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研究員「安価でデジモンを進化させる」

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607 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/03/26(土) 01:26:37.32 ID:uBzwq81XO
ジャガモンは、それがどうしたと言わんばかりに、合体デジモンへ岩を打ち込み続けた。

だが、新たな姿となった合体デジモンは、先程よりもはるかに素早かった。

空中を高速で飛び回る合体デジモンは、すべての岩をことごとく回避し続けた。

そうして合体デジモンは、目にも止まらぬ速さで地上に降り立つと…



…ブロッサモンの首へ、深々と腕を突き刺した。


一瞬の早業であった。
鈍重なジャガモンには、止める術はなかった。

ブロッサモンは、弱々しくも蔓を使って合体デジモンの腕を締め付け、腕を首から引き抜こうとする。

どうやら、合体デジモンのこの形態は、スピードがある代わりにパワーはそれほど強くないらしい。
合体デジモンの腕は、徐々にブロッサモンの首から引き抜かれていく。
608 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/03/26(土) 01:30:39.66 ID:uBzwq81XO
だが、合体デジモンはその場で蜂型デジモンの装甲を瞬時に組み換え、シームレスに別の姿へ変形した。

https://i.imgur.com/yvPyxCG.jpg

我々が最初に見た姿である。

合体デジモンは、恐ろしい怪力によって、一気に右腕をブロッサモンの首へ突き刺した。

先程までの姿と違い、凄まじい怪力を発揮した合体デジモンは、ブロッサモンの蔓を難なく引き千切った。

ジャガモンは合体デジモンのところへ駆け寄ろうとする。

何発も岩を飛ばす。

だが、合体デジモンは空いた左手で岩を防御すると…

右腕でブロッサモンの頭を、首から引き千切った。
609 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/03/26(土) 01:33:07.11 ID:uBzwq81XO
合体デジモンは、ブロッサモンの頭を持ち上げると、瞬時にスピード特化形態へ変形した。

https://i.imgur.com/f0HX7oN.jpg

そして瞬く間に飛翔し、ジャガモンの岩が届かない高さの上空まで飛んでいき、そのままブロッサモンの頭を奪い去っていった。
610 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/03/26(土) 01:38:56.62 ID:uBzwq81XO


合体デジモンは、やがて遠く離れた地へ降り立つと、合体を解除した。

竜人型デジモンと蜂型デジモンの二体へ分離したのである。

そして、表情一つ変えなくなったブロッサモンの頭を引きずり、どこかへ去っていった。


…先程ジャガモンと交戦した際の戦力は、間違いなくレベル5相当であった。

2体のレベル4デジモンがただ力を合わせただけでは、決して届かない戦闘力。

それを、この2体は、間違いなく戦闘中という一瞬だけ獲得していた。


信じ難い光景であった。
彼らは何故今、消耗したブロッサモンのところへ襲来し、その命を奪ったのであろうか…。

一体どこから来たのか。
目的は何なのか…。

全てはまだ不明である。
611 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/03/26(土) 01:41:53.87 ID:uBzwq81XO


ジャガモンは、辺り一面焼け野原となった真っ黒な森の真ん中で、首のないブロッサモンの肉体を悲しそうな目で眺めていた。

だがしばらくすると、その場にうずくまり…
再び休眠に入った。

やがて、小さな草食デジモン達がやってきて、ブロッサモンの死骸を食い尽くした。

…ジャガモンは、今自分がやるべきことは…
とにかく体力を回復することだと考えたのだろうか…。
612 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/03/26(土) 01:46:25.23 ID:uBzwq81XO


ボアモンは、木に引っかかっているハリモグモンを見つけると、木に頭突きをした。

枝が揺れ、ハリモグモンは地面に落ちてきた。

やがて二匹は一緒に歩き始めた。

散歩でもしているのだろうか。



歩いている途中で、二匹は大きな骨を見つけた。
先程食われたグラウモンの骨だ。
幼年期デジモンやゴキモン、ヌメモンが群がっている。

二匹はそのうち、肉の切れ端が少し残った骨をいくらか口に咥えて持ち上げると、それぞれの巣へと持ち帰った。

自分達の子供に与えるのだろうか…?
613 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/03/26(土) 01:49:46.21 ID:uBzwq81XO
続く
614 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/26(土) 01:57:41.36 ID:xqKlK4V+o


次々に強いヤツが出てきてデジモン世界が地獄すぎる
弱い子は生き延びるの大変だろうな
615 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/26(土) 02:09:47.10 ID:cXJ/h8NgO


このエクスブイモンは>>140で出たブイモンってことか……?
ウィルス種集団とは協力関係にあったのか、それとも敵対してたのか……
616 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/26(土) 07:19:52.91 ID:sZfhxTnoo
仲間を守れなかったジャガモン悲しい…
617 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/26(土) 20:28:06.79 ID:HQnhhyMqo
続き待ってるぞ
618 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/04/09(土) 15:03:35.26 ID:qH74J3v0O


四つん這いになって移動する、グレイモンの姿があった。

https://dotup.org/uploda/dotup.org2736618.jpg

グレイモンは、レベル5のブロッサモンとの戦いで全身にダメージを負い、ボアモンの頭突きによって脚を骨折している。
加えて炎を吐くエネルギーは枯渇してしまった。
まさに満身創痍といった状態だ。

グレイモンは山岳地帯へ向かって這いずっている。
こんな状態では移動することすら一苦労であろうに、わざわざ標高の高い山岳地帯へ移動するのは何故なのだろうか…。

グレイモンは、移動中に見つけた植物型の幼年期デジモンや、動きの遅いヌメモンを食って栄養補給している。
だが、腹はあまり膨れていないようだ…。

そこへ、ふたつの巨影が迫ってきた。
https://dotup.org/uploda/dotup.org2736560.jpg
https://i.imgur.com/fvX8kVi.jpg

大型岩石デジモン、ゴーレモン。
そして甲虫型デジモン、カブテリモンである。
619 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/04/09(土) 15:24:52.35 ID:qH74J3v0O
ゴーレモンの体はボロボロに傷付いている。

このゴーレモンは、かつてモノクロモン及びスターモンと共に、グレイモン達3体の恐竜型デジモンに戦いを挑んだ個体である。

前回の戦いでは、こっぴどくやられてしまい、スターモンが時間稼ぎをしたおかげで逃げ延びることができたようだ。

一度力の差を思い知らされたゴーレモン。
普通ならば、生き延びられたのが幸運と思い、二度とグレイモン達に挑もうとは思わないはずだ。

だが、ゴーレモンはヒビの入った拳を握りしめ、グレイモンを殴りつけた。

腹部を打たれて、叫ぶグレイモン。

続いてカブテリモンが、プラズマの球体を発生させ、それをグレイモンの腹へ放った。

グレイモンは、転がってプラズマ弾を躱した。


…ゴーレモンとカブテリモンは、どうやらグレイモンを仕留めにきたようだ。
620 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/04/09(土) 15:30:00.63 ID:qH74J3v0O
炎を吐く体力がなく、片脚がへし折れている満身創痍のグレイモンでは、これら2体のデジモンと戦うのは圧倒的に不利だろう。

なすすべなく倒されるだろう…。
そう思っていた。

だが。
グレイモンは恐ろしいくらい粘った。

ゴーレモンの強靭なパンチを、腕で受け止めて、尻尾攻撃でカウンターを決めた。

カブテリモンの突進攻撃を受け止め、そのまま持ち上げて地面に叩きつけた。


なんということであろうか。
グレイモンは、片脚が折れ全身に深い傷を負っても尚、純粋な格闘能力だけで2体のデジモン達と互角に渡り合っていた。

…いや。
ゴーレモンとの格闘戦に限って言えば、完全にグレイモンが上回っている。

グレイモンは、炎を吐けずとも、純粋な格闘戦能力だけでゴーレモンを遥かに上回っているのである。
621 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/04/09(土) 15:33:18.09 ID:qH74J3v0O
グレイモンは、カブテリモンの羽や右腕を噛み千切った。

ゴーレモンの左腕を尻尾攻撃で粉々に打ち砕いた。

恐るべき戦闘能力だ。

…だが、深いダメージを負って尚、カブテリモンとゴーレモンは、怯まずにグレイモンへ猛攻を続ける。

カブテリモンのプラズマ弾がグレイモンの頭部に当たったことで、戦況は徐々にカブテリモン&ゴーレモン側に傾き始めた。

とうとう持久力の差が出てきたようだ。

ゴーレモンとカブテリモンが、これだけ傷付きながらも戦いを続けるのは何故だろうか。
622 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/04/09(土) 15:41:27.82 ID:qH74J3v0O
これは予想だが…
2体はスターモンの仇討に来たのだと、私は思う。

今はジャガモンの一部となっている、元祖スターモン…
その子供が、恐竜型デジモンとの戦いで火炎放射に身を焼かれて命を落とした、スターモン二世である。

このゴーレモンには、ゴツモンの面影がある。
おそらく、スターモン二世の子供か兄弟であろう。

そしてカブテリモンには、スターモンと共生して暮らすテントモンの面影がある。

スターモン二世は、ゴツモン達やテントモンを護りながら共に暮らしていたデジモンである。

グレイモンがその命を奪った代償は、あまりにも大きかった。


捕食や生存のためではない。
「義」と「復讐」のために、我が身を捨ててこの2体は戦いを挑んできたのだ。


グレイモンは狡猾な戦い方をしていた。
カブテリモンやゴーレモンの身体を欠損させることで、心を折って短期戦で追い払おうとしたのであろう。
合理的な戦い方である。


だが、理を超えた概念に基づく、捨て身の攻撃。
悪く言えば無謀や蛮勇とさえいえる精神が、グレイモンの力を超えたのだった。
623 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/04/09(土) 15:45:14.83 ID:qH74J3v0O
地に伏したグレイモン。

かつてグレイモン達が焼き尽くした、黒焦げの木々の中に手を突っ込んでいる。

カブテリモンは、とどめの一撃といわんばかりに、プラズマ弾を放った。


…グレイモンは、木々の燃えカスの中から何かを掴み、目の前に掲げた。

それは、モノクロモンのものと思われる甲殻であった。

モノクロモンの甲殻は、プラズマ弾を防ぎ、粉々に飛び散った。

おそらく、ここはかつてモノクロモンのいち個体が、ある恐竜型デジモンと死闘を繰り広げ、差し違えた場所だ。

消化しきれなかった残骸の甲殻を、グレイモンは咄嗟に拾って防御に使ったのだ。
624 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/09(土) 15:58:59.82 ID:HAbQ4K6ho
グレイモンの戦闘センスやべえ
625 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/04/09(土) 16:05:38.60 ID:qH74J3v0O
カブテリモンのプラズマ弾は、再び撃てるようになるまでのクールタイムがかなり長いようだ。

それまでの間、ボロボロのゴーレモンが持ち堪えられるかは怪しい。

カブテリモンは、トドメを刺すために、グレイモンへと駆け寄った。

片腕を破壊されたゴーレモンは、残った方の腕でグレイモンを地面へ押さえつけた。

グレイモンは、焼け焦げた森の中に仰向けに押さえつけられる。

そして2体は、口を大きく開けた。
グレイモンへ致命傷を与えるために、首へ噛み付こうとしているのだ。

ゴーレモンとカブテリモンは、強靭な顎と鋭い牙で、グレイモンの首へトドメの一撃を放つ…!
626 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/04/09(土) 16:12:16.43 ID:qH74J3v0O
…グレイモンは…

黒焦げの木々の中から、両手でそれぞれ、何かを掴んだ。


それは…

かつてこの場で、モノクロモンと死闘を繰り広げて散った、タスクモンの長い角だった。


グレイモンは、二本の鋭い角を掴み上げると、噛みつき攻撃を放っているカブテリモンとゴーレモンの口の中へ突き刺した。


ゴーレモンは、タスクモンの角によって頸椎を貫かれ、倒れ伏した。

カブテリモンは、刺された角が口を貫通して後頭部から突き出ていた。

夥しい量の体液が噴出し、絶叫するカブテリモン。

グレイモンは、ゴーレモンの口から角を引き抜くと、カブテリモンの脳天ど真ん中へ突き刺した。

カブテリモンは、地面に倒れて、ジタバタと暴れまわった。

後頭部と脳天を角で貫通されたカブテリモンは、方向感覚を失ったのであろうか。
空中へ何度もパンチやキックを繰り出している。
627 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/09(土) 16:14:07.91 ID:G1vg9Bw+o
戦闘力も知能も高い
628 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/04/09(土) 16:18:49.77 ID:qH74J3v0O
グレイモンは、カブテリモンの頭部を尻尾で滅多打ちにする。
首と頭の傷を広げようとしているようだ。

だが、ピクリとも動かなくなったゴーレモンと違って、カブテリモンは頭部を破壊されてもなかなか死なない。

昆虫型デジモンは、思考中枢が脳だけに集中しているわけではなく、脊椎全体に神経系が分散しているようだ。

だが、方向感覚を失っている状態では、もはや勝機がないと察したのだろう。
羽を一本失ったカブテリモンは、残った三本の羽をばたつかせて体を浮かせながら、地面を這って遠くへ逃げていった。

満身創痍になりながらも、追っ手を撃退したグレイモン。

グレイモンは、ゴーレモンの岩のような硬い甲殻を剥ぎ取り、内部の筋肉や内臓などの軟組織を食った。
629 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/04/09(土) 16:28:08.73 ID:qH74J3v0O


夜になった。

ゴーレモンを貪り食って、空腹を満たしたグレイモンは、折れた片足を引きずりながら、先程よりもハイペースで山岳地帯へと移動していた。

拾ったタスクモンの角を、登山用ピッケルのように使うことで、匍匐のスピードを上げているようだ。

なにせ、カブテリモンを取り逃がしてしまったのである。
頭部を滅茶苦茶に破壊されたカブテリモンにどこまでやれるかは不明だが、助けを呼ばれたら危険だ。
そのため、一刻も早くこの場を去ろうと焦っているのだろう。

グレイモンは、両手に握っているタスクモンの角を見つめている。

もしも、モノクロモンとタスクモンの残骸がこの場に落ちていなかったら…
グレイモンは自力では対処しきれず、ゴーレモン達によって確実に仕留められていたであろう。

そして、それ以前に…
ブロッサモンとの戦いでは、親であるタスクモン達が、グレイモン達のために命を賭して時間稼ぎをしてくれなければ、その場から逃げ切ることができず、ブロッサモンに倒されていたはずだ。

…かつてこの場で、モノクロモンへ異常な闘争本能をもって戦いを挑み、散っていったタスクモン。

そして、ブロッサモンとの戦いでグレイモンを逃したタスクモン。

それらの死が、今グレイモンを生かしているのである。
630 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/09(土) 16:32:03.15 ID:G1vg9Bw+o
そういう思考をグレイモンもしているのか
631 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/04/09(土) 16:32:07.82 ID:qH74J3v0O
グレイモンは、山の麓へ辿り着くと、やがて睡眠を取った。



朝になると、やや脚の痛みが引き、体力が回復してきたようだ。

餌を探して、グレイモンはその場を徘徊し始めた。



…すると、聞き覚えのある羽音が、グレイモンへと近付いてきた。

頭と首に痛々しい傷痕が残ったままのカブテリモンが、追ってきたのである。

どうやら、方向感覚を取り戻したようだ。
632 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/04/09(土) 16:38:23.53 ID:qH74J3v0O
カブテリモンは、プラズマ弾をチャージし、グレイモンへ向かって放った。

それに対して、グレイモンは…
火炎放射で迎え撃った。

グレイモンの火炎放射は、カブテリモンのプラズマ弾を飲み込み、そのままカブテリモンの身を焼いた。

熱さに絶叫するカブテリモン。

グレイモンは、カブテリモンへタックルを放ち、地面に押し倒した。

そして二本のタスクモンの角を掴み、カブテリモンの首へ両方突き刺した。

カブテリモンは、首へ突き刺されたタスクモンの角を、4本の腕で引き抜こうとしている。

グレイモンは、タスクモンの角から手を離した。

カブテリモンは、虫ピンで刺された昆虫標本のように、地面に留められている。

必死に起き上がろうとするカブテリモン。
だが、首へ突き刺された角はなかなか抜けない。
633 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/04/09(土) 16:44:33.27 ID:qH74J3v0O
グレイモンは、再びカブテリモンへ火炎放射を放った。
頭部へ向かって、集中的に。

…その一撃で、カブテリモンの頭部は炎に包まれて焼き尽くされ、完全に機能を失った。

カブテリモンの首に突き刺さったタスクモンの角は、グレイモンの火炎放射で焼かれ、ボロボロになっていた。

グレイモンは、カブテリモンを捕食しようとした。

だがカブテリモンは、なんと無理矢理起き上がった。

頭部を完全に失い、首が千切れたカブテリモン。
視聴覚を失い、もはや五里霧中となったようであり、あらぬ方向感覚へプラズマ弾を放っている。

グレイモンは、カブテリモンを尻尾で殴りつけて地面に倒すと、全身を食い千切って咀嚼した。



グレイモンは去った。
その場には、食い散らかされたカブテリモンの残骸と、燃え尽きたタスクモンの角が残っていた。
634 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/04/09(土) 16:50:27.21 ID:qH74J3v0O
グレイモンは、脚の傷が癒えてきたようであり、身を起こして歩き始めた。

極めて強い、生への執着である。

そしてグレイモンは、山の麓でタマゴを3個産んだ。

タマゴから産まれたデジモンは、やがて進化して成長期デジモンとなった。


https://i.imgur.com/ysZftoi.jpg
翼竜型デジモン、ヴォーボモン。

https://i.imgur.com/iKwsl0I.jpg
ドラゴン型デジモン、ドラコモン。

https://i.imgur.com/7OIywm2.jpg
そして、鳥型デジモン、ファルコモンである。

635 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/04/09(土) 16:51:52.44 ID:qH74J3v0O
強力無比な破壊者、グレイモンの遺伝子を継いだこれら3体の成長期デジモンは、これからどのように環境へ適応していくのであろうか。

そしてそれらの親である、グレイモン自身は…。
636 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/09(土) 16:52:35.34 ID:G1vg9Bw+o
こんな化け物染みた強さのデジモンがどんどん増えてくかもしれないってこっわ
637 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/04/09(土) 16:57:17.31 ID:qH74J3v0O


私はグレイモンの観察レポートをまとめ、研究チームへ提出した。

そして、チーム内でレポートを共有することにした。

どうやら、私以外にも、「あの戦いの後」についてレポートをまとめていた研究員がいたようだ。

私のレポート「グレイモン観察」。
その他に提出されたレポートは…

@ボアモンの観察
Aブロッサモンの死骸の観察
Bブロッサモンを倒した謎の合体デジモンの観察

この3つだ。
どの順番で見ていくか…?↓
638 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/09(土) 17:01:28.14 ID:G1vg9Bw+o
2
1
3
639 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/04/09(土) 17:04:17.40 ID:qH74J3v0O
次回は、ワタシがグレイモンを観察しているときに同時並行で起こった出来事を、A→@→Bの順で確認していくことにしよう。
640 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/04/09(土) 17:04:44.27 ID:qH74J3v0O
続く
641 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/09(土) 17:05:57.20 ID:2t+4JeyVo
いつなんだろう次回
642 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/09(土) 17:06:18.07 ID:G1vg9Bw+o
643 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/09(土) 17:45:55.40 ID:Y35jLN4Go
おつ
644 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/09(土) 18:15:27.43 ID:yv7TlCmgO
来てた 乙
群像劇だな……
645 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/10(日) 10:47:57.38 ID:E5yuUg1W0
来てたのか、乙
かたき討ちはできなんだか、仕方ないけどコレも弱肉強食のデジタルワールドの日常なのよね
646 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/04/10(日) 15:50:40.62 ID:vkPQKBGYO
リーダーは私へ、至急レポート「ブロッサモンの死骸の観察」を閲覧するように指示した。

デジモンの死骸がどうしたというのだろうか…?

レポートは、ドキュメントと映像記録の2つで構成されている。
私はまず映像記録を確認した。




映像に映ったのは、ブロッサモンの死骸だ。
謎の合体デジモンに首を千切られて持っていかれてしまい、胴体が半分地面に埋まった状態である。

これがどうしたというのだろうか…?


…しばらく観察していると、ブロッサモンの胴体が蠢き始めた。

まさか、生き返るのか…?

次の瞬間、全く予想していなかったことが起こった。

ブロッサモンの胴体が引き裂かれ、中から何かが出てきたのである。

現れたのは…
上半身だけで地面を這いずる、全身ドロドロのデジモンである。

これは、既に面影がないが…
おそらく、>>599でブロッサモンに丸飲みにされたはずのティラノモンである。

私は目を疑った。
ばかな。
ティラノモンは死んだはずでは…!?
647 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/10(日) 15:57:30.14 ID:+C87Jszfo
おや?今日も来たか!
648 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/04/10(日) 15:58:32.19 ID:vkPQKBGYO
私はいったん映像を止め、レポートに目を通した。

なぜ、死んだはずのティラノモンが蘇生したのか…?

…いや。そもそも、死んだはずという前提が間違っていた。
我々は、ティラノモンが明確に「死んだ」ことを見届けていないのである。

改めて、ティラノモンが負ったダメージを再確認しよう。

>>574では、ブロッサモンの花弁の刃では首を真横に切り裂かれ、夥しい出血をしながら倒れ、それっきり動かなくなった。

>>593では、タスクモンの突進攻撃をくらい、
真っ二つに千切れ飛んだ。

そして、>>599ではブロッサモンに丸呑みにされた。


…これで死んだと思わない方がおかしいだろう!
頸動脈を切断されて、下半身が千切れ飛んで、何故死なないんだ!?

…いや、「まだ死んでいない」というだけのようだ。

胴体の傷から臓物を晒しながら、上半身だけで地を這い、胃液で溶かされた痛々しい姿を晒すティラノモン。
首からの出血は未だに止まっていない。

生への執着はすさまじいが、あのままでは…
やがて死ぬだろう。
649 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/04/10(日) 16:04:27.82 ID:vkPQKBGYO
ティラノモンは、弱々しく地面を這っているが…
やがて、その力は弱くなっていった。

ついに、その場から一歩も動けなくなり、腕を動かすことが精一杯になった。

…ティラノモンはここまでだろう。
そう思った、その時。

ティラノモンの前に、大きなデジタルゲートがほど開いた。

…デジタルゲートとは、我々が研究室のサーバーからデジタルワールドへ、デジドローンを転送するときに空けるゲートだ。

ティラノモンは、最後の力を振り絞り、そのデジタルゲートへ入った。

ティラノモンが入ったデジタルゲートは、やがて閉じられた。

…以上が、1つめの映像ファイルである。
650 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/04/10(日) 16:09:15.78 ID:vkPQKBGYO
これは…どういうことだ?
デジタルゲートを通じて、瀕死のティラノモンを我々のサーバーに連れ込んだということだろうか?

リーダーに確認したところ、なんと「あのゲートについては何も知らない」とのことである。

ばかな…
するとあのゲートは、我々が全く知らない、何者かによって空けられたということだろうか。

そして、その何者かは、瀕死のティラノモンを捕獲した…?


つまり、我々以外にも、誰かがデジタルワールドに干渉し始めたということだろうか…。
651 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/10(日) 16:11:01.58 ID:o0u75C3Eo
おいおいおい
悪意ある奴が何かやらかしてデジモンが人間に敵意持ったら人間勝ち目無いぞ
652 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/10(日) 16:28:01.19 ID:UQfGQe4K0
コレはアレか、デジタルペットの方の奴を不正に手に入れた連中の仕業か
653 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/10(日) 16:29:38.48 ID:UQfGQe4K0
這いずる全身ドロドロのデジモンだしレアモンになってるのかな?
654 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/04/10(日) 16:45:05.19 ID:vkPQKBGYO
このレポートを書いた研究員は、このとき空いたデジタルゲートを分析し、特有の信号パターンを記録した。

もしも今後、同じデジタルゲートを目撃したときは、照合することができるだろう。


…さて。
ティラノモンを助けた者は、何が目的なのだろうか?

憐れみからきたものなのか。
研究対象とするためなのか。
あるいは…。
655 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/04/10(日) 16:54:27.69 ID:vkPQKBGYO
…レポートには、2つめの映像が添付されていた。
再生してみよう。

時期的には、グレイモンがタマゴを産み、それらが成長期まで育った頃のことだ。

ブロッサモンの死骸があった場所。
既に死骸はヌメモン達によって食い尽くされており何もなくなっていた。

その場に、例の信号パターンを示すデジタルゲートが開いた。

やがて、ゲートの中から何かが出てきた…。


https://i.imgur.com/2ObcB3n.jpg

こ…これは!?
おぞましい姿のデジモンが、ゲートから這い出てきたのである。
656 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/04/10(日) 16:59:23.90 ID:vkPQKBGYO
腐りかけたおぞましい姿。
下半身を失ったまま、腕だけでズルズルと這い回っている。

どうやら、機械のようなものが体に埋め込まれているようだ…。

まさか、これはティラノモンの成れの果てなのだろうか?

やがて、ゲートからはデジドローンが飛んできて、死にかけのデジモンを観察し始めた。

我々は、このデジモンをレアモンと名付けた。

レアとは、rare…『希薄な』を意味する単語に由来している。
途絶えかけた希薄な命を表す名である。
657 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/04/10(日) 17:03:32.72 ID:vkPQKBGYO
レアモンの周りに、ヌメモンやゴキモン等のスカベンジャーデジモンが寄ってきたが…

レアモンは、それらにガスを吹きかけた。

するとヌメモン達は、体の表面が焼けただれていき、苦しんだ。

どうやらあのガスは、かつて炎を吐く力だったものの名残りのようだ。

硫酸かなにかだろうか…。

そしてレアモンは、己の肉片を千切ってヌメモンへ投げつけて攻撃した。

そして弱ったヌメモンを、己の肉片ごと食べた。


…おぞましい。
それ以外に、形容する言葉が見つからなかった。
658 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/04/10(日) 17:10:06.78 ID:vkPQKBGYO
そのうち、ウッドモンやスナイモンが、レアモンを発見したが…

彼らはあまりの悪臭に耐えきれず、その場から離れた。

「あんなものを食ったら病気になる」と思ったのだろうか。
実際そうなるだろうな…。

そうしてレアモンは、悪臭によって外敵を退けながら、悪臭に惹かれてきたスカベンジャーデジモン達を捕食し続けた…。


果たして、こんな姿になったティラノモンは、今に満足しているのだろうか。

生き続けていて、辛くないのだろうか。

…その答えは。
あんな姿になっても尚、必死に生きようと足掻き続ける様が、全てだと言えるだろう…。
659 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/04/10(日) 17:11:09.06 ID:vkPQKBGYO
…以上が、レポート「ブロッサモンの死骸の観察」である。

なんということであろうか…
この先レアモンは、どうなるのであろうか。
全く予想がつかない…。
660 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/04/10(日) 17:11:35.96 ID:vkPQKBGYO
つづく
661 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/10(日) 17:14:15.88 ID:bUUlan5do
人間の手を加えられてデジタルワールドに放たれてしまったデジモンか
662 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/10(日) 17:39:36.99 ID:UQfGQe4K0

謎の連中はいったい何が目的なのか
663 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/10(日) 18:46:46.97 ID:OAwxYHTuO

獲物を引き寄せて外敵を遠ざける臭いって厄介なもんだ……
664 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/10(日) 19:21:41.39 ID:UQfGQe4K0
でも嗅覚のないデジモン相手だと動きの遅い獲物かもしれんね、硫酸は厄介だけど距離とれば問題なさそうだし
665 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/04/11(月) 00:38:22.60 ID:dzyYCH8m0
ネトウヨ・保守(笑)・右翼(笑)・老害右派の大嘘

「太平洋戦争は白人に対するアジア解放の戦いだった」
↑これ大嘘です
news.yahoo.co.jp/byline/furuyatsunehira/20200815-00193356
すべての侵略戦争にあった「大義名分」

「アメリカの経済制裁が気にくわないから」という理由だけでは対米開戦としての大義は弱いので、 日本は対米開戦にあたり「アジア解放(大東亜戦争)」をスローガンに掲げたのである。

当時アメリカの自治国であったフィリピンは アメリカ議会からすでに1945年の独立を約束されており、 日本軍の侵攻による「アジア解放」というスローガンは全く無意味として映った。 よって南方作戦で日本軍に占領されたフィリピンでは、そもそも日本の戦争大義が受け入れられず、 またアメリカの庇護下のもと自由と民主主義、そして部分的には日本より高い国民所得を謳歌していたフィリピン人は、 日本の占領統治に懐疑的で、すぐさまゲリラ的抵抗や抗日活動が起こった。
日本は、アメリカとの戦争の際「アジア解放」を掲げていたが、それよりさらに前の段階で、 同じアジア人に対し攻撃を加えていたのであった。よって多くのアジア地域では日本の戦争大義「アジア解放」は、美辞麗句で空疎なものと映った。 「アジア解放」を謳いながら、片方で同じアジア人である中国を侵略するのは完全な矛盾である。

「日本のおかげでアジア諸国は戦後独立した」
↑これも大嘘です。大日本帝国と関わりない中東やアフリカも独立してます。

「人種的差別撤廃提案で日本は唯一差別と戦った。白人は人種差別を支持した」
↑これも大嘘です。フランスやイタリアも日本に賛成してます。
https://w.wiki/4i4Q
日本国民自らが中国人を差別していることを思い起こすべきと主張し、吉野作造も日本が中国人移民を認めるだろうかという問いかけを行った。 事実、賛成しているのはどちらかと言うと移民を送り出す側の国であり、反対しているのが移民を受け入れる側の国である(イギリスも本国としては賛成だったが、オーストラリアの意向をくんで反対に回っている)。

「アメリカはドイツは人間として扱い、日本人を人種差別で猿や化け物扱いし、それが理由で原爆投下をした」
↑これも大嘘です。ドイツはアメリカに騙し討ちをしてませんから当然です。 開戦前に真珠湾騙し討ちで多くのアメリカ人を無差別攻撃した日本のイメージが最悪だっただけです。

https://w.wiki/4i4Z
原爆投下前に日本の風船爆弾でアメリカの民間人妊婦が殺害されています。ドイツより日本を恨むのは当然です。
「1945年5月5日、オレゴン州ブライで木に引っかかっていた風船爆弾の不発弾に触れたピクニック中の民間人6人(妊娠中の女性教師1人と生徒5人)が爆死した」

原爆投下は、本土決戦のアメリカ側の死者数(日本兵が降伏しないから)やソ連との日本占領競争が主な原因です。人種差別が理由ではありません。 アメリカは投下前に、原爆という新兵器の危険性のビラを撒き日本に降伏を勧めています(日本側は無視)。投下後の人体実験はしないよりする方が良いからついでに検査をしただけでしょう。

そもそも日本側も、アメリカ人やイギリス人だけを鬼のように扱っていました(鬼畜米英)。日本と開戦した連合国国家(オランダ等)は他にもあります。(自分らの差別は棚に上げる)

日本の戦争犯罪は戦場経験者でもある水木しげるさんが証言して漫画にしてます。 詳しくは「水木しげる 姑娘」「水木しげる 従軍慰安婦」で検索してください。 他には「スマラン慰安所事件」「バンカ島事件」で検索。
666 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/06(金) 17:57:36.70 ID:rYV+b3N9O
SS避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/
667 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/07/12(火) 15:00:47.31 ID:30QtnqJLo
やっぱエタったかな
668 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/29(月) 21:06:45.63 ID:tDniYEo4O
ハリモグモンは海辺に沿って進みながら、寒冷な気候の土地へ向かって旅をした。
やがて、3個のデジタマを産み、幼年期デジモンが生まれた。

https://i.imgur.com/1Mf8HT6.jpg

四足歩行の哺乳類型デジモン。トコモンと命名された。
女性研究者達に大変人気である。

ハリモグモンは、海でプカモンなどの水棲小型デジモンを捕獲し、親子で分け合って食べた。

やがて、雪が降り積もる寒冷地帯へ移り住んだ頃に、トコモン達はレベル3へ進化した。
https://i.imgur.com/LfIxdqg.jpg

これまたアザラシのような姿。
ゴマモンと名付けられた。
669 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/29(月) 21:08:03.14 ID:SuSrkFRNo
ファッ!?!?
復活した!?
670 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/29(月) 21:15:54.25 ID:tDniYEo4O
その愛くるしい姿は、研究所の中で大人気であった。

ゴマモン親子は、その強い防寒能力によって、寒冷地帯で生息域を広げることに成功した。

しばらくの間、敵無しで暮らしていたのだが…
やがて、そんなオアシスに外敵が侵入してきた。

https://i.imgur.com/nPLg0XG.jpg
https://i.imgur.com/qpLnttg.jpg
氷雪系のレベル4デジモン。
アイスモンとユキダルモンである。

おそらくゴツモン系統から進化したのだろう。


彼らは、ヒヤリモンと名付けられた幼年期デジモンの群れを連れていた。
https://i.imgur.com/MI42SRK.jpg
671 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/29(月) 21:34:14.84 ID:dBhuTsBvo
アイスモン軍勢と、ハリモグモン軍勢は、出会ってしまった。
食糧がそう多くない、極寒地帯で。

どうやら、どちらの軍勢も争いは嫌いなようだ。
だからこそ、こんな局地へ適応する進化をしてまで、外敵のいない環境を選んだのだろう。

両軍勢は、できるだけ互いに関わらないようにしていた。
海で小魚デジモンを捕りながら、慎ましく暮らしていれば、争わずに済むだろうと…
その場の皆が信じていた。



…しかし、狩られる魚型デジモン達とて馬鹿ではない。
プカモンの数が減ったことで、彼らは「海の中から」発見されてしまったのである。
672 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/29(月) 21:43:00.63 ID:dBhuTsBvo
やがて、ヒヤリモン達は進化した。
成長期デジモン、チクリモンである。
https://i.imgur.com/70zmHcs.jpg

たくさんのヒヤリモン達が皆成長期になったのだから、さらに多くの食糧が必要になった。
チクリモン達も、海に飛び込んで、プカモンを狩るようになった。


ある日のこと。
ゴマモン一匹と、チクリモン数匹は、いつものように海岸でプカモンを獲ろうとしていた。

そこへ、突然…
水面から何かが飛び出してきた。
https://i.imgur.com/Vw7HNtZ.jpg
https://i.imgur.com/0pxex1L.jpg
673 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/29(月) 21:47:06.44 ID:dBhuTsBvo
一瞬のことであった。

水中から出現したレベル4デジモン、シードラモンとトビウモン。

彼らは、ゴマモンとチクリモンを丸呑みにすると、そのまま水中へと潜っていった。


…その様を見ていたユキダルモンとハリモグモンは、あ然としていた。
自分の子供が、一瞬で海に飲み込まれていったのだ。

それ以降も、群れがプカモン狩りをしていると、騒ぎを聞きつけてシードラモン達が飛び出してくるようになったのである。

…ふたつの群れは、完全にマークされていた。
674 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/29(月) 21:51:30.89 ID:qyt+O7xfo
帰還に感謝!
圧倒的感謝!!!
675 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/29(月) 21:53:34.37 ID:dBhuTsBvo
このままではいけない。
協力して海の敵と戦おう。
そう決心した、ユキダルモン、アイスモン、ハリモグモン。

彼らは、大きな音を立ててシードラモンとトビウモンをわざとおびき出し、そして戦った。

戦いは熾烈を極めた。
戦いを避けてきたユキダルモン・アイスモン・ハリモグモンよりも、海の中で捕食者として暴れ回っていたシードラモン、トビウモンの方が、単独での戦闘力は高い。

それでも、陸上に陣取っているハリモグモン陣営は、地の利を活かして戦い、優勢に立ち回っていた。

もしかしたら、このまま押し切れば勝てるかもしれない!
アイスモンは氷の拳をトビウモンに叩きつけながら、そう思っていただろう。

…だが。
戦場に突如、ラッパのような音が鳴り響いた。

水中から顔を出したレベル4デジモン、シーホモンが雄叫びをあげたのである。
https://i.imgur.com/LRpH0KB.jpg
676 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/29(月) 21:59:12.20 ID:dBhuTsBvo
シーホモンは、ラッパを吹き終えると、海に潜っていった。

…その数秒後。
海の中から、シードラモンが追加で5匹出現した。

これはまずい、とビビったハリモグモン陣営は、その場から一目散に逃げ出した。

6体のシードラモンから一斉に噴出された氷の矢によって、ユキダルモンは粉々に消し飛んだ。




…それ以来、海岸からはいつもシーホモンが顔を出していた。
ゴマモンがプカモンを狩るために海辺へ近づくと、シーホモンはすぐにラッパを吹いた。

シードラモンがやってくるのを恐れて、すぐに逃げた。



…そうして、局面は膠着した。
アイスモンやハリモグモン、その子供達は、まともに餌がとれなくなってしまったのだ。
677 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/29(月) 22:22:37.07 ID:dBhuTsBvo
ハリモグモンは、それでも子供達のために餌をとろうとした。

シーホモンが見ていない隙を狙って、海に潜るハリモグモン。

だが、海の中では…
既にトビウモン数匹に待ち伏せされていた。

トビウモンのタックルを全身に浴びるハリモグモン。
背中を氷で防護しているハリモグモンといえど、これを受け続けたらやばい。
氷で身を包み、防御を試みた。

だが、トビウモン達は、氷の鎧で身を包んだハリモグモンを、水中へ引きずり込もうとした。

さすがに呼吸が続かないハリモグモンは、氷を融かし、泳いで水中から脱出した。

陸に上がったハリモグモンは、口を大きく開けて息を吸い込んだ。

その瞬間。

シーホモンのラッパが鳴った。





ハリモグモンが大きく開けた口の中に。
シードラモンが発射した氷の矢が、深々と突き刺さった。




ハリモグモンは口と後頭部から大量に出血し、倒れた。
678 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/29(月) 22:23:19.80 ID:dBhuTsBvo
続く
679 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/29(月) 22:32:41.65 ID:qyt+O7xfo
おつおつ!
680 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/29(月) 22:36:54.07 ID:SuSrkFRNo
681 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/29(月) 22:53:33.68 ID:dBhuTsBvo
〜オマケ〜

ところで、海にたくさんいる大量のプカモン達。
これらを見て、疑問に思わないだろうか。
「このプカモン達はなぜ、幼年期のままこんなにたくさんいるのだろうか」と。


プカモン達とて、食われるのは嫌なはずだ。
ならばさっさと成長期ヘ進化してしまったほうが、個体の生存率はぐんと上がるだろう。

しかし、プカモン達は進化せず、幼年期のままあちこち泳ぎ回って暮らしている。

…どことなく奇妙である。
我々はプカモンについて観察し、研究した。
682 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/29(月) 22:58:31.30 ID:dBhuTsBvo
プカモン達の生活を見ていると…

プカモンの主食は、海藻であったり、水棲デジモンの死骸であったりするが…

プカモンよりさらに小型の幼年期デジモンである、ピチモンやポヨモンを食べる事もあった。
https://i.imgur.com/NrUhXcR.jpg
https://i.imgur.com/ZoXVNs8.jpg


…そしてプカモンは、なんと小粒のデジタマを大量に産んだ。

そして、プカモンが産んだデジタマからは、稚魚のようなデジモンが産まれた後、プカモンへ成長した。


…これは驚いた。
なんとプカモンは、幼年期のままデジタマを産むのである。


プカモンの餌となるピチモンやポヨモンも、プカモン同様に、幼年期のまま大量にデジタマを産み、親と同じ姿の子が孵化することが確認された。
683 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/29(月) 23:04:30.94 ID:dBhuTsBvo
謎が解けた。
弱い被捕食者であるプカモンや、さらにその餌となるピチモン達が、なぜ幼年期のままあちこちにいるのか。


彼らは、幼年期を最終進化形態として、ハイペースで殖えることによって生存する種だということだ。

我々は仰天した。
陸上のデジモン達は、皆レベル4になって初めてデジタマを産んでいたからだ。


低レベルデジモンが、高レベルデジモンに勝る点…
それは「代謝量が極めて少ない」ことである。

消費カロリーが少ないから、僅かな餌だけで生き延びられる。
外敵に捕食されようが構わない。それら外敵の死骸が、増えたプカモンやピチモン達の餌となるから。

…そうした生活環を獲得したデジモンもいるということだ。
684 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/29(月) 23:08:15.14 ID:dBhuTsBvo
もっとも、ピチモンやプカモンポヨモンの中には、成長期や成熟期へ進化をする個体もいるようだ。

彼らのDNAを調べたところ、幼年期のまま殖える個体群とは、大きく遺伝子配列が異なっていた。

同じ外観でも、DNAがぜんぜん違う。
だから生活環や成長の方向、デジタマを産むようになる年齢にも差異が出てくるのである。


水棲デジモンは、この傾向がかなり多い。
魚型デジモンであるスイムモンも、成長期のままデジタマを産むことが確認されている。
https://i.imgur.com/Ih3rbOG.jpg
685 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/29(月) 23:10:24.06 ID:dBhuTsBvo
つまり、デジモンは。
産もうと思えばどんなレベルでも、デジタマを産めるのである。

それでも、陸上のデジモンはレベル4になるまでデジタマを産もうとしないことが多い。

これは、恐らくだが…
DNAに秘められた「強くなろうとする意思」が、陸上デジモンの方が強いのかもしれない。
686 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/29(月) 23:10:59.18 ID:dBhuTsBvo
〜つづく〜
687 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/29(月) 23:11:35.73 ID:SuSrkFRNo
688 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/29(月) 23:20:43.80 ID:dBhuTsBvo
ところで、これまでの報告を聞いてくれた皆様には、今まで出現した中で好きなデジモン、もっと観察したいデジモンはいるだろうか。

もしも挙げてもらえるならば、そのデジモンにフォーカスしてさらなる観察をしたいと考えている。
689 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/29(月) 23:32:47.40 ID:QPZgrHajo

コマンドラモン
690 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/30(火) 00:12:00.08 ID:dDXhyRG20
まさか復活するだと……!?乙

手持ちデジモンがやっぱ気になるけど、それ以外だとジャガモン、グレイモンの子、農園、マッシュモンかな
691 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/30(火) 00:24:17.06 ID:KvfhLROEo

グレイモン
692 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/30(火) 01:13:19.15 ID:9UjmJCQIo
おつ
ジャガモンを
693 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/30(火) 23:28:50.12 ID:zm1NUAgko


ハリモグモンの兄弟であるボアモンもまた、デジタマを4個産んだ。

そこから産まれたトコモンは、やがて4匹とも、レベル3へ進化した。
https://i.imgur.com/afT1gum.jpg

4匹の哺乳類型デジモン…バクモンは、森の中で草を食べながら生きた。


やがて4匹のバクモンは、それぞれ異なる姿のレベル4デジモンへ進化した。

牛型デジモン、ブルモン。
https://i.imgur.com/NVoWcCH.jpg

シマウマ型デジモン、シマユニモン。
https://i.imgur.com/aEtYNQ3.jpg

ヤギ型デジモン、ゴートモン。
https://i.imgur.com/YK9hxcl.jpg

ヒツジ型デジモン、シープモン。
https://i.imgur.com/G3YI28G.jpg


子供達の共通点は、親譲りの硬い蹄である。
走行に適した脚部を活かして、これら偶蹄類型デジモン達は、大地を駆け巡った。


…彼らについて特筆すべき点はない。
足が速ければ、生存に有利に決まっているからだ。


偶蹄類デジモン達は、森やサバンナ、山岳地帯、平原へ、それぞれ住処を移していった…。
694 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/30(火) 23:31:57.09 ID:zm1NUAgko
…さて。
ブロッサモンを倒した、竜人型デジモン…エクスブイモンと、蜂人型デジモン…スティングモン。

彼らは、ブロッサモンの頭部を運び、サバンナの方へ向かった。

そこには、大きな集落があった。
ディノヒューモン農園を中心として、原始的な文明ができていたのである。

爬虫類型デジモンと、蜂型デジモンか共生し、農作物を育成する巨大農園。
エクスブイモンとスティングモンは、ブロッサモンの頭をそこへ持ち帰ったのであった。
695 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/30(火) 23:36:43.65 ID:zm1NUAgko
エクスブイモンは、村の長であるディノヒューモンのもとへブロッサモンの頭部を届けた。

ディノヒューモンは、ブロッサモンの頭部を何度も切断し、細切れにした。
おおよそ500ピースほどに分離された。

それを乾燥させた後、石をくり抜いて作った容器の中へ入れて貯蔵した。

ディノヒューモンは、この乾燥ブロッサモンを何に使うのであろうか…。
696 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/30(火) 23:43:21.61 ID:zm1NUAgko

数日後。
ディノヒューモンは、群れのデジモン達に何かを指示した。

すると群れのデジモン達は、いっせいに森へ向かった。
そして木々を伐採し、材木にして、サバンナの集落へ持ち帰ったのである。

木材の有用性に気付いたということだろうか。

次々に木を切り倒していく集落のデジモン達。
怒ったレッドベジーモンが攻撃を仕掛けたが、フライビーモンやモスモンの集中攻撃を受けて倒された。


もしかしたら彼らは、ブロッサモンが倒れ、材木を収集しやすくなる機会を伺っていたのかもしれない…。
697 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/30(火) 23:46:46.63 ID:zm1NUAgko


その頃。

森の中では、ジャガモンとウッドモンが向かい合っていた。

ジャガモンは、自分の体の中から、大きな芋を取り出し、ウッドモンへ差し出した。

ウッドモンはその芋を食べた。


すると、ウッドモンの肉体は、急激に巨大化を始めた。


https://i.imgur.com/ydN30Hu.jpg

枯れ木そのものであったウッドモンは、青々と生い茂る葉に包まれた。
698 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/30(火) 23:51:27.05 ID:zm1NUAgko
その進化を見届けたジャガモンは、深くうなずくと…

体表を構成する岩石のような装甲が、ボロボロと剥がれ落ちていった。

ジャガモンの肉体はどんどん崩れていく。


やがて、ジャガモンはこぢんまりとした姿となった。
頭部から、根っこと枝、葉が生えた姿だ。
サイズは小さめの成熟期程度だ。


その小さな体になったジャガモンは、目を瞑り…
そのまま眠った。




しばらく観察したが、ジャガモンは目を覚まさなかった。
間違いなく生きてはいるが、太陽光を浴びてわずかに光合成するだけであり、動き回ったりはしないようだ。
699 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/30(火) 23:52:22.85 ID:zm1NUAgko
大木へ進化したウッドモンこと、ジュレイモンは…
休眠状態のジャガモンを一瞥すると、森の中心へと進んでいった。
700 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/31(水) 00:10:44.43 ID:LRT6okKKo
…ときに。

現在のデジタルワールドは、成熟期…レベル4デジモンを頂点とした生態系ではあるものの、個体数では成長期…レベル3デジモンの方が多い。

それは何故なのだろうか?
なぜデジタルワールドは、レベル4デジモンで埋め尽くされていないのだろうか。


デジモンはレベル4になれば格段に戦闘能力が増す。
それならば、どいつもこいつも成長期で留まっておらずに、みんなグレイモンやスターモン、モノクロモンといった戦闘能力の高いレベル4や…あるいはスコピオモンのようなレベル5になってしまった方が、個体の生存率は上がるはずだ。

しかしながら、デジモン達は誰も彼もが戦闘能力の高い姿を手にしたわけではない。
プカモンやヌメモン、ベジーモンのように、あえて弱い姿を選んで進化する個体も大勢いるのである。


それは一体、なぜなのか…?
701 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/31(水) 00:17:26.29 ID:LRT6okKKo
それは、高い戦闘能力をもつ肉体を維持するには、莫大な消費カロリーを必要とするからだ。

かつて出現したレベル5デジモン、スコピオモンを覚えているだろうか。
スコピオモンは、その強靭な肉体を維持するために、森林に住むデジモン達を乱獲した。

あのときは森林のデジモンの10〜20%が消え、生態系のバランスが変わったともいわれる。

もしもあのままスコピオモンを止めるものがいなかったら、どうなっていただろうか?
森林のデジモン達は絶滅していたかもしれない。
そうなれば、スコピオモンは間違いなく餓死していたことであろう。

故に、スコピオモンは。
圧倒的な強さを持ってはいたが、生存に有利かというと全くそんなことはなく、むしろとても脆い存在だったといえる。
702 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/31(水) 00:23:49.89 ID:LRT6okKKo
かつて我々の世界は、巨大生物であふれていた。
トンボの祖先は体長が30cmもあったといわれているし、全長20mを超える恐竜が陸上を闊歩していたこともあった。


しかしながら現在では、そんな巨大生物はほぼ存在しない。
トンボは小さくなり、恐竜は小鳥になった。

皆あえて大きさと強さというアドバンテージを捨て、小型化したのである。


そう、つまり。
大きく強くなることだけが進化ではない。
小型化し、弱くなることで、環境に適応しやすくなることもあるのだ。

それがデジモン達の進化の方向性のひとつだということである。
703 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/31(水) 00:26:46.28 ID:LRT6okKKo
では、デジモンにとってレベル5への進化は、死の病なのであろうか?

過剰なパワーと引き換えに強い空腹に襲われるだけの、誤った進化なのだろうか。


…そうとは言い切れない。
ひとつ、レベル5に到達しても、安定して生きていける系統がある。


それは、光合成によって体内で栄養を合成できる、植物型デジモンだ。

ジャガモンやブロッサモンがそうだ。
704 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/31(水) 00:31:40.09 ID:LRT6okKKo
あのブロッサモンは一体何者だったのであろうか。
ジャガモンとの関係は一体なんだったのだろうか。

我々の研究所は、ブロッサモンは『ジャガモンの後継者である』と仮説を立てた。


ジャガモンは、スコピオモンに対抗するために、スターモンとウッドモン、大勢のゴツモン達が融合して進化したレベル5デジモンである。
その戦闘能力は、これまで見てきたデジモン達の中で群を抜いて最強であった。
ジャガモンならば、グレイモン・ティラノモン・グラウモンの3体と戦っても、大してダメージを受けずに勝っていただろう。


だが、ジャガモンは戦闘能力が高すぎるあまり、消費カロリーが高く、『森の守護者』を担うにはオーバースペックだった。

単独の戦士として最強であっても、守護者としての役割に向いた肉体をであるかというと、そうとは言えないのだ。

だからジャガモンは、デジタマを産み、後継者であるブロッサモンを育てたのだ。





…だが。
そのブロッサモンは死んだ。
705 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/31(水) 00:33:46.01 ID:LRT6okKKo
そして今、ジャガモンは体内のエネルギーをウッドモンへ渡し、ジュレイモンへと進化させた。


ジャガモンのような、動物型と植物型のハーフではなく。
完全な植物型のレベル5デジモンに、守護者の座を譲ったのである。
706 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/31(水) 00:35:44.03 ID:LRT6okKKo
ジュレイモンは、さくらんぼのような赤い果実を実らせた。

甘い香りに誘われ、動物型デジモン達がジュレイモンの周囲に集まり、果実を食べていく。

ジュレイモンはそれを眺めながら…
にっこりと笑っていた。
707 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/31(水) 01:19:50.59 ID:S+vp7nWso
ジャガモンも現役引退か
708 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/31(水) 03:59:15.35 ID:YFi/b0Ak0
現実で一番大きい生物って言ったら確かに木だもんなあ……
709 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/31(水) 13:21:45.98 ID:WJ2eg3gB0
どこの世界も飯の確保は死活問題だ
710 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/31(水) 16:35:56.09 ID:8gtM5zKKo
草食以外は誰かが餌にならんと食物連鎖できないしな…
可哀想だけど小さい子たちはたくさん産んで食われるしかない
711 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/31(水) 17:10:08.09 ID:f1VzQWCpo
デジタルなモンスターだけど自然の摂理には逆らえない
712 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/31(水) 22:33:03.26 ID:UY437IRqo
我々は、レベル5デジモンについての研究をレポートにまとめた。
そして講演会で発表した。

デジモン研究の講演会には、学者のみならず一般の方々もよく来てくれる。
小さな男の子もちらほら散見される。

一通りの発表が終わり、質疑応答の時間に入った。
様々な人々からの質問が行われる中、小学生とみられる男子から、思いもしなかった質問が飛んできた。


「レベル5デジモンはなんでそんなに強いんですか?」


…我々は答えを持ち合わせていなかった。
というより、考えたこともなかったのだ。
「なぜレベル5デジモンがそんなに強いのか」などと。


かつて出現した暴虐の王、スコピオモンは、体のサイズはスナイモンと同程度だったはずだ。
だが、パワーもスピードも体力も、レベル4とは比較にならないほど向上していた。


少なくとも現実の動物なら、体のサイズが変わらないなら、筋繊維の密度もそう大きく変わらないはずだ。
体内に蓄えられるエネルギー量もそう大きな違いはないはずだ。


それなのに、スコピオモンはなぜあんなに強かったのか?

…我々はその理由を調査しようとした。

だが、断念した。
サンプルが少なすぎるためだ。

今後、レベル5デジモンからデータ計測できる機会はあるのだろうか…。
713 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/31(水) 22:45:18.52 ID:UY437IRqo


デジモン達は、デジタルワールドでどんどん生息分布を広げていく。

森林やサバンナ、密林、寒冷地帯、湿地帯など…。


やがてデジモンは、険しい山岳地帯へと進出しようとしていた。

山の麓には森林が生い茂っているが、高度が増すにつれ、ゴツゴツとした岩肌が露出している。
大地が大きく傾き、デコボコしている。

それ故か、モノクロモンのように重い体を持つデジモンは、この環境に不向きなようだ。

既に植物型デジモンや、テントモン等の羽をもつ昆虫型デジモン達は、この環境に適応していた。

そんな中に、グレイモンの子供の一体…
ファルコモンがやってきた。
https://i.imgur.com/7OIywm2.jpg
714 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/31(水) 22:53:35.81 ID:UY437IRqo
ファルコモンは、小型恐竜デジモン、アグモンに近い種である。

鋭い爪をもち、地面をどしどしと直立二足歩行するという共通点がある。

アグモンとの大きな違いは、硬い嘴と羽毛を持つことだ。

その嘴は、地面をつついて植物を掘り起こして食べたり、攻撃に使ったり、巣材を折ったり…様々な用途があった。

その羽毛は、体温を維持するのに役立った。羽毛の中に空気を含んでいるため、体温を奪われにくい。また、撥水性をもつため、雨にぬれても強い。
ときに巣材になったりもする。

ファルコモンは、アグモンより確実に進化した種であった。


やがてファルコモンは、レベル4へ進化し、さらに強靭な肉体を手に入れた。


https://i.imgur.com/kkHmLhU.jpg
ニワトリに似た姿のデジモン、コカトリモン。
だがその暴れっぷりは、ニワトリというより恐鳥類に近かった。
715 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/31(水) 23:01:46.93 ID:UY437IRqo
これまで、デジモンはただひたすらデカくて強ければよい、というわけではないことが、繰り返し語られてきた。

だが、レベル4としての強さの極限を攻めた、巨躯をもつグレイモン。
その子供であるコカトリモンもまた、親同様に、強さと狂暴さを極めようとしていた。

コカトリモンは極めて獰猛であり、直系の祖先であるタスクモンを彷彿とさせる暴れっぷりを見せた。

あるとき、コカトリモンは、山岳地帯で他のデジモンを発見した。

テントモンに近い種とみられる、レベル3デジモン…
コカブテリモンである。
https://i.imgur.com/cros2MF.jpg
716 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/31(水) 23:04:05.74 ID:UY437IRqo
コカトリモンは、コカブテリモンに襲いかかると、鋭いクチバシをコカブテリモンの頭部に力強く打ち付けた。

コカブテリモンの頭部は、アイスピックを振り下ろされた氷のように粉砕された。

コカトリモンは鋭い爪とクチバシで、コカブテリモンを八つ裂きにし、バラバラにして食べた。
717 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/31(水) 23:16:16.94 ID:UY437IRqo
食事の最中に、コカトリモンは、新たなデジモンを発見した。
https://i.imgur.com/53z6JEM.jpg

昆虫族の中でも上位の強さを誇る、スナイモンである。
かのスターモンと互角の戦闘力を持つ種だ。戦いは避けた方がよいだろう。


だが、コカトリモンは雄叫びをあげ、スナイモンに襲いかかった。

スナイモンの鋭い刃がコカトリモンに振りかざされる。
凄まじいスピードだ。


だが、コカトリモンは口から炎のようなものを吐き、スナイモンの刃に浴びせた。


スナイモンの刃は、石…もといセメントのような物質で覆われた。
これでは自慢の切れ味が活かせない。

コカトリモンは、スナイモンの関節部へ、この炎を吐きつけた。
スナイモンの関節部はどんどんセメントで固められ、動きが鈍っていった。

やがてコカトリモンは、スナイモンの首に噛みつくと…
頭部を噛みちぎって切断した。


我々は驚いた。
あのスナイモンを、ここまで圧倒するとは。
さすがはグレイモンの子孫…。


コカトリモンは、スナイモンを解体して捕食した。
718 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/31(水) 23:21:53.45 ID:YFi/b0Ak0
コカトリモン、あんまり強いイメージはなかったけど石化能力はそりゃまあ強いわな……
719 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/31(水) 23:23:41.78 ID:UY437IRqo
コカトリモンは、スナイモンを食っている最中に、また新たなデジモンを発見した。
https://i.imgur.com/8biGpQL.jpg

カラツキヌメモンの子孫とみられる、モリシェルモンである。

スナイモンの死骸を放置して、雄叫びをあげてモリシェルモンへ襲いかかるコカトリモン。
モリシェルモンは、固い殻の中に隠れた。


だがコカトリモンは、鋭いクチバシを、モリシェルモンの殻へ打ち付け続けた。

やがてモリシェルモンの殻は、アイスピックを突き立てられた氷のように砕けた。

そうしてコカトリモンは、モリシェルモンの軟らかい体を食い千切って捕食した。

暴れて抵抗するモリシェルモンであったが…
コカトリモンは、モリシェルモンの頭部へクチバシを突き刺し、脳を引きずり出して食った。


なんという獰猛さであろうか…。
720 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/31(水) 23:26:46.00 ID:UY437IRqo
翌日、再びデジモン狩りをするコカトリモン。
新たな獲物はすぐに見つかった。


https://i.imgur.com/YK9hxcl.jpg
ヤギ型デジモン…ゴートモン。
ボアモンの子供だ。

コカトリモンはニタリと笑うと、食いかけのコカブテリモンを捨て置き、ゴートモンの方へ駆け出した。

ゴートモンは、蹄のある自慢の脚で逃げ出した。
さすが走ることが得意なボアモンの子だけあって、走行スピードは速い。
木々の間を縫うように、機敏な走りを見せた。


だが、コカトリモンも猛スピードで爆走し、ゴートモンを追いかけた。
凄まじいパワーのクチバシで木々をへし折ってなぎ倒しながら追跡する。
721 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/31(水) 23:27:46.46 ID:FfYDiL2+o
グレイモンの子孫つっよ…
こんなの余裕で天下統一じゃないですか…
722 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/31(水) 23:29:58.78 ID:UY437IRqo
やがてゴートモンは、険しい崖へと追い詰められた。

コカトリモンは、ゴートモンを崖へ追いやってていく。

するとゴートモンはなんと、崖の下に飛び降りた。
そして崖の僅かな突起に蹄をひっかけて、切り立った崖を登り始めたのである。

驚くコカトリモン。
だが、美味そうな獲物を目の前にして、このままおめおめと似がせるわけがない。
コカトリモンもまた、崖の下に飛び降り、ゴートモンのように崖にしがみつこうとした。
723 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/31(水) 23:32:25.03 ID:tecEvoFk0
あれ?アグモン今まで出たっけ?
724 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/31(水) 23:32:52.52 ID:UY437IRqo
だが、無理だった。

足を滑らせたコカトリモンは、200mの高さの崖から転落した。

必死に翼をバタつかせたが、飛ぶ機能は備わっていない。

どんどん遠ざかっていくゴートモンを睨みながら、コケエエエエと大声で叫んだ。





…そのままコカトリモンは、激しく地面に体を打ち付けた。

バーーーーンという大きな音が、30秒ほど山々に木霊した。
725 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/31(水) 23:38:16.26 ID:UY437IRqo
やがて砂埃が消えると、地面に倒れ伏しているコカトリモンの姿が現れた。

全身を複雑骨折し、内臓も破裂しているとみえる。

なんとも痛ましい姿だ。



目玉が飛び出ているコカトリモンは、絞り出すように鳴き声を発しようとするが…
気嚢が破れており、声を発することができないようだ。


死に瀕して悔しそうな表情をするコカトリモン。
己こそが最強だったはずだ。間違いなく山の生態系の頂点だったはずだ。
その自分が、あんな弱そうな奴を捕食できず、こんな無惨な最期を遂げるだなんて。

最強であるはずの自分に、こんなことがあっていいはずがない…!


…そんなことを考えているのが、コカトリモンの全身からありありと伝わってきた。
726 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/31(水) 23:40:37.45 ID:UY437IRqo
コカトリモンは、最期の力を振り絞り、デジタマを産んだ。
そして徐々に冷えていくぬくもりで、デジタマを温めた。





コカトリモンの死骸が、ヌメモンやゴキモンに食い尽くされた頃…

その遺骨の下の地面が、モコモコと盛り上がった。
727 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/31(水) 23:40:38.32 ID:YFi/b0Ak0
過剰な攻撃性は自滅に繋がるってことだなあ
728 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/31(水) 23:49:14.66 ID:UY437IRqo
地面から出てきたのは、なんとも可愛らしい姿の幼年期デジモンであった。
https://i.imgur.com/jiHyVLF.jpg

草の実などを食べて成長し、一回り大きくなった。
https://i.imgur.com/aSMy2Mq.jpg


やがてレベル3になると…
親よりも、さらに鳥に近い姿となった。
https://i.imgur.com/j3KPXqT.jpg


鳥型デジモン…ピヨモンは、未発達な翼で、ばたばたと飛んだ。

地上から飛び上がるのは得意じゃないらしい。
たった一世代で、大空を舞う力が備わるわけではないようだ。


だが、それでも…
崖から飛び降りても、ゆるやかに着地することはできるようだ。
729 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/31(水) 23:53:56.41 ID:UY437IRqo
ピヨモンは、崖から飛び立って地面を目指しているときに、何かが目に入った。

それは、ピヨモンの親…コカトリモンのように、ゴートモンを追いかけている、恐鳥型デジモン。ディアトリモンの姿であった。
https://i.imgur.com/TJasJB7.jpg


ディアトリモンは、崖を登るゴートモンを追いかけ…
そして、足を滑らせて転落した。



あのショッキングな音が、再び山々の間に木霊した。
730 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/31(水) 23:55:20.82 ID:UY437IRqo
つづく
731 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/31(水) 23:59:00.19 ID:YFi/b0Ak0

山岳のヤギ、強い
732 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/01(木) 00:05:17.97 ID:oDW6wgJ0o
〜オマケ〜

紹介するのが遅れていた。これがアグモンである。
https://i.imgur.com/atrQ69D.jpg

タスクモンが産んだ卵から産まれたレベル3デジモンであり、これらがグレイモン、グラウモン、ティラノモンへと進化したのだ。

口から炎を吐くことができ、レベル3の中では最強クラスといわれる戦闘力をもつ。
レベル4デジモンのヌメモンやベジーモンと互角の力を持つとさえいわれる。

強さを突き詰めようとするアグモンの遺伝子は、強大なレベル4デジモンに進化し得るポテンシャルを持っているのである。
733 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/01(木) 00:08:34.38 ID:ofigKZ2Uo
鳥なのに飛べない奴等は悲惨だ
734 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/01(木) 08:52:11.40 ID:KsWPbD8E0
ピヨモンはまだ落ち着きありそう
735 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/01(木) 10:40:44.76 ID:aVrFe9B/o
飛べないにしても滑空くらいできたら良かったのにね
736 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/01(木) 20:35:01.52 ID:lWoanl7ko
戦闘だけなら天下だなアグモン→グレイモン一族
737 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/01(木) 22:24:59.26 ID:dAo3F5IXo
デジタルワールドのエネルギー循環、栄養循環は、どのような仕組みになっているのだろうか?

一見すると、太陽光を使って成長した植物が、草食デジモンの餌となり、それが肉食デジモンの餌となり、死んだデジモンが分解されて植物の栄養になる…という、現実の生態系と同じシステムに思える。


しかしながら。
デジモンというものを詳しく調べていくと、「ん?」と疑問点が湧いてくる。

第一に…
デジモンは「データ」を食べる生き物であることが分かっている。
ただし、デジモンはサイズがでかいだけのランダムノイズなどは食べない。
価値のある情報を選り好みして食べるのだ。
我々が、コマンドラモンやマッシュモン、フローラモンの餌を、データのコピペではなく、データマイニングによって計算コストと時間コストをかけて都度生成していることからも、それは明らかだ。

しかしながら、「データを食べる」ということが具体的にどういうことなのか、よく分かっていないのだ。

食べたデータが分解され、デジモンの体内で消えたことで、代わりに何のエネルギーが生まれるのか?

分からないことだらけではあるが…
デジモンの代謝系は、我々人間が、糖と酸素からATPを合成して、細胞内で分解してエネルギーにする仕組みとは、根本的に異なるシステムであることは間違いない。


すると、そのエネルギーの源となっている、デジタルワールドにおける「太陽」とは何なのであろうか?


デジクオリアが我々に「太陽」として見せているコレは一体何なのであろうか?
738 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/01(木) 22:35:51.76 ID:dAo3F5IXo
そもそもデジタルワールドとは何なのか。

デジタルネットワーク上に存在している世界…というと、なんとなくわかったような気にはなる。

だが、現実のデジタルネットワークは、世界各地のサーバーや端末内の様々なシステムによって極めて精巧に作られている。

コンピューターウィルスは世界中に蔓延してはいるが、各種セキュリティソフトによって逐次駆除されている。

こんな精巧なモンスター型のボットを構成している巨大なデータが、あちこちのサーバーやパソコンのディスク上の領域に丸ごと入っているかというと…
現実のデジタルワールドを見る限り、あまりそうとは考えられない。


しかしながら。
フローラモンやマッシュモン達は、確実に我々のサーバー内に「いる」こともまた事実なのだ。


我々人間は、原子や分子の構造体という形で、現実世界に『いる』。


ではデジモンは、どんな形で、どこに『いる』のだろうか。
739 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/01(木) 22:53:30.04 ID:dAo3F5IXo
様々な研究によって、少しずつ、それが分かり始めてきた。

デジモンが存在する「デジタルワールド」…
その媒体となっている「デジタルネットワーク」とは、ノイマン型コンピュータ端末同士の相互通信ネットワークや、それを構成する磁気テープ上のゼロイチのデータ情報のことだけを指しているのではないのだ。

それらの端末を利用している、我々人間の脳もまた、「デジタルネットワーク」を構成する一部分なのだ。

人間だけではない。
地球上の様々な動物の思考回路…脳も、デジタルネットワークを構成する要素となっている。

動物だけでもない。
近年の研究によって、森林を構成する植物同士は、菌根菌の菌糸を回線としたネットワークを構成し、相互に情報交換をして協調して活動していることが明らかになっているのだが…
そのような植物同士の情報ネットワークもまた、デジタルワールドを構成する「デジタルネットワーク」の一端であることが、いくつかの研究によって示唆されている。
740 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/01(木) 23:03:17.64 ID:dAo3F5IXo
植物や人間の思考回路はアナログではないか?それではアナログワールドにいるアナログモンスターではないか?と言われることもある。

それは、まあ…今更といえば今更というか。
最初にそう名付けられてしまったから、今もそう呼ばれているということだ。

電流の向きがマイナスのベクトルとして決まっているように。

自然界を支配するといわれる4つの力…
重力と電磁気力に続く「弱い力」と「強い力」が、仮称のまま正式名称になってしまったように。


通称として広く知れ渡り、様々な論文で使われてしまった以上、今更名称を変えるわけにもいかなくなった、ということだ。

もっとも、変えるべきだなんて意見は一度たりとも聞いたことはないが。
741 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/01(木) 23:14:27.69 ID:dAo3F5IXo
あまりこのあたりを詳しく説明してもドツボにはまるので、詳しくは我々が出している論文を見て欲しい。
きっと理解の助けになるはずだ。


近年では、「現実世界とデジタルワールドの間で、物体の転送ができないか?」という研究を行っている機関もあるらしい。

もしもそうなれば、人類にとって大きな恩恵となることは間違いない。
ゴミ処理問題や農地開発など、「土地が足りない」ことによる問題の解決の糸口になるかもしれない。

また、化石燃料の代替となるエネルギー源を得られるかもしれない。

もっとも、そんなことが本当に可能となるかどうかは怪しいが…

我々がデジタルワールドを観測する技術「デジクオリア」は、その領域に至るための足がかりであることは間違いない。
742 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/01(木) 23:23:37.60 ID:9B9kfaSu0
読ませてくれ……論文!!

今のデジタルワールドは全然原始的だし
本格的に人間の手が加えられるようになったら荒らされそうだなあ
743 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/01(木) 23:31:32.07 ID:dAo3F5IXo
話がそれてしまって申し訳ない。
元々は、デジタルワールドの栄養循環がどうなっているか、デジモンは食べたデータをどのように生体エネルギーへ変換しているのかという話だった。

しかしながら、それをきちんと論理的に納得できるように説明するには、どうしても複雑な話に言及せざるを得ないのだ。


抽象的、オカルト的な話に喩えるのは苦手なのだ。
うまく簡潔に説明できずに申し訳ない。


ともあれ、私の同僚の言葉を借りるならば…
『エネルギー保存則がこの世に存在するように、情報もまた完全に消滅することはない』という法則が、この世には存在するらしい。


たとえば、純水と乾燥した土がそれぞれ独立で保管されていたとして…
それを混ぜて泥水にしてしまえば、それが元々は純水と乾燥した土だったという情報は、我々からすると消えてしまったように見える。

しかし実際は、その結果が観測されることにより、「乾燥した土がどのような過程で水に溶けていくのか?」という知識や、泥水そのものが持つコロイド溶液の性質に関する科学的知見など、新たな情報が生み出される。


デジタルワールドの栄養循環や、デジタルモンスターのエネルギー代謝とは、この概念に近いのだそうだ。


『情報が消えることで、新たな情報が生まれる』…。

その連鎖によって、デジモンは活動している、ということらしい。

そして、デジタルワールドにおける太陽とは、この概念でいうところの『巨大な情報源』…

いわば「我々の認識できる世界から失われていった情報」が、何らかの方法でデジタルワールドへ送られ、日光のように降り注いでいる…ということのようだ。


ぼやっとした説明になってしまったが、なんとなくイメージは分かってもらえたことだろう。
744 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/01(木) 23:34:31.34 ID:vUTbkIeto
人間のいらないものがデジモンにとってのいるものになってるんだな
745 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/01(木) 23:44:38.66 ID:dAo3F5IXo
人間のデジタルネットワークには、コンピュータのデータを破壊するプログラムが多数存在している。

我々はそれをワームやウィルスに喩え、「データを食べて殖える生命のようだ」と比喩したことがあった。

しかしながら、その比喩は一見合っているようで、実は誤りがある。
なぜならウィルスやワームは、自己増殖することとデータを破壊することの間に、機能的な繋がりがないからだ。

殖えようと思えば、データを破壊せずともいくらでも殖えることができる。
かつて流行したことのあった「チェーンメール」のように。

つまり、ワームやコンピュータウィルスは、別に「データを栄養にしているわけではない」のである。


だが、コンピュータウィルスの流行をきっかけとして、デジタルワールドの存在が我々の技術で観測できるほど顕現できるようになったことは、決して偶然ではない。


デジタルネットワークが肥大化し、それを構成する情報を破壊する悪質なプログラムが増えたことで、「我々の世界から失われる情報」の量が爆発的に増加したのである。

つまり、それと対になるように、我々の世界からデジタルワールドへ送られる情報量もまた、爆発的に増加したのだ。
746 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/01(木) 23:56:48.82 ID:9B9kfaSu0
世のハードディスクが削除されたり暗号化されたりする度にデジタルワールドが富んで来たんだな……
747 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/01(木) 23:59:39.22 ID:pTAUatDf0
デジタルが喋れればデジタルワールドのこと分かるのになあ
748 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/02(金) 00:05:40.34 ID:VkqQSjxro
デジモンは、コンピュータウィルスが進化して産まれたデジタル生命体…という通説は、合っているようでもあり、そうでもないといえる。

これは、動物の進化のイメージが近いといえる。

動物は、細胞内のミトコンドリアによって酸素と糖分から莫大なエネルギーを得る力…「好気呼吸の力」を獲得した生物群だ。
好気呼吸によって得られる活動エネルギーは、メタン細菌のような他の代謝システムをもつ生物が生み出す活動エネルギーよりも遥かに大きい。

そのミトコンドリアの起源は、αプロテオバクテリアと呼ばれる好気性細菌だったといわれている。

しかしながら、動物はαプロテオバクテリアそのものが直接進化して誕生した生物というわけではない。

原始的な真核生物が、αプロテオバクテリアを取り込んで、細胞内共生することで進化した種だ。


デジモンもまた、ウィルスそのものから直接進化した存在というよりは、データを分解・吸収するための手段として、ウィルスを利用するようになった生物、ではないかと予想されている。


デジタルワールドには、『デジモン以外のデジタル生命体』も存在している。
たとえば微生物や細菌、植物に近い生命が確認されている。

それらデジタル生命体の中のひとつであり、最も強力に進化した系統が「デジタルモンスター」なのだ。
749 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/02(金) 00:09:14.42 ID:Bt3c95Ulo
ウイルスではないけどウイルスと似た能力も使える生き物か
750 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/02(金) 00:12:55.73 ID:VkqQSjxro
かつて我々の研究所で発生した「ゴミ箱マッシュモン事件」を覚えているだろうか。

ゴミ箱の中にあるデータが、どんどん消えていき、マッシュモンの餌となっていた事件である。

あのときは、コンピュータをスキャンしてもコンピュータウィルスは見つからなかった。

それはそうだ。ウィルスセキュリティソフトは、コンピュータに有害なプログラムをなんでも除去してくれる魔法のソフトではない。
ウィルス定義ファイルに基づいて、ウィルスとみなされたプログラムを除去しているにすぎない。


あの時、研究所のパソコンに巣食っていたプログラムは、ウィルス定義ファイルで引っ掛けることができなかったのだ。

マッシュモン…
「分解者」の姿と力を得たそのデジモンは、データを分解するプログラム…デジタルワールド製のコンピュータウィルスを菌糸のように操り、ゴミ箱の中のデータを破壊し、吸収しやすいように加工していたということだ。


つまり、マッシュモンは…
デジモンの起源を解き明かすことにおいて、重要な意味を持つデジモンなのかもしれない。
751 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/02(金) 00:13:30.78 ID:VkqQSjxro
つづく
752 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/02(金) 00:14:52.55 ID:F+maKwm4o

まさかのマッシュモン
753 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/02(金) 00:16:22.73 ID:fWmvZ4fR0

デジモンは基本見た目通りの能力ね
754 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/02(金) 00:43:54.51 ID:HjqHUSUX0

菌類、研究対象として価値あるな
進化には恵まれてないが……
755 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/02(金) 10:05:39.18 ID:ZwQbZq98o
際限なく仲間を生み出せるし生き物としては優秀すぎるな
756 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/02(金) 18:47:04.85 ID:St8y0vCR0
今飼ってるデジモンはコマンドラモン フローラモン ボスマッシュモンか
757 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/03(土) 11:38:20.42 ID:6JA/Veupo
増殖の効率良すぎるマッシュモンに絶滅の危機を抱かせるほどの天敵は果たして存在するのか
758 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/03(土) 14:04:59.67 ID:lKD0CZQ7o
植物と植物型デジモンの違いは何だろうか?

結論から言おう。全くの別物である。
植物型デジモンは、植物の特性を習得することで、地中から栄養を吸ったり光合成する力を身に着けたというだけの、れっきとした動物デジモンである。
いわば植物への収斂進化だ。


そもそもデジタルワールドに自生している植物も、厳密には我々の世界の植物そのものではないのだが…
あるデジタル生命体が、空から太陽光のように降り注ぐデータを吸収して栄養にし、その場から動かずに殖えるという生態を突き詰めた結果、我々の世界の植物に収斂進化したという結果は合理的といえる。
759 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/03(土) 14:09:15.24 ID:6JA/Veupo
キター!
760 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/03(土) 14:12:07.78 ID:lKD0CZQ7o
樹木という生物は、全身を構成する細胞のうち、生きた状態のものの割合はかなり少ない。
中空部分は死んだ細胞でできており、生きた細胞は表皮や成長点、枝葉の部分、根くらいしかない。

だが樹木型デジモンであるウッドモンやジュレイモンは、角質など一部を除けばほぼ全身の細胞が生きている。


また、細胞の構造も植物とは異なる。
動物のように動き回ったり戦ったりする必要があるため、駆動部には筋繊維ないしそれと同等の動きをする細胞が詰まっている。

つまり植物型デジモンは、外骨格デジモンの一種なのである。
サンゴやイソギンチャクをイメージしてもらると分かりやすいだろうか。
761 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/03(土) 14:16:49.09 ID:lKD0CZQ7o
我々は「植物型デジモンの祖先は何か?」を調査したことがある。

その結果、最も可能性が高い種として挙げられたのがこれだ。
https://i.imgur.com/qOkjolq.jpg

刺胞動物型デジモン、サンゴモン。
珊瑚のように硬い骨格で身を包んだ、軟体のデジモンであり、海に生息している。

こいつが上陸し、植物を食べて暮らしている中で、やがて表皮の中に葉緑素を取り入れることに成功し、植物型デジモンへと進化したということらしい。

762 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/03(土) 14:40:31.26 ID:lKD0CZQ7o
まるで太陽光のようにデジタルワールドへ降り注ぐエネルギー…

それは我々の世界から失われていった情報である、と、いうのが定説だ。

ここでひとつ疑問がある。
デジタルワールドにおいて、デジモン達の中を巡ったエネルギーは最終的にどこへ行くのか?ということである。

我々のいる現実世界では、太陽光は地上の生物の中を様々なエネルギーとして循環した後、最終的には熱エネルギーとなって、空気中や水中へ放出される。それがそのまま地球の中へ留まっていたら、地表はどんどん高熱化してしまうだろう。
だが、それらが持つ熱は熱輻射線という電磁派へ変換されて、宇宙の外へ放出される。だから太陽光に照らされても、地球の温度は維持されるのである。

では、デジタルワールドではどうなのか?
熱輻射のように、世界の外へ排熱するシステムはあるのだろうか。

…少なくとも『それらしいものがある』という仮説を立てなければ、生態系が維持されていることを説明できないといえるだろう。
763 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/03(土) 14:48:20.12 ID:lKD0CZQ7o
熱されたものが冷えるのは当然の摂理だ。
それは空気や水への熱伝導だけでなく、熱エネルギーが赤外線として放射されるためでもある。

その仕組み自体が、デジタルワールドにも備わっているのか、我々はコマンドラモンの協力を得て実験によって確かめた。

サーバー上のローカルなデジタルワールド空間で、コマンドラモンの爆弾を爆発させた。
その後、デジクオリアのカメラを調節し、可視光線外の波長…赤外光が発せられるかを確かめた。

その結果、爆発によって温まった物体や空気が、遠赤外線を発していることが確認された。

つまり、デジタルワールドにも熱放射の仕組みはあると考えられる。
764 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/03(土) 14:54:48.72 ID:6JA/Veupo
成長期の間は色んなことを学習させられるな
765 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/03(土) 15:05:16.27 ID:lKD0CZQ7o
…しかし。
デジタルワールドの太陽光は、その全てが熱と光だけでできているわけではないようだ。

なんと、デジタル生命体にとって栄養素そのものとなる、データ…情報が、粒子のような形で、太陽光とともに降り注いでいるのである。

熱や光は熱放射で捨てられるだろうが、こちらは捨てられることはなく、そのまま栄養分としてデジタル生命体の肉体を構成する粒子として残存し、循環し続ける。

デジタルワールドにいる成熟期デジモンの数は、はじめに比べて随分増えた。


それはすなわち、太陽から発せられた栄養データが、そのまま生態系に蓄積し、どんどん高栄養状態になっていっているからだ。
766 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/03(土) 15:23:37.47 ID:lKD0CZQ7o
…こういったデジタルワールドの栄養循環の仕組みを、高校時代からの友人に、宅飲みしながら話してみた。
彼はこういう話に興味を持ってくれる。職場以外でこの手の難解な話に付き合ってくれるのは、大変有り難いことだ。


友人は「まるで死んだ情報が辿り着く天国みたいだな」と言った。

なかなかおもしろい喩えだ。
死者の魂が辿り着く「冥界」という概念は、世界中の様々な宗教に存在している。
もっとも、冥界に行った後どうなるかは千差万別だ。輪廻転生するとか、いずれ神との約束の地へ復活するとか言われている。

そう考えると、我々の世界から消えた「情報」は、デジタルワールドでデジタル生命体の栄養となることで、輪廻転生している…とか言えなくもないのかもしれない。


友人はさらに続けて言った。
「そういや前に、デジタルワールドって実は人の脳や植物の根っこみたいなアナログの情報媒体にも繋がってるんだよな?」

どうやらそういうことらしい。

「じゃあさ、人間が死んだ後…その人の脳の中の記憶や人格といった情報も、デジタルワールドに送られるのか?」


とんでもないことを言うやつだ。
そんなこと考えたこともなかった。
767 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/03(土) 15:33:55.93 ID:lKD0CZQ7o
ハハハ、何言ってんだ…と思ったが。

冷静に考えると怖くなった。

なぜデジタルワールドに栄養として送られる情報が「www(ワールドワイドネットワーク)に接続されたコンピュータ機器内の情報」だけだと言い切れるのか?

外部に接続されていないローカルネットワーク上で失われた情報が、デジタルワールドに送られないという保証がどこにあるというのか。

そもそも、ネットワークなんてのは物理的に言えば「情報を正規化し、電気信号や光回線信号、電波信号に変換して、機器間でやりとりしているだけ」の概念である。
物理的な連続性はないのだ。

それならば。
視聴覚によって外部との情報交換ができる、我々人間の脳が、スタンドアローンの端末だなどと何故言い切れるのか?

光や音を入力とし、手や声を出力としてネットワークに接続されている生体コンピュータと捉えれば、我々の脳も「ネットワークに接続されている」と言えるのではないだろうか。


ならば。
我々の記憶や人格が「失われた後、デジタルワールドに送られる」ことを否定しきれないのではないか?
768 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/03(土) 15:34:59.24 ID:lKD0CZQ7o
…その晩、私は久々に恐怖と好奇心のせいで眠れなくなった。

こんな感覚は、子供の頃に心霊番組を観た時以来であった。
769 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/03(土) 15:35:58.06 ID:lKD0CZQ7o
つづく
770 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/03(土) 15:36:30.24 ID:9Iw9mMpno
単純な武力でも知能でもデジモンは恐るべき生き物なのにこわいこわい
771 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/03(土) 15:36:56.23 ID:ldxOXyXe0
772 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/03(土) 15:42:26.48 ID:6JA/Veupo
人間そのもののデータ使ってるならこのデジタルワールドにも人間同然のデジモンもそのうち…
773 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/03(土) 16:22:14.87 ID:2LB5F9TV0
デジタルワールドとデジモンが何かまだまだわからないからどんな仮説も否定できない
774 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/03(土) 16:54:34.05 ID:aPoMvTto0
植物型デジモンでも現実の肉食生物みたいに捕食能力あるんだったら光合成の分得してるだけじゃね?と思ってたらちゃんと掘り下げられてた マジでしっかりしてるなあ
775 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/03(土) 22:03:45.82 ID:GQTis+Iko
デジモンに関して知ってることは学者も一般人も大差ないから発想は無限大
776 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/04(日) 13:50:39.00 ID:Rwinpa1ho
マッシュモンだけでも人類滅ぼせそうな物量なのにシンプルに強いデジモンまだまだたくさんいるから争いになったら人類負けちゃうな
777 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/04(日) 23:59:51.96 ID:wQyziKWco
今日はなかったか悲しい
778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/05(月) 19:11:05.82 ID:SiEWJj1Go
ある日、とある鉄鋼会社から我々の研究所へ電話がきた。
曰く、会社のサーバーが未知の悪質なコンピュータウィルスに感染し、ネットワーク回線のトラフィック量が爆増してしまったそうだ。
様々なセキュリティソフトを試したが効果がない。
もしかしたらデジモンの仕業かもしれないので、調査してほしい…との依頼であった。


我々は依頼を引き受けることにした。
早速、鉄鋼会社のオフィスへ向かった。


我々は今後のデジモン調査のために、専用PCを用意した。
名付けて『ランドンシーフ』。揚陸艦という意味だ。

このPC端末には、マッシュモン、フローラモン、コマンドラモンが居住するためのスペースと、彼らヘの餌となるデータをマイニングするソフトウェアが仕込まれている。

強固なセキュリティによって内部のデジタル空間を保護しており、対デジモン用の様々な設備を搭載している。

我々は、ランドンシーフを鉄鋼会社の回線へ接続した。

まずは様子見のため、ネットワーク内にデジドローンを飛ばして偵察を行った。
779 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/05(月) 19:15:31.57 ID:SiEWJj1Go
やがてデジタル空間可視化ソフト「デジクオリア」のウィンドウ画面に、デジドローンから送信された映像が映し出される。


デジタル空間の中は、図書館を彷彿とさせる風景であった。
様々な資料が入ったバインダーが、棚に陳列されている。

だが、異変はすぐに見えた。
黄色いスライム状の物体が、デジタル空間の床や棚をウジュウジュと大量に這い回っているのである。

https://i.imgur.com/f5KklKj.jpg

これは…見たことのあるデジモン。
ズルモンだ。
780 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/05(月) 19:20:23.54 ID:cmTVxjpSo
幼年期とはいえ大量かあ
781 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/05(月) 19:23:55.03 ID:dwACPmNH0
デジモンセイバーズのDATSみたいなことしてるな
782 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/05(月) 19:24:56.06 ID:SiEWJj1Go
やがて、ズルモンは動きを止めると…
進化を始めた。

レベル3…成長期デジモンとなったのである。

https://i.imgur.com/4JsLekH.jpg

周囲を見回すと、どうやらズルモンだけでなく、この成長期デジモンも大勢いるらしい。

そのデジモンの姿は…一見するとナメクジ型デジモン、ヌメモンによく似ていた。
だが、大きな違いがあった。

この成長期デジモンは、自重を支える力があまり強くないようだ。
かなり体高を低くした状態で、床をズルズルと這い回っている。

そしてこいつは、頻繁に体を分裂させたり、異個体間で結合したりしているのである。

まるで粘菌だ。
ヌメモンならこうはいかない。
783 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/05(月) 19:34:10.63 ID:SiEWJj1Go
同僚の一人が、このデジモンに「ゲレモン」と名付けた。
ちょっと品のない響きだが…まあド直球でないだけ良しとしよう。

ゲレモンの胴体から飛び出た2つの眼球のようなものは、どうやら視覚を担う器官のようだ。やはり眼なのだろう。

ゲレモンは、棚からバインダーを取り出すと、それを開き、資料を舌でベロンベロンと舐め回した。

舐められた資料は消えてはいないため、どうやらデータを食べているわけではないようだ。

ゲレモンやズルモン達の群れの動きを見ると…
どうやらゴミ箱の中のデータを食べて栄養を補給しながら、資料舐めをしているようだ。



…私は、このデジモンの形質に覚えがある。
これと似た性質の生物が、現実に存在するのだ。

名を「キイロタマホコリカビ」という。
784 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/05(月) 19:38:54.70 ID:SiEWJj1Go
キイロタマホコリカビは、普段はアメーバ状の単細胞生物として振る舞い、細菌などを食べて成長する。

だが、環境が変わると、多数の個体同士が合体し、ナメクジ体と呼ばれる多細胞生物へ姿を変え、地面を這う。

そして、やがて子実体を伸ばして、そこから胞子をばら撒くのである。



これらのズルモンとゲレモンを見ていると…
どうやらズルモン達は一個体がそのままゲレモン一個体になるのではなく、多数のズルモン達が集合してひとつにまとまることで、一体のゲレモンとなるようだ。


もしもこいつらがキイロタマホコリカビを模倣しているのであれば…
「ナメクジ体」の名にちなんで、ナメクジ型デジモンであるヌメモンに似た姿へ収斂進化するのも頷ける。
785 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/05(月) 19:51:49.10 ID:SiEWJj1Go
こいつらも、マッシュモン同様に、幼年期や成長期のまま分裂して増殖する『デジタマを産まないデジモン』なのだろうか。

さて、どうやらこいつらのせいで、ネットワークのトラフィック量が増大しているらしいが…
それはどういうことなのだろうか。


我々は、デジドローンを移動させ、ネットワーク回線の出入口付近付近を調査した。

やがて、トンネルのようなものが見えてきた。これがインターネット回線だ。

すると…
おお、なんということだ。

インターネット回線のトンネルの壁は、まるで悪玉コレステロールのプラークが詰まった血管のように。

ゲレモンないしズルモンと思われる粘菌が、びっしりと張り付いていたのである。

内部はもはや黄色いトンネルであった。
わずかな隙間の中を、データが行き来している。

なるほど…これがトラフィック量増大の原因か。
こいつらが壁に張り付き、トンネルを狭くしていたせいで、データの送受信が滞っていたのだ。
786 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/05(月) 19:58:57.22 ID:SiEWJj1Go
今回は、デジドローンを飛ばすだけで、あらかた事態が把握できた。

デジモンの仕業であることを鉄鋼会社の社員へ伝えた。

さて、問題はここからである。
これらのズルモン&ゲレモン軍団をどうすればよいのだろうか?

マッシュモンのように高い知性は感じられない。対話は無理だろう。

各パソコンのデータをバックアップし、すべて初期化すればよいのだろうか。
戦って殲滅すればよいのだろうか…?


皆様の意見を聞きたい。
↓1〜3
787 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/05(月) 20:02:53.12 ID:cmTVxjpSo
こればかりはしゃーない
駆除
788 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/05(月) 20:07:15.98 ID:2SoW8sDI0
まず適当に捕獲して解析して効率的に撃退する手段用意を試みる
789 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/05(月) 20:12:17.46 ID:6Dokber/0
奴等の補給線を断つために殲滅と平行してゴミのお掃除
790 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/05(月) 20:21:42.56 ID:SiEWJj1Go
「そ、それで…?うちの会社のサーバーは、直せるんですかい…?」

この状態から復旧する方法は、ただひとつ…
巣食っているデジモン達を、駆除するしかありません。


「駆除…できるんですか?」

やってみなければ分かりませんが…
それなりに戦力はあります。

「それじゃお願いしやっす!」



決めた。
ズルモンとゲレモン達を、駆除しよう。

とはいえ、いきなり何の情報もなしに突入するのは危険だ。
下手を打てば、我々の大切な仲間を失いかねない。

まずは更なる情報収集と分析をして、奴らの弱点を探ることにした。
791 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/05(月) 20:26:19.76 ID:SiEWJj1Go
まずはゲレモンを一匹捕獲して、隔離チェンバーへ閉じ込め、分析をすることにしよう。


ゲレモンはレベル4のヌメモンに似てはいるが、レベル3のデジモンだ。
純粋な戦闘能力ではこちらの勢力が上だろう。

とはいえ…奴らが毒を持っている可能性がある。
正面からいきなりケンカを仕掛けるのは得策ではない。


だが、暴れるレベル3デジモンを、デジモンキャプチャーで捕獲することは難しい。
…やはりマッシュモン、コマンドラモン、フローラモンのうち誰かに捕獲してもらうしかない。
792 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/05(月) 20:45:18.79 ID:SiEWJj1Go
そんな話をしていると、マッシュモンがチャットを飛ばしてきた。

『かみよ すこし ながいたたかいに なっても へいきか』

ん?
まあ、今のところ回線が重くなってるだけで、データを食われているわけではないから…
多少長引いても、確実に駆除できるならいいよ。

『では わたしに まかせてくれ』

どうするつもりだ?

『わたしが ここでふえれば せんりょくがますはずだ』

前みたいに根城にする気か!?
いや考え直せ。仮に君がたくさん増殖してゲレモン達を倒したとして…
その後、増えた個体はどうするんだ?

『また いぜんのように たびにいかせれば いい』

…別の手段も考えようか。

『わかった』

そうして我々は再び、ゲレモン捕獲作戦を考えるのだった。
793 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/05(月) 20:45:45.76 ID:SiEWJj1Go
つづく
794 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/05(月) 20:47:30.65 ID:cmTVxjpSo

ちゃんと自分なりに方法考えたのはえらいマッシュモン
795 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/05(月) 20:49:52.18 ID:0aHYnTAQo

会話できるのは便利だ
796 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/05(月) 21:13:54.63 ID:33BZLfuho
おつおつ
マッシュモンかわいい
797 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/05(月) 22:19:41.45 ID:jE8QWo0G0

臆病ではあったけど戦いを選択する事もできるのはえらい
798 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/06(火) 12:34:19.68 ID:+2JxLtt7O
ちなみに、ゲレモン捕獲作戦について案がある方はいるだろうか。
参考として意見を聞かせてほしい。
799 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/06(火) 12:46:53.59 ID:FRljv4R5o
まずマッシュモンがキノコに糸みたいなのくくりつけてゲレモン1体を釣って集団から引き離す

そのゲレモンの前にコマンドラモンが姿を現して挑発して逃げる

フローラモンがコマンドラモンもろともアレルギーシャワーでゲレモン無力化(コマンドラモンにはガスマスクあるから無害)
800 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/06(火) 12:47:24.09 ID:LfkCBwq0o
こちらが戦力は上とのことなので、全員で出撃して巣食われている今の環境を変えて住みづらくさせつつ、似た環境の移住艦みたいなのを用意してそちらに移動をさせていく
801 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/06(火) 12:50:28.97 ID:tlTac4UZo
デジモン達の能力で麻酔銃みたいな対象を無力化できる道具は作れないか聞いた
802 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/06(火) 13:21:32.14 ID:jy0KZlxL0
コマンドラモンが光学迷彩でこっそり近づき思いっきり銃をフルスイングしてゲレモンをキャプチャーある方向へホームラン
803 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/06(火) 15:29:04.43 ID:uTTc5Y1C0
開いたゲートの近くにマッシュモンの毒キノコを置いておき、小さな個体に光を照射することでそこまで追い立てる
食べて毒が効いてきたらデジモン達に棒で突かせてゲートの中にポイ
804 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/06(火) 18:42:57.46 ID:kD+qn/oU0
コマンドラモン達をゲレモンそっくりに変装させて近づかせ、仲間だと思って油断してるところをさっと捕まえさせる
805 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/06(火) 18:50:07.44 ID:qgAu/NMb0
良い機会だからデジモン達にも考えさせ「問題」に対してどういう「過程」で「答え」を出すのか研究
806 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/06(火) 19:00:29.96 ID:ub9o1vefo
昔シャコモンをガニモンから助けた時みたいに大量のゴミデータという煙幕でゲレモンの視覚を封じてその隙に捕まえる
807 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/07(水) 12:17:34.96 ID:YqKDft3Yo
マッシュモンの毒キノコとフローラモンのアレルギーシャワーをコマンドラモンの爆弾に詰め込んで投げる
808 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/07(水) 18:18:55.93 ID:RWko02mMO
我々は様々な案を考えた。
いかに安全に、確実に捕らえるか、作戦を練った。

その中で、「試しにフローラモンやコマンドラモンにも作戦を考えさせてみてはどうか」という意見が上がった。
せっかくだし、やらせてみよう。

フローラモンは早々に飽きたようで、コマンドラモンに一任するつもりのようだ。

そしてコマンドラモンが出した案は…
我々が一切予想していなかった作戦だった。


それは『普通にデジモンキャプチャーで捕まえる』というものだった。
809 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/07(水) 21:52:40.95 ID:ih03TAwbo
ま…まああんたほどの実力者がそういうのなら……
810 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/08(木) 10:20:02.16 ID:y/IAzBpp0
それなりに戦闘力もあって能力汎用性あって頭も良いし
下手な成熟期より優秀な成長期コマンドラモンさん
811 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/08(木) 21:38:05.86 ID:Fq3fuRlqo
今日来るかな
812 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/09(金) 23:14:17.99 ID:loYrn++Go
今までレベル3デジモンを捕獲できたことはないのだが…
とりあえずものは試しだ。ゲレモンをデジモンキャプチャーで捕獲してみよう。

デジモンキャプチャーのゲートを、ランドンシーフの隔離チェンバー内に設定。

そして我々はさっそく、ゲレモンの近くでゲートを開いた。


すると驚くべきことに、なんとゲレモンは自分からゲートの中に入ってきたのである。

え?え?
どういうことだこれは?
とりあえず、ゲレモンがチェンバーに入ってから、ゲートを閉めた。
813 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/09(金) 23:19:31.25 ID:loYrn++Go
全くの予想外だった。
なぜ自分から捕まりにきたのだろうか。

ゲレモンは、チェンバー内をゆっくり這い回っている。

我々はあれこれと捕獲作戦を練っていたのに…
コマンドラモンの言う通りに、デジモンキャプチャーを起動したら、自分からゲートに入ってきた。

一体どういうことなんだ…?
コマンドラモンに思惑を聞いてみた。
コマンドラモンはチャットで返信してきた。

『よわそうだから キャプチャーで つかまえられそうだと おもった』

…そういうことだったのか。
なんかすごい計算をしているのかと思ったぞ。

だが、「レベル3はデジモンキャプチャーで捕まえられない」という固定観念を排して考えることもまた重要だということなのかもしれない。

さて。
何から調べるべきか…
814 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/09(金) 23:22:28.20 ID:v2b0DRfmo
コマンドラモンさん頭柔らかいな
815 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/09(金) 23:30:46.40 ID:loYrn++Go
チェンバーの中で、ゲレモンの体から一体のズルモンが分離した。

…デジタマを産まずに幼年期を殖やすとは。
やはり粘菌型デジモンのようだ。

ズルモンは、地面をずるずると這い回っている…。 

我々が最初に発見したズルモンとは、見た目が同じなのに、明らかに性質が異なる。

我々が知っているズルモンは、海底の熱水噴出孔付近のデジタマから出現した。
そしてゴロモン、ゴツモン、スターモン、ゴーレモンといった、鉱物を身に纏ったデジモンへと進化していった。

どうやらデジモンは、外見が同じでも、全く異なる性質となることがあるようだ。
これはピチモン・プカモンに幼年期のまま殖える個体群と、成長期まで進化する個体群があるのと同じようなものだろうか…?


それを調べるには…
ゲレモンの遺伝子を調べる必要がある。

このゲレモンの遺伝子を、今まで採取してきたデジモンの遺伝子と比較するのだ。
最も近しい遺伝子を持つものがどれか分かれば、どのような進化を遂げてきた存在かも推理できる。
816 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/09(金) 23:41:17.33 ID:loYrn++Go
解析した結果…

粘菌型のズルモンとゲレモンは、意外なことに、マッシュモン系統から派生して進化した種であることが判明した。

なるほど、言われてみれば…

デジタマを産まずに殖える習性。
菌類型(植物型から進化したとはいえ)のマッシュモンと、粘菌型のゲレモン。
共通点はある。

そもそもマッシュモンは、一見するとキノコの子実体に手足と顔がついたような姿をしているが、これはマッシュモンそのものではない。
マッシュモンの正体は「菌糸」である。一個体のように見えているのは、菌糸が束になって運動能力と知性を得たカタマリなのだ。

そう考えると…
パッと見の姿は全然違うが、その「正体」は割と近いのかもしれない。
817 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/09(金) 23:44:04.36 ID:1nCw/npQ0
優秀な遺伝子だなあ
こっちの知性は退化しちゃったみたいだが
818 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/09(金) 23:45:12.00 ID:v2b0DRfmo
マッシュモンはそれに加えて感情らしきものを持てるだけの知性あるんだよな
819 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/09(金) 23:47:51.39 ID:loYrn++Go
そしてマッシュモン系統ということは、毒があるのだろうか。

ゲレモンのデータを解析したところ…
やはり毒はあるようだ。
マッシュモンが持つものと同種類の毒を薄めたような感じだ。

厄介だな…
あの粘菌に纏わりつかれたら危険極まりない。
うかつに手が出せないぞ。

すると、ボスマッシュモンがチャットで話しかけてきた。

『かみよ ちょっとおおめに しょくりょうを いただきたい』

腹減ったのか?いいぞ。
私はデータマイニングでキノコをたくさん作った。

マッシュモンはそれらを食べまくった。

するとマッシュモンの足元から、菌糸がぼわっと伸びた。
やがて菌糸から、小さなキノコが生え始め…
そのままミニサイズのマッシュモンとなった。


「マシー!」

ミニマッシュモンは、ボスマッシュモンの足から離れた。
ど…どうする気だ?

『どくみを させる』

…え?
まさかゲレモンをミニマッシュモンに食わせる気か!?
820 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/09(金) 23:52:39.46 ID:loYrn++Go
お腹壊したらどうする!

『だから ぶんしんを だした もんだいは ない』

し…しかしだ。
ミニマッシュモンも命じゃないのか?

『そういわれても これは わたしの いちぶだ どうするか わたしが きめては いけないのか』

…ま、まあいいよ。君本体が無事ならいいさ。

我々は恐る恐る、ミニマッシュモンをチェンバー内へ投入した。

ミニマッシュモンは、ズルモンの報に駆け寄ると…
ズルモンに噛み付いた!

暴れるズルモンを、ミニマッシュモンはもぐもぐと食っていく。
821 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/09(金) 23:54:29.69 ID:UhxxLD9Bo
さすがマッシュモンさんだ
822 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/09(金) 23:56:40.68 ID:loYrn++Go
そうしてミニマッシュモンは、見事ズルモンを飲み込んでしまった。

「ウマ〜」

美味いの!?

『おなじどくなら われわれに きくはずがない われわれももっている どくなのだから』

おお…それもそうか。
凄いなマッシュモン。

チェンバー内では、ズルモンが食われたのを見て怒ったゲレモンが、ミニマッシュモンに襲いかかっていた。

ミニマッシュモンはゲレモンに包まれた。
ミニマッシュモンも負けじとゲレモンを食おうとした。

お、おお…互いに互いを食おうとしている!

だが、サイズ差もあり、やがてミニマッシュモンは溶かされ始めてきた。

このままではミニマッシュモンが食われてしまう…助けないと!

『いいや そのまま みていて いい』

うーん…
そう言われても、ちょっとかわいそうだ。
823 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/09(金) 23:59:41.01 ID:1nCw/npQ0
本体は食べられたりするのは怖いけど生み出した小さな分体が食べられるのはオーケー、デジモンなりの独特な感覚だ
824 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/10(土) 00:01:17.31 ID:ZiA9lSuAo
[たぬき]やパーマンのコピーロボット的な感覚かな
825 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/10(土) 00:13:43.12 ID:tonQCejKo
やがて、ミニマッシュモンはゲレモンを構成する粘菌達に包まれて溶かされてしまった。

ああいうふうに消化吸収するのか…
しかし、今まで毒をもつマッシュモンを食えたデジモンは見たことなかったな。

互いに互いの毒が効かないとなると、フィジカルでの食い合いになるのか。

『かみよ つぎは わたしが いく』

だ…大丈夫なのか?

『わたしは たたかいに じしんはないが あれになら かてるかも しれない』

本当か…?
し、死ぬなよ。

私はマッシュモンと、ついでにコマンドラモンをチェンバーへ投入した。
826 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/10(土) 00:19:02.54 ID:tonQCejKo
マッシュモンは、ゲレモンに向かって突撃した。

ゲレモンはマッシュモンを迎撃しようとする。

…そこへ。
コマンドラモンの自動小銃が飛んできて、ゲレモンの柔らかい肉体をバラバラに引き裂いた。

びちゃびちゃと地面に落ちたゲレモンの肉体は、それぞれがズルモンとなって再生した。

マッシュモンは、複雑そうな表情をしている。
…うん。それでいいよコマンドラモン。


そしてマッシュモンは、ズルモン達を捕食した。
827 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/10(土) 00:19:47.50 ID:tonQCejKo
つづく
828 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/10(土) 00:22:06.99 ID:gVDdCNeP0

コマンドラモンクールだな
829 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/10(土) 00:24:01.14 ID:ZiA9lSuAo

デジモンも色んな性格がいる
830 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/10(土) 00:27:11.06 ID:3C9Qoo6jo
うーんこのリアリスト
831 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/10(土) 00:29:59.56 ID:psKbTIlJ0

まあ……食べるのはマッシュモンしか出来ないから……
832 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/10(土) 00:32:15.32 ID:w2lKrBoco
分離と合体するデジモンも過去にいたとはいてやはり根本的には違うねえ
>>605
>>606
833 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/10(土) 01:39:48.59 ID:c2kZL3uI0
動植物は表情の変化なんてほとんど分からないけどデジモンは表情の変化はっきりと分かるのね
834 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/11(日) 13:05:29.69 ID:Jit5XDILo
マッシュモンも異なるデジモンを取り込んだとはいえ増殖にリソース割かれてこれ以上の進化は望めないかな
835 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/12(月) 09:28:24.96 ID:yEozVfQg0
現状コスパ最高だからコマンドラモン達は進化する必要あまりないね
836 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/13(火) 01:42:32.77 ID:Jcw2chBy0
昨日もなかったか…
837 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/14(水) 16:00:27.92 ID:ovyUWV3J0
ゲレモンの解析に手間取ってるのかな?(純粋な瞳)
838 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/14(水) 21:18:47.96 ID:TxauxGM0o
マッシュモンは続けてチャットを打ってきた。
『かみよ わたしのちからを ためすきかいが ほしい コマンドラモンに まもられればかりでは あしをひっぱってしまう』

な…なんか勇敢になったな。
前はもっと怖がりで図々しかったのに。

まあ、そんなに言うならいいか…頑張れよ。

私はデジモンキャプチャーのゲートを開き、他のゲレモンに近づけた。
するとやはりゲレモンはゲートの中に入ってきた。

隔離チェンバー内で、コマンドラモンが見守る中、マッシュモンとゲレモンが対峙する。

マッシュモンがゲレモンに突撃した。
コマンドラモンはじっと見守っている。
839 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/14(水) 21:24:38.31 ID:TxauxGM0o
ゲレモンは、触手を伸ばして迎撃しようとしてきたが…

マッシュモンに殴られると、触手は千切れ飛び、壁にベチャッと貼りついた。

おお、いけるじゃないか!
続けていけ、マッシュモン!


マッシュモンは、ゲレモンにパンチやキックの連打を浴びせた。
ゲレモンはたちまちバラバラに千切れ飛び、それぞれがズルモンとなって再生した。

マッシュモンは、ズルモン達を食べた。

やったな!圧勝だったぞ、マッシュモン!
お前こんなに強かったのか!

『わたしも やれる たたかえるぞ』

じっと戦いを観察していたコマンドラモンが、チャットを打ってきた。

『たしかに マッシュモンも つよくなった だが あいてのパワーが よわすぎる われわれにとおく およばない』

そ、そうなのか?
…なんかチャットを見たマッシュモンがムスっとしてるんだが。

『やつらは ちからでなく どくでみをまもる マッシュモンいがいでは なぐりあえない』

おお、チャットを見たマッシュモンがご機嫌そうに笑みを浮かべたぞ。

840 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/14(水) 21:26:33.16 ID:0Z9NYnUBo
戦隊物ならブルーかブラックポジションだなコマンドラモン
841 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/14(水) 21:42:33.93 ID:TxauxGM0o
研究グループのリーダーが、戦いを観終えてから発言した。

「だが、あまりに力の差がありすぎるな。
相手も一応レベル3なのでは…?」

…リーダー。
まだ思い付きの段階ですが…今の戦いを見て、仮説をひとつ思い付きました。
奴ら…ゲレモンが何者なのか。

「ふむ?聞かせてみろ。駆除のいいヒントになるかもしれん」

けっこう長い話になりそうですがいいですか?

「構わない。鉄鋼会社のサーバーのデータを奴らに食われてるわけではないからな」



…結論から言います。
奴らゲレモンは、「マッシュモンが進化して、独立栄養生物に回帰したデジモン」だと考えられます。

「ほう…?独立栄養生物に?」

はい。
デジモンはデータを食べる生物と言われていますが、我々人間が生み出すデータをそのまま直接食べるデジモンは、実は現在ではごく少数派となっています。

ほとんどのデジモンは、データそのものではなく、植物や他のデジモンなどを食べています。

「確かにそうだな…。例外は、幼年期の植物型デジモンくらいか…?」

それもありますが。
他にもわずかに、『データそのもの』を食べているデジモンの個体群が確認されています。

ズルモンと、ポヨモン。そして今ここにいるマッシュモンです。

「ポヨモン…あれか。我々が最初に見た小型クラゲのデジモンか」
https://i.imgur.com/CXDeTwM.jpg
842 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/14(水) 21:54:14.19 ID:TxauxGM0o
そうです。
ただし、我々が最初に見たポヨモンは、やがて成長期へ進化していきましたが…
今挙げたポヨモンとズルモンは、成長期に進化せず、幼年期のまま殖える個体群なのです。

「なるほど…そういう風に進化したというわけか」

いいえ…違います。逆です。
これらの個体群は、今まで発見された中で、最もDNAのサイズが小さいんです。

つまり…
『デジモンの共通祖先にもっとも近い』んです。

「デジモンは…そいつらから進化した、ということか…!?」

おそらく、最初に出現したデジモン…ズルモンとポヨモンは、プランクトンのように漂い、データをそのまま食べる生物だったんです。

そのせいで、あまり強いパワーが出せず、幼年期のまま殖えるしかなかった。

しかし、やがてデジモンが他のデジモンやデジタル生命体を食べるようになってからは…、さらに強い体を手に入れて、もっと多くのエネルギーを補給できるようにするために、「進化」できるようになったんです。

「デジモンが進化の力を獲得した起源か…。我々の世界では、独立栄養生物は『光合成によって炭素固定をする生物』と定義され、従属栄養生物とは『他の生物から炭素を得る生物』と定義されるな」

デジモンでは、炭素のポジションがデータになるわけです。
843 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/14(水) 22:04:13.18 ID:TxauxGM0o
「それで…マッシュモンも独立栄養生物デジモンなのか?」

我々が初めてマッシュモンと出会ったときを思い出してください。

あのときマッシュモンは、ゴミ箱の中のデータや、我々がデータマイニングで生成したデータをそのまま食べていました。

「そうだな。む、すると…マッシュモンも独立栄養生物型デジモンなのか。いちど従属栄養生物型になってから、独立栄養生物型に戻ったと」

しかし今は、我々がデータマイニングで生成したデータを、一度キノコに与えてから、それを餌として与えています。

「確かに餌が変わったな…それが何か?」

マッシュモンが、急に強く、そして勇敢になったのは、『餌が変わったから』ではないでしょうか?

「餌が変わると…なるほど。キノコからデータを奪うから、従属栄養生物型デジモンの振る舞いとなったわけだ」

マッシュモン。
今でもまだ、データマイニングで出したペレットや、ゴミ箱の中のデータを美味しそうだと思うか?

『わたしは したが こえてしまった グルメになって しまった』

やはりか…。
マッシュモンは、『菌糸』のデジモンです。
我々がキノコを餌として与え続けたことで、マッシュモンを構成する菌糸たちが進化し、従属栄養生物型デジモンに戻ったんです。


「…つまり『テセウスの船』というわけか。今のマッシュモンは…」
844 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/14(水) 22:07:05.52 ID:LSlMC0dFo
食事が変われば身体も変わる
当然といえば当然なのか
845 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/14(水) 22:08:17.19 ID:TxauxGM0o
では、今ここにいる従属栄養生物型の個体とは逆に、マッシュモンが独立栄養生物型デジモンとしてさらに先鋭化した姿へ進化したらどうなると思いますか?

「余計なエネルギー消費を抑えるために…、手足が無くなり、脳も退化し…粘菌型になる、か」

そう考えられます。
我々のパートナーと正反対の進化を遂げたのがゲレモンなのではないでしょうか。
だからパワーにもこんなに差があるんです。

「ゲレモンの幼体がズルモンなのも、一種の先祖返りということだな」

それが私の仮説です。


「なるほど…確かに尤もらしい。だがそれなら、なぜ鉄鋼会社のサーバーデータを舐め回してばかりで、食べてしまわないのだ?奴らはゴミ箱の中のデータばかり食べているじゃないか」

それは…まだ分かりません。
846 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/14(水) 22:18:20.79 ID:TxauxGM0o
「ふむ、ではその仮説を元にして駆除作戦を立てよう。えーと…どうするんだ?マッシュモンを殖やして襲わせるのか?」

それだとマッシュモンが届かないところへ逃げ込まれてしまう可能性があります。

「そうか、粘菌デジモンだからマッシュモンより狭い隙間に隠れるのか。厄介だな…」

奴らはデジモンキャプチャーのゲートに自分から飛び込んでくる習性があります。
これを利用できないでしょうか?

「なるほど。デジモンキャプチャーのゲートで掃除機のように吸い込み、中でマッシュモンに食わせるのか」

そうです。どうですか?

「なぜこんな習性があるのか、まだ分からないからな。絶対のものだと考えると、条件次第で作戦が破綻しかねないぞ」

う、それは確かに…。
しかもこいつら、ちょっとでも取り逃がせばすぐ殖えますよねきっと。

「だろうな。一匹も逃さないような作戦が必要だ」




どうするか…
なにかいい作戦はあるだろうか…。
847 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/14(水) 22:19:13.04 ID:TxauxGM0o
つづく
848 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/14(水) 22:20:03.08 ID:8iCl6RKOo

人間の知恵では答えを出せなさそうな課題
デジモンなら答えを出せるかな
849 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/14(水) 22:25:34.38 ID:p+OjSgsTo
おつー
850 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/15(木) 01:22:13.90 ID:exnKTwo30

一つ明かされてもまだ謎が残る
851 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/15(木) 18:31:36.21 ID:s0sce3Mco
マイペースなのかめんどくさがりなのかフローラモンあんま積極的になってくれないな
852 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/17(土) 07:29:57.79 ID:QCDdDpZd0
>>851
そりゃあ愛玩用途で接した場合のテストケースだし……
853 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/17(土) 08:32:18.32 ID:NyFw2lYV0
フローラモンは犬か猫かなら猫ね
頭は良くて懐きはするけど別に主人の言うこと絶対聞いてやろうとは思わない
854 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/17(土) 13:04:27.13 ID:WP5gaqPEO
試しておかなくてはならないことが一つあった。
このズルモンやゲレモンに、フローラモンの花粉攻撃は効くのか?という検証だ。

隔離チェンバー内にゲレモン、チビマッシュモン、フローラモンを閉じ込め、花粉を撒いてみた。

すると、ゲレモンとチビマッシュモンは、花粉を吸い込んでもアレルギー反応を起こさなかった。

どうやらゲレモンやマッシュモンは、微生物の集合体であるため、コマンドラモン等に比べて免疫機能が原始的であるため、「アレルギー反応を起こすほど高度ではない」らしい。

尚、このゲレモンはコマンドラモンの爆弾で焼いて処分した。

ふむ…
やはり今回の相手は、マッシュモンとコマンドラモンで対処にあたり、フローラモンは待機するのがいいのだろうか。
粘菌型で毒があるので、くっつかれると厄介だし。
855 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/17(土) 13:26:30.91 ID:WP5gaqPEO
しかし、やはり「一匹残らず駆除する」のは難しいか…?
そう考えていると、研究員の一人が作戦を提案した。


@データマイニングで、データ(餌ペレット)を大量に生成し、デジタルゲート内に溜めておく。
Aデジタルゲートを開く。
Bゴミ箱の中のゴミデータを、すべてデジタルゲートへ移動する。
Cフローラモンがゲート内からペレットを撒き、ゲレモン達をゲートへ誘い込む。
C集まってきたゲレモン達は、隔離チェンバーへ誘い込んでから監禁し、マッシュモンとコマンドラモンで駆除する。

ふむ…
ゲレモン達が、最初から最後まで一匹残らずデジタルゲートへ誘引されるという前提の作戦だが…
まあ安全ではある。

これでいくか…?
856 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/17(土) 13:27:52.65 ID:WP5gaqPEO
つづく
857 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/17(土) 13:28:21.10 ID:r29EzyCOo
中々優秀じゃないか研究員の一人君
858 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/17(土) 13:37:05.97 ID:joVyITL4o
数が減れば残りはローラー作戦もできそうだしいいじゃないか
おつ
859 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/17(土) 16:53:41.81 ID:GNccL0ag0

不安要素はあってもわかってることが少ないからなあ
860 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/18(日) 20:55:50.75 ID:V9i0TzgEo
土日でもあんまやらないな
861 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/19(月) 08:18:35.52 ID:hqvul1D7o
たった数人で数百匹の化け物を駆逐しろ
地球防衛軍とかでありそうなミッションだ
862 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/19(月) 19:11:34.32 ID:EC071Ti6o
ずっと考えていてばかりでは、ゲレモンがどんどん増殖していくだけだ。
私は鉄鋼会社の情シス部門リーダーの合意を得て、例の作戦を開始した。

まずはゴミ箱の中のゴミデータを削除しよう…
削除を実行。

デジタル空間上では、ゴミ箱に向かってクレーンアームのようなものが近付いて来た。
あれでゴミ箱を運び、ゴミデータ焼却炉へ搬送するらしい。

しかし、ゲレモン達はなんと、クレーンアームがゴミ箱を掴むのを妨害した!

クレーンアームは、ゲレモン達の粘菌塊投げの集中砲火を受け、撤退していった。


やがて画面にメッセージが表示された。
「ゴミ箱のファイルがロックされています。完全に削除できません」

え…えええ!?
初手でいきなり出鼻をくじかれた。

作戦の最初の一歩が進めない!
これじゃゲレモンを誘き寄せられないぞ…


データマイニングで生成したキノコを投げようかとも考えたが…
ウジャウジャ巣食っているゲレモンをみんなおびき寄せるのには生産量が足りなさすぎる。

リーダーが苦い顔をしている。
「いきなり頓挫したぞ…ど、どうするんだ…。別の作戦を考えるか?」
863 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/19(月) 19:13:17.69 ID:kwt1tF4Wo
事前の作戦説明はやはり失敗フラグ
864 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/19(月) 19:19:30.30 ID:EC071Ti6o
いや…まてよ。
ようはゴミ箱のデータよりも美味い餌をばら撒けばいいわけだ。

フローラモン!
花粉をばら撒いてくれ!できるだけデジタル空間の隅々まで行き渡るように!


私の指示を聞いたリーダーは慌てた。
「おい、何言ってるんだ!花粉攻撃をしたらかえって逃げて行ってしまうだろ」

まあ見ていて下さいリーダー。

「どうする気だよ…」

フローラモンは指示を了承し、花粉をばら撒いた。
865 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/19(月) 19:27:33.16 ID:EC071Ti6o
すると…
ズルモンやゲレモンが、一斉に大挙して押し寄せてきた。

リーダー「んん!?あ、集まってきた!何があったんだ!」


思い出してくださいリーダー。
デジモンは、ただのデータそのものよりも、デジタル生命体由来のデジタル物質を餌として好むんです。

そして花粉とは…
自然界では、ダニや蜂、ハナムグリが好んで餌にする物質なんです。
特に蜂は、花粉を集めて蜂蜜を作ります。

したがって、ゲレモンやズルモン達は、花粉を餌として認識し、誘き寄せられてきたんです。

しかも、花粉は風に乗って遠くまで飛んでいけるようにできています。
だからレベル3デジモンの手では届かないような隙間にいる粘菌デジモン達のところまで、餌付けができたというわけです。

リーダー「な、なるほど…。この役割はフローラモンにしかできないな。コマンドラモンやマッシュモンではこんなに効率よくゲレモン達を誘き寄せられない…!」

そうです。
フローラモンは、戦闘能力では他二体に比べて大きく劣っています。

しかしフローラモンの技…「花粉を撒くこと」は、今この状況下では、他のどんなデジモンの技よりもゲレモン駆除に有効といえます。


リーダー「デジモンの優劣は、単純な戦闘能力の強弱だけでは測れないな。時には弱く進化したデジモンが、強いデジモンを凌ぐ働きを見せる…」
866 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/19(月) 19:29:38.20 ID:Pn87KL/Go
頑張ったなフローラモン
867 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/19(月) 19:32:48.25 ID:EC071Ti6o
そうして、おびき寄せられたゲレモン達は自らデジタルゲートへ入っていき…

隔離チェンバーに閉じ込め次第、コマンドラモンの射撃でバラバラにし、マッシュモンが捕食した。

いける!このままならいけるぞ!

…その時。

『コラァァァーーッ!キサマら、ワガハイの命令を無視して勝手に何やってる!!』

!?なんだ…
やや電子音声気味のエフェクトがかかった、日本語の音声が聞こえてきた。

声がした方を向くフローラモン。
やがて、声の方からドスン、ドスンと、足音?のようなものが聞こえてきた…。
868 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/19(月) 19:33:15.08 ID:EC071Ti6o
一旦ここまで
869 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/19(月) 19:35:07.48 ID:hQhAM+58o
気になるところで…
870 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/19(月) 20:07:21.27 ID:EC071Ti6o
やがて声の主が姿を現した。


https://i.imgur.com/tdvSFCJ.jpg

こ、こいつは…!?
黄金の肌を持つデジモンが、長い腕でドッタンバッタンと音を立てながらやってきた。

フローラモンはビビった。

その姿には、ゲレモンの面影がある。
ギョロっとした大きな目玉。
歯並びの良い大きな歯。
ベロンと飛び出た舌。

だが、ナメクジのような柔らかそうな質感ではない。
金属光沢をもったそのシルエットはまるで…


リーダー「う…ウンコだあァーーーッ!!」


リーダーがつい、見たままをオブラートに包まずに言ってしまった。

すると黄金のデジモンは、我々のデジドローンを睨みつけてきた。

「無礼者!ワガハイはウンコではない!我が名は偉大なる粘菌の王!スカモン様だーーーッ!」

リーダー「やっぱりウンコじゃねーか!」

リーダー落ち着いて!
871 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/19(月) 20:09:04.67 ID:hQhAM+58o
しかも普通に喋ってる…
872 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/19(月) 20:16:27.94 ID:EC071Ti6o
「だいたいキサマは何だ!?なぜここにデジモンがいる!ワガハイ達の邪魔をするな!」

それはこっちの台詞だ!
いや…なんだこいつマジで。

うちのデジモン達は人語を話すような声帯ではないから、チャットで会話をするのだが…

スカモンを名乗るこいつは、明らかに口を動かして発声している。
どこで言葉を身に着けたんだ?

「ワガハイを無視するな!これ以上ワガハイの子分を誑かすなら、容赦はせんぞ!」

そう言い、スカモンは周囲のゲレモンを一体掴むと、おにぎりを握るようにこね始めた。

こねられたゲレモンは、スカモンの体のように金属光沢をもった、螺旋状の物体へと変わった。

その外見はまるで…

リーダー「やっぱりウンコだアァァーーー!!」

スカモン「ウンコではない!くらえ!スライムモールド・ドリルゥーー!」

スカモンはそう叫ぶと、ゲレモンで作ったドリルをフローラモンへ投げてきた。

ドリルはぐるぐると回転している。
いかん!あれに当たったら貫かれかねない!
よけろフローラモン!


驚いたフローラモンは、とっさに飛び退こうとしたが…
足が地面から離れない。

いつの間にか、足元にはゲレモンが纏わりついていたのだ。

なんて奴!
我々とお喋りをしている間に、こっそりフローラモンの足を粘菌で固定していたのか!

ふ…フローラモンにドリルがぶつかる!
873 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/19(月) 20:23:07.88 ID:EC071Ti6o
その時。

デジモンキャプチャーのデジタルゲートの中から、連続した火薬音が鳴り響いてきた。

飛んできた銃弾が、ドリルの側面に当たり、軌道をそらしてフローラモンから外れた。

スカモン「ヌゥ!?なにやつ!?」

ゲートの中からコマンドラモンが駆け出してきて、スカモンに向かって爆弾を投擲した。

爆弾はスカモンの額に当たり、ボカンと爆発した。

スカモン「ギャアァァーーーッ!?熱ウゥーーッ!!」

スカモンが悶絶している間に、ゲートからマッシュモンが飛び出してきて、フローラモンの足についた粘菌デジモンを払い除けた。
ついでにちょっと食べた。

スカモン「ウヌヌ…キサマ、仲間がいたのか…!」
874 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/19(月) 20:24:25.35 ID:wp3iAbL80
お姫様を守る騎士のご登場だ
875 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/19(月) 20:32:03.78 ID:EC071Ti6o
スカモン「クッ…キサマら、少しはできるようだな…!」

何なんだお前は!ここで何をやってる!
迷惑だからとっとと去れ!

スカモン「フン!キサマらなんぞにワガハイの崇高なる使命を邪魔されてなるものか!」

崇高なる使命?
なんだそれは!

スカモン「フフン知りたいか!このスカモン様の栄誉ある使命をそれはだな…」

そこまで言ったところで、スカモンの背中に乗っていたネズミ型デジモンが、スカモンの背中を引っ掻いた。

https://i.imgur.com/1SlcECJ.jpg

あのデジモンは…よくデジタルワールドにいるやつだ。
レベル3デジモン、チューモンだ。

スカモン「イデデデデッ!わ、わかった!言わん、言わんて!!」

スカモンがそう叫ぶと、チューモンは引っ掻くのを止めた。

スカモン「フー…というわけだ、ワガハイの使命はキサマら愚か者共には教えられんのだ!残念だったな!スカーッカッカッカ!」

あいつ、高笑いしてやがる…

突如、コマンドラモンが、自分達の足元を銃撃した。

な、なんだ!?

…コマンドラモンが銃撃したのは、スカモンが話している間にこっそりにじり寄っていたゲレモン達だった。


スカモン「な!?ワガハイの『有り難いお話作戦』を見破るとは…なかなかデキる奴!」

あぶねー、つい相手のペースに乗せられていた。
サンキュー、コマンドラモン。
876 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/19(月) 20:33:27.86 ID:ox3A4vVmo
ほんと出来る奴だなコマンドラモン
877 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/19(月) 20:41:17.12 ID:EC071Ti6o
だが、読めてきたぞスカモン。貴様の正体が。
『粘菌コンピュータ』だな。

スカモン「ナヌ!?…ふ、ふん!よ、ようやくワガハイがウンコではないと理解したようだな!」

真性粘菌達は、互いに結合して情報をやりとりすることで、複雑なネットワークを形成し、演算回路として働くことが分かっている。

迷路のスタートとゴールに餌を置いた場合、はじめは迷路内にまばらに散らばるが、やがて最短経路を結ぶような一本の線となって最適化される。
迷路の最短経路を解くコンピュータのように。

それが粘菌コンピュータ…
Slime mold computer(スライム・モゥルド・カンピューター)のデジモン。

それがスカモン、貴様の名前の由来だな!

スカモン「お、おおおお!そこまでワガハイのことを理解するとは!キサマ見所があるな!どうだ、ケンカはやめてワガハイの部下にならんか?」

ならんわ!
お前が何をしているか洗いざらい吐くか…
駆除されるか選べ!

スカモン「それはこっちのセリフだあァァーーッ!」

B A T T L E
 S T A R T
878 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/19(月) 20:48:20.77 ID:EC071Ti6o
戦闘開始早々…
フローラモンは遠くへ走って逃げた。

スカモン「スカーッカッカッカ!臆病者めが!」

そしてフローラモンは、花粉をばら撒いた。
コマンドラモンはガスマスクを装着した。

どうやらフローラモンは、粘菌デジモン達をひきつけて、スカモンの周囲から戦力を削ごうとしているらしい。
だが…

スカモン「バカが!さっきは自律行動させていたから誘き寄せられたが、今度はそうはいかんわ!」

粘菌デジモン達は、フローラモンの方には目もくれず、コマンドラモンの方へと大挙して押し寄せた。

スカモンは自らを粘菌の王と名乗った。
つまり粘菌コンピュータを構成するズルモンやゲレモン達を自在に操れるということだろう。
879 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/19(月) 20:50:21.64 ID:PsMs77Z1o
フローラモン達はちゃんと考えて最善策出来てるのにことごとく封じられる
880 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/19(月) 20:55:04.81 ID:EC071Ti6o
コマンドラモンは、ゲレモン達を銃撃したが…
撃たれたゲレモン達は細かく砕け散り、分離してズルモンになる。
まるで暖簾に腕押しだ。キリがない…!

床が粘菌デジモンで埋め尽くされていく。これを踏んづけたら足を地面に貼り付けられ、ドリルを投げられてしまう。
しかも粘菌デジモン達の体には毒がある。

粘菌デジモンを避けるが、徐々に壁に追い詰められ始めるコマンドラモン。

コマンドラモンは、いちかばちか、スカモンへ直接銃撃を浴びせようと試みた。

スカモン「遅いわぁぁぁ!」

だが、スカモンは粘菌デジモン達の上を高速で移動して銃弾を躱す。
なんだあの動き!?両腕でドッスンドッスン歩いてちゃあんなスピードは出せないはずでは!?

リーダー「あれは…床を埋め尽くしている粘菌達が、ベルトコンベアーのようにスカモンを運搬しているんだ!」

くっ…
あいつは床一面の粘菌の上を自在に高速移動できるのか。
バカみたいな見た目してて、案外隙がない…!
881 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/19(月) 20:56:56.76 ID:EC071Ti6o
※戦闘BGMがあるならこんな感じ
https://youtu.be/zn2LH1sGAks
882 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/19(月) 20:58:53.18 ID:mV1GIMTm0
臭っても成熟期ってことか
883 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/19(月) 20:59:36.13 ID:g0JUxsCBo
臭っても成熟期だしなぁ
884 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/19(月) 21:05:40.46 ID:EC071Ti6o
するとマッシュモンは、コマンドラモンを肩車して担いだ。

そして、エッホエッホと粘菌の上を歩き始めた。

スカモン「バカが!!粘菌で包んで食ってやるわ!」

マッシュモンの足元へ、ズルモン達が押し寄せてくる。

マッシュモン「ミマシャー!」
マッシュモンがそう叫ぶと…
デジタルゲートの中から、チビマッシュモン軍団が一斉に飛び出してきた。
なんだあいつら!?いつの間に!?

リーダー「マッシュモン…まさか…自分のような司令塔がいることを予測して、部下を殖やしていたのか!?」

チビマッシュモン軍団は、床一面の粘菌の上に並んでスカモンまでの道を作った。

マッシュモンは、チビマッシュモン軍団の方へコマンドラモンを投げた。

コマンドラモンは、チビマッシュモンの上を駆けて、スカモンまで一直線に走っていく。
近接格闘戦に持ち込む気だ!

フローラモンも、コマンドラモンの後ろについて、スカモンの方へ駆け寄っていく。

スカモン「く、来るな!粘菌ども、さっさとそのチビキノコ共を食ってしまえ!」

粘菌たちがチビマッシュモンを包み込んで食おうとする。
885 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/19(月) 21:19:51.91 ID:EC071Ti6o
マッシュモン「マシュムマママママ!!」

マッシュモンとチビマッシュモンは、粘菌たちを掴んでは口に放り込んでいる。

さっきの隔離チェンバー内での実験では、ミニマッシュモンは粘菌に溶かされてしまったが…
あの実験結果から逆算し、マッシュモンはギリギリでゲレモンに勝てるサイズで各チビマッシュモンを作ったらしい。

粘菌デジモンを食べたマッシュモン達は、ポコポコと殖えていく。

スカモン「粘菌が逆に食われている!?クソ、粘菌共!もうそのキノコに構うな!トカゲと花を止めろおおお!」

粘菌達は、スカモンの方へ押し寄せてきた。コマンドラモン達を迎撃する気だ。

だが、それより一手早く、フローラモンがスカモンの口を掴んで無理矢理開かせた。

スカモン「ホゲ!?にゃ、にゃぎをふゆ!!」

フローラモンを長い腕で掴み、引き剥がそうとするスカモン。

コマンドラモンは、スカモンの口の中へ爆弾を放り込んだ。

スカモン「ほご!?」

そしてコマンドラモンは、スカモンの口の中へ銃撃を連射した。

スカモン「や、やめろぉぉ!モゴォ!」

スカモンは銃撃から口の中を護るために、口を閉じ、両腕で口をガードした。




…数秒後、スカモンの口の中で爆弾が爆発した。

スカモン「ブッゴオオオォオォォオォオオォォ!!!」



コマンドラモンはレベル3。スカモンはレベル4デジモンだが…
口の中で爆弾を炸裂させたとあれば、いくらレベル差があってもただでは済まないだろう。
886 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/19(月) 21:21:22.44 ID:mV1GIMTmo
成長期が成熟期に知恵と勇気で勝った
887 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/19(月) 21:26:15.15 ID:TnBkPII20
フローラモンも大方優秀でビックリするな……
888 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/19(月) 21:32:15.50 ID:EC071Ti6o
スカモン「グ…グフ…」

白目を剥いたスカモンの口から煙が立ち上り、吐血している。

コマンドラモンは、今の爆弾攻撃を使ったせいで、だいぶ体力を消耗したらしい。

コマンドラモンの銃弾や爆弾は、自身のエネルギーを消耗して生産するものだ。
こんだけ連発すれば、疲弊もするだろう。

私がデジドローンからキノコを投げると、敵を警戒しながら食べ始めた。枯渇しかけているエネルギーを補給しているのだ。

マッシュモン「ムッムー!ムマシュー!」
チビマッシュモン達「ムマシャーー!」

マッシュモンはチビマッシュモンを引き連れて、スカモンの方へ突撃した。
とどめを刺す気か…!


すると、スカモンがカッと目を見開いた。
先程スカモン達の方へ押し寄せてきた粘菌達は、スカモンを覆い隠すように包み込んだ。

バリケードで時間稼ぎする気か…!?

しかし、スカモンを包み込んだ粘菌の繭は、壁を伝ってズルズルと天井まで上っていき、そのまま天井から吊り下がった。

くっ…
コマンドラモンの銃が弾切れである以上、天井には攻撃が届かない。
889 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/19(月) 21:38:28.94 ID:EC071Ti6o
呆気にとられながら戦いを見守る一同。

私は、鉄鋼会社の社員の方を向いた。

粘菌達は今、あの眉に全て集まっている!
今のうちにゴミ箱の中のゴミデータを処分してください!

すると、社員達はコンピュータを操作し、ゴミ箱の中身の消去を実行した。

ゴミ箱にクレーンアームが伸びてきて、ゴミ箱を掴み上げると、焼却炉の上で中身をぶちまけた。

ゴミデータはめらめらと燃え尽きていった。
削除完了!
これで、粘菌共の餌はなくなった。

あとは、天井から吊り下がった繭をどうやって破壊するか…だ。

フローラモン、コマンドラモン、マッシュモン達は悩んでいるようだ。
890 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/19(月) 21:42:02.40 ID:EC071Ti6o
そうして繭を観察していると…

突然繭が破れ、中から大きな物体が落下してきた。

https://i.imgur.com/MOw4aEA.jpg



…体長5mがあろうかという、巨大なスカモンだ。


レベルは…4のままだが…
まずい!
逃げ…


そう言い切る前に…
巨大スカモンの剛腕が、フローラモンの腹部に裏拳を叩き込んだ。


コマンドラモンのすぐ横を、びゅんと通り過ぎて吹き飛んだフローラモンは、壁に叩きつけられた。
891 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/19(月) 21:42:32.75 ID:EC071Ti6o
続く
892 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/19(月) 21:42:51.56 ID:mV1GIMTmo

うーんこれは絶望
893 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/19(月) 21:44:35.10 ID:Pn87KL/G0

ベストは尽くしたはずなのに
894 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/19(月) 21:54:56.66 ID:TnBkPII20

融合的なのはあるかと思ってたけど思ったよりすごいことに
895 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/19(月) 22:08:32.85 ID:g0JUxsCBo
おつ
ゲェ!?大王!?
896 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/20(火) 07:07:20.23 ID:lPx0Bf+i0
元々の世代は完全体だっけ?>大王
897 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/20(火) 18:24:39.08 ID:7/yGgwXeo
いつもながら続きが気になる引きだ
898 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/20(火) 21:30:19.54 ID:PlYNVC/mo
倒れたフローラモンはピクリとも動かない。

我々は数々のデジモンを観察し、データを計測していくうちに、「デジモンは強くなるにつれて代謝量が大きくなる」という法則を発見し、強さと代謝量を概算する「DP」という物理量を定義した。

今の巨大スカモンのDPは…
既存のデジモンでいうなら、クワガーモンと大体同じ数値だ。
これは「小細工抜きで強い、戦闘向きデジモン」を表している。

これまでのスカモン相手なら、立ち回りを工夫することでなんとか張り合えたが…
ここまで「シンプルに白兵戦が強い」デジモンには、もはや知恵比べでは埋められない実力差になるのだ。

巨大スカモン『きひゃまらあァァーーーッ!もう許ひひゃおかん!!ワガハイのキレイな歯をこんなにボロボロにひおって!このスカモン大王が!ブチ殺ひてやゆ!クソトカゲェェーーッ!』

スカモン大王を自称する巨大スカモンは、歯並びの良いキレイな歯が並んだ口を、一切動かさずにそう発声した。

くっ…さすがにこれは分が悪い…
一時退却だみんな!
ゴミ箱の中のゴミデータは捨てたんだ!あいつはほっておけばそのうち飢える!撤退だ!

鉄鋼会社社員「で、でも、ここで撤退したら…あいつ、ゴミデータの代わりに会社の機密データを食べ始めるんじゃ…」

うぅっ…有り得るけど…
フローラモンがまずい!
態勢を建て直すぞ!

私はデジモンキャプチャーでデジタルゲートを開いた。
マッシュモンは、フローラモンを担いでデジタルゲートへ駆け込んできた。

よし、マッシュモン収容完了!
次、コマンドラモン!来い!


コマンドラモンも、デジタルゲートへ走ってくるが…
急に止まった。
899 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/20(火) 21:36:46.44 ID:87enaXGko
お前まさか…
900 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/20(火) 21:40:40.78 ID:PlYNVC/mo
コマンドラモンの目の前に、スカモン大王の右手のチョップが飛んできて、地面にめり込んだ。

凄まじい轟音だ。

コマンドラモンは、自分の直上にチョップが迫っていることに気付いたから止まったのだ。

スカモン大王『クッソ!もうちょっとで叩き潰せたものを!』

コマンドラモンはスカモン大王の手から遠ざかる。

スカモン大王『無駄だァーーーッ!ぶっとばしてくれるわ!』

スカモン大王は、左手を横に振り、コマンドラモンに思いっきりビンタした。

コマンドラモンは吹き飛び、地面をごろごろと転がる。
…あまりにも戦力差が大きすぎる…早くコマンドラモンをゲートに入れなければ!
私はデジモンキャプチャーをコマンドラモンへ近づけるが…

スカモン大王『させんわ!』

うぅっ、左手でデジモンキャプチャーのゲートを塞ぎやがった!

スカモン大王『ゲホッゴホッ…これで貴様は脱出(だっひゅつ)でひまい!ゴボッ…!』

相変わらずスカモン大王は口を一切動かさずに発声している。

や、やばいぞ…ゲートを塞がれるとは…!
このままではコマンドラモンを撤退させられない。嬲り殺しにされてしまう…!

その時。

「チビシュマーーー!!」

チビマッシュモン軍団が、スカモン大王の体を登り、眼球を攻撃し始めた。
目潰しをする気だ!

スカモン大王『うざいわあああ!』

スカモン大王はチビマッシュモン達を手で払い除けた。
ぼとぼとと地面に落ちるチビマッシュモン達。


スカモン大王『さて、まずはあのクソトカゲから…!ムム?あのクソトカゲはどこだ!消えたぞ!?』

なんと。
チビマッシュモンがスカモン大王に飛びついている間に、コマンドラモンが忽然と姿を消してしまった。

ゲートは未だにスカモン大王の手で塞がれているので、こちらへ逃げてきたわけではないようだ。

どこへ行ったんだコマンドラモン…?
901 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/20(火) 21:50:54.12 ID:PlYNVC/mo
しかし、あまりにもフィジカルの差が大きすぎる。
これではコマンドラモンの体力が回復したところで、機銃や爆弾は効かないかもしれない。
奴に弱点はないのか…!

カリアゲの研究員「なあ…すごくどうでもいいことなんだけどさ…」

どうした?こんな時に。

カリアゲの研究員「なんであのスカモン大王、口を動かさずに喋ってるんだ?さっきは人語の発声には口や声帯を動かす必要があるって言ってなかったっけ…」

リーダー「本当にどうでもいいな。腹話術でもやってるんじゃないのか」

腹話術…?
…まてよ。

さっきスカモン大王は、自分の歯並びのいい歯がボロボロになったと言っていたけど…
どう見てもスカモン大王の歯はキレイなままだよな。

リーダー「そ、それが…?」

…そうだ!わかった!
スカモン大王は、あのでかい口で喋ってるんじゃない!
文字通り、腹の中から喋ってるんだ。

カリアゲの研究員「腹の中から…!」

そうだ!
スカモンはあのデカい体とまだ完全に融合しきってない!
外側のボディをパワードスーツのように着て、中に本体のスカモンがいるんだ!

…そうは言っても。
あの金属光沢で黄金に光る硬化粘菌ボディに、付け入る隙など見当たらない…。
902 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/20(火) 21:53:48.17 ID:87enaXGko
全員の知恵と知恵のぶつかり合い
熱いじゃねえか
903 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/20(火) 21:58:14.78 ID:PlYNVC/mo
スカモン大王『クソトカゲ!どこへ消えたァァ!!』

スカモン大王は、ゲートを手で抑えながら、きょろきょろとあたりを眺め回している。

チビマッシュモン軍団は、再びスカモン大王の体を登ろうとして足元に集まってくる。

スカモン大王『このぉ、ウザいぞ!キサマら祖先共は時代遅れなのだ!進化したワガハイこそが最新最強なのだああ!』

そう叫んだスカモン大王は、自分の頭頂部に生えている螺旋状の物体をパカっと外すと、自分の右腕に装着した。

すると、スカモン大王の右腕で金色に輝く螺旋状の物体は、ドリルのように高速回転し始めた。

スカモン大王『まとめて逝ね!スライムモールド!ドリィイイル!』

ドリルで薙ぎ払われたチビマッシュモン達は、バラバラに切り裂かれて散らばった。

うぅっむごい…!
チビマッシュモン達は逃げ惑う。
904 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/20(火) 22:01:44.09 ID:PlYNVC/mo
スカモン大王『スカーッカッカッカ!クソキノコ共!まずは貴様らから撲滅してやるぞォォ!』

スカモン大王は高速回転するドリルを、チビマッシュモンの上から叩きつけた。
チビマッシュモンは一瞬でバラバラに吹き飛んだ。

なんて威力…!
コマンドラモンでさえ、一発あれを叩き込まれれば即死は免れない。

…その時。
我々のもとへ、一通のチャットが飛んできた。

コマンドラモンからだ…!
内容は…?

『うえから みえるか』


…んん?
なんのことだ?
905 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/20(火) 22:08:32.79 ID:PlYNVC/mo
上から?何が?

…とりあえず私は、デジドローンを飛ばし、戦局を上空から眺めた。

すると…
…おお…!

スカモン大王が頭頂部からドリルを取り外したときに頭に空いた穴から、中が見えた。
やはりスカモンが乗っている…!

私は『みえる』とチャットを打った。


すると…
『すべてを たくす』と返信が来た。

その直後…
床から何か、コツン、と硬い音が鳴った。

私は音が鳴った方を見た。


そこにあったのは…
ピンがついたままの、コマンドラモンの爆弾だった。


そうか…!
コマンドラモンは今、光学迷彩で隠れているのか!

さっきまでは周囲に粘菌がひしめいていたから、光学迷彩を使ったところで粘菌の触覚で居場所がばれてしまう状況だった。

だが、粘菌がすべてスカモン大王の装甲となった今…
光学迷彩で隠れることが可能になったんだ。
906 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/20(火) 22:14:52.98 ID:PlYNVC/mo
やがて、爆弾から離れた位置で、コマンドラモンの姿が現れた。
光学迷彩はエネルギーの消耗が激しい。きっとエネルギーが切れたのだろう。

スカモン大王『見つけたぞおおおお!クソトカゲ!』

スカモン大王は大喜びで、コマンドラモンの方へにじり寄っていく。
スカモン大王は移動するときに両腕を使って地面をナックルウォーキングしている。

…つまり。
デジタルゲートは今、スカモン大王の手で塞がれていない。

わかったぞ、コマンドラモン。

…私達にも、一緒に戦えというんだな!


私はデジモンキャプチャーを使い、コマンドラモンの爆弾を回収した。

スカモン大王は、コマンドラモンにドリルを打ち込もうとしている。

スカモン大王『キサマは一息には殺さん!じわじわと嬲り殺しにしてやるゥゥーーー![ピーーー]ェェーーーーッ!!』


私はデジタルゲートを、スカモン大王の直上へと移動させた。


…今だ!

来い、マッシュモン!!


私の合図とともに、デジタルゲートから、ピンの抜けた爆弾を持ったマッシュモンが降下してきた。
907 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/20(火) 22:21:17.74 ID:Qqzpjhzx0
人間とデジモンの共同作業だ
908 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/20(火) 22:21:34.43 ID:PlYNVC/mo
スカモン大王『スカーーーっとするぜェェーーーー!』

コマンドラモンに向かってドリルを突きだすスカモン大王。

マッシュモンは、そんなスカモン大王の頭にぽっかりと空いた穴へ飛び込み…

内部のスカモンの頭を思いっきり踏んづけた。

スカモン「ふぎゃん!?な、何奴!?」

スカモンは両腕を、スカモン大王の内壁へ突っ込んでいる。きっと何か操縦桿みたいなものをこねくり回しているのだろう。

マッシュモンは、すかさずスカモンの口の中に爆弾を放り込んだ。

スカモン「もごぉ!?」

そしてマッシュモンは、その場でジャンプし…
スカモンの頭部へヒップドロップを決めた!

スカモン「ぶぎゅ!」


…直後、スカモンの口の中で、コマンドラモンの爆弾が爆発した。

スカモン「ゴッビャアアアアアアァァァァーーーーーーー!!!!」

スカモン大王の頭の穴から、マッシュモンがポーンと飛び出してきた。

爆発と同時に、スカモン大王の腕の動きは止まった。
909 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/20(火) 22:26:36.60 ID:PlYNVC/mo
スカモン大王は、仰向けに倒れた。
頭の穴から、スカモンが転がり出て来た。

スカモン「」

白目を剥き、口をあんぐりと開けている。
口の中からは煙が立ち上っている。
歯は全部吹き飛び、舌も千切れ飛んだようだ。
スカモンはピクリとも動かない。

…勝った…のか?



マッシュモンは爆発の衝撃で気絶している。
よくやったマッシュモン。
私はデジモンキャプチャーで、マッシュモンと、生き残りのチビマッシュモンを回収した。


コマンドラモンは、スカモンに向かって銃撃をしようとしたが…
エネルギーが残っておらず、弾切れのようだ。


大丈夫だ、コマンドラモン。無理にとどめを刺さなくても。
そいつはデジモンキャプチャーで回収して、隔離チェンバー内で標本にしてやる。

私は、デジモンキャプチャーをスカモンへ近づけた。
910 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/20(火) 22:30:56.57 ID:PlYNVC/mo
すると、そこへ。
先程スカモンの背中に乗っていたチューモンが、どこかから素早く走り寄ってきた。


な、なんだ…?

すると、なんと。
チューモンはスカモンの口の中に手を突っ込み、何かを引きずり出した。

それは…脳か何かのように見えた。

チューモンは、スカモンの脳を持ち、走り去っていく。

コマンドラモンはチューモンを追い掛けようとしたが、体力の限界が来たようであり、がくんと地面に膝をついた。


チューモンは、トンネル…ネットワーク回線の方へ向かった。

そして、内壁が粘菌でびっしりと埋め尽くされたトンネルに飛び込んだ。

やがて、トンネルの内側にびっしりとこびりついていた粘菌達は、チューモンを包んでネットワーク回線の奥へと引っ込んでいった。


…我々は、スカモンに勝ったのだ。
911 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/20(火) 22:34:28.47 ID:PlYNVC/mo
チューモンには逃げられ、スカモンの脳は持ち去られたが…
ひとまず、鉄鋼会社のサーバーに巣食っていた粘菌デジモン達は完全に消え去った。

ネットワーク回線の中を圧迫し専有していた粘菌達も、遠くへ引っ込んでいった。

ひとまず、危機は去ったのだ。

…我々は、スカモンの死骸および、チェンバー内に誘引したゲレモン達を標本として保管した。

巨大なスカモン大王の抜け殻は…
でかすぎてデジタルゲートを通過できなかったので、その場で消去した。
912 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/20(火) 22:39:34.42 ID:PlYNVC/mo


我々は、ランドンシーフの居住スペースで、フローラモンの様子を見ていた。

フローラモンの脈拍はどんどん弱まっていく。

何か治療を施してやりたいが…
今の我々には、デジモンへの医療技術はない。


フローラモンは、頭部が花になっているデジモンだ。
我々が見守っている中で…
フローラモンは、頭部の花を散らせた。

…そして、フローラモンの頭部は首からごろりと離れ、地面を転がった。


…フローラモンの脈拍が、止まった。
913 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/20(火) 22:42:06.46 ID:RwEID8Zoo
そんな…
914 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/20(火) 22:44:21.11 ID:PlYNVC/mo
スカモンの駆除には成功した。

鉄鋼会社の社員達みんなから感謝された。


だが、勝利の代償として…
フローラモンは息を引き取った。


我々はどうすれば良かったのだろうか。

スカモンと出会ってすぐに、戦闘を回避してデジモンを全員引き連れて退却し、サーバーやネット回線を放置すればよかったのだろうか。

それとも…我々は最善を尽くしたのだろうか…。


どれだけ反省会をしても、フローラモンが息を吹き返すことはない。


哀しみに暮れる一同。
フローラモンを愛した大勢の研究員達が、涙を流していた。

そうしてフローラモンは、ビオトープの一角に掘られた墓穴へと、コマンドラモンの手で埋められた。
915 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/20(火) 22:49:04.95 ID:PlYNVC/mo
翌日。
我々は驚いた。

なんと、フローラモンの墓の土から、芽が生えている。

我々は、あまり気が進まないが…
フローラモンの墓を暴いた。


すると、さっそく芽の正体が顔を出した。
https://i.imgur.com/IYR03w0.jpg

ニョキモン…
フローラモンが産まれた直後と同じ姿のデジモンだった。


墓土の中には、フローラモンの頭部を形成していた外殻の破片と、植物の種が真っ二つに割れたような殻があった。



…花とは、やがて果実になり、実をつけ、種を残す器官だ。
フローラモンは死の間際に、自分の頭部の花の中で種を…
ニョキモンのデジタマを遺したのだ。


我々は、フローラモンが遺したニョキモンを、大事に育てることに決めた。
916 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/20(火) 22:52:28.52 ID:eMlvZvJS0
デジタルワールドじゃなくて人間世界で誕生したデジタマか
917 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/20(火) 22:57:26.06 ID:PlYNVC/mo
数日後、ニョキモンはピョコモンに進化した。
https://i.imgur.com/B0YnRSd.jpg


フローラモンと同じ幼年期デジモンだ。
そろそろチャットによる会話を教えてみようか…

すると、信じられないことが起こった。


ピョコモン「あるじ!あし はえた! また きたえて!」


…ピョコモンは、口から人語を発したのだ。
これにはピョコモンの世話をしていたコマンドラモンとマッシュモンもぶったまげた。

まだ言葉を教えてないぞ…どうなってんだ!?

ピョコモンはさらに続けて喋った。

ピョコモン「ふろーら、うんこに まけたvくやしい! うんと つよくなる! きたえて!」


…なん…だと?
このピョコモン、自分を『フローラ』と名乗ったぞ。


コマンドラモンは、ピョコモンにチャットを打った。
『おぼえているのか あの たたかいを』


ピョコモン「こまんど かこよかた!ふろーらも こまんど みたいに つよくなる!」





フローラモンは、ただデジタマを遺していただけじゃない。

頭部の中にある…脳を、記憶を。
肉体の死の間際に、デジタマとして切り離すことで、前世の記憶と自己同一性を維持したまま、幼年期への転生に成功したのだ。

誰も気にしていなかった。
「なぜフローラモンは、花が頭部なのか」などと。
そういうデザインなのだろう、程度にしか考えていなかった。

だが違う。
フローラモンには、こういうことができる身体機能が、初めから備わっていたのだ。
918 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/20(火) 22:59:28.95 ID:PlYNVC/mo
デジモンの生命力の強さは。
生存能力の強さは。
決して、白兵戦闘力だけを物差しとして測られるものではない。

一見弱そうなデジモンが。
誰よりも強い生命力を秘めている事があるのだ。
919 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/20(火) 23:00:32.78 ID:UiBHYRXoo
フローラモンまた会えた(´;ω;`)
920 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/20(火) 23:04:29.08 ID:PlYNVC/mo


ピョコモンは現在、コマンドラモンの指導のもとで、ハードなトレーニングを積んでいる。

さて…
あまり感傷に浸り続けてはいられない。

今回の鉄鋼会社で起きた、ゲレモン及びスカモンによる粘菌事件。

その顛末について分析し、今後どうするかを考えなくてはならない。
ワルモノをぶっとばしたから万事解決!というわけにはいかないのだ。


あの粘菌達はどこから来たのか?

なぜゲレモン達はサーバーのデータをペロペロ舐めてばかりで、食べようとはしなかったのか?

なぜネットワーク回線の内壁にびっしりと粘菌デジモンがくっついていたのか?

結局スカモンは何をしようとしていたのか?
そもそもあのスカモンはどこから来たのか?

あのチューモンはどこへ去ったのか?


…ひとつひとつ、限られたヒントから分析しなくてはならない。
921 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/20(火) 23:04:34.04 ID:pzck2Szj0
マッシュモンがチビマッシュモンってクローンを作り出すのとはまた違うか
922 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/20(火) 23:05:07.41 ID:PlYNVC/mo
つづく


次回、シーズン1 最終回(予定)
923 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/20(火) 23:07:09.85 ID:+gk60EHro

確かに1期最終回並みの熱い展開だったな
924 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/20(火) 23:07:40.81 ID:PL0tYnjz0
よかったよかったが謎は残る
人間のネットワークに既に知性あるデジモンが侵食してるらしいってことだもんなあ
925 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/20(火) 23:08:14.51 ID:tJCZEGSU0

この戦いと後日譚だけでも人々のデジモンへの興味に大きな影響与えるぞ
926 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/20(火) 23:09:55.24 ID:pzck2Szj0

人間との関わりがデジモンの成長を加速させていく
927 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/20(火) 23:14:21.86 ID:LbNG3iZ2o

進化だけがデジモンの無限の可能性じゃないな
成長期でも上の世代を越える成長が出来る
928 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/20(火) 23:20:35.52 ID:Jh2IZPie0
RPGなら経験値大量ゲットで超レベルアップしてるところ
素の力は低くてもエネルギーの燃費良くて知識吸収の早さで応用の幅が広い成長期は一つの理想形だ
929 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/20(火) 23:33:14.78 ID:pzck2Szj0
スカモン達がどうやって生まれたのか答え分かった気がするけど展開予想はまずいか
930 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/20(火) 23:40:04.61 ID:PlYNVC/mo
オマケ

これまでに確認されたレベル4デジモンのDP比較表を、Tier表形式で発表する。


S+ グレイモン グラウモン ティラノモン
S コカトリモン ディアトリモン
A+ スターモン スナイモン
A タスクモン モノクロモン エクスブイモン スティングモン
B+ クワガーモン スカモン大王 カブテリモン ゴーレモン モリシェルモン
B ディノヒューモン レッドベジーモン ドクグモン ボアモン シードラモン ドビウモン
C+ フロッグモン サラマンダモン モスモン ウッドモン アイスモン ユキダルモン
ヤンマモン
C ベジーモン トゲモグモン ゴートモン シーホモン
D ヌメモン ゴキモン カラツキヌメモン ハニービーモン
931 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/20(火) 23:44:52.81 ID:0ylMH5zuo
やっぱタスクモンの子供組が上位占めてるんだな
932 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/20(火) 23:49:32.71 ID:M9ccTe7jo
おつおつ
この先もたのしみー!
933 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/21(水) 00:11:49.79 ID:5MeVZp8F0

上位勢はほぼ死んでるけど
グレイモンは生き残ってるんだなあ
934 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/21(水) 07:34:38.45 ID:E7e6zb240
あのグレイモンはメタルになるのか、スカルになるのか……
935 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/21(水) 08:28:10.78 ID:VuzEauDwo
コマンドラモンの活躍っぷり
軍隊なら軍曹くらいにはなれてるぜ
936 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/21(水) 10:20:08.30 ID:ts8E5Hc/o


フローラモン生きてて良かった
でも戦力的に不安だよな。もう一人アタッカーが欲しいところ
937 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/21(水) 10:42:30.00 ID:Vsw2m0Dh0
大群なぎはらって大きな質量に対抗できるようなデジモンが乗れる戦車や戦艦や巨大ロボやパワードスーツとか作れればなあ
938 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/21(水) 20:37:33.23 ID:JZWTPcqQo
>>930のTier表は、上から見れば強さの順となるが、空腹に弱い順でもある。

下から見れば、長い間食事を摂らずに生きていける順となる。

そのどちらが生存に有利かは、時と場合によりけりだ。
939 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/21(水) 20:40:22.75 ID:4gPNXEV3o
何らかの手段で二つを両立出来れば完璧だ
940 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/21(水) 20:53:00.26 ID:msXJYCtV0
空腹に強い形態でいて戦闘力を知恵や他者との協力で補うコマンドラモン達も1つの答えか
941 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/21(水) 20:53:27.86 ID:JZWTPcqQo
我々は、事件の分析を試みた。

ゲレモンはともかく、スカモンはどう考えても自然発生したデジモンだとは考えれない。

スカモンは粘菌型デジモンだというのに、極めて流暢に人語を話した。
これは、デジモンまたは人間から、言語とコミュニケーションの高度なトレーニングを施されていると考えてよいだろう。

さらにスカモンは、ネットワーク回線を圧迫したり、データバンクをゲレモンに舐めさせたことを「崇高なる使命」と呼んだ。

これが自発的な行動であれば「使命」などという言葉は使わないだろう。
故に、スカモンが敬愛する何者かからの命令で動いていたと考えるべきだ。

そして、ゲレモン達はスカモンの命令に従い、鉄鋼会社のデータを「食べる」のではなく「コピー」していたのだと考えられる。

ネットワーク回線のトンネルの内壁が粘菌で埋め尽くされていたのは、ゲレモン達がコピーした情報を送るパスを専有するためだった…と考えれば筋は通る。


つまり、今回の事件は…
デジモンを利用したサイバー犯罪だ。

鉄鋼会社のデータを盗むことを目的にしていたのだ…という可能性が最も高い。

既存のセキュリティソフトでは、デジモンの侵入は防げない。

今後も同じ手口が使われるとしたらゾッとする。

研究所内では、「この事件を公表し、デジモンによるサイバー犯罪の対策を啓発すべきか?」と議論が行われた。


だが結局「公表しない」ことにした。
人類のIT技術では対策しきれない上に、むしろ犯行グループの広告となってしまい、デジモンを利用したハッカーが得をしてしまう可能性があるからだ。
942 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/21(水) 20:55:00.76 ID:hTCILCb/o
サイバー犯罪なら警察と協力できるな
943 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/21(水) 21:11:47.83 ID:JZWTPcqQo
本格的に対策を考えるなら、犯人の動機だけでなく、「手口」の分析も必要だ。

そもそも犯人は、一体どうやってゲレモンとスカモンという、情報窃盗に最適な形質のデジモンを用意したのだろうか?

デジタルワールドからゲレモンとスカモンを拾ってきたのか…?
いや、それではスカモンがあんなに流暢に喋れる発声器官を持っている理由が説明できない。

我々は、スカモンの死骸やゲレモンからDNAを解析してみた。
すると、面白いことが分かった。

彼らはもともとは、レベル3のマッシュモンだったのだが…
それがレベル4のゲレモンへと進化した。

その後ゲレモンがデジタマを産み…
ゲレモンの子は、『レベル3で』親のゲレモンと同じ姿へ進化したのだ。

ゲレモンという種が、レベル4からレベル3へと移り変わった。

そしてその後、レベル3のゲレモンがレベル4のスカモンへと進化したのである。


途中に何世代か挟むだろうから、実際にはこんなスムーズに形態変化していったわけではないだろうが…
大体こんな感じである。


デジモンが『元々のレベルより低い段階へ移り変わる』という現象は、いくつかの例で確認されている。

たとえば、現在のデジタルワールドの海には、ホエーモンというレベル5の巨大なデジモンが確認されている。
https://i.imgur.com/JpioOvv.jpg

しかし、ホエーモンの子供達は、レベル4で親と同じ姿へ進化したという。

同様に、「カラツキヌメモン」や「ゴキモン」も、かつてはレベル4だったが、その子供達がレベル3で親と同じ姿を獲得している。
https://i.imgur.com/4BGl6cW.jpg
https://i.imgur.com/Kv42v0J.jpg

わざわざ低いレベルに下がることに意味があるのかというと…
大変大きな意味がある。

戦いを避けて、逃げたり隠れたりすることに特化したデジモンは、戦闘力を捨てる代わりに素早く完成した身体機能を手に入れ、燃費の良い肉体になることで、生息分布を一気に拡大することに成功しているのだ。
944 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/21(水) 21:22:44.90 ID:5MeVZp8F0
>>495からの系統か……?
それにしても進化や繁殖が早い
945 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/21(水) 21:26:37.20 ID:JZWTPcqQo
マッシュモンがゲレモンに進化したところまでは、まあデジタルワールドで自然に進化した可能性も十分に考えられるが、その進化形態であるスカモンについては、どう考えても自然な進化としては説明がつかない。
明らかに進化の傾向が違うのだ。

いちどマッシュモンから退化したであろう知能が、人と会話し、命令を遂行できるほど高度に進化している。
しかも、ゲレモンは戦闘力を捨てていたフシがあるが、スカモンは強かった。
合体形態の「スカモン大王」は戦闘向きのデジモン達と遜色ないDPを持っていた。

このことから、スカモンはハッキング目的に特化した形質を得るように人為的に進化させられたのではないか?という説が浮上した。


「何者かがデジモンの肉体に手を加えた例」なら、我々は既に一度目撃している。
瀕死のティラノモンを機械(というよりプログラムボット)で改造したレアモンである。
https://i.imgur.com/2ObcB3n.jpg


あの後、レアモンを分析したところ、どうやら「デジモンの欠損した身体機能を、人工のプログラムで代替する実験」の実験台になっているのではないか…とする説があった。

スカモンと直接の関わりはないが…
「望み通りのデジモンを作る」ためのアプローチと考えると、どことなく共通した目的があるようにも見えてくる。…根拠は無いが。
946 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/21(水) 21:41:30.94 ID:JZWTPcqQo
もしも、この説が正しいのであれば…
先の事件で出現したスカモンを倒せば万事解決、と終わるはずがない。

むしろ、あのスカモンが量産されたら、次々と同じ手口によるハッキングで情報窃盗が行われかねない。
これが公的機関や軍需企業、金融機関に差し向けられたらひとたまりもない。

(なぜ今回は鉄鋼会社が狙われたのかは不明だ)

しかも、今回はスカモンが一体だけだったからギリギリ勝てたが…
さらに強力なハッキングデジモンが配備されたら、うちのレベル3デジモン達では太刀打ちできないだろう。

どう対策したものか…と頭を悩ませていた頃に、マッシュモンから通信があった。

『かみよ スカモン大王の 処分がおわったようだ かれらをむかえてくれないか』

…え?彼らって誰?
そういえばスカモン大王ってどうやって処分したんだ?
あんなバカでかい巨体を…


私は鉄鋼会社のサーバーを見た。
かつてスカモン大王があった場所には…
大量のチビマッシュモンがいた。


うわ!なんだあの数!
おい、どういうことだ処分作業担当者!
マッシュモンにやらせたのか?

担当者「ち、違うよ!あいつら元々あそこにいたんだ!」

元々…?

担当者「スカモン大王の攻撃で、チビマッシュモンがたくさん粉砕されてただろ?そいつらだよ」

え?スカモン大王にやられて死んだんじゃなかったの?

『かみよ われわれは 菌糸のデジモンだ たとえコナゴナにされようと 菌糸はいきている またかたまればいいのだ』


…あー。なるほど。
撃たれたゲレモンがバラバラになってズルモンへと分裂するようなことを、君らもできるのね。
そして、スカモン大王の残骸を食べて殖えに殖えたと。

…なんかゲレモンにならずとも、マッシュモンの時点でそうとうスゴいデジモンだな。
さっきまでフローラモンの生還に感動してたのに…桁違いの生命力を今まじまじと見せつけられた。


しかし…この数のマッシュモン。どうしよう…
ランドンシーフで飼えるのか…?
947 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/21(水) 22:07:01.98 ID:JZWTPcqQo
そこへ、スポンサーの方から連絡がきた。

スポンサー『ハーッハッハッハ!ご機嫌よう諸君!君達の戦いは見せてもらったよ…素晴らしいい!』

ど、どうも。

スポンサー『特に、君達とデジモンの絆が素晴らしい!デジモンがただ命令に従っただけじゃない、その場に適した意思決定をデジモン自身が行い!君達人間に協力まで求めた!こんな素晴らしいことは、あんな薄汚い排泄物デジモンになどできやしないだろう!』

お褒めにあずかり光栄です。
それで、あの…このマッシュモン達どうしましょうね?
こんな数うちの研究所で養えるかどうか…。

またペットとして売ります?

スポンサー『それもいいだろう!需要はたくさんある!こないだ売ったマッシュモン達だがね、動画サイトで大人気なんだ!生きたデジタルペットとして大変愛されている!購入希望者続出だ!』

おお、それは良かったですね。
マッシュモンを買ってくれた人の中に、動画サイトでバズった人がいたんですね。

スポンサー『というより、購入希望者の中からインフルエンサーを数名ピックアップし、抽選で優先的に当選させたからだよ!ハーッハッハッハ!』

さすが…。
で、このマッシュモン達ですが。

スポンサー『また売ってもいいが…君達は、可愛いデジタルペットとしての用途以上に価値のある使い道を見せてくれたじゃあないか!そっちはどうかね?』

カリアゲの研究員「え?どういうこと?」

つまり…
マッシュモンを「ハッキングデジモン対策用の傭兵」として運用するって案ですか?

スポンサー『察しが良くて助かるねえキミ!』

可能なんでしょうか、そんなこと…。
正直、マッシュモンだけじゃスカモンに勝てなかったと思いますが。

スポンサー『相手がマッシュモンを品種改良したからだろう?ならば君たちも同じことをすればいいじゃないか』

まさか…
マッシュモンをこちらも人為的に進化させる、と…?

カリアゲの研究員「あ、あんた、命をなんだと思ってんだ!人工進化だなんて…その中で犠牲になるマッシュモンだっているんじゃないのか!だいたい、望み通りに進化してくれるとは限らないぞ!凶暴化して暴れ回るかも!」

それは確かにありますね…。

スポンサー『…「餌の確保のしやすさ」「早い成長速度」「飼育下での繁殖能力」「穏やかな気性」「パニックを起こさない性格」「序列性のある集団を形成する習性」…。何のことか分かるかね?』

カリアゲの研究員「んあ?…マッシュモンの良いところか?」
948 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/21(水) 22:22:29.65 ID:JZWTPcqQo
いや、それはそうだが…違う。
今スポンサーさんが挙げたのは…『家畜化しやすい動物の条件』だ。

カリアゲの研究員「か、家畜化ぁ!?あんたマッシュモンを家畜にしようってのか!!」

スポンサー『言い方を変えよう。マッシュモン達は、人類の良き友…パートナーデジモンに相応しいということだよ。彼らに強くあれと望めば、きっと彼らも想いに応えてくれることだろう!』

カリアゲの研究員「どうだか…マッシュモンが進化した姿のひとつがスカモンやゲレモンだろ?あんな風に悪さして暴れる可能性があるって、ついさっき示されたとこだろうが!」

スポンサー『悪さ?とんでもない。むしろスカモン達はとてもよく人類に尽くしたじゃないか』

カリアゲの研究員「ああ?何言って…」

いいや、スポンサーさんの言う通りだ。
スカモンは命令を指示した人間に対して、とても忠実に従ったんだ。
大ダメージを受けても逃げずに戦闘を続行していたしな。
それは即ち…マッシュモンの、人間のパートナーとしての高い適性を意味するんだ。

暴れていたのは、命令した人間に悪意があったからだ。

カリアゲの研究員「…善人のパートナーにも、悪人のパートナーにもなれるってことか…」

スポンサー『理解したかね?マッシュモンのデジタル傭兵としての有用性と、スパイボットとしての危険性を!デジモンからシステムを護れるのはデジモンだけだ!きっと今に皆が欲しがるぞ、セキュリティデジモンを…!』

どうでしょうね。
ハッキングデジモンの存在が周知されない限り、その需要もあまり…

スポンサー『いや需要は伸びる。なぜなら既にマスコミに売り込んだからだ!デジモンハッキング事件のあらましをね!』

なんだって!?
か、勝手なことを!

研究所副所長「いやー、まあ、世のため人のためになるかと思ってつい…許諾しちゃった★テヘぺろ☆」

もうーーーーー!

スポンサー『ハーッハッハッハ!遅かれ早かれパンドラの箱は開けられていたよ!ならばジリ貧まで追い詰めれるよりも、早期に手を打つ方がいいに決まってるだろう!』

そりゃそうですけどね…。
949 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/21(水) 22:26:42.62 ID:VVRkMwF6o
うーむスポンサーさんを全ては否定できないのがなんとも
950 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/21(水) 22:31:49.05 ID:5MeVZp8F0
隠し切れなくなってから『諸悪の根源はこの研究所だった!』って言われた方が不味いのはそう
しかしどんどん取り返しは付かなくなっていく……
951 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/21(水) 22:33:54.37 ID:JZWTPcqQo
スポンサー『だがおかげでセキュリティデジモン開発資金の投資は非常ォ〜にたくさん集まっている!設備ならガンガン増設してあげるから、頑張って研究を進めてくれたまえ!』

もぉ〜勝手に決めちゃうんだから…
リーダーはいいんですか?

リーダー「…遅かれ早かれパンドラの箱は開けられていた、それは確実だ。ならやらざるを得ないだろう」

し、しかし…気が進まないな…

リーダー「それはそうだ。お前達はデジモンに、感傷的になりすぎている。非情にはなれないだろう」

…はい。

リーダー「部署を分けよう。デジタルワールド観察班はお前に任せる。セキュリティデジモン開発班は俺に任せろ。汚れ仕事はこっちで請け負う」

…お願いします。
俺も…本当は分かっています。
このままハッキングデジモンが増え続けたら、うちの3体じゃ太刀打ちできなくなり、どこの会社のサーバーもハッキングされ放題になってしまう。
戦力図が一方的に染められてしまう…ということを。

リーダー「人には向き不向きがある。お前は頭が回るが…手を汚すのには向いていない。適材適所だ」

…すみません。

リーダー「いいさ。お前の研究成果は、オレ達にとっても役立つことだろう。そういう手伝い方をしてくれればいい」

引き続き、デジモン観察頑張ります。
952 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/21(水) 22:43:28.31 ID:JZWTPcqQo
ところで。
マスコミにハッキングデジモン事件を広めさせたことで、セキュリティデジモン研究費用がたくさん貰えたのなら…

逆にハッカー達の方も、やべえ奴らから資金提供されたり、仕事をたくさん依頼されてるんじゃないですか?

スポンサー『ハーッハッハッハ!そりゃされてるだろうな!』

笑い事じゃありませんよ!
国際機密を狙う国際テロ組織とかが、ハッキングデジモンを利用するようになりかねませんよ!

スポンサー『なら我々は国家からセキュリティデジモン開発予算を貰えるようになるなあ!ハーッハッハッハ!』

だから笑い事じゃありませんってば!
そうなったらもう戦争じゃないですか!

スポンサー『そうだが?』

そうだがじゃありませんよ!

スポンサー『戦争ができるだけマシじゃないか!このままハッカー共を野放しにして、事なかれ主義で日和見していたら、戦いさえさせてもらえずにデジタルジェノサイドされていたぞ君ィ!』

うぅ…否定できない。

リーダー「…先手を打つ者はいつだって非難にさらされるもんだ。そのくせ大事件を未然に防げても感謝されない。損な役回りさ…。だが、誰かがやらなきゃいけないんだ。今回はそれがオレ達だ」

…やるしかないか…。
頼みましたよリーダー。
953 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/21(水) 23:03:20.16 ID:JZWTPcqQo
しかし、やるしかないとは言っても…
そもそもハッカー側がどうやってデジモンを人工進化させたのかがわからない。

デジモンの進化という現象が、いかなる論理に従って引き起こされているのかが分からないのだ。

我々の世界の生命の進化は、「自然選択説(ダーウィンの進化論)」と「メンデルの法則」で説明される。

ざっくり言うと、進化とは精細胞のランダムな突然変異によって引き起こされ、それが子に遺伝する…というものだ。

たとえば、魚のヒレの形状に変化があったとする。
それが単に泳ぎづらくなるだけならば、遊泳スピードが落ちて、生存に不利になって消えていくだけだ。

だが、変化したヒレのおかげで泳ぐスピードが上昇したり、水中を飛び跳ねたときに長く対空していられるようになったなら…
より生存に適した姿へ「進化した」といえるのだ。

我々の世界の生物は、一握りの成功を得るために、無数の失敗をしているのである。
そうして「有利に働くか不利に働くかが未然に判断できない形質変化」に莫大な試行回数をかけてトライするからこそ、全く予想だにしない進化ができるのである。

しかし…
ダーウィンの進化論よりも前には、別の説が有力視されていた時期があった。

「ラマルクの進化論」である。

ラマルクの進化論は「自然選択説」ではなく「用不用説」といわれる。

「よく使われる部位が発達し、使われない部位は退化する」というものだ。
954 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/21(水) 23:20:32.26 ID:JZWTPcqQo
だがこの説は、様々な反論を受けた。

たとえばネズミを使った実験では、22世代にわたって尻尾を切断し、尻尾を「使わなくさせる」ことで、尻尾が短くなるかを調べたのだ。

だが、22世代目になっても、使わなくなったはずの尻尾は短くならなかった。

この結果によって「使わない部位は退化する」という説は否定されたのだ。

…さて。
デジモンの進化は、そのどちらにも当てはまるようでいて、どちらにも当てはまらないのだ。

一見すると、「用不用説」が近いように見える。
たとえば魚型デジモンであるスイムモンが、陸に上がりたいと望んだことで、肺を持ち淡水に適応できるシーラモンへ進化した。

その子であるオタマモンは、進化して手足のある両生類型デジモンとなった。

これは当初「強く望んだ形質を得ている」ものと見なされていた。

だが、冷静に考えるとおかしいのだ。
スイムモンはどうやって「肺」という完璧に機能する器官を、試行錯誤なしに知り得たのか?

両生類型デジモン達はどうやって、陸上をうまく歩行できる手足の骨格や、乾燥から身を護る皮膚の構造を知り得たのか?
955 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/21(水) 23:34:20.83 ID:JZWTPcqQo
これは仮説だが…

「人間の世界から消えた情報が、デジタルワールドへと送られる」というのなら。

最も多く転送されている情報とは、生物の細胞内に存在している核酸がもつ「DNA配列」ではないだろうか。

我々の世界の生物達の遺伝子情報が、デジタルワールドへ送られており、デジモン達はそれを食べながら、我々の世界の生物の身体構造を「学習」しているのではないだろうか。

進化をする際は、そうして蓄積した遺伝情報の学習データをパッチワークして、新たな身体機能を獲得するのではないだろうか。

勿論、それを行うには、選択をするための知能が必要だが…
原初のデジモンであるポヨモン、ズルモン、ニョキモンは、皆「脳」を持っている。
このことから、脳のない現実のクラゲや粘菌、植物と違い、デジモンは基本的に「願う」「望む」という機能を持っていると考えられる。


この仮説を検証する実験はまだ行っていない。

だが、必ずしもそれがデジモン進化論の全てとは決して言い難い。
デジモン達は、我々の世界の生物が持っていない形質を獲得することもあるのだ。

たとえば、腹部に機関銃をもつモスモン。
https://i.imgur.com/kSzyVCF.jpg

燃える体をもつモスモン。
https://i.imgur.com/EZnZhyP.jpg

岩石の身体を持つゴツモンやゴーレモン、スターモン。

目玉と知能と口を持つ粘菌、スカモン。

などなど…
我々の常識ではまったく考えられない姿へ進化する種もいるのだ。

デジモン達は、いずれ我々の世界の生物が現在までに進化して到達した地点を、はるか遠く超えていくだろう。

その先で、デジモン達がどのような姿へ変貌するか…
全く予想ができない。
956 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/21(水) 23:38:53.33 ID:JZWTPcqQo
我々は、これからもデジモンを研究し、観察し続ける。

フローラモンが転生したピョコモンは、どんな姿へ進化していくのか?

ハッカーが従えるデジモン達は、どのように進化していくのか?

スカモンから脳を奪ったチューモンは、どこで何をしているのか?

ディノヒューモンの集落は、どのように発展していくのか?

ジャガモンから守護者の地位を継いだジュレイモンは、これから何をするのか?

グレイモンは、これからどこで何をして生きていくのか?

寒冷地帯の闘争の結末は、どうなるのか?

…まだまだデジタルワールドは、デジモン達は、観察のしがいがある。

研究レポートのネタは尽きることがないだろう。


だが。
我々はいったん、ここで一区切りをつけるとしよう。
957 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/21(水) 23:46:14.64 ID:JZWTPcqQo
これまで我々の研究報告を聞いていただいたことを、深く感謝したい。

またいつの日か、我々の研究報告を聞いてもらう日が来るかもしれないし…
もうその機会は訪れないかもしれない。

だが、それでも我々は、この世界でデジモンの観察と研究をし続ける。

まずは今回のスレッドに投稿した研究成果について、皆様に楽しんでもらえたのなら、とても幸いだ。




最後にひとつ、皆様に謝っておかなくてはいけないことがある。
スレッドタイトルでは、「安価でデジモンを進化させる」などと言っておきながら、実際の所、我々はあまりそうできなかったと思う。

もしも、第2シーズンがあるとしたら…
『デジタルモンスター研究報告会』など、シンプルな名をつけることにしよう。
958 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/21(水) 23:47:17.00 ID:JZWTPcqQo
【研究員「安価でデジモンを進化させる」】

〜完〜


今までご愛読いただき、ありがとうございました

959 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/21(水) 23:50:51.64 ID:/hHDJIfx0

続編あるの祈る
960 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/21(水) 23:57:19.34 ID:wOjAYE3Fo

続き期待する
961 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/21(水) 23:59:26.34 ID:JkRJmeQr0

まだまだ見たいね
962 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/21(水) 23:59:38.92 ID:JZWTPcqQo
(よかったら感想などもらえたらうれしい)
963 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/22(木) 00:01:13.17 ID:MNDR3oI+0
デジモン達の生態とか進化や種の成長とかワクワクしたよ
964 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/22(木) 00:05:54.88 ID:sg24qGsJ0

デジモンに関わり始める人間世界がどうなってくのか見てみたい
965 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/22(木) 00:09:51.46 ID:kCkVI9vHo
デジタルワールドのデジモンと人間と関わるデジモンの違いも考えるとまた面白かった
966 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/22(木) 00:42:56.65 ID:O7xmSDZa0

一年以上更新待ちリストに入れ続けておく魅力のある作品だったよ
デジモンの生態に現代知識交えつつ理由付けしていく、っていう発想があっても、普通ここまで幅広い引き出しから綿密にやってくのは出来ない
小説としての展開も面白かった 此処から更に風呂敷広がっていくと絶対大変だよなあ、という納得はあるものの続きは見たい
再開してくれてありがとう
967 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/22(木) 00:43:12.47 ID:uLZK9Ei/o
おつおつ
描写が上手くて引き込まれた
第二シーズンお待ちしております!
ありがとうございました
968 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/22(木) 00:57:58.37 ID:8E61Z0/Wo


デジモン見たことないけど楽しめた
学術的な説明とか勉強になったよ。またいつか帰ってきたら嬉しい
969 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/22(木) 07:41:45.61 ID:HbRtvgEf0
少なくとも究極体が確認されるまで続いてほしい(願望
970 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/22(木) 21:39:15.06 ID:l7Hm6M+fo
まだまだ見たいものたくさんあるよ
971 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/23(金) 15:22:20.54 ID:5dE713J70
デジモンの無限の可能性というものをまだまだ見ていきたいぞ
972 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/23(金) 18:59:56.52 ID:RKSqMsKw0
ハーメルンで見つけてビビったゾ、完結してたのか初めから見なきゃな
973 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/23(金) 21:32:06.87 ID:NuYzxO29o
カリアゲさん最初はマッシュモン皆殺しにしても良さそうだったのにいつの間にかマッシュモンに感情移入してる
974 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/25(日) 17:37:37.23 ID:fPu9l6zlo
どうなってくのか見たいものがたくさんある
975 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/25(日) 18:31:03.34 ID:u+8KHqtW0
第二シーズンある場合、研究費増えてご飯となるデータ量も増えて3体とも成熟期なるんかな?
976 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/30(金) 21:04:10.98 ID:sfEZVL9oo
ハーメルンの方だいぶ加筆されてるな
977 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/03(月) 21:03:20.09 ID:eoZ7UQNLo
自然の中のデジモンと人間と関わるデジモン等々
デジモンのあらゆる可能性ってものを見たいね
978 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/10(月) 22:58:22.85 ID:olwsrSOT0
ハーメルンの方でもフローラちゃんが…
979 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/12(水) 01:24:36.50 ID:HAlGfQ2dO


〜???視点〜

スカモンの作戦は成功したようだ。
鉄鋼会社から、様々な情報を持ち帰ってきた。

持ち帰ったというのはあまり正しくないな。
そもそも、抜き取った情報はコピー出来次第、次々と送られてきていたのだから。

ネットワーク回線の内側を粘菌で埋め尽くしたのは、我々のもとへデータを送るための伝送路を確保するためだ。
ゲレモンが読み取ったデータを、その伝送路で我々のもとに届けていたというわけだ。


しかし…クソ!
何が悲しくて、私の現時点最高傑作であるスライモンを、ゲレモンなどという下劣な名前で呼ばなくてはならないのだ。

あの研究所が、勝手に私のスライモンに「ゲレモン」などという下品極まりない名前を付けて勝手に公表したからだ。
屈辱だ。

まあいい。計画は順調に進んでいるのだから。
チューモンは無事にスカモンの脳を回収した。
ヤツは粘菌デジモンだ…。この脳を新しいボディへ埋め込めば復活するだろう。

スカモンは優秀な個体だ。失いたくはない。

…ゲレモンを作るのは大変だった。
ヌメモンとマッシュモンに、互いを吸収し合うような環境ストレスを与え、ジョグレス進化を誘発させなくてはならなかったのだから。

マッシュモンは、鳥かごのような狭い牢獄へ監禁した。
どれだけ分身を作っても、狭い鳥かごの中では自由になれない。

そうしてマッシュモンに、「粘菌のような柔らかい肉体を得て、鳥籠から抜け出したい」という強い願望を抱かせた。

ヌメモンたちには別の環境ストレスを与えた。
複数のヌメモンたちを、狂暴な肉食デジモンと同じ部屋へ閉じ込め、ひたすら殺戮させたのだ。

そうしてヌメモンに、「分裂して生き延びる力と、捕食者に食われないようになる毒の体を持ちたい」という願望を抱かせた。



その二体をめぐり合わせることで…
ヌメモンとマッシュモンは、互いのデータを求め合い…ひとつに溶けた。
そうして誕生したのがゲレモンだ。



だが、これがゴールではない。
むしろ計画のごく初期段階の一ステップにすぎない。


新たな獲物から、データを盗むとしよう。


私はハッキングツールを起動し、新たなターゲットへと、デジモン伝送路を繋げた。


--------------------------------------------------------
SHELL COMMAND
--------------------------------------------------------
Hacking System 2022
(C)■■■■■■■■■ Software

>NETHACK 197.045.060.080
>. . . . . . . . . . . . .

CONNECT OK!

USER NAME: A_A____A_
PASSWORD: ********


980 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/12(水) 01:33:15.72 ID:WFr02ltI0
エグいことを…
981 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/12(水) 01:38:50.08 ID:qhlqwQbq0
ここまでタガ外れたことやってくる奴等に果たしてコマンドラモン達は勝てるのか
982 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/12(水) 01:51:28.32 ID:9qgB3Mo2o
好き放題されっぱなしだぁ
983 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/12(水) 01:54:37.80 ID:TiRtPdGM0
特命係やコナン君でもこの犯罪に勝てるかどうか
984 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/12(水) 08:34:53.95 ID:9pJ9bS6X0
ハーメルン完結だと思ったらこっちに追加来ててやっほい
985 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/12(水) 12:48:45.94 ID:7Lqts9Ij0
加筆部分がどれも描写や補足として嬉しいものばかりで感じ入ってる間に追加が来てた
原作意識の要素も嬉しいんだよな
986 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/14(金) 01:00:03.75 ID:vPqYpynqo
ハッカーさん何をする気なのか気になるところでなかなか焦らす
987 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/18(火) 21:21:51.14 ID:/W0KDf4Y0
続き「デジタルモンスター研究報告会 season2」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1689348335/
988 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/18(火) 21:28:38.55 ID:E5USTssL0
め、めちゃくちゃ見逃してた もう来てたのか!? ありがとう……
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