他の閲覧方法【
専用ブラウザ
ガラケー版リーダー
スマホ版リーダー
BBS2ch
DAT
】
↓
VIP Service
SS速報VIP
更新
検索
全部
最新50
このスレッドは950レスを超えています。そろそろ次スレを建てないと書き込みができなくなりますよ。
【シャニマス×ダンロン】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 Part.2
Check
Tweet
394 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/03(木) 22:05:55.38 ID:cC0CFlEJ0
-------------------------------------------------
【ホテル レストラン】
レストランには既に大方の人間が集まっていたが、やはりあいつの姿だけは見えていなかった。
恋鐘「結華は今日もちょっと調子が悪かやけん、この会には参加できんらしいたい……食事は後でうちが運んでいくから、そいは気にせんとって!」
智代子「やっぱり結華ちゃん、相当堪えてるみたいだね……」
長崎女の報告を聞いて、黛冬優子はしきりにこちらに視線を送ってきた。
わかってるっての。こっちも頷いて合図を送る。
愛依「ノクチルの二人はずっと来てくれてないし、一人でも減っちゃうとやっぱ寂しいね……」
果穂「はい……結華さんにも早く元気になってほしいです……!」
あさひ「それならみんなで応援しに行くっすよ! わたし、この前スーパーで面白いもの___」
冬優子「はーいはい、後で愛依が見てくれるってー」
中学生が口を開いた瞬間に小金持ちが警戒を露わにした。
流石の黛冬優子、下手に刺激をしないように、そこのフォローは手早い。
395 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/03(木) 22:07:16.53 ID:cC0CFlEJ0
智代子「でも、実際どうしよっか。結華ちゃんナシはやっぱり寂しいよ」
夏葉「ずっとこのままというわけにいかないのも確かだけど……下手に干渉すべきじゃないのは確かよね」
(うっ……)
まるで自分のことを名指しされているかのように感じて、少しばかり胸が痛い。
美琴「彼女のことは彼女のこと、自分自身で克服するしかないんじゃない?」
ルカ「……まあ、それはそうだけどな」
果穂「はい! それならお手紙を書くのがいいと思います!」
夏葉「手紙……? 果穂、詳しく聞いてもいいかしら」
果穂「えっと、前に国語の時間のお話で読んだんですけど、カエルの友だち二人がけんかをしちゃうお話で……おたがいになか直りしたいのに、なかなかすなおに言えないから、お手紙をかいたんです」
果穂「お手紙だったら、直せつ顔を合わせなくても思いが伝えられるので、話す側も聞く側も、気持ちがちょっと楽になるかなって思いました!」
智代子「それ、すごくいいアイデアだよ果穂! 直接お邪魔しちゃうと負担になっちゃうかもしれないけど、手紙だったら喜んでくれるかも!」
(手紙、か……)
存外いい案が出たな、と感嘆していたが黛冬優子の反応はそうではなかった。
胸の辺りを抑えて、口元には緊張すら漂っていた。
私はそれとなく近づいて、その真意を問う。
396 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/03(木) 22:08:58.70 ID:cC0CFlEJ0
ルカ「……おい、どうした。何かまずいのかよ」
冬優子「……別にダメってわけじゃないけど……自分がへこんでるからって、あんな小さい子にまで気を遣った手紙を書かせちゃって、受け取った側はどう思うかしら?」
ルカ「……別に、素直に受け取ればいいんじゃねーのか?」
冬優子「……はぁ、分かんない? 『自分が迷惑かけてるんだ―』からはじまる自己嫌悪。ただでさえふさぎ込んでるんだから、ドツボにハマるときついわよ」
ルカ「おいおい、それじゃどうしろってんだよ。手紙をやめさせろってか」
冬優子「そんなことできるわけないじゃない、逆にあの子を悲しませることになるわ」
ルカ「……詰んでんじゃねーか」
冬優子「早いとこ荒療治が必要ね」
それは私に向けた返事というより、自分自身で確かめるための言葉だった。
自分の口から出た言葉を、その場で読み返すようにして、その手を顎先にあてた。
私に対する口ぶりこそ荒々しいが、こいつの思い悩んでいる様子は真剣そのものだ。
メガネ女を再起させることに対する熱意は本物らしい。
397 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/03(木) 22:10:33.47 ID:cC0CFlEJ0
だが、それを見ていると少しばかりの疑問もわいてくるというもの。
ルカ「……なんでユニットのメンバーでもないお前がそうまでして気にかけんだよ」
同じプロダクションの仲間だ、という理由だけではないように思った。
ユニットでもない相手のことに普通首をうんうん捻ってまで時間を当てるだろうか。
こいつには、それだけでない他の理由があるはずだ。
私が確信の下たずねると、なんだか返答に詰まりつつ、あいまいな答えを返した。
冬優子「それは……その……同族だからよ」
ルカ「ど、同族……?」
同族、という言葉の意味は測りかねたが、それ以上の追及は断るという様子で黛冬優子は離れて行ってしまった。
その反応はどこか照れくささを滲ませているようにも思え、ますますあいつのことがわからなくなった。
ルカ「……はぁ」
本当にあいつと協力して、なんとかなるのだろうか。
398 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/03(木) 22:12:18.82 ID:cC0CFlEJ0
-------------------------------------------------
【ルカのコテージ】
メガネ女を引きずり出す、そうは決めたもののどうもやりづらい。
千雪が私にしたような強行策はかえって逆効果、小学生の手紙のような歩み寄りも追い詰めてしまう可能性がある。
一筋縄ではいかないその歯がゆさに思わずため息が出る。
「……そう考えると、私はまだ単純な方なのかもな」
部屋の水槽を忙しなく動くヤドカリを指でつついて、言葉を零した。
【自由行動開始】
-------------------------------------------------
【現在のモノクマメダル枚数…107枚】
【現在の希望のカケラ…24個】
1.交流する【人物指定安価】※透、雛菜を除く
2.モノモノヤシーンに挑戦する
3.自動販売機を使う
4.休む(自由時間スキップ)
↓1
399 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/03(木) 22:12:56.81 ID:sTW8kTND0
夏葉
400 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/03(木) 22:20:52.80 ID:cC0CFlEJ0
1 夏葉選択
【第1の島 ホテル 夏葉の部屋】
時間をつぶしに島をぶらつくかと部屋を出たところで、箱を大事そうに抱えて歩く小金持ちの姿が目に入る。
何やらガチャガチャと機械同士がぶつかりあうような音、近づいてみるとその箱の中には例のドローンが詰め込まれていた。
ルカ「お前、これ……」
夏葉「ええ、昨日の探索で見つかった危険因子よ。……念には念を、私の目の届くところで管理しておきたいの」
ルカ「んなこと、そういえば言ってたな。……重たくねーか?」
夏葉「ふふっ、ご心配には及ばないわ。それなりに自分の体の鍛え方には自信があるのよ?」
部屋にドローンを持ち込むところにたまたま出くわし、別に手伝うでもないがそのまま流れで時間つぶしに一緒に過ごすことになった。
……そういや、こいつと過ごしたことってそんなにないな。カロリーを使いそうな相手だが、大丈夫か……?
-------------------------------------------------
‣現在の所持品
【ココナッツジュース】
【ジャバの天然塩】
【ひまわりの種】
【エプロンドレス】
【新品のサラシ】
【オスシリンダー】
【メスシリンダー】
【トイカメラ】
【ドライビングニトロ】
【蒔絵竹刀】
【絶対音叉】
【七支刀】
【バール】
プレゼントを渡しますか?
1.渡す【所持品指定安価】
2.渡さない
↓1
401 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/03(木) 22:22:08.67 ID:sTW8kTND0
ドライビングニトロ
402 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/03(木) 22:33:21.10 ID:cC0CFlEJ0
【ドライビングニトロを渡した……】
夏葉「こ、これは何!? ルカ!?」
ルカ「うおっ……急にでけー声出すなよ……なんか、数十年前にはやったガキのおもちゃらしいぞ。車のシュミレータみたいなことができる……まあ、ごっこマシーンだな」
夏葉「ルカ、あなた素晴らしいわ! 私が車好きと知っていたうえでのプレゼントの選択……センスが光っているわね!」
ルカ「いや、知らねーけど……」
夏葉「ふふっ、有栖川の名に懸けてこの車も乗りこなして見せるわよ!」
(妙に気に入られてしまった……)
【PERFECT COMMUNICATION】
【親愛度がいつもより多めに上昇します!】
-------------------------------------------------
ルカ「はぁ……29……はぁ……30……」
(お、おかしい……なんで……なんで私はこいつの部屋で、腕立てさせられてんだ……?!)
こいつと過ごすことにしてから、ものの数分と経っていないはずだ。
それなのに私は苦悶の表情で床とにらめっこしながら腕をプルプルと振るわせながら息を荒げていた。
そのすぐ横で、ストップウォッチ片手に私を見つめる小金持ち。
カウントが一区切りしたところで、私にタオル片手に寄り添った。
夏葉「お疲れさま、流石ルカ……私の見込んだ通り、よく鍛えられているのね!」
ルカ「あ? お、おう……」
夏葉「痩身ではあるものの、芯がしっかりとしていてぶれていない。それでいてパフォーマンスの迫力と勢いは一級品。やはりインナーマッスルが育っていたのね。普段からトレーニングは欠かさないのかしら?」
ルカ「いや……別になんもしてねーよ」
本当に私は何も特別なことはしていない。
日々の『斑鳩ルカ』としてのパフォーマンスの練習、それと……あいつの隣に立つための特訓だけだ。
あいつの水準が余りにも高いので、その特訓の副産物で体が育っていたのだろうと自分では納得した。
ただ、それを別のやつに語るほど私はおしゃべりな人間でもない。それ以上は口を噤んだ。
ルカ「お前、そんなに人の身体に興味あるのか?」
夏葉「ええ、もちろんよ。人間の身体はその個人個人によって違う。もちろん生まれ育ったものもあるけれど、後天的に培われた筋肉や脂肪などはその人の人生を形作る重要な要素でもある。それがよく磨き上げられているということは、それだけその人の歩んできた人生がひたむきなものだったことの証左」
夏葉「ルカ、隠したところで私にはわかるわ。あなたがどれだけストイックな人生を過ごしてきたかということはね」
(……こいつ)
1.お前って美琴と相性よさそうだよな
2.その言葉はそっくりそのままお前に返す
3.自由安価
↓1
403 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/03(木) 22:36:11.36 ID:ysy8bXIg0
1
404 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/03(木) 22:39:47.51 ID:sTW8kTND0
夏葉、美琴、千雪のお姉さん組が一緒にレッスンするコミュ見たい
405 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/03(木) 22:47:08.43 ID:cC0CFlEJ0
1 選択
ルカ「お前って、美琴と相性よさそうだよな」
夏葉「あら、あなたの目にはそう映ったのね」
ルカ「なんつーか、お前の話を聞いてるとあいつが被んだよ」
美琴とコンビを組んでいた頃、あいつは私の生活にも口出しをしてくることがあった。
突き詰めれば結局『私の隣に立つ人間がそんなだらしのない真似をすんな』の文脈ではあったものの、あいつのストイックさが滲み出ているような気がして、
そのアドバイスが妙にこそばゆかったのを覚えている。
今のこいつから感じているのはそれに近しい感覚だ。
ルカ「ストイックなところっつーか、時にこっちを見透かしたようなことを言ってくるとこっつーか……まあお前は美琴より数倍暑苦しいけどな」
夏葉「そうね……美琴とは通じるところを私自身感じる部分もあるわ。最近ではレッスンで一緒になることも多いからよく私から美琴に指導を乞うているのよ」
ルカ「あーそうですか……」
(なるほどな……美琴のやつが前よりも妙に人間くさいのはこいつを筆頭とした周囲の連中の影響があってか……)
夏葉「美琴は私よりもアイドルとしての歴も長い……体の洗練され具合も事務所の中では別格ね」
ルカ「へぇ……そうなのか」
夏葉「一切無駄がないんだもの。もはや芸術品としての領域……私の目指すところでもあるわ」
ルカ「ハッ、お前まで美琴と同じになったら事務所なのか美術館なのかわかんなくなっちまうな」
夏葉「ふふっ、ルカも冗談を言うのね」
美琴の283での在り方……少しだけ垣間見えたような気がする。
それに、なんだか事務所の他のやつに評価をされているってのは私としても鼻が高い。
また、話くらい聞いてやってもいいかもな。
-------------------------------------------------
【親愛度が上昇しました!】
【有栖川夏葉の親愛度レベル…2.0】
【希望のカケラを入手しました!】
【現在の希望のカケラの数…25個】
406 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/03(木) 22:50:51.80 ID:cC0CFlEJ0
-------------------------------------------------
【ルカのコテージ】
「はぁ……美琴といい、小金持ちといい付き合わされる人間の身にもなってみろってんだ」
すっかり汗だくになってしまってシャツも体にべったりとくっついていて、帰るなり速攻でシャワーを浴びた。
朝飯を食って間もないってのに、どこからあの種族の人間は動くだけの活力が湧いてくるんだ?
いや、朝食をとってすぐだから……か。
随分と稼働効率がいい身体をしているもんだなと息をつく。
既に体は若干疲れているが、流石に寝るにはまだ早い。
それに、今夜はかなり神経を使うであろう例の『説得』も待っている。
「寝てる場合じゃねーよな……」
【自由行動開始】
-------------------------------------------------
【現在のモノクマメダル枚数…107枚】
【現在の希望のカケラ…25個】
1.交流する【人物指定安価】※透、雛菜を除く
2.モノモノヤシーンに挑戦する
3.自動販売機を使う
4.休む(自由時間スキップ)
↓1
407 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/03(木) 22:56:36.97 ID:sTW8kTND0
ふゆ
408 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/03(木) 23:03:22.21 ID:cC0CFlEJ0
1 冬優子選択
【第1の島 砂浜】
冬優子「……何よ、このガラクタ……こんなのダメに決まってんじゃない……」ブツブツ
ルカ「……何やってんだ、お前」
冬優子「ひゃうん!? ……何よ、あんたか……びっくりさせないでよ」
ルカ「いや、知らねーけど……何をこんなところでぶつくさやってんだよ」
冬優子「別に、あんたに関係ないでしょ」
ルカ「いや今夜お前と一緒にカチコミかけんだろーが……」
とはいえ大体こいつが何をしようとしてたかは察しが付く。
とっさに隠したせいで不格好になっているプレゼントの山。
出来るだけ触れられないようにしているこいつの態度……
これは多分、メガネ女に渡す物でも見繕ってたんだろう。
ルカ「……はぁ、まあいいや。今晩の作戦会議でもするか?」
冬優子「え……え、ええ……そうね、そうしましょうか」
……それに触れるほど、野暮でもない。
-------------------------------------------------
‣現在の所持品
【ココナッツジュース】
【ジャバの天然塩】
【ひまわりの種】
【エプロンドレス】
【新品のサラシ】
【オスシリンダー】
【メスシリンダー】
【トイカメラ】
【蒔絵竹刀】
【絶対音叉】
【七支刀】
【バール】
プレゼントを渡しますか?
1.渡す【所持品指定安価】
2.渡さない
↓1
409 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/03(木) 23:09:04.21 ID:bIuzdG8eO
ココナッツジュース
410 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/03(木) 23:18:09.15 ID:cC0CFlEJ0
【ココナッツジュースを渡した……】
冬優子「へぇ……あんた案外気が利くのね、いいチョイスよ」
ルカ「あ? ただこっちはあまりもん渡しただけなんだけどな」
冬優子「じゃあ、いいこと教えたげるわ。いい? ココナッツはカリウムが豊富に含まれてるの。このカリウムはデトックスにも効果的で、むくみの解消にも役立つわけ」
冬優子「あんたが意図せず渡したこの『あまりもん』は美容グルメとしては高得点。いいプレゼントだったわよ」
ルカ「なんでそんな偉そうなんだよ……」
冬優子「せいぜい今後の役に立てなさい、そんなんじゃ乙女心はつかめないわよ」
ルカ「私も女だろが……!!」
【PERFECT COMMUNICATION】
【親愛度がいつもより多めに上昇します!】
-------------------------------------------------
ルカ「さて、この後メガネ女を引きずり出す例の計画についてなんだが……」
冬優子「……」
ルカ「実際、どうなんだ。なにをすればあいつに届くんだ?」
これは私自身の義務にも関係する話。千雪が生前下した命令、それの遂行のためには必要不可欠なタスク。
だが、私は一度完全に下手を打っている。見よう見まねで千雪をまねたところで、私にはその資格がなかった。
踏み越えてしまった一線は、いわゆるタブーだったらしく、強い拒絶の前に私は言葉を失って、何一つとしてしてやれなかった。
そんな私を仲間に抱き込んで、黛冬優子は。
冬優子「さあね……どうしたもんかしら、ったく」
ルカ「の、ノープランなのか!?」
冬優子「当たり前でしょ……ふゆも流石に仲間と死別した相手を励ますなんて経験したことないんだから。その場その場でどうにかするしかないでしょ」
ルカ「よくお前そんなで私を誘ったな……」
冬優子「ノープランなのはあくまで説得の段階に移っての話。あんたを仲間にしたのは明確な意図があっての事よ」
冬優子「……前も言ったけど、あんたは本音を口に出す辛さをこの島で一番よく知ってる人間。ふゆと、三峰結華とおんなじでね」
そういえば今朝がたこいつはメガネ女を指して同族と言っていたか。
その真意はいまだ測りかねているが、その一端は言葉の節に見て取れた。
冬優子「ま、あいつが本音を出せるように……ふゆたちも本音をぶつけてやりましょ、それが一番でしょ」
ルカ「適当だな……」
冬優子「ちょうどよく合うほうの、『適当』ね」
1.どっからそんな自信がわいてくんだ
2.本当にできんのか……?
3.自由安価
↓1
411 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/03(木) 23:24:21.50 ID:bIuzdG8eO
1
412 :
一旦離席します
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/03(木) 23:34:59.49 ID:cC0CFlEJ0
1 選択
ルカ「……ったく、どこからそんな自信がわいてくんだよ。説得の文言の一つも用意しないでよ」
冬優子「さあね、ふゆも不思議なもんだわ。まあ、アドリブには職業柄慣れっこだからかしらね」
ルカ「アドリブ?」
冬優子「ええ、どっかの誰かさんがステージ上でよく無茶をするから。自然とアドリブもうまくなるわ」
(……あいつのことか)
冬優子「……それにね、飾り立てた言葉なんかよりももっと届く言葉があるってことふゆはよく知ってんのよ」
冬優子「等身大の心からの言葉……なんて言ったら綺麗ごとかもしれないけど、ふゆは何度もそれに救われてきた。お節介な直情野郎の言葉でね」
ルカ「……?」
冬優子「……コホン。まあ、いい。ノープランだとは言ったけど、あんたがあの子に伝えたい言葉……想い。それぐらいはなんとなく考えておいて」
冬優子「今のあの子はそう簡単には響かない……その覚悟もしておいてちょうだいね」
ルカ「……おう」
……どこまでも不器用なもんだ。
これだけ私相手に余裕ぶった態度をとっているが、その震えは隠せていない。
メガネ女の感情に正面からぶつかっていくという、どうなるかの予測もつかない、前例すらない挑戦。
それを前にして不安を隠しきることはできなかった。
でも、その虚勢を咎める気も毛頭ない。
こいつの気持ちは痛いほどよくわかる。美琴の前に立つときにも、ずっと同じ衝動を感じていたのが私だ。
……今夜は、長い夜になりそうだな。
-------------------------------------------------
【親愛度が上昇しました!】
【黛冬優子の親愛度レベル…2.5】
【希望のカケラを入手しました!】
【現在の希望のカケラの数…26個】
413 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/03(木) 23:43:19.47 ID:cC0CFlEJ0
-------------------------------------------------
【ルカのコテージ】
キーン、コーン…カーンコーン…
『えーと、希望ヶ峰学園歌姫計画実行委員会がお知らせします…』
『ただいま、午後十時になりました』
『波の音を聞きながら、ゆったりと穏やかにおやすみくださいね』
『ではでは、いい夢を。グッナイ…』
夜も深まり、一息ついて床につこうかという時間帯。
だが、私は寝るつもりなど毛頭ない。今夜は黛冬優子とメガネ女の元で事を起こす予定なのだ。
スーパーから箱で持ってきたエナドリを飲んで眠気をぶっ飛ばして、ベッドの上で膝を貧乏ゆすりさせながらその時を待っていた。
ピンポーン
こちらはなんだかずっと落ち着かず、アナウンスの前から待機していた。待ちかねた来訪といったところですぐに扉を開放した。
ガチャ
ルカ「……よう」
冬優子「あら、早いわね。そんなにふゆが来るのが待ち遠しかった?」
ルカ「バカ言ってんじゃねえよ、こっちは結構前からスタンバってたんだよ。てめェもさっさと来い」
冬優子「あんたも結構短気なタチなのね。短気結構、事をなすにはせっかちぐらいでちょうどいいわ」
ルカ「……ハッ」
特に黛冬優子は悪びれる様子もなく、私の前で手をひらひらと振ってついてくるように促した。
数日前までの猫をかぶっていた頃を思うと、本当にこの面の皮の厚さは信じ難いものがある。
414 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/03(木) 23:45:08.64 ID:cC0CFlEJ0
-------------------------------------------------
【ホテル 結華のコテージ前】
ルカ「……一体何分そうしてるつもりなんだよ」
黛冬優子に連れられてメガネ女のコテージ前まで来て、幾数分。未だに私たちはメガネ女の顔を拝むことができずにいた。
冬優子「う、うっさいわね! ちょっと待ちなさいよ、こっちにも準備ってもんがあんでしょうが!」
……こいつがインターホンを押すのを妙に躊躇うせいで。
ルカ「私の部屋のインターホン押す時にも毎回そんな時間かけてたのか?」
冬優子「そんなわけないじゃない……誰があんたなんかに緊張すんのよ」
ルカ「あんたなんか、っつー物言いはこの際目をつぶるとして。お前緊張してんのか?」
冬優子「は、はぁ?! 誰が緊張なんか……」
ルカ「いや、今自分で言ったんだろ……」
415 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/03(木) 23:45:46.69 ID:cC0CFlEJ0
確かに言われてみれば口元は変に吊り上がっているし、肩も妙に強張って力が入っている様子だ。
ずっと強い口調で話す女だが、心臓は人並みらしい。
こいつが感じている緊張というのも私には理解できた。
今からこいつがやろうとしているのは、自分の殻に閉じこもってしまったやつを無理やり引き摺り出すための交渉。
そいつが自分でも無自覚のうちに仕舞い込んでしまった感情をほじくり返すために私たちはここにいる。
ずっと本音を隠してきた二人が、他の人間の本音を聞き出そうと言うのだ。
そりゃ緊張もするし不安にもなる。
だから、私は黛冬優子を責め立てはしなかった。
ボタンの前で指を止めてしまうのも、ため息を何度も繰り返しては顔を上げて数秒後にまた下げるのも、その逡巡には理解ができたから。
ルカ「……」
ピンポーン
冬優子「えっ、ちょっ、あんた?!」
まあ、それとは別にインターホンは押すが。
416 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/03(木) 23:47:51.70 ID:cC0CFlEJ0
ルカ「いつまでもうだうだ言ってても仕方ねーだろ、ほらさっさと腹括れ」
冬優子「にしても方法ってもんが……」
「「……」」
冬優子「……反応ないわね」
ルカ「まあ、これも想定の内だろ。他の連中との交流を拒んで自分の部屋に閉じてるやつが一発で部屋に入れてくれるんだったら苦労しねー」
ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン
冬優子「あ、あんた……こういうとこは見た目通りね」
ルカ「荒療治っつったのはそっちだろ」
ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン
冬優子「……出ないわね」
ルカ「心配すんな、出す」
ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピ
417 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/03(木) 23:48:48.06 ID:cC0CFlEJ0
ガチャ
結華「もうっ何!? 誰……!?」
ルカ「おっ、出た出た」
結華「ル、ルカルカ……? それに、ふゆゆ……!?」
冬優子「……こんばんは、元気そうね」
私のインターホン鬼の連打にとうとう痺れを切らしたのかメガネ女が半ばキレ気味に姿を現した。
だが、私と黛冬優子の姿を見てすぐにその表情は曇った。
招かれざる客、ということらしい。
418 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/03(木) 23:49:50.18 ID:cC0CFlEJ0
冬優子「……ポストの、見た?」
結華「ポスト……?」
どうやら小学生たちの書いた手紙は読むどころか存在にも気づいていなかったようだ。
ポストがパンパンになっているのを見て驚いているあたり、どうやら本当にこのコテージから出ずに閉じこもっているらしい。
結華「……あはは、ホント心配かけちゃってるよね。何やってんだか」
冬優子「……そう思うなら顔の一つくらい見せなさいよ」
結華「……ごめんね、ふゆゆ」
冬優子「ふゆに謝られても困る」
結華「……えっと」
どこか緊迫した空気が張り詰めて、思わず唾を一つ呑んだ。
荒療治、とは言ったが別に𠮟責しに来たわけではないはずだ。
だが、実際顔を突き合わせてみると黛冬優子はメガネ女の様子に多少の苛立ちを感じずにはいられないらしい。
明らかに語気の強い言い方に、思わず仲裁に入る。
ルカ「待て待て、もうちょっと順序ってのがあるだろ。メガネ女がビビってんじゃねーか」
冬優子「……! そ、そうね」
419 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/03(木) 23:50:57.96 ID:cC0CFlEJ0
結華「……」
ルカ「……その、せっかくだ。一応菓子ぐらいは持ってきたから中で食わせてくれよ」
結華「……」
メガネ女は答えは返さず、後方の自分の部屋を覗いた。
部屋を全く出ない生活を送っていたんだ、その内部の惨状はなんとなく察しが付く。
……私も、美琴と解散した当初はそうだった。
ルカ「別に散らかってても気にしねーから」
結華「……わかった、ちょっとだけ片付けるから待ってて」
ルカ「……扉は開けたまんまな」
結華「う、うん……」
片付けの様子は覗かないと約束して、扉を手で開けたままにした。
結華「……入って」
メガネ女が私たちを部屋に入れたのは、その数分後だった。
420 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/03(木) 23:53:00.72 ID:cC0CFlEJ0
-------------------------------------------------
【結華のコテージ】
ルカ「……このポテトチップス、味付けはくどいけど案外いけんだぜ」
部屋には炭火焼ステーキ味のポテトチップスの香ばしいにおいが充満する。
酒なんかが欲しくなる味付けだが、一応二人はまだ未成年だ、今回はお預け。
つくづく面倒くさい。酒を使うことができたなら、もっと話も円滑に進んでいただろうにと思う。
酒の力でうっかり口を滑らせてしまう効用は私が実証済み、アルコールが進めばメガネ女の深く閉ざした心を開け放つその心ばかりの助けにもなっただろう。
冬優子「……ほんとね、いかにも体に悪いもの食べてますって感じの味だけど」
ルカ「そのジャンキーさがいいんだろ! ……美琴だったら一生食わないだろうけど」
結華「……」
メガネ女がまったく口を開かないので、私と黛冬優子がポテトチップスをつつくだけの無為な時間が過ぎていく。
さっきも言った通り、このポテトチップスの味付けは過ぎるほどにくどい。私と黛冬優子も、じきにその袋に伸ばす手は止まりつつあった。
お菓子がなくなると、この部屋に居座る名分もなくなってしまう。
……そろそろ、踏み込まないといけないんだろう。
421 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/03(木) 23:55:18.43 ID:cC0CFlEJ0
ルカ「……なあ、メガネ女。この前は悪かったな」
結華「……この前?」
ルカ「……ライブハウスで、お前の傷も癒えてないってのに田中摩美々のことをほじくり返すような真似して」
結華「……うん、気にしないで」
(『気にしないで』ってなぁ……)
人が変わったようなしおらしさに私も二の口が継げない。
謝りはしたのだが、メガネ女自身が田中摩美々の死を直視し、受け入れなければきっとこの状態は進展することはない。
さて、どうしたものか。千雪が私にやったように小学生と中学生に会わせてみる?
いや、黛冬優子が手紙を案じたように、きっとこれも逆効果なんだろう。
そもそも他人からの働きかけを受けること自体が、こいつにとっては負担になる。
結華「あ、あのさ……二人が来てくれたのは嬉しい、けど……これは自分で向き合わなきゃいけない問題だから」
ルカ「それはそうかもしれねーけど……お前は一人で向き合えんのか?」
結華「……」
ルカ「私には、お前がそんなに強いようには____」
そこで、黛冬優子が私の前に左手を出して制した。
どうやら私はまた危険な一歩を踏み出しかけていたらしい。
三峰結華の地雷原においてはこいつの方がよく見えているようだ。
私は出かけた言葉を慌てて戻して、一歩引くことにした。
422 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/03(木) 23:57:23.00 ID:cC0CFlEJ0
冬優子「……あんたね、いつまでそうやってるつもりなのよ」
先陣に立った黛冬優子はため息交じりにそう言い放った。
組んだ左腕を掴む右手、服には皺が寄った。
冬優子「自分の殻に閉じこもってれば傷つくことがないとでも思ってんのかもしんないけどね、あんたのその刺々しい殻のせいで傷ついてる人間だっていんのよ」
冬優子「月岡恋鐘はあんたが顔を見せなくなってからも隣にあんたが座る日を待ち続けて、料理だってあんたの大好物ばっかり作ってる。今あんたがやってるのは、その大事なお仲間に対する裏切りよ」
あえて黛冬優子は『裏切り』という言葉を使った。
それはメガネ女自身が今直面している信じがたい現実を象徴するような言葉だ。その言葉にはぴくりと眉を動かして、明確な反応を示した。
結華「裏切りって……ふゆゆはアンティーカがどんなユニットだったのかも分かってないでしょ、外部の人間が勝手に推し量って非難なんかしてこないでよ……!」
冬優子「そうね、一個もわかんないわ」
冬優子「____あの幽谷霧子がどうして人質をとったり、大崎甘奈を殺害したりしたのかなんかもふゆにはサッパリ」
423 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/03(木) 23:58:22.70 ID:cC0CFlEJ0
更に黛冬優子は詰めていく手を止めなかった。
ここまでくると私ももう言葉を挟み込むことは諦めていた、邪魔をしてはいけないと思った。
黛冬優子はこいつの地雷を見えたうえで、それに踏み込む覚悟を決めた。
そうしないと、言葉が届かない。捨て身の覚悟で踏み込んで、双方が共倒れになろうとも言葉を届けないといけない、そう判断したらしい。
結華「……ちょっと、それは流石にないでしょ」
メガネ女も黛冬優子の言葉には流石に不快感をあらわにした。
だが、その反応は織り込み済みだ。
冬優子「でも、三峰結華。あんたならそれが分かってあげられるんじゃないの? 今わかんないからって何なの、あんたは幽谷霧子の何を見てきたわけ?」
424 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/03(木) 23:59:35.84 ID:cC0CFlEJ0
結華「は、はぁ……!?」
冬優子「そりゃ人なんだもの、知らない一面、理解できない一面だってあるでしょうよ。でも、そこから向き合うのを逃げてちゃ、一生あんたは一人なのよ」
結華「……!」
冬優子「あんたがいっつも周りのために自分を押し殺したり、場を回すために苦心したりしてんのはふゆも知ってる。てか、見りゃわかんのよそんなこと」
冬優子「でも、それってあんたが他の人の気持ちや考えに人一倍敏感なことの証拠でしょ? あんたは他の人のことを理解して、歩もうとすることができる、それだけの強さを持った人間だってことなのよ」
それは黛冬優子でなければ言えない、言ったところで意味のない言葉だった。
メガネ女が常日頃から背負い込んでいる役目とその苦労、それは近くにいる者が気取ってはならぬものであり、他の人間から指摘するのも望ましくないもの。同じ苦労を背負うものでなければ、その言葉に裏打ちはない。
他の人間のために自分の考えや感情をベールに包みこんできた黛冬優子は、あの裁判ですべてを白日の下に晒した。
そして、三峰結華もそのありのままを自分の目で見た。
黛冬優子の言っていた『同族』、その言葉の意味を私はここでようやくつかんだのだ。
425 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/04(金) 00:01:11.15 ID:6V+DEOK70
____そして、黛冬優子はもう一歩踏み出した。
426 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/04(金) 00:02:26.16 ID:6V+DEOK70
冬優子「だから、あんたも信じなさい。あんたがそうしてるように、他の連中だってあんたの気持ちを分かろうとしてる、あんたに歩み寄ろうとしてんだから」
その一歩は軽やかで、まるで羽が落ちてきたように、ふんわりとした着地。
冬優子「……そのことに自信が持てないってんなら、ふゆが第一号になるから」
きっとこの一歩も彼女の地雷の上にあったはずだ、それでも……爆発は起きなかった。
冬優子「事なかれ主義の果てに『ふゆ』を演じ続けることになったふゆなら、あんたの理解者第一号にもうってつけなんじゃない?」
すっかり彼女の地雷は湿気てしまったようだ。
427 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/04(金) 00:03:37.45 ID:6V+DEOK70
結華「……ぷっ、あはは!」
冬優子「ちょっと、何笑ってんのよ」
結華「だって、三峰の理解者第一号なんて……Pたんみたいなこと言うから」
冬優子「……はぁ? あいつ、こんなくっさいこと言ってたわけ?」
結華「まあでも、理解者第一号は流石にもううちの家族が取ってるからちょっとふゆゆは遅いけどね!」
冬優子「あら、それじゃあ……第何号になるのかしら?」
結華「六……か七ぐらい?」
冬優子「微妙な数字ね」
指を折って数えると、あいつの言う『家族』がなんなのかはなんとなく察しがついた。
向き合うのが辛いだのなんだの言っていた割に、随分と自信満々じゃねえか。
……いやきっと、答えはずっと決まってはいたんだろうな。
ただ、それを解答として決めてしまうことが怖かった。そういうことなんだ。
428 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/04(金) 00:04:57.73 ID:6V+DEOK70
結華「はぁ、天下のアイドル黛冬優子にここまで譲歩されたんだったら、三峰もそろそろ動かなきゃだなー」
冬優子「そうよ、ふゆがここまで譲歩するなんてそうそうないんだから」
冬優子「ほら、明日から一緒に頑張ろう? ゆいにゃん♡」
結華「はわわ……こんなレス貰っちゃって、ファンとしては嬉しくも畏れ多い……」
冬優子「普通だったらCD何枚積んでもやったげないんだから、家宝にでもしなさい」
結華「じゃあ家宝用に一枚、撮ってもいい? ほら、ルカルカ撮って撮って!」
ルカ「あ? おう……まあ、いいけど……」
ルカ「……はい、チーズ」
笑顔がいけ好かねえ女だと思ってた。
軽妙なトークとその表情の裏には、何か算段が透けて見えるようで、距離を詰めているようでこちら側からは踏み込ませないような圧を感じていた。
それは決して間違ってはいなかったわけだが、いつまでもその色眼鏡のもとにこいつを見るのはどうやら不適切らしい。
カシャ
デジタルカメラのモニターに映ったその笑顔は、裏に何の考えもなく友情を見せびらかすみたいなバカ丸出しの表情だ。
429 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/04(金) 00:06:31.03 ID:6V+DEOK70
-------------------------------------------------
【ホテル 結華のコテージ前】
冬優子「サンキュ、あんたのおかげでなんとかなったわ」
ルカ「私は何もしてねー、ただポテチ持ってっただけだ」
冬優子「そうね、あのポテチもひどいもんだったわ。今でも口に味が残ってる」
ルカ「うっせ、だったら食った分返せ」
三峰結華の説得を無事成功せしめた私たちはコテージ前で労いをかけあっていた。
つくづく283プロの連中は強引すぎるしお節介すぎると思う。千雪にしかり、こいつにしかり、人との距離の取り方ってものをまるで知らない。
ちょっとの間も一人にしてくれないんだから、まるで気が休まらない。
冬優子「……ありがとね、ふゆ一人じゃこうはならなかった。それは本当」
ルカ「あ?」
冬優子「ふゆはあのインターホンを鳴らす勇気もなかったし、ヒートアップしたところを諫めてくれるやつがいなきゃ余計なことを口走ってたと思う」
(余計なことは割と言ってたと思うけど……)
430 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/04(金) 00:07:22.74 ID:6V+DEOK70
冬優子「……そこにいるだけで救われる人もいるってことよ」
ルカ「『救われる』、なんて……話してる相手が私だって分かって口にしてるんだとすれば相当に性格悪いな」
冬優子「あら、ふゆの性格はこの島でもピカイチにいいわよ?」
ルカ「ハッ……いい性格してんな」
勿論私の言う『いい性格』は皮肉だ。
それはこいつもわかってのこと、分かったうえでむしろ機嫌よくしたように高笑いしてみせた。
冬優子「あんた、結構話せんじゃない。見直したわ」
ルカ「ケッ、そんならケッコー」
こうして私と黛冬優子の共同戦線は幕を下ろすこととなった。
戦友たちは背を向けてそれぞれのコテージへと戻っていく。
もうこれで、私たちの関係も終わり。明日からは____
431 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/04(金) 00:08:21.18 ID:6V+DEOK70
冬優子「じゃ、また明日。朝、朝食会で会いましょ……【ルカ】」
432 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/04(金) 00:09:03.25 ID:6V+DEOK70
≪千雪「じゃあルカちゃんには、お友達を作ってもらおうかな」
ルカ「は、はぁ……?」
千雪「283プロのみんなともっと仲良くしましょう!」≫
(……ったく、しゃあねえな)
ルカ「おう、じゃあな……【冬優子】」
____友達同士、ってことらしい。
433 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/04(金) 00:09:47.34 ID:6V+DEOK70
という訳で本日はここまで。
次回更新は3/5(土)の22時ごろからを予定しています。
それではお疲れさまでした、またよろしくお願いします。
434 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/04(金) 00:18:01.64 ID:jJhX87iTO
乙です!!冬優子可愛かった
435 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/05(土) 21:58:04.03 ID:/22W6gE+0
____
______
________
=========
≪island life:day 13≫
=========
【ルカのコテージ】
キーン、コーン…カーンコーン…
『えーと、希望ヶ峰学園歌姫計画実行委員会がお知らせします…』
『オマエラ、グッモーニンッ! 本日も絶好の南国日和ですよーっ!』
『さぁて、今日も全開気分で張り切っていきましょう〜!』
ずっと私たちの前に立ち込めていた不安の薄靄は、少しだけだが晴れて行っているような気がする。
私たち以前に行われていたかもしれない、283プロ連中のコロシアイ、その真偽はいまだわかってはいないし、何の手掛かりもない。
だとしても、それにいつまでも囚われて足踏みするだけの時間は終わりつつある。
昨晩の冬優子との三峰結華の説得もうまくいった。
今日からはあいつも朝食会にまた顔を出すはずだ。
いなくなっていた人間が戻ってくる、それだけで沈んだ気分を取り戻す効用としては大きいものが見込める。
特に、あの長崎女。あいつの煩いまでの声量もきっと戻ってくるだろう。
さ、支度をしたらさっさとレストランに行くか。
436 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/05(土) 21:59:45.98 ID:/22W6gE+0
-------------------------------------------------
【ホテル レストラン】
レストランにつくと、待っていたのはここ二日顔を見せていなかった三峰結華だった。
あいつは前までと同じように、朝から気軽いしゃべり口で私を出迎え……
……はしなかった。
結華「ル、ルカルカ! ど、どうしよう……大変、大変なんだよ!」
ルカ「は、はぁ……? なんだよ、久々に参加してすぐに……なんか悪いもんでも食べたか?」
結華「う、うん……実はそうなんだよね」
ルカ「マジか……胃腸薬は呑んだのか?」
結華「ってそうじゃなくて! とにかくこっち、来て!」
説明しようにもできないといった感じで三峰結華はもどかしそうにしながら、最終的には私の手を引いてレストランの中に連れ込んだ。
別にレストランの中におかしなところはない。いつも通り、卓と椅子が並んで、その上には朝食も用意されている。
出席しているメンバーの頭数も、三峰結華が参加していることを除けば何も変化はない。
……ただ、何人かの様子は明らかにおかしかった。
437 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/05(土) 22:01:09.69 ID:/22W6gE+0
恋鐘「ルカさん、おはようございます!」
私の姿を見るなり、方言の影も形もない標準語で挨拶を私にぶつけてくる長崎女。
夏葉「……なんかもう、食事をするのも面倒ね。誰か口に運んでちょうだい」
まるで溶けるかのように机に突っ伏してやたら怠惰な様子の小金持ち。
愛依「ルカさん、私と一緒に香草茶はいかがでしょうか。朝の爽やかな目覚めにうってつけですの」
頭の悪そうな言い回しから一転、上品が過ぎる言い回しで小指を立てながらティーカップを啜るギャル女。
ルカ「……は?」
理解が、追いつかなかった。
438 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/05(土) 22:02:12.45 ID:/22W6gE+0
結華「こがたんとなっちゃんとめいめいが朝から様子がおかしいんだよ〜!」
恋鐘「結華さん、どうしたんですか? そんなに取り乱して……もしかして、お腹が空いていらっしゃるんですか?」
恋鐘「でしたら私が腕によりをかけて中華そばをおつくり致します! こう見えて、結構自信あるんですよ!」
結華「ちゃ、ちゃんぽんじゃない……だと……?!」
夏葉「ふぁあああ……まだ朝早いし寝ててもいいかしら、人間14時間は睡眠をとった方が健康でいられるのよ」
果穂「だ、ダメです夏葉さん! ちゃんと寝るときは自分のコテージで寝てください!」
智代子「そ、それ以前に寝すぎだよ夏葉ちゃん!?」
あさひ「愛依ちゃん、今日のご飯も美味しいっすよ! 食べないっすか?」モッソモッソ
愛依「ふふ、あさひさん口元にソースが着いてますよ。今私のハンカチーフで拭いて差し上げますわね」
冬優子「ハンカチーフって今時おっさんでも言わないわよ……」
まるで地獄のような光景に、思わず頭を抱えた。
美琴「ルカ……これって」
ルカ「わけがわかんねー……な、何が起きてんだよ……!?」
439 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/05(土) 22:03:37.73 ID:/22W6gE+0
バンッ!!
変わり果てた連中の様子に戸惑っているのもつかの間。
今度はレストランの扉が乱暴に開かれた。
透「……はぁ……はぁ……」
結華「あ、とおるん!? ど、どったの……そんな焦って!」
ルカ「お、おい……まさか……」
透「ひ、雛菜が……なんか、めっちゃ変」
適当女が抱きかかえるようにしているのはあの能天気女。
だが、こいつの様子の異常さも遠巻きに見てすぐに分かった。
にへらとした表情はどんよりと曇り、どこでもない遠くを見つめてため息を吐く。
けだるげな体にはまるで力がこもっていない。
雛菜「……どうせみんな死ぬんだし、もうどうでもよくないですか〜」
こいつの様子は、いつもと違うとかそういう次元じゃなかった。
結華「た、大変だ! ひななんが一番重症だよ!」
透「いつもは朝から部屋に来るんだけど、今日来なかったから。見に行ったらこれだった」
冬優子「……ったく、何がどうなってんのよ!? この愛依、めっちゃくちゃに気色悪いんだけど!?」
まさに阿鼻叫喚の一言に尽きた。
言動がまるで別物になってしまった仲間に振り回されててんやわんや。
もうこれでは朝食会どころではない。
私と美琴は二人並んで呆然と立ち尽くし、その状況を見つめることしかできなかった。
440 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/05(土) 22:04:48.48 ID:/22W6gE+0
と、その時。放課後クライマックスガールズの連中が異様な騒ぎ方をしていた。
どうやら小金持ちが本格的にごね始めたらしく、無理やり二人係で机からひっぺがそうとしはじめたようだ。
夏葉「はぁ……なんだか体がだるいわ、なんか足も痛いし今日はもう帰ってもいい?」
智代子「あ、足が痛いって……小学生がサボる時の常とう句だよ……」
夏葉「果穂、歩けないから私を部屋まで運んでちょうだい」
果穂「こんなにぐでっとした夏葉さん見るのはじめてで……す……!?」
智代子「ど、どうしたの果穂!?」
果穂「夏葉さんの身体、すっごくあついです……!」
441 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/05(土) 22:06:18.66 ID:/22W6gE+0
智代子「えっ!? ……ほんとだ、おでこがすごく熱い……熱があるよ!」
ルカ「……!? お、おい、てめェら!」
慌てて他の連中の方を見やった。
放クラから上がった報告を受ける否や、それぞれのユニットですぐに触診による検温が始まった。
額に手を当て、じっと待つ。そしてそのいずれも結果は。
結華「こがたんも発熱してる……しかもとんでもないの!」
冬優子「愛依もダメね……こりゃ相当きてるわ」
透「雛菜もやばいぐらい出てる」
同時多発的に極度の高熱、そして性格がまるで変わり果ててしまう現象が起きた。
これは明らかに……何かが起きている。
ルカ「おい、モノクマ……! てめェが何かやったんだろ……出てこい!」
私が声を上げると、やつは待っていましたと言わんばかりにすぐその姿を現した。
442 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/05(土) 22:07:44.98 ID:/22W6gE+0
バビューン!!
モノクマ「はいはい、お呼びですかー!?」
結華「お呼びどころじゃないよ……これ、何が起きてるの?! みんな様子がおかしくなって、熱まで出てるんだよ!?」
モノクマ「おやおや、これはこれは……皆さん大変お辛そうですね」
恋鐘「はい! すごい熱が出ているので、正直立っているのもしんどいです!」
結華「なら座ろっかこがたん!?」
ルカ「おい、このツッコミが追い付かない状況はどういうことなのか説明してもらうぞ」
モノクマ「説明も何もオマエラの予想通りだよ。これはとある病気に集団感染しているからこうなってるんですよ」
美琴「病気に集団感染……でも、これまで誰も病気らしい病気なんか罹患してなかったと思うけど」
モノクマ「そりゃそうですわ、この病気が生まれたのはつい昨晩のこと! とある研究施設からウイルスが流出しちゃいましてね、それがこの島に入り込んじゃったみたいなんです」
愛依「まあ、ウイルスだなんて……私、怖いです……」
冬優子「……あんたはもう感染してんのよ」
443 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/05(土) 22:08:52.70 ID:/22W6gE+0
モノクマ「そして、そのウイルスこそが今回の動機……【絶望病】なのです!」
444 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/05(土) 22:09:47.41 ID:/22W6gE+0
ルカ「ぜつぼう、びょう……?」
モノクマ「そっ! この島に生息している蚊が媒介する病気でね、感染した人は極度の高熱になって、更には性格も全くの別人になっちゃうって言う病気なんだ!」
あさひ「じゃあみんなはその蚊に刺されちゃったからこうなってるってことっすか?」
モノクマ「そうだね、差し詰め月岡さんは【標準語病】、有栖川さんは【ぐうたら病】、和泉さんは【お嬢様病】そして市川さんは【ネガティブ病】って言ったところかな」
美琴「高熱が出た時に普段よりしおらしくなる人とかいるけど、そういうことなのかな」
ルカ「いや、そんなレベルの変化じゃねーだろ……これは症状の一つだ」
モノクマ「今回はこのパンデミックの状況下でオマエラが耐えられるかどうかを見物しようかなって思って!」
智代子「ね、ねえこの病気って治るんだよね?! それに……感染症ってことは……まだまだ広がる可能性もあるんでしょ? ワクチンとか、特効薬とか……ドラッグストアにあるの?」
モノクマ「え? 言わなかったっけ? この病気はつい昨日生まれたばっかの新病なんだよ?」
445 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/05(土) 22:10:52.41 ID:/22W6gE+0
モノクマ「治るわけないじゃん! ワクチンなんかもあるわけないよ〜!」
ルカ「……は?」
それは最悪の宣告だった。
治療法も、対策法も不明な感染症……これまでの遠回しな圧をかけてくる動機とは全くの別物。
モノクマは私の命を材料に、直接的な圧をかけてきた。
コロシアイをせずとも、このままではいずれ絶望病に感染してしまう。
高熱の中で、自我を崩壊させながら衰弱し、息絶える。
そんな末路は想像しただけで身の毛がよだつ。
医療設備もまともにない環境で、得体のしれない病にかかってしまう恐怖。
____私たちの不安に更なる根源的な恐怖を上乗せしてきたのだ。
446 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/05(土) 22:12:27.81 ID:/22W6gE+0
雛菜「どうせ無理だって〜……全員ここで死んじゃうって〜……」
モノクマ「こんな変な病気で死にたくなかったら、さっさと誰かを殺して歌姫計画の成功者になるのが一番! 舟だってすぐにチャーターしてあげるからね!」
ルカ「てめェ……舐めた真似しやがって……!」
結華「ルカルカ! 今はそれどころじゃないよ……とにかく、みんなを休ませてあげないと……」
ルカ「……クソッ!」
モノクマ「まあ病院の入院に足る重病だとは思うからさ、病院までは運んであげる! そこから先のことはオマエラにマルっとおまかせしまーす」
モノクマの言葉通り、絶望病にかかった四人はすぐに病院へと搬送されていった。
まだ感染していない残りの連中も、対処法が見当たらぬ中狼狽するばかり。ひとまずは病院に行って方針を立てることにした。
447 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/05(土) 22:14:58.77 ID:/22W6gE+0
-------------------------------------------------
【第3の島 病院】
美琴「……とりあえず、今は四人とも眠っているみたい。かなりの高熱が今も出ているようだから、まだ当分は安心できないね」
ルカ「そうか……きついな」
果穂「みなさん……だいじょうぶでしょうか……」
冬優子「ふゆたちは医学の専門知識も全くない……祈ることしかできないわね」
結華「……それこそ、きりりんでもいれば話は違ったんだけどね」
病院に到着した私たちは、四人の容態を確認。
未だ熱の引かぬ様子は予断を許さない状況、とはいえ私たちは素人で出来ることも限られている。
ロビーの対策会議は、ピンと張りつめた空気だった。
そして、懸念材料はこの四人だけでなく、私たち自身にも及ぶ。
あさひ「でも、わたしたちこそどうするっすか? モノクマも言ってたっすけど、これって感染症なんっすよね?」
智代子「そうだね……わたしたちみんなが罹っちゃったらそれこそどうしようもないし……」
美琴「とにかく、隔離が必要かな。果穂ちゃんとあさひちゃんは年齢も低いし、感染リスクが大きいし……居住空間を分けておくだけでも感染する可能性はぐっと減らせると思う」
ルカ「……だな、この病院は入院患者と同数まで付き添いの人間が宿泊可能らしいから。ちょうど四対四で分けるのがいいか」
冬優子「病院に泊まる人間と、近くのモーテルに泊まる人間に分けるべきね。情報はいつでも共有できるようにしておきましょ」
あさひ「モーテルに泊まるっすか!? やった! ずっと泊まってみたかったっす!」
冬優子の言う通り、活動の拠点そのものを当分はこの第2の島に移すべきだろう。
いつ緊急事態になっても駆けつけられるように、病院に留まらない人間も近くに置いておくことには全員の合意が取れた。
後はその割り振りだ。面倒を見る人間には感染のリスクが伴う。慎重な判断の元決定せねばならない。
448 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/05(土) 22:16:37.15 ID:/22W6gE+0
結華「果穂ちゃんとあさたんはモーテル組で確定として……後はどうする?」
ルカ「ガキ連中の面倒見るんだったら冬優子、お前はモーテルに行っとけ」
冬優子「……そうね、果穂ちゃんはともかくあさひの面倒はふゆじゃないと見れないだろうし」
あさひ「あはは、冬優子ちゃんとまた一緒っすね」
冬優子「……」
智代子「それじゃあわたしは病院に残ろうかな、夏葉ちゃんのことが心配だし……」
透「それなら、私も残りたい……かも。雛菜のこと、心配だし」
(……こいつが泊まるんだったら、監視役がいるか)
ルカ「……じゃ、私も病院だ。美琴、お前はどうする?」
美琴「……それじゃ、ルカの手伝いをしようかな」
ルカ「決まりだな」
結華「えっ、ちょっと待ってよ……三峰もこがたんの看病したいんだけど……」
冬優子「結華、あんたはこっちに来なさい」
結華「え、ふゆゆ?! なんで……」
449 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/05(土) 22:17:49.03 ID:/22W6gE+0
冬優子「ふゆはこの子たちの面倒見るので手いっぱいなの。情報共有するにしても、ふゆの分も担ってくれるしっかり者が一人必要になると思うのよね」
冬優子「それに……病院の側は心配しなくとも、ルカがいるわ。あいつもなんだかんだ言って面倒見良いんだから大丈夫よ、それはあんたも知ってのことでしょ」
ルカ「……ケッ」
結華「……」
結華「わかった、ルカルカ。こがたんをよろしくね」
ルカ「おう」
緊急の事態ではあったが、とりあえずの対策の方針は定まった。
患者四人と同数の四人、私、美琴、適当女、甘党女の四人が病院にとどまり看病を行う。
小学生、中学生、冬優子、三峰結華の四人がモーテルで待機しておく。
後でどうにか両者間で連絡を取る手段も用意するらしい。
先行きの見えぬ混迷のパンデミック、誰しもその表情は薄暗かった。
そして、すぐに私たちは割り振り通りに分かれて行動を開始した。
私たち看病班はこれからずっと病院に泊まって交代交代に患者の様子を見ることになる。
かなりの長期戦になりそうだな。
450 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/05(土) 22:18:50.26 ID:/22W6gE+0
◆◇◆◇◆◇◆◇
結華『よっと……ちゃんと映ってるかな?』
ルカ「おう、見えてるぞ。こっちの音声も問題なしか?」
結華『うん、バッチリ。こういうのは初めて使うんだけど、設定とかもこれでよさそうだね』
美琴「それにしてもいいアイデアだね。こうやってリモートで情報共有ができるようにしておけば直接会わなくても済むから、感染の可能性を少しでも減らせる」
結華『それこそインターネット環境があれば話は早かったんだけど、そういうわけにもいかないから電波の送受信どまりだけどね』
あれから数時間、私たちはそれぞれの支度をした。
病院に長期で残ることを見越し、食料をスーパーから大量に運搬。
病院には看病人用の休憩室があったものの、人数分全員のベッドはないし、隙間時間での仮眠も必要となるだろうからブランケットも併せて用意した。
そしてモーテル組が用意したのがこの【テレビ通話】だ。
インターネット環境がないこの島でも、同一規格の機械を使えば電波の届く範囲内で映像付きで通話が可能になる。
元々は高齢者介護の場などで使われるものらしいが、今回はちょうどよかった。
451 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/05(土) 22:20:23.35 ID:/22W6gE+0
冬優子『看病は完全に任せっきりになる。やっぱりこっちとしても容体は気になるところだから随時知らせてちょうだい』
果穂『何か必要なものがあればあたしたちで調たつしてきます!』
透「おー、通販じゃん。超便利」
智代子「もしや、食べたいものをオーダーすれば作ってくれたりなんかは……?」
冬優子『……そんな引っ切り無しに呼び出されたら隔離の意味がないと思うんだけど?』
智代子「うぅ……面目ないです」
冬優子『まあ、たまには作ったげるわよ。どうせこいつらの分も用意しなきゃなんだしね』
あさひ『冬優子ちゃん、今日はオムライスがいいっす!』
美琴「ホテルのレストランにはいかないの?」
結華『流石に食事のたびに島を渡るのは負担だからねー。各部屋にキッチンはあるからこっちで済ませようかと思ってるよ』
452 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/05(土) 22:21:15.52 ID:/22W6gE+0
ルカ「……あれ、そういえばお前ら今どこから通話してんだ? モーテルの内装とはちょっと違うよな?」
あさひ『今はライブハウスっすよ。モーテルだと遠すぎて電波が届かなかったっす』
透「まあ古いやつだし、しょうがないか」
智代子「今はこうやって通話ができるだけでも感謝だもんね!」
冬優子『それじゃとりあえずはこれでやりとりをすることに決定でいいわね? 連絡を取るのは【朝と晩の8時】の一日二回』
ルカ「ん、了解」
一日二回の定期連絡。私たちは病院に籠りっぱなしになるわけだし、顔を突き合わせる機会もなくなる分このテレビ通話は貴重だな。
ルカ「さて、そろそろ連中の様子を見に行くか。目を覚ます頃合いだろ」
美琴「そうだね……私たちも万全の注意を払って看病するようにしよう」
智代子「マスクと消毒液もばっちりあるから、適宜使っていこうね!」
透「うがい手洗い、バッチグー」
453 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/05(土) 22:23:16.39 ID:/22W6gE+0
◆◇◆◇◆◇◆◇
【恋鐘の病室】
恋鐘「おや、みなさん……ここは一体?」
智代子「ああ、恋鐘ちゃん待って。ベッドに座ったままでいいから、ゆっくり落ち着いて!」
美琴「熱は……まだ下がってないみたいだね」
恋鐘「部屋の雰囲気から察してみるに、私が意識を失っている間に病室に運び込まれたようですね。私は入院中、ということでしょうか」
ルカ「……いつになく冷静で気持ち悪いな」
透「モノクマの動機でウイルスにやられてるみたいなんで。しばらくは入院」
恋鐘「そうですか……申し訳ないです、私がもっと衛生に気を配っていればこんなことには……」
智代子「ううん、しょうがないよ! 悪いのはモノクマなんだもん!」
恋鐘「いえ、そういうわけにはいきません! 私も誠意をお見せしないと……何か手伝えることはございますか? 料理に掃除、なんでも致します!」
ルカ「それなら感染を広げねーためにまずはベッドで横になってくれ」
智代子「こんなに元気そうなのにウイルスに体は侵されてるんだよね……」
美琴「これはちゃんと様子を見ておかないとだめだね……」
454 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/05(土) 22:24:11.18 ID:/22W6gE+0
◆◇◆◇◆◇◆◇
【夏葉の病室】
夏葉「入院ってすごいのよ……ずっと寝たまんまでいいし、料理も勝手に出てくるし……」
ルカ「その料理を作って運ぶ人間がいるんだけどな」
智代子「何度見ても別人ってレベルじゃないよ……こんなだらしない夏葉ちゃん……面白すぎるよ」
ルカ「おい!」
夏葉「智代子、あなたチョコレートを持っていないかしら? 体が糖分を欲しているの、なんでもいいから甘いものが食べたいわ」
透「こらー、寝たまんまで甘いもの食べたら太るぞー」
夏葉「いいのよ、それならそれで。欲望を満たし、私腹を肥やしてぶくぶくと膨れ上がって最終的にはじけ飛ぶ……そんな風船みたいな人生を私は送りたいわ」
美琴「高熱でうなされてるときに見る夢みたいな話だね」
ルカ「……なんか知能指数まで下がってねーか」
夏葉「ふぁああ……それじゃ、私はまた寝るから……後はよろしく……」
透「うわ、三秒で寝た」
智代子「ちょっとぐらいリハビリさせないと治った後が心配だね……」
455 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/05(土) 22:25:14.37 ID:/22W6gE+0
◆◇◆◇◆◇◆◇
【愛依の病室】
智代子「なんだか入った瞬間ハーブのいい匂いがしてるんだけど!?」
愛依「あら、丁度紅茶が入りましたの。皆さんご一緒にアフターヌーンティでもいただきませんか?」
ルカ「おいどこからこんなティーセット用意したんだこいつ!」
美琴「すごいね……おいしそうなケーキ」
愛依「ふふっ、野イチゴをあしらった卵黄ケーキですのよ。うちのパティシエールが皆様のために用意してくださいましたわ」
ルカ「おいもうツッコミが追い付かねーぞこいつ」
透「おー、すご。スポンジフワフワ」
智代子「えっ、本当に?! それじゃあわたしも失礼して……」
愛依「小鳥の囀りも聞こえてきました……今日は本当に暖かで心休まる晴天でございますね……」
ルカ「おい病人! 窓際に行くな! 戻ってこい!」
美琴「へぇ……カモミールティなんだ」
愛依「カモミールにはリラックス効果がありますの。美琴さんはダンスのレッスン終わりにいただくとよいかもしれませんね」
ルカ「看病人も正気に戻れ!!」
456 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/05(土) 22:26:19.35 ID:/22W6gE+0
◆◇◆◇◆◇◆◇
【雛菜の病室】
智代子「こ、今度は部屋一帯がなんだかじめじめしてるよ……」
雛菜「あ、誰か来た……きっと雛菜をみんなしてバカにするためだよね〜……」
ルカ「おいコラ、カーテンぐらい開けろって」
シャアアア…
雛菜「眩しい……こんな昼間から太陽の光なんて浴びたら雛菜灰になっちゃう〜……」
ルカ「お前はドラキュアか」
透「雛菜、大丈夫? ほら、熱さまシート持ってきたよ」
雛菜「透先輩……優しい……」
雛菜「でもきっと雛菜以外にも同じことしてる……雛菜だけ特別だって勘違いしちゃダメだよね……」
ルカ「看病なんだから当たり前だろーが」
雛菜「はぁ……どうせ病気も治んないし、雛菜死んじゃうんだろうな〜……」
雛菜「もっといろいろしたかったな……自分の足で走り回ったり、誰かとピクニックしたり……幸せな人生を送りたかった……」
透「病気になる前に全部やってるじゃん」
ルカ「……はぁ、こっちが胃もたれしそうだ」
457 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/05(土) 22:27:14.59 ID:/22W6gE+0
◆◇◆◇◆◇◆◇
ルカ「とりあえず全員の様子をみたが、こりゃしんどそうだな」
智代子「うん……見た目上は元気でも、熱は全然下がってない。いつ急変するかもわからないよ」
美琴「とにかくいつでも動けるようにはしておいた方がよさそうだね」
ルカ「おう、深夜の時間帯以外はかわるがわる面倒を見るぞ、ロビーと休憩室でお前らも無理せず休め」
透「うぃー」
そこからはつきっきりの看病だ。
私たちに医療知識はまるでないので、無茶をしないように行動の監視や食事などの補助が主となるがそれだけでも結構な重労働。
それが四人ともなると流石に堪えるところだ。
458 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/05(土) 22:29:05.69 ID:/22W6gE+0
-------------------------------------------------
【病院 ロビー】
「ふぅ……」
つかの間の休憩、疲労がため息となってどっとあふれ出す。
昨晩はこんなことになるとは夢にも思わなかった。
メガネ女を引きずり出すことに成功して……とりあえずは一歩前進と思っていた矢先にこれだ。
だけどウダウダ言っていたところで始まらない。
私が足踏みをしているその瞬間にも着実に病魔に蝕まれていく連中がいる。
これからはとにかく看病に集中しないといけないな。
「さて、どうするか……」
【自由行動開始】
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
☆看病期間中の自由行動について
病院に滞在中でもこれまで通り自由行動は一定の回数で可能になっています。
ただし、その仕様が通常時と少しだけ異なります。
病院にいるメンバーとはこれまで通り交流+プレゼントの進呈が可能ですが、
モーテル組とはテレビ通話での交流となるため、プレゼントを渡すことはできません。
親愛度の上昇に補正がかかることもないので、ご注意ください。
加えて、このパンデミック期間中は浅倉様と市川様との交流も解放されています。興味があればぜひお試し下さい。
また、モノモノヤシーンや自動販売機も病院内に用意しておりますのでご自由にご利用くださいませ。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
-------------------------------------------------
【現在のモノクマメダル枚数…107枚】
【現在の希望のカケラ…25個】
1.交流する【人物指定安価】
2.モノモノヤシーンに挑戦する
3.自動販売機を使う
4.休む(自由時間スキップ)
↓1
459 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/05(土) 22:32:46.34 ID:5+1aEVnm0
雛菜
460 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/05(土) 22:35:25.37 ID:C1ESk1VB0
1 浅倉
461 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/05(土) 22:39:28.21 ID:/22W6gE+0
1 雛菜選択
【雛菜の病室】
コンコン
ルカ「うーす、入るぞー……うお……」
つい先ほどあけたばかりのカーテンは閉め切られ、上からガムテープまで貼られている。
どこまで日の明かりが嫌なんだ、こいつは……
あんなにお気楽で日向ぼっこが大好きですって面をしていた平常時からはとても考えられないありさまだ。
なにやらぶつくさ文句を並べるこいつを他所に、もう一度無理やりにカーテンを開けてやる。
雛菜「あぁ〜……雛菜の肌が黒焦げになっちゃう〜……オーブンに入れすぎた食パンみたいになっちゃうよ〜……」
ルカ「どんだけ虚弱な肌してんだよ……」
だが、平常時からの変化として、こうして私を抵抗なく受け入れているという点もある。
もはや抵抗するほどの余力もない、ということなのだろうが……
これはチャンスかもしれない。今ここで踏み込むことができれば、あるいは……
-------------------------------------------------
‣現在の所持品
【ジャバの天然塩】
【ひまわりの種】
【エプロンドレス】
【新品のサラシ】
【オスシリンダー】
【メスシリンダー】
【トイカメラ】
【蒔絵竹刀】
【絶対音叉】
【七支刀】
【バール】
プレゼントを渡しますか?
1.渡す【所持品指定安価】
2.渡さない
↓1
462 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/05(土) 22:46:09.42 ID:TrlXK+3m0
1 【ひまわりの種】
463 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/05(土) 22:53:39.26 ID:/22W6gE+0
【ひまわりの種を渡した……】
雛菜「え……」
雛菜「そっか……今の雛菜は人間以下……家畜と一緒だもんね〜……」
雛菜「これくらいの食事でちょうどいいってことなんだ〜……」
雛菜「あは〜……こんな雛菜のために、わざわざ用意してくれてありがとうございます……」
雛菜「嬉しくてうれしくて、ガッツいてのどに詰まらせて死んじゃったらごめんなさい〜……」
ルカ「ま、待て待て! 他にもちゃんと病院食は用意してるから! 早まんじゃねえ!」
(な、なんだこいつ……)
(……これは、渡すのに成功……は、してねえか)
-------------------------------------------------
身体に噴出している汗をタオルで拭うのも、能天気女はされるがまま。
口では嫌だの死んじゃうだの何かとうるさく申し立ててはいるが、体に力がこもっていないのだからお構いなし。
そのままちゃっちゃと看病を終えて、体をベッドの上に横たえた。
雛菜「あは〜……雛菜、もうダメなのかな〜」
ルカ「まだ発症して数時間と経たねえだろうが、黙って寝てろ」
雛菜「……」
ルカ「……」
ルカ「……なあ。こんな弱ってる状態の時に訊くべきなのかはわからねえが……お前は、実際どう思ってるんだ」
雛菜「……って言うと〜?」
私の問いかけの所在を求めて、虚ろな目を私に寝台の上から向ける能天気女。
その回答はずばり、前回の学級裁判。その終わりに、ゲームの内容について仔細を知っているかどうかをたずねられ、なおも口を閉ざした浅倉透への感情だ。
あのときのこいつの瞳は、決して信頼だけではなかった。
七草にちかの糾弾に反発こそすれ、こいつ自身も信頼を寄せるべき相手に、ずっと解答をはぐらかされづけている。
大好きな幼馴染に向けるべき感情はどうなのか。それをこいつ自身はどう考えているのか、それを知りたかった。
ルカ「浅倉透、あいつは信用できるのか?」
雛菜「……」
雛菜「ワラジムシって知ってる〜?」
ルカ「……あ?」
雛菜「ダンゴムシみたいな見た目なんだけどね〜……自分の力じゃ丸くなることもできない、自分の身体を守ることもできない、弱っちい虫の事なんだけど〜……」
雛菜「今の雛菜は、そのワラジムシよりもずっと弱い……虫よりもへなちょこなんだけど……」
雛菜「それでも、透先輩はずっと雛菜のそばにいてくれるし、守ってくれてる……だから、透先輩のことは……信じたい……」
雛菜「もしかしたら雛菜は透先輩からすればたくさんいる中の一人かもしれないけどね〜……」
(……こいつ)
病気のせいでネガティブな接頭語、接尾語がついてはいたものの、その真意は分かりやすい。
……「信じたいと思っている」
今現在も浅倉透への信頼を失ったわけではない。ただ、その感情には少しずつ揺らぎが生じている。
私の見立て通りの反応だった。
(……今なら、もっと探りを入れられるかもな)
1.お前から見て浅倉透に怪しいところはないか?
2.本当にお前は浅倉透を信じているのか?
3.自由安価
↓1
464 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/05(土) 22:57:39.45 ID:5+1aEVnm0
1
465 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/05(土) 23:07:00.93 ID:/22W6gE+0
1 選択
能天気女がやっと一瞬のぞかせた本音。
思わず私はそれに飛びついた。
ルカ「……なあ、お前から見てあいつには、浅倉透には怪しいところはないか?」
雛菜「え……」
ルカ「お前だってそうなんだろ……? あいつは、なんか変だって……そう思ってんだろ?」
雛菜「……」
だが、その反応は鈍い。
熱で頭が回っていないこともあるだろう、私の質問を何度も咀嚼するようなそぶりを見せて、口ごもる。
雛菜「わかんない、わかんないよ……雛菜は何にも……」
(……ダメか)
思わず諦めかけた、その瞬間。
雛菜「……でも、透先輩は……雛菜と一緒にいるときでも、いっつも何か焦ってる」
ルカ「……え?」
雛菜「なにか、大事なものをなくしたって……そう言ってたような……」
ルカ「お、おい……それって____」
雛菜「……あ」
バタン!!
ルカ「お、おい!?」
能天気女はそれだけ口走るとバタンと音を立てて寝台の上に倒れ込んでしまった。
慌てて容体を見たが……どうやら病気の影響もあって意識がもうろうとしていたらしい。
私の問いかけに脳がショートしてしまったようで、一時的に気絶してしまったようだ。
……くそっ、焦っちまったか。
だけど、ノクチルの二人の結束は必ずしもカンペキじゃないことの確認が取れたのはそれなりの収穫かもしれない。
あいつ自身自分のことは敵ではないと主張してはいるものの……場合によっては、この能天気女をこちら側に引き込むことも考えるべきかもしれないな。
それもこれも、とにかくはこのパンデミックが収まってからの事にはなるんだが。
-------------------------------------------------
【親愛度が上昇しました!】
【市川雛菜の親愛度レベル…1.5】
466 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/05(土) 23:12:00.30 ID:/22W6gE+0
-------------------------------------------------
【病院ロビー】
「なにか、なくしている……か」
看病としては失敗、捜査としては成功……だろうか。
病気で沸騰しているところに頭を使わせるような真似をしてしまい気絶までさせてしまった能天気女本人には悪いが、浅倉透に対する嫌疑の足掛かりとなるような証言は得られたような気がする。
別にあいつを問いただすわけではないが、この有効な証言は頭に入れておいた方がいいものだろうな。
パンデミックだからと言って手をこまねいているつもりは毛頭ない。
この病院の中で出来ることはすべてやりつくす。
私自身が生き残るのが、最優先だからな。
【自由行動開始】
-------------------------------------------------
【現在のモノクマメダル枚数…107枚】
【現在の希望のカケラ…25個】
1.交流する【人物指定安価】※気絶してしまった雛菜を除く
2.モノモノヤシーンに挑戦する
3.自動販売機を使う
4.休む(自由時間スキップ)
↓1
467 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/05(土) 23:16:06.03 ID:5+1aEVnm0
透
468 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/05(土) 23:21:05.97 ID:/22W6gE+0
1 透選択
【病院 仮眠室】
ルカ「……ん、休憩中悪いな」
透「あ、うん。そっちも休憩?」
ルカ「……まあな」
浅倉透が一人で休憩に入る瞬間を見つけ、看病の合間に抜け出してきた。
これまでは中々接触ができなかった絶好の好機。
……逃すわけにはいかねえよな。
透「あ、これ……いる?」
ルカ「あ? んだこれ……」
透「エナジーゼリー。結構あるから、腹ごなしにちょうどいいよ」
……なんか、気が抜けるな。
-------------------------------------------------
‣現在の所持品
【ジャバの天然塩】
【エプロンドレス】
【新品のサラシ】
【オスシリンダー】
【メスシリンダー】
【トイカメラ】
【蒔絵竹刀】
【絶対音叉】
【七支刀】
【バール】
プレゼントを渡しますか?
1.渡す【所持品指定安価】
2.渡さない
↓1
469 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/05(土) 23:25:58.52 ID:VLI9zLx+O
メスシリンダー
470 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/05(土) 23:33:16.56 ID:/22W6gE+0
【メスシリンダーを渡した……】
透「あ、これ理科の実験で使ったやつ」
ルカ「おう、なんか水の量を測ったり……微生物を観察したりだったか?」
透「……ミジンコ、これの中に入れたら浮くのかな」
ルカ「あ? んなもん、知らねーけど……」
透「これ、貰っていいですか。なんか、ちょっと、試したい」
ルカ「お、おう……」
(……随分と妙なもんを気に入るな)
【PERFECT COMMUNICATION】
【親愛度がいつもより多めに上昇します!】
-------------------------------------------------
透「とりあえず、なんとか四人で看病回せば何とかなる感じですよね」
ルカ「……まあ、今のところはな。病気の実態も何もわかんねーから、滅多なことは言えねーけどよ」
透「……だよね」
仮眠室には不思議な緊張感が漂っていた。
私とこいつは何もない仲ではない。過去二回の学級裁判のいずれにおいても衝突を行っている。
それをお互い意識しないはずもなく、肌がピりつくような空気を感じずにはいられない。
ルカ「……お前も、分かってんだろ?」
透「え……」
ルカ「私が、わざわざお前のもとにやってきた。その意味が分からないとは言わせねーからな」
透「……」
ルカ「話す気はない。でも、敵じゃない。いつまでその一本で行く気なんだよ」
透「……」
ルカ「……都合が悪くなるとすぐにだんまりか、そんな真似されるとこっちもどうしようもねーんだよな」
ルカ「……さっき、お前の幼馴染の病室に行ってきた」
透「雛菜の、病室……」
ルカ「あいつは言ってたぞ、お前は何か大事なものをなくしたって」
ルカ「更にはこうも言ってた、お前への信頼は少し揺らぎかけてるって」
正確にはそんな証言が取れたわけではない。
ただ、意訳すればそれと大差はない。
なんにせよ、やっと手に入った武器を振り回すのを我慢できるほど私も大人ではない。
咽喉元にそのナイフを突き立てたくて突き立てたくて、ずっとウズウズしていたのだ。
透「……えっと」
さあ、ここまで来たらあと一歩。
……攻め手を、間違えるな。
1.お前は幼馴染も騙し続けるのか?
2.そのままだと、お前はもっと大事なものをなくすんじゃねーのか?
↓1
471 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/05(土) 23:39:46.85 ID:C1ESk1VB0
2
472 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/05(土) 23:49:34.23 ID:/22W6gE+0
2 選択
ルカ「……お前がずっと口を閉ざすのは、別に自由だ」
ルカ「でも、それをすればするほど……お前はもっと大事なものをなくすんじゃねーのか?」
透「……!!」
ルカ「……市川雛菜、お前にとっても大切な幼馴染なんだろ」
……真実をひた隠しにすることで、何か大事なものを失ってしまう。
そんな経験は嫌と言うほどよく知っている。
こいつと私の経験とでは内容も、状況もまるで違うし、私にも到底はかり切れない。
でも、もし、千雪なら……
ルカ「失ってから後悔するんじゃ、遅い。そう思うぞ」
真実を追求する、その前段階としてこの一言は確実に言っていただろうと思う。
透「……あー」
透「そっか……そこまで言われちゃうか」
ルカ「駆け引きだとかそういうんじゃなくてな、ただ単純に、私の視点から観測したすべてを口にしただけだ」
ルカ「だから、そこから判断するのはお前。話すも話さないも、お前の自由だよ」
透「……ちょっと、時間をくれないかな」
ルカ「おい、また____」
透「この病院にいる限り、逃げ道もないでしょ」
ルカ「お前……!」
明らかに、これまでとは違っていた。
ただ真実をはぐらかすだけではない、何かもっと別の覚悟を決めた……そんな瞳。
空気が一瞬にして書き換えられたのを肌で感じた。
やっぱり……こいつは、ただ敵だとか味方だとか、そういうラベリングをする対象じゃないんだと思う。
透「……ん」
透「じゃ、いったん看病で抜けるから」
ルカ「……おう」
あいつの中で、何かが動いたのなら。
……多分、私の選択は間違えてなかった。
-------------------------------------------------
【親愛度が上昇しました!】
【浅倉透の親愛度レベル…2.0】
【希望のカケラを入手しました!】
【現在の希望のカケラの数…27個】
473 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/05(土) 23:50:52.34 ID:/22W6gE+0
____
______
_________
冬優子『夜8時の定期連絡始めるわよー……って、既に結構しんどそうね。大丈夫?』
ルカ「……なんとか、いっぱいいっぱいだよ」
智代子「うん……恋鐘ちゃんは放っておくとすぐに無茶して手伝いをしようとするから見とかなくちゃいけないし、夏葉ちゃんは食事すらも面倒くさがるし……」
智代子「愛依ちゃんは急にティータイムを始めちゃうし、雛菜ちゃんは気が付いたら部屋の隅っこでいじけちゃうし……」
智代子「なかなか気が休まりません……がくっ」
冬優子『……そういえばあんたんとこのパートナーと、浅倉透が見えないけど休憩中?』
ルカ「おう、交代交代で休憩をとるようにしたからな。いまは私たちの番だ」
智代子「ふゆちゃんたちの方は大丈夫?」
冬優子『ええ、今は結華があさひと果穂ちゃんの相手をしてくれてるし、特に困ったこともないわ』
智代子「それならよかったよ、お互い頑張ろうね!」
冬優子『うん、チョコちゃんもファイトだよ♡』
ルカ「ハッ、それじゃ切るぞ。そろそろあいつらの様子をまた見に行かねーとだからな」
冬優子『了解、あんたも頑張んなさいよ、ルカ』
ルカ「すげー落差だなおい……」
プツッ
474 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/05(土) 23:51:42.75 ID:/22W6gE+0
智代子「よし、それじゃあまた気合入れて頑張らないとだね!」
ルカ「ん、晩飯片付けて、寝るように促すとこだな」
智代子「……」
ルカ「……どうした?」
智代子「いや、前から思ってたけど……ルカちゃんなんだかふゆちゃんと仲いいよね?」
ルカ「え……あー、それは……その……」
智代子「いいなー、ずるいよ! わたしもルカちゃんと仲よくなりたい!」
ルカ「はぁ? 別に、冬優子とはそんなんじゃねーよ、ただちょっと顔なじみっつーかなんつーか……」
智代子「乙女の秘密ってやつですか……?」
ルカ「乙女なんてガラじゃねーだろ……少なくとも私は」
智代子「でも、本当になんだかルカちゃん丸くなったよね」
ルカ「お前もだろ、お菓子食いすぎなんだよ」
智代子「そ、そっちの話ではなくてですね!? ……ほら、この島に来た初めはわたしたちとお話もほとんどしてくれなかったじゃないですか」
ルカ「それは……確かにな」
智代子「でも、今はこうやってわたしの冗談にも付き合ってくれるし……やっぱり、変化があったのかな」
ルカ「まあ……そうだな、千雪が私の面倒を無理やりにでも見て来たから、気が付けばお前らと話すことにも慣れちまったって感じだよ」
智代子「千雪さんが……そっか、そうだったんだね」
ルカ「……悪いな、なんか思い出させるような真似しちまって」
智代子「ううん、ルカちゃんの大切な思い出だもん、聞かせてもらえてむしろ嬉しいよ」
ルカ「……ケッ」
ルカ「ほら、無駄話してる時間はねーぞ。さっさとあいつらの様子見ねーと何しでかすかわかんねーって」
智代子「はーい!」
475 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/05(土) 23:52:46.77 ID:/22W6gE+0
____
______
________
【病院 ロビー】
キーン、コーン…カーンコーン…
『えーと、希望ヶ峰学園歌姫計画実行委員会がお知らせします…』
『ただいま、午後十時になりました』
『波の音を聞きながら、ゆったりと穏やかにおやすみくださいね』
『ではでは、いい夢を。グッナイ…』
連中の食事を片付け、寝るまでの世話をしてやって、ようやく一日目の看病は終了。
私たちにもやっと休息の時間が回ってくる。
ルカ「……ふぅ、とりあえずは終わりだな」
美琴「みんなお疲れ様、四人とも寝たみたいだからひとまずは睡眠をとっておいて」
智代子「うん、そうさせてもらおうかな……右に左に行ったり来たりだったからなんだか想像以上に疲れてるかも……」
透「でも、深夜は看病大丈夫? 急変とか、ないかな」
ルカ「あー……確かにそれはそうだけどよ」
476 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/05(土) 23:53:47.32 ID:/22W6gE+0
透「じゃ、私起きとくよ。まだあんま眠くないし」
智代子「えっ、だ、大丈夫? 透ちゃんも、結構頑張ってくれてたよね?!」
透「まあ、まだ若いし。エネルギッシュなティーンだから」
美琴「……だったら、私も起きてる」
ルカ「美琴……お前」
美琴「大丈夫、何もしない。彼女が何かしないか見てるだけだから」
ルカ「……信用していいのか?」
美琴「うん」
ルカ「……わーったよ、私はロビーで寝てっから何かあったら言えよ」
智代子「えっ、ルカちゃん……悪いよ、仮眠室譲るよ?」
ルカ「いい、いい。私はもともと固い寝床の方がよく寝れんだ、ベッドはお前が使え」
智代子「そ、そう……?」
透「じゃ、夜番は私らで頑張るから。いい夢見てよ」
美琴「私たちも合間合間では仮眠をとると思うから、気兼ねしなくて大丈夫だからね」
ルカ「おう……悪いな」
私は初日の夜番を二人にゆだね、ロビーでそのまま眠りについた。
問診の時に座るスツールを並べた即席のベッドのようなものだが、疲労もあってか私はすぐにその意識を手放した。
貴重な休息、少しでも疲労を和らげるための睡眠。
夢なんて全く見ない熟睡だった。
477 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/05(土) 23:57:58.33 ID:/22W6gE+0
という訳で本日はここまで。
自由行動パートはいつも手癖でその場で書いているのですが、今回透の部分で少し踏み込みすぎてしまいました。
次回更新分と少し齟齬が生じてしまっていますが、変更しない方がストーリーとしては通りそうなのでどうかご容赦ください。
自由行動の回数を考えずに動機提示まで行ってしまったので……ノープランで書くとここら辺にボロが出ますね。申し訳ない。
次回更新分で事件発生まで行きたいと考えています。少し長めになるかもしれませんが、開始時刻の前倒しは特には致しません。
3/6(日)の22時ごろから再開予定です。
それではお疲れさまでした、またよろしくお願いします。
478 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/06(日) 00:04:42.41 ID:carM39qF0
お疲れさまでした
479 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/06(日) 00:08:35.09 ID:PcuD0/db0
>>1
乙!
ていうか次回でもう事件発生か
マジで誰が退場するのか予想つかない・・・
480 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/06(日) 22:01:49.40 ID:6WraeaE50
____
______
________
=========
≪island life:day 14≫
=========
【ルカのコテージ】
キーン、コーン…カーンコーン…
『えーと、希望ヶ峰学園歌姫計画実行委員会がお知らせします…』
『オマエラ、グッモーニンッ! 本日も絶好の南国日和ですよーっ!』
『さぁて、今日も全開気分で張り切っていきましょう〜!』
アナウンスとともに目を覚ました。
眠り自体はそう不快でもなかったが、体はやはり少し負担だったか。体を起こすとバキバキと音が鳴った。
だが弱音も吐いていられない。ここからは私の出番だ、託されてる分はしっかり働いておかねーとな。
美琴「おはよう、ルカ」
ルカ「おう……美琴、いたのか」
美琴「うん、明け方まで様子は見てたけど四人とも特に異常はなかったよ。もちろん、彼女もね」
ルカ「そうか……ならよかったよ、私も起きたんだ、お前もしっかり休めよ」
美琴「うん、大丈夫。途中で仮眠は少し取らせてもらったから」
ルカ「他の連中は?」
美琴「智代子ちゃんが早めに起きて来たから今は彼女が。後は仮眠室」
(……【後】と来たか)
どうやら朝までずっと寝てたのは私だけだったらしい。
なんとなしに気恥ずかしさを覚えたが……その分働いて返さないといけないな。
まずは朝の様子を一通り観察するとこから始めるか。
481 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/06(日) 22:02:50.08 ID:6WraeaE50
◆◇◆◇◆◇◆◇
【恋鐘の病室】
恋鐘「おはようございます!」
ルカ「おう、わかったからベッドに横になれって」
恋鐘「清々しい目覚めです、これも皆さんに看病いただいているおかげですね!」
ルカ「朝からテンションたけーな、なんだお前」
美琴「深夜でもこの感じだから体力を下手に使ってそうで心配になるんだよね……」
恋鐘「ご心配いただきありがとうございます」
ルカ「はぁ……とりあえず朝飯食って、ちゃんと養生すんだぞ。それが一番のお礼になんだから」
恋鐘「はい、お任せください」
ルカ「……ったく」
482 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/06(日) 22:03:37.44 ID:6WraeaE50
◆◇◆◇◆◇◆◇
【夏葉の病室】
夏葉「……ぐがー」
ルカ「……まあ、やっぱこいつは寝てんな。このまま放置でいいか」
美琴「元から彼女、朝はあまり強くないみたいだから」
ルカ「そうなのか?」
美琴「うん、この島に来てからは果穂ちゃんと智代子ちゃんもいるから早く起きるように努めてたみたい。病気になって性格が変わって、その分の枷が外れちゃったのかな」
ルカ「はは……そうかもな」
夏葉「むにゃむにゃ……もう持ち上がらないわ……重量をやみくもに増やしたところでトレーニング効率は悪い……」
ルカ「……どうやら見てる夢は元の性格準拠みてーだぞ」
美琴「……なんだか暑苦しそうな夢を見てるんだね」
483 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/06(日) 22:04:48.15 ID:6WraeaE50
◆◇◆◇◆◇◆◇
【愛依の病室】
ルカ「……なあ、なんでこいつのベッドは天蓋付きなんだ」
美琴「なんだか入るたびに部屋の様子が変わってるんだよね……」
ルカ「アロマポットまで焚きやがって……病人の自覚が一番ないのはこいつなんじゃねーか」
愛依「あら、セバスチャン……もう起きる時間かしら……?」
ルカ「誰がセバスチャンだ。……別に、寝てて大丈夫だ。朝飯はお前の好きなタイミングで食えばいいからな」
愛依「お気遣いいただきありがとうございます、後でお礼にアップルパイを焼いて差し上げます」
美琴「アップルパイはお嬢様なのかな……」
ルカ「そもそも菓子作りなんかすんな、ほらおとなしくしてろ」
484 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/06(日) 22:06:02.49 ID:6WraeaE50
◆◇◆◇◆◇◆◇
【雛菜の部屋】
智代子「ひ、雛菜ちゃん! そんなことないよ、ほら、ファイト!」
ルカ「……おい、何やってんだ」
智代子「あ、ルカちゃんおはよう! あのね……雛菜ちゃんがまた例の発作を起こしてて」
雛菜「雛菜が地球にいることで、アフリカの恵まれない子供の分の酸素がさらに減っちゃうんだよね〜……」
ルカ「……こりゃ深刻だな」
ルカ「おら、とりあえずベッドに戻れ。てめェが使う酸素の心配するぐらいならそのエネルギーを植樹に使え」
雛菜「でも雛菜の血液は毒だから……きっと植物も雛菜に触られるの嫌だと思う〜……」
智代子「そんなことないよ、ほら! 朝ご飯もあることだし、野菜食べて食物繊維で毒素を抜こうよ!」
美琴「昨日の晩もこんな感じで星を眺めながら『隕石が落ちてきたら全部終わり』って嘆いてたんだよね」
ルカ「かもしれない運転が過ぎんのも考えもんだな……」
485 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/06(日) 22:07:55.63 ID:6WraeaE50
◆◇◆◇◆◇◆◇
結華『なるほど……とりあえずは異常なしなんだね、安心した!』
ルカ「性格がひん曲がっちまったせいで予測不能な行動に出るのだけ気になるけどな」
あさひ『話聞いてたらなんだか面白そうっす〜……わたしも看病に回りたかったっす〜』
(……)
果穂『みなさん、つかれてないですか? 休けいはしっかりとって、無理しないでください!』
美琴「うん、ありがとう。ちゃんとみんな睡眠もとってるから大丈夫だよ」
透「そっちは大丈夫? なんか、事故とか」
冬優子『ええ、特には何もないわ。ただ一つ問題があるとすればこいつがうるさいだけ』
あさひ『冬優子ちゃん、電気街にラジコンあるらしいっすよ! 取りに行くっす!』
智代子「あはは……頑張って」
ルカ「まあなんかあったら連絡してくれ、誰かしらはロビーにいるだろうから」
結華『オッケー、こっちも定期連絡以外にもちょくちょくライブハウスに様子を見には行くようにするね!』
プツッ
486 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/06(日) 22:09:05.25 ID:6WraeaE50
ルカ「さて、そんじゃまた看病に戻るか」
智代子「うん、今日も頑張ろうね!」
ルカ「美琴とお前は寝てていいぞ、あれからずっとだったんだろ?」
美琴「ううん、大丈夫。深夜当番って言ってもずっとじゃなかったし、今もそう眠くはないの」
透「私は寝とこうかな。いいですか、仮眠室」
智代子「うん、大丈夫だよ! わたしたち三人で頑張るから、透ちゃんはとりあえずゆっくり休んでて!」
ルカ「おう……無理はすんな」
美琴「……」
ルカ「美琴、やっぱあいつは気になるか?」
美琴「……夜の間は特に目立ったことはしてなかった。昼も寝ておいてくれるんだったらそっちの方が安心だから」
(……やれやれ)
そういうわけで昼の間は基本的には三人で看病を回すことに。
定期的な見回り、食事なんかの世話、昨日とやっていることは変わらない。
ただ、どれほど熱心に看病をしてもこいつらの病状がよくなるわけじゃない。
熱もまるで下がらず、性格も戻る気配もない。
自分たちのこの看病に果たしてどれほどの意味があるのか、それを疑問に思わないように、必死に目を瞑って看病を続けた。
487 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/06(日) 22:10:39.08 ID:6WraeaE50
-------------------------------------------------
【病院 ロビー】
とりあえず朝の観察では異常はなし。
とはいえ油断なんか微塵もできやしない。
完全に未知の病気で、その症状も聞いたことがない。ここからどう転がるのかは医者ですらも分からないだろう。
そして、こうして看病を行っている私たちだって感染リスクからは逃れられないわけで……実際この生活もいつまで続けられるのかは甚だ疑問だ。
「……はぁ」
気を抜けばすぐにため息が漏れ出る。
私は口からこぼれた息を吸い上げるようにして立ち上がった。
嘆いても時間の無駄、それだけを頭で復唱して、考えることをやめた。
【自由行動開始】
-------------------------------------------------
【現在のモノクマメダル枚数…107枚】
【現在の希望のカケラ…27個】
1.交流する【人物指定安価】
2.モノモノヤシーンに挑戦する
3.自動販売機を使う
4.休む(自由時間スキップ)
↓1
488 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/06(日) 22:12:23.94 ID:PcuD0/db0
1 夏葉
489 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/06(日) 22:18:14.93 ID:6WraeaE50
1 夏葉選択
【夏葉の病室】
コンコン ガララ
夏葉「あ……よく来てくれたわね、お菓子ならそこにおいといてちょうだい……」
ルカ「それが人を出迎える態度か……それに病人に菓子は用意しない、大人しくしてろ」
夏葉「えぇ……体が、体がチョコレートを欲しているの……お願いよ……ギブミーチョコレート……」
ルカ「私は米兵かよ……おら、諦めな」
本当に見る度見る度だらけっぷりが加速していく。
もはやシーツと一体化しているような、満足そうな表情を浮かべて横になっているさまは中々滑稽だ。
とはいえ、こんな状態でも額に手を当てると火傷しそうなぐらいに熱い。
本音では、相当に苦しんでいるんだろう。
……どうにか楽にしてやれないものか。
-------------------------------------------------
‣現在の所持品
【ジャバの天然塩】
【エプロンドレス】
【新品のサラシ】
【オスシリンダー】
【トイカメラ】
【蒔絵竹刀】
【絶対音叉】
【七支刀】
【バール】
プレゼントを渡しますか?
1.渡す【所持品指定安価】
2.渡さない
↓1
490 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/06(日) 22:22:27.18 ID:QLxva49a0
トイカメラ
491 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/06(日) 22:31:14.00 ID:6WraeaE50
【トイカメラを渡した……】
ルカ「ガキ向けのちゃちなカメラだけどよ、お前なら結構楽しめんじゃねーか?」
夏葉「まず、立たないとダメでしょ?」
ルカ「……あ?」
夏葉「それに、被写体を探して……シャッターを切る」
夏葉「見たいと思ったら現像までしなくちゃいけない。そんな工程が無駄にかさむ動作、私はやりたくないわ」
ルカ「……お、おいおい」
夏葉「そんな無駄を踏むぐらいなら、私は一分一秒でも長く眠ることを選ぶわ!」
(チッ、普段のこいつなら喜んだだろうに……)
-------------------------------------------------
他の連中に比べると、こいつの世話はだいぶん楽。
素行がぐうたらな分、寝かしつけたり、暴走を行ったりしないように監視する手間はだいぶん省けている。
とはいえ、容体が急変するとも限らないのでそばに入れる限りはちゃんと見てやらないとな……
夏葉「……ぐごご」
ルカ「……ったく、こんなアホ面こいて寝てるってのにやべえぐらいの高熱なんだもんな」
ルカ「……」
ルカ「そろそろ氷嚢の氷も溶けんな、入れ替えてやるか」
そう思って席を立ち、背を向け、冷蔵庫に向かおうとした瞬間。
夏葉「……ルカ?」
背後から私を呼び止める声。
ただ、その声色は病院に来てから聞き続けたそれとは違う。
私を小間使いにしようとする、怠惰な呼び声ではない。
数日前までの、私たち生き残っているメンバーを引っ張っていくリーダーとしての声色。
いつもの小金持ちの声を、そこに写し取っているように感じた。
思わず私は即座に振り向いた。
ルカ「ど、どうした……!?」
だが、そこににいた小金持ちの姿は……想像とは違っていた。
布団をくしゃくしゃに手繰り寄せるようにして、しおらしく肩を落としている……落胆の表情だった。
夏葉「ごめんなさい……こんなことになってしまって」
時々私も病気でうなされているときに、妙に冴えてしまう瞬間がある。
たいていが未明だとか深夜だとか、そういう冴えても仕方がないタイミングで、自分の身の上を呪うほかにやることもないそれ。
今のこいつはその妙な冴えのせいで、隠しているはずの本音を吐露してしまっていた。
夏葉「智代子に果穂……そして、283プロのみんな……この島にいるのは多くが私よりも年下でしょ……?」
夏葉「だから……私が、守らないと……助けてあげないと……その責任があるって言うのに……」
夏葉「こんな、病気なんかに……侵されて……」
ルカ「……お前」
私よりも背丈もそれなりに大きいはずの小金持ちの姿が、なんだか妙に小さく見えた。
1.いつ誰がお前にそんな責任背負わせたんだよ
2.自分を追い込む必要なんかない
3.自由安価
↓1
492 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/06(日) 22:33:59.69 ID:carM39qF0
2
493 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/06(日) 22:41:50.24 ID:6WraeaE50
2 選択
ルカ「……お前は確かに立派だよ、自分だけじゃなくいつも他の連中のことも気にかけて。そんだけの責任感があってこその行動なんだろうなって私でも思う」
ルカ「だけど……だからこそ、そんな風に自分を追い込む必要なんかないんじゃねーのか」
夏葉「……えっ」
実際、私もそうだ。
世話を直接焼かれるようなことはないにせよ、学級裁判でもいつも議論の流れを生み出してくれるのはこいつ。
こいつがいなければたどり着けなかった真実だってあるだろう。
だからこそ、こんな不慮の事態で自分を追い詰めるような真似をしているのは私としても見ていられなかった。
病気の症状で私たちを道具にしたとしても、普段の行動で十分おつりがくる。
少なくとも甘党女と小学生は、きっとそう思っていることだろう。
ルカ「お前がいっつも他の連中にしてやってる分の施し、その恩返しでもしてもらってるつもりでよ」
ルカ「看病してもらうんだったら存分に利用し尽くせよ、丁度お誂え向きにお前は【ぐうたら病】なんだ」
ルカ「甘党女、張り切ってたぞ。いつも助けられてる分私が頑張るんだ〜ってな」
夏葉「……そう、なのね」
ルカ「……まあ、私としては癪だけどよ。なんか用があればちょっとぐらいは聞いてやるぞ」
夏葉「……じゃあ」
ルカ「おう」
夏葉「なんか電気街からゲーム機とか持ってきてもらえないかしら、寝てばっかりだと退屈なのよ」
ルカ「……はぁ」
クソッ、今の一瞬ですぐに冴えは消え失せてしまったらしい。
すっかり絶望病のぐうたらモードに逆戻り。
でも、一瞬だけでもこいつの本音を見れたのは、価値があったかもしれないな。
それこそ、甘党女に伝えてやってもいいかもしれない。
……いや、そいつは野暮ってもんか。
-------------------------------------------------
【親愛度が上昇しました!】
【有栖川夏葉の親愛度レベル…3.5】
494 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/06(日) 22:45:41.67 ID:6WraeaE50
【病院 ロビー】
小金持ちの看病を終えて一度ロビーに戻る。
あれからまた暫く粘ってはみたものの、冴えは二度とはやってこず。
深い眠りに入った様子で、起こすわけにもいかないのであきらめることとした。
この病気はかなりの高熱を発生させ、性格も捻じ曲げる。
でも、能天気女のことといい、小金持ちのことといい、それ以外にも……本人の弱いところを掘り起こすようなそんな症状もあるのかもしれないな。
ただの偶然なのかもしれないが。
もし、本当にそんな症状があるのなら……私が感染したらどうなるんだろう。
「チッ」
滅多なことを考えてしまった。
もしここで私まで感染しちまったら始末は誰がどうつけるって言うんだよ……
【自由行動開始】
-------------------------------------------------
【現在のモノクマメダル枚数…107枚】
【現在の希望のカケラ…27個】
【事件発生前最後の自由行動です】
1.交流する【人物指定安価】
2.モノモノヤシーンに挑戦する
3.自動販売機を使う
4.休む(自由時間スキップ)
↓1
495 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/06(日) 22:48:40.41 ID:2BUkC5p30
ひなな
496 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/06(日) 22:55:26.35 ID:6WraeaE50
1 雛菜選択
【雛菜の病室】
コンコン ガララ……
ルカ「……うおお!?」
部屋が真っ暗になっていることはもはや触れる必要すらないとして。
入った瞬間私の鼻をくすぐる臭い。これは……葬式の時の匂い、か……?
臭いの元を探ると、能天気女が部屋の隅で何かを手に持っている。
雛菜「あは〜……この匂い……すごく落ち着く〜……」
ルカ「お、お前……それ、線香じゃねえか……」
雛菜「人って、いつかはみんな同じように焼かれて、同じように埋められて……同じように、このお線香の匂いに包まれるんだ〜」
雛菜「だから、この匂いを嗅いでると、雛菜もみんなとおんなじだって思えて……」
ルカ「……換気するぞ」
……これ以上こいつの話を聞いてるとこっちの頭が先に参りそうだ。
-------------------------------------------------
‣現在の所持品
【ジャバの天然塩】
【エプロンドレス】
【新品のサラシ】
【オスシリンダー】
【蒔絵竹刀】
【絶対音叉】
【七支刀】
【バール】
プレゼントを渡しますか?
1.渡す【所持品指定安価】
2.渡さない
↓1
497 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/06(日) 23:01:23.00 ID:QLxva49a0
エプロンドレス
498 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/06(日) 23:07:50.62 ID:6WraeaE50
【エプロンドレスを渡した……】
ルカ「……私の趣味じゃねーけど、普段のお前ならこういうの似合うんじゃねーか?」
雛菜「エプロンドレス……これってメイドさんのやつですよね〜……」
雛菜「あ、そっか……雛菜を冥途送りにしてやるっていうメッセージなんですね〜……」
ルカ「下種の癇繰りが過ぎるぞ……ただのプレゼントだ、着てみて嫌だったら捨てな」
雛菜「……」
雛菜「あは〜……かわいいかも〜……」
(……喜んだん、だよな?)
【PERFECT COMMUNICATION】
【親愛度がいつもより多めに上昇します!】
-------------------------------------------------
雛菜「雛菜のためにこんな病室一個も使っちゃって……これだけの敷地があれば、もっと愛されている誰かのお墓を建てられたはずなのにな〜……」
ルカ「不動産会社にそういう文句は言え。ほら、シーツ交換するからどいてろ」
息をするように口から綴られるネガティブな文言はもはやスルー。
部屋の隅っこにいるのをいいことに、病室の設備周りを綺麗に整えてやった。
ルカ「……あ、そうだ。昨日は、悪かったな」
雛菜「はい〜?」
ルカ「病気のとこに、無理やり問いただすような真似しちまってよ。あれで病気が悪化でもしたらこっちの責任だしな」
雛菜「……」
雛菜「いえいえ〜、むしろこんな雛菜と会話してくれたなんて……酸素の無駄遣いをさせてしまって申し訳ないです〜」
ルカ「どんなへりくだり方だよ……」
こうもいつもと違うと、やはりどうしても調子が狂う。
ネガティブになって聞き分けがよくなったというべきか、それとも言葉が余計に響かなくなったとみるべきか。
だが、私たちから距離をひたすらに置こうとするのがなくなっただけでも大分大きいのは確か。
ノクチルの二人でも、こっちの方が距離をとりたがる節はあった。
(……どうしよう、もう一度何か探ってみるか?)
1.もう一度浅倉透に対して怪しいところはないか聞いてみる
2.昨日浅倉透と話したと報告してみる
3.自由安価
↓1
499 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/06(日) 23:14:37.50 ID:carM39qF0
2
500 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/06(日) 23:24:56.78 ID:6WraeaE50
2 選択
ルカ「……昨日よ、お前と話してから浅倉透と話してみたよ」
雛菜「……透先輩と?」
(……!!)
絶望病にかかっているというのに、私の口からその名前が出た瞬間に空気が俄かに変わる。
とはいえ、これまでの敵意や殺意に塗れたそれには完全には満たない。
やはり本調子ではない、ということなのだろう。
ルカ「お前が言っていた、あいつが何かを“なくしている”っての。本人に少しだけ訊いてみた」
雛菜「それで、透先輩はなんて言ってました〜……?」
ルカ「……その場では解答はもらえなかった。でも、この病院にいる限り、逃げ場はないって」
雛菜「それって、近いうちに話すってことですよね〜……?」
ルカ「……だと、思っていいはずだ」
雛菜「……そっか、透先輩が……」
雛菜「雛菜も、それ……何を指してるかまでは知らないんですよね〜……そっか、幼馴染の雛菜も知らないのに、そうなんだ〜……」
(うっ……)
身に纏わりつくような、嫌に粘着質な気配。
べたべたとして心地の悪い感触、この感情のことを私は良く知っている。
嫉妬と恨み……そのブレンドだ。
普段のこいつなら、こんな感情は向けてこないだろうにと思う。
この感触も、絶望病由来の物なんだ。
ルカ「……確かに、お前よりも先にわたしが聞くこともあるかもしれない」
致し方ないものと割り切って、私はそれを拒絶はしなかった。
相手が病人だからということもあるが、これは千雪の命令を遂行するためでもある。
私はこいつらの感情に向き合う義務と責任とがある。
そこから逃げ出すようじゃ、まだまだだ。
ルカ「だから、話聞けたら、お前にも共有する」
ルカ「お前も、この島で暮らす……一応、一員なんだからな」
雛菜「……あは〜」
私の返答に、能天気女は幾分かの納得はした様子で、布団の中に頭を引っ込めた。
危ないところだった。この手を間違えていれば、こいつとの間の溝はまた別のかたちで広がってしまうこともあっただろう。
……立ち振る舞いは慎重に。
人づきあいと言うのはなかなか面倒なものだ。
-------------------------------------------------
【親愛度が上昇しました!】
【市川雛菜の親愛度レベル…3.5】
【希望のカケラを入手しました!】
【現在の希望のカケラの数…28個】
501 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/06(日) 23:26:38.75 ID:6WraeaE50
____
______
________
結華『そっか……まだみんなの病気はよくなんないか……』
ルカ「正直知識も何もないからな、全部結局はあいつら次第だ」
あさひ『風邪薬とかも、効かないっすか?』
透「風邪とかじゃないしね、ウイルスにはウイルスの薬使わなきゃダメじゃん」
結華『熱も下がってないんだよね?』
ルカ「ああ、全然変わらねえ。あいつらあんな平気な風して余裕で39度台の熱出してやがるからな……せめて熱でも下がらねえと衰弱しちまうぞ」
あさひ『……愛依ちゃんに会いたいっす』
結華『あさたん……もうちょっとの我慢だよ、きっとよくなるから』
透「そっちは何かありますか」
結華『いや、こっちは何も変化はないよ! 時々島の探索もできる範囲でやってはいるけど、新しい発見はないかな』
ルカ「チッ……いやな停滞だな」
結華『ルカルカ、完全にそっちに任せちゃってるけど、何か必要なこととかあったら気軽に言ってくれていいからね! ルカルカの力になれるコトなら、なんでも協力するから!』
ルカ「おう、わかった」
透「なにかあったらまた連絡します。それじゃ、また明日」
あさひ『また明日っす〜!』
プツッ
502 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/06(日) 23:28:09.93 ID:6WraeaE50
今日の夜の間の看病は私とこいつの二人で引き受けることになった。
私は昨日朝まで熟睡していたし、こいつも日中はよく眠っていたらしく、体力に余裕がある。
それに、私自身こいつと今一度話したいとも思っていたからだ。
看病に行く前、通信を終えて静まり返ったロビーで私は話しかけた。
ルカ「……この前は悪かったな」
透「え、急に何」
ルカ「千雪の裁判終わり、急に胸ぐら掴んで恫喝なんかしちまってよ」
透「あー……いいよ、別に」
ルカ「……私も動転してた」
でも、その動転はこいつへの疑念からの派生だ。
私たちにひた隠しにする、外部の人間とのつながり。
そこに私たちの求める回答の一つがあるであろうことは容易に想像がつく。
その気持ちが私に焦らせた。
今は一旦その時の非礼を詫びることにした。
こいつだって、私たちと全員と一蓮托生の一人。
中学生のように悪意が表に出ていないうちから敵対を続けるのは得策ではないと気付いたのだ。
そして、何より私にとってこいつへの認識を改める要因になったのがこの絶望病だ。
あんなに血相を変えて飛び込んできて幼馴染の容体を案ずる。コロシアイに加担している人間とは思いがたい行動ではなかろうか。
だから、私はここで見極めたい。
浅倉透という人間の真意を、七草にちかがぶつけた敵意が適正だったのかを。
503 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/06(日) 23:29:12.94 ID:6WraeaE50
ルカ「幼馴染がやっぱ心配か」
透「そりゃね、雛菜しかこの島にはいないからさ。病気してたら落ち着かないよ」
ルカ「これまでずっと別行動だったのに、助けを求めてくるぐらいだもんな」
透「……それは、ごめん」
ルカ「……別に責めようってわけじゃねーんだ。お前ら幼馴染同士の結束ってのは確かなもんなんだろうなと思ってよ」
透「ずっと一緒だからさ、うちら。小糸ちゃんは一回中学校だけ別だったけど、それ以外は変わんない」
透「……変わんない」
ルカ「……どうした?」
透「……いや、別に」
何か意味ありげにポツリと言葉を繰り返すと、浅倉透は視線を逸らした。
そこに内在するニュアンスを掴みたくて、私はさらに探りを入れた。
504 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/06(日) 23:30:18.37 ID:6WraeaE50
ルカ「お前よ、病院に残る側になった目的って本当にそれだけなのか?」
透「え」
ルカ「お前、幼馴染のことを随分と信用してるようだけど、こいつにはもしかして話してるんじゃねーか? お前がつながってる、外の世界のやつっての」
透「……!」
ルカ「私たちが看病している間に、ついうっかり口にしやしまいかって」
透「いや、そうじゃない……違うって」
強い言葉で否定した。
こいつとしてもどうにか誤解を解きたいと言う気持ちはあるらしい。
確かに、今にして思えばこいつが私たちと距離を取ったのはあの能天気女の暴走によるところがあった。
まるで信用しない私たちに豪を煮やして単独行動を開始した。そこからも目立った動きはないし、そこを咎める必要はきっとないんだろう。
505 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/06(日) 23:32:08.25 ID:6WraeaE50
ルカ「七草にちかが言ってたこと、お前が外の人間と繋がってるってのは……結局本当なんだよな?」
透「……うん、本当だよ」
ルカ「そいつとは、まだ連絡は取ってるのか?」
透「……ううん、取れなくなっちゃった」
ルカ「……そうなのか?」
透「あの裁判以降一度もね、モノクマがなんかしちゃったみたい」
(……もしかして、七草にちかが告発したことで明るみになっちまったからか?)
ルカ「そいつは、私たちにとって敵ではないんだよな」
透「うん、味方だよ。このコロシアイとは無関係」
ルカ「でも、誰かは言えない……」
透「……」
ルカ「……なあ、なんで言えないんだ? その理由を聞かせてくれよ、別にお前を疑ってるわけじゃねーんだ、お前を信用するために、信用に足る情報をくれよ」
透「……えっと」
ルカ「いい、ゆっくり話せ」
506 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/06(日) 23:33:05.43 ID:6WraeaE50
今この場には私とこいつしかいない。
病院から逃げ出すことは不可能。
詰問には正に打って付け、浅倉透も観念した様子で慎重に言葉を選びながら語り始めた。
透「……そもそも、私が連絡取れてたのはモノクマからの干渉を拒める手段があったからなんだよね」
透「この島にいる限り、モノクマには全部知られちゃうんだよね。何をしてるか、何を話してるのかも。全部」
透「だから、そこら辺をクリアにする機能を持ったのがあったんだけど……今はもう使えない、取り上げられちゃったから」
透「だから、伝えられないんだ。モノクマに知られたらまずいから」
ルカ「結局、私たちに言えることは何もないってのは変わんねーのか」
透「……ごめん」
情報には何も進展はなし。
モノクマへの抵抗手段があったと言うことは知れたが、今はもうそれも手元にないと言うのだから仕方ない。
ただ、進展はなくとも、浅倉透という人間は少し見えた。
声の調子、視線、息遣い。それをすぐ間近で改めて観察することで、こいつが嘘をついていないことは分かる。
507 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/06(日) 23:34:00.67 ID:6WraeaE50
ルカ「じゃあ具体的な話をしなくてもいい、これだけ聴かせてくれ。お前は一体、どこまで知ってるんだ?」
透「……」
ルカ「この前のゲームといい、最初の動機といい、私たちの失った記憶ってのが重要な意味をもってんのは確かだ。お前はその私たちの失った記憶を……知ってるのか?」
透「……私は、あのゲームの中のコロシアイは何にも知らないよ。それは事実」
透「でも……みんなが失った記憶は、ちょっとだけわかる」
ルカ「……!? ま、マジか……?!」
透「でも……それは言えないんだ、言っちゃうと……全部、これまでが無駄になっちゃうから」
ルカ「これまでが無駄になる……?」
透「ねえ、記憶ってどこまである? この島に来る前の一番新しい記憶って?」
(この島に来る前の、一番新しい記憶……?)
確か、私はいつも通りソロライブを終えて、マネージャーが運転する帰りの車に乗ってた。
それでついついうたた寝しちまって……目が覚めたらこれだ。
508 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/06(日) 23:35:59.42 ID:6WraeaE50
透「……そっか、それなら大丈夫」
透「あのさ、それが本来あるべき姿なんだよね。みんなは記憶がすっぽり抜け落ちている……それで、いいんだよ」
ルカ「お前……それってどういう意味なんだ」
透「思い出しちゃ、ダメなんだよ」
透「忘れといて、そのまま」
自らの胸に手を当てて、説き伏せるようにして浅倉透はそう言った。
失った記憶はそのままでいろだなんて、正直理解はできない。
でも、道理や理論じゃなくて、こいつの言葉には信じてみようと思わせるような妙な説得力があった。
その澄んだ瞳の奥底には、どっしりとして揺るがない軸のようなものがあり、その不思議な引力に引き寄せられるのだ。
……でも、だからといって見逃しはしない。
こいつの言葉を追っていけば必然的に結ばれる結論がある。
それは、
509 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/06(日) 23:36:52.93 ID:6WraeaE50
ルカ「……お前が私たちの記憶を奪ったのか?」
510 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/06(日) 23:38:04.47 ID:6WraeaE50
透「……」
ルカ「いつからの記憶がないかを把握してるってことはそういうことだろ? お前はこの希望ヶ峰学園歌姫計画の参加者じゃなくて……運営する側の人間なんじゃないか?」
透「……私が奪ったって言うか」
透「私たちが、奪った」
511 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/06(日) 23:39:18.15 ID:6WraeaE50
ルカ「……マジかよ」
透「でも、信じてほしいんだ。モノクマの言葉に載せられちゃダメ。あいつは、悪者だよ」
ルカ「んなことは分かってる、このコロシアイは希望ヶ峰学園歌姫計画をあいつが乗っ取ったからこうなってるだけ、つまりは本来の歌姫計画はそうじゃなかった」
ルカ「だから……てめェはその本来の歌姫計画の実行者……その一人ってことなんだろ?」
透「……うん」
希望ヶ峰学園歌姫計画の実行者ということは、この島に私たちを集めた張本人ということになる。
でも、どうして?
他の283プロの連中とは別に、どうしてこいつだけがそんな役目を担っている?
他の連中はどうしてこいつのように希望ヶ峰学園歌姫計画を知らない?
そして、その歌姫計画はどうして私たちの記憶を奪うような工程が含まれている?
浅倉透が口にした言葉は、謎への解放なんかじゃない、新たな謎への導線だったのだ。
512 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/06(日) 23:40:28.18 ID:6WraeaE50
透「……多分、今めちゃくちゃだよね。頭ん中」
ルカ「当たり前だ、お前……新しいことは言えないとか言った割に、疑問ばかり言いやがって」
透「ごめんって。……でもさ、私がみんなの味方だっていうのは変わんないから」
ルカ「そればっかだな……」
そもそもの『希望ヶ峰学園歌姫計画』とやらの実体も私たちにはよくわかっていない。
それの実行者がいくら味方だ敵だと言っても、信じるか否かの議論の上に載せることすら危うい証言だ。
でも、この状況においてなお、浅倉透は私から視線をずらそうとはしなかった。
ここにきて初めて私が耳を傾けた、この状況をこいつ自身も好機だと考えたんだろう。
自分自身を知ってもらうための、好機。
誤解を解くための、好機。
____後は私がこの瞳を信用するかどうかがすべてだ。
513 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/06(日) 23:41:57.10 ID:6WraeaE50
七草にちかの命を懸けた糾弾、そしてそれに突き動かされた美琴。
それを思えば、こいつの主張など斥けてしまうべきなのかもしれない。
……でも、それは今ある信頼に縋り続けるだけの逃避に変わりない。
現実に向き合うことから逃げ続けても、私たちは真実にはたどり着かない。
ルカ「……だけど、わかった。私はとりあえずお前のことを一度信用することにする」
透「……!」
514 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/06(日) 23:42:56.67 ID:6WraeaE50
ルカ「だから、お前も私たちのことを信用して……お前の幼馴染を説得しろ。あいつだって283プロの連中の人の好さは知ってんだ。今はこの状況下で視野が狭窄しちまってるだけ」
ルカ「そんで、私たちからも逃げんな。信用が欲しいなら、行動で勝ち取れ。……ま、私が言えたことでもないけどな」
透「……うん、そうだね」
ルカ「こういう言い方をしちゃ悪いが、今の看病の状況はうってつけだろ。精々張り切って面倒見てやるんだな。その分私の手も空くし」
透「ふふ、なにそれ、サボりじゃん。……でも、任せてよ。うちら、ナースの衣装着たこともあるし」
ルカ「なんだそれ、関係あんのかよ」
透「アリよりのナシ」
ルカ「……ハッ」
浅倉透という人間の感情に、今私は初めて触れたような気がした。
こいつだって283プロの人間で、人並みに笑うし、人並みに苦しむ。
今こうして肩を並べて笑う姿を見て、私は自分のこれまで持っていた敵意がどれだけあやふやなものだったのかを身につままされた。
まだ完全な信用をしたわけではない、でも、信用するにしてもしないにしても、見極めずに判断を下すことは避けるべき短慮だ。
ルカ「じゃ、また様子見に行くぞ。ベッドから抜け出してないとも限らねえ」
透「しゃー、看るか―」
____これで、少しは千雪の命令をまた遂行できただろうか。
【浅倉透・市川雛菜との通常時での交流が解禁されました!】
515 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/06(日) 23:45:44.18 ID:6WraeaE50
申し訳ない、事件発生まではもう少しあるのですが時間的に厳しくなってきたので本日はここまでにさせてください。
次回更新時に事件発生パートから非日常編の捜査パートを途中まで一気に進めることにします。
次回更新は火曜日か水曜日になると思います……改めて更新できそうな日に前もって書き込みに参ります。
それではお疲れさまでした、またよろしくお願いします。
516 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/06(日) 23:50:13.12 ID:carM39qF0
お疲れさまでした
517 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/06(日) 23:51:32.32 ID:carM39qF0
お疲れさまでした
518 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/06(日) 23:51:35.06 ID:PcuD0/db0
>>1
乙!
やはりと言うか、予想はしてたけど
この島に参加させられたみんなは「アレ」なのね
519 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/07(月) 22:44:35.26 ID:voJBumxJ0
次回更新ですが3/8(火)の22時ごろからになりそうです。
捜査パートでは安価で行動指定もあるのでご協力いただけますと幸いです。
それとこれはつい先ほど気づいたことなのですが、章題についてミスをしていました。
章題はアイマスの楽曲をもじってつけるのに統一していたのですが、何を勘違いしたのか、
前章で放課後クライマックスガールズのGW楽曲『学祭革命夜明け前』を何故か『学祭革命前夜』と間違えてつけていました。
pixivで個人的にあげているまとめの章タイトルも『パステルカラー パスアウェイカラー』に急ぎ変更をしました。
混乱させてしまっていたら申し訳ないです…
520 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/08(火) 01:07:22.47 ID:glx8cp+J0
全キャラ出すために2やったなら多分前作で生き残ったキャラは全員死んじゃうね。
前作が電脳世界だったのかな?
521 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/08(火) 21:56:01.70 ID:4DJpxcg+0
1のタイトルセンスいいね、パスアウェイカラーとかめっちゃ好き
522 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 21:56:32.16 ID:7xcqTvao0
-------------------------------------------------
【病院 廊下】
恋鐘「こんばんは!」
ルカ「うわああ!? お、お前何やってんだよ……ちゃんと部屋で寝とけって」
恋鐘「昼間充分寝ているので、どうも目が覚めてしまいまして……少し夜風に当たりたいのですがダメでしょうか!」
ルカ「あのな、何度も言うけど今お前は病気なんだよ。外にそうホイホイ出せるわけないだろ」
恋鐘「わかりました! 自分の部屋で待機しておきます!」
ルカ「……ったく、心臓に悪いぞ……」
透「止まったかも、心臓。マジで」
ルカ「これ以上看病対象を増やすんじゃねーよ……長崎女はまあ確認できた、後の三人、行くぞ」
523 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 21:57:53.57 ID:7xcqTvao0
◆◇◆◇◆◇◆◇
【愛依の病室】
ルカ「だからお前はどこからこんなの持ってきてんだよ!」
透「おー、なんか咲いてんじゃん。めっちゃ」
愛依「こちらのお花はゲッカビジンと言いますの、ほんの一夜のみにその花を咲かせる姿から、その花言葉は『儚い美しさ』……今こうしてお二方と見れたこと、恐悦至極に存じますわ」
ルカ「いや知らねーけど……花をいつ調達していつ育てたんだよ」
愛依「あら、セバスチャン? 乙女の秘密を詮索するのは野暮というものですのよ」
ルカ「だから誰がセバスチャンだ」
透「おーい、セバスチャン。茶淹れてよ」
ルカ「おい、お前もベッドに横になりてえか」
透「ごめんて」
524 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 21:58:42.00 ID:7xcqTvao0
◆◇◆◇◆◇◆◇
【夏葉の部屋】
夏葉「クワトロチーズLサイズに、あとバニラフロートもお願いするわね」
ルカ「うおおお!? 何お前出前頼んでんだバカ、病人がそんなもん食うんじゃねえ!」
透「ていうか電話線繋がってないじゃん」
夏葉「食べたいのよ、暴飲暴食の限りを尽くしたいのよ……机に並んだ空き箱の数々、ソースと生地の粉に塗れた指先、ベッドにもたれかかる私……そのまま意識を失い、翌朝まで眠りこける……」
夏葉「そんな怠惰なOLの金曜日を送りたいのよ!」
ルカ「なんだその具体的かつ終わりの生活は……」
透「なんかもうただの我儘みたいになってきたね」
夏葉「入院も飽きて来たし、そろそろこの部屋にもゲームとか置いてもらえないかしら。退屈なのよ」
ルカ「だからおとなしく寝てろって、病気でゲームしてもろくなことにならねーぞ」
透「昔さ、熱ある時暇だったからレベル100にしてた。テレビ見ながら」
ルカ「ろくなガキじゃねえな」
525 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 21:59:40.48 ID:7xcqTvao0
◆◇◆◇◆◇◆◇
【雛菜の部屋】
雛菜「はぁ、行くところまで行っちゃったな〜……透先輩の幻覚まで見始めちゃったし雛菜ってホント救えない〜……」
透「リアルだよ、実在」
ルカ「だから、そんな隅っこで埃いじってないで早くベッドに戻れって」
雛菜「はぁ……いいですよ、雛菜のために使う時間があるなら、資格試験の勉強とかに使ってください〜……雛菜と関わってもメリット無いですって〜……」
透「大丈夫大丈夫、勉強しても変わんないから」
ルカ「フォローになってねーぞ」
雛菜「ペン習字とかおすすめです〜……香典書くときとかに便利ですよ〜……」
ルカ「習う気はないから安心しろ、おら、さっさと動け」
透「かっこよくない、筆ペン使えたら」
ルカ「知らねーよ」
526 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:00:43.76 ID:7xcqTvao0
◆◇◆◇◆◇◆◇
ルカ「……あいつら、やっと寝たみたいだな」
透「みんなあれで熱あるんだからすごいよね、超エネルギッシュ」
ルカ「そのくせ体力は減る一方なんだけどな、無茶してんだよ」
透「でも、どうする? みんな寝たけど、うちらは」
ルカ「昨日美琴とやってた時はどうだったんだよ」
透「あー、まあ、ロビーで寝たり? 病室に入って寝てるの邪魔してもいけないし」
ルカ「それはそうだな……見るとしても廊下ぐらいにしとくか?」
透「ん、そうしよ」
ひとまずは夜の時間帯の看病もおえて、私たちも休憩の時間。
がっつり寝るわけにはいかないが、少しぐらい微睡む余裕はあるだろう。
それくらいに考えて、仮眠をとろうとしたその瞬間。
527 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:02:13.40 ID:7xcqTvao0
ビー! ビー!
突如としてロビーに響き渡るブザー音。
これまでに一度も聞いた覚えのない甲高い音とともに、受付の内線が赤く点滅している。
私たちは慌ててその内線をとった。
ルカ「……これ、小金持ちからのナースコールだぞ……!」
透「え、マジ……ヤバ」
ルカ「……クソッ、急ぐぞ!」
ついさっき病室を除いたときには平気そうな顔をしてやがったのに、容体が急変してしまったのか。
内線を乱暴にその場に放り、慌てて病室へと駆けつけた。
528 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:03:57.85 ID:7xcqTvao0
-------------------------------------------------
【夏葉の病室】
ルカ「お、おい……! 大丈夫か!?」
扉を開けるとすぐ目に入ったのは、ベッドから転げ落ちるようにして床に倒れ込んでいる小金持ちの姿。
病気にかかってきてからというもの、こいつはぐうたらな生活を送ってはいたが、どうやらそれとは雰囲気が違う。
瞳を無力に閉ざし、そしてその胸部はまるで動いていない。
ルカ「こいつ……呼吸してねえのか……!?」
胸に耳を当てた。
……そこに、本来あるはずの鼓動は聞こえてこなかった。
透「心停止……」
ルカ「畜生……なんてこった……」
ここは病院、それなりの設備があるとはいえ私たちに扱えるような代物ではない。
心停止してしまっている人間を回復させる術など、私たちは見当もつかない。
529 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:05:41.42 ID:7xcqTvao0
(……クソッ)
この状況において、頼るべき存在は一つしかない。
随分と癪なもので、出来るコトなら一生頼りにしたくはなかったが、背に腹は代えられない。
監視カメラに目を向けて、私はその名前を呼んだ。
ルカ「モノミ……お前ならなんとかしてくれんじゃねーのか!?」
モノクマは絶望病を振りまいた張本人。しかも今回の動機は病気で命を落とす前に誰かを殺せと言う指示も出ていた。
ここで心停止をして命を落とすというのなら、それは目論見の内だともいえるはずだ。
だからあいつはきっと手を貸してはくれない……でも、モノミなら。
あいつは一応口先では私たちの味方を自称している。
ここで信頼を勝ち取れるのなら、乗ってこない理由がないはずだ。
ルカ「さっさとしろよ……こいつ、死んじまうぞ!?」
コンコンッ
530 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:06:31.22 ID:7xcqTvao0
焦りをぶちまけ始めた時、背後で乾いた音がした。
病室の奥、その窓からだ。
音の正体を探ろうと近づいてみると、窓のサッシ、その下にピンク色の物体が目に入った。
ソーセージみたいな不格好な形に、しょぼい耳のついたぬいぐるみ……モノミだ。
モノミ「斑鳩さん、あちしでちゅ! 有栖川さんを助けに参りまちた!」
私たちはガラス窓をあけて、その寸胴を無理やり引き上げた。
透「モノミ……お願い、助けて。私たちじゃどうにもできない」
モノミ「了解でちゅ! 医龍の名をほしいままにするあちしにお任せあれ!」
ルカ「なあ……本当にお前にできんのか? こいつは……助かるのか?」
モノミ「はい! ちゃんと医師免許も持ってまちゅから! あちしの偏差値70の灰色の中綿を今こそ活性化させる時でちゅ!」
なんとも信頼しづらいが……今は任せるしかない。
私たちはモノミにその場を任せて、病室の外、廊下で待機した。
531 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:08:36.71 ID:7xcqTvao0
______
________
__________
モノミ「ふぅ……なんとかなりまちた……有栖川さんは無事でちゅよ」
しばらくしてから、モノミが病室の扉を開けて出てきた。手をこまねいて入室を促す。
私たちを顔を見合わせてから、静かに病室へと入っていった。
モノミ「今は寝てまちゅ……とりあえず、体外式のペースメーカーを使うことで一命はとりとめまちた。安静にしておけばきっと元気になりまちゅよ」
モノミの言う通り、小金持ちの胸部にはコードで何か機械が繋がれている。
多分そこから電気を流したりして、心臓の鼓動を確保しているんだろう。
瞳は変わらず閉じたままだが、心なしかさっきよりも血色がいい。
なんとか事なきを得た、というところなのだろう。
532 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:10:09.56 ID:7xcqTvao0
モノミ「そうだ、ペースメーカーなんでちゅが、電波の干渉を受けやすい機械でちゅ。電子生徒手帳なんかを使うときもできる限り、有栖川さんからは離れて使うようにしてくだちゃいね」
透「はーい」
ルカ「……おう」
とはいえペースメーカーが付けられた状態では安心もまだまだできそうにはない。
モノミの言う通り、機械が少しでも狂ってしまわないように細心の注意が必要だ。
ルカ「……とりあえず、助かった」
透「ありがとう、モノミ」
モノミ「いえいえ、あちしにできるのはこれくらいでちゅから。本当は病気そのものを直してあげたいんでちゅけど、あちしにもわからない未知の病気なので、対処の仕方も分からないんでちゅ……」
ルカ「まあ、そこまでは期待してねーよ」
モノミ「うぅ……面目ないでちゅ」
533 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:11:35.82 ID:7xcqTvao0
ルカ「そもそもこっちは治療できるかどうかも半信半疑だったぐらいだ。そんなことでへこまれてもこちらとしても困る」
モノミ「そうでちゅね……まずはこういう信頼の積み重ねが大事なんでちゅよね」
ルカ「……ああ、そうだな。そういうわけだから」
ポイッ
ルカ「用件は済んだ、じゃあな。おやすみ」
モノミ「え……あちしの出番これだけ? あちし、ミナサンの都合が悪い時に治療をするだけの関係なんでちゅか? 治療フレンドなんでちゅか?」
ルカ「おう、また困ったら呼ぶわ。そん時まで待ってろ」
ガチャッ
透「……ドライじゃん、めっちゃ」
ルカ「十分だろ、これくらいで」
モノミを締め出して施錠。
なんだか目を潤ませていたような気もするが、知ったことではない。
あいつだって私たちからすれば得体のしれない存在のうちの一つ。
今命を救ってくれたからと言って、ずっとそばに置いておくほど私は単純ではない。
これは引いては自分たちの命を守るためでもあるのだ。
治療をしてくれたなら、もう用済みだ。
534 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:13:25.20 ID:7xcqTvao0
-------------------------------------------------
【病院 廊下】
透「今回は焦ったね、流石に」
ルカ「ああ、心停止までいってたからな……なんとか持ち直してよかったよ」
小金持ちの病室から出た私たちは大きなため息をついて、壁にもたれかかった。
そのままずるずると壁を伝って座り込む。
ルカ「未知の病気だからな、何があるかこっちも分からねーことだらけだ」
透「うん……症状の全部もまだ把握してないもんね」
ルカ「あそこまで高熱がでるってだけでも体力を使うし、体にはよくない影響が出るからな。今回はモノミがいて何とかなったけど……」
透「……わかんないな、次同じことが起きたらどうなるか」
ルカ「……ああ」
未知の島で道の病気のパンデミック。
ここから先どうなるかなんてわからない。その漠然とした不安がまた息を吹き返す。
何もせずこのまま時間が経てば、その不安に飲み込まれてしまうかもしれない。
そう考えたのか、浅倉透はすくりと立ち上がる。
535 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:15:02.02 ID:7xcqTvao0
透「……とりあえず、休んどこうかな」
ルカ「おう、休んどけ休んどけ。また誰の容体が急変するとも限らねえんだ。寝れるうちに寝とかねーとな」
もともとさっきも一時は仮眠を取ろうとしていた時に起きたこと。
すでに私たちの瞼はかなり重たくなってきているし、さっきの対応で体力を結構使ってしまった。
透「じゃ、お言葉に甘えて。仮眠室、使ってもいい?」
ルカ「おう、大丈夫だ。私がロビーで寝とくよ」
ロビーで寝ることを申し出たのは、若干の警戒心から。
以前よりは信頼を置くようにはなったとはいえ、ここは私が死守すべきラインなような気もする。
透「それじゃあ……おやすみ」
ルカ「おう、おやすみ」
浅倉透の背中が廊下の奥へ消え、階段を上る時の靴の音が聞こえなくなるまで、私はじっとその場に座り込んでいた。
なんだかこの一夜に、いろんなことが起きて、いろんなものが変わった様な気がする。
その不思議な感覚を、時間をかけてかみしめていた。
536 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:16:00.55 ID:7xcqTvao0
____その感覚は、虫の知らせだったのかもしれない。
537 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:17:21.86 ID:7xcqTvao0
____
______
________
=========
≪island life:day 15≫
=========
【病院 ロビー】
(……ん?)
目を覚まして時計を見ると午前三時。
まだ朝のアナウンスもなっていないし、定期連絡までは4時間も時間がある。
勿論看病のために早めに起きようとは思っていたが、それにしても目を覚ますにしては早すぎる。
私の異様なまでの早い目覚めには理由がある、それはテレビ通話の送受信機の【ランプの点滅】だ。
着信があった時にはこのように緑色のランプが点滅し、画面にポップアップする応答のアイコンを押すことで私たちは電話を受けることが可能だ。
本来なら、時間も決まった通信なのでそこまでランプを気にかけることはないのだが……こんな時間に着信があるとなると話は別だ。
____それが意味しているのは疑いようもない【非常事態】。
背筋を何か冷たいものが撫でた。
538 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:18:40.18 ID:7xcqTvao0
「……もしもし! どうした、何かあったのか!?」
急ぎ応答すると、通話相手に出てきたのは冬優子と小学生だった。
『ルカ! ごめん、そっちにあさひと結華来てないかしら!?』
「え……? なんで、どうしたんだ急に」
『さっき、あたしたちの部屋のドアノブがガチャガチャってなって……それでふゆさんがあたしのことを心配してむかえに来てくれたんです……』
『でも、あさひと結華は一向に出てこなくて……行方知らずなのよ。部屋が防音って言っても流石にインターホンを鳴らしたら気づくと思うんだけど』
「……悪いけど、こっちじゃ見てねえぞ」
『どうしたんでしょうか……まさか、誰かにゆうかいを____』
突然の中学生と三峰結華の失踪。
こんな深夜にわざわざテレビ通話を繋いでまで相談しに来たのだから、その緊急性は高い。
部屋のドアノブをガチャガチャと開けようとしてきた不審者の存在も気になる。
もしかして、二人は何者かに……?
そんな不吉な考えが私の頭に浮上しかけた、その瞬間。
539 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:20:09.68 ID:7xcqTvao0
ガッチャーン!!
540 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:21:50.70 ID:7xcqTvao0
「な、なんだ!?」
『なによ今の大きな音……ガラスが割れたみたいな音だったけど!?』
「今の……【病室】の方からだぞ」
背後から聞こえてきたその音は病院一帯に響き渡るほど、通話相手にも聞こえるほど大きく、並大抵のことが起きたものではないことが直感的に分かった。
これまでに二度体験してきた、あの感覚がこみあげてくる。
何か良くないことが起きている、しかも最悪の形で。
その予感が私の足を走らせた。
『あっ、ルカ! ちょっと……!』
通話もつなぎっぱなしだが知ったことではない。
今は、何が起きているのかを見極めなければならない……たとえどんな形であろうとも。
廊下に出たが、いずれの病室も扉が開いてはいなかった。
でも、この中のいずれかで異変が起きていることは間違いない。
どれだ……どこで、何が起きているんだ……?
-------------------------------------------------
【確かめる病室を選んでください】
・恋鐘の病室
・夏葉の病室
・愛依の病室
・雛菜の病室
※死亡者が変わる選択ではありません
↓1
541 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/08(火) 22:22:21.10 ID:To/PBRez0
夏葉
542 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:27:06.65 ID:7xcqTvao0
-------------------------------------------------
【夏葉の病室】
さっきの今、こいつの容態は急変したばかり。
私が真っ先に飛びついたのは小金持ちの部屋だった。
あのガラスが割れるようなとても大きな音、もしやペースメーカー周りが破壊でもされたんじゃ……
そんな胸騒ぎとともに扉を勢いよく開けた。
ガララッ!!
ピッ ピッ ピッ
無機質な音とともに動くペースメーカー、その波形は変わってはいなかった。
部屋を見渡しても差し当たっての異常はなし。
肝心の小金持ちも……そのままだ。
口元に耳を当てても変わらず。
呼吸もしっかりとしている。
……よかった、ここではなかった。
だが、安堵している場合などではない。
ここでないのなら……【別のどこか】だ。
-------------------------------------------------
【確かめる病室を選んでください】
・恋鐘の病室
・愛依の病室
・雛菜の病室
※死亡者が変わる選択ではありません
↓1
543 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/08(火) 22:29:07.22 ID:To/PBRez0
愛依
544 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:30:40.12 ID:7xcqTvao0
……そのドアノブに手をかけた瞬間に、なぜだかそれがすぐにわかった。
別に妙に冷たかったとか、変な液体がついていたとか、そんな物証的な話ではない。
これは、人間という生物が本能的に嗅ぎつけたもの。
私が、今確かめようとしているものは、この中にある。
この中で、それは起きて、そして……終わっている。
私たちには、その顛末を見届ける義務がある。
否応なしに、選ぶ権利さえも与えられないのだ。
その最悪の義務感がガラガラと音を立ててその扉を開いた。
545 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:31:26.59 ID:7xcqTvao0
【満月が煌々と照らす窓の近くで首から大量の血を流して息絶えているのは、超高校級のギャル・和泉愛依だった】
546 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:32:58.13 ID:7xcqTvao0
「……う、嘘……だろ……」
ついさっきのことだ。
私たちが看病しに来たとき、こいつはどこから持ち込んだともわからない花を嬉しそうに見せてくれた。
その花は混じりっ気のない純白の花弁を広げていて、私のように花を愛でる習慣のない者でも思わず見とれてしまうほどだった。
そんな花は、その持ち主の首から噴き出したであろう血で紅に染まっている。
「……クソッ」
____だが、事態はそれでは終わらない。
死体に完全に気を取られてしまっていたが、一度視野を広げてみてみるとこの現場の異常さに気が付いた。
お嬢様病の影響ですっかり様変わりした病室ももちろん異常ではあるのだが、この部屋には荒らされた痕跡がある。
……もっと言えば、【窓が割られている】のだ。
547 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:34:38.65 ID:7xcqTvao0
その結論に行きつくまでにはそう時間はかからない。
こんな殺人現場でわざわざ窓を割る、しかも病室の扉は閉まっていた。
それならこの割れた窓が犯人の脱出経路であることは間違いない。
破壊された窓のその隙間から首を出してみると、すぐ出たところにガラスが散乱している。
やはりこれは犯人が脱出するために内側から割ったものとみて間違いないだろう。
音が鳴ってからまだそう時間は経っていない。
ともなると、犯人はまだ近くにいることになる。
「……逃がさねえ!」
私はすぐに病室を飛び出し、ロビーへと向かった。
病院を出入りする唯一の玄関口が、ここだ。
『なにがあったの! ルカ、答えなさい!』
『ルカさん、どうしたんですか!?』
画面を横切る私の姿を目撃したのか、冬優子たちの声が聞こえてきた。
でも、それの相手をしている余裕なんかない。
犯人はすぐにでもこの場を立ち去ってしまうかもしれない。
その前に確固たる証拠を、犯人自身を捕まえてやらなくては。
それができるのは私だけなのだから。
548 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:35:31.63 ID:7xcqTvao0
ガチャ
私は観音開きのその扉の取っ手を掴んで、すぐに開け放した。
なんとしても犯人を捕まえなくちゃいけない、ただその一心で他のことは一切考えていなかった。
勿論、今更考えたってどうにかなるものではない。
でも、覚悟の一つでも決めておくべきだったかもしれないと今なら思う。
549 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:36:01.69 ID:7xcqTvao0
扉を開けた先に待っている、もう一つの絶望的な状況に直面するための、覚悟を。
550 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:36:50.63 ID:7xcqTvao0
【病院の入り口の扉を開け、駐車場で血の海に沈む三峰結華の姿を目撃した】
551 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:39:21.38 ID:7xcqTvao0
-------------------------------------------------
CHAPTER 03
Hang the IDOL!!〜弾劾絶叫チュパカブラ〜
非日常編
-------------------------------------------------
552 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:40:51.54 ID:7xcqTvao0
理解というのはいつも遅れて来る。
浅い眠りに落ちていた間に少しばかり停止していたシナプスにはこのものの数分の間に目の前に現れた現実というものが受容しがたく、私は暫く呆然と立ち尽くしていた。
悲嘆にくれるでもない、絶望に陥るでもない、困惑に喚くでもなく、ただ感情に自我がたどり着くまでに時間を要していたのだ。
「……は?」
目の前に広がる赤、その中に沈む“何か”。
その理解は、背後から聞こえてくる怒声のような叫び声とともにやってきた。
『ルカ、何があったの?! いい加減教えなさい!』
「え……あ、えっと……」
冬優子の問いかけに自分の言葉で説明をしようとして、初めて私は理解を手にした。
今のこの数分の間に二人の人間が命を落としたこと、またそれが始まってしまったこと。
本能にようやっと理性が追い付いたのだ。
私はふらつく足取りでなんとかモニタの前に辿り着き、なんとかその一言だけを絞り出した。
「……死んでる」
553 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:42:01.65 ID:7xcqTvao0
____
______
_________
ピンポンパンポーン!
『死体が発見されました! 一定の自由時間の後、学級裁判を開きます!』
病院の駐車場にはほとんど全員が揃っていた。
あの通話の後にすぐに冬優子と小学生は合流し、中学生もどこかから姿を現した。
私もなんとか二階の休憩室の二人を叩き起こし、駐車場に戻ってきた。
果穂「結華さん……!? な、なんで……」
智代子「な、なんでまた起きちゃうの……」
冬優子「嘘……結華が、どうして……!?」
一段と受けているショックが大きかったのはやはり冬優子だった。
私も冬優子と数日前に、三峰結華の説得に同伴した身。あの時にようやっとの思いで心を開かせ、
外に連れ出したというのにこんな事となってしまうなんてなんと報われないことか。
まるで力なく膝から砕け落ちる冬優子には、その心中に冷たくドロドロとした何かが広がっているのが透けて見えるようだった。
554 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:43:23.83 ID:7xcqTvao0
……だが、彼女が受けるショックはこれでは終わらない。
この事件は三峰結華の一つで終わらない、より近くにいた存在が喪われてしまったことを、私は冬優子に伝えなくてはならない。
ルカ「……今回は、一人じゃねえんだ」
美琴「一人じゃないって……まさか」
ルカ「……ああ、病院の中で……和泉愛依も死んでる」
冬優子「……は?」
あさひ「愛依、ちゃん……?」
私がその名前を口にしたとたん、冬優子は私の胸倉をつかみ上げた。
眉間には一瞬にして皺が寄り、奥歯を噛み砕きそうなほどにその口元には力がこもっている。
冬優子「ふざけんじゃないわよ……アンタ、そんな冗談言っていいと思ってんの!?」
冬優子の憤怒はもっともだ。三峰結華の死に加えて、和泉愛依も事切れたことなど到底受け入れられるものではない。
ただ、どれだけ怒ろうとも現実は変わらない。私があの病室で見た惨状を否定するに足る言葉などどこを探して見つからないのだ。
私は返す言葉が見つからず、ただ視線を逸らしてうなだれた。
555 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:44:48.43 ID:7xcqTvao0
冬優子「……チッ!」
私の反応に業を煮やしたのか冬優子はその手を離し、ツカツカと音を鳴らしながら病院の中に入っていった。
おそらく、私の言葉の真偽のほどを確かめに行ったのだろう。
あさひ「……ルカさん、本当……なんっすか?」
ルカ「……おう」
そして、ストレイライトのメンバーは冬優子だけではない。
私たちを散々かき乱してきたはずの狸も、その仲間の死をすぐには飲み込めず、私に確認をしてきた。
あさひ「……愛依ちゃんが、死んじゃった」
私の言葉を反芻して、その場にぺたりと座り込む。
冬優子の激情とは対照的に、まるで魂が抜け落ちたような反応だ。ぼうっと地面を見つめて、それ以上は動こうとはしない。
こいつには散々煮え湯を飲まされてきたが、この反応を見ていると少し胸が痛む。
14歳という未成熟な器、その容量から溢れ出たものがそこら中にまき散らされている。
智代子「そんな……二人同時に死んじゃうなんて……」
でも、私たちに悲嘆にくれる時間は与えられていない。
誰かが死んだということは、今私たちの命も生きるか死ぬかの瀬戸際にあるということ。
載せられた天秤が正しい方向に傾かないと、私たちもこの二人とともにあの世行きだ。
ルカ「とりあえず、もう一つの事件現場に行くぞ。……やらなきゃ、死ぬのは私たちなんだ」
556 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:46:13.53 ID:7xcqTvao0
-------------------------------------------------
【愛依の病室】
病室の扉は今度は開かれていた。
恐らく冬優子が先に来て、その死を確かめているのだろう。
そう思って他の連中に先行して中の様子を伺った。
ルカ「……待て」
私はそこで美琴たちを制した。
ルカ「……中学生以外は一旦ここで待機、三分だけ時間をやるぞ」
あさひ「……ルカさん」
ルカ「早く行ってこい、時間はそう残ってねえんだ」
こいつにかける情けも容赦もない、あの裁判以降そう思っていた。
だが、和泉愛依の死を聞いた瞬間のあの力の抜けようは演技のそれではなかった。
何か大事なものが崩れ去ったような、足を絶望にからめとられた時のような、そんな言い表しようもない感情を見せていた。
私は、その感情には救済を与えたいと思った。
今のこいつは分からないが、かつてのこいつが仲間とともに笑いあった時間があったのは確かだ。
なら、その時間に見合うだけの対話はあってしかるべきだと思う。
557 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:47:52.90 ID:7xcqTvao0
冬優子「……あんた、何馬鹿なことしてんのよ。あんたはふゆのライバルで……アイドルの頂点目指すんでしょ……? なんで、こんなとこで死んでんのよ……」
あさひ「愛依ちゃん……嘘っすよね……わたし、まだ愛依ちゃんとしたいことがいっぱいあるっすよ……? まだまだいっしょに行きたいところがいっぱいあるっすよ……」
骸は何の言葉も返さない。
瞳を閉じて、口元を苦痛に歪ませたその表情ばかりを月明かりが照らす。
冬優子「許さない……許さないんだから……ふゆとまともに闘いもせずに舞台から降りるなんて……不戦勝なんてふゆが喜ぶと思う……!?」
あさひ「愛依ちゃんに頭撫でてもらった時のふわふわする感じ、もう感じられないっすか……? 愛依ちゃんとギュッてしたときのあの匂い、もう嗅げないっすか……?」
死とはどこまでも非情だ。
突然舞い降りて、その人間を連れて行ってしまうがために、周りの人間にはお別れの言葉すら許さない。
遺された者たちは悔やんでも悔やみきれない思いを抱き、ただ自分の身を傷つける以外の術を持たない。
しても仕方のない後悔がこみあげることを食い止めるのは叶わず、全身から抜け落ちたものがその虚空にばかり吐き出される。
冬優子「いつもうるさいくせして、急に静かになってんじゃないわよ……愛依」
彼女たちも、その感情をただ霧散して終わってしまう。そう思われた。
冬優子「……」
558 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:50:30.05 ID:7xcqTvao0
____でも、彼女が私たちに見せた姿はそうではない。
冬優子「あさひ、立ちなさい。いつまでもこんなことやってる時間はないわ」
あさひ「……冬優子ちゃん」
黛冬優子という人間は、悲劇のヒロインなんて器ではない。
自分の身に降りかかった悲運を嘆き、身をよじり苦しむばかりで同情を買うなんて性に合わない。
そんな悲運があるというのなら、自分自身の手で切り開きたい。
彼女はそういう人間だ。
田中摩美々の裁判の時だってそうだ、あらぬ疑いをかけられ追い詰められた果てに黛冬優子という人間はその内をすべて暴露した。
彼女にとってそれはイレギュラーに他ならなかったが、そのイレギュラーさえも武器にして、彼女は大立ち回りをしてみせた。
冬優子「上等じゃないの、ふゆにこんな挑戦しかけておいて。犯人はとっくに覚悟はできてるんでしょうね」
559 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:51:27.21 ID:7xcqTvao0
なら、今だってそうだ。
他にないパートナー、ライバルとして認めていた存在、そして自分自身の内面と近しいものを感じ取り、同族としてシンパシー以上のものを感じていた存在の二つを同時に喪ったが、彼女はそれだからと言って折れたりはしない。
奪われたのなら、それに見合うだけの報いを受けさせるまで。
彼女からその二つを奪い去った人物に、自分自身の手でやり返してやらないと気が済まない。
冬優子「いいわ、ふゆがやる。ふゆがこの手で、犯人を処刑台に送ってやるわよ」
この状況で彼女に顕れたのは、そういう負けん気だった。
そんな彼女の奮起に応えるかのようなタイミングで、死体発見アナウンスが鳴り響いた。
ピンポンパンポーン!
『死体が発見されました! 一定の自由時間の後、学級裁判を開きます!』
先ほどのは三峰結華のもので、今回が和泉愛依のものということなのだろう。
月光に照らされる冬優子の後ろ姿、そのアナウンスは決戦の合図のようにも聞こえてしまった。
560 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:54:07.42 ID:7xcqTvao0
バビューン!!
モノクマ「あーらあーらやっちゃったー! ついに三回目の事件発生だね!」
モノクマが出てくるのを見て、私たちも病室に踏み入った。
冬優子と中学生、二人の様子を暫く見届けた私たちの中にも、この事件に挑むにあたっての闘志の火種のようなものが芽生えていた。
モノクマと相対するその心持は、これまでの裁判以上に前のめりだ。
ルカ「モノクマ……またしてもてめェの思い通りってか」
モノクマ「いやぁ、やっぱりオマエラを信じて正解だったよ! せっかくばらまいた病気が何の意味もナシに終わっちゃうんじゃやっぱり退屈だからね。事件を起こしてくれた犯人さんには花丸をあげましょう!」
冬優子「御託はいい、さっさとモノクマファイルをちょうだい。ふゆは今最高にイラついてんのよ」
モノクマ「おー、怖い怖い……前回までの黛さんとは大違いですね……これまでが猫をかぶってたなら今はサーベルタイガーみたいですよ」
モノクマ「でもね、モノクマファイルを共有するにしても、一気にやっちゃいたいんですよね。なので、【全員】がこの場に揃ってからでないと」
智代子「全員って……絶望病にかかってた人も?」
果穂「え!? でも、夏葉さんたちはすっごく高いねつが出てます……今回のさいばんは……あたしたちだけでどうにかなりませんか?」
美琴「確かに……病気の時にあの裁判はかなり堪えそうだよね」
モノクマ「ん? あー……そうか、そのことね。それならもう心配いらないよ!」
ルカ「あ? どういう意味だよ」
モノクマ「まあすぐに分かるって……ホラ!」
561 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:55:05.30 ID:7xcqTvao0
そう言ってモノクマたちは私たちの後の扉を指さした。
廊下に面する病室の扉、そこは私たちの視線が集まると同時にガラガラと勢いよく開かれて、彼女たちが現れた。
夏葉「みんな!? 今のアナウンスって一体!?」
恋鐘「また事件ば起きとーと!?」
透「え、嘘じゃん」
雛菜「透先輩……また事件、起きちゃったの〜……?」
そこに立っていたのは病魔に侵され、本来なら今もベッドの上で眠っているはずの連中。
彼女たちはいつもと変わらぬ様子で現れ、そして私たち同様に凄惨な現実を前に驚愕を示した。
果穂「みなさんもう病気はなおったんですか!?」
智代子「つ、つい数時間前まで39度の熱が出てたはずだよ!? そんな急に治る!?」
モノクマ「まあもう事件は起きたし、病気のお役目もおしまいだよねってことで。さっさと全員治させていただきましたぞ!」
手の打ちようもなく、ただ体力が失われてしないように右往左往して世話をしていたというのに、そんな思い付きで治してしまったというのか?
私たちの苦労を嘲笑うような発言に戸惑いを隠せない。
562 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:56:29.62 ID:7xcqTvao0
果穂「とっこう薬……ですか?」
透「マジだ。雛菜ももう熱出てない」
雛菜「透先輩? ていうか、雛菜たちまるで状況が分からないんですけど〜?」
夏葉「……私もよ、ここ数日の記憶が何だか朦朧としているの。モノクマ、少しみんなと状況を整理してもいいかしら」
モノクマ「う〜ん、ボクとしては早いとこ裁判を見たい気持ちもあるんだけど……情報の前段階で差があるとフェアじゃないもんね。なるはやで頼むよ」
夏葉「ありがとう、みんな、ここ数日のことに関して教えてもらえるかしら」
小金持ちたちは本当に状況がわかっていないらしい。
どうやら自分たちが病気にかかっていたことすらも定かではないらしく、病院とモーテルに分かれて看病をしていたことから説明は始まった。
数日に及ぶ看病、そしてそんな生活の中に突然起きた事件。
三峰結華と和泉愛依の死、それを短い時間でできる限り詳細に伝えた。
小金持ちと能天気女は説明をある程度噛み砕けたらしいが、長崎女は流石に別。
三峰結華の死という言葉でつまずき、そこから先が入ってこない。
563 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:57:39.36 ID:7xcqTvao0
恋鐘「ゆ、結華が死んだ……?! そ、そげなわけなか! だ、だってこの前摩美々が……摩美々が殺されて……結華まで死んでしもうたら、うち、うち……!」
冬優子「しっかりしなさいよ! あんたがそんなんなら、誰が結華の仇を討つの?!」
恋鐘「ふ、冬優子……?」
冬優子「泣くんなら全部終わった後、分かった?」
だが、そんな長崎女も冬優子は強引に引き戻す。
冬優子「結華があんたたちをどれだけ思って動いてたか、分からないわけじゃないでしょ? なら、今あんたがすべきなのは、そのための恩返しじゃないの」
恋鐘「……そうばい、もう今、アンティーカはうちしか残っとらん……それなら、うちがしっかりせんといかんとよ!」
冬優子「その意気よ、あんたみたいな肝っ玉なら犯人だって見つけられるわ」
仲間の心情を読み取り、抜群の鼓舞をかけるのは猫をかぶっていた時期に培ったスキルでもあるんだろう。
誰よりも人の心の機微に敏感な冬優子はそのリーダーシップをいかんなくふるった。
長崎女の戸惑いも一転、すぐにその決意は固まったようだ。
その表情の移り変わりを確認すると、冬優子は私たちに向き直り、今度はその頭を下げてみせた。
564 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 22:59:20.47 ID:7xcqTvao0
冬優子「……お願い、この事件の解決のために……あんたたちの力を貸してほしい。結華に愛依……ふゆにとって、これ以上なくかけがえのない存在だった二人を奪い去った犯人を……ふゆはなんとしても見つけ出したいの」
ルカ「冬優子、お前……」
冬優子「……今回ばかりは、負けてらんないのよ」
冬優子からは、なりふり構っていられないという切迫した雰囲気を感じた。
数日前、二人で三峰結華の部屋に踏み込んだ時。あの時と近しいものを私は感じていた。
あの時も、あいつは三峰結華を救い出すには同族である自分がやらなくてはならないという義務感を帯びていた。
でもそれは、他人に与えられるようなものではなく、ストイックな彼女だからこそ自分で自分に課す義務の意味合いが強い。
この事件もその通り。三峰結華と和泉愛依。
すぐそばで支え、そして足りないものを補い合ってきた存在を同時に喪った彼女だからこそ、この事件を解決する殿に着くのは自分でなければならない。
その義務を課していたのだろう。
彼女は、私たちの先導に立ち、その旗を振りかざしたのだった。
565 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 23:01:59.45 ID:7xcqTvao0
その場に居合わせた者はすぐに感じ取る。
彼女の抱く闘志、そして執念。
それに呼応するように、気が付けば私たちはその拳を振り上げていた。
共に戦地に赴く同胞として、共にその真実を追い求める迷い子として。
全員がその旗手のもとに名乗りを上げた。
ルカ「ハッ、お願いされなくてもそのつもりだ。間違えたら私も死んじまうんだからな」
美琴「うん、頑張ろう」
恋鐘「冬優子……うちも、絶対に結華の仇を取りたか! ぜったいぜ〜〜〜〜〜ったい! 今回の裁判は勝たんといかん!」
果穂「ふゆさん……ぜったい、ぜったいになぞを解き明かしましょう! 結華さんと、愛依さんの無ねんを晴らさないと!」
夏葉「冬優子、あなたの想い……受け取ったわ。ぜひ協力させてちょうだい。あなたのため、そして私たち自身のために真実を見つけ出すのよ」
智代子「もちろんだよ! 絶対犯人を見つけ出そうね!」
あさひ「冬優子ちゃん、わたしもやるっす。絶対、絶対……愛依ちゃんを殺した犯人を見つけるっす」
透「うちらも手伝う。脳細胞フル稼働さすわ」
雛菜「透先輩いつになくやる気だし、雛菜もがんばろっかな〜」
566 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 23:03:18.32 ID:7xcqTvao0
その奮起の声を聴いて、冬優子はその顔を上げる。
冬優子「……ありがとう、あんたたち」
私たちの心は『なんとしても犯人を見つけ出す』、それで一つになっていた。
でも、間違いなくこの中に一人、二人を殺しておきながら大ホラを吹いている人間がいる。
私たちの奮起を茶番だと嘲笑っているのかもしれない。
それならそれでせいぜい今のうちに笑っておけばいい。
今にその顔は苦悶に歪むことになる。
私たちはそれぞれの戦う理由のために、今回も真実を解き明かす。
_____絶対に。
【捜査開始】
567 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 23:05:33.58 ID:7xcqTvao0
-------------------------------------------------
モノクマ「さて、そちらもお話は済んだようですね、それではさっそく参りましょう!」
ピピッ
モノクマが指を鳴らすとすぐに端末が反応した。
私たちもそれに応じて懐から端末を取り出し、画面へと目を落とした。
『被害者は和泉愛依。死因は頸動脈を刃物で裂かれたことにより失血およびショック死。死因となった裂傷は背後から刃物を首筋に沿わして切りつけたような傷跡となっている。衣服にも乱れた様子はなく、目立った抵抗の痕も見られないため、即死だったものと思われる』
ルカ「背後に立たれて、そのまま首を斬られたって感じか……?」
美琴「犯人は不意打ちで殺害したってことなのかな。刃物を持っている犯人を目撃すれば、普通は抵抗するよね」
ルカ「そうなるだろうな……抵抗も何もしないなんてのは流石に考えづらい」
ルカ「それかもしくは、犯人に完全に油断しきっていたパターンか。犯人がまさか殺してくるとは思わず、背を向けたところで突然襲われたとかな」
美琴「そうか……そういう方法もあるんだ」
568 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 23:07:30.88 ID:7xcqTvao0
モノクマ「今回の事件は被害者がお二人なので、両方の情報を記載しています! しっかりと両方に目を通すように!」
『被害者は三峰結華。死因は正面から頭部に強い衝撃を受けたことによる脳挫傷。頭部からは出血も激しく、即死だったものと思われる。死因となった傷のほかに、全身に及ぶ打撲痕があり、一部は骨折もしている』
ルカ「……胸糞悪いな」
美琴「即死だったのに、それに更に何度も殴りつけた痕があるなんて……」
ルカ「よっぽど殺害できたかどうか不安だったんだろうな、夜中に起きた事件で、よく見えてなかっただろうし」
美琴「それにしても酷い……もしかして、犯人は結華ちゃんに恨みでもあったんじゃないかな」
(あいつに恨みだと……?)
(あいつが恨まれるようなことなんてまるで心当たりはないな……)
コトダマゲット!【モノクマファイル3】
〔被害者は和泉愛依。死因は頸動脈を刃物で裂かれたことにより失血およびショック死。死因となった裂傷は背後から刃物を首筋に沿わして切りつけたような傷跡となっている。衣服にも乱れた様子はなく、目立った抵抗の痕も見られないため、即死だったものと思われる。
被害者は三峰結華。死因は正面から頭部に強い衝撃を受けたことによる脳挫傷。頭部からは出血も激しく、即死だったものと思われる。死因となった傷のほかに、全身に及ぶ打撲痕があり、一部は骨折もしている〕
569 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 23:09:41.95 ID:7xcqTvao0
-------------------------------------------------
モノクマ「ほいじゃ、今回も捜査の時間はボクは高みの見物と行きますかね。精々セコセコ頑張って真実求めて駆けずり回れば〜?」
バビューン!!
モノクマもいなくなり、私たちは事件に集中。
今回の事件は二人の犠牲者が出ている、効率よく調べないと前回の事件のゲームの時のように時間オーバーにもなりかねない。
調べる現場は【和泉愛依の病室】と【病院前の駐車場】の二つだよな。
どちらもその【死体周辺】には情報が多く残されている、見落としがないように調べないとな。
そして、病室の方は【割られている窓】も気になる。犯人に繋がる手掛かりは何か残されていないだろうか?
今回は私たちは病院とモーテルに分断されている間に起きた事件だ、双方の情報・状況は整理しておく必要がある。【聞き込み】もいつもより多めにした方がいいかもな。
ルカ「美琴、今回もよろしく頼むぞ」
美琴「うん、こちらこそ」
さて、どこから動くとするか……
570 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 23:11:38.69 ID:7xcqTvao0
安価ミス
今回は病室と駐車場、二つの捜査場所をどちらから先に調べるか選ぶところから始まります
1.病室【愛依の死体発見現場】
2.駐車場【結華の死体発見現場】
↓1
571 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/08(火) 23:13:15.29 ID:To/PBRez0
病室
572 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 23:20:06.60 ID:7xcqTvao0
1 選択
-------------------------------------------------
【愛依の病室】
死体発見現場となった病室では、冬優子がせわしなく動いて調査を進めている。
つい先ほどの私たちの協力を仰ぐ大演説の後、彼女自身その言葉に鼓舞されているところもあるだろうが、私にはどこか焦っているようにも感じられた。
自分自身がこの事件の真実にはたどり着かなければならない。
そのモチベーションはプラスでありマイナスだ。
過ぎた義務感は時に視界を曇らせる。
……その曇りを拭い去ってやるのが、私たちの役目でもある。
可能な限り、こいつには協力してやらないとな。
さて、調べるべきところは【和泉愛依の死体周辺】、そして【割れた窓ガラス】だ。
そして、今現在この病室にいる【小学生】、【冬優子】……そして【モノミへの聞き込み】も一応やっておくか……?
-------------------------------------------------
1.死体周辺を調べる
2.割れた窓ガラスを調べる
3.果穂に聞き込みする
4.冬優子に聞き込みする
5.モノミに聞き込みする
↓1
573 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/08(火) 23:24:06.94 ID:To/PBRez0
1
574 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 23:26:28.76 ID:7xcqTvao0
1 選択
【死体周辺】
和泉愛依の死体は窓のある壁に力なくもたれかかるようにしている。
流れた血は壁を汚しながら伝い、その床にシミを作っている。
どうやら死亡現場はここで動かされた形跡などもないようだ。
冬優子「愛依のやつ、犯人に押し入られて殺されたのかしらね」
ルカ「……」
冬優子「……何? 変に気使われるとこっちもやりづらいんだけど。大体あんたそういうの苦手でしょ、ルカ」
ルカ「お、おう……」
冬優子「こいつも絶望病なんかじゃなければ犯人の入室をみすみす見逃したりなんか……いや、そうでもないか……」
冬優子「……ホント、どこまでもお人好しなやつだったのよ。このギャルは」
ルカ「……」
冬優子「自分の事なんかそっちのけで他人の事ばっか優先するようなやつで、それでいて本人も気づいてないようなところまでよく見てやがんの。生意気ったらありゃしないわ」
(……こいつ、気丈にふるまってるようでも口を開けば思い出話)
(やっぱり心の中では喪失感から脱しきれてないんだろうな)
冬優子は私たちが捜査することは別段咎める気はないらしい。
真実を追い求めるための協力なら惜しまないという体勢。
その好意には甘えさせてもらおう。
575 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 23:28:16.17 ID:7xcqTvao0
死因となった首元の切り傷……特に不自然な点はないな。
衣服にも目立った乱れはないし、やはり不意を突かれて切られてしまったようだ。
美琴「だいぶ油断をしてたのかな……後ろから首筋を裂かれてるようだけど」
ルカ「不意打ちか……相当に油断してた相手だったか、ってとこだろうな。それこそ気心の知れた相手とか……」
美琴「でも、彼女大体の相手には心を開いてたよね」
ルカ「正直、これじゃ絞れそうにはないな。人の好さに絶望病で判断能力もかなり低下してたと来たら、いよいよ誰でもありだ」
和泉愛依の死体には残念ながら目立った手掛かりはなさそうだ。
その命を奪った犯人の手さばきも相当なものらしい。
ルカ「ちょっと死体動かしてみるか……冬優子、大丈夫か?」
冬優子「え、ええ……いいわよ」
ルカ「……よっと」
死体そのものではなくその付近に何か手掛かりはないか、私と美琴は二人係で丁重に死体を動かして、検証してみた。
死体そのものがあった場所にダイイングメッセージなんてものはないが……死体の影になっていた部分。そこに妙な【水たまり】を見つけた。
576 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 23:31:51.57 ID:7xcqTvao0
ルカ「なんだ? この水……やけに冷てぇ気がするけど」
美琴「窓が開けっぱなしだから冷えちゃったのかな」
冬優子「……というか、この水は一体なんなのよ。どこから来たわけ?」
ルカ「んー……?」
部屋を見渡してその水の出元を探る。
ぐるりと見渡して、自分の記憶とも照らし合わせると、一つだけ心当たりがあった。
ルカ「……これ、もしかしてあの時の花瓶か?」
美琴「……花瓶?」
≪ルカ「だからお前はどこからこんなの持ってきてんだよ!」
透「おー、なんか咲いてんじゃん。めっちゃ」
愛依「こちらのお花はゲッカビジンと言いますの、ほんの一夜のみにその花を咲かせる姿から、その花言葉は『儚い美しさ』……今こうしてお二方と見れたこと、恐悦至極に存じますわ」
ルカ「いや知らねーけど……花をいつ調達していつ育てたんだよ」≫
577 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 23:33:09.90 ID:7xcqTvao0
ルカ「ああ、そうか……あの時は浅倉透との夜番だったから美琴も知らないか。こいつ、病室に何かと持ち込む癖があっただろ?」
冬優子「ちょっと待ちなさいよ、何よその癖」
美琴「癖というか、彼女の症状の一つなんだと思う。目を離したすきに病室にお嬢様っぽい何かが持ち込まれてしまっていることがよくあったの」
ルカ「ティーセットやら、天蓋付きベッドやら……その中の一つに、この花瓶があったんだ」
よく見ると、水たまりの周辺には陶器の割れた破片も散乱している。
欠片はあちらこちらに散らばっているので、復元こそ適わないがその表面の模様には見覚えがあった。
あの時、ゲッカビジンを飾っていたアンティーク調の花瓶のなれの果てがどうやらこれということらしい。
ルカ「犯人と争った時にでも落ちたのか?」
美琴「でも、愛依ちゃんの衣服には乱れはなく、争った形跡もないんだよね? だとすれば、それは落ちた理由としては不自然なんじゃないかな」
ルカ「それはそうか……なら、なんで割れてるんだ?」
冬優子「……妙な話ね、いつ割れたのかわからない花瓶なんて」
コトダマゲット!【割れた花瓶】
〔愛依の病室で割れていた花瓶。前日に愛依が病室に飾ったもので、ゲッカビジンを元々飾っていた。愛依は犯人と争った形跡もないが、一体何の拍子に割れたのだろうか……〕
578 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 23:34:35.95 ID:7xcqTvao0
冬優子「とりあえず、このままにしておくと誰かが踏んでしまってもいけないし片付けておくわよ」
ルカ「おう、頼んだ」
花瓶の破片という手掛かりは一応抑えておいたし、冬優子の片付けの進言をそのまま承諾。
すぐに冬優子はその場にしゃがみこんで破片を集め出した。
(やっぱり、何か行動をしていないと気がまぎれないんだろうか)
そんな下種な勘繰りをするのもつかの間、すぐに冬優子は何か気づいた様子でこちらに向き直る。
その手には何か透明な薄いものを拾い上げている。
冬優子「これ、何かしら……花瓶の破片の中に混ざってたわよ」
ルカ「あ? ……ただのゴミじゃねえのか?」
手に取ってみると、それはビニール袋の切れ端のようなものだとわかった。
花瓶の水に塗れて濡れてしまっているが、それ以上でもそれ以下でもない。
部屋を掃除していたら、どこからともなく顔を出しそうな、そんなありふれた切れ端だ。
579 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 23:35:37.01 ID:7xcqTvao0
冬優子「これだけじゃ特に見覚えも……ないわよね」
ルカ「まあ、な……」
冬優子「捨てちゃってもいい? 役に立ちそうもないし……」
美琴「待って。一応私が回収しておく」
ルカ「美琴……」
美琴「現場にあるものは勝手な判断で除外しない方がいいと思うから。全部集められるものは集めておこう」
そうだった、こいつは妙に慎重なところがあるんだった。
万全な準備ができているステージの前でも念には念を重ねるところがあって、それに私も少し辟易しているところがあった。
久しぶりに見た相方の慎重癖に小さなため息をつきつつ、私もその情報だけは記録しておくことにした。
コトダマゲット!【ビニール片】
〔愛依の病室で割れていた花瓶の近くに落ちていたビニール片。花瓶の中の水をかぶったのか、全体が濡れている〕
-------------------------------------------------
1.割れた窓ガラスを調べる
2.果穂に聞き込みする
3.冬優子に聞き込みする
4.モノミに聞き込みする
↓1
580 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/08(火) 23:38:30.41 ID:To/PBRez0
2
581 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 23:41:28.27 ID:7xcqTvao0
2 選択
-------------------------------------------------
【果穂に聞き込み】
今回も事件について情報は他の連中からもかき集めねーとならないな。
特に病院とモーテルの二手に分かれていたさなかに起きていた事件ということもあり、お互いの認識、知っている事実には違いも多々あるはずだ。
私の知らない情報、知っている情報。それぞれちゃんと整理しておく必要がある。
ルカ「大丈夫か、辛かったら無理すんじゃねーぞ」
果穂「ルカさん……いえ、だいじょうぶです! あたしもみなさんといっしょにたたかうので、こんなことで弱音を上げてちゃいけませんから!」
美琴「えらいね、果穂ちゃん」
果穂「え、えへへ……そうですか」
こいつとは私は事件当時、一緒にテレビ通話をしていた。
冬優子と私と一緒にアリバイが確実に存在する人間の一人ということになる。
こいつの視点から見た事件について、確認しておくか。
582 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 23:42:46.81 ID:7xcqTvao0
ルカ「じゃあ、協力してもらうぞ。お前、今回の事件の発生中……私と一緒にテレビ通話をしてたよな」
果穂「はい、ふゆさんといっしょにお話してました!」
ルカ「私がロビーで仮眠をとっているときにこいつらから深夜三時ごろに着信があってな、慌てて繋いだんだよ」
美琴「そんなに遅い時間に……? 何があったの?」
ルカ「確か……中学生と三峰結華が姿を消したんだったか?」
果穂「はい……えっと、ルカさんにはいちどお話したんですけど、そのまえにあたしたちのモーテルで変なことが起きたんです」
美琴「変なこと……」
果穂「寝るときはみんなそれぞれ自分の部屋で寝てたんですけど、深夜になって、だれかがあたしの部屋のドアノブをガチャガチャってひねってきたんです!」
果穂「だれかが来る用事もなかったので、もしかしてだれかがころしにきたのかなって……そう思うとこわくて動けなくて……」
果穂「しばらくじっとしてたら、インターホンが鳴って……それで出てみたらふゆさんだったんです」
ルカ「それで冬優子と合流して、ライブハウスまで来たわけか」
583 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 23:43:50.09 ID:7xcqTvao0
果穂「行く前にあさひさんと結華さんの部屋のインターホンも鳴らしたんですけど、まるで反応がなくて、おかしいので……病院にいるみなさんはなにか知らないかなって思って、急いで連らくしたんです」
美琴「ちょうどそのタイミングで事件が起きちゃったんだね」
ルカ「十中八九そのドアノブを捻ったやつが二人を殺した犯人だな……手掛かりとかは他にねーのか?」
果穂「す、すみません……あたし、こわくて動けなかったので……」
美琴「ううん、大丈夫。果穂ちゃんの選択は間違ってない。下手に部屋を出ていたらそれこそ危険なのは果穂ちゃんの方だから」
果穂「美琴さん……ありがとうございます!」
事件直前にモーテルを訪れていた不審者か……
三峰結華はきっとそいつに襲われてしまったんだろう……
だが、それと同時に行方をくらましていた中学生。
あいつが【狸】だと確定している以上……これが偶然の符合だとは思えないな。
コトダマゲット!【果穂の証言】
〔事件発生前、モーテルの各部屋を何者かが訪問し、ドアノブを捻っていた。恐怖を感じ動けずにいたところ、冬優子が助けに来てくれ、所在のわからないあさひと結華について尋ねるために病院にテレビ通話を繋いだ〕
-------------------------------------------------
1.割れた窓ガラスを調べる
2.冬優子に聞き込みする
3.モノミに聞き込みする
↓1
584 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/08(火) 23:53:48.59 ID:To/PBRez0
2
585 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/08(火) 23:55:26.84 ID:7xcqTvao0
時間が厳しくなってきたので本日はここまで。
次回冬優子の聞き込みより再開します。
事件も発生して、3章も後半戦ですね。
毎度のことながら事件について犯人を特定するようなネタバレコメントはできる限りお控えいただけますと幸いです。
次回更新は3/9(水)22時ごろから、捜査パートをやり終えたいですね。
それではお疲れさまでした、またよろしくお願いします。
586 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/09(水) 00:14:59.39 ID:3xxdXCM60
>>1
乙!
あさひと結華が居なくなったって聞いた時に
何となく誰が死ぬか予感はしてたけど
前作生存組がどんどん死んでいくなぁ・・・
587 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/09(水) 00:51:16.20 ID:zhPbB9Uu0
3
588 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/09(水) 00:52:52.26 ID:zhPbB9Uu0
リロードしてなかったわ
愛衣が死んでしまって悲しい
589 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/09(水) 02:25:12.71 ID:3xxdXCM60
>>520
むしろ逆だと思う
それだと1章ラストでルカが感じた
「月の形が変わらない」って違和感の説明がつかないのと
もしも仮に前作が仮想世界で透がそこから復活出来たとしたら
(そもそも透は前作1章の被害者)
生き残り組を含めた味方達に色々話を聞かされていないはずがないと思うし
>>507
の2章の動機であるゲーム内のコロシアイを知らないと辻褄が合わない気がするんだよね。
590 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/09(水) 09:35:34.02 ID:LTu2ZLeW0
自分語り乙
591 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/09(水) 21:59:40.23 ID:igcFWV240
2 選択
-------------------------------------------------
【冬優子に聞き込み】
ルカ「……なあ、冬優子。今ちょっと大丈夫か?」
冬優子「え? ……ええ、何? 何かふゆに訊きたいことでも?」
ルカ「私たちが病院にいた間、モーテル組が何をしてたのか聞きたいんだけどよ」
私たちはここ数日この病院に籠りっぱなしで看病していたため、その外で何が起きていたかについてはまるで情報を持っていない。
朝と晩の定期通信もあったが、限られた時間で話すことも絞られていてはこちらの知らないこともあるだろう。
モーテル組の動向をたずねるうえで、冬優子以上の適任はいない。
冬優子「そうね……といっても、特になにも無いわよ? ふゆと結華であさひと果穂ちゃんの面倒を見てただけで、変わったことも何も」
ルカ「そうなのか?」
冬優子「あさひがやりたいって言うことに付き合ってやるのが主だったかしら。花火とか、虫取りとか……やりたくもないけど付き合わされたわね」
美琴「事件の前日には何をしたの?」
冬優子「昨日は……そうね、四人で一緒に海に行ったわ。あさひが泳ぎたいっす〜って言いだすから、二人を泳がせてふゆと結華はビーチでパラソル広げて寛いでた」
冬優子「……あの時、もっと結華と話しとけばよかったのかしらね」
ルカ「……」
冬優子「冗談、気にしないで。ふゆから話せるのはこんなとこだから、もっと別のとこ調べなさい」
なるほど、病院の外の連中はほとんど行動らしい行動はしてなかったらしい。
私たちが戻ってくるまでの間の面倒を見ることで終始していたようだ。
あの年下二人が不安に感じないように、必死に日常というものを守り続け、その結果三峰結華は命を落とした。
……なんともやるせないものを感じるな。
コトダマゲット!【冬優子の証言】
〔隔離生活が始まってから、モーテル組はほとんどあさひと果穂の面倒を見るので手いっぱいだった。事件の前日にも、二人を連れて海で遊んでいたらしい〕
-------------------------------------------------
1.割れた窓ガラスを調べる
2.モノミに聞き込みする
↓1
592 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/09(水) 22:02:27.44 ID:3xxdXCM60
1
593 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/09(水) 22:04:46.19 ID:igcFWV240
1 選択
-------------------------------------------------
【割れた窓ガラス】
この部屋に入って死体と同じくらいに目につくのが、この窓だ。
乱暴にこじ開けられたであろう窓は、ギザギザの鋭利な断面が剥き出しになっており、指を少しでも触れようものなら鮮血が流れてしまうだろう。
美琴「大胆な犯人だよね、窓ガラスを割っちゃうなんて」
ルカ「おう……音もかなり大きかったし、だいぶ乱暴したみたいだな」
美琴「これまでの二つの事件とは少し毛色が違うね、やっぱり」
七草にちかと田中摩美々。私たちはこれまで二つの事件を経験し、彼女たちの犯行を全て解き明かしてきた。
だが、ここまでの『悪意』を感じる凶行は初めてだ。
明確に犯人がその手を汚し、己がエゴイズムのために重ねた犯行。それを象徴するのがこの割れた窓ガラスだ。
しかし事件を解き明かす上ではその『悪意』も重要な手掛かりになるはずだ。この割られた窓に隠された真実を私たちの手で突き止めねば。
美琴「ガラス窓が割られた時、ルカは冬優子ちゃんと果穂ちゃんの二人とテレビ通話を繋いでたんだっけ」
ルカ「おう、あいつらから緊急の連絡があってな。ちょうどそのタイミングで背後からこの窓が割れるでけー音がしたんだよ」
美琴「その音自体は二階にいた私たちも気づいたな、汗をかいてたからそれを拭ってから階段を下りたんだけど」
ルカ「汗をかいてた?」
594 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/09(水) 22:05:46.75 ID:igcFWV240
美琴「事件当時……深夜三時ごろだよね。私と智代子ちゃんは非番だったから、仮眠室で寝ることになってて」
ルカ「……あ? なんか変な言い方すんな」
美琴「うん、私は……寝てなかったから」
ルカ「はぁ? お前、何してたんだよ! ……まさか」
美琴「なんだか目が覚めちゃったから、会議室を使わせてもらって自主練をしてたかな」
ルカ「はぁ……練習熱心もそこまで行くと病的だな」
美琴「流石にボイスレッスンはしてないよ。他の人を起こしてもいけないから」
(それでこいつは到着が遅かったのか……)
ルカ「ただまあ、練習中だった美琴ですら気づくぐらいには音は大きかったってわけだな」
美琴「うん、病院内にいた人なら確実に聞いたはずだよ」
ルカ「……」
美琴「ルカ?」
595 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/09(水) 22:06:55.41 ID:igcFWV240
ルカ「ああ、いや……犯人のやつ、連続殺人なんて結構なことをする上に……大きな音まで鳴らして豪胆な野郎だなと思ってよ」
美琴「……でも、脱出にはこの窓しかなかったんでしょ? 大きな音を鳴らしてでも逃走したかったんじゃないかな」
ルカ「……なんだかモヤモヤするんだよな」
ロビーでは私が寝ていたし、窓の他に出入りできるような場所はこの病院内には存在していない。
そうなれば音を鳴らすリスクを踏んででも窓を叩き割るしかなかった。
その理論自体はわかるんだが、この釈然としない感じはなんなんだ?
今回の事件は連続殺人、私の目の前で二人の命が奪われた。
これだけの大きな殺人なのだから、どうやっても目撃者が生まれてしまう危険性があると思うが……
今回の犯人は目撃されることをそこまでのリスクとして踏んでいないように感じる。
あんな音を鳴らすよりは、ロビーで寝静まっている私のそばを通過する方がまだマシな気もする。
……考えすぎか?
コトダマゲット!【割れたガラス窓】
〔和泉愛依の病室の窓は犯人によって割られており、脱出経路に使われたものと思われる。事件当時、ルカをはじめとした病院にいるすべての人間がその割れる音を聞いていた〕
596 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/09(水) 22:08:03.30 ID:igcFWV240
美琴「犯人はこの窓から出て行ったんだよね?」
ルカ「ああ、私が現場に駆け付けた時には病室の扉は閉まってた。特に怪しい様子もなかったし、出て行ったならそこの窓だろうな」
美琴「……ちょっと窓から外を見てみるね」
ルカ「首、切らないように気をつけろよ」
私の言葉に応じて美琴は慎重にその首を窓から外に出した。
なるほど窓が割れてできた空間は人一人が出入りするには十分な大きさだ。
よっぽどトチらない限りはケガもせず出て行けるだろう。
ルカ「何か怪しいもんとかあるか?」
美琴「……窓を出てすぐの所にガラスの破片が落ちてる。窓の割れた破片だね」
ルカ「犯人が割った時にそのままになってるんだろうな」
美琴「回収する時間も何もなかっただろうし……隠す必要性もないもんね」
ルカ「……ん? 窓の破片は外に落ちてるんだよな?」
美琴「え? うん……」
ルカ「窓の外側に破片が散らばってるってことは、病室の内側から外側に向けて割ったことになる。いや、脱出のためなんだから当然っちゃ当然なんだけど……」
美琴「……それができるのって、病院内の人間だけだよね」
ルカ「そういうことになるな……」
(病院にいた連中……アリバイは不透明な部分が大きいが……まさか……?)
コトダマゲット!【窓ガラスの破片】
〔愛依の病室の窓、その外側に落ちていた破片。犯人は病室内から外に向けて窓を割り、脱出を図ったものと思われる〕
597 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/09(水) 22:09:35.53 ID:igcFWV240
美琴「……」
ルカ「まだ何か気になるもんでもあんのか?」
美琴「暗くて見づらいけど……向かいの茂みに……何か茶色いものが見えるの」
ルカ「茶色……?」
訝しんで私も美琴の脇から首をのぞかせた。
まだ日も登らない深夜も深夜、視界はかなり悪いがじっと目を凝らすとぼんやりその影が浮かび上がってきた。
茂みの根本あたり、低木の幹に身を隠すようにしておかれているのは【ガムテープ】のようだ。
ルカ「くしゃくしゃに丸め込まれてるけど……あれ、なんなんだ?」
美琴「病院の設備が転げ落ちた……わけではなさそうだよね」
ルカ「……ぱっと見、血が付着しているような感じでもないよな」
美琴「うん、ただ使用済みのガムテープを丸めてるだけみたいに見える」
(……犯人が何かに使ったのか?)
コトダマゲット!【ガムテープ】
〔愛依の病室の向かいの茂みに落ちていたガムテープ。ぎゅっと丸め込まれていたが、特に血痕が付着している様子はない〕
-------------------------------------------------
【選択肢が残り一つになったので自動進行します】
598 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/09(水) 22:11:49.28 ID:igcFWV240
-------------------------------------------------
【モノミに聞き込み】
……実は、さっきから部屋の隅で妙なものが目についていた。
私たちの目から隠れようとしているのか、それとも気づいてもらいたくて気をひこうとしているのか、
角にたまった埃のように背を向けて押し黙っているピンクの物体。
ルカ「……モノミ、何やってんだてめェ」
モノミ「い、斑鳩さん……ど、どうも……」
ルカ「どうもじゃねえよ、なんで事件現場にてめェがいんだ」
モノミ「えーっとでちゅね……今回の死体発見アナウンスが鳴った時に、あちし背筋がゾワゾワってしたんでちゅ。あちし、医療ミスやっちゃったのかなって」
美琴「……医療ミス?」
モノミ「はい……もしかして、あちしのせいで死んじゃったのかなってすごく不安になって……」
ルカ「……ああ、それで怖くなって確かめに来てたってわけか」
599 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/09(水) 22:13:05.20 ID:igcFWV240
美琴「ルカ……? モノミの言う医療ミスって何?」
ルカ「そうか……美琴たちは知らねえんだな。実は昨日……一度ナースコールが鳴ってるんだ」
美琴「え……?」
ルカ「鳴らしたのは放クラの小金持ち。あいつ、容体が急変して心停止まで行ってたんだよ」
モノミ「はい、それで治療のためにあちしが病室に駆け付けて……なんとか助け出すことができたんでちゅ。ペースメーカーを使って心拍を確保したんでちゅよ」
美琴「ペースメーカー……よく聞く言葉ではあるね」
ルカ「おう、優先席の近くでは携帯電話を使うなってあれだ。電波の干渉を受けやすいらしいからな」
モノミ「でも……それから数時間と経たないうちに死体発見アナウンスがなっちゃったので、あちしがやらかしたのかと思って……」
美琴「……そんなことがあったんだ」
ルカ「まあ当の本人はモノクマに病気を治してもらってピンピンしてるけどな」
モノミ「有栖川さんが亡くなったんじゃなくて安心する部分と、二人が亡くなってショックな部分とが入り混じって複雑な感情でちゅ……」
ルカ「……その安心はあんまり口に出すんじゃねーぞ」
コトダマゲット!【モノミの処置】
〔事件前夜、夏葉の容態が急変してナースコールが鳴った。心停止にまで陥っていたため、ルカたちはモノミを呼び出して治療を要求。ペースメーカーを使うことでなんとか一命をとりとめた〕
600 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/09(水) 22:17:20.43 ID:igcFWV240
ルカ「病室で調べられるのはこれくらいか……」
美琴「ルカ、今回はもう一か所事件現場があるよ」
ルカ「おう、移動するか」
今回は時間もかつかつ、効率よく立ち回らないといけない。
区切りのいいところで腰を上げて顔を持ち上げると、冬優子の後ろ姿が目に入った。
冬優子「……」
ものも言わずに体を無理やりにでも動かしながら捜査している。
その後ろ姿には哀愁と執念をないまぜにした感情が炎のように揺らめいている。
今回は、あいつにとって特別な意味のある戦いだ。
私を友達として承認したあいつを、放っておくわけにはいかないな。
ルカ「……よし」
自らの頬をぴしゃりと叩いて、私はその場を後にした。
601 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/09(水) 22:19:12.11 ID:igcFWV240
-------------------------------------------------
【病院前駐車場】
病院の前にはコンクリートの舗装がされたそれなりに広い敷地があり、白線でしっかりと駐車スペースも確保されている。
その所々からは雑草が固い舗装を突き破って顔をのぞかせる。
そんな文明と自然のせめぎあう冷たい地面の上で、三峰結華は自らの赤い体液の上に横たわり、黙りこくっている。
恋鐘「結華……うち、ここ数日の記憶がほとんどなかよ……摩美々が死んで、ふさぎ込んでしもうた結華に戻ってきて欲しくて、毎日毎日結華が好きやった料理ば作って待っとって……」
恋鐘「やっと顔を出してくれたその日に、うち病気になってしまったばってん……なんだか結華に会ったの、すごく久しぶりに感じるばい……」
(……)
アンティーカは連続でメンバーを失ってしまい、更には長崎女は病気にかかっていたのでここ数日の記憶も定かではない。
こいつの感じている喪失感たるや、これまでの私たちとはまた別の辛さがあるだろう。
恋鐘「……結華がなんで死んでしまったのか、うちも絶対知りたか」
だが、それでもこいつは冬優子に発破をかけられて立ち上がった。
相当な覚悟だったと思う。実際、こいつの手には何度も抓ったような跡がある。
きっと悲しみや苦しみがこみあげる度に、痛みでそれを上書きしようとしていたんだろう。
別に同情や憐憫ではない、これは私が生き残るためというのが第一。
その過程で、こいつに与する必要があるのなら、それをするだけ。
ルカ「……手、貸すぞ」
恋鐘「ルカ……ありがと〜〜〜〜!」
-------------------------------------------------
1.死体周辺を調べる
2.智代子に聞き込みする
3.透に聞き込みする
4.美琴と相談する
↓1
602 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/09(水) 22:21:38.28 ID:R/hkPNTX0
1
603 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/09(水) 22:22:10.76 ID:3xxdXCM60
1
604 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/09(水) 22:22:46.67 ID:rE62Lum50
1
605 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/09(水) 22:23:31.45 ID:igcFWV240
1 選択
-------------------------------------------------
【死体周辺を調べる】
ルカ「流石に痛ましいな……」
首筋の切り傷一つで命を落とした和泉愛依とは対極に、三峰結華は残忍さが際立つ殺し方がされている。
モノクマファイルの記述にもあった通り、命を奪う直接の原因となった正面からの殴打痕だけでなく、全身のいたるところに及ぶ打撲や骨折。
犯人のやつ、殺意という殺意をぶつけていったらしい。
恋鐘「犯人、結華に何か恨みでもあったと……?」
ルカ「私の目から見ても、あいつは特に誰かに恨まれるような性格はしてなかった気がするけどな。……ま、人の感情なんか推し量ったところでわかりゃしねえんだけどよ」
そんな激しい加虐の痕跡を辿っていると、一つ違和感を覚えた。
これほどまでに全身に殴打をされていて、まして顔の正面から殴りつけられているというのに、こいつの特徴的な要素の一つ・メガネは全くの無傷なのだ。
フレームすら歪んでおらず、レンズも割れてもいない。
ルカ「妙だな……これだけ殴られればメガネも壊れてそうなもんだが」
恋鐘「事件当時はかけとらんかったと?」
美琴「でも、今はかけてる……」
ルカ「偽装工作の一つってことか……?」
でも、この事件は私の目の前でリアルタイムに起きたもの。そんな周到に何か細工をするような時間はなかったはずだ。
メガネを奪ったうえで殴って、殺害した後にまた戻すなんて工程を踏む必要がどこにある?
ルカ「……覚えておいた方がよさそうだな」
コトダマゲット!【結華のメガネ】
〔結華の死体がかけていたメガネ。普段から着用していたものと同一で、本人の物。結華は全身を殴打されて殺害されていたものの、メガネはフレームも歪んでおらずレンズも全く割れていない〕
606 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/09(水) 22:24:27.54 ID:igcFWV240
ルカ「……うっ」
今回の三峰結華の死体はこれまでのいずれよりも凄惨だ。
血に塗れたその体、いざ調べようと思ってもどうも尻込みしてしまう。
恋鐘「ルカ、ちょっとどかんね」
そんな状況でも、やはり一番の理解者だったであろうユニットの仲間はまるで怯まない。
手が止まった私を他所にやり、てきぱきとその体を調べていく。
恋鐘「モノクマファイルの情報とほとんど一緒ばい……傷跡、死因……どれも間違いはなさそうたい……」
恋鐘「……あれ」
ルカ「ど、どうした?」
恋鐘「……ルカ、これなんやろ? ちょっと見てくれんね」
607 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/09(水) 22:25:30.05 ID:igcFWV240
そういって長崎女が摘まみ上げたのは、三峰結華の服にわずかに付着していた繊維のようなもの。
どうやら静電気か何かで引っ付いていたようで、青い糸のようなものは夜風に靡いている。
ルカ「……こいつの服、上下どっちもこんな色合いじゃねえな」
恋鐘「なにかがほつれた後の繊維みたいに見えるばい……もしかして、犯人の服やったりすると?」
ルカ「……いや、どうだろうな。こんな風に繊維がはがれて付着するなんて、それこそ密着でもしない限りはあり得ないだろ。犯人と抱き合ったわきゃねえしな」
恋鐘「……確かにそうやね」
今私が口にした通り、自分の衣服以外の繊維が付着することなどそうそうある話ではない。
布と布がこすれあわない限りは普通起きない現象だ。
モーテルにいた三峰結華なら、小学生と中学生の相手でもしかすると付着することはあるかもしれないが……今は深夜。
流石に日中とずっと同じ服を着ているわけではないだろう。
ルカ「いったい、なんの繊維なんだ……?」
コトダマゲット!【青い繊維】
〔三峰結華の衣服に付着していた青い繊維。本人の服のいずれとも異なるが、繊維が付着するには衣服同士がこすれあう必要があるため、出所が不明〕
-------------------------------------------------
1.智代子に聞き込みする
2.透に聞き込みする
3.美琴と相談する
↓1
608 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/09(水) 22:28:13.46 ID:3xxdXCM60
2
609 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/09(水) 22:30:21.63 ID:igcFWV240
-------------------------------------------------
【透に聞き込み】
浅倉透……こいつとは事件が起きる前に一つ話をした。
こいつの今抱え込んでいること、そのものを聞き出すことはできなかったがこいつが敵ではないことは十分に理解した。
いつかその腹の内をこいつが明かす日を待って、双方歩み寄っていく必要がるという結論だ。
ルカ「おい、話聞いてもいいか」
美琴「……ルカ」
美琴はまだ警戒を解いていないようだが。
七草にちかの死に際がずっと尾を引いている悪印象、この二人の和解もいつか仲介せねばならないなと思う。
袖を引っ張る美琴を一時黙らせ、私は浅倉透のそばによる。
透「ん、何?」
ルカ「いや、なんだかお前が深く考え込んでるのが見えたからよ。何か思いついてるんじゃないかって」
透「あー……思いついたって言うか、思い出した?」
ルカ「思い出した?」
610 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/09(水) 22:30:58.37 ID:igcFWV240
透「うん……あれ、知らない? 今回の事件の手口、多分あれと関係してるんだけど」
ルカ「まるでこっちは見当もついてねえんだ、さっさと言いな」
透「……【映画館】。後で行ってみなよ」
映画館……この島が解放されてすぐに一回行ったきりだ。
確かモノクマ自主製作のクソみたいな映画を公開してるんだったか。
そういえば浅倉透はちょうど私たちが立ち寄ったタイミングで映画を観終わって出てきていた。
もしかして、こいつの言う『思い出した』ってのは、何か映画の内容と関係してるのか?
ルカ「……美琴、捜査に目途がついたら映画館に行ってみるぞ」
美琴「……うん」
ルカ「美琴?」
美琴「……なんでもないよ」
-------------------------------------------------
1.智代子に聞き込みする
2.美琴と相談する
↓1
611 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/09(水) 22:32:39.19 ID:3xxdXCM60
1
612 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/09(水) 22:34:47.91 ID:igcFWV240
1 選択
-------------------------------------------------
【智代子に聞き込み】
甘党女、こいつは事件当時美琴と同じで非番だったので仮眠室で休んでたはずだ。
情報としては私の方が持っていそうなもんだが、万が一ということもあるしな。
一応話だけは聞いておくか。
ルカ「よう、捜査は進んでるか」
智代子「ルカちゃん……大変だったね、夜番のタイミングでこんなことが起きちゃって」
ルカ「おう……お前は事件当時、仮眠室にいたんだったか?」
智代子「うん、今晩はお休みを貰ってたからね。ゆっくり眠らせてもらってました」
ルカ「それじゃあ何も見てないし、聞いてもないか……精々捜査頑張れよ」
智代子「えっ、は、早くないですか!?」
ルカ「いや、だっててめェは事件当時寝てたんだろ? なんも使える話も持ってねぇだろ」
智代子「い、いやいやいやいや! あるから、あるから、話!」
ルカ「はぁ……んだよ」
613 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/09(水) 22:36:16.89 ID:igcFWV240
智代子「といっても事件の前……あの大きなガラスの割れる音がする前の話なんだけどね。気になるものを見たんだよ!」
ルカ「え? でもお前、仮眠室にいたんだろ? 誰とも会わずに」
智代子「それはそうなんだけど……あの部屋にもほら、窓があるでしょ? その窓から見えたんだ!」
(仮眠室の窓から……?)
智代子「すっかり私も眠りに落ちちゃってて、寝息を立てながら寝てたんだけど……しばらくしたら、窓の外からなんだか機械音みたいなものが聞こえてきてね」
智代子「それで何が起きてるのかなって窓の方に近づいて目を凝らしてみたの。そしたら……そしたらね!?」
智代子「な、なんと……UFOが窓の外を飛んでたんだよ!?!??!?」
ルカ「……」
智代子「な、なんでそんなに反応が薄いの!?」
ルカ「……いや、別に。お前は呑気で羨ましいなって」
智代子「の、呑気……でも本当に見たんだからね!? 窓の外を光りながら浮いたり沈んだりしてる飛行物体があったんだって!」
ルカ「なあ、私は一応事件に関係する話を聞きに来たんだ。その頓知来な目撃証言はそれに類するもんなのか?」
智代子「え、えーっと……」
ルカ「……はぁ」
やたら食い下がってきやがったからちょっとは期待したんだが、これは期待外れだったな。
事件は私の目の前で起きたんだ。やっぱり頼りになるのは自分の目、ってことか……
コトダマゲット!【智代子の証言】
〔事件が発生する前、窓の外にUFOを見た。光りながら浮いたり沈んだりする飛行物体はどう考えてもUFOに違いない(本人談)〕
-------------------------------------------------
【選択肢が残り一つになったので自動進行します】
614 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/09(水) 22:38:07.13 ID:igcFWV240
-------------------------------------------------
【美琴と相談する】
ルカ「美琴、何か気になることはないか?」
美琴「気になること? 捜査自体はルカと一緒にしてるから情報に差はないと思うけど……そうだ、一つ気になると言えば【絶望病】についてかな」
ルカ「今回の動機……そのせいで私たちはこんな状況に追い込まれてるわけだが」
美琴「騒ぎが起きたのはちょうど二日前だね。発症者は恋鐘ちゃん、夏葉さん、愛依ちゃん、雛菜ちゃんの四人。レストランに全員集まって、そのまま入院に至った」
ルカ「そこからは病院とモーテルの二手に分かれて隔離生活だったな」
美琴「絶望病は元の性格とは大違いな性格になってしまう症状を伴う高熱性の病気。それぞれの症状については良く知ってるよね」
ルカ「ああ、あんだけ散々看病させられたらな」
美琴「それにしても、モノクマはどうやって全員をあんな瞬時に治療したんだろうね」
ルカ「……考えても仕方がねえだろ、あいつの行動に説明がつかないのはこれに限った話じゃない」
美琴「……絶望病なんて病気そのものもそうだし、モノクマの科学力や資金力は現実離れしすぎてる」
ルカ「……」
美琴「……ごめん、ここから先を考えるのは今やるべきことじゃなかったよね」
ルカ「おう、ひとまずは今回の動機として絶望病がふりまかれた、そのことだけ抑えておけ」
コトダマゲット!【絶望病】
〔モノクマによって二日前に島内に持ち込まれた未知の病気。恋鐘、夏葉、愛依、雛菜が発症し、そのまま入院することとなった。恋鐘は標準語病、夏葉はぐうたら病、愛依はお嬢様病、雛菜はネガティブ病とそれぞれの本来の性格とは魔反対とも言うべき性格になってしまった〕
615 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/09(水) 22:39:54.78 ID:igcFWV240
-------------------------------------------------
さて、事件現場での捜査は大体やり終えたか。
和泉愛依と三峰結華、二人の命を奪った犯人に少しは近づけているんだろうか……
まだ先の見えない不安を抱きながら、私たちは足を進めた。
次に向かったのは浅倉透が事件との関連を示唆した施設、【映画館】。
私たちは島が解禁されて以来まるで寄り付いていなかったが、映画を鑑賞したことのある浅倉透には何か思い当たる節があるらしい。
つい昨晩、あいつは私たちの間に信頼を勝ち取るためにできることをすると宣言したばかり。
……今のあいつなら、きっと信用に足る。
映画を見るとなると相当に時間を食うが、これに賭けてみる価値はあるだろう。
-------------------------------------------------
616 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/09(水) 22:41:05.87 ID:igcFWV240
-------------------------------------------------
【映画館】
モノクマ「あれあれ? お二人さんどうしたの、事件の捜査に飽きちゃったカンジ?」
ルカ「ちげーよ、これも捜査の一環だ」
美琴「……」
モノクマ「ふーん……まあいいや、それより、ここにわざわざ足を踏み入れたってことは……そういうことなんだよね?!」
ルカ「……おう、さっさと入れろ」
モノクマ「分かりました! ……と、言いたいところなんだけどね」
モノクマ「この映画館ではチケットを購入してもらわないと中には入れないシステムになってます。ああ、お代は特に必要ないんだけどね?」
モノクマが指さして見せた先には自動券売機。
料金もないというのに二度手間じゃなかろうか。
とはいえこんなところでクレームをつけるのも時間が惜しい。
指示に従ってすぐに券売機の前へ。
617 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/09(水) 22:42:10.99 ID:igcFWV240
ルカ「えっと……チケット、大人2枚だな」
『人数分の電子生徒手帳をかざしてください』
ルカ「……あ?」
美琴「どうやら購入には電子生徒手帳を読み込む必要があるみたいだね」
ルカ「……ったく、めんどくせえな」
ピピッ
『以上でよろしければ精算ボタンを押してください』
支払いも何もないのに電子生徒手帳をかざす意味などあるのだろうか。
そんな風に疑問を抱きつつもボタンを押して精算へ。
すぐに機械音と共にゆっくりとチケットが発行された。
チケットには『モノ太郎〜THE MOVIE〜 イカルガルカ 1カイメ』と刻印されていた。
ルカ「……回数?」
美琴「私の方にも『アケタミコト 1カイメ』って書いてあるね。さっきの電子生徒手帳はこの刻印のためだったみたいだね」
わざわざ律儀に回数まで刻印してご丁寧なことだ。
どうせ見終わればこんなチケット破り捨ててしまうというのに。
618 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/09(水) 22:43:39.35 ID:igcFWV240
美琴「……あれ?」
もはや呆れかけていたところ、券売機がまた動き出した。
チケットの排出口からさらに2枚の紙片が吐き出されたではないか。
ルカ「これ……ステッカーか?」
『おめでとう! キミは伝説への第【1】歩を踏み出した!
モノタロウステッカー獲得まであと4回』
丸の形をしたペラペラの紙は裏面が剥がせるようになっており、粘着面が顔を出す。
冷蔵庫やらなんやらに子供が貼り付けるようなそれだ。
その性質はともかくデザインがモノミを模したような犬なので到底使う気にはならないが。
モノクマ「それは来場者特典のステッカーだよ! モノ太郎の映画の出てくる人気キャラクターがデザインされててね、オマエラの見た回数に応じてステッカーもグレードアップするんだ!」
ルカ「……はぁ」
モノクマ「5回目の来場者特典はすごいよ……なんたって全面ホロレアリティ仕様でね、更には立体視を利用して……」
(……引くほど興味ないな)
どうやら自動券売機で電子生徒手帳を読み取るのはその無価値なステッカーの配布のための工程だったようだ。
延々つらつらと誰も聞く気のない最後の来場者特典とやたの説明を続けるモノクマを他所に、私たちは劇場入場口へと向かった。
あいつの話をまともに聞いていたら時間がいくらあっても足りゃしねえ。
……この来場者特典のシール、マジでいらねえな。
コトダマゲット!【入場者特典】
〔映画館で映画を見る際、電子生徒手帳を読み取ることで発行されるステッカー。見た回数に応じてステッカーのデザインが変化する仕様。1回目の視聴では犬のデザインだった〕
619 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/09(水) 22:45:24.55 ID:igcFWV240
-------------------------------------------------
【映画館 劇場内】
映画館の中はそれなりの広さ。
この島にいるのは16人だが、その5、6倍はあろうかという座席数。
適当に私と美琴は中央に腰かけて、その上映を待った。
すぐにジーッという音と共に場内の照明が落ち、目の前のスクリーンに映像が流れ始めた。
○●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇
『モノ太郎 〜THE MOVIE〜』
『昔々ある所に、おじいさんとおばあさんが暮らしていました。おじいさんは若くしてその両親を失ったものの、元々生まれは良く多額の生命保険を受給することができたので、この年になるまでろくに苦労もせずにぬくぬくと暮らしてきました』
『おばあさんは特に何かが秀でているという訳ではなかったものの、単純に顔がこの身だという理由でおじいさんに拾われ、おばあさんもその資産を利用するという目論見で結婚を受け入れました』
『そんなお互いに愛のない関係が何十年と続き、子どももいよいよこの年まで設けることもなく、漫然と日々を過ごしていました』
620 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/09(水) 22:47:54.20 ID:igcFWV240
『ある日おじいさんはグリーンカントリーでキャディーにセクハラをしに、おばあさんは公民館で老人会で老後の資産マウントを取りに出かけました。そんな日の帰り道、おばあさんが八百屋さんの軒先に並んだ一つの大きな大きな桃を見つけたのです』
『お姉さん! こいつは今日仕入れたばかりの新鮮な桃でね、まるで生き物が入っているみたいに表面が脈を打ってるんだ。どうだい、食べてみたら若返るかもしれないぞ!』
『流石にその桃は不気味に感じはしましたが、毒見におじいさんに食べさせればいい、死んでしまえば資産が転がり込んでくる。そう思いおばあさんは購入を決意し、その日の晩の食卓に並べました』
『おじいさんや、今日は変わった桃を買ってきたんですよ。今ここで切って食べてみませんか?』
『食卓の上に載った桃はまるで命を宿しているかのように脈を打っています。おじいさんも流石に驚いた様子ですが、ゲテモノをたまには食べてみるのもいいだろうと桃を食べることに賛成しました。そこで、おばあさんが包丁を振りかざしたその直後』
『ミギャアアアアアアア!』
『激しい断末魔とともに、桃の中からそれはそれは可愛らしい、白黒ツートンカラーのたまのようなクマが生まれてきたのです。モノクロカラーの愛らしいクマは自らをモノ太郎と名乗り、おじいさんとおばあさんの前に仁王立ちしました』
621 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/09(水) 22:48:57.80 ID:igcFWV240
『こんな腐った老害がのさばっているなんて、きっと行政のトップが鬼のように心の濁り切った不細工なビール腹のやつなんだろう』
『正義に生まれ正義に生きるモノ太郎は老害夫婦にすぐに愛想をつかし、貯蓄していた食料を根こそぎかっさらって永田町まで行くことにしました』
『途中でモノ太郎の正義の心に感化された動物たちが仲間にしてくれと懇願してきました』
『最初に声をかけてきたのはワンちゃんでした。わんわん! あちしも正義のために戦いたいでちゅ! あちしの鼻はよく利くんでちゅ、不正だってすぐに嗅ぎつけまちゅよ! お腰につけたお団子を一つ貰ったら、あんたのために全力を尽くしまちゅ!』
『犬畜生がキャンキャンと喚いて耳障りなので、咽喉を掻っ捌いて殺しました』
『次に声をかけてきたのはおサルさんでした。ウッキッキー! あちし、あんたに惚れまちた! あんたの正義の心は本物でちゅ! その腰に付けた団子を一つ貰えればあんたと一緒に乗り込んで、議場内を引っ掻き回してやりまちゅよ!』
『エテ公が何を勘違いしたのか、図が高いので真正面から撲殺しました』
『最後に声をかけてきたのはキジさんでした。ケーン! あちし、この空と同じように世界にも自由を取り返したいんでちゅ! あちしの目は鷹にも負けないんでちゅ、どんな悪行だって見逃さないんでちゅよ! あんたから団子を貰えれば、偵察だって巡回だってお手の物でちゅ!』
『害鳥が病原体を媒介してはいけないので、焼いて殺しました』
『そしてとうとうモノ太郎は議事堂に辿り着きました。中ではたくさんの鬼のような政治家たちが、自分たちの利益のためにレスバトルに勤しんでいます』
『やい! 政治家たちがちゃんとしないから、いつまでも老害連中の声がでかいんだ! ちゃんと政治家なら市民のための政治をしろ!』
『モノ太郎の演説に胸を撃たれた政治家たちはすぐに改心し、額を地面にこすりつけて謝罪しました。モノ太郎は彼らからなんやかんやで賠償金をむしり取り、老後は不労所得で穏やかに暮らすことができましたとさ。めでたしめでたし』
『〜FIN〜』
○●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇
622 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/09(水) 22:50:02.10 ID:igcFWV240
ルカ「……」
美琴「……」
上映が終わった後の私たちは完全な無言だった。
退屈をとことん突き詰めると、最終的には嫌悪感を通り越して吐き気まで覚えるということを私はこの日初めて知った。
この映画を見るために時間を費やすというのは、人生で考えられ得る限り最低の時間の潰し方だ。
私たちはそのまま無言のままに劇場を後にした。
コトダマゲット!【モノクマの映画】
〔第3の島の映画館で上映されていたモノクマの自主製作映画。主人公のモノ太郎が犬を咽喉を掻っ切って殺し、サルを撲殺し、キジを焼き殺し、最終的に自分だけ得をして終わるという退屈この上ない映画〕
623 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/09(水) 22:51:25.67 ID:igcFWV240
-------------------------------------------------
キーンコーンカーンコーン……
『えー、覆水盆に返らずなんて言葉がございますが、あの言葉を作り出したやつって絶対つまんないやつだよね』
『溢れた水は二度と盆に戻らない? やれやれ、ボクくらいになると物事を大局的に見るからね。あらゆる可能性を考慮するんだ』
『もし宇宙で水を溢したなら水はむしろ宙に浮くから、盆に返すのは簡単だよね。もしエッシャーの騙し絵だったなら溢れた水はどこかで盆に繋がっているからそもそも返す以前の話だよね』
『大事なのは発想の転換。凝り固まった考え方では見えるものも見えてこないってことだよね!』
『はてさて、オマエラの頭はどれだけ硬いのか、それとも軟いのか……見させてもらいましょうか!』
『時間だよ〜! 中央の島のモノクマロックまで集まってたも〜〜〜!』
……タイムアップだ。
夜も明けないまま真実を追い求めて奔走したが、その成果はあったのだろうか。
今はまだこの手に握られているものの持つ意味もわからないし、解答に行き着くための道筋も見えていない。
暗闇の中の綱渡りをするような感覚に、思わず背筋に冷たいものを感じてしまう。
「……だからなんだってんだ」
嫌というほど知り尽くしている。世界は一人のために動いたり、一人のために緩んだりはしない。
ただそこに事実を並べ、ただ非常に時計の針を進める。
臆していればズンズンと処刑台が迫ってくるだけ。
それなら、その速度に振り落とされないように私も世界にしがみつくだけだ。
624 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/09(水) 22:53:38.11 ID:igcFWV240
-------------------------------------------------
【中央の島:モノクマロック】
これでここに来るのも3回目。
不恰好なモノクマを模した岩石像を見るのも、恐怖と不安に慄く連中を見るのも三度目。
……後者は、見るたびにその数を減らしているが。
冬優子「……絶対に逃がさないんだから」
恋鐘「うちがやるしかなか……うちがやらんといけんばい……」
今回の事件はこれまでのケースと別。純然たる悪意を節々に感じる凶悪な連続殺人だ。
慄く連中の中でも仇討ちに熱り立つ姿がよく目立つ。
その熱に当てられたように、私は自然と冬優子に話しかけていた。
ルカ「冬優子、準備は万全か」
冬優子「イエスとは言い難いけど、『やるしかない』でしょ? 手、貸してもらうわよ」
ルカ「千雪とは違った意味でお前も大概図々しいよな」
冬優子「図々しいとはご挨拶じゃないの、ふゆは使えるものは何だろうが使い尽くす主義なだけよ」
心の支えであっただろう二人を同時に亡くしたことで、一時流石に私も心配していたが、捜査前に見せた決意と覚悟は今も揺らいでいないようだ。
もちろん多少無理をしている部分はあるだろうが、それでも安心して見ていられるだけの気丈な振る舞いをしてみせた。
625 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/09(水) 22:55:18.45 ID:igcFWV240
だが、当の冬優子本人は自分以外のところに心配を持っているらしい。
冬優子「……ねえ、あんた。今回の捜査中、あいつの姿って見た?」
ルカ「あいつ……?」
親指を使って自分の背後を指す。
その先には少し俯いて、呆然と立ち尽くす中学生の姿があった。
冬優子「……あいつ、相当参ってるみたいよ。やっぱり愛依を失ったのがかなりデカいんでしょうね」
ルカ「……」
そういえば、風野灯織が死んだ時も、千雪が死んだ時も、あいつは捜査の前線に出ばっていた。
あいつが事件を掻き乱し、その掌の上で踊る私たちを嘲笑う【狸】である以上は、先の二つの事件同様に特等席でことの顛末を見届けたいはずだ。
だのに、今回のあいつは沈み切ってしまってまるで動いていない。
冬優子「……あんたたちからすれば、あいつは疑いの存在なんでしょうけど。ふゆからすれば、あいつもユニットの仲間で……面倒を見続けてきた、妹分みたいなやつなのよ。あんな表情されると、こっちだって黙ってられないの」
ルカ「……おう」
冬優子「……はぁ、どうしたもんかしら。愛依ならこういう時上手いこと励ましてやれるんでしょうけど」
626 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/09(水) 22:56:10.65 ID:igcFWV240
思えば、事件の捜査中……今回は【狸】の影を感じることもなかった。
七草にちか、田中摩美々の事件においてもその介入は裁判を進めていく上で明らかになった部分は大きいが、今回はそれとはまた違う。
混じりっけのない純然たる様相とでもいうべきか、奴の気配が全くと言っていいほどしないのだ。もはやこれは勘というものに近い感覚だろう。
あさひ「……愛依ちゃん」
ゴゴゴゴゴ…
はじまった地響き。視界を上にやれば、赤く灯るモノクマロックの瞳。
三度目の学級裁判、その入り口が今開かれた。
冬優子「さっさとエスカレーターに乗るわよ。こっちはウズウズしてんだから」
冬優子は迷うそぶりもなくすぐに搭乗。
恋鐘「う、うちも……やる気と根気がメラメラ燃えとるとよ!」
夏葉「ええ、二人の命を奪った犯人……絶対に明らかにしましょうね」
果穂「正義のために……負けられません!」
そんな冬優子の背中に引っ張られるように私たちは次々とすぐにそのエスカレーターに飛び乗っていく。
そして全員が巨大なモノクマ像の口の中へと運ばれたタイミングで、今度は降下が始まった。
627 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/09(水) 22:57:33.32 ID:igcFWV240
-------------------------------------------------
【モノクマロック内部 エレベーター】
ゴウンゴウンと音を立てて降りていくエレベーター。
その中で立つ私の心中は、これまでとは違っていた。
七草にちかの事件の時は、美琴と向き合う覚悟もなく、ただこの島での暮らしにイラついていた。
田中摩美々の事件の時は、千雪を失ったことに対する怒りと苦しみに苛まれ、やり場のない感情に悶えていた。
……今回はどうだ?
私が和泉愛依と三峰結華の死に対して感じているのは、悲哀か、犯人への怒りか、生に縋る未練か?
多分どれも正しいし、どれも違う。
私が抱いている感情の根源に、いい加減目を向けなくちゃいけないんだろう。
この島で暮らすうちに、283プロの連中と暮らすうちに、感じるようになったその儚くも力強いその繋がりを、意識せねばならない段階がきた。
きっとそれを、千雪はずっと望んでいたはずだ。
冬優子「……」
冬優子はエレベーターの端で拳をギュッと握りしめ、口元も硬く結んでいる。
……あいつは、この私を【友人】として認めてくれた。
そしてそれを、私も受け入れることができた。
あいつに戦う理由があるのなら、私はそれに準じる義務がある。
美琴「ルカ?」
ルカ「……いや、別に」
何も難しいことじゃない。
美琴とずっと一緒にやってきたこととおんなじだから。
チ-ン!
そしてエレベーターは地底にたどり着く。
628 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/09(水) 22:59:03.33 ID:igcFWV240
-------------------------------------------------
【地下裁判場】
モノクマ「ようこそここへ! 遊ぼうよパラダイス! 生と死入り混じる混沌のワンダーランド、学級裁判場へようこそいらっしゃいました〜!」
モノミ「何がワンダーランドでちゅか! こんな変なワンダーランド、略していうならヘン___」
美琴「また内装が変わってるね……今度は西部劇?」
ルカ「島の雰囲気に合わせたってとこだろうな。くだらねえ、そんなことする前にもっと金の使い道があるだろうに」
あさひ「……」
(チッ……こっちまで調子が狂うな)
智代子「もう、3回目になるんだね……」
夏葉「智代子、私たちはこれまでに2回乗り越えたのよ。3回目だって無事に乗り越えられる、落ち着いていきましょう」
透「あー、三度目の正直ってやつだ」
雛菜「透先輩、なんかそれ違わない〜?」
冬優子「……始めるわよ。この中に潜むクロを引き摺り出さないと」
ルカ「……おう」
激情に燃えている冬優子。少しばかり熱が入り過ぎているような気もするが、それにわざわざ水を差すこともあるまい。
私たちは冬優子に続いて、その証言台に一人一人ついて行った。
はじめ16あったはずの証言台も、6つの席には遺影を模した立て札が立っている。
彼女たちの写真には『×』が赤く上塗りされ、その写真もモノクロだ。
失った存在はもう戻ることはない、それを改めて突きつけられているようで、何度見てもむせ返りそうだ。
629 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/09(水) 22:59:58.38 ID:igcFWV240
……和泉愛依。
超高校級のギャルの称号を持っていたあいつは、それまで私が持っていた印象とは大きく違っていた。
クールなキャラクターで男女問わずワーキャー言われる存在でずっと気に食わない奴だったが、蓋を開けてみると、至って普通の年頃の女……いや、それどころか慈母みたいな器量で、他の連中のことばかり気にしているようなやつだった。
お人好しが過ぎるところもあったが……こんな形で命を落とすべき人間じゃなかったと、わずか数日の縁の私でも思わされる。
……三峰結華。
あいつは、つい数日前に自分でその一歩を踏み出す覚悟を決めたばかりだった。一度閉ざした扉を開き直すのには相当なエネルギーが必要だったはずだ。自分が気づくことのできなかった田中摩美々の思い、そして失われた記憶の中で起きていたかもしれない惨劇。それらの辛く重たい現実に向き合って、生きていくと誓ったのに。
犯人はそれを嘲るように、命を奪い去った。
一体犯人はどんな感情でこの裁判に挑んでいるのだろうか。
してやったとばかりにふんぞり返っているのか、自分の命が脅かされることに慄いているのか。
だが、どっちであろうと関係ない。
事情も理由も問わない、ただ引き摺り出して処刑台の上に乗せるだけ。感情は、その後でいい。
630 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/09(水) 23:00:37.61 ID:igcFWV240
_______生きていくためには、勝ち抜くしかない。
631 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/09(水) 23:03:57.02 ID:igcFWV240
という訳で本日はここまで。
捜査パートも終わったので次回から学級裁判パートに移ります。
後日また裁判前準備パートのテンプレを用意するので次回更新時までに書き込みがあれば反映します。
特になければそのまま再開します。
次回更新は3/12(土)22時ごろからを予定しています。
……が、ワクチン接種を行う都合で副反応次第で延期するやもしれないことを前もってお伝えしておきます。
二回目でかなり拗らせた人間なので……書き込みがなければ察してください。
それではお疲れさまでした、またよろしくお願いします。
632 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/09(水) 23:06:38.14 ID:R/hkPNTX0
お疲れ様でした
633 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/09(水) 23:08:56.79 ID:3xxdXCM60
>>1
乙
634 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2022/03/10(木) 22:37:27.80 ID:nvabncrR0
担当がクロっぽそうなので期待してます
635 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/12(土) 19:21:06.54 ID:m0H3iog60
undefined
636 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/12(土) 19:23:04.47 ID:m0H3iog60
書き込みエラーですかね…?
副反応で発熱状態になってしまったので本日の更新は延期させてください…
回復していれば明日の22時ごろより再開します。
併せて裁判前準備パートを書き込んでいなかったので用意しておきます
次回までに書き込みがあれば反映いたします
637 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/12(土) 19:24:18.18 ID:m0H3iog60
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
【裁判前準備パート】
☆裁判を有利に進めるアイテムを獲得することができます
何か購入したいものがある場合は次回までにその旨を書き込んでください。
指定が多ければ多数決、特に購入指定が無ければ何も購入せず裁判を開始します。
?ルカの現在の状況
【現在のモノクマメダル枚数…107枚】
【現在の希望のカケラ…28個】
【自動販売機】
≪消耗品≫
【ヒーリングタルト】…5枚
〔誰の口にも合いやすいマイルドな口当たりの優しい甘さ。裁判中に使用すると発言力を2回復できる〕
【ヒーリングフルーツタルト】…10枚
〔フルーツをトッピングして満足感アップ。裁判中に使用すると発言力を4回復できる〕
【高級ヒーリングタルト】…15枚
〔国産フルーツを贅沢にトッピングした高級タルト。裁判中に使用すると発言力が最大まで回復する〕
【プロデュース手帳】…15枚
〔これは彼と彼女たちが過ごしてきた美しき日々の証。誰よりも理解者たる彼は、いつだってそばで戦ってくれる。裁判中に使用するとノンストップ議論・反論ショーダウンを無条件クリアする〕
≪希望のカケラ交換≫
【花風Smiley】必要な希望のカケラの数…20個
〔毎日の自由行動回数が2回から3回になる〕
【Scoop up Scrap】必要な希望のカケラの数…30個
〔他のアイドルとの交流時に、所持品の中で何が渡すと喜ばれるプレゼントなのか分かる〕
【霧・音・燦・燦】必要な希望のカケラの数…10個
〔発言力ゲージが+2される〕
【幸福のリズム】必要な希望のカケラの数…30個
〔他のアイドルとの交流時の親愛度上昇が+0.5される〕
【I・OWE・U】必要な希望のカケラの数…20個
〔発言力ゲージが+3される〕
【われにかへれ】必要な希望のカケラの数…20個
〔集中力ゲージが+3される〕
【ピトス・エルピス】必要な希望のカケラの数…20個
〔反論ショーダウン・パニックトークアクションの時コンマの基本値が+15される〕
【おみくじ結びますか】必要な希望のカケラの数…10個
〔集中力ゲージが+2される〕
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
638 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/13(日) 13:31:55.64 ID:fq9m6j3V0
6章は自由行動ないから自由行動はあと4章5章だけだし、親愛度レベルが特段上がってる子がいなくてコミュの完走も危うそうなので、希望のカケラの所持数的には自由行動回数増やす【花風Smiley】を購入しておいた方がいいんじゃないかと思いますねー
639 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/13(日) 16:52:49.21 ID:aCHvbQMp0
手帳とタルトは買っておいていいんじゃないかなと思う
特に手帳は反論で苦戦すること多いっぽいし
640 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/13(日) 19:17:47.51 ID:Fo0hVhpD0
今日は予定通り再開できそうです。
現状出ているところでは希望のカケラで【花風smiley】、メダルでタルトと手帳の購入ですが種類と個数はどうしましょうか
特に指定がなければヒーリングタルトと手帳を一個ずつにします
641 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/13(日) 22:02:58.39 ID:XDPk3+GO0
一個ずつでいいと思います
642 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/13(日) 22:03:48.04 ID:Fo0hVhpD0
それではコトダマを整理するところから開始します。
裁判前準備の行動指定は先述の通り、スキル【花風smiley】の習得、【ヒーリングタルト】と【プロデュース手帳】を一つずつ購入としておきます。
モノクマメダル枚数
107枚→87枚
希望のカケラの個数
28個→8個
に変動します。
643 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/13(日) 22:04:59.01 ID:Fo0hVhpD0
CHAPTER03 コトダマ
‣【モノクマファイル3】
〔被害者は和泉愛依。死因は頸動脈を刃物で裂かれたことにより失血およびショック死。死因となった裂傷は背後から刃物を首筋に沿わして切りつけたような傷跡となっている。衣服にも乱れた様子はなく、目立った抵抗の痕も見られないため、即死だったものと思われる。
被害者は三峰結華。死因は正面から頭部に強い衝撃を受けたことによる脳挫傷。頭部からは出血も激しく、即死だったものと思われる。死因となった傷のほかに、全身に及ぶ打撲痕があり、一部は骨折もしている〕
‣【割れた花瓶】
〔愛依の病室で割れていた花瓶。前日に愛依が病室に飾ったもので、ゲッカビジンを元々飾っていた。愛依は犯人と争った形跡もないが、一体何の拍子に割れたのだろうか……〕
‣【ビニール片】
〔愛依の病室で割れていた花瓶の近くに落ちていたビニール片。花瓶の中の水をかぶったのか、全体が濡れている〕
‣【割れたガラス窓】
〔和泉愛依の病室の窓は犯人によって割られており、脱出経路に使われたものと思われる。事件当時、ルカをはじめとした病院にいるすべての人間がその割れる音を聞いていた〕
‣【窓ガラスの破片】
〔愛依の病室の窓、その外側に落ちていた破片。犯人は病室内から外に向けて窓を割り、脱出を図ったものと思われる〕
‣【果穂の証言】
〔事件発生前、モーテルの各部屋を何者かが訪問し、ドアノブを捻っていた。恐怖を感じ動けずにいたところ、冬優子が助けに来てくれ、所在のわからないあさひと結華について尋ねるために病院にテレビ通話を繋いだ〕
644 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/13(日) 22:05:44.46 ID:Fo0hVhpD0
‣【冬優子の証言】
〔隔離生活が始まってから、モーテル組はほとんどあさひと果穂の面倒を見るので手いっぱいだった。事件の前日にも、二人を連れて海で遊んでいたらしい〕
‣【モノミの処置】
〔事件前夜、夏葉の容態が急変してナースコールが鳴った。心停止にまで陥っていたため、ルカたちはモノミを呼び出して治療を要求。ペースメーカーを使うことでなんとか一命をとりとめた〕
‣【結華のメガネ】
〔結華の死体がかけていたメガネ。普段から着用していたものと同一で、本人の物。結華は全身を殴打されて殺害されていたものの、メガネはフレームも歪んでおらずレンズも全く割れていない〕
‣【青い繊維】
〔三峰結華の衣服に付着していた青い繊維。本人の服のいずれとも異なるが、繊維が付着するには衣服同士がこすれあう必要があるため、出所が不明〕
‣【智代子の証言】
〔事件が発生する前、窓の外にUFOを見た。光りながら浮いたり沈んだりする飛行物体はどう考えてもUFOに違いない(本人談)〕
‣【絶望病】
〔モノクマによって二日前に島内に持ち込まれた未知の病気。恋鐘、夏葉、愛依、雛菜が発症し、そのまま入院することとなった。恋鐘は標準語病、夏葉はぐうたら病、愛依はお嬢様病、雛菜はネガティブ病とそれぞれの本来の性格とは魔反対とも言うべき性格になってしまった〕
‣【入場者特典】
〔映画館で映画を見る際、電子生徒手帳を読み取ることで発行されるステッカー。見た回数に応じてステッカーのデザインが変化する仕様。1回目の視聴では犬のデザインだった〕
‣【モノクマの映画】
〔第3の島の映画館で上映されていたモノクマの自主製作映画。主人公のモノ太郎が犬を咽喉を掻っ切って殺し、サルを撲殺し、キジを焼き殺し、最終的に自分だけ得をして終わるという退屈この上ない映画〕
645 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/13(日) 22:06:11.23 ID:Fo0hVhpD0
【学級裁判 開廷!】
646 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/13(日) 22:07:09.49 ID:Fo0hVhpD0
モノクマ「まずは学級裁判のルールの確認から始めます」
モノクマ「学級裁判ではオマエラの中に潜む殺人犯のクロを探して議論していただきます」
モノクマ「議論の結果導き出した犯人がクロだった場合はクロだけがおしおき、シロだった場合はクロの生徒以外の全員がおしおきされ、クロのみが歌姫計画の成功者としてこの島を脱出できまーす!」
モノミ「うぅ……もう三度目でちゅか……三度目の正直、早起きは三文の徳、石の上にも三年、仏の顔も三度まで……三を冠することわざはこんなにも縁起がいいのに、どうしてこんなことになってしまうんでちゅか……」
モノミ「もう、こんなのって……散々でちゅよ……」
モノミ「……」
モノミ「【さん】ざんでちゅよ……」
冬優子「さあ、始めましょう。今回は二人の犠牲者が出ている事件……結華と愛依、その命を奪った罪は大きいわ」
冬優子「なんとしても、その犯人を突き止めないと……!」
647 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/13(日) 22:08:10.24 ID:Fo0hVhpD0
恋鐘「そうばい……これまでの事件とも今回は大違い、二人を殺すなんて、とんでもない犯人たい。絶対に許してはおけんとよ!」
夏葉「落ち着きなさい……といっても無茶な要求だけど、議論は慎重に進めていきましょう。感情に乱されていては大切な判断を誤る恐れがあるわ」
夏葉「あくまで冷静に真実を見極めましょうね」
智代子「よしっ! それじゃあまずはみんなで議論だね! どこから話し合おっか!」
果穂「はいっ! まずは事件のがい要を整理するのがいいと思います!」
美琴「そうだね……今回、私たちは病院とモーテルの二手に分かれていた」
美琴「そして、お互い直接の交流は控えていたし、持っていた情報にも差異があるかもしれない。ここでそのすり合わせをしていくのはいいかもしれないね」
雛菜「雛菜たち入院してた組はそれ以前に、ここ数日の記憶もまだ危ういですからね〜」
(事件の概要整理か……)
(病気の在った連中はまだ頭も本調子じゃねえだろうし、まずは連中の目を覚ますところから始めるとするか)
648 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/13(日) 22:10:58.07 ID:Fo0hVhpD0
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×5
集中力:☆×5
コトダマ
‣【果穂の証言】
‣【モノクマファイル3】
‣【絶望病】
‣【割れた花瓶】
‣【青い繊維】
智代子「私たちは病院とモーテルの二手に分かれてたよ!」
智代子「私と透ちゃん、美琴さんにルカちゃんが【病院で看病】をしてて……」
冬優子「ふゆと結華、あさひと果穂ちゃんが【モーテルで待機】してた」
雛菜「残りは入院中でしたね〜」
恋鐘「事件が起きたのは病院で……」
恋鐘「犯人は愛依と結華の二人を殺害してしまったばい……!」
智代子「【二人も切って】殺しちゃうなんて……」
智代子「犯人はよっぽど切れ味のいいナイフを使ってたんだね!」
恋鐘「そがん切れ味よか刃物なら、もっと料理とかで使ってほしかったばい……」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
3.アイテムを使用する
【ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1
↓1
649 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/13(日) 22:12:49.62 ID:k8akbpgz0
二人とも切って→モノクマファイル3
650 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/13(日) 22:14:30.75 ID:Fo0hVhpD0
ルカ「それは違うぞ!」論破!
【BREAK!】
ルカ「はぁ……おい甘党女……お前は入院してなかっただろ……」
智代子「へ? ど、どうしたのルカちゃん?! そんなため息なんかついてたら福が逃げちゃいますよ!?」
ルカ「入院してた連中じゃなくてお前が寝ぼけててどうするって言ってんだ」
ルカ「いいか? 今回の事件は確かに連続殺人だけどよ……それぞれの犯行の凶器は違うんだ」
智代子「あ、あれ?! そうでしたっけ!?」
冬優子「確かにどちらの死体も血に塗れていたけど、その死因は大違いよ」
冬優子「愛依は首元を切り裂かれて殺されてるけど、結華は別。正面から受けた打撲による脳挫傷が原因よ」
智代子「の、のうざしょう……」
冬優子「……要は、強く殴られて死んだのよ」
651 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/13(日) 22:15:22.70 ID:Fo0hVhpD0
果穂「じゃあ、犯人は切れ味のいい刃物だけじゃなくて、固くて太いぼうのようなものを持っていたってことですね!」
モノクマ「……今、なんだって?!」
果穂「え? 犯人は、切れ味のいい刃物だけじゃなくて、固くて太いぼうのようなものを持っていたってことですよね?」
モノクマ「いいね、その調子でもう一回言ってみようか」
果穂「犯人はー! 切れ味のいい刃物だけじゃなくてー! 固くて、ふっとい____」
夏葉「それ以上を強いるのなら私はこの場であなたを捨て身の覚悟で殴打するわよ」
モノクマ「ふぅ……こわいこわい、とんだモンスターペアレントですよ」
美琴「犯人が二つの凶器を使い分けた……それは間違いないよね」
恋鐘「でも、なんでそんな死因を分けるような面倒くさか真似ば犯人はしよったと? 刃物に棒まで持っとったら、嵩張って仕方なかよ!」
ルカ「凶器はまだ特定されてねえんだ。別にその二つを持ってたとも限らねーし……何より犯人は死因を別にすることにはある意味を持っていたはずだぜ」
雛菜「死因を別にする、意味ですか〜?」
ルカ「犯人がわざわざ二人の死因を変えたわけはこいつが証明する……!」
-------------------------------------------------
【正しいコトダマを選べ!】
>>643
>>644
↓1
652 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/13(日) 22:20:38.18 ID:o2m3uapb0
【モノクマの映画】
653 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/13(日) 22:22:48.07 ID:Fo0hVhpD0
ルカ「これだ!」
【解!】
ルカ「なあ、適当女。お前は第3の島の探索が始まった時に随分なトラウマをもらい受けたらしいな」
透「え? あー……あれか」
透「やばいよ、マジで最悪だから。思い出すのもノーサンキューって感じ」
果穂「と、透さん……いったい何があったんですか?」
ルカ「こいつは映画館の映画を見たんだよ、モノクマ自主製作の映画をな」
智代子「え、映画……? そういえば、映画館があったような気がするけど……それが今回の事件と何の関係があるの?」
透「そっか……今回の死因は、あの映画と同じなんだ」
ルカ「そういうことだ。首を切りつけられる死に方も、正面から殴りつけられる死に方も、どっちもあの映画で出てくる話なんだよ」
夏葉「そんなむごい映画なの……!?」
透「むごいって言うか、ひどいっていうか」
654 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/13(日) 22:23:49.16 ID:Fo0hVhpD0
ルカ「……端的に言うと、桃太郎のパロディみたいな映画でな。そこで本来仲間になるはずの犬・サル・キジを主人公は殺してしまうんだ」
ルカ「犬は咽喉を掻っ切って、サルは正面から殴りつけて、キジは火であぶって、な」
あさひ「確かに、愛依ちゃんと結華ちゃんの死因と一緒っすね」
果穂「でもそれっておかしくないですか? その映画のとおりなら、三人目の火でやかれてころされちゃってる人がいるはずじゃ……」
美琴「この南国生活のしおりを見てみようか。【同一のクロが殺せるのは二人まで】、三人目を殺しちゃうと犯人の方がルール違反になっちゃうからね」
果穂「あっ……そうでした、すみません……」
夏葉「気にすることはないわ、全員が抱く当然の疑問だもの」
ルカ「この死因の一致が偶然とは思えねえ、犯人はこの事件をただの連続殺人じゃなく、見立て殺人にしようとしたんだよ……!」
恋鐘「あっ、そいやったらモノクマに誰があの映画を見たのか聞いてみんね!」
恋鐘「そがん映画、見とる人の方が絶対少なか! 犯人にすぐたどり着けるはずたい!」
モノクマ「こら〜〜〜〜! なんてことを言うんですか!」
モノクマ「こともあろうに、ボクの丹精込めて作り上げた名作をまるで失敗作のように貶して!」
透「それは悪かったからさ。教えてよ、見た人」
モノクマ「いい顔で謝られても知りません!」
モノクマ「それにね、誰が映画を見たことがあるか、なんてそんなのボクも知ったこっちゃないんだよ! 映画の半券さえあれば誰でも見れるし、その半券は自動販売だからボクのあずかり知るところじゃないんでね」
ルカ「まあ流石にそううまくことは運ばねーよな……」
美琴「誰でも自由に見れた映画……絞り込みには向かないね」
夏葉「でも、この連続殺人が見立て殺人だとなると違うものが見えてくるかもしれないわ」
夏葉「議論を続けましょう、この連続殺人の持つ意味について」
655 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/13(日) 22:25:17.03 ID:Fo0hVhpD0
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×5
集中力:☆×5
コトダマ
‣【モノクマファイル3】
‣【絶望病】
‣【割れたガラス窓】
‣【モノミの処置】
‣【モノクマの映画】
透「あの映画のストーリーとおんなじだ」
透「首を切られて死んだのと、正面から殴られて死んだの」
果穂「でも、映画はだれでも見ることができました!」
智代子「誰も見たことも、見てないことも【証明できない】よねぇ……」
夏葉「見立て殺人だってのなら、犯行はおそらく【計画的】だったはずよ」
夏葉「【凶器の準備】だって必要になる……死因を違えるわけにはいかないんだから」
冬優子「そうなると、被害者は初めから決まっていたのかしら」
冬優子「愛依と結華を【狙い撃ち】に犯行を行った」
冬優子「ふゆへ真っ向勝負を挑むつもりだったってわけね」
あさひ「……計画的な犯行、なんっすか?」
あさひ「なんか、引っ掛かる気がするっすけど」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
3.アイテムを使用する
【ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1
↓1
656 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/13(日) 22:26:53.42 ID:XDPk3+GO0
計画的→割れたガラス窓
657 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/13(日) 22:30:42.39 ID:Fo0hVhpD0
ルカ「それは違うぞ!」論破!
【BREAK!】
ルカ「この連続殺人は見立て殺人だったわけだけど……だからといって、それが計画的なものかって言われると私は疑問だな」
夏葉「あら、どうして?」
ルカ「死因を一緒にするぐらいなら、その場でもできる話だし……何より、犯人が計画を練って事件を起こしていたならあんな真似をするとは思いづらいんだよな」
智代子「うーん、でも別に犯人の致命的な手がかりが残っているとかじゃないよね?」
ルカ「事件の流れを思い返してみろ、今回の事件は私と冬優子、そして小学生がテレビ通話をしているときに起きたんだ」
果穂「はい……あたしたちが結華さんとあさひさんがいないことにきづいて、あわててテレビ通話をかけたんです」
ルカ「そのとき、私がどうして事件に気づいたか覚えてるか?」
冬優子「覚えてるも何も、実際ふゆたちもそれを聞いたわけだしね」
あさひ「聞いたってことは、【音】っすか?」
658 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/13(日) 22:31:32.54 ID:Fo0hVhpD0
≪『どうしたんでしょうか……まさか、誰かにゆうかいを____』
ガッチャーン!!
「な、なんだ!?」
『なによ今の大きな音……ガラスが割れたみたいな音だったけど!?』
「今の……【病室】の方からだぞ」≫
果穂「……! そうでした、あたしたちが話してるときに、ルカさんの後からおっきな音がしたんでした!」
ルカ「そうだ、犯人が窓を割って逃亡する、その音が聞こえてきたからこそ私は事件に気づくことができたんだ」
ルカ「犯人が計画的に事件を起こしたんだったら、もっとちゃんとした脱出経路を用意するはずだろ。わざわざ私に気づかれるリスクを踏む筈がねえ」
美琴「確かに……変だね」
夏葉「なら、犯人はあの見立てはその場の思い付きで行ったのかしら?」
ルカ「私はそう見てる、別に見立て自体には大した意味もないしな」
あさひ「……」
659 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/13(日) 22:33:01.87 ID:Fo0hVhpD0
雛菜「犯行の計画性で言えば、一つ不思議なことがあるんですけど〜」
智代子「雛菜ちゃん、どうしたの?」
雛菜「アンティーカの人、なんで病院にいたんですか〜? もともとモーテルにいたんですよね〜?」
雛菜「まさか思い付きでこっちに来てたわけないですし、犯人の計画で呼び寄せられてたのかな〜とか思うんですけど」
恋鐘「前の冬優子みたく脅迫状でも渡されとったと?」
(三峰結華があの場所にいた理由、か)
(正確にはわからねえけど……その取っ掛かりなら分かるかもしれねえな)
-------------------------------------------------
【正しいコトダマを選べ!】
>>643
>>644
↓1
660 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/13(日) 22:35:16.87 ID:aCHvbQMp0
【果穂の証言】
661 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/13(日) 22:36:46.68 ID:XDPk3+GO0
果穂の証言
662 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/13(日) 22:38:48.87 ID:Fo0hVhpD0
ルカ「これだ!」
【解!】
ルカ「なあ、小学生。さっきの話の続きだ。お前らは、元々どうして私に電話をかけて来たんだっけ?」
果穂「えっと、電話をかけた理由ですか……?」
果穂「あの日、ふゆさんと結華さんとあさひさんと三人で遊んだあとに、お別れしてモーテルのそれぞれの部屋でねむりました」
果穂「ぐーぐーねむってたら、深夜になって、あたしの部屋のドアをがちゃがちゃって開けようとしている人があらわれたんです!」
智代子「深夜に?! だ、大丈夫だったの、果穂!?」
果穂「は、はい……あたし、こわくて動けないで……でも、その人はカギがあかないってわかったらどこかに行ったみたいで。それから三十分ぐらい動けずにいたら今度はインターホンが鳴ったんです」
冬優子「それを鳴らしたのがふゆ。ふゆの部屋にも同じ奴が来てね、流石に直後は動けなかったから暫くしてから他の三人の様子を伺いに出たわけ」
冬優子「……で、無事が確認できたのが果穂ちゃんだけだったの」
果穂「そのままあたしとふゆさんは二人でライブハウスまで行って、ルカさんにお話ししたんです!」
雛菜「ふーん? ってことは、あの人はそのドアをガチャガチャやってた人に連れ出されたってことですか〜?」
美琴「彼女、特に変わったものを持っていた様子でもなかったから。誰かに連れ出された可能性は高いと思うな」
冬優子「モーテルの個室の鍵をかけ忘れていたのかもしれないわね。それで侵入してきた人間に連れ出されてしまった、とか」
663 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/13(日) 22:39:52.00 ID:Fo0hVhpD0
夏葉「でも、それが可能なのって病院の外の人間に限られるんじゃないかしら」
夏葉「私たちのいた病院の入り口は玄関のみ。事件当夜玄関ロビーには常にルカがいたから見られずに脱出するなんて不可能よ?」
ルカ「ああ、仮眠を取ってはいたけど、眠りは浅かったし気配がすれば起きてたと思うな」
雛菜「じゃあ、モーテル側の人で、アリバイがない人が犯人さんだね〜?」
美琴「モーテル側の人間で、アリバイがない人……」
智代子「それって……あさひちゃん?」
あさひ「わたしっすか?」
果穂「ま、まってください! ドアを開けようとした人があさひさんなわけないです!」
果穂「だって、えっと……その……」
恋鐘「モーテル組は四人だけ、そいで冬優子と果穂はルカと通話しとってアリバイもある。結華は殺されとる、そうなると残るのはあさひだけ……」
恋鐘「あさひ、観念せんね! うちの目はごまかされんとよ!」
あさひ「えぇ……そんなこと、してないっすよ」
664 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/13(日) 22:41:33.89 ID:Fo0hVhpD0
美琴「じゃあ、事件のあった時にどこにいたのか聞いてもいい?」
美琴「それが証明できれば、容疑は払しょくできるよ」
あさひ「わたしは事件が起きた時、別の島に行ってたっすよ。深夜三時になるとモノケモノが勝手に動き出すって看板に書いてあったっすから、それを確かめに行ってたっす」
冬優子「はぁ……何やってんのよ、あんた」
夏葉「そのアリバイを証明する方法はなさそうね……」
(大体、なんだその看板ってのは……)
透「でも、それが可能なのは今、あさひちゃんだけなのか」
智代子「病院にいたんじゃできるわけないし……他のモーテルのみんなは当然違うもんね」
智代子「あ、あれ? 事件、解決……?」
冬優子「……違う、そんなわけないでしょ」
665 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/13(日) 22:42:44.84 ID:Fo0hVhpD0
冬優子「あさひが犯人なんて、天地がひっくり返ってもあり得ないわ」
ルカ「冬優子……」
冬優子「何も感情論で否定してるわけじゃない、ちゃんと根拠があって言ってるの」
冬優子「結華の死因を思い出して見なさいよ。あいつは正面から殴りつけられて死んでる。そんなこと、あさひにできると思う?」
夏葉「……なるほど、身長ね」
あさひ「わたしは結華ちゃんより5cm小さいっすから、正面から殴ろうとしても若干下からの角度になるっす」
あさひ「……でも、冬優子ちゃん。それって微妙じゃないっすか?」
冬優子「はぁ?」
あさひ「身長なんて、台一つでどうにかなる問題っすよ。反論としては弱いっす」
冬優子「あんた、せっかく人が守ってやろうとしてるんだから口答えするんじゃないわよ」
(……でも、中学生の言うとおりだ)
(身長差も5cmならそれほど大した差じゃない……これで否定するには弱いな)
(どうなんだ……? あの狸は、今回の事件には無関係なのか……?)
666 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/13(日) 22:44:51.82 ID:Fo0hVhpD0
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×5
集中力:☆×5
コトダマ
‣【果穂の証言】
‣【智代子の証言】
‣【ビニール片】
‣【窓ガラスの破片】
‣【入場者特典】
果穂「あたしたちが寝てるときに、だれかがドアをガチャガチャってしました!」
果穂「ふゆさんが様子を見に来てくれたので、そのままルカさんと電話したんです!」
あさひ「わたしはその時【中央の島でモノケモノを見てた】っす」
あさひ「ドアの事なんて知らないっすよ」
美琴「ドアノブを捻るのは病院の外の人間以外には【不可能】だよね」
美琴「アリバイがない彼女が怪しくなるのも仕方ないよ」
智代子「結華ちゃんも病院の外で死んでたもんね……」
智代子「事件は会議室で起きてるんじゃない、病院の外で起きてるんだ!」
雛菜「じゃあ、ガラスが割れる音っていうのも【外から中に入る時の音】だったんだ〜」
雛菜「そのまま中にいたストレイの人を殺して脱出」
雛菜「びっくりするくらいの早業だね〜?」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
3.アイテムを使用する
【ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1
↓1
667 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/13(日) 22:46:27.70 ID:k8akbpgz0
外から中に入るときの音→窓ガラスの破片
668 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/13(日) 22:48:35.58 ID:Fo0hVhpD0
ルカ「それは違うぞ!」論破!
【BREAK!】
ルカ「……いや、なんか変だぞ。その中学生が犯人だとしたら、この事件は成り立たないかもしれない」
冬優子「……! ルカ、それ本当?」
ルカ「ああ、事件現場の状況を思い出してほしいんだけどよ。和泉愛依の病室、あれってどんな状態だった?」
智代子「どんな状況……? 首を切られたせいで血が辺りに散らされてて……」
雛菜「それで、ガラスの窓が割られてたんでしょ〜?」
雛菜「テレビ通話中に音を聞いたって言う窓が割られる音は犯人が部屋に入ってくるときの音で〜……」
ルカ「いや、そこが少しおかしいんだ。あの部屋の様子を思い出してほしいんだけど……あの部屋の中って窓ガラスの破片は落ちてたか?」
透「んー……花瓶が割れたのはあったけど、透明な破片はなかったかも」
夏葉「それは妙な話ね……犯人があさひだとした場合、入室経路は窓に限られるわ。ロビーには常にルカがいたわけなのだから」
夏葉「でも、窓を割って部屋に入ると、破片は必ず部屋の内側に散乱するはずよ。その破片がないというのはおかしいわね」
ルカ「実際、破片自体は発見したんだが、窓の外側に落ちていた。あれは内側から外側へと割って脱出しようとしたとき以外ではならない散乱の仕方だ」
ルカ「私は勿論そんな中学生が病院に入るのを見た覚えもない……そうなると、あいつが二人を殺した犯人になるのはおかしいんだよ……!」
【雛菜「つまんない推理だね〜!」】 反論!
669 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/13(日) 22:50:21.14 ID:Fo0hVhpD0
雛菜「確かにあの窓の破片は部屋の外側に落ちてたかもしれないですけど〜」
雛菜「だからってあの子が無実とは限らないと思います〜」
雛菜「大事なこと見落としちゃってませんか〜?」
ルカ「あ? ど、どういう意味だよ……」
雛菜「え〜、わかんないの〜?」
雛菜「それじゃあ雛菜がちゃんと教えてあげますから〜」
雛菜「雛菜にちゃ〜んと集中しててね〜?」
-------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】
発言力:♡×5
集中力:☆×5
コトノハ
‣【モノクマファイル3】
‣【冬優子の証言】
‣【モノクマの映画】
‣【割れた花瓶】
‣【果穂の証言】
雛菜「あのストレイの人の病室の窓の破片は」
雛菜「確かに部屋の外側に落ちてましたけど〜」
雛菜「でも、それだからって無実にはならないと思います〜」
雛菜「だって、モーテルのドアをガチャガチャできたのもあの子だけだし〜」
雛菜「病院の中の人じゃできませんよね〜?」
◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】
ルカ「だから、窓の問題がある限りはあいつも病院に入れないんだ」
ルカ「あいつに和泉愛依は殺害できないんだよ……!」
◆◇◆◇◆◇◆◇
雛菜「雛菜、それは否定してないですよ〜?」
雛菜「あの子にストレイの人は殺せなくても〜」
雛菜「アンティーカの人の方は別じゃないですか〜」
雛菜「だから、今回の事件は【犯人が二人いる】んですよ〜」
雛菜「それぞれ殺した人が別で〜」
雛菜「モーテルのドアをガチャガチャしてアンティーカの人を殺したのがあの子〜〜〜!」
【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ50以上で論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1
↓1
670 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/13(日) 22:54:07.03 ID:k8akbpgz0
犯人が二人いる→冬優子の証言
671 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/13(日) 23:00:18.23 ID:Fo0hVhpD0
発言力:♡×5→♡×4
雛菜「へ〜〜〜? モーテルの人たちが仲良く遊んでたのってなにか関係あります〜?」
雛菜「結局のところ、別々の犯人が二人殺しちゃえば、今回のアリバイって意味ないですよね〜」
雛菜「雛菜の名推理すごい〜〜〜〜!」
(チッ……違ったか)
(あいつの主張は犯人が複数いれば今回の事件のアリバイも場合によっては無視できるという理論)
(なら、一人じゃねーと犯行が成り立たない証拠を示してやるか……)
-------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】
発言力:♡×4
集中力:☆×5
コトノハ
‣【モノクマファイル3】
‣【冬優子の証言】
‣【モノクマの映画】
‣【割れた花瓶】
‣【果穂の証言】
雛菜「あのストレイの人の病室の窓の破片は」
雛菜「確かに部屋の外側に落ちてましたけど〜」
雛菜「でも、それだからって無実にはならないと思います〜」
雛菜「だって、モーテルのドアをガチャガチャできたのもあの子だけだし〜」
雛菜「病院の中の人じゃできませんよね〜?」
◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】
ルカ「だから、窓の問題がある限りはあいつも病院に入れないんだ」
ルカ「あいつに和泉愛依は殺害できないんだよ……!」
◆◇◆◇◆◇◆◇
雛菜「雛菜、それは否定してないですよ〜?」
雛菜「あの子にストレイの人は殺せなくても〜」
雛菜「アンティーカの人の方は別じゃないですか〜」
雛菜「だから、今回の事件は【犯人が二人いる】んですよ〜」
雛菜「それぞれ殺した人が別で〜」
雛菜「モーテルのドアをガチャガチャしてアンティーカの人を殺したのがあの子〜〜〜!」
【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ50以上で論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1
↓1
672 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/13(日) 23:02:12.37 ID:k8akbpgz0
犯人が二人いる→割れた花瓶
673 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/13(日) 23:02:25.94 ID:XDPk3+GO0
モノクマの映画
674 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/13(日) 23:04:49.56 ID:Fo0hVhpD0
発言力:♡×4→♡×3
雛菜「その花瓶、なんなんですか〜?」
雛菜「どうして割れたのかもよくわかってないし〜、反論の材料にはならなくないですか〜?」
雛菜「ん〜、雛菜の完璧な推理、どうですか〜?」
(チッ……こいつも違ったか)
(この花瓶からは現状余り手掛かりを得られていない……切るべきタイミングは今じゃなさそうだ)
(やっぱり、犯人が一人である証拠を何か提示できれば……)
-------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】
発言力:♡×3
集中力:☆×5
コトノハ
‣【モノクマファイル3】
‣【冬優子の証言】
‣【モノクマの映画】
‣【割れた花瓶】
‣【果穂の証言】
雛菜「あのストレイの人の病室の窓の破片は」
雛菜「確かに部屋の外側に落ちてましたけど〜」
雛菜「でも、それだからって無実にはならないと思います〜」
雛菜「だって、モーテルのドアをガチャガチャできたのもあの子だけだし〜」
雛菜「病院の中の人じゃできませんよね〜?」
◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】
ルカ「だから、窓の問題がある限りはあいつも病院に入れないんだ」
ルカ「あいつに和泉愛依は殺害できないんだよ……!」
◆◇◆◇◆◇◆◇
雛菜「雛菜、それは否定してないですよ〜?」
雛菜「あの子にストレイの人は殺せなくても〜」
雛菜「アンティーカの人の方は別じゃないですか〜」
雛菜「だから、今回の事件は【犯人が二人いる】んですよ〜」
雛菜「それぞれ殺した人が別で〜」
雛菜「モーテルのドアをガチャガチャしてアンティーカの人を殺したのがあの子〜〜〜!」
【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ50以上で論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1
↓1
675 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/13(日) 23:06:12.78 ID:m2E8Adj7O
モノクマのエレナ
676 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/13(日) 23:06:28.73 ID:XDPk3+GO0
すいません間違えました
モノクマの映画
677 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/13(日) 23:09:16.33 ID:Fo0hVhpD0
ルカ「その矛盾、斬らせてもらう!」
【BREAK!】
ルカ「犯人が別の事件が同時に起きた……確かにそれは面白い話だけど、それが成立するのはただの連続殺人だった場合だ」
雛菜「へ〜?」
ルカ「忘れたのかよ、この事件はモノクマの映画を利用した【見立て殺人】なんだぞ? ある時同時に起きた事件が、偶然にもその映画の死因と一致してた……なんてことあり得ると思うか?」
雛菜「それは……確かにそうですよね〜……」
夏葉「犯人が二人いて、直前に見立てにするように示し合わせていた可能性はないの?」
美琴「それも考えづらいかな。ほら、事件はルカの目の前で起きたでしょ? そのタイミングにバッチリ合わせた犯行を行うのってそう簡単じゃないと思う」
ルカ「この連続殺人は見立てである以上は単独犯の犯行じゃないとおかしいんだよ」
智代子「……あれ? でも、だとしたら矛盾が出てきちゃうよ?」
果穂「ちょこ先輩、どうしたんですか?」
智代子「うん、あのね……モーテルのドアをガチャガチャできたのは病院の外にいる人だけだけど……」
智代子「あのガラスは内側から割られてたんだから、病院の中の人じゃないと割れないよね?」
果穂「あー! ほんとです、犯人さんが病院の中にいたのか、外にいたのかよくわからないですー!」
(この指摘はもっともだ……連続殺人は窓の内側から割って行われている以上、犯人は病院内の人間と考えるのが自然)
(でも、病院内の人間は私が玄関ロビーにいる以上、モーテルのドアをいじることは不可能なはずだ)
(この矛盾は一体……?)
678 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/13(日) 23:10:46.43 ID:Fo0hVhpD0
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×3
集中力:☆×5
コトダマ
‣【モノミの処置】
‣【ビニール片】
‣【結華のメガネ】
‣【割れたガラス窓】
‣【モノクマファイル3】
夏葉「連続殺人が見立てで行われている以上は犯人は単独犯に限られるわ」
夏葉「共犯で見立てを成立するのは難しくメリットも乏しいもの」
智代子「でもそうなると……」
智代子「モーテルのドアをいじれたのは【病院の外の人】だけ」
智代子「病室の窓を内側から割れたのは【病院の中の人】だけ」
智代子「この矛盾が発生しちゃうよ!」
透「連続殺人は単独犯でも」
透「ドアを鳴らすのと殺人を起こす人は別でも問題ないんじゃない?」
恋鐘「そがんことする意味がなかよ!」
恋鐘「玄関ロビーにはずっと【ルカがおった】し」
恋鐘「【自由に病院を出入りすることは出来ん】ばい!」
恋鐘「どいやったらこい矛盾ば解決できると〜〜〜?!」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
3.アイテムを使用する
【ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1
↓1
679 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/13(日) 23:12:58.21 ID:XDPk3+GO0
ルカがおった→モノミの処置
680 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/13(日) 23:16:52.64 ID:Fo0hVhpD0
発言力:♡×3→♡×2
恋鐘「ん? ルカ、なんば口ごもっとるばい?」
(いや……違うな、小金持ちのナースコールでのドタバタの時、確かにロビーはがら空きの場面ではあったが事件よりはかなり前)
(それに騒ぎが終わってからはロビーに私はずっといたわけだし……その時間では少し考えづらいか)
(他に病院内で何か抜け道はないのか……?)
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×2
集中力:☆×5
コトダマ
‣【モノミの処置】
‣【ビニール片】
‣【結華のメガネ】
‣【割れたガラス窓】
‣【モノクマファイル3】
夏葉「連続殺人が見立てで行われている以上は犯人は単独犯に限られるわ」
夏葉「共犯で見立てを成立するのは難しくメリットも乏しいもの」
智代子「でもそうなると……」
智代子「モーテルのドアをいじれたのは【病院の外の人】だけ」
智代子「病室の窓を内側から割れたのは【病院の中の人】だけ」
智代子「この矛盾が発生しちゃうよ!」
透「連続殺人は単独犯でも」
透「ドアを鳴らすのと殺人を起こす人は別でも問題ないんじゃない?」
恋鐘「そがんことする意味がなかよ!」
恋鐘「玄関ロビーにはずっと【ルカがおった】し」
恋鐘「【自由に病院を出入りすることは出来ん】ばい!」
恋鐘「どいやったらこい矛盾ば解決できると〜〜〜?!」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
3.アイテムを使用する
【ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1
↓1
681 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/13(日) 23:21:00.68 ID:aCHvbQMp0
2
682 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/13(日) 23:23:32.03 ID:Fo0hVhpD0
2 選択
集中力:☆×5→☆×4
【ロンパ候補の発言の数が減少します】
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×2
集中力:☆×4
コトダマ
‣【モノミの処置】
‣【ビニール片】
‣【結華のメガネ】
‣【割れたガラス窓】
‣【モノクマファイル3】
夏葉「連続殺人が見立てで行われている以上は犯人は単独犯に限られるわ」
夏葉「共犯で見立てを成立するのは難しくメリットも乏しいもの」
智代子「でもそうなると……」
智代子「モーテルのドアをいじれたのは【病院の外の人】だけ」
智代子「病室の窓を内側から割れたのは【病院の中の人】だけ」
智代子「この矛盾が発生しちゃうよ!」
透「連続殺人は単独犯でも」
透「ドアを鳴らすのと殺人を起こす人は別でも問題ないんじゃない?」
恋鐘「そがんことする意味がなかよ!」
恋鐘「玄関ロビーにはずっとルカがおったし」
恋鐘「【自由に病院を出入りすることは出来ん】ばい!」
恋鐘「どいやったらこい矛盾ば解決できると〜〜〜?!」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1
↓1
683 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/13(日) 23:24:58.88 ID:aCHvbQMp0
【自由に病院を出入りすることは出来ん】に【割れたガラス窓】
684 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/13(日) 23:25:24.89 ID:k8akbpgz0
自由に病院を出入りすることはできん→割れたガラス窓?
685 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/13(日) 23:28:41.63 ID:Fo0hVhpD0
ルカ「それは違うぞ!」
【BREAK!】
ルカ「……そうか、簡単な話だったんだ! 私たちは初歩の初歩で躓いてたんだよ」
美琴「ルカ、どうしたの? 何か、気づいた?」
ルカ「前提からして違ってたんだ……モーテルのドアをいじれるのは病院の外の人間だけなんかじゃねえ」
ルカ「病院の中の人間だろうとそれは可能だったんだよ……!」
恋鐘「ふぇ? それはおかしかよ!」
恋鐘「病院から出るには玄関から出るしかなかよ、でも玄関にはずっとルカがおったから……」
ルカ「その前提からして違ったんだよ。というのも、私たちは無意識のうちの先入観があったからなんだ」
ルカ「事件現場の病室はガラスの窓が割られていた、だからこそはじめ能天気女はそこから犯人が入ってきたんだと思い込んでいた」
ルカ「その最初の思い込みのせいで、窓の出入りに『割る』という動作が無条件に紐づいてしまってたんだ」
智代子「そっか……別に窓から出入りすること自体は、病院の中にいた人なら何度でも可能なんだね!」
ルカ「そういうことだ。あの窓じゃなくとも、別の窓からでも病院は自由に出入りが可能。モーテルまで走って、ドアを鳴らすだけ鳴らして病院まで戻っちまえばいい」
夏葉「しかもそれなら病院内の人間でも結華を連れ出すことが可能になるわね……」
686 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/13(日) 23:29:44.15 ID:Fo0hVhpD0
冬優子「むしろ、病院の外側の人間は容疑者から完全に外れることになるんじゃないかしら」
冬優子「その方法はあくまで病院内の窓をあけれる立場にある人間じゃないとできない方法……ふゆたちじゃ病院の自由な出入りは不可能だもの」
あさひ「確かに、わたしだけじゃ病院の窓を開けることはできないっすね」
ルカ「……中学生、てめェはわかってんだな」
冬優子「……え?」
あさひ「そうっす、病院の外の人間は、そのただ一人だと窓を開けることはできないっす。でも反対に言えば、【一回でも中の人に開けてもらえれば】病院の中に入ることができるっす」
果穂「え、それじゃあ……」
あさひ「病院の外の人でもモーテルのドアを鳴らした後に、病室の内側から窓を割ることは可能なんっすよ」
あさひ「今明らかになったのは、病院の中にいた人でも外にいた人でもその【両方が犯行は可能だ】ってことっす」
(こいつ……なんのつもりだ、自分で自分の首を絞めるような真似しやがって)
687 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/13(日) 23:31:03.28 ID:Fo0hVhpD0
透「でもさ、外から中に入れてもらうってどうやって?」
透「うちら、別々で行動するって決めてたし。ふつう中に入れるとか、なさげじゃんか」
智代子「確かにそうだね……接触は極力避けましょうって話だったし」
冬優子「そのために結華がわざわざテレビ通話の機材を整えてくれたのよね」
美琴「まともな判断ができる相手なら、断るだろうけど……あの病院には利用するには便利な存在が揃っていたから」
夏葉「それってもしかして……私たちの事かしら」
ルカ「……それは確かにそうだな、あの病気にかかってたてめェらはまともな判断能力を失ってた。開けてくれと頼まれたらそのまま開けてただろうよ」
智代子「うーん……犯人は病院の中の人なのか、外の人なのかどっちなんだろうね」
美琴「今のところ明らかなのはルカと冬優子ちゃんと果穂ちゃんにはアリバイがあるってことだけなんだよね」
ルカ「ああ……そうだな、病院の連中は基本的にアリバイがない」
雛菜「透先輩は雛菜につきっきりで看病してくれてたらしいよ〜?」
冬優子「生憎だけど、あんたたちの入院中の記憶は定かじゃないらしいし……正直参考程度ってとこね」
透「マジか、グレー」
夏葉「……病院の中に招き入れるなんてこと、本当にあるのかしら」
雛菜「やっぱり、あの子が怪しい気がしますけどね〜」
果穂「あたしには、あさひさんが犯人だなんて思えません!」
あさひ「病院の中にいても、外にいても犯行は可能なんっすよね」
【モノクマ「真実は舌戦の果てにのみ!」】意見対立!
688 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/13(日) 23:33:48.10 ID:Fo0hVhpD0
モノクマ「やれやれ、議論はまたしても平行線だぜ」
モノクマ「そんなにおしゃべりが大好きなら、ユー、意見をぶつけ合わせちゃいなよ!」
モノクマ「ユー、ここで雌雄を決しちゃいなよ!」
モノクマ「今こそ議論スクラムで結論出しちゃいなよ!」
(犯人が病院の中の人間か、外の人間か……)
(窓という出入り口がある以上はそのどちらでも可能性はあるが……)
(あの狸の思惑が見えない……あいつ、この局面で何を考えてやがる?!)
-------------------------------------------------
【意見対立】
【議論スクラム開始!】
「犯人は病院の中の人間だ!」vs【犯人は病院の外の人間だ!】
発言力:♡×3
集中力:☆×4
智代子「事件現場は病院の近くで固まっちゃってるよね……やっぱり、病院内部の犯行って考えたほうが通りやすい気がするんだよ……」
冬優子「病院の外にいたのはストレイライトに果穂ちゃんだけ、とても犯人とは考えづらいわ」
美琴「アリバイは病院の中にいた人たちにはほとんどないんだよね」
果穂「病院に入ろうにも、ルカさんがげん関にいるんじゃ入っていけません!」
冬優子「割れた窓のガラス片は病室の外側に散らかっていた、病室の中からじゃないと割れないわ」
夏葉「たとえ病気で判断能力が落ちていたとしても、そう簡単に外部の人間を招き入れるとは思い難いのだけれど……」
-------------------------------------------------
【意見スロット】
【侵入経路】
【面子】
【ガラス片】
【入院患者】
【現場】
【アリバイ】
-------------------------------------------------
【意見スロットを正しい順番に並び替え、敵スクラムを向かい討て!】
1.スクラムを指示する(解答)
2.集中力を使う(一部スロットが自動で正答位置に並び代わる)
↓1
689 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/13(日) 23:42:31.59 ID:XDPk3+GO0
現場
面子
アリバイ
侵入経路
ガラス片
入院患者
690 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/13(日) 23:43:12.08 ID:k8akbpgz0
現場面子アリバイ侵入経路ガラス片入院患者
691 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/13(日) 23:43:44.17 ID:Fo0hVhpD0
【ルカ「終わらせてやるよ」】
智代子「事件現場は病院の近くで固まっちゃってるよね……やっぱり、病院内部の犯行って考えたほうが通りやすい気がするんだよ……」
【ルカ「能天気女!」
雛菜「別に現場は関係ないですよ〜、誰でも移動は出来ましたし、モーテルにもその姿を現してますよね〜」】
冬優子「病院の外にいたのはストレイライトに果穂ちゃんだけ、とても犯人とは考えづらいわ」
【ルカ「ここは私が!」
ルカ「別にそいつらが犯人だって告発してるんじゃねえ、これは可能性の議論なんだ」】
美琴「アリバイは病院の中にいた人たちにはほとんどないんだよね」
【ルカ「適当女!」
透「でもさ、あさひちゃんにもアリバイはないんじゃん」】
果穂「病院に入ろうにも、ルカさんがげん関にいるんじゃ入っていけません!」
【ルカ「長崎女!」
恋鐘「窓の侵入経路があるたい! 外におった人でも中に入り込むことはできるとよ!」】
冬優子「割れた窓のガラス片は病室の外側に散らかっていた、病室の中からじゃないと割れないわ」
【ルカ「中学生!」
あさひ「病院の外の人が入り込んだ後で内側から割ればいいっす。それじゃ絞れないっすよ」】
夏葉「たとえ病気で判断能力が落ちていたとしても、そう簡単に外部の人間を招き入れるとは思い難いのだけれど……」
【ルカ「ここは私が!」
ルカ「確かに物証はねえが、入院患者を利用することは簡単だったはずだ。実際てめェには記憶もないわけだしな」】
-------------------------------------------------
【CROUCH BIND】
【SET!】
【コンマの合計値300以上で相手のスクラムを打ち破れ!】
↓直下より六回連続でコンマ判定
692 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/13(日) 23:46:37.15 ID:XDPk3+GO0
はい
693 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/13(日) 23:46:53.86 ID:o2m3uapb0
あ
694 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/13(日) 23:48:21.86 ID:XDPk3+GO0
えい
695 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/13(日) 23:49:28.74 ID:XDPk3+GO0
てい
696 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/13(日) 23:49:51.96 ID:k8akbpgz0
あ
697 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/13(日) 23:49:53.09 ID:fq9m6j3V0
ぬん
698 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/13(日) 23:50:04.74 ID:aCHvbQMp0
マジヤバくね!?
699 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/13(日) 23:52:55.84 ID:Fo0hVhpD0
コンマ判定 15 86 86 74 96 09とオーバーキルスコアが出たところで本日はここまで。
窓ガラス云々の所の話が少々ゴチャついていますが大目に見てください。
次回から裁判の議論ももっと決着に向けて進んでいくと思います。
次回更新は3/15(火)22時ごろを予定しています。
それではお疲れさまでした、またよろしくお願いします。
700 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/13(日) 23:53:41.39 ID:k8akbpgz0
>>1
乙!
701 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/13(日) 23:55:09.35 ID:XDPk3+GO0
お疲れ様でした〜
15と9出て大丈夫とは思わなかった...
702 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/14(月) 00:13:30.67 ID:brbDZ2D+0
>>701
あんたもよくぞ
>>694-695
で高コンマ取ってくれたと思うよ
703 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/15(火) 21:58:15.21 ID:AtujWhEi0
【全論破】
「「「「「これが私たちの答えだ!」」」」」
【BREAK!】
ルカ「病院の中にいようが、外にいようが犯行は可能だった……それは間違いないと思う」
ルカ「ただな、今はそのどちらにも限定しうるような決め手にかける。議論の方向性をしぼりにかかるのは危ういと思うぞ」
美琴「……そうだね、少し視野が狭くなっていたかもしれない」
冬優子「でも、あんたどういうつもりなのよ……なんでわざわざルカの肩を持ってまで、自分に容疑を残し続けるわけ?」
あさひ「別に、そういうつもりじゃないっす」
あさひ「わたしは、ちゃんと真実を明らかにしたいんっすよ。だから、自分の容疑とかはどうでもいいっす」
智代子「でも、なんだか忙しい犯人だよね。愛依ちゃんと結華ちゃんを殺すのに加えて、モーテルでドアをガチャガチャいじるのもやったんでしょ?」
冬優子「確かにそうだけど……ふゆが果穂ちゃんの部屋に行って、そこから通話を繋ぐまでには時間的な余裕はそれなりにあったと思うわよ」
冬優子「ドアノブを捻られた直後開けたら犯人と鉢合わせるだろうし、流石にふゆでもそのリスクは避けたかった。時間を見てから合流したのよ」
果穂「はい、ドアノブがガチャガチャってされて数十分経ってたと思います!」
704 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/15(火) 21:59:47.98 ID:AtujWhEi0
透「……あれ」
ルカ「……どうした? なんか気になんのか?」
透「いや、時間にも余裕はあって、一人でもできるのはわかるけど……」
透「逆に、モーテルから連れ出してから時間にラグあるの、変じゃない?」
恋鐘「ふぇ? でも、そのラグがあるからこそ事件は可能なんじゃなか?」
透「ほら、多分ドアノブをガチャガチャってして時間が経ってから二人を殺害したんだと思うんだけど……そうなると、一個この事件で変な要素が現れると思うんだよね」
(……犯行を可能にする時間のラグで、かえって変になること……?)
(それって、犯人の起こした三つの事件の内、どれのことなんだ……?)
-------------------------------------------------
【正しい選択肢を選べ!】
・モーテルの訪問
・和泉愛依の殺害
・三峰結華の殺害
↓1
705 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/15(火) 22:07:26.65 ID:dxeVjWIp0
愛依の殺害
706 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/15(火) 22:11:58.73 ID:AtujWhEi0
発言力:♡×3→♡×2
ルカ「ギャル女の殺害……か?」
透「うーん……愛依ちゃんの殺害ってこの連続殺人の勃発点でしょ?」
透「モーテルのガチャガチャからラグがあっても、そこは犯人次第って言うか……」
(どうやらあいつの意図とは違ったみたいだな……)
(ただ、考え方は間違ってないはず。あの事件全体で見た時に不自然なのは……)
-------------------------------------------------
【正しい選択肢を選べ!】
・モーテルの訪問
・三峰結華の殺害
↓1
707 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/15(火) 22:15:02.28 ID:dxeVjWIp0
三峰の殺害
708 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/15(火) 22:15:33.75 ID:kjs1CdqB0
三峰結華の殺害
709 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/15(火) 22:18:10.64 ID:AtujWhEi0
ルカ「これだ!」
【解!】
ルカ「そうか……モーテルの訪問から時間が経ってこの殺人が起きたんだとすれば、三峰結華の死が不自然なんだ」
透「うん、多分そうなる」
雛菜「え〜? なんで〜?」
透「ほら、モーテルのドアノブをガチャガチャしたのって被害者を現場に連れ出すためだったじゃん。でもさ、そこから数十分も時間かけてから事件を起こすとしたら、被害者はその間もずっとそこに【い続けてた】ってことになるよ」
美琴「……確かに、そうだね」
夏葉「結華は犯人に縛られていたとか、意識を奪われていたとかそういう可能性は無いの?」
ルカ「だとしたら、見立て殺人が成立しなくなっちまうだろ」
ルカ「あくまであの殺人で行われていたのは、映画の内容の再現。正面から殴りつけられて殺害されるってのは結華が直立しているときじゃないと成立しないんじゃないか?」
智代子「確かにそうだよね……座ってたり、寝転んでたら正面からは殴れないかも」
恋鐘「犯人にお願いされとったんじゃなか? 今から数十分ここで立って待っとってって!」
雛菜「雛菜だったらどんな理由でも、深夜にこんな状況でいい子して待ったりは出来ないけどな〜」
(……これはどうなってるんだ?)
(てっきりこの連続殺人は行きずりに起きたもんだと思ってたが、それじゃ説明がつかねえ部分が出てくる……)
美琴「……ルカ、どうしても推理で行き詰まるんだったら一度前提から見直してみるといいんじゃないかな」
美琴「今私たちが当たり前だと思っている事実を、もう一度検討してみるの」
(当たり前だと思っている事実を、もう一度……?)
(それって一体……?)
710 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/15(火) 22:19:18.05 ID:AtujWhEi0
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×2
集中力:☆×4
コトダマ
‣【モノクマファイル3】
‣【結華のメガネ】
‣【割れた花瓶】
‣【冬優子の証言】
‣【モノクマの映画】
透「被害者は犯人にモーテルから連れ出されて」
透「そこから数十分、駐車場から【動かなかった】んだよね」
夏葉「流石に不自然な行動ね」
夏葉「何か結華には動けない理由があるのかしら?」
恋鐘「そんまま待っとった結華は……」
恋鐘「愛依を殺した後の犯人に【その場で殺されてしもうた】ばい」
恋鐘「駐車場を離れてさえいれば死なんでも済んだかもしれんのに……」
冬優子「結華は見立てのために【正面から殴りつけられて死んでた】わ」
冬優子「しかも、それだけでなく執拗に何度も殴られて、ね」
あさひ「モノクマファイルにも正面から打撃を受けて殺されたって書いてるっすね」
あさひ「う〜ん……」
美琴「ルカ、推理が行き詰まるなら前提から見直して」
美琴「私たちはすでに犯人の策の内なのかもしれない」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
3.アイテムを使用する
【ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1
↓1
711 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/15(火) 22:25:51.47 ID:kjs1CdqB0
【その場で殺されてしもうた】に【結華のメガネ】
712 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/15(火) 22:31:13.44 ID:AtujWhEi0
発言力:♡×2→♡×1
恋鐘「結華のメガネは今日も変わらず綺麗にまんまるたい!」
恋鐘「結華によう似合っとるおしゃれ〜なウェリントンばい!」
(……チッ、違ったか)
(死体発見現場の血痕、そして被害者の外傷。それとメガネは明らかに異なった状態だが……殺された場所が別である証拠とは考えにくい)
(そもそも血痕は動かしようがない証拠だもんな……あれがある以上は、犯行現場はあの駐車場以外には考えづらいな)
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×1
集中力:☆×4
コトダマ
‣【モノクマファイル3】
‣【結華のメガネ】
‣【割れた花瓶】
‣【冬優子の証言】
‣【モノクマの映画】
透「被害者は犯人にモーテルから連れ出されて」
透「そこから数十分、駐車場から【動かなかった】んだよね」
夏葉「流石に不自然な行動ね」
夏葉「何か結華には動けない理由があるのかしら?」
恋鐘「そんまま待っとった結華は……」
恋鐘「愛依を殺した後の犯人に【その場で殺されてしもうた】ばい」
恋鐘「駐車場を離れてさえいれば死なんでも済んだかもしれんのに……」
冬優子「結華は見立てのために【正面から殴りつけられて死んでた】わ」
冬優子「しかも、それだけでなく執拗に何度も殴られて、ね」
あさひ「モノクマファイルにも正面から打撃を受けて殺されたって書いてるっすね」
あさひ「う〜ん……」
美琴「ルカ、推理が行き詰まるなら前提から見直して」
美琴「私たちはすでに犯人の策の内なのかもしれない」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
3.アイテムを使用する
【ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1
↓1
713 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/15(火) 22:32:23.69 ID:dxeVjWIp0
2
714 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/15(火) 22:34:28.72 ID:AtujWhEi0
【集中力:☆×4→☆×3】
【ロンパ候補の発言数が減少しました】
【ロンパ候補の発言が一つになったため、集中力ゲージの効果対象が変わりました】
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×1
集中力:☆×3
コトダマ
‣【モノクマファイル3】
‣【結華のメガネ】
‣【割れた花瓶】
‣【冬優子の証言】
‣【モノクマの映画】
透「被害者は犯人にモーテルから連れ出されて」
透「そこから数十分、駐車場から動かなかったんだよね」
夏葉「流石に不自然な行動ね」
夏葉「何か結華には動けない理由があるのかしら?」
恋鐘「そんまま待っとった結華は……」
恋鐘「愛依を殺した後の犯人にその場で殺されてしもうたばい」
恋鐘「駐車場を離れてさえいれば死なんでも済んだかもしれんのに……」
冬優子「結華は見立てのために【正面から殴りつけられて死んでた】わ」
冬優子「しかも、それだけでなく執拗に何度も殴られて、ね」
あさひ「モノクマファイルにも正面から打撃を受けて殺されたって書いてるっすね」
あさひ「う〜ん……」
美琴「ルカ、推理が行き詰まるなら前提から見直して」
美琴「私たちはすでに犯人の策の内なのかもしれない」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1
↓1
715 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2022/03/15(火) 22:41:30.12 ID:GEn5VES60
【正面から殴りつけられて死んでた】【モノクマファイル3】
716 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/15(火) 22:41:32.15 ID:dxeVjWIp0
正面から殴られた→モノクマファイル3
間違ってたらごめん
717 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/15(火) 22:43:47.51 ID:AtujWhEi0
【発言力がゼロになりました】
【クリア後報酬が半減しました】
【コンテニューを行うため発言力が最大まで回復します】
(いや……モノクマファイルの記述とあいつの死体の状況は矛盾しない)
(矛盾しないからこそ、私たちは何かを見落としている)
(正面から殴りつけられたとき、本来ならあいつはどうなるべきだ……?)
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×5
集中力:☆×3
コトダマ
‣【モノクマファイル3】
‣【結華のメガネ】
‣【割れた花瓶】
‣【冬優子の証言】
‣【モノクマの映画】
透「被害者は犯人にモーテルから連れ出されて」
透「そこから数十分、駐車場から動かなかったんだよね」
夏葉「流石に不自然な行動ね」
夏葉「何か結華には動けない理由があるのかしら?」
恋鐘「そんまま待っとった結華は……」
恋鐘「愛依を殺した後の犯人にその場で殺されてしもうたばい」
恋鐘「駐車場を離れてさえいれば死なんでも済んだかもしれんのに……」
冬優子「結華は見立てのために【正面から殴りつけられて死んでた】わ」
冬優子「しかも、それだけでなく執拗に何度も殴られて、ね」
あさひ「モノクマファイルにも正面から打撃を受けて殺されたって書いてるっすね」
あさひ「う〜ん……」
美琴「ルカ、推理が行き詰まるなら前提から見直して」
美琴「私たちはすでに犯人の策の内なのかもしれない」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1
↓1
718 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/15(火) 22:45:32.22 ID:dxeVjWIp0
正面から殴られた→結華の眼鏡
719 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/15(火) 22:49:01.73 ID:AtujWhEi0
ルカ「それは違うぞ!」
【BREAK!】
ルカ「なるほど……わざわざ見立て殺人なんて面倒な真似をしたのはそういうことだったのか……」
冬優子「ルカ、どうしたのよ。突然変な声出して」
ルカ「分かったんだよ、犯人が見立て殺人をやった理由がな」
智代子「見立て殺人の、理由……?」
ルカ「ああ、これまで犯行がモノクマの映画に準えてるって話は何度もしてきたが、どうして犯人はわざわざそれに合わせたのか、これを今まで議論してこなかった」
雛菜「確かにそうですけど〜、意味とかあるんですか〜?」
雛菜「漫画とかドラマとかでもよく見立ては使われてますけど、村の伝説に合わせてとか別にそんな深い意味はない気がするな〜」
美琴「そういう見立て殺人の場合は、犯人に何らかの信念や信条があって行うものだけど、見立てをすることで他の人間をミスリードに誘う効果もあるの」
夏葉「ミスリード……まさか、私たちは何かここまでの推理を間違えていたというの?」
ルカ「推理を間違えてた、というか前提を間違えてたんだよ」
ルカ「私たちはなまじっかあの映画のストーリーを知っていたせいで、二人の死因を大して咀嚼することもなくそのままに受け取った」
透「首を切られたのと、正面から殴られたの……だよね」
ルカ「そこだ。首を切られてたのは流石に間違えようがねーが……正面からの打撃は別だ」
智代子「ええ?! で、でも現場の状況とも何も矛盾はないと思うけど……」
720 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/15(火) 22:51:21.35 ID:AtujWhEi0
ルカ「問題は、【殴られて】死んだんだと私たちが思い込んでいたところだ。そのせいで三峰結華が駐車場で数十分も待ちぼうけを食らってたことになっちまってた」
ルカ「だが、別の死因で正面からの打撃を再現できるんならどうだ?」
あさひ「そうか、体勢もそれ次第ではわからなくなるっすね」
夏葉「でも、それってただの推測よね? 結華のあの瞬間の体勢なんてわかるのかしら?」
ルカ「……きっちりそのまま言い当てるってのは難しいかもしれねえが、あいつのかけてたメガネは正面から殴られたっていう事実を否定する材料にはなりうるぞ」
果穂「メガネが、ですか? とくに何もかわったかんじはしないですよ」
ルカ「それがおかしいんだ。事件当時にあいつが直立してそのメガネをかけてたんだったら、それも殴られた衝撃でフレームが歪んでねーとおかしいだろ」
夏葉「言われてみればそうね……顔に向かって正面だなんて、メガネもその打撃が捉えていないと不自然だわ」
ルカ「それこそ……犯人は後でこのメガネを置いたんじゃないか? きっと犯人がやった殺害方法ではこのメガネの存在が不都合で一度は外したが、三峰結華の所持品として無いと不自然なのでそのまま戻した、とかな」
果穂「そ、それなら……犯人はどうやって結華さんをさつ害したんですか!?」
果穂「メガネがあると都合がわるくなる方法……あたし、気になります!」
(さあ、そろそろその時だ)
(考えろ……考えるんだ。三峰結華の命を奪った、本当の死因を……!)
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
☆発掘イマジネーションについて
今回の裁判から新しいミニゲームが始まります。
推理のピースは揃っているのに最後の詰め、結論が後僅かの所でわからない……!
そんな時にはこのゲーム、発掘イマジネーションでございます!
斑鳩様の脳内で化石のように奥底に眠る結論を、みなさまのお力で掘り当てていただきます。
結論の文字数に応じた数、コンマの値の指定があります。
特定の範囲内の数を指定レス数内で出すことができれば無事クリアとなります。
なお、このゲームでは誤答判定は出ませんのでご安心を。
それどころかむしろ、指定レスより早く指定域内の数値を出すことができると特典もございます。
更にそれに加えてぞろ目を出すと……?
それでは、楽しい発掘ライフを。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
721 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/15(火) 22:52:44.25 ID:AtujWhEi0
-------------------------------------------------
【発掘イマジネーション開始!】
三峰結華の本当の死因は■■■■■である!
一文字目:01〜20
二文字目:21〜40
三文字目:41〜60
四文字目:61〜80
五文字目:81〜00
【指定の範囲内のコンマを出して結論を掘り当てろ!】
↓1〜10
722 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/15(火) 22:54:16.56 ID:dxeVjWIp0
あ
723 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/15(火) 22:54:45.03 ID:Pk172zz30
むん
724 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/15(火) 22:54:59.40 ID:kjs1CdqB0
あ
725 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/15(火) 22:55:51.72 ID:UgchpGs20
ついらくし、かな?
726 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/15(火) 22:55:55.44 ID:dxeVjWIp0
あ
727 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/15(火) 23:00:07.60 ID:dxeVjWIp0
a
728 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/15(火) 23:01:15.07 ID:xYYWfVLnO
あいよ
729 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/15(火) 23:02:09.48 ID:dxeVjWIp0
5文字目むずい
730 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/15(火) 23:03:27.50 ID:Pk172zz30
ていやー
731 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/15(火) 23:05:14.93 ID:xYYWfVLnO
ぐぬぬ
732 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/15(火) 23:05:57.02 ID:dxeVjWIp0
>>731
ナイス
733 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/15(火) 23:08:44.53 ID:AtujWhEi0
【コンマ 56 03 40 72 44 60 07 48 50】
【ぞろ目の値が出ました!】
【が、既定のコンマ内で採掘が終わっていないためボーナスは発動しませんでした……】
カンカンカンカン……
三峰結華の本当の死因はてんらく■である!
五文字目:81〜00
【指定の範囲内のコンマを出して結論を掘り当てろ!】
↓1〜5
734 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/15(火) 23:12:47.87 ID:AtujWhEi0
すみません、普通に数え間違えました!!!!!!!
集成します!!!!!!!
735 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/15(火) 23:15:44.62 ID:AtujWhEi0
【コンマ 56 03 40 72 44 60 07 48 50 93】
カンカンカンカン……
【採掘完了!!】
【ぞろ目ボーナス発動!】
【モノクマメダル5枚を獲得しました!】
__________________
三峰結華の本当の死因は転落死である!
__________________
ルカ「そういうことかよ!」
【COMPLETE!】
ルカ「正面から打撃を与えるなんて、そう手段が豊富なわけじゃねえ。千雪の命を奪ったボウガンのトラップみたいなオートマチックに殺す手段もねえしな」
夏葉「そうね……強い衝撃を与えるなら、その起点の力が重要だわ」
ルカ「そう、力が必要になるんだ。殴打するんなら武器を振り下ろすだけの腕の力が求められるし、それで命を奪うともなるとその出力はかなりのもんだ」
果穂「えっと、つまりどういうことですか……? つよくなぐる以外の方法はないってことなんですか……?」
ルカ「回りくどい言い方をしてしまったが、人を殴り殺すのに必要な力を誰でも満たすことのできる方法を見つけたんだ」
ルカ「それは、私たちにとって一番身近な力……【重力】なんだよ」
736 :
採掘っていうか発掘ですね……ガバいですね今日
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/15(火) 23:16:50.91 ID:AtujWhEi0
智代子「じゅ、重力って……地球にわたしたちがひきつけられてる、あれ?!」
あさひ「わたしたちはみんな地球の中心に引き寄せられてる引力がかかってるっす。それと同時に地球の公転によって遠心力もかかってるっすけど、この二つの力が相殺しあうことで地球の上に立ち続けることができるっす」
あさひ「この二つの力を総合したのが重力っすね」
ルカ「まあ詳しいことは知らねーが、私たちが落下するときに体にかかる力を利用したってことが言いたいんだ」
冬優子「落下ってまさかあんた……結華の死因は、転落死とでもいうつもり!?」
ルカ「ああ、転落死なら条件を満たすんだよ」
ルカ「ずっと不思議だったんだ。三峰結華を頭から殴って命を奪っておいたのに、その上さらに全身に打撲傷を与えるなんて。どう考えても余計だろ」
ルカ「でも、もし三峰結華が頭から落下したんだったらどうだ? 地面に衝突した正面にはとてつもない衝撃がかかり、その後に設置した全身にも同様に衝撃がかかる」
果穂「たしかに……結華さんの死因とおんなじです!」
美琴「転落死となると加減は難しいけど……多少やりすぎてしまっても、犯人には見立てという隠れ蓑がある。これがある限り、普通は撲殺だと思い込んでしまうから」
ルカ「つまりはそういうことだ。三峰結華はどこか高所から頭から落下して命を落とした、私たちが撲殺だと誤解することを犯人は見越したんだよ!」
【夏葉「まだまだ鍛え足りないわね!」反論!】
737 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/15(火) 23:18:27.01 ID:AtujWhEi0
夏葉「なるほど、転落死とは興味深い着眼点ね。確かに結華の死因の条件をそれなら満たすことは可能かもしれない」
夏葉「でも、ルカ。あなたは大事なことを見落としているわ! しかもあなたの推理を根底から揺るがしてしまうような重要な見落としよ!」
ルカ「ハッ、それなら聞かせてもらおうじゃねーの。私の推理の欠落点ってのをよ」
夏葉「ええ! ふふっ、あなたとはいつかぶつかってみたいと思っていたの。全身全霊、胸を借りるつもりでいかせてもらうわね!」
-------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】
発言力:♡×5
集中力:☆×3
コトノハ
‣【モノクマファイル3】
‣【ビニール片】
‣【ガムテープ】
‣【モノクマの映画】
‣【智代子の証言】
夏葉「結華の死因は正面からの撲殺」
夏葉「額面通り殴られて殺されたのだとすれば」
夏葉「モーテルを出てから駐車場に数十分結華は立ち尽くしていたことになる」
夏葉「確かに不自然。不自然極まりないわ」
夏葉「でも、だからといってあなたの推理は看過できない!」
夏葉「あなたの推理には致命的な見落としがあるのよ!」
◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】
ルカ「転落死なら撲殺とそん色ないダメージを与えられる」
ルカ「落ち方も計算すれば、正面からの撲殺と変わりないはずだぞ」
ルカ「いったいどこに見落としがあるって言うんだ!」
◆◇◆◇◆◇◆◇
夏葉「事件現場をあなたも自分の目で確認したわね?」
夏葉「結華が死んでいたのは、駐車場。その中央なの」
夏葉「転落死をしようにも、【転落する高所がそもそも存在しない】の」
夏葉「病院の屋上から飛び降りたとしてもあんな中央に落下は出来ないわ」
夏葉「それこそ陸上の幅跳び選手でもない限りはね!」
夏葉「ルカ、これでわかったかしら!?」
【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ50以上で論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトノハの数が減る)
↓1
738 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/15(火) 23:21:20.84 ID:AtujWhEi0
アイテム使用の選択肢も忘れていました……
本当に進行ガバガバdayですね、申し訳ない!
-------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】
発言力:♡×5
集中力:☆×3
コトノハ
‣【モノクマファイル3】
‣【ビニール片】
‣【ガムテープ】
‣【モノクマの映画】
‣【智代子の証言】
夏葉「結華の死因は正面からの撲殺」
夏葉「額面通り殴られて殺されたのだとすれば」
夏葉「モーテルを出てから駐車場に数十分結華は立ち尽くしていたことになる」
夏葉「確かに不自然。不自然極まりないわ」
夏葉「でも、だからといってあなたの推理は看過できない!」
夏葉「あなたの推理には致命的な見落としがあるのよ!」
◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】
ルカ「転落死なら撲殺とそん色ないダメージを与えられる」
ルカ「落ち方も計算すれば、正面からの撲殺と変わりないはずだぞ」
ルカ「いったいどこに見落としがあるって言うんだ!」
◆◇◆◇◆◇◆◇
夏葉「事件現場をあなたも自分の目で確認したわね?」
夏葉「結華が死んでいたのは、駐車場。その中央なの」
夏葉「転落死をしようにも、【転落する高所がそもそも存在しない】の」
夏葉「病院の屋上から飛び降りたとしてもあんな中央に落下は出来ないわ」
夏葉「それこそ陸上の幅跳び選手でもない限りはね!」
夏葉「ルカ、これでわかったかしら!?」
【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ50以上で論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトノハの数が減る)
3.アイテムを使用する
【ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1
↓1
739 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/15(火) 23:23:54.93 ID:dxeVjWIp0
転落する高所がない→智代子の証言
740 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/15(火) 23:25:22.80 ID:AtujWhEi0
ルカ「その矛盾、斬らせてもらう!」
【BREAK!】
ルカ「……ククッ、ハハハハ! 確かにな! 確かにお前の言う通り、あの現場には飛び降りることのできそうな高所なんてどこにもねー!」
夏葉「ええ、そうでしょう。なら、転落死なんて……」
ルカ「今は、な」
夏葉「……どういう意味かしら」
ルカ「おい、甘党女。お前事件が起きる前になんだか妙なものを目撃したらしいな。あの話、してみろよ」
智代子「え、ええ!? もしかして、それってUFOの話!? そ、そんなの事件と関係あるの!?」
あさひ「UFOっすか〜〜〜〜!? 智代子ちゃん、どこでいつ、どんなのを見たっすか?!」
透「UFOかー、やっぱあれ? チャネリング」
智代子「ま、待ってよ、質問攻めにされても困るって!」
ルカ「……その辺にしてやれ、大事なのはこいつの目撃証言なんだ。黙って聞くぞ」
智代子「え、ええっと……あれを見たのは、深夜2時過ぎ……ぐらいだったかな。深夜の間はわたしはずっと休憩だったから病院の二階の仮眠室にいたんだけどね?」
智代子「瞼を下ろしていると、なんだかその向こうが眩しいような気がして……寝転がったまま目を開けたんだ」
智代子「そ、そうしたら……な、なな、ななななんと……窓の外にUFOがいたんだよ!」
「「「「「…………」」」」」
741 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/15(火) 23:26:57.02 ID:AtujWhEi0
果穂「す、す、す、す、す、」
果穂「すごいです〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
夏葉「ま、待って頂戴……智代子の目撃談は確かに興味深い話だけど、それと結華の転落死になんの関係があるの?」
ルカ「ああ、別に私もこいつの話をそっくりそのまま信じて『UFOがいました』だなんてバカな主張をしたいわけじゃない」
ルカ「お前こそ思い返してみろよ、あの病院がどんな構造だったか」
夏葉「病院の構造……?」
夏葉「もしかして、仮眠室の窓って……駐車場に面している……?」
ルカ「ああ、そういうことだ。こうなると話は変わってくるだろ」
ルカ「甘党女が目撃したのはただのUFOじゃない、『病院の駐車場の上に現れた』UFOなんだよ!」
あさひ「もしかして、キャトルミューティレーションっすか?」
恋鐘「ケトルシュミレーション……ってなんね? お湯を沸かすのにシュミレーションなんかいちいち必要ばい?」
冬優子「……UFOが牛とか攫う画像見たことない? ああいうのを言うらしいわよ」
恋鐘「はえ〜、冬優子は詳しかねぇ」
冬優子「このガキに覚えさせられたのよ……無駄知識よ、二秒で忘れてくれていいから」
ルカ「こいつがUFOと見間違えたもの次第では三峰結華を転落死させることも可能なんじゃねーのか?」
夏葉「ええ……でもそんなもの、あるかしら」
夏葉「智代子、あなたが見たUFOについてできる限り事細かに教えてもらえないかしら」
智代子「う〜ん、思い出すって言っても……光ってて、それにこう……下から上に光が移動してた感じ……ぐらいしか覚えてなくて」
美琴「光ってて……下から上に移動する、窓の外にあったことを考えても、それは浮上したと言い換えたほうがいいかもしれないね」
(浮上する謎の発光物体か……)
(どうだろう、三峰結華の命を奪うことが可能なそんなもの……この島にあっただろうか?)
742 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/15(火) 23:28:06.39 ID:AtujWhEi0
-------------------------------------------------
【発掘イマジネーション開始!】
園田智代子の目撃したUFOの正体は■■■■である!
【指定の範囲内のコンマを出して結論を掘り当てろ!】
一文字目:11〜30
二文字目:31〜50
三文字目:51〜70
四文字目:71〜90
↓1〜8
743 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/15(火) 23:28:22.54 ID:dxeVjWIp0
あ
744 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/15(火) 23:29:39.05 ID:kjs1CdqB0
あ
745 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/15(火) 23:29:44.70 ID:Pk172zz30
あ
746 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/15(火) 23:30:11.74 ID:dxeVjWIp0
あ
747 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/15(火) 23:32:30.45 ID:xYYWfVLnO
カセキホリダー
748 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/15(火) 23:32:49.27 ID:dxeVjWIp0
あ
749 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/15(火) 23:34:46.42 ID:xYYWfVLnO
てい
750 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/15(火) 23:36:02.28 ID:xYYWfVLnO
うーん
751 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/15(火) 23:40:51.54 ID:AtujWhEi0
【コンマ 54 05 70 74 45 27 42 28】
カンカンカンカン……
【発掘完了!!】
【規定回数より少ない回数で掘り当てたのでボーナスが発生します!】
【モノクマメダル4枚を獲得しました!】
_______________________
園田智代子の目撃したUFOの正体はドローンである!
_______________________
ルカ「そうか、わかったぞ!」
【解!】
ルカ「そうか……甘党女、てめェのみたUFOの正体が分かっちまったぞ……!」
智代子「え……!?」
あさひ「えー、本物のUFOじゃないんっすか? つまんないっすー」
ルカ「病院の二階は相当な高さだ、そこまで浮上できて、かつ発行するものとなると候補はかなり限られる……」
ルカ「そして、それで三峰結華の命を奪ったかもしれないとなると……答えはただ一つ、『ドローン』だ!」
恋鐘「ど、どろーん……?」
夏葉「正式名称は無人航空機よ、高性能なラジコンヘリとでも思えばいいわね」
冬優子「ほら、いつかのミュージックドーンでもやってたでしょ。ドローンカメラ」
透「あー、あの飛んでた」
冬優子「狭いとこでも高いとこでも、いろんな画角から映像が取れるし……最近だと人命救助の場や宅配なんかでも使われてたりするわね」
智代子「ん……宅配?」
ルカ「そう……ドローンは荷物のもち運びだってできる、要はその応用だ」
美琴「ルカ、それじゃまさか……犯人は結華ちゃんの身体をドローンで持ち上げて……?」
ルカ「ああ、空中の一定の高さまで持ち上げた後に落下させちまえば転落死させられる!」
752 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/15(火) 23:41:49.81 ID:AtujWhEi0
透「……」
透「……ぐが」
ルカ「お、おい……なんだってんだ」
透「え、いや……なんか、あり得なくて」
透「寝ちゃってた」
ルカ「はぁ……?」
雛菜「さすがにそれは無理がないですか〜?」
雛菜「ドローンで荷物を運ぶことはできても、人の身体って重たいし、何より大きいじゃないですか〜」
智代子「そうだよね、流石にドローンでも人体は持ち運べるとは思えないかも……」
冬優子「サイズ感が違いすぎるわね、現実的な方法じゃないわ」
(確かにこいつらの言うとおりだ……)
(ドローン一個じゃ人の身体なんて、とても持ち上がらねえ)
(……ドローン、【一個】じゃ……?)
(もしかして、そういうことか……? だとすれば、あの証拠さえ都合よく【書き換えちまえば】……この推理を通すことができるかもしれない)
(導き出せ、ドローンで人体を持ち上げたその方法を……!)
753 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/15(火) 23:43:21.22 ID:AtujWhEi0
-------------------------------------------------
【偽証ミスディレクション開始!】
発言力:♡×5
集中力:☆×3.5
コトダマ
‣【智代子の証言】
‣【モノクマファイル3】
‣【冬優子の証言】
‣【結華のメガネ】
‣【モノミの処置】
夏葉「結華の死因は転落死でもモノクマファイルの記述には矛盾しない」
夏葉「でも、そのためにドローンを利用したのかしら?」
雛菜「ドローンで荷物を持ち運びするのとはわけがちがいますよ〜」
雛菜「人って重たいし、何より大きいですから〜!」
冬優子「【ドローン一個の耐荷重は優に超してる】でしょうね」
冬優子「転落死どころか持ち上げるコトすら危ういと思うわよ?」
透「死体は【駐車場の真ん中だった】しさ、飛び降りもできないし」
透「転落死じゃなくて、やっぱり撲殺じゃん」
透「【死体に移動した形跡もない】し」
【嘘のコトダマで議論の流れを捻じ曲げろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(候補のコトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1
↓1
754 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/15(火) 23:51:51.39 ID:dxeVjWIp0
2
755 :
あー……ここもコピペミスってますね、集中力ゲージの効果対象が違った……
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/15(火) 23:55:24.30 ID:AtujWhEi0
【集中力:☆×3.5→☆×2.5】
【ロンパ候補の発言数が減少しました】
【ロンパ候補の発言が一つになったため、集中力ゲージの効果対象が変わりました】
-------------------------------------------------
【偽証ミスディレクション開始!】
発言力:♡×5
集中力:☆×3.5
コトダマ
‣【智代子の証言】
‣【モノクマファイル3】
‣【冬優子の証言】
‣【結華のメガネ】
‣【モノミの処置】
夏葉「結華の死因は転落死でもモノクマファイルの記述には矛盾しない」
夏葉「でも、そのためにドローンを利用したのかしら?」
雛菜「ドローンで荷物を持ち運びするのとはわけがちがいますよ〜」
雛菜「人って重たいし、何より大きいですから〜!」
冬優子「【ドローン一個の耐荷重は優に超してる】でしょうね」
冬優子「転落死どころか持ち上げるコトすら危ういと思うわよ?」
透「死体は駐車場の真ん中だったしさ、飛び降りもできないし」
透「転落死じゃなくて、やっぱり撲殺じゃん」
透「死体に移動した形跡もないし」
【嘘のコトダマで議論の流れを捻じ曲げろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(候補のコトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1
↓1
756 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/15(火) 23:58:44.41 ID:dxeVjWIp0
ドローン一個の耐荷重は優に超してる→智代子の証言
757 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/16(水) 00:02:34.12 ID:LKjkRvJQ0
集中力ゲージ:☆×2.5→☆×3
ルカ「この嘘で真実を炙りだす!」偽証!
【BREAK!】
ルカ「なあ、甘党女。さっきのUFOを目撃した話だけどよ」
智代子「えっ、ま、またその話!? ルカちゃん、案外そういうオカルトとか好きな感じなんだね!?」
ルカ「……お前の目撃情報を改めて整理してくれ」
智代子「えっと……そうですね。わたしが深夜に仮眠室から駐車場側の窓を見たときに、窓の外に発行する飛行物体が浮上していくのを見かけたって感じかな!」
(よし、利用するなら……ここだ)
ルカ「……あれ? お前、捜査の時と言ってることが違うよな」
あさひ「……え? 智代子ちゃん、そうなんっすか?」
智代子「え、え? わたし、正確に話してると思うけど……」
ルカ「あー、言葉が悪かったな。私に話してくれたことが少しだけすっぽ抜けてんだ」
智代子「あれ、そうだったっけ……?」
ルカ「お前、確か捜査の時にはその光を【いくつも】目撃したって言ってたぞ?」
夏葉「光をいくつも……? それは本当なの、智代子!?」
智代子「え……そ、そんなこと言ってたっけ……?」
(チッ、勘が鈍いな……こっちの意図を汲み取ってはくれねーか)
(それなら、こっちから押せ押せで無理やり押し通すしかねーな……!)
758 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/16(水) 00:03:18.20 ID:LKjkRvJQ0
ルカ「同じ高さにいくつもの光が点灯して、同じ速度で浮上してたんだったよな!」
智代子「そう、だったかも……?」
ルカ「かも?」
智代子「そ、そうだった! 間違いないよ! あの時わたしが見たUFOが一個だけじゃなくて、複数個あったんだよ!」
恋鐘「一個だけなら持ち上げれんけど、いっぱいあれば話は別たい」
恋鐘「みんなで力を合わせてよっこいしょで持ち上げればよかね〜!」
透「三人寄れば文殊の知恵ってやつ?」
冬優子「微妙に違うわね……」
雛菜「確かにそれなら重さの面はカバーできますけど〜」
雛菜「安定して持ち上げるっていう面ではまだ未解決ですよ〜? 人間は小包みたいにまとまった形をしてないし、ドローンで分散して持ち上げるんじゃやりづらくありません〜?」
夏葉「ええ、生物の重心を的確にとらえて持ち上げるなんて職人技の域よ。私たち素人がドローンを操縦してそんな真似、到底できない気がするわ」
(人体という特殊な形状のものをドローンでどうやって持ち上げたか、か……)
(ドローンでただ持ち上げるんじゃなくて、犯人は何かしらの工夫を施したはずだ。今度はその工夫とやらを考えてみるか……)
759 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/16(水) 00:08:02.37 ID:LKjkRvJQ0
というわけで次の議論への導線を引いたところで本日はここまで。
今回登場した発掘イマジネーションについてですが、クリアノルマの規定回数は文字数の2倍が基本です。
一周目の挑戦で規定回数より少ない回数でクリアできればその残り分につき2枚のメダルが獲得できます(例:規定回数八回の時に六回でクリアできれば四枚のメダルが獲得できる)。
二周目の挑戦になると残り分につき1枚、三周目の挑戦になるとメダルは獲得できません。
ぞろ目のボーナスに関してですが、ボーナスのぞろ目が出た時に、回数ボーナスが発生していればそのボーナスが倍になります。
規定回数ちょうどのクリアだったときは、今回のように5枚のメダルの獲得となります。
一周目の挑戦でぞろ目が出ていて、二周目の挑戦で規定回数より少なくクリアとしたとしてもぞろ目のボーナスは持ち込まれません。
ぞろ目のボーナスはあくまでその周でのみ適応されるとお考え下さい。
本日は色々と進行がガバガバで申し訳ありませんでした!!!
集中力ゲージが議論をクリアするたびに0.5回復する仕様も完全に忘れてましたし、途中から復活させました。
多分いくらか無駄になってるのはあると思いますが、修正するのも手間なのでどうかこのままでご了承ください。
次回更新は3/16(水)22時ごろからを予定しています。
それではお疲れさまでした、またよろしくお願いします。
760 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/16(水) 00:09:17.25 ID:lUFtfG970
>>1
乙!
761 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/16(水) 21:53:51.56 ID:LKjkRvJQ0
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×5
集中力:☆×3
コトダマ
‣【モノクマファイル3】
‣【モノクマの映画】
‣【青い繊維】
‣【割れた花瓶】
‣【ガムテープ】
智代子「わたしが見たUFOは一個じゃなくて、たくさんだった!」
智代子「これで重さの分は問題ないね!」
美琴「ドローンで持ち上げてからの落下」
美琴「成功すれば致命傷を与えられそう」
雛菜「でも、人の身体って特殊な形状なので〜」
雛菜「被害者を持ち上げるのはそれでも難しいと思います〜」
恋鐘「そいやったら【体を持ち運びやすい形に折り曲げれば】よかよ!」
恋鐘「まん丸にうずくまらせれば持ち上げやすくもなるやろ〜!」
果穂「ぎゃくに、【ドローンを結華さんの正面に落とす】のはどうですか?!」
果穂「うまくいけば正面からのだげきになるかもしれません!」
あさひ「ドローンは結華ちゃんの【身体を運んだんじゃない】のかもしれないっす」
夏葉「わざわざ犯人は複数個のドローンを使ったのよね?」
夏葉「それならドローンには【他の目的があった】のかもしれないわ」
夏葉「攪乱や……陽動の意味合いがあったかもしれない」
【正しいコトダマで正しい発言に同意しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
3.アイテムを使用する
【ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1
↓1
762 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/16(水) 22:01:56.57 ID:hR5zOpHGO
身体を持ち運びやすい形に折り曲げれば→青い繊維
763 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/16(水) 22:05:49.76 ID:LKjkRvJQ0
発言力:♡×5→♡×4
恋鐘「そん繊維がうちの主張を裏付けてくれる証拠?」
恋鐘「う〜ん……なんやろ、自分で言ったことやけど、なんだか自信なか……」
(違うな……体を折っちまうと、落下させた時に正面からの落下とは言い難くなる)
(あいつの身体を……そのままの形で持ち上げるような方法はなかったか? 考えてみるか……)
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×4
集中力:☆×3
コトダマ
‣【モノクマファイル3】
‣【モノクマの映画】
‣【青い繊維】
‣【割れた花瓶】
‣【ガムテープ】
智代子「わたしが見たUFOは一個じゃなくて、たくさんだった!」
智代子「これで重さの分は問題ないね!」
美琴「ドローンで持ち上げてからの落下」
美琴「成功すれば致命傷を与えられそう」
雛菜「でも、人の身体って特殊な形状なので〜」
雛菜「被害者を持ち上げるのはそれでも難しいと思います〜」
恋鐘「そいやったら【体を持ち運びやすい形に折り曲げれば】よかよ!」
恋鐘「まん丸にうずくまらせれば持ち上げやすくもなるやろ〜!」
果穂「ぎゃくに、【ドローンを結華さんの正面に落とす】のはどうですか?!」
果穂「うまくいけば正面からのだげきになるかもしれません!」
あさひ「ドローンは結華ちゃんの【身体を運んだんじゃない】のかもしれないっす」
夏葉「わざわざ犯人は複数個のドローンを使ったのよね?」
夏葉「それならドローンには【他の目的があった】のかもしれないわ」
夏葉「攪乱や……陽動の意味合いがあったかもしれない」
【正しいコトダマで正しい発言に同意しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
3.アイテムを使用する
【ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1
↓1
764 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/16(水) 22:11:49.73 ID:hR5zOpHGO
身体を運んだんじゃない→割れた花瓶
765 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/16(水) 22:15:28.33 ID:LKjkRvJQ0
発言力:♡×4→♡×3
あさひ「花瓶? ドローンが花瓶を運んだんっすか?」
あさひ「だったらどうして花瓶は愛依ちゃんの病室で割れてたっすか? 駐車場には破片はなかったっすよ?」
(クソッ……違ったか)
(ドローンが運んだのは三峰結華、それは間違いない。でも……それを直接運ぶのはドローンの特性上難しい)
(もしかして、何かを介して運んだんじゃないか……?)
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×3
集中力:☆×3
コトダマ
‣【モノクマファイル3】
‣【モノクマの映画】
‣【青い繊維】
‣【割れた花瓶】
‣【ガムテープ】
智代子「わたしが見たUFOは一個じゃなくて、たくさんだった!」
智代子「これで重さの分は問題ないね!」
美琴「ドローンで持ち上げてからの落下」
美琴「成功すれば致命傷を与えられそう」
雛菜「でも、人の身体って特殊な形状なので〜」
雛菜「被害者を持ち上げるのはそれでも難しいと思います〜」
恋鐘「そいやったら【体を持ち運びやすい形に折り曲げれば】よかよ!」
恋鐘「まん丸にうずくまらせれば持ち上げやすくもなるやろ〜!」
果穂「ぎゃくに、【ドローンを結華さんの正面に落とす】のはどうですか?!」
果穂「うまくいけば正面からのだげきになるかもしれません!」
あさひ「ドローンは結華ちゃんの【身体を運んだんじゃない】のかもしれないっす」
夏葉「わざわざ犯人は複数個のドローンを使ったのよね?」
夏葉「それならドローンには【他の目的があった】のかもしれないわ」
夏葉「攪乱や……陽動の意味合いがあったかもしれない」
【正しいコトダマで正しい発言に同意しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
3.アイテムを使用する
【ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1
↓1
766 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/16(水) 22:25:32.44 ID:jcG4VBBiO
2
767 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/16(水) 22:25:54.73 ID:DF/+6ICz0
身体を運んだんじゃない → 青い繊維
768 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/16(水) 22:26:53.94 ID:LKjkRvJQ0
【集中力:☆×3→☆×2】
【同意候補の発言数が減少しました】
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×3
集中力:☆×2
コトダマ
‣【モノクマファイル3】
‣【モノクマの映画】
‣【青い繊維】
‣【割れた花瓶】
‣【ガムテープ】
智代子「わたしが見たUFOは一個じゃなくて、たくさんだった!」
智代子「これで重さの分は問題ないね!」
美琴「ドローンで持ち上げてからの落下」
美琴「成功すれば致命傷を与えられそう」
雛菜「でも、人の身体って特殊な形状なので〜」
雛菜「被害者を持ち上げるのはそれでも難しいと思います〜」
恋鐘「そいやったら体を持ち運びやすい形に折り曲げればよかよ!」
恋鐘「まん丸にうずくまらせれば持ち上げやすくもなるやろ〜!」
果穂「ぎゃくに、【ドローンを結華さんの正面に落とす】のはどうですか?!」
果穂「うまくいけば正面からのだげきになるかもしれません!」
あさひ「ドローンは結華ちゃんの【身体を運んだんじゃない】のかもしれないっす」
夏葉「わざわざ犯人は複数個のドローンを使ったのよね?」
夏葉「それならドローンには他の目的があったのかもしれないわ」
夏葉「攪乱や……陽動の意味合いがあったかもしれない」
【正しいコトダマで正しい発言に同意しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
3.アイテムを使用する
【ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1
↓1
769 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/16(水) 22:28:32.54 ID:DF/+6ICz0
身体を運んだんじゃない → 青い繊維
770 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/16(水) 22:30:51.55 ID:LKjkRvJQ0
ルカ「てめェの言うとおりだ」同意!
【BREAK!】
ルカ「……なるほどな、確かに形状からしてドローンで人体を運ぶのは難しいかもしれない」
雛菜「ん〜〜〜〜〜?」
ルカ「だったら、ドローンに運ばせるのは人体じゃなく……それの入った【容器】ならどうだ」
夏葉「容器ですって? そんなの、一体……」
ルカ「三峰結華の死体を調べた時、その衣服にこんな青い繊維が付着していることに気が付いてな。妙だからとっておいたんだ」
ルカ「この中にこんな真っ青な服を着ている人間はいねえ、まして繊維が付着するほど密着していた人間なんてのはからっきしだ」
ルカ「ならこの繊維ってのはなんなんだろうな?」
美琴「もしかして、それが結華ちゃんの身体の収まっていた【容器】の手掛かりなの?」
ルカ「ああ、容器と言っても何もボトルや缶である必要はない。あいつの身体がそっくりそのまま入っちまえばそれでいいんだからな」
智代子「その形次第によってはドローンでも持ち運びしやすくなるってことなんだね!」
あさひ「……もしかして、【ビニールシート】っすか?」
771 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/16(水) 22:31:44.89 ID:LKjkRvJQ0
冬優子「あさひ? あんた、この繊維に見覚えがあるの?」
あさひ「はいっす。確かライブハウスの倉庫だったっすかね……あそこにはポスターとかいろいろ入ってたけど、このビニールシートもロールで入ってたっすよ。多分看板とかをシンナーで着色するときに床に付着するのを防ぐためだと思うっすけど……」
あさひ「ドローンで運びやすい形に整えるうえでこれ以上のうってつけはないっすよ」
ルカ「中学生の言うとおりだ。ビニールシートならその四隅に穴でもあけてしまえば後は運ぶのは簡単だ。その穴にフックを引っかけてドローンを浮かび上がらせちまえばいい」
冬優子「かかる力も分散するし、がぜん安定するわね」
果穂「じゃあ、ちょこ先輩が見たのはそのドローンたちが浮上して、ビニールシートの中に入った結華さんを持ち上げていた場面なんですね!」
恋鐘「ちょ、ちょっと待たんね! そいやったら、犯人は愛依を殺した後にそんな悠長なことをしとったと!?」
ルカ「見立て殺人はその先入観を利用する目的もあったんだろうな。死因が映画と一緒なら、命を落とした順序も映画と同じだと思い込む」
ルカ「連続殺人が今目の前で起きたように錯覚しちまったってわけだ」
果穂「じゃあ、あたしとふゆさんで通話をした時にはもう、結華さんはしんじゃってたんですか……」
冬優子「今のルカの話通りなら、そうなるわね……」
冬優子「モーテルを訪れてドアノブを捻り、結華を連れ出した犯人はそのまま駐車場で殺害。後は愛依を殺した後にその方向に逃げて行けば、さも今殺したように思いこませられるってわけね」
772 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/16(水) 22:32:35.00 ID:LKjkRvJQ0
恋鐘「そがん大胆な真似して、二人を殺したとね!?」
恋鐘「あさひ、こいで間違いはなか?」
あさひ「……」
あさひ「そうっすね、ルカさんの言うとおりだと思うっす」
智代子「み、認めちゃうの?!」
冬優子「あ、あさひ……? あんた……」
あさひ「真犯人は、今ルカさんが言った通りの方法で犯行を行ったと思うっす。智代子ちゃんの目撃証言もドローンの存在を裏付けてるっすからね」
(なんだ……この感じ……)
(こいつ、自分の罪を認めてるというよりは……私の推理そのものを、純粋に称賛しているような……)
あさひ「確かにこの方法なら、体格で二人に劣っていても可能だと思うっす。結華ちゃんは気絶さえさせてしまえばあとは落とすだけっすからね」
ルカ「どういうつもりだ……お前、怖くないのか……?」
あさひ「こわい? 何がっすか?」
夏葉「あなた、ここが学級裁判の場だと忘れたの? 自らの罪を暴かれることは死刑宣告と同じ、それに自白までしてしまったらおしおきから逃れようがないわ」
あさひ「自白……? 誰がっすか?」
ルカ「は、はぁ?! お、お前……」
773 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/16(水) 22:33:16.31 ID:LKjkRvJQ0
あさひ「いや、だって今の方法はどう考えてもわたしには不可能な方法っすよね?」
774 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/16(水) 22:34:19.36 ID:LKjkRvJQ0
(……え?)
あさひ「ドローンを使って結華ちゃんを持ち上げて落下させるなんて、わたしには無理っすよ」
恋鐘「な、なにを急に言い出しとるばい?! 事件当時に健康体でアリバイがないのはあさひぐらいのもんたい!」
恋鐘「あさひ以外に誰がこげんことができるばい!?」
あさひ「うーん、逆に、わたしは誰ならこれができるのか不思議なんっすよね」
(どういう意味だ……?)
(こいつもその方法は可能だと言っているのに、こいつ自身にはそれは出来ないと言う)
(なにか理由でもあるのか……?)
-------------------------------------------------
・ドローンは特殊な操作が必要である
・ドローンを使うにはモノクマの許可が必要
・ドローンの存在を知らない
【正しい選択肢を選べ!】
↓1
775 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/16(水) 22:35:36.78 ID:sLatTqvFO
ドローンの存在を知らない
776 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/16(水) 22:36:55.18 ID:LKjkRvJQ0
ルカ「そうか、わかったぞ!」
【解!】
ルカ「なるほどな……そうか、そういうことだったのか」
美琴「何か気づいたんだね、ルカ」
ルカ「というより……もっと早くにこの話をしておくべきだったかもしれない」
ルカ「なあ、お前ら。さっきの私の推理を聞いてどう思った?」
雛菜「どうって言われても〜、合ってるんじゃないですか〜?」
ルカ「もっと他に、気になったところとかはないのか?」
智代子「他……他……ドローンで本当に持ち上がるのかな、とか?」
夏葉「耐荷重の問題も、運ぶ形状の問題もクリアしているわ。別段問題はないように思えるけれど」
恋鐘「ん〜……あ、そういえばルカの推理で初めて知ったことがあるとよ!」
透「あ、もしかしてあれ? ドローンのこと」
智代子「ど、ドローンのこと……? 何かあったっけ?」
雛菜「うん〜、この島にそんなドローンってあるのかな〜って」
美琴「……え?」
777 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/16(水) 22:37:55.86 ID:LKjkRvJQ0
ルカ「……そういうことなんだよ、私たちの間には持っている情報に差があった。そういうことだよな、中学生」
あさひ「はいっす。ルカさんの推理は多分あってると思うっすけど、そのドローンの存在をわたしは見たことも聞いたこともないっすよ」
ルカ「それもそのはずだ。だって私たちはその存在を秘匿していたからな」
≪夏葉「これは……ドローンね?」
智代子「これが、ドローン……! 本物は初めて見たよ……!」
ルカ「ライブカメラとかでたまに使ったりはあるが、運転はしたことねーな……」
夏葉「……」
美琴「夏葉ちゃん……?」
夏葉「果穂、智代子。悪いのだけれど、このドローンは私が回収してもいいかしら」
果穂「えっ……!」
夏葉「……ドローンなんて、いくらでも使いようがあるわ。武器を乗せた軍用ドローンも戦場に登用されて久しいし、このコロシアイに悪用されないとも限らないの」
果穂「夏葉さん、わかりました! おねがいします!」
夏葉「悪いわね二人とも……それと、この情報はこの場にいる人間だけのものにしておきましょうね」≫
ルカ「中学生は今、わたしたちを裏切って事件をかき乱そうとしている【狸】だという嫌疑がかかっている。そんなやつにみすみす悪用できそうなドローンなんか教えてねーんだよ」
美琴「それどころか、その情報はその場に居合わせた放クラの三人と私とルカだけしか知らない。実際のドローンは夏葉ちゃんが回収してしまったから後から電気街に来ても入手はできないよ」
恋鐘「な、夏葉が持ち出した……?!」
冬優子「今の話を整理すると……ドローンのことを知っていたのは放クラと緋田美琴、ルカの5人に絞られる。うちルカと果穂ちゃんはふゆと一緒に通話をしていたのでアリバイがある」
冬優子「なら、犯人候補は……園田智代子、有栖川夏葉、緋田美琴の三人」
ルカ「いや、甘党女も省いていい。犯人ならわざわざ自分に不利なあんな証言、する必要がねーからな」
美琴「……私は、会議室で自主トレーニングをしていたから」
夏葉「た、確かに私はドローンを持ち出したけど、結華を殺害してなんかいないわ!」
(美琴……いや、そんなわけはねー……美琴がクロだなんて、そんなことはありえない)
(それなら、この事件のクロは……)
778 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/16(水) 22:39:22.66 ID:LKjkRvJQ0
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×3
集中力:☆×2.5
コトダマ
‣【智代子の証言】
‣【モノミの処置】
‣【絶望病】
‣【果穂の証言】
‣【ビニール片】
恋鐘「結華ん命を奪ったドローンを事件の前に知っとったのは放クラと美琴とルカだけばい!」
冬優子「果穂ちゃんとルカにはふゆと通話をしていたというアリバイがある」
冬優子「園田智代子がわざわざ自分に不利な証言をするはずもない」
冬優子「なら、有栖川夏葉か緋田美琴の二択よ」
夏葉「私は確かにドローンの存在を知っていたし回収もした!」
夏葉「でも、【その操作などしていない】わ!」
美琴「……私は、【ずっと会議室で自主トレーニングをしていた】から」
あさひ「犯行自体は【病院の中にいた人でも可能】っす」
あさひ「窓から出て行けば、モーテルもちゃんと訪問できたはずっすよ」
冬優子「観念なさい……」
冬優子「処刑台に送られる準備はできたのかしら!?」
【正しいコトダマで正しい発言に同意しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
3.アイテムを使用する
【ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1
↓1
779 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/16(水) 22:44:37.09 ID:5+uwNaxKO
操作はしていない→モノミの処置
780 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/16(水) 22:46:32.15 ID:LKjkRvJQ0
ルカ「てめェの言うとおりだ」同意!
【BREAK!】
ルカ「……小金持ち。確かにてめェの言う通りだ、ドローンの存在を知っていたとしても、お前は……お前だけはその操作ができるはずがねえ」
雛菜「え〜? なんでですか〜? もしかして、ものすごく機械音痴とかです〜?」
智代子「樹里ちゃんならうまく操作出来なさそうな感じはするかも……」
ルカ「得意不得意だとかの話をしたいんじゃねえ、物理的な可能・不可能の話をしてるんだ」
夏葉「物理的に可能か不可能か……」
恋鐘「本人が心当たりなさそうたい」
ルカ「まあ、てめェは病気でダウン中だったんだ。度々確認してるが入院してた連中の事件前後の記憶は安定していない、覚えてなくても無理はねえだろ」
ルカ「てめェは一度、容体が急変して一度心停止の直前まで行きかけたんだよ」
夏葉「……!? そ、それは本当……!?」
智代子「う、うん……突然熱が急激に上がって、呼吸もしんどそうで……心拍数も異常値になったんだよ」
ルカ「そこで私たちが急いでつけたのが、体外式のペースメーカーだ。まあAEDの常用版とでも思えばいい」
ルカ「それをつけたことでお前の命はなんとか安定したわけだが……それと同時にお前は大きな枷を背負うことになった」
ルカ「それは……電波だ」
夏葉「電波……?」
781 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/16(水) 22:47:13.46 ID:5+uwNaxKO
あと今更だけど>643-644のコトダマ一覧で【ガムテープ】がぬけてますね。
782 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/16(水) 22:47:34.27 ID:LKjkRvJQ0
冬優子「……ああ、そういうこと。あんたたちも見たことぐらいあんでしょ、『優先座席付近では携帯電話の電源はお切りいただくか、マナーモードに設定の上通話はお控えください』っての」
果穂「はい! あります! おじいさんおばあさんに席をゆずると、ちょうど目の前にそれが書いてある紙がまどにはってあります!」
夏葉「立派な心がけね、果穂。同じコミュニティに住まうもの同士、全員が快く過ごせる環境を自分から作っていきましょう」
ルカ「じゃあ道徳の授業ついでに一つ。小学生、どうして携帯の電源を切る必要があるんだと思う?」
果穂「えっと……公共の場で音がでちゃうとうるさいから……ですか?」
ルカ「まあそれもあるだろうが、年寄連中がたまに心臓に着けているペースメーカーってのは携帯などの端末の電波の影響を受けやすいんだよ」
ルカ「心臓の拍動を維持するための機械、それが狂っちまったら大ごとだろ? だから取り扱いには細心の注意が必要なんだ」
果穂「わかりました……ありがとうございます!」
あさひ「夏葉さんもそれと同じことなんっすね。ペースメーカーで命をつなぎとめている状態で、ドローンの操作なんてしちゃったら何が起きるのかもわからない。そんなリスクを踏むとは思えないっす」
冬優子「わざわざそんな命がけのリスクを冒すくらいなら、見立て殺人を取りやめそうなものよね」
恋鐘「あれ……でも、そいやったら残るのは……美琴だけばい?」
美琴「……!」
783 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/16(水) 22:49:35.33 ID:LKjkRvJQ0
>>781
ご指摘ありがとうございます、かなり大きなミスですね…!
以後指定の際には「+【ガムテープ】」の表記をつけさせていただきます
-------------------------------------------------
(……クソッ、やっぱりそうなっちまうか)
(あの時アリバイがなく、しかもドローンの存在を知っていた条件付き)
(美琴以上に犯人の有力候補になる人物はいねえ……)
ルカ「美琴……違うんだよな……?」
美琴「……」
ルカ「おい、美琴……!!」
美琴「……ルカ」
美琴「……信じて、くれる?」
ルカ「……!」
ルカ「ああ、当たり前だ……てめェが人を殺すわきゃねえって……私が一番誰よりも分かってるんだからな……!」
(状況は最悪だと言ってもいい、アリバイ・殺害方法の両方が美琴がクロである証拠となっている)
(これを覆すには……美琴には犯行が不可能だった証拠を用意するしかねえ)
(何か……ないのか? そんな、一発で状況を変えてしまうような証拠は……)
784 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/16(水) 22:51:08.85 ID:LKjkRvJQ0
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×3
集中力:☆×3
コトダマ
‣【割れたガラス窓】
‣【入場者特典】
‣【モノミの処置】
‣【モノクマファイル3】
‣【冬優子の証言】
果穂「夏葉さんはペースメーカーをつけていたのでドローンのそうさができません!」
夏葉「ドローンの存在を事前に知っていた人間で犯人足りうる候補はあとは美琴だけ」
夏葉「……どうなのかしら、美琴。あなたの考えを聞かせてちょうだい」
美琴「私はやってないと言っておくね」
美琴「事件の時も【会議室で自主トレーニングをしていた】から」
冬優子「自主トレをやっている風に装い、隙を見て【窓から病院を出る】」
冬優子「そしてモーテルに行き結華を連れ出し、駐車場で【ドローンを使い殺害】」
冬優子「病院に戻ったらタイミングを見計らって愛依を殺害、【窓を割って脱出】」
冬優子「そのまま身をくらませば見立て殺人成立よ」
恋鐘「結華が今さっき死んだように思わせることがこいで可能になるばい!」
智代子「映画の内容に準えた残酷な【連続殺人に見せかけた】んだね!」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
3.アイテムを使用する
【ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1
↓1
785 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/16(水) 22:55:00.48 ID:b7lIcg1v0
連続殺人に見せかけた→入場者特典
786 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/16(水) 22:58:39.61 ID:LKjkRvJQ0
ルカ「それは違うぞ!」論破!
【BREAK!】
ルカ「いや……待ってくれ。美琴は犯人じゃない……犯人にはなりえないんだよ」
智代子「ルカちゃん、気持ちはわかるけど……感情論だけじゃ裁判は勝てないんだよ」
ルカ「違うんだって、ちゃんとした根拠ならあるんだ。今回の事件においても私は美琴と一緒に捜査をしたんだけどよ。その際に見立てに使われたモノクマの映画も確かめたんだ」
ルカ「さっきモノクマはチケットの販売は自動販売に任せているし、モノクマも誰が見たか見ていないかは知らないって言ってただろ?」
夏葉「ええ、それだから映画を見たか否かでは犯人の絞り込みは不可能だという話になったのよね?」
ルカ「ああ、確かに……見ていないことをこの場で証明するのは不可能だ。だけどよ、『見た』ことを証明するのは簡単だ」
恋鐘「見たことを証明する……? それってつまり、自分が犯人だと証明するってことと同じたい?」
ルカ「あの自動販売機でチケットを買うには電子生徒手帳をかざす必要があるんだけどな、どうやら機械はそのログは残しているらしい。その人間が機械に電子生徒手帳をかざした回数に応じて、違った来場者特典がもらえるんだと」
冬優子「なるほど、その来場者特典があれば映画を見たことを証明するのは簡単ね」
ルカ「私と美琴は捜査時間に一緒に映画を見て、その足でここまで来たから……まだその来場者特典のシールを持ってる。見てみろよ」
『おめでとう! キミは伝説への第【1】歩を踏み出した!
モノタロウステッカー獲得まであと4回』
智代子「ホントだ……これ以上なくわざとらしく【1】が強調されてるよ!」
冬優子「犬の格好したモノクマ……鳴き声のワンとかけてるわけね、しょうもない」
787 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/16(水) 22:59:40.69 ID:LKjkRvJQ0
ルカ「これと同じもの……浅倉透、お前も持ってんじゃねーのか?」
透「あー、うん。今は持ってないけどさ、あるよ。最初に映画見た時にもらったやつ」
あさひ「最初に映画を見ると、このステッカーがもらえる……」
あさひ「そっか、それなら美琴さんのもここで見せてもらえばいいんだ!」
夏葉「もしそれがルカのステッカーと一緒なら……美琴は捜査時間に初めて映画を見たことが証明される。そうなれば……見立て殺人を行ったクロにはなりえないわ!」
冬優子「ど、どうなのよ! はやく見せなさいよ!」
美琴「……すごいね、ルカ。こんなステッカー一枚で証明できちゃうんだ」
『おめでとう! キミは伝説への第【1】歩を踏み出した!
モノタロウステッカー獲得まであと4回』
雛菜「これ……一回目の来場者特典ですね〜?」
智代子「ってことは……美琴さんもクロじゃないんだね……!?」
美琴「これで分かってもらえたかな」
(よし……証明できた……! ハッ、美琴がクロなわきゃねえんだ……当たり前だ!)
788 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/16(水) 23:01:37.53 ID:LKjkRvJQ0
冬優子「でも……そうなると、逆に困るわね」
冬優子「犯人候補になりうるのは、ドローンの存在を事前に知っていた放クラとルカ、緋田美琴の五人のみ。でも、そのいずれにも犯行は不可能と来たわ」
あさひ「絶対的なアリバイがあるルカさんと果穂ちゃん、犯人に不利な証言をした智代子ちゃん、物理的にドローンが操縦できない夏葉さん、映画を操作時間に初めて見た美琴さん」
あさひ「う〜ん、智代子ちゃんならまだ犯人になりえそうな気もするっすけど……」
智代子「わ、わたしにここにきてまた疑いがかかるの!?」
(いや……甘党女は違うだろう。あそこで複数体のドローンを見たって言う嘘に乗じる理由が犯人ならまず無い)
(誰かほかにドローンの存在を知っている人間がいたのか? でも、探索始まってすぐにドローンは小金持ちに回収されたわけだし……)
(……ダメだ! この状況、どうやっても覆らねーぞ……!)
透「……なんか、この前の事件を思い出すよね」
雛菜「透先輩〜?」
透「この前はさ、トラップで死んじゃったじゃん。千雪さん」
恋鐘「摩美々が橋にボウガンばしかけてたばってん、でも今回はトラップじゃ犯行は行えなかろうもん。前とは別物ばい」
789 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/16(水) 23:03:08.54 ID:LKjkRvJQ0
(……トラップ、か)
(確かに前回の事件では田中摩美々はアリバイを確保したまま犯行に及んだ)
(自分がその場にいずとも命を奪える方法で、私たちの目を欺いたんだ)
(……今回の事件では三峰結華の死亡したタイミングを見立て殺人に隠して誤認させるというトリックが使われている)
(……)
(………………)
(もしかして、これって……そういう狙いなのか?)
(だとすれば、それをやる意味がある人間って……)
ルカ「……そ、そんなこと……あり得るのか……?」
美琴「ルカ、どうしたの? もしかして……何か気づいた?」
ルカ「……三峰結華はドローンを使って、事件が起こる前に転落死。頭の正面から落下させることで撲殺に見せかけた」
ルカ「それは見立て殺人を成り立たせるための方法だったわけだが……犯人はどうしてそこまでして見立てを成立させたかったんだろうな」
790 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/16(水) 23:04:15.08 ID:LKjkRvJQ0
智代子「見立てを成立させたかった理由……」
夏葉「それは先ほど一度話し合わなかったかしら? 結華の死因を誤認させることこそが目的で……」
ルカ「じゃあ、その誤認は何のためだ?」
夏葉「え……」
ルカ「リアルタイムにその場で殺されたと思わせるため、つまりは犯行のタイミングの誤認でもあったわけだろ。そうなると、確実に利益を得る人間がいるんだ」
ルカ「あの事件が起きたその瞬間に、確実なアリバイを持っている人間はその段階で容疑者から外される……そういうロジックだ」
透「確かに、そもそも疑わないか。事件があったタイミング、誰かと一緒にいたら」
ルカ「そして、今回の犯人はドローンの存在を知っていた人間に限られる。そうなると……一人、怪しい人間が浮上するんだよ」
あさひ「……」
ルカ「……いや、流石に私も違うとは思うんだが……このアリバイの確保の論理なら、行動にも説明がつくんだ」
ルカ「なあ……お前なのか……? 今回のクロってのは……」
-------------------------------------------------
【クロを指摘しろ!】
↓1
791 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/16(水) 23:05:46.92 ID:DF/+6ICz0
【小宮果穂】
792 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/16(水) 23:07:35.08 ID:LKjkRvJQ0
ルカ「……!」
【解!】
ルカ「……私自身がアリバイの証人なんだよ。実際、自分の目で姿を確認したし、自分の耳でその声も確認した。会話も成立していたし、録画なんかでもない」
ルカ「でもよ、アリバイ以外の条件ならお前は満たすことができるんだよ……【小学生】」
果穂「え……?! あ、あたし……ですか……!?」
夏葉「と、突然なんてことを言い出すのルカ!? あなた、自分で言っている意味が分かっているの?!」
ルカ「もちろんだ……自分がどれだけバカなことを言っているのかは理解してる。でもよ、あのタイミングで確固たるアリバイを持っていて、ドローンの存在を事前に知っていたのは私かこいつだけ」
ルカ「そして、私が事件前にあの映画を見ていないことはこのステッカーが証明済み。そうなると、三峰結華の死亡のタイミングをずらすことで得するのはこいつだけになるんだよ」
智代子「ま、待って! 確かに結華ちゃんの死亡のタイミングをずらすと果穂はアリバイのおかげで、その一件は容疑を逃れられるかもしれないけど……」
智代子「愛依ちゃんはどうなの? 愛依ちゃんは通話している最中に首を裂かれて死んじゃったんだよ!?」
(ここまで来たらもう止まれない……)
(頭に思い浮かんだ、悍ましい一連の犯行を口にしてみるしかない……)
(たとえその先に待っているのが希望か絶望か、見えていなくとも……!)
ルカ「和泉愛依の殺害についてだが……」
-------------------------------------------------
・トラップを使って殺害された
・和泉愛依も事前に命を落としていた
・自殺だった
・他の人間の協力があった
【正しい選択肢を選べ!】
↓1
793 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/16(水) 23:09:51.87 ID:SZLjXS/U0
提督「嫌われスイッチ?」明石「はいっ」
http://hayabusa3.open2ch.net/test/read.cgi/news4viptasu/1427368381/
提督「嫌われスイッチだと?」夕張「そうです!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1428849410/
魔剣転生というスレの作者ですが、断筆する事に致しました。
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1602503948/
外野の反応に負けてエタった先人たち
彼らの冥福を祈りつつ我々は二の舞を演じない様に注意しよう
794 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/16(水) 23:09:59.85 ID:obOQsrIkO
トラップを使って殺害
795 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/16(水) 23:13:11.89 ID:LKjkRvJQ0
発言力:♡×3→♡×2
(違う……あいつの死体は私も確認したが、首の裂き方からしてあれは人の手がかかったものだ)
(トラップで殺害をするってのは少し考えづらいな)
(もし、小学生が本当に犯人なら……アリバイを確保する意味ってのは……)
-------------------------------------------------
・和泉愛依も事前に命を落としていた
・自殺だった
・他の人間の協力があった
【正しい選択肢を選べ!】
↓1
796 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/16(水) 23:14:40.35 ID:b7lIcg1v0
和泉愛依も事前に命を落としていた
797 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/16(水) 23:15:53.89 ID:LKjkRvJQ0
ルカ「これだ!」
【解!】
ルカ「……三峰結華の死亡のタイミングをずらしてアリバイを確保するって言うのなら、連続殺人全体でアリバイを確保しておく必要がある」
ルカ「そうなると……和泉愛依が死んだのも、あのガラスが割れたタイミングじゃないのかもしれない」
冬優子「そ、それ本気!? ふゆだってガラスの窓が割られる音は聞いてんのよ!?」
ルカ「ああ、【窓が割れる音】は、な。和泉愛依が殺される音じゃあない」
美琴「もしもその段階ですでに彼女が命を落としていれば……テレビ通話を繋いでいたとしても果穂ちゃんのアリバイは意味を持たなくなる……?」
夏葉「ちょっと待ちなさい……! そんないい加減な主張、通すわけにはいかないわよ!」
夏葉「ガラスの窓が割れる音、ということは犯人が逃走を行った音と同義でしょう? だとすれば、その瞬間にアリバイがある果穂は犯人にはなりえないわよ!」
智代子「そうだよ! その音はルカちゃんもしっかり聞いたんだよね!?」
ルカ「……そ、それはそうだけどよ」
果穂「あの……あたし、ちがいます! 犯人なんかじゃないです……! 愛依さんと結華さんをころしてなんかいません!」
夏葉「大丈夫よ果穂、安心して。私たちがすべてをかけてあなたを守り抜くわ」
智代子「うん、果穂が犯人なんて冗談でも許せない……ルカちゃん、覚悟はいい!?」
(……チッ、そりゃそうだよな。どう考えても連中はあの小学生側に傾く)
(私も今自分の歩いているこの道が正しいのかは自信が持てない……半信半疑だ)
(でも、だとしても……生き残るために必要なことに妥協をしちゃならねえ!)
(真実を追い求めるための歩みは何があっても止めるな……!)
798 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/16(水) 23:17:35.72 ID:LKjkRvJQ0
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×2
集中力:☆×3.5
コトダマ
‣【窓ガラスの破片】
‣【智代子の証言】
‣【結華のメガネ】
‣【割れたガラス窓】
‣【冬優子の証言】
果穂「あたしは犯人なんかじゃないです……!」
果穂「二人をころすなんて……そんなのできっこないです……!」
冬優子「この子はふゆと一緒に事件発生時に【ルカと通話をしていた】」
冬優子「窓ガラスが割れた時にも、そばにいたわよ」
夏葉「窓ガラスを割るには【現場にいる必要がある】わ」
夏葉「ひとりでに窓ガラスが割れたとでも主張するつもりなのかしら」
智代子「その音は【ルカちゃん自身も聞いた】んだよね?」
冬優子「ルカどころかふゆも通話越しに聞いたのよ……間違いなくあの瞬間に割れたものよ」
智代子「果穂が人殺しなんて、どう考えてもあり得ないよ!」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
3.アイテムを使用する
【ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1
↓1
799 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/16(水) 23:22:01.04 ID:b7lIcg1v0
現場にいる必要がある→割れたガラス窓
800 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/16(水) 23:26:06.01 ID:LKjkRvJQ0
発言力:♡×2→♡×1
夏葉「ええ、そのガラス窓を見てもらえばわかる通りよ。そこに一切の細工などされていないでしょう?」
夏葉「あの音をあなた自身も聞いている以上は、現場で窓ガラスを割らなくてはいけないの!」
(チッ……間違ったか)
(現場にいずともガラスの窓を割る方法……今までの議論にそのヒントはなかったか……?)
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×1
集中力:☆×3.5
コトダマ
‣【窓ガラスの破片】
‣【智代子の証言】
‣【結華のメガネ】
‣【割れたガラス窓】
‣【冬優子の証言】
果穂「あたしは犯人なんかじゃないです……!」
果穂「二人をころすなんて……そんなのできっこないです……!」
冬優子「この子はふゆと一緒に事件発生時に【ルカと通話をしていた】」
冬優子「窓ガラスが割れた時にも、そばにいたわよ」
夏葉「窓ガラスを割るには【現場にいる必要がある】わ」
夏葉「ひとりでに窓ガラスが割れたとでも主張するつもりなのかしら」
智代子「その音は【ルカちゃん自身も聞いた】んだよね?」
冬優子「ルカどころかふゆも通話越しに聞いたのよ……間違いなくあの瞬間に割れたものよ」
智代子「果穂が人殺しなんて、どう考えてもあり得ないよ!」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
3.アイテムを使用する
【ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1
↓1
801 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/16(水) 23:26:56.93 ID:DF/+6ICz0
3 ヒーリングタルト
802 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/16(水) 23:27:48.72 ID:jJMPUsbR0
2
803 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/16(水) 23:29:29.53 ID:LKjkRvJQ0
【ヒーリングタルトを頬張った!】
【少々甘ったるいが、案外悪くない……!】
【発言力が2回復した!】
発言力:♡×1→♡×3
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×3
集中力:☆×3.5
コトダマ
‣【窓ガラスの破片】
‣【智代子の証言】
‣【結華のメガネ】
‣【割れたガラス窓】
‣【冬優子の証言】
果穂「あたしは犯人なんかじゃないです……!」
果穂「二人をころすなんて……そんなのできっこないです……!」
冬優子「この子はふゆと一緒に事件発生時に【ルカと通話をしていた】」
冬優子「窓ガラスが割れた時にも、そばにいたわよ」
夏葉「窓ガラスを割るには【現場にいる必要がある】わ」
夏葉「ひとりでに窓ガラスが割れたとでも主張するつもりなのかしら」
智代子「その音は【ルカちゃん自身も聞いた】んだよね?」
冬優子「ルカどころかふゆも通話越しに聞いたのよ……間違いなくあの瞬間に割れたものよ」
智代子「果穂が人殺しなんて、どう考えてもあり得ないよ!」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
3.アイテムを使用する
【ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1
↓1
804 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/16(水) 23:30:06.34 ID:b7lIcg1v0
現場にいる必要がある→智代子の証言
805 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/16(水) 23:32:25.90 ID:LKjkRvJQ0
ルカ「それは違うぞ!」論破!
【BREAK!】
ルカ「なるほどな……確かに私自身が聞いたあの音は否定のしようもない出来事だ。実際、現場の窓ガラスは割られていたわけだしな」
恋鐘「夜風がどんどん入って来とったから、現場も妙に冷たかったけんよう覚えとるばい……」
透「めっちゃ寒い日の朝、池に氷が張ってさ。そこに石投げこんだらバリバリに割れるんだよね」
透「あんな感じの割れ方だった」
雛菜「あ、懐かしい〜! 大体透先輩びしゃびしゃになって、円香先輩が不機嫌になるんだよね〜〜〜〜!」
夏葉「実際通話越しに冬優子が聞いたほどなんだもの、相当な音の大きさだったんでしょうね」
冬優子「ええ……音質はそこまでいい通話ではなかったけど、何かが割れたって言うのは感覚ですぐにわかったわよ」
ルカ「ああ、その音自体を否定するつもりは私もない。でもよ……現場にいずに窓ガラスを割る方法なら、あるかもしれねえ」
夏葉「……そ、そんなの認められないわ。ただのハッタリでしょう!?」
ルカ「ついさっきの話を思い出してみろよ。犯人は……ドローンを使って三峰結華を殺害したんだぜ」
智代子「そ、それが何?! ドローンが一体何に……」
智代子「……えっ!?」
ルカ「気づいたか……ドローンは言うまでもなく遠隔操作が可能なんだよ。それこそ現場にいずして、ドローンを浮上させ、窓ガラスに突っ込ませるなんて訳もないと思うぜ!」
806 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/16(水) 23:33:13.65 ID:LKjkRvJQ0
あさひ「それは違うっすよ」
ルカ「なっ……中学生、また邪魔するつもりか……!?」
あさひ「ルカさん、流石にそれは無理があるっす。ドローンは確かに遠隔操作ができるかもしれないっすけど、現場を一切見ないで操作して窓ガラスを割るなんて普通出来ないっす」
夏葉「そ、それはそうね……」
あさひ「それに、そんな窓ガラスを割るような突っ込み方をすればドローンも壊れちゃうっす。現場に壊れたドローンは落ちてなかったっすよね?」
ルカ「ぐっ……そ、それは……」
冬優子「……ちなみに、ふゆは果穂ちゃんの隣にいたわけだけど……特に不審な動きは何もしてなかったわ」
冬優子「それこそリモコン操作なんかまったくね」
果穂「ふゆさん……ありがとうございます!」
冬優子「……果穂ちゃん、別にふゆは味方じゃない。ただ真実にたどり着くためにルカの推理の粗を指摘しただけよ」
(だが確かにこいつらの言う通りだ……)
(ドローンを使って割る方法は障害がいくつもある……でも、これ以外に自然とガラス窓が割れるような方法なんて……)
807 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/16(水) 23:34:08.86 ID:LKjkRvJQ0
美琴「その場にいずにガラスの窓を割るなんて、やっぱり出来ないのかな……」
ルカ「あ、諦めんな……何か、何か方法があるはずだ……!」
恋鐘「ねえ、ルカ。流石にうちも果穂が犯人になることはあり得んと思うばい……だって、果穂はうちらん中でも一番幼かやけん、二人も殺せるわけなかよ」
雛菜「身長は他の人ともそんなに変わんないですけど〜、中身はまだまだ小学生ですしね〜」
(そんなことは私だってわかってる……わかってる、けど……)
(なんなんだ、この胸のざわつきは……小学生、あいつを見ているとなんだか胸の辺りが妙な感覚になんだよ……!)
美琴「……ルカ、落ち着いて」
ルカ「美琴……?」
美琴「私は、ルカの味方だから。ルカの推理を信じてる」
美琴「だって、ルカはさっきも私のことを守ってくれたでしょ?」
(……!)
(……そうだ、私は一人じゃない。傍には、私のことを信じてついてきてくれる存在がいる)
(怖がることはねえ、不安に感じることはねえ……考えろ、考えるんだ!)
夏葉「ガラスの窓をその場にいずに割ることなんて不可能!」
智代子「ガラスの窓が割れる音はルカちゃんも聞いた!」
果穂「あたし……なにもわからないです、なにも……!」
808 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/16(水) 23:35:35.48 ID:LKjkRvJQ0
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×3
集中力:☆×4
コトダマ
‣【窓ガラスの破片】
‣【絶望病】
‣【割れたガラス窓】
‣【モノクマの映画】
‣【割れた花瓶】
あさひ「ガラスの窓をその場にいないで割るのはかなり難しいと思うっす」
あさひ「現場には大した証拠も残ってなかったっすからね」
冬優子「果穂ちゃんはドローンを操作するような【素振りはしてなかった】わよ」
冬優子「さすがにそんなことがあればふゆが気づいた」
夏葉「通話中に窓ガラスを割ることなんて不可能」
夏葉「【窓ガラスが割れる音を三人が聞いている】以上はアリバイのある果穂は無実よ」
智代子「あの音はすごく大きかったから【病院中のみんなが聞いてた】よ!」
智代子「なんならわたしが証人になるからね!」
美琴「……ルカ、私は味方だから」
美琴「進む先が見えなくたって……止まらなくていいの」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
3.アイテムを使用する
【ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1
↓1
809 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/16(水) 23:37:00.09 ID:DF/+6ICz0
【窓ガラスが割れる音を三人が聞いている】→【割れた花瓶】
810 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/16(水) 23:37:22.25 ID:BPyR8RRj0
【窓ガラスが割れる音を三人が聞いている】に【割れた花瓶】?
811 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/16(水) 23:38:03.94 ID:lUFtfG970
タルト使ったから選択肢から消さなくちゃダメじゃない?
812 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/16(水) 23:40:45.84 ID:LKjkRvJQ0
正答が出たところで少し早いですが本日はここまで。
ガムテープの件、完全に見落としていました。申し訳ないです…
次回更新は3/17(木)、22時ごろから。学級裁判の最後まで行くと思います。
それではお疲れさまでした、またよろしくお願いします。
813 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/16(水) 23:41:34.44 ID:LKjkRvJQ0
>>811
ホントですね! 思考停止コピペしてました…以後気をつけます
814 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 22:00:37.12 ID:ztf/P3ZF0
ルカ「それは違うぞ!」論破!
【BREAK!】
ルカ「お前らの言う通りだ……証拠も残さずにガラスの窓をその場にいないで割ることなんか不可能だ」
夏葉「漸くわかってもらえたようね、ガラスの窓が割れる音、重要なその証言がある限り果穂は犯人になりえないのよ」
ルカ「……でも、ガラスの窓じゃないものを割るんならどうだ?」
夏葉「な、何を言っているの……? あなたが現場を最初に確認したんでしょ?! だったらちゃんと見ているはずよ、現場の窓ガラスは確かに割られていた!」
ルカ「ああ、割られてたな。いつそれが割られたのかはわからねーけど」
智代子「そ、そんなまさか……ルカちゃんは二人の殺人だけじゃなく、窓ガラスが割られていたのも、時間がずれていたっていうつもりなの?!」
智代子「そんなのおかしいよ! だって、三人は通話中に何かが割れる音を聞いたんでしょ? それだったら、窓が割れたタイミングはそこでしかありえない……」
ルカ「私たちが聞いたのは何かが割れる音であって、ガラス窓が割れる音じゃねーんだ。現場で真っ先に目につく、割れていた物が窓だったから勝手にそう誤解しただけのこと」
ルカ「あの場所で何かが割れる音を鳴らすことさえできれば勝手に私たちは窓ガラスが割れた音だと誤認するんだよ」
ルカ「そこで犯人が利用したのが窓脇にあった花瓶だ。どこから持ち込んだのかは分かんねーが、これは被害者の和泉愛依の私物でよ。死ぬ前の日に、ゲッカビジンっつー綺麗な花を見せてくれた」
815 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 22:01:37.83 ID:ztf/P3ZF0
≪ルカ「だからお前はどこからこんなの持ってきてんだよ!」
透「おー、なんか咲いてんじゃん。めっちゃ」
愛依「こちらのお花はゲッカビジンと言いますの、ほんの一夜のみにその花を咲かせる姿から、その花言葉は『儚い美しさ』……今こうしてお二方と見れたこと、恐悦至極に存じますわ」≫
ルカ「でも、その花瓶が事件現場では割られていた。最初はてっきり犯人と争った時にぶつかって落ちたのかとでも思ってたけど……よくよく考えればあいつは抵抗なんかしちゃいねー、する暇もなかった」
ルカ「なら、一体いつ割られたんだろうな」
夏葉「それがテレビ通話の時だったと言いたいわけね。でもさっきも言った通りよ、現場にいずして割ることなんて不可能。いくら割られたものが別だったと主張しても、結局アリバイがある果穂の無実は揺るがないわ!」
あさひ「それは違うっすよ、夏葉さん」
夏葉「あさひ……?!」
あさひ「あれは、ガラスの窓を割るには現場にいる必要があるって話だったっす。花瓶になると話は別っす。だって大きさも形も全然違うじゃないっすか」
ルカ「ああ、こいつの言う通りだ。窓ガラスじゃなくて花瓶なら……きっとその場にいずとも割る方法がある。そのための手掛かりだってあるんだからな」
智代子「て、手掛かり……?」
(まだそのやり方の全貌は見えちゃいないが……花瓶の近くにあったあれはその方法の一端を示しているはずだ!)
-------------------------------------------------
【正しいコトダマを選べ!】
>>643
>>644
+【ガムテープ】
↓1
816 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/17(木) 22:03:07.18 ID:IZqyH9nl0
ビニール片
817 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 22:06:07.45 ID:ztf/P3ZF0
ルカ「これだ!」
【解!】
ルカ「花瓶の近くに落ちていたビニール。これが何かしらの関係をしているとみていいんじゃないか?」
雛菜「なんですかそれ〜?」
美琴「何かが破けた切れ端……そんな風に見えるね」
恋鐘「ポリ袋かなんかやろうか〜? なんか見覚えがあるような気もするたい……」
夏葉「そ、そんなビニール……ただのゴミか何かでしょう?」
ルカ「花瓶の中に入ってた水で濡れてんだぞ? 少なくとも割れた時に近くにあったもの……何かしらの関係性はありそうに思えるがな」
透「これ使って、勝手に花瓶が割れるトリック作ったの?」
智代子「勝手に花瓶が割れるなんて……そんなこと、あり得ないよ」
あさひ「もしも犯人が花瓶で割れる音を偽装するトリックを行ったのなら、その為の道具は病室にあるものを利用した可能性が高いと思うっす」
あさひ「事件の後に、異物が見つかったらそこで足がつく可能性があるっすからね」
(病室にあってもおかしくなく、ひとりでに花瓶を割ることができるものか……)
(……あと少し、あと少しで思いつきそうだ……!)
(考えろ……ここが大事なポイントだ、これを指摘出来れば活路が開けるはずだ……!)
818 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/17(木) 22:06:16.10 ID:1oLSFz9cO
ビニール片
819 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 22:08:08.19 ID:ztf/P3ZF0
-------------------------------------------------
【ひらめきアナグラム開始!】
発言力:♡×3
集中力:☆×4.5
『のょいひれうことうのう』
【正しい順番に並べ替えろ!】
1.解答する
2.集中力を使う(一部文字が正しい位置に移動する)
↓1
820 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/17(木) 22:18:52.49 ID:IZqyH9nl0
2
821 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 22:22:58.63 ID:ztf/P3ZF0
【集中力:☆×4.5→3.5】
【集中力を使用しました】
【一部文字が正答位置に移動し、アナグラムがしやすくなります!】
-------------------------------------------------
【ひらめきアナグラム開始!】
発言力:♡×3
集中力:☆×3.5
【れい】のょうこ【ひ】と【うのう】
【正しい順番に並べ替えろ!】
1.解答する
2.集中力を使う(一部文字が正しい位置に移動する)
↓1
822 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/17(木) 22:27:03.76 ID:IZqyH9nl0
れいとうこのひょうのう
823 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/17(木) 22:27:08.07 ID:0a0XQg51O
れいとうこのひょうのう
824 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 22:28:45.44 ID:ztf/P3ZF0
ルカ「そうか、わかったぞ!」
【COMPLETE!】
ルカ「ひとりでに花瓶が割れる……つまり、犯人がそのトリックを仕掛けてから時間差で花瓶が割れる仕組み、ということだ」
ルカ「時間が経つと性質が変わるもの……ぱっと思いつくものはなんだ、美琴」
美琴「えっと……氷、かな? レッスン場に持ち込んでも、ちょっと忘れてるうちに溶けちゃってることがよくあるから」
冬優子「そうね……水は固体、液体、気体とその性質を変化させる……だけど、それがどうしたの?」
ルカ「今回の事件があった現場は病院だ。病院で氷と言えば、真っ先に思い付くものが無いか?」
透「あー、あれだ。おでこに載せる奴」
ルカ「ご名答。犯人は病室の中にある冷凍庫、そこで冷やしてた【氷嚢】を使ったんだ」
ルカ「花瓶を机の縁、そこに半分ぐらいのっけた状態で安定させる。そこから側面に添わせるようにして氷嚢を積んでいくんだ」
ルカ「放っておいても安定する形を見つけられれば準備完了。後はそのまま部屋を出れば勝手に進行する。中に入っていた氷嚢はゆっくり、ゆっくりと溶けていき、その中の氷も徐々に水へと変わる」
ルカ「そうなると氷嚢の形自体が変わってしまう。立体パズルのように組み合わさっていた氷も液体となることで花瓶の底面にまんべんなく広がっていく、そうなるとさっきまで安定していたバランスも一気に崩れることになる」
ルカ「そこで机から落下、その衝撃で花瓶は砕け散り、その破片で氷嚢も破けちまうって寸法だ。これなら現場にいずとも花瓶を割ることもできるし、更に不自然な証拠を残すこともない」
夏葉「なっ……そ、そんな……そんなの……」
825 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 22:29:35.70 ID:ztf/P3ZF0
ルカ「実際に検証をしたわけじゃないからどれぐらいの精度で出来るのかはわからないが、そう難しい話じゃないと思うぜ。それこそ、小学校の理科の授業で習う範囲のお話だしな」
果穂「……ル、ルカさん……!」
智代子「ち、ちが……ちがう……そんなの、果穂はやってない……!」
ルカ「そこまで仕込んでしまえば後は簡単な話だ。モーテルに戻って早々に冬優子と合流すればいい。要は花瓶が割れた瞬間のアリバイさえあればいいんだからな。別にテレビ通話を繋ぐことまでは必要ない」
冬優子「で、でも果穂ちゃんの部屋を訪問したのはふゆの方よ……?」
美琴「……それこそ、冬優子ちゃんが来なかったら自分から『不安だから』って部屋を尋ねればいいんじゃないかな」
ルカ「アリバイの確保自体はそう難しい話じゃねえ。最年少のこいつは常に目にかけてもらえる立場にあったわけだしな」
ルカ「花瓶が割れてその音に誰かが気づいて現場に駆け付ければそれでOK。後は今この瞬間に起きた連続殺人だって誤解した私たちがアリバイのあるこいつを勝手に犯人候補から弾く」
ルカ「そこまで見越した時間差トリックだったんだよ!」
【果穂「ピンチの時ほど、ヒーローは強くなるんです!」】反論!
826 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 22:31:26.00 ID:ztf/P3ZF0
ルカ「……あ?」
果穂「……ルカさん、分かってもらえないなら。あたしもたたかいます、あたしはやってないって……ルカさんにあたしの言葉で分かってもらいます」
果穂「ヒーローは何度でも立ち上がるんです! あきらめない限り、ヒーローはぜったい、ぜったいに……負けません!」
-------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】
発言力:♡×3
集中力:☆×3.5
コトノハ
‣【割れた花瓶】
‣【ガムテープ】
‣【智代子の証言】
‣【モノクマの映画】
‣【割れたガラス窓】
果穂「花びんの中に氷を入れておけば」
果穂「時間がたって勝手に割れちゃう」
果穂「それなら確かに、病室にいなくても音を鳴らすことはできるかもしれません!」
果穂「でも、ルカさんのすい理にはち命的なムジュンがあります!」
果穂「このムジュンがある限り、ルカさんのすい理は成立しません!」
◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】
ルカ「ガキがいっちょ前に生意気な口叩きやがって……!」
ルカ「私の推理に矛盾がある? それなら指摘してみやがれ!」
◆◇◆◇◆◇◆◇
果穂「ルカさんのすい理だと、事件の前にすでに窓は割れてたんですよね!」
果穂「でも、窓を割った時の音はどうするんですか?!」
果穂「窓を割ると【すっごくすっごく大きな音が鳴ります】!」
果穂「でも、そんなに大きな音を事件の前に誰か聞きましたか!?」
果穂「事件の前に割ってたなら、ぜったいに聞いていた人がいるはずです!」
果穂「花びんはきっと、【事件が起きた時に窓が割れるのと同時に割れた】んじゃないでしょうか!?」
【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ50以上で論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【プロデュース手帳】×1
↓1
827 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/17(木) 22:35:01.64 ID:IZqyH9nl0
【すっごくすっごく大きな音が鳴ります】→【ガムテープ】
828 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 22:36:22.42 ID:ztf/P3ZF0
ルカ「その矛盾、斬らせてもらうぞ!」BREAK!
【BREAK!】
ルカ「ガラスの窓は割れると必ずでけぇ音が鳴る、ガキにしては鋭い着眼点じゃねえか」
果穂「はい……だから、事件の前に割れていたならその音を聞いた人が一人はいるはずで……」
ルカ「だけどよ、ガラスが割れた時にどうして音が鳴るのか知ってるか?」
あさひ「確か、ガラスが【割れる】音自体は大したことないんっすよね。割れた後に破片同士がぶつかるから大きな音になるって前図書館で読んだっす」
冬優子「あんた余計な知識ばっか身に着けるわね……」
透「ドラマでもあるよね。バーナーで窓溶かして割るみたいな。あれもめっちゃ静か」
雛菜「そっか〜、一部を溶かしてるんだから破片がぶつかることもないもんね〜」
ルカ「その通りだ。ガラスを割ったとしても、その破片同士がぶつかり合うことさえ防げば大した音にはならねえ」
ルカ「しかもそれって、簡単に防げちまうんだ。要は割れた後に破片が宙を舞うより先にキャッチするものがあればいいんだからな」
あさひ「あ、もしかして茂みに丸めてあったガムテープっすか?」
ルカ「ああ、ガラスを割る前に一面にガムテープを張っておいて、その状態で割ればいい。多少の音はなるかもしれねえが、ガムテープの粘着性に囚われた破片はぶつかって音を立てるようなこともねえ。リスクは回避できるはずだぜ」
829 :
セリフ直後のBREAK!は論破!の間違いです
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 22:37:29.66 ID:ztf/P3ZF0
果穂「そ、そんな……! で、でもあたし……そんなの知りませんでした!」
夏葉「そ、そうよ! そんな込み入った話、果穂はまだ知らないわ!」
ルカ「この中学生でも図書館の本で簡単に知れることだ、そんな弱い理由で否定はさせられないぜ」
智代子「ううっ……! そ、そんな……!」
果穂「夏葉さん……ちょこ先輩……あたし、あたし……本当に、やってないのに……」
(クソ……小学生を問い詰めるのは流石にこっちもしんどいもんがあるが……)
(証拠と証拠が線で繋がり始めた……方向性は間違ってないはずだ、この推理も正しい……!)
夏葉「ルカ、あなたの推理は確かに成立しうるだけの妥当性のあるものかもしれない……だけれど、証拠が全くと言っていいほどないわ」
ルカ「あ……?」
智代子「な、夏葉ちゃん……」
830 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 22:38:32.85 ID:ztf/P3ZF0
夏葉「私たちはここを退くわけにはいかないの。果穂は私たちにとっての希望、心の支え、そして生きる理由と言っても過言ではない」
夏葉「推測の域を出ない話で糾弾されるほど不愉快なことはないわ」
ルカ「てめェ……やっぱり一歩も譲る気はねえんだな」
夏葉「当たり前よ、今も私のはらわたは煮えくり返っているもの」
夏葉「果穂がそんなトリックを仕掛けた根拠なんてどこにも残っていない……そんなの、ただのいいがかりなのよ!」
(結局こうなるか……こいつらを黙らせるには、証拠を提示するほかない)
(でも、そんな証拠があったならもっと早くに提示している……)
(……いや、待て……今証拠がないなら……今から見つけ出せばいい)
(今私たちが議論してきた中に、犯人に繋がる証拠が隠れている可能性はないか……?)
(考えろ、考えるんだ……あと一歩のところまで、見えているんだ……!)
831 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 22:39:40.01 ID:ztf/P3ZF0
-------------------------------------------------
【ロジカルダイブ開始!】
Q1.事件当時ルカたちが聞いた音は何が割れる音?
A.ガラスの窓 B.花瓶
Q2.ガラスの窓はいつ割られた?
A.事件が起きる前 B.ルカたちが音を聞いたとき
Q3.死体発見時、窓の破片はどうなっていた?
A.ガムテープにくっついていた B.そのまま散らばっていた C.片付けられていた
【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】
↓1
832 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/17(木) 22:45:13.19 ID:62+2afsJ0
bab
833 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 22:47:41.49 ID:ztf/P3ZF0
【BAB】
ルカ「推理はつながった!」
【COMPLETE!】
(そうだ……音を消して窓を割るためにガムテープを使ったはずだが……そのガムテープは茂みに丸めて捨てられていた)
(そうなると……犯人は窓を割った後に破片をガムテープから剥がす作業を行ったはずだ)
(そんなの……素手でやったんなら、まともにできるはずがない……)
(見えて来たぞ……犯人に繋がる証拠ってやつが……!)
夏葉「ルカ、覚悟はいいかしら」
夏葉「あなたの告発、私としては到底許すことができないの。この命に代えても……私は果穂を守って見せる」
夏葉「証拠もない言いがかりをつけたこと、一生後悔してもらうわよ!」
834 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 22:48:32.93 ID:ztf/P3ZF0
-------------------------------------------------
【パニックトークアクション開始!】
夏葉「詭弁が過ぎるわよ」【防御力40】
夏葉「鍛え方が足りないんじゃないかしら」【防御力45】
夏葉「果穂は私が守る」 【防御力50】
夏葉「私が守護らなければ……」 【防御力55】
夏葉「控えなさい!」【防御力60】
【盾の防御力をコンマで削り切れ!】
↓1〜5
835 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/17(木) 22:49:09.64 ID:cV9ugKFp0
あ
836 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/17(木) 22:49:32.09 ID:NgVTPzJe0
あ
837 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/17(木) 22:49:56.62 ID:62+2afsJ0
うおー
838 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/17(木) 22:50:06.00 ID:cV9ugKFp0
あ
839 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/17(木) 22:50:07.02 ID:xqR92Qau0
あ
840 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/17(木) 22:50:36.98 ID:IZqyH9nl0
てやーん
841 :
00は100換算です
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 22:53:57.19 ID:ztf/P3ZF0
発言力:♡×3→♡×2
(チッ……想いの力は強い、ってか……!?)
(あと少し、崩しきるぞ……!)
-------------------------------------------------
【パニックトークアクション開始!】
夏葉「詭弁が過ぎるわよ」【BREAK!】
夏葉「鍛え方が足りないんじゃないかしら」【残り防御力36】
夏葉「果穂は私が守る」 【BREAK!】
夏葉「私が守護らなければ……」 【BREAK!】
夏葉「控えなさい!」【残り防御力58】
【盾の防御力をコンマで削り切れ!】
↓1〜2
842 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/17(木) 22:55:25.70 ID:IZqyH9nl0
ててやーん
843 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/17(木) 22:56:03.32 ID:cV9ugKFp0
おら
844 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 22:58:09.53 ID:ztf/P3ZF0
発言力:♡×2→♡×1
(こいつ……まだ粘るか……!)
(いいぜ、どこまでも付き合ってやるよ……それが真実への最短経路だ……!)
-------------------------------------------------
【パニックトークアクション開始!】
夏葉「詭弁が過ぎるわよ」【BREAK!】
夏葉「鍛え方が足りないんじゃないかしら」【BREAK!】
夏葉「果穂は私が守る」 【BREAK!】
夏葉「私が守護らなければ……」 【BREAK!】
夏葉「控えなさい!」【残り防御力26】
【盾の防御力をコンマで削り切れ!】
↓1
845 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/17(木) 22:59:11.80 ID:cV9ugKFp0
あ
846 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:00:07.19 ID:ztf/P3ZF0
-------------------------------------------------
【ALL BREAK!】
ルカ「証拠が欲しいならくれてやる!」
【夏葉「証拠もナシに告発するなんて許せないわ!」】
ひらの/傷/手の/切り
【正しい順番に並び替えて、コンマ値60以上でとどめをさせ!】
↓1
847 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/17(木) 23:01:05.27 ID:62+2afsJ0
手のひらの切り傷
848 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/17(木) 23:01:14.08 ID:1q1VQQRY0
手のひらの切り傷
849 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:03:53.80 ID:ztf/P3ZF0
【コンマ判定27】
【発言力がゼロになりました】
【クリア後報酬が半減しました】
【コンテニューを行うため発言力が最大まで回復します】
夏葉「そんな太刀筋で私を切れると思っているなら筋違いね」
夏葉「もっと全力でぶつかって来なさい、ルカ!」
【夏葉「証拠もナシに告発するなんて許せないわ!」】
ひらの/傷/手の/切り
【正しい順番に並び替えて、コンマ値60以上でとどめをさせ!】
↓1
850 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/17(木) 23:04:28.81 ID:cV9ugKFp0
手のひらの切り傷
851 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:05:49.09 ID:ztf/P3ZF0
ルカ「これで終わりだ!」
【BREAK!】
ルカ「これまでの推理をたどると……犯人は事前に病室の窓を割っていたことになる。音をたてないように、事前にガムテープを窓一面に張り付けてからな」
ルカ「だけどよ、そんな状態で窓を割ると当然そのガムテープに破片が付着しちまうわな」
美琴「うん……でも、それは犯人の狙い通り……ガムテープにくっつかないと音が鳴っちゃうから」
ルカ「でも、そんな状態の破片が現場に残っていたらどうだ?」
恋鐘「ん〜? ルカは今この瞬間に事件が起きたと思って現場に駆け付けたとやろ〜? そいで窓の方に寄って、犯人の逃げた先ば見よって……」
恋鐘「そこにガムテープについたガラスの破片が落ちとる……」
冬優子「……相当に怪しむわね。窓を割って逃走するような犯人が、わざわざガムテープを張り付けた意味をその場で考えるはずよ」
ルカ「そうなんだ、連続殺人がその場で起こったと思わせるにはガムテープについた破片なんてのはノイズ以外の何物でもない」
ルカ「それこそ音が鳴らないようにガムテープを貼るという手段を知っていた場合には最悪だ。今の何かが割れた音は、もしかして窓じゃないんじゃないかというところまで行きつかれる可能性がある」
透「その瞬間に計画がおじゃんになるかもだ」
雛菜「でも、現場のガラスの破片って……ガムテープにくっついてなかったよね〜?」
夏葉「……まさか」
ルカ「ああ、犯人が剥がしたんだろうな。一つ一つ、丁寧に」
果穂「……は、はがした」
852 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:06:49.28 ID:ztf/P3ZF0
ルカ「まあ全部が全部剥がさずとも、回収して処分するって言う方法もある。ただ、『病室の中から外へ逃げた犯人』を演出するには病室の外に散らばった破片は不可欠、それなりの数はばらまく必要があった」
ルカ「だけど、ガムテープにくっついたガラスの破片を剥がすなんてそう簡単なことじゃない。力の入れ方もそうだが……何より、ガラスの破片は鋭利なものだからな」
あさひ「下手に剥がそうとしたら、手が切れちゃうっす」
ルカ「ああ、軍手なんかをつけたのかもしれねえが、それでも傷を防ぐことは難しいと思うぜ。なんせあの数だからな」
ルカ「なあ、小学生……お前、その手のひらを見せちゃくれねえか」
果穂「……あ、あたしの……手のひら……」
夏葉「ダメよ果穂、そんなものに応じる必要はないわ!」
ルカ「何を焦ってんだよ、簡単な話じゃねえか。今ここで手のひらを開いて、小学生の若さゆえのぴちぴちの皺ひとつない手のひらを見せれば全部解決する話だ」
果穂「あ、あた……あたし……は……」
智代子「果穂……ダメ……ダメだよ……そんな……そんな……!」
ルカ「開けてみろよ! 今ここで!」
ルカ「それでてめェが無実かどうか、はっきりするってんだ!」
853 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:07:43.37 ID:ztf/P3ZF0
果穂「……」
果穂「…………」
果穂「……………………」
果穂「………………………………フフッ」
(……あ?)
果穂?「フフッ、フハッ、ハーーーーーーーーーーッハッハッハッ! さすが、さすがだな、ジャスティス戦士たち!」
果穂?「よもやここまで私を追いつめるとは思わなかったぞ! 流石はジャスティスの名をかんする者だな!」
ルカ「……は?」
854 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:09:45.09 ID:ztf/P3ZF0
果穂?「クククッ、ジャスティスの名を冠する者はこうでなくてはな! それでこそ私もたたかいがいがあるというものだ!」
夏葉「か、果穂……? どうしたの、落ち着きなさい……?」
果穂?「ジャスティスグリーン、キミはよくやってくれた……我が裏・ジャスティス計画に大いにこうけんしてくれたよ」
ルカ「と、突然何を言い出したんだ……? こ、こいつ頭おかしくなっちまったのか……?」
果穂?「それはごあいさつだな、私は魔界暗黒大王様が配下の一柱……【ジャスティスブラック】だぞ」
モノクマ「出たァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜! ジャスティスブラックがついに登場だ〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
モノミ「な、何が起きてるんでちゅか……?! 小宮さんに、あんた、何をしたんでちゅか!?」
果穂?「かつて私はキミたちととともにジャスティスの名のもとに正義を追い求めた……だが、いく多のたたかいの中でせつなのきょう気に身をひたすよろこびを知った」
果穂?「キミたちジャスティスファイブのライバルが、私……ジャスティスブラックではないか!」
突然饒舌にまくしたて始めた小宮果穂のその様子は、私がこの島で見てきた姿とは180度逆と言ってもいいものだった。
活発な笑顔、溌溂とした様子はそのまま裏返り、どす黒い何かが滲み出るような光を失った瞳、
そして彼女のエネルギッシュなパワーはそのままその暗黒面に堕ちたようで、口から発する言葉一つ一つに妙な重みを帯びていた。
聞いているだけで、私たちの心に闇を落としていくような、そんな不気味な迫力だ。
動揺するばかりの私たちを気に留めることもなく、小宮果穂は続けた。
855 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:10:40.81 ID:ztf/P3ZF0
果穂?「ククッ、今回は私の勝ちのようだな。ジャスティスピンクにジャスティススカイブルーは私の手でほうむってやった!」
果穂?「残るジャスティス戦士は9人か……クククッ、魔王様がこの世をすべるまで、あと少しといったところか!」
ルカ「ま、待てよ……今のって、【自白】か……?」
夏葉「そ、そんな……嘘よ、嘘よね、果穂!?」
智代子「二人を葬っただなんて……違う、違うんだよね?!」
果穂?「私もかつてはジャスティスの名をかんしたもの……だが、今この身に流れるのは魔王様へのちゅう義心のみ。魔王軍とジャスティス戦士が相対した時、何が起きるかはわかりきっているだろう」
つらつらと荒唐無稽な自白を彼女はつづけた。
そこに並べたてられている動機のようなものは、まるで小児向けアニメのシナリオのようでまるで現実味がない。
そんなフィクションに塗れた動機を堂々と語るその姿が、異様なものに映った。
それもそのはず。こいつは、本気でそれを主張している。
自分の口から出てくるその言葉に何の疑問も持っていない。
この現実と地続きのものとして、実効力のあるものとして信じ切っているのである。
856 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:11:38.02 ID:ztf/P3ZF0
果穂?「二人はなかなか手ごわかった……だが、この魔王軍のさんぼうとしての頭のうをフルか働させればすきを突くことなどぞう作もない!」
果穂?「ジャスティスピンクには味方だとしんじこませて窓から部屋にあがりこみ、後ろを向いているうちにジャスティン・ダーク・ソードでげきは!」
果穂?「ジャスティススカイブルーは部屋をたずね、出てきたところを連れ出して……薬をのませてやった」
果穂?「そしてねむっているうちにジャスティン・ダーク・フォールでノックアウト」
果穂?「全部キミのすい理通りだよ、ジャスティスディープブラック」
ルカ「それ、私の事か……?」
モノミ「あ、あわわ……小宮さんにいったい何が……あれじゃ、ヒーローごっこの悪役みたいでちゅ……」
(……あ?)
(ヒーローごっこの……悪役……?)
果穂?「ハーーッハッハッハッ! ゆかいゆかい、たたかいは楽しいなあ、ジャスティス戦士よ!」
智代子「か、果穂はどうしちゃったの……果穂が何言ってるのか、全然わかんないよ……」
雛菜「まるで別人ですね〜……?」
(……間違いない、小宮果穂……こいつは……)
857 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:12:26.64 ID:ztf/P3ZF0
ルカ「絶望病に、感染してやがる……」
858 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:14:23.99 ID:ztf/P3ZF0
◆◇◆◇◆◇◆◇
____それは突然の事だった。
夜の定期通信も終えて、あさひの相手もし終えて、やっと迎えた落ち着ける時間。
シャワーを浴びて美容ケアをして、やっとの思いでベッドに辿り着く。
コテージのベッドより少しだけ固めのマットレスは、よく体が弾んだ。
一体どうしたことだろうか。
知らず知らずのうちに変な島に送り込まれただけでなく、そこから仲間内でのコロシアイを要求され、果てには未知の病の感染拡大と来た。
流石のふゆでもメンタルに来るものがある。
「……はぁぁぁぁぁ」
色んなものをため込んで重たくなった肺の空気をゆっくりと吐き出して、それからようやく寝床に着く。
明日になったらまた定期通信を行って、あさひの面倒を見て、食事を用意して……その繰り返し。
繰り返しで終わればいいが、それこそふゆたちだって病魔に侵されないとは限らない。
先が見えないどころか、先に待つ闇がこちらへこちらへと手を伸ばしてきているような、そんな薄気味悪い感覚を覚えながら、必死に瞼を下ろした。
この島に来てからというものの、まともに朝まで寝れた覚えがない。
寝ていてもその途中でふと目を覚まし、閉塞感のようなものを感じて身を捩る。
モーテルに来てからも、それは同じだった。
でも、今晩ふゆの目を覚まさせたのはもっと別の物だった。
859 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:15:33.21 ID:ztf/P3ZF0
ガチャ! ガチャガチャガチャ! ガチャ……ガチャガチャガチャ!
「……は? 何?」
深夜に部屋に響く荒々しい音。その音の鳴る方を見ると、部屋の入口。
そのドアノブが何者かによって何度も何度も動かされているのが目に入った。
来客だろうか、いやそんなはずはない。
普通の客ならインターホンを鳴らすはずだし、そもそも今はこんな深夜の時間帯。
まともな神経をしていれば訪問なんてしてこない。
「……ひっ」
思わずその場にへたり込んだ。
この部屋のドアにはのぞき窓もない。
何者かの突然の訪問に慄いてその顛末を見届ける以外のことは出来るはずもなかった。
860 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:16:57.26 ID:ztf/P3ZF0
数十秒ほどドアの向こうの主はドアが開けないか試したかと思うと、ドアノブを捻る手はぱたりと止まった。
もうあきらめていったのだろうか、そう思っても心臓がずっとバクバクとうるさい。
この島に来て、ふゆたちに課せられた命題がずっと頭に浮かんでいた。
『誰かを殺してこの島を出ろ』
もしかして、ふゆを標的にした誰かが……?
そんな不吉な考えがずっと拭えず、数十分間体勢を崩すことも忘れて浅い呼吸をしていた。
しばらくして、ある程度冷静になった時に気づいた。
もしかして、犯人はふゆを狙い撃ちにしたのではなく、モーテルに住んでいる人間を無差別に狙っているのではないか。
ふゆの部屋はしっかりと戸締りをしていたからすぐに諦めたけど、他の部屋はどうかわからない。
特にあさひなんかは、そこらへんもルーズそうだ。
ふゆは慌てて立ち上がり、ドアノブを握った。
……でも、すぐには動けなかった。
もし、犯人がドアの前でふゆのことを待っていたら?
そんな不意打ちに会えばひとたまりもない。
でも、こうしている間にも他の部屋で誰かが襲われていたら?
モーテルにはまだ高校生にもならない幼い子が二人もいる、彼女たちはふゆなんかよりよっぽど危険な立場だ。
でも……でも……
そんな逡巡をどれだけしたのかはわからないが、『すぐに』扉を開けることはできず、いくらかの時間を要した。
861 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:18:20.75 ID:ztf/P3ZF0
扉を開けてみても、人気はない。薄明りに照らされる闇をじっくり目を凝らしてみても、何も動く者はない。
ひとまず、この場は大丈夫のようだ。
まずインターホンを鳴らしたのはあさひの部屋。
こいつのことだから、そう簡単にくたばりはしないだろうけど、一応不安は不安だ。
しかし、しばらく待ってみても応答がない。
寝ているのだろうか? いや、それにしてもまるで気配を感じない。
主を失った部屋の特有の冷たさがドアの下からふゆの足首を掴んだ。
「……結華、果穂ちゃん!」
慌てて後の二つの部屋のインターホンも鳴らした。
違う、そんなの、絶対に違う。
ふゆの脳裏をよぎった考えを否定してくれる人を求めて、とにかく必死だった。
深夜の突然の訪問に腹を立てるぐらいでいい、ふゆに安心できる日常をよこしてほしい。
ボタンを押す指は震えてすらいた。
ガチャ…
顔を上げると、モーテルの扉の一つが開いていた。
ふゆがインターホンを鳴らした部屋の一つ……それは果穂ちゃんの部屋だった。
862 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:19:54.00 ID:ztf/P3ZF0
「ふ、ふゆさん……ですか……?」
「か、果穂ちゃん!」
飛びつくようにしてふゆは果穂ちゃんの部屋に押し入った。
「だ、大丈夫!? なにもされてない!?」
肩を掴んでガクガクと揺さぶる。
ふゆと同じ背丈のその体は、小刻みに震えていた。
ふゆの視界の中で、そのくりんとした瞳が潤んでいく。
彼女もまた、恐怖に打ち震えていたのだ。
「ふゆさん……ふゆさん……さっき、あたしの部屋を……誰かが!」
果穂ちゃんの話はふゆの体験とそっくりそのまま同じだった。
ベッドで眠っていたところ、突然部屋にドアノブを捻る音が響き、それが数十秒続いた。
何もかが自分の命を狙っていると思い、そこから動けなかったという。
「こわかったよね……果穂ちゃん」
「ふゆさん……あれは、なんだったんですか……?」
「ふゆにもわからない……でも、果穂ちゃんが無事でよかった」
しかし、やはりふゆの不吉な考えは当たっていたようだ。
犯人はふゆだけでなく、モーテルの人間を一通り訪問している。
そうなると、あさひと結華の下でも同じことがきっと起きているはずだ。
863 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:20:46.43 ID:ztf/P3ZF0
「あさひさんと結華さんは……だいじょうぶなんですか?」
「……わからない。さっきもインターホンを鳴らしたけどまるで応答がないの」
「そ、そんな……!」
こんな深夜に行方をくらますなんてただ事ではない。
もしかして、犯人に部屋から連れ出されているのかもしれない。
だとすれば、事が起きる前にどうにか二人を見つけ出さないと……そう考えに至るまで時間はかからず、ふゆはすぐに立ち上がった。
果穂ちゃんという存在を前にして、年上ゆえの自負が蘇ったのかもしれない。
さっきまで不安と恐怖で震えていた手は、怒りと焦燥の震えに変わっていた。
「あ、まってください! ふゆさん!」
「果穂ちゃん……?」
「やみくもにさがしてもダメだと思います……病院の人に、協力してもらいませんか!?」
確かにそれはそうだ。
そもそも、この島にいるのはモーテルと病院に泊まっている人間ですべて。
なら、あの犯人もその中にいる。
ともすれば、病院側の協力を得られれば二人を見つけ出し、救い出すこともできるかもしれない。
ふゆは焦るばかりでそんな単純なこともすっかり忘れてしまっていた。
「わかった、果穂ちゃんも一緒に来てくれる? ここに一人でいたら危ないから」
「は、はいっ! おねがいします!」
ここに一人で置いておくわけにはいかない。
ふゆは果穂ちゃんの震えるその手をとって、ライブハウスに向けて走り出した。
864 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:22:34.31 ID:ztf/P3ZF0
……でも、この時に気づいておけばよかったのかもしれない。
深夜の来訪者に対して、怯えていたその手は……なんだか妙に【熱かった】。
865 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:23:38.53 ID:ztf/P3ZF0
◆◇◆◇◆◇◆◇
モノクマ「月岡さんの【標準語病】、有栖川さんの【ぐうたら病】、和泉さんの【お嬢様病】、市川さんの【ネガティブ病】」
モノクマ「そして」
モノクマ「小宮さんの【悪の怪人病】……これが絶望病パンデミックの全貌だったんだよ!」
ルカ「悪の怪人だぁ……?」
智代子「元々はジャスティスファイブの仲間だった、12人目のジャスティス戦士『ジャスティスブラック』。戦いの途中で悪の組織の思想に感化され、敵となって再登場する」
智代子「果穂はその怪人にきっとなりきってるんだと思う……」
冬優子「ちょ、ちょっと待ちなさいよ……それじゃ、あいつは……自分を悪の怪人だと思い込んで、二人を殺したっていうわけ……?」
冬優子「そんなの、そんなの……どうしろって言うのよ……あいつらの仇は、あんな異常者だって言うの……?!」
『異常者』、そんな言葉をあの小学生を形容するために使う日が来るなんて思いもしなかった。
だが、今のあいつはどこから見ようが理解できない存在だ。
物語の中の存在だと自分自身のことを錯覚し、そのキャラクターの行動原理に従って他人をその手にかける。
あいつはもう、私たちの知る『小宮果穂』なんかじゃない。
866 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:24:44.97 ID:ztf/P3ZF0
夏葉「果穂……あなた、誰よりも輝く、誰よりも強くて優しい……そんなヒーローになるんじゃなかったの……?!」
果穂?「フフッ……私はもうジャスティスの道には戻らない……この命、この身はすべて悪にささげるのだ!」
ルカ「……もういい」
ルカ「てめェが犯人だってのはもうイヤになるほど、全員が理解した。お前に投票して、全部おしまいだ」
果穂?「……おしまい?」
果穂?「何を言っているんだ、ジャスティスディープブラック」
果穂?「さてはキミはヒーローアニメを見てこなかったんだな? どんなヒーローアニメでも守られるおやくそくをしらないのかな?」
ルカ「お約束、だと……?」
果穂?「てきが第二形たいになってから、たたかいは本番なのだーーーーーっ!!」
【果穂?「負けないぞ、ジャスティスファイブ!」】反論!
867 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:26:31.89 ID:ztf/P3ZF0
ルカ「なっ……てめェ、なんのつもりだよ!?」
果穂?「ハーーーーーーーーーーッハッハッハッ! 言った通りだよ、たたかいはここからが本番だ。キミにも付き合ってもらうぞ!」
ルカ「バカ言ってんじゃねー……てめェは自白もしてる、証拠もある。これ以上何の議論が必要だってんだ!」
果穂?「まさかキミはあのすい理で本当にあっていると思っているのか?」
ルカ「はぁ……? お前も認めたじゃねーか」
果穂?「笑止、笑止、笑止! キミのすい理ははじめっから大間ちがいなのだ!」
ルカ「んだと……!?」
果穂?「さあ、正義と悪……どちらか強いのか勝負だ!」
(こいつの言ってることは支離滅裂でもう滅茶苦茶だ……)
(こうなったら、なんとかしてねじ伏せて黙らせる……!)
-------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】
発言力:♡×5
集中力:☆×4
コトノハ
‣【果穂の証言】
‣【智代子の証言】
‣【絶望病】
‣【結華のメガネ】
‣【モノクマの映画】
果穂?「なかなかやるじゃないか、ジャスティスファイブ!」
果穂?「まさか私に変身をさせるまで追いつめるとはな……」
果穂?「だが甘い! 悪はこんなことではほろばない!」
果穂?「ピンチの時ほどヒーローはつよくなる……」
果穂?「かつて私に流れていたジャスティスの波動が私をこの局面でさらにつよくする!」
果穂?「さあ、キミたちに倒せるかな?!」
◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】
ルカ「さっきから何を言ってやがる……」
ルカ「お前が二人を殺した犯人なんだろ……!?」
◆◇◆◇◆◇◆◇
果穂?「ざんねんだが、私に二人はころせない」
果穂?「ドローンのそんざいを確かに私は知っていた」
果穂?「だけど、そのドローンをどうやって使うというんだ?」
果穂?「ドローンはジャスティスグリーンが回しゅうしていたはずだ」
果穂?「彼女の部屋にドローンがあるかぎり、【私につかうことはできない】!」
果穂?「ハーーーーーーーーーーッハッハッハッ!」
【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ50以上で論破しろ!】
1.発言する(コトノハと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトノハの数が減る)
3.アイテムを使う
【プロデュース手帳】×1
↓1
868 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/17(木) 23:29:01.52 ID:IZqyH9nl0
【私につかうことはできない】→【絶望病】
869 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:31:00.73 ID:ztf/P3ZF0
ルカ「その矛盾、斬らせてもらう!」論破!
【BREAK!】
ルカ「ドローンを回収したのは小金持ち。確かにドローンはアイツの部屋に収納されているはずだ」
ルカ「だけど、てめェがそれを使うのには、なんの支障もなかったと思うぞ」
果穂?「クックックッ、なかなか言うじゃないか」
果穂?「じゃあ聞こうか、いったいわたしがどうやって彼女の部屋のドローンを使うというんだい?」
ルカ「どうするもこうするもねえ、ただ部屋から盗み出せばいいだけの話だ」
雛菜「え〜〜〜〜!? 盗み出すって、そんなにコテージのセキュリティってザルなの〜〜〜〜〜!?」
モノクマ「もう、失礼しちゃうな! コテージの扉の鍵はそれぞれに配った鍵とボク以外では開け閉めできない仕様だよ! ピッキング防止加工までしてるんだから、盗みに入るなんて不可能だよ!」
あさひ「じゃあ鍵さえあれば、部屋に入れるんっすね!」
夏葉「……鍵、ですって」
夏葉「……」
夏葉「……な、ないわ……私の部屋の鍵が、どこにもないわ!」
870 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:32:11.44 ID:ztf/P3ZF0
ルカ「こいつをはじめとした入院患者は入院中ずっと病人用の服を着ていた。今この場で来ている服とは別だな」
ルカ「つまりその段階で持っていた所持品は、本人とは離れた場所での管理になる。確か病室の入り口あたりの籠に入れてたんだっけか?」
冬優子「確かに……監視の目も緩んだ位置にあったかもしれない」
ルカ「別にそこから抜き出さなくとも……もっと早い段階なら怪しまれる心配もなく抜き取ることができただろうけどな、多分こっちのタイミングで抜き取ったんだろ」
智代子「もしかしてそれって、夏葉ちゃんたちが病院に搬送されるタイミング……?!」
ルカ「こいつがその時にもう絶望病にかかっていたんだとしたら、あのすべての始まりの朝……レストランで盗みを働いていた可能性は高いな」
夏葉「果穂……あなた……」
果穂?「クククッ……やるじゃないかジャスティスディープブラック」
果穂?「ジャスティスグリーンの部屋の鍵はこれだよ」
夏葉「……そ、そん……な……」
果穂?「あのときはジャスティスファイブもみんなあせっていたようだからね、すきをつくことはかん単だったよ」
871 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:33:17.73 ID:ztf/P3ZF0
智代子「か、果穂……あの時、すごく真剣に夏葉ちゃんを介抱してたよね……? その時から……ずっと、こんなことを考えてたの……?」
果穂?「……」
果穂?「ククククッ、どうだ、私のさくりゃくも見事なものだろう!」
美琴「……この子、悪びれる様子もないね」
冬優子「マジでどうなってんのよ……!」
ルカ「まあいい、これでますますお前への疑いは揺るがぬものとなった……もうこれ以上文句はないな?」
果穂?「文句……だと?」
果穂?「ハーーーーーーーーーーッハッハッハッ! 文句はないが……勝利せん言ならさせてもらおうか!」
ルカ「こ、この期に及んで諦めねえのか……?」
智代子「もう……やめてよ……誰の目に見ても、果穂が犯人なのは明らかなんだよ……?」
智代子「これ以上、もう……滅茶苦茶なことしないでよ……!」
果穂?「そんなことで私に勝てると思うなよ、ジャスティスファイブ!」
果穂?「光ある所にかならず影がある! キミたちがいるかぎり、悪は栄えつづけるのだーーーーーーーっ!!!」
【果穂?「受けてみろ! ジャスティン・ダーク・ソード!」】反論!
872 :
これが最後の安価です
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:35:12.00 ID:ztf/P3ZF0
果穂?「たのしい……たのしいな、ジャスティスファイブ!」
果穂?「ひさしぶりだ……こんなに全力でたたかったのは!」
ルカ「お前……マジでいい加減にしろよ、どこまで往生際が悪いんだよ」
果穂?「ハハハハッ! おうじょうぎわが悪いのもこれまた悪の美学!」
果穂?「最後の最後まで、私は戦い抜く! 覚ごしろ!」
(……付き合いきれねえな)
(……終わらせてやる、ここで……この裁判のすべてを!)
-------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】
発言力:♡×5
集中力:☆×4.5
コトノハ
‣【モノクマファイル3】
‣【冬優子の証言】
‣【ガムテープ】
‣【窓ガラスの破片】
‣【青い繊維】
果穂?「私はまだあきらめないさ……この命、この身のすべては悪のはんえいのため!」
果穂?「ジャスティスファイブは宿てき、ここで私がたおさなくてはならない」
果穂?「クククッ、戦いのよろこびできずがうずくな……」
果穂?「目を見開いてみるがいい……これこそが私の手にきざまれた、たたかいの古きずだ!」
果穂?「このきずのうずきを、戦いのゆえつで満たしてくれよ……ジャスティスファイブ!」
◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】
ルカ「お前……その手のひらの切り傷……!?」
ルカ「どう考えても……窓ガラスの破片をガムテープから引っぺがすときのやつだろ……!?」
ルカ「お前……何がしたいんだよ……!」
◆◇◆◇◆◇◆◇
果穂?「クククッ、何をかんちがいしているのか知らないが……」
果穂?「このきずは事件とは無関係だ」
果穂?「事件が起きる【ずっとずっと前からあったきず】でね」
果穂?「たまたま手のひらにできていただけの切りきずなんだよ」
果穂?「これだけでクロだなんて、みとめられない!」
果穂?「私の勝ちだ、ジャスティスファイブ!」
【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ60以上で論破しろ!】
1.発言する(コトノハと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトノハの数が減る)
3.アイテムを使う
【プロデュース手帳】×1
↓1
873 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/17(木) 23:36:23.29 ID:cV9ugKFp0
ずっとずっと前からあったきず→冬優子の証言
874 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:38:43.37 ID:ztf/P3ZF0
【コンマ判定 29】
発言力:♡×5→♡×4
果穂?「ハハハハッ! そうだ、その調子だ!」
果穂?「もっと私を楽しませてくれよ! 地ごくの底まで、たたかいつづけようじゃないか!」
(クソッ……切れ味が足りねえか……!)
(一息に終わらせてやる……!)
-------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】
発言力:♡×4
集中力:☆×4.5
コトノハ
‣【モノクマファイル3】
‣【冬優子の証言】
‣【ガムテープ】
‣【窓ガラスの破片】
‣【青い繊維】
果穂?「私はまだあきらめないさ……この命、この身のすべては悪のはんえいのため!」
果穂?「ジャスティスファイブは宿てき、ここで私がたおさなくてはならない」
果穂?「クククッ、戦いのよろこびできずがうずくな……」
果穂?「目を見開いてみるがいい……これこそが私の手にきざまれた、たたかいの古きずだ!」
果穂?「このきずのうずきを、戦いのゆえつで満たしてくれよ……ジャスティスファイブ!」
◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】
ルカ「お前……その手のひらの切り傷……!?」
ルカ「どう考えても……窓ガラスの破片をガムテープから引っぺがすときのやつだろ……!?」
ルカ「お前……何がしたいんだよ……!」
◆◇◆◇◆◇◆◇
果穂?「クククッ、何をかんちがいしているのか知らないが……」
果穂?「このきずは事件とは無関係だ」
果穂?「事件が起きる【ずっとずっと前からあったきず】でね」
果穂?「たまたま手のひらにできていただけの切りきずなんだよ」
果穂?「これだけでクロだなんて、みとめられない!」
果穂?「私の勝ちだ、ジャスティスファイブ!」
【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ60以上で論破しろ!】
1.発言する(コトノハと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトノハの数が減る)
3.アイテムを使う
【プロデュース手帳】×1
↓1
875 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/17(木) 23:39:54.07 ID:IZqyH9nl0
3
876 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/17(木) 23:40:39.20 ID:cV9ugKFp0
ずっとずっと前からあったきず→冬優子の証言
877 :
お疲れさまでした!
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:42:43.46 ID:ztf/P3ZF0
【プロデュース手帳を使用しました】
【彼がアイドルたちと紡いできた日々が蘇る……】
【過去の記憶は裏切らない、確かな思い出の数々が行くべき道を指し示してくれた……!】
-------------------------------------------------
ルカ「いい加減終わりにするぞ!」論破!
【BREAK!】
ルカ「もう……諦めてくれ、もう戦いにもなっちゃいねえんだ……」
ルカ「お前のその手のひらの傷が事件よりももっと前からついていた、そんな主張は通らねえんだよ……」
果穂?「……なんだって?」
ルカ「お前は昨夜の定期通信の方にはいなかったから、私たちがこのことを知ってるとは思わなかったか? モーテル組は昨日、昼間は海に行って水遊びをしたらしいじゃねーか」
冬優子「……! そうね、あさひにせがまれて……結華と果穂ちゃんも一緒に行ったわ」
ルカ「そんな大層な切り傷を拵えて海になんか行ったらどうなるか、ガキの頭でも理解できんだろ」
恋鐘「傷口に文字通り塩を塗り込むようなもんばい……想像を絶する痛みを味わうことになるとよ!」
美琴「我慢したところで周りの人が気付きそうだもんね、そんな傷」
ルカ「お前がその水遊びを平気な顔してやりきったという事実。そして今お前の手のひらにそんな切り傷があるという証拠。組み合わせて考えれば結論はただ一つ」
ルカ「お前が事件の偽装工作で作った切り傷しかあり得ねえんだよ!」
878 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:43:32.46 ID:ztf/P3ZF0
もはや矛盾ともいえないレベルの話だ。
この場にいる誰もが分かり切っているようなことを、わざわざ嘘をついてまで誤魔化そうとする。
もはや戦局は誰の目に見ても明らかなはずだ。
……それでも、こいつは譲ろうとはしない。
果穂?「今のは、今のは効いたぞ……ジャスティスディープブラック!」
ルカ「いい加減諦めろ……もはやお前の主張は成立しちゃいない……結果はもう見えてるだろ……!」
果穂?「言ったはずだよ……光りある所に必ず影あり、キミたちがジャスティスをさけび続ける限り、私もその前に立ちふさがりつづけるのだ!」
美琴「……ルカ」
ルカ「……ああ、分かってる。こいつはもう、ここまで来たら戻れなくなっちまってる。もう自分でもどうしようもないんだろ」
ルカ「だったら、無理やりにでも終わらせてやるさ。事件の全部を今ここでこいつにぶつけて……黙らせてやる」
ルカ「覚悟しな、悪の怪人……カミサマがお前に裁きをくらわしてやるよ」
879 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:45:20.46 ID:ztf/P3ZF0
-------------------------------------------------
【クライマックス推理開始!】
【act.1】
ルカ「この事件はモノクマの仕掛けた動機、絶望病が全ての元凶だ。この病気は極度の高熱を起こし、それと同時に感染者の性格を魔反対に裏返したような言動を引き起こさせるという特徴がある。感染したのは長崎女、小金持ち、被害者の和泉愛依、能天気女……そして今回の犯人だ。口を開けば方言だった長崎女は標準語しか話さなくなり、ストイックだった小金持ちは怠惰な振る舞いになった。ギャルの裏返しがそうなのかは知らねえが……被害者の和泉愛依はお嬢様みたいになっちまった。能天気女はなんかネガティブ通り越して陰鬱だったな。だが、性格の転換で一番デカかったのが、今回の犯人だ。常日頃ヒーローに憧れていたあいつがなっちまったのはその真逆、悪の怪人だったんだよ」
ルカ「しかもその発症タイミングは全員同時。ただ、私たちは今回の犯人の症状には気づかなかった。というのもあいつ自身が潜伏する方法をとったからだ。さっきから口にしてるキャラクター像からしても、そういう役回りの怪人なんだろうな。私はまるで知らねえが……随分と厄介なことをしてくれたものだ。他の連中と一緒に介抱しているような素振りを見せつつ、あいつは小金持ちからコテージの鍵を抜き取っていた」
ルカ「というのもこれはコテージに回収していたドローンを利用するため。ドローンの存在は中学生に悪用されるのを避けるために情報を伏せた上、小金持ちが回収していたんだ。その秘匿性も相まって私たちの誤解を導いたんだな」
ルカ「モノクマから絶望病が感染症であることを聞いた私たちは隔離を行うことを決意。第3の島は病院とモーテルがあってどっちも宿泊可能らしいからな。泊まり込みで看病することになったんだ。でもこのチーム分けがまずかった。私たちの中で最も年齢の低い犯人に自由に行動させるチャンスを与えちまったんだ」
880 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:46:19.67 ID:ztf/P3ZF0
【act.2】
ルカ「事件が起きたのは騒動が始まって3日目の深夜のこと。入院した連中が眠るのを見届けて、私たちもほとんどが眠っていた時のことだった。おそらく、犯人は日中にある程度仕込みは済ませておいたんだろうな。中学生がよくわからない看板とやらに騙されて深夜に部屋を留守にしていたり、三峰結華が来訪をそのまま受け入れ駐車場まで素直にでていったり、そういう工作ができたのも今回の犯人だからこそだろうな」
ルカ「まず三峰結華を適当な理由で連れ出し、病院前の駐車場まで行って意識を奪う。ドラッグストアの昏睡薬でも使えばそう難しい話じゃないはずだ。意識を失った体をライブハウスから持ってきたブルーシートに横たえた犯人は、その四隅のわっかをドローンのフックにかける。ドローン一台だととても人の身体なんて持ち上げられやしないが、四台も使えば話は別。重さは分散してゆっくりとでも浮上する」
ルカ「だが、犯人の誤算はこの時のドローンを甘党女に目撃されてしまったこと。まさかこんな深夜に起きている奴なんていないと思ってたんだろうな。起きていたとしてもそいつは看病中、病室の方にいたんじゃその明かりにも気づかないっていうのもある」
ルカ「そして、ある程度の高さまで行ったらビニールシートから滑り落とすようにして、頭から落下させる。この落ち方にしたのにも理由がある。それは、この連続殺人をモノクマの映画を利用した見立て殺人に演出するためだ。見立て殺人にすることによって、殺害の順序・起きたタイミングを勝手に目撃者が誤解することを図るトリックだったんだよ」
ルカ「頭から落下した三峰結華は顔の正面から強く打ち付けてそのまま死亡。全身のあちこちもその衝撃で打撲痕のような跡が残った。ちなみに、犯人はこの落下の時にはメガネは外していたみたいだな。落下の途中で外れたり、部屋にレンズの破片が飛び散ることを嫌ったんだろうな」
881 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:47:17.07 ID:ztf/P3ZF0
【act.3】
ルカ「次のターゲットを狙うために、玄関からは入らず、病室に回り込んで被害者の和泉愛依の部屋を訪れた。絶望病の患者は冷静な判断能力を失っていた、訪問があればすんなり受け入れたと思うぜ。そうじゃなくとも犯人は可愛い可愛い最年少なんだからな」
ルカ「部屋に上がり込んだ犯人は隙を見て和泉愛依の首元を裂いて殺害。恐ろしい連続殺人がここに始まった。犯人は殺害を時間をかけて別々に行ったわけだが、それをリアルタイムで起きたように他の人間に思わせるという方法をとった。その瞬間のアリバイがあれば容疑者から簡単に外れることができるからな」
ルカ「そのための偽装工作、最初の一手はガラス窓だ。ガムテープを一面に貼り付けた上で窓を割った。ガムテープにくっついていた窓からは破片が散らばることもなく音も立たない。現に病院にいたはずの私たちは誰も気付かなかったわけだしな」
ルカ「だが、破片が飛び散らないのはメリットでもありデメリットだ。ガムテープにくっついた破片なんてのは不自然極まりない、他のやつがその意図に気づいたらトリックの全てもおじゃんだ。だから犯人は一つ一つ、丁寧にテープから外していった。『今この瞬間に部屋の内側から外側へ窓を割って逃げだした』犯人像を崩すわけにはいかないからな。でも、ガラスの破片を全部外すなんて真似、いくら慎重にやったって必ずどこかで手を切っちまう。実際、今回の犯人の手のひらにもその傷跡はしっかり残っていた。まさに捨て身の作戦だったみたいだな」
ルカ「続いて、音のトリックの仕掛けを作る。花瓶が時間差で落下してアリバイを確保するためだな。犯人が使ったのは病室にあった冷凍庫、その氷嚢だ。花瓶の壁に沿わせるように氷嚢を内部に敷き詰めて、あとは机の端でバランスを安定させる。時間が経てば中の氷が溶けて液体になり、バランスを崩して落下する寸法だ。まあ小学校の理科の知識でできちまうトリックだ、あいつが犯人でも問題なかったろうぜ」
ルカ「そこまで仕込みが終われば準備はOK。割っておいた窓から逃げ出して、何食わぬ顔してモーテルへと戻っていった」
882 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:47:58.11 ID:ztf/P3ZF0
【act.4】
ルカ「犯人が最後に行うのはアリバイの確保。要は自分のアリバイを証明する証人を立てる作業だな。ここでも犯人は偽りの犯人像を作り出した。それは、『モーテルを片っ端から訪問して襲撃をかけている』犯人だ」
ルカ「モーテルには冬優子しかいないことが犯人にはわかっていた。だから、冬優子の部屋のドアノブだけを執拗に捻った。当然、こんな深夜にそんな真似をされれば警戒しないはずもない。冬優子に揺さぶりをかけたら準備OK、後は自分の部屋に戻って、さも自分も同じように狙われたかのような発言をすればいい」
ルカ「最年少である犯人はその瞬間守らねばならない弱者という立ち位置に着くことが可能で、実際冬優子も彼女と行動を共にすることになった。まさか自分がアリバイ確保のための小道具扱いされているとも知らずにな」
ルカ「偽りの犯人像に踊らされた冬優子は犯人を引き連れてライブハウスへ。消えてしまった中学生と三峰結華の居場所を探すため協力してほしい、という旨の緊急通信を病院へと送った。たまたまロビーで眠っていた私がそれに気づき、応答。ちょうどそのタイミングだった」
ルカ「犯人が仕掛けていた花瓶のトリックが作動。病院中に花瓶が割れる音が鳴り響き、急いで現場に急行。そこで最初に目につくのが、割れた窓ガラス。そこからは完全に犯人の思い通りさ、私は今この瞬間に和泉愛依を殺して窓を割って脱出した犯人をイメージして……無意味にアリバイを確保している犯人を疑いもしなくなっちまった」
ルカ「……なあ、こんな姑息な真似をお前がしたって言うのかよ……?」
ルカ「小宮果穂……もう、終わりにしようぜ」
【COMPLETE!】
883 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:49:27.32 ID:ztf/P3ZF0
果穂?「……そ、そんな……わ、私……私は……」
必死に擁護していたはずの小金持ちと甘党女も、小学生の変貌ぶりにもはや言葉を失って黙りこくっている。
そして、小学生本人は目の前に突き付けられた『敗北』の二文字を未だ受け入れられず、
口をパクパクと動かしたかと思うと、頭を手で押さえて、苦悶の表情を浮かべた。
果穂?「私は負けない……ジャスティスファイブに負けない……ジャスティスファイブなんかに……ジャスティスファイブなんかに……」
フィクションの世界に自我を落としてしまった彼女は現実というものがもはや分かっていない。
瞳孔を広げ、呼吸を浅くするその様子は尋常ではない。
果穂?「あ、あれ……? なんで、あたし……ジャスティスファイブのことを、わるく言うの……? で、でも……あたしはジャスティスブラックだから……」
そして、それはどんどんエスカレートしていき、いよいよ彼女は言葉を失った。
884 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:50:29.36 ID:ztf/P3ZF0
果穂?「え、あ、あ……」
ルカ「お、おい……だ、大丈夫かよ」
果穂?「……あ、ああ、あああ」
夏葉「か、果穂……あなた、ダメ、ダメよ……いかないで……いかないでちょうだい……」
智代子「果穂……? なんで、果穂、答えて……わたしたちの声にこたえてよ、果穂!」
小学生というその器は、あまりにも容量が少なく、そして脆い。
自分の中に混在する現実と非現実とが入り混じり、ぶつかり合い、そしてその体を蝕んだ。
____その果てにあったのは、器の瓦解だった。
885 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:51:44.88 ID:ztf/P3ZF0
ルカ「……こんなの、ありかよ」
もはや小宮果穂の目は虚ろで、何も見ていなかった。
両腕を力なくだらりと下げ、背筋は折れ曲がり、口はだらしなく開けたまま。
もはや、そこに彼女はいなかった。
夏葉「……果穂、よく頑張ったわね……果穂……果穂……」
その抜け殻を小金持ちは抱きしめて、すすり泣く。
涙が頬を伝って小学生の顔に落ちたが、それでもなお反応の一切を示さない。
こんな幕引きがあっていいだろうか。
私たちは、自分たちが生き残るために犠牲となる人間を選ぶ学級裁判に臨んだ。
どんな結論が出ようとも、私たちはそこから逃げ出さず向き合うその覚悟を決めた。
決めていた、はずだった。
蓋を開けてみると、そこにあったのは最もいとおしく、最も希望の象徴に近しい存在の裏切り。そしてそれで事は終わらず、その希望の象徴はもはや絶望に堕ちるでもなく、自壊してしまった。
私たちはきっと、それでもこの票を崩壊したそれに投じて、生き永らえる。
それは分かっている、そうしなくてはならない。
そうでなければ、裁判に挑んだ意味も、ここまでに二人を犠牲にしてきた意味も失われてしまうから。
頭ではそう理解しているのに、このモヤモヤと、その中に沈む真っ黒な何かが頭から離れず、私たちは硬直してしまった。
果穂?「……あ、あ」
私たちがここまで選んできた道は、本当にあっていたのだろうか。
思わずそんなことが頭によぎってしまった。
886 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:52:23.36 ID:ztf/P3ZF0
ルカ「……モノクマ、投票タイムだ」
美琴「ルカ……」
ルカ「……これ以上、続けてたらこっちがおかしくなっちまう」
夏葉「ルカ……あなたね……!」
ルカ「……後でいくらでも殴ってくれたって良い。だけど、この裁判を私たちの手でちゃんと終わらせないと……ここまで紡いできたものが全部パァだ」
ルカ「後悔は、その後にしようぜ」
智代子「……」
モノクマ「え〜、なんだかいつにもましてお葬式ムードなので大変恐縮ではございますが、これもお約束なので」
モノクマ「投票ターイム! オマエラはお手元のスイッチでクロだと思う人物に投票してくださーい!」
モノクマ「議論の結果導き出されたクロは正解なのか、不正解なのかー!」
モノクマ「さあ、どっちなんでしょうかね?」
887 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:53:31.07 ID:ztf/P3ZF0
-------------------------------------------------
【VOTE】
〔果穂〕〔果穂〕〔果穂〕
CONGRATULATIONS!!!!
パッパラー!!!
-------------------------------------------------
888 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:54:06.33 ID:ztf/P3ZF0
【学級裁判 閉廷!】
889 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/17(木) 23:56:55.37 ID:ztf/P3ZF0
長かった三章の学級裁判もこれにておしまいです。
お付き合いいただきありがとうございました!
次回裁判終了パートは近日公開になります。
少しまとまった時間がいつ取れるかわからない日が続くので具体的な日時は言えませんが、数日のうちには書き込みに参ります。
安価は無いので、少しだけお待ちいただければ。
それではお疲れさまでした。
890 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/18(金) 00:00:41.44 ID:cTbRn/SaO
まさに弾劾絶叫って感じだった...
お疲れ様でした!
891 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/18(金) 00:01:23.20 ID:C1iOisx30
>>1
乙
果穂は被害者か生き残るとばかり思ってただけに
クロで退場するのは全く想像してなかったなぁ
892 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/18(金) 00:41:59.89 ID:zncExueK0
ドローンだったりチケットだったり条件がかなり絞られてましたね。原作通り後出しで病人が出るのはわかってたからメタ的にはかなりわかりやすかったですね。ドローンを知ってるキャラから病人組を抜いてさらに映画一回目組を抜く。
893 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/18(金) 01:25:46.91 ID:ScClV/cU0
ジャスティスVモノクマに必殺技喰らって爆死かな…
894 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/19(土) 00:20:07.00 ID:SceNOL8QO
放クラ、圧倒的クロ率…!
オール被害者のアルスト見習って?
895 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/19(土) 20:55:58.48 ID:Eq9zpq7j0
sageてくれ、頼むから
メール欄の隣にチェック押すだけ
896 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:07:51.81 ID:ELRlNcof0
-------------------------------------------------
CHAPTER 03
Hang the IDOL!〜弾劾絶叫チュパカブラ〜
裁判終了
-------------------------------------------------
897 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:10:12.42 ID:ELRlNcof0
モノクマ「なんと、なんと! 3回連続大正解! 和泉さんと三峰さんをぶっ殺した憎むべき連続殺人犯の正体は、みんなに愛されてやまない小宮果穂さんなのでした〜!」
果穂?「あ、ああ……」
これまでのいずれとも違う幕引きに、私たちはたじろいでいた。二人の命をエゴイズムを元に奪い去った、許されざる犯人。
その正体もそうだが、ことが判明してからのこいつの豹変ぶり、そしてその果てに待ち受けていた自我の崩壊。
これら多くの事象が一度に私たちを襲ったことで情報としてそのまま飲み込むことができず、
モノクマの高らかな宣言も何も、その耳には届いては来なかった。
夏葉「……ッ!」
全員がその混迷に俯く中、小金持ちは動き出した。自らの乗っていた証言台を降り、迷うことなく私の席へ。
そしてその勢いのままに、胸ぐらを掴み上げてきた。
夏葉「ルカ! あなたはこれで満足なの?! 真実を解き明かしさえすれば……それで、それで満足だというの?!」
ルカ「……」
その言葉を、否定することはできなかった。
小宮果穂という存在をまるで家族のように感じていたこいつからすれば、この幕引きは悲痛以外の何者でもなかろうが、
私からすれば自分自身の生存のため、真実のため、これ以外の終わりかたはなかった。
そこに満足という言葉を使うのであれば、私はそれを甘んじて受け入れるほかないのである。
898 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:10:59.40 ID:ELRlNcof0
夏葉「あの子はまだ幼くて……必死に頑張っていたのよ!? それなのに、あなたは自分が生き残るという大義名分を振りかざして追い詰めて……」
こいつが激情に流されて、おかしな言葉を口走っていることを咎めることはできた。
こいつが口にしているのは、殺人犯を庇い立てるような言葉。
だが、その心中は理解できた。
犯人として指摘していたはずの私でも思わずその胸を痛めてしまうほど、
自分よりも幼く、儚い存在が壊れてしまった瞬間というのは、直視に耐え難いものがあった。
その理解が、私に言葉を詰まらせた。
夏葉「あの子を……果穂を返してちょうだい!」
しかし、理解とは別に働くものがある。言葉というのは拡散性だ。
正面に吐き出したはずのものでも、空気に立てた波紋は次第に広がりを見せ、周囲の人間にも届く。
小金持ちが口走った言葉の数々は、その周囲の人間にはよほどのものとして映ったらしい。
冬優子「……ざけんじゃないわよ」
小金持ちの肩に、冬優子の右手が乗っていた。
それに気づいて小金持ちが顔を向けた瞬間。
パシンッ
その場に乾いた音が響いた。
899 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:11:54.11 ID:ELRlNcof0
夏葉「……え?」
冬優子「幼さが免罪符になるとでも思ってるの? あんたにとって可愛くてしょうがないガキかもしれないけど……そのガキが、ふゆにとってのかけがえのない存在を奪い去ったことを棚にあげてんじゃないわよ」
夏葉「……ふゆ、こ……」
冬優子「一番困ってんのはふゆなのよ……あれだけ犯人を処刑台に上げてやるって啖呵を切ったのに……終わってみれば小学生のガキで、しかもその自我が崩壊してしまった……?」
冬優子「こんなの、愛依と結華にどう伝えろっていうのよ……!」
ビンタした方も、された方もその額に涙が伝っていた。
ヒリヒリと赤く腫れる頬よりも、反動でじんわりと響く掌よりも、その胸の痛みが涙腺に届いていたようである。
失ったもの、これから失うもの。
到底秤にかけられるものでもなく、並べて評価するようなものでもない。
黒く冷たく澱んだものが競り上がるのを抑止する術もない。
強いて許される発散が、その一滴の雫なのである。
900 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:13:19.69 ID:ELRlNcof0
智代子「……本当に、果穂がやったんだよね」
モノクマ「はい! 公平なジャッジの元に、オマエラは今回の学級裁判も無事正答にたどりつきました!」
モノクマ「お二人の命を奪ったのは小宮果穂さんで間違いないですよ〜!」
美琴「……やるせないね」
モノクマ「う〜ん、なんだかみんなテンション低いなぁ。せっかく生を勝ち取ったのに、せっかくならもっと喜ぼうよ!」
恋鐘「とても喜べる状況なんかじゃなかよ、果穂があげんこつなってもうて……」
モノクマ「月岡さんなんか、お友達の仇を討てるってなってテンションも上がるかと思ったら、紫モードですか、思い出ゲージも溜まりませんか」
果穂?「あ、あ……」
モノクマ「そっか、オマエラはクロだった小宮さんがあんな風に壊れちゃったからお通夜ムードなんだよね」
モノクマ「わかるなぁ、おもちゃが壊れちゃった時とかって1日引きずるよね」
夏葉「あ、あなた今……果穂のことを玩具呼ばわりしたの!?」
智代子「お、抑えて夏葉ちゃん……だ、だめだよ……今歯向かったら……!」
羽交い絞めにして無理やりに激高する小金持ちを抑え込んだ。
愛すべき存在を軽んじられ、踏みにじられていることに相当頭に来ているらしい。
まるで獣かのように荒々しい鼻息がここまで聞こえてくる。
そんな様子を見ていたモノクマは、まるで妙案が思いついたかのように口にした。
901 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:14:18.23 ID:ELRlNcof0
モノクマ「わっかりました! それでは小宮さんを元に戻してみせましょう!」
ルカ「……は?」
それは、事件が起きた時のことを彷彿とさせた。
あれほどまでに全員を苦しめた凶悪な感染症である絶望病を、ほんの数分足らずのうちに完全に回復させてしまった時の事。
モノクマの持つ、超常的な力が想起された。
パチンッ
そして、私たちの予測は相違なかったらしい。モノクマが指をその場で鳴らした瞬間。
バターン!
小学生はその場に糸の切れたマリオネットのように膝から砕け落ちた。
902 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:15:34.81 ID:ELRlNcof0
夏葉「か、果穂……!? 果穂、大丈夫!? 返事を、返事をしてちょうだい!」
慌てて抱きかかえる小金持ち、その腕の中で小宮果穂は……瞼を開けた。
果穂「……なつ、は……さん……? あれ……ここ……は……」
夏葉「か、果穂……あなた、正気に戻ったの……!?」
美琴「こ、これって……」
ルカ「どこまでもモノクマの思うがままってか……!?」
その薄く赤らんだ瞳には、かつての姿と同様に光の粒がきらめいていた。
絶望病に感染して、自分自身を悪の怪人だと思い込んでいた時に失われたハイライトが蘇った……在りし日の小宮果穂の姿が、そこにあった。
903 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:16:04.13 ID:ELRlNcof0
夏葉「果穂、果穂……!」
思わず両手でぎゅっと抱きしめた。
年の割に成熟した身体はその両腕には収まらなかったが、お返しの抱擁を試みる腕は、確かに幼さを携えた細さだ。
この未成熟な器に、あの澱みのすべてが流し込まれていたのだと思うと、決壊が起きたことも当然のように思える。
譫言のように、許しを請う言葉を繰り返した。
夏葉「ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……」
果穂「……夏葉さん」
小宮果穂はそっと頭を撫でるようにして、微笑んだ。
そのことが余計にトリガーとなったのか、胸元で有栖川夏葉は嗚咽を漏らし始めた。
904 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:18:21.06 ID:ELRlNcof0
果穂「……みなさん、聞いてください」
だが、一方の小宮果穂は涙を流してはいなかった。
突然に取り戻した自我、そして直面する現実。
そんな状況に身を置いてなお、怯むようなそぶりを見せなかった。
真剣なまなざしで私たちのことを見つめ、口元は固く結んでいる。
果穂「わかってます、あたし……これからしんじゃうんですよね」
ルカ「……!」
果穂「だから、しぬ前に、あたしの言葉でしゃべらせてください!」
裁判場内に響き渡るほどの声量と共に、深く頭を下げた。
私たちはそれに、言葉を返さなかった。
彼女の小さな身体で起こした決意には、言葉ではなく態度で返すべきだろうと思ったから。
全員、ただ静かにその頭頂部が上がって、改めてその顔を見せるのを待った。
礼を終えて再び面を上げる、その表情はさっきと変わっていない。力強い決意に満ちている。
905 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:19:12.18 ID:ELRlNcof0
果穂「絶望病にかかっちゃって、自分でも自分が何だかわかんなくなっちゃって……あたしの頭の中で、ずっと他の人をころせってだれかがうるさくて……」
果穂「それがいやでいやで、きがついたら愛依さんと結華さんをころしちゃってて……そのことは、なんとなくおぼえてます」
果穂「……いま、こうしてるってことは多分……あたしをクロだってわかってもらえたんですよね」
果穂「ほんとうに、ごめんなさい。それと、ありがとうございます。あたしをクロだってちゃんと投ひょうしてくれて……」
智代子「……ごめんね、果穂。守ってあげられなかったよ」
果穂「ちがいます! ちょこ先輩がまもらないといけないのは、あたしじゃなくて……みなさんです! あたしは、みなさんをうら切ったんです……」
(……裏切り、か)
ルカ「なあ、今の口ぶりからして……事件の記憶がすべてあるってわけじゃないんだよな」
果穂「えっと……二人をころしたのは、おぼえて……いや、わすれられるはずもなくて……でも、どうやってころしたとかは……あんまり……」
どこかたどたどしい口調は、言葉を探り探りで話している印象だ。
自分が二人を殺した犯人だということを自覚しているがゆえ、事を荒立てないために神経を使っている。
906 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:20:06.16 ID:ELRlNcof0
果穂「でも……おぼえてなくても、あたしがやったことには変わりないんです。きのうの夜のあたしが……ぜんぶぜんぶ、悪いんです……!」
強いな、と率直に思った。
無自覚な自分が犯した罪を認め、それに類する罰を受けることも拒まない。
並大抵の精神力では出来ることじゃない。
そうだ、こいつはずっとそうだった。
この島に来てからも、来る前からも。
年齢も出自もバラバラのグループを、最年少ながらにひとまとめにしていただけのリーダーの器がある。
私たちの中で、一番強い存在だったと言っても間違いではなかったかもしれない。
年相応の無邪気さを持ちながら、現実や責任から逃げずに立ち向かえるだけの素養が確かにあったのだ。
そんなこいつを、絶望病という病気がすべて変えてしまった。
器に過ぎた罪を注ぐだけでは飽き足らず、
ヒーローという心のよりどころ、アイデンティティまで捻じ曲げられ、器そのものを破壊されてしまっていたのである。
こいつはきっと、それを朦朧とする中で実感していたが故、一度は自我が崩壊してしまったのだ。
907 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:20:48.63 ID:ELRlNcof0
果穂「……ごめんなさい! あたし、あたし……どれだけあやまっても足りない、罪をおかしてしまいました」
果穂「ゆるしてもらえなくていい……それでも、ごめんなさいだけは言わせてください!」
果穂「ほんとうに、ごめんなさい……!!」
小宮果穂は何度も何度も頭を下げた。
『ごめんなさい』という言葉、これまでの人生でも何度も何度も聞いてきた。
学生時代の友人のいざこざ、家族にテストの点数を見せた時の誠意、仕事で予定をぽしゃった時のマネージャーの弁解……どれもこれも、そのニュアンスは違った。
そして、今この場で聞いている『ごめんなさい』はそのいずれよりも幼くて、混じりっ気が無くて、
_______何よりも重たい、『ごめんなさい』だ。
908 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:21:52.45 ID:ELRlNcof0
自分の中のすべてをぶちまけて謝罪に徹する小宮果穂に、静かに冬優子は歩み寄った。
裁判が始まる前、犯人を自ら処刑台に送ると息巻いていた彼女は今、感情を露わにはしていない。
ただゆっくりと近づいて、手を触れることもなく眼前に立つ。
冬優子「……果穂ちゃん、ごめんね。どれだけ謝られてもふゆは許してあげられそうにない」
果穂「……ふゆさん」
その言葉は極めて冷淡なものだった。
小宮果穂の覚悟と感情を詰め込んだありったけの『ごめんなさい』を冬優子は飲み込みはしなかったのである。
冬優子「愛依と過ごした時間、結華にかけた言葉……全部全部、ふゆにとっての宝物だったから。どんな理由があっても、それを奪った果穂ちゃんは許せない、許しちゃいけないって思うの」
果穂「はい……」
そしてそれを、小宮果穂は驚きもしなかった。
拒絶されることも覚悟したうえでの『ごめんなさい』、それに返される反応としては当然の物だったんだろう。
冬優子「……でもね」
果穂「え……」
909 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:22:40.03 ID:ELRlNcof0
冬優子「ふゆ、果穂ちゃんと一緒に過ごした時間も……宝物だと思ってるんだ」
910 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:24:10.14 ID:ELRlNcof0
大切な存在を奪った相手を許すことなんて、通常あるはずもなく、綺麗ごとを語るのは彼女の性にも合わない。
罪にはそれ相応の罰を下す必要があるし、遺されし者の感情を、奪った人間は知るべきだ。
さっきまでの言葉は、和泉愛依と三峰結華の理解者であった『黛冬優子』から出た、そうあるべき『結論』なのである。
しかし、『結論』はいつだって一つとは限らない。
人一人にだって、立場や思いが複数あって、そのそれぞれに至るべき『結論』が存在している。
今冬優子が口にしようとしているのは、事務所の仲間の『黛冬優子』としての『結論』だ。
事務所で同じ時間を過ごしてきた人間として、小宮果穂をかわいがり世話を焼いてきた人間として、彼女の覚悟には相応の救済があるべきだと彼女は至った。
冬優子「果穂ちゃんと一緒に遊んだり、笑ったり……そんな時間があったこと、ふゆは絶対に忘れない。果穂ちゃんだって、ふゆにとってかけがえのない存在の一つだったから」
果穂「ふゆさん……」
冬優子「……ふゆも、守ってあげられなくて悪かったわ。わざわざモーテルで面倒をみる役目も買って出たって言うのに……とんでもない罪を背負わせるようなことになっちゃって」
果穂「そんなことないです……ふゆさん……あたし、今すっごくうれしいんです……」
果穂「ふゆさんがゆるさないでくれたこと……そして、あたしのことを思ってくれてたって知れたこと……すっごくすっごく……しあわせです!」
冬優子「……バカな子ね」
冬優子の目元の何かが、照明の明かりを僅かに反射したように見えた。
照れくささとはまた違った何かを感じた彼女は思わず背を向けた。
一人の人間としての黛冬優子の『結論』は厳しくも優しい、小宮果穂のための『結論』だった。
911 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:25:21.22 ID:ELRlNcof0
そんな彼女の結論を間近で見て、もう一人の理解者が一歩歩み出た。
恋鐘「ねえ、果穂。うちも最後に聞きたいことがあるけん、答えてくれんね?」
果穂「恋鐘さん……はい、なんですか?」
月岡恋鐘も事件発生直後はあれほど錯乱していたというのに、この局面においてその表情は不思議なほどに穏やかだった。
同じく大事な存在を奪われた黛冬優子の到達した『結論』、同胞としてその別れにかけるべき言葉の『結論』は、自分にも当てはまると感じた。
この胸に湧き上がる憎悪と憤怒、それとは別に小宮果穂をこれから失ってしまうであろうことを嘆く気持ち。
今ここにおいて口にすべきなのは、一つの質問だと思った。
恋鐘「モーテルで過ごした二、三日。結華は……何回笑っとった?」
果穂「……!」
912 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:26:51.74 ID:ELRlNcof0
月岡恋鐘に、ここ何日かの記憶はほとんどない。
三峰結華が一度塞ぎ込んでからまともに会話をすることもなく病気に倒れ、目が覚めた時には全てが終わってしまっていた。
だからせめて、最後にその失われた時間の補填を求めようとした。
小宮果穂と三峰結華、二人の過ごした時間の一端だけでも知りたいと思った。
果穂「結華さんは……ずっと、あたしには笑顔を見せてくれました。おはようを言う時も、ご飯を食べる時も、おやすみなさいをする時も……ずっとずっと、笑顔でした……!」
恋鐘「……そいが聞けてよかったばい」
恋鐘「果穂、結華はきっと恨んどらんばい。果穂も必死やったけんね、でも……天国で、ちゃんと自分の口で『ごめんなさい』は伝えなきゃいかんよ」
果穂「……はい! もちろんです!」
三峰結華という人間はよく知っている。
他人のことを慮って、その場のために動くことのできる人間だ。
きっと小宮果穂に笑顔を見せ続けていたなら、そういうことなのだろう。
彼女自身が、小宮果穂に見せるべきものはそれだと結論づけた。不安や恐怖を自分が取り除かねばならないと自らに義務を課したのだ。
それなら、彼女の死後もその義務は引き継がらなければならないはずだ。
たとえ許すことはできなくとも、救済はまた別に設けてやりたいと思った。
913 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:28:00.55 ID:ELRlNcof0
冬優子「あさひ……あんたもこっちに来なさい」
あさひ「……!」
小宮果穂がクロだと確定して以来、沈み切っていたのは放クラの二人だけではない。
芹沢あさひと小宮果穂。私は事務所は違うのでその詳しい関係性までは知らないが、この島での暮らしを見ているだけでもよくわかる部分があった。
冬優子「果穂ちゃんと話ができるのも今の内よ。いつまでもしょぼくれてるんじゃないの、後で悔やんだって取り返しが効かないんだから。思ってること、感じてること……この際全部ぶちまけなさい」
あさひ「……冬優子ちゃん」
果穂「あさひさん! おねがいです、あたしとお話してください……!」
あさひ「果穂、ちゃん……」
年も近しく、好奇心が旺盛なのもよく似ていた。
お互い活発な性格もあって、ズイズイとお互いを引っ張っては一緒に出かけ、それぞれの『楽しい』を共有しあった仲だった。
友達を超えて、親友の仲となり、そして姉妹にも近しい信頼関係がその間にはできていた。
握りしめた絆のもう一端、それを握る相手は今から死にゆく運命。
覆せない別離を前に、言葉は勝手に口から出た。
914 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:29:04.86 ID:ELRlNcof0
あさひ「果穂ちゃん、わたし……つらい、悲しいよ」
果穂「あさひさん……?」
あさひ「さみしいよ、嫌だよ……果穂ちゃんとお別れなんかしたくない」
一切のフィルターのかかっていない、言い換えも何もないストレートな感情。
もはやそれは言葉というよりも叫びに近しいものだった。
ただでさえ小さな体を、胸を押さえて折り曲げて、臓物を絞るようにして言葉を吐き出している。
冬優子の言葉を受けて、中学生はその胸の内の全てを今ここで曝け出すと決めた。
自分の本能のままに生きているように見えてその実、自分自身の感情においても見えていない部分の多い人間。
こいつが自分自身の感情を吐き出すのに、他に術を知らなかったのである。
915 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:30:25.10 ID:ELRlNcof0
あさひ「嫌だ! 嫌だ嫌だ嫌だ……嫌だ! 果穂ちゃんが死んじゃうなんてそんなの嫌だよ……!」
悶えながら吐き出していく感情の激流。
それはやがて言葉を受ける、小宮果穂をも飲み込んでいく。
果穂「あさひさん……」
芹沢あさひの言葉に中てられたように、いつしか小宮果穂もギュッと自分の胸元を掴んでいた。
服には皺がより、下唇を強く噛み締めている。
夏葉「……果穂、いいの。私たちのことは今だけは忘れてちょうだい」
果穂「夏葉さん……?」
夏葉「あなたも、自分の想いに素直になっていいの。私たちの前だからとか気にせずに……言いたいことを言うべきよ」
彼女の感情の堰を切ったのは、有栖川夏葉。
同じユニットの仲間として、誰よりも近くでその成長を見届け支えてきた大人として、最後にポンと背中を押してやった。
果穂「……はいっ!」
小宮果穂はずっと胸の奥に押し込めたものを引き摺り出した。
二人を殺したという罪悪感が蓋をしていたものが一気に噴き上がる。
916 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:31:59.16 ID:ELRlNcof0
果穂「あたしもです……あさひさん、あたしも……あさひさんとお別れなんか、したくありません!」
あさひ「もっといっしょに虫取りに行きたかったし、おばけ探しもしたかったんだよ……」
果穂「あたしも、もっといっしょに冒けんしたり、もっといっしょに遊んだりしたかったです……!」
あさひ「いやだよ……いやだよ! 行かないで、果穂ちゃん!」
勿論今までの謝罪も全て心より生まれたものだ。
でも、それ以上に、今ここでぶちまけた感情は大きな意味と質量とを持つ。それは年相応、等身大の少女として、エゴのままに口にした感情だったから。
あさひ「果穂ちゃん、果穂ちゃん! なんで、なんで死んじゃうの……!?」
果穂「あさひさん、ごめんなさい……! あさひさん、あたしもお別れしたくないです……!」
それは、この場において誰よりも幼い二人だからこそできたこと。
自分の中の感情を咀嚼する工程も踏まずに舌の先に乗せ、考えるより先に相手にぶつける。
どれだけ幼稚な言葉でもいい、いっそ言葉になっていなくたっていい。
その想いを、その言葉を、その熱を、誰よりも素直に表現できるのが『幼さ』と言う彼女たちの特権なのだ。
美琴「……」
その美しくも悲痛な光景に、デジャブを覚えなくはなかった。
私の隣に立つ美琴も、組んだ腕に力がこもる。
917 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:32:53.81 ID:ELRlNcof0
……だが、時というのは無情だ。
別れは私たちの思いを感知せず、ただ訪れる。
モノクマ「あ〜〜〜! 湿っぽい、湿っぽい! ジメジメが過ぎますぞ!」
918 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:33:40.60 ID:ELRlNcof0
モノクマ「ちょっと盛り上がるかなと思って人格を戻してやったら、長尺で御涙頂戴の茶番を繰り広げちゃってさあ!」
モノクマ「部屋の湿度が5%は上がったよね、ふかふかだったボクの毛皮もすっかり湿っちゃったよ」
モノクマ「そういうわけで……そろそろ乾燥させちゃいましょうか! 最高にホットでバイブスあがっちゃう、おしおきタイムの時間だよ〜!」
私たちの会話に痺れを切らしたモノクマがついにその宣言を口にしたのである。
智代子「そ、それって……果穂の処刑……?!」
果穂「……!」
夏葉「ま、待ってちょうだい! あなたも裁判は全て見ていたのよね?! 果穂は絶望病にかかっていて意識も朦朧としていたのよ!? 無自覚な殺人で裁くなんて許されざる暴挙だわ!」
思わずその足元に縋り付く有栖川夏葉。
だが、そんな訴えなどモノクマが耳を貸すはずもない。
919 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:34:35.93 ID:ELRlNcof0
モノクマ「往生際が悪いなあ。あのね、自覚してなかったら罪がなくなるなんてそんなわけないでしょ? あるのは小宮さんが二人を殺害したと言う純然たる事実」
モノクマ「法の番人であるボクからすれば、感情論なんて問題外なんだよね」
夏葉「そ、そんな……」
感情論で救われるなら、七草にちかと田中摩美々の犠牲もなかった。
それは痛いほどにわかっているはずなのに、押し寄せる絶望の波に思わず足が震えた。
いよいよ小宮果穂の処刑が目前に迫り、遺される者たちは阿鼻叫喚の様相だ。
そんな中、彼女は前に進み出た。
果穂「モノクマさん、ありがとうございました!」
モノクマ「はぬ?」
果穂「最後に、あたし自身の言葉であたしの気持ちを伝えられてよかったです。『ごめんなさい』をいう時間をもらえて、うれしかったです!」
夏葉「果穂……あなた」
果穂「えへへ……しんじゃうのは、ちょっとこわいですけど……それ以上に、何も言えずにしんじゃう方がつらいです。みなさんとお話しできて、あたしのきょうふもちょっと収まりました!」
わざわざ敵に頭を下げてまで、小宮果穂はその絶望を取り除こうとした。
本当に、どこまで行っても強いガキだ。
私たち以上に大人びた配慮に、思わずこちらも呆気に取られた。
920 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:42:15.26 ID:ELRlNcof0
モノクマ「ま、そういうわけでそろそろ始めちゃいますか!」
果穂「ずっと変わらないものがあり続けるから、あたしたちは変わっていけるんです」
果穂「つよくなって、おおきくなって……それでどんどん大人になる」
モノクマ「今回も、超小学生級の道徳の時間である小宮果穂さんのためにとっておきのおしおきをご用意いたしましたゾ!」
果穂「あたしは……もう大人にはなれないですけど、みなさんならすっごくかっこいい大人のひとになれると思います!」
果穂「だから、大人になっても……あたしを、その『変わらないもの』の中の一つとして、覚えておいてくれるとうれしいです」
果穂「あたしにとっての『変わらないもの』は……みなさんと過ごした時間と、思い出だったから!」
モノクマ「それでは張り切っていきましょう! おしおきターイム!」
果穂「えへへ……最後は、泣くよりも、笑っておわかれしたいです! ヒーローは、だれにもなみだを見せないんです!」
921 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:43:00.13 ID:ELRlNcof0
果穂「みなさん……今まで、ありがとうございました!」
922 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:44:21.46 ID:ELRlNcof0
-----------------------------------------------
GAME OVER
コミヤさんがクロにきまりました。
おしおきをかいしします。
-----------------------------------------------
923 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:46:59.13 ID:ELRlNcof0
我々人間の命は、吹けば消えゆく儚い存在……
その命は、死神たちが蝋燭に灯した火と繋がっており、彼らの管理のもとにあるのです。
この薄暗い空間には、全部で16の蝋燭が立っています。
太く、長く聳え立つ蝋燭は人間八十余年の生涯を蓄えている。
でも、その先端の炎がいつまでも燃え盛るかと言われればそれはノー。
『かざのひおり』『ななくさにちか』『くわやまちゆき』『たなかまみみ』『いずみめい』『みつみねゆいか』
これらは全てその先端の炎が消えてしまった蝋燭。
まだ土台部分はたくさん残っているにもかかわらず、炎の消えた蝋燭は乱雑にそこに投げ出されています。
さて、そろそろ次のお時間ですね。
死神モノクマがその送風機を向けた先は、『こみやかほ』の蝋燭。
彼女の命の灯火も、ここで消え去ってしまうのでしょうか?
-----------------------------------------------
死神
〜many screams〜
超小学生級の道徳の時間 小宮果穂処刑執行
-----------------------------------------------
924 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:48:10.30 ID:ELRlNcof0
送風機の強風に靡く炎、あれが消えてしまってはまずいと小宮さんは手当たり次第に燃えそうなものをどんどんと投げていきます。
なんだかカッコいい感じの木の棒、学校のプリント、満点のテスト、図工の作品……
それらを媒介にして火の勢いは徐々に回復……
でも、死神モノクマも手を緩めません。
送風機のみならず自分の手で団扇も仰ぎます。
火が風で立ち消えてしまわないように、小宮さんはもっともっとたくさんのものを放り込みます。
真っ赤なランドセル、思い出のリコーダー、修学旅行で食べるすき焼きのなんか青いやつ、あの頃すっごく流行っていたから買いに走ったスニーカー……
しかし、死神モノクマの方が上手のようです。
いよいよ空調も本格的に作動させ、蝋燭の火は風に靡きに靡いています。
このままじゃダメ! 火が消えてしまう!
そう思って手に取ったのは……ジャスティスファイブの変身ベルト。
小宮さんは躊躇って躊躇って……
……投げることができませんでした。
ジャスティスファイブは彼女の思い出、そして心の拠り所。それを擲つことなど、たとえ命がかかっていようともできないのです。
925 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:51:17.58 ID:ELRlNcof0
……でも、ウッカリさんですね。
小宮さんったら、ヒーローはピンチの時に必ずやってくるって知っていたはずでしょう?
小宮さんの視界を明るくする、その光源の元には仁王立ちするジャスティスレッドの姿が!
助けを求める小宮さんの元に、一番のヒーローがやってきてくれたのです!
さあ喰らえ、悪の怪人・死神モノクマ!
悪焦がす正義の焔! ジャスティン・フレイムだァ〜〜〜〜ッッッ!!!!
流石はジャスティスレッドです。
死神モノクマを退けるだけではなく、蝋燭の火も更に激しく燃え盛らせてくれました。
火柱のように燃え盛る炎は蝋燭をどんどん溶かしていき、溶けた蝋はジェル状になって小宮さんの元へ降り注ぐ。
摂取何百度はあろうかという灼熱の蝋が小宮さんに纏わり付いて、その肌を、その肉を、徐々に徐々に焼いていきます。
ジュウジュウという音に混ざって小宮さんも思わず声を上げます。
926 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:52:23.21 ID:ELRlNcof0
その苦悶の声に抑えきれず、もう一人のヒーローが走り出しました!
それはモノクマの仕込みの偽物ジャスティスファイブなんかではなく、彼女に取っていつもそばにいた、大好きで最高なヒーローの一人。
____【有栖川夏葉】さんでした。
有栖川さんは自分の身が灼かれることも厭わず、素手で小宮さんの体にまとわりつく蝋をその手で剥がしていきます。
でも、垂れてくる蝋の方が量も勢いも圧倒的。
有栖川さんの目の前で小宮さんはどんどん蝋人形へと変わっていきます。
そして、有栖川さんの腕も焼け爛れ、見るも無惨な姿に。
それでも彼女は必死に救おうとしました。
剥がして、剥がして、剥がして、剥がして、剥がして、
剥がして、剥がして、剥がして、剥がして、剥がして、
剥がして、剥がして、剥がして、剥がして、剥がして、
剥がして、剥がして、剥がして、剥がして、剥がして……
最後には、全身の火傷の苦痛で有栖川さんは意識を失い横たわってしまいました。
その隣には綺麗な綺麗な小宮さんの蝋人形が横たえられていましたとさ。
927 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:53:51.95 ID:ELRlNcof0
-----------------------------------------------
ルカ「……は?」
智代子「な、夏葉……ちゃん……?」
小宮果穂の凄絶な死、それに慟哭する暇もなく私たちの前でそれは起きた。
今回の事件の犯人でもない、シロである有栖川夏葉がおしおきの最中に割って入り、そして彼女はその巻き添えとなってしまった。
私たちはすぐさま彼女の元へと走り出す。
ルカ「お、おい……!? 何やってんだ、お前……!!」
溶岩のような蠟が全身を包んだことでその皮膚は激しく焼け爛れ、その内側の筋組織や脂肪分を焦がす。
火葬場の煙突から吐き出された煙のような独特の臭気が、近づいただけで鼻を刺した。
智代子「夏葉ちゃん、夏葉ちゃん!! なんで、ダメだよ……死なないで!」
恋鐘「智代子、いかんよ! 不用意に触ったら智代子まで火傷してしまうばい!」
智代子「でも、でも……! 早く蠟を剥がしてあげないと、夏葉ちゃんまで死んじゃうよ……!」
928 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:55:05.57 ID:ELRlNcof0
モノミ「やい、モノクマ! お前、大変なことをやってしまいまちたね! 有栖川さんは二人を殺した犯人でもないのに、おしおきをやるなんて重大なルール違反でちゅ!」
モノクマ「ぐ、ぐぬぬ……勝手に飛び入りをしてきたのは有栖川さんの方だろ! これはそう、事故なんだよ!」
モノミ「事故なら事故で、ヒヤリハット案件でちゅ! 有栖川さんの死は予防もできたはずでちゅ、アンタの怠慢さが招いた……」
智代子「……ま、待って!」
モノミ「え、ええ?」
智代子「夏葉ちゃん、夏葉ちゃん……聞こえてる?」
突如声を上げて場を制した甘党女。
彼女の握る有栖川夏葉の手のひらは、私たちの目の前でゆっくりと登っていく。
夏葉「……私は、まだ……生きているわ……」
929 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:56:17.94 ID:ELRlNcof0
皮膚がめくれあがった悲惨な状態ではあるものの、高々と掲げたその手には、確かに生の主張が息づいていた。
私たちは即座にモノクマの方へと詰め寄った。
ルカ「おい! さっさと治療……病院に運べ!」
透「コロシアイの続行が困難な怪我は治療する……そう言ってたよね」
冬優子「このまま有栖川夏葉が命を落としたら一番困るのはあんたなんじゃないの? さっさと搬送しなさい!」
モノクマ「やれやれ、ゴキブリ並みのしぶとさだね……わかった、わかりましたよ! ボクとしてもこんな形で頭数が減るのは不本意だからね!」
モノクマ「エマージェンシー! エマージェンシー! 救急救命センター24時、出動!」
モノクマが手を掲げた直後、鳴り響く地鳴り。遠くから聞こえてくるサイレン。
両者は徐々に近づいてきて、そしてものの数秒と経たないうちに。
ズガドーン!!
壁をぶち破って救急車が姿を現した。
930 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:57:07.69 ID:ELRlNcof0
モノクマ「後は医療界のバーストと呼ばれているボクにお任せあれ! きっちりかっちり有栖川さんを治療してあげちゃうからね!」
美琴「……バーストだと、数字が大きすぎるんじゃないかな」
冬優子「……ああ、そういうこと。21超えちゃってんじゃないの」
あさひ「……? どういう意味っすか?」
ルカ「死ぬほど有名な医療漫画があるだろ……その、ツギハギの!」
モノミ「こら〜! しょうもない茶番で版権に絡みそうな話題はやめてくだちゃい!」
恋鐘「ていうかそもそも救急車、どがんしてここまでやってきたと〜〜〜!?」
智代子「こ、ここって地下だったよね!?」
モノクマ「細かいことは気にすんな! 座標をちょっとばかしいじくっただけのことだからさ!」
ルカ「まあもうこいつが現実離れしてんのは今更な話なんだけどな……」
モノクマはてきぱきと担架やら呼吸器やらを使い、無駄に手際よく満身創痍の小金持ちを救急車へとのせ、走り去ってしまった。
コロシアイの進行は何よりも優先する奴だ、どんな手段を使おうとも死なせはしないはずだ。
931 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:57:44.75 ID:ELRlNcof0
透「大丈夫、無事だよ。絶対」
智代子「うん……夏葉ちゃん……お願い……」
雛菜「それにしても、どこに行ったんですかね〜」
ルカ「ここは地下だから、どこに行くも何もねーはずだが……」
モノミ「病院に行ったはずでちゅ! この島の医療設備なんて、あそこぐらいのものでちゅから!」
(……そんな自信満々に言うことか?)
美琴「だとしたら、私たちも急いで病院に向かった方がいいね」
智代子「うん……夏葉ちゃんがちゃんと助かったのか、見届けないと!」
あさひ「……はいっす!」
私たちは、考える暇もなくすぐにその後を追った。
小宮果穂の死によってぽっかりと開いた心の穴を、有栖川夏葉の生還という吉報で補填しようとしていたのか。
それとも、辛い現実を直視しなくていいように、目の前の喫緊の課題に逃避をしていたのか。
どちらともわからないが走り出した足を誰も止めようとはしなかった。
932 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 22:59:15.10 ID:ELRlNcof0
-----------------------------------------------
【第3の島:病院 ロビー】
病院に辿り着いた私たちを待っていたのは『手術中』と点灯するランプ。
私たちが入れたのはロビーまでで、廊下へと続く扉はカギがかけられ閉ざされていた。
手術中の様子を見せることはおろか、音も聞かせたくないということだろうか。
ロビーの椅子に全員ずらりと座り、その時を待った。
「…………………………」
両手を合わせて神に祈るようにしたり、頭を押さえてためいきをしたり、貧乏ゆすりをしながら時計を何度も見返したり。
思い思いに過ごして、何時間が経っただろうか。
ギィィィィ…
扉は、突然に開いた。
933 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 23:00:31.01 ID:ELRlNcof0
モノクマ「手術は成功しました……一命はとりとめましたよ」
ブカブカな手術着に身を包んだモノクマは額を拭うようにしながら、そう言った。
智代子「成功……? 夏葉ちゃんは、無事なの……?」
モノクマ「ええ、ぴんぴんしてますわ」
智代子「本当に、本当に……?」
モノクマ「ええ、元気な女の子ですよ」
智代子「……! よかった……よかった……」
その場に泣き崩れる園田智代子。
私たちは彼女の元に駆け寄り、その肩に手を当てた。
嗚咽を漏らし、泣きじゃくる彼女には支えが必要だったのだ。
934 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 23:01:39.63 ID:ELRlNcof0
透「あんなに全身の火傷酷かったのに、すごいね」
モノクマ「そりゃまあボクですから! サバンナの中央で自ら開腹手術を行っただけの技術はありますよ!」
雛菜「もう本当に命を落とす心配はないんですか〜?」
モノクマ「はいよ! さっきも言った通り今はもうピンピンしてます」
恋鐘「ピンピンって……流石にまだ意識は戻っとらんとやろ?」
モノクマ「え? いや、だから言ってんじゃん。超がつくほど元気だから……今にも走り出しそうなぐらいになってるけど」
ルカ「はぁ……?! あ、あいつは死ぬ一歩手前だったんだぞ……!? そんなものの数時間でそんなに回復するわけねーじゃねえか!?」
モノクマ「はぁ……やれやれ、ボクの手腕がそんなに信用なりませんか。これだから前時代の人間は困るな、オマエラあれでしょ。カメラの写真撮影は魂が抜かれるからやりたくないとか言ってた口!」
美琴「それはつまり、面会謝絶とかでもないってこと……?」
モノクマ「うん、全然OKだよ! 絶望病の治療の時に使ってた病室にそのままぶち込んでおいたから、行ってみたら?」
智代子「夏葉ちゃん……夏葉ちゃん!」
その言葉を聞くなり私たちはすぐにモノクマの隣をすり抜けて廊下へと走り出した。
目指す先は有栖川夏葉の病室。全身の火傷で一時命を落としかけた仲間が待っているというその病室に向かって一目散だった。
彼女が一時陥っていた生命の危機を目の前で確認した私たちからすれば、モノクマの話は半信半疑ではあったがそれ以上に期待が強かった。
失われかけたその命が戻ってきたのだというのならこれ以上の吉報はない。
思考よりも先に行動が先んじたのだった。
935 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 23:03:05.58 ID:ELRlNcof0
モノクマ「……まぁ、元通りに直ったとは一言も言ってないけどね」
936 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 23:04:24.65 ID:ELRlNcof0
-----------------------------------------------
【夏葉の病室】
ガララララ!
「夏葉ちゃん!」
甘党女は躊躇することもなく、勢いよくその扉を開けた。
誰よりも回復を願い、その再開を待ちわびていた彼女。
手術成功の知らせを聞いて、歓喜の涙を浮かべていたその表情は……
____扉を開けると同時に【困惑】へと変わった。
「あら、智代子……それにみんなも。心配をかけてしまったわね。もう大丈夫よ」
そして、その困惑は私たち全員に共有される。
937 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 23:05:44.38 ID:ELRlNcof0
「……え?」
「どうしたのよ、みんな。そんなに口をぽっかりと開けてしまって。せっかくの再会なのだからもっと喜びあいましょうよ」
目の前の彼女は、これまでと同じように私たちに接している。
共に長い時間を過ごしてきた、この島で生き残りを目指して協力してきた仲間として、喋っている。
だが、私たちはその前の前にある非現実を中々咀嚼できず……再会を喜び合う前に、その疑問をつい口にしてしまっていた。
「お、お前……それ、どうしちまったんだよ」
私の震える指での指摘を聞いて、有栖川夏葉はその右手を改めて眺め、解答を持ち出した。
「……ああ、これね。人生万事塞翁が馬、何が起きるかわからないでしょ?」
「そ、それにしても無理があるでしょうが……」
「夏葉さん……それ、どうやって動いてるっすか?! 見せて、見せてほしいっす!」
その右手は照明の光を反射して輝く。
指を一本開いても閉じても、部屋には駆動音が響く。
938 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 23:06:50.56 ID:ELRlNcof0
超大学生級の令嬢、有栖川夏葉。
「私、有栖川夏葉は生まれ変わったの……」
「【超大学生級のアンドロイド】・有栖川夏葉としてね!」
_____その体は、完全に機械へと変わっていた。
939 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 23:07:43.77 ID:ELRlNcof0
-------------------------------------------------
CHAPTER 03
Hang the IDOL!!〜弾劾絶叫チュパカブラ〜
END
残り生存者数
9人
To be continued…
-------------------------------------------------
940 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 23:09:03.68 ID:ELRlNcof0
【CHAPTER03をクリアしました!】
【クリア報酬としてモノクマメダル25枚を獲得しました!】
【アイテム:割れたメダリオンを手に入れました!】
〔ジャスティスファイブの変身グッズのメダリオン。専用のベルトに差し込むとヒーローのボイスが流れる特別仕様だが、割れてしまってもうベルトにうまくハマらない〕
941 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/03/22(火) 23:18:29.99 ID:ELRlNcof0
という訳で、これにて三章は完結となります。
なんだかんだ二章と大差ない文量になってしまった……
三章の展開は実は前シリーズを書いているときから考えていた物でした。
三章でクロになる、夏葉が巻き添えを食らうなどの展開も当時から考えており、おしおきも当時考えていたものをそのまま使っています。
続編シリーズを書くなら絶対に外したくないとの思いで今回形にしました。
さて、四章更新までまたしばらくお時間をいただきます。
四月は忙しくなると思うので、更新が滞るかもしれませんがどうかご容赦ください。
それでは三章もお付き合いいただきありがとうございました、またよろしくお願いします。
942 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/22(火) 23:30:27.49 ID:fdXn26OE0
おぉ、もう…
乙乙
943 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/24(木) 11:26:04.25 ID:dz9KEzXxO
SS避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/
944 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/04/08(金) 20:48:31.16 ID:OJSLI4Ra0
-----------------------------------------------
GAMEOVER
ミツミネさんがクロにきまりました。
おしおきをかいしします。
-----------------------------------------------
945 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/04/08(金) 20:49:42.47 ID:OJSLI4Ra0
ここはどこかにあって、どこにもないそんな無機質で透明な街。
聳え立つ建物という建物は無表情にネオンを照らし、その光の下で人々は顔を隠すようにして歩いていく。
空は真っ暗、星の光も落ちてこない。
灰色に膨らんだ雲は今にも落ちてきそうな、そんな鉛のような圧を見るものに与えています。
でも、彼らは逃げない、立ち去らない。
目の前の明かりが赤色であり続ける限り。
ただ、ルールがそうだからというだけで。
-----------------------------------------------
アンビバレンス・アンブレラ
超大学生級の写真部 三峰結華処刑執行
-----------------------------------------------
946 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/04/08(金) 20:50:55.61 ID:OJSLI4Ra0
信号が青に変わり、人の群れは動き出します。
それぞれが対岸に向かって交差する波。
不揃いながらもぶつかることもなく、器用に流れていく。
その合間を縫うようにして雨がざあざあと落ちてくる。
三峰さんの足取りは重たい。
傘で自分の顔を隠すようにしながら、ゆっくりと水溜りを丁寧に踏み抜いていきます。
パシャと音を立てて踏むことで、誰かに気づいてもらいたい……なんて、子供じゃあるまいし。
彼女が歩くたびに、背負ったリュックのキーホルダーが揺れて、雨と靴音の中で不協和音となりました。
そんな耳障りで、無音にも近い時間。
『___結華』
薄暗い幕を切り裂くように、背後で彼女を呼ぶ声がしたような気がしました。
あの雨宿りの時のように、彼女の影を探し回ってそこら中を駆け巡ってくれた時のように_______
きっと彼なら自分のことを見つけ出してくれる、そんな信頼に後ろ髪引かれて振り返る。
947 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/04/08(金) 20:51:54.28 ID:OJSLI4Ra0
でも、そこにいた人間の正体を彼女は知ることはできませんでした。
彼女を待っていたのはこれまでを凌駕するほどの『ヒト』の群れ。
傘の幕で顔を隠したのっぺらぼう共が真っ正面からぶつかってきて、とうとう三峰さんはその場に倒れ込みます。
しかしこの街では掬い上げてくれる人たちなど誰一人としていません。
そこにいるのは規則正しく、コピー品の日常を演じるだけの舞台装置。
イレギュラーに目を向けている余裕などないのです。
三峰さんの存在は道端に転がっている石ころのように、誰の気にも止められることすらなく、踏まれ、踏まれ、踏まれ。
交差点の信号が再び赤になるころ、その中央ではボロ切れのようになった“何者か”が雨に打たれて横たわっていましたとさ。
948 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/04/08(金) 20:52:49.90 ID:OJSLI4Ra0
-----------------------------------------------
GAMEOVER
イズミさんがクロにきまりました。
おしおきをかいしします。
-----------------------------------------------
949 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/04/08(金) 20:53:57.61 ID:OJSLI4Ra0
ストレイライトの愛依サマは同世代の女子からの人気の高い、クールでミステリアスな最高にカッコいいアイドル!
そんな彼女には、ファンを惹きつけてならない……ギャップのある側面がありました。
……え?
ギャル?
何言ってるんですか、あんなにカッコいい愛依サマがギャルなわけないでしょうが!
前にも披露したことのある、【書道】の腕前の話です!
幼少期から書道に親しんできたと語る愛依サマ、袴姿もバッチリお似合いですね!
そんな彼女は今からお殿様の前で一筆書いて献上するようです。
愛依サマに限ってそんなことはないと思いますが……万が一、漢字を書き損じるようなことがあれば……
お殿様が大事に大事に飼っている虎が黙っていない、かもしれませんね。
-----------------------------------------------
ヘビアシ
超高校級のギャル 和泉愛依処刑執行
-----------------------------------------------
950 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/04/08(金) 20:55:19.16 ID:OJSLI4Ra0
自分の背丈ほどある筆をとり、しっかり墨汁を吸わせて取り掛かり始めました。
愛依サマに指定されたのはお殿様の祝宴を飾り付ける垂れ幕の書き下ろし。
『シュク! お殿様ユメの百万ゴク達成!』
なあんだ、ちょ〜簡単な漢字ばっかりですね!
これなら愛依サマならなんの心配もいりません!
しかし、本人はどうやら頭が真っ白なご様子。
シュク……って口へんだっけ?しめすへんだっけ?
震えながら慎重に一筆一筆書いて行きます。
『祝』
よし、これはちゃんと書けました。
続いてアイドルの皆さんなら何度も口にする言葉ですが……?
『夢』
素晴らしい! 愛依サマらしい達筆が冴え渡ります!
そして最後、これは漢字は簡単ですが読みが特殊で……
『石』
さすが! 愛依サマなんですもの、この程度簡単でしたよね!
成功に歓喜して思わず飛び跳ねる愛依サマ。
普段とは違ってこういうキャピキャピした様子なのも魅力的ですね。
951 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/04/08(金) 20:56:04.09 ID:OJSLI4Ra0
……でも、ちゃんと筆を置いてからジャンプすべきだったんじゃないですか?
墨汁が筆から飛んで、紙にパタパタと落下。
お殿様がみるみるうちに不機嫌になっていくのに気付いて、愛依サマは慌てて誤魔化します。
散ってしまった墨汁を起点にして、綺麗なお花の水墨画を書いて作品を盛っていきます。
愛依サマの芸術センスで持っていけば問題な……
ガッシャ-----ン!!!!
あらら……公式な場で出すような垂れ幕にそんな勝手な真似をしちゃいけませんよね。
盛ればいいってもんじゃないですよ、そんなギャルじゃないんですから。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
その日の夜の祝宴で、愛依サマの手がけた垂れ幕が披露されました。
その垂れ幕は、愛依サマのイメージカラーによく似た色の絵の具飾られていましたとさ。
952 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/04/08(金) 20:56:49.42 ID:OJSLI4Ra0
というわけでお久しぶりです。
シャニマス本家でまさかのロンパ風シナリオが実装されるとは思いませんでした!
流石公式の手腕、脱帽の一言でした…
さて、四章更新の準備があらかたできましたのでご報告に上がりました。
四章は次スレでの更新を考えています、そのためこのスレは購買パートでもやって埋めてしまおうかと思います。
テンプレを貼っておきますので、モノモノヤシーンなり自動販売機なり書き込んでくださると反映いたします。
明日また同じ時間に書き込みがあればそれを反映して購入するようにしておきます。
953 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/04/08(金) 20:59:17.47 ID:OJSLI4Ra0
【自動販売機】
≪消耗品≫
【ヒーリングタルト】…5枚
〔誰の口にも合いやすいマイルドな口当たりの優しい甘さ。裁判中に使用すると発言力を2回復できる〕
【ヒーリングフルーツタルト】…10枚
〔フルーツをトッピングして満足感アップ。裁判中に使用すると発言力を4回復できる〕
【高級ヒーリングタルト】…15枚
〔国産フルーツを贅沢にトッピングした高級タルト。裁判中に使用すると発言力が最大まで回復する〕
【プロデュース手帳】…15枚
〔これは彼と彼女たちが過ごしてきた美しき日々の証。誰よりも理解者たる彼は、いつだってそばで戦ってくれる。裁判中に使用するとノンストップ議論・反論ショーダウンを無条件クリアする〕
【283プロのシャツ】…50枚
〔283プロの仲間たちの結束の証。生存している全員の親愛度を2ずつ上昇させる(上限に到達してもスキル獲得には交流が必要となる)〕
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
≪贈答品≫
〇メダル10枚
【オートミール】
〔燕麦を脱穀して作った加工食。鳥さんも同じものを食べられるので、一緒に日向ぼっこもできちゃう夢の食事〕
【エアメール】
〔海を越えて空を超えて思いを届けるレターセット。たとえばらばらに離れてしまっても思いは一つ〕
【魔法のビデオ】
〔モデルから華麗な転身を遂げた少女が披露した、小学校でのサプライズライブの映像。新たな道を歩みはじめた彼女は、少女たちに醒めぬ魔法をかける〕
【新品の包帯】
〔怪我をした時にサッと負ける応急処置。常に清潔であるために一度使ったものはもう使ってはならない〕
【観戦チケット】
〔とある球団のホーム球場の観戦チケット。なかなか予約が取れないらしく、ファンからすれば垂涎物〕
【プロデューサーさま人形】
〔和服のアイドルが常に携帯している藁人形を模して作られたぬいぐるみ。もたれかかれるぐらいのサイズ感〕
【アプリコット】
〔ティーンエイジャー向けのファッション誌。女の子の興味関心に合わせた多種多様なテーマを取り扱う〕
【バトルパス】
〔某ガンシューティングアーケードゲームのユーザーカード。名前とともに戦績を刻むことができるが、残念ながらこの島に筐体はない〕
【髪留め】
〔ごくシンプルなデザインで機能性を重視した髪留め。どんなファッションにも合わせやすい反面本人の素材力が試される〕
【マクサ・ドロップス】
〔からんと缶を振ればいろんなフレーバーの飴玉が転がり出る。ハッカ味が残りやすいのはもはやお約束〕
〇メダル20枚
【親愛のお守り】
〔白兎は歩みを止めぬものに幸運を運ぶ。どんなアイドルに渡しても大喜びしてもらえる不思議なお守り〕
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【お役立ち品】
※今後メダルが溢れてしまうことがあれば希望のカケラを購入できるようにすることも考えています
・283パス 30枚
〔アイドルをプロデュースするのにライセンスは必要ない。これは彼の決意の形に過ぎない。他のアイドルの親愛度を12にした時に得られるスキルの詳細が分かるようになる(交流時に判明)〕
・敏腕記者セット 40枚
〔記事は自分の足で稼ぐのが信条、労力はかけた分だけ返ってくる。自由行動がある日の行動終了時コンマ判定を行い末尾の枚数分のモノクマメダルが手に入るようになる〕
・虹の羽 40枚
〔虹色に輝く色鮮やかな羽、その輝きは明日を照らす。探索パートで獲得するモノクマメダルの量が倍になる〕
・金の鍵 70枚
〔閉じかけた記憶と経験とを呼び覚ます不思議な鍵。コロシアイ南国生活の中で命を落とした仲間から得られるはずだったスキルを獲得できる〕
・スーパーはづきさん人形 99枚
〔どんな事務仕事も一人でやり終えてしまう天才的な事務員を模して作られた人形。メダルを消費することで自由行動が可能な日を追加することが可能になる。追加するのに必要な枚数は10枚→20枚→30枚…と増加する。章ごとに必要な枚数はリセット〕
954 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/04/08(金) 21:02:11.94 ID:OJSLI4Ra0
【現在のモノクマメダル枚数…112枚】
1.モノモノヤシーンに挑戦する(枚数指定)
2.自動販売機で購入する(複数指定可能)
3.何も買わない
※1と2は同時指定可能です
↓〜明日まで(複数あれば多数決など)
955 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/04/09(土) 20:43:26.23 ID:lMFchYm80
手持ちプレゼントが少ないのでモノモノヤシーン10連ぐらいしておきたいのと、
自由行動先がバラバラで親愛度が満遍なく上がってないのでいっそ283プロのシャツを2枚買っててもいいんじゃないですかねー
956 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/04/10(日) 16:27:41.04 ID:c/JlGqp/0
完全に放置していて申し訳ありません
特に異存なければ
>>955
の指定を採用しようと思います
957 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/04/10(日) 20:35:44.41 ID:c/JlGqp/0
問題なさそうなのでこれで行こうと思います
-----------------------------------------------
【283プロのシャツを2個購入した……】
【その刻印は布地に刷り込まれた思い出を語り継ぐ……!】
【生き残っているアイドルたちとの親愛度がかなり高まった……!】
【超高校級の占い師】風野灯織…0【DEAD】
【超社会人級の料理人】 月岡恋鐘…5.5
【超大学生級の写真部】 三峰結華…0【DEAD】
【超高校級の服飾委員】 田中摩美々…0【DEAD】
【超小学生級の道徳の時間】 小宮果穂…1.0【DEAD】
【超高校級のインフルエンサー】 園田智代子…4.5
【超大学生級の令嬢】 有栖川夏葉…7.5
【超社会人級の手芸部】 桑山千雪…10.5【DEAD】
【超中学生級の総合の時間】 芹沢あさひ…6.0
【超専門学校生級の広報委員】 黛冬優子…6.5
【超高校級のギャル】 和泉愛依…0【DEAD】
【超高校級の???】 浅倉透…6.0
【超高校級の帰宅部】 市川雛菜…7.5
【超高校級の幸運】 七草にちか…0【DEAD】
【超社会人級のダンサー】 緋田美琴…4.0
【希望のカケラを16個入手しました!】
【現在の希望のカケラの数…24個】
-----------------------------------------------
【モノモノヤシーンに挑戦します】
【このレスより直下10回連続でコンマ判定を行い数値に応じたアイテムを獲得します】
↓1〜10
958 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/04/10(日) 21:14:21.74 ID:9/tQpw9z0
あ
959 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/04/10(日) 21:15:36.93 ID:9/tQpw9z0
い
960 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/04/10(日) 21:16:13.78 ID:9/tQpw9z0
う
961 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/04/10(日) 21:16:51.87 ID:9/tQpw9z0
え
962 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/04/10(日) 21:17:30.57 ID:9/tQpw9z0
お
963 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/04/10(日) 21:19:27.39 ID:9/tQpw9z0
か
964 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/04/10(日) 21:20:17.37 ID:9/tQpw9z0
き
965 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/04/10(日) 21:21:00.89 ID:9/tQpw9z0
く
966 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/04/10(日) 21:21:28.92 ID:9/tQpw9z0
わ
967 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/04/10(日) 21:22:20.71 ID:9/tQpw9z0
やま
968 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/04/10(日) 21:59:53.03 ID:c/JlGqp/0
【ジャバイアンジュエリー】
【ユビキタス手帳】
【多面ダイスセット】
【アンティークドール】
【戦いなき仁義】
【マリンスノー】
【絶対音叉】
【神の砂の嵐の角】
【壊れたミサイル】
【クマの髪飾りの少女】を手に入れた!
【現在のモノクマメダル枚数…2枚】
・現在の所持品リスト
【ジャバの天然塩】
【新品のサラシ】
【ジャバイアンジュエリー】
【ユビキタス手帳】
【オスシリンダー】
【多面ダイスセット】
【アンティークドール】
【戦いなき仁義】
【マリンスノー】
【蒔絵竹刀】
【絶対音叉】×2
【七支刀】
【神の砂の嵐の角】
【壊れたミサイル】
【クマの髪飾りの少女】
【バール】
969 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/04/10(日) 22:01:23.12 ID:c/JlGqp/0
ご協力ありがとうございました。
以上のアイテム・親愛度を反映して次章に移ります。
更新は4月13日(水)の21:30〜で次スレにて予定しています。
4章でもよろしくお願いします。
970 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/04/11(月) 00:37:25.70 ID:dzyYCH8m0
ネトウヨ・保守(笑)・右翼(笑)・老害右派の大嘘
「太平洋戦争は白人に対するアジア解放の戦いだった」
↑これ大嘘です
news.yahoo.co.jp/byline/furuyatsunehira/20200815-00193356
すべての侵略戦争にあった「大義名分」
「アメリカの経済制裁が気にくわないから」という理由だけでは対米開戦としての大義は弱いので、 日本は対米開戦にあたり「アジア解放(大東亜戦争)」をスローガンに掲げたのである。
当時アメリカの自治国であったフィリピンは アメリカ議会からすでに1945年の独立を約束されており、 日本軍の侵攻による「アジア解放」というスローガンは全く無意味として映った。 よって南方作戦で日本軍に占領されたフィリピンでは、そもそも日本の戦争大義が受け入れられず、 またアメリカの庇護下のもと自由と民主主義、そして部分的には日本より高い国民所得を謳歌していたフィリピン人は、 日本の占領統治に懐疑的で、すぐさまゲリラ的抵抗や抗日活動が起こった。
日本は、アメリカとの戦争の際「アジア解放」を掲げていたが、それよりさらに前の段階で、 同じアジア人に対し攻撃を加えていたのであった。よって多くのアジア地域では日本の戦争大義「アジア解放」は、美辞麗句で空疎なものと映った。 「アジア解放」を謳いながら、片方で同じアジア人である中国を侵略するのは完全な矛盾である。
「日本のおかげでアジア諸国は戦後独立した」
↑これも大嘘です。大日本帝国と関わりない中東やアフリカも独立してます。
「人種的差別撤廃提案で日本は唯一差別と戦った。白人は人種差別を支持した」
↑これも大嘘です。フランスやイタリアも日本に賛成してます。
https://w.wiki/4i4Q
日本国民自らが中国人を差別していることを思い起こすべきと主張し、吉野作造も日本が中国人移民を認めるだろうかという問いかけを行った。 事実、賛成しているのはどちらかと言うと移民を送り出す側の国であり、反対しているのが移民を受け入れる側の国である(イギリスも本国としては賛成だったが、オーストラリアの意向をくんで反対に回っている)。
「アメリカはドイツは人間として扱い、日本人を人種差別で猿や化け物扱いし、それが理由で原爆投下をした」
↑これも大嘘です。ドイツはアメリカに騙し討ちをしてませんから当然です。 開戦前に真珠湾騙し討ちで多くのアメリカ人を無差別攻撃した日本のイメージが最悪だっただけです。
https://w.wiki/4i4Z
原爆投下前に日本の風船爆弾でアメリカの民間人妊婦が殺害されています。ドイツより日本を恨むのは当然です。
「1945年5月5日、オレゴン州ブライで木に引っかかっていた風船爆弾の不発弾に触れたピクニック中の民間人6人(妊娠中の女性教師1人と生徒5人)が爆死した」
原爆投下は、本土決戦のアメリカ側の死者数(日本兵が降伏しないから)やソ連との日本占領競争が主な原因です。人種差別が理由ではありません。 アメリカは投下前に、原爆という新兵器の危険性のビラを撒き日本に降伏を勧めています(日本側は無視)。投下後の人体実験はしないよりする方が良いからついでに検査をしただけでしょう。
そもそも日本側も、アメリカ人やイギリス人だけを鬼のように扱っていました(鬼畜米英)。日本と開戦した連合国国家(オランダ等)は他にもあります。(自分らの差別は棚に上げる)
日本の戦争犯罪は戦場経験者でもある水木しげるさんが証言して漫画にしてます。 詳しくは「水木しげる 姑娘」「水木しげる 従軍慰安婦」で検索してください。 他には「スマラン慰安所事件」「バンカ島事件」で検索。
971 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/04/12(火) 00:14:25.25 ID:5q9nrOrd0
最近見始めて追いついたけど、ダンロンとシャニマス の要素をめちゃくちゃ高いクオリティで混ぜ合わせててすごい
この先も楽しみにしてます!
972 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2022/04/12(火) 21:06:02.14 ID:4+2O+BxJ0
次スレを立てました。
明日以降更新予定の四章はこちらで行います。
‣【シャニマス×ダンロン】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 Part.3
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1649764817/
973 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/06(金) 17:57:07.56 ID:rYV+b3N9O
SS避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/
748.14 KB
Speed:0.9
[ Aramaki★
クオリティの高いサービスを貴方に
VIPService!]
↑
VIP Service
SS速報VIP
更新
専用ブラウザ
検索
全部
前100
次100
最新50
新着レスを表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
書き込み後にスレをトップに移動しません
特殊変換を無効
本文を赤くします
本文を蒼くします
本文をピンクにします
本文を緑にします
本文を紫にします
256ビットSSL暗号化送信っぽいです
最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!
(http://fsmから始まる
ひらめアップローダ
からの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)
スポンサードリンク
Check
Tweet
荒巻@中の人 ★
VIP(Powered By VIP Service)
read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By
http://www.toshinari.net/
@Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)