真・恋姫夢想【凡将伝Re】5

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60 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2022/04/11(月) 21:29:52.49 ID:YHBPs/lJ0
「分かってるとも。兵站こそが軍の要さ。
 反董卓連合では袁家の私兵とその付属だったから、張紘を使えた。
 だが今回はそうじゃあない。漢朝の軍。流石に商人が介入したらまずかろうて」

反董卓連合、袁家以外は付属だったと言っていい。
本来は袁家単独でやれた戦(いくさ)だった。
言わば体裁を整えるために諸侯に軍を募ったのだ。それを分からぬ華琳ではない、が。
それでもここまで言えば腹も立とうものである。特に兵站自前でなんとかした勢力ほどね。
実際、華琳の放つ覇気的なものがやばい。ゴゴゴゴゴとか擬音がありそうなほどに。

「言うじゃない、二郎。
 いいじゃないの、乗ってあげましょう。
 で、この私を使おうというのだもの」

何か私が納得する事象があるのでしょうね――。

言外にそんなメッセージを浮かべるのはマジはおー(覇王未満)の器。

ちらり、と傍らの風を見るがすやすやと安らかな寝息を立てている。
つまりここまでは特に減点要素も破綻要素もないということ。
それに安心して静かに深呼吸。
カラカラの口内を冷めた茶――多分風が淹れた美味しいやつ――で潤してニヤリ、と笑う。

「兵站を華琳が運用するならば後方の憂いはなくなった。
 そしてこれは、これより始める戦(いくさ)さ。
 前哨戦と言ってもいいかもしらんが、やがてはこれが主戦となる日もくるだろう」

千年では足りない。もう千年重ねても足りないかもしれない。
所詮人とは石器時代からその本性は変わっていないのかもしれないから。
だが、時代は進み、戦場の在り方は変わっていくのだ。
そして俺が選んだ戦い。その前哨戦、つまり。

「つまりは、経済制裁というやつだ」

あの華琳が目を丸くし、訝しげな表情をする。
それでいい。華琳ですら咄嗟には理解できない概念。――張紘には渋い顔をされたけどな!
そして察したのだろう。華琳が柳眉を逆立てる。
まあ、やることは変わらん。即ち。

「――幽州全土を干上がらせる」

きっと、俺は地獄に落ちるだろうなあと思うのだが。

「風がどこまでもお供しますよ〜」

そ、と耳元で風がささやく。
寝息を立てていたはずのメイン軍師の言葉に救われた、と思ってしまうあたり、つくづく俺は小物だなあと思うのである。

それはそれとして、眉間に皺を寄せ、即答できない華琳を見れただけでも価値はあったなと思った。
いや、きっと何らかの形で倍返ししてくるとは思うけどね?
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