真・恋姫夢想【凡将伝Re】5

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393 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2023/09/19(火) 23:25:18.19 ID:Q8SFlcn20
駆ける、駆ける、駆ける。
趙雲は赤い街道――赤煉瓦で舗装された街道の俗称である――を駆ける。
換え馬を併走させるのは如南大返し以来だろうか。
まあ、主君たる紀霊の愛馬たる烈風を借り受けているので、それなりに緊張感はある。
流石に長距離追撃に、趙雲の愛馬である白龍だけでは無理と踏んだ紀霊からの申し出であった。
蜀の軍勢、或いは群衆に突入してからも誰何(すいか)の声はない。
それも当然のこと。頭巾を深く、手には青龍偃月刀。
身元は保証されたようなものである。
だからこうしてゆっくりと羹(あつもの)を口にできるし、愛馬たちにもたっぷりと秣(まぐさ)と休息を与えることができている。
孫子曰くというやつだなと思いながら浅い眠りに身を委ねる。
なに、まだ慌てるような段階ではない。なにせ劉備とその伴侶たる御使いは民と共に歩を進めているらしいから。
そこは尻に帆で然るべきだろうと個人的に思うが、それができないのだろうなと推測する。
まあ、知ったことではない。
なにせ自分から志願した任務だ。果たさなければならない。
ぐびり、と手元の水を煽り。
そういえば酒精をここ最近口にしていないなと笑みを深めるのだった。
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