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【シャニマス×ダンロン】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 Part.4
- 225 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/06/30(木) 22:15:42.22 ID:syzJAe5a0
- ------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×8
集中力:☆×12
コトダマ
‣【モノクマファイル5】
‣【コーヒーのシミ】
‣【冬優子の手紙】
‣【美琴との軋轢】
‣【監視カメラ:ワダツミインダストリアル内部】
‣【エグイサルのリモコン】
‣【点の血痕】
‣【死体上のシート】
エグイサル青『恋鐘が狸だって……?』
エグイサル青『……詳しく聞かせてもらえるかい』
エグイサル白『恋鐘ちゃんは【狸としての条件を満たしています】……っ』
エグイサル白『他に候補になりうる人はいません……っ!』
エグイサル緑『でも、【確定的な証拠はない】んでしょ?』
エグイサル緑『命のかかった重要な決断。流石にこの段階で論じるのは早計では?』
エグイサル赤『ど、どうなんですか……!』
エグイサル赤『狸だと示す明確な根拠は、あ、あるんですか……?!』
エグイサル白『落ち着いて考えてください……』
エグイサル白『恋鐘ちゃんが狸だっていう根拠を……あなたは知っているはずだから……』
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
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- 226 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/06/30(木) 22:17:29.22 ID:syzJAe5a0
-
(……月岡恋鐘が狸だと言う根拠……?)
(今、私の手元にそう思えるものは何一つない。あいつを糾弾するには、用意が足りていない)
(……それなら)
(今からでも見つけだしてやる、あいつと過ごした時間の中で、一瞬でも見せた綻びが何かないか……見つけだしてやる!)
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【検討プロセッシング開始!】
月岡恋鐘が全ての元凶、その前提のもと考えていくぞ。
……私だって人間だ、流石に思うところがないわけじゃないが……それは足踏みをする理由にはならない。
ここまでの歩みを無駄にしないため、私自身がここから先も生きていくため……負けられないんだ。
まず、物的証拠は……見当たらない。
そんなわかりやすい証拠を落とすような相手なら、こんなに苦労だってしていない。
狸の尻尾を掴むためには、もっと別の角度から切り込むことが大切だ。
月岡恋鐘とは毎朝顔を突き合わせていた。
レストランの朝食係を買って出ていたのはあいつ自身だし、情報共有も頻繁にしていた。
……【情報】、か。
千雪が殺されたあの事件で、狸はなぜか冬優子の秘密を知っていた。
それはつまり、モノクマらと同じ情報を共有していたというわけで、私たちの通常知り得ない情報まで持っていたと言うことになる。
これって、武器にならないか?
あいつがもし、私たちの通常知り得ないことを何か一言でも溢していたのなら……狸だと糾弾するには十分な根拠になりうる!
あいつのこれまでの言動で、なにかおかしなところはなかっただろうか……?
例えば、私が持っている情報で他の連中とはまだ共有していない情報を知っていた、とか……
【正しいコトダマを選べ!】
>>4 >>5
↓1
- 227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/06/30(木) 22:20:03.87 ID:+d40KbhY0
- 【冬優子の手紙】
- 228 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/06/30(木) 22:22:58.66 ID:syzJAe5a0
-
【発言力:♡×8→7】
冬優子からもらった手紙、その中身は確かにまだ誰にも話していない……
だけど、他の連中がその手紙について触れた瞬間もなかったはずだ。
これじゃあ狸をおびき寄せる罠にもなりそうにないな……
狸の招待を明らかにするなら、全員がある程度は知っている情報でかつ、狸のみが超えてしまったラインがあると一番いい。
そんな条件のものが、何かなかっただろうか……
あいつがもし、私たちの通常知り得ないことを何か一言でも溢していたのなら……狸だと糾弾するには十分な根拠になりうる!
あいつのこれまでの言動で、なにかおかしなところはなかっただろうか……?
例えば、私が持っている情報で他の連中とはまだ共有していない情報を知っていた、とか……
【正しいコトダマを選べ!】
>>4 >>5
↓1
- 229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/30(木) 22:37:54.25 ID:Lp9gZ3Au0
- 透のお守り
- 230 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/06/30(木) 22:40:37.55 ID:syzJAe5a0
-
【発言力:♡×7→6】
浅倉透にもらったお守り……
あれもまだ分からないところはあれど、同じ場で全員がお守りを貰ったんだ。
そこに目だった情報の差異はないだろう。
もっと、人によって知っている情報の範囲が違うもの……特に、私がよく知っているものなんかだとそれが分かりやすいかもな。
あいつがもし、私たちの通常知り得ないことを何か一言でも溢していたのなら……狸だと糾弾するには十分な根拠になりうる!
あいつのこれまでの言動で、なにかおかしなところはなかっただろうか……?
例えば、私が持っている情報で他の連中とはまだ共有していない情報を知っていた、とか……
【正しいコトダマを選べ!】
>>4 >>5
↓1
- 231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/06/30(木) 22:44:27.84 ID:2bto2X040
- 美琴との軋轢
- 232 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/06/30(木) 22:46:02.43 ID:syzJAe5a0
-
【美琴との軋轢】
【CORRECT!】
……そうだ。美琴の暴走はある程度共有しているが、その全てを話したわけではない。
美琴が浅倉透の殺害をどんな形で企て、何をしていたのか……
もしそれを詳細に知っていれば、十分に疑う根拠になるぞ!
思い出せ、月岡恋鐘がついうっかり、知り得ない何かを口にしているはずだ……!
Q.恋鐘が何故か知っていた、美琴との間のやりとりは?
A.美琴の言葉
B.美琴の殺害計画
C.美琴の行動
↓1
- 233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/06/30(木) 22:52:08.74 ID:2bto2X040
- C
- 234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/30(木) 22:52:13.44 ID:yYGHtPMM0
- C
- 235 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/06/30(木) 22:55:49.39 ID:syzJAe5a0
-
【C】
【CORRECT!】
そうだ……!
美琴は武器を調達したり、他の方法を模索したり、衝動的な行動を繰り返していた。
計画とはもはや呼べない代物で……その結果が私や市川雛菜だ。
それを私も共有してはいたものの、全部は伝えちゃいない。
それなのに、月岡恋鐘はさも今聞きましたと言わんばかりに、誰も教えちゃいけない情報を話していた……!
月岡恋鐘が、なぜか知っていた美琴の浅倉透殺害計画とは……!
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【ひらめきアナグラム開始!】
発言力:♡×6
集中力:☆×12
『くアのスッくどラドトやグ』
【正しい順番に並べ替えろ!】
1.解答する
2.集中力を使う(一部文字が正しい位置に移動する)
↓1
- 236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/06/30(木) 22:56:34.07 ID:+d40KbhY0
- ドラッグストアのどくやく
- 237 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/06/30(木) 23:01:06.95 ID:syzJAe5a0
-
「……!」
【COMPLETE!】
≪「なんでこんなとこにいんだよ……」
今まで通り、自分の体を痛めつけるような特訓に打ち込んでいればまだ良かった。
鬱憤やストレスを感じる時間が勿体ない。
気を沈めている余裕があるなら、それも全部練習に注ぎ込む。
緋田美琴とは、そういう人間だったはずだ。
なぜ、こんなところで薬品の吟味などしているのだろうか。
「……手ェ離せ!」
「ルカ……!?」
不意をついてその手から薬品をひっぺがした。
プラスチックの瓶は手を離れて落下しても割れることはなく、コロコロと転がってラベルが目に入る。
「コトキレルX……劇薬じゃねえか」
「……ルカには、見られたくなかった」
「私だって、見たくねえよこんな美琴」≫
コトキレルXを持っていたあの時の美琴のこと……誰にも話しちゃいない!
それなのに、あいつは……あいつは……!
≪ルカ「だからって気抜くなよ、美琴は私たちの誰よりも背丈だって高い。そう簡単に抑え込めるわけじゃない」
智代子「それに美琴さんはファイナルデッドルームもクリアしてるし、武器だって私たちの予想以上のものを持ってるかもしれないよ!」
【恋鐘「毒薬だってドラッグストアから調達しとったけん、不意打ちにも注意せんばね!」】
ルカ「……そう考えると、恐ろしいな。美琴のやつ」
雛菜「あなたが弱気になっちゃ一番ダメじゃないですか〜?」≫
間違いない、月岡恋鐘こそが狸だったんだ……!
【FORGING!!】
コトダマ【美琴との軋轢】→【ドラッグストアの凶行】
〔第4の島が解禁された翌晩、ルカは劇薬を手にする美琴にドラッグストアで遭遇した。だが、この時のことは誰にも共有していない情報。それを知る者は、他人を監視カメラ越しに眺めてにやつく醜悪な卑怯者〕
- 238 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/06/30(木) 23:02:26.37 ID:syzJAe5a0
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【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×6
集中力:☆×12
コトダマ
‣【モノクマファイル5】
‣【コーヒーのシミ】
‣【冬優子の手紙】
‣【ドラッグストアの凶行】
‣【監視カメラ:ワダツミインダストリアル内部】
‣【エグイサルのリモコン】
‣【点の血痕】
‣【死体上のシート】
エグイサル青『恋鐘が狸だって……?』
エグイサル青『……詳しく聞かせてもらえるかい』
エグイサル白『恋鐘ちゃんは【狸としての条件を満たしています】……っ』
エグイサル白『他に候補になりうる人はいません……っ!』
エグイサル緑『でも、【確定的な証拠はない】んでしょ?』
エグイサル緑『命のかかった重要な決断。流石にこの段階で論じるのは早計では?』
エグイサル赤『ど、どうなんですか……!』
エグイサル赤『狸だと示す明確な根拠は、あ、あるんですか……?!』
エグイサル白『落ち着いて考えてください……』
エグイサル白『恋鐘ちゃんが狸だっていう根拠を……あなたは知っているはずだから……』
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
↓1
- 239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/06/30(木) 23:05:05.36 ID:+d40KbhY0
- 【確定的な証拠はない】に【ドラッグストアの凶行】
- 240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/30(木) 23:05:23.28 ID:bX1vh9b90
- 証拠はない→ドラッグストアの凶行
- 241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/06/30(木) 23:06:24.49 ID:2bto2X040
- 【確定的な証拠はない】に【ドラッグストアの凶行】
- 242 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/06/30(木) 23:08:32.38 ID:syzJAe5a0
-
記憶の中から証拠を生み出し、ロンパをしたところで本日はここまで。
次回ノンストップ議論の直後より開始します。
おそらく裁判の最後まで行くはずです、黒幕をこの手で打ち破りましょう。
次回更新は7/1(金)の21:00ごろの予定です。
それではお疲れさまでした、またよろしくお願いします。
- 243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/30(木) 23:15:12.12 ID:bX1vh9b90
- >>1乙
ここにきて過去の事件の振り返りが来たから
過去スレ漁るの大変だった・・・
- 244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/30(木) 23:39:05.47 ID:siDIHj4B0
- 乙です
恋鐘、こうして見るとヒントいっぱいあったのに存在が光すぎて全然疑えなかったな
- 245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/07/01(金) 12:19:45.54 ID:4D8PFgHj0
- 私はポンコツ読者……
狸の正体は割と本気で美琴さんだと思っていた……
だって狸候補かつ4章裁判で証拠となりうる水素吸引機のこと知りえたのは美琴さんだけだったし……
確かに狸が黒幕で監視情報とか使えるならいろんな場所での出来事を知っててもおかしくないのか……
他の残りメンバーが白すぎるから相対的に次点では恋鐘だとは思ってたけど絶望病かかってるから違うかなあって思ってたし……
- 246 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 20:42:54.09 ID:O/LSqR+T0
-
すみません、更新一時間前後遅れると思います
- 247 :そろそろ再開します ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 21:47:43.19 ID:O/LSqR+T0
-
ルカ「見つけた……!!」
【BREAK!】
ルカ「今、どのエグイサルにオマエが乗ってるのかは知らねえ。だけど……もうオマエを守るのはその秘匿性だけだ」
ルカ「私は、オマエこそが狸だと確信したぞ」
エグイサル青『そこまでお言いになるからには……明確な理由があるのですね……』
ルカ「ああ……小宮果穂の事件以来、美琴は浅倉透への殺意を隠すことがなくなったのはオマエらも承知のことだよな?」
エグイサル桃『透の何がそんなに気に食わないのかはわかりませんが、そうですね』
ルカ「そして実際、今回の被害者の市川雛菜を使い物にならなくするような襲撃もかけた」
ルカ「でも、それ以前に何度も私は美琴の影を追って、何度か衝突をしているんだよ」
エグイサル緑『美琴さんと、ぶつかったんですか……?』
ルカ「なんとか止めるように説得したり、無理やりにあいつが危険物を手にしているのを抑えたり、な。その全てを私はオマエらに共有したわけじゃないが……そういうのは度々あったんだ」
ルカ「……相方がブレーキの壊れた車みたいに暴走すんのは見てて気分のいいもんじゃなかったけどよ、でも今回ばかりはその『度々』が私たちにとっての武器となる」
エグイサル赤『ど、どういう意味……?』
- 248 :そろそろ再開します ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 21:49:05.34 ID:O/LSqR+T0
-
ルカ「ちょっと前のことだ、私が美琴にワダツミインダストリアルで庇われた話をしたよな?」
エグイサル緑『うん……確か、アルミのシートで姿を覆ってもらったんだよね!』
ルカ「その時に、美琴の暴走の話になって……月岡恋鐘はついうっかり、口を滑らせちまった」
ルカ「美琴は【毒薬も握っていた】、ってな」
ルカ「あいつとドラッグストアでかち合った話は私は誰にも一度もしてない。まして、毒薬を手に取ってたなんてのはな」
ルカ「オマエらも全員がその耳で聞いたはずだ、月岡恋鐘が不意に漏らした言葉……自分自身が狸だと実証する、自白にも近いその言葉を……!!」
裁判場にどの声で響き渡ったのかは私は知り得ない。
これだけの威勢で指を突きつけようとも、エグイサルのスピーカーを通せば、
ぐうたら女の情けない声やチビザコの消えいるような声にすらなっていたかもしれない。
でも、私の言葉の後に訪れた静寂が饒舌に教えてくれた。
私のこの糾弾を他の連中は荒唐無稽な与太話と切り捨てるではなく、信用に足るだけの指摘として受け入れてくれたこと。
そして、仲間だと信じて疑わない相手が敵であると確定し、やり場のない思いが波のように押し寄せていることを。
エグイサルのスピーカーのあちこちから、声にもならない息づかいが漏れて聞こえてくるのだ。
私の指摘によって、積み重ねてきた時間とそこに根付く想いとは今この瞬間に大きく揺らぐことになる。
盤石な土台だったはずのそれはいつの間にか四肢を飲み込もうとする泥沼へと変わり、思考をずるずると引き込んでいく。
体が示せるのは、ただ溜まった唾を嚥下するという反応のみ。
裁判場は佳境とも思えないほどに、静まり返ってしまった。
- 249 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 21:49:58.47 ID:O/LSqR+T0
-
「も〜、しゃんとせんといかんよ!」
- 250 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 21:51:17.00 ID:O/LSqR+T0
-
モノクマ「みんなそがん顔しとったらいかん! 病は気からなんて言葉もあるばい、落ち込んだ時ほど笑顔にならんね!」
モノクマ「ば〜りばりの笑顔でいれば、なんも怖いことなんかなかよ!」
モノクマ「そう!」
モノクマ「たとえうちがみんなをコロシアイに巻き込んだすべての元凶だったとしても……ど〜んと笑い飛ばせばよかよ!」
モノクマ「アーハッハッハッハッ!!!!!」
- 251 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 21:52:06.90 ID:O/LSqR+T0
-
モノミ「な、なんの真似でちゅか……あんた、急に何を言い出してるんでちゅか……?」
モノクマ「モノミこそなんね? もううちん正体はバレとるたい、今頃取り繕ったところで後の長崎くんちばい!」
モノミ「アイヤーッ! 地元に根ざした表現で、月岡さん本人であることをアピールするのに余念がありまちぇーん!」
ルカ「認めるんだな……オマエが全ての元凶、狸だってことを」
モノクマ「ルカ、うちは感動しとるばい……あんなにはじめは他のみんなと距離も置いとったのに、うちん一言一句まで気にかけて、とうとう証拠ば掴んで……」
モノクマ「理想のアイドルに向けて着実にステップアップができとるばい!」
ルカ「あ……?」
モノクマ「でもルカ、うちはまだまだ負けとらん……決着はついとらんよ!」
- 252 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 21:53:05.64 ID:O/LSqR+T0
-
モノクマ「うちが狸でも……どうやってうちをこの裁判で裁く気?」
- 253 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 21:54:23.41 ID:O/LSqR+T0
-
ルカ「何……?」
モノクマ「うちはルカたちと全く同じ条件でこの裁判に参加しとるけん、クロとして指摘すればちゃ〜んとその罰も受けるばい」
モノクマ「でも、今のルカたちにはどれがうちの乗っ取るエグイサルなのか見分けがつかんとやろ?」
ルカ「お、おい……それじゃまさか……」
モノクマ「そう、この裁判では『誰が』じゃなく『どのエグイサルに乗っている人が』犯人か当ててもらうばい!」
(こ、こいつ……やけにあっさり認めると思ったら……!)
(絶対に自分が犯人だとは指摘されないための布石を貼ってやがったのか……)
どれだけ目を凝らそうとも、ズーム機能を使っても、コックピットのガラスは外側からでは曇っていて内側を見ることができない。
つい先ほどまで鮮明に浮かび上がっていた狸としての月岡恋鐘の姿は今再び闇の中に忽然と消え去ってしまったのである。
モノクマ「ふふ〜ん、ルカたちに当てることができるとやろか?」
- 254 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 21:55:48.84 ID:O/LSqR+T0
-
モノクマ「血に塗れた色合いの赤いエグイサル?」
エグイサル赤『……』
モノクマ「血の気のひいたような色合いの青いエグイサル?」
エグイサル青『……』
モノクマ「サイコポップな発色の桃色のエグイサル?」
エグイサル桃『……』
モノクマ「闇より深い樹海の緑のエグイサル?」
エグイサル緑『……』
モノクマ「清廉潔白を装った、嘘くさい白いのエグイサル?」
エグイサル白『……』
モノクマ「そして、誰よりも目立つ……下品なギラツキの黄色のエグイサル?」
(これが私、か……)
(どうだろう……状況といい、証拠といい……白があさひであることは間違いないと思う)
(議論の流れからしても黄色に私が乗り込んでいることは他の連中にもわかっているだろう)
(だけど、他の連中はまだ……確証が持てない)
(クソッ……なにか、なにかこの逆境を一発でひっくり返せるものはないか……?!)
- 255 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 21:56:48.49 ID:O/LSqR+T0
-
エグイサル桃『ま、待って……! それなら、あさひが答えを知ってるんじゃないかな!?』
エグイサル青『そうか……彼女は犯人がコックピットに戻るのに嫌々加担させられている。それならどのエグイサルに戻ったのか、色までしっかりと把握しているはずだ』
エグイサル白『……』
エグイサル桃『……あれ?』
(……私もそれは一度考えた)
(でも……ダメなんだ、あの時のあさひは……色が分かっちゃいなかったんだ……)
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【正しいコトダマを選べ!】
>>4 >>5
↓1
- 256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/07/01(金) 22:04:54.34 ID:4kUN3sNL0
- ガスマスク
- 257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/07/01(金) 22:05:35.96 ID:kQM60gRt0
- ガスマスク
- 258 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 22:07:14.74 ID:O/LSqR+T0
-
ルカ「……チッ」
【解!】
ルカ「思い出せ、私たちがレストランで催眠ガスを吸わされた時から、今に至るまで。あさひはどんな格好をしていた?」
エグイサル赤『格好……? えっと……いつもみたいに、クリーム色のカーディガンに……』
エグイサル赤『ガスマスク……?』
エグイサル白『……ごめんなさい』
ルカ「……あのガスマスク、丁度目のグラス部分が灰色のガラスで作られてたんだ。それを通して外を見たところで、どうなる?」
エグイサル桃『世界のすべてが……灰色に見えてしまう……』
エグイサル青『そ、それじゃ……まさか……』
ルカ「あさひは事件当時、色の区別がついていなかったと思うぜ。だから……犯人がどのエグイサルに戻ったのか、正確には分かっちゃいないんだろうな……」
エグイサル桃『立ち位置とかを覚えてたとしても、さっきまで犯人に眠らされてたっつってたし……もう滅茶苦茶になってるだろうな』
(……クソッ、あと一歩……あと一歩だってのに……!)
モノクマ「うぷぷぷ……」
- 259 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 22:08:19.55 ID:O/LSqR+T0
-
エグイサル白『諦めちゃダメです……っ!』
- 260 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 22:09:33.17 ID:O/LSqR+T0
-
ルカ「……!?」
エグイサル白『真実はあと一歩のところまで迫っています、今はその手前で少し曇り空になっただけ……』
エグイサル白『もう、私たちは真実を掴み取るための翼は持っているはずです……っ』
エグイサル白『空を晴らすことができるのは、私たちだけです……っ!』
(真実を掴み取るための、翼……?)
(もしかして、これまでの議論の中で……エグイサルの正体を明かすための何かもすでに見つかっているってのか……?!)
ルカ「……それならやることはただ一つだ」
ルカ「この事件を始めっから振り返って……その中に隠されたヒントを見つけ出す」
ルカ「月岡恋鐘、オマエの喉元にナイフを突きつけてやるよ……!!」
- 261 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 22:11:03.85 ID:O/LSqR+T0
- -------------------------------------------------
【クライマックス推理開始!】
【act.1】
ルカ「事件の発端となったのは、あさひが散布した催眠ガスだった。いつも通りレストランに集まった私たち、そして何者かによって呼び出された美琴。全員は無防備にもあさひの策にはまり、意識を失った」
ルカ「次にあさひはワダツミインダストリアルから持ち出したエグイサルを使って、わたしたちをそのまま第五の島へと運んだ。モノクマの開発中である新兵器のエグイサルをどうしてあさひが操縦できたのか? それは、冬優子の遺したリモコンのおかげだった」
ルカ「……多分、ファイナルデッドルームの初回攻略特典の一つだったんだろうな。私にもあいつから託された手紙があったし……有栖川夏葉を手にかけたこと、そして私たちを遺して逝くことに負目があったのかもしれない」
ルカ「それに、あのリモコンだけ渡されても訳がわからねーだろうしな。冬優子が犯行に手を染めた段階ではエグイサルの姿形も出ていなかった。好奇心旺盛なあさひならその正体を突き止めてくれると、そう期待したのかもしれない」
ルカ「……まさかそれで、こんな事件が起きるなんて、思いもしなかったんだろう」
- 262 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 22:12:27.24 ID:O/LSqR+T0
-
【act.2】
ルカ「ワダツミインダストリアル工場内に到着したあさひは狸を誘き出すための準備を着々と進めた。ここまで私たちの体を運んだ白いエグイサル以外の、赤、青、緑、黄、桃の五体に一人ずつ乗せて、コックピットをリモコン操作で閉めた。これにより、通常操作権を持たない私たちは脱出もできなくなる。ただ一人、このコロシアイの元凶でもある狸を除いて……な」
ルカ「エグイサルに搭乗させたことを前提に、自分自身を囮にした上で、誰が犯行を行ってもバレないであろう状況を作り出す。エグイサルで四方を取り囲んだ中央に何も武器も持たずに椅子に腰掛けた」
ルカ「まあ実際のところは行動ログは取っていたし、監視カメラの画角にすっぽり収まるようになっていた。狸が動こうものならその証拠が残る。たとえ自分の命と引き換えになろうとも……絶対に、狸を抑えてやろうとしたんだろうな」
ルカ「……でも、この時にイレギュラーが起きた。市川雛菜の薬剤耐性。つい数日前の美琴との接触で右手の神経が完全に死んで、激痛を前に鎮痛剤の常用を余儀なくされていたあいつは、催眠ガスの麻酔作用が効きづらくなってしまっていたんだ」
ルカ「多分、市川雛菜をエグイサルに乗せようとしている段階であいつは目を覚ました。わざわざ他の連中を巻き込んだ秘密の計画を練っていたというのに、こんなことでバレてしまうとはあさひからすれば肩なしだ」
ルカ「そこで、あさひは市川雛菜を抱き込んだ。あいつは美琴によって右手が使い物にならなくなっていたし、狸である可能性はかなり低かった。下手に騒がれてしまうよりも、計画を共にする同志にしてしまったほうが得策だと考えたんだ」
ルカ「そこであさひは市川雛菜をアルミのシートで隠すことにより存在をエグイサルの赤外線カメラでも掴ませないように工作。狸に気取られることなく、目撃証言という有効な証拠を生み出そうとしたんだ」
ルカ「……これが失策だったのかはわからない。あさひがミスをしたのだというなら、もっと前提の部分。単独でこの計画を実行してしまったことを追及できるが……きっとこの一つの選択により結末が大きく変わってしまったのもまた事実なんだろうな」
- 263 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 22:13:57.42 ID:O/LSqR+T0
-
【act.3】
ルカ「イレギュラーは続いてしまったんだ。市川雛菜だけでなく、目を覚ましてしまったものがもう一人。もしかすると最初っから意識を失ってなかったのかもしれない。だって、今回の犯人はコロシアイの首謀者……私たちの情報など全て筒抜けで、あさひの反抗計画もその全てを知っていたはずだから」
ルカ「市川雛菜との共謀関係がはじまった最中、その頭上ではとあるエグイサルのコックピットがゆっくりと開いていく。リモコンがないと操作はできないはずなのに……なぜ? その答えは単純だ、エレクトボムを使えば脱出は簡単だったんだ」
ルカ「コックピット内で炸裂したエレクトボムはジャミング電波を発生させ、エグイサルのコックピット内で異常事態が起きたと判定される。その結果緊急脱出システムが作動し、出ることができる」
ルカ「コックピットが開くと同時にジャミング電波は四方八方へ拡散。ワダツミインダストリアル内の監視カメラや行動ログも全て機能停止してしまった。これにより発生した空白の時間に、その全ては起きたんだ」
ルカ「完全に不意をつかれる形となったあさひはそのまま意識を奪われた。裁判の途中まで何の反応を示さなかったあたり、最終的には強力な麻酔をすわされたのかもな」
- 264 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 22:15:15.91 ID:O/LSqR+T0
-
ルカ「だが、狂牙はあさひだけでなく市川雛菜にまで及んだ。市川雛菜も体格はいい方だ、普段なら跳ね除けることもできたかも知れねえが、あいつは生憎肝心の右手が使えない。抵抗も甲斐なく、あいつはあさひが腰掛けていた椅子に拘束されてしまった」
ルカ「両手を縛り付けられ、手には手袋をつけられた。体の上には身を隠すために使っていたアルミのシートをかぶせられ、見た目からはとことん身元が特定できないように工作された。犯人は、首無しの身元不明の死体を作ることによほどご執心だったらしい」
ルカ「でも、当然首を刎ねるのは容易じゃない。どれだけ切れ味のいい刃物でも、振るう人間が非力な女じゃ大した切れ味にはならない。それだけの出力が必要だ」
ルカ「そこで犯人が使ったのが……なんと、モノクマだ」
ルカ「浅倉透から奪った後、恐らく解析を終えていたんだろうな。エレクトボムのジャミングは特定の波長の電話には相殺されてしまい、ジャミングの効果を発揮しない。モノクマはその“例外”に該当するように改造が施されていた」
ルカ「だから犯人は監視カメラにも映像を残さず、行動ログにも不審な動きを記録させず、市川雛菜の首をモノクマで刎ねることができたんだ。……市川雛菜はきっと絶命の瞬間までずっと意識があったんだろうな。あいつの手にはめられていた手袋は、左手だけがささくれてしまっていた。内側で必死に掻きむしった痕だろう。でも、これがきっかけとなって被害者を特定する根拠になったんだ」
ルカ「今回用いられたモノクマという最悪最凶の凶器……でも、その凶悪さこそが今回の犯人を導き出した!」
ルカ「私たちをコロシアイに引き摺り込んだ張本人、そして私たちの中に潜伏して散々かき乱した狸野郎……」
ルカ「その正体は_____________」
ルカ「月岡恋鐘、オマエだったんだな……!!」
【COMPLETE‼︎】
- 265 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 22:16:16.96 ID:O/LSqR+T0
-
ルカ「……今回の事件の一連の流れはこれで全部のはずだ」
(今の推理の中に……月岡恋鐘がどのエグイサルに乗っているのかを突き止めるヒントが……?)
モノクマ「ふふ〜ん、どがん考えてもうちがどんエグイサルに乗っとるかなんかわかるわけがなかよ!」
モノクマ「あさひはうちがエグイサルに戻る時の協力もしてもらっとるけど、あさひには目隠しをしたうえで、うちのエグイサルのボタンを押させたばい! あさひもうちの居場所は知らんけんね!」
エグイサル白『……』
エグイサル白『耳を貸す必要などございません……確かに、今の凛世たちに……恋鐘さんがどれに乗っているのかを知っている方は一人とていらっしゃいません……』
エグイサル白『でも、だからって終わったわけじゃねーんだ! ここからでも、どれに乗ってるか分かる方法がある!』
エグイサル白『その方法は今、あなたが語ってくれた推理の中にあるんだよー!』
(……月岡恋鐘がどのエグイサルに乗っているのか突き止める方法)
(クソッ……いったいどうやるってんだよ……!)
- 266 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 22:17:15.13 ID:O/LSqR+T0
- -------------------------------------------------
【検討プロセッシング開始!】
……ひとまず黒幕もとい月岡恋鐘の行動について整理は出来た。
私の推理の一連の流れで行動を起こしたことはもう間違いないはずだ。
問題は……この中で何を活用して、エグイサルの特定につなげるかだ。
どれだ……? 犯人の、どの行動が特定の役に立つ……?
A.催眠ガスの無効化
B.エグイサルの脱出
C.モノクマの使用
D.エグイサルへの再搭乗
↓1
- 267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/07/01(金) 22:24:36.67 ID:kQM60gRt0
- B
- 268 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 22:30:37.22 ID:O/LSqR+T0
-
【B】
【CORRECT!!】
……そういえば、月岡恋鐘は基本的にはすべて私たちと同条件で行動していた。
情報に関してのアドバンテージはあるものの、寝食を共にして時間も共有していた。
そして、行動の範囲も私たちと同一だった。
解放されていない物以上のことはしておらず、あくまで参加者『月岡恋鐘』に許された中での行動をとっていたのだ。
それは、今回の事件においても同じだった。
エグイサルの操作権を持っていたのは最初にファイナルデッドルームをクリアした冬優子からリモコンを受け継いだあさひのみ。
月岡恋鐘もやろうとすれば可能だったのかもしれないが、あくまで一参加者としての条件に拘った。
だから、こいつは私たちにも可能な方法でエグイサルを脱出したんだったよな。
エレクトボム、という浅倉透にも使用可能だったものを使って。
……あれ?
確かに私たち全員、エレクトボムは情報として共有はしていたが……なんで月岡恋鐘はそれを使用までしているんだ?
私はあの時、浅倉透にエレクトボムを託したはず……だったよな?
それってつまり……
A.浅倉透によって譲渡された
B.浅倉透から強奪した
C.浅倉透が落としたところを拾った
↓1
- 269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/07/01(金) 22:31:21.90 ID:4kUN3sNL0
- A
- 270 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 22:34:05.39 ID:O/LSqR+T0
-
月岡恋鐘は、今日この瞬間まで私たちの味方だったんだ。
だからあいつも……私たちに馴染もうとする浅倉透からすれば信頼を置かれていた存在だったはずなんだ。
浅倉透がエレクトボムを渡していたとしても、何ら不自然ではない。
いや、むしろそう考える方が自然だ。
でも、一人だけに渡した……なんて、そんなはずがないよな。
月岡恋鐘が特別な間柄だったようなそぶりはないし、もし一人だけを選ぶなら市川雛菜だろう。
となると、エレクトボムの譲渡は全員に対して行われていたはずなんだ。
浅倉透から、全員に渡されたもの……それって……
【正しいコトダマを選べ!】
>>4 >>5
↓1
- 271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/07/01(金) 22:35:08.20 ID:kQM60gRt0
- 透のお守り
- 272 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 22:39:07.11 ID:O/LSqR+T0
-
【透のお守り】
【CORRECT!!】
そうだ……あの時レストランで全員に渡された出来合いのお守り。
あれは私を含めた生き残りのほぼ全員にその場で渡されたものだ。
浅倉透から何かを受け取ったタイミングは……あの時しかない!
懐に入れておいた私の分のお守り……その巾着部分をほどくと……
……やっぱり、あった。
紙札でも、勾玉でも、神木なんかでもない……
このお守りの正体は、エレクトボムだったんだ……!!
【FORGING!】
【透のお守り】→【エレクトボム】
〔第5の島を探索時、軍事施設にて発見したジャミング電波を発生させる投擲武器。透から『お守り』として生き残りメンバーのほぼ全員に手渡された。今回の犯人である恋鐘はこれを用いてエグイサルを脱出したものと考えられる〕
- 273 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 22:40:09.12 ID:O/LSqR+T0
- -------------------------------------------------
【パニックトークアクション開始!】
モノクマ「うぷぷぷ……」【防御力60】
モノクマ「ふっふ〜ん♪」【防御力65】
モノクマ「本気でボクに勝てると思ってるの?」【防御力70】
モノクマ「うちにアイドルやらせたら、右にでる者はおらんけんね!」【防御力75】
モノクマ「絶望、どがんね〜?」【防御力80】
【盾の防御力をコンマで削り切れ!】
↓1〜5
- 274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/07/01(金) 22:41:09.08 ID:4kUN3sNL0
- あ
- 275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/07/01(金) 22:42:16.70 ID:yFa+7TU30
- それは違うぞ!
- 276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/07/01(金) 22:42:45.00 ID:4kUN3sNL0
- あ
- 277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/07/01(金) 22:43:22.28 ID:yFa+7TU30
- それは違うぞ!
- 278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/07/01(金) 22:44:00.65 ID:kQM60gRt0
- あ
- 279 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 22:47:46.52 ID:O/LSqR+T0
-
【発言力:♡×6→5】
【コンマ 08 70 00 28 65】
【内に秘めた激情が爆ぜる……! コンマの数値がプラスされました】
【最終コンマ 23 85 105 53 90】
モノクマ「うちはまだまだ負けん……絶望は、そう簡単にはやられんとよ!」
(あと少し……あと少しだ……!)
-------------------------------------------------
【パニックトークアクション開始!】
モノクマ「うぷぷぷ……」【防御力37】
モノクマ「ふっふ〜ん♪」【BREAK!】
モノクマ「本気でボクに勝てると思ってるの?」【BREAK!】
モノクマ「うちにアイドルやらせたら、右にでる者はおらんけんね!」【防御力22】
モノクマ「絶望、どがんね〜?」【BREAK!】
【盾の防御力をコンマで削り切れ!】
↓1〜2
- 280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/07/01(金) 22:50:08.20 ID:OHUetqOdO
- ば〜りばりばい!
- 281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/07/01(金) 22:50:16.27 ID:4kUN3sNL0
- あ
- 282 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 22:55:12.90 ID:O/LSqR+T0
-
【発言力:♡×5→3】
【コンマ 20 27】
【内に秘めた激情が爆ぜる……! コンマの数値がプラスされました】
【最終コンマ 35 42】
【敵の防御力がわずかに残った……】
【敵の防御力がピトス・エルピスの補正値未満の防御力のため、失敗分のダメージを受けたうえでの突破とします】
-------------------------------------------------
【ALL BREAK!】
ルカ「調子に乗ってんじゃねえ!」
【モノクマ「うちの乗るエグイサルを突き止めるなんて、どがんしたって不可能ばい!」】
ム/エ/ク/レ/ボ/ト
【正しい順番に並び替えて、コンマ値80以上でとどめをさせ!】
↓1
- 283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/07/01(金) 22:56:27.43 ID:4kUN3sNL0
- エレクトボム
- 284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/07/01(金) 22:56:42.85 ID:kQM60gRt0
- エレクトボム
- 285 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 23:00:40.30 ID:O/LSqR+T0
-
【コンマ43】
【ピトス・エルピスの効果によりコンマの値が+15します】
【最終コンマ 58】
【発言力:♡×3→2】
モノクマ「引かん! 媚びん! 顧みん!」
モノクマ「それがうちの、絶望のセオリーばい!」
(クソッ……あとちょっとなのに……!)
-------------------------------------------------
【モノクマ「うちの乗るエグイサルを突き止めるなんて、どがんしたって不可能ばい!」】
ム/エ/ク/レ/ボ/ト
【正しい順番に並び替えて、コンマ値80以上でとどめをさせ!】
※アイテムはここでも使用可能です
【高級ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1
↓1
- 286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/07/01(金) 23:02:13.20 ID:kQM60gRt0
- エレクトボム
- 287 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 23:04:36.66 ID:O/LSqR+T0
-
【コンマ20】
【ピトス・エルピスの効果によりコンマの値が+15します】
【最終コンマ 35】
【発言力:♡×2→1】
モノクマ「引かん! 媚びん! 顧みん!」
モノクマ「それがうちの、絶望のセオリーばい!」
(クソッ……あとちょっとなのに……!)
-------------------------------------------------
【モノクマ「うちの乗るエグイサルを突き止めるなんて、どがんしたって不可能ばい!」】
ム/エ/ク/レ/ボ/ト
【正しい順番に並び替えて、コンマ値80以上でとどめをさせ!】
※アイテムはここでも使用可能です
【高級ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1
↓1
- 288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/07/01(金) 23:07:35.85 ID:rPn9Ee780
- 高級ヒーリングタルト
- 289 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 23:10:08.39 ID:O/LSqR+T0
-
【高級ヒーリングタルトを食べた……】
【上品な甘さがほっぺたを蕩けさせる……!】
【発言力が最大まで回復しました】
-------------------------------------------------
【モノクマ「うちの乗るエグイサルを突き止めるなんて、どがんしたって不可能ばい!」】
ム/エ/ク/レ/ボ/ト
【正しい順番に並び替えて、コンマ値80以上でとどめをさせ!】
※アイテムはここでも使用可能です
【プロデュース手帳】×1
↓1
- 290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/07/01(金) 23:13:31.68 ID:kQM60gRt0
- エレクトボム
- 291 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 23:17:38.03 ID:O/LSqR+T0
-
【コンマ68】
【内に秘めた激情が爆ぜる……! コンマの数値がプラスされました】
【最終コンマ83】
ルカ「これで終わりだ!」
【BREAK!】
ルカ「なるほど……そういうことだったのか……月岡恋鐘、オマエの一連の犯行にはどうやっても埋めようのない粗があったみたいだぞ」
モノクマ「……何を言うとると?」
モノクマ「あさひの口も封じとる、監視カメラや動作ログもな〜んも残っとらん。そいやのに、うちの行動をどうやって辿るつもりばい?」
ルカ「いや、オマエがどれに乗り込んだのかなんて行動を辿って考える必要はなかったんだ」
モノクマ「……ふぇ?」
ルカ「今この瞬間に、ほんの数秒にも満たない私たちの行動で……オマエの居場所はすぐに分かっちまうんだよ」
モノクマ「な、なんばいいよっと!? そ、そがん方法があるわけが……」
- 292 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 23:18:33.57 ID:O/LSqR+T0
- ルカ「よく聴けオマエら!」
エグイサル赤『……』
エグイサル青『……』
エグイサル緑『……』
エグイサル桃『……』
ルカ「月岡恋鐘がすべての元凶だったと知って動揺する気持ちは分かる……でも、これまでに死んでいった奴に報いたい、この先も生きていたいとそう願うんだったら……」
ルカ「今すぐ手元にある、浅倉透に渡されたお守りを確かめろ! そして、その中身を……今この場で地面に向かって投げつけろ!」
エグイサル白『……流石だね、どうやらエスコートは不要だったようだ』
モノクマ「な、何を急に言い出すばい! 透が丹精込めて作ったお守りを、そがんぞんざいに扱うなんて罰当たりばい!」
ルカ「ハッ、あいにくこちとらカミサマなもんでねバチなんか全く怖かねえんだよ!」
ルカ「それに、自分の行動を棚に上げて非難だなんていい度胸じゃねえか……!」
モノクマ「……っ!」
ルカ「いいか、さっきも言ったが今回の犯人はエグイサルの脱出にエレクトボムを用いた。内部で電波障害、動作不良を引き起こすことで緊急事態だとシステムに誤認させたんだよ」
ルカ「そのエレクトボムは、浅倉透に手渡されたお守りそのものだったんだ。だからこそ、あの時レストランに居合わせていた月岡恋鐘は脱出することができたし、私たちの中に擬態することができた」
ルカ「でもそれは反対に言えば……今この場で脱出できない人間こそが犯人であることの証拠になる。だって犯人は既に一人一個しかないエレクトボムを使ってしまっているんだからな!」
ルカ「さあ、私たちの手で暴き出してやろうぜ! 月岡恋鐘が……狸が、どのエグイサルに潜んでいやがるか!」
- 293 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 23:19:46.11 ID:O/LSqR+T0
-
私は力一杯浅倉透から受け取ったお守り、その中のエレクトボムを地面に叩きつけた。
バァァァァァァン…!!
けたたましい音と共に閃光が飛び出し、思わず私は目を自分の右腕で覆う。
いくら爆ぜたと言っても、そこにあるのは熱でも風でもなく電波の嵐。
身に感じる衝撃はそれ以上のものは何もなく、やがて光と音とが消え失せるのに合わせるように私は腕を下ろしていく。
その腕の動きとは対照的に……いよいよその幕が上がっていった。
「……よう、だいたい予想通りだったな」
久しぶりにソールで床を叩いてみれば、目の前には見覚えのある顔ぶれが並ぶ。
- 294 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 23:20:56.02 ID:O/LSqR+T0
-
透「……どう言えばいいんだろうね。この事件、私は当事者でも、無関係でもないし」
青いエグイサルの前に立つのは【浅倉透】。
眉を顰め、胸元を抑える。
他の連中の顔を見たことで、改めて市川雛菜の死を確認した表情。
智代子「間違った道じゃないって……そう思ってるよ。ルカちゃんのことを、信じてるから」
桃色のエグイサルの前に立つのは【園田智代子】。
自分が今こうして立っていることもまだ飲み込めていない、月岡恋鐘の糾弾はなおさら。
あさひ「ルカさん、すごいっす。わたしの考えた通りっすよ」
白のエグイサルの前に立つのは【芹沢あさひ】。
いつもの元気溌剌な笑顔はどこへやら、その肩を縮こませる。
ただ、その中でも私を見据えるその瞳から光は消えてはいない。
議論の流れからしても、概ね想像通りの組み合わせが並んだ。
モノクマ「うぷぷぷぷ……」
……【概ね】。
- 295 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 23:22:09.40 ID:O/LSqR+T0
-
ルカ「……美琴?」
想像と違っていたのは、あと一人……そこにいるべきその人が、いなかったこと。
- 296 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 23:23:01.25 ID:O/LSqR+T0
-
ルカ「お、おい……美琴……? で、出てこいよ……」
あさひ「……っ! そんな……」
ルカ「何やってんだよ、相変わらず変なとこで抜けてんだから……ほら、エレクトボムをぶつけるだけでいいんだからさ」
ルカ「落ち着いて、な?」
あさひ「……ルカさん」
ルカ「ああ? なんだよ、心配すんなって……すぐに美琴も出てくるからよ」
あさひ「ルカさん!」
ルカ「……!」
あさひ「ルカさん……わたしは、今の今まですっぽ抜けちゃってたっすけど……エレクトボムを使う方法は万能じゃないんっすよ……」
あさひ「ルカさん……それに、気づいててあえてスルーしてたっすよね……?」
ルカ「……」
-------------------------------------------------
【正しい選択肢を選べ!】
・美琴は既にエレクトボムを使っている
・美琴はエレクトボム
・美琴はエレクトボムを受け取っていない
↓1
- 297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/07/01(金) 23:26:45.90 ID:kQM60gRt0
- 美琴はエレクトボムを受け取っていない
- 298 :なんか選択肢ミスってましたね……すみません ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 23:29:16.60 ID:O/LSqR+T0
-
ルカ「……」
【解!】
透「……渡せてないよ、美琴さんだけには」
ルカ「……っ!」
あさひ「第4の島から美琴さんはわたしたちとずっと別行動だったっす。レストランで食事も一緒に食べないし、探索も同行してない。当然、透ちゃんがお守りを配ったタイミングでもその時レストランにはいなかったっす」
智代子「唯一、エレクトボムを持ってなかったのが美琴さんなんだね……」
あさひ「そう、だからわたしたちは恋鐘ちゃんが乗っているエグイサルを二択にまで絞ることはできてもそこから先は分からないっす」
透「あさひがエグイサルにみんなを乗せたんだったら、わかんないの。どれがどれか」
あさひ「……わかんないっす、わたしはガスマスクをつけてたし、区別がつかないっすよ」
モノクマ「もうルカ、トラファルガー狸の皮算用とはまさにこのことたい!」
智代子「取らぬ狸の、だよ! それだとシャンブルズだよ!」
ルカ「んなもん言ってる場合かよ……!」
- 299 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 23:30:23.30 ID:O/LSqR+T0
-
(クソ……クソッ、クソッ、クソッ……! なんで、なんでこうなんだよ……!)
(やっと、たどり着いたと思ったのに……やっとその影を掴んだって言うのに……!)
(どうしてあと一歩届かない……!)
モノクマ「ふ〜、流石にひやひやしとったと……うちがどっちに乗っとるか、バレてしまうかと心臓バクバクやったばい」
モノクマ「ルカ、残念やったね」
ルカ「テメェ……おちょくってやがんのか……!」
モノクマ「も〜、そんなわけなか! うちはただ」
モノクマ「ルカがちゃんと美琴の事、救ってあげられとったらうちの負けやったとに」
モノクマ「……って言いたかだけやけん!」
ルカ「……っ!」
全く持って月岡恋鐘の言う通りだった。
こんなに美琴との仲がこじれることもなければ、ちゃんと美琴の手にもエレクトボムは渡っていただろうし、
市川雛菜の右手も無傷で、なんなら被害者になることを防げていたかもしれない。
むしろ、この現状に至った責任は……私にこそあるのではないか。
全身の血の気が一気に引く、膝は腿より上を抱えるには脆弱で、思わず腰が曲がる。
痙攣したような吐息を手のひらにぶつけて、なんとか意識を保つ。
- 300 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 23:31:50.36 ID:O/LSqR+T0
-
モノクマ「さてさて、残ったのは緑のエグイサルと赤のエグイサルの二つ! さあ、どっちにうちがおって、どっちに美琴がおるとやろ〜?」
エグイサル緑『ルカ、こっちだよー! こっちにわたしがいるよー!』
エグイサル赤『凛世ならば……ここに……』
未だにエグイサルの中に残る二人の声は、スピーカーのフィルター越し。
調子や抑揚と言った、その人ならではの要素は極限までそぎ落とされていて、誰かなんてことはここから予測を立てることは不可能だ。
智代子「ど、どうしよう……全然わかんないよ……」
透「あさひがリモコン使って無理矢理に開けたりはできないの?」
あさひ「ダメっす……今みんなでエレクトボムを使って脱出したんっすから、リモコンも影響を受けて使えなくなってるっすよ」
モノクマ「学級裁判の設備はモノクマと同じようにエレクトボムん影響ば受けんように改造をしとるけん、進行にはな〜んも問題なか!」
モノクマ「つまり、当てれんかったらみんなはここで死ぬし、当てられたらうちが死ぬ! このルールはちゃ〜んと守られるとよ!」
明朗快活な喋り口からは、絶対に突き止められないだろうという自負が見てとれた。
圧倒的優勢な立場にいる時ほど人は饒舌になるものだ。
その反対は、上唇すら重たい。
下唇に前歯を食い込ませながら、恨めしそうにエグイサルの機体を仰いだ。
智代子「恋鐘ちゃん、本気で私たちに勝って……私たちを殺そうとしてる」
あさひ「確率は二分の一っす、材料がなくても投票自体はできるし……」
ルカ「ざけんな! ここまで来て、運に託すなんてそんなの……!!」
- 301 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 23:32:33.88 ID:O/LSqR+T0
-
透「……ダメだよ、諦めるとか」
- 302 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 23:34:16.72 ID:O/LSqR+T0
-
ルカ「ああ……?」
波紋がそこかしこから広がりを見せる中、突然にその水面は凪いだ。
もっと大きな波紋が、小さな波紋を丸々飲み込む形で中央から外側へ。
そこに立つのは、誰よりも淡くて、誰よりも濃い……彼女だった。
透「考えなきゃ、だってうちらは生きてるんだしさ。どんな時でも道はどこかにあるはずだって、偉い人だって言ってるし」
透「絶対、あるはずだって。ここからでも、狸を突き止めるための方法が。何か」
モノクマ「透にしては随分とあきらめが悪かね〜、やっぱりコピーになると人格もちょっと変わるとやろか?」
認めたくはないが、私もそういう認識だった。
浅倉透と言うアイドルを、テレビ越しやラジオ越しに観測する限りだとどんな局面でも熱く血潮をたぎらせるようなタイプとは真逆。
どんな時でも飄々としていて、こんな時に奮起の言葉を出すようなものとは思っていなかった。
- 303 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 23:35:14.18 ID:O/LSqR+T0
-
……それは、この島に来るまでの話。
先入観で練り上げられた、粘土で出来たイメージと想像だけのマガイモノ。
私が接した浅倉透は、目の前に立つ浅倉透に相違なかった。
勿論、こいつは浅倉透本人ではない。
あくまで本人の人格をもとに作られたコピー、それでも私はその名を冠するに値するだけの人間だと思う。
人並みに苦心して、人並みに悩んで、人並みに不器用で。
そういう人間くささも併せ持つ、浅倉透が……私の知る浅倉透なのだ。
透「……それならそれでいいよ。私は、ノクチルの浅倉透じゃなくて……ここにいる『浅倉透』だから」
透「そう、胸を張って言えるようにしてくれたのが……雛菜なんだ」
瞳に、私自身の姿が映る。
正面から、頭の隅からつま先まで、楕円の黒丸の中にすっぽりと納まった私は不細工な面をしていた。
掻きむしった髪の枝毛が、口に入りそうな乱れ方をしていて、瞳孔は収まり悪くだらしなく開いている。
その瞳を持つ女とは、大違いだ。
凛として立つ、その背筋には少しのブレも感じない。
一本の芯、市川雛菜と過ごした時間が、そこには通っていた。
- 304 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 23:37:30.12 ID:O/LSqR+T0
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透「雛菜、本物が死んでるって聞いてからも私に気を使わせないように、下手に傷つけないように必死に気を回してくれてた」
透「私のことを、『先輩』じゃなくて……『ちゃん』にしたのだって。私を、私という一人の存在と認めてくれたから」
透「私は雛菜のために、負けられない。雛菜の死は無駄だったなんて……そんなの、嫌じゃん」
綴られるのは、この島で過ごしてきた蓄積。
特異な立場の彼女の、並みならぬ思いと記憶の奔流。
私たちは息継ぎをする間もなく、その激流に呑まれてしまう。
透「……これまでずっと、他のみんなに自分のことすら黙ってて。都合が良い話だとは思うけどさ」
透「本当に、反省してるんだ。にちかちゃんのこと、それに美琴さんのこと。シーズのこと」
エグイサル緑『……』
エグイサル赤『……』
- 305 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 23:38:18.65 ID:O/LSqR+T0
-
透「自分かわいさで、にちかちゃんの言葉にちゃんと答えられなくて。そのせいで、美琴さんをずっと傷つけた」
透「苦しめ続けたのは、私だよ」
透「みんなを信用してなかったわけじゃ、なくて」
透「みんなを信じてたからこそ……言えなかった、言いたくなかった」
透「私が全部偽物で、この島の秘密に関わってるなんて」
透「みんなが浅倉透に抱いてくれた気持ちを、全部台無しにするみたいで」
(それって……)
浅倉透が口にしているのは、七草にちかがおしおきの間際にみせた感情の発露と同じ。
美琴にぶつけた、どっちつかずな美しいまでに不格好なアンビバレンス。
最後まで答えを選び取らなかった彼女は、むしろ図々しいまでに一本気ですらあった。
透「……死にたくない、以上に裏切りたくない」
透「だから、高望みするよ。勝つって、黒幕ぶっ倒すって」
- 306 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 23:39:35.44 ID:O/LSqR+T0
-
本物の浅倉透だったなら、こんな風な演説を口にするだろうか。
エゴイズムが先に立つ、我欲剥き出しの演説なんて。
……もう、その答えはどうでもよかった。
私にもスタンスは既に固まっていた。
私たちにはこの島が世界のすべて、ここで生きている人間が住人のすべて。
外の世界だとか、立場だとかはもはやどうでもいい。
何よりも優先されるべきは、自分自身の欲求。
浅倉透のエゴイズムに共振した私のエゴイズムが、今再び顔を覗かせた。
ルカ「……何こっちが諦めてるって決めつけてんだ」
透「ふふ、やるじゃん」
ルカ「二択まで絞り込んでやったんだぞ? だったら、ここから先を進めるのはさっきより簡単だ。狸を見つけ出すんじゃなくて、美琴を見つけ出すのでも消去法でいける!」
ルカ「オマエら、知恵を貸せ! あと一歩、あと一歩で黒幕をぶん殴れるぞ!」
あさひ「……ルカさん」
あさひ「そうっすね、冬優子ちゃんならこんな時はすごい顔になって食らいつくっす。愛依ちゃんも、そんな冬優子ちゃんに信じてついていく」
あさひ「わたしも、負けたくない」
智代子「果穂と夏葉ちゃんに託されたんだもん」
智代子「私だって譲る気は全くないよ! 最後の最後まで……推して参ります!」
- 307 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 23:40:24.96 ID:O/LSqR+T0
-
モノクマ「も〜! 諦めが悪かやね!」
モノクマ「でも、それでこそ283プロのアイドルばい! そのしつこさが、次世代のアイドルの輝きを産むとよ!」
私たちは再び立ち上がる。
受け継いだもの、築いたもの、導いたものを守り抜くために。
亡くしたもの、奪われたもの、積み重ねたものに報いるために。
横を見れば、壮観なツラが並ぶ。
学級裁判は私たちが票を入れるその瞬間まで終わらない。
どれだけ苦戦しようが、どれだけ時間がかかろうが、その結論が出るまでは諦めてやるものか。
もう認めるしかないかもな、その不恰好で暑苦しい生き方を。
智代子「でもどうしようか、情報は正直出尽くしてるような気もするし……」
透「エレクトボムもこれ以上はもうないよ」
あさひ「わたしも、知っていることは全部喋ったっす」
ルカ「クソ……何か、何か方法はないか……?!」
- 308 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 23:41:34.93 ID:O/LSqR+T0
-
『ほ、方法なら……ないわけじゃ、ないですよ……!』
ルカ「……え?」
- 309 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 23:43:10.04 ID:O/LSqR+T0
-
裁判場内に、声が響いた。
困窮する私たちにとって最高に都合のいい文言は福音のようで。
実際称するように、その福音は私たちの頭上から聞こえてきた。
エグイサル赤『なんつーか、方法自体は最初っからアタシたちの前にあったんだよ』
エグイサル緑『きゅ、急に何? 何を勝手な______』
エグイサル赤『でも、その方法は……ちょっとだけ、勇気が必要で……』
エグイサル赤『覚悟もめっちゃ必要だから、なかなか踏み切れなかったんだよね』
でも、それは福音なんかじゃなかった。
キンキンと耳から全身に突き抜ける、終末を告げる喇叭。
その音色は醜悪な不協和音で、そして、聴き慣れていた。
エグイサル赤『でも、今の透ちゃんの言葉を聞いて……心臓がトクンって……』
ルカ「お、おい……オマエ、何を言い出してんだよ……!!」
エグイサル赤『どうやら、私も腹を括ることができたようなんだ』
エグイサル赤『みなさまに……お別れを告げる覚悟……』
エグイサル赤『そして、みんなに全部を託す覚悟ができたんだよ!』
ルカ「おい、やめろ!! それ以上喋んじゃねーよ!!」
エグイサル赤『カーテンコールは必要ありません。これは一瞬で終わる、単純な幕引き』
ルカ「口を閉じろ、やめろ、やめてくれよ!!」
エグイサル赤『私が……この、赤いエグイサルに乗っているのが……っ!』
- 310 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 23:44:04.07 ID:O/LSqR+T0
-
『緋田美琴だから』
ルカ「美琴______________!!」
- 311 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 23:45:56.30 ID:O/LSqR+T0
-
_____音が戻ってきたのは、それから数十秒の後の事。
- 312 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 23:47:09.28 ID:O/LSqR+T0
-
目も開けられない程の爆風に運ばれて、額や頬には細々した塵が何度もぶつかった。
有していた熱がチリチリと肌を焼き、思わず袖で顔を拭った。
次に袖を下ろしたとき、世界は様変わりしていた。
木っ端微塵というわけではなく、それなりの頑丈な作りで大きさもある。
内側からの衝撃を受けたとしても、その面影はそれなりに残る。
でも、それ故に痛々しさと虚しさは克明すぎるまでに型取られてしまう。
呆然と立ち尽くす私は、山火事が起きた後を見ている時のような、脱力感と煙たさを感じていた。
モノクマ「な、なんてことをしてくれたばい……?! こげんこつしてしもうたら、ルールが根底から崩れ去ってしまうとよ!」
あさひ「違うっすよ、美琴さんはルールに則った上で恋鐘ちゃんを倒そうとしたっす」
あさひ「恋鐘ちゃんの提示した、自分の名前を言えば即爆死のルールを、逆に利用した。それって何かに違反してるっすか?」
モノクマ「ぐぬぬぬ……」
智代子「だとしても……そんな……自分の命と引き換えだなんて……!!」
透「……最後に、聞いてくれたってことなのかな。私の言葉」
- 313 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 23:48:10.78 ID:O/LSqR+T0
-
あまりに突然の出来事に、感情の行き場は分からなかった。
きっと、もっと悲嘆すべきなのだろうとは思う。
でも、頭の中に浮かんだ無数の疑問符がその感情をぼやけさせる。
真っ白な視界に真っ白な頭の中、空洞を覗き込んだような、頭から足先まで落下していくような感覚。
実際、私は膝から崩れ落ちていて、コンクリートの床の下、マントルより奥深くに強く引き寄せられていた。
なんとかその場に留まろうとして、証言台の手すりを下から上に掴む。
木を加工した梁は、すべすべとした感触がした。
そこに熱など、ない。
透「……ありがとうございます。雛菜の仇を……みんなの仇をこれでとれる」
智代子「……美琴さん、ごめんなさい。後でちゃんとしっかり、あなたの死に向き合います。でも今は、美琴さんが繋いでくれたこの命の灯火を絶やさないために……戦います」
あさひ「……これがいい方法だったのか、他にも方法があったのか、わたしにはわからないっす。でも、進むしかないっすから。今は、それだけっす」
モノクマ「こがん……こがん終わり方でうちが負けるなんて……」
- 314 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 23:48:56.90 ID:O/LSqR+T0
-
「最高に絶望的ば〜〜〜〜〜い!!!」
- 315 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 23:50:59.82 ID:O/LSqR+T0
-
それは嬌声に近しかった。
歓喜というのには複雑なものを内包しすぎていて、それでいて奥底にはドロドロとした血生臭さも混じる。
齢20程度で経験してきたものでは全てを推し量り兼ねる、そんな文脈の上に乗る声だった。
その声を発した人物は体操選手のように軽やかに降り立って、興奮で鼻息を荒げていた。
私たちの顔を一通り舐め回すようにすると、頰に手を当て今度は恍惚の表情。
よほど気に入ったのか知らないが、体をくねらせて飛び跳ねる。
その姿は私たちの見慣れたものとは、かけ離れて見えた。
智代子「緑のエグイサル……そこに恋鐘ちゃんはいたんだね」
恋鐘「そ〜! 二択で持ち堪えたときは凌げるかと思うとったとに、美琴の覚悟には腰ば抜かしてしまったと!」
恋鐘「まあ腰を抜かしとるのはうちだけじゃなかけど」
あさひ「……」
あさひ「ルカさん、いつまでもそうしてたってしょうがないっすよ。ちゃんと終わらせないと、美琴さんの死だって無駄になるっすよ」
(……あ?)
(……あいつ今、なんつった? 美琴が……)
(……………………………)
(いや、そんなわけねーって聞き間違いだよ、聞き間違い)
(美琴が死ぬわけ、死ぬわけ……死ぬ、わけ……)
(美琴が??? 死んだ???????????)
(美琴美琴美琴美琴美琴美琴????????? 死死死死死死死死死死死?????????????????)
- 316 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 23:52:10.39 ID:O/LSqR+T0
-
智代子「……ダメだよ、今のルカちゃんに言葉は届かない」
あさひ「たとえそうでもわたしたちの勝ちは変わらないっすよ」
あさひ「わたし、透ちゃん、智代子ちゃんの3人で過半数っす。これで恋鐘ちゃんに投票すれば全部終わりっす」
恋鐘「……」
恋鐘「うん〜〜〜!! そうして〜〜〜!!」
智代子「……え?」
智代子「な、何を言ってるの……? この投票が決まれば、あなたは死んじゃうんだよ……? どうして、そんなに嬉しそうなの……?」
恋鐘「智代子こそ何を言うとるばい! うちという強大な壁を、味方の死を踏み台にして乗り越える! こげん美しかアイドルがどこにおるばい!」
恋鐘「うちは、うちの目指した理想のアイドルに大きく近づくことができたけんね!」
あさひ「話を聞くだけ無駄っすよ。だって恋鐘ちゃんはこのコロシアイを始めた人間っす。そんな相手に、言葉が通じるわけないっす」
恋鐘「もう、あんまりな言い方やね」
恋鐘「でも、あさひの言う通りばい。もう勝敗は決したけんね、ちゃんと終わらせて次のステップに進まんといけん!」
透「次のステップ? もう、これで終わりじゃん」
恋鐘「さ〜〜〜〜〜! そうと決まったら早速投票タイムば〜〜〜〜〜い!」
恋鐘「みんなが議論の結果導き出したクロは誰なのか! そしてその答えは正解なのか不正解なのか〜〜〜〜〜!」
恋鐘「さあ、どがんね〜〜〜?」
- 317 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 23:53:10.91 ID:O/LSqR+T0
- -------------------------------------------------
【VOTE】
〔恋鐘〕〔恋鐘〕〔恋鐘〕
CONGRATULATIONS!!!!
パッパラー!!!
-------------------------------------------------
- 318 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 23:53:57.16 ID:O/LSqR+T0
-
【学級裁判 閉廷!】
- 319 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/07/01(金) 23:58:24.56 ID:O/LSqR+T0
-
というわけで5章学級裁判、これにて完結です。
被害者、クロだけでなく裁判中にも仲間との別れが起きてしまいました。
ルカのメンタルの明日はどっちだ。
※終わった後に気づいたのですが完全にスキル【アンシーン・ダブルキャスト】を更新中忘れていましたね、すみません。
次回更新は7/3(日)21:00〜を予定しています。
安価はありませんが、最後までご覧いただけますと幸いです。
それではお疲れさまでした、またよろしくお願いいたします。
- 320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/07/02(土) 00:03:42.48 ID:hPaB7siZ0
- >>1乙
カメラの映像で美琴が写ってた時は生き残るって確信してたのに
いきなりアッパー食らったようなこの展開・・・まさに絶望的だ・・・
- 321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/07/02(土) 00:04:46.17 ID:miWmVQnt0
- なんですかこの展開は……(語彙力不足)
乙乙です
- 322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/07/02(土) 00:08:03.99 ID:KeYNDTJY0
- >>1乙
勝ちはしたけど大事なものを失ったルカ……他のみんなみたいに立ち上がって欲しいな。
- 323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/07/02(土) 03:03:01.46 ID:s6c4W5uI0
- 最近リアタイできてないから読み返してたらなんかすごいことになってる……
どういう結末にたどり着くんだろう……
ところで学級裁判終わってるから今更な疑問なんですけど、集中力って上限12じゃなくて7じゃないんですか?
習得してるスキル効果の勘違いとかだったら申し訳ないんですけど、集中力っておみくじの+2しかされてないような気がします
もしかして他に集中力に関係してるスキルのジャンプスタッグが集中効果強化だけじゃなくて上限+もついてるとかなんですか?
それとも特定スキルの組み合わせで隠し効果が発揮されるとかそういう感じなんですか?
- 324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/07/02(土) 10:52:58.76 ID:s6c4W5uI0
- ふと思った疑問なんですけど、前作組だと甘奈甜花凛世あたりの一人称が自分の名前呼びの子って、
仮に今回の裁判に参加してたら一人称発言した瞬間に爆発するんですか?
流石にAIがいい感じに解釈してくれてこれは一人称だからセーフ!って判定になりますかね?
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