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私「妖精を粉砕して失われたもの」
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/12/24(金) 20:27:47.87 ID:O8t46fem0
オリジナルのSSです
よろしくお願いします
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1640345267
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/12/24(金) 20:28:33.77 ID:O8t46fem0
──
私「マッドサイエンティストが意図的に逃した蝶が野生化した」
私「普通の蝶じゃなく人型の蝶。見た目が妖精みたいなので妖精って呼ばれている」
私「妖精は虫なので当然人のような知能はない」
妖精『ひらひらひら〜』
私「脳みそをくり抜いたら人間こうなるんだろうなという表情でいつも空を舞っていた」
私「大人たちはそんな妖精の姿に道徳的な危機感を覚え──」
私「子供たちは何も気にせず、妖精採集とか妖精相撲を楽しんでいる」
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/12/24(金) 20:29:49.01 ID:O8t46fem0
ミーンミンミン…
私(公園を散歩中、切り株の上に虫籠が置いてあるのを見つけた)
私(中で1頭の妖精がぐったりと倒れている)
私「……」
少年「それ、僕のだよ」スッ
私「あっ。ごめんなさい」
少年「じっと見つめていたけど、お姉さん妖精がほしいの?」
私「そういうわけじゃなくて、ただ元気がなさそうだなって」
少年「捕まえた時に網の中で暴れたから」
私「その妖精どうするの?」
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/12/24(金) 20:30:23.00 ID:O8t46fem0
少年「家で標本にするよ。自由研究の課題だからね」
私「そうなんだ」
少年「じゃあ僕、次の虫取りスポットに行くから」スタスタ
私「……」
ミーンミンミン
私「”可哀想だな”って思った」
少年「ん?」
私「でも、それは私のエゴなんだよね」
私「だって籠の中にいたのが蝶なら、私は同じことを思わなかったんだから」
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/12/24(金) 20:30:52.16 ID:O8t46fem0
──国会──
与党「ですので、妖精だけを保護する規定を設けることは現状不可能なわけです」
野党「それはどうしてでしょう」
与党「妖精を構成する物質は蝶と同じです。違うのは形だけ。いわば妖精とは変形した蝶に過ぎません」
野党「道端に落ちている妖精の死骸を見るだけで、多くの国民の皆様が胸を痛めているのですよ。保護法の整備が急がれるのでは?」
与党「見た目の違いによって例外を設けることには慎重になるべきです」
野党「なぜでしょう」
与党「可愛いから守るとか、美しいから区別するとかは、ルールとして曖昧過ぎるからです」
野党「そんなの動物愛護法だって同じじゃないか。美しいから区別するで結構だ。大事なのは国民の皆様がどう感じるかでしょう」
与党「その理屈では、美人税だって導入できてしまうことになる」
野党「暴論だ!」
ワーワー!
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/12/24(金) 20:31:21.70 ID:O8t46fem0
──
テレビ『暴論だ!』ワーワー!
私「何だか大変なことになって来たなぁ」
博士「言い争いではなく建設的な議論をして欲しいものだよね」フム
私「国会議員の皆さんも、妖精を逃がした張本人にだけは言われたくないと思いますよ」
博士「えへへ。照れるなぁ」
私「褒めてないです」
カラン
博士「ジュースおかわり」
私「はいはい」
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/12/24(金) 20:32:16.70 ID:O8t46fem0
ミーンミンミン…
博士「もうすっかり夏だねぇ」
私「ええ。妖精も随分と増えて来ました」
博士「やはり、春先に逃したのは正解だった」
──回想──
博士『はぁはぁ……逃したは良いけどこんなにすぐバレるなんて、私もまだまだだね』
私『わっ。たけのこ狩りをしに山に来たら白衣とリュック姿の怪我人を見つけた』
博士『実は追われている身なんだ。研究所から逃げてきたところで』
私『酷い怪我……今すぐレスキューを呼んで病院に行かないと』
博士『病院はまずい。無理を承知でお願いするけど、君の家に匿ってくれない?』
私『……事情はなんとなく察しました。力になりましょう』
──
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/12/24(金) 20:32:53.16 ID:O8t46fem0
博士「それで今まで家に置いてくれてるんだから、君ってばお人よしだよね」
私「博士が妖精を逃した犯罪者だって知っていたら、助けていたかは怪しいですよ」
カラン
博士「妖精の何が特別なんだろうか」
私「え?」
博士「見た目が人間に近くて可愛いというだけで、生態系は蝶々そのものだ」
博士「蝶のように蜜を吸い、蝶のように羽ばたいて──蝶のように役に立たない」
博士「なのに世間じゃこの騒ぎ。妖精なんてただの虫ケラなのにね。結局、見た目が全てってことなのかな?」
私「……」
博士「私はそういう疑問を世界に投げかけるために、妖精を作り出したのかもしれない」
私「嘘つけ」
博士「嘘だけど」
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