ,゙ ' / /\_j八 ' 弋ツ./:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.∨リ У /:.:.:./ / ⌒Y _.八
j_ イ ⌒\ ∧ ヽ つ u |:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/|/ ./ .:.:.:/ / \/∨ / |
. / 丿 V∧ >―=≦人:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/)__/ /\// ./ / \_.丿
′ , 〉⊥ニ=―ヘ |_ \|:.:.:.:.:.:.:.:.:.::(_ / }/ハ ̄\ , ゙ /
{ / ,x≪⌒¨´ |///\__>―┬―=≦ / ,//| |:::::::::::\ / /
. 八 , ゙x≪ |///////////,\ _// /:::::::::::::::::∨ /
. `¨¨ \_\/////// >―‐</ /::::::::::::::::::::::| , ゙
⌒\____,,x< ̄_/::::::::::::::::::::::::::/ /
√:::::::::::::::::::::::::::::::::/_/┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 段末波に迎撃された段匹磾は薊へ逃げた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 949 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:02:00.17 ID:YokoiBxb0
-
(~)
.γ´⌒`ヽ
{i:i:i:i:i:i:i:i:}
(`・ω・)∧,,∧
< >(ニO ・ ・
ッッ) ,_lミl !、 ゙i. ついでに劉琨の息子を捕らえてきました
ミ_(⌒~(, (__)|`ッ ト,o_o).
(, l!、 ̄| |ッ (,
(⌒;; _ッ/ッッ~'''''''(, ッ~゙i ゙i
(⌒;;(⌒;; .(,ッ ゙i_) |_|フニッ |lヽヽ //:.l|
ッ_) {|:.:.ヘ v, //:.:.:l}
ll:.:.:.:.}ゝV/_ -──-v/:: :{:.:.:/'
V,:.:.:l{l:_{\_}:: :: :: :: :: :: `` V/
_〉<>'_/''/_}::∧:: :: :: :: :: :: :: ::\
/l/v{, rl-'/`::/ V/: :: li:: :: :: :: :: :.
. }_/l/''v/⌒::l.〈 .〉::l:: ::ヽ:: :: ::',:: :::.
l:: :: ::l: l:/l:∧ /::_斗―-}:: :: :',:: :::.
l:: :: ::l, 斗''~:.∨:: l:l|. \:: }:: :: ::l:: :: :)
l:: :: ::li::l' ',:: :: li{xf笊ミ}:: :: :l{\lヽ
くっ。 {l:: :: ::l'xf笊ミ\lヽl乂ソノ/:: :: :i::ヽ、}:|,
,{:}:l:: :: 《乂ソ ' 丿: ::l:/l:: ::V):}
殺しなさい {:l::〉V/: 〉 r ヽ ゝ_/_//:',:: V/,
. /:〉:/\_/}:.、 ゝ_ノ /:.:.:l:: :.:.',:: V}
{/::/:: :: ::/:}:.:.≧- _ イ:.:.:.l.:.:.:i:: ::.: ',:: :∨/
/::/:: :: ::.{::/:._-、|V^vV^V-、V/l:: :: . ',:: :∨/ n r_ァ
/::/:: :: r-V,i:i:i:i:i:iv-{〉-〈}-_/i:i:``i:rt、: : ',:: :∨/.ノ.}/>〕>、
/::/:: :::./ ' V,i:i:i:i:i:i:>、〕l〔/i:i:i:i:i:///V,:: :.',:: :∨} | `/7/
/::/:: : :./ V,__、r- 、〉〈_,, -tヽ/// V,:: :.', 〉/.丿:ノ_ ´
- 950 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:04:33.72 ID:YokoiBxb0
-
八_ノ. . . . . . 八::::ヽ^',::}
/. ./ ̄ ̄ノ:. :\:. :.:',::.
〉//)¨¨´:.}:. :\:. \:.',ノ
///.: ./⌒\\:. 、:.,\
.乂__/.:// x==ミ}/:.:.\:.:l、:::::\ 劉琨殿の御子息の劉群殿ですね。
. 八込^ ノ.:.::|:. :.. :| \::::::\
|:. :、::.、Vフ |.:.: /.:: .:: | \:::::: あなたが弔問に来る事は
八:. ::.≧=‐≦、/.: .: .:ノ \ 薊にいた者から報告を受けていまして。
\:. .: ノWノ.:.:.:.:/-ミ
l.:)/个、(.:: / .劉琨殿の私たちへの御厚情には感謝感激です
「__//::::/:::::|八\ l
// ⌒¨⌒゜ |/, \____〕
八: : : 0: : : : :|//, ___|
|: : : : : |: :
―‐ .\: : :.ノ:|
___ /: : : : : : : : : : : :<__ノ\
_ . . . . . --{{: : : : : /.: : /.: : : :. :. :.\ : : \ : : \
r=ニ: : : : :  ̄ ̄乂_. / : : : : |: Λ.: : : : : : : : : : :. :. :.|: : .
-=ニ: : : : : : : {{_/ : : : : : |〈 〉: |\.:. :.:.|.: : : :.∨: :|: .
 ̄ ̄ 〔__/ : : : : : : |: ∨: :| \ :|: : : : : |\|: :|
( ̄( ̄ ̄Λ|.: :. :. .:.//|: : : : :|⌒\:|: : : : : |.:. .:./ 〉
\ \_/'⌒|.:. :. .:.//⌒ : : : : |.斗宍气: :. .: :「 ̄:ヽ 〉
/ ̄/ |: :|: :/斗宍ミ\Ν ヒ/リ| : : : : 八ーく 〉
( ( |: :|: :| :. .V'り " |: : / /:|.: : :.∨
. /\/ \__八 : : | バ" ' |/∨ :|: : : : |
(_ / -―-ミ人 ` |:. : :| |: : : : |
(r―‐:/C:..:..:..:..:..:..\> _ イ /⌒|: :| |: : ∨|
__r┴ /C:..:..:..:..:..:..:..:..:.. |―‐┘∨⌒ |: :| |: : : 〈|
. _i⌒)__)/C:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:../ // \ ヽ| |: : : : :\
i⌒V ( (_ ̄~^'' 、:..:..:..:..:..:..:/ 乂_/Λ __|:乂__.: : : :.\
|__r‐〈 \ └<_/ \:..:..:..:: _、-''´ ∨/|/\_ノ:.:乂__ノへ: : :.\
- 951 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:05:27.08 ID:YokoiBxb0
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八___{/ .. ..-〜':: :: / ノ:: : 人:: :: :::\:: :::.
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///八/::/:: ::l:: :: :/:: :: :: / x==ミ</>:: ::\
/////:/:: \____/ー‐‐=彡 ん(_, Y:: :: :: :: 、) .そこでですね。
/--彡//:: :: :: :: ::| 乂ツ 乂ツ |:: :: :: :: ::.
:: :: :: :: :: :| 、、 ' 、、, |/:: :: :: :: l 私たち鮮卑段部は、
|:: :: :: :: :込、 ┌ ┐ //:: :: :: :: ::| 劉琨殿を幽州刺史に推戴したく思います。
八:: :: :: :: :: :: \ ノ ノ/:: :: :: :: ::/
////、:: :\:: :: :: ::'`≧=-=≦´:::::ノ:: /:: :: //、 .ぜひ劉群殿も協力して下さい
//////\:: ::\:: :: :',∧X∧_//:: :: :: ////\
./////⌒7\:: :::\:: }--〔〕‐‐//:::/: :: /¨\////,
///// ┌'⌒)::\:: :: : }--个--乂/:: :: :://¨⌒i//∧
/////_____} /⌒>、: \::./--/----/:: :: :: :::/\ \ }///∧ γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
///ノ 八 //)\:: ::)-/ |--八:: :: :ノ/ ノ\__∧ | ………… |
//⌒ノ---ミ ', ///-/. L----)八 7 / ___ノ/∧ ヽ________乂
/// / /_} }八 ) l| |l ( { ノ\ \/∧
/// {---、__ノ. { l| |l } 乂/---} 〉/∧
///{ 、-// } l| |l { }\-/ \.∧
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 段末波は劉群の身柄を得て、彼を厚遇している。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j これが『資治通鑑』『晋紀』にある
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .右北平郡で起こった事件の顛末となる
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 952 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:06:24.62 ID:YokoiBxb0
- 【紀元318年1月 晋 幽州 薊】
∫ι__________ ./丁了
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ
||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | || \__人_人从_人_人从/
||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | || _) (__
弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ ) 大変ですっていう!! (
弋ェェt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ェ,ィ  ̄ ̄) ( ̄ ̄
il_,└───────┘ , i! /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
| ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l
|| ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄||
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|i | ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄||
 ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ || ̄! ̄ ̄/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄.|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i  ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~ ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l  ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`ll`l
l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″|  ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄  ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾ| ̄`.. ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ | ̄ ̄ | ̄!,, ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ll
| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄___
''- .._ ~""''' ‐- ...,,__ _,,..-‐''~""''' ‐- ...,,___,,.-‐'
- 953 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:08:30.92 ID:YokoiBxb0
-
|┃ /ニYニヽ
|┃ ./( ゚ )( ゚ )ヽ
|┃ 三 /::::⌒`´⌒::::\
|┃ | ,-)___(-、|
|┃ . | l |-┬-| l | 段匹磾の一行が
|┃ \ `ー'´ / .右北平郡で他の段部の軍勢に襲撃された模様!
|┃ / `ヽ.
|┃ 三 ./ \ .段匹磾及び劉群様の生死は不明!!
,⊆ニ´⌒ ̄ ̄ " y r、 ヽ
⊂二、 ,ノ──-‐'´ | | l" |
|┠ ' | l/'⌒ヾ
|┃三 | |ヾ___ソ ,、丶`  ̄ ̄ ̄ ``丶、
/ _ -‐\ \ \
, -=二ニニニ=-\ \ ヽ _ -=
/ニ=- \ \ ヽ ', /二二
/' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ=-
/ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄_
|八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二二
i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、  ̄ ̄
| | ,ィ=ミ\ `" `、 ( ノ人 \
!? |i 爪 vリ __、 〈 ヽ \
八 ハ ' \、 \ \
ヽ 込 、 - / \ \
| 个 ィ / ' \――― ミ
| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒ヽ
__ | | i 八 / '// / ' \
/ ∧、八 |{_// / ' , i '⌒
- 954 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:09:30.35 ID:YokoiBxb0
-
. \ニ=- _ ∨_-_-_-_━─-...ミ
\_-_-_->'"~~~"''〜、、::::::::::::::::\
\_-/:::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::\
. /∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::::::::::::::::.
〈__,{:八:::::::::::::::::`、:::::::::::::::::::`、::::::::::::::::.
. .::|∧:::::\:::::::::::::::`、::::::::::::::::::|::::::::::::::::::
.::/|:::∧:::l_,,.`'<:::::::::`、::::::::::::::|::::::::::::::::::|
/:/:::|:::::::}:/斗-=ァ\::::::|::::::::::::::|::::::::::::::::/ そんな!
.::/ j八::::从 V} ' |:::/::::::::::::::|:::::::::::::::
〈:〈 /' l:/':ノ |/::::::::::::::/:::::::::::::/ .滅茶苦茶だわ!!
`>> l:::::\ /:::::::::::/::::::::::::::::{
(:::( l::::::::::::... っ /::::::::/!:::::::::::::::::::::::. _
)ノ 八:::::::\:::\ /:::::/ |::\::::::::::::::::::::... ⌒):)
\:::::::\::::/::/::::}/|:」 \::::::::::::::::::::::...../
\::::::∨::(、:::/ /-_-_⌒\:\:::::::::...
.:::::::::::)\::::::...... /-_-_-_-_-_-_`、:\::::/
〈::::厂/-/\::::::ノ/-_-/-_-_-_-_-_.}l:::::\
/ニYニヽ
/ (0)(0)ヽ
/  ̄`´ ̄ \
| ,-) (-、.|
太尉。 | l ____ l |
\ `ー'´ /
このような時に無礼を承知で申し上げたいっていう /⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
- 955 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:10:22.03 ID:YokoiBxb0
-
/ニYニヽ
/ (0)(0)ヽ
/  ̄`´ ̄ \
| ,-) (-、.| 段匹磾は必ず薊へ逃れて来るはずですっていう。
| l ____ l |
\ `ー'´ / .これを捕えて殺してしまうべきなのでは?
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
,、丶`  ̄ ̄ ̄ ``丶、
/ _ -‐\ \ \
, -=二ニニニ=-\ \ ヽ _ -=
/ニ=- \ \ ヽ ', /二二
/' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ=-
/ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄_
それはできないわ。 |八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二二
i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、  ̄ ̄
夷狄を義によって服従させるのは難しい。 | | ,ィ=ミ\ `" `、 ( ノ人 \
|i 爪 vリ __、 〈 ヽ \
誠意を包み隠さず示さなければ 八 ハ ' \、 \ \
ヽ 込 、 - / \ \
| 个 ィ / ' \――― ミ
| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒ヽ
__ | | i 八 / '// / ' \
/ ∧、八 |{_// / ' , i '⌒
- 956 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:12:46.66 ID:YokoiBxb0
-
-ミ _、-st¬…ー-ミ
{.:.:.:.:\__,;n”  ̄``丶、\
>''"゙゙ア´ | \ \.:\
{.:.:.:.:.:/ | | :.. ハ__、
_,,乂_/ | 人 -‐ | / } ◇∝∝
. ⌒7 / 八 \」抖牟辷| ; ∨⌒
-ミ / | 丶、 \凵┘| / | :.
i⌒ j{ l| : | 丶、_> ノ 厶ィ 八 ::. …………
乂___从 | |乂_( ⌒7/ ソ´ ) :
乂__彡ヘ八 八从 / // :
,,_ /∨/〈 |>、 '^ 乂_(/⌒ン′ |
../ / /  ̄. .)>。, <⌒iニニ´-ミ ノ
/⌒¨´ . . ./ _,.ニミ夭n_n_n{ / \゜ |\ ____| |
../ . . . . : : / ̄/ ̄/┐┌‐ァ'’ ◇ | >''" ̄ ̄~"''マ \
. . . . : : : _,、◇ 厶=-く::::ノ .ノ/ ◇ 「∨ /\ \ ヽ
_,. - ⌒ {  ̄ア゜ ◇ くoア i | | ト⌒ i i
/ ◇ \ハ__/◇ ` / | | |/⌒' | と才ミx. | |
| | | .斗と灯 |/ Vり | | |
| ノ|[| | Vり ''| | |
ヽ\{ \'' < フ | | 八
ノ人 ト .__ノt__イiノ 人 _>
゚7,ア| |ア ___う/ 厶_ \
それでこそ、一流の士大夫に相応しい振舞いかと '⌒| )アL_/ ̄ ( Lア¨ )
ノ / 厶三ニ三⌒))--=彡
[ / /, i o o T゚L _ム
゙(__,厶] i o /o _} 厶tニノL \
_厂 ¨ 7  ̄{ マ¨T /
/´/ /-ヽ, \ `弋¨
t/ / /二i二\ \ \;-t
(⌒ )\ ノ/ 二i二二| } ( ⌒)
- 957 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:14:09.81 ID:YokoiBxb0
-
-――-
/__/ -―- ``丶、
'/ /::/  ̄ ̄ ̄ \ \
/ ∨ \ \ \
i | |ヽ \ \
i | | | | ト ⌒ヽ
| | | / /'| {xミ |
| :八 / / | 佗 Y 八
/ _ ∨! , \ x=ミ |/ , "|' ヽ
. / /⌒ヽ }/ / _∧ /vツ ' | i 国家の厚恩を受けながら返せなかった。
- / ⌒ --=彡' / ( 、 、 " , / | |
/ / { / / } / ト ∧ ト ___ /! ; , 才知至らずとはいえ、
// , 八__/ /⌒'/ / ヽ∧ ∨:./: : :.:| | / .厄運に巡り会ったのもあるでしょう。
. / i 、 { /____./ __ \、 ∨八从| |:/
l / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/  ̄ ̄ \ \ | / 死なない者はいないし、
/::  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄::/=x==ミr―、 \ \ | , 死ぬか生きるかは命運次第
/:::/ ̄/:::::::::::: / } / へ 7}八ヽ八{
. /:::::::: ̄ ̄::::::::::::::/ | |八 {/|///| ̄ヽj \ )
/:::::::::::::::::::::::::::::::::/:/ | | /} |///| i: \、
/:::::::::::::::::::::::::::::::::/ ノ_,ノ 人 / -―-ミ / { /=|
/::::::::/ ̄/:::::::::/ / | ///////〉二∨, __/二:|
. /:::::::::::::: ̄:::::::::::: / / /-=二二二二二} |/|ニニ,
.::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ / /∨==/ ̄ ̄\ニ/_//,|ニ=/
- 958 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:14:52.23 ID:YokoiBxb0
-
-――-
/__/ -―- ``丶、
'/ /::/  ̄ ̄ ̄ \ \
/ ∨ \ \ \
i | |ヽ \ \
i | | | | ト ⌒ヽ
| | | / /'| {xミ |
| :八 / / | 佗 Y 八
/ _ ∨! , \ x=ミ |/ , "|' ヽ
. / /⌒ヽ }/ / _∧ /vツ ' | i
- / ⌒ --=彡' / ( 、 、 " , / | | 下は節義を一地方で尽くせず、
/ / { / / } / ト ∧ ト ___ /! ; , 上は誠心を陛下に示せなかった。
// , 八__/ /⌒'/ / ヽ∧ ∨:./: : :.:| | /
. / i 、 { /____./ __ \、 ∨八从| |:/ .それが心残りね
l / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/  ̄ ̄ \ \ | /
/::  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄::/=x==ミr―、 \ \ | ,
/:::/ ̄/:::::::::::: / } / へ 7}八ヽ八{
. /:::::::: ̄ ̄::::::::::::::/ | |八 {/|///| ̄ヽj \ )
/:::::::::::::::::::::::::::::::::/:/ | | /} |///| i: \、
/:::::::::::::::::::::::::::::::::/ ノ_,ノ 人 / -―-ミ / { /=|
/::::::::/ ̄/:::::::::/ / | ///////〉二∨, __/二:|
. /:::::::::::::: ̄:::::::::::: / / /-=二二二二二} |/|ニニ,
.::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ / /∨==/ ̄ ̄\ニ/_//,|ニ=/
- 959 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:18:00.44 ID:YokoiBxb0
-
∫ι__________ ./丁了
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ
||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | ||
||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | ||
弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ
弋ェェt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ェ,ィ
il_,└───────┘ , i!
| ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l
|| ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄||
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|i | ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄||
 ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ || ̄! ̄ ̄/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄.|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i  ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~ ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l  ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`ll`l
l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″|  ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄  ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾ| ̄`.. ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ | ̄ ̄ | ̄!,, ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ll
| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄___
''- .._ ~""''' ‐- ...,,__ _,,..-‐''~""''' ‐- ...,,___,,.-‐'
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| まったく、散々な目に遭ったもんだ |
ヽ_________________乂
- 960 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:19:58.02 ID:YokoiBxb0
-
|人>::∧
/\ ,....:.:.:.:.:.:.:|人>:::: ト、
<人>\___/:.:.:.:.:.:.┌i.:―ミ::::|:.:.\
<人>:::::::::/:.:.:.:.√|:.:: Y:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.ヽ
<人>/:.:.:.:.:/:::リ:.:.:.:|:|:.:.:.:.:.:.:.:.`、:.:.:.ハ
匸[_匸_]:.:.:.:/:::/:.:.:.:.//:∧:.:.:.:.:.:.:`、:.:人__
,≫―==彡/::/_/:::/:.:.:.:.〈/:/ ∨:.:.:.:.:.:.:|:.√ ̄\
.く/ ┌―=≦∠__/:.:.:.:.:.:.:.:厶イ ∨:.:.:.:.:.j/:.:.:.:.:.:.:.:.\ いやぁ。
/¨¨¨ア:.|:.:.:.:.:∧¬ト/}/ ∨:./:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:`、
./ ∠__:.:|人:.:{ ,≫¬y -=彡 У:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、 .御心配と御迷惑をおかけしました。
/ ,,‐┬'’:.:.:.:.\ヽ弋ツ '''/:.:.:.:.::/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、
,′ /´ /:.:.:\:.:.:.:.:.:.ハ ''' /:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧:| .文鴦を冀州へ行かせたのは失敗だったかもね
.′ | /:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.込、 - |:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. 〈 <ノ
. ′ .| ./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.> イИ/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./}∧:.:.\_ノ〉
.| |∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、__/ア┘ |:.:.:.:.:.:.:.__/⌒\ `'ー‐彡
i | |{_人:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ ./` ´/|:.:.:.</::::/: : : : : : \
|. ├―ヘ \:.:.:.:.:.∧.:.::| |'⌒У 八(⌒´::::/: : : : : : : : : ニ=┐ / _ -‐\ \ \
| ∨ハ: )/}/: :)/ |: :/ /:::::| : : : : : : : : : : : : | , -=二ニニニ=-\ \ ヽ
_,,. イ}| |: : : : :/└- _|厶ニ= /:::::: | : : : : : : : : : : : : ./ニ=- \ \ ヽ ', /二
` ̄ 乂_/| ̄ ̄Y∩Y ̄ ̄\_/:::::::八: : : : : : : : : :/ ./' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ
./ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄
|八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二
i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、
何はともあれ、 | | ,ィ=ミ\ `" `、 ( ノ人 \
あなただけでも無事で良かったわ。 |i 爪 vリ __、 〈 ヽ \
八 ハ ' \、 \
私はあなたと勝ちたいと思っているから ヽ 込 、 ァ / \ \
| 个 ィ / ' \――― ミ
| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒
__ | | i 八 / '// / '
/ ∧、八 |{_// / ' , i
- 961 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:21:52.17 ID:YokoiBxb0
-
/_} !
/ニニム.゙ /}
/-=二// _.ィニニ}
/-=ニ二// _.、<ニニニ/
_、-''~{-=ニニ//_<ニニニ=-/
/.:.:.:.:.:.:「 ̄ 只_」.:ヾ`'くニ/
/.:.:./.:.:./:L.//.:.:.} }.:.:.:. :ヤi:iV/
/.:.:.:r‐_.:.:.::/ /.:.:./ .!.:.:.:.}.:.}i:i:i}、i:、
{、丶` ̄∠.:.L /:/.厶/.:./}:/i/.:.ヤV/
/.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.Y.:.:.:.:.{.:.l く⌒Iぃ}.:ノ}:/!.:}:i:!
/ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. \.:.:.:{Y ヒソ {ぃ/l:/
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`:..、 ::ぃ::ぃ:: ー┐:.、
√.:.:.:.:.:.:.:.:.:‘,.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`:..、 l .:.:.\ 劉琨殿は口が上手いね
{.:.:.:.:.:.:.:{.:.:.:.:‘, :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: \ , へ .:ヽ
\.:.:.:.!.:.:.:.: \.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ /ー'^> \:}
``ヽ、.:.:.:.:.:.:.:.:\.:.:.:.:.:.:.:\.:.:.:.:.:.:.‘,__ ィ__./ / 丶
}`:ー- .:.ヽ.:}:_.:.:.:.、.:.:.\.:.:.:.:、.::}、.:└ ゝ/ / V/ ∧
\ー '".:.ノ ⌒}.:} `ヽ:}`ヽ、}\.:.:.}'゙ }:ノ r‐..{_./ / V/ ‘, ‐ァ
 ̄/ ノ ノ : : : : : :)ノ、:ヽ ‘.: :.└'へ./\/` 、/:ヽ
/ {: : : : : : : : ヽ_〉 : Vム: : : ´"' ‐- . . .-‐ ''^~/
/ \: : : : : : :/: \‐^.、\: : : : : : : : : : : : : /
/ }\: : : /: : : : :V:.、:\` ‐- -‐ 7
. 〈 }二ニ7: : : : : : :Vム:_:.〉 / ノ
丶 _ √二ニ{: : : : : : : :}-=ニ} -‐ 丶
} __ ´ /-=ニ={/⌒>‐'-=ニ! }
/ ´ `ヽ ‐- /-=ニニニニ二ニニ=- √ /
. / ‘, 、 \ /≧=- -=ニ二二ニ=-√ / /
/ _ -‐<ニニニニニニニニニ=-(_) ´ ,
/ ,x.≦..,_ V/ニニニニニニ=-(_)-=ニ}! /
- 962 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:22:34.72 ID:YokoiBxb0
-
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゙i,,* (__人__) *,/ ゙i,,* (__人__) ;#;:;:,/
ヾ、,, ,i! ,/ ヾ、,, ,/
/::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ /::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ
/::::::::::::::::::・::::::::::::::::::::i! /::::::::::::::::::・::::::::::::::::::::i!
r'ニ;v'ニ;、
r=、r=、 _,!0_i0) )i:、
__{0_{0_.} / `ヽ,. ┘ ヽ
,、 ,、 /´l r `'、_,ノi、 i ′′ }
, - (・(・ ){ ) l、 ( ,!
( '' ,r'⌒゙i`、 _.r(_ ノ ヽ.__. ^ 、∠!
ヽー< ,,ノ `´-r _ノ: :\ `T- ヘ>
. i′ ,f´: :,. - - 、ヽ ,,.-テ| ,/ `ヽ、
l l: : j :f´: : : : : ヽ,/ '''"´ ,,.: - ヽ
! /: :ノ l: : : : : : : ノ, ,:'" ゙ヽ
/-‐-/: :/: l: : : : : : ,/ / / ,f
. _,,..::-,テ /`7: :(: : : : : /ヽ/ 〃 リ
`_,:ィ''" _,r''" f: : :ト---ヲ / fノ /
-‐-‐'''フ" ,.ノ,:::::」、,:r'" ,i / /
、..、く´_,,∠"ィ''"´ / ,> /\、 ,ノ:
´ ,ヘr:、-、=---/ ,:イ ,ノ `゙ヽ、/
ーフ´ > ヽ`ー、/ /く _,,..ィ''"゙' _,,:ィf-:
- 963 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:25:06.60 ID:YokoiBxb0
- 【紀元318年3月 晋 揚州 建康】
ヾ叉7
_BL_,, ,. _
,,、、-‐'''""´: .: .: .:::::::::.:.:.:. : :``ヾ、、、
,,. '"´. .:.: .:.: : .:r==.: :. :.: .:. :. :. :..: .: :. .::. :.`ゞー-、、
,,. '"´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.`''ヽ、,,
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``ヾ、;:;:;:;:;;:;:;:;;:;:;:;:;r==;:;:;r==、;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;;:;r==;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:r''"´ .
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 ̄`¨`ヾr==.: .: .: .: .:. :. :. ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :r=z,;,;,;::/
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`>;:;:,';: .,':;:;:; :;:; :<´
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,、r'"´.:.::;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:.:.:.: .:. . .:.::::::`'ヽ、
``ヾr==;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;::.:.:. :.: .: . :.: .: . ::.:,r'´
`ヾ::.:.:;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.:. :. :.: ; :; :.: .:.:.::r' γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
゙、:;:;;;;;;;;:;:.:.:::==.:.::::::.:.:.:.:/ | どうやら皇帝陛下崩御は間違いない様子 |
`ヾ.:;;;;;;;==.::.::.:.:..:.::r'´ ヽ____________________乂
_,」;;:;:;:;;;:;::.:.:. :. :.:. j
``ヾ;:;:; :;::;;: ;r==.:.j
゙i:;:;:.:. :.: .:. :.:.:.:,!
l;:;: .:.: .: ..:;;;:;;;!
'i;;;;;:.:.:.:.:;;;;;;;;;!
1;:;:;:;:r=:.::{
ゞ;;;;;;:.:,r'´.:.:``;:ー-..、,,_
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 河北の戦乱をよそに、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 建康では司馬睿の皇帝即位の準備が整いつつあった
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 964 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:25:40.37 ID:YokoiBxb0
-
ィi〔 `'< 〕iト
. / `'< 〕iト ___,
/ 、 ア
/ ハ v: / < _ __
{ : \ ハ ∨ /≧=‐- ァ‐ ''"⌒ `
{ i: .\ ハ ∨ / ‐-----< \
{ } ! :./\ , : ∨ \ (≧=‐‐ ‐ ⇒
∨../ ∧ィ }{ヽ |: Y⌒ \: : \: : \ 痛ましい事です
. ∨ / ⌒リ } : !\ |≧=‐-⇒≧⇒≧⇒
∨/ :!/! ' ノ:\!: : : :\ \(:\
. 〈 :/ :! /} :>、: : : ハ }⌒ヽ 、
\ -‐ :! / ィI:i:i:iハ{⌒⌒iト、{ { ∨ 〕iト
.. \ ィi{}〃ィI:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i\ `ヽ } \}
` :{/ ∨:i:i:i:i:iィi〔:i:i:i:ム \人: \ /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::≧ /...........
}ィi〔:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ム ヽ} 人 }ヽ 〃/´::(:::::::/__:::::::::/:::::::_:::::::::::::::::::::::::</ ...............
/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ム { / ∨:ハ {乂 :::::::::/´ , ̄ミx /::::::::`ヽ::::::::::::::::/` ‐──‐‐
ヽ. _/ ’ ) \::::::::::::::::Y:::::/
{ ─r‐‐< `Y⌒ヽノ::::/
`Y { Y ノ)}::/
} ≠ミノ 丿 ノ/´ ̄`ヽ
それにつきまして、 ノ /................ \
殿下の即位を求める勧進文が各地より集まっています。 {__ /..........................\
. L ___ノ /.............................. / /
寧州・涼州・慕容部…… └r /................................//
}__ ノ⌒/\..........................X ___
/ 丶.............../ |\
′ \../ i|......\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 建武二年三月。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 皇帝司馬鄴の訃報が建康へ届いた
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 965 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:26:22.41 ID:YokoiBxb0
-
/ ___ r―‐- . \
/ /r┐`ー'^ ゝ' o \
/o `¨ (`Y´) r‐==ミヾ `、
: r‐'r‐ヘ 〈 〉 |⌒ト ∨ ハ
| |〈 |{7´ YLノ|\|_厶 }|o゚ | `、
| |く( |{∧___{⌒´ 〉/○ i:}|_,ノ `、
| ∧゚ oト ○ .〔 〕 |\
| ∧__/i __ | {f}f}、 |
| i 〔 〕人 < ノ .イ: / |\ 慕容部?
ノ^| /f}f}\〈\ __ / :|/..┐ :|
. |:∧ |\∧ '.辷____,,..彡'|=|'|/
/ \|\__,f‐|「∨ //´|=|ニ=-
-‐=ニニr'⌒ー┐ .厶斗ir。ニニニニニ=‐-
/ニニニニニrf \ `二V´}ニニニ゚ir。ニニニニニニニ
/ニニ\ニrf∧ `マ,ノ_,.ニニニニニニ%ニ/ニ/ニニ
. //}ニニニニ%。o 〉 }::/____)。o%¬冖'^∨ニニニ|
. ,.:.:/ニニ{:∨ニニ} ̄`V7∧ニニニニニニニニニヽニ/ニ| {::::.\::::::::::_;. -‐' / -‐:::::::: ∧::::/ ∧::.\::::::ハ
/.:.:|ニニニ∨=/`¨¨7f=〉.:.i:.ニニ/ニニニニニニニ/ニ: \:::::::ヽ::::ア //.:::: ‐-ミ V jう トミ:::Y:::::{/
}::::::::∨ -‐ ¬く::::::イ ==rく ア }::::::.`ヽ:/.:.:.:
人:::::::/ _ ,......::::く` ゙Y人〃 ノ レ /::::\::::/.:.:.:.:
(:::::::ミ=\ ,ィ __ヽ ∨ ト-‐ } r《∧::} ∨.:.:.:.:.:
ー-ミ三iヽ 〃⌒}∧ ∨ ヽ. / | ヽ}/∨.:.:.:.:.:.:
劉琨殿の勧進文にも名前があったではありませんか。 ∧ ゙ト-‐ヘ:::::.、>‐-》 | ノ ,′.:.:.:.:.:
/.:.:.\、 V , _ア _, ,′ '.:.:.:.:.:.:.:.:
太康の頃に我が国に帰順した海東の鮮卑ですよ /.:.:.:.:.:.:.`丶、 ` _ -‐  ̄ / |:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / ,......::::7 / .|:.:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |_ -‐…
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |:::::::::::::::::
- 966 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:28:09.39 ID:YokoiBxb0
- 【実際の慕容部の使者は漢人です】
,;:''""'':;,
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,i゙ / \ ゙i!
i! ● ● ,l 晋王殿下の皇帝即位を支持するんで、
゙i,,* (__人__) *,/ .我が主慕容廆に新しい官職を頂けないかなーなんて
ヾ、,, ,/
/::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ
/::::::::::::::::::・::::::::::::::::::::i!
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
この前あげたでしょ。 . | `-=ニ=- ' .:::::::|
\ `ニニ´ .:::::/
賊の一つでも退治しないと官位は進めないよ .,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 『晋書』『慕容廆載記』によると、
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ この頃、慕容廆の長史の王済という者が海を渡って勧進したという。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 司馬睿が帝位に就くに当たり、使節を伴って帰国している。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ ただ、司馬睿側は
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 前年の秋に慕容廆へ授けた官爵を追認するに留めた模様
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 967 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:29:23.70 ID:YokoiBxb0
-
`ヾ: : : : : : : : : : : : : : :\: : : : : : : :. ヽ,_
: /: : : : : : : : : : : :-======≪: : ‘:, : : :}: : . \
`ヾ: : : : : : : : : : ィ彡'"´ \ : ‘; : :j: : : : : '.
/: : : : : : : : : : : ニ=- \:}: :./: : : : : :'.
: : : : : : : : : : : 彡″ \/: : : : : : 〉
: : : : : : :/⌒ヽ: :/ | :、 、 `ー―‐┐: : :/
: : : : : :.:/ ,ハ V/ ┴- 、 \ ヽ |: : ハ
リ : : : : : { (} リ 冫´ ̄ `ヽ \} / {: :> ´
:|: : : : : ハ { ,仔ハ :, ゝ '' / ´ リ
‘,: : : : : :ハ 、乂;ツ } ゝ / / '. .慕容部は適当にあしらっておきました。
:.:|: : : : : : ゝ ヽ.,_,.ィ / / 〈_,,.. -‐ヽ/.:ハ
/:ヽ: : ://:/ | / { / / ,.rァ:.:!.:.:.:.l どうやら時は満ちた様子。
: : :‘:,: / j/ i| / :, {;ツ:.:.:i.:.:.:.:|
: : : :.:ヾ′ | .! 、 \ 、 / / `¨/> .,i.:.:.:.:| 改めて晋王殿下に
: : : : : : :\ i :, ヾ::、 \__/ /: : : : :j`ヾ:.! .帝位に登って頂きたく存じます
: : : : : : : : :.\ j ′ \:≧ュ..,__ /: : : : : :,′: :j
: : : : : : : : : : :.:\ \ `<__,::ア´/: : : : : : : /: : : .′
: : : : : : : : : : : : : :\ ヽ \__ /: : : : : : : : :/: : : :.,
: : : : : : : / ̄ ̄ ̄`ヽ 丶 /: : : : : : : : : :/: : : : /、
: : : : : /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∧ \__/―- 、: : : : : : :/: : : : /:::::\
: : : /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∧ /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\: : /: : : : イ:::::::::::::\
: /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∧ /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\: : : /:::::::::::::\::::::\
- 968 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:30:35.85 ID:YokoiBxb0
-
-‐=¬ -―…―-
/ |
/ . -‐====‐- . \
/ x==ミ (⌒) ┐ \
/{ 〈/¨¨⌒ー‐ |: ー┐
/ / /ゝ=-/  ̄ ̄ ̄\ 八 ∧
/ / /O / / / \ \_/O
/ ゚ ///ト/ // } ノ{´ { o|
/ |_f「‐┘/│ r==トミ ./| ノ },//⌒ヽU
/ / Y^Y ∨| :| 圦_爪`ヾ | :/「 ゝ'^{ ;
/ / / 八_ノ 八:| \ン |/:│0 / / ./
⌒¨¨ア / 〈∧〉 ! \ 厶イ x≦ /〈/
ー=彡 -‐ァ / \’ 〃厂 /{
/ / /i/ ′ |\ 〉' //〈 宗廟が絶えて民が拠り所を失う中、
/Y ∠ ´ / /::. | - .::/ |⌒´ .百官百僚は皆が政務に励んでいます。
/ |/'^⌒ 厶イ ∧ :ト. ` ..:::::; |
/{ /^ー‐=ニ /└'f^Y ∧ | ..< / ,人 私も皆の求めに応えて務めに励みましょう
. /Y__,,.. -=ニニニニニニニ% \ .::≧o。o个./; /\{
‐=ニニニニニニニニニニニ ∧〉≧==く} ⌒^ 厶イ
ニニニニニニニニニニニニ∧〉⌒Y Y,〉=-
ニ^ir=ミニニニニ|ニ 〉〉ニr=ァ 〉 :}| }|∨ニ=‐-
ニイ/ニニニニニ|ニ://r=く=\\ \rノ, }ト.ニニニ
=//ニニニニニニ/fア¨ニニ 丶.\ //ニ%ニ:/ニ
//ニニニニニニ//ニニニニニ=-\__/ニニニ%/ニニ
. ニニニニニニ//ァニニニニニ{{ニYニ}}ニニ∨ニニニ
- 969 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:31:29.60 ID:YokoiBxb0
-
ヾ叉7
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,,、、-‐'''""´: .: .: .:::::::::.:.:.:. : :``ヾ、、、
,,. '"´. .:.: .:.: : .:r==.: :. :.: .:. :. :. :..: .: :. .::. :.`ゞー-、、
,,. '"´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.`''ヽ、,,
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``ヾ、;:;:;:;:;;:;:;:;;:;:;:;:;r==;:;:;r==、;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;;:;r==;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:r''"´ .
``ヾ;:;:;;:;:::::;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;===;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.:.:.:.:.:.:.:.:,r'゙
 ̄`¨`ヾr==.: .: .: .: .:. :. :. ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :r=z,;,;,;::/
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`>;:;:,';: .,':;:;:; :;:; :<´ \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
,、r''"´. :.: .:. :. . :. :. :. :.: .: .:`ヽ、 ) >
,、r'"´.:.::;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:.:.:.: .:. . .:.::::::`'ヽ、< 皇帝陛下万歳!! >
``ヾr==;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;::.:.:. :.: .: . :.: .: . ::.:,r'´ < (
`ヾ::.:.:;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.:. :. :.: ; :; :.: .:.:.::r' /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
゙、:;:;;;;;;;;:;:.:.:::==.:.::::::.:.:.:.:/
`ヾ.:;;;;;;;==.::.::.:.:..:.::r'´ \__人_人从_人_人从/
_,」;;:;:;:;;;:;::.:.:. :. :.:. j _) (__
``ヾ;:;:; :;::;;: ;r==.:.j ) 大晋万歳ッ!!! (
゙i:;:;:.:. :.: .:. :.:.:.:,!  ̄ ̄) ( ̄ ̄
l;:;: .:.: .: ..:;;;:;;;! /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
'i;;;;;:.:.:.:.:;;;;;;;;;!
1;:;:;:;:r=:.::{
ゞ;;;;;;:.:,r'´.:.:``;:ー-..、,,_
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 司馬鄴の訃報が届いた三日後、
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 司馬睿は皇帝に即位したと『晋書』『元帝紀』は記す。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 元号は建武から太興に改元された。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 歴史上、東晋と呼ばれる王朝の成立だ
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 970 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:34:10.51 ID:YokoiBxb0
-
|l|_|l
\\ ,>'゙´ |
\ ,>'゙´ | |l|
\\>'゙´ ,>'゙´| | 「「 ! |l
〈 >'゙´ | | | .|「 |l .//,
∨ ∧ | | ,>'゙´ ア| .|| |l / ,/
∨ ∧ .| | ,>'゙´'´ >'゙ | .|| レ′/
\∨ ∧ | | >'゙´ ,>ァ>'゙´ W||,,/ /
\__/ | |/]>'゙´ '´ / /
|l| | / /
|l| | ////
|l| //
f¨゙!
:┐ n /〉 <ヽ /^〉'
! }”/ ,、 <`ヽ ./:::/.,、
⌒!ィ f¨゚{ <´ 'ヽ Vハ |ヽ Y¨! |::::}イ { , -ー 、 _ /¨> r-‐,、 <⌒!
::〈人_r-ー- 、_r<}| >:::: ̄:`ヽ__, - 、__r 、r=¨>‐-! /:::::}__Vヘ }:::|__}::::{.ィ1.|:.:.:.:.:.:.}_, くノ ̄! ./;;;;;;;;;}_, ヘ⌒',
/:.< /::::::::::::::::Y::/|i /::::::::::::::::::::::Y:.:.:.:.:.YVイ!:::::}::::::::|/::::::/:ァ<! V_::| ',く/⌒!}:.:.:.:.:ノ/ /:/^V__〈ヽ;;;;;/_!__ノ::::::ヽ
:.:.:.:}|:::::::::::::::::::|:{:. }:!:::::::::::::::::::::::: l:.:.:.:.:.:.|ィ ゝx}:::::: |::::::/:.:/ / > ¨⌒ヽ:'. V¨¨ヒ{_. V==<:::::`ヾア´:f⌒!ヽ:::::}
\f':!::::::::::::::::::lハ:.:リ'.:::::::::::::::::::::::∧:.:.:.:./ >イ::! :::: |:::::{Y/' 〈 /:::::::::::::::::}:' V::::::::::{ .} .}::::::::::|:.:.:.:.|:.:.:|:.:.}-:'
ヾ!,、:::::::::__/_/ ヽ::::::::::::::::/|レVWハ/::::::::/:::::: |::::::|ハ V!::::::::::::::::::!:/ ./:::::::;:::Y /^!:::::::{:ト、: |:.:.:|:./:::::
`Y゚ ̄ _/VレvイW:::::`ー-::__/:::::::::/:::::::| ヽ `!:::::i:::::::::::|' /:::::::/L_|  ̄⌒¨}>ヘ}:.:.:|”::::::::
、 f´ ̄::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::| ヽ .|:::::l::::i::::::| /:::::::::| >- ._ }} |:.: |ヽ:::::::
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 今回の話で見てきたように、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 東晋の成立・司馬睿の皇帝即位には各地の有力者の支持があった。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:′ 西晋があのような崩壊劇を演じてもなお、彼らは司馬氏を支持している
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 971 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:36:58.79 ID:YokoiBxb0
-
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii', (ヽ (ヽ ( i))) /) /)
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii', (ヽ(((i (ヽ((/ニYニヽ ( i)))/) /)
,ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii,' ((i(ヽ(((i )/( ゚ )( ゚ )ヽ ( i)))/) i)))
;:::: ,.'´ `ヽ '; (ヽ (((i ) /::::⌒`´⌒::::\ ( i)))
';:::: ● ● ;' .(((/∠_| ,-)___(-,|_ゝ \/)
,, ';:::.::.:. (__人__) ;',, ( __、 |-┬-| ,_ )
,;´ `':、::::.. ,.,::'´ `; ((\\ | `ー'´ /´ //\)
':;, ` ""'' '' '' '' '' '' '' ''" ,;:'' (/ (((i )| / ( i)))( i)))
''::,, ::::::::::::::::::: ○:::::: '; , ,,:'' (/ \) \)
, -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
r===========r‐、: : \
|.―‐――‐―h‐l┤、 :ヽ
L二二二二二」.ニ|‐{ミi : : |
{/ /ゝ、ノイ ノl/ ― トl!: : :|
|l:/|/● ● ト、: :|
|/!:ll⊃ 、_,、_, ⊂⊃ノ: : |
/⌒ヽ__|ヘ 丶_ノ ..イ:i : :/⌒i
. \ /:ノ从ヽ,、 __, イト:}ノ/ /
/ //ヾゝ八__/:.:.//ヘ、__∧
ヽ、.{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ;_、_ ,'
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ これは、興味深い事実である。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 当時の士大夫たちは、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .国家存亡の危機に陥っても司馬氏の正統性を否定しなかったのだから
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 972 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:37:48.06 ID:YokoiBxb0
-
l゙ヽ 、 /゙i
! 、ヽ )\._____ / , i , ィ
. l l 、ヾ,シ'´::::::::::::`ヾ /l i/::;;|
/冫';:::::::::, , :::::\/\シ′
. /三'::,::'::, イ:: ::/\::: ::::ヽ三\
. f三〃:::/ノ |:;::/ `ヽヾ::::弋!l三三ゝ 大晋万歳!
,.ィ\{イ::! ● j;ノ ● .l::::人::!;三/ヽ、
/:::::::::∧::l⊃ 、_,、_, ⊂⊃::ソ::::ハ/!::.丶\ 皇帝陛下バンザーイ!!
フ:::/⌒ヾ./:;ハ ゝ._) ィ'::;:'/⌒i |::iゝ::: 丶
ヾ;:'\ / ̄ 7,>,、 __, イ!;:;ヘ、__∧ ゞ ヾ::ノ 御主人様九千歳!!!
. / .//`、 l l(_)// |;/ゝ__彡/,. ハ
`ヽ、//、 {⌒`y´⌒}'ヽ, / ノ∨ `ヽ.
` ‐`lニニニニl´‐ ' ヽ/ィ´:.:..,,:.:.:.:ソ
{::::.\::::::::::_;. -‐' / -‐:::::::: ∧::::/ ∧::.\::::::ハ
\:::::::ヽ::::ア //.:::: ‐-ミ V jう トミ:::Y:::::{/
}::::::::∨ -‐ ¬く::::::イ ==rく ア }::::::.`ヽ:/.:.:.:
人:::::::/ _ ,......::::く` ゙Y人〃 ノ レ /::::\::::/.:.:.:.:
(:::::::ミ=\ ,ィ __ヽ ∨ ト-‐ } r《∧::} ∨.:.:.:.:.:
ー-ミ三iヽ 〃⌒}∧ ∨ ヽ. / | ヽ}/∨.:.:.:.:.:.:
さっそく、各地へ陛下の即位を伝達する使者を送らねば ∧ ゙ト-‐ヘ:::::.、>‐-》 | ノ ,′.:.:.:.:.:
/.:.:.\、 V , _ア _, ,′ '.:.:.:.:.:.:.:.:
. /.:.:.:.:.:.:.`丶、 ` _ -‐  ̄ / |:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / ,......::::7 / .|:.:.:.:.:.:.:.:.:
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 結果、向こう百年の間、東晋は正統王朝として存続する
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 973 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:39:32.48 ID:YokoiBxb0
- 【紀元318年春 晋 秦州 上邽】
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.:./ / / 」I斗-:.:.:.:.:.:.:'/:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨ \∧_∨
// 〃 //| /:::::::``〜、'/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨ //\ハ≧x、
/:{ ./ { /:::::-|/zzzx、:::::::::::'/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨__/ ) ゙ `寸x
.:.:| フ⌒ト /::::::::::::イ ヾx:::::::::i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、:.:>く_} /i:i〉
琅邪王が晋王に!? |:.∧ i:::::;ム_ j:::::::::::::: (ァ) }i:::::: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. `、:.:.:.:.:\ /i:i/
/:.:.∧ {.〃⌒Y:::::::::::::::... ノ:::::::::|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `、:.:.:.:.:.:∨i:/
私と琅邪王の官職は対等! /:.:.:.:.:.ヽlハ{ (ァ) ::::::::::::::::::::::""::::`::::::::::::|:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.∨
/:.:/ :.:.:.:.:.:. i::::- f′ |:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、h、
向こうが皇帝を名乗るなら、 /:.:/:.|:.|:.:.:.:.:.:| j:.:√.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.}:.:}',: i }:.i_、
私が皇帝を名乗ってもいいはず!! /:.://八|:.:.:.:.:.:’ r ニ- ̄\ ゙.:/:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:./:./ |:.| }/ i:ih
/:.:/ :.:.:.:.:\:.:.:八 V / .: /:./:.:.:.:.:.:.:.:.:,:.:.:./:./ /:/ |i:i|
|:./ {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、 V_ ノ /:./:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:./:./ / |i:i|
/ ̄ ̄ )__V/{:.:.:.:.:. |:.:.:.:\ ( ̄\(_ ̄\:.:..//:.:/ 彡'′
/ / ̄ __)∨:.: 八:.:.:.| /\ <\ \ヽ V ___
′ / / __ ̄):/ \|/:.:.:.:.` ≦| (  ̄ \\ E |-_-_-_-_-_\
| | / // ⌒\ ∨|/ / ̄(\ ̄ヽ ∨l V |-_-_-/  ̄ ̄ ̄ \
| | / // ァ‐、_) r‐/ /∧ \ | V ', _-_- ′ / \
`、 / ―/ ̄/r‐/ / ∧ ‐′ /_-/ / ,
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー かたや、この動きの外にいた南陽王司馬保。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 『晋書』『宗室伝』によると、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 愍帝が長安から連れ去られた後に晋王を称したという。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 『資治通鑑』『晋紀』はこれを翌太興二年としているが、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 『晋書』『劉琨伝』には太興元年の時点で帝号を称していたと記述がある
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 974 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:42:13.85 ID:YokoiBxb0
- 【力士級に太っていた司馬保さん】
、.:///
___ /:/:::// \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
___ _ -ニ:.:.:. :.:.:.:.:{:.{/イ、 ) >
<:.:.:.:.:./\/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. \:.:.:..:\ < 今年は大飢饉確定です! >
\rう/:.:.:.:/ ヽ:.:.\:.:.:.:\:.:.:.:∨〉 __ < (
<__/:.:.:.:.:./ / |:.:.:.:./,:.:.:.:.:.\(\〉 |│ / /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^)
__ ∩:.:.:.:.:.:./ / j\:.:.:./,:.:.(\:./, '/│| / /
__ | | } |:.:/ ) :i / / _>く ,:. \\〉 '┘ヽ 〈
{ ∨| レ 〈/ / :.:| _レ /} i:.:.:.:.∧ _ :. 私が皇帝?になった途端に飢饉なんて……
: V //゚).:|/l/ ィ=≡|:.:.r‐=ム i
| ― l/ /:.:| ァ=ミ ...:::::::: |/|:> 、  ̄ } / 何か悪い事したでしょうか?
│ 八∧::::::::: 丶 / /:.:/:.:.:\_ ∨ /
′ /:.:./:.∧u r‐  ̄) /:.:/:.:/ ∧ \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
i /|:.∧:.:./:.个:. ー ´ イ:.:/¨¨フ刀 ̄. .∧ ≧ <
| :. |/ \:.八:.:.廴>‐< /彡゚ │//. . . /. ∧ ≧ 飢饉なのにつまみ食いすんな!! ニ=-
| i / ̄刀 ̄ {_ -/ |/ |. . . . . / ∧ ≧ ≦
} ̄. . . . |/| {___/' |/ | . . . . . ./ ∧/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
/ }. . . . . . |/| { . . . / |/ |. . . . . . .| / ト ∨ \__人_人从_人_人从/
/ }\. . . . .Y __斗r\/辷><__」. . . . . . .| / | ヽ i _) (__
.{ 入/ハ. . . . |/辷>―=ミ//=_=_ }-_`〜、. . . .\∧、 } ) 痩せろデブ!!! (
、 }/ ] . . . .|-_{ _=_=_{f⌒i}_=_=_=〈-_-_-_-|>―<  ̄ ̄  ̄ ̄) ( ̄ ̄
\ イ/ノ. . /|-_ 〉_=_=_v_=リ_=_=_= }-_-_-_.| /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } しかし、本拠の上邽が大飢饉に陥り、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 配下の謀反や劉曜軍の攻勢に晒され次第に弱体化
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 975 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:43:55.71 ID:YokoiBxb0
- 【紀元320年5月 晋 秦州 南安】
/―_ \/ _ `マニノ_
ノ7⌒l></\/ '⌒Y }:.:.:.:Y /ニニニム
_l/ ̄/ /⌒7 \_ ⌒Y:.}ノ:.:.:.:.ノ'⌒\ {ニニニニニニ=-_
| | / / ⌒7\ ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:/__ ̄ } ̄ \ニニニニ
| | / / /__彡イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ / /-―=ミニ
_|_l/_/ 、+`:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:彡イ / /
/=_=_//./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:, 、 丶 ` ノ /
__/_= | //:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,、丶`__7 / /
/ ̄ ¨¨ ―/77 >―_ __\=_=_ /ム;,;,彡〜 ^^ / /⌒フ ′ /
///. . . . . . .>  ̄∨ -_-_-_\}=}………┐_____/ /\〈< / /
/ / ̄ ̄\/. . . . . . / ∨ -_-_-_ { _=_=_=_=_│ ``〜、、/│l `'< /
/ / >―‐<. / V -_-_-_{ _=_=_=_=_/ _________/ / │l /
/ ./:.:.:.:.斗==ミh ∨-_-_- \ ̄ ̄ / / 〈 / / √
. / / /:.< |〃7/:.:.:.:.:.:YV / V -_>――――‐< ̄\ / / ―――――‐゚
/ { _7:.:.:.:.:.:.:.ii//:.:.:.:.:.:.ノ-∨ V \/ \/
〈/// }:.:.:.:.:{:.:.:.:.:.:.:.:.※===x__:.厶=-―――‐ァ
〈////|_/  ̄∨:.:.:.:.:.:.:.:ゞ==彳 ̄:.:.:.:|. . . . . . . . /
(/(/ \:.:.:.:.:.:.:〈 〉:.:.:.:.:.:.:.:.: |. . . . . . . /
/>ミ:.〈 〉:.:.:.:.:.:彡个zzzzzzz7
_:.:./  ̄ ̄ ̄ ァ━━ァ_/
└┐ ̄\ _____ / /
└三 /
└zzz_ 、 ―― 、、、 、__/ チーン
└―ァ/
└′
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 太興三年五月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 司馬保は配下の将軍張春に殺されたと『晋書』『元帝紀』は記す。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .ただし、『晋書』『宗室伝』は
`ヘ:ゝ .' 小/ 彼が病によって二十七で薨じたとしており、最期の様子は判然としない
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 976 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:44:50.63 ID:YokoiBxb0
-
/ :. ィ.;:.:.:.:.:.:.:ヽ
イ:.:.:.:/-|/|∧:;、:.:.〈
リ:.:./ ● く!:,:.:..、
l:.:.l ●/:./ ̄
vヘ - ノ:./ なお、司馬保の葬儀を行ったのは
_,-+ 匸ヘ/V .彼に反乱を起こした陳安という人物だったりする。
,《 ヒ⌒j 》、
l::\ l /‖::l .司馬保の側近と対立して劉曜に帰順したが、旧主に筋を通したのだろう
|:::::::ト,Vイ:::::|
|:::::::l介l:::::::|
l::::::|人|:::::::l
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
| ヽ ' _ ` イ
l l ´=` l
上邽において天子の礼で葬ったよ ノ ヽ _,、__ノ
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|:::
- 977 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:50:57.74 ID:YokoiBxb0
- 【紀元318年春 晋 涼州 姑臧】
j、 j||!
, {i!ト1:i:}!r! r=,
j|_`¨j!::!|_!Lソ::|!
/;\ ,.、 .,、 r.、 rマ|!|k'´..:::::::::::::::::.', ,、
,.ィ::;:;iy' .::;ゝ/ :.\ / ,.ヽ、 ,.、 ,.、 ノ i|jリ:i!::::::::::::::;::;:::::|! ,.イ :.\
:;:;:'/.,.;:,:イ . ,., :,::;.,v:;.;.;.,.:;:;:;:ミ 、,.イ ':.\ .イ .;.ヽ、j! !.:.;:;:::::i!:::iレ1:::::i;ト、_ _,.ィ.;:;. .,:;.;:;..\ _ ,.イ:
,.イ .:;:/ ;.,...;.:,:;.,.;.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ィ..;:, ..;:.;.;:,.ゞー_'゚´.. ..;:;:;:;:/Y≦芝!::::::::::::::::::::::::;ヾi!:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:;:;:;:イ .:.;.;.,:;:;:;:.:.;.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:'/..;:;:.,:,:;:;:;:;.:,..;: ';:,.,:;:,.;:..:;:;:;:ir'..:::::::Y/.:::::::::::::::::::::::::::::;jト:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
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:;:::;::::;::::::::;::;::::::::::;::::::::;::::;::::::::::;:::;:::::::::;::::;::::;::;::::;:::;:;:;.`ヾiレ'゚.::;::;:::;:::;:::;:::;:::;:::;:::;:::;:::;::ル八':,:.:;:..:;:..:.;::;::::;::::;::::;:
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ' . : . : . : . ' ;.::;:::::;::;::;.`_:-::‐;:-=:ニ;::ニ:´;:ニ.:;≠=.;ir.'.;.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
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. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ':;::::::::: ' ::::: ' . . . . . . . . . .
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ' .;: ' . . . . . . . . . . . . .
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ 以下余談。
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 南陽王を支援していた涼州刺史張寔は、
\ヽ、 _ , イ!::/ .司馬睿の皇帝即位こそ認めたが、元号は西晋の建興を使用し続けた。
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\ .結果、涼州では建興四十九年(三六一年)まで続いている
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 978 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:51:40.40 ID:YokoiBxb0
- 【紀元318年春 晋 幽州 薊】
∫ι__________ ./丁了
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ
||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | ||
||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | ||
弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ
弋ェェt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ェ,ィ
il_,└───────┘ , i!
| ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l
|| ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄||
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|i | ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄||
 ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ || ̄! ̄ ̄/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄.|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i  ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~ ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l  ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`ll`l
l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″|  ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄  ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾ| ̄`.. ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ | ̄ ̄ | ̄!,, ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ll
| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄___
(~) (~)
(~) γ´⌒`ヽγ´⌒`ヽ (~)
γ´⌒`ヽ {i:i:i:i:i:i:i:i:} {i:i:i:i:i:i:i:i:}γ´⌒`ヽ まさか段匹磾様があんなに弱いとは
{i:i:i:i:i:i:i:i:}( ´・ω・)(・ω・` ){i:i:i:i:i:i:i:i:}
( ´・ω)(:::::::U) (つと:::::)(ω・` ) 劉琨や朝廷の御機嫌取りなんてやってるからだよ
(::::::U:::)( ´・) (・` )(:::U::::::)
し─J (l::::○::::) (:::::○::::l) し─J 段末波様の方が強くね?
し─J し─J
(~) (~)
弱い奴の下じゃこの先心配だ (~) γ´⌒`ヽγ´⌒`ヽ (~)
γ´⌒`ヽ {i:i:i:i:i:i:i:i:} {i:i:i:i:i:i:i:i:}γ´⌒`ヽ
強い奴に従うのが草原の掟 {i:i:i:i:i:i:i:i:}( ´・ω・)(・ω・` ){i:i:i:i:i:i:i:i:}
( ´・ω)(:::::::U) (つと:::::)(ω・` )
令支の段末波様の所へ行くか (::::::U:::)( ´・) (・` )(:::U::::::)
し─J (l::::○::::) (:::::○::::l) し─J
し─J し─J
- 979 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:58:15.67 ID:YokoiBxb0
-
/::`´`´ヽ r‐ ' _ノ
/:::.:.:. ヽ _ ) (_
/::::::.:. \ (⊂ニニ⊃)
|::::::::::.:.:.:.:.:. | `二⊃ノ
l::::::::::.:.:.:.:.:.:. | ((  ̄ 劉琨殿も段匹磾も口だけだっていう。
`r'ニニヽ__ / ;;
r':ニニ:_`ー三`:く./ [l、 聞けば范陽の李産という奴は、
/: : : : : : :`,ニ、: :_:_;> /,ィつ 一家郎党を率いて豫州の祖逖将軍の下に馳せ参じたっていう。
. /: : : : : : : : / : : : ヽ\ ,∠∠Z'_つ
| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ. / .r─-'-っ 俺たちもよそへ移った方が良さそうだっていう
. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''" ̄: : :l: : : :l / ):::厂 ´
|:.:.:.:.::.:.:.:l -─-: : /:_:_:_:_l / ̄`Y´
. |:.:.::.:.::.::l.__: : : :/::: : : : :l/⌒ヽ: :〉
|::.:::.::.::l: : : : : : /:::: : : : : |: : : : ゙/
,.-、
/ニYニヽ ( ノ゙\
/( ゚ )( ゚ )ヽ i′ ヽ_ )
/::::⌒`´⌒::::\ 〉 ,.く
| ,-)___(-、| / ハ ヽ
冀州刺史の邵続殿の所はどうだっていう? | l |-┬-| l |/ / ヾ
\ `ー'´ / / ! i
石勒軍と率先して戦ってて、 / <、 〃ノ
大層立派な人物だって評判らしいっていう / ,.-、 _, -` く '"
/ | (`  ̄ 〉
! <| ヽ、__,.― --―'
\_ ヽ''^ヽ |
`ヽ、_ン′ |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 范陽の李産云々は、『晋書』『慕容儁載記』にある話。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 祖逖の死後に後趙・前燕に仕えた人物
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 980 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:58:57.93 ID:YokoiBxb0
-
∫ι__________ ./丁了
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ
||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | ||
||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | ||
弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ
弋ェェt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ェ,ィ
il_,└───────┘ , i!
| ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l
|| ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄||
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|i | ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄||
 ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ || ̄! ̄ ̄/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄.|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i  ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~ ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l  ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`ll`l
l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″|  ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄  ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾ| ̄`.. ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ | ̄ ̄ | ̄!,, ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ll
| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄___
''- .._ ~""''' ‐- ...,,__ _,,..-‐''~""''' ‐- ...,,___,,.-‐'
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
V:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::-::_:::::ヽ | じゃあ荷物をまとめようぜ |
ヽ-  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ‐- :::::::::::::::ヽ∧ ヽ______________乂
∧ ____ ヽ ::::::::::/
/三三三ヲ'"ヽ \_ノ)‐- .><- 、
,ふ三ニヲ'"\ Y‐---<´ヽ _ノ)ヽ-ヘ\
,ふニ='"/\_ヽ_ノ) ! |ヽ. Vヽ‐-<_ .| ヽ.V
{ /,.イ{. 斗ャ示ァ} | | |¨vヽ__ -ミx! ! |
ゝt|ヽ>ミ、 `´ ノ ノ ./ /ィヘ |ミヽヽ リ! 、__ノ! |
-=彡vヽ ⌒´/.イ!/|ノノノ )ノ Y ヽ /ノ
/ヘゝ- イ´ ||//ノ. \ ハ
/' ヽ)`¨´ r.| ,...:/':::T 、__ノ! ,!
{! .___/7イ:::/':::::ヘ //
ゝ-',.イ:::ヽ/_::::<´::\\ (´
/イ:::::::::╋:::::::::::::::::::::\\
- 981 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 01:01:25.22 ID:YokoiBxb0
-
,r,ニニミ、 -- 、,__
// V}/´ \ ` .、
// ./ ̄ヽ \ \、
.{.{ /! }Vヽ ` 、. ∧\
ヾ ./ \.| |. V ≧=-. \
,' \\. ', .||∧. V |\.|. V そんな事があってな。
! | ∧\二ニ,xf云ミァ !-、,i V
| j/_V ヽ!八辷ノ´ } /! // ',ヽ .先の騒動以来、
| `《.{ハヽj/ / ./ |//\ ',ヽ\_ 漢人も胡人も次々に薊から逃げ出している
/へ ヽゝイ -=彡イ/| .|/ V | V  ̄
i\ \ -、 イ/|| .l .| l | |
,x─── 、.l l ヽ>。 `´ ,.< xイl ,l ./,!! .|! j
| |l | `¨´.{´Y::::::::::/∧.-</|| ./! ./ \_-_-_->'"~~~"''〜、、::::::::::::::::\
| |ヤ', ,r::::ヽ:|::::イ//:::::::::::::::У`//./ \_-/:::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::\
| | ヽヽ //::::::::╋:::/イ::::::::::::::/::::::::Vイ . /∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::::::::::::::::.
ゝ======彳 `>ゝ: /::::::::/o/:::::::::::::::::: /:::::::::::,! 〈__,{:八:::::::::::::::::`、:::::::::::::::::::`、::::::::::::::::.
|`¨¨´| /::::::/二7:/:::/::{二二二}':::::::::::/! . .::|∧:::::\:::::::::::::::`、::::::::::::::::::|::::::::::::::::::
|:::::::::::| /:::::::::/:::::::;':;'o:;'::::|::::::::::::::/::::::::::::イ .::/|:::∧:::l_,,.`'<:::::::::`、::::::::::::::|::::::::::::::::::|
/:/:::|:::::::}:/斗-=ァ\::::::|::::::::::::::|::::::::::::::::/
.::/ j八::::从 V} ' |:::/::::::::::::::|:::::::::::::::
〈:〈 /' l:/':ノ |/::::::::::::::/:::::::::::::/
`>> l:::::\ /:::::::::::/::::::::::::::::{
(:::( l::::::::::::... っ /::::::::/!:::::::::::::::::::::::. _
今、段末波が攻めてきたらひとたまりもないじゃない )ノ 八:::::::\:::\ /:::::/ |::\::::::::::::::::::::... ⌒):)
\:::::::\::::/::/::::}/|:」 \::::::::::::::::::::::...../
\::::::∨::(、:::/ /-_-_⌒\:\:::::::::...
.:::::::::::)\::::::...... /-_-_-_-_-_-_`、:\::::/
〈::::厂/-/\::::::ノ/-_-/-_-_-_-_-_.}l:::::\
)/ // /:/∧_-/-_-_-_-_-_-」|:::∧:::.
- 982 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 01:02:05.77 ID:YokoiBxb0
-
, - 、, -‐r ‐-.、
,イ ./ ハ
/ ./ / // ./ .!ヽ
. / ./ / ./ //./ / / i、
/イ/ / / // /イ' .! !',
(' / /// /、_ 、 /イ ./! !j
{(、_/イ ,' {、.`⌒゙ /.、_ jイ. !| そういえば、平陽から逃げてきた者に聞いたが、
.) 77´ { i、Y , `゙Y//ル .近頃秦州にいる南陽王が帝号を唱え強盛だとか。
/'^´Yゝ、ミx、!リ ` - ,!イ/
ヽ: /へ> イ_/'x──‐、 __ そちらへ移る者も出るかもしれない
斗r<:::::::‐-,-<゙爪(Y')ノ { }-、`!
. ,x ´-<´:::\:::::/╋v\、_. ∧ /= イ
. {::::::::::::::::::::::::::`:´:::::::}`´::::::\ `¨¨7'ニ´.ノ
. ',::::::::::::v:{ニニニ}::::::|:{:ニニ}:∧ .{、-_i'ノ} \_-_ニ=- _ |_-_
. ',::::::::::::',|:::::::::::::|::::o!:|:::::::::|:!:::`、 .{ ̄::::: | `''<_-_-_-ニ-''"゚~~::::::::~~゚"'::.、 -_-_
. ',::::::::::::i!::::::::::::|::::: i!|:::::::::|:i!::::::ヽ.i!:::::::::::i! `,.:'´:::::::::::::::::::::\:::\:::::::::/_-_-}
.:::::::::::::ノ:人:::::::::::::∨:::\:/_-_-_]
/:/::::::/::/⌒l::::::::::::::∨::::∧-_-_ノ',
. / ,゙::::::::::/ l::|';:::::::::::|::::::::∧::::::::::::',
{ :::::::::/\ :::| \::::::|::::::::::::|::::::::}:::::.
{ |::::::斗=ミ /:/─‐\::::::|:::::|::::::::}::::::
確か、南陽王の所には私の同族がいたわね。 人::::ヽVソ /'゛ 斗=ミ |::::::|:::::|::::::/:::::′
.::::ハ乂x , 弋ツ >:::::::::::/:::/::::::′
でも、どうやってそこまで行くのよ? .::/ .::::. xxx /:::/:::/:/::::::'
廴_八:込, 丶 /:::/:::/:::::::::::/)
(⌒ハ::l::\_,,. -=/::://:::::::::::::':(
) ノ::|:::__::ー┴=彡'::::::::::::::::::/(⌒ー--
..:::::/乂⌒\ 八:::::::::::/乂::.
. 八:::(/ ⌒乂\(⌒:::::::::::\} ):〉
. // }乂 \ノ人:\ヾ::/
- 983 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 01:03:27.86 ID:YokoiBxb0
-
|-_-_-.|__..、-─- ミ/_-_-_-ノ
r-、-_-'"::::::::::::::::::::::::::::{_-_-,.へ
廴f7:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::ヽ
/:/::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::∨::::::∨
/:/':::::::::::从::::::::l::::::::\:::::::::::::::::∨::::::',
./:/ /:::::::::::/ ∧::::ト、:::::::::::\::::::::::::::l::::::::i
/:::;' ::::::::i:::/─‐-l:::l \:::::__';::::::::::::|::::::::|
. {:::::i i:::::::l/ ____ }:ノ _____ l:::::::::::|::::::::|
\::ヽ |:::::::|《~う/ハ '~う//,i¨》:::::::::::l::::::::| 劉琨殿は?
)::ノ |:::::::', ∨/ノ ∨/ノ l:::::::::::l::::::::;
(⌒ |::::::ハ /:::::::::;':::::::/
ノ:::::::::人 -〜( _.、/.::::::::/::::::::l
/:::::::::::/:::::::>─┬‐=_"{::/:::::::::/:::::::::::| ≦――=-<
(:::::::::::/:::::::_.、-r':[_.M.___/-l::::::::/:::::::::::::::', _|>゛¨¨¨¨¨¨>s。 `ヽ
ヽ:::::( i:::/ {_:_:_:_:_:_:_:_:人:::::ト :;:::::::::::::il >' ., ´ . >s、 \
)::::);:/ / 〔_/:o::/._〕 _)ノ ∨::::::::|l ./ / .:i 〈\ ∨
('"/二ニ- _〔_/:o::/._〕 (( _,.. -=二}::::八 ,' / .: | | ∨::\ ∨
| :. .:| | .: .: ∨乂\∨
| { ∧八__::| .: .: ル乂X<フ
人 { :. ∧ャtf=ァ:| / / /レ \乂X{
N\人 り レ'| ,イ /} ∨ ` <
| 〈 ノ' レイ} :::∨ /∧
| ∧ _ / ∨ ::∨ /∧
段匹磾の所へ行っているわ .| |: \ ` イ /¨∨ :::∨ /∧
| |: へ..::<〉¨¨¨///>‐、 :∨ /∧
| |: ,' /}}///∨ \::∨ /∧
| |:/ //∨⌒/ <> \v /∧
| :/ .ィ }/ \ /∧
|ハ /:} / <> \ /∧
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 劉琨と段匹磾は共に薊にいたが、それぞれ別の場所に居を構えていた。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 『晋書』『劉琨伝』によると、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 劉琨は征北将軍府にいたとされる。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 段匹磾は幽州刺史の役所にいたと思われる
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 984 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 01:04:18.62 ID:YokoiBxb0
-
/ ..:::,、丶`  ̄ ̄ ̄ ヽ ',_
, {/ { \ ヽ: ', Vヽ
,' :| ∧ {、 \:―‐i‐ i //〉
:| i/、、\ \__|__:|_ : : ' /
i :| /| \ 〃う刈 》i |): : :K 冀州の邵続殿の所へ移ってはどうかしら?
| :l ィ笊_ 乂ツ |i | : : :|∧
| | l :爪 乂ソ , || |: : : |/∧ あちらには文鴦殿もいるし、
| | | 込 , 从 |: : : |∨∧ .そのまま南へ向かえば朝廷とも連携できるのだけど
八 | 个 ` イ: } |: : : | `⌒
ヽ| \|: : : :≧ー |/:| |_: |
:| |: : ;>rノ^|:H /:/| √/ ̄ \
∧ |7: :._/_ |:. | /:/ , / / /⌒ヽ /\ ,....:.:.:.:.:.:.:|人>:::: ト、
/ | 、 {:{ F¬ 、 \ヽ:/ { /| / i <人>\___/:.:.:.:.:.:.┌i.:―ミ::::|:.:.\
.,: | } r人\ヽ ∨_, /: |' / | <人>:::::::::/:.:.:.:.√|:.:: Y:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.ヽ
{ :| | {/ \ ∨/ {_/' | <人>/:.:.:.:.:/:::リ:.:.:.:|:|:.:.:.:.:.:.:.:.`、:.:.:.ハ
匸[_匸_]:.:.:.:/:::/:.:.:.:.//:∧:.:.:.:.:.:.:`、:.:人__
,≫―==彡/::/_/:::/:.:.:.:.〈/:/ ∨:.:.:.:.:.:.:|:.√ ̄\
く/ ┌―=≦∠__/:.:.:.:.:.:.:.:厶イ ∨:.:.:.:.:.j/:.:.:.:.:.:.:.:.\
/¨¨¨ア:.|:.:.:.:.:∧¬ト/}/ ∨:./:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:`、
いやいや、アタシは幽州刺史だ。 / ∠__:.:|人:.:{ ,≫¬y -=彡 У:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、
/ ,,‐┬'’:.:.:.:.\ヽ弋ツ '''/:.:.:.:.::/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、
そう簡単に幽州は捨てられないよ。 ,′ /´ /:.:.:\:.:.:.:.:.:.ハ ''' /:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧:|
.′ | /:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.込、 - |:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. 〈 <ノ
ただ、薊は守り難いから、 ′ | ./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.> イИ/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./}∧:.:.\_ノ〉
一旦北西の上谷郡へ移ろうと思ってる | |∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、__/ア┘ |:.:.:.:.:.:.:.__/⌒\ `'ー‐彡
i | |{_人:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ ./` ´/|:.:.:.</::::/: : : : : : \
|. ├―ヘ \:.:.:.:.:.∧.:.::| |'⌒У 八(⌒´::::/: : : : : : : : : ニ=┐
| ∨ハ: )/}/: :)/ |: :/ /:::::| : : : : : : : : : : : : |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 彼らは今後の方針を巡って意見が割れていた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 985 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 01:04:55.44 ID:YokoiBxb0
-
(~)
γ´⌒`ヽ
. {i:i:i:i:i:i:i:i:}
. (´・ω・` ) ≡("" 段匹磾様!
(mへ◎へm) ("⌒("
/_,/>ノ、 (⌒("≡ 薊の周辺を見回っていたら、
〈/")/_ノミ ≡≡(⌒ 怪しい奴がこのような手紙を持っていました!!
(_/^~ (⌒(("⌒;;
| ]:ヘ _____ /::「)::::::|
∨]::::\...:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:./::「)::::::::|
∨]::::::,≫‐:.:.:.:.:.:.:.:.:‐≪]:::::::人
__冫/_:.:.:.:.:厂l:.:n:.:.:.:.:.:.\/:.:.:ハ
〔_只__〕:.:/::/:.:.|:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.厶
_,, イア:.://:.:.:./:/:.:.://:.:/\:.:.:.:.:.:.:√`丶
\/:.:|//:.:./:/:.:.://:.:/ __ ∨:.:.:.:/ハ:.:.:.:.:.\
/:┌く:::/∠_/:.:.:〈/:.:/ ´ ∨:.:/:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.`、
/:.:.:.:.:`I爪:.:.:.r¬禿/}/ ィ禿¬y/:.:.:.リ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
/:.:.:.:.:.:.八レ\|{ 弋ツ 弋ツ/:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
貸してみ |:.:.:.:./.:.:.:.:∨:.:.∧ '''' ''' {:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧:|
∨:.:|:.:.:.:.:.:.:.\:.:込、 - - イ∨:.:.:.:.:.:.:.:.:./ リ
\{\:.:.:.:.:.:.:.:Υ > _,. イ ./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:(
>-ミ:.:.リ __/〔} _/\|:.:.:._/⌒^
/ }/ ∧__/Υ{__/\( `、
/ jニ{// [廷_] // }ニj/ \
人 /ニゝ--イ⌒ト--くニ{ 丿
}T"⌒7ニく___」ニ八___]人 __/
〈/⌒´7ニニiニニニニニニニiニニニT爪 {
- 986 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 01:07:27.79 ID:YokoiBxb0
-
/::(]::::::::: |___
┌- _ _ -ニ廴(]:::::::::::|:.:.:.:.:.:`丶、
∨:::::::>:.:┌:.、:.:.:_:.:.:.:`丶、:.:.:.:.:.:.:.:.:.::\
∨::/:.:.:.:.:.:|:::::|:.:.|:|:.|:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ハ
∨:.:.:.:.:.:.:.|:::/:.: |:|:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:`、:.:.:.:.:.:.:.:.人_
[Y匸]:.:.:.:.//:.:.:.//:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`.:.:.:.:.:.:.:.:|/⌒\
/:.]:.:.:.:.:.://:.:.:.〈/:.:/\:.:.:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.\
」:.:.]:.:.:.:.く/:.:.:.:.:.:.:.:/ ___:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
]|:.:.:]>:.:.:.:ハ:.:.:.:Ν/ ィ卞⌒ }>}/V:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.. .劉琨殿。
<[|:.:..:.:]>Ν`\_| 弋ツ 冫:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
\:.:.:.:.{ィ卞ハ ...... /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| 息子さんからの手紙みたい。
\刈{ 弋ン /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
|:.:.:.ヽ ... ゙ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: | .ひとまず無事なようで良かった
|:.:.:.:.∧ r_、 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
/:.:.:.:.:.:.:丶 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/}/
/:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.> .イ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:._∧:.:.人___
人:.:.:.八:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::八:.:.:.:.:.:.:{/⌒¨¨ニ=┐ \___/
\{ \:.:.:.:.:.:../:.//}:.:.:.:.:.人/ / ̄ ̄\
)_/}/ /八厂 ̄/./ |
/ / / / / / | _,/ ̄ ̄` ̄\
// |⌒/ ./ / | 八 / /二◎二ヽ ヽ\
/ ルノハヽゝ,ハi 〉 .i
iv、!● ● i i' 〈
lリ〈 ワ i i' リ
_iハ`ーゥ t-ノ i 〈
ヒ/」」」.l/リl ly ,ィリヽ、 ヾ
| l | / `.lシl==j \ 〉
| l ,/ー、{::::::::::/ー、! \
- 987 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 01:08:26.25 ID:YokoiBxb0
- 【劉群さんからのお手紙@『晋書』『劉琨伝』より】
‘, : ::{.:.∧ {: : : /::::|
‘, }/ }`Tく ̄ ̄ ̄\: : |:::/
_}V ノ ノ ノ: : : : : : : : \|/`丶、
┌''"´.:.:.:乂TT⌒>: : : : : : : : : : : :\: : :.
{.:.:.:.:.:.:.:.:.::/し〜′ : : : : |: : : : : : : : : : ::.
__乂_ノ、ノノ:| |: : :∧: : : :|: : : : : : : :.:.:|: : :.
/ /弋__厂: :| |: :〈 〉:_|_: |: : : : : :|: : ::.
{_ {_  ̄|.:.斗キ‐: ∨: ::/¨\: |: : : : : :|\.::.
__{_,,/{ |: : : | 八: : : : ::| xfう笊: : :/:.:.|\)\ 段末波殿には厚遇されています。
{,_ / └ヘ |: : : yぅ笊h__| 乂ソ厂/: : :|: : \ハ
{_ {_ Y: : :込乂ソ , .:.:.:.:ノ: /: : :.:|: : : 〈: } .彼はお父様を幽州刺史とし、
{__ } /.:\: : : \.:.: 、 , く__/: : : :/: : : | Y 共に盟を結んで段匹磾を襲うため、.
__ 人 }_/.:_、< ̄ ̄ ̄>-- 、..イ⌒\/ |: : : |: | .お父様の内応を期待するとの事でした
/,、----ミ=-ァ'⌒ニ=-<.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/____.:.\|\::::|: : |: : :.:|: |\
//___/:/'´/ ̄.:.:.:.:.:.:\.:.:.:.:/ ̄ ̄/ ̄\:\:`ー-ミ_: :い、 \
/ ̄: : :/「__/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::|:/.:.:.:.:◯/|.:.:.:.:.:.:.\:|__r‐┘.:.:ヽ:\\ \
: : : :/.:.:.:ノ //.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/⌒.:.:. ◯/ | .:.:.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}: ハ: :. :.
/⌒广ア〈 {└┐.:.:.:.:_、‐''゛.:.:.:.:.:.:.:◯/ /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:∧: : |: :|\ :.
___//{  ̄√| |.:.:/⌒\__,ノ∨ /∧.:.:.:.:. :.:.: |.:.:.:.:.:.:.:.:/: :.\|: :|\\}
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 『晋書』『劉琨伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 段匹磾配下の騎兵が見回り中に劉琨の息子劉群の手紙を得た。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .段末波が劉群を介して
`ヘ:ゝ .' 小/ 劉琨の寝返り工作を試みていたらしい
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 988 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 01:09:15.15 ID:YokoiBxb0
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j(]:.∧
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┌- _ _ -ニ廴(]:::::::::::|:.:.:.:.:.:`丶、
∨:::::::>:.:┌:.、:.:.:_:.:.:.:`丶、:.:.:.:.:.:.:.:.:.::\
. ∨::/:.:.:.:.:.:|:::::|:.:.|:|:.|:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ハ
∨:.:.:.:.:.:.:.|:::/:.: |:|:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:`、:.:.:.:.:.:.:.:.人_
[Y匸]:.:.:.:.//:.:.:.//:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`.:.:.:.:.:.:.:.:|/⌒\
/:.]:.:.:.:.:.://:.:.:.〈/:.:/\:.:.:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.\
」:.:.]:.:.:.:.く/:.:.:.:.:.:.:.:/ ___:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
]|:.:.:]>:.:.:.:ハ:.:.:.:Ν/ ィ卞⌒ }>}/V:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..
<[|:.:..:.:]>Ν`\_| 弋ツ 冫:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
\:.:.:.:.{ィ卞ハ ...... /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
\刈{ 弋ン /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
|:.:.:.ヽ ... ゙ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: | 劉琨殿を疑ってないから、これを見せたんだ
|:.:.:.:.∧ r_、 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
/:.:.:.:.:.:.:丶 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/}/
/:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.> .イ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:._∧:.:.人___
人:.:.:.八:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::八:.:.:.:.:.:.:{/⌒¨¨ニ=┐ \___/
\{ \:.:.:.:.:.:../:.//}:.:.:.:.:.人/ / ̄ ̄\
)_/}/ /八厂 ̄/./ |
/ / / / / / |
// |⌒/ ./ / | 八
人└‐ .|/⌒\/ 丿 `、
「//Y⌒Y///////〉./ }
|//] ∩ |////// 人 /
|/,└'└//// { \ _,,.. イ
ア⌒| |⌒¨¨爪 ]======= |
. ////| |/////∧ ├――‐┬
\//| |////__〉 / √
- 989 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 01:12:29.25 ID:YokoiBxb0
-
,、丶`  ̄ ̄ ̄ ``丶、
/ _ -‐\ \ \
, -=二ニニニ=-\ \ ヽ _ -=二=
/ニ=- \ \ ヽ ', /二二 /
/' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ=-
/ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄___
|八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二二二
i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、  ̄ ̄ ̄
| | ,ィ=ミ\ `" `、 ( ノ人 \
あなたと同盟して |i 爪 vリ __、 〈 ヽ \
王室を助けるべく力添えを仰ぐのは、 八 ハ ' \、 \ \
国家の恥を雪ぐために他ならないわ。 ヽ 込 、 ァ / \ \ \
| 个 ィ / ' \――― ミ \
私の子の密書が届いたとしても、 .| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒ヽ
そのためにあなたの義心を忘れる事はないわよ __ | | i 八 / '// / ' \
/ ∧、八 |{_// / ' , i '⌒\
___/_____,/:__\ _ ノ7:/ / /' / V | {
/ ________|,::/ / , / \ \ |
. / /\ ̄ ̄\/////////,|::i_/__ ____/_____\ \
/ ///,',\ \///////二二ニ/7二二二二二二ニ= \ \ |
. / ///////,\ \/// '二二二|八_ )二二∨)二二二二=:〕 \ |
- 990 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 01:13:49.57 ID:YokoiBxb0
-
. __「L, /〉 __「L /〉 __「L /)/)
.. └┐i7― 、 _ { {└七[ _ { {└七[ _ 〈/〈/
. /ィ l´⌒) ) `つ) V ((フノ` `つ) V ((フノ` `つ) o o
¨ ´ `´ `´
,;:''""'':;,
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
段匹磾様。 .,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
段叔軍様が火急の用件でお越しになられました。 ,i゙ / \ ゙i!
i! ● ● ,l
身内の話なので、取り急ぎお会いしたいと ゙i,,* (__人__) *,/
ヾ、,, ,/
/::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ /::::::::::::::::::・::::::::::::::::::::i!
| 劉琨殿、ちょっと外すけどゆっくりしていってね |
ヽ______________________乂
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 段匹磾は常に劉琨を重んじており、彼を殺す意志を持っていなかった
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 991 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 01:14:28.78 ID:YokoiBxb0
-
∫ι__________ ./丁了
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ
||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | ||
||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | ||
弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
弋ェェt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ェ,ィ | 兄上、劉琨が来ているので? |
il_,└───────┘ , i! ヽ______________乂
| ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l
|| ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄||
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|i | ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄||
 ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ || ̄! ̄ ̄/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄.|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i  ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~ ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l  ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`ll`l
l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″|  ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄  ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾ| ̄`.. ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ | ̄ ̄ | ̄!,, ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ll
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''- .._ ~""''' ‐- ...,,__ _,,..-‐''~""''' ‐- ...,,___,,.-‐'
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 段叔軍という人物がいた。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ .『晋書』『劉琨伝』には段匹磾の中弟とある
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 992 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 01:15:17.79 ID:YokoiBxb0
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| ]:ヘ _____ /::「)::::::|
∨]::::\...:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:./::「)::::::::|
∨]::::::,≫‐:.:.:.:.:.:.:.:.:‐≪]:::::::人
__冫/_:.:.:.:.:厂l:.:n:.:.:.:.:.:.\/:.:.:ハ
〔_只__〕:.:/::/:.:.|:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.厶
_,, イア:.://:.:.:./:/:.:.://:.:/\:.:.:.:.:.:.:√`丶
\/:.:|//:.:./:/:.:.://:.:/ __ ∨:.:.:.:/ハ:.:.:.:.:.\
/:┌く:::/∠_/:.:.:〈/:.:/ ´ ∨:.:/:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.`、
/:.:.:.:.:`I爪:.:.:.r¬禿/}/ ィ禿¬y/:.:.:.リ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
/:.:.:.:.:.:.八レ\|{ 弋ツ 弋ツ/:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
|:.:.:.:./.:.:.:.:∨:.:.∧ '''' ''' {:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧:|
∨:.:|:.:.:.:.:.:.:.\:.:込、 - - イ∨:.:.:.:.:.:.:.:.:./ リ それがどうしたのさ?
\{\:.:.:.:.:.:.:.:Υ > _,. イ ./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:(
>-ミ:.:.リ __/〔} _/\|:.:.:._/⌒^
/ }/ ∧__/Υ{__/\( `、
/ jニ{// [廷_] // }ニj/ \
人 /ニゝ--イ⌒ト--くニ{ 丿
}T"⌒7ニく___」γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
〈/⌒´7ニニiニニニ | 我々が胡人であるのに晋人が従っているのは、我らの兵を恐れるからです |
| 八ニニiニニニ ヽ__________________________________乂
| ∨ニiニニニ\_,ニ- '~ く ⌒〉
/ ___>-_=ニ⌒|::I:::| く `」
〈 / / |::I:八¬''⌒¨Т´
‘, _廴_∨`ヽ |
人______ -=ニ⌒ /
└廴[_,,.、、-――- __/
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 彼は鮮卑でありながら、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 学問を好み智謀を有していたとされ、兄段匹磾からの信頼が厚かった。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .そんな人物が兄に進言した
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 993 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 01:16:31.37 ID:YokoiBxb0
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| ]:ヘ _____ /::「)::::::|
∨]::::\...:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:./::「)::::::::|
∨]::::::,≫‐:.:.:.:.:.:.:.:.:‐≪]:::::::人
__冫/_:.:.:.:.:厂l:.:n:.:.:.:.:.:.\/:.:.:ハ
〔_只__〕:.:/::/:.:.|:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.厶
_,, イア:.://:.:.:./:/:.:.://:.:/\:.:.:.:.:.:.:√`丶
\/:.:|//:.:./:/:.:.://:.:/ __ ∨:.:.γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
/:┌く:::/∠_/:.:.:〈/:.:/ ´ ∨:.| 今、晋人が我らの骨肉の禍に関わって策謀を巡らせ、 |
/:.:.:.:.:`I爪:.:.:.r¬禿/}/ ィ禿¬yヽ__________________________乂
/:.:.:.:.:.:.八レ\|{ 弋ツ 弋ツ/:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
|:.:.:.:./.:.:.:.:∨:.:.∧ '''' ''' {:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧:|
∨:.:|:.:.:.:.:.:.:.\:.:込、 - - イ∨:.:.:.:.:.:.:.:.:./ リ
\{\:.:.:.:.:.:.:.:Υ > _,. イ ./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:(
>-ミ:.:.リ __/〔} _/\|:.:.:._/⌒^
/ }/ ∧__/Υ{__/\( `、
/ jニ{// [廷_] // }ニj/ \
人 /ニゝ--イ⌒ト--くニ{ 丿
}T"⌒7ニく___」ニ八___]人 __/
〈/⌒´7ニニiニニニニニニニiニニニT爪 { γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| 八ニニiニニニニニニニiニニ_厶斗-┴ァ | 劉琨を奉じて決起すれば、我ら一族は皆殺しにされますよ |
| ∨ニiニニニ\_,ニ- '~ く ⌒〉 ヽ__________________________乂
/ ___>-_=ニ⌒|::I:::| く `」
〈 / / |::I:八¬''⌒¨Т´
‘, _廴_∨`ヽ |
人______ -=ニ⌒ /
└廴[_,,.、、-――- __/
- 994 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 01:17:11.12 ID:YokoiBxb0
- /人
/ハ>∧
|人>::∧
/\ ,....:.:.:.:.:.:.:|人>:::: ト、
<人>\___/:.:.:.:.:.:.┌i.:―ミ::::|:.:.\
<人>:::::::::/:.:.:.:.√|:.:: Y:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.ヽ
<人>/:.:.:.:.:/:::リ:.:.:.:|:|:.:.:.:.:.:.:.:.`、:.:.:.ハ
匸[_匸_]:.:.:.:/:::/:.:.:.:.//:∧:.:.:.:.:.:.:`、:.:人__
≫―==彡/::/_/:::/:.:.:.:.〈/:/ ∨:.:.:.:.:.:.:|:.√ ̄\
く/ ┌―=≦∠__/:.:.:.:.:.:.:.:厶イ ∨:.:.:.:.:.j/:.:.:.:.:.:.:.:.\
/¨¨¨ア:.|:.:.:.:.:∧¬ト/}/ ∨:./:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:`、
/ ∠__:.:|人:.:{ ,≫¬y -=彡 У:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、
/ ,,‐┬'’:.:.:.:.\ヽ弋ツ '''/:.:.:.:.::/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、
,′ /´ /:.:.:\:.:.:.:.:.:.ハ ''' /:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧:|
.′ | /:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.込、 - |:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. 〈 <ノ いや、そうは言うけどさ。
′ | ./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.> イИ/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./}∧:.:.\_ノ〉
| |∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、__/ア┘ |:.:.:.:.:.:.:.__/⌒\ `'ー‐彡 .言いたい事は分かるけど
i | |{_人:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ ./` ´/|:.:.:.</::::/: : : : : : \
|. ├―ヘ \:.:.:.:.:.∧.:.::| |'⌒У 八(⌒´::::/: : : : : : : : : ニ=┐
| ∨ハ: )/}/: :)/ |: :/ /:::::| : : : : : : : : : : : : |
八 _,,. イ}| |: : : : :/└- _|厶ニ= /:::::: | : : : : : : : : : : : :∧
` ̄ 乂_/| ̄ ̄Y∩Y ̄ ̄\_/:::::::八: : : : : : : : : :/ 人
{:::::〉///.ЦЦ//////|:::::::::::::::::>┐: : _/ / `、
∨|_/| | \__/::::::::::/:/  ̄⌒`く. `、
∨///.| |///∧|::::::::::::::::::/ 冫 `、
└‐y_/ .L__//∧:::::::::::::::/ / /
/::/  ̄√:::::::::::::〈 ̄フ / ,'’
人:{___ |::::::::::::;;_ノ/〈 / ,, '’
/ ⌒ニ=―‐┴=ニ⌒ ∨/,/ ,,'’
/ / i | i / /
/ ./ i | .i _,,ノ ノ:.:.\
- 995 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 01:21:42.54 ID:YokoiBxb0
-
※新スレ立てて来るのでしばらく休憩で
- 996 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 01:32:52.73 ID:YokoiBxb0
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| 新スレ |:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ//
| | >:´|、 - ,|`:<
| | |::::::::| > イ |::::::::|
| | >-、\! !/::,-< やる夫が正史を書くようです58
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| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 997 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 01:33:26.72 ID:YokoiBxb0
-
※続きは新スレで投下します
- 998 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 09:04:36.23 ID:YokoiBxb0
-
- - ──ー - -、
/i ,.-‐''"´ \ i\
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l >>847
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ パンサラッサさん凄かったですね
| i ̄i ̄i ̄i """ |
l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ /
`/ | | \ /
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ てかサウジカップ日本馬多すぎないか…むぐ
| ( ●)(●)
. | (__人__)____
| ` ⌒/ ─' 'ー\ 適性の勝利って感じだな
. | /( ○) (○)\
. ヽ / ⌒(n_人__)⌒ \ ツインターボさんが平成のパンサラッサなんだよなあ。
ヽ |、 ( ヨ |
/ `ー─− 厂 / 実績的に考えて
| 、 _ __,,/ \
- 999 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/03/03(金) 23:47:43.01 ID:/OIaRW5F0
- 【日本2−7中日】
- - ──ー - -、
/i ,.-‐''"´ \ i\
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l 侍ジャパンのどこに侍がいるんですかね?
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ
| i ̄i ̄i ̄i """ | .阪神さんもセ・リーグの意地を見せて下さいね
l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ /
`/ | | \ /
「l\
{ヽ { !::、\
{ ::.\ l l::::} }
乂:::>ヽ _>''^~ ̄`┴く``〜、
__( ̄{_、<二....,,,_ヽ :ヽ: : :\
く (>イ ``\: : ヘ : : :ヽ
У 〉、 、_rーっ\ '/ : ヘ: : : ヘ
/ j :/,-、`ー-‐_,. ̄ ̄\'/ : ヘ: : :ハ
√ .i:/  ̄ ィ'^笊^ア } : : l i: : : l
{ :∧ィ'示` Vシ、′ ! : : l l : : :l
l i '/圦Vソj j : : :l|: : l
|l ! '/l `__ j! . : :j!: l: : : !
|l | 乂_,,. 〈 / ヽ u / . : :/: : ! : :/,
jj| :.:ト、 ∨__ノ . :/ . : :/l : : l : : /,
‖ ! ;.l.:.\ . : : / . :/; :l : : l : : : /,
‖ ノ } l:.i.:.:.`ー┬ / :/ 〉ー-=、、_ : : .\
'/ //:.j.:.:.:>'/ :/ // /:/ `ヽ: : .\
/ ..: .:/イ>'" / . :/‐'" / /:.:/ Y: : : .`'<
// .:.:.:/ ,l// / . : { _/ /:.:.j! l : : : : \ `'<__ノ
Y.イ .:.:./ j!/..、、、{ { . : :l'ヾ /:.:.:.j 八: : : : ヽヘ ̄
- 1000 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/03/03(金) 23:54:37.95 ID:/OIaRW5F0
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| 新スレ |:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ//
| | >:´|、 - ,|`:<
| | |::::::::| > イ |::::::::|
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| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
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- 1001 :1001 :Over 1000 Thread
- _,,-‐'' ̄`''- 、,_
. /:::::::::::::::::__;;;;;;;;;`ヽ
|:::::::::::::/ `''ヾ、
|:::::::::/ ヽ
. |:::::::|
. ┌―――|::::::|―――――┐
| _,,,,,,ヽ::| |
| 帝凍庫クン |
|_________________|
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../ | -―- 、__, .|| .\
/ l '叨¨ヽ `ー-、 .|ト、 \
r、 / .!〕 ` ー /叨¨) || \ \ ,、
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