このスレッドは1000レスを超えています。もう書き込みはできません。次スレを建ててください
【シャニマス×ダンロン】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 Part.4
- 784 : ◆vqFdMa6h2. [sage saga]:2022/11/27(日) 06:22:19.04 ID:EggkbfIo0
- >>783
これは>>774の書き方に問題がありましたね…
仰る通り、コトダマの説明もそうですし、実際にコトダマを獲得した時の>>445 >>446でも「のみ」なんて表記は無いですね、、、
ここの問題の主たる意図としては「実際はルカも参加しているのに、283プロダクションのアイドルの参加しか明文化されておらず若干の食い違いが生まれている」です。
×
でも、実際の『希望ヶ峰学園歌姫計画』はどうだ?
ここにはハッキリと『283プロダクション所属のアイドル【のみ】を集め』と書かれているではないか。
私は天地がひっくり返ろうともその所属は283プロダクションではない。
……この食い違いは。
↓
〇
でも、実際の『希望ヶ峰学園歌姫計画』はどうだ?
「283プロダクションのアイドル」の参加には言及はあるが、私の参加には一切言及もない。
まるで、そもそも参加なんか意図されていないように……
私は天地がひっくり返ろうともその所属は283プロダクションではない。
……この食い違いは。
多分これぐらいの表現が適当になるかと思います。
元から小さな違和感、矛盾を指摘するところなのでモヤつかせてしまう要素ではあったんですが、ずっとこれまでになかった表現が登場するという部分で余計に納得しにくい展開になってしまって大変申し訳ないです。
本家V3であったように、それ単体では意味が通るが、実際にコロシアイに参加している人間は違和感を感じるコトダマを目指したんですが中々難しいですね。
- 785 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2022/11/27(日) 14:00:25.20 ID:77GhznRs0
- 揚げ足とる行為そのものに生き甲斐を感じる性癖の持ち主はたまにいるから気にしなくていいんじゃね?
Q.朝ごはん何だった→A.パン食べたww
みたいな奴は頭が悪いか性格が悪い子、関わると碌ことにならない
多分コナンやネウロのトリックにすらネチネチ文句言ってるだろうな
- 786 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/27(日) 18:52:55.01 ID:IorJo2ej0
- すいません、783なのですが早朝からお手を煩わせてしまい申し訳ないです
また、返信をいただいていることに気づくことが遅れてしまったこともお詫び申し上げます
少し気になっただけのところをわざわざ対応していただきありがとうございます
お手数をおかけしました
- 787 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 20:51:41.54 ID:EggkbfIo0
- >>786
実際こちらの表現に問題がある部分だったのでご指摘はもっともだと思います!
その他諸々も掲示板の特性上のことなので何もお気になさらないでくださいね
それでは最後の学級裁判後半パート……前の幕間の章より再開いたします
- 788 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 20:53:05.12 ID:EggkbfIo0
- ------------------------------------------------
CHAPTER 00
幕間
ナポリタン一皿のイマージュ
------------------------------------------------
- 789 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 20:53:52.42 ID:EggkbfIo0
-
____マジでどの面下げて私の前に現れてんだって。
- 790 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 20:54:47.34 ID:EggkbfIo0
-
ナポリタンに醤油やお酢をぶっかけられたような最悪の気分。
苦虫を噛み潰してすり潰し、それを濃縮して煎じた薬でも飲んだような顔をしていただろうと思う。
目の前の席についた男に、目を細め侮蔑の視線を送る。
この男は私にとって親の仇だ。
若くして私を身籠ったママは妊娠していたにも関わらず無理なプロデュースにより活動を強いられ、
そして身を壊し、精神も消耗し、最終的には私を産み落とした後に自殺という選択を取った。
その結末を齎したのは間違いなく目の前のこいつ。
こいつは今、そのことに触れることもなく悠々とした様子でワイングラスを口元へと運んでいる。
「そんなに美味いかよ……屍の山の上で飲む酒は」
「山、とは大層だな」
「一人や二人じゃ目でもないって……? 笑えるね、何がアイドルのプロデューサーだよ」
黒いスーツには年季が入っていた。手入れを尽くしても隠しきれない折り目に、その面に走る皺。
私の身に纏う服との取り合わせは倒錯した時間の流れを印象付けた。
母の歩んだ道の上を死に急ぐように走る私と、死の生まれた地点で立ち止まってばかりのこいつ。はじめはそう思っていた。
- 791 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 20:56:35.79 ID:EggkbfIo0
-
「ああ、ホントまっずい……最悪の店だね」
「人に見られる仕事をしている以上は、最低限他の人間にどうみられるか気にした方がいい」
退席を促す、鬱憤だけの暴言。その悉くが眼前の標的からは逸れていた。
的を射ないばかりに、男からは私を逆なでするような言葉ばかりが飛んでくる。
こちらの怒りの感情には耳を傾けないばかりか、反省の色も覗かせない。
さも自分は出来ている人間だ、とばかりの言葉面。
「あんたこそ、こんな店には似合わないよ。老いぼれがこういう、若者の集まる店に入っていいと思ってんの?」
実際、この店にこの男がいるとは思いもせず。
普段の客層からしてもそう、私が注文している品からしてもそう。
私に父親はいないが、こういう歳の男は普通もっと閉鎖的な空間で夜を過ごす者ではないのだろうか。
居酒屋で愚痴垂れたり、バーで傷をなめあったり、そういう加齢臭のこもった哀愁がお似合いだ。
私の指摘にこの男は『やれやれ』と言わんばかりにため息をつくと、言葉を返すことなく目の前の料理を口に運ぶ。
フォークの先で巻き取ったパスタからは、ウィンナーが零れ落ちた。
「……苦いな」
男の一口分には、ピーマンばかりが巻き取られていた。
- 792 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 20:57:58.86 ID:EggkbfIo0
-
「……萎えた」
平然と食事を続ける男を前に、何か言ってやろう、ぶつけてやろうという意欲はいつの間にか立ち消えてしまった。
フラストレーションをぶちまけたところでそれが昇華される保証もない。
それに、親の仇をとるならもっと望ましい形があることを私は知っていた。
「代金はそっち持ち、不快にさせた分くらいは払えよ」
こいつがアイドルのプロデュース業の前線から身を引いて、事務所を立てたと聞いたとき。
はらわたが煮えくり返りそうになるのと同時に、やっと復讐の好機が回ってきたと拳を突き上げてもいた。
こいつがずっと手に入れようとして手に入れられなかった、安泰の『家』、それを為す『家族たち』。
私の手でぶち壊すことができたのならどれだけ胸がすくことだろう。
ステージという華々しい舞台の上で、歓声と支持を全て私のもので上書きして、その上であの男の起こした仕打ちのすべてを白日の下に晒す。
架けたはずの虹は陰雨のもとに折れ、背中の翼は羽の一つ一つまでが毟り取られる。
咎を求めるなら、その方が効果的だろうと悟っていた。
- 793 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 20:59:54.46 ID:EggkbfIo0
-
「待て」
完全に背を向けていた私に、男が声をかけた。
さっきまで席についていたのに、なぜ離席したタイミングで呼びつける。
その横柄さに虫唾を走らせながら、振り向く。
「話がある」
咽喉まで出かかった言葉が霧散した。
そこに座っていた男はさっきまでとは別物に映ったからだ。
肉親の仇という先入観が視野を曇らせていたのか。
否、そうではない。男自体がさっきまでは擬態をしていた。
枯れた柳のように、のらりくらりとしていたばかりの男とは思い難く。
皺を走らせてかっぴらいた眼球は禍々しくも血走り、絡め合わせた指は歪に擦れあう。
___刹那、男の中に死神を見た。
- 794 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:02:13.88 ID:EggkbfIo0
-
「私からのスカウトを受けてみる気はないか」
邪悪は、呪詛を吐いた。
「はぁ? あんた正気じゃないね、イかれてるよ」
その深度を測りかねて、蹴って退ける言葉で動揺を繕う。
それを見透かしたように、男は言葉をつづけた。
「君を誘っているのはステージ上へではない、その対極だ」
「意味わかんないこと言うなって……」
気が付けばレストランに人は私とこの男の二人だけだった。
食器に食器がぶつかる音、給仕が机に料理を運ぶ足音、飲み物を片手に語らう人々……そのいずれも虚無へと消えた。
私の意識に降りた分厚い幕は、見なくていいもの、聞かなくていいもののすべてを覆い隠す。
ただ、男の言葉だけに耳を傾ける。
- 795 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:02:59.49 ID:EggkbfIo0
-
「この世界の真裏を見てみる気はないか」
何よりも重たく、何よりも甘美な響きだった。
「あんた……わ、私にママと同じように……死ねって言いたいのかよ……?!」
違う、そうじゃない。私の言葉が的外れなことを自覚しながら、それを発した。
男のにやけ面、その裏に透ける悍ましい何かに心を惹かれていることを認めたくはなかったのだ。
「君に見せたい世界がある」
男はポケットからスマートフォンを取り出すとそれを横向きに机の上へ。人差し指で机を二度叩き着座を促してくる。
「……」
何も言わずに、浅く腰掛けた。食べかけのナポリタンは草臥れている。
「……すまん、まだ操作には不慣れでな」
たどたどしい手つきで画面をタップ。
何やら意味の分からない文字列を入力するたびに、そこに映るものはどんどん物々しくなっていく。
発色は暗いものに変わり、そこに踊る字も陰惨な響きの物に。
最終的に行きついたのは、
- 796 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:03:52.04 ID:EggkbfIo0
-
「……コロシアイ?」
B級映画でも今時目にしないような5文字だった。
- 797 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:05:04.59 ID:EggkbfIo0
-
「私に見せたいのって、これ……なの……? いや、やっぱあんた頭おかしいよ……」
残虐すぎて、一周回って幼稚なそのフレーズに、何の笑いなのかもわからずにはにかみながら男の顔を見た。
ただでさえ、彫の深いその顔立ちは、日が沈んだかのようで何故だか表情が見えなかった。
「再生するぞ」
私の反応は一切の無視。男は迷うこともなく、その指先を横向きの三角形に添わせた。
「これが、君を待っている世界だ」
- 798 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:06:20.40 ID:EggkbfIo0
-
ケチャップ。
その食卓にはテーブルマナーはない。
あるのはドレスコード、血染めのシューズワンセットだけ。
好きに席を立ち、好きに同席者を殴りつけたっていい。
食事をするための道具で、眼球をえぐり出したっていい。
ナイフで割かれた肉が床を転がり、フォークでリブステーキを持ち上げる。
付け合わせのソースは自分の眼球から零れる雫に、胃袋から噴き上げる酸味のあるジュレ。
シェフらは自らの首をねじ切ろうともがき、手のひらから血が噴き出すほどに床を殴りつける。
最悪で括れないだけの数分ばかりの底が、流れた。
- 799 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:08:32.66 ID:EggkbfIo0
-
「これは、その一端だ」
ダブルタップすると、画面の八割以上を赤が占拠していた映像が一時停止。
そのまま液晶の明かりを落として、男はポケットにスマホをしまいこんだ。
私はというと、ただ茫然とスマホがあった場所一点を凝視していた。
つい先ほどまでそこに非日常が、無秩序が、無倫理が、醜悪なる厭悪がそこに在った。
その記憶はとりもちのように私の眼球を捉えて離さなかった。
「これは非日常。私たちの日常のすぐ真裏の、な」
体をめぐる血管に、これまでと違う血が流れているのを感じていた。
血管の末端までその一つ一つが拍動しているようでうるさい。
皮膚の下で異様な熱気を放つのに、なぜか体は震えている。
奥歯は火花を立てようかという勢いでぶつかり合い、呼吸は間がない程に浅い。
「私は今、アイドルのプロデュース業とは別にこの興行を取り仕切る立場にある」
当然のように自身の非人道的な行いを語る。
自己紹介をするかのように、呼吸をするかのように。
- 800 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:09:41.92 ID:EggkbfIo0
-
「もし君が私を告発すれば、今すぐにでも牢の中に投げ込まれるだろうな」
でも、君はそれをしないだろう?
そう言いたげな視線が鬱陶しくて、そこでようやっと首を振るという反応を示すことができた。
とはいえ男の言葉を否定する意味合いで首を振ったのではなく、あくまで煩わしさから出ただけの反応。
凝り固まっていた関節がほぐれただけのこと。
「あんた、私にその犯罪の片棒をかつげって……?」
男の言うスカウトとはつまりそういうことなのだろうと思った。
共犯者を募っている。断頭台の上で一緒になって踊る人間を探し求めているのだ。
「ああ、そうなるな」
そんな最悪の意図を明け透けにして取り繕うともしない。
- 801 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:10:31.89 ID:EggkbfIo0
-
「……」
なのに、その誘いを棄却できなかった。
悩むことなんてない、表舞台で生き続けたいのなら蹴り飛ばしてこいつを通報なりなんなりすればいい。
それなのに、どうしてさっきのあんな凄惨な光景に心惹かれてしまっているのだろう。
生まれた時から親がいない。死という存在が自分自身のルーツだから。
そんな理由をつけようと思えば付けれたかもしれない。
「あんた、本当に終わってるね。ママ殺して、行くとこまで行った?」
「狂いへの道程はまだ道すがらだ」
「ハッ……ホント、イカれすぎ」
でも、自分自身が1番わかっている。
この衝動の根っこは、ただの好奇心だ。
- 802 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:11:20.37 ID:EggkbfIo0
-
「話、もっと聞かせなよ」
- 803 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:14:00.55 ID:EggkbfIo0
- ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
しばらくしてからこのコロシアイのルーツが『ダンガンロンパ』というカルトゲームだということを知った。
私とほぼ同年代の登場人物たちがエゴを剥き出しにして、文字通り殺し合う。
そのコロシアイには裏で糸を引く存在があり、最終的にはその黒幕を打ち破り希望が輝いて終わる……というあらすじ。
私がなぜこのコロシアイに魅せられたのか、それで合点がいった。
私はずっと地の底を這っていたんだ。
生まれた時から母親の仇を取る、それだけを生き甲斐にしてきたし、自分の青春は全て復讐のために投げ打った。
その中でもようやっと見つけた他にない相棒とも、別離し、絶縁し、自暴自棄の果て。
心の中に拠り所をずっと追い求めていた。
このコロシアイの中で幾度と生まれる『希望』を、自分も手にしたいと思った。
「……好きな女守って終わり、か。綺麗な終わり方なこって」
モニターには愛した女性に覆いかぶさり庇うようにした骸が映る。
生憎ながら、その骸ごと鉄芯が両者を貫いているため、庇うことは叶わずにいるが。
「これが、今回の希望の形……自己犠牲ってとこか?」
「もう一端の評論家気取りか」
「ハッ……そんなんじゃねえ」
- 804 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:14:56.41 ID:EggkbfIo0
-
男はどこか冷めた目つきで顛末を見届けていた。
参加者たちが無惨で悲劇的な死を遂げようが、感情が波を立てることもない。
顎に手を添えて、ため息混じりの声をこぼす程度。
同じ仕事をするようになってからは、男のそんな仕草ばかりを目にしていた。
かくいう私も似たようなものだ。
あのレストランで見せられたコロシアイは、はじめこそ魅力的なものではあったが、回数を重ねるごとに自然と色褪せ、私の中にも慣れが生じてきた。
「……なあ、あんた。本当は何がしたいんだ?」
「と、いうと」
「ただコロシアイを興行にするだけじゃねえんだろ」
そんな退屈にこいつが誘い込むばかりとは私には思い難かった。
この男は、悪魔だ。
自分のために他人を振り回すことを屁とも思わず、嗜虐の限りを尽くして使い潰す。
私が今見ている姿には、その側面が不足していた。
「何か目的があってコロシアイをやってる、それに私を誘ったのもその目的あってこそだろ」
「……」
私の問いかけに少し考え込むそぶりを見せた。
- 805 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:16:19.53 ID:EggkbfIo0
-
「私は、アイドルのプロデュース業を今でも1番に考えている」
「はぁ……?」
男の発言の意図を図りかねて、思わず問い返す。
「ひいては、このコロシアイもプロデュース業に活かしたいと思っている」
「いや、アイドルとコロシアイなんて対極だろ……世界の真裏だってあんたも言ったよね?」
「表裏一体という言葉がある」
コインの表と裏は文字通りピッタリとくっついており、そこに開きはひとつもない。
生まれながらにしての隣り合わせ、男はそう言いたいらしい。
間違っている。
アイドルの真裏がコロシアイ?
華やかなステージの幕裏には死体が積まれている?
そんなことあり得ない。
ステージに立つものは、おおよそ命のやり取りとは程遠いところにいる。
スパンコールが光を乱反射させることはあっても、血飛沫を帯びることなどない。
そんな荒唐無稽な言説を、取り下げようともせずに男は続ける。
- 806 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:17:43.40 ID:EggkbfIo0
-
「君の母親が自ら命を絶った時のことだ」
「!」
「私は自身の愚かさに頭を擡げると同時に、アイドルとしての器量のあり方に疑問を抱いた。羨望と声援を恣にするアイドル、だが真に世界に希望を齎すにはそれでは不十分だと」
親の仇が当時の心境を語る。
熱帯夜なんか目じゃない不快感に、爪を立てる。
その爪で顔を引き裂かなかったのは、話を聞きたいという衝動が蓋をしたから。
ここまで来たら、どれほどこの男が狂っているのかを明らかにせねばいけない。その責任すら感じていた。
「どんな絶望に直面しようとも立ち上がり、立ち向かう……その姿にこそ人は耀きを見るのではないか」
「まさか、あんたは自分のアイドルにコロシアイをさせようってんじゃ……」
「そうではない」
時間が、止まった。
- 807 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:18:34.27 ID:EggkbfIo0
-
「それでは不十分だ」
それは、盲信。
はるか昔に胸に打ち込んだ楔。
「彼女たちの翼は儚く、脆い。虹を抱くには、羽根にはしなやかさを携えていなければならない。私は、その羽根に新しい色を加えたいのだ」
既にその芯は朽ち果てて、ただの墓標に化していた。
「ダンガンロンパに出てきた希望の象徴たる参加者たち、その人格を伴うことができたなら、その羽はより一層の輝きとなるだろう」
ただその墓標の根元に縋り、いつまでも天を見上げている。
天井努とは、そういう“故障品”だった。
- 808 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:19:56.76 ID:EggkbfIo0
-
「……ハッ」
なんだ、私が手を下さずとも復讐は既に母の手によってなされていたのだ。
母を使い潰して、自殺にまで追い込んだ相手は、いつの間にか母の幻影に囚われ、魅入られていた。
「あんた、最高だよ。いい趣味してんじゃん」
それなら、ここから先は嗜虐の範疇だ。
壊れてしまった相手を、もう戻りようもないほどに痛めつける。
飛んでしまったネジを掴んで捻じ曲げる。
二度とその穴を埋めることができないように、埋めようとしすれば却って穴が広がってしまうように。
「付き合わせろよ、私にも」
男は一瞬面食らったかと思うと、すぐに吹き出した。
「元よりそのつもりだったよ」
- 809 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:21:14.07 ID:EggkbfIo0
- ◆◇◆◇◆◇◆◇
283プロの連中でのコロシアイのセッティングは異常なまでに順調に進んだ。
事務所の社長が主犯格ということもあるが、コロシアイを既に何回も興行として成功させてきた経験が私にも天井にも蓄積されていたところが大きい。
発見を遅らせるための根回し、物資の確保、会場の用意……気が遠くなる額のお金がとんだ。
これまでのコロシアイとは比べ物にならない額だ。
天井努はここで、全てを終わらせ、全てを始めるつもりだったらしい。
コロシアイの参加者に選んだのは16人。
283プロダクションの中で、高校生の年にあたる者から七草にちかを除いたものだ。
なぜ七草にちかを除いたのかというと、親友の娘だからだと返答。
この期に及んでそんな人の情のようなものがあったのかと呆れ返ったものだ。
「残りの連中はどうするんだ?」
「コロシアイの動機になる。身柄は参加者と同様に押さえておけ」
なるほど、ユニットの中でも年齢がバラけているところもあるし動機としてメンバーの存在を活用するのは効果的だろう。
天井は私に残りの連中のリストを手渡す。
- 810 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:23:01.42 ID:EggkbfIo0
-
「……美琴」
リストの字面を目で追えば、自然と彼女が目についた。
283のアイドルでは最も私のとって馴染み深い存在。私にとってのもう片翼。
彼女がコロシアイの毒牙から免れていたことには安堵を禁じ得なかった。
「七草、にちか」
それと同時に、目につく名前。つい先ほど天井が『こいつだけは』と逃れさせた贔屓目。
私と天井の贔屓目同士が、偶然にもユニットを組んでいる。
これ以上に不愉快なことはなかった。
「コロシアイに参加しない面々には実害は加えない、誘拐する絵だけ撮れればあとは解放していい」
天井からの指示はそれだけ。
実動部隊はほぼ私に任せっきりになっていたし、天井はコロシアイの運営に向けての準備で手一杯だ。
私への監視の目は、確実に緩んでいた。
- 811 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:24:47.87 ID:EggkbfIo0
-
「美琴、もうオマエは……私の知ってる美琴じゃないんだよな」
「私の知ってる美琴は、もう帰ってこない……」
私は天井の考えに同調なんてしていない。
別の人間の人格を入れてしまえば、統合がうまくいったとてそれが臨むべき形であるはずがない。
元々の彼女はその時点で死に、『別の誰か』になってしまうだろう。
「それなら」
だからこそ、好都合。
「私が美琴を殺さないと」
- 812 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:26:40.77 ID:EggkbfIo0
-
緋田美琴を完全に、壊す。
天井の計画を利用して、生き残ろうとも死のうとも、緋田美琴という存在をこの世から消し去ってやる。
私が愛してやまなかった彼女の姿を借りて、今ものうのうと生きている『美琴』、その横暴をこれ以上赦しておくわけにはいかない。
私をこれ以上否定させるわけにはいかない。
「……私。あのさ、283のコロシアイで使う動機の人質連中……こっちに預けて。そう、天井からの指示だから」
だからそのために、他の283の連中にも協力してもらう。
私の目的に年齢なんか関係ない。幼かろうが私より年上だろうが、どうだっていい。
どうせみんな、壊れて元通りにはならない。
人格が統合されて出来る、紛い物にして醜態を晒し続けさせてやる。
もちろんその中には七草にちかだって。
「ハッ……」
この時を私は生まれた時から待ち侘びていた。
母の命を奪い去ったこの世の無条理、誑かし欺き食い潰すばかりの悪魔、私の拠り所を掠め去っていく泥棒連中……
その全てに復讐する時が今やってきたのだ。
この方舟計画が成功したその時こそが私の宿願なのだと悟った。
- 813 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:27:33.46 ID:EggkbfIo0
-
「穏やかな顔して寝てるね、美琴」
瞳を閉じて、寝息も立てず意識を失っている美琴の頬に触れる。
私生活なんてだらしないものなのに、アイドルには必要だからと身につけたスキンケアの賜物だろうか。
肌はきめ細やかで、赤子のような弾力もある。
指をむにっと押し込んでみると、クッションのような低反発でそれを受け入れる。
「……」
指先は、その先でわずかな熱を感じ取る。
「……変わってない、のかな」
美琴はいつも静かに燃えていた。
ステージのライトを一身に浴びる、それは彼女にとって夢というよりも生きる理由だった。
レッスンのたびにその話を聞かされては、涼しげな表情と情熱的な野望とのチグハグさに呆気に取られていた記憶がある。
「もう、私にはわからない」
ただ、もう昔の話だ。
時間は、全てを解決するし、全てを流し去ってしまう。
- 814 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:28:39.74 ID:EggkbfIo0
-
「じゃあな、『美琴』」
少しばかり胸が痛むのを感じながら、背を向けた。
これが私の見る最後の『美琴』の顔になる。次に見るとき、そこにあるのはきっと『美琴』ではない紛い物。
今生の別離という奴だ。
「……そろそろ始めるか、復讐」
連中を繋いでいる仰々しい装置、その操作盤の前に腰掛ける。
組織に所属してから叩き込まれたのでもうこの手の操作には慣れたもの。
プログラムのコードだって空で書けるほど。
だから、書き換えることも容易だった。
彼女たちが見ている楽園を一転、地獄にすることだって今の私なら苦でもない。
指先一つで、それは適う。
「ハッ……神にでもなった気分。最悪」
カミサマだなんて、周りの連中が押し付けてきた私の商品価値のイメージ。
だのに、今この局面になってレッテルが実態に追いついてきた。
弱者に対する圧倒的な優位。
きっと神なんて概念はその優位を畏敬と錯誤してしまうがゆえに生まれてしまったミステイクなのだろう。
「あー」
- 815 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:29:26.20 ID:EggkbfIo0
-
「神は神でも、死神だったんだ。私」
Role:managementによってルールが変更されました
Objectの配列が変更されます
新しいプラグインを導入しています
この端末に変更を加えています
>ハコフネケイカク ジッコウカイシ
019838299193782919163929298163891928
017382891849298471939938273819919939
182732894929284728919184820409171839
- 816 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:30:40.40 ID:EggkbfIo0
- ------------------------------------------------
CHAPTER 00
幕間
ナポリタン一皿のイマージュ
END
------------------------------------------------
- 817 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:31:25.99 ID:EggkbfIo0
-
「モノミ、回答だ」
「私たちは1周目のコロシアイに関する記憶を失っている。283の連中はコロシアイに参加した記憶を」
「私は、コロシアイに連中を巻き込んだ記憶を」
- 818 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:32:35.75 ID:EggkbfIo0
-
モノミ「大正解でちゅ〜! 天晴、お見事、マーベラス! ミナサン、全ての謎を自分たちの手で解き明かすことができまちたね!」
モノミに提示された卒業試験。
全3問に私たちは完答することが出来た。
でも、そこに待っていた答えはどれも私たちが俯くには充分すぎるだけの酷なもの。
モノミの賞賛ばかりが裁判上には空虚に響き渡る。
モノミ「あちしも達成感を感じまちゅ。満ち足りた達成感を感じまちゅ。中綿から縫い合わせの糸までがあったかくなるような達成感を感じまちゅ」
モノミ「ミナサンと過ごしたこの島での時間。それには重要な意味があったんだと再確認できまちた」
ルカ「……ホント、悪趣味だな。ここまで来て、これほどまでに胸糞悪い気分になるとは思わなかったよ」
ルカ「過去の自分、なんて恨んでも恨みきれねえ……!」
モノミ「うんうん、斑鳩さんのお気持ちは察して余りありまちゅ」
モノミ「緋田さんも七草さんも……」
モノミ「風野さんも桑山さんも田中さんも三峰さんも和泉さんも小宮さんも有栖川さんも黛さんも市川さんも月岡さんも」
モノミ「全部全部死んじゃったのは元を辿れば斑鳩さんのせいなんでちゅからね!」
ルカ「……ッ!」
- 819 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:33:53.22 ID:EggkbfIo0
-
あさひ「モノミ、わたしたちの答えは本当に全部合ってるっすか?」
モノミ「はい! バッチリもバッチリ! 完全回答でちゅよー!」
あさひ「……なら、ルカさんならこの状況をひっくり返せるんじゃないっすか?」
ルカ「……え?」
あさひ「コロシアイの全てを始めたのがルカさんなら、全てを終わらせられるのも……ルカさんだけじゃないっすか?」
智代子「そ、そうだよ! ルカちゃんなら、新世界プログラムを解除することだって……死んじゃったみんなを生き返らせることだって……!」
智代子「だって、このコロシアイは2周目……1周目で死んじゃった子も参加してたんだよね?!」
透「……」
モノミ「どうやら、浅倉さんには見えているようでちゅね。流石は管理AIさんでちゅ!」
あさひ「どういう意味っすか?」
透「私とかモノクマモノミとおんなじなんだよ」
- 820 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:34:47.57 ID:EggkbfIo0
-
透「ユーザー側にはフラグ……役職がついてるんだけど、本来は。今のコロシアイ、みんな役職が同じなんだよ」
ルカ「同じ……?」
透「要は、普通の参加者と一緒。システムを書き換えることもできないし、記憶も取り上げられてる」
透「その記憶も別メモリに取られてるから、今この場じゃどうにもならないんだよ」
ルカ「……すまん」
あさひ「……」
モノミ「でも、当たり前でちゅよね。そうでもしなきゃ未来機関に捕まっちゃうんでちゅから。新世界プログラムに紛れるには潔白な小市民を演じる必要がありまちゅ」
モノミ「下手に管理者である証拠を残していたら台無しでちゅからね。それに……」
モノミ「チーム・ダンガンロンパに所属していた人間なんでちゅから少なからず殺し合いに憧れる気持ちもあったんでちゅよ!」
ルカ「……」
明らかに、連中の私に向ける視線は変わっていた。
島の生活の中で少しずつ、積み重ねていたはずの信頼はこの裁判で突き崩されてしまった。
かけがえのない仲間たちが命を奪いあい、罪を背負わされたこのコロシアイ。その全ての責任は、私にある。
今までと同じように会話などできるはずもない。
- 821 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:35:45.46 ID:EggkbfIo0
-
透「これさ、こっからどうするの? 卒業試験自体は、もう終わりなんだよね?」
モノミ「そうでちゅね、問題自体は完答していただきまちたし、もう試験は終わりでちゅね」
あさひ「試験『は』?」
モノミ「はい! ミナサンは卒業の資格を今手にしたんでちゅ、ここから先はその卒業についての説明をしなくちゃいけまちぇん!」
ルカ「卒業って……このコロシアイが終わりってことじゃないのか?」
智代子「まさか……3周目……?!」
モノミ「いやいや、そんなことはありまちぇんよ。そこまでの権限はあちしにはないでちゅ」
モノミ「ミナサンにはこのコロシアイの終わり方を選んでもらいまちゅ」
ルカ「終わり方って、私たちが解放される以外の終わり方があるのか?」
モノミ「そうでちゅね……その説明をしなくちゃいけないんでちゅが……ちょっと込み入った話になるんでちゅよね」
智代子「今更込み入るも何もないよ! ちゃんと教えて!」
- 822 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:37:04.22 ID:EggkbfIo0
-
モノミ「さっきまでのお話の流れでこのコロシアイの目的が方舟計画にあることは確認しまちたよね?」
ルカ「それを……私が望んでいたらしいな」
モノミ「斑鳩さんの意志は生きていまちゅ。このコロシアイからの『卒業』は方舟計画の実行を意味しまちゅ」
智代子「それってつまり、私たちに人格を入れ込むの……?!」
透「……」
モノミ「コロシアイの経験値は十分すぎるはず、ミナサンにはダンガンロンパの人格を受け入れるだけの器がもう完成しているはずでちゅからね」
ルカ「島を出るには、それを受け入れるしかないのか……?」
モノミ「はい! 勿論でちゅ、それはあなた自身が望んだことなんでちゅよ?」
ルカ「……クソが」
あさひ「入れ込む人格は、この候補者リストの通りっすかね。……どんな風になるんだろ」
智代子「そんなの……嫌だよ……」
智代子「私は自分自身のままでいたい……チョコアイドル園田智代子は、今この自分だってそう思うから……!」
モノミ「勿論無理強いはしまちぇん。でも、卒業を選べば、コロシアイはちゃんと終わりまちゅ」
- 823 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:37:56.12 ID:EggkbfIo0
-
モノミ「今までに犠牲になったミナサンも、復活しまちゅよ!」
- 824 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:38:58.33 ID:EggkbfIo0
-
ルカ「……は?」
モノミ「新世界プログラムはあくまで仮想空間でちゅから。データ上死亡となっていても、その死亡したデータを返さなければしっかりと蘇生はしまちゅ」
あさひ「冬優子ちゃん、愛依ちゃん……みんなが、生き返る……?」
モノミ「方舟計画はダンガンロンパのキャラクターをこの世界に降すのが目的でちゅ。死亡したミナサンもコロシアイを経験したというデータは十分に蓄積されていまちゅからね」
モノミ「そんな素材を捨て置くのは勿体無いでちゅからね、しっかりとお返ししまちゅよ!」
ルカ「方舟計画の実行対象として、だよな」
モノミ「それはモチロン!」
あさひ「生き返るみんなも、わたしたちも……ダンガンロンパのキャラクターの受け皿として蘇生する」
モノミ「重ね重ね言いまちゅけど、あくまで方舟計画は人格の統合を目的としていまちゅ。ミナサンの元々の記憶や人格が消え失せるわけではないんでちゅよ」
モノミ「希望の象徴として、生まれ変わるだけなんでちゅ」
モノミ「アタシ、再生産!……って奴でちゅね」
智代子「多分それだけは違うと思う! ……多分だけど!」
ルカ「元の人格が残るとはいえ、それは他の何かが入った時点でもう別物だ」
あさひ「その別物を生み出そうとしてたのがルカさんっすよね」
ルカ「……」
智代子「ねえ、モノミ。終わり方を選びってことは、他にも選択肢があるんだよね?」
モノミ「はい。方舟計画の実行を阻止するという選択もありまちゅ」
ルカ「……! マジか……!」
モノミ「でも、それは希望を前にして背を向けるに等しい、背徳的な停滞でちゅ」
あさひ「停滞ってことは、まさか」
- 825 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:40:02.29 ID:EggkbfIo0
-
モノミ「この島から一生出ることはできなくなりまちゅ」
- 826 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:40:56.22 ID:EggkbfIo0
-
ルカ「なっ……!」
モノミ「それに、殺し合いで死んだミナサンが生き返ることもありまちぇん。骸は骸のまま、沈黙に全てを投げ打つことになりまちゅ」
モノミ「終わらない『留年』ってところでちゅかね!」
智代子「現実世界には私たちの体だけがずっと残り続ける……」
ルカ「クソが……自分達の生き方だけじゃなく、他の連中の命まで背負わせやがって……」
ルカ「どこまで趣味が悪いんだよ……!」
モノミ「ぷすー、くすくす! その発言、丸ごと全部ブーメランになってまちゅよ!」
あさひ「これってルカさんも同じ条件なんっすか?」
モノミ「はい! 真の黒幕であるルカさんもこのコロシアイにはミナサンと同じ条件で参加していまちゅから、基本は一緒でちゅ」
ルカ「基本……?」
モノミ「ダンガンロンパのコロシアイは最終局面は黒幕との直接対決って決まってるんでちゅよ。対決とはつまり、裁判の審議……おしおきをかけた究極の駆け引きでちゅ」
智代子「お、おしおきってまさか……」
- 827 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:42:27.73 ID:EggkbfIo0
-
モノミ「ミナサンが卒業した暁には斑鳩さんには死んでもらいまちゅ!」
- 828 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:43:22.98 ID:EggkbfIo0
-
モノミ「やっぱり、それぐらいリスキーじゃないとね!」
智代子「『卒業』すれば……ルカちゃんが死ぬ……?」
あさひ「……」
モノミ「あちしはミナサンのことを信じていまちゅ。ミナサンは希望の象徴になるべきアイドルたちなんでちゅから、どんな犠牲があろうとも進むべき道をしっかりと選んでくれると信じていまちゅ」
モノミ「それに、斑鳩さんはミナサンにとっては仇以外の何者でもないんでちゅからね!」
あさひ「……!」
智代子「……!」
(クソ……最悪だ……)
(自分の命が危ういことなんかどうだっていい……)
(かつての私に、言いようにされて打開策も何も見当たらないこの手詰まりの状況が、最悪だ)
(こんなの、どうすればいい……どうしたって絶望しか待ってないよ……!)
- 829 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:45:02.90 ID:EggkbfIo0
-
モノミ「じゃあ、お手元のボタンでささっと斑鳩さんに投票してくだちゃいね!」
ルカ「お、おい待てよ……!」
モノミ「斑鳩さん、往生際が悪いでちゅね。これはあなたが始めた物語でちゅよ?」
智代子「モノミ……私たちも一緒だよ。まだ、『卒業』をそうすぐには選べない。ちゃんと考えて……話し合ってから決めたいんだ」
ルカ「園田智代子……」
あさひ「……そうっすね。私もそう思うっす」
モノミ「まあ、ここまで引っ張っておいてこのままフィナーレじゃあ消化不良は否めまちぇんよね。分かりまちた!」
モノミ「それでは学級裁判はこれより最終フェーズに移りまちゅ! 『卒業』かそれとも『留年』か。ミナサンの議論で決めてくだちゃい!」
(……最終フェーズ)
(私は、どうすればいい……どっちに誘導すればいい……)
- 830 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:46:05.14 ID:EggkbfIo0
-
モノミ「でも、このメンバーでも議論も流石に食傷気味でちゅね……」
モノミ「そうだ! 思いついた! あちし今日は冴えてまちゅ!」
透「何する気? あんまいい感じじゃなさそうだけど」
モノミ「議論が物足りないなら、人数を補えばいいんでちゅ!」
ルカ「は? 何言って……」
モノミ「てんてれてーん! マジカルステッキ!」
モノミはいつ振りかのステッキを取り出したかと思うと、何やら呪文のようなものを唱え始める。
しばらくすると呼びかけに応えるが如くステッキの先はギラギラと輝き出す。下品なまでの光の粒子がそこに集い、渦を描き出す。
モノミ「えいやー! 死んじゃったみんなも、生き返れー!」
渦は爆ぜ、私たちの視界を俄に覆い尽くした。
瞳を庇う右腕を、下げた時。
次に私たちを待ち受けていたのは目を疑うような光景だった。
- 831 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:47:02.06 ID:EggkbfIo0
-
「久しぶり……いや、さっきぶりかな」
「……美琴?!」
- 832 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:47:55.19 ID:EggkbfIo0
-
円の形に並べられた証言台。
事件が数を重ねるたびに、証言台には空席が目立つようになっていた。
遺影代わりの写真にバツ印が付けられた冒涜的な墓標がそこには立てられ、視界にちらつく度に不快感が湧き立たずにはいられなかった。
その場所に、今。
_____葬られたはずの本人たちが立っている。
灯織「こ、これは……一体……」
果穂「あ、あたし……生きてるんですか……?」
しかも、裁判前に見せられたあの最悪な幻影とは違う。
私たちが共に過ごした時間がそのままの形で残っている、私たちのよく知る彼女たち。
紛い物でない本物が、そこにはいた。
智代子「か、果穂―――――!!!」
果穂「わっ! ちょこ先輩! ……えへへ、また会えてうれしいです!」
夏葉「智代子……生き延びてくれていたのね」
智代子「うん、夏葉ちゃん……お陰様で、今の今まで生き延びることが出来ました!」
- 833 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:48:57.85 ID:EggkbfIo0
-
雛菜「透ちゃん最後まで生きてたんだ〜! すごい〜〜〜!」
透「雛菜、ごめんね。守りきれなくて」
雛菜「別に気にしてないよ〜? 雛菜は守りたい人を守れてるし、大体しあわせかな〜」
愛依「あさひちゃんあさひちゃんあさひちゃん〜〜〜!!!」
あさひ「わっ! 急にわしゃわしゃしないでほしいっす」
冬優子「もう、愛依……落ち着きなさい。別に逃げやしないわよ」
愛依「や、そうだけどさ〜?!」
結華「ありゃりゃ、アンティーカは全滅だった感じですか?」
摩美々「恋鐘なら最後まで生き残ってもおかしくないと思ったんだけどー」
恋鐘「……」
摩美々「……なんか、恋鐘妙に静かじゃないー?」
灯織「何が起きてるんでしょう……」
千雪「まさか、生き返っちゃうなんて……でも、喜んじゃっていいのよね」
灯織「千雪さん……そうですね」
千雪「死んでしまったら、いつまでも孤独だもの。こうしてみんなにもう一度会えただけで儲け物よね」
- 834 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:49:49.71 ID:EggkbfIo0
-
にちか「ちょっと、ルカさん! なんで美琴さんが死んじゃってるんですか!?」
ルカ「……」
にちか「ルカさん、何か言い返してくださいよ! 黙ってちゃ何も分かりませんって!」
美琴「にちかちゃん、いいの」
にちか「でも……!」
美琴「……ルカ、ごめんね」
美琴の謝罪は私の頭上を通りすぎていった。
私には、それを受け取る権利なんてない。
こいつらの命を奪ったのは他でもない私だ。
私さえいなければ死別することもなく、こんな再会の場を設けずとも横に並ぶことができていた。
本来謝るべきは私の方、ただその謝罪もどこに向けるべきなのか定めかね、私は黙って俯くほかなかった。
- 835 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:50:43.46 ID:EggkbfIo0
-
モノミ「やっぱり、死んじゃったからって除け者にしちゃうのは可哀想だよね! この島で過ごしたお友達なんだもん! 最後はらーぶらーぶの議論でシメようね!」
ルカ「……どういうつもりなんだよ」
モノミ「はれ?」
ルカ「こんなことして、オマエになんのメリットがあんだよ……! 一体、何を企んでやがる……!」
モノミ「企むも何も……」
「それは1番君がよく知っていることだろう」
ルカ「……え?」
- 836 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:51:39.36 ID:EggkbfIo0
-
突然目の前のウサギのぬいぐるみの中から聞こえてきた、似つかわしくない余りにも渋すぎる声。
戸惑っている間も無く不可解は続く。
「君の持ち去った箱舟計画、どんなものなのかは覚えているだろう?」
「幼きヒナには翼が、旅立つ若人には導が必要だ」
「283プロのアイドルたちは、翼であり、導だ。この世界に芽生えようとする希望たちにとって、な」
ルカ「お、オマエ……死んだはずじゃ……」
「……死んだ? さっきの今で、目撃したものを忘れてしまったのか?」
「この世界では、死は何よりも軽いのだよ」
全てが裏返り、秩序は無秩序に。常識は出鱈目に。
死者は蘇らないという固定観念が覆された今、目の前の異常は平常に書き換えられてしまった。
これは死者の葬列ではない、生者の行進なのだ。
- 837 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:52:28.14 ID:EggkbfIo0
-
努「……久しぶりだな。283プロダクション代表、チーム・ダンガンロンパのゼネラルマネージャー、天井努だ」
- 838 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:53:54.09 ID:EggkbfIo0
-
灯織「しゃ、社長……あなたが……あなたが本当に、全ての元凶なのですか」
努「らしいな」
摩美々「なんでそんな他人事なんですかー?」
努「現に、他人事だからだ」
努「私はそこに立っている浅倉と同じなのだよ。知識や記憶こそオリジナルの天井努と同一ではあるが、本体は既に命を落とした身。あくまで私はAIによる再現にすぎない」
にちか「……加齢臭までAIって再現できるんですね」
努「……コホン」
努「それに、今回のコロシアイ……新世界プログラムのコロシアイに関しては私よりも憎むべき存在はハッキリしているんじゃないのか?」
ルカ「……テメェ、そんなことが言いたくてわざわざ出てきたってのか」
努「ああ、犠牲者たちを蘇らせたのもそのためだ」
果穂「ど、どういうことなんですか……!? にくむべきそんざいって……社長さんがいってることの意味が……」
あさひ「このコロシアイの本当の黒幕はルカさんなんだよ」
- 839 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:54:56.74 ID:EggkbfIo0
-
にちか「え……? は……?」
あさひ「この世界は仮想現実で、意識上のデータ空間っす。新世界プログラムっていうんすけど……」
あさひ「その新世界プログラムを書き換えてコロシアイを行うだけの世界にして、わたしたちを閉じ込めたのは元はルカさんだったんっすよ」
愛依「あ、あさひちゃん……さすがにジョーダンだよね?」
ルカ「……違う」
愛依「だ、だよね?! ダメだよあさひちゃん、今はホントのことを話してくれなきゃ______」
ルカ「冗談なんかじゃ、ない」
美琴「……ルカ?」
ルカ「私が、全ての元凶……黒幕だったんだ。今私にその時の記憶はないが、この島にオマエラを閉じ込めたのも、コロシアイを無理強いしたのも、そして箱舟計画の対象にしたのも」
ルカ「全部全部、過去の私がやったことだ」
否定することはできなかった。
自分で導き出した推理だから、というのもあるがそれ以上に、これ以上真実を隠すような逃げをしたくなかったというのがある。
この島で暮らすうちに身につけてしまった強さと弱さ、賢さと愚かさが分かりやすすぎるほどに如実に滲み出てしまった。
- 840 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:55:51.21 ID:EggkbfIo0
-
努「憎むべきものを憎め、私が言いたいのはそれだけだ」
裁判場に立ち込める混迷の空気。
肌がピリピリとするのはおそらく私だけ。
剥き出しで無防備の私に四方八方から向けられている敵意。
怒り、恨み、憎しみ……そういうものが全て私だけに注がれる。
さすがの私と言えど、肌の震えは抑えられなかった。
美琴「……」
努「さて、283プロダクション所属のアイドル諸君。決断の時だ」
努「諸君らの友情を違え、突然の別離を齎したこのコロシアイ南国生活」
努「この生活から生きたままの帰還、『卒業』を選ぶのか。それとも再度仲間たちを死体に還しこの島での暮らし、『留年』を選ぶのか」
努「さあ、どちらを選ぶかね」
「………………」
- 841 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:57:19.45 ID:EggkbfIo0
-
千雪「ま、待ってください……『留年』を選んだ場合、私たちはまた、死んでしまうんですか……?」
あさひ「そんなの、さっきは言ってなかったっすよね?」
努「状況が変わったのだよ。先ほどまではこの裁判に挑んでいたのは生き残りの4人のみ。だが、死者が蘇った今となってはそうではない」
努「選択にはリスクがつきものだ。『卒業』を選べば斑鳩ルカが死ぬ、それなら『留年』にもリスクがなければ釣り合いが取れないだろう」
結華「どう考えても数の上では釣り合いが取れてないよね、それ……」
冬優子「釣り合いは数以外のところで取ってるんでしょうね」
そういって私を一瞥する冬優子。
その視線が有する熱は、いつかの『ごっこ』の絶交とは比べ物にならないほどに冷たい。
愛依「ど、どーすんの……これ……うちら、どっちかを選ばないといけないの……?」
摩美々「選びたくはない、ケド……選ぶのなら……」
美琴「その選択肢は、明らかに見えているよね」
(美琴……!!)
あの時のことを思い出した。
美琴と組んでいたユニットを解散することになった時、彼女から感じたのは無関心。
同じステージに立つことから降りた私はその瞬間、舞台装置未満の存在に堕ちた。
- 842 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:58:16.01 ID:EggkbfIo0
-
あの時とおんなじだったのならどれほどよかっただろう。
今美琴から感じるのは圧倒的な失望と疎外感。
それもそのはずだ、命をかけてまで守ろうとした相手が、その相手こそが、自分から全てを奪っていたなんて。
美琴「『卒業』を選ぶことに私はなんの躊躇もない」
美琴「こんな地の底にいたところでステージのライトは当たらない」
美琴「私たちはここを出ていくべき、そうだよね?」
美琴が潮目になり、場の空気は一気に彼女の元に手繰り寄せられる。
一度死した、この島での暮らしに疲弊した連中は縋るようにその選択肢の足元へ。
夏葉「……ルカ、話が全て本当ならば、あなたを到底許すことはできないわ」
千雪「ルカちゃん……違う、違うのよね……?」
冬優子「……なんで言い返さないのよ、あんた」
その反応の全てが理解できた。
刃物の一つも突きつけてこない行儀の良さにお見それしているくらいだ。
もし私が逆の立場なら、今頃相手を八つ裂きにしているだろう。
それで足りないだけのことを私はしているのだ。
その記憶こそ、ないが。
- 843 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:59:23.00 ID:EggkbfIo0
-
(…………)
(…………………)
投票されて、私が死んで、こいつらが代わりに出て行く。
それだけならば、納得してやってもよかった。
別に自己犠牲に陶酔しているわけじゃない、美談になりたいわけじゃない。
踏み台になることにある程度の理由づけが為されているから、自分を説き伏せることができるというだけ。
(………………………………)
……だが、今回ばかりはその理由づけが不十分だ。
理由が理由の体を成していない。
連中は私を踏み台にして生き残るわけではないのだ。
島を出る時、彼女たちは器になる。
ダンガンロンパの傀儡として生まれ変わった彼女たちは生き残りというには余りにも無残で、余りにも空虚。
自らの翼、そこに映す鮮やかな虹に影を落とすだけ。
________黙っていて、いいのか?
- 844 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 22:00:50.03 ID:EggkbfIo0
-
私はいつだって孤独だ。
ステージの上で横に立つ者などいないし、私を応援してくれる人間とやらは盲信してばかりで、本当の私を見ようとしない。
応援してるだけ、心配してるだけ、関心を寄せているだけ。
自分達の理想の斑鳩ルカ、理想のカミサマから私が漏れてしまわないように、脱線しないように、監視を続けることをファンの使命だと思い込んでいる。
それに殉じたまま、もがき苦しんで生きていくことを、アイドルは求められている。
_____だから、なんだ?
そんなもん知ったこっちゃない。
他の誰が何を望もうが、私の歩む道は私が決める。
生きることを望む者がいようと、死にたければ勝手に死ぬし、死んでほしいと望むのなら、嘲笑ったまま生き永らえてやる。
他人の事情、勘定、心情なんだって目もくれてやらない。
私はカミサマなんかじゃない、もっともっと俗物的で、短絡的で、独善的なんだ。
- 845 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 22:02:19.56 ID:EggkbfIo0
-
私はやりたいようにやらせてもらう。
それが他の人間の胸を引き裂くことになろうとも、悲劇をもたらす結果となろうとも。
私は私のやりたいようにやる。
私は私にとって、理想である終わり方を追い求める。
他の誰かに提示されたぬるいだけの選択肢で、妥協点に落ち着くなんてクソ以下。
生き残るんだったら自分自身を保ち続けた上で、砂を引っ掛けてきた相手をぶっ飛ばした上で。
そうじゃないとこのイライラはどうにも鎮まりそうにない。
衝動を飼い慣らすためにはそれに見合うだけの餌が必要なのだ。
(……行こう)
(このままじゃ、終われねえ……!)
灯織「……卒業を選ぶ他、ないんですよね」
雛菜「まあそうじゃなきゃ雛菜たちはもういっかい死んじゃうしね〜」
にちか「ルカさんなんかのためにかける命はないんですよ、この裏切り者……!」
千雪「……」
- 846 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 22:03:11.37 ID:EggkbfIo0
-
ルカ「そうはいくかよ」
- 847 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 22:05:22.41 ID:EggkbfIo0
-
冬優子「あんた、相変わらず往生際が悪いのね」
ルカ「好きに言え、私は別に我が身可愛さで言ってるわけじゃねえ。このまま『卒業』をオマエらに選ばせるわけにはいかないってだけの話だ」
努「ほう……それはどういう理屈かね」
ルカ「どういう理屈も何も、この『卒業』は箱舟計画の遂行を意味する。生き残る代わりに傀儡になるなんて、そんな生ぬるい結末だけはゴメンなんだよ」
努「その結末を誰よりも望んでいたのが、かつての君なのだがね」
ルカ「『かつて』じゃなくて、今の話をしてんだよ」
にちか「ふざけないでくださいよ」
ルカ「……七草にちか」
- 848 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 22:07:06.36 ID:EggkbfIo0
-
にちか「ルカさんが今の話をするんなら私だって言っちゃいますけどねー?!」
にちか「散々人を裏切って思いを踏み躙っておいて、それでよく我儘が言えますよね……?! 自己中、最っ悪に自己中すぎませんか?! そんなの?!」
ルカ「自己中な、返す言葉もないよ」
にちか「はぁ……?!」
ルカ「でも、だからといって譲る気はない。『卒業』をみすみす許すような真似、絶対に出来ねえんだよ」
ルカ「ただ島を出るだけじゃない……方舟計画が遂行される、その意味を知りもしないで、甘えた選択してんじゃねえ!」
にちか「いいですよ、死ぬよりは!」
ルカ「死んだ方がマシだ!」
努「……何をしている?」
努「なんの足掻きだ? 何が狙いだ? もうとっくにことは決しているのに……今更騒いでなんになる?」
ルカ「さあな、AI如きにゃ読みきれねえだろうよ」
ルカ「0か1で表現し切れるほど、人間うまいことできちゃいねえんだ……!!」
- 849 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 22:08:11.41 ID:EggkbfIo0
-
(他の連中は冷ややかに私の足掻きを見つめている)
(だけど、だからといって引き下がりはしない)
(この状況を覆せるのは、今武器を取って立ち上がることができるのは、私を置いて他にはいない)
(行くぞ……絶対に全員を説得してやる……!!)
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
☆舌戦シュートアウトについて
お久しぶりです、アナウンスでございます。
長きにわたる学級裁判もこれより最終局面。
『卒業』を阻止するための説得パートに移ります。
斑鳩様と相対するのは、この島で確かに友情を育んだはずのアイドル様方……
ですが、斑鳩様がこのコロシアイを始めたという事実が敵意へと変わり、斑鳩様の言葉はまるで届かない状態になっています。
そう、言葉ではもはや太刀打ちできないのです。
なれば、言葉でないものを武器にする他ない。
武器にするのは、相対するアイドルの様方と過ごした時間、その【経験】でございます。
絆や友情、なんて言葉では括れないほどの葛藤や衝突もあったことでしょう。
そうした記憶は双方が確かに有しているのです。
斑鳩様が目指すのは、その記憶の共振。
さあ、いよいよ最後の戦いの幕開けです。
【ケイケン】を握りしめ、大立ち回りと参りましょう。
ご武運を。
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
- 850 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 22:10:33.43 ID:EggkbfIo0
-
にちか「あー、ホンッット……なんであなたみたいな人が美琴さんとペアだったんですかねー……」
にちか「マジで、ぜっったいあなただけは許しませんから」
にちか「大人しく死んどいてくださいよ!」
【にちか「ばーかばーかアホまぬけー!」】決戦!
-------------------------------------------------
【舌戦シュートアウト開始!】
発言力:♡×3
集中力:☆×7
ケイケン
【風野灯織のケイケン】
【小宮果穂のケイケン】
【黛冬優子のケイケン】
【浅倉透のケイケン】
【月岡恋鐘のケイケン】
にちか「ルカさんからすればそりゃ卒業は不都合ですよね」
にちか「なんたってルカさんは私たちが島を出ていくための【犠牲】になるんですから」
にちか「多少の同情はしちゃいますけど……」
にちか「でも、美琴さんを……皆さんを殺した【罪】を持ってるのに」
にちか「わが身可愛さで島を出ていくのをやめろとかって流石に引きますよ!」
にちか「どんだけ自分が可愛いんですか!?」
にちか「どんだけ独善的なんですか!?」
にちか「【自分の都合だけ】で他の人を振り回して」
にちか「それ、すっっごくダサいんですけど!」
(私は確かに自分のためだけにここまで行動してきた)
(でも、その道は……必ずしも私だけじゃない)
(私がいつの間にか背負うことになった思いを……こいつに見せつけてやる……!)
【相手のウィークポイントに有効なケイケンを突き付けろ!】
1.発言する(ケイケンと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ケイケンの候補を減らす)
3.アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3
↓1
- 851 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/27(日) 22:13:09.97 ID:5e+EXPXx0
- 自分の都合→風野灯織のケイケン
- 852 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 22:21:16.56 ID:EggkbfIo0
-
【発言力:♡×3→2】
にちか「はぁ?! 風野さんがルカさんと何か関わりありましたー?」
にちか「それともなんですか、私が殺した相手の名前出して罪悪感で抑え込もうってハラです?」
にちか「とにかく、そんなんじゃ私は靡かないのでー!」
(クソ……やかましい奴だ)
(こいつに、私が自分の都合だけで反論をしているんじゃないとわかってもらうには……私がコロシアイの中で誰かの都合を背負い込むことになったケイケンを示す必要があるな)
(そんな並みならぬ間柄のやつなんて……限られているか)
【実像は揺れ動く、されど彼女の信念はブレない……!】
【コトダマの数が減少した!】
【昂る思いを乱反射。言葉巧みに、言葉少なに】
【ロンパ候補の発言の数が減少した!】
-------------------------------------------------
【舌戦シュートアウト開始!】
発言力:♡×2
集中力:☆×7
ケイケン
【小宮果穂のケイケン】
【黛冬優子のケイケン】
【月岡恋鐘のケイケン】
にちか「ルカさんからすればそりゃ卒業は不都合ですよね」
にちか「なんたってルカさんは私たちが島を出ていくための犠牲になるんですから」
にちか「多少の同情はしちゃいますけど……」
にちか「でも、美琴さんを……皆さんを殺した罪を持ってるのに」
にちか「わが身可愛さで島を出ていくのをやめろとかって流石に引きますよ!」
にちか「どんだけ自分が可愛いんですか!?」
にちか「どんだけ独善的なんですか!?」
にちか「【自分の都合だけ】で他の人を振り回して」
にちか「それ、すっっごくダサいんですけど!」
(私は確かに自分のためだけにここまで行動してきた)
(でも、その道は……必ずしも私だけじゃない)
(私がいつの間にか背負うことになった思いを……こいつに見せつけてやる……!)
【相手のウィークポイントに有効なケイケンを突き付けろ!】
1.発言する(ケイケンと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ケイケンの候補を減らす)
3.アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3
↓1
- 853 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/27(日) 22:24:34.57 ID:5e+EXPXx0
- 集中力
- 854 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 22:29:28.71 ID:EggkbfIo0
-
【集中力:☆×7→6】
【集中力を使用しました】
【類まれなる集中力とともに、星をめざして二段飛び!】
【清らかなる星の流れが私たちを導く……】
【発言力:♡×2→3】
【ケイケンの候補の数が一つとなり、ロンパ候補も一つのため正答したものとみなします】
-------------------------------------------------
【黛冬優子のケイケン】→【自分の都合だけ】
-------------------------------------------------
ルカ「この太刀筋に迷いはない!」
【SLASH!!】
ルカ「わが身可愛さ……確かにそう見えるかもしれない。特に、オマエに見せてきた私の姿はずっとそういう姿だった」
ルカ「自分の都合のために、自分がやりたいことをする、自分がやるべきと思うことを貫く」
ルカ「その根本では変わっていない……そう思う」
にちか「はー?! それじゃもう黙っててくださいよ……! ちょっとでも私たちに悪いって思うんだったら、黙って死んじゃえばいいのに……」
ルカ「でも、その自分の都合の受け皿はこの島で暮らすうちに広くなったと思う」
にちか「……は?」
ルカ「私には、ずっと仲間なんていなかった。同胞も、友達も……家族も」
にちか「……かぞ、く」
ルカ「だから、他の人のために……なんて避けてきた。怖かったんだよ、期待に応えられない瞬間の落胆が、失望が。美琴の横に立とうとしていた時もずっとその強迫観念に追われていた」
ルカ「……そんな私に、無理やりに都合を押し付けてくる厚顔無恥な女がいたんだよ」
- 855 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 22:31:22.85 ID:EggkbfIo0
-
≪冬優子「お互い、利用しあいましょ。ストレスの発散先として」≫
≪冬優子「あさひ、最後に年長者っぽいことできてよかったわ。そのやってやった感のまま、終わらせてちょうだい」
あさひ「……うぅ」
冬優子「それと、ルカ……あさひのこと、頼んだわ。今やもう、頼れるのはあんただけだし」
冬優子「……それと、パートナーともうまくやりなさいよ」
ルカ「……おう」≫
ルカ「何を思ったのか、急に私のことを頼って、利用して、挙句死に際にそこのガキの面倒まで託してきた女だ」
ルカ「……だけど、そんな女に心を許していたのも事実だ。そこまでの踏み込みを許した時点で、私自身にもこいつの期待には応えたいって、そう思ってたんだよ」
ルカ「だからこそ、『卒業』なんてさせちゃならねえんだ……! あいつが私に託したのは、あさひを……他の連中を守ること。他の誰かの人格を入れ込まれるのを黙って見過ごすなんて、守ることからは一番遠い行為だろ……!?」
にちか「守るって……! そんな覚悟があったなら、美琴さんのことを守ってくださいよ!」
にちか「私の期待だって、背負ってくださいよ……!」
ルカ「ああ、背負ってやる」
にちか「はぁ……!?」
ルカ「今からでも、オマエを含めて、私以外の全員を守ってやるよ。出来ないわけない、なんたって私自身がオマエたちを脅かす黒幕なんだからな」
ルカ「現実だろうと運命だろうとひっくり返してでも、オマエらを守り抜いてみせる……」
【ルカ「それが私の、私自身のための都合だ……!!」】
- 856 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 22:33:08.41 ID:EggkbfIo0
-
にちか「なんですか……それ。なんなんですか、それ……!!」
にちか「あー、やだ。絶対認めてやるか、ってそう思ってたのに」
にちか「ルカさん、美琴さんの隣に立ってた時期があるだけのことはあるんですね」
ルカ「ハッ……当たり前だ。こちとらあのワーカホリックモンスターのベテランだぞ。そんんじょそこらのことじゃ折れたりなんかしない」
にちか「ツイスタで病んだばっか言ってる人が何言ってるんですー?」
ルカ「……」
にちか「あはは、都合悪くなるとすぐ黙るー!」
ルカ「オマエな……」
にちか「分かりましたよ、ルカさん……一時休戦です。『卒業』で生き残る……それを阻止するために、力くらい貸してあげます」
にちか「美琴さんのこと、私だって守りたいんですから」
ルカ「マジか……!?」
にちか「その代わり、『卒業』を阻止した先に何も無かったら、針千本……いや、億兆京本飲ましますから!」
ルカ「ハッ……上等だよ!」
【七草にちかとの間に確かなつながりを感じる……】
【スキルを習得しました!】
【スキル:いカルかミにちかヅクまデ】
〔舌戦シュートアウトで七草にちかの協力が得られるようになる〕
- 857 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 22:36:28.25 ID:EggkbfIo0
-
キリがいいところなので本日はここまで。
後半パートは暫く舌戦シュートアウトによる進行となります。
ノンストップ議論をベースにしたもの以外のルールでの舌戦も用意しているので、安価とコンマをどんどん出させていただきます。
是非ご参加ください。
次回更新は11/28(月)21:00ごろを予定しています。
それではお疲れさまでした。またよろしくお願いいたします。
- 858 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/27(日) 22:37:58.96 ID:5e+EXPXx0
- >>1乙
- 859 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/28(月) 15:05:52.67 ID:ZqG/1B1p0
- 舌戦シュートアウト、説明見てもいまいちピンとこなかったけど動いてるの見たら何となくわかった気がする
要は今までの相手の言動の明確な弱点に的確な攻撃を通す感じじゃなくて、通せそうな隙をこっちの強みで強引に押し切る感じっぽい?
それでそれぞれのケイケンの示す内容は文字通りここまでのそれぞれのアイドルとの経験というわけか
経験の内容はたぶん個別コミュは含まないでメインシナリオ部分だけかな? 個別コミュも含んでたらそれはそれで熱いけど
でもここまでいろいろ論理的な裁判とか積み重ねてきて、その終盤も終盤のクライマックスでほぼほぼ感情的な口喧嘩が始まるっぽいのって、
なんというか状況が全部ひっくり返ったからやり方も全部ひっくり返したみたいで最高だな……
これで実質口喧嘩パートがにちかぐらいしかなかったら自分の目が節穴過ぎてちょっとハズイけど
- 860 :再開します ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/28(月) 21:08:10.39 ID:5rpzWuxV0
- >>859
舌戦シュートアウトは仰る通り口喧嘩に近いかもですね笑
理屈よりも感情でごり押すイメージです。
ケイケンの言葉の幅はだいぶ広く捉えてるので、ルカとの対話のケイケンだけでなく、本人自身のケイケンも含まれてます。
誰しもがスッパリと分かるものばかりじゃないと思うので、出来る限り分かりやすい誘導は出すようにします。
-------------------------------------------------
愛依「……ごめん、ルカちゃん。うち……どうすればいいのかわかんない」
愛依「あさひちゃんに冬優子ちゃん……みんなとこうやってもう一度会えたことがマジで嬉しくて……」
愛依「もう、離したくない……離せないって、そう思っちゃってるから……」
愛依「でも……でも……!」
【愛依「……ごめん」】決戦!
-------------------------------------------------
【舌戦シュートアウト開始!】
発言力:♡×3
集中力:☆×6.5
愛依「ルカちゃんにも死んで欲しくなんかない!」
愛依「うちは、誰もギセーになんかしたくない……誰にも死んでほしくなんかないの……!」
愛依「誰かをギセーにするくらいなら、うちが……」
愛依「でも……またあさひちゃんを1人にするなんて……イヤ」
愛依「うち、どうすればいいのかな……」
にちか(愛依さんは迷ってる……愛依さんはすごく優しい人だから)
にちか(ルカさんに直接手をかけることに躊躇いもあるし、芹沢さんを遺して逝くことも恐れている)
にちか(突き崩すのなら、あの人の散り際の姿だ……!)
-------------------------------------------------
さ/わ/ひ/ざ/あ/せ/り
【正しいケイケンを持つ者の名前に並べ替えろ!】
↓1
- 861 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/28(月) 21:10:00.33 ID:H4S/sKGq0
- せりざわあさひ
- 862 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/28(月) 21:12:22.85 ID:5rpzWuxV0
- -------------------------------------------------
芹沢あさひ
-------------------------------------------------
にちか「斬っちゃいますねー!」
【SLASH‼︎】
にちか「愛依さん、すごく優しいんですね。お人好しどころか“大”人好しって感じです。普通自分の命をさしおいて、人のことを思える人なんていませんよ」
愛依「そんなんじゃなくて、うちはただ……」
にちか「すごいなって純粋に思っただけです、謙遜とか大丈夫ですー」
愛依「にちかちゃん……」
にちか「本当に、芹沢さんのことが愛依さんは大切なんですね。それはすっごく感じました」
にちか「でも、それだったら……もっと芹沢さんのことを考えてあげてもいいんじゃないでしょうか」
愛依「……えっ?」
にちか「愛依さんがいつもそばに立って守ってあげること、それが芹沢さんにとって一番いい選択ばかりじゃないって。そう思うんです」
- 863 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/28(月) 21:13:18.70 ID:5rpzWuxV0
-
《あさひ「……わたしだって、ずっとずっとつらいっす」
あさひ「起きる度に、体がなんだか重たいし、胸のあたりがずっとズキズキしてるっす」
あさひ「気を抜くと、愛依ちゃん、果穂ちゃん……みんなの顔が思い浮かぶし」
あさひ「夏葉さんの、あの優しくて、筋肉質な腕の感触が……蘇るっすよ」
あさひ「でも、だからって……それに縋ってちゃダメだって……冬優子ちゃんが戦えって、そう言うから……」
あさひ「……わたしは、負けられないっすよ」
あさひ「ストレイライトの芹沢あさひでい続ける限り、愛依ちゃんとも、プロデューサーさんとも約束したっすから」
あさひ「だから、凹んでいるよりも……もっと、次に続く何かがしたいっす。わたしに何ができるのか、わたしに何がわかるのか、ずっとずっと、考えたいっす」
あさひ「それに、果穂ちゃんが言ってたっす」
あさひ「わたしたちは大きくなれる、変わっていけるって」
あさひ「……なら、わたしがやるのは泣くことじゃないと思うっす」》
にちか「私たちが死んじゃった後も……芹沢さんは1人で生き続けてたんです。その歩みを、私たちが直接見ることはなかったですけど」
にちか「守ってくれた他の人たち、その思いや願いはちゃんと届いている。芹沢さんは小さな体でしっかりと受け止めて、1人でも一生懸命前に進もうとしてたんですよ」
にちか「愛依さんの気持ちはわかります。でも、『守ってあげなくちゃ』だけじゃなくて……もっと他のアプローチもあるんじゃないですかね」
愛依「あさひちゃんが、1人で……」
愛依「……うん、そだね。うち、ちょっとカホゴだったかもしんない。あさひちゃんってばすごいんだもん! うちの助けがなくたってやってけるよね!」
にちか「愛依さん……」
愛依「『卒業』させたげることがあさひちゃんを守ることになるって、そう思ってたけど……それってあさひちゃんの成長にフタをしちゃうことになるかもしれないんだね」
愛依「あさひちゃんなら、やれる。きっとうちらみんなが笑顔になれる、しっかりした答えを見つけられる」
【愛依「決めた……! うちはあさひちゃんの隣に立って、それを支えてあげるんだ!」】
- 864 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/28(月) 21:14:55.53 ID:5rpzWuxV0
-
結華「ルカルカが真の黒幕で、今回のコロシアイの黒幕をこがたんに背負わせてた?」
結華「……許せなさすぎでしょ」
結華「ここまでこっぴどく裏切った斑鳩ルカのことも、それに踊らされて騙された自分自身のことも」
結華「もういい……私は何も信じない」
【結華「全部全部隠してしまえ」】決戦!
-------------------------------------------------
ルカ「……いくら謝っても謝り足りない、よな」
結華「謝罪なんて聞きたくもないけどね」
結華「でも、おかげで知ることができた。人を信じようとして迂闊な一歩を踏み出せば、それが死を招く」
結華「蛮勇なんて、持たない方がいいってこと」
(クソ……三峰結華のやつ、完全に心を閉ざしてしまったな)
(こいつを説得するには……こじ開けるしかない!)
-------------------------------------------------
【舌戦シュートアウト開始】
発言力:♡×3
集中力:☆×6.5
結華「やめてよ」【防御力70】
結華「聞きたくもない」【防御力75】
結華「お願いだから……」【防御力80】
結華「近づかないで」【防御力85】
結華「分からないで」【防御力90】
【盾の防御力をコンマで削り切れ!】
‣アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3
↓1〜5
- 865 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/28(月) 21:18:16.60 ID:H4S/sKGq0
- あ
- 866 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/28(月) 21:19:39.56 ID:gLdrN8Xx0
- あ
- 867 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/28(月) 21:20:28.19 ID:H4S/sKGq0
- てやーん
- 868 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/28(月) 21:20:32.12 ID:EkN29AX10
- あ
- 869 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/28(月) 21:21:00.86 ID:H4S/sKGq0
- ふふっ
- 870 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/28(月) 21:24:51.54 ID:5rpzWuxV0
-
【発言力:♡×3→2】
【内に秘めた激情が爆ぜる……! コンマの数値がプラスされました】
結華「知らない……! それ以上、踏み込んでこないでよ……!」
(なんつー拒絶だよ……そうだよな、私もこいつも同族……斥けることだけは一丁前)
(いいよ、どこまででも付き合ってやるよ……!)
-------------------------------------------------
【舌戦シュートアウト開始】
発言力:♡×2
集中力:☆×6.5
結華「やめてよ」【BREAK!】
結華「聞きたくもない」【BREAK!】
結華「お願いだから……」【防御力46】
結華「近づかないで」【防御力58】
結華「分からないで」【BREAK!】
【盾の防御力をコンマで削り切れ!】
‣アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3
↓1〜2
- 871 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/28(月) 21:26:01.81 ID:gLdrN8Xx0
- あ
- 872 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/28(月) 21:26:54.82 ID:QHtBUwr30
- おら
- 873 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/28(月) 21:28:27.70 ID:5rpzWuxV0
- -------------------------------------------------
【ALL BREAK!】
ルカ「こじ開ける!」
【結華「誰かを信じるくらいなら、今ある自分の命を信じたい」】
な/い/な/ち/ひ/わ/か
【正しいケイケンを持つ者の名前に並べ替えろ!】
↓1
- 874 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/28(月) 21:29:05.82 ID:QHtBUwr30
- いちかわひなな
- 875 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/28(月) 21:29:14.82 ID:gLdrN8Xx0
- いちかわひなな
- 876 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/28(月) 21:31:30.74 ID:5rpzWuxV0
- -------------------------------------------------
【市川雛菜のケイケン】
-------------------------------------------------
ルカ「届け……!」
【SLASH‼︎】
ルカ「……きっともうオマエは、私の言葉には耳を貸さない。貸してくれないだろうな、それだけのことを私はしたんだ」
結華「……」
ルカ「だから私のことを信じろなんて言わない、私のいうことに従えなんて言わない。ただ一つ、オマエの仲間のことをもう一度見てやってほしいんだ」
結華「……は? なにそれ、そんなこと言う資格あるの? その仲間を散々踏み躙ったのはどこの誰?」
ルカ「散々踏み躙られてなお、信じぬいた奴がいるんだよ……!」
結華「……!」
≪雛菜「薄々、感じてたんだ〜……透先輩、嘘とか隠し事とかすっごく下手な癖に……雛菜に全然何も喋ってくれないんだもん〜……」
透「……!」
雛菜「雛菜の大好きな透先輩と、なんだか違うなって場面が時々あって……」
雛菜「今、話を聞いて……意外とすっきりしてるんですよね〜」
智代子「雛菜ちゃん……」
雛菜「……そっか〜」
雛菜「じゃ、今度から『透ちゃん』って呼ぶね〜!」
透「えっ」
雛菜「あなたは雛菜がずっと同じ時間を過ごしてきた透先輩ではないけど、この島で一緒に過ごしてきたのは変わらないでしょ〜?」
雛菜「雛菜は透ちゃんと変わらず仲良くしたいから! それでいいよね〜?」≫
- 877 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/28(月) 21:32:30.87 ID:5rpzWuxV0
-
ルカ「この島において偽物だったのは私ともう1人。浅倉透だ。あいつは記憶と人格を引き継いだコピーのAI……でも、そんなことを私たちに打ち明けるなんてできるはずもない」
ルカ「だから秘密は全部ひた隠しにして、都合の悪いことには口を閉ざして……そんなあいつを、市川雛菜はただ愚直に信じ続けたんだ」
ルカ「自分と過ごした時間、交わした言葉……そこに抱いた信頼。その標識を頼りにな」
結華「そんな、たったそれだけのことで……」
ルカ「挙句、あいつは自分の友人を真似ただけの存在をカバーして右手も失って、いよいよ命も落とした」
ルカ「でも、あいつはいつだって後悔なんかしていなかった。自分の行動は間違っていないって、誰かを信じることには意味があるって、信じ続けた」
ルカ「オマエにそれをしろなんてことは言わない、言えない。……でも、誰かを信じようとする自分の強さを否定するのはやめてくれ」
ルカ「オマエのあの日の一歩を否定するような真似だけはしないでくれよ……!」
結華「……ほんっと、どの口下げて言ってるの」
結華「本当にショックで、はらわたも煮えくりかえったんだから。今だって収まってないよ」
結華「……でも、他のみんなを信じることはできるよね。283プロのみんななら、こんな状況でもどうにかできるって、それだけの強さがあるって」
結華「それを教えてくれたことには感謝する、ルカルカ」
ルカ「……悪かった」
【結華「もういいよ、は言わないから」】
- 878 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/28(月) 21:35:40.50 ID:5rpzWuxV0
-
灯織「……私には責任があった。元々皆さんを守るために、他の生き残りの方も巻き込んでこの世界に飛び込んだというのに」
灯織「何も成し遂げることもできず、そのまま自分自身も命を落とした」
灯織「……私は、一体……何のために……」
【灯織「それは違います!」】決戦!
-------------------------------------------------
にちか「違う……違うんだって……風野さんは必死に、私たちのことを守ろうとした……」
にちか「悪いのは、私……私なんですよ……っ!」
(風野さんを助けてあげられるのは私だけだ……)
(そして私が風野さんを助けてあげなきゃ、ダメでしょ……?!)
- 879 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/28(月) 21:36:23.24 ID:5rpzWuxV0
- -------------------------------------------------
【舌戦シュートアウト開始!】
発言力:♡×2
集中力:☆×7
ケイケン
【桑山千雪のケイケン】
【三峰結華のケイケン】
【芹沢あさひのケイケン】
【七草にちかのケイケン】
【小宮果穂のケイケン】
灯織「この世界に私がやってきたのは皆さんを救い出すため」
灯織「未来機関の人間として」
灯織「プロデューサーに託された人間としてその使命があった」
灯織「それなのに」
灯織「誰も守れなかった」
灯織「死なせてしまった」
灯織「奪われてしまった」
灯織「皆さんに顔向けなんてできません……!」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】
にちか「風野さんからその機会を奪ってしまったのは私です」
にちか「顔向けできないのは私の方ですよ!」
にちか「自分を責めたりしないでくれませんか……」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
灯織「いえ、七草さんも黒幕に振り回されただけ」
灯織「……黒幕に立ち向かうだけの力を持っていたのに振るえなかった私がいけないんです」
灯織「皆さんの命を救えたのに、この掌から次々とこぼれ落ちて」
灯織「……『卒業』を選んで、【もしそれにリセットができるのなら】」
灯織「そう思ってしまうのは、いけないことなのでしょうか」
(風野さんは……自分の失態ですべてを失ってしまったと思っている)
(その後悔を取り返せるならと、『卒業』に縋ろうとしている)
(でも……私たちは知っている、一度取りこぼしてからでも……改めて寄り添おうとした人のことを)
(彼女だって強い人ではない……それでも勇気を振り絞って、前に進んだのが彼女なんだ……)
(その努力を、教えてあげなくちゃ……!)
【相手のウィークポイントに有効なケイケンをコンマ90以上で突き付けろ!】
1.発言する(ケイケンと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ケイケンの候補を減らす)
3.アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3
↓1
- 880 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/28(月) 21:40:12.99 ID:gLdrN8Xx0
- 桑山千雪のケイケン
- 881 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/28(月) 21:47:58.17 ID:5rpzWuxV0
-
【発言力:♡×2→1】
灯織「ダメなんです……私は無力で、誰も守れない……」
灯織「自分の力じゃ、誰も掬えないんです……」
(私が命を奪ったことで風野さんは自信を完全に失ってしまっている……)
(誰かを何度でも信じようとする強い姿を教えることで、彼女の瞳に光を取り戻すんだ……!)
【実像は揺れ動く、されど彼女の信念はブレない……!】
【コトダマの数が減少した!】
【昂る思いを乱反射。言葉巧みに、言葉少なに】
【ロンパ候補の発言の数が減少した!】
- 882 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/28(月) 21:48:39.18 ID:5rpzWuxV0
- -------------------------------------------------
【舌戦シュートアウト開始!】
発言力:♡×1
集中力:☆×7
ケイケン
【三峰結華のケイケン】
【芹沢あさひのケイケン】
灯織「この世界に私がやってきたのは皆さんを救い出すため」
灯織「未来機関の人間として」
灯織「プロデューサーに託された人間としてその使命があった」
灯織「それなのに」
灯織「誰も守れなかった」
灯織「死なせてしまった」
灯織「奪われてしまった」
灯織「皆さんに顔向けなんてできません……!」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】
にちか「風野さんからその機会を奪ってしまったのは私です」
にちか「顔向けできないのは私の方ですよ!」
にちか「自分を責めたりしないでくれませんか……」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
灯織「いえ、七草さんも黒幕に振り回されただけ」
灯織「……黒幕に立ち向かうだけの力を持っていたのに振るえなかった私がいけないんです」
灯織「皆さんの命を救えたのに、この掌から次々とこぼれ落ちて」
灯織「……『卒業』を選んで、【もしそれにリセットができるのなら】」
灯織「そう思ってしまうのは、いけないことなのでしょうか」
(風野さんは……自分の失態ですべてを失ってしまったと思っている)
(その後悔を取り返せるならと、『卒業』に縋ろうとしている)
(でも……私たちは知っている、一度取りこぼしてからでも……改めて寄り添おうとした人のことを)
(彼女だって強い人ではない……それでも勇気を振り絞って、前に進んだのが彼女なんだ……)
(その努力を、教えてあげなくちゃ……!)
【相手のウィークポイントに有効なケイケンをコンマ90以上で突き付けろ!】
1.発言する(ケイケンと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ケイケンの候補を減らす)
3.アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3
※複数指定可
↓1
- 883 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/28(月) 21:48:40.04 ID:gLdrN8Xx0
- 880は もしそれにリセットができるのなら にです
ごめんなさい、一個しかないからって失敗しました
759.54 KB Speed:1
↑
VIP Service
SS速報VIP
更新
専用ブラウザ
検索
全部
前100
次100
最新50
続きを読む
スポンサードリンク
Check
荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service)
read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)