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【シャニマス×ダンロン】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 Part.3
- 98 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/15(金) 22:08:59.21 ID:HvMz0mwZ0
-
夏葉「……ひとまずは解散しましょうか。今日は色々とありすぎたわ」
智代子「夏葉ちゃんがアンドロイドになっちゃったことが半分くらい霞んじゃってるもんね……今日は濃すぎだよ……」
ルカ「……美琴のこと、私もどうにか出来ないか考えてみる。浅倉透、てめェにも協力してもらう場面があるかもしれない。覚悟しとけ」
透「うん、もちろん」
雛菜「雛菜もお手伝いしてもいいよ〜?」
恋鐘「それじゃあ今日は一旦かいさ〜ん!!」
私たちはジェットコースターをようやく後にした。
ファイルを開いてから、かなり長い時間を……いや、一瞬だったのかもしれない。
ともかく時間の感覚を失うほどの衝撃を受けてしまったのはたしかだ。
それぞれが胸にモヤモヤとしたものを抱えながら、目を向けたく無い答えを半目半目で見つめながら、自分たちのコテージへと帰っていった。
- 99 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/15(金) 22:10:59.86 ID:HvMz0mwZ0
- -------------------------------------------------
【ルカのコテージ】
キーン、コーン…カーンコーン…
『えーと、希望ヶ峰学園歌姫計画実行委員会がお知らせします…』
『ただいま、午後十時になりました』
『波の音を聞きながら、ゆったりと穏やかにおやすみくださいね』
『ではでは、いい夢を。グッナイ…』
「ああクソ、うぜェ……」
その罵倒の先にあるのは、自分だ。
ちょっとばかし交流していたからといって、連中のお仲間が死んでいたことに少なからずショックを受けている自分。
仕事先でたまに見かける程度の繋がりしかない相手が死んでいたから、なんだ。
私はそんな感傷的な人間だったか?
カミサマはもっと傲慢不遜で、独善的な……ぶくぶくと膨れ上がった自尊心の塊みたいな存在だったはずだ。
千雪をはじめとした283の連中にすっかり絆されてしまって、見る影もない。
「マジで、意味わかんねえっての……」
そうなると、自分の中に湧き上がる不安に目を向けざるを得なかった。
過去にあったコロシアイ、それと同じ状況にある自分。
そして、私を取り囲む人間たちの諸々。
「……はぁ」
記憶を失った生存者、浅倉透のコピー、そして美琴の暴走。
「病むっての、こんなの」
私も動かないといけない、解決しないといけないことが山積だ。
それは頭ではわかっていたが、今夜ばかりは体が言うことを聞かなかった。
ベッドに乱暴に自分の身体を叩きつけるようにして、そのまま目をつむった。
……何も、考えたくはなかった。
- 100 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/15(金) 22:12:31.96 ID:HvMz0mwZ0
- ____
______
________
=========
≪island life:day 17≫
=========
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【ルカのコテージ】
キーン、コーン…カーンコーン…
『えーと、希望ヶ峰学園歌姫計画実行委員会がお知らせします…』
『オマエラ、グッモーニンッ! 本日も絶好の南国日和ですよーっ!』
『さぁて、今日も全開気分で張り切っていきましょう〜!』
「……あ」
目を覚まして、まず最初に自分の右手を見た。
指の長さ、皺、関節……どれも私自身、斑鳩ルカのものだ。
どうしてこんなことをしたかというと、それは眠っているときに見た夢に起因する。
私の隣に立っていた人間が突然自分の皮をはいで、そのグロテスクな正体を曝け出すという胸糞悪い夢。
その原因が分かり切っている。
私たちは、あいつを『浅倉透』のコピーであるということを理解したうえで受け入れると決めた。
本人ではないことを踏まえたうえでの承認。少々歪な体制ではある。
それは、倫理だとか論理だとか、諸々の面倒な思考に蓋をするためのその場しのぎの対策法だともいえる。
……それに、今更口出ししたとて仕方ないが。
「……ざけんなよ」
考えたって時間の無駄だ。
私は適当に支度を終えて、早足でレストランへと向かった。
- 101 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/15(金) 22:14:45.67 ID:HvMz0mwZ0
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【ホテル レストラン】
雛菜「あ、おはようございます〜」
ルカ「……なんかすげえ変な感じだな」
夏葉「今朝は珍しく雛菜が一番乗りだったのよ」
つい昨日の出来事がどう作用したのかは分からない。
だが、やけに素直な笑顔を浮かべている様子からして『吹っ切れた』という言葉を使うのが適切なんだろうと思った。
智代子「なんだか、今日はちょっと食欲が……」
恋鐘「あ、あれ……なんか変な味がせんね……塩とお味噌、間違えてしもうとる……?」
他の連中はどうにも調子が悪そうで、対照的だ。
私も例に漏れずそっち側、特に言葉を交わすこともせず、美琴の隣……本来七草にちかが座っていた席に腰掛けた。
冬優子「……緋田美琴は、やっぱり来ないのね」
ルカ「……ああ、悪い。あの後私もすぐに寝ちまった」
冬優子「まあ……昨日は仕方ないわよ。ふゆだってそう。あさひなんか考え込んじゃって動かないんだから、ふゆが引きずってここまで連れてきたわ」
あさひ「……」
ルカ「まあ……あいつはそうなるだろうな」
(……あいつもあいつで、目をつけてなきゃいけないんだけどな)
- 102 :申し訳ない……眠気がすさまじいのでやっぱり今夜は安価を出すところまでで…… ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/15(金) 22:16:17.95 ID:HvMz0mwZ0
- ◆◇◆◇◆◇◆◇
冬優子「……まだ色々と飲み込めてないだろうけど、ふゆたちがやるべきことは変わらない。むしろ出ていく理由が明確にできた今、脱出の方法を見つけ出すことに全力を尽くさないといけないわ」
夏葉「ええ、冬優子の言う通りね。真実を自分たちの目で確かめるためにも、全員が生きてこの島を出ていく術を見出す必要があるわ」
智代子「うん……私たちの前に現れた謎、その答えを知るまでは死ぬに死ねないよね……!」
恋鐘「摩美々に咲耶に霧子……うちらん前のコロシアイでは何があったとやろ……」
ルカ「情報の一端だけ毎度毎度小出しにしてきやがって、黒幕ってやつはよっぽど性格が悪いよな」
冬優子「まあ、今更よ」
あさひ「夏葉さん、最後のモノケモノはいつ倒せそうっすか?」
夏葉「ロケットパンチね。そうね、エネルギーの充填はまだしも燃料の確保が厳しいの……スーパーにあるオイルを借りているけれど必要量の半分と少ししかないわ」
夏葉「パンチを打つこと自体はできてもモノケモノを吹き飛ばすほどの火力には、少し足りていないわ」
雛菜「空港のジェット機に積まれてたりしないですか〜?」
智代子「雛菜ちゃん、あのジェット機はハリボテなんだ……」
- 103 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/15(金) 22:17:18.84 ID:HvMz0mwZ0
-
ルカ「チッ……せっかくの機能も使えなきゃかたなしだな」
夏葉「あら、失礼ね。まるで私が木偶の坊みたいな言い回しではないかしら」
ルカ「いや、そこまで言ってねえけど……」
夏葉「ふふっ……そんなルカの鼻を明かしてみせようかしら」
智代子「夏葉ちゃん?」
あさひ「もしかして……何か他の機能があるっすか?!」
夏葉「ええ、あれからまた自分の体を少し研究してみたのだけど……また新しい機能を発見したわ!」
ルカ「マジか……脱出に使えんのか?!」
夏葉「刮目なさい! これが私の体に隠された新機能よ!」
そう高らかに宣言すると、メカ女は自分の両方の耳たぶを同時に捻った。
それがトリガーになって……次の瞬間。
- 104 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/15(金) 22:18:46.91 ID:HvMz0mwZ0
-
ドバババババババババ!!!!
智代子「わ、わあああああ?!?!」
あさひ「すごい量の涙っすー!」
透「あれ……ただの涙じゃない、よね」
夏葉「よくわかったわね、透。これは右目からプロテインゼリー、左目からスポーツドリンクが溢れ出しているの!」
ルカ「お、おい……大丈夫なのかこの絵面」
夏葉「さあ、みんな遠慮せずにコップを持ってきてちょうだい! 好きな方を注いであげるわ!」
冬優子「……ふゆはパス」
ルカ「……私もいいわ」
透「あー、じゃあプロテインの方で」
ルカ「お前マジで勇者だな……」
- 105 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/15(金) 22:20:41.22 ID:HvMz0mwZ0
- -------------------------------------------------
【ルカのコテージ】
衝撃的な光景を目撃して、なんだか食欲を削がれてしまった。
朝飯もそこそこにレストランを抜け出し、自分の部屋に戻る。
「……あいつ、どこまでも人間離れしていくな」
そんな風に独り言ちたが、よくよく考えれば当然のこと。
あいつはもう、人間ではない。
「……」
いや、これは言及すべきことではないか……
……余計なことを考えてしまう前に、行動するか。
【自由行動開始】
-------------------------------------------------
【現在のモノクマメダル枚数…35枚】
【現在の希望のカケラ…24個】
1.交流する【人物指定安価】
2.モノモノヤシーンに挑戦する
3.自動販売機を使う
4.休む(自由時間スキップ)
↓1
- 106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/04/15(金) 22:22:42.54 ID:b12LUKDN0
- 2
- 107 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/16(土) 21:23:07.07 ID:iZvNZh3u0
-
昨日は寝てしまって申し訳ない……
-------------------------------------------------
【第1の島 ビーチ】
「……」
気が付けばまたこの場所にいた……
別に島に来る前にもこんなにガチャガチャなんかやってたわけじゃねえんだけどな……
射幸心と言うか、人の欲と言うものは恐ろしいなとつくづく思う。
……何かと物入りだし、ちょっとぐらいならまあいいか。
-------------------------------------------------
【現在のモノクマメダル枚数…35枚】
【現在の希望のカケラ…24個】
1.モノモノヤシーンを回してみる【枚数指定安価】
2.やっぱりやめる
↓1
- 108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/16(土) 22:13:40.45 ID:iH7KFdLB0
- 1
10枚
- 109 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/16(土) 22:27:12.73 ID:iZvNZh3u0
- 1 選択
「たまには使えるもんだせよ……?」
もう何度目の正直かはわからないが……ちょっとぐらいは期待してるんだからな
【コンマ判定を行います】
【このレスより直下10回連続でコンマ判定を行い数値に応じたアイテムを獲得します】
↓1〜10
- 110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/16(土) 22:27:58.23 ID:iH7KFdLB0
- あ
- 111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/16(土) 22:39:27.16 ID:TwIRrhr/O
- あ
- 112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/16(土) 22:39:52.33 ID:iH7KFdLB0
- あ
- 113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/16(土) 22:40:21.82 ID:0otp1IWTO
- あ
- 114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/16(土) 22:40:55.48 ID:iH7KFdLB0
- あ
- 115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/16(土) 22:41:26.82 ID:0otp1IWTO
- あ
- 116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/16(土) 22:41:41.00 ID:iH7KFdLB0
- あ
- 117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/16(土) 22:44:03.59 ID:0otp1IWTO
- あ
- 118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/16(土) 22:44:21.40 ID:iH7KFdLB0
- あ
- 119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/04/16(土) 22:45:01.58 ID:tliTlCHwO
- あ
- 120 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/16(土) 22:51:18.94 ID:iZvNZh3u0
-
【ジャバの天然塩】
【ファーマフラー】
【希望ヶ峰の指輪】
【ミレニアム懸賞問題】
【オスシリンダー】
【家庭用ゲーム機】
【携帯ゲーム機】
【ジャパニーズティーカップ】×2
【オカルトフォトフレーム】を手に入れた!
「まあ……そうだよな」
「何を期待してたんだ、私は……」
いつも通りの使い方も思いつかないようなガラクタの数々。
まあ……これはどれもあいつらに押し付けるとするか……
「……ハッ」
あいつら、意外なもんで喜んだりするからな。
-------------------------------------------------
【現在のモノクマメダル枚数…25枚】
【現在の希望のカケラ…24個】
1.交流する【人物指定安価】
2.モノモノヤシーンに挑戦する
3.自動販売機を使う
4.休む(自由時間スキップ)
↓1
- 121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/16(土) 22:53:09.56 ID:tliTlCHwO
- 透
- 122 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/16(土) 22:57:57.74 ID:iZvNZh3u0
- 1 透選択
【第4の島 ネズミ―城前】
……流石に昨日の今日。
私と言えど、事態をそのままそっくりはいそうですかと飲み込めるわけもなく。
朝の集まりでは口にできなかった思いのはけ口を探して歩いていると、自然とここに辿り着いた。
ここは、唯一モノクマにもモノミにも干渉されない安息地。
それをどこまで信じていいのかは知らないが、そのとりあえずの知識と情報は、私にとってはこの上なく都合がよかった。
そして、それは当事者もその限りではなく。
ルカ「……お前」
透「……ども」
ルカ「……」
話をする、チャンスだ。
-------------------------------------------------
‣現在の所持品
【ジャバの天然塩】×2
【ファーマフラー】
【新品のサラシ】
【希望ヶ峰の指輪】
【ジャバイアンジュエリー】
【ユビキタス手帳】
【ミレニアム懸賞問題】
【オスシリンダー】×2
【多面ダイスセット】
【家庭用ゲーム機】
【携帯ゲーム機】
【アンティークドール】
【戦いなき仁義】
【マリンスノー】
【蒔絵竹刀】
【ジャパニーズティーカップ】×2
【絶対音叉】×2
【七支刀】
【神の砂の嵐の角】
【壊れたミサイル】
【クマの髪飾りの少女】
【バール】
【オカルトフォトフレーム】
プレゼントを渡しますか?
1.渡す【所持品指定安価】
2.渡さない
↓1
- 123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/04/16(土) 23:01:00.86 ID:tliTlCHwO
- 1 ミレニアム懸賞問題
- 124 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/16(土) 23:08:18.92 ID:iZvNZh3u0
- 【ミレニアム懸賞問題を渡した……】
透「げー……なにこれ、数学? 宿題はちゃんと自分でやりなって」
ルカ「ちげーよ、大体こっちはもう成人だ。宿題も何もねえって」
透「え、じゃあなにこれ」
ルカ「世界中の数学者を悩ませてる難問だとよ。これが解けたら滅茶苦茶なお金が振り込まれるんだとか」
透「……マジ?」
ルカ「らしいぞ、噂だけどな」
透「……これ、いつまで?」
ルカ「やるのかよ……」
(妙に食いついてきたな……こういうの、好きなのか……?)
【PERFECT COMMUNICATION】
【いつもより親愛度が多めに上昇します!】
------------------------------------------------
これまでとは大きく状況が違っていた。
目の前にいる人間をどこまで信じればいいのかもわからず、かといって信じなければ前に進むこともできず。
そういう置かれた状況故の妥協が、つなぎとめている関係だった。
そこに投げ込まれたのは、あまりにも大きく、そして異常な真実。
目の前の人間は、自分を自分じゃないと言い放った。
私がこれまで観測していた事実を、その根底を、概念を、全部全部、ひっくり返した。
ルカ「……気分はどうだよ」
自分自身の気分も分からないままに、相手にゆだねた。
透「……清々しく、はないかな。言いたくなかったことではあるし」
透「でも、雛菜が……みんなが、受け入れてくれた。それは本当に良かった」
ルカ「……」
浅倉透はコピーである。
本物の浅倉透はとうに死んでいる。
本当に、他の連中はそれを受け入れたと言えるのか?
市川雛菜のあの言葉に追随しただけで、そこに思考はあるのか?
葛藤を無視しちゃいないか?
私にはずっとそんな脳内の声がうるさかった。
透「……ごめん、それも私の感想だから」
透「そっちのが、それどころじゃないよね」
ルカ「……そりゃな、頭がこんがらがったままだよ」
この島に来た時から混乱なら、しっぱなしだけどな。
1.オリジナルの浅倉透の事はどこまで知ってるんだ?
2.本当に、前回のコロシアイとやらのことは知らないんだな?
↓1
- 125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/16(土) 23:10:20.48 ID:tliTlCHwO
- 1
- 126 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/16(土) 23:22:25.39 ID:iZvNZh3u0
- 1 選択
こいつがコピーであるという話を、一応は信じるとして。
私には聞いておきたいことが一つあった。
ルカ「お前は、オリジナルの記憶と人格とを引き継いでるんだよな?」
透「……うん」
ルカ「なら、お前はオリジナルの浅倉透のことをどこまで知ってるんだ? 生まれてから、お前のコピーが作られる、その瞬間まで……全部を知り尽くしてるのか?」
透「……」
表情を変えることなく、視線もそらさずに十数秒。
透「……多分、全部知ってる」
透「小さい時のノクチルの四人の姿も思い出せるし、小学校の時にみんなで豚の貯金箱にお金を入れた映像も頭の中にある」
透「……人一人分の記憶と言えるだけのものは、揃ってるよ」
精巧で比類のないコピー。
きっとこいつが言っていることに偽りはない。
その時の記憶を語れと言えば隅々まで語るだろうし、絵に書けと言えば当時の色彩でキャンバスに描くはずだ。
透「でも、あくまで私はコピーだから」
だからこそ……本人はそのことを私たち以上に重くとらえている節があった。
コピーとして接する事、生きること。そのこと自体に対する負い目のようなものを言葉尻ににじませる。
しかし、次に紡ぐ言葉はそれでは終わっていなかった。
透「……私のことを、無理に浅倉透だと思わなくていいからさ」
透「雛菜と同じで、別の『浅倉透』だと思ってほしい」
幼馴染と定義されていた人間の言葉を、臆面もなく借りてみせた。
透「私はコピーだけど……それは作り出された瞬間までの話。そこから一緒に過ごした時間は……オリジナルだって。そう雛菜が言ってくれたから」
それは私の良く知る、この島での『浅倉透』の姿だった。
あのどこか抜けていて、それでいて目の離しづらい厄介な微笑み。
誰を真似たでもない微笑みが、その場所に転がる。
ルカ「……ハッ」
ルカ「……そんじゃ、とりあえずのところはそういうことで」
透「ん、よろしく」
-------------------------------------------------
【親愛度が上昇しました!】
【浅倉透の親愛度レベル…8.0】
【希望のカケラを手に入れました!】
【現在の希望のカケラの数…25個】
- 127 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/16(土) 23:27:08.02 ID:iZvNZh3u0
- ------------------------------------------------
【ルカのコテージ】
本人と話したら不思議と気持ちは軽くなった。
別にコピーの話が飲み込めたわけではないが、疑問を疑問のまま受け入れる体制ができたとでも言えばいいだろうか。
『浅倉透』という人間を私の中でどう置くべきかの考えは固まったんだと思う。
……ま、元から理屈っぽいのは好きじゃないんだ。
大事なのは自分がどう思ってるか、そういう生き方しか知らない私が悩んだところで馬鹿らしい。
「ま、美琴はそう思っちゃくれないんだけどな……」
【自由行動開始】
-------------------------------------------------
【現在のモノクマメダル枚数…25枚】
【現在の希望のカケラ…25個】
1.交流する【人物指定安価】
2.モノモノヤシーンに挑戦する
3.自動販売機を使う
4.休む(自由時間スキップ)
↓1
- 128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/16(土) 23:28:58.13 ID:UBiVJwOR0
- 1 ふゆ
- 129 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/16(土) 23:35:13.21 ID:iZvNZh3u0
- 1 冬優子選択
【第4の島 観覧車】
ルカ「……何やってんだ、冬優子」
冬優子「何やってるも何も、手持ち無沙汰でうろついてんのよ。散歩ってやつ?」
ルカ「ふーん……」
返事に少しだけ違和感を感じた。
冬優子にしては、受け答えが何だかおざなりな感じがするというか、覇気をあまり感じない。
目線もあまり合わないし、らしくないという印象を受けた。
ルカ「……」
……だけど、それを口にするのはなんだか気が引けた。
別に、友達ってことなら普通の事なんだろうが……
私たちは数日前まで気遣いなんてしあう仲でもなかったわけで、私の感じる照れは他の人間のそれとはレベルが違って……
なんて頭で言い訳をしているうちに、時間は過ぎていく。
ルカ「お、おい……!」
やるだけ、やってみるか。
-------------------------------------------------
‣現在の所持品
【ジャバの天然塩】×2
【ファーマフラー】
【新品のサラシ】
【希望ヶ峰の指輪】
【ジャバイアンジュエリー】
【ユビキタス手帳】
【オスシリンダー】×2
【多面ダイスセット】
【家庭用ゲーム機】
【携帯ゲーム機】
【アンティークドール】
【戦いなき仁義】
【マリンスノー】
【蒔絵竹刀】
【ジャパニーズティーカップ】×2
【絶対音叉】×2
【七支刀】
【神の砂の嵐の角】
【壊れたミサイル】
【クマの髪飾りの少女】
【バール】
【オカルトフォトフレーム】
プレゼントを渡しますか?
1.渡す【所持品指定安価】
2.渡さない
↓1
- 130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/16(土) 23:39:16.26 ID:UBiVJwOR0
- アンティークドール
- 131 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/16(土) 23:53:27.54 ID:iZvNZh3u0
- 【アンティークドールを渡した……】
冬優子「えっ、嘘。普通に滅茶苦茶かわいいじゃない、どうしたのあんた。何か悪いもんでも食べた?」
ルカ「ひどい言われようだな……要らねえなら返せよ」
冬優子「バカ、褒めてやってんのよ。あんたもそういう女の子らしいこと少しは出来たのね」
ルカ「そういうの今の時代叩かれるぞ、ご自慢のセルフプロデュースはどうしたんだよ」
冬優子「おっと、確かに失言ね。訂正するわ、ルカもそういう心配りできたのね」
ルカ「……余計悪化してないか?」
冬優子「〜〜〜♪」
(ま、喜んでるならいいか……)
【PERFECT COMMUNICATION】
【いつもより多めに親愛度が上昇します!】
-------------------------------------------------
ルカ「お、おい……!」
何を言うかも決めずに呼び止めた。
とはいえ、別に冬優子は立ち去ろうともしておらず。要は私が突然に声を上げた形になったのだ。
冬優子は私の並みならぬ様子にしばらくキョトンとしていた。
それでも多分あいつのことだ。
私の中の葛藤と、私が冬優子に何を見たのかすぐに悟ってしまったのだろう。
先手を取ったのは、冬優子。
冬優子「ルカ、付き合いなさい」
ルカ「……え?」
冬優子「そんなアホ面しない、あんたが今いるここはどこ? 付き合ってもらうわよ」
ルカ「お、おい……ちょっと待てって……!」
冬優子は私の手をグイグイと引いてゴンドラへと乗り込んだ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
冬優子「ま、二人きりで話すなら個室はちょうどいいわね」
観覧車なんて乗るのはいつ振りか。
家族で乗った記憶すら朧気、久々の高所に少しだけ胸がざわつく。
冬優子「……話、付き合ってくれんでしょ」
ルカ「……おう」
ただ、冬優子の胸の内は私のそんなざわつきとはまた別に揺れていた。
私がさざ波なら冬優子は大時化。
彼女があまり口にしない、弱みのようなものが密室の中で吐き出される。
冬優子「……前回のコロシアイってやつ、血の気が引いたわ。283の人間があれだけ死んでたこと、それを手引きしたのが自分とこの社長だってこと」
冬優子「……ホント、頭が痛いわよ」
ルカ「……冬優子」
冬優子「……でも、もっと最悪なのがそのコロシアイに、愛依も参加してたってこと……ふゆはあいつを守ってやれずに命の危険に二度もさらして……」
冬優子「そして今回のコロシアイで、いよいよその命を落としてしまった……」
ルカ「……」
このシェルターは優秀すぎる。
外と中との空間を完全に断絶するせいで、中の空気もまるで外に流れて行かない。
この重苦しく手足を動かすのも躊躇われるような空気も、変わらない。
中の私が、何かしない限りは変わらないのだ。
1.今からでも守れるものを守るしかないだろ
2.和泉愛依がお前のことを恨んでると思うか?
↓1
- 132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/16(土) 23:56:57.65 ID:iH7KFdLB0
- あえての2
- 133 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/17(日) 00:06:50.77 ID:7vcYdGG+0
- 2 選択
本当に、自分のことが嫌いだ。
こんな時に気の利いたこと一つ言えないし、右手を相手のために伸ばしてやることもできない。
つまらないプライド、くだらない言い訳ばかりが目に付く自分が嫌い。
それでも、なんとか励まそうとした。
私の口から出てくるのは、本心とは無関係な……月並みな言葉だ。
ルカ「和泉愛依が、お前のことを恨んでると思うか?」
ルカ「たとえコロシアイにあいつが二回巻き込まれてたからって……お前が救えなかったからって……お前を恨むような人間だって思うのかよ」
冬優子「……」
でも、相手が弱っているときは、月並みで足ることがある。
使い古されたような何気ないエピソードが、急に琴線に触れることがある。
冬優子「……よくわかったわ」
ルカ「……!」
冬優子「あんたが、こういう状況向いてないってことが」
そして、そういうのは私たちのような人間にはそうそうないことも知っている。
私たちのようなひねくれものは、弱っている時だからこそ綺麗な言葉を斜めから見つめ直したりする。
周りが熱狂しているときこそ醒めたりするような、そういうめんどくさい人間なのだ。
冬優子「別に責任に感じなくていい。ただ愚痴が言える相手が欲しかっただけだから。その分では十分役目は果たしてくれたわよ、ルカ」
ルカ「悪い……ホント、こういうの下手だから」
冬優子「そりゃね、上手だったら緋田美琴とあんなことにもなんないでしょ」
ルカ「……」
冬優子「他人よりもまずは自分の事。……ま、お互い様なんでしょうけど」
観覧車が一周するまでの間、私たちは言葉も交わさずに外の景色をただずっと眺めていた。
-------------------------------------------------
【親愛度が上昇しました!】
【黛冬優子の親愛度レベル…8.5】
【希望のカケラを手に入れました!】
【現在の希望のカケラの数…26個】
- 134 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/17(日) 00:08:30.13 ID:7vcYdGG+0
-
というわけで本日はここまで。
次回自由行動の三回目からの再開となります。
次回更新は4/17の21:30ごろを予定しています。
それではお疲れさまでした。
- 135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/17(日) 00:12:19.10 ID:uJqK7/Ol0
- >>1乙!
- 136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/17(日) 00:16:43.12 ID:ppJR+g6bO
- 乙ですー
- 137 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/17(日) 19:29:45.56 ID:7vcYdGG+0
- 申し訳ない…
本日の更新は厳しそうです
シャニ4thの準備もあって今週はいつなら更新できるか前もって伝えづらく、不定期になりそうです……
- 138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/19(火) 00:13:36.68 ID:ZtOR69K7O
- 現地行かれるんですかね、楽しんできてください
更新はいつまでもお待ちしております
- 139 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/26(火) 22:14:09.95 ID:l9Y4+02f0
- すっかりライブで惚けておりましたが更新を再開いたします。
明日4/27(水)は21:30分ごろから再開予定、ゴールデンウィークで頑張りたいですね。
またよろしくお願いします。
- 140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/26(火) 22:35:16.61 ID:vzbdo6AYo
- 了解です!
- 141 :少し早いですが再開します ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/27(水) 21:12:38.45 ID:zxi6pPCO0
- -------------------------------------------------
【ルカのコテージ】
私が口にした言葉は、きっと間違いじゃなかったんだと思う。
言葉に載せていた気持ちも、そこにある事実も、なにも間違っちゃいない。
ただ、タイミングとその間が少しだけ掛け違えていただけ。
相手が自分と同族であるということを見落としていただけ。
そしてそれはつまり、あの言葉は自分にとっても的を外れた言葉であるということ。
「……」
私にとって、それは_____
【自由行動開始】
-------------------------------------------------
【現在のモノクマメダル枚数…25枚】
【現在の希望のカケラ…26個】
1.交流する【人物指定安価】
2.モノモノヤシーンに挑戦する
3.自動販売機を使う
4.休む(自由時間スキップ)
↓1
- 142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/27(水) 21:35:21.44 ID:4cXG/IBv0
- 1 透
- 143 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/27(水) 21:44:19.51 ID:zxi6pPCO0
- 1 透選択
【第4の島 ジェットコースター】
動きもしないコースターとレールを茫然と見つめ立ち尽くす姿。
その影がこの場所で揺らいでから、まだ一日。
つい先ほども言葉を交わしたばかりだというのに、まるで陽炎のように映るのは人としての性質か。
ルカ「なんか、お互い忘れられない場所になっちまったよな」
透「……かも」
だが、こいつはあくまで『浅倉透』なんだ。
それは肯定的な意味合いでも、それでなくとも。
だから、こいつの姿をとらえられない……この虹彩が悪い。
-------------------------------------------------
‣現在の所持品
【ジャバの天然塩】×2
【ファーマフラー】
【新品のサラシ】
【希望ヶ峰の指輪】
【ジャバイアンジュエリー】
【ユビキタス手帳】
【オスシリンダー】×2
【多面ダイスセット】
【家庭用ゲーム機】
【携帯ゲーム機】
【戦いなき仁義】
【マリンスノー】
【蒔絵竹刀】
【ジャパニーズティーカップ】×2
【絶対音叉】×2
【七支刀】
【神の砂の嵐の角】
【壊れたミサイル】
【クマの髪飾りの少女】
【バール】
【オカルトフォトフレーム】
プレゼントを渡しますか?
1.渡す【所持品指定安価】
2.渡さない
↓1
- 144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/04/27(水) 21:48:27.99 ID:jG4XawVu0
- 戦いなき仁義
- 145 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/27(水) 21:54:17.99 ID:zxi6pPCO0
-
【戦いなき仁義を渡した……】
透「おー、映画のDVD。やるね」
ルカ「お前、映画とか好きなのか?」
透「うん。映画館とか結構行ってた」
ルカ「……過去形?」
透「吹き飛んじゃったんだよね、映画館。爆弾で」
ルカ「はぁ……?」
透「冗談」
ルカ「……わけわかんねー」
【PERFECT COMMUNICATION】
【いつもより親愛度が多めに上昇します!】
-------------------------------------------------
こいつの存在を許容するとして、そのうえでどうしても気になることがある。
ルカ「なあ、コピーってのは……その、どういうことなんだ?」
ルカ「本物と全く同じ記憶と人格を持った存在ってのは……お前は、人では……あるんだよな?」
そんな言葉が出てきたのは、きっと変わり果ててしまったメカ女と言う存在があるからだろう。
目の前の人間も薄皮一枚剥けば金属製の骨格が姿を現さないとも限らない。
こいつが、そうでないという確証もないのだ。
透「えー、人じゃん。どうみても」
透「手も足も、二本ずつ。目玉だってほら、丸いし」
ルカ「そういう意味じゃなくてだな……」
透「……私が、『浅倉透』になる前……の話?」
ルカ「……!」
どんな電子機器でも、それを制御するOSを入れる前には、入れるための器となる素体があるわけで。
人間と言う存在が、人格を何かに埋め込んで成立するのなら……『浅倉透』にそれを明け渡した前任がいることになる。
私たちはその考えから自然と意識を背けていた。
透「……私が人だって証明するなら、それがいるか」
ルカ「よくもまあ平然とそんなことが言えるよな」
透「まあ、もう今更じゃん?」
屈託のない笑顔を浮かべるその顔が、なんだか妙に無機質に感じた。
透「……でもね、言ったじゃん。記憶は浅倉透本人と全く同じ。もともとあった記憶に上書きされる形で私はこうなった」
透「……前が何かなんて、知らないんだ」
ルカ「……!」
1.後悔はしてねーのか?
2.もともと前の人格なんてなかった、とか?
↓1
- 146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/27(水) 21:58:28.38 ID:jG4XawVu0
- 1
- 147 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/27(水) 22:07:05.51 ID:zxi6pPCO0
- 1 選択
ルカ「記憶がないとしてもだ。その……自分の記憶を手放したことに後悔はねーのか?」
透「……どうなんだろ」
彼女は、自分のあごに手を当てて考え込むようなそぶりを見せた。
自分の記憶の中に飛び込んで、その奥底に眠る何かを引っ張り出すような……そんな試行錯誤。
呼吸は停止と再生を繰り返し、一つの場所に行きつく。
透「……それもわかんない」
ルカ「そればっかだな」
透「しょうがないじゃん、今の私は『浅倉透』。それには変わりないから」
自分のことでよくもここまで冷淡に言えるな、と思った。
でも、それは冷淡に見えるだけで、その実は対極であった。
透「……『浅倉透』は言ってるよ。後悔は知らないけど……満足はしてる」
透「自分の選択だしさ、やっぱそれはポジティブで行かないと損だと思う」
透「浅倉透として、この場所に立ってること。雛菜と、みんなと一緒にいること……それは私が私になるだけの価値があったと思うよ」
ルカ「……くっせえセリフだな」
透「んー、元の人格?」
ルカ「照れ隠しがお粗末だ」
透「はは、言えてる」
暖簾に腕押しってのはこいつみたいなやつに使う言葉なんだろうか。
どれだけ不安と疑念を押し付けられても、のらりくらりとかわして、平気な顔をしてきやがる。
こんなやつだからこそ……ある種の諦めがつくのかもな。
こいつは、これでいい。
これで、受け入れたっていい。
たとえ、何者だろうと。
-------------------------------------------------
【親愛度が上昇しました!】
【浅倉透の親愛度レベル…10.0】
【希望のカケラを手に入れました!】
【現在の希望のカケラの数…27個】
- 148 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/27(水) 22:09:30.90 ID:zxi6pPCO0
- -------------------------------------------------
【ルカのコテージ】
キーン、コーン…カーンコーン…
『えーと、希望ヶ峰学園歌姫計画実行委員会がお知らせします…』
『ただいま、午後十時になりました』
『波の音を聞きながら、ゆったりと穏やかにおやすみくださいね』
『ではでは、いい夢を。グッナイ…』
一日経ってもまだ私の頭はまるで整理がついていない。
次から次へと押し寄せる謎の数々に頭が焼き切れそうなほどの情報量。
変に昂ったような脳髄は、なかなか冷め切らない。
……今、あいつはどうなのだろうか。
感情が情報をシャットアウトし、獣のように直情的な反応を示していた美琴。
その熱はこの夜風の中でも冷めていないだろうか。
……近づくことが怖い。
その熱に、肌が灼き切られてしまいそうだから。
その刃に、皮膚から肉まで貫かれてしまいそうだから。
その憎悪が、再び私に向けられてしまいそうだから。
……でも、向き合うことが出来るのは私だけ。
纏わりつく責任が、鉛のように重たい。
「……クソが」
手に持ったドアノブは、もっと重たい。
- 149 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/27(水) 22:10:53.86 ID:zxi6pPCO0
- -------------------------------------------------
【第2の島 ドラッグストア】
「なんでこんなとこにいんだよ……」
今まで通り、自分の体を痛めつけるような特訓に打ち込んでいればまだ良かった。
鬱憤やストレスを感じる時間が勿体ない。
気を沈めている余裕があるなら、それも全部練習に注ぎ込む。
緋田美琴とは、そういう人間だったはずだ。
なぜ、こんなところで薬品の吟味などしているのだろうか。
「……手ェ離せ!」
「ルカ……!?」
不意をついてその手から薬品をひっぺがした。
プラスチックの瓶は手を離れて落下しても割れることはなく、コロコロと転がってラベルが目に入る。
「コトキレルX……劇薬じゃねえか」
- 150 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/27(水) 22:11:36.08 ID:zxi6pPCO0
-
「……ルカには、見られたくなかった」
「私だって、見たくねえよこんな美琴」
顔を背ける美琴を、下から無理やり覗き込む。
その表情は、これまで見てきたどれとも違う切迫したもの。
「お前……本気で浅倉透を殺す気なのか……?」
「……」
「お前も聞いただろ? あいつはコピーだ、それにこっちに敵意はない」
「そんな話、ルカは信じるの?」
「だから本当のことかどうかは確かめてみないことにはって何回言わせんだよ!」
七草にちかの亡霊は、なおもしぶとい。
美琴の瞳はあの時と同じくワインレッドに揺れていて、私の言葉にも耳を貸していない状態だった。
「……退いて!」
私の体は強引に右手で突き飛ばされた。
背丈は私よりも10cm以上高い美琴、その体格差の前に私話す術もなく尻もちをつく。
「あ、おい! 美琴!」
冷たい床の上、走り去っていく美琴の背中を見送ることしかできなかった。
- 151 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/27(水) 22:12:25.54 ID:zxi6pPCO0
- ____
______
________
=========
≪island life:day 18≫
=========
-------------------------------------------------
【ルカのコテージ】
キーン、コーン…カーンコーン…
『えーと、希望ヶ峰学園歌姫計画実行委員会がお知らせします…』
『オマエラ、グッモーニンッ! 本日も絶好の南国日和ですよーっ!』
『さぁて、今日も全開気分で張り切っていきましょう〜!』
あの後、棚を確かめたが薬品が持ち出された形跡はなかった。
私がすんでのところで止めたコトキレルX、あれ以外には手もつけていなかったらしい。
危ない淵だったのだとホッと胸を撫で下ろす。
だがきっと、この危ない淵は終わってなどいない。
美琴は何度も何度もその際に立ち、少しでも風が吹けばそこから落ちてしまう。
その手を掴んで、こっち側に引き戻さねばならないのに美琴は何度もその手を振り解く。
「クソ……病みそうだ」
……まるで、以前までの私だ。
美琴との解散を皮切りに勝手に自分の中で歪んだ感情を募らせて、接触という接触を拒んで認知も歪ませた。
他の誰の言葉にも耳を貸さず、自分だけが正しいんだと自己暗示をかけた。
要は、終わっていた。
私は美琴にそんな風になって欲しくない。
美琴は誰よりも華々しいステージが似合う女だ。
眩いばかりのライトの中で汗を散らし、声を枯らし、踊る姿に目を奪われる。
あいつが着るのは血に塗れた真紅のドレスなんかじゃなくて、スパンコールを散らしたステージ衣装だ。
「……チッ」
面倒、見てやらねーと。
- 152 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/27(水) 22:13:57.61 ID:zxi6pPCO0
- -------------------------------------------------
【ホテル レストラン】
透「おはよ」
ルカ「……ん」
透「元気ないね」
お前のせいだ、と言ってやりたいがグッと飲み込んだ。
こいつはこいつなりに大変な時期、下手に背負わせたくない。
適当に誤魔化して、すぐに自分の席に逃れる。
智代子「あれから一生懸命思い出そうとはしてみてるんだけどね、全然思い出せないんだ……樹里ちゃんと凛世ちゃん……二人に何があったのか」
雛菜「雛菜もサッパリです〜、もう幼なじみでは雛菜しか残ってないって言われても実感もないですし〜」
透「ごめん、私もそれは聞かされてなかったから」
(そういえば浅倉透は、私たちの失った記憶に関して『忘れたままの方がいい』とか言ってたが……)
(その割に、前回のコロシアイが明らかになってなお焦る様子はない)
(あいつが言っていた失った記憶ってのは、これのことじゃねえのか……?)
(それなら他に何を忘れてるってんだ……?)
そのまま私たちは例のコロシアイについて話し合いながら食事を口に運んだ。
実感のない喪失、食事との噛み合わせはあまりいいもんじゃないな。
ここ最近、食うメシがあまり美味しくないのは気持ちの持ちようなんだろう。
少なくとも、隣の空席が埋まらない限りは私も食事を楽しむ余裕はない。
- 153 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/27(水) 22:16:13.00 ID:zxi6pPCO0
- -------------------------------------------------
【ルカのコテージ】
美琴と一緒に飯を食うようになったのも、そんなに前の話じゃない。
千雪に強引に連れられての会食を発端に、以降は一緒に食事をするようになって数日。
たったそれだけの期間、島に来る前の孤独な食事の方が圧倒的に回数も時間も上なのに、もうそれでは落ち着かない体になってしまった。
水槽の中のヤドカリをつつく。
海水浴場から連れてきたこいつは、ずっと一人。
この狭い空間の中に押し込められて、仲間とも切り離されて、孤独の中で生き、そして死んでいく。
「……悪いな」
それでも逃してやれないのが、人間のエゴだ。
孤独から引き戻された時の執着が、この水槽の蓋を外させない。
こいつを逃してしまうと、また孤独になるような気がしてしまう。
「……美琴」
【自由行動開始】
-------------------------------------------------
【現在のモノクマメダル枚数…25枚】
【現在の希望のカケラ…27個】
1.交流する【人物指定安価】
2.モノモノヤシーンに挑戦する
3.自動販売機を使う
4.休む(自由時間スキップ)
↓1
- 154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/27(水) 22:29:21.83 ID:jG4XawVu0
- ちょこ
- 155 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/27(水) 22:34:55.86 ID:zxi6pPCO0
- 1 智代子選択
【第4の島 バイキング】
智代子「あれ、ルカちゃん? どうしたの、観覧車を満喫中?!」
ルカ「この面がそんな様子に見えるかよ」
智代子「あはは……どうやら違いそうだね……」
ルカ「それよりお前こそどうしてここに居んだよ」
智代子「いや……このアトラクションの身長制限を聞きつけまして、検証のために訪れたんですが……」
智代子「ホントに私じゃ乗ることができませんでした……ガックシ」
(……確かにこいつちっせえよな)
中学生と大差ない身長のくせして、やたら気丈にふるまう甘党女。
あまりこうして二人で話をするような機械には恵まれなかったが……せっかくだ。
今回はちょっと付き合ってやるか。
-------------------------------------------------
‣現在の所持品
【ジャバの天然塩】×2
【ファーマフラー】
【新品のサラシ】
【希望ヶ峰の指輪】
【ジャバイアンジュエリー】
【ユビキタス手帳】
【オスシリンダー】×2
【多面ダイスセット】
【家庭用ゲーム機】
【携帯ゲーム機】
【マリンスノー】
【蒔絵竹刀】
【ジャパニーズティーカップ】×2
【絶対音叉】×2
【七支刀】
【神の砂の嵐の角】
【壊れたミサイル】
【クマの髪飾りの少女】
【バール】
【オカルトフォトフレーム】
プレゼントを渡しますか?
1.渡す【所持品指定安価】
2.渡さない
↓1
- 156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/27(水) 22:35:38.75 ID:jG4XawVu0
- 新品のサラシ
- 157 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/27(水) 22:45:52.75 ID:zxi6pPCO0
-
【新品のサラシを渡した……】
智代子「こ、これは……サラシ……」
ルカ「……」
智代子「ジャパニーズ・切腹に使う奴だよね……?」
ルカ「いや、それだけじゃねえと思うけど……」
智代子「……凛世ちゃんなら、使い方も詳しいんだろうな」
ルカ「……」
(まあ、普通の反応か……)
-------------------------------------------------
智代子「ルカちゃんってすごくかっこいいよね! なんだかうちの事務所にはいない、クールさ……とも違ったかっこよさ!」
ルカ「……」
智代子「……ル、ルカちゃん? どうしたの、そんな睨みつけるような……わ、私何かまずいこと言っちゃった……?」
……こいつだって、内心それどころじゃねーはずだ。
ユニットの最年少、核ともいえる存在を失って間もないのに、そのうえ頼りにしていた年上はあんなことになっちまって。
それでいて、他の仲間は……
ルカ「……いい、変に取り繕うな」
智代子「……!」
____とっくに死んでいた。
ルカ「……痛々しいんだよ、そういう素振り。今ここで生き残ってるやつに、そんな明るさなんてあるはずない」
ルカ「心に突き刺さったモンの裏返しだって言うことが、いやでも分かっちまうのが……こっちだってつらいんだよ」
智代子「……」
智代子「ごめんね、ルカちゃん。……あはは、私ったら弱いなあ……どれもこれも、辛くて、頭の整理がつかなくて……」
智代子「頑張らなきゃ、頑張らなきゃ……それだけで頭がいっぱいになっちゃってるのかも」
ルカ「……」
智代子「……本当は、今すぐにでも叫び出したいし逃げ出したいよ。でも、果穂は最後まで逃げなかったから」
1.お得意の甘いもんはどうしたんだよ
2.……乗るか、なんかアトラクション
↓1
- 158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/27(水) 22:48:42.34 ID:4cXG/IBv0
- 2
- 159 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/27(水) 22:56:32.10 ID:zxi6pPCO0
- 2 選択
甘党女の言葉が、耳にも辛くて私は気が付けば背を向けていた。
反対に昇った太陽がまぶしくて思わず手で瞼の上を覆う。
ルカ「……とりあえず、出るぞ」
智代子「え、ルカちゃん……?」
ここから立ち去りたいと思った。
この太陽が照り付ける子の地面は妙に熱くて、立っていられない。
身体と本能は、涼しさを求めた。
焼ききれそうな脳を、覚ますための涼しさを。
ルカ「このアトラクションじゃ身長制限、かかっちまうんだろ?」
智代子「……!?」
ルカ「……小学生も、小金持ちも……どっちも守りたいもののために最後まであいつらはあいつらを貫いたんだ」
ルカ「だとしたら……それにお前が報いるんだったら、笑顔を振りまくアイドルってのを貫くのも生き方の一つだと思う」
ルカ「……それが、自分自身の力で難しいなら……環境を借りろ」
ルカ「私が言いたいのはそれだけだ」
智代子「……ル、ルカちゃんらしからぬ甘いチョコのようなお言葉……!!」
ルカ「……るせー、あんま言うと私は帰るからな」
智代子「ああ、ごめん! ごめんねルカちゃん!」
そこからは甘党女とアトラクションをいくつか梯子。
コーヒーカップにメリーゴーランド、どれも私の趣味じゃあねえが……まあ、悪くはなかった……かもな。
-------------------------------------------------
【親愛度が上昇しました!】
【浅倉透の親愛度レベル…6.0】
【希望のカケラを手に入れました!】
【現在の希望のカケラの数…28個】
- 160 :おそらくこの安価でおしまいです ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/27(水) 23:00:56.02 ID:zxi6pPCO0
- -------------------------------------------------
【ルカのコテージ】
部屋に戻ってもあの間の抜けたメロディが頭から抜けなかった。
とぼけた世界に無理やり引き込もうとする、あの押しつけがましい夢の世界。
そこに浸るなんてこと、生まれてこの方避けてきた節すらある。
あんなので元気を取り戻す、なんてそれこそ夢物語じゃないのか。
そう思っていた。
いや、もちろんそれにほだされたわけではないし、私が得たのは疲労感だけだ。
慣れないことはするべきじゃない、それは間違いない。
ただ……
『ありがとう、ルカちゃん!』
「……ハッ」
元気を得られる人間は、確かに存在することは、学ぶことができた。
経済とは、マネージメントとは、どうやらそういうことらしい。
【自由行動開始】
-------------------------------------------------
【現在のモノクマメダル枚数…25枚】
【現在の希望のカケラ…28個】
1.交流する【人物指定安価】
2.モノモノヤシーンに挑戦する
3.自動販売機を使う
4.休む(自由時間スキップ)
↓1
- 161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/27(水) 23:03:38.58 ID:jG4XawVu0
- 夏葉
- 162 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/27(水) 23:11:02.75 ID:zxi6pPCO0
- 夏葉選択となったところで本日はここまで。
次回は4/28(木)21:00〜再開予定です。
それはお疲れさまでした。
- 163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/27(水) 23:15:00.98 ID:jG4XawVu0
- 乙です!
- 164 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2022/04/28(木) 02:43:33.22 ID:xhThQAmo0
- VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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- 165 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/28(木) 20:59:10.70 ID:7IvLQWSG0
- 【第1の島 空港】
夏葉「……あら? ルカ、どうしたの、こんなところで」
ルカ「……流石に遠目でもお前がいるかどうかはすぐ分かるな。金属光沢が眩しいぞ」
夏葉「ふふっ、ありがとう。毎朝磨いて手入れをしている甲斐があるわね」
ルカ「……それよりお前こそ何の用だよ」
夏葉「ロケットパンチはもう一度見せたでしょ? あれを再度装填するために使える燃料があればいいと思ったのだけど……どうやらあては外れたみたいね」
ルカ「まあ、ここのは全部ハリボテだからな」
……そんなこと、こいつ自身もわかっていただろうに。
アンドロイドに作り替えられて、うまいこと機能していない……わけじゃあるまいし。
-------------------------------------------------
‣現在の所持品
【ジャバの天然塩】×2
【ファーマフラー】
【希望ヶ峰の指輪】
【ジャバイアンジュエリー】
【ユビキタス手帳】
【オスシリンダー】×2
【多面ダイスセット】
【家庭用ゲーム機】
【携帯ゲーム機】
【マリンスノー】
【蒔絵竹刀】
【ジャパニーズティーカップ】×2
【絶対音叉】×2
【七支刀】
【神の砂の嵐の角】
【壊れたミサイル】
【クマの髪飾りの少女】
【バール】
【オカルトフォトフレーム】
プレゼントを渡しますか?
1.渡す【所持品指定安価】
2.渡さない
↓1
- 166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/28(木) 21:07:50.56 ID:jq56BIj90
- 1 【壊れたミサイル】
- 167 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/28(木) 21:16:58.86 ID:7IvLQWSG0
- 1 選択
【壊れたロケットを渡した……】
夏葉「こ、これは……本物の、ロケットなの……?」
ルカ「みたいだな、見ての通り錆びついちまってるから使えたもんじゃねえけど」
夏葉「物騒ね……ひとまず預かっておくわよ」
ルカ「え? お、おう……」
夏葉「なるほど、オーパーツのようなものなのかしら……」
ルカ「……何をそんなに見てんだよ」
夏葉「……調べてみる価値はあると思うの、ここに記された歴史、そして干からびた時間」
夏葉「もしかすると、私たちにとって何かプラスなものになるやもしれないじゃない?」
(まあ、普通に喜びはしたか)
-------------------------------------------------
こんな言葉をかけるべきじゃない。
それは流石に私でもわかっている。
こいつはこいつの選んだ道に後悔などしていない、むしろそれを誇りに思ってすらいるだろう。
でも、その妙に金属光する体を見ると、こう呟かずにはいられない。
ルカ「……お前、人間に戻りたくないのか」
夏葉「ルカ、よしてちょうだい。そんな現実離れした夢を口にするなんてあなたらしくないわ」
ルカ「……でもよ、今のお前の体に元々のお前だったパーツなんて何一つ残ってない……そんなの、お前_______」
夏葉「今の言葉、透の前で口にするのは控えてちょうだいね」
ルカ「……!」
夏葉「私は選択を後悔しない。あの時動いていなかった方が後悔をしていたし、それに今はみんなを守るだけの力を手に入れた」
夏葉「断言できるわ、私がこの姿になったのは正解だと」
流石はアンドロイドと言ったところだろうか。
覚悟を示すその仁王立ちは、人間のそれ以上に全くと言っていいほどに微動だにしない。
体に通うものの違いが、その両脚に確かな根を張らせていた。
でも、その芯は私たちのよく知るものと同一だ。
信念という言葉が、称するにはふさわしい。
夏葉「でもね、やっぱり人間の体のほうがよかったことだってあるの」
ルカ「……」
夏葉「人間の時には当たり前だったことでも、今の私ではそうじゃない」
夏葉「そのことに切なさを感じなくはないわ」
1.飯が食えねえのは辛いよな
2.飲み物が飲めねえのは辛いよな
↓1
- 168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/28(木) 21:19:44.45 ID:5OeIe0Kt0
- 1
- 169 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/28(木) 21:29:11.55 ID:7IvLQWSG0
- 1 選択
ルカ「そりゃそうだよな……飯が食えねえなんて、人生の楽しみも何割減だっつー___」
夏葉「いえ、そうじゃないわ。この体には味覚もあるのよ?」
ルカ「えっ……?」
夏葉「エネルギー炉で燃焼して自家発電をおこなっているの、体外充電以外にも動力源として確保できるのよ!」
ルカ「すげーテクノロジーだな……」
夏葉「私が困っているのは、汗をかけないことよ」
ルカ「汗……? んなもん、かかないほうがいいだろ」
夏葉「何を言っているのルカ! 汗は代謝の証明のようなものよ。あれがあるからこそ運動をしている意味がある、汗がなきゃそれは運動といえないの!」
ルカ「はぁ……?」
夏葉「同じ文脈で筋肉痛も欲しいところよね、あなたも覚えがあるでしょう? 激しいトレーニングをしたはずなのに翌日に筋肉痛が来ないとかえって不安になる現象」
ルカ「あー、それはちょっとわかるかもな……」
夏葉「私は常にそれなの……その意味では生きている実感に乏しい、と言えるかもしれないわね」
ルカ「そこまでいうか?!」
夏葉「人間は運動あってこそ、そうでしょう?」
ルカ「言わんとすることはわかるけど……」
汗をかくだのなんだの、熱血っぽいことからは無縁な私には理解に苦しむ話だった。
でも、それを語るこいつは真剣に悩んでいる様子で……それだけに胸が痛む部分もあった。
……汗、筋肉痛か。
あって当然と思えるものが突然なくなるのは確かに怖い……かもな。
-------------------------------------------------
【親愛度が上昇しました!】
【有栖川夏葉の親愛度レベル……9.0】
【希望のカケラを手に入れました!】
【現在の希望のカケラの数…29個】
- 170 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/28(木) 21:33:27.42 ID:7IvLQWSG0
- 【ルカのコテージ】
身体を動かして、それに起きる反応で初めて確かな実感を得るってのはなんというか、あいつらしいというか……
どっかで聞いたような話なんだよな……
それにしても、汗や筋肉痛がないと落ち着かないってのはなんか言い方は悪いがマゾヒストじみてるような……?
ルカ「……くッ、ハハッ」
やっぱり283の連中はおかしなやつしかいねーのな。
【自由行動開始】
-------------------------------------------------
【現在のモノクマメダル枚数…25枚】
【現在の希望のカケラ…29個】
1.交流する【人物指定安価】
2.モノモノヤシーンに挑戦する
3.自動販売機を使う
4.休む(自由時間スキップ)
↓1
- 171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/28(木) 21:36:21.23 ID:iDW/96Zv0
- 1.冬優子
- 172 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/28(木) 21:47:30.73 ID:7IvLQWSG0
- 1 冬優子選択
【第3の島 病院】
ルカ「……冬優子」
冬優子「……あんたってなんでこういっつもタイミングが悪いワケ?」
私の姿を見るなり冬優子は露骨にその顔をしかめた。
来てほしくないタイミングだったんだろう、すぐに不機嫌な表情は向こうを向いた。
でも、拒絶の言葉は吐かない。
ただ無言のまま廊下を眺めて、立ち尽くしている。
私はそれを合図と受け止め、冬優子の近くの椅子に腰かけた。
私の隣に彼女が座り込んだのは、そこから数分後の事だった。
-------------------------------------------------
‣現在の所持品
【ジャバの天然塩】×2
【ファーマフラー】
【希望ヶ峰の指輪】
【ジャバイアンジュエリー】
【ユビキタス手帳】
【オスシリンダー】×2
【多面ダイスセット】
【家庭用ゲーム機】
【携帯ゲーム機】
【マリンスノー】
【蒔絵竹刀】
【ジャパニーズティーカップ】×2
【絶対音叉】×2
【七支刀】
【神の砂の嵐の角】
【クマの髪飾りの少女】
【バール】
【オカルトフォトフレーム】
プレゼントを渡しますか?
1.渡す【所持品指定安価】
2.渡さない
↓1
- 173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/28(木) 21:51:50.62 ID:iDW/96Zv0
- 1.【ユビキタス手帳】
- 174 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/28(木) 22:05:06.31 ID:7IvLQWSG0
- 1 選択
【ユビキタス手帳を渡した……】
冬優子「……あんたってどんな教育受けてきたの?」
ルカ「開口一番に失礼すぎんだろ……」
冬優子「いや、褒めてんのよ……そんななりしてプレゼントのセンスが結構いいのが謎すぎて」
冬優子「変にフリフリのもん渡されるよりこういう実用的なもん渡されるほうがこっちとしても助かんのよ。立場上悩みも多いし、整理つけたいことも多いから」
ルカ「……苦労人だな」
冬優子「そんな任務背負うつもり全くなかったのにね、ほんといい迷惑だわ」
【PERFECT COMMUNICATION】
【いつもより親愛度が多めに上昇します】
-------------------------------------------------
冬優子「……この前は、悪かったわ。ふゆも虫の居所が悪くて、あんたに当たっちゃった」
ルカ「……え? おう」
冬優子「……なによその生返事」
ルカ「いや、冬優子に謝られるのはなんかしっくりこねーっていうか……悪いのは私だろ?」
冬優子「あんたは口下手なりにふゆを励まそうとしてたじゃない、何が悪いってのよ」
ルカ「……」
冬優子「……ふゆはね、ずっと苛ついてんのよ。口ばっかで偉そうに、ふんぞり返るしかできない挙句……誰も守れない」
冬優子「そんなふゆ自身に」
冬優子「……あんたの言葉は、その事実を改めて突き付けて来たわ。ふゆが愛依を殺したって」
ルカ「そんなつもり……」
冬優子「分かってる。ふゆの曲解だって」
冬優子「でも……無理なのよ、あいつが恨むとか恨んでないとか、そういうんじゃないの……」
冬優子「ふゆが、ふゆ自身が何よりも自分のことを恨んでるんだから……!」
この姿は、前にも見たことがある。
明かりの落ちた部屋の中、シンクの前で髪を乱雑に掻き揚げて目元を力強く抑え込んで、奥歯を食いしばっていたあの姿。
美琴とユニットを解散した時の、あの夜の_____鏡に映っていた私の顔だ。
他に責め立てるものが見つからず、自らののど元にナイフを突き立ててている。
そんなかつての私が再び目の前に姿を現した。
(どうすれば……どうすればいい……)
(今の私が……冬優子のために、何を……)
1.冬優子を突き飛ばす
2.自らの手首をカッターで切る
↓1
- 175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/28(木) 22:13:56.38 ID:jq56BIj90
- 1
- 176 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/28(木) 22:33:30.70 ID:7IvLQWSG0
- 1 選択
ドン!!
思考はまとまっちゃいなかった。
目の前でくしゃくしゃになっていくそれを、何とか止めたくて、どこかに逸らしたくて。
声よりも先に、音よりも先に、脳が電気信号を走らせていた。
冬優子「……痛っ……ちょっとあんた何を……」
そして、感情がすぐにそれに追いついた。
ルカ「気持ち悪い真似してんじゃねーよ! てめェがナヨって何になるんだ……!!」
冬優子「は、はぁ……!? なんて言いぐさよ、それ!」
ルカ「何がちげーんだよ! 自分だけ傷ついてればそれで満足か!? ちゃんとお仲間の死に目を向けてる証拠だからって自分を慰められるもんな!」
ルカ「でも、そんなの……何にもならねーんだよ……!! 自分を傷つけたって、その傷を誰かが見てくれるわけじゃない……扉を開けて出て行かねえと……見てほしいやつにも届かねえって……そう、三峰結華に教えたばっかじゃねえのかよ……!?」
冬優子「でも、その結華は死んじゃったのよ……!?」
ルカ「知るかそんなこと!」
冬優子「あ、あんた……いい加減に____」
ルカ「てめェのくだらねえ自慰行為に他人の死を利用してんじゃねえ!!」
ルカ「見てると私がイライラしてくんだよ……ウジウジウジウジ……同じとこで足踏みばっかしてよ……!!」
ルカ「アイドルで輝きたいとか抜かすんだったら、ステップの一つでも刻んでみろよ……冬優子!」
口から出た言葉を確かめているその間も肩の息は収まらなかった。
全身を走る沸騰した血液、その熱は中々醒めそうにもない。
やけに力のこもった眼球が、へたり込んだ冬優子をずっと睨みつける。
冬優子「……生意気」
冬優子「どの口下げてそんなこと言ってんのよ……あんたが一番、ウジウジしてんでしょうが……」
冬優子「一度うまくいかなかったからって、緋田美琴との間で軋轢が生じるの、もうトラウマになってんでしょ? いつまでそんなくだんないことに拘ってんのよ」
冬優子「他人を利用して自傷行為で悦に浸ってんのはあんたもでしょ!」
ルカ「てめェ……!!」
冬優子に返される言葉はまさに図星。
鋭いナイフが今度は自分に向けられて、抵抗することもできず胸に深く突き刺さった。
- 177 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/28(木) 22:34:18.05 ID:7IvLQWSG0
-
お互いが血を流しあった醜い顛末。
それを締めくくるような綺麗な仲直りという終幕も用意されてはいない。
お互いがまだ熱を帯びる中、冬優子はやをら姿勢を直して背をむける。
冬優子「……はぁ、くっだんない。こんなヘラってる二人組で口喧嘩なんてこの世で一番生産性のない口喧嘩よ」
ルカ「……」
冬優子「……でも、あんたの言う通りかもしれないわね」
冬優子「ふゆは……責任に言い訳して、その檻に閉じこもってるだけ、なのかもしれない」
冬優子「……本当は、何も向き合っちゃいないのかもしれないわね」
冬優子は私の目の前を後にした。
私の中のイライラはまだ収まるところを知らない。
それはきっと冬優子だってそう。
しかし……ただフラストレーションで終わらせてしまうには、この熱は少しだけ胸の空くような感覚を帯びていた。
-------------------------------------------------
【親愛度が上昇しました!】
【黛冬優子の親愛度レベル…10.5】
【希望のカケラを手に入れました!】
【現在の希望のカケラの数…30個】
- 178 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/28(木) 22:35:28.99 ID:7IvLQWSG0
- -------------------------------------------------
【ルカのコテージ】
キーン、コーン…カーンコーン…
『えーと、希望ヶ峰学園歌姫計画実行委員会がお知らせします…』
『ただいま、午後十時になりました』
『波の音を聞きながら、ゆったりと穏やかにおやすみくださいね』
『ではでは、いい夢を。グッナイ…』
夜が島を満たす頃、私は頭を抱えてベッドの上。
日中ずっと行動していたのに、美琴の影すら見ることがなかった。
今の美琴を一人にするわけにはいかない。
それなのに、今の美琴の行動はまるでわからない。
練習に打ち込むその背中ばかり追いかけ続けた代償が今になって降りかかる。
緋田美琴という人間の内面の奥底を、もっと覗いておくべきだったんだろう。
だが、後悔先に立たずとはよく言ったものだ。
なってしまったからには状況を受け入れて、その上でできる行動を。
とにかく今は足を動かして、目を凝らす他ない。
この島のどこかにいるはずの、美琴を捕まえるために。
- 179 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/28(木) 22:36:36.21 ID:7IvLQWSG0
- ________
______
________
=========
≪island life:day 19≫
=========
【ルカのコテージ】
キーン、コーン…カーンコーン…
『えーと、希望ヶ峰学園歌姫計画実行委員会がお知らせします…』
『オマエラ、グッモーニンッ! 本日も絶好の南国日和ですよーっ!』
『さぁて、今日も全開気分で張り切っていきましょう〜!』
成果ゼロが齎した疲労はいっそう重たく、そしてしつこい。
一晩眠ったところで抜けることはなく、むしろ胸中にずっしりとした悪感情を募らせる。
ほとんど一晩探し回り、諦めて部屋に戻ったのは時計が三時を回る頃。
ジャバウォック諸島は今解禁されているだけでも5つも島がある。
その中で一人の人間を探し出すなんて到底容易なことじゃない。
姿を隠そうと思えば、どうとでもなる。
美琴が私の目を避けるようにしているのは、もはや火を見るよりも明らかだ。
殺意を膨らませた、次の段階に進んでいるような予感。
焦燥感で思わず肌がピリついた。
「……飯食ったら、すぐに探しにいくか」
- 180 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/28(木) 22:37:46.79 ID:7IvLQWSG0
- -------------------------------------------------
【ホテル レストラン】
孤独な食事をしていた頃はどこへやら、もうすっかりレストランでの食事はルーティン化してしまった。
今日も一日美琴を追うための原動力を確保する、そう当然のように考えてレストランに足を踏み入れた。
……だが、その『当然』は『突然』に脅かされることとなる。
恋鐘「ない、ない、ない〜〜〜〜〜〜!!!!」
ルカ「ど、どうした……フライパンとフライ返しなんか振り回してよ」
恋鐘「緊急事態、エマージェンシーたい〜〜〜〜〜!!」
ルカ「だから、その中身を教えろって。まるで話が見えてこねーぞ」
恋鐘「ルカ、落ち着いて聞いて欲しか……!」
ルカ「お、おう……?」
- 181 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/28(木) 22:38:31.71 ID:7IvLQWSG0
-
恋鐘「朝ごはんの材料が、一つも残っとらん〜〜〜〜!!」
- 182 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/28(木) 22:40:10.33 ID:7IvLQWSG0
-
ルカ「……はぁ?」
恋鐘「レストランの厨房に、いつもやったらパンも卵も野菜も補充されとるはず! やけん、今日もみんなの分作っちゃろ〜って思って行ったのに……」
恋鐘「なんも……アスパラ一本すら残っとらんかったと!!!」
ルカ「……マジか」
雛菜「へ〜? それじゃ今日は朝ごはんないんですか〜?」
あさひ「え〜、嫌っすよ〜! 恋鐘ちゃんの朝ごはん、すごくおいしいのに〜!」
夏葉「材料がないなんて妙ね……今までも毎日ちゃんと補充されていたんでしょう?」
ルカ「ハッ、犯人なら分かりきってんだろ」
智代子「……ええっ?! な、なんでルカちゃん、私に疑いの眼差しを?!」
智代子「ち、違うよ?! 違うからね?! 流石に人数分も食べきれないし……そもそも材料から食べないよ?!」
ルカ「まあ……それもそうか」
冬優子「しかし変ね……ふゆ、昨日の晩にコーヒー飲みに来たけど、その時は材料も全部あったわよ?」
透「誰かが持ち出した感じですか」
恋鐘「うちは頻繁に出入りするからよく知っとるけど、とても一人で持ち出せる量じゃなかよ? 食べ切れる量でもなか!」
あさひ「……なんか、嫌な予感がするっす」
ルカ「……おい、まさか」
- 183 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/28(木) 22:41:10.59 ID:7IvLQWSG0
-
バビューン!!
モノクマ「突撃隣の朝ごはん! どうもモノクマです!」
ルカ「やっぱりてめェの差し金か……!」
恋鐘「モノクマ、朝ごはんの材料をどこに隠したばい! 一日3食ちゃんと食べんと元気が出んし、困るばい!」
智代子「そうだそうだ! 私たちには食事の自由があります! 権利を主張します!」
モノクマ「クックックッ……随分と食欲オーセーなことで、いかにも育ち盛りって感じだね!」
冬優子「意味のわからない悪戯はさっさとやめてちょうだい。食い意地のはったコイツもさっきからうっさいのよ」
あさひ「お腹すいたっす〜!」
雛菜「このままじゃ雛菜たちのお腹と背中がくっついちゃいますよ〜」
モノクマ「うぷぷぷ……いいねえ、食欲という欲望を剥き出しにして、醜い獣のようだよ。でも、まだまだ足りないかな」
ルカ「はぁ? なに訳のわかんねーこと言ってやがんだ」
モノクマ「はぬ? これでも意味がわからないと?」
夏葉「……!」
智代子「夏葉ちゃん、どうしたの?」
夏葉「私の電子回路が最悪の試算を弾き出したの……モノクマが私たちに何かをけしかけるとき、これまでのデータから考えてみても行きつく結論はただの一つよ」
智代子「そ、それってもしかして……!?」
- 184 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/28(木) 22:41:54.39 ID:7IvLQWSG0
-
モノクマ「そう! 今回ボクがオマエラに提示する動機は【コロシアイが起きるまで食事抜き】の学校規則だよ〜!」
- 185 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/28(木) 22:43:16.05 ID:7IvLQWSG0
-
ルカ「……マジかよ」
モノクマの動機の悪意は加速度的に増している。
記憶を奪ったという事実で不安を煽り、その失われた記憶の中から更なる恐怖を引きずり出す。
かと思えば感染症で身の危険をチラつかせ、いよいよここまで来た。
食事なんてものはもはや生物としての根源的な営み。
この星に生きる者は例外なく須らくが経口での栄養補給を必須としている。
それを剥奪してしまうことの残酷さは誰にでも一瞬で理解できる。
モノクマ「流石は【令和最新版】最先端アンドロイド LEDディスプレイ残量表示 新規設計デザインモデル 快適な使用感 【高出力パワー充電】の有栖川さんだよね! すぐに結論を導き出せちゃうんだもん!」
恋鐘「ちょ、ちょっと待たんね!? 食事ばのうなったら、身も持たん……絶望病ん時とはわけが違うばい!」
モノクマ「人間って食事を摂らなくても水だけで二週間は生きていけるって言うでしょ? まあ栄養失調で搾りかすみたいな姿にはなっちゃうかもしれないけど、それでもお仲間を手にかけるよりはマシなんじゃない?」
あさひ「本当に、食事は一切なにも無いっすか?」
モノクマ「モチのロン! レストランの食材は当然の事、スーパーマーケット、ビーチのモノモノヤシーン、牧場の家畜などなど……口に入れられるものはぜーんぶ没収させてもらいました!」
透「今、もう結構お腹空いてるんだけど」
雛菜「雛菜も昨日は夜食もしてないから既にペコペコ〜……」
モノクマ「飽食の時代に生まれた若者たちに喝を入れる! うんうん、これもまた教育だよね! オマエラがステーキを口に運ぶその瞬間にも地球の裏側では泥水を啜る子供たちがいる……食事のありがたみを改めてよく知るいい機会になると思うんだ!」
ルカ「食事を取り上げるのとはわけが違うだろが……!」
- 186 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/28(木) 22:44:30.90 ID:7IvLQWSG0
-
間違いなく、過去最悪の動機だ。
絶望病とは次元が違う。この島に生きる全員が一気に自分自身の命を懸けたチキンレースに参加させられるも同然。
体力も衰弱していき、判断能力も低下していく中で、否が応でも自分の本能的な欲望と他人の命とを天秤にかけさせられる。
ここまでくると、もはや殺人を強制されているも同然だ。
モノクマ「まあオマエラが今所持しているものに関しては無理くり取り上げはしないから、しばらくはそれで食いつないでから考えればいいんじゃないっすかね?」
智代子「そ、そんな無責任な……!」
モノクマ「ちなみに殺人が起きるまで食事提供の一切を行わない、このことを譲歩する気は微塵もないから理解しておいてよね。ルールは厳格に守らないと意味がないからね!」
夏葉「……あなた、本気なのね」
モノクマ「うぷぷぷ……オマエラがどこまで自分の命を切り詰められるのか、確かめさせてもらうよ。それじゃあね!」
バビューン!!
モノクマはそのまま姿を消してしまったが、誰もモノクマを呼び止めたり、抵抗しようとしたりはしなかった。
そんなことをしても無駄であることはこれまでの暮らしで嫌と言うほど理解しているし、今は無駄なエネルギー消費はしたくない。
食事を行えないことの恐怖が、行動を強く縛り付ける。
- 187 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/28(木) 22:45:17.88 ID:7IvLQWSG0
-
ルカ「……クソッ、まずくねーか。流石に今回ばかりは……」
冬優子「とにかく無駄に体力を消費することは避けたほうがよさそうね。下手に動いて衰弱すると動けなくなるわけだし」
あさひ「……お腹すいたっすね〜」
智代子「あさひちゃん、我慢だよ……とにかく今は耐え忍ぶのみ!」
自分自身の腹もそうだが、私にとっての一番の懸念材料は美琴だ。
すぐに島の状況を見て理解はするだろうが、今の美琴は冷静な判断能力を有していない。
断崖の淵に立つあいつは、モノクマの動機によって今まさに強風に煽られている。
どうにかしないと、すぐに事は起きてしまうかもしれない。
ルカ「……一応、島を回って何か食えるものはねーか探してみるか。どうせ残っちゃいないんだろうけど」
夏葉「ええ……そうね。それなら私も協力するわ、今の私はアンドロイド……人間としての食事は必ずしも必要じゃない、体力の消費は私が請け負う」
ルカ「おう、頼むぞ」
冬優子「あさひ、あんたは部屋でじっとしてなさい。あんたすぐに腹空かすんだから」
あさひ「わたし、図書館で本読んでるっす。何もやることがないと空腹のこと考えちゃうし、別のことに集中してる方がマシっす」
ルカ「……なあ、お前もあんま部屋から出んじゃねーぞ」
透「……あー、うん。そうする」
雛菜「雛菜、しばらく透ちゃんの部屋に泊まってよっか〜? 一人でいるより、二人でいたほうが安心だよね〜?」
ルカ「おう、そうしてやってくれ。……こっちでも、どうにか動いてはみるけどよ」
……とは言ったものの、私もあいつを追いかけまわして体力を消費するのも望ましくはない。とんだ手づまりな状況になっちまったな。
- 188 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/28(木) 22:46:49.44 ID:7IvLQWSG0
- -------------------------------------------------
【ルカのコテージ】
「……あぁ、クソ」
朝飯を完全に食らうつもりでいたから、お預けを食らった分余計に空腹に気が向いてしまう。
腹の虫が喧しいことに苛立ちを覚えながら、時計を見た。
まだまだ一日が終わるには時間がある、別の事でもして気を紛らわせないことには私もこの空腹に思考が支配されてしまう。
「……適当に、時間を埋めてみるか」
【自由行動開始】
-------------------------------------------------
【現在のモノクマメダル枚数…25枚】
【現在の希望のカケラ…30個】
1.交流する【人物指定安価】
2.モノモノヤシーンに挑戦する
3.自動販売機を使う
4.休む(自由時間スキップ)
↓1
- 189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/28(木) 22:49:21.43 ID:iDW/96Zv0
- 1.冬優子
- 190 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/28(木) 22:53:24.98 ID:7IvLQWSG0
- 1 冬優子選択
【冬優子の部屋】
冬優子「……あんた、肝座りすぎじゃない? 昨日のがあってすぐ来る? 普通」
ルカ「普通じゃねえだろ、私も、冬優子も」
冬優子「……言えてる」
冬優子の言う通り、昨日の今日だ。
冬優子の顔を見るなりフラッシュバックする衝突と感情とが、途端に頬を熱くした。
その感情の所在は怒りなのだろうか、それとも……
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‣現在の所持品
【ジャバの天然塩】×2
【ファーマフラー】
【希望ヶ峰の指輪】
【ジャバイアンジュエリー】
【オスシリンダー】×2
【多面ダイスセット】
【家庭用ゲーム機】
【携帯ゲーム機】
【マリンスノー】
【蒔絵竹刀】
【ジャパニーズティーカップ】×2
【絶対音叉】×2
【七支刀】
【神の砂の嵐の角】
【クマの髪飾りの少女】
【バール】
【オカルトフォトフレーム】
プレゼントを渡しますか?
1.渡す【所持品指定安価】
2.渡さない
↓1
- 191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/28(木) 23:00:56.28 ID:iDW/96Zv0
- 1.【希望ヶ峰の指輪】
- 192 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/28(木) 23:16:28.24 ID:7IvLQWSG0
- 1 選択
【希望ヶ峰の指輪を渡した……】
冬優子「……」
ルカ「……」
冬優子「……」
冬優子「………………」
冬優子「………………………………………………………………ありがと」
【PERFECT COMMUNICATION】
【親愛度がいつもより多めに上昇します!】
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居心地の悪い静寂が続いて、もうどれだけ経っただろうか。
一応の気遣いから入れてくれた珈琲にも手付かずで、あれだけ主張の激しかった湯気すらもうほとんど観測されない。
冷め切るだけの時間はもう十分に経ってしまっていた。
冬優子「……前回あんたに謝ったの、結構後悔した。あんたはふゆのこと気遣って拙い言葉で励まそうとしてくれてたと思ってたのに、まさかあんな罵倒のされ方をされるとはね」
ルカ「……冬優子こそ、私と美琴のことであんな風に思ってたなんてな」
冬優子「まどろっこしいのはお互いもうやめにしましょ、今ふゆたちがお互いに求めているのは謝罪なんかじゃない。お互い腹の内をさらしたんだから、やることはただ一つ、そうじゃない?」
ルカ「……おう」
同族であることの因果は思ったより強烈らしい。
どれだけお互いを傷つけあっても、憎しみあっても、お互いの考えてしまっていることは分かってしまう。
冬優子の口にする、ただ一つの結末なんてのも、もう分かり切っている。
ルカ「絶交だな」
冬優子「当然、あんたと友達なんてやってられないっての。自分自身を見てるようで気持ちが悪いのよ」
ルカ「こっちもだ、目障りな存在がいなくなってせいせいする」
関係の清算。それしか行きつく先はなかった。
お互いこのままズルズルと負の感情を引きずったまま行くよりは、よっぽどマシ。
それぞれが目隠しをして、耳をふさぐことで穏便に事は収まる。
人間関係ってのはそういうものだって、私たちは痛いほどよく知っている。
- 193 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/28(木) 23:17:27.61 ID:7IvLQWSG0
-
冬優子「……」
ルカ「……」
……知って、いた。
- 194 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/28(木) 23:18:28.51 ID:7IvLQWSG0
-
冬優子「……何よ、さっさと出ていきなさいよ。まだ用事?」
ルカ「……いや、別に。そっちこそ、なんだよ人の顔をじろじろ見やがって」
冬優子「なんでもないわよ、もうその面二度と見せないでちょうだい」
ルカ「こっちこそ願い下げだっての」
それでも、脚は動かなかった。
感じる視線は変わらなかった。
時計の針が奏でる音も、耳には入ってこなかった。
聞こえてくるのは、二人の呼吸音だけ。
妙に昂る心臓が、リズムの早い呼吸をさせた。
それがすごく耳障りで、でも耳の穴を防ぐことはできなかった。
冬優子「……」
冬優子「…………」
冬優子「……………………ねえ」
それに先に耐え切れなくなったのは、冬優子だった。
- 195 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/28(木) 23:19:41.20 ID:7IvLQWSG0
-
ルカ「……」
冬優子「これ、ただの所感だから反応とか要らないけど。口喧嘩らしい口喧嘩、すごい久しぶりだったの。愛依もあさひも、他の連中も……口汚く罵るとか論外って感じで。あんな風にふゆを悪くいう奴、久しぶりに見た」
冬優子「小学校以来かしら、猫被ってるとか、いいカッコしいだとか。流石に罵倒のレベルもあのころとは大違いだけど」
冬優子「……気づいたのよね、あのころに比べると言い返せるようになってるって」
冬優子「同じ立場で、本気でムカついて喧嘩ができて……」
冬優子「それって、案外悪くないのかもって」
冬優子「……あんたと絶交出来て、楽しかった」
絶交と言う言葉を国語辞典で引いた方がいい。
そこにプラスのニュアンスなんて一つもない。
人と人の交わりを完全否定する言葉、それにどんな価値を与えるというのか。
本当にこいつは気分屋で自分勝手な女だと思う。
思わずその滑稽さに頬が緩んだ。
ルカ「お前、バカじゃねえの?」
冬優子「……はぁ?」
- 196 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/28(木) 23:20:44.01 ID:7IvLQWSG0
-
ルカ「そんなに楽しかったんなら、また絶交するか」
ルカ「何回も絶交して絶交して……そのたびに本音を言い合って、本気で罵倒して……そんで楽になる」
ルカ「私たちに求められてる関係って、友達だとかそんな下らねえもんじゃねえんだろ」
冬優子「……流石、同族さんはよくわかってるわ」
滑稽なのは、私もそうだった。
あの時感じた胸の空くような感覚。
それに早くもとりこになっている自分がいた。
親相手にも、美琴相手にも、あんなにぶちまけたことなんてない。
自分とそっくりの鏡だからこそ言えた言葉、聞けた言葉。
その不細工な言葉の数々がとても新鮮で、手放すには惜しいと思った。
私も大概に、自分勝手な女だと思う。
- 197 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/04/28(木) 23:21:46.01 ID:7IvLQWSG0
-
冬優子「お互い、利用しあいましょ。ストレスの発散先として」
自分勝手なもの同士、それを繋ぐのはエゴイズム。
あくまでこれは自分のため。
自分にとって都合のいい時間を過ごすためだけの、都合のいい関係。
そこに絆なんて生易しいものはないし、美談めいた話もない。
現実主義を練り上げたような紐帯は、かたむすびをしたように妙に強固だ。
ルカ「おうよ、そんじゃま……とりあえずのところは」
冬優子「ええ、今日の所は」
ルカ「絶交、しとくか」
冬優子「ええ、あんたなんか大っ嫌い」
ルカ「……ハッ、身の入ってねえ言葉だこと」
冬優子「……うっさい」
私たちの関係は変わった。
ただの他人が友達になり、絶交してまた真っ白に。
その白さに、愛おしさを感じるなんて……
_____そんな日が来るなんて。
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【黛冬優子との間に確かなつながりを感じる……】
【黛冬優子の親愛度レベルがMAXに到達しました!】
【アイテム:魔法のステッキを獲得しました!】
・【魔法のステッキ】
〔幼少期に冬優子が見ていたアニメのヒロイングッズ。可愛らしい効果音とともに夢と希望を振りまいたステッキは、誰にも愛される彼女自身のルーツ〕
【スキル:アンシーン・ダブルキャストを習得しました!】
・【アンシーン・ダブルキャスト】
〔学級裁判中誤答するたびにコトダマの数が減少する〕
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