タイトルを書くと誰かがストーリーを書いてくれるスレ part8

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566 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/03(水) 00:58:46.79 ID:42WDUFMDO
タイトル「火葬圏におんな」
567 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/07/04(木) 12:06:11.56 ID:kQCgr5j5O
タイトル「ザ・ドラゴン・クエスト」
568 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/04(木) 21:51:31.24 ID:nRG/ZdN20
タイトル「仮想圏の女」
タイトル「下層圏の女」
569 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/04(木) 22:10:56.29 ID:2OSYN8hDO
タイトル「東京土地時占拠」
タイトル「診察薄幸」
570 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/05(金) 15:14:15.46 ID:PSkKcf2DO
タイトル「サンジに3時賛辞のおやつ」
571 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/07/06(土) 00:00:02.46 ID:N5cCTXJ20
>>568 「仮想圏の女」

 バカでかい引き違い戸が僕の部屋の東側にあって、そこからは駅から登ってくる坂道を見おろすことができる。商店街のある通りとは違うが、両脇にはアパートが何棟も何棟も連なっていて、時間帯によってはまったく人通りの絶えないときがあった。
 僕はいつも7時35分に目を醒ます。働いていたとき、かならずその時間に起床していたので、その癖がいまだに抜けないのだ。そしてうがいをして顔を洗い、しっかり香りを立たせた紅茶を淹れ、少しの牛乳を注いで飲む。このときハムエッグを焼くと、ちょうどいい具合に茶葉を抽出できたくらいにみごとにカリカリにできあがる。それにミニトマトやニンジン、あるいはレタスなどを添え、パンとヨーグルトを用意すれば朝食の完成だ。気分によっては、スープをつけてもいいだろう。僕はこれを毎朝かならず用意している。そして目玉焼きのカリカリになった白身をサクサクと咀嚼し、バリパリのレタスで黄身を包んで食べるのだ。ここで噛まれて鳴るシャキシャキとした感触で僕は完全に目を醒ます。最後にミルクティーを飲み干し、ヨーグルトを完食すれば、また今日も彼女と僕にうってつけの日だ、と確信する。
 僕が朝食を食べ終えるのはいつも8時15分前後のことだが、彼女が朝この坂道を下っていく時間帯は必ずしも一定ではない。8時20分のときもあれば8時30分をまわることもあるし、あるいは8時50分になる直前にあわてて降りていく姿も見たことがある。だがいずれにしたって、髪のセットの丁寧さあたりに差はあれど、朝焼けみたいに淑やかに光るナチュラルな色合いの茶髪は変らないし、すっきり無駄のない頬と、そのすぐ上にある、洞穴に差しこむ一条の光のような睫毛、陶磁器みたいに澄んだ瞳はいつだって僕の目を引きよせてしまう。若干の遠目にうつるときには、服越しでもわかる脚線美と、すばらしくバランスの取れたくびれにかたちのよさが明白な乳房に夢中なのだが、だんだん距離がつまり、顔が見えるようになってくると、それまで見ていた身体を忘れて、その整った顔以外見えなくなる。飴のようにぷっくら艶のある唇に、僕は吸い込まれそうになる。
 彼女が帰ってくるときも同様だ。彼女が駅からこの坂を通って帰るのは、早くても19時10分、遅ければ21時30分ごろだ。となると基本道は暗いわけだが、幸いにも人通りは多いおかげで、街灯も多く立っていて、やって来る彼女を見るのに不都合はない。このときも朝と大きくは変らないのだが、しかし一つだけ、はっきり違う点がある。というのは、かならず彼女が影に入る、ということだ。いくら外套が多くたって、坂道全部を照らすには至らない。だから、街灯の照らすスポットとスポットの間で、彼女の姿は暗闇に溶けかかる。そのたびに僕は、彼女がここからいなくなっていしまわないかと怯えるのだ。彼女は平日ほぼ毎日、同じ時間にこの坂道を昇り降りしているのだが、それはすなわち予定外の邂逅や足止めを、ほとんど食っていないということを意味する。例えば飲み会やデートなど。だから、そのような普段とは違う時間の割き方をするようになれば、僕はこの巨大な引き違い戸の前で、彼女をひたすら待ちぼうけをすることになってしまうわけだ。僕の人生はいま彼女のことを考えることでほとんどが占められているから、想定外に見られなくなれば、それはもう恐ろしいったらありゃしない。だからどうかお願いだ、僕の下から離れないでくれ、と坂道を上がり、暗闇のなかを歩いていく彼女の後ろ姿を見ながら僕は祈っている。それとともに、彼女の、この坂道を往来していないときの姿を、僕はいつも考える。例えば朝。オーバーサイズのTシャツと短パンで目醒める。朝食はレタスとトマトとハムのサンドイッチ。服は寝ていたときと同じだ。食べ終えると歯を磨いて髪のセット、化粧に入る。これにきっと30分は費やすだろう。そしてそうにもかかわらず、自分の肉体の全体にかかる美しさは、僕ほど理解してはいないはずだ。朝に恋人は考えない。いまはたぶんそれどころではないのだろう。時間を自分のために使う、僕の理想的な女。
 会社への往路、彼女は周囲のことなど何も気にしていない。気にする必要もないからだ。会社でも同様、彼女は揺るがぬ自分自身をもって、周囲にカリスマを振りまいて、勤務時間をすごす。ぶれない心で同僚や顧客、取引先と対峙する彼女に挑戦しようとする気はまず起こらない。彼女の目は澄んでいて、曇らない。その目があらわす快晴が、濁った心根の人間たちをひるませるのだ。
 さて家に帰ると、彼女はため息をつきながら、まず風呂に入る。ベルトを緩めて、ソックスを脱いだ次にブラウスをはだけて洗濯機に入れ、ボトムスも脱ぐとあとは下着のみを身につけた状態になる。ボディバランスの露わになった自分を、彼女は洗面所の鏡に映してみる。といっても、肯定的な感情からではない。むしろ、鏡のなかの自分を敵視するというのが近い。彼女のすばらしい均整は、奇蹟的なバランスでできている。乳がもう少し大きくても小さくても、くびれがあとちょっとなだらかだったりくっきりとしてたり、足の肉づきがちがっていれば、違和感のある体になっていたかもしれないのだ。彼女は人の目など気にしないが、自分の覚える違和感は許しがたかった。その不均整に気づくと、それをすぐさま殺したい欲望に駆られる。自分のイメージと異なってゆくのが彼女は怖かった。いま、イメージ通りにうまくいっている。それをみすみす変えるのは惜しい。この自分こそがもっとも傷のない、理想に近い私なのだ。ここから離れ、劣化することは、煉獄で苦しむに等しいことだ。下着を脱いで、全裸になる。隠れていたところが、彼女の前に露わになる。それらはきれいな桃色だ。まだ、使い古されていない。私は、まだ誰に従属もせず、気高く生きている。永遠の命を得たかのように、今の私を何としてでも守り抜く――。
 僕は彼女がそう生きていることを確かに知っている。
572 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/06(土) 00:56:41.18 ID:o4E8/7tDO
>>568 「下層圏の女」

「人」として「下層」と言う話なのか?「居住区域」が単に「下層にある」だけの話なのか?

とした些細な疑問の始まりからこの話は次第に流転していく…
結局、卑しい人間性があるから低い地域にそうした卑しい連中同士で寄せ集まるだの、
高い地域に住まう人間達はすぐ低地に住まう者達を嘲笑うから逆に人間性の方は低いのだ、
などとした人の深層にある意識的な差別意識の問題やら何やらと。

オチとしては最終的に主人公は「女」である事から話は一気に飛躍し
「下層にいた女」は、実は「上層圏出身の女」であると、とある異性にバレて
結婚した後の二人は「中くらい」な幸せを手に入れた、とかいうラブコメ的な話になって幕。


そして、この作品はそれなりに多少の話題作にはなったもののこのオチのせいで
続編の話の製作が非常に困難を極めている、との噂がまた下層に広まったと
上層部の連中が頭を抱えてしまい、その逆転的な現象を今度は「中間層の連中」がさらに台無し
にするグラウンドゼロな計画が立てられて、一番最初の「下層圏の女」は後に

全てを無に帰さす「ジョーカー」的な存在として語り継がれたという
573 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/07/06(土) 12:12:09.77 ID:SIir4BGTO
タイトル「THE FURIKOME SAGI」
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