タツマキ「この私こそが、正義よね」サイタマ「はは。完全にヤベー奴だな」

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7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/24(水) 23:26:45.71 ID:85wXS3rNO
「アンタは何のために戦うの……?」
「理由なんて考えたことねーな」

漂白された月をまた眺めながら彼はふと思いついたようにこちらに顔を向けて、訊ねた。

「月は黒いより白いほうが好きだろ?」
「そりゃ、そうだけど……」
「なら、それが俺の戦う理由だ」

まるで、私だけのヒーローみたいで素敵だ。

「ねえ、サイタマ」
「なんだ?」
「たとえば、今回みたいに沢山の怪人が現れて、その中には怪人に感化されて同調してしまった一般人が居て、このままだと世界全てが悪に染まってしまいそうになったら、アンタはどうする? 世の中全てを敵に回す?」

私がいくら考えても結論を出せない問題をぶつけると、サイタマはマントを靡かせて。

「正しさなんて多数決では決まらないだろ」

何も考えてないような顔をして、断言する。

「納得出来ないなら、とことん戦うだけだ」

彼が納得することが正しさ。しっくりきた。
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/24(水) 23:28:54.19 ID:85wXS3rNO
「そうよね……私ったらバカみたい」

力に溺れて驕っていたのだろう。改めよう。

「この私こそが、正義よね」
「はは。完全にヤベー奴だな」
「アンタにだけは言われたくないわよ」

ヘラヘラ笑うサイタマににっこり微笑むと、悩みは消えた。だから私は彼に教えてやる。

「お礼と言ってはなんだけど……」
「なんだジュースでも驕ってくれんのか?」
「違うわよ。アンタ、漏らしてるわよ」
「は?」

彼のズボンに広がる染みには理由があった。

「真空中では穴という穴から漏れ出すのよ」

ウンパーンチ!

「フハッ!」

まったく。こんなヒーローに恋するなんて。

「ふんっ。糞の責任、取りなさいよね」
「フハハハハハハハハハハハハッ!!!!」

せいぜい嗤うがいいわ。気が済むまで哄笑して冷静さを取り戻したその時、償って貰う。
ハネムーンはそうね。やっぱり月面かしら。

「フブキへ。お姉ちゃん婚約しましたっと」
「フハハハハハハハハハハハハッ!!!!」

ひとまずフブキに婚約したってLINEしとこ。


【ウンパンマン 8撃目】


FIN
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/24(水) 23:36:09.16 ID:85wXS3rNO
>>6
毎度お付き合い頂きありがとうございます
ギリギリ限界まで我慢していたのですが、悠木碧さんの声がタツマキにとてもよくお似合いで、どうしても鍛えた技を注ぎ込んで書きたい衝動を堪え切れませんでした
ふんっとか、ぷんっとか、ほんと最高です

最後までお読みくださりありがとうございました!
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