このスレッドは950レスを超えています。そろそろ次スレを建てないと書き込みができなくなりますよ。

研究員「安価でデジモンを進化させる」

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27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/12(日) 13:57:17.10 ID:V/Zw5v1no
たんおつー
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/12(日) 23:44:29.00 ID:SsVFmZR9o
どんな弱そうなデジモンも超ゴツい究極態になれる可能性があると思うと何か面白いなデジモンの進化
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/13(月) 08:32:19.81 ID:glagszZPo
次の観察個体は…↓
@プヨヨモン(ヌメモンが産んだタマゴ)
Aプヨヨモン(海中のタマゴ)
B???(熱水噴出孔周辺のタマゴ)
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/13(月) 08:45:49.95 ID:lVG8Nwt3o
3
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/13(月) 14:10:52.91 ID:K+T//R5qO
硫化水素とアミノ酸が吹き出る熱水噴出孔。
その付近にあるタマゴから、デジモンが産まれた。

https://i.imgur.com/f5KklKj.jpg

このスライム状の幼いデジモンは、やがて熱水噴出孔から離れ、海底をズルズルと這い始めた。

我々はこのデジモンを「ズルモン」と命名した。

さて、このズルモンだが、スイムモンやガニモンに見つかっても、一向に捕食される様子がない。

時折スイムモンが飲み込もうとするが、すぐに吐き出してしまう。

どうやら毒素を含む肉体を持っているようだ。
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/13(月) 14:13:00.27 ID:K+T//R5qO
ズルモンの周囲には、石のようなデジモン…ゴロモンが歩き回っている。

https://i.imgur.com/yvBaZSi.jpg

おそらくズルモンは、しばらく放置すればゴロモンへと進化するだろう。

さて、どうするか…↓
@放置する
A陸上へ移動させてみる
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/13(月) 14:14:42.81 ID:hk9CMfCPo
1
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/13(月) 14:24:29.02 ID:K+T//R5qO
しばらく放置すると、ズルモンはやがてゴロモンへと進化した。

ゴロモンは二本足で海底を歩き回り、海藻や砂を食べている。

排泄物は、そのほとんどが砂を占める。

おそらく、砂の中から微生物やミネラル、死んだデジモンの残骸などをより分けて吸収しているのであろう。

そして、食べた砂のいくらかを外殻の生成に利用している。

この外殻はとても硬い。
そして何よりも、石に擬態することで捕食者から身を護るのに役立っているようだ。
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/13(月) 14:30:24.81 ID:K+T//R5qO
スイムモンやガニモンは、擬態中のゴロモンを見かけても、特に反応を示さない。

だが、ゴロモン達にも天敵はいるようだ。
シャコモンがそれだ。

シャコモンの中には、ゴロモンを殻の中へ閉じ込め、じわじわと消化することを覚えた個体もいるようだ…。

さて、今我々が観察しているゴロモンには、シャコモンという天敵が存在することになる。

この環境下で、ゴロモンはどう生きようとするか…↓
@地上へ進出する
A熱水噴出孔付近に戻る
B単純に強くなる
C我々研究員の最新ツールで捕獲してみる
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/13(月) 14:32:16.17 ID:tZuuaESDO
1
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/13(月) 14:38:04.52 ID:K+T//R5qO
ゴロモンは、のっしのっしと河口へ向かい、上陸を試みた。

途中、天敵のシャコモンと出くわし、真珠を撃ち出されることがあったものの、幸運にも生き延びた。

やがてゴロモンは、シャコモンが苦手とする酸性の強い水域を歩くようになった。

活火山から流れてきた溶岩が、硫化水素を水に溶かし、硫酸で海水を毒化させているのだ。

ゴロモンはズルモン時代の毒素は失ったが、毒への耐性は持ったままらしい。

そのままゴロモンは、活火山の見える浜辺へと上陸した。

このあたりの環境は…↓
@自然あふれる山岳地帯
Aサバンナのような荒野
B植物があまり見えない極限環境
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/13(月) 14:38:50.64 ID:VVApl306o
3
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/13(月) 14:41:58.27 ID:K+T//R5qO
ゴロモンがたどり着いた陸地は、植物がほとんど見当たらなかった。

それもそのはずだ。
活火山から流れ出る溶岩や火山灰が、常に大地へ降り注いでいるからだ。

流石に火山から数十キロ離れれば、緑地も見えてくるが…
こんなところでゴロモンは生き延びられるのだろうか?

ゴロモンは…↓
@緑地へ移動する
Aあえてこの辺への適応を試みる
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/13(月) 14:43:07.89 ID:tZuuaESDO
1
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/13(月) 14:47:31.26 ID:K+T//R5qO
ゴロモンは緑地への移動を開始した。
個体によってはここへ住み着く者もいるかもしれないが…
この個体はそうではなかったようだ。

やがてゴロモンは、より陸上での活動に適した姿へと進化した。

https://i.imgur.com/cPrLUTf.jpg

我々はこの種をゴツモンと名付けた。

ゴツモンはゴロモンの頃よりも歩くスピードが早く、餌を食べる量も多い。

やがてゴツモンは緑地へと辿り着いた。
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/13(月) 14:48:12.58 ID:hk9CMfCPo
おお手足が生えた
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/13(月) 14:48:54.62 ID:K+T//R5qO
この辺りの環境は…↓
@湿地帯。ヌメモンやヤンマモンが生息している。
A草原。昆虫型デジモンが生息している。
B山岳地帯。未調査の地域。
C森林。未調査の地域。
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/13(月) 14:49:21.54 ID:hk9CMfCPo
4
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/13(月) 14:56:46.55 ID:K+T//R5qO
ゴツモンが辿り着いたのは、植物が生い茂る森林であった。
この付近は未調査エリアである。

このゴツモンは、時折石や土を口にすることもあるが、基本は草食のデジモンのようだ。

ゴツモンは食べやすそうな植物を探している。

あまり硬い草は消化に適さないと判断し、柔らかい草を食べている。

やがてそんなゴツモンは、地面から奇妙な草花が生えているのを見つけた。

草花であるにも関わらず、稀にぴょこぴょこ動くのである。

さらに、その周囲には、土が掘り返されたような痕跡がある。

ゴツモンは…↓
@草花の部分を食べた
A地面から引っこ抜いた
Bそれらはスルーし、樹木の果実を食べた
C花の蜜を吸う昆虫型デジモンを狙った
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/13(月) 15:13:47.07 ID:cgX2IdYNo
1
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/13(月) 15:23:42.40 ID:K+T//R5qO
ゴツモンは、それらの草花の部分だけを食べた。

草花を食いちぎられた植物は、茎をぶんぶんと震わせたが、やがて動きが止まった。

ゴツモンが去ってから一時間後に、草花は徐々に再生を始めた。

…もしかしたら、これもデジモンなのかもしれない。

ゴツモンはそれからも、動く植物の草花の部分だけを食べ続けた。
掘り返して根っこまで食えばさらに栄養を補給できるであろうに、その選択はしないようだ。


そんなゴツモンは、しばらくの間、捕食者に狙われることが無かった。
なにせ見た目が岩なのである。岩に擬態すれば、スナイモンに襲われることは無かった。

だがある日…ゴツモンは、枯れ木に襲われた。
いや、正確には、枯れ木に擬態するデジモンである。
https://i.imgur.com/kHbxRaZ.jpg
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/13(月) 15:29:09.79 ID:K+T//R5qO
枯れ木に擬態するデジモン…ウッドモンは、無防備なゴツモンへ襲いかかった。

ゴツモンは驚いて逃げようとした。

だがウッドモンが伸ばした根は、ゴツモンの右腕に絡みつく。

ゴツモンは、己の右腕を切り離して逃げた。

ウッドモンは、切り離されたゴツモンの右腕へ職種を突き刺し、エネルギーを吸い取った。


驚いた。こんなデジモンがいるとは…。
現実世界にも食虫植物などはあるが、植物の体を持ちながら、ここまでアグレッシブに捕食活動をする植物など存在しない。


…右腕を失ったゴツモン。
彼は不幸なのであろうか?

否、幸運である。
あれだけ獰猛な捕食者に襲われながら、失ったのが右腕一本で済んだのだから。
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/13(月) 15:35:23.35 ID:K+T//R5qO
これまで天敵知らずでのんびり暮らしていたゴツモンであったが…ウッドモンという天敵が現れた。

「枯れ木に近寄らなければいい」と思うかもしれないが、ウッドモンには歩行能力がある。

擬態などせずとも、飛行できないデジモン…ゴツモンやワームモン、ヌメモン等に対しては、普通に歩いて襲いかかるだけでも捕食できるのである。

ゴツモンは、この環境にいかにして適応するか…↓
@植物の種を身体に植え付け、植物型デジモンへ擬態する
A単純に格闘能力を上げてパワーで対処する
B肉体から炎を噴出して外敵を追い払う
C走行スピードを上げ、空を飛べるようにする
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/13(月) 15:37:13.17 ID:cgX2IdYNo
4
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/13(月) 15:42:03.98 ID:K+T//R5qO
ゴツモンはウッドモンに襲われないように、山岳地帯へ移動した。

ウッドモンは平地を走るのは得意だが、高所への登り下りがニガテ打という弱点を発見したためだ。

しかし山岳地帯には、栄養価のある植物は多くはない。

この環境に適応するために…
ゴツモンは驚くべき進化を遂げた。

https://i.imgur.com/f8SODHJ.jpg

高い移動能力を獲得した。
走るスピードが早くなっただけではなく、原理不明の飛行能力を獲得したのである。
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/13(月) 15:47:29.54 ID:K+T//R5qO
流れ星のように高速で移動するこのデジモンを、我々はスターモンと名付けた。

スターモンは常に飛行し続けているわけではなく、普段は地上を歩いて移動する。

ある日スターモンは、ウッドモンに襲われた。

だがスターモンは、素早い動きでウッドモンを翻弄し、背後に回った。

そしてパンチを放って反撃した。

ウッドモンは、負けじとスターモンに根を伸ばして絡め取った。

このままでは、根を突き刺されて体液を吸われてしまう…!
だが、スターモンはとんでもない方法でこの窮地を脱した。

なんとスターモンは、高速パンチのラッシュを放ち、体液を吸われる前にウッドモンを滅多打ちにしたのである。

ウッドモンは昏倒し、スターモンに背を向けて逃走しようとする。

だが、スピードではスターモンの方が遥かに上だ。
ウッドモンの後頭部をスターモンのパンチが叩き割り、ウッドモンは地に倒れ伏した。
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/13(月) 15:53:23.97 ID:K+T//R5qO
スターモンは、ウッドモンの死骸を捕食した。

たくさんのデジモンから栄養を吸い取っていたウッドモンの肉体は、豊富な養分を持っていたようだ。

そうしてスターモンは、ウッドモンを見つけては、それに自ら挑んで殴り倒し、捕食するようになった。

いつしかスターモンの巣の周りには、ワームモンやテントモンといった、弱くてウッドモンに食われやすいデジモンが住み着くようになった。

彼らの目には、スターモンは天敵を打ち倒してくれるヒーローのように映っているのかもしれない…。
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/13(月) 16:02:08.64 ID:K+T//R5qO
やがてスターモンは、巣の中でいくつかタマゴを産んだ。

産んだタマゴからは、ズルモンではなく、砂に似たデジモンが産まれた。

https://i.imgur.com/0My6GVR.jpg
我々はこのデジモンを、スナモンと名付けた。
我々は驚かされた。てっきりズルモンが産まれるものとばかり考えていたからだ。

デジモンという生物は、我々の世界の生物とは成長の仕方が大きく異なるようだ。

デジモンは成長するに従って、自らの遺伝子そのものを大きく変化させていく。

そしてタマゴを産んだとき、己の最新の遺伝子をそのタマゴへ受け継がせるのである。

このスナモンは、親と同じスターモンへと成長するのであろうか?
それとも…
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/13(月) 16:03:03.94 ID:K+T//R5qO
我々はどうするか…↓
@引き続きスターモンを観察する
A観察対象を変更する
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/13(月) 16:03:47.74 ID:vGfZV6ut0
1
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/13(月) 16:07:48.43 ID:K+T//R5qO
前回観察対象としていたヌメモンは、ヤンマモンに捕食されてしまったため、観察対象の変更を余儀なくされた。

だが、今回のスターモンは、未だ負け知らずである。
親となったデジモンが、これから先どうなっていくのか…
引き続き観察を続ける。
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/13(月) 16:09:56.92 ID:K+T//R5qO
つづく
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/13(月) 16:21:04.41 ID:vGfZV6ut0
ちょっと閃いたらすぐ進化する生き物って怖いな
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/13(月) 17:37:23.15 ID:O56268E3o
おつおつ
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/13(月) 23:47:29.59 ID:sL6Ukdi9o
面白いし絵も上手い。期待
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 10:19:19.23 ID:Uki0mIelO
>>59
個体レベルで種の進化をできるとなると、環境の変動はかなりでかそうですよね

>>60
どうもです

>>61
ありがとうございます
絵は公式のデジモン図鑑から拝借してます
アメコミチックな絵柄がナイスだと思います
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 10:49:01.89 ID:Uki0mIelO


我々は、これまでにふたつの個体の成長と進化を見届けてきた。

その中で、デジモンの進化には「レベル」があることが確認された。

【レベル1】…幼年期T
ポヨモン、ズルモン、スナモンがこれに該当する。
同じタマゴでも、熱水噴出孔付近と穏やかな水域とでは、産まれる種が異なる。
さらに、スターモンはズルモンから成長したが、スターモンのタマゴからはスナモンが産まれた。
このことから、タマゴは親の遺伝子を引き継ぎつつ、ある程度周囲の環境に応じて産まれる姿が変化するといえる。
つまり、進化はタマゴの中で既に始まっているのである。
故にデジモンのタマゴ…デジタマは、レベル0のデジモンといえるだろう。

【レベル2】…幼年期U
プヨヨモン、ゴロモンがこれに該当する。
活発に動き回れるようになり、さらなる進化のために餌を探し回る。
だが、レベル3の肉食デジモンにとっては、弱くて捕食しやすい格好の餌となる。
体の小ささを活かして隠れたり逃げたりして、外敵をやりすごさなければ、この時点で息途絶えることになるだろう。

【レベル3】…成長期
シャコモン、ゴツモン、スイムモン、ガニモンなどがこれに該当する。
身体機能が一気に発達し、戦闘能力を獲得する。捕食や自己防衛のために戦いの日々に明け暮れることであろう。
戦闘能力ではレベル4には敵わないことが多いが、基礎代謝がレベル4よりは低めであるため、環境が激変しても進化による適応の余地があることがこの世代の強みといえる。

【レベル4】…成熟期
ヌメモン、スターモン、ウッドモン、ヤンマモン、スナイモンなどがこれに該当する。
戦闘能力はさらに強大になり、成長期デジモン程度ならば造作もなく打ち倒せる。
そして、レベル4から単為生殖による産卵が可能となる。

レベル4デジモンは、基礎代謝カロリーの多さと戦闘能力の強さが比例する傾向が見られる。
スナイモンは、高い戦闘能力を持つが、その分多くの食事を必要とする。
ヌメモンは、他の成熟期に比べ戦闘能力ははるかに劣るが、基礎代謝量が少なく、様々な環境に適応可能だ。

デジモンの強さは、単に戦闘能力だけで決まるものではない。ヌメモンはヌメモンで、スナイモンにはない強さを持っているのである。



…現在、レベル5のデジモンは見つかっていない。
成熟期がデジモンの最終形態なのであろうか。
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 11:01:14.32 ID:Uki0mIelO


スターモンは、デジモンを食べない。
通常の植物だけを食べて生活している。

そのため、一日に摂取が必要な餌の量が多くなってしまう。

いつもあちこちで餌を探し回っている。

…ある日、てんとう虫の姿をした成長期デジモン、テントモンが、花の蜜から作ったであろうハチミツのような食物を、スターモンへ差し出した。

スターモンは、これを受け取って食べた。
その対価故か、スターモンはテントモンと共に行動するようになった。

ある日、テントモンがスターモンと共に森を歩いていると、なにか甘い香りのする植物を見つけた。

テントモンが植物の方へ飛んでいくと…
なんと、植物は蔓を伸ばし、テントモンを捕らえた。

この植物は、食虫植物型のデジモンであった。

https://i.imgur.com/IWNHiQR.jpg
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 11:07:14.69 ID:Uki0mIelO
今回から、私もデジモンの名前を考えるチームに加わった。

私はこの食虫植物型デジモンの名前として、ウツボカズラに似ていることからカズラモンはどうか、と提案した。

だが、女性研究員が提案したベジーモンという名称が採用された。
ベジタブル…野菜?野菜に見えるか!?あれが!?どう見ても食虫植物だろう!
納得いかないが…まあいい。

さて、ベジーモンは、テントモンを捕食しようとしたが…
スターモンはベジーモンへパンチの連打を浴びせ、テントモンを救出した。


この日がテントモンはいつもより多く花の蜜を集め、スターモンに渡した。

やがて、スターモンの周りに集まるテントモンの数は増えていき…
スターモンは、テントモンから与えられる蜜だけで栄養を賄えるようになった。

さながら用心棒といったところであろうか。
デジモン同士で共生関係を結ぶこともあるようだ。
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 11:12:19.17 ID:Uki0mIelO
ある日、スターモンがテントモン達とともに森を歩いていると…

ベジーモンの亜種であろう、赤い植物型デジモンの群れが、スターモン一向に襲いかかってきた。

https://i.imgur.com/GDrZ5Ic.jpg

これはレッドベジーモンと命名された。
レッドベジーモンは、5匹がかりでスターモンやテントモン達へ襲いかかった。

スターモンは、テントモン達を抱えると、空を飛んで一目散に逃走した。

レッドベジーモンは、スターモンの後を追うが…
空を飛ぶスターモンのスピードには追いつけなかった。

多数のテントモンを抱えながら、これほどのスピードで飛行できるのは、驚異的と言わざるを得ない。


それまで戦闘では無敵の実力を誇っていたスターモンであったが…
この時、スターモンは初めて逃走を選んだ。

このレッドベジーモンの群れは、それだけ強大な戦闘能力を有しているということであろうか…?
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 11:21:42.36 ID:Uki0mIelO
巣に戻ったスターモンは、彼が以前産んだデジタマから産まれ育ったゴツモン達に、戦闘のトレーニングを施した。

テントモンを連れて森の中を歩き回り、ウッドモンやベジーモンが襲ってきたら、それと集団で戦う…という、過酷な鍛錬であった。

ウッドモンやベジーモンは成熟期である。
成長期のテントモンやゴツモンよりも強い。

レッドベジーモンとの戦闘中、スターモンの子であるゴツモンの一匹がレッドベジーモンに飲み込まれた。

親であるスターモンは、手を貸さずゴツモン達に自力での解決をさせるつもりのようだ。

だが、レッドベジーモンは強い。
ゴツモン達がどれだけ体当たりをしても、まるで応えていない。

もはや、胃袋の中のゴツモンは消化され始めてしまう…
その寸前で、とうとうスターモンは、ゴツモンへ力を貸した。
なんと上空から隕石を降らせ、それをレッドベジーモンへ直撃させたのである。

隕石を腹部にくらったレッドベジーモンは、腹の内容物を全て吐き出した。
飲み込まれていたゴツモンは救出された。

苦しむレッドベジーモンを、ゴツモン達は集団で叩き…ついにこれを打倒した。
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 11:32:26.58 ID:Uki0mIelO
やがて厳しい戦闘訓練を積んだこれらのゴツモン達は、親同様にテントモンの警護をしながら、蜜を貰うという共生関係を築くようになった。

興味深いことに、鍛錬を積んだゴツモン達は、並の成長期よりもはるかに戦闘能力が増していた。
なんと成長期でありながら、ベジーモン程度の成熟期なら一人で打ち倒せるほどにまで至っていたのである。

デジモンの個体の強さは、トレーニングによって大きく伸びるようだ。

だが、このゴツモン達は、ベジーモンやウッドモンには対処できても…
肉食昆虫型デジモンのスナイモンには、あっという間にバラバラに切り刻まれてしまった。
https://i.imgur.com/53z6JEM.jpg

スナイモンは、成熟期の中でもスターモンに並ぶ実力を持った強豪である。
いくらゴツモンが過酷なトレーニングを積んでも、スナイモンとの実力差を埋めるには至らなかった。
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/14(火) 11:35:39.36 ID:0G8K6Uhuo
遂に訓練という概念まで得たのか
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/14(火) 11:35:55.26 ID:RwjOqwd+0
面白そうなの発見
このスレだと環境適応で色々派生するけど、スターモンなら順調に行くとスーパースターモンになるかな?.
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/14(火) 11:39:29.37 ID:cM5UiKW40
人間とパートナーになるようなデジモンは戦闘力向上だけを考えた進化で良いけど一般的なデジモンは普段の生活考えないといけないから大変だな
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 11:42:16.55 ID:Uki0mIelO
スナイモンは、ゴツモンを優先的に探して捕食するようになった。

我が子をこれ以上好きなように貪らせるわけにはいかない…そう考えたであろうスターモンは、スナイモンの討伐に挑んだ。

スターモンとスナイモンの死闘は、熾烈を極めた。
互いに拮抗した実力の持ち主。
守護者と捕食者、ふたつの頂点が、激しい戦いを繰り広げた。

スターモンは格闘中に、ひそかに上空から隕石を降らせていた。
隕石の直撃をくらったスナイモンは、地面に倒れ伏した。

スターモンが、とどめの一撃を繰り出そうとした時…
スナイモンの体は光に包まれた。

光が消えた時…そこには、新たな姿へと進化したスナイモンの姿があった。

https://i.imgur.com/mraQ3w7.jpg

サソリのような形態のデジモン…スコピオモン。
この土壇場でスナイモンはついに、未踏の領域であるレベル5へ到達したのである。
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/14(火) 11:47:01.83 ID:RwjOqwd+0
スコピオモンか、隕石の直撃はヤバいと感じて飛行能力は捨てて外殻と毒に特化した進化って感じかな?
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 11:57:54.17 ID:Uki0mIelO
スターモンは、ダメージを負った肉体でありつつも、今更引き下がれないとばかりにスコピオモンへ立ち向かった。

だが、スコピオモンの戦闘能力は、成熟期のスナイモンとは比較にならないほど向上していた。

スコピオモンはスターモンの目へ毒霧を噴射した。
視界を封じられたスターモンは、もはや勝機がないと察したのか、空中へ飛び去ろうとした。

だが、スターモンが離陸するよりも先に、スコピオモンの尻尾の針がスターモンの装甲を突き破った。
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/14(火) 12:04:37.49 ID:0G8K6Uhuo
デジタルワールドも弱肉強食が自然の摂理か
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 12:17:34.95 ID:Uki0mIelO
スターモンは、それでも飛行体制に入っていたおかげで、突き刺された尻尾を引っこ抜いて飛び立つことができた。

スコピオモンは、高い戦闘能力と引き換えに飛行能力を失っていたため、スターモンを追いかけることはできなかった。

だが、巣を目指して飛行中のスターモンは、次第にふらふらと動きがぶれていき…

どんどん高度が下がっていき…

やがて、森の中へ墜落した。


しばらく経つと、ここを通りかかったテントモン達が、木の枝に引っかかったスターモンを発見した。

テントモン達は、スターモンを担ぎ上げると、自らの巣へと運搬した。
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/14(火) 12:21:13.55 ID:RwjOqwd+0
何とか生き残ったかな?
毒で死ぬかテントモン達の看病で生き残るか微妙なところだけど
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/14(火) 12:23:32.36 ID:gNFu2P1oo
これでどんな進化をしていくのか見物だね
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 12:32:40.01 ID:Uki0mIelO
テントモンの巣へ運ばれたスターモンは、弱々しく呼吸をするものの、立ち上がることができず、どんどん弱っていった。

どうやら、一瞬毒針を突き刺された際に、スコピオモンの尻尾から神経毒を少量注入されたようだ。

テントモン達は、スターモンの口元へと蜜を運ぶ。

だが毒で身体が麻痺しているスターモンは、それを飲み込むことさえできなかった。



昆虫成長期デジモンの守護者であるスターモンが倒れた今、森はどうなったであろうか。

スターモンが育てたゴツモン軍団が、彼の代わりに昆虫成長期デジモンのボディーガードを引き受け、食虫植物デジモンと戦っていた…?


…否、そんな生易しい状況ではなかった。
テントモン達も、ゴツモン達も、食虫植物デジモン達でさえも。
次々とスコピオモンの餌食となっていったのである。

スコピオモンの闘争欲求は異常なほど強かった。
腹が減っていないときでさえも、動くデジモンを見つけ次第襲いかかり、麻痺毒を注入。
そして巣へと運び、貯蔵したのである。

スコピオモンの巣には、明らかに食べ切れずに持て余している、大量の獲物が転がっていた。

ゴツモン、テントモン、ワームモン、ベジーモン…。
麻痺させられ保存食と化したそれらのデジモン達を、スコピオモンは時折まるで自慢のコレクションかのように眺めていた。
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/14(火) 12:33:36.59 ID:gNFu2P1oo
おいおい生態系乱れるぞ
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/14(火) 12:38:47.56 ID:RwjOqwd+0
本来のテリトリーじゃないから待ち戦法は使えないけど普通に世代差と素早い動きと毒で無理か
飛行能力はないからテントモンは逃げ切れるかと思ったけどコレはあかんわ
スターモンが進化して復活しないとマジでこの辺滅びそう
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 12:42:54.85 ID:Uki0mIelO
スコピオモンはやがて、巣で産卵した。
麻痺している保存食デジモンの腹部へ毒針を突き刺し、それを産卵管として使い、体内へデジタマを産み付けたのである。

やがて、デジタマは保存食デジモンの体内で孵化した。
そして生命維持に必要最低限の心肺機能などの器官を後回しにし、消化器官、筋肉、骨などを体内で貪り食っていく。

やがて、体内で成長期まで育ってから…腹を食い破り、スコピオモンの子供は顔を出した。
https://i.imgur.com/sIRdvv9.jpg

これは…ワームモンによく似ているが、顔や体つきが微妙に異なる。
私はポイズンワームモンという名称を提案したが、女性研究員が提案したドクネモンという名称がカワイイとチーム内で評判になり、そのまま採用された。
…何が悪かったのであろうか。


しかし、盲点であった。
捕食されやすい幼年期を、どのように生き延びるかは、デジモン達の最大の課題ともいえる問題だったが…
スコピオモンは、寄生バチのように他デジモンの体内で幼年期を成長させるという生存戦略をとったのである。

これは危険だ。
成長期まで育ってしまえば、デジモンはかなり活動能力が増す。
スコピオモンの子供達は、きっとスコピオモンのコレクションを食べて成長し、外敵に襲われることなく成熟期まで育つのであろう。

…スコピオモンの巣へ侵入し、ドクネモンを狙う度胸のある捕食者などいるであろうか。

並大抵のデジモンであれば、自分と同じ姿のデジモンが食い散らかされた残骸の転がる巣を見た時点で、戦意を喪失することであろう。
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/14(火) 12:45:07.93 ID:VRyngZwT0
ヒエッ
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 12:50:01.52 ID:Uki0mIelO
だが…。

無謀にも、スコピオモンの巣へと侵入し、ドクネモンを捕食する命知らずのデジモンがいた。

https://i.imgur.com/kHbxRaZ.jpg

ご存知、ウッドモンである。

ウッドモンは、枯れ木に完璧に擬態してしまうため、スコピオモンをやり過ごすことができた。

そしてあろうことか、枯れ木に擬態したまま、少しずつスコピオモンが留守中の巣へと近寄り…
ドクネモン達にすら枯れ木だと勘違いされたまま…
ドクネモン達に根を伸ばし、体液を吸ってのけたのである。

コレクションを持ち帰ったスコピオモンは仰天した。
自分の子供達が、巣で干からびているのだから。

スコピオモンは、子供達の仇を探したが、視界内にあるのは地面に転がった枯れ木のみ。

怒り狂ったスコピオモンは、コレクションの山をハサミでズタズタに引き裂き、それらを生き残った数匹のドクネモンと共にヤケ食いした。


ウッドモンという、己の弱さと強さの両方を知る捕食者だからこそ可能な荒業である。
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/14(火) 12:52:17.54 ID:RwjOqwd+0
ワロタ
ちゃんと弱者は弱者の戦い方してるわ、その内ウッドモンも進化してスコピオモンに奇襲かけるんかね?
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 13:00:48.12 ID:Uki0mIelO
スコピオモンは、枯れ木にも八つ当たりのハサミ攻撃を放った。

すると、枯れ木はその苦痛で苦しんだ。

スコピオモンは驚いた。
完全に枯れ木だと思っていた物体が、生きたデジモンだったのだから。

身を起こすウッドモンの姿を見たドクネモン達は、怯えてスコピオモンの後ろに隠れた。

我が子の怯えようを見て、スコピオモンは確信した。
このウッドモンこそが、我が子達をミイラにした張本人なのだと。

スコピオモンは、ウッドモン目掛けて怒りの突進をした。

そして、毒針による一撃をウッドモンへ放った。

だがウッドモンは、根を伸ばしてスコピオモンの尾へ絡みつかせ、この一撃を回避した。

ウッドモンはスコピオモンの尾へ根を食い込ませ、体液を吸い始める。

予想外の反撃を受けたスコピオモンは、ウッドモンの根をハサミで切断しようとした。
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 13:03:13.24 ID:Uki0mIelO
ウッドモンの根を断ち切ろうとしたハサミに…

…空から飛来した隕石が直撃し、ヒビが入った。
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 13:08:20.71 ID:Uki0mIelO
スコピオモンは周囲を見回した。
この厭らしく強力な攻撃を仕掛けてくるヤツの姿を探した。

…宿敵スターモンが、ふらふらとよろめきながら、巣に乗り込んできたのである。

どうやら注入された毒が少量だったため、テントモン達の看病により息を吹き返したようである。

私には、スコピオモンが笑ったように見えた。
スコピオモンの最大のライバルが、今再び姿を現したのだから。

スコピオモンの巣には、一箇所不自然に土が盛り上がった台座のような部分があった。

これまでは、あの台座が何なのか分からなかったが…
今ならば分かる。あの台座は、スターモンをコレクションとして飾るために作った特別席なのだと。
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/14(火) 13:11:36.42 ID:WTA7jOs/0
生物としての本能とは違う感情らしきもの芽生えてる?
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 13:14:04.11 ID:Uki0mIelO
さて、スターモンはどうする気なのであろうか?

スコピオモンの手が届かない空中を飛行しながら、隕石を降らせ続ける作戦であろうか?

否、それは不可能だろう。
スターモンは長い間飛び続けていることはできないし、隕石も連発はできない。
弱ったスターモンでは、やがてスタミナが尽きて墜落し、今度こそ神経毒を回復不可能なほど多量に注入されてしまうことだろう。

研究員としての私見を述べるなら…スターモン取るべき最善の選択肢は、飛行能力を活かして逃げることだ。

スターモンはズルモンから進化したため、毒に対する耐性がある。(今考えれば、そのおかげでスコピオモンの毒を解毒できたのかもしれない)

だから、ゴツモン達もテントモン達も忘れて、以前見かけた活火山の周辺に逃げ延びればよい。

そうすれば、スコピオモンは追ってくることができない。

仮に活火山周辺まで追いかけて来ようものなら、スコピオモンが食えるものが殆ど無い環境であるため、スコピオモンは飢えて弱ってしまうことであろう。

森を離れ、逃げ去ることが、スターモンが取るべき最善の生存戦略といえる。
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/14(火) 13:15:12.97 ID:RwjOqwd+0
宿敵として認めてて専用のコレクション台用意してたのはもはや愛だよ
しかしこれウッドモンも一緒に戦ってるけど厳しいとしか言えない
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 13:19:02.51 ID:Uki0mIelO
だが、スターモンは逃げなかった。

あろうことか、ウッドモンと取っ組み合っているスコピオモン目掛けて突進し、スコピオモンの顔面へパンチを放ったのである。

スコピオモンは一瞬よろめき、即座に尻尾の毒針での反撃を試みた。

だが、ウッドモンはさらに深くスコピオモンの尾へ根を食い込ませ、体液を吸いながら毒針攻撃を封じる。

スコピオモンが根を切断しようとウッドモンへハサミを振りかざすと、スターモンはすかさずそのハサミの付け根を殴りつけた。

かつて宿敵同士として争った、スターモンとウッドモンの、奇妙な連携攻撃が、意外にもスコピオモンに効果を発揮していた。

だが、スコピオモンは成熟期を超えたレベル5の存在。
スターモンに対して、ハサミによるパンチ攻撃を繰り出した。

スターモンの硬い外殻にヒビが入る。
負けじとスターモンもパンチを繰り出し、スコピオモンのハサミの付け根を殴りつける。
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/14(火) 13:21:59.97 ID:WTA7jOs/0
厄介な共通の敵いたらそりゃ共闘するよね
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/14(火) 13:25:45.56 ID:RwjOqwd+0
しかしこれどうなるか
敵の敵だから共闘してるけど、味方じゃないからなぁ……
スターモンが勝っても疲弊したところを捕食される可能性もあるし、はたまた負けるか
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 13:27:41.23 ID:Uki0mIelO
激しく殴り合う、スコピオモンとスターモン。
そのダメージは、やはり成熟期であるスターモンの方が大きく、スターモンの外殻はどんどん砕けていく。

だが、スコピオモンはだんだんバテて来ているように見える。
ウッドモンにどんどん体液を吸われ、ブドウ糖や酸素が足りなくなってきているのだ。

スコピオモンは、再度ウッドモンの根を切断しようとハサミを繰り出すが…
「それだけはさせない」と言わんばかりに、ボロボロのスターモンがハサミを払いのける。

このまま戦えば、スターモンはもたないかもしれないが…
ウッドモンが、スコピオモンを仕留めるかもしれない。

レベル4の2体のデジモンが、下剋上を成し遂げ、レベル5のスコピオモンを仕留めるかもしれない。

そう思った矢先…突如、ウッドモンが吐血した。
そして、よろよろと体をふらつかせた。


…ウッドモンの足元に、大量のドクネモンが群がり、親譲りの毒針を突き刺していたのである。

兄弟を殺された怒りのこもった毒針は、ウッドモンへ麻痺毒を注入し、体を痺れさせた。

先に下剋上を成し遂げたのは、ドクネモン達だったのである。
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 13:33:53.33 ID:Uki0mIelO
ウッドモンが弱ったのを察したスコピオモンは、体液を大量に吸われて痩せこけた尾に力を込めて、ウッドモンを持ち上げ、それをスターモンへハンマーのように叩き付けた。

その衝撃で、ウッドモンの根は外れた。


怒ったスコピオモンは、麻痺したウッドモンをハサミでズタズタに切り裂いた。

トドメの毒針攻撃で、ウッドモンを仕留めようとしたとき…

スコピオモンの毒針に、スターモンの繰り出した隕石攻撃が直撃した。

体液をさんざん吸われた尾は、先端が脆くなっていたらしく、毒針がばきりと折れた。

苦痛と怒りで、恐ろしい咆哮を上げるスコピオモン。
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 13:41:20.05 ID:Uki0mIelO
だが、スコピオモンは毒針攻撃がなくても、純粋な格闘能力だけでも強い。

スターモンを滅多打ちにするスコピオモン。
ついにスターモンの外殻は完全に砕け散った。

柔らかい軟組織がむき出しになったスターモンの腹部へ、スコピオモンのハサミのパンチが突き刺さった。

スターモンは大量に出血しながら吹き飛び、ズタズタになったウッドモンの上に打ち付けられた。

うつ伏せのスターモンは、かすれた目で下を向いた。

ウッドモンの下には大量の保存食デジモンの山が積み重なっていた。

その中には、かつてスターモンが鍛錬した彼の子供達…ゴツモン達の姿があった。

それを見た瀕死のスターモンは察した。
彼の子供達…ゴツモン達は、テントモンを護り共生するという己の生き方に殉じて、スコピオモンに挑み、仕留められたのだと。

スターモンは涙を流していた。


研究員である私にはとしては、何ともコメントし難い。
生物の強さとは、環境への適応能力である。

時には己の生き方という固定観念から脱することも、生存戦略としては重要なはずである。

私には…ゴツモン達の生き方が、スターモンがここへ来てスコピオモンへ挑んだ理由が…分からない。
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 13:48:31.26 ID:Uki0mIelO
スコピオモンは、ドクネモン達を連れて、瀕死のスターモンの方へとにじり寄ってきた。

スコピオモン本体の毒針が折れた今、ドクネモン達の神経毒を使ってスターモンを麻痺させるつもりのようだ。

スターモンは、スコピオモンを一瞥した後、彼の下敷きになっているウッドモンを見た。

すると、スターモンは、腹部から流れる血液を、ウッドモンの口内へ流し込んだ。

これは、何をしているのであろうか…?

スターモンは、かつて硫化水素で満ちた猛毒の環境で産まれ育ったズルモンであった。

その頃に獲得した、毒耐性のある血液をウッドモンへ与え、解毒でもしようというのであろうか…。

やがて、麻痺していたはずのウッドモンは、己の根を伸ばし…
樹液をスターモンの口元へと垂らした。

ウッドモンはウッドモンで、スターモンを治癒しようとしているのだろうか…。

互いが互いを必要としている。

戦うための力として、互いの存在を、己の身を削ってでも生かそうとしている。

互いが、己の肉体を分け合って、力を与え合おうとしている…。
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/14(火) 13:51:29.18 ID:xtS1pne+o
生きるためにもがきあがく生命の神秘よ
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 13:54:46.53 ID:Uki0mIelO
その時、奇妙な現象が起こった。

ウッドモンの肉体が、細かい根へと分解されていく。

スターモンの肉体が、硬質の岩石と強靭な肉体へと分解されていく。

それらは互いに絡まり合った。

そして、保存食として積み上げられているスターモンの子供達…ゴツモン達の瀕死の肉体もまた、小さな石片へと分解されていく。

一度分解されたそれらは複雑に、絡み合い、まとまり合い…
やがて、一つの存在となった。

https://i.imgur.com/NI4NgHf.jpg

スターモン譲りの筋肉と、ゴツモン譲りの硬い外殻。
それを支える、ウッドモン譲りの植物の肉体。

両方を兼ね備える、ひとつのデジモンへと融合したのである。
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/14(火) 13:57:36.88 ID:RwjOqwd+0
ジャガモンは草
コイツ何気にヤバいんだよな、テイマーズでは大群でメラモンひき潰してたし
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/14(火) 14:00:32.53 ID:xtS1pne+o
オメガモンみたいな合体進化でジャガイモ生まれた…
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 14:00:59.54 ID:Uki0mIelO
融合デジモンは、スコピオモンを威嚇するように吠えた。

スコピオモンは、融合デジモンへ突進し、ハサミによるパンチを繰り出した。

すると融合デジモンは、外殻である石のひとつを隕石のような勢いでスコピオモンのハサミへ飛ばした。

ハサミは砕け、筋繊維が露出した。

そこへ、外殻の隙間から伸びた根が絡みつき、露出した筋繊維へ食い込んだ。

スコピオモンは、もう片方のハサミでパンチを繰り出す。

融合デジモンも前足でパンチを繰り出し、スコピオモンのハサミと激突した。

ばきりと音が鳴り、スコピオモンのハサミが千切れ飛んだ。

スターモンが執拗に放った、スコピオモンのハサミの付け根へのパンチは、確実にダメージを蓄積させていたのである。
その傷が、ここにきて一気に響いたのであった。

スコピオモンは、尾とハサミを失った。
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 14:05:51.90 ID:Uki0mIelO
スコピオモンは、それでも逃げない。
否、逃げられない。
片方のハサミに、深々と根が突き刺さっているからである。

スコピオモンに残された最後の武器…それは、強靭な顎であった。

スコピオモンは、融合デジモンの顎の下を狙って、噛みつきを繰り出す…!


融合デジモンは、勢いよく頭突きを放ち、スコピオモンの顔面へ、額の硬い角を打ち込んだ。

スコピオモンの顔面の甲殻にヒビが入る。


融合デジモンは、何度も何度も、角をスコピオモンの顔面へ打ち付けた。

顔面のヒビはどんどん広がり…ついに砕けた。

そして、最後の頭突き攻撃によって、スコピオモンの頭部は破裂した。

頭部を失ったスコピオモンは、地面に仰向けに転がり、しばらく手足をばたつかせていたが…
やがて動きを止めた。
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 14:09:12.16 ID:Uki0mIelO
ドクネモン達は、スコピオモンの死を目の当たりにして、一目散に逃げ出した。

融合デジモンは、それらを追いかけることはなく…

森へと帰っていった。

我々研究チームは、言葉を失った。
デジモン同士が融合して、ひとつのデジモンになる…
こんな現象は、全くの想定外だったからだ。

この融合デジモンのレベルはいくらなのであろうか。
スコピオモンと同じレベル5なのか?あるいはそれより上なのか…?

議論は一晩中交わし続けられた。
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/14(火) 14:12:55.96 ID:7L1PrTbe0
スターモンの頃の仲間とウッドモンの頃の仲間どっちにつくんだジャガイモン
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 14:13:19.39 ID:Uki0mIelO
ちなみに、この融合デジモンの名称だが。
岩と植物の融合体であることから、私はボンサイモンという名前を提案した。

ドクネモンだのベジーモンだの、よくわからないネーミングを好む我々のチームだ。こういう名なら採用されるだろうか。

…だが、ボンサイモンという案はすこぶる不評であった。
結局、女性研究員が提案したジャガモンという名称が、可愛くていいと評判になり、そのまま名称として採用された。


なぜだ!?なぜジャガモンなのだ!?
ジャガイモ!?いやあの姿に芋の要素はないだろう!
それにジャガモンという名称にしたら、植物側の性質だけを指し、鉱物側の性質が名前に残らないのではないか?
納得がいかない。
絶対にボンサイモンのほうがいい。
だが、正式にジャガモンが採用されてから尚ゴネるほど私も子供ではない。
ここは…納得いかないが、チームの採決を受け入れるとしよう。
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 14:19:47.99 ID:Uki0mIelO


森に戻った後、ジャガモンは広い草原で寝そべり…そこで光合成をし始めた。

スターモンの頃のように小型昆虫デジモンを護るわけでもなく、ウッドモンの頃のように小型昆虫デジモンを狩るわけでもなく…
ただひたすら、それを見守りながら、じっと動かずに光合成をし続けた。

目の前で、ゴツモンがウッドモンに捕食されようとも…
ウッドモンが、二代目のスターモンに打倒されようとも…
何ら干渉せず、それを見守った。

おそらく、ジャガモンは分かっているのだ。
レベル5(推定)の肉体は、著しく高いカロリー消費量となるため、動き回っていたら今度は自らが第2のスコピオモンになるということを。

だから、基礎代謝量を落として、ひたすら眠り続けるのである…。

彼が次に目覚めるのはいつになるかは分からない。
だが、もしもその時が来るならば…
それは、本当に第2のスコピオモンが生まれたときになるだろう。
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/14(火) 14:20:54.93 ID:7L1PrTbe0
えらい
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 14:21:16.22 ID:Uki0mIelO
さて、このままジャガモンを観察し続け、森のデジモン達の関係がどう移り変わっていくのかを見守るのもいいが…

我々は研究員である。
デジモンについて、より多くの情報を得なければならない。

故に、いったん観察対象を別のデジモンへ移すことにしよう。
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 14:22:08.60 ID:Uki0mIelO
つづく
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/14(火) 14:26:41.10 ID:8n++GBYo0
自分が動いたらバランス崩れるってこと理解できてるのかジャガモン
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/14(火) 14:26:49.91 ID:RwjOqwd+0

実はレーダー搭載してて見なくても周りの状況わかる上に擬態で隠れる事ができるし、見つかっても手足引っ込めて防御形態もとれるの強い
仮にも完全体だからそりゃ強いか
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 15:41:53.81 ID:Uki0mIelO


我々は、観察対象を再び海中に移した。

かつての海中では、スイムモン、ガニモン、シャコモン等の成長期が生態系の頂点になっていた。

だが、それも昔の話。
現在は、それらの進化系である成熟期デジモン達が、海中で猛威を振るっていた。

シャコモンが進化した姿…ゲソモン。
https://i.imgur.com/vOExvDk.jpg

ゲソモンはイカの姿をしたデジモンである。
軟体動物…貝であるシャコモンが、殻を脱ぎ捨て、頭足類に似た進化を遂げた。
これにより、素早い遊泳能力を身に着け、スイムモンを捕食するようになった。


これに負けじと、ガニモンも進化した。
エビの姿をしたエビドラモンである。
https://i.imgur.com/0h1lPrK.jpg

エビドラモンもまた高い遊泳能力と、強靭なハサミで獲物を仕留める力を持つ。

さて、これら2つの系列は、既に陸上へ進出済みである。

シャコモン系列は、陸上へ進出してヌメモンとなった。

ガニモン系列は、陸上へ進出して昆虫型デジモンへと進化した。

だが、スイムモン系列は、未だに陸上への進出はしていなかった。

だが…ある日、スイムモン系列から成熟期デジモンが誕生した。
https://i.imgur.com/ETrXPn1.jpg

…シーラカンスの姿をしたデジモン。シーラモンである。
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/14(火) 15:53:41.67 ID:5QybCjD+o
海の中は強そうなのいっぱいだねえ
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 15:56:35.62 ID:Uki0mIelO
シーラカンス。

かつて絶滅したと考えられていたそれが、アフリカで発見されたとき、世間では大きな騒ぎとなった。

たかが古い魚が見つかっただけで、なぜ大きな騒ぎとなったのか?

それは、シーラカンスという種が、人類の祖先であると考えられていたためである。

この説は、遠からずも近からず、といったところである。
魚類は大きく3つのグループに分けられる。
サメ等が属する軟骨魚類。
シーラカンスや肺魚が属する肉鰭魚類。
そして、それ以外の一般的な魚が属する条鰭魚類。

我々人類の祖先…両生類は、このうち肉鰭魚類から進化したものと考えられている。

つまり、シーラカンスが属するグループは、両生類の祖先である肺魚と非常に近縁なのである。


シーラカンスの発見は、旧約聖書に例えるならば、エデンの園のアダムとイヴが見つかったのと同レベルといえる衝撃なのである。
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 17:26:05.75 ID:Uki0mIelO
さて。
シーラモンは、河口を目指して泳いだ。

そしてシーラモンは、鰓だけでなく肺による呼吸も可能であった。

川へ到達したシーラモンは、時折川辺へ身を乗り出し、幼年期デジモンなどを捕食した。

やがてシーラモンは、川でデジタマを5個ほど産んだ。

デジタマが孵化すると、やがて一本のトサカが生えた幼年期デジモンが産まれた。
https://i.imgur.com/ZaoIKPW.jpg

それらが進化すると、メキシコサラマンダーとかウーパールーパーとかアホロートルとか呼ばれる両生類によく似た鰓を持つ幼年期デジモンに進化した。
https://i.imgur.com/zKmb0tV.jpg

素晴らしい。
シーラカンスに似たデジモンから、両生類に似たデジモンが産まれた…。

やはり、進化というのはデジタマの中で既に起こっているのだ。

デジタマの中の卵細胞そのものがレベル0のデジモンであり、それが胚となり幼年期の肉体を形成する過程で、一度進化が行われているという予測は正しいものとみて間違いない。
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 17:36:47.10 ID:Uki0mIelO
これら5匹のウパモンは、そのうち2匹はオタマジャクシのような姿…オタマモンへ進化した。

https://i.imgur.com/7zUwi2S.jpg

残りの5匹は…なんとも形状しがたい姿へと進化した。

https://i.imgur.com/AYWKmUo.jpg

ピョンピョン跳ねて移動する姿から、これはカエル型のデジモンではないかという意見が多かった。

だが、カエルと決めつけるのは早計である。
このデジモンの背中には、大きなヒレがついている。
これは肉食単弓類であるディメトロドン…爬虫類の動物がもつ特徴である。

単弓類は、単なる爬虫類ではない。我々哺乳類の祖先である。


つまり、このデジモンは、両生類の形質を持ちながら、爬虫類にも哺乳類にもなり得る、それらの中間ともいえる身体的特徴を備えているのである。

我々の研究チームは、この様々な進化の分岐点に成り得るデジモンを、なんと名付けるか議論した。

フロッグモンやディメトロモン等の案が挙がったが、最終的には女性研究員が提案したベタモンという名前に決定した。

今回ばかりは彼女のネーミングに賛同する。
無理に実在する動物になぞらえて名付けても、進化の可能性を狭めるだけになるだろうから。
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/14(火) 17:42:38.75 ID:8N+LMzb/o
カエルじゃないと言われればカエル以外にも見えてくるなベタモン
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 17:44:18.56 ID:Uki0mIelO
さて、成長期となった3匹のベタモンは、川から少しずつ離れて暮らすことに決めたようだ。

3匹のベタモンは、どこへ向かったか…?↓1〜3
@森林
Aサバンナ
B山岳地帯
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/14(火) 17:46:31.39 ID:7L1PrTbe0
2
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/14(火) 17:51:02.70 ID:8N+LMzb/o
2
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/14(火) 17:55:42.81 ID:WBOx3C3Q0
1
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 18:01:39.72 ID:Uki0mIelO
ベタモン達は、二匹がサバンナへ、もう一匹が森林へと移動を開始した。

二匹のオタマモン達は、ヌメモンやヤンマモンがいる沼へと移動した。

親であるシーラモンは、移動していく5匹の子供達を見送った。


きっとシーラモンは、自分自身というよりは、自分の子供達を上陸させるために、はるばる海の底から大移動をしてきたのであろう。

このシーラモンは、肺呼吸も一応できるが、水棲に適した肉体である。
故に、このままの肉体では陸上生活には適応できない。

レベル5へ進化すれば、陸に上がることができるかもしれないが…。
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/14(火) 18:03:50.05 ID:Uki0mIelO
つづく
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/14(火) 18:23:39.61 ID:8N+LMzb/o
今日はこれで終わりか
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