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ヤングアベンジャーズ「少年期の終わり」
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107 :
◆t8EBwAYVrY
[sage]:2022/08/13(土) 21:43:52.67 ID:HVU4MYhZ0
ドゥーム「おのれ……おのれ! 貴様ら程度がこのドゥームに歯向かいおって! もはや容赦はせん! 己の無力さを思い知らせてくれる!」FA-CHOOOOOM!
ウィッカン「!……空中のドゥームボットの魔法陣の発光が強くなった!」
ドゥーム「時空連結魔法実験を敢行する! NYと冥府を繋げてくれよう!」FOOOOOOM!
>FA-CHOOOOOOOOOOOOOOOOOOMMM!<
<BOOOOOOMM!
KA-BOOOOOOMM!>
ケイト「魔法陣から発生したエネルギー波がビルに!」
エリ「ケイト! グウェン! シルク! カマラ! ビルが倒壊する前に救助を頼む!」
ケイト「了解!」
デイジー「こちらジョンソン捜査官。ヘリキャリア内にいる出動可能エージェントは総員地上で救助活動して!」
シモンズ『了解!』
ドゥーム「こざかしい羽虫が!」FSSHAAAAAAMMM!
<KA-BOOOOOOOOOOMMM!
フィッツ『右舷被弾! 第二第四エンジン停止! こりゃマズイ……!』
ヘリキャリア<VVVVOOOOOOOOOOOO……!
ハルクリング「ヘリキャリアが墜落する!」
108 :
◆t8EBwAYVrY
[sage]:2022/08/13(土) 21:44:42.70 ID:HVU4MYhZ0
>>107
ヘリキャリアが墜落する〜・・・大きな事件が起きる度にコトの大きさを表すためにかヘリキャリアはよく墜落してる
109 :
◆t8EBwAYVrY
[sage]:2022/08/13(土) 21:45:23.66 ID:HVU4MYhZ0
スピード「任せろ! キャシー、後は頼むぜ!」ダッ
>>>SPEEEEEED!>>>
アメリカ「ぐるぐる回って……竜巻を作るつもりか!」
スピード「限界まで……飛ばすぜっ!」
≫≫≫SPEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEDッ!≫≫≫
\WHHHOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOSSSHHHH!/
ハルクリング「墜落速度が抑えられてる! これなら――」
ZOOOOO>キャシー「シュワァーーーッチ!!!」<OOOOOM!
巨大キャシー「「「成せばなる! キャシー・ラングは女の子っ!」」」
\GGGLLLUUUUNNNNCCCCHHHHHH!/
アイアンハート『と……止まった。ヘリキャリアを受け止めた!』
キャシー「地面に降ろすよ〜。よいっしょ……」ズズーン
フィッツ『た……助かった……』
シモンズ『やっぱりあの子達を解放して正解だったね』
スピード「ハアッ! ハアッ! ハアッ!……やったな、キャシー」ゼイゼイ
キャシー「トミーのおかげだよ。私達二人だからできたんだよ。いえーい」ハイターッチ
110 :
◆t8EBwAYVrY
[sage]:2022/08/13(土) 21:46:03.56 ID:HVU4MYhZ0
――崩壊寸前のビル
ケイト「みなさん大丈夫ですか! 助けに来ました!」ザッ
男性A「おお! ヒーローが来てくれた!」
女性A「よかった! 私達助かったのね!」
ケイト「エレベーターは停止して階段は今にも崩れそうな状態です。窓から地上に向けてワイヤーを張るから、滑降して脱出しましょう」
<SHOT! CLUNCH!
ケイト「よし、最初は子供から行きましょう。お嬢ちゃん、準備はいい?」
少女「あのね、パパのね、お仕事見学に来たらね、急にドーンってなってね……」
ケイト「もう安心よ。さ、このワイヤーでシャーっていこっか」
カマラ<大丈夫〜! 私が受け止めるから!
少女「あのお姉ちゃん、おっきなクッションに変身しちゃった」
ケイト「ワイヤーの先でMs.マーベルが受け止めてくれるから安心して」
少女「で、でも……こんな高いトコ怖いよ……私はアベンジャーズのお姉ちゃんみたいに強くないから……」
ケイト「……いいこと教えてあげよっか。私はスーパーパワーを持ってないの。怪力も超スピードもなんにもない、あなたと同じ普通の女の子。でもアベンジャーズになれたのはどうしてだと思う?アベンジャーズになるにはどうすればいいでしょうか?」
少女「どうするの……?」
ケイト「できっこないと思うようなことでも挑戦して、勇気を出して恐怖に打ち勝つ。これはとっても難しいことだけど、誰にでもできることなの。あなたにもね」
少女「私にも……?」
ケイト「もちろん。誰だって恐怖に打ち勝つことはできる。恐れを振り払って立ち上がり、一歩を踏み出せば……あなたもアベンジャーズよ」
少女「……わかった。私、やるよ」
ケイト「うん、がんばろう!」
111 :
◆t8EBwAYVrY
[sage]:2022/08/13(土) 21:47:19.77 ID:HVU4MYhZ0
<BOOOF!
カマラ「よーし! 受け止めたわよ。大丈夫?」
少女「うん! 怖かったけどがんばった!」
カマラ「すごいわ。あなたみたいに勇敢な人見たことない」
ケイト<b!
少女<b!
ケイト「さあ、みなさんも勇気を出しましょう。小さな女の子が口火を切ったんです。大人が尻込みするわけにもいかないでしょ?」
男性A「よ、よーし! 俺達もやるぞ!」
女性A「あの子の勇気に負けてられないわね」
――もう一方のビル
THWIP!
グウェン「これで救助完了ね。やるじゃない相棒」
シルク「あなたもね。私のことはシルクって呼んで」
グウェン「私達似た者同士気が合うかもね。どう? こんど一緒に科学展覧会に――」
<GGGRRRRR……
グウェン「ッ!――しまった! ビルが崩れてウェブが……」
<COFッ COFッ
グウェン「!……しかもこんな時にウェブ切れなんて――」
シルク「グウェン!」
THWIP!
CATCH!
グウェン「ッ――!」
<スタッ
シルク「大丈夫……!? グウェン! グウェン返事して! グウェン!」
グウェン「――……う……うぅ……ありがとうシルク……でも落下中にウェブでキャッチされたら頭がガクンってなっちゃうから、今度からは首に負荷がかからないように気をつけてやってね」
シルク「っ……ふふ、注文の多いこと。でも無事でよかった……」
112 :
◆t8EBwAYVrY
[sage]:2022/08/13(土) 21:48:10.90 ID:HVU4MYhZ0
ドゥーム「塵となれ!」FSHAAAAAAAAAMM!
エリ「GGHHHH!……まだまだだ!」
アメリカ「エリ、ドゥームの魔法実験を止めないと!」
エリ「ヴィジョン、リリ、ドゥームボットを破壊してくれ! 一体でも倒せば魔法陣は崩れるはずだ!」
アイアンハート『OK! ヴィジョン、ブラスト砲フォーメーションよ!』
ヴィジョン『了解、マスター』VVVEEEEEEE!
アイアンハート『マスターはやめて』VVVEEEEEEE!
ドゥームボット【敵影感知。迎撃開始】VVVEEEEEEE!
ヴィジョン『OOUGH!……セキュリティは万全のようです。クソ』
アイアンハート『言葉が悪いわよヴィジョン。でもたしかにクソって感じね……早く倒さないとドゥームの計画が……!』
ピーター「やっぱりロボットとはいえドゥームボット……易々と近づけてくれないか……だったら僕がやるしか……ARGHH……」ボロッ
マイルス「無理しちゃダメだピーター。今のあなたじゃ返り討ちにされちゃうよ。でも……僕の透明化能力ならドゥームボットに近づけるかもしれない」
ピーター「!?……だ、ダメだ!……マイルス、危険すぎる。君だってさっきの火傷のダメージがまだ……」
マイルス「そんなこと言ってる場合じゃないだろ!僕がやらなきゃ誰がやる! 君だってそうするだろピーター!」
ピーター「ダメったらダメだ! ドゥームと戦うなんて君にはまだ早すぎる! もし君に何かあったら――」
マイルス「ちくしょー! 一生に一度くらい僕を信じてくれよ! そんなに僕は頼りないのかよー!」
ピーター「っ……!」
ピーター「……」
ピーター「……わかった。マイルス……君に任せる」
マイルス「!……うん!」
THWIP!
113 :
◆t8EBwAYVrY
[sage]:2022/08/13(土) 21:48:56.45 ID:HVU4MYhZ0
<FACHOOOOOMM!
VVEEEEEE!>
<SHAAAAAAMMM!
ヴィジョン『マスター、このままではラチがあきません。なにか奇策を講じないとあのガラクタ連中に近づけません』
アイアンハート『マスターじゃないってば! 修理しただけでしょ! でもなんとかしなきゃ……』
ドゥームボット【魔法陣精製率92%……完成まで約2分。見るがいい、ドゥームの野望が成就する瞬間を】
肩<ポン
ドゥームボット【HUH?】
マイルス「HEY(よお)」
>ZZZPPPRRRRAAAAAAAAAAKKKKKKK!<
ドゥームボット【NNNYYYGGGHHHHHHHHHAAAAAAAAAA!】ビリビリビリ
アイアンハート『!……今よ! ヴィジョン!』
ヴィジョン『くたばれ、ブリキ野郎』
GLUNCH! GLUNCH! >CLAAAASSSSSHHHHH!<
>KA-BOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOMMM!<
アイアンハート『やったわ! あの子とヴィジョンがやってくれた! ドゥームボットを破壊したわ!』
ピーター「……よくやったマイルス」
114 :
◆t8EBwAYVrY
[sage]:2022/08/13(土) 21:50:00.74 ID:HVU4MYhZ0
ドゥーム「なっ……八紘の陣が崩れてゆく……我が壮大なる魔法実験が……!」
アメリカ「アンタの野望もここまでだ。荷物まとめてさっさと帰りな!」WHAAAAMMM!
ドゥーム「AGGHHH!……お子どもが! 調子に乗りおって!」FSHAAAAMM!
アメリカ「うわっ!」BOOOOOMM!
ドゥーム「たしかに魔法実験は失敗した。今度は貴様の持つ異次元を貫くパワーを用いて再び試みるとしよう」
アメリカ「!」
ドゥーム「再起不能にした後でそのパワーを抽出してくれる! 覚悟せよ!」
>ZSHHAAAAAAAMMM!<
アメリカ「――……?……エリ!」
エリ「させるかよ。俺の友達には指一本触れさせないぞ」
ドゥーム「星条旗の男をマネた小童が、生まれた地も異なる余所者を身を挺して守るか。愚かな……どけい! 余を怒らせたいか!」
エリ「断る」
ドゥーム「余を誰だと思っておる……フォン・ドゥームぞ! 身の程を知れ! 貴様のような小者が余の前に立ち塞がるつもりか! そこをどけぃ!」
エリ「そっちがどけ」
ドゥーム「っ……!」
115 :
◆t8EBwAYVrY
[sage]:2022/08/13(土) 21:50:56.55 ID:HVU4MYhZ0
ドゥーム「人をイラつかせるのが上手いお子どもだ……ならば骨まで消し炭にしてくれる! 余に逆らったことを後悔――」
ハルクリング「ハルクスマッシュ!」THWAAAAMM!
ドゥーム「RRGGHHH!……次から次へと……」
ハルクリング「子供の頃からドクタードゥームの顔面に一発お見舞いするのが夢だったんだ」
ドゥーム「余に一撃を打ち込んだのは褒めてやろう……どうだ? 余の配下にくだらぬか? 貴様らは見所がある。余に仕えるというなら相応の地位を与えようではないか」
ハルクリング「……アンタは史上最強のスーパーヴィランの一人だ。俺なんかじゃ勝てっこない。アンタの申し出を受けるのが賢い手だろうな」
ハルクリング「だけど俺達は逃げ出すようなことはしない。どんな困難にも勇気を持って立ち向かえって“アイツ”に教わったからな」
ドゥーム「?……何の話をしている」
ハルクリング「今ここにはいないが……俺達にはもう一人仲間がいる。そいつは未来の自分が悪党になることを恐れてアーマーを纏い、運命に抗った」
ハルクリング「だけど、アイツは世界を救うために運命を受け入れた……俺が知る限り、誰よりも勇気のあるヤツだった。最高の友達だよ。アイツのことを思うと勇気が湧いてくる。」
ハルクリング「決して……お前には仕えない。俺達はヒーローだ。かつて、“アイツ”がそうだったように」
ドゥーム(!……こやつ……生態スキャンによればこやつの中に流れる“血”……まさか……こやつの血筋は! こやつの中に感じる底知れぬ“何か”の正体は! まずい! こやつは早めに叩かなくては!)
ドゥーム「やはり従わぬか! 余に抗うならば消し去るのみ!」FSHHAAAAAAMM!
ハルクリング「GGGHHHHH!」
ドゥーム「貴様ら程度が図に乗りおって……ドゥームに歯向かった罰を受けよ!」
<ZZAAAAAAAAAKKKK!
116 :
◆t8EBwAYVrY
[sage]:2022/08/13(土) 21:51:44.33 ID:HVU4MYhZ0
>>115
アイツ・・・ヤングアベンジャーズ結成メンバーの一人、アイアンラッドのこと。30世紀の未来から来た少年。本名ナサニエル・リチャーズ
後にアベンジャーズの宿敵である征服者カーンになる運命にある。だが将来自分が悪人になるのを恐れ、運命に抗うために過去へ行き、ヤングアベンジャーズを結成した
しかしカーンになる未来を変えようとすると時空が歪み、多くの人々が消滅しそうになったため、悪人になるという自身の運命を受け入れ、未来へ帰っていった
カーンの技術によって作られた超性能アーマーを着ており、アイアンマン風の外見。
こやつの血筋〜・・・ハルクリングの父はMARVEL世界で伝説的な英雄、キャプテンマーベル(初代)。異星人ながら地球のために戦った高潔なヒーロー
117 :
◆t8EBwAYVrY
[sage]:2022/08/13(土) 21:52:29.76 ID:HVU4MYhZ0
\FOOOOOOOOOOOOOMMM!/
ハルクリング「――……っ!……ビリー!」
ウィッカン「大丈夫だテディ。僕が君を守る」FOOOOMM
ハルクリング「で、でもお前……さっきのダメージがまだ……」
ドゥーム「あァ……“愛”か。愚かな気の迷いだ。たかだか十年ちょっと生きただけのお子どもが、一時の感情で他人に命を賭ける。なんと滑稽な」
ウィッカン「……!」
ドゥーム「いくら永遠を誓おうと人の心は移ろうもの。いずれそいつは別の者を愛するぞ。貴様とて同じだ。愛しいと思うのは今だけ……すぐに飽きが来る」
ウィッカン「……」
ドゥーム「ましてや十代の恋愛などうたかたの夢……そんな相手のために自らの身を差し出すとは、愚の骨頂よ」
ウィッカン「……たしかに僕達の気持ちは淡いものかもしれない……大人から見れば子供の戯れにしか見えないだろう」
ウィッカン「いつか僕らが大人になって、別々の道を歩むことを決めて、新しく好きな人ができるかもしれない。僕達が永遠に想うこの気持ちも、いつかは儚く消えてしまうかもわからない……」
ウィッカン「でも今日じゃない」
\KRA-CHOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOMMM!/
ドゥーム「!?……GGHHHHHAAAAAAAAAAAAAAA!」
118 :
◆t8EBwAYVrY
[sage]:2022/08/13(土) 21:53:17.82 ID:HVU4MYhZ0
ハルクリング「す、すごい! ビリーがこんなに強力な雷を発生させれたなんて!」
エリ「今だ! 一斉に攻め立てろ!」
ヴィジョン『エネルギーブラスト、マキシマムレベル!』VVVVEEEEEEEEEEEEEEEE!
デイジー「これが私の全力っ……!」GGGGRRRRRRRAAAAAAAA!
アイアンハート『出力最大! フルバースト!』FFFSSSHHHAAAAAAAAAAAAAAAA!
ウィッカン「これで最後だっ!」KRA-KOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOMMM!
ドゥーム「AAAAAARRRGGGGGHHHHHHHHHHHHHHHH!」
アメリカ「ドクタードゥーム、覚えてる? あんたの特大ブラストをあたしが次元ポータルを開いてスッ飛ばしたのを」
アメリカ「……あんたに返してやるよ」
ドゥーム「!?」
アメリカ「オラァ!」
>BOOOOOOOMMM!<
☆<ZZSSHHAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAMMM!
ドゥーム「AAAAAAARRRRRRRGGGGGGGGGGGHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!」
ドゥーム「――……この……ドゥームが――……こんな――……!――」
ドゥーム「――GG……ZZ……――……GYYAAAAAAHHHHHHHHHM!――」
\ D O W A O O O O O O O O O ! ! ! /
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・
・・・
・・
・
119 :
◆t8EBwAYVrY
[sage]:2022/08/13(土) 21:54:01.10 ID:HVU4MYhZ0
ウィッカン「はあっ……はあっ……」
キャシー「……やったの? あのドクタードゥームを倒したの?」
スピード「どうやらそうらしいな」
ケイト「ま、まさか死んじゃったんじゃ……」
ドゥーム「――……GHHH……大したものだ……お子達よ……」
ケイト「あ、よかった。生きてた」ホッ
ハルクリング「敵ながらなんて頑丈なヤツだ……」
ドゥーム「……此度の余の失敗は……そなたらを侮ったことだ。年端もゆかぬ小童とタカをくくったが故。不穏因子を放置したのが原因だ……」
ヴィジョン『冷静な分析ですね』
ドゥーム「そなたらは……幼いお子ではないらしい。力を合わせ、人を助け、偉大なるこのドゥームに挑んだ……それでこそアベンジャーズと言えよう」
エリ「いや、俺達は“アベンジャーズ”じゃない」
ケイト「?」
エリ「ドゥーム、お前は俺に“街の人々か仲間の命か、大人ならどちらか選べ”って言ったよな。……俺達はまだ子供だ。だからどっちかなんて選ばない。どちらかじゃなく、両方を取る。わがままな子供だからな」
ウィッカン「……」
エリ「大人が『現実的じゃない』と言って諦めるようなことでも、俺達は諦めない。理想と希望を捨てない、夢見がちな青臭いガキんちょ……それが俺達……“ヤングアベンジャーズ”だ」
120 :
◆t8EBwAYVrY
[sage]:2022/08/13(土) 21:54:55.90 ID:HVU4MYhZ0
スピード「……おい、なに一人で男上げよーとしてんだ。いいとこ取りしやがって」ズム
ハルクリング「そうだそうだ。トドメ刺したのはビリー達だろ」ズム
エリ「うっ……いいだろ別に」
ケイト「あんなに『子供じゃない〜!』『ヤングなんてダメだ〜!』って言ってたクセに調子いいんだから」
ヴィジョン『逆に、ある意味大人になったと言えるでしょう』
キャシー「え、つまりどっちなの? 自分は大人だーって言ってた頃はホントは子供だったけど、子供だって認めたから大人になったってこと?でもホントは子供よね?あれ?わけわかんないんだけど」
ウィッカン「どうでもいいじゃないか。僕達は子供だけど、幼くない。いつかは大人になるかもしれないけど、今はまだわがままな子供ってことで」
ドゥーム「……フフフ……改めて思い知ったわ。余は子供が苦手だ」
<ザッ!
キャプテンアメリカ「そこまでだ! ドクタードゥーム、合衆国本土への侵略行為により貴様を逮捕する!」
アイアンマン『やれやれ、少し目を離した隙にとんでもないことをしでかしてくれたな』
フューリー「だがこのガキどもが防いでくれたらしいな。大したもんだぜ」
リード「君達、大丈夫かい? よくヴィクターに立ち向かってくれたね」
121 :
◆t8EBwAYVrY
[sage]:2022/08/13(土) 21:55:32.74 ID:HVU4MYhZ0
エリ「!」
ハルクリング「ええ!? アベンジャーズにファンタスティックフォーにニック・フューリー!?」
ウィッカン「ど、どうして!? この世界のヒーローはスパイダーマン達以外はみんな全滅したんじゃ……」
ヒューマントーチ「ああ……それなんだがな……」
ソー「先日のサノス艦隊との争いに勝利した我々は、参戦した地球のヒーロー全員を招集して祝勝会を開いたのだ。だがそこで出したアスガルド産蜂蜜酒がちょいと腐敗していてな」
ウィッカン「えっ」
アイアンマン『パーティーに参加した全員が腹を下して倒れてたってわけさ。ピーターは家族と食事の約束をしてるとかでパーティーに参加せず難を逃れたというわけだ』
ケイト「なんじゃそりゃ……」ガクッ
シング「しかしやるじゃねえか。おめぇらがドゥームの野郎を返り討ちにするたあな。初めて見る顔ばかりだが、根性あるみてーで気に入ったぜ」
スー「あなたたち、よくがんばったわね」
フューリー「さあ、立てドゥーム。VIP御用達の監獄に招待してやるぜ」
ドゥーム「ふん、戦いが終わってから到着しておいてエラそうに」
ジョンソン「ドゥームに同感。身体張ったのは私達なんだけど? これで月給変わんないなんて言わないわよね? フューリー」
フューリー「……今日出勤してた者には特別手当を出しておく」
シモンズ『やった! フィッツ、今の聞いた?』
フィッツ『ぬか喜びは禁物だよジェマ。相手は長官だよ? ウソが眼帯して歩いてるような人だ。期待しない方がいいよ』
122 :
◆t8EBwAYVrY
[sage]:2022/08/13(土) 21:56:20.65 ID:HVU4MYhZ0
>>120
>>121
キャプテンアメリカ・・・第二次大戦の最中に超人血清によって超人となった伝説のアベンジャー。本名スティーブ・ロジャース
アベンジャーズのリーダー的存在だが、実は創設メンバーではない
アイアンマン・・・天才的頭脳と超性能アーマーで戦う鋼鉄のアベンジャー。本名トニー・スターク
アベンジャーズ結成当時は金色のアーマーで、動力はトランジスターだった
ソー・・・北欧神話の雷神その人で地球最強のヒーローの一人でもあるマイティアベンジャー。本名ソー・オーディンソン
紀元前の100万年前にはソーの父であるオーディンが“最初のアベンジャーズ”を結成していた
リード・・・宇宙有数の天才で、ファンタスティックフォーのリーダー。本名リード・リチャーズ。通称Mr.ファンタスティック
宇宙線の影響でゴム人間になった。ドゥームとは学生時代からの知り合いで因縁の相手
ヒューマントーチ・・・ファンタスティックフォーのムードメーカー。本名ジョニー・ストーム
宇宙線の影響で発火人間になった。その気になればかなりヤバイ火力を発揮できる
ザ・シング・・・ファンタスティックフォーの頼れる兄貴分。本名ベン・グリム
宇宙線の影響で岩石人間になった。怪力もさることながらかなりのタフネスで、キャラクター人気もスゴイ
スー・・・ファンタスティックフォーの紅一点でリードの妻でジョニーの姉。本名スーザン・リチャーズ
宇宙線の影響でバリア人間になった。透明にもなれる。バリアの強度はかなりのもので、彼女自身もその気になればかなり強い
123 :
◆t8EBwAYVrY
[sage]:2022/08/13(土) 21:57:22.53 ID:HVU4MYhZ0
キャプテンアメリカ「君達、この街をよく守ってくれた。君達はまぎれもないヒーローだ」
フューリー「本来なら未成年ヒーロー活動法違反でしょっ引くトコだが……今回はコトがコトだからな。見逃すしかねえな」
アイアンマン『その法律も改訂の余地がありそうだな。スーパーヴィランとの戦闘はまだしも、人命救助活動は認可するべきかもしれない』
ソー「お前もよくやったな弟よ。援軍が揃うまでの時間稼ぎ、見事であった」
ロキ「ふん、肝心な時に役に立たない兄を持つと苦労するぜ」
ソー「わっはっは! 言うな言うな! さあ、帰って此度の戦の祝勝会といこう!」
ロキ「なっ! アホかお前は! それで腹壊したのは兄上達だろうが!」
ソー「固いこと言うなロキ。勝利の宴こそ戦士の華だ! さあ、ゆくぞ!」
ロキ「わー! ドゥームなんかよりこっちのがよっぽど厄介だー!」
124 :
◆t8EBwAYVrY
[sage]:2022/08/13(土) 21:58:03.56 ID:HVU4MYhZ0
ハルクリング「なにやってんだあの兄弟は……」
エリ「とにかく、ドクタードゥームを相手に犠牲者もなく退けたんだ。みんなが力を合わせた結果だ」
シルク「これで貸しは返したわね」
エリ「ああ、礼を言うよ。だけどどうやってこっちの世界まで来たんだ? 異世界移動って難しいんだろ?」
アイアンハート『アメリカが開いたポータルのわずかに残ってたエネルギー粒子を解析してポータルを再現したの。科学に強い仲間達とヴィジョンにも協力してもらってね』
カマラ「またピンチになったら呼んでちょうだい。いつだって駆けつけるわ。私達マルダチだからね!」
スピード「なんだそりゃ?」
カマラ「マルチバースの友達、マルダチ」b
スピード「これで正規のアベンジャーズ張ってるってんだからビックリだよな」
<WWOOOOO……
アイアンハート『帰りのポータルを開いたわ。じゃ、またねみんな』
カマラ「この広いマルチバースに私達がいることを忘れないで! どれだけ遠く離れてても、どれだけ時が経とうとも、私達の友情は不滅よ!」
シルク「きっとまたいつか……私達の運命の糸は絡み合う。その時まで、元気でね」
エリ「ああ、またな」
ケイト「いつかまた……きっと、ね」
<WWOOOOO……
125 :
◆t8EBwAYVrY
[sage]:2022/08/13(土) 21:58:51.95 ID:HVU4MYhZ0
ケイト「それじゃ、私達もそろそろ帰りますか」
ピーター「みんな……本当にありがとう。君達がいなければドゥームには勝てなかった。こんなに心強い味方はいないよ」
ハルクリング「あのスパイダーマンに……それも大人バージョンの彼にお礼を言われるなんて、オタク冥利につきるな」
ウィッカン「あなたももう少し後輩を信じてあげてくださいね」
マイルス「その通り。僕達だって小さな子供じゃないんだから」
グウェン「今回の件でちょっとは信用できるって想ってくれたかしら?」
ピーター「ああ……君達は僕が同じ年頃の時よりもずっとしっかりしてるよ」
マイルス「やった! ピーターからお墨付きもらった! とうとう免許皆伝だ!」
アメリカ「アンタらに助けを求めて正解だったよ」
ハルクリング「アメリカはこの世界に残るのかい?」
アメリカ「ああ。あたしの生まれ故郷はここじゃないけど……今はまだしばらくこの世界に居座らせてもらうよ。新人スパイダー達と一緒に人命救助に勤しむさ」
ウィッカン「いつでも僕達の世界に遊びに来てくれていいからね」
スピード「君ならチームに入れてやってもいいぜ。筆記試験はパスでな」
アメリカ「なんだ、私の勘違いだったか」
スピード「?」
アメリカ「私はもうアンタ達の仲間だと思ってたよ」
126 :
◆t8EBwAYVrY
[sage]:2022/08/13(土) 21:59:43.71 ID:HVU4MYhZ0
キャシー「!……もちろんよ! あなたもヤングアベンジャーズの一員よ! ね、トミー」
スピード「ああ、だな。アメリカがここまで俺達が好きだとはビックリしたよ」
アメリカ「……クソ、急に恥ずかしくなってきた」
ケイト「ふふ、アメリカってけっこうツンツンしたキャラかと思ってたけど最後はデレてくれたわね」
エリ「『ようやくお子ちゃまと離れられてせいせいするぜ』とか言うと思ったよな」
アメリカ「アンタらアタシをなんだと思ってんだ」
ウィッカン『男勝りで不器用で照れ屋』
☆<BOOOOM!
アメリカ「オラ! アンタらの世界へのポータル開いたぞ! さっさと帰れ!」
ケイト「えーもうちょっと別れを惜しみましょうよ〜」
エリ「あれか、あんまりじっくりすると別れが辛くなるからか」
キャシー「わぁ、アメリカってば乙女なんだから」
アメリカ「今すぐ帰らねーとアタシがケツ蹴ってポータルにブチ込むぞ! オラ! いけいけ! MOVE! MOVE! MOVE!」
ハルクリング「わー! みんな急げ急げ! アメリカのケツキックなんてシャレになんないぞ!」
ウィッカン「じゃあねアメリカ! また会おうね!」
WWOOOOO……
アメリカ「……またな、ヤングアベンジャーズ」
127 :
◆t8EBwAYVrY
[sage]:2022/08/13(土) 22:00:19.45 ID:HVU4MYhZ0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
・・
・
――ヤングアベンジャーズの秘密会合場……
ケイト「ようやく帰ってこれたけど、未だに現実味がないわね。私達がマルチバースを渡り歩いたなんて」
キャシー「それに二つも世界を救っちゃったんだもん。オオゲサかもしれないけど」
ハルクリング「元々チームの名を上げようってことで異世界に出向いたけど、もうどうでもよくなったよな」
ウィッカン「うん。株ってのは上げるものじゃなくて上がるものだからね」
スピード「焦らなくってもそのうち世界の方が俺達を迎えにくるさ」
エリ「その通りだ。俺達は俺達のやり方でやっていく」
ヴィジョン『みなさん、以前よりも急に大人に近づいたように錯覚します。年齢は加算されていないのに精神的に成長したように見えるのは私の解析脳のバグでしょうか?』
ケイト「ふふ……いいえヴィジョン。そういうこともあるのよ。子供ってのは成長が早いものだからね」
ウィッカン「僕達はいつ頃大人になるんだろう」
エリ「さあな。だがそれまでは……せいぜい夢見がちな子供でいよう」
128 :
◆t8EBwAYVrY
[sage]:2022/08/13(土) 22:01:04.84 ID:HVU4MYhZ0
<BEEE <BEEE
ヴィジョン『36丁目の銀行で強盗事件発生。多数の人質がいるようです。至急現場に向かいましょう』
ハルクリング「やれやれ、帰ってきて息つく暇もないな」
キャシー「でも見て見ぬフリをするわけにはいかない。でしょ、みんな」
エリ「ああ、俺達の出番だ」
「「「 ヤングアベンジャーズ、アッセンブル! 」」」
――END――
129 :
◆t8EBwAYVrY
[sage]:2022/08/13(土) 22:01:56.14 ID:HVU4MYhZ0
〜おまけ〜
強盗A「ARGH!」ドサ
強盗B「OUGHHH!」バタ
強盗C「NGHHH!」ガク
ハルクリング「勝った! SS完!」
ウィッカン「レッドスカルやドクタードゥームと戦った後じゃ物の数にも入らないね」
キャシー「みなさん、お怪我はありませんか? 悪者はやっつけました。もう大丈夫ですよ」
男性A「た、助かった〜! ありがとう! キッズアベンジャーズ!」
エリ「なっ……俺達はそんなチーム名じゃない!」
女性A「じゃあアベンジャーチルドレン?」
エリ「違う!」
男性B「わかった! リトルアベンジャーズだ!」
エリ「ちが〜う!」
女性B「ジャリん子アベンジャーズでしょ」
男性C「ティーンタイタンズ!」
女性C「グーニーズだ! 昔の映画であったやつ!」
スピード「……どうやら俺達の広報活動もまだまだらしいな」
エリ「……〜〜〜っ」プルプル
エリ「ぬおー! このままじゃやっぱダメだ〜! サノスでもギャラクタスでもやっつけて世間を見返してやるー!」
ケイト「やっぱりまだまだ子供ね」
〜おしまい〜
130 :
◆t8EBwAYVrY
[sage]:2022/08/13(土) 22:03:10.97 ID:HVU4MYhZ0
これにて完結です
ヤングアベンジャーズのお話を書いてとリクエストされたので書きました
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました
131 :
◆t8EBwAYVrY
[saga]:2022/08/13(土) 22:07:28.02 ID:HVU4MYhZ0
完結あげ
132 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/14(日) 13:07:29.16 ID:yRJjbTdK0
前々から思ってたけど
途中で解説みたいなの入れてるのがテンポ悪くしてる
洋画やアメコミ詳しくないけどこんな感じなん?
133 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/18(木) 19:13:25.00 ID:ymwANVaI0
テンポは別に悪くないと思うが
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