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やる夫が正史を書くようです57
- 239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/24(木) 07:25:17.95 ID:89AFqDaL0
- 乙
- 240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/24(木) 08:03:15.49 ID:2bn1AYIC0
- 乙でした
>>238によって、王浚の失策がさらに強調されているww
- 241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/24(木) 16:50:54.32 ID:SJD03p75O
- 乙です
杜預さんの息子が出オチで死んでる…
- 242 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/11/24(木) 18:25:11.29 ID:uXm0xpmj0
- 【>>209修正】
【紀元314年夏頃の勢力図】
.,、
、-' ヘ
,r'`ー-、_;_, 拓跋部 段疾陸眷 /´ /
r'´  ̄ヽ, 【段匹磾】 ,r'´ r' r‐
} { ,.、_ノ _"7 /
/ r' / 'ー'´
./ ノ 【劉琨】 ヽ
' { 'ー、 r'‐-,_,_ィ_
} 石勒 【邵続】/ヽ_r' _r'´
{ 劉聡 r-'´ 曹嶷 r'
`ヽ } ノ }'ー'
{ { r【劉演】 r'
'´`ー-, ヽ / ノ r'
\ 'エ_,.-‐'`ー―‐'―= ‐' .,
 ̄ ̄`ー‐'―'´ (魏該)(李矩)【荀組】 > 【】()は晋王朝系
【司馬鄴】 ,ヘ' ヽ
r-v'γ ヽ ハ_
ィ-v __ゝ、 `{_,、
,、_ r' `,=-、
杜曾 `' r' {__'ィ }
,. -――'´`ヽ , _,.r'【司馬睿】 __/`
_/ ヽ ,/ ヽ ノ `^ー'`>
_ィvー'´ 杜弢Z、 /(陶侃)ー-,r' } --=´::::::::::::::::::::::::::::::::: : ヽ
r-‐'´} {`ヘ } /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヘ
'ー'`" `ー' r、} /:: ,': : /i:::::::::::::::i:::i::::::::::::::ヽ\
(王敦) . /i::: {:: /. '::::::::{::::ハ_|ゝ::::::::::::::',
{: : i..,'  ̄ ':::::::i!::,'. ヾ ̄ヽ::::::',::}
|',:: ',{====\ {`=====. i::::::::}/
石勒にすれば、 Y |;;;;;;| ` |;;;;;;| |::: : ,'
王浚を倒して半年もしない間に敵が増えた格好だ。 i `"´ `"´ i:: : ,'
. `i> __ <|:: /
四方に敵を抱えてしまっている l//: :ヽ=/: :\//
ヘ`゙<ヽ/>彳/
ヘ. ⊂只⊃ /
} 〃 ヾ {
- 243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/24(木) 20:28:04.03 ID:rOgalQ8u0
- >>186
やっぱ事前の根回しは大事よなぁ
- 244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/24(木) 20:47:40.61 ID:TXpdpFZco
- 乙でごわす
土壇場でのギリワンはこの時代でもあんまりよく思われませんからなぁ
- 245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/25(金) 00:49:49.99 ID:wKZOHFw60
- 乙です
KOEIのゲームでも内政は大事
- 246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/25(金) 23:36:59.96 ID:582mUXxi0
- 乙、石勒の敵を潰しても潰してもまた敵が増えていく様はまるで織田信長のよう
- 247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/26(土) 00:28:42.03 ID:eBJLk2Bc0
- 乙でした
段匹磾と段文鴦ってこれまでの行動を見てもあくまで一貫して晋を支えようと行動してるし、後世にもっと忠烈の臣として語られて良いような気がしてきます(なおウマヒョイ
- 248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/26(土) 21:59:40.93 ID:039R7BME0
- 司馬越があそこで急死しなかったら
石勒もまだ南の方でグダグダしてたか下手すると討たれてたかもしれないと考えると
大きな出来事だったな
- 249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/27(日) 09:39:18.78 ID:qdsbTd11o
- 司馬越死ななかったら江南行って自立してたんだろうか
- 250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/27(日) 21:55:10.81 ID:n8JqE1t5o
- ぼっちちゃん見てるのなんかつれーからわたてん見てるわ
- 251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/27(日) 21:55:58.07 ID:n8JqE1t5o
- すみません誤爆ですorz
- 252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/28(月) 16:57:40.03 ID:VQIvOQfw0
- >>247
段匹磾、『晋書』に西晋末の武将として伝が立っているから(異民族の「載記」ではない)、『晋書』的には忠臣評価
- 253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/28(月) 20:00:27.01 ID:bq71toIZ0
- みんな宇文氏の事も忘れないであげて・・・
後の宇文泰は敗北して落馬したら騎乗してる部下に槍でケツ突かれながら逃走したけど
隋唐に繋がる超重要人物だし
- 254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/30(水) 20:12:32.83 ID:hrIBWP2c0
- 石勒の怖ろしいところはちゃんと身の程をわきまえて退ける所だよなぁ
正面切って勝てなかった相手にこの嗅覚で何度も最終的に勝ってきた
- 255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/30(水) 20:43:52.60 ID:m7rz6zDRo
- まさに高祖リスペクトのムーヴ
- 256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/01(木) 01:49:16.53 ID:vxXGw6Pz0
- ただし敵を[ピーーー]時は白起項羽リスペクトの坑殺な模様
- 257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/02(金) 20:02:24.94 ID:QAbRDNJJ0
- 敵対された場合でも段部が一致団結して行動できなくなった時点でもう「義兄弟の契り」の狙いは果たしてるんだよねこれ
- 258 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/13(火) 00:54:05.07 ID:63vhgOgW0
-
- - ──ー - -、
/i ,.-‐''"´ \ i\
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l 御無沙汰しています。
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ
| i ̄i ̄i ̄i """ | .今週前半まで仕事が忙しいので、
l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l .12/15(木)の夜に続きの投下を予定しています
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ /
`/ | | \ /
- 259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/13(火) 16:38:39.62 ID:QTP7UJjy0
- >>1さん了解しました。
年末でお忙しいでしょうが、楽しみにしています!
- 260 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:04:51.75 ID:3dxFmBQf0
- 【>>235の続き】
【紀元314年2月 晋 并州 陽邑】
.,、
盛楽 、-' ヘ
,r'`ー-、_;_, ○ 薊 /´ /
r'´  ̄ヽ, ○ ,r'´ r' r‐
} { ,.、_ノ _"7 /
/ r' 晋陽 太 / 'ー'´
./ ノ ○ ヽ
' { ● 行 厭次ー、 r'‐-,_,_ィ_
} 陽邑 ○襄国 ○ /ヽ_r' _r'´
{ 平陽 山 鄴 ○ r-'´ 〇 r'
`ヽ } ○ 壺関○ ○広宗ノ 臨淄 }'ー'
{ { 脈 r○廩丘 r'
'´`ー-, ヽ / ノ r'
\ 'エ_,.-‐'`ー―‐'―= ‐' .,
 ̄ ̄`ー‐'―'´ ◎洛陽 ○開封 〇 >
○長安 ○○許昌 下邳,ヘ' ヽ
襄城 ○葛陂-v'γ ヽ ハ_
ィ-v○寿春 __ゝ、 `{_,、
,、_ r'○建康 -、
○襄陽 `' r' {__'ィ }
,. -――'´`ヽ ,、 , _,.r' __/` ,. :-:.' ー ' ¨ :.ゝ.、
_/ ヽ ,/ ヽ ノ `^ー'`> ,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
_ィvー'´ Z,、 / `ー-,r' } ,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ、
r-‐'´} {`ヘ ,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`、`ゝ
'ー'`" `ー' ,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ハ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
/イハ:!:.:.:l:/ i/ ノノ ノリリハリ:!:i:.:.!:.l
i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ハ!
∨|:.:.! ノ/i/ノ
さて、少々時間を戻すが、 ヘ!:| ノ!/′
この建興二年の二月、劉琨が大将軍に任命されている ヾ!>ー- -- <イリ
(;;;;;ソ⌒) ̄`´ ̄(⌒ヽ
ヽ;;=;;/__,,、_/;;`ソ
〉;;;;;;;;ソ:/A.i:l;;;;;;!′
ノ`;;;;;;;;;;i;!___i;!;;;;;ゝ、
(_;;;;;;;;;;;7;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ;;;;;;;;)
` ̄ ̄ ̄´` ̄ ̄ ̄´
- 261 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:05:49.48 ID:3dxFmBQf0
-
. /ニYニヽ ./ニYニヽ
/ (0)(0)ヽ ./ (0)(0)ヽ
/  ̄`´ ̄ \ /  ̄`´ ̄ \ 皇帝陛下は劉琨様を
| ,-) (-、.| | ,-) (-、.| 大将軍に任命すると仰せですっていう。
| l ____ l | .| l ____ l |
\ ` ⌒´ / \ ` ⌒´ / 何卒、お力をお貸し下さいますよう
,、-='l \_,ン g< \ ,、-='l \_,ン g< \
/ \ └〆\ i=i|\' \ / \ └〆\ i=i|\' \
丿 i \ \=i| / i| 丿 i \ \=i| / i|
,、丶`  ̄ ̄ ̄ ``丶、
/ _ -‐\ \ \
, -=二ニニニ=-\ \ ヽ _ -=二
/ニ=- \ \ ヽ ', /二二
/' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ=-
/ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄__
|八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二二二
i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、  ̄
身に余る光栄。 .| | ,ィ=ミ\ `¨ `、 ( ノ人 \
|i 爪 vリ __、 〈 ヽ \
古人には及ばないけれど、任を果たせるよう努力するわ 八 ハ ' \、 \ \
ヽ 込 、 - / \ \ \
| 个 ィ / ' \――― ミ
| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒ヽ
__ | | i 八 / '// / ' \
/ ∧、八 |{_// / ' , i '⌒
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 同時に、王浚が大司馬、荀組が司空、張軌が太尉に任命されている
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 262 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:06:21.61 ID:3dxFmBQf0
-
/ _ -‐\ \ \
, -=二ニニニ=-\ \ ヽ _
/ニ=- \ \ ヽ ', /二
/' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ= 温嶠殿。
./ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄_
|八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二 .各州郡に檄文で通達を。
i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、
| | ,ィ=ミ\ `" `、 ( ノ人 \ .石勒が幽州討伐を申し出たので、
|i 爪 vリ __、 〈 ヽ \ .人質を受け入れて和睦に応じると
八 ハ ' \、 \
ヽ 込 、 ァ / \ \
| 个 ィ / ' \――― ミ / ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:、: :\:、
| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒ヽ /: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ハハ: \: :ヽヽ
__ | | i 八 / '// / ': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|`´ ヽ: :三_〉:_ヽ、_
/ ∧、八 |{_// / ' , /: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :| |: :|: : :|:!: : ̄彡´
|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :| }: :|: : :.:|:.|:<
{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.リ、/_/ j从: : :}:|:.|、:_:_≧
\}: : ∨: :|: |≧-_、: : / ィ≦⌒ヽイ: :/: !:.!: /
イY:.:{: : Y ハ斥 ∨ ら:刈 |:/:{:.:|:.|/
-イ: :ト、: 圦 ら::ム マしソ }: :.|: |:.|
王浚様との関係修復が難しいとはいえ、 Y、:\:」 マし' , "´ /: /: :{リヽ
これは賊の片棒を担ぐようなものではないでしょうか? \: ハ _ __ ι ィ: /r≦―-、
\:> _ ...イ: :// ̄ ̄ヽ:.i
/\〉:.:./三ヽ j: // // ///Y
/{:.:.:.:.:.:.:\三、/W //}:.∨ }|
晋 建威将軍 温嶠
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 石勒が劉琨へ和平を申し出たのはこの前後と思われる
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 263 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:08:09.68 ID:3dxFmBQf0
-
___
_,. </⌒``丶.
´ ,.-‐=roz=‐- 、 \
. / /> 7´ ̄ ``ヾ{ ヾヽ
′ / l{ ヽ `、 X
{ 从 |__ i |! そんな事はないわ。
| |', -/‐ \ ´|\ | | |!
_/)__n/| | ∨ __ \ ィ示刈 |、A .良い機会だから、
⌒{^ヾ{ `| ∨ ィ示 乂ソ | | }ハ 期日を決めて、拓跋部と共に劉聡を討伐しましょう。
. _「ヾ! V从 ', 乂ソ | |/ ',
⌒7ヽ ヽ、 `、 } |:、 ' ,:| | .さすがに石勒といえども、
⌒`、 `,.>┬z|个:._ ー ' /| | .王浚相手に簡単に勝てるとは思えないし
>'"7 / / ./ ̄// T>: . . :イ_ | |
/ / / / / ./V ̄ ` 、r {: : : : : : : :}j} {
/ ̄/ / /.>┐/ /"⌒`、 ` 、\: . : :j} .ト
. /_/.> / / /:/ / V`、 ヽ. \. j} | / ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:、: :\:、
. V_/ / / / /:/ / Vム_jノ__ \} | /: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ハハ: \: :ヽヽ
/ / / / /:/ /⌒\ Y´二 /Yト、/__/ ': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|`´ ヽ: :三_〉:_ヽ、_
/: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :| |: :|: : :|:!: : ̄彡´
|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :| }: :|: : :.:|:.|:<
{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.リ、/_/ j从: : :}:|:.|、:_:_≧
\}: : ∨: :|: |≧-_、: : / ィ≦⌒ヽイ: :/: !:.!: /
イY:.:{: : Y ハ斥 ∨ ら:刈 |:/:{:.:|:.|/
-イ: :ト、: 圦 ら::ム マしソ }: :.|: |:.|
そう上手くいくでしょうか? Y、:\:」 マし' , "´ /: /: :{リヽ
\: ハ _ __ ι ィ: /r≦―-、
\:> _ ...イ: :// ̄ ̄ヽ:.i
/\〉:.:./三ヽ j: // // ///Y
/{:.:.:.:.:.:.:\三、/W //}:.∨ }|
- 264 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:09:00.20 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元314年2月 拓跋部 首都 盛楽】
. /ニYニヽ
/ (0)(0)ヽ
/  ̄`´ ̄ \ 我が主劉琨は三月某日に平陽を攻めると仰せですっていう。
| ,-) (-、.|
| l ____ l | これに合わせて、拓跋猗盧様の御助力を仰ぎたく存じますっていう
\ ` ⌒´ /
,、-='l \_,ン g< \
/ \ └〆\ i=i|\' \ /|/ :': ̄: :ヽ. 、`ヽ./`、
丿 i \ \=i| / i| /: :/ : : : : : : : : : : \ ∩!:.、
./: : : :!: : : : : :`、: : : : : : :\.|: `、
/: : i: : : '、: : : : : : :}: :i: ; : : : : :`、 : ;
.! : : |: : :!:|`、: 猗 :-t=ナ:+: : : : : : '; : '.
.'; : : `、,x:T `、: : :/ィテ=ミ.!: :|: : :|: |: :.i
.ヽ: 、 \ィ=ミノ/ .{ハ_イ`!〃: :/:∧: :',
.ヽ:\:'、.ヒリ ー' ‖:/:/:!: '; :.`、
こちらとしても異論はありません。 ./: : ` ′ ./: : : : : | : |: : ;`、
./.i; ; ; '.、 ー ´ /: : : : : :.!: : i i: :ト }
期日通りに平陽でお会いしましょう ./ !: : : : i> 、__ ./': : : : : //:}: !/!: !.'}
|:!: : : :/: \,.<}_..〃: : : /〃.///:}/-′
!|: |:|:/:ヽ\:|∩.n!.|: : //>´ ′
``i i:!:`::<::{`/::!:i: :/: : :`>.、
/`、|:::::/,. =-、::::::`、|::::::::::::::::::::ヽ
/:::/`o/::〉__/:::::o::::::`!:::::::::::::::::::::::!
拓跋部 大人 拓跋猗盧
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .劉琨はこれを劉聡討伐の好機と見た。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 少し後に彼が書いた上奏文によると、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j この年の三月に拓跋猗盧と共に平陽を攻略する手筈だったらしい。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 拓跋部側の記録である『魏書』『序紀』にも
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 両者が期日を決めて平陽で合流するとの記述が残っている
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 265 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:09:44.42 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元314年2月 晋 并州 陽邑】
. /ニYニヽ
/ (0)(0)ヽ
/  ̄`´ ̄ \
| ,-) (-、.| 拓跋猗盧は出兵を承諾しましたっていう
| l ____ l |
\ ` ⌒´ /
,、-='l \_,ン g< \
/ \ └〆\ i=i|\' \
丿 i \ \=i| / i| '"  ̄ ̄ ``丶、
/ -―‐-ミ \ \
, /:::(O):::::::::::::::\ ヽ
/ ..:::,、丶`  ̄ ̄ ̄ ヽ ',_
, {/ { \ ヽ: ', Vヽ
,' :| ∧ {、 \:―‐i‐ i //〉
:| i/、、\ \__|__:|_ : : ' /
i :| /| \ 〃う刈 》i |): : :K
| :l ィ笊_ 乂ツ |i | : : :|∧
いよいよ劉聡打倒の好機到来ね。 | | l :爪 乂ソ , || |: : : |/∧
| | | 込 , 从 |: : : |∨∧
王浚にはせいぜい時間を稼いでもらいましょう 八 | 个 ` イ: } |: : : | `⌒
ヽ| \|: : : :≧ー |/:| |_: |
:| |: : ;>rノ^|:H /:/| √/ ̄ \
∧ |7: :._/_ |:. | /:/ , / / /⌒ヽ
/ | 、 {:{ F¬ 、 \ヽ:/ { /| / i
. ,: | } r人\ヽ ∨_, /: |' / |
{ :| | {/ \ ∨/ {_/' |
- 266 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:10:25.74 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元314年3月 晋 并州 陽邑】
|┃ /ニYニヽ
|┃ ./( ゚ )( ゚ )ヽ
|┃ 三 /::::⌒`´⌒::::\ 一大事ですっていう!
|┃ | ,-)___(-、|
|┃ . | l |-┬-| l | 石勒が薊を陥落させ、王浚を捕らえましたっていう!
|┃ \ `ー'´ /
|┃ / `ヽ. 王浚は襄国に送られ斬首された模様!!
|┃ 三 ./ \
,⊆ニ´⌒ ̄ ̄ " y r、 ヽ \__人_人从_人_人从/
⊂二、 ,ノ──-‐'´ | | l" | _) (__
|┠ ' | l/'⌒ヾ ) 申し上げます! (
|┃三 | |ヾ___ソ  ̄ ̄) ( ̄ ̄
/⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
_,/ ̄ ̄` ̄\
/ /二◎二ヽ ヽ\
/ ルノハヽゝ,ハi 〉 .i
iv、!● ● i i' 〈
瞬殺? lリ〈 ワ i i' リ
_iハ`ーゥ t-ノ i 〈
ヒ/」」」.l/リl ly ,ィリヽ、 ヾ
| l | / `.lシl==j \ 〉
| l ,/ー、{::::::::::/ー、! \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ だが、劉琨の目論見は外れた。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 石勒が想像以上の速さで王浚を討伐・殺害したためだ
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 267 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:11:38.42 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元314年3月 拓跋部 首都 盛楽】
_,..、-''"~""''';,‐-..,
`゙''ー-、,__,,..-‐''"'''- ._,,..-‐''~"~"'''''‐-
,__,,...-‐ '''"" , -'" ``丶、.
::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;''.:i;;:;: :::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:i;;:;:..
...::..:..:..::::..:..::.:..:...::..:.il.::::::::::l:ll=lll:::::::l:::l:::::::l::.:il::.:....
...::..:..:..::::..:..::.:..幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵:::..:...
', "゙
_,,.-‐''"_,,゙
__,,.. .-‐'''""~ ,,.. '''
_,,.-‐''" _,,.. ' \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
┌─┴┴─┐ ≧ <
│ .拓跋部 .│ ≧ 拓跋部で匈奴の反乱が露見! ニ=-
└─┬┬─┘ ≧ ≦
││ /Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
"''゙"''゙"
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
≧ 拓跋猗盧は平陽攻めを見合わせるとの事!! ニ=-
≧ ≦
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、 /Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 加えて悪い事に、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 拓跋部に服従していた匈奴・雑胡が石勒に呼応して反乱を計画。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:′ .事前に発覚したため関係者は誅殺されている
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 268 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:13:10.41 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元314年3月 晋 并州 陽邑】
/ _ -‐\ \ \ -‐
, -=二ニニニ=-\ \ ヽ _ -=二=-
/ニ=- \ \ ヽ ', /二二 /
/' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ=-
/ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄___ こうなってはどうしようもないわ。
|八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二二二二
i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、  ̄ .劉聡討伐は中止しましょう
| | ,ィ=ミ\ `" `、 ( ノ人 \
|i 爪 vリ __、 〈 ヽ \
八 ハ ' \、 \ \
ヽ 込 、 - / \ \ \
| 个 ィ / ' \――― ミ \
| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒ヽ / ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:、: :\:、
__ | | i 八 / '// / ' \ ./: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ハハ: \: :ヽヽ
/ ∧、八 |{_// / ' , i '⌒\ ': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|`´ ヽ: :三_〉:_ヽ、_
/: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :| |: :|: : :|:!: : ̄彡
|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :| }: :|: : :.:|:.|:<
{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.リ、/_/ j从: : :}:|:.|、:_:_≧
\}: : ∨: :|: |≧-_、: : / ィ≦⌒ヽイ: :/: !:.!: /
イY:.:{: : Y ハ斥 ∨ ら:刈 |:/:{:.:|:.|/
石勒の動きが気になります。 -イ: :ト、: 圦 ら::ム マしソ }: :.|: |:.|
Y、:\:」 マし' , "´ /: /: :{リヽ
私が冀州の様子を見てきましょう \: ハ _ __ ι ィ: /r≦―-、
\:> _ ...イ: :// ̄ ̄ヽ:.i
/\〉:.:./三ヽ j: // // ///Y
/{:.:.:.:.:.:.:\三、/W //}:.∨ }|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉聡討伐の計画は中止に追い込まれた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 269 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:13:48.86 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元314年5月 晋 并州 陽邑】
|┃ /ニYニヽ
|┃ ./( ゚ )( ゚ )ヽ
|┃ 三 /::::⌒`´⌒::::\
|┃ | ,-)___(-、| 申し上げますっていう!
|┃ . | l |-┬-| l |
|┃ \ `ー'´ / 涼州を治める太尉張軌様がお亡くなりになられましたっていう!!
|┃ / `ヽ.
|┃ 三 ./ \
,⊆ニ´⌒ ̄ ̄ " y r、 ヽ
⊂二、 ,ノ──-‐'´ | | l" |
|┠ ' | l/'⌒ヾ
|┃三 | |ヾ___ソ
_,/ ̄ ̄` ̄\
/ /二◎二ヽ ヽ\
/ ルノハヽゝ,ハi 〉 .i
iv、!● ● i i' 〈
lリ〈 ワ i i' リ
orz _iハ`ーゥ t-ノ i 〈
ヒ/」」」.l/リl ly ,ィリヽ、 ヾ
| l | / `.lシl==j \ 〉
| l ,/ー、{::::::::::/ー、! \
- 270 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:15:35.27 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元314年5月 晋 涼州 姑臧】
- -
/::::::::::::::::::::::::::::::::\
へO/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\へ
/::::::○:::::::::::::::::::::::::::::|:::::::|::::::::::::::::ヽ:::\
{:::::::::::〇::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::|',::::::::::::::::::i::::::::\
|:::::::::::〇 :::::::::::::::/::::::::/|:::::::| ',::::::::::::::::}:::::::::::::}
|:::::::::/ レ:::::::-≠ -/ L :: |> 、:::::::::}:::::::::::::|
|::::::/ ,'i:ノル'佗竿 r。ミ }::::::: ∧:::::::::::|
|:::/ { |::::::込z少 比刈厶.イ \::::::|
|:( ゝ::::::i 、 ´ /:::::| ヽ:::: .文武諸官は忠義を尽くし、
ヽ\ ',::::::.., , 、 :::::::| 丶:.. 百姓を安んじる事を務めとする事。
二ニ/ )ヘ:::::ト ∠ }::::::| ) }
, --〈 ぅ | ¨「_ _」::::::| 彡' 上は国に報いて下は家を安んじる事。
, \ ( 、 」 : { |::::/、
i } _` ´ |::: { レ' i 質素な棺で薄葬し、金玉を納めない事。
| | | |{ >O< } ̄丶 |
| } | = = = = = = = 、 朝廷の意向には従う事
l |,' : : : : : : : : : O : :', |
,' ハ: : : : : : : : ::: : : 〉
| ,' ∧ノ o : : :l : : : : : / l
/ : : : : : : ,': 〇 : o{ _!
| . . : : : : : / : : : : : : {´ ',
晋 驃騎大将軍 張軌
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .五月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 驃騎大将軍張軌が六十で死んだ。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .十三年に渡って
`ヘ:ゝ .' 小/ 涼州を統治した末の死となった
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 271 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:17:21.04 ID:3dxFmBQf0
-
i|
j、 j||!
, {i!ト1:i:}!r! r=,
j|_`¨j!::!|_!Lソ::|!
/;\ ,.、 .,、 r.、 rマ|!|k'´..:::::::::::::::::.', ,、
,.ィ::;:;iy' .::;ゝ/ :.\ / ,.ヽ、 ,.、 ,.、 ノ i|jリ:i!::::::::::::::;::;:::::|! ,.イ :.\
:;:;:'/.,.;:,:イ . ,., :,::;.,v:;.;.;.,.:;:;:;:ミ 、,.イ ':.\ .イ .;.ヽ、j! !.:.;:;:::::i!:::iレ1:::::i;ト、_ _,.ィ.;:;. .,:;.;:;..\ _ ,.イ:
,.イ .:;:/ ;.,...;.:,:;.,.;.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ィ..;:, ..;:.;.;:,.ゞー_'゚´.. ..;:;:;:;:/Y≦芝!::::::::::::::::::::::::;ヾi!:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:;:;:;:イ .:.;.;.,:;:;:;:.:.;.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:'/..;:;:.,:,:;:;:;:;.:,..;: ';:,.,:;:,.;:..:;:;:;:ir'..:::::::Y/.:::::::::::::::::::::::::::::;jト:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;..:;:;...;:;..;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;;;イ.N!:;;i´j!i Y.::.::::::::::::::::::::::::::;:;i!:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:(爪:..i!ハvヘ.:::::::レ'.:::::::::::::::::::::::::::从:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:iレ'j!:人リ:;1!|!:;:::;:::::::::::::::::::::::::::;::;i:;:i!:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
:;:::;::::;::::::::;::;::::::::::;::::::::;::::;::::::::::;:::;:::::::::;::::;::::;::;::::;:::;:;:;.`ヾiレ'゚.::;::;:::;:::;:::;:::;:::;:::;:::;:::;:::;::ル八':,:.:;:..:;:..:.;::;::::;::::;::::;:
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ' . : . : . : . ' ;.::;:::::;::;::;.`_:-::‐;:-=:ニ;::ニ:´;:ニ.:;≠=.;ir.'.;.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
: : : : . : . : : : . : . : . : . : : : : . ' " . . . . . . '::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.;.:,: : : . : . : . : . :
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ` :.:;::;:::;: ' ::::::::::::::::::::::::::::::::.:::::::::::::;:;:'. : . : . : . : . : . : .
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . '.: ;::.:.:::::::::::::. ':::::::: ' . : . : . . . . . . .
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ':;::::::::: ' ::::: ' . . . . . . . . . .
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ' .;: ' . . . . . . . . . . . . .
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 涼州の人々は張軌の息子張寔を後継者に推戴。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 皇帝司馬鄴は策書を下し、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 張寔を都督涼州諸軍事・西中郎将・涼州刺史・護羌校尉・西平公とした。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 事実上、張氏による涼州統治の世襲を認めたのである
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 272 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:18:01.20 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元314年夏 晋 冀州 常山郡】
-=- .
. -,へ─‐- . / \
,. : : :/: :,: ヾ : : : : : :〈{ ‐-x=- 、 \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
-=≦: : : /: : :/: : /: : : : , : : : : : :ヽ: :\ ) >
_,. イ: : :/: : :/: : /: : /: /:ィ,,ヘ:゚。: : :}: : : :゚。 < 温嶠様! >
.. ー=≦ : :/: : :/\/ : :/: /:/:|"゙゙}i:}ニニ}: : 「ヽ} < (
ー≠: :/ : : ィ=ミヽ/: /:/: :| _}l:}ニニ}: : :} /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
/イ: /.: :〃んハ 厶イ:/ィ斗、从: : :': : :イ
/イ: :ィ⌒ 乂rソ ノ' んハ Y: : ィ j{: :{=- . これが石勒の軍勢。
. }イj '〈 , 乂:ソ イ: :/ }八: ゝ ヽ
. ノイ`杁 ,...., _ ムイ==- 、.:.:. } 石勒自身の姿は無し、と
ノイ丶 ‘ ′ ィ=- . . . . . .}.:.: /==- . _ \__人_人从_人_人从/
//. . . .}=≧=-<ニ{ ヾ≦三三三三〉=-=.} _) (__
{ {{. . . とィ=ミ._ ゝ .._ :. ゚。 ゚。 ヽ ) 敵軍の攻勢が!! (
_..イ≦ニニ〈_/ニ/,へ , __,ィ} } } } }  ̄ ̄) ( ̄ ̄
. /_}/ニ=} ̄>=-ミイ > =' _ノ=- ._ / /ニニ ¨¨´ /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
/ {/f′ ‘, >::::::::::::::::::::::≧f´::::::::::ヽ\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
, {ニ| \ /゚三ニ=- `>::::::::::{i ̄`ヽ::::::::≧ <
. / ,{=」 。{三三三三ニ=- \::::\_ ≧≧ 撤退の御命令を!!! ニ=-
/ /:}¨ミ、 ≧三三三三三ニ=- \:::/7 '≧ ≦
. / ,::::ノニヘ\ 、 ≧三三三三三ニ=- 丶 _ /Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .話を劉琨たちに戻そう。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } この後、劉琨軍と石勒軍は
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 冀州の常山郡と中山郡の帰属を巡って交戦。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 二度に渡る軍事衝突の末、劉琨軍は両郡から追い払われた
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 273 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:19:25.11 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元314年秋 晋 并州 陽邑】
:''''"~ ̄~`'' | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l ....;:''''"~ ̄~`''-、__,,....;:''''"~:'
;:''''"~ ̄~`''-、_ || ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| `''-、
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i
 ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ ̄|| ̄! ̄ ̄;/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
 ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
 ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l! ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`l
 ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
 ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
`、 ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
″| ̄ ̄i| ̄!,,| ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄l
| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i ; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄_
''- .._ ~""''' ‐- ...,,__ _,,..-‐''~""''' ‐- ...,,___,,.-‐'
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| 以上が石勒軍に関する報告です .|
ヽ_________________乂
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 石勒は邵続・劉演ら周囲の諸勢力と戦いつつ、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ .常山郡と中山郡を奪う事で劉琨への圧力を強めていた。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:′ .劉琨を取り巻く状況は悪くなる一方だった
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 274 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:20:20.74 ID:3dxFmBQf0
-
/`ヽ': :  ̄: : `: ´: :/: : :`ヽ: 、 \
,/: : :/: : : : : : : : : :_: : :\: :/∧: : ヽ
//: : :/: :/: :./: : : : : {ハ、r 、:.Yヽ,.ハ: : ::.
:':.:|: : :.': :/: :./: :/: : : :.| |: |:|:∨}: : :,:.:.
| : |: :.:.|: :|: : :! : | : : : |:| |: |:|: :Y: :.:|l:| .彼らは邵続様の軍勢に負けてもなお、
,.r'-:.:|: :.:.|:-ト、_|:_:.|:|: : :从_,...イ|: }:{: :.|:||: : }リ 冀州諸郡に兵を出して襄国近郊に民を集めています。
..、_,ィ≦_|: :.:.|:/ィrftォ 、|: :/ ,ィチハ|/: | : |:|:.: ,'
_,..ィ: {: : :圦 ら_jr ! ∨ らr} ': :.}: /:} }/ これが続くようなら、劉聡以上の脅威になりかねません
∧:∨: :| 弋こソ しソ /: :/:/:/ /
{! i从: :.| _' /: :/{/:/
/从\〉:.、 ( У ..ィ{: / i/
r=≦===ミ、:::::::≧ = - ≦!:.|j/
{) /-、:.:.:\〉-、::::::/::::::| /:// / _ -‐\ \ \ -‐
, -=二ニニニ=-\ \ ヽ _ -=二=-
/ニ=- \ \ ヽ ', /二二 /
/' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ=-
/ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄___
|八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二二二二
まさか、本当に流賊をやめるとは思わなかったわ。 .i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、  ̄
| | ,ィ=ミ\ `" `、 ( ノ人 \
今や関東で朝廷から州刺史に任命されて |i 爪 vリ __、 〈 ヽ \
生き残っているのは私だけになってしまった。 八 ハ ' \、 \ \
ヽ 込 、 - / \ \ \
今後は拓跋部と一層の連携が必要になりそうね | 个 ィ / ' \――― ミ \
| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒ヽ
__ | | i 八 / '// / ' \
/ ∧、八 |{_// / ' , i '⌒\
- 275 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:20:58.38 ID:3dxFmBQf0
-
/ ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:、: :\:、
/: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ハハ: \: :ヽヽ
': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|`´ ヽ: :三_〉:_ヽ、_
/: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :| |: :|: : :|:!: : ̄彡´
|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :| }: :|: : :.:|:.|:< 拓跋部。
{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.リ、/_/ j从: : :}:|:.|、:_:_≧
\}: : ∨: :|: |≧-_、: : / ィ≦⌒ヽイ: :/: !:.!: / .こちらの思惑通りに動いてくれるでしょうか
イY:.:{: : Y ハ斥 ∨ ら:刈 |:/:{:.:|:.|/
-イ: :ト、: 圦 ら::ム マしソ }: :.|: |:.|
Y、:\:」 マし' , "´ /: /: :{リヽ
\: ハ _ __ ι ィ: /r≦―-、 / -―‐-ミ \ \
\:> _ ...イ: :// ̄ ̄ヽ:.i , /:::(O):::::::::::::::\ ヽ
/\〉:.:./三ヽ j: // // ///Y / ..:::,、丶`  ̄ ̄ ̄ ヽ ',_
/{:.:.:.:.:.:.:\三、/W //}:.∨ }| , {/ { \ ヽ: ', Vヽ
,' :| ∧ {、 \:―‐i‐ i //〉
:| i/、、\ \__|__:|_ : : ' /
i :| /| \ 〃う刈 》i |): : :K
| :l ィ笊_ 乂ツ |i | : : :|∧
聞けばさる七月、 | | l :爪 乂ソ , || |: : : |/∧
長安の朝廷が劉曜の軍勢を打ち破ったとか。 | | | 込 , 从 |: : : |∨∧
. 八 | 个 ` イ: } |: : : | `⌒
私と拓跋猗盧の連名で戦勝祝いの使者を出そうと思うわ。 .ヽ| \|: : : :≧ー |/:| |_: |
:| |: : ;>rノ^|:H /:/| √/ ̄ \
拓跋部からは馬でも献上してもらおうかしら ∧ |7: :._/_ |:. | /:/ , / / /⌒ヽ
/ | 、 {:{ F¬ 、 \ヽ:/ { /| / i
. ,: | } r人\ヽ ∨_, /: |' / |
{ :| | {/ \ ∨/ {_/' |
, | | | > _ V:/:.:|/ ,
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『愍帝紀』より。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 建興二年の六月から七月にかけて、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .長安政権の索綝・麹允が長安に迫った劉曜らの軍勢を撃破している
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 276 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:22:54.20 ID:3dxFmBQf0
-
/ _ -‐\ \ \
, -=二ニニニ=-\ \ ヽ _
/ニ=- \ \ ヽ ', /二
/' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ= 良い機会よ。
./ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄_
|八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二 陛下には我らの忠節を知って頂き、
i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、 .拓跋部へ何か恩典を授けて頂きましょう。
| | ,ィ=ミ\ `" `、 ( ノ人 \
|i 爪 vリ __、 〈 ヽ \ .拓跋猗盧も嫌とは言わないでしょう
八 ハ ' \、 \
ヽ 込 、 ァ / \ \
| 个 ィ / ' \――― ミ / ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:、: :\:、
| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒ヽ /: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ハハ: \: :ヽヽ
__ | | i 八 / '// / ': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|`´ ヽ: :三_〉:_ヽ、_
/ ∧、八 |{_// / ' , /: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :| |: :|: : :|:!: : ̄彡´
|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :| }: :|: : :.:|:.|:<
{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.リ、/_/ j从: : :}:|:.|、:_:_≧
\}: : ∨: :|: |≧-_、: : / ィ≦⌒ヽイ: :/: !:.!: /
恩典。 イY:.:{: : Y ハ斥 ∨ ら:刈 |:/:{:.:|:.|/
-イ: :ト、: 圦 ら::ム マしソ }: :.|: |:.|
一昨年代公に封じたばかりではありませんか。 Y、:\:」 マし' , "´ /: /: :{リヽ
\: ハ _ __ ι ィ: /r≦―-、
公より上の恩典となると…… .\:> _ ...イ: :// ̄ ̄ヽ:.i
/\〉:.:./三ヽ j: // // ///Y
/{:.:.:.:.:.:.:\三、/W //}:.∨ }|
- 277 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:23:28.87 ID:3dxFmBQf0
-
/ ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:、: :\:、
/: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ハハ: \: :ヽヽ
': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|`´ ヽ: :三_〉:_ヽ、_
/: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :| |: :|: : :|:!: : ̄彡´
|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :| }: :|: : :.:|:.|:<
{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.リ、/_/ j从: : :}:|:.|、:_:_≧ .……代王、ですか。
\}: : ∨: :|: |≧-_、: : / ィ≦⌒ヽイ: :/: !:.!: /
イY:.:{: : Y ハ斥 ∨ ら:刈 |:/:{:.:|:.|/ 夷狄を王にするなんて前代未聞です。
-イ: :ト、: 圦 ら::ム マしソ }: :.|: |:.|
Y、:\:」 マし' , "´ /: /: :{リヽ .段部ですら郡公止まりではありませんか?
\: ハ _ __ ι ィ: /r≦―-、
\:> _ ...イ: :// ̄ ̄ヽ:.i
/\〉:.:./三ヽ j: // // ///Y
/{:.:.:.:.:.:.:\三、/W //}:.∨ }|
_,/ ̄ ̄` ̄\
/ /二◎二ヽ ヽ\
/ ルノハヽゝ,ハi 〉 .i
iv、!● ● i i' 〈
lリ〈 ワ i i' リ
もう王浚もいないし、代郡を全部譲ってもいいかなって _iハ`ーゥ t-ノ i 〈
ヒ/」」」.l/リl ly ,ィリヽ、 ヾ
| l | / `.lシl==j \ 〉
| l ,/ー、{::::::::::/ー、! \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 長安の戦勝の一報が届いた後、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 劉琨が朝廷へ上奏文を送った事が『晋書』『劉琨伝』に見える
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 278 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:24:02.42 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元314年秋 拓跋部 首都 盛楽】
_,..、-''"~""''';,‐-..,
`゙''ー-、,__,,..-‐''"'''- ._,,..-‐''~"~"'''''‐-
,__,,...-‐ '''"" , -'" ``丶、.
::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;''.:i;;:;: :::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:i;;:;:..
...::..:..:..::::..:..::.:..:...::..:.il.::::::::::l:ll=lll:::::::l:::l:::::::l::.:il::.:....
...::..:..:..::::..:..::.:..幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵:::..:...
', "゙
_,,.-‐''"_,,゙
__,,.. .-‐'''""~ ,,.. '''
_,,.-‐''" _,,.. '
┌─┴┴─┐ .|n` ´ _..゚..--..゚_ ` ',=,|
│ .拓跋部 .│ , |`./:¨¨´: : : : : : : >.、 じ !
└─┬┬─┘ /:/: : : : ;イ: : : : :、 : : : : : `ヽ..ハ
││ ‖: : : : : / {: : : : : `、: : : : : : ヽ : '、
"''゙"''゙" ./: : : : {: /_'、: : : : _`、:、: : : : : '; : i
./: : : ::ィチ'_ \ :猗 ハ}¨:ヽ、: : :! : ',
/:{:'、: : : {.ィ=ミ `、: :/'テ=x} }:/: : : '、
/: :ヽ \:〈 {ハ イ .ノ ′ |ハ イ 〉': : : |: : : '、
ほう、馬を長安の朝廷にですか? / : : : : : : \ー ′ ー ' ./: : : :|: : `、',
‖: : :|: : : : :'、 ′ ./: : : : :i: : : : !'、
我々の力を示す意味でも悪くない話ですね。 |:!、: : '、: : : : :\ ー 一 ./: : : : : :′: !: | }
'{ `、: :`、: : : :`、> 、 .,.x≦': : : : : /: : /| ;' ′
提案に乗りましょう `、 ヽ\\ : : : V L_`_´_.ト‖: : : :〃:〃 ノ′
/ヽ: : :| ) f^i ∩/| : : //
_ ニコ' : /\し'.<__:{: ‖=`_
./::::::::::::::::::}/r:; ---、::::::::::::V`::::::::::::::::`、
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ また、『晋書』『愍帝紀』には、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 十一月に拓跋猗盧が使者を派遣して馬を献上したとある。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .この使者に劉琨の使者も同行し、上奏文を長安へ届けたと思われる
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 279 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:25:49.97 ID:3dxFmBQf0
-
.,、
盛楽 、-' ヘ
,r'`ー-、_;_, ○ 薊 /´ /
r'´  ̄ヽ, ○ ,r'´ r' r‐
} { ,.、_ノ _"7 /
/ r' 晋陽 太 / 'ー'´
./ ノ ○ ヽ
' { ● 行 厭次ー、 r'‐-,_,_ィ_
} 陽邑 ○襄国 ○ /ヽ_r' _r'´
{ 平陽 山 鄴 ○ r-'´ 〇 r'
`ヽ } ○ 壺関○ ○広宗ノ 臨淄 }'ー'
{ { 【上党郡】脈 r○廩丘 r'
'´`ー-, ヽ / ノ r'
\ 'エ_,.-‐'`ー―‐'―= ‐' .,
 ̄ ̄`ー‐'―'´ ◎洛陽 ○開封 〇 >
●長安 ○○許昌 下邳,ヘ' ヽ
襄城 ○葛陂-v'γ ヽ ハ_
ィ-v○寿春 __ゝ、 `{_,、
,、_ r'○建康 -、
○襄陽 `' r' {__'ィ }
,. -――'´`ヽ ,、 , _,.r' __/`
_/ ヽ ,/ ヽ ノ `^ー'`>
_ィvー'´ Z,、 / `ー-,r' }
r-‐'´} {`ヘ
'ー'`" `ー'
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 使者は劉琨統治下にあった上党郡を南へ抜け、
\ヽ、 _ , イ!::/ .魏該が勢力を張っていた洛陽周辺を通過して長安へ至ったと推測される
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !______
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 280 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:26:40.59 ID:3dxFmBQf0
- 【劉琨さんの上奏文(一部抜粋)@『晋書』『劉琨伝』】
-――-
/__/ -―- ``丶、
'/ /::/  ̄ ̄ ̄ \ \
/ ∨ \ \ \
i | |ヽ \ \
i | | | | ト ⌒ヽ
| | | / /'| {xミ |
| :八 / / | 佗 Y 八
/ _ ∨! , \ x=ミ |/ , "|' ヽ
. / /⌒ヽ }/ / _∧ /vツ ' | i 三月三日。
- / ⌒ --=彡' / ( 、 、 " , / | |
/ / { / / } / ト ∧ ト ___ /! ; , 匈奴羯の石勒が薊城を包囲し、
// , 八__/ /⌒'/ / ヽ∧ ∨:./: : :.:| | / .偽りの和睦を受けた大司馬王浚を捕虜としました。
. / i 、 { /____./ __ \、 ∨八从| |:/
l / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/  ̄ ̄ \ \ | / .東北の州刺史は八人いましたが、
/::  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄::/=x==ミr―、 \ \ | , .七人までが石勒に滅ぼされてしまいました
/:::/ ̄/:::::::::::: / } / へ 7}八ヽ八{
. /:::::::: ̄ ̄::::::::::::::/ | |八 {/|///| ̄ヽj \ )
/:::::::::::::::::::::::::::::::::/:/ | | /} |///| i: \、
../:::::::::::::::::::::::::::::::::/ ノ_,ノ 人 / -―-ミ / { /=|
:::::::::/ ̄/:::::::::/ / | ///////〉二∨, __/二:|
::::::::: ̄:::::::::::: / / /-=二二二二二} |/|ニニ,
::::::::::::::::::::::/ / /∨==/ ̄ ̄\ニ/_//,|ニ=/
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉琨は上奏文で石勒の振舞いについて触れ、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 南陽王や張軌、長安政権の面々と国難に当たると述べている
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 281 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:28:36.62 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元314年11月 晋 雍州 長安】
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';, 皇帝陛下。
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii', .今、世の中は馬が流行っています。
',ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii,'
;:::: / \ '; .巷で評判のウマ娘より、
';:::: ● ● ;' 拓跋部産の馬の方がタフな上に速いのでおススメです
';:::.::.: (__人__) ;'
'':、::::.. ,.,::'
`;'' `""'' '' '' '' '' ''""´ .′ ,! : ! i::::::::i :,
i /! .ト i ! .iニニ| |
! l i-、. |ヾ , ‐‐ 、 ! ! |::「:!」 |
E | :, | ヽ \ ! j T!:|、_, ‐、
i}ヽ!笊ヽト、从 ィ示ュ\ l/ |::::::::/ /!
l. ‘, 泛 弐ri ヽ V |:/ .l!__
7. .! 炒 弋ツ ノ / / !' ノ
ありがとう /゚ヽ-、_ ′ :. " 、 ,, / _{/ ヽ._r、/
//_/__Y i : > _ / /.:.:`.:._.:.:V.:.ヽ
{ ,ィ-∨ l l! > 。` . イ `i_ /.:.i.:.:.ヽ.、__,!
i ゚, ヽ∨ l i ! ,! } / ̄`! / /{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:゚,!
. ! }!_ ∧∨ !ヽ! / / ノ、 .' / /∧.:.:.:.:.:.:.:.:.: i!
<,! ノ_/! ∧∨ヽ _ /t〈 `ヽ-、_{ / /ノ.:.:.゚v.:.:.:.:.:.:.:.:!’,
/.,ィ!_r'.:.:i.:.:j、 .∧∨ }_ 〉<ノ | ゝ‐ァkxz_〉,_,>t´ノ.:.:./.:i.:.:.:.:.:.:.:.:ト, ゚v
晋 皇帝 司馬鄴
- 282 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:29:26.52 ID:3dxFmBQf0
-
/ ニYニヽ
/ ( 0)(0)ヽ
/ ⌒`´⌒\
| , -) j
| ´-───- 1 どうにか拓跋部の顔を立ててもらいたいと劉琨様は仰せでしたっていう
\ ` ⌒´ /
/ ヽ
/ ヽ
| | | .,. ', 彡≧~:::::::~ ミ.x:ヽ、
ヽ_| |丿 _,. + /./イ:::::::::f::::::::::l::l::::::ヘヾ.x:ヽ<_
| | .,. '" /〃::::::/::::.l:::::::::::リ::|:::::::ハ:::ヘ\:ヘ ` <
/ f.f/::::::/:::::v|:::::::::/::リ:::::::::::l:::ハl:::ハ ` 、
.f .|/:::::::/:::::/ .!::::::/::,ィ.マ:::::::::|:::::i!:::::l .\
f /,':::::::f::シ l::シ:,.イl:| \::::.|:::::|::::::| l
| 〃!:::::::|メ、, _,/イ:::::N、_,>!:::::|:::::j .|
| i!.l:l::::::::l.,,zェミ_ V从キ _,zェェ.,,!::::|Y:::! .|
.| 八.V:::ハ>.疋ソ`v = r"疋;シ"|:::::|/:::| .|
.| /::::ゞヘゝ -- '"., ` ‐-- ラ!:::::!::::::| |
鮮卑の大人を王にですか l . /:::::::::::::ヘ_,,,,,,._′ ソ:j::::::!:::::::. f
.リ /::::::::::::::::::::>='' sミ.+s.,ィ":::j::::::j:::::::::V .l
./ /彡三ア'''".z彡‐‐-ァ ~≧K.,リ三三ミx .V
,' .〃 ヾ.r" ,. 彡ァ',.xs._ `ヽ__ /ヘ .V
.,' ./l r∧ .r ‐'v'"=ア".ヽ゛ リ`t-zェ彡".V ハ .V
.,' /::i / ≧f~.7 .ヘゞ".V=V.ヘイ/!:::lい V .l .V
.,' ./::/ .《 /li .リ< .\ ルi!ヘ./ .!:::l,.いv ._,. キ | V
晋 尚書右僕射 索綝
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 拓跋部の使者が馬を献上する裏で、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 劉琨の使者が色々下交渉を行っていた可能性が高い
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 283 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:31:08.95 ID:3dxFmBQf0
-
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
',ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii,'
;:::: / \ '; いつになったら帰れるんです僕たち
';:::: ● ● ;'
';:::.::.: (__人__) ;'
'':、::::.. ,.,::'
`;'' `""'' '' '' '' '' ''""´
/::`´`´ヽ r‐ ' _ノ
/:::.:.:. ヽ _ ) (_
/::::::.:. \ (⊂ニニ⊃)
|::::::::::.:.:.:.:.:. | `二⊃ノ
l::::::::::.:.:.:.:.:.:. | ((  ̄
`r'ニニヽ__ / ;;
せっかくだから、 r':ニニ:_`ー三`:く./ [l、
朝賀の儀式に参加していけっていう。 /: : : : : : :`,ニ、: :_:_;> /,ィつ
. /: : : : : : : : / : : : ヽ\ ,∠∠Z'_つ
内外へいい宣伝になるっていう .| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ. / .r─-'-っ
. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''" ̄: : :l: : : :l / ):::厂 ´
|:.:.:.:.::.:.:.:l -─-: : /:_:_:_:_l / ̄`Y´
. |:.:.::.:.::.::l.__: : : :/::: : : : :l/⌒ヽ: :〉
|::.:::.::.::l: : : : : : /:::: : : : : |: : : : ゙/
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 拓跋部の使者が長安に来た時期を考えれば、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 翌建興三年年始の朝賀の儀式に参加した可能性がある
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 284 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:32:31.76 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元315年2月 晋 雍州 長安】
_ -‐  ̄ ‐-
/ / \ [ X ]
/}, / ′ 、 、\ヽ
{/′ { |\ ',',
/ { { | 、 , ,',
「 \r 、 , | |/V\ jー斗=ミ、 i ,
r===/⌒\>==ァ ! {, 斗=ミ⌒^` う心 Yl |\ ', 琅邪王を丞相、南陽王を相国に
 ̄ i{⌒\ノ^ ̄l | |〃うハ 乂り |, 、 .荀組を太尉、劉琨を司空に任命する。
',^V ノ\, , 乂り ' ′ | } _ ,
, {、 {', ', _ , / ! _ /^ 、ヘ_ -=ニニニニ, .あ、後、拓跋猗盧を代王に
/ヽ //l { \ ィヘ_「 ̄l/ 从_⌒ヽ vニニニニニ ,
(__厶イl/l/」 V マi:i:i:i:i:i[]i:i:i/ /く⌒ |ニニニニニニ=',
|l/l/l/l//i} 、 マ凸i:i}{i:i:i:{ _ -=ニ ', 八ニニニニニニ=,
j/」>'"i:i:i:i} /i:\ }i:i:i:i:i}{i:i:-=ニニニニニニ=, {ニニニニニニニニ=,
{i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}⌒ヽi:i:i:i:[ X ]i:i:i:i:i}{iVニニニニニニニニ=} ト、ニニニニニニニ ',
{i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}i:i:i:i:i:i:i:i/ }i:i:i:i:i:i}{i:i:Vニニニニニニニ=「i7≧=≦∧ ニニニニニニニ',
{i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}i:i:i:i:i:i:i:{ /i:i:i:i:i:i}{i:i:i:iVニニニニニニ /\l/l/l/l/l/}ニニニニニニニニ',
{i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/乂r'i:i:i:i:i:i:i}{i:i:i:i:i:Vニニニニニニ{i:i:i:≧=== 彳ニニニニニ=‐
{i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}{:i:i:i:i:i:i:Vニニニニ=l{i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|ニニ=‐
、i:i:i:i:i:i:i:i:i:i厂アi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}{:i:i:i:i:i:i:i:iVニニニニl{i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i| ̄
 ̄ ̄ /i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}{:i:i:i:i:i:i:i:i:iVニニニ八i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .そして、建興三年二月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 拓跋猗盧が代王に封じられた。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .『晋書』『愍帝紀』を見る限り、
`ヘ:ゝ .' 小/ その他の人事のついでになされた感がある
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 285 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:35:00.54 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元315年2月 代 首都 盛楽】
_,..、-''"~""''';,‐-..,
`゙''ー-、,__,,..-‐''"'''- ._,,..-‐''~"~"'''''‐-
,__,,...-‐ '''"" , -'" ``丶、.
::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;''.:i;;:;: :::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:i;;:;:..
...::..:..:..::::..:..::.:..:...::..:.il.::::::::::l:ll=lll:::::::l:::l:::::::l::.:il::.:....
...::..:..:..::::..:..::.:..幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵:::..:...
', "゙
_,,.-‐''"_,,゙
__,,.. .-‐'''""~ ,,.. '''
_,,.-‐''" _,,.. '
┌─┴┴─┐ (~)
│ 代 │ . γ´⌒`ヽ
└─┬┬─┘ n{i:i:i:i:i:i:i:i:}
││ (ヨ(^ω^ ) イエーイ♪
"''゙"''゙" Y:::::::::::つ
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 『魏書』『序紀』によれば、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ .代王の食邑は代郡と常山郡の二郡とされた。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:′ 常山郡には石勒の勢力が入り込んでいたため、あくまで名目上だろう
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 286 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:35:37.99 ID:3dxFmBQf0
-
.ト、, -‐__ 斗、_`__' o',
,| ゚ :/:/: : : i: : ヽ: :\
/:': / : /: : : : :! : : ハ : : \
.‖ /: : :′: :! : i: : !: :ハ: : ハ:ヽ
/:|: ': : : i: : _ /猗}: : : !: : ハ ',
/: :i: :V: :ィチ⌒/://⌒iヽ: !: ハ !
./: /:.∨ヽ:{.x斤ミV /芹ミi/}://: ハ
‖i: :!: i:\\辷ノ ヒソ///: i: :}:ハ ところで南都、平城の建造は進んでいるのですか?
.{: :V:i: :V: : ヽ. __' /: /: | .リ:}'}
ヽ\ヽ:ヽヽ \.乂ノ . イ :/: /!./:/ }
.,≦:¨¨:.丶:r― ¨ ┐-i://':./-、
.イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.`:≧x∩,0≦{-‐:´:.:.:.:.:}、
.';.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.≧x、:.:.:.:.:.ヽ:.:.}:.:.:.:}
.ィ´::!:.:.:.:、:/:.:.:.:o:.:< O >:ハo:.:.:.:.∨:.:.:.\
./:.:.:.:.:.:.:V:.:.:.:.:_:.:.:=====┘-:- 、:!:.:.:.:.:.:.:〉
正直あんまり
(~) (~)
二つも都いる? . (~) γ´⌒`ヽγ´⌒`ヽ (~)
漢土との交易拠点だよ γ´⌒`ヽ {i:i:i:i:i:i:i:i:} {i:i:i:i:i:i:i:i:}γ´⌒`ヽ
{i:i:i:i:i:i:i:i:}( ´・ω・)(・ω・` ){i:i:i:i:i:i:i:i:}
漢人式の城壁に囲まれた都市はどうもねえ ( ´・ω)(:::::::U) (つと:::::)(ω・` )
(::::::U:::)( ´・) (・` )(:::U::::::)
一番の問題は…… し─J (l::::○::::) (:::::○::::l) し─J
し─J し─J
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ なお、これより前の建興元年。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 拓跋猗盧は盛楽を北都、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .代郡に新たに平城を建設して南都とし、長男の拓跋六脩を駐屯させた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 287 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:37:27.90 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元315年2月 代 代郡 平城】
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| ……誰に平城の内政を任せるんだよ |
ヽ___________________乂
r'"`'::..、 ‐- 、_ _ , -.、,,r,'-, '"‐ '"~:::`'::: ':::´ ゙`' ':r'"`'::..、 ‐、
,,..,,.. :::::: ::: :::... ::: ::: ~`'"`‐-::.、-‐ '"~:::`'::: ':::´ ゙`' ':::-‐::'"~::: ::: ェf|" ::::::::::::::::::::::::::::::
淡爻爻 ,-‐‐i ''ゞゞ'''''ゞ'ゞ''''ゞゞゞゞ''''''ゞゞゞゞ'''ゞゞ'''ゞゞゞゞ'''ゞゞ'''ゞゞゞゞゞ''''''ゞゞゞゞゞ'''ゞゞゞゞゞゞゞゞ''''
-‐ ' ′ぃ:;.:,:;.,i:i:i ''''''ゞゞゞ''''ゞゞ''ゞ'ゞ'''''ゞゞゞゞ'''''''''ゞゞゞゞ'''ゞゞ'''ゞゞゞ'''ゞゞゞ '''ゞゞゞゞゞゞゞゞ'''ゞゞゞゞ
州ルル' ´ , . : . : '淡爻从''' ゞゞ'''ゞゞ,f~`i ''ゞゞゞゞゞ''''''ゞゞゞゞ'''ゞゞ''' ゞゞゞ ゞゞゞ'''ゞゞゞゞゞゞ''' , ヘ ''ゞゞ
. : ' ´ , . : . : ' ´'淡爻爻ぃ..,,.淡f` 廴_,,ゞ''' ゞゞ ゞゞ''''ゞゞ'''ゞゞゞゞ'''ゞゞゞ ゞ'',r-‐‐洲~ア 《-イ+''
: ' ´. : ' ´ , . : ' ´ , . : ' ´ , . : jjル淡ソ--< 洲州i:iルし‐--‐──-‐,;';';'爻爻ノ(淡ァ「ii:i:i:, N '゛ :' ~ヾ ;';'
. : ' ´ , . : ' ´ , . : ,,- '´───オ< │' ´. : ' ' ´ , . :´ :: : . : ' '´,.:'´,.:'r ´Y ‐'i ;' > ' }し ,.i,;7iヾ
州州州ルル ,, '´ー─-┐ ' ′ l ' ´. : ' ´ . : ' , '′: ' ´ : ' ´ f . : ' ´.;';:i:i:i:irf^ 淡
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ これが後に北魏の都になる平城だ。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 元々あった平城の南に新たに築城され、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .晋人はこれを小平城と呼んでいたと『魏書』『序紀』にある
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 288 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:38:29.46 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元315年2月 晋 并州 陽邑】
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii', そんなわけで、漢人の官吏を派遣してもらえません?
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,i゙ / \ ゙i! そこのあなたなんてどうです?
i! ● ● ,l
゙i,,* (__人__) *,/ .あなたとは何か縁を感じるんですよね
ヾ、,, ,/
/::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ
\ニニニ/⌒ヘ:.:.:.:.:.:.:.:.:.r=ミ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
j^7┐:.:./:.',:.:∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.
〔√}//:/:.:.:.:.:'厶ヘ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ハ:.:.:.:.:.:.:.:|
|/√:/:.:.:/⌒ `、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:|
. j/||.:.:.:.:.:.| `、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.::|:.:.:.:.:.:.:.:|
/|/|∨:.:.:.:| 、 |:|\__:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:|
. /:.:|'∧∨:.. | \ j:| /丶、:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:| ノ〉
. /:.:.:.|_〉}:.:.:.:|灯_ ∨j/ jI斗ォ≠ミ_:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.\_//
百年早いわよ! /:.:.:.:人 ./:.:.:.:|ヽ 弋ぅ 〈/ ィ弋Jリ a:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.\:.::.:.:.:.:.:.:.:く
. 人:.:.:.:.:.:.∨∧:.:.|::::ハ`` 、、、、 |:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.:.:.:.:.\
`¨¨ヽ:|:.:.:.:.:八:::圦 、 |:.:.:.:.:.:.:.八__/ ̄ ̄\:.:.:.:.:.:.ハ
ノ八:.:.:.{:.:.:\込、 、 _,.、 j:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨ \:.:.:.:.|
//⌒\}:.:.:.:.:.∨ 丶 `⌒" ィ /:.:.:.:.:.:.:.:.}〉:.〉 ∨八
人廴 丿人:.:.:.∨ 〕ト-<`ヽ ./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ \ ∨]
晋 清河郡の人 崔悦
- 289 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:39:26.15 ID:3dxFmBQf0
-
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii', 冗談はさておき、
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii', 并州従事の莫含殿を拓跋部へ派遣してもらえないでしょうか?
,i゙ / \ ゙i!
i! ● ● ,l .代王は以前から使者として来た莫含殿を気に入っておられまして
゙i,,* (__人__) *,/
ヾ、,, ,/
/::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ
/ _ -‐\ \ \ -‐
, -=二ニニニ=-\ \ ヽ _ -=二=-
/ニ=- \ \ ヽ ', /二二 /
/' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ=-
/ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄___
|八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二二二二
代王の求めなら無下にはできないわね。 i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、  ̄
| | ,ィ=ミ\ `" `、 ( ノ人 \
莫含。 |i 爪 vリ __、 〈 ヽ \
八 ハ ' \、 \ \
代へ行って、あちらの内政に協力してあげて .ヽ 込 、 - / \ \ \
| 个 ィ / ' \――― ミ \
| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒ヽ
__ | | i 八 / '// / ' \
/ ∧、八 |{_// / ' , i '⌒\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『魏書』『莫含伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 拓跋猗盧は代王になると、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 諸官を設置するため、劉琨に并州従事の莫含を所望した。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 劉琨はこれに応じた
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 290 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:40:40.78 ID:3dxFmBQf0
-
, '´ ̄ ̄` ー-、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1 ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.」
{: :i: i /ゝノイ ノ l/ ― l :}
| :レ | ● ● l :| だが断わると莫含は漢人の誇りにかけて拒絶します
|: i: (|.⊂⊃ 、_,、_, ⊂ l:/
i⌒ヽ: :ゝ ル|_/⌒)
ヽ ヽ 从ヽ,、 __, イ从/ ヽ/
∧___,ヘi.i:.:\__八__/:i.i ハ
ヾ .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.} ソ
_,/ ̄ ̄` ̄\
/ /二◎二ヽ ヽ\
/ ルノハヽゝ,ハi 〉 .i
iv、!● ● i i' 〈
まあ、そう言わないで lリ〈 ワ i i' リ
_iハ`ーゥ t-ノ i 〈
ヒ/」」」.l/リl ly ,ィリヽ、 ヾ
| l | / `.lシl==j \ 〉
| l ,/ー、{::::::::::/ー、! \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー しかし、漢人である莫含は最初代国への派遣を望まなかった。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } この莫含なる人物、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 并州雁門郡の出身で代々商人の家柄として巨万の財を築いていた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 劉琨が并州に入った後に招聘されて従事となり、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 常に代国と漢土を往来し、拓跋猗盧に才器を買われて近侍した事もあった
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 291 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:41:46.76 ID:3dxFmBQf0
-
/ -―‐-ミ \ \
, /:::(O):::::::::::::::\ ヽ
/ ..:::,、丶`  ̄ ̄ ̄ ヽ ',_
, {/ { \ ヽ: ', Vヽ
,' :| ∧ {、 \:―‐i‐ i //〉
:| i/、、\ \__|__:|_ : : ' / 莫含。
i :| /| \ 〃う刈 》i |): : :K
| :l ィ笊_ 乂ツ |i | : : :|∧ 并州は胡人の間にあって、
| | l :爪 乂ソ , || |: : : |/∧ .私は徳が薄いから、代王の力に頼らざるを得ない。
| | | 込 , 从 |: : : |∨∧
八 | 个 ` イ: } |: : : | `⌒ .長男を遠く人質に出してでも、
ヽ| \|: : : :≧ー |/:| |_: | .賊を滅ぼして大恥に報いる覚悟を持っているわ
:| |: : ;>rノ^|:H /:/| √/ ̄ \
∧ |7: :._/_ |:. | /:/ , / / /⌒ヽ
/ | 、 {:{ F¬ 、 \ヽ:/ { /| / i
.,: | } r人\ヽ ∨_, /: |' / |
{ :| | {/ \ ∨/ {_/' | , -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
r===========r‐、: : \
|.―‐――‐―h‐l┤、 :ヽ
L二二二二二」.ニ|‐{ミi : : |
{/ /ゝ、ノイ ノl/ ― トl!: : :|
|l:/|/● ● ト、: :|
|/!:ll⊃ 、_,、_, ⊂⊃ノ: : |
.|ヘ ..イ:i : : :{
. ノ从ヽ,、 __, イト:}从{: ト、
. ,.< //ヾゝ八__/:.:.// >、
( ⌒ ) { {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ( ⌒ )
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉琨は莫含を説得した
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 292 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:42:32.41 ID:3dxFmBQf0
-
/ -―‐-ミ \ \
, /:::(O):::::::::::::::\ ヽ
/ ..:::,、丶`  ̄ ̄ ̄ ヽ ',_
, {/ { \ ヽ: ', Vヽ
,' :| ∧ {、 \:―‐i‐ i //〉
:| i/、、\ \__|__:|_ : : ' /
i :| /| \ 〃う刈 》i |): : :K あなたの忠節はこの奮起すべき時に
| :l ィ笊_ 乂ツ |i | : : :|∧ 小さな誠意にこだわって国家の大益を忘れるのかしら?
| | l :爪 乂ソ , || |: : : |/∧
| | | 込 , 从 |: : : |∨∧ あなたが代王の腹心となるのが私の望みではないの。
八 | 个 ` イ: } |: : : | `⌒
ヽ| \|: : : :≧ー |/:| |_: | .并州一州の頼みになるのが私の望みよ
:| |: : ;>rノ^|:H /:/| √/ ̄ \
∧ |7: :._/_ |:. | /:/ , / / /⌒ヽ
/ | 、 {:{ F¬ 、 \ヽ:/ { /| / i
.,: | } r人\ヽ ∨_, /: |' / |
{ :| | {/ \ ∨/ {_/' | , -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
r===========r‐、: : \
|.―‐――‐―h‐l┤、 :ヽ
L二二二二二」.ニ|‐{ミi : : |
{/ /ゝ、ノイ ノl/ ― トl!: : :|
|l:/|/● ● ト、: :|
………… .|/!:ll⊃ 、_,、_, ⊂⊃ノ: : |
.|ヘ ..イ:i : : :{
. ノ从ヽ,、 __, イト:}从{: ト、
. ,.< //ヾゝ八__/:.:.// >、
( ⌒ ) { {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ( ⌒ )
- 293 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:44:21.93 ID:3dxFmBQf0
-
, '´ ̄ ̄` ー-、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1 ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.」
{: :i: i /ゝノイ ノ l/ ― l :}
| :レ | ● ● l :| 代へ参りましょうと莫含は漢人の誇りにかけて覚悟を決めます
|: i: (|.⊂⊃ 、_,、_, ⊂ l:/
i⌒ヽ: :ゝ ル|_/⌒)
ヽ ヽ 从ヽ,、 __, イ从/ ヽ/
∧___,ヘi.i:.:\__八__/:i.i ハ
ヾ .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.} ソ
/ _ -‐\ \ \ -‐
, -=二ニニニ=-\ \ ヽ _ -=二=-
/ニ=- \ \ ヽ ', /二二 /
/' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ=-
/ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄___
|八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二二二二
i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、  ̄
よろしく頼むわよ | | ,ィ=ミ\ `" `、 ( ノ人 \
|i 爪 vリ __、 〈 ヽ \
八 ハ ' \、 \ \
ヽ 込 、 - / \ \ \
| 个 ィ / ' \――― ミ \
| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒ヽ
__ | | i 八 / '// / ' \
/ ∧、八 |{_// / ' , i '⌒\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 莫含は代国へ入り、同地の官吏になった
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 294 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:46:52.07 ID:3dxFmBQf0
-
/ ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:、: :\:、
/: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ハハ: \: :ヽヽ
': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|`´ ヽ: :三_〉:_ヽ、_
/: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :| |: :|: : :|:!: : ̄彡´
|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :| }: :|: : :.:|:.|:<
{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.リ、/_/ j从: : :}:|:.|、:_:_≧ .完全に足元を見られていますよ私たち。
\}: : ∨: :|: |≧-_、: : / ィ≦⌒ヽイ: :/: !:.!: /
イY:.:{: : Y ハ斥 ∨ ら:刈 |:/:{:.:|:.|/ .しかし、莫含殿に抜けられるのは痛い。
-イ: :ト、: 圦 ら::ム マしソ }: :.|: |:.|
Y、:\:」 マし' , "´ /: /: :{リヽ .人手不足自体は并州へ入って以来ずっとですが
\: ハ _ __ ι ィ: /r≦―-、
\:> _ ...イ: :// ̄ ̄ヽ:.i
/\〉:.:./三ヽ j: // // ///Y
/{:.:.:.:.:.:.:\三、/W //}:.∨ }|
_,/ ̄ ̄` ̄\
/ /二◎二ヽ ヽ\
/ ルノハヽゝ,ハi 〉 .i
iv、!● ● i i' 〈
lリ〈 ワ i i' リ
人手なら打ってつけなのがいるじゃない _iハ`ーゥ t-ノ i 〈
ヒ/」」」.l/リl ly ,ィリヽ、 ヾ
| l | / `.lシl==j \ 〉
| l ,/ー、{::::::::::/ー、! \
- 295 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:47:50.78 ID:3dxFmBQf0
-
___ ___
⌒~"''s。ヽ \
/ \\ \
「¨¨¨, ' \ ', ', ',
\/ ∧ \ / 〉 /,
r ,' / ∨ ', / ∨(⌒)______ ___,,v
`} .: |_ _ ∨ / `¨´\乂x乂x,
{ | | | \ ∨ / 「_ ~"''〜=v 私たちを
{ | | |ィぅ笊ア ,∨ } ) ∨ :. /,
', ',人 ∨ノ \ 八 /}〈 /∨ :. /,
}人( ,' )' }/ r彡 ∨ :. /,
く 人 .∨ .,
\, ァ //\ ∨ \ \
\ ..: }/ \ \_-_-_->'"~~~"''〜、、::::::::::::::::\
∧ 丶</ \ \ \ \_-/:::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::\
/ ,'/) 〃 ∧ \ \ \. /∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::::::::::::::::.
///) { ∨ ∧ \ \ \ 〈__,{:八:::::::::::::::::`、:::::::::::::::::::`、::::::::::::::::.
. .::|∧:::::\:::::::::::::::`、::::::::::::::::::|::::::::::::::::::
晋 范陽郡の人 盧ェ ::/|:::∧:::l_,,.`'<:::::::::`、::::::::::::::|::::::::::::::::::|
/:/:::|:::::::}:/斗-=ァ\::::::|::::::::::::::|::::::::::::::::/
.::/ j八::::从 V} ' |:::/::::::::::::::|:::::::::::::::
〈:〈 /' l:/':ノ |/::::::::::::::/:::::::::::::/
`>> l:::::\ /:::::::::::/::::::::::::::::{
劉琨様の正式な属官にですか (:::( l::::::::::::... っ /::::::::/!:::::::::::::::::::::::. _
)ノ 八:::::::\:::\ /:::::/ |::\::::::::::::::::::::... ⌒):)
\:::::::\::::/::/::::}/|:」 \::::::::::::::::::::::...../
\::::::∨::(、:::/ /-_-_⌒\:\:::::::::...
.:::::::::::)\::::::...... /-_-_-_-_-_-_`、:\::::/
〈::::厂/-/\::::::ノ/-_-/-_-_-_-_-_.}l:::::\
- 296 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:48:44.38 ID:3dxFmBQf0
-
'"  ̄ ̄ ``丶、
/ -―‐-ミ \ \
, /:::(O):::::::::::::::\ ヽ
/ ..:::,、丶`  ̄ ̄ ̄ ヽ ',_
, {/ { \ ヽ: ', Vヽ
,' :| ∧ {、 \:―‐i‐ i //〉
:| i/、、\ \__|__:|_ : : ' /
i :| /| \ 〃う刈 》i |): : :K
| :l ィ笊_ 乂ツ |i | : : :|∧ ええ。
| | l :爪 乂ソ , || |: : : |/∧
| | | 込 , .从 |: : : |∨∧ あなたたち二人を
. 八 | 个 ` イ: } |: : : | `⌒ 司空府の従事中郎にしようと思って。
ヽ| \|: : : :≧ー |/:| |_: |
:| |: : ;>rノ^|:H /:/| √/ ̄ \ ちょうど私が司空になって、
∧ |7: :._/_ |:. | /:/ , / / /⌒ヽ 属官の席がいくつか空いているのよ
/ | 、 {:{ F¬ 、 \ヽ:/ { /| / i
. ,: | } r人\ヽ ∨_, /: |' / | どうかしら?
{ :| | {/ \ ∨/ {_/' |
, | | | > _ V:/:.:|/ ,
/ ノ | 从 ィ-=ニニ V : |〕 \\∧
. / {/ 八 } {O-=ニニ 、 |_ ヽ〉: :.
/ / / / ヽ ;-=ニニニ ヽ  ̄\ {: : : .
, 〕 / / i:-=ニニ二 }ヽ \{: : : : 、
/ ∧ , ,-=二二二 } /: : : : : \
. / ,: : : /: : :i 八二二二ニ:、 ハ /: : : : : : : : :\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『盧欽伝』に曰く。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 劉琨は盧ェと崔悦を司空従事中郎に任命した
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 297 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:49:57.41 ID:3dxFmBQf0
-
__
, ´¨¨¨¨¨)h、
/ -=- ∨
}⌒r ⌒ 、 -=- ∨
<,ア// | | rv-彡, 劉琨殿の客分になった以上、
| { { |\| }゚\乂v .話を断わる理由などありません。
| }八人/)' __,,}ノ 「/~"'' >‐ァ- 、
| 込 ' 人 { / ,/_-_=- , へ、 非才の身ではありますが尽力致しましょう
| | >`´イ‐=-ミ-彡 /-_-_-_ =- ⌒>-/ 人〉〉
| { /.:.}.:.:.:.:.:.\ {-_-_-_/ 〃 _,, /⌒\
| {', {:.:./\.:.:.:.:.:.}__,{-_-_ / ,イ¨¨´/' } \
| | -\/ii, ‐‐‐ァ人 ___ / /::...‐彡 | } /
| .: {-_| / ___ __ヲレ}ノ /\ ...,,:::::〉| } ∨
| / ,{-_| |_ノ⌒7( /ル >-彡 ' , 、 ', ∨
/ {-_ | 〉/ { * } 〈〉 ∨ } :. } ∨
_,/ ̄ ̄` ̄\
/ /二◎二ヽ ヽ\
/ ルノハヽゝ,ハi 〉 .i
よろしく頼むわよ。 iv、!● ● i i' 〈
lリ〈 ワ i i' リ
ところで盧ェ殿、 _iハ`ーゥ t-ノ i 〈
新作の詩ができたから、また感想を聞かせてもらえないかしら ヒ/」」」.l/リl ly ,ィリヽ、 ヾ
| l | / `.lシl==j \ 〉
| l ,/ー、{::::::::::/ー、! \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .劉琨の妻は清河崔氏の出であり、
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 彼から見て温嶠と盧ェは妻の従子、崔悦は妻の甥に当たっている。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 并州にいた彼らは皆親戚関係にあったわけだ。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 劉琨は特に盧ェへ親愛の情を見せ、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 彼の才能を大切にしていたと『晋書』『盧欽伝』は記す
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 298 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:51:47.87 ID:3dxFmBQf0
-
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| どうも劉琨殿は好きになれないのよ |
ヽ_________________乂
:''''"~ ̄~`'' | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l ....;:''''"~ ̄~`''-、__,,....;:''''"~:'
;:''''"~ ̄~`''-、_ || ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| `''-、
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i
 ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ ̄|| ̄! ̄ ̄;/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
 ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
 ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l! ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`l
 ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
 ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
`、 ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
″| ̄ ̄i| ̄!,,| ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄l
| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i ; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄_
''- .._ ~""''' ‐- ...,,__ _,,..-‐''~""''' ‐- ...,,___,,.-‐'
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 逆に、当初盧ェは劉琨という人物をあまり買っていなかったらしい
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 299 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:53:54.39 ID:3dxFmBQf0
-
l \ _ / .:八
八 Y´:::/:: ̄:::`:く /
,ゝ、_メ:::::: __::::::::ヽ::::: ヽ..人
/ヾレ'''7::::::::://A:::::!::::丶::、ム::::∨
|,ィ介y'::/:/~~~~',: !::::::∧::! ムヽ∨
/:::ィ !:::: !/_ |::ト、;::斗:!:::::l::!: ∨
./イ:::| |:::: |´_ ヽ l/´__≧|::!::::::!:l:::::∨
イ !:::ケl::::::!《 l::心 ′ l::心ア}:::: Y:::::: } お世話になっておきながらなんて言い草よ
{::! l:::У:!:: l `"´ 、 `"´ ':|:::::::!:::: /
.V:、 V:::::ム:::! /:::|:::::::}:::/
.ヽ:〉l::::::::ム::ト ' ヽ /::::ソ:::::リ:::{ (
.ト、リλ::::::::从:l}i:.、 .イ{:::/::::::/::::::`ー')
.乂::_::_〉::::::::::|:リ/ト.`¨.´,.ィl V: /:/::::::lト::::く { Y { // ≧s。
./:::イ::::ム:::::: V、 ∧∧ .l/::::{/_::::::: | ヽ::} { ; /// 。s≦、 `ヽ
{:: {/={トV:::::}`~~~~~~~´l:::: /=kく\! }/ { 八 {,'// / \ \ \
f≦´ }::::人,、,、,、,、,、,.从:::V ヾ=メュ、_ \ Y/ / :. \ :、
-ミ \{ | :| } }\ ト、
, -=ニ >{ | } } ヽ | \
/ ィー―≦二ニイ | ' ' } _八 )
´ |/\| | | /_ _./ 八´ )/
|/\| | |,/ /_/ 'ィf笊ア,'
L__イー| |ィf笊示_)/ ヒソ |/
天下大乱の最中だというのに、 | ト「八 | 乂ソ 、 |
詩作に明け暮れ、夜な夜な清嘯や胡笳に興じる。 | |八ルミ、 人 八
八 .人 `¨ \ ヽ , , / ヽ/
人の上に立つ者としての自覚が欠けているわ /\ 八\{ ,.' 八(/ /
,' /〉 `¨¨¨¨ミ、:::::::≧::::r---ヘ__〈 .∨ /
// ミ、 〈〉 ≧s。:{ミ、 、`ヽ ∨ /
〃 } \ ;} 〈〉} ∨ /
/ 人 〈〉 \ ,:} ∨ /
' / 〈〉 ∨ 人 ∨
- 300 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:55:58.77 ID:3dxFmBQf0
-
__ -=ニ二 二 二ニ=-
⌒ヽ `ヽ/ ⌒ `ヽ)h、
∨ / ' ヽ 〈ヽ :,
∨,' ' | :. | | ∨) :,
_/,' .: i | :| | | ∨ゝ-v
⌒¨' : {i :. | |_| ∨乂∨ 晋陽を追い出されたのも、
| | {i :. | ̄八ノ i}∨乂∨ .あの方のやらかしがきっかけでしょう?
| | {i― -、 ',xtf劣示 i} \乂
∧人/ィ劣示ヽ ./ ゞツ } 八 \〉
八|∧ ゞツ )' } / | |
| 込、 ` 'イ 入_| | \_-_ニ=- _ |_-_
| // >、 - ‐ ..::/ | | `''<_-_-_-ニ-''"゚~~::::::::~~゚"'::.、 -_-_
レ /´/| ≧s.. .// `ヽ |、 `,.:'´:::::::::::::::::::::\:::\:::::::::/_-_-}
/ '∠ --ァ ∨ ¨レ´ 〈〉 \八 .:::::::::::::ノ:人:::::::::::::∨:::\:/_-_-_]
,__/ ¨¨ニア ∨ / 〈〉 \ /:/::::::/::/⌒l::::::::::::::∨::::∧-_-_ノ',
}ヽ____ / 〈〉 ∨ 〈〉 `ヽ . / ,゙::::::::::/ l::|';:::::::::::|::::::::∧::::::::::::',
} ∨ /\ 〈〉 〉、 { :::::::::/\ :::| \::::::|::::::::::::|::::::::}:::::.
{ |::::::斗=ミ /:/─‐\::::::|:::::|::::::::}::::::
人::::ヽVソ /'゛ 斗=ミ |::::::|:::::|::::::/:::::′
.::::ハ乂x , 弋ツ >:::::::::::/:::/::::::′
.::/ .::::. xxx /:::/:::/:/::::::'
それに関しては返す言葉がないわね。 廴_八:込, 丶 /:::/:::/:::::::::::/)
(⌒ハ::l::\_,,. -=/::://:::::::::::::':(
で、劉琨殿の新しい詩はどんな感じなのかしら? ) ノ::|:::__::ー┴=彡'::::::::::::::::::/(⌒ー--
..:::::/乂⌒\ 八:::::::::::/乂::.
. 八:::(/ ⌒乂\(⌒:::::::::::\} ):〉
. // }乂 \ノ人:\ヾ::/
. , '゙__√ ,/ /'´⌒)::::::.}):〉
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『劉琨伝』に曰く。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 劉琨と盧ェは文章のやりとりをしていたが、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .盧ェは平素から奇略のない人物であり、劉琨から心が離れていた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 301 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:57:22.25 ID:3dxFmBQf0
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__ -=ニ二 二 二ニ=-
⌒ヽ `ヽ/ ⌒ `ヽ)h、
∨ / ' ヽ 〈ヽ :,
∨,' ' | :. | | ∨) :,
_/,' .: i | :| | | ∨ゝ-v
⌒¨' : {i :. | |_| ∨乂∨
| | {i :. | ̄八ノ i}∨乂∨
| | {i― -、 ',xtf劣示 i} \乂
∧人/ィ劣示ヽ ./ ゞツ } 八 \〉
八|∧ ゞツ )' } / | |
| 込、 ` 'イ 入_| | 今回は五言詩みたいね
| // >、 - ‐ ..::/ | |
レ /´/| ≧s.. .// `ヽ |、
/ '∠ --ァ ∨ ¨レ´ 〈〉 \八
,__/ ¨¨ニア ∨ / 〈〉 \
}ヽ____ / 〈〉 ∨ 〈〉 `ヽ
} ∨ /\ 〈〉 〉、
ノ \ /{¨゚〉 >、 〈〉 /-_-_
〈_ / /:、__∨_ ∨{\ /-_-_-_-_
/⌒ヽ レ´ .∨ `ヽ 〈〉 /-_-_-_-_-_
,' / 〉: . ,': . .\ .ハ-_-_-_-_-_-_
〈 {: : . {: : . . . . . : : :}\/ v-_-_-_-_-_-_
, } ∧ ヽ: : . :. : : : : : . . . . . . : : : / ∨-_-_-_-_-_-}_
ノ 〈 〉 ): : :/\: : : : : : : : : : : /} 〈〉 -_-_-_-_-_-_ト、-
,イ { .∨ 〈=≦三三≧=- -=≦三:} }-_-_-_-_-_-_}-_ヽ_
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } ある時、劉琨は盧ェへ五言詩を贈った
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 302 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:58:22.60 ID:3dxFmBQf0
- 【『重贈盧ェ』(大意)】
__ -=ニ二 二 二ニ=-
⌒ヽ `ヽ/ ⌒ `ヽ)h、
∨ / ' ヽ 〈ヽ :,
∨,' ' | :. | | ∨) :,
_/,' .: i | :| | | ∨ゝ-v 握中有懸璧 本是荊山球
⌒¨' : {i :. | |_| ∨乂∨
| | {i :. | ̄八ノ i}∨乂∨ .惟彼太公望 昔是渭浜叟
| | {i― -、 ',xtf劣示 i} \乂
∧人/ィ劣示ヽ ./ ゞツ } 八 \〉 ケ生何感激 千里来相求
八|∧ ゞツ )' } / | |
| 込、 ` 'イ 入_| |
| // >、 - ‐ ..::/ | | `''<_-_-_-ニ-''"゚~~::::::::~~゚"'::.、 -_-_
レ /´/| ≧s.. .// `ヽ |、 `,.:'´:::::::::::::::::::::\:::\:::::::::/_-_-}
/ '∠ --ァ ∨ ¨レ´ 〈〉 \八 .:::::::::::::ノ:人:::::::::::::∨:::\:/_-_-_]
,__/ ¨¨ニア ∨ / 〈〉 \ /:/::::::/::/⌒l::::::::::::::∨::::∧-_-_ノ',
}ヽ____ / 〈〉 ∨ 〈〉 `ヽ . / ,゙::::::::::/ l::|';:::::::::::|::::::::∧::::::::::::',
} ∨ /\ 〈〉 〉、 { :::::::::/\ :::| \::::::|::::::::::::|::::::::}:::::.
{ |::::::斗=ミ /:/─‐\::::::|:::::|::::::::}::::::
人::::ヽVソ /'゛ 斗=ミ |::::::|:::::|::::::/:::::′
.::::ハ乂x , 弋ツ >:::::::::::/:::/::::::′
手の中に璧があるが、これは荊山の球。 .::/ .::::. xxx /:::/:::/:/::::::'
廴_八:込, 丶 /:::/:::/:::::::::::/)
思えば太公望は、昔は渭浜の老翁だった。 (⌒ハ::l::\_,,. -=/::://:::::::::::::':(
) ノ::|:::__::ー┴=彡'::::::::::::::::::/(⌒ー--
ケ禹は強く感じ入り、千里より来て相を求めた ..:::::/乂⌒\ 八:::::::::::/乂::.
. 八:::(/ ⌒乂\(⌒:::::::::::\} ):〉
. // }乂 \ノ人:\ヾ::/
. , '゙__√ ,/ /'´⌒)::::::.}):〉
- 303 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:59:00.79 ID:3dxFmBQf0
-
__ -=ニ二 二 二ニ=-
⌒ヽ `ヽ/ ⌒ `ヽ)h、
∨ / ' ヽ 〈ヽ :,
∨,' ' | :. | | ∨) :,
_/,' .: i | :| | | ∨ゝ-v 白登幸曲逆 鴻門頼留侯
⌒¨' : {i :. | |_| ∨乂∨
| | {i :. | ̄八ノ i}∨乂∨ 重耳憑五賢 小白相射鉤
| | {i― -、 ',xtf劣示 i} \乂
∧人/ィ劣示ヽ ./ ゞツ } 八 \〉 .能隆二伯主 安問党與仇
八|∧ ゞツ )' } / | |
| 込、 ` 'イ 入_| |
| // >、 - ‐ ..::/ | | `''<_-_-_-ニ-''"゚~~::::::::~~゚"'::.、 -_-_
レ /´/| ≧s.. .// `ヽ |、 `,.:'´:::::::::::::::::::::\:::\:::::::::/_-_-}
/ '∠ --ァ ∨ ¨レ´ 〈〉 \八 .:::::::::::::ノ:人:::::::::::::∨:::\:/_-_-_]
,__/ ¨¨ニア ∨ / 〈〉 \ /:/::::::/::/⌒l::::::::::::::∨::::∧-_-_ノ',
}ヽ____ / 〈〉 ∨ 〈〉 `ヽ . / ,゙::::::::::/ l::|';:::::::::::|::::::::∧::::::::::::',
} ∨ /\ 〈〉 〉、 { :::::::::/\ :::| \::::::|::::::::::::|::::::::}:::::.
{ |::::::斗=ミ /:/─‐\::::::|:::::|::::::::}::::::
人::::ヽVソ /'゛ 斗=ミ |::::::|:::::|::::::/:::::′
.::::ハ乂x , 弋ツ >:::::::::::/:::/::::::′
白登では曲逆侯が幸いし、鴻門では留侯を頼みとした。 .::/ .::::. xxx /:::/:::/:/::::::'
廴_八:込, 丶 /:::/:::/:::::::::::/)
重耳には五賢が憑き、小白は鉤を射た者を相とした。 (⌒ハ::l::\_,,. -=/::://:::::::::::::':(
) ノ::|:::__::ー┴=彡'::::::::::::::::::/(⌒ー--
よく栄えた二伯は、仇であるかどうかなど問わなかった ..:::::/乂⌒\ 八:::::::::::/乂::.
. 八:::(/ ⌒乂\(⌒:::::::::::\} ):〉
. // }乂 \ノ人:\ヾ::/
. , '゙__√ ,/ /'´⌒)::::::.}):〉
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 曲逆侯は陳平、留侯は張良の事
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 304 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:02:06.13 ID:3dxFmBQf0
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__ -=ニ二 二 二ニ=-
⌒ヽ `ヽ/ ⌒ `ヽ)h、
∨ / ' ヽ 〈ヽ :,
∨,' ' | :. | | ∨) :,
_/,' .: i | :| | | ∨ゝ-v .中夜撫枕歎 想與数子遊
⌒¨' : {i :. | |_| ∨乂∨
| | {i :. | ̄八ノ i}∨乂∨ 吾衰久矣夫 何其不夢周
| | {i― -、 ',xtf劣示 i} \乂
∧人/ィ劣示ヽ ./ ゞツ } 八 \〉 .誰云聖達節 知命故無憂
八|∧ ゞツ )' } / | |
| 込、 ` 'イ 入_| |
| // >、 - ‐ ..::/ | | `''<_-_-_-ニ-''"゚~~::::::::~~゚"'::.、 -_-_
レ /´/| ≧s.. .// `ヽ |、 `,.:'´:::::::::::::::::::::\:::\:::::::::/_-_-}
/ '∠ --ァ ∨ ¨レ´ 〈〉 \八 .:::::::::::::ノ:人:::::::::::::∨:::\:/_-_-_]
,__/ ¨¨ニア ∨ / 〈〉 \ /:/::::::/::/⌒l::::::::::::::∨::::∧-_-_ノ',
}ヽ____ / 〈〉 ∨ 〈〉 `ヽ . / ,゙::::::::::/ l::|';:::::::::::|::::::::∧::::::::::::',
} ∨ /\ 〈〉 〉、 { :::::::::/\ :::| \::::::|::::::::::::|::::::::}:::::.
{ |::::::斗=ミ /:/─‐\::::::|:::::|::::::::}::::::
人::::ヽVソ /'゛ 斗=ミ |::::::|:::::|::::::/:::::′
.::::ハ乂x , 弋ツ >:::::::::::/:::/::::::′
夜中に枕を撫でて嘆息し、彼らと遊ぶ事を想う。 .::/ .::::. xxx /:::/:::/:/::::::'
廴_八:込, 丶 /:::/:::/:::::::::::/)
吾は衰えて久しく、何と周公を夢に見なくなってしまった。 .(⌒ハ::l::\_,,. -=/::://:::::::::::::':(
) ノ::|:::__::ー┴=彡'::::::::::::::::::/(⌒ー--
誰かが言うには聖人は節義に至り、天命を知る故に憂いがない ..:::::/乂⌒\ 八:::::::::::/乂::.
. 八:::(/ ⌒乂\(⌒:::::::::::\} ):〉
. // }乂 \ノ人:\ヾ::/
. , '゙__√ ,/ /'´⌒)::::::.}):〉
- 305 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:03:44.41 ID:3dxFmBQf0
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__ -=ニ二 二 二ニ=-
⌒ヽ `ヽ/ ⌒ `ヽ)h、
∨ / ' ヽ 〈ヽ :,
∨,' ' | :. | | ∨) :,
_/,' .: i | :| | | ∨ゝ-v 宣尼悲獲麟 西狩泣孔丘
⌒¨' : {i :. | |_| ∨乂∨
| | {i :. | ̄八ノ i}∨乂∨ 功業未及建 夕陽忽西流
| | {i― -、 ',xtf劣示 i} \乂
∧人/ィ劣示ヽ ./ ゞツ } 八 \〉 .時哉不我與 去矣如雲浮
八|∧ ゞツ )' } / | |
| 込、 ` 'イ 入_| |
| // >、 - ‐ ..::/ | | `''<_-_-_-ニ-''"゚~~::::::::~~゚"'::.、 -_-_
レ /´/| ≧s.. .// `ヽ |、 `,.:'´:::::::::::::::::::::\:::\:::::::::/_-_-}
/ '∠ --ァ ∨ ¨レ´ 〈〉 \八 .:::::::::::::ノ:人:::::::::::::∨:::\:/_-_-_]
,__/ ¨¨ニア ∨ / 〈〉 \ /:/::::::/::/⌒l::::::::::::::∨::::∧-_-_ノ',
}ヽ____ / 〈〉 ∨ 〈〉 `ヽ . / ,゙::::::::::/ l::|';:::::::::::|::::::::∧::::::::::::',
} ∨ /\ 〈〉 〉、 { :::::::::/\ :::| \::::::|::::::::::::|::::::::}:::::.
{ |::::::斗=ミ /:/─‐\::::::|:::::|::::::::}::::::
人::::ヽVソ /'゛ 斗=ミ |::::::|:::::|::::::/:::::′
.::::ハ乂x , 弋ツ >:::::::::::/:::/::::::′
孔子は麒麟が獲られたのを悲しみ、西郊での狩りで泣いた。 ..::/ .::::. xxx /:::/:::/:/::::::'
廴_八:込, 丶 /:::/:::/:::::::::::/)
功業を建てるに及ばず、夕陽は忽然と西へ流れる。 (⌒ハ::l::\_,,. -=/::://:::::::::::::':(
) ノ::|:::__::ー┴=彡'::::::::::::::::::/(⌒ー--
時は我にあらず、雲が浮かぶ如く去ってゆく ..:::::/乂⌒\ 八:::::::::::/乂::.
. 八:::(/ ⌒乂\(⌒:::::::::::\} ):〉
. // }乂 \ノ人:\ヾ::/
. , '゙__√ ,/ /'´⌒)::::::.}):〉
- 306 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:05:10.71 ID:3dxFmBQf0
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__ -=ニ二 二 二ニ=-
⌒ヽ `ヽ/ ⌒ `ヽ)h、
∨ / ' ヽ 〈ヽ :,
∨,' ' | :. | | ∨) :,
_/,' .: i | :| | | ∨ゝ-v 硃実隕勁風 繁英落素秋。
⌒¨' : {i :. | |_| ∨乂∨
| | {i :. | ̄八ノ i}∨乂∨ 狹路頌華蓋 駭駟摧雙輈
| | {i― -、 ',xtf劣示 i} \乂
∧人/ィ劣示ヽ ./ ゞツ } 八 \〉 .何意百煉剛 化爲繞指柔
八|∧ ゞツ )' } / | |
| 込、 ` 'イ 入_| |
| // >、 - ‐ ..::/ | | `''<_-_-_-ニ-''"゚~~::::::::~~゚"'::.、 -_-_
レ /´/| ≧s.. .// `ヽ |、 `,.:'´:::::::::::::::::::::\:::\:::::::::/_-_-}
/ '∠ --ァ ∨ ¨レ´ 〈〉 \八 .:::::::::::::ノ:人:::::::::::::∨:::\:/_-_-_]
,__/ ¨¨ニア ∨ / 〈〉 \ /:/::::::/::/⌒l::::::::::::::∨::::∧-_-_ノ',
}ヽ____ / 〈〉 ∨ 〈〉 `ヽ . / ,゙::::::::::/ l::|';:::::::::::|::::::::∧::::::::::::',
} ∨ /\ 〈〉 〉、 { :::::::::/\ :::| \::::::|::::::::::::|::::::::}:::::.
{ |::::::斗=ミ /:/─‐\::::::|:::::|::::::::}::::::
人::::ヽVソ /'゛ 斗=ミ |::::::|:::::|::::::/:::::′
.::::ハ乂x , 弋ツ >:::::::::::/:::/::::::′
赤い実が強風で落ち、咲き誇る花も秋には落ちる。 .::/ .::::. xxx /:::/:::/:/::::::'
廴_八:込, 丶 /:::/:::/:::::::::::/)
狭路において華麗な車蓋は傾き、驚いた馬車が二本の長柄を挫く。 (⌒ハ::l::\_,,. -=/::://:::::::::::::':(
) ノ::|:::__::ー┴=彡'::::::::::::::::::/(⌒ー--
何故百煉した鉄の意志が、指に巻けるほどに柔らかくなったのか ..:::::/乂⌒\ 八:::::::::::/乂::.
. 八:::(/ ⌒乂\(⌒:::::::::::\} ):〉
. // }乂 \ノ人:\ヾ::/
. , '゙__√ ,/ /'´⌒)::::::.}):〉
- 307 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:07:26.76 ID:3dxFmBQf0
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\_-/:::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::\
. /∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::::::::::::::::.
〈__,{:八:::::::::::::::::`、:::::::::::::::::::`、::::::::::::::::.
. .::|∧:::::\:::::::::::::::`、::::::::::::::::::|::::::::::::::::::
.::/|:::∧:::l_,,.`'<:::::::::`、::::::::::::::|::::::::::::::::::| これはどう言えばいいのかしら?
/:/:::|:::::::}:/斗-=ァ\::::::|::::::::::::::|::::::::::::::::/
.::/ j八::::从 V} ' |:::/::::::::::::::|::::::::::::::: .並々ならぬ思いが伝わってくるわね
〈:〈 /' l:/':ノ |/::::::::::::::/:::::::::::::/
`>> l:::::\ /:::::::::::/::::::::::::::::{
(:::( l::::::::::::... っ /::::::::/!:::::::::::::::::::::::. _
)ノ 八:::::::\:::\ /:::::/ |::\::::::::::::::::::::... ⌒):) __ -=ニ二 二 二ニ=-
\:::::::\::::/::/::::}/|:」 \::::::::::::::::::::::...../ ⌒ヽ `ヽ/ ⌒ `ヽ)h、
\::::::∨::(、:::/ /-_-_⌒\:\:::::::::... ∨ / ' ヽ 〈ヽ :,
.:::::::::::)\::::::...... /-_-_-_-_-_-_`、:\::::/ ∨,' ' | :. | | ∨) :,
〈::::厂/-/\::::::ノ/-_-/-_-_-_-_-_.}l:::::\ _/,' .: i | :| | | ∨ゝ-v
⌒¨' : {i :. | |_| ∨乂∨
| | {i :. | ̄八ノ i}∨乂∨
| | {i― -、 ',xtf劣示 i} \乂
∧人/ィ劣示ヽ ./ ゞツ } 八 \〉
八|∧ ゞツ )' } / | |
太公望・陳平・張良 .| 込、 ` 'イ 入_| |
| // >、 - ‐ ..::/ | |
レ /´/| ≧s.. .// `ヽ |、
/ '∠ --ァ ∨ ¨レ´ 〈〉 \八
,__/ ¨¨ニア ∨ / 〈〉 \
}ヽ____ / 〈〉 ∨ 〈〉 `ヽ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『劉琨伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉琨は詩に非常の意を託した。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .自身の幽憤、張良・陳平への想い、
`ヘ:ゝ .' 小/ 鴻門・白登山の故事への感動を述べ、盧ェへの檄文に用いたという
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 308 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:08:54.24 ID:3dxFmBQf0
-
/}_____
_∠ノ-=======- 、 `ヽ
{イ 厂 ̄ ∨ `ヽ \
/ :レ,' ./ ∨ ∨\:∧
/ / .: :. ∨ ∨}
.: :/ / ..: {: :. ∨_
| .: .: i ..: 〈∨}
| :| | | {:. .: ハ }乂〉
| :| | ̄::| {:. .ハ ,' 人 :レ'
人 :.レャテ==v :. ∧/レ ̄i ∧
/ \ v乂シ 乂_八ャテ笊_ .:} ∧
/ .: :{\〉 ゞシ ./:∧ :∧
/ .: ∧ {:∧ ′ / ∧ 、 :∧ どうやら劉琨殿を見誤っていた様子
/ .: ∧/〈\ 、 _ _, .:: 人:∨ :\:∧
/ .: / ∨.}\ / /, `:∨ `ヽ\
/ .: ./ 〈〉 ∨〈Y>‐<' /// :∨ ∧\\
/ .: / ∨ー〔〕‐// :// :∨ ∧ \v
/ /| 八∨ 〈〉 \ ,/ :// 〈〉 :∨ :∧\ }
.::: /〈 | .: ∨ 〈〉\ _/ 〈〉 :∨ :∧ \
-=ニ / ∧| / 〈〉 /`ヽ、 〈〉 ∨ :∧ \
-=ニ .:: ./ /‐_レ 〈〉 /人::::::八 〈〉 :∨ :∧ 人__
.:: .:: ./ ./‐_‐_‐\ 〈〉 / ハ__ ><_>:. 〈〉 ∨ ∧/-_-_
.:: .:: ./,' //__‐_‐_\ /:{ :{― Y――:> :.. \‐_‐_
.:: /‐./ /-_∧ `ヽ‐_‐\ /iiii{ :v .:::. ノiiiiii\ 〈〉 /`ヽ \‐_
.::, '-_-://‐_‐_〈 ',〈∨YY}‐_/ \_ ノYiiiノ`ヽ} ..::::::. 乂iiiiii「ii\ _ /{-_-_-_\ v
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 部下を口説き落とすために
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } わざわざ詩を作って贈った劉琨、なかなか洒落た人物である。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .盧ェに古代の王佐の臣同様の働きを期待していたのだろう
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 309 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:10:03.40 ID:3dxFmBQf0
-
,' .: 〈/`ヽ v | ∨ v
/ / { :. } ∨ :.
 ̄ ̄| { }\ ./ .: :i ∨ } :. ∨
| 乂ノ \/ .: .:{ ∨ .} :. ∨
|乂X| { |_ .:{ :|-∨ .: |
|乂X| { | \{ :| ∨ 八 |\ノ 劉琨殿。
|乂X|v .{ .ャ笊云示_ |. 斗ぅ斧フ∧ヽ. |
|乂X|∧ { , 乂rjノ \八ノヒrノ / } 八| .先日頂いた五言詩についてなのですが、
|乂X| ∧{八 | 、 : ' /\ .前篇の帝王の大志は、人臣の言葉ではありませんね
|乂X| \.\ | 人〈/ \
|乂X|.v ¨¨\ r v .イ \ \
|乂v ∨ | ::.:. / :乂 \
|/ ∨ | 〈〉 .〈〉> ‐<¨ヽ `ヽ \ \
| ∨ :|⌒}{三}{三}{=}{∨ } \ \ \ \
| ∨ _.}{三}{三}{=}{ ∨} ¨¨¨ =- :\
_,/ ̄ ̄` ̄\
/ /二◎二ヽ ヽ\
/ ルノハヽゝ,ハi 〉 .i
iv、!> < i i' 〈
lリ〈 ワ i i' リ
キタ――(゚∀゚)――!! _iハ`ーゥ t-ノ i 〈
ヒ/」」」.l/リl ly ,ィリヽ、 ヾ
| l | / `.lシl==j \ 〉
| l ,/ー、{::::::::::/ー、! \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 盧ェは劉琨の詩の前篇のみ褒め、彼を主として認めた。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 奇略がないとされた人物だが、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .こうした気の利いた受け答えはできたらしい
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 310 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:11:14.59 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元315年夏 晋 并州 陽邑】
:''''"~ ̄~`'' | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l ....;:''''"~ ̄~`''-、__,,....;:''''"~:'
;:''''"~ ̄~`''-、_ || ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| `''-、
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i
 ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ ̄|| ̄! ̄ ̄;/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
 ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
 ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l! ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`l
 ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
 ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
`、 ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
″| ̄ ̄i| ̄!,,| ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄l
| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i ; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄_
''- .._ ~""''' ‐- ...,,__ _,,..-‐''~""''' ‐- ...,,___,,.-‐'
/ ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:、: :\:、
/: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ハハ: \: :ヽヽ
': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|`´ ヽ: :三_〉:_ヽ、_
/: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :| |: :|: : :|:!: : ̄彡´
|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :| }: :|: : :.:|:.|:<
{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.リ、/_/ j从: : :}:|:.|、:_:_≧
\}: : ∨: :|: |≧-_、: : / ィ≦⌒ヽイ: :/: !:.!: /
イY:.:{: : Y ハ斥 ∨ ら:刈 |:/:{:.:|:.|/ あれ以来、劉琨様と盧ェ殿の仲は深まるばかり
-イ: :ト、: 圦 ら::ム マしソ }: :.|: |:.|
Y、:\:」 マし' , "´ /: /: :{リヽ
\: ハ _ __ ι ィ: /r≦―-、
\:> _ ...イ: :// ̄ ̄ヽ:.i
/\〉:.:./三ヽ j: // // ///Y
/{:.:.:.:.:.:.:\三、/W //}:.∨ }|
- 311 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:11:49.76 ID:3dxFmBQf0
-
ヽ-  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ‐- :::::::::::::::ヽ∧
∧ ____ ヽ ::::::::::/
/三三三ヲ'"ヽ \_ノ)‐- .><- 、
,ふ三ニヲ'"\ Y‐---<´ヽ _ノ)ヽ-ヘ\
,ふニ='"/\_ヽ_ノ) ! |ヽ. Vヽ‐-<_ .| ヽ.V 何を考えているか分からんようで存外ちょろい。
{ /,.イ{. 斗ャ示ァ} | | |¨vヽ__ -ミx! ! |
ゝt|ヽ>ミ、 `´ ノ ノ ./ /ィヘ |ミヽヽ リ! 、__ノ! | 親子揃って妙な主に引っかかるらしい
-=彡vヽ ⌒´/.イ!/|ノノノ )ノ Y ヽ /ノ
/ヘゝ- イ´ ||//ノ. \ ハ
/' ヽ)`¨´ r.| ,...:/':::T 、__ノ! ,!
{! .___/7イ:::/':::::ヘ // |-_-_-Y ./-_-_|
ゝ-',.イ:::ヽ/_::::<´::\\ (´ |-_-_-.|__..、-─- ミ/_-_-_-ノ
/イ:::::::::╋:::::::::::::::::::::\\ r-、-_-'"::::::::::::::::::::::::::::{_-_-,.へ
,.:/:/:::::::://::::::::::::::::::::::::::::::アヽ 廴f7:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::ヽ
/:/::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::∨::::::∨
晋 范陽郡の人 廬綝 ./:/':::::::::::从::::::::l::::::::\:::::::::::::::::∨::::::',
./:/ /:::::::::::/ ∧::::ト、:::::::::::\::::::::::::::l::::::::i
/:::;' ::::::::i:::/─‐-l:::l \:::::__';::::::::::::|::::::::|
. {:::::i i:::::::l/ ____ }:ノ _____ l:::::::::::|::::::::|
\::ヽ |:::::::|《~う/ハ '~う//,i¨》:::::::::::l::::::::|
)::ノ |:::::::', ∨/ノ ∨/ノ l:::::::::::l::::::::;
どうして盧ェさんへの詩はあって、私への詩はないのよ。 (⌒ |::::::ハ /:::::::::;':::::::/
ノ:::::::::人 -〜( _.、/.::::::::/::::::::l
不公平だわ /:::::::::::/:::::::>─┬‐=_"{::/:::::::::/:::::::::::|
(:::::::::::/:::::::_.、-r':[_.M.___/-l::::::::/:::::::::::::::',
ヽ:::::( i:::/ {_:_:_:_:_:_:_:_:人:::::ト :;:::::::::::::il
)::::);:/ / 〔_/:o::/._〕 _)ノ ∨::::::::|l
('"/二ニ- _〔_/:o::/._〕 (( _,.. -=二}::::八
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } なお、劉琨が作った五言詩は、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 『重贈盧ェ』という題名で『文選』に収録されている
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 312 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:13:19.90 ID:3dxFmBQf0
-
`''<_-_-_-ニ-''"゚~~::::::::~~゚"'::.、 -_-_
`,.:'´:::::::::::::::::::::\:::\:::::::::/_-_-}
.:::::::::::::ノ:人:::::::::::::∨:::\:/_-_-_]
/:/::::::/::/⌒l::::::::::::::∨::::∧-_-_ノ',
/ ,゙::::::::::/ l::|';:::::::::::|::::::::∧::::::::::::',
{ :::::::::/\ :::| \::::::|::::::::::::|::::::::}:::::.
{ |::::::斗=ミ /:/─‐\::::::|:::::|::::::::}::::::
人::::ヽVソ /'゛ 斗=ミ |::::::|:::::|::::::/:::::′ 気分転換に何か面白い話はないかしら?
.::::ハ乂x , 弋ツ >:::::::::::/:::/::::::′
.::/ .::::. xxx /:::/:::/:/::::::'
廴_八:込, 丶 /:::/:::/:::::::::::/)
(⌒ハ::l::\_,,. -=/::://:::::::::::::':(
) ノ::|:::__::ー┴=彡'::::::::::::::::::/(⌒ー--
..:::::/乂⌒\ 八:::::::::::/乂::. {::::::::::::::::::::::::::/:::/:::::::。s≦i:i:A__/
八:::(/ ⌒乂\(⌒:::::::::::\} ):〉 /{:::::::::::::::::::::/:::/;s≦i:i:i:◎:i:i:i:ヽ
// }乂 \ノ人:\ヾ::/ ./::::::::::::::::::::::/:::::::,!i:i:i:i:I:i:i:i:i:。s≦三ヲ、
, '゙__√ ,/ /'´⌒)::::::.}):〉 /:::::::::::::::::::/:::::::::::/i:i:i:i:i:i:i:i,イ三三ヲ∧ \
/::::::::::::::::/::::::::::::::/i:i:i:i:i:i:i,/三三ヲ ,イヽ、\\
::::::::::::::::イ:::::::::::::::,イi:i:i:i:i:i:i,イ三ニヲiヽ}り V ヾ、 Y
\:::::::::::::::::::。s≦i:i:i:i:i:i:7'T"|´!,ィソヽ ノ |゙ヽ } .}
>-ァ'7i:i:i:i:i:i:i:i:i:イ!´', ヽィ:::::! ` _ !ノソ}./
今は匈奴の領土になった /イ /フ"´/ /|、ヽ ヽ.゙.` ´ ( _ノ / /イ
平陽郡の蒲子で馬が人を生んだらしい。 {././ / ./ ト、ヽ二二フ、_,. <
./ ,イ / / {ゝヽ\__>-'"\_
世が乱れると奇妙な事が起こるものだ / ,! / { イ {ヽ. \ミ={::::::::::::イ:::::::::ア¨V
{ {! /!、 ヽ ! ヽ、/!⌒::::、 ̄::::::::::::::::/:::::::::V
ヽ Уヽヽ _>、 フ::::::::::i::::::::::::::::::/:::::::::::::|、
`¨´ `¨T´V:::/::::i:::::::::::::::/:::::::::::::::|::V
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 『晋書』『愍帝紀』の建興二年九月の記事より
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 313 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:14:25.50 ID:3dxFmBQf0
-
|-_-_-.|__..、-─- ミ/_-_-_-ノ
r-、-_-'"::::::::::::::::::::::::::::{_-_-,.へ
廴f7:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::ヽ
/:/::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::∨::::::∨
/:/':::::::::::从::::::::l::::::::\:::::::::::::::::∨::::::',
./:/ /:::::::::::/ ∧::::ト、:::::::::::\::::::::::::::l::::::::i
/:::;' ::::::::i:::/─‐-l:::l \:::::__';::::::::::::|::::::::|
. {:::::i i:::::::l/ ____ }:ノ _____ l:::::::::::|::::::::| こ、怖い話は止めにしましょう。
\::ヽ |:::::::|《~う/ハ '~う//,i¨》:::::::::::l::::::::|
)::ノ |:::::::', ∨/ノ ∨/ノ l:::::::::::l::::::::; .もう少し明るい話題はないのかしら?
(⌒ |::::::ハ /:::::::::;':::::::/
ノ:::::::::人 -〜( u、/.::::::::/::::::::l
/:::::::::::/:::::::>─┬‐=_"{::/:::::::::/:::::::::::|
(:::::::::::/:::::::_.、-r':[_.M.___/-l::::::::/:::::::::::::::',
ヽ:::::( i:::/ {_:_:_:_:_:_:_:_:人:::::ト :;:::::::::::::il V:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::-::_:::::ヽ
ヽ-  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ‐- :::::::::::::::ヽ∧
∧ ____ ヽ ::::::::::/
/三三三ヲ'"ヽ \_ノ)‐- .><- 、
,ふ三ニヲ'"\ Y‐---<´ヽ _ノ)ヽ-ヘ\
,ふニ='"/\_ヽ_ノ) ! |ヽ. Vヽ‐-<_ .| ヽ.V
怖い話は士大夫の嗜みだというのにだらしない奴だ。 { /,.イ{. 斗ャ示ァ} | | |¨vヽ__ -ミx! ! |
ゝt|ヽ>ミ、 `´ ノ ノ ./ /ィヘ |ミヽヽ リ! 、__ノ! |
では、そうだな。 .-=彡vヽ ⌒´/.イ!/|ノノノ )ノ Y ヽ /ノ
/ヘゝ- イ´ ||//ノ. \ ハ
最近、南から来た者に聞いた話なのだが…… /' ヽ)`¨´ r.| ,...:/':::T 、__ノ! ,!
{! .___/7イ:::/':::::ヘ //
ゝ-',.イ:::ヽ/_::::<´::\\ (´
/イ:::::::::╋:::::::::::::::::::::\\
- 314 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:16:08.43 ID:3dxFmBQf0
-
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| ……宛に勇敢なお嬢様がいてな |
ヽ_________________乂
:''''"~ ̄~`'' | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l ....;:''''"~ ̄~`''-、__,,....;:''''"~:'
;:''''"~ ̄~`''-、_ || ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| `''-、
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i
 ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ ̄|| ̄! ̄ ̄;/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
 ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
 ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l! ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`l
 ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
 ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
`、 ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
″| ̄ ̄i| ̄!,,| ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄l
| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i ; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄_
''- .._ ~""''' ‐- ...,,__ _,,..-‐''~""''' ‐- ...,,___,,.-‐'
- 315 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:16:42.99 ID:3dxFmBQf0
-
○壺関 ト、_ ○鄴 〉
并 州 | ``ヽ、_ 【魏郡】 ,/
○長子 / ``ヽ、 内黄 _,/ 〇
`‐-、 _,,ノ′ 蕩陰× `, ○ _,,,-‐´ 東武陽
l 「 【汲郡】 ,' / ○ 【東平国】
,! 【上党郡】 l 枋頭 /黎陽/ 頓丘 【東郡】
( 〉 黄橋〇 〇 i´ ○/河 ○鄄城
`ヽ、 / ヽ/ ○ ○濮陽 〇廩丘 【山陽郡】
`ヽ、 _,,,,,,-‐'′ 【河内郡】 / 白馬
`‐-‐´ ,-‐'´○東燕 昌邑
司 隷 _,-‐'i´ ○延津 【済陰郡】 ○ ○
,_ 河橋 温 ○懐_,,,-‐'´黄 `-、 定陶
```‐-,, _○ ○ _,,,-一'´ ×官渡 ○陽武 ○封丘 兗 州
 ̄`゙~~~´ 〇滎陽 !倉垣 ,-、
◎洛陽 ○ `○、 陳留 【陳留国】 / /
○ 【河南尹】 中牟 / ○ / (_,/
河南 _,,..-‐- 、,_ ,,-一´ ○雍丘 ,,-‐′○蒙城
○ ('´ ○輪氏 `、 ,/ ヽ 【梁国】
新城 ``'''‐-、,,_ `‐-‐'''´´ `~~`ヽ、 ,,_○圉_,,-‐′
梁○ _,,) 〇陽翟 ×洧倉.--′`´○陽夏 蕭
,,,_ ,ィ´【襄城郡】 ○許昌 【陳国】 ○
,/ `~´ ヽ ○ 【潁川郡】 譙
,/ 魯陽 ) 襄城 ○寧平 ○ 【沛国】
,,/ ○ ``'''i 豫 州 ○陳
ゝ,
荊 州 )
【南陽郡】 / 南頓
●宛 ○ ○項
【汝南国】
安城
○ ○新蔡
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ さて、この建興三年。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ 一つの伝説が生まれている
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 316 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:17:12.86 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元315年頃 晋 荊州 宛】
∫ι__________ ./丁了
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ \__人_人从_人_人从/
||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | || _) (__
||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | || ) 大変ですっていう!! (
弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ  ̄ ̄) ( ̄ ̄
弋ェェt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ェ,ィ /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
il_,└───────┘ , i!
| ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l
|| ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄||
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|i | ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄||
 ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ || ̄! ̄ ̄/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄.|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i  ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~ ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l  ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`ll`l
l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″|  ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄  ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾ| ̄`.. ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ | ̄ ̄ | ̄!,, ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ll
. {二二二{二ニ/:::::::l:::::|:::::::::::::::::::::::`<二>{_ }‐―┐
∨二二{二/:|:::|:::|:::_|:::::::::::::::::::{:::::::::::\二二>、 /_
∨==ニニ∨:::|:::|八´:|\::::::::::::::{:::::::::::::|::\ニニニニΧ \
\ニニ/::::::|:::| 斗外 \:::::::::∨:::::::八::::∨ニニニニ\ \ こんにちは〜
\/::|:::八{〃 Vソ , \::::::∨::/::::::::|:|∨ニニニニ∧_/
. /::::|:::::::{∧^'´,,, ′ \:::∨l:::::::リリ:::∨二二ニ|:i:i:7 .我々の縄張りへの手出しは止めて下さいね〜
/::::::::::|:::::::{:.∧ V´ ̄ 7 \}/:::::/イ:::::::}二二二}:i:i/
. /:::::::::::/::|:::::::∨込、 ー‐' .イ\/::::l::::∠二二二}:/
/:::::::::::/:::∧:::::::∨:::::〕i::ト _ . : :{:l:|::|l\∠二ニニニ>:i:}
晋 南中郎将(自称) 杜曾
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 舞台は荊州の宛。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j この地を杜曾率いる賊軍が包囲した
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 317 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:18:42.36 ID:3dxFmBQf0
-
/フY ヽ
/(>)(◎) ヽ
_ /⌒`´⌒:#;; \
| -)___(-、 |
.__ |#; |!!il|i|!li| lu.| 杜曾の軍勢がこの宛を包囲するつもりですっていう!
/ \ ・`⌒´ /
〈_/\ .`ijー─‐'" \/゛〉
) /\__/
/ _ / 斗≦才ニ=ー-- _
三 / __ ヽ /イ ̄  ̄\ \厶
三 ! /r .) //イ寸}}}寸 寸\ \\ミ辷_
ヽヽ _/ 艾ミ寸/厶\ ̄\. } \_寸 寸´
`才 .ア ) 乂\_\ ハ
./// 斗≦` 寸: : :./Vハ 个'
厶从{ァ==、 / 斗ォァ V// ム: }V乂{
八{:斗ォァ}  ̄ }:/ (ノ∧V
.{: ̄ ノ |__/VV
まずいですね。 ∨ \ 八 マ
.∨ , -─ ..::: V
宛へ移ってきたばかりで .' -‐ /:/ ∨
備えが全く整っていないというのに ..' /:::/ _V
\::....<::::::::/ 斗≦斗≦∨
.∨≦ /ニ二ニ=-‐∨__
/ /ニニ/ニニニニニ,
,イ / |─彡ニ>─-<ニニ,
晋 平南将軍 荀崧
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .当時、宛には平南将軍の荀崧が駐屯していた。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 荀藩・荀祖の行台で襄城郡太守となった彼だが、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 部下の石覧に洛陽の陵墓を修復させた功で平南将軍に昇進。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 都督荊州江北諸軍事の肩書も得て、宛への進出を果たしている
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 318 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:19:43.85 ID:3dxFmBQf0
-
斗≦才ニ=ー-- _
/イ ̄  ̄\ \厶
//イ寸}}}寸 寸\ \\ミ辷_
艾ミ寸/厶\ ̄\. } \_寸 寸´
`才 .ア ) 乂\_\ ハ
./// 斗≦` 寸: : :./Vハ 个'
厶从{ァ==、 / 斗ォァ V// ム: }V乂{
八{:斗ォァ}  ̄ }:/ (ノ∧V 皆さんの意見を聞きましょう
.{: ̄ ノ |__/VV
∨ \ 八 マ
.∨ , -─ ..::: V
.' -‐ /:/ ∨
.' /:::/ _V
\::....<::::::::/ 斗≦斗≦∨
.∨≦ /ニ二ニ=-‐∨__ r'ニ;v'ニ;、
/ /ニニ/ニニニニニ, r=、r=、 _,!0_i0) )i:、
__{0_{0_.} / `ヽ,. ┘ ヽ /ニYニヽ
,、 ,、 /´l r `'、_,ノi、 i ′′ } /(0)(0 ) ヽ
, - (・(・ ){ ) l、 ( ,! /⌒`´⌒ \
( '' ,r'⌒゙i`、 _.r(_ ノ ヽ.__. ^ 、∠! | (- 、 |
杜曾とか化物だっていう ヽー< ,,ノ `´-r _ノ: :\ `T- ヘ> ト-―――-` l !
. i′ ,f´: :,. - - 、ヽ ,,.-テ| ,/ `ヽ、 ヽ `⌒´ / /、
陶侃でも負けた相手だっていう l l: : j :f´: : : : : ヽ,/ '''"´ ,,.: - ヽ `コー /,ノ:::ゝ、
! /: :ノ l: : : : : : : ノ, ,:'" ゙ヽ i,.r‐(´::::| ,.ィ":::::/::::::
主力は石覧殿と襄城郡にいるし…… /-‐-/: :/: l: : : : : : ,/ / / ,f´:::,::ヽfト--テ:::::::::ノ:::::::
. _,,..::-,テ /`7: :(: : : : : /ヽ/ 〃 リ:::,'::::::ゝ!r7/ー一'":::::::::::
誰が使いになるんだっていう `_,:ィ''" _,r''" f: : :ト---ヲ / fノ /::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::
-‐-‐'''フ" ,.ノ,:::::」、,:r'" ,i / /::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::
、..、く´_,,∠"ィ''"´ / ,> /\、 ,ノ:::/::::::://://:::::::::::::::::::::::::::::::
´ ,ヘr:、-、=---/ ,:イ ,ノ `゙ヽ、/:::::i':::::://:://:::::::::::::::::::::::::::::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .杜曾軍の包囲は続いた。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 『晋書』『荀崧伝』によれば、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 宛の荀崧の軍勢は兵力は少なく、兵糧は尽きかけていたという。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ また、頼りにしていた部下の石覧は
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 後任の襄城郡太守として同地に残っていた
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 319 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:21:29.42 ID:3dxFmBQf0
-
/:i:i:i:i:i:i:i/ /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i\
,:i:i:i:i:i:i:i:/ /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ヽ
/:i:i:i:i:i:i:/rク /:i:i:i:i,':i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:,
i:i:i:i:i:i:i:〈 r⌒i:i:i:i:i:i:i,:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/:i:i:i:i:i:i|:i:i:i
,:i:i:i:i:i:i:i´ ^i|:i:i:i:i:i:i!:i:i:i:i//:i:/:i:/:i:i:i:i从:i| ふむ。
,:i:i:i:i:i:, |!:i:i:i:i:i:|´ r示ミx´ ':i:i:i:/レ:i:i:,
ヽ:i:i:i:iヽti:i:i:i:i:i:i:! ` 乂ソ -/炒´/ .石覧殿の軍勢がいれば何とかなるのですね。
ヽ:i:i:/ニ!:i:i:i:i:i:i| i /:i:i!
r斗V|:i:i:i:i:i:i:! /,:':i:i:i:! .それでしたら、 .
| \':i:i:i:i:i:i:i ー ./:i:i:i:i:i .私が包囲網を突破して襄城郡まで援軍を頼んできます
ノ |:i:i:i:i:i:i:|> /|:i:i:i:i:i:i:i
/ ̄ ̄ ̄ ̄∨ |:i:i:i:i:i:i:|=//´. |:i:i:i:i:i:i:i
/ ̄ ̄\ \ :i:i:i:i:i:i:i:! 〃 ̄ ̄ |:i:i:i:i:i:i:i 斗≦才ニ=ー-- _
\ |:i:i:i:i:i:i:! 〈〉 |:i:i:i:i:i:i:i /イ ̄  ̄\ \厶
//イ寸}}}寸 寸\ \\ミ辷_
晋 荀崧の娘 荀灌 艾ミ寸/厶\ ̄\. } \_寸 寸´
`才 .ア ) 乂\_\ ハ
./// 斗≦` 寸: : :./Vハ 个'
厶从{ァ==、 / 斗ォァ V// ム: }V乂{
八{:斗ォァ}  ̄ }:/ (ノ∧V
.{: ̄ ノ |__/VV
∨ \ 八 マ
えっ? .∨ , -─ ..::: V
.' -‐ /:/ ∨
.' /:::/ _V
\::....<::::::::/ 斗≦斗≦∨
.∨≦ /ニ二ニ=-‐∨__
/ /ニニ/ニニニニニ,
- 320 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:22:25.60 ID:3dxFmBQf0
-
/⌒Y⌒ヽ
/(○) (○ヽ
/::::⌒`´⌒:::u\
| ,-) (-、| いや、お嬢様。
| l ヽ__ノ l. |
\/⌒)⌒)⌒) / /⌒)⌒)⌒) この使いは誰でもいいというわけではありませんっていう
ノ ̄ .| / / / (⌒) ./ / /
/´ | :::::::::::(⌒) ゝ ::::::::::/
| l | ノ / ) /
ヽ ヽ_ヽ /' / / /:i:i:i:i/三三≧s。_
ヽ __ / / / /:i:i:i:i///:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i\
ィ:i:i:i:i:///:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:\
:i:i:i:イ//:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|:i:i:i:i,
六⌒ヽ:i:i:,':i:i:i:i:i:i/:i:/:i:i:i:i:i:i:|:i:i:i:i:i,
/)ΥV:i:i:i!:i:/l:i:/ナ`:i:i:i:i:i:i从:i:i:i:i
大|8:i:i:i|:/r示ミx ノ:i:i:/示|:i:i/
なんですか。 _∧8:i:i:i| `乂シ ´ |乂ソ,:if
ー∞/:i:i:i: `´ 〉`´ ,:i:i
私はもう十三歳です。 ./:i:':i:i:i:i: ' /:i:i
イ|:i:i:|:i:i:i:i\ -- ,:':i:i:i:
お使いぐらい一人でできます `Y:i:i:i:i: ヽ ィ:i:i:i:i:i
|:i:i:i:i:≧s_≧=― |:i:i:i:i:
|:i:i:i:i|≧/=/=/ |:i:i:i:i|
个:i:i:i|∨=斗人\ |:i:i:i:i|
ィ :i:i:i:i|/ 卍 .\\:i:i:i:i:i
:i:i:i:i  ̄` ´ ̄`|:i:i:i:i| ̄ ̄ \
- 321 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:23:55.23 ID:3dxFmBQf0
-
. /ニYニヽ
/ (0)(0)ヽ
/  ̄`´ ̄ \
| ,-) (-、.|
| l ____ l | どう致しましょうかっていう?
\ ` ⌒´ /
,、-='l \_,ン g< \
/ \ └〆\ i=i|\' \
丿 i \ \=i| / i| 斗≦才ニ=ー-- _
/イ ̄  ̄\ \厶
//イ寸}}}寸 寸\ \\ミ辷_
艾ミ寸/厶\ ̄\. } \_寸 寸´
`才 .ア ) 乂\_\ ハ
./// 斗≦` 寸: : :./Vハ 个'
厶从{ァ==、 / 斗ォァ V// ム: }V乂{
八{:斗ォァ}  ̄ }:/ (ノ∧V
.{: ̄ ノ |__/VV
他に策もありませんし、 .∨ \ 八 マ
こういう時はその場の勢いが大切かもしれません。 ∨ , -─ ..::: V
.' -‐ /:/ ∨
いっそ尋陽郡の周訪殿にも急を告げてもらいましょう ..' /:::/ _V
\::....<::::::::/ 斗≦斗≦∨
.∨≦ /ニ二ニ=-‐∨__
/ /ニニ/ニニニニニ,
,イ / |─彡ニ>─-<ニニ,
/八./ニニ:|ニニ/ニニニニニ寸ニ,
- 322 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:26:13.10 ID:3dxFmBQf0
-
∫ι__________ ./丁了
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ
||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | || \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | || ) >
弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ < 開門ッ!! >
弋ェェt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ェ,ィ < (
il_,└───────┘ , i! /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
| ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l
|| ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄||
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|i | ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄||
 ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ || ̄! ̄ ̄/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄.|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i  ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~ ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l  ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`ll`l
l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″|  ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
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_,,....,,_
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|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 'r ´ ヽ、ン、 ねぇ魔理沙。
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 ,'==─- -─==', i
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i | .こんなクソスレ見てるより、
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .|| ゆっくり歴史解説動画見た方がよくない?
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ !Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |
,' ノ !'" ,___, "' i .レ' L.',. ヽ _ン L」 ノ| .|
( ,ハ ヽ _ン 人! | ||ヽ、 ,イ| ||イ| / おい馬鹿やめろ消されるぞ!
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
- 323 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:27:08.28 ID:3dxFmBQf0
-
∫ι__________ ./丁了
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ
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||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | ||
弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ
弋ェェt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ェ,ィ
il_,└───────┘ , i!
| ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l
|| ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄||
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|i | ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄||
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l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″|  ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
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_,,....,,_
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ヽ::::::::::::::::::::::::::::::\
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|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ ,!,,,、( /::τ
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 :.、 !:::( ノ::
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 ゜ (/ ⌒
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ ,,、.. // ノ' あっ!
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ π /;::::::::(,.,.(;;;::::( ,,., ・っ
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ ):::::::::::::::::::::::::::/ '''''` `
,' ノ !'" ,___, "' i .レ' τ !::::::::::::::::::::::::::::)/,,,,, γ
( ,ハ ヽ _ン 人! (::::::::::::::::::::::::::::冫 `'`' 、,:'
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ :::':'::::::::::::::::::::::::::::;(,,,,,,,、:::::::-ー''''`'`''''''''"
- 324 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:27:48.14 ID:3dxFmBQf0
-
斗=ニニ=-ミ _____
/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ヽ 斗≦三三三三三)
/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ハ 斗≦三三ニ=-  ̄ ̄ノイ
,:i:i:i:>───‐<:i:i:iノム -=ニ三ニ=- ´ ̄ ̄
.':i:/ ,ィ:i:i:i:i:i:i:i:i:≧s、\:i:i:i:)\_ -=ニ三ニ=-
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|':i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i-‐=ニ二 彡イ:i:i:i:i:i)
八:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i艾,寸//}厶二 ̄ |{ /:i:i:i:/-───--=ニ二 皆さん。
./ V:i:i:i\乂寸寸:ィタ 才 |{ニニ二二彡:i:i:i:i:i/
/_ V:i:i:i:i:i\三三/ V:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/ 斗≦ 私の後に続いて下さい
{ \:i:i:i:i:i:i:i:i/ ̄ ̄ ̄ >:.. //:i:i:i:i:i:i:i-=ニ彡 /
∧ 斗≦ 斗≦三三三:i:i-=≦ /
\_斗==ミ斗≦く ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ノ寸_______ /
_/ ̄/ / /  ̄ ̄/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`寸_ 厂 ̄ .l
{/ / /_7 ̄ /_二ニ=-=ニ二 ̄ 才// l
/ /\才 /≧=- _厶彡 \ / \__ { \__人_人从_人_人从/
.厶イ_/ / / \. /  ̄/ _) (__
斗≦ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄三二ニ=-=ニ二__}\/ _二ニ=-‐‐ __/ ) な、なんだ!? (
/ ̄ ̄/´ ̄ ̄`寸\::i:i:\::i:i:i\ ≧=ー=ニ二 ̄ ̄ /  ̄ ̄) ( ̄ ̄
八___ノ:i:i:i:\_厂 ̄ ./:i:i:i:i:i:i:i:i:i:-=ニ /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
.{::(____):i:i:i:\:\ ー=ニ二_{_:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:-=ニ二
∧:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:∨:i\ /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ー=ニ二__
.∧:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:寸:i:i:\ /─=ニ二:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i-=ニ
≧=ー-=ニ二:i:i:i:i:i:i\__:i:>ー-=ニ二_ -=≦  ̄ ̄ ̄ ̄ ≧=-=ニ:i:i:i:i:i:i:i\
 ̄∨:i:i:i:i:i:}',  ̄ ̄ \ニ()ニV
∨:i:i:i:ノ | } ∨
/≧()≦.リ ≧=ー彡
ー─‐─'
- 325 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:28:56.17 ID:3dxFmBQf0
-
-────-=ニ....
. ヽ:i:i:i:i:..
./ -───- \:i:i:i\
/ 斗≦:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i\ \:i:i:i:\
./ /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:\ \:i:i:i:\
/ /:i:i:i:i:i:i/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i\ ∨:i:i:i:ム
//:i:i:i:i:i:i:i:/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|:\:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i\. ∨:i:i:i:ム
./:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|:::::::V:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iハ __∨:i:i:i:ム
______/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i':i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|::::_V:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ハ ./ ∨:i:i:i:i:ム
\:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/|:i:i/{: : :ノV:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iV ハ ∨:i:i:i:i:i}
ー=彡/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|:i:i:i:i:i:i:i:/}:i:i:i:i/:|:i:i|ヽO</V:i:i:i}:i:i:i:i:i:i:Vヽム ∨:i:i:i:i}
./:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i::i|:i:i:i:i:i:i:/::|:i:i:i:/:::|i:ハ ノ/::::::::∨:i|V:i:i:i:i:i:iV:::::} }:i:i:i:i:}
/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/:::::|:i:i:/:::ム斗イ::::::::::::::::::Vi}::V:i:i:i:i:i:iV:/ /:i:i:i:i:ノ
./:i:/ |:i:i:i:i:i:i:i:ii/.}:i:i:i:i/::::::(|:iイ:::::::::::::::::::: .V:i:i:i:i:i:V /:i:i:i:i:i:ハ
// .|:i:i:i:i:i:i:i:ハ|:i:i:O\∨///::: }:i:i:i:i:i:i:}/:i:i:i:i:i:i:i:i:} 目指すは襄城郡!
{ 八:i:i:i:i:/{_|:i:i:/≦:::::}::/ __ |:i:i:i:i:i:i:| )):i:i:i:i:i:i:i:}
./:i:i:i:i:i:i/::::::八:/ ノ __ /:::::厂∨\ .|:i:i:i:i:i:i:|∨:i:i:i:i:i:i/
/:i:i/|:i:i{∧::::::∧ \ /::::厂 |\|\ } |:i:i:i:i:i:i:i|⌒∨:i:i/
./:イ .乂:{ |∧::: /\厂\ノ、_ノ...../ |:i:i:i:i:i:i:i:|/⌒ Y
.|:i∧:. ( _/\ 厂\イ::::::::.:::/ .|:i:i:i:i:i:i:i:|\ |
|:i:i∧ \} \/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |:i:i:i:i:i:i:i:il \|
|:i:i:i:i:\ }_/ / ̄ ̄ /|:i:i:i:i:i:i:i:i:| \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:..... / | | \ / |:i:i:i:i:i:i:i:i:i| ) >
|:i:i:i::i:i:i:i:i:∧ \ / ./ l:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|∨ < ひぃッ!!! >
|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧ \_____/ ̄ ̄ ̄.|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:| ̄ ̄ ) < (
|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i} ( \/ / ̄ ̄ ̄ |:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i| ̄ ̄| /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i| |\ |/ |:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:| |
|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i| | | | |:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i| |
|:i:i:i:i:i:i:i:i:ii::i:i| | | |(O) |:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:| |
- 326 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:30:21.21 ID:3dxFmBQf0
-
/
//
/// (⌒\
/// /ニYニヽ \ ヽ
( ( /( ゚ )( ゚ )ヽ \\ \
よっしゃ! \ \ /::::⌒`´⌒::::\ ト\ヽ
\ \ |,-)___(-、.| .| \ヽ
お嬢様の後に続けっていう!! .\ \l |-┬-| l | ノ ノ \
\ ヽ `ー'´ / /
/ /  ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
// /  ̄ ̄ ̄ ̄) )
_,,....,,_ / ( ⌒ ̄ ̄ ̄ヽ ノノ/
-''":::::::::::::`''\ : _/ / `ー―――、 ) ノ/
ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::\ : ー=二三 __ノ ノノ/ /
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ : ノ/
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ : /
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 : .
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 : れ、霊夢が殺られた。
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ :
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ : あかん。
`! !/レi' (◯), 、(◯) レ'i ノ :
,' ノ !'" ,rェェェ、 "' i .レ' : .これ、絶対関わったらいかんやつ
( ,ハ |,r-r-| 人! : .
,.ヘ,)、 )>,、_`ニニ´_,.イ ハ : \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
) >
< いや、追えよ!! >
< (
/^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『荀崧伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 荀崧は年少の娘の荀灌を使者とし、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 襄城郡太守石覧と尋陽郡太守周訪に救援を求めた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 『晋書』『列女伝』によれば、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 荀灌は当時十三歳にも関わらず、勇士数十人と共に夜の間に包囲を突破
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 327 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:31:59.49 ID:3dxFmBQf0
-
\__人_人从_人_人从/
_) (__
) お嬢様、敵が!! ( ______
 ̄ ̄) ( ̄ ̄ r≦´  ̄/三三乂メ
/⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\ | `ー…―――――∧|\三〈ー人
| /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i〈ナ〉  ̄ヽ三ソ
| W:i:i:/:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧:i:i:iくト、 | |
,zzzzzzzzzx斗―乂:i从/レ´/r芍´!:i:i〈/〈 |
/⌒ァ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/^ヽ芍 ヽ ´ /:i/^∧ .!
問題ありません! /`ー…―一r≦ |:i\ rュ´:i/`
| |, ≧≦:i:i:i|
________ このまま進軍を!! rzzzzz人ァ/:i:i:i:i:i:/ニ __
三三三三三三三≧s。 /´三三三三〈:i:i:i:i:i,:'く二| ヽ
三三三三三三三三三≧s。 i三三三三三ハ:i:i/三ヽニ≧s。 |
三三三三三三三三三三|+rx__ i三三三三三三寸三三〈| ≧s。
三三三三三三三三三三||ヽ|`ヽ__ 乂三三三三三三三三三 , 〈こ
三三三三三三三三三三|||___! ヽ≧s。 ノ三三三ミx三三三三三ソ .| 〈こ
三γ´ ̄ ̄ ̄`ヽ三三三ソ`ヽ.トニ ,三三≧s。 -=≦三三三三三ヽ三三三/| | /ニ/ヽ
シ´ \三/〈__/∧ニ| |三三三三三三三三三三三三三三三三`ー一´ .! r≦iニ_ミー
\二〉]' /ニ,. |三三三三三ヽ三三三三三三三三三三三三/ .| / ̄ У /
\⌒Y/ニ/ |三三三三三三ヽ三三三三三三三三三三三、 ,´ / /
ーニ一. |三三三三三三三三三三三三三三三三三三\ 、
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 賊が急追する中、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 荀灌は将兵を督励し、戦いながら進軍して北の魯陽に到着
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 328 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:33:28.21 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元315年頃 晋 豫州 襄城郡】
/:i:i/ r≦:i:i:i:i:i\
´:i:i:i´ /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iヽ
|:i:i:i,:' :i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i,
|:i:i:i| /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|-V:i:i
|:i:i:i|ウ/:i:i:i:i:i:i:i:i//-|:i:iリャケ|/ 石覧様。
|:i:i:iγヽ:i:i:i:i///__ノ/弐 .,:i
人:i:i:i, f|:i:i:i:|く´ 弐´ 〉 ,:i! .御無沙汰しています。
\:i:i斗:i:i:i| /:i:i
 ̄ |:i:i:i:|、 ッ |:i:i:i\ 父のいる宛城が賊に包囲されたので、
/^|:i:i:i:| ≧=- -f ,:i:i:i:, , .援軍をお願いしに包囲を抜けて参上しました
/ :i:i:i:i, 、__||__从 ,:i:i:i:,|
/ //〉/〉:i:i, | 〉 ,:i:i:i:i,
⌒ヽ | .// レ/〉:i:i, , 〉 ,:i:i:i\ r‐ ' _ノ
| / i /./i:i:i:i, V ∧ ,:i:i:i ! /ニYニヽ _ ) (_
| \ ´\:i:i:, ∨ , \| ! / (0)(0)ヽ (⊂ニニ⊃)
/ ⌒`´⌒ \ `二⊃ノ
| ,-) (-、.| ((  ̄
| l ヽ__ ノー┼¬U
\ ` ⌒´ /
/ ヽ
えっ? / ヽ
| | |
ヽ_| |丿
| |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } そのまま北東の襄城郡に入り、自ら襄城郡太守石覧に援軍を要請
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 329 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:34:57.16 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元315年頃 晋 揚州 尋陽郡】
∨/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iヽ∧:i∨
∨,':i:i:i:i|:i:i:i:i:i:i:|:i:i、:i、:i:i:i ∧:i∨
| |:i:i:i:i:|、:i:i:i:i:乂:i\\:i:i:i_f:i:i:∨
|:i:iΝ^示xヽ:i从r圭ミ !i:i:if^i:i:i:, 周訪将軍。
|从〈 f佗 l. f佗 |:i:i:iノ:i:i:,
ヽ:i∧ 、 .|:i:i:|:i:i:i/ .お会い頂き感謝します。
|:i:i∧ |:i:i:|:/
|:i:i:i个s つ /:i:i:i .我が父荀崧より手紙を預かって参りました
|:i:i:i:i:i〈≧ ≦ ,':i:i:i:!
__|:i:i:if´ i |≧γ ̄ ̄:i:i:i:i:i、
/ ,':i:i:/ |i| 」 ,':i:i:i:i:, \
' ./:i:i/ 从 .| :i:i:i:i:i, \ ___ ....-―‐-:::¨ ̄\ _ / ̄ ̄\
.., ,:':i:i/ / 从 /:i:i:i:i/ \ /::::_<ア:::::::::::∠{::\:::: |::::::\ヽ::::< ̄`ヽ
/´ ̄/ ::: /≧" \::`¨|::::|:::|:|ヽ} ̄`ヽ
.//:/:::|:|ミ /\_」::::|:::|:|::::::.
//:/ |:::〔! ー' ,.≠┐|:::/:::|:|:::::::|
.i/|:ハ::|::::||`" イc心 } |イ|::/::|:::::::|
{ .从:::|k芯 r .ヒ少 ̄)|j/ :!:!:::::/
|::(:iマ}ノ^`""""´ i!::::::|:|/
えっ? |:::从 iァ⌒ヽ ,j|::::/}'
.八::::::|>` _´ ィ升|/ヽ
\トNゝ_「in厂}} ̄}} {
ri―く ,リj { {{ {{ 7 ̄ ̄/ヽ
晋 尋陽郡太守 周訪
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 続いて、尋陽郡太守周訪へ父荀崧の手紙を渡して援軍を求めた。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 豫州西端の襄城郡から
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .長江北岸の尋陽郡まで移動するという割とおかしい行動をしている
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 330 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:35:52.05 ID:3dxFmBQf0
-
/ ̄ ̄::::::て/:/::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::\::::::::::::\
/::::::::::::::::::::て/::::/:::::::/:::::/≧x::::::::::::x≦心:::::::\::::::\::ヽ<:::::ト}
./::>ァ/ ̄.y′/:::::::/:|::: |ミミヾ.\::/イイ≦ム:::::|::::\::::::゚。:ハ ヽ{
j从 ./´ |::::::|::::::::|:::i!:: | ``^ヾ≠^´ |:!::|::::::: | :::: |ヽ}
|::::::|::::::::|::リ:|::| |:!::|::::::: |::|::::| j
|::::::|::::::::|/_// _从A::::::::|::|::::| 年端もいかない少女がこのような勇敢な行動を!
|::::::|::::::::|}イ/ ̄`> 、 /´ |::::::/:/:::/
Z∧::::::|r芹テ芯ミ rチ芹勺|:::/}/}::/ 素晴らしい!!
Y!∧: |ヾ.い::::爿 う:::jリ/' j/:|j' j/
j小N从( 乂Zン )⌒( 乂ン ):/! 必ず援軍は送るので、
|:|:圦 ー― ´ 、 ー― ハ/}:| . 是非私と義兄弟になって頂きたい!!
.从::::::ゝ. ャ::::、ァ /}///
\{./`ト ー' < /'
_ ∠ミ≧xィj| \ >‐<ト、
./ \Z.| ||「\ /ヽ}}::「i¨i^!¨ス /\___/ヽ
{ Y}}} ノjハ /「i´ヽ{::|.| .| |::{ \ /'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
. | `-=ニ=- ' .:::::::|
\ `ニニ´ .:::::/
将軍が独身なら結婚申し込むレベルですねこれ ,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 周訪は即座に
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 自分の息子に三千の兵を与えて宛への援軍に差し向けた。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .なお、周訪は荀灌と義兄弟の契りを交わしている
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 331 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:37:44.86 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元315年頃 晋 荊州 宛】
-''":::::::::::::`''\ :
ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::\ :
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ :
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ :
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 : . 杜曾殿!
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 :
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ : 敵の援軍が南北から来てる!
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ :
`! !/レi' (◯), 、(◯) レ'i ノ : これは何かの神様の意志に違いない!!
,' ノ !'" ,rェェェ、 "' i .レ' :
( ,ハ |,r-r-| 人! : . '-=ニニニニ=-\_
,.ヘ,)、 )>,、_`ニニ´_,.イ ハ : __/-=ニニニニニニ=-Vへ 、
/-=7、-=ニニニニニ=- }_ ))
(-=ニ=‐-----------‐=≦ニ=-
`¨7jr --_-------..―=≦:|
{八:::::ゞヘ::::r赱>:::::__::::::: |
7ヽ八 ' \::::∨::::iy\_:|_
すぐ落とせるかと思いましたけど失敗しましたね。 /::::∧个 ` ' >]::| /-=ニ\
/:::イ:::::V::::|イ「、 {:ハ}::ト|-=二/ 、
逃げましょう ノ'"/:/∧:::|八 大V:::|_〕-=7-=二
/'' /:/^V- i:::|=V>r<八:.:、\{ -=ニ|、
/'' /:::i-=∨ノ:/-=VHY_\\〉-===|-
/'' /::::::〕-= 〕/=7=Lハ_〉-=ニヽ\-=ニニ_
, , .::::::::::i -=7' =人- _∨-=/ -=\} -=ニ_
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 杜曾軍は石覧・周訪両軍の接近を聞くや逃げ散った
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 332 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:39:14.53 ID:3dxFmBQf0
-
/―Yーヽ
/:::::(○)(○)ヽ
/::::::::::⌒`´⌒::::\
/:::::::::,-)___(-、|
|:::::::::::::l |-┬-| l |
\:::::::: `ー'´ /
ノ::::::: \ 斗≦ ̄ ̄ \:i:i:i:i:i
/::::::::::::::::: ヽ ./___ \:i:i:i:i:i:\
|::::::: l \ /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ヽ ∨:i:i:i:i:i:}i:.
/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i\ V:i:i:i:i:八:',
./:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iV:i:iハ:∧ V/:i/:iム
.:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∨:i:i:|:i:∧ (( ))}:i/:i:i:i:ム
|:i:i:i:i:i:i::iV斗‐‐寸:i\:i:|:i:i:i:|/ ^寸:i:i:i:i:i:i:i:iム
|:i:i:i:i:i:i∧寸≧芙y≧ー|:i:i:i:i:|/⌒ }:i:i:i:i:i:i/:i:i}
乂:i:i:i:i乂', / V:リノ^ .|:i:i:i:i:| ) ノ ∧彡イ:i:/:}
 ̄} |:i:i:i:i:|ニニイ:i∧:i/:i:/_ノ
どうです? / |:i:i:i:i:| }{ 寸:i:i}//
\ / |:i:i:i:i:|V/ マ/
私にもお使いぐらいできるでしょう? . ー |:i:i:i:i:| |⌒
|', / :|:i:i:i:i:i| l
|:i:i:.ー=彡 V.:|:i:i:i:i:i:| V
__. |:i:i:i:i:i:i:/ V|:i:i:i:i:i:| \
.∧\ |:i:i:i:i:i/ イl:i:i:i:i:i:i| \
∧ \ / |:i:i/ / .|:i:i:i:i:i:i:| ー-
\∧ \ || |:i/ ー- |:i:i:i:i:i:i:i| ̄ ̄ \
\) \|} |/ |:i:i:i:i:i:i:i| ∨
\ ∨二二ニ|:i:i:i:i:i:i:i:|二二二二二二二二二Y
V .|:i:i:i:i:i:i:i:| }
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 賊が逃げたのは、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 荀灌の力によるものだったと『晋書』『列女伝』はまとめている
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 333 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:39:48.76 ID:3dxFmBQf0
-
/ニY二ヽ
/( ゚ )( ゚ )ヽ
/⌒`´⌒ \
| (-、 | さすがお嬢様だっていう!
,-ゝ、 ヽ___ノ | ト- :、
/'´ミ)ゝ^) | |r┬ー| l ,/;;;;;;;;;;;;`゙ よっ、三国無双っていう!!
ト、つノ,ノ ∧ l | / //;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
i _,,.:イ レ''";;;;;ヾ二,-;;´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
ヽ ゙v'′ ,:;;;;r-'"´`i,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
ヽ ゙':く´ ;f´' ll;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; 斗≦才ニ=ー-- _
ヽ ヾハ. l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; /イ ̄  ̄\ \厶
t `^t;\ ,,.ゝ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; //イ寸}}}寸 寸\ \\ミ辷_
艾ミ寸/厶\ ̄\. } \_寸 寸´
`才 .ア ) 乂\_\ ハ
./// 斗≦` 寸: : :./Vハ 个'
厶从{ァ==、 / 斗ォァ V// ム: }V乂{
八{:斗ォァ}  ̄ }:/ (ノ∧V
.{: ̄ ノ |__/VV
∨ \ 八 マ
.∨ , -─ ..::: V
うちは代々士大夫の家系なんだが…… ' -‐ /:/ ∨
.' /:::/ _V
\::....<::::::::/ 斗≦斗≦∨
.∨≦ /ニ二ニ=-‐∨__
/ /ニニ/ニニニニニ,
,イ / |─彡ニ>─-<ニニ,
/八./ニニ:|ニニ/ニニニニニ寸ニ,
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 史書に残る荀灌の働きはこれだけである
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 334 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:40:38.99 ID:3dxFmBQf0
- 【同時代人の李秀お嬢様(こっちの方が年上)】
', \ マ', //
マ ムr‐ュ,.。-=ニ.' "ゝゝ/〈
\,。-'// ` `ヽヽ、
,イ / ', \ヽ
ゝ' , | , ,ト 、 ,。.,_', ヽヽ
/ l | ノ ノ i ハ、',r"ro 3ヘ', ',
i | ,ィ,'/ /|`ーゝ+Y.ry' ',ト. ', なんで荀灌ちゃんだけ
| |,_,.ィ 'ヘ, / __` `入 リ、 | 戦での活躍シーンがあるのさ?
|、 .|∨ _,.. ∨ ´ェ==ヲ /ヽ ノ|ム .|
|λ |ム,。ェ=≡ /イ , `ノ ソ 李秀ちゃんだって
|八,イ ヘ ヽ | / /| / 優秀だと思うんですけどね〜。
′ Vヽ,_ヽ、 -‐´) ,イ/ /|ソ
∨|::::>。,_ ` /.:|// .やだねぇ史実準拠って
_\:::: ト\≧ニ´_,.。ィ,/ _..。--ュ.,、
,入マ \Y-'>-Ω<'ヽヘ /人
⊂二 ̄ ̄`ヽ / Y ', | / / ム、
r「^Y\∩~> \ / ,: Y ',、_ ,/ / / \ ,。‐''´´ ̄二つ
`'\ \{ ト-‐≧ 弋ュ、 / ..::: .:\ヽ、ム ) (⌒)( ソ ,。-' / 、 :.. , \ / .<~∩_/Y^f、
 ̄`ー―----r、_ ,ノノハ <.::::`ヽ: ./ >-。Y`.T´ W'。-< ', ::/.:::Y / へ =‐-イ }//'´
`ミ彡´'ノ\y'つy/ `ヽゝヘ,<.,__ミ i : :./_, . 。 > へ,。-'´ノ⌒>'´ γ`'ー--一 '‐´
`ゝr " \ )入 | / ノノ .:| |弋 | / ノノ:/ ,ヘヽ、
/ヘ\ て(ト`ヽヽュ | ' イ | :| | |>ヽ |/r ノしヽ /.:::::::`))
((::::::::::::\ ノノ`ヽYヽ 〉 | ( | |. | | | ) / (/. : r"´ /.::::::::::((
rノノ.:::::::::::::r⌒弋_,ィ"´ ,' | )-| | | | |-( ,':::\,. : 弋_,/.:::::::::::::::::弋
晋 李毅の娘 李秀
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .以前紹介した李秀の話を思い出す方がいるかもしれない。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } だが、李秀は『晋書』『王遜伝』に
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 「李毅女」として登場するものの『列女伝』に立伝されるには至らなかった。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 荀灌の活躍が『晋書』『列女伝』に収録されたのは、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ それだけ女性が戦場に出る行為が異常だった事の裏返しなのだろう
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 335 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:41:30.98 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元315年8月 晋 荊州 武陵郡】
∩___∩
ノノ|||,,.ノ ヽ、,,ヽ
/ ● ● | .降伏したのに官軍の攻撃が止まらないクマ。
| ( _●_) ミ
彡、 |∪| / ""'''ヽ 何がどうなっているクマ?
,,,-彡_,r''" ̄ 「/ ̄/ ̄/;二"二"二((二((三三C≡=─
_,-| r'" 二 ==i ニニ二/\/ccccccc//_ヽ ) ヽ
<、、゙l - ̄ ̄C=] ノ;ヾ / ⊂ニニニ二二ソニニニソノ/⌒ヽ\
,l゙゙'l、 」ニニ二二〈ー;; \/二L_」 j
/ l /;:: /{ ̄`)ノ ーーー \ / ガッガッガッガッガッガッガッ
l l:::::::l : 5 l:::l 2 l::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;i:::::::_,/:::::::::::::::_,/ /::::l / l l ̄ ̄ ̄ ̄ l
l l:::__.l :___├l__.:.__l:::::::::::::::::::::::::::::::;;;;:- '::::::::::::::::::::::i' ,-,_,,...-'::::::::"i i" i'. l : 落 l
l l::l :7 l:::l 3 l:::::::::::::::::::::::::::::::,,-'':::::::::::::::::::::::::;-',-'"'-'::::::::::::::::::::::::l l:l / .l : ち. l
.l l:l_:__l:::l___l::::::::::::::::::::::::,,- ''::::::::::::::::::::::::::::::/./::::::::::::::::::::::::::::::::::::l l::l:/. .l : つ l
..l l:::::::::::::::::::;;;::::::::::::::::::::::::/:l:::::::::::::::::::::::::::: _,,.-''./:::::::::::::::::::::::::ii:::l"'ゝl l:/ .l : け l
...l l:::::::::::::;;;;::::::::::::::::::::::::::/:::l;;:::::::::::::::_,-''"_,,. -''"::::::::::::::::::::::::::::i::l ./=/┌‐‐‐‐‐‐ l____.l
.l l:::::::::;;;:::::::::::::::::::::::::::/::::::l "'-'''"_,,-''"::::::::::::::::::::::::::::::::/"i:::/ /:/ l : こ 考 心 l
l ̄ ̄ ̄ ̄.l:::::::::::::::/:::::::::l /":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/_.._l/ /:/ .l : ん え を .l
l 落 ¬ 落 l:::::::::::::::i:::::::::::l--'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::':;;,::::'': ̄l // .l : な る 平 l
l ち 素 .ち l::::::::::::::::;'i,::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,i'i,'' " l .時 ん 静 .l
l つ 数 つ l::::::::::::::::::;;;i;::::::l::::::::::::::::::::::::: :::::::::::::::::::;;,:/ l. ど だ に l
l .く .'‐ く .l:::::::::::::::::;;;;;;'i.::::l:::::::::::::::::::::;; l'iY:::::/i:::::::/ l. う : し l
l ん を ん l:::::::::::::::::;;;;:::::i,:::l:::::::::::::::;;-'i;; i,i_i,:::i'-,::::/ l す .: て l
l だ 数.だ lヽ二''.-::;;;:-''"'i,:::::::::::/ "'" " "' l る l
l .: .え : .l i i'‐- -''"~ "''" l か .l
l__.て___l 晋 蜀郡の人 杜弢  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .ちなみに、この建興三年(三一五年)。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 荊州南部では杜弢の乱が平定されている。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .一度は杜弢が琅邪王に帰順したが、
`ヘ:ゝ .' 小/ 前線の諸将の攻撃は止まず、再度抗戦の末に武陵郡で消息不明となった
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 336 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:42:45.85 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元315年夏 晋 并州 陽邑】
V/\ ___ /////
V///ヽ 「.:.:.:.:.:.:.:.:.~^'<//
∨//ァ': |r─.:.:ミ:.:.:.:.:.:.:.\
アi/.:.:.:.ア⌒\:.\:.:.:.:\.:\
/|i/.:.:.:.:.| ヽ.:ト⌒|:.:i.:.:.:.
| |i| .:.:.:.:.| '⌒ |.:|y圻ミ .:.:.:|
ノl'|i| .:.:.:.:.|y圻ミ |/ Vり 」:.:.:.:| さすがは潁川荀氏。
. /:.:.|」i〉.:.:.:.|.| Vり 、 ''''' |:.:.:. \
i .:.:.|〈〉:l:.:.:.:\''''' , 八:.:.:.:ト:.\ 一流の名士の家は、子女の教育も行き届いているのね
└‐t:\ |.:.:|:.:.: \ ` .イ ノ|.:.:人).:.:.)
):. )L:.:\.:.:.:.:≧=‐<|:ノイ:ノ:.:|:./:.:.\
(:.(¨r-=ミ:.\i:.:.」,ノニニ'<:.:.:.:.ト:.:.\jノ
ア ノi:i:(:.t:./ r‐t }}」\:.:.:.:\:.:\
/ / ⌒ヽi:iア ノイノノ |i:i:i:iTZ.:人:.:,ノ /::::::::::::::/::::::::::::::;ィ劣i:i:i:i:i:i:i:i:。s≦三三三三≧s。V::::::::∧::::V
/ i ,.イ _ノ ||- |i:i:i:iノ{:.:.Lノ:} /::::::::::::::/::::::::::::::;ィ劣i:i:i:i:。s≦三三三三三三三三≧V:::::::∧::::V
/ ,ノ「ア(i:i:i:iア「l¨ ||- 「 ̄ ー‐t' ./:::::::::::::::/:::::::::::::;ィ劣i:。s≦三≫'"´7 | | iヽ \ ヽ\::::::::::|:::::|
/::::::::::::/::::::::::::::/i:i:i:ア / /──メ、 /! l./ ∧ | Y ヽ::::/::::/
./:::::::::/::::::::::::::::/i:i:i:iノ./ / //// ./'イァ'"T.フ ̄ |ヽ \:/
丶<´:::::::::::::::::/i:// { / ,xfX竿云kx、/ /'.,xfX云kx、イ ト、 ヽ、
`> 、_:::::::,/i:/ ./ ∧ /イ.《{ { (・ ) .} ゙ヾ ´{ (・ ) .lヾ》'} .,イ、ヽ V\
 ̄ Уイ{ /{ >、{. ヾ.ゝ- ' , ゝ- ' 〃./ /7∧,! l\.\
/'´//イ V {、 .∧ /- ノ / .}丿 }.ヽ }
日頃からお転婆だったのだろうな { .! .V \゙.∧ ,ノ} /イヽ/ ./ / |/
∧ ヽ \ 二".ノ (::::::::::) / ./ ヽ /ヽ. (
\ 二≧s。 ヽ ̄ヽ ` ´ ,。s≦∧ V ヾ `ヽ=
∧ヽ.`ヽ }∧ノ≧fs -. ´{へ ヽ\二フ
.∧v)ノ<ノ{ {:::::::::::::::>、/:::Vノ}ノ`ソ
乂( /:::::::::::::::{:::::::´!:::V___
- 337 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:43:26.31 ID:3dxFmBQf0
-
, '´ ̄ ̄` ー-、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1 ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.」
{: :i: i /ゝノイ ノ l/ ― l :} 申し上げますと使者Aは断わりを入れます。
| :レ | ● ● l :|
|: i: (|.⊂⊃ 、_,、_, ⊂ l:/ .匈奴の軍勢が
 ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄ .并州へ進軍中ですと使者Aは報告します
 ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄
 ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄
 ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄
___ }:/:,: -  ̄`
,. . : :´: : : : : : : : `:/: ´_: : : :`: : .、
,. : /`ヽ、: : : : : : : : : : : : :´ `ヽ: : : \:\
/: :/: : : : : : : : : : : : : ,ハハ: :、: : ∨: :、:`ヽ}
/: :/ : : /: : :/: :/: : : ::.:| マ: {/ハ: : |: : :',
;: :/__/: : :/: : |: : : : i: | |: :∨ニ:!: :|:',: ',
i: :'-≠j!_: :/---!、: : :/: | ⌒ |: : |:{:.:.|マ:!: !ヽ:|
{/:|: : : |:{: /:|:/:|_|: : :/: /} __|: /: |: :|_}:|: | |
,ィ : |: : :.j!:/zィテ斥{: /{:// イィハ }/: : |: :|: \_,
/:/:./|: : /|圦 ら::刈 / ' ら刈'}:.イ|: :|ミ- ´
我々も負けていられませんね  ̄{:イ/}:.:/: |: ト弋こソ ヒzソ /:ィ/|:./
/ //:./{: :|:乂 _` 八i |/
/:イ Y:}:/:込、 「 ∨ イ:イ//
/'{://Y> ` ´ <:.:.|/
ィ:.\二ミヽ、 ̄{/!:.:.:.:.|
/-- 、:.:.:.:.:.\/\|iノ:.:.:.:.{
/ //∧//ヽ:,:.:.:.:` ̄ヽ:.:.:.:.:.ヽ
- 338 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:44:04.49 ID:3dxFmBQf0
-
.,、
盛楽 、-' ヘ
,r'`ー-、_;_, ○ 薊 /´ /
r'´  ̄ヽ, ○ ,r'´ r' r‐
} { ,.、_ノ _"7 /
/ r' 晋陽 太 / 'ー'´
./ ノ ○ ヽ
' { ● 行 厭次ー、 r'‐-,_,_ィ_
} 陽邑 ○襄国 ○ /ヽ_r' _r'´
{ 平陽 山 鄴 ○ r-'´ 〇 r'
`ヽ } ○ 壺関○ ○広宗ノ 臨淄 }'ー'
{ { 【上党郡】脈 r○廩丘 r'
'´`ー-, ヽ / ノ r'
\ 'エ_,.-‐'`ー―‐'―= ‐' .,
 ̄ ̄`ー‐'―'´ ◎洛陽 ○開封 〇 >
○長安 ○○許昌 下邳,ヘ' ヽ
襄城 ○葛陂-v'γ ヽ ハ_
ィ-v○寿春 __ゝ、 `{_,、
,、_ r'○建康 -、
○襄陽 `' r' {__'ィ }
,. -――'´`ヽ ,、 , _,.r' __/`
_/ ヽ ,/ ヽ ノ `^ー'`>
_ィvー'´ Z,、 / `ー-,r' }
r-‐'´} {`ヘ
'ー'`" `ー'
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 建興三年五月。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ .劉聡が并州へ侵入したと『晋書』『愍帝紀』は記す
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !______
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 339 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:45:07.49 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元315年7月 晋 并州 陽邑】
|┃ /ニYニヽ
|┃ ./( ゚ )( ゚ )ヽ
|┃ 三 /::::⌒`´⌒::::\
|┃ | ,-)___(-、| 申し上げますっていう!
|┃ . | l |-┬-| l |
|┃ \ `ー'´ / 匈奴が上党郡に攻めて来ましたっていう!!
|┃ / `ヽ.
|┃ 三 ./ \
,⊆ニ´⌒ ̄ ̄ " y r、 ヽ
⊂二、 ,ノ──-‐'´ | | l" | ,、丶`  ̄ ̄ ̄ ``丶、
|┠ ' | l/'⌒ヾ / _ -‐\ \ \
|┃三 | |ヾ___ソ , -=二ニニニ=-\ \ ヽ _ -=二
/ニ=- \ \ ヽ ', /二二
/' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ=-
/ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄__
|八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二二二
i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、  ̄ ̄
そうでしょうね。 | | ,ィ=ミ\ `" `、 ( ノ人 \
|i 爪 vリ __、 〈 ヽ \
私が敵でもそう考えるもの 八 ハ ' \、 \ \
ヽ 込 、 - / \ \ \
| 个 ィ / ' \――― ミ
| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒ヽ
__ | | i 八 / '// / ' \
/ ∧、八 |{_// / ' , i '⌒
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .続けて七月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉聡が上党郡へ侵入し、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 劉琨が将を派遣してこれを防いだという記述がある。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 劉聡の狙いは并州と長安の連絡路の遮断にあったのだろう
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 340 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:47:33.70 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元315年7月 晋 并州 上党郡】
/ニY二ヽ /⌒ '"⌒ ヽ、
/uー ー;##ヽノ ー \
/ (_)(_) .u\ ,; \ ,rー、
|-);;#⌒`´⌒:::: (-, ⌒ ̄ ̄` ̄ ̄ ̄ヾ`ヽ ヽ
| 〈 ,____ 、 〉 i,ノ、____"___,、___ソノ__ノ
 ̄ ̄ ̄゜`⌒´  ̄ ̄` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /ニY二ヽ /⌒ '"⌒ ヽ、
/uー ー;##ヽノ ー \
/ (_)(_) .u\ ,; \ ,rー、
|-);;#⌒`´⌒:::: (-, ⌒ ̄ ̄` ̄ ̄ ̄ヾ`ヽ ヽ
| 〈 ,____ 、 〉 i,ノ、____"___,、___ソノ__ノ
 ̄ ̄ ̄゜`⌒´  ̄ ̄` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
_ ィ ´:::::::::::_::, :イ、
r'´∠::::::, ィ ':::´::,::ィ,=::.,`ュ
/.::"゙:/Y)::,. ',´ィ :/'-´、 `ヽ
ノ:::::::/::彡/::::::::::::/ ヽ、 ハ
(:::::::::l:::::,/!:::::::::::/ハ ', ヽ ∧
 ̄`//_/_, '´! ト、 N,ィlハ ヽ 勝った!
/´' ミ{ ハ llヽ !リ>j,=キュリr、 ∧
/ /y' ',-ヽ-'、ヽィ´.∧c;ヂ)yノヽ .∧ .拓跋部が出てくる前に劉琨を討つ!!
r 't ノノ从、ィ、 f式ホ. `" l´、 `ヽヽ、
. /;;;;;レヘ、 ` lヽ.ヽ ゚'゙ ' _ .∧ィ==y 、 _`ヽヽ、
/;;;;;;;;;;;;;;;;/ レl .! .ゝ . __ゝ`/イ::/:::::::ハ\`丶、`丶、
. 〈-- 、;;;;;;;/ リ从∧ィ^/`´///::::::::::::::::', \ ` `ヾ、、
. ,'"´::`:ヽ/ レ/´くr、/十´`Yハy "´;;;;;`ハ `丶、 ヾ、
漢 中山王 劉曜
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .八月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 上党郡の襄垣という地で王師が敗績したと『晋書』『愍帝紀』にある。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .この時の漢軍は劉曜が率いており、
`ヘ:ゝ .' 小/ 彼はそのまま劉琨の本拠地陽邑を攻撃するつもりだった
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 341 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:48:32.93 ID:3dxFmBQf0
-
(~)
γ´⌒`ヽ
{i:i:i:i:i:i:i:i:} 中山王!
_( ´・ω・ )__
_|ヽ(__0=t/ ━ヽ .陛下が陽邑は驃騎に一任して、長安攻撃へ移れと仰せです!!
____二コ__  ̄ … (_))
 ̄ ̄(◎〒=ニ二_ノ キュイーー‐ン
,.ィ ー―-= 、___
/tYT:::::::、::::::::::::::::::::::`ヽ
l:::::::,::::::::, ィー―-- 、:::::ノ
/:::::::!,イヽ}'::::, ィ ':/^ ´ヽ
. /::::::::/ > ' ´:::::::::ノ ヽ ヽ ヽ
/::::::://:::::::::::,. '´从ヽ,.ヽ ヽ l 、
<::::/ヽ=- イ .l ヽヽイ,ュ.、∨l.! l
何? / .! l l.__ヽ_l_、 〉'f{ヒ:ハソ, ', .l
! l .!´.',yt示、 `'"´ .ll .', .ヽ
驃騎、石勒に任せろというのか? 从', ヽ ヽゞ=' ' !从', .ヽ
l Ylヽゞヽ. '` ,イ、 l ハ ヽ ヽ
長安は未だ強盛、そう簡単な相手ではないぞ リ//! lヽヽ.゙, =t-- ' .リ. !从 トヽ ヽ
_, .., ノノ/l j--/::::∧:ゝ_イ::∧:Yハゝ-、ヽ )
/::::::::::ヽ´ノゝ'/::::::::/:::::Y┘'┐::',リ !::::::ゝ`.Y
/::::::::::::::::::::`ヽヽ:::::::::::/:::::::::フl__l¨::::/ l:::ヽ、::::l
ヽ:::::::::::::::::::::::::::::>ミ::./:::::/ ヽゝ- ' , .ノ、:::::::/::リ
>、:::::::::::,. '´:::::::::::>、 , `''' "ヽ::::.ハ:::〈::ノ:!
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } しかし、劉琨討伐は劉聡の命令により断念せざるを得なかった
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 342 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:50:26.90 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元315年8月 漢 首都 平陽】
/::::::::::::::::::::::::::::_ -‐……- _:::::::::〉
. 〈::::::::::ト、 __,/ / ` /_,ィ
\  ̄ ヽ / / / / /、 } く
. / フ / /,/ 〃.‐===‐ ', } } 'マム
. ー=≦ __,/ 〃 { /,!/ 斤テ_ } ,'‐- }、} 長安が勝手に任命を行っているのは我が国の恥。
. i {./{ ! .{,/ :/ { 辷z} }/.ヒ}/j / }
. | ,! ,^V ∧ .{. ー, {′ ' 先に討伐しなければならない。
. Y 弋 V ∧ { __ ; ∧
.∨、 ` V ∧ 、 / ∧ まもなく天の時が来るだろう
∨\ .V ∧ \ ._/ .i| \
} ハ }ヽヽ、 ∧ / ̄ }ヽ i|
' " /「 .}/ \ ∧ ‐ _\ Y 丶i|
≠z ミ.`<\ . 「 ` >__ ゙,! {ニ(ヾ' 二二二二二二二ニ\
/三 ヽ \ r─、! / >-、ヽ Y=(∧)二ニニニ=- ' \
/!三三三\ 〉 : : :\.〈: : :ヽヘ . }ニニr ) '=-=/ \ `
`…’〉'ニニ/ \\ ヽ。 ∧
漢 皇帝 劉聡 `テ¨´./ \ .\ iハ //∧
| | l.| |、 .|ヽx==ミv- 、
| | 、!、r=ミヽ┘"π'c!リヽ' ∧
`^ー/-夂ソ `ー゚ ン //∧
i 人 ' _ _ イ、 \
>‐-_> 、_ .イノ=ト、 \ \
/:::::/ニ/〃└,=-=人= .、 \ ` ー
/{:::<ニニ/_, v/ニニニ{:::\_〕ト、 \
. /::::;=「ニニ/ /ニ|ニニニ{:::::::::::::::∧. \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉曜は劉聡に謁見するため、一旦平陽へ帰還
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 343 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:51:08.34 ID:3dxFmBQf0
-
,,‐''''´´ ,! l
`、 /黄 【河東郡】 ( 〉 朝歌○
', / `ヽ、 / 【陽平郡】
', / `ヽ、 _,,,,,,-‐'′【河内郡】
', /河 `‐-‐´ ,-‐'´
', / 〇安邑 ○垣 _,-‐'i´ ○酸
) ,' ○解 ,,,..-‐- 、,,,_ 河橋 温 〇懐_,,,-‐'´ `-、
【北地郡】 【馮翊郡】 ,' ,,/ 邙山▲ -、,,_ ○ ○ _,,,-一'´ l
'、 l ○蒲阪 大陽○,,-‐'´ 【河南尹】 洛陽○河陰~´ 成皋 ○滎陽 !
ヽ, ) 入 _,,,,...-一'´〇陝 ○十三里橋× ◎ 〇偃師 ○ ○
`~´ 渭水_,,,,,...---‐‐''´×潼関 ‐'○湖○ 新安 ○ 〇緱氏 ▲ 中牟
〇渭城 ,,,-‐'´´ ○華陰 弘農 ○ ○宜陽 河南 _,,..-‐- 、嵩山○轘轅 .,,-一
,--‐‐'^´ 〇 ▲ 澠池 ○ (´ ○輪氏 `、 ●密 ,/
〇長安 〇隠盤 鄭 華山 新城 ``'''‐-、,,_ `‐-‐'''´´ `~~`ヽ、
○覇上 【弘農郡】 ○梁 _,) 〇陽翟
【京兆郡】 ,,,_ ,ィ´ 【潁川郡】 ○許昌
○藍田
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ . 九月には、長安北方の北地郡に侵入している
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !______
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 344 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:53:53.70 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元315年9月 晋 雍州 北地郡】
: : : : ,,∧
.,./ ::::\
,/ヽ、.、/'″::::::::::::::::\ ,、、
.,/::::::::::::::: :::::::\ ,/ !゙':、
/ .、 ::::::::ヽ :::::::::::^''゙\ .,! ,; i ':、
_r'′ ,,/ :::::::::\ ::::::::::\ ,、゙ ..;::....\_人_人∧从_人_∧_人_从_//
__,,__ ._/ .´ .゙''-、 .‐、_::::::::::\ ,.::' ..,.::;;.,.. ) >.
ニ';-'"~:::..:.:.`''ー-、__,,,、-‐- ..,,__ :::::::::.'ー.゙''\ ,! ..:;:.,.. ;< 匈奴が退いたぞ!! >
.... ~""'''ー- ...,,___::.:... :::..:.:.:::...~""''""´`'t ´`''´..,::.:;;::::... < (
.,,.::.. .::. ..:. ;;,,  ̄ ̄~~""'' - 、..::;.:..:... `:,、 .:.:;;.::.:.:... ..:::,:,::,. ,::... /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^i,
ニ″:::::: .::... ;,,,,;; ;; ;;:. ~"'-、 ::::::;;.::.:;..:.:.:..... .:. ......:::;.::.:.... / `"'' ー- 、, ..::.. ` ヽ .,;;:. - :::::.. _,
、,_ ;; , ,,_,__、 :.:.:...:.;:.:.::.:..... ,::. ,、- ´ 、,...::... ,__ ` .;:. ;.:... __,,..、、.-''"~~,::
., - .._, 、,,.....、,__ ,.,:;,.:-‐‐''"~,:;;;.~~"''' ー一''''""~,,:::;;;;;;;;:.;;;;;';;;;;:.;;;
゙゙:,:;.,:;.:::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,:゙',`:;,':,:;.,:;.:::;.:".:;.:'"゙:.:゙,~゙"'ー-:;、,"'.: |'ー、 `゙'<, ,,:.
: :: :; ":;;;: :;: ;: ;: ; ::; : ;:; :; : :: :; ":;;;: : ;: ;: ;: ; ::; : .ノi, ¨'‐'‐
;:; ;~'',;'' ;~'',;'' ; ::; : ;:; ;~ ; ::; : ;:; '',;'' ; ; ::; : ;:; '',;''゚ ;~'',; ,|.i7″ .゙'''‐z,
: :: :; : ;:; ;~'',;'' ;~'',;'' ; ::; : ;:; ;~ ; ::; : ;:; ': ;:; ;~'',;'' ;~'',;''゚ ; :: |>゙ \,.;
:::::::::::::....::::::........ . .::::::... .... ..::::::::::::::::....::::::........ . .::::::... ....::::::::::/ (~)
─ー¬冖¬ー--、、- v、........,.,、、v--'''^ ̄ -、、- v、... v--'''′ γ´⌒`ヽ
. {i:i:i:i:i:i:i:i:} やだやだ。
. (´・ω・` ) ≡(""
(mへ◎へm) ("⌒(" 関中の晋軍は
/_,/>ノ、 (⌒("≡ 他と違って強いんだよな
〈/")/_ノミ ≡≡(⌒
(_/^~ (⌒(("⌒;;
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } この劉曜の侵入は晋軍の麹允が討ったと『晋書』『愍帝紀』にある
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 345 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:55:04.01 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元315年9月 晋 雍州 粟邑】
__ -==- 、
. {二二二二二ニニヽ
乂二二二二二ニニ≧x
-=≦三/≧=-- 、二二ニニニヽ
/` -=≦三三≧==--- ノ
/ l -==≦三三/
. / :| | `
i | | |
| | | |
. ! /| | ト 長安を攻めるには、
. ', / :| | | ゚。 .平陽からの道中の馮翊郡・北地郡を抑えなければな。
. } / | i | ゚。-、
イ:::/ / :| ′ | ヽ} .地道にやるしかない
.. {:::::/ / | ,′ :| \
i:::/ / :| , :| \
|/ / | / :| \ \
.. / / :| ./| |\ \ \
. / /l l l ! | \ \ \
/ / :l l l ! | ヽ \ \
. / / l l l ! | l i ヽ
/ / ∧ l | ヽ | | | 〉 〉
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 長安が強盛であるとは、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 実際に彼らと対峙した劉曜自身が語った言葉だ。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .それでも劉曜は馮翊郡の粟邑に駐屯して長安攻略を狙い続けた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 346 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:55:35.64 ID:3dxFmBQf0
-
,,‐''''´´ ,! l
`、 /黄 【河東郡】 ( 〉 朝歌○
', / `ヽ、 / 【陽平郡
', / `ヽ、 _,,,,,,-‐'′【河内郡】
', ●粟邑 . /河 `‐-‐´ ,-‐'´
', / 〇安邑 ○垣 _,-‐'i´ ○酸
) ,' ○解 ,,,..-‐- 、,,,_ 河橋 温 〇懐_,,,-‐'´ `-、
【北地郡】 【馮翊郡】 ,' ,,/ 邙山▲ -、,,_ ○ ○ _,,,-一'´ l
'、 l ○蒲阪 大陽○,,-‐'´ 【河南尹】 洛陽○河陰~´ 成皋 ○滎陽 !
ヽ, ) 入 _,,,,...-一'´〇陝 ○十三里橋× ◎ 〇偃師 ○ ○
`~´ 渭水_,,,,,...---‐‐''´×潼関 ‐'○湖○ 新安 ○ 〇緱氏 ▲ 中牟
〇渭城 ,,,-‐'´´ ○華陰 弘農 ○ ○宜陽 河南 _,,..-‐- 、嵩山○轘轅 .,,-一
,--‐‐'^´ 〇 ▲ 澠池 ○ (´ ○輪氏 `、 ●密 ,/
〇長安 〇隠盤 鄭 華山 新城 ``'''‐-、,,_ `‐-‐'''´´ `~~`ヽ、
○覇上 【弘農郡】 ○梁 _,) 〇陽翟
【京兆郡】 ,,,_ ,ィ´ 【潁川郡】 ○許昌
○藍田
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ . だが、長安の晋軍は深刻な弱点を抱えていた
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !______
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 347 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:57:21.64 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元315年9月 晋 雍州 北地郡】
. / _ノYニ
/ (-) (-)
/ ⌒`´⌒\
| ,-) (-| 将軍。
| l r──y. |
\ `ニニ´/ .腹が減っては戦えませんっていう
./ ヽ
| |
| i l .| _ -‐ ''"´. . . . . .`丶、
| | | | { . . . .  ̄)h、. .. . . .)h、. .. .\
| | | | √「〕h、. .. .. .. .)h、. . . .. .}. .. . . .\
(__ソ 丿_ソ . ‖| |. . )h、x'^~⌒h、. .. .}',. .. .. . . .ヽ
il| ト-i |li . ‖. .| |. .. .. .|\二ニ=ー- }Λ. . . . . . }
il| |_| |il ガクッ ‖. ./⌒. . . . |rf笊アY | 八'/,. .. .. .. .}
il/⌒ー 丿 __/il 八. .. .. .笊 | Vツ |. /⌒ Y. . . . ..ノ,
ilヽ_ヾー´ ヽ-イi \. .《乂〉ー-- 、ぃ|/ ソ. . . /ノ,
\},, 、 ,, '’. . . . . . . ./,
入 //. . . . . .jxヘ. . /,
補給が尽きた。 ( . . ヽ ヽ / /. .. .. .. .j>'´ニ}. .. ./,
{ニ=‐- 〕ぅ升:L {. . ,. ィ'´ニニニノ. . ノ ノ
匈奴を討ちたいけど、  ̄〕iトミ>''~ ̄\こ寸¨¨¨´___彡'Λ
長安へ戻る以外選択肢がないな /´ ̄ / / /. .. .}\ニ)h、\.. ... ..|. .',
/ / /. .//. ./. . . ..} \二)h.V.. . |. . .',
{ / . ./__//. ./. . . . / \ニノ ∨. |. . . .',
晋 驃騎将軍 麹允
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .食糧難からくる飢餓である。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } この年からしばらく、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 関中から河北に渡る地域で飢饉と蝗害の記録が散見される。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ これが今後の戦況を大きく左右する要因となる
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 348 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:59:28.03 ID:3dxFmBQf0
-
_____
_ -‐ ''"´. . . . . .`丶、
{ . . . .  ̄)h、. .. . . .)h、. .. .\
√「〕h、. .. .. .. .)h、. . . .. .}. .. . . .\
. ‖| |. . )h、x'^~⌒h、. .. .}',. .. .. . . .ヽ
. ‖. .| |. .. .. .|\二ニ=ー- }Λ. . . . . . }
‖. ./⌒. . . . |rf笊アY | 八'/,. .. .. .. .}
八. .. .. .笊 | Vツ |. /⌒ Y. . . . ..ノ,
\. .《乂〉ー-- 、ぃ|/ ソ. . . /ノ,
\},, 、 ,, '’. . . . . . . ./,
入 //. . . . . .jxヘ. . /,
( . . ヽ ヽ / /. .. .. .. .j>'´ニ}. .. ./,
{ニ=‐- 〕ぅ升:L {. . ,. ィ'´ニニニノ. . ノ ノ
補給しようにも補給物資がないこの悲しみ  ̄〕iトミ>''~ ̄\こ寸¨¨¨´___彡'Λ
/´ ̄ / / /. .. .}\ニ)h、\.. ... ..|. .',
/ / /. .//. ./. . . ..} \二)h.V.. . |. . .',
{ / . ./__//. ./. . . . / \ニノ ∨. |. . . .',
∨. ..//. . . . ̄\ . . / | . |. . . . .
/ ̄芥\. . . . . . . .}∠/ /. . |. . . . .
. ‰ 〈__| >‐--‐彡 ̄ ̄ /-. . |. . . . .
/ || / ∨--. ..|. . . . .
{/ || | |---....|. . . . .
. V/ 从 | /厶 / |.. .. . ..|. . . . .
. V/ \/ニニ厶 / |.. .. . ..|. . . . .
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ まず、北地郡にいた麹允の晋軍が飢餓で進軍を停止し長安へ帰還。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j ここから均衡が崩れ始める
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 349 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 23:00:01.38 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元315年10月 晋 雍州 馮翊郡】
(~)
,へ,__ γ´⌒ヽ 劉曜様!
_| i `ヽ{i:i:i:i:i:i:i:i:}
.//| 〇__(`・ω・´) 馮翊郡太守梁粛は逃亡致しました!!
(/./⌒)___,>、_ ) (´⌒(´⌒;;≡≡
.|/ //、 ヽ、_ノ (´⌒(´≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡⌒;;(´⌒;;
/ //^ヽ、i |≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
(___./ ̄`⌒ヽ、 丿(´⌒(´⌒;;
x≦二二二二二ニニニニ/
{ニ(ヾ' 二二二二二二二ニ\
Y=(∧)二ニニニ=- ' \
. }ニニr ) '=-=/ \ `
`…’〉'ニニ/ \\ ヽ。 ∧
`テ¨´./ \ .\ iハ //∧
よし! | | l.| |、 .|ヽx==ミv- 、
| | 、!、r=ミヽ┘"π'c!リヽ' ∧
ようやく関中に橋頭保を築く事ができそうだ。 `^ー/-夂ソ `ー゚ ン //∧
i 人 ' _ _ イ、 \
これで長安攻略が随分と楽になる >‐-_> 、_ .イノ=ト、 \ \
/:::::/ニ/〃└,=-=人= .、 \ ` ー
/{:::<ニニ/_, v/ニニニ{:::\_〕ト、 \
. /::::;=「ニニ/ /ニ|ニニニ{:::::::::::::::∧. \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 十月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉曜が馮翊郡を陥落させ、馮翊郡太守梁粛は逃亡。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .これが契機となって
`ヘ:ゝ .' 小/ 関中で劉曜に呼応する者が増えたと『晋書』『劉聡載記』は記す
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 350 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 23:01:11.77 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元315年9月 晋 雍州 長安】
,.;'"~⌒'
ノ⌒ヾ`'"~
___ _ _,.,_,人⌒`'"~ (⌒'"~
::::/|`⌒',=- ,_ _,. .、-ー'"~⌒ヽ⌒';ζ ~"`'ー- 'ヘ.,_,.ソ^ヽ.,ヾ、.,__ソ^
 ̄ ̄| :|`'"~ ~"'^(.,_,.ノ'"~`ヾ.,_ソ' \__人_人从_人_人从/
: : : : | :| _) (__
: : : : | :|n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n ) 馮翊郡陥落! (
: : : : | n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n ̄ ̄) ( ̄ ̄
: : : : |:| : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
: : : : |:| : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : |:| : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : |:| : : : ____ _: : : : : : : : : : : : : :_.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,._ : :____ : : : : : : : : : : : : :
: : : : |:| : :/____/_|: : : : : : : : : : : : :.[二][二][二];| /__________/_ヽ.: : : : : : : : : : : :
: : : : |;|コニ|| ,___||,||ニiニニiニニiニニiニニi|;;;;;=====;;;;|;;| || .|| ||ニニiニニiニニiニニi
 ̄ ̄.: ̄7||'____||,||..ノ囮 ̄ ̄品品7.|;;;;| |;;;|;;|.| ̄ ̄ ̄"| ̄| ノ皿皿 ̄ ̄卅
 ̄7. :―. : ̄7. :―. : ̄./_____/. : ̄7. :―. : ̄7. ̄ ̄ ̄7 ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄/\-. :/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/] ̄7. :―. : ̄7 \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
 ̄ ̄ ̄ ̄\/| -[|三三三三三|]/| :―. : ̄7. :― ≧ <
≧ 劉曜は依然同地に留まっていますっていう!! ニ=-
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 馮翊郡の陥落が
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 長安政権に与えた打撃の深刻さが『晋書』『索靖伝』に見える
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 351 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 23:02:25.87 ID:3dxFmBQf0
- 【>>350修正】
【紀元315年10月 晋 雍州 長安】
,.;'"~⌒'
ノ⌒ヾ`'"~
___ _ _,.,_,人⌒`'"~ (⌒'"~
::::/|`⌒',=- ,_ _,. .、-ー'"~⌒ヽ⌒';ζ ~"`'ー- 'ヘ.,_,.ソ^ヽ.,ヾ、.,__ソ^
 ̄ ̄| :|`'"~ ~"'^(.,_,.ノ'"~`ヾ.,_ソ' \__人_人从_人_人从/
: : : : | :| _) (__
: : : : | :|n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n ) 馮翊郡陥落! (
: : : : | n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n ̄ ̄) ( ̄ ̄
: : : : |:| : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
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 ̄ ̄.: ̄7||'____||,||..ノ囮 ̄ ̄品品7.|;;;;| |;;;|;;|.| ̄ ̄ ̄"| ̄| ノ皿皿 ̄ ̄卅
 ̄7. :―. : ̄7. :―. : ̄./_____/. : ̄7. :―. : ̄7. ̄ ̄ ̄7 ̄
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 ̄ ̄ ̄ ̄\/| -[|三三三三三|]/| :―. : ̄7. :― ≧ <
≧ 劉曜は依然同地に留まっていますっていう!! ニ=-
≧ ≦
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 馮翊郡の陥落が
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 長安政権に与えた打撃の深刻さが『晋書』『索靖伝』に見える
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 352 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 23:03:05.37 ID:3dxFmBQf0
-
,、/ ' 、ヽ ヾr、ゝ':,
i/ ‘,Vヽ \‘,
,' i i 、 :, ヽ。
/ ! ,.! |\ヽ ', :, ヾ
i | / ! |,斗─、- ! i ': ゚。
{ l,斗 ヽ、 . ! 〃示心|. | : ゚, 匈奴は目と鼻の先まで来ている。
Y vl了心.ヾノ 弋_ ソ ! |ヽ l! }
l !弋ソ .:.: ! !/ / ノ 秦州の南陽王は援軍を出してくれないの?
| ‘, :.:. 丶 / !/ ̄`.
i! 人 _ , -----./. |_____...._!
l! <´......ヽ.........../ /.................`;
゚:,:, ヽ..........〉......′: //‐‐..ヽ......../ /.:.:.:.:.:.:.:.:.~''<ニ-_ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨
从.ヽ l}.......〈........〉、.:_./......,.......‘,′ '.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:~''< :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
/...fヽ/}....‖.....レ-、}...../.........._.} ;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:. `、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
ii :.{.:.:.:.:.:.:.:,'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}
A.:{.:.:.:.:.{.:{\.:.:.:.:‘,.:.:.:.}l、.:.:.:.:.:.:}.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}
从.:.:、.:.:.:{.:{ー‐\--:゚ .:.:.:}l `、.:.:..:.}.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}
. '^⌒\{\{、{,,、汀_、:}.:. :.}l_,、fァ'´ `,.:.:.{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.{
{ 乂f}_{ ヒノL,,{.:.:.:.}l'~ }⌒ l.:. {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
. 乂_/^乂____,ノ~゙{.:.: ノ ,ノ'´ ノ.:.:.{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
何度も要請はしているのですが、色好い返事はありませんね `、 ""ノイ イ {::::::{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
}i:. ‐-- _,、 {::::::{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
}l::::. _,、< {::::::{\.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
_}l::::::〕T爪::/∧ ゚,:::::{ }\.:.:.:.:.:.:.:.:.
/三三三}::}、+'”i:/ 、___,,、+''”‘ :::゚, }/-_:.:.:.:.:.:.:.
/l¨¨¨¨¨¨~}::}i:i:i:i:/ /⌒∨/ 、:::.、' `'≪ニ-_.:.:.:.:.
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 皇帝司馬鄴は何度も南陽王司馬保に兵を出すよう求めた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 353 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 23:08:11.00 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元315年10月 晋 秦州 上邽】
|┃ /ニYニヽ
|┃ ./( ゚ )( ゚ )ヽ
|┃ 三 /::::⌒`´⌒::::\ 殿下!
|┃ | ,-)___(-、|
|┃ . | l |-┬-| l | 長安からまたしても援軍の催促ですっていう!!
|┃ \ `ー'´ /
|┃ / `ヽ.
|┃ 三 ./ \ /:.:.:.|
,⊆ニ´⌒ ̄ ̄ " y r、 ヽ ,┌z_rく....
⊂二、 ,ノ──-‐'´ | | l" | /:.└冖┘:.:.:.:.`丶、 _____
|┠ ' | l/'⌒ヾ /:.:.:.:.:/ ゙̄ア´~ ̄\:.∨:.:.:.:.:.:.:/
|┃三 | |ヾ___ソ /:.:.:.:.:/:.:.:./ / |:.:.∨_/
〈くくくく/:.:.:.:.:.j ⌒ンj .|:.:.:.〈
///:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:ィ尻ミ八 j:.:.:.:.:|
∨/:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.代ツ } /}/|:.:.:.: |
/ |:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.|`` く.ィ尻 j:.:.:.:.:|
//八:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.| ' vン }〉:.:.:.:.;
.|[ \∧/ ̄\ , /:.:.:.:.:.:.:;
援軍? _/: : : : : :∧___ イ:.:.:.:.:.:.:./
/ ‖: : : : : : : 八/}/}:.:.:.:.:.:.:/
/ /|i: : : : : : : : : ∧\└―z/
/‖:|i : : : : : : : : : 人::::`、
/ ‖八/: : : : : : : : : : 冫\ 、
〈=┛|:::::}: : : : : : __/{::::::::い\
晋 南陽王 司馬保
- 354 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 23:10:17.00 ID:3dxFmBQf0
-
/ニYニヽ
/( ゚ )( ゚ )ヽ 殿下。
/::::⌒`´⌒::::\
| ,-)___(-、| 蝮が手にあれば、
| l |-┬-| l | 壮士はその腕を斬るものですっていう。
\ `ー'´ /
⊂⌒ヽ ノ < /⌒つ ここは、隴西への街道を遮断して変事を観望すべきですっていう
\ ヽ / ヽ /
\_,,ノ |、_ノ
_r '~、 >''゚~/.: : : : : : :.:.:.:.:.l" / / l }.:.ヘ:. : ヘ
_,.>、\ `くj!:.: .:.:.:. : : :.:.:.:.:.! . :/./ l i l.:.:. l.:. :ハ
.:.;;;.`‐'"\j!:.:.:.:.:.:.:.:.: :.:.:.:.:.l ⌒''‐ 、 . : :x/ l /l j;,:.:.:}.:.:. : l
.:.;;.:.:.:.:.:.:.:.j.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l . : : :_\'" / / j ∧;,:.:l:.:.:. : l
.:.;.:.:.:.:.:.:.:.j.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|: : :_z>''==ュ\ / , ' _、-/⌒;,:j.:.:.:.:. :}
.:.:.:.:.:.:.:.:.:j.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|-='",、、、 マ゙ `ー/ /,/ j!/ |;,/;.:.:.:.:.:.|
.:.:.:.:.:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.f/ fr::::i〕 />" ´/⌒ヾ、 l/;;;.:.:.:.:.:.:!
.:.:.:.:.;;.:.:.:l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.圦 弋ーク ´ ̄ んハ }} /;;;;;;.:.:.:.:.:.:|
.:.:.:.:.;;;.:.:.l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:! ` ~゚ 弋ソ jl/;;;;;;;;:.:.;.:.:.:.|
.:.:.:.:.;;;;,:.:l:.:.:.:.;,:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:l  ̄` _ :、 .,_ 彡;;;;;;;;;:.:.;;.:.:.:.|
:.:.i.:.:.;;;;;,:l.:.:l.:.;;,:.:.:.:.:.:.:.:.:.l.:.:.l x<_ \_ ん;;;;;;;;:./l.:.:.:/
.:.:|;;,:.:;;;;;;l.:.:l.:.;;;,:.:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.l /-‐- ニ_ー-‐} j;;;;;;;;;;.:/;;l.:.:/
;;.:{マ;,.;;;;;;;l.:.W;;;,:.:.:.:.:.:.:.:.:l.:.:.l / ヽ j /,;,;,;,;.:/;,;,l:./
;;;;ム マ;.;;;;;l.:.l∨;;;,:.:.:.:.:.:.:.:.l.:.:.l l l / ,イ;;;;;;;;;./;;;;//
.ヘ;ム \;;;;!:.l;;∨;;,:.:.:.:.:.:.:.ムマ:、 乂__,,,..、、.,」イ _、<;;;i;;;;;;;;;/;;;;//
‐n 、 =┐00 =┐ _ 、__ 、 _
ヽ=, r‐^' }.〉-、.....l -ヘ ヽ=‐= =-┘ =┐ __」└ヘ, /〉 l 〉
,,l r='ナ-丶 i.l.,.ァ | 厂 '└_' == ヽ= ‐ ''''| 厂 //...,,_ l /
i i' l乂' ),l l.'.i. ,! ! ,..__..l L._ l | ゝ┘ /ァ'⌒l l l_/
'ー '^` -='イ `┘ .r'イ ヽ=‐'イ^ヽ ) ゞ=== ヽ 〈/ ヽーノ 〇
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 南陽王の左右の者は
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 長安を見捨てようと説く者が多かったらしい。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .元々関東から来た南陽王主従が関中の士大夫と対立したためだろう
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 355 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 23:11:29.09 ID:3dxFmBQf0
-
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
| ヽ ' _ ` イ
l l ´=` l 殿下。
ノ ヽ _,、__ノ
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、 では、蝮が頭を刺したら、その頭をお斬りになられるので?
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|:::
〈ヽ /^〉
∞´ ̄ ̄` ̄\
//:::::::/ /\::::i:i:V
/ /:::::∠ム/ ー-V>>>i
j::v、!● ● i::::::::〈_ゝ
……仕方ありませんね l::::〈 ワ /:::::i y'ハ
しヾ`ーゥ t-!,、_У / ヽ
/´LM 」tー〈 〈 ',
/ く央 ゝj⊥,\
,/ー、{ ハ /ー、! \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ .さすがに見かねたのか、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 従事中郎裴詵が長安を見捨てる危険性を説いた。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .ここで南陽王は援軍を出す事自体は承知した
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 356 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 23:12:21.72 ID:3dxFmBQf0
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`\_.:.:.:.:.:.:.:/: : : : : : : :.:.:.:// / ,イ l ヘ:. : ヘ
_r '~、 >''゚~/.: : : : : : :.:.:.:.:.l" / / l }.:.ヘ:. : ヘ
_,.>、\ `くj!:.: .:.:.:. : : :.:.:.:.:.! . :/./ l i l.:.:. l.:. :ハ
.:.;;;.`‐'"\j!:.:.:.:.:.:.:.:.: :.:.:.:.:.l ⌒''‐ 、 . : :x/ l /l j;,:.:.:}.:.:. : l
.:.;;.:.:.:.:.:.:.:.j.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l . : : :_\'" / / j ∧;,:.:l:.:.:. : l
.:.;.:.:.:.:.:.:.:.j.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|: : :_z>''==ュ\ / , ' _、-/⌒;,:j.:.:.:.:. :}
.:.:.:.:.:.:.:.:.:j.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|-='",、、、 マ゙ `ー/ /,/ j!/ |;,/;.:.:.:.:.:.|
.:.:.:.:.:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.f/ fr::::i〕 />" ´/⌒ヾ、 l/;;;.:.:.:.:.:.:!
.:.:.:.:.;;.:.:.:l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.圦 弋ーク ´ ̄ んハ }} /;;;;;;.:.:.:.:.:.:| 諸軍が集結し次第、
.:.:.:.:.;;;.:.:.l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:! ` ~゚ 弋ソ jl/;;;;;;;;:.:.;.:.:.:.| 私の軍勢を出発させます!
.:.:.:.:.;;;;,:.:l:.:.:.:.;,:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:l  ̄` _ :、 .,_ 彡;;;;;;;;;:.:.;;.:.:.:.|
:.:.i.:.:.;;;;;,:l.:.:l.:.;;,:.:.:.:.:.:.:.:.:.l.:.:.l x<_ \_ ん;;;;;;;;:./l.:.:.:/
.:.:|;;,:.:;;;;;;l.:.:l.:.;;;,:.:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.l /-‐- ニ_ー-‐} j;;;;;;;;;;.:/;;l.:.:/
;;.:{マ;,.;;;;;;;l.:.W;;;,:.:.:.:.:.:.:.:.:l.:.:.l / ヽ j /,;,;,;,;.:/;,;,l:./
;;;;ム マ;.;;;;;l.:.l∨;;;,:.:.:.:.:.:.:.:.l.:.:.l l l / ,イ;;;;;;;;;./;;;;//
.ヘ;ム \;;;;!:.l;;∨;;,:.:.:.:.:.:.:.ムマ:、 乂__,,,..、、.,」イ _、<;;;i;;;;;;;;;/;;;;//
‐n 、 =┐00 =┐ _ 、__ 、 _
ヽ=, r‐^' }.〉-、.....l -ヘ ヽ=‐= =-┘ =┐ __」└ヘ, /〉 l 〉
,,l r='ナ-丶 i.l.,.ァ | 厂 '└_' == ヽ= ‐ ''''| 厂 //...,,_ l /
i i' l乂' ),l l.'.i. ,! ! ,..__..l L._ l | ゝ┘ /ァ'⌒l l l_/
'ー '^` -='イ `┘ .r'イ ヽ=‐'イ^ヽ ) ゞ=== ヽ 〈/ ヽーノ 〇
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .出したとは言っていない。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 先程から南陽王殿下の心の声が漏れているが、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 本来なら関中の統治者だった彼らは長安政権を助けたくないのである。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 八王の乱の害はここに極まったのかもしれない
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 357 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 23:13:14.05 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元315年10月 晋 雍州 長安】
/ : : : :\: : 、 : : : : : :\
, ´:/ : /:/ : : \:.\: : 、: : : :\
ノ: :/ : /:∧: : : : : \:.\:}: : : : : :ヽ
/イ: :{ : /―-{: : : : : : }-―:\: : : :}: :‘,
///: : {: :{:イ ‐-\: : : : |-‐\Τ: :W: : :‘, いっそ陛下を南陽王の下へ移そうか?
. 〃 /: : : |: :|/xf芹ハ Y:. :|f苅ミx.|: :/:{: : :}.:圦
. {{ {: {: : :lY 《 ∨ソ \}∨ソ 》/ Y: : /: :} }
∧ }∧: : 乂_'. ' イ_ノ:/.: :∧
|::::\{:_: .\:\∧ v‐┐ / :/ : ://:Ζ_ .::::::::::::/ /:v:::::::::/:::::::!::::::::::::l::::::::ム::ム:::.
「:::ー-=::::::>==.、:> __ </==<::=-‐::::::::/ ..:::::::j::::f /:::ム::::::/::::::v|:::l::::::::;j、:::::::ハ::ム:ム
. \:::::/:イ: : : : : : :’ 、 Τ j〃: : : : :.ハ≫、‐<:\ .::::::::!::リ f::::ム::::::,:::`メ._!:::!:::::::リ マ,.ィ::!:::::!::ハ
/: :/、|: : : : : : : : ’, ┼ ´/: : : : : : : :ハ/∨: : : ‘, .!:::::::l:/ v!::ム::::::,':/ i`i!:::::リ'''"V::::ル:::|v:::.
.|:::::::/ /::|::l:::::::zrtェェェミV.!:::/,.....,_',::ム::::j .Vl
l::::/../f~''!:トミ:::l.杙;ソ ` |/ {zリ ノi/:!::::ム .|ル
l;;/./::::! .ヘ|.V;;;|.{ .}.={ f.}:::!:,〈
j//::l:::::>s、\',  ̄ ̄ 丶~ ''''ナ::リ/vマ
止めておきましょう。 //:::::l:::::::j::::::^i.、 ` ,イ|/:::l .ヘ マ
./イ::::::::!:::::ム::::rム..` .、. ´ ` ,.イ:::::::::::ム } .}
南陽王が私欲を逞しくするだけです .〃ム:::::::j:::::ム:::/ \ .>。... イ:::::|::::::::::::::ム ! ム
〃 ム:::::::j::::/,.z《: : : : >--r':.ハ‐.ミ.」_::::::::::::::ム ム
// ム:::::/>'"三.入: : : : : :リ^^ヽム.i⌒| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
.// ム::,z<三,>''";;;;;;;\: : :./ゞ斗!:,>≧ヤ ._乂 ̄ ̄ ̄乂_ ||
/./. .::xヘs.<;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾY: : | v'",イ~、| |l l|z-セ1
./ / .:/ ヽ .\;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\:.l/ ィ'"~≧x」l l|./~ヽ,
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } このような調子なので、長安政権側も南陽王に見切りをつけた模様
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 358 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 23:14:12.46 ID:3dxFmBQf0
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| ただし涼州は除く .|:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ//
| | >:´|、 - ,|`:< 以後、長安以西は、
| | |::::::::| > イ |::::::::| 朝廷を再び奉じなかったと『晋書』『索靖伝』は話を結ぶ
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 359 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 23:16:26.82 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元315年10月 晋 雍州 長安】
/⌒Y⌒uヽ
/(○) (○)ヽ
_ /::::⌒`´⌒:::: \
/´ | ,-) (-、| 今年も不作だったっていう。
/' | l ヽ__ノ l. |
,゙ / ) \ `⌒´ /、 .もう蓄えも尽きたっていう。
|/_/ ヽ
// 二二二7 u' __ ヽ .とはいえ、長安じゃ焼肉は取り締まりが厳しいっていう
/'´r -―一ァ"i .-‐ \
/ // 广¨´ /' /´ ̄`ヽ ⌒ヽ
ノ ' / ノ :::/ / ヽ }
_/`丶 / ::i {:::... イ
, -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
r===========r‐、: : \
|.―‐――‐―h‐l┤、 :ヽ
L二二二二二」.ニ|‐{ミi : : |
{/ /ゝ、ノイ ノl/ ― トl!: : :|
では、稲の新芽を食べるのはどうでしょう? |l:/|/● ● ト、: :|
|/!:ll⊃ 、_,、_, ⊂⊃ノ: : |
……と官吏Aは新たな食生活を提案します /⌒ヽ__|ヘ ..イ:i : :/⌒i
. \ /:ノ从ヽ,、 __, イト:}ノ/ /
/ //ヾゝ八__/:.:.//ヘ、__∧
ヽ、.{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ;_、_ ,'
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .また、『晋書』『索靖伝』には当時の長安の様子が残っている。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 百官は穀物が実らなかったため、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 穀物を刈った後の新芽を採って生存を図った。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 冬場、近くの田へ見に行けば、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 彼らが何を食べたのかお分かり頂けよう
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 360 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 23:17:19.56 ID:3dxFmBQf0
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,.;'"~⌒'
ノ⌒ヾ`'"~
___ _ _,.,_,人⌒`'"~ (⌒'"~
::::/|`⌒',=- ,_ _,. .、-ー'"~⌒ヽ⌒';ζ ~"`'ー- 'ヘ.,_,.ソ^ヽ.,ヾ、.,__ソ^`
 ̄ ̄| :|`'"~ ~"'^(.,_,.ノ'"~`ヾ.,_ソ'
: : : : | :|
: : : : | :|n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n
: : : : | n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n
: : : : |:| : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
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: : : : |:| : :/____/_|: : : : : : : : : : : : :.[二][二][二];| /__________/_ヽ.: : : : : : : : : : : :
: : : : |;|コニ|| ,___||,||ニiニニiニニiニニiニニi|;;;;;=====;;;;|;;| || .|| ||ニニiニニiニニiニニi
 ̄ ̄.: ̄7||'____||,||..ノ囮 ̄ ̄品品7.|;;;;| |;;;|;;|.| ̄ ̄ ̄"| ̄| ノ皿皿 ̄ ̄卅
 ̄7. :―. : ̄7. :―. : ̄./_____/. : ̄7. :―. : ̄7. ̄ ̄ ̄7 ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄/\-. :/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/] ̄7. :―. : ̄7. :―. : ̄7. :―.
 ̄ ̄ ̄ ̄\/| -[|三三三三三|]/| :―. : ̄7. :―. : ̄7. :―. : ̄
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 劉曜の本格的な攻勢を前にして、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 長安政権を取り巻く状況は惨憺たるものだった。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:′ .翌建興四年に入ると、状況はより悪化する
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 361 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 23:21:03.87 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元316年3月 晋 雍州 長安】
|┃ /ニYニヽ
|┃ ./( ゚ )( ゚ )ヽ
|┃ 三 /::::⌒`´⌒::::\
|┃ | ,-)___(-、| 大変ですっていう!
|┃ . | l |-┬-| l |
|┃ \ `ー'´ / 代王拓跋猗盧が死んだと并州より報告が!!
|┃ / `ヽ.
|┃ 三 ./ \
,⊆ニ´⌒ ̄ ̄ " y r、 ヽ .,. ', 彡≧~:::::::~ ミ.x:ヽ、
⊂二、 ,ノ──-‐'´ | | l" | _,. + /./イ:::::::::f::::::::::l::l::::::ヘヾ.x:ヽ<_
|┠ ' | l/'⌒ヾ .,. '" /〃::::::/::::.l:::::::::::リ::|:::::::ハ:::ヘ\:ヘ ` <
|┃三 | |ヾ___ソ / f.f/::::::/:::::v|:::::::::/::リ:::::::::::l:::ハl:::ハ ` 、
.f .|/:::::::/:::::/ .!::::::/::,ィ.マ:::::::::|:::::i!:::::l .\
f /,':::::::f::シ l::シ:,.イl:| \::::.|:::::|::::::| l
| 〃!:::::::|メ、, _,/イ:::::N、_,>!:::::|:::::j .|
| i!.l:l::::::::l.,,zェミ_ V从キ _,zェェ.,,!::::|Y:::! .|
.| 八.V:::ハ>.疋ソ`v = r"疋;シ"|:::::|/:::| .|
.| /::::ゞヘゝ -- '"., ` ‐-- ラ!:::::!::::::| |
l . /:::::::::::::ヘ_,,,,,,._′ ソ:j::::::!:::::::. f
.リ /::::::::::::::::::::>='' sミ.+s.,ィ":::j::::::j:::::::::V .l
./ /彡三ア'''".z彡‐‐-ァ ~≧K.,リ三三ミx .V
,' .〃 ヾ.r" ,. 彡ァ',.xs._ `ヽ__ /ヘ .V
.,' ./l r∧ .r ‐'v'"=ア".ヽ゛ リ`t-zェ彡".V ハ .V
.,' /::i / ≧f~.7 .ヘゞ".V=V.ヘイ/!:::lい V .l .V
.,' ./::/ .《 /li .リ< .\ ルi!ヘ./ .!:::l,.いv ._,. キ | V
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 建興四年三月。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 代王拓跋猗盧が薨じた
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 362 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 23:21:56.65 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元316年3月 代 首都 盛楽】
_,..、-''"~""''';,‐-..,
`゙''ー-、,__,,..-‐''"'''- ._,,..-‐''~"~"'''''‐-
,__,,...-‐ '''"" , -'" ``丶、.
::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;''.:i;;:;: :::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:i;;:;:..
...::..:..:..::::..:..::.:..:...::..:.il.::::::::::l:ll=lll:::::::l:::l:::::::l::.:il::.:....
...::..:..:..::::..:..::.:..幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵:::..:...
', "゙
_,,.-‐''"_,,゙
__,,.. .-‐'''""~ ,,.. '''
_,,.-‐''" _,,.. '
┌─┴┴─┐
│ 代 │
└─┬┬─┘
││ (~) (~) 末っ子寵愛して
"''゙"''゙" (~) γ´⌒`ヽγ´⌒`ヽ (~) 長男に殺されるとかねぇよ
γ´⌒`ヽ {i:i:i:i:i:i:i:i:} {i:i:i:i:i:i:i:i:}γ´⌒`ヽ
後継者争いのもつれらしいぞ {i:i:i:i:i:i:i:i:}( ´・ω・)(・ω・` ){i:i:i:i:i:i:i:i:}
( ´・ω)(:::::::U) (つと:::::)(ω・` ) 以外と大した事なかったな
(::::::U:::)( ´・) (・` )(:::U::::::)
なんで急に平城攻めたと思ったら し─J (l::::○::::) (:::::○::::l) し─J
し─J し─J
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 長男の拓跋六脩が命令に従わないという名目で、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 彼のいる平城を攻めたが、返り討ちに遭い逃走中に殺されたという。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .拓跋猗盧の甥に当たる拓跋普根が拓跋六脩を殺して代王となった
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 363 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 23:24:06.16 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元316年4月 代 首都 盛楽】
_,..、-''"~""''';,‐-..,
`゙''ー-、,__,,..-‐''"'''- ._,,..-‐''~"~"'''''‐-
,__,,...-‐ '''"" , -'" ``丶、.
::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;''.:i;;:;: :::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:i;;:;:..
...::..:..:..::::..:..::.:..:...::..:.il.::::::::::l:ll=lll:::::::l:::l:::::::l::.:il::.:....
...::..:..:..::::..:..::.:..幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵:::..:...
', "゙
_,,.-‐''"_,,゙
__,,.. .-‐'''""~ ,,.. '''
_,,.-‐''" _,,.. '
┌─┴┴─┐
│ 代 │
└─┬┬─┘
││ (~) (~) 馬にも乗れない幼児が王とか
"''゙"''゙" (~) γ´⌒`ヽγ´⌒`ヽ (~)
γ´⌒`ヽ {i:i:i:i:i:i:i:i:} {i:i:i:i:i:i:i:i:}γ´⌒`ヽ
また王様が死んだ件 {i:i:i:i:i:i:i:i:}( ´・ω・)(・ω・` ){i:i:i:i:i:i:i:i:} 漢土の皇帝じゃないんだから
( ´・ω)(:::::::U) (つと:::::)(ω・` )
次の王様は (::::::U:::)( ´・) (・` )(:::U::::::)
太后のお声がかりの幼児だぞ し─J (l::::○::::) (:::::○::::l) し─J
し─J し─J
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } ところが、代王になった拓跋普根も一ヶ月余りで病死し、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 幼少で後を継がされた拓跋普根の息子もこの年の冬に死んでしまった
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 364 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 23:25:21.48 ID:3dxFmBQf0
-
, - (゚(゚ ))> , - (゚(゚ ))> , - (゚(゚ ))> , - (゚(゚ ))>
( '_,r'⌒゙i ( '_,r'⌒゙i ( '_,r'⌒゙i ( '_,r'⌒゙i
∠_ ,,ノ ∠_ ,,ノ ∠_ ,,ノ ∠_ ,,ノ そこの鮮卑民。
( ) ( ). ( ). ( )
,、 ,、 ,、 ,、 ,、 ,、 ,、 ,、 .もう拓跋部はおしまいっていう。
, - (゚(゚ ))> , - (゚(゚ ))> , - (゚(゚ ))> , - (゚(゚ ))>
( '_,r'⌒゙i ( '_,r'⌒゙i ( '_,r'⌒゙i ( '_,r'⌒゙i 并州の劉琨の所へ行った方がマシだっていう
∠_ ,,ノ ∠_ ,,ノ ∠_ ,,ノ ∠_ ,,ノ
( ) ( ) ( ) ( )
(~) (~) 万年Bクラス
(~) γ´⌒`ヽγ´⌒`ヽ (~)
そうしよっか? γ´⌒`ヽ {i:i:i:i:i:i:i:i:} {i:i:i:i:i:i:i:i:}γ´⌒`ヽ
{i:i:i:i:i:i:i:i:}( ´・ω・)(・ω・` ){i:i:i:i:i:i:i:i:}
そうだね ( ´・ω)(:::::::U) (つと:::::)(ω・` )
(::::::U:::)( ´・) (・` )(:::U::::::)
うちって、ちょっと強くなるとすぐ分裂するよね し─J (l::::○::::) (:::::○::::l) し─J
し─J し─J
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 相次ぐ王の交代に拓跋部の人々は四散した。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 『魏書』『序紀』によると、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 晋人及び烏丸三百余家が南の并州へ逃げたという。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 人質になっていた劉琨の息子劉遵を奉じての行動だった
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 365 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 23:28:22.89 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元316年3月 代 代郡 平城】
(~)
γ⌒ヽ. (~) ♪
(~) {i:i:i:i:i:i:i:} ♪ γ⌒ヽ
γ⌒ヽ .( ・ω・ ) (~)i:i:i:i:i:i:} ♪
♪ {i:i:i:i:i:i:i:} (:(~):::::ヽ、γ⌒ヽω・ ) (~)
( ・ω・ ) γ⌒ヽノ {i:i:i:i:i:i:i}:::::::`γ⌒ヽ
(( (:::つ::::::ヽ{i:i:i:i:i:i:i:}_) ( ・ω・ ):とノ {i:i:i:i:i:i:i:} ♪
〉::とノ:::::( ・ω・ )( (:::::つ::::::ヽ ^ (( ・ω・ ) ))
(__ノ^(_(:::::つ:::::::ヽ 〉::とノ:::::))( (::::つ:::::ヽ
〉::とノ:::::))(__ノ^(_) 〉:::とノ::::))) ♪
(__ノ^(_) (__ノ^(_)
♪
, - (゚(゚ ))> , - (゚(゚ ))> , - (゚(゚ ))> , - (゚(゚ ))>
((( '_,r'⌒゙i ( '_,r'⌒゙i ( '_,r'⌒゙i ( '_,r'⌒゙i ♪
∠_ ,,ノ ∠_ ,,ノ ∠_ ,,ノ ∠_ ,,ノ
( ) ( ). ( ). ( ))).
_,/ ̄ ̄` ̄\
/ /二◎二ヽ ヽ\
/ ルノハヽゝ,ハi 〉 .i
iv、!● ● i i' 〈
lリ〈 ワ i i' リ
_iハ`ーゥ t-ノ i 〈
ヒ/」」」.l/リl ly ,ィリヽ、 ヾ
| l | / `.lシl==j \ 〉
| l ,/ー、{::::::::::/ー、! \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 『晋書』『劉琨伝』には
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 人口三万人と馬・牛・羊十万頭が劉琨に帰順したとある。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 彼らの帰順に際し、劉琨はわざわざ平城まで出向いたという。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 史書はこれによって劉琨が勢いを取り戻したと記すが、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 拓跋部の武力を利用できなくなったため、むしろ状況は悪化している
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 366 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 23:29:04.26 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元316年冬 代 首都 盛楽】
_,..、-''"~""''';,‐-..,
`゙''ー-、,__,,..-‐''"'''- ._,,..-‐''~"~"'''''‐-
,__,,...-‐ '''"" , -'" ``丶、.
::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;''.:i;;:;: :::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:i;;:;:..
...::..:..:..::::..:..::.:..:...::..:.il.::::::::::l:ll=lll:::::::l:::l:::::::l::.:il::.:....
...::..:..:..::::..:..::.:..幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵:::..:...
', "゙
_,,.-‐''"_,,゙
__,,.. .-‐'''""~ ,,.. '''
_,,.-‐''" _,,.. ' γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
┌─┴┴─┐ | おや? |
│ 代 │ ヽ______乂
└─┬┬─┘
││
"''゙"''゙"
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 冬に入ると、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 拓跋猗盧の甥の一人である拓跋鬱律が代王となった。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:′ .ようやく拓跋部の混乱は収拾の目処がついた
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 367 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 23:30:17.82 ID:3dxFmBQf0
-
, |`./:¨¨´: : : : : : : >.、 じ !
/:/: : : : ;イ: : : : :、 : : : : : `ヽ..ハ
‖: : : : : / {: : : : : `、: : : : : : ヽ : '、
./: : : : {: /_'、: : : : _`、:、: : : : : '; : i
./: : : ::ィチ'_ \ 鬱 : ハ}¨:ヽ、: : :! : ',
/:{:'、: : : {.ィ=ミ `、: :/'テ=x} }:/: : : '、
/: :ヽ \:〈 {ハ イ .ノ ′ |ハ イ 〉': : : |: : : '、
./ : : : : : : \ー ′ ー ' ./: : : :|: : `、', 莫含殿は并州へ戻らなかったので?
‖: : :|: : : : :'、 ′ ./: : : : :i: : : : !'、
.|:!、: : '、: : : : :\ ー 一 ./: : : : : :′: !: | }
'{ `、: :`、: : : :`、> 、 .,.x≦': : : : : /: : /| ;' ′
`、 ヽ\\ : : : V L_`_´_.ト‖: : : :〃:〃 ノ′
/ヽ: : :| ) f^i ∩/| : : //
_ ニコ' : /\し'.<__:{: ‖=`_
./::::::::::::::::::}/r:; ---、::::::::::::V`::::::::::::::::`、
, -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
拓跋部 代王 拓跋鬱律 .r===========r‐、: : \
|.―‐――‐―h‐l┤、 :ヽ
L二二二二二」.ニ|‐{ミi : : |
{/ /ゝ、ノイ ノl/ ― トl!: : :|
|l:/|/● ● ト、: :|
|/!:ll⊃ 、_,、_, ⊂⊃ノ: : |
そう簡単に主は変えられませんと莫含は覚悟を決めます /⌒ヽ__|ヘ ..イ:i : :/⌒i
. \ /:ノ从ヽ,、 __, イト:}ノ/ /
/ //ヾゝ八__/:.:.//ヘ、__∧
ヽ、.{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ;_、_ ,'
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 先に代王の配下になった莫含は、
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 拓跋猗盧の死後も自身の家族と共に代に留まっていた。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 拓跋鬱律にも重用されたらしく、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .国家の軍事・大謀に参与し、左将軍・関中侯まで昇進して亡くなった。
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 代国の初期を支えた臣として、『魏書』に立伝されている
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 368 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 23:35:22.63 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元316年3月 晋 雍州 長安】
|┃ /ニYニヽ
|┃ ./( ゚ )( ゚ )ヽ
|┃ 三 /::::⌒`´⌒::::\
|┃ | ,-)___(-、|
|┃ . | l |-┬-| l |
|┃ \ `ー'´ /
|┃ / `ヽ.
|┃ 三 ./ \
,⊆ニ´⌒ ̄ ̄ " y r、 ヽ .,. ', 彡≧~:::::::~ ミ.x:ヽ、
⊂二、 ,ノ──-‐'´ | | l" | _,. + /./イ:::::::::f::::::::::l::l::::::ヘヾ.x:ヽ<_
|┠ ' | l/'⌒ヾ .,. '" /〃::::::/::::.l:::::::::::リ::|:::::::ハ:::ヘ\:ヘ ` <
|┃三 | |ヾ___ソ / f.f/::::::/:::::v|:::::::::/::リ:::::::::::l:::ハl:::ハ ` 、
.f .|/:::::::/:::::/ .!::::::/::,ィ.マ:::::::::|:::::i!:::::l .\
f /,':::::::f::シ l::シ:,.イl:| \::::.|:::::|::::::| l
| 〃!:::::::|メ、, _,/イ:::::N、_,>!:::::|:::::j .|
| i!.l:l::::::::l.,,zェミ_ V从キ _,zェェ.,,!::::|Y:::! .|
.| 八.V:::ハ>.疋ソ`v = r"疋;シ"|:::::|/:::| .|
.| /::::ゞヘゝ -- '"., ` ‐-- ラ!:::::!::::::| |
l . /:::::::::::::ヘ_,,,,,,._′ ソ:j::::::!:::::::. f
.リ /::::::::::::::::::::>='' sミ.+s.,ィ":::j::::::j:::::::::V .l
./ /彡三ア'''".z彡‐‐-ァ ~≧K.,リ三三ミx .V
,' .〃 ヾ.r" ,. 彡ァ',.xs._ `ヽ__ /ヘ .V
.,' ./l r∧ .r ‐'v'"=ア".ヽ゛ リ`t-zェ彡".V ハ .V
.,' /::i / ≧f~.7 .ヘゞ".V=V.ヘイ/!:::lい V .l .V
.,' ./::/ .《 /li .リ< .\ ルi!ヘ./ .!:::l,.いv ._,. キ | V
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 拓跋猗盧の死は、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 晋軍が漢軍を掣肘できる手段を失った事を意味する。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .対する漢軍は対長安政権に集中できるようになった
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 369 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 23:38:42.39 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元316年4月 晋 雍州 長安】
::::'''''ヘ-..
冫:::::::::::::::::`ー_
冫_::::::::上,,⌒
/VニニニニニVl
ゝニニニニニニノ_
|ニニニニニニニ/
ヽ_ニニニニニニ\__
ノニニニニニニニニニ`'ャ。,__
,。ャ'´ニニニニニニニニニニニニニニく
_. ._上,,,,,,..-‐ノ' 〉ニニニニニニニニニニニニニニニニニ', ..l1
l 、 」'、ノ`-'"ニニニニニニニニ`゙''゙亡ー-L , 'ニニニニニニニニニニニニニニニニニニ', .l| l1
_..ノ宀'’ニニニニニニニニニニニニニニニ~~''‐ニ . , 'ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ'., │'‐‐ .l|
./=ァニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ', l/l \,,,,,,. │'‐‐
-/レ彡ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ-┘ l..| / .l/l \,,,,,,.
\ニニlニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ_ニニニニニニニニニニニニニニニニニニ', l:lj''ー----‐'´ .| /
 ̄.',ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ┌ナニニニニニニニニニニニニニニニニニニ.', l.│ :lj''ー----‐'´
',ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ', l 彳 │
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lニニニニ',ニニニニニニニl lニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ\ .│
lニニニニハニニニニニニニl lニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ\,。ャ------、
',ニニニ≧',ニニニニニニlミlニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニヽ
,。sニニニニニs。,ニニニノ ',ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ--、
/ニニニニニニニニヽ´,。ャ'',ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニヽ \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 不幸中の幸いだったのは、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 涼州刺史張寔が歩兵・騎兵からなる五千を長安へ派遣したぐらいだろう。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .兵糧の問題を考えれば、食い扶持が増えるだけではあるが
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 370 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 23:39:27.68 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元316年4月 晋 雍州 上郡】
、> 、::::::::::::::',::::ノ!、ニニム圭>≦ , zzzz≦ニ>'´ `ヽ
二≧x ≧―‐彡i ゛≦Y´ >≦三三三三/ 、 ヽ
二二ニニニニニ| }≦三三三三三/ ヽ ム
ト、ニニニニニニ| ,イ三三三三三/ ム ム
ム≧x ,二二二二| / ゝ、三三>'´ ' ,
lニ≧x≧‐--‐イ ' ,イ ' ' ,
i::::::::::::::::::` ̄´::! ' .' i ≧ 、 i ! l ト, ハ |≦ト, ,
':::::::::::::::::::::::::::::::l ' i .| トルイ l`ヽ ! !> i リ .イ ハ ,
':::::::::::::::::::::::::::::::, ム ! | rz=≦、 `| ´i >=tミ、' リ´∨ i
i::::::::::::::::::::::::::::::, .∨ | \ マ {i l j iヽ ト、 / イ l j i} リ ム ノ! l
ト、:::::::::::::::::::::::::::ヽ ∨ヽ ト、 ` 夊_ソ ヽ! ∨'/ .夊_ソ .' , y/ : , l
∨ヽ:::::::::::::::::::::::::::`、..| \∨\' `"´ `"´ /‐': : : ; l
マ:::、:::::::::::::::::::::::::::::y ヽ 人 !、 人 : : : : , l
∨::::::::::::::::::::::::::::::::ヽー‐-z__ ヽ r‐、 /: : : :, : : : :, .l
∨::::::::::::::::::::::::::::::::::i≧z)ュヽ≧个 、 ゝ ' イ≧x: : : : ,: : : :, !
.∨::::::::::::::::::::::::::::::::|ニ≧_ソ::/iニ\ > </,ヘム::ヽ : : : :, : : , '
マ::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::/三'ニ∨ \_// 〉ハ:ム\: \: ヽ .∨
ヽ:::::::::::::::::::::::::::;:::::,仁ニ'ニニ,\ ∨⌒ヽ ∨/ニ'ニニ,ヽ⌒ヽ 、ム ∨
∨::::::::::::::::::::/:::/ニニ,.仁ニ∧ ≦} | { ≧' ∧三'ニニ∨ゞ´ ≧、 、
〉::::::::::::::/:::/ニニiニニ//ヽ .> | <./∧.∨ニ'ニニ,:..、≧x ⌒Y
/ ∨:::/::::::;仁ニニ|≦//ニ∨./ .|.ム::::/ニ∨,<iニニヽ::::`:.<_.ノ!、 '
. ' i:`´::::::/ニニニ|< 'ニニ∨ヽ/i::,仁ニヽ.\|ニニニ\:::::::::::,イ: : , ヽ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 四月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉曜が上郡に侵入し、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 上郡太守の籍韋は兵を率いて梁州の南鄭へ逃走。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 晋代の上郡は『晋書』『地理志』に記載がなく、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 正確な場所は不明だが、劉曜軍の動きから渭水北方にあったのだろう
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 371 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 23:40:09.43 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元316年4月 晋 兗州 廩丘】
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ
( ⌒ヽ、 .||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | || ( ⌒ヽ、
( ) ) ||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | || ) ) 、
(: ´ 弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ ´ )
(´⌒::::` 弋ェェt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ェ,ィフ ::::` )
( ( .il_,└───────┘ , i! (
´ ⌒ | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l :::: )
(´:: ) || ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| ) ..:)
(::::::: .l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l ;;人
| ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i
 ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ ̄|| ̄! ̄ ̄;/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
 ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
 ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l! ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`l
 ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
 ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
`、 ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
″| ̄ ̄i| ̄!,,| ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄l
|\_/ ̄ ̄\_/| |\_/ ̄ ̄\_/| |\_/ ̄ ̄\_/|
|\_/ ̄ ̄\_/| |\_/ ̄ ̄\_/| |\_/ ̄ ̄\_/| .|_/
\_| |_/\\_| |_/ \_| |_/ /\
\ / / \ ./ / .\ / \ |
/ \ | | . / \ | | / \| .| |
|\_/ ̄ ̄\_/| |\_/ ̄ ̄\_/| |\_/ ̄ ̄\_/|
|\_/ ̄ ̄\_/| |\_/ ̄ ̄\_/| |\_/ ̄ ̄\_/| .|_/
\_| |_/\\_| |_/ \_| |_/ /\
\ / / \ ./ / \ / \ |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 同じ頃、兗州では石勒軍が動きを見せていた。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 石勒軍は東武陽を陥落させ、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j .同地に住む一万余人を襄国へ移した。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ また、石虎の軍勢が廩丘の劉演を攻撃
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 372 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 23:41:09.04 ID:3dxFmBQf0
-
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ .廩丘は陥落致しました。
| ヽ ' _ ` イ
l l ´=` l 一度河北へ帰ると吹聴し、
ノ ヽ _,、__ノ 劉演の救援に来た兗州・豫州の兵を誘き寄せて返り討ちにするとは。
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_ 将軍は兵法にも通じておられますな
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|::: 彡:.:.:./:/:.:.:ヘ: !:./:./;,'i^リ:.〃ハミヽ
(::'⌒:.〃:.,:.:i:.::!:./:,:':::::::ト、:!:.:ハ: 彡
彡'⌒'::::, '人从{リ:;{:::::,'/)ノソ:.:.人ハ
く</ハ:.::/ "モェ,ミミ;ト^'´く::/:.::/::.:ノノ
{⌒ヽ ハ:、「!;' ^' ; 人ミミ ji:.:,、'’
世辞はいい。 \ \__ .{:./:ゝ ,:' ^ヾ' ノ:イ/
、 ,..⌒>.、 ノノ::,’:i _ `"ラ^ /:;':ノ
それより、黄河の津の守備は固めてあるだろうな? > ' 入 {;i!:.:} i:、 "-=:,':、 ,.::,.:.’
_,ィ' ./ ,:⌒ミV:.:.:! i イ/{
厭次の邵続から援軍が来ては面倒になる _,...ィ' ィ'´ / \| \ イ .ィヘ
,. '" 人 __,.-==ヘ_/ _,. \__}:::::.""´ .ij iト-- 、
/:::: 'ー=/ハ人_¨'⌒,ノ、 }\:.:/ ィ' /ハ. \__
;:::: -=< ̄::'^¨¨:'-‐ミ__ __ノ ノ }-v' ´ // 、 ¨ヽ
⌒¨¨¨¨¨¨¨ゝ \ _, ' / ハ\ /.::.:.:.:. \
漢 魏郡太守 石虎
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 近隣の晋軍の抵抗はあったものの、廩丘を陥落させている
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 373 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 23:42:44.17 ID:3dxFmBQf0
-
_,,...-‐ '''"゙゙`゙''ー- 、_ _ ,.,..-−''"´`゙''ー 、_,,..-.ー''''''"゙゙ ゙゙̄"''''' ― - 、_ ,.ィ''"~゙'''ー- 、_ ,.ィ´ ̄`゙''ー.- 、__
..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:...::..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..
―_-‐―――――-_‐―――――_-‐_――――‐―_‐― -‐ ―――‐―_――― -‐_―――‐―_‐― -‐
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| 抜かりはありません |
ヽ___________乂
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
: . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : .
''"'''''::----::'''''''''''"''"~~~''"''〜"''"''"^^^^'"""'"''"'〜〜'"''"''"''"''"'~"''"''::---::''''''''''""''"''"~"''"''::---::''¨""´
'' ;~'',;''゚ ;~'',;' ,:. ',;;~,;''゚ ;~`゙'' ;~'',;''゚ ;~'',;' ,,;',;;~,;''゚ ;~`゙'' ;~'',;''゚ ;~'',;' ,:. ',;;~,;''゚ ;~`゙'' ;~'',;''゚ ;~'' ;''゚ ;~'',;'',;''゚ ;;~'',;'; :
_, -─‐- 、ー‐-、ー-、 ;: ;:;: :;:;: ; ; ,ィゞ
,イ、,r'⌒ヾ ヽ ヾ ``''ー- -、-‐''"´ヽ;;: :;:; ;:; :;:; ;: . .,.:,..:..
,r/ (::;;:;:;;/ー-、 j `, _ /ィ´ ;:; :; ;:; : ;: ,ィゞ
ヽ 「i''ー'"´ ,r-‐'ー''''"´ ̄
,ィ!´ ̄``i''ー─- 、、、,,_
イ三二二ニニニゞ ( j〉 」´ ̄ ̄``ー-、ヽ .,.:,..:..
... ,... ``ー─'"´  ̄ ̄ ̄ ̄
,ィゞ .,.:,..:..
や心乂{ ハ: /「\: | . |_
や仏Y ,ィ゙: : f'V: : :ト..,,ノ:::::|
_,,...‐:::~~\_//|: : : V: : :/、;_:`' ミト 、
,」:::::::::/ ̄/:ノ|: |t‐''゙: :,xく}\|``h、\ト えっ?
\::::; ’ /: ;イ:.人| x宍[\「 '芯ミ:.}: :i\[ノ
V/ 〳/ i:.{: :汽代iノ 、乂ノ价N\} .廩丘が陥落した?
/\〈-、|/ j: :、: 乂 ,.. ―- 、 ]/〵\_,..ァ゙:
/: : : : : \人_rf'「l (/V^′^フ 八 〵'゙: : :/: : さすがに早過ぎない?
,: : : : : : :〳 /{ !||!ヘ >-―- く- 〵: :/: : : : :;
/: : : : : :_jニ{|j }|::::::::| |::| /∧.〵; : : : :.
./: : : /: : : :了', } ::::::::| |::|ノ_,ノ ╲.╲: : : :
- 374 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 23:43:56.21 ID:3dxFmBQf0
-
``ア゚¨儿厂 ^
/ ‖ / . i
..〔__ ,,..、 ゙ ;′ i_ U :
 ̄ i | : |_ | i
| | : | - __ ..,, __| l : 面目ありません。
i | | :.:ノ u - ...,, ___| | :
| | | ''"~ ̄~"' ィ'| | i 石勒軍の石虎の攻撃が激しく
i | | | |ィf(;;;ツ癶 j| | l : 各地へ援軍を要請するまでは良かったのですが……
| | | | |\^''''^ .:;:ι | | | i :
| | |:.:.:. u | | l i 兗州・豫州からの援軍は石虎の前に壊滅、
| | .:|:.:i :.:.... ' V| : : l | |: .廩丘の城も落ちて、私は命からがら逃げ延びて参りました
l | :.:| |:.:.:|:.:.:匚 ニ-u _. ||i:. :.. | |:.i
| : ::| |:.:.:|:.:.:: └┐_r ||||i :. | ̄[
l . :: ::| |: 八:.:___ノ └┐」 |::|||:.: : .. 「L  ̄]
. : | ::| |_;;:ニ{ 丶 |||||:.:.U |:.:.:. | ニ }∧ ∨{ 〈 ニニi }:〉 [
-| ニ,. -='"~ ̄~"'' =ニ/ / _
_//∨ '": :/ : :/:): : : : }: : ∨(=-=ニ=- _
///-=//.: : : : | : :/: : : /\: :∨', ゝ///
,|-=_/-=/: : :/: : |/ _ - : \: : \:V:', \  ̄|
{//∧-=/: : :/ :∠ - '"V: : : : /}\_ ̄\ ,:へ /
石勒軍なんて ∨ -=ノ/: {: : :/-ミ: : ∨:.ィテノ: : /: :i\ ∨: :|
少し悪知恵があるだけの雑魚の集まり。 /: : : /: /i: :└斗孕ミ、: :∨斗孕ミ} : }: :|:\<: :[
. /: : : /: /|: |: :∧乂リ ) X" 乂リ /,': :| : |i: :∨: :[
朝廷の偉い人は戦が下手だと思う /: : : /: / |: |: : ∧ ' / : : |: :/∨: ∨∧
/: : /: / ∨`''人 ー v' )`'": :| ∨: ∨∧
. /:./: : :/ _∨: : : > </: : : /_ v: : \:.
/'": : : , ' r-={_ ∨∧ ≧ ≦ /: : : / f─┐\: : \:.
/: : : : :/ { } V∧ ノ. 弋/: : : / |_ ]. \: : \_
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『石勒載記』によれば、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉演は邵続の命令で廩丘救援に来た段文鴦の軍勢に逃げ込んだ。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .段文鴦は邵続の下に留まっていたらしい
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 375 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 23:48:26.84 ID:3dxFmBQf0
-
|ニ\ / : ノ: : : : : ト、: : : : `ヽ
|ニ〉У: / : : : : : / : \: : : : : Y⌒\ー=ミー―┐
乂/l/: : : : : : : ヘ : : : `:ー―=ミ_/{ ヽ ):.:⌒>
r∩┐ /< : : : : : : イ: ハ: : :丁 ̄ ̄ ̄`ヽ : \}_/\/
「| | || / ⌒ヽ ̄ \ : / ,j : : ハ: : : : : :|: : :}ノ: : : : : : : :\
. l | | || イ../: : ∧\ : : \ィf示ミx}: : : : : |: :人\: : : : : : : : :\
′ 「 } /.:{..{人 {,z=ミ\{⌒ 乂り /: : : : : | : : :}\\: : : : : : : : :ヽ 見本を見せてあげる!
i ´ |_ {:.:.:.∧!: : :|{乂リ / : : : : : :|: : / \\: : : : : : : :‘,
/:| } ノ:.}  ̄7: |: : :ゝ ′ __ \: : : : : :/: ィ \\: : : : : : ‘,
/(:.:人 /.:.:.ハ /: 八: : : : > F 〜ーノ 7ヽ/´―‐ヘ \\: : : : : :\
{:.:.:.: ̄ ̄.:.:.:.:/ | ′: : {\_/ ゝ ー‐__,/: : :/ / \ \\: : : : : :` ー――=ミ
/\:.:.:.:.:.:.:. ィ | | : : : ト、: : :{/´{ {:.:.{ く: : : \>' \_ .. -―――- 、 : : : : : : : :\
. /  ̄ ̄´ | | : : : | У: 〉:.:.∧ :.:.V //> :,:` ー―<⌒´ \――- 、:
| } { : : : { /: :/\:.:.:.:\、:\//〈_r_>――┬ \ \ \
| /⌒\―/: :/′:.:\f!:.:.Y:.:.} { [X] |: : : :} \
| / /: :/ |:.:.:.:.:.:[X]:. { V ノ |: : / \_人_人∧从_人_∧_人_从_/
| / /: :/ |\:.:.:.:.:.:.:.: ヽ ー――‐γ⌒ヽ.、ノ : : { ) >
| /} {: : ヘ |\/⌒ヽ:.:.:.:} 「 ̄ ̄ ̄乂_ノ〉:.〉: : :{_ < ちょッ!!? >
| / \: \:.:人_ノ、:.://.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. / /.:/\: :`: : < (
| \: \:.:.:.:.\\:.:.: ____/ /.:/  ̄ ̄ /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^、
人 |\: \:.:.:// /{ \ `ヽ \′ ∨ \ /.:/
≧s。., |:.:.:): : ノ //:/ ∧ ‘, ‘, ‘, \ `ヽー一.:.:./\
≧s。.,_ {(__|/ イγ⌒\ \。 } 。∧__j \ ` ー< }
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『劉琨伝』に曰く
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 石季龍が廩丘を包囲したため、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .劉演は邵続と段文鴦に救援を求めた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 376 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 23:49:12.88 ID:3dxFmBQf0
-
|\_/ ̄ ̄\_/|
/\ /\\_| ▼ ▼ |_/
/ /\ \ \ 皿 / 石虎将軍!
())ノ__ ○二○二⌒/../
/ /||(二ニ) (___/../ 几l ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ 段文鴦です!!
γ ⌒ /|V||彡Vミ/⌒_ノ二二ノl0
l| (◎).|l |((||((゚ )/⌒/||三三三・) || (´⌒(´ まともに戦えば負け確ですぜ!!
__ ゝ__ノ  ̄(___) ̄ ゝ__ノ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(´⌒(´⌒;;
,,,;;;;;;;;彡彡;;之 ヽ
,,,,,,,,,,,,,;;;;;ll;;;;;;;;;;;;;;| l;;;;;;;リ)リ;;;;;;|l;;;;(ミ彡/、 Z
l|ヽ= 从;;l |l|;;ll;;;;;l|;;;;;l;;;イl;;;;;;;;;;;;;| l|;;;;;;-〈、|;;;;;;;;;;;;;;,,三∠ノ フ
ヽミ三从;;从|;(;;;;|l;;;;l|;;;((;;;;;(ヽ乂;;;;;;/ノ人、从;;;;;;;;ヽ ∠ |
ミ二ミミ从 ; ;;;;;;゙;;;;゙;;;;;L{{ミ|Y;;";;;;;rテ'';''i゙''ミ゙ イ;;;;{ミヽ∠ノ
゙ヽ乏゙゙从゙ ;;ヽ、、_;;;;;;;;;;;;;{≧Y;ノノ=-゙'''"´彡 ';;;;;;ヾ,,', ヽ
<彡l|;;;;;;;l、;}:/;r't;;;)>| 彡 ̄""´ |;;;;;;〈 |.| }
ノノイ;;;;;;之"゙"''"´ |、 _,,、::::: |;;;;;ノノリ;∠
イ彡l|;;;;ヽ ゙:::::::: j _,、 -)゙ヽ::... |;;/- /;;/ミ
退くぞ! l|//l|;;;l~、'、 :::: ゙''::ヽ,/ |(,,ノ;;;ヽ〉ミ
リノイ;ヽヽ'、 `゙'、l__,,、、、,,_,, / l||;;;;;;;;|∠
どういうつもりだ兄弟!! "´ノ|;;;;`'-;', (t -'''ヘヘ)}} リ リ;;;;;;;/从ミ
|/l|;;;;;;;;ヽ レ- '''""´ /:::" {;;;从;;;;;;;;)"
l|l||;;l|;;;;;;;;'、 ,,、;;''";; ̄:: ,/:::::" ヽl|リ;;;r''、リ
ヽl |;;;;;;;;;\ " `゙ /::::::" レ',、-ー゙''""゙''ー
//|;;;;;;;', \ 〈 / ::::::: ,、 '´
(从l|;;', ヽ, ヽ:::ノ/ :::::: ,、 '´ ,、
`゙゙゙''', ゙'' ー '''" ::::/ /
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 段文鴦の騎兵が劉演を救い、石季龍は逃走した
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 377 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 23:50:50.48 ID:3dxFmBQf0
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jI斗─‐、|........\
/:. 〈 ̄`ヽト、........〕\
ト、 \_ソニ7´ ̄厂{^''〜ヽ、〔 ̄ ̄``ヽ、 了
|....ヽ/:.:.:.:,′:. 人:. `>─=ミ、、 ‘, (
|...../:. : :/:: / : :}~''┬……‐、 \/「⌒〕 )
r‐‐し' : :〆:. イ:.:.:.:.:.:ハ : :ト、:.:.:.:.:. : \ト、 \_廴/>'"
メi:∨-=彡'"^\:: : :厶}ハノ、 ',:.:.:.:.: : Y:| \ /ニニ 劉演。
/i:i:i:i|:. : :| : :ト、 : :`ヽ、イんハ∨:: : :i: : :|.:| )/ニニニ
..ん斗r、|:. : :| : :|イ >‐‐┘乂ソ リ:.:.:.:.:|ハ: }イ /ニニニニ 文鴦についてこーい
人i:i:|⌒|:. : :|:: 坏んハ _、 'ー‐ァ'^リノ' /二二二二ニ
`¨ 人 : :|\{{、くソ′ /_r‐〉 / : :i//二二二二二二
\{:. 小 /ィ'^ / / i//二ニ二ニ二ニ二ニ {ヽ { !::、\
乂从 \ ` ー‐''´ ,/ : :{ /二ニ二ニ二ニ二ニニ { ::.\ l l::::} }
厂∨_>''" ̄厂{:. : :| {ニニニニニニニニニ 乂:::>ヽ _>''^~ ̄`┴く``〜、
|i : :|/ \ / ∧ : :∨ニ二二ニ二ニ二ニ/ __( ̄{_、<二....,,,_ヽ :ヽ: : :\
リ:. /\__Y \:. \ニニ二ニニニ二/ く (>イ ``\: : ヘ : : :ヽ
У 〉、 、_rーっ\ '/ : ヘ: : : ヘ
/ j :/,-、`ー-‐_,. ̄ ̄\'/ : ヘ: : :ハ
√ .i:/  ̄ ィ'^笊^ア } : : l i: : : l
{ :∧ィ'示` Vシ、′ ! : : l l : : :l
l i '/圦Vソj j : : :l|: : l
あの石虎の軍勢がいともたやすく。 .|l ! '/l `__ j! . : :j!: l: : : !
|l | 乂_,,. 〈 / ヽ u / . : :/: : ! : :/,
これはついて行かざるを得ませんわ jj| :.:ト、 ∨__ノ . :/ . : :/l : : l : : /,
‖ ! ;.l.:.\ . : : / . :/; :l : : l : : : /,
‖ ノ } l:.i.:.:.`ー┬ / :/ 〉ー-=、、_ : : .\
'/ //:.j.:.:.:>'/ :/ // /:/ `ヽ: : .\
/ ..: .:/イ>'" / . :/‐'" / /:.:/ Y: : : .`'<
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉演は段文鴦に随行して厭次に駐屯した
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 378 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 23:52:10.00 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元316年4月 晋 冀州 襄国】
,rk´ミ、''ナ;;爻'、ー;;〃彡;,.
..vf戈ハトシ〈'"リ゙、ヾ、;;jリ、〃、
Yメ从k;;、;;ij;;;ii;ヾ;ッ;仆、ヾくソ
}ソリ"i!;;;;;l;;i;;、;;:;:;;:;';;;};;iリドシゞ, 劉演には逃げられたが、
ツ;;;;;;;;;;ト、;;_リ;;;i!;;ト;=;、t;;;l;;ヒ' 東武陽と廩丘の民を連行してきた。
ヲ;i!、:::r',;、=;'、;"リ,、=;''"リ;ij´
..};lヾ;;j  ̄´.〃l゙ ̄´ ,';ィ′ .それと劉演の弟の劉啓を捕虜にした。
7;;;;|', =、j,. /仆、
ゞ;|:ヽ ,:ニ> /:: レ ソ\,.、- ' "´;; ̄:: 聞けば、あの兄弟は劉琨の甥に当たるらしい
. >.ニト、:\` "'' ///,r/:::::::_,..、''' ..,,
リ;/::;;/::} `:::`:ー'/'∠;:/`゙ヽ・.‐´
:;/::;;;{! `r‐'"フ´〃シ:;;/ " ヽ、. リ'" ,、_,
/::;;イ `'ー ''/ヲリ/;/r'/,r─‐-、 (∴,、-''"
:;;/ `ー-‐/Ξ/ッ/rレヘ{ | ̄| `''" ヒ´ミ仆爪// j } /ノ ハ `ヽ、ミ≧=-ゞY、_
圦ミfソ ̄} } / ,' __ \ミ下千f=-仆
ミ }}ソV i/ ゝ Vゝ斗イ、ヽ ヽミ仆≧=}}
乂./ / 三ミ  ̄ ',{ ハミミ _ソ
圦{ 辷i ≧=- } }ミ彡 .Y
劉琨には旧恩がある。 人、~ハヽ ‐ イ j iミソ ~イ /
Y、 ', ゝ-=__, ', V /
劉啓には田畑と邸を与えよう ハ /`´__ ', i≧=´
', 壬//≧=- } }////
.i Y { ///´⌒
| { }, イ/////
.{ ヽ-=≦≧=-、-=≦///
.',Y//////////////イ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー なお、この戦で劉演の弟の劉啓が捕らえられ襄国へ送られた。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉演・劉啓共に劉琨の甥に当たり、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 石勒は自分の母が劉琨に保護された恩からか、劉啓の身柄を保護。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 儒官として経書を教授するよう命じている
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 379 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 23:53:15.62 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元316年秋 晋 冀州 常山郡】
.,、
盛楽 、-' ヘ
,r'`ー-、_;_, ○ 薊 /´ /
r'´  ̄ヽ, ○ ,r'´ r' r‐
} { ,.、_ノ _"7 /
/ r' 晋陽 太 / 'ー'´
./ ノ ○ 【中山郡】 ヽ
' { ○ 行【常山郡】厭次、 r'‐-,_,_ィ_
} 陽邑 ○襄国 ○ /ヽ_r' _r'´
{ 平陽 山 鄴 ○ r-'´ 〇 r' '
`ヽ } ○ 壺関○ ○広宗ノ 臨淄 }'ー'
{ { 脈 r○廩丘 r'
'´`ー-, ヽ / ノ r'
\ 'エ_,.-‐'`ー―‐'―= ‐' .,
 ̄ ̄`ー‐'―'´ ◎洛陽 ○開封 〇 >
○長安 ○○許昌 下邳,ヘ' ヽ
襄城 ○葛陂-v'γ ヽ ハ_
ィ-v○寿春 __ゝ、 `{_,、
,、_ r'○建康 -、
○襄陽 `' r' {__'ィ }
,. -――'´`ヽ ,、 , _,.r' __/`
_/ ヽ ,/ ヽ ノ `^ー'`>
_ィvー'´ Z,、 / `ー-,r' }
r-‐'´} {`ヘ
'ー'`" `ー'
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 建興四年の秋。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ 石勒は中山郡で反乱を起こした丁零を討伐すべく、
/ ヽ{ ト、ヽ l: .自ら騎兵を率いて常山郡と中山郡を攻撃し、これを打ち破っている
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !______
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 380 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 23:54:20.00 ID:3dxFmBQf0
- 【蝗の生態@『晋書』『石勒載記』】
,ヘ ,ヘ
Vム ,.. ---/ /
Vム /' /:::/ /:::`::.、
Vム::::' '::/ /:::::::::::::::.
,Vムj____{/ /::::::::::::::::::人
ノ:::V jTrく,∧:::::::::::::/:::::'
{ , -ミー‐ ァ ―‐ ミ::::::::::::::}
v{: Yロ'{: Y:::::::::'
v:、 j | ゝ, ノ:::::::/ 説明しよう。
, -ヾ}~´,」_ ` -- く::::::ノ
/ ^ヽ )}イヽ 俺たちは地を穿って生まれ、
, ,ヘ / }\ ,. イ::{:::> ):.、_ .約二十日後に蚕のような形状に変わる。
〈 /:::::/ 乂:≧≦::斗r≦´>'" ` 、
ー':::::::{  ̄´ >く/ そこから七〜八日寝て、
v'::::::::ゝ、 >'":::::::::ヽ、 \ .その後四日かけて脱皮して飛び立つぞ。
{::::::::::::::/~^  ̄::::::::::::::::::::::::}::! 、
{::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::/ニ| ) .百草に群がるが、大豆と麻だけは食べないんだ
/ニ;:::::::::,':::::::::::::〃)):::::::::::::/ニニ, /
,-=ニ',::::::::{:::::::::::::レ ((,:--,:::::{ニニ八__ _,.ィア:、
/ニニ人::::::{:::::::::::::::::::::::::`:’:::Vニニニニニニ>':::∧
/(ニニニア}|h。,::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾニニニニニ{:{:::/::∧
人 '<ニ' }|~^ h。_:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}lニニ∨::::/::∧
ハ::}::::::7'’ ヽ ~^' h。}::~^:::ー―‐::::^~´::/ Vニニ∨::::/::::}:、
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー この頃、河朔と呼ばれた黄河以北の地は大蝗害に見舞われていた。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 『晋書』『愍帝紀』や『劉聡載記』を見る限り、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 六月に関中方面で発生した蝗が司隷・并州・冀州へ飛び火したらしい。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 『晋書』『石勒載記』によると、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 并州と冀州が被害が激しく、特にひどかったのが常山郡と中山郡だった
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 381 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 23:55:44.31 ID:3dxFmBQf0
-
__,ィ7ア´ ̄ ≧、
rf⌒/{/ // _r'⌒ト==彡⌒ヽ
}ト ミwー┴‐一'´ ミ==≦ │
. } } __,r―一 }二 ミー--|
. {´厂 }'"´ ミ==― ___|
V j八==r‐tチァ  ̄ト--- 、{
`モtッ } ト ̄` } ミリハ | 聞く所によれば、
厂} ー {_ ,ィ'⌒}ミク ノ} リ 并州でも蝗による害が激しいとか。
八 >ーへ__ |(し'| l |
. Y_,rーーミ、} | ハ从{ .また流民が発生するやもしれませんな
| -=ニT } |
} \ j_ イ ̄ ̄ ̄
| / /
. __|___/ /
/ / { / | / ̄ ̄
. / /\__}____| / /ニニニニ.ィ傘寸ニニニヽ
'ニマママ(:oHo::)チチチニ '
| ニニ込ミヽH∠-彡=ニニ|
.,,r=≦|ニニニ=(((◎)))=ニニニ|≧=ー
,,r≦ニニニニニ|ニ{≧竓芋)Y(毛屶≦ニ|ニニニニニニ≧ュ,,
./ニニニニニニニニYヽ.!  ̄´ }{ ` ̄ :|/ Yニニニニニニニニヽ
ならばこちらから迎えに行ってやろう。 /ニニニニニニニニニニ| {ミト、 小. 丿|ミ} |ニニニニニニニニニム
ムニニニニニニニニニニ Xミ| .:} -─- { :|ミ.Xニニニニニニニニニニ }
并州へ進軍するぞ 圦ニニニ⊂二二二 /| {ミ|从. ⌒ ノ .l|ミ} |ー======彡ニニニハ
.寸ニニニニニニイム:乂ノ \ /込ノ弋::><二二彡'
{::::::| \___/ |::::::}
乂::| |::乂
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー つまり、当時主戦場になっていた地域全てが蝗害に見舞われていた。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } ところが石勒軍のみ、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 特に飢餓に陥らずに軍事行動を継続している。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 群雄中いち早く内政に力を注いだ成果だろうか?
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 382 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 23:56:55.39 ID:3dxFmBQf0
-
.,、
盛楽 、-' ヘ
,r'`ー-、_;_, ○ 薊 /´ /
r'´  ̄ヽ, ○ ,r'´ r' r‐
} { ,.、_ノ _"7 /
/ r' 晋陽 太 / 'ー'´
./ ノ ○ ヽ
' { 陽邑○行 厭次ー、 r'‐-,_,_ィ_
} 【楽平郡】○襄国 ○ /ヽ_r' _r'´
{ 平陽 山 鄴 ○ r-'´ 〇 r' '
`ヽ } ○ 壺関○ ○広宗ノ 臨淄 }'ー' '
{ { 脈 r○廩丘 r'
'´`ー-, ヽ / ノ r'
\ 'エ_,.-‐'`ー―‐'―= ‐' .,
 ̄ ̄`ー‐'―'´ ◎洛陽 ○開封 〇 >
○長安 ○○許昌 下邳,ヘ' ヽ
襄城 ○葛陂-v'γ ヽ ハ_
ィ-v○寿春 __ゝ、 `{_,、
,、_ r'○建康 -、
○襄陽 `' r' {__'ィ }
,. -――'´`ヽ ,、 , _,.r' __/`
_/ ヽ ,/ ヽ ノ `^ー'`>
_ィvー'´ Z,、 / `ー-,r' }
r-‐'´} {`ヘ
'ー'`" `ー'
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ 続けて石勒軍は西進して并州の楽平郡に侵入
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !______
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 383 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 23:59:39.54 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元316年秋 晋 并州 坫城】
:''''"~ ̄~`'' | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l ....;:''''"~ ̄~`''-、__,,....;:''''"~:'
;:''''"~ ̄~`''-、_ || ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| `''-、
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i
 ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ ̄|| ̄! ̄ ̄;/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
 ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
 ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l! ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`l
 ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
 ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
`、 ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
″| ̄ ̄i| ̄!,,| ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄l
| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i ; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄_
''- .._ ~""''' ‐- ...,,__ _,,..-‐''~""''' ‐- ...,,___,,.-‐'
|\_/ ̄ ̄\_/| |\_/ ̄ ̄\_/| |\_/ ̄ ̄\_/|
|\_/ ̄ ̄\_/| |\_/ ̄ ̄\_/| |\_/ ̄ ̄\_/| .|_/
\_| |_/ \_| |_/ .\_| |_/ /\
\ / / \ ./ / .\ / \ |
/ \ | | . / \ | | / \| .| |
|\_/ ̄ ̄\_/| |\_/ ̄ ̄\_/| |\_/ ̄ ̄\_/|
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\ / / \ / / .\ / \ |
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 楽平郡の役所がある坫城を包囲した
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 384 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/16(金) 00:02:05.85 ID:SvA/9ST90
- 【>>383修正】
【紀元316年秋 晋 并州 坫城】
:''''"~ ̄~`'' | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l ....;:''''"~ ̄~`''-、__,,....;:''''"~:'
;:''''"~ ̄~`''-、_ || ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| `''-、
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i
 ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ ̄|| ̄! ̄ ̄;/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
 ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
 ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l! ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`l
 ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
 ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
`、 ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
″| ̄ ̄i| ̄!,,| ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄l
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''- .._ ~""''' ‐- ...,,__ _,,..-‐''~""''' ‐- ...,,___,,.-‐'
|\_/ ̄ ̄\_/| |\_/ ̄ ̄\_/| |\_/ ̄ ̄\_/|
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\_| |_/ \_| |_/ .\_| |_/ /\
\ / / \ ./ / .\ / \ |
/ \ | | . / \ | | / \| .| |
|\_/ ̄ ̄\_/| |\_/ ̄ ̄\_/| |\_/ ̄ ̄\_/|
|\_/ ̄ ̄\_/| |\_/ ̄ ̄\_/| |\_/ ̄ ̄\_/| |/
\_| |_/ \_| |_/ \_| |_/ /\
\ / / \ ./ / .\ / \ |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 楽平郡の役所がある坫城を包囲した
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 385 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/16(金) 00:03:15.82 ID:SvA/9ST90
- 【紀元316年秋 晋 并州 陽邑】
|┃ /ニYニヽ
|┃ ./( ゚ )( ゚ )ヽ
|┃ 三 /::::⌒`´⌒::::\
|┃ | ,-)___(-、| 楽平郡より!
|┃ . | l |-┬-| l |
|┃ \ `ー'´ / 坫城が石勒軍に包囲されたため、救援求むとの事っていう!!
|┃ / `ヽ.
|┃ 三 ./ \
,⊆ニ´⌒ ̄ ̄ " y r、 ヽ
⊂二、 ,ノ──-‐'´ | | l" | ,、丶`  ̄ ̄ ̄ ``丶、
|┠ ' | l/'⌒ヾ / _ -‐\ \ \
|┃三 | |ヾ___ソ , -=二ニニニ=-\ \ ヽ _ -=二
/ニ=- \ \ ヽ ', /二二
/' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ=-
/ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄__
|八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二二二
i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、  ̄ ̄
| | ,ィ=ミ\ `" `、 ( ノ人 \
長安が不穏だというのに |i 爪 vリ __、 〈 ヽ \
八 ハ ' \、 \ \
ヽ 込 、 - / \ \ \
| 个 ィ / ' \――― ミ
| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒ヽ
__ | | i 八 / '// / ' \
/ ∧、八 |{_// / ' , i '⌒
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉琨は嫌でも石勒と戦わなければならず、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 長安及び南に目を向ける余裕などなくなってしまった
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 386 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/16(金) 00:03:59.58 ID:SvA/9ST90
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
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| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| 本日のその時がやって参りました .|:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ//
| | >:´|、 - ,|`:< 逆に漢軍からすれば、
| | |::::::::| > イ |::::::::| 長安攻略のまたとない機会が巡って来たのである
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 387 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/16(金) 00:04:34.24 ID:SvA/9ST90
- 【紀元316年7月 晋 雍州 北地郡】
: : : : ,,∧ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
.,./ ::::\
,/ヽ、.、/'″::::::::::::::::\ ,、、
.,/::::::::::::::: :::::::\ ,/ !゙':、
/ .、 ::::::::ヽ :::::::::::^''゙\ .,! ,; i ':、
_r'′ ,,/ :::::::::\ ::::::::::\ ,、゙ ..;::....; .. 'i:、
__,,__ ._/ .´ .゙''-、 .‐、_::::::::::\ ,.::' ..,.::;;.,...! .\_人_人∧从_人_∧_人_从_//.
ニ';-'"~:::..:.:.`''ー-、__,,,、-‐- ..,,__ :::::::::.'ー.゙''\ ,! ..:;:.,.. ; ) >'
.... ~""'''ー- ...,,___::.:... :::..:.:.:::...~""''""´`'t ´`''´..,::.:;;::::... j < 北地郡陥落ッ!! >
.,,.::.. .::. ..:. ;;,,  ̄ ̄~~""'' - 、..::;.:..:... `:,、 .:.:;;.::.:.:... ..:::,:,::,. ,::...i, < (.
ニ″:::::: .::... ;,,,,;; ;; ;;:. ~"'-、 ::::::;;.::.:;..:.:.:..... .:. ......:::;.::.:.... / `"' /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^' ー- 、,
、,_ ;; , ,,_,__、 :.:.:...:.;:.:.::.:..... ,::. ,、- ´ 、,...::... ,__ ` .;:. ;.:... __,,..、、.-''"~~,::
., - .._, 、,,.....、,__ ,.,:;,.:-‐‐''"~,:;;;.~~"''' ー一''''""~,,:::;;;;;;;;:.;;;;;';;;;;:.;;;
゙゙:,:;.,:;.:::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,:゙',`:;,':,:;.,:;.:::;.:".:;.:'"゙:.:゙,~゙"'ー-:;、,"'.: |'ー、 `゙'<, ,,:.;;;;;;;';';:.;;;;;;';;;;;;';;;;;;;;;';;;;;;;;;;';;;;;;;;;;;;';':.';';;;;;;';;;;;
: :: :; ":;;;: :;: ;: ;: ; ::; : ;:; :; : :: :; ":;;;: : ;: ;: ;: ; ::; : .ノi, ¨'‐'‐;:::::::::~‐-;:--;;-! ::;:;;;:;:::;:;;;:;::.::;:;;;:;:::;:;;;:;:;;;:;:;
;:; ;~'',;'' ;~'',;'' ; ::; : ;:; ;~ ; ::; : ;:; '',;'' ; ; ::; : ;:; '',;''゚ ;~'',; ,|.i7″ .゙'''‐z,
: :: :; : ;:; ;~'',;'' ;~'',;'' ; ::; : ;:; ;~ ; ::; : ;:; ': ;:; ;~'',;'' ;~'',;''゚ ; :: |>゙ \,.;
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─ー¬冖¬ー--、、- v、........,.,、、v--'''^ ̄ -、、- v、... v--'''′
- 388 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/16(金) 00:07:45.98 ID:SvA/9ST90
- 【紀元316年7月 晋 雍州 長安】
, ´:/ : /:/ : : \:.\: : 、: : : :\
ノ: :/ : /:∧: : : : : \:.\:}: : : : : :ヽ
/イ: :{ : /―-{: : : : : : }-―:\: : : :}: :‘,
///: : {: :{:イ _\: : : : |_\Τ: :W: : :‘, 始まったわね
. 〃 /: : : |: :|/x‐┬‐ Y:. :|‐┬x |: :/:{: : :}.:圦
. {{ {: {: : :lY 《 ∨ソ \}∨ソ 》/ Y: : /: :} }
∧ }∧: : 乂_'. ' イ_ノ:/.: :∧ \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
|::::\{:_: .\:\∧ 、 / :/ : ://:Ζ_ ≧ <
「:::ー-=::::::>==.、:> __ </==<::=-‐::::::::/ ≧ 渭水北岸の諸城は全て劉曜の手に!! ニ=-
. \:::::/:イ: : : : : : :’ 、 Τ j〃: : : : :.ハ≫、‐<:\ ≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
/ f.f/::::::/:::::v|:::::::::/::リ:::::::::::l:::ハl:::ハ ` 、
.f .|/:::::::/:::::/ .!::::::/::,ィ.マ:::::::::|:::::i!:::::l .\
f /,':::::::f::シ l::シ:,.イl:| \::::.|:::::|::::::| l
| 〃!:::::::|メ、, _,/イ:::::N、_,>!:::::|:::::j .|
| i!.l:l::::::::l.,,zェミ_ V从キ _,zェェ.,,!::::|Y:::! .|
ええ。 .| 八.V:::ハ>.疋ソ`v = r"疋;シ"|:::::|/:::| .|
.| /::::ゞヘゝ -- '"., ` ‐-- ラ!:::::!::::::| |
全てはこれからよ .l . /:::::::::::::ヘ_,,,,,,._′ ソ:j::::::!:::::::. f
.リ /::::::::::::::::::::>='' sミ.+s.,ィ":::j::::::j:::::::::V .l
./ /彡三ア'''".z彡‐‐-ァ ~≧K.,リ三三ミx .V
,' .〃 ヾ.r" ,. 彡ァ',.xs._ `ヽ__ /ヘ .V
,' ./l r∧ .r ‐'v'"=ア".ヽ゛ リ`t-zェ彡".V ハ .V
.,' /::i / ≧f~.7 .ヘゞ".V=V.ヘイ/!:::lい V .l .V
.,' ./::/ .《 /li .リ< .\ ルi!ヘ./ .!:::l,.いv ._,. キ | V
- 389 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/16(金) 00:08:41.00 ID:SvA/9ST90
- 【紀元316年8月 晋 雍州 長安】
,,r'"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`;;,
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r--─‐i r--─‐i r--─‐i
. ┌─┐ | 漢 .| ┌─┐ | 劉 | .| 漢 |
. ├─┘ |--─‐'' ├─┘ |--─‐''. |--─‐''.
∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二ヽ:::∧二ヽ;::::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;: ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;
l :ll=lll ...::..:.l:ll =lll:..:.l:ll=lll::::l:ll=lll:::::::l:::l:::::::l::.:::.l:::l:::::::l:::::l:::l:::::::l:....:.:::.l:::l:::::::l:::::l:::l:::::::l:...
幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵
........_._........_.........._.._..._...........__............._...__..........__..._...._.............._..__................_...__......._......._........._....
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
.::::::::: ::::::.. ..:. .:::::.:.:: .::..: ::. .::::::::: ::::::.. ..:. .:::::.:.:: .::..: ::. .::::::::: ::::::.. ..:. .:::::.:.:: .::..: ::. :::::.. ..:. ..
::...:::::::::::..::::::..:: ::...:::::::::::..::::::..:: ::...:::::::::::..::::::..:: ::...:::::::::::..::::::..:: ::...::::::..::::::..:: ::...::::::::.::::::..:: ::...:::..
''"´'r-゙"''" ̄⌒゙゚゙゚''"´゙"''゙"!''''"´'゙"''゙゚"''"゙` 、 ,r'゙゚゙゚''''" ̄''''" ̄⌒゙"´'゙"''゙''"´'r-゙"''" ̄
.:'':, ~~~.:'':,.:'':, ~~.:'':,.:'':,~~ ~~~.:'':,.:'':, ~ .:'':,.:'':,~~~ .:'':,.:'':, ~~~~ .:'':,.:'':,.:'':,~~ .:'':,.:'':,~
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
/―Yーヽ ≧ <
/:::::(○)(○)ヽ ≧ 劉曜の軍勢が渭水北岸に到来!!! ニ=-
/::::::::::⌒`´⌒::::\ ≧ ≦
/:::::::::,-)___(-、| /Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
|:::::::::::::l |-┬-| l |
\:::::::: `ー'´ /
ノ::::::: \
/::::::::::::::::: ヽ
|::::::: l \
- 390 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/16(金) 00:09:51.17 ID:SvA/9ST90
-
Y≦ニニ二二二二ニニ=-/ ゚。 。
. /ニニニニ二ニニニニ=-/ | 。 ゚
. -=ニニニニニニニ=イ |', l゚。 。
/ -=ニニニ=- イ l. | | | |_ 。 ゚
. i / ト、 ト--ヽ l'.| | | l゚
. | i .l ヽ__l__ \__ |.从___/__:!ヘ ようやくここまで戻って来られた。
乂 | .∧く {ノ 笊` ´{ノ 笊 ノ ∧ ゚。
. /ヽi ./ (ヘ. 乂 ソ 乂 ソ /ノ∧ ゚ 四年前に長安を追われた雪辱だ
. / !/ヽ ヘ i} ///∧ ゚
/ ////}::::::. /::i ///∧ ゚。
. / /////::::::::ヘ - 、 o __ ./:::::∨///∧ 。
/ /////:::::::: < ̄ ー< ` 、::::∨///∧ \
. / /////{:::/ /ー -- 、 \ノ ` <////\ \
../ ∧/// イ .ノ /</ゝノ `ヽ///,\
.l //// ゝイ >' x<>. >‐、//\
.| //≧=- fく:::::::::ゝ-イ 7´::::::::::::7¨¨T /ニニ∨//,\
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
劉曜様、大変です。 ,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii,'
平陽及び河東郡が蝗に襲われて大飢饉に陥ったそうです。 ';:.:.:.:.. / \ ':,
';::.:.:.:. . ● ● ;'
離散死亡した者は六割を数え、今後の兵糧供給は滞るでしょうね ';:::.::.:. (__人__) ;'
'':;,:.:.:.:.:. . 、:'
,;:'':.:.:. '':,
- 391 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/16(金) 00:10:31.94 ID:SvA/9ST90
-
Y≦ニニ二二二二ニニ=-/ ゚。 。
. /ニニニニ二ニニニニ=-/ | 。 ゚
. -=ニニニニニニニ=イ |', l゚。 。
/ -=ニニニ=- イ l. | | | |_ 。 ゚
. i / ト、 ト--ヽ l'.| | | l゚
. | i .l ヽ__l__ \__ |.从___/__:!ヘ
乂 | .∧く {ノ 笊` ´{ノ 笊 ノ ∧ ゚。
. /ヽi ./ (ヘ. 乂 ソ 乂 ソ /ノ∧ ゚
. / !/ヽ ヘ i} ///∧ ゚
/ ////}::::::. /::i ///∧ ゚。
. / /////::::::::ヘ - 、 o __ ./:::::∨///∧ 。
/ /////:::::::: < ̄ ー< ` 、::::∨///∧ \
. / /////{:::/ /ー -- 、 \ノ ` <////\ \
../ ∧/// イ .ノ /</ゝノ `ヽ///,\
.l //// ゝイ >' x<>. >‐、//\
.| //≧=- fく:::::::::ゝ-イ 7´::::::::::::7¨¨T /ニニ∨//,\
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii,'
';:.:.:.:.. / \ ':,
';::.:.:.:. . ● ● ;'
';:::.::.:. (__人__) ;'
'':;,:.:.:.:.:. . 、:'
,;:'':.:.:. '':,
- 392 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/16(金) 00:11:07.51 ID:SvA/9ST90
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| 続く .|:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ// 続きは日を改めて。
| | >:´|、 - ,|`:<
| | |::::::::| > イ |::::::::| .お疲れ様
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/16(金) 00:17:00.58 ID:IFXH+vrA0
- 乙
後漢末がかわいく見えるね
- 394 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/16(金) 00:21:40.31 ID:SvA/9ST90
- 【>>371修正】
【紀元316年4月 晋 兗州 廩丘】
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ
( ⌒ヽ、 .||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | || ( ⌒ヽ、
( ) ) ||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | || ) ) 、
(: ´ 弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ ´ )
(´⌒::::` 弋ェェt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ェ,ィフ ::::` )
( ( .il_,└───────┘ , i! (
´ ⌒ | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l :::: )
(´:: ) || ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| ) ..:)
(::::::: .l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l ;;人
| ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i
 ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ ̄|| ̄! ̄ ̄;/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
 ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
 ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l! ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`l
 ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
 ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
`、 ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
″| ̄ ̄i| ̄!,,| ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄l
|\_/ ̄ ̄\_/| |\_/ ̄ ̄\_/| |\_/ ̄ ̄\_/|
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───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 同じ頃、兗州では石勒軍が動きを見せていた。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 石勒軍は東武陽を陥落させ、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j .同地に住む一万余人を襄国へ移した。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ また、石虎の軍勢が廩丘の劉演を攻撃
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/16(金) 08:01:42.43 ID:Yoc4FDsw0
- 乙でした
>>391ワロタ
- 396 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/16(金) 22:14:54.07 ID:USUuvV3E0
- お疲れ様でした。
司馬保は、司馬睿にとって都合が悪い存在だから悪く書かれている面はあるのでしょうが。
たぶん一般の人民はまだ晋に期待していて、諸侯王がてんでに自立に走っているのと好対照。
- 397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/17(土) 00:01:24.72 ID:o4WNZq990
- 乙です
石勒を警戒しながら、
同年代のアル中主君に振り回される劉曜さん、頭バーバリアンだけどちょっと可哀想に思え
てきた
- 398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/17(土) 03:19:16.78 ID:flx7BKF50
- やっぱ不作と蝗害が最強だな
食糧が無きゃ何もできない
- 399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/17(土) 08:25:41.78 ID:7jyBBReZo
- 乙でごわす
荀灌は田中芳樹センセイの短篇「宛城の少女」に出てきますな
- 400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/17(土) 18:52:57.17 ID:PP4s9qr/0
- ターボの余裕とは裏腹にだんだんと戦略的な優位を奪われつつあるんだよね
戦えば勝てる相手のはずなのにだんだんと状況は悪くなっていく
- 401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/18(日) 13:06:27.26 ID:qn/bQYGZo
- 石勒が段部に仕掛けた義兄弟の契りがこの後もじわじわと劉琨さんを追い詰めてく感じ
- 402 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/18(日) 14:28:24.00 ID:o/WzwR6x0
- 【>>343修正】
,,‐''''´´ ,! l
`、 /黄 【河東郡】 ( 〉 朝歌○
', / `ヽ、 / 【陽平郡】
', / `ヽ、 _,,,,,,-‐'′【河内郡】
', /河 `‐-‐´ ,-‐'´
', / 〇安邑 ○垣 _,-‐'i´ ○酸
) ,' ○解 ,,,..-‐- 、,,,_ 河橋 温 〇懐_,,,-‐'´ `-、
【北地郡】 【馮翊郡】 ,' ,,/ 邙山▲ -、,,_ ○ ○ _,,,-一'´ l
'、 l ○蒲阪 大陽○,,-‐'´ 【河南尹】 洛陽○河陰~´ 成皋 ○滎陽 !
ヽ, ) 入 _,,,,...-一'´〇陝 ○十三里橋× ◎ 〇偃師 ○ ○
`~´ 渭水_,,,,,...---‐‐''´×潼関 ‐'○湖○ 新安 ○ 〇緱氏 ▲ 中牟
〇渭城 ,,,-‐'´´ ○華陰 弘農 ○ ○宜陽 河南 _,,..-‐- 、嵩山○轘轅 .,,-一
,--‐‐'^´ 〇 ▲ 澠池 ○ (´ ○輪氏 `、 ○密 ,/
〇長安 〇隠盤 鄭 華山 新城 ``'''‐-、,,_ `‐-‐'''´´ `~~`ヽ、
○覇上 【弘農郡】 ○梁 _,) 〇陽翟
【京兆郡】 ,,,_ ,ィ´ 【潁川郡】 ○許昌
○藍田
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ . 九月には、長安北方の北地郡に侵入している
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !______
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 403 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/18(日) 14:29:33.36 ID:o/WzwR6x0
- 【>>346修正】
,,‐''''´´ ,! l
`、 /黄 【河東郡】 ( 〉 朝歌○
', / `ヽ、 / 【陽平郡
', / `ヽ、 _,,,,,,-‐'′【河内郡】
', ●粟邑 . /河 `‐-‐´ ,-‐'´
', / 〇安邑 ○垣 _,-‐'i´ ○酸
) ,' ○解 ,,,..-‐- 、,,,_ 河橋 温 〇懐_,,,-‐'´ `-、
【北地郡】 【馮翊郡】 ,' ,,/ 邙山▲ -、,,_ ○ ○ _,,,-一'´ l
'、 l ○蒲阪 大陽○,,-‐'´ 【河南尹】 洛陽○河陰~´ 成皋 ○滎陽 !
ヽ, ) 入 _,,,,...-一'´〇陝 ○十三里橋× ◎ 〇偃師 ○ ○
`~´ 渭水_,,,,,...---‐‐''´×潼関 ‐'○湖○ 新安 ○ 〇緱氏 ▲ 中牟
〇渭城 ,,,-‐'´´ ○華陰 弘農 ○ ○宜陽 河南 _,,..-‐- 、嵩山○轘轅 .,,-一
,--‐‐'^´ 〇 ▲ 澠池 ○ (´ ○輪氏 `、 ○密 ,/
〇長安 〇隠盤 鄭 華山 新城 ``'''‐-、,,_ `‐-‐'''´´ `~~`ヽ、
○覇上 【弘農郡】 ○梁 _,) 〇陽翟
【京兆郡】 ,,,_ ,ィ´ 【潁川郡】 ○許昌
○藍田
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ . だが、長安の晋軍は深刻な弱点を抱えていた
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !______
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/18(日) 22:38:15.27 ID:HI2EB3ca0
- 劉琨さん、やらかし多いし超一流とはとても言えないけど
何だかんだ生き様は立派な士大夫ですね
なかなか真似できるもんじゃない
- 405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/19(月) 16:49:45.32 ID:0Gi3ywx90
- かつて石勒に土を着けた苟晞、王浚はもういないもんな
逃げるは恥だがいつか勝つ
- 406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/12/19(月) 16:57:00.47 ID:ULzGr5HJ0
- うん
- 407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/19(月) 17:25:52.94 ID:7MfRiaPL0
- 乙です!
>>386 >>390 その時とは一体…
- 408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/19(月) 21:02:51.35 ID:JXqYBd8E0
- >>405
逃げても「結束が崩れなければ」いつか勝つ
この「」の条件を満たせずに滅亡した勢力は掃いて捨てるほどいる
石勒恐るべし
- 409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/19(月) 23:13:26.75 ID:cw28W9IS0
- 負けても大敗しない、連敗もしない、陣営が崩れないのが石勒の乱世の雄たる由縁ですね
勝っても勝ってもギクシャクして崩れてゆく群雄すら珍しくないのが乱世だから尚のこと
- 410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/19(月) 23:14:01.21 ID:cw28W9IS0
- 負けても大敗しない、連敗もしない、陣営が崩れないのが石勒の乱世の雄たる由縁ですね
勝っても勝ってもギクシャクして崩れてゆく群雄すら珍しくないのが乱世だから尚のこと
- 411 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/19(月) 23:14:36.81 ID:VK1nUl1K0
- 負けても大敗しない、連敗もしない、陣営が崩れないのが石勒の乱世の雄たる由縁ですね
勝っても勝ってもギクシャクして崩れてゆく群雄すら珍しくないのが乱世だから尚のこと
- 412 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/19(月) 23:16:53.90 ID:VK1nUl1K0
- >>409-411
なんか書き込みエラーが出たと思ったら書き込めてた、申し訳ないorz
- 413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/20(火) 22:52:17.18 ID:LUCojh8j0
- 乙、拓跋氏は北魏になっても割とこんな感じだしな
その結果が北魏末期の爾朱栄高歓宇文泰宇宙大将軍ら武力キチどものバーゲンセールよ・・・
- 414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/12/22(木) 15:19:30.84 ID:pcEDidKp0
- おつ
- 415 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/22(木) 18:12:11.33 ID:3O9F6V+80
- 歳末はsageも知らない荒らしが多くなるな
先日の乱立厨といい何がしたいんだか
- 416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2022/12/24(土) 20:16:22.16 ID:1lrHdwcAo
- 『カラオケパーティー/クリスマスイブSP』
(20:07〜放送開始)
UNKちゃん×もこう×おにや
×オーイシマサヨシ×Gero
×UK(MOROHA)×Atagi(Awesome City Club)
https://www.twitch.tv/kato_junichi0817
- 417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/27(火) 17:33:30.24 ID:PVYmHpmi0
- >>404
普通とっくに諦めるわな
- 418 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/27(火) 19:03:17.40 ID:Ft2UCwKL0
- >>417
個々の情勢を見ると、この時点でもなお「ここで踏ん張れば西晋を再興できる、少なくとも洛陽以南は回復できる」ように見える
問題は、この期に及んで皇族が「ただし愍帝、てめーはダメだ」と八王の乱延長戦を展開しているところ
ここで愍帝政権が光武帝になっちゃったら、司馬保も司馬睿も次の目は無くなるし、粛清対象になる危険性は十分ある
つくづく八王の乱の後遺症は大きい
- 419 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/27(火) 22:15:42.22 ID:5PPIj1730
- 石勒も劉琨には敬意持ってたっぽいし精神面は評価されてたんだろう
王俊とかに本来味方のはずの奴に殴られて足引っ張られるとか
主人公補正の無い主人公だった事が不幸だった
- 420 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/28(水) 01:00:41.24 ID:MmwI82EB0
- 【色々情報があると歴史の見え方も変わってくるかもです】
- - ──ー - -、
/i ,.-‐''"´ \ i\ .>>418
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l やっぱり、そう見えますよねえ。
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ >>419
| i ̄i ̄i ̄i """ | 劉琨君と王浚君の争いは
l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l 王浚君の任地を切り売りしようとした劉琨君が悪いんやで。
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ /
`/ | | \ / .劉琨君の評価に関してはもう少し話が進んだ後にでも
※いつとは断言できませんが、年内にもう一発投下します
- 421 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/28(水) 15:51:43.06 ID:RUU/jJrq0
- 楽しみにしております!
- 422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/28(水) 23:42:09.56 ID:IT4nr4sP0
- お疲れ様です。 年内最後?の回、よろしくお願いします。
それにしても、みんなで力を合わせてがんばろう!ということが
いかに難しいことなのかがよくわかるお話やね…(´;ω;`)ブワッ
- 423 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/29(木) 17:01:44.09 ID:j4JTepLV0
- 董卓「みんながワシに協力してくれたら後漢は滅びなかった」
- 424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/30(金) 21:31:17.37 ID:O5QbFEXL0
- >>423
今にして思えば石虎になれなかった男みたいやな董卓
- 425 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/30(金) 22:23:21.44 ID:imaG+DVv0
- 逆に爾朱栄のことを「袁紹、曹操、孫堅とその部下たちまで含めて配下にいれた董卓」とか評してたのあったなww
- 426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/31(土) 01:03:01.46 ID:PI/m81sJ0
- 爾朱栄「よ〜し兵士達よ特訓だ!素手であそこにる虎を仕留めろ!」
う〜んこの清々しい位の脳筋よ・・・(当然その後兵士はいっぱい死んだ)
- 427 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/31(土) 07:05:52.56 ID:yPpq47MOo
- 爾朱栄は最後のあっけなさからすると何進の方が
- 428 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/31(土) 08:59:35.79 ID:cSWxZt2G0
- 爾朱栄オールスターは本当に統一出来るだけの人材揃ってたな
- 429 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:01:37.38 ID:KsRUWN620
- 【>>391の続き】
Y≦ニニ二二二二ニニ=-/ ゚。 。
. /ニニニニ二ニニニニ=-/ | 。 ゚
. -=ニニニニニニニ=イ |', l゚。 。
/ -=ニニニ=- イ l. | | | |_ 。 ゚
. i / ト、 ト--ヽ l'.| | | l゚
. | i .l ヽ__l__ \__ |.从___/__:!ヘ 厄介な。
乂 | .∧く {ノ 笊` ´{ノ 笊 ノ ∧ ゚。
. /ヽi ./ (ヘ. 乂 ソ 乂 ソ /ノ∧ ゚ .だが、長安城内の兵糧が残り僅かなのは確実。
. / !/ヽ ヘ i} ///∧ ゚
/ ////}::::::. /::i ///∧ ゚。 .兵糧攻めにすれば、冬までには降伏するだろう
. / /////::::::::ヘ - 、 o __ ./:::::∨///∧ 。
/ /////:::::::: < ̄ ー< ` 、::::∨///∧ \
. / /////{:::/ /ー -- 、 \ノ ` <////\ \
../ ∧/// イ .ノ /</ゝノ `ヽ///,\
.l //// ゝイ >' x<>. >‐、//\
.| //≧=- fく:::::::::ゝ-イ 7´::::::::::::7¨¨T /ニニ∨//,\
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii,'
';:.:.:.:.. / \ ':,
そういうのやめてもらえません? ';::.:.:.:. . ● ● ;'
';:::.::.:. (__人__) ;'
'':;,:.:.:.:.:. . 、:'
,;:'':.:.:. '':,
- 430 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:02:16.61 ID:KsRUWN620
-
Y≦ニニ二二二二ニニ=-/ ゚。 。
. /ニニニニ二ニニニニ=-/ | 。 ゚
. -=ニニニニニニニ=イ |', l゚。 。
/ -=ニニニ=- イ l. | | | |_ 。 ゚
. i / ト、 ト--ヽ l'.| | | l゚
. | i .l ヽ__l__ \__ |.从___/__:!ヘ 力攻めにして、無駄な犠牲は出したくない。
乂 | .∧く {ノ 笊` ´{ノ 笊 ノ ∧ ゚。
. /ヽi ./ (ヘ. 乂 ソ 乂 ソ /ノ∧ ゚ .勝ちやすきに勝つのが最上。
. / !/ヽ ヘ i} ///∧ ゚
/ ////}::::::. /::i ///∧ ゚。 こちらの兵糧に関しては、
. / /////::::::::ヘ - 、 o __ ./:::::∨///∧ 。 輸送分に加え、占領した地域からも徴収しよう
/ /////:::::::: < ̄ ー< ` 、::::∨///∧ \
. / /////{:::/ /ー -- 、 \ノ ` <////\ \
../ ∧/// イ .ノ /</ゝノ `ヽ///,\
.l //// ゝイ >' x<>. >‐、//\
.| //≧=- fく:::::::::ゝ-イ 7´::::::::::::7¨¨T /ニニ∨//,\
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii,'
現状ではそれが最上ですね。 ';:.:.:.:.. / \ ':,
';::.:.:.:. . ● ● ;'
こちらの兵糧が不足しなければ ';:::.::.:. (__人__) ;'
'':;,:.:.:.:.:. . 、:'
,;:'':.:.:. '':,
- 431 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:04:01.27 ID:KsRUWN620
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| 『晋書』『愍帝紀』に曰く .|:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´ 八月。
| | ヾN ゞソ ゞソ//
| | >:´|、 - ,|`:< .劉曜が京師に迫り、内外は断絶した
| | |::::::::| > イ |::::::::|
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 432 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:04:55.55 ID:KsRUWN620
- 【紀元316年8月 晋 雍州 長安】
∫ι__________ ./丁了
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ
||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | ||
||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | ||
弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ
n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n.弋ェェt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ェ,ィn_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_
n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n .il_,└───────┘ , i! n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : || ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|i | ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄||
 ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ || ̄! ̄ ̄/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄.|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
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l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″|  ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
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| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄___
(~) (~)
(~) γ´⌒`ヽγ´⌒`ヽ (~)
あっさり長安城の中に入れた γ´⌒`ヽ {i:i:i:i:i:i:i:i:} {i:i:i:i:i:i:i:i:}γ´⌒`ヽ 兵糧攻めだから門を封鎖しろって
{i:i:i:i:i:i:i:i:}( ´・ω・)(・ω・` ){i:i:i:i:i:i:i:i:}
( ´・ω)(:::::::U) (つと:::::)(ω・` )
この宮城を落とさないと (::::::U:::)( ´・) (・` )(:::U::::::) 長安って都なのに荒廃し過ぎ
し─J (l::::○::::) (:::::○::::l) し─J
し─J し─J
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 麹允と公卿は長安小城の守りを固めた。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 恐らく長安城内の宮城まで退いて籠城したのだろう
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 433 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:06:26.68 ID:KsRUWN620
-
. ´ ヽ¨` _ヽ r‐、、
,、/ ' 、ヽ ヾr、ゝ':,
i/ ‘,Vヽ \‘,
,' i i 、 :, ヽ。
/ ! ,.! |\ヽ ', :, ヾ
i | / ! |,斗─、- ! i ': ゚。
{ l,斗 ヽ、 . ! 〃示心|. | : ゚, .籠城。
Y vl了心.ヾノ 弋_ ソ ! |ヽ l! }
l !弋ソ .:.: ! !/ / ノ 宮城まで退いて本当に大丈夫?
| ‘, :.:. 丶 / !/ ̄`.
i! 人 _ , -----./. |_____...._!
l! <´......ヽ.........../ /.................`;
゚:,:, ヽ..........〉......′: //‐‐..ヽ......../
从.ヽ l}.......〈........〉、.:_./......,.......‘,′
/...fヽ/}....‖.....レ-、}...../.........._.} ,z≦'' """ ''''〜V::::`ヽ、
〈...i..`i ヽ'....‖....../ !../....,ィf´.......゚。 /斗セ" ̄ ̄:寸'〜V:::、::::ヽ
./'"::/:::{::::::::::::l:::::::\:::::::V:::V::::::V
//:::/::::,1:::::::::::l::::::::}:::::::: l::::::\::::::V
7:f:::7::::7 !::::::::::7:::_ムニ.,_::!::::::}:::::::::
7:::!:::l,.斗-V::::::/:/ .「::::::l:::::::::l
{::::!::::l从! ヽ::":::| ,z符斥l::::::::ト,::::::::
.!:::l:::::l ォ斧示 \:l 辷;リ !::::::::!.}:::::::|
御心配なく。 V::V:ヘ( ゞ゚"_ノ⌒`ー --‐.!::::::::|"::::::::
ヾl:\::: ̄ ′ ,|::::::::l::::::::::::
長安の外の城壁を守るには兵力が足りませんので .j::::r.、ヽ ー ' ,.イ.!:::::: |::::::::::::l
f`'く`《 .}::::>。..,__,. イ ,.|:::::::::!:::::::::::::
,ィ'ヽ、>.」ノ- 、:/,} ,.+'" !::::::::|::::::::::::::l
,../ ィY }" ,ィ´./.....〉-.く..........|::::::::|斗=== 、
_∠/ ,'ゞ /;;;;;;{...,イ⌒ヽV....,ィ|::::::::| / ム
「VY , -.',zく;;;;;;;;;;;,'l/ |---/z.V,;;;|::::::::l' .ハ
- 434 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:07:27.74 ID:KsRUWN620
-
>'"___: : : : : : :ヽ: : : :`: 、
r:≦:´: : : : : `:メ: : : : ヽヽ: : : メ、
>ヽ、: :\: : : : : : : : : :メ: メヽ: : : : ヽ ,、
/イ: : : !\: : \: \: : : : : :メヽヽヽ: : }: }'ム,ィ、
/ ': : : : :i、: :`:メ:、`メ ><、_: :ヽ:j,=ミ: :ノ////ハ、 .陛下。
': : : :!: !ヽヽ、: : ':{ '" ,ィ孑=ミ、`!j'r':) Y//////
!: : : ',十‐‐ヽ<: ヽjア´{!,fソリ/ ' )" 八--く´ しばらくの間我慢して下さい。
ハ: :、::V! ァ笊メ、` ー ゞ‐' '_ノ:!: V: : :'.、
八:{ヽ:ハ、ハ、ゞrタ /: : ハ: ,: : :ヽ:、 近隣の諸郡に駐屯する将軍たちが、
ヽ、fメヽ、´ ヽ ,.イ: : ': : : :!: : : : :`: .、 すぐに兵を率いて馳せ参じるでしょう
j_ァ': ハ、 、 ノ ,/ィ":ーミ: : !: 、: : : : : `: . 、
,ィ/: :/: : >:.。 ,.イ 〉、: : : : ∨ミ: : >=ミ、: : :
,ィ>'/:'"メ{: : :!: : : :.≧‐〔_,ィ" '` メ'777>"ヾ! ,.ィ=メ` . ´ ヽ¨` _ヽ r‐、、
,.ィ '"´ ゝ、: : : :jノ: : :/: //!`!{ ///∧ ヾ',ィ>'" ̄ \ヽ ,、/ ' 、ヽ ヾr、ゝ':,
/ /: ̄: : : :_/,ィ'//j j.} ////く ∨:/ く! ,。≦≧'} i/ ‘,Vヽ \‘,
,' i i 、 :, ヽ。
/ ! ,.! |\ヽ ', :, ヾ
i | / ! |,斗─、- ! i ': ゚。
{ l,斗 ヽ、 . ! 〃示心|. | : ゚,
Y vl了心.ヾノ 弋_ ソ ! |ヽ l! }
l !弋ソ .:.: ! !/ / ノ
うーん .| ‘, :.:. 丶 / !/ ̄`.
i! 人 _ , -----./. |_____...._!
l! <´......ヽ.........../ /.................`;
゚:,:, ヽ..........〉......′: //‐‐..ヽ......../
从.ヽ l}.......〈........〉、.:_./......,.......‘,′
/...fヽ/}....‖.....レ-、}...../.........._.}
〈...i..`i ヽ'....‖....../ !../....,ィf´.......゚。
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .麹允、涼州金城郡の人。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 麹氏は游氏と並ぶ金城郡の豪族であり、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 麹允は司馬鄴が長安へ入った際に始平郡太守に任じられた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 後に長安政権の軍事担当の賈疋が戦死したため、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 代わって後任となり、尚書左僕射・驃騎将軍を務めている
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 435 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:08:46.11 ID:KsRUWN620
-
,斗---<:':':.<、
>'"___: : : : : : :ヽ: : : :`: 、
r:≦:´: : : : : `:メ: : : : ヽヽ: : : メ、
>ヽ、: :\: : : : : : : : : :メ: メヽ: : : : ヽ ,、
/イ: : : !\: : \: \: : : : : :メヽヽヽ: : }: }'ム,ィ、
/ ': : : : :i、: :`:メ:、`メ ><、_: :ヽ:j,=ミ: :ノ////ハ、
': : : :!: !ヽヽ、: : ':{ '" ,ィ孑=ミ、`!j'r':) Y//////
!: : : ',十‐‐ヽ<: ヽjア´{!,fソリ/ ' )" 八--く´
ハ: :、::V! ァ笊メ、` ー ゞ‐' '_ノ:!: V: : :'.、
八:{ヽ:ハ、ハ、ゞrタ /: : ハ: ,: : :ヽ:、 こういう時のために、
ヽ、fメヽ、´ ヽ ,.イ: : ': : : :!: : : : :`: .、 雍州の士人に官爵をばら撒きましたから
j_ァ': ハ、 、 ノ ,/ィ":ーミ: : !: 、: : : : : `: . 、
,ィ/: :/: : >:.。 ,.イ 〉、: : : : ∨ミ: : >=ミ、: : :
,ィ>'/:'"メ{: : :!: : : :.≧‐〔_,ィ" '` メ'777>"ヾ! ,.ィ=メ`
,.ィ '"´ ゝ、: : : :jノ: : :/: //!`!{ ///∧ ヾ',ィ>'" ̄ \ヽ
/ /: ̄: : : :_/,ィ'//j j.} ////く ∨:/ く! ,。≦≧'}
/ ,. ':/: : : :ァ=!ム∨//f'' Y! ,イ///! /:/,、 、イ>'" ̄ `ヽ
/ ,. :': :/: : : : : / ∨',∨/i !} .//>'ィ:、/:/,、`/:ィ´,、 ヾ,ィ三三:、
,:' ,. : : : :/: : : : : / !V':,V/! j'イ>'イ/>' `' ` // ', ィ'>",-----!
,' /: : : :./: : : :/ ! / ヾ\X/'"> '" !ヾ .// ヾ // ,:'::f'`Y'二',
! /: : : : : :/: : : :{ ,:' ヾ:jィ"´ r===! //、 // /::::/イ>-く!
.乂/: : :>'"´/: : : :八 f rくjう、 ヾ!_j !メ':ヽ_i::/イ::/ ! ヽ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 籠城とは救援の見込みがあるから行われる。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j この時もそうだった
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 436 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:09:59.05 ID:KsRUWN620
-
∫ι__________ ./丁了
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ
||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | ||
||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | ||
弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ
n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n.弋ェェt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ェ,ィn_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_
n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n .il_,└───────┘ , i! n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : || ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|i | ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄||
 ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ || ̄! ̄ ̄/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄.|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i  ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~ ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l  ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`ll`l
l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″|  ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄  ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾ| ̄`.. ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ | ̄ ̄ | ̄!,, ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ll
| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄___
(~) (~)
(~) γ´⌒`ヽγ´⌒`ヽ (~) \__人_人从_人_人从/
γ´⌒`ヽ {i:i:i:i:i:i:i:i:} {i:i:i:i:i:i:i:i:}γ´⌒`ヽ _) (__
{i:i:i:i:i:i:i:i:}( ´・ω・)(・ω・` ){i:i:i:i:i:i:i:i:} ) 申し上げます! (
( ´・ω)(:::::::U) (つと:::::)(ω・` )  ̄ ̄) ( ̄ ̄
(::::::U:::)( ´・) (・` )(:::U::::::) /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
し─J (l::::○::::) (:::::○::::l) し─J
し─J し─J
- 437 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:10:41.63 ID:KsRUWN620
-
(~)
γ´⌒`ヽ
. {i:i:i:i:i:i:i:i:}
. (´・ω・` ) ≡(""
(mへ◎へm) ("⌒(" 西方より鎮西将軍焦嵩の軍勢!
/_,/>ノ、 (⌒("≡
〈/")/_ノミ ≡≡(⌒
(_/^~ (⌒(("⌒;; (~)
,へ,__ γ´⌒ヽ
_| i `ヽ{i:i:i:i:i:i:i:i:}
.//| 〇__(`・ω・´) 東から平東将軍宋哲の軍勢が!!
(/./⌒)___,>、_ ) (´⌒;≡≡
(~) |/ //、 ヽ、_ノ (´⌒(´≡≡≡(´ 覇上には
γ´⌒`ヽ / //^ヽ、i |≡≡≡(´⌒;;;≡≡ 散騎常侍華輯の軍勢が駐屯!
. {i:i:i:i:i:i:i:i:} .(___./ ̄`⌒ヽ、 丿(´⌒(´⌒;;
. (´・ω・` ) ≡(""
(mへ◎へm) ("⌒("
/_,/>ノ、 (⌒("≡ 北西からは新平郡太守竺恢の軍勢!! {二二二二二ニニヽ
〈/")/_ノミ ≡≡(⌒ 乂二二二二二ニニ≧x
(_/^~ (⌒(("⌒;; -=≦三/≧=-- 、二二ニニニヽ
/` -=≦三三≧==--- ノ
/ l -==≦三三/
. / :| | `
i | | |
物見の兵を出せ。 | | | |
.! /| | ト
奴らの動向から目を離すな ', / :| | | ゚。
} / | i | ゚。-、
イ:::/ / :| ′ | ヽ}
{:::::/ / | ,′ :| \
i:::/ / :| , :| \
- 438 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:11:59.06 ID:KsRUWN620
-
(~)
γ´⌒`ヽ
{i:i:i:i:i:i:i:i:}
( ´・ω・) 物見から戻りました!
ピョン (:::O┳O)
ピョン し-||-J
⊂§⊃
§
⌒ヽ〃⌒ヽ〃 x≦二二二二二ニニニニ/
{ニ(ヾ' 二二二二二二二ニ\
Y=(∧)二ニニニ=- ' \
. }ニニr ) '=-=/ \ `
`…’〉'ニニ/ \\ ヽ。 ∧
`テ¨´./ \ .\ iハ //∧
| | l.| |、 .|ヽx==ミv- 、
| | 、!、r=ミヽ┘"π'c!リヽ' ∧
`^ー/-夂ソ `ー゚ ン //∧
i 人 ' _ _ イ、 \
状況は? >‐-_> 、_ .イノ=ト、 \ \
/:::::/ニ/〃└,=-=人= .、 \ ` ー _
/{:::<ニニ/_, v/ニニニ{:::\_〕ト、 \
. /::::;=「ニニ/ /ニ|ニニニ{:::::::::::::::∧. \
/::::/xニ|ニ_//ニニニ==‐:::::/:/::::::::∧ \
イ::::::::イニニ∧/ニニ.≦/≧:7::::::::<ー:::::::://∧ \
/::::::::ヽ:/!ニ{/ニ'=-'/={ニ{ニ=/::::::::/\::::::::::::::::ヽ、 \
{:::::::::::::t .}::::::{o::::: ≧{ニ{ニ/:::::/ .\::::::::::::::::} \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『愍帝紀』にはこうある。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 鎮西将軍焦嵩・平東将軍宋哲・新平郡太守竺恢らは同じく国難に赴いた。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .また、散騎常侍華輯は
`ヘ:ゝ .' 小/ 京兆郡・馮翊郡 弘農郡・上洛郡の兵を率い覇上の東に駐屯した
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 439 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:13:23.64 ID:KsRUWN620
-
\__人_人从_人_人从/
_) (__
) 晋軍はいずれも!! ( \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
 ̄ ̄) ( ̄ ̄ ≧ <
/⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\ -=ニ 長安を遠巻きにして動きを止めました!!! ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
,ィ彡
,.,、 /;イ'二x
ィ;fr二x ,、 ,ハ ' イ、廴ハ ,ハ
彡{_i、_メ .| ヽィ=xl ,ィ:べ-;ュハー、 _,.ト、、込ヘ_,. -┐
,. -ヘ┘ート、 ∧i;//,.斗、/: : /‐┴‐トヾ, _≧斗''"ヽ\ _/
|:ヽ: /T二ヾ:、 ィ;∧ ハヾ' /: イv_,、_ 」_iハ,.,.,. 、_ヾミ`゙` ヽ.Xヘ
i : : 「 !L:斗'ソ { !\、 ー-廴_/_,ソ、エ7゙ ィ彡゙' .: //'ヽヽ',
.!: : :┬-,-'-L,.,.イ; ,. --=-、/;|-‐┤ーヘ\ィィ .:.: /' マ| ',
, -=、.>-廴ィ-/ / _{__,.ノ゙`/: :a:´;、:o: Y\\_ .:.: / `¬ _,イ 〉
_{ ノ_/i二才:o: :i_/,. ´ /イ ./:/; :/: : ヽ:{ ノ\ー ̄ 二 ┴--‐'"<_/
/ 人 ゞ: : :fニ>/ ,/ //ミ \ : ´:/}: : :_:_:」゙:´ \\  ̄i ̄フ´
/ //} ヽ ヘニ//.,ィ/ // 廴 ヽ' L:/ニ/ :.:. 、 \\i_.ノ"゙´ ィ、 、 ,.
./// {ヾ┬r -!ニ i/;';f//i `t‐ ┬f'' /ニ/ ゙ ヽ ヽ-/ ,]:i:i、 ,ノ:i:i:〈
/ / \_! l .У/;';'イ''" ! ヽ 、 、 \_| !こУム 、 ', .:/ イ /:i:i:i:iУ:i:i:i:i:i:ハ
i´ ! i¨ヾ''{;';';λ \ ヽヽ ` ‘,', `¨¨´ ヽ、 i/'" ! ,.、_,.]:i:i:i/:i:i:.:...7ニi:i}
|. ヽ\ ノ;';';八 ` 、_ ヽ\ _\ ヽ | / У:i:〈:i:i:∨:i:i:i:if/~
.} ./´ ̄ ̄./イ/ ,〉 /イ:i:i:i:i:「 ̄ ¨¨  ̄ `ヽ、゙ レ' __/:i:i:i:i:i:iヘ:i:i:〉i:i:i:i:i!
i ハ / r─'" /ヾ;i:i:i:i:i/ /:i:iヘ. | /:i:i:ヤ:i:i:i:i:i:...ヘ〈 :.:.;iリ
ノ _,./ / / ハ 辰¨ ̄ 〈. /:i:i:i/ /:i:i/‘, Y /イ/´ マ:i:i:i:i:}-- 、 ト、\
ノ ノ ヽ { `ヘ. ‘,\ r':i:i:i∧ }:i:/ .i:.:.:i′ jli! ノ !、i / /
.i | ‘, ヽ ハ ヽ { :i:i:i:{ ヽ /:i:i! f:.:.ノ ilil'\ヽ | !ヘ/
i .! ' } .ノ /'┘ :i:i:i:\ 〉 ./`:i:i:' _,ノ:i:i:|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } しかし、彼らは敢えて進まなかった
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 440 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:14:19.06 ID:KsRUWN620
-
ハ--,y__―――ー 、 __ ,. '´
,ィ{ノノ´____,.. 、_, _ ,〉
r ' ィ'- '' ''ヤー '''' " 、 ヽ
/∠,.. - ' ´/!ハ∨ `ヽ\ ヽ
/∨゙ / / / l !.N ハ .\ ハ、
. /::ゝ、./ / /! 从 | ', ∧ \ ∧う.、 ,
/:::::::::::::lィ ! ./!| .!l l .ト、.', ∧ ヽ ∧ ノ_ /::::::
. ノ::::::::::::::::::从l l{:}、 !-l ̄tf`ヽ 〉 .∧ ヽ ∧ ヽ , ':::::::::::::::::
∧::::::::::::::::::::::! l r'´ チ示ャ、、´ヽ ∧ ', ヽつ ノrノ´::::::::::::::::::
. /:::::::`ー -- ∧ l 、{ヒ::シ,ゞ .〉 ∧ ヽ ヽノノ Y:::::::::::::::,. -
/:::::::::::::::::::::::イY^∧ヘ ゙" ∠ゝ ∧ ヽ ヽ、ノ_ ,. ' ´ ,. .
!:::::::::::::::://ィ::::::::ヽ ヽ ,. ' ´ ,人 ヽ ヽ ヽ \ ` ー <::::/
.ゝ:::::::::::::::::::::::::::::::::ハ::/`ー'',"__ ,. '´::/ヽ ヽ ヽ ヽ .\-ー ´ ヽ::ノ-
`丶、:::::::::::::::::::ノ/::::/l::::::::::::::::イ/::´ヽ`ヽ \ ヽ `ヽ `丶、ー-ー ここへ来て仲間割れか。
`丶、::./// .リ:::::,. '´/ /::::::::::/:ハ `丶、 ヽ `丶、 ー‐ −
/ィ/ //::/::::/:/ /::::::::::::l::、:l゙ー'´`ー‐-`、 ` ー- ‐ ''" 敵とはいえ、
/:::Y::/:/::/:::::::::! ::l:::l:::::::::::::ノ:::::::\::\::::::::::::::::ヽ ヽーーーー 見苦しい事この上ない
!:::::レヘ::::::!:::::::::::!::::l__l-- 、::|:::::::::::::::\::ヽ::::::::::::::::ヽ - ヽ- ヽ ヾ
ヽ/::::l_',.!:::::::::/´::::::::::::::::ハ!l:::::::::::::::::::\::ヽ:::::::::::::::`ヽ、_、ヽ-ヽ ヽ
/-v〉::::l:::/!:::::::::::::::::::::::ハ::::::::::::::::::::::::::\ヽ::::::::::::::::::::::::::;ハ ヽヽ、ハ
!::l::;l:::::::ヽ:::::!::::::::::::::::::::::::ノ!、:::::::::::::::::::::::::::::::ヾ、:::::::::::::::::::::::! ',:::::`
ヾ、',:::::::::::\:::::::::::::::::::::::::∧\:::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::::::::、::__:! !::,、
ヽ:::::::::::::::\::::::::::::::::::::::/!:::::`丶、::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::∨ .ト'´!ヽ
!ヽ:::::::::::ヽ ハ::::::::::::::::::::リ::::::::::::::_丶、:::::::::::::::::::::\:::::::::::ヽ ! .! ハ
. |===-''"!、::::::::::::::::::l ̄ ̄ノ `丶、:::::::::::::::::::` ー 、 ゝ-ヘ !
.レ 、:::::::::::::{ヽ::::::::::::::::/!::::::|/ヾ、_ `丶、::::::::::::::::::::::::`丶 ', !ー
∨ヽ::::::::::!::::`ー ‐ '´/::::/ /::::::! ` ー 、::::::::::::::::::::::`゙
. ∨ ヽ:::::∨:::::::::::::::/ヽ', ノ:::::::∧ `ヽ:::::::::::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .何故なのか?
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 『資治通鑑』『晋紀』は漢軍の強さを恐れたとするが、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 劉曜に強盛と言わしめた関中の将兵が怖気づいたとは考え難い。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 漢軍はそこまで強くなく、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 関中の晋軍相手に劣勢だったのはこれまで述べてきた通りだ
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 441 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:15:04.90 ID:KsRUWN620
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、 .実際の所はどうだったのか?
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ . 鎮西将軍焦嵩の軍勢の様子が『晋書』『麹允伝』に記されている。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: この焦嵩という人物、
∧\ マ三ソ| \ 元々安定郡の出身で軍勢を率いて長安西方の雍に駐屯していた
./: : \\ ヾ-〃 _ !______
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
/ニYニヽ
/( ゚ )( ゚ )ヽ
/::::⌒`´⌒::::\
| ,-)___(-、|
田舎者の俺が .| l |-┬-| l |
今や安定郡太守、そして鎮西将軍だっていう。 .\ `ー'´ /
_, ‐'´ \ / `ー、_
麹允の奴が長安に味方する見返りにくれたんだっていう / ' ̄`Y´ ̄`Y´ ̄`レ⌒ヽ
{ 、 ノ、 | _,,ム,_ ノl
'い ヾ`ー〜'´ ̄__っ八 ノ
\ヽ、 ー / ー 〉
\`ヽ-‐'´ ̄`冖ー-く
- 442 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:17:00.56 ID:KsRUWN620
- 【紀元316年8月 晋 雍州 雍】
|┃ /ニYニヽ
|┃ ./( ゚ )( ゚ )ヽ
|┃ 三 /::::⌒`´⌒::::\
|┃ | ,-)___(-、| 焦嵩将軍!
|┃ . | l |-┬-| l |
|┃ \ `ー'´ / 長安に劉曜の軍勢が接近!!
|┃ / `ヽ.
|┃ 三 ./ \ 軍勢を率いて馳せ参じるようにと麹允様が仰せですっていう!!
,⊆ニ´⌒ ̄ ̄ " y r、 ヽ
⊂二、 ,ノ──-‐'´ | | l" |
|┠ ' | l/'⌒ヾ
|┃三 | |ヾ___ソ
,.-、
/ニYニヽ ( ノ゙\
/( ゚ )( ゚ )ヽ i′ ヽ_ )
/::::⌒`´⌒::::\ 〉 ,.く
| ,-)___(-、| / ハ ヽ
よし、出陣だっていう! | l |-┬-| l |/ / ヾ
\ `ー'´ / / ! i
ただし、長安を救援するのは麹允が困窮してからだっていう!! / <、 〃ノ
/ ,.-、 _, -` く '"
/ | (`  ̄ 〉
! <| ヽ、__,.― --―'
\_ ヽ''^ヽ |
`ヽ、_ン′ |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .永嘉の乱で発生した関中の軍閥の一人だったのだろう。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } ところが彼は平素から麹允を侮っており、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 麹允から長安の危難を告げられても本気で救援しなかった。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 援軍を出した上で、自分を麹允に高く売る機会をうかがったのである
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 443 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:17:44.87 ID:KsRUWN620
- 【紀元316年8月 晋 雍州 長安】
,ィ彡
,.,、 /;イ'二x
ィ;fr二x ,、 ,ハ ' イ、廴ハ ,ハ
彡{_i、_メ .| ヽィ=xl ,ィ:べ-;ュハー、 _,.ト、、込ヘ_,. -┐
,. -ヘ┘ート、 ∧i;//,.斗、/: : /‐┴‐トヾ, _≧斗''"ヽ\ _/
|:ヽ: /T二ヾ:、 ィ;∧ ハヾ' /: イv_,、_ 」_iハ,.,.,. 、_ヾミ`゙` ヽ.Xヘ
i : : 「 !L:斗'ソ { !\、 ー-廴_/_,ソ、エ7゙ ィ彡゙' .: //'ヽヽ',
.!: : :┬-,-'-L,.,.イ; ,. --=-、/;|-‐┤ーヘ\ィィ .:.: /' マ| ',
, -=、.>-廴ィ-/ / _{__,.ノ゙`/: :a:´;、:o: Y\\_ .:.: / `¬ _,イ 〉
_{ ノ_/i二才:o: :i_/,. ´ /イ ./:/; :/: : ヽ:{ ノ\ー ̄ 二 ┴--‐'"<_/
/ 人 ゞ: : :fニ>/ ,/ //ミ \ : ´:/}: : :_:_:」゙:´ \\  ̄i ̄フ´
/ //} ヽ ヘニ//.,ィ/ // 廴 ヽ' L:/ニ/ :.:. 、 \\i_.ノ"゙´ ィ、 、 ,.
./// {ヾ┬r -!ニ i/;';f//i `t‐ ┬f'' /ニ/ ゙ ヽ ヽ-/ ,]:i:i、 ,ノ:i:i:〈
/ / \_! l .У/;';'イ''" ! ヽ 、 、 \_| !こУム 、 ', .:/ イ /:i:i:i:iУ:i:i:i:i:i:ハ
i´ ! i¨ヾ''{;';';λ \ ヽヽ ` ‘,', `¨¨´ ヽ、 i/'" ! ,.、_,.]:i:i:i/:i:i:.:...7ニi:i}
|. ヽ\ ノ;';';八 ` 、_ ヽ\ _\ ヽ | / У:i:〈:i:i:∨:i:i:i:if/~
.} ./´ ̄ ̄./イ/ ,〉 /イ:i:i:i:i:「 ̄ ¨¨  ̄ `ヽ、゙ レ' __/:i:i:i:i:i:iヘ:i:i:〉i:i:i:i:i!
i ハ / r─'" /ヾ;i:i:i:i:i/ /:i:iヘ. | /:i:i:ヤ:i:i:i:i:i:...ヘ〈 :.:.;iリ
ノ _,./ / / ハ 辰¨ ̄ 〈. /:i:i:i/ /:i:i/‘, Y /イ/´ マ:i:i:i:i:}-- 、 ト、\
ノ ノ ヽ { `ヘ. ‘,\ r':i:i:i∧ }:i:/ .i:.:.:i′ jli! ノ !、i / /
.i | ‘, ヽ ハ ヽ { :i:i:i:{ ヽ /:i:i! f:.:.ノ ilil'\ヽ | !ヘ/
i .! ' } .ノ /'┘ :i:i:i:\ 〉 ./`:i:i:' _,ノ:i:i:|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 長安救援に来た諸軍が同じ態度なのを見るに、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 他の援軍の将だった宋哲・竺恢・華輯も焦嵩に追随したのだろう。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .そして、こうした動きがより露骨だったのが……
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 444 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:19:08.47 ID:KsRUWN620
- 【紀元316年8月 晋 秦州 上邽】
|┃ /ニYニヽ
|┃ ./( ゚ )( ゚ )ヽ
|┃ 三 /::::⌒`´⌒::::\
|┃ | ,-)___(-、| 殿下!
|┃ . | l |-┬-| l |
|┃ \ `ー'´ / 劉曜の軍勢が長安を包囲していますっていう!!
|┃ / `ヽ.
|┃ 三 ./ \
,⊆ニ´⌒ ̄ ̄ " y r、 ヽ
⊂二、 ,ノ──-‐'´ | | l" | ゝ\ _ !::::::::リ
|┠ ' | l/'⌒ヾ ヽ::`ヽ、 ハ >‐''"´:::::::_:::::l:::/、
|┃三 | |ヾ___ソ ヽぃ:::ハ/:.:.:.:.:_:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ、:::::::\
>C/:.:.:.:/´、`ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ⌒⌒ヽ
ゝ ./:.:.:.:; |', ',ヽ:.:.:.ヽ:.:.:.ヘーゝヘ'
`/:.:.:.:.,' ! l リ\:.:1:.:.:.:ヘ:.:.:.:.:ヽ
,':.:.:.:.:l ,' .| .j,, -‐ゝ|:.:.:.:.:.',:.:.:.ヽ:∨
/!:.:.:.:.|‐フ´ ,' ./,ィr;テヾl:.:.:.:.:.:.:!:.:.|:.:l!:.',
さすがに、ここで一兵も出さないのはまずいですよね? ,':,:.:.:.:.:!ィ示卞' 弋zソ !:.:.:.:.:.:.|:.:ハ:.l.l:.l
.l:.|!:.:.:.:.:lソ弋ソ , l:.:.:.:.:.:.!/ リ
集結した軍勢を長安へ向かわせましょう .|:.!',:.:.:.:.:l _ ハ、!:.:../''"´
.l:| ヘ:.:.:',ヘ;ヽ、..__`_ イ´ ヘ!リ、
ゝ `ー、:',lヽ(.>イ´ソ ,'/ `'/7ー 、
`ヘl´| | / //: : : :ヽ
{: : l | {イ≧/ // : : : : : '
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ ……南陽王司馬保の軍勢である。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 彼はここに至って、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .前年より準備していた諸軍を前鋒都督胡ッに率いさせて長安へ送った
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 445 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:21:08.38 ID:KsRUWN620
- 【紀元316年8月 晋 雍州 長安】
:;:7ノ .!ト、ヽ}li、/ rイ;i;i;iLィ〉ヾ,:' .i:.斗-‐ '"`ヾニ、 〉 イ';Y{.(ニ-≧← " ヽ/' スイ´ 〉ノ ,
:;:; ,ヽ i.! ヾ;lil! .};i;「´ 〈 ;:/ i,.┴z彡,  ̄ ∧_!ノ/7、メ゙ .{{ イパ, ヤi、 .
'"f'’i !/,i i',ヽ>、ヾハ ./ / /´ ̄,./'⌒ヽ-、 .!:.:i. { 7¬;', : ヘ、' / ヽ;'⌒Yilト
>' ヘ!k , } }a l. ! _,.zx、、 ' /八i。 _λili-、ヤ:i. У/iヽ:'ノ'チ、ヽ=,ォ=ハヽ'∧i! }i . ,,,_
ヾ; r) .// ,! .| | 彡'´>'"ヽ r/´ト、:、:ヾ:`:>=彳/_:`ヽ:.、L': :!レーァィ彡ヘ !トx`¨ '//! `゙'
ー-`イ`/ヽ/ イ | | r',、_,.才=, ト-ソXaヽ: ミi-‐i'"巡ぇl-':.:._z彡/彡' ' \ v/ヾ /ヾイ.:!
`` ー‐'=≠;:;:{ ! !_/Xゝ='、リ:/ヽ从∨、 \:.、-=ノ \、-彡' /ヘ. \ .}:.:.i . ..,,,
`ヾ:.:.:.:.:k';:;:;:;/ ∠!ヘY∨-‐''"i才-ヘ1 ヽ寸、i - _マヾ゙ ; 7ー- _/__/ヘ_≠=;、Y:.:.;
.\、 ヾ:!./:イ 〈: fゝイ才¨ ̄./イ/┴!` ヽz⇒、≧ /: ヽ ' ,/  ̄/¨7/ ヾ  ̄ゝィ 〉:.{
ヽヽ 、∨ ハ 才/〉':≧メ ||./ ; /イ;i>イ 、:/ヘ メ /'" .:/i \、 i >:ノ
ヽヽ_,∨リ,,. -、ニ:Y :/!゚:ヽ:,'; ; ' '入 ! /べ;i;{:.λ; ヾ_ヽY_ /' / ,ハ ヘ、_〉 }:.:{ : . .
≧三彡<、ヘ: !i;りヾ:-ヽ/ゝr '゙八`ー≠'" :;ik/:.:.:T゙´ヾヘY ヽ、 ヽ \ /'.ノ! : . : :';.:.ヤ : : . : . .
,. -‐_ォ八 _,. Y:∨´`〈λ:iノメ゙ ∧ ヽ :.、 :.. / ハ:.:.:.! l lヾ`ー 二/ヾ´.イ、 : . :.i:.:.ヤ : . : :
./ /:}=;へ-イ:/ ;!`// i.|il!.!- '" ヽ\ 、 - 、 / /.λ:.:.:v, / .l l ヾ 7/¨,.. ハ. . : .: : : . . : . .
-`∨λ:L:_:ヾ才メ´,i.!ヾL!il_!、∨ \ ー--,'べ / iー-ミヘ | ! .//'"_ _ |
ノ:/:トヾr: ┐!メ ;' .!| 爻ヽツヘ∨ ヾ` ーイ=イ , 八 ヾ:i ,′\_人_人∧从_人_∧_人_从_//
//:i: /:>ハ/_:_:{; ィ .|| `ミミx ヽ>、 f ヽ` 、 } ,}/ .ハ レ ) >
:_: : 才ヘλ: ; ヘ' || ヾミミ ',/ \ ゝ、 \∨ ヾ、:.:.:.:', !: :< 南陽王の軍勢が襲来! > :
i : T: : / У´ ヘ.\!! ,-ミ爻 i ヽ ヽ. }、 ) .:.Y ',:.: < (.
ゞ:、!:_イヾヘ' \'; ヾ、ヾ:.:、 ミ爻,ハ \::. :ヽ ヾ:.:/ : . ノ:. /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
/ilililiア、_ノヘ\! ト'f _',、ヾ、才≠爻_,. ー、:.:、 }:.:! : . : . . : . : : . . : : .
ilil/、ヾ ! i ヾ`¬.\- ヾ, Y/ミ{ヾイ }:.:.ヽヾィ : . : . . . . `'-、
'"ヾ:.:. ヾ\ヽ ヾ:. ヽ\ 入ー_ 才`} : . : . ノ:.:.:.:i : . : . . .\ \
ヾ:.. `f¨¨\ヽ ヽ\ ヾゝ _ 〉{ : : : . . :` ー ' : . : . \ ゙'-、
`!ーイ ハ '; ヽ\ ', 〈 : . : . . : . \
ヽ \ ヽ :.{ `ー 辷_ソ . ヽ \
}, 入 廴 :.Y .
ヾ/ ヘ :.ヽ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 『晋書』『索靖伝』によると、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 胡ッは命令を受けて奔走し、長安近郊の霊台で劉曜軍を破ったという
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 446 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:22:14.36 ID:KsRUWN620
-
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii', と、思ったら、渭水北岸に行ってしまいました。
',ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii,'
;:::: / \ '; 晋軍の連中、何がしたいんですかね?
';:::: ● ● ;'
';:::.::.: (__人__) ;'
'':、::::.. ,.,::'´ ,.ィ ー―-= 、___
`;'' `""'' '' '' '' '' ''""´ /tYT:::::::、::::::::::::::::::::::`ヽ
l:::::::,::::::::, ィー―-- 、:::::ノ
/:::::::!,イヽ}'::::, ィ ':/^ ´ヽ
. /::::::::/ > ' ´:::::::::ノ ヽ ヽ ヽ
/::::::://:::::::::::,. '´从ヽ,.ヽ ヽ l 、
<::::/ヽ=- イ .l ヽヽイ,ュ.、∨l.! l
/ .! l l.__ヽ_l_、 〉'f{ヒ:ハソ, ', .l
! l .!´.',yt示、 `'"´ .ll .', .ヽ
从', ヽ ヽゞ=' ' !从', .ヽ
皆、権力を握りたいのだろう l Ylヽゞヽ. '` ,イ、 l ハ ヽ ヽ
リ//! lヽヽ.゙, =t-- ' .リ. !从 トヽ ヽ
_, .., ノノ/l j--/::::∧:ゝ_イ::∧:Yハゝ-、ヽ )
/::::::::::ヽ´ノゝ'/::::::::/:::::Y┘'┐::',リ !::::::ゝ`.Y
/::::::::::::::::::::`ヽヽ:::::::::::/:::::::::フl__l¨::::/ l:::ヽ、::::l
ヽ:::::::::::::::::::::::::::::>ミ::./:::::/ ヽゝ- ' , .ノ、:::::::/::リ
>、:::::::::::,. '´:::::::::::>、 , `''' "ヽ::::.ハ:::〈::ノ:!
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ しかし、胡ッは国家の威が挙がっても、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 麹允・索綝の功が盛んになると考え、渭水の北へ兵を移して槐里に帰還。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .胡ッの独断か南陽王の命令かは判然としないが
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 447 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:24:01.23 ID:KsRUWN620
- 【紀元316年10月 晋 雍州 長安】
||:.:/⌒\/ / / / | | ∨
ィ:::::::| / / , | |∨
|::::::::: | -=======-| | ∨ |
|::::::::: | / / / .| | ._|__|
|::::::::: | , ,__ _ 从| / ヽ |
|::::::::| .| / ̄ ̄ ̄ 从__ / | |
|::::::::| .| ´ J勿 | - 、 .| .从
/::::::::| .| | 乂::::::| イハ | , /
:ィ⌒ヽ | 、::::::リ f:::::| | .,
|:::::::::::| | ー .|:::' , ' イ
|:::::::::::| | :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. 乂 l | ……誰も援軍に来ない
|:::::::::::| | ' :.:.:.:.:.| |
ヽ:.:.:.:.: .| | |
ー| |≧s | |
..... | |三三≧s。 人
..... | | 三三三≧s。 つ ./ |
..... | | / |
..... | | ≧=- -=≦ | 从
==/ \ /  ̄ ̄ | .| |
〈 | .| 、 / ̄\ 从 | | |
..∨ .| .| \ ,^\. ≧=- ' 从 , .|
. ∨ ヽ | 〕 〕 / |\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 城外の状況など
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 籠城中の面々に分かるはずもない。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .援軍が来ないという事実だけが突き付けられた格好だ
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 448 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:24:37.16 ID:KsRUWN620
-
′ ,! : ! i::::::::i :,
i /! .ト i ! .iニニ| |
! l i-、. |ヾ , ‐‐ 、 ! ! |::「:!」 |
E | :, | ヽ \ ! j T!:|、_, ‐、
i}ヽ!笊ヽト、从 ィ示ュ\ l/ |::::::::/ /!
l. ‘, 泛 弐ri ヽ V |:/ .l!__
どうなっているの? ! 炒 弋ツ ノ / / !' ノ
.′ :. " 、 ,, / _{/ ヽ._r、/
i : > _ / /.:.:`.:._.:.:V.:.ヽ
l l! > 。` . イ `i_ /.:.i.:.:.ヽ.、__,!
l i ! ,! } / ̄`! / /{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:゚,!
l ̄ヽ´: : : : : : : : : :`ヽ ∨ !ヽ! / / ノ、 .' / /∧.:.:.:.:.:.:.:.:.: i!
/\: : : : : : :`: :、: : : : : \ ∨ヽ _ /t〈 `ヽ-、_{ / /ノ.:.:.゚v.:.:.:.:.:.:.:.:!’,
./: : : :\:\: : 、: : \: : : : : :! _ ∧∨ }_ 〉<ノ | ゝ‐ァkxz_〉,_,>t´ノ.:.:./.:i.:.:.:.:.:.:.:.:ト, ゚v
i: : : : : |: \: : : :\_:_:\: : : |、| \
l: : : : : |\: :\ ̄ ,===、,\: !/ /、
|: : : 、: |−\ : \'l {:} l i |ヽ≠_ー'\
|: : 、:|\,===、 ̄ ー‐' u.|ノl: :丶 ̄ ̄.、`ー 、 い、いえっ!
|: : : \!| {::}l 、 _ /:/ : : : ヽ:\ : \: : \
/\\: 、- 、ー ‐' _/ _) /:/,-': : -、!――、: :\: : \ こ、これは、その、何と言いますか!!
.く___フ` -\_ (_/ /ニ|{_,、:_:_:,ノ・_\・_\: : : : : :\
/ /:/ : |: : : : ≧三三三!/\/ ̄ ̄.\ ̄\: : : : : 想定外の事態が発生しているようでして!!
/ -^、_,、 !:_:_:_:_ヽ ///\/\ /  ̄  ̄ ̄ ̄\ : :
,/! : : : : : ////{ /////// ./ ./  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
../: :`ー−_'/////! ////, -´L _ / /\ /二二二二二、
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『麹允伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 麹允は慈悲深かったが決断力がなく、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 無頼の凶人に重い爵位を加え、郡太守を四征・四鎮将軍・侍中等にした。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 村の塢主のような小者にも将軍号を与え、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 人々の心を慰撫した上で団結させようと欲した
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 449 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:28:07.52 ID:KsRUWN620
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/ニニニ-_.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
,.:'゙~''<ニニニ-_.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨
/.:.:.:.:.:.:.:.:.~''<ニ-_ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨
'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:~''< :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:. `、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
ii :.{.:.:.:.:.:.:.:,'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}
A.:{.:.:.:.:.{.:{\.:.:.:.:‘,.:.:.:.}l、.:.:.:.:.:.:}.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}
从.:.:、.:.:.:{.:{ー‐\--:゚ .:.:.:}l `、.:.:..:.}.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}
. '^⌒\{\{、{,,、汀_、:}.:. :.}l_,、fァ'´ `,.:.:.{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.{
{ 乂f}_{ ヒノL,,{.:.:.:.}l'~ }⌒ l.:. {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
. 乂_/^乂____,ノ~゙{.:.: ノ ,ノ'´ ノ.:.:.{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
`、 ""ノイ イ {::::::{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
}i:. ‐-- _,、 {::::::{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
………… }l::::. _,、< {::::::{\.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
_}l::::::〕T爪::/∧ ゚,:::::{ }\.:.:.:.:.:.:.:.:.
/三三三}::}、+'”i:/ 、___,,、+''”‘ :::゚, }/-_:.:.:.:.:.:.:.
/l¨¨¨¨¨¨~}::}i:i:i:i:/ /⌒∨/ 、:::.、' `'≪ニ-_.:.:.:.:.
l|:i:i:i:i:i:i:i:i:i}::}i:i:i//{ ∨/ `、:゚,i:i:i:i:i`'≪ニ-_.:.
{ l|:i:i:i:i:i:i:i:i:i}::}i:i:i' } / ∨/ /i}:}i:i:i:i:i:i:i:i:`'≪_>、 /
{ l|:i:i:i:i:i:i:i:i:i}::}i:i:| /⌒i゛ ∨/ア゚:i:i}:}i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iア゚^V
{从:i:i:i:i:i:i:i:i}::}i:i:| ' l /:i:i:i:i:i}:}i:i:i:i:i:i:i:i:i_+” }
} }^' 、i:i:i:i:i:i}::}i:i:|/ l: /:i:i:i:i:i:i:i:i}:}i:i:i:i_、+'~ 〈 /
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ .しかし、諸将が驕恣だったために
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 恩徳は下に及ばず、人心は離れる一方となった。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .これによって羌胡が跋扈し、関中は乱れてしまった
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 450 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:31:31.27 ID:KsRUWN620
-
||:.:/⌒\/ / / / | | ∨
ィ:::::::| / / , | |∨
|::::::::: | -=======-| | ∨ |
|::::::::: | / / / .| | ._|__|
|::::::::: | , ,__ _ 从| / ヽ |
|::::::::| .| / ̄ ̄ ̄ 从__ / | |
|::::::::| .| ´ J勿 | - 、 .| .从
/::::::::| .| | 乂::::::| イハ | , /
:ィ⌒ヽ | 、::::::リ f:::::| | .,
|:::::::::::| | ー .|:::' , ' イ
|:::::::::::| | :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. 乂 l | ……お腹空いた
|:::::::::::| | ' :.:.:.:.:.| |
ヽ:.:.:.:.: .| | |
ー| |≧s | |
..... | |三三≧s。 人
..... | | 三三三≧s。 つ ./ |
..... | | / |
..... | | ≧=- -=≦ | 从
==/ \ /  ̄ ̄ | .| |
〈 | .| 、 / ̄\ 从 | | |
..∨ .| .| \ ,^\. ≧=- ' 从 , .|
. ∨ ヽ | 〕 〕 / |\ …ギュルルル
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 十月。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 『晋書』『愍帝紀』は長安の状況を次のように述べている
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 451 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:32:31.08 ID:KsRUWN620
-
/ニYニヽ
/( ゚ )( ゚ )ヽ
/::::⌒`´⌒::::\
| ,-)___(-、| 店主。
| l |-┬-| l |
\ `ー'´ / 米を売ってくれっていう。
_, ‐'´ \ / `ー、_
/ ' ̄`Y´ ̄`Y´ ̄`レ⌒ヽ .なんか前にもどっかでこういうやりとりした気がするっていう
{ 、 ノ、 | _,,ム,_ ノl
'い ヾ`ー〜'´ ̄__っ八 ノ
\ヽ、 ー / ー 〉
\`ヽ-‐'´ ̄`冖ー-く
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
ト、 / \ ,:イ
奇遇ですね私もです。 .| \___/ ___ ,,),,) ___ ヽ_/ |
| ..:::ヾ::::::ヾ:::::::::::/ ヾ::::::::::/ | /
えーと、米は一斗につき金二両頂きます \ ....::::;;;;ジ::::::: ヾ;;;;;/ ヾ;;;;;/ |;;::. シ
 ̄ ̄ ̄|::::::::::::::::: i ̄i ̄i ̄i | ̄
ヽ::::::::::::::::::: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ノ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .京師は飢饉が甚だしく、米一斗が金二両で取引されていた。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 当時の度量衡で換算すると、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 一斗は約2L、二両は約28gとなっている。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 戦時下という事もあってか、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 先に紹介した襄国以上の相場の暴騰ぶりである
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 452 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:35:28.13 ID:KsRUWN620
-
/―Yーヽ
/:::::(●)(●)ヽ
/::::::::::⌒`´⌒::::\
/:::::::::,-)___(-、| とうとう食糧が尽きたっていう。
|:::::::::::::l |-┬-| l |
\:::::::: `ー'´ / .米は高過ぎて買えないっていう
ノ::::::: \
/::::::::::::::::: ヽ
|::::::: l \
, -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
r===========r‐、: : \
|.―‐――‐―h‐l┤、 :ヽ
L二二二二二」.ニ|‐{ミi : : |
{/ /ゝ、ノイ ノl/ \ トl!: : :|
|l:/|/● ● ト、: :|
稲の芽はもう食べ尽くしましたと官吏Aは弱音を吐きます |/!:ll⊃ 、_,、_, ⊂⊃ノ: : |
.|ヘ ..イ:i : : :{
. ノ从ヽ,、 __, イト:}从{: ト、
. ,.< //ヾゝ八__/:.:.// >、
( ⌒ ) { {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ( ⌒ )
- 453 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:36:10.33 ID:KsRUWN620
-
/―Yーヽ
/:::::(○)(○)ヽ
/::::::::::⌒`´⌒::::\
/:::::::::,-)___(-、|
|:::::::::::::l |-┬-| l |
\:::::::: `ー'´ /
ノ::::::: \
/::::::::::::::::: ヽ
|::::::: l \
, -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
r===========r‐、: : \
|.―‐――‐―h‐l┤、 :ヽ
L二二二二二」.ニ|‐{ミi : : |
{/ /ゝ、ノイ ノl/ ― トl!: : :|
|l:/|/○ ○ ト、: :|
|/!:ll⊃ 、_,、_, ⊂⊃ノ: : |
/⌒ヽ__|ヘ ..イ:i : :/⌒i
. \ /:ノ从ヽ,、 __, イト:}ノ/ /
/ //ヾゝ八__/:.:.//ヘ、__∧
ヽ、.{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ;_、_ ,'
- 454 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:37:43.29 ID:KsRUWN620
-
/―Yーヽ
/:::::(○)(○)ヽ
/::::::::::⌒`´⌒::::\
/:::::::::,-)___(-、| ./l
|:::::::::::::l |-┬-| l | //
\:::::::: `ー'´ / .//
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ // やっぱり、焼肉するしか生き残る道はなさそうだっていう
/:::::::::::;::::::::::::::::::::::::::::::://
|:::::::::::::|:::::::::::::::::::::::://
\::::::::: ̄ ̄ ̄( ̄/
|`ー―‐、;_;_;_;/:::::::::
, -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
r===========r‐、: : \
|.―‐――‐―h‐l┤、 :ヽ
L二二二二二」.ニ|‐{ミi : : |
{/ /ゝ、ノイ ノl/ / トl!: : :|
勝った方が負けた方を食べるんですね。 |l:/|/○ ○っ ト、: :|
|/!:ll⊃ 、_,、_, ⊂⊃ノ: : |
と、官吏Aは弱肉強食の世界の掟に涙します /⌒ヽ__|ヘ 丶_ノ ..イ:i : :/⌒i
. \ /:ノ从ヽ,、 __, イト:}ノ/ /
/ //ヾゝ八__/:.:.//ヘ、__∧
ヽ、.{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ;_、_ ,'
- 455 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:39:05.51 ID:KsRUWN620
-
∫ι__________ ./丁了
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ
||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | ||
||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | ||
弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ
n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n.弋ェェt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ェ,ィn_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_
n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n .il_,└───────┘ , i! n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : || ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|i | ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄||
 ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ || ̄! ̄ ̄/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄.|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i  ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~ ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l  ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`ll`l
l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″|  ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄  ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾ| ̄`.. ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ | ̄ ̄ | ̄!,, ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ll
| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄___
/\
(~) (~) / /,.ヘ、
(~) γ´⌒`ヽγ´⌒`ヽ (~) / < <__/
長安の民が殺し合い始めた件 .γ´⌒`ヽ {i:i:i:i:i:i:i:i:} {i:i:i:i:i:i:i:i:}γ´⌒`ヽ //\> <>
{i:i:i:i:i:i:i:i:}( ´・ω・)(・ω・` ){i:i:i:i:i:i:i:i:} しーっ。 /\
( ´・ω)(:::::::U) (つと:::::)(ω・` ) \/
俺たちは最期まで仲良くしような (::::::U:::)( ´・) (・` )(:::U::::::) 見ちゃいけません /\/|
し─J (l::::○::::) (:::::○::::l) し─J \_/
し─J し─J
- 456 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:40:34.80 ID:KsRUWN620
-
/ニYニヽ
/(×)(×)、
/::::⌒`´⌒::::\
| ,-)___(-、| .n /^,
| l |-┬-| l | .| .^−f
ζ^ヽ_ _\ `ー'´ / ,ゝ えノ
ヾ ど, `  ̄ /
`´ーヽ ,ーー'
) 〈 __
/ uUu ` f´ ヽ
_,/ / \ j l
〈 ` . / \__/
\_,ノ
, -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
r===========r‐、: : \
|.―‐――‐―h‐l┤、 :ヽ
L二二二二二」.ニ|‐{ミi : : |
{/ /ゝ、ノイ ノl/ ― トl!: : :|
|l:/|/○ ○っ ト、: :|
|/!:ll⊃ 、_,、_, ⊂⊃ノ: : | 夕食はトカゲの丸焼きですと官吏Aは涙ながらに答えます
/⌒ヽ__|ヘ ..イ:i : :/⌒i
. \ /:ノ从ヽ,、 __, イト:}ノ/ /
/ //ヾゝ八__/:.:.//ヘ、__∧
ヽ、.{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ;_、_ ,'
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 人々は互いに食べ合った。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 以上は長安市街の様子である
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 457 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:41:34.51 ID:KsRUWN620
-
∫ι__________ ./丁了
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ
||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | ||
||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | ||
弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ
n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n.弋ェェt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ェ,ィn_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_
n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n .il_,└───────┘ , i! n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : || ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|i | ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄||
 ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ || ̄! ̄ ̄/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄.|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i  ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~ ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l  ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`ll`l
l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″|  ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄  ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾ| ̄`.. ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ | ̄ ̄ | ̄!,, ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ll
| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄___
(~) (~)
(~) γ´⌒`ヽγ´⌒`ヽ (~)
γ´⌒`ヽ {i:i:i:i:i:i:i:i:} {i:i:i:i:i:i:i:i:}γ´⌒`ヽ 中の連中餓死してね?
宮城の中が静かになったな {i:i:i:i:i:i:i:i:}( ´・ω・)(・ω・` ){i:i:i:i:i:i:i:i:}
( ´・ω)(:::::::U) (つと:::::)(ω・` )
(::::::U:::)( ´・) (・` )(:::U::::::) 沈黙の飢饉
し─J (l::::○::::) (:::::○::::l) し─J
し─J し─J
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 『晋書』『索靖伝』に宮城内の様子が紹介されている
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 458 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:42:43.13 ID:KsRUWN620
-
__ノ⌒ ー―
/ ̄  ̄⌒ >o。
。<⌒ソ >、
/ へ \ \
/ :{ .\ ⌒\ \ (⌒\
| 人 ..:\\ \ \ \ '⌒l
/⌒ { :| | :\トミ\__ノ⌒V.∨ \__ノ
.l{ ,ノ :| 人 .| イ⌒ ,ィf云ミ.∨:. _,ノ\_ノ .この身体が
.l| / |.人 \ ヽト ヽ イ///ソ.ノ|∨ /⌒\ 誰かの糧となるのを信じて……
八__,/ 人 \\__\人\ ::::: `"" ,ノ V⌒辷===一´
.⌒ヽ ,人 \ .::\,ィf==ミヽ \ :::: / V⌒\ ー======ミ .……兵士Aは死を迎えます
( \} \\ ,ィ紗´\ ::::::: { }. \ ]|
\ ト .〉.\\\\ ` , \\ .) ノ
| )// \ >=-. _ -っ /] \/⌒ー―一
| ( ∧ \ヘ 〈´ / .] .人[
| ./ .〉 } >o。 ij_ イ\]/ ,_ノ⌒{⌒ ー―─────
/⌒ヽ .人 / .〉.| 人 \ ∧ ー―┤ {
┌‐{〈.∨ ∨ .\__ノ [⌒\| l\人 ∧ .人 人 /
人,人 ] ∨⌒ヽ 人 .l| | \ [ ̄ ̄ ̄] / ] .\[/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∨ ノ Y⌒ / ヽ |,ノ ノ \ ,ノ /∧
.∨⌒ | ( ,ノ /⌒ヽ } / ∧
\ { \__ノ /⌒ヽ \/ 人./ / /∧
‘, { ∨ ∧/ \ / / }
∨// ∧ { .:∨ ∧/ \ / .|
.ヽ// ∧ 〈 / } } /∧ /. ∧
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 城内は飢えが極まり、人々は互いに食べ合った
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 包囲されているために
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .逃げる事は不可能であり、死を待つしかなかった
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 459 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:44:25.97 ID:KsRUWN620
-
.,. ', 彡≧~:::::::~ ミ.x:ヽ、
_,. + /./イ:::::::::f::::::::::l::l::::::ヘヾ.x:ヽ<_
.,. '" /〃::::::/::::.l:::::::::::リ::|:::::::ハ:::ヘ\:ヘ ` <
/ f.f/::::::/:::::v|:::::::::/::リ:::::::::::l:::ハl:::ハ ` 、
.f .|/:::::::/:::::/ .!::::::/::,ィ.マ:::::::::|:::::i!:::::l .\
f /,':::::::f::シ l::シ:,.イl:| \::::.|:::::|::::::| l
| 〃!:::::::|メ、, _,/イ:::::N、_,>!:::::|:::::j .|
| i!.l:l::::::::l.,,zェミ_ V从キ _,zェェ.,,!::::|Y:::! .|
.| 八.V:::ハ>.疋ソ`v = r"疋;シ"|:::::|/:::| .|
.| /::::ゞヘゝ -- '"., ` ‐-- ラ!:::::!::::::| | 戦える兵はどれだけ残っていますか?
l . /:::::::::::::ヘ_,,,,,,._′ ソ:j::::::!:::::::. f
.リ /::::::::::::::::::::>='' sミ.+s.,ィ":::j::::::j:::::::::V .l
./ /彡三ア'''".z彡‐‐-ァ ~≧K.,リ三三ミx .V
,' .〃 ヾ.r" ,. 彡ァ',.xs._ `ヽ__ /ヘ .V
.,' ./l r∧ .r ‐'v'"=ア".ヽ゛ リ`t-zェ彡".V ハ .V /⌒Y⌒uヽ
.,' /::i / ≧f~.7 .ヘゞ".V=V.ヘイ/!:::lい V .l .V /(○) (○)ヽ
.,' ./::/ .《 /li .リ< .\ ルi!ヘ./ .!:::l,.いv ._,. キ | V _ /::::⌒`´⌒:::: \
/´ | ,-) (-、|
/' | l ヽ__ノ l. |
,゙ / ) \ `⌒´ /、
涼州からの援軍の千人ほどですっていう。 |/_/ ヽ
// 二二二7 u' __ ヽ
ただ、彼らも多くの死者を出しており…… ./'´r -―一ァ"i .-‐ \
/ // 广¨´ /' /´ ̄`ヽ ⌒ヽ
ノ ' / ノ :::/ / ヽ }
_/`丶 / ::i {:::... イ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ ただ涼州の義兵千人が死なずに守備していた。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j この涼州兵とて、援軍に来た半年前の時点では五千人いたのである
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 460 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:45:11.07 ID:KsRUWN620
-
r 、 __
. : ム: :\: : : : :`: .、
/ : : : :\: : 、 : : : : : :\
, ´:/ : /:/ : : \:.\: : 、: : : :\
ノ: :/ : /:∧: : : : : \:.\:}: : : : : :ヽ
/イ: :{ : /: \{: : : : : : }/: :\: : : :}: :‘, .陛下。
///: : {: :{:イ ‐-\: : : : |-‐\Τ: :W: : :‘,
〃 /: : : |: :|/xf芹ハ Y:. :|f苅ミx.|: :/:{: : :}.:圦 太倉に餅麹がいくつかありました。
{{ {: {: : :lY 《 ∨ソ \}∨ソ 》/ Y: : /: :} }
∧ }∧: : 乂_'. ' イ_ノ:/.: :∧ これを砕いてお粥にして、しばらく食い繋ぎましょう
|::::\{:_: .\:\∧. rっ / :/ : ://:Ζ_
「:::ー-=::::::>==.、:> __ </==<::=-‐::::::::/
\:::::/:イ: : : : : : :’ 、 Τ j〃: : : : :.ハ≫、‐<:\
...′ ,! : ! i::::::::i :,
..i /! .ト i ! .iニニ| |
..! l i-、. |ヾ , ‐‐ 、 ! ! |::「:!」 |
..E | :, | ヽ \ ! j T!:|、_, ‐、
i}ヽ!笊ヽト、从 ィ示ュ\ l/ |::::::::/ /!
l. ‘, 泛 弐ri ヽ V |:/ .l!__
. .! 炒 弋ツ ノ / / !' ノ
.′ :. " 、 ,, / _{/ ヽ._r、/
ありがとう i : > _ / /.:.:`.:._.:.:V.:.ヽ
l l! > 。` . イ `i_ /.:.i.:.:.ヽ.、__,!
l i ! ,! } / ̄`! / /{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:゚,!
∨ !ヽ! / / ノ、 .' / /∧.:.:.:.:.:.:.:.:.: i!
∨ヽ _ /t〈 `ヽ-、_{ / /ノ.:.:.゚v.:.:.:.:.:.:.:.:!’,
∧∨ }_ 〉<ノ | ゝ‐ァkxz_〉,_,>t´ノ.:.:./.:i.:.:.:.:.:.:.:.:ト, ゚v
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『愍帝紀』に曰く。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 太倉に麹が数餅あり、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .それを麹允が砕いて粥にして司馬鄴に供じた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 461 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:46:26.74 ID:KsRUWN620
-
,、/ ' 、ヽ ヾr、ゝ':,
i/ ‘,Vヽ \‘,
,' i i 、 :, ヽ。
/ ! ,.! |\ヽ ', :, ヾ
i | / ! |,斗─、- ! i ': ゚。
{ l,斗 ヽ、 . ! 〃示心|. | : ゚,
Y vl了心.ヾノ 弋_ ソ ! |ヽ l! } でも、その餅麹がなくなったら?
l !弋ソ .:.: ! !/ / ノ
| ‘, :.:. 丶 / !/ ̄`.
i! 人 _ , -----./. |_____...._!
l! <´......ヽ.........../ /.................`;
゚:,:, ヽ..........〉......′: //‐‐..ヽ......../
从.ヽ l}.......〈........〉、.:_./......,.......‘,′ . / : : : :| : : : : : : : : : ゙、 : : : :\ : : : : : : ゙、
/...fヽ/}....‖.....レ-、}...../.........._.} /: : : : :! : {: :/: : : : : :゙、 : : : : :゙、 : : : : : :゙、
〈...i..`i ヽ'....‖....../ !../....,ィf´.......゚。 . / : : :|:八 : :V: : l : :| : : ゙ : : : : : :゙:,ハ : : : : ゙、
/: :j : : :| : : l\: :\l : :| : : :| : : : : : : i-! : : : : :
. ‖::八 : :从 : l: : \: :\| : : :| : : : : : : | | : : : : : :
{ \汽Y l: : :|_\_ :`ー :」_ : : : : |_|: : : : : : :.
{ }ゞ\ : :| z廴__ ̄| : : : : :Λ : : : : : : : :.
'''ノ \| 弋悠ッ! : :ノ : :ノ / : : : : : : i
八 ヽ "''' ノ/: :/リ/ : : : : : : : : :}
城内の食糧は底を尽きます \ヘ 、 /-‐''" f 「 : : : : : : :ノ 〉/
. /\ ''''' イ ノ人rッ==ニ彡' Λ
. / ‐く : \__ < / / : : :∨ミ二二フ :゙、
( :. :. :.\ : : : :) { / : : : : : : : :|ニ\ : : : : :.゙、
\ :. :. :.) //}} / : : -- :ミ : :jニニニ>--、: ゙、
. {ニニニニニニ/ {: : : : : : : : :}/ニニニニニ/\\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } やがて、これも尽きた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 462 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:50:35.72 ID:KsRUWN620
-
,、/ ' 、ヽ ヾr、ゝ':,
i/ ‘,Vヽ \‘,
,' i i 、 :, ヽ。
/ ! ,.! |\ヽ ', :, ヾ
i | / ! |,斗─、- ! i ': ゚。
{ l,斗 ヽ、 . ! 〃示心|. | : ゚,
Y vl了心.ヾノ 弋_ ソ ! |ヽ l! } ねぇ麹允
l !弋ソ .:.: ! !/ / ノ
| ‘, :.:. 丶 / !/ ̄`.
i! 人 _ , -----./. |_____...._!
l! <´......ヽ.........../ /.................`;
゚:,:, ヽ..........〉......′: //‐‐..ヽ......../
从.ヽ l}.......〈........〉、.:_./......,.......‘,′ . / : : : :| : : : : : : : : : ゙、 : : : :\ : : : : : : ゙、
/...fヽ/}....‖.....レ-、}...../.........._.} /: : : : :! : {: :/: : : : : :゙、 : : : : :゙、 : : : : : :゙、
〈...i..`i ヽ'....‖....../ !../....,ィf´.......゚。 . / : : :|:八 : :V: : l : :| : : ゙ : : : : : :゙:,ハ : : : : ゙、
/: :j : : :| : : l\: :\l : :| : : :| : : : : : : i-! : : : : :
. ‖::八 : :从 : l: : \: :\| : : :| : : : : : : | | : : : : : :
{ \汽Y l: : :|_\_ :`ー :」_ : : : : |_|: : : : : : :.
{ }ゞ\ : :| z廴__ ̄| : : : : :Λ : : : : : : : :.
'''ノ \| 弋悠ッ! : :ノ : :ノ / : : : : : : i
八 ヽ "''' ノ/: :/リ/ : : : : : : : : :}
なんでしょう? \ヘ 、 /-‐''" f 「 : : : : : : :ノ 〉/
. /\ ''''' イ ノ人rッ==ニ彡' Λ
. / ‐く : \__ < / / : : :∨ミ二二フ :゙、
( :. :. :.\ : : : :) { / : : : : : : : :|ニ\ : : : : :.゙、
\ :. :. :.) //}} / : : -- :ミ : :jニニニ>--、: ゙、
. {ニニニニニニ/ {: : : : : : : : :}/ニニニニニ/\\
- 463 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:51:13.32 ID:KsRUWN620
-
||:.:/⌒\/ / / / | | ∨
ィ:::::::| / / , | |∨
|::::::::: | -=======-| | ∨ |
|::::::::: | / / / .| | ._|__|
|::::::::: | , ,__ _ 从| / ヽ |
|::::::::| .| / ̄ ̄ ̄ 从__ / | |
|::::::::| .| ´ J勿 | - 、 .| .从
/::::::::| .| | 乂::::::| イハ | , /
:ィ⌒ヽ | 、::::::リ f:::::| | .,
|:::::::::::| | ー .|:::' , ' イ
|:::::::::::| | :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. 乂 l | もう終わりにしよう
|:::::::::::| | ' :.:.:.:.:.| |
ヽ:.:.:.:.: .| | |
ー| |≧s | |
..... | |三三≧s。 人
..... | | 三三三≧s。 つ ./ |
..... | | / |
..... | | ≧=- -=≦ | 从
==/ \ /  ̄ ̄ | .| |
〈 | .| 、 / ̄\ 从 | | |
..∨ .| .| \ ,^\. ≧=- ' 从 , .|
. ∨ ヽ | 〕 〕 / |\
- 464 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:52:01.10 ID:KsRUWN620
-
{ 〈〉_丿 :|::./: :. /: :. }i: :. | :'_ 乂ノ、___}
乂_ノ |: . |/: :. /: :. ハ: . }: | .::|: . | i
|: . |: . |: :. /}: :. / |: . }i }i ト、 .::|: . | |
|: . |: . |: . / }: / ,, |::. iii }i__ | \ .::|: . | |
|: . |: . | |_,,. 厶斗 /"´ |: }i iii /``〜、、|: . | |
|: . |: . | |:. / _j/_‐- 、 | /;′ 从- _,,_ VI`:. | |
|: . |: . | |:/,ィ灯⌒メ j/ム=‐'''^´ィ灯⌒メ .|: :. | | 今の災厄はこんな感じだけど、
|: . |: . | |i { }:::じ):つ }:::じ):つ }|: | | 城外から救援はいつまで経っても来ない。
|: . |: : . | |i 乂⌒ツ 乂⌒ツ |: :. !|i
|: . |: : : . | |i |: : . |:| 社稷の前で死ぬのは私だけでいいよ
|: :. |: : : . | |i ::い:i::い:i:: ′ ::い:i::い:i:: }|: : . | |
|: : . |: : : . | |i ∧: ::. ||
. |: : :|: : : . | |i、 ハ|: : . |: |
|: |: : : . | 込、 , -- 、 ..イ⌒|: : . l |
,: : : ;|: : : . | | ̄ ~"''〜、、 ,ィi〔 ./|: : . | : |
. / /::|: : : . | | ``〜、、__,,.、丶´  ̄`~゙"''' |: : . | : :|
.. / 乂_ :|: : : . | | \ |: : . |: : :|
- 465 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:53:16.82 ID:KsRUWN620
-
...′ ,! : ! i::::::::i :,
..i /! .ト i ! .iニニ| |
..! l i-、. |ヾ , ‐‐ 、 ! ! |::「:!」 |
..E | :, | ヽ \ ! j T!:|、_, ‐、
i}ヽ!笊ヽト、从 ィ示ュ\ l/ |::::::::/ /! みんなが苛酷な状況にいるよね。
l. ‘, 泛 弐ri ヽ V |:/ .l!__
. .! 炒 弋ツ ノっ / !' ノ 長安が陥落する前に降伏して、
.′ :. " 、 ,, / _{/ ヽ._r、/ みんなを皆殺しにされるのを免れるのなら……
i : > _ / /.:.:`.:._.:.:V.:.ヽ
l l! > 。` . イ `i_ /.:.i.:.:.ヽ.、__,! ……私はそれでいい
l i ! ,! } / ̄`! / /{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:゚,!
∨ !ヽ! / / ノ、 .' / /∧.:.:.:.:.:.:.:.:.: i!
∨ヽ _ /t〈 `ヽ-、_{ / /ノ.:.:.゚v.:.:.:.:.:.:.:.:!’,
∧∨ }_ 〉<ノ | ゝ‐ァkxz_〉,_,>t´ノ.:.:./.:i.:.:.:.:.:.:.:.:ト, ゚v ,>''": : : : : : : : : : : :``〜、
/: : : : : : : : : : ,': : : : : : : : : :.\
,, ': : : : : : : : : : : :.,': : : : : : : : : : :i: : ヽ
/,': : : :.V: : : : : : : :,': :}: : : : : : : : : |: : :',:V
廴`ー‐_ャ:.\: _,.斗: l: : l: : : : : : : : : j: : : l: l
「 ̄: :lー 'T´ x: : lz、:/: : : : : : : : :.ム: : : l:.!
从:V: :!'它 ア N ^ V: : : : : : : :/: : : : :.l:!
ヾ:\'、 l! './: : : : : : :, ': : : : : : :!
……御立派です 「 r 、 ア: : : : : :/: : : : : : : :.|
\ っ `ー矛v_,.>'": : : : : : : : : : :!
,>''"´://}V: : : : :、: : : : : : : : : :V
「 ̄: :,z=_-ミ':ノ l: : : : : :V: : : : : : : : : :V
V:.Y :. ヽ:: ̄|: : : : : :j: : : : : : : : : : : V
` | :. V::::!: : : : : l: : : : : : : : : : : : V
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 司馬鄴は泣いて麹允に言った
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 466 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:55:20.39 ID:KsRUWN620
-
,.> = === - ミ
,.+''’::::::::::::::::::::::::::__`丶、
/:::::::::::::::::>''"~_,Lユニニニ≧ミ\
,.'::::::::::::::::/ _、‐''"::::::::::::::::::::::::::::>ミh、
./:::::::::::::::,.' ./::::::::::::::::::::::::::::::::::::V:::::::::ヽヽ
..,'::::l:::::::::::/./:::::::::::::::v::::f::::::::::::::::::::::V:::::::::::ヾヽ γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
l:::::l::::::::::l./::::::::::::::::/::::::{::::::::::::::::::::::::',:::::::::V::ハヾ | 劉曜宛の文書を |
l:::::l:::::::::l/:::::::::::::::::,'::::::::l!::::::::::::::::::::::::}::v:::::::V:ハ ゞ ヽ___________乂
|:::::!::::::::,'::::::::::::::::::,:::::::::ハ::::::::::::::::::::::l::::!::::::::\::::}
|::::::l::::::,':::::::::::::::::::l:::::::/,.斗::::::::::::::::::メ気::::::::::!::::l
|:::::::l:::::!:::::::::::::::::::l'''ア´ .Y:::::::::::/ |::::::::::!::::l γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
|::::::::l:::l:|::::::::::::::::l:k"_,,,LL }::::::::/ィ勿ア:::::::::j:::::ル | 私は決めたよ |
!:::::::::l::i!v::::::::::::::!i!てr乃 ノ::,ァ''{. ゞ'’リ:::::::/:::/ ヽ__________乂
.|:::::::::::l::λ::::::::::::l 乂"" '"メ { ゝ=.チ:::::/:::/
j:::::::::::::l:{ V:v:::::ハ ` ー‐ '" ', ォ::イl彡
,:::::::::::::::l:ミs.,_ゞ> ゞ ´ _,ム斗:| …………
.,::::::::::::::l::!::::::::≧-‐‐ =≠ZZ 三. ̄/////|::!
,':::::::::::::::l::l::::::::|////////////////////,|::
_ム斗ェ気J::}ェェ|////////////////////,|zl_
,z气≧-= ゞ" ~ ̄|////////////////////,|l .ヽ
/ \: : : : : : : : :.|////////////////////,N ! \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
.f .\: : : : : : : |////////////////////,|:V .l ) >
,| \: : : : /~`丶、///////////// /~.}, /.\ < すぐに! >
,〃 N .`'<v'' ` ミ 、>/////////////_ ィ"}:V Y < (
,.ィ/ V / `丶、_ `.v///////////,.Y_,;ィく::::\ .ル /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
/:::::い } / `丶、.ヾv_>////////////,.ォ.{v::::! ム
/::::::::::::V /.f ≧,x \ \////////// (/ーr".V::}''ミ\:.
- 467 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:56:17.06 ID:KsRUWN620
- 【紀元316年11月 晋 雍州 長安】
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii', 将軍。
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
',ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii,' 城内より驃騎大将軍索綝の息子が来ました。
;:::: / \ ';
';:::: ● ● ;' .父親から言伝を預かってきたそうで
';:::.::.: (__人__) ;'
'':、::::.. ,.,::'´
`;'' `""'' '' '' '' '' ''""´ /ニニニニ≧=---<//≧=-、::::::\
仁二=-/ / / ヽ ` < /∧::::::::::.ー 、
乂ニ- / / i l \/∧::::::::::::::ノ
/ | 'l /{ l ト、 ∨/〉---'
, | / {/ ト{ l } ト、 ∨
; |‐-- 、! l\ |,.lノ-ヘ-
′ ./l' _ 乂 \__/_ i ゚
長安の指導者の一人だな。 { く´ 忙う iらヽヘ }
/ / {ハ弋.ソ i 弋 ソ ノ∧
これは期待できそうだ ., / ヘ ′ ノイノヘ ゚。
/ /| /{r∧ ____ /r} ヽ ト、
/ .l i ゝム 乂 __ ノ / イヘ ハi ∧
/ / l l / \ / / } ! \
/ /l l / /∧:≧=-=≦:∧l i { }
/ / .l | rrf::{:::::::::/ /::::\!r、. l } \
/ / rr ≦イ::/::::{::::::::\ _/:::::::::::∧::::≧==-、
/ /:、:::::::::::::/:::::::';:::::::::::::〉〈::::::::::::::/::∧:::::::::::::::∧
- 468 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:57:38.08 ID:KsRUWN620
- 【索綝さんの御言葉@『晋書』『索靖伝』】
_,. - z=- ミ
,..::::::;; 彡+ ""`:'" ̄ `ヽ、
./:::::/ /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/::::::::/ f::::::::/::::::::::::::::::ヘ::::::::::::::ヽ
.:::::::::::f f::::::::,':::::::|V:::::::::::ハV::::::::::::ヘ
.|:::::::::::| .|::::::::l::::::::| V:::::::::リ V::::::::::::ヘ
.l:::::::::::.! l::::::::」....,,.L.,_ V:::::ヲ'",ャ::::::::::l:ハ
.l::::::::::::V .|V::::ハ:::::リ _,. ゞ' iリ〃::::::::::| !:!
ハ::::::::::::ヘz-V::::キャ也 r=.{~ " リ:::::::/ |ル 今、城内にはなお一年を支えられる食糧があります。
ハ:::::::::::八 l.V::ヘ.___,.. ィ ゞ"~ l:::/
.ハ:::::::::::::::>┤V:::ヘ /!" あなた方が勝つのは容易ではないでしょう。
l::::::::::::::::::::l::`V:::ヘ ^ /:::l
l::::::::::::::::::::::::::rV::ハ‐--イ..,,,,,,,_マ もし、私索綝を
/::::::::::::::::::::::r┼V:::ハ‐'"/ ~~ `"''i 車騎将軍・儀同・万戸の郡公に封じて頂けるなら、
./::::::::::::::::::::::/イニハ::::ハ ./ | .長安城が降伏する方向へ取り計らいたく思います
/::::./::::::::::::::/ニニニニ;l::::::\f |v
/イ/::::::::::::::/;ニニニニニ;|::::::|' リ::V
/イ ./::::::::::::::/'ニニニニニニ;!:::::| _,....,_ .j::::::V
./ィ" /::::::::::::::/jニニニニニニニ|:::::j< \ i ノx::::::V \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
/:/ /:::::::::::::::f./ニニニニニニ;/:::::/j .\ \イ ヽ:::V ) >
{/ /:::::::::::::::::f';ニニニニニニ;/::シ./ ` s、/ ヘ::V < なんだその言い草は!! >
i! ..::::::::::::::::::::fニニニニニニ;// ./ .リ リ::マ < (
/:::::::::::::::::::::::|;ニニニニニ;/';/ ./ ノ .シi V:マ /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
/:::::::::::::::::::::::::::::|ニニニニニニ;/ ./ / ` r.≦::::::l ハ:::マ
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::`'T"">-" ./ / \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
≧ 使者を斬り捨てて城内へ送り返せ!!! ニ=-
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
- 469 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 16:58:38.03 ID:KsRUWN620
-
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii', どうしました?
',ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii,'
;:::: / \ '; .降伏の仲介をしてくれるなら良い事ではありませんか
';:::: ● ● ;'
';:::.::.: (__人__) ;'
'':、::::.. ,.,::'´
`;'' `""'' '' '' '' '' ''""´ /:::::l
/:::::::::::リ
/:::::::::::/\,. - 、
/:::::::::::::ノrv' ヽ、 , '
./:::::::::r‐"´//r − 、 ヽ、 , '´/
.,、::::://::::// .、`ヽ y〈ヽ, `ヽー_ ' ,ィ ´ ,
l ly;//-/'ハ. ヽ ∧,,ィt、ヽ、 ` ー "´
:::::::!l::.//:::リ、ヽ、ヽ'.|yチ心) lY,- 、 ,
.ヽ::t!::(!::::/ ,ャ、 `´ `゙´ !¨ ヽヽ、 ̄ ` ''' "
帝王の軍勢は義を行うべきだ! .∧::丿!〈 '、 f(心, , 、 /v-ーヽヽ` ‐--‐ ''
´ `^〜ヽヽ" ` ゝ ' /!Y∨}:::::::ヾー ''' ィ´-y,
私は十五年将軍をしているが、 ヽ` ''、''' " /!"´::::::::::::::::::゙l ̄:::::::::l l;
未だかつて偽り欺いて人を打ち負かした事はない!! ヽrγハヽ..!;;;;ヽ::___ヽ_ー.八.
人{ヾ .) |.!;;;;;;ィ::::::::::::::::::::::::`'''ハ"
必ず兵力を尽くして敵に勝ってきた!! `" } / Y!Y l r゙ 、::::::::::::::::::::::::.ハ.
人 y'´;; ̄|r`ヽ_/:::::::::::::::::::::, ィ
k;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、ノ:::::::::::::::::;/;;;;;
. |丶;;;;;;;;;/::\、:::::::::/;;;;;;/::
ゝ、∨イ.:::::::::::::`ヽ、 !;;;;;;l:::::
- 470 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:01:01.21 ID:KsRUWN620
-
r'´∠::::::, ィ ':::´::,::ィ,=::.,`ュ
/.::"゙:/Y)::,. ',´ィ :/'-´、 `ヽ
ノ:::::::/::彡/::::::::::::/ ヽ、 ハ
(:::::::::l:::::,/!:::::::::::/ハ ', ヽ ∧
 ̄`//_/_, '´! ト、 N,ィlハ ヽ
/´' ミ{ ハ llヽ !リ>j,=キュリr、 ∧ 索綝はこう言っているが、
/ /y' ',-ヽ-'、ヽィ´.∧c;ヂ)yノヽ .∧ 天下の悪は一つしかなく、このような者は殺すべきだ!
r 't ノノ从、ィ、 f式ホ. `" l´、 `ヽヽ、
. /;;;;;レヘ、 ` lヽ.ヽ ゚'゙ ' _ .∧ィ==y 、 _`ヽヽ、 .もし、本当に兵糧が尽きていないなら城を守れ!!
/;;;;;;;;;;;;;;;;/ レl .! .ゝ . __ゝ`/イ::/:::::::ハ\`丶、`丶
. 〈-- 、;;;;;;;/ リ从∧ィ^/`´///::::::::::::::::', \ ` .兵糧が尽きて兵も少ないなら、
. ,'"´::`:ヽ/ レ/´くr、/十´`Yハy "´;;;;;`ハ `丶、 .一刻も早く天命を悟るべきだろう!!
,;::::::::::::::リ,、, -''"´::l::/::!:ト、ヽ、::::/_::/-ー-、;;;;;;;レ〉、
!:::::::::::ノl、::::::::::::::::::/::-',::ヽヽ、/./ ィ゙テ .`!、;;∧ \
. リ:::::::/::リ:::::::::::::::::イ- 'l´.'::,:/ヾ<¨´-、 _/ノ´ .∧ `
. ハ::::/::::::::::::_::, - ''!.!::::::!:::l,/k'_´,. =---'´`゙/´ ヽ ', ,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
',ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii,'
; / \ ::::;
; ● ● :::;
漢人士大夫みたいなこだわりですね ; (__人__) ::,;
`: : ,丶‐、、_ ::::::、′
、''"```゛''':、;. : : .,:' :::::ヽ
,,:' `ヽ、、 ``'`` :::::;;
( _`丶 、 ::::'.
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 以上は『晋書』『索靖伝』にある一幕だ。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 皇帝司馬鄴は侍中宋敞に文書を持たせ劉曜へ送ったが、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 索綝は宋敞を留めておいて、自分の息子を劉曜の下へ送り交渉を行った。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 劉曜は索綝の意図を理解したのか、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 彼の息子を斬り、長安城内へ送り返している
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 471 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:02:49.01 ID:KsRUWN620
-
||:.:/⌒\/ / / / | | ∨
ィ:::::::| / / , | |∨
|::::::::: | -=======-| .γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
|::::::::: | / / / .| | 劉曜は我々が玉石共に砕け散るのを恐れていると言っていました |
|::::::::: | , ,__ _ 从 ヽ_____________________________乂
|::::::::| .| / ̄ ̄ ̄ 从__ / | |
|::::::::| .| ´ J勿 | - 、 .| .从
/::::::::| .| | 乂::::::| イハ | , /
:ィ⌒ヽ | 、::::::リ f:::::| | .,
|:::::::::::| | ー .|:::' , ' イ
|:::::::::::| | :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. 乂 l | えぇ……
|:::::::::::| | ' :.:.:.:.:.| |
ヽ:.:.:.:.: .| | |
ー| |≧s | |
..... | |三三≧s。 人
..... | | 三三三≧s。 つ ./ |
..... | | / |
..... | | ≧=- -=≦ | 从
==/ \ /  ̄ ̄ | .| |
〈 | .| 、 / ̄\ 从 | | |
..∨ .| .| \ ,^\. ≧=- ' 从 , .|
. ∨ ヽ | 〕 〕 / |\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 長安政権成立の立役者だった索綝のまさかの裏切り。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 人は窮地に陥ると、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .本性を曝け出してしまうのだろうか?
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 472 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:05:25.47 ID:KsRUWN620
-
...′ ,! : ! i::::::::i :,
..i /! .ト i ! .iニニ| |
..! l i-、. |ヾ , ‐‐ 、 ! ! |::「:!」 |
..E | :, | ヽ \ ! j T!:|、_, ‐、
i}ヽ!笊ヽト、从 ィ示ュ\ l/ |::::::::/ /!
l. ‘, 泛 弐ri ヽ V |:/ .l!__ 私の治世を誤らせたのは、
. .! 炒 弋ツ ノ / / !' ノ 麹允と索綝の二人だったみたいだね
.′ :. " 、 ,, / _{/ ヽ._r、/
i : > _ / /.:.:`.:._.:.:V.:.ヽ
l l! > 。` . イ `i_ /.:.i.:.:.ヽ.、__,!
l i ! ,! } / ̄`! / /{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:゚,!
∨ !ヽ! / / ノ、 .' / /∧.:.:.:.:.:.:.:.:.: i! / \
∨ヽ _ /t〈 `ヽ-、_{ / /ノ.:.:.゚v.:.:.:.:.:.:.:.:!’, \ \
∧∨ }_ 〉<ノ | ゝ‐ァkxz_〉,_,>t´ノ.:.:./.:i.:.:.:.:.:.:.:.:ト, ゚v / ( `" -- _ \ ヽ
/ ` 〜、、___ > ヽ ∨
Λ |─\ ∨
| /─\ |__\__\ | ∨
| ∨.__ \ト、 l | o |:::::\__Yニヽ |
、 ヽ:::| o |::::::::::::ヽ| ─::::: )⌒ } /
\ー圦:::─::::: u / イΛ
返す言葉もございません __{ l u イ`ニ ュ二l Λ
└ァ 〉 込、u t =‐ イ、/ ト、> Λ
У | > ─ <.:.::/// l__ Λ
{-‐- l Y////|.:.:.:.:.:.:. //人 ̄ ヽl |. Λ
乂_У ,l////.|.:.:.:.:.:.:///// ー‐ イ─\ Λ
∨ ',////|.:.:.:.:.///////イ { _ ─ヽ Λ
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉曜に降伏する際の司馬鄴の嘆きが『晋書』『麹允伝』に残っている
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 473 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:07:38.37 ID:KsRUWN620
-
∫ι__________ ./丁了
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ
||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | ||
||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | ||
弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ
n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n.弋ェェt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ェ,ィn_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_
n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n .il_,└───────┘ , i! n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : || ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|i | ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄||
 ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ || ̄! ̄ ̄/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄.|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i  ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~ ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l  ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`ll`l
l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″|  ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄  ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾ| ̄`.. ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ | ̄ ̄ | ̄!,, ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ll
| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄___
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 十一月十一日。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ 侍中宋敞が使者となり、劉曜へ文書を送った
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 474 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:08:50.90 ID:KsRUWN620
-
/ / i \ \::::\ `
/ V{⌒\r≦^7,, \
/ / ハ V, ノ\. }::A. \
/ / | V | ̄ Y:::::::!
/ | | V | |:::::::| ,
/ | | | \ __ | |:::::::| |
| | / ト _,,xィソ⌒ ̄ | |:::::::| |
| |.7 | ! \ ヾ ̄ ! _, \_ |:::::::| |
| | ハ|⌒ ̄ \_トi ,xイ予≧z,, 、 | |二ハ !
| | |ハ ⌒ トイ::q::i} }} Y { } i
\乂. } 乂⌒ソ i| !⌒ヽ |
| | _,ィノ `''''´ ! |人 } ! 皇帝が降参する時は、
| | ⌒¨i ////// | | iト ハ | 右肩を露出して璧を口に咥えるのよね?
| | //// | | ノ: :. |
| { /  ̄: : : : | 何かいやらしい
|i ハ ─ 、 u / / |: : : : : : . i
|i ノ\ / / |: : : : : : : |
|i /::i} \ / / i|: : : : : : : |
| | {i.ノ |!个 ── ⌒7 / ハ: : : : : : : . |
| | | |: : :|: : : : ` , / /: : : : : : : : : : |
| | | |: : :|: : : : : } 7 | : : : :.ハ: : : : : : : : : :.. |
| | ノ: : : : :{: : : : : | { ! : : : :7 ≧r── 、: |
| | : : V___/⌒>ノ ノ : : : :/ /^ \:{
|/ : : V / V: : : : : :/ ノ / \
/: : :.|: : : / {__ /ヘ: : :./─, / / '
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 皇帝司馬鄴は羊車に乗り、
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ .肉袒して璧を咥え、棺を担いで城を出て降伏した。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 劉禅や孫皓も行った降伏の際の作法である。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 逃走中に捕まった懐帝よりは体面を保てたのかもしれない
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 475 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:09:28.25 ID:KsRUWN620
-
/フY ヽ /´Y`ヽ /フYヽ
o ゚ ゚o/(/)(\) ヽo゚ ゚ o o ゚ ゚o/(/)(\)ヽo゚ ゚ o o ゚ ゚o/( o)(o )ヽo゚ ゚ o
/⌒`´⌒ \ / ⌒`´⌒ \ / ⌒`´⌒ \
| -)___(-、 | | ,-)___(-、| .| ,-)___(-、|
| `⌒´ l | | l `⌒´ l | | l `⌒´ l |
\ / \ / \ /
{ 〈〉_丿 :|::./: :. /: :. }i: :. | :'_ 乂ノ、___}
乂_ノ |: . |/: :. /: :. ハ: . }: | .::|: . | i
|: . |: . |: :. /}: :. / |: . }i }i ト、 .::|: . | |
|: . |: . |: . / }: / ,, |::. iii }i__ | \ .::|: . | |
|: . |: . | |_,,. 厶斗 /"´ |: }i iii /``〜、、|: . | |
|: . |: . | |:. / _j/_‐- 、 | /;′ 从- _,,_ VI`:. | |
|: . |: . | |:/,ィ灯⌒メ j/ム=‐'''^´ィ灯⌒メ .|: :. | |
|: . |: . | |i { }:::じ):つ }:::じ):つ }|: | |
|: . |: : . | |i 乂⌒ツ 乂⌒ツ |: :. !|i
|: . |: : : . | |i |: : . |:|
|: :. |: : : . | |i ::い:i::い:i:: ′ ::い:i::い:i:: }|: : . | |
|: : . |: : : . | |i ∧: ::. ||
. |: : :|: : : . | |i、 ハ|: : . |: |
|: |: : : . | 込、 , -- 、 ..イ⌒|: : . l |
,: : : ;|: : : . | | ̄ ~"''〜、、 ,ィi〔 ./|: : . | : |
. / /::|: : : . | | ``〜、、__,,.、丶´  ̄`~゙"''' |: : . | : :|
.. / 乂_ :|: : : . | | \ |: : . |: : :|
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ .
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 群臣は号泣して羊車に縋り
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 司馬鄴の手を執ったため、司馬鄴も悲しみに抑えられなかったという
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 476 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:11:32.31 ID:KsRUWN620
-
/ニY二ヽ /⌒ '"⌒ ヽ、
/uー ー;##ヽノ ー \
/ (_)(_) .u\ ,; \ ,rー、
|-);;#⌒`´⌒:::: (-, ⌒ ̄ ̄` ̄ ̄ ̄ヾ`ヽ ヽ
| 〈 ,____ 、 〉 i,ノ、____"___,、___ソノ__ノ
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.:ハ: : : : : : : : : :,: : : : : :∧  ̄ ̄ ̄゜`⌒´  ̄ ̄` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
: : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : }: : : : : : }: : : : : : : :/∨: : : : : |
: : : {: : : : :{: : : : : : : : : : : : }: : : : : :/: : : : : :/ ∨: : : : :|
: : : {: : : : :∨: : : : : : : : : : : : : : : :/: : : : /-――‐∨: : :./
: : : {: : : : : :∨: : : : : : : : : {: : : : /: : :./ | '/: /
: : 从: : : : : : \: : __: : }: : : /: :/ | }/
: : : ∧: : : ,:ヘ: : : :{////{: :{: :.://⌒i |
: : : : ∧:.く.//\:.:∨//∧: : :./ / |
: : : : :.∧: :\// \'////}: :/ | |
: : : : : : :.\: :.\///'///I:./ 、 | |
: : : : : : : : : `''<\/ \/\ \ ) ∨
: : :{: : : : : : : : : ,.:'´⌒⌒厂⌒``〜、、 ∨
: : :}: : : : : : : : /: : :{: : : {: : : : \: : : : \ }
: : {: : : : : : : :.:{: : :八: : :∨: : : : :\: : : : \ /
: : {: : : : : : : 从: : : : \: ::\: : : : : : : : : : : \ /
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: : {: : : : }: : : : : : : \: : : : : : : : : : : : : : : ,. '"~~~"'〜、
: : : : : : :{: : : : : : : : : ´"'''‐-------‐'''"´ \
: : : : : : :{: : : : : : : : : ヽ: : : ∨ / / }
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ .
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 悲しみに耐えられなかったのか、御史中丞吉朗は自殺している
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 477 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:12:49.08 ID:KsRUWN620
-
/.::"゙:/Y)::,. ',´ィ :/'-´、 `ヽ
ノ:::::::/::彡/::::::::::::/ ヽ、 ハ
(:::::::::l:::::,/!:::::::::::/ハ ', ヽ ∧
 ̄`//_/_, '´! ト、 N,ィlハ ヽ
/´' ミ{ ハ llヽ !リ>j,=キュリr、 ∧
/ /y' ',-ヽ-'、ヽィ´.∧c;ヂ)yノヽ .∧ よく御決断された。
r 't ノノ从、ィ、 f式ホ. `" l´、 `ヽヽ、
. /;;;;;レヘ、 ` lヽ.ヽ ゚'゙ ' _ .∧ィ==y 、 _`ヽヽ、 平陽へ移る準備が整うまでは宮中でお過ごしを
/;;;;;;;;;;;;;;;;/ レl .! .ゝ . __ゝ`/イ::/:::::::ハ\`丶、`丶、
. 〈-- 、;;;;;;;/ リ从∧ィ^/`´///::::::::::::::::', \ ` `
. ,'"´::`:ヽ/ レ/´くr、/十´`Yハy "´;;;;;`ハ `丶、
,;::::::::::::::リ,、, -''"´::l::/::!:ト、ヽ、::::/_::/-ー-、;;;;;;;レ〉、 `
!:::::::::::ノl、::::::::::::::::::/::-',::ヽヽ、/./ ィ゙テ .`!、;;∧ \
. リ:::::::/::リ:::::::::::::::::イ- 'l´.'::,:/ヾ<¨´-、 _/ノ´ .∧ `丶
. ハ::::/::::::::::::_::, - ''!.!::::::!:::l,/k'_´,. =---'´`゙/´ ヽ ', ...′ ,! : ! i::::::::i :,
``ー ''" .从Yy'::´:::',::::::::::::::::::::::::::/ ヽ ヽ ', ..i /! .ト i ! .iニニ| |
..! l i-、. |ヾ , ‐‐ 、 ! ! |::「:!」 |
..E | :, | ヽ \ ! j T!:|、_, ‐、
i}ヽ!笊ヽト、从 ィ示ュ\ l/ |::::::::/ /!
l. ‘, 泛 弐ri ヽ V |:/ .l!__
. .! 炒 弋ツ ノ / / !' ノ
.′ :. " 、 ,, / _{/ ヽ._r、/
そうなるよね .i : > _ / /.:.:`.:._.:.:V.:.ヽ
l l! > 。` . イ `i_ /.:.i.:.:.ヽ.、__,!
l i ! ,! } / ̄`! / /{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:゚,!
∨ !ヽ! / / ノ、 .' / /∧.:.:.:.:.:.:.:.:.: i!
∨ヽ _ /t〈 `ヽ-、_{ / /ノ.:.:.゚v.:.:.:.:.:.:.:.:!’,
∧∨ }_ 〉<ノ | ゝ‐ァkxz_〉,_,>t´ノ.:.:./.:i.:.:.:.:.:.:.:.:ト, ゚v
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ .劉曜は棺を焼いて璧を受け取った上で、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 使者の宋敞に司馬鄴を奉じさせて宮中への帰還を許している。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .このあたり、洛陽陥落の時とは随分異なる
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 478 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:15:37.83 ID:KsRUWN620
- 【紀元316年11月 漢 首都 平陽】
/..................................\
/.......厶三三≧x...............)7
/......./ ー一 乂 __
ー┴‐ ' ノ
__ >/ { \ { 斗-ミ ハ
ゝ __ 斗-ミ\{ 笊示∨N }
{ {笊示 乂リ }リ 〈リ
Y、 从乂リ , 'ソ }
{\{i込 r , /从ハ }
八 {、 N〕is, _ イ__}/ リ
斗ュ _\{xくリ辷≦ 〔 . ´ ヽ¨` _ヽ r‐、、
. / -i}/i://r‐.、}},......‐ァ 〕ix ,、/ ' 、ヽ ヾr、ゝ':,
-‐/0 ‐i}i://.ノ:::::f j:::::::::} //i:i:iヽ i/ ‘,Vヽ \‘,
/ { .ノー'i:i|.| 廴ノ^\__ソ //i:i:i:i:八 ,' i i 、 :, ヽ。
/{ , / Yi:i:i:i}.} }i}.{i{ .//i:i:i:i:i:i:i:i:\ / ! ,.! |\ヽ ', :, ヾ
i | / ! |,斗─、- ! i ': ゚。
{ l,斗 ヽ、 . ! 〃示心|. | : ゚,
Y vl了心.ヾノ 弋_ ソ ! |ヽ l! }
l !弋ソ .:.: ! !/ / ノ
| ‘, :.:. 丶 / !/ ̄`.
i! 人 _ , -----./. |_____...._!
l! <´......ヽ.........../ /.................`;
゚:,:, ヽ..........〉......′: //‐‐..ヽ......../
从.ヽ l}.......〈........〉、.:_./......,.......‘,′
/...fヽ/}....‖.....レ-、}...../.........._.}
〈...i..`i ヽ'....‖....../ !../....,ィf´.......゚。
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 十一月十七日。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ .
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 司馬鄴は麹允ら郡臣と共に平陽へ到着し、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 翌日劉聡の宮殿に臨み、彼の面前で稽首したと『晋書』『愍帝紀』と記す。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 劉聡は司馬鄴を光禄大夫・懐安侯とした
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 479 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:16:40.93 ID:KsRUWN620
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: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.:ハ: : : : : : : : : :,: : : : : :∧
: : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : }: : : : : : }: : : : : : : :/∨: : : : : |
: : : {: : : : :{: : : : : : : : : : : : }: : : : : :/: : : : : :/ ∨: : : : :|
: : : {: : : : :∨: : : : : : : : : : : : : : : :/: : : : /-――‐∨: : :./
: : : {: : : : : :∨: : : : : : : : : {: : : : /: : :./ | '/: /
: : 从: : : : : : \: : __: : }: : : /: :/ |||||| }/
: : : ∧: : : ,:ヘ: : : :{////{: :{: :.://⌒i |||||
: : : : ∧:.く.//\:.:∨//∧: : :./ . / |||||
: : : : :.∧: :\// \'////}: :/ | |||||
: : : : : : :.\: :.\///'///I:./ 、 | u |
: : : : : : : : : `''<\/ \/\ \ ) ∨ (……私のせいだ)
: : :{: : : : : : : : : ,.:'´⌒⌒厂⌒``〜、、 ∨
: : :}: : : : : : : : /: : :{: : : {: : : : \: : : : \ U } ヽ ヽ
: : {: : : : : : : :.:{: : :八: : :∨: : : : :\: : : : \ / } }
: : {: : : : : : : 从: : : : \: ::\: : : : : : : : : : : \ /
: : }: : : : {: : : : :.\: : : : : : : : \: : : : : : : : : : :.\イ
: : {: : : : }: : : : : : : \: : : : : : : : : : : : : : : ,. '"~~~"'〜、
: : : : : : :{: : : : : : : : : ´"'''‐-------‐'''"´ \
: : : : : : :{: : : : : : : : : ヽ: : : ∨ / / }
: : : : : : :{: : : : : : : : : : :}: : : :∨ :{ /. 乂
: : : : : : : : : : : : : : : : : :}: : : : | / \
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.:.:| { / }
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『麹允伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 司馬鄴が平陽へ至り、劉聡に侮辱されると、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 麹允は地に伏せたまま慟哭して起き上がる事がなかった。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 激怒した劉聡に投獄されるも、発憤して獄内で自殺した
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 480 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:17:45.64 ID:KsRUWN620
-
/.......厶三三≧x...............)7
/......./ ー一 乂 __
ー┴‐ ' ノ
__ >/ { \ { 斗-ミ ハ
ゝ __ 斗-ミ\{ 笊示∨N }
{ {笊示 乂リ }リ 〈リ 麹允は見事なものだった。
Y、 从乂リ , 'ソ }
{\{i込 r , /从ハ } それに引き換え索綝、貴様はどうだ?
八 {、 N〕is, _ イ__}/ リ
斗ュ _\{xくリ辷≦ 〔
. / -i}/i://r‐.、}},......‐ァ 〕ix
-‐/0 ‐i}i://.ノ:::::f j:::::::::} //i:i:iヽ _.....-―-......_
/ { .ノー'i:i|.| 廴ノ^\__ソ //i:i:i:i:八 _..ィ_´ ̄〕iト ::::::::::::::`::.、
/{ , / Yi:i:i:i}.} }i}.{i{ .//i:i:i:i:i:i:i:i:\ /:::::::::::::::〕iト \::::::::::::::::.,
::::::::::::::::::::::::::::::::\ .:::::::::::::::,
'::::::::/::::::::::::::::::::::::::丶゙.:::::::::::::.
':::::::メ:::::::::/{::::::::::::::::::::VI ::::::::::::|
::::::/_}::::::::|=-::_::::::::::::::::vi :::::::::八
'::::::ハij、::N,,__゙,:::::::::::::::|:::}!::::::::::::::::\
,:::::乂_.ノ、i丶'乂ッ寸:::::::|⌒,::/´ ̄ 〕iト _
i{ヘ:::::、 ' 乂 и ::::::|_ノ::' 丶
丶 v∧ 、  ̄ l:::::::::|⌒}! \___
\丶_......、ヾl :::::::| ,ハ 寸\/〕iト、
)爪 ',::::::::::::|::::::::| }! 、 寸.\//ヘ
乂_ノl::::::::| ゙. 、 /}:.:.:.:}//
∨.l ::::::| . =- _ ,:.|!:.:.:.'|//
/:.丶::::::|y! ', ⌒丶 ,:/:.:.:/:|//
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ それでも劉聡は麹允の忠烈を認め、車騎将軍・節湣侯を追贈している。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 対照的だったのが、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .共に平陽まで司馬鄴に随行した索綝の最期だった
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 481 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:18:25.67 ID:KsRUWN620
-
-──────-
. /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ、
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
/::::::::::::::::::::::::::::_ -‐……- _:::::::::〉
. 〈::::::::::ト、 __,/ / ` /_,ィ
. \  ̄ ヽ / / / / /、 } く
. / フ / /,/ 〃.‐===‐ ', } } 'マム
. ー=≦ __,/ 〃 { /,!/ 斤テ_ } ,'‐- }、}
. i {./{ ! .{,/ :/ { 辷z} }/.ヒ}/j / }
. | ,! ,^V ∧ .{. ー, {′ ' 貴様は晋朝に対して不忠だった。
. Y 弋 V ∧ { __ ; ∧
∨、 ` V ∧ 、 / ∧ .故に東市へ送る。
∨\ .V ∧ \ ._/ .i| \
} ハ }ヽヽ、 ∧ / ̄ }ヽ i| .この男を連れて行け
' " /「 .}/ \ ∧ ‐ _\ Y 丶i|
≠z ミ.`<\ . 「 ` >__ ゙,!
/三 ヽ \ r─、! / >-、ヽ \__人_人从_人_人从/
/!三三三\ 〉 : : :\.〈: : :ヽヘ _) (__
. _ イ |三三三三\ ヽ: : : :,r'!ノ : : 〈\〉 ) 御意ッ!! (
< .|三三三三三\ } : : : /{::\: : } \  ̄ ̄) ( ̄ ̄
.< |三三三三三三ヽヽ '\:\::\ヽ > /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
. ` - __ j三三三三三三三ヘ \:\:::`\ __
.  ̄/三三三三三三三三} .}::ヽ:}::::::〉 `ヽ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『索靖伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 索綝は司馬鄴に随行して平陽へ至ったが、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 劉聡は彼が本朝に不忠であったとし、東市において殺害した。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 匈奴の出自の劉聡や劉曜だが、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ こうした価値観を重んじる程度には漢化されていたのが分かる
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 482 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:19:36.15 ID:KsRUWN620
-
:,: :(::)
/⌒''⌒) :,,゜ ' ,,,,,,,
(:::::::::::::::!' (::::::)
ヽ::::::::';''' ''~~ 。
τ'::/ .;:
)/
。 ' 、 ;: 。
f''`⌒( ,,,, !:(',,,, ::,,,,,、...
,!,,,、( /:: ノ:::::::::::::::::) 。 !::::::::::`! 、
:.、 !:::( ノ::`! o (:::::::::::::::::: (:::,,;,;,、; 。
゜ (/ ⌒ 、 ;::::::::::::;;.;~~''
,,、.. // ノ' //'''~~ ..,,.. _,,,.、 ,, ...: ..
/;::::::::(,.,.(;;;::::( ,,., ;,;;( ):::::;. c::── '^'''::::::::::;'
):::::::::::::::::::::::::::/ ''''' '` ⌒ ; !.:::τ''
!::::::::::::::::::::::::::::)/,,,,, :'~~~:
(::::::::::::::::::::::::::::冫 ~~~ 、,:'::::::`:::,,,, !:::::ノ
::::::::::::::::::::::::::::;(,,,,,,,、:::::::-ー'''' ''''''''"
ヽ::::::::';''
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 索綝は悪い終わりを遂げたと『晋書』は評している
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 483 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:23:15.19 ID:KsRUWN620
-
.,、
盛楽 、-' ヘ
,r'`ー-、_;_, ○ 薊 /´ /
r'´  ̄ヽ, ○ ,r'´ r' r‐
} { ,.、_ノ _"7 /
/ r' 晋陽 太 / 'ー'´
./ ノ ○ ヽ
' { 陽邑○行 厭次ー、 r'‐-,_,_ィ_
} 【楽平郡】○襄国 ○ /ヽ_r' _r'´
{ 平陽 山 鄴 ○ r-'´ 〇 r' '
`ヽ } ○ 壺関○ ○広宗ノ 臨淄 }'ー' '
{ { 脈 r○廩丘 r'
'´`ー-, ヽ / ノ r'
\ 'エ_,.-‐'`ー―‐'―= ‐' .,
 ̄ ̄`ー‐'―'´ ◎洛陽 ○開封 〇 >
○長安 ○○許昌 下邳,ヘ' ヽ
襄城 ○葛陂-v'γ ヽ ハ_
ィ-v○寿春 __ゝ、 `{_,、
,、_ r'○建康 -、
○襄陽 `' r' {__'ィ }
,. -――'´`ヽ ,、 , _,.r' __/`
_/ ヽ ,/ ヽ ノ `^ー'`> ,. :-:.' ー ' ¨ :.ゝ.、
_ィvー'´ Z,、 / `ー-,r' } ,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
r-‐'´} {`ヘ ,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ、
'ー'`" `ー' ,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`、`ゝ
,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ハ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
/イハ:!:.:.:l:/ i/ ノノ ノリリハリ:!:i:.:.!:.l
i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ハ!
∨|:.:.! ノ/i/ノ
ヘ!:| ノ!/′
長安政権の崩壊と前後して并州の情勢にも変化があった ヾ!>ー- -- <イリ
(;;;;;ソ⌒) ̄`´ ̄(⌒ヽ
ヽ;;=;;/__,,、_/;;`ソ
〉;;;;;;;;ソ:/A.i:l;;;;;;!′
ノ`;;;;;;;;;;i;!___i;!;;;;;ゝ、
(_;;;;;;;;;;;7;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ;;;;;;;;)
` ̄ ̄ ̄´` ̄ ̄ ̄´
- 484 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:23:51.79 ID:KsRUWN620
- 【紀元316年11月 晋 并州 楽平郡】
__ ,.::-ーュ_,、_rv:..、 _ _,,-─-::_,, _::. ` .:::., ..:::ーy
::.`` -、.::... .:、:...-iー..__,、_ ___ノ:.ー、_ ,,--‐'´::....... :i .::::::::`'-‐'" _"::.:.:.:.. ,
_::. ` .:::., ..:::ーy ....:.. :... .:::.`'".:: ::i.. ヘ' ̄`::r、─ 、_, 、_,、--''`'´.:::::::::... .::.. :::. .:::::...ノ-",::~_-
::`'-‐'" _"::.:.:.:.. ,_ - 、::..... :: ::..v :....::" ..:;''.:'" ` ::. :.:.... .::::::::.:.:.:.. :... _,..- '':::::::::... .::.. :::. .:::::...
::. ::..:::.......,;,.. ./:: .:.:: 丶 .. ..:......、 :.、 ノ-",::~_- 、:::::::::::.::...-、 `- :::. .., '":::::::::::::::
_, -─‐- 、ー‐-、ー-、 ;: ;:;: :;:;: ; ; ,ィゞ
,イ、,r'⌒ヾ ヽ ヾ ``''ー- -、-‐''"´ヽ;;: :;:; ;:; :;:; ;: . .,.:,..:..
,r/ (::;;:;:;;/ー-、 j `, _ /ィ´ ;:; :; ;:; : ;: ,ィゞ
ヽ 「i''ー'"´ ,r-‐'ー''''"´ ̄
,ィ!´ ̄``i''ー─- 、、、,,_
イ三二二ニニニゞ ( j〉 」´ ̄ ̄``ー-、ヽ .,.:,..:..
... ,... ``ー─'"´  ̄ ̄ ̄ ̄
,ィゞ .,.:,..:..
_,/ ̄ ̄` ̄\
/ /二◎二ヽ ヽ\
/ ルノハヽゝ,ハi 〉 .i
iv、!● ● i i' 〈
どうしてこうなった lリ〈 ワ i i' リ
_iハ`ーゥ t-ノ i 〈
ヒ/」」」.l/リl ly ,ィリヽ、 ヾ
| l | / `.lシl==j \ 〉
| l ,/ー、{::::::::::/ー、! \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .十一月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 石勒が楽平郡を囲み、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 司空劉琨が援軍を派遣するも、石勒の前に敗れた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 楽平郡太守韓拠は出奔したと『晋書』『愍帝紀』は記す
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 485 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:25:08.24 ID:KsRUWN620
-
/ ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:、: :\:、
/: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ハハ: \: :ヽヽ
': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|`´ ヽ: :三_〉:_ヽ、_
/: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :| |: :|: : :|:!: : ̄彡´
|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :| }: :|: : :.:|:.|:<
{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.リ、/_/ j从: : :}:|:.|、:_:_≧
\}: : ∨: :|: |≧-_、: : / ィ≦⌒ヽイ: :/: !:.!: / .拓跋部から来た兵の強さを過信し過ぎましたね。
イY:.:{: : Y ハ斥 ∨ ら:刈 |:/:{:.:|:.|/
-イ: :ト、: 圦 ら::ム マしソ }: :.|: |:.| .今は力を蓄えるべきという彼らの意見もありましたが、
Y、:\:」 マし' , "´ /: /: :{リヽ 石勒軍の攻勢を見過ごしたらジリ貧だったのもまた事実
\: ハ _ __ ι ィ: /r≦―-、
\:> _ ...イ: :// ̄ ̄ヽ:.i
/\〉:.:./三ヽ j: // // ///Y
/{:.:.:.:.:.:.:\三、/W //}:.∨ }|
_,/ ̄ ̄` ̄\
/ /二◎二ヽ ヽ\
/ ルノハヽゝ,ハi 〉 .i
鮮卑騎兵なら石勒に勝てる。 iv、!● ● i i' 〈
lリ〈 ワ i i' リ
そう思っていた時期が私にもありました _iハ`ーゥ t-ノ i 〈
ヒ/」」」.l/リl ly ,ィリヽ、 ヾ
| l | / `.lシl==j \ 〉
| l ,/ー、{::::::::::/ー、! \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 劉琨は新たに加わった拓跋部の将兵を
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 彼らの反対を押し切り、対石勒の先鋒に立て楽平郡の救援に赴いた。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .ところが、この軍勢が石勒軍の伏兵に遭って大敗・壊滅してしまった
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 486 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:26:20.70 ID:KsRUWN620
-
` (⌒ 、 /ニ Yニヽ
`ヽ \ ,/(>)(<)ヽ 大変ですっていう!
(⌒)ヽ (⌒ -、. / ´`ヽ---/::::⌒`´⌒::::\
ヽ::::::: . | ,-) (-、| .陽邑の留守を預かっていた
(⌒) .。; ゚ ,,\. `'''⌒) ,;‐=‐ヽ l | '⌒) .長史の李弘様が石勒に降伏しましたっていう!!
(⌒・⌒ ・ = ニ` -、 、 :::::,,.r ' `ニニ´ / ,.r'
'';:. ,、,,・:・ 、、,, =ニニ` ー三----- `''ー─‐'"
-=- .
. -,へ─‐- . / \
,. : : :/: :,: ヾ : : : : : :〈{ ‐-x=- 、
-=≦: : : /: : :/: : /: : : : , : : : : : :ヽ: :\
_,. イ: : :/: : :/: : /: : /: /:ィ,,ヘ:゚。: : :}: : : :゚。
.. ー=≦ : :/: : :/\/ : :/: /:/:|"゙゙}i:}ニニ}: : 「ヽ}
ー≠: :/ : : ィ=ミヽ/: /:/: :| _}l:}ニニ}: : :}
/イ: /.: :〃んハ 厶イ:/ィ斗、从: : :': : :イ
/イ: :ィ⌒ 乂rソ ノ' んハ Y: : ィ j{: :{=- .
そんな! }イj '〈 , 乂:ソ イ: :/ }八: ゝ ヽ
. ノイ`杁 ,...., _ ムイ==- 、.:.:. }
ノイ丶 ‘ ′ ィ=- . . . . . .}.:.: /==- . _
//. . . .}=≧=-<ニ{ ヾ≦三三三三〉=-=.}
{ {{. . . とィ=ミ._ ゝ .._ :. ゚。 ゚。 ヽ
_..イ≦ニニ〈_/ニ/,へ , __,ィ} } } } }
. /_}/ニ=} ̄>=-ミイ > =' _ノ=- ._ / /ニニ ¨¨´
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 悪い事は続く。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 司空長史李弘が謀叛し、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .并州をもって石勒に降伏したと『晋書』『愍帝紀』にある
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 487 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:27:56.04 ID:KsRUWN620
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\_-_-_->'"~~~"''〜、、::::::::::::::::\
\_-/:::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::\
. /∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::::::::::::::::.
〈__,{:八:::::::::::::::::`、:::::::::::::::::::`、::::::::::::::::.
. .::|∧:::::\:::::::::::::::`、::::::::::::::::::|::::::::::::::::::
.::/|:::∧:::l_,,.`'<:::::::::`、::::::::::::::|::::::::::::::::::|
/:/:::|:::::::}:/斗-=ァ\::::::|::::::::::::::|::::::::::::::::/ つまり、帰る場所がなくなってしまったと?
.::/ j八::::从 V} ' |:::/::::::::::::::|:::::::::::::::
〈:〈 /' l:/':ノ |/::::::::::::::/:::::::::::::/
`>> l:::::\ /:::::::::::/::::::::::::::::{
(:::( l::::::::::::... っ /::::::::/!:::::::::::::::::::::::. _
)ノ 八:::::::\:::\ /:::::/ |::\::::::::::::::::::::... ⌒):)
\:::::::\::::/::/::::}/|:」 \::::::::::::::::::::::...../ | | }}
\::::::∨::(、:::/ /-_-_⌒\:\:::::::::... ハ / |
.:::::::::::)\::::::...... /-_-_-_-_-_-_`、:\::::/ /圦 、 _ " 丿
〈::::厂/-/\::::::ノ/-_-/-_-_-_-_-_.}l:::::\ 八IL ー=======  ̄__nァ7/
/ ′|、込、___ノ 三ァ/ィ 「
/ 、()>廴ニニニニ=‐<>ニ| ト、
,′ V\ー、───‐=ニニニニノΛノ
| | |i | (\\ニニニニニ>'' ノ} }
| |\乂_V|\_>父ー----、- ァレ|ノくレ'
ああ。 ゝ ゝ ト、__ノ}<フ r ア /} r‐ } )}
ゝ‐<〜ミ≧=≦ |マ三アノ`¨
最悪極まる _ 乂( ̄: :\、|i八リ| 「 ̄ヽ
/: :〈 マミ〉 \__LL_ 〉∨|
|: : :∧ ̄ 〉 厂 7⌒\ | 〉
|: : ∧ L/ / / | |
|: : : : }/: . _/__/: :o ノ: : |
ノ: : : :j|: : 〈: :o: : |: : }: :八
- 488 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:28:52.94 ID:KsRUWN620
-
/,ィ、  ̄\
/`ヽ': :  ̄: : `: ´: :/: : :`ヽ: 、 \
,/: : :/: : : : : : : : : :_: : :\: :/∧: : ヽ
//: : :/: :/: :./: : : : : {ハ、r 、:.Yヽ,.ハ: : ::.
:':.:|: : :.': :/: :./: :/: : : :.| |: |:|:∨}: : :,:.:.
.| : |: :.:.|: :|: : :! : | : : : |:| |: |:|: :Y: :.:|l:|
,.r'-:.:|: :.:.|:-ト、_|:_:.|:|: : :从_,...イ|: }:{: :.|:||: : }リ 困りましたね。
、_,ィ≦_|: :.:.|:/ィrftォ 、|: :/ ,ィチハ|/: | : |:|:.: ,'
_,..ィ: {: : :圦 ら_jr ! ∨ らr} ': :.}: /:} }/ .このところの旱魃で、
∧:∨: :| 弋こソ しソ /: :/:/:/ / もう并州には拠点にできる場所が残っていません
{! i从: :.| _' /: :/{/:/
/从\〉:.、 ( У ..ィ{: / i/
r=≦===ミ、:::::::≧ = - ≦!:.|j/ ≦――=-<
{) /-、:.:.:\〉-、::::::/::::::| /:// _|>゛¨¨¨¨¨¨>s。 `ヽ
∨∧_ノ:.:.:.:.:.:\_}:::::☆::::Y' { >' ., ´ . >s、 \
./ / .:i 〈\ ∨
,' / .: | | ∨::\ ∨
| :. .:| | .: .: ∨乂\∨
| { ∧八__::| .: .: ル乂X<フ
人 { :. ∧ャtf=ァ:| / / /レ \乂X{
N\人 り レ'| ,イ /} ∨ ` <
| 〈 ノ' レイ} :::∨ /∧
当てがないわけではないのだけど | ∧ _ / ∨ ::∨ /∧
| |: \ ` イ /¨∨ :::∨ /∧
| |: へ..::<〉¨¨¨///>‐、 :∨ /∧
| |: ,' /}}///∨ \::∨ /∧
| |:/ //∨⌒/ <> \v /∧
| :/ .ィ }/ \ /∧
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『劉琨伝』に曰く。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 連年の旱魃によって
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .劉琨は困窮しており、再び并州を守る事ができなくなっていた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 489 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:29:33.73 ID:KsRUWN620
-
\_-_ニ=- _ |_-_
`''<_-_-_-ニ-''"゚~~::::::::~~゚"'::.、 -_-_
`,.:'´:::::::::::::::::::::\:::\:::::::::/_-_-}
.:::::::::::::ノ:人:::::::::::::∨:::\:/_-_-_]
/:/::::::/::/⌒l::::::::::::::∨::::∧-_-_ノ',
/ ,゙::::::::::/ l::|';:::::::::::|::::::::∧::::::::::::',
{ :::::::::/\ :::| \::::::|::::::::::::|::::::::}:::::.
{ |::::::斗=ミ /:/─‐\::::::|:::::|::::::::}::::::
人::::ヽVソ /'゛ 斗=ミ |::::::|:::::|::::::/:::::′ どういう事よ?
.::::ハ乂x , 弋ツ >:::::::::::/:::/::::::′
.::/ .::::. xxx /:::/:::/:/::::::'
廴_八:込, 丶 /:::/:::/:::::::::::/)
(⌒ハ::l::\_,,. -=/::://:::::::::::::':(
) ノ::|:::__::ー┴=彡'::::::::::::::::::/(⌒ー-- ,、丶`  ̄ ̄ ̄ ``丶、
..:::::/乂⌒\ 八:::::::::::/乂::. / _ -‐\ \ \
八:::(/ ⌒乂\(⌒:::::::::::\} ):〉 , -=二ニニニ=-\ \ ヽ _ -=二
// }乂 \ノ人:\ヾ::/ /ニ=- \ \ ヽ ', /二二
/' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ=-
/ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄__
|八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二二二
i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、  ̄ ̄
| | ,ィ=ミ\ `" `、 ( ノ人 \
|i 爪 vリ __、 〈 ヽ \
前々から幽州の段匹磾から手紙が届いているの 八 ハ ' \、 \ \
ヽ 込 、 - / \ \ \
| 个 ィ / ' \――― ミ
| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒ヽ
__ | | i 八 / '// / ' \
/ ∧、八 |{_// / ' , i '⌒
- 490 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:32:55.40 ID:KsRUWN620
- 【段匹磾さんの御手紙】
<]\ /::::[>|
|<]::::::\,.....::: ..../:::::::::[>√
|<]::::::/:.:.:.:.:.√::::7:.:.:ト,:.:\::[>:√
|::<]/ア:.:.:.:.:.:./::::::/:.:.:.:}::|:.:.:.:.∨/
[アK[:.:.:.:.:.:.:.:/:::/:.:.:.:.//:.:.:.:.:.:.:.:.,
//:.:}〉:.:.:..//:.:.:.:.:.:〈//:.:.:.:.:.:.:.:.:[ト、
/:.:>〉//:.:.:.</∧:.:.:.:.:.:.:.:./ ∨:.:.:.:.:.:.|:.:.ハ
/:.:</:.|/:.:.:.:.:.:.Ν`∨\/ ´ ∨:.:.:.:.リ:.:.:.:.\
/:.:.:.:.:.:.:.|〕:.:.:.:.f灯たヽ ィた灯|:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.\
/|:.::.:.:.:.:.八:.:.:∧| Vツ. Vツ /:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ
/.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.\{八 ,′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:| 劉琨殿へ。
. |:.八:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.込、 マ⌒7 |:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/|:.リ
八{ ∨.:.:.:.:.:}.:.:.:.:.:.:.:.> <∨:.:.:.:.:.:.:.:.:/ ,.::/ .一緒に晋王朝を助けよう。
__〕:.:.:/:.:.:.:.:./:./ .〕 爪__ )\:.:.:.:.:./ /:/
\:._∠_,,...-┴一 ''〈 〉 `''┬--<ー=彡'
/ : : |/ ‘,____/ |/: : : ∨
/: : : :.| /`マ∨ /r'^ヽ.八: : : 八
/: : : : /_ | ⌒〕∨ f⌒ }_〕〉: :/: : :,
/: : : : :.|:::::::人 ンΥ:「` .八:::∨: : : `、
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 鮮卑の段匹磾は何度か劉琨へ手紙を出し、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 共に王室を助ける事を望んでいると伝えていた。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .恐らく、邵続を味方にしたのと同様に誘いをかけていたのだろう
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 491 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:34:21.62 ID:KsRUWN620
- 【紀元316年11月 晋 并州 楽平郡】
/__/ -―- ``丶、
'/ /::/  ̄ ̄ ̄ \ \
/ ∨ \ \ \
i | |ヽ \ \
i | | | | ト ⌒ヽ
| | | / /'| {xミ |
| :八 / / | 佗 Y 八 彼とは知らない間柄でもないし、
/ _ ∨! , \ x=ミ |/ , "|' ヽ .私は残った軍勢を連れて幽州へ行こうと思っているわ
. / /⌒ヽ }/ / _∧ /vツ ' | i
- / ⌒ --=彡' / ( 、 、 " , / | |
/ / { / / } / ト ∧ ト ___ /! ; ,
// , 八__/ /⌒'/ / ヽ∧ ∨:./: : :.:| | /
. / i 、 { /____./ __ \、 ∨八从| |:/
l / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/  ̄ ̄ \ \ | / / ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:、: :\:、
/::  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄::/=x==ミr―、 \ \ | , /: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ハハ: \: :ヽヽ
/:::/ ̄/:::::::::::: / } / へ 7}八ヽ八{ ': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|`´ ヽ: :三_〉:_ヽ、_
/: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :| |: :|: : :|:!: : ̄彡´
|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :| }: :|: : :.:|:.|:<
{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.リ、/_/ j从: : :}:|:.|、:_:_≧
\}: : ∨: :|: |≧-_、: : / ィ≦⌒ヽイ: :/: !:.!: /
イY:.:{: : Y ハ斥 ∨ ら:刈 |:/:{:.:|:.|/
-イ: :ト、: 圦 ら::ム マしソ }: :.|: |:.|
鮮卑を頼りにせざるを得ないとは…… Y、:\:」 マし' , "´ /: /: :{リヽ
\: ハ _ __ ι ィ: /r≦―-、
\:> _ ...イ: :// ̄ ̄ヽ:.i
/\〉:.:./三ヽ j: // // ///Y
/{:.:.:.:.:.:.:\三、/W //}:.∨ }|
- 492 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:36:40.01 ID:KsRUWN620
-
_ >―――r' /
ト >::::::::::::::::::::::,::::::::::⌒ ̄`::<
∨ \ ./:::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::>...、
.∨ 丶.':::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\_:::...、
∨ ヽ:::::,ィ:::::::::::::::::::::::::><::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ ̄ヽ.__
∨ .У::::::::::::::::::::::::´:::,ィ,ィz≧、::::::、::ヽ:::ヽ:::::::丶 ヾ:ヽ
人 /::::::::::::::::::::::::::ノ^´ マ::::!::::::マ::::V::::::: \ Y:l 私たちは諦めない!
「ヽ_>-|::::::::::::::::′:::/ マ:ト、:__::マ::V::::::::: l! }::! ⌒ト、
|_に{ !::::::::::::::|!::::::' }'/\::::マ::v: ∨:l/7 }:::! .絶対に!!
./ノ:ハ`-1:::::::::::: l!:::::| _ノ´.zェぇ┬!::}:::: ∨7 /::::l
/.イ::/ j:::::::|::::::::::::: l!::::il ,.イf心 ト:}∧_:::::マー―<::::::::┴―‐::::<
/ ././:;イ !:::::::l::::::::::::::::マ:::l-―=≦ニ´ じリ |:'::メ.__::ヽ:マ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::_::::ヽ
Y _{/::/7 l:::::::′:::::::、::::::Y ,..ィ炸丐ヽ `"´ .ト:::::ム:ヽ}:::マ::::::::::::::::::::::::-=≦s...、`}
.ケ~V::/ l__」::::::!::::::::::::::ト:::: ムイ{ じハ 、 !::::`ー}:::ノ::::::マ::::::::::::::::::::::::::_::::::::\
〉-'::.' .ひ、:::::|:::::::::::::::: \:::::.`.、_ ゝ'’ ト、__::リ:::::::::::::〉----<::::::::::::ヽ ` :::::} __ ト
.l::::::::| ヽ乂::::::::::::::`::::ヽ:::乂_ ィ ∧._ヽ/::::::::: イニニニニニヽ:::::::::l! }/ ⌒ヽ::ヾ::::\
.|:::::::乂___ ヽ::>.、::::::::::::::::、下⌒ v' _ ̄ ッ / У:::::/ ,'ニニニニニム\リ ノ' }:::::}:::::::::V
.乂_::::>'⌒)L....、、:::ト、:::::::::: `ト、::`:.、 ゞ‐ ´ /ヽ/:::::/ _.llニニニニニニニム:::丶 !::::リ::::::::: V
.ん⌒}:} l:: リ′\::八乂.≧、ト. ___ .イ ./::::::,.イニニニjニニニニニニニム⌒ヽ .′::::::::::::::::!
ノ' }:/!トニニニ}::::::ヽ:::..ーヾ:._r'´ ヽ 7:::::/ニニニニi!ニニニニニニニi| /::::::::::::::::::::リ
' 八ニニ7::::::::::ト::\ リ|| Y:::::::{\ニニニ.ハニニニニニニノ>'ト、 /:::::::::::::::::::::/
∧. Vニ,' :::::::: 八ニ>≠ュ__.>'|::::::∧ \ニニ.∧ニニニニ>'゜ .>'iト /:::::::::::::::::::::/
r'{ ヽУ::::::::::/.ニニ/ L!|{ l::::::{::::\__.\ニニY___>'゜ .>'゜ニニl /::::::::::::::::::/
j=乂_/:::::::::/=ニニ/ l:!| ∨::`:::::::::::::≧s、〈 _.> '゜ニニニニl! ./::::::::::::::::::/
,'ニニУ:::::::λニニニi! |:!| 丶:::::::ノ⌒}::}⌒l ̄ニニニニニニニl!_/:::::::::::::::::: Y
{ニニ!::::::: /∧ニニi! 川 }/. ∨ニニニニニニニi!::::::::::::::::::::::::: |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉琨は人々を率いて段匹磾の下へ赴いた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 493 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:37:12.59 ID:KsRUWN620
- 【紀元316年11月 晋 并州 陽邑】
:''''"~ ̄~`'' | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l ....;:''''"~ ̄~`''-、__,,....;:''''"~:'
;:''''"~ ̄~`''-、_ || ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| `''-、
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i
 ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ ̄|| ̄! ̄ ̄;/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
 ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
 ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l! ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`l
 ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
 ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
`、 ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
″| ̄ ̄i| ̄!,,| ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄l
| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i ; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄_
''- .._ ~""''' ‐- ...,,__ _,,..-‐''~""''' ‐- ...,,___,,.-‐'
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ ここで、劉琨が去った後の并州の状況に触れておく
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 494 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:37:44.73 ID:KsRUWN620
-
''';;';';;'';;;,., ザッザッザ・・・
''';;';'';';''';;'';;;,., ザッザッザ・・・
;;''';;';'';';';;;'';;'';;;
;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;
mmmmmmmmm
mmmmmmmmmmmm、
/ニYニヽ/ニYニヽ /ニYニ /ニYニヽ
./ニYニヽ0)(0) (0)(0)/ニYニヽ / /ニYニヽ
/ニYニヽ / (0)(0/ニYニヽ / (0)(. /ニYニヽ/ (0)(0)ヽ
/ニYニヽ / (0)(0)/ニYニヽ / (0)(0)/ニYニヽ/ (0)(0 ) /ニYニヽ \
/ (0)(0)ヽ .⌒`´ / (0)(0)ヽ ⌒`´ / (0)(0)ヽ⌒`´⌒/ (0)(0)ヽ 、|
/ ⌒`´⌒ \ / ⌒`´⌒ \ / ⌒`´⌒ \ / ⌒`´⌒ \
| ,-) (-、.| | ,-) (-、|| ,-) (-、.| | ,-) (-、|
| l ヽ__ ノ l | | l ヽ__ ノ l || l ヽ__ ノ l | | l ヽ__ ノ .l |
\ ` ⌒´ / .\ ` ⌒´ / \ ` ⌒´ / \ ` ⌒´ / .__
∠_::_`ヽ
/l {_r.大=z_>:}
i ̄::(__ト||.|}.}{.{|.}7||:|//
.ヘ、___).|ー=┴幵:」._/l
襄国はまだまだ遠いぞ! ii;j `i;;!'´ニil';;;;ゞr.__ト
,ミ;:l;;l ,! ,!,i;;'´¨/
きびきび歩け! (i,;)))、,,:;!、__,:};!_,.、l
.r'"ヾ-‐i‐-:;イ, / ヾ
.}ミ,r;}ゞ‐'─l:::.i ,jl
,イ≡=‐-ゞ、,r'
i;;;:: ,;:li三ミ;}jlK
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『石勒載記』に曰く。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 石勒は陽邑と楽平郡の住民を襄国へ移した
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 495 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:39:35.48 ID:KsRUWN620
-
/ニニニニ.ィ傘寸ニニニヽ
'ニマママ(:oHo::)チチチニ '
| ニニ込ミヽH∠-彡=ニニ|
.,,r=≦|ニニニ=(((◎)))=ニニニ|≧=ー
,,r≦ニニニニニ|ニ{≧竓芋)Y(毛屶≦ニ|ニニニニニニ≧ュ,, 石越よ。
./ニニニニニニニニYヽ.!  ̄´ }{ ` ̄ :|/ Yニニニニニニニニヽ
/ニニニニニニニニニニ| {ミト、 小. 丿|ミ} |ニニニニニニニニニム .当面の間、
ムニニニニニニニニニニ Xミ| .:} -─- { :|ミ.Xニニニニニニニニニニ } 并州に残り民を慰撫して襄国へ送れ
圦ニニニ⊂二二二 /| {ミ|从. ⌒ ノ .l|ミ} |ー======彡ニニニハ
.寸ニニニニニニイム:乂ノ \ /込ノ弋::><二二彡'
{::::::| \___/ |::::::}
乂::| |::乂
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
| ヽ ' _ ` イ
l l ´=` l
承知 ノ ヽ _,、__ノ
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|:::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ そして、役人を置いて撤退。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 『晋書』『劉聡載記』によれば、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .石勒の命令を受けた石越が二万の兵を率いて并州に駐屯したという
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 496 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:42:02.48 ID:KsRUWN620
- 【紀元316年11月 漢 首都 平陽】
(~)
γ´⌒`ヽ
{i:i:i:i:i:i:i:i:} /⌒ヽ .陛下!
( ´・ω・)っ |
⊂ ./ / .石勒の軍勢が楽平郡で劉琨軍を打ち破りました!!
\ / /
( / / .并州は石勒軍に降伏しました!!!
/__/
彡
,.....-――-..、
,/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ノヾゝ、
i':.:.:.:.:.; '´ ̄ ̄`ヽ/./_,ィァ
'、ー一'l l l ヽ ヽ ヽヾ'´
、) / ハ._l !_ヽ. ヽ ヽ ヽ、
リルハ,ニ、`゙Vソ/! lヽ ヽ-'
ノ lVソ "〃l. !ノヽj
ムイ人 っ / ノ /
目下の敵の掃討には成功したか l lヽ,`ー一'´〃-‐、
リ' ノ: :Y: : :l/::::::::::::l
/: : ノl:./j:::::::::::::::',
ヾー--'´:::l:/::"r''´::::::::::::::::::\
____. `,ニニヽl‐'/'´ヽ、‐-、::::::::::::::/\
_______,. :':´`ヽ、::::::::::`ー-一':::::://: /:.:.:.:.:.:/、:::`ー一´:::::::::`ー一'
ヽ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `ヽ、:::::::::::::::/:.:.:|ー':.:.:.:.:.:./:.:.l::::::::::::::::::::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 一方で劉聡への戦勝報告も行った。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j だが、まもなく両者の間で問題が勃発した
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 497 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:42:54.81 ID:KsRUWN620
-
(~)
γ´⌒`ヽ
{i:i:i:i:i:i:i:i:}
. ( ´・ω・`) 陛下、大変です。
⊂:::::::::::⊃
し-Ο .并州の民ばかりか、司隷の民までも続々と冀州へ流出しています
,'´. `ヽ
{ }
ヽ、_ __,,ノ
,.....-――-..、
,/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ノヾゝ、
i':.:.:.:.:.; '´ ̄ ̄`ヽ/./_,ィァ
'、ー一'l l l ヽ ヽ ヽヾ'´
、) / ハ._l !_ヽ. ヽ ヽ ヽ、
リルハ,ニ、`゙Vソ/! lヽ ヽ-'
ノ lVソ "〃l. !ノヽj
ムイ人 っ / ノ /
何? l lヽ,`ー一'´〃-‐、
リ' ノ: :Y: : :l/::::::::::::l
/: : ノl:./j:::::::::::::::',
ヾー--'´:::l:/::"r''´::::::::::::::::::\
____. `,ニニヽl‐'/'´ヽ、‐-、::::::::::::::/\
_______,. :':´`ヽ、::::::::::`ー-一':::::://: /:.:.:.:.:.:/、:::`ー一´:::::::::`ー一'
ヽ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `ヽ、:::::::::::::::/:.:.:|ー':.:.:.:.:.:./:.:.l::::::::::::::::::::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 漢の領土の住民までが、石勒領へ移住し始めたのである
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 498 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:43:46.54 ID:KsRUWN620
- 【紀元316年11月 晋 并州 陽邑】
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ 君たち。
| ヽ ' _ ` イ
l l ´=` l .よく我々に帰順してくれた。
ノ ヽ _,、__ノ
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、 .これからは冀州の襄国へ移って、耕作と兵役に従事してほしい
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、 r'ニ;v'ニ;、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::! r=、r=、 _,!0_i0) )i:、
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| __{0_{0_.} / `ヽ,. ┘ ヽ
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|::: ,、 ,、 /´l r `'、_,ノi、 i ′′ }
, - (・(・ ){ ) l、 ( ,!
( '' ,r'⌒゙i`、 _.r(_ ノ ヽ.__. ^ 、∠!
ヽー< ,,ノ `´-r _ノ: :\ `T- ヘ>
. i′ ,f´: :,. - - 、ヽ ,,.-テ| ,/ `ヽ、
やむを得ないっていう l l: : j :f´: : : : : ヽ,/ '''"´ ,,.: - ヽ
! /: :ノ l: : : : : : : ノ, ,:'" ゙ヽ
/-‐-/: :/: l: : : : : : ,/ / / ,f
. _,,..::-,テ /`7: :(: : : : : /ヽ/ 〃 リ
并州より冀州の方がマシそうだっていう `_,:ィ''" _,r''" f: : :ト---ヲ / fノ /
-‐-‐'''フ" ,.ノ,:::::」、,:r'" ,i / /
、..、く´_,,∠"ィ''"´ / ,> /\、 ,ノ
´ ,ヘr:、-、=---/ ,:イ ,ノ `゙ヽ、/
ーフ´ > ヽ`ー、/ /く _,,..ィ''"゙' _,,:ィf-:、
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 并州に入った石越は、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 逆徒を慰撫・懐柔していたと『晋書』『劉聡載記』にある。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .并州の人々を本拠の襄国へ移住させていたと推察される
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 499 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:44:33.54 ID:KsRUWN620
- 【紀元316年11月 晋 冀州 襄国】
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
',ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii,' おたくの石越、何とかしてもらえません?
;:::: / \ ';
';:::: ● ● ;'
';:::.::.: (__人__) ;' ,ィレ'\ノ jノ ノ )ノ}
'':、::::.. ,.,::'´ __,ノY∨ ノノ}
`;'' `""'' '' '' '' '' ''""´ _,人 ノ ) }} _ ,ノィ
冫 、 《巛 《 jリレ ノノノ⌒ 人
乂__ツトw{N{リノノイ'⌒´{ 彡'ノ )
ト-{ ノ j ,ノ ノ ∨イ 彡') }
ミ ミ{N、_〈人__,ィz--ァ人ミ 彡ト、ヽ
ミ i r‐榮ぅ {ン r‐t笋ラ `Y ,イ| } ノ
俺は并州刺史と并州諸軍事も兼ねている。 ミ} ´ ̄ } | `ヽ ̄ | }ノ_) |ヽ
ヽ | { 人__/ 〈
自分の任地の内政をどうしようが俺の勝手ではないのか lト、 弋'⌒ソ | / jノ ,iハ
|i __ , / レ人{
‘, 、___ ノ i |
|∧ 〈 ィ´ / ト、
| 廴 」 イ } { ;
/l \ | / j ノ '
./ | ヽ,ノ / /
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉聡は使者を派遣して石勒を咎めたが、石勒は命令を奉じなかった
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 500 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:45:08.82 ID:KsRUWN620
-
ヒ´ミ仆爪// j } /ノ ハ `ヽ、ミ≧=-ゞY、_
圦ミfソ ̄} } / ,' __ \ミ下千f=-仆
ミ }}ソV i/ ゝ Vゝ斗イ、ヽ ヽミ仆≧=}}
乂./ / 三ミ  ̄ ',{ ハミミ _ソ
圦{ 辷i ≧=- } }ミ彡 .Y
人、~ハヽ ‐ イ j iミソ ~イ / 刺激し過ぎたか?
Y、 ', ゝ-=__, ', V /
ハ /`´__ ', i≧=´
', 壬//≧=- } }////
.i Y { ///´⌒
| { }, イ/////
.{ ヽ-=≦≧=-、-=≦/// _.,. -‐- ....、
.',Y//////////////イ x≦〃〃/ミミミミミ、
/ノノノ〃ヾ⌒彡ミミミミミ、
/ミミル' / __ ヾ彡ミミミミ、.
{ミ'''´ {∠i孑 `ヾミミ毛刈
';ハ, `〕、 Yミ ;:::: ∨ソYハ x≦ ̄ア´
}:( くツ1 | っ {::: ーりリ / :::::::/:::::
万が一に備え、 .ヾ:ヽ ,ノヾー'⌒ヽ ヾ Y¬从 〃:.:.:./:::::::::::
青州の曹嶷と手を結んでは如何かと? `ヽ { √ ̄~`ヾ Y ヾリ ||:.:/ :::::::::::::::
沁ヾ ⌒ :/ /∧:::::::::::::::::::::::
邵続や段匹磾への備えにもなりましょう .ハ r::.......,..::/// /:::::::::≧====
'、 {///,//// >'゙´:::/:|幵幵幵幵
`T¨¨´///>'゙´::::::::/:ニ|幵幵幵幵
,..-―∨ /::::::::::::/ :三圦W幵
//////::∧/::::::::::::/ :::三三/八幵
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } それどころか、石勒は密かに青州の曹嶷と手を結んだ
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 501 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:46:33.31 ID:KsRUWN620
- 【紀元316年冬頃の勢力図】
.,、
、-' ヘ
,r'`ー-、_;_, 拓跋部 段疾陸眷 /´ /
r'´  ̄ヽ, 【段匹磾】 ,r'´ r' r‐
} { ,.、_ノ _"7 /
/ r' / 'ー'´
./ ノ ヽ
' { 'ー、 r'‐-,_,_ィ_
} 石勒 【邵続】/ヽ_r' _r'´
{ 劉聡 r-'´ 曹嶷 r'
`ヽ } ノ }'ー'
{ { r r'
'´`ー-, ヽ / ノ r'
\ 'エ_,.-‐'`ー―‐'―= ‐' .,
 ̄ ̄`ー‐'―'´ 【荀組】 >
劉曜 ,ヘ' ヽ
r-v'γ ヽ ハ_
ィ-v __ゝ、 `{_,、 【】()は晋王朝系
,、_ r' `,=-、
杜曾 `' r' {__'ィ }
,. -――'´`ヽ , _,.r'【司馬睿】 __/`
_/ ヽ ,/ ヽ ノ `^ー'`>
_ィvー'´ Z、 /(陶侃)ー-,r' }
r-‐'´} {`ヘ }
'ー'`" `ー' r、}
(王敦) .
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ .王弥の元配下だった曹嶷は、
\ヽ、 _ , イ!::/ この頃までに青州で割拠するに至っていた
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !______
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 502 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:47:57.57 ID:KsRUWN620
- 【紀元316年11月 晋 青州 臨淄】
× \三三三ミミミ≧ヾ、 /\ `ヽリ } ./| |
/ \ /\三三三ミミミミミヾ、 ∧ \ / ./ /_| .|
/ /\ /\三川川川川ミミ イ V ヽ/.7 .// .| .|
..、 / /\/\川川川川,イ | .\ / / ,イ / .| |
X / / `ヽ/ `<i!リ/ .| V /7 / メ、 | |
y'__\/ / /` ̄ヽ/ .\ V .\ ∠ ムイ/、 .\| /
` ̄>x_∠_ / \ハ \ ∠/__ i/V \ リ /
__ Z〈 < / ∧ .∠/ .| V V ヽ//
\  ̄ \〉圭<zx \ .∧// | .| V \/
\ 〉 /圭リ/ ̄ ‐--彡ヽ_ノ___ .| | V /
/__ /圭/ ヒz__> _|_ < 石勒が俺と手を結びたいと?
..∧ {進{_ } `ヽi!!/// /
\∧ / / / 弋三ア }i!「.|/ / .悪い話ではないな。
` < / / i\ノ ノ /
\_ノ><i|_  ̄ ̄ ―- | Y/V .承知したと伝えておけ
/| ─ Z/ | 、_ .L__/\\\
./ .|__く | . ̄ 「 V/\\\\
.| ヽ_」 | 〉\\\\\
.|─── | \ ./ /\\\\\\
<.|___ |_ \ / イ\\\\\\\\
/ 7< .|_  ̄>――<___.ト、\\\\\\\\
> / 7 <  ̄ ― _/_.」/\\\\\\\\\
漢 鎮東将軍 曹嶷
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『劉聡載記』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 曹嶷は斉と魯の郡県を降し、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 兵は十万余を数え、黄河沿いに守備兵を置き、臨淄を本拠地とした。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 石勒が曹嶷に二心ありと劉聡へ通報したぐらいには、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 当時その去就を疑われていた人物と言って良いだろう
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 503 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:48:58.91 ID:KsRUWN620
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 石勒と曹嶷の間柄は言ってしまえば仇敵に近い。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ 何故曹嶷は同盟の申し出を受けたのだろうか?
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !______
l; : : : : \\」リ/ / \ l <. ヾ/\ `゙''<|/ |’/ \ ィ′/ /
i: : : :::\::\i../ / / / |` {ヽ、\ | ,イ/ \,.ィ'´ ∨| /
. / >!、; \. > ┼"./ \ , イll|/  ̄/ ! l
‐ュ- / / ヽ. \ | ./. / Y// .∧ ! ト 、/
Zハ/´ ヽ、/ / \ Y/ \ / 从 /::::|/ l. /
Zハ `'< /. > | ./ ,.ィレ-‐!::::/ /ミ/
. Yヘx、 ’ < ∧ /,.fリ) ≪圭| レ' /ミ/
南の旧呉の地には琅邪王の勢力があり、  ̄ ̄Y圭≧x、 ,fzi)_,.-‐<ミ/ l\;;;;;,, 佳l i /ミ/
北の黄河の対岸では邵続の勢力が強大化している。 |圭ミa´ ̄ ,,;;;;;;;;;;ヽ | ;; _ W ̄`〉/ミ./
|圭l} ,. ィ ;;;;;;;;;;,,/ ´ ) \. ̄!ヽ /|\ヾ/
漢の朝廷は遠く平陽にあり、 / 寸l}/ / ヽ ..,__ / \| ∨ |. \___
このままでは我々が青州で孤立してしまう。 / /| / ,.. -− ´ iヽ ≧´ | ./
\ ./ | / イ´ _ , v-‐ } l寸 |\/___
だから、石勒と手を結ばざるを得ないのだ \\L., | イ ∧ {┼ヽ / ´ l レ l \ |
∧ 寸圭x,/ ’ ヽ、_|__,.. -‐ '' "´ / :/ :| 〉 /
/ ∨ ヾ辻,′ ‘, ,,,.... - / / :! /
./ ∨ { , "´ ∧_/ | /
. ∨ \ ∧ / |/ /
∨ \/ \ ,. イ | :| /
- 504 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:50:31.76 ID:KsRUWN620
- 【紀元316年11月 晋 并州 陽邑】
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
',ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii,' 平陽周辺は飢饉がひどいので冀州へ移りたいです。
;:::: / \ ';
';:::: ● ● ;' .こちらで人を集めていると聞きまして
';:::.::.: (__人__) ;',,
'':、::::.. ,.,::'´ `;
`;'' `""'' '' '' '' '' ''""´ ,;:''
,:':: :::::::::::: ○:::::: '; ,,::'' , --──-、
,:':: ,:''::::::::: ::::::::: ';' , イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
| ヽ ' _ ` イ
l l ´=` l
歓迎するよ ノ ヽ _,、__ノ
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|:::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .話がそれた。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉聡と石勒の間を使者が往来する一方で、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 司隷から冀州へ流出する人口は増加の一途をたどった。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 折からの蝗害と飢饉の影響か、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ その数は二十万戸に達したと『晋書』『劉聡載記』は記している
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 505 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:51:22.59 ID:KsRUWN620
-
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
| ヽ ' _ ` イ
l l ´=` l
ノ ヽ _,、__ノ
……思い通り _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|:::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } それが、石越の招きによるものとも
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 506 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:54:03.26 ID:KsRUWN620
- 【紀元316年11月 漢 首都 平陽】
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
ト、 / \ ,:イ
| \___/ ___ ,,),,) ___ ヽ_/ | .おい、聞いたか?
| ..:::ヾ::::::ヾ:::::::::::/ ヾ::::::::::/ | /
\ ....::::;;;;ジ::::::: ヾ;;;;;/ ヾ;;;;;/ |;;::. シ 相国府の門で犬と豚が致したって話
 ̄ ̄ ̄|::::::::::::::::: i ̄i ̄i ̄i | ̄
ヽ::::::::::::::::::: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ノ
- - ──ー - -、
/i ,.-‐''"´ \ i\
司隷校尉や御史台でも盛ってたそうじゃないですか。 l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l
そして、いきなり玉座に現れて喧嘩した挙句死んだそうで。 ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ
.| i ̄i ̄i ̄i """ |
何か悪い事が起こる前触れでしょうか? l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ /
.`/ | | \ /
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \ 『晋書』『劉聡載記』の記述通りなら、
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .単純計算で百万人以上の人口が冀州へ流出した事になる。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } この時期、平陽で起こったとされる怪異は、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j こうした国力の衰退と無関係ではないかもしれない。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 蝗害と飢饉の被害地域を見る限り、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 長安政権だけでなく、漢の朝廷も打撃を受けたと見るのが自然だろう
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 507 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:55:53.50 ID:KsRUWN620
-
/\Y/ヽ
/ ( 0) (0)ヽ
. /::::⌒` ´⌒\
|::::::::::-) __ (-| 石勒は趙・魏の地において貪欲であり、
l::::::: ヽ|!!il|i|!l|. l | 曹嶷は東の斉の地で狡猾であり、鮮卑の兵は燕・代に満ちていますっていう!
. \:: lェェェェ| /
. /⌒〜" ̄, ̄ ̄〆⌒,ニつ 陛下におかれては東方に配慮し、西南を顧みるのを止めて頂きたく!!
| ,___゙___、rヾイソ⊃
| `l ̄
| |
/\Y/ヽ
/ ( 0) (0)ヽ
. /::::⌒` ´⌒\
|::::::::::-) __ (-| 呉蜀が北へ侵入しないのは、大漢が南へ向かえないのと同じですっていう!
l::::::: ヽ|!!il|i|!l|. l |
. \:: lェェェェ| / .今、平陽の兵が少ない上に弱い現状で、
. /⌒〜" ̄, ̄ ̄〆⌒,ニつ .石勒の兵が精強な趙魏の精鋭と燕の突騎を率いて上党に襲来し、
| ,___゙___、rヾイソ⊃ 曹嶷が斉の地の精鋭を率いて続いたら、陛下はどう抵抗されるのかっていう!!
| `l ̄
| |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 漢の太史令だった康相は劉聡に諫言を行った。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 要点のみ抜粋して紹介するが、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .当時の漢を取り巻く状況が苦しいものだったのを御理解頂けよう
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 508 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 17:58:32.36 ID:KsRUWN620
-
-──────-
. /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ、
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
/::::::::::::::::::::::::::::_ -‐……- _:::::::::〉
. 〈::::::::::ト、 __,/ / ` /_,ィ
. \  ̄ ヽ / / / / /、 } く
. / フ / /,/ 〃.‐===‐ ', } } 'マム
. ー=≦ __,/ 〃 { /,!/ 斤テ_ } ,'‐- }、}
. i {./{ ! .{,/ :/ { 辷z} }/.ヒ}/j / }
. | ,! ,^V ∧ .{. ー, {′ '
. Y 弋 V ∧ { __ ; ∧
∨、 ` V ∧ 、 / ∧
∨\ .V ∧ \ ._/ .i| \
} ハ }ヽヽ、 ∧ / ̄ }ヽ i|
' " /「 .}/ \ ∧ ‐ _\ Y 丶i|
≠z ミ.`<\ . 「 ` >__ ゙,!
/三 ヽ \ r─、! / >-、ヽ
/!三三三\ 〉 : : :\.〈: : :ヽヘ
. _ イ |三三三三\ ヽ: : : :,r'!ノ : : 〈\〉
< .|三三三三三\ } : : : /{::\: : } \
.< |三三三三三三ヽヽ '\:\::\ヽ >
. ` - __ j三三三三三三三ヘ \:\:::`\ __
.  ̄/三三三三三三三三} .}::ヽ:}::::::〉 `ヽ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉聡は康相の諫言を喜ばなかったと『晋書』『劉聡載記』は記す
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 509 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 18:02:15.05 ID:KsRUWN620
-
ィi{:::::::::::::::::::::::::::. : : : : : : > 、
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. : : : : : :.\
. {ヽ /:::::::::::::::::::::::::::/ニ_`ヽ:::::::::::::::. : : : : :.:ヽ
{ \:::::::::::::_> ´ー=ニ三三\:::::::::::::::::. : : : : :、
. __、 ヤ  ̄ ‐=、:::::::::::::::.. : : : :ハ _,イ
. \ / / i / ` <:::::::::::::::イ /
. ヽ/ / / ,! , / i } `¨¨¨´ <__ ィ
___// / / { __ .{ { !, } i i /
. ⌒ー{ /! {. .{ ,ィ´ `.{ ハi ‐- L,_ ! ! く
{/ | { マム ィf弐;テ .YI| Y| `ヽ ト 、 \
` ', iト、.マム 、 , Y 弐;テ心 .} }  ̄ ̄`
. /从 ヽ\ . ̄ ̄/////.、 ノ /! }
. / / 杁//// , ///  ̄ ィ | j ,} とうとう晋王朝を滅ぼした!
. {/ .| ハ !\ t──ァ /イ,} ハ }
i , YW个s ゝ--ij .ィ ,} / }′ 正史スレ十四周年に乾杯ッ!!
, ,/ニ}} 〈 } -≦//{{/ニ: / , ∧ 、
, /ニニ: _ xヘ `只 ´_厶、{{,'ニ / イ/ニム \
/ニニ/ ヽ〉._{`〉/}: : :〉' ニニニニニニム ,>
/ニ/ ヽ{ ', ', :{ , ニニニニニニニム/
. /ニ ,´ /} ゙ ゙,:〉!ニニニニニニニニ≧、
∨ニ ,! ,イ 〃 { /l !ニニニ/´: : : : : :_ヽ
. 〉ニ,' ; 〃 ', ,/ ll !ニ/:./  ̄ ̄ ̄/
. /ニ , i / ', 、 .ll.|/:./ニニニニニニ|
. |ニニ , | ヽ \ くニニニニニニニニ!
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .詳細は省くが、劉聡の挙動が本格的におかしくなったのもこの頃だ。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 『晋書』『劉聡載記』の言葉を借りれば、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 昏虐はいよいよ甚だしく、誡懼の心が無くなったとなる。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 昏虐とは正気を失った乱暴者、誡懼は誤らないよう気遣う事を意味する
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 510 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 18:03:01.96 ID:KsRUWN620
-
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
',ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii,' 朝廷の内外で綱紀は弛み、
';:.:.:.:.. / \ ':, .阿諛追従と賄賂が飛び交い、軍勢は外にいて疫病と飢饉で苦しんでいる。
';::.:.:.:. . ● ● ;'
';:::.::.:. (__人__) ;' なのに、後宮への恩賞は奮発しているというね
'':;,:.:.:.:.:. . 、:'
,;:'':.:.:. '':,
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
ト、 / \ ,:イ
今、皇后七人もいるんだろう? | \___/ ___ ,,),,) ___ ヽ_/ |
| ..:::ヾ::::::ヾ:::::::::::/ ヾ::::::::::/ | /
どうかしてるぜ .\ ....::::;;;;ジ::::::: ヾ;;;;;/ ヾ;;;;;/ |;;::. シ
 ̄ ̄ ̄|::::::::::::::::: i ̄i ̄i ̄i | ̄
ヽ::::::::::::::::::: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ノ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .上手く運ばない政務と軍事に心が折れてしまったのだろうか?
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 奢侈を極めた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 魏晋の士大夫の暮らしぶりを忘れられなかったのか?
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 長安政権崩壊の裏で、匈奴の漢もある種の末期的様相を呈していた
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 511 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 18:05:00.72 ID:KsRUWN620
- 【紀元316年12月 晋 幽州 薊】
∫ι__________ ./丁了
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ
||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | ||
||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | ||
弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ
弋ェェt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ェ,ィγ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
il_,└───────┘ , i! | ようこそ薊へ劉琨殿 |
| ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l ヽ____________乂
|| ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄||
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|i | ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄||
 ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ || ̄! ̄ ̄/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄.|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i  ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
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/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 十二月。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ 劉琨は薊へ逃げ、段匹磾を頼ったと『晋書』『愍帝紀』は記す
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 512 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 18:06:20.05 ID:KsRUWN620
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|小::::::`、 ...-‐━━‐-... /::::::::::.rリ::/
|(小:::::::∨/.:.:.:.:.:.:.√Y:.:.:.:.:.:`丶、:.rリ::/
∨小::/゚Y:.:.:.:.:.:.:.:/:::::|:.:.:h:.:.:.:.:.:.:.\/
_ン亡7/:.:.:.:.:.:.:./::::::/:.:.:.|:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、
〔_/刀「.:.:.:.:.:.:.:.:./::::::/:.:.:.//.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.._
/:.//]/:.:.:.:.:.:.:.:./:::/:.:.:.//:.:.∧:.:.:.:.:.:.:.:.:√\
/:.//:.:..:.:.:.:.:.:.://:.:.:.:.:.〈/:.:./ ∨:.:.:.:.:.:.]:.:.:|:.:.\
:.〈[:.〈[:.:.:.:.:.:.://:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ ̄` ∨:.:.:.:/|:./:.:.:.:.:..\
j:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.</:∧∧/:.:.:./|:.:/ ∨:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
/:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.∨ィ7笊_/ |/ィ7笊゙T //:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:\ 久しぶりだね。
/:.:|:.:.:.:.:.\:.:.:.:.∨ 弋ツ 弋ツ/:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
/:.:.:.:人:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:. ̄\ /:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.| .いつ以来だっけ?
|:.:.∧:.:.:.:.\_:.:.:.:.:.:.: ̄\∧〉 _, -_┐ И:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,,'゚)/
八:.:| \:.:.:.:.:⌒ニ-ミ:.:.:.:.:`、 ` '' イ八:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.,,'’
(\ X _):.:.:.:.:.:.∧:.:.:.):.:.:∧〉| >- < ∨::::И:.:.∧(\( ̄´__
\`丶、 _ ≧=<_}∠_//:::/ `¨¨丁¨´ |:::::::::\〉 /\___ __
)  ̄`T¬<⌒`マ¬=――=≦⌒ |./:::::| ‐- .r仝 -‐|:::::::::::∨ / /::::/>―=ニ⌒::::/⌒\
/ ┌v‐┐/:::::/ `¨¨¨∨:::::::::::::::::::::::::ヽ:∨ ‖::::::| ∨::::::::::`、 /::::/::::::::::::::::::::::::::::: |
, ゙ / ,.\_j┴‐< __ ./::::::::::::::::::::::::::::::||::| /::::::::::| Y |::::::::::::::`、__ .|:::://:::::::::::::::::::::::::::::::::::| _
// / マ⌒ニ=-/::::::::::::::::::::::::::::::::||/ 〈::::::::::八⌒^\,l_/^⌒|:::::::::::::::/ √⌒ニ┴..上_::::::::::::::::::::::::::::::::::\ニ⌒
し `¨¨¨¨⌒>- :::___/ ̄ ̄ ̄∨\:::::::∧ =串= .|:::::::::/ 〈  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∨ \:::::| 卞= |:::/ `、
} 刈\ 人 .∧{ O `、
/ −|ニ∧ i` |ニヘ 〉
,′ |ニニ \i /ニ ∧ O /
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『劉琨伝』に曰く。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 段匹磾は劉琨を見るなり、彼を尊重して大切に扱った
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 513 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 18:07:32.60 ID:KsRUWN620
-
, /:::(O):::::::::::::::\ ヽ
/ ..:::,、丶`  ̄ ̄ ̄ ヽ ',_
, {/ { \ ヽ: ', Vヽ
,' :| ∧ {、 \:―‐i‐ i //〉
:| i/、、\ \__|__:|_ : : ' /
i :| /| \ 〃う刈 》i |): : :K
| :l ィ笊_ 乂ツ |i | : : :|∧ 長安の河間王を攻めて以来だから十年ぶりね
| | l :爪 乂ソ , || |: : : |/∧
| | | 込 , 从 |: : : |∨∧
八 | 个 ` イ: } |: : : | `⌒
ヽ| \|: : : :≧ー |/:| |_: |
:| |: : ;>rノ^|:H /:/| √/ ̄ \ | ]:ヘ _____ /::「)::::::|
∧ |7: :._/_ |:. | /:/ , / / /⌒ヽ ∨]::::\...:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:./::「)::::::::|
/ | 、 {:{ F¬ 、 \ヽ:/ { /| / i ∨]::::::,≫‐:.:.:.:.:.:.:.:.:‐≪]:::::::人
.,: | } r人\ヽ ∨_, /: |' / | __冫/_:.:.:.:.:厂l:.:n:.:.:.:.:.:.\/:.:.:ハ
〔_只__〕:.:/::/:.:.|:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.厶
_,, イア:.://:.:.:./:/:.:.://:.:/\:.:.:.:.:.:.:√`丶
\/:.:|//:.:./:/:.:.://:.:/ __ ∨:.:.:.:/ハ:.:.:.:.:.\
/:┌く:::/∠_/:.:.:〈/:.:/ ´ ∨:.:/:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.`、
/:.:.:.:.:`I爪:.:.:.r¬禿/}/ ィ禿¬y/:.:.:.リ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
時が経つのは早いもので。 /:.:.:.:.:.:.八レ\|{ 弋ツ 弋ツ/:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
|:.:.:.:./.:.:.:.:∨:.:.∧ '''' ''' {:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧:|
あの時のように、 ∨:.:|:.:.:.:.:.:.:.\:.:込、 - ' イ∨:.:.:.:.:.:.:.:.:./ リ
あたしたちが組めば石勒なんて物の数じゃない。 \{\:.:.:.:.:.:.:.:Υ > _,. イ ./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:(
>-ミ:.:.リ __/〔} _/\|:.:.:._/⌒^
ねえ兄弟 / }/ ∧__/Υ{__/\( `、
/ jニ{// [廷_] // }ニj/ \
人 /ニゝ--イ⌒ト--くニ{ 丿
}T"⌒7ニく___」ニ八___]人 __/
- 514 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 18:08:56.71 ID:KsRUWN620
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_| ̄|_| ̄| | ̄|_| ̄|__| ̄|_| ̄| | ̄|_| ̄|_| ̄|
|_ _|| | ̄ | | | | ̄ | |  ̄|
r┘└へ| |二コ ┌'| |二コ ┌| |二コ ┌'| |二コ ┌┘
〈 〈] ゚,、〈| | o ヽ| | o ヽ| | o ヽ| | o └「 ̄\
ヽ-ヘ_>ノ_ノ|_|、_ハ/|_|、_八ノ|_|、_ハ/|_|、_ハ/`⊇.ノ
|-_-_-Y ./-_-_|
|-_-_-.|__..、-─- ミ/_-_-_-ノ
r-、-_-'"::::::::::::::::::::::::::::{_-_-,.へ
廴f7:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::ヽ
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/:/':::::::::::从::::::::l::::::::\:::::::::::::::::∨::::::',
./:/ /:::::::::::/ ∧::::ト、:::::::::::\::::::::::::::l::::::::i
/:::;' ::::::::i:::/─‐-l:::l \:::::__';::::::::::::|::::::::|
. {:::::i i:::::::l/ ____ }:ノ _____ l:::::::::::|::::::::|
\::ヽ |:::::::|《~う/ハ '~う//,i¨》:::::::::::l::::::::|
)::ノ |:::::::', ∨/ノ ∨/ノ l:::::::::::l::::::::;
(⌒ |::::::ハ /:::::::::;':::::::/
ノ:::::::::人 -〜( _.、/.::::::::/::::::::l
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(:::::::::::/:::::::_.、-r':[_.M.___/-l::::::::/:::::::::::::::',
ヽ:::::( i:::/ {_:_:_:_:_:_:_:_:人:::::ト :;:::::::::::::il
)::::);:/ / 〔_/:o::/._〕 _)ノ ∨::::::::|l
('"/二ニ- _〔_/:o::/._〕 (( _,.. -=二}::::八
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 段匹磾と劉琨は婚姻関係を結び、義兄弟の契りを交わしている
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 515 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 18:09:26.44 ID:KsRUWN620
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|:f7::::::`、 ______ /::::::f7|
人f7:::/:.:.:.:.:.:.:./ヽ:`丶、:::::f7:|
匸[]匸]:.:.:.:.:.:.:/:.:./:./}:i:.:\f7/
__/_/[:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:/:.://:.|:.:.:.:.\
/:.:_]>:.:._]>:.:.:.:.//:.:.//:./:.:.:.:.:.:.:ハ
/:.:.:く[:|:.:.く[:.:.:.∠/:.:.:.:.〈/:∧:.:.:.:.:.:.:.:.|\
//:.:.:.:.八:.:.:.:.:.-―-ハ:.:.:.:.:.≠‐ jハ:.:.:.:.:/:.:.:.`、
/:.:/:.:.:.:.:.:.:.:`、:.:.:.r虍ヵИ/ r虍ヵ |:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:. それで、これからどうする?
/:.:.:./:.:.:.:.\:.:.:.:.:\::代 ツ 弋ツ.厶イ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
/:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:\'''' ''' 厂:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
. И:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ:.:.:.:.:.:.:〉 、 , 人:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∧|
八:八:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:/丶 イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. / リ
_>ヘ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:./ { >=≦ 八:.:.:.:.:.:.:.:.:.(__ / _ -‐\ \ \
\_/ ⌒\_厶/:| 八 | |'∧:.:.:.:/\___/ , -=二ニニニ=-\ \ ヽ _ -=二
/ : : : : : : く/ ∨⌒^| || \(: ハ /ニ=- \ \ ヽ ', /二二 /
/: : : : : : : : : ∨ ∨: : | || |: : : :人 /' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ=-
/ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄__
|八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二二二
i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、  ̄
| | ,ィ=ミ\ `" `、 ( ノ人 \
先月、長安が陥落して |i 爪 vリ __、 〈 ヽ \
陛下が平陽へ連れ去られたと聞いたわ。 八 ハ ' \、 \ \
ヽ 込 、 - / \ \ \
こうなった以上、やむを得ないのは承知の上 | 个 ィ / ' \――― ミ
| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒ヽ
__ | | i 八 / '// / ' \
/ ∧、八 |{_// / ' , i '⌒\
- 516 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 18:10:45.95 ID:KsRUWN620
-
,. -‐…‐- .,
-‐ァ/ 丶\
/ \__、
/ \`
,厶 i⌒}
} ,i:、 ,: 八
j/八丶 ,ノ}rヘ⌒
,xf'⌒ア^ー く}ノ^iト..、
/.:.:.:.:.:{\ ノ ノ.:.:.:.:.:.:.:.`、
__,/.:.:.:.:.:.:.,> -く.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`.__,
_).:.:.:.:.:.:.:.:.{ ( ノ ).:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i(__
⌒i:.:.:ィx:._.:ノ、_,.xく.:.:.:.:.:.:.:.:.:、_,.r'⌒
'⌒厶.,( ‐=彡' ノ、ヘ /-‐=〔_,
_j___/{_ ,.xく _/「 ̄___{
〈___{ __ /¨” ̄ { T ___〉 γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
y'^ '⌒).,_ _,.. -‐ \マ⌒'マ | 琅邪王殿下に皇帝になって頂かなくては |
/j__ . イ /;ヘ∨/ヘ, ヽ___________________乂
_」 '´ __/‐- -‐ / ∧∨厶=、
{ 'て ∧ /_,∧くnn /
\{ / {≫x.., ___, _,.-‐=ニア^,}ボ
(_ ^辷__)il}ー <-:.´.:.:.:.:.:.:く ∧⌒h
/´/:.:.`'ト \.:.:.:.:.:.:.:.:`'、/マ7フ
, 冫.:.:.:.:.:| ヘ }.:.:.:.:.:.:.:/ }~´
j/.:.:.:.:.:.:_jノ:.:.} ∧ノ.:.:.:.:.:.:.:.:\/ }
__j´__.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}'′.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\}
_,. -=冖⌒^:.:``.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.{
,. .:'´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`{.,
- 517 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 18:11:15.56 ID:KsRUWN620
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_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| おしまい |:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ// 幕間はこの後すぐ
| | >:´|、 - ,|`:<
| | |::::::::| > イ |::::::::|
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 518 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 18:14:04.30 ID:KsRUWN620
- 【幕間】
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| 『晋書』『愍帝紀』に曰く .|:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ// 建興三年(三一五年)の話である
| | >:´|、 - ,|`:<
| | |::::::::| > イ |::::::::|
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
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- 519 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 18:15:54.37 ID:KsRUWN620
- 【紀元315年6月 晋 雍州 長安】
/ニYニヽ
/( ゚ )( ゚ )ヽ
/::::⌒`´⌒::::\
| ,-)___(-、| どうしてこんな真似をしたんだっていう!
| l |-┬-| l |
\ `ー'´ /l!| ! .集団で陵墓の盗掘とか頭沸いてんのかっていう!!
/ \ |i
/ ヽ !l ヽi
( 丶- 、 しE |そ
`ー、_ノ 煤@l、E ノ
, -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
r===========r‐、: : \
|.―‐――‐―h‐l┤、 :ヽ
L二二二二二」.ニ|‐{ミi : : |
{/ /ゝ、ノイ ノl/ ― トl!: : :|
|l:/|/● ● ト、: :|
盗掘王に私はなると尹桓は動機を自供します |/!:ll⊃ 、_,、_, ⊂⊃ノ: : |
/⌒ヽ__|ヘ 丶_ノ ..イ:i : : /⌒i
. \ /:ノ从ヽ,、 __, イト:}ノ / /
. 从 l||l //ヾゝ八__/:.:.//l||l从.
( ⌒ ) .{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ( ⌒ )
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 六月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 長安近郊にあった
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 漢の覇陵と杜陵、及び薄太后の陵が盗掘された。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 漢の文帝と宣帝、文帝の生母の墓に当たり、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 『晋書』『索靖伝』によると、三秦の人尹桓・解武ら数千家による犯行だった
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 520 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 18:16:50.77 ID:KsRUWN620
-
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
| ヽ ' _ ` イ いやあ、驚きました。
l l ´=` l
ノ ヽ _,、__ノ 陵墓にあった薄太后の亡骸はまるで生きているようで
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| ..::::::::::/:::::::::::ム::::::::::::::::::::::::::/::::::::::i::::::ム ハ:::::::.
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|::: ..::/:::::::/::::::::/l::::::::::::::::::::::::::メ!:::::::::::l::::::::ハ !::::::!
./:,ィ::::::::f::::/、 |:::,'::::::::::::::::/ |::::::::::::!::::::::::! !:::::::
/,.' l:::::n、!:/. ヽ!::l::::::::::::::/ .マ:::::::::ル::::::::l !:::::::ル
.〃 .!:/)リ.}」.f斧ミ、.|::l:::::::::::/-=ミ V:::::ム::::::::リ ム::::ム
‖ ,.イ//{"!|. 込リ'|N::::::::/ ` V/:::::::::マ /:::::ム
/ メイ/,ゝl Yi! \/ イ示心、 /::::::::::/-v::::::/
没収した金品や衣冠は、 / f//フ>.!` --イ,⌒\ .弋炒 i! ./:::::::::/"ヽ\:::/
有意義に使わせてもらいましょう _,.斗/ .j / ,.'/.≧',. ! ゝ、 Y../:::::::::/ シノメ:/
./斗"ア’ ./"メ.j<三ム 、 ` 。.,,_,ノ'7:::::::::/ .,.イ:::/
_./'": :f:f メ.../ /;;;;;;;;;;;;;`ヽ _ /:::::::::/「./:::::/
./:/: : :.:ム:い ,,.. イ! ./;;;;;;;;;;;;;;/:.:ヽ_ _,. 。rセ/::::::::::/:::!f::::::ム
<: :.:.{: : : : : \.<=='//,;;;;;;;;;;;;,.': : :.xf’j. ̄ _,/::::::::メ!\::!!::::::ル
: : : : : V: : : : : : /:.ラ,イ ,;;;;;;;;;;;弁-チ''''k≦ニ'''''''''":/::::::/z";;,::i!::::::{
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー この一大盗掘団、多くの珍宝を陵墓から獲ていた。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 獲られた金・玉・絹は記録できない程であり、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 当時の長安政権は陵墓にあった衣冠で宮中の倉庫を満たしたという。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 漢代の厚葬の風習と共に、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 急造の長安政権が衣冠にすら事欠いていたのがうかがえる
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 521 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 18:18:44.75 ID:KsRUWN620
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,、/ ' 、ヽ ヾr、ゝ':,
i/ ‘,Vヽ \‘,
,' i i 、 :, ヽ。
/ ! ,.! |\ヽ ', :, ヾ
i | / ! |,斗─、- ! i ': ゚。
{ l,斗 ヽ、 . ! 〃示心|. | : ゚,
Y vl了心.ヾノ 弋_ ソ ! |ヽ l! } どうして漢の陵墓の中には、
l !弋ソ .:.: ! !/ / ノ こんなに物が眠っているんだろう?
| ‘, :.:. 丶 / !/ ̄`.
i! 人 _ , -----./. |_____...._!
l! <´......ヽ.........../ /.................`;
゚:,:, ヽ..........〉......′: //‐‐..ヽ......../ ,z≦'' """ ''''〜V::::`ヽ、
从.ヽ l}.......〈........〉、.:_./......,.......‘,′ /斗セ" ̄ ̄:寸'〜V:::、::::ヽ
/...fヽ/}....‖.....レ-、}...../.........._.} ./'"::/:::{::::::::::::l:::::::\:::::::V:::V::::::V
〈...i..`i ヽ'....‖....../ !../....,ィf´.......゚。 //:::/::::,1:::::::::::l::::::::}:::::::: l::::::\::::::V
7:f:::7::::7 !::::::::::7:::_ムニ.,_::!::::::}:::::::::
7:::!:::l,.斗-V::::::/:/ .「::::::l:::::::::l
{::::!::::l从! ヽ::":::| ,z符斥l::::::::ト,::::::::
.!:::l:::::l ォ斧示 \:l 辷;リ !::::::::!.}:::::::|
V::V:ヘ( ゞ゚"_ノ⌒`ー --‐.!::::::::|"::::::::
ヾl:\::: ̄ ′ ,|::::::::l::::::::::::
説明しましょう j::::r.、ヽ ー ' ,.イ.!:::::: |::::::::::::l
f`'く`《 .}::::>。..,__,. イ ,.|:::::::::!:::::::::::::
,ィ'ヽ、>.」ノ- 、:/,} ,.+'" !::::::::|::::::::::::::l
,../ ィY }" ,ィ´./.....〉-.く..........|::::::::|斗=== 、
_∠/ ,'ゞ /;;;;;;{...,イ⌒ヽV....,ィ|::::::::| / ム
「VY , -.',zく;;;;;;;;;;;,'l/ |---/z.V,;;;|::::::::l' .ハ
/:} `ー―┴.ハ;;;;;;;;;{......j、/..../;;;;;;V::::::V }
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ こうした風習を晋代の少年だった皇帝司馬鄴は疑問に感じたらしい。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 『晋書』『索靖伝』に
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .彼と索綝のやりとりが残っている
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 522 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 18:19:40.52 ID:KsRUWN620
-
_,.LユユL,_
, '"ィ--,z斗≧''ラア""ニニニ'≦s.,_
, ';;;;;/rセ::,. '" ,. '´::::::::::::::::::::::::::::::::::ム:\
./;;;;;;/:::::, ' ./:::::::::ハ::::::::::::::::::::::::::::::::j:::::::ヽ
/;;;;;;/:::::/ .,.':::::v:::::::::ム::::::::::::::::::::::::::::::l:::::ヽ ヽ
.,.'!;;;;;;;;':::::/ /:::::::/:::::::::::::ム::::::::::::::::::::::::::::!:::::::ム::::マ
/::l;;;;;;;;;!::::f /::::::::f::::::::::::::::::::iv::::::::::::::::::::::j V::::::ム::::マ
.:::::|;;;;;;;;|:::::! ム::::::::f:::::::::::::::l:::::! マ:::::::::::::::::ィ'".V:v:ムv::マ
!:::r!;;;;;;;「!:::! |:::::::::::!::::::::::::::j::::;' _,ヾ:::::::::::::;' .,,,, V!:::ハV::\
!::::!L,.斗マ:l |:::::::::::l:::::::::::::リ::才" ヾ::::::/ fム.\.||:::::::. !::| 漢の天子は即位後一年で陵墓を建設し、
',::::k,彡ィヘ:', |::::::::::ム::::::::::/:/ _,,, ヾ/ Vリγ!ヽ、:!.l::ル 天下の貢賦を三分して、宗廟・賓客・山陵に分配します。
ム::ムV乂ヘマv!:::::::::::ム::::::// ,ィ仗 `' _ ,z=t. マ .i!メイ
.ム::ヘV_>rvム:::::::::::::ヽイ ィfr;沁 '" .Y.、 `!、_',ノ .漢の武帝などは治世が長かったため、
.ム:::《/.Y.∩ミx:::::::::::::::\``''゚'’ リ .ル .茂陵は物品を収容しきれずに崩れるほどであり、
.ハf.}' l~| .}x ヽヾ::::::::::::::ヽ=气、 ,. イ .ム .植えられた樹木は陵墓を取り巻く程になっていました。
./f .kハ VY '''}\:::::::::::::ヽ  ̄ _. ノ /|j
ゝ,\ .ヽV `''''==-ミx:::::::::::ム  ̄ /:::| j .赤眉の略奪の際も半分程度しか奪えなかったそうです
Nヽヽ V::::::::ハ._ /川::! ||ヽ
|:::::~ ''=-.s..,,_ V:::::::::lx ~ア≡≡チリ‖!:lγ~\ \≧アv
!:::::::::::::::/; j ~.''.< .}:::::::::! .`'.<!三≧!::fナ.>!:jf#/-< ヽ.x ` .、
|::::::::::::::ム.Vゝ/ ./ `!::::::/ \; ; !::!; ;/メ`" ヽヽiミx` .、
!::::::::::::/; ; ; / メミ< /::/v \‐-v; ;V ヽヽx->イ
.l::::::::::/; ; /チ三.V; ミf::f<|x'=- =ニニニ...ヽ、.\;V_ _ノ _>x
j::::::::/xイ/三三V; ; ; {::l; >s.V .ム<.\ー-===-‐≧''" \
.::::::ナ’/三三メ; ; ; ; V:\; ; ;.\ ム_\ \气''=--
. .::::/; ; ;.{三三Y; ; ; ; ; ; ; \:::\; ! ム ハ\.入\
..ム:|; ; /~`''''''''''_~≧''=-.ミ;`''<::ゝミ .ム ヘ; | ..\ヽ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 漢の武帝の治世は五十四年に及ぶ
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 523 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 18:22:25.74 ID:KsRUWN620
-
,、/ ' 、ヽ ヾr、ゝ':,
i/ ‘,Vヽ \‘,
,' i i 、 :, ヽ。
/ ! ,.! |\ヽ ', :, ヾ
i | / ! |,斗─、- ! i ': ゚。
{ l,斗 ヽ、 . ! 〃示心|. | : ゚,
Y vl了心.ヾノ 弋_ ソ ! |ヽ l! } そんなに?
l !弋ソ .:.: ! !/ / ノ
| ‘, :.:. 丶 / !/ ̄`.
i! 人 _ , -----./. |_____...._!
l! <´......ヽ.........../ /.................`;
゚:,:, ヽ..........〉......′: //‐‐..ヽ......../ ,z≦'' """ ''''〜V::::`ヽ、
从.ヽ l}.......〈........〉、.:_./......,.......‘,′ /斗セ" ̄ ̄:寸'〜V:::、::::ヽ
/...fヽ/}....‖.....レ-、}...../.........._.} ./'"::/:::{::::::::::::l:::::::\:::::::V:::V::::::V
〈...i..`i ヽ'....‖....../ !../....,ィf´.......゚。 //:::/::::,1:::::::::::l::::::::}:::::::: l::::::\::::::V
7:f:::7::::7 !::::::::::7:::_ムニ.,_::!::::::}:::::::::
7:::!:::l,.斗-V::::::/:/ .「::::::l:::::::::l
{::::!::::l从! ヽ::":::| ,z符斥l::::::::ト,::::::::
.!:::l:::::l ォ斧示 \:l 辷;リ !::::::::!.}:::::::|
今でも朽ちた布や絹、珠玉が残っているそうです。 V::V:ヘ( ゞ゚"_ノ⌒`ー --‐.!::::::::|"::::::::
ヾl:\::: ̄ ′ ,|::::::::l::::::::::::
今回の二つの陵墓は .j::::r.、ヽ ー ' ,.イ.!:::::: |::::::::::::l
倹約に励んだ皇帝のものですが、 .f`'く`《 .}::::>。..,__,. イ ,.|:::::::::!:::::::::::::
このような事例は百世の誡めにしなければなりません ,ィ'ヽ、>.」ノ- 、:/,} ,.+'" !::::::::|::::::::::::::l
,../ ィY }" ,ィ´./.....〉-.く..........|::::::::|斗=== 、
_∠/ ,'ゞ /;;;;;;{...,イ⌒ヽV....,ィ|::::::::| / ム
「VY , -.',zく;;;;;;;;;;;,'l/ |---/z.V,;;;|::::::::l' .ハ
/:} `ー―┴.ハ;;;;;;;;;{......j、/..../;;;;;;V::::::V }
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 周処の墓の話を見ても、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 晋代に入っても厚葬の風習は続いていた。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ しかし、度の過ぎた厚葬は批判の対象だったのだろう
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 524 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 18:23:04.54 ID:KsRUWN620
-
_ -‐  ̄ ‐-
/ / \ [ X ]
/}, / ′ 、 、\ヽ
{/′ { |\ ',',
/ { { | 、 , ,',
「 \r 、 , | |/V\ jー斗=ミ、 i ,
r===/⌒\>==ァ ! {, 斗=ミ⌒^` う心 Yl |\ ',
 ̄ i{⌒\ノ^ ̄l | |〃うハ 乂り |, 、 .
',^V ノ\, , 乂り ' ′ | } _ ,
, {、 {', ', _ , / ! _ /^ 、ヘ_ -=ニニニニ, .
/ヽ //l { \ ィヘ_「 ̄l/ 从_⌒ヽ vニニニニニ ,
(__厶イl/l/」 V マi:i:i:i:i:i[]i:i:i/ /く⌒ |ニニニニニニ=',
|l/l/l/l//i} 、 マ凸i:i}{i:i:i:{ _ -=ニ ', 八ニニニニニニ=,
j/」>'"i:i:i:i} /i:\ }i:i:i:i:i}{i:i:-=ニニニニニニ=, {ニニニニニニニニ=,
{i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}⌒ヽi:i:i:i:[ X ]i:i:i:i:i}{iVニニニニニニニニ=} ト、ニニニニニニニ ',
{i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}i:i:i:i:i:i:i:i/ }i:i:i:i:i:i}{i:i:Vニニニニニニニ=「i7≧=≦∧ ニニニニニニニ',
{i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}i:i:i:i:i:i:i:{ /i:i:i:i:i:i}{i:i:i:iVニニニニニニ /\l/l/l/l/l/}ニニニニニニニニ',
{i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/乂r'i:i:i:i:i:i:i}{i:i:i:i:i:Vニニニニニニ{i:i:i:≧=== 彳ニニニニニ=‐
{i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}{:i:i:i:i:i:i:Vニニニニ=l{i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|ニニ=‐
、i:i:i:i:i:i:i:i:i:i厂アi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}{:i:i:i:i:i:i:i:iVニニニニl{i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i| ̄
 ̄ ̄ /i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}{:i:i:i:i:i:i:i:i:iVニニニ八i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 後日。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 雍州において
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .遺骸を埋葬し、陵墓を修復するよう詔勅が出た
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 525 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 18:25:11.88 ID:KsRUWN620
-
/\Y/ヽ
/ ( 0) (0)ヽ
. /::::⌒` ´⌒\
|::::::::::-) __ (-|
l::::::: ヽ|!!il|i|!l|. l |
. \:: lェェェェ| /
. /⌒〜" ̄, ̄ ̄〆⌒,ニつ
| ,___゙___、rヾイソ⊃
| `l ̄
| |
, -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
r===========r‐、: : \
|.―‐――‐―h‐l┤、 :ヽ
L二二二二二」.ニ|‐{ミi : : |
{/ /ゝ、ノイ ノl/u.―:::トl!: : :|
|l:/|/ ○三三○:::::::ト、: :|
|/!:ll⊃u.、_,、_,::::⊂⊃ノ: ::|
/⌒ヽ__|ヘ 丶_ノ::::::::::.イ:i : :/⌒i
\ /:ノ从ヽ,、u. __,::::イト:}ノ/ /
/ //ヾゝ八__/:.:.//ヘ、__∧
ヽ、.{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ;_、_ ,'
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 陵墓の盗掘に及んだ者たちは三族誅殺になった模様
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 526 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 18:25:42.47 ID:KsRUWN620
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_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| おしまい |:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ//
| | >:´|、 - ,|`:< 長安の遺産
| | |::::::::| > イ |::::::::|
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 527 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 18:27:01.38 ID:KsRUWN620
- 【第百四回に続く】
新規CAST
〜晋〜
●魏該(ぎがい) 初春(艦隊これくしょん)
●麹允(きくいん) 明石(艦隊これくしょん)
- 528 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/31(土) 18:38:28.29 ID:hck9Zlin0
- 乙です!
劉曜はイケメンだなー
- 529 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/31(土) 18:40:48.94 ID:cSWxZt2G0
- 乙です
劉総が壊れたか…
- 530 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/31(土) 20:57:35.00 ID:rbMKSV+60
- 乙
貧すれば鈍す?
- 531 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/31(土) 20:59:36.36 ID:Tsh2vhJU0
- 乙でした
やっぱり項羽はすげえや
- 532 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/31(土) 22:17:58.64 ID:PI/m81sJ0
- 乙、今は名将の劉曜も最後はなあ・・・
ここから後趙、成漢、東晋でまた三国時代に逆戻りだよ!
前涼?そんな国もあったねえ(すっとぼけ)
- 533 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/31(土) 23:34:01.61 ID:KsRUWN620
-
- - ──ー - -、
/i ,.-‐''"´ \ i\
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l 今年は残り僅かですが、
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ .このスレも残り僅かとなってきました。
| i ̄i ̄i ̄i """ |
l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l 来年もお暇でしたらお付き合い下さいませ
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ /
`/ | | \ /
|\ ____| |
| >''" ̄ ̄~"''マ \
「∨ /\ \ ヽ
くoア i | | ト⌒ i i
./ | | |/⌒' | と才ミx. | |
┼‐ | | | .斗と灯 |/ Vり | | |
| ノ|[| | Vり ''| | |
ヽ\{ \'' < フ | | 八
ノ人 ト .__ノt__イiノ 人 _>
それでは良いお年を ゚7,ア| |ア ___う/ 厶_ \
'⌒| )アL_/ ̄ ( Lア¨ )
ノ / 厶三ニ三⌒))--=彡
[ / /, i o o T゚L _ム
(.(. ゙(__,厶] i o /o _} 厶tニノL \
_厂 ¨ 7  ̄{ マ¨T /
/´/ /-ヽ, \ `弋¨
t/ / /二i二\ \ \;-t
(⌒ )\ ノ/ 二i二二| } ( ⌒)
- 534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/31(土) 23:46:39.56 ID:LGffIBzj0
- 良いお年を。
- 535 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/01(日) 00:54:03.48 ID:zvMT6Ich0
- よいお年をー
- 536 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/01(日) 02:14:53.43 ID:0bHHFrvq0
- 匈奴漢が思ってた以上に見せ場がないままだな
- 537 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/01(日) 07:14:55.91 ID:+7erVMaPo
- 匈奴漢って実効支配してんの并州の2郡だけだし(陳元達伝や劉聡戴記など)洛陽長安陥落と2帝捕虜のインパクト除けばショボい群雄の一つでしかない
この時点ではもう石勒の方が支配領域も国力も人材も上回っんじゃ
- 538 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/01(日) 19:42:27.01 ID:8DqoLLYO0
- >>1さん乙ー。本年も更新楽しみにしています。
>>532
>ここから後趙、成漢、東晋でまた三国時代に逆戻りだよ!
実際に司馬睿に「天下は三分されますよ」と祝賀を述べた人もいたので、
同時代の人の中にも、「劉聡、李雄、司馬睿で今や第二次三国時代」と思っていた人はいたのかも
(ネタバレになるかもしれないんで詳細は省くけど)
- 539 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/01(日) 21:40:44.56 ID:7sGNC2Aw0
- あけましておめでとうございます
かがみもち来ますかね
- 540 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/01(日) 22:35:48.05 ID:wtldnaR20
- あけおめ〜、三国時代は前秦前燕東晋になってもまだまだ続くよ〜(白目)
- 541 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/02(月) 11:20:52.82 ID:3foLwmqt0
- 【>>539】
{\ /}
{{ \/{___________/ / }
人__,rく_/ ̄ ̄ ̄`\{.ノ
く___/⌒ '⌒\ \
. / /. / { \ ‘,
{ { { ノ\ \ \ ‘.
{ { {/ー─\| | | ─ } }
{ { {ニニニ= | | |====} } はっ!?
} { { { |り| |り|ノ }
/ ,’ {  ̄  ̄{ } ここはいったいどこですの?
. / / { し ┌┬ ) ∧
{ { {ニ=- ____, -=ニ} }
i/ ̄ ̄, :<´ : : : |: : : : ー< ̄\
/ /: : :/: :/} :小: : : : : : : : ≧ \
/ __,/ /: : /: :/ ,| : | ∨| : : : : : 廴 ..\
/ f´/ }:/.: :.ム斗' | /| `ヘ}ヽ: : : : ヘく \
| ∨ ,イ: : :{ :/ j/ V | : : ∨ |
| ヽ、{∧ 圷旡≧/ / /≦乏ア:| ト、:ハ | 何か今年重いんですけどぉ!
| |:ヽ}ヘ:/ | |/ / / / | | W |:「ヽ} |
\ |: :|:`ー.、| | , -- 、 | | {ム/:{ . /
\ |: :|: : :|:|> 、ー'⌒ー'_. イ: : |: :| /
|二二二二◇二二二二二二二二◇二二二二|
| ◇ ◇ |
| ◇ ● .◇ |
| ◇ ◇ |
| / ̄ ̄\ .|
|___/ \___|
__ __
'´, ヾ く/
∠i lノ人))〉
| (|!|゚ヮ゚イl ξ
あけましておめでとう。 .|\ ̄ ̄ ̄ ̄ >>1. 旦 ̄\
/\ \ \
今年も「やる夫が正史を書くようです」をよろしくね /##.\|===================|
\## ノ #########\
\#/###########\
\############ )
- 542 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/02(月) 11:26:05.74 ID:3foLwmqt0
-
___________
. ////////////.|
.//////////// .|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| . |
| .奉 納 | /
|___________|/
|,.| ̄|
|:;|伍|
|..| |
|:.|君|
|::| |
|;:|神|
wjvww\
>>536
そもそも匈奴勢の戦略自体が見当違いのまま進んでいる節がありますので。
●鮮卑と手を組もう→立場・利害の違いによりタコ殴りにされる。
●長安を都にしようぜ→実質不毛の地になっていた地の攻略に何年も時間を浪費。
上記二つは劉淵の頃から言われていたのですが、
一見正しい戦略(唐の挙兵がほぼこれ)なようで、当時の情勢を考えるとちょっとどうなんだという感じです。
劉淵に挙兵を持ち掛けた人々の認識の甘さは間違いなくあったでしょう。
>>537
石勒が実効支配している領域は冀州の南西部と并州の大半・幽州・司隷・兗州の一部といった所でしょうか。
冀州では邵続や段匹磾の勢力と人を奪い合っていますが、土地の肥沃さで言えば石勒の方が上でしょうね。
人口がいないと意味がないのは本編の通りなのですが……
>>538
>>507の人も司馬睿と李雄の勢力を呉蜀と言っていますね。
- 543 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/02(月) 13:18:34.76 ID:+q8jcZa50
- 劉淵は結果的に三世紀半も続く大乱世のパンドラの箱を
開けただけになったのかもなあ
- 544 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/02(月) 14:12:24.89 ID:NnT0PiG90
- >>541
これはもちもちですねえww
- 545 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/02(月) 22:15:01.35 ID:ETXr9y/Q0
- でもまぁ魏晋否定して漢の正統後継者として帝位についてるんだから
手の届く範囲にいる晋皇帝を前にして戦わないわけにもいかないかもなぁ
- 546 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/03(火) 06:35:44.02 ID:zSQmvY5ro
- 石勒が高祖劉邦とすると劉淵は項梁のポジションだったんかな。劉聡と劉曜が項羽のポジション
- 547 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/03(火) 20:54:49.80 ID:mKlW1mJY0
- 董卓が石虎になれなかった男なら、桓温は曹操になれなかった男だな
- 548 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/03(火) 23:27:41.95 ID:+VV8gfIv0
- そのへん言うと、曹操と袁紹と光武帝になれなかった男で、劉備は劉邦になれなかった男かな
- 549 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/03(火) 23:28:49.19 ID:3tMX2EvOo
- 孫権はある意味中華を拡げた男になってしまうのか
- 550 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/04(水) 06:51:45.28 ID:IArwNvUOo
- >>547
桓温や劉裕は周瑜の蜀取り計画が成功した後のイメージ
- 551 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/04(水) 19:36:23.39 ID:H5VPEiEl0
- 桓温は相手が王猛に慕容挌&慕容垂兄弟なのが不幸だった、
あんなん曹操でも無理やろ
- 552 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/04(水) 22:23:11.63 ID:EEpjXx9C0
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
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| おまけ |:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ//
| | >:´|、 - ,|`:< 呂伯奢という人物を御存知だろうか?
| | |::::::::| > イ |::::::::|
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 553 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/04(水) 22:24:04.72 ID:EEpjXx9C0
-
/ ニYニヽ
/ (0)(0)ヽ
/ ⌒`´⌒\
| ,-) (- | おお、曹操殿。
| l ヽ__ ノl |
\ ` ⌒´ / .よく参られたっていう。
/ ヽ
/ ヽ .お連れの方共々、休んでいくといいっていう
| | |
ヽ_| |丿
| |
____r----..、
人_:: :::「`ヽ: :: .\_ヘrヘ._
{:: :: :: :: , : :. :. :: ::. ヾ丶::. :: _}
〉:: ;; , ' "‐  ̄ ` ヽ,ヾ ヽ:: ::廴/
{:: :;; / / l i l .}: }::.3
}:::// ト、 i | il j // |イ1 `|:: ∧|ヽ
さすがは呂伯奢殿。 >;从 |ノv! lノレ`ヽ ./__/ /:.r' |
vi小l● ● 川サヨ i: |
見る目があるのだわ !|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ i: i
/⌒ヽ__|ヘ ヽ._) j /⌒i l: !
. \_/::::;| l>,、 __, イァ/::`:/ |: |
\: ;| |::| ̄(*) ̄|:ヘ;;::::∧ l: !
フ ノ:::l_,.イト、__l〃::彡' |: |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『三国志演義』の序盤に登場し、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 曹操が陳宮と共に東方へ逃げた際に彼らを匿った人物である。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .曹操とは旧知の間柄にあった
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 554 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/04(水) 22:25:21.42 ID:EEpjXx9C0
-
、 ヽ
|ヽ ト、 ト、 ト、 、.`、
/|l. l. | |l l | | l |l.| |l. l
/' j/ ノ|ル'/レ〃j/l |
-‐7" ヾー---┐|_.j
 ̄ ./゙ニ,ニF、'' l _ヽ 曹操殿。
:: ,.,. |ヽ 」9L.` K }.|
l' """ l ) / .何も殺さなくたって。
h、,.ヘ. レ'/
レ′ .呂伯奢殿の家族を皆殺しにするなんて非道の行いですよ
r.二二.) /
≡≡ ,イ
. / !
\ / ├、
::::::` ̄´ / !ハ. ____r----..、
:::. / / ナヽ 人_:: :::「`ヽ: :: .\_ヘrヘ._
{:: :: :: :: , : :. :. :: ::. ヾ丶::. :: _}
漢 中牟県令 陳宮 〉:: ;; , ' "‐  ̄ ` )└ ヽ:: ::廴/
{:: :;; / / l i ⌒ .}: }::.3
}:::// ト、 i | il j // |イ1 `|:: ∧|ヽ
>;从 |ー'! lノレ`ー ./__/ /:.r' |
vi小l● ● 川サヨ i: |
私が人に背こうとも、人が私に背くのは許さないのだわ! !|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ i: i
/⌒ヽ__|ヘ ヽ._) j /⌒i l: !
. \_/::::;| l>,、 __, イァ/::`:/ |: |
\: ;| |::| ̄(*) ̄|:ヘ;;::::∧ l: !
フ ノ:::l_,.イト、__l〃::彡' |: |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ .ところが呂伯奢の家族に
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 捕らえられると疑心暗鬼に陥った曹操は彼らを殺害。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .その場を外していた呂伯奢が帰ってくるとこれまた殺害してしまった
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 555 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/04(水) 22:26:10.41 ID:EEpjXx9C0
-
、 ヽ
|ヽ ト、 ト、 ト、 、.`、
/|l. l. | |l l | | l |l.| |l. l
/' j/ ノ|ル'/レ〃j/l |
-‐7" ヾー---┐|_.j
 ̄ ./゙ニ,ニF、'' l _ヽ
:: ,.,. |ヽ 」9L.` K }.| あなた。
l' """ l ) /
h、,.ヘ. レ'/ そんな事をしているから不人気なんですよ
レ′
r.二二.) /
≡≡ ,イ
. / !
\ / ├、
::::::` ̄´ / !ハ. ____r----..、
:::. / / ナヽ 人_:: :::「`ヽ: :: .\_ヘrヘ._
{:: :: :: :: , : :. :. :: ::. ヾ丶::. :: _}
〉:: ;; , ' "‐  ̄ ` ヽ,ヾ ヽ:: ::廴/
{:: :;; / / l i l .}: }::.3
}:::// ト、 i | il j // |イ1 `|:: ∧|ヽ
>;从 |ノv! lノレ`ヽ ./__/ /:.r' |
vi小l○ ○ 川サヨ i: |
!|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ i: i
/⌒ヽ__|ヘ ヽ._) j /⌒i l: !
. \_/::::;| l>,、 __, イァ/::`:/ |: |
\: ;| |::| ̄(*) ̄|:ヘ;;::::∧ l: !
フ ノ:::l_,.イト、__l〃::彡' |: |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 曹操の身勝手さに愛想が尽きた陳宮は彼の下から去ってしまった。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 猜疑心の強い曹操を描写すると共に、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .陳宮が呂布に与する伏線のような話となっている
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 556 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/04(水) 22:27:00.26 ID:EEpjXx9C0
-
_...._
_,.-':::::::::::::`ヽ、
,..-':::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
__ /:::::::::::::::::::::::::::::\:::::::ヘ
l::::::::::::::::::: ̄::::::ー.../::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
ヽ::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ィ::ニ'::::l
ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ `ヽ:::::::l
\::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:、 ';::::::|
,ン、:::::::::::::::::::::`:-..._:::::::::::::::::::::::/::::::\ ';:::|
/ | |`ト 、_:::::::::::::::::::::`:::ー-......__/::::::::::::::\ヾl
l ト ト. ト、ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
`ハ_|ヾ 弋弍f'ー、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
'´く. 'ーイ l j、7ァt、__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l では、この話。
rヽ 、 lー'-'ノ_ノ∠Lゝト弋ー-- :::_:ノ
ヘ ヽ--j..-<}::::::::::::〈.` 正史とされる
,レ-'⌒:、 ヽ:::::::::::ヽ- 、 『三国志』ではどう記されているのか?
,. -‐、 ヽニ.:::::;r‐ '´ l::::::::::::::::::::ヘ
,r'::::.,.-' r'´ ::::ヽ __'Jノヽ::::::::::::::::::ハ
/:::::/ | l::: ` ヽ、_ ヽ_,l:::::::::::::::::::::l
. | :::| | lヽ、__,. 、 ';::::::::::::::::::::::::::::::l.、
. | | | |:::::::::::::::ヽ. l::::::::::::::::::::::::::::::|:ヽ
l. l ヽl. ..|::::/::::::::::´:::::::::::::::::::::::::::::::|::::l.
ヽ ヽ.__ ノ | ::|:'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
` ー- 一 ヘ |::::ー-、.._:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::|ヽ
7ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|:::ヽ
/::|::|:ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|::::::ヽ
/::::::|:::|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::|:::::::::ヽ
/::::::::::{:::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::|:::::::::::`
- 557 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/04(水) 22:28:47.13 ID:EEpjXx9C0
- 【呂伯奢について@『三国志』『武帝紀』】
/ ̄ ̄ ̄\
/ \
/ ─ ─ ヽ
| (●) (●) | そこで太祖は姓名を変え、間道を通って東へ帰ったお。
\ (__人__) __,/
/ ` ⌒´ \
_/((┃))______i | キュッキュッ キュッ
.. / /ヽ,,⌒)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(,,ノ \
/ /_________ヽ.. \
. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ ̄ ̄ ̄\
/ \
/ ─ ─ ヽ .関所を出て中牟を通過する時、
| (●) (●) | 亭長に疑惑を抱かれて連行されたお。
\ (__人__) __,/
/ ` ⌒´ \ 街中に人知れず
_/((┃))______i | キュッキュッ .彼を見分けた者がいて、頼み込んで釈放してくれたお。
.. / /ヽ,,⌒)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(,,ノ \
/ /_________ヽ.. \ サスガフニンキ
. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ ̄ ̄ ̄\
/ \
/ ─ ─ ヽ
| (●) (●) | 太祖は陳留に入ると、
\ (__人__) __,/ 家財を散じて義兵を集め、董卓を滅ぼそうと計画したお
/ ` ⌒´ \
_/((┃))______i | キュッキュッ キュッ
.. / /ヽ,,⌒)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(,,ノ \
/ /_________ヽ.. \
. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
- 558 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/04(水) 22:29:32.33 ID:EEpjXx9C0
-
. / ̄ ̄ ̄\
. / ─ ─ \
/ (●) (●) ヽ えっ?
. | (__人__) |
\ ` ⌒´ __,/ 呂伯奢はどうしたんだって?
/ \
_/((┃))______i | 編集の犠牲になったから、
.. / /ヽ,,⌒)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(,,ノ \ .他の史書を当たってみてくれお
/ /_________ヽ.. \
. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
,. :-:.' ー ' ¨ :.ゝ.、
,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ、
,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`、`ゝ
,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ハ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
/イハ:!:.:.:l:/ i/ ノノ ノリリハリ:!:i:.:.!:.l
i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ハ!
『三国志』『武帝紀』には呂伯奢の話は出てこない。 ∨|:.:.! ノ/i/ノ
ヘ!:| ノ!/′
洛陽を脱出して中牟で捕まった後に釈放され、 ヾ!>ー- -- <イリ
陳留に到着して董卓討伐を計画したとしか記述がないのだ .(ヘ:::::\i=//:::::/)
{;;\::::::!n/:::::/;/
ト、;;\;;ii;;/;;;;イ
/;;;;ゝ;;;;∨;;;;;;ノ;ゝ、
(;;;;;(⌒)∨/(⌒);;;;)
`´ ̄` ̄ ̄´ ̄´
- 559 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/04(水) 22:32:16.21 ID:EEpjXx9C0
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ とはいえ、呂伯奢の話が作り話だったわけではない。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ 陳寿が『三国志』の参考にした
/ ヽ{ ト、ヽ l: .王沈『魏書』にはこの話がしっかり載っていた
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !______
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
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i!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ∧:.:.:.:.:.:.:∧
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ ',:.:.:.:.:.:.:.',
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:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:./:.:.l.:.:.::>z´ェ= ミ、 _ |:.: l:.:./
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:./:.:.:.l‐ ´≠´ち:乃` _ z_` l:.: l:./
話の内容はこうだ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.,′:.:.l. ` 乂:ツ 7タハ/:|:.:/´
l:.:.:.:i:.:.:.:|:.:|:.:.:.:.:.:.: | 弋'/:.:.i!/|
|:.:.:.:|:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.: | 〉 .:::::::ノ|:.|
|ハ:.:.|:.:. i!:.:.:.:.:.:.:.i:.:| .::::::::::|:.l
l:.:.|:.:.:.i!:.:.:.:.:.:. |:.:! ‐- - ノ::::::::::|:.|
. \:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.|:.| \ . イ:::i!::::::::::|:i!
\:|:.:.:.:.:.:.:.|:.| :`. . . <`ヾ::::::|:::::::::::|i!
晋 驃騎将軍 王沈
- 560 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/04(水) 22:34:39.36 ID:EEpjXx9C0
- 【紀元189年冬 漢 首都 洛陽】
..>( / /: : (_ :.. \: : : : : : :/
./ノ/ /: : ん':J ヽ: : : : :(
l l(::.′ ,': : : フ .:´ ′ ヽ. ' ,: : : :ヽ、
l l ){ /: :厂 / / / l ゙i ヽ: : /
l lヽ| i': : :¨) ′/ / / ,イ | } }::(
l l ノl i: (⌒ / X ./. ./{. ..i | | .|: :| ,イ リ: :)
l l(:::| ノ: :ヽ/ /,_,≧x .′|: / l :/./_斗</ | //
l l )ノミx : ( 〃__)笊ミx レ' :/,x≦でミ′:У、 都を脱出して、
l l ヾ゙薔シ :ヽ人 乂八ツ ゙ ´ {八ソ / ノ∧ ヽ、 董卓討伐の兵を挙げるのだわ!
l l 辷彡ー'⌒ヽ `"´ `´ ′/ \ \
l l/ ̄ \'' ___′ ''' / / ⌒ヾ´ヽ \
-′ \ ヽ ,'⌒ヾ} .イ/ ′ヽ、: : : :\ )
\. ヽ. ト .ヽ__ ノ。<_斗___ : : : : : : : : //
゙:. ヽ :i 〉ヾ¨爪≦⌒^⌒¨リ: : : : : : : /
ヽ、 i.'_>…´ )薇){`ヽ、 /: : : : : : : ( (
\ X > --- 匕´辷彡' {: : : : : : : : ::\
- - ──ー - -、
/i ,.-‐''"´ \ i\
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ
(このへんの話、作り直したいなあ) .| i ̄i ̄i ̄i """ |
l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ /
.`/ | | \ /
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 王沈『魏書』に曰く。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 太祖は董卓の計画が失敗すると判断し、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .官職の任命に応じず、郷里へ逃げ帰った
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 561 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/04(水) 22:37:23.49 ID:EEpjXx9C0
- 【紀元189年冬 漢 司隷 成皋】
,..----r____
_.ヘrヘ_/. :: :/1::: ::_人
{_ :: :/ / .::: ::: ::: .: .: : , :: :: ::}
,r´.:::::/ /:::ノ ̄ ̄` ー-、;;:: ::: :::ノ
(⌒:{ .:::{. !::( , /ヽ \ ;;: :}
7_|∧ :::| 「::ノ| ∨ i! / ! |ト;::ノ
| Y.:! lイl li ノ レ `ヽ|从〈 元太尉曹嵩の息子の曹孟徳よ。
| :i {薔}川 ● ● l小iv
| :| ゞ! l⊂⊃ 、_,、_, ⊂li|ノ 呂伯奢殿は御在宅かしら?
| :|i⌒ヽ j (_.ノ ノi|__/⌒)
| :! ヽ ヽx>、 __, イl |:::::ヽ/
| :! ∧__,ヘ::| ̄(*) ̄|::l |:::::::ハ
| :! ヾ_:::ッ::l_,.イト、__l::l |:::::::ソ
漢 沛国の人 曹操
/ニYニヽ
/( ゚ )( ゚ )ヽ
/::::⌒`´⌒::::\
| ,-)___(-、|
| l |-┬-| l |
生憎、親父は留守にしているっていう .\ `ー'´ /
⊂⌒ヽ ノ < /⌒つ
\ ヽ / ヽ /
\_,,ノ |、_ノ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 数騎の供を引き連れており、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 道中で成皋にあった呂伯奢の邸に立ち寄った
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 562 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/04(水) 22:38:33.24 ID:EEpjXx9C0
-
. /ニYニヽ
./( ゚ )( ゚ )ヽ
. /::::⌒`´⌒:::: \
. | ,-)___(-、| jl
. | l |-┬l[]. l | l || だが、お前がお尋ね者なのはSNSで拡散されてたっていう。
. \ `ー|| |_/ /"'''ヽ | ||
,,,-彡_,r''" ̄ 「/ ̄/ ̄/;二"二"二((二((三三C 馬と荷物を頂いて、
_,-| r'" 二 ==i ニニ二/\/ccccccc//_ヽ お上に突き出して褒美も頂くっていう
<、、゙l - ̄ ̄C=] ノ;ヾ / ⊂ニニニ二二ソニニニソ
,l゙゙'l、 」ニニ二二〈ー;; \/二L_」 j
/ l /;:: /{ ̄`)ノ ーーー \ /
/´ ゝ ;;::/ {  ̄ソ ヽ /
r¬、_r¬、_
r‐┘:.:._;: -―辷`丶、 ___
/:.:.:/ , 〕:.:.:.:`丁|:.:.:.:.:.:.:}
|:. / , l l|└-、:.:.:.| |:.:.:.:.:.:「
∨ / 、 | l | | ]:.:.| |:.:.:.:r┘
| ト、 |/ | l /\| {:.:.:| |:.:.:.ノ
l | N ○ヽl/´○!ノlヽ| |:rく
. `ヽ|| 、_,、_, レlO/Y⌒ヽ
r‐-vヘ.__」 |ヽ、 ヽ__} _/ |レ':.:.`て_ノ
{ r┘:.:.::{_:.| |:ヾ >‐-< 7´ }:.:.:.:.:.:_:_)
ヽ、):.:.:.:.:.:.:〕にニコ ○ く_rイ∧:.:.:.:} ト、
しヘ:_/´:.:.:.:≧√ ∧`ヽくく/:. ヽく | l l
つ:.:.:((_/ /:.:| ヽ:.:.:.:.┌'´| ||
- 563 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/04(水) 22:39:04.72 ID:EEpjXx9C0
-
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i:::::::::/ /⌒''⌒) :,,゜ ' ,,,,,,,
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. i:::::::i ヽ::::::::';''' ''~~ 。
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,!,,,、( /:: ノ:::::::::::::::::) 。 !::::::::::`! 、
:.、 !:::( ノ::`! o (:::::::::::::::::: (:::,,;,;,、; 。
゜ (/ ⌒ 、 ;::::::::::::;;.;~~''
,,、.. // ノ' //'''~~ ..,,.. _,,,.、
/;::::::::(,.,.(;;;::::( ,,., ;,;;( ):::::;.
):::::::::::::::::::::::::::/ ''''' '`
!::::::::::::::::::::::::::::)/,,,,, :'~~~: ,,. ,.
(::::::::::::::::::::::::::::冫 ~~~ 、,:'::::::`:::,,,, !:::::ノ _,,.r':/ /::|
::::::::::::::::::::::::::::;(,,,,,,,、:::::::-ー'''' ''''''''" /'''"´:::::/ ./:::::::|
ヽ::::::::';'' ./:::::::::::,,.//:::::::/
/:::;.r''" /:::::::/
'"´ ./:::::::/
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|:::::::/
i::/
i/
- 564 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/04(水) 22:40:24.60 ID:EEpjXx9C0
-
: /_ ト、 l ト、\l l l '; : く__
:ゝ':/ ,' ,ム斗=ヽ、l`ヽ // !: : :./
:./! , 1 {:ゝ‐:ハj ',` //l ,'r‐-'
//l , '弋z:::ノ ' ヽ /、 / / l /´
/ ,' ,′ ´ ` ヽ'ィュ、 /X / / 危ない所だったわね。
:l/ / ん:リ / _ / /
:l l ' ゞく /'´/// .もう私が洛陽を脱出した事が知れ渡っているなんて。
:l l三心 fニヽ、_ /l l
:l l三三', `′ ,ィ'l l l .ところでSNSって何かしら?
}l l三三ミ; /l l l ', ',
ミ! '三三ミ; , ィ.´__. l l ∨ ∧
ミ! ',三三≧‐-.升三三ミ l l ∨ ∧
`ヽ、 ∨ー'´ ー 寸三三三} l ∨ ∧
/ニY二ヽ /⌒ '"⌒ ヽ、
/uー ー;##ヽノ ー \
/ (_)(_) .u\ ,; \ ,rー、
|-);;#⌒`´⌒:::: (-, ⌒ ̄ ̄` ̄ ̄ ̄ヾ`ヽ ヽ
| 〈 ,____ 、 〉 i,ノ、____"___,、___ソノ__ノ
 ̄ ̄ ̄゜`⌒´  ̄ ̄` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ニY二ヽ /⌒ '"⌒ ヽ、
/uー ー;##ヽノ ー \
/ (_)(_) .u\ ,; \ ,rー、
|-);;#⌒`´⌒:::: (-, ⌒ ̄ ̄` ̄ ̄ ̄ヾ`ヽ ヽ
| 〈 ,____ 、 〉 i,ノ、____"___,、___ソノ__ノ
 ̄ ̄ ̄゜`⌒´  ̄ ̄` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ .呂伯奢は留守にしており、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 彼の子供たちは食客と共謀して太祖を脅し、馬と持ち物を奪おうとした。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .太祖は自ら刀を手にして数人を撃ち殺した
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 565 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/04(水) 22:41:38.06 ID:EEpjXx9C0
-
: : : : :|: : : : : : : : : :|: : : : /: : : : : : : : : : :\
: : : : :|: : : : : : : : : :|///: : : : : : : : : : : : ::.
: : : : :|: : : : : : : : : :|//: : : : : : : : : : : : : : : ::.
: : : : :|: : : : : : : : : :|/: : : : : : : : : : : :>f´: : : :〉
: : : : :|: : i : : : : i: : |: : : : : : : : : :> ´ .′: : /
: : : : :|: : i : : : : i: : |: : : : 、> ´ .′: :/
: : : : :|: : i : : : : i: : |― ´ `丶..,,__ ,′/
: : : : :|: : i : : : : i: : | く ̄;少ミz ¨´ ,rイ: ' 今の話で重要なのは、呂伯奢本人は殺されていない点さ。
: : : : i|: : i : : : : i: : | {)ジ //´
: : : :i |i : i : : : : i: : | '/ これだと太祖は
: : : il ||:.:.i : : : : i: : | {:::! .迫り来る呂伯奢の一族郎党から身を守ったという解釈が成り立つ。
: : :.|| ||:.:.i : : : : i: : | ヽ!
`ヾji! リ! :i: : : : :i: : | /:| .当時だと、こうした事柄はよくあったんじゃないかな?
ヽ リ|.: : : : i: : | `ヽァ r‐'::::::::!
\ `ヾ: : :.i: : | /::::::i::::::|
> .,_`¨ ヾ:j、 /::::::::i:::i::::::!
爪_} `¨´`ヾ::::::i:::|::::/
/ ィハ `“ '’'’ ,. :-:.' ー ' ¨ :.ゝ.、
\ //:::::ハ ,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ、
,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`、`ゝ
,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ハ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
/イハ:!:.:.:l:/ i/ ノノ ノリリハリ:!:i:.:.!:.l
i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ハ!
∨|:.:.! ノ/i/ノ
ヘ!:| ノ!/′
陳寿が『三国志』に収録しなかったのはこのあたりが理由だろう ヾ!>ー- -- <イリ
(ヘ:::::\i=//:::::/)
{;;\::::::!n/:::::/;/
ト、;;\;;ii;;/;;;;イ
/;;;;ゝ;;;;∨;;;;;;ノ;ゝ、
(;;;;;(⌒)∨/(⌒);;;;)
`´ ̄` ̄ ̄´ ̄´
- 566 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/04(水) 22:42:07.65 ID:EEpjXx9C0
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| 『世語』に曰く |:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ// では、続いて他の史書にある
| | >:´|、 - ,|`:< 呂伯奢の話を紹介していきたい。
| | |::::::::| > イ |::::::::|
| | >-、\! !/::,-< ここから紹介するのは、
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、 『三国志』以降に成立した史書にある内容だ
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 567 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/04(水) 22:43:46.25 ID:EEpjXx9C0
- 【紀元189年冬 漢 司隷 成皋】
,..----r____
_.ヘrヘ_/. :: :/1::: ::_人
{_ :: :/ / .::: ::: ::: .: .: : , :: :: ::}
,r´.:::::/ /:::ノ ̄ ̄` ー-、;;:: ::: :::ノ
(⌒:{ .:::{. !::( , /ヽ \ ;;: :}
7_|∧ :::| 「::ノ| ∨ i! / ! |ト;::ノ
| Y.:! lイl li ノ レ `ヽ|从〈 元太尉曹嵩の息子の曹孟徳よ。
| :i {薔}川 ● ● l小iv
| :| ゞ! l⊂⊃ 、_,、_, ⊂li|ノ .呂伯奢殿は御在宅かしら?
| :|i⌒ヽ j (_.ノ ノi|__/⌒)
| :! ヽ ヽx>、 __, イl |:::::ヽ/
| :! ∧__,ヘ::| ̄(*) ̄|::l |:::::::ハ
| :! ヾ_:::ッ::l_,.イト、__l::l |:::::::ソ
,、 ,、 ,、 ,、
, - (゚(゚ ))> , - (゚(゚ ))>
( '_,r'⌒゙i ( '_,r'⌒゙i
生憎、父上は留守にしていますっていう。 ∠_ ,,ノ ∠_ ,,ノ
( ) ( ).
どうぞ邸に上がって、 ,、 ,、 ,、 ,、 ,、 ,、
ごゆるりとなさって下さいっていう , - (゚(゚ ))> , - (゚(゚ ))> , - (゚(゚ ))>
( '_,r'⌒゙i ( '_,r'⌒゙i ( '_,r'⌒゙i
∠_ ,,ノ ∠_ ,,ノ ∠_ ,,ノ
( ) ( ) ( )
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 太祖は呂伯奢の邸に立ち寄った。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 呂伯奢は外出していたが、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .彼の五人の子は全員が邸にいた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 568 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/04(水) 22:44:30.40 ID:EEpjXx9C0
-
,..----r____
_.ヘrヘ_/. :: :/1::: ::_人
{_ :: :/ / .::: ::: ::: .: .: : , :: :: ::}
,r´.:::::/ /:::ノ ̄ ̄` ー-、;;:: ::: :::ノ
(⌒:{ .:::{. !::( , /ヽ \ ;;: :}
7_|∧ :::| 「::ノ| ∨ i! / ! |ト;::ノ
| Y.:! lイl li ⌒ レ ⌒ |从〈 年末年始のバラエティに出まくる
| :i {薔}川 ● ● l小iv スポーツ選手から漂う二流感ときたら。
| :| ゞ! l⊂⊃ 、_,、_, ⊂li|ノ
| :|i⌒ヽ j (_.ノ ノi|__/⌒) .志が低いと言わざるを得ないのだわ
| :! ヽ ヽx>、 __, イl |:::::ヽ/
| :! ∧__,ヘ::| ̄(*) ̄|::l |:::::::ハ
| :! ヾ_:::ッ::l_,.イト、__l::l |:::::::ソ
,、 ,、 ,、 ,、
, - (゚(゚ ))> , - (゚(゚ ))>
( '_,r'⌒゙i ( '_,r'⌒゙i
∠_ ,,ノ ∠_ ,,ノ
( ) ( ).
村●様ですね分かりますっていう ,、 ,、 ,、 ,、 ,、 ,、
, - (゚(゚ ))> , - (゚(゚ ))> , - (゚(゚ ))>
( '_,r'⌒゙i ( '_,r'⌒゙i ( '_,r'⌒゙i
∠_ ,,ノ ∠_ ,,ノ ∠_ ,,ノ
( ) ( ) ( )
- 569 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/04(水) 22:46:49.74 ID:qjiyFQ2K0
- 杉谷だけは許してやってください
- 570 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/04(水) 22:47:21.38 ID:EEpjXx9C0
-
,..----r____
_.ヘrヘ_/. :: :/1::: ::_人
{_ :: :/ / .::: ::: ::: .: .: : , :: :: ::}
,r´.:::::/ /:::ノ ̄ ̄` ー-、;;:: ::: :::ノ
(⌒:{ .:::{. !::( , /ヽ \ ;;: :}
7_|∧ :::| 「::ノ| ∨ i! / ! |ト;::ノ
| Y.:! lイl li ⌒ レ ⌒ |从〈
| :i {薔}川 ● ● l小iv 試合に負けたのに
| :| ゞ! l⊂⊃ 、_,、_, ⊂li|ノ .ブラボーなんて叫びまくっている選手の痛い事。
| :|i⌒ヽ j (_.ノ ノi|__/⌒)
| :! ヽ ヽx>、 __, イl |:::::ヽ/ これまた志が低いと言わざるを得ないのだわ
| :! ∧__,ヘ::| ̄(*) ̄|::l |:::::::ハ
| :! ヾ_:::ッ::l_,.イト、__l::l |:::::::ソ
,、 ,、 ,、 ,、
, - (゚(゚ ))> , - (゚(゚ ))>
( '_,r'⌒゙i ( '_,r'⌒゙i
∠_ ,,ノ ∠_ ,,ノ
長●選手ですね分かりますっていう。 ( ) ( ).
,、 ,、 ,、 ,、 ,、 ,、
では、そろそろ食事を用意致しましょうっていう , - (゚(゚ ))> , - (゚(゚ ))> , - (゚(゚ ))>
( '_,r'⌒゙i ( '_,r'⌒゙i ( '_,r'⌒゙i
∠_ ,,ノ ∠_ ,,ノ ∠_ ,,ノ
( ) ( ) ( )
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 五人の子には主人と客の間の礼儀が備わっていた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 571 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/04(水) 22:48:26.13 ID:EEpjXx9C0
-
,..----r____
_.ヘrヘ_/. :: :/1::: ::_人
{_ :: :/ / .::: ::: ::: .: .: : , :: :: ::}
,r´.:::::/ /:::ノ ̄ ̄` ー-、;;:: ::: :::ノ
(⌒:{ .:::{. !::( , /ヽ \ ;;: :}
7_|∧ :::| 「::ノ| ∨ i! / ! |ト;::ノ
| Y.:! lイl li ⌒ レ ⌒| 从〈 ミ ミ ミ 何が出てくるのかしら?
. /⌒)⌒)⌒)川 ● ● l小iv /⌒)⌒)⌒)
. | / / / ! l⊂⊃ 、_,、_, ⊂li|ノ (⌒)/ / / // 今晩はゆっくり休めそうね。
. | :::::::::::(⌒).j (_.ノ ノ i| ゝ :::::::::::/
. | ノヽx>、 __, イl |_ / ) / あの子たちのおもてなしに感謝しないと……
ヽ _∧人l||l ̄(*) ̄|:! ヽ;::ソ / バ
. | /;:::l||l 从人 l||lト、_l::::\ l||l 从人 l||l ン
{ ゝ一''''''"~~``'ー--、:::::ヽ -一'''''''ー-、 バ
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ):::::::(⌒_(⌒)⌒)⌒)) ン
,..----r____
_.rヘ/ . :: :/1::: :: :: 人
{_:/ / .:: .::: ::: ::: .: .: : , :: ::ヽ
,r´./ /:::ノ´ ̄ ̄ ̄` ー、;;:: ::: :::ノ
(⌒:{.:::{ !::( , /ヽ \ ;;: :}
7_|∧:| 「:ノノ!ハリ i! / ! | | !ト;:::ノ
| Y! lイ ⌒ レ⌒ リ|从〈
| :{薔} ● ● il小iv
| :| ゞ⊂⊃ 、_,、_, ⊂⊃!|ノ ん?
. ! :! ゝ、 イi|
! :!. ,r:::':> 、 ___ , イl |_
. | !∧:::::::::::| ̄(*) ̄|:::! ヽ;:ヽ
| !:::ヾ_:::ッ:l_,.イト、__l::::::\ \!
{ ゝ一''''''"~~``'ー--、::::::\ `一'''''''ー-、
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )::::::::(⌒_(⌒)⌒)⌒))
- 572 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/04(水) 22:49:29.60 ID:EEpjXx9C0
-
圭jア ,ィ劣圭才´ .以圭W Y|伐 Y圭圭
j炒′ ,ィ劣l才´ 込i:圭{ Yi伐 Y圭ll
W /{}{ア´ Y7:刈 Yiiヘ Y圭
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ニ|:.:.:/\:.:.:.:.:ノ│: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 从
ニ|:.:.l____:  ̄: : : |: : :|: : : : : : : : : : : : :.|: : : : : : : : : :l: : : : : : : : : : :|: : : : : : : : : : : :,:.:
ニ|:.:.:.:.:.: \ : : : |: : :|: : : : : : : : : : : : :.|: : : : : : : : : :l: : : /: : : : : :|: : : : : : : : : : :/:.〈
ニ|:.:.:.:.:.:.:.:.:l : : : |: : :|: : : :\: : : : : : : :|: : : : : : : :_|_/ : : : : : : : |: : : : : : : : : :/:.:.:.:
ニ|_:.:.:.:.:.:/ : : : |: : :| : : : : : \______ノ|: : : : : : : : : :|≦三三三 ,: : : : : : : : : :∧:.:.:.:.:.
ニニニ:⌒ : : : : : : |:_:_:l:ィ≦三三三 〃 | /: : : : : : : : : /  ̄ ̄
ニニニV: : : : : : : : ¨¨〃 | | // | .: : : : : : : : : :∧
ニニニニ|\|\|\:〈 | // | | // | ^Tフ¨¨¨¨¨¨¨ ま、まさか、あの子たち。
ニニニニ|: : : : : : |: :| | // | 乂____ノ ハ.
ニニニニ|: : : : : : |: :| 乂_______ノ ; : : :\ .私を油断させた上で、
\ニニl|: : : : : : |: :| /: : |: : : : . 捕まえようなんて思っていないかしら?
\:`マ|: : : : : : |: :| /: : : | \.: :i
:/: : : : : : |: :| /: : : : |ニニ|: :|
_____,/: : : : : : : |: :|、__ __, イ: : : : : |ニニ|: :|
\_:′: : : : : : : : :|ニニニ==ニニニ\ . イニl: : : : : :|ニニ|: :|_________
: : : : : ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:〉ニ\ ィi〔ニニニl: : : : : :|ニニ|: :|: :/: : :|
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :./ニニニニニ====ニニニニニニニニ : : : : : |ニニ|: / : : /|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 太祖は自分が董卓の命令に背いたため、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 彼らが自分を始末するつもりかと疑いを抱いた
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 573 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/04(水) 22:50:53.08 ID:EEpjXx9C0
-
. ,、 <フ ,、 ./ 7 / 7
<二、ニ> / / /_/ /_/
. <二、 ニ> <二_/ <> <>
`┘
ニ|:.:.:/\:.:.:.:.:ノ│: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 从
ニ|:.:.l____:  ̄: : : |: : :|: : : : : : : : : : : : :.|: : : : : : : : : :l: : : : : : : : : : :|: : : : : : : : : : : :,:.:
ニ|:.:.:.:.:.: \ : : : |: : :|: : : : : : : : : : : : :.|: : : : : : : : : :l: : : /: : : : : :|: : : : : : : : : : :/:.〈
ニ|:.:.:.:.:.:.:.:.:l : : : |: : :|: : : :\: : : : : : : :|: : : : : : : :_|_/ : : : : : : : |: : : : : : : : : :/:.:.:.:
ニ|_:.:.:.:.:.:/ : : : |: : :| : : : : : \______ノ|: : : : : : : : : :|≦三三三 ,: : : : : : : : : :∧:.:.:.:.:.
ニニニ:⌒ : : : : : : |:_:_:l:ィ≦三三三 〃 | /: : : : : : : : : /  ̄ ̄
ニニニV: : : : : : : : ¨¨〃 | | // | .: : : : : : : : : :∧
ニニニニ|\|\|\:〈 | // | | // | ^Tフ¨¨¨¨¨¨¨ 何の音?
ニニニニ|: : : : : : |: :| | // | 乂____ノ ハ.
ニニニニ|: : : : : : |: :| 乂_______ノ ; : : :\ 武器を用意しているのかしら?
\ニニl|: : : : : : |: :| /: : |: : : : .
\:`マ|: : : : : : |: :| /: : : | \.: :i . ,、 <フ ,、 ./ 7 / 7
:/: : : : : : |: :| /: : : : |ニニ|: :| <二、ニ> / / /_/ /_/
_____,/: : : : : : : |: :|、__ __, イ: : : : : |ニニ|: :| . <二、 ニ> <二_/ <> <>
\_:′: : : : : : : : :|ニニニ==ニニニ\ . イニl: : : : : :|ニニ|: :|_________ `┘
: : : : : ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:〉ニ\ ィi〔ニニニl: : : : : :|ニニ|: :|: :/: : :|
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :./ニニニニニ====ニニニニニニニニ : : : : : |ニニ|: / : : /|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 孫盛『異同雑語』に曰く。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 太祖は彼らが用意する食器の音を耳にし、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .自分を始末する気だと思い込んでしまった
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 574 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/04(水) 22:52:27.33 ID:EEpjXx9C0
-
. ,、 <フ ,、 ./ 7 / 7
<二、ニ> / / /_/ /_/
. <二、 ニ> <二_/ <> <>
`┘
ニ|:.:.:/\:.:.:.:.:ノ│: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 从
ニ|:.:.l____:  ̄: : : |: : :|: : : : : : : : : : : : :.|: : : : : : : : : :l: : : : : : : : : : :|: : : : : : : : : : : :,:.:
ニ|:.:.:.:.:.: \ : : : |: : :|: : : : : : : : : : : : :.|: : : : : : : : : :l: : : /: : : : : :|: : : : : : : : : : :/:.〈
ニ|:.:.:.:.:.:.:.:.:l : : : |: : :|: : : :\: : : : : : : :|: : : : : : : :_|_/ : : : : : : : |: : : : : : : : : :/:.:.:.:
ニ|_:.:.:.:.:.:/ : : : |: : :| : : : : : \______ノ|: : : : : : : : : :|≦三三三 ,: : : : : : : : : :∧:.:.:.:.:.
ニニニ:⌒ : : : : : : |:_:_:l:ィ≦三三三 〃 | /: : : : : : : : : /  ̄ ̄
ニニニV: : : : : : : : ¨¨〃 | | // | .: : : : : : : : : :∧
ニニニニ|\|\|\:〈 | // | | // | ^Tフ¨¨¨¨¨¨¨
ニニニニ|: : : : : : |: :| | // | 乂____ノ ハ. …………
ニニニニ|: : : : : : |: :| 乂_______ノ ; : : :\
\ニニl|: : : : : : |: :| /: : |: : : : .
\:`マ|: : : : : : |: :| /: : : | \.: :i . ,、 <フ ,、 ./ 7 / 7
:/: : : : : : |: :| /: : : : |ニニ|: :| <二、ニ> / / /_/ /_/
_____,/: : : : : : : |: :|、__ __, イ: : : : : |ニニ|: :| . <二、 ニ> <二_/ <> <>
\_:′: : : : : : : : :|ニニニ==ニニニ\ . イニl: : : : : :|ニニ|: :|_________ `┘
: : : : : ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:〉ニ\ ィi〔ニニニl: : : : : :|ニニ|: :|: :/: : :|
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :./ニニニニニ====ニニニニニニニニ : : : : : |ニニ|: / : : /|
- 575 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/04(水) 22:54:35.43 ID:EEpjXx9C0
-
z=┐ ,
/”:::::::::::イ \
r‐:::::::::::::::::::::::::::::て
l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::}_
l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::] γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
z/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::z | 曹操殿 |
r:::::::::::::::○::::::::::○::::::r┘ .ヽ______乂
《::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,\
ィ<:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∠,
イ>/::::/!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::<
才゙::::,::ィ_/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::z _,_
, イ::::::::,x /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ト _x::::∧
イ:::::::,,才 !::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧
才:::::斗‐ ' {::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 「¨l:::::::rヽ:::::::::::::::::::::)
X::::::/ /:::::::::,,::::::::::::::::::::::::::::::::::i l::::::i i,:ェw≧::::::{
{::::::l /::::::::://:::::::::::::::::::::::::::::::::::i l:::::i. ∨:::::∧ γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
「::::::::ハ /::::::::::::ハl::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i ハ::::::ヽ ∨:::::∧ | お食事の支度が整いま…… .|
√::::::::::::::ハ t::::::::::,,, .¨i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!_ ヽ::::::ヽ ∨:::::∧ .ヽ______________乂
∨:::::::::::::::::,- x /:::;/ /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::”i\::::ヽ ∨:::::∧
《:::::::::::_/ // 〆::::vγ/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::゛ハヽ::::ヽ∠ニニ}
i:::l\,l 》::Y::::::::::::/ i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`zi:::::::v':::::::/
',! <'::::::::::::: </:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::¨:::::::::::://i
/ト /:::::::::::::::::>:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/i:::: //::::/
i/ >::::::::::::< i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: < 《:::::/《:::V/
- 576 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/04(水) 22:55:10.77 ID:EEpjXx9C0
-
,,
. / | /| /|
. /:::::i /::i |:::::i
/::::::::i |::::! .i::::::i
. i::::::::::i i::::i i:::::::i
. i:::::::::i. i::::i,/i:::::/'
. i:::::::::i. i:::/::::i:::/
. i:::::::::i i/:::::::i/:|
. i:::::::::"::::::::::/
i:::::::::::::::/ :,: :(::)
i:::::::::/ /⌒''⌒) :,,゜ ' ,,,,,,,
i::::::::i (:::::::::::::::!' (::::::)
. i:::::::i ヽ::::::::';''' ''~~ 。
. i:::::::i τ'::/ .;:
i:::::::i )/
. i::::/ 。 ' 、 ;: 。
f''`⌒( ,,,, !:(',,,, ::,,,,,、...
,!,,,、( /:: ノ:::::::::::::::::) 。 !::::::::::`! 、
:.、 !:::( ノ::`! o (:::::::::::::::::: (:::,,;,;,、; 。
゜ (/ ⌒ 、 ;::::::::::::;;.;~~''
,,、.. // ノ' //'''~~ ..,,.. _,,,.、
/;::::::::(,.,.(;;;::::( ,,., ;,;;( ):::::;.
):::::::::::::::::::::::::::/ ''''' '`
!::::::::::::::::::::::::::::)/,,,,, :'~~~: ,,. ,.
(::::::::::::::::::::::::::::冫 ~~~ 、,:'::::::`:::,,,, !:::::ノ _,,.r':/ /::|
::::::::::::::::::::::::::::;(,,,,,,,、:::::::-ー'''' ''''''''" /'''"´:::::/ ./:::::::|
ヽ::::::::';'' ./:::::::::::,,.//:::::::/
/:::;.r''" /:::::::/
'"´ ./:::::::/
/:::::::/
/::::::::/
|:::::::/
i::/
i/
- 577 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/04(水) 22:56:05.31 ID:EEpjXx9C0
-
: /_ ト、 l ト、\l l l '; : く__
:ゝ':/ ,' ,ム斗=ヽ、l`ヽ // !: : :./
:./! , 1 {:ゝ‐:ハj ',` //l ,'r‐-'
//l , '弋z:::ノ ' ヽ /、 / / l /´
/ ,' ,′ ´ ` ヽ'ィュ、 /X / / 危ない所だったわね。
:l/ / ん:リ / _ / /
:l l ' ゞく /'´/// もう私が洛陽を脱出した事が知れ渡っているなんて。
:l l三心 fニヽ、_ /l l
:l l三三', `′ ,ィ'l l l って、あら?
}l l三三ミ; /l l l ', ',
ミ! '三三ミ; , ィ.´__. l l ∨ ∧
ミ! ',三三≧‐-.升三三ミ l l ∨ ∧
`ヽ、 ∨ー'´ ー 寸三三三} l ∨ ∧
/ニY二ヽ /⌒ '"⌒ ヽ、
/uー ー;##ヽノ ー \
/ (_)(_) .u\ ,; \ ,rー、
|-);;#⌒`´⌒:::: (-, ⌒ ̄ ̄` ̄ ̄ ̄ヾ`ヽ ヽ
| 〈 ,____ 、 〉 i,ノ、____"___,、___ソノ__ノ
 ̄ ̄ ̄゜`⌒´  ̄ ̄` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ニY二ヽ /⌒ '"⌒ ヽ、
/uー ー;##ヽノ ー \
/ (_)(_) .u\ ,; \ ,rー、
|-);;#⌒`´⌒:::: (-, ⌒ ̄ ̄` ̄ ̄ ̄ヾ`ヽ ヽ
| 〈 ,____ 、 〉 i,ノ、____"___,、___ソノ__ノ
 ̄ ̄ ̄゜`⌒´  ̄ ̄` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } そこで剣を振るって、夜の間に八人を殺害した
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 578 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/04(水) 22:59:03.90 ID:EEpjXx9C0
-
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._:..-‐- ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:'ヘミx':〉
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.イ´ 、 丶 `ヾ:.:.:.:.:.:.くミュ_ヾヽ 、 ____
.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ 丶 \ ヾ:、 丶、.:.:.)厂`ヾ≠=彡’ ̄ ̄ `ヾ:
.:.:.:.:.:.:./ ! `ヽ.\ \ \ヽ ゞノ`ヾ:、 \_、 `ー- .
.:.:.:.:.:/ 丶 | ヽ ヾ:、、 ヽ \:.、ヾ:.、 ヾ:、\ \ `ー― -=
.:.:.:.:.′ i! ト、 ハ ヾ:、 X ミヾ ヘ 辷x 丶ヾー=ミ
.:.:.:.:i 丶 | ヾ、ミxヾ:、\/ ヾ八_、{ ヾ:、 \ \\
.:.:.:.:| i \ i!\ \ヾ、xく.\.ィく`liト:.ヾヽ. `ー=ミx `ー=ミ、
.:.:.:ハ{: 1 \ ヾ ヾ`ぐツ リ }ハ ハ `ー=.. _
焼肉の用意がしてあるわね。 x:.:.:.:.i|ゞ \ ! 丶 ゙x ハ ト! ,ィ:::}i } L..'´し,..∧_
> l|.:\ ゞハ、 /X j, < 、 〈::::::|l レ" /:::/ }.: ̄三ニ
もしかして、 `ゞじ.:.:.ヾ、\Xヾハxぐツ ‘′ )::ノ"イ/:::/ ,:ィ|.:.;ィ.:.:.:.:.
本当に食事の準備しているだけだったり? .ヽ> ヾ ヽハミ_ャ‐ ._ _ r彡r7 / /:::/ / /:iリイ./.:.:.:.:.:
`:くヾメヽ `ーx. ハ  ̄ /:::::Y_/ // ,.イ /// イ.:;ヘ:_,.
i Y}iハ } ix ヽ rfチ::::::::::::::)〃/.:/ 〃7 /〃7ノ:::::
| iX ‘, | !、 \ レ`ーァ:::/〉:=彡::::://:::::/ ム才:':;:ィx:
| |ハ 入 八ヾ:ヽ、 У /:::::/イ::::::::::::::::"ヽ、/..彡:::::{ `
| | ‘. ハ ヽ \:/ /::::/ .ノ::::::::::::::::::::::ハ::::::::::::::::::::>
「| 「|
∈==U====================U==trっ
|| || ||
|| || ||
|| ,... -‐‐‐‐-ミ 、 || |L_
|| //_ `(( .))´__ヽ \||  ̄ ̄
「_〕__{ / `T´ \ } }[_〕
〔_ト `>=‐---+----‐く 彡[_〕
{ミ、〔_ | _〕彡厂
`≧=‐----------‐=≦´
- 579 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/04(水) 22:59:37.70 ID:EEpjXx9C0
-
,..----r____
_.ヘrヘ_/. :: :/1::: ::_人
{_ :: :/ / .::: ::: ::: .: .: : , :: :: ::}
,r´.:::::/ /:::ノ ̄ ̄` ー-、;;:: ::: :::ノ
(⌒:{ .:::{. !::( , /ヽ \ ;;: :}
7_|∧ :::| 「::ノ| ∨ i! / ! |ト;::ノ
| Y.:! lイl li / レ \ |从〈
| :i {薔}川 ◯ ◯ l小iv
| :| ゞ! l⊂⊃ 、_,、_, ⊂li|ノ
| :|i⌒ヽ j ノi|__/⌒)
| :! ヽ ヽx>、 __, イl |:::::ヽ/
| :! ∧__,ヘ::| ̄(*) ̄|::l |:::::::ハ
| :! ヾ_:::ッ::l_,.イト、__l::l |:::::::ソ
,..----r____
_.ヘrヘ_/. :: :/1::: ::_人
{_ :: :/ / .::: ::: ::: .: .: : , :: :: ::}
,r´.:::::/ /:::ノ ̄ ̄` ー-、;;:: ::: :::ノ
(⌒:{ .:::{. !::( , /ヽ \ ;;: :}
7_|∧ :::| 「::ノ| ∨ i! / ! |ト;::ノ
| Y.:! lイl li \ レ / |从〈
| :i {薔}川 ● ● l小iv 私が人に背こうとも、人が私に背くのは許さないのだわ!
| :| ゞ! l⊂⊃ 、_,、_, ⊂li|ノ
| :|i⌒ヽ j (_.ノ ノi|__/⌒)
| :! ヽ ヽx>、 __, イl |:::::ヽ/
| :! ∧__,ヘ::| ̄(*) ̄|::l |:::::::ハ
| :! ヾ_:::ッ::l_,.イト、__l::l |:::::::ソ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ なお、この台詞。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 孫盛『異同雑語』が初出である
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 580 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/04(水) 23:00:21.57 ID:EEpjXx9C0
-
/―Yーヽ
/:::::(○)(○)ヽ
/::::::::::⌒`´⌒::::\
/:::::::::,-)___(-、| 息子たち!
|:::::::::::::l |-┬-| l |
\:::::::: `ー'´ / 何があったんだっていう!!
ノ::::::: \
/::::::::::::::::: ヽ
|::::::: l \
/ニY二ヽ /⌒ '"⌒ ヽ、
/uー ー;##ヽノ ー \
/ (_)(_) .u\ ,; \ ,rー、
|-);;#⌒`´⌒:::: (-, ⌒ ̄ ̄` ̄ ̄ ̄ヾ`ヽ ヽ
| 〈 ,____ 、 〉 i,ノ、____"___,、___ソノ__ノ
 ̄ ̄ ̄゜`⌒´  ̄ ̄` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ニY二ヽ /⌒ '"⌒ ヽ、
/uー ー;##ヽノ ー \
/ (_)(_) .u\ ,; \ ,rー、
|-);;#⌒`´⌒:::: (-, ⌒ ̄ ̄` ̄ ̄ ̄ヾ`ヽ ヽ
| 〈 ,____ 、 〉 i,ノ、____"___,、___ソノ__ノ
 ̄ ̄ ̄゜`⌒´  ̄ ̄` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ こうして曹操は出発した。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 呂伯奢本人はここでも殺されていない
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 581 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/04(水) 23:02:06.95 ID:EEpjXx9C0
-
/ :. ィ.;:.:.:.:.:.:.:ヽ
イ:.:.:.:/-|/|∧:;、:.:.〈
リ:.:./ ● く!:,:.:..、
l:.:.l ●/:./ ̄
vヘ - ノ:./ 王沈『魏書』よりもこちらの方が、
_,-+ 匸ヘ/V .後世の我々が抱く曹操像に近いのかもしれない。
,《 ヒ⌒j 》、
l::\ l /‖::l 三国志における面白おかしい話の大半は東晋期に書かれたものだ
|:::::::ト,Vイ:::::|
|:::::::l介l:::::::|
l::::::|人|:::::::l
_..ノ:イ:::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
/::::::/ :::::: /:::i:i:::M〃'''''ミ::::::::::::
. /::::::/::::::::!/ ::::||: :! V:::::::i
. /:::/!::!::::W-j从:::| −─ .',::::::|
. /′ |:从:{,代:::テヘ! 弌:::テァ.r、/
iハハ i !/
i ! ; /
ヽ ― イ
まあ、魏の太祖ならこれぐらいやるだろう > ._ <ト、
rく i |ノ}
〈ハ _〉 ヽ r '" /ト.、
. _〉 ∨ ヽ ハ i / } ハ≧‐- .,
. ,ィ≦´ ./.:〉⌒'vっr i^Y^f^!=n-‐―┐ アヽ
{ /.:rーヽ―=ヘ V !:::::::::::| ./ ',
ハ ':/ |::::::::::::::::::i } 〉::::::::::| / / i
. / ', i.:{ |::::::::::::::::∧ /.::::::::::::!イ / |
晋 秘書監 孫盛
- 582 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/04(水) 23:02:40.01 ID:qjiyFQ2K0
- 確かに
- 583 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/04(水) 23:03:08.04 ID:EEpjXx9C0
- 【紀元189年冬 漢 司隷 中牟】
/ニY二ヽ
.. /( 0)( 0 )ヽ
/⌒`´⌒ \
| (-、 |
ヽ___ノ | | 怪しい奴だっていう。
. | |r┬ー| l ,/
! l | / // .ちょっと署まで来てもらおうかっていう。
ヾ二,/⌒ヽ\
./ゝ/|( ● )| i\ この近くを凶悪殺人犯がうろついてるからなっていう
|ノ//\_ノ ^i:::::|
|^:::::::::::|_|,-''iつl/
|^:::::::::::::::[__|_|/〉
[ニニ〉
└―' ____r----..、
人_:: :::「`ヽ: :: .\_ヘrヘ._
{:: :: :: :: , : :. :. :: ::. ヾ丶::. :: _}
〉:: ;; , ' "‐  ̄ ` ヽ,ヾ ヽ:: ::廴/
{:: :;; / / l i l .}: }::.3
}:::// ト、 i | il j // |イ1 `|:: ∧|ヽ
>;从 |ノv! lノレ`ヽ ./__/ /:.r' |
おかしいわね? vi小l● ● 川サヨ i: |
!|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ i: i
いつまで経っても陳宮が来ないわ /⌒ヽ__|ヘ ヽ._) j /⌒i l: !
. \_/::::;| l>,、 __, イァ/::`:/ |: |
\: ;| |::| ̄(*) ̄|:ヘ;;::::∧ l: !
フ ノ:::l_,.イト、__l〃::彡' |: |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 以下余談。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 『三国志』にある
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .中牟で曹操が連行された話はこの後の事と思われる
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 584 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/04(水) 23:04:15.93 ID:EEpjXx9C0
-
,,‐''''´´ ,! l
`、 /黄 【河東郡】 ( 〉 朝歌○
', / `ヽ、 /
', / `ヽ、 _,,,,,,-‐'′【河内郡】
', /河 `‐-‐´ ,-‐'´
', / 〇安邑 ○垣 _,-‐'i´ ○酸
) ,' ○解 ,,,..-‐- 、,,,_ 河橋 温 〇懐_,,,-‐'´ `-、
,''´ 【馮翊郡】 ,' ,,/ 邙山▲ -、,,_ ○ ○ _,,,-一'´ l
'、 l ○蒲阪 大陽○,,-‐'´ 【河南尹】 洛陽○河陰~´ 成皋 ○滎陽 !
ヽ, ) 入 _,,,,...-一'´〇陝 ○十三里橋× ◎ 〇偃師 ● ●
`~´ 渭水_,,,,,...---‐‐''´×潼関 ‐'○湖○ 新安 ○ 〇緱氏 ▲ 中牟
〇渭城 ,,,-‐'´´ ○華陰 弘農 ○ ○宜陽 河南 _,,..-‐- 、嵩山○轘轅 .,,-一
,--‐‐'^´ 〇 ▲ 澠池 ○ (´ ○輪氏 `、 ○密 ,/
〇長安 〇隠盤 鄭 華山 新城 ``'''‐-、,,_ `‐-‐'''´´ `~~`ヽ、
○覇上 【弘農郡】 ○梁 _,) 〇陽翟
【京兆郡】 ,,,_ ,ィ´ 【潁川郡】 ○許昌
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 史書を見る限り、曹操の逃走経路は洛陽→成皋→中牟→陳留となる。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ 王沈『魏書』より
/ ヽ{ ト、ヽ l: .呂伯奢が成皋の人と分かるためだ
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !______
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 585 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/04(水) 23:05:15.89 ID:EEpjXx9C0
-
/ :. ィ.;:.:.:.:.:.:.:ヽ
イ:.:.:.:/-|/|∧:;、:.:.〈
リ:.:./ ● く!:,:.:..、
l:.:.l ●/:./ ̄
vヘ - ノ:./ .従って、『三国志演義』では、
_,-+ 匸ヘ/V 呂伯奢の話と中牟の話の順番が逆になっている。
,《 ヒ⌒j 》、
l::\ l /‖::l また、王沈『魏書』あるいは『三国志』では、ここで陳宮は登場しない
|:::::::ト,Vイ:::::|
|:::::::l介l:::::::|
l::::::|人|:::::::l
..,,、;:::''::":: ̄ ̄`-.、
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
〃:::::::::::::::::::::::::::::::: ::::::::::::::::',
{/:::i:::i、::::i、:::ヽヾ\ ::::::::::::::::i
{!i::|ヘ:!\!\!≧三ミ:::::::::::::::i
{{,,,,ヾ、 ´"'¨せ ∨Cヽ:::!
{ヘ´f:j} ´¨ るノ:::!
ヾ', i _ しヘ:::l
僕が曹操殿に仕えるようになったのは董卓討伐の後ですしね ', `"_ / ヾ
ヽ `こ` / : /;;〉ヽー=¬
\ / ; /;;/タ://;;;;;;;;;
ヽ-ヘ::: /;;∠ク //;;;;;;;;;;;;
∨/;;;;∠ク i i;;;;;;;;;;;;;;
{ココ少′ l l;;;;;;;;;;;;;;
/ ̄ ! !;;;;;;;;;;;;;
- 586 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/04(水) 23:06:37.99 ID:EEpjXx9C0
- 【紀元189年冬 漢 司隷 中牟】
/ニY二ヽ
.. /( 0)( 0 )ヽ
/⌒`´⌒ \
| (-、 |
ヽ___ノ | | おらっ!
. | |r┬ー| l ,/
! l | / // .さっさと来いっていう!!
ヾ二,/⌒ヽ\
./ゝ/|( ● )| i\
|ノ//\_ノ ^i:::::|
|^:::::::::::|_|,-''iつl/
|^:::::::::::::::[__|_|/〉
[ニニ〉 ,..----r____
└―' _.ヘrヘ_/. :: :/1::: ::_人
{_ :: :/ / .::: ::: ::: .: .: : , :: :: ::}
,r´.:::::/ /:::ノ ̄ ̄` ー-、;;:: ::: :::ノ
(⌒:{ .:::{. !::( , /ヽ \ ;;: :} ──────
7_|∧ :::| 「::ノ| ∨ i! / ! |ト;::ノ
| Y.:! lイl li ─ レ ─ |从〈 ──────
| :i {薔}川 ◯ ◯ l小iv
ち、ち、陳宮ーーーー!!! .| :| ゞ! l⊂⊃ 、_,、_, ⊂li|ノ
| :|i⌒ヽ j (_.ノ ノi|__/⌒) ──────
| :! ヽ ヽx>、 __, イl |:::::ヽ/
| :! ∧__,ヘ::| ̄(*) ̄|::l |:::::::ハ ──────
| :! ヾ_:::ッ::l_,.イト、__l::l |:::::::ソ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 『三国志』を一周しつつある今、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 改めて正史と演義の違いを探すのも面白いかもしれない
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 587 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/04(水) 23:07:23.41 ID:EEpjXx9C0
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| おしまい |:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ//
| | >:´|、 - ,|`:< 呂伯奢一家殺人事件
| | |::::::::| > イ |::::::::|
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 588 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/04(水) 23:08:47.13 ID:qjiyFQ2K0
- おっつおっつ
やる夫自身も去って久しいから、ふにんき始めすっごい懐かしい面子
- 589 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/04(水) 23:17:00.35 ID:H5VPEiEl0
- 乙、久々に三国志第一ラウンドを見た気がする(錯乱)
- 590 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/04(水) 23:17:04.10 ID:QSFsYxMt0
- 乙でした。
ほんと懐かしい顔。
- 591 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/04(水) 23:22:59.82 ID:RC8rZlW/0
- 乙
まあ東晋じゃしかたない
- 592 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/05(木) 01:36:57.88 ID:tj2WSjg/0
- 乙ー
五胡十六国を突っ走ると思わせてからのリメイクの予感!
- 593 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/05(木) 02:20:56.99 ID:RpyoC6je0
- 完結後に完全版商法で
序盤を加筆・リメイクしてもいいのよ
- 594 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/05(木) 08:00:34.51 ID:k7PTZD6a0
- 〜してもいいのよ
って煽り使う奴の品性を疑う
何もうみださない分際で上から目線とか親や学校からまともな教育受けてないんだろうな
- 595 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/05(木) 08:51:21.90 ID:ZDra08TV0
- 乙です。
ローゼン真紅懐かしい。
ふにんきネタも今となっては忘れてるというか、知らない人多そう。
- 596 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/05(木) 16:40:46.91 ID:RpyoC6je0
- 正直、作り直したいなぁ→リメイク希望→リメイクしてもいいのよ、みたいな流れで
これを煽りだとか上から目線だとかいう受け取り方されるなんて思いもしなかったし
「完全版商法」みたいな明らかにネタや軽口とわかるような言葉も使っていたつもりでした
だからこんな変に絡まれてここまでの侮辱や暴言を吐かれるのは心外だし
他人を煽りたいとか上から目線で接したいというのは
むしろ>>594の方だったのではと思ってしまいます
- 597 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/05(木) 16:44:07.65 ID:RpyoC6je0
- スレの内容に関係ないことを長々とすいません
あとどうしても最後に何か言いたくなってしまって
>>594さんがまともな理解力やコミュニケーション能力でもって
周囲と会話を成立させたり、まともに関係を築けている姿がどうしても想像できません
周囲の人達は苦労していると思います
誤解のないように言っておくと、これは冗談や軽口ではなく煽りです
- 598 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/05(木) 21:27:46.17 ID:xX7y2F42o
- 乙でごわす
やっぱり東晋期あたりから曹操のヒールエピソード一気に増えますよね
- 599 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/05(木) 23:32:41.32 ID:+Pd1YQ8p0
- 乙でした
しかしこの曹操と呂伯奢の話とか、先に出てきた賈充の怪異の話とか
三国志の登場人物達のエピソードが「正史」から「演義」に向けてだんだん盛られていく過程を追っていくのも
歴史ファン・三国志ファンとしての一つの楽しみ方ではありますねww
- 600 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/06(金) 01:44:57.14 ID:QnxoUtCA0
- お疲れ様でした。
講談などが、呉人作とされる『曹瞞伝』から曹操叩きのエピソードは頂きつつ、返す刀で呉を入念に引き立て役にして行く手腕
それが売れ線だったからでしょうが
- 601 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/06(金) 18:54:53.24 ID:4VcnsisP0
- 東晋時代に曹操の悪評増えだしたのも
曹操が異民族を華北に大量移住させたせいで
西晋滅亡の遠因になったのもありそう
まあ蜀も呉も曹操には及ばんけど似たようなことしてたが
- 602 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/06(金) 19:16:18.27 ID:QA3dqrlG0
- そもそも異民族の(強制)移住って後漢時代からずっと続いていた政策だから
それを曹操のせいだ!とかいうのは、逆に曹操を過大評価してねって思う
- 603 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/06(金) 19:26:34.36 ID:QX36ePO70
- 麹允は能力が足りなかったけど忠誠を尽くして頑張ったのに司馬業に索綝と一緒に自分を誤らせたとか言われるの可哀相
索綝カスやなーとは思うけどこの状況で死ぬまでがんばれよってのも酷だしまあ平凡
劉聡は西晋滅ぼして力尽きた感じだなー。しかし司馬越と司馬熾の時にお互い反目し合って
どっちも前趙に潰されるってのを既にやっているのに洛陽陥落して長安追い込まれてる状況でまだ
皇帝見捨てて大丈夫とかやってる司馬保とそれで滅ぶ西晋の流れ美し過ぎるだろ・・・
史上こんくらい学習しない馬鹿どものコンチェルト存在するのかってくらいだわ
昔の話ならともかくたった数年前に起こったことで危機感バリバリの筈なのにな
司馬氏は滅びて当然の馬鹿氏族としか言えん
- 604 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/06(金) 20:49:34.19 ID:S0bcBkjyO
- まあ劉淵の一族を河北に移住させたの曹操で
曹操が晋滅亡で中華世界崩壊に一役買ったのは事実だし
当時でも批判の一つや二つは出るだろうな
- 605 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/06(金) 21:33:36.96 ID:JQONMYvi0
- 司馬保はギリギリのタイミングで長安救ってれば9人目の八王になれそうなんだけど、見捨てたのはやっぱり自身が皇帝になりたかったんかなぁ
- 606 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/06(金) 22:32:25.08 ID:QnxoUtCA0
- >>603
この辺は結果論だと思う
「司馬鄴が力不足だったのが悪い」とはいいにくいから、近臣がへぼだったのが悪いと結論付けるパターン
ただ、『魏書』で司馬叡(司馬睿)がボロクソに書かれているのは、単に北魏を正統とする必要性のみならず、
北から目線では「いや司馬睿も司馬保と同類だろ」という批判が説得力があったからだと思う
司馬保がもっとうまく立ち回って、子孫が独立勢力を維持していたら、司馬保視点で司馬鄴を非難する史書も
出回ったかも知れないけれど
- 607 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/06(金) 23:29:57.42 ID:QA3dqrlG0
- >>604
劉淵の一族(南匈奴)が河北というか長城内にはいったのって後漢初期の時代なんですけど
後漢末には黄巾の乱や董卓の乱に関わり、曹操と戦って負けて服属してまた戦って負けて服属して
それで五部に分けられて監督統治された
これを曹操のせいでとかいうのは無茶でしょ
ただし、東晋やその後の時代の人たちが、西晋の崩壊をどう考えていたかは別だけど
- 608 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/07(土) 11:16:48.49 ID:Y8jgqaLp0
- 南匈奴はくっついたり離れたりを繰り返してるしなあ
蔡文姫の件で劉淵の一族が曹操と関係あるのは確かだけど
前の時代から匈奴の移住始まってたとは言え、匈奴移住は曹操もおもっきり関係ある話だし
匈奴移住政策が間違いなら、曹操だけ全く責任ないってのはおかしいと言えばおかしい
- 609 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/07(土) 12:30:16.73 ID:mYbivmaw0
- 曹操に責任がないとはいわないけど、曹操に最大の責任があるとも言えないでしょう
匈奴を河北に移住させたヤツが悪いというのなら光武帝が悪いになってしまうよ
- 610 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/07(土) 13:39:27.13 ID:MBKar6NT0
-
- - ──ー - -、
/i ,.-‐''"´ \ i\ .異民族問題は曹操のせいみたいに言われますが、
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l 後漢末の時点でもう引き返せない所まで来てるんですよね。
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ 曹操時代の異民族統治(統制)は、
| i ̄i ̄i ̄i """ | 責任者の梁習や張既が名刺史と称賛されるぐらいでした。
l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ / .後漢中期以降、異民族が中原に侵入する事もありましたから
`/ | | \ /
- - ──ー - -、
/i ,.-‐''"´ \ i\ .少なくとも魏の曹操から晋の司馬炎までは、
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l 異民族を統治(統制)する意志は持っていたでしょう。.
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ これをぶん投げた
| i ̄i ̄i ̄i """ | 恵帝期の朝廷こそ責められるべきかなと?
l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ / . 継続する意志って大切ですよね
`/ | | \ /
>>599
『三国志平話』も含めて比較すると面白いかもしれません。
>>603
愍帝の例のセリフは『麹允伝』にあるのですが、
「忠義」と題した巻で出てくるので、最初は自分もひでぇと思いました。
ただ、同じ『麹允伝』に麹允の失策が書かれているため、それを指して愍帝は言った(言わせた?)のかも?
索綝に関しては長安政権成立時の活躍を思うと、
長安包囲の惨状に心が折れたのか素が出ちゃったのか、あれがなければ忠臣として評価されたかもしれず。
忠義と能力は必ずしも比例しないようです。
>>606
次回でふれるかもですが、
記録に残る当時の拓跋部の東晋への態度は後世の作為が感じられます。
ただ、実際に裴憲君みたいなのもいましたからね
- 611 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/07(土) 21:54:12.72 ID:aAcfDp7J0
- 結局のところ恵帝陛下と皇后様が一番悪いんでね・・・?(小声
- 612 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/08(日) 00:45:17.78 ID:w4Vhfciu0
- 司馬昭や劉禅は司馬衷をどう見てたのかなあ
劉禅バカにしたら自分の孫は劉禅より遥かにバカでしたとか
司馬昭にでっかいブーメラン突き刺さる結果になって面白すぎだけどww
- 613 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/08(日) 02:15:05.41 ID:/Uk8UC2H0
- 司馬衷を皇太子に指名したのも、その正妻を決めたのも司馬炎だし…
死の間際も楊駿ごときにしてやられた感があるし、布石が全て裏目に出た司馬炎にも割と責任あるかな
なら司馬炎はどうすりゃ良かったの?と言われると答えを見つけられないけどww
- 614 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/08(日) 12:03:37.21 ID:okST+hYo0
- そりゃ明確な失点もなしに長幼の序を無視して皇太子(司馬衷)を廃して乱なんか起きた暁には司馬炎陛下が愚物中の愚物になっちゃうし...
- 615 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/08(日) 12:14:25.76 ID:VK+zYHMu0
- 後継者問題に正解はないから…
最初から破綻しているシステムだと言ってしまえばそれまで
- 616 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/08(日) 13:24:59.03 ID:l1tzdkA80
- 大王「最も強き者に」
八王の乱がそれかww
- 617 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/08(日) 18:31:36.55 ID:/1qg33Gl0
- 司馬炎「長男に帝位継がせるから、名臣達で上手く補佐するように」
八王・楊駿・衛カン・賈南風・張華etc「「「つまり私こそが名臣のリーダー格!」」」
問題は司馬衷に名臣リーダーの指名権が無かったって事かなあ(劉禅には一応あった)
- 618 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/08(日) 22:57:51.34 ID:w4Vhfciu0
- 元蜀臣の樊建に司馬炎に朕にも諸葛亮みたいな宰相居ればなあとか言ったみたいだけど
お前じゃ諸葛亮は使かいこなせんよって暗に言ってたのがねえ
現に諸葛亮ですら匙投げそうなくらい末期の晋は酷かったし
- 619 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/09(月) 00:11:01.86 ID:nPRDnOhh0
- >>614
遺言が捏造された件に司馬炎本人の過失はないのか?
- 620 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/09(月) 00:37:25.10 ID:Zx7uF10b0
- 遺言の創作(偽作)って結構あるんだよな疑惑からはっきり言われているのまで
死に際になってから遺言を残すのがそれくらい難しいということだが
- 621 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/09(月) 04:50:57.87 ID:BpFobOFK0
- まぁ元気なうちにはっきりと文書作成してたり
公の場で大勢の前で言ったことならまだしも
死の床で一部の親族や側近相手にボソボソ喋ったことなんて
どこまで本当かなんてわかりっこないからなぁ
- 622 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/09(月) 06:52:23.70 ID:pLg8HxeIo
- 雍正帝「後継者はぎりぎりまで公表しないのが正解ってはっきり分かんだね」
- 623 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/09(月) 19:54:44.57 ID:Zw6KJ9b80
- 陳舜臣が自著の中国の歴史でそもそも司馬衷を皇帝にしたのが
間違いだったってバッサリ切り捨ててるくらいだしな
一方で石勒を大絶賛して石虎をコイツさえいなければもっと早く南北朝時代になってたかも
ってクソミソに酷評してたけど
- 624 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/10(火) 03:20:05.81 ID:m3hObYOz0
- 疑問なんだが
遺言を偽造したとか改竄したとか
どうやったらバレるんだろう
どうやったら証明できるんだろう
結局政敵を打倒した後に
「あいつが先帝の遺命を受けたなんて嘘だったんだ」
「あいつは先帝の遺言を改竄した逆臣だから滅んで当然だ」
って言ってるだけではないのか
- 625 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/10(火) 14:41:21.68 ID:hOpaZBJk0
- 使用人とかが見聞きしてたパターンはあるんじゃない?
- 626 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/10(火) 21:22:32.19 ID:m3hObYOz0
- いやぁそういう「この宦官が自分が聞いてたのと違うと言ってるぞ」みたいなの含めて
後から言ったもん勝ちじゃないかなぁと思ってさ
まぁ史書なんて
そこのセリフを誰が聞いてて記録残ってるの?とか
「深く恨みに思った」とか「内心〜だった」とかどうして他人にわかるの?とか
いくらでもあって気にしすぎてもダメだとは思うけど
- 627 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/10(火) 21:28:22.82 ID:dFdcwkBd0
- ベッドか何かの下で盗み聞きしてた人とかいた気がするけど毎回そんなだったとも思えないしなぁ
当時は周囲にはそう思われてた、くらいの感覚なのかも
- 628 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/11(水) 07:18:53.66 ID:ebXaVlL80
- まあ極論言えば、史書として書かれた物だって著者の偏見、捏造が入ってる事なんか普通にあるしな。
当時の他の文献やら併せて見て、食い違いがあるとかでも無けりゃ誰も疑わないだろうし。
- 629 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/11(水) 13:16:06.41 ID:0J+znLYZ0
- >>613
少なくとも賈皇后は処断しておくべきだったな
- 630 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/11(水) 15:22:40.75 ID:gJ2KKtYzo
- >>628
中国の史書は、量的充実は凄まじいけど、質的にはそれほどではなく、
日本で言えば「今昔物語集」や「平家物語」レベルの記事が少なくないとか
まあ、時の朝廷が都合のいい話を公認したものが正史なわけで、
誰が聞いてたんだよって話まであんまり真に受けるのはいかがなものかってことだわな
- 631 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/11(水) 17:25:02.24 ID:shHHm5q80
- ん?司馬炎の遺詔が本人の意思通りだったって論か?
それだと正真正銘、楊駿の専横は司馬炎の責任になっちゃうな
- 632 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/11(水) 19:12:33.21 ID:parwMdfN0
- >>628
左思の字が「太」沖では無く「泰」沖だったとか、表記ゆれを含めたら無数に間違いはあるだろうし、
正しい表記が埋もれた人の方が多いのかも知れない。
石碑が見つかれば幸運なので、石碑を二つ作ってバックアップを企図した杜預は実に正しかった。
それでも今は行方不明だけれど。
後は、恐らく著者の信条でオミットされたであろう女性の諱。
- 633 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/11(水) 19:41:25.59 ID:kytgnvl00
-
- - ──ー - -、
/i ,.-‐''"´ \ i\
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l .賈皇后誕生の経緯とか、
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l 八王の乱が誰のせいなのかは、
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ このスレを読み返して考えてみてほしいんだぜ。
| i ̄i ̄i ̄i """ |
l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l .その時々の政情が絡んでたり、
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ / 戦犯が一人や二人じゃ済まなくなるので
`/ | | \ /
- - ──ー - -、
/i ,.-‐''"´ \ i\
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ おかげで鎌倉殿は平静な心で視聴できました
| i ̄i ̄i ̄i """ |
l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ /
`/ | | \ /
- 634 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/11(水) 20:24:56.57 ID:KsyzMT0to
- 個人的には誰かのせいというよりもう国が腐っていってたんだと思う。恐らく魏の後期あたりから
- 635 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/11(水) 21:26:29.59 ID:parwMdfN0
- 一方で、何だかんだで「中華の統一王朝」としての求心力はあったように思える<西晋
異民族によって滅びたというが、むしろ漢人の方が西晋にトドメを刺したというか
積極的に西晋を見限ったというより、下手にがんばって粛清されるよりも、保身に走った結果というか
- 636 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/11(水) 22:01:47.73 ID:zEZO+we+0
- 求心力というか、選択肢がなかったというか
だらしない司馬氏は捨てて魏なり呉なりを復興させようなんて動きもなかったし
- 637 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/12(木) 03:29:50.44 ID:2DeZFOPa0
- 政権握った者が次々と打倒されていった八王の乱の後でもあり
嫡流が途絶えて皇族から帝位を選んでる状況でもあり
中央に野心がある人からすれば
「あいつが倒れたら次の政権(帝位)は俺じゃね?」と
助けるどころか破滅を願いたいところだし
中央から距離とりたい人からすれば
地方に割拠して自勢力育てたいところだし
見殺しが多発するのも仕方ないね
- 638 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/12(木) 09:17:28.77 ID:ne7wpg7A0
- 趙庶人が一気に加速させた感はあるけど奴がいなくても流れは変わらなかっただろうしな
- 639 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/12(木) 14:09:53.52 ID:6xgi4lVY0
- 仮に諸葛亮がこの時代にいても司馬衷ら中央の奴ら見捨てて
王導と同じことしてただろうな、結果見ればそろいも揃ってみんな劉禅よりバカだったし
- 640 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/12(木) 23:57:54.52 ID:uQSbxmbCo
- 張軌みたく辺境に逃げてたかも
- 641 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/13(金) 10:55:15.90 ID:mRWFk/aTo
- 結局どうすれば良かったんだろうな
司馬攸に皇位を譲ればよかったのか
賈南風に男子が産まれれば良かったのか
しかし司馬攸の時には長幼云々言ってた連中が
司馬衷の時には「こいつに皇帝無理だろ」になるのはなんでなんだよ
- 642 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/01/13(金) 12:51:37.40 ID:6nvCO6z50
- ひとりやふたりの無能のせいでこうなったのではなく
一族そろってダメになってしまったのは、やっぱ教育がなってなかったんでないのか
司馬朗・司馬懿・司馬孚・司馬師・司馬昭らが受けていたのと同程度の教育を
偉くなったあとの司馬一族が受けてなかったんでないのか。
- 643 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/13(金) 13:58:54.68 ID:bI5DkpIm0
- 皇族が軍権握ってる以上、司馬衷の治世なんとか凌いだとしてもいつか内乱起きるのが目に見えてるからなぁ
強いて言えば宗族出鎮のシステム考えた司馬昭が悪い。後の南朝でもトラブルの元になってるし
- 644 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/13(金) 15:23:06.75 ID:6eZNEqdW0
- 昼下がりの更新は珍しいと思ったら無能の上げガイジの仕業でがっかりだわ
やっぱ教育がなってなかったんだな
- 645 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/13(金) 17:14:19.66 ID:xUGv7JD70
- まともな家庭環境で育たず
教育を受けてないから言葉遣いが汚いのよな
- 646 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/13(金) 19:26:37.47 ID:z1Aj02hQ0
- 【「晋辟雍碑」は地味に重要な史跡だと思うのです】
- - ──ー - -、 >>641
/i ,.-‐''"´ \ i\ なんで司馬衷?的な論調が出てくるのは、
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l .干宝や孫盛といった東晋の史家の著作なんですよね。
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ .司馬炎の治世当時だと
| i ̄i ̄i ̄i """ | .司馬衷後継はガチガチの既定路線だったはずです。
l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ / じゃなきゃ、「晋辟雍碑」の祭祀代行させないでしょうし、
`/ | | \ / 親父の治世中に資質を問われる機会は乗り切れたのでしょう
- - ──ー - -、
/i ,.-‐''"´ \ i\
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l 斉王に関しては、
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l .別家(司馬師の家)を継いだ上に司馬衷の傅役兼任。
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ
| i ̄i ̄i ̄i """ | .本人も補佐役は望めど、帝位まではないかなあと。
l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ / これまた「晋辟雍碑」を見る限り、
`/ | | \ / 「晋」の司馬氏の本家は司馬昭→司馬炎→司馬衷というね
※一言に司馬氏と言っても
徳川本家(司馬炎系)
御三家と御三卿(斉王や趙王やら琅邪王)
松平(河間王・東海王)ぐらいには格差はあるかな?
>>635
司馬炎の治世二十五年の意義はそこかもしれません。<「中華の統一王朝」としての求心力
こんなに治世長い皇帝が随分久しぶりというね。
>>642
割とどの王朝でも、王公になると楽したがるのが増えるのでしょう。
>>643
司馬氏の故吏だった毌丘倹、縁戚だった諸葛誕がああでしたからね。
劉裕の宋なんかも似たような事になりますが血縁関係にある者の方がまだ信じられるのでしょう
- 647 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/13(金) 19:57:15.13 ID:YB9gTB3X0
- 他姓の人に軍権を預けて大功を立てられると、公から王そして帝位へという禅定(簒奪)ルートが
曹操・曹丕と司馬親子で前例ができてしまったから、やりにくくなってしまった
実際にこの後の南朝でもそれで王朝交代が続くことになるし
他氏に帝位奪われて一族皆殺しにあうよりは、同族内で帝位が動くだけのほうがまだマシ?
- 648 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/13(金) 21:47:23.24 ID:p+tP81+H0
- 南朝も身内贔屓しまくってたけど結果はお察し
梁の武帝は一応前王朝斉の皇族ではあったけど簒奪選んだ珍しい例だが
- 649 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/14(土) 00:03:42.55 ID:X+rwM07R0
- >>647
同族内で帝位動かしまくると結局他姓に奪われるんだけどね。族滅もよくあるし
- 650 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/14(土) 01:18:21.40 ID:hTC1+bb80
- 長幼の序守って国が亡んだら
「あそこで実力者を後継に選んでたら」と言われるだろうし
実力で選んで後継争いが収まらず国が亡んだら
「あそこで実力主義から転換するべきだった」って言われるだろうし
まぁ結果論的なものでもあるか
- 651 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/14(土) 13:21:36.90 ID:Qy1c4P+y0
- >>646
確かに、司馬炎は成人後の即位で、しかも西晋は久しぶりの統一政権でしたから、
むしろ非漢民族の側にこそ「待望の本格政権」だったのかも知れませんね。
司馬炎政権期に朝貢の記録が増えているのも、非漢民族側の「やっと中国の政情が安定したから通交するか」という認識がありそうですし。
- 652 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/14(土) 21:34:36.44 ID:fJ01AKce0
- 大事なのは、如何にして国家運営する階層に目的意識を共有させるか、なんでしょうね
曹操や曹丕は実力重視の人材登用で、劉備と諸葛亮は漢王朝復興の大義を掲げる事でそれを得ようとしたし
司馬懿・司馬師・司馬昭は司馬一族に目的意識の共有者を求めた
結局、司馬一族とそれを取り巻く名族層の目的意識がバラバラになった結果起きたのが八王の乱だったのかなあ
- 653 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/14(土) 22:37:40.31 ID:QNhjU+SV0
- スレを読んでみるとそもそも西晋が(その後の南朝や華北胡族と比べて顕著に)宗族諸王に力を与えていたようにも見えないんだよなあ
- 654 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/15(日) 07:51:27.20 ID:GMrK5/Iio
- 前漢も、冒頓単于、功臣粛清、呂氏の乱、呉楚七国の乱ともりだくさんではあるんだけど、
晋との違いは、元老が仕事したのと、呉楚七国の乱は期間空いてるのが違うんかなあ?
- 655 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/15(日) 09:50:13.47 ID:POxlVQq/0
- 前漢はキツ過ぎる法律を緩めた実質秦の焼き直し王朝だし
ごたごたした後に名君の文帝が出たのも幸いしたわ
- 656 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/15(日) 14:00:20.40 ID:m7CYhDTL0
- 何か一つの理由とするなら、誰一人として中華を纏められるようなトップがいなかった、
という事になるんじゃないかね。
誰もが権力を握っても長続きしなかったし。
- 657 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/16(月) 07:05:30.81 ID:pUo40eES0
- 司馬亮と司馬瑋が死んでから司馬倫が簒奪するまでの10年弱は一応安定はしたから…
司馬炎だって中華唯一の皇帝になってからの治世は10年で長さには大した違いは無いと思う
- 658 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/17(火) 23:00:26.51 ID:Tgy7mg3L0
- 日本の政治の話するのアレだが、自民党は政治を行ってる間に内輪揉めして
野党は社会党時代から内輪揉めの間に政治をしてるって言われてたけど
末期晋は内輪もめの間に戦争してたら、いつの間にか戦争の間に内輪もめしてた事態になってるな
- 659 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/18(水) 00:01:55.82 ID:seaAW7Jro
- 後漢以来幼帝が多く久々の成人皇帝の曹丕が6年曹叡13年だから司馬炎の25年は久々の長期政権
- 660 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/18(水) 21:09:26.64 ID:jlWL6rfj0
- 衷じゃなくて攸だったら…とか言われるけど次が冏なんだからやっぱダメでしょとしか思えない
- 661 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/18(水) 23:18:11.04 ID:OCdAvS5l0
- 現当主の嫡子を後継に、能力は無能力者で無い限りは不問
→ あんな後継者で大丈夫か?と周囲がささやく
能力の一番高い親族を後継に、ちょっと遠縁でもオッケー
→ あいつよりオレの方が能力高いだろ! と蹴落とし合いになる(むしろ血族で無くても手を挙げる者が)
どっちがベストとも言いがたいのよねえ、平時と乱世で全く判断基準が変わるし
- 662 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/19(木) 21:37:56.60 ID:+xXeRILF0
- まあ色々あるけど最終的に決定打になったのは賈南風が太子の司馬遹を殺したせいだな
陸遜の言う通り、一度決めた太子を大した理由もないのに変えようとしたのが間違いだった
- 663 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/19(木) 23:05:08.69 ID:mjibxhcL0
- 読み返してみてもやっぱり大戦犯は恵帝陛下なんじゃないかと思えてくる
身体的障害があるわけでもないのに三十路で即位して太傅が好き勝手するって何事やねん
- 664 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/20(金) 07:12:41.47 ID:4Uvhnvivo
- >>662
つまり賈南風に男子が生まれていれば
どこからも文句のでようのない後継者だったのに…
- 665 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/20(金) 20:46:32.09 ID:LSGynF4S0
- 世継ぎ問題は太古から現代どころか未来へと永遠と続く問題だから
太子を簡単に変えるのはずっとご法度になってたのよなあ
- 666 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/21(土) 03:05:46.51 ID:8Aci+T3p0
- >>662
司馬遹の遺児3人(司馬虨・司馬臧・司馬尚)が速攻で絶えているのも色々キツい。
成人していれば、正統性で他を圧倒する存在に、つまり他の皇族が変な気を起こすリスクの低い存在になったはずだから。
記録上暗殺されたのは一人だが、残る二人も疑えば疑える状況だし。
もっとも、乳幼児死亡率の高い時代だから、夭折したのはそれこそ天命かも知れないが。
- 667 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/22(日) 23:23:26.98 ID:JAXl8eTt0
- 変えた方が良い時に変えず、変えない方が良い時に変えた
とはいえ根本の原因は気候変動なのかなー
- 668 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/23(月) 23:01:20.87 ID:VQn0at2U0
- 気候変動は事態を悪化させた要因だとは思うけど、変動したら必ず国が滅んで何世紀にもわたる分裂になるってわけでもないしなあ
- 669 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/24(火) 01:09:58.35 ID:0d85iza10
- 隋唐より後は運河があるからまた違った環境かと
- 670 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/24(火) 08:56:56.41 ID:Yle+Zb4v0
- いろんな要素が重なった結果だっていうのは散々言われてるからね
- 671 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/01/30(月) 23:56:06.32 ID:wAKW7oim0
-
- - ──ー - -、
/i ,.-‐''"´ \ i\
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l 御無沙汰しています。
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ
| i ̄i ̄i ̄i """ | 2/1(水)の夜に次回の投下を行う予定です
l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ /
`/ | | \ /
- 672 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/31(火) 00:05:30.81 ID:fZ9s3ks80
- やたー
- 673 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/31(火) 15:38:54.13 ID:iXdw7q4x0
- ったぜ
- 674 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:04:30.95 ID:kT/GeQoz0
-
'"  ̄ ̄ ``丶、
/ -―‐-ミ \ \
, /:::(O):::::::::::::::\ ヽ
/ ..:::,、丶`  ̄ ̄ ̄ ヽ ',_
, {/ { \ ヽ: ', Vヽ
,' :| ∧ {、 \:―‐i‐ i //〉
:| i/、、\ \__|__:|_ : : ' /
i :| /| \ 〃う刈 》i |): : :K
| :l ィ笊_ 乂ツ |i | : : :|∧
| | l :爪 乂ソ , || |: : : |/∧ 「やる夫が正史を書くようです」第百四回よ。
| | | 込 , .从 |: : : |∨∧
. 八 | 个 ` イ: } |: : : | `⌒ 当スレにおける本編の内容、
ヽ| \|: : : :≧ー |/:| |_: | 及び先の展開のネタバレ行為は禁止になっているわ。
:| |: : ;>rノ^|:H /:/| √/ ̄ \
∧ |7: :._/_ |:. | /:/ , / / /⌒ヽ よろしくお願いね
/ | 、 {:{ F¬ 、 \ヽ:/ { /| / i
. ,: | } r人\ヽ ∨_, /: |' / |
{ :| | {/ \ ∨/ {_/' |
, | | | > _ V:/:.:|/ ,
/ ノ | 从 ィ-=ニニ V : |〕 \\∧
. / {/ 八 } {O-=ニニ 、 |_ ヽ〉: :.
/ / / / ヽ ;-=ニニニ ヽ  ̄\ {: : : .
, 〕 / / i:-=ニニ二 }ヽ \{: : : : 、
/ ∧ , ,-=二二二 } /: : : : : \
. / ,: : : /: : :i 八二二二ニ:、 ハ /: : : : : : : : :\
- 675 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:05:34.68 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元316年11月 晋 秦州 上邽】
\_人_人∧从_人_∧_人_从_//
) >
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ < 申し上げます!! >
||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | || < (
||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | || /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ
弋ェェt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ェ,ィフ
il_,└───────┘ , i!
:''''"~ ̄~`'' | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l ....;:''''"~ ̄~`''-、__,,....;:''''"~:''''"~ ̄~`''
;:''''"~ ̄~`''-、_ || ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| `''-、
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i
 ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ ̄|| ̄! ̄ ̄;/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
 ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
 ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l! ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
 ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : ≧ <
 ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : :-=ニ 長安が陥落致しましたっていう!!! ≦
`、 ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : ≧ ≦
″| ̄ ̄i| ̄!,,| ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : /Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i ; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄_
''- .._ ~""''' ‐- ...,,__ _,,..-‐''~""''' ‐- ...,,___,,.-‐'
- 676 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:06:31.76 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元316年12月 晋 秦州 上邽】
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
-=ニ 長安周辺にいた友軍は敗走ッ!! ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
-=ニ 皇帝陛下は平陽へ連行された模様!!! ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
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/:.:.:.:.:.: /|  ̄厂 \:.:.∨:.:.:.:.:.:.:.:∨〉〉〉〉
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√:.:.:.:.:.:.:| / | //|/ ア二 ヾ i:.:.:.:.::.:.:.:..:.ヘヘヘ∧
√ :.:.:.:.:.: | ,x==|// iイJハ }i |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
i:.:.:.:.:.:.:.:.:.|〃ノjハ V辷ソ |:.:.:.:.:.:.:.:.:/ :.:.:.:.:.:.:.:.
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.|i{ Vじり 、 、 、 、 |:.:.:.:.:.:.: /:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
御冥福をお祈りします |:.i:.:.:.:.:.:.:∧ `"" | :.:.:.:.: /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
|:.|:.:.:.:.:.:.:.:.: ` ` ` ―― 、 |i:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i
|:.|:.:.:.:.:.:.:.从 { /:: :: :: :: } ‖:.:. /:.:.:.:.:.:.:.:. |:.: |:.|:.|
|:.|:.:|:.:.:.:.:.:.込 V:: :: :: :: ノ √:.:./:./:.:.:.:.::.|:.:|:./|:.|:.|
|:.|:.:|i.:.:.:.:.:.:.:.: 丶 ` ー ′ /√:.:/:./ :.:.:.:/:.|:.:|/│|/
|:.|:.八:.:.:. |∧ / 个i イ √:./|/:|:.:.: /:.八 |' |/
乂辷彡:.:.l / ̄Y >< √:/ |:.:./ミh、 \
>―< ̄\|‐' ∧ |{:./\ j:./i:i:i:i/
. /. . . . . .\- -/, ∧ |{/ \ 寸/__ /
/. . . . . . . . . .'/- -/, ∧ ヽ \ \ \ . .∨ /
晋 南陽王 司馬保
- 677 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:07:59.56 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年1月 晋 秦州 上邽】
l{::::::::::::::/ }}、 _,,、、、、、,,,__/::::/:::::::::::/!
l{:::::::_/レs≦ア^'\:::::::::::\/{::::::::{::::::://
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/ /:::::/ \:::::::::::`ヽ、:::└</_
≧ </:::::/ \:::::::::::::::\=≦::::::\
-=ニ 弘農郡太守宋哲殿が匈奴の前に敗走!! ≦:::::,'" | ‘::::::゙,::::::::::`、:::::::::::::::`、
≧ ≦::::,゙ | |:::::::゙,::::::::::::`、:::::::::::::::゙,
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\:::,゙ | | |:::::::::゙,:::::::::::::ヾ≧s。:::::゙,
,゙::::::::::::,゙ / / \i |:::::::::::゙,::::::::::::::}⌒ー\}h
,゙:::::::::::::| _/ / }.\∧:::::::::::゙,::::::::::: }ー<__ノ_)}
,゙::::::::::::::| '" / } /} /⌒ヽ:::::::::::::::: : }::::::::::::::::: ゙,
|:::::::::::::::| / } /_ レ ∨::: |:::::::::: }::::::::::::::::::: ゙,
|:::::::::::::::| ,.イ_,、癶 /__/ {``'' - 、,,__∨::|:::::::::: }::::::::::::::::::::: ゙,
|:::::::::::::::|/[___,,、-'′ ``〜、,,__/ }:::|::::::::::::}::::::::::::::::::::::::}
|:::::::::::::: /:::::::: / ::::::::::::::::: }:::|::::::::::::}::::::::::::::::::::::::}
今日もラーメンが美味しいですね ゙,::::::::::::,゙ ヽ__r‐、{ . }::リ:::::::::::,゙::::::::::::::::::::: :}
゙,::::::::::{ \八 驫 ,゙/::::::::/::::::::::::::::::::::::,゙
゙,:::::::::\ o /:::::::/:::::::::::::::::: /:::::/
人::\:::::≧s。,_ _/::::/::::::::::::::::::::/:::::/
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ \_\__\::::::::::ニ===. /::,イ\_::::::::_,>゙´/::/
| 殿下 |  ̄  ̄⌒ア/ 厶==/'''゙´ /:::/ \  ̄
ヽ______乂 / {{ { /,__ /:::::{ ‘,
/ {ニr=ミニニ} ̄:::::::{
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .建興五年一月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 漢軍が東進して弘農郡を攻略し、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 同地の郡太守を務めていた平東将軍宋哲が江東へ逃走した。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 『晋書』と『資治通鑑』に記述があり、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 漢軍が長安攻略の余勢をかって司隷攻略に乗り出したのが分かる
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 678 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:09:37.76 ID:kT/GeQoz0
-
/⌒Y⌒uヽ
/(○) (○)ヽ
_ /::::⌒`´⌒:::: \
/´ | ,-) (-、|
/' | l ヽ__ノ l. | 涼州の張寔様からの援軍が到着しましたっていう。
,゙ / ) \ `⌒´ /、
|/_/ ヽ 張寔様の手紙を預かってきたとも
// 二二二7 u' __ ヽ
/'´r -―一ァ"i .-‐ \
/ // 广¨´ /' /´ ̄`ヽ ⌒ヽ /:.|
ノ ' / ノ :::/ / ヽ } {\ ニ-:.:━‐:.<_/:/i:〉|
_/`丶 / ::i {:::... イ {:.{i:/ヽ/:.:.:.:.:>−く:.:.:.:.:.:.:/
>‐У:.:.:.:/ / ヽ:.:.:.:.:.:\
\/:.:.:.// / |:.:./,:.:.:.:∧ ___
/:/:.:.:.:/ _/} /7メ:./,:.:.:.V》n¨_>
《《/:.:.:.:|// / /|/__ \|:.:.:.:.:.:.トx、
/:./ .:.:.:.:l彡__ /,/ f芥ト |:.:.:.:.:|:.:.: `寸
涼州? /:/l:.:.:.:.:.:.|〃芥i Vソ }i |:.:.:.:.:|:.:.| |i:}
/:/ |:.i:.:.:.: |i{ Vソ 丶 .::::::::: |:.:.:.:.:.:ハ| |/
何かありましたっけ? .|:| Иl.:.:.∧ ::::::: ,. ―┐ /:.:.:.:// ii
乂辷从:.:.:.∧ ∨ _丿 /:.:.:.://ii‖ /つ‐ __ _
__(\ 人:.:.: 个 ィ/:.:./ 彡 / /JししU
{ ―「 Y⌒ニ=->-ゝ」 > <| .// { 丶 }
{ 二} } ∨/_ /--、 _|___\――、 ヽ } /
{ ー┘ / } r‐ /乙_几r'乙|\ / i i /
\ ト//^} /\ 八 \ | ./ー‐∨ | _| ′
/_|__彡iY..::::::::::∨ y |/| ',  ̄ ̄l /\ |\
- 679 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:10:48.82 ID:kT/GeQoz0
-
/⌒Y⌒uヽ
/(○) (○)ヽ
_ /::::⌒`´⌒:::: \
/´ | ,-) (-、|
/' | l ヽ__ノ l. | 恐らく、去年涼州の軍勢をここで足止めした件では……?
,゙ / ) \ `⌒´ /、
|/_/ ヽ
// 二二二7 u' __ ヽ
/'´r -―一ァ"i .-‐ \
/ // 广¨´ /' /´ ̄`ヽ ⌒ヽ /:.|
ノ ' / ノ :::/ / ヽ } {\ ニ-:.:━‐:.<_/:/i:〉|
_/`丶 / ::i {:::... イ {:.{i:/ヽ/:.:.:.:.:>−く:.:.:.:.:.:.:/
>‐У:.:.:.:/ / ヽ:.:.:.:.:.:\
\/:.:.:.// / |:.:./,:.:.:.:∧ ___
/:/:.:.:.:/ _/} /7メ:./,:.:.:.V》n¨_>
《《/:.:.:.:|// / /|/__ \|:.:.:.:.:.:.トx、
/:./ .:.:.:.:l彡__ /,/ f芥ト |:.:.:.:.:|:.:.: `寸
/:/l:.:.:.:.:.:.|〃芥i Vソ }i |:.:.:.:.:|:.:.| |i:}
/:/ |:.i:.:.:.: |i{ Vソ 丶 .::::::::: |:.:.:.:.:.:ハ| |/
|:| Иl.:.:.∧ ::::::: ,. ―┐ /:.:.:.:// ii
乂辷从:.:.:.∧ ∨ _丿 /:.:.:.://ii‖ /つ‐ __ _
__(\ 人:.:.: 个 ィ/:.:./ 彡 / /JししU
{ ―「 Y⌒ニ=->-ゝ」 > <| .// { 丶 }
{ 二} } ∨/_ /--、 _|___\――、 ヽ } /
{ ー┘ / } r‐ /乙_几r'乙|\ / i i /
\ ト//^} /\ 八 \ | ./ー‐∨ | _| ′
/_|__彡iY..::::::::::∨ y |/| ',  ̄ ̄l /\ |\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 『晋書』『張軌伝』に曰く
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 680 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:11:30.96 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年1月 晋 涼州 姑臧】
j、 j||!
, {i!ト1:i:}!r! r=,
j|_`¨j!::!|_!Lソ::|!
/;\ ,.、 .,、 r.、 rマ|!|k'´..:::::::::::::::::.', ,、
,.ィ::;:;iy' .::;ゝ/ :.\ / ,.ヽ、 ,.、 ,.、 ノ i|jリ:i!::::::::::::::;::;:::::|! ,.イ :.\
:;:;:'/.,.;:,:イ . ,., :,::;.,v:;.;.;.,.:;:;:;:ミ 、,.イ ':.\ .イ .;.ヽ、j! !.:.;:;:::::i!:::iレ1:::::i;ト、_ _,.ィ.;:;. .,:;.;:;..\ _ ,.イ:
,.イ .:;:/ ;.,...;.:,:;.,.;.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ィ..;:, ..;:.;.;:,.ゞー_'゚´.. ..;:;:;:;:/Y≦芝!::::::::::::::::::::::::;ヾi!:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:;:;:;:イ .:.;.;.,:;:;:;:.:.;.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:'/..;:;:.,:,:;:;:;:;.:,..;: ';:,.,:;:,.;:..:;:;:;:ir'..:::::::Y/.:::::::::::::::::::::::::::::;jト:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;..:;:;...;:;..;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;;;イ.N!:;;i´j!i Y.::.::::::::::::::::::::::::::;:;i!:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
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/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 長安が陥落した後、
\ヽ、 _ , イ!::/ .涼州を統治していた張寔が、南陽王司馬保に手紙を送った
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 681 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:13:20.88 ID:kT/GeQoz0
- 【張寔さんの御手紙@『晋書』『張軌伝』(大意)】
┏────────────────────────────┓
王室の有事に際し、身を投げ出す事を忘れてはおりません。
我が州は遠い地域にあって首尾多難である故、
以前に軍勢を派遣し、公の行動に従うよう望んでおりました。
ところが、途中で符命を受け、軍勢を帰還させるよう勅がありました。
┗────────────────────────────┛
〈ヽ /^〉
∞´ ̄ ̄` ̄\
//:::::::/ /\::::i:i:V
/ /:::::∠ム/ ー-V>>>i
j::v、!● ● i::::::::〈_ゝ
l::::〈 ワ /:::::i y'ハ
そういえば、そんな事もありましたっけ .しヾ`ーゥ t-!,、_У / ヽ
/´LM 」tー〈 〈 ',
/ く央 ゝj⊥,\
,/ー、{ ハ /ー、! \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .文中に出てくる公は南陽王を指している。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 前年の夏頃の話と思われるが、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 張寔が南陽王の下へ派遣した援軍が、南陽王の命令で帰還したらしい。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 長安を救援したい張寔と、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 長安を救援したくない南陽王の間で齟齬が生じていたわけだ
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 682 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:15:40.67 ID:kT/GeQoz0
- ┏─────────────────────────────────┓
ほどなく北地郡が陥落して賊が長安に迫りましたが、
胡ッが進まなかったため、麹允が金五百で胡ッに救援を要請したと聞きました。
これによって、我が軍勢に山々を踏破させようと決めました。
┗─────────────────────────────────┛
〈ヽ /^〉
∞´ ̄ ̄` ̄\
//:::::::/ /\::::i:i:V
/ /:::::∠ム/ ー-V>>>i
j::v、!● ● i::::::::〈_ゝ
………… l::::〈 ワ /:::::i y'ハ
しヾ`ーゥ t-!,、_У / ヽ
/´LM 」tー〈 〈 ',
/ く央 ゝj⊥,\
,/ー、{ ハ /ー、! \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .続いて前回紹介した長安包囲での一幕。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 南陽王配下の胡ッの軍勢が動かず、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 麹允が彼に救援を求めていた事が涼州まで伝わっていたようだ。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 張寔は業を煮やしたのか、涼州の軍勢を長安へ差し向けようとした
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 683 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:16:35.26 ID:kT/GeQoz0
- ┏───────────────────────────┓
折しも朝廷が傾覆したと聞き、
忠義は主上に達せず、派遣した軍勢は危難に及ばなかった事、
深く嘆くばかりであり、責は死してもなお余るものでしょう。
今、改めて軍勢を派遣し、ただ公の命令に従いましょう。
┗───────────────────────────┛
/:.:.:.:.:. へ:.:.:./ |、、、、..,,_ /:.:.:.:.:.:\
≧==≦ >''"(_)__|:.:.:.:.:.:.:.:.:`'<:./ヽ:.:.:.:.:.:\
〈 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ニ-≧==≦
/:.:\/.:.:.:.:.:.:/:.:.:>'"⌒'/:.:.:.:.:.\
/^┐:. /:.:.:.:.:.:.:./:.:./ '/:.:.:',:.:.:.:.:. /
/└_ ∨:.:.:.:.:.:. // ‖ '/:.:.:.',:.:.:.:∨ /
. /:.:.:.:.:└/:.:.:.:.:.:.:.〃 // / }:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.V
. /:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.‖ /:/ / :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
/:.:.:.:.:.:. /.:.:.:.:.:.:.:.: /彡'′ / ゙メx_:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:
なんだ。 //:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.|__ " / /| / \:.:.|:.:.:.:.:.:.|
/ /:.:.:.:√:.:.:.:.:.:.:.:.:| // / ヽ|:.:.:.:.:.:.|
結局私を助けてくれるんじゃありませんか。 .:.:.:.:.:√:.:.:.:.:.:.:.:.:.| ≠=ミ ィ== :.:.:.:.:.:.:.|
|:.:.:.:.:|:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.|::::::::::::.... 、 ..:::::::‖ .:.:.:|:.:|
心配して損しました \:.:.:|:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.| ‖:.:.:.:.:|:/
/ ̄/乂l \:.:.:.:.:.:.| 、_ _, /:.:.:.:.:.:.:|
. / /, V\ :.: ト イ:.:.:.:.:.:.:.:レ
. / /, |- -\j__个s。 _ < 彡イ/}__彡
/ /, |- - |i:i:ミh} フ¨´ ∨ |- -| 1
/ /, |- - |寸i:i:ミh }__ |- -| /|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ だが、長安が陥落したため、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 張寔は今一度南陽王の下へ軍勢を派遣するという。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .要するに、長安政権が潰れた以上、南陽王に従うという意思表示だろう
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 684 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:18:31.87 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年1月 晋 涼州 姑臧】
j、 j||!
, {i!ト1:i:}!r! r=,
j|_`¨j!::!|_!Lソ::|!
/;\ ,.、 .,、 r.、 rマ|!|k'´..:::::::::::::::::.', ,、
,.ィ::;:;iy' .::;ゝ/ :.\ / ,.ヽ、 ,.、 ,.、 ノ i|jリ:i!::::::::::::::;::;:::::|! ,.イ :.\
:;:;:'/.,.;:,:イ . ,., :,::;.,v:;.;.;.,.:;:;:;:ミ 、,.イ ':.\ .イ .;.ヽ、j! !.:.;:;:::::i!:::iレ1:::::i;ト、_ _,.ィ.;:;. .,:;.;:;..\ _ ,.イ:
,.イ .:;:/ ;.,...;.:,:;.,.;.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ィ..;:, ..;:.;.;:,.ゞー_'゚´.. ..;:;:;:;:/Y≦芝!::::::::::::::::::::::::;ヾi!:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:;:;:;:イ .:.;.;.,:;:;:;:.:.;.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:'/..;:;:.,:,:;:;:;:;.:,..;: ';:,.,:;:,.;:..:;:;:;:ir'..:::::::Y/.:::::::::::::::::::::::::::::;jト:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;..:;:;...;:;..;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;;;イ.N!:;;i´j!i Y.::.::::::::::::::::::::::::::;:;i!:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
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. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . '.: ;::.:.:::::::::::::. ':::::::: ' . : . : . . . . . . .
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ':;::::::::: ' ::::: ' . . . . . . . . . .
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ..γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| 南陽王にも困ったものだ .|
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、 .ヽ______________乂
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 残る有力な司馬氏の宗族諸王は、
\ヽ、 _ , イ!::/ 琅邪王司馬睿と南陽王司馬保の二人となった
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 685 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:19:34.28 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年2月 晋 司隷 滎陽】
,,‐''''´´ ,! l
`、 /黄 【河東郡】 ( 〉 朝歌○
', / `ヽ、 /
', / `ヽ、 _,,,,,,-‐'′【河内郡】
', /河 `‐-‐´ ,-‐'´
', / 〇安邑 ○垣 _,-‐'i´ ○酸
) ,' ○解 ,,,..-‐- 、,,,_ 河橋 温 〇懐_,,,-‐'´ `-、
,''´ 【馮翊郡】 ,' ,,/ 邙山▲ -、,,_ ○ ○ _,,,-一'´ l
'、 l ○蒲阪 大陽○,,-‐'´ 【河南尹】 洛陽○河陰~´ 成皋 ●滎陽 !
ヽ, ) 入 _,,,,...-一'´〇陝 ○十三里橋× ◎ 〇偃師 ○ ○
`~´ 渭水_,,,,,...---‐‐''´×潼関 ‐'○湖○ 新安 ○ 〇緱氏 ▲ 中牟
〇渭城 ,,,-‐'´´ ○華陰 弘農 ○ ○宜陽 河南 _,,..-‐- 、嵩山○轘轅 .,,-一
,--‐‐'^´ 〇 ▲ 澠池 ○ (´ ○輪氏 `、 ○密 ,/
〇長安 〇隠盤 鄭 華山 新城 ``'''‐-、,,_ `‐-‐'''´´ `~~`ヽ、
○覇上 【弘農郡】 ○梁 _,) 〇陽翟
【京兆郡】 ,,,_ ,ィ´ 【潁川郡】 ○許昌
(~)
.γ´⌒`ヽ
{i:i:i:i:i:i:i:i:}
(`・ω・)∧,,∧
< >(ニO ・ ・ 進めー!
ッッ) ,_lミl !、 ゙i.
ミ_(⌒~(, (__)|`ッ ト,o_o).
(, l!、 ̄| |ッ (,
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、 (⌒;; _ッ/ッッ~'''''''(, ッ~゙i ゙i _ッ
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ (⌒;;(⌒;; .(,ッ ゙i_) |_|フニッ(,ッ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ. ッ_)
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 二月。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ 漢の軍勢が滎陽を攻撃した
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 686 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:20:51.78 ID:kT/GeQoz0
-
. / ∧∨ノ{ \
/ / 厶ハ },ノ{ |\
/ / / / `⌒{ | |
{ノ/´/ ̄/ヽ __{__|_l | |
/ |/ ,∠ ∨ `ト、│
{/^{__ィf笠ミ --∨l |ヽ{
{( | | , '符ぅ} l ∨
/\| | |\/
/ / | | ーr‐、_, /| |
/ / /| | \  ̄ ィi | ト _
/ / //| |( ̄l\__ i〔_)| |l |∧ _ / ̄}} 豚が迷い込んで来たわね
/ / //∧│ ̄ ̄ ̄門 ̄| | |l | ∧ \\┬rく ̄)ノ
. / / 厶ィ } | {{ 厂 ̄\| ∧ / ̄) | | |〉 〉ヽ
/ / /\ \\___{{_/ |\ \ (_/{{ ノ / jj}
. / / / ヽ ヽ \ \ト、 |\ ヽ イ{ {{ ___/ ノリ
/ / / ‘, ヽ | | | l / {{ ト=====彡イ
. / / // | |l| {{ | | | l// \____/
/ / / | i |l| }{ | l/ヽ/ ∧  ̄ ̄
. / / / | | \ |l|_/ ̄}{ /|// }}
. | l/ / | /| |l| }{ / j/ ∧ | }}
. │| /  ̄\_j/ | ∨ |l| / }{/ /| ∧ \__ノ リ \__人_人从_人_人从/
. | | | // ̄\) │ ∨ ノリ /{ / | }\__{ / _) (__
. | | | | / ̄\ | ∨彡' / }{ j{ イ/ ) げぇっ李矩ッ!! (
. | | \_| l| \__/ ̄ ̄\/`ヽ }{/\ \_/リ  ̄ ̄) ( ̄ ̄
\ 丁}ト / \ヽ{ | j } }{ _,ノ\ {_/ / /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
\ | | |}> _/ ̄ヽ |_|` /| } ヽ \\/
晋 滎陽郡太守 李矩
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } しかし、滎陽郡太守の李矩に撃破されたと『晋書』『愍帝紀』にある
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 687 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:21:34.18 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年春頃の勢力図】
.,、
、-' ヘ
,r'`ー-、_;_, 拓跋部 段疾陸眷 /´ /
r'´  ̄ヽ, 【段匹磾】 ,r'´ r' r‐
} { ,.、_ノ _"7 /
/ r' / 'ー'´
./ ノ ヽ
' { 'ー、 r'‐-,_,_ィ_
} 石勒 【邵続】/ヽ_r' _r'´
{ 劉聡 r-'´ 曹嶷 r'
`ヽ } ノ }'ー'
{ { r r'
'´`ー-, ヽ / ノ r'
\ 'エ_,.-‐'`ー―‐'―= ‐' .,
 ̄ ̄`ー‐'―'´ (魏該)(李矩)【荀組】 >
劉曜 ,ヘ' ヽ
r-v'γ ヽ ハ_
ィ-v __ゝ、 `{_,、 【】()は晋王朝系
,、_ r' `,=-、
杜曾 `' r' {__'ィ }
,. -――'´`ヽ , _,.r'【司馬睿】 __/`
_/ ヽ ,/ ヽ ノ `^ー'`>
_ィvー'´ Z、 /(陶侃)ー-,r' } ,. :-:.' ー ' ¨ :.ゝ.、
r-‐'´} {`ヘ } ,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
'ー'`" `ー' r、} ,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ、
(王敦) ,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`、`ゝ
,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ハ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
/イハ:!:.:.:l:/ i/ ノノ ノリリハリ:!:i:.:.!:.l
i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ハ!
∨|:.:.! ノ/i/ノ
ヘ!:| ノ!/′
長安政権の崩壊で、滎陽が対匈奴の最前線と化していた .ヾ!>ー- ´`-- <イリ
(;;;;;ソ⌒) ̄`´ ̄(⌒ヽ
ヽ;;=;;/__,,、_/;;`ソ
〉;;;;;;;;ソ:/A.i:l;;;;;;!′
く;;;;;;;;;;;;i;!;;;;;;;;i;!;;;;;ゝ
i、__,,/ !、__,,!
`ー'′ `ー'′
- 688 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:22:15.65 ID:kT/GeQoz0
-
.,、
盛楽 、-' ヘ
,r'`ー-、_;_, ○ 薊 /´ /
r'´  ̄ヽ, ○ ,r'´ r' r‐
} { ,.、_ノ _"7 /
/ r' 晋陽 太 / 'ー'´
./ ノ ○ ヽ
' { 陽邑○行 厭次ー、 r'‐-,_,_ィ_
} ○襄国 ○ /ヽ_r' _r'´
{ 平陽 山 鄴 ○ r-'´ 〇 r' '
`ヽ } ○ 壺関○ ○広宗ノ 臨淄 }'ー'
{ { 脈 r○廩丘 r'
'´`ー-, ヽ / ノ r'
\ 'エ_,.-‐'`ー―‐'―= ‐' .,
 ̄ ̄`ー‐'―'´ ◎洛陽○滎陽 〇 >
○長安 ○○許昌 下邳,ヘ' ヽ
襄城 ○葛陂-v'γ ヽ ハ_
ィ-v○寿春 __ゝ、 `{_,、
,、_ r'●建康 -、
○襄陽 `' r' {__'ィ }
,. -――'´`ヽ ,、 , _,.r' __/`
_/ ヽ ,/ ヽ ノ `^ー'`> ,. :-:.' ー ' ¨ :.ゝ.、
_ィvー'´ Z,、 / `ー-,r' } ,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
r-‐'´} {`ヘ ,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ、
'ー'`" `ー' ,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`、`ゝ
,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ハ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
/イハ:!:.:.:l:/ i/ ノノ ノリリハリ:!:i:.:.!:.l
i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ハ!
∨|:.:.! ノ/i/ノ
同じ二月。 ヘ!:| ノ!/′
ヾ!>ー- -- <イリ
平東将軍宋哲が建康に至ったと『晋書』『元帝紀』は記す .(;;;;;ソ⌒) ̄`´ ̄(⌒ヽ
ヽ;;=;;/__,,、_/;;`ソ
〉;;;;;;;;ソ:/A.i:l;;;;;;!′
ノ`;;;;;;;;;;i;!___i;!;;;;;ゝ、
(_;;;;;;;;;;;7;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ;;;;;;;;)
` ̄ ̄ ̄´` ̄ ̄ ̄´
- 689 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:23:49.75 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年2月 晋 揚州 建康】
/ニYニヽ
/ (0)(0)ヽ
/ ⌒`´⌒ \
| ,-) (-、.|
r`ー^~`┬┬´| l ヽ__ ノ l |ー┬'´ ̄ヽ
}ヽ: : : : : |r┤: \ ` ⌒´ / : :} }: : : : : :}
イノ: : : __ヒ匕Y ヽ. ノ八`ヽ`r――<リ
/::::|: : /:.:.:.:.:.:.:|::::::i|: ヽ、ニニ彡'ハ:::レへ、::::::::::ヽ
/::'⌒,.イ:.:.:.:.:.:.:.:.:|::::::|:|\: :、__/: /!:r'´ヽ Y:::::::::::i
V:::/:.:.|:.:.:.:.:._,.イ!___j:.:.|: :ヽ:__/ |:.{,.ニ ト、::::::::! ,、イ(__ノ>。,`丶
ゝ:.〃!:.:./_/i⌒||:.:.:.|: : : : : : : : : :|:.:`Ti |: :::::::::! /<⌒Y⌒> <\ \
/:.:||:.:.ゝ'´: : : :L=」!.:.:.:.|: : : : : : : : : |:.:.:.L| X:::/ /<,、=ミ\ / >-<二 ヽ :.
/辷j{| V〈 〉∨| | `i__ノ ,|ヽ八
辷ハ十ー{< >}八-ヘ. V <| \〉
/ 〈__/ィぅ笊`Y´ ィ笊ミV\___|\ \
/⌒7 /从ゝ乂ソ`¨´ 乂ソノ/\ /\{\(⌒
/ jリ沁, 〈 /7 /∧ 〈\(\
/ ノ| i|l ヘ _....__ .イ /〈 ∧ }\\
/´∨| 八 {个s。.`` イ//∨巛∨\ ⌒
j/ \{ イう爪,.ィ(.:.:.:.:/`'<( )ー-ミ
/,、<⌒.:「((__)) ∧〉'’.:.:.:.:.:.:.:`'く( `r_
/::::::::::x%\][_/.:.‘《,.:.:.:/.:.:.:.:.\_ノ( \
/:::::::::x%.:.:.:.:.:,ィシ゚'´.:.:.:.:‘《,/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`'(⌒ヽ
晋 琅邪王 司馬睿
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \ 『晋書』『元帝紀』によると、
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .この際、宋哲は愍帝の詔勅を持っていたとされる。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } ただ、内外断絶された
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 長安城の外にいた宋哲が詔勅を持っていたとは考え難い。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 類似の詔勅が涼州にも届いた事が『晋書』『張軌伝』にあるが、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 東晋・前涼の正統性を示すために偽作された詔勅の可能性がある
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 690 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:24:44.37 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年3月 晋 揚州 建康】
,イニニニヘ辷ソノ‐'>'' ´:`''< __//
. /ニニニ< <⌒)ノ :/: : : : : : : : : :/、_ソ
/ニニニ〈ゞソノノ/: : : : : : : : : {⌒、/:∨ /
. /ア´ `ヽ ヽ_`∨: : : : : : : : : :.{乂/: : : ∨
. ,イli{ }l } }}. | : : : : : : : : : : ヤリ: : : : :乂
. // 乂_ノ ノ〃 ノ: : : : : : : : : :ト、トV:/: : : : l`ヽ ろうやおう、こうてい
,、丶` ><_ イ: ハ: : : : : : : |',:.:l 笊:从: : :.}
ァ―=ニニニ/ /ニニニヘ: :.ヘ: : : :l: :从 ヽ',乂: :/ハ: /
ニ/ ̄ / / ̄ ̄ ∧/ }: ヘ: : : ',\', /: : : /
ニ\__./ニニ=-/ `ヽW∨、: ', ヾ‐.イ/}:/ / ___ r―‐- . \
ニニニニニニニ/、、 `ヽ`_ハ´ヽ:',>< / /r┐`ー'^ ゝ' o \
ニニニニニニニ/ `ヽ ヽ ̄ノ /o `¨ (`Y´) r‐==ミヾ `、
`"''-=ニニニニ/ ', V : r‐'r‐ヘ 〈 〉 |⌒ト ∨ ハ
| |〈 |{7´ YLノ|\|_厶 }|o゚ | `、
| |く( |{∧___{⌒´ 〉/○ i:}|_,ノ `、
| ∧゚ oト ○ .〔 〕 |\
| ∧__/i __ | {f}f}、 |
私に皇帝になれと? | i 〔 〕人 < ノ .イ: / |\
ノ^| /f}f}\〈\ __ / :|/..┐ :|
まだ皇帝陛下は存命ではありませんか。 |:∧ |\∧ '.辷____,,..彡'|=|'|/
/ \|\__,f‐|「∨ //´|=|ニ=-
私などではとてもとても -‐=ニニr'⌒ー┐ .厶斗ir。ニニニニニ=‐-
/ニニニニニrf \ `二V´}ニニニ゚ir。ニニニニニニニ
/ニニ\ニrf∧ `マ,ノ_,.ニニニニニニ%ニ/ニ/ニニ
. //}ニニニニ%。o 〉 }::/____)。o%¬冖'^∨ニニニ|
. ,.:.:/ニニ{:∨ニニ} ̄`V7∧ニニニニニニニニニヽニ/ニ|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .三月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 西陽王司馬羕を代表とする文武諸官が、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 琅邪王司馬睿へ皇帝に即位するよう要請したが司馬睿はこれを拒否。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 再三に渡る要請の末、「晋王」に即位する事で決着した
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 691 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:26:47.78 ID:kT/GeQoz0
-
-‐=¬ -―…―-
/ |
/ . -‐====‐- . \
/ x==ミ (⌒) ┐ \
/{ 〈/¨¨⌒ー‐ |: ー┐
/ / /ゝ=-/  ̄ ̄ ̄\ 八 ∧
/ / /O / / / \ \_/O
/ ゚ ///ト/ // } ノ{´ { o|
/ |_f「‐┘/│ r==トミ ./| ノ },//⌒ヽU
/ / Y^Y ∨| :| 圦_爪`ヾ | :/「 ゝ'^{ ;
/ / / 八_ノ 八:| \ン |/:│0 / / ./
⌒¨¨ア / 〈∧〉 ! \ 厶イ x≦ /〈/ 元号を建興から建武に改めます。
ー=彡 -‐ァ / \’ 〃厂 /{
/ / /i/ ′ |\ 〉' //〈 .それと大赦令を出しますが、
/Y ∠ ´ / /::. | - .::/ |⌒´ .祖父母を殺した者・父母を殺した者、
/ |/'^⌒ 厶イ ∧ :ト. ` ..:::::; | 及び劉聡・石勒は大赦の対象外とします
/{ /^ー‐=ニ /└'f^Y ∧ | ..< / ,人
. /Y__,,.. -=ニニニニニニニ% \ .::≧o。o个./; /\{
‐=ニニニニニニニニニニニ ∧〉≧==く} ⌒^ 厶イ
ニニニニニニニニニニニニ∧〉⌒Y Y,〉=-
ニ^ir=ミニニニニ|ニ 〉〉ニr=ァ 〉 :}| }|∨ニ=‐-
ニイ/ニニニニニ|ニ://r=く=\\ \rノ, }ト.ニニニ
=//ニニニニニニ/fア¨ニニ 丶.\ //ニ%ニ:/ニ
//ニニニニニニ//ニニニニニ=-\__/ニニニ%/ニニ
. ニニニニニニ//ァニニニニニ{{ニYニ}}ニニ∨ニニニ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 続けて改元と大赦を行い、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 百官の整備と宗廟・社稷の建設を始めている
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 692 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:27:24.52 ID:kT/GeQoz0
-
{::::.\::::::::::_;. -‐' / -‐:::::::: ∧::::/ ∧::.\::::::ハ
\:::::::ヽ::::ア //.:::: ‐-ミ V jう トミ:::Y:::::{/
}::::::::∨ -‐ ¬く::::::イ ==rく ア }::::::.`ヽ:/.:.:.:
人:::::::/ _ ,......::::く` ゙Y人〃 ノ レ /::::\::::/.:.:.:.: 殿下。
(:::::::ミ=\ ,ィ __ヽ ∨ ト-‐ } r《∧::} ∨.:.:.:.:.:
ー-ミ三iヽ 〃⌒}∧ ∨ ヽ. / | ヽ}/∨.:.:.:.:.:.: 各地で瑞祥が起こったと報告が
∧ ゙ト-‐ヘ:::::.、>‐-》 | ノ ,′.:.:.:.:.:
/.:.:.\、 V , _ア _, ,′ '.:.:.:.:.:.:.:.:
. /.:.:.:.:.:.:.`丶、 ` _ -‐  ̄ / |:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / ,......::::7 / .| _ / / \ / i \
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / | __./ム\ / r=--. | /| ヽ
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / | __ イi´ / ー' ≧==≦ ) ) |// ヽ }
>、 \/ , | /(_ ( / >-< {/////≧x }/
晋 驃騎将軍 王導 > ´ \ \/ ! 〃(_ =ミ、 ヽ { / i |ヽ ./|/////////≧x
 ̄ ―- 〉 /.- 、| ム=彡′ i V_人_ { .| ! / .|//////////| \ノ
____ (____)ヘ{ { | } ^ \ハ ト、〈___|//////////| \
ィ〔///ハ !'/∧ 〉 !〈 `ヽY/ /ィzzzzヽ./´ ̄ ̄ ̄ ミ /
ヽ / ヽ///∧ |//| ヘ_/ | |zzx </〃 之ソ / ___ ', ∨
私は四海の責を果たしていませんし、 ゝ---ヘ///.ヘ_j/| |! | |、 之ソヽ! / 〈  ̄/ ∨
まだ過ちを反省したわけでもありません。 | ハ//// ! .ハ !ヘ { ヽ. j/ ij x爻爻爻爻xx `/
|__/ V/ /.| / | | | iゝ r- 、 .爻 爻x/
どうして瑞祥があるのかと? { / .}/ | | .从 | >. ー ' イ爻 爻
| / x爻 jハ / .ハ{\} |≧≦ ./ ^^ X爻X爻^
`'' ー爻 ∨}/__ -= ーイr=./ i \
__ ..≧>  ̄ ミ、 { { } } / , ',
r{{_=}=__}/ィ-- 、 __rメ X {n_} } ,..:' /
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .世子の司馬紹が晋王太子に立てられた。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 西陽王司馬羕が太保、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 王敦が大将軍、王導が都督中外諸軍事・驃騎将軍に任命されている。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ なお、王導は中書監・録尚書事・揚州刺史なども兼任している
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 693 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:29:07.76 ID:kT/GeQoz0
-
/ / / \
/ \
/ / ,
/ / | ′
/ |
/ / | | | | \
/ イ / | | | | \
/ / | | | | \⌒
/彡} ノ ノ | |\ \⌒
ノ/ | | / ノ人 八 \{
j__ノ}/ j/ ノ\ \ あれだけいた宗族諸王も、
_// ̄ ̄/ ノ{ ノ\{ ̄ 建康に逃れて来られたのは私込みで五人だけ。
__ / / // ―<___/ニ\_
. / / _/  ̄ ̄\ ノニjニニニ\ それで瑞祥なんてどうかしています
/ {/ \ __>――‐<ニニjニニニニニ\
{ ノ\ ノ二二二二二二二二二jニニニニニニ∨
/⌒\/ 厂/ ̄ ̄二二二二二\ニニニニ{ニニニニニニ }
{ {__/ √二二二二二二二二\二二{ニニニニ√ニ√_
{ \ }_√ニニニニニニニニニニ.|ニニ{ニニニニ√ニ√ /
. \ ∨ \ニニニ/ ̄ ̄ ̄ ̄\|ニニ{ニニニニ√ニ√ \
 ̄{ ̄  ̄\ }――く_/\ \ニ{ニニニ√ニ/ / ̄
\___ />ー― \  ̄\/\| ̄ ̄ニニニニ厂 \|
{ /  ̄\  ̄\/ ̄\__{ /ニ} )\
\__/\ _/⌒  ̄ >'⌒ \ \ /二二}/(_ノ }
{二二二二\__/\__/\ }二二二}__ ノ
厂 ̄ ̄ ̄ | ̄\ニニニニニニニ厂\二二ノ ∠/}
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .当時、建康には五人の宗族諸王がいた。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 晋王となった司馬睿、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 汝南王司馬亮の息子の西陽王司馬羕と南頓王司馬宗。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 汝南王司馬亮の孫の汝南王司馬祐、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 司馬懿の弟司馬馗の玄孫に当たる彭城王司馬雄
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 694 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:29:48.27 ID:kT/GeQoz0
-
{::::.\::::::::::_;. -‐' / -‐:::::::: ∧::::/ ∧::.\::::::ハ
\:::::::ヽ::::ア //.:::: ‐-ミ V jう トミ:::Y:::::{/
}::::::::∨ -‐ ¬く::::::イ ==rく ア }::::::.`ヽ:/.:.:.:
人:::::::/ _ ,......::::く` ゙Y人〃 ノ レ /::::\::::/.:.:.:.: ふむ、「五馬浮渡江、一馬化為龍」
(:::::::ミ=\ ,ィ __ヽ ∨ ト-‐ } r《∧::} ∨.:.:.:.:.:
ー-ミ三iヽ 〃⌒}∧ ∨ ヽ. / | ヽ}/∨.:.:.:.:.:.: 五人の司馬氏の王が、
∧ ゙ト-‐ヘ:::::.、>‐-》 | ノ ,′.:.:.:.:.: .長江を渡って一人の司馬氏を龍にする。
/.:.:.\、 V , _ア _, ,′ '.:.:.:.:.:.:.:.:
. /.:.:.:.:.:.:.`丶、 ` _ -‐  ̄ / |:.:.:.:.:.:.:.: そんな童謡を流行らせましょう
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / ,......::::7 / .|:.:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |_ -‐…
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |:::::::::::::::::
l゙ヽ 、 /゙i
! 、ヽ )\._____ / , i , ィ
. l l 、ヾ,シ'´::::::::::::`ヾ /l i/::;;|
/冫';:::::::::, , :::::\/\シ′
. /三'::,::'::, イ:: ::/\::: ::::ヽ三\
. f三〃:::/ノ |:;::/ `ヽヾ::::弋!l三三ゝ
さすがは御主人様。 ,.ィ\{イ::! ● j;ノ ● .l::::人::!;三/ヽ、
/:::::::::∧::l⊃ 、_,、_, ⊂⊃::ソ::::ハ/!::.丶\
今編纂中の『晋紀』にも、その童謡を入れておきましょう .フ:::/⌒ヾ./:;ハ ゝ._) ィ'::;:'/⌒i |::iゝ::: 丶
ヾ;:'\ / ̄ 7,>,、 __, イ!;:;ヘ、__∧ ゞ ヾ::ノ
. / .//`、 l l(_)// |;/ゝ__彡/,. ハ
`ヽ、//、 {⌒`y´⌒}'ヽ, / ノ∨ `ヽ.
` ‐`lニニニニl´‐ ' ヽ/ィ´:.:..,,:.:.:.:ソ
晋 佐著作郎 干宝
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『元帝紀』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 長沙王が実権を握っていた太安年間に
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 「五馬浮渡江、一馬化為龍」なる童謡が流行した。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 他の諸々の瑞祥も含めて、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 晋王司馬睿の正統化工作の一端と思われる
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 695 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:31:17.98 ID:kT/GeQoz0
-
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
/::::::::::::::::::::::::::、:::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
,リ:::::::::::::::::::ヽ:::::::::、::::::::::::::::/:::::::/::::::/:::::::::::::::::::::::ゝ、
/::::::::::::::::::::::::::::\:::::ヽ:::::::::/:::::::/:::/:::::::::/::::::::::::::::::::i
r:':::::::::::::::::::::;;;;;::::::::::::::ヾ、:::',:::://:::::::::::::;;;:::::/::::::::::::::ミ、::::::::!
{:::::::::>::'':::::::::::;;;>`゙ー- ミ:V/,kィ''"´ ヾミ、:::::::ヾ、::::::::::::{
|:::::;:'::::::::::::::<__ >::::::::::ミ、::::::::',
|:::/:::::::::/:::/´ `゙ヾ:::::::::::::ヽ:::::ゝ..__
V::::::/:::::::;' 、 / ミ:::::::::::::::',::::〈´
}:::/:::::::::::; ヽ / }::::::::::::::::::::{ヾ
j:/:::::::::::::{ ,>- .、 、___ ) (__,,.. ,. --< !::::::::::::::ヽ:::', .殿下。
リ:::/:::r-、! /,rfニニミ、 { } ,ィfニニミ、 }:-、:::::::::∧:::,
{:/:::::リ ィ ヽ ゝ ノ / } .{ハ ゝ. ノ ハ. } :::::::∧:', 天下に我らへの信を問う時が来たのです
V:::八 { ハ  ̄ { | | } ,' } 八::::::/ }:::!
リ!:::::::ヾーヘ.',. | | / ツ/::::::::::{ ,j:リ
/ |:::::::::::ゝ..__) ヘ. | | r (.__ノ:::::::::::/ /:/
' |::ハ:::::/:::::::ハ ヽ!.___.!ノ ,ハ::::::::::::::/
,リ }:::{::::::/::∧ ゙ー ------ ― ' ,イ:::}:::::::::,イ
ノ:ハ::/!::::::::ヽ ニ二ニ / |:::ハ::::::/:::|
/´ ノ::{ ヽ:::ハ::}. \ / i:/ .}::从:人
// }/ リ \ / / /´
ヽ ` ---- ´ /
\ /
> .. __ .. <
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .晋王即位・改元と大赦・百官の整備・宗廟と社稷の建設。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } ここに来ての司馬睿の行動は、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j もう皇帝司馬鄴など存在しないかのようである。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 一応、「晋王」と落とし所はつけたが、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ .懐帝の前例を見れば、司馬鄴の生存は絶望的と踏んだのだろう
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 696 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:32:21.86 ID:kT/GeQoz0
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ .やむを得ずと見るべきか、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 遂に馬脚を現したと見るべきか?.
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: このあたりの判断をつけ難い点に王導の巧妙・狡猾さが出ている
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !______
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
{::::.\::::::::::_;. -‐' / -‐:::::::: ∧::::/ ∧::.\::::::ハ
\:::::::ヽ::::ア //.:::: ‐-ミ V jう トミ:::Y:::::{/
}::::::::∨ -‐ ¬く::::::イ ==rく ア }::::::.`ヽ:/.:.:.:
人:::::::/ _ ,......::::く` ゙Y人〃 ノ レ /::::\::::/.:.:.:.:
(:::::::ミ=\ ,ィ __ヽ ∨ ト-‐ } r《∧::} ∨.:.:.:.:.:
ー-ミ三iヽ 〃⌒}∧ ∨ ヽ. / | ヽ}/∨.:.:.:.:.:.:
神州の克復こそ第一ですよ ∧ ゙ト-‐ヘ:::::.、>‐-》 | ノ ,′.:.:.:.:.:
/.:.:.\、 V , _ア _, ,′ '.:.:.:.:.:.:.:.:
. /.:.:.:.:.:.:.`丶、 ` _ -‐  ̄ / |:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / ,......::::7 / .|:.:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |_ -‐…
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |:::::::::::::::::
- 697 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:34:48.97 ID:kT/GeQoz0
-
\_ _____ __ /⌒>''´ ,.ィ(辷⌒
\二- _ __辷ア´ / ,.ィ(辷⌒ { 辷- _______
\ 二- _ 辷ア´ ,.ィ(辷⌒ { 辷- // ア´⌒
二=- _ ,.ィ(辷⌒ { 辷--/ /ニ7
___ />''´ <(  ̄)\ ,.ィ(辷⌒ \_ { 辷-/ /ニ7
-‐…  ̄,ィi{辷辷,_ // ``〜く \ \___ィi辷⌒ \辷-ニニ7
,ィi{辷⌒]j辷, / / /´ ̄`\ \ _/´ --‐……三- _ -- ___
,ィi{辷 ]j辷 / / / ) __ } __-三-⌒辷
,ィi{辷 ]j辷./ / }:{ ⌒\ (/ { \ } \_ _ノニ‐⌒ ;辷
,ィi{辷 ノ]辷/ 〈 _,ノノィi炸_\ _ノ__ } 八 \/⌒ ;辷
,ィi{辷 ,ィi{辷/; { \_,ノ 人Lリノ 人(\ィ炸ミ ノ 〈 \_ ____ ;辷
辷 ‖-/彡{ { { {___>{ ( くノノ } } ノ}. \__/´ ;辷
 ̄\ {{_辷 ⌒ { { 从 {从{人_ ' イ-{__/}/ } \ \ ノ辷
::\ \ {i{辷 八 \ く ― 、 八ノ { \,ノ } 「⌒ /辷厂\__
.\::\ \{i{辷 \ \ \ \ イ |{ {__xく } }_ /辷 \ \
\::\. {i{辷 \[\ \_ \ <( リ人{ }从{⌒ }人 \ [辷 _ -三=‐ _
. \::\ \ /⌒\_ノ\{⌒{ ̄\\ \__{ ノ ノ } } ̄\!辷 _ -三=‐⌒ }辷=-
\::\ /ニニニニニ\ニニ{  ̄\ _}_ ノ  ̄ ̄{ ̄ \_} }辷 _ -三=‐⌒\ r{辷⌒
__/ニニニニニニニニニニr%ニ=- __ ィ%┐__ \ \ }辷{__ -ニ=‐⌒ \辷
. /二/ニニニニニニニニニニr%┘ニニニ{ ̄ ̄ ̄ ̄\ %ニニニニ}  ̄ ̄{ ̄ \辷=‐⌒
 ̄ニニニニニニニニニニニニニニr%┘ニニニニニ> _______}ニ%ニニノ\ { \} }
⌒\ニニニニニニ__二r%┘ニニニニニ/ニニニニ=- ニニニ=- _ニ=- ニ\ \ } }\
}ニニニニ/ / /く⌒>―‐くニニニニニニニ=- ニニニ-\ニ=- -\_{ ノ ノ }
 ̄ ̄ ̄ ̄./ / / く⌒\ー‐‐く \ニニニニニニニ‐ ニニニニ-\ニ=- 二二\ / ノ
‐ー ー―{ { / く⌒\ \ニニ\ \ニニニニニ=‐ ニニニニニ=- ニ=- ニニニニ\∠ ノ__
{ { { \ \ }ニニニー┘ニニニニ‐ ニニニニニニ=- ニ=-}ニニニニニニニニニノ
. _\ \> \ }\ }/人ニニニニニニニ/ くニニニニニ=- ニ=-}ニニニニ{ ̄ ̄
=‐  ̄ {ニ/ニニニニノ 厂 { } }´"'''''''''''''`` \ニニニニノ |ニ- ニニニニニ{
 ̄ ∨ニニニ/Lノ 〈_/ \ 、r_ `Τニニニ|二/-二{ ̄{ ̄
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } とはいえ、旗を振った効果は抜群だった
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 698 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:36:07.74 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年春 晋 幽州 薊】
.,、
盛楽 、-' ヘ
,r'`ー-、_;_, ○ 薊 /´ /
r'´  ̄ヽ, ● ,r'´ r' r‐
} { ,.、_ノ _"7 /
/ r' 晋陽 太 / 'ー'´
./ ノ ○ ヽ
' { 陽邑○行 厭次ー、 r'‐-,_,_ィ_
} ○襄国 ○ /ヽ_r' _r'´
{ 平陽 山 鄴 ○ r-'´ 〇 r' '
`ヽ } ○ 壺関○ ○広宗ノ 臨淄 }'ー'
{ { 脈 r○廩丘 r'
'´`ー-, ヽ / ノ r'
\ 'エ_,.-‐'`ー―‐'―= ‐' .,
 ̄ ̄`ー‐'―'´ ◎洛陽○滎陽 〇 >
○長安 ○○許昌 下邳,ヘ' ヽ
襄城 ○葛陂-v'γ ヽ ハ_
ィ-v○寿春 __ゝ、 `{_,、
,、_ r'○建康 -、
○襄陽 `' r' {__'ィ }
,. -――'´`ヽ ,、 , _,.r' __/`
_/ ヽ ,/ ヽ ノ `^ー'`>
_ィvー'´ Z,、 / `ー-,r' }
r-‐'´} {`ヘ
'ー'`" `ー'
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ 司馬睿の晋王即位と時を前後する
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !______
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 699 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:38:53.81 ID:kT/GeQoz0
-
/__/ -―- ``丶、
'/ /::/  ̄ ̄ ̄ \ \
/ ∨ \ \ \
i | |ヽ \ \
i | | | | ト ⌒ヽ
| | | / /'| {xミ |
| :八 / / | 佗 Y 八 洛陽と長安が陥落して社稷が絶えた今、
/ _ ∨! , \ x=ミ |/ , "|' ヽ 天下をまとめられるのは琅邪王殿下しかいないわ。
. / /⌒ヽ }/ / _∧ /vツ ' | i
- / ⌒ --=彡' / ( 、 、 " , / | | .そこで物は相談なのだけど
/ / { / / } / ト ∧ ト ___ /! ; ,
// , 八__/ /⌒'/ / ヽ∧ ∨:./: : :.:| | /
. / i 、 { /____./ __ \、 ∨八从| |:/
l / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/  ̄ ̄ \ \ | / / ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:、: :\:、
/::  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄::/=x==ミr―、 \ \ | , /: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ハハ: \: :ヽヽ
/:::/ ̄/:::::::::::: / } / へ 7}八ヽ八{ ': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|`´ ヽ: :三_〉:_ヽ、_
/: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :| |: :|: : :|:!: : ̄彡´
晋 司空 劉琨 |: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :| }: :|: : :.:|:.|:<
{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.リ、/_/ j从: : :}:|:.|、:_:_≧
\}: : ∨: :|: |≧-_、: : / ィ≦⌒ヽイ: :/: !:.!: /
イY:.:{: : Y ハ斥 ∨ ら:刈 |:/:{:.:|:.|/
-イ: :ト、: 圦 ら::ム マしソ }: :.|: |:.|
建康へ使者となれと? Y、:\:」 マし' , "´ /: /: :{リヽ
\: ハ _ __ ι ィ: /r≦―-、
\:> _ ...イ: :// ̄ ̄ヽ:.i
/\〉:.:./三ヽ j: // // ///Y
/{:.:.:.:.:.:.:\三、/W //}:.∨ }|
晋 司空左長史 温嶠
- 700 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:39:49.62 ID:kT/GeQoz0
-
, /:::(O):::::::::::::::\ ヽ
/ ..:::,、丶`  ̄ ̄ ̄ ヽ ',_
, {/ { \ ヽ: ', Vヽ
,' :| ∧ {、 \:―‐i‐ i //〉
:| i/、、\ \__|__:|_ : : ' / 昔、班彪は劉氏の復興を悟り、
i :| /| \ 〃う刈 》i |): : :K 馬援は漢の繁栄を助ける事を知ったわ。
| :l ィ笊_ 乂ツ |i | : : :|∧
| | l :爪 乂ソ , || |: : : |/∧ .今、晋の国運は衰えたけれど、まだ天命は改まっていない。
| | | 込 , 从 |: : : |∨∧
八 | 个 ` イ: } |: : : | `⌒ 私は河朔で功を立てるから、
ヽ| \|: : : :≧ー |/:| |_: | .あなたは江南で名声を高めてはどうかしら?
:| |: : ;>rノ^|:H /:/| √/ ̄ \
∧ |7: :._/_ |:. | /:/ , / / /⌒ヽ
/ | 、 {:{ F¬ 、 \ヽ:/ { /| / i
.,: | } r人\ヽ ∨_, /: |' / |
/ ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:、: :\:、
/: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ハハ: \: :ヽヽ
': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|`´ ヽ: :三_〉:_ヽ、_
/: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :| |: :|: : :|:!: : ̄彡´
|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :| }: :|: : :.:|:.|:<
{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.リ、/_/ j从: : :}:|:.|、:_:_≧
\}: : ∨: :|: |≧-_、: : / ィ≦⌒ヽイ: :/: !:.!: /
イY:.:{: : Y ハ斥 ∨ ら:刈 |:/:{:.:|:.|/
劉琨殿 -イ: :ト、: 圦 ら::ム マしソ }: :.|: |:.|
Y、:\:」 マし' , "´ /: /: :{リヽ
\: ハ _ __ ι ィ: /r≦―-、
\:> _ ...イ: :// ̄ ̄ヽ:.i
/\〉:.:./三ヽ j: // // ///Y
/{:.:.:.:.:.:.:\三、/W //}:.∨ }|
- 701 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:40:32.39 ID:kT/GeQoz0
-
\: .、
∨:} _,. .--- 、
___ }:/:,: -  ̄`
,. . : :´: : : : : : : : `:/: ´_: : : :`: : .、
,. : /`ヽ、: : : : : : : : : : : : :´ `ヽ: : : \:\
/: :/: : : : : : : : : : : : : ,ハハ: :、: : ∨: :、:`ヽ}
/: :/ : : /: : :/: :/: : : ::.:| マ: {/ハ: : |: : :',
;: :/__/: : :/: : |: : : : i: | |: :∨ニ:!: :|:',: ',
i: :'-≠j!_: :/---!、: : :/: | ⌒ |: : |:{:.:.|マ:!: !ヽ:|
{/:|: : : |:{: /:|:/:|_|: : :/: /} __|: /: |: :|_}:|: | |
,ィ : |: : :.j!:/zィテ斥{: /{:// イィハ }/: : |: :|: \_,
/:/:./|: : /|圦 ら::刈 / ' ら刈'}:.イ|: :|ミ- ´
 ̄{:イ/}:.:/: |: ト弋こソ ヒzソ /:ィ/|:./ 私には管仲・張良の才はありませんが、
/ //:./{: :|:乂 _` 八i |/ あなたには斉の桓公・晋の文公の志があります。
/:イ Y:}:/:込、 「 ∨ イ:イ//
/'{://Y> ` ´ <:.:.|/ .天下を正す功をお望みなら、
ィ:.\二ミヽ、 ̄{/!:.:.:.:.| 決して命令を断わるつもりはありません
/-- 、:.:.:.:.:.\/\|iノ:.:.:.:.{
/ //∧//ヽ:,:.:.:.:` ̄ヽ:.:.:.:.:.ヽ
/ /< >{ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.マ}:.:.:.::::i
/:::::::::::、//' {:::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:||:.:.:.:..:| .γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
/,--- 、:::::::∨' :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ||:.:.:.:.:.| | じゃあ、私の属官という事で建康へ行ってもらいましょう |
{/ ∨}:.:.:.:.:::::::.:.:.:.:.:.:.:.:|l:.:.:.:.:.{ ヽ__________________________乂
/ /' j!:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:||:.:.:.:.:.!
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『温嶠伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 司馬睿が江左を鎮めると、劉琨は温嶠を司空左長史とした。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .ここでいう江左とは、
`ヘ:ゝ .' 小/ 河北から見た場合に長江の左となる長江下流域を指す
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 702 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:42:04.66 ID:kT/GeQoz0
-
∫ι__________ ./丁了
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ
||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | ||
||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | ||
弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ
弋ェェt┼┬┌─ .γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
il_,└──| 北方の有力者の下を回った後、建康へ向かうように |
| ̄ ̄|| | ̄ヽ________________________乂
|| ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄||
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|i | ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄||
 ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ || ̄! ̄ ̄/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄.|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i  ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~ ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l  ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`ll`l
l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″|  ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄  ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾ| ̄`.. ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ | ̄ ̄ | ̄!,, ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ll
| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄___
''- .._ ~""''' ‐- ...,,__ _,,..-‐''~""''' ‐- ...,,___,,.-‐'
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ そして、華夷に檄文を布告し、勧進文を奉った
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 703 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:42:57.48 ID:kT/GeQoz0
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∫ι__________ ./丁了
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ
||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | ||
||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | ||
弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ
弋ェェt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ェ,ィ
il_,└───────┘ , i!
| ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l
|| ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄||
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|i | ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄||
 ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ || ̄! ̄ ̄/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄.|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i  ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~ ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l  ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`ll`l
l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″|  ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄  ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾ| ̄`.. ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ | ̄ ̄ | ̄!,, ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ll
| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄___
''- .._ ~""''' ‐- ...,,__ _,,..-‐''~""''' ‐- ...,,___,,.-‐'
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| では皆さん、お世話になりました |
ヽ_______________乂
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ この勧進文。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 『晋書』『『劉琨伝』によると、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .河朔の征鎮及び胡人・漢人百八十人が名を連ねていた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 704 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:44:06.37 ID:kT/GeQoz0
-
\_-_-_->'"~~~"''〜、、::::::::::::::::\
\_-/:::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::\
. /∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::::::::::::::::.
〈__,{:八:::::::::::::::::`、:::::::::::::::::::`、::::::::::::::::. 琅邪王殿下を皇帝に推戴する。
. .::|∧:::::\:::::::::::::::`、::::::::::::::::::|::::::::::::::::::
.::/|:::∧:::l_,,.`'<:::::::::`、::::::::::::::|::::::::::::::::::| .何か釈然としないけれど、大事な御役目よね。
/:/:::|:::::::}:/斗-=ァ\::::::|::::::::::::::|::::::::::::::::/
.::/ j八::::从 V} ' |:::/::::::::::::::|::::::::::::::: けれど、温嶠殿は我が軍の参謀、
〈:〈 /' l:/':ノ |/::::::::::::::/:::::::::::::/ 私たちのどちらかが行った方が良かったんじゃ?
`>> l:::::\ /:::::::::::/::::::::::::::::{
(:::( l::::::::::::... っ /::::::::/!:::::::::::::::::::::::. _
)ノ 八:::::::\:::\ /:::::/ |::\::::::::::::::::::::... ⌒):) 「 ー 、 -=ニ二二ニニ=-
\:::::::\::::/::/::::}/|:」 \::::::::::::::::::::::...../ ) 〉-=ニニニニニ=- \
\::::::∨::(、:::/ /-_-_⌒\:\:::::::::... , へ _/ / `ヽ\ ∨
.:::::::::::)\::::::...... /-_-_-_-_-_-_`、:\::::/ .∠ _ / ,' / \\ ∨
/ .: | )\ ∨
晋 司空従事中郎 崔悦 ,' .:| .{ | .: 〈○/
./| 八 { | 八 .} ∨\ |
.| /笊_|\八{ ̄\} .∧X \
それはあれよ。 .|/:. 八ツ てう_{ 八∨Xx{
. 八|:: . 乂ツノ /_ソ ∨X{
何かと口うるさい温嶠殿を名目をつけて追い払ったのよ。 / 人 /レ〈// .: Y⌒
>ー、‐  ̄ ̄ ヽ > ` ‐ <イ〉.| .: /∧
おんきょう、だけに .({\} )::::::::::::::::::::∨ ̄ >‐ < / | | ./∧
|ー '::::::::::::::::::::::::::∨ /、;;;;;)^> 〈〉 | |\ /∧
..,┤::::::::::::::::::::::N:::::::::∨ / 〈〉 | | \ /∧
晋 司空従事中郎 盧ェ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } つまり、劉琨は河北の人士の総意として司馬睿の皇帝即位を望んでいた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 705 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:45:08.24 ID:kT/GeQoz0
-
,. : /`ヽ、: : : : : : : : : : : : :´ `ヽ: : : \:\
/: :/: : : : : : : : : : : : : ,ハハ: :、: : ∨: :、:`ヽ}
/: :/ : : /: : :/: :/: : : ::.:| マ: {/ハ: : |: : :',
;: :/__/: : :/: : |: : : : i: | |: :∨ニ:!: :|:',: ',
i: :'-≠j!_: :/---!、: : :/: | ⌒ |: : |:{:.:.|マ:!: !ヽ:| そうかもしれませんね。
{/:|: : : |:{: /:|:/:|_|: : :/: /} __|: /: |: :|_}:|: | |
,ィ : |: : :.j!:/zィテ斥{: /{:// イィハ }/: : |: :|: \_, まあ、親心と受け取っておきますよ。
/:/:./|: : /|圦 ら::刈 / ' ら刈'}:.イ|: :|ミ- ´
 ̄{:イ/}:.:/: |: ト弋こソ ヒzソ /:ィ/|:./ 私の故郷、并州はもうダメでしょうし
/ //:./{: :|:乂 _` 八i |/
/:イ Y:}:/:込、 「 ∨ イ:イ//
/'{://Y> ` ´ <:.:.|/ 「 ー 、 -=ニ二二ニニ=-
ィ:.\二ミヽ、 ̄{/!:.:.:.:.| ) 〉-=ニニニニニ=- \
/-- 、:.:.:.:.:.\/\|iノ:.:.:.:.{ , へ _/ / `ヽ\ ∨
/ //∧//ヽ:,:.:.:.:` ̄ヽ:.:.:.:.:.ヽ ∠ _ / ,' / \\ ∨
/ /< >{ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.マ}:.:.:.::::i アハハ / .: | )\ ∨
,' .:| .{ | .: 〈○/
/| 八 { | 八 .} ∨\ |
| /笊_|\八{ ̄\} .∧X \
|/:. 八ツ てう_{ 八∨Xx{
温嶠殿。 .八|:: . 乂ツノ /_ソ ∨X{
/ 人 /レ〈// .: Y⌒
あなたの才能と名声は呉の地でも響くに違いないわ。 .>ー、‐  ̄ ̄ ヽ > ` ‐ <イ〉.| .: /∧
({\} )::::::::::::::::::::∨ ̄ >‐ < / | | ./∧
おんきょう、だけに |ー '::::::::::::::::::::::::::∨ /、;;;;;)^> 〈〉 | |\ /∧
..,┤::::::::::::::::::::::N:::::::::∨ / 〈〉 | | \ /∧
Y ゝ::::::::::::::::::::ノilil\:::,〈/ ..| | 〈〉\∧
ト、〉:::::::::::::::/ilililililil)::::::) 〈〉 | |〈〉 \v
ウフフ .レ::::::\::/γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| 何が面白いのか分からないわね |
ヽ_______________乂
- 706 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:46:24.15 ID:kT/GeQoz0
-
____ _
r‐‐、__ ⌒^\: : :\ -- /: :\ _
t_>(__r‐‐、 __ _ > ´: : : : : : ,ヘ: : : :V:、
ノ////{^Y_⌒>: : :, : : : : : : : : : : V : : ハ: \
,{///-=≦: : ´: :/: : : : : : : : : ハ: V : : :i : : ', /
rく {////⌒ア: :/: : :/: :i: : : :/:斗{⌒}: :}: : : :}: : : :V /
乂 >--- /: : ' /: :': :斗-: /}: 八{ 八jニニハ: : : :V
}> -- W : i {: : { : /}: :/ノ' x≠ミ个: : : :': : 〕iト :}
| И: |八 乂 ィ笊 ん(_,/: : : 人: : : <⌒
,乂 八{ i: ヽW vリ 乂ツ: : : '^Y: : i : :\
`ト-- ´ ノ {: : 从 ' _ 、 /: : ∠ イ:_:_从:「⌒
∧ ⌒7: :ハ : :込、 V_ノ /イ´/////>、 \ / それではお元気で!
/ 〕iト 八(⌒ヽ{ ≧rf. .rく 乂/////ア⌒7 V /
⌒{ __ /^ア. . . . .}/  ̄ _j//// V /
_ 。o≦. . . . . . 、. . . / //////ハ V
<∧. . . . /. . . . . . \. 乂 {//>´⌒V __ノ
\\. .{. . . ._______. . . .ト --Vト、 ___ --\
\ > ´ _______. . . .\. . . .`ア¨ ¨¨( \ ヽ
└<7i:i:i:i:i:i:i:i:〕iト. . \. ./y----`¨ ^Yハ
/i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i〕iト У 乂 V Y }
/i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:7/ ィ(_ ー‐‐ ァ } ,
_/斗  ̄ ̄\_ニ{(// /乂ィ ノ ∠ノ
「 ---  ̄ ̄ 〕iト ゝ'ゝ<¨ ´ ̄
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/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 温嶠は河北の各地を経由しつつ、建康を目指したと思われる
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 707 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:48:18.90 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年6月 晋 揚州 建康】
ヾ叉7
_BL_,, ,. _
,,、、-‐'''""´: .: .: .:::::::::.:.:.:. : :``ヾ、、、
,,. '"´. .:.: .:.: : .:r==.: :. :.: .:. :. :. :..: .: :. .::. :.`ゞー-、、
,,. '"´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.`''ヽ、,,
,r'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;;;;;:;:;:;:.;:.:.:.:;;;;;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;:;:;:;:;;;;;;;;;;:;:;:;:;;:>
``ヾ、;:;:;:;:;;:;:;:;;:;:;:;:;r==;:;:;r==、;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;;:;r==;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:r''"´ .
``ヾ;:;:;;:;:::::;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;===;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.:.:.:.:.:.:.:.:,r'゙
 ̄`¨`ヾr==.: .: .: .: .:. :. :. ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :r=z,;,;,;::/
`¨`ヾ.:.: .: .:.:::::::::;:;:;:;:::::::::;:;:.:.:.:.:、、-‐''"´
`>;:;:,';: .,':;:;:; :;:; :<´
,、r''"´. :.: .:. :. . :. :. :. :.: .: .:`ヽ、
,、r'"´.:.::;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:.:.:.: .:. . .:.::::::`'ヽ、
``ヾr==;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;::.:.:. :.: .: . :.: .: . ::.:,r'´
`ヾ::.:.:;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.:. :. :.: ; :; :.: .:.:.::r' γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
゙、:;:;;;;;;;;:;:.:.:::==.:.::::::.:.:.:.:/ | 幽州にいる劉琨殿から使いが? .|
`ヾ.:;;;;;;;==.::.::.:.:..:.::r'´ ヽ_______________乂
_,」;;:;:;:;;;:;::.:.:. :. :.:. j
``ヾ;:;:; :;::;;: ;r==.:.j
゙i:;:;:.:. :.: .:. :.:.:.:,!
l;:;: .:.: .: ..:;;;:;;;!
'i;;;;;:.:.:.:.:;;;;;;;;;!
1;:;:;:;:r=:.::{
ゞ;;;;;;:.:,r'´.:.:``;:ー-..、,,_
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 建康に到着した頃には、六月になっていた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 708 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:49:12.05 ID:kT/GeQoz0
-
{::::.\::::::::::_;. -‐' / -‐:::::::: ∧::::/ ∧::.\::::::ハ
\:::::::ヽ::::ア //.:::: ‐-ミ V jう トミ:::Y:::::{/
}::::::::∨ -‐ ¬く::::::イ ==rく ア }::::::.`ヽ:/.:.:.:
人:::::::/ _ ,......::::く` ゙Y人〃 ノ レ /::::\::::/.:.:.:.: 使者の温嶠殿によれば、
(:::::::ミ=\ ,ィ __ヽ ∨ ト-‐ } r《∧::} ∨.:.:.:.:.: 幽州・平州・冀州・青州は殿下の即位を支持すると。
ー-ミ三iヽ 〃⌒}∧ ∨ ヽ. / | ヽ}/∨.:.:.:.:.:.:
∧ ゙ト-‐ヘ:::::.、>‐-》 | ノ ,′.:.:.:.:.: .勧進文を預かっているので御覧下さい
/.:.:.\、 V , _ア _, ,′ '.:.:.:.:.:.:.:.:
. /.:.:.:.:.:.:.`丶、 ` _ -‐  ̄ / |:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / ,......::::7 / .|:.:.:.:.:.:.:.:.
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |_ -‐ / ___ r―‐- . \
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |::::::::::::: / /r┐`ー'^ ゝ' o \
/o `¨ (`Y´) r‐==ミヾ `、
: r‐'r‐ヘ 〈 〉 |⌒ト ∨ ハ
| |〈 |{7´ YLノ|\|_厶 }|o゚ | `、
| |く( |{∧___{⌒´ 〉'^⌒^i:}|_,ノ `、
| ∧゚ oト〃⌒^ー. ´´│〔 〕 |\
| ∧__/ 「 ´´ __ | {f}f}、 |
| i 〔 〕人 < ノ .イ: / |\
宗族諸王Aに過ぎなかった私の名前も有名になったようですね ノ^| /f}f}\〈\ __ / :|/..┐ :|
. |:∧ |\∧ '.辷____,,..彡'|=|'|/
/ \|\__,f‐|「∨ //´|=|ニ=-
-‐=ニニr'⌒ー┐ .厶斗ir。ニニニニニ=‐-
/ニニニニニrf \ `二V´}ニニニ゚ir。ニニニニニニニ
/ニニ\ニrf∧ `マ,ノ_,.ニニニニニニ%ニ/ニ/ニニ
. //}ニニニニ%。o 〉 }::/____)。o%¬冖'^∨ニニニ|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 『晋書』『元帝紀』は、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 司馬睿の皇帝即位を求める上奏文に名を連ねた主要人物を記している
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 709 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:50:21.80 ID:kT/GeQoz0
-
,、丶`  ̄ ̄ ̄ ``丶、
/ _ -‐\ \ \ -‐==ニ二二ニ==-
, -=二ニニニ=-\ \ ヽ _ -=二=-‐  ̄ ̄ ‐-=ニ二==-
/ニ=- \ \ ヽ ', /二二 / \二二二=- _
/' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ=- \二=- ''"⌒
/ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄________ -=====- _
|八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二二二二二=-‐  ̄ ‐-=二二二=- _
i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、  ̄ ̄ ̄ -=二ニ=-_
| | ,ィ=ミ\ `¨ `、 ( ノ人 \ -=二=-_
|i 爪 vリ __、 〈 ヽ \ -二-
八 ハ ' \、 \ \ -=_
ヽ 込 、 ァ / \ \ \ ∨
| 个 ィ / ' \――― ミ \
| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒ヽ \
__ | | i 八 / '// / ' \ \
/ ∧、八 |{_// / ' , i '⌒\ \
___/_____,/:__\ _ ノ7:/ / /' / V | { ―― 、 \
/ ________|,::/ / , / \ \ | i \
. / /\ ̄ ̄\/////////,|::i_/__ ____/_____\ \ }― ミ_\_
/ ///,',\ \///////二二ニ/7二二二二二二ニ= \ \ | | / /二二二〕
. / ///////,\ \/// '二二二|八_ )二二∨)二二二二=:〕 \ | | /| | ̄|ニ| ̄|‐┐
| |/////////,\ \ |二二二 |Z二ニ==-―― 斗七さ:| \八 //∧_ ̄/ ̄彡'
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 司空・并州刺史・広武侯の劉琨
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 710 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:51:45.28 ID:kT/GeQoz0
-
(人):,,‐ァ'":.:.:.:.:.:.:.:.:√::\_ /::::: :r'7ノ√
┌―┴rく_/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./::::::::/:.:.`丶、 ./::::::::::r'7ノ::/
└¬ア∧ |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/::::::::/:.:.:.j:.:.:.:.:∨::::::::r'7ノ:::/
____//:.:.:.:.| |/:.:.:.:.:.:.:/:::::::::::/:.:.:./|:.:.:.:.:.:.∨r'7ノ::/
/_,/:.:.:.:/:.:.:.:人{:.:.:.:.:./::::::::::::::/:.:.:.//:.:.:.:.:.:.:.:.∨j/
__/:.</:.:.:.:.:.:/:._____,,'’::::::::::::::/:.:.:.//:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.|く
r=ニ ̄:.:.√:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.\_____,、丶`:.:.:.:.:.:〈/:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.| ハ
|:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∠:.:.:.:.:/)/ヽ//|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.|
八:.:./:.:r‐、_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/〉:.:./r¬ァk、j/ |:.:.:.:.:.:.:.:∧:.∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:厶
∨:ノj / }‐┐:,,'’/:.∨ ん ハヽ 厶_/}/ヽ|/ |:.:.:.:.:.:.:.:.:/:√ ̄\
___ У 〈_/ , ゙ /'’ /:.:.:.:.:.:ハ 弋ツ __ |:.:.:.:.:.:.:./:./:.:.:.:.:.:.:.ハ
__//___>'’{ └t_/ x≪:.:.:.:.:.:.:||.:| " ___ |:.:.:.:.:/.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.人
/ :::o::゚:::| |::人 f´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:乢| ゙ ´⌒'_厶:イ:.:.:./:.:.::.j:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
/::::::::::::::::::八 \,≧¬x ∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.人⌒) _ "_/:.:.:厶/:.:.:.:./:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:\
. |::::::::::::::::::::::::∧_,, '゚/⌒¨):./ \ ∨___:.:.:.:.:.:.厂\ ‘- /⌒:.:/:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:/:.:.:.:.:.:.:..:.:∧|
八::::::::::::::::::::::::::::::>┘ └'’丶 ‘'┘ /⌒Y.:.:.:. /丶 ,,. /:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:./:./:.:.:.:.:.:.:.:/:.:./ リ
≫x:::::::::-< \ | / /:∠:._//\ ¬I爪/\|∧:.:.∧:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:/ /
⌒ニ=- __ \ ∨ \_///:::::/\_二二二/::/ ̄\{ ̄\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:∠./
⌒ニ=- 丶 | / /:::::::/ 丶 (__) _ /:/〈/__/ \:.:.:.:/):.:..:.:.<⌒`
⌒ニ-、 ∨ /::::::::/ /:::|:::| / ∨:.{ 〈:.:.:.:.:.:.:.:.:>
\У::::::::::/ //Y|:::| .′ \〉 `¨¨¨⌒`
/:/:::::::::/⌒Yヽ__/⌒Y/:.{ ∨] .′ ∨
人{:::::::::/ ̄〉\_j/ ̄/::八 Y | \
| ∨:::| ̄/ ,>''"~ ̄ ̄ \ 人 \
段部 撫軍大将軍 段匹磾
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 次に、幽州刺史・左賢王・渤海公の段匹磾。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 『晋書』『元帝紀』に記載はないが、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .二品官相当の撫軍大将軍も兼任していたため、劉琨に次ぐ席次となる
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 711 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:53:00.29 ID:kT/GeQoz0
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ .続いて、護烏丸校尉・鎮北将軍の劉翰。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ 王浚配下から石勒に降った後、
/ ヽ{ ト、ヽ l: 段匹磾に寝返った幽州刺史だ(本編第百三回参照)
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !______
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
|f7::::`、 /f7|
|:f7::::::`、 ______ /::::::f7|
人f7:::/:.:.:.:.:.:.:./ヽ:`丶、:::::f7:|
匸[]匸]:.:.:.:.:.:.:/:.:./:./}:i:.:\f7/
__/_/[:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:/:.://:.|:.:.:.:.\
/:.:_]>:.:._]>:.:.:.:.//:.:.//:./:.:.:.:.:.:.:ハ
/:.:.:く[:|:.:.く[:.:.:.∠/:.:.:.:.〈/:∧:.:.:.:.:.:.:.:.|\
//:.:.:.:.八:.:.:.:.:.-―-ハ:.:.:.:.:.≠‐ jハ:.:.:.:.:/:.:.:.`、
/:.:/:.:.:.:.:.:.:.:`、:.:.:.r虍ヵИ/ r虍ヵ |:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.
/:.:.:./:.:.:.:.\:.:.:.:.:\::代 ツ 弋ツ.厶イ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
あたしの保護下にいるってわけさ /:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:\'''' ''' 厂:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
. И:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ:.:.:.:.:.:.:〉 、 , 人:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∧|
八:八:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:/丶 イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. / リ
_>ヘ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:./ { >=≦ 八:.:.:.:.:.:.:.:.:.(__
\_/ ⌒\_厶/:| 八 | |'∧:.:.:.:/\___/
/ : : : : : : く/ ∨⌒^| || \(: ハ
/: : : : : : : : : ∨ ∨: : | || |: : : :人
人: : : : : : : : : : :冫==ミ. ∨:/, =┘ |: : : : : :〉
\____ // ̄ ̄\_/ ̄`\j :__/
- 712 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:55:33.75 ID:kT/GeQoz0
-
' {\ \|\_/ i{ / ′ ! ',
i / { |/ \ i{ / / / , ',
| {\ | | 'Vヽ ′ ∧ l
| ′ { v'⌒! {/___ 〈| 復 '/', / |
| / ∨ { ハ| ヤf笊うぅ。! / _ ', ∧/ なあ甥よ。
| , 寸人L | i Vソ |/ ィfうぅ。/∨l
/ /\(\l | Lソ , | 朝廷が単于の位をくれたのだが
i / ∧ ', | > /
| ′ / , , | /| i
| i { _l , | ` - イ i| l 、丶` \)_ ,
| | /( j , l\ /⌒`! , | L)\ ',
| | \ ̄⌒`` , |、、〕=- =≦⌒` /] / / l ! X |ー=7 V) ,
| |_ / >― _, | |―厂 l { | /_ {陸八_| |L/ /}フ ',
| 、丶`⌒ / \、ノ |i:i:i{、 | | |/\\` Vj矜 | |ソ ィ /ハ ,丶、
〈 | リ }/ ', ',
段部 単于 段渉復辰 ____ マ__ | /_ ‐」┐ ,
\ /⌒ \r l √-‐/⌒\ ', i
/ ノ⌒){ j/ /// ⌒\ , |
< /Lノ ⌒ / /i{(/  ̄ } ', |
__ノ _// { {i:i:、\/⌒ 〈 !
朝廷も石勒も、余程我々が怖いと見える  ̄ ̄{( ノハ vi:i\|/ ⌒ ', | |
/j个=‐ ≦\ ー⌒ l_ ィ=f⌒ | l
、丶`i:i:/\\ ⌒ ー=ア⌒}i:i:i:i:i:{ !ノ
/(i:i:i:i:i:i:ij //⌒ ̄ ─=ァ⌒ ji:i:i:i:i:i{
/ \i:i ィ // / _/i:i:i:i:i:i:i〉
段部 大人 段疾陸眷
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .単于・広寧公の段辰、遼西公の段眷。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 『晋書』『元帝紀』ではこう記されているが、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 『晋書』『段匹磾伝』では段渉復辰・段疾陸眷と表記される。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 実際は段疾陸眷が父の代から大単于に任命されており、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 段渉復辰は段疾陸眷・段匹磾の叔父で、どこかで単于に任命された模様
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 713 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:57:04.82 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年春 晋 冀州 厭次】
や心乂{ ハ: /「\: | . |_
や仏Y ,ィ゙: : f'V: : :ト..,,ノ:::::|
_,,...‐:::~~\_//|: : : V: : :/、;_:`' ミト 、
,」:::::::::/ ̄/:ノ|: |t‐''゙: :,xく}\|``h、\ト あーっ!
\::::; ’ /: ;イ:.人| x宍[\「 '芯ミ:.}: :i\[ノ
V/ 〳/ i:.{: :汽代iノ 、乂ノ价N\} 文鴦もそれ書きたい!!
/\〈-、|/ j: :、: 乂 ,.. ―- 、 ]/〵\_,..ァ゙:
/: : : : : \人_rf'「l (/V^′^フ 八 〵'゙: : :/: : .名前書くだけでしょ?
,: : : : : : :〳 /{ !||!ヘ >-―- く- 〵: :/: : : : :;
/: : : : : :_jニ{|j }|::::::::| |::| /∧.〵; : : : :.
./: : : /: : : :了', } ::::::::| |::|ノ_,ノ ╲.╲: : : :
|: : : : : : : : !: : : : |: : : : :{ ∨: : : : : : : :∨ : : : : : : : : |
段部 段匹磾の弟 段文鴦 |: : : : : : : : |: : : : |: : : : :{ Y: : : : : : :V : : : : : : : : : |
|: : : : : : : :.」__: {: : : : .{..,-‐=<^ | : : : : : :V : : : : :l : : : : :|
|: : : : : :/. : : ; \: : : /:{ \ 仆: : : ::∨ : : : : : | : : : : |
|: : : : : :|. ::了~丐、\:.|: j 斗千笊ミ≠: : : ::∨: : : : : : :! : : : : |
|: : : : : :|. : 圦ゞヒ夕 |f´ 戈ツ 刈: : :∨: : : : : : : | : : : : :|
いけません。 .|: : : : : :乂: : : 、゛´ 八  ̄´〃 |: : /: : : : : : : : :| : : : : :|
|: : : :/ Υ ト。:、___/, \ / 厶イ : : : : : : : : / : : :/
これは清書ですので |: : :/ / /i!: : : )h、  ̄ ̄ /i: : : : : : : : :/_/
∨/⌒〉/ |i: :|: : : : > ^ / i|: : : : : : :/: : : \
У /ノ ハ :ヾ>゛ ≧s。 _ / i|: : : : :/: : : : : : : :\
/ // ∧ /______/ ∧ i|: : // \: : : : : : : :
/ イ //⌒7..厂 / } 厶イ / \: : : : : :
. / , : "/ /.../ 〃 / / \: : :
晋 冀州刺史 邵続
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 冀州刺史・祝阿子の邵続
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 714 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:57:45.26 ID:kT/GeQoz0
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 青州刺史・広饒侯の曹嶷
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ / 、||川ハ ’/ ./ .ト 、/ /// / ∨ \
i: : : :::\::\i../ / \`゙'<ノlヽ ヽ / } \////| /\
/ \ | ヽ\ ’ / / Y |/ \
/`゙'<| \ \ / ∧ /\ >"
./ / ’ Χ_\ / / Χ \ >レ//
、 / / / \ ヽ/ /. \ ,.ィ ///__
.∧`゙'ー-< _ / /`゙'<x、 / ,.ィソツ ,. イ圭x、
∧ ヽ、 レ、ヾll{ `゙'' fォr; 、 | /_,...;;x≦`ト寸圭x、
‘, \ \ `寸x;,、_ >仕ォ≦圭圭;;; _ Z圭l―
/\ ト ヽ/`Z|;;;;;;;;;;;;;;;;;::| ;;;;; \  ̄`゙'<l
おう、また会ったな .//∧\ \(\. Z;;;;;;;;;;;;:::::| ,.- 、 \ | \
//i ∨\ \ ’/Y/ |;;:/ __);;,, \ / _
//l ∨ \ ヽ\ | |:::ヽ、_,.ィ'"´ ,.ィ ||l ̄
/ | ヽ. \ ヽl\ |:::::::、___,.... -='''"´ _ l!
/∧ \//> 、__/寸::;;: ̄ ̄ ̄ ∨ `゙ヽ、
. //∧ \/川 | / X ∧ ;;;;;;;;;;;;;;;::''" ∨ /
////∧∧ \|l/ ‘, ‘, ∨ /
\.///// ‘, / ト 、∧ l__/
\// ヽ、 / .| ∧ //
/ {" /| ∧;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;//
漢 鎮東将軍 曹嶷
- 715 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:58:30.29 ID:kT/GeQoz0
-
/ :. ィ.;:.:.:.:.:.:.:ヽ
イ:.:.:.:/-|/|∧:;、:.:.〈
リ:.:./ ● く!:,:.:..、
l:.:.l ●/:./ ̄
vヘ - ノ:./ 魔軍司令がアバンの使徒を名乗るとでも?
_,-+ 匸ヘ/V
,《 ヒ⌒j 》、
l::\ l /‖::l
|:::::::ト,Vイ:::::|
|:::::::l介l:::::::| 、||川ハ ’/ ./ .ト 、/ /// / ∨ \
l::::::|人|:::::::l \`゙'<ノlヽ ヽ / } \////| /\
/ \ | ヽ\ ’ / / Y |/ \
/`゙'<| \ \ / ∧ /\ >"
./ / ’ Χ_\ / / Χ \ >レ//
、 / / / \ ヽ/ /. \ ,.ィ ///__
.∧`゙'ー-< _ / /`゙'<x、 / ,.ィソツ ,. イ圭x、
∧ ヽ、 レ、ヾll{ `゙'' fォr; 、 | /_,...;;x≦`ト寸圭x、
‘, \ \ `寸x;,、_ >仕ォ≦圭圭;;; _ Z圭l―
/\ ト ヽ/`Z|;;;;;;;;;;;;;;;;;::| ;;;;; \  ̄`゙'<l
.//∧\ \(\. Z;;;;;;;;;;;;:::::| ,.- 、 \ | \
それ以上は何も言うな //i ∨\ \ ’/Y/ |;;:/ __);;,, \ / _
//l ∨ \ ヽ\ | |:::ヽ、_,.ィ'"´ ,.ィ ||l ̄
/ | ヽ. \ ヽl\ |:::::::、___,.... -='''"´ _ l!
/∧ \//> 、__/寸::;;: ̄ ̄ ̄ ∨ `゙ヽ、
. //∧ \/川 | / X ∧ ;;;;;;;;;;;;;;;::''" ∨ /
////∧∧ \|l/ ‘, ‘, ∨ /
\.///// ‘, / ト 、∧ l__/
\// ヽ、 / .| ∧ //
/ {" /| ∧;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;//
- 716 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 21:59:59.72 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年春 晋 冀州 厭次】
や心乂{ ハ: /「\: | . |_
や仏Y ,ィ゙: : f'V: : :ト..,,ノ:::::|
_,,...‐:::~~\_//|: : : V: : :/、;_:`' ミト 、 劉演!
,」:::::::::/ ̄/:ノ|: |t‐''゙: :,xく}\|``h、\ト
\::::; ’ /: ;イ:.人| x宍[\「 '芯ミ:.}: :i\[ノ .文鴦もそれ書きたい!!
V/ 〳/ i:.{: :汽代iノ 、乂ノ价N\}
/\〈-、|/ j: :、: 乂 ,.. ―- 、 ]/〵\_,..ァ゙: .難しい漢字書けないけど!!
/: : : : : \人_rf'「l (/V^′^フ 八 〵'゙: : :/: :
,: : : : : : :〳 /{ !||!ヘ >-―- く- 〵: :/: : : : :; , / / )i‐ 、{ /)
/: : : : : :_jニ{|j }|::::::::| |::| /∧.〵; : : : :. / r‐<iノ '⌒ヽ
./: : : /: : : :了', } ::::::::| |::|ノ_,ノ ╲.╲: : : : /  ̄ / ⌒ヽ
/ | .| ',
l .| .人 、\__}i
| | .|. ゝ ̄,ィュ.|
l | ィな⌒ .ソ.| |
| i ` } !
,| ∧ /〕/./
仕方ありませんね。 /| | ∧ _ .ク/
/ | .|、 ∨ / {//
では、私が代筆致しましょう . ./ | |. \_∨ | |
/ } | ─ 、.i |
. / i / / }从─- 、_, -─- 、
| / { / /| |ノ ./ /
| | | | ||/ .: | ト、 / /
ゝ.| | | | |:::/ 〉 ./〉、
晋 兗州刺史 劉演
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 兗州刺史・定襄侯の劉演
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 717 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:01:18.20 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年春 晋 平州 棘城】
/::::/イ}:/::::::::::::::::::::::::}:::::::`ト、
/:::::::{イ:/::::/::::/::::::::/|::: i::::|∧
|::::::::r y::::/芹云个:/ {::::}::::|:::∧
人:::::{ /:::/ じツ 乂云 ∨::∧:ト∧ 例の勧進文だけど、
{::::::::::::{:::::| "" じヘ:::://}::j } .鮮卑大単于ではなく、鮮卑大都督と書いておくわよ?
|::::::::::::|:::::ト、 ' ""厶イ´ /:′
/⌒\ヽ人:: | \`_ -<:::// .正式な文書だし、
/ ∨ミトト≧ヘ::::厶イ/ 朝廷公認の大単于の段疾陸眷と揉めたくないし
r 、 厂 ̄\ ∨ゝ∨≦{乂´
{こy ≧ミ \ }/∧_」 乂ト
∨_'_ }i ̄\ >─./::::}斗_个ト、 .j /i!ム' ==─━─ ーミヽヘ i ハ
ト、 ´ } / `ー─:::::::|< ≦三ミ . <.斗< . 斗== ─ ≠= . \ ルノ
|三彡〉 / }从/ {{⌒} ーヘ. ∨ . <二斗< . <: :: ::::i: :: :: ::::ヽ: :: :: :: ::` マニ> .
| }ト 厂トヘ } }i <._ __ .斗<7. ::: :::: :::::|\: :: :::: :: :: :: ::ヽ: :: :::V 二 > .
マ 二二二 7. ::::::/: :::: |_ _ X´: : i: ::: ::: :::i: :: ::::∨≧≠キ >
晋 渤海郡の人 封奕 ` マ二 l: :::::┼V:::::l ィ≦ミx i!: :: :: ::::l|: :: :: :V≧彡 '
 ̄|: :::::::irrk⌒ 匕ソ ノ i!: :: :: ::::リ: :: :: :〈\
|:i :: ::ハヒソ ""/ !: :: :: :::/:.::::i: :::iハ´
从: ::':::i""' リ: : _::_/: :: :ノル'::ノ
いいですよ。 人:.::人 r‐っ u /Y´r= ミく
{X::: :X⌒ヽ_.. /.:::| |: :: :: :::::〉
しかし、琅邪王を信じて良いものでしょうか? ム斗/ x─┐/.::: l| L.::__:__〈
/j从:::::i二 } i: :::::リ/´ ̄ ̄ `ヽ.
/// ∧::ヽ.ノ从:::::/ . :::: ::: ::: ::: :: ハ
_i// /i 〉::ノ 人/. ::: ::: :: ::: :: ::.〈/∧
慕容部 大人 慕容廆
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 鮮卑大都督の慕容廆。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 当時名乗っていた鮮卑大単于は自称であり、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 長安政権からは鎮軍将軍、昌黎・遼東二国公に任じられていた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 彼が鮮卑都督になったのは司馬炎時代の話であり、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 敢えて鮮卑大都督を名乗ったのは周囲へ配慮した上で見栄を張ったのか
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 718 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:02:53.82 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年春 晋 平州 襄平】
_,. -、、、,_
,.ィァ´ __j|i__ `ヽ、
/〃 ,ム;;;;;;;;;`! ゙'、
. ′ll _,ィrif''T'll:Tl:ーi、、 jl
| ル'i「::|l| |||::! !:;l|:i:`!j
j/::i::jレ'゙´`ヽ儿|_レ_j;i:::i:|
/:|:::i/  ̄` 、 ´ ゙T!′
i::::fミ! r====r .リ 東夷校尉の崔だ!
'、::゙ーヽ. 、 / /
ー-゙i 、 `¨´ / .河東裴氏がそうだったように、
rー'^く`'-、_` ̄´jフ⌒ヽ、 俺たち清河崔氏も各地にいるんだ!
/フ'T'ーrr‐一'`'ーrrー'T゙ヽ、
. // l| ト| ト| l`i::::l、 隴西の南陽王に仕えている奴もいるぞ!!
/:/ 、 l ! ト| ト| i l .ハ::::l
. /::/ l| ト| ト| |.l/ l::::l
/:::/ l| ,fハ ,fハ| ! l::::l
/=/-、,___| `゙'′ `゙^!i___l
. /=/こ'ー一| l |ニニlニ!
7'−、`,二| ____ qヘ-ァ'ー!ニニlニ!
{ / ーl`'ー--一'ヽ l j,´ ヾ ̄`|
─ヽ、 i ニ⊃ ( (_j }ー'゙r‐'゙_, j ノ─‐
`'ヽ、`ニ⊇ `ー ノ `~ヽ‐'" ̄
. ` ̄´ ̄ ̄´
晋 東夷校尉 崔
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .東夷校尉の崔。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 後漢の崔琰の曾孫に当たり、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 王浚によって東夷校尉・平州刺史として送り込まれた人物。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 崔悦と同じ清河崔氏
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 719 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:03:55.30 ID:kT/GeQoz0
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、 以上が主要な面々となる。
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 勧進文に名を連ねた人数を考えれば、
\ヽ、 _ , イ!::/ .今紹介した河北の有力者の配下の面々も名を記したと思われる。
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \ .それこそ石勒派の段末波ですら書いていた可能性がある
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
八_ノ. . . . . . 八::::ヽ^',::}
/. ./ ̄ ̄ノ:. :\:. :.:',::.
〉//)¨¨´:.}:. :\:. \:.',ノ
///.: ./⌒\\:. 、:.,\
乂__/.:// x==ミ}/:.:.\:.:l、:::::\
八込^ ノ.:.::|:. :.. :| \::::::\
.|:. :、::.、Vフ |.:.: /.:: .:: | \::::::
周囲がみんな書いているのに、私だけ書かないのもアレですし 八:. ::.≧=‐≦、/.: .: .:ノ \
\:. .: ノWノ.:.:.:.:/-ミ
l.:)/个、(.:: /
「__//::::/:::::|八\ l
// ⌒¨⌒゜ |/, \____〕
.八: : : 0: : : : :|//, ___|
段部 東部鮮卑の人 段末波
- 720 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:09:26.84 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年春 代 首都 盛楽】
|() , . -―゚―゚―- . 、 ().|
|/ : : : : : : : : : : : : : \|
/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : '、
/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : '、
l: / : /: : : l: : : : : : : : : : : :∧: : l
|: |: | |: : / W : : : : W :| : |: : l
Y||: : |_:l_',: 鬱 |: |__l_Y: :| : ',
':W ∨:W__\: :W Wl|: :/| :',
/: :|\W^冖^ ∨ ^冖^ |/: : |: |: i,- '^ ^'、 天は主のいない中原を我に助けろと言うのでしょうか?
|: : |: : : :l、 i /: : : |: l:{ , --、 ',
W:∨: ∧\ _ , /' : : Y |:', / /¨',∨
Y∨: ∧{ ≧_ _≦ |': //l/l//〈 ヽ_/ i
∠::_:::\Y__ o.().o__ Y´:::::/:::\l |
/―-:、`:ー―/∨:ー―:::::´::::::::::::::'| |
/::::::::::::::::::: ̄ ̄/::∧::\::::::::::::::::::::::::| |
, -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
代 代王 拓跋鬱律 r===========r‐、: : \
|.―‐――‐―h‐l┤、 :ヽ
L二二二二二」.ニ|‐{ミi : : |
{/ /ゝ、ノイ ノl/ ― トl!: : :|
|l:/|/● ● ト、: :|
|/!:ll⊃ 、_,、_, ⊂⊃ノ: : |
/⌒ヽ__|ヘ ..イ:i : :/⌒i
. \ /:ノ从ヽ,、 __, イト:}ノ/ /
/ //ヾゝ八__/:.:.//ヘ、__∧
ヽ、.{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ;_、_ ,'
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー ただ、ここには劉琨と関係を持っていた拓跋部の名が出てこない。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 中原の情勢とは縁遠い慕容部ですらいるのに、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 対漢軍の尖兵と化した拓跋部の名前がないのは違和感がある。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 「代王」拓跋鬱律の爵位は段部の郡公よりも格上なのだから
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 721 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:10:37.81 ID:kT/GeQoz0
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 何故なのか?
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
_/,'  ̄  ̄ 9{_
{゚>‐一 ¬ ̄ ̄`ヽ、 j. \
/ / { \ { ヽ
/ ヽ { ヽ、 \ l ヽ〉. i
/ ∧ l__\ 代ー 、ヽ | |
{ { X´l ヽ\} \_ヽ | l
後世の我々からすると、 .ヽ \∨ ヽ __ | !
「代王」が晋の中興に協力したなんて史書に書けませんからね。 .\小. ィ= ´ ̄ ` l ,′
.l } ' ,' /
記録によると拓跋鬱律は、 |:八 ヽ _フ / /
「天は主のいない中原を我に助けろと言うのか」と言ったとか。 .l 个 、 ィ/ /
l / _>r 'チー/ / _
「僭晋」司馬睿の使者が来たという記録はあるので、 .! !/ } │ / , <_ _, イ´/ ヽ
当時の時点では勧進文に名を連ねていたかもしれません /\/ヽ { __ノ/⌒ヽ./ / /7'´ / l
/ \ハl ∧_ノ X /{ ヽヽ __j
ヽ _// / / / l / ノ / ∨〃
r'  ̄// / { ,/ │ / { /ヽノ ∨
ヽ /// V | / } ヽ l
北魏 司徒 崔浩
- 722 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:13:08.87 ID:kT/GeQoz0
- 【記録を鵜呑みにすると、東晋とも漢・前趙・後趙とも対立する件】
| ,. - '゛ ̄ ̄ ゛ 'ヽ |
レ \. ト、
/ / ! ! ヽ | ハ
/ .:! | ./: ハ ! ! ! レ |
〈 :.::|斗ヤT ト、 | 'T广 ト、| |
∨ :.:|V,斗=ミ ! ヽ:| r=rミ :!:| ! .:|
\| :.|イ ト、:::| ! ト、::i} >| :! :.::| これらの記録が残っている『魏書』は北朝系の史書、
|\|ヘ弋_,リ 弋_ソ / :! :.:.| 現存する『晋書』は唐の太宗の時代の編纂、これも北朝系。
| :ハ. ' / .:.!:.:.:.|
ヽ :.人 Y フ ,ィ .:..!:.:/| 地に確たる歴史なし、というものです
_ _ヽ:.:.|:.> 、 ` , ィヽ:/:.:./.:/_リ
/ ` ヾ.:ト、_|`ー ニ- 'ト、/ ::./ >^ヽ
/ メ! \,.⊥、// ./-、/ \
 ̄)ヽ、 / ヽ /|じ}| /'´ | _ -‐‐/
.r-く \ / /:..:.ー':V ! / | ,..::::´:::::::::::::: :`:ヽ、
,r´:::::::::::::::::::::::::: : : : :.
/::::::::::::::::::::::::::::::: : : : : :',
了::::::::::::::::::::::::::: : : : : : : : l
|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
lィ::::lヘ:へ::|::::::::::::::::::::::::::::::「
\ト、(ヽ::::|:::::::::::::::::::::::::::rノ
ヽ´::::|::::::::::::::::_;、::ル′
` ‐lイ::::::::::ヽ
当時の勧進文と記録から、 /⌒ヽ、::::ヽ
どこかで拓跋鬱律の名が削除された可能性があるかもしれない |::::::::::::::`¨´!
|::::::::::::::::::::::|
|::::::::::::::::::::::|
ヽ__;:---─ヘ
ヽ::::::::;、::::l´
|:::::| |::::|
|:::::| |::::|
` ´ ` ´
- 723 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:13:38.63 ID:kT/GeQoz0
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| 『晋書』『元帝紀』に曰く .|:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ// 続いて勧進文の内容を
| | >:´|、 - ,|`:< .一部ではあるが紹介したい。
| | |::::::::| > イ |::::::::|
| | >-、\! !/::,-< これを書いた劉琨が
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、 当時の状況をどう捉えていたかが見えてくる
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 724 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:15:31.44 ID:kT/GeQoz0
- 【劉琨さんの勧進文@『晋書』『元帝紀』(一部抜粋)】
┏──────────────────────────────────────┓
伏して思いますに、
高祖宣皇帝が大命の基礎を始められ、
世祖武皇帝が遂に中華を創造され、三代に渡って重く光り輝き、四聖が轍の跡に続きました。
恵沢は虞舜に等しく、代数を占えば周朝を超えました。
┗──────────────────────────────────────┛
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、 .西晋に仕えていた人々にとって、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 司馬炎の治世は善政判定されていたらしい。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ .西晋に仕えた経験のない干宝などとはここが異なる。
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \ 後世の我々は、
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____ .司馬懿〜司馬昭を持ち上げて司馬炎をけなすがそうではないのだ
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
_,/ ̄ ̄` ̄\
/ /二◎二ヽ ヽ\
/ ルノハヽゝ,ハi 〉 .i
iv、!● ● i i' 〈
昔は良かった .lリ〈 ワ i i' リ
_iハ`ーゥ t-ノ i 〈
ヒ/」」」.l/リl ly ,ィリヽ、 ヾ
| l | / `.lシl==j \ 〉
| l ,/ー、{::::::::::/ー、! \
- 725 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:18:05.95 ID:kT/GeQoz0
- ┏───────────────────────────┓
元康以来、艱難は頻繁に興り、
永嘉の際には災禍はいよいよ昏迷となり、
天子が制御を失なって醜裔に死に追い込まれたのは、
国家の危機にあって、君主が配下に自由に動かされたためです。
┗───────────────────────────┛
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ このあたりは劉琨から見た八王の乱と永嘉の乱への感想だろう。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ 醜裔とは、外夷すなわち胡人の事
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
_,/ ̄ ̄` ̄\
/ /二◎二ヽ ヽ\
/ ルノハヽゝ,ハi 〉 .i
iv、!● ● i i' 〈
.lリ〈 ワ i i' リ
簡潔にまとめてみたわ _iハ`ーゥ t-ノ i 〈
ヒ/」」」.l/リl ly ,ィリヽ、 ヾ
| l | / `.lシl==j \ 〉
| l ,/ー、{::::::::::/ー、! \
- 726 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:19:23.74 ID:kT/GeQoz0
- ┏─────────────────────────────────────────┓
先代の徳と宗廟の霊に頼り、後嗣の皇帝を建て、旧態を克服する事を明らかにするべきでしょう。
生まれながらにして慎み深く、
賢明さと道理を心に忘れず、玉のような資質は幼少の頃より明らかで、鐘の音のように響きました。
冢宰が法を統べ、百官が政を補佐しており、
四海は中興の美を想い、群衆は蘇る時が来ると望みを懐いています。
┗─────────────────────────────────────────┛
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ そして、司馬睿への皇帝即位の要請
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ / .. -‐…=- ..._
/  ̄ Z._厂 ̄ミx、
/ iヽ
/ 〃 ̄ ) ( ⌒ヽ、 |.ハ
. li |-+‐( )ー- l | l
. | | トハ!夊_メ,ハ/メ人..丿 |
. 人_人 |=== ∨ === i{ニ} .|
. ){ニ} 从 l!"" |
さすが劉琨殿はよく分かっていらっしゃる |"" l人 丶 ' _.ノjノ\ノソ
. ノ⌒)ノ,;ニ三二二三ニミxソ丿
,二三⊂ニ⊃三三ニミ、_
ィニ三三|::I::|三三ニィ=Z
〈 〈三二|∬|ニニニ/ /、ム
ゝ 二二う旦こ二二 ノ 7 ム
- 727 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:19:59.46 ID:kT/GeQoz0
- ┏─────────────────────────────────────┓
図らずも天は災禍を悔いる事なく大災をしきりに至らせ、
国家は未だ難を忘れられずにおり、寇害は常に興っています。
逆胡の劉曜は西都を縦横し、犬羊を並べて天邑を凌虐しました。
臣の上奏文を奉った使者が帰還し、
西朝は去年の十一月に守り切れず、
主上は奪われて幽閉されて再び虜庭に沈み、神器は流離する辱めを受けたと聞きました。
┗─────────────────────────────────────┛
{ 〈〉_丿 :|::./: :. /: :. }i: :. | :'_ 乂ノ、___}
乂_ノ |: . |/: :. /: :. ハ: . }: | .::|: . | i
|: . |: . |: :. /}: :. / |: . }i }i ト、 .::|: . | |
|: . |: . |: . / }: / ,, |::. iii }i__ | \ .::|: . | |
|: . |: . | |_,,. 厶斗 /"´ |: }i iii /``〜、、|: . | |
|: . |: . | |:. / _j/_‐- 、 | /;′ 从- _,,_ VI`:. | |
|: . |: . | |:/,ィ灯⌒メ j/ム=‐'''^´ィ灯⌒メ .|: :. | |
|: . |: . | |i { }:::じ):つ }:::じ):つ }|: | |
|: . |: : . | |i 乂⌒ツ 乂⌒ツ |: :. !|i もう私はいらない子?
|: . |: : : . | |i |: : . |:|
|: :. |: : : . | |i ::い:i::い:i:: ′ ::い:i::い:i:: }|: : . | |
|: : . |: : : . | |i ∧: ::. ||
. |: : :|: : : . | |i、 ハ|: : . |: |
|: |: : : . | 込、 , -- 、 ..イ⌒|: : . l |
,: : : ;|: : : . | | ̄ ~"''〜、、 ,ィi〔 ./|: : . | : |
. / /::|: : : . | | ``〜、、__,,.、丶´  ̄`~゙"''' |: : . | : :|
.. / 乂_ :|: : : . | | \ |: : . |: : :|
晋 皇帝 司馬鄴
- 728 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:21:33.07 ID:kT/GeQoz0
- ┏────────────────────────────────────────┓
臣は常に史籍を見ていますが、
前載を観るに、このような厄運の極まりぶりは古今にありませんでした。
(中略)
京畿が死して九服は崩れて離れ、天下は騒然としたままであり、
夏が夷羿に遭い、姫氏の宗族が犬戎によって離散した事も、これに過ぎるものではありません。
┗────────────────────────────────────────┛
,. :-:.' ー ' ¨ :.ゝ.、
,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ、
,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`、`ゝ
,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ハ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
/イハ:!:.:.:l:/ i/ ノノ ノリリハリ:!:i:.:.!:.l
i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ハ!
∨|:.:.! ノ/i/ノ
ヘ!:| ノ!/′ 劉琨を突き動かしていたのは、一つの危機感である
ヾ!>ー- ´`-- <イリ
(;;;;;ソ⌒) ̄`´ ̄(⌒ヽ
ヽ;;=;;/__,,、_/;;`ソ
〉;;;;;;;;ソ:/A.i:l;;;;;;!′
く;;;;;;;;;;;;i;!;;;;;;;;i;!;;;;;ゝ
i、__,,/ !、__,,!
`ー'′ `ー'′
- 729 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:22:49.36 ID:kT/GeQoz0
- ┏─────────────────────────────────────────┓
臣が聞きますに尊位は久しく空席にするべきではなく、万機を久しく放置しておくべきではありません。
空席の一日で尊位は危うくなり、十二日で政の規則を巡って乱が起こります。
今は百代の後の災厄の時に当たり、
狡猾な賊が国家の隙を狙い、人民は揺れ動いて心を繋げる存在がありません。
見捨てて憐れまないわけには参りません。
┗─────────────────────────────────────────┛
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 皇帝不在の状態が世の混乱を助長するという懸念。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: このような惨状でこそ皇帝という象徴が必要だと劉琨は考えていた
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ / /__/ -―- ``丶、
'/ /::/  ̄ ̄ ̄ \ \
/ ∨ \ \ \
i | |ヽ \ \
i | | | | ト ⌒ヽ
| | | / /'| {xミ |
| :八 / / | 佗 Y 八
/ _ ∨! , \ x=ミ |/ , "|' ヽ
先帝の子孫である琅邪王殿下こそ、それに相応しい ./ /⌒ヽ }/ / _∧ /vツ ' | i
- / ⌒ --=彡' / ( 、 、 " , / | |
/ / { / / } / ト ∧ ト ___ /! ; ,
// , 八__/ /⌒'/ / ヽ∧ ∨:./: : :.:| | /
. / i 、 { /____./ __ \、 ∨八从| |:/
l / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/  ̄ ̄ \ \ | /
/::  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄::/=x==ミr―、 \ \ | ,
/:::/ ̄/:::::::::::: / } / へ 7}八ヽ八{
- 730 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:24:11.30 ID:kT/GeQoz0
- ┏────────────────────────────────────────┓
臣らは忝くも地方を任され、久しく外に在りますが、
宮殿に陪列できずとも、共に盛んな儀礼を見て勇躍したい思いは、南を望んで極みがありません。
┗────────────────────────────────────────┛
/>‐ < } [ ', \ 〕iト
/ く〈(__)〉i:', } [ [ ヽ `、 \
.: \i:i:i:i:i‘, } [ 〔 [ ', `、 _ _ ‐‐−==− __
−−ニ / ′ . / . `、i:i:i:i:', { 〔 〔 [ .[ ∨__ __ −−  ̄Ξニ‐ ‐ ‐
/ ,′ /{ .`、i:i:i} } :[ . [ 〔 〔 Y! __二− ̄
. / ′ . / :{ }‘,i:i:} ,′[ 〔 〔 [ }__
′ {  ̄ ̄~゚^''' ,′∨: [ 〔 ‘, . [ }廴 _」L廊」_ −−ニ
. { } / } ′ . / : ‘, ゚。 [ }⌒``冖冖Z彡'⌒´"''〜、、
. /{ / うぅx、', / / / {:‘, . ゚。 .〔 ′ _、‐^⌒ ____
. // 彡' り )〉V . / / 八 ‘, ゚。 -_ :{ .`''く⌒ _、‐''"~ ´"''〜、、
. //: ハ / / / /⌒',`、 . `、 -_ { ≧=- - =≦⌒`~"''〜 ,,
.: , ゙ / } " " / / / / ツ}/ `、 . \ -_ ', 乂_ _、 -‐¬¬‐- .,,_
. //{ 八 、 _彡' . / ./ / /__、イ \ \ -_ )>。.⌒'' ー ''´ _、‐''"~⌒ ̄ ``ヽ
{.′', / }V _/:/ } ./ / /{ :八\ 、 ``〜、、 ≧=- - =≦ __
{i 乂. / { ⌒¨´ // . /: , ゙ ‘, {\ 、、 ``〜、、 ~"''〜=ニ二 _、‐''"~⌒ ̄ ``ヽ
{i ≧=- ‐┬// // .‘, `、_)>。.``〜、、 ``〜、、__,,.、vヽ` \
. 乂_ i|:{/ /、 ./ `、 `、 :})>。. ``〜、、  ̄ ̄~゚^二ニ=-‐…‐-ミ
`¨⌒. i|/ / 沁,:/ . . . . \ \{廴 〕Iッ。.,,_ ´^''冖¬…¬冖'''^ __ )
/ /{ / . . . . . . . 〕Iッ。.,~''< `^'' ー _、‐''~ _、‐''"~⌒ ̄ ``ヽ
{′ .: / /( . . . . . ⌒)>。. `^'' ー ― ''^´ _ -=ニ⌒ }i
/∧' , //ア゚ } . . _、‐''^~ ̄ ̄\´^''冖¬…¬冖''^ リ
\  ̄ イ/廴___/ _ -=ニ . . 、 \ __ −−  ̄Ξニ‐ ‐ ‐ _彡'
.  ̄_)/ _ -=ニ . . _,.、、 ----->。. ニ- __ ニ‐ ‐ ‐
_)ア゚ _ -=ニ . . . : }Y', __⌒ニ=--- __ - = ニ
)ア゚ / . . . / / Y', =- ^''冖¬…¬  ̄``ヽ
「 ', / . . . / / } ニ‐ )}
- 731 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:25:46.72 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年6月 晋 揚州 建康】
⌒> , ´ /「ノ=- \_∧
___/ / , / 〈ーノ , -- 、 {r、 r、ハ
> _/ / |__/|/ / |\ l|| ∧
⌒>⌒/ / ∧ __>ィ -、|/ |〈 〉「Yハ
/ /イ/イ / / \/,ィ斧ミ、`V{し ハ |《」
/⌒- く / j/|/| /|/| / vツ ハ ー' 〈/ | 劉琨殿や鮮卑段部が
/ /イ /|/ <\/| ' }∧ /,|∧ 私を支持してくれるのは大きいですね。
/ /イ , ---、 /,ー'从 〉'/イ/
{ / /:::::::::::::`ヽ|/\\ ` _ 人∧{ .でも、まだ早いのでしょう?
人/::::::::::::::::::::::::::V::::::\ 、 イ /-|\
----<:::::/|:::::::::::::::::::::}::、::::::::〉' T ∧ |iii「
∧:::::::::::> ´ |:::::::::::::::::::/イ>---=く} イ }/
/⌒\/ |:::::::::::::::V:::::::::::::://`ヽ〈_
|/|  ̄7T /:::::::::::::::::|::::::::::::/::/:::::\ V-、
{::::.\::::::::::_;. -‐' / -‐:::::::: ∧::::/ ∧::.\::::::ハ
\:::::::ヽ::::ア //.:::: ‐-ミ V jう トミ:::Y:::::{/
}::::::::∨ -‐ ¬く::::::イ ==rく ア }::::::.`ヽ:/.:.:.:
人:::::::/ _ ,......::::く` ゙Y人〃 ノ レ /::::\::::/.:.:.:.:
お察しの通りです。 (:::::::ミ=\ ,ィ __ヽ ∨ ト-‐ } r《∧::} ∨.:.:.:.:.:
.ー-ミ三iヽ 〃⌒}∧ ∨ ヽ. / | ヽ}/∨.:.:.:.:.:.:
ここはひとまず丁重にお断わりする所。 ∧ ゙ト-‐ヘ:::::.、>‐-》 | ノ ,′.:.:.:.:.:
./.:.:.\、 V , _ア _, ,′ '.:.:.:.:.:.:.:.:
劉琨殿へ返書を送りましょう /.:.:.:.:.:.:.`丶、 ` _ -‐  ̄ / |:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / ,......::::7 / .|:.:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |_ -‐…
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |:::::::::::::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『劉琨伝』に
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 劉琨の勧進文に対する司馬睿の返書が残っている。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 目標はあくまで皇帝の奪還であるとした上で、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .劉琨の代々に渡る忠勤を称賛し、河北の情勢の報告を求める内容だ。
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 文の内容を見る限り、ある意味で筋書き通りなのだろう
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 732 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:26:36.40 ID:kT/GeQoz0
-
>:::::::::::::::‐- .
─‐… ∠ニ==-::::\::::::::::vヘ
_ /::::::-=ニ>⌒丶\:::::}::::::\
∠/:::::::::::::{ _ノ `\ノヘ::::/
/:::/:::::::::::ノ 〔,. -‐ 、 ∨ / }/
─⌒}/::::{⌒}′ 八 (;;) }廴{_人__〕
∨:::::V ', ー / | {(;;} それにしても、
∨:::ノ| } { 」__」 「 温嶠殿のような優秀な方と仕事ができるとは。
/⌒ ∨八 fニ=== 、 ′
/ ', \ \⌒ヽ/∧ 今後ともよろしくお願い致しますよ
'. \  ̄ / '.
\ / 丶 __/ :}\
/⌒ \:{ / :}\\
/ ∨ ̄ ̄ ̄`ヽ / ̄ \
/ | ∧ \ /: :/: : : : : : : : : : : : : ,ハハ: :、: : ∨: :、:`ヽ}
/: :/ : : /: : :/: :/: : : ::.:| マ: {/ハ: : |: : :',
;: :/__/: : :/: : |: : : : i: | |: :∨ニ:!: :|:',: ',
i: :'-≠j!_: :/---!、: : :/: | ⌒ |: : |:{:.:.|マ:!: !ヽ:|
{/:|: : : |:{: /:|:/:|_|: : :/: /} __|: /: |: :|_}:|: | |
,ィ : |: : :.j!:/zィテ斥{: /{:// イィハ }/: : |: :|: \_,
こちらこそ。 /:/:./|: : /|圦 ら::刈 / ' ら刈'}:.イ|: :|ミ- ´
 ̄{:イ/}:.:/: |: ト弋こソ ヒzソ /:ィ/|:./
江東には管仲がいたんですね。 / //:./{: :|:乂 _` 八i |/
/:イ Y:}:/:込、 「 ∨ イ:イ//
私なんかが心配する必要はなかったようで /'{://Y> ` ´ <:.:.|/
ィ:.\二ミヽ、 ̄{/!:.:.:.:.|
/-- 、:.:.:.:.:.\/\|iノ:.:.:.:.{
/ //∧//ヽ:,:.:.:.:` ̄ヽ:.:.:.:.:.ヽ
/ /< >{ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.マ}:.:.:.::::i
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『温嶠伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 当時の江左は草創の時期であり、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 温嶠は国家の法が定まっていないのを憂慮していた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ ところが王導と談論するに及び、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 彼を江左に管仲がいたと高く評価した
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 733 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:28:42.07 ID:kT/GeQoz0
-
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
. | `-=ニ=- ' .:::::::| 申し上げます
\ `ニニ´ .:::::/
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
/ ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:、: :\:、
/: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ハハ: \: :ヽヽ
': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|`´ ヽ: :三_〉:_ヽ、_
/: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :| |: :|: : :|:!: : ̄彡´
|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :| }: :|: : :.:|:.|:<
{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.リ、/_/ j从: : :}:|:.|、:_:_≧
\}: : ∨: :|: |≧-_、: : / ィ≦⌒ヽイ: :/: !:.!: /
イY:.:{: : Y ハ斥 ∨ ら:刈 |:/:{:.:|:.|/
(これ、別に私いらなかったんじゃ?) -イ: :ト、: 圦 ら::ム マしソ }: :.|: |:.|
Y、:\:」 マし' , ¨´ /: /: :{リヽ
\: ハ _ __ ι ィ: /r≦―-、
\:> _ ...イ: :// ̄ ̄ヽ:.i
/\〉:.:./三ヽ j: // // ///Y
/{:.:.:.:.:.:.:\三、/W //}:.∨ }|
{ \:.:.:.:.:.:.:.:}☆:.:.:| /<  ̄7!/:.|
|`ヽ }:.:.:.:.:.:.:.:||:.:/{/ィ、 {´ {:. |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ なお、同じ『温嶠伝』によると、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 温嶠は何度か劉琨に復命したいと願ったが、結局許可されなかった。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .『晋書』『劉琨伝』では綺麗に別れたが、北への未練があったのだろうか?
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 734 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:30:24.93 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年6月 晋 豫州 許昌】
/::::::::/:::::::::::!:::::::::::ヽ:::::::::::ヽ:::ヽヽ丶::::::::::::::::::l:::::::::`:.
/::::::::/:::::::':::::!:::::::ヽ::::ヘ:::::::::::::::::::::、:::、ヽ:::::::::::::::l::::::trュ::ヽ
..::::::::;:::!:::::::l::::::!::::::::::ヘ:::::ヘ:::::::::-:―:!:、!::::!:::::::::::::::l/フヽ》ソ::ハ
':;::::::i:::l:::::::::l:::::ヘ::::::::::::、マ::´__:ハ:::_l::::l:::::l:::::::::::::::lァミマ)):::::,
{:l::::::l::::',::::::::!-‐+ゞ;::::-‐`´ .笊テ=ミx、;::::::::::l::::lヘミ彡':::::: !
マ:::::ム:::ヘ:´::ヾ- ' ' r'ti:ゝ, }}l:::::::::l::::l乂ソ::::::::::: l
从;::::ヾ;::ヽ x テ示、 乂_zシ l: ::::::l:::f ヽ:::::::::::::::l
ヾ`ヽ::lハ:{{ r'ti、 l:::::::::l:::!l .j::::::i:::::::::l
l::::._;ヽ ゞ ' 、 i:::::::: l::lノ/:::::::l:::::::::l 私、太尉荀組及び司隷・豫州の諸官は、
l:::ハ l::::::::::!:!'ヽ、/l:::::::::l .琅邪王殿下を皇帝に推戴したく思います。
l:::::ヘ l:::::::: l:l::l > x<l:::::::::l
l:::::::::、 、 ァ .!:::::::::l:!::l./:ヽl:::::::::! 元々亡きお兄様もそのつもりだったようですし
l:::::::::::ゝ ` .イ::::::::::!!:::lヽ::/l:::::::::::,
l::::::::::::l:::> < l:::::::::lj::: l//:!:::::::::::,
l:::::::::::j:::::::::::::::> イ -‐ ´!::::::::ll::_::!/ヽ`l:::::::::::ヘ
l:::::::::::!::::::::::::::::::::::r‐j '´ .γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
l::::::::::l、::::::::::::/ヽニミ、 | 許昌におられる荀組様から勧進文が届きました |
l::::::::::! ヾ/ >、 ヽ Y、 ヽ______________________乂
l:::::::::j /r-、 ゝ,.ヽ、彡'´ イl::::::j:j /ニ二二二> ´ >、
,.=-l:::::::::jl´ ̄`>ニ、´ Y、ゝ'´ /l::::::!:! ./ニ/ / x===、 ハ
//>'.!:::::::j.j__,, = 、-' i }. ' .l ::: j:!/ニ/ / /ニrー-=、ニニx.,
/ ハ l:::::::ハ __ ノ .Y / l:::::::':!.ニ/ ./ /ニ/ .| Y ヘ ヾム
晋 太尉 荀組
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『荀勗伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 西都が守り切れなくなると、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 荀組は使者を派遣して天下に檄文を発し、共に司馬睿の勧進を行った。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 劉琨が河北で行った事を
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 荀組は中原で行ったというわけだ
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 735 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:32:01.37 ID:kT/GeQoz0
-
--- ‐‐ ─ヘ、‐‐┐
/::::::::::::::::::::::::::::::∠⌒i::::|
//::::::::::::::::::::::::::::::/ ̄`¨「:::|
::::::::::::/::::::::___/ |::::|
| |::::::/:::::::::::‐┐` ,、___|::::|
U |:::┌‐=牝從汢 ,____ |::::| 宜陽から来てもらったのは他でもない。
U |:::| |:::::| ""` ,紘れ小::|
U |:::人_|:::::| ′""7:::八 琅邪王の皇帝即位を支持するかどうかだ
:::::::::::|:::::| / ̄) 厶イ
(\__ /::::::::::::|:::::ト、 /|:::::|
\__ ` 、 /::::::::::::八 个ヶ┐ ┬=く:::::|:::::|
┌v=‐…‐┘ V:::::-=イ :::::: |_,Λ| ↓∨|::::|\\____ /´ ̄:\
¬弌ニニニ ___ ∨\__彡'^\:\|┬v ‐┤::| ` ::::::: \ __《ハ}ノ)): : : : : :\
..└‐‐‐━ __ ├ ┐‘,___/`:::|| |::人__  ̄\:: /`:<: : :/`:<\`:.、ヘ: : :. :.
/|` | | ‘ |::| Ю Ю ` 、 `: /: : : : /: : /:.ハ: : :.∧:.∧「 ̄|: :.
/: : : : : :/∧: :/: :∧: : :∧: ∧ ̄|\:.
. /:/: : : : /⌒ヽ '´ ̄ V: : ∧:.:.i: : :\|::.
/:/: : : : /(::. .:´:ノ∨: : i∨!: : : :/\
. /:/: : : |: :i r=ミ r===ァ:i:.:.|)i:八: : :\/:.
琅邪王を支持する事で、あちらから援助をもらいたいのう。 {/i: : : :i|: :圦ヒソ ヒソノ: |:.:.|∧ノ: : : :/\
\从|:込、 ′ |:.:|:.:.| V : : : \/:.
劉曜はじきに攻めてくるじゃろうし、 从|i > .^ ィノ:イ/ ∨: : : : : : :.
今年も不作であれば、いよいよ兵糧をまかなえなくなる .ィ:´:::ノ<>'//7 /><ニ\ V: : : i : : i
/::::-<>ィ〈>'/《/<=> ´ ハ V: : | : : |
. /::::::::::ニノ:::リ イノ= x== 、 ./ニi :. :.:| : : |
八::::::::\:::::::\〈/ /、 <ニ〉 /\/ : : | : : |
晋 冠軍将軍 魏該
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 司隷で踏み止まっていた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 滎陽郡太守の李矩と冠軍将軍の魏該
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 736 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:32:35.83 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年夏 晋 豫州 潁川郡】
> '"~  ̄ ~"' <
,. ´ ` .,
/ 、 \
/ \ 丶
, / | \ \ ∨
/ / / | ヽ 、 ∨
. / ' / / | ∨ 寸 ',
/ / ' / , // ノ { | ∨ 寸,
, / ! l ' ' //} ' | {V |、\ , 寸
/´ ! l | \ // / ',{ V | ヽ ヽ jI斗 , ヘ 寸
| ァ''| /|`7ー┼‐‐’{ V ^十七^\ ', } ' }ヽ寸 長安救援のために兵を集めたけど間に合わず。
| /{f'| / zzzzzzzz { ヽ {zzzzzzzX , ' ハ , ⌒
|,'八:| ∧j{` Vhリ \ Vhリ ’\// }/ 相変わらず四方八方賊だらけ。
∧ {小 ∧,.ィ’ /
ヽi小 l U ∧ }/ この機会に江東へ移っちゃう?
}人 /、{
,.斗}> ., ー - ,. <'≧s。,
jI斗r≦斗r{ | ( ≧=-=≦ ^{ } } }- ≧s。.,
. / {'^~ .{ | ', ', | ノ ,' , `~^' ー`ヽ
, j斗r七'^~∧ | } { 七´ { { {⌒ ー--ミト、j}
晋 潁川郡太守 華恒
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 潁川郡太守の華恒
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 737 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:34:38.23 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年夏 晋 荊州 宛】
,:i:i:i:i:i:i:i:/ /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ヽ
/:i:i:i:i:i:i:/rク /:i:i:i:i,':i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:,
i:i:i:i:i:i:i:〈 r⌒i:i:i:i:i:i:i,:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/:i:i:i:i:i:i|:i:i:i
,:i:i:i:i:i:i:i´ ^i|:i:i:i:i:i:i!:i:i:i:i//:i:/:i:/:i:i:i:i从:i|
,:i:i:i:i:i:, |!:i:i:i:i:i:|´ r示ミx´ ':i:i:i:/レ:i:i:, お父様。
ヽ:i:i:i:iヽti:i:i:i:i:i:i:! ` 乂ソ -/炒´/
ヽ:i:i:/ニ!:i:i:i:i:i:i| i /:i:i! 許昌の太尉から使いが来て、
r斗V|:i:i:i:i:i:i:! /,:':i:i:i:! 琅邪王殿下を皇帝に推戴する勧進文に署名するようにと
| \':i:i:i:i:i:i:i ー ./:i:i:i:i:i
ノ |:i:i:i:i:i:i:|> /|:i:i:i:i:i:i:i
/ ̄ ̄ ̄ ̄∨ |:i:i:i:i:i:i:|=//´. |:i:i:i:i:i:i:i
/ ̄ ̄\ \ :i:i:i:i:i:i:i:! 〃 ̄ ̄ |:i:i:i:i:i:i:i 斗≦才ニ=ー-- _
\ |:i:i:i:i:i:i:! 〈〉 |:i:i:i:i:i:i:i /イ ̄  ̄\ \厶
//イ寸}}}寸 寸\ \\ミ辷_
晋 荀崧の娘 荀灌 艾ミ寸/厶\ ̄\. } \_寸 寸´
`才 .ア ) 乂\_\ ハ
./// 斗≦` 寸: : :./Vハ 个'
厶从{ァ==、 / 斗ォァ V// ム: }V乂{
八{:斗ォァ}  ̄ }:/ (ノ∧V
.{: ̄ ノ |__/VV
∨ \ 八 マ
太尉がそう言うのなら、我々にどうこう言える事ではないな ∨ , -─ ..::: V
' -‐ /:/ ∨
.' /:::/ _V
\::....<::::::::/ 斗≦斗≦∨
.∨≦ /ニ二ニ=-‐∨__
/ /ニニ/ニニニニニ,
晋 平南将軍 荀崧
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 宛に駐屯していた平南将軍荀崧。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 彼らは荀藩と荀組の行台の影響下にあり、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .共に司馬睿の皇帝即位を支持したと思われる
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 738 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:36:13.66 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年6月 晋 揚州 建康】
/: :/: : : : : : : : : : : : : ,ハハ: :、: : ∨: :、:`ヽ}
/: :/ : : /: : :/: :/: : : ::.:| マ: {/ハ: : |: : :',
;: :/__/: : :/: : |: : : : i: | |: :∨ニ:!: :|:',: ',
i: :'-≠j!_: :/---!、: : :/: | ⌒ |: : |:{:.:.|マ:!: !ヽ:|
{/:|: : : |:{: /:|:/:|_|: : :/: /} __|: /: |: :|_}:|: | |
,ィ : |: : :.j!:/zィテ斥{: /{:// イィハ }/: : |: :|: \_, 河北ばかりか中原の文武諸官も殿下を推戴すると。
/:/:./|: : /|圦 ら::刈 / ' ら刈'}:.イ|: :|ミ- ´
 ̄{:イ/}:.:/: |: ト弋こソ ヒzソ /:ィ/|:./ 天下の心が一つになりつつありますね
/ //:./{: :|:乂 _` 八i |/
/:イ Y:}:/:込、 「 ∨ イ:イ//
/'{://Y> ` ´ <:.:.|/
ィ:.\二ミヽ、 ̄{/!:.:.:.:.|
/-- 、:.:.:.:.:.\/\|iノ:.:.:.:.{
/ //∧//ヽ:,:.:.:.:` ̄ヽ:.:.:.:.:.ヽ _,、、、、、、、斗==ミs。,,,,_
/ /< >{ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.マ}:.:.:.::::i /:::::::::::::::::-===ミ:::::::::::::}
}(___ノ:::::::::::::::::::::::::::::≫'’ ̄``リ
 ̄ア:::::::::::::::::::::::::::/ ヽ
/::::::::::::::::::::::::::::::{ _,、 __,,,、}
{:::::::::::::::::::::::::::::::::}. {__,ィぅ }"\
そうですね。 { }:::::::::::::::::::::::rミ:::| `ー く. ヽ
.≧=:::::::::::::::::::::::::{ 、,` 、_ -ィ′
交州や寧州にもこの話を打診してみましょう。 。s≦ ̄ ̄ ̄ ≧s。_:ヽ__ ``、 _..._ノ
j{ニニニニ=- _  ̄}
意見が出揃うまで、しばらく時間を要するでしょうが j{ニニニニニニニ=- _ ヽ
j{ニニニニニニニニニ=- _r―-イ
. . . . . . . . . .j{ニニニニニニニニニニ=- \
: : : : : : : : : :}「ニニニニニニニニニニ=- `、
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 当時、すでに交州・広州は司馬睿の勢力下に入りつつあった。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j それらの地域を介して、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .かつての蜀の南中、寧州との接触も行われていたらしい
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 739 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:37:10.87 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年頃 晋 寧州 雲平】
.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ:::::::::::::::::.
/:: /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::.
..: /::::::::::::: |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::.
::::|:::::|::::i:::::l::::::::ヽ:::::::::::i::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::.
::::|:::::l::::|:::::ト:::::::{::ヽ:::::::ヽ:::::__:::::::::::::ヽ::::::::::::.
::::|::::」 卞::」\::ヽゞ::斗爪「::::ヽ::::::::::::::\::::__ヽ
l:::|:::::ハ::| T \ヽ ィ≠示;:::ヽ::::::::ヽ:::::::ト
i从:::ヘ イ示ミ ´ ノリトー`.⌒i::::::\:从
i:人::::|ヽ.弋ソ 弋ソ .i´ }::ヾ::::::`ミ
/ ';:::ヘ ', 、 __...イ::::∧/^^ 晋王朝復興も根性だと
ヽ从`ヘ __ , /::::::::::/ .琅邪王、今は晋王殿下でしたか?
` > イ:::::::::イ
` ┬ |/从 .とにかく伝えてほしい
イ 」 . }`ヽ
イ .i / 外-
,.イ -/ ト===/ ./ >
/ 「 / .|_./ ./`¨¨7 ヽ
i /´7ー-- /ー-- ___/ ./ .i
八/ ./ / _| ./ |
.{ ./ ./ / f ̄ `ー┐../ i |
, .i { ト-- o---i \/ |
晋 寧州刺史 王遜
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『王遜伝』によれば、
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 寧州刺史王遜は息子の王澄を使者とし、司馬睿に勧進文を奉った。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 寧州刺史が単独で言い出すような話ではない。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ これに関しては、司馬睿側から働きかけたと見るべきだろう
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 740 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:39:00.83 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年頃 晋 涼州 姑臧】
j、 j||!
, {i!ト1:i:}!r! r=,
j|_`¨j!::!|_!Lソ::|!
/;\ ,.、 .,、 r.、 rマ|!|k'´..:::::::::::::::::.', ,、
,.ィ::;:;iy' .::;ゝ/ :.\ / ,.ヽ、 ,.、 ,.、 ノ i|jリ:i!::::::::::::::;::;:::::|! ,.イ :.\
:;:;:'/.,.;:,:イ . ,., :,::;.,v:;.;.;.,.:;:;:;:ミ 、,.イ ':.\ .イ .;.ヽ、j! !.:.;:;:::::i!:::iレ1:::::i;ト、_ _,.ィ.;:;. .,:;.;:;..\ _ ,.イ:
,.イ .:;:/ ;.,...;.:,:;.,.;.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ィ..;:, ..;:.;.;:,.ゞー_'゚´.. ..;:;:;:;:/Y≦芝!::::::::::::::::::::::::;ヾi!:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:;:;:;:イ .:.;.;.,:;:;:;:.:.;.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:'/..;:;:.,:,:;:;:;:;.:,..;: ';:,.,:;:,.;:..:;:;:;:ir'..:::::::Y/.:::::::::::::::::::::::::::::;jト:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
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;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:(爪:..i!ハvヘ.:::::::レ'.:::::::::::::::::::::::::::从:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
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:;:::;::::;::::::::;::;::::::::::;::::::::;::::;::::::::::;:::;:::::::::;::::;::::;::;::::;:::;:;:;.`ヾiレ'゚.::;::;:::;:::;:::;:::;:::;:::;:::;:::;:::;::ル八':,:.:;:..:;:..:.;::;::::;::::;::::;:
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ' . : . : . : . ' ;.::;:::::;::;::;.`_:-::‐;:-=:ニ;::ニ:´;:ニ.:;≠=.;ir.'.;.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
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. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ` :.:;::;:::;: ' ::::::::::::::::::::::::::::::::.:::::::::::::;:;:'. : . : . : . : . : . : .
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . '.: ;::.:.:::::::::::::. ':::::::: ' . : . : . . . . . . .
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ':;::::::::: ' ::::: ' . . . . . . . . . .
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ' .;: ' . . . . . . . . . . . . .
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:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ そして、張寔が統治する涼州でも司馬睿支持の声が上がり始めていた
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 741 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:40:57.99 ID:kT/GeQoz0
-
, '´ ̄ ̄` ー-、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1 ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.」
{: :i: i /ゝノイ ノ l/ ― l :}
| :レ | ● ● l :| .南陽王は莫大な恥を忘れたくせに尊号を欲しがっていますが、
|: i: (|.⊂⊃ 、_,、_, ⊂ l:/ 天意も徳義もないので難を救える人物ではないと張詵は考えます。
i⌒ヽ: :ゝ ル|_/⌒)
ヽ ヽ 从ヽ,、 __, イ从/ ヽ/
∧___,ヘi.i:.:\__八__/:i.i ハ
ヾ .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.} ソ
, '´ ̄ ̄` ー-、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1 ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.」
{: :i: i /ゝノイ ノ l/ ― l :}
| :レ | ● ● .l :| 晋王は明徳かつ宗家に近い藩屏で先帝も頼りにされておられました
ミ |: i: (| ⊂⊃ 、_,、_, ⊂l:/ 〃
i⌒ヽ: :ゝ ル|_/⌒)
ヽl|lllヽ 从ヽ,、 __, イ从/l|lll/
∧|l||l,ヘi.i:.:\__八__/i.i.|l||lハ バンバン
. ( ⌒ ) .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.}. ( ⌒ )
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『張軌伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 当時、南陽王が尊号を称しようと張寔に謀った所、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 破羌都尉の張詵が南陽王ではなく、晋王司馬睿を天子に推すよう主張。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 莫大な恥という言葉に、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 涼州の士大夫が南陽王に抱いていた感情が透けて見える
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 742 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:42:16.88 ID:kT/GeQoz0
-
j、 j||!
, {i!ト1:i:}!r! r=,
j|_`¨j!::!|_!Lソ::|!
/;\ ,.、 .,、 r.、 rマ|!|k'´..:::::::::::::::::.', ,、
,.ィ::;:;iy' .::;ゝ/ :.\ / ,.ヽ、 ,.、 ,.、 ノ i|jリ:i!::::::::::::::;::;:::::|! ,.イ :.\
:;:;:'/.,.;:,:イ . ,., :,::;.,v:;.;.;.,.:;:;:;:ミ 、,.イ ':.\ .イ .;.ヽ、j! !.:.;:;:::::i!:::iレ1:::::i;ト、_ _,.ィ.;:;. .,:;.;:;..\ _ ,.イ:
,.イ .:;:/ ;.,...;.:,:;.,.;.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ィ..;:, ..;:.;.;:,.ゞー_'゚´.. ..;:;:;:;:/Y≦芝!::::::::::::::::::::::::;ヾi!:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:;:;:;:イ .:.;.;.,:;:;:;:.:.;.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:'/..;:;:.,:,:;:;:;:;.:,..;: ';:,.,:;:,.;:..:;:;:;:ir'..:::::::Y/.:::::::::::::::::::::::::::::;jト:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;..:;:;...;:;..;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;;;イ.N!:;;i´j!i Y.::.::::::::::::::::::::::::::;:;i!:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:(爪:..i!ハvヘ.:::::::レ'.:::::::::::::::::::::::::::从:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:iレ'j!:人リ:;1!|!:;:::;:::::::::::::::::::::::::::;::;i:;:i!:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
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:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ' . : . : . : . ' ;.::;:::::;::;::;.`_:-::‐;:-=:ニ;::ニ:´;:ニ.:;≠=.;ir.'.;.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
: : : : . : . : : : . : . : . : . : : : : . ' " . . . . . . '::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.;.:,: : : . : . : . : . :
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/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 張寔はこれに従い、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 晋王に皇帝即位を勧めるため、牙門将軍の蔡忠を江南へ派遣した。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:′ .南陽王を支持する一方で、司馬睿に即位を勧める二股外交である
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 743 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:43:34.70 ID:kT/GeQoz0
-
_...._
_,.-':::::::::::::`ヽ、
,..-':::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
__ /:::::::::::::::::::::::::::::\:::::::ヘ
l::::::::::::::::::: ̄::::::ー.../::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
ヽ::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ィ::ニ'::::l
ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ `ヽ:::::::l
\::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:、 ';::::::|
,ン、:::::::::::::::::::::`:-..._:::::::::::::::::::::::/::::::\ ';:::|
/ | |`ト 、_:::::::::::::::::::::`:::ー-......__/::::::::::::::\ヾl
l ト ト. ト、ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
`ハ_|ヾ 弋弍f'ー、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
'´く. 'ーイ l j、7ァt、__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l
rヽ 、 lー'-'ノ_ノ∠Lゝト弋ー-- :::_:ノ 涼州からの使者が建康に到着し、
ヘ ヽ--j..-<}::::::::::::〈.` .司馬睿が皇帝に即位するのは翌年の話になる。
,レ-'⌒:、 ヽ:::::::::::ヽ- 、
,. -‐、 ヽニ.:::::;r‐ '´ l::::::::::::::::::::ヘ .それまで、別の話を進めるとしよう
,r'::::.,.-' r'´ ::::ヽ __'Jノヽ::::::::::::::::::ハ
/:::::/ | l::: ` ヽ、_ ヽ_,l:::::::::::::::::::::l
. | :::| | lヽ、__,. 、 ';::::::::::::::::::::::::::::::l.、
. | | | |:::::::::::::::ヽ. l::::::::::::::::::::::::::::::|:ヽ
l. l ヽl. ..|::::/::::::::::´:::::::::::::::::::::::::::::::|::::l.
ヽ ヽ.__ ノ | ::|:'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
` ー- 一 ヘ |::::ー-、.._:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::|ヽ
7ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|:::ヽ
/::|::|:ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|::::::ヽ
/::::::|:::|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::|:::::::::ヽ
/::::::::::{:::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::|:::::::::::`
- 744 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:44:15.58 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年夏 晋 揚州 建康】
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
寿春 広陵 `ヽ
○ `´○ `ヽ
合肥 ,-、 ,-‐‐、 `i,
○ /´● ~ ○ ヽ,-‐‐-、 _,、`ヽ,
,-,_, 、, /´建康 京口 ,、 `く,!~`=,-`
`ヽ‐´ i ,~ノ ~´‐,‐~=, ○ ヽ`ヽ,~!
,、,i`~○ ゚o (, {,_呉 ヽ,
皖○ _,| 牛渚 烏程○‐´~ ,--`
_,i‐´ ,-‐´
i´ ○虎林 ,=,‐-´,--、
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ \__人_人从_人_人从/
_) (__
) お待ち下さい! (
 ̄ ̄) ( ̄ ̄
/⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
==lュ、 rl========lュ、
rl=========ュ ヽrl==========lュ 、___ノl_
/ ∧ / ヽ rl========lュ rl=======lュ rl=========lュ、;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;rl==
. / / ',rl===============lュ / ヽ/ ヽ / ヽ rl=========lュ、/
/_____/__/ ∧__rl====================lュ rl========================lュ_
三三 三三三|三/ / ', 三/ ∧ / ',=
三三 三三三|::/__________/__, / / ', /_____________ ',
三三 三三三|'|三三三三三三三三三|::::::::::::/___________/__,|三三三三三三三三三三三三三三|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } まだ劉琨の勧進文が届いていない時期の話だ
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 745 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:45:59.43 ID:kT/GeQoz0
-
__ _____ ______
,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
'r ´ ヽ、ン、
,'==─- -─==', i
i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i | それを奪われては我々がゆっくりできなくなってしまいます!
レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||
!Y!"" ,___, "" 「 !ノ i | どうかお許しを!!
L.',. ヽ _ン L」 ノ| .|
| ||ヽ、 ,イ| ||イ| /
レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
, -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
r===========r‐、: : \
|.―‐――‐―h‐l┤、 :ヽ
L二二二二二」.ニ|‐{ミi : : |
{/ /ゝ、ノイ ノl/ / トl!: : :|
この天下の一大事にゆっくりするなど言語道断、 .|l:/|/● ● ト、: :|
物資は来たるべき北伐のために役立てますと兵士Aは…… .|/!:ll⊃ 、_,、_, ⊂⊃ノ: : |
/⌒ヽ__|ヘ 丶_ノ ..イ:i : :/⌒i
. \ /:ノ从ヽ,、 __, イト:}ノ/ /
/ //ヾゝ八__/:.:.//ヘ、__∧
ヽ、.{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ;_、_ ,'
- 746 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:48:02.41 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年夏 晋 揚州 京口】
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
寿春 広陵 `ヽ
○ `´○ `ヽ
合肥 ,-、 ,-‐‐、 `i,
○ /´○ ~ ● ヽ,-‐‐-、 _,、`ヽ,
,-,_, 、, /´建康 京口 ,、 `く,!~`=,-`
`ヽ‐´ i ,~ノ ~´‐,‐~=, ○ ヽ`ヽ,~!
,、,i`~○ ゚o (, {,_呉 ヽ,
皖○ _,| 牛渚 烏程○‐´~ ,--`
_,i‐´ ,-‐´
i´ ○虎林 ,=,‐-´,--、
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| 只今戻りました |
ヽ________乂
==lュ、 rl========lュ、
rl=========ュ ヽrl==========lュ 、___ノl_
/ ∧ / ヽ rl========lュ rl=======lュ rl=========lュ、;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;rl==
. / / ',rl===============lュ / ヽ/ ヽ / ヽ rl=========lュ、/
/_____/__/ ∧__rl====================lュ rl========================lュ_
三三 三三三|三/ / ', 三/ ∧ / ',=
三三 三三三|::/__________/__, / / ', /_____________ ',
三三 三三三|'|三三三三三三三三三|::::::::::::/___________/__,|三三三三三三三三三三三三三三|
- 747 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:48:50.69 ID:kT/GeQoz0
-
, '´ ̄ ̄` ー-、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1 ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.」
{: :i: i /ゝノイ ノ l/ ― l :}
| :レ | ● ● l :| やはり揚州には蓄えがありますねと兵士Aは略奪の成果を報告します
|: i: (|.⊂⊃ 、_,、_, ⊂ l:/
i⌒ヽ: :ゝ ル|_/⌒)
ヽ ヽ 从ヽ,、 __, イ从/ ヽ/
∧___,ヘi.i:.:\__八__/:i.i ハ
ヾ .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.} ソ
L_ , ´: : : :-‐‐:、: : : : : : : :{⌒〜(冖ヽ‐‐-
/: :、: : : : : : : : : :\: : : : :{__,-‐人: : : :`、__: : : :゙:.
/´: : : : \: : : : : : : ヽ : `、: : : : :ノ: : !: ヽ: : :`、 ``'ヾ、
//'∧: : : : : : :ヽ: : : : : : : : :マ\´: : : : !: : i: \: :`、 },゙、
// {:::`、: 、__: : :)丶__: : : : : : :}ヾ'、: : : !: : :i: : :}i `、\ }: i
.゙, {::::::iヽ: : :´⌒/~ ヽ: : : : : : : i::::\、!: : : i: : : }i :i、、: :`、 }: :i
ヾ丿!::::i 、: :i!ユ芹弐ミ: : : : : : :i:/⌒ヽ、: :i: : : :,八; ヽ: : :∨: :i
あら? .从::::! i_t, 、}∨亥-‐´!: : i: : : i!:i 〉ヽ} ):/: : : :i i:i `、: : ヽv
丿 i::::!::丐ノ / ;ソ、i: : : ∧、)ソ/: : : : :, i:i `: : 、: i
また南塘に行ってきたの? `、!:::ヽ ' ; i: : :i ^ ノ: : : : :/ i:i /、: : ゙,ヽ
` :::i __, i: :ハ!ノ′'!: : :/丿 i:i/: : :!: : :iヾ
): :、 -=ニ‐″ i: i リ !/≪ /: : / !: : :i ヾ
j/ヾ /i: i !; iヾ、 -==‐‐彡ヽ i: : : i 〉〉
.i: i/ iヽイ | i: i ,_ !__ヾノ ヾ、i: : : :i :i
i: i/ i: : :! ソ|‐i: iニニニニニニ__\ヽ ヾi: : : i! i
,ヽヽi: :丿/-‐'''ヽヾ~ ̄ ̄ ̄′ヽヽ i: : :i!/
晋 軍諮祭酒 祖逖
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 祖逖は司馬睿に迎えられて徐州刺史となり、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j しばらくして軍諮祭酒に任命されて揚州の京口に移っていた
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 748 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:50:21.95 ID:kT/GeQoz0
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, '´ ̄ ̄` ー-、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1 ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.」
{: :i: i /ゝノイ ノ l/ ― l :}
| :レ | ● ● l :| 近々祖逖将軍が琅邪王と会うと聞き、
|: i: (|.⊂⊃ 、_,、_, ⊂ l:/ 派手なお召し物が必要か思い兵士Aはやむなく犯行に及びました
i⌒ヽ: :ゝ ル|_/⌒)
ヽ ヽ 从ヽ,、 __, イ从/ ヽ/
∧___,ヘi.i:.:\__八__/:i.i ハ
ヾ .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.} ソ _ |`‐-、
/( /ヽ: : : : : : : : : : : : : :`丶} _、ノ
L_ , ´: : : :-‐‐:、: : : : : : : :{⌒〜(冖ヽ‐‐-
/: :、: : : : : : : : : :\: : : : :{__,-‐人: : : :`、__: : : :゙:.
/´: : : : \: : : : : : : ヽ : `、: : : : :ノ: : !: ヽ: : :`、 ``'ヾ、
//'∧: : : : : : :ヽ: : : : : : : : :マ\´: : : : !: : i: \: :`、 },゙、
// {:::`、: 、__: : :)丶__: : : : : : :}ヾ'、: : : !: : :i: : :}i `、\ }: i
.゙, {::::::iヽ: : :´⌒/~ ヽ: : : : : : : i::::\、!: : : i: : : }i :i、、: :`、 }: :i
ヾ丿!::::i 、: :i!ユ芹弐ミ: : : : : : :i:/⌒ヽ、: :i: : : :,八; ヽ: : :∨: :i
お、よく分かってるじゃない。 从::::! i_t, 、}∨亥-‐´!: : i: : : i!:i 〉ヽ} ):/: : : :i i:i `、: : ヽv
丿 i::::!::丐ノ / ;ソ、i: : : ∧、)ソ/: : : : :, i:i `: : 、: i
そろそろ役人が怒鳴り込んで来る頃…… `、!:::ヽ ' ; i: : :i ^ ノ: : : : :/ i:i /、: : ゙,ヽ
` :::i __, i: :ハ!ノ′'!: : :/丿 i:i/: : :!: : :iヾ
): :、 -=ニ‐″ i: i リ !/≪ /: : / !: : :i ヾ
j/ヾ /i: i !; iヾ、 -==‐‐彡ヽ i: : : i 〉
.i: i/ iヽイ | i: i ,_ !__ヾノ ヾ、i: : : :i :i
\__人_人从_人_人从/ i: i/ i: : :! ソ|‐i: iニニニニニニ__\ヽ ヾi: : : i! i
_) (__ ,ヽヽi: :丿/-‐'''ヽヾ~ ̄ ̄ ̄′ヽヽ i: : :i!/
) 祖逖殿はおられるか!(
 ̄ ̄) ( ̄ ̄
/⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
- 749 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:51:38.79 ID:kT/GeQoz0
-
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, u::| またおたくの兵士たちが南塘で暴れたと報告がありましてね。
. | u `-=ニ=- ' .::::::|
\ `ニニ´ .u ::/ こういった事が続くと、
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ーーノ゙ -、 .お互い面倒な話になるので、今後は控えて頂けると……
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
__くヽ, -―‐ -、尸ー 、
/{_}:':::::::::::::::::::::::::ヽ} ,!:!゙::i
/::/:::::::/':;:::::::::::::::::::::::ヽ:ヽ:!
,'::/:::::::/⌒';:::::::::::ハ:::::::::';::::リ
,'::ノ:::::::;'__ l::::::::ム !:::::::::}:::::i
いやあ、申し訳ない。 ,'/7:::::::::l,.__` レレイ,.__l:::::;:イ:::::::',
/:::/イ:':;:::', ̄ . ´ ̄|:イノi:::::::::i
私たち貧乏所帯なもんだからさ。 ./イ::::::八:{゙i::!` __ ノ! i::::::::::',
/ !::::/ ゙ |::|丶 ` ´ィ" !| ';:::::_i';._
部下たちも泣く泣く、って事で / ,:'::/ _゙_/=> `´ トヽ’ _」 /ヽ!、
i::! ノ:/ _! i i! // `- _└i ,' ・ コ
|::レ/ /、 ', l i!ヽ r// /  ̄| i:::::ト',
/!:::{_i ヽ ', _l__il!、// ./ / lイ'ゞ" ',
/:::ヽ::ヽ_l ヽ , _! l≠‐'- . / l __ ',
/ハ::::|_二 } -‐i ! | `ソ l=く//ソ'`゙、
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \ 『晋書』『祖逖伝』によれば、
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .祖逖の賓客は皆暴傑勇士でありながら、子弟の如く厚遇されていた。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 当時の揚州は大飢饉だったため、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 彼らの多くは建康の富家に押し入って盗みを繰り返していた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 官吏が彼らを捕らえると、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 祖逖はしばしば彼らを擁護して釈放させたという
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 750 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:53:44.26 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年夏 晋 揚州 建康】
ヾ叉7
_BL_,, ,. _
,,、、-‐'''""´: .: .: .:::::::::.:.:.:. : :``ヾ、、、
,,. '"´. .:.: .:.: : .:r==.: :. :.: .:. :. :. :..: .: :. .::. :.`ゞー-、、
,,. '"´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.`''ヽ、,,
,r'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;;;;;:;:;:;:.;:.:.:.:;;;;;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;:;:;:;:;;;;;;;;;;:;:;:;:;;:>
``ヾ、;:;:;:;:;;:;:;:;;:;:;:;:;r==;:;:;r==、;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;;:;r==;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:r''"´ .
``ヾ;:;:;;:;:::::;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;===;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.:.:.:.:.:.:.:.:,r'゙
 ̄`¨`ヾr==.: .: .: .: .:. :. :. ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :r=z,;,;,;::/
`¨`ヾ.:.: .: .:.:::::::::;:;:;:;:::::::::;:;:.:.:.:.:、、-‐''"´
`>;:;:,';: .,':;:;:; :;:; :<´
,、r''"´. :.: .:. :. . :. :. :. :.: .: .:`ヽ、
,、r'"´.:.::;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:.:.:.: .:. . .:.::::::`'ヽ、
``ヾr==;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;::.:.:. :.: .: . :.: .: . ::.:,r'´
`ヾ::.:.:;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.:. :. :.: ; :; :.: .:.:.::r'
゙、:;:;;;;;;;;:;:.:.:::==.:.::::::.:.:.:.:/
`ヾ.:;;;;;;;==.::.::.:.:..:.::r'´
_,」;;:;:;:;;;:;::.:.:. :. :.:. j
``ヾ;:;:; :;::;;: ;r==.:.j
゙i:;:;:.:. :.: .:. :.:.:.:,!
l;:;: .:.: .: ..:;;;:;;;!
'i;;;;;:.:.:.:.:;;;;;;;;;!
1;:;:;:;:r=:.::{
ゞ;;;;;;:.:,r'´.:.:``;:ー-..、,,_
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ ちなみに、南塘とは建康を流れる秦淮河にあった堤防の名である。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 秦淮河を含めて、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .建康の商業地帯として知られていた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 751 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:54:35.87 ID:kT/GeQoz0
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/..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.`,∧/-/-|/|
/.:::/.:: |::::::::|::|\ :::::::::::::::::::.∨-/ニニ二|/|
l :/{ :::::|::::::::|::|\:\:::::::::::::::::.∨二二二二|/|
_」/八 :: | :: /|/ /\:\:: _.. -‐ァ 二二二二|
\〈/::::|\|/ /xfモ丈\`¨´//ニ/(//-二| / .南塘での騒ぎは
| :::::|丈心, ´ ̄| :::::|::Τ‐''´ :/ /ニ///// 祖逖殿の兵の仕業だったらしいな。
__| :::::|:::. } | :::::|::::|::::::/ニニニニニ/二/
__\二| :::::|::::|\ -‐ | :::::|::::|/ニニニニニ/二/ あの男、どうも好きになれん
\二二二| :::::|::::|::::|`ト..._/| :::::|::::|ニニニニニニニニニ- ..._
\二二| :::::|::::|::::|: |::::ノ==| :::::|::::|ニ二二二/l二二ニ-''"⌒
/二二| :::::|::::|\ ̄`>ーr| :::::|::::|二ニニxく ::::: l\|
 ̄/二| :::::|::::|二\∧ノ | :::::|::::|ニニ<, `,::::::::l
∠二/| :::::|::::|二< >| :::::|::::|>''"~ ̄ } :::::::l /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::≧ /...........
/⌒| :::::|::::|‐---∨-‐| :::::|::::|' / :::::::::: l 〃/´::(:::::::/__:::::::::/:::::::_:::::::::::::::::::::::::</ ...............
{乂 :::::::::/´ , ̄ミx /::::::::`ヽ::::::::::::::::/` ‐──‐‐
晋 中書侍郎 庾亮 ヽ. _/ ’ ) \::::::::::::::::Y:::::/
{ ─r‐‐< `Y⌒ヽノ::::/
`Y { Y ノ)}::/
} ≠ミノ 丿 ノ/´ ̄`ヽ
ノ /................ \
. {__ /..........................\
. L ___ノ /.............................. / /
└r /................................//
}__ ノ⌒/\..........................X ___
/ 丶.............../ |\
′ \../ i|......\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 論者はこれによって祖逖を軽んじたが、祖逖本人は泰然自若としていた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 752 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:56:00.53 ID:kT/GeQoz0
-
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
. | `-=ニ=- ' .:::::::| 祖逖様がお越しになられました
\ `ニニ´ .:::::/
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
/:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. //|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
. /:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ///|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\|
/ 7:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:. //∨|:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.',
|_//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: / |:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
/:./:.:.:.:.:.:.:.:.:\ __/:.:.:.:.:.:.:.:.Λ:.:.:.:.:.:.:.:.:.
. ____/⌒/:./:.:.:.:.∠ \_ /:.:.:.:.:.:./}/_∨:.:.:.:.:.:.|
/ /:.:.:イ/:.:.:.:.:.:Y勹冬ミ._/:.:.:.:.:.:./斗‐'''⌒:.:.:.:.:.:.:|
. / ̄ ̄ ̄{ :.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:/:.:| 乂ソ /_/}/イ笊_/:.:.:.:.:.:.|:|
/ /:.:.:.:.:.| :.:.:.: /:.:. | ヒツ ノ:.:.:.:.:.:.:.ハ|
どうも //:.:.:.:.:.:|:.:.:. /|:.:.:.:| _彡:.:.:.:.:/ ノ/\
. //:.:.:.:.:.:.:.:.:{:.:.:Λ|:.:.:.:| ′ ⌒7:/j/{ /-三三\
. // /:.:.:.:.:.:.:.:./:\{ :.|:.:.:.:|\ ヽ ッ ノ|/\:.:.:∨-三三三三\
/:.:/:.:./:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.人:.:人 イ:.:.| \:.\三三三三三\
:.:/:.:./:.:.:._ -=二二二{二\:.:\ ≧<\:八:.:.\ \:.\三三三三三\
/:._ -=二二二二二二 \二\:.:\ |i:i:i:{ニ{\__:\__ \:.\三三三三三|
:.:| ̄~^''<二二二{(C ̄\___\:.:\」i:i:i:i\二二二二| }:.:.:|三三三三三|
/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:\ニニ{ \:.:\:i:i:i:i「  ̄ ̄ C)]\ }:.:.:|三三三三三|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ また、『世説新語』『任誕篇』にはこんな話がある。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 祖逖は公私共に質素であり、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .服を好んで着るような真似はしなかった
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 753 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:56:41.39 ID:kT/GeQoz0
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/ ̄:::::::::::::::::::::::::::::::::::::: \
/.:::::/:::::::::::::::::: \:::::::::::::::::::`
/.::: /::::::::::::::::::::::::::::::`, :::::::::::::::::::,/(_... -‐=
::::::::::::::::::::::::|∧l ::::::::::::l::::::::::::::::::::lニ二二二
|:::::::| ::::::::::::::|/∧l ::::::::::::l:::::::::::::::: lニニニ二
|:::/_..ニニつ∨∧l ::::::::::::l:::_.. -‐‥ァニニニ 祖逖殿。
. / )\〉‐-ミ\. ∨∧::::::::: / :/ /ニニニニ
(_/.ニ二, ヽ、∨二∨/\/ :: / / :lニニニニ二 その恰好、まさかとは思うが……
/⌒\ 二二|こノ ゞ==''\//`¨´//| ::::: l二二ニニ
/ニニニl`ニ二|ノ u |`¨¨¨´|::::: |:::::::::lニニ二二
/ 二二lニ|ニ二|` 、 | :::::::::: |::::: |:::::::: lニニ=-‐=
/ニニニlニニ|ニ二|‐\ ̄_.. -ニ| :::::::::: |::::: L:: -ニニニニ
/.ニニ二lニ二|ニ二| |二}===|:::::::::::: l-二二二二二二 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::≧ /...........
. /二二二l二二|ニ二|l 'ニ二二| ::::::::::: l二二二二二二 〃/´::(:::::::/__:::::::::/:::::::_:::::::::::::::::::::::::</ ...............
. /ニニ二二l-ニニ|ニ二| l /ニr'''''"| :::::::::::: lニ二二二二二 {乂 :::::::::/´ , ̄ミx /::::::::`ヽ::::::::::::::::/` ‐──‐‐
ヽ. _/ ’ ) \::::::::::::::::Y:::::/
{ ─r‐‐< `Y⌒ヽノ::::/
`Y { Y ノ)}::/
} ≠ミノ 丿 ノ/´ ̄`ヽ
ノ /................ \
. {__ /..........................\
. L ___ノ /.............................. / /
└r /................................//
}__ ノ⌒/\..........................X ___
/ 丶.............../ |\
′ \../ i|......\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ ところがある時、王導や庾亮が祖逖に会うと、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 彼の周囲には珍しい装飾品ばかり並んでいた。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .諸公はこれを怪しんで、その理由を質問した
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 754 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:58:32.31 ID:kT/GeQoz0
-
/ 7:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:. //∨|:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.',
|_//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: / |:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
/:./:.:.:.:.:.:.:.:.:\ __/:.:.:.:.:.:.:.:.Λ:.:.:.:.:.:.:.:.:.
. ____/⌒/:./:.:.:.:.∠ \_ /:.:.:.:.:.:./}/_∨:.:.:.:.:.:.|
/ /:.:.:イ/:.:.:.:.:.:Y勹冬ミ._/:.:.:.:.:.:./斗‐'''⌒:.:.:.:.:.:.:|
. / ̄ ̄ ̄{ :.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:/:.:| 乂ソ /_/}/イ笊_/:.:.:.:.:.:.|:| また南塘へ出かけたのよ
/ /:.:.:.:.:.| :.:.:.: /:.:. | ヒツ ノ:.:.:.:.:.:.:.ハ|
//:.:.:.:.:.:|:.:.:. /|:.:.:.:| _彡:.:.:.:.:/ ノ/\
. //:.:.:.:.:.:.:.:.:{:.:.:Λ|:.:.:.:| ′ ⌒7:/j/{ /-三三\
. // /:.:.:.:.:.:.:.:./:\{ :.|:.:.:.:|\ ヽ ッ ノ|/\:.:.:∨-三三三三
/:.:/:.:./:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.人:.:人 イ:.:.| \:.\三三三三
:.:/:.:./:.:.:._ -=二二二{二\:.:\ ≧<\:八:.:.\ \:.\三三三 / ̄:::::::::::::::::::::::::::::::::::::: \
/:._ -=二二二二二二 \二\:.:\ |i:i:i:{ニ{\__:\__ \:.\三三 /.:::::/:::::::::::::::::: \:::::::::::::::::::`
:.:| ̄~^''<二二二{(C ̄\___\:.:\」i:i:i:i\二二二二| }:.:.:|三三 /.::: /::::::::::::::::::::::::::::::`, :::::::::::::::::::,/(_..
::::::::::::::::::::::::|∧l ::::::::::::l::::::::::::::::::::lニ二
|:::::::| ::::::::::::::|/∧l ::::::::::::l:::::::::::::::: lニニ
|:::/_..ニニつ∨∧l ::::::::::::l:::_.. -‐‥ァニ
. / )\〉‐-ミ\. ∨∧::::::::: / :/ /ニ
(_/.ニ二, ヽ、∨二∨/\/ :: / / :lニニ
/⌒\ 二二|こノ ゞ==''\//`¨´//| ::::: l二
だろうな /ニニニl`ニ二|ノ u |`¨¨¨´|::::: |:::::::::lニ
./ 二二lニ|ニ二|` 、 | :::::::::: |::::: |:::::::: lニニ
/ニニニlニニ|ニ二|‐\ ̄_.. -ニ| :::::::::: |::::: L:: -ニニ
/.ニニ二lニ二|ニ二| |二}===|:::::::::::: l-二二二二
. /二二二l二二|ニ二|l 'ニ二二| ::::::::::: l二二二二
./ニニ二二l-ニニ|ニ二| l /ニr'''''"| :::::::::::: lニ二二二二
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 当時、祖逖は壮士に命じ、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 太鼓を打ち鳴らさせて劫盗を行わせていた。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .朝廷の人々は罪に問わなかったという
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 755 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 22:59:16.28 ID:kT/GeQoz0
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ この話、祖逖が部下に強盗まがいの事をやらせていたのは事実らしい。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ .同じ頃に建康へやって来た
/ ヽ{ ト、ヽ l: 孫盛の『晋陽秋』に『晋書』『祖逖伝』とほぼ同様の記録が残っている
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ / . -―==≠´\_
.......:::´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...ー-
/ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::/.:::::::::::::::::::::`丶
/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/.:::::::::::::::::::ト、:::::::.\
. /.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::ハ:::::ハト、:::::::::.⌒ヽ
/.::::::::::::/.::::::::::/.:::::::::::::/|:::::; l::::| |:!ヽ::::::ハ
:::::::::::::::l::::::::::/:::::::::/::/ |::厶 l::::| |厂{:::∧
|:::::::::::::::l::/.::/.::::::i:::i::::i/厂 |:八 ム、 Y
祖逖は気前が良くて小節に捕らわれなかった。 .|:::::::::::::::/:::∧::::::::Y:::| /,二、/ ヒフ_, {
|:::::::::::::::八{::ハ:::::::| 八|.ィ:::厂, ,; V 、
食客が劫盗を働くと、 |::::::::::::::::::_::::::::l\| ^===彡 \ |
祖逖はそいつらを擁護して守り通したから、 ヽ:::::::::::/ `ヽ:| , ノ |
他の連中はそれを非難したって話の流れだな。 .\::::{ ( く_ |
\ヽ } ,_-xく|
まだ俺がガキだった頃の話だよ \>―ヘ /こ´个\
| \ 丿 ゙゙
/| `ニ==‐―┬=≦ __
| \ \:::::::::::::::::| ∧
| ` ー-=ニ二::_::::| //∧
. / `ヽ ////∧
晋 秘書監 孫盛
- 756 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:01:05.53 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年夏 晋 揚州 建康】
_ .......-――‐/⌒\
/:._/ ̄ ̄|:.|:.:.:.:.:.:.:\_
//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\_
/:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. //|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
. /:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ///|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\|
/ 7:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:. //∨|:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.',
|_//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: / |:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
/:./:.:.:.:.:.:.:.:.:\ __/:.:.:.:.:.:.:.:.Λ:.:.:.:.:.:.:.:.:.
. ____/⌒/:./:.:.:.:.∠ \_ /:.:.:.:.:.:./}/_∨:.:.:.:.:.:.|
/ /:.:.:イ/:.:.:.:.:.:Y勹冬ミ._/:.:.:.:.:.:./斗‐'''⌒:.:.:.:.:.:.:|
. / ̄ ̄ ̄{ :.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:/:.:| 乂ソ /_/}/イ笊_/:.:.:.:.:.:.|:| まあ、その話は置いといてっと。
/ /:.:.:.:.:.| :.:.:.: /:.:. | ヒツ ノ:.:.:.:.:.:.:.ハ|
//:.:.:.:.:.:|:.:.:. /|:.:.:.:| 、、、、 彡:.:.:.:.:/ ノ/i\ .今日、殿下の下に参上したのは、
. //:.:.:.:.:.:.:.:.:{:.:.:Λ|:.:.:.:| ′ ``7-//{ /-ニニ\ 北伐の実施を進言したいと思ってね
. // /:.:.:.:.:.:.:.:./:\{ :.|:.:.:.:|\ マ ァ ノ|/\:.:.:∨-三三三三\
/:.:/:.:./:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.人:.:人 ` .イ:.:.| \:.\三三三三三\
:.:/:.:./:.:.:._ -=二二二{二\:.:\ ≧<\:八:.:.\ \:.\三三三三三\
/:._ -=二二二二二二 \二\:.:\ |i:i:i:{ニ{\__:\__ \:.\三三三三三|
:.:| ̄~^''<二二二{(C ̄\___\:.:\」i:i:i:i\二二二二| }:.:.:|三三三三三|
/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:\ニニ{ \:.:\:i:i:i:i「  ̄ ̄ C)]\ }:.:.:|三三三三三|
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i\ニ.{ |i:iΛ:.:.:.\i{ |:i:i:iノ:.:. |三三三三三|
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:圦 |i:i:i:i:}:.:.:.:.:.:}{ |:i:i:イ:.: ノ-三三三三/
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}ニ\ |i:i:i:ノ:.:.:.:.:.八 |:i:iノ-彡ヘ三三三 /\
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}ニニ}. |i:i:⌒7/:i:i:i\ |:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iV三三/-三}
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 司馬睿の勢力は江南へ来た当初から、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } ほぼ軍事力を持っておらず、戦になれば豪族・塢主の兵を頼りにしていた。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .故に彼らを掣肘できる手段を持っていなかった
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 757 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:01:50.62 ID:kT/GeQoz0
-
'´ :::::::::::::::::::::::::..\ ∧/|
./..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.`,∧/-/-|/|
/.:::/.:: |::::::::|::|\ :::::::::::::::::::.∨-/ニニ二|/|
l :/{ :::::|::::::::|::|\:\:::::::::::::::::.∨二二二二|/|
_」/八 :: | :: /|/ /\:\:: _.. -‐ァ 二二二二|
\〈/::::|\|/ /xfモ丈\`¨´//ニ/(//-二| / 北伐?
| :::::|丈心, ´ ̄| :::::|::Τ‐''´ :/ /ニ/////
__| :::::|:::. } | :::::|::::|::::::/ニニニニニ/二/ .しかし、我らは江南に移ったばかりで、
__\二| :::::|::::|\ -‐ | :::::|::::|/ニニニニニ/二/ とてもではないが、そのような余裕はないぞ
\二二二| :::::|::::|::::|`ト..._/| :::::|::::|ニニニニニニニニニ- ..._
\二二| :::::|::::|::::|: |::::ノ==| :::::|::::|ニ二二二/l二二ニ-''"⌒
/二二| :::::|::::|\ ̄`>ーr| :::::|::::|二ニニxく ::::: l\|
 ̄/二| :::::|::::|二\∧ノ | :::::|::::|ニニ<, `,::::::::l
∠二/| :::::|::::|二< >| :::::|::::|>''"~ ̄ } :::::::l /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::≧ /...........
/⌒| :::::|::::|‐---∨-‐| :::::|::::|' / :::::::::: l 〃/´::(:::::::/__:::::::::/:::::::_:::::::::::::::::::::::::</ ...............
{乂 :::::::::/´ , ̄ミx /::::::::`ヽ::::::::::::::::/` ‐──‐‐
ヽ. _/ ’ ) \::::::::::::::::Y:::::/
{ ─r‐‐< `Y⌒ヽノ::::/
`Y { Y ノ)}::/
} ≠ミノ 丿 ノ/´ ̄`ヽ
ノ /................ \
. {__ /..........................\
. L ___ノ /.............................. / /
└r /................................//
}__ ノ⌒/\..........................X ___
/ 丶.............../ |\
′ \../ i|......\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『祖逖伝』に曰く。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 当時、司馬睿は江南を開き定めたばかりで
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .北伐する暇がなかったため、祖逖は進み出て説いた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 758 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:03:45.67 ID:kT/GeQoz0
-
_ .......-――‐/⌒\
/:._/ ̄ ̄|:.|:.:.:.:.:.:.:\_
//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\_
/:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. //|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
. /:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ///|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\|
/ 7:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:. //∨|:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.',
|_//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: / |:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
/:./:.:.:.:.:.:.:.:.:\ __/:.:.:.:.:.:.:.:.Λ:.:.:.:.:.:.:.:.:.
. ____/⌒/:./:.:.:.:.∠ \_ /:.:.:.:.:.:./}/_∨:.:.:.:.:.:.|
/ /:.:.:イ/:.:.:.:.:.:Y勹冬ミ._/:.:.:.:.:.:./斗‐'''⌒:.:.:.:.:.:.:| 晋王朝の騒乱は
. / ̄ ̄ ̄{ :.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:/:.:| 乂ソ /_/}/イ笊_/:.:.:.:.:.:.|:| 上が無道で下が怨んで反乱を起こしたわけじゃない。
/ /:.:.:.:.:.| :.:.:.: /:.:. | ヒツ ノ:.:.:.:.:.:.:.ハ|
//:.:.:.:.:.:|:.:.:. /|:.:.:.:| 、、、、 彡:.:.:.:.:/ ノ/i .藩王が権力争いで自滅した隙に
. //:.:.:.:.:.:.:.:.:{:.:.:Λ|:.:.:.:| ′ ``7-//{ /-ニ .戎狄が中原に毒を流しただけの事。
. // /:.:.:.:.:.:.:.:./:\{ :.|:.:.:.:|\ マ ァ ノ|/\:.:.:∨-三三
/:.:/:.:./:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.人:.:人 ` .イ:.:.| \:.\三三 民は残酷な目に遭ってるけど、
:.:/:.:./:.:.:._ -=二二二{二\:.:\ ≧<\:八:.:.\ \:.\三 .みんな反撃する志を持っているわ
/:._ -=二二二二二二 \二\:.:\ |i:i:i:{ニ{\__:\__ \:.\
:.:| ̄~^''<二二二{(C ̄\___\:.:\」i:i:i:i\二二二二| }:.:.
/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:\ニニ{ \:.:\:i:i:i:i「  ̄ ̄ C)]\ }:.:.
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i\ニ.{ |i:iΛ:.:.:.\i{ |:i:i:iノ:.:.
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:圦 |i:i:i:i:}:.:.:.:.:.:}{ |:i:i:イ:.:
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}ニ\ |i:i:i:ノ:.:.:.:.:.八 |:i:iノ-彡
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}ニニ}. |i:i:⌒7/:i:i:i\ |:i:i:i:i:i:i:i
- 759 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:04:59.54 ID:kT/GeQoz0
-
. /:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ///|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\|
/ 7:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:. //∨|:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.',
|_//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: / |:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
/:./:.:.:.:.:.:.:.:.:\ __/:.:.:.:.:.:.:.:.Λ:.:.:.:.:.:.:.:.:. .大王が私たちを北伐の大将にすれば、
. ____/⌒/:./:.:.:.:.∠ \_ /:.:.:.:.:.:./}/_∨:.:.:.:.:.:.| 各地の豪傑は風に乗って集まるでしょうね。
/ /:.:.:イ/:.:.:.:.:.:Y勹冬ミ._/:.:.:.:.:.:./斗‐'''⌒:.:.:.:.:.:.:|
. / ̄ ̄ ̄{ :.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:/:.:| 乂ソ /_/}/イ笊_/:.:.:.:.:.:.|:| 民も元気を取り戻すでしょう。
/ /:.:.:.:.:.| :.:.:.: /:.:. | ヒツ ノ:.:.:.:.:.:.:.ハ|
//:.:.:.:.:.:|:.:.:. /|:.:.:.:| 、、、、 彡:.:.:.:.:/ ノ/i\ . 私は天下の恥を雪ぐ事を望むわ
. //:.:.:.:.:.:.:.:.:{:.:.:Λ|:.:.:.:| ′ ``7-//{ /-ニニ\
. // /:.:.:.:.:.:.:.:./:\{ :.|:.:.:.:|\ マ ァ ノ|/\:.:.:∨-三三三三\
/:.:/:.:./:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.人:.:人 ` .イ:.:.| \:.\三三三三三
:.:/:.:./:.:.:._ -=二二二{二\:.:\ ≧<\:八:.:.\ \:.\三三三三 ィi〔ィi〔 { ィi〔=ミ \
/:._ -=二二二二二二 \二\:.:\ |i:i:i:{ニ{\__:\__ \:.\三三三 / :/ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ム \
j{.:/‐r‐v‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ム ∨ /
i{ {:‐:| /}‐ ‐ /⌒Y‐ ‐ム v: ∨ /
‖iシ:!′‐ ‐:{_/_,ハ‐ ‐ ‐}: W v∨
‐=‖,イ/ i∨‐ ァ'77zj}:‐ ‐/: :|ム (: ヽ
⌒j}:| : :!`ィ'゛ 乂シ〕Ii<,' :| \ {
j}:レハ 、 // i:\_j :! :{\!
皆の意見を聞きましょう ':/ム ´ j{:j /{⌒ミ⌒i {\{
⌒ ` -=≦i{ノイミ}〉 /\{i\{:v
r‐≦i:i{:i:i:i:i:i〕iト⌒`'<:〉 v
/‐ }i:i:i: {::\:i:i:i:i:iハ \}\
/≧≦i:i:i:i:i{:::::::\:i:i:i:i〕iト 〕iトi、 ヽ
./:i:i:i:i:i:iハ:i:i:i: {:::::::: : \:i:i:i:i:i:i:\ \:}
./:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iハ:i:i:i:{:::::::::::::::: \:i:i:i:i:i:i:ヽ:
- 760 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:06:34.64 ID:kT/GeQoz0
-
,. ''"~ ̄ ̄~"''〜 .._
/ ::::::::::::::::::::::::::::::_.. -‐‐- .._
|\. _ ´::::::::::::::::::::::::: ,. '´::::::::::::::::::::::`ヽ、
|二\ 〈\`ヽ、 ::::::::::::::::: /:::::::::::::::::::::: / :::::::: \
‐- ..._|\|二二\∧ \. \:::::::::::::´::::::::::::::::::::::/..::::::::::::/.::: `
ニニニ`ニ\二二二l:, \〈\ /:::::::::::::::::::::::::´::::::::::::::::/ ::::::::::::,
ニニニニニニ二二l:::::, ∨\:::::::::::::::::::/.: /..::::/|::::::::::::::::|
二二二二二二二l ::::::::, ∨/\::::::::::://..::::∠._ |::|::::::::: /
ニニニニニ二二l::::::::::::::. |∨'‐--‐''"´:::::/ `'ト|::::::::/|
ニニニニニ二二l:::::::::::::::..\ |: \:::::::::::,,. '´\\ 八| :: /: |
ニニニニニ二二l::::::::::::::::::::::::`¨|::::::::`¨¨´| \>'′ノ/..:: |
ニニニニ二二l:::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::: | {/..:::: | 祖逖殿の話は重々分かっているつもりだ。
ニニニニ二二l:::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::: | \ ::::: |
-=ニ.._|\ニニl::::::::::::::::::::::::::::::::: |::::::::::::::::: | 、_ / ::::: | ただ、先立つ物がなくてはどうにもならん。
.ニニニ二\|\ :::::::::::::::::::::::::::: |::::::::::::::::: | \_,> /..::::::::::::|
ニニニニニ二二\|\::::::::::::::::: |::::::::::::::::: | /:::::::::::::::::: | 江南の豪族に絶大な負担を強いる事にもなる
ニニニニニニニニニ\|\::::::|::::::::::::::::: |`' .,,_/|│::::::::::::::::: |
ニニニ二二二二二二二二\|::::::::::::::::: | :::::::::::::: |│::::::::::::::::: |
二二二ニ``〜、、ニニニニ二二|::::::::::::::::: | :::::::::::: ∧|::::::::::::::::::: |
ニニニニニ二二``〜、、ニニニ.|::::::::::::::::: | :::::::: 、ニ二, /|::::::::::|
‐-=ニ..._ニニニニ二二二`ヽ、二|::::::::::::::::: | :: /-ニニ∨-|::::::::::|
ニニニ,>-=ニニニ二二二\|::::::::::::::::: |二\ニニ二二|::::::::::|
二二 / ∠二二二二二二|::::::::::::::::: |\ \ニニ二|::::::::::|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .ここまで司馬睿が中原へ兵を動かさなかった理由。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } それは、先程述べた彼らの勢力の体質、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 及び旱魃・飢饉による食糧難あたりが原因だろう。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 『晋書』『元帝紀』には、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ この建武元年(三一七年)、揚州は大旱魃に見舞われたとある
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 761 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:07:26.92 ID:kT/GeQoz0
-
_,、、、、、、、斗==ミs。,,,,_
/:::::::::::::::::-===ミ:::::::::::::}
}(___ノ:::::::::::::::::::::::::::::≫'’ ̄``リ
 ̄ア:::::::::::::::::::::::::::/ ヽ
/::::::::::::::::::::::::::::::{ _,、 __,,,、} ただ、殿下が晋王を称した以上、北伐は避けられません。
{:::::::::::::::::::::::::::::::::}. {__,ィぅ }"\
{ }:::::::::::::::::::::::rミ:::| `ー く. ヽ ですが我々には、
.≧=:::::::::::::::::::::::::{ 、,` 、_ -ィ′ 千人分の兵糧と若干の布程度しか余裕がありません
。s≦ ̄ ̄ ̄ ≧s。_:ヽ__ ``、 _..._ノ
j{ニニニニ=- _  ̄}
.j{ニニニニニニニ=- _ ヽ
j{ニニニニニニニニニ=- _r―-イ /:.:.:.:.`、:.:.:.:.:.:.:.:. \:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.:.:.:.:.
. . . . . . . . . .j{ニニニニニニニニニニ=- \ /:./:.:.:.|:.`、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:':;:.:.:.:.:.:.:.
: : : : : : : : : :}「ニニニニニニニニニニ=- `、 |:/:.:.:.: |vハ :.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:';:.:.:.:.:.:.:.:.:.:';:.:.:.:.:.:|
/ :.:.:.:. | ̄|:.:.:.:.:.:| \:.:.:.:.'; :.:.:.:.:.:.:.:.|^'' :.;|
/:.:.:.:.:.:.:.| |:.:.:.:.:.:| \:.:.';:.:.:.:.:.:.:.:.| }―┐
/ :.:.:.:.:.:.:/ \.|:.:.:.:.:.:├斗―\:.:.:.:.:.:.:.: |_二{-=ニ \
/:. / :.:.: / f'^う|:.:.:.:.:.ノレ'´ソう_|:.:|:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:∨⌒\
// :.:.: /:.ハ ヒリノj/ Vツ ノ:. |:.:/}ノ:.:.:.:.:.:.|
今の御時世、どこも余裕ないもんね。 `〜、、 / ノΛ:.:/:|:.|:.l /:.:.: ノ/:.:.:.|:__/``〜、、
``〜、 __l/:/|:.|:.ハ ヽ {⌒ア:.:.:.:.:.:ノ{_ `
私の所の連中だけで  ̄´~"'〜、、|:.:.:.|/:.:.人 、 |:.:.:.:. /:.:.:.:.:.\
行っていいなら勝手に行って来るけど ___ ∨:/:.:.:.ノ:.:.\ ` イ |:.:.:.:Λ:.:.:.:.:.:.://
/  ̄/:.:/ :.:.:.:.:. >-=≦ /ニ| :.:/ニ:、:.:.:.〈〈_
 ̄ ̄ ̄ //-‐=二/ /三 //ニ|:./ニニ〉:.:.:.:.\
//ニニニニ/三/三/ 三三 ノ/ニニ/ニ\ :.:∨
///二ニニニ/三/-/三三ニ//ニニニニニ\:.∨
- 762 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:08:05.98 ID:kT/GeQoz0
-
_____
. ´ `
/ ___ r―‐- . \
/ /r┐`ー'^ ゝ' o \
/o `¨ (`Y´) r‐==ミヾ `、
: r‐'r‐ヘ 〈 〉 |⌒ト ∨ ハ
| |〈 |{7´ YLノ|\|_厶 }|o゚ | `、
| |く( |{∧___{⌒´ 〉/○ i:}|_,ノ `、
| ∧゚ oト ○ .〔 〕 |\
| ∧__/i __ | {f}f}、 |
| i 〔 〕人 < ノ .イ: / |\
ノ^| /f}f}\〈\ __ / :|/..┐ :| はい?
. |:∧ |\∧ '.辷____,,..彡'|=|'|/
/ \|\__,f‐|「∨ //´|=|ニ=-
-‐=ニニr'⌒ー┐ .厶斗ir。ニニニニニ=‐-
/ニニニニニrf \ `二V´}ニニニ゚ir。ニニニニニニニ
/ニニ\ニrf∧ `マ,ノ_,.ニニニニニニ%ニ/ニ/ニニ
. //}ニニニニ%。o 〉 }::/____)。o%¬冖'^∨ニニニ|
. ,.:.:/ニニ{:∨ニニ} ̄`V7∧ニニニニニニニニニヽニ/ニ|
/.:.:|ニニニ∨=/`¨¨7f=〉.:.i:.ニニ/ニニニニニニニ/ニ:|
. 〈/:.:.|ニニニ{ニ乂___/,」/.:.:.:|:.:.∨=/ニニニニニニ|ニニ
. 厶.:.:.\.ニ八ニ/ `¨7:|ニ| .:.:∧:.:.:∨ニニニニニニ ;ニニ
`⌒Τ^ У |ニ|/人\:.|ニニニニニニ7ハ∧|
. |{∧ / :|ニ|¨´ :. `¨│ニニニニニ/ |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 率直に言って、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 北伐などできる状況ではなかった。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .だが、祖逖は自分の手勢だけでも北伐する気でいた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 763 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:09:11.42 ID:kT/GeQoz0
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ヾ叉7
_BL_,, ,. _
,,、、-‐'''""´: .: .: .:::::::::.:.:.:. : :``ヾ、、、
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``ヾr==;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;::.:.:. :.: .: . :.: .: . ::.:,r'´
`ヾ::.:.:;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.:. :. :.: ; :; :.: .:.:.::r' .γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
゙、:;:;;;;;;;;:;:.:.:::==.:.::::::.:.:.:.:/ | 豫州刺史、ですか |
`ヾ.:;;;;;;;==.::.::.:.:..:.::r'´ ヽ__________乂
_,」;;:;:;:;;;:;::.:.:. :. :.:. j
``ヾ;:;:; :;::;;: ;r==.:.j
゙i:;:;:.:. :.: .:. :.:.:.:,!
l;:;: .:.: .: ..:;;;:;;;!
'i;;;;;:.:.:.:.:;;;;;;;;;!
1;:;:;:;:r=:.::{
ゞ;;;;;;:.:,r'´.:.:``;:ー-..、,,_
- 764 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:11:26.30 ID:kT/GeQoz0
-
. /:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ///|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\|
/ 7:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:. //∨|:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.',
|_//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: / |:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
/:./:.:.:.:.:.:.:.:.:\ __/:.:.:.:.:.:.:.:.Λ:.:.:.:.:.:.:.:.:.
. ____/⌒/:./:.:.:.:.∠ \_ /:.:.:.:.:.:./}/_∨:.:.:.:.:.:.|
/ /:.:.:イ/:.:.:.:.:.:Y勹冬ミ._/:.:.:.:.:.:./斗‐'''⌒:.:.:.:.:.:.:| 奮威将軍・豫州刺史。
. / ̄ ̄ ̄{ :.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:/:.:| 乂ソ /_/}/イ笊_/:.:.:.:.:.:.|:|
/ /:.:.:.:.:.| :.:.:.: /:.:. | ヒツ ノ:.:.:.:.:.:.:.ハ| .千人分の食糧と布三千匹を支給。
//:.:.:.:.:.:|:.:.:. /|:.:.:.:| _彡:.:.:.:.:/ ノ/\
. //:.:.:.:.:.:.:.:.:{:.:.:Λ|:.:.:.:| ′ ⌒7:/j/{ /-三三\ .武器防具の支給はない代わりに
. // /:.:.:.:.:.:.:.:./:\{ :.|:.:.:.:|\ ヽ ッ ノ|/\:.:.:∨-三三三三 軍勢は自分で好きに集めていいってさ
/:.:/:.:./:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.人:.:人 イ:.:.| \:.\三三三三
:.:/:.:./:.:.:._ -=二二二{二\:.:\ ≧<\:八:.:.\ \:.\三三三
/:._ -=二二二二二二 \二\:.:\ |i:i:i:{ニ{\__:\__ \:.\三三
:.:| ̄~^''<二二二{(C ̄\___\:.:\」i:i:i:i\二二二二| }:.:.:|三三
, -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
r===========r‐、: : \
|.―‐――‐―h‐l┤、 :ヽ
L二二二二二」.ニ|‐{ミi : : |
{/ /ゝ、ノイ ノl/ ― トl!: : :|
|l:/|/● ● ト、: :|
その条件でよく受けましたねと .|/!:ll⊃ 、_,、_, ⊂⊃ノ: : |
兵士Aは祖逖将軍のイカレぶりに呆れています ./⌒ヽ__|ヘ 丶_ノ ..イ:i : :/⌒i
. \ /:ノ从ヽ,、 __, イト:}ノ/ /
/ //ヾゝ八__/:.:.//ヘ、__∧
ヽ、.{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ;_、_ ,'
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .司馬睿は祖逖を奮威将軍・豫州刺史に任命。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 千人分の食糧と布三千匹を与え、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 武具は支給しなかったものの、募兵の権限を認めている。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 苦しい台所事情が見える
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 765 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:13:11.24 ID:kT/GeQoz0
-
|\ /.::::::::::: /..:/ :::::::::::::::::::: \\
|二\ /.::::::::::/..::: / :::::::: /.:::::::::::::: `,::::.
. \、、 |二二\/.:::::::::: ´::::::: / :::::::: /.:::::::l::: | :::: |::::::,
. \ニ- .,,__________|___厶:::::::::l::::::::::::/ ://| :::::::l::::::| :::/| ::: | /}
. 〈 \ \、、 \ニニ‘''+.,,‐- ..,,_∨∧:::l::::::::::::/// | :::: l:::::/ ://| ::: | _..、-二 /
'ニニ-..._\ニ- \二二 ‘''+.,, ∨∧::::::::: // \ |::::::l::::/ :// :|l:::::| ̄ニニニ/
. 'ニ二二ニ=‐---‐=ニニニ/‘''+.,, ∨/\//ゝ.,,_` \l/∠厶 :|:l::::| 二二二/_
\ニニニニニニニ二/.::::::::::::::::l\二/|i ´ ̄ 、____ /|::l:::|/ : /‐-//⌒ _..、丶}
\ニニ二二二二/ ::::::::::::::: l::::l:::::::::::i|i ` ̄/-|:::l:/ : /二∠ニ=-‐=ニ二 /
-‐=¬ニ二二ニニニニ/.::::::::::::::::: l:::::l:::::::::::i|i 丿 / ̄|::::\/-/ニニニニ二/
 ̄~"''〜=ニ二二二二 )\ :::::::::::: l::::::l:::::::::::i|i\ ..::::::::::|─:l'゙ニニ二二二二/ あの兵力で。
_.. -‐=====‐- .._\ ::::::l:::::::l:::::::::::i|iニニ.\  ̄`__∠_:::::: | ::: |ニニニ二二/
二二二ニニニニ_..ニ=-‐…‐\l::::::::l:::::::::::i|ト、\二,><,二アニ\\ |::::: lニニニ二二ニ- .,,_ どうかしている
二二二二二_ -ニニニ二二二l::::::: l:::::::::::i|i\\/ \ニニ二二| :::: l二ニニニニニニニ=‐-
´"''・‐-=ニ∠二二ニニ二ニ=‐l:::::::::l:::::::::::i|i ∨ :l│ / /~~`_二二|ニ| ::::: l-‐二二二二ニニ_ニ-
<二二二二_..、 -‐=ニニニl:::::::::l:::::::::::i|i)\/∧ :|!‘、ヽ、 |二二|ニl::::::::::lニ=- .._ニ=-‐'''"´
,>ニニニ ̄ ̄/ -‐…l:::::::::l:::::::::::i|i \\∧| ‘、 \) /|二二|ニl:::::::::lニニニ`ヽ、
/ニニ二二二l l:::::::::l:::::::::::i|i\_∧_ ゞ'^\)∨-|二二|ニニl::::::::l二ニニニニ\
ニニ二二{¨| ̄| ̄´"''〜l:::::::::l:::::::::::i|i: \\ //|ニニニ二|二二|ニニl:::::::|ニニニニニニ\
-‐=ニ二ニ` | | :l:::::::::l:::::::::::i|i: `││´ |ニニニ二|二二|ニニl:::::|\ニニニ=-‐
∠ニ=-‐/ニ二ニ=- .._l:::::::::l:::::::::::i|i \∨/ |ニニニ二|/\|ニニニl:: |\\
. /ニニニニ二l:::::::::l:::::::::::i|iニ=- ._ ∨ |ニニニ二|二二|ニニニl::|二\
. /二二二二l:::::::::l:::::::::::i|i 二二二\ | _...-|ニニニ二|\/|ニニニl|‐…‐-
. /ニニ二二l:::::::::l:::::::::::i|iニニニニ二二,/二│ニニニ|二二|ニニニニl
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .庾亮、字を元規。豫州潁川郡鄢陵の人。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 容貌が美しく、談論を得意として老荘を好み、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 当時の人々は彼を夏侯玄・陳羣の類と評し、その厳然な態度を憚った。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 父親の庾琛が八王の乱末期に会稽郡太守になったのに同行、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 司馬睿の属官として重用され、妹が太子となった司馬紹の妃になっている
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 766 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:14:04.59 ID:kT/GeQoz0
-
/ :. ィ.;:.:.:.:.:.:.:ヽ
イ:.:.:.:/-|/|∧:;、:.:.〈
リ:.:./ ● く!:,:.:..、
l:.:.l ●/:./ ̄
vヘ - ノ:./ 後年、中央集権を推進しようとして、各地の有力者に嫌われた人物でもある。
_,-+ 匸ヘ/V
,《 ヒ⌒j 》、 .司馬睿の側近の劉隗・刁協もそうだが、
l::\ l /‖::l この種の人物は東晋の構造上、どうしても憎悪される運命にあるらしい
|:::::::ト,Vイ:::::|
|:::::::l介l:::::::|
l::::::|人|:::::::l / ::::::::::::::::::::::::::::::_.. -‐‐- .._
|\. _ ´::::::::::::::::::::::::: ,. '´::::::::::::::::::::::`ヽ、
|二\ 〈\`ヽ、 ::::::::::::::::: /:::::::::::::::::::::: / :::::::: \
‐- ..._|\|二二\∧ \. \:::::::::::::´::::::::::::::::::::::/..::::::::::::/.::: `
ニニニ`ニ\二二二l:, \〈\ /:::::::::::::::::::::::::´::::::::::::::::/ ::::::::::::,
ニニニニニニ二二l:::::, ∨\:::::::::::::::::::/.: /..::::/|::::::::::::::::|
二二二二二二二l ::::::::, ∨/\::::::::::://..::::∠._ |::|::::::::: /
ニニニニニ二二l::::::::::::::. |∨'‐--‐''"´:::::/ `'ト|::::::::/|
ニニニニニ二二l:::::::::::::::..\ |: \:::::::::::,,. '´\\ 八| :: /: |
ニニニニニ二二l::::::::::::::::::::::::`¨|::::::::`¨¨´| \>'′ノ/..:: |
温嶠殿がいなければ .ニニニニ二二l:::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::: | {/..:::: |
蘇峻の乱で確実に死んでいた。 .ニニニニ二二l:::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::: | \ ::::: |
-=ニ.._|\ニニl::::::::::::::::::::::::::::::::: |::::::::::::::::: | 、_ / ::::: |
このスレで詳細は語らぬが .ニニニ二\|\ :::::::::::::::::::::::::::: |::::::::::::::::: | \_,> /..::::::::::::|
ニニニニニ二二\|\::::::::::::::::: |::::::::::::::::: | /:::::::::::::::::: |
ニニニニニニニニニ\|\::::::|::::::::::::::::: |`' .,,_/|│::::::::::::::::: |
ニニニ二二二二二二二二\|::::::::::::::::: | :::::::::::::: |│::::::::::::::::: |
二二二ニ``〜、、ニニニニ二二|::::::::::::::::: | :::::::::::: ∧|::::::::::::::::::: |
ニニニニニ二二``〜、、ニニニ.|::::::::::::::::: | :::::::: 、ニ二, /|::::::::::|
‐-=ニ..._ニニニニ二二二`ヽ、二|::::::::::::::::: | :: /-ニニ∨-|::::::::::|
- 767 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:14:52.93 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年夏 晋 揚州 建康】
┌┐
/~'7;; |/~''7 〜〜〜 〜〜〜
〜〜〜〜 (晋( ̄| (
、___`t-'ーイゝ-i ┌┐
ヽ] ̄二二二7 /~'7;; |/~''7
〜〜〜〜 〜〜 ""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 (晋( ̄| (
┌┐ 、___`t-'ーイゝ-i
/~'7;; |/~''7 〜〜〜 ヽ] ̄二二二7
(晋( ̄| ( ""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜
、___`t-'ーイゝ-i ┌┐ \__人_人从_人_人从/
ヽ] ̄二二二7 /~'7;; |/~''7 〜〜〜 _) (__
""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜 (晋( ̄| ( ) この祖逖ッ!! (
〜 、___`t-'ーイゝ-i 〜〜  ̄ ̄) ( ̄ ̄
〜〜 〜〜 ヽ] ̄二二二7 /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
〜〜〜 〜〜 ""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜 〜〜〜
┌┐
/~'7;; |/~''7 〜〜〜 〜〜〜
〜〜〜〜 (晋( ̄| (
、___`t-'ーイゝ-i
ヽ] ̄二二二7
〜〜〜〜 〜〜 ""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『祖逖伝』に曰く。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 祖逖は本籍地からの移ってきた部曲百余家を率いて長江を渡った
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 768 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:15:41.23 ID:kT/GeQoz0
-
_ .......-――‐/⌒\
/:._/ ̄ ̄|:.|:.:.:.:.:\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.|:.:.:.:.:≧ <
/:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. //|-=ニ 中原を清めずして!! ≦
. /:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ///|:.:.:.:.:≧ ≦
/ 7:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:. //∨|:.:.:.:./Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
|_//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: / |:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
/:./:.:.:.:.:.:.:.:.:\ __/:.:.:.:.:.:.:.:.Λ:.:.:.:.:.:.:.:.:.
. ____/⌒/:./:.:.:.:.∠ \_ /:.:.:.:.:.:./}/_∨:.:.:.:.:.:.|
/ /:.:.:イ/:.:.:.:.:.:Y勹冬ミ._/:.:.:.:.:.:./斗‐'''⌒:.:.:.:.:.:.:|
. / ̄ ̄ ̄{ :.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:/:.:| 乂ソ /_/}/イ笊_/:.:.:.:.:.:.|:|
/ /:.:.:.:.:.| :.:.:.: /:.:. | ヒツ ノ:.:.:.:.:.:.:. \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
//:.:.:.:.:.:|:.:.:. /|:.:.:.:| _彡:.:.:.:.:/ ≧ <
. //:.:.:.:.:.:.:.:.:{:.:.:Λ|:.:.:.:| ′ ⌒7:/j/{-=ニ 再び大江を渡る事はない!!! ≦
. // /:.:.:.:.:.:.:.:./:\{ :.|:.:.:.:|\ ヽ ッ ノ|/\:.:.:∨ .≧ ≦
/:.:/:.:./:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.人:.:人 イ:.:.| \:.\/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
:.:/:.:./:.:.:._ -=二二二{二\:.:\ ≧<\:八:.:.\ \:.\三三三三三\
/:._ -=二二二二二二 \二\:.:\ |i:i:i:{ニ{\__:\__ \:.\三三三三三|
:.:| ̄~^''<二二二{(C ̄\___\:.:\」i:i:i:i\二二二二| }:.:.:|三三三三三|
/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:\ニニ{ \:.:\:i:i:i:i「  ̄ ̄ C)]\ }:.:.:|三三三三三|
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i\ニ.{ |i:iΛ:.:.:.\i{ |:i:i:iノ:.:. |三三三三三|
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:圦 |i:i:i:i:}:.:.:.:.:.:}{ |:i:i:イ:.: ノ-三三三三/
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}ニ\ |i:i:i:ノ:.:.:.:.:.八 |:i:iノ-彡ヘ三三三 /\
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}ニニ}. |i:i:⌒7/:i:i:i\ |:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iV三三/-三}
- 769 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:16:32.03 ID:kT/GeQoz0
-
/ / / /
lー ''''" ̄ ̄"  ̄ ̄`'、 lー ''''" ̄ ̄"  ̄ ̄`'、
∠,,、 -z ,r――― ''" ∠,,、 -z ,r――― ''"
、 '"´,、ィ / 、 '"´,、ィ /
、 '" ,、 '":ツ / |^l 、 '" ,、 '":ツ / |^l
、-' ,、 '´ / / /'''',,,," 彡 、-' ,、 '´ / / /'''',,,," 彡
| ,、 '´ / / `゙^ _,| │ | ,、 '´ / / `゙^ _,| │ |^l
'´ / /l/ .,/,_ | '´ / /l/ .,/,_ | ;‐i /'''',,,," 彡
// .l_,'" | .| lニ ニ// l_,'" | .| lニ ニl ;‐i `゙^ _,| │
{_,l゙ .〈/!_| lニ ニl {_,l゙ .〈/!_| lニ ニl .,/,_ |
〈/!_| 〈/!_| .l_,'" | .|
{_,l゙ .
, -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、 , -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
r===========r‐、: : \ r===========r‐、: : \
|.―‐――‐―h‐l┤、 :ヽ |.―‐――‐―h‐l┤、 :ヽ
L二二二二二」.ニ|‐{ミi : : | L二二二二二」.ニ|‐{ミi : : |
{/ /ゝ、ノイ ノl/ ― トl!: : :| {/ /ゝ、ノイ ノl/ ― トl!: : :|
|l:/|/● ● ト、: :| |l:/|/● ● ト、: :|
|/!:ll⊃ 、_,、_, ⊂⊃ノ: : | |/!:ll⊃ 、_,、_, ⊂⊃ノ: : |
/⌒ヽ__|ヘ 丶_ノ ..イ:i : : /⌒i /⌒ヽ__|ヘ 丶_ノ ..イ:i : : /⌒i
. \ /:ノ从ヽ,、 __, イト:}ノ / / . \ /:ノ从ヽ,、 __, イト:}ノ / /
. 从 l||l //ヾゝ八__/:.:.//l||l从. . 从 l||l //ヾゝ八__/:.:.//l||l从.
( ⌒ ) .{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ( ⌒ ) ( ⌒ ) .{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ( ⌒ )
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ そして、長江において、櫂を叩いて誓いの言葉を立てた。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 言葉と顔色は壮烈であり、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .将兵は皆慨嘆したとされている
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 770 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:17:41.27 ID:kT/GeQoz0
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-‐‐……‐-
_ _/__:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
j:.: : \ \:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: \:.:.:.:.:.:.:.:.\
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/:.:.:.:.:.: : ',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : ',:.:.:.:.:.:.:.:.:.
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/:.:.:.:.:.:.:.:./:.y冬ミ|:.:.:.:.:.Λ|/斗=ミ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:∨ ̄~^' \
/:.:./:.:.: /:.:.:{ _)ハ:.:.:.:/ イ´ _ノ:ノ}`Y:.:.:.:.:.:.:/}ノ:.:.:.:.:.:.:.| \
//|:.:. /:./:. Vりノj/ Vヒソ ,ノ:.:.:. / ノ:.:.:.:.:.:.:.:. | ) }
/' |:.:.:.:.:./:.:ハ /:.:.:/:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:. / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
 ̄ ̄~^''丶、 |/|:. /:/|:.:.:} 、 /"⌒/|:.:.:.:.:.:.:.:| ̄ ̄ ̄ \
-‐ ''^~ ̄ ̄`\‐- ..,,_|:/:.:|:.|:.:人 { |:.:.:.:.:.:.:.厂 ̄ ̄| \_
丶., |:.:.:.∨:.:/:.: >、' ‐- イ:.:.:.:.:.:/:.:.|:.:.:.:.:.:', __}
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/"´ ̄ ̄ ̄/ :.:/:.:.:.:.:.:./)ー=≦ /|:.: /二:.:.|:.:.:.:.:{ ',
. / ___/:/__;;:.: -‐/ニニ/:i:i:} /ニニノ:.:./二二〉:.:.:.:.:.\ ',
"´ /:/ニニニニ/ニニ/i:i:i:///二二/:.:./二 /二\:.:.:.:.:', ',
/二二ニニニニ/:i:i:i/:i:i:{ニニ/:.:./二二二二二\:.: ', ',
//{ 二二二二二./i:i/i:i:i:i:i:jニ-/:.:./二二二二二二 \', ',
/:.://{二/ ̄ ̄\//i:i:i:i:i:i:i:i/\/:.:./二二二二二二二二-', ',
. /:.:.:./ {-/ /⌒\i:i:i:i:i// / :.:/二二二二二二二二二 ', ',
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } こうして祖逖の北伐が始まった
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 771 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:18:28.32 ID:kT/GeQoz0
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/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、 ところがこの北伐。
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ いつ始まったのかがよく分からない。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: 『晋書』『祖逖伝』には、
∧\ マ三ソ| \ .彼が「いつ」豫州刺史に任命されたかは書かれていないためだ
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
{ 、ノ. -=:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...., } |_ _
/ゝ、 .>/:::::::::::::::_,..-‐:::::/::::::::::::::::::丶:::::ヽン:::::::、:::,
/::::/::::::,./:::::::::::::::/:::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::ヽ:丶r 、:::丶::,
. /::::/:::::,∨::::::::::::::::::!::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::, i }::::::::::::::,
, _. ./::::/:::::; |::::::::::::::::::::!::::::::::::::::::::::/::::::::::::::|、::::::!::::::::, .i }::::::::ヽ:::,
≧‐-/::::/::::; _ _.|:::::::::::::::::::!::::::::|:::::::::::/|::::::::::::::::!丶:::::!::::::::::,i }::::::::::丶:,
/ !:::/::::, .!:::丶:::::::::!:::::::::i:::::::::/ !:::::::::::::::i 丶::!:::::::::::,i!::|丶:::::::::,
,.......!::/::::; _.-‐,:::丶::::::!::::::::::i::::::/ .!i!:::::::::::::| ヽ::::;::::::::,::!:::,ヽ::::::::,
_,..´ !/:::::, .∨::::丶:!:::::::::::|:::/ i|:/|::::::::/ ._斗 ≦!::::::::!i!:::::, 丶::::::,
むぅ〜。 ./::y:::::, /_ヽ|::::::::::/!/`‐-=-i!‐|:::::/ z==ミ::!::::::| i! :::::, .丶:::::,
//::::{:::::, __,.__ {i .!:∧:xz==≠ミ |! .ヽ/ ム ゚ } .〉!:::::| _, ヽ:::,r、 :::::::,
不貞腐れるぞ〜 . /::::::/!::::| ゝ !i |:fzん゚ ソ Vン /|:::::/,´ ハ/ y :::::::,
/:::/ .|:::::!. \ヽi!∧ `¨、、、 、、、i! !::// / :i!:::::,
/ |:::::!-‐--- 、, ニニ r‐--- 、 ` ___/___ / r.、. i! ::::::,
|:::::!ニ=-´ヽム / r =‐-‐ ヽ )-‐_, -´ニニヽ ./ ヽ.i!ヽ:::::,
__, -=-ヽ:::! : : : : : :ヽム´/ / _, -‐ _ , -‐ ==´ヽニニニヽ / |i! ヽ:::::,
ニ=-=´ }::! : : : : : : :ヽムゝ^ -とノ´ __, =-‐ニニニ}-‐´_ -‐ ^ ヽi!
///∧ : `i: : : : : : : : :ヽム _ _ , -‐ニニニ=- ¨ }ニニヲ¨´
////∧ : : : : : : : : : : : : :ムニニニニ=- ^¨´ _ 。s≦ ~ ´
- 772 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:19:22.82 ID:kT/GeQoz0
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/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、 .約百年後の宋代に編纂された『晋中興書』は、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 祖逖が豫州刺史に任命されたのを「建興初」としている。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ .建興は皇帝司馬鄴時代の元号で、
/ ヽ{ ト、ヽ l: 『資治通鑑』『晋紀』も「建興初」任命説を採用している。
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____ .しかし、この説には首を傾げる箇所がある
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
|: | /} //: : | |
∨ / / ''"゚~ ̄~~"'' { |: : //
rく{/ \\乂|_,//
L// / | ∨ \
// | \| 、
| Λ | `
| | Λ | | |
建興年間の初め頃なら、 | ∨⌒\\ _⌒_| | |
まだ私が兗州で頑張っていたはずですわ。 .| | 「^h ┬┬:| | |
| |: tり L/り| | |
荀氏の御兄弟の行台もあって、 .| |:〉'' ' '' | | | |
三者の連携も可能だったはずですの。 | |:人 v , .:| | | 、
.| |..:..:..:.. _ 、<|..| | | `
それがそこから数年間、 八 |/)..:..〕T⌒T⌒|..| | |:..\ \
まるで音沙汰なしはおかしいと思われません? i⌒V⌒i //厂>r<´⌒ ) ̄∨ ├ヘ.. \ \
( ̄ / ̄ ̄ ⌒くニつ|_/ ::::: 〈 厂| VΛ..:..:.\ \
( ∨ _rへ \\:::|:::\___ノ /___| VΛ..:..:..: \ \
└<::| / 厂 ) \,>┘|__/ / ] | |:::::|..:..:..:..:..:..: \
. /:└'⌒┴<_厂 | /::::::Λ::: 〉/\,厂| | |:::::|: 厂|:..:..:.. | |⌒
/::::::::::::::::::::::::::::::Λ \/ ∨ __ノ::::::| | |:::::|/ | :..:..:| ノ
- 773 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:21:05.11 ID:kT/GeQoz0
-
/ :. ィ.;:.:.:.:.:.:.:ヽ
イ:.:.:.:/-|/|∧:;、:.:.〈
リ:.:./ ● く!:,:.:..、
l:.:.l ●/:./ ̄ .祖逖の作戦能力に疑問符がつきかねないのだ。
vヘ - ノ:./
_,-+ 匸ヘ/V . ただ、同時期に兗州刺史が三人いた記録もあり、
,《 ヒ⌒j 》、 一概に「建興初」任命説がないとも言い切れないのが判断に困る
l::\ l /‖::l
|:::::::ト,Vイ:::::|
|:::::::l介l:::::::|
l::::::|人|:::::::l
、_,;ー'" / `"'-,
`ー=, / / ヽ
,/ f \ `l、
l/'i / /´rヾMFヾ \ ヽ 、 .1
! | l l ヾ(::::: ヽ〉ヽ)ヽ `l ミ ー .、 |
| {レヽ〈:::~``'' ´ ソ |! l } ミ. ミ ト
レヽ,;:::''''`':;|;il~,. -‐' ル )ノl / ミ ノr^,ヾ !
ゝ l;ュ=≡{., (;;,(ニ===、-.l! li /ソ ;;)|./
俺の伝にある話だよな。 `!;ェ‐・オ ""'''< `・ーz'ー'~ |/ フ;;i |!
|:'""`')' ^ヽ;` ̄,. -‐'^ i|;;;;ノ/\ー-、-.,_
俺が琅邪王から、 !;:.. .:;i| ;, ~、´ ,/ |,..ノ; \ ゝ ヽ``)、.,_
李述って奴が荀藩から、 ``ヽ(__,,,,...) \_,,..-' |;;; |〉 トli ヽ
劉演が劉琨からそれぞれ兗州刺史に任命されたのさ。 |::::::::J..,,_ ^ヽ, : 1, ;!;: /l、 ) |
ヽ::r,―--一' . , il/::: :: / ! ; /
各々一郡に駐屯したもんだからもう滅茶苦茶だ .//'i`ー-'´; ' ;. ',/;;;::::: .:::::∧ } ヽイ
/ / L.;_';_._,`.ノ;;;;;;:::::::...::::::::::/ ヽ l ´{
/ |/::::::::::/;;;;/;;|;;;;;:::::::::::::::::::::::( 〉{ 〈
/ /:::''''''''/;;;/ :::::|::::::::::::::::::::::::::ト / 〉 |
| / |;;〈 ::|::::::::::::::::::::::::::::\/ / {
晋 兗州刺史 郗鑒
- 774 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:23:26.63 ID:kT/GeQoz0
-
::::::::::::::::::{:::::/ : !::::::| .|::/;;;;;:::::;;;ハ::!::!:::!:::::::::ヽ
:::: 'マ:::::∧::| :... ゞ::|- |:!::. `´ ノ::}:::|::!::::::ヾ::}
:/ Vミ ゞ| '´⌒!ト:: !|::. ー彡:|:::i!::|:::::::|:|:!
ノ ミ , '≦ミトzzイ}:: {:: 彡:::j!/|:::::/j!
ヾ_ _} .. ミ -t::ッ-ゥcノ::ノミzzx}::/::j:::/
ゝ、) ::.ゝ ー-~~ノ:: ミ (:夂ュ:i'´/ノ'" そう。
~}, ,乂 ... ハ::ィ::}
\, , ,::} ー-::彡.. と、 {:: ノ .その「建興初」の頃なら、俺も兗州の鄒山にいたのさ。
キ;:;{´ ( 、; ; ; ;i ト-'′イ..、
ヾ; ; ; , , ヽ`ー--ζ/ ハニヽ .三年に渡って鼠や燕を食いながら、
`メ; ; ; ;  ̄`ーイ;.ノ ∧ニニト、 石勒軍他と戦いつつ、離反者を出さなかったんだぜ
_ゞ; ; ; ; ; ; ;}'´ ∧ニj}ニ
{'" |ニ--イ ∧ノニニ
|ニニニヘ Yニニ
|ニニニニ:. }ニニニ
-、 ィー''" |ニニニニヘ |ニVニ} ,. :-:.' ー ' ¨ :.ゝ.、
,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ、
,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`、`ゝ
,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ハ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
/イハ:!:.:.:l:/ i/ ノノ ノリリハリ:!:i:.:.!:.l
i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ハ!
祖逖と郗鑒が連携したとか助け合ったといった話も聞かない。 ∨|:.:.! ノ/i/ノ
ヘ!:| ノ!/′
なお、郗鑒は『晋書』『元帝紀』の記述通りなら、 ヾ!>ー- ´`-- <イリ
三年どころか、十年近く兗州に踏み止まっている .(;;;;;ソ⌒) ̄`´ ̄(⌒ヽ
ヽ;;=;;/__,,、_/;;`ソ
〉;;;;;;;;ソ:/A.i:l;;;;;;!′
く;;;;;;;;;;;;i;!;;;;;;;;i;!;;;;;ゝ
i、__,,/ !、__,,!
`ー'′ `ー'
- 775 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:26:19.05 ID:kT/GeQoz0
-
/ :. ィ.;:.:.:.:.:.:.:ヽ
イ:.:.:.:/-|/|∧:;、:.:.〈
リ:.:./ ● く!:,:.:..、
l:.:.l ●/:./ ̄
vヘ - ノ:./ .当時の状況を踏まえれば当然だが、建興年間は記録の紊乱ぶりが激しい。
_,-+ 匸ヘ/V
,《 ヒ⌒j 》、 事件の記録が、
l::\ l /‖::l 『晋書』と『資治通鑑』で時期が食い違っている事例も散見される
|:::::::ト,Vイ:::::|
|:::::::l介l:::::::|
l::::::|人|:::::::l
/:::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::}L_
/::::::::::::::/:/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/´⌒i:
. /::::::::::::::/:/:::::::::::::::::::::::ト、:::::::::::{{::::::::::i::|
/::::::::::::::,'__{_:::::::::::::__l__';:::::::::::::::::::::l:::|
. /イ:::::::::::::{/ \::::::::::::/}/ }::::::::i!:::::::::l:::|
i|:::::::::::::{T::::::T \:::/T::::::::T}:::::::ji:::::::::l::::|
我々の『資治通鑑』が信用できないと? .八:::::::::::{ L:::::」 L:::::::」}:::::/:|::::::::|::::|
. \(ヾ{ }/ノ|::::::::|::::|
頭にきました .八 r ¬ /´ |::::::::|::::|
>c。.,,_ ̄ イ |/ヽノヽ|
. ,.ィ||l //\____
,.、rf「 || // /⌒7/\
. / // || /´ / // /ハ
/ //l / / // }
北宋 資治通鑑編者 司馬光
- 776 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:28:29.05 ID:kT/GeQoz0
-
_...._
_,.-':::::::::::::`ヽ、
,..-':::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
__ /:::::::::::::::::::::::::::::\:::::::ヘ
l::::::::::::::::::: ̄::::::ー.../::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
ヽ::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ィ::ニ'::::l
ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ `ヽ:::::::l
\::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:、 ';::::::|
,ン、:::::::::::::::::::::`:-..._:::::::::::::::::::::::/::::::\ ';:::|
/ | |`ト 、_:::::::::::::::::::::`:::ー-......__/::::::::::::::\ヾl
l ト ト. ト、ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
`ハ_|ヾ 弋弍f'ー、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
'´く. 'ーイ l j、7ァt、__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l
rヽ 、 lー'-'ノ_ノ∠Lゝト弋ー-- :::_:ノ
ヘ ヽ--j..-<}::::::::::::〈.` 『晋書』の記述を見た印象としては、
,レ-'⌒:、 ヽ:::::::::::ヽ- 、 劉演が兗州から去った後に祖逖が豫州へ入った。
,. -‐、 ヽニ.:::::;r‐ '´ l::::::::::::::::::::ヘ
,r'::::.,.-' r'´ ::::ヽ __'Jノヽ::::::::::::::::::ハ 「建興初」ではなく「建武初」ならまだ分かるのだが
/:::::/ | l::: ` ヽ、_ ヽ_,l:::::::::::::::::::::l
. | :::| | lヽ、__,. 、 ';::::::::::::::::::::::::::::::l.、
. | | | |:::::::::::::::ヽ. l::::::::::::::::::::::::::::::|:ヽ
l. l ヽl. ..|::::/::::::::::´:::::::::::::::::::::::::::::::|::::l.
ヽ ヽ.__ ノ | ::|:'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
` ー- 一 ヘ |::::ー-、.._:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::|ヽ
7ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|:::ヽ
/::|::|:ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|::::::ヽ
/::::::|:::|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::|:::::::::ヽ
/::::::::::{:::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::|:::::::::::`
- 777 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:30:31.13 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年夏 晋 揚州 涂中】
┌┐
/~'7;; |/~''7 〜〜〜 〜〜〜
〜〜〜〜 (晋( ̄| (
、___`t-'ーイゝ-i ┌┐
ヽ] ̄二二二7 /~'7;; |/~''7
〜〜〜〜 〜〜 ""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 (晋( ̄| (
┌┐ 、___`t-'ーイゝ-i
/~'7;; |/~''7 〜〜〜 ヽ] ̄二二二7
(晋( ̄| ( ""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜
、___`t-'ーイゝ-i ┌┐
ヽ] ̄二二二7 /~'7;; |/~''7 〜〜〜
""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜 (晋( ̄| (
〜 、___`t-'ーイゝ-i 〜〜
〜〜 〜〜 ヽ] ̄二二二7
〜〜〜 〜〜 ""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜 〜〜〜
┌┐
/~'7;; |/~''7 〜〜〜 〜〜〜
〜〜〜〜 (晋( ̄| (
、___`t-'ーイゝ-i
ヽ] ̄二二二7
〜〜〜〜 〜〜 ""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『元帝紀』に祖逖の名が出るのは建武元年六月の事。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 確実に言えるのは、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 六月より前に祖逖が北伐を始めていた事のみだ。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ それを踏まえて、建武元年六月までの祖逖の動きを簡単に紹介したい
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 778 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:31:57.15 ID:kT/GeQoz0
-
 ̄ ̄○ー、 { _,.-‐'´
項 `}_ } __/
葛陂 `ー-{ ノ 涂中
○ 新蔡 `ーr‐' ̄ ○ ,.--
○宛 ○安城 ○ r―'´○寿春 ,「○建鄴
【汝南国】 ,.----'´ ̄ ○東城 ./
○新息 _/ 【安豊郡】 /
`ー――、__/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ○安豊 ○合肥 __{
○新野 ○弋陽 |
○六安 横江○.|○牛渚
【弋陽郡】 .} ̄ー' ̄} |
ヽ ○樊城 ∧ ∧∧∧∧ `ーv'○東興 ./
 ̄○} i ∧∧ ∧∧∧∧∧∧ `ーr―' ̄
襄陽`} `ヽ ∧∧∧∧∧∧ 濡須口○}
} 'ー, ∧∧∧∧ r'
} 南新市ヽ_,_【江夏郡】 ∧∧∧∧∧∧ _ノ
|○石城 .○ ヽ○安陸 ∧∧∧∧ r―'
.|__ 石陽○ `ー-, ∧∧∧ 皖○ _,.-‐'
.長坂○ | _____>-―‐、 ∧∧∧∧ |
○当陽 ヽ_ | ○| ○\_ |
.  ̄ ̄ヽ_ノ 夏口| 武昌 . ̄| ○尋陽 _r‐'´
___/ ヽ _/
. ̄7 'ー-、___イ
-― -―‐_ ○江陵 /
. ○楽郷__) _,.__ _r‐'○陸口
○'ー'´ ̄ | /
公安 `ヽ r'
>'○巴丘
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 『晋書』『祖逖伝』によれば、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ .祖逖軍は江陰に駐屯し、兵器を鋳造したという。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: ここでいう江陰は長江の北、恐らく淮南のどこかを指すと思われる
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !______
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 779 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:33:45.23 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年夏 晋 揚州 淮南郡】
, '´ ̄ ̄` ー-、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1 ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.」
{: :i: i /ゝノイ ノ l/ ― l :} まさか武器の鋳造から着手するとはと武官Aは感想を漏らします。
| :レ | ● ● l :|
|: i: (|.⊂⊃ 、_,、_, ⊂ l:/ .それと、募兵を行った所、
i⌒ヽ: :ゝ ル|_/⌒) 二千人ほど集まりましたと武官Aは報告します
ヽ ヽ 从ヽ,、 __, イ从/ ヽ/
∧___,ヘi.i:.:\__八__/:i.i ハ
ヾ .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.} ソ
〈 |^ヽ」丿──── 、 / 〉 | }
∧_ /´: : : : : : : : : : : : :\{ //⌒∨
/:|⌒: : :\.: : : : : : : ::\: : : :\/... ∨
/: :|: : : : : : :.ヽ. ∧.: : : :. :.\: : : :ヽ.: : : :. :.∨
/: : :|: : : : : : : :.|∨∧.: : : : :. :.}: : : : }: : : : : : :∨
{.:. :.:.|厂∨: : : :.|. ∨∧.: : : :. :.|: : : : |.: : :. :. :. :.}
|.:. :.:.|i ∨: : :.}/∨∧.: : :: ::|: : : /|.: : :. :. :. :.|
よろしい。 |.:. :.:.|| ̄` }: :厂´芹云ミ: : : :/|: : / .|.: : :. :. :. :.|
|.i{: : {r芹示 ゞツ.: :. :./ .|. / |.: : :. :. :. :.|
じゃあ、寿春の王含殿の所へ御挨拶。 |八:.∧ ゞ' , } : : / |/ .|.: : :. :. :. :.|
/ }∨∧ 厶イノ イ |.: : :. :. :. :.|
大事な事よ |: ∨丶 r─ 、 / {ん j: : : : : : : :|
|: : ∨.}\ ー ' / | │ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
|: : : : :|. \_, < .人 | \__
|: : : : :| 」 // ̄} 」
|: : : : :| >y'7 //{ ̄ ̄ ___/ ̄ ̄´
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .そして、二千余の兵を得た。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 建康出発時に数百家率いていたのを見るに、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 多く見て総勢数千程度の軍勢だったと思われる。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 察しの良い方ならお気づきかもしれないが、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ この時点ですでに支給された兵糧以上の兵士を抱え込んでいる
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 780 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:35:07.83 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年夏 晋 揚州 寿春】
, '´ ̄ ̄` ー-、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1 ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.」 王含将軍には
{: :i: i /ゝノイ ノ l/ ― l :} 本当にお世話になりましたと使者Aは主の言葉を伝えます。
| :レ | ● ● l :|
|: i: (|.⊂⊃ 、_,、_, ⊂ l:/ 今後も何かあった時は頼りにさせて頂きますと使者Aは懇願します
i⌒ヽ: :ゝ ル|_/⌒)
ヽ ヽ 从ヽ,、 __, イ从/ ヽ/
∧___,ヘi.i:.:\__八__/:i.i ハ // l `ヘr> .// ァ `` マL`` / /-‐ _ /_
ヾ .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.} ソ {,′ | /´ ヾ,'/ / ヽ. ヽ',、v/ヤ=z ̄._ \
{ // , , f: / ∧ マ{ゞ' ヽ. ` . `ヽ``ォ
ヤ // ,イ/i{ {f { ', ', ',Xヽ ',\ \ ', :}
ノ〃 / {ア⌒l ∧ :, : ', } lヾ ', :, ヾ ヽ } .,′
~ 7,' ,: : { l ` {i l : トヽ }ヘ l ヘ ヘ j/
f{ / トヘ⌒ } ,: ∧. _i_ l l7,'ノ ∧l , : ∨
.l ハ{ lィ~ム,7 // ´ヘ {ヘヽ } ' l〈j jl:i ', ヘ .∧
あの祖逖殿に助力できるなら喜んで。 ', l }', l}ヤ.{;サ/ ' _ニ._ ヘ,' ,' :X/ ,' }l : X ',
∧{ l ヘll , ''´ ̄``ヾ/ , ./∨ // } l / ', ∨
ですが、そのような貧弱な軍容で大丈夫ですか? l :{ ムイ .イリヘ ./ l l iヘ ',
} iヘ. f=- . _ / 。s<ォ> , .ハ {',∧ ,
j li .ヽ乂: :ノ >>''´ヽ , ,' } :, l , ∧',
,' />ァヘ... 。zァ fif´マヤ i /j/ j , : : ∧,
/ ハ=ム f: rァヤ: :lll ',ム f7 ヽ // / :, i , ヘ
晋 南中郎将 王含
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \ また、後々の北伐の展開から、
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .揚州の都督だった王含の協力を取り付けていた可能性が高い。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 王含の配下にいた桓宣という人物の伝には、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 祖逖の軍勢は力が弱かったという記述が残っている。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 『晋書』『祖逖伝』にも同様の記述があるので、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 祖逖軍が貧弱な軍勢だったのはほぼ間違いないだろう
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 781 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:36:33.55 ID:kT/GeQoz0
-
○壺関 ト、_ 〇鄴 〉
并 州 | ``ヽ、_ 【魏郡】 ,/
○長子 / ``ヽ、 内黄 _,/ 〇
`‐-、 _,,ノ′ 蕩陰× `, ○ _,,,-‐´ 東武陽
l 「 【汲郡】 ,' / ○ 【東平国】
,! 【上党郡】 l 枋頭 /黎陽/ 頓丘 【東郡】
( 〉 黄橋〇 ○ i´ ○/河 ○鄄城
`ヽ、 / ヽ/ ○ ○濮陽 〇廩丘 【山陽郡】
`ヽ、 _,,,,,,-‐'′ 【河内郡】 / 白馬
`‐-‐´ ,-‐'´○東燕 昌邑
司 隷 _,-‐'i´ ○延津 【済陰郡】 ○ ○
,_ 河橋 温 ○懐_,,,-‐'´黄 `-、 定陶
```‐-,, _○ ○ _,,,-一'´ ×官渡 ○陽武 ○封丘 兗 州
 ̄`゙~~~´ 〇滎陽 !倉垣 ,-、
◎洛陽 ○ `○、 陳留 【陳留郡】 / / _,,,_
○ 【河南尹】 中牟 / ○ / (_,/ `ヽ
河南 _,,..-‐- 、,_ ,,-一´ ○雍丘 ,,-‐′○蒙城
○ ('´ ○輪氏 `、 ,/ ヽ 【梁国】
新城 ``'''‐-、,,_ `‐-‐'''´´ `~~`ヽ、 ,,_○圉_,,-‐′
梁○ _,,) 〇陽翟 ×洧倉.--′`´○陽夏 蕭
,,,_ ,ィ´【襄城郡】 ○許昌 【陳国】 ○ ○
,/ `~´ ヽ ○ 【潁川郡】 譙 太丘
,/ 魯陽 ) 襄城 ○寧平 ○ 【譙郡】
,,/ ○ ``'''i 豫 州 ○陳
ゝ,
荊 州 )
【南陽郡】 / 南頓
〇宛 ○ ○項
【汝南国】
安城
○ ○新蔡
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 祖逖軍は淮南から北上し、諸勢力が入り乱れていた豫州へ入った
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !______
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 782 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:37:14.28 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年夏 晋 豫州 許昌】
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
. | `-=ニ=- ' .:::::::|
\ `ニニ´ .:::::/
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i | /::::::::::::::::/::::::::::::::::::ヽ:::ヽ
> ヽ. ハ | || /::::::::::::::::/::i:::::::::::、::::、::::ハ::::ハ
./::/::::::/::/:::::!::::::::::i:::i::::i:::、ハ::;yi
i::::i:::::::i:::::!::!:::i:|::::i::::!:::!:::i::::i:::i、 i:i
!:::|:::::::|!:::!i_i:::i!i!:::ト::i:ii:!=<i::::i-〈|
!i!::!_!,=っ=ミ, ,=っ=i7!:::|, !::!
`¨.i::∧ ゝ- ´ ゝ-´ |:/|/〈|
そうですか。 ∧:::∧ i /:::/X!:|
/::∧:::::::.. _ ./:::::::|><|:!
あの祖逖が豫州に来るのですね。 /:::::::∧:::::::>...` ´....<:ノ/::/:|><|:|
/::::::::::::::i\::!/ `ミ彡</:::/:::!|:><i::|
やっと晋王殿下もその気になって下さいましたか ./::::::::::_>!::i::i:!| i::::i i!::/:::/>=-=!、
彡,=<´ ̄ !:::!::i::i、 i::::∧_!i∨/ / ,==、.i、
/::| i /::/ノ::!i::i=´i:i i !〉:::| / i|=∨i:::\
:::::!、 i ,=、--=,==!_| /::| |/i::::|-\> ̄>/i:::::
i:∧ ||i<>、 >、` ` <=i=-、!:::|∧_ヽ -=、_ \:
:::i:::i|、 ∨ i、< > !  ̄>=-=、__..
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 当時の豫州には、許昌に荀組が率いる行台が存在
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 783 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:39:22.22 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年夏 晋 豫州 譙】
|┃ /ニYニヽ
|┃ ./( ゚ )( ゚ )ヽ
|┃ 三 /::::⌒`´⌒::::\
|┃ | ,-)___(-、| 大変だっていう!
|┃ . | l |-┬-| l |
|┃ \ `ー'´ / 建康から新たに豫州刺史に任じられた
|┃ / `ヽ. 祖逖とかいう野郎が乗り込んでくるっていう!!
|┃ 三 ./ \
,⊆ニ´⌒ ̄ ̄ " y r、 ヽ
⊂二、 ,ノ──-‐'´ | | l" |
|┠ ' | l/'⌒ヾ
|┃三 | |ヾ___ソ
/ニYニヽ
/( ゚ )( ゚ )ヽ
/::::⌒`´⌒::::\
ふざけんな! | ,-)___(-、|
| l |-┬-| l |
建康は俺たちの地位を認めたんじゃなかったのかっていう!! \ `ー'´ /l!| !
/ \ |i
こうなりゃ徹底抗戦だっていう!! ./ ヽ !l ヽi
( 丶- 、 しE |そ
`ー、_ノ 煤@l、E ノ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .豫州東部の譙には、
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 流民を率いていた張平と樊雅が割拠。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 彼らは兗州刺史劉演から豫州刺史と譙郡太守に任命されていた
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ また、建康の司馬睿からも節度を受けており、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 北方の備えとして、二人とも四品将軍に任命されていた
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 784 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:40:37.64 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年夏 晋 兗州 陳留郡】
|\_/ ̄ ̄\_/|
/\ /\\_| ▼ ▼ |_/
/ /\ \ \ 皿 / 大変です!
())ノ__ ○二○二⌒/../
/ /||(二ニ) (___/../ 几l ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ 建康から……(ry)
γ ⌒ /|V||彡Vミ/⌒_ノ二二ノl0
l| (◎).|l |((||((゚ )/⌒/||三三三・) || (´⌒(´
__ ゝ__ノ  ̄(___) ̄ ゝ__ノ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(´⌒(´⌒;;
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
ト、 / \ ,:イ
| \___/ ___ ,,),,) ___ ヽ_/ |
祖逖と組んで譙のトカゲどもを叩くか | ..:::ヾ::::::ヾ:::::::::::/ ヾ::::::::::/ | /
\ ....::::;;;;ジ::::::: ヾ;;;;;/ ヾ;;;;;/ |;;::. シ
 ̄ ̄ ̄|::::::::::::::::: i ̄i ̄i ̄i | ̄
ヽ::::::::::::::::::: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ノ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } また、豫州と北で境を接する陳留郡には、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 塢主の陳川なる者が寧朔将軍・陳留郡太守を自称して割拠していた
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 785 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:42:16.61 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年夏 晋 豫州 梁国】
\__人_人从_人_人从/
_) (__ ,,((彡从((彡;;;;彡彡彡彡,、;;',、"
) 胡蝗だァッ!! ( ,r'"イヽ从从〉从//从从彡彡ー彡彡彡;
 ̄ ̄) ( ̄ ̄ |((;;;;从ijj|从〉/从彡彡;;;彡彡彡彡彡
/⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\ ミアミ从ミ十ン<<ヽ{( ヽ从三三三;;三|
((~ミミ三ii从ミ三ミ);| ヽ三;;;;三ミミミミミ;
'=三(((((从iii」(ヲ''~ ̄'''ヽ~;ヽ~' ー-、
ヌ彡tヽ,=マ~;(;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ii;;;;L;;;;_
(彡''~*。;リ⌒' 、; ;;;;;;;;;;;;;ノ";;ノ''|;;;;;;;))ヽ
|i ij;;;;;;/ノ::::::::::'、==≦ー'"::: |/レノノノ;;;;;;;;;;
今年は冀州が不作だ。 'itk;;;;ノi、`:::''つ:::.、 ::::::::::::::::::::彡,r';;;;;;;;;;;;'リ、
~'ーt''~:::`';;、:::::::::::::: :::::::リ`~;;"ヽノ);j;;;j、
その分の収穫は豫州から奪うか ヽ :: ,ァ'''' ー-、:::::: :::::j;;;;:;:;:;:;:;:::: :::: t;;、,,,
ヽ: " (⌒':::::::::: :::::/;;;:;:;:;:;:;:;:::: ::::: ヽ;;;ミ~~~
. ヽ''''" '':::::::::::::::;、-'";;;'"彡:;:;:;:::::: :::::: )ミ;;;r'"
ヽ ...::::::::;、-'";;;;;;'"::::::;:;:;:;:;:;:::::::::/ミ;;;;t、;;;
. ,,、、`'t'''''''''";;;;;;;;;;;;;;;;::::::;:;:;:;:;:;;;;;;;/ミ;;;;;;;";;;;;
,,,、-ー ''''"~;;;;;;;;;;;;ヽ つ;;;;;;;;;;:::;:;:;:;:;:;;;;/~' 、;;,,、-ー''"
;;;;;;;レ;;r;;;;;;///ヽ ::::: ;;;;;;;;:;:;:;:;:;''":::/:: ;;;;;;;;:;:;:;~""''''
、/;;;;;;;;/;;;//;;;/:ヽ ::::: ;;;;:;:;:;:;彡:::/:: ;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
、ヽ;;;;;;;;Y;;;;/;;;;;/三::::ヽ ::::: '':::::リ彡/::彡;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::
漢 世紀末救世主 石虎
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ そして、豫州の北方からは、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 石虎率いる石勒軍が幾度も侵入を繰り返していた。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .彼らは百姓の稲を競って奪ったため、当時の人々から「胡蝗」と呼ばれた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 786 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:44:10.18 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年夏 晋 豫州 太丘】
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| 祖逖将軍 |
ヽ________乂
r--─‐i r--─‐i r--─‐i
. ┌─┐ | 晋 .| ┌─┐ | 祖 | .| 晋 | . ┌─┐
. ├─┘ |--─‐'' ├─┘ |--─‐''. |--─‐''. . ├─┘
∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二ヽ:::∧二ヽ;::::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;: ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;:∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二
l :ll=lll ...::..:.l:ll =lll:..:.l:ll=lll::::l:ll=lll:::::::l:::l:::::::l::.:::.l:::l:::::::l:::::l:::l:::::::l:....:.:::.l:::l:::::::l:::::l:::l:::::::l:....l :ll=lll ...::..:.l:ll =lll:..:.l:ll=
幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 祖逖は張平と樊雅の勢力を討つべく、譙の東方にある太丘まで軍勢を進めた
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 787 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:46:25.35 ID:kT/GeQoz0
-
, '´ ̄ ̄` ー-、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1 ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.」
{: :i: i /ゝノイ ノ l/ ― l :}
| :レ | ● ● l :| 遂に兵糧切れですと武官Aは報告します
|: i: (|.⊂⊃ 、_,、_, ⊂ l:/
i⌒ヽ: :ゝ ル|_/⌒)
ヽ ヽ 从ヽ,、 __, イ从/ ヽ/
∧___,ヘi.i:.:\__八__/:i.i ハ
ヾ .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.} ソ 〈 |^ヽ」丿──── 、 / 〉 | }
∧_ /´: : : : : : : : : : : : :\{ //⌒∨
/:|⌒: : :\.: : : : : : : ::\: : : :\/... ∨
/: :|: : : : : : :.ヽ. ∧.: : : :. :.\: : : :ヽ.: : : :. :.∨
/: : :|: : : : : : : :.|∨∧.: : : : :. :.}: : : : }: : : : : : :∨
{.:. :.:.|厂∨: : : :.|. ∨∧.: : : :. :.|: : : : |.: : :. :. :. :.}
|.:. :.:.|i ∨: : :.}/∨∧.: : :: ::|: : : /|.: : :. :. :. :.|
|.:. :.:.|| ̄` }: :厂´芹云ミ: : : :/|: : / .|.: : :. :. :. :.|
まあ、ここまでよくもった方でしょ。 |.i{: : {r芹示 ゞツ.: :. :./ .|. / |.: : :. :. :. :.|
|八:.∧ ゞ' , } : : / |/ .|.: : :. :. :. :.|
さて、どうしよっか ./ }∨∧ 厶イノ イ |.: : :. :. :. :.|
|: ∨丶 r─ 、 / {ん j: : : : : : : :|
|: : ∨.}\ ー ' / | │ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
|: : : : :|. \_, < .人 | \__
|: : : : :| 」 // ̄} 」
|: : : : :| >y'7 //{ ̄ ̄ ___/ ̄ ̄´
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ ところが、このあたりで祖逖軍を兵糧切れとなった。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 『晋書』『祖逖伝』によれば、軍中は大いに飢えていたとある
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 788 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:48:01.21 ID:kT/GeQoz0
-
,. :-:.' ー ' ¨ :.ゝ.、
,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ、
,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`、`ゝ
,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ハ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
/イハ:!:.:.:l:/ i/ ノノ ノリリハリ:!:i:.:.!:.l
i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ハ! 司馬睿は祖逖のために兵糧を運ばせていた。
∨|:.:.! ノ/i/ノ
ヘ!:| ノ!/′ .しかし、道が遠いために到着しなかったともある。
ヾ!>ー- -- <イリ
(;;;;;ソ⌒) ̄`´ ̄(⌒ヽ 先程も述べたように、兵糧以上の兵士を抱えたのも大きいだろう
ヽ;;=;;/__,,、_/;;`ソ
〉;;;;;;;;ソ:/A.i:l;;;;;;!′
ノ`;;;;;;;;;;i;!___i;!;;;;;ゝ、
(_;;;;;;;;;;;7;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ;;;;;;;;)
` ̄ ̄ ̄´` ̄ ̄ ̄´
.  ̄ ̄ 、
/ __ ヽ
. ' .ィ゚ ゝ..l
_/ / >'´ ゚̄) 〉
Ζ_ i ̄]ィミ、V /
一応断わっておきますが、兵糧は送っていますからね! / にニl `{/
_/⌒Zィ , └r'⌒! >
千人分! 〃  ̄ ,_>イ辷ト、>-' ´
. -j{ __.. イ::::::::::::;:::::::::::: \
./ )7ィY゚~゚~゚'*。_i::::::::::i\:::ヽ
/′┬イー、_ンィ三ミー |:::::::: |、Λ_ノ
」 ___ノ / .∠.._ ヾ/Ti ¨´ ノ
/ 〉 .//:.:.:.:.:.:.:.`丶. 寸 ーr '´廴_
- 789 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:48:53.39 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年夏 晋 揚州 寿春】
, '´ ̄ ̄` ー-、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1 ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.」
{: :i: i /ゝノイ ノ l/ ― l :}
| :レ | × × l :| 飢え死にしそうなので
|: i: (|.⊂⊃ 、_,、_, ⊂ l:/ 兵糧の融通をと使者Aは王含将軍の慈悲に縋ります
i⌒ヽ: :ゝ ル|_/⌒)
ヽ ヽ 从ヽ,、 __, イ从/ ヽ/
∧___,ヘi.i:.:\__八__/:i.i ハ
ヾ .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.} ソ \ \ {. l ,... l } / /
`z__\ヘ{ヘ/ f‐\ ,... _ } />― 、
〃´ . 。zァr{ヘ {. {-― ´ <ミ..`` <ヤf / =- .
// / /ヽ', ', ヽ ヽヽォ\{ ヤ⌒ヽ `
{. ', ,' ア 、.ィヘ∨ i ', ',ヽ} ‐', ィ∨ ヘ
ヘ ∨ :// / ´l i\ . ヘ : l`ノ /ヽ'.}
\\,' ,' ,'-、 .l/ ∧ヘ ヘl l`X ;l :
だから言ったのです。 f イ { {i_ニ、/ 7 ̄ヘ{ヽ`:} i }.)< } l
{l l ∧',lf{:リ/ .ァfぅ芯x, :,'_Y) ,' ,'l l
うちの桓宣に兵五百と兵糧を与えて差し向けましょう |',∧ {:l ` , 乂;ツ´ /7 } / / l |
| ヽ{l _ / / イ / : ,
l ,' ヘ ヤ ) / TXヤ/ l , /
. - l , rヽヘ_ 。s ´ _lゝ ' l ,ア ,
// . , rゝイ.}_ノ {:::::: ̄::::::::} l /イ
,' f i ,,{ lノ/ `''<zzz:::z」, l ´}
{ l ,: /Y´f `マ`Y\ : ,:
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 祖逖自身も自軍の脆弱さは自覚していたらしく、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 寿春の王含に援助を求めた記録が『晋書』『祖逖伝』に残っている。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .王含は配下の桓宣に兵五百を与えて、祖逖救援に向かわせた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 790 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:52:16.01 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年夏 晋 豫州 太丘】
,.' _`ヽ、 ` k!
f x '彡-‐三ミV ` s、
. | // .i .\ .V
.{ j'" i リ_ >s._ V 王含殿の参軍を務める豫州譙国銍の桓宣よ。
\ .i リ-‐ミs,  ̄"'x-=.V
,'! リ, リ x笊ミ_` <,.ィx `K'"....,,,,_ 彼の命令で兵五百と共に参上したわ。
ii ..リ \ /´ 弋少 y‖ / .ハ .\::::::::~~V
{.V 杙リ,' ’ 彡 ./ ハ、 .\::::::::.i、 .よろしくね
| ..Vヘソヽ リ!v., ' / .i ハ.ミx .ヘミ::::}:
.iリ, .iソj 、.-ァ. .,.' .レ"/ .i }::ハ.\ ヘ.V
j,' V.ゞ'.` s._ ,.イ .// .リ .i::::.ハ} } {≧=ァ'゙.::.::.:.::.::.::.::.::.:.::.:: `丶、:.:\ー‐‐'┐
.ii N ヘ><''::彡'" ./ .ノ i乂::j .リ /.::.ア゚.::.::.:.::.::.::,.::.::.::.::.::.、.::.::.:.::.\::.`、: ̄、
.ii /ii.ヾ ..ハ _》:::∧ x''''' ‐< V !v ./ ./` 、'゚.::.: /.::.::,::.::.::.::./L.::.::.::.::.::.`、::.::.::.::.::`、∧.::. \
.ii .f .iV ヾ .ハ.V┤ f Vヾ、ソ/ 、`.::.::.::,'.::.::/ .::.::. /⌒`,::.::.::.::.::. ‘,:.::.::.::.::. ∨゚,::.::.::.:\
i! i f.i.'V.ハ .ハ、.f i ,.斗孑ミ≧‐-= ,.::.::.::.、`゙.::.::'::.::.::.::,'___ ,.::.::.:}、 ___'.::.::.::.::.::.:.Y、::.::.::.::.:`、
/.::. 、` i{.::.:{.::.::.:´′ }.:}.::.}^\l{`、il.::.::.::.::.,:.::.\:.::.::.::.::..
晋 譙国の人 桓宣 ./.::、`′ l{.::.:{.::.::.::.斗劣ミ j/}:./ 芹テ_iト、 .:.::. {`、.::.:.\.:.::.::.::.
. /.:,:`:,' 从.::. 、.::.:{{ V ツ ノ' V ツ リ:: \.::.{ , .::.:}^ヽ :.:.::.,
/.:/{.: { \「\「 ~´ ′ `~ 从 ::}^ヽ{ ゚.::.::} ゚:,:.::.′
. /.:/^乂{ {.::.::.込. " r ┐ ".仏}}.::} }.::.:} .::.:}
助っ人キタコレ! ./.:/ 、::.::{⌒iト ` ゙ イ }.::} }.::ノ }.::.}
' / \{ /{i{≧ ≦ } }\__}ノ .ノイ .}.::,
. {{ __,r┐ , ‐七I{! V., , , 厂 ̄ ~"ヽ ノイ
. 人、 /...__}_」 / i.....i゚, V 、 / / , _r‐ 、
{....´.___ノ‘, l.....liム \_/ / / , } _{``ヽ ∨
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .桓宣、豫州譙国銍の人。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 先程登場した張平と樊雅と同じ譙国の出身で、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 彼らが一度司馬睿の節度を受けたのはこの人物の説得による。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ これ以降、実質祖逖配下の将として働き、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 後年陶侃の指揮下で荊州前線においても活躍した
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 791 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:54:06.63 ID:kT/GeQoz0
-
, " ~ ヽ、:;:;:Y
,.' _`ヽ、 ` k!
f x '彡-‐三ミV ` s、
. | // .i .\ .V
.{ j'" i リ_ >s._ V ああ。
\ .i リ-‐ミs,  ̄"'x-=.V
,'! リ, リ x笊ミ_` <,.ィx `K'"....,,,,_ 豫州譙国銍の桓宣よ。
ii ..リ \ /´ 弋少 y‖ / .ハ .\::::::::~~V
{.V 杙リ,' ’ 彡 ./ ハ、 .\::::::::.i、 大事な事だから、もう一回言っておくわ
| ..Vヘソヽ リ!v., ' / .i ハ.ミx .ヘミ::::}:
.iリ, .iソj 、.-ァ. .,.' .レ"/ .i }::ハ.\ ヘ.V
j,' V.ゞ'.` s._ ,.イ .// .リ .i::::.ハ} } {≧=ァ'゙.::.::.:.::.::.::.::.::.:.::.:: `丶、:.:\ー‐‐'┐
.ii N ヘ><''::彡'" ./ .ノ i乂::j .リ /.::.ア゚.::.::.:.::.::.::,.::.::.::.::.::.、.::.::.:.::.\::.`、: ̄、
.ii /ii.ヾ ..ハ _》:::∧ x''''' ‐< V !v ./ ./` 、'゚.::.: /.::.::,::.::.::.::./L.::.::.::.::.::.`、::.::.::.::.::`、∧.::. \
.ii .f .iV ヾ .ハ.V┤ f Vヾ、ソ/ 、`.::.::.::,'.::.::/ .::.::. /⌒`,::.::.::.::.::. ‘,:.::.::.::.::. ∨゚,::.::.::.:\
i! i f.i.'V.ハ .ハ、.f i ,.斗孑ミ≧‐-= ,.::.::.::.、`゙.::.::'::.::.::.::,'___ ,.::.::.:}、 ___'.::.::.::.::.::.:.Y、::.::.::.::.:`、
/.::. 、` i{.::.:{.::.::.:´′ }.:}.::.}^\l{`、il.::.::.::.::.,:.::.\:.::.::.::.::..
. /.::、`′ l{.::.:{.::.::.::.斗劣ミ j/}:./ 芹テ_iト、 .:.::. {`、.::.:.\.:.::.::.::.
. /.:,:`:,' 从.::. 、.::.:{{ V ツ ノ' V ツ リ:: \.::.{ , .::.:}^ヽ :.:.::.,
/.:/{.: { \「\「 ~´ ′ `~ 从 ::}^ヽ{ ゚.::.::} ゚:,:.::.′
よく分かんないけど分かったわ! ./.:/^乂{ {.::.::.込. " r ┐ ".仏}}.::} }.::.:} .::.:}
. /.:/ 、::.::{⌒iト ` ゙ イ }.::} }.::ノ }.::.}
' / \{ /{i{≧ ≦ } }\__}ノ .ノイ .}.::,
. {{ __,r┐ , ‐七I{! V., , , 厂 ̄ ~"ヽ ノイ
. 人、 /...__}_」 / i.....i゚, V 、 / / , _r‐ 、
{....´.___ノ‘, l.....liム \_/ / / , } _{``ヽ ∨
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ なお、豫州譙国龍亢が本籍の桓温の一門とは別の一門である。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 双方の一門が同時代に活躍して紛らわしいが、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .同じ地域に全く関係のない鈴木さんが二軒あるようなものだろうか?
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 792 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:55:34.57 ID:kT/GeQoz0
- 【紀元317年夏 晋 豫州 譙】
|\_/ ̄ ̄\_/|
/\ /\\_| ▼ ▼ |_/
/ /\ \ \ 皿 / 祖逖将軍とお見受けします!
())ノ__ ○二○二⌒/../
/ /||(二ニ) (___/../ 几l ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ 我ら陳川配下の軍勢、
γ ⌒ /|V||彡Vミ/⌒_ノ二二ノl0 .将軍にお味方して譙攻略に馳せ参じました!!
l| (◎).|l |((||((゚ )/⌒/||三三三・) || (´⌒(´
__ ゝ__ノ  ̄(___) ̄ ゝ__ノ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(´⌒(´⌒;;
..:::´:::::::\:=ニ:"":'':! .{':::::;:ィ´:::::::::::ヽ
/:/:::::|:::::::::::::ヽ::::::::`ヽ',|:/;:ィ:´:ヽ ̄`i}
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〃|:::::::::|:::|:::::;V:´::::::::::::∧:::; -、::::::i\::::\:::::::::`、
‘, / |:::::::::ト、lX::::∨:::::::::::::::∧<- .i:::/:::i::\::::\:::::::`、
', {:::::::::{./,ィハΤヽ:、:::::::::::|トヽノ}::::::://::::,\:::::::::::::::\
よろしい。 ‘, ヾ:ト、::ヽ マ} }:ト、:::::::|| f ' }:::/:::::;、 ` :;_::::::::::::......
‘, ノ¨´ || ::::八/ |/|:/::::\ "'' ‐-ミ:≧=-....,_
じゃあ始めるわよ .‘, \ リ |/ ./\ { \:::::::::\ \::::::`ヽ
‘, ゝ , ‐ / V \::::::::ヽ======ミ -z_ \:::::::::
‘, ヽ ,、 ,.ィ`  ̄} r.<¨-=≦,. 。s≦ _, ヽ:::::
‘, 丶-‐≦ ∧ xi〔 }(_ヽ: : `´<_:∨:-:::;‐ ´ }:::
‘, _ -=/ __ -――、ミとV: : : : : : :.} ミ:::ヽ .}/
‘, _ =-  ̄ /´、 `ヽ¨` ‘, ',ム: : :, --ミ| \}
. _ =‐  ̄ ,ィ/ '. | |‘, Y/|///|z、
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 思わぬ援軍を得た祖逖は、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 陳留郡の陳川の勢力に誘いをかけ、共同で譙の張平と樊雅を攻撃した
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 793 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/01(水) 23:59:05.27 ID:kT/GeQoz0
-
//
// ,,;;;;;;'''' ,,,;;;;;;'';;'';;;'''';;; .ィi「
,,,,,,;;;;;,,,, // ,,,,,;;;;;;;'' __ mvvyvymv;;;;,,, ___ .ィi「
,,,,;;;;;;;;;;;;'';;;;;;'''''''' // ,,,;;;;'';;;; __ ( /ヽ vmvy, _」L」_ _ ≪ ` .ィi「`
,,;;;;;;;;;;''';;;;;;;'';;;;'''' // . mvr=x,__√ ∨/ }ヽ _、<ノ /≪ ` .ィi「-
;;;;;'''' '' ''' <\ / -─- (_人_ノV/ { /}// ./ ` __ .ィi「=-
mvm;;;'';;;''';;;;,,,,, mvy />'( } > /=- .-=\\:.:.:.:Y/ィi「 _{_ノ:.:.:.:._、<ヽ< -=>
__ r=xMvVyv _mvyvym./ \ ‘i, /=- -=や~''<:.}\ _ ≪ `.:.:.:/{ヽ ヽヽヽう'´
そr=x mvyvmy ( /r=x乂 / ∧ √ -=ヤ _ ≪ ` ~''<:.ィi「> }ノノノ^ /
}YM ( rx _Vx√ }/=-ハ {=-√}/∧ {=-┐=- 乂__≪ `. <≫ `7 //. //
{ ( Y V/{⌒ソ/.た V /∧ } Y=- _、<⌒;/'>─ 、 // ー '7 //
. _─ ̄ _、<=-_YiIム乂_/=- .∧ヽ {;乂_、<⌒/';';'/';/ // V/ -=}. /
_─ ̄ _、<=-_- ̄ YiIム. }=- / }:.:.:Yノ';';';/';'/';';/た';';/ / / { {\ -=}
_、<=-_- ̄ Y {=-{ YiIム た=-厂:.:.:└ 、'/;';'/'/}';';';{─{─Y Y }=-` /
. _、<=-_- ̄ /_ 寸=-YiIム -=7⌒ニ=- 、:. V/';';ノ'/';';';'}`、乂>''~ー:'~^''ー '′ /
. _、<=-_- ̄ 乂/=- / .YiIム_ノ. /:.:.:V/';';';';';';';'ノ:.:.~''<';';';';/:.:.‘i, //
 ̄ _- ̄. // ~' ノ{ /寸iIム /:.:.:.:.:.:..Y';';';'/;/.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ̄.:.:.:.:.:.:\ // /
 ̄ /// {_ノ}ノ 寸iム >- ,,_:.:.Y';/}/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.``〜、、 / //
// / / 寸ム /=-__ノ / } /、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:. //.. //
-=ニ厶ィ ノ 寸/=-{ . /─ ~′\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: :.:.:.:.:.:./:.:./:\
-=ニニ≧=─くニ=- 乂=-〉′_ノ=- / ハ\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}_
-=ニニニ=-  ̄⌒ニ=- _W} \:.:.:.:.:.:.:.: /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ニ\
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 譙を巡る攻防は激戦となった
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 794 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:02:00.38 ID:rshbA5yX0
-
/ ,.'" .ハ .ヽ \ V
./ / l .', マ .ヽ V
.,' メ! / | .| マ ..ヘ.V
l .ノ l ./ .ソ! リv \ ヘ!
.い /! | ./ シ .l /__V l ', ヘ 祖逖殿の目的はあくまで劉聡と石勒の討伐よ。
V / l | .,' ./"" ,' シ,zェミ`.s._>!、 .| ヘ
メ .| .l l メ,ィf;心'メ ./ ".辷リソ fxヘ\.! .V .そのためにあなたの力を必要としているわ。
,' l Vヘ.` _~,.ィ'" ・ ./ ,ィ j .l \
,j .い x示 '" ! ./-"j j リ l, ここで降伏しないのなら、
,'.l .V ヘ ヘ、. , 、 ,.' ,'.,' ./ |V 建康はさらに猛将を差し向けて来るでしょうね
,'.f! ヘx ハ .|ミv ’, イ_ .//ソ |vV
., .l l ヘ`x l.r| .}ミ .s... イ斗''ハ-/.イ l.iVヽ
., ! lv \x'ヘ.|_  ̄ _. "/ .リ ヘ.V.ヽ /ニYニヽ
, l .| V ,..イ\ ヘs._ ̄~ ~_,.ィ/ .ソV ヘ マ 丶 /(>#;(0 ) ヽ
/⌒`´⌒ u. \
| (- 、 |
ト-―――-` l !
ヽ `⌒´ / /、
仕方ないっていう。 `コー /,ノ:::ゝ、
i 、\ ;
ここは降伏するっていう | ! /__} ;
,-| . |ー-、/ ゞノヽ
{_ i、___,l | | ;
)ソ(___i)---| |
ゝ-i--i´ ;
`-゙
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ だが、張平は配下の寝返りによって殺害され、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } もう一人の指導者だった樊雅は桓宣の説得によって降伏した。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .譙は祖逖の手に落ちたのである
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 795 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:03:23.81 ID:rshbA5yX0
- 【紀元317年6月 晋 豫州 譙】
/\___/ヽ
/ ,,,,,,,ノiヽ,,,,,,:::i|li:\
|(○), 、(○)、 :|
| ⌒,,ノ(、_, )ヽ⌒ u.::| 祖逖将軍!
|u {,`ト===イ ,} ::::::|
\ ヾニノ .::::/"''=- 一大事です!!
/::ノ"''フ:ノ|゙ x ''|ヽ!:::_,,,L,,ノ,,ノ_ノ゙>i、
. i/ヘ" ムノ:::::| i::::! |-''"::::/ ゙ヾノヽ
/(:::::::゙ソ"_;;;;;;ノ: :V: :ヽ ''"ヽi、 をノ
(::::ヽ,ノ"!,,_::;/: :i: :i: : :ヽ_;;:::::"ヽi、 __∠:.'´:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:Y:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ /
^゙''" /::::;シ: : : : i , -ii !、\::;;ノ::::) /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、:.:.:.:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:〈
(::::ヽへ、: : : i i/ ゙''ヽ,/ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `、/:.:.:.: /|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
|:.:.i :.:.:.:.ト、:,:.|:.:.:.:.:.:. i:.:.:./:.:.:.、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、
|:.:.|:.:.:.i:.| /:.:|:.:.:.:.:.:. |/:.:.:.:.:.:.:`、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、
|:.:.|:.:.:.|:.|'__Vl:.:.:.:.:|:.:|'⌒ヽ:.:.:.:.:.:`、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、
|:.:.|:.:.:.:ィ'ハ } |:.:.:.:.:ト::〈ヽノ }:.:.:.:/:`、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、
. 人:.ト、:.:.| tリ |:.:.:.:.:||:i:;∨ ,:.:/:/ :.`、:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.: `、
ヽ >ゝ |:.:./lノ|:|_〉V:,_:.:.:.:.:.:.:.:./:`、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
ん? く / :|:| ヾ、`'〜、;./ヘ:::::\:.:.:.:.:.:.:.:.:\:.:
. ヽ、__ ::! ∨))、:::::::\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
. 心 ,l:| ∨__\:::::: \:.:.:.:.:.:.i
ゝ-‐≦{ ヾ:、 У/\ 、::::::::ヽ:.:.:.:|
ヾ /ハ .// ヽ、 __}__:.|
jI斗:r'' |:i} // /
/´ / : : l Vk / / /
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } しかし、諸勢力ひしめく豫州、すぐに別の敵が迫って来た
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 796 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:04:00.05 ID:rshbA5yX0
- 【紀元317年6月 晋 豫州 梁国】
r  ̄ ヽ __ [〕[〕
| 人 | _ __ | | r-,
| 狩 | , -'´.:.:.:.:.:.:.:.` \ | | l l
| り .| /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ_ |_/ ヽl
| だ | /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ハ _r┐__
| : .| r´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ゞ、 '‐┐┌‐'
ヽ__ > i(r':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,、_ツ、::.:.:.:.:.:.:.:ヽ lニ コ
ゝ:.:.:.:.:.:.:ヽ、__フル'_,- 、' 、:.:.:.:.:.:.:.:} , |__|
ミ彡:.:.:.ミゞーヽヒー'´_=≠ミ ヾ.:.:ミ:.:.く l^! [〕[〕
ー,:.:.:.ヾ,_,ヘハ`ー´`ー'´ ',:.l'ヘ:.ゝ lニニ ニニl
ル:.:レ r‐ィッ{ ゙'  ̄ ̄ |リ !:.ト /7 | | n
ヾ:.ヘ `´/ヒ.ー=ァ ト_ノ:.:i! lノ |/ l/
ヾヘ ゙`ァ_ || ',:.:.) _r┐__
`ヘ. i'´二 ` ,イl i:.ソ '‐┐┌‐'
ゝ、 ∠ /l li > 、.. _ lニ コ
ilヘ _ イl/ //l ||lミミ 、ヾ、≧ー─ー==ュ |__|
/ヘ三_ ニ __ i/// l |/i三ミミ 、ゝミ三三二 /
_ ... -≠イ ∨/、_,_,. 丶`ーV// ,|/∧ ∨ミ,、 `ゝミ,ィチ´ェ.._
ヒー='' ´ 彡シ´ ミ∨ノ ..ィヘ:: \`ヾ`、 イ ', ∨彡,ィチ´三ニニ≧ _ ,y;
_ -‐= ≧=ュ。.._≠イ ,イミV,ゝ'´ rイハ.: ヾ ` `ー、ニ_\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
∠´ 〈///////三ニ≧ュミミ/::;: .:::ゞ、ヘ:: r = ´, ィ`≧ <
( _ __`=≡≧…丁三シ ;;: ..::::::`"ゝ、 _ /,'´ /:.... ≧ 石勒配下の石虎の軍勢が迫っています!! ニ=-
冫 ̄ |≧≠二三≫イ´ ;;:.,, :::::::/ヾ i::./:::::::,´: ≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 梁国を攻略した石虎の軍勢が譙を目指して南下してきたのである
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 797 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:05:33.00 ID:rshbA5yX0
-
, '´ ̄ ̄` ー-、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1 ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.」
{: :i: i /ゝノイ ノ l/ ― l :}
| :レ | ● ● l :| 石勒軍は全員が北斗神拳を極めた恐るべき集団だとか。
|: i: (|.⊂⊃ 、_,、_, ⊂ l:/
i⌒ヽ: :ゝ ル|_/⌒) ……と武官Aは今聞いてきた噂を披露します
ヽ ヽ 从ヽ,、 __, イ从/ ヽ/
∧___,ヘi.i:.:\__八__/:i.i ハ
ヾ .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.} ソ
/ ./|::::/::::::::::::-−‐....、::::::::::-...、::,
__ / ./ヽ/:::::::::::::/Yヽ:::::::::::丶::::::::::::::丶:::, .r‐.、
___ -‐:::::::::::| i::::/:::::::::::::::l~~~.l:::::::::::::::::::!::::::::::::::::ヽ::, :::! .ト、
:::::_ -::::::::::::{ | /:::::::::::::::/ |:::::::::!:::::::ハ:::::::::::::::::::ヽ| } |::::..、
/:::::::::::::::::::ゝ::/:::::!:::::/:ム、 !::::::::i::::斗弌::::::::::::ヽ:::i//::::::::::..、
:::::::::::::::::::ノ//:::/::!:::ト:/ ` .|ハ!::::|:/ ,z 、ヽ:::i::::::|::::|::::ヽ:::::::::::....、
:::::::::::::/ .|::://:i::::! .z≠ iノ/゚/ん心 |:::::!:::::|::::ト:::::::ヽ:::::::|:::|
:::::::/ .〉:/::::i:::|lif ん心 }/ 乂ソ ネ::::|:::::}::/ \:::::〉::!:i:/
ふぅん。 :/ /:ハ::::::|::| ! 乂ソ 、 ハ::/::ハ!/ .∨:::|:::,
// .|::::::!::ヽ /|´::::/ }:::l:::::,
でもアウトレンジで爆撃すれば、 ./ 〉:从ハ::ゝ ハ::::/ /:::::!:::::,
一方的に嬲り殺しにできるんじゃないの? /´ |::! \ r , ´ |:/ /::::::/::::::,
,−- _ .ヽ .个 < .i´ ./::::::/ .ヽ::.,
/ ー−-.|::::::::≧s イ/ ./::::::/ }::.,
. / ヽ .ヽ:::::::: ´ / /:::/ ./:::/::,
. / __ ヽ .丶 /` 、 ./ ^´ ./:::/ ::.,
/ / ヽ 、 〉 .丶./ | ` 、__ /:::/ ::,
.../ f ( ヽ ハ ./|/r 、丶 ヽ // :,
- 798 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:07:31.96 ID:rshbA5yX0
-
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, u::|
. | u `-=ニ=- ' .::::::| しかし、桓宣殿も寿春へ戻ってしまいましたし、これは相当まずいのでは?
\ `ニニ´ .u ::/
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ーーノ゙ -、
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | || /^'ー =ァ'⌒ヽ-‐====‐- _ .l{ ‘,‘,
^'ー/.::/.::::}iー-‐ ^i:::::::::>''"~"''*、 l{ i:i:i:i
/.::/ .::::::: }l .ノ /::::::::::,、:::::::::::`、 l{ |:i:i:|
/.:::,.:' .:::::::::::::/:^¨¨´:::/ :::::::::::: {^'、:::::::::: ∨.l{ |:i:i:|
,:'.::::::,:'.::::::::::::::::/、::::::::::::: '::::::::::::::::::{-‐`、::::::::i::. l{ |:i:i:|
{.::::::/.::::::::::::::::/:::: \::::: l{:::::::::i{:::::::{ 芹抃,::::ハノj{ |:i:i:|
゚, .::{::::::::::::::: ,゙{::::::::::: \:l{:::::::::l{:::::::{ ^'炒レ'、__ l{ |:i:i:|
}::::{::::::::::::::::' :゚,::::::::::::, ´l{::::::::从:::::乂_ }{ |:i:i:|
それでも戦うしかないのよねえ。 .}::::{:::::::::::::::゙:::: ゚、:::::: { {从:::::::::::::\l「"" 〈l{ |:i:i:|
}::::{:::::::::::::,':::::::::::\人^⌒ 、::::::::::i ノ{ |:i:i:|
大見得切って建康から出てきた以上は . }::::::::::::::::/::::::::::::::::::`ー≧=‐゚,::::::::::l ´{.l{ |:i:i:|
/}::::::::::: /\::::::::::::::::::::::::〈 ,ハ::::::::ト }.l{ |:i:i:|
. /.:,}:::::::: / /=)h,:::::::::::::::/ {l }::::::,' ニ=‐ '゙ l{ |:i:i:|
/.:/:, .::: / /ニニ/ ≧=‐r' }:::/ /.}::::::} l{ |:i:i:|
/.:/:/ .:::/ /ニニ/ ,r┴‐- ミ }/ , ' }:::: ゚ l{ |:i:i:|
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/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } しかも悪い事に、譙攻略に貢献した桓宣は寿春へ帰還していた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 799 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:08:10.24 ID:rshbA5yX0
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 『晋書』『祖逖伝』によると、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ .石虎は桓宣が去ったのを聞いて譙を包囲したという。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: .勝てる敵としか戦わない石勒軍らしい判断である
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !______
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
ノ>―''ヽ;;;;l|;;;|彡ノノイl|;;|;;;;l;;;;;|;;;;/从;;;;)从从之
之三;;彡;;;、l|;;|;;;lイ/从ノ;八;|llYイノイ/;;从从ニ<
/イ/t=;;;;;ミィ;;;;;;;;;;;`ミ;;人ィ''彡二二ミ゙'、j;;jj;;ュ;;;、)
((/;;|lヽ;;|、'''ィ,t;;ッ=、;;;j人;;;ィ:;ミッ;ラニ' イ;;;/ l|;;lト
゙之;;;'、l|;;゙, ::、` ̄´´":|"ン:::::::::'''イ:.. リ;イ),r';;之ー
{彡;;;ヽ;;;',::::::... ::::|: リ:::: ゙ イ;/ノ;;;;゙l|
何か問題が? ゙|/;;;;;;;|゙:',:::::: : : ::; 、j_, -、::: イ;|゙/;;;l从
ノノ;;;;;;|:l|:', :::: : :::`゙'ー '´" ,':::l|/;从`' 、
,, 、-ーz''"イリ|l|::|l:'、 : ::::::: ,;}、 / :: ゙l、从l|',::ヽ
''" ,、 '":/ /|::}}:::ヽ ::::::r'二゙゙'ヽ , '::: :: ::l|彡 ',从
/イ::/:: ::::/::l| }}:::::ヽ :::::..'""'' , ':::::: :: ::}::l|彡::: ll||
/"://::/ ::::ll/::::l| :}} : :::ヽ ::::.ヽ /::::::::"} }:::|彡 ::: |||
ノ//::/ : ::::ミ/:::::リ :}} ::`---- '´ :::::" } }:::|彡三::|}
/:/::/: :::::/ ,,イ ::::::\:::ー '´ :::" :::|彡三 l}}
- 800 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:11:51.45 ID:rshbA5yX0
- 【紀元317年6月 晋 豫州 譙】
∫ι__________ ./丁了
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ
||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | ||
||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | ||
弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ
弋ェェt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ェ,ィ
il_,└───────┘ , i!
| ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l
|| ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄||
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|i | ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄||
 ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ || ̄! ̄ ̄/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄.|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i  ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~ ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l  ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄ \__人_人从_人_人从/
l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″|  ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄ _) (__
| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄  ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄ ) 申し上げます!! (
| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾ| ̄`.. ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄ ̄) ( ̄ ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ | ̄ ̄ | ̄!,, ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄ /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄___
|\_/ ̄ ̄\_/| |\_/ ̄ ̄\_/| |\_/ ̄ ̄\_/|
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\ / .\ ./ \ / \
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } ところが、この時は天が祖逖に味方した
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 801 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:13:20.81 ID:rshbA5yX0
-
,> '" ,>'" ,.斗 ‐‐‐ z彡 ||T,オ , :'/
,> '" ,>'" ./ ,.斗- ≦ ,.> '' "  ̄...==||==  ̄``" ./
,.+'" ,.+'" ./ / 、ヽ` || z=======x
./ ,.+'" .f ./ _LLL_<'''''x / .rz - ==ニlL__.!!ヽzzzzzzzY ー彡
{ ,.+'" { .{'"~ 、 ``ヽ) .OZ_''' === -- = 二_''ry--==≦
.! .,:く_ .八 V ,zz斥 .マ  ̄アZZ =z 穹二二,_ニニ = -
V_  ̄ ̄ ̄ "" ''''''' < >"./ i``ヾ、 l / /「///.:.:.}\---也"  ̄.T
 ̄ ̄ ̄ ̄_三≧< f fV {\\\__ .} メ / / ,z'.ィ".:.:._,./.:.:.:.ミh、---_,.斗セ
Feu! ._,z斧≦---.ヽ! l 苡ヽ''乏ォ y- 二~__./< ,.+'".:,>彡'".:.:.:.:.:.:.:.:}.≦三三
,zヘW,-------,.ィヽ \丶_ヽ /イ .ハl \ /.,>彡'".:.:.:.:.:.:.:.:.,>'" 三三三
Feu! ._0二二二二二二コZZv _,.斗く---/\ `.ー≦},..}.V ハ ``(ニ弁".:.:.:._,.斗 ≦三三三三三 _
.rゞ三三三三三アZネ,>'"-- r.v---ゝ, {l\ ヽ\\x ` <,...z'"./  ̄''マ三三三三三_,.斗 セ≦~
0~ニニニニニニニニ了>'"-- <二ヘ:::V_ ,,./ヽ;;;\ }" \\⌒ヾ `'''''"< `'<z,_,.>ァ,.ィ///////
,>'"--j--マ三:ゝ:::V_{f .`" ヾ .f;リ\\三三三三.``〜、、/ , ,ニ.<////////
,zf"------o-jz` '''"⌒ \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人//
,zヘ.マムv≧<",>'"三三三_,. ≧ <>
_O二二二二二二ニ{ZZZW./y 三三 ,z≦f ̄≧ 南から晋軍とおぼしき敵勢が!!! ニ=-.
rゞ三三三三三三ネ;;ア彡 '" .V!,>'"-.Y__.V. ≧ ≦.
O~ニニニニニニニニニニ了:<三三三.V ,><zzz,V/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\.
>f三三三三三/z彡"....,>''...,V.....l--/ :: ::..v:::: ,z!ニニ,>彡イ: : : : : : : :// _,,.. -‐
,.+''’ V三三三ニ./イ.....,.+",.............,V....! / ::..:::: ,.イ;;;;!z彡'" ム: : : : : : :ム斗 セ "
/ V三三ニ/......./..,..........,.斗-,}....l/ ::_,>''";;;;;/イ ム: : : : : :.メ\ __,,.. -
./ Vニ,z〃...../...,......,.+'"==== V/ ,>''";;/;;;;;,z彡" ./: : : : : :/  ̄
./__ ,.+'"/,ffV_f.....f...,イ========/,.+'";;;;;;;;;;;/;;,z彡" ./: : : : :/
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 寿春に駐屯する王含が、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 再び桓宣を祖逖の救援に派遣したのである
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 802 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:14:30.49 ID:rshbA5yX0
-
_,.yトーゞrッヽv,、_,.
,rk´ミ、''ナ;;爻'、ー;;〃彡;,.
..vf戈ハトシ〈'"リ゙、ヾ、;;jリ、〃、
Yメ从k;;、;;ij;;;ii;ヾ;ッ;仆、ヾくソ
}ソリ"i!;;;;;l;;i;;、;;:;:;;:;';;;};;iリドシゞ,
ツ;;;;;;;;;;ト、;;_リ;;;i!;;ト;=;、t;;;l;;ヒ'
ヲ;i!、:::r',;、=;'、;"リ,、=;''"リ;ij´ まさか援軍が来るとはな。
..};lヾ;;j  ̄´.〃l゙ ̄´ ,';ィ′
7;;;;|', =、j,. /仆、 .ここの晋軍は今までと勝手が違うらしい。
ゞ;|:ヽ ,:ニ> /:: レ ソ\,.、- ' "´;; ̄::
. >.ニト、:\` "'' ///,r/:::::::_,..、''' ..,, .退くぞ
リ;/::;;/::} `:::`:ー'/'∠;:/`゙ヽ・.‐´
:;/::;;;{! `r‐'"フ´〃シ:;;/ " ヽ、. リ'" ,、_,
/::;;イ `'ー ''/ヲリ/;/r'/,r─‐-、 (∴,、-''"
:;;/ `ー-‐/Ξ/ッ/rレヘ{ | ̄| `''" .∧ ヽ
, ' ̄ ̄ ̄ ゙̄ヽ / ', ',
,イ / ノ( ヽ ト、 / ! !
i ヽ─、 ^ |ー' i / ││
ヾ_,,;;;》 〉 ヾj j/ 〈;;_ノ / | |
l ヾニアミ fニアl 〈 | .!
i 〈 i } ,' ,'
御意ッ!! | イrェェェュ ./ / / /
.| \ `ニニ´/ / / /
| ヽ ー '_ / / /
,-ー、 ヽ;;;;;;;;;;;`ー-、 / / /
;;;;;;;;;;\ー、 ,-i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ.. / / /
;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\ / / /
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 桓宣の到来を聞いた石虎は撤退。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 『晋書』『石勒載記』には、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .この一戦は大した敗戦ではなかったためか、特に記述されていない
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 803 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:15:37.47 ID:rshbA5yX0
-
>-.-.――.-.-<.} レ'∠
/\「.7 ./: : 「 ̄: :ヽ/:~:\:`<~: : \
\ V /: :.,へ!: : : : : :ヽ: : : : :\: :ヽ: : : :\
ヾ/: :./: : : :ト、: : : : : ヽ: : : : :.\:.`ト、: : :.\
「 ̄{: : /: : : : :lu\: : : 、_:`ト、: : : : ヽ:l .\: : : \
}: : :lヾ/: : : : : }/ ヽ: : : :ヾー\: : : :ヾ \: : : \ 痛みに耐えてよく頑張った私!
/: : :.〉': : : :,:-'7 l: : : :/ ど ̄ヽ、: : } \: : : \
./: : : イ: : : : :/フ7/:/レ!://:ゝ、 〉: l \: : : \ 感動した!!
/: : : / l: l: : :/ 〈/:/:/:/:/:/:/:/〉 }: l \: : :
. /: : : / .レ'l: : \ u ', /\/\ul u !く \:
/: : : / ヽ: : i:.\ .〉{ 〉ヽ \ ̄~ヽ
: : : / レ'ヽ/ ` /ul / /.\ u\ ゝ ,.' _`ヽ、 ` k!
: : / ,-―/ .∧>、ー‐´/l l.\ uXヽ. f x '彡-‐三ミV ` s、
: :{ l ゝ/u ./ \ .又`´ l l. \ ヾ:、 . | // .i .\ .V
: :l /ニ/ / .\ .\u l l X __ ,イ } .{ j'" i リ_ >s._ V
\ .i リ-‐ミs,  ̄"'x-=.V
,'! リ, リ x笊ミ_` <,.ィx `K'"....,,,,_
ii ..リ \ /´ 弋少 y‖ / .ハ .\::::::::~~V
{.V 杙リ,' ’ 彡 ./ ハ、 .\::::::::.i、
ああ、祖逖殿。 | ..Vヘソヽ リ!v., ' / .i ハ.ミx .ヘミ::::}:\
.iリ, .iソj 、.-ァ. .,.' .レ"/ .i }::ハ.\ ヘ.V::::::ハ
先の譙攻略の戦功で平西将軍に任じられるそうよ j,' V.ゞ'.` s._ ,.イ .// .リ .i::::.ハ} } >、::\
.ii N ヘ><''::彡'" ./ .ノ i乂::j .リ ヾ
.ii /ii.ヾ ..ハ _》:::∧ x''''' ‐< V !v ./ ./`
.ii .f .iV ヾ .ハ.V┤ f Vヾ、ソ/
i! i f.i.'V.ハ .ハ、.f i ,.斗孑ミ≧‐-= ....,,
.{v.i i.j !x } .ノ / .i ,.'/.i! \ ̄ ̄
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } しかし、晋軍にとっては大きな勝利だった
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 804 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:18:08.49 ID:rshbA5yX0
- 【紀元317年6月 晋 揚州 建康】
ヾ叉7
_BL_,, ,. _
,,、、-‐'''""´: .: .: .:::::::::.:.:.:. : :``ヾ、、、
,,. '"´. .:.: .:.: : .:r==.: :. :.: .:. :. :. :..: .: :. .::. :.`ゞー-、、
,,. '"´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.`''ヽ、,,
,r'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;;;;;:;:;:;:.;:.:.:.:;;;;;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;:;:;:;:;;;;;;;;;;:;:;:;:;;:>
``ヾ、;:;:;:;:;;:;:;:;;:;:;:;:;r==;:;:;r==、;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;;:;r==;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:r''"´ .
``ヾ;:;:;;:;:::::;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;===;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.:.:.:.:.:.:.:.:,r'゙
 ̄`¨`ヾr==.: .: .: .: .:. :. :. ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :r=z,;,;,;::/
`¨`ヾ.:.: .: .:.:::::::::;:;:;:;:::::::::;:;:.:.:.:.:、、-‐''"´
`>;:;:,';: .,':;:;:; :;:; :<´
,、r''"´. :.: .:. :. . :. :. :. :.: .: .:`ヽ、 \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
,、r'"´.:.::;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:.:.:.: .:. . .:.::::::`'ヽ ) >
``ヾr==;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;::.:.:. :.: .: . :.: .: . ::.:,r'´< 寿春より!! >
`ヾ::.:.:;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.:. :. :.: ; :; :.: .:.:.::r' < (
゙、:;:;;;;;;;;:;:.:.:::==.:.::::::.:.:.:.:/ /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
`ヾ.:;;;;;;;==.::.::.:.:..:.::r'´
_,」;;:;:;:;;;:;::.:.:. :. :.:. j \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
``ヾ;:;:; :;::;;: ;r==.:.j ≧ <
゙i:;:;:.:. :.: .:. :.:.:.:,! -=ニ 祖逖将軍が石虎の軍勢を撃破ッ!!! ≦
l;:;: .:.: .: ..:;;;:;;;! ≧ ≦
'i;;;;;:.:.:.:.:;;;;;;;;;! /Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
1;:;:;:;:r=:.::{
ゞ;;;;;;:.:,r'´.:.:``;:ー-..、,,_
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 六月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 石勒の将石季龍が譙城を包囲したが、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 平西将軍祖逖が迎え撃ち、これを敗走させたと『晋書』『元帝紀』は記す。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ また、後日司馬睿は天下に檄文を発している
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 805 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:19:18.14 ID:rshbA5yX0
- 【晋王殿下の檄文@『晋書』『元帝紀』】
┏──────────────────────────────────┓
逆賊石勒は河朔にて暴虐を働き、誅を逃れる事歴年に及び、遊魂は彷徨っている。
再び派遣された凶党石季龍の犬羊之衆は、
黄河を越えて南へ渡って鴆毒を放っていたが、
平西将軍祖逖の軍勢が即時これを討ち、潰走させている。
┗──────────────────────────────────┛
ヒ´ミ仆爪// j } /ノ ハ `ヽ、ミ≧=-ゞY、_
圦ミfソ ̄} } / ,' __ \ミ下千f=-仆
ミ }}ソV i/ ゝ Vゝ斗イ、ヽ ヽミ仆≧=}}
乂./ / 三ミ  ̄ ',{ ハミミ _ソ
圦{ 辷i ≧=- } }ミ彡 .Y 何だこれは?
人、~ハヽ ‐ イ j iミソ ~イ /
Y、 ', ゝ-=__, ', V / .犬羊之衆とは随分な言い草だな
ハ /`´__ ', i≧=´
', 壬//≧=- } }////
.i Y { ///´⌒ _.,. -‐- ....、
| { }, イ///// x≦〃〃/ミミミミミ、
.{ ヽ-=≦≧=-、-=≦/// /ノノノ〃ヾ⌒彡ミミミミミ、
.',Y//////////////イ /ミミル' / __ ヾ彡ミミミミ、.
{ミ'''´ {∠i孑 `ヾミミ毛刈
';ハ, `〕、 Yミ ;:::: ∨ソYハ x≦ ̄ア´
}:( くツ1 | っ {::: ーりリ / :::::::/:::::
ヾ:ヽ ,ノヾー'⌒ヽ ヾ Y¬从 〃:.:.:./:::::::::::
`ヽ { √ ̄~`ヾ Y ヾリ ||:.:/ :::::::::::::::
また敵が増えたようですな 沁ヾ ⌒ :/ /∧:::::::::::::::::::::::
ハ r::.......,..::/// /:::::::::≧====
'、 {///,//// >'゙´:::/:|幵幵幵幵
`T¨¨´///>'゙´::::::::/:ニ|幵幵幵幵
,..-―∨ /::::::::::::/ :三圦W幵
//////::∧/::::::::::::/ :::三三/八幵
- 806 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:21:14.83 ID:rshbA5yX0
- ┏──────────────────────────────┓
今、車騎将軍の琅邪王司馬裒らの九軍・鋭卒三万を派遣し、
水陸の四道から直接賊のいる地域に至らせ、祖逖の節度を受けさせる。
┗──────────────────────────────┛
___
「了ア>.::´::::::::::::::::::::::`丶 「`ヽ
>::´;:::::;::i:::::::::ヽ:::::::::::ヽ:::::ヽ! /、
/:::::/::::/-|::::::::::::i、:::::::::::::∨::∧-.<
. /::/::'::::/ l::::::::::::|‘,:::::::::::∨::::';::::‘,
. /:::'::::|:::;'、 ';::::::::::| }:ト、:´:::::i:::::::}:::::::i
/ィ::|:::::|::i ヽ、丶::::::lイリ V::::::!::::::'::::::::|
. j:|::|:::::|:ィ芹抃 \!ィf芹示k:l::::/:::::::::|
. |:|::|、小{ Vり V:ンl|:::|:/ l:::::::::|
. | !ノ:::|.l∧ ′ ||:::| |:::::::::
|:::::::::| |:込 ` ‐ ´ イ||::; |:::::::::
や り ま し た .|:::::::::|人::| ,> ,_ ィ^i、 .ル′ |:::::::::
. |:::::::::|jI斗f´: : ∧ { {: :`i=-. . ,_|::::::::
. |:::::::/:i: : :|.|: : : : _ヽ/} '´Y: : : : : : `ヽ::
. !::::/: :|: :r゙└、: :(___ `ー | | )ヽ:/: :__: :
|::/: : :|: :| i|:ヽ://:ヽ.,_ゝシイ: :/: ミヽ
l/: : ヽ/ ̄ ̄ =‐- ゝ辷彡' ` <: ヽ
/:.: : : :{≧=- ___\ }: :
. /: : : : : :V  ̄ ̄ ̄ .〕jx.,_ ィ}: :
/、: : : : : : :V |:|'///// : :
. /: : \ : : : : :V |:|'//// : : :
- 807 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:22:39.85 ID:rshbA5yX0
- ┏──────────────────────────────┓
石季龍の首を晒せる者がいれば、
恩賞として絹三千匹、金五十斤、県侯に封じ、食邑二千戸を与える。
また賊党が石季龍の首を晒して送ってきた場合でも、封賞は同様とする。
┗──────────────────────────────┛
/ :/ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ム \
j{.:/‐r‐v‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ム ∨ /
i{ {:‐:| /}‐ ‐ /⌒Y‐ ‐ム v: ∨ /
‖iシ:!′‐ ‐:{_/_,ハ‐ ‐ ‐}: W v∨
‐=‖,イ/ i∨‐ ァ'77zj}:‐ ‐/: :|ム (: ヽ
⌒j}:| : :!`ィ'゛ 乂シ〕Ii<,' :| \ {
j}:レハ 、 // i:\_j :! :{\!
':/ム ´ j{:j /{⌒ミ⌒i {\{
⌒ ` -=≦i{ノイミ}〉 /\{i\{:v /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::≧ /...........
r‐≦i:i{:i:i:i:i:i〕iト⌒`'<:〉 v 〃/´::(:::::::/__:::::::::/:::::::_:::::::::::::::::::::::::</ ...............
/‐ }i:i:i: {::\:i:i:i:i:iハ \}\ {乂 :::::::::/´ , ̄ミx /::::::::`ヽ::::::::::::::::/` ‐──‐‐
/≧≦i:i:i:i:i{:::::::\:i:i:i:i〕iト 〕iトi、 ヽ ヽ. _/ ’ ) \::::::::::::::::Y:::::/
./:i:i:i:i:i:iハ:i:i:i: {:::::::: : \:i:i:i:i:i:i:\ \:} { ─r‐‐< `Y⌒ヽノ::::/
./:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iハ:i:i:i:{:::::::::::::::: \:i:i:i:i:i:i:ヽ: \⌒ヽ `Y { Y ノ)}::/
} ≠ミノ 丿 ノ/´ ̄`ヽ
ノ /................ \
. {__ /..........................\
. L ___ノ /.............................. / /
└r /................................//
}__ ノ⌒/\..........................X ___
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .何故司馬睿が急に強気になったのか?
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } これは祖逖の譙での戦勝が、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j ちょうど劉琨からの勧進文が届いた直後に当たったためだろう。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 皇帝即位が視野に入り始めた時期の幸先の良い勝利だったわけだ
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 808 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:24:06.35 ID:rshbA5yX0
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| もしかしたら石勒に勝てるかも? .|:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ//
| | >:´|、 - ,|`:< そして、祖逖の勝利は、
| | |::::::::| > イ |::::::::| さらなる期待を抱かせるものでもあった
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 809 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:25:38.80 ID:rshbA5yX0
- 【紀元317年秋 晋 幽州 薊】
∫ι__________ ./丁了
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ
||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | ||
||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | ||
弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ
弋ェェt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ェ,ィ
il_,└───────┘ , i!
| ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l
|| ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄||
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|i | ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄||
 ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ || ̄! ̄ ̄/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄.|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i  ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~ ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l  ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`ll`l
l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″|  ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄  ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾ| ̄`.. ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ | ̄ ̄ | ̄!,, ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ll
| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄___
''- .._ ~""''' ‐- ...,,__ _,,..-‐''~""''' ‐- ...,,___,,.-‐'
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 祖逖の親友だった劉琨も
\ヽ、 _ , イ!::/ .そうした想いを強くしていただろう
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 810 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:27:35.04 ID:rshbA5yX0
-
V/\ ___ /////
V///ヽ 「.:.:.:.:.:.:.:.:.~^'<//
∨//ァ': |r─.:.:ミ:.:.:.:.:.:.:.\
アi/.:.:.:.ア⌒\:.\:.:.:.:\.:\
/|i/.:.:.:.:.| ヽ.:ト⌒|:.:i.:.:.:.
| |i| .:.:.:.:.| '⌒ |.:|y圻ミ .:.:.:| .この手紙を届けるようにと?
ノl'|i| .:.:.:.:.|y圻ミ |/ Vり 」:.:.:.:|
. /:.:.|」i〉.:.:.:.|.| Vり 、 ''''' |:.:.:. \ .「先日、譙で石虎を打ち破った祖逖は私の弟分です」
i .:.:.|〈〉:l:.:.:.:\''''' , 八:.:.:.:ト:.\
└‐t:\ |.:.:|:.:.: \ ` .イ ノ|.:.:人).:.:.) 「今後とも私への御支援の程、どうかよろしくお願いします」
):. )L:.:\.:.:.:.:≧=‐<|:ノイ:ノ:.:|:./:.:.\
(:.(¨r-=ミ:.\i:.:.」,ノニニ'<:.:.:.:.ト:.:.\jノ
ア ノi:i:(:.t:./ r‐t }}」\:.:.:.:\:.:\
/ / ⌒ヽi:iア ノイノノ |i:i:i:iTZ.:人:.:,ノ
/ i ,.イ _ノ ||- |i:i:i:iノ{:.:.Lノ:}
_,/ ̄ ̄` ̄\
/ /二◎二ヽ ヽ\
/ ルノハヽゝ,ハi 〉 .i
iv、!● ● i i' 〈
lリ〈 ワ i i' リ
こちらもお願いできるかしら? _iハ`ーゥ t-ノ i 〈
ヒ/」」」.l/リl ly ,ィリヽ、 ヾ
| l | / `.lシl==j \ 〉
| l ,/ー、{::::::::::/ー、! \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『祖逖伝』に曰く。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 劉琨は親族に手紙を送った際、祖逖の威徳を盛んに称賛した
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 811 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:29:28.76 ID:rshbA5yX0
-
V/\ ___ /////
V///ヽ 「.:.:.:.:.:.:.:.:.~^'<//
∨//ァ': |r─.:.:ミ:.:.:.:.:.:.:.\
アi/.:.:.:.ア⌒\:.\:.:.:.:\.:\
/|i/.:.:.:.:.| ヽ.:ト⌒|:.:i.:.:.:.
| |i| .:.:.:.:.| '⌒ |.:|y圻ミ .:.:.:| 拝見します。
ノl'|i| .:.:.:.:.|y圻ミ |/ Vり 」:.:.:.:|
. /:.:.|」i〉.:.:.:.|.| Vり 、 ''''' |:.:.:. \ 「私は矛を枕にして朝を待ち、
i .:.:.|〈〉:l:.:.:.:\''''' , 八:.:.:.:ト:.\ 逆賊を晒し首にする事を望んでいます」
└‐t:\ |.:.:|:.:.: \ ` .イ ノ|.:.:人).:.:.)
):. )L:.:\.:.:.:.:≧=‐<|:ノイ:ノ:.:|:./:.:.\ 「ただ、常に祖逖が私より先に
(:.(¨r-=ミ:.\i:.:.」,ノニニ'<:.:.:.:.ト:.:.\jノ 馬へ鞭を著けるのではないかと恐れています」
ア ノi:i:(:.t:./ r‐t }}」\:.:.:.:\:.:\
/ / ⌒ヽi:iア ノイノノ |i:i:i:iTZ.:人:.:,ノ
/ i ,.イ _ノ ||- |i:i:i:iノ{:.:.Lノ:}
_,/ ̄ ̄` ̄\
/ /二◎二ヽ ヽ\
/ ルノハヽゝ,ハi 〉 .i
iv、!● ● i i' 〈
lリ〈 ワ i i' リ
_iハ`ーゥ t-ノ i 〈
ヒ/」」」.l/リl ly ,ィリヽ、 ヾ
| l | / `.lシl==j \ 〉
| l ,/ー、{::::::::::/ー、! \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『劉琨伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉琨は祖逖が用いられるようになると、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 親族へ手紙を送って自身の気概を示して見せた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ . .ツ
`ヘ:ゝ .' 小/ 先鞭を著けるという故事成語は、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ この劉琨の手紙の文言に由来している
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 812 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:30:50.82 ID:rshbA5yX0
-
. \ニ=- _ ∨_-_-_-_━─-...ミ
\_-_-_->'"~~~"''〜、、::::::::::::::::\
\_-/:::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::\
. /∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::::::::::::::::.
〈__,{:八:::::::::::::::::`、:::::::::::::::::::`、::::::::::::::::.
. .::|∧:::::\:::::::::::::::`、::::::::::::::::::|:::::::::::::::::: .劉琨殿。
.::/|:::∧:::l_,,.`'<:::::::::`、::::::::::::::|::::::::::::::::::|
/:/:::|:::::::}:/斗-=ァ\::::::|::::::::::::::|::::::::::::::::/ 確かに先んじて北伐を敢行し、
.::/ j八::::从 V} ' |:::/::::::::::::::|::::::::::::::: .石勒の軍勢を打ち破った祖逖将軍は称賛に値します。
〈:〈 /' l:/':ノ |/::::::::::::::/:::::::::::::/
`>> l:::::\ /:::::::::::/::::::::::::::::{ .ですが、あなたも常に賊との戦いに身を置いてきました
(:::( l::::::::::::... っ /::::::::/!:::::::::::::::::::::::. _
)ノ 八:::::::\:::\ /:::::/ |::\::::::::::::::::::::... ⌒):)
\:::::::\::::/::/::::}/|:」 \::::::::::::::::::::::...../
\::::::∨::(、:::/ /-_-_⌒\:\:::::::::...
.:::::::::::)\::::::...... /-_-_-_-_-_-_`、:\::::/
_,/ ̄ ̄` ̄\
/ /二◎二ヽ ヽ\
/ ルノハヽゝ,ハi 〉 .i
iv、!● ● i i' 〈
lリ〈 ワ i i' リ
_iハ`ーゥ t-ノ i 〈
ヒ/」」」.l/リl ly ,ィリヽ、 ヾ
| l | / `.lシl==j \ 〉
| l ,/ー、{::::::::::/ー、! \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 他に先んじて物事を始めるというような意味がある
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 813 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:31:41.29 ID:rshbA5yX0
-
`''<_-_-_-ニ-''"゚~~::::::::~~゚"'::.、 -_-_
`,.:'´:::::::::::::::::::::\:::\:::::::::/_-_-}
.:::::::::::::ノ:人:::::::::::::∨:::\:/_-_-_]
/:/::::::/::/⌒l::::::::::::::∨::::∧-_-_ノ',
. / ,゙::::::::::/ l::|';:::::::::::|::::::::∧::::::::::::',
{ :::::::::/\ :::| \::::::|::::::::::::|::::::::}:::::.
{ |::::::斗=ミ /:/─‐\::::::|:::::|::::::::}::::::
人::::ヽVソ /'゛ 斗=ミ |::::::|:::::|::::::/:::::′
.::::ハ乂x , 弋ツ >:::::::::::/:::/::::::′ そう御自分を卑下なさらなくても良いのでは?
.::/ .::::. xxx /:::/:::/:/::::::'
廴_八:込, 丶 /:::/:::/:::::::::::/)
(⌒ハ::l::\_,,. -=/::://:::::::::::::':(
) ノ::|:::__::ー┴=彡'::::::::::::::::::/(⌒ー--
..:::::/乂⌒\ 八:::::::::::/乂::. / _ -‐\ \ \
. 八:::(/ ⌒乂\(⌒:::::::::::\} ):〉 , -=二ニニニ=-\ \ ヽ _ -=
. // }乂 \ノ人:\ヾ::/ /ニ=- \ \ ヽ ', /二二
/' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ=-
/ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄__
|八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二二
i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、  ̄ ̄
事実だからしょうがないわ。 .| | ,ィ=ミ\ `" `、 ( ノ人 \
|i 爪 vリ __、 〈 ヽ \
私は昔から自分より優れた相手としか付き合わなかった。 .八 ハ ' \、 \ \
ヽ 込 、 - / \ \ \
けれど、今の私にも何かやれる事はあるはず .| 个 ィ / ' \――― ミ
| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒ヽ
__ | | i 八 / '// / ' \
/ ∧、八 |{_// / ' , i '⌒
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『劉琨伝』は劉琨の人柄について記している。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 若くして志があって縦横の才を有し、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .己に勝る相手とよく交わったが、大変派手であり、なおかつ驕っていた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 814 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:32:23.36 ID:rshbA5yX0
-
,、丶`  ̄ ̄ ̄ ``丶、
/ _ -‐\ \ \ -‐==ニ二二ニ==-
, -=二ニニニ=-\ \ ヽ _ -=二=-‐  ̄ ̄ ‐-=ニ二==-
/ニ=- \ \ ヽ ', /二二 / \二二二=- _
/' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ=- \二=- ''"⌒
/ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄________ -=====- _
|八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二二二二二=-‐  ̄ ‐-=二二二=- _
i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、  ̄ ̄ ̄ -=二ニ=-_
| | ,ィ=ミ\ `" `、 ( ノ人 \ -=二=-_
|i 爪 vリ __、 〈 ヽ \ 河北の勢力を結集して、 -二-
八 ハ ' \、 \ \ 今度こそ石勒を討ちましょう -=_
ヽ 込 、 - / \ \ \
| 个 ィ / ' \――― ミ \
| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒ヽ \
__ | | i 八 / '// / ' \ \__人_人从_人_人从/
/ ∧、八 |{_// / ' , i '⌒\ _) (__
___/_____,/:__\ _ ノ7:/ / /' / V | { ) 押忍ッ!!! (
/ ________|,::/ / , / \ \ |  ̄ ̄) ( ̄ ̄
. / /\ ̄ ̄\/////////,|::i_/__ ____/_____\ \ /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
/ ///,',\ \///////二二ニ/7二二二二二二ニ= \ \ | | / /二二二〕
. / ///////,\ \/// '二二二|八_ )二二∨)二二二二=:〕 \ | | /| | ̄|ニ| ̄|‐┐
| |/////////,\ \ |二二二 |Z二ニ==-―― 斗七さ:| \八 //∧_ ̄/ ̄彡'
- 815 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:33:21.21 ID:rshbA5yX0
-
/ -―‐-ミ \ \
, /:::(O):::::::::::::::\ ヽ
/ ..:::,、丶`  ̄ ̄ ̄ ヽ ',_
, {/ { \ ヽ: ', Vヽ
,' :| ∧ {、 \:―‐i‐ i //〉
:| i/、、\ \__|__:|_ : : ' / 段匹磾殿。
i :| /| \ 〃う刈 》i |): : :K
| :l ィ笊_ 乂ツ |i | : : :|∧ .石虎の軍勢が南で負けたのは天が与えた好機。
| | l :爪 乂ソ , || |: : : |/∧
| | | 込 , 从 |: : : |∨∧ 今こそ私たちの総力を挙げて石勒を討ちましょう
八 | 个 ` イ: } |: : : | `⌒
ヽ| \|: : : :≧ー |/:| |_: |
:| |: : ;>rノ^|:H /:/| √/ ̄ \ <]\ /::::[>|
∧ |7: :._/_ |:. | /:/ , / / /⌒ヽ |<]::::::\,.....:::━━━::..../:::::::::[>√
/ | 、 {:{ F¬ 、 \ヽ:/ { /| / i |<]::::::/:.:.:.:.:.√::::7:.:.:ト,:.:\::[>:√
.,: | } r人\ヽ ∨_, /: |' / | |::<]/ア:.:.:.:.:.:./::::::/:.:.:.:}::|:.:.:.:.∨/
[アK[:.:.:.:.:.:.:.:/:::/:.:.:.:.//:.:.:.:.:.:.:.:.,
//:.:}〉:.:.:..//:.:.:.:.:.:〈//:.:.:.:.:.:.:.:.:[ト、
/:.:>〉//:.:.:.</∧:.:.:.:.:.:.:.:./ ∨:.:.:.:.:.:.|:.:.ハ
/:.:</:.|/:.:.:.:.:.:.Ν`∨\/ ´ ∨:.:.:.:.リ:.:.:.:.\
よし、やろう。 /:.:.:.:.:.:.:.|〕:.:.:.:.f灯たヽ ィた灯|:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.\
/|:.::.:.:.:.:.八:.:.:∧| Vツ. Vツ /:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ
劉琨殿を総大将にすれば、 /.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.\{八 ,′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:|
河北の有力者たちも参加するだろうし . .|:.八:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.込、 マ⌒7 |:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/|:.リ
八{ ∨.:.:.:.:.:}.:.:.:.:.:.:.:.> <∨:.:.:.:.:.:.:.:.:/ ,.::/
__〕:.:.:/:.:.:.:.:./:./ .〕 爪__ )\:.:.:.:.:./ /:/
\:._∠_,,...-┴一 ''〈 〉 `''┬--<ー=彡'′
/ : : |/ ‘,____/ |/: : : ∨
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .建武元年。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉琨と段匹磾は石勒討伐を期し、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 段匹磾が劉琨を大都督に推す形で盟約を結んだ。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 各地の郡太守らに対し、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 共に襄国へ集結するよう檄文を発したと『晋書』『劉琨伝』にある
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 816 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:34:55.49 ID:rshbA5yX0
-
∨]::::\...:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:./::「)::::::::|
∨]::::::,≫‐:.:.:.:.:.:.:.:.:‐≪]:::::::人
__冫/_:.:.:.:.:厂l:.:n:.:.:.:.:.:.\/:.:.:ハ
〔_只__〕:.:/::/:.:.|:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.厶
_,, イア:.://:.:.:./:/:.:.://:.:/\:.:.:.:.:.:.:√`丶
\/:.:|//:.:./:/:.:.://:.:/ __ ∨:.:.:.:/ハ:.:.:.:.:.\
/:┌く:::/∠_/:.:.:〈/:.:/ ´ ∨:.:/:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.`、
/:.:.:.:.:`I爪:.:.:.r¬禿/}/ ィ禿¬y/:.:.:.リ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. うちの連中にも出兵するよう言っといて。
/:.:.:.:.:.:.八レ\|{ 弋ツ 弋ツ/:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
|:.:.:.:./.:.:.:.:∨:.:.∧ '''' ''' {:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧:| 固安で合流して襄国へ進軍するってさ。
∨:.:|:.:.:.:.:.:.:.\:.:込、 - - イ∨:.:.:.:.:.:.:.:.:./ リ
\{\:.:.:.:.:.:.:.:Υ > _,. イ ./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:( .ほら檄文
>-ミ:.:.リ __/〔} _/\|:.:.:._/⌒^
/ }/ ∧__/Υ{__/\( `、
/ jニ{// [廷_] // }ニj/ \
人 /ニゝ--イ⌒ト--くニ{ 丿
(~)
γ´⌒`ヽ
{i:i:i:i:i:i:i:i:} _____
はーい ( ´・ω・) | 段部 → |
(:::O┬O  ̄ ̄ || ̄ ̄
◎-ヽJ┴◎ キコキコ ||
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \ .『晋書』『段匹磾伝』によれば、
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .鮮卑段部の段疾陸眷・段渉復辰・段末波にも檄文が送られた。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 襄国に集結するため、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j ひとまず薊に程近い固安という地で劉琨・段匹磾と合流するとされた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ ここでも段部の有力者の一人に過ぎない段匹磾が
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 一族の他の有力者たちより格上のような扱いになっている
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 817 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:37:07.86 ID:rshbA5yX0
-
, - 、, -‐r ‐-.、
,イ ./ ハ
/ ./ / // ./ .!ヽ
. / ./ / ./ //./ / / i、
/イ/ / / // /イ' .! !',
(' / /// /、_ 、 /イ ./! !j 中原で祖逖将軍、河北で鮮卑段部が動けば、
{(、_/イ ,' {、.`⌒゙ /.、_ jイ. !| 相手が石勒と言えども勝ちは揺るがないだろう。
.) 77´ { i、Y , `゙Y//ル
/'^´Yゝ、ミx、!リ ` - ,!イ/ .今度の戦が終わったら、嫁でも探すかな
ヽ: /へ> イ_/'x──‐、 __
斗r<:::::::‐-,-<゙爪(Y')ノ { }-、`!
. __ ,x ´-<´:::\:::::/╋v\、_. ∧ /= イ
マム ̄{::::::::::::::::::::::::::`:´:::::::}`´::::::\ `¨¨7'ニ´.ノ ト、、 ∨///∧__
マム. ',::::::::::::v:{ニニニ}::::::|:{:ニニ}:∧ .{、-_i'ノ} ∨/\ ,、..:::'"~~"''〜ミ/,::``〜、
マム. ',::::::::::::',|:::::::::::::|::::o!:|:::::::::|:!:::`、 .{ ̄::::: | ∨//`、/r‐ミ:::::::::::\:::::::::::\::::::::::::..
マム. ',::::::::::::i!::::::::::::|::::: i!|:::::::::|:i!::::::ヽ.i!:::::::::::i! V/..:゙/::::j\:\::::::::::`、::::::::::::∨::/:::::::.
マム. ',:::::::::::|──´::::::o!`─´::|:::::::::/::::::::::::i! r‐=≠/::/:::::/''"~゚。:.\::::::::`、:::::::::::∨::/:::::::.
\ /::/:{::::| ゚:::l `''〜::|:::::::::::::∨:::::::::::
晋 盧志の甥 廬綝 `'|:/::::{::::!/ :::| |:::::::::::::::|:::::::::::::|
..:/|::{:::::{:::| l/ --=彡:::::::::::::::|:::::::::::::|
.::/} {八::::{::::. _彡 /:::::::::::::::|_r‐ミ:::|
勝ったわね。 .:/ ノ W',\(::::. 丶 /::::::__,r_'⌒ヽヽ\
::( } { ∨V::::::/, ー ´ .::::::└‐ -ミ `、_
お風呂に入ってくるわ ):) } { V:::::::::公, /::::::::::::::/{:::::乂 / `、 ノ
.:::' 廴{ .:::::::::/:::/:::≧=-/:::::::::::::/_彡冖ミ{ _. -=ニ:::::::::::/
::( /::::::./:::/:::::::::::「j :::::::::::::/_、+''"~~"''V_-_-_-_-∧ ̄
乂:... ..::::::::::|::/-‐=≠7ニ{:::::::::::{_-/-_-_-_--∨-_-_-_-∧
_彡::/::::::|:'_-_-_-/ /∧::::::::::∨-_-_-_-/,.∨-_-_-_-∧
- 818 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:37:44.92 ID:rshbA5yX0
-
≦――=-<
_|>゛¨¨¨¨¨¨>s。 `ヽ
>' ., ´ . >s、 \
./ / .:i 〈\ ∨
,' / .: | | ∨::\ ∨
| :. .:| | .: .: ∨乂\∨
| { ∧八__::| .: .: ル乂X<フ
人 { :. ∧ャtf=ァ:| / / /レ \乂X{
N\人 り レ'| ,イ /} ∨ ` <
| 〈 ノ' レイ} :::∨ /∧
| ∧ _ / ∨ ::∨ /∧
| |: \ ` イ /¨∨ :::∨ /∧
| |: へ..::<〉¨¨¨///>‐、 :∨ /∧
| |: ,' /}}///∨ \::∨ /∧ そう上手くいくかしら?
| |:/ //∨⌒/ <> \v /∧
| :/ .ィ }/ \ /∧
|ハ /:} / <> \ /∧
|| .: /\ <> \
|| .: }/弋ノ:\ ,ィ <> 〉 :\
ハ ://>―‐「笊ミ、 <>∧
レーァ:::::::::::::::::乂〉ルノ `ヽ <> | ∨ :`ヽ
/`―ァ::::::::::::::::::::::::::::::∧ \ |-_-∨
/^ニ≧¨:::::::::::::::::::::::::::::::::::∧ <> ¨¨¨ `ヽノ-_-_ ∨ /∧
/|ィ`ヽ}::::::::::::::::::::::イ:::::::::::::::::} ∨-_-_-_-_-_-:∨ /∧
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- 819 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:38:30.97 ID:rshbA5yX0
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- 820 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:39:02.72 ID:rshbA5yX0
- 【紀元317年秋 晋 幽州 固安】
__ ,.::-ーュ_,、_rv:..、 _ _,,-─-::_,, _::. ` .:::., ..:::ーy
::.`` -、.::... .:、:...-iー..__,、_ ___ノ:.ー、_ ,,--‐'´::....... :i .::::::::`'-‐'" _"::.:.:.:.. ,
_::. ` .:::., ..:::ーy ....:.. :... .:::.`'".:: ::i.. ヘ' ̄`::r、─ 、_, 、_,、--''`'´.:::::::::... .::.. :::. .:::::...ノ-",::~_-
::`'-‐'" _"::.:.:.:.. ,_ - 、::..... :: ::..v :....::" ..:;''.:'" ` ::. :.:.... .::::::::.:.:.:.. :... _,..- '':::::::::... .::.. :::. .:::::...
::. ::..:::.......,;,.. ./:: .:.:: 丶 .. ..:......、 :.、 ノ-",::~_- 、:::::::::::.::...-、 `- :::. .., '":::::::::::::::
\_人_人∧从_人_∧_人_从_//
) >
< 遅いッ!!! >
< (
/^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
r--─‐i r--─‐i r--─‐i
. ┌─┐ | 晋 .| ┌─┐ | 劉 | .| 段 | . ┌─┐
. ├─┘ |--─‐'' ├─┘ |--─‐''. |--─‐''. . ├─┘
∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二ヽ:::∧二ヽ;::::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;: ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;:∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二
l :ll=lll ...::..:.l:ll =lll:..:.l:ll=lll::::l:ll=lll:::::::l:::l:::::::l::.:::.l:::l:::::::l:::::l:::l:::::::l:....:.:::.l:::l:::::::l:::::l:::l:::::::l:....l :ll=lll ...::..:.l:ll =lll:..:.l:ll=
幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵
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: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 『晋書』『劉琨伝』に曰く。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ 劉琨と段匹磾は固安へ進軍して駐屯し、諸軍の到着を待った
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 821 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:39:41.60 ID:rshbA5yX0
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/ハ>∧
|人>::∧
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<人>\___/:.:.:.:.:.:.┌i.:―ミ::::|:.:.\
<人>:::::::::/:.:.:.:.√|:.:: Y:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.ヽ
<人>/:.:.:.:.:/:::リ:.:.:.:|:|:.:.:.:.:.:.:.:.`、:.:.:.ハ
匸[_匸_]:.:.:.:/:::/:.:.:.:.//:∧:.:.:.:.:.:.:`、:.:人__
,≫―==彡/::/_/:::/:.:.:.:.〈/:/ ∨:.:.:.:.:.:.:|:.√ ̄\
く/ ┌―=≦∠__/:.:.:.:.:.:.:.:厶イ ∨:.:.:.:.:.j/:.:.:.:.:.:.:.:.\
/¨¨¨ア:.|:.:.:.:.:∧¬ト/}/ ∨:./:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:`、
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/ ,,‐┬'’:.:.:.:.\ヽ弋ツ '''/:.:.:.:.::/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、
,′ /´ /:.:.:\:.:.:.:.:.:.ハ ''' /:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧:|
.′ | /:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.込、 - |:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. 〈 <ノ おかしい
′ | ./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.> イИ/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./}∧:.:.\_ノ〉
| |∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、__/ア┘ |:.:.:.:.:.:.:.__/⌒\ `'ー‐彡
i | |{_人:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ ./` ´/|:.:.:.</::::/: : : : : : \
|. ├―ヘ \:.:.:.:.:.∧.:.::| |'⌒У 八(⌒´::::/: : : : : : : : : ニ=┐
| ∨ハ: )/}/: :)/ |: :/ /:::::| : : : : : : : : : : : : |
八 _,,. イ}| |: : : : :/└- _|厶ニ= /:::::: | : : : : : : : : : : : :∧
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/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } だが、鮮卑段部の軍勢は姿を見せなかった
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 822 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/02(木) 00:40:23.67 ID:rshbA5yX0
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| 続く .|:::::::::::::| ゝ::::|
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` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ// 続きは日を改めて。
| | >:´|、 - ,|`:<
| | |::::::::| > イ |::::::::| .お疲れ様
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
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ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
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- 823 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/02(木) 01:14:05.71 ID:LeT7UFgd0
- 乙
誰かが言ってた補正がないというのがわかる
- 824 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/02(木) 02:09:10.68 ID:MKj1VISt0
- 小勢力が割拠して飢饉の中グダグダやってるけど
三国志の前半みたいで結構好き
- 825 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/02(木) 07:31:23.02 ID:TR7CkwHyo
- この石虎は種籾まで食い尽くす
- 826 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/02(木) 09:17:42.58 ID:n0cY7Pzv0
- 乙でした
>>805
犬羊之衆と書くいうことは、牧羊犬のことを知っていた人物の文章でしょうかね
- 827 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/02(木) 11:11:50.68 ID:GM392lB3O
- 乙です
劉?さん、負けヒロインみたいで癖になりそう
- 828 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/02(木) 18:17:30.89 ID:n+v/IUfW0
- 乙です〜
長安政権が滅びたのになぜか盛り上がって来たーって情勢ですね
- 829 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/02(木) 19:46:04.67 ID:4jWzFHAZ0
- 乙でした
この祖逖が持っている陽性の悲愴感は(変な言い方で恐縮ですが)
何となく往年の姜維を思わせるものがあるなあ
- 830 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/02(木) 21:50:46.08 ID:yMPbUxKQ0
- 乙、王導アンチのかまってちゃんのイケメンポンコツエリートの庾亮もついに登場か
- 831 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/03(金) 01:27:12.80 ID:kcydru3A0
- 【>>767修正】
【紀元317年夏 晋 揚州 建康】
┌┐
/~'7;; |/~''7 〜〜〜 〜〜〜
〜〜〜〜 (晋( ̄| (
、___`t-'ーイゝ-i ┌┐
ヽ] ̄二二二7 /~'7;; |/~''7
〜〜〜〜 〜〜 ""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 (晋( ̄| (
┌┐ 、___`t-'ーイゝ-i
/~'7;; |/~''7 〜〜〜 ヽ] ̄二二二7
(晋( ̄| ( ""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜
、___`t-'ーイゝ-i ┌┐ \__人_人从_人_人从/
ヽ] ̄二二二7 /~'7;; |/~''7 〜〜〜 _) (__
""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜 (晋( ̄| ( ) この祖逖ッ!! (
〜 、___`t-'ーイゝ-i 〜〜  ̄ ̄) ( ̄ ̄
〜〜 〜〜 ヽ] ̄二二二7 /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
〜〜〜 〜〜 ""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜 〜〜〜
┌┐
/~'7;; |/~''7 〜〜〜 〜〜〜
〜〜〜〜 (晋( ̄| (
、___`t-'ーイゝ-i
ヽ] ̄二二二7
〜〜〜〜 〜〜 ""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『祖逖伝』に曰く。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 祖逖は本籍地から移ってきた部曲百余家を率いて長江を渡った
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 832 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/03(金) 09:42:11.03 ID:y5339mcu0
- 乙、この殺伐としたイカれたリアル世紀末時代の中じゃ
ドジっ子の庾亮はある意味癒しだ
- 833 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/04(土) 01:56:05.27 ID:GomhVfyB0
- お疲れ様でした。
司馬保・司馬睿と張軌の差は、半独立勢力であっても、隙あらば自分が帝位を窺う(あるいは配下にそれを期待される)皇族と、
権益が保障されるなら積極的に忠勤に励む意味のある非皇族の違いという所でしょうか。
血縁の方が信用できない事態になっています。
とはいえ、実際に自分たちが血を流した張軌陣営から見れば、司馬保は「恥を知れ」と思われて当然。
- 834 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/04(土) 18:40:54.72 ID:gJ7sNEGY0
- おつでしたー
曹嶷は漢側かと思ってたけど勧進文に賛同してるとは…
- 835 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/04(土) 22:53:30.42 ID:fA+5hhGi0
- おつ
南でのささやかな勝利が北では大げさに取られてしまった感じがする…
劉琨は後がないんで仕方ないかもしれないが
- 836 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/05(日) 10:17:03.76 ID:+LKNGW+z0
- 劉琨は雁夜おじさん並に色々補正無しな上にやる事が裏目に出過ぎてるなあ
- 837 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/05(日) 10:52:39.53 ID:CHevN0Zso
- よく一族取り立てる理由に
「一族ならいざと言う時に頼りになるし
異性を王にすると乗っ取られるから」と言うけど
この時代の司馬一族ほど信用出来ない存在がない、レベルというか
- 838 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/06(月) 14:31:47.71 ID:c5UulhRa0
- >>1さん乙ー。
劉琨って、桓温「俺、劉琨に似てる?どう?どう?」の人としか知らなかったけど、
完全にこの時代の最重要キーマンだったんだな。
- 839 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/06(月) 20:10:22.97 ID:Ck1a4Fea0
- まあ曹操が主人公補正無しで敵が強過ぎなベリーハードモードだったのが桓温だから
補正無しで敵強すぎる境遇な所が劉琨に似てると言えば似てるかもな
- 840 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/08(水) 19:12:14.93 ID:iPsoaEYW0
- 異民族と兄弟分になって辛うじて維持できる立場じゃ藁にも縋る想いなんだ…
そしてこんな戦果モリモリの書状送らなくても良いじゃないの王導さん…
- 841 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/08(水) 19:44:07.96 ID:mgkc0BGF0
- >>837
本当に一族同士の殺し合いで国が滅んだからな。しかも何回争ったんだよってレベルだし
- 842 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/09(木) 09:01:20.60 ID:sHD+pjjQ0
- その辺はまぁ
裏切るかもしれない親族と
最初から信用の低い赤の他人の比較だから
- 843 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/09(木) 13:13:15.90 ID:wZvCA5en0
- 一族内のガチ内戦で国が滅んだ例……あと南朝梁くらいか?
- 844 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/09(木) 13:25:19.83 ID:+zFFiKVqO
- 南朝の梁は宇宙大将軍さえいなければ
あんな一族で争って無いと思う
- 845 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/09(木) 22:02:18.41 ID:gOxsWLZI0
- 南朝、宋や南斉に一族の争いを恐れて、わが子以外の男子皇族を粛清した皇帝がいて、
でもやはり継いだわが子は碌でもなく
- 846 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/09(木) 23:02:02.57 ID:S7nMba/c0
- まあ結果、兄貴をだまし討ちで殺された梁武帝が人間のクズかこの野郎って建康へ殴り込んで
東昏侯ぶっ殺したけど、こいつらも一応親戚筋だったりするしなあ
- 847 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/23(木) 01:50:15.92 ID:p0/ex6YU0
- ウマ娘で段文鴦が実装と聞いて。
- 848 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 01:35:32.77 ID:qSjPNxu80
-
- - ──ー - -、
/i ,.-‐''"´ \ i\
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l 御無沙汰しております。
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ 今日の21:30頃から続きの投下します
| i ̄i ̄i ̄i """ |
l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l .中日の岡田投手の故障がエグ過ぎて、
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ / ゴジラ松井がレフトフライで腕折ったやつ思い出した
`/ | | \ /
- 849 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/25(土) 09:22:34.66 ID:L9zewAri0
- わーい
- 850 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 21:49:49.52 ID:qSjPNxu80
- 【>>821の続き】
【紀元317年秋 晋 幽州 令支】
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
盛楽 令支 、-' ヘ
,r'`ー-、_;_, ○ 薊 ● ./´ /
r'´  ̄ヽ, ○ ,r'´ r' r‐
} { ,.、_ノ _"7 /
/ r' 晋陽 太 / 'ー'´
./ ノ ○ ヽ
' { 陽邑○行 厭次ー、 r'‐-,_,_ィ_
} ○襄国 ○ /ヽ_r' _r'´
{ 平陽 山 鄴 ○ r-'´ 〇 r' '
`ヽ } ○ 壺関○ ○広宗ノ 臨淄 }'ー'
{ { 脈 r○廩丘 r'
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
_,..、-''"~""''';,‐-..,
`゙''ー-、,__,,..-‐''"'''- ._,,..-‐''~"~"'''''‐-
,__,,...-‐ '''"" , -'" ``丶、.
::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;''.:i;;:;: :::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:i;;:;:..
...::..:..:..::::..:..::.:..:...::..:.il.::::::::::l:ll=lll:::::::l:::l:::::::l::.:il::.:....
...::..:..:..::::..:..::.:..幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵:::..:...
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ ', "゙
| 匹磾は外にいて、この国を奪おうと狙っています | _,,.-‐''"_,,゙
ヽ______________________乂 __,,.. .-‐'''""~ ,,.. '''
_,,.-‐''" _,,.. '
┌─┴┴─┐
│ .段 部 .│
└─┬┬─┘
││
"''゙"''゙"
- 851 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 21:50:28.85 ID:qSjPNxu80
-
、〜'´. . . . .{:.:. :.V/、 --ミ
┌ 、 . . . . . . . . . . ..{:.:.: :.:.、...) /:::::::::|
八:.:.:.:.:/. . . . . . . . .--八:.:.:.:.:.:',:.\:::::::::|
〉/. . 、〜'´ ̄ ̄/¨¨¨\::. ::. ::. ::..V/:{
/. . / /::. ::. ::. ::. ::\::. ::. ::. :V/:.
乂./ / ノ::.}::. \::. ::. ::.\::. ::. ::Vノ
/7 / /.:: .:}、/〉\::. ::. ::.\::. ::.
/ / /.:: .::.:/⌒\/〉\::. ::. ::.\::.\
,:_/ /}.:: .:: / 笊うぅ 、}::. ::. ::. ::. ::. .\::::\
乂______/.:. ノ.:.:/ 'Vツ }.:: .:: .:: .:: `'〜-\::.:\
そもそもがです。 |::. ::.:/ x芯 ' '/.:: .:: .:: .:: |: ..:: .:| \::.:\
|.:: .:: .:: ::.、' ' ' /イ.:: .:: .:: : .:: .:: .: | \::.::\
父兄が子弟に従うなんて、おかしいじゃありませんか。 八.:: .八:.:込 V  ̄) |.:: .:: .:: .ノ.:: .:: .: | \::.::
\::. :\ :::..、 |.:: .:: /.:: .:: .:: .:| \
一旦功があったとしても、 .\::. :\::.>........イ: :|.::/.:: .:: .: .:: .:: |
匹磾がそれを独占するに決まっています .\.:: .}.:: .::「、) 厂/.:: .:: .:: .:: .:人从__ノ
.ノ\}.://W、,:: .:: .:: .:: .: /⌒¨ヽ
/.:: .:: :厂¨Y^Y¨¨}.:: .:: .::/ ',
.{.:: .:: ノ.......厂〉\.}::. ::. ( }
.┌八.:/乂/ /......|乂(⌒ ::::. |
〉- / /....../ {..... .| /\ノ\ |
, ー‐ ー‐ |//, \ノ`'〜---' }
{ {.............:::::::::...............|///, |`'〜------{
¨⌒ 八:::::::::::::O:::::::::::::::::::|////,.| {
- 852 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 21:52:07.89 ID:qSjPNxu80
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/ __ / /.:‖ .} V __ V ,
〈∨/ { .{ i | .i | { }∧∨〉
|〉〈 { /| 从 疾 | ト、.|V } 〉〈.} .i
i〈∧〉{ _|./ .∨, |/ 从_ .i|} 〈∧〉 .|
| .{/ .!'`\∨ { /´ 刈} } .|
| .杙芹ミ、 \ { ィ芹圷7 .} } .|
| .| .辷リ 辷リ /} } !
| .| i| /ノ} } |
.| . |‘, ./ } j} .|
l . | .\ ´ ̄` /i } .i ‖ .|
=- _ .l |___.〕iト .,_ ィi〔___i|_ } |‖i | ,へ __ 、丶` ⌒``〜
¨ -=ミ .从 |==--┐─-::┌ー===:} j/ .i| ./ .> 、丶`  ̄⌒``〜、)L
⌒>ー ──┴:、 .V .{  ̄} |::::::::::::::| 厂 ̄ } / | / / 、丶` \L___ `
/ .iTV {_.」⊥.r=ミ⊥L_ } /ニ=:ァ-v' / / ', ',/⌒〉,ヽ^ 、
} 乂∨ _j{_jL_  ̄‖ / / / _。 / / | | ', \/ ', / V{ \s
人/∨__彡イ /⌒ヽ 〕iト ./、 / / {_。s≦ l 渉.i| ト 、 ', /\ V / {ノ
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l V八 i| 斗fセ7 ' L / jノ,
|/i抖ミ\j Lり ' 「ハ / ,
小 {り : |)ソ′ i{
あまり時間はない。 .|∧〈 i |ア i{
| 圦 __ _ | | i{
決断を . | 、 | | j{
| \__ ‐ _| |─‐┐ /\
| | __ }==={ri| ノ ̄ {/ /⌒\
| | lh l‐}==={{ | / 厂/ / 、
人 |/(_) ̄ ̄) }/ ⌒// / _ -─‐}
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 劉琨と段匹磾は固安へ駐屯した頃。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 段末波が段疾陸眷・段渉復辰の二人に
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .段匹磾の行動を警戒するよう説いた話が『晋書』『段匹磾伝』にある
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 853 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 21:52:56.02 ID:qSjPNxu80
-
{/ \ } V
, , / V :、 V
/ / ‖ i V :, '
/ __ / /.:‖ .} V __ V ,
〈∨/ { .{ i | .i | { }∧∨〉
|〉〈 { /| 从 | ト、.|V } 〉〈.} .i
i〈∧〉{ _|./ .∨疾 |/ 从_ .i|} 〈∧〉 .|
| .{/ .!'`\∨ { /´ 刈} } .|
| .杙芹ミ、 \ { ィ芹圷7 .} } .| 話は分かった。
| .| .辷リ 辷リ /} } !
| .| i| /ノ} } | .兵は出さない。
.| . |‘, ./ } j} .|
l . | .\ ´ ̄` /i } .i ‖ .| .最近の匹磾の振舞いは目に余る
=- _ .l |___.〕iト .,_ ィi〔___i|_ } |‖i | ,へ
¨ -=ミ .从 |==--┐─-::┌ー===:} j/ .i| ./ .>、
⌒>ー ──┴:、 .V .{  ̄} |::::::::::::::| 厂 ̄ } / | / / `iト .,
/ .iTV {_.」⊥.r=ミ⊥L_ } /ニ=:ァ-v' / `':┐
} 乂∨ _j{_jL_  ̄‖ / / / _。s≦` .|
人/∨__彡イ /⌒ヽ 〕iト ./、 / / {_。s≦ |
/}/ / ./ / /|V.∧ ∨ \\{ {∨ ∧ .|
_/:/⌒`iト ./ _/ /_.|_∨∧_ ィi〔⌒\{ ∨ ∧ _.jL
_ -=::::::/ \\∧ / ././ \::\ \_ _。s≦ ∨
-=≦}::::::::::::/ ヽ `∨ ' ' ∨:::`i' { ∨
}:::::::::::' ∨ハ/ ./ ∨::{ .| .∨
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 二人はこれを認め、軍を帰還させてしまった。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 王浚敗北以降の段匹磾の諸々の行動が疑いを招いたのだろう
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 854 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 21:54:47.50 ID:qSjPNxu80
-
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| 襄国への出兵は取り止めになりました |
ヽ__________________乂
_,..、-''"~""''';,‐-..,
`゙''ー-、,__,,..-‐''"'''- ._,,..-‐''~"~"'''''‐-
,__,,...-‐ '''"" , -'" ``丶、.
::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;''.:i;;:;: :::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:i;;:;:..
...::..:..:..::::..:..::.:..:...::..:.il.::::::::::l:ll=lll:::::::l:::l:::::::l::.:il::.:....
...::..:..:..::::..:..::.:..幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵:::..:...
', "゙
_,,.-‐''"_,,゙
__,,.. .-‐'''""~ ,,.. '''
_,,.-‐''" _,,.. '
┌─┴┴─┐
│ .段 部 .│
└─┬┬─┘
││
"''゙"''゙"
- 855 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 21:55:46.66 ID:qSjPNxu80
-
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
| ヽ ' _ ` イ さすがは段末波様。
l l ´=` l
ノ ヽ _,、__ノ 鮮卑段部一の勇将と呼ばれるだけはあります。
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_ 我が主も喜びましょう
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|::: ___ 、〜'´. ..{\\
八_ノ. . . . . . 八::::ヽ^',::}
/. ./ ̄ ̄ノ:. :\:. :.:',::.
〉//)¨¨´:.}:. :\:. \:.',ノ
///.: ./⌒\\:. 、:.,\
乂__/.:// x==ミ}/:.:.\:.:l、:::::\
いえいえ。 .八込^ ノ.:.::|:. :.. :| \::::::\
|:. :、::.、Vフ |.:.: /.:: .:: | \::::::\
石勒将軍からの申し付けなら、これぐらいお安い御用です。 ┌┌.、 八:. ::.≧=‐≦、/.: .: .:ノ \:::::
r\\「', \:. .: ノWノ.:.:.:.:/-ミ
しかも、手厚い贈物まで頂けるとは \ } l.:)/个、(.:: /
ー' )7、__ 「__//::::/:::::|八\ l
八/// ',// ⌒¨⌒゜ |/, \____〕
{¨¨ |.八: : : 0: : : : :|//, ___|
八 :}//l .///|///, .|
\ .:::::///|X////|///, ><
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .石勒は劉琨と段匹磾の動きを恐れ、
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 使者に手厚い賄賂を持たせて段末波の下へ派遣した。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 段末波は石勒から受けた旧恩に報いるべく出兵反対に動いたとされる。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ こんな真似が可能だった時点で、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 石勒側は劉琨・段匹磾の挙兵を早い段階で掴んでいたと思われる
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 856 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 21:57:39.23 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 幽州 固安】
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,i゙ / \ ゙i! どうも段末波様が出兵を止めるよう説得したそうで
i! ● ● ,l
゙i,,* (__人__) *,/
ヾ、,, ,/
/::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ
人 /ア´ : : /:::::::: |: :|::|: |: \ _//
\__r[/: : : : :/::::::::: /:.:.|::|: |: : : \{_/
┌「 /:/: : : : : :/:::::::::::/: : :l/: :|: : : : : \
ア/:/: : : : :/::::::::/: : : /: :∧: : : : : : :.
/ /|_|__|/__彡イ: : : : /: :./ ∨: : : |: :|__
| || | | : : ト: :/ |:.:|: : :.:/|:./ ノ∨: : :|: :| ├‐ . 、
むー。 /|_||_| |: : /∨`""j__/ / ""´ ∨: :|: :|_「:.:.|: : :\
/: /: : ノ:.|: / 斗r干ト 斗r干ト、|: :/:./:.:.:./|: : : : :\
そんなに石勒が好きか末波は /: : : l /⌒l∧ 乂_ツ 乂_ツ ノ|:/:./:.:/:/: : : : : : : .
/: : : : : : : \:.:.∧ 〃〃 ' 〃〃 厶:'/: :./: : : : : : : :.:ト、
| : : : : : : : : : \:∧ /:./: : : : : : : : : : : : : | |
|: : : : : : : : : : : :.\)h, ´、` .イ: : : : : : : : : : : : : : :..:.:.| |
/|:.. \:.. : : : : : : |:.:.:\)h, ,.イ::/: :/: : : .:.:/: : : .:.:.:.:.:ノ_ノ
〈:.|:.:.:.:.:.\ :.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.|:.:.|`| ー‐. . . . |´|/: : :.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:./(_
.)|:.:|:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.ノ :.:.:.: |:.:.| .| . . . . . . . |〈:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.{⌒~~~
- 857 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 21:58:28.89 ID:qSjPNxu80
-
_,/ ̄ ̄` ̄\
/ /二◎二ヽ ヽ\
/ ルノハヽゝ,ハi 〉 .i
iv、!● ● i i' 〈
lリ〈 ワ i i' リ えーと、つまり?
_iハ`ーゥ t-ノ i 〈
ヒ/」」」.l/リl ly ,ィリヽ、 ヾ
| l | / `.lシl==j \ 〉
| l ,/ー、{::::::::::/ー、! \
/\ ,....:.:.:.:.:.:.:|人>:::: ト、
<人>\___/:.:.:.:.:.:.┌i.:―ミ::::|:.:.\
<人>:::::::::/:.:.:.:.√|:.:: Y:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.ヽ
<人>/:.:.:.:.:/:::リ:.:.:.:|:|:.:.:.:.:.:.:.:.`、:.:.:.ハ
匸[_匸_]:.:.:.:/:::/:.:.:.:.//:∧:.:.:.:.:.:.:`、:.:人__
,≫―==彡/::/_/:::/:.:.:.:.〈/:/ ∨:.:.:.:.:.:.:|:.√ ̄\
く/ ┌―=≦∠__/:.:.:.:.:.:.:.:厶イ ∨:.:.:.:.:.j/:.:.:.:.:.:.:.:.\
申し訳ないけど、石勒討伐は順延だね。 /¨¨¨ア:.|:.:.:.:.:∧¬ト/}/ ∨:./:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:`、
/ ∠__:.:|人:.:{ ,≫¬y -=彡 У:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、
あたしの軍勢だけじゃ、 / ,,‐┬'’:.:.:.:.\ヽ弋ツ '''/:.:.:.:.::/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、
さすがに少な過ぎて戦にならないだろうし .,′ /´ /:.:.:\:.:.:.:.:.:.ハ ''' /:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧:|
.′ | /:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.込、 - |:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. 〈 <ノ
′ | ./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.> イИ/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./}∧:.:.\_ノ〉
| |∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、__/ア┘ |:.:.:.:.:.:.:.__/⌒\ `'ー‐彡
i | |{_人:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ ./` ´/|:.:.:.</::::/: : : : : : \
|. ├―ヘ \:.:.:.:.:.∧.:.::| |'⌒У 八(⌒´::::/: : : : : : : : : ニ=┐
| ∨ハ: )/}/: :)/ |: :/ /:::::| : : : : : : : : : : : : |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『劉琨伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 段匹磾の従弟段末波は
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 石勒からの手厚い賄賂を納め、独り進まずに計を防いだ。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 劉琨と段匹磾は勢力の弱さを理由に撤退した
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 858 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:00:19.30 ID:qSjPNxu80
-
\_-_-_->'"~~~"''〜、、::::::::::::::::\
\_-/:::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::\
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〈__,{:八:::::::::::::::::`、:::::::::::::::::::`、::::::::::::::::.
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.::/|:::∧:::l_,,.`'<:::::::::`、::::::::::::::|::::::::::::::::::|
/:/:::|:::::::}:/斗-=ァ\::::::|::::::::::::::|::::::::::::::::/ そんな!
.::/ j八::::从 V} ' |:::/::::::::::::::|:::::::::::::::
〈:〈 /' l:/':ノ |/::::::::::::::/:::::::::::::/
`>> l:::::\ /:::::::::::/::::::::::::::::{
(:::( l::::::::::::... っ /::::::::/!:::::::::::::::::::::::. _
)ノ 八:::::::\:::\ /:::::/ |::\::::::::::::::::::::... ⌒):) ≦――=-<
\:::::::\::::/::/::::}/|:」 \::::::::::::::::::::::...../ _|>゛¨¨¨¨¨¨>s。 `ヽ
\::::::∨::(、:::/ /-_-_⌒\:\:::::::::... >' ., ´ . >s、 \
.:::::::::::)\::::::...... /-_-_-_-_-_-_`、:\::::/ ./ / .:i 〈\ ∨
〈::::厂/-/\::::::ノ/-_-/-_-_-_-_-_.}l:::::\ ,' / .: | | ∨::\ ∨
| :. .:| | .: .: ∨乂\∨
| { ∧八__::| .: .: ル乂X<フ
人 { :. ∧ャtf=ァ:| / / /レ \乂X{
N\人 り レ'| ,イ /} ∨ ` <
| 〈 ノ' レイ} :::∨ /∧
| ∧ _ / ∨ ::∨ /∧
| |: \ ` イ /¨∨ :::∨ /∧
| |: へ..::<〉¨¨¨///>‐、 :∨ /∧
| |: ,' /}}///∨ \::∨ /∧
| |:/ //∨⌒/ <> \v /∧
| :/ .ィ }/ \ /∧
- 859 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:00:52.86 ID:qSjPNxu80
-
,、丶`  ̄ ̄ ̄ ``丶、
/ _ -‐\ \ \ -‐==ニ二二ニ==-
, -=二ニニニ=-\ \ ヽ _ -=二=-‐  ̄ ̄ ‐-=ニ二==-
/ニ=- \ \ ヽ ', /二二 / \二二二=- _
/' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ=- \二=- ''"⌒
/ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄________ -=====- _
|八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二二二二二=-‐  ̄ ‐-=二二二=- _
i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、  ̄ ̄ ̄ -=二ニ=-_
| | ,ィ=ミ\ `" `、 ( ノ人 \ -=二=-_
|i 爪 vリ __、 〈 ヽ \ -二-
八 ハ ' \、 \ \ -=_
ヽ 込 、 - / \ \ \ ∨
| 个 ィ / ' \――― ミ \
| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒ヽ \
__ | | i 八 / '// / ' \ \
/ ∧、八 |{_// / ' , i '⌒\ \
___/_____,/:__\ _ ノ7:/ / /' / V | { ―― 、 \
/ ________|,::/ / , / \ \ | i \
. / /\ ̄ ̄\/////////,|::i_/__ ____/_____\ \ }― ミ_\_
/ ///,',\ \///////二二ニ/7二二二二二二ニ= \ \ | | / /二二二〕
- 860 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:02:12.04 ID:qSjPNxu80
-
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| 薊へ引き上げましょう |
ヽ___________乂
r'ニ;v'ニ;
r=、r=、 _,!0_i0) )i:、
__{0_{0_.} / `ヽ,. ┘ ヽ /ニYニヽ
,、 ,、 /´l r `'、_,ノi、 i ′′ } /(0)(0 ) ヽ
, - (・(・ ){ ) l、 ( ,! /⌒`´⌒ \
( '' ,r'⌒゙i`、 _.r(_ ノ ヽ.__. ^ 、∠! | (- 、 |
ヽー< ,,ノ `´-r _ノ: :\ `T- ヘ> ト-―――-` l !
. i′ ,f´: :,. - - 、ヽ ,,.-テ| ,/ `ヽ、 ヽ `⌒´ / /、
l l: : j :f´: : : : : ヽ,/ '''"´ ,,.: - ヽ `コー /,ノ:::ゝ、
! /: :ノ l: : : : : : : ノ, ,:'" ゙ヽ i,.r‐(´::::| ,.ィ":::::/::::::
/-‐-/: :/: l: : : : : : ,/ / / ,f´:::,::ヽfト--テ:::::::::ノ:::::::::
. _,,..::-,テ /`7: :(: : : : : /ヽ/ 〃 リ:::,'::::::ゝ!r7/ー一'":::::::::::::
`_,:ィ''" _,r''" f: : :ト---ヲ / fノ /::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::
-‐-‐'''フ" ,.ノ,:::::」、,:r'" ,i / /::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::::
、..、く´_,,∠"ィ''"´ / ,> /\、 ,ノ:::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::::::
´ ,ヘr:、-、=---/ ,:イ ,ノ `゙ヽ、/:::::i':::::://:://::::::::::::::::::::::::::::::::::
ーフ´ > ヽ`ー、/ /く _,,..ィ''"゙' _,,:ィf-:、::::::!::/`゙゙ブ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『石勒載記』は、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉琨と段匹磾が薊城へ撤退したと記している。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .この事件は当時の情勢を象徴しているように感じられる
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 861 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:02:55.20 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 冀州 襄国】
__
┌冂冂「:|丁Ti ,、,、,、,、,、,、,、,、,、,、,、
乂 |___|_ | X爻爻爻爻爻爻爻爻
爻爻爻爻爻゙ r┐┌iT┤____|二ニ| 水爻爻爻淡淡淡乂乂乂乂
⌒¬爻爻爻⌒ __ |:└└ :|└ L.|.:.:.:.| ̄「 乂爻淡淡淡爻爻爻淡淡淡
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爻爻父父炎灸炎i爻i爻jノ⌒|┌i | ̄|┌┐:| 卩| ̄\|:.:: :| I I | : | |¨|_| |: : : : :| [] | 000 ∨レ'
 ̄|````爻彡从ミミ'⌒∩ |└' |─|└┘:| ¨¨¨¨¨|: : | I I |_ :| : : : |: : : : :| | ̄L| ̄| || {i:i{
ニニニニニニニニ|i:i| ∪ ∪ | ゙Τ¨¨¨~~:| :|: : | i⌒i | :| : : : |: : : : :|: ∩┐┌┐┌┐┌┤ ,{i:j:}
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|i:i|洲州xx | п | ̄| | ロ :|: : | | | | :| : : : |: : : : :| |::|└┘└┘└┘└‐}i:i:i}_
| ̄| 冂 |i:i:|洲洲洲 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ :|: : | |王王王王王王王王王王王───‐ | ̄|===rノi:i:i{
「 ̄ ̄ ̄ ̄ |洲 ̄ ̄ ̄ _|: : | |¨¨7~¨:| ̄”二¨¨¨“““ ''''| | 辷三|ノi:i:i:乂
_jjjjL ---──……¬冖''' ¨¨ ̄___二二¬三三二ニ|ィシ´ `':, γ⌒ヽ | ┌┴-- _
 ̄ ̄ ̄ ̄__ ‐……¬冖ニ二三三 ̄ =ニ 三三 ニ……===ニニニニニ|_ |  ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄───………………ΞΞΞΞΞ =ニ =三 ニ ====ニニニニ ̄三三三三 ̄三三二ニ=…ー
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: ────‐ΞΞΞΞΞΞ =二 三 ニ =====二二 ‐‐…… ‐…=====三
: : : : : : : : : : : : ──===ΞΞΞΞΞΞ =二 三 二 =====二二 - -  ̄ : : : : : : ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、 | さすがに今回は肝が冷えましたな |
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ ヽ________________乂
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ .確かに河北の諸勢力は
\ヽ、 _ , イ!::/ 劉琨の音頭の下、司馬睿へ皇帝に即位するよう勧めた
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 862 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:03:47.23 ID:qSjPNxu80
-
_.,. -‐- ....、
x≦〃〃/ミミミミミ、
/ノノノ〃ヾ⌒彡ミミミミミ、
/ミミル' / __ ヾ彡ミミミミ、.
{ミ'''´ {∠i孑 `ヾミミ毛刈
';ハ, `〕、 Yミ ;:::: ∨ソYハ x≦ ̄ア´
}:( くツ1 | っ {::: ーりリ / :::::::/::::: あの時、段末波殿を助けたのがここで活きるとは。
ヾ:ヽ ,ノヾー'⌒ヽ ヾ Y¬从 〃:.:.:./:::::::::::
`ヽ { √ ̄~`ヾ Y ヾリ ||:.:/ ::::::::::::::: .将軍には、私よりも先が見えている御様子
沁ヾ ⌒ :/ /∧:::::::::::::::::::::::
ハ r::.......,..::/// /:::::::::≧====
'、 {///,//// >'゙´:::/:|幵幵幵幵
`T¨¨´///>'゙´::::::::/:ニ|幵幵幵幵
,..-―∨ /::::::::::::/ :三圦W幵
//////::∧/::::::::::::/ :::三三/八幵
ヒ´ミ仆爪// j } /ノ ハ `ヽ、ミ≧=-ゞY、_
圦ミfソ ̄} } / ,' __ \ミ下千f=-仆
ミ }}ソV i/ ゝ Vゝ斗イ、ヽ ヽミ仆≧=}}
乂./ / 三ミ  ̄ ',{ ハミミ _ソ
圦{ 辷i ≧=- } }ミ彡 .Y
世辞はいい。 人、~ハヽ ‐ イ j iミソ ~イ /
Y、 ', ゝ-=__, ', V /
それより邵続の様子はどうだ? ハ /`´__ ', i≧=´
', 壬//≧=- } }////
.i Y { ///´⌒
| { }, イ/////
.{ ヽ-=≦≧=-、-=≦///
.',Y//////////////イ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ だが、彼らの利害は互いに衝突していた。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 鮮卑段部の例は特にそれが顕著と言えるだろう
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 863 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:06:25.56 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 冀州 厭次】
|┃ /ニYニヽ
|┃ ./( ゚ )( ゚ )ヽ
|┃ 三 /::::⌒`´⌒::::\
|┃ | ,-)___(-、| 邵続様!
|┃ . | l |-┬-| l |
|┃ \ `ー'´ / また青州の賊徒が攻めて来ましたっていう!!
|┃ / `ヽ.
|┃ 三 ./ \ 放っておけば住民を拉致される恐れが!!
,⊆ニ´⌒ ̄ ̄ " y r、 ヽ
⊂二、 ,ノ──-‐'´ | | l" | γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
|┠ ' | l/'⌒ヾ | 曹嶷と手を結んだのは正解でしたな |
|┃三 | |ヾ___ソ ヽ__________________乂: : :: : : :∨ : : : : : : : : |
|: : : : : : : : |: : : : |: : : : :{ Y: : : : : : :V : : : : : : : : : |
|: : : : : : : :.」__: {: : : : .{..,-‐=<^ | : : : : : :V : : : : :l : : : : :|
|: : : : : :/. : : ; \: : : /:{ \ 仆: : : ::∨ : : : : : | : : : : |
|: : : : : :|. ::了~丐、\:.|: j 斗千笊ミ≠: : : ::∨: : : : : : :! : : : : |
文鴦殿に行ってもらいましょう。 .|: : : : : :|. : 圦ゞヒ夕 |f´ 戈ツ 刈: : :∨: : : : : : : | : : : : :|
|: : : : : :乂: : : 、゛´ 八  ̄´〃 |: : /: : : : : : : : :| : : : : :|
それにしても、 .|: : : :/ Υ ト。:、___/, \ / 厶イ : : : : : : : : / : : :/
晋王殿下を奉じたにも関わらず、 .|: : :/ / /i!: : : )h、  ̄ ̄ /i: : : : : : : : :/_/
他の郡県を侵略するなんてどうかしています ∨/⌒〉/ |i: :|: : : : > ^ / i|: : : : : : :/: : : \
У /ノ ハ :ヾ>゛ ≧s。 _ / i|: : : : :/: : : : : : : :\
/ // ∧ /______/ ∧ i|: : // \: : : : : : : :\
/ イ //⌒7..厂 / } 厶イ / \: : : : : : : i|
./ , : "/ /.../ 〃 / / \: : : : ::i|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } また、冀州刺史邵続と青州を支配する曹嶷は互いに侵略し合っていた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 864 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:08:10.85 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 青州 臨淄】
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
| ヽ ' _ ` イ 我が主石勒は、
l l ´=` l 曹嶷殿に東州大将軍・青州牧・琅邪公を授けるとの事
ノ ヽ _,、__ノ
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_ .γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、 | 今は手懐けておくに限ります |
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::! ヽ_______________乂
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| X / / `ヽ/ `<i!リ/ .| V /7 / メ、 |
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|::: y'__\/ / /` ̄ヽ/ .\ V .\ ∠ ムイ/、 .\|
` ̄>x_∠_ / \ハ \ ∠/__ i/V \ リ
__ Z〈 < / ∧ .∠/ .| V V ヽ/
. \  ̄ \〉圭<zx \ .∧// | .| V \/
\ 〉 /圭リ/ ̄ ‐--彡ヽ_ノ___ .| | V /
/__ /圭/ ヒz__> _|_ <
..∧ {進{_ } `ヽi!!/// /
\∧ / / / 弋三ア }i!「.|/ /
もらっておこう ` < / / i\ノ ノ /
\_ノ><i|_  ̄ ̄ ―- | Y/V
/| ─ Z/ | 、_ .L__/\\\
./ .|__く | . ̄ 「 V/\\\\
.| ヽ_」 | 〉\\\\\
.|─── | \ ./ /\\\\\
<.|___ |_ \ / イ\\\\\\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 曹嶷に至っては、石勒からも官職をもらっている。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 『晋書』『石勒載記』によると、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .南から王命を受けたが、建康が遠過ぎるため、石勒の襲撃を恐れたという
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 865 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:09:00.55 ID:qSjPNxu80
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ. 曹嶷の蝙蝠外交は青州の支配を確立するためと思われる。
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 彼の支配を嫌った青州の士人は、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ .南方の徐州・揚州や北東の平州へ難を避けた。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: .その中で後世知られるのは、長広郡出身の塢主蘇峻率いる集団だろう
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ / _ _(ヽ_ _-==ミ⌒ヽ_,
⌒>-‐  ̄`ヽニ=- '
/ /、 / ハ 、 、\\\
/ ``ト、 } V斗匕\\ ,ニ=-
/イ r==ミ、} }示苅}⌒ ̄
|:. 、:` vソ , ゞ '/イ | ノ}
/∧ \ヽ t ァ イ.! | {
青州長広郡挺県の蘇峻、字を子高という。 >―`ー、:\`:≧ー≦__{__/}//
〈 {_{ ̄`´ ト、/ヽ} 二二、∨_ト、_/ヽ
長広郡で塢壁を築いて人を集め、 ∧ {ヽ/ヽ.イ_/ヽ:|:/__\ヽ ヽ 〉-、
建康の晋王から安集将軍の位をもらっている。 ヽ { / 人 `<__< ヽ>―〈 ̄
乂_//∧_.//\ └rくノ\ >>‐>
青州刺史の曹嶷が攻めて来ると聞いて、 .〉///`ヽ//∧∨ \/〈 ノ、 ≧ 、}、ヽ_ヽ
数百家と共に海を渡って広陵へ移ったのさ ./ ヽ_//´ ̄.∧∨ l {i八, -、_ `´
/ ヽ_//l ,x==〉.〉 l ヽ \∧ヽ
/ ヽ_//ノ'./|/ヽ// l ヽイ 〉ヘ├ 、
/ /´ //| |\/\. l ./∧ / |_\
イ //| ト、 }\/\__,l_////イ V//// \
__乂 ////| ト、Y//\///////// ∨/___\
. / /ヽ}////| | ∨///\_/////ー イ∨ /////ハ
晋 安集将軍 蘇峻
- 866 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:09:48.81 ID:qSjPNxu80
-
, , 、 、 、i:i、 =- 、 、
/ ,/`! :W ∨ ハ ヽi}__,.入 ハ
/ ‖ ‘, ハ__ l : ハ、,_ ,}ヽ、 ∨
,′ ___ Y/´_ハ ! : }ニミィ_} ‘, Y
厶ィ' ハ}_`! ー=='}/i |\\彡{ | ‘,\__
. _,ィi |∧ト=イ " ' / ,、.| {ミ}ノ,/:l|' ‘, リ.: 何故かって?
. ∧ lノ__/} ' |:八 ,. _ /ィ ∧| レ'メ、
/_// }``ラ | 圦 ヽ、__ノ / ' /-'升 狩猟で生計を立てるぐらいには困窮していてな。
|:_|__lヽ/}ヽ | |'/\ _,.イ //}i;ア-'
... / \\`/、/. |/`//,ィ`ー≦ :| //イ/ 俺の兵士たちが食べていくには、
. | |i:i| l:| __人 {/ {/ィ=ミ_;|/イ / /, 晋王の郡県から食糧回してもらう方が賢いだろう
. ∨-、|i:i|‖ __/ ,../ ./-‐'"/ `ー='〈 ,//彡イ
/ ∨彡、 :}、 ィ=='イ/ / _,./ =、.,_,、 ∨
. /l ,' ヽ ゝ、i:i`,、 ヽ イ〈フ:::::::::::::::;/ィ`ー-∨ _,/
../. l ,' ∨、 } / ー} / ノ::::::_,. ィ" / / '"//´
,. :-:.' ー ' ¨ :.ゝ.、
,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ、
,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`、`ゝ
,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ハ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
このあたりの話は『晋書』『蘇峻伝』にある。 /イハ:!:.:.:l:/ i/ ノノ ノリリハリ:!:i:.:.!:.l
i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ハ!
曹嶷は司馬睿から青州刺史とされたのに、 ∨|:.:.! ノ/i/ノ
同じく安集将軍とされた蘇峻の討伐を目論んだ事になる。 ヘ!:| ノ!/′
ヾ!>ー- ´`-- <イリ
建前と本音が異なるのは明白だ (;;;;;ソ⌒) ̄`´ ̄(⌒ヽ
ヽ;;=;;/__,,、_/;;`ソ
〉;;;;;;;;ソ:/A.i:l;;;;;;!′
く;;;;;;;;;;;;i;!;;;;;;;;i;!;;;;;ゝ
i、__,,/ !、__,,!
`ー'′ `ー'′
- 867 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:12:25.64 ID:qSjPNxu80
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ また、曹嶷と争っていた
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ .東萊郡太守鞠彭はこんな嘆きの言葉を残している。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l: .ちなみに、彼も王弥・曹嶷と同じ東萊郡出身だ
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
今は天下大乱であり、強者が英雄となる。 | ヽ ' _ ` イ
.l l ´=` l
私も曹嶷も同郷なのだから、 ノ ヽ _,、__ノ
互いに民に寄り添うべきなのに、 _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
何故争って百姓の肝脳を地に塗れさせているのか? /;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|:::
- 868 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:13:03.49 ID:qSjPNxu80
-
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
| ヽ ' _ ` イ
l l ´=` l
ノ ヽ _,、__ノ 私がここを去れば、災禍は止むだろう
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|::: __
,..::::´:::::::::::::: :`:ヽ、
,r´:::::::::::::::::::::::::: : : : :.
/::::::::::::::::::::::::::::::: : : : : :',
了::::::::::::::::::::::::::: : : : : : : : l
|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
lィ::::lヘ:へ::|::::::::::::::::::::::::::::::「
\ト、(ヽ::::|:::::::::::::::::::::::::::rノ
ヽ´::::|::::::::::::::::_;、::ル′
鞠彭は東萊郡の人々の反対を押し切り、 . ` ‐lイ::::::::::ヽ
千余家を率いて海路遼東の東夷校尉崔の下へ去っていった。 ./⌒ヽ、::::ヽ
|::::::::::::::`¨´!
当時、東萊郡にいた北海郡の鄭林という人物も、これに賛同して追随した .|::::::::::::::::::::::|
|::::::::::::::::::::::|
ヽ__;:---─ヘ
ヽ::::::::;、::::l´
|:::::| |::::|
|:::::| |::::|
` ´ ` ´
- 869 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:14:09.70 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 平州 襄平】
. /ニYニヽ . /ニYニヽ
/ (0)(0)ヽ / (0)(0)ヽ
/  ̄`´ ̄ \ /  ̄`´ ̄ \ 崔様。
| ,-) (-、.| | ,-) (-、.|
| l ____ l | .| l ____ l | 中原からの流民が
\ ` ⌒´ / \ ` ⌒´ / 相次いで慕容部の領地で留まっていますっていう
,、-='l \_,ン g< \ ,、-='l \_,ン g< \
/ \ └〆\ i=i|\' \ / \ └〆\ i=i|\' \
丿 i \ \=i| / i| 丿 i \ \=i| / i|
_,. -、、、,_
,.ィァ´ __j|i__ `ヽ、
/〃 ,ム;;;;;;;;;`! ゙'、
. ′ll _,ィrif''T'll:Tl:ーi、、 jl
| ル'i「::|l| |||::! !:;l|:i:`!j
j/::i::jレ'゙´`ヽ儿|_レ_j;i:::i:|
慕容廆が流民を拘束しているんだろう。 /:|:::i/  ̄` 、 ´ ゙T!′
i::::fミ! r====r .リ
段部や宇文部・高句麗に命じて討伐してやろうか '、::゙ーヽ. 、 / /
ー-゙i 、 `¨´ /
rー'^く`'-、_` ̄´jフ⌒ヽ、
/フ'T'ーrr‐一'`'ーrrー'T゙ヽ、
. // l| ト| ト| l`i::::l、
/:/ 、 l ! ト| ト| i l .ハ::::l
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ とはいえ、疎開先の平州でも
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 東夷校尉崔と鮮卑都督慕容廆の対立が深まっていた。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .つまり、河北情勢はどこも一触即発の様相を呈していたわけだ
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 870 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:15:29.23 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 平州 棘城】
/ニニ二i-γ'ヽニ二二二二\\
. /ニニ>'"~|-.{ }ニニニニニニ`ー、
|二/ .|ニ乂ノ二ニ=- ~´ ̄ ̄\
|-/ |二>'"´ \
|/ .|'" _ -=ニ二二二ニ=- _
. γヽ | _ -ニ二二二二二二二二二二二ニ=− _
} |_ -ニ二二二二二二二ニ=−  ̄ ̄ ̄ '"
| ト} _ -ニニ二二二二>'" :::::::l V|'V|::∧:. '"
. ヽ{ _ -ニニニ二二>'":jI斗:ハ:::::::|ーリ‐リ、:::|::: ~´
. _ -ニ二二二>'"::::::l::/ }/}/ }::::::| .jI斗 iV:|:::! 仮節・散騎常侍に、
. /二二二>'" /:::{::::::: {'jI斗zk `"" ' Vソ ,: }/:l:| 都督遼左雑夷流人諸軍事・龍驤将軍・大単于・昌黎公。
.. /二ニ>'" /イ::::V ::: ',ヽヾソ , {::::::/リ
∠=- ~´-‐ ~´ .|:::V:V ::::', 从/__ どうして段匹磾より下の将軍号しかもらえないのかと?
ヾ{ ヾV:::::', J _ -=ニニニニ{
r\::',≧=- .|ニニ二二二二∧
Vニ\:::|ヘ |ニニjI斗--- 、、┤
,V-γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
/-},/| 例えそれでも、今一度晋王へ皇帝への即位を勧めるべきです |
/ニ-{::ヽ___________________________乂
}ニニV:{:.:ヽ{/ニ二二二二二二二∧
/ニ>' :\ :/ニ二二二二二二二二∧
____ _ .{/ : : : ∧:γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| 新帝の命をもって罪ある者を討伐すれば、従わない者はいないでしょう |
ヽ_______________________________乂
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 強者が英雄となる時代が来たのである
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 871 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:16:05.08 ID:qSjPNxu80
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| ちょっと寄り道 |:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ//
| | >:´|、 - ,|`:< さて、このような情勢に
| | |::::::::| > イ |::::::::| 大きく影響を及ぼしたのが食糧問題だ
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 872 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:17:30.64 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 冀州 厭次】
|: : : : : : : : !: : : : |: : : : :{ ∨: : : : : : : :∨ : : : : : : : : |
|: : : : : : : : |: : : : |: : : : :{ Y: : : : : : :V : : : : : : : : : |
|: : : : : : : :.」__: {: : : : .{..,-‐=<^ | : : : : : :V : : : : :l : : : : :| .文鴦殿。
|: : : : : :/. : : ; \: : : /:{ \ 仆: : : ::∨ : : : : : | : : : : |
|: : : : : :|. ::了~丐、\:.|: j 斗千笊ミ≠: : : ::∨: : : : : : :! : : : : | 今年の収穫は少々心許ないので、
|: : : : : :|. : 圦ゞヒ夕 |f´ 戈ツ 刈: : :∨: : : : : : : | : : : : :| 平原郡の食糧を頂戴しに行って下さい。
|: : : : : :乂: : : 、゛´ 八  ̄´〃 |: : /: : : : : : : : :| : : : : :|
|: : : :/ Υ ト。:、___/, \ / 厶イ : : : : : : : : / : : :/ 私の甥もつけますので
|: : :/ / /i!: : : )h、  ̄ ̄ /i: : : : : : : : :/_/
∨/⌒〉/ |i: :|: : : : > ^ / i|: : : : : : :/: : : \
У /ノ ハ :ヾ>゛ ≧s。 _ / i|: : : : :/: : : : : : : :\ /:. 〈 ̄`ヽト、........〕\ ______
/ // ∧ /______/ ∧ i|: : // \: : : : : : : :\ ト、 \_ソニ7´ ̄厂{^''〜ヽ、〔 ̄ ̄``ヽ、 了
/ イ //⌒7..厂 / } 厶イ / \: : : : : : : i| |....ヽ/:.:.:.:,′:. 人:. `>─=ミ、、 ‘, (
./ , : "/ /.../ 〃 / / \: : : : ::i| |...../:. : :/:: / : :}~''┬……‐、 \/「⌒〕
r‐‐し' : :〆:. イ:.:.:.:.:.:ハ : :ト、:.:.:.:.:. : \ト、 \_廴/
. メi:∨-=彡'"^\:: : :厶}ハノ、 ',:.:.:.:.: : Y:| \ /
. /i:i:i:i|:. : :| : :ト、 : :`ヽ、イんハ∨:: : :i: : :|.:| )/ニ
ん斗r、|:. : :| : :|イ >‐‐┘乂ソ リ:.:.:.:.:|ハ: }イ /ニニニ
人i:i:|⌒|:. : :|:: 坏んハ _、 'ー‐ァ'^リノ' /二二二
ヒャッハーだよね! `¨ 人 : :|\{{、くソ′ /_r‐〉 / : :i//二二二二
\{:. 小 /ィ'^ / / i//二ニ二ニ二ニ
分かった行ってくる!! 乂从 \ ` ー‐''´ ,/ : :{ /二ニ二ニ二ニ
厂∨_>''" ̄厂{:. : :| {ニニニニニニニ
|i : :|/ \ / ∧ : :∨ニ二二ニ二ニ二
リ:. /\__Y \:. \ニニ二ニニニ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \ この時代の記録を調べていると、
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .「人を食べた」という類の記述をよく目にする。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 八王の乱と永嘉の乱という人災に
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 寒冷化・飢饉・蝗害等の天災が加わり、当時の食糧状況は最悪だった。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ どこの勢力を見ても、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 食糧難に頭を悩ませていた話が出てくる
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 873 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:19:34.82 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 冀州 平原郡】
や心乂{ ハ: /「\: | . |_
や仏Y ,ィ゙: : f'V: : :ト..,,ノ:::::|
_,,...‐:::~~\_//|: : : V: : :/、;_:`' ミト 、
,」:::::::::/ ̄/:ノ|: |t‐''゙: :,xく}\|``h、\ト あっ、賞金首の石虎!
\::::; ’ /: ;イ:.人| x宍[\「 '芯ミ:.}: :i\[ノ
V/ 〳/ i:.{: :汽代iノ 、乂ノ价N\} 兄弟分なら兵糧分けてくれるよね?
/\〈-、|/ j: :、: 乂 ,.. ―- 、 ]/〵\_,..ァ゙:
/: : : : : \人_rf'「l (/V^′^フ 八 〵'゙: : :/: : .弟の者は兄の者って言うじゃない!!
,: : : : : : :〳 /{ !||!ヘ >-―- く- 〵: :/: : : : :;
/: : : : : :_jニ{|j }|::::::::| |::| /∧.〵; : : : :.
./: : : /: : : :了', } ::::::::| |::|ノ_,ノ ╲.╲: : : :
,,,,,,,,,,,,,;;;;;ll;;;;;;;;;;;;;;| l;;;;;;;リ)リ;;;;;;|l;;;;(ミ彡/、 Z
l|ヽ= 从;;l |l|;;ll;;;;;l|;;;;;l;;;イl;;;;;;;;;;;;;| l|;;;;;;-〈、|;;;;;;;;;;;;;;,,三∠ノ フ
ヽミ三从;;从|;(;;;;|l;;;;l|;;;((;;;;;(ヽ乂;;;;;;/ノ人、从;;;;;;;;ヽ ∠ |
ミ二ミミ从 ; ;;;;;;゙;;;;゙;;;;;L{{ミ|Y;;";;;;;rテ'';''i゙''ミ゙ イ;;;;{ミヽ∠ノ
゙ヽ乏゙゙从゙ ;;ヽ、、_;;;;;;;;;;;;;{≧Y;ノノ=-゙'''"´彡 ';;;;;;ヾ,,', ヽ
<彡l|;;;;;;;l、;}:/;r't;;;)>| 彡 ̄""´ |;;;;;;〈 |.| }
ノノイ;;;;;;之"゙"''"´ |、 _,,、::::: |;;;;;ノノリ;∠
誰が分けるか! イ彡l|;;;;ヽ ゙:::::::: j _,、 -)゙ヽ::... |;;/- /;;/ミ
l|//l|;;;l~、'、 :::: ゙''::ヽ,/ |(,,ノ;;;ヽ〉ミ
都合の悪い時だけ兄弟面するな!! リノイ;ヽヽ'、 `゙'、l__,,、、、,,_,, / l||;;;;;;;;|∠
"´ノ|;;;;`'-;', (t -'''ヘヘ)}} リ リ;;;;;;;/从ミ
|/l|;;;;;;;;ヽ レ- '''""´ /:::" {;;;从;;;;;;;;)"
l|l||;;l|;;;;;;;;'、 ,,、;;''";; ̄:: ,/:::::" ヽl|リ;;;r''、リ
ヽl |;;;;;;;;;\ " `゙ /::::::" レ',、-ー゙''""゙''ー
//|;;;;;;;', \ 〈 / ::::::: ,、 '´
(从l|;;', ヽ, ヽ:::ノ/ :::::: ,、 '´ ,、
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『邵続伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 邵続は甥の武邑郡太守邵存と
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 段文鴦が率いる段匹磾の兵を平原郡に派遣して食糧を得ようとした。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ しかし、石季龍に破れた
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 874 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:21:01.31 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 冀州 厭次】
八 \ ∨⌒>''^~ ̄ ̄ / / /
\ \//  ̄ ̄~^'' く/ \
. >┘ | \ \ \
<,__/ / | \
/ / | |
| | | |
| 八 \ | |
| | _ノ\ \ | | |
| |/´ \,___ \ | | |
| ∨ | | |
| z≠ z≠‐''^ | | | 正直、食事にありつけるだけでありがたいですわ。
. 八 ハ:: 、 ::;, | | | |
|丶人 、 - | | | | 死ぬまでにもう一度、スイーツを食したいですけれど
|| > < | | | |
.\\ || | | | ]T/〕 | | | |〉
\\ || |/ ̄ ̄ノ | |. /\ \ / /
厂\(\ ||/:.:.:.:/ /| | /..... \ \ / / /
(__ミ } | V:.:.:.:./ ̄\/:.:.:.| ∨ /'⌒ \| |/
{_ 冫\ | |:.:. /:.:.:.:/:.:.:.:/| | / | \
/\ \"゚´~)| ノ―|:.:/:.:.:.:.:.:.:⌒| |//´ | |
(__|_|`¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨´| ⌒\:.:.:.:.:.:.:.:| | | |
):.:.:.:.:.:|:i:※:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iY^i \_/ノ | | |
|\,__人:i:i:*i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i| | )/ 八|/ / Λ|
| \:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iノ ∨___厂:. ̄ ̄|// / | |/
\ ( ̄ ̄ ̄ V:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ノ | Λ| ノ
. \ └<___ )\__厂 \ | / | \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 官軍が自給自足できなくなり、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 石勒軍の縄張りに食糧を奪いに来るという惨状である
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 875 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:22:04.85 ID:qSjPNxu80
- 【>>873修正】
【紀元317年秋 晋 冀州 平原郡】
や心乂{ ハ: /「\: | . |_
や仏Y ,ィ゙: : f'V: : :ト..,,ノ:::::|
_,,...‐:::~~\_//|: : : V: : :/、;_:`' ミト 、
,」:::::::::/ ̄/:ノ|: |t‐''゙: :,xく}\|``h、\ト あっ、賞金首の石虎!
\::::; ’ /: ;イ:.人| x宍[\「 '芯ミ:.}: :i\[ノ
V/ 〳/ i:.{: :汽代iノ 、乂ノ价N\} 兄弟分なら兵糧分けてくれるよね?
/\〈-、|/ j: :、: 乂 ,.. ―- 、 ]/〵\_,..ァ゙:
/: : : : : \人_rf'「l (/V^′^フ 八 〵'゙: : :/: : .弟の物は兄の物って言うじゃない!!
,: : : : : : :〳 /{ !||!ヘ >-―- く- 〵: :/: : : : :;
/: : : : : :_jニ{|j }|::::::::| |::| /∧.〵; : : : :.
./: : : /: : : :了', } ::::::::| |::|ノ_,ノ ╲.╲: : : :
,,,,,,,,,,,,,;;;;;ll;;;;;;;;;;;;;;| l;;;;;;;リ)リ;;;;;;|l;;;;(ミ彡/、 Z
l|ヽ= 从;;l |l|;;ll;;;;;l|;;;;;l;;;イl;;;;;;;;;;;;;| l|;;;;;;-〈、|;;;;;;;;;;;;;;,,三∠ノ フ
ヽミ三从;;从|;(;;;;|l;;;;l|;;;((;;;;;(ヽ乂;;;;;;/ノ人、从;;;;;;;;ヽ ∠ |
ミ二ミミ从 ; ;;;;;;゙;;;;゙;;;;;L{{ミ|Y;;";;;;;rテ'';''i゙''ミ゙ イ;;;;{ミヽ∠ノ
゙ヽ乏゙゙从゙ ;;ヽ、、_;;;;;;;;;;;;;{≧Y;ノノ=-゙'''"´彡 ';;;;;;ヾ,,', ヽ
<彡l|;;;;;;;l、;}:/;r't;;;)>| 彡 ̄""´ |;;;;;;〈 |.| }
ノノイ;;;;;;之"゙"''"´ |、 _,,、::::: |;;;;;ノノリ;∠
誰が分けるか! イ彡l|;;;;ヽ ゙:::::::: j _,、 -)゙ヽ::... |;;/- /;;/ミ
l|//l|;;;l~、'、 :::: ゙''::ヽ,/ |(,,ノ;;;ヽ〉ミ
都合の悪い時だけ兄弟面するな!! リノイ;ヽヽ'、 `゙'、l__,,、、、,,_,, / l||;;;;;;;;|∠
"´ノ|;;;;`'-;', (t -'''ヘヘ)}} リ リ;;;;;;;/从ミ
|/l|;;;;;;;;ヽ レ- '''""´ /:::" {;;;从;;;;;;;;)"
l|l||;;l|;;;;;;;;'、 ,,、;;''";; ̄:: ,/:::::" ヽl|リ;;;r''、リ
ヽl |;;;;;;;;;\ " `゙ /::::::" レ',、-ー゙''""゙''ー
//|;;;;;;;', \ 〈 / ::::::: ,、 '´
(从l|;;', ヽ, ヽ:::ノ/ :::::: ,、 '´ ,、
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『邵続伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 邵続は甥の武邑郡太守邵存と
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 段文鴦が率いる段匹磾の兵を平原郡に派遣して食糧を得ようとした。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ しかし、石季龍に破れた
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 876 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:22:44.56 ID:qSjPNxu80
-
_广ニニうァ
/_/_/: :/ ̄
/´ ̄`ヽj
_/=、: : /ー─‐'う
. -──-、 //7冫\:/: :/´¨
/: イ´',:::::::',:\ , 7='ミヽ'}::',:::ト.イ´
/:/ヽ.: : ',::::::::',: :ヽ.///: : :',∨jrノ
/{:/: : :\ '.:::::::i: ://': : : : 冫'´
|: ナ、: : : :\|:::::::|: //クi: : : ,イ
|:': :\: : :ヽ/ニニ/ /: :ハ: : /
∧: : :ア─'-'、ユ八7─.、}: / ,ヘ ,ヘ
冫__.{::..::..:::::::冫¨/::..::..::リ..' Vム ,.. ---/ /
_r-く {こ_).、::_::_::,イ ',:_::_:イ' Vム /' /:::/ /:::`::.、
. / ,ィ-ヽ._j: :トゝ ̄,... .. ...ヽ/=..l、 Vム::::' '::/ /:::::::::::::::.
/ 冫:ヽ.: : : :ハ:.'::::::. : / |: :.', ,Vムj____{/ /::::::::::::::::::人
l (_ゝ、_}: : {⌒ヽ\:ゝ__∧ i!: :.', ノ:::V jTrく,∧:::::::::::::/:::::'
レ=K´!',: : : :ゝ-,ノ:==、 /: : ! { , -ミー‐ ァ ―‐ ミ::::::::::::::}
{/i!: :ト.ヽ.: : : :/| : : \=='イ: r.:| v{: Yロ'{: Y:::::::::'
∧: i!: : \`二フ':::|: : : :  ̄',: :lトリ v:、 j | ゝ, ノ:::::::/
|:::\ヽ.: : ¨/::::::::!: : : : : ::,: :V , -ヾ}~´,」_ ` -- く::::::ノ
|:::::| ヽ.__/:::::::::::/: : : : : : !: / / ^ヽ )}イヽ
|\ヽ_イ:::::::::::::::::::/: : : : : : :,:/ , ,ヘ / }\ ,. イ::{:::> ):.、_
|: :\_r=======': : : : : : :ノ,ソ 〈 /:::::/ 乂:≧≦::斗r≦´>'" ` 、
ゝ、: : :i!: : : : : : : : : :,.イク. ー':::::::{  ̄´ >く/
}`ー==i!:=ニニニニ =======/ // v'::::::::ゝ、 >'":::::::::ヽ、 \
|: : :.i!: : : : : : : : | ' / {::::::::::::::/~^  ̄::::::::::::::::::::::::}::! 、
{::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::/ニ| )
/ニ;:::::::::,':::::::::::::〃)):::::::::::::/ニニ, /
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } この年の秋は大暑であり、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 司隷・冀州・青州・雍州等で蝗が発生したと『晋書』『愍帝紀』にある
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 877 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:23:56.44 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 司隷 宜陽】
/:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. \:. :. :. :. : //\:. :. :. :./:. :./
:. :. :. :. :. /\:./\:. :. :. /\/ /∧:.\、:./´ ̄》
___/ ̄/:.\ /\// ̄/\ / >:. :. ´:. :. :. ̄ ̄ ̄:.`ヽ
. / ̄:. :. :. :. :. :. :. :./ ∧ /:./:. :. :. :. :. :. :. :. :. :/:/\__/:.\
/:. :. :. :. :. :. /  ̄/ ̄:. :. :/:./:. :. :. :. :. :. :.: :.: :.:/ : /:. :. :. :. :. :. \
:. :. :. : | ̄|: ̄:.: :.: :.: :.:/:. :/:. :. :. :. :. :. :. :. :. :./:. :. /:. :. /:. ∧:. : : \、
:. :. :. :. :| |:. :. :. :.: :..:./:. :/:. :. :. :. :. :/:. : : :/:. :. : : {:.:/:. :. :. :∧:. :. : : :.\
:. | ̄ ̄| ̄:. :. :. :. :. :.:/:.//:. :. :. :. :. :/:. :. :./´ ̄ \:. {/:. :. :. :. :. :.∧:. :. :. :. :. :.
:. |__|:. :. :. :. :. :. :./:./:.i:. :. : : : : :/:. :. :./-:.、 ヽ:._:._:. :. :.',:. :. ∧:. : : :. :. : :. 去年に続いてまた蝗。
 ̄|:. :. :. :. :. :. :. :.:.:./:./:. :|:. :. :. :. :.:i:. :. : ハ:. :. :. }:. :. :.∧:. :. ::. :',:. :.
_|:. :. :. :. :. :. :. :. 〈:./{:. :.|:. :. :. :. :ィ斧ミ 乂: ノ {:. :. :. : i: :|:. :. :.:',:. :. .これはもうダメかもしれんの
:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :./八:. |:. :. :. :圦ん 小ハ (:. :. > ;:i:. :. :. :|: :|:. :. :. :',:. :.
:. :. :. :. :. :. :. :. :. :.:/ )八:. :. :. i:. 乂rツ /:l:. :. :. :|: :|:. :. :. :.li:. :i
:. :. :. :. :. :. :. :. :.:./ \:.:.:|从: :| ィ斧芋ミ /:/l:. :. :. :|: :|:. :. :. :.||:. :| ,,..斗┐
:. :. :. :. :. :. :.: :.:./ i\:. ヽ / ヒrツ ノY/ .l:. :. :. :|: :|:. :. :. :.||:. :| ____ ,,..斗 '' |i|
:. :. :. :. :.: :.: :.:./ V:}ヘ /ノ /:. :. :.:/:.:八:. :. :/.:/ /´ ̄/::::::::::::_,ノ斗 '' ,,..斗 '' ´
:. :. :. :. :. :. :. :.i ):| :. ヽーァ イ/>- 、 ̄ ̄ \/ /:: ̄::>、:/::::\`ヽ ,,..斗 ''
:. :. :. :. :. :. :. :.| _| \ イ// / \ {::::::::::::::::::::し':::::/:::/,,...斗::::::::,
∧:. :. :. :. :. :.:.| //| >--< // / \ .:::::::::::::::::::::::::::::/ :/:::::::::::::>
:.∧:. :. :. :. :. :.| / :i/! / .// } ´ ̄ ̄ ̄} /::::::´ ̄:/⌒ー'ー'‐ '' ´
:. :∧:. :. :. :.: :.| 「∧ ̄ { :.. / .// .} /´ ̄ ̄\ ./:::::::::::::::/
:. :. ∧:. :. :. :.:.| ∧ ∧ ',-- 、 // ̄ .// { ./// ̄ ̄ \/:::::::::::::::::
:. :. :.∧:. :. :. :.| { V,∧ , / .// \ / ./ ./ / ̄ ̄ /:::::::::::::::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 宜陽にいた魏該は、連年の蝗害に頭を抱えていたと思われる
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 878 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:24:37.90 ID:qSjPNxu80
-
,,‐''''´´ ,! l
`、 /黄 【河東郡】 ( 〉 朝歌○
', / `ヽ、 /
', / `ヽ、 _,,,,,,-‐'′【河内郡】
', /河 `‐-‐´ ,-‐'´
', / 〇安邑 ○垣 _,-‐'i´ ○酸
) ,' ○解 ,,,..-‐- 、,,,_ 河橋 温 〇懐_,,,-‐'´ `-、
,''´ 【馮翊郡】 ,' ,,/ 邙山▲ -、,,_ ○ ○ _,,,-一'´ l
'、 l ○蒲阪 大陽○,,-‐'´ 【河南尹】 洛陽○河陰~´ 成皋 ●滎陽 !
ヽ, ) 入 _,,,,...-一'´〇陝 ○十三里橋× ◎ 〇偃師 ○ ○
`~´ 渭水_,,,,,...---‐‐''´×潼関 ‐'○湖○ 新安 ○ 〇緱氏 ▲ 中牟
〇渭城 ,,,-‐'´´ ○華陰 弘農 ○ ●宜陽 河南 _,,..-‐- 、嵩山○轘轅 .,,-一
,--‐‐'^´ 〇 ▲ 澠池 ○ (´ ○輪氏 `、 ○密 ,/
〇長安 〇隠盤 鄭 華山 新城 ``'''‐-、,,_ `‐-‐'''´´ `~~`ヽ、
○覇上 【弘農郡】 ○梁 _,) 〇陽翟
【京兆郡】 ,,,_ ,ィ´ 【潁川郡】 ○許昌
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、 | そんな次第で南の荊州にでも移ろうかと思っておる |
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ ヽ________________________乂:
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 宜陽は洛陽の西に位置し、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 魏該は滎陽の李矩らと連携しながら劉曜ら漢軍の侵攻を退けていた。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:′ とはいえ、次第に飢饉で疲弊していったと『晋書』『魏浚伝』は記す
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 879 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:25:27.14 ID:qSjPNxu80
-
/ニYニヽ /\Y/ヽ
/( ゚ )( ゚ )ヽ / ( 0) (0)ヽ 我々がいなくなれば、
/::::⌒`´⌒::::\ . /::::⌒` ´⌒\ 洛陽にいる匈奴たちに行動の自由を許しますっていう!
| ,-)___(-、| |::::::::::-) __ (-| .
| l |-┬-| l | l::::::: ヽ|!!il|i|!l|. l | 皇帝陛下を見捨てるおつもりかっていう!!
\ `ー'´ /l!| ! . \:: lェェェェ| /
/ \ |i . /⌒〜" ̄, ̄ ̄〆⌒,ニつ 南へ行くなら、
/ ヽ !l ヽi | ,___゙___、rヾイソ⊃ 劉曜に降って関中戻った方がマシだっていう!
( 丶- 、 しE |そ | `l ̄
`ー、_ノ 煤@l、E ノ .| | /´ ̄:\
__《ハ}ノ)): : : : : :\
/`:<: : :/`:<\`:.、ヘ: : :. :.
/: : : : /: : /:.ハ: : :.∧:.∧「 ̄|: :.
/: : : : : :/∧: :/: :∧: : :∧: ∧ ̄|\:.
. /:/: : : : /⌒ヽ '´ ̄ V: : ∧:.:.i: : :\|::.
/:/: : : : /(::. .:´:ノ∨: : i∨!: : : :/\
. /:/: : : |: :i r=ミ r===ァ:i:.:.|)i:八: : :\/:.
そうは言うがの。 . {/i: : : :i|: :圦ヒソ ヒソノ: |:.:.|∧ノ: : : :/\
\从|:込、 ′ |:.:|:.:.| V : : : \/:.
匈奴がおぬしらを大切にするわけがない。 从|i > .^ ィノ:イ/ ∨: : : : : : :.
ィ:´:::ノ<>'//7 /><ニ\ V: : : i : : i
妾は皆のためを思って言っておるのじゃ ./::::-<>ィ〈>'/《/<=> ´ ハ V: : | : : |
. /::::::::::ニノ:::リ イノ= x== 、 ./ニi :. :.:| : : |
八::::::::\:::::::\〈/ /、 <ニ〉 /\/ : : | : : |
\:::::ノ \:::::::>- ' \ //=V i: /:. :.:.|
ー i/.\ ハ }ニノ /.: :. :.:|
/// `¨¨¨¨´ /¨´ /: : :. :./
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .そこで魏該は南への移住を提案したが、将兵は従わなかったという。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 移住先が友軍のいる東でなく南なのは、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j すぐ東の洛陽が漢軍の拠点なため、民を連れての移動が困難なためだ。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ また、将兵が移住に反対したのは、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 彼らのほとんどが雍州か司隷の出身だったのが大きいと思われる
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 880 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/25(土) 22:25:39.93 ID:L9zewAri0
- よくみんな生きてるな・・・。
- 881 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:28:55.86 ID:qSjPNxu80
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、 結局、魏該は単騎で南の南陽郡へ逃げ、配下の将兵たちは劉曜に降っている。
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ この『晋書』『魏浚伝』の記述だと、
\ヽ、 _ , イ!::/ .魏該が配下の反対に遭って、一人で逃げざるを得なかったように見える
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ / 〃}: / :. /:. :. :. :. :. :. :. :. :. :.
i: : : :::\::\i../ / {ll:.}/:./<´ヽ:. :. :. :. :. :. :. :. :.
/`:.<:. :. : ̄ ̄ ̄:.` \〉:. :. :. :. :. :. :. :. :.
/:. :. :. :. `:. :. :. :. :. :. :. :. :|\:. :. :. :. :.} :. :. :.
ト..../:. :. :. :. :. :. :. \:. :. :. :. :. :.\|:. :. :. :. :}:. :. .:.i
|:. :.|: :、:. :. :. :. :. :. :. \:. :. :. :. :. :|\:. :. :. }:. :. :..|
/:.:.:.|: : \:. :. :. .:. .:. .:. .:.\:. :. :. :. \|:. :. : }:. :. :.:|
. /:/:.:.:|:./ \:. :. :. :. :. :. :..ハ:. :. :. :. /\:..:/:. :. :. |
/:/i:.: :./ ':,:. :. :.ヽ:. :. :. :|:. :. :. :..i\/.:.{ :. : : :.|
ぼっち・ざ・ろっくじゃな。 :/ i|:.:叭 /:フ :,:.|:. :.i:. :. l:._|:. :. :. :/: /\:. :. :. :. |
:.{ i|::. :. :. ,ィ斧ハノ:|:. :.|:./ノV:. :. :./:. :.\/:. :. :. :.:|
あやつらに対する配慮が欠けていたかもしれぬ。 :.{ il: :. :. :. :. 以l :|:/ :} V:/:. :. :.:./\:. .:. .:.|
:.{ 八:. :. :./) ""|/ :} ∨|:. :. :. :.\/:. :. :. |
別に寂しいわけではないがの .八{ \/ `ヽ _ / V__:. :. :. :. |\.:. .:.|
f/ 7ゝ、 イ/ }> ´ \:. :. :\|:. :. :.
,v / :{/ .<⌒\〉:. :. .:.|\.:. :.
. // / ./ ´> ´ ̄{二}:. :. :. :.\|: :. :.
// / //, / {ニ/:. :. :. :. :. :. :. :. :.
_//_/ //// / /ニ{:. :. :. :. :. :. :. :. :. :.
/:⌒Y:} .//// / / {ニ: :. :. :. :. :. :. :. :. :. :.
/ ::ヘ::::J / イ /_____ ,/ {ニ\:. :. :. :. :. :. :. :. :.i
- 882 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:29:37.70 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 荊州 南陽郡】
/フY ヽ
/(>)(◎) ヽ
_ /⌒`´⌒:#;; \ 魏該殿!
| -)___(-、 |
.__ |#; |!!il|i|!li| lu.| 過去の事は水に流して、
/ \ ・`⌒´ / .もう一度俺たちの主になってくれっていう!!
〈_/\ .`ijー─‐'" \/゛〉
) /\__/ やっぱ匈奴はロクな連中じゃなかったっていう!!
/ _ /
三 / __ ヽ _/:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. : \
三 ! /r .) __ _ 《⌒)):. :. :./\/\_:. :. :. :. :. :. :. :. :. :\
ヽヽ _/ . /:. :. :.ヽ/: ヽ:. :. :. :. :.>、\ ̄\/\/\___\:. :. :. :. :. :. :. :.:.\
. /:. :. ∧:. /:. :. :.:∧:. :. :. :. :. ∧:. :. ̄ | ̄ | ̄ \:. :. :| ̄ ̄|:. :. :. :. :. :
/:. :. :. :. ∨:. :. : : : :|:. :. :. :. :. :.∧:. :.  ̄/ ̄ ̄/\:.:|__|:. :. :. :. .:.
. /:. :. /⌒ヽ:./´ ̄` |:. : |:. :. :. : :∧.:. :. /__/ .\:. :. /\:. :. :. :.
.. /:. :. /__ __ |:. : |:. :. :. :.: :.:i:. :. :. /\ :./ \:. :. :
.: :. :. :ヽ:.`ヽ (:. :./ |:. : |:. :.|: : : : :|:. :. :i / / \ /:. :.
それ見た事かたわけども。 .: :. :. :.{ x=ミ x斧芋ミ:.:.|: : : : :|:. .:. ; \ / \/:. :. :.
. i:. :.|:. :〃 _)ハ 〃 _)小 ノ : |: : : : :|:. :./ /\ /\.:. :. :
妾の言う事を聞かぬからじゃ . | : :|: 圦 .Vツ ヒ:ツ |:.:.|: : :|:.:.|: / \/ \/:. :. :.
. | : 从:. :.} ノ /:._/ /: ,:. : /: /イ /| /||. :. :. :.
.. 八:. :. 〉:八____ ___,ハ .//:.// _|.ノ〉 ../ || :. :. :.
. ヽ/ | |/,| l∨ ノ / く___,,.斗--<____/ l ,/.|: :. :. :.
| |/,| |i|`´ .。s≦ i // ̄ \/ | .|/ / :. :. :.
| |/,| |i|-=≦>、 | { \ /:. :.: :. :.
| |/,| |i| /{ / :. / .{ //二二ニ\ ヽ /:. :. :. :. :.
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ だが、魏該の配下たちは劉曜からの徴発に苦しみ、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 南陽郡にいた魏該に使者を出し、再び彼を塢主として迎えている。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .配下と合流した魏該は荊州の新野へ移った
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 883 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:32:08.51 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 荊州 襄陽】
____ ....:::´:::::::::::::::::::::::::::::\:`ーrく:::::::::::::`ヽ
/⌒>―:/:::::::::::::::::::::::::;イ{:::::::::::::::::\::ゝ.><\ ̄\
/⌒./:: /::::::::::::::::::::/ムrヘ:::::{::::::| ::: |:::::::ヽ `ヾ
/::::::/:::/:::/ゝー'^´ /\ム::| ::: |::::::::: | ようこそ魏該殿。
./::::::/::|::|:i!:{ /,斗芯アt| ::: |::::::::: |
| ::/|:::|:从N 〃〃bf:::爿 |::|:::|^ヽ::::| 今我々は賊徒討伐に従事しており、
|/ .|:::|:::∧⌒ { 乂少 j::/::|} }リ::/ 魏該殿のような歴戦の将を何よりも必要としています
{ |:::i!::::::ハvzイΥ"\_ イ/|:::| /::/
Y:|:(__{_ ノ' _ /' ./:/¨ル'
从:::八 マ::::ノ /イル'_ /´ ̄:\
\个i イ'_」 ィ^}} } __《ハ}ノ)): : : : : :\
\{ゝ >ー< rf }} }} {{八 /`:<: : :/`:<\`:.、ヘ: : :. :.
/ィirf´{{ {{ ヾ ヾ ヾ \_ /: : : : /: : /:.ハ: : :.∧:.∧「 ̄|: :.
} }} }} ヾ ヾ \ >.:.´.:.:.:.:.:\ /: : : : : :/∧: :/: :∧: : :∧: ∧ ̄|\:.
. /:/: : : : /⌒ヽ '´ ̄ V: : ∧:.:.i: : :\|::.
晋 梁州刺史 周訪 /:/: : : : /(::. .:´:ノ∨: : i∨!: : : :/\
. /:/: : : |: :i r=ミ r===ァ:i:.:.|)i:八: : :\/:.
. {/i: : : :i|: :圦ヒソ ヒソノ: |:.:.|∧ノ: : : :/\
\从|:込、 ′ |:.:|:.:.| V : : : \/:.
我ら一同、周訪殿の指揮に従おう。 从|i > .^ ィノ:イ/ ∨: : : : : : :.
ィ:´:::ノ<>'//7 /><ニ\ V: : : i : : i
郷に入っては郷に従えと言うしの。 /::::-<>ィ〈>'/《/<=> ´ ハ V: : | : : |
. /::::::::::ニノ:::リ イノ= x== 、 ./ニi :. :.:| : : |
ところで、あの杜曾とかいうのは化物か何かか? 八::::::::\:::::::\〈/ /、 <ニ〉 /\/ : : | : : |
\:::::ノ \:::::::>- ' \ //=V i: /:. :.:.|
ー i/.\ ハ }ニノ /.: :. :.:|
/// `¨¨¨¨´ /¨´ /: : :. :./
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 折しも荊州では杜曾の乱の真っ最中だった。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 魏該は配下と共に
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .梁州刺史周訪による杜曾討伐を助け、順陽郡太守に任命された
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 884 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:32:58.53 ID:qSjPNxu80
- 【紀元322年頃 晋 荊州 新野】
. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
<:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :\ __/〉
...<:. :. :. :. :. :. :. :. :. ___ /\:./ \/_\:. :.__:. :.Y/7〉___ ______
.. /:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. /___/-\/ > //:. ̄:. :. /:ヽ{V/´ ̄)) ̄ ̄
/:. :. :. :. :. :. :. :. :. / ̄/:. :. :. :. :. :./___/:./:. :. :. :. :. /: ∧:V: ̄\
:. :. :. :. :. :. :. :. : /| ̄  ̄ ̄ | ̄/ V:. ,:. :. : /:./:./:.:/\/:.ハ:. :. :.
:. :. :. :. :.> ´ |/ / T /:. :{:. :. :.i:. i:. i:. :i i :. :. :.
:. :. :./ /| | / {:. : {:. :.l:.从l(:.ト从 __ |:. i :. :.
:.:/ |/ /| .{:.:/∨《斧ミ从 /:ノ イ:./:. :..i
/ |/ 八:.V i:| Vツ ,.斗ァ.:/:. :. :.|
__ _ \:八 , (ツノイ:. /: :/ .妾は賊を討つ事を願い、
V∧', ー\ (:‐ァ 人://:/ 国へ忠義を尽くそうと思っておる。
V∧', (:.、__ 「:i/_,ノ -=≦----<
. V∧', >ィ::\_l___/_/<⌒ヽ Y〉 今、王公が挙兵し、
. V∧', /(/ノ//:::::::::)::::::::::::::::} Y V .天子へ向かっておるが、
V∧', 〈∧__〈/{´ ̄/>--< ノ 〉〉 妾は与するつもりはないぞ。
Vイ{ト 人/人:〉<ノ /\___/{
〈ヽ{:::)、__,,.斗::::〔..<i:> :. ノ { / /〉 そう王敦殿へ申し伝えい
乂くノ:::::::>:i:i:i:i:i/ Y / ̄ ̄
V//:i:i:> ´ ∨ V
. /:i:/ / ',
. /:i:/ 八 ′
/:i:i:/ 〉 \
. /:i:i:/ , / \
{:i:i/ . / \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 後年、王敦の乱では中立を保ち、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 蘇峻の乱では建康へ赴き陶侃の指揮下に入るも乱中に病死。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .武陵郡で葬られ、従子の魏雄が将兵を継いだと『晋書』『魏浚伝』は記す
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 885 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:34:29.99 ID:qSjPNxu80
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| 腹ペコから始まる民族大移動 .|:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ//
| | >:´|、 - ,|`:< 魏該の南遷は周辺の勢力に影響を与えた
| | |::::::::| > イ |::::::::|
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
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|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
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|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
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- 886 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:35:28.24 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年8月 晋 豫州 潁川郡】
(~) (~) (~)
.γ´⌒`ヽ γ´⌒`ヽ γ´⌒`ヽ
{i:i:i:i:i:i:i:i:} .{i:i:i:i:i:i:i:i:} {i:i:i:i:i:i:i:i:}
(`・ω・)∧,,∧ (`・ω・)∧,,∧ (`・ω・)∧,,∧
< >(ニO ・ ・ < >(ニO .・ ・ < >(ニO ・ ・
ッッ) ,_lミl !、 ゙i. ッッ) ,_lミl !、 ゙i. ッッ) ,_lミl !、 ゙i
ミ_(⌒~(, (__)|`ッ ト,o_o).⌒~(, (__)|`ッ ト,o_o)(⌒~(, (__)|`ッ ト,o_o)
(, l!、 ̄| |ッ (, (, l!、 ̄| |ッ (, (, l!、 ̄| |ッ (,
(⌒;; _ッ/ッッ~'''''''(, ッ~゙i ゙i _ッ/ッッ~'''''''(, ッ~゙i ゙i. _ッ/ッッ~'''''''(, ッ~゙i ゙i
(⌒;;(⌒;; .(,ッ ゙i_) |_|フニッ(,ッ ゙i_) |_|フニッ (,ッ ゙i_) |_|フニッ
ッ_) ッ_) ッ_)
` (⌒ 、 /ニ Yニヽ
`ヽ \ ,/(>)(<)ヽ
(⌒)ヽ (⌒ -、. / ´`ヽ---/::::⌒`´⌒::::\
ヽ::::::: . | ,-) (-、|
(⌒) .。; ゚ ,,\. `'''⌒) ,;‐=‐ヽ l | '⌒)
(⌒・⌒ ・ = ニ` -、 、 :::::,,.r ' `ニニ´ / ,.r'
'';:. ,、,,・:・ 、、,, =ニニ` ー三----- `''ー─‐'"
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .八月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 洛陽に駐屯していた漢軍が豫州潁川郡に侵入。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .魏該の軍勢がいなくなったため、
`ヘ:ゝ .' 小/ 比較的手薄な潁川郡方面へ攻め込んだと推測される
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 887 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:36:18.02 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年8月 晋 豫州 許昌】
∧/:|`Y丁:| |
| | | |:::L」 ∧
| | ̄ |/|`'|: : : | |__,|@
∧ |癶_|_ | |===== |A
/,,,∧_| | |⊥_|∧::i|∧__|八
| | | |,| ̄|¨'|─:| ̄ヽ| ゙̄| | |ハ
| | | |:| | | :| |¨ ‐_| | |__|
_ | | |_|,| ∧ l :| |- ,_Y∧_| ∧
癶___∧_,,r|⊥i |/ ̄ヽ| /:: :∨‐:| |ヘVヘ|_|: : :|_|:::| xヘ
癶 | | | |'^i'^i | | | |ニ|_/:::ハ__∨| ̄~| | |VヘVヘ::::::::::|::::| |::::| ̄
| ̄|_ _i! ∧ /:', | | | | | | | ハ ハ¨/::∨ ̄ヽ |∠ヽ [\__[]二::|::::| |::::|
¨¨¨,∧¨¨∧∧ ∧ |[]| | |/二二 |ヘ | |/∧ /::∨_∨¨∧ ̄ | ̄| | |\| |ヘ二二| ̄_A : |
:¨ ̄|¨:| ̄| ̄|丁∧xヘ∧ | ̄  ̄/:::∨ ̄VV_| ̄|_|_| | ̄ ̄xヘ|_|_|/ γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| | | |::|/ ̄ ̄/__',__」,,...、、、-─| ̄..|「「「「| | | ̄|ヘ::::::∧「 ̄ |_|:::\|xヘ | ……困りましたね |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ゙゙゙̄| |¨|¨|¨|:|| _ ,-く ̄ ̄ ∧ | | | ∧| ̄|_」L ‐<::::\/|〈:::/ヽ___________乂
 ̄{─‐ttュ_ リ|i_|i_|i_|」⊥-‐ュ_∠\:::_>:::::::// ̄∧ /:::^〉‐ 丶::\: : \,イヽ|/::::/::::::/::ヘ`|ヘL|_|\
: : }.:.:.:_二 ̄/ ̄ ̄i! ̄ヘ::_ -  ̄:::::寸´ |::::::://:::::/ ∨::::/ヘ::::::::∨::::\_イ_|i...||ヽ/::::::/:::::::/:::::::\
'''"´~ 从 _ム-,:/ ∨__∧::::ニハニハ::/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}|¨/_,||\::: ヘ__,.斗匕リ.. || 〈::::::/::::∠_:::::::::::/\
从从;';',∧:::::::∨ |]/ .圦::::[]:::[]:/:癶::::::::癶:::::::::::/ |/_||_Y´ || || |/... ||`'|::://|ヘ^ア /|::|
从;';';';';'ィ' ヤ'"´|-‐ |/ _||_∨::::::::/:::| |i::::::| |i::::: /|i, ::|_||___,|/||⌒|| |...... .| |¨i|:: ¨|_|ア/ ̄|::| ̄
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/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 今度は許昌に行台を構えていた荀組が頭を抱える番となった
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 888 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:39:28.60 ID:qSjPNxu80
-
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||:: |::|:::|:::|::::: i!::::|:::::::|::|:::::::ハ::::::|::|::::::::|Y》':::: | .華恒殿。
.从::| 〕:T::i!ー-|匕!::::: ハ|`:::TT¨丁|::::::::|叺》::: !
`Tハ"" `""  ̄ `"" `"^^|::::::::h⌒:::: | 石勒軍の攻勢を避け行台を許昌へ移したのに、
|:∧ ≧=ミ ィ≠≦.|::::::::|リ:::::::: | 今度は洛陽から匈奴の兵がが押し寄せてしまいました。
|::::ハ |::::::::|V|:::::: |
|::::圦 ' |::::::::|ハ|:::::: | これでは私たち兄弟が設置した行台は立ち行きません
|:::::::|:ゝ. r 、 .ィ/:::::::/Vj::::::::|
|::::::ハ::::::>. ー ' イ |:|::::::::|>ハ|:::::: |
|:::::} {:::::::::::::r〕 _ 。<> '^|::::::::|∧:! :::: |
,.rzzz|:::::トL:::::::// 况´ /::::::/〉.ハ! :::: | // 丶 ヽ \` 、∧
.//´ ̄j :: |`¨ア/ハ /i∧ ,./.|:::::::|/7ニニニ≧ュ // | V 、 , ヽ}≧=- ァ
|..|......../::::/...//..../ V|iiiii∧_//...|:::::::|/............../  ̄`ヽ ,' ' | V、 , V :!ハ
| | { ヽ Vヽ jレ^|\ | V |ヘ|
| | { V, } / ヽ L斗、 | j^Y |
l |’ V {V'、 | ,ィ" jレf笊⌒’ V |7) } '
l | ’ V、{ _,.ノ | } ^弋rツ V´,.ノl
| ' ∧ V´ jI斗、| : | }「 八
j ∧ 丶 ヾゝ乂r〉 U∧/{⌒`
軍才の足りない私たちには厳しい状況です ´ 寸'、\ \ 、 _ ∧ 〉ヽ', ,.斗r ァ冖 、
寸ヽ\_ 丶 , '´ / /ヽ }ー=≦-‐ 7^ヽ ∨
` `'⌒ 个s。., ___ ∠ィ'´ヽ V /`'< / .l| |l
_人 { } } }’ ` 7、 l| |l
,.。s≦'´ } ) ', )/ \ / ',. l| |l
〃{_,. '",. ィ’}ー 7´ l|ヽ \ ' , l| 八
- 889 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:40:20.56 ID:qSjPNxu80
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/::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\|::::::::|:::::::::゚。
.:::::::::/:::::::::/:::::::::/ ::::: |::::::::| ::::::: |::::::::| ::::::::: i
|:::::|::|:::/::/::::::/:::!::::::::::|::::::::| ::::::: |::::::::|:::::‰::|
||:: |::|:::|:::|::::: i!::::|:::::::|::|:::::::ハ::::::|::|::::::::|Y》':::: | そこで相談なのですが、
.从::| 〕:T::i!ー-|匕!::::: ハ|`:::TT¨丁|::::::::|叺》::: ! 実は私、先月建康から司徒に任じられまして。
`Tハ"" `""  ̄ `"" `"^^|::::::::h⌒:::: |
|:∧ ≧=ミ ィ≠≦.|::::::::|リ:::::::: | 良い機会なので、
|::::ハ |::::::::|V|:::::: | 配下の者と共に建康へ移ろうかと考えています。
|::::圦 ' |::::::::|ハ|:::::: |
|:::::::|:ゝ. r 、 .ィ/:::::::/Vj::::::::| よろしければ、華恒殿も御一緒にどうかと?
|::::::ハ::::::>. ー ' イ |:|::::::::|>ハ|:::::: |
|:::::} {:::::::::::::r〕 _ 。<> '^|::::::::|∧:! :::: |
,.rzzz|:::::トL:::::::// 况´ /::::::/〉.ハ! :::: | // 丶 ヽ \` 、∧
.//´ ̄j :: |`¨ア/ハ /i∧ ,./.|:::::::|/7ニニニ≧ュ // | V 、 , ヽ}≧=- ァ
|..|......../::::/...//..../ V|iiiii∧_//...|:::::::|/............../  ̄`ヽ ,' ' | V、 , V :!ハ
| | { ヽ Vヽ jレ^|\ | V |ヘ|
| | { V, } / ヽ L斗、 | j^Y |
l |’ V {V'、 | ,ィ" jレf笊⌒’ V |7) } '
l | ’ V、{ _,.ノ | } ^弋rツ V´,.ノl
| ' ∧ V´ jI斗、| : | }「 八
j ∧ 丶 ヾゝ乂r〉 U∧/{⌒`
お気持ちは嬉しいのですが…… ´ 寸'、\ \ 、 _ ∧ 〉ヽ', ,.斗r ァ冖 、
寸ヽ\_ 丶 , '´ / /ヽ }ー=≦-‐ 7^ヽ ∨
` `'⌒ 个s。., ___ ∠ィ'´ヽ V /`'< / .l| |l
_人 { } } }’ ` 7、 l| |l
,.。s≦'´ } ) ', )/ \ / ',. l| |l
〃{_,. '",. ィ’}ー 7´ l|ヽ \ ' , l| 八
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『荀勗伝』にはこうある。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 荀組は石勒に迫られ、自立できなくなっていたと。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .翌年彼が建康にいるのが確認できるため、
`ヘ:ゝ .' 小/ この頃には許昌から建康への移動を検討し始めたと思われる
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 890 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:41:14.19 ID:qSjPNxu80
-
, } ヽ,/ / / ’ ヽ 斗 y
' | / , " , / ’ ∨//
./ , / / ' / } i ∨イ
' / ' , イ/| ' /| ハ.| ', |
l∠ イ| | /__jL 斗ハ / j/ } ' vl
| ,从 ,/ ___ ^ノ/ /^'<ハ 八 、
八{ { 八 { ` Vリ⌒ ´ ===x, } / /⌒ 私の従兄に当たる
ヽ乂ゝ` 、 Vソ ´,:| / / 江州刺史華軼は晋王に討伐されました。
\}^'ー、 ' ./,:レレ'
jハ 公、 r― v u人 .私が同行すると、御迷惑をおかけするのでは?
∨-| \ ` ´ ,. イ
{ /\个ー <、
ノ } { `7ーr’}
/ /`ヽ、_j_」 ト 、
//´ ̄`'く //⌒`ヽ ∨}h、 / : : : ,': : ,': : : :l: :./ : : : : : : ゙.: : :ヽ: : : : : ハ
, , | | V ' ヽ :, ヾ}',! ': : : : :l: : : : : : :.|:./: : : : : :|: : :|: :|:.:l: :゙.: :゙ : : :
, ,' ,. --ミ V 、 、 、 \ l : : : : l: : :|:.: : : :|,': : ::': : : :l : : l: :l: :!: : ゙..:|: : l|
|: : : : :|: : :|:|: : : :! : : :': : : ,' : : :': :}:.:|: : :.|:.:.|: : ハ
l: : : : ,' : : |:l: : : :|: : ,' : : :/: : :.,':.:.,':.:|r≦Lrr‐'
, : : : ,';;: : :|;;|: : : |: /_:_:-─/: :/从ィチうリ |
ハ: :/;;;;: : :|;;;l: : : V:∠≦乏ミ Vソ' ::::|
では、建康へ問い合わせては如何でしょうか? ,' : :./;;;;;: : :.l:{ヘ: : : 代乂しソ :::::|
/:./:/;;;;;;::;;::::l;;ヽゝ: ハ ` `" ' ハ:::!
/:,:';/;;;;;;;:::;;:::::|;;;::::∧: : :. .イ|:::::::.
/:/ /;;;;;;;;::;;;::::: |;;:::/ヾ. : :.、 ‘’/:::∧:::::::.
,:': / ;;;/;;;;;;;;;:;;;;::::::〃:/\∨ : : ハ≧=‐r-イ<:/ V:::::.
/:::';;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;::::/::::∧ ヽ: : : ヽ ハ|ヽ >、 V:::::.
,':,';;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;:/:彡' ゙. V: : ハ /{;;;;;} ヽ. }ハ:::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『華表伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 当時群賊が方々で盛んであり、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 豫州諸郡の太守が相次いで出奔し、華恒も郡を放棄して東渡を企図した。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ しかし、従兄の華軼が
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 司馬睿に誅殺されていたため、彼に疑念を抱いていた
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 891 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:41:53.73 ID:qSjPNxu80
-
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ そこで華恒、王導へ手紙を出して反応を見る事にしたらしい
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !_____
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::≧ /...........
〃/´::(:::::::/__:::::::::/:::::::_:::::::::::::::::::::::::</ ...............
{乂 :::::::::/´ , ̄ミx /::::::::`ヽ::::::::::::::::/` ‐──‐‐
ヽ. _/ ’ ) \::::::::::::::::Y:::::/
{ ─r‐‐< `Y⌒ヽノ::::/
`Y { Y ノ)}::/
華恒殿が心配する気持ちは痛い程分かります。 } ≠ミノ 丿 ノ/´ ̄`ヽ
ノ /................ \
殿下はこう仰せでした {__ /..........................\
. L ___ノ /.............................. / /
└r /................................//
}__ ノ⌒/\..........................X ___
/ 丶.............../ |\
′ \../ i|......\
{ / \___|............\
- 892 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:42:34.06 ID:qSjPNxu80
- 【晋王殿下のお言葉@『晋書』『華表伝』】
_____
. ´ `
/ ___ r―‐- . \
/ /r┐`ー'^ ゝ' o \
/o `¨ (`Y´) r‐==ミヾ `、
: r‐'r‐ヘ 〈 〉 |⌒ト ∨ ハ
| |〈 |{7´ YLノ|\|_厶 }|o゚ | `、
| |く( |{∧___{⌒´ 〉'^⌒^i:}|_,ノ `、
| ∧゚ oト〃⌒^ー. ´´│〔 〕 |\
| ∧__/ 「 ´´ __ | {f}f}、 |
| i 〔 〕人 < ノ .イ: / |\
ノ^| /f}f}\〈\ __ / :|/..┐ :| 兄弟の罪が互いに及ばないのに、
. |:∧ |\∧ '.辷____,,..彡'|=|'|/ .従兄の罪なんて及ぶわけがありません
/ \|\__,f‐|「∨ //´|=|ニ=-
-‐=ニニr'⌒ー┐ .厶斗ir。ニニニニニ=‐-
/ニニニニニrf \ `二V´}ニニニ゚ir。ニニニニニニニ
/ニニ\ニrf∧ `マ,ノ_,.ニニニニニニ%ニ/ニ/ニニ
. //}ニニニニ%。o 〉 }::/____)。o%¬冖'^∨ニニニ|
. ,.:.:/ニニ{:∨ニニ} ̄`V7∧ニニニニニニニニニヽニ/ニ|
/.:.:|ニニニ∨=/`¨¨7f=〉.:.i:.ニニ/ニニニニニニニ/ニ:|
. 〈/:.:.|ニニニ{ニ乂___/,」/.:.:.:|:.:.∨=/ニニニニニニ|ニニ
. 厶.:.:.\.ニ八ニ/ `¨7:|ニ| .:.:∧:.:.:∨ニニニニニニ ;ニニ
`⌒Τ^ У |ニ|/人\:.|ニニニニニニ7ハ∧|
. |{∧ / :|ニ|¨´ :. `¨│ニニニニニ/ |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 司馬睿は即座に華恒を招聘した。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 時節柄こう言うしかなかっただろうが、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .このあたりの司馬睿の感覚は至って普通である
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 893 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:44:45.57 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 豫州 許昌】
/ ヽ `
, " / } ヽ ∧
/ ' ' 〃 } 、 V '
_,ノ/ ,' j /,' } ハ } V',
7 ' { ム斗r’ ./} 7ート,V ' , } どうやら晋王は私も受け入れてくれるみたいで。
l{ { { ' l ' レ }/`', ハ|`ー :'
∧{', {'∧ ァ=ミ/ ァ=ミ、} '⌒v ,' .御一緒しましょう
八{ ハ.: : : , .: : : : レ ) ノ jレ
^叭 :! __/! /
人 r -- ァ / {/j’
个s。 ,.イ{ ハ{
r>-<_ ,.斗{ . ,: . . . ...:..:.i..:.:.: |:i::.:i |::.:|:::i :|::::|:::i::|::: |::i::|:| :::;::::
人 | ,' } !ト、 ′ . . . .i..:..:.|.:.: : |:i ::| |::.:|:::||::|:::i::|:::::|::i ::|:::|∨)::i
_ ,. 斗≦ノヽ| {__ノr く\> 、 i : :| ..:.i_」ニ|:::-‐|:i¬ |::|:::| |¬:‐-|::ニLj ::|:::[_,〉::::|
, ´/ , '"/ / ,' } ', ヽ ` .,`> 、 |:|i..:.| ..:.:.i: j.斗r‐‐ト、┴└‐ ┘ 斗r‐-ミ」:|i__|:::|)::::::::|
, レ" / ' / } }:、 \ /, ∧ |八⊥ -‐ヘ〔 {:::し(_ {:::し(_ 八:i:| :: i::::::|
. i .:.:.i小 V^ン V^ン i::: | :: | :.:.|
. | .:.:.|::|∧ 、、、、 , 、、、 、 /|::: |∨|:::..:.
|..::..:|::i :∧ /个i::|〉〈|::.:..i
| ::.: l :::: i∧ _ _ / : |::i::|∧|::::::|
では、建康へ参りましょう .|..::.::.::.::.::| :::::...._ ` ´ ...::::::: |::i: |∨|::::::|
|.::.::.:i..::.:.|.::.: / ニ- . . イ\ ::: |::i:::|〉〈|::::::|
. |.::.::.:i ::.::.| ::/ /\ >‐- ´/ `'く|::i:::|∧|::::::|
| ::.::_l ::.::.|:/ ∧ 丶、___,. '′ ∧ ::::i:::|<|::::::|
_,.. -=ニ二| ::.::.| i \ /∧ / i i:::::::|ニニ‐- _
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『荀勗伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 荀組は自らが率いていた配下数百人と共に長江を渡った。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .太保・録尚書事・太尉などを歴任するも、
`ヘ:ゝ .' 小/ 明帝司馬紹の時代の初めに六十五で病死している
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 894 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:45:57.84 ID:qSjPNxu80
- 【紀元318年春 晋 揚州 建康】
/ \
/ i \
/ ノ ....:::::::::::::::亠:....
*⌒ ̄>/ -ァ::::::::::::::/ ̄:::::::::::::::...
*⌒∨ ,ノ /::::::,:::::::/::,::::::::::::::::::::::::::::\
*⌒{ / *:/::::::':::/::::::::/:::::::::::::}:::::::::‘, 南方の水に当たってしまいました。
/ /洞{:::::::/:/::::::::/:::::/::::::::|:::::::::::::,
/ x .∧ /:::::::|:::::::|_i:::::::_/く /:::::::::/、:::|::::::::, うっぷ
/ く/ ∨:::::{_|::::::{i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i\//::::/:i:::::::i
/ , //::::::i|:::|::::|::::i|i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iく._:/:::::/
< / / ト-/|:::区|:::::|、" ̄ ̄ `:i:i|,ヘ;;/
\__{⌒ し' |::::|え|::::|斧。、 r-、 "}:::::| , "/ `丶
\ |::::::|メ圦:::::| Yクー――イ::::::}i / ' / ,' ' 丶
` < |::::::::W ハ::| |Y |::::::::|::::::il| ' ' ' / } ∨ 、
` .|::::::::::::::::::::}{ト=イivト=《:::i:::::i::::;イ ' , ' / | jL_' ! } V∧
!:::::|:::::::i:::::{ L_.イ-ト、_|::ノ:::ノ/::i| // ,' ,.ィ´/!/~「 ' ,'| '十ト ' 、:,
.ゝ {\人:::{ し'` '^`` }ィ1:::::/ ∠ イ l ,' V j' |/| / j' '| 、 :! :|ヾ、
ヽ{ .}/ l| |ハ ,'〃f芯` | / '芯ヾv: | !
八 | / j∧ | ` .Vり ' Vリ ノ'ハハ,'
`ヽ{ (「八| / / / l / /,l| / j'
}丶 _ 、 _ 八
建康って宮殿もあるんですね ハ \ ( } ,
ヽハ _|个s。 , イ
|/ 7 ー-≧f〔ハ|
, - ― =七人 | | ,' }l |__
./ ∧ _ ,. - ' >- {- 'r'、- 二丶
' , ∧ , イ | ', , ヽ' < }ハ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \ 華恒は建康へ移った後に太常となり、
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .荀組・刁協・王導と共に祭祀の在り方について議論した後、これを制定。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 後に散騎常侍・国子祭酒も兼任し、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 王敦・蘇峻の乱を生き抜き、成帝司馬衍の時代に六十九で病死。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 清廉かつ質素であり、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 常に布衣粗食で、死んだ時も家には余財がなかったという
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 895 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:48:32.98 ID:qSjPNxu80
-
斗≦才ニ=ー-- _
/イ ̄  ̄\ \厶
//イ寸}}}寸 寸\ \\ミ辷_
艾ミ寸/厶\ ̄\. } \_寸 寸´
`才 .ア ) 乂\_\ ハ
./// 斗≦` 寸: : :./Vハ 个'
厶从{ァ==、 / 斗ォァ V// ム: }V乂{
八{:斗ォァ}  ̄ }:/ (ノ∧V
.{: ̄ ノ |__/VV
∨ \ 八 マ おや?
.∨ , -─ ..::: V
.' -‐ /:/ ∨
.' /:::/ _V γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
\::....<::::::::/ 斗≦斗≦∨ | ああ、荀崧殿も建康に来ていたんですね |
.∨≦ /ニ二ニ=-‐∨__ ヽ____________________乂
/ /ニニ/ニニニニニ,
,イ / |─彡ニ>─-<ニニ,
/八./ニニ:|ニニ/ニニニニニ寸ニ,
〈::::/ニニ/ニニ/ニニニニニニニマニ,
/::::Vニニ/:ニニ7ニニニニニニニニマニ,
∧:::/ニ/ニニニ|ニニニニニニニニニマニ,
∧/ニ/厂 ̄ |}:ニ|ニニニニニニニニニマニ,
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .また、同じ頃に宛に駐屯していた荀崧も建康に移ったと思われる。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } こちらは司馬睿の皇帝即位後に
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 尚書僕射に任命され、東晋における礼儀の制度を定めている。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 蘇峻の乱で王導・陸曄と共に成帝司馬衍を護衛した後、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 咸和三年(三二八年)に六十七で病死したと『晋書』『荀崧伝』にある
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 896 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:49:23.15 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 司隷 滎陽】
,,‐''''´´ ,! l
`、 /黄 【河東郡】 ( 〉 朝歌○
', / `ヽ、 /
', / `ヽ、 _,,,,,,-‐'′【河内郡】
', ○粟邑 ./河 `‐-‐´ ,-‐'´
', / 〇安邑 ○垣 _,-‐'i´ ○酸
) ,' ○解 ,,,..-‐- 、,,,_ 河橋 温 〇懐_,,,-‐'´ `-、
,''´ 【馮翊郡】 ,' ,,/ 邙山▲ -、,,_ ○ ○ _,,,-一'´ l
'、 l ○蒲阪 大陽○,,-‐'´ 【河南尹】 洛陽○河陰~´ 成皋 ●滎陽 !
ヽ, ) 入 _,,,,...-一'´〇陝 ○十三里橋× ◎ 〇偃師 ○ ○
`~´ 渭水_,,,,,...---‐‐''´×潼関 ‐'○湖○ 新安 ○ 〇緱氏 ▲ 中牟
〇渭城 ,,,-‐'´´ ○華陰 弘農 ○ ○宜陽 河南 _,,..-‐- 、嵩山○轘轅 .,,-一
,--‐‐'^´ 〇 ▲ 澠池 ○ (´ ○輪氏 `、 ○密 ,/
〇長安 〇隠盤 鄭 華山 新城 ``'''‐-、,,_ `‐-‐'''´´ `~~`ヽ、
○覇上 【弘農郡】 ○梁 _,) 〇陽翟
【京兆郡】 ,,,_ ,ィ´ 【潁川郡】 ○許昌
(~)
.γ´⌒`ヽ
{i:i:i:i:i:i:i:i:}
(`・ω・)∧,,∧ すいませーん。
< >(ニO ・ ・
ッッ) ,_lミl !、 ゙i. ああっ、石を投げないで!
ミ_(⌒~(, (__)|`ッ ト,o_o).
(, l!、 ̄| |ッ (, .今日は戦に来たんじゃありません
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、 (⌒;; _ッ/ッッ~'''''''(, ッ~゙i ゙i
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ (⌒;;(⌒;; .(,ッ ゙i_) |_|フニッ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ. ッ_)
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 洛陽周辺に残る晋軍は、
\ヽ、 _ , イ!::/ 滎陽郡太守の李矩が残るのみとなった
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 897 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:50:24.04 ID:qSjPNxu80
-
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii', .李矩将軍。
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
',ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii,' 我が主趙固は、
';:.:.:.:.. / ;#;:;: \ ':, 将軍の御心遣いに大変感謝しておりました。
';::.:.:.:. . ● × ;'
';:::.::.:. (__人__) ;' .危うく劉聡に殺される所だったと
'':;,:.:.:.:.:.;#;;メ;;.;#; ┃ 、:'
,;:'':.:.:. '':, /⌒ヽ ̄/⌒ヽ__
__/ /ミ∨/j} } \
// / /⌒゙┴‐く{ l \
// / / { ∧
// / __厶ノ {廴{ l ∧
〈/ / ´/ {`ヽ\ |
〈 /__,厶二 =ー\ { `ヽ |
結構。 }/ 癶,_以ぅ ‐テ忘ミ \ \
〈「 || ノ ` ┴勹v―ミ \ノ
それで、色好い返事は聞かせてもらえるのかしら? .ト || | |'^ノ },ノ
|/圦 、_r‐ 、__, | |// |
//| ト、 `こ゚´ ノ| | |
//│ l |\ イ | | | |
// | | | |ト‐ | | | | !
//_|L∟⊥8ノ 8 | |__| l
// / / /ー8- _,。c*゚ | | >、 l
/ / / / |\__゚*()+・゚¨ / | | / ヽ l
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } この頃、洛陽にいた漢軍の将を趙固といった
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 898 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:52:57.54 ID:qSjPNxu80
- 【趙固さんの詳細な経歴はWikipedia参照】
|////////////////////
_,, 、、、,,_//////////////////
>''´: : : : :ト、: :`''</////////////
/:i:/: : :l: : :ハ|,,斗i‐:',: ∨/////∧////
/: |i:i/: : : :|: : 厂レ-、ハ : }: :∨/////∧////
/: :《≧≦》 : :|: :,ィzzzzミ}: :}__,、}!///////////
,: : : : : : :\: : 从''´:/:/:. /: / V///////////
{ : : : : : 八: : {: :弋:/:/:.イイ ノ///////\/// 劉聡から寝返るなら、石勒か李矩の二択になる。
',: : : :Y´{: :\乂`''ー` ` ,く//////ヾ/
. ヘ : : 乂{ : : :≧x { ヽ// / だが、石勒に帰順を持ち掛けても反応が鈍かった。
ヘ : : : ヘ: : : \ u. 人 //
. ヘ : : : :ヘ : : : \― ,、ィ!'´ //// ここは李矩の誘いに応じる他なさそうだな
l: : : : : |\: : : :ヽ. /: : :| |////
|: : : : : |.斗\: : :ヽ / |: : :| |////
. ,' : : : : :|≠>'' ̄`ヽ`ヽ:.从. |////
. / : : : : :/''/ ∨ihvム |////
. / : : : : / / l:i:i只:i:》 γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
. / : : : : /. l''´ ヽ| 我が主は李矩将軍に帰順したいと言っています |
. { : : : : ′、 l ヽ_______________________乂
. l: : : : ′ `〜、、,,. ヽ }! |/////
. 从: : { \ ``' ',. . : :八 ,ノ/////
. ∨{ \\ 、. }.: : / {///////
. Vゝ、\ \〉 ``〜┴.V /////////
`寸≧zzzzz\ , イ///////////
〈 ヽ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:\ ,イ//////////////
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .元々漢軍の将として永嘉の乱を戦い、
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 徐州に攻め込んだ折に徐州刺史裴盾を殺し、その娘を奪って妻とした。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 永嘉六年(三一二年)、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .徐州から平陽への帰還途中に食糧が欠乏したために劉琨に帰順。
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ それから二ヶ月余で劉聡に帰参し、以来五年に渡って洛陽を守っていた
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 899 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:53:53.92 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年秋 晋 司隷 滎陽】
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
',ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii,' 帰順を認めてもらえるなら、
';:.:.:.:.. / ;#;:;: \ ':, . 劉聡討伐の先頭に立つと主は言っていました
';::.:.:.:. . ● × ;'
';:::.::.:. (__人__) ;'
'':;,:.:.:.:.:.;#;;メ;;.;#; ┃ 、:'
,;:'':.:.:. '':, /⌒ヽ ̄/⌒ヽ__
__/ /ミ∨/j} } \
// / /⌒゙┴‐く{ l \
// / / { ∧
// / __厶ノ {廴{ l ∧
〈/ / ´/ {`ヽ\ |
〈 /__,厶二 =ー\ { `ヽ |
いいわよ。 }/ 癶,_以ぅ ‐テ忘ミ \ \
〈「 || ノ ` ┴勹v―ミ \ノ
当分の間、洛陽はあなたたちで守りなさい。 ト || | |'^ノ },ノ
|/圦 、_r‐ 、__, | |// |
必要な援助はさせてもらうわ //| ト、 `こ゚´ ノ| | |
//│ l |\ イ | | | |
// | | | |ト‐ | | | | !
//_|L∟⊥8ノ 8 | |__| l
// / / /ー8- _,。c*゚ | | >、 l
/ / / / |\__゚*()+・゚¨ / | | / ヽ l
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 建武元年(三一七年)。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉聡は讒言を受けて趙固の粛清を決め、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 滎陽の李矩を討伐する軍勢へ帰路趙固を斬るよう文書で命じていた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ ところが李矩がこの軍勢を打ち破って文書を入手、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 趙固に渡してしまったため、彼は李矩への帰順を決断した
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 900 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:55:08.99 ID:qSjPNxu80
-
/ニYニヽ
/ (0)(0)ヽ
/  ̄`´ ̄ \
| ,-) (-、.|
| l ____ l | よろしいのですかっていう?
\ `ー'´ /
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. | ´ ̄ / ̄ ̄|___
/ / __| >┐
/ / /ミ} /|l ト、
_/ / / / `ー≦|l│ヽ
{__/__/ / ブ⌒ | | |
/ {______/__,∠ - __ ││|│
廴「 /^/ 癶 f苙`ヽ \| l| |│
| {(_| | ,z二 | l| |/
今、私たちが洛陽に移っても守り切れないわよ。 | ∧l | t苙`犲 リ/
|l //│ | ′ ノ//
対匈奴の前線にしかならないでしょうし、 | // /| | --、 /l | ̄
彼らに預けておいた方が死ぬ気で働くでしょう |// | 「\ ` // l|│
| / /| | ー一 i〔_//|│
|/ //| | |‘,、 \|∧
/ ,∠ ̄| | __; ∨ │∧
//⌒`\| |’,- ノ ; ∨\│ ∧
/// | | ’, ; \ Vl ∧
// | | l∧ ’, :. ; /\ ∨ |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } この時点で洛陽は晋軍の手に戻ってきた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 901 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:55:52.43 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年10月 漢 首都 平陽】
/  ̄` ー -- 、 `/ ヽ |/ \∧
__/ / ´ ̄ ̄`>`Y 厶,/ハ ヾヽ
-ー:´.:ノ/ / | / | ハ: :\
/: : : : :.∨ / / l / 粲 | / i|: : : ヽ
/: : : : : : : / / l ート、L__ |/ __}: : : :/
{: : : : : : :./ | | ヽ/ ´  ̄ .,': : :/
: : : : : : :/ / _| | ,ィ示テミト、 ,ィテト、ト; :./ 陛下。
\: : : : ソ / / |\ ! ヽ 代ノ} {ヘノ!. ハ∨
\: / / ヽ| \ | ゞー′ ゞソ ,' | ヽ 今、江東に司馬氏が江東に跨り、
/ ∧ l ヘ U ヽ |. ! ', 趙固と李矩は相次いで反逆しております
/ / ヽ | { __ ハl ハ
/ ∨ \.! ',\ ( ノ イ ヽ|/ ヘ
. / |、 ∨!≧ュ 、 ィ´ | 〉
/ _ _| \ ! \  ̄ソ`ト、 |_ / l
./ヽ、 /::::::::::| \ | ∧ ∧ | ヽ |/\/ }
ヽ/:::::::::::::| \ !:\ / ‐十ー | \.|::::::∧ / |
漢 皇太子 劉粲
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 趙固粛清の失敗と洛陽失陥に
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 漢の朝廷が動揺していた様子が『晋書』『劉聡載記』に見える
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 902 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:56:40.45 ID:qSjPNxu80
-
/  ̄` ー -- 、 `/ ヽ |/ \∧
__/ / ´ ̄ ̄`>`Y 厶,/ハ ヾヽ
-ー:´.:ノ/ / | / | ハ: :\
/: : : : :.∨ / / l / 粲 | / i|: : : ヽ
/: : : : : : : / / l ート、L__ |/ __}: : : :/
{: : : : : : :./ | | ヽ/ ´  ̄ .,': : :/
: : : : : : :/ / _| | ,ィ示テミト、 ,ィテト、ト; :./
\: : : : ソ / / |\ ! ヽ 代ノ} {ヘノ!. ハ∨ 兵を集める者は皆、司馬鄴の名を用いております。
\: / / ヽ| \ | ゞー′ ゞソ ,' | ヽ
/ ∧ l ヘ U ヽ |. ! ', ここは司馬鄴を除いて、
/ / ヽ | { __ ハl ハ 彼らの望みを絶ってしまうべきではないでしょうか?
/ ∨ \.! ',\ ( ノ イ ヽ|/ ヘ
. / |、 ∨!≧ュ 、 ィ´ | 〉
/ _ _| \ ! \  ̄ソ`ト、 |_ / l
./ヽ、 /::::::::::| \ | ∧ ∧ | ヽ |/\/ }
ヽ/:::::::::::::| \ !:\ / ‐十ー | \.|::::::∧ / |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 皇太子劉粲は晋の皇帝司馬鄴の存在こそが、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 漢に対する反乱が止まない原因と考えていたようだ
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 903 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:58:36.14 ID:qSjPNxu80
-
ィi{:::::::::::::::::::::::::::. : : : : : : > 、
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. : : : : : :.\
. {ヽ /:::::::::::::::::::::::::::/ニ_`ヽ:::::::::::::::. : : : : :.:ヽ
{ \:::::::::::::_> ´ー=ニ三三\:::::::::::::::::. : : : : :、
. __、 ヤ  ̄ ‐=、:::::::::::::::.. : : : :ハ _,イ
. \ / / i / ` <:::::::::::::::イ /
. ヽ/ / / ,! , / i } `¨¨¨´ <__ ィ
___// / / { __ .{ { !, } i i /
. ⌒ー{ /! {. .{ ,ィ´ `.{ ハi ‐- L,_ ! ! く
{/ | { マム:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iYI| Y|:i:i:i:i:i:`ヽ ト 、 \
` ', iト、.マム:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:γ⌒ヽi:i:i} }  ̄ ̄`
. /从 ヽ\:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i弋 ノ:i:i:i! }
. / / 杁:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iィ | j ,}
. {/ .| ハ !\i:i:iャ──‐ァ:i:i:i:i:/イ,} ハ } 士大夫の帰順は望めない。
i , YW个s ` -- ´ ,ィ } / }′
, ,/ニ}} 〈 } -≦//{{/ニ: / , ∧ 、 ならもう必要ないか
, /ニニ: _ xヘ `只 ´_厶、{{,'ニ / イ/ニム \
/ニニ/ ヽ〉._{`〉/}: : :〉' ニニニニニニム ,>
/ニ/ ヽ{ ', ', :{ , ニニニニニニニム/
. /ニ ,´ /} ゙ ゙,:〉!ニニニニニニニニ≧、
∨ニ ,! ,イ 〃 { /l !ニニニ/´: : : : : :_ヽ
. 〉ニ,' ; 〃 ', ,/ ll !ニ/:./  ̄ ̄ ̄/
. /ニ , i / ', 、 .ll.|/:./ニニニニニニ|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉聡は息子の進言に従った
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 904 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 22:59:50.56 ID:qSjPNxu80
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| 『晋書』『愍帝紀』に曰く .|:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ//
| | >:´|、 - ,|`:< 懐帝の悲劇が今一度繰り返された
| | |::::::::| > イ |::::::::|
| | >-、\! !/::,-<
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 905 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:00:37.60 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年10月 漢 首都 平陽】
/::::::::::::::::::::::::::::_ -‐……- _:::::::::〉
. 〈::::::::::ト、 __,/ / ` /_,ィ
. \  ̄ ヽ / / / / /、 } く
. / フ / /,/ 〃.‐===‐ ', } } 'マム
. ー=≦ __,/ 〃 { /,!/ 斤テ_ } ,'‐- }、}
. i {./{ ! .{,/ :/ { 辷z} }/.ヒ}/j / }
. | ,! ,^V ∧ .{. ー, {′ '
. Y 弋 V ∧ { __ ; ∧
∨、 ` V ∧ 、 / ∧
∨\ .V ∧ \ ._/ .i| \ ||:.:/⌒\/ / / / | | ∨
} ハ }ヽヽ、 ∧ / ̄ }ヽ i| ィ:::::::| / / , | |∨
' " /「 .}/ \ ∧ ‐ _\ Y 丶i| |::::::::: | -=======-| | ∨ |
≠z ミ.`<\ . 「 ` >__ ゙,! .|::::::::: | / / / .| | ._|__|
/三 ヽ \ r─、! / >-、ヽ .|::::::::: | , ,__ _ 从| / ヽ |
/!三三三\ 〉 : : :\.〈: : :ヽヘ |::::::::| .| / ̄ ̄ ̄ 从__ / | |
. イ |三三三三\ ヽ: : : :,r'!ノ : : 〈\〉 |::::::::| .| ´ J勿 | - 、 .| .从
/::::::::| .| | 乂::::::| イハ | , /
:ィ⌒ヽ | 、::::::リ f:::::| | .,
|:::::::::::| | ー .|:::’ , ' イ
|:::::::::::| | :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. 乂 l |
|:::::::::::| | ' :.:.:.:.:.| |
ヽ:.:.:.:.: .| | |
ー| |≧s | |
..... | |三三≧s。 人
..... | | 三三三≧s。 つ ./ |
..... | | / |
..... | | ≧=- -=≦ | 从
==/ \ /  ̄ ̄ | .| |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .十月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉聡は狩猟に出発し、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 司馬鄴は行車騎将軍として戎服を着て戟を持って先導を務めた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 百姓が狩猟の様子を見に集まったが、故老は激しく泣いたという
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 906 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:01:20.65 ID:qSjPNxu80
-
_| ̄|_| ̄| | ̄|_| ̄|__| ̄|_| ̄| | ̄|_| ̄|_| ̄|
|_ _|| | ̄ | | | | ̄ | |  ̄|
r┘└へ| |二コ ┌'| |二コ ┌| |二コ ┌'| |二コ ┌┘
. : : : : : : : : : : : : `丶、 〈 〈] ゚,、〈| | o ヽ| | o ヽ| | o ヽ| | o └「 ̄\l
/: |: : : : : : : : : : : : : : : : :. ヽ-ヘ_>ノ_ノ|_|、_ハ/|_|、_八ノ|_|、_ハ/|_|、_ハ/`⊇.ノ
': : : :|: : :| ‘,: : : : : : : : : : :}. -─r─- . . .
/: i: : 「{(__}: |: : ‘,: : : : : : : :_/: : :''"~ ̄`丶、\___
,: : :|: : 乂}: : :| : : ‘,: : : : :ノ⌒⌒`丶、: : : : : : \¨⌒\__
|: :八: : : : : : :|「\:‘,: :/⌒¨¨⌒: : : :\ : /⌒⌒\^/⌒⌒\
|: : : i\: : i : :| )}--(/⌒\: : : : : : 厂/;;;;>''"~⌒\: : i: \: :.__
|: i : |^r=ミ: :| 〔_: :/ .:::::::::: ‘,⌒\: {___,/.::::::::::::::::::::::\|\ |: ::i⌒\
|八八\ヾj :| У.:::::::::::: ‘, ヽ/.:::::::::::::::::::::::::::::: ノ:::::|: |::::::::::::.
`⌒^゙〉 l :| {:::::::\: ‘, .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}:: |: /::::::::::::::::.
ヽ r:|┐ {:::::::::::::ヽ ',:::/.::::::: ::::}:: |/
`| |┘ イ:::::::::::::: ‘, .:У.::: ::::} / ‘,
| | i {:: ⌒\ ‘, ::::{.:: ____ ::::/ ___ }
| | | { \‘,::::::{ / { } \ / /{ ____}\}
| | | { \::::{ /{ ''"~ ̄ ̄\, }ヽ//{,/ '⌒\}}
| |厂} { ヽ}y{/ \_} {,/ |ノ
厂)}┘{ }{(! /,人( |
`Τ: }...{ }ゞ| . : : ::! |
|: :( { } | ,............‘, .|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ その後、劉聡は大宴会を催し、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 司馬鄴に列座の人々に酒を注いで回らせ、杯を洗わせた。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .更衣、手洗いの際には傘を持たせて供をさせている
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 907 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:02:14.24 ID:qSjPNxu80
-
/: : : : : : : : /: : : : : ∨: : : :\: :ヽ
/: : : : : : :../: /∨: :ヽ: : ∨: : : : ∧: ∧
/: /.:.: :../: /: /. ∨: : \: \: :∨:∧:..∧
/: /|: : :./: / !_|_ .u ∨: { ,-寸マ_:∨c()っハ
/: /: !: : :| !/∨ /::ヽ\,--∨∨:|: (ハ): !:'
/: /: :.!: : :{'∨,==彡 :::::::::: ミ==ミ∨: : :.|:..|:.|
|:..ハ: ∧: :.'. / 三≧ ::::::::::: ≦三 . }: : : .!:..!:.!
{: { |: :|:ヽ:∧こつ .こつ/: : : :!: |:.|
ヽ{ |: :∨:ト∧. ' /:/: : /: :|∧
|: : ∨!ヽ、ヽ. _ u ノ:/}: :.∧:..|:.∧ こんなのってないよ
{::!: : :.∨人. ´  ̄ ` ノ/: :/:∧:|ヽ∧
∨: :{ヽ∨: :.> ィ: :./:/从∧' }\
∨:.{ \ 从: r}> ー < .ノハ/:ノ } }' ヽ
ヽ\ _/. \_ _, -< 〉-、
_,,.-‐''!"/ハ __ / ヽ__. / } |`' ー--∩,くニヽ
(ヽ ィ ´ | /::::::::`{ニ}´::::::::`> .| } .ノノ.〉 二'〉
rー `、\ ./、 { \:::::::::/ ヽ::::::::/ ノ / / /ィ/ィ ̄`}
{ 二ミ'、ハ ∨ ..| /:\ノ::} {::::\∧/ ./ ヽ、_{ レ'-' ヽノ
{rー、ヽ' ∧-, | .∨´ ∨::::::::::::://!::::::: ∨ , ヽ! l! /
∨ヽ-' /∧/. ' `ー-、_::/ ,' {:::> ' . / ==={ .!\ / }
〉、 / }、 / ∧∨ ! ´ / / {{__||∨ ! ー- ' } .!
\ ̄、 ヽ ノ l ,' ∧.∨ ! / ./ .{{ || |` l ノ}
漢 尚書 北宮純
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 宴席に居合わせた晋臣の多くが声を失って泣いた。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 尚書郎の辛賓という者は
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .司馬鄴を抱いて慟哭したため、劉聡に殺害されている
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 908 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:03:14.66 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年12月 漢 首都 平陽】
{ 〈〉_丿 :|::./: :. /: :. }i: :. | :'_ 乂ノ、___}
乂_ノ |: . |/: :. /: :. ハ: . }: | .::|: . | i
|: . |: . |: :. /}: :. / |: . }i }i ト、 .::|: . | |
|: . |: . |: . / }: / ,, |::. iii }i__ | \ .::|: . | |
|: . |: . | |_,,. 厶斗 /"´ |: }i iii /``〜、、|: . | |
|: . |: . | |:. / _j/_‐- 、 | /;′ 从- _,,_ VI`:. | |
|: . |: . | |:/,ィ灯⌒メ j/ム=‐'''^´ィ灯⌒メ .|: :. | |
|: . |: . | |i { }:::じ):つ }:::じ):つ }|: | |
|: . |: : . | |i 乂⌒ツ 乂⌒ツ |: :. !|i
|: . |: : : . | |i |: : . |:|
|: :. |: : : . | |i ::い:i::い:i:: ′ ::い:i::い:i:: }|: : . | |
|: : . |: : : . | |i ∧: ::. ||
. |: : :|: : : . | |i、 ハ|: : . |: |
|: |: : : . | 込、 , -- 、 ..イ⌒|: : . l |
,: : : ;|: : : . | | ̄ ~"''〜、、 ,ィi〔 ./|: : . | : |
. / /::|: : : . | | ``〜、、__,,.、丶´  ̄`~゙"''' |: : . | : :|
.. / 乂_ :|: : : . | | \ |: : . |: : :|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .十二月二十日。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 司馬鄴は平陽において殺された。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .享年は十八、
`ヘ:ゝ .' 小/ 諡号は愍帝とされている
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 909 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:04:03.32 ID:qSjPNxu80
- _...._
_,.-':::::::::::::`ヽ、
,..-':::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
__ /:::::::::::::::::::::::::::::\:::::::ヘ
l::::::::::::::::::: ̄::::::ー.../::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
ヽ::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ィ::ニ'::::l
ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ `ヽ:::::::l
\::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:、 ';::::::|
,ン、:::::::::::::::::::::`:-..._:::::::::::::::::::::::/::::::\ ';:::|
/ | |`ト 、_:::::::::::::::::::::`:::ー-......__/::::::::::::::\ヾl
l ト ト. ト、ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
`ハ_|ヾ 弋弍f'ー、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
'´く. 'ーイ l j、7ァt、__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l
rヽ 、 lー'-'ノ_ノ∠Lゝト弋ー-- :::_:ノ 『晋書』『愍帝紀』は、
ヘ ヽ--j..-<}::::::::::::〈.` 皇帝司馬鄴の治世について、次のように結んでいる
,レ-'⌒:、 ヽ:::::::::::ヽ- 、
,. -‐、 ヽニ.:::::;r‐ '´ l::::::::::::::::::::ヘ
,r'::::.,.-' r'´ ::::ヽ __'Jノヽ::::::::::::::::::ハ
/:::::/ | l::: ` ヽ、_ ヽ_,l:::::::::::::::::::::l
. | :::| | lヽ、__,. 、 ';::::::::::::::::::::::::::::::l.、
. | | | |:::::::::::::::ヽ. l::::::::::::::::::::::::::::::|:ヽ
l. l ヽl. ..|::::/::::::::::´:::::::::::::::::::::::::::::::|::::l.
ヽ ヽ.__ ノ | ::|:'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
` ー- 一 ヘ |::::ー-、.._:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::|ヽ
7ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|:::ヽ
/::|::|:ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|::::::ヽ
/::::::|:::|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::|:::::::::ヽ
/::::::::::{:::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::|:::::::::::`
- 910 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:05:46.51 ID:qSjPNxu80
- 【まとめ@『晋書』『愍帝紀』】
┏──────────────────────────────┓
帝は皇統を継ぐも、永嘉の乱が続いて天下は崩離し、
長安城中の戸数は百に満たず、墻は崩れて壊れ、蒿や茨は林となった。
┗──────────────────────────────┛
z匕三チ.: : :. :. :. :.|.: :. :. :. :.|..ト、_
__,r三}二}二二二二二二 |.: :. :. :. :.|..| ||
/ : :: :| |i┌|| |i┌|| |i┌|| |||.: :. :. :. :.|..| ||
} :: : : | |i└|| |i└|| |i└|| |||.: :. :. :. :.|..| ||
. {:: : : :; ;| ┌三三三三三三 |;';';';';' ;'; |..| }}
. };: ;; : ;;| | __li |.: : : : : :.|..|. {{
{ ;; : ; ;:| | /匕三`ヽ...... |.: : : : : :.|..| }}
7′_/ イ´..j ;,; ;.;; | | | |/::::::::::| |: : : :|:.:.:.:.:.:. : |..| ||
..... '⌒ヾ. {;; : ;; :;;| | | |::::::::::. | |: : : :|;';';';';' ;'; |..| ||
_/`ヾニ二/j;; : : ; ;:| | | |::::::::::. | | |.: : : : : :.|..| ||
-=ミく7,У.};;: ; ; ;:;| |二二三三三三三;: : : : : : :|..| ||__
⌒}/7'/ イ;:; ; :; ;:;| |───il───┐;';';';';';';';'|..|二二二)ヽ/ ̄ヾ_ _
--==≦乞; ;:: ; ;;:;..| |;; :: . : ;;; : ;: ; :; ;;;;;;|:.:.:.:.;';';';';'| ;; : : ; ;: ; :: :::\ ヽ7 ヾ/ {'⌒y´}
; :: ; ;;:;. ;:: j ;:: ; ;;:;. | | ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;;:; |:.:.:.:.:.:.:.:.:.| ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;;:;. `ヽ_ ,,〈, r〈,r'}¨i/{/´}
;: : ; ;;:;. ;:: ; ;;:;. ;::. | | ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;; ;:: ; ;;|:.:.:.:.:.:.:.:. |i . ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;;ヘ、 .,イヾ}Y゙'/ヾ/,ィヽ 〈
;: : ; ;;:;. ;:: ; ;;:;. ;::. | | ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;;:;. ;: . |.: : : :. :. :.| ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;;:;.斧、 . ニ=ミ}i∠rf壬 V/
;: : ; ;;:;. ;:: ; ;;:;. ;::. | | ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;;:;. ;: . |;';';';';';' ;'; | ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;;:;. ;: ;:斧、 .}ィ/ _)/r'-=、了
 ̄ ̄ ̄  ̄  ̄≧::| |-、 ;:; ;;: ;;;:;..:..:;;.::::::|;';';';';';' ;'; || ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;;:;. ;:: ; ;;:;. ;: ;:;:;:;:ト、..´ヾ} ⌒´ヽイ/ハこ
,/!_〃}//ニ{/l/i/` ̄`\; ;;:;. ;:: ; ;;; ;; . |.: : : : : : :.i!: ; ;;:;. ;:: ;:;. ;<´ / く`<}/,-‐ミイヽ 》、ー、人ヽ、〉.....}
ヽレ' ,イ⌒{ .′>‐彳/ }く`≧ニニ==、: |.: : : : : :. :.| ; ;;:;. ;:: ;:;. ;::../ / ,ィv⌒ ´Y´≠く/´ \ー/、ヾ'...../》 i 「´/ ヽ
i} /,イ´ ア´ ,rミ//}ィ´¨ヽ}く ̄ヾ.く` ───'. }// ィ´ ヽ ̄ヽ.....}´ヽ/ ヽ ,へ }/,へ
_,≠'{_.<`'⌒У,//くヽ〉、__。rっ。 `⌒~´ i/ { ,'へ. ! 「` / _}/へ/`}=- ' }/ヽ./,_
`了 /´ ヽ、_ヽイ,ィ{ }/´`ヽ' }/. ', i: i
_/ ;/,r 、/ ィ弐{´ヽ`Y´ ヽ }
' / / /}.入.r=`
イ {//
- 911 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:07:16.35 ID:qSjPNxu80
- ┏────────────────────────────────────┓
朝廷に車馬や章服は無く、ただ桑の木の板に称号を記すのみだった。
兵はただ一旅、公私の馬車が四乗あり、器械は多く欠け、食糧の運送は続かなかった。
┗────────────────────────────────────┛
, '´ ̄ ̄` ー-、
/: : : r‐r==========、
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i⌒ヽ: :ゝ:::::::::u::::::: u. ル|_/⌒)
ヽ ヽ 从ヽ,、::::::__,u.イ从/ ヽ/
∧___,ヘi.i:.:\__八__/:i.i ハ /⌒Y⌒uヽ
ヾ .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.} ソ /(○) (○)ヽ
_ /::::⌒`´⌒:::: \
/´ | ,-) (-、|
/' | l ヽ__ノ l. |
,゙ / ) \ `⌒´ /、
|/_/ ヽ
// 二二二7 u' __ ヽ
/'´r -―一ァ"i .-‐ \
/ // 广¨´ /' /´ ̄`ヽ ⌒ヽ
ノ ' / ノ :::/ / ヽ }
_/`丶 / ::i {:::... イ
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 章服は皇帝が着る礼服。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 一旅は五百人の軍勢に相当する
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 912 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:07:56.73 ID:qSjPNxu80
- ┏──────────────────────────┓
巨猾は天まで蔓延して帝京は危機となり、
諸侯は位を捨てる志が無く、征鎮には勤王の挙が欠けていた。
故に君臣が窮迫し、殺辱されるに至ったと言われている。
┗──────────────────────────┛
`\_.:.:.:.:.:.:.:/: : : : : : : :.:.:.:// / ,イ l ヘ:. : ヘ
_r '~、 >''゚~/.: : : : : : :.:.:.:.:.l" / / l }.:.ヘ:. : ヘ
_,.>、\ `くj!:.: .:.:.:. : : :.:.:.:.:.! . :/./ l i l.:.:. l.:. :ハ
.:.;;;.`‐'"\j!:.:.:.:.:.:.:.:.: :.:.:.:.:.l ⌒''‐ 、 . : :x/ l /l j;,:.:.:}.:.:. : l
.:.;;.:.:.:.:.:.:.:.j.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l . : : :_\'" / / j ∧;,:.:l:.:.:. : l
.:.;.:.:.:.:.:.:.:.j.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|: : :_z>''==ュ\ / , ' _、-/⌒;,:j.:.:.:.:. :}
.:.:.:.:.:.:.:.:.:j.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|-='",、、、 マ゙ `ー/ /,/ j!/ |;,/;.:.:.:.:.:.|
.:.:.:.:.:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.f/ fr::::i〕 />" ´/⌒ヾ、 l/;;;.:.:.:.:.:.:!
.:.:.:.:.;;.:.:.:l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.圦 弋ーク ´ ̄ んハ }} /;;;;;;.:.:.:.:.:.:| 援軍?
.:.:.:.:.;;;.:.:.l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:! ` ~゚ 弋ソ jl/;;;;;;;;:.:.;.:.:.:.|
.:.:.:.:.;;;;,:.:l:.:.:.:.;,:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:l  ̄` _ :、 .,_ 彡;;;;;;;;;:.:.;;.:.:.:.|
:.:.i.:.:.;;;;;,:l.:.:l.:.;;,:.:.:.:.:.:.:.:.:.l.:.:.l x<_ \_ ん;;;;;;;;:./l.:.:.:/
.:.:|;;,:.:;;;;;;l.:.:l.:.;;;,:.:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.l /-‐- ニ_ー-‐} j;;;;;;;;;;.:/;;l.:.:/
;;.:{マ;,.;;;;;;;l.:.W;;;,:.:.:.:.:.:.:.:.:l.:.:.l / ヽ j /,;,;,;,;.:/;,;,l:./
;;;;ム マ;.;;;;;l.:.l∨;;;,:.:.:.:.:.:.:.:.l.:.:.l l l / ,イ;;;;;;;;;./;;;;//
.ヘ;ム \;;;;!:.l;;∨;;,:.:.:.:.:.:.:.ムマ:、 乂__,,,..、、.,」イ _、<;;;i;;;;;;;;;/;;;;//
‐n 、 =┐00 =┐ _ 、__ 、 _
ヽ=, r‐^' }.〉-、.....l -ヘ ヽ=‐= =-┘ =┐ __」└ヘ, /〉 l 〉
,,l r='ナ-丶 i.l.,.ァ | 厂 '└_' == ヽ= ‐ ''''| 厂 //...,,_ l /
i i' l乂' ),l l.'.i. ,! ! ,..__..l L._ l | ゝ┘ /ァ'⌒l l l_/
'ー '^` -='イ `┘ .r'イ ヽ=‐'イ^ヽ ) ゞ=== ヽ 〈/ ヽーノ 〇
- 913 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:10:19.49 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年12月 漢 首都 平陽】
(~~~)
γ´⌒⌒`ヽ .大変です!
{i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}
(・ω・`≡´・ω・) =3 .洛陽の趙固の軍勢が黄河を渡って侵入してきました!!
`)⌒`) (:::::::::::::)
≡≡≡;;;⌒`) ミ≡≡彡 .すぐ南の絳で略奪を働いています!!!
= ≡ ≡ ;;⌒`)⌒`)
┣“┣“┣“┣“┣“┣“
/ __ 丶ヽ `ヽ、
/  ̄  ̄\ /∧ /ヘ\
, -―¬7 ―‐==>ーー┤ /ヽ∨/ !ヽヽ
/ / ー-―ァ''´ l | ``"´´| ハヘ
/ {ミ 、_ / l | 粲 j / }!
\ /ヾ三三{ \ ヽ{ // リ
ヽ、 / 勹! ! 、__ `ーヾ 'イ_ 〃
目と鼻の先ではありませんか。 .l/ヾ\ / ,′ l ‐千f天圷 テzァk/
/ ヾ:/ / ', ゞ-┘ Lソ/ハ
追い払いましょう ./ / ∨ ミミハ .:.::::::::. 、::::.:. {∧
/ \ /ヾ、l ! ′ j │
. / ヾ \/ | l\ _ , .イi:小
/ /ミ: 、 | ミ≡= l `ヽ、 ´ .ィ个彡 iヘ
. / / ミミ:| l`ー- 、`ーォ< l彡| |:∧
/ミミ / /^ー| l ヽ 〈 /l`ヽ| |彡ヘ
. / ミ/_,r'´:::::::::::|ミミ 、 | /^∨イ | ::::|: =彡|! ∧
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 幸薄い皇帝司馬鄴の治世。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 皮肉な事に弔い合戦にやって来たのは、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .晋軍に寝返ったばかりの趙固の軍勢だった
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 914 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:11:20.28 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年12月 漢 司隷 絳】
冫:::::::::::::::::`ー_
冫_::::::::上,,⌒
/VニニニニニVl
ゝニニニニニニノ_
|ニニニニニニニ/
ヽ_ニニニニニニ\__
ノニニニニニニニニニ`'ャ。,__
,。ャ'´ニニニニニニニニニニニニニニく
_. ._上,,,,,,..-‐ノ' 〉ニニニニニニニニニニニニニニニニニ', ..l1
l 、 」'、ノ`-'"ニニニニニニニニ`゙''゙亡ー-L , 'ニニニニニニニニニニニニニニニニニニ', .l| l1
_..ノ宀'’ニニニニニニニニニニニニニニニ~~''‐ニ . , 'ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ'., │'‐‐ .l|
./=ァニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ', l/l \,,,,,,. │'‐‐
-/レ彡ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ-┘ l..| / .l/l \,,,,,,.
\ニニlニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ_ニニニニニニニニニニニニニニニニニニ', l:lj''ー----‐'´ .| /
 ̄.',ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ┌ナニニニニニニニニニニニニニニニニニニ.', l.│ :lj''ー----‐'´
',ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ', l 彳 │
,-'''''゙゙ニニニニニニニニニl┐ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ',.│ 彳
lニニニニ',ニニニニニニニl lニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ\ .│
lニニニニハニニニニニニニl lニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ\,。ャ------、
',ニニニ≧',ニニニニニニlミlニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニヽ
,。sニニニニニs。,ニニニノ ',ニニニニニニニニニニニニニ \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
/ニニニニニニニニヽ´,。ャ'',ニニニニニニニニニニニニニ ≧ <
-=ニ 劉粲を生け捕りにして陛下を取り返すのだ!! ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『劉聡載記』に曰く。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 趙固らは河東郡を攻めて絳邑に至り、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .司隷の民三万余人が牧場の馬と妻子を連れて趙固軍に逃亡している
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 915 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:12:01.69 ID:qSjPNxu80
- 【紀元318年春 晋 司隷 洛口】
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
-=ニ 趙固は逃げて守りを固めるだけ!! ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
_ _ 冫!i!i!゚チ メll!i!i!i!ノ ._ _,.、‐'"
ぃメ,.二‖ 」 メ!i!i!iノl jo/ ィ¬.ィムチ))''" .,.
.,' ;;l .ノllγ┘ L!i!,.==r'゙ イ/弋_/ '┘ _.、‐''"
,.、、, ,.' .;;l ,,.。*゙ ヒ ィ==ぷ,,」γ/ ./ゞヽ )'''"´
( ィソ) ,.' ,,.。*'゙ メ // 「(////"L .ノ卜''┘
Uト- ソ,.'ヽ弋/┘ --┐ ヘi,,.。*'゙ソ ノ ̄,,.。*'ソへ 、 、、
> / ,.'卜--く 二 ヘi ===ヘi。*'゙ ´"'〜。.。*'゙////へ ミミミゞミミ;;、
イrf〔 〕 │ノ) // ヘi 」l ヘi ,,.、‐''" /厶llへミミミミミ〃:::::ll ヘィり
 ̄o ======ア:::::::∩┌─┐ ヘi ィi〔 └::::'*⊂_」ミ::::::::::::ll////ヽ
、 、、 ,.、''"´ ノ:::::::::::::://__0_」 冫 ヘi// .〕l:::::"'*。.::::::::::ソll::::ノL/::ヽ
彡彡ミミミ彡〃ィ'"::::::::::::: :://!!!!!!!!!│ L____ヘi .lヒ::::::::::::"'*。└ 。.。*'゙" ヘ
彡彡彡彡 レ /:::::::::::::::::::://!!!!!!!!!!!!!〕iト.L ./ ヘr /:::::::::::::/ `¨´.。oぅう _/
彡彡彡 \l::::::::::::::::::::/マ=====:=‖ _//:::::::::メ\r*。。*」 *。,,/
.人:::::::::::::::/‐'"ヽ:::::::::::::::ll:::::::/l:::::::: \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
「 ̄___,.、r''"´l ``'〜、、__‖メィ⌒ャ:::: ≧ <
/ γ:::/└"j :│-─┐ / /-‐"/::::-=ニ 恐れるに足りませんわ!!! ≦
ノ::::// ヒ::::ヘ ̄Lλムメ-┘ / / ≧ ≦
ノ::::/ \::ヘ .\ノ L::::/ /Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
.「 ノ ソ │ /::/ └ iィォ
│ノ ヽ ノ ソ::〔 └─
〉ム
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .劉聡は皇太子劉粲率いる歩騎十万の軍勢を派遣。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 両軍は黄河の南にある洛口で、二十日間に渡って交戦している。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .飢饉に苦しんでいたはずの漢軍が
`ヘ:ゝ .' 小/ 十万の軍勢を動員できるとは思えないが
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 916 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:12:44.16 ID:qSjPNxu80
-
,_:::....::::::........ ( ... ..::::::::::::::::....::::::........ . .::::::... .... ..:::::::`⌒ :::::::::....::::::........ . .::::::...
: ゙゙"'ー-、,, ..::::) ノ::::::........ . .::::::... .... ..:::::::`⌒ :::::::::....::::::........ ( ::::::::
: : : : : : : `(( ,,,;)..::::::::::::::::....::::::........ . .::::::(;;、(,,, 、::::::....::::::..) ノ:::::... ....:::::
: : : : : : : : ) ノ 、.. .. . ... .::::.. . . .:: : ,,) ( :::: :: (( ,,,;) :... . .
: : : : : : : : ( _ ⌒) `ー( .. .. . ... ..( ( ,;;. .. `⌒) ノ .. .. . ...
: : : : : 、:( ( : :) ノ ... .. .. . ヽヽ ,,ノ .. ..::. .( _ ⌒) . .. .: :::.. ... .. .. . ... .
~~^^;:;:'',,,,.....=) ノ-;;;;;~~^(( ,,,;)^^~~~~~^^"'''~) )) ^^'',,~~~~~( ( ''~~^^~~~^~~^^~~~^~~^^~~~^
"^ )ノ ) ノ .,"'`',( (,, ( ''.,,.....=) ノ-':
. ... .::::.. . . .:: : :.. . ... ::: :::.. ... .. .. . ... ... ..::. .. . .. . .. .::::: :: :. ... .::::: :... . .:::: :. ... .::::: :... . .::::
,ィ!´ ̄``i''ー─- 、、、,,_
イ三二二ニニニゞ ( j〉 」´ ̄ ̄``ー-、ヽ .,.:,..:.. .,.:,..:..
... ,... ``ー─'"´  ̄ ̄ ̄ ̄
,ィゞ .,.:,..:.. .,.:,..:.. ... ,...
ー====- ー====-
... ,... .,.:,..:.. ... ,... .,.:,.
_, -─‐- 、ー‐-、ー-、 ;: ;:;: :;:;: ; ; ,ィゞ
,イ、,r'⌒ヾ ヽ ヾ ``''ー- -、-‐''"´ヽ;;: :;:; ;:; :;:; ;: . .,.:,..:..
,r/ (::;;:;:;;/ー-、 j `, _ /ィ´ ;:; :; ;:; : ;: ,ィゞ
ヽ 「i''ー'"´ ,r-‐'ー''''"´ ̄
/ニYニヽ
(ヽ /( ゚ )( ゚ )ヽ /)
(((i )/ ::::⌒`´⌒::::\ ( i)))
/∠_| ,-)___(-,|_ゝ \ 焼きおむすびウマーっていうwww
( ___、 |-┬-| ,__ )
| `ー'´ /´
| /
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 結果は李矩からの援軍を得た趙固軍の勝利。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 漢軍の輜重を焼き払ったのが勝負の分かれ目だった模様
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 917 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:14:01.46 ID:qSjPNxu80
- 【紀元318年春 漢 首都 平陽】
/  ̄` ー -- 、 `/ ヽ |/ \∧
__/ / ´ ̄ ̄`>`Y 厶,/ハ ヾヽ
-ー:´.:ノ/ / | / | ハ: :\
/: : : : :.∨ / / l / 粲 | / i|: : : ヽ
/: : : : : : : / / l ート、L__ |/ __}: : : :/
{: : : : : : :./ | | ヽ/ ´  ̄ .,': : :/
: : : : : : :/ / _| | ,ィ示テミト、 ,ィテト、ト; :./ 我が軍は敵兵三千五百人を殺害し、
\: : : : ソ / / |\ ! ヽ 代ノ} {ヘノ!. ハ∨ その中の千人を黄河へポイ致しましたわ。
\: / / ヽ| \ | ゞー′ ゞソ ,' | ヽ
/ ∧ l ヘ U ヽ |. ! ', 勇敢に戦ったのは間違いありません
/ / ヽ | { __ ハl ハ
/ ∨ \.! ',\ ( ノ イ ヽ|/ ヘ
. / |、 ∨!≧ュ 、 ィ´ | 〉 ,/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ノヾゝ、
/ _ _| \ ! \  ̄ソ`ト、 .|_ / l i':.:.:.:.:.; '´ ̄ ̄`ヽ/./_,ィァ
./ヽ、 /::::::::::| \ | ∧ ∧ | ヽ '、ー一'l l l ヽ ヽ ヽヾ'
、) / ハ._l !_ヽ. ヽ ヽ ヽ、
リルハ,ニ、`゙Vソ/! lヽ ヽ-'
ノ lVソ "〃l. !ノヽj
ムイ人 っ / ノ /
l lヽ,`ー一'´〃-‐、
どんなに強くても、勝たなければ意味がない リ' ノ: :Y: : :l/::::::::::::l
/: : ノl:./j:::::::::::::::',
ヾー--'´:::l:/::"r''´::::::::::::::::::\
____. `,ニニヽl‐'/'´ヽ、‐-、::::::::::::::/\
_______,. :':´`ヽ、::::::::::`ー-一':::::://: /:.:.:.:.:.:/、:::`ー一´:::::::::
ヽ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `ヽ、:::::::::::::::/:.:.:|ー':.:.:.:.:.:./:.:.l::::::::::::::::::::::::::
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 局地的に漢軍が勝利した事もあったが、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 洛陽を奪回出来ずに終わり、戦略的には漢軍の敗北に終わった。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .『晋書』『李矩伝』は、この敗戦で劉聡が怒りのあまり発病して死んだとする
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 918 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:15:40.62 ID:qSjPNxu80
-
(~)
γ´⌒`ヽ 陛下、一大事です!
{i:i:i:i:i:i:i:i:}
⊂(´・ω・`) 宮中にて出火しました!!
ヽ ⊂ )
(⌒)| ダッ .御子息初め大勢の者が火に巻き込まれています!!
三 `J
,.....-――-..、
,/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ノヾゝ、
i':.:.:.:.:.; '´ ̄ ̄`ヽ/./_,ィァ
'、ー一'l l l ヽ ヽ ヽヾ'´
、) / ハ._l !_ヽ. ヽ ヽ ヽ、
リルハ,:::::::::::::::::::/! lヽ ヽ-'
ノ l::::::::::::::::〃l. !ノヽj
これが天意? ムイ人 っ / ノ /
l lヽ,`ー一'´〃-‐、
リ' ノ: :Y: : :l/::::::::::::l
/: : ノl:./j:::::::::::::::',
フラッ ヾー--'´:::l:/::"r''´::::::::::::::::::\
____. `,ニニヽl‐'/'´ヽ、‐-、::::::::::::::/\
_______,. :':´`ヽ、::::::::::`ー-一':::::://: /:.:.:.:.:.:/、:::`ー一´:::::::::
ヽ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `ヽ、:::::::::::::::/:.:.:|ー':.:.:.:.:.:./:.:.l::::::::::::::::::::::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 実際に劉聡が死ぬのは半年ほど先だが、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 建武二年(三一八年)に入ると体調を崩すようになっていたらしい。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .『晋書』『劉聡載記』に、宮中での火災の報せを受けて気絶する話がある
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 919 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:16:19.16 ID:qSjPNxu80
-
\__人_人从_人_人从/
_) (__
) 陛下ッ! (
 ̄ ̄) ( ̄ ̄
/⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
/  ̄` ー -- 、 `/ ヽ |/ \∧
__/ / ´ ̄ ̄`>`Y 厶,/ハ ヾヽ
-ー:´.:ノ/ / | / | ハ: :\
/: : : : :.∨ / / l / 粲 | / i|: : : ヽ
/: : : : : : : / / l ート、L__ |/ __}: : : :/
{: : : : : : :./ | | ヽ/ ´  ̄ .,': : :/
: : : : : : :/ / _| | ,ィ示テミト、 ,ィテト、ト; :./
\: : : : ソ / / |\ ! ヽ 代ノ} {ヘノ!. ハ∨
\: / / ヽ| \ | ゞー′ ゞソ ,' | ヽ すぐに医者を!
/ ∧ l ヘ U ヽ |. ! ',
/ / ヽ | { __ ハl ハ \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
/ ∨ \.! ',\ ( ノ イ ヽ|/ ヘ ) >
. / |、 ∨!≧ュ 、 ィ´ | 〉 < お気を確かに!! >
/ _ _| \ ! \  ̄ソ`ト、 |_ / l < (
./ヽ、 /::::::::::| \ | ∧ ∧ | ヽ |/\/ } /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
ヽ/:::::::::::::| \ !:\ / ‐十ー | \.|::::::∧ / |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 内憂外患。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j それが、当時の漢が置かれた状況だった
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 920 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:17:22.59 ID:qSjPNxu80
- 【紀元318年春 晋 司隷 滎陽】
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
. | `-=ニ=- ' .:::::::| 晋王殿下は李矩殿を
\ `ニニ´ .:::::/ 都督河南三郡諸軍事・安西将軍・滎陽郡太守・修武県侯にすると
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i | /⌒ヽ ̄/⌒ヽ__
> ヽ. ハ | || __/ /ミ∨/j} } \
// / /⌒゙┴‐く{ l \
// / / { ∧
// / __厶ノ {廴{ l ∧
〈/ / ´/ {`ヽ\ |
〈 /__,厶二 =ー\ { `ヽ |
}/ 癶,_以ぅ ‐テ忘ミ \ \
こんな所まで御苦労様。 〈「 || ノ ` ┴勹v―ミ \ノ
ト || | |'^ノ },ノ
それはそうと、 |/圦 、_r‐ 、__, | |// |
皇帝陛下が平陽で崩御なさったと殿下に伝えて頂戴。 //| ト、 `こ゚´ ノ| | |
//│ l |\ イ | | | |
残念ながら、確実みたいよ // | | | |ト‐ | | | | !
//_|L .⊥8ノ 8 .| |__| l
// / / /ー8- _,。c*゚ | | >、 l
/ / / / |\__゚*()+・゚¨ / | | / ヽ l
/ /| / / │/ ̄ | ̄| ̄ /| | / i l
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 一方、司馬睿は李矩の官爵を進めており、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 司隷を巡る攻防は李矩・趙固の勝利と見ていたのだろう
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 921 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:19:29.93 ID:qSjPNxu80
- 【紀元317年11月 晋 幽州 薊】
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
盛楽 令支 、-' ヘ
,r'`ー-、_;_, ○ 薊 ○ ./´ /
r'´  ̄ヽ, ● ,r'´ r' r‐
} { ,.、_ノ _"7 /
/ r' 晋陽 太 / 'ー'´
./ ノ ○ ヽ
' { 陽邑○行 厭次ー、 r'‐-,_,_ィ_
} ○襄国 ○ /ヽ_r' _r'´
{ 平陽 山 鄴 ○ r-'´ 〇 r' '
`ヽ } ○ 壺関○ ○広宗ノ 臨淄 }'ー'
{ { 脈 r○廩丘 r'
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
,. :-:.' ー ' ¨ :.ゝ.、 γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ. | 晋王殿下は劉琨様を太尉に任じると仰せでした |
,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ、 ヽ_______________________乂
,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`、`ゝ
,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ハ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
/イハ:!:.:.:l:/ i/ ノノ ノリリハリ:!:i:.:.!:.l
i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ハ!
∨|:.:.! ノ/i/ノ
ヘ!:| ノ!/′ 再び幽州の劉琨に話を戻す
ヾ!>ー- -- <イリ
(ヘ:::::\i=//:::::/)
{;;\::::::!n/:::::/;/
ト、;;\;;ii;;/;;;;イ
/;;;;ゝ;;;;∨;;;;;;ノ;ゝ、
(;;;;;(⌒)∨/(⌒);;;;)
`´ ̄` ̄ ̄´ ̄´
- 922 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:20:43.59 ID:qSjPNxu80
-
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
. | `-=ニ=- ' .:::::::| 他の官爵は従来通りとし、
\ `ニニ´ .:::::/ 加えて、こちらの名刀を贈呈するとの事
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
,、丶`  ̄ ̄ ̄ ``丶、
/ _ -‐\ \ \ -
, -=二ニニニ=-\ \ ヽ _ -=二=-
/ニ=- \ \ ヽ ', /二二 /
/' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ=-
/ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄___
|八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二二二二
i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、  ̄ ̄ ̄
謹んで刀を身に佩び、 | | ,ィ=ミ\ `" `、 ( ノ人 \
劉聡と石勒を斬って御覧に入れましょう .|i 爪 vリ __、 〈 ヽ \
八 ハ ' \、 \ \
ヽ 込 、 ァ / \ \ \
| 个 ィ / ' \――― ミ \
| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒ヽ
__ | | i 八 / '// / ' \
/ ∧、八 |{_// / ' , i '⌒\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 建武元年十一月。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 司馬睿は劉琨を侍中・太尉に任命している
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 923 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:23:12.14 ID:qSjPNxu80
-
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
. | `-=ニ=- ' .:::::::| 殿下は劉琨と段匹磾様の働きに期待しておられました
\ `ニニ´ .:::::/
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
, /:::(O):::::::::::::::\ ヽ
/ ..:::,、丶`  ̄ ̄ ̄ ヽ ',_
, {/ { \ ヽ: ', Vヽ
,' :| ∧ {、 \:―‐i‐ i //〉
:| i/、、\ \__|__:|_ : : ' /
i :| /| \ 〃う刈 》i |): : :K
| :l ィ笊_ 乂ツ |i | : : :|∧
| | l :爪 乂ソ , || |: : : |/∧
御期待に沿えるよう努力しないといけないわね | | | 込 , 从 |: : : |∨∧
八 | 个 ` イ: } |: : : | `⌒
ヽ| \|: : : :≧ー |/:| |_: |
:| |: : ;>rノ^|:H /:/| √/ ̄ \
∧ |7: :._/_ |:. | /:/ , / / /⌒ヽ
/ | 、 {:{ F¬ 、 \ヽ:/ { /| / i
.,: | } r人\ヽ ∨_, /: |' / |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 意外に思われるかもしれないが、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 司馬睿ひいては東晋は、河北の諸勢力へ何度も使者を派遣している。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .三国志で例えるなら、孫権と公孫淵のような関係に近いかもしれない
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 924 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:24:10.22 ID:qSjPNxu80
- 【>>923修正】
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
. | `-=ニ=- ' .:::::::| 殿下は劉琨と段匹磾様の働きに期待しておられました
\ `ニニ´ .:::::/
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
, /:::(O):::::::::::::::\ ヽ
/ ..:::,、丶`  ̄ ̄ ̄ ヽ ',_
, {/ { \ ヽ: ', Vヽ
,' :| ∧ {、 \:―‐i‐ i //〉
:| i/、、\ \__|__:|_ : : ' /
i :| /| \ 〃う刈 》i |): : :K
| :l ィ笊_ 乂ツ |i | : : :|∧
| | l :爪 乂ソ , || |: : : |/∧
御期待に沿えるよう努力しないといけないわね | | | 込 , 从 |: : : |∨∧
八 | 个 ` イ: } |: : : | `⌒
ヽ| \|: : : :≧ー |/:| |_: |
:| |: : ;>rノ^|:H /:/| √/ ̄ \
∧ |7: :._/_ |:. | /:/ , / / /⌒ヽ
/ | 、 {:{ F¬ 、 \ヽ:/ { /| / i
.,: | } r人\ヽ ∨_, /: |' / |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 意外に思われるかもしれないが、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 司馬睿ひいては東晋は、河北の諸勢力へ何度も使者を派遣している。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .三国志で例えるなら、孫権と公孫淵のような関係に近いかもしれない
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 925 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:24:59.46 ID:qSjPNxu80
- 【紀元318年1月 晋 幽州 薊】
∫ι__________ ./丁了
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ
||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | ||
||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | ||
弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ
弋ェェt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ェ,ィ
il_,└───────┘ , i!
| ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l
|| ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄||
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|i | ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄||
 ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ || ̄! ̄ ̄/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄.|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i  ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~ ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l  ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`ll`l
l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″|  ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄  ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾ| ̄`.. ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ | ̄ ̄ | ̄!,, ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ll
| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄___
''- .._ ~""''' ‐- ...,,__ _,,..-‐''~""''' ‐- ...,,___,,.-‐'
\_人_人∧从_人_∧_人_从_//
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、 ) >
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ < 申し上げます!! >
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ. < (
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 年が明けた建武二年一月。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ .かねてより燻っていた鮮卑段部内での対立が表面化する
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 926 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:26:52.62 ID:qSjPNxu80
- 【紀元318年1月 晋 幽州 令支】
/ \ \ ∧ {
, ' \ /: :∨: .
/ 〈\ / 〉 /: : :∧. : .
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/ / | \\/ ∧ , : : : /: : :. : .
≧ < ., | ト、 〉 〈 '/: : : : : : : : :. : .
-=ニ 段疾陸眷様が亡くなりました!! .≦ ′ 人 疾 | \ / /\\; : : : : : : : : :}, :. : .
≧ ≦ .| ! ー-|-‐ \∨ \〉 : : : : : : : /∧ :. .
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\ .j/| ; ∧ ∧|斗ヤ卞] |ヘ: : : : : : ∧/∧ :. .
| | ,' ∨ 弋)ン゚| | }: /: : :/ ∨/, :. :
{ 八 |ィヤT : : : | |.ノ⌒¬{ ∨/, : :
∨ |: :|: Vン | | {,___ /\/, :
|: : : :〈 | ∧ j マニ7 \
もはやこれまでか。 .|i: : : : : . r‐、 | / | | /ニ/ /\
|i: : :.j⌒^\ レ イ |::「ニ二彡'7 '
我が子は幼いが、 |i/ {\ノ )-</ | j:::| | / /
こればかりはどうにもならん / ∨ { | 「 | /::::∨', / /
/⌒{ \_〉/'∧| .|/:::::::::∨' / /
_____/ } \ \ノ { /\__ 〈:::::::::::::::|〈 〈‐=ニ二¨ ̄
\ / [ \ノ }L____{___〉-‐─┐ L,_∨'∧
_,> /⌒} } /// \___ノ ∨'∧
. _,,., '゛ | \,____∧/ /| | | } }
. \ ___彡 | } //| | |‐=ニ二ミ7 /_,. -‐¬
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 鮮卑段部大人段疾陸眷が病死した。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 段匹磾・段文鴦の長兄に当たる
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 927 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:28:10.38 ID:qSjPNxu80
- 【紀元318年1月 晋 幽州 薊】
(~)
γ´⌒`ヽ
{i:i:i:i:i:i:i:i:}
(´・ω・`) 段渉復辰様が段疾陸眷様の葬儀を行うので、
O┬O:) 一族の者に令支へ集まるよう呼びかけておられます
( .∩.|
ι| |j::...
. ∪::::::
人 /ア´ : : /:::::::: |: :|::|: |: \ _//
\__r[/: : : : :/::::::::: /:.:.|::|: |: : : \{_/
┌「 /:/: : : : : :/:::::::::::/: : :l/: :|: : : : : \
ア/:/: : : : :/::::::::/: : : /: :∧: : : : : : :.
/ /|_|__|/__彡イ: : : : /: :./ ∨: : : |: :|__
| || | | : : ト: :/ |:.:|: : :.:/|:./ ノ∨: : :|: :| ├‐ . 、
叔父上かー。 /|_||_| |: : /∨`""j__/ / ""´ ∨: :|: :|_「:.:.|: : :\
/: /: : ノ:.|: / 斗r干ト 斗r干ト、|: :/:./:.:.:./|: : : : :\
まあ、兄上が死んだとあれば、 ./: : : l /⌒l∧ 乂_ツ 乂_ツ ノ|:/:./:.:/:/: : : : : : : .
顔を出さないわけにはいかないかー ./: : : : : : : \:.:.∧ 〃〃 ' 〃〃 厶:'/: :./: : : : : : : :.:ト、
| : : : : : : : : : \:∧ /:./: : : : : : : : : : : : : | |
|: : : : : : : : : : : :.\)h, ´、` .イ: : : : : : : : : : : : : : :..:.:.| |
/|:.. \:.. : : : : : : |:.:.:\)h, ,.イ::/: :/: : : .:.:/: : : .:.:.:.:.:ノ_ノ
〈:.|:.:.:.:.:.\ :.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.|:.:.|`| ー‐. . . . |´|/: : :.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:./(_
.)|:.:|:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.ノ :.:.:.: |:.:.| .| . . . . . . . |〈:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.{⌒~~~´
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『資治通鑑』『晋紀』は、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 遼西公段疾陸眷が卒し、叔父段渉復辰が自立したとする。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .実態は、一族の有力者である段渉復辰が葬儀を仕切っていた程度だろう
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 928 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:30:10.89 ID:qSjPNxu80
-
/:{ /{
/:::::::{ ./:::{
/:::::::: { /::::::{
__ √:::::::::ヤム::::: {
_、+ァ.:'".:.:.:.:|:::::::::::::::V/.:.~^':.、、
ィi゙:/.:.:.:. 、.:.:.:|:::::::::::::::::V/.:.:.:.:.:.:.` 、
/i:/.:/.:.:.:.:.:.:Y.:!::::::::::::::::::}!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
/:i:i:/.:.:. l.:.:.:.:.:.:.:.: '/乂:::::::::: ィ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/∧
.゙:i:i/.:.:.:.:.!.:.:.:.:.:.:.:.:.: '/.:.:.: ̄:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/∧
{:i:√.:.: /{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.'
Z!.:.:.:/-ヤ .:.:.:.:.:.:.:.:.|.:.:.:.:.__.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:l
ヾ!:.:. ,xぅぃ .:.:.:.:.:.:.:.|.:.:.:/.:.:.`:.、.:.:.:.:.:-‐ :.:.:.:.:.:.:.:.l
丶:ノ:} ノ :.:. /.:.: √:7.:.:.:.:.:.:.:.V/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ,′
r‐ り !.:./.:.:.:./: /.:.:.:.:.:.:.:.:.: V/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
待てよ ∧ }/l.:/.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: }V/.:.:.:.:.:.:. /
. /∧__ ′/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:V/ :.:.:. イ
/∧ 、丶`.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.V//.:.、
、丶`.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: .:.:.:.:.:.:.:. V/.:.:.:.:\
/.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.: ハV/.:.:.:.:.:.ヽ
. /.:.: /.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:. /.:. }:}.:.:.:.:.:}.:.:.:
. √.:/.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:ノノ.:.:.:.:/.:.:.:.}
{.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:/ ∨/.:.:.:.:.:/.:.:.:./
Y.:/.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./{.:.{_ 〉.:.:.:.:'".:.:.:./
ヽ:{.:.:.:.:.:. ′.:.:.:.:.:.:.: _、+く ゚、{ V/- -=彡
!.:.:.:.:.{.:.:.:斗-=ミ:i:i:i:i:i丶 Y
丶、丶` \:i:i:i: ヽ ヤi,
/ \i:i:i:i゚。 Y
- 929 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:31:51.11 ID:qSjPNxu80
-
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,i゙ / \ ゙i! 我らの大人である段疾陸眷が亡くなり、
i! ● ● ,l 我が主は劉琨様が葬儀へ参列されるのを望んでおられます
゙i,,* (__人__) *,/
ヾ、,, ,/
/::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ
-――-
/__/ -―- ``丶、
'/ /::/  ̄ ̄ ̄ \ \
/ ∨ \ \ \
i | |ヽ \ \
i | | | | ト ⌒ヽ
| | | / /'| {xミ |
| :八 / / | 佗 Y 八
段疾陸眷殿の逝去は残念だけど、 / _ ∨! , \ x=ミ |/ , "|' ヽ
葬儀の参列に関しては私の名代を差し向けましょう。 / /⌒ヽ }/ / _∧ /vツ ' | i
- / ⌒ --=彡' / ( 、 、 " , / | |
少し考えさせてもらえるかしら? / / { / / } / ト ∧ ト ___ /! ; ,
// , 八__/ /⌒'/ / ヽ∧ ∨:./: : :.:| | /
. / i 、 { /____./ __ \、 ∨八从| |:/
l / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/  ̄ ̄ \ \ | /
/::  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄::/=x==ミr―、 \ \ | ,
/:::/ ̄/:::::::::::: / } / へ 7}八ヽ八{
. /:::::::: ̄ ̄::::::::::::::/ | |八 {/|///| ̄ヽj \ )
- 930 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:33:23.79 ID:qSjPNxu80
-
/: :| /|
. __ /_ノ__ /: :/
|/(_ノ_〉: : `\ノ
. (_:..:..:.__/: : :|:Λ: :.ヽ
. Λ|:.../: : |―|:∨-|: :|
/ ∨ : : T忙N/忙:|
〈 |Λ__| V/ お父様。
/ \_|_个:.. ^ イ八
\| _ノ/⌒\ 「 : : |: : :\ .どうして私が鮮卑の葬儀などに……
|/Τ|:..:..:..:..:∨<>⌒\: :\
. |::|:..:..:..:..:: ∨:i\:..:..∨|⌒
ノΛ::\:..:..:..\:i:i:i>:.. 〈|
. / |:..Λ :: \:..:..:..\\>::|
/ :|:..:..:{__/Λ:..:..:..:..\::Λ
|:: /⌒∨/Λ:..:..:..:..:..:..:..∨
|:〈i:i:i:i:i:{ニニΛ:..:..:..:..:..:..:..∨
晋 劉琨の子 劉群
_,/ ̄ ̄` ̄\
/ /二◎二ヽ ヽ\
/ ルノハヽゝ,ハi 〉 .i
私が葬儀に行くと、 iv、!● ● i i' 〈
段部の下に立つみたいで周りがうるさいでしょうし。 lリ〈 ワ i i' リ
_iハ`ーゥ t-ノ i 〈
かといって、誠意を見せないわけにもいかないわ ヒ/」」」.l/リl ly ,ィリヽ、 ヾ
| l | / `.lシl==j \ 〉
| l ,/ー、{::::::::::/ー、! \
- 931 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:34:34.69 ID:qSjPNxu80
-
ト、、 ∨///∧__
∨/\ ,、..:::'"~~"''〜ミ/,::``〜、
∨//`、/r‐ミ:::::::::::\:::::::::::\::::::::::::..
.V/..:゙/::::j\:\::::::::::`、::::::::::::∨::/:::::::.
r‐=≠/::/:::::/''"~゚。:.\::::::::`、:::::::::::∨::/:::::::.
\ /::/:{::::| ゚:::l `''〜::|:::::::::::::∨::::::::::: 劉群殿。
`'|:/::::{::::!/ :::| |:::::::::::::::|:::::::::::::|
..:/|::{:::::{:::| l/ --=彡:::::::::::::::|:::::::::::::| これも社会勉強だと思って。
.::/} {八::::{::::. _彡 /:::::::::::::::|_r‐ミ:::|
.:/ ノ W',\(::::. 丶 /::::::__,r_'⌒ヽヽ\ .お葬式で戦になるなんてないでしょうし
::( } { ∨V::::::/, ー ´ .::::::└‐ -ミ `、_
):) } { V:::::::::公, /::::::::::::::/{:::::乂 / `、 ノ
.:::' 廴{ .:::::::::/:::/:::≧=-/:::::::::::::/_彡冖ミ{ _. -=ニ:::::::::::/
::( /::::::./:::/:::::::::::「j :::::::::::::/_、+''"~~"''V_-_-_-_-∧ ̄ |:.|: .Λ _ /: :./: //
乂:... ..::::::::::|::/-‐=≠7ニ{:::::::::::{_-/-_-_-_--∨-_-_-_-∧ _Λ___,/|'^~ : / ~"''<(: : /: : //
_彡::/::::::|:'_-_-_-/ /∧::::::::::∨-_-_-_-/,.∨-_-_-_-∧ -ニ//:..::|__ノ : : /: : : : : : : : \:. :.//
(_::/:../:..:..::|:./ : : : : : /|: : : | : : : V.:/
/:..:../__,厂 / : : : : : / :|: : : |: : : : :V
「 ̄ ̄ ̄>―┘/ |.: : : :/| : : |: /: : :/: : : : : ::.
| (\ / : |:.斗--| : : |/.:/ /ハ : : : : |:.:
Λ /\\_,/ : : |::// | : : :.:/ /⌒'ト.: : : :|: |
\\(\_/ |: : : : :K茫苅|/|__/_/__ |: : : :|: |
気楽に言ってくれますね \/〈У/|: : : : :|``` 、 茫苅:/: : :.|: |
〈/厂Λ: : : :乂 ``/ : : Λノ
〈/: :/: l∨\|:\ '┘ .:/: : /:/ノ
/: :/: : |: .:| : : : | \_ ,,...、<l:|⌒V/ : : |
./: :/: | : |: .:| : : : |⌒>Yく⌒|: :|:|: : : :| : |:
/.: : :./´ ̄`''<⌒ ≪≫ \__:| : |:
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『劉琨伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 段匹磾が兄の葬儀へ向かう際、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 劉琨は世子の劉群を派遣してこれを送らせた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 弔問も兼ねていたのだろう
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 932 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:35:19.77 ID:qSjPNxu80
-
_________________ィ‐' ̄`ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
| |::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::::::::::::::\
| |:::::::::::::f \::::::::}
| 『資治通鑑』『晋紀』に曰く .|:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:、::::::::::ヘ
| |::::::::::::::::::::::ヘ_
|_____________________ |:::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、
\::::| |:::::::::ィ !{ ハ T tーr 、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--レリル|rfiテ ヽl イテz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞソ ゞソ// 事件は段匹磾と劉群が
| | >:´|、 - ,|`:< .段部の本拠地である令支へ向かう道中で起きた。
| | |::::::::| > イ |::::::::|
| | >-、\! !/::,-< 内容を筋道立てて記している
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-、 『資治通鑑』『晋紀』を中心に話を進めよう
| | l:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
| | /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
, ' ニ}く::/::::::::/:::::/|::::::::::::::::::::::::::|
| ーjヽ\::::::'"::/ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
ヽニj } \:/ \ |:::::::::::::::::::::::::::|
〈:| |V }>、___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
|:!.|:\ ノ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
|:!.|::::::`ー':::/ / |::::|:::::::::::::::::!:::::!
|:|_!:::::::::::::::/ / |:::::!::::::::::::::::|::::::|
|::::::::::::::::::/ / .!:::::!::::::::::::::::|::::::l
|::::::::::::::::/ / !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
!:::::::::::/ / |::::::|::::::::::::::::|::::::::!
- 933 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:39:15.50 ID:qSjPNxu80
- 【紀元318年1月 晋 幽州 右北平郡】
... ..::. .. . .. . .. .:::
:: :: :. ... .::::: :... .
.::::
.. . .
,,-‐''"´'':、,, ,,_,__ .γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
_,,.--ー''''''"゙゙ ゙゙̄"'''''―--.,,,,,,-‐'゛.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:.: _,,.;:-−''"´`゙''ー、/ヽヾ\ | ………… |
::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"';,_,,.-ー'''"゙゙:,:;.,:;.:::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,:゙',`:;,':,:;.,:;.:::;.:".:;.:'"゙:.:゙,~゙"'ー-:;、,"' ヽ________乂
":;;;: : ;: ;: ;: ; ::; : ;:; :; : :: :; ":;;;: :;: ;: ;: ; ::; : ;:; :; : :: :; ":;;;: : ;: ;: ;: ; ::; : ;:; :
'' ;~ ; ::; : ;:; '',;''゚ ; ::; : ;:; ;~'',;'' ;~'',;'' ; ::; : ;:; ;~ ; ::; : ;:; '',;'' ; ; ::; : ;:; '',;''゚ ;~'',;
":;;;: : ;: ;: ;: ; ::; : ;:; :; : :: :; : ;:; ;~'',;'' ;~'',;'' ; ::; : ;:; ;~ ; ::; : ;:; ': ;:; ;~'',;'' ;~'',;''゚ ; ::
:::....::::::........ . .::::::... .... ..::::::::::::::::....::::::........ . .::::::... .... ..::::::::::::::::....::::::........ . .::::::... ....::::::::::
.. .. . ... .::::.. . . .:: : :.. . ... ::: :::.. ... .. .. . ... ... ..::. .. . .. . .. .::::: :: :. ... .::::: :...
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
(⌒(⌒ (⌒;;(⌒Y (⌒;;_(⌒≡ . __
.(⌒;; (⌒ (⌒;; (⌒ (⌒;;(⌒ヽヽ(⌒;;(⌒.Y __
(⌒;;(⌒(⌒;;(⌒;;;; (⌒; ;(⌒ ;;(⌒;;(⌒;;;;≡≡Y Y
''''゛゛゛''゛゛゛''''゛''゛゛''''゛゛''゛゛゛'''''゛´''゛'''''゛゛゛''゛゛゛''''゛':'''''゛゛゛"""''"""''''':'"''''"""''"""'''''"''`"'''''"""''""''''""''"''''"""''"""'''''"""'
゛゛゛ '''゛゛゛''゛゛゛'''' ゛''" '''""''" ''''"""''"""''' """
:::::::::::::::::'''''''''''''゙゙゛ "゙゙゛"゙゙゛"゙゙゛"゙゙゛ "゙゙゛" "゙゙゛"゙゙゛"゙゙゛ "゙゙゛"゙゙゛"゙゙゛"゙゙゛ "゙゙''''''''''''':::::::::::::::::
- 934 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:40:26.60 ID:qSjPNxu80
-
、丶` \L___
/ ', ',/⌒〉,ヽ^ 、
/ / | | ', \/ ', / V{ \
l i| ト 、 ', /\ V / {ノ
i l 渉i|\j{ 、/ |/ ノ{
l V八 i| 斗fセ7 ' L / jノ,
|/i抖ミ\j Lり ' 「ハ / , あの集団が匹磾か
小 {り : |)ソ′ i{
|∧〈 i |ア i{
| 圦 __ _ | | i{
| 、 | | j{
| \__ ‐ _| |─‐┐ /\ 、〜'´. . . . .{:.:. :.V/、 --ミ
| | __ }==={ri| ノ ̄ {/ /⌒\ ┌ 、 . . . . . . . . . . ..{:.:.: :.:.、...) /:::::::::|
| | lh l‐}==={{ | / 厂/ / 、 八:.:.:.:.:/. . . . . . . . .--八:.:.:.:.:.:',:.\:::::::::|
人 |/(_) ̄ ̄) }/ ⌒// / _ -─‐} 〉/. . 、〜'´ ̄ ̄/¨¨¨\::. ::. ::. ::..V/:{
、丶`⌒\ |/⌒{⌒「\ / { { ‐ { /. . / /::. ::. ::. ::. ::\::. ::. ::. :V/:.
、丶` xく\|7 /{_j/^ 、\ \ { 乂./ / ノ::.}::. \::. ::. ::.\::. ::. ::Vノ
/7 / /.:: .:}、/〉\::. ::. ::.\::. ::.
/ / /.:: .::.:/⌒\/〉\::. ::. ::.\::.\
,:_/ /}.:: .:: / 笊うぅ 、}::. ::. ::. ::. ::. .\::::\
乂______/.:. ノ.:.:/ 'Vツ }.:: .:: .:: .:: `'〜-\::.:\
渉復辰殿。 |::. ::.:/ x芯 ' '/.:: .:: .:: .:: |: ..:: .:| \::.:\
|.:: .:: .:: ::.、' ' ' /イ.:: .:: .:: : .:: .:: .: | \::.::\
前にも言いましたが、 .八.:: .八:.:込 V  ̄) |.:: .:: .:: .ノ.:: .:: .: | \::.::\
匹磾が来たのは段部の大人の座を簒奪するためです .\::. :\ :::..、 |.:: .:: /.:: .:: .:: .:| \::.::
.\::. :\::.>........イ: :|.::/.:: .:: .: .:: .:: |
\.:: .}.:: .::「、) 厂/.:: .:: .:: .:: .:人从__ノ
ノ\}.://W、,:: .:: .:: .:: .: /⌒¨ヽ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 段匹磾が自ら薊を出て葬儀に向かうと
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 段末波は段匹磾に簒奪の意志があると宣言した。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .段渉復辰を煽ったように思われる
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 935 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:41:00.39 ID:qSjPNxu80
-
... ..::. .. . .. . .. .:::
:: :: :. ... .::::: :... .
.::::
.. . .
,,-‐''"´'':、,, ,,_,__ .
_,,.--ー''''''"゙゙ ゙゙̄"'''''―--.,,,,,,-‐'゛.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:.: _,,.;:-−''"´`゙''ー、/ヽヾ\
::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"';,_,,.-ー'''"゙゙:,:;.,:;.:::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,:゙',`:;,':,:;.,:;.:::;.:".:;.:'"゙:.:゙,~゙"'ー-:;、,"'
":;;;: : ;: ;: ;: ; ::; : ;:; :; : :: :; ":;;;: :;: ;: ;: ; ::; : ;:; :; : :: :; ":;;;: : ;: ;: ;: ; ::; : ;:; :
'' ;~ ; ::; : ;:; '',;''゚ ; ::; : ;:; ;~'',;'' ;~'',;'' ; ::; : ;:; ;~ ; ::; : ;:; '',;'' ; ; ::; : ;:; '',;''゚ ;~'',;
":;;;: : ;: ;: ;: ; ::; : ;:; :; : :: :; : ;:; ;~'',;'' ;~'',;'' ; ::; : ;:; ;~ ; ::; : ;:; ': ;:; ;~'',;'' ;~'',;''゚ ; ::
:::....::::::........ . .::::::... .... ..::::::::::::::::....::::::........ . .::::::... .... ..:γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
.. .. . ... .::::.. . . .:: : :.. . ... ::: :::.. ... .. .. . ... ... ..| ……葬儀の参列にしては数が多い |
ヽ__________________乂
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
(⌒(⌒ (⌒;;(⌒Y (⌒;;_(⌒≡ . __ (⌒(⌒ (⌒;;(⌒Y (⌒;;_(⌒≡ . __
.(⌒;; (⌒ (⌒;; (⌒ (⌒;;(⌒ヽヽ(⌒;;(⌒.Y __ .(⌒;; (⌒ (⌒;; (⌒ (⌒;;(⌒ヽヽ(⌒;;(⌒.Y __
(⌒;;(⌒(⌒;;(⌒;;;; (⌒; ;(⌒ ;;(⌒;;(⌒;;;;≡≡Y Y (⌒;;(⌒(⌒;;(⌒;;;; (⌒; ;(⌒ ;;(⌒;;(⌒;;;;≡≡Y Y
''''゛゛゛''゛゛゛''''゛''゛゛''''゛゛''゛゛゛'''''゛´''゛'''''゛゛゛''゛゛゛''''゛':'''''゛゛゛"""''"""''''':'"''''"""''"""'''''"''`"'''''"""''""''''""''"''''"""''"""'''''"""'
゛゛゛ '''゛゛゛''゛゛゛'''' ゛''" '''""''" ''''"""''"""''' """
:::::::::::::::::'''''''''''''゙゙゛ "゙゙゛"゙゙゛"゙゙゛"゙゙゛ "゙゙゛" "゙゙゛"゙゙゛"゙゙゛ "゙゙゛"゙゙゛"゙゙゛"゙゙゛ "゙゙''''''''''''':::::::::::::::::
- 936 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:42:22.05 ID:qSjPNxu80
-
/ ', ',/⌒〉,ヽ^ 、
/ / | | ', \/ ', / V{ \
l i| ト 、 ', /\ V / {ノ
i l渉 i|\j{ 、/ |/ ノ{ 剣呑な。
l V八 i| 斗fセ7 ' L / jノ,
|/i抖ミ\j Lり ' 「ハ / , .やはり匹磾を令支へ入れるわけにはいかん。
小 {り : |)ソ′ i{
|∧〈 i |ア i{ .兵を出して防ぐしかあるまい
| 圦 __ _ | | i{
| 、 | | j{
| \__ ‐ _| |─‐┐ /\ 、〜'´. . . . .{:.:. :.V/、 --ミ
| | __ }==={ri| ノ ̄ {/ /⌒\ ┌ 、 . . . . . . . . . . ..{:.:.: :.:.、...) /:::::::::|
| | lh l‐}==={{ | / 厂/ / 、 八:.:.:.:.:/. . . . . . . . .--八:.:.:.:.:.:',:.\:::::::::|
人 |/(_) ̄ ̄) }/ ⌒// / _ -─‐} 〉/. . 、〜'´ ̄ ̄/¨¨¨\::. ::. ::. ::..V/:{
、丶`⌒\ |/⌒{⌒「\ / { { ‐ { /. . / /::. ::. ::. ::. ::\::. ::. ::. :V/:.
、丶` xく\|7 /{_j/^ 、\ \ { 乂./ / ノ::.}::. \::. ::. ::.\::. ::. ::Vノ
/7 / /.:: .:}、/〉\::. ::. ::.\::. ::.
/ / /.:: .::.:/⌒\/〉\::. ::. ::.\::.\
,:_/ /}.:: .:: / 笊うぅ 、}::. ::. ::. ::. ::. .\::::\
乂______/.:. ノ.:.:/ 'Vツ }.:: .:: .:: .:: `'〜-\::.:\
その言葉を待っていました。 |::. ::.:/ x芯 ' '/.:: .:: .:: .:: |: ..:: .:| \::.:\
|.:: .:: .:: ::.、' ' ' /イ.:: .:: .:: : .:: .:: .: | \::.::
後は私にお任せ下さい .八.:: .八:.:込 V  ̄) |.:: .:: .:: .ノ.:: .:: .: | \
\::. :\ :::..、 |.:: .:: /.:: .:: .:: .:|
.\::. :\::.>........イ: :|.::/.:: .:: .: .:: .:: |
\.:: .}.:: .::「、) 厂/.:: .:: .:: .:: .:人从__ノ
ノ\}.://W、,:: .:: .:: .:: .: /⌒¨ヽ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 段匹磾が右北平郡へ至ると、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 段渉復辰は兵を出してこれを防がせたのだが……
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 937 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:44:41.15 ID:qSjPNxu80
-
,ィ圭||ア '’ __ ,ィ(____,ィ∵ ,ィ(_
炸圭( ,ィ升彡 ノ圭圭圭圭そ 。 佳圭、_
⌒`寸ト、 ,{抄'⌒ ノ斧ミ、 o ∴炸圭圭圭|iて ',∴ ・ _ノ佳佳佳て。
゜ ノ/ ⌒∴ ・ ノ(_ノ圭斥⌒',寸ミ、 ',.:,:・'`¨∵¨¨⌒´
,,、 // ノ( /少'⌒ ` ..,, _,.。x≦少"・ ,ィ(_
π_ノ心、_ノ(,炸||( ,,.,⌒ ・っ ∴ ・ ;,,ィ炒⌒;. c=≠二,ィ炸圭
)圭圭圭圭圭ア ∴:¨'` ` ',∴ ・ ⌒ 寸筵τ'⌒``
τ`[:圭圭圭圭(_ノ廴 τミx。、∴__ ノ廴_,ィ炸廴ィ
)}圭圭圭圭圭そ `⌒'・ __,ィ圭掛x、∵ ,ィ炸圭少⌒'・
_,ィ炸圭圭才寸圭廴。x:≦少"´⌒''''⌒¨∵¨´ ⌒¨¨∵:・ 、〜'´. . . . .{:.:. :.V/、 --ミ
⌒`寸ト、∴`寸ミ、 ∵:・ ┌ 、 . . . . . . . . . . ..{:.:.: :.:.、...) /:::::::::|
`寸そ:¨'`沁っ 八:.:.:.:.:/. . . . . . . . .--八:.:.:.:.:.:',:.\:::::::::|
\_人_人∧从_人_∧_人_从_// 〉/. . 、〜'´ ̄ ̄/¨¨¨\::. ::. ::. ::..V/:{
) > /. . / /::. ::. ::. ::. ::\::. ::. ::. :V/:.
< !!? > 乂./ / ノ::.}::. \::. ::. ::.\::. ::. ::Vノ
< ( /7 / /.:: .:}、/〉\::. ::. ::.\::. ::.
/^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^ / ./ /.:: .::.:/⌒\/〉\::. ::. ::.\::.\
,:_/ /}.:: .:: / 笊うぅ 、}::. ::. ::. ::. ::. .\::::\
乂______/.:. ノ.:.:/ 'Vツ }.:: .:: .:: .:: `'〜-\::.:\
むん! .|::. ::.:/ x芯 ' '/.:: .:: .:: .:: |: ..:: .:| \::.:\
|.:: .:: .:: ::.、' ' ' /イ.:: .:: .:: : .:: .:: .: | \::.::
.八.:: .八:.:込 V  ̄) |.:: .:: .:: .ノ.:: .:: .: | \
\::. :\ :::..、 |.:: .:: /.:: .:: .:: .:|
.\::. :\::.>........イ: :|.::/.:: .:: .: .:: .:: |
\.:: .}.:: .::「、) 厂/.:: .:: .:: .:: .:人从__ノ
ノ\}.://W、,:: .:: .:: .:: .: /⌒¨ヽ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } ……ここで、段末波が虚に乗じて段渉復辰を殺害
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 938 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:47:53.01 ID:qSjPNxu80
-
(~) (~)
.γ´⌒`ヽ γ´⌒`ヽ
{i:i:i:i:i:i:i:i:} .{i:i:i:i:i:i:i:i:}
(`・ω・)∧,,∧ (`・ω・)∧,,∧ 段末波様!
< >(ニO ・ ・ < >(ニO .・ ・
ッッ) ,_lミl !、 ゙i. ッッ) ,_lミl !、 ゙i. 段渉復辰の配下たちは皆殺しにしておきました!!
ミ_(⌒~(, (__)|`ッ ト,o_o).⌒~(, (__)|`ッ ト,o_o)
(, l!、 ̄| |ッ (, (, l!、 ̄| |ッ (,
(⌒;; _ッ/ッッ~'''''''(, ッ~゙i ゙i _ッ/ッッ~'''''''(, ッ~゙i ゙i. _ッ
(⌒;;(⌒;; .(,ッ ゙i_) |_|フニッ(,ッ ゙i_) |_|フニッ (,ッ
ッ_) ッ_) ___ 、〜'´. ..{\\
八_ノ. . . . . . 八::::ヽ^',::}
/. ./ ̄ ̄ノ:. :\:. :.:',::.
〉//)¨¨´:.}:. :\:. \:.',ノ
///.: ./⌒\\:. 、:.,\
乂__/.:// x==ミ}/:.:.\:.:l、:::::\
八込^ ノ.:.::|:. :.. :| \::::::\
|:. :、::.、Vフ |.:.: /.:: .:: | \::::::\
よくやってくれました。 ┌┌.、 八:. ::.≧=‐≦、/.: .: .:ノ \::::::\
r\\「', \:. .: ノWノ.:.:.:.:/-ミ \:::::
さすが私の精鋭たちですね .\ } l.:)/个、(.:: / \
ー' )7、__ 「__//::::/:::::|八\ l
八/// ',// ⌒¨⌒゜ |/, \____〕
{¨¨ |.八: : : 0: : : : :|//, ___|
八 :}//l .///|///, .|
\ .:::::///|X////|///, ><
/\__:////|X{/// | ///, :',
/::::::::厂7///X{/// | ///〉 :',
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 段渉復辰の子弟と配下二百余人を殺したと『晋書』『段匹磾伝』は記す。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 『資治通鑑』『晋紀』は、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j この時点で段末波が単于と称したとしている。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ ただし、『晋書』『石勒載記』では、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 同族の有力者と思われる段忽跋隣を単于に立てたとする
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 939 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:50:25.65 ID:qSjPNxu80
-
、〜'´. . . . .{:.:. :.V/、 --ミ
┌ 、 . . . . . . . . . . ..{:.:.: :.:.、...) /:::::::::|
八:.:.:.:.:/. . . . . . . . .--八:.:.:.:.:.:',:.\:::::::::|
〉/. . 、〜'´ ̄ ̄/¨¨¨\::. ::. ::. ::..V/:{
/. . / /::. ::. ::. ::. ::\::. ::. ::. :V/:.
乂./ / ノ::.}::. \::. ::. ::.\::. ::. ::Vノ
/7 / /.:: .:}、/〉\::. ::. ::.\::. ::.
/ / /.:: .::.:/⌒\/〉\::. ::. ::.\::.\
,:_/ /}.:: .:: / 笊うぅ 、}::. ::. ::. ::. ::. .\::::\
乂______/.:. ノ.:.:/ 'Vツ }.:: .:: .:: .:: `'〜-\::.:\
|::. ::.:/ x芯 ' '/.:: .:: .:: .:: |: ..:: .:| \::.:\ これからは、
|.:: .:: .:: ::.、' ' ' /イ.:: .:: .:: : .:: .:: .: | \::. 胡人が漢人の上に立つ時代。
八.:: .八:.:込 V  ̄) |.:: .:: .:: .ノ.:: .:: .: |
\::. :\ :::..、 |.:: .:: /.:: .:: .:: .:| .そう、石勒将軍のように。
rr 、 \::. :\::.>........イ: :|.::/.:: .:: .: .:: .:: |
「\\ 「V/ \.:: .}.:: .::「、) 厂/.:: .:: .:: .:: .:人从__ノ 上に立つのは、
┌\ \ 、 V/ ノ\}.://W、,:: .:: .:: .:: .: /⌒¨ヽ 強い胡人であるべきです
. \ V/ /.:: .:: :厂¨Y^Y¨¨}.:: .:: .::/ ',
{ }__ {.:: .:: ノ.......厂〉\.}::. ::. ( }
\ ノ)人 ┌八.:/乂/ /......|乂(⌒ ::::. |
. 〉、////〉¨¨ヽ 〉- / /....../ {..... .| /\ノ\ |
\///// } , ー‐ ー‐ |//, \ノ`'〜---' }
/V// } { {.............:::::::::...............|///, |`'〜------{
{ {¨⌒ 八:::::::::::::O:::::::::::::::::::|////,.| {
八 'ー‐、:::::::::::::----|/////, ⊂ニ⊃
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .また、『晋書』『劉琨伝』によると、
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 段末波による犯行は段忽跋隣との共謀だったらしい記述がある。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j ただ、最終的には、いつの間にか段末波が鮮卑段部の大人になっている。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ .今の説明でよく分からなかった方は、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 石勒派の段末波が鮮卑段部の大人になったぐらいに覚えておこう
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 940 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:51:00.18 ID:qSjPNxu80
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... ..::. .. . .. . .. .:::
:: :: :. ... .::::: :... .
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.. . .
,,-‐''"´'':、,, ,,_,__
_,,.--ー''''''"゙゙ ゙゙̄"'''''―--.,,,,,,-‐'゛.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:.: _,,.;:-−''"´`゙''ー、/ヽヾ\
::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"';,_,,.-ー'''"゙゙:,:;.,:;.:::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,:゙',`:;,':,:;.,:;.:::;.:".:;.:'"゙:.:゙,~゙"'ー-:;、,"'
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'' ;~ ; ::; : ;:; '',;''゚ ; ::; : ;:; ;~'',;'' ;~'',;'' ; ::; : ;:; ;~ ; ::; : ;:; '',;'' ; ; ::; : ;:; '',;''゚ ;~'',;
":;;;: : ;: ;: ;: ; ::; : ;:; :; : :: :; : ;:; ;~'',;'' ;~'',;'' ; ::; : ;:; ;~ ; ::; : ;:; ': ;:; ;~'',;'' ;~'',;''゚ ; ::
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.. .. . ... .::::.. . . .:: : :.. . ... ::: :::.. ... .. .. . ... ... ..::. .. . .. . .. .::::: :: :. ... .::::: :...
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(⌒(⌒ (⌒;;(⌒Y (⌒;;_(⌒≡ . __ (⌒(⌒ (⌒;;(⌒Y (⌒;;_(⌒≡ . __
.(⌒;; (⌒ (⌒;; (⌒ (⌒;;(⌒ヽヽ(⌒;;(⌒.Y __ .(⌒;; (⌒ (⌒;; (⌒ (⌒;;(⌒ヽヽ(⌒;;(⌒.Y __
(⌒;;(⌒(⌒;;(⌒;;;; (⌒; ;(⌒ ;;(⌒;;(⌒;;;;≡≡Y Y (⌒;;(⌒(⌒;;(⌒;;;; (⌒; ;(⌒ ;;(⌒;;(⌒;;;;≡≡Y Y
''''゛゛゛''゛゛゛''''゛''゛゛''''゛゛''゛゛゛'''''゛´''゛'''''゛゛゛''゛゛゛''''゛':'''''゛゛゛"""''"""''''':'"''''"""''"""'''''"''`"'''''"""''""''''""''"''''"""''"""'''''"""'
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- 941 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:53:02.53 ID:qSjPNxu80
-
(~)
γ´⌒`ヽ
. {i:i:i:i:i:i:i:i:}
. (´・ω・` ) ≡("" しかし、気が進みませんね。
(mへ◎へm) ("⌒("
/_,/>ノ、 (⌒("≡ 同族を騙し討ちするとか
〈/")/_ノミ ≡≡(⌒
(_/^~ (⌒(("⌒;;
{)::::::\ ______ ,:┐
{):::::::::::冫:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.`/:.:.|
┌n¬/____:.:.:.:.:.:.:.:.:/「):::八`、
┌=ナ'⌒:.:.:.:.:.}\:. ̄`丶:「)::::::::::|:.`、
┌y:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:/:::/:.:.:/):.:.:.:\:::::/:.:.:ハ
[|:.:.:.i:.:.:.:.:._,,'’::/:.:.://:.:.j:.:.:.:.:∨:.:.:.:.:.:.|
┌√ヘ ∨:.|<__/:.:.:.:.く/:.:./:.:.:.:.:.:.|ア⌒¨¨``丶、/
| .| | |. ∨:.:.:.:.∧:./:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.j:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\/
. /` | | |┐∨∧| И:.:.:.:.:.:.:/∨:.:.:.:.:.:./:.j:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:ハ
. | ┘ .i| ∨:.:ハfン}/}// ∨:.:./:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、:.:.:.|
j /丿 ,/\:.:| ⌒苳k,,_j/:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨:.:.|
余計な事言わずに黙って走る ,゙ ' / /\_j八 ' 弋ツ./:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.∨リ
j_ イ ⌒\ ∧ ヽ ー |:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/|/
. / 丿 V∧ >―=≦人:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/)__/ /
′ , 〉⊥ニ=―ヘ |_ \|:.:.:.:.:.:.:.:.:.::(_ / }
{ / ,x≪⌒¨´ |///\__>―┬―=≦ / ,/
. 八 , ゙x≪ |///////////,\ _//
. `¨¨ \_\/////// >―‐</
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ ⌒\____,,x< ̄_/::
√::::::::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『魏書』『段就六眷伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 段匹磾は密かに鎧を巻いて進み、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 従叔段羽鱗と段末波の殺害を望み、彼らの国を奪おうとした。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ ここで出てくる段羽鱗は、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 先程名前が出た段忽跋隣の別表記と言われている
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 942 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:54:37.20 ID:qSjPNxu80
-
1! | i
i|l__il___i! | i | | l|
l| ___ l|i |!__il_l!_|i l|__i!_l|i l! ! |
|l i|l ̄ ̄l|! i|! l|____ i|l li___ li! i|l__il_l!
i|_l|! i|l |l  ̄ ̄ ̄ ̄l| l|  ̄ ̄ ̄`i|_li ー====, /
/' /' /'^7' l|__i! il^i! i^l! </
/ / / /  ̄ /' / /_/
 ̄  ̄  ̄
{)::::::\ ______ ,:┐
{):::::::::::冫:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.`/:.:.|
┌n¬/____:.:.:.:.:.:.:.:.:/「):::八`、
┌=ナ'⌒:.:.:.:.:.}\:. ̄`丶:「)::::::::::|:.`、
┌y:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:/:::/:.:.:/):.:.:.:\:::::/:.:.:ハ
[|:.:.:.i:.:.:.:.:._,,'’::/:.:.://:.:.j:.:.:.:.:∨:.:.:.:.:.:.|
┌√ヘ ∨:.|<__/:.:.:.:.く/:.:./:.:.:.:.:.:.|ア⌒¨¨``丶、/
| .| | |. ∨:.:.:.:.∧:./:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.j:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\/
. /` | | |┐∨∧| И:.:.:.:.:.:.:/∨:.:.:.:.:.:./:.j:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:ハ
. | ┘ .i| ∨:.:ハfン}/}// ∨:.:./:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、:.:.:.|
ん? j /丿 ,/\:.:| ⌒苳k,,_j/:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨:.:.|
. ,゙ ' / /\_j八 ' 弋ツ./:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.∨リ
j_ イ ⌒\ ∧ ヽ ー |:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/|/
. / 丿 V∧ >―=≦人:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/)__/ /
′ , 〉⊥ニ=―ヘ |_ \|:.:.:.:.:.:.:.:.:.::(_ / }
{ / ,x≪⌒¨´ |///\__>―┬―=≦ / ,/
. 八 , ゙x≪ |///////////,\ _//
. `¨¨ \_\/////// >―‐</
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ ⌒\____,,x< ̄_/::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 立場の違いこそあれ、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 段匹磾と段末波の考えていた事はほぼ同じだったようだ。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .どちらが相手に先んじて鮮卑段部の主となるか
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 943 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:55:56.55 ID:qSjPNxu80
-
(~)
,へ,__ γ´⌒ヽ
_| i `ヽ{i:i:i:i:i:i:i:i:}
.//| 〇__(`・ω・´) 敵襲です!
(/./⌒)___,>、_ ) (´⌒(´⌒;;≡≡
.|/ //、 ヽ、_ノ (´⌒(´≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
/ //^ヽ、i |≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
(___./ ̄`⌒ヽ、 丿(´⌒(´⌒;;
{\ __| 〉〈 `:、
∧ \ _、丶`.:.:-‐┴‐--ミ ‘,:..、
〉:::〉 `丶、丶´ ̄.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\ ‘,.:.\
〉:::〉/ ̄}/.:.:/:/:::::: |.:.:.:.\.:.:.:.:.:.:.:.\〉.:.:.:\
{_/:::::/.:.:./.:. /::::::::::|.:.:.:.:.:.:.\.:.:.:.:.:.:.::\.:.:.:.:\
/::::::/.:/.:./.:.:.:.:/:::::::::::/:.:.:.:.:.:.:.:.::|.:.:.:.:.:.:.:.::∧.:.:.:.::.::.
{_//.:./.:.: |.:.:.:./::::::::/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧.::/.:.:.::/.:∧.:.:.:.:::.i
. //7:/: :/ |.:.:.|.:.:./::::/.:.:.:.:.:.:./.:.:.::/ 〈.:.:/.:.:./.::∧.:.:.:.:|
く/ /:/.:./ :.:|.:.:.|///.:.:.:.:.:.:.:/ |.:.:/,.-‐∨:/ |.:.:/.:.|.:.:/ ̄ ̄\
/7.:./.:_|//:^メ廴__.:.:.:.广「/´: : : : :.∨.:.|.:.:.:.: |:/.:.:.:.:|.:.:.:.:.:\
こんな所で!? |イ.:|⌒T¨´.:|\|: : :\/: : : ッf灯⌒フ |.:.:.|.:.:.:/.:.:.:. : |.:.:.:.:|.:.:.:\
|八: :.:.:\.:ャヒ巧ぅト: : : : : : 乂ン j.:ノ|/.:.:.:.:.:.:./.:. :. |.:.:.:.:.:.:\
どこの誰よ!!? /: : :\: :.:.:.:込乂ン /.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.::|.:.:.:.:.:.:.:ハ
. /: : : : :| \.:.:___):、 ' J /.:.:.:.:.:.::/.:.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:./.:.::|
/:/: : : : |.:.:.:.:/┌‐、〉 ┌〜 つ /.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:/.:.:./.:.:.:.:.:./.:.:.:.:|
| |: : : : : \_:|/^''込、 '⌒ ̄ |.:.:.:/.:.:./ ̄.:.:.::/.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.::|
| |: : : : : : :| />、〉:.>。, イ ヽ/.:.:/.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:/
い,: : : : : ::|  ̄ ̄〉.:.:.:.:|'´うT } /.:.:/.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:/
\\.:.:..:∧  ̄_}.:.:.:.:|/ } / |.:.:/.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:イ.:.:.:.:.:.:/
\\.:.:∧ ∨.:/|\_ ___,|.:.|.:.:.:.:.:|//⌒>く.:.:.:.:/
- 944 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:56:50.74 ID:qSjPNxu80
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|\
|.. ∧
|.. ..∧
「/> ,. |.. .. .∧ /|
|/////>-┴……・・・・…‐- /_,|
|//// /\ } //. . /
( \ V/ < > ノ /. /. . . ./
\ \ __ /{ \_∠二ニ=- ┬彡ヘ . /. . . ./
\ \ / _) ////Vニ二¨ ̄ ノ: : : : : :\__/
i⌒ヽ ヽ { { \// / __ -=¬彡: : : : |: : : : :.
┌\ \ ,ノ } /人 ¬冖二 //: : :丿: : l : : : : :.
\,)\_) ノ、 //: : :; :>- -=彡イ: : : : : /ヘ: : j__ : : : ::
⌒ヽ、__ \ // /: : :′:: : :lィ芹ハ: :_;_ノイ -─ 辷ニ: : : : i
\ \// ,: : : :j : : : : j ,乂ツ 芹ハ l/: : : : : : : !
\ \ {: : : :{: : : : :l{ "" 乂ツ/ /.: :: : : :| とつげーき!
ヽ \人 : 人: : : :八 ' "",ノイ: , : ; : : : :|
\ \ヘ: ::\: : : :\ ヽ ノ .:/: :://: : : : : |
ヽ、 \}\: 丶: : : :丶 __ ィ厶イ : : : : : :_ノヘ、
{ \ } ∧: : : : : : } {、: :{/: : : :ノ: :/ヘ \
\__人_人从_人_人从/ {\ >-< ∧: : |: : :jヽ、_)\{: :__彡イ{ヘ、 /
_) (__ { }: :ノ: ::人 \ 八: : : :{ 人 _/
) 末波ッ!? ( 人 __彡イ \// \: :{ \ `` :、
 ̄ ̄) ( ̄ ̄ \ { : : /,人__>-‐─━━─ミメ、 \ \
/⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\ \ 乂_{_ {二二二[(⌒)]二二 } j\ :.、
>---ニア }二二ア⌒\二二{ /j \ \
- 945 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:57:37.09 ID:qSjPNxu80
-
ーヽ、_ |:.:.:.ヽ\!ililノi \ヽ ヽー_-_-;_ 〉 イ〃/⌒ヾY、イ:ヽ_:\
ィー-;ゞT:ヽ λ:.:.:.:.:\!il{;∧ ; ヽ _ ー_7∧/.:.| `´ // 入_,. ,ヘハ:ソゞヾ=y ,
-─‐、|」xヽ f:.:.:._; ィ/;i;i|l/〈ミ!: , :.:.:ヽ 7¨/.:.:.:{、 // ,._∧ヘヾ-'才 ノ ./}べ>イ<ノヘ
:;:7ノ .!ト、ヽ}li、/ rイ;i;i;iLィ〉ヾ,:' .i:.斗-‐ '"`ヾニ、 〉 イ';Y{.(ニ-≧← " ヽ/' スイ´ 〉ノ
:;:; ,ヽ i.! ヾ;lil! .};i;「´ 〈 ;:/ i,.┴z彡,  ̄ ∧_!ノ/7、メ゙ .{{ イパ, ヤi、
'"f'’i !/,i i',ヽ>、ヾハ ./ / /´ ̄,./'⌒ヽ-、 .!:.:i. { 7¬;', : ヘ、' / ヽ;'⌒Yilト
>' ヘ!k , } }a l. ! _,.zx、、 ' /八i。 _λili-、ヤ:i. У/iヽ:'ノ'チ、ヽ=,ォ=ハヽ'∧i! }i
ヾ; r) .// ,! .| | 彡'´>'"ヽ r/´ト、:、:ヾ:`:>=彳/_:`ヽ:.、L': :!レーァィ彡ヘ !トx`¨ '//!
ー-`イ`/ヽ/ イ | | r',、_,.才=, ト-ソXaヽ: ミi-‐i'"巡ぇl-':.:._z彡/彡' ' \ v/ヾ /ヾイ.:!
`` ー‐'=≠;:;:{ ! !_/Xゝ='、リ:/ヽ从∨、 \:.、-=ノ \、-彡' /ヘ. \ .}:.:.i
`ヾ:.:.:.:.:k';:;:;:;/ ∠!ヘY∨-‐''"i才-ヘ1 ヽ寸、i - _マヾ゙ ; 7ー- _/__/ヘ_≠=;、Y:.:.;
.\、 ヾ:!./:イ 〈: fゝイ才¨ ̄./イ/┴!` ヽz⇒、≧ /: ヽ ' ,/  ̄/¨7/ ヾ  ̄ゝィ 〉:.{
ヽヽ 、∨ ハ 才/〉':≧メ ||./ ; /イ;i>イ 、:/ヘ メ /'" .:/i \、 i >:ノ
ヽヽ_,∨リ,,. -、ニ:Y :/!゚:ヽ:,'; ; ' '入 ! /べ;i;{:.λ; ヾ_ヽY_ /' / ,ハ ヘ、_〉 }:.:{ : . .
≧三彡<、ヘ: !i;りヾ:-ヽ/ゝr '゙八`ー≠'" :;ik/:.:.:T゙´ヾヘY ヽ、 ヽ \ /'.ノ! : . : :';.:.ヤ : : . : . .
,. -‐_ォ八 _,. Y:∨´`〈λ:iノメ゙ ∧ ヽ :.、 :.. / ハ:.:.:.! l lヾ`ー 二/ヾ´.イ、 : . :.i:.:.ヤ : . : :
./ /:}=;へ-イ:/ ;!`// i.|il!.!- '" ヽ\ 、 - 、 / /.λ:.:.:v, / .l l ヾ 7/¨,.. ハ. . : .: : : . . : . .
-`∨λ:L:_:ヾ才メ´,i.!ヾL!il_!、∨ \ ー--,'べ / iー-ミヘ | ! .//'"_ _ | : : : . : . :
ノ:/:トヾr: ┐!メ ;' .!| 爻ヽツヘ∨ ヾ` ーイ=イ , 八 ヾ:i ,′ :,/イ:..´ !
//:i: /:>ハ/_:_:{; ィ .|| `ミミx ヽ>、 f ヽ` 、 } ,}/ .ハ レ .:/´ ` ヾ、. .:ヽ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
:_: : 才ヘλ: ; ヘ' || ヾミミ ',/ \ ゝ、 \∨ ヾ、:.:.:.:', !: : : :{ }`.:.:}
i : T: : / У´ ヘ.\!! ,-ミ爻 i ヽ ヽ. }、 ) .:.Y ',:.:.:./ . . /:.:./ . : .
ゞ:、!:_イヾヘ' \'; ヾ、ヾ:.:、 ミ爻,ハ \::. :ヽ ヾ:.:/ : . ノ:./ . : : . : . : : : . : . .
/ilililiア、_ノヘ\! ト'f _',、ヾ、才≠爻_,. ー、:.:、 }:.:! : . : . . : . : : . . : : . .
ilil/、ヾ ! i ヾ`¬.\- ヾ, Y/ミ{ヾイ }:.:.ヽヾィ : . : . . . .
'"ヾ:.:. ヾ\ヽ ヾ:. ヽ\ 入ー_ 才`} : . : . ノ:.:.:.:i : . : . .
ヾ:.. `f¨¨\ヽ ヽ\ ヾゝ _ 〉{ : : : . . :` ー ' : . :
`!ーイ ハ '; ヽ\ ', 〈 : . : . . : .
ヽ \ ヽ :.{ `ー 辷_ソ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
}, 入 廴 :.Y
ヾ/ ヘ :.ヽ
- 946 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/25(土) 23:59:13.17 ID:qSjPNxu80
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i:::::::i )/
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,!,,,、( /:: ノ:::::::::::::::::) 。 !::::::::::`! 、
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i/
- 947 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:00:03.50 ID:YokoiBxb0
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_,,.--ー''''''"゙゙ ゙゙̄"'''''―--.,,,,,,-‐'゛.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:.: _,,.;:-−''"´`゙''ー、/ヽヾ\
::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"';,_,,.-ー'''"゙゙:,:;.,:;.:::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,:゙',`:;,':,:;.,:;.:::;.:".:;.:'"゙:.:゙,~゙"'ー-:;、,"'
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.. .. . ... .::::.. . . .:: : :.. . ... ::: :::.. ... .. .. . ... ... ..::. .. . .. . .. .::::: :: :. ... .::::: :...
\_人_人∧从_人_∧_人_从_//
) >
< 申し上げます! >
< (
/^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
,ィ!´ ̄``i''ー─- 、、、,,_
イ三二二ニニニゞ ( j〉 」´ ̄ ̄``ー-、ヽ .,.:,..:.. .,.:,..:..
... ,... ``ー─'"´  ̄ ̄ ̄ ̄
,ィゞ .,.:,..:.. .,.:,..:.. ... ,...
ー====- ー====-
... ,... .,.:,..:.. ... ,... .,.:,.
_, -─‐- 、ー‐-、ー-、 ;: ;:;: :;:;: ; ; ,ィゞ
,イ、,r'⌒ヾ ヽ ヾ ``''ー- -、-‐''"´ヽ;;: :;:; ;:; :;:; ;: . .,.:,..:..
,r/ (::;;:;:;;/ー-、 j `, _ /ィ´ ;:; :; ;:; : ;: ,ィゞ
ヽ 「i''ー'"´ ,r-‐'ー''''"´ ̄
- 948 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:00:51.04 ID:YokoiBxb0
-
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
≧ 段匹磾は逃走した模様ッ!!! ニ=-
≧ ≦
/\ /Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
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┌=ナ'⌒:.:.:.:.:.}\:. ̄`丶:「)::::::::::|:.`、
┌y:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:/:::/:.:.:/):.:.:.:\:::::/:.:.:ハ ,,⌒\
[|:.:.:.i:.:.:.:.:._,,'’::/:.:.://:.:.j:.:.:.:.:∨:.:.:.:.:.:.| / `、 くそっ!
┌√ヘ ∨:.|<__/:.:.:.:.く/:.:./:.:.:.:.:.:.|ア⌒¨¨``丶、/\ `
| .| | |. ∨:.:.:.:.∧:./:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.j:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\//∧ /\ `、 .先を越されたか!!
. /` | | |┐∨∧| И:.:.:.:.:.:.:/∨:.:.:.:.:.:./:.j:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:ハ∨∧/ /:.:.丶、 \_ ___
. | ┘ .i| ∨:.:ハfン}/}// ∨:.:./:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、:.:.:.| ∨∧ |:.:.:.:.:.:.:ハ `丶/⌒Y
j /丿 ,/\:.:| ⌒苳k,,_j/:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨:.:.| ∨/ j:.:.:.:.:./ \_\〉 |[
. ,゙ ' / /\_j八 ' 弋ツ./:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.∨リ У /:.:.:./ / ⌒Y _.八
j_ イ ⌒\ ∧ ヽ つ u |:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/|/ ./ .:.:.:/ / \/∨ / |
. / 丿 V∧ >―=≦人:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/)__/ /\// ./ / \_.丿
′ , 〉⊥ニ=―ヘ |_ \|:.:.:.:.:.:.:.:.:.::(_ / }/ハ ̄\ , ゙ /
{ / ,x≪⌒¨´ |///\__>―┬―=≦ / ,//| |:::::::::::\ / /
. 八 , ゙x≪ |///////////,\ _// /:::::::::::::::::∨ /
. `¨¨ \_\/////// >―‐</ /::::::::::::::::::::::| , ゙
⌒\____,,x< ̄_/::::::::::::::::::::::::::/ /
√:::::::::::::::::::::::::::::::::/_/┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 段末波に迎撃された段匹磾は薊へ逃げた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 949 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:02:00.17 ID:YokoiBxb0
-
(~)
.γ´⌒`ヽ
{i:i:i:i:i:i:i:i:}
(`・ω・)∧,,∧
< >(ニO ・ ・
ッッ) ,_lミl !、 ゙i. ついでに劉琨の息子を捕らえてきました
ミ_(⌒~(, (__)|`ッ ト,o_o).
(, l!、 ̄| |ッ (,
(⌒;; _ッ/ッッ~'''''''(, ッ~゙i ゙i
(⌒;;(⌒;; .(,ッ ゙i_) |_|フニッ |lヽヽ //:.l|
ッ_) {|:.:.ヘ v, //:.:.:l}
ll:.:.:.:.}ゝV/_ -──-v/:: :{:.:.:/'
V,:.:.:l{l:_{\_}:: :: :: :: :: :: `` V/
_〉<>'_/''/_}::∧:: :: :: :: :: :: :: ::\
/l/v{, rl-'/`::/ V/: :: li:: :: :: :: :: :.
. }_/l/''v/⌒::l.〈 .〉::l:: ::ヽ:: :: ::',:: :::.
l:: :: ::l: l:/l:∧ /::_斗―-}:: :: :',:: :::.
l:: :: ::l, 斗''~:.∨:: l:l|. \:: }:: :: ::l:: :: :)
l:: :: ::li::l' ',:: :: li{xf笊ミ}:: :: :l{\lヽ
くっ。 {l:: :: ::l'xf笊ミ\lヽl乂ソノ/:: :: :i::ヽ、}:|,
,{:}:l:: :: 《乂ソ ' 丿: ::l:/l:: ::V):}
殺しなさい {:l::〉V/: 〉 r ヽ ゝ_/_//:',:: V/,
. /:〉:/\_/}:.、 ゝ_ノ /:.:.:l:: :.:.',:: V}
{/::/:: :: ::/:}:.:.≧- _ イ:.:.:.l.:.:.:i:: ::.: ',:: :∨/
/::/:: :: ::.{::/:._-、|V^vV^V-、V/l:: :: . ',:: :∨/ n r_ァ
/::/:: :: r-V,i:i:i:i:i:iv-{〉-〈}-_/i:i:``i:rt、: : ',:: :∨/.ノ.}/>〕>、
/::/:: :::./ ' V,i:i:i:i:i:i:>、〕l〔/i:i:i:i:i:///V,:: :.',:: :∨} | `/7/
/::/:: : :./ V,__、r- 、〉〈_,, -tヽ/// V,:: :.', 〉/.丿:ノ_ ´
- 950 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:04:33.72 ID:YokoiBxb0
-
八_ノ. . . . . . 八::::ヽ^',::}
/. ./ ̄ ̄ノ:. :\:. :.:',::.
〉//)¨¨´:.}:. :\:. \:.',ノ
///.: ./⌒\\:. 、:.,\
.乂__/.:// x==ミ}/:.:.\:.:l、:::::\ 劉琨殿の御子息の劉群殿ですね。
. 八込^ ノ.:.::|:. :.. :| \::::::\
|:. :、::.、Vフ |.:.: /.:: .:: | \:::::: あなたが弔問に来る事は
八:. ::.≧=‐≦、/.: .: .:ノ \ 薊にいた者から報告を受けていまして。
\:. .: ノWノ.:.:.:.:/-ミ
l.:)/个、(.:: / .劉琨殿の私たちへの御厚情には感謝感激です
「__//::::/:::::|八\ l
// ⌒¨⌒゜ |/, \____〕
八: : : 0: : : : :|//, ___|
|: : : : : |: :
―‐ .\: : :.ノ:|
___ /: : : : : : : : : : : :<__ノ\
_ . . . . . --{{: : : : : /.: : /.: : : :. :. :.\ : : \ : : \
r=ニ: : : : :  ̄ ̄乂_. / : : : : |: Λ.: : : : : : : : : : :. :. :.|: : .
-=ニ: : : : : : : {{_/ : : : : : |〈 〉: |\.:. :.:.|.: : : :.∨: :|: .
 ̄ ̄ 〔__/ : : : : : : |: ∨: :| \ :|: : : : : |\|: :|
( ̄( ̄ ̄Λ|.: :. :. .:.//|: : : : :|⌒\:|: : : : : |.:. .:./ 〉
\ \_/'⌒|.:. :. .:.//⌒ : : : : |.斗宍气: :. .: :「 ̄:ヽ 〉
/ ̄/ |: :|: :/斗宍ミ\Ν ヒ/リ| : : : : 八ーく 〉
( ( |: :|: :| :. .V'り " |: : / /:|.: : :.∨
. /\/ \__八 : : | バ" ' |/∨ :|: : : : |
(_ / -―-ミ人 ` |:. : :| |: : : : |
(r―‐:/C:..:..:..:..:..:..\> _ イ /⌒|: :| |: : ∨|
__r┴ /C:..:..:..:..:..:..:..:..:.. |―‐┘∨⌒ |: :| |: : : 〈|
. _i⌒)__)/C:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:../ // \ ヽ| |: : : : :\
i⌒V ( (_ ̄~^'' 、:..:..:..:..:..:..:/ 乂_/Λ __|:乂__.: : : :.\
|__r‐〈 \ └<_/ \:..:..:..:: _、-''´ ∨/|/\_ノ:.:乂__ノへ: : :.\
- 951 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:05:27.08 ID:YokoiBxb0
-
|:::、 /:::/
|:::::\ /::::::::,
(⌒)::::::{ヽ-〜''"¨ ̄ ̄¨''-、 //:::::::::/
┌──ミY⌒Yノ-------------./___ /:::/:::::::::/
\///// ̄/-----〜''¨¨¨¨7:: :: :: :\:::{::::::::/
\/::/_/ /-/ ノ:丶:: :: :: ::\::ノ
/----/-/ /i|:: :: ::}:: :: :: :: :: :.
------/ /: / |: : ::::}:: ::\:: :: :::.
八___{/ .. ..-〜':: :: / ノ:: : 人:: :: :::\:: :::.
///{ /::/: ::\__//:: :: /__ノ\::___::\:::.
///八/::/:: ::l:: :: :/:: :: :: / x==ミ</>:: ::\
/////:/:: \____/ー‐‐=彡 ん(_, Y:: :: :: :: 、) .そこでですね。
/--彡//:: :: :: :: ::| 乂ツ 乂ツ |:: :: :: :: ::.
:: :: :: :: :: :| 、、 ' 、、, |/:: :: :: :: l 私たち鮮卑段部は、
|:: :: :: :: :込、 ┌ ┐ //:: :: :: :: ::| 劉琨殿を幽州刺史に推戴したく思います。
八:: :: :: :: :: :: \ ノ ノ/:: :: :: :: ::/
////、:: :\:: :: :: ::'`≧=-=≦´:::::ノ:: /:: :: //、 .ぜひ劉群殿も協力して下さい
//////\:: ::\:: :: :',∧X∧_//:: :: :: ////\
./////⌒7\:: :::\:: }--〔〕‐‐//:::/: :: /¨\////,
///// ┌'⌒)::\:: :: : }--个--乂/:: :: :://¨⌒i//∧
/////_____} /⌒>、: \::./--/----/:: :: :: :::/\ \ }///∧ γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
///ノ 八 //)\:: ::)-/ |--八:: :: :ノ/ ノ\__∧ | ………… |
//⌒ノ---ミ ', ///-/. L----)八 7 / ___ノ/∧ ヽ________乂
/// / /_} }八 ) l| |l ( { ノ\ \/∧
/// {---、__ノ. { l| |l } 乂/---} 〉/∧
///{ 、-// } l| |l { }\-/ \.∧
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 段末波は劉群の身柄を得て、彼を厚遇している。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j これが『資治通鑑』『晋紀』にある
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .右北平郡で起こった事件の顛末となる
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 952 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:06:24.62 ID:YokoiBxb0
- 【紀元318年1月 晋 幽州 薊】
∫ι__________ ./丁了
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ
||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | || \__人_人从_人_人从/
||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | || _) (__
弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ ) 大変ですっていう!! (
弋ェェt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ェ,ィ  ̄ ̄) ( ̄ ̄
il_,└───────┘ , i! /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
| ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l
|| ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄||
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|i | ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄||
 ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ || ̄! ̄ ̄/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄.|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i  ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~ ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l  ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`ll`l
l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″|  ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄  ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾ| ̄`.. ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ | ̄ ̄ | ̄!,, ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ll
| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄___
''- .._ ~""''' ‐- ...,,__ _,,..-‐''~""''' ‐- ...,,___,,.-‐'
- 953 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:08:30.92 ID:YokoiBxb0
-
|┃ /ニYニヽ
|┃ ./( ゚ )( ゚ )ヽ
|┃ 三 /::::⌒`´⌒::::\
|┃ | ,-)___(-、|
|┃ . | l |-┬-| l | 段匹磾の一行が
|┃ \ `ー'´ / .右北平郡で他の段部の軍勢に襲撃された模様!
|┃ / `ヽ.
|┃ 三 ./ \ .段匹磾及び劉群様の生死は不明!!
,⊆ニ´⌒ ̄ ̄ " y r、 ヽ
⊂二、 ,ノ──-‐'´ | | l" |
|┠ ' | l/'⌒ヾ
|┃三 | |ヾ___ソ ,、丶`  ̄ ̄ ̄ ``丶、
/ _ -‐\ \ \
, -=二ニニニ=-\ \ ヽ _ -=
/ニ=- \ \ ヽ ', /二二
/' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ=-
/ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄_
|八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二二
i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、  ̄ ̄
| | ,ィ=ミ\ `" `、 ( ノ人 \
!? |i 爪 vリ __、 〈 ヽ \
八 ハ ' \、 \ \
ヽ 込 、 - / \ \
| 个 ィ / ' \――― ミ
| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒ヽ
__ | | i 八 / '// / ' \
/ ∧、八 |{_// / ' , i '⌒
- 954 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:09:30.35 ID:YokoiBxb0
-
. \ニ=- _ ∨_-_-_-_━─-...ミ
\_-_-_->'"~~~"''〜、、::::::::::::::::\
\_-/:::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::\
. /∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::::::::::::::::.
〈__,{:八:::::::::::::::::`、:::::::::::::::::::`、::::::::::::::::.
. .::|∧:::::\:::::::::::::::`、::::::::::::::::::|::::::::::::::::::
.::/|:::∧:::l_,,.`'<:::::::::`、::::::::::::::|::::::::::::::::::|
/:/:::|:::::::}:/斗-=ァ\::::::|::::::::::::::|::::::::::::::::/ そんな!
.::/ j八::::从 V} ' |:::/::::::::::::::|:::::::::::::::
〈:〈 /' l:/':ノ |/::::::::::::::/:::::::::::::/ .滅茶苦茶だわ!!
`>> l:::::\ /:::::::::::/::::::::::::::::{
(:::( l::::::::::::... っ /::::::::/!:::::::::::::::::::::::. _
)ノ 八:::::::\:::\ /:::::/ |::\::::::::::::::::::::... ⌒):)
\:::::::\::::/::/::::}/|:」 \::::::::::::::::::::::...../
\::::::∨::(、:::/ /-_-_⌒\:\:::::::::...
.:::::::::::)\::::::...... /-_-_-_-_-_-_`、:\::::/
〈::::厂/-/\::::::ノ/-_-/-_-_-_-_-_.}l:::::\
/ニYニヽ
/ (0)(0)ヽ
/  ̄`´ ̄ \
| ,-) (-、.|
太尉。 | l ____ l |
\ `ー'´ /
このような時に無礼を承知で申し上げたいっていう /⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
- 955 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:10:22.03 ID:YokoiBxb0
-
/ニYニヽ
/ (0)(0)ヽ
/  ̄`´ ̄ \
| ,-) (-、.| 段匹磾は必ず薊へ逃れて来るはずですっていう。
| l ____ l |
\ `ー'´ / .これを捕えて殺してしまうべきなのでは?
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
,、丶`  ̄ ̄ ̄ ``丶、
/ _ -‐\ \ \
, -=二ニニニ=-\ \ ヽ _ -=
/ニ=- \ \ ヽ ', /二二
/' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ=-
/ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄_
それはできないわ。 |八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二二
i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、  ̄ ̄
夷狄を義によって服従させるのは難しい。 | | ,ィ=ミ\ `" `、 ( ノ人 \
|i 爪 vリ __、 〈 ヽ \
誠意を包み隠さず示さなければ 八 ハ ' \、 \ \
ヽ 込 、 - / \ \
| 个 ィ / ' \――― ミ
| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒ヽ
__ | | i 八 / '// / ' \
/ ∧、八 |{_// / ' , i '⌒
- 956 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:12:46.66 ID:YokoiBxb0
-
-ミ _、-st¬…ー-ミ
{.:.:.:.:\__,;n”  ̄``丶、\
>''"゙゙ア´ | \ \.:\
{.:.:.:.:.:/ | | :.. ハ__、
_,,乂_/ | 人 -‐ | / } ◇∝∝
. ⌒7 / 八 \」抖牟辷| ; ∨⌒
-ミ / | 丶、 \凵┘| / | :.
i⌒ j{ l| : | 丶、_> ノ 厶ィ 八 ::. …………
乂___从 | |乂_( ⌒7/ ソ´ ) :
乂__彡ヘ八 八从 / // :
,,_ /∨/〈 |>、 '^ 乂_(/⌒ン′ |
../ / /  ̄. .)>。, <⌒iニニ´-ミ ノ
/⌒¨´ . . ./ _,.ニミ夭n_n_n{ / \゜ |\ ____| |
../ . . . . : : / ̄/ ̄/┐┌‐ァ'’ ◇ | >''" ̄ ̄~"''マ \
. . . . : : : _,、◇ 厶=-く::::ノ .ノ/ ◇ 「∨ /\ \ ヽ
_,. - ⌒ {  ̄ア゜ ◇ くoア i | | ト⌒ i i
/ ◇ \ハ__/◇ ` / | | |/⌒' | と才ミx. | |
| | | .斗と灯 |/ Vり | | |
| ノ|[| | Vり ''| | |
ヽ\{ \'' < フ | | 八
ノ人 ト .__ノt__イiノ 人 _>
゚7,ア| |ア ___う/ 厶_ \
それでこそ、一流の士大夫に相応しい振舞いかと '⌒| )アL_/ ̄ ( Lア¨ )
ノ / 厶三ニ三⌒))--=彡
[ / /, i o o T゚L _ム
゙(__,厶] i o /o _} 厶tニノL \
_厂 ¨ 7  ̄{ マ¨T /
/´/ /-ヽ, \ `弋¨
t/ / /二i二\ \ \;-t
(⌒ )\ ノ/ 二i二二| } ( ⌒)
- 957 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:14:09.81 ID:YokoiBxb0
-
-――-
/__/ -―- ``丶、
'/ /::/  ̄ ̄ ̄ \ \
/ ∨ \ \ \
i | |ヽ \ \
i | | | | ト ⌒ヽ
| | | / /'| {xミ |
| :八 / / | 佗 Y 八
/ _ ∨! , \ x=ミ |/ , "|' ヽ
. / /⌒ヽ }/ / _∧ /vツ ' | i 国家の厚恩を受けながら返せなかった。
- / ⌒ --=彡' / ( 、 、 " , / | |
/ / { / / } / ト ∧ ト ___ /! ; , 才知至らずとはいえ、
// , 八__/ /⌒'/ / ヽ∧ ∨:./: : :.:| | / .厄運に巡り会ったのもあるでしょう。
. / i 、 { /____./ __ \、 ∨八从| |:/
l / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/  ̄ ̄ \ \ | / 死なない者はいないし、
/::  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄::/=x==ミr―、 \ \ | , 死ぬか生きるかは命運次第
/:::/ ̄/:::::::::::: / } / へ 7}八ヽ八{
. /:::::::: ̄ ̄::::::::::::::/ | |八 {/|///| ̄ヽj \ )
/:::::::::::::::::::::::::::::::::/:/ | | /} |///| i: \、
/:::::::::::::::::::::::::::::::::/ ノ_,ノ 人 / -―-ミ / { /=|
/::::::::/ ̄/:::::::::/ / | ///////〉二∨, __/二:|
. /:::::::::::::: ̄:::::::::::: / / /-=二二二二二} |/|ニニ,
.::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ / /∨==/ ̄ ̄\ニ/_//,|ニ=/
- 958 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:14:52.23 ID:YokoiBxb0
-
-――-
/__/ -―- ``丶、
'/ /::/  ̄ ̄ ̄ \ \
/ ∨ \ \ \
i | |ヽ \ \
i | | | | ト ⌒ヽ
| | | / /'| {xミ |
| :八 / / | 佗 Y 八
/ _ ∨! , \ x=ミ |/ , "|' ヽ
. / /⌒ヽ }/ / _∧ /vツ ' | i
- / ⌒ --=彡' / ( 、 、 " , / | | 下は節義を一地方で尽くせず、
/ / { / / } / ト ∧ ト ___ /! ; , 上は誠心を陛下に示せなかった。
// , 八__/ /⌒'/ / ヽ∧ ∨:./: : :.:| | /
. / i 、 { /____./ __ \、 ∨八从| |:/ .それが心残りね
l / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/  ̄ ̄ \ \ | /
/::  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄::/=x==ミr―、 \ \ | ,
/:::/ ̄/:::::::::::: / } / へ 7}八ヽ八{
. /:::::::: ̄ ̄::::::::::::::/ | |八 {/|///| ̄ヽj \ )
/:::::::::::::::::::::::::::::::::/:/ | | /} |///| i: \、
/:::::::::::::::::::::::::::::::::/ ノ_,ノ 人 / -―-ミ / { /=|
/::::::::/ ̄/:::::::::/ / | ///////〉二∨, __/二:|
. /:::::::::::::: ̄:::::::::::: / / /-=二二二二二} |/|ニニ,
.::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ / /∨==/ ̄ ̄\ニ/_//,|ニ=/
- 959 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:18:00.44 ID:YokoiBxb0
-
∫ι__________ ./丁了
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ
||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | ||
||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | ||
弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ
弋ェェt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ェ,ィ
il_,└───────┘ , i!
| ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l
|| ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄||
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|i | ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄||
 ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ || ̄! ̄ ̄/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄.|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
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| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾ| ̄`.. ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
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| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄___
''- .._ ~""''' ‐- ...,,__ _,,..-‐''~""''' ‐- ...,,___,,.-‐'
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| まったく、散々な目に遭ったもんだ |
ヽ_________________乂
- 960 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:19:58.02 ID:YokoiBxb0
-
|人>::∧
/\ ,....:.:.:.:.:.:.:|人>:::: ト、
<人>\___/:.:.:.:.:.:.┌i.:―ミ::::|:.:.\
<人>:::::::::/:.:.:.:.√|:.:: Y:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.ヽ
<人>/:.:.:.:.:/:::リ:.:.:.:|:|:.:.:.:.:.:.:.:.`、:.:.:.ハ
匸[_匸_]:.:.:.:/:::/:.:.:.:.//:∧:.:.:.:.:.:.:`、:.:人__
,≫―==彡/::/_/:::/:.:.:.:.〈/:/ ∨:.:.:.:.:.:.:|:.√ ̄\
.く/ ┌―=≦∠__/:.:.:.:.:.:.:.:厶イ ∨:.:.:.:.:.j/:.:.:.:.:.:.:.:.\ いやぁ。
/¨¨¨ア:.|:.:.:.:.:∧¬ト/}/ ∨:./:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:`、
./ ∠__:.:|人:.:{ ,≫¬y -=彡 У:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、 .御心配と御迷惑をおかけしました。
/ ,,‐┬'’:.:.:.:.\ヽ弋ツ '''/:.:.:.:.::/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、
,′ /´ /:.:.:\:.:.:.:.:.:.ハ ''' /:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧:| .文鴦を冀州へ行かせたのは失敗だったかもね
.′ | /:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.込、 - |:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. 〈 <ノ
. ′ .| ./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.> イИ/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./}∧:.:.\_ノ〉
.| |∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、__/ア┘ |:.:.:.:.:.:.:.__/⌒\ `'ー‐彡
i | |{_人:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ ./` ´/|:.:.:.</::::/: : : : : : \
|. ├―ヘ \:.:.:.:.:.∧.:.::| |'⌒У 八(⌒´::::/: : : : : : : : : ニ=┐ / _ -‐\ \ \
| ∨ハ: )/}/: :)/ |: :/ /:::::| : : : : : : : : : : : : | , -=二ニニニ=-\ \ ヽ
_,,. イ}| |: : : : :/└- _|厶ニ= /:::::: | : : : : : : : : : : : : ./ニ=- \ \ ヽ ', /二
` ̄ 乂_/| ̄ ̄Y∩Y ̄ ̄\_/:::::::八: : : : : : : : : :/ ./' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ
./ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄
|八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二
i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、
何はともあれ、 | | ,ィ=ミ\ `" `、 ( ノ人 \
あなただけでも無事で良かったわ。 |i 爪 vリ __、 〈 ヽ \
八 ハ ' \、 \
私はあなたと勝ちたいと思っているから ヽ 込 、 ァ / \ \
| 个 ィ / ' \――― ミ
| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒
__ | | i 八 / '// / '
/ ∧、八 |{_// / ' , i
- 961 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:21:52.17 ID:YokoiBxb0
-
/_} !
/ニニム.゙ /}
/-=二// _.ィニニ}
/-=ニ二// _.、<ニニニ/
_、-''~{-=ニニ//_<ニニニ=-/
/.:.:.:.:.:.:「 ̄ 只_」.:ヾ`'くニ/
/.:.:./.:.:./:L.//.:.:.} }.:.:.:. :ヤi:iV/
/.:.:.:r‐_.:.:.::/ /.:.:./ .!.:.:.:.}.:.}i:i:i}、i:、
{、丶` ̄∠.:.L /:/.厶/.:./}:/i/.:.ヤV/
/.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.Y.:.:.:.:.{.:.l く⌒Iぃ}.:ノ}:/!.:}:i:!
/ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. \.:.:.:{Y ヒソ {ぃ/l:/
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`:..、 ::ぃ::ぃ:: ー┐:.、
√.:.:.:.:.:.:.:.:.:‘,.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`:..、 l .:.:.\ 劉琨殿は口が上手いね
{.:.:.:.:.:.:.:{.:.:.:.:‘, :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: \ , へ .:ヽ
\.:.:.:.!.:.:.:.: \.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ /ー'^> \:}
``ヽ、.:.:.:.:.:.:.:.:\.:.:.:.:.:.:.:\.:.:.:.:.:.:.‘,__ ィ__./ / 丶
}`:ー- .:.ヽ.:}:_.:.:.:.、.:.:.\.:.:.:.:、.::}、.:└ ゝ/ / V/ ∧
\ー '".:.ノ ⌒}.:} `ヽ:}`ヽ、}\.:.:.}'゙ }:ノ r‐..{_./ / V/ ‘, ‐ァ
 ̄/ ノ ノ : : : : : :)ノ、:ヽ ‘.: :.└'へ./\/` 、/:ヽ
/ {: : : : : : : : ヽ_〉 : Vム: : : ´"' ‐- . . .-‐ ''^~/
/ \: : : : : : :/: \‐^.、\: : : : : : : : : : : : : /
/ }\: : : /: : : : :V:.、:\` ‐- -‐ 7
. 〈 }二ニ7: : : : : : :Vム:_:.〉 / ノ
丶 _ √二ニ{: : : : : : : :}-=ニ} -‐ 丶
} __ ´ /-=ニ={/⌒>‐'-=ニ! }
/ ´ `ヽ ‐- /-=ニニニニ二ニニ=- √ /
. / ‘, 、 \ /≧=- -=ニ二二ニ=-√ / /
/ _ -‐<ニニニニニニニニニ=-(_) ´ ,
/ ,x.≦..,_ V/ニニニニニニ=-(_)-=ニ}! /
- 962 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:22:34.72 ID:YokoiBxb0
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,;:''""'':;, ,;:''""'':;,
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,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii', ,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii', ,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,i゙ / :##:: \ ゙i! ,i゙ / ;:;: \ ゙i!
i! ● × ,l i! ;:;:○ ;: ● ,l
゙i,,* (__人__) *,/ ゙i,,* (__人__) ;#;:;:,/
ヾ、,, ,i! ,/ ヾ、,, ,/
/::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ /::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ
/::::::::::::::::::・::::::::::::::::::::i! /::::::::::::::::::・::::::::::::::::::::i!
r'ニ;v'ニ;、
r=、r=、 _,!0_i0) )i:、
__{0_{0_.} / `ヽ,. ┘ ヽ
,、 ,、 /´l r `'、_,ノi、 i ′′ }
, - (・(・ ){ ) l、 ( ,!
( '' ,r'⌒゙i`、 _.r(_ ノ ヽ.__. ^ 、∠!
ヽー< ,,ノ `´-r _ノ: :\ `T- ヘ>
. i′ ,f´: :,. - - 、ヽ ,,.-テ| ,/ `ヽ、
l l: : j :f´: : : : : ヽ,/ '''"´ ,,.: - ヽ
! /: :ノ l: : : : : : : ノ, ,:'" ゙ヽ
/-‐-/: :/: l: : : : : : ,/ / / ,f
. _,,..::-,テ /`7: :(: : : : : /ヽ/ 〃 リ
`_,:ィ''" _,r''" f: : :ト---ヲ / fノ /
-‐-‐'''フ" ,.ノ,:::::」、,:r'" ,i / /
、..、く´_,,∠"ィ''"´ / ,> /\、 ,ノ:
´ ,ヘr:、-、=---/ ,:イ ,ノ `゙ヽ、/
ーフ´ > ヽ`ー、/ /く _,,..ィ''"゙' _,,:ィf-:
- 963 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:25:06.60 ID:YokoiBxb0
- 【紀元318年3月 晋 揚州 建康】
ヾ叉7
_BL_,, ,. _
,,、、-‐'''""´: .: .: .:::::::::.:.:.:. : :``ヾ、、、
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,,. '"´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.`''ヽ、,,
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``ヾ、;:;:;:;:;;:;:;:;;:;:;:;:;r==;:;:;r==、;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;;:;r==;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:r''"´ .
``ヾ;:;:;;:;:::::;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;===;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.:.:.:.:.:.:.:.:,r'゙
 ̄`¨`ヾr==.: .: .: .: .:. :. :. ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :r=z,;,;,;::/
`¨`ヾ.:.: .: .:.:::::::::;:;:;:;:::::::::;:;:.:.:.:.:、、-‐''"´
`>;:;:,';: .,':;:;:; :;:; :<´
,、r''"´. :.: .:. :. . :. :. :. :.: .: .:`ヽ、
,、r'"´.:.::;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:.:.:.: .:. . .:.::::::`'ヽ、
``ヾr==;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;::.:.:. :.: .: . :.: .: . ::.:,r'´
`ヾ::.:.:;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.:. :. :.: ; :; :.: .:.:.::r' γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
゙、:;:;;;;;;;;:;:.:.:::==.:.::::::.:.:.:.:/ | どうやら皇帝陛下崩御は間違いない様子 |
`ヾ.:;;;;;;;==.::.::.:.:..:.::r'´ ヽ____________________乂
_,」;;:;:;:;;;:;::.:.:. :. :.:. j
``ヾ;:;:; :;::;;: ;r==.:.j
゙i:;:;:.:. :.: .:. :.:.:.:,!
l;:;: .:.: .: ..:;;;:;;;!
'i;;;;;:.:.:.:.:;;;;;;;;;!
1;:;:;:;:r=:.::{
ゞ;;;;;;:.:,r'´.:.:``;:ー-..、,,_
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 河北の戦乱をよそに、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 建康では司馬睿の皇帝即位の準備が整いつつあった
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 964 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:25:40.37 ID:YokoiBxb0
-
ィi〔 `'< 〕iト
. / `'< 〕iト ___,
/ 、 ア
/ ハ v: / < _ __
{ : \ ハ ∨ /≧=‐- ァ‐ ''"⌒ `
{ i: .\ ハ ∨ / ‐-----< \
{ } ! :./\ , : ∨ \ (≧=‐‐ ‐ ⇒
∨../ ∧ィ }{ヽ |: Y⌒ \: : \: : \ 痛ましい事です
. ∨ / ⌒リ } : !\ |≧=‐-⇒≧⇒≧⇒
∨/ :!/! ' ノ:\!: : : :\ \(:\
. 〈 :/ :! /} :>、: : : ハ }⌒ヽ 、
\ -‐ :! / ィI:i:i:iハ{⌒⌒iト、{ { ∨ 〕iト
.. \ ィi{}〃ィI:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i\ `ヽ } \}
` :{/ ∨:i:i:i:i:iィi〔:i:i:i:ム \人: \ /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::≧ /...........
}ィi〔:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ム ヽ} 人 }ヽ 〃/´::(:::::::/__:::::::::/:::::::_:::::::::::::::::::::::::</ ...............
/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ム { / ∨:ハ {乂 :::::::::/´ , ̄ミx /::::::::`ヽ::::::::::::::::/` ‐──‐‐
ヽ. _/ ’ ) \::::::::::::::::Y:::::/
{ ─r‐‐< `Y⌒ヽノ::::/
`Y { Y ノ)}::/
} ≠ミノ 丿 ノ/´ ̄`ヽ
それにつきまして、 ノ /................ \
殿下の即位を求める勧進文が各地より集まっています。 {__ /..........................\
. L ___ノ /.............................. / /
寧州・涼州・慕容部…… └r /................................//
}__ ノ⌒/\..........................X ___
/ 丶.............../ |\
′ \../ i|......\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 建武二年三月。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 皇帝司馬鄴の訃報が建康へ届いた
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 965 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:26:22.41 ID:YokoiBxb0
-
/ ___ r―‐- . \
/ /r┐`ー'^ ゝ' o \
/o `¨ (`Y´) r‐==ミヾ `、
: r‐'r‐ヘ 〈 〉 |⌒ト ∨ ハ
| |〈 |{7´ YLノ|\|_厶 }|o゚ | `、
| |く( |{∧___{⌒´ 〉/○ i:}|_,ノ `、
| ∧゚ oト ○ .〔 〕 |\
| ∧__/i __ | {f}f}、 |
| i 〔 〕人 < ノ .イ: / |\ 慕容部?
ノ^| /f}f}\〈\ __ / :|/..┐ :|
. |:∧ |\∧ '.辷____,,..彡'|=|'|/
/ \|\__,f‐|「∨ //´|=|ニ=-
-‐=ニニr'⌒ー┐ .厶斗ir。ニニニニニ=‐-
/ニニニニニrf \ `二V´}ニニニ゚ir。ニニニニニニニ
/ニニ\ニrf∧ `マ,ノ_,.ニニニニニニ%ニ/ニ/ニニ
. //}ニニニニ%。o 〉 }::/____)。o%¬冖'^∨ニニニ|
. ,.:.:/ニニ{:∨ニニ} ̄`V7∧ニニニニニニニニニヽニ/ニ| {::::.\::::::::::_;. -‐' / -‐:::::::: ∧::::/ ∧::.\::::::ハ
/.:.:|ニニニ∨=/`¨¨7f=〉.:.i:.ニニ/ニニニニニニニ/ニ: \:::::::ヽ::::ア //.:::: ‐-ミ V jう トミ:::Y:::::{/
}::::::::∨ -‐ ¬く::::::イ ==rく ア }::::::.`ヽ:/.:.:.:
人:::::::/ _ ,......::::く` ゙Y人〃 ノ レ /::::\::::/.:.:.:.:
(:::::::ミ=\ ,ィ __ヽ ∨ ト-‐ } r《∧::} ∨.:.:.:.:.:
ー-ミ三iヽ 〃⌒}∧ ∨ ヽ. / | ヽ}/∨.:.:.:.:.:.:
劉琨殿の勧進文にも名前があったではありませんか。 ∧ ゙ト-‐ヘ:::::.、>‐-》 | ノ ,′.:.:.:.:.:
/.:.:.\、 V , _ア _, ,′ '.:.:.:.:.:.:.:.:
太康の頃に我が国に帰順した海東の鮮卑ですよ /.:.:.:.:.:.:.`丶、 ` _ -‐  ̄ / |:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / ,......::::7 / .|:.:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |_ -‐…
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |:::::::::::::::::
- 966 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:28:09.39 ID:YokoiBxb0
- 【実際の慕容部の使者は漢人です】
,;:''""'':;,
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,i゙ / \ ゙i!
i! ● ● ,l 晋王殿下の皇帝即位を支持するんで、
゙i,,* (__人__) *,/ .我が主慕容廆に新しい官職を頂けないかなーなんて
ヾ、,, ,/
/::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ
/::::::::::::::::::・::::::::::::::::::::i!
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
この前あげたでしょ。 . | `-=ニ=- ' .:::::::|
\ `ニニ´ .:::::/
賊の一つでも退治しないと官位は進めないよ .,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 『晋書』『慕容廆載記』によると、
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ この頃、慕容廆の長史の王済という者が海を渡って勧進したという。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 司馬睿が帝位に就くに当たり、使節を伴って帰国している。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ ただ、司馬睿側は
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 前年の秋に慕容廆へ授けた官爵を追認するに留めた模様
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 967 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:29:23.70 ID:YokoiBxb0
-
`ヾ: : : : : : : : : : : : : : :\: : : : : : : :. ヽ,_
: /: : : : : : : : : : : :-======≪: : ‘:, : : :}: : . \
`ヾ: : : : : : : : : : ィ彡'"´ \ : ‘; : :j: : : : : '.
/: : : : : : : : : : : ニ=- \:}: :./: : : : : :'.
: : : : : : : : : : : 彡″ \/: : : : : : 〉
: : : : : : :/⌒ヽ: :/ | :、 、 `ー―‐┐: : :/
: : : : : :.:/ ,ハ V/ ┴- 、 \ ヽ |: : ハ
リ : : : : : { (} リ 冫´ ̄ `ヽ \} / {: :> ´
:|: : : : : ハ { ,仔ハ :, ゝ '' / ´ リ
‘,: : : : : :ハ 、乂;ツ } ゝ / / '. .慕容部は適当にあしらっておきました。
:.:|: : : : : : ゝ ヽ.,_,.ィ / / 〈_,,.. -‐ヽ/.:ハ
/:ヽ: : ://:/ | / { / / ,.rァ:.:!.:.:.:.l どうやら時は満ちた様子。
: : :‘:,: / j/ i| / :, {;ツ:.:.:i.:.:.:.:|
: : : :.:ヾ′ | .! 、 \ 、 / / `¨/> .,i.:.:.:.:| 改めて晋王殿下に
: : : : : : :\ i :, ヾ::、 \__/ /: : : : :j`ヾ:.! .帝位に登って頂きたく存じます
: : : : : : : : :.\ j ′ \:≧ュ..,__ /: : : : : :,′: :j
: : : : : : : : : : :.:\ \ `<__,::ア´/: : : : : : : /: : : .′
: : : : : : : : : : : : : :\ ヽ \__ /: : : : : : : : :/: : : :.,
: : : : : : : / ̄ ̄ ̄`ヽ 丶 /: : : : : : : : : :/: : : : /、
: : : : : /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∧ \__/―- 、: : : : : : :/: : : : /:::::\
: : : /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∧ /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\: : /: : : : イ:::::::::::::\
: /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∧ /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\: : : /:::::::::::::\::::::\
- 968 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:30:35.85 ID:YokoiBxb0
-
-‐=¬ -―…―-
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/ . -‐====‐- . \
/ x==ミ (⌒) ┐ \
/{ 〈/¨¨⌒ー‐ |: ー┐
/ / /ゝ=-/  ̄ ̄ ̄\ 八 ∧
/ / /O / / / \ \_/O
/ ゚ ///ト/ // } ノ{´ { o|
/ |_f「‐┘/│ r==トミ ./| ノ },//⌒ヽU
/ / Y^Y ∨| :| 圦_爪`ヾ | :/「 ゝ'^{ ;
/ / / 八_ノ 八:| \ン |/:│0 / / ./
⌒¨¨ア / 〈∧〉 ! \ 厶イ x≦ /〈/
ー=彡 -‐ァ / \’ 〃厂 /{
/ / /i/ ′ |\ 〉' //〈 宗廟が絶えて民が拠り所を失う中、
/Y ∠ ´ / /::. | - .::/ |⌒´ .百官百僚は皆が政務に励んでいます。
/ |/'^⌒ 厶イ ∧ :ト. ` ..:::::; |
/{ /^ー‐=ニ /└'f^Y ∧ | ..< / ,人 私も皆の求めに応えて務めに励みましょう
. /Y__,,.. -=ニニニニニニニ% \ .::≧o。o个./; /\{
‐=ニニニニニニニニニニニ ∧〉≧==く} ⌒^ 厶イ
ニニニニニニニニニニニニ∧〉⌒Y Y,〉=-
ニ^ir=ミニニニニ|ニ 〉〉ニr=ァ 〉 :}| }|∨ニ=‐-
ニイ/ニニニニニ|ニ://r=く=\\ \rノ, }ト.ニニニ
=//ニニニニニニ/fア¨ニニ 丶.\ //ニ%ニ:/ニ
//ニニニニニニ//ニニニニニ=-\__/ニニニ%/ニニ
. ニニニニニニ//ァニニニニニ{{ニYニ}}ニニ∨ニニニ
- 969 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:31:29.60 ID:YokoiBxb0
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ヾ叉7
_BL_,, ,. _
,,、、-‐'''""´: .: .: .:::::::::.:.:.:. : :``ヾ、、、
,,. '"´. .:.: .:.: : .:r==.: :. :.: .:. :. :. :..: .: :. .::. :.`ゞー-、、
,,. '"´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.`''ヽ、,,
,r'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;;;;;:;:;:;:.;:.:.:.:;;;;;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;:;:;:;:;;;;;;;;;;:;:;:;:;;:>
``ヾ、;:;:;:;:;;:;:;:;;:;:;:;:;r==;:;:;r==、;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;;:;r==;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:r''"´ .
``ヾ;:;:;;:;:::::;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;===;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.:.:.:.:.:.:.:.:,r'゙
 ̄`¨`ヾr==.: .: .: .: .:. :. :. ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :r=z,;,;,;::/
`¨`ヾ.:.: .: .:.:::::::::;:;:;:;:::::::::;:;:.:.:.:.:、、-‐''"´
`>;:;:,';: .,':;:;:; :;:; :<´ \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
,、r''"´. :.: .:. :. . :. :. :. :.: .: .:`ヽ、 ) >
,、r'"´.:.::;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:.:.:.: .:. . .:.::::::`'ヽ、< 皇帝陛下万歳!! >
``ヾr==;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;::.:.:. :.: .: . :.: .: . ::.:,r'´ < (
`ヾ::.:.:;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.:. :. :.: ; :; :.: .:.:.::r' /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
゙、:;:;;;;;;;;:;:.:.:::==.:.::::::.:.:.:.:/
`ヾ.:;;;;;;;==.::.::.:.:..:.::r'´ \__人_人从_人_人从/
_,」;;:;:;:;;;:;::.:.:. :. :.:. j _) (__
``ヾ;:;:; :;::;;: ;r==.:.j ) 大晋万歳ッ!!! (
゙i:;:;:.:. :.: .:. :.:.:.:,!  ̄ ̄) ( ̄ ̄
l;:;: .:.: .: ..:;;;:;;;! /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
'i;;;;;:.:.:.:.:;;;;;;;;;!
1;:;:;:;:r=:.::{
ゞ;;;;;;:.:,r'´.:.:``;:ー-..、,,_
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 司馬鄴の訃報が届いた三日後、
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 司馬睿は皇帝に即位したと『晋書』『元帝紀』は記す。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 元号は建武から太興に改元された。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 歴史上、東晋と呼ばれる王朝の成立だ
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 970 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:34:10.51 ID:YokoiBxb0
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|l|_|l
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〈 >'゙´ | | | .|「 |l .//,
∨ ∧ | | ,>'゙´ ア| .|| |l / ,/
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\∨ ∧ | | >'゙´ ,>ァ>'゙´ W||,,/ /
\__/ | |/]>'゙´ '´ / /
|l| | / /
|l| | ////
|l| //
f¨゙!
:┐ n /〉 <ヽ /^〉'
! }”/ ,、 <`ヽ ./:::/.,、
⌒!ィ f¨゚{ <´ 'ヽ Vハ |ヽ Y¨! |::::}イ { , -ー 、 _ /¨> r-‐,、 <⌒!
::〈人_r-ー- 、_r<}| >:::: ̄:`ヽ__, - 、__r 、r=¨>‐-! /:::::}__Vヘ }:::|__}::::{.ィ1.|:.:.:.:.:.:.}_, くノ ̄! ./;;;;;;;;;}_, ヘ⌒',
/:.< /::::::::::::::::Y::/|i /::::::::::::::::::::::Y:.:.:.:.:.YVイ!:::::}::::::::|/::::::/:ァ<! V_::| ',く/⌒!}:.:.:.:.:ノ/ /:/^V__〈ヽ;;;;;/_!__ノ::::::ヽ
:.:.:.:}|:::::::::::::::::::|:{:. }:!:::::::::::::::::::::::: l:.:.:.:.:.:.|ィ ゝx}:::::: |::::::/:.:/ / > ¨⌒ヽ:'. V¨¨ヒ{_. V==<:::::`ヾア´:f⌒!ヽ:::::}
\f':!::::::::::::::::::lハ:.:リ'.:::::::::::::::::::::::∧:.:.:.:./ >イ::! :::: |:::::{Y/' 〈 /:::::::::::::::::}:' V::::::::::{ .} .}::::::::::|:.:.:.:.|:.:.:|:.:.}-:'
ヾ!,、:::::::::__/_/ ヽ::::::::::::::::/|レVWハ/::::::::/:::::: |::::::|ハ V!::::::::::::::::::!:/ ./:::::::;:::Y /^!:::::::{:ト、: |:.:.:|:./:::::
`Y゚ ̄ _/VレvイW:::::`ー-::__/:::::::::/:::::::| ヽ `!:::::i:::::::::::|' /:::::::/L_|  ̄⌒¨}>ヘ}:.:.:|”::::::::
、 f´ ̄::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::| ヽ .|:::::l::::i::::::| /:::::::::| >- ._ }} |:.: |ヽ:::::::
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 今回の話で見てきたように、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 東晋の成立・司馬睿の皇帝即位には各地の有力者の支持があった。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:′ 西晋があのような崩壊劇を演じてもなお、彼らは司馬氏を支持している
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 971 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:36:58.79 ID:YokoiBxb0
-
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii', (ヽ (ヽ ( i))) /) /)
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii', (ヽ(((i (ヽ((/ニYニヽ ( i)))/) /)
,ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii,' ((i(ヽ(((i )/( ゚ )( ゚ )ヽ ( i)))/) i)))
;:::: ,.'´ `ヽ '; (ヽ (((i ) /::::⌒`´⌒::::\ ( i)))
';:::: ● ● ;' .(((/∠_| ,-)___(-,|_ゝ \/)
,, ';:::.::.:. (__人__) ;',, ( __、 |-┬-| ,_ )
,;´ `':、::::.. ,.,::'´ `; ((\\ | `ー'´ /´ //\)
':;, ` ""'' '' '' '' '' '' '' ''" ,;:'' (/ (((i )| / ( i)))( i)))
''::,, ::::::::::::::::::: ○:::::: '; , ,,:'' (/ \) \)
, -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
r===========r‐、: : \
|.―‐――‐―h‐l┤、 :ヽ
L二二二二二」.ニ|‐{ミi : : |
{/ /ゝ、ノイ ノl/ ― トl!: : :|
|l:/|/● ● ト、: :|
|/!:ll⊃ 、_,、_, ⊂⊃ノ: : |
/⌒ヽ__|ヘ 丶_ノ ..イ:i : :/⌒i
. \ /:ノ从ヽ,、 __, イト:}ノ/ /
/ //ヾゝ八__/:.:.//ヘ、__∧
ヽ、.{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ;_、_ ,'
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ これは、興味深い事実である。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 当時の士大夫たちは、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .国家存亡の危機に陥っても司馬氏の正統性を否定しなかったのだから
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 972 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:37:48.06 ID:YokoiBxb0
-
l゙ヽ 、 /゙i
! 、ヽ )\._____ / , i , ィ
. l l 、ヾ,シ'´::::::::::::`ヾ /l i/::;;|
/冫';:::::::::, , :::::\/\シ′
. /三'::,::'::, イ:: ::/\::: ::::ヽ三\
. f三〃:::/ノ |:;::/ `ヽヾ::::弋!l三三ゝ 大晋万歳!
,.ィ\{イ::! ● j;ノ ● .l::::人::!;三/ヽ、
/:::::::::∧::l⊃ 、_,、_, ⊂⊃::ソ::::ハ/!::.丶\ 皇帝陛下バンザーイ!!
フ:::/⌒ヾ./:;ハ ゝ._) ィ'::;:'/⌒i |::iゝ::: 丶
ヾ;:'\ / ̄ 7,>,、 __, イ!;:;ヘ、__∧ ゞ ヾ::ノ 御主人様九千歳!!!
. / .//`、 l l(_)// |;/ゝ__彡/,. ハ
`ヽ、//、 {⌒`y´⌒}'ヽ, / ノ∨ `ヽ.
` ‐`lニニニニl´‐ ' ヽ/ィ´:.:..,,:.:.:.:ソ
{::::.\::::::::::_;. -‐' / -‐:::::::: ∧::::/ ∧::.\::::::ハ
\:::::::ヽ::::ア //.:::: ‐-ミ V jう トミ:::Y:::::{/
}::::::::∨ -‐ ¬く::::::イ ==rく ア }::::::.`ヽ:/.:.:.:
人:::::::/ _ ,......::::く` ゙Y人〃 ノ レ /::::\::::/.:.:.:.:
(:::::::ミ=\ ,ィ __ヽ ∨ ト-‐ } r《∧::} ∨.:.:.:.:.:
ー-ミ三iヽ 〃⌒}∧ ∨ ヽ. / | ヽ}/∨.:.:.:.:.:.:
さっそく、各地へ陛下の即位を伝達する使者を送らねば ∧ ゙ト-‐ヘ:::::.、>‐-》 | ノ ,′.:.:.:.:.:
/.:.:.\、 V , _ア _, ,′ '.:.:.:.:.:.:.:.:
. /.:.:.:.:.:.:.`丶、 ` _ -‐  ̄ / |:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / ,......::::7 / .|:.:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |_ -‐…
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ / |:::::::::::::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 結果、向こう百年の間、東晋は正統王朝として存続する
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 973 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:39:32.48 ID:YokoiBxb0
- 【紀元318年春 晋 秦州 上邽】
// / / |:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.:.:.:.:.\ /
// / /| |:.:.:.:.:.:.:.:'/:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨\:.:.:.:.:.:∨ /
.:./ / / 」I斗-:.:.:.:.:.:.:'/:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨ \∧_∨
// 〃 //| /:::::::``〜、'/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨ //\ハ≧x、
/:{ ./ { /:::::-|/zzzx、:::::::::::'/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨__/ ) ゙ `寸x
.:.:| フ⌒ト /::::::::::::イ ヾx:::::::::i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、:.:>く_} /i:i〉
琅邪王が晋王に!? |:.∧ i:::::;ム_ j:::::::::::::: (ァ) }i:::::: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. `、:.:.:.:.:\ /i:i/
/:.:.∧ {.〃⌒Y:::::::::::::::... ノ:::::::::|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `、:.:.:.:.:.:∨i:/
私と琅邪王の官職は対等! /:.:.:.:.:.ヽlハ{ (ァ) ::::::::::::::::::::::""::::`::::::::::::|:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.∨
/:.:/ :.:.:.:.:.:. i::::- f′ |:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、h、
向こうが皇帝を名乗るなら、 /:.:/:.|:.|:.:.:.:.:.:| j:.:√.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.}:.:}',: i }:.i_、
私が皇帝を名乗ってもいいはず!! /:.://八|:.:.:.:.:.:’ r ニ- ̄\ ゙.:/:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:./:./ |:.| }/ i:ih
/:.:/ :.:.:.:.:\:.:.:八 V / .: /:./:.:.:.:.:.:.:.:.:,:.:.:./:./ /:/ |i:i|
|:./ {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、 V_ ノ /:./:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:./:./ / |i:i|
/ ̄ ̄ )__V/{:.:.:.:.:. |:.:.:.:\ ( ̄\(_ ̄\:.:..//:.:/ 彡'′
/ / ̄ __)∨:.: 八:.:.:.| /\ <\ \ヽ V ___
′ / / __ ̄):/ \|/:.:.:.:.` ≦| (  ̄ \\ E |-_-_-_-_-_\
| | / // ⌒\ ∨|/ / ̄(\ ̄ヽ ∨l V |-_-_-/  ̄ ̄ ̄ \
| | / // ァ‐、_) r‐/ /∧ \ | V ', _-_- ′ / \
`、 / ―/ ̄/r‐/ / ∧ ‐′ /_-/ / ,
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー かたや、この動きの外にいた南陽王司馬保。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 『晋書』『宗室伝』によると、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 愍帝が長安から連れ去られた後に晋王を称したという。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 『資治通鑑』『晋紀』はこれを翌太興二年としているが、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 『晋書』『劉琨伝』には太興元年の時点で帝号を称していたと記述がある
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 974 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:42:13.85 ID:YokoiBxb0
- 【力士級に太っていた司馬保さん】
、.:///
___ /:/:::// \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
___ _ -ニ:.:.:. :.:.:.:.:{:.{/イ、 ) >
<:.:.:.:.:./\/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. \:.:.:..:\ < 今年は大飢饉確定です! >
\rう/:.:.:.:/ ヽ:.:.\:.:.:.:\:.:.:.:∨〉 __ < (
<__/:.:.:.:.:./ / |:.:.:.:./,:.:.:.:.:.\(\〉 |│ / /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^)
__ ∩:.:.:.:.:.:./ / j\:.:.:./,:.:.(\:./, '/│| / /
__ | | } |:.:/ ) :i / / _>く ,:. \\〉 '┘ヽ 〈
{ ∨| レ 〈/ / :.:| _レ /} i:.:.:.:.∧ _ :. 私が皇帝?になった途端に飢饉なんて……
: V //゚).:|/l/ ィ=≡|:.:.r‐=ム i
| ― l/ /:.:| ァ=ミ ...:::::::: |/|:> 、  ̄ } / 何か悪い事したでしょうか?
│ 八∧::::::::: 丶 / /:.:/:.:.:\_ ∨ /
′ /:.:./:.∧u r‐  ̄) /:.:/:.:/ ∧ \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
i /|:.∧:.:./:.个:. ー ´ イ:.:/¨¨フ刀 ̄. .∧ ≧ <
| :. |/ \:.八:.:.廴>‐< /彡゚ │//. . . /. ∧ ≧ 飢饉なのにつまみ食いすんな!! ニ=-
| i / ̄刀 ̄ {_ -/ |/ |. . . . . / ∧ ≧ ≦
} ̄. . . . |/| {___/' |/ | . . . . . ./ ∧/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
/ }. . . . . . |/| { . . . / |/ |. . . . . . .| / ト ∨ \__人_人从_人_人从/
/ }\. . . . .Y __斗r\/辷><__」. . . . . . .| / | ヽ i _) (__
.{ 入/ハ. . . . |/辷>―=ミ//=_=_ }-_`〜、. . . .\∧、 } ) 痩せろデブ!!! (
、 }/ ] . . . .|-_{ _=_=_{f⌒i}_=_=_=〈-_-_-_-|>―<  ̄ ̄  ̄ ̄) ( ̄ ̄
\ イ/ノ. . /|-_ 〉_=_=_v_=リ_=_=_= }-_-_-_.| /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } しかし、本拠の上邽が大飢饉に陥り、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 配下の謀反や劉曜軍の攻勢に晒され次第に弱体化
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 975 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:43:55.71 ID:YokoiBxb0
- 【紀元320年5月 晋 秦州 南安】
/―_ \/ _ `マニノ_
ノ7⌒l></\/ '⌒Y }:.:.:.:Y /ニニニム
_l/ ̄/ /⌒7 \_ ⌒Y:.}ノ:.:.:.:.ノ'⌒\ {ニニニニニニ=-_
| | / / ⌒7\ ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:/__ ̄ } ̄ \ニニニニ
| | / / /__彡イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ / /-―=ミニ
_|_l/_/ 、+`:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:彡イ / /
/=_=_//./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:, 、 丶 ` ノ /
__/_= | //:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,、丶`__7 / /
/ ̄ ¨¨ ―/77 >―_ __\=_=_ /ム;,;,彡〜 ^^ / /⌒フ ′ /
///. . . . . . .>  ̄∨ -_-_-_\}=}………┐_____/ /\〈< / /
/ / ̄ ̄\/. . . . . . / ∨ -_-_-_ { _=_=_=_=_│ ``〜、、/│l `'< /
/ / >―‐<. / V -_-_-_{ _=_=_=_=_/ _________/ / │l /
/ ./:.:.:.:.斗==ミh ∨-_-_- \ ̄ ̄ / / 〈 / / √
. / / /:.< |〃7/:.:.:.:.:.:YV / V -_>――――‐< ̄\ / / ―――――‐゚
/ { _7:.:.:.:.:.:.:.ii//:.:.:.:.:.:.ノ-∨ V \/ \/
〈/// }:.:.:.:.:{:.:.:.:.:.:.:.:.※===x__:.厶=-―――‐ァ
〈////|_/  ̄∨:.:.:.:.:.:.:.:ゞ==彳 ̄:.:.:.:|. . . . . . . . /
(/(/ \:.:.:.:.:.:.:〈 〉:.:.:.:.:.:.:.:.: |. . . . . . . /
/>ミ:.〈 〉:.:.:.:.:.:彡个zzzzzzz7
_:.:./  ̄ ̄ ̄ ァ━━ァ_/
└┐ ̄\ _____ / /
└三 /
└zzz_ 、 ―― 、、、 、__/ チーン
└―ァ/
└′
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 太興三年五月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 司馬保は配下の将軍張春に殺されたと『晋書』『元帝紀』は記す。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .ただし、『晋書』『宗室伝』は
`ヘ:ゝ .' 小/ 彼が病によって二十七で薨じたとしており、最期の様子は判然としない
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 976 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:44:50.63 ID:YokoiBxb0
-
/ :. ィ.;:.:.:.:.:.:.:ヽ
イ:.:.:.:/-|/|∧:;、:.:.〈
リ:.:./ ● く!:,:.:..、
l:.:.l ●/:./ ̄
vヘ - ノ:./ なお、司馬保の葬儀を行ったのは
_,-+ 匸ヘ/V .彼に反乱を起こした陳安という人物だったりする。
,《 ヒ⌒j 》、
l::\ l /‖::l .司馬保の側近と対立して劉曜に帰順したが、旧主に筋を通したのだろう
|:::::::ト,Vイ:::::|
|:::::::l介l:::::::|
l::::::|人|:::::::l
, --──-、
, イ / ヘ ト 、
i !ー、〉 __ j j __〉-ノ i
ヾ_,,;;》 `-"::: `-"l_.ジ
| ヽ ' _ ` イ
l l ´=` l
上邽において天子の礼で葬ったよ ノ ヽ _,、__ノ
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|:::
- 977 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:50:57.74 ID:YokoiBxb0
- 【紀元318年春 晋 涼州 姑臧】
j、 j||!
, {i!ト1:i:}!r! r=,
j|_`¨j!::!|_!Lソ::|!
/;\ ,.、 .,、 r.、 rマ|!|k'´..:::::::::::::::::.', ,、
,.ィ::;:;iy' .::;ゝ/ :.\ / ,.ヽ、 ,.、 ,.、 ノ i|jリ:i!::::::::::::::;::;:::::|! ,.イ :.\
:;:;:'/.,.;:,:イ . ,., :,::;.,v:;.;.;.,.:;:;:;:ミ 、,.イ ':.\ .イ .;.ヽ、j! !.:.;:;:::::i!:::iレ1:::::i;ト、_ _,.ィ.;:;. .,:;.;:;..\ _ ,.イ:
,.イ .:;:/ ;.,...;.:,:;.,.;.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ィ..;:, ..;:.;.;:,.ゞー_'゚´.. ..;:;:;:;:/Y≦芝!::::::::::::::::::::::::;ヾi!:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:;:;:;:イ .:.;.;.,:;:;:;:.:.;.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:'/..;:;:.,:,:;:;:;:;.:,..;: ';:,.,:;:,.;:..:;:;:;:ir'..:::::::Y/.:::::::::::::::::::::::::::::;jト:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;..:;:;...;:;..;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;;;イ.N!:;;i´j!i Y.::.::::::::::::::::::::::::::;:;i!:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
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:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:iレ'j!:人リ:;1!|!:;:::;:::::::::::::::::::::::::::;::;i:;:i!:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
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:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ' . : . : . : . ' ;.::;:::::;::;::;.`_:-::‐;:-=:ニ;::ニ:´;:ニ.:;≠=.;ir.'.;.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
: : : : . : . : : : . : . : . : . : : : : . ' " . . . . . . '::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.;.:,: : : . : . : . : . :
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/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ 以下余談。
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 南陽王を支援していた涼州刺史張寔は、
\ヽ、 _ , イ!::/ .司馬睿の皇帝即位こそ認めたが、元号は西晋の建興を使用し続けた。
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\ .結果、涼州では建興四十九年(三六一年)まで続いている
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 978 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:51:40.40 ID:YokoiBxb0
- 【紀元318年春 晋 幽州 薊】
∫ι__________ ./丁了
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ
||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | ||
||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | ||
弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ
弋ェェt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ェ,ィ
il_,└───────┘ , i!
| ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l
|| ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄||
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|i | ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄||
 ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ || ̄! ̄ ̄/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄.|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i  ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~ ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l  ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`ll`l
l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″|  ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄  ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾ| ̄`.. ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ | ̄ ̄ | ̄!,, ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ll
| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄___
(~) (~)
(~) γ´⌒`ヽγ´⌒`ヽ (~)
γ´⌒`ヽ {i:i:i:i:i:i:i:i:} {i:i:i:i:i:i:i:i:}γ´⌒`ヽ まさか段匹磾様があんなに弱いとは
{i:i:i:i:i:i:i:i:}( ´・ω・)(・ω・` ){i:i:i:i:i:i:i:i:}
( ´・ω)(:::::::U) (つと:::::)(ω・` ) 劉琨や朝廷の御機嫌取りなんてやってるからだよ
(::::::U:::)( ´・) (・` )(:::U::::::)
し─J (l::::○::::) (:::::○::::l) し─J 段末波様の方が強くね?
し─J し─J
(~) (~)
弱い奴の下じゃこの先心配だ (~) γ´⌒`ヽγ´⌒`ヽ (~)
γ´⌒`ヽ {i:i:i:i:i:i:i:i:} {i:i:i:i:i:i:i:i:}γ´⌒`ヽ
強い奴に従うのが草原の掟 {i:i:i:i:i:i:i:i:}( ´・ω・)(・ω・` ){i:i:i:i:i:i:i:i:}
( ´・ω)(:::::::U) (つと:::::)(ω・` )
令支の段末波様の所へ行くか (::::::U:::)( ´・) (・` )(:::U::::::)
し─J (l::::○::::) (:::::○::::l) し─J
し─J し─J
- 979 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:58:15.67 ID:YokoiBxb0
-
/::`´`´ヽ r‐ ' _ノ
/:::.:.:. ヽ _ ) (_
/::::::.:. \ (⊂ニニ⊃)
|::::::::::.:.:.:.:.:. | `二⊃ノ
l::::::::::.:.:.:.:.:.:. | ((  ̄ 劉琨殿も段匹磾も口だけだっていう。
`r'ニニヽ__ / ;;
r':ニニ:_`ー三`:く./ [l、 聞けば范陽の李産という奴は、
/: : : : : : :`,ニ、: :_:_;> /,ィつ 一家郎党を率いて豫州の祖逖将軍の下に馳せ参じたっていう。
. /: : : : : : : : / : : : ヽ\ ,∠∠Z'_つ
| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ. / .r─-'-っ 俺たちもよそへ移った方が良さそうだっていう
. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''" ̄: : :l: : : :l / ):::厂 ´
|:.:.:.:.::.:.:.:l -─-: : /:_:_:_:_l / ̄`Y´
. |:.:.::.:.::.::l.__: : : :/::: : : : :l/⌒ヽ: :〉
|::.:::.::.::l: : : : : : /:::: : : : : |: : : : ゙/
,.-、
/ニYニヽ ( ノ゙\
/( ゚ )( ゚ )ヽ i′ ヽ_ )
/::::⌒`´⌒::::\ 〉 ,.く
| ,-)___(-、| / ハ ヽ
冀州刺史の邵続殿の所はどうだっていう? | l |-┬-| l |/ / ヾ
\ `ー'´ / / ! i
石勒軍と率先して戦ってて、 / <、 〃ノ
大層立派な人物だって評判らしいっていう / ,.-、 _, -` く '"
/ | (`  ̄ 〉
! <| ヽ、__,.― --―'
\_ ヽ''^ヽ |
`ヽ、_ン′ |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 范陽の李産云々は、『晋書』『慕容儁載記』にある話。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 祖逖の死後に後趙・前燕に仕えた人物
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 980 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 00:58:57.93 ID:YokoiBxb0
-
∫ι__________ ./丁了
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ
||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | ||
||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | ||
弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ
弋ェェt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ェ,ィ
il_,└───────┘ , i!
| ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l
|| ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄||
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|i | ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄||
 ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ || ̄! ̄ ̄/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄.|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i  ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~ ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l  ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`ll`l
l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″|  ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄  ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾ| ̄`.. ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ | ̄ ̄ | ̄!,, ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ll
| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄___
''- .._ ~""''' ‐- ...,,__ _,,..-‐''~""''' ‐- ...,,___,,.-‐'
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
V:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::-::_:::::ヽ | じゃあ荷物をまとめようぜ |
ヽ-  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ‐- :::::::::::::::ヽ∧ ヽ______________乂
∧ ____ ヽ ::::::::::/
/三三三ヲ'"ヽ \_ノ)‐- .><- 、
,ふ三ニヲ'"\ Y‐---<´ヽ _ノ)ヽ-ヘ\
,ふニ='"/\_ヽ_ノ) ! |ヽ. Vヽ‐-<_ .| ヽ.V
{ /,.イ{. 斗ャ示ァ} | | |¨vヽ__ -ミx! ! |
ゝt|ヽ>ミ、 `´ ノ ノ ./ /ィヘ |ミヽヽ リ! 、__ノ! |
-=彡vヽ ⌒´/.イ!/|ノノノ )ノ Y ヽ /ノ
/ヘゝ- イ´ ||//ノ. \ ハ
/' ヽ)`¨´ r.| ,...:/':::T 、__ノ! ,!
{! .___/7イ:::/':::::ヘ //
ゝ-',.イ:::ヽ/_::::<´::\\ (´
/イ:::::::::╋:::::::::::::::::::::\\
- 981 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 01:01:25.22 ID:YokoiBxb0
-
,r,ニニミ、 -- 、,__
// V}/´ \ ` .、
// ./ ̄ヽ \ \、
.{.{ /! }Vヽ ` 、. ∧\
ヾ ./ \.| |. V ≧=-. \
,' \\. ', .||∧. V |\.|. V そんな事があってな。
! | ∧\二ニ,xf云ミァ !-、,i V
| j/_V ヽ!八辷ノ´ } /! // ',ヽ .先の騒動以来、
| `《.{ハヽj/ / ./ |//\ ',ヽ\_ 漢人も胡人も次々に薊から逃げ出している
/へ ヽゝイ -=彡イ/| .|/ V | V  ̄
i\ \ -、 イ/|| .l .| l | |
,x─── 、.l l ヽ>。 `´ ,.< xイl ,l ./,!! .|! j
| |l | `¨´.{´Y::::::::::/∧.-</|| ./! ./ \_-_-_->'"~~~"''〜、、::::::::::::::::\
| |ヤ', ,r::::ヽ:|::::イ//:::::::::::::::У`//./ \_-/:::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::\
| | ヽヽ //::::::::╋:::/イ::::::::::::::/::::::::Vイ . /∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::::::::::::::::.
ゝ======彳 `>ゝ: /::::::::/o/:::::::::::::::::: /:::::::::::,! 〈__,{:八:::::::::::::::::`、:::::::::::::::::::`、::::::::::::::::.
|`¨¨´| /::::::/二7:/:::/::{二二二}':::::::::::/! . .::|∧:::::\:::::::::::::::`、::::::::::::::::::|::::::::::::::::::
|:::::::::::| /:::::::::/:::::::;':;'o:;'::::|::::::::::::::/::::::::::::イ .::/|:::∧:::l_,,.`'<:::::::::`、::::::::::::::|::::::::::::::::::|
/:/:::|:::::::}:/斗-=ァ\::::::|::::::::::::::|::::::::::::::::/
.::/ j八::::从 V} ' |:::/::::::::::::::|:::::::::::::::
〈:〈 /' l:/':ノ |/::::::::::::::/:::::::::::::/
`>> l:::::\ /:::::::::::/::::::::::::::::{
(:::( l::::::::::::... っ /::::::::/!:::::::::::::::::::::::. _
今、段末波が攻めてきたらひとたまりもないじゃない )ノ 八:::::::\:::\ /:::::/ |::\::::::::::::::::::::... ⌒):)
\:::::::\::::/::/::::}/|:」 \::::::::::::::::::::::...../
\::::::∨::(、:::/ /-_-_⌒\:\:::::::::...
.:::::::::::)\::::::...... /-_-_-_-_-_-_`、:\::::/
〈::::厂/-/\::::::ノ/-_-/-_-_-_-_-_.}l:::::\
)/ // /:/∧_-/-_-_-_-_-_-」|:::∧:::.
- 982 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 01:02:05.77 ID:YokoiBxb0
-
, - 、, -‐r ‐-.、
,イ ./ ハ
/ ./ / // ./ .!ヽ
. / ./ / ./ //./ / / i、
/イ/ / / // /イ' .! !',
(' / /// /、_ 、 /イ ./! !j
{(、_/イ ,' {、.`⌒゙ /.、_ jイ. !| そういえば、平陽から逃げてきた者に聞いたが、
.) 77´ { i、Y , `゙Y//ル .近頃秦州にいる南陽王が帝号を唱え強盛だとか。
/'^´Yゝ、ミx、!リ ` - ,!イ/
ヽ: /へ> イ_/'x──‐、 __ そちらへ移る者も出るかもしれない
斗r<:::::::‐-,-<゙爪(Y')ノ { }-、`!
. ,x ´-<´:::\:::::/╋v\、_. ∧ /= イ
. {::::::::::::::::::::::::::`:´:::::::}`´::::::\ `¨¨7'ニ´.ノ
. ',::::::::::::v:{ニニニ}::::::|:{:ニニ}:∧ .{、-_i'ノ} \_-_ニ=- _ |_-_
. ',::::::::::::',|:::::::::::::|::::o!:|:::::::::|:!:::`、 .{ ̄::::: | `''<_-_-_-ニ-''"゚~~::::::::~~゚"'::.、 -_-_
. ',::::::::::::i!::::::::::::|::::: i!|:::::::::|:i!::::::ヽ.i!:::::::::::i! `,.:'´:::::::::::::::::::::\:::\:::::::::/_-_-}
.:::::::::::::ノ:人:::::::::::::∨:::\:/_-_-_]
/:/::::::/::/⌒l::::::::::::::∨::::∧-_-_ノ',
. / ,゙::::::::::/ l::|';:::::::::::|::::::::∧::::::::::::',
{ :::::::::/\ :::| \::::::|::::::::::::|::::::::}:::::.
{ |::::::斗=ミ /:/─‐\::::::|:::::|::::::::}::::::
確か、南陽王の所には私の同族がいたわね。 人::::ヽVソ /'゛ 斗=ミ |::::::|:::::|::::::/:::::′
.::::ハ乂x , 弋ツ >:::::::::::/:::/::::::′
でも、どうやってそこまで行くのよ? .::/ .::::. xxx /:::/:::/:/::::::'
廴_八:込, 丶 /:::/:::/:::::::::::/)
(⌒ハ::l::\_,,. -=/::://:::::::::::::':(
) ノ::|:::__::ー┴=彡'::::::::::::::::::/(⌒ー--
..:::::/乂⌒\ 八:::::::::::/乂::.
. 八:::(/ ⌒乂\(⌒:::::::::::\} ):〉
. // }乂 \ノ人:\ヾ::/
- 983 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 01:03:27.86 ID:YokoiBxb0
-
|-_-_-.|__..、-─- ミ/_-_-_-ノ
r-、-_-'"::::::::::::::::::::::::::::{_-_-,.へ
廴f7:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::ヽ
/:/::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::∨::::::∨
/:/':::::::::::从::::::::l::::::::\:::::::::::::::::∨::::::',
./:/ /:::::::::::/ ∧::::ト、:::::::::::\::::::::::::::l::::::::i
/:::;' ::::::::i:::/─‐-l:::l \:::::__';::::::::::::|::::::::|
. {:::::i i:::::::l/ ____ }:ノ _____ l:::::::::::|::::::::|
\::ヽ |:::::::|《~う/ハ '~う//,i¨》:::::::::::l::::::::| 劉琨殿は?
)::ノ |:::::::', ∨/ノ ∨/ノ l:::::::::::l::::::::;
(⌒ |::::::ハ /:::::::::;':::::::/
ノ:::::::::人 -〜( _.、/.::::::::/::::::::l
/:::::::::::/:::::::>─┬‐=_"{::/:::::::::/:::::::::::| ≦――=-<
(:::::::::::/:::::::_.、-r':[_.M.___/-l::::::::/:::::::::::::::', _|>゛¨¨¨¨¨¨>s。 `ヽ
ヽ:::::( i:::/ {_:_:_:_:_:_:_:_:人:::::ト :;:::::::::::::il >' ., ´ . >s、 \
)::::);:/ / 〔_/:o::/._〕 _)ノ ∨::::::::|l ./ / .:i 〈\ ∨
('"/二ニ- _〔_/:o::/._〕 (( _,.. -=二}::::八 ,' / .: | | ∨::\ ∨
| :. .:| | .: .: ∨乂\∨
| { ∧八__::| .: .: ル乂X<フ
人 { :. ∧ャtf=ァ:| / / /レ \乂X{
N\人 り レ'| ,イ /} ∨ ` <
| 〈 ノ' レイ} :::∨ /∧
| ∧ _ / ∨ ::∨ /∧
段匹磾の所へ行っているわ .| |: \ ` イ /¨∨ :::∨ /∧
| |: へ..::<〉¨¨¨///>‐、 :∨ /∧
| |: ,' /}}///∨ \::∨ /∧
| |:/ //∨⌒/ <> \v /∧
| :/ .ィ }/ \ /∧
|ハ /:} / <> \ /∧
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 劉琨と段匹磾は共に薊にいたが、それぞれ別の場所に居を構えていた。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 『晋書』『劉琨伝』によると、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 劉琨は征北将軍府にいたとされる。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 段匹磾は幽州刺史の役所にいたと思われる
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 984 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 01:04:18.62 ID:YokoiBxb0
-
/ ..:::,、丶`  ̄ ̄ ̄ ヽ ',_
, {/ { \ ヽ: ', Vヽ
,' :| ∧ {、 \:―‐i‐ i //〉
:| i/、、\ \__|__:|_ : : ' /
i :| /| \ 〃う刈 》i |): : :K 冀州の邵続殿の所へ移ってはどうかしら?
| :l ィ笊_ 乂ツ |i | : : :|∧
| | l :爪 乂ソ , || |: : : |/∧ あちらには文鴦殿もいるし、
| | | 込 , 从 |: : : |∨∧ .そのまま南へ向かえば朝廷とも連携できるのだけど
八 | 个 ` イ: } |: : : | `⌒
ヽ| \|: : : :≧ー |/:| |_: |
:| |: : ;>rノ^|:H /:/| √/ ̄ \
∧ |7: :._/_ |:. | /:/ , / / /⌒ヽ /\ ,....:.:.:.:.:.:.:|人>:::: ト、
/ | 、 {:{ F¬ 、 \ヽ:/ { /| / i <人>\___/:.:.:.:.:.:.┌i.:―ミ::::|:.:.\
.,: | } r人\ヽ ∨_, /: |' / | <人>:::::::::/:.:.:.:.√|:.:: Y:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.ヽ
{ :| | {/ \ ∨/ {_/' | <人>/:.:.:.:.:/:::リ:.:.:.:|:|:.:.:.:.:.:.:.:.`、:.:.:.ハ
匸[_匸_]:.:.:.:/:::/:.:.:.:.//:∧:.:.:.:.:.:.:`、:.:人__
,≫―==彡/::/_/:::/:.:.:.:.〈/:/ ∨:.:.:.:.:.:.:|:.√ ̄\
く/ ┌―=≦∠__/:.:.:.:.:.:.:.:厶イ ∨:.:.:.:.:.j/:.:.:.:.:.:.:.:.\
/¨¨¨ア:.|:.:.:.:.:∧¬ト/}/ ∨:./:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:`、
いやいや、アタシは幽州刺史だ。 / ∠__:.:|人:.:{ ,≫¬y -=彡 У:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、
/ ,,‐┬'’:.:.:.:.\ヽ弋ツ '''/:.:.:.:.::/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、
そう簡単に幽州は捨てられないよ。 ,′ /´ /:.:.:\:.:.:.:.:.:.ハ ''' /:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧:|
.′ | /:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.込、 - |:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. 〈 <ノ
ただ、薊は守り難いから、 ′ | ./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.> イИ/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./}∧:.:.\_ノ〉
一旦北西の上谷郡へ移ろうと思ってる | |∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、__/ア┘ |:.:.:.:.:.:.:.__/⌒\ `'ー‐彡
i | |{_人:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ ./` ´/|:.:.:.</::::/: : : : : : \
|. ├―ヘ \:.:.:.:.:.∧.:.::| |'⌒У 八(⌒´::::/: : : : : : : : : ニ=┐
| ∨ハ: )/}/: :)/ |: :/ /:::::| : : : : : : : : : : : : |
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/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 彼らは今後の方針を巡って意見が割れていた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 985 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 01:04:55.44 ID:YokoiBxb0
-
(~)
γ´⌒`ヽ
. {i:i:i:i:i:i:i:i:}
. (´・ω・` ) ≡("" 段匹磾様!
(mへ◎へm) ("⌒("
/_,/>ノ、 (⌒("≡ 薊の周辺を見回っていたら、
〈/")/_ノミ ≡≡(⌒ 怪しい奴がこのような手紙を持っていました!!
(_/^~ (⌒(("⌒;;
| ]:ヘ _____ /::「)::::::|
∨]::::\...:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:./::「)::::::::|
∨]::::::,≫‐:.:.:.:.:.:.:.:.:‐≪]:::::::人
__冫/_:.:.:.:.:厂l:.:n:.:.:.:.:.:.\/:.:.:ハ
〔_只__〕:.:/::/:.:.|:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.厶
_,, イア:.://:.:.:./:/:.:.://:.:/\:.:.:.:.:.:.:√`丶
\/:.:|//:.:./:/:.:.://:.:/ __ ∨:.:.:.:/ハ:.:.:.:.:.\
/:┌く:::/∠_/:.:.:〈/:.:/ ´ ∨:.:/:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.`、
/:.:.:.:.:`I爪:.:.:.r¬禿/}/ ィ禿¬y/:.:.:.リ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
/:.:.:.:.:.:.八レ\|{ 弋ツ 弋ツ/:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
貸してみ |:.:.:.:./.:.:.:.:∨:.:.∧ '''' ''' {:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧:|
∨:.:|:.:.:.:.:.:.:.\:.:込、 - - イ∨:.:.:.:.:.:.:.:.:./ リ
\{\:.:.:.:.:.:.:.:Υ > _,. イ ./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:(
>-ミ:.:.リ __/〔} _/\|:.:.:._/⌒^
/ }/ ∧__/Υ{__/\( `、
/ jニ{// [廷_] // }ニj/ \
人 /ニゝ--イ⌒ト--くニ{ 丿
}T"⌒7ニく___」ニ八___]人 __/
〈/⌒´7ニニiニニニニニニニiニニニT爪 {
- 986 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 01:07:27.79 ID:YokoiBxb0
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┌- _ _ -ニ廴(]:::::::::::|:.:.:.:.:.:`丶、
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∨::/:.:.:.:.:.:|:::::|:.:.|:|:.|:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ハ
∨:.:.:.:.:.:.:.|:::/:.: |:|:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:`、:.:.:.:.:.:.:.:.人_
[Y匸]:.:.:.:.//:.:.:.//:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`.:.:.:.:.:.:.:.:|/⌒\
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」:.:.]:.:.:.:.く/:.:.:.:.:.:.:.:/ ___:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
]|:.:.:]>:.:.:.:ハ:.:.:.:Ν/ ィ卞⌒ }>}/V:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.. .劉琨殿。
<[|:.:..:.:]>Ν`\_| 弋ツ 冫:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
\:.:.:.:.{ィ卞ハ ...... /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| 息子さんからの手紙みたい。
\刈{ 弋ン /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
|:.:.:.ヽ ... ゙ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: | .ひとまず無事なようで良かった
|:.:.:.:.∧ r_、 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
/:.:.:.:.:.:.:丶 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/}/
/:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.> .イ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:._∧:.:.人___
人:.:.:.八:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::八:.:.:.:.:.:.:{/⌒¨¨ニ=┐ \___/
\{ \:.:.:.:.:.:../:.//}:.:.:.:.:.人/ / ̄ ̄\
)_/}/ /八厂 ̄/./ |
/ / / / / / | _,/ ̄ ̄` ̄\
// |⌒/ ./ / | 八 / /二◎二ヽ ヽ\
/ ルノハヽゝ,ハi 〉 .i
iv、!● ● i i' 〈
lリ〈 ワ i i' リ
_iハ`ーゥ t-ノ i 〈
ヒ/」」」.l/リl ly ,ィリヽ、 ヾ
| l | / `.lシl==j \ 〉
| l ,/ー、{::::::::::/ー、! \
- 987 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 01:08:26.25 ID:YokoiBxb0
- 【劉群さんからのお手紙@『晋書』『劉琨伝』より】
‘, : ::{.:.∧ {: : : /::::|
‘, }/ }`Tく ̄ ̄ ̄\: : |:::/
_}V ノ ノ ノ: : : : : : : : \|/`丶、
┌''"´.:.:.:乂TT⌒>: : : : : : : : : : : :\: : :.
{.:.:.:.:.:.:.:.:.::/し〜′ : : : : |: : : : : : : : : : ::.
__乂_ノ、ノノ:| |: : :∧: : : :|: : : : : : : :.:.:|: : :.
/ /弋__厂: :| |: :〈 〉:_|_: |: : : : : :|: : ::.
{_ {_  ̄|.:.斗キ‐: ∨: ::/¨\: |: : : : : :|\.::.
__{_,,/{ |: : : | 八: : : : ::| xfう笊: : :/:.:.|\)\ 段末波殿には厚遇されています。
{,_ / └ヘ |: : : yぅ笊h__| 乂ソ厂/: : :|: : \ハ
{_ {_ Y: : :込乂ソ , .:.:.:.:ノ: /: : :.:|: : : 〈: } .彼はお父様を幽州刺史とし、
{__ } /.:\: : : \.:.: 、 , く__/: : : :/: : : | Y 共に盟を結んで段匹磾を襲うため、.
__ 人 }_/.:_、< ̄ ̄ ̄>-- 、..イ⌒\/ |: : : |: | .お父様の内応を期待するとの事でした
/,、----ミ=-ァ'⌒ニ=-<.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/____.:.\|\::::|: : |: : :.:|: |\
//___/:/'´/ ̄.:.:.:.:.:.:\.:.:.:.:/ ̄ ̄/ ̄\:\:`ー-ミ_: :い、 \
/ ̄: : :/「__/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::|:/.:.:.:.:◯/|.:.:.:.:.:.:.\:|__r‐┘.:.:ヽ:\\ \
: : : :/.:.:.:ノ //.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/⌒.:.:. ◯/ | .:.:.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}: ハ: :. :.
/⌒广ア〈 {└┐.:.:.:.:_、‐''゛.:.:.:.:.:.:.:◯/ /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:∧: : |: :|\ :.
___//{  ̄√| |.:.:/⌒\__,ノ∨ /∧.:.:.:.:. :.:.: |.:.:.:.:.:.:.:.:/: :.\|: :|\\}
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 『晋書』『劉琨伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 段匹磾配下の騎兵が見回り中に劉琨の息子劉群の手紙を得た。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .段末波が劉群を介して
`ヘ:ゝ .' 小/ 劉琨の寝返り工作を試みていたらしい
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 988 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 01:09:15.15 ID:YokoiBxb0
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\:.:.:.:.{ィ卞ハ ...... /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
\刈{ 弋ン /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
|:.:.:.ヽ ... ゙ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: | 劉琨殿を疑ってないから、これを見せたんだ
|:.:.:.:.∧ r_、 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
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人└‐ .|/⌒\/ 丿 `、
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ア⌒| |⌒¨¨爪 ]======= |
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- 989 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 01:12:29.25 ID:YokoiBxb0
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,、丶`  ̄ ̄ ̄ ``丶、
/ _ -‐\ \ \
, -=二ニニニ=-\ \ ヽ _ -=二=
/ニ=- \ \ ヽ ', /二二 /
/' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ=-
/ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄___
|八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二二二
i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、  ̄ ̄ ̄
| | ,ィ=ミ\ `" `、 ( ノ人 \
あなたと同盟して |i 爪 vリ __、 〈 ヽ \
王室を助けるべく力添えを仰ぐのは、 八 ハ ' \、 \ \
国家の恥を雪ぐために他ならないわ。 ヽ 込 、 ァ / \ \ \
| 个 ィ / ' \――― ミ \
私の子の密書が届いたとしても、 .| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒ヽ
そのためにあなたの義心を忘れる事はないわよ __ | | i 八 / '// / ' \
/ ∧、八 |{_// / ' , i '⌒\
___/_____,/:__\ _ ノ7:/ / /' / V | {
/ ________|,::/ / , / \ \ |
. / /\ ̄ ̄\/////////,|::i_/__ ____/_____\ \
/ ///,',\ \///////二二ニ/7二二二二二二ニ= \ \ |
. / ///////,\ \/// '二二二|八_ )二二∨)二二二二=:〕 \ |
- 990 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 01:13:49.57 ID:YokoiBxb0
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. __「L, /〉 __「L /〉 __「L /)/)
.. └┐i7― 、 _ { {└七[ _ { {└七[ _ 〈/〈/
. /ィ l´⌒) ) `つ) V ((フノ` `つ) V ((フノ` `つ) o o
¨ ´ `´ `´
,;:''""'':;,
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
段匹磾様。 .,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
段叔軍様が火急の用件でお越しになられました。 ,i゙ / \ ゙i!
i! ● ● ,l
身内の話なので、取り急ぎお会いしたいと ゙i,,* (__人__) *,/
ヾ、,, ,/
/::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ /::::::::::::::::::・::::::::::::::::::::i!
| 劉琨殿、ちょっと外すけどゆっくりしていってね |
ヽ______________________乂
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 段匹磾は常に劉琨を重んじており、彼を殺す意志を持っていなかった
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 991 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 01:14:28.78 ID:YokoiBxb0
-
∫ι__________ ./丁了
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ
||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | ||
||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | ||
弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
弋ェェt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ェ,ィ | 兄上、劉琨が来ているので? |
il_,└───────┘ , i! ヽ______________乂
| ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l
|| ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄||
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|i | ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄||
 ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ || ̄! ̄ ̄/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄.|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i  ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~ ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l  ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`ll`l
l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″|  ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄  ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
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: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 段叔軍という人物がいた。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ .『晋書』『劉琨伝』には段匹磾の中弟とある
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 992 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 01:15:17.79 ID:YokoiBxb0
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∨:.:|:.:.:.:.:.:.:.\:.:込、 - - イ∨:.:.:.:.:.:.:.:.:./ リ それがどうしたのさ?
\{\:.:.:.:.:.:.:.:Υ > _,. イ ./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:(
>-ミ:.:.リ __/〔} _/\|:.:.:._/⌒^
/ }/ ∧__/Υ{__/\( `、
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〈/⌒´7ニニiニニニ | 我々が胡人であるのに晋人が従っているのは、我らの兵を恐れるからです |
| 八ニニiニニニ ヽ__________________________________乂
| ∨ニiニニニ\_,ニ- '~ く ⌒〉
/ ___>-_=ニ⌒|::I:::| く `」
〈 / / |::I:八¬''⌒¨Т´
‘, _廴_∨`ヽ |
人______ -=ニ⌒ /
└廴[_,,.、、-――- __/
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 彼は鮮卑でありながら、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 学問を好み智謀を有していたとされ、兄段匹磾からの信頼が厚かった。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .そんな人物が兄に進言した
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 993 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 01:16:31.37 ID:YokoiBxb0
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〔_只__〕:.:/::/:.:.|:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.厶
_,, イア:.://:.:.:./:/:.:.://:.:/\:.:.:.:.:.:.:√`丶
\/:.:|//:.:./:/:.:.://:.:/ __ ∨:.:.γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
/:┌く:::/∠_/:.:.:〈/:.:/ ´ ∨:.| 今、晋人が我らの骨肉の禍に関わって策謀を巡らせ、 |
/:.:.:.:.:`I爪:.:.:.r¬禿/}/ ィ禿¬yヽ__________________________乂
/:.:.:.:.:.:.八レ\|{ 弋ツ 弋ツ/:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
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∨:.:|:.:.:.:.:.:.:.\:.:込、 - - イ∨:.:.:.:.:.:.:.:.:./ リ
\{\:.:.:.:.:.:.:.:Υ > _,. イ ./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:(
>-ミ:.:.リ __/〔} _/\|:.:.:._/⌒^
/ }/ ∧__/Υ{__/\( `、
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人 /ニゝ--イ⌒ト--くニ{ 丿
}T"⌒7ニく___」ニ八___]人 __/
〈/⌒´7ニニiニニニニニニニiニニニT爪 { γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| 八ニニiニニニニニニニiニニ_厶斗-┴ァ | 劉琨を奉じて決起すれば、我ら一族は皆殺しにされますよ |
| ∨ニiニニニ\_,ニ- '~ く ⌒〉 ヽ__________________________乂
/ ___>-_=ニ⌒|::I:::| く `」
〈 / / |::I:八¬''⌒¨Т´
‘, _廴_∨`ヽ |
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- 994 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 01:17:11.12 ID:YokoiBxb0
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.′ | /:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.込、 - |:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. 〈 <ノ いや、そうは言うけどさ。
′ | ./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.> イИ/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./}∧:.:.\_ノ〉
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i | |{_人:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ ./` ´/|:.:.:.</::::/: : : : : : \
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八 _,,. イ}| |: : : : :/└- _|厶ニ= /:::::: | : : : : : : : : : : : :∧
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- 995 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 01:21:42.54 ID:YokoiBxb0
-
※新スレ立てて来るのでしばらく休憩で
- 996 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 01:32:52.73 ID:YokoiBxb0
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| 新スレ |:::::::::::::| ゝ::::|
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| | >-、\! !/::,-< やる夫が正史を書くようです58
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- 997 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 01:33:26.72 ID:YokoiBxb0
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※続きは新スレで投下します
- 998 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/02/26(日) 09:04:36.23 ID:YokoiBxb0
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- - ──ー - -、
/i ,.-‐''"´ \ i\
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l >>847
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ パンサラッサさん凄かったですね
| i ̄i ̄i ̄i """ |
l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ /
`/ | | \ /
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ てかサウジカップ日本馬多すぎないか…むぐ
| ( ●)(●)
. | (__人__)____
| ` ⌒/ ─' 'ー\ 適性の勝利って感じだな
. | /( ○) (○)\
. ヽ / ⌒(n_人__)⌒ \ ツインターボさんが平成のパンサラッサなんだよなあ。
ヽ |、 ( ヨ |
/ `ー─− 厂 / 実績的に考えて
| 、 _ __,,/ \
- 999 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/03/03(金) 23:47:43.01 ID:/OIaRW5F0
- 【日本2−7中日】
- - ──ー - -、
/i ,.-‐''"´ \ i\
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l 侍ジャパンのどこに侍がいるんですかね?
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ
| i ̄i ̄i ̄i """ | .阪神さんもセ・リーグの意地を見せて下さいね
l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ /
`/ | | \ /
「l\
{ヽ { !::、\
{ ::.\ l l::::} }
乂:::>ヽ _>''^~ ̄`┴く``〜、
__( ̄{_、<二....,,,_ヽ :ヽ: : :\
く (>イ ``\: : ヘ : : :ヽ
У 〉、 、_rーっ\ '/ : ヘ: : : ヘ
/ j :/,-、`ー-‐_,. ̄ ̄\'/ : ヘ: : :ハ
√ .i:/  ̄ ィ'^笊^ア } : : l i: : : l
{ :∧ィ'示` Vシ、′ ! : : l l : : :l
l i '/圦Vソj j : : :l|: : l
|l ! '/l `__ j! . : :j!: l: : : !
|l | 乂_,,. 〈 / ヽ u / . : :/: : ! : :/,
jj| :.:ト、 ∨__ノ . :/ . : :/l : : l : : /,
‖ ! ;.l.:.\ . : : / . :/; :l : : l : : : /,
‖ ノ } l:.i.:.:.`ー┬ / :/ 〉ー-=、、_ : : .\
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// .:.:.:/ ,l// / . : { _/ /:.:.j! l : : : : \ `'<__ノ
Y.イ .:.:./ j!/..、、、{ { . : :l'ヾ /:.:.:.j 八: : : : ヽヘ ̄
- 1000 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2023/03/03(金) 23:54:37.95 ID:/OIaRW5F0
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| 帝凍庫クン |
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とニ二ゝソ____/ | `ヽ.___´, || \____(、,二つ
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