真・恋姫夢想【凡将伝Re】5

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35 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2022/03/07(月) 21:55:54.40 ID:K6OXCmyW0
「大将!うちを北伐軍に推挙してくれへんか!」

ばたん。と扉を開け放って張遼は叫ぶ。曹家の会議、その本番。
息も絶え絶え、と言った様子。如何に彼女がここまで全力で駆けつけたか、というのが分かろうというものである。

「遅かったわね、いえ、ここは早かったと言うべきかもね。いずれにしてもアンタの席はないわ。北伐にて曹家から派するのは華琳様と秋蘭の二人。これは既に決まったことよ。
潔く諦めなさいな」

刺々しい台詞を張遼に投げつけたのは曹操の腹心。軍師たる荀ケである。
本来曹家のこれからを決めるこの会議に張遼の席は用意されてなかった。なぜならば、曹家の騎兵を遠隔地で鍛錬していたからだ。
ぶっちゃけ帰還を果たすとは曹家の誰も思っていなかったからである。それを知ってか知らずか。
張遼は吠える。

「アンタは黙っとき!うちは大将にお願いしとるんや!
 なあ、大将。一兵卒でもええんや。それでもええから北伐にうちを参軍さしてくれんやろか。
 あの阿呆!あのトンチキ娘に一発いてこましたらな気が済まんのや!
 うちは、うちはな。これで馬騰はんの最期を看取ったんや。
ほいで、馬騰はんの今際(いまわ)の際(きわ)の、あの言葉を!あの阿呆が!
 大将、頼むわ。うちはあの馬鹿娘に、いてこましたらんとほんま死んでも死にきれへん」

哀願の態で必死に頼み込む張遼。曹操はくすり、と笑う。

「あら、駄目よ霞。だって貴女。権官なれど……執金吾に任じられたのだからね」

その言葉に張遼は言葉を喪う。

「なん……やて……」

くすくす、と笑みを深めて曹操は言葉を連ねる。

「大出世ね、おめでとう。あの万夫不当の呂布と分けた、【一騎当千】こと趙雲の後釜よ。
 まさか、否(いや)とは言わないわよね?」

洛陽を乱した董卓の部将であった貴女には拒否権なぞないと、曹操はその笑み一つで示す。

「霞、悔しいのは貴女だけじゃないわよ?春蘭だってお留守番なのだから」

ただし、権官とは言え。太尉として、である。
その待遇、破格である。そして、気づく。

「そんなん……表も裏も、洛陽の軍権は大将のものってことですやんか……」
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