真・恋姫夢想【凡将伝Re】5

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355 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2023/08/14(月) 22:19:22.04 ID:x8Kt1Aqa0
◆◆◆

「じゃあ、行こうか」

 と言って現場に来たのだが、これはすごい。マジか。マジだった。

「おお、ほんとに単騎で踏ん張っているのだな」

関羽である。青竜偃月刀を構え、腰に差しているのは七星刀かな?
そして天下無双たる星は容赦なく、関羽に言の葉の連撃を浴びせかける。
早い、早いよ星ちゃん!いいぞもっとやれ!

「おお、愛紗。そのように単身立つのはみっともないな。いや、兵卒に見限られたというのであればそれはそれでいいのだが。
 にしても、夜鷹のように単身殿方を誘うのは如何なものと思うぞ。
仕える主筋の品位というものが、知れるからな」

ニヤリ、と挑発する星の言葉にも関羽は、その程度の挑発では身じろぎ一つしない。
黙然というやつである。

「この身は、ご主人様の武威の顕現。押し通るならば言葉は不要。千が万の軍勢であっても退けてくれよう」

 そして星は歩みを止めない。

「ほお、面白い。言ったな。吐いた唾、後悔させてくれよう。
思えば愛紗よ。武においてどちらが勝るか、結論はお預けだったな」

ゆらり、と星から気炎が昇るのを感じ。

「やめんか」
「む、主よ、なにをするか」

ぽこん、と星の形のいい臀部に軽く一撃を加えて俺は関羽に向かい合う。

「よお、久しぶりだな、関羽よ。息災そうで何より」

その言葉に関羽はくしゃり、と表情を歪める。決壊する。

「貴方は、貴方がいたから!貴方のせいで!」

フン、とばかりに関羽のそんな惰弱を切り捨てようじゃないか。
追いつめられた顔の彼女、狙い撃ちである。

「あぁ?お前のせいだろうが。お前が劉備を甘やかした。見過ごした。そうだろう?
 更には北郷一刀だ。天の御使いと名乗る匹夫さ!
 厄介ごとを持ち込みやがって!」

反論しようとした関羽を見て猪々子が叫ぶ。

「ふざけんな!ふざけんなよ!お前らが何をしたか!何をしたか分かってるのかよ!
 アタイにだって分かる。お前らは余計なことしかしてない!
 アニキがどれだけ頑張ってたか!それを台無しにして!あんとき、刺し違えても前に進むべきだったて後悔してるよ!」

今にも飛び出そうとする猪々子の背をぽん、と叩いて落ち着かせる。どうどう。

「で、だ。何か言いたいことはあったりするのかな?」

「……。
ここは通行止めです。他を当たってください」

その物言いにカチン、とくる。
いや、これで最善を尽くそうとしているのだろうけどさ。

「あ?なんつった?聞こえないな」
「ここは通行止めだ、と言ったのです」

ざわ、と殺気が立ち昇る。ニヤリ、と笑う星から。ハァ?と獰猛にその身を臨戦な猪々子から。くすり、と笑う斗詩から。無言の流琉から。

「まあ、そう言うなよ、どうせ分かっているだろう?抵抗は無意味さ。
 何せ、お前が守っている橋、それ無意味だからね」

「な、なにを言うのですか!
 その手には乗りませんよ!」

 まーね、普通だったらそうなんだけどね。

「関羽よ、君が幾日そこで粘れると想定しているか知らないが・・・。
 こちらには母流龍九商会という存在がいてね。
 申し訳ないが、数時間もあればお前の横に橋を架けることができるのだよ」

 今すぐにでも作業にかからせろという視線は割と、俺でも無視できんくらいの圧力なのよ?
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