真・恋姫夢想【凡将伝Re】5

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406 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2023/10/16(月) 21:12:07.52 ID:Ev8kVMSl0
さて、洛陽への凱旋は盛大に果たされた。そりゃもう盛大であった。俺に関しては華佗のおかげで輿に乗ってという無様を晒さずに済んだことも大きい。なんとか騎乗して面目をほどこすことが出来た。五体満足というやつである。
まあ、今回の北伐では主役は星だしな!事前の風説の流布もばっちしである。そう、常山の昇り竜はついに国士無双となったのだ……。いや、立派になって……と本人に言ってやったら何とも言えない顔をした後、盛大につねられた。解せぬ。

まあ、そんなこんなでひと段落したと思った?残念。これからが本番!戦後についての綱引きが今始まるのだ……。いや、引き合うのは麗羽様と俺なのだけんども。

「改めてお疲れ様でした。二郎さん。
 見事北伐を果たされ、蜀と自称し、匈奴と野合する不埒な者どもを完膚なきまでに討ち果たす。
 まさに偉業。衛青や霍去病に並ぶ武勲と言っていいでしょう」

あ、はい。そういうことになってますね。その実は割とアレな感じなのですが。

「その武勲比類なし、と言う点ではあの華琳さんも同意しています。ええ。
 さて、一体全体どういう褒賞を与えれば征夷大将軍は満足してくれるのでしょうかね」

くすくす、と心底可笑しげに笑う麗羽様。実に可憐である。可愛い。
贔屓目なしにスペシャル美人さんだなあとぼんやり思う。

「ええと、それは置いといてですね。人事案についてご相談をば」

人事案件については司徒である俺の管轄なのだ。征夷大将軍という地位よりもある意味重い地位。
人事。つまり漢朝を左右する地位。
……ルーチンワークをしていないというのは、触れてはいけない。

「司徒に劉璋さんですか。権官ではなく正式な任官とするのですね。まあ、実質司徒府を仕切っていたのは劉璋さんですしね……。
 ええ。問題ないでしょう。三公の要となる地位。その血筋、人品。そして能力において彼女以上に相応しい方はいらっしゃないでしょうね」

うむ。司徒府を実質切り盛りしていたのは劉璋ちゃんだからな!
正式な任官。何の問題もない。何の問題もない!重要なことだから二回言ってみました!

「太尉には、夏候惇さんですか」

「ええ。白蓮はまあ、地固めということですね。此度の北伐、その責任の一端我にありとばかりに太尉の地位を辞する意向を内々に打診してきました。
まあ、白蓮ならば北方の最前線で匈奴の脅威については防ぐでしょうし。
そして次の太尉。名門夏候家。血筋の良さは折り紙つき。人品卑しからず、あれほどに竹を割ったような、そのですね。ええと。そう!汚職とかそこいらへんに縁のない人物もこのご時世においては珍しい!」

嗚呼、汚職まみれのどろどろであった宦官。その、間接的な縁者であるということを指摘されたらどうしよう!と割とヒヤヒヤしていたのだが。

「ええ、二郎さんが推挙するのですもの。そのように致しましょう」

素通り……、だと……。
こ、この信頼が重い……。

「えと。司空には引き続き華琳で。んでもって執金吾は星を充てようかと。
 それで、以上です」

「華琳さんならば妥当ですわね。それに執金吾、治安を司るのですもの。天下無双の趙子龍に、補佐として泣く子も黙る張遼が就くのでしょう?
 流石は二郎さんですわ。文句のない人事です」
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