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【コンマ】ウマ娘とトレーナーがラーメンを食べに行くだけのスレ
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605 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/07(土) 21:57:18.53 ID:NPMLb+U3o
おつおつ
これの度量はボスウマですわ
606 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/05/08(日) 20:19:49.81 ID:SAgt1fn3O
「じゃあこの『新潟風煮干しそば』にしようかな。新潟風ってよく分からないけど」
天王寺トレーナーなら知ってるのだろうか。そもそも新潟ってそんなにラーメンがあるところだっけ。
「あ、じゃあカレンもそれで。東京で新潟ラーメンって、そこそこ珍しいよね♪どれかなー」
「新潟ラーメンっていうのがあるんだ」
フフン、と得意そうにカレンチャンが鼻を鳴らした。
「新潟って御当地ラーメンがいくつもあるんですよ〜。まず、新潟市中心のあっさり煮干しラーメン。青森のとは違って昔ながらの中華そばみたいな感じです。
新潟市には味噌ラーメンもあって、割りスープがついてくるのが特徴ですね。
で、長岡市のが生姜醤油ラーメン。これは秋葉原の『青島食堂』が代表格で、かなり濃い醤油味。
そして、多分一番メジャーなのが、燕市や三条市の『燕三条ラーメン』ですかね」
「さすが天王寺トレーナーの妹さんだけあって、詳しいのね……」
「全部お兄ちゃんからの受け売りですけど。実際に食べたのは、青島食堂と燕三条ラーメンの『潤』ぐらいですね。
ここのはどれなんだろ、煮干しってあるから燕三条かな?」
「どういうのなの、それ」
「見てのお楽しみ♪ウマスタ映えするかなー」
どういうラーメンなんだろう。ウマスタに載せるとなると、インパクトがあるんだろうか。
しばらくすると、店員が丼を持ってきた。……これって。
「スープの上に大量の脂??」
「あ、やっぱり燕三条系だ」
そう言うなり、カレンチャンは器用にラーメンと自分とが両方入るポジションを確保し、パシャリと自撮り写真を撮った。
「ん〜、ちゃんとカワイク撮れてるね♪後でアップしよ」
「え、これって脂っこくはないの?」
「食べてみれば分かりますよー。というか、本家に比べるとビジュアルは大分上品かも。とにかく、いただきまーす」
疑心暗鬼で麺を箸で持ち上げる。少し太目で楕円っぽい変わった麺だけど……
……ズズッ
……!!
「美味しいっ……!!思ってたよりずっと上品で、煮干しの味もしっかり出てる……!」
「ですね♪本家燕三条のをもっと洗練させて、キレを良くした感じ。
荒々しさを抑えてる分より煮干しが強調されてて、これはこれでアリですね♪」
タマネギや三つ葉の味がアクセントになっていて、しつこさはまるで感じない。むしろマイルドで、飲みやすくすらある。
2種類のチャーシューも、柔らかくて美味しい。特に炭火で焼いた方のは、相当ハイレベルなのが私でも分かった。
「それにこの麺……とてもスープと絡む。スープも煮干しだけじゃないのかしら」
「多分。鶏のスープが混じってるのかな?だから濃厚だけど飲みやすいですね」
アルコールを入れた胃には、とても優しい味だ。カレンチャンにつられてそこそこ焼鳥も食べたけど、すんなり完食できてしまった。
607 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/05/08(日) 20:34:53.96 ID:SAgt1fn3O
*
「ふー、お腹いっぱい♪ごちそうさまでしたー」
「はは……こちらこそ」
出費はまあまあな値段になった。食べている最中に天王寺トレーナーから連絡が入り、「今日のは私が後で建て替えます」とあったけど、それはそれで申し訳なく思った。
あるいはそれも織り込んでて、カレンチャンはあれだけ食べたのかもしれない。
「……で、トレーニングの件。受けてくれるかしら?」
店を出て切り出すと、カレンチャンはうーんと唸った。
「……正直、自信はないです。1400までしか持たないのは、自覚してますし。
三田村さんのことがなくても、多分悩んでたと思います。……策、本当にあるんですよね?」
「一応。基礎的なスタミナを付けさせるために、うちでは酸素カプセルを使った超回復法を導入してるの。それである程度は距離がもつようになると思う。
問題は、それだけじゃ多分足りないということ。距離をもたせるためには、あなた一人じゃ足りない」
「それってどういう」
「『ラビット』を使ったペース破壊。それで2400mを1800に『短縮』するの」
608 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/05/08(日) 20:41:40.07 ID:SAgt1fn3O
そう、逃げウマ娘を使ってペースをかき乱してもらう。超スローで走るなら、カレンチャンが使う本気の脚は短くて済むからだ。
だけど、問題は2つある。まず、ラビットが最初からスローで逃げても、それはたちまちブリュスクマンをはじめとした他のウマ娘に看破される。あっさり抜かれ、普通のペースにされるのがオチだ。
余程絶妙なペースで逃げないと、本質的にスローだと分かっているカレンチャンは、脚を温存できない。
そしてもう一つ。誰にラビット役を任せるか、だ。恐らく、ラビット役がブリュスクマンに勝ち切ることはない。負けるために走るのを、誰が快く受け入れてくれるのだろうか。
……その時、あるウマ娘の顔が浮かんだ。それは……
第12話 完
609 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/05/08(日) 20:42:48.46 ID:SAgt1fn3O
次回登場ウマ娘を決めます。3票先取です。
1 キタサンブラック
2 セイウンスカイ
3 ツインターボ
4 マヤノトップガン
610 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/08(日) 20:44:40.72 ID:zGER7aVFo
3
611 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/08(日) 20:45:25.49 ID:WlsFkp+20
4
612 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/08(日) 20:48:28.91 ID:5CENdabx0
2
613 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/08(日) 20:48:55.44 ID:paxhXFZ6o
3
614 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/08(日) 20:51:20.98 ID:aFD1m/DDO
2
615 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/08(日) 20:53:04.88 ID:VCctxTh3O
2
616 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/05/08(日) 20:54:55.39 ID:SAgt1fn3O
セイウンスカイで決定します。続いてジャンルを決めます。
安価下1〜5で、コンマが最も大きいものとします。
617 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/08(日) 21:07:31.19 ID:paxhXFZ6o
冷やしラーメン
618 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/08(日) 21:08:55.10 ID:WlsFkp+20
チャーシューメン
619 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/08(日) 21:11:17.05 ID:9Emq1voXO
鶏白湯
620 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/08(日) 21:12:28.90 ID:cC4AmMHcO
本格派豚骨ラーメン
621 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/08(日) 21:35:21.17 ID:kOEzcYYW0
二郎系
622 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/05/08(日) 21:56:32.15 ID:SAgt1fn3O
豚骨ラーメンで決定します。少しリサーチに時間がかかるかもしれません。
623 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/08(日) 22:04:59.57 ID:paxhXFZ6o
おつー
624 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/05/11(水) 12:51:11.39 ID:aRZi1Zy3O
今週の更新は厳しそうです。申し訳ございません。
625 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/11(水) 12:54:19.53 ID:p2aZAmiso
お疲れ様です、
626 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/05/21(土) 16:54:46.22 ID:G6JDJff3O
第13R
627 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/05/21(土) 17:14:05.15 ID:G6JDJff3O
「天王寺トレーナー、お話が」
授業終わりの私を、三田村嬢が呼び止めた。確か、この前のカレンとの話し合いは上手く行ったとは聞いていたが……
「カレンの件ですね」
彼女は少し辺りを気にすると、小声で告げた。
「天王寺トレーナーのトレーナー室で。カレンチャンも交えて話した方が良さそうです」
すぐに部屋に戻り、カレンに声をかける。話の内容を知っているからなのか、「ああ、あの件」と言ってきた。
「あの件?」
「うん、すぐに分かるよ。でも、カレンも詳しくは知らないの」
ノックの音がして、三田村嬢を招き入れる。コーヒーメーカーのスイッチを入れ、休憩用のソファーに座らせた。
「で、何かお考えが」
「はい。『ラビット』を使うことにします」
「ラビット?」
三田村嬢が頷いた。
「はい。カレンチャンの脚を2400まで保たせるには、スローペースが不可欠です。それも、超スロー。
そして、それを作り出し、かつブリュスクマンに気付かれないようにさせるには、ペースを作る『ラビット』が必要なんです」
なるほど、一理はある。しかし、そこには重大な問題がある。
「マラソンで使われる手法ですね。だが、それは自分が負けることを前提に動かないといけない。何より、そういう絶妙なペースの逃げを打てるウマ娘なんてそうそう……」
「一人、心当たりがいます。これから彼女に交渉に行こうかと」
「誰ですか」
「……セイウンスカイです」
※コンマ下
5の倍数 三田村トレーナーが担当
それ以外 男性トレーナーが担当
ゾロ目 ???
55 ??????
628 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/21(土) 17:16:39.91 ID:DbrdvmkP0
あ
629 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/05/21(土) 17:49:00.34 ID:G6JDJff3O
*
「え、私に用ですか?しかも天王寺さんと三田村さんの二人で」
風祭トレーナーの部屋を訪れると、セイウンスカイはじゃがりこを食べながらダラダラしているところだった。
「ああ。風祭君は?」
「あー……フラワーの練習を見に行ってます。用があるのはトレーナーさんじゃなくて、私になんですよね。これからお昼寝タイムだったんですけど」
「すまん。風祭君にも話を通した方がいい話だから、出直した方がよさそうだな」
「んー、困っちゃいましたねえ。セイちゃんモテモテ!なーんちゃって。
とりあえず、そうしてもらえます?私はのんびり寝たい……」
その時、不意にドアが開いた。小柄な少女の隣に、少し不機嫌そうな顔の体格のいい青年がいる。
「またサボりか」
「ゲゲッ、聞かれちゃってました?」
「あとで校庭3周だな。……と、天王寺さんと三田村さんじゃないですか。どうしたんです急に」
「ええ、折り入って話が。セイウンスカイにあるお願いをしようかと」
「お願い、ですか」
風祭トレーナーが怪訝そうな顔になる。彼は有能で熱心な男だが、やや融通の効かない所がある。
セイウンスカイにラビットをやってもらうことを、すんなり受けてもらえるとは考えにくい。もちろん、彼女の説得も重要になるが。
「ええ。本当に心苦しいお願いですが」
私はブリュスクマンと、対ブリュスクマンに向けた作戦を話し始めた。一通り説明し終わると、苦々しげな表情で風祭トレーナーが首を振る。
「論外です。そもそもそれは一種の八百長行為だ。お二人ともに優秀なトレーナーだと思っていただけに心底残念ですよ、お引き取りを」
まあ、そう来るだろうと思っていた。この件、何のメリットも彼らにはない。
無論、それに対する反駁の準備はしている。
「お待ち下さい。これはあなた、そしてセイウンスカイが勝つ有力な手段でもある。
レースは大体半年後、東京2400にて行われると聞いてます。『スペシャルチャンピオンズミーティング』として、ダービー以上の規模で行われるものです。
無論、あなたとセイウンスカイは出るつもりのはずだ。そして昨年の菊花賞の再現を狙っている、そうでしょう?」
「……それが何か?」
「セイウンスカイの逃げは警戒されている。だから、単騎逃げは期待できない。ただ、そこにもう一人の逃げがいたら?
そして、その存在がペースの把握を困難にさせるのなら、どうなると思いますか」
「話が見えないんですが」
私は身を乗り出した。
「フェイク『馬鹿逃げコンビ』を作るんですよ。セイウンスカイと、私のカレンチャンの2人で」
630 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/05/21(土) 18:28:00.14 ID:ePWkp5uMO
「フェイク『馬鹿逃げコンビ』?」
「ええ。2年前にパーマーがダイタクヘリオスと宝塚・有馬とグランプリ連覇した時の手法です。
ハイペースのように見せかけて2人で大逃げ、しかしその実は息を入れてドスロー。
直線に入った時には脚がたっぷりと残っている。そういう理屈です。
2人で馬鹿みたいに逃げるから、捕まえたくても警戒からそう前には行けない。それを再現させます。セイウンスカイとカレンチャンの2人で。
多分どちらかは潰れるでしょう。しかし、スタミナのあるセイウンスカイは生き残る可能性が高い。そのまま粘り込めるとしたら……」
風祭トレーナーがふうと溜め息をついた。
「なるほど。それでわざわざカレンチャンの作戦を教えにきたと?」
「ええ。悪い話じゃない。あなたとセイウンスカイに片八百をやってもらうわけでもない。普段通りやって、こちらがそれをアシストする。それだけのことです」
「……スカイ、どう思う?」
※コンマ下
01〜30 気が進みませんね
31〜90 ちょっとトレーナーさん、席外してもらえます?
91〜99 いいですよー
00 ?????
631 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/21(土) 18:30:08.48 ID:ZbEBl1/S0
せいや
632 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/05/21(土) 18:44:44.13 ID:ePWkp5uMO
少し休憩します。
633 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/21(土) 18:45:00.50 ID:TMtSJX4yo
たんおつ
634 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/05/21(土) 21:24:50.14 ID:inDY2dvrO
セイウンスカイは少し下を向いて考える素振りをした後、「トレーナーさん、ちょっと席を外してもらえます?」と切り出した。
「え」
「いや、ちょいとお二人に相談事があって。トレーナーさんのことは信頼してますけど、女の子同士でないと言えない話もあるんですよー」
「……そうか。三田村さん、いいですか?」
「あっ、はい」
どうにも男性陣はお邪魔のようだと思い席を立ちかけると、「天王寺トレーナーも残って下さい」と言われた。どういうことだろう。
風祭トレーナーが部屋を出るのを確認すると、セイウンスカイが「はあぁ」と溜め息をついた。
「何か風祭君とあったのか?」
「いえ、何も。……何もないから困ってるんですよこっちは」
私は三田村嬢と顔を見合わせた。
「どういう意味?」
「まあその説明は後で。お二人の意見、よく分かりました。私もブリュスクマンっていう新入生の話は聞いてます。
『史上最強、世界最強の新入生』で、トレーナーが胡散臭いハゲメガネ。実力は間違いないってのも知ってます。
で、お二人の作戦も理解しました。でもそれ、多分私に負けろっていうことですよね?」
「……そうとは言ってないが」
「にゃはは、このセイちゃんにはお見通しですよ?私が逃げ粘るような展開になるなら、スピードで勝るカレンチャンが多分差せるって。
確かに私の勝ち筋はそれしかないし、私が勝つならその作戦しかない。でも、多分カレンチャンに負ける。スタミナが保つなら」
さすが、中等部でもトップレベルの頭脳があるとされる彼女だ。学力テストの結果はグラスワンダーほどではないが、それでも科目によっては学年1位になることも少なくない。
「こちらの狙いはお見通しだったというわけか……。すまないが、そういうことだ。
だが、今のところこれが打倒ブリュスクマンには一番近い。受けてはくれないか」
「このままだと私に得は何一つないですよね?だから、取り引きといきませんか?」
「取り引き?」
セイウンスカイが頷く。心なしか、顔が赤くなっているように思えた。
「あのー……ですね。私、トレーナーさんのことが好きなんです。ウマ娘としてじゃなく、女の子として。
でも、距離を詰めようと思ってもどうしたらいいか分からなくて。いつもついついごまかしちゃって。
そうしてる間にフラワーとどんどん仲良くなっちゃって。いや、そういうことにならないとは思ってますよ?
フラワーはまだ12だし。それに、私の幼馴染ですっごくいい子だから彼女を取られるのもやだし。
あーもうとにかく!お二人にはトレーナーさんと私をくっつけるお手伝いを……してもらえないかなぁって」
私は細い目を見開いた。……そう来るとは思わなかった。
三田村嬢も驚いた様子だったが、すぐに微笑んで話しかける。
「まずはお食事とか誘えばいいんじゃないかな?練習終わりとかなら、ある程度聞いてもらえるかも」
「……それができたら苦労しないですよ。理屈がないと……」
理屈、か。
……これだ。
「『チートデイ』を口実にするのはどうだ」
635 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/05/21(土) 21:35:51.70 ID:inDY2dvrO
「『チートデイ』?」
私は定期的にバクシンオーやカレンチャンをチートデイに誘っていることを明かした。
筋力の効率良い増強に繋がる方法であることを説明すれば、風祭トレーナーも納得はするだろう。
説明が一通り終わると、「うーん……」とセイウンスカイが唸った。
「まだ質問が?」
「いや、どこに連れていけば喜ぶんだろうなって。というか、フラワーを仲間外れにするのもどうかと思っちゃって……」
「ニシノフラワーのことなら、歳の近いカレンチャンが何とかするだろう。路線が同じこともあって、仲も確か良かったはずだ」
「あとは風祭君の好みよね。いきなり高級店は無理があるし……」
「……あ」
パン、とセイウンスカイが手を叩いた。
「確か、トレーナーさんは福岡出身だって言ってました。で、こっちにはちゃんとした豚骨ラーメンがないってぼやいてたような」
「豚骨、か」
「心当たりあるんですか?」
「……まあなくはない。ただ、ちょっと女性にはキツい店だが、それでもいいか?」
「はい!それで距離が詰められるなら!」
そういうことなら店は決まりだ。あとは、我々も同行するかだが……
1 同行する(その後のデート?は結果のみ)
2 2人だけにさせる(セイウンスカイ1人称)
※3票先取です
636 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/21(土) 21:37:03.42 ID:yC9Mm88k0
2
637 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/21(土) 21:38:20.58 ID:DbrdvmkP0
2
638 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/21(土) 21:38:40.76 ID:8pwW1puOo
2
639 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/05/21(土) 21:39:58.71 ID:inDY2dvrO
第13R 高円寺「健太」
640 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/05/21(土) 21:40:25.95 ID:inDY2dvrO
では2とします。少々お待ちを。
641 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/05/22(日) 23:58:30.15 ID:BWh7lUcpO
*
「……遅いなあ」
私は腕時計を見た。時刻は9時45分。まだ待ち合わせには15分も時間がある。
でも、私は30分前に来てしまった。まさに入れ込みだ。自分が悲しくなる。
コーディネートはバッチリだ。普段のオーバーオールじゃなく、キングに頼んで女の子っぽいワンピースを見立ててもらった。ズボンじゃないから下がすーすーして落ち着かない。
これはデートじゃない。あくまで「チートデイ」というトレーニングの一環。それは分かってる。
でも、やっと来たこの千載一遇の機会、モノにしないわけにはいかない。そう、いかないのだ。
天王寺トレーナーは「案内ぐらいはしておこうか?」と申し出てくれたけど、丁重に断った。他の子たちもいる中で、私たちだけ離脱というのは流石に難度が高過ぎる。
皆一緒にご飯というのも悪くはない。そもそも、そんな機会すら作れていなかったのだから。
だけど、多分この機会を逃したら、私は一生風祭さんとの距離を詰められないままだ。私はそう直感していた。
「……早いな」
驚いたような声が不意に聞こえた。思わず顔が綻びそうになるのを強引に抑える。
「ト、トレーナーさんこそ、遅かったじゃないですか」
「むう、大分前に着いたつもりだったんだがな。まあいいか」
渋い表情で風祭さんが言う。ダメだダメだ、何で素直になれないかなあ……
「そ、そんなことより、チートデイですねえ。セイちゃん、初めてなんですよー」
「む、そうだな。フラワーも一緒のほうがよかったんだが、天王寺トレーナー及びカレンチャンとの合同トレーニングじゃ仕方ない」
「やり方はバッチシ天王寺トレーナーから聞きましたよー。好きなものをお腹いっぱい食べる!それだけでトレーニング効率が上がるなんて、素敵ですねえ」
「俺も半信半疑だが、天王寺さんの実績は凄いからな。何より、ボディービルダーとしても著名だ。うちでも試してみる価値はある。
にしても、なぜ俺より先にスカイに説明したんだろうな?」
ギクッと一瞬なった。そこを突っ込まれると具合が悪い。
「さ、さぁ??と、とにかく行きましょうよー。場所は高円寺!……高円寺?」
「いや、スカイが店を選んだんじゃないのか?」
「あ、はは……そうでしたね」
自慢じゃないけど、私は地理に疎い。高円寺なんて、今まで行ったこともない。大丈夫かなあ……
「そもそも何を食べるつもりなんだ」
「あ、えっと、豚骨ラーメンにしようかなと。トレーナーさん、福岡の出身でしたよね?だからせっかくなんで、トレーナーさんにも楽しんでもらえないかなーって」
※風祭の反応
01〜30 東京で豚骨?
31〜70 ほう、それは楽しみだな
71〜95 君もラーメンが好きなのか
95〜00 ほう……
642 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/23(月) 00:00:07.01 ID:6vCv4Bq6o
それ
643 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/05/23(月) 00:11:18.14 ID:Mbucx0MWO
「東京で豚骨?」
トレーナーさんが怪訝そうになった。というより、嫌そうな表情だ。
「え?」
「いや、俺に気を遣ってくれたのは分かるが、東京でマトモな豚骨ラーメンはまず食べられないぞ。というより、俺は知らない。
だからこっちに来てからラーメンは食べないようにしてるぐらいだ。悪いが、別の店にしないか」
「……そうなんですか」
「本場の豚骨は大体が臭い。だから異臭騒ぎが起きかねない東京じゃ、ちゃんとした豚骨ラーメンは出せないと聞いたことがある。
だから、連れて行ってもらって不機嫌になるなら、行かない方がいいってことだ。すまないが」
……こんな展開は想定外だ。顔面が蒼白になるのが自分でも分かる。
ただ、天王寺トレーナーはラーメンにおいては絶対の知識がある人であるらしい。風の噂でそう聞いていた。
だから、多分このお店は大丈夫のはずだ。……うん、きっとそうだ。
※コンマ下
01〜70 通常進行
71〜80 ????登場
81〜00 ??登場
644 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/23(月) 00:13:19.68 ID:q1F6RthQ0
お
645 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/05/23(月) 00:15:25.40 ID:Mbucx0MWO
続きは週内に。いきなり前途多難な幕開けですが……?
646 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/23(月) 00:24:04.86 ID:3x0XEqTvo
あっコイツ……
647 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/23(月) 00:24:38.27 ID:3x0XEqTvo
おつおつ
セイちゃんがんばえー
648 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/05/28(土) 21:26:36.33 ID:u/Usl88AO
私は勇気を振り絞って何とか声を出した。
「あっ、でもでも、ほんっとうにセイちゃんお墨付きのとこなんですよー?だからねっ、行きましょうよ」
「……まあ、スカイがそこまで言うのなら」
風祭さんは微笑んだ。だけど、ほんのわずかに溜め息をついたのを聞き逃す私じゃない。
この人は嘘がつけない、不器用な性格だ。だから、たまに他のトレーナーと衝突することもある。
そういう曲げない生き方を好きになったのだけど、こういう時ぐらいは見せないでほしかったな。
でも、美味しいと分かればきっと機嫌も直してくれるはずだ。そして、そうなれば……うん、きっと上手く行く。……多分。
*
総武線から中央線に乗り継ぎ、私たちは高円寺に着いた。
電車の中では、どうにもギクシャクした感じになってしまった。またいつものように天気の話だけで終わっては話にならない。ムードをなんとか変えなきゃ。
場所は天王寺トレーナーから聞いている。この商店街を突っ切って行くんだっけ。
※道中で……
01〜50 誰かに会う
51〜70 誰とも会わない
71〜95 行列に誰か並んでいる
96〜00 ……あれは?
649 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/28(土) 21:27:40.35 ID:xuTTR5Hz0
あ
650 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/28(土) 21:28:21.61 ID:K3Ip5naeo
あ
651 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/05/28(土) 21:30:55.93 ID:u/Usl88AO
※出会ったのは……
01〜35 ネイチャ(風祭トレーナーが担当)
36〜70 ネイチャ(別のトレーナーが担当)
71〜85 ネイチャ(三田村トレーナーが担当)
86〜00 再判定
652 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/28(土) 21:32:32.74 ID:K3Ip5naeo
うい
653 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/05/28(土) 21:54:51.13 ID:u/Usl88AO
商店街に入った時、どこかで見たツインテールの少女が八百屋のおばちゃんと歓談していた。
……ゲゲッ、マズい!
「トレーナーさん、この道はやめときましょうよ」
「え、何でだ?」
「何でもかんでもですよ!ほらっ、行きまし」
「あれ?そこにいるのはひょっとして!?」
あー、もう……気付かれた。何で私っていつもこうなんだろう……思わず天を仰ぐ。
「ん、ナイスネイチャか?」
「あー、やっぱり。セイちゃんおいっすー。風祭トレーナーもご一緒で、どうしたんですか」
「ああ。ちょっと所用でね。君こそ奇遇だな」
「あー、ここアタシの地元なんですよー。おばちゃん、この人がトレセン学園のトレーナーさん。アタシの担当じゃないけど」
八百屋のおばちゃんと風祭さんが話し始めた。ネイチャは落胆している私に気付いたのか、申し訳無さそうに耳打ちする。
(ごめん、邪魔するつもりはなかったんだけどさ)
(あー……いいよ。何かこんなことになる気はしてた)
(デートでしょ?三田村さんから話は聞いてる)
私は目を丸くした。そうか、彼女は三田村トレーナーの担当なのだった。ここに私たちが来る可能性も聞いていたんだろう。
「そうなの?」
「しっ、声が大きい。どこのお店に行くかも大体聞いてる。あそこでしょ?」
彼女の視線の少し先には、数名の行列ができていた。どうやらあそこが目的地らしい。
「あー、うん。でもあんまり空気がよくなくてさ。ちょっと自信ないんだ……」
「まあそこはこのネイチャさんに任せなさい!ご飯食べた後にもう一度ここに来てもらえば、ばっちしデートルートを紹介してあげる」
「本当に!?」
「どうかしたのか、スカイ」
風祭さんが振り向いた。私は慌てて「な、何でもないです」と返す。
「じゃ、そういうことで。あそこマジで美味しいから、きっと気に入ると思うよー」
「ん?ナイスネイチャは誘わなくていいのか?」
「あー、アタシはもうご飯食べちゃったんで。また後でー」
そう言うと何事もなかったかのように、ネイチャはおばちゃんとの会話に戻っていった。
デートコース……最初は新宿でお買い物とか考えてたけど、高円寺で何かあるのかな。
※行列には……
01〜85 誰もいない
86〜95 誰かいる(再判定)
96〜00 ん?あんたは……
654 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/05/28(土) 22:05:29.75 ID:u/Usl88AO
上の判定を修整します。
96以上は特に何もなしです。
655 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/05/28(土) 22:05:57.54 ID:u/Usl88AO
96以上以外は、の間違いでした。
656 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/28(土) 22:15:44.39 ID:vd9bX2uxo
ん
657 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/05/28(土) 22:41:51.34 ID:u/Usl88AO
*
行列に近付くと、何か異臭がし始めた。……何だろう、これ。獣の臭いというか、なんというか……
しかし、いい匂いとは到底呼べない。……これは大変な選択ミスをしちゃったのかも……
「トレーナーさ……」
「……この臭いは」
風祭さんが驚いたように鼻をうごめかした。
「え?」
「いや、間違いない。これが本物の豚骨の臭いだ。しかし、よく都内で……」
「これが豚骨ラーメンの臭いなんですか?」
「ああ。しっかりと骨から煮出しているとこういう臭いになる。ただ、下処理を中途半端にやった豚骨でスープを取った場合でも似た臭いになることはある。
本当にしっかりした豚骨ラーメンの店は、実は本場でもそう多くはないんだよ」
「そうなんですか」
「ああ。だから最近は福岡でもマトモな豚骨ラーメンを出す店は限られてる。東京で出会えるとは思ってなかったが……」
店には外との敷居がなく、まるで半分屋台みたいな感じだ。「中洲長浜屋台ラーメン初代 健太」とある。
店の中には「極悪スメルを味わってください」とある。なるほど、確かに強烈な臭いかも。
少し並んで食券機でラーメンを2枚買う。メニューは基本「豚骨ラーメン」だけ。ご主人一人で切り盛りしているらしい。
「福岡といえば、屋台ですよね」
「屋台のラーメンは大体観光客用の出来合いのスープを使ってるから、こんな臭いはさせてないんだ。
あと、スープを継ぎ足す『呼び戻し』は屋台でやるには難しいとも聞いてる。スープを使い切る『切り取り』が殆どだが、それでも長時間煮込まないから意外と味は薄い」
「そんなもんなんですかね」
「イメージと現実は、悲しいかな大分違うんだよ。……ここのが本物ならいいが」
風祭さんが少し寂しそうに言った。ひょっとしたら、向こうでも豚骨ラーメンは絶滅危惧種になりつつあるんだろうか。
そうしていると、「お待ち」との声と共に丼が2つ、私たちの前に置かれた。
スープの表面には油の膜が張っていて、スープは思っていたほどクリーミーな感じじゃない。むしろサラッとした感じだ。
※80以上で?
658 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/28(土) 22:42:09.19 ID:Cnf9ZMgf0
よ
659 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/05/28(土) 22:54:00.01 ID:u/Usl88AO
※特になし
(追加情報なし)
続きは明日です。
660 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/28(土) 22:55:58.58 ID:Cnf9ZMgf0
乙です
661 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/28(土) 22:57:16.66 ID:K3Ip5naeo
おつつ
662 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/05/29(日) 18:48:36.46 ID:Ei6SN/jaO
「スープの匂いは……普通ですね」
麺を持ち上げると、極細麺にスープの脂が絡んでいた。思い切って啜ると……
「んっ!!?」
濃厚な豚骨の旨味がダイレクトに舌を刺激した。そして、何より……熱いっ!
「……違う」
レンゲでスープを味わいながら、風祭さんが呟く。しかし、表情には驚きはあっても、落胆はない。
「えっ、それってどういう……」
「俺の知っている長浜ラーメンとは違う。だが、紛れもなくこれは豚骨だ。
濃厚な久留米でも、ライトな長浜でもない。こんな豚骨ラーメンがあったなんて……」
そう言いながら、風祭さんは麺を啜った。そして小さく頷く。
「東京風にアレンジしたわけでもない。……何だろう、これは……」
よく分からないけど、美味しいのは確かだ。もう一度私は麺を味わった。パツパツとした歯応えが、サラッとしたスープにとても合っている。
スープは脂っこいかと思いきや、意外と後味はサッパリしている。濃厚だけどクドくない、それでいて薄くもなく濃厚。
矛盾したものが両立している、そんな不思議なスープだ。そしてスープをよく見ると、何か細かい粉みたいなものが沈んでいる。……骨の粉末?っぽい。
ゴマと辛子高菜、そして紅生姜はカウンターから入れ放題らしい。辛子高菜を一欠片入れると、味が一気に引き締まった。
何より、このスープを覆う油膜だ。スープが冷めにくいから、味がしっかりしたままでボヤけない。これが本場の豚骨ラーメンなんだろうか。
ふと横を見ると、風祭さんが「替え玉頼めますか」と訊いていた。あ、そういえばそんなのもあるんだっけ。
「トレーナーさん、どうです?」
「旨い。ただ、このスープの正体は何だ……?」
ご主人が替え玉を持ってきたタイミングで、風祭さんが切り出した。
「すみません、こちらどこで修行を?」
「あー、うちは『博多シャバ系』の『駒や』なんです。割と新しい系列なんで、知らない福岡の人も多いかもですね」
「『博多シャバ系』」
「ええ。スープの取り方も普通のお店と大分違うんです。というか、大昔のやり方に近いのかな。
だから、『古いけど新しい』豚骨ラーメンなんです」
豚骨ラーメンにも派閥みたいなのがあるんだ。全然知らなかった。
ご主人が厨房へと去ると、風祭さんはぼーっとしていた。
「古くて新しい、か……固定観念に囚われていたのかな」
そう言うと、替え玉の麺を啜り、また「……うん、旨い」と彼は呟いたのだった。
663 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/05/29(日) 18:53:23.57 ID:Ei6SN/jaO
*
「いやー、美味しかったですねえ。……満足、していただけました?」
風祭さんはボーッとした様子だったが、しばらくしてビクッと反応した。
「あっ、ああ。旨かった。間違いなく旨かった。だが、何だろうなあのラーメン……俺の知る豚骨ラーメンじゃないのに、何か懐かしかった。あれは一体……」
視線の向こうにネイチャがいた。まだ八百屋のおばちゃんと話していたらしい。
「おいっすー。どう、美味しかった?」
「美味しかったよー。でもトレーナーさんが何か悩んでいるみたいで」
「へ?」
風祭さんが一歩前に出た。
「ネイチャ、『博多シャバ系』って何か知ってるか?」
※75以上で知っている
※00で??
664 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/29(日) 18:55:54.12 ID:QSNqEgMr0
あ
665 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/29(日) 18:56:42.76 ID:h01gk7Cso
おなじみ
666 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/05/29(日) 19:16:42.79 ID:Ei6SN/jaO
「ほえ?いやー、ネイチャさんにはラーメンのことはさっぱり。うちのトレーナーさんが最近一生懸命勉強してるみたいだけど」
「三田村トレーナーが?まあ、天王寺トレーナーなら知ってるだろうが……」
「まあ、美味しければなんだっていいじゃないですか。で、セイちゃんちょっとちょっと」
ネイチャが私を呼んで耳打ちした。
(2つ候補があるんだけど)
(へ?どういうこと?)
(いやさ、高円寺って結構カフェあるのよ。で、メルヘンな方とシックな方とどっちがいい?)
何かいきなり二択を迫られた。うーん、ここは……
1 メルヘンな方
2 シックな方
※3票先取
667 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/29(日) 19:17:07.03 ID:y8qoDJquo
1
668 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/29(日) 19:23:17.26 ID:qDkf9ijj0
2
669 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/29(日) 19:23:24.19 ID:AfpmbJjrO
1
メルヒェン
670 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/29(日) 19:38:41.02 ID:QSNqEgMr0
2
671 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/29(日) 19:39:10.34 ID:Oa6WsEyDO
2
672 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/05/29(日) 20:55:32.96 ID:Ei6SN/jaO
(じゃ、じゃあシックな方で)
(了解っと。線路を挟んで向こう側の商店街にあるとこだよ。場所は後でLINEしとくね。あと、そこ2階は私語禁止エリアだから)
(え、ええーっ!?)
なんかとんでもない選択をしてしまったようだ。いや、落ち着いたとこの方がいいかなって思ってたけど……
「ん、どうした?」
「あっ、いやっ、その……まだ帰るには早いから、お茶でもどうかなって……」
「喫茶店か。俺は構わないが」
チラッとネイチャを見ると、サムズアップしながらウインクされた。いやいや、ただでさえ会話が続かないのに私語禁止カフェって……
でも、このまま何もなしってのは困る。もうこうなったら行くしかない。
「じゃ、じゃあ本屋に寄ってから行きますかー……ハハハ……」
「本屋?何か買いたい本でもあるのか」
※安価下自由安価
(余程変なものでなければ採用します)
673 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/29(日) 20:58:37.02 ID:h01gk7Cso
博多の旅行ガイドブック
674 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/05/29(日) 21:24:02.46 ID:Ei6SN/jaO
「あ、旅行のガイドブックでも買おっかなって……」
「旅行か。遠征ついでにというのも悪くないな。考えておくよ」
「やった!」と声に出かかって、それを必死に押し留めた。フラワーとかチームメイトも一緒に決まってるじゃないか、私……
そもそもどこのガイドブックにしよう。……そう言えば、今まで一回も博多に行ったことがないんだよね。
小倉遠征ついでに風祭さんのご実家へ……って何考えてるんだ私は。思いっきりかかってるじゃん。
「……何顔を赤くしてるんだ」
「い、いえっ?な、なんでもないですよぉ?」
思い切り声が裏返っている。どうしてこう素直になれないんだかなあ……
一度恋愛強者の誰かに相談した方がいいかもしれない。誰かはさっぱり思い付かないけど。
*
「ここ、かあ……」
ビルの2階に登る階段の前に、「アール座読書館」という看板があった。読書用のカフェ、ってことなんだろうか。
よく考えれば、普通のカフェに行っても会話が続かないことは簡単に想像できた。ネイチャなりに考えてここを紹介してくれたのかもしれない。
「そうみたいだな」
「トレーナーさんは本屋で何を買ったんです?」
「ああ。博多ラーメンの最新ガイドブック、それと栄養学の本だな」
「栄養学、ですか」
「ああ。恥ずかしながら、チートデイのことも知らなかったからな。天王寺トレーナーはこの道のプロだが、少し俺も学んだほうがいいと思ってね」
真面目だなあ。こういう所は本当に尊敬できる。これでもう少し女心を察してくれればいいんだけど。
階段を上がり、扉を開けると……
……
…………
静かだ。あまりに静か過ぎる。なるほど、会話なんてできる感じじゃない。
「お客様、2名様ですか」
小声で女性の店員が言った。
「ええ」
「会話されたいなら、3階もありますが」
風祭さんがチラッと私を見た。
※6の倍数で3階に
※66か00でイベント
675 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/29(日) 21:24:23.92 ID:y8qoDJquo
ヌッ
676 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/05/29(日) 21:47:43.00 ID:Ei6SN/jaO
お喋りもしたいけど、正直に言って自信がない。私は「ここでいいです」と頷いた。
「じゃあここで」
「承りました。どうぞこちらへ」
コポコポと水槽のポンプの音だけが響いている。店内にはそこそこ人がいるけど、皆読書をしていた。やっぱりそういうお店らしい。
メニューはコーヒーが中心で、かなりこだわっているらしかった。ただこの手のお店には珍しく、ケーキ類はやたらと安い。
(コーヒーは飲めたよな)
(はい、お任せします)
小声で風祭さんがブラジルとブラウニーを2人分注文した。しばらくすると、ポットごと店員さんがコーヒーを運んでくる。なるほど、長時間粘れるように最初からしてるわけか。
コーヒーをカップに注ぐと、風祭さんは無言でラーメンの本を読み始めた。余程「シャバ系」が気になったらしい。
私もガイドブックを開く。博多のだと知られないよう、一応カバーは付けておいた。
博多というと、今は再開発の真っ盛りらしい。特に天神は色々変わりつつあるらしい。
ガイドブック曰く、このエリアは博多ではなく「福岡」であるそうだ。なんか違いがサッパリ分からないけど、福岡の人にとっては全然違うらしい。
ラーメン店の紹介も書いてあった。あのミシュランにも博多ラーメンは紹介されているらしい。
「元気一杯」は何かで見たことがある。「来来」……透明な豚骨ラーメンもあるんだ。知らなかった。
ただ、ここを読んでも「シャバ系」の説明は書いていない。まあ、そうだよね。
福岡は釣りも盛んらしい。そう言えば、野球選手の……誰だっけ、ジョージなんとかという人が釣り人になったって話も書いてあったけど。
じいちゃんを連れてきたら喜ぶだろうなあ。そういうチャンスが来るのかは、さっぱり分からないけど。
どれぐらい時間が経ったのか。本から目を離し、コーヒーを口にする。少し冷めちゃってたけど、しっかりとした豆を使っていると、私にもすぐ分かった。
ふと風祭さんを見ると、栄養学の本を真剣に読んでいた。私のことはちっとも目に入ってないみたいだ。
でも、その真剣な表情がとても愛おしく思えて。途中から私の目は本ではなく、本を読む彼の姿に向いていたのだった。
*
「……そろそろ引き上げるか」
「ひゃいっ!?」
声が裏返ってしまった。静かな店内では目立つと、慌てて口を抑える。
そのまま逃げるように、私は店を出た。というか、ずっと見てたの気付かれてないよね……
※90以上で気付かれてる
677 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/29(日) 21:49:43.00 ID:9HmrcTJE0
け
678 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/05/29(日) 21:52:17.06 ID:Ei6SN/jaO
※特殊イベント発生
せっかくなので、もう一度判定します。
奇数→90以上イベント消化後○○登場
偶数→???
679 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/29(日) 21:52:49.15 ID:/XsgisAhO
ここまで00は全部奇数だがさて
680 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/05/29(日) 21:55:30.65 ID:Ei6SN/jaO
想定外のため今日はここまで。
空気を読まず奴が来ます。
681 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/29(日) 22:17:35.01 ID:h01gk7Cso
おつおつ
セイちゃん、恋愛でも大駆けか?
682 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/06/04(土) 21:22:43.85 ID:dgiPYCkQ0
支援
683 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/06/05(日) 18:06:13.35 ID:paLchLasO
今週はお休みの可能性大です。申し訳ありません。
684 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/06/05(日) 18:16:46.78 ID:Xsqi0Ey1o
ゆっくりと休むがよいぞ
685 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/06/05(日) 18:22:37.37 ID:lXFwyt5Ro
報告お疲れ様
686 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/06/05(日) 19:17:47.98 ID:cvRxNodZ0
はい
687 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/06/11(土) 17:56:31.28 ID:gSjxs612O
*
「なかなか良い雰囲気の店だったな。落ち着いて過ごせた」
「で、ですねえ……」
風祭さんは外に出ると軽く伸びをした。涼しいそよ風が彼の髪を揺らす。
「じゃ、じゃあ、トレセン学園に戻りますか」
「ん?何か言いたいことがあるんじゃないのか」
「うぇっ!!?」
急に話を振られて腰が抜けそうになった。
「ど、どうしてそんな!?」
「いや、途中から俺の方をじっと見てただろう。決して不快じゃなかったが、話でもしたいのかと思ってた。
あそこだと会話できる空気じゃなかったしな。場所を変えて、話せる場所に移動しようかと、な」
顔が真っ赤になって茹で上がりそうになる。……見つめてたの、気付かれてたんだ。
「い、いやっ、本当に、何もないんですヨ?……本当に……」
このまま消えてしまいたくなる。あー、本当に私ってダメだ……。なんでここで誤魔化そうとしちゃうんだろう。
ふと、風祭さんとの距離が近くなったのに気付いた。頭をわしゃわしゃとやられている。
「……何もないわけがないだろう。鈍感な俺でも、さすがに気付く」
「……え?」
少しだけ、彼が息をついた。
「まず、最初に言っておく。俺とスカイとは大分歳が離れている。ちょうど一回りぐらいか。
だから、すぐにそういう関係にはなれない。そもそも、色恋よりもまずレースだ。俺にはお前を日本一のウマ娘にする責務がある」
「……はい」
分かっていた。風祭さんの性格上、私の気持ちが知られたらそういうことを言うであろうことは。
私はまだ中等部だ。大人の彼とは、大分年齢も違う。私のこの感情だって、ただの憧れに過ぎない。そんなのも分かってる。
でも、こうやって面と向かって言われると……さすがに凹むなあ……
目から熱いものが込み上げてきた。……だから知られたくなかったんだ、この気持ちは。
688 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/06/11(土) 18:00:36.53 ID:gSjxs612O
「泣くな。俺の話はまだ終わってない」
「……え」
また、頭をわしゃわしゃとされた。顔を上げると、彼は微笑んでる。
「だが……お前が日本一のウマ娘になったら。そしてもう少し大人になって、その気持ちが変わっていなかったら……もう一度、ここに来よう。
トレーナーとウマ娘ではなく、男と女として」
「……それって!?」
頬に、軽く柔らかい感触がした。風祭さんの顔も、少し赤くなっている。
「……ここから先は、数年待ってくれ」
「……!!?」
……え?ちょっと待って、今私何されたの?というか、待つって何を??
混乱で頭がくらくらする。えっと、これって、つまり……
「ト、トレーナーさんっ!!」
私は彼の胸に飛び込んだ。
……いや、飛び込もうとした。
その時、風祭さんの顔色がサッと変わったのに気付いた。
689 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/06/11(土) 18:03:57.62 ID:gSjxs612O
「な……何であなたがここに」
視線は私を見ていない。その先の誰かを見ている。
思わず振り返ると、そこには……
「トレーナーとウマ娘の交際は、学園規則で禁じられているはずですがなあ」
眼鏡の禿頭が、ニヤニヤと笑いながら10mほど先にいた。
※75以上で一人ではない
690 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/06/11(土) 18:04:49.84 ID:msBXTUF7o
このハゲー!
691 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/06/11(土) 18:35:52.28 ID:qOGgkhVNo
https://i.imgur.com/Ws7lyy2.jpg
692 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/06/11(土) 18:39:22.18 ID:6vdyD1i9O
「芹沢トレーナーっ……!?」
彼の後ろには、少し日に焼けた肌の、ゆるいTシャツ姿の少女がいた。……ウマ娘?
「いやいや、無粋だったな。俺も連れがいる」
彼女は私をじっと見ている。噂には聞いたことがある。褐色の肌にツリ目気味の目。短めの黒髪。全ての特徴が噂通りだ。
多分彼女が、ブリュスクマンだ。
「……どうしてここに」
「いや、ゆっくり読書でもしようかとな。実は家がこの近所でね。そうしたら、お熱いシーンを見てしまったというわけだ。
まあ、俺も客観的には未成年者を連れ歩く怪しげな中年だからな。脅せる立場にはない」
「彼女がブリュスクマン、か」
「……Sir, can I speak to them?」
「いや、いい。お前は日本語まだ慣れてないだろ」
「……Yes, sir」
風祭さんは芹沢トレーナーをじっと見ている。芹沢トレーナーは余裕の笑みだ。
「彼女は寮に入ってるはずでは」
「いや、特例で俺が面倒を見ている。まあ見ての通り、会話もまだ不自由だからな。
もちろん、お前らのようないかがわしい関係じゃないから安心しろ」
「……俺たちもまだそういう関係では」
クククッと芹沢トレーナーが嗤う。
「あー、みなまで言うなよ。甘酸っぱすぎて胸焼けしそうになったからな。
まあ、俺とコイツが一緒に住んでいるのは秋川の若作りババアとURAの最上級幹部しか知らない。お互いに秘密を抱えた、というわけだ」
「……互いに黙っていろ、というわけか」
「その通り。まあ、俺の方は探られて困ることは何一つないがな。面倒は嫌なんでね」
彼らがこちらに近付いてくる。妙な緊張感で、私はその場から動けなくなった。
その緊張感の源は……ブリュスクマン。とてつもない圧迫感と威圧感。
こんなウマ娘なんて……初めて見た。
すれ違うその時、芹沢トレーナーが真顔で告げた。
「……『健太』に行ったな?」
「……!!?何でそれを」
「時間は経ってもあそこの臭いは強烈だからな、服にその残滓が僅かに残ってる。
女連れで豚骨、それも『シャバ系』に行くのはまず考えにくい。……天王寺が『チートデイ』の先として紹介したか」
「……そこまで分かるのか」
「あいつの手口は分かりやすいんだよ。そして、天王寺と組んだということは、お前らの手口も見えた。『逃げる』つもりだな?
だが、コイツに小手先の細工は通用しない。ま、精々頑張ることだな」
ポン、と芹沢トレーナーが風祭さんの肩を叩いた。
そしてブリュスクマンは……
「I`ll divestate you」
それだけ言って、カフェへと消えていったのだった。
第13話 完
693 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/06/11(土) 18:40:56.81 ID:6vdyD1i9O
次回のウマ娘を決めます。以前登場したキャラでも可です。
安価下1〜5で、コンマの最も大きいものとします。
694 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/06/11(土) 18:45:06.58 ID:qOGgkhVNo
サクラチヨノオー
695 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/06/11(土) 18:47:32.60 ID:DSRecOt/o
マチカネフクキタル
696 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/06/11(土) 18:52:23.60 ID:MpNGeI5ao
ナイスネイチャ
697 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/06/11(土) 19:05:51.96 ID:Va4b22BWo
にしのふらわー
698 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/06/11(土) 19:06:45.61 ID:g3Rd3HG30
ゼンノロブロイ
699 :
◆/4adlfiarI
[saga]:2022/06/11(土) 20:00:16.53 ID:6vdyD1i9O
ニシノフラワーとします。いい繋がりですね。
続いてテーマを決めます。安価下1〜5、コンマの最も大きいものとします。
700 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/06/11(土) 20:04:51.56 ID:1diDc8Zqo
二郎系
701 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/06/11(土) 20:11:29.50 ID:qOGgkhVNo
トマト系
702 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/06/11(土) 20:14:11.21 ID:xBrW527SO
鶏白湯
703 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/06/11(土) 20:15:30.85 ID:rmx9MiQ70
塩ラーメン
704 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/06/11(土) 20:19:50.87 ID:KFPQ/B2NO
TOKYO UNDER GROUND RAMEN 頑者
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