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やる夫が正史を書くようです57
- 237 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/11/24(木) 02:05:12.63 ID:7Ziklgte0
- 【>>132修正】
【紀元313年頃 晋 兗州 廩丘】
/ニYニヽ
/(>#;(0 ) ヽ
/⌒`´⌒ u. \
| (- 、 | .劉演将軍!
ト-―――-` l !
ヽ `⌒´ / /、 魏浚将軍救出に向かった騎兵が
`コー /,ノ:::ゝ、 匈奴の伏兵に襲われ壊滅しましたっていう!!
i 、\ ;
| ! /__} ;
,-| . |ー-、/ ゞノヽ { ::.\ l l::::} }
{_ i、___,l | | ; 乂:::>ヽ _>''^~ ̄`┴く``〜、
)ソ(___i)---| | __( ̄{_、<二....,,,_ヽ :ヽ: : :\
ゝ-i--i´ ; く (>イ ``\: : ヘ : : :ヽ
`-゙ У 〉、 、_rーっ\ '/ : ヘ: : : ヘ
/ j :/,-、`ー-‐_,. ̄ ̄\'/ : ヘ: : :ハ
√ .i:/  ̄ ィ'^笊^ア } : : l i: : : l
{ :∧ィ'示` Vシ、′ ! : : l l : : :l
l i '/圦Vソj j : : :l|: : l
なんですって!? |l ! '/l `__ j! . : :j!: l: : : !
|l | 乂_,,. 〈 / ヽ u / . : :/: : ! : :/,
それでは魏浚殿は!! .jj| :.:ト、 ∨__ノ . :/ . : :/l : : l : : /,
‖ ! ;.l.:.\ . : : / . :/; :l : : l : : : /,
‖ ノ } l:.i.:.:.`ー┬ / :/ 〉ー-=、、_ : : .\
'/ //:.j.:.:.:>'/ :/ // /:/ `ヽ: : .\
晋 兗州刺史 劉演
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } この際、友軍の劉演らの軍勢が
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 魏浚救援を試みるも劉曜の伏兵に阻止されている
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 238 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/11/24(木) 02:06:13.74 ID:7Ziklgte0
- 【修正:>>148と>>149の間】
;;;;;;;::::::::::::::............. .
:::::::::::::::....... ,_
;;;;:,,:::.... _ ィ;:).ヽ ,,
彡(ヽ,:::::::::....... (. | | てヽ),,;彡(ヽ
/ `' ) | /ヾヽー' / `'
|ヽ |ヽ  ̄|へ =ミ≡(. | | /
lソ/ミミミミ;, く|)ヽ_、 ノ ) ノ << ヽ丶
ゝ くi \ ハ / へ ヽヽ ヾ ヽ、ミヾ ヽ、
( \ \ .. .. く|)ヽ_、 ...... : .. ゝ ヽミゝ ヽ
-,,,, \ ソ ...... : .. ハ ー=彡三彡彡彡丿\┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
/ ''''-◎ ll .. : .... -ー=彡三彡彡彡彡丿 ヽ
;;;;;;;;::::::::........ ,. ‐'''' ̄''ー 、 ll ー=彡三彡彡彡彡彡ノ く)\
;;;;;;;;;;;;;,,,,,,.../;;;;/;;l l ヽ`'、 ll ... ..: ー=彡三彡彡彡彡彡彡ヾヽ \
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;/;;;;;;l;;;;,,,, l ヽ `ヽil ー=彡三彡彡彡彡彡彡彡彡 ヾヽ
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y-─-、
/ ._\
∧イノ 厂{ミZZァ
人ノ:::ム=-y} 弋//ノ-、∧
从z─-、::::\.:ゞ-、 L_i/::/
/ ヾ::ノ.:.:.:.:.i ;\::::::::{
/ |.:.:.:.:.:.:.:|,,ノi.....',ーi"
. /ZZz=-xzzzz,ノ.:.:.:.:.:.:.:.|_|__.〈.:.
/::::::≦二二二才.:.:.:.:.:.:.:.:.:|_|_/
. {:::::::::::::::::::::::,' ̄ヽ .:.:.:.:.:.:.:.::|_ノヘ/.:
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 進軍は夜間に行われた。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 作戦は秘匿されたらしく、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .情報を口外する可能性のある者が斬られた記述が残っている
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/24(木) 07:25:17.95 ID:89AFqDaL0
- 乙
- 240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/24(木) 08:03:15.49 ID:2bn1AYIC0
- 乙でした
>>238によって、王浚の失策がさらに強調されているww
- 241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/24(木) 16:50:54.32 ID:SJD03p75O
- 乙です
杜預さんの息子が出オチで死んでる…
- 242 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/11/24(木) 18:25:11.29 ID:uXm0xpmj0
- 【>>209修正】
【紀元314年夏頃の勢力図】
.,、
、-' ヘ
,r'`ー-、_;_, 拓跋部 段疾陸眷 /´ /
r'´  ̄ヽ, 【段匹磾】 ,r'´ r' r‐
} { ,.、_ノ _"7 /
/ r' / 'ー'´
./ ノ 【劉琨】 ヽ
' { 'ー、 r'‐-,_,_ィ_
} 石勒 【邵続】/ヽ_r' _r'´
{ 劉聡 r-'´ 曹嶷 r'
`ヽ } ノ }'ー'
{ { r【劉演】 r'
'´`ー-, ヽ / ノ r'
\ 'エ_,.-‐'`ー―‐'―= ‐' .,
 ̄ ̄`ー‐'―'´ (魏該)(李矩)【荀組】 > 【】()は晋王朝系
【司馬鄴】 ,ヘ' ヽ
r-v'γ ヽ ハ_
ィ-v __ゝ、 `{_,、
,、_ r' `,=-、
杜曾 `' r' {__'ィ }
,. -――'´`ヽ , _,.r'【司馬睿】 __/`
_/ ヽ ,/ ヽ ノ `^ー'`>
_ィvー'´ 杜弢Z、 /(陶侃)ー-,r' } --=´::::::::::::::::::::::::::::::::: : ヽ
r-‐'´} {`ヘ } /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヘ
'ー'`" `ー' r、} /:: ,': : /i:::::::::::::::i:::i::::::::::::::ヽ\
(王敦) . /i::: {:: /. '::::::::{::::ハ_|ゝ::::::::::::::',
{: : i..,'  ̄ ':::::::i!::,'. ヾ ̄ヽ::::::',::}
|',:: ',{====\ {`=====. i::::::::}/
石勒にすれば、 Y |;;;;;;| ` |;;;;;;| |::: : ,'
王浚を倒して半年もしない間に敵が増えた格好だ。 i `"´ `"´ i:: : ,'
. `i> __ <|:: /
四方に敵を抱えてしまっている l//: :ヽ=/: :\//
ヘ`゙<ヽ/>彳/
ヘ. ⊂只⊃ /
} 〃 ヾ {
- 243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/24(木) 20:28:04.03 ID:rOgalQ8u0
- >>186
やっぱ事前の根回しは大事よなぁ
- 244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/24(木) 20:47:40.61 ID:TXpdpFZco
- 乙でごわす
土壇場でのギリワンはこの時代でもあんまりよく思われませんからなぁ
- 245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/25(金) 00:49:49.99 ID:wKZOHFw60
- 乙です
KOEIのゲームでも内政は大事
- 246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/25(金) 23:36:59.96 ID:582mUXxi0
- 乙、石勒の敵を潰しても潰してもまた敵が増えていく様はまるで織田信長のよう
- 247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/26(土) 00:28:42.03 ID:eBJLk2Bc0
- 乙でした
段匹磾と段文鴦ってこれまでの行動を見てもあくまで一貫して晋を支えようと行動してるし、後世にもっと忠烈の臣として語られて良いような気がしてきます(なおウマヒョイ
- 248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/26(土) 21:59:40.93 ID:039R7BME0
- 司馬越があそこで急死しなかったら
石勒もまだ南の方でグダグダしてたか下手すると討たれてたかもしれないと考えると
大きな出来事だったな
- 249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/27(日) 09:39:18.78 ID:qdsbTd11o
- 司馬越死ななかったら江南行って自立してたんだろうか
- 250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/27(日) 21:55:10.81 ID:n8JqE1t5o
- ぼっちちゃん見てるのなんかつれーからわたてん見てるわ
- 251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/27(日) 21:55:58.07 ID:n8JqE1t5o
- すみません誤爆ですorz
- 252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/28(月) 16:57:40.03 ID:VQIvOQfw0
- >>247
段匹磾、『晋書』に西晋末の武将として伝が立っているから(異民族の「載記」ではない)、『晋書』的には忠臣評価
- 253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/28(月) 20:00:27.01 ID:bq71toIZ0
- みんな宇文氏の事も忘れないであげて・・・
後の宇文泰は敗北して落馬したら騎乗してる部下に槍でケツ突かれながら逃走したけど
隋唐に繋がる超重要人物だし
- 254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/30(水) 20:12:32.83 ID:hrIBWP2c0
- 石勒の怖ろしいところはちゃんと身の程をわきまえて退ける所だよなぁ
正面切って勝てなかった相手にこの嗅覚で何度も最終的に勝ってきた
- 255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/30(水) 20:43:52.60 ID:m7rz6zDRo
- まさに高祖リスペクトのムーヴ
- 256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/01(木) 01:49:16.53 ID:vxXGw6Pz0
- ただし敵を[ピーーー]時は白起項羽リスペクトの坑殺な模様
- 257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/02(金) 20:02:24.94 ID:QAbRDNJJ0
- 敵対された場合でも段部が一致団結して行動できなくなった時点でもう「義兄弟の契り」の狙いは果たしてるんだよねこれ
- 258 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/13(火) 00:54:05.07 ID:63vhgOgW0
-
- - ──ー - -、
/i ,.-‐''"´ \ i\
l \_/ _,, ,,_ ヽ、_/ l
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l 御無沙汰しています。
ヾ_,;;;l , , , l;;;__ジ
| i ̄i ̄i ̄i """ | .今週前半まで仕事が忙しいので、
l . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .l .12/15(木)の夜に続きの投下を予定しています
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ /
`/ | | \ /
- 259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/13(火) 16:38:39.62 ID:QTP7UJjy0
- >>1さん了解しました。
年末でお忙しいでしょうが、楽しみにしています!
- 260 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:04:51.75 ID:3dxFmBQf0
- 【>>235の続き】
【紀元314年2月 晋 并州 陽邑】
.,、
盛楽 、-' ヘ
,r'`ー-、_;_, ○ 薊 /´ /
r'´  ̄ヽ, ○ ,r'´ r' r‐
} { ,.、_ノ _"7 /
/ r' 晋陽 太 / 'ー'´
./ ノ ○ ヽ
' { ● 行 厭次ー、 r'‐-,_,_ィ_
} 陽邑 ○襄国 ○ /ヽ_r' _r'´
{ 平陽 山 鄴 ○ r-'´ 〇 r'
`ヽ } ○ 壺関○ ○広宗ノ 臨淄 }'ー'
{ { 脈 r○廩丘 r'
'´`ー-, ヽ / ノ r'
\ 'エ_,.-‐'`ー―‐'―= ‐' .,
 ̄ ̄`ー‐'―'´ ◎洛陽 ○開封 〇 >
○長安 ○○許昌 下邳,ヘ' ヽ
襄城 ○葛陂-v'γ ヽ ハ_
ィ-v○寿春 __ゝ、 `{_,、
,、_ r'○建康 -、
○襄陽 `' r' {__'ィ }
,. -――'´`ヽ ,、 , _,.r' __/` ,. :-:.' ー ' ¨ :.ゝ.、
_/ ヽ ,/ ヽ ノ `^ー'`> ,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
_ィvー'´ Z,、 / `ー-,r' } ,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ、
r-‐'´} {`ヘ ,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`、`ゝ
'ー'`" `ー' ,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ハ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
/イハ:!:.:.:l:/ i/ ノノ ノリリハリ:!:i:.:.!:.l
i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ハ!
∨|:.:.! ノ/i/ノ
さて、少々時間を戻すが、 ヘ!:| ノ!/′
この建興二年の二月、劉琨が大将軍に任命されている ヾ!>ー- -- <イリ
(;;;;;ソ⌒) ̄`´ ̄(⌒ヽ
ヽ;;=;;/__,,、_/;;`ソ
〉;;;;;;;;ソ:/A.i:l;;;;;;!′
ノ`;;;;;;;;;;i;!___i;!;;;;;ゝ、
(_;;;;;;;;;;;7;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ;;;;;;;;)
` ̄ ̄ ̄´` ̄ ̄ ̄´
- 261 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:05:49.48 ID:3dxFmBQf0
-
. /ニYニヽ ./ニYニヽ
/ (0)(0)ヽ ./ (0)(0)ヽ
/  ̄`´ ̄ \ /  ̄`´ ̄ \ 皇帝陛下は劉琨様を
| ,-) (-、.| | ,-) (-、.| 大将軍に任命すると仰せですっていう。
| l ____ l | .| l ____ l |
\ ` ⌒´ / \ ` ⌒´ / 何卒、お力をお貸し下さいますよう
,、-='l \_,ン g< \ ,、-='l \_,ン g< \
/ \ └〆\ i=i|\' \ / \ └〆\ i=i|\' \
丿 i \ \=i| / i| 丿 i \ \=i| / i|
,、丶`  ̄ ̄ ̄ ``丶、
/ _ -‐\ \ \
, -=二ニニニ=-\ \ ヽ _ -=二
/ニ=- \ \ ヽ ', /二二
/' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ=-
/ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄__
|八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二二二
i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、  ̄
身に余る光栄。 .| | ,ィ=ミ\ `¨ `、 ( ノ人 \
|i 爪 vリ __、 〈 ヽ \
古人には及ばないけれど、任を果たせるよう努力するわ 八 ハ ' \、 \ \
ヽ 込 、 - / \ \ \
| 个 ィ / ' \――― ミ
| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒ヽ
__ | | i 八 / '// / ' \
/ ∧、八 |{_// / ' , i '⌒
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 同時に、王浚が大司馬、荀組が司空、張軌が太尉に任命されている
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 262 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:06:21.61 ID:3dxFmBQf0
-
/ _ -‐\ \ \
, -=二ニニニ=-\ \ ヽ _
/ニ=- \ \ ヽ ', /二
/' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ= 温嶠殿。
./ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄_
|八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二 .各州郡に檄文で通達を。
i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、
| | ,ィ=ミ\ `" `、 ( ノ人 \ .石勒が幽州討伐を申し出たので、
|i 爪 vリ __、 〈 ヽ \ .人質を受け入れて和睦に応じると
八 ハ ' \、 \
ヽ 込 、 ァ / \ \
| 个 ィ / ' \――― ミ / ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:、: :\:、
| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒ヽ /: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ハハ: \: :ヽヽ
__ | | i 八 / '// / ': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|`´ ヽ: :三_〉:_ヽ、_
/ ∧、八 |{_// / ' , /: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :| |: :|: : :|:!: : ̄彡´
|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :| }: :|: : :.:|:.|:<
{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.リ、/_/ j从: : :}:|:.|、:_:_≧
\}: : ∨: :|: |≧-_、: : / ィ≦⌒ヽイ: :/: !:.!: /
イY:.:{: : Y ハ斥 ∨ ら:刈 |:/:{:.:|:.|/
-イ: :ト、: 圦 ら::ム マしソ }: :.|: |:.|
王浚様との関係修復が難しいとはいえ、 Y、:\:」 マし' , "´ /: /: :{リヽ
これは賊の片棒を担ぐようなものではないでしょうか? \: ハ _ __ ι ィ: /r≦―-、
\:> _ ...イ: :// ̄ ̄ヽ:.i
/\〉:.:./三ヽ j: // // ///Y
/{:.:.:.:.:.:.:\三、/W //}:.∨ }|
晋 建威将軍 温嶠
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 石勒が劉琨へ和平を申し出たのはこの前後と思われる
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 263 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:08:09.68 ID:3dxFmBQf0
-
___
_,. </⌒``丶.
´ ,.-‐=roz=‐- 、 \
. / /> 7´ ̄ ``ヾ{ ヾヽ
′ / l{ ヽ `、 X
{ 从 |__ i |! そんな事はないわ。
| |', -/‐ \ ´|\ | | |!
_/)__n/| | ∨ __ \ ィ示刈 |、A .良い機会だから、
⌒{^ヾ{ `| ∨ ィ示 乂ソ | | }ハ 期日を決めて、拓跋部と共に劉聡を討伐しましょう。
. _「ヾ! V从 ', 乂ソ | |/ ',
⌒7ヽ ヽ、 `、 } |:、 ' ,:| | .さすがに石勒といえども、
⌒`、 `,.>┬z|个:._ ー ' /| | .王浚相手に簡単に勝てるとは思えないし
>'"7 / / ./ ̄// T>: . . :イ_ | |
/ / / / / ./V ̄ ` 、r {: : : : : : : :}j} {
/ ̄/ / /.>┐/ /"⌒`、 ` 、\: . : :j} .ト
. /_/.> / / /:/ / V`、 ヽ. \. j} | / ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:、: :\:、
. V_/ / / / /:/ / Vム_jノ__ \} | /: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ハハ: \: :ヽヽ
/ / / / /:/ /⌒\ Y´二 /Yト、/__/ ': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|`´ ヽ: :三_〉:_ヽ、_
/: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :| |: :|: : :|:!: : ̄彡´
|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :| }: :|: : :.:|:.|:<
{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.リ、/_/ j从: : :}:|:.|、:_:_≧
\}: : ∨: :|: |≧-_、: : / ィ≦⌒ヽイ: :/: !:.!: /
イY:.:{: : Y ハ斥 ∨ ら:刈 |:/:{:.:|:.|/
-イ: :ト、: 圦 ら::ム マしソ }: :.|: |:.|
そう上手くいくでしょうか? Y、:\:」 マし' , "´ /: /: :{リヽ
\: ハ _ __ ι ィ: /r≦―-、
\:> _ ...イ: :// ̄ ̄ヽ:.i
/\〉:.:./三ヽ j: // // ///Y
/{:.:.:.:.:.:.:\三、/W //}:.∨ }|
- 264 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:09:00.20 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元314年2月 拓跋部 首都 盛楽】
. /ニYニヽ
/ (0)(0)ヽ
/  ̄`´ ̄ \ 我が主劉琨は三月某日に平陽を攻めると仰せですっていう。
| ,-) (-、.|
| l ____ l | これに合わせて、拓跋猗盧様の御助力を仰ぎたく存じますっていう
\ ` ⌒´ /
,、-='l \_,ン g< \
/ \ └〆\ i=i|\' \ /|/ :': ̄: :ヽ. 、`ヽ./`、
丿 i \ \=i| / i| /: :/ : : : : : : : : : : \ ∩!:.、
./: : : :!: : : : : :`、: : : : : : :\.|: `、
/: : i: : : '、: : : : : : :}: :i: ; : : : : :`、 : ;
.! : : |: : :!:|`、: 猗 :-t=ナ:+: : : : : : '; : '.
.'; : : `、,x:T `、: : :/ィテ=ミ.!: :|: : :|: |: :.i
.ヽ: 、 \ィ=ミノ/ .{ハ_イ`!〃: :/:∧: :',
.ヽ:\:'、.ヒリ ー' ‖:/:/:!: '; :.`、
こちらとしても異論はありません。 ./: : ` ′ ./: : : : : | : |: : ;`、
./.i; ; ; '.、 ー ´ /: : : : : :.!: : i i: :ト }
期日通りに平陽でお会いしましょう ./ !: : : : i> 、__ ./': : : : : //:}: !/!: !.'}
|:!: : : :/: \,.<}_..〃: : : /〃.///:}/-′
!|: |:|:/:ヽ\:|∩.n!.|: : //>´ ′
``i i:!:`::<::{`/::!:i: :/: : :`>.、
/`、|:::::/,. =-、::::::`、|::::::::::::::::::::ヽ
/:::/`o/::〉__/:::::o::::::`!:::::::::::::::::::::::!
拓跋部 大人 拓跋猗盧
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .劉琨はこれを劉聡討伐の好機と見た。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 少し後に彼が書いた上奏文によると、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j この年の三月に拓跋猗盧と共に平陽を攻略する手筈だったらしい。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 拓跋部側の記録である『魏書』『序紀』にも
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 両者が期日を決めて平陽で合流するとの記述が残っている
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 265 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:09:44.42 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元314年2月 晋 并州 陽邑】
. /ニYニヽ
/ (0)(0)ヽ
/  ̄`´ ̄ \
| ,-) (-、.| 拓跋猗盧は出兵を承諾しましたっていう
| l ____ l |
\ ` ⌒´ /
,、-='l \_,ン g< \
/ \ └〆\ i=i|\' \
丿 i \ \=i| / i| '"  ̄ ̄ ``丶、
/ -―‐-ミ \ \
, /:::(O):::::::::::::::\ ヽ
/ ..:::,、丶`  ̄ ̄ ̄ ヽ ',_
, {/ { \ ヽ: ', Vヽ
,' :| ∧ {、 \:―‐i‐ i //〉
:| i/、、\ \__|__:|_ : : ' /
i :| /| \ 〃う刈 》i |): : :K
| :l ィ笊_ 乂ツ |i | : : :|∧
いよいよ劉聡打倒の好機到来ね。 | | l :爪 乂ソ , || |: : : |/∧
| | | 込 , 从 |: : : |∨∧
王浚にはせいぜい時間を稼いでもらいましょう 八 | 个 ` イ: } |: : : | `⌒
ヽ| \|: : : :≧ー |/:| |_: |
:| |: : ;>rノ^|:H /:/| √/ ̄ \
∧ |7: :._/_ |:. | /:/ , / / /⌒ヽ
/ | 、 {:{ F¬ 、 \ヽ:/ { /| / i
. ,: | } r人\ヽ ∨_, /: |' / |
{ :| | {/ \ ∨/ {_/' |
- 266 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:10:25.74 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元314年3月 晋 并州 陽邑】
|┃ /ニYニヽ
|┃ ./( ゚ )( ゚ )ヽ
|┃ 三 /::::⌒`´⌒::::\ 一大事ですっていう!
|┃ | ,-)___(-、|
|┃ . | l |-┬-| l | 石勒が薊を陥落させ、王浚を捕らえましたっていう!
|┃ \ `ー'´ /
|┃ / `ヽ. 王浚は襄国に送られ斬首された模様!!
|┃ 三 ./ \
,⊆ニ´⌒ ̄ ̄ " y r、 ヽ \__人_人从_人_人从/
⊂二、 ,ノ──-‐'´ | | l" | _) (__
|┠ ' | l/'⌒ヾ ) 申し上げます! (
|┃三 | |ヾ___ソ  ̄ ̄) ( ̄ ̄
/⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
_,/ ̄ ̄` ̄\
/ /二◎二ヽ ヽ\
/ ルノハヽゝ,ハi 〉 .i
iv、!● ● i i' 〈
瞬殺? lリ〈 ワ i i' リ
_iハ`ーゥ t-ノ i 〈
ヒ/」」」.l/リl ly ,ィリヽ、 ヾ
| l | / `.lシl==j \ 〉
| l ,/ー、{::::::::::/ー、! \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ だが、劉琨の目論見は外れた。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 石勒が想像以上の速さで王浚を討伐・殺害したためだ
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 267 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:11:38.42 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元314年3月 拓跋部 首都 盛楽】
_,..、-''"~""''';,‐-..,
`゙''ー-、,__,,..-‐''"'''- ._,,..-‐''~"~"'''''‐-
,__,,...-‐ '''"" , -'" ``丶、.
::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;''.:i;;:;: :::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:i;;:;:..
...::..:..:..::::..:..::.:..:...::..:.il.::::::::::l:ll=lll:::::::l:::l:::::::l::.:il::.:....
...::..:..:..::::..:..::.:..幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵:::..:...
', "゙
_,,.-‐''"_,,゙
__,,.. .-‐'''""~ ,,.. '''
_,,.-‐''" _,,.. ' \ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
┌─┴┴─┐ ≧ <
│ .拓跋部 .│ ≧ 拓跋部で匈奴の反乱が露見! ニ=-
└─┬┬─┘ ≧ ≦
││ /Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
"''゙"''゙"
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
≧ 拓跋猗盧は平陽攻めを見合わせるとの事!! ニ=-
≧ ≦
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、 /Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 加えて悪い事に、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 拓跋部に服従していた匈奴・雑胡が石勒に呼応して反乱を計画。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:′ .事前に発覚したため関係者は誅殺されている
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 268 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:13:10.41 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元314年3月 晋 并州 陽邑】
/ _ -‐\ \ \ -‐
, -=二ニニニ=-\ \ ヽ _ -=二=-
/ニ=- \ \ ヽ ', /二二 /
/' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ=-
/ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄___ こうなってはどうしようもないわ。
|八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二二二二
i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、  ̄ .劉聡討伐は中止しましょう
| | ,ィ=ミ\ `" `、 ( ノ人 \
|i 爪 vリ __、 〈 ヽ \
八 ハ ' \、 \ \
ヽ 込 、 - / \ \ \
| 个 ィ / ' \――― ミ \
| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒ヽ / ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:、: :\:、
__ | | i 八 / '// / ' \ ./: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ハハ: \: :ヽヽ
/ ∧、八 |{_// / ' , i '⌒\ ': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|`´ ヽ: :三_〉:_ヽ、_
/: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :| |: :|: : :|:!: : ̄彡
|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :| }: :|: : :.:|:.|:<
{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.リ、/_/ j从: : :}:|:.|、:_:_≧
\}: : ∨: :|: |≧-_、: : / ィ≦⌒ヽイ: :/: !:.!: /
イY:.:{: : Y ハ斥 ∨ ら:刈 |:/:{:.:|:.|/
石勒の動きが気になります。 -イ: :ト、: 圦 ら::ム マしソ }: :.|: |:.|
Y、:\:」 マし' , "´ /: /: :{リヽ
私が冀州の様子を見てきましょう \: ハ _ __ ι ィ: /r≦―-、
\:> _ ...イ: :// ̄ ̄ヽ:.i
/\〉:.:./三ヽ j: // // ///Y
/{:.:.:.:.:.:.:\三、/W //}:.∨ }|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉聡討伐の計画は中止に追い込まれた
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 269 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:13:48.86 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元314年5月 晋 并州 陽邑】
|┃ /ニYニヽ
|┃ ./( ゚ )( ゚ )ヽ
|┃ 三 /::::⌒`´⌒::::\
|┃ | ,-)___(-、| 申し上げますっていう!
|┃ . | l |-┬-| l |
|┃ \ `ー'´ / 涼州を治める太尉張軌様がお亡くなりになられましたっていう!!
|┃ / `ヽ.
|┃ 三 ./ \
,⊆ニ´⌒ ̄ ̄ " y r、 ヽ
⊂二、 ,ノ──-‐'´ | | l" |
|┠ ' | l/'⌒ヾ
|┃三 | |ヾ___ソ
_,/ ̄ ̄` ̄\
/ /二◎二ヽ ヽ\
/ ルノハヽゝ,ハi 〉 .i
iv、!● ● i i' 〈
lリ〈 ワ i i' リ
orz _iハ`ーゥ t-ノ i 〈
ヒ/」」」.l/リl ly ,ィリヽ、 ヾ
| l | / `.lシl==j \ 〉
| l ,/ー、{::::::::::/ー、! \
- 270 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:15:35.27 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元314年5月 晋 涼州 姑臧】
- -
/::::::::::::::::::::::::::::::::\
へO/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\へ
/::::::○:::::::::::::::::::::::::::::|:::::::|::::::::::::::::ヽ:::\
{:::::::::::〇::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::|',::::::::::::::::::i::::::::\
|:::::::::::〇 :::::::::::::::/::::::::/|:::::::| ',::::::::::::::::}:::::::::::::}
|:::::::::/ レ:::::::-≠ -/ L :: |> 、:::::::::}:::::::::::::|
|::::::/ ,'i:ノル'佗竿 r。ミ }::::::: ∧:::::::::::|
|:::/ { |::::::込z少 比刈厶.イ \::::::|
|:( ゝ::::::i 、 ´ /:::::| ヽ:::: .文武諸官は忠義を尽くし、
ヽ\ ',::::::.., , 、 :::::::| 丶:.. 百姓を安んじる事を務めとする事。
二ニ/ )ヘ:::::ト ∠ }::::::| ) }
, --〈 ぅ | ¨「_ _」::::::| 彡' 上は国に報いて下は家を安んじる事。
, \ ( 、 」 : { |::::/、
i } _` ´ |::: { レ' i 質素な棺で薄葬し、金玉を納めない事。
| | | |{ >O< } ̄丶 |
| } | = = = = = = = 、 朝廷の意向には従う事
l |,' : : : : : : : : : O : :', |
,' ハ: : : : : : : : ::: : : 〉
| ,' ∧ノ o : : :l : : : : : / l
/ : : : : : : ,': 〇 : o{ _!
| . . : : : : : / : : : : : : {´ ',
晋 驃騎大将軍 張軌
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/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .五月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 驃騎大将軍張軌が六十で死んだ。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .十三年に渡って
`ヘ:ゝ .' 小/ 涼州を統治した末の死となった
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 271 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:17:21.04 ID:3dxFmBQf0
-
i|
j、 j||!
, {i!ト1:i:}!r! r=,
j|_`¨j!::!|_!Lソ::|!
/;\ ,.、 .,、 r.、 rマ|!|k'´..:::::::::::::::::.', ,、
,.ィ::;:;iy' .::;ゝ/ :.\ / ,.ヽ、 ,.、 ,.、 ノ i|jリ:i!::::::::::::::;::;:::::|! ,.イ :.\
:;:;:'/.,.;:,:イ . ,., :,::;.,v:;.;.;.,.:;:;:;:ミ 、,.イ ':.\ .イ .;.ヽ、j! !.:.;:;:::::i!:::iレ1:::::i;ト、_ _,.ィ.;:;. .,:;.;:;..\ _ ,.イ:
,.イ .:;:/ ;.,...;.:,:;.,.;.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ィ..;:, ..;:.;.;:,.ゞー_'゚´.. ..;:;:;:;:/Y≦芝!::::::::::::::::::::::::;ヾi!:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:;:;:;:イ .:.;.;.,:;:;:;:.:.;.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:'/..;:;:.,:,:;:;:;:;.:,..;: ';:,.,:;:,.;:..:;:;:;:ir'..:::::::Y/.:::::::::::::::::::::::::::::;jト:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;..:;:;...;:;..;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;;;イ.N!:;;i´j!i Y.::.::::::::::::::::::::::::::;:;i!:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:(爪:..i!ハvヘ.:::::::レ'.:::::::::::::::::::::::::::从:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:iレ'j!:人リ:;1!|!:;:::;:::::::::::::::::::::::::::;::;i:;:i!:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
:;:::;::::;::::::::;::;::::::::::;::::::::;::::;::::::::::;:::;:::::::::;::::;::::;::;::::;:::;:;:;.`ヾiレ'゚.::;::;:::;:::;:::;:::;:::;:::;:::;:::;:::;::ル八':,:.:;:..:;:..:.;::;::::;::::;::::;:
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ' . : . : . : . ' ;.::;:::::;::;::;.`_:-::‐;:-=:ニ;::ニ:´;:ニ.:;≠=.;ir.'.;.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
: : : : . : . : : : . : . : . : . : : : : . ' " . . . . . . '::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.;.:,: : : . : . : . : . :
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ` :.:;::;:::;: ' ::::::::::::::::::::::::::::::::.:::::::::::::;:;:'. : . : . : . : . : . : .
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . '.: ;::.:.:::::::::::::. ':::::::: ' . : . : . . . . . . .
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ':;::::::::: ' ::::: ' . . . . . . . . . .
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ' .;: ' . . . . . . . . . . . . .
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー 涼州の人々は張軌の息子張寔を後継者に推戴。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 皇帝司馬鄴は策書を下し、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 張寔を都督涼州諸軍事・西中郎将・涼州刺史・護羌校尉・西平公とした。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 事実上、張氏による涼州統治の世襲を認めたのである
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 272 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:18:01.20 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元314年夏 晋 冀州 常山郡】
-=- .
. -,へ─‐- . / \
,. : : :/: :,: ヾ : : : : : :〈{ ‐-x=- 、 \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
-=≦: : : /: : :/: : /: : : : , : : : : : :ヽ: :\ ) >
_,. イ: : :/: : :/: : /: : /: /:ィ,,ヘ:゚。: : :}: : : :゚。 < 温嶠様! >
.. ー=≦ : :/: : :/\/ : :/: /:/:|"゙゙}i:}ニニ}: : 「ヽ} < (
ー≠: :/ : : ィ=ミヽ/: /:/: :| _}l:}ニニ}: : :} /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
/イ: /.: :〃んハ 厶イ:/ィ斗、从: : :': : :イ
/イ: :ィ⌒ 乂rソ ノ' んハ Y: : ィ j{: :{=- . これが石勒の軍勢。
. }イj '〈 , 乂:ソ イ: :/ }八: ゝ ヽ
. ノイ`杁 ,...., _ ムイ==- 、.:.:. } 石勒自身の姿は無し、と
ノイ丶 ‘ ′ ィ=- . . . . . .}.:.: /==- . _ \__人_人从_人_人从/
//. . . .}=≧=-<ニ{ ヾ≦三三三三〉=-=.} _) (__
{ {{. . . とィ=ミ._ ゝ .._ :. ゚。 ゚。 ヽ ) 敵軍の攻勢が!! (
_..イ≦ニニ〈_/ニ/,へ , __,ィ} } } } }  ̄ ̄) ( ̄ ̄
. /_}/ニ=} ̄>=-ミイ > =' _ノ=- ._ / /ニニ ¨¨´ /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
/ {/f′ ‘, >::::::::::::::::::::::≧f´::::::::::ヽ\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
, {ニ| \ /゚三ニ=- `>::::::::::{i ̄`ヽ::::::::≧ <
. / ,{=」 。{三三三三ニ=- \::::\_ ≧≧ 撤退の御命令を!!! ニ=-
/ /:}¨ミ、 ≧三三三三三ニ=- \:::/7 '≧ ≦
. / ,::::ノニヘ\ 、 ≧三三三三三ニ=- 丶 _ /Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .話を劉琨たちに戻そう。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } この後、劉琨軍と石勒軍は
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 冀州の常山郡と中山郡の帰属を巡って交戦。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 二度に渡る軍事衝突の末、劉琨軍は両郡から追い払われた
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 273 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:19:25.11 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元314年秋 晋 并州 陽邑】
:''''"~ ̄~`'' | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l ....;:''''"~ ̄~`''-、__,,....;:''''"~:'
;:''''"~ ̄~`''-、_ || ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| `''-、
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i
 ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ ̄|| ̄! ̄ ̄;/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
 ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
 ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l! ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`l
 ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
 ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
`、 ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
″| ̄ ̄i| ̄!,,| ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄l
| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i ; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄_
''- .._ ~""''' ‐- ...,,__ _,,..-‐''~""''' ‐- ...,,___,,.-‐'
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| 以上が石勒軍に関する報告です .|
ヽ_________________乂
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 石勒は邵続・劉演ら周囲の諸勢力と戦いつつ、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ .常山郡と中山郡を奪う事で劉琨への圧力を強めていた。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:′ .劉琨を取り巻く状況は悪くなる一方だった
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 274 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:20:20.74 ID:3dxFmBQf0
-
/`ヽ': :  ̄: : `: ´: :/: : :`ヽ: 、 \
,/: : :/: : : : : : : : : :_: : :\: :/∧: : ヽ
//: : :/: :/: :./: : : : : {ハ、r 、:.Yヽ,.ハ: : ::.
:':.:|: : :.': :/: :./: :/: : : :.| |: |:|:∨}: : :,:.:.
| : |: :.:.|: :|: : :! : | : : : |:| |: |:|: :Y: :.:|l:| .彼らは邵続様の軍勢に負けてもなお、
,.r'-:.:|: :.:.|:-ト、_|:_:.|:|: : :从_,...イ|: }:{: :.|:||: : }リ 冀州諸郡に兵を出して襄国近郊に民を集めています。
..、_,ィ≦_|: :.:.|:/ィrftォ 、|: :/ ,ィチハ|/: | : |:|:.: ,'
_,..ィ: {: : :圦 ら_jr ! ∨ らr} ': :.}: /:} }/ これが続くようなら、劉聡以上の脅威になりかねません
∧:∨: :| 弋こソ しソ /: :/:/:/ /
{! i从: :.| _' /: :/{/:/
/从\〉:.、 ( У ..ィ{: / i/
r=≦===ミ、:::::::≧ = - ≦!:.|j/
{) /-、:.:.:\〉-、::::::/::::::| /:// / _ -‐\ \ \ -‐
, -=二ニニニ=-\ \ ヽ _ -=二=-
/ニ=- \ \ ヽ ', /二二 /
/' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ=-
/ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄___
|八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二二二二
まさか、本当に流賊をやめるとは思わなかったわ。 .i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、  ̄
| | ,ィ=ミ\ `" `、 ( ノ人 \
今や関東で朝廷から州刺史に任命されて |i 爪 vリ __、 〈 ヽ \
生き残っているのは私だけになってしまった。 八 ハ ' \、 \ \
ヽ 込 、 - / \ \ \
今後は拓跋部と一層の連携が必要になりそうね | 个 ィ / ' \――― ミ \
| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒ヽ
__ | | i 八 / '// / ' \
/ ∧、八 |{_// / ' , i '⌒\
- 275 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:20:58.38 ID:3dxFmBQf0
-
/ ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:、: :\:、
/: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ハハ: \: :ヽヽ
': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|`´ ヽ: :三_〉:_ヽ、_
/: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :| |: :|: : :|:!: : ̄彡´
|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :| }: :|: : :.:|:.|:< 拓跋部。
{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.リ、/_/ j从: : :}:|:.|、:_:_≧
\}: : ∨: :|: |≧-_、: : / ィ≦⌒ヽイ: :/: !:.!: / .こちらの思惑通りに動いてくれるでしょうか
イY:.:{: : Y ハ斥 ∨ ら:刈 |:/:{:.:|:.|/
-イ: :ト、: 圦 ら::ム マしソ }: :.|: |:.|
Y、:\:」 マし' , "´ /: /: :{リヽ
\: ハ _ __ ι ィ: /r≦―-、 / -―‐-ミ \ \
\:> _ ...イ: :// ̄ ̄ヽ:.i , /:::(O):::::::::::::::\ ヽ
/\〉:.:./三ヽ j: // // ///Y / ..:::,、丶`  ̄ ̄ ̄ ヽ ',_
/{:.:.:.:.:.:.:\三、/W //}:.∨ }| , {/ { \ ヽ: ', Vヽ
,' :| ∧ {、 \:―‐i‐ i //〉
:| i/、、\ \__|__:|_ : : ' /
i :| /| \ 〃う刈 》i |): : :K
| :l ィ笊_ 乂ツ |i | : : :|∧
聞けばさる七月、 | | l :爪 乂ソ , || |: : : |/∧
長安の朝廷が劉曜の軍勢を打ち破ったとか。 | | | 込 , 从 |: : : |∨∧
. 八 | 个 ` イ: } |: : : | `⌒
私と拓跋猗盧の連名で戦勝祝いの使者を出そうと思うわ。 .ヽ| \|: : : :≧ー |/:| |_: |
:| |: : ;>rノ^|:H /:/| √/ ̄ \
拓跋部からは馬でも献上してもらおうかしら ∧ |7: :._/_ |:. | /:/ , / / /⌒ヽ
/ | 、 {:{ F¬ 、 \ヽ:/ { /| / i
. ,: | } r人\ヽ ∨_, /: |' / |
{ :| | {/ \ ∨/ {_/' |
, | | | > _ V:/:.:|/ ,
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『愍帝紀』より。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 建興二年の六月から七月にかけて、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .長安政権の索綝・麹允が長安に迫った劉曜らの軍勢を撃破している
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 276 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:22:54.20 ID:3dxFmBQf0
-
/ _ -‐\ \ \
, -=二ニニニ=-\ \ ヽ _
/ニ=- \ \ ヽ ', /二
/' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ= 良い機会よ。
./ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄_
|八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二 陛下には我らの忠節を知って頂き、
i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、 .拓跋部へ何か恩典を授けて頂きましょう。
| | ,ィ=ミ\ `" `、 ( ノ人 \
|i 爪 vリ __、 〈 ヽ \ .拓跋猗盧も嫌とは言わないでしょう
八 ハ ' \、 \
ヽ 込 、 ァ / \ \
| 个 ィ / ' \――― ミ / ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:、: :\:、
| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒ヽ /: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ハハ: \: :ヽヽ
__ | | i 八 / '// / ': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|`´ ヽ: :三_〉:_ヽ、_
/ ∧、八 |{_// / ' , /: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :| |: :|: : :|:!: : ̄彡´
|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :| }: :|: : :.:|:.|:<
{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.リ、/_/ j从: : :}:|:.|、:_:_≧
\}: : ∨: :|: |≧-_、: : / ィ≦⌒ヽイ: :/: !:.!: /
恩典。 イY:.:{: : Y ハ斥 ∨ ら:刈 |:/:{:.:|:.|/
-イ: :ト、: 圦 ら::ム マしソ }: :.|: |:.|
一昨年代公に封じたばかりではありませんか。 Y、:\:」 マし' , "´ /: /: :{リヽ
\: ハ _ __ ι ィ: /r≦―-、
公より上の恩典となると…… .\:> _ ...イ: :// ̄ ̄ヽ:.i
/\〉:.:./三ヽ j: // // ///Y
/{:.:.:.:.:.:.:\三、/W //}:.∨ }|
- 277 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:23:28.87 ID:3dxFmBQf0
-
/ ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:、: :\:、
/: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ハハ: \: :ヽヽ
': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|`´ ヽ: :三_〉:_ヽ、_
/: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :| |: :|: : :|:!: : ̄彡´
|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :| }: :|: : :.:|:.|:<
{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.リ、/_/ j从: : :}:|:.|、:_:_≧ .……代王、ですか。
\}: : ∨: :|: |≧-_、: : / ィ≦⌒ヽイ: :/: !:.!: /
イY:.:{: : Y ハ斥 ∨ ら:刈 |:/:{:.:|:.|/ 夷狄を王にするなんて前代未聞です。
-イ: :ト、: 圦 ら::ム マしソ }: :.|: |:.|
Y、:\:」 マし' , "´ /: /: :{リヽ .段部ですら郡公止まりではありませんか?
\: ハ _ __ ι ィ: /r≦―-、
\:> _ ...イ: :// ̄ ̄ヽ:.i
/\〉:.:./三ヽ j: // // ///Y
/{:.:.:.:.:.:.:\三、/W //}:.∨ }|
_,/ ̄ ̄` ̄\
/ /二◎二ヽ ヽ\
/ ルノハヽゝ,ハi 〉 .i
iv、!● ● i i' 〈
lリ〈 ワ i i' リ
もう王浚もいないし、代郡を全部譲ってもいいかなって _iハ`ーゥ t-ノ i 〈
ヒ/」」」.l/リl ly ,ィリヽ、 ヾ
| l | / `.lシl==j \ 〉
| l ,/ー、{::::::::::/ー、! \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 長安の戦勝の一報が届いた後、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 劉琨が朝廷へ上奏文を送った事が『晋書』『劉琨伝』に見える
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 278 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:24:02.42 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元314年秋 拓跋部 首都 盛楽】
_,..、-''"~""''';,‐-..,
`゙''ー-、,__,,..-‐''"'''- ._,,..-‐''~"~"'''''‐-
,__,,...-‐ '''"" , -'" ``丶、.
::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;''.:i;;:;: :::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:i;;:;:..
...::..:..:..::::..:..::.:..:...::..:.il.::::::::::l:ll=lll:::::::l:::l:::::::l::.:il::.:....
...::..:..:..::::..:..::.:..幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵:::..:...
', "゙
_,,.-‐''"_,,゙
__,,.. .-‐'''""~ ,,.. '''
_,,.-‐''" _,,.. '
┌─┴┴─┐ .|n` ´ _..゚..--..゚_ ` ',=,|
│ .拓跋部 .│ , |`./:¨¨´: : : : : : : >.、 じ !
└─┬┬─┘ /:/: : : : ;イ: : : : :、 : : : : : `ヽ..ハ
││ ‖: : : : : / {: : : : : `、: : : : : : ヽ : '、
"''゙"''゙" ./: : : : {: /_'、: : : : _`、:、: : : : : '; : i
./: : : ::ィチ'_ \ :猗 ハ}¨:ヽ、: : :! : ',
/:{:'、: : : {.ィ=ミ `、: :/'テ=x} }:/: : : '、
/: :ヽ \:〈 {ハ イ .ノ ′ |ハ イ 〉': : : |: : : '、
ほう、馬を長安の朝廷にですか? / : : : : : : \ー ′ ー ' ./: : : :|: : `、',
‖: : :|: : : : :'、 ′ ./: : : : :i: : : : !'、
我々の力を示す意味でも悪くない話ですね。 |:!、: : '、: : : : :\ ー 一 ./: : : : : :′: !: | }
'{ `、: :`、: : : :`、> 、 .,.x≦': : : : : /: : /| ;' ′
提案に乗りましょう `、 ヽ\\ : : : V L_`_´_.ト‖: : : :〃:〃 ノ′
/ヽ: : :| ) f^i ∩/| : : //
_ ニコ' : /\し'.<__:{: ‖=`_
./::::::::::::::::::}/r:; ---、::::::::::::V`::::::::::::::::`、
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ また、『晋書』『愍帝紀』には、
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 十一月に拓跋猗盧が使者を派遣して馬を献上したとある。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .この使者に劉琨の使者も同行し、上奏文を長安へ届けたと思われる
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 279 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:25:49.97 ID:3dxFmBQf0
-
.,、
盛楽 、-' ヘ
,r'`ー-、_;_, ○ 薊 /´ /
r'´  ̄ヽ, ○ ,r'´ r' r‐
} { ,.、_ノ _"7 /
/ r' 晋陽 太 / 'ー'´
./ ノ ○ ヽ
' { ● 行 厭次ー、 r'‐-,_,_ィ_
} 陽邑 ○襄国 ○ /ヽ_r' _r'´
{ 平陽 山 鄴 ○ r-'´ 〇 r'
`ヽ } ○ 壺関○ ○広宗ノ 臨淄 }'ー'
{ { 【上党郡】脈 r○廩丘 r'
'´`ー-, ヽ / ノ r'
\ 'エ_,.-‐'`ー―‐'―= ‐' .,
 ̄ ̄`ー‐'―'´ ◎洛陽 ○開封 〇 >
●長安 ○○許昌 下邳,ヘ' ヽ
襄城 ○葛陂-v'γ ヽ ハ_
ィ-v○寿春 __ゝ、 `{_,、
,、_ r'○建康 -、
○襄陽 `' r' {__'ィ }
,. -――'´`ヽ ,、 , _,.r' __/`
_/ ヽ ,/ ヽ ノ `^ー'`>
_ィvー'´ Z,、 / `ー-,r' }
r-‐'´} {`ヘ
'ー'`" `ー'
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ、
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 使者は劉琨統治下にあった上党郡を南へ抜け、
\ヽ、 _ , イ!::/ .魏該が勢力を張っていた洛陽周辺を通過して長安へ至ったと推測される
/ ヽ{ ト、ヽ l:
∧\ マ三ソ| \
./: : \\ ヾ-〃 _ !______
l; : : : : \\」リ/ /
i: : : :::\::\i../ /
- 280 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:26:40.59 ID:3dxFmBQf0
- 【劉琨さんの上奏文(一部抜粋)@『晋書』『劉琨伝』】
-――-
/__/ -―- ``丶、
'/ /::/  ̄ ̄ ̄ \ \
/ ∨ \ \ \
i | |ヽ \ \
i | | | | ト ⌒ヽ
| | | / /'| {xミ |
| :八 / / | 佗 Y 八
/ _ ∨! , \ x=ミ |/ , "|' ヽ
. / /⌒ヽ }/ / _∧ /vツ ' | i 三月三日。
- / ⌒ --=彡' / ( 、 、 " , / | |
/ / { / / } / ト ∧ ト ___ /! ; , 匈奴羯の石勒が薊城を包囲し、
// , 八__/ /⌒'/ / ヽ∧ ∨:./: : :.:| | / .偽りの和睦を受けた大司馬王浚を捕虜としました。
. / i 、 { /____./ __ \、 ∨八从| |:/
l / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/  ̄ ̄ \ \ | / .東北の州刺史は八人いましたが、
/::  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄::/=x==ミr―、 \ \ | , .七人までが石勒に滅ぼされてしまいました
/:::/ ̄/:::::::::::: / } / へ 7}八ヽ八{
. /:::::::: ̄ ̄::::::::::::::/ | |八 {/|///| ̄ヽj \ )
/:::::::::::::::::::::::::::::::::/:/ | | /} |///| i: \、
../:::::::::::::::::::::::::::::::::/ ノ_,ノ 人 / -―-ミ / { /=|
:::::::::/ ̄/:::::::::/ / | ///////〉二∨, __/二:|
::::::::: ̄:::::::::::: / / /-=二二二二二} |/|ニニ,
::::::::::::::::::::::/ / /∨==/ ̄ ̄\ニ/_//,|ニ=/
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉琨は上奏文で石勒の振舞いについて触れ、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 南陽王や張軌、長安政権の面々と国難に当たると述べている
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 281 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:28:36.62 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元314年11月 晋 雍州 長安】
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';, 皇帝陛下。
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii', .今、世の中は馬が流行っています。
',ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii,'
;:::: / \ '; .巷で評判のウマ娘より、
';:::: ● ● ;' 拓跋部産の馬の方がタフな上に速いのでおススメです
';:::.::.: (__人__) ;'
'':、::::.. ,.,::'
`;'' `""'' '' '' '' '' ''""´ .′ ,! : ! i::::::::i :,
i /! .ト i ! .iニニ| |
! l i-、. |ヾ , ‐‐ 、 ! ! |::「:!」 |
E | :, | ヽ \ ! j T!:|、_, ‐、
i}ヽ!笊ヽト、从 ィ示ュ\ l/ |::::::::/ /!
l. ‘, 泛 弐ri ヽ V |:/ .l!__
7. .! 炒 弋ツ ノ / / !' ノ
ありがとう /゚ヽ-、_ ′ :. " 、 ,, / _{/ ヽ._r、/
//_/__Y i : > _ / /.:.:`.:._.:.:V.:.ヽ
{ ,ィ-∨ l l! > 。` . イ `i_ /.:.i.:.:.ヽ.、__,!
i ゚, ヽ∨ l i ! ,! } / ̄`! / /{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:゚,!
. ! }!_ ∧∨ !ヽ! / / ノ、 .' / /∧.:.:.:.:.:.:.:.:.: i!
<,! ノ_/! ∧∨ヽ _ /t〈 `ヽ-、_{ / /ノ.:.:.゚v.:.:.:.:.:.:.:.:!’,
/.,ィ!_r'.:.:i.:.:j、 .∧∨ }_ 〉<ノ | ゝ‐ァkxz_〉,_,>t´ノ.:.:./.:i.:.:.:.:.:.:.:.:ト, ゚v
晋 皇帝 司馬鄴
- 282 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:29:26.52 ID:3dxFmBQf0
-
/ ニYニヽ
/ ( 0)(0)ヽ
/ ⌒`´⌒\
| , -) j
| ´-───- 1 どうにか拓跋部の顔を立ててもらいたいと劉琨様は仰せでしたっていう
\ ` ⌒´ /
/ ヽ
/ ヽ
| | | .,. ', 彡≧~:::::::~ ミ.x:ヽ、
ヽ_| |丿 _,. + /./イ:::::::::f::::::::::l::l::::::ヘヾ.x:ヽ<_
| | .,. '" /〃::::::/::::.l:::::::::::リ::|:::::::ハ:::ヘ\:ヘ ` <
/ f.f/::::::/:::::v|:::::::::/::リ:::::::::::l:::ハl:::ハ ` 、
.f .|/:::::::/:::::/ .!::::::/::,ィ.マ:::::::::|:::::i!:::::l .\
f /,':::::::f::シ l::シ:,.イl:| \::::.|:::::|::::::| l
| 〃!:::::::|メ、, _,/イ:::::N、_,>!:::::|:::::j .|
| i!.l:l::::::::l.,,zェミ_ V从キ _,zェェ.,,!::::|Y:::! .|
.| 八.V:::ハ>.疋ソ`v = r"疋;シ"|:::::|/:::| .|
.| /::::ゞヘゝ -- '"., ` ‐-- ラ!:::::!::::::| |
鮮卑の大人を王にですか l . /:::::::::::::ヘ_,,,,,,._′ ソ:j::::::!:::::::. f
.リ /::::::::::::::::::::>='' sミ.+s.,ィ":::j::::::j:::::::::V .l
./ /彡三ア'''".z彡‐‐-ァ ~≧K.,リ三三ミx .V
,' .〃 ヾ.r" ,. 彡ァ',.xs._ `ヽ__ /ヘ .V
.,' ./l r∧ .r ‐'v'"=ア".ヽ゛ リ`t-zェ彡".V ハ .V
.,' /::i / ≧f~.7 .ヘゞ".V=V.ヘイ/!:::lい V .l .V
.,' ./::/ .《 /li .リ< .\ ルi!ヘ./ .!:::l,.いv ._,. キ | V
晋 尚書右僕射 索綝
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 拓跋部の使者が馬を献上する裏で、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 劉琨の使者が色々下交渉を行っていた可能性が高い
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 283 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:31:08.95 ID:3dxFmBQf0
-
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
',ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii,'
;:::: / \ '; いつになったら帰れるんです僕たち
';:::: ● ● ;'
';:::.::.: (__人__) ;'
'':、::::.. ,.,::'
`;'' `""'' '' '' '' '' ''""´
/::`´`´ヽ r‐ ' _ノ
/:::.:.:. ヽ _ ) (_
/::::::.:. \ (⊂ニニ⊃)
|::::::::::.:.:.:.:.:. | `二⊃ノ
l::::::::::.:.:.:.:.:.:. | ((  ̄
`r'ニニヽ__ / ;;
せっかくだから、 r':ニニ:_`ー三`:く./ [l、
朝賀の儀式に参加していけっていう。 /: : : : : : :`,ニ、: :_:_;> /,ィつ
. /: : : : : : : : / : : : ヽ\ ,∠∠Z'_つ
内外へいい宣伝になるっていう .| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ. / .r─-'-っ
. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''" ̄: : :l: : : :l / ):::厂 ´
|:.:.:.:.::.:.:.:l -─-: : /:_:_:_:_l / ̄`Y´
. |:.:.::.:.::.::l.__: : : :/::: : : : :l/⌒ヽ: :〉
|::.:::.::.::l: : : : : : /:::: : : : : |: : : : ゙/
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 拓跋部の使者が長安に来た時期を考えれば、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 翌建興三年年始の朝賀の儀式に参加した可能性がある
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 284 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:32:31.76 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元315年2月 晋 雍州 長安】
_ -‐  ̄ ‐-
/ / \ [ X ]
/}, / ′ 、 、\ヽ
{/′ { |\ ',',
/ { { | 、 , ,',
「 \r 、 , | |/V\ jー斗=ミ、 i ,
r===/⌒\>==ァ ! {, 斗=ミ⌒^` う心 Yl |\ ', 琅邪王を丞相、南陽王を相国に
 ̄ i{⌒\ノ^ ̄l | |〃うハ 乂り |, 、 .荀組を太尉、劉琨を司空に任命する。
',^V ノ\, , 乂り ' ′ | } _ ,
, {、 {', ', _ , / ! _ /^ 、ヘ_ -=ニニニニ, .あ、後、拓跋猗盧を代王に
/ヽ //l { \ ィヘ_「 ̄l/ 从_⌒ヽ vニニニニニ ,
(__厶イl/l/」 V マi:i:i:i:i:i[]i:i:i/ /く⌒ |ニニニニニニ=',
|l/l/l/l//i} 、 マ凸i:i}{i:i:i:{ _ -=ニ ', 八ニニニニニニ=,
j/」>'"i:i:i:i} /i:\ }i:i:i:i:i}{i:i:-=ニニニニニニ=, {ニニニニニニニニ=,
{i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}⌒ヽi:i:i:i:[ X ]i:i:i:i:i}{iVニニニニニニニニ=} ト、ニニニニニニニ ',
{i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}i:i:i:i:i:i:i:i/ }i:i:i:i:i:i}{i:i:Vニニニニニニニ=「i7≧=≦∧ ニニニニニニニ',
{i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}i:i:i:i:i:i:i:{ /i:i:i:i:i:i}{i:i:i:iVニニニニニニ /\l/l/l/l/l/}ニニニニニニニニ',
{i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/乂r'i:i:i:i:i:i:i}{i:i:i:i:i:Vニニニニニニ{i:i:i:≧=== 彳ニニニニニ=‐
{i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}{:i:i:i:i:i:i:Vニニニニ=l{i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|ニニ=‐
、i:i:i:i:i:i:i:i:i:i厂アi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}{:i:i:i:i:i:i:i:iVニニニニl{i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i| ̄
 ̄ ̄ /i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}{:i:i:i:i:i:i:i:i:iVニニニ八i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .そして、建興三年二月。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 拓跋猗盧が代王に封じられた。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .『晋書』『愍帝紀』を見る限り、
`ヘ:ゝ .' 小/ その他の人事のついでになされた感がある
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 285 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:35:00.54 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元315年2月 代 首都 盛楽】
_,..、-''"~""''';,‐-..,
`゙''ー-、,__,,..-‐''"'''- ._,,..-‐''~"~"'''''‐-
,__,,...-‐ '''"" , -'" ``丶、.
::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;''.:i;;:;: :::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:i;;:;:..
...::..:..:..::::..:..::.:..:...::..:.il.::::::::::l:ll=lll:::::::l:::l:::::::l::.:il::.:....
...::..:..:..::::..:..::.:..幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵:::..:...
', "゙
_,,.-‐''"_,,゙
__,,.. .-‐'''""~ ,,.. '''
_,,.-‐''" _,,.. '
┌─┴┴─┐ (~)
│ 代 │ . γ´⌒`ヽ
└─┬┬─┘ n{i:i:i:i:i:i:i:i:}
││ (ヨ(^ω^ ) イエーイ♪
"''゙"''゙" Y:::::::::::つ
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 『魏書』『序紀』によれば、
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ .代王の食邑は代郡と常山郡の二郡とされた。
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:′ 常山郡には石勒の勢力が入り込んでいたため、あくまで名目上だろう
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 286 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:35:37.99 ID:3dxFmBQf0
-
.ト、, -‐__ 斗、_`__' o',
,| ゚ :/:/: : : i: : ヽ: :\
/:': / : /: : : : :! : : ハ : : \
.‖ /: : :′: :! : i: : !: :ハ: : ハ:ヽ
/:|: ': : : i: : _ /猗}: : : !: : ハ ',
/: :i: :V: :ィチ⌒/://⌒iヽ: !: ハ !
./: /:.∨ヽ:{.x斤ミV /芹ミi/}://: ハ
‖i: :!: i:\\辷ノ ヒソ///: i: :}:ハ ところで南都、平城の建造は進んでいるのですか?
.{: :V:i: :V: : ヽ. __' /: /: | .リ:}'}
ヽ\ヽ:ヽヽ \.乂ノ . イ :/: /!./:/ }
.,≦:¨¨:.丶:r― ¨ ┐-i://':./-、
.イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.`:≧x∩,0≦{-‐:´:.:.:.:.:}、
.';.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.≧x、:.:.:.:.:.ヽ:.:.}:.:.:.:}
.ィ´::!:.:.:.:、:/:.:.:.:o:.:< O >:ハo:.:.:.:.∨:.:.:.\
./:.:.:.:.:.:.:V:.:.:.:.:_:.:.:=====┘-:- 、:!:.:.:.:.:.:.:〉
正直あんまり
(~) (~)
二つも都いる? . (~) γ´⌒`ヽγ´⌒`ヽ (~)
漢土との交易拠点だよ γ´⌒`ヽ {i:i:i:i:i:i:i:i:} {i:i:i:i:i:i:i:i:}γ´⌒`ヽ
{i:i:i:i:i:i:i:i:}( ´・ω・)(・ω・` ){i:i:i:i:i:i:i:i:}
漢人式の城壁に囲まれた都市はどうもねえ ( ´・ω)(:::::::U) (つと:::::)(ω・` )
(::::::U:::)( ´・) (・` )(:::U::::::)
一番の問題は…… し─J (l::::○::::) (:::::○::::l) し─J
し─J し─J
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ なお、これより前の建興元年。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 拓跋猗盧は盛楽を北都、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .代郡に新たに平城を建設して南都とし、長男の拓跋六脩を駐屯させた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 287 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:37:27.90 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元315年2月 代 代郡 平城】
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| ……誰に平城の内政を任せるんだよ |
ヽ___________________乂
r'"`'::..、 ‐- 、_ _ , -.、,,r,'-, '"‐ '"~:::`'::: ':::´ ゙`' ':r'"`'::..、 ‐、
,,..,,.. :::::: ::: :::... ::: ::: ~`'"`‐-::.、-‐ '"~:::`'::: ':::´ ゙`' ':::-‐::'"~::: ::: ェf|" ::::::::::::::::::::::::::::::
淡爻爻 ,-‐‐i ''ゞゞ'''''ゞ'ゞ''''ゞゞゞゞ''''''ゞゞゞゞ'''ゞゞ'''ゞゞゞゞ'''ゞゞ'''ゞゞゞゞゞ''''''ゞゞゞゞゞ'''ゞゞゞゞゞゞゞゞ''''
-‐ ' ′ぃ:;.:,:;.,i:i:i ''''''ゞゞゞ''''ゞゞ''ゞ'ゞ'''''ゞゞゞゞ'''''''''ゞゞゞゞ'''ゞゞ'''ゞゞゞ'''ゞゞゞ '''ゞゞゞゞゞゞゞゞ'''ゞゞゞゞ
州ルル' ´ , . : . : '淡爻从''' ゞゞ'''ゞゞ,f~`i ''ゞゞゞゞゞ''''''ゞゞゞゞ'''ゞゞ''' ゞゞゞ ゞゞゞ'''ゞゞゞゞゞゞ''' , ヘ ''ゞゞ
. : ' ´ , . : . : ' ´'淡爻爻ぃ..,,.淡f` 廴_,,ゞ''' ゞゞ ゞゞ''''ゞゞ'''ゞゞゞゞ'''ゞゞゞ ゞ'',r-‐‐洲~ア 《-イ+''
: ' ´. : ' ´ , . : ' ´ , . : ' ´ , . : jjル淡ソ--< 洲州i:iルし‐--‐──-‐,;';';'爻爻ノ(淡ァ「ii:i:i:, N '゛ :' ~ヾ ;';'
. : ' ´ , . : ' ´ , . : ,,- '´───オ< │' ´. : ' ' ´ , . :´ :: : . : ' '´,.:'´,.:'r ´Y ‐'i ;' > ' }し ,.i,;7iヾ
州州州ルル ,, '´ー─-┐ ' ′ l ' ´. : ' ´ . : ' , '′: ' ´ : ' ´ f . : ' ´.;';:i:i:i:irf^ 淡
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ これが後に北魏の都になる平城だ。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 元々あった平城の南に新たに築城され、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .晋人はこれを小平城と呼んでいたと『魏書』『序紀』にある
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
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- 288 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:38:29.46 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元315年2月 晋 并州 陽邑】
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii', そんなわけで、漢人の官吏を派遣してもらえません?
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
,i゙ / \ ゙i! そこのあなたなんてどうです?
i! ● ● ,l
゙i,,* (__人__) *,/ .あなたとは何か縁を感じるんですよね
ヾ、,, ,/
/::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ
\ニニニ/⌒ヘ:.:.:.:.:.:.:.:.:.r=ミ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
j^7┐:.:./:.',:.:∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.
〔√}//:/:.:.:.:.:'厶ヘ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ハ:.:.:.:.:.:.:.:|
|/√:/:.:.:/⌒ `、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:|
. j/||.:.:.:.:.:.| `、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.::|:.:.:.:.:.:.:.:|
/|/|∨:.:.:.:| 、 |:|\__:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:|
. /:.:|'∧∨:.. | \ j:| /丶、:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:| ノ〉
. /:.:.:.|_〉}:.:.:.:|灯_ ∨j/ jI斗ォ≠ミ_:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.\_//
百年早いわよ! /:.:.:.:人 ./:.:.:.:|ヽ 弋ぅ 〈/ ィ弋Jリ a:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.\:.::.:.:.:.:.:.:.:く
. 人:.:.:.:.:.:.∨∧:.:.|::::ハ`` 、、、、 |:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.:.:.:.:.\
`¨¨ヽ:|:.:.:.:.:八:::圦 、 |:.:.:.:.:.:.:.八__/ ̄ ̄\:.:.:.:.:.:.ハ
ノ八:.:.:.{:.:.:\込、 、 _,.、 j:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨ \:.:.:.:.|
//⌒\}:.:.:.:.:.∨ 丶 `⌒" ィ /:.:.:.:.:.:.:.:.}〉:.〉 ∨八
人廴 丿人:.:.:.∨ 〕ト-<`ヽ ./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ \ ∨]
晋 清河郡の人 崔悦
- 289 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:39:26.15 ID:3dxFmBQf0
-
,;: '';.., ,..,'' :,
,;:'';, ,; ; ; ; ''':,
,;'':.:. ; ; ; ; '';,
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii', 冗談はさておき、
,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii', 并州従事の莫含殿を拓跋部へ派遣してもらえないでしょうか?
,i゙ / \ ゙i!
i! ● ● ,l .代王は以前から使者として来た莫含殿を気に入っておられまして
゙i,,* (__人__) *,/
ヾ、,, ,/
/::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ
/ _ -‐\ \ \ -‐
, -=二ニニニ=-\ \ ヽ _ -=二=-
/ニ=- \ \ ヽ ', /二二 /
/' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ=-
/ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄___
|八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二二二二
代王の求めなら無下にはできないわね。 i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、  ̄
| | ,ィ=ミ\ `" `、 ( ノ人 \
莫含。 |i 爪 vリ __、 〈 ヽ \
八 ハ ' \、 \ \
代へ行って、あちらの内政に協力してあげて .ヽ 込 、 - / \ \ \
| 个 ィ / ' \――― ミ \
| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒ヽ
__ | | i 八 / '// / ' \
/ ∧、八 |{_// / ' , i '⌒\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『魏書』『莫含伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 拓跋猗盧は代王になると、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 諸官を設置するため、劉琨に并州従事の莫含を所望した。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 劉琨はこれに応じた
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 290 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:40:40.78 ID:3dxFmBQf0
-
, '´ ̄ ̄` ー-、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1 ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.」
{: :i: i /ゝノイ ノ l/ ― l :}
| :レ | ● ● l :| だが断わると莫含は漢人の誇りにかけて拒絶します
|: i: (|.⊂⊃ 、_,、_, ⊂ l:/
i⌒ヽ: :ゝ ル|_/⌒)
ヽ ヽ 从ヽ,、 __, イ从/ ヽ/
∧___,ヘi.i:.:\__八__/:i.i ハ
ヾ .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.} ソ
_,/ ̄ ̄` ̄\
/ /二◎二ヽ ヽ\
/ ルノハヽゝ,ハi 〉 .i
iv、!● ● i i' 〈
まあ、そう言わないで lリ〈 ワ i i' リ
_iハ`ーゥ t-ノ i 〈
ヒ/」」」.l/リl ly ,ィリヽ、 ヾ
| l | / `.lシl==j \ 〉
| l ,/ー、{::::::::::/ー、! \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー しかし、漢人である莫含は最初代国への派遣を望まなかった。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } この莫含なる人物、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 并州雁門郡の出身で代々商人の家柄として巨万の財を築いていた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 劉琨が并州に入った後に招聘されて従事となり、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 常に代国と漢土を往来し、拓跋猗盧に才器を買われて近侍した事もあった
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 291 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:41:46.76 ID:3dxFmBQf0
-
/ -―‐-ミ \ \
, /:::(O):::::::::::::::\ ヽ
/ ..:::,、丶`  ̄ ̄ ̄ ヽ ',_
, {/ { \ ヽ: ', Vヽ
,' :| ∧ {、 \:―‐i‐ i //〉
:| i/、、\ \__|__:|_ : : ' / 莫含。
i :| /| \ 〃う刈 》i |): : :K
| :l ィ笊_ 乂ツ |i | : : :|∧ 并州は胡人の間にあって、
| | l :爪 乂ソ , || |: : : |/∧ .私は徳が薄いから、代王の力に頼らざるを得ない。
| | | 込 , 从 |: : : |∨∧
八 | 个 ` イ: } |: : : | `⌒ .長男を遠く人質に出してでも、
ヽ| \|: : : :≧ー |/:| |_: | .賊を滅ぼして大恥に報いる覚悟を持っているわ
:| |: : ;>rノ^|:H /:/| √/ ̄ \
∧ |7: :._/_ |:. | /:/ , / / /⌒ヽ
/ | 、 {:{ F¬ 、 \ヽ:/ { /| / i
.,: | } r人\ヽ ∨_, /: |' / |
{ :| | {/ \ ∨/ {_/' | , -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
r===========r‐、: : \
|.―‐――‐―h‐l┤、 :ヽ
L二二二二二」.ニ|‐{ミi : : |
{/ /ゝ、ノイ ノl/ ― トl!: : :|
|l:/|/● ● ト、: :|
|/!:ll⊃ 、_,、_, ⊂⊃ノ: : |
.|ヘ ..イ:i : : :{
. ノ从ヽ,、 __, イト:}从{: ト、
. ,.< //ヾゝ八__/:.:.// >、
( ⌒ ) { {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ( ⌒ )
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉琨は莫含を説得した
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 292 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:42:32.41 ID:3dxFmBQf0
-
/ -―‐-ミ \ \
, /:::(O):::::::::::::::\ ヽ
/ ..:::,、丶`  ̄ ̄ ̄ ヽ ',_
, {/ { \ ヽ: ', Vヽ
,' :| ∧ {、 \:―‐i‐ i //〉
:| i/、、\ \__|__:|_ : : ' /
i :| /| \ 〃う刈 》i |): : :K あなたの忠節はこの奮起すべき時に
| :l ィ笊_ 乂ツ |i | : : :|∧ 小さな誠意にこだわって国家の大益を忘れるのかしら?
| | l :爪 乂ソ , || |: : : |/∧
| | | 込 , 从 |: : : |∨∧ あなたが代王の腹心となるのが私の望みではないの。
八 | 个 ` イ: } |: : : | `⌒
ヽ| \|: : : :≧ー |/:| |_: | .并州一州の頼みになるのが私の望みよ
:| |: : ;>rノ^|:H /:/| √/ ̄ \
∧ |7: :._/_ |:. | /:/ , / / /⌒ヽ
/ | 、 {:{ F¬ 、 \ヽ:/ { /| / i
.,: | } r人\ヽ ∨_, /: |' / |
{ :| | {/ \ ∨/ {_/' | , -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
r===========r‐、: : \
|.―‐――‐―h‐l┤、 :ヽ
L二二二二二」.ニ|‐{ミi : : |
{/ /ゝ、ノイ ノl/ ― トl!: : :|
|l:/|/● ● ト、: :|
………… .|/!:ll⊃ 、_,、_, ⊂⊃ノ: : |
.|ヘ ..イ:i : : :{
. ノ从ヽ,、 __, イト:}从{: ト、
. ,.< //ヾゝ八__/:.:.// >、
( ⌒ ) { {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ( ⌒ )
- 293 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:44:21.93 ID:3dxFmBQf0
-
, '´ ̄ ̄` ー-、
/: : : r‐r==========、
/: : /├l‐1 ―――――|
,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.」
{: :i: i /ゝノイ ノ l/ ― l :}
| :レ | ● ● l :| 代へ参りましょうと莫含は漢人の誇りにかけて覚悟を決めます
|: i: (|.⊂⊃ 、_,、_, ⊂ l:/
i⌒ヽ: :ゝ ル|_/⌒)
ヽ ヽ 从ヽ,、 __, イ从/ ヽ/
∧___,ヘi.i:.:\__八__/:i.i ハ
ヾ .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.} ソ
/ _ -‐\ \ \ -‐
, -=二ニニニ=-\ \ ヽ _ -=二=-
/ニ=- \ \ ヽ ', /二二 /
/' i \ ヽ \ ',_、丶´二ニ=-
/ l \ \ \ ヽ --=ニ二 ̄___
|八 |\,ィ==ミ 、 ∨ /:__ `、 -=二二二二二
i |-‐\ |〃 r ハ 〉 `、 ∨⌒ i 、  ̄
よろしく頼むわよ | | ,ィ=ミ\ `" `、 ( ノ人 \
|i 爪 vリ __、 〈 ヽ \
八 ハ ' \、 \ \
ヽ 込 、 - / \ \ \
| 个 ィ / ' \――― ミ \
| | >‐ ´ ハ / / ――=彡'⌒ヽ
__ | | i 八 / '// / ' \
/ ∧、八 |{_// / ' , i '⌒\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 莫含は代国へ入り、同地の官吏になった
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 294 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:46:52.07 ID:3dxFmBQf0
-
/ ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:、: :\:、
/: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ハハ: \: :ヽヽ
': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|`´ ヽ: :三_〉:_ヽ、_
/: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :| |: :|: : :|:!: : ̄彡´
|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :| }: :|: : :.:|:.|:<
{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.リ、/_/ j从: : :}:|:.|、:_:_≧ .完全に足元を見られていますよ私たち。
\}: : ∨: :|: |≧-_、: : / ィ≦⌒ヽイ: :/: !:.!: /
イY:.:{: : Y ハ斥 ∨ ら:刈 |:/:{:.:|:.|/ .しかし、莫含殿に抜けられるのは痛い。
-イ: :ト、: 圦 ら::ム マしソ }: :.|: |:.|
Y、:\:」 マし' , "´ /: /: :{リヽ .人手不足自体は并州へ入って以来ずっとですが
\: ハ _ __ ι ィ: /r≦―-、
\:> _ ...イ: :// ̄ ̄ヽ:.i
/\〉:.:./三ヽ j: // // ///Y
/{:.:.:.:.:.:.:\三、/W //}:.∨ }|
_,/ ̄ ̄` ̄\
/ /二◎二ヽ ヽ\
/ ルノハヽゝ,ハi 〉 .i
iv、!● ● i i' 〈
lリ〈 ワ i i' リ
人手なら打ってつけなのがいるじゃない _iハ`ーゥ t-ノ i 〈
ヒ/」」」.l/リl ly ,ィリヽ、 ヾ
| l | / `.lシl==j \ 〉
| l ,/ー、{::::::::::/ー、! \
- 295 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:47:50.78 ID:3dxFmBQf0
-
___ ___
⌒~"''s。ヽ \
/ \\ \
「¨¨¨, ' \ ', ', ',
\/ ∧ \ / 〉 /,
r ,' / ∨ ', / ∨(⌒)______ ___,,v
`} .: |_ _ ∨ / `¨´\乂x乂x,
{ | | | \ ∨ / 「_ ~"''〜=v 私たちを
{ | | |ィぅ笊ア ,∨ } ) ∨ :. /,
', ',人 ∨ノ \ 八 /}〈 /∨ :. /,
}人( ,' )' }/ r彡 ∨ :. /,
く 人 .∨ .,
\, ァ //\ ∨ \ \
\ ..: }/ \ \_-_-_->'"~~~"''〜、、::::::::::::::::\
∧ 丶</ \ \ \ \_-/:::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::\
/ ,'/) 〃 ∧ \ \ \. /∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::::::::::::::::.
///) { ∨ ∧ \ \ \ 〈__,{:八:::::::::::::::::`、:::::::::::::::::::`、::::::::::::::::.
. .::|∧:::::\:::::::::::::::`、::::::::::::::::::|::::::::::::::::::
晋 范陽郡の人 盧ェ ::/|:::∧:::l_,,.`'<:::::::::`、::::::::::::::|::::::::::::::::::|
/:/:::|:::::::}:/斗-=ァ\::::::|::::::::::::::|::::::::::::::::/
.::/ j八::::从 V} ' |:::/::::::::::::::|:::::::::::::::
〈:〈 /' l:/':ノ |/::::::::::::::/:::::::::::::/
`>> l:::::\ /:::::::::::/::::::::::::::::{
劉琨様の正式な属官にですか (:::( l::::::::::::... っ /::::::::/!:::::::::::::::::::::::. _
)ノ 八:::::::\:::\ /:::::/ |::\::::::::::::::::::::... ⌒):)
\:::::::\::::/::/::::}/|:」 \::::::::::::::::::::::...../
\::::::∨::(、:::/ /-_-_⌒\:\:::::::::...
.:::::::::::)\::::::...... /-_-_-_-_-_-_`、:\::::/
〈::::厂/-/\::::::ノ/-_-/-_-_-_-_-_.}l:::::\
- 296 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:48:44.38 ID:3dxFmBQf0
-
'"  ̄ ̄ ``丶、
/ -―‐-ミ \ \
, /:::(O):::::::::::::::\ ヽ
/ ..:::,、丶`  ̄ ̄ ̄ ヽ ',_
, {/ { \ ヽ: ', Vヽ
,' :| ∧ {、 \:―‐i‐ i //〉
:| i/、、\ \__|__:|_ : : ' /
i :| /| \ 〃う刈 》i |): : :K
| :l ィ笊_ 乂ツ |i | : : :|∧ ええ。
| | l :爪 乂ソ , || |: : : |/∧
| | | 込 , .从 |: : : |∨∧ あなたたち二人を
. 八 | 个 ` イ: } |: : : | `⌒ 司空府の従事中郎にしようと思って。
ヽ| \|: : : :≧ー |/:| |_: |
:| |: : ;>rノ^|:H /:/| √/ ̄ \ ちょうど私が司空になって、
∧ |7: :._/_ |:. | /:/ , / / /⌒ヽ 属官の席がいくつか空いているのよ
/ | 、 {:{ F¬ 、 \ヽ:/ { /| / i
. ,: | } r人\ヽ ∨_, /: |' / | どうかしら?
{ :| | {/ \ ∨/ {_/' |
, | | | > _ V:/:.:|/ ,
/ ノ | 从 ィ-=ニニ V : |〕 \\∧
. / {/ 八 } {O-=ニニ 、 |_ ヽ〉: :.
/ / / / ヽ ;-=ニニニ ヽ  ̄\ {: : : .
, 〕 / / i:-=ニニ二 }ヽ \{: : : : 、
/ ∧ , ,-=二二二 } /: : : : : \
. / ,: : : /: : :i 八二二二ニ:、 ハ /: : : : : : : : :\
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『盧欽伝』に曰く。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 劉琨は盧ェと崔悦を司空従事中郎に任命した
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 297 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:49:57.41 ID:3dxFmBQf0
-
__
, ´¨¨¨¨¨)h、
/ -=- ∨
}⌒r ⌒ 、 -=- ∨
<,ア// | | rv-彡, 劉琨殿の客分になった以上、
| { { |\| }゚\乂v .話を断わる理由などありません。
| }八人/)' __,,}ノ 「/~"'' >‐ァ- 、
| 込 ' 人 { / ,/_-_=- , へ、 非才の身ではありますが尽力致しましょう
| | >`´イ‐=-ミ-彡 /-_-_-_ =- ⌒>-/ 人〉〉
| { /.:.}.:.:.:.:.:.\ {-_-_-_/ 〃 _,, /⌒\
| {', {:.:./\.:.:.:.:.:.}__,{-_-_ / ,イ¨¨´/' } \
| | -\/ii, ‐‐‐ァ人 ___ / /::...‐彡 | } /
| .: {-_| / ___ __ヲレ}ノ /\ ...,,:::::〉| } ∨
| / ,{-_| |_ノ⌒7( /ル >-彡 ' , 、 ', ∨
/ {-_ | 〉/ { * } 〈〉 ∨ } :. } ∨
_,/ ̄ ̄` ̄\
/ /二◎二ヽ ヽ\
/ ルノハヽゝ,ハi 〉 .i
よろしく頼むわよ。 iv、!● ● i i' 〈
lリ〈 ワ i i' リ
ところで盧ェ殿、 _iハ`ーゥ t-ノ i 〈
新作の詩ができたから、また感想を聞かせてもらえないかしら ヒ/」」」.l/リl ly ,ィリヽ、 ヾ
| l | / `.lシl==j \ 〉
| l ,/ー、{::::::::::/ー、! \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .劉琨の妻は清河崔氏の出であり、
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 彼から見て温嶠と盧ェは妻の従子、崔悦は妻の甥に当たっている。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 并州にいた彼らは皆親戚関係にあったわけだ。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 劉琨は特に盧ェへ親愛の情を見せ、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 彼の才能を大切にしていたと『晋書』『盧欽伝』は記す
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 298 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:51:47.87 ID:3dxFmBQf0
-
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| どうも劉琨殿は好きになれないのよ |
ヽ_________________乂
:''''"~ ̄~`'' | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l ....;:''''"~ ̄~`''-、__,,....;:''''"~:'
;:''''"~ ̄~`''-、_ || ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| `''-、
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i
 ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ ̄|| ̄! ̄ ̄;/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
 ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
 ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l! ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`l
 ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
 ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
`、 ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
″| ̄ ̄i| ̄!,,| ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄l
| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i ; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄_
''- .._ ~""''' ‐- ...,,__ _,,..-‐''~""''' ‐- ...,,___,,.-‐'
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ 逆に、当初盧ェは劉琨という人物をあまり買っていなかったらしい
\ヽ、 _ , イ!::/
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 299 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:53:54.39 ID:3dxFmBQf0
-
l \ _ / .:八
八 Y´:::/:: ̄:::`:く /
,ゝ、_メ:::::: __::::::::ヽ::::: ヽ..人
/ヾレ'''7::::::::://A:::::!::::丶::、ム::::∨
|,ィ介y'::/:/~~~~',: !::::::∧::! ムヽ∨
/:::ィ !:::: !/_ |::ト、;::斗:!:::::l::!: ∨
./イ:::| |:::: |´_ ヽ l/´__≧|::!::::::!:l:::::∨
イ !:::ケl::::::!《 l::心 ′ l::心ア}:::: Y:::::: } お世話になっておきながらなんて言い草よ
{::! l:::У:!:: l `"´ 、 `"´ ':|:::::::!:::: /
.V:、 V:::::ム:::! /:::|:::::::}:::/
.ヽ:〉l::::::::ム::ト ' ヽ /::::ソ:::::リ:::{ (
.ト、リλ::::::::从:l}i:.、 .イ{:::/::::::/::::::`ー')
.乂::_::_〉::::::::::|:リ/ト.`¨.´,.ィl V: /:/::::::lト::::く { Y { // ≧s。
./:::イ::::ム:::::: V、 ∧∧ .l/::::{/_::::::: | ヽ::} { ; /// 。s≦、 `ヽ
{:: {/={トV:::::}`~~~~~~~´l:::: /=kく\! }/ { 八 {,'// / \ \ \
f≦´ }::::人,、,、,、,、,、,.从:::V ヾ=メュ、_ \ Y/ / :. \ :、
-ミ \{ | :| } }\ ト、
, -=ニ >{ | } } ヽ | \
/ ィー―≦二ニイ | ' ' } _八 )
´ |/\| | | /_ _./ 八´ )/
|/\| | |,/ /_/ 'ィf笊ア,'
L__イー| |ィf笊示_)/ ヒソ |/
天下大乱の最中だというのに、 | ト「八 | 乂ソ 、 |
詩作に明け暮れ、夜な夜な清嘯や胡笳に興じる。 | |八ルミ、 人 八
八 .人 `¨ \ ヽ , , / ヽ/
人の上に立つ者としての自覚が欠けているわ /\ 八\{ ,.' 八(/ /
,' /〉 `¨¨¨¨ミ、:::::::≧::::r---ヘ__〈 .∨ /
// ミ、 〈〉 ≧s。:{ミ、 、`ヽ ∨ /
〃 } \ ;} 〈〉} ∨ /
/ 人 〈〉 \ ,:} ∨ /
' / 〈〉 ∨ 人 ∨
- 300 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:55:58.77 ID:3dxFmBQf0
-
__ -=ニ二 二 二ニ=-
⌒ヽ `ヽ/ ⌒ `ヽ)h、
∨ / ' ヽ 〈ヽ :,
∨,' ' | :. | | ∨) :,
_/,' .: i | :| | | ∨ゝ-v
⌒¨' : {i :. | |_| ∨乂∨ 晋陽を追い出されたのも、
| | {i :. | ̄八ノ i}∨乂∨ .あの方のやらかしがきっかけでしょう?
| | {i― -、 ',xtf劣示 i} \乂
∧人/ィ劣示ヽ ./ ゞツ } 八 \〉
八|∧ ゞツ )' } / | |
| 込、 ` 'イ 入_| | \_-_ニ=- _ |_-_
| // >、 - ‐ ..::/ | | `''<_-_-_-ニ-''"゚~~::::::::~~゚"'::.、 -_-_
レ /´/| ≧s.. .// `ヽ |、 `,.:'´:::::::::::::::::::::\:::\:::::::::/_-_-}
/ '∠ --ァ ∨ ¨レ´ 〈〉 \八 .:::::::::::::ノ:人:::::::::::::∨:::\:/_-_-_]
,__/ ¨¨ニア ∨ / 〈〉 \ /:/::::::/::/⌒l::::::::::::::∨::::∧-_-_ノ',
}ヽ____ / 〈〉 ∨ 〈〉 `ヽ . / ,゙::::::::::/ l::|';:::::::::::|::::::::∧::::::::::::',
} ∨ /\ 〈〉 〉、 { :::::::::/\ :::| \::::::|::::::::::::|::::::::}:::::.
{ |::::::斗=ミ /:/─‐\::::::|:::::|::::::::}::::::
人::::ヽVソ /'゛ 斗=ミ |::::::|:::::|::::::/:::::′
.::::ハ乂x , 弋ツ >:::::::::::/:::/::::::′
.::/ .::::. xxx /:::/:::/:/::::::'
それに関しては返す言葉がないわね。 廴_八:込, 丶 /:::/:::/:::::::::::/)
(⌒ハ::l::\_,,. -=/::://:::::::::::::':(
で、劉琨殿の新しい詩はどんな感じなのかしら? ) ノ::|:::__::ー┴=彡'::::::::::::::::::/(⌒ー--
..:::::/乂⌒\ 八:::::::::::/乂::.
. 八:::(/ ⌒乂\(⌒:::::::::::\} ):〉
. // }乂 \ノ人:\ヾ::/
. , '゙__√ ,/ /'´⌒)::::::.}):〉
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 『晋書』『劉琨伝』に曰く。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 劉琨と盧ェは文章のやりとりをしていたが、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .盧ェは平素から奇略のない人物であり、劉琨から心が離れていた
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 301 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:57:22.25 ID:3dxFmBQf0
-
__ -=ニ二 二 二ニ=-
⌒ヽ `ヽ/ ⌒ `ヽ)h、
∨ / ' ヽ 〈ヽ :,
∨,' ' | :. | | ∨) :,
_/,' .: i | :| | | ∨ゝ-v
⌒¨' : {i :. | |_| ∨乂∨
| | {i :. | ̄八ノ i}∨乂∨
| | {i― -、 ',xtf劣示 i} \乂
∧人/ィ劣示ヽ ./ ゞツ } 八 \〉
八|∧ ゞツ )' } / | |
| 込、 ` 'イ 入_| | 今回は五言詩みたいね
| // >、 - ‐ ..::/ | |
レ /´/| ≧s.. .// `ヽ |、
/ '∠ --ァ ∨ ¨レ´ 〈〉 \八
,__/ ¨¨ニア ∨ / 〈〉 \
}ヽ____ / 〈〉 ∨ 〈〉 `ヽ
} ∨ /\ 〈〉 〉、
ノ \ /{¨゚〉 >、 〈〉 /-_-_
〈_ / /:、__∨_ ∨{\ /-_-_-_-_
/⌒ヽ レ´ .∨ `ヽ 〈〉 /-_-_-_-_-_
,' / 〉: . ,': . .\ .ハ-_-_-_-_-_-_
〈 {: : . {: : . . . . . : : :}\/ v-_-_-_-_-_-_
, } ∧ ヽ: : . :. : : : : : . . . . . . : : : / ∨-_-_-_-_-_-}_
ノ 〈 〉 ): : :/\: : : : : : : : : : : /} 〈〉 -_-_-_-_-_-_ト、-
,イ { .∨ 〈=≦三三≧=- -=≦三:} }-_-_-_-_-_-_}-_ヽ_
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } ある時、劉琨は盧ェへ五言詩を贈った
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 302 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:58:22.60 ID:3dxFmBQf0
- 【『重贈盧ェ』(大意)】
__ -=ニ二 二 二ニ=-
⌒ヽ `ヽ/ ⌒ `ヽ)h、
∨ / ' ヽ 〈ヽ :,
∨,' ' | :. | | ∨) :,
_/,' .: i | :| | | ∨ゝ-v 握中有懸璧 本是荊山球
⌒¨' : {i :. | |_| ∨乂∨
| | {i :. | ̄八ノ i}∨乂∨ .惟彼太公望 昔是渭浜叟
| | {i― -、 ',xtf劣示 i} \乂
∧人/ィ劣示ヽ ./ ゞツ } 八 \〉 ケ生何感激 千里来相求
八|∧ ゞツ )' } / | |
| 込、 ` 'イ 入_| |
| // >、 - ‐ ..::/ | | `''<_-_-_-ニ-''"゚~~::::::::~~゚"'::.、 -_-_
レ /´/| ≧s.. .// `ヽ |、 `,.:'´:::::::::::::::::::::\:::\:::::::::/_-_-}
/ '∠ --ァ ∨ ¨レ´ 〈〉 \八 .:::::::::::::ノ:人:::::::::::::∨:::\:/_-_-_]
,__/ ¨¨ニア ∨ / 〈〉 \ /:/::::::/::/⌒l::::::::::::::∨::::∧-_-_ノ',
}ヽ____ / 〈〉 ∨ 〈〉 `ヽ . / ,゙::::::::::/ l::|';:::::::::::|::::::::∧::::::::::::',
} ∨ /\ 〈〉 〉、 { :::::::::/\ :::| \::::::|::::::::::::|::::::::}:::::.
{ |::::::斗=ミ /:/─‐\::::::|:::::|::::::::}::::::
人::::ヽVソ /'゛ 斗=ミ |::::::|:::::|::::::/:::::′
.::::ハ乂x , 弋ツ >:::::::::::/:::/::::::′
手の中に璧があるが、これは荊山の球。 .::/ .::::. xxx /:::/:::/:/::::::'
廴_八:込, 丶 /:::/:::/:::::::::::/)
思えば太公望は、昔は渭浜の老翁だった。 (⌒ハ::l::\_,,. -=/::://:::::::::::::':(
) ノ::|:::__::ー┴=彡'::::::::::::::::::/(⌒ー--
ケ禹は強く感じ入り、千里より来て相を求めた ..:::::/乂⌒\ 八:::::::::::/乂::.
. 八:::(/ ⌒乂\(⌒:::::::::::\} ):〉
. // }乂 \ノ人:\ヾ::/
. , '゙__√ ,/ /'´⌒)::::::.}):〉
- 303 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 21:59:00.79 ID:3dxFmBQf0
-
__ -=ニ二 二 二ニ=-
⌒ヽ `ヽ/ ⌒ `ヽ)h、
∨ / ' ヽ 〈ヽ :,
∨,' ' | :. | | ∨) :,
_/,' .: i | :| | | ∨ゝ-v 白登幸曲逆 鴻門頼留侯
⌒¨' : {i :. | |_| ∨乂∨
| | {i :. | ̄八ノ i}∨乂∨ 重耳憑五賢 小白相射鉤
| | {i― -、 ',xtf劣示 i} \乂
∧人/ィ劣示ヽ ./ ゞツ } 八 \〉 .能隆二伯主 安問党與仇
八|∧ ゞツ )' } / | |
| 込、 ` 'イ 入_| |
| // >、 - ‐ ..::/ | | `''<_-_-_-ニ-''"゚~~::::::::~~゚"'::.、 -_-_
レ /´/| ≧s.. .// `ヽ |、 `,.:'´:::::::::::::::::::::\:::\:::::::::/_-_-}
/ '∠ --ァ ∨ ¨レ´ 〈〉 \八 .:::::::::::::ノ:人:::::::::::::∨:::\:/_-_-_]
,__/ ¨¨ニア ∨ / 〈〉 \ /:/::::::/::/⌒l::::::::::::::∨::::∧-_-_ノ',
}ヽ____ / 〈〉 ∨ 〈〉 `ヽ . / ,゙::::::::::/ l::|';:::::::::::|::::::::∧::::::::::::',
} ∨ /\ 〈〉 〉、 { :::::::::/\ :::| \::::::|::::::::::::|::::::::}:::::.
{ |::::::斗=ミ /:/─‐\::::::|:::::|::::::::}::::::
人::::ヽVソ /'゛ 斗=ミ |::::::|:::::|::::::/:::::′
.::::ハ乂x , 弋ツ >:::::::::::/:::/::::::′
白登では曲逆侯が幸いし、鴻門では留侯を頼みとした。 .::/ .::::. xxx /:::/:::/:/::::::'
廴_八:込, 丶 /:::/:::/:::::::::::/)
重耳には五賢が憑き、小白は鉤を射た者を相とした。 (⌒ハ::l::\_,,. -=/::://:::::::::::::':(
) ノ::|:::__::ー┴=彡'::::::::::::::::::/(⌒ー--
よく栄えた二伯は、仇であるかどうかなど問わなかった ..:::::/乂⌒\ 八:::::::::::/乂::.
. 八:::(/ ⌒乂\(⌒:::::::::::\} ):〉
. // }乂 \ノ人:\ヾ::/
. , '゙__√ ,/ /'´⌒)::::::.}):〉
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 曲逆侯は陳平、留侯は張良の事
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 304 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:02:06.13 ID:3dxFmBQf0
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__ -=ニ二 二 二ニ=-
⌒ヽ `ヽ/ ⌒ `ヽ)h、
∨ / ' ヽ 〈ヽ :,
∨,' ' | :. | | ∨) :,
_/,' .: i | :| | | ∨ゝ-v .中夜撫枕歎 想與数子遊
⌒¨' : {i :. | |_| ∨乂∨
| | {i :. | ̄八ノ i}∨乂∨ 吾衰久矣夫 何其不夢周
| | {i― -、 ',xtf劣示 i} \乂
∧人/ィ劣示ヽ ./ ゞツ } 八 \〉 .誰云聖達節 知命故無憂
八|∧ ゞツ )' } / | |
| 込、 ` 'イ 入_| |
| // >、 - ‐ ..::/ | | `''<_-_-_-ニ-''"゚~~::::::::~~゚"'::.、 -_-_
レ /´/| ≧s.. .// `ヽ |、 `,.:'´:::::::::::::::::::::\:::\:::::::::/_-_-}
/ '∠ --ァ ∨ ¨レ´ 〈〉 \八 .:::::::::::::ノ:人:::::::::::::∨:::\:/_-_-_]
,__/ ¨¨ニア ∨ / 〈〉 \ /:/::::::/::/⌒l::::::::::::::∨::::∧-_-_ノ',
}ヽ____ / 〈〉 ∨ 〈〉 `ヽ . / ,゙::::::::::/ l::|';:::::::::::|::::::::∧::::::::::::',
} ∨ /\ 〈〉 〉、 { :::::::::/\ :::| \::::::|::::::::::::|::::::::}:::::.
{ |::::::斗=ミ /:/─‐\::::::|:::::|::::::::}::::::
人::::ヽVソ /'゛ 斗=ミ |::::::|:::::|::::::/:::::′
.::::ハ乂x , 弋ツ >:::::::::::/:::/::::::′
夜中に枕を撫でて嘆息し、彼らと遊ぶ事を想う。 .::/ .::::. xxx /:::/:::/:/::::::'
廴_八:込, 丶 /:::/:::/:::::::::::/)
吾は衰えて久しく、何と周公を夢に見なくなってしまった。 .(⌒ハ::l::\_,,. -=/::://:::::::::::::':(
) ノ::|:::__::ー┴=彡'::::::::::::::::::/(⌒ー--
誰かが言うには聖人は節義に至り、天命を知る故に憂いがない ..:::::/乂⌒\ 八:::::::::::/乂::.
. 八:::(/ ⌒乂\(⌒:::::::::::\} ):〉
. // }乂 \ノ人:\ヾ::/
. , '゙__√ ,/ /'´⌒)::::::.}):〉
- 305 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:03:44.41 ID:3dxFmBQf0
-
__ -=ニ二 二 二ニ=-
⌒ヽ `ヽ/ ⌒ `ヽ)h、
∨ / ' ヽ 〈ヽ :,
∨,' ' | :. | | ∨) :,
_/,' .: i | :| | | ∨ゝ-v 宣尼悲獲麟 西狩泣孔丘
⌒¨' : {i :. | |_| ∨乂∨
| | {i :. | ̄八ノ i}∨乂∨ 功業未及建 夕陽忽西流
| | {i― -、 ',xtf劣示 i} \乂
∧人/ィ劣示ヽ ./ ゞツ } 八 \〉 .時哉不我與 去矣如雲浮
八|∧ ゞツ )' } / | |
| 込、 ` 'イ 入_| |
| // >、 - ‐ ..::/ | | `''<_-_-_-ニ-''"゚~~::::::::~~゚"'::.、 -_-_
レ /´/| ≧s.. .// `ヽ |、 `,.:'´:::::::::::::::::::::\:::\:::::::::/_-_-}
/ '∠ --ァ ∨ ¨レ´ 〈〉 \八 .:::::::::::::ノ:人:::::::::::::∨:::\:/_-_-_]
,__/ ¨¨ニア ∨ / 〈〉 \ /:/::::::/::/⌒l::::::::::::::∨::::∧-_-_ノ',
}ヽ____ / 〈〉 ∨ 〈〉 `ヽ . / ,゙::::::::::/ l::|';:::::::::::|::::::::∧::::::::::::',
} ∨ /\ 〈〉 〉、 { :::::::::/\ :::| \::::::|::::::::::::|::::::::}:::::.
{ |::::::斗=ミ /:/─‐\::::::|:::::|::::::::}::::::
人::::ヽVソ /'゛ 斗=ミ |::::::|:::::|::::::/:::::′
.::::ハ乂x , 弋ツ >:::::::::::/:::/::::::′
孔子は麒麟が獲られたのを悲しみ、西郊での狩りで泣いた。 ..::/ .::::. xxx /:::/:::/:/::::::'
廴_八:込, 丶 /:::/:::/:::::::::::/)
功業を建てるに及ばず、夕陽は忽然と西へ流れる。 (⌒ハ::l::\_,,. -=/::://:::::::::::::':(
) ノ::|:::__::ー┴=彡'::::::::::::::::::/(⌒ー--
時は我にあらず、雲が浮かぶ如く去ってゆく ..:::::/乂⌒\ 八:::::::::::/乂::.
. 八:::(/ ⌒乂\(⌒:::::::::::\} ):〉
. // }乂 \ノ人:\ヾ::/
. , '゙__√ ,/ /'´⌒)::::::.}):〉
- 306 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:05:10.71 ID:3dxFmBQf0
-
__ -=ニ二 二 二ニ=-
⌒ヽ `ヽ/ ⌒ `ヽ)h、
∨ / ' ヽ 〈ヽ :,
∨,' ' | :. | | ∨) :,
_/,' .: i | :| | | ∨ゝ-v 硃実隕勁風 繁英落素秋。
⌒¨' : {i :. | |_| ∨乂∨
| | {i :. | ̄八ノ i}∨乂∨ 狹路頌華蓋 駭駟摧雙輈
| | {i― -、 ',xtf劣示 i} \乂
∧人/ィ劣示ヽ ./ ゞツ } 八 \〉 .何意百煉剛 化爲繞指柔
八|∧ ゞツ )' } / | |
| 込、 ` 'イ 入_| |
| // >、 - ‐ ..::/ | | `''<_-_-_-ニ-''"゚~~::::::::~~゚"'::.、 -_-_
レ /´/| ≧s.. .// `ヽ |、 `,.:'´:::::::::::::::::::::\:::\:::::::::/_-_-}
/ '∠ --ァ ∨ ¨レ´ 〈〉 \八 .:::::::::::::ノ:人:::::::::::::∨:::\:/_-_-_]
,__/ ¨¨ニア ∨ / 〈〉 \ /:/::::::/::/⌒l::::::::::::::∨::::∧-_-_ノ',
}ヽ____ / 〈〉 ∨ 〈〉 `ヽ . / ,゙::::::::::/ l::|';:::::::::::|::::::::∧::::::::::::',
} ∨ /\ 〈〉 〉、 { :::::::::/\ :::| \::::::|::::::::::::|::::::::}:::::.
{ |::::::斗=ミ /:/─‐\::::::|:::::|::::::::}::::::
人::::ヽVソ /'゛ 斗=ミ |::::::|:::::|::::::/:::::′
.::::ハ乂x , 弋ツ >:::::::::::/:::/::::::′
赤い実が強風で落ち、咲き誇る花も秋には落ちる。 .::/ .::::. xxx /:::/:::/:/::::::'
廴_八:込, 丶 /:::/:::/:::::::::::/)
狭路において華麗な車蓋は傾き、驚いた馬車が二本の長柄を挫く。 (⌒ハ::l::\_,,. -=/::://:::::::::::::':(
) ノ::|:::__::ー┴=彡'::::::::::::::::::/(⌒ー--
何故百煉した鉄の意志が、指に巻けるほどに柔らかくなったのか ..:::::/乂⌒\ 八:::::::::::/乂::.
. 八:::(/ ⌒乂\(⌒:::::::::::\} ):〉
. // }乂 \ノ人:\ヾ::/
. , '゙__√ ,/ /'´⌒)::::::.}):〉
- 307 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:07:26.76 ID:3dxFmBQf0
-
\_-/:::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::\
. /∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::::::::::::::::.
〈__,{:八:::::::::::::::::`、:::::::::::::::::::`、::::::::::::::::.
. .::|∧:::::\:::::::::::::::`、::::::::::::::::::|::::::::::::::::::
.::/|:::∧:::l_,,.`'<:::::::::`、::::::::::::::|::::::::::::::::::| これはどう言えばいいのかしら?
/:/:::|:::::::}:/斗-=ァ\::::::|::::::::::::::|::::::::::::::::/
.::/ j八::::从 V} ' |:::/::::::::::::::|::::::::::::::: .並々ならぬ思いが伝わってくるわね
〈:〈 /' l:/':ノ |/::::::::::::::/:::::::::::::/
`>> l:::::\ /:::::::::::/::::::::::::::::{
(:::( l::::::::::::... っ /::::::::/!:::::::::::::::::::::::. _
)ノ 八:::::::\:::\ /:::::/ |::\::::::::::::::::::::... ⌒):) __ -=ニ二 二 二ニ=-
\:::::::\::::/::/::::}/|:」 \::::::::::::::::::::::...../ ⌒ヽ `ヽ/ ⌒ `ヽ)h、
\::::::∨::(、:::/ /-_-_⌒\:\:::::::::... ∨ / ' ヽ 〈ヽ :,
.:::::::::::)\::::::...... /-_-_-_-_-_-_`、:\::::/ ∨,' ' | :. | | ∨) :,
〈::::厂/-/\::::::ノ/-_-/-_-_-_-_-_.}l:::::\ _/,' .: i | :| | | ∨ゝ-v
⌒¨' : {i :. | |_| ∨乂∨
| | {i :. | ̄八ノ i}∨乂∨
| | {i― -、 ',xtf劣示 i} \乂
∧人/ィ劣示ヽ ./ ゞツ } 八 \〉
八|∧ ゞツ )' } / | |
太公望・陳平・張良 .| 込、 ` 'イ 入_| |
| // >、 - ‐ ..::/ | |
レ /´/| ≧s.. .// `ヽ |、
/ '∠ --ァ ∨ ¨レ´ 〈〉 \八
,__/ ¨¨ニア ∨ / 〈〉 \
}ヽ____ / 〈〉 ∨ 〈〉 `ヽ
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『劉琨伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 劉琨は詩に非常の意を託した。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .自身の幽憤、張良・陳平への想い、
`ヘ:ゝ .' 小/ 鴻門・白登山の故事への感動を述べ、盧ェへの檄文に用いたという
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 308 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:08:54.24 ID:3dxFmBQf0
-
/}_____
_∠ノ-=======- 、 `ヽ
{イ 厂 ̄ ∨ `ヽ \
/ :レ,' ./ ∨ ∨\:∧
/ / .: :. ∨ ∨}
.: :/ / ..: {: :. ∨_
| .: .: i ..: 〈∨}
| :| | | {:. .: ハ }乂〉
| :| | ̄::| {:. .ハ ,' 人 :レ'
人 :.レャテ==v :. ∧/レ ̄i ∧
/ \ v乂シ 乂_八ャテ笊_ .:} ∧
/ .: :{\〉 ゞシ ./:∧ :∧
/ .: ∧ {:∧ ′ / ∧ 、 :∧ どうやら劉琨殿を見誤っていた様子
/ .: ∧/〈\ 、 _ _, .:: 人:∨ :\:∧
/ .: / ∨.}\ / /, `:∨ `ヽ\
/ .: ./ 〈〉 ∨〈Y>‐<' /// :∨ ∧\\
/ .: / ∨ー〔〕‐// :// :∨ ∧ \v
/ /| 八∨ 〈〉 \ ,/ :// 〈〉 :∨ :∧\ }
.::: /〈 | .: ∨ 〈〉\ _/ 〈〉 :∨ :∧ \
-=ニ / ∧| / 〈〉 /`ヽ、 〈〉 ∨ :∧ \
-=ニ .:: ./ /‐_レ 〈〉 /人::::::八 〈〉 :∨ :∧ 人__
.:: .:: ./ ./‐_‐_‐\ 〈〉 / ハ__ ><_>:. 〈〉 ∨ ∧/-_-_
.:: .:: ./,' //__‐_‐_\ /:{ :{― Y――:> :.. \‐_‐_
.:: /‐./ /-_∧ `ヽ‐_‐\ /iiii{ :v .:::. ノiiiiii\ 〈〉 /`ヽ \‐_
.::, '-_-://‐_‐_〈 ',〈∨YY}‐_/ \_ ノYiiiノ`ヽ} ..::::::. 乂iiiiii「ii\ _ /{-_-_-_\ v
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 部下を口説き落とすために
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } わざわざ詩を作って贈った劉琨、なかなか洒落た人物である。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .盧ェに古代の王佐の臣同様の働きを期待していたのだろう
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 309 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:10:03.40 ID:3dxFmBQf0
-
,' .: 〈/`ヽ v | ∨ v
/ / { :. } ∨ :.
 ̄ ̄| { }\ ./ .: :i ∨ } :. ∨
| 乂ノ \/ .: .:{ ∨ .} :. ∨
|乂X| { |_ .:{ :|-∨ .: |
|乂X| { | \{ :| ∨ 八 |\ノ 劉琨殿。
|乂X|v .{ .ャ笊云示_ |. 斗ぅ斧フ∧ヽ. |
|乂X|∧ { , 乂rjノ \八ノヒrノ / } 八| .先日頂いた五言詩についてなのですが、
|乂X| ∧{八 | 、 : ' /\ .前篇の帝王の大志は、人臣の言葉ではありませんね
|乂X| \.\ | 人〈/ \
|乂X|.v ¨¨\ r v .イ \ \
|乂v ∨ | ::.:. / :乂 \
|/ ∨ | 〈〉 .〈〉> ‐<¨ヽ `ヽ \ \
| ∨ :|⌒}{三}{三}{=}{∨ } \ \ \ \
| ∨ _.}{三}{三}{=}{ ∨} ¨¨¨ =- :\
_,/ ̄ ̄` ̄\
/ /二◎二ヽ ヽ\
/ ルノハヽゝ,ハi 〉 .i
iv、!> < i i' 〈
lリ〈 ワ i i' リ
キタ――(゚∀゚)――!! _iハ`ーゥ t-ノ i 〈
ヒ/」」」.l/リl ly ,ィリヽ、 ヾ
| l | / `.lシl==j \ 〉
| l ,/ー、{::::::::::/ー、! \
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 盧ェは劉琨の詩の前篇のみ褒め、彼を主として認めた。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 奇略がないとされた人物だが、
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .こうした気の利いた受け答えはできたらしい
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 310 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:11:14.59 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元315年夏 晋 并州 陽邑】
:''''"~ ̄~`'' | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l ....;:''''"~ ̄~`''-、__,,....;:''''"~:'
;:''''"~ ̄~`''-、_ || ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| `''-、
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i
 ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ ̄|| ̄! ̄ ̄;/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
 ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
 ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l! ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`l
 ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
 ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
`、 ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
″| ̄ ̄i| ̄!,,| ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄l
| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i ; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄_
''- .._ ~""''' ‐- ...,,__ _,,..-‐''~""''' ‐- ...,,___,,.-‐'
/ ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:、: :\:、
/: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ハハ: \: :ヽヽ
': : : : {/:/: :./ : |: : : : :.:|: :|`´ ヽ: :三_〉:_ヽ、_
/: :./: :∧}: : :|: : :|: : : : :.:|: :| |: :|: : :|:!: : ̄彡´
|: : |: : |: :|:.:|: |: : :|:l: : : : :|: :| }: :|: : :.:|:.|:<
{: : |: : |: : : |: |: : :|:i: : : :.リ、/_/ j从: : :}:|:.|、:_:_≧
\}: : ∨: :|: |≧-_、: : / ィ≦⌒ヽイ: :/: !:.!: /
イY:.:{: : Y ハ斥 ∨ ら:刈 |:/:{:.:|:.|/ あれ以来、劉琨様と盧ェ殿の仲は深まるばかり
-イ: :ト、: 圦 ら::ム マしソ }: :.|: |:.|
Y、:\:」 マし' , "´ /: /: :{リヽ
\: ハ _ __ ι ィ: /r≦―-、
\:> _ ...イ: :// ̄ ̄ヽ:.i
/\〉:.:./三ヽ j: // // ///Y
/{:.:.:.:.:.:.:\三、/W //}:.∨ }|
- 311 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:11:49.76 ID:3dxFmBQf0
-
ヽ-  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ‐- :::::::::::::::ヽ∧
∧ ____ ヽ ::::::::::/
/三三三ヲ'"ヽ \_ノ)‐- .><- 、
,ふ三ニヲ'"\ Y‐---<´ヽ _ノ)ヽ-ヘ\
,ふニ='"/\_ヽ_ノ) ! |ヽ. Vヽ‐-<_ .| ヽ.V 何を考えているか分からんようで存外ちょろい。
{ /,.イ{. 斗ャ示ァ} | | |¨vヽ__ -ミx! ! |
ゝt|ヽ>ミ、 `´ ノ ノ ./ /ィヘ |ミヽヽ リ! 、__ノ! | 親子揃って妙な主に引っかかるらしい
-=彡vヽ ⌒´/.イ!/|ノノノ )ノ Y ヽ /ノ
/ヘゝ- イ´ ||//ノ. \ ハ
/' ヽ)`¨´ r.| ,...:/':::T 、__ノ! ,!
{! .___/7イ:::/':::::ヘ // |-_-_-Y ./-_-_|
ゝ-',.イ:::ヽ/_::::<´::\\ (´ |-_-_-.|__..、-─- ミ/_-_-_-ノ
/イ:::::::::╋:::::::::::::::::::::\\ r-、-_-'"::::::::::::::::::::::::::::{_-_-,.へ
,.:/:/:::::::://::::::::::::::::::::::::::::::アヽ 廴f7:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::ヽ
/:/::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::∨::::::∨
晋 范陽郡の人 廬綝 ./:/':::::::::::从::::::::l::::::::\:::::::::::::::::∨::::::',
./:/ /:::::::::::/ ∧::::ト、:::::::::::\::::::::::::::l::::::::i
/:::;' ::::::::i:::/─‐-l:::l \:::::__';::::::::::::|::::::::|
. {:::::i i:::::::l/ ____ }:ノ _____ l:::::::::::|::::::::|
\::ヽ |:::::::|《~う/ハ '~う//,i¨》:::::::::::l::::::::|
)::ノ |:::::::', ∨/ノ ∨/ノ l:::::::::::l::::::::;
どうして盧ェさんへの詩はあって、私への詩はないのよ。 (⌒ |::::::ハ /:::::::::;':::::::/
ノ:::::::::人 -〜( _.、/.::::::::/::::::::l
不公平だわ /:::::::::::/:::::::>─┬‐=_"{::/:::::::::/:::::::::::|
(:::::::::::/:::::::_.、-r':[_.M.___/-l::::::::/:::::::::::::::',
ヽ:::::( i:::/ {_:_:_:_:_:_:_:_:人:::::ト :;:::::::::::::il
)::::);:/ / 〔_/:o::/._〕 _)ノ ∨::::::::|l
('"/二ニ- _〔_/:o::/._〕 (( _,.. -=二}::::八
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } なお、劉琨が作った五言詩は、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 『重贈盧ェ』という題名で『文選』に収録されている
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 312 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:13:19.90 ID:3dxFmBQf0
-
`''<_-_-_-ニ-''"゚~~::::::::~~゚"'::.、 -_-_
`,.:'´:::::::::::::::::::::\:::\:::::::::/_-_-}
.:::::::::::::ノ:人:::::::::::::∨:::\:/_-_-_]
/:/::::::/::/⌒l::::::::::::::∨::::∧-_-_ノ',
/ ,゙::::::::::/ l::|';:::::::::::|::::::::∧::::::::::::',
{ :::::::::/\ :::| \::::::|::::::::::::|::::::::}:::::.
{ |::::::斗=ミ /:/─‐\::::::|:::::|::::::::}::::::
人::::ヽVソ /'゛ 斗=ミ |::::::|:::::|::::::/:::::′ 気分転換に何か面白い話はないかしら?
.::::ハ乂x , 弋ツ >:::::::::::/:::/::::::′
.::/ .::::. xxx /:::/:::/:/::::::'
廴_八:込, 丶 /:::/:::/:::::::::::/)
(⌒ハ::l::\_,,. -=/::://:::::::::::::':(
) ノ::|:::__::ー┴=彡'::::::::::::::::::/(⌒ー--
..:::::/乂⌒\ 八:::::::::::/乂::. {::::::::::::::::::::::::::/:::/:::::::。s≦i:i:A__/
八:::(/ ⌒乂\(⌒:::::::::::\} ):〉 /{:::::::::::::::::::::/:::/;s≦i:i:i:◎:i:i:i:ヽ
// }乂 \ノ人:\ヾ::/ ./::::::::::::::::::::::/:::::::,!i:i:i:i:I:i:i:i:i:。s≦三ヲ、
, '゙__√ ,/ /'´⌒)::::::.}):〉 /:::::::::::::::::::/:::::::::::/i:i:i:i:i:i:i:i,イ三三ヲ∧ \
/::::::::::::::::/::::::::::::::/i:i:i:i:i:i:i,/三三ヲ ,イヽ、\\
::::::::::::::::イ:::::::::::::::,イi:i:i:i:i:i:i,イ三ニヲiヽ}り V ヾ、 Y
\:::::::::::::::::::。s≦i:i:i:i:i:i:7'T"|´!,ィソヽ ノ |゙ヽ } .}
>-ァ'7i:i:i:i:i:i:i:i:i:イ!´', ヽィ:::::! ` _ !ノソ}./
今は匈奴の領土になった /イ /フ"´/ /|、ヽ ヽ.゙.` ´ ( _ノ / /イ
平陽郡の蒲子で馬が人を生んだらしい。 {././ / ./ ト、ヽ二二フ、_,. <
./ ,イ / / {ゝヽ\__>-'"\_
世が乱れると奇妙な事が起こるものだ / ,! / { イ {ヽ. \ミ={::::::::::::イ:::::::::ア¨V
{ {! /!、 ヽ ! ヽ、/!⌒::::、 ̄::::::::::::::::/:::::::::V
ヽ Уヽヽ _>、 フ::::::::::i::::::::::::::::::/:::::::::::::|、
`¨´ `¨T´V:::/::::i:::::::::::::::/:::::::::::::::|::V
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 『晋書』『愍帝紀』の建興二年九月の記事より
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 313 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:14:25.50 ID:3dxFmBQf0
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|-_-_-.|__..、-─- ミ/_-_-_-ノ
r-、-_-'"::::::::::::::::::::::::::::{_-_-,.へ
廴f7:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::ヽ
/:/::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::∨::::::∨
/:/':::::::::::从::::::::l::::::::\:::::::::::::::::∨::::::',
./:/ /:::::::::::/ ∧::::ト、:::::::::::\::::::::::::::l::::::::i
/:::;' ::::::::i:::/─‐-l:::l \:::::__';::::::::::::|::::::::|
. {:::::i i:::::::l/ ____ }:ノ _____ l:::::::::::|::::::::| こ、怖い話は止めにしましょう。
\::ヽ |:::::::|《~う/ハ '~う//,i¨》:::::::::::l::::::::|
)::ノ |:::::::', ∨/ノ ∨/ノ l:::::::::::l::::::::; .もう少し明るい話題はないのかしら?
(⌒ |::::::ハ /:::::::::;':::::::/
ノ:::::::::人 -〜( u、/.::::::::/::::::::l
/:::::::::::/:::::::>─┬‐=_"{::/:::::::::/:::::::::::|
(:::::::::::/:::::::_.、-r':[_.M.___/-l::::::::/:::::::::::::::',
ヽ:::::( i:::/ {_:_:_:_:_:_:_:_:人:::::ト :;:::::::::::::il V:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::-::_:::::ヽ
ヽ-  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ‐- :::::::::::::::ヽ∧
∧ ____ ヽ ::::::::::/
/三三三ヲ'"ヽ \_ノ)‐- .><- 、
,ふ三ニヲ'"\ Y‐---<´ヽ _ノ)ヽ-ヘ\
,ふニ='"/\_ヽ_ノ) ! |ヽ. Vヽ‐-<_ .| ヽ.V
怖い話は士大夫の嗜みだというのにだらしない奴だ。 { /,.イ{. 斗ャ示ァ} | | |¨vヽ__ -ミx! ! |
ゝt|ヽ>ミ、 `´ ノ ノ ./ /ィヘ |ミヽヽ リ! 、__ノ! |
では、そうだな。 .-=彡vヽ ⌒´/.イ!/|ノノノ )ノ Y ヽ /ノ
/ヘゝ- イ´ ||//ノ. \ ハ
最近、南から来た者に聞いた話なのだが…… /' ヽ)`¨´ r.| ,...:/':::T 、__ノ! ,!
{! .___/7イ:::/':::::ヘ //
ゝ-',.イ:::ヽ/_::::<´::\\ (´
/イ:::::::::╋:::::::::::::::::::::\\
- 314 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:16:08.43 ID:3dxFmBQf0
-
γ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| ……宛に勇敢なお嬢様がいてな |
ヽ_________________乂
:''''"~ ̄~`'' | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l ....;:''''"~ ̄~`''-、__,,....;:''''"~:'
;:''''"~ ̄~`''-、_ || ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| `''-、
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i
 ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ ̄|| ̄! ̄ ̄;/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
 ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
 ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l! ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`l
 ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
 ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
`、 ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
″| ̄ ̄i| ̄!,,| ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄l
| ̄~~i ̄ ̄| ̄ i ; ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄゛| ̄ ̄|i ̄ ̄| ̄_
''- .._ ~""''' ‐- ...,,__ _,,..-‐''~""''' ‐- ...,,___,,.-‐'
- 315 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:16:42.99 ID:3dxFmBQf0
-
○壺関 ト、_ ○鄴 〉
并 州 | ``ヽ、_ 【魏郡】 ,/
○長子 / ``ヽ、 内黄 _,/ 〇
`‐-、 _,,ノ′ 蕩陰× `, ○ _,,,-‐´ 東武陽
l 「 【汲郡】 ,' / ○ 【東平国】
,! 【上党郡】 l 枋頭 /黎陽/ 頓丘 【東郡】
( 〉 黄橋〇 〇 i´ ○/河 ○鄄城
`ヽ、 / ヽ/ ○ ○濮陽 〇廩丘 【山陽郡】
`ヽ、 _,,,,,,-‐'′ 【河内郡】 / 白馬
`‐-‐´ ,-‐'´○東燕 昌邑
司 隷 _,-‐'i´ ○延津 【済陰郡】 ○ ○
,_ 河橋 温 ○懐_,,,-‐'´黄 `-、 定陶
```‐-,, _○ ○ _,,,-一'´ ×官渡 ○陽武 ○封丘 兗 州
 ̄`゙~~~´ 〇滎陽 !倉垣 ,-、
◎洛陽 ○ `○、 陳留 【陳留国】 / /
○ 【河南尹】 中牟 / ○ / (_,/
河南 _,,..-‐- 、,_ ,,-一´ ○雍丘 ,,-‐′○蒙城
○ ('´ ○輪氏 `、 ,/ ヽ 【梁国】
新城 ``'''‐-、,,_ `‐-‐'''´´ `~~`ヽ、 ,,_○圉_,,-‐′
梁○ _,,) 〇陽翟 ×洧倉.--′`´○陽夏 蕭
,,,_ ,ィ´【襄城郡】 ○許昌 【陳国】 ○
,/ `~´ ヽ ○ 【潁川郡】 譙
,/ 魯陽 ) 襄城 ○寧平 ○ 【沛国】
,,/ ○ ``'''i 豫 州 ○陳
ゝ,
荊 州 )
【南陽郡】 / 南頓
●宛 ○ ○項
【汝南国】
安城
○ ○新蔡
/.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li、:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ノ--l:.: .:.lヾ
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ さて、この建興三年。
Yヘ.:.:.:l _ _ /.:.ノ
\ヽ、 _ , イ!::/ 一つの伝説が生まれている
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| .\
./: : \\ ヾ-〃 ..∧
l; : : : : \\.り/: : :i
- 316 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:17:12.86 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元315年頃 晋 荊州 宛】
∫ι__________ ./丁了
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ \__人_人从_人_人从/
||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | || _) (__
||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | || ) 大変ですっていう!! (
弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ  ̄ ̄) ( ̄ ̄
弋ェェt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ェ,ィ /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
il_,└───────┘ , i!
| ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l
|| ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄||
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|i | ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄||
 ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ || ̄! ̄ ̄/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄.|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i  ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~ ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l  ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`ll`l
l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″|  ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄  ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾ| ̄`.. ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ | ̄ ̄ | ̄!,, ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ll
. {二二二{二ニ/:::::::l:::::|:::::::::::::::::::::::`<二>{_ }‐―┐
∨二二{二/:|:::|:::|:::_|:::::::::::::::::::{:::::::::::\二二>、 /_
∨==ニニ∨:::|:::|八´:|\::::::::::::::{:::::::::::::|::\ニニニニΧ \
\ニニ/::::::|:::| 斗外 \:::::::::∨:::::::八::::∨ニニニニ\ \ こんにちは〜
\/::|:::八{〃 Vソ , \::::::∨::/::::::::|:|∨ニニニニ∧_/
. /::::|:::::::{∧^'´,,, ′ \:::∨l:::::::リリ:::∨二二ニ|:i:i:7 .我々の縄張りへの手出しは止めて下さいね〜
/::::::::::|:::::::{:.∧ V´ ̄ 7 \}/:::::/イ:::::::}二二二}:i:i/
. /:::::::::::/::|:::::::∨込、 ー‐' .イ\/::::l::::∠二二二}:/
/:::::::::::/:::∧:::::::∨:::::〕i::ト _ . : :{:l:|::|l\∠二ニニニ>:i:}
晋 南中郎将(自称) 杜曾
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 舞台は荊州の宛。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j この地を杜曾率いる賊軍が包囲した
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 317 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:18:42.36 ID:3dxFmBQf0
-
/フY ヽ
/(>)(◎) ヽ
_ /⌒`´⌒:#;; \
| -)___(-、 |
.__ |#; |!!il|i|!li| lu.| 杜曾の軍勢がこの宛を包囲するつもりですっていう!
/ \ ・`⌒´ /
〈_/\ .`ijー─‐'" \/゛〉
) /\__/
/ _ / 斗≦才ニ=ー-- _
三 / __ ヽ /イ ̄  ̄\ \厶
三 ! /r .) //イ寸}}}寸 寸\ \\ミ辷_
ヽヽ _/ 艾ミ寸/厶\ ̄\. } \_寸 寸´
`才 .ア ) 乂\_\ ハ
./// 斗≦` 寸: : :./Vハ 个'
厶从{ァ==、 / 斗ォァ V// ム: }V乂{
八{:斗ォァ}  ̄ }:/ (ノ∧V
.{: ̄ ノ |__/VV
まずいですね。 ∨ \ 八 マ
.∨ , -─ ..::: V
宛へ移ってきたばかりで .' -‐ /:/ ∨
備えが全く整っていないというのに ..' /:::/ _V
\::....<::::::::/ 斗≦斗≦∨
.∨≦ /ニ二ニ=-‐∨__
/ /ニニ/ニニニニニ,
,イ / |─彡ニ>─-<ニニ,
晋 平南将軍 荀崧
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .当時、宛には平南将軍の荀崧が駐屯していた。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 荀藩・荀祖の行台で襄城郡太守となった彼だが、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 部下の石覧に洛陽の陵墓を修復させた功で平南将軍に昇進。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 都督荊州江北諸軍事の肩書も得て、宛への進出を果たしている
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 318 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:19:43.85 ID:3dxFmBQf0
-
斗≦才ニ=ー-- _
/イ ̄  ̄\ \厶
//イ寸}}}寸 寸\ \\ミ辷_
艾ミ寸/厶\ ̄\. } \_寸 寸´
`才 .ア ) 乂\_\ ハ
./// 斗≦` 寸: : :./Vハ 个'
厶从{ァ==、 / 斗ォァ V// ム: }V乂{
八{:斗ォァ}  ̄ }:/ (ノ∧V 皆さんの意見を聞きましょう
.{: ̄ ノ |__/VV
∨ \ 八 マ
.∨ , -─ ..::: V
.' -‐ /:/ ∨
.' /:::/ _V
\::....<::::::::/ 斗≦斗≦∨
.∨≦ /ニ二ニ=-‐∨__ r'ニ;v'ニ;、
/ /ニニ/ニニニニニ, r=、r=、 _,!0_i0) )i:、
__{0_{0_.} / `ヽ,. ┘ ヽ /ニYニヽ
,、 ,、 /´l r `'、_,ノi、 i ′′ } /(0)(0 ) ヽ
, - (・(・ ){ ) l、 ( ,! /⌒`´⌒ \
( '' ,r'⌒゙i`、 _.r(_ ノ ヽ.__. ^ 、∠! | (- 、 |
杜曾とか化物だっていう ヽー< ,,ノ `´-r _ノ: :\ `T- ヘ> ト-―――-` l !
. i′ ,f´: :,. - - 、ヽ ,,.-テ| ,/ `ヽ、 ヽ `⌒´ / /、
陶侃でも負けた相手だっていう l l: : j :f´: : : : : ヽ,/ '''"´ ,,.: - ヽ `コー /,ノ:::ゝ、
! /: :ノ l: : : : : : : ノ, ,:'" ゙ヽ i,.r‐(´::::| ,.ィ":::::/::::::
主力は石覧殿と襄城郡にいるし…… /-‐-/: :/: l: : : : : : ,/ / / ,f´:::,::ヽfト--テ:::::::::ノ:::::::
. _,,..::-,テ /`7: :(: : : : : /ヽ/ 〃 リ:::,'::::::ゝ!r7/ー一'":::::::::::
誰が使いになるんだっていう `_,:ィ''" _,r''" f: : :ト---ヲ / fノ /::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::
-‐-‐'''フ" ,.ノ,:::::」、,:r'" ,i / /::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::
、..、く´_,,∠"ィ''"´ / ,> /\、 ,ノ:::/::::::://://:::::::::::::::::::::::::::::::
´ ,ヘr:、-、=---/ ,:イ ,ノ `゙ヽ、/:::::i':::::://:://:::::::::::::::::::::::::::::::::
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .杜曾軍の包囲は続いた。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 『晋書』『荀崧伝』によれば、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 宛の荀崧の軍勢は兵力は少なく、兵糧は尽きかけていたという。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ また、頼りにしていた部下の石覧は
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 後任の襄城郡太守として同地に残っていた
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 319 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:21:29.42 ID:3dxFmBQf0
-
/:i:i:i:i:i:i:i/ /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i\
,:i:i:i:i:i:i:i:/ /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ヽ
/:i:i:i:i:i:i:/rク /:i:i:i:i,':i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:,
i:i:i:i:i:i:i:〈 r⌒i:i:i:i:i:i:i,:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/:i:i:i:i:i:i|:i:i:i
,:i:i:i:i:i:i:i´ ^i|:i:i:i:i:i:i!:i:i:i:i//:i:/:i:/:i:i:i:i从:i| ふむ。
,:i:i:i:i:i:, |!:i:i:i:i:i:|´ r示ミx´ ':i:i:i:/レ:i:i:,
ヽ:i:i:i:iヽti:i:i:i:i:i:i:! ` 乂ソ -/炒´/ .石覧殿の軍勢がいれば何とかなるのですね。
ヽ:i:i:/ニ!:i:i:i:i:i:i| i /:i:i!
r斗V|:i:i:i:i:i:i:! /,:':i:i:i:! .それでしたら、 .
| \':i:i:i:i:i:i:i ー ./:i:i:i:i:i .私が包囲網を突破して襄城郡まで援軍を頼んできます
ノ |:i:i:i:i:i:i:|> /|:i:i:i:i:i:i:i
/ ̄ ̄ ̄ ̄∨ |:i:i:i:i:i:i:|=//´. |:i:i:i:i:i:i:i
/ ̄ ̄\ \ :i:i:i:i:i:i:i:! 〃 ̄ ̄ |:i:i:i:i:i:i:i 斗≦才ニ=ー-- _
\ |:i:i:i:i:i:i:! 〈〉 |:i:i:i:i:i:i:i /イ ̄  ̄\ \厶
//イ寸}}}寸 寸\ \\ミ辷_
晋 荀崧の娘 荀灌 艾ミ寸/厶\ ̄\. } \_寸 寸´
`才 .ア ) 乂\_\ ハ
./// 斗≦` 寸: : :./Vハ 个'
厶从{ァ==、 / 斗ォァ V// ム: }V乂{
八{:斗ォァ}  ̄ }:/ (ノ∧V
.{: ̄ ノ |__/VV
∨ \ 八 マ
えっ? .∨ , -─ ..::: V
.' -‐ /:/ ∨
.' /:::/ _V
\::....<::::::::/ 斗≦斗≦∨
.∨≦ /ニ二ニ=-‐∨__
/ /ニニ/ニニニニニ,
- 320 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:22:25.60 ID:3dxFmBQf0
-
/⌒Y⌒ヽ
/(○) (○ヽ
/::::⌒`´⌒:::u\
| ,-) (-、| いや、お嬢様。
| l ヽ__ノ l. |
\/⌒)⌒)⌒) / /⌒)⌒)⌒) この使いは誰でもいいというわけではありませんっていう
ノ ̄ .| / / / (⌒) ./ / /
/´ | :::::::::::(⌒) ゝ ::::::::::/
| l | ノ / ) /
ヽ ヽ_ヽ /' / / /:i:i:i:i/三三≧s。_
ヽ __ / / / /:i:i:i:i///:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i\
ィ:i:i:i:i:///:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:\
:i:i:i:イ//:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|:i:i:i:i,
六⌒ヽ:i:i:,':i:i:i:i:i:i/:i:/:i:i:i:i:i:i:|:i:i:i:i:i,
/)ΥV:i:i:i!:i:/l:i:/ナ`:i:i:i:i:i:i从:i:i:i:i
大|8:i:i:i|:/r示ミx ノ:i:i:/示|:i:i/
なんですか。 _∧8:i:i:i| `乂シ ´ |乂ソ,:if
ー∞/:i:i:i: `´ 〉`´ ,:i:i
私はもう十三歳です。 ./:i:':i:i:i:i: ' /:i:i
イ|:i:i:|:i:i:i:i\ -- ,:':i:i:i:
お使いぐらい一人でできます `Y:i:i:i:i: ヽ ィ:i:i:i:i:i
|:i:i:i:i:≧s_≧=― |:i:i:i:i:
|:i:i:i:i|≧/=/=/ |:i:i:i:i|
个:i:i:i|∨=斗人\ |:i:i:i:i|
ィ :i:i:i:i|/ 卍 .\\:i:i:i:i:i
:i:i:i:i  ̄` ´ ̄`|:i:i:i:i| ̄ ̄ \
- 321 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:23:55.23 ID:3dxFmBQf0
-
. /ニYニヽ
/ (0)(0)ヽ
/  ̄`´ ̄ \
| ,-) (-、.|
| l ____ l | どう致しましょうかっていう?
\ ` ⌒´ /
,、-='l \_,ン g< \
/ \ └〆\ i=i|\' \
丿 i \ \=i| / i| 斗≦才ニ=ー-- _
/イ ̄  ̄\ \厶
//イ寸}}}寸 寸\ \\ミ辷_
艾ミ寸/厶\ ̄\. } \_寸 寸´
`才 .ア ) 乂\_\ ハ
./// 斗≦` 寸: : :./Vハ 个'
厶从{ァ==、 / 斗ォァ V// ム: }V乂{
八{:斗ォァ}  ̄ }:/ (ノ∧V
.{: ̄ ノ |__/VV
他に策もありませんし、 .∨ \ 八 マ
こういう時はその場の勢いが大切かもしれません。 ∨ , -─ ..::: V
.' -‐ /:/ ∨
いっそ尋陽郡の周訪殿にも急を告げてもらいましょう ..' /:::/ _V
\::....<::::::::/ 斗≦斗≦∨
.∨≦ /ニ二ニ=-‐∨__
/ /ニニ/ニニニニニ,
,イ / |─彡ニ>─-<ニニ,
/八./ニニ:|ニニ/ニニニニニ寸ニ,
- 322 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:26:13.10 ID:3dxFmBQf0
-
∫ι__________ ./丁了
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ
||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | || \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | || ) >
弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ < 開門ッ!! >
弋ェェt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ェ,ィ < (
il_,└───────┘ , i! /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
| ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l
|| ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄||
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|i | ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄||
 ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ || ̄! ̄ ̄/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄.|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i  ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~ ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l  ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`ll`l
l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″|  ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
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| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾ| ̄`.. ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
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ヽ::::::::::::::::::::::::::::::\
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|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 'r ´ ヽ、ン、 ねぇ魔理沙。
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 ,'==─- -─==', i
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i | .こんなクソスレ見てるより、
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .|| ゆっくり歴史解説動画見た方がよくない?
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ !Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |
,' ノ !'" ,___, "' i .レ' L.',. ヽ _ン L」 ノ| .|
( ,ハ ヽ _ン 人! | ||ヽ、 ,イ| ||イ| / おい馬鹿やめろ消されるぞ!
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
- 323 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:27:08.28 ID:3dxFmBQf0
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∫ι__________ ./丁了
ヾー─ー─ー──ー──ー──ー─ー,ィ
||; |; |i |; |; |; |i |; |; |; |i | ||
||i |; |; |; |i |; |; |; |i |; |; | ||
弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ フ
弋ェェt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ェ,ィ
il_,└───────┘ , i!
| ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄|| | ̄ ̄|l
|| ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄| ̄ ̄| ̄||
l| ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄l ̄ ̄| ̄ ̄! ̄ ̄|l
| ̄ ̄|i | ̄ ̄|l | ̄ ̄|| || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|| | ̄ ̄|| | ̄ ̄|i | ̄ ̄||
 ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄i ̄ ̄|゙ '' ̄i ̄ || ̄! ̄ ̄/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄ヾ ̄| ̄ ̄.|i ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄`~|i ̄ ̄| ̄ ̄
| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i  ̄ ̄| ̄ ̄i`~ ̄| ̄i| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄| ̄ ̄i ̄″| ̄ ̄|i ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~ ̄| ̄;゙|i ̄ ̄l  ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄i ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄~`ll`l
l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″|  ̄ ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i、 ;|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄l ̄ ̄| ̄`~|i ̄″| ̄
| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄  ̄i ̄`~| ̄ヾl; ̄ ̄l| ̄| ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄| ̄ ̄|| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄| ̄ ̄i| ̄ ̄| ̄ ̄
| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾ| ̄`.. ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄|| ̄ ̄| ̄|: : : : : : : : : : : : : : : | ̄ ̄! ̄|| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ゙̄ ゙i ̄ ̄| ̄ヾi| ̄
| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ | ̄ ̄ | ̄!,, ̄ ̄i| ̄! ̄ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : i ̄| ̄ ̄|| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄| ̄i ̄ ̄| ̄ ̄i ̄ ̄ll
_,,....,,_
-''":::::::::::::`''
ヽ::::::::::::::::::::::::::::::\
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ f''`⌒( ,,,,
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ ,!,,,、( /::τ
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 :.、 !:::( ノ::
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 ゜ (/ ⌒
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ ,,、.. // ノ' あっ!
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ π /;::::::::(,.,.(;;;::::( ,,., ・っ
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ ):::::::::::::::::::::::::::/ '''''` `
,' ノ !'" ,___, "' i .レ' τ !::::::::::::::::::::::::::::)/,,,,, γ
( ,ハ ヽ _ン 人! (::::::::::::::::::::::::::::冫 `'`' 、,:'
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ :::':'::::::::::::::::::::::::::::;(,,,,,,,、:::::::-ー''''`'`''''''''"
- 324 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:27:48.14 ID:3dxFmBQf0
-
斗=ニニ=-ミ _____
/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ヽ 斗≦三三三三三)
/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ハ 斗≦三三ニ=-  ̄ ̄ノイ
,:i:i:i:>───‐<:i:i:iノム -=ニ三ニ=- ´ ̄ ̄
.':i:/ ,ィ:i:i:i:i:i:i:i:i:≧s、\:i:i:i:)\_ -=ニ三ニ=-
|i/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i\V:ノ__二ニ=‐=ニ:i:i:i斗≦ _
|':i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i-‐=ニ二 彡イ:i:i:i:i:i)
八:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i艾,寸//}厶二 ̄ |{ /:i:i:i:/-───--=ニ二 皆さん。
./ V:i:i:i\乂寸寸:ィタ 才 |{ニニ二二彡:i:i:i:i:i/
/_ V:i:i:i:i:i\三三/ V:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/ 斗≦ 私の後に続いて下さい
{ \:i:i:i:i:i:i:i:i/ ̄ ̄ ̄ >:.. //:i:i:i:i:i:i:i-=ニ彡 /
∧ 斗≦ 斗≦三三三:i:i-=≦ /
\_斗==ミ斗≦く ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ノ寸_______ /
_/ ̄/ / /  ̄ ̄/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`寸_ 厂 ̄ .l
{/ / /_7 ̄ /_二ニ=-=ニ二 ̄ 才// l
/ /\才 /≧=- _厶彡 \ / \__ { \__人_人从_人_人从/
.厶イ_/ / / \. /  ̄/ _) (__
斗≦ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄三二ニ=-=ニ二__}\/ _二ニ=-‐‐ __/ ) な、なんだ!? (
/ ̄ ̄/´ ̄ ̄`寸\::i:i:\::i:i:i\ ≧=ー=ニ二 ̄ ̄ /  ̄ ̄) ( ̄ ̄
八___ノ:i:i:i:\_厂 ̄ ./:i:i:i:i:i:i:i:i:i:-=ニ /⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\
.{::(____):i:i:i:\:\ ー=ニ二_{_:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:-=ニ二
∧:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:∨:i\ /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ー=ニ二__
.∧:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:寸:i:i:\ /─=ニ二:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i-=ニ
≧=ー-=ニ二:i:i:i:i:i:i\__:i:>ー-=ニ二_ -=≦  ̄ ̄ ̄ ̄ ≧=-=ニ:i:i:i:i:i:i:i\
 ̄∨:i:i:i:i:i:}',  ̄ ̄ \ニ()ニV
∨:i:i:i:ノ | } ∨
/≧()≦.リ ≧=ー彡
ー─‐─'
- 325 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:28:56.17 ID:3dxFmBQf0
-
-────-=ニ....
. ヽ:i:i:i:i:..
./ -───- \:i:i:i\
/ 斗≦:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i\ \:i:i:i:\
./ /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:\ \:i:i:i:\
/ /:i:i:i:i:i:i/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i\ ∨:i:i:i:ム
//:i:i:i:i:i:i:i:/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|:\:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i\. ∨:i:i:i:ム
./:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|:::::::V:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iハ __∨:i:i:i:ム
______/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i':i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|::::_V:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ハ ./ ∨:i:i:i:i:ム
\:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/|:i:i/{: : :ノV:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iV ハ ∨:i:i:i:i:i}
ー=彡/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|:i:i:i:i:i:i:i:/}:i:i:i:i/:|:i:i|ヽO</V:i:i:i}:i:i:i:i:i:i:Vヽム ∨:i:i:i:i}
./:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i::i|:i:i:i:i:i:i:/::|:i:i:i:/:::|i:ハ ノ/::::::::∨:i|V:i:i:i:i:i:iV:::::} }:i:i:i:i:}
/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/:::::|:i:i:/:::ム斗イ::::::::::::::::::Vi}::V:i:i:i:i:i:iV:/ /:i:i:i:i:ノ
./:i:/ |:i:i:i:i:i:i:i:ii/.}:i:i:i:i/::::::(|:iイ:::::::::::::::::::: .V:i:i:i:i:i:V /:i:i:i:i:i:ハ
// .|:i:i:i:i:i:i:i:ハ|:i:i:O\∨///::: }:i:i:i:i:i:i:}/:i:i:i:i:i:i:i:i:} 目指すは襄城郡!
{ 八:i:i:i:i:/{_|:i:i:/≦:::::}::/ __ |:i:i:i:i:i:i:| )):i:i:i:i:i:i:i:}
./:i:i:i:i:i:i/::::::八:/ ノ __ /:::::厂∨\ .|:i:i:i:i:i:i:|∨:i:i:i:i:i:i/
/:i:i/|:i:i{∧::::::∧ \ /::::厂 |\|\ } |:i:i:i:i:i:i:i|⌒∨:i:i/
./:イ .乂:{ |∧::: /\厂\ノ、_ノ...../ |:i:i:i:i:i:i:i:|/⌒ Y
.|:i∧:. ( _/\ 厂\イ::::::::.:::/ .|:i:i:i:i:i:i:i:|\ |
|:i:i∧ \} \/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |:i:i:i:i:i:i:i:il \|
|:i:i:i:i:\ }_/ / ̄ ̄ /|:i:i:i:i:i:i:i:i:| \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:..... / | | \ / |:i:i:i:i:i:i:i:i:i| ) >
|:i:i:i::i:i:i:i:i:∧ \ / ./ l:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|∨ < ひぃッ!!! >
|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧ \_____/ ̄ ̄ ̄.|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:| ̄ ̄ ) < (
|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i} ( \/ / ̄ ̄ ̄ |:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i| ̄ ̄| /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i| |\ |/ |:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:| |
|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i| | | | |:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i| |
|:i:i:i:i:i:i:i:i:ii::i:i| | | |(O) |:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:| |
- 326 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:30:21.21 ID:3dxFmBQf0
-
/
//
/// (⌒\
/// /ニYニヽ \ ヽ
( ( /( ゚ )( ゚ )ヽ \\ \
よっしゃ! \ \ /::::⌒`´⌒::::\ ト\ヽ
\ \ |,-)___(-、.| .| \ヽ
お嬢様の後に続けっていう!! .\ \l |-┬-| l | ノ ノ \
\ ヽ `ー'´ / /
/ /  ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
// /  ̄ ̄ ̄ ̄) )
_,,....,,_ / ( ⌒ ̄ ̄ ̄ヽ ノノ/
-''":::::::::::::`''\ : _/ / `ー―――、 ) ノ/
ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::\ : ー=二三 __ノ ノノ/ /
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ : ノ/
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ : /
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 : .
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 : れ、霊夢が殺られた。
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ :
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ : あかん。
`! !/レi' (◯), 、(◯) レ'i ノ :
,' ノ !'" ,rェェェ、 "' i .レ' : .これ、絶対関わったらいかんやつ
( ,ハ |,r-r-| 人! : .
,.ヘ,)、 )>,、_`ニニ´_,.イ ハ : \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
) >
< いや、追えよ!! >
< (
/^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .『晋書』『荀崧伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 荀崧は年少の娘の荀灌を使者とし、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 襄城郡太守石覧と尋陽郡太守周訪に救援を求めた。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 『晋書』『列女伝』によれば、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ 荀灌は当時十三歳にも関わらず、勇士数十人と共に夜の間に包囲を突破
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 327 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:31:59.49 ID:3dxFmBQf0
-
\__人_人从_人_人从/
_) (__
) お嬢様、敵が!! ( ______
 ̄ ̄) ( ̄ ̄ r≦´  ̄/三三乂メ
/⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒\ | `ー…―――――∧|\三〈ー人
| /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i〈ナ〉  ̄ヽ三ソ
| W:i:i:/:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧:i:i:iくト、 | |
,zzzzzzzzzx斗―乂:i从/レ´/r芍´!:i:i〈/〈 |
/⌒ァ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/^ヽ芍 ヽ ´ /:i/^∧ .!
問題ありません! /`ー…―一r≦ |:i\ rュ´:i/`
| |, ≧≦:i:i:i|
________ このまま進軍を!! rzzzzz人ァ/:i:i:i:i:i:/ニ __
三三三三三三三≧s。 /´三三三三〈:i:i:i:i:i,:'く二| ヽ
三三三三三三三三三≧s。 i三三三三三ハ:i:i/三ヽニ≧s。 |
三三三三三三三三三三|+rx__ i三三三三三三寸三三〈| ≧s。
三三三三三三三三三三||ヽ|`ヽ__ 乂三三三三三三三三三 , 〈こ
三三三三三三三三三三|||___! ヽ≧s。 ノ三三三ミx三三三三三ソ .| 〈こ
三γ´ ̄ ̄ ̄`ヽ三三三ソ`ヽ.トニ ,三三≧s。 -=≦三三三三三ヽ三三三/| | /ニ/ヽ
シ´ \三/〈__/∧ニ| |三三三三三三三三三三三三三三三三`ー一´ .! r≦iニ_ミー
\二〉]' /ニ,. |三三三三三ヽ三三三三三三三三三三三三/ .| / ̄ У /
\⌒Y/ニ/ |三三三三三三ヽ三三三三三三三三三三三、 ,´ / /
ーニ一. |三三三三三三三三三三三三三三三三三三\ 、
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 賊が急追する中、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 荀灌は将兵を督励し、戦いながら進軍して北の魯陽に到着
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 328 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:33:28.21 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元315年頃 晋 豫州 襄城郡】
/:i:i/ r≦:i:i:i:i:i\
´:i:i:i´ /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iヽ
|:i:i:i,:' :i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i,
|:i:i:i| /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|-V:i:i
|:i:i:i|ウ/:i:i:i:i:i:i:i:i//-|:i:iリャケ|/ 石覧様。
|:i:i:iγヽ:i:i:i:i///__ノ/弐 .,:i
人:i:i:i, f|:i:i:i:|く´ 弐´ 〉 ,:i! .御無沙汰しています。
\:i:i斗:i:i:i| /:i:i
 ̄ |:i:i:i:|、 ッ |:i:i:i\ 父のいる宛城が賊に包囲されたので、
/^|:i:i:i:| ≧=- -f ,:i:i:i:, , .援軍をお願いしに包囲を抜けて参上しました
/ :i:i:i:i, 、__||__从 ,:i:i:i:,|
/ //〉/〉:i:i, | 〉 ,:i:i:i:i,
⌒ヽ | .// レ/〉:i:i, , 〉 ,:i:i:i\ r‐ ' _ノ
| / i /./i:i:i:i, V ∧ ,:i:i:i ! /ニYニヽ _ ) (_
| \ ´\:i:i:, ∨ , \| ! / (0)(0)ヽ (⊂ニニ⊃)
/ ⌒`´⌒ \ `二⊃ノ
| ,-) (-、.| ((  ̄
| l ヽ__ ノー┼¬U
\ ` ⌒´ /
/ ヽ
えっ? / ヽ
| | |
ヽ_| |丿
| |
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } そのまま北東の襄城郡に入り、自ら襄城郡太守石覧に援軍を要請
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 329 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:34:57.16 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元315年頃 晋 揚州 尋陽郡】
∨/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iヽ∧:i∨
∨,':i:i:i:i|:i:i:i:i:i:i:|:i:i、:i、:i:i:i ∧:i∨
| |:i:i:i:i:|、:i:i:i:i:乂:i\\:i:i:i_f:i:i:∨
|:i:iΝ^示xヽ:i从r圭ミ !i:i:if^i:i:i:, 周訪将軍。
|从〈 f佗 l. f佗 |:i:i:iノ:i:i:,
ヽ:i∧ 、 .|:i:i:|:i:i:i/ .お会い頂き感謝します。
|:i:i∧ |:i:i:|:/
|:i:i:i个s つ /:i:i:i .我が父荀崧より手紙を預かって参りました
|:i:i:i:i:i〈≧ ≦ ,':i:i:i:!
__|:i:i:if´ i |≧γ ̄ ̄:i:i:i:i:i、
/ ,':i:i:/ |i| 」 ,':i:i:i:i:, \
' ./:i:i/ 从 .| :i:i:i:i:i, \ ___ ....-―‐-:::¨ ̄\ _ / ̄ ̄\
.., ,:':i:i/ / 从 /:i:i:i:i/ \ /::::_<ア:::::::::::∠{::\:::: |::::::\ヽ::::< ̄`ヽ
/´ ̄/ ::: /≧" \::`¨|::::|:::|:|ヽ} ̄`ヽ
.//:/:::|:|ミ /\_」::::|:::|:|::::::.
//:/ |:::〔! ー' ,.≠┐|:::/:::|:|:::::::|
.i/|:ハ::|::::||`" イc心 } |イ|::/::|:::::::|
{ .从:::|k芯 r .ヒ少 ̄)|j/ :!:!:::::/
|::(:iマ}ノ^`""""´ i!::::::|:|/
えっ? |:::从 iァ⌒ヽ ,j|::::/}'
.八::::::|>` _´ ィ升|/ヽ
\トNゝ_「in厂}} ̄}} {
ri―く ,リj { {{ {{ 7 ̄ ̄/ヽ
晋 尋陽郡太守 周訪
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 続いて、尋陽郡太守周訪へ父荀崧の手紙を渡して援軍を求めた。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l }
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 豫州西端の襄城郡から
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .長江北岸の尋陽郡まで移動するという割とおかしい行動をしている
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 330 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:35:52.05 ID:3dxFmBQf0
-
/ ̄ ̄::::::て/:/::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::\::::::::::::\
/::::::::::::::::::::て/::::/:::::::/:::::/≧x::::::::::::x≦心:::::::\::::::\::ヽ<:::::ト}
./::>ァ/ ̄.y′/:::::::/:|::: |ミミヾ.\::/イイ≦ム:::::|::::\::::::゚。:ハ ヽ{
j从 ./´ |::::::|::::::::|:::i!:: | ``^ヾ≠^´ |:!::|::::::: | :::: |ヽ}
|::::::|::::::::|::リ:|::| |:!::|::::::: |::|::::| j
|::::::|::::::::|/_// _从A::::::::|::|::::| 年端もいかない少女がこのような勇敢な行動を!
|::::::|::::::::|}イ/ ̄`> 、 /´ |::::::/:/:::/
Z∧::::::|r芹テ芯ミ rチ芹勺|:::/}/}::/ 素晴らしい!!
Y!∧: |ヾ.い::::爿 う:::jリ/' j/:|j' j/
j小N从( 乂Zン )⌒( 乂ン ):/! 必ず援軍は送るので、
|:|:圦 ー― ´ 、 ー― ハ/}:| . 是非私と義兄弟になって頂きたい!!
.从::::::ゝ. ャ::::、ァ /}///
\{./`ト ー' < /'
_ ∠ミ≧xィj| \ >‐<ト、
./ \Z.| ||「\ /ヽ}}::「i¨i^!¨ス /\___/ヽ
{ Y}}} ノjハ /「i´ヽ{::|.| .| |::{ \ /'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
. | `-=ニ=- ' .:::::::|
\ `ニニ´ .:::::/
将軍が独身なら結婚申し込むレベルですねこれ ,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ 周訪は即座に
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 自分の息子に三千の兵を与えて宛への援軍に差し向けた。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .なお、周訪は荀灌と義兄弟の契りを交わしている
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 331 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:37:44.86 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元315年頃 晋 荊州 宛】
-''":::::::::::::`''\ :
ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::\ :
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ :
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ :
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 : . 杜曾殿!
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 :
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ : 敵の援軍が南北から来てる!
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ :
`! !/レi' (◯), 、(◯) レ'i ノ : これは何かの神様の意志に違いない!!
,' ノ !'" ,rェェェ、 "' i .レ' :
( ,ハ |,r-r-| 人! : . '-=ニニニニ=-\_
,.ヘ,)、 )>,、_`ニニ´_,.イ ハ : __/-=ニニニニニニ=-Vへ 、
/-=7、-=ニニニニニ=- }_ ))
(-=ニ=‐-----------‐=≦ニ=-
`¨7jr --_-------..―=≦:|
{八:::::ゞヘ::::r赱>:::::__::::::: |
7ヽ八 ' \::::∨::::iy\_:|_
すぐ落とせるかと思いましたけど失敗しましたね。 /::::∧个 ` ' >]::| /-=ニ\
/:::イ:::::V::::|イ「、 {:ハ}::ト|-=二/ 、
逃げましょう ノ'"/:/∧:::|八 大V:::|_〕-=7-=二
/'' /:/^V- i:::|=V>r<八:.:、\{ -=ニ|、
/'' /:::i-=∨ノ:/-=VHY_\\〉-===|-
/'' /::::::〕-= 〕/=7=Lハ_〉-=ニヽ\-=ニニ_
, , .::::::::::i -=7' =人- _∨-=/ -=\} -=ニ_
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 杜曾軍は石覧・周訪両軍の接近を聞くや逃げ散った
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 332 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:39:14.53 ID:3dxFmBQf0
-
/―Yーヽ
/:::::(○)(○)ヽ
/::::::::::⌒`´⌒::::\
/:::::::::,-)___(-、|
|:::::::::::::l |-┬-| l |
\:::::::: `ー'´ /
ノ::::::: \ 斗≦ ̄ ̄ \:i:i:i:i:i
/::::::::::::::::: ヽ ./___ \:i:i:i:i:i:\
|::::::: l \ /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ヽ ∨:i:i:i:i:i:}i:.
/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i\ V:i:i:i:i:八:',
./:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iV:i:iハ:∧ V/:i/:iム
.:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∨:i:i:|:i:∧ (( ))}:i/:i:i:i:ム
|:i:i:i:i:i:i::iV斗‐‐寸:i\:i:|:i:i:i:|/ ^寸:i:i:i:i:i:i:i:iム
|:i:i:i:i:i:i∧寸≧芙y≧ー|:i:i:i:i:|/⌒ }:i:i:i:i:i:i/:i:i}
乂:i:i:i:i乂', / V:リノ^ .|:i:i:i:i:| ) ノ ∧彡イ:i:/:}
 ̄} |:i:i:i:i:|ニニイ:i∧:i/:i:/_ノ
どうです? / |:i:i:i:i:| }{ 寸:i:i}//
\ / |:i:i:i:i:|V/ マ/
私にもお使いぐらいできるでしょう? . ー |:i:i:i:i:| |⌒
|', / :|:i:i:i:i:i| l
|:i:i:.ー=彡 V.:|:i:i:i:i:i:| V
__. |:i:i:i:i:i:i:/ V|:i:i:i:i:i:| \
.∧\ |:i:i:i:i:i/ イl:i:i:i:i:i:i| \
∧ \ / |:i:i/ / .|:i:i:i:i:i:i:| ー-
\∧ \ || |:i/ ー- |:i:i:i:i:i:i:i| ̄ ̄ \
\) \|} |/ |:i:i:i:i:i:i:i| ∨
\ ∨二二ニ|:i:i:i:i:i:i:i:|二二二二二二二二二Y
V .|:i:i:i:i:i:i:i:| }
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 賊が逃げたのは、
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 荀灌の力によるものだったと『晋書』『列女伝』はまとめている
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 333 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:39:48.76 ID:3dxFmBQf0
-
/ニY二ヽ
/( ゚ )( ゚ )ヽ
/⌒`´⌒ \
| (-、 | さすがお嬢様だっていう!
,-ゝ、 ヽ___ノ | ト- :、
/'´ミ)ゝ^) | |r┬ー| l ,/;;;;;;;;;;;;`゙ よっ、三国無双っていう!!
ト、つノ,ノ ∧ l | / //;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
i _,,.:イ レ''";;;;;ヾ二,-;;´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
ヽ ゙v'′ ,:;;;;r-'"´`i,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
ヽ ゙':く´ ;f´' ll;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; 斗≦才ニ=ー-- _
ヽ ヾハ. l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; /イ ̄  ̄\ \厶
t `^t;\ ,,.ゝ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; //イ寸}}}寸 寸\ \\ミ辷_
艾ミ寸/厶\ ̄\. } \_寸 寸´
`才 .ア ) 乂\_\ ハ
./// 斗≦` 寸: : :./Vハ 个'
厶从{ァ==、 / 斗ォァ V// ム: }V乂{
八{:斗ォァ}  ̄ }:/ (ノ∧V
.{: ̄ ノ |__/VV
∨ \ 八 マ
.∨ , -─ ..::: V
うちは代々士大夫の家系なんだが…… ' -‐ /:/ ∨
.' /:::/ _V
\::....<::::::::/ 斗≦斗≦∨
.∨≦ /ニ二ニ=-‐∨__
/ /ニニ/ニニニニニ,
,イ / |─彡ニ>─-<ニニ,
/八./ニニ:|ニニ/ニニニニニ寸ニ,
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 史書に残る荀灌の働きはこれだけである
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 334 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:40:38.99 ID:3dxFmBQf0
- 【同時代人の李秀お嬢様(こっちの方が年上)】
', \ マ', //
マ ムr‐ュ,.。-=ニ.' "ゝゝ/〈
\,。-'// ` `ヽヽ、
,イ / ', \ヽ
ゝ' , | , ,ト 、 ,。.,_', ヽヽ
/ l | ノ ノ i ハ、',r"ro 3ヘ', ',
i | ,ィ,'/ /|`ーゝ+Y.ry' ',ト. ', なんで荀灌ちゃんだけ
| |,_,.ィ 'ヘ, / __` `入 リ、 | 戦での活躍シーンがあるのさ?
|、 .|∨ _,.. ∨ ´ェ==ヲ /ヽ ノ|ム .|
|λ |ム,。ェ=≡ /イ , `ノ ソ 李秀ちゃんだって
|八,イ ヘ ヽ | / /| / 優秀だと思うんですけどね〜。
′ Vヽ,_ヽ、 -‐´) ,イ/ /|ソ
∨|::::>。,_ ` /.:|// .やだねぇ史実準拠って
_\:::: ト\≧ニ´_,.。ィ,/ _..。--ュ.,、
,入マ \Y-'>-Ω<'ヽヘ /人
⊂二 ̄ ̄`ヽ / Y ', | / / ム、
r「^Y\∩~> \ / ,: Y ',、_ ,/ / / \ ,。‐''´´ ̄二つ
`'\ \{ ト-‐≧ 弋ュ、 / ..::: .:\ヽ、ム ) (⌒)( ソ ,。-' / 、 :.. , \ / .<~∩_/Y^f、
 ̄`ー―----r、_ ,ノノハ <.::::`ヽ: ./ >-。Y`.T´ W'。-< ', ::/.:::Y / へ =‐-イ }//'´
`ミ彡´'ノ\y'つy/ `ヽゝヘ,<.,__ミ i : :./_, . 。 > へ,。-'´ノ⌒>'´ γ`'ー--一 '‐´
`ゝr " \ )入 | / ノノ .:| |弋 | / ノノ:/ ,ヘヽ、
/ヘ\ て(ト`ヽヽュ | ' イ | :| | |>ヽ |/r ノしヽ /.:::::::`))
((::::::::::::\ ノノ`ヽYヽ 〉 | ( | |. | | | ) / (/. : r"´ /.::::::::::((
rノノ.:::::::::::::r⌒弋_,ィ"´ ,' | )-| | | | |-( ,':::\,. : 弋_,/.:::::::::::::::::弋
晋 李毅の娘 李秀
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .以前紹介した李秀の話を思い出す方がいるかもしれない。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } だが、李秀は『晋書』『王遜伝』に
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j 「李毅女」として登場するものの『列女伝』に立伝されるには至らなかった。
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .
`ヘ:ゝ .' 小/ 荀灌の活躍が『晋書』『列女伝』に収録されたのは、
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ それだけ女性が戦場に出る行為が異常だった事の裏返しなのだろう
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 335 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:41:30.98 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元315年8月 晋 荊州 武陵郡】
∩___∩
ノノ|||,,.ノ ヽ、,,ヽ
/ ● ● | .降伏したのに官軍の攻撃が止まらないクマ。
| ( _●_) ミ
彡、 |∪| / ""'''ヽ 何がどうなっているクマ?
,,,-彡_,r''" ̄ 「/ ̄/ ̄/;二"二"二((二((三三C≡=─
_,-| r'" 二 ==i ニニ二/\/ccccccc//_ヽ ) ヽ
<、、゙l - ̄ ̄C=] ノ;ヾ / ⊂ニニニ二二ソニニニソノ/⌒ヽ\
,l゙゙'l、 」ニニ二二〈ー;; \/二L_」 j
/ l /;:: /{ ̄`)ノ ーーー \ / ガッガッガッガッガッガッガッ
l l:::::::l : 5 l:::l 2 l::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;i:::::::_,/:::::::::::::::_,/ /::::l / l l ̄ ̄ ̄ ̄ l
l l:::__.l :___├l__.:.__l:::::::::::::::::::::::::::::::;;;;:- '::::::::::::::::::::::i' ,-,_,,...-'::::::::"i i" i'. l : 落 l
l l::l :7 l:::l 3 l:::::::::::::::::::::::::::::::,,-'':::::::::::::::::::::::::;-',-'"'-'::::::::::::::::::::::::l l:l / .l : ち. l
.l l:l_:__l:::l___l::::::::::::::::::::::::,,- ''::::::::::::::::::::::::::::::/./::::::::::::::::::::::::::::::::::::l l::l:/. .l : つ l
..l l:::::::::::::::::::;;;::::::::::::::::::::::::/:l:::::::::::::::::::::::::::: _,,.-''./:::::::::::::::::::::::::ii:::l"'ゝl l:/ .l : け l
...l l:::::::::::::;;;;::::::::::::::::::::::::::/:::l;;:::::::::::::::_,-''"_,,. -''"::::::::::::::::::::::::::::i::l ./=/┌‐‐‐‐‐‐ l____.l
.l l:::::::::;;;:::::::::::::::::::::::::::/::::::l "'-'''"_,,-''"::::::::::::::::::::::::::::::::/"i:::/ /:/ l : こ 考 心 l
l ̄ ̄ ̄ ̄.l:::::::::::::::/:::::::::l /":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/_.._l/ /:/ .l : ん え を .l
l 落 ¬ 落 l:::::::::::::::i:::::::::::l--'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::':;;,::::'': ̄l // .l : な る 平 l
l ち 素 .ち l::::::::::::::::;'i,::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,i'i,'' " l .時 ん 静 .l
l つ 数 つ l::::::::::::::::::;;;i;::::::l::::::::::::::::::::::::: :::::::::::::::::::;;,:/ l. ど だ に l
l .く .'‐ く .l:::::::::::::::::;;;;;;'i.::::l:::::::::::::::::::::;; l'iY:::::/i:::::::/ l. う : し l
l ん を ん l:::::::::::::::::;;;;:::::i,:::l:::::::::::::::;;-'i;; i,i_i,:::i'-,::::/ l す .: て l
l だ 数.だ lヽ二''.-::;;;:-''"'i,:::::::::::/ "'" " "' l る l
l .: .え : .l i i'‐- -''"~ "''" l か .l
l__.て___l 晋 蜀郡の人 杜弢  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
───────────────────────────────────────────────
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー .ちなみに、この建興三年(三一五年)。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 荊州南部では杜弢の乱が平定されている。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ .一度は杜弢が琅邪王に帰順したが、
`ヘ:ゝ .' 小/ 前線の諸将の攻撃は止まず、再度抗戦の末に武陵郡で消息不明となった
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
───────────────────────────────────────────────
- 336 :1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]:2022/12/15(木) 22:42:45.85 ID:3dxFmBQf0
- 【紀元315年夏 晋 并州 陽邑】
V/\ ___ /////
V///ヽ 「.:.:.:.:.:.:.:.:.~^'<//
∨//ァ': |r─.:.:ミ:.:.:.:.:.:.:.\
アi/.:.:.:.ア⌒\:.\:.:.:.:\.:\
/|i/.:.:.:.:.| ヽ.:ト⌒|:.:i.:.:.:.
| |i| .:.:.:.:.| '⌒ |.:|y圻ミ .:.:.:|
ノl'|i| .:.:.:.:.|y圻ミ |/ Vり 」:.:.:.:| さすがは潁川荀氏。
. /:.:.|」i〉.:.:.:.|.| Vり 、 ''''' |:.:.:. \
i .:.:.|〈〉:l:.:.:.:\''''' , 八:.:.:.:ト:.\ 一流の名士の家は、子女の教育も行き届いているのね
└‐t:\ |.:.:|:.:.: \ ` .イ ノ|.:.:人).:.:.)
):. )L:.:\.:.:.:.:≧=‐<|:ノイ:ノ:.:|:./:.:.\
(:.(¨r-=ミ:.\i:.:.」,ノニニ'<:.:.:.:.ト:.:.\jノ
ア ノi:i:(:.t:./ r‐t }}」\:.:.:.:\:.:\
/ / ⌒ヽi:iア ノイノノ |i:i:i:iTZ.:人:.:,ノ /::::::::::::::/::::::::::::::;ィ劣i:i:i:i:i:i:i:i:。s≦三三三三≧s。V::::::::∧::::V
/ i ,.イ _ノ ||- |i:i:i:iノ{:.:.Lノ:} /::::::::::::::/::::::::::::::;ィ劣i:i:i:i:。s≦三三三三三三三三≧V:::::::∧::::V
/ ,ノ「ア(i:i:i:iア「l¨ ||- 「 ̄ ー‐t' ./:::::::::::::::/:::::::::::::;ィ劣i:。s≦三≫'"´7 | | iヽ \ ヽ\::::::::::|:::::|
/::::::::::::/::::::::::::::/i:i:i:ア / /──メ、 /! l./ ∧ | Y ヽ::::/::::/
./:::::::::/::::::::::::::::/i:i:i:iノ./ / //// ./'イァ'"T.フ ̄ |ヽ \:/
丶<´:::::::::::::::::/i:// { / ,xfX竿云kx、/ /'.,xfX云kx、イ ト、 ヽ、
`> 、_:::::::,/i:/ ./ ∧ /イ.《{ { (・ ) .} ゙ヾ ´{ (・ ) .lヾ》'} .,イ、ヽ V\
 ̄ Уイ{ /{ >、{. ヾ.ゝ- ' , ゝ- ' 〃./ /7∧,! l\.\
/'´//イ V {、 .∧ /- ノ / .}丿 }.ヽ }
日頃からお転婆だったのだろうな { .! .V \゙.∧ ,ノ} /イヽ/ ./ / |/
∧ ヽ \ 二".ノ (::::::::::) / ./ ヽ /ヽ. (
\ 二≧s。 ヽ ̄ヽ ` ´ ,。s≦∧ V ヾ `ヽ=
∧ヽ.`ヽ }∧ノ≧fs -. ´{へ ヽ\二フ
.∧v)ノ<ノ{ {:::::::::::::::>、/:::Vノ}ノ`ソ
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