藤原肇「千夜さん、一緒に釣りに行きませんか?」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/30(土) 13:43:43.28 ID:/ZuqsV3u0
〜事務所〜

藤原肇「今日もレッスン、お疲れ様でした」

白雪千夜「こちらこそ、肇さん」

肇「明日は千夜さん、久々にオフですね。私もですけど」

千夜「えぇ。まったく、アイツも人使いの荒い……」

肇「ふふっ」


肇「千夜さんは、お休みの日は何をされているんですか?」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1635569022
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/30(土) 13:45:53.44 ID:/ZuqsV3u0
千夜「そうですね……
   黒埼家の屋敷に住んでいた時は、掃除をしていました」

肇「お屋敷の……掃除、ですか」


千夜「好き、というわけではありません。むしろ苦手です」

千夜「まとまった時間が取れないと、細かい所まで行き届いた掃除ができなくて……
   だから、そういう作業に充てていました」

肇「あぁ〜……掃除って、確かにそういうところ、ありますよね」

千夜「はい」


千夜「ですが、アイドルになり、屋敷を出て寮に住むようになってからは、
   そんな事も無くなりました」

千夜「寮の部屋は、屋敷ほど大きくないですし、
   何より、私のための部屋に時間を割く必要もありませんから」

肇「……そうですか」

千夜「えぇ。だから、そうですね……
   休日だからといって、最近はあまり、コレといったことはしていません」

肇「それじゃあ、千夜さん」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/30(土) 13:49:02.16 ID:/ZuqsV3u0
肇「一緒に釣りに行きませんか?」

千夜「? ……釣り、ですか」

肇「はい、私と」

肇「ちょうど、行こうと思っていた場所があるんです。
  道具は私が用意しますので、もし千夜さんさえ良かったら、明日どうかなぁって」


千夜「肇さんは、釣りが好きなのですね」

肇「はい! 好きです!」カッ!

千夜「!?」ビクッ

肇「実は……その話題をいつ切り出そうか、機を伺っていました」

肇「芳乃さんとは、何度かお付き合いいただいた事はあって……
  ぜひ千夜さんにも、釣りの楽しさを分かってもらえると良いなぁと」

千夜「……なるほど」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/30(土) 13:50:39.00 ID:/ZuqsV3u0
千夜「お断りする理由は、無いかと思います」

肇「! そうですか」パァッ

千夜「ですが、念のためお嬢さまのご了解を取りたいので、少々お待ちを」つ スマホ

黒埼ちとせ「いいなぁ、楽しそう♪」にゅっ

肇「うわっ!? ち、ちとせさん……」ビクッ


千夜「お嬢さま、今のお話を聞いておられたのですか」

ちとせ「うん。肇ちゃん、ぜひ千夜ちゃんを連れて行ってあげて?」

肇「いいんですか?」

ちとせ「千夜ちゃんだって、もう私に聞かなくてもいいのに」

千夜「そうは仰いましても……」


P「んー? 何の話をしてるんだ?」ヌッ
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/30(土) 13:51:58.10 ID:/ZuqsV3u0
ちとせ「あ、魔法使いさんだー♪」フリフリ

千夜「肇さんが、私を釣りに連れて行ってくださると」

P「へぇー、釣りか。
  それは楽しそうだな、どこに行くんだ、肇?」

肇「秋川の、上流の方まで行ってみようと思います」


P「秋川の上流って……ひょっとして檜原村とかか?」

肇「はい」

ちとせ「どこ、それ?」

P「都内とはいえ、西多摩の奥の方だ。
  結構な距離があるぞ。片道2時間近くかかるんじゃないか?」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/30(土) 13:54:01.87 ID:/ZuqsV3u0
肇「電車とバスを乗り継いで、2時間ちょっとです。
  なるべく早起きして、暗くなる前に帰れればいいかなぁって」

P「ストイックな行程だな……」

ちとせ「千夜ちゃん、早起き苦手だもんね。大丈夫?」

千夜「問題ありませんよ」


P「お、そうだ、肇。
  俺とちとせは、明日の午前中、八王子で仕事があるんだ」

肇「え?」

P「こっちの仕事が終わった後、車で迎えに行くよ。
  少し遅くなるかも知れないけど、皆で一緒に飯でも食いながら帰ろう」

P「あの辺のバスなんて、そう都合の良い時間に何本も通ってないだろうから、帰るとき大変だろ?」

千夜「珍しく気が利きますね、お前」

P「もっと言え」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/30(土) 13:55:29.83 ID:/ZuqsV3u0
肇「ありがとうございます、Pさん。
  それじゃあ、お言葉に甘えて」

P「あぁ、着きそうになったら連絡するよ。ていうか、電波届くよな?」

肇「たぶん、大丈夫です」

ちとせ「お土産は、二人が釣ってきたお魚で決まりだね♪」

千夜「当てにしないでください、お嬢さま」

肇「一匹も釣れないことも、多いですからね」

ちとせ「え、そうなの!?」

P「危ないことだけはするなよー」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/30(土) 13:56:33.52 ID:/ZuqsV3u0
〜翌日、駅〜

ガタンゴトン… プシューッ…!



千夜「……」キョロキョロ


肇「千夜さん」フリフリ


千夜「肇さん、おはようございます」タタタ…

肇「はい、おはようございます」


千夜「……なかなか、大荷物ですね」

肇「少し張り切っちゃって」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/30(土) 13:57:49.38 ID:/ZuqsV3u0
千夜「手伝います」

肇「あぁいえ、私が勝手に持ってきただけですし……あ」

ゴソゴソ…

肇「……じゃあ、これを」スッ

千夜「これは……上着、ですか?」

肇「目的地に着いたら、これを羽織ると良いかと思います。
  ポイントまでは、草木の中を歩く事になって、虫も出てきちゃいますし」


千夜「……ありがとうございます。すみません」

肇「ふふ、いえいえ。じゃあ行きましょう」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/30(土) 13:58:55.55 ID:/ZuqsV3u0
〜バス〜

ブロロロロ…

千夜「山間まで上っていくのですね」

肇「バスを降りたら、15分くらい歩きます」



バス運転手「ダァ、シエリイェッス」

プシューッ…! ガッション

ブロロロロ…


肇「……ん〜! あー、良い天気」ノビー

千夜「えぇ、本当に」

肇「でも、目的の場所はこの山の奥なので、あんまり陽は入ってこないんですけどね」

千夜「そうですか」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/30(土) 14:00:40.75 ID:/ZuqsV3u0
〜渓流〜

ザアァァァァ…


肇「ふぅ……ここです」

千夜「結構、流れが急ですね」

肇「はい。あそこを見てください」スッ

千夜「……?」


肇「水流が石にぶつかって、流れが速くなっている箇所を「瀬」と言います」

肇「その、瀬の終わりの部分……「瀬尻」という、水流が弱まっている部分が、
  お魚が集まりやすい場所なんです」

千夜「なるほど……水の流れが遅い場所を、魚は好むのですね」

肇「たぶん流れが速いと、お魚も疲れちゃうんじゃないかなぁって」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/30(土) 14:01:30.08 ID:/ZuqsV3u0
肇「それじゃあ、準備しますね。
  千夜さんは、そちらで休んでいてください」

千夜「何かお手伝いすることがあれば」

肇「いえいえ、お構いなく」

千夜「……分かりました」


ガショガショ…

肇「……」ガショガショ


千夜「……」



肇「……あっ!」

千夜「? どうかされましたか?」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/30(土) 14:03:18.30 ID:/ZuqsV3u0
肇「千夜さん、すみません……忘れ物をしてしまいました」

千夜「忘れ物?」

肇「はい。えぇと……」スッ

肇「この、竿の先……針のそばに付ける重りを、忘れてしまったんです」


千夜「……?
   現に今、竿に付いているその黒い物は、違うのですか?」

肇「いえ、違ってはいません。これも重りです、ただ……」

肇「この重り……通称ガン玉と呼ぶのですが、
  本当は、重さの違うものを何種類か持ってきた方が良いんです」

肇「水流を見ながら適宜付け替えて、川底付近をスムーズに流せるものを選ぶ事が大事なのですが……
  今回持ってきたガン玉は、この1種類のみ」

肇「ごめんなさい……
  せっかくお誘いしておきながら、あまり上手くいかないかも……」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/30(土) 14:05:01.62 ID:/ZuqsV3u0
千夜「そういう事であれば、問題はありません」

肇「え?」

千夜「いえ、問題が無いというより、
   問題とする事ができない、と言った方が正しいかと思います」

肇「……?」


千夜「素人の私は、道具のせいにできるほど技能が習熟していません」

千夜「だから、どんな竿を手にした所で、結果にさほど変わりは無いでしょう。
   大同小異というものです」


肇「……うーん」

千夜「……あっ! いえ、失礼な言い方でした。
   肇さんの竿がどうでもいいとか、そういう話では決して……!」

肇「ふふっ。いえ、ありがとうございます、千夜さん」クスッ

肇「大丈夫です、分かっています」

千夜「……恐縮です」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/30(土) 14:06:56.52 ID:/ZuqsV3u0
肇「それじゃあ、遊漁券と……千夜さんはこの竿を。はい」スッ

千夜「どうも……ふむ」

肇「どうかしましたか?」

千夜「いえ……リール、というのが付いていないのだなと」

肇「あぁ。確かに、そうですよね」


肇「こういう渓流釣りの時は、リールが付いてない簡易な竿を使う事が多いんです。
  海釣りと違って、そこまで遠くに仕掛けを飛ばさなくても良いですし」

千夜「なるほど」

肇「だから、初心者の方にも準備が簡単で、お手軽に楽しめるんですよ。
  この竿も、釣り具屋さんで3〜4千円で買えちゃったりします」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/30(土) 14:08:24.80 ID:/ZuqsV3u0
肇「それと、餌はこれを」カパッ

千夜「? これは……イクラ、ですか?」

肇「はい」

千夜「てっきり、虫とか使うものとばかり思っていたので、意外です」

肇「ミミズや虫餌は、千夜さんも苦手かなぁと思いましたので、止めました」

千夜「私の事は、お気になさらずとも……でも、ありがとうございます」

肇「いえ、一般的に使われているものなんです。
  例えば釣り堀とかでも、練り餌だけでなく、イクラを使う所も多かったりします」

千夜「そうなんですか」


肇「じゃあ、さっそく始めてみましょうか」
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/30(土) 14:09:23.12 ID:/ZuqsV3u0
ひゅんっ

      ポチャンッ


肇「…………」

千夜「…………」


ザアァァァァ…



肇「…………」


千夜「…………」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/30(土) 14:10:22.50 ID:/ZuqsV3u0
肇「…………」


ひょいっ


肇「あぁ、やっぱり……食べられちゃった」

千夜「魚はいる、ということですね」

肇「はい」



ひょいっ


千夜「……私もです」

肇「同じですね」ニコッ

千夜「はい」クスッ
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/30(土) 14:11:33.15 ID:/ZuqsV3u0
千夜「ちなみに、この辺りはどんな魚が捕れるのでしょうか?」

肇「えーと、たぶんヤマメとか、アマゴですね。
  もう少し上流の方まで行けば、イワナもいるかも知れませんが」

千夜「例えば、アユなどは?」

肇「あぁ〜、アユはいないかなぁ……
  本当に天然のアユはそうそういなくて、特定の場所でポイントを作られたりします」

千夜「そうでしたか。失礼しました」

肇「いえいえ」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/30(土) 14:12:50.63 ID:/ZuqsV3u0
ひゅんっ

      ポチャンッ



肇「…………」

千夜「…………」


ザアァァァァ…



千夜「…………」


ひょいっ


千夜「むぅ……」


肇「ふふ、私もです」

千夜「魚もなかなか、やるものですね」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/30(土) 14:14:43.02 ID:/ZuqsV3u0
千夜「コツなどは、あるのでしょうか?」

肇「コツですか……私が言っても、説得力無いかもですけど」

千夜「お願いします」


肇「お魚は、自然に流れていくものを捕食しています」

肇「だから、私達の餌も、川の流れに沿って自然に流れていけば、
  お魚に対しても自然に見せることができるかと」

千夜「ふむ……しかし、食べられながらも食いつかれない事については、どうすれば」

肇「あ、あぁ〜〜、そうですよね、アハハ……」


千夜「何度も繰り返すしかない、という事でしょうか?」

肇「根気と我慢……釣りの基本です」

千夜「望むところです」



ひゅんっ

      ポチャンッ


ザアァァァァ…
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/30(土) 14:15:40.11 ID:/ZuqsV3u0
ひょいっ

千夜「…………」

つ 釣り針


千夜「…………」ジィーーッ…

千夜「……」グイッ


千夜「……うーむ」



肇「イクラを二個、付けてみたりするのはどうでしょう?」

千夜「……試してみます」
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/30(土) 14:16:28.98 ID:/ZuqsV3u0
ザアァァァァ…


ひゅんっ

      ポチャンッ


千夜「…………」

肇「…………」



ザアァァァァ…



千夜「…………」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/30(土) 14:18:51.40 ID:/ZuqsV3u0
千夜「…………」



千夜「……何だか」

肇「はい」



千夜「……ボーッとしてしまいますね」


肇「そうですね」クスッ

千夜「ただ……」


千夜「このような時間も……存外、悪い気はしません」

千夜「思えば普段、こうして自然の中に身を置く時間を持つことも、私にはありませんでした」
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/30(土) 14:20:16.01 ID:/ZuqsV3u0
肇「こういう川の音って、ヒーリングスポット? というのでしょうか。
  精神が落ち着く効果があるんだそうです」

肇「それに、木々も生い茂っていて、都会より空気も美味しいですし」


千夜「……肇さんは、陶芸をされていると」

肇「はい。備前焼を」


千夜「浅慮ながら、陶芸というのは、特に精神力が求められる分野かとお見受けします」

千夜「肇さんが釣りを嗜むのも、気分転換、というか……
   メンタルをコントロールするための手段、だったりするのでしょうか」


肇「うーん……結果的には、そうなっているのかも知れません」

千夜「……?」


肇「ただ、釣りは釣りで、何というか……時間を楽しむものですね」
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/30(土) 14:22:08.86 ID:/ZuqsV3u0
千夜「時間を……楽しむ?」

肇「はい。
  幼い頃から慣れ親しんだ趣味だから、抵抗が無いのかも知れませんが……」


肇「普段の私は、何かと忙しくして、時間に追われる日々を過ごしています。
  アイドルになってからは、なおさらそう」

肇「だからその分、こうしてボーッとする事に時間を費やすのは、
  何となく贅沢なことをしている気がして、楽しいです」


千夜「……そのような考えは、ありませんでした」

肇「千夜さんは、アイドルになる前も忙しそうですね」

千夜「従者というのは、基本的に暇であることは許されません」
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/30(土) 14:23:46.47 ID:/ZuqsV3u0
千夜「だから……」

千夜「アイドルという珍妙な世界に身を置くようになって、
   こういう時間が取れるというのも、不思議なものを感じます」

肇「……はい」

千夜「社交辞令で言っているのではありません」

肇「ふふっ。ありがとうございます」

肇「……あっ」

クイッ ググッ…!


肇「……ッ!」グググ…

千夜「おおっ」


肇「ち、千夜さん……その、タモを……!」
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/30(土) 14:25:07.11 ID:/ZuqsV3u0
千夜「タモ?」イイトモ?

肇「あ、網です……!」ググ…

千夜「分かりました」タタッ


スイッ

千夜「こ、このような感じでよろしいでしょうか?」ソォー…

肇「ありがとうございます……!」ググッ

バシャバシャ…!


肇「ふぅ……やりましたっ」

千夜「かなり大きいですね」

肇「おかげさまで、ボウズにならずに済みました」

千夜「……ボウズ?」ツルツル?


スィーッ…

肇「……あっ!」

千夜「えっ?」
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/30(土) 14:26:09.21 ID:/ZuqsV3u0
チャポン!

千夜「あっ! わ、私の竿が……!」


スィー…



千夜「…………」

肇「……流されちゃいましたね」



ザアァァァァ…



千夜「す、すみません。肇さんからもらった竿が……」

肇「いえいえ、気にしないでください。
  私が注意を削いだせいでもありますし」

千夜「いえ、そんな事は……ですが」

千夜「私には、釣りの才能が無いということが分かりました」
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/30(土) 14:27:30.66 ID:/ZuqsV3u0
肇「いえ、きっと食いついていたんですよ」

千夜「えっ?」

肇「だから、竿が川に流されちゃったんです」


千夜「……いずれにせよ、喜ぶべき事とは思えません」

肇「そ、それはそうかもですが、アハハ……あっ」

ヴィー! ティロン♪

肇「千夜さん、携帯が鳴っています」


千夜「……お嬢さまとアイツが、そろそろこちらに到着するそうです。
   それと……何匹釣れた? と」

肇「あまり威張れる釣果ではありませんが……」


肇「写真、撮りませんか?」
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