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真・恋姫夢想【凡将伝Re】5
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310 :
一ノ瀬
◆lAEnHrAlo.
[saga]:2023/05/29(月) 21:40:41.29 ID:8jMCmvSB0
◆◆◆
ぷはぁ、と吐息を一つ。
熱い吐息を続けて漏らして諸葛亮は続けて喉を炎に晒す。
その炎が意識を覚醒させてくれるのだ。
なるほど、火酒とはよく言ったものだ。その炎の明るさは日の光と同等に覚醒を助長してくれるのだ。
そして、柑橘の爽やかな香り。これは確かに段違いに飲みやすい。
馬良は流石だと思いつつ諸葛亮は目の前の書類に取りかかる。
意識を切り替える。蜀の丞相としての自覚。それは誰に言われるものでもない。
ごく自然なものである。
うずたかく積まれた書類に取りかかる。
半分は未決済書類。半分は書式の整っていない書類の修正確認。
これも馬良が身を尽くして整えてくれたものだ。
蜀は立ち上げて間もない未熟な組織である。
当然、官僚組織についても既存のものを流用するしかなかった。
多くの官僚は出奔したものの、その一部は残ってくれたのだ。
これは大きかった。
これこそ劉備の人徳、いやさ大徳の証明など思ったものだが。
だがしかし、その品質においては千差万別。もっと言えば質的には貧弱と言っていいだろう。
それを支えていたのは諸葛亮その人であると言っても過言でもない。
彼女は驚異的な処理能力を万全に発揮し、ありとあらゆる書類を最善な形で処理していたのだ。
流石に蜀という国家を運営するにあたっては、全てに目を通すことはできていなかったのだが。
ここにきて、それを整えてくれる存在がいる。いるのだ。
「おかわりですか?どうぞ」
苦笑し冷水を煽る。
甘い、果実の味わいと香りに癒やされる。
意識が広がる。指先まで、過不足なく動くのを感じる。
気力が満ちていく。
「お疲れであればお休みされた方がよいのでは」
そんな言葉。それすらも心地よく響く。
だが、それでも。
「そうもいきません。
ご承知の通り、劉家の戦況を支えるのは私達の献身なのですから」
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