【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「これが私たちの答えです」【安価進行】

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89 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/06(水) 21:42:56.88 ID:nIJh/7Zu0

灯織「これです!」

【解!】

灯織「この新聞記事に書いてある『未成年連続失踪事件』……なんだか私たちの状況に似ていませんか?」

雛菜「大体20人前後の高校生が失踪して後日遺体で発見かぁ〜……」

灯織「既に何回も全国的に頻発している事件なのですが……これが無関係だとは私には思えず……」

愛依「確かに、うちらには結構似てるけど……」

摩美々「でも灯織さぁ、私はこの闇サイトっていうのにアクセスした覚えないよー?」

灯織「それは私もそうなんですが……」

愛依「てかそもそも闇サイトってなんなん?」

智代子「ほら、あれだよ!コミックマーケットとかやってる……」

摩美々「それはビッグサイトでしょー」

雛菜「寄生虫〜!」

摩美々「それはパラサイトー」

摩美々「漫才はさておいて、この闇サイトって言うの……気になるよねー」

灯織「通常アクセスできないアングラサイト……さっきの摩美々さんの仰ってた漫画の話……少し重なるところがあるかもしれません」

愛依「誰かにうちらのコロシアイをそこで見せてたってこと!?」

灯織「……もしかすると、今この映像すらもあの監視カメラから流されているのかもしれませんね」


レンズは無機質に私たちの姿を捉え、物も言わない。
でも、あの向うに……もしかすると、数多くの人間の目があるのかもしれない。そう思うと身震いした。
90 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/06(水) 21:44:01.97 ID:nIJh/7Zu0

摩美々「誰かに見せるためのコロシアイ……コロシアイ学園生活はフィクションだったケド、重なるところがあるよねー」

智代子「うぅ……ホントに希望ヶ峰学園とか諸々本当に存在しなかったんだよね?!なんだか不安になってきた!」

愛依「だ、だいじょぶだいじょぶ!今あそこでモノクマが黙りこくってるのが証拠だから!」

雛菜「う〜ん、それじゃあ雛菜たちが最終的にこのコロシアイをさせられてるのって結局デスゲーム配信のための頭数ってことでいいの〜?」

灯織「……いや、事はそう単純じゃないと思うよ」

雛菜「え〜?」

灯織「さっきまでの議論が一度希望ヶ峰学園の実在をめぐる話で覆ったわけだけど、今回のコロシアイがモノクマが現役の高校生を参加者に、しかも283プロのアイドルでないといけないとまで断言した事実は変わらない」

灯織「私たちが今ここにいるのは、見世物以上の意味が何かあるんじゃないかな」

摩美々「単純にアイドル同士のコロシアイっていう需要があったとか……じゃあないよね」

智代子「その……話を蒸し返すみたいだけど、このコロシアイの黒幕ってわたしたちも知ってる誰か、なんだよね?だとしたら近しい人間を選んだってだけなような気もしないではないんだけど……」

灯織「もちろんその可能性もある……けど……なんだか、もっと別の何かがあるような予感がするから……」

摩美々「……超高校級の占い師さんが言うんだったら一度話し合ってみた方がいいかもねー」

摩美々「なにせ占い師の直感なんですからぁ」

灯織「摩美々さん……ありがとうございます」

(未成年集団失踪事件……闇サイト……)

(多分それらは私たちとも関係は深い、けど……もっとそれ以上の何かがあるはずなんだ……!)
91 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/06(水) 21:45:41.02 ID:nIJh/7Zu0
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

コトダマ
‣【コロシアイ学園生活】
‣【コロシアイの動機】
‣【プレゼン資料】
‣【人類史上最大最悪の絶望的事件】
‣【Aへのメール】
‣【絶望の残党】
‣【怪しいメモ】
‣【方舟計画】


愛依「希望ヶ峰学園は実在しないから……」

愛依「うちらはここに闇サイトで【デスゲームの配信をするため】に呼ばれた可能性が高いんだよね?」

智代子「無作為に選ばれたわけでなく、283プロの現役高校生アイドルじゃないといけない理由があったってことなんだよね!」

雛菜「デスゲームとして、≪仲間同士の方が盛り上がるから≫とか〜?」

摩美々「≪闇サイト以外のところにも公開する目的があった≫のかもねー」

愛依「≪うちらの中の誰かにターゲットがいた≫、とか?」

雛菜「狙いはここにいる≪雛菜たち以外の人間だった≫のかもしれないね〜」

智代子「じゃあ逆転の発想!コロシアイのために閉じ込めることで≪わたしたちを守ろうとした≫んだよ!」

愛依「いやいや、それは流石に逆転しすぎじゃん!?360度くらい逆転してるよ!?」

摩美々「愛依、それ一周して元に戻ってるー……」


【正しいコトダマで正しい発言に同意しろ!】

↓1
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/06(水) 21:46:42.00 ID:nGz1h4B80

≪うちらの中の誰かにターゲットがいた≫
に【怪しいメモ】で 同意
93 :盲点だった……そうか、そうとれるのか…… ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/06(水) 21:51:00.84 ID:nIJh/7Zu0

愛依「え?! あのメモって透ちゃんを殺すためだけにこのコロシアイが起きたってことだったん?!」

灯織「この文面だとそう読み取れなくもないですよね……?!」

摩美々「いやいや、さすがにそれは規模が壮大すぎるってー」

雛菜「雛菜が言うのも変だけど、透先輩は割とぼーっとしてるから狙いやすいと思うよ〜?」

(うーん、話としては通るけど……どうやら流石に無理がある話みたいだ)

(モノクマの反応を見ても、意図するところじゃないらしい……)

【スキル:水色感情の効果でコトダマの数が減少します】

-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

コトダマ
‣【コロシアイの動機】
‣【プレゼン資料】
‣【人類史上最大最悪の絶望的事件】
‣【Aへのメール】
‣【絶望の残党】
‣【怪しいメモ】
‣【方舟計画】


愛依「希望ヶ峰学園は実在しないから……」

愛依「うちらはここに闇サイトで【デスゲームの配信をするため】に呼ばれた可能性が高いんだよね?」

智代子「無作為に選ばれたわけでなく、283プロの現役高校生アイドルじゃないといけない理由があったってことなんだよね!」

雛菜「デスゲームとして、≪仲間同士の方が盛り上がるから≫とか〜?」

摩美々「≪闇サイト以外のところにも公開する目的があった≫のかもねー」

愛依「≪うちらの中の誰かにターゲットがいた≫、とか?」

雛菜「狙いはここにいる≪雛菜たち以外の人間だった≫のかもしれないね〜」

智代子「じゃあ逆転の発想!コロシアイのために閉じ込めることで≪わたしたちを守ろうとした≫んだよ!」

愛依「いやいや、それは流石に逆転しすぎじゃん!?360度くらい逆転してるよ!?」

摩美々「愛依、それ一周して元に戻ってるー……」


【正しいコトダマで正しい発言に同意しろ!】

↓1
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/06(水) 21:56:27.80 ID:nGz1h4B80
≪闇サイト以外のところにも公開する目的があった≫に方舟計画
95 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/06(水) 22:01:22.87 ID:nIJh/7Zu0

摩美々「摩美々もこの推理は割と的を射ていると思ってるんだケド……その計画はいかんせん不透明すぎるんだよねー」

摩美々「もっと摩美々の推理を裏付ける有効な証拠はないのー?」

(うっ、別のことを話せばよかったな……)

【スキル:水色感情の効果でコトダマの数が減少します】

-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

コトダマ
‣【コロシアイの動機】
‣【プレゼン資料】
‣【人類史上最大最悪の絶望的事件】
‣【絶望の残党】
‣【怪しいメモ】
‣【方舟計画】


愛依「希望ヶ峰学園は実在しないから……」

愛依「うちらはここに闇サイトで【デスゲームの配信をするため】に呼ばれた可能性が高いんだよね?」

智代子「無作為に選ばれたわけでなく、283プロの現役高校生アイドルじゃないといけない理由があったってことなんだよね!」

雛菜「デスゲームとして、≪仲間同士の方が盛り上がるから≫とか〜?」

摩美々「≪闇サイト以外のところにも公開する目的があった≫のかもねー」

愛依「≪うちらの中の誰かにターゲットがいた≫、とか?」

雛菜「狙いはここにいる≪雛菜たち以外の人間だった≫のかもしれないね〜」

智代子「じゃあ逆転の発想!コロシアイのために閉じ込めることで≪わたしたちを守ろうとした≫んだよ!」

愛依「いやいや、それは流石に逆転しすぎじゃん!?360度くらい逆転してるよ!?」

摩美々「愛依、それ一周して元に戻ってるー……」


【正しいコトダマで正しい発言に同意しろ!】

↓1
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/06(水) 22:03:31.55 ID:Wuo8aETHO
≪闇サイト以外のところにも公開する目的があった≫ に プレゼン資料
97 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/06(水) 22:05:34.73 ID:nIJh/7Zu0

灯織「それに賛成です!」

【解!】

灯織「このコロシアイを公開するとして……おそらく、それは闇サイトの狭いコミュニティに留まるものでは無いような気がします」

智代子「えっ!?それじゃあやっぱり世界に絶望を振りまくために_____」

灯織「いや、その逆だよ……むしろ黒幕としては、希望を振りまこうとすらしていたのかもしれない」

雛菜「え〜?希望〜?コロシアイの中に希望なんてあるの〜?」

摩美々「……いや、でも灯織の言うコトにも一理あるよー」

摩美々「だってさっきまでモノクマは希望ヶ峰学園の存在に、希望が実在することに強く固執してた……絶望側の立場だと思い難いほどに」

灯織「そして実際に、黒幕が外部の人間にこのコロシアイを見せようとしていた証拠がありました」

摩美々「それって学園長の個室にあった、プレゼン資料……?」

灯織「はい、摩美々さんと一緒に確認したものです」

摩美々「待ってよー、それって確か希望ヶ峰学園歌姫計画……つまり今じゃもう役に立たない話のやつじゃなかったぁ?」

灯織「……一見するとそう見えるかもしれません。ですがこうやって同時に見比べてみると……」
98 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/06(水) 22:06:48.23 ID:nIJh/7Zu0
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【プレゼン資料】

『新時代のアイドルを生み出す革新的発想』
『希望を新たに生み出す新・希望ヶ峰的アプローチ』
『成功すればどんなに凡庸なアイドルでもトップアイドルへ』
『見違えるような成果』
『無から有を生み出す発想』
『アイドル…新しい自分との出会い』
『すべてのアイドルを過去にするアイドルの創造』

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【希望ヶ峰学園歌姫計画】

『超高校級のアイドル、超高校級のマネージャーをはじめとした学園の生徒協力のもと日本のエンタメ産業を担う新時代の“歌姫”を育成する計画』
『人為的に才能を生みだす意図ではなく、環境からのアプローチで才能を伸ばすことを目的とする』
『計画には現役のアイドルに参加してもらい、学園の生徒同様のトレーニングを実施する。適宜別のメニューも考案し、“超高校級”に匹敵する実力を習得する。成功した暁には、その生徒を【超高校級の歌姫】として迎え入れる予定』

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灯織「一つ、明確な相違点が浮かび上がってくるはずです」

愛依「明確なソーイ点……?」

智代子「どっちも、希望ヶ峰学園の力を使ってすごいアイドルを作るっていう内容に見えるけど……」

摩美々「灯織はあの時にもこのプレゼン資料は希望ヶ峰学園歌姫計画なんかじゃないって断言したもんねー」

摩美々「なにかしらの大きな違いがそこにはあるんだろうケド……どこの話ぃ?」

灯織「わかりました、それなら私からお伝えさせていただきますね」

灯織「二つの計画の間に存在する明確な相違点とは……」

99 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/06(水) 22:08:33.01 ID:nIJh/7Zu0
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【スポットセレクト】

『新時代のアイドルを生み出す革新的発想』
『希望を新たに生み出す新・希望ヶ峰的アプローチ』
『成功すればどんなに凡庸なアイドルでもトップアイドルへ』
『見違えるような成果』
『無から有を生み出す発想』
『アイドル…新しい自分との出会い』
『すべてのアイドルを過去にするアイドルの創造』


【希望ヶ峰学園歌姫計画と矛盾するポイントを指摘しろ!】

※スキル:アップ・トゥ・ユーの効果を任意のタイミングで一度使用可能

↓1
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100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/06(水) 22:10:08.40 ID:nGz1h4B80
『アイドル…新しい自分との出会い』
101 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/06(水) 22:13:22.20 ID:nIJh/7Zu0

灯織「ここです!」

【解!】

灯織「両者の間では明確に【才能】に対する捉え方が違うんです。こちらのプレゼン資料では、希望ヶ峰学園歌姫計画では本人が既に持っている才能を伸ばしていくことを目的としていますが、こちらのプレゼン資料ではその逆」

灯織「むしろ才能は人為的に作り出す、無から有を生み出すとまで言っているんです……それに、こちらは希望ヶ峰学園のシステムを使うなんて文言もない」

灯織「希望ヶ峰学園の存在が証明できない今、このプレゼン資料の持つ意味は大きく変わってくるはずです」

摩美々「え……?何、それじゃあ灯織はもしかして……このプレゼン資料に書いてあるような、アイドル育成プログラムが今ここで行われてるって言いたいのー?」

灯織「……ええ、人為的に才能を生み出すという言葉にも身に覚えのある話があるんじゃないでしょうか」

愛依「それってもしかして……霧子ちゃん?」

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モノクマ「人格をプレゼントしたんだよ!」

灯織「………………え?」

モノクマ「本物の超高校級の保健委員の人格をそっくりそのまま幽谷さんの中にインプットしてあげたんだ!」

モノクマ「ていっても流石に上書きしたわけじゃないよ?海馬の部分にチョチョイとメスを加えて脳髄の分泌物が……」

モノクマ「まあ詳しい説明はどうでもいいよね、それこそ超高校級の神経学者にでも聞いてやりなよ!」

咲耶「ちょ、ちょっと待ってくれ!」

咲耶「それじゃなにかい?!いま、私の前に立っているのは霧子の姿をした別人だということかい?!」

霧子「ふふ……♪」

モノクマ「だから、上書きじゃないんだって!上書きじゃなくて統合!」

モノクマ「もともとあった幽谷さんの人格と超高校級の保健委員の人格が融合したんだよ!」

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102 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/06(水) 22:15:02.04 ID:nIJh/7Zu0

智代子「あの時の動機は、才能を伸ばす道具のプレゼント……でも、霧子ちゃんだけは超高校級の保健委員って人の人格を与えられた……あ!」

智代子「才能を、与えられた……?」

雛菜「新しい自分との出会いっていうのも重なってくる話ですね〜」

愛依「じゃあ今の灯織ちゃんの資料はマジで……!?」

灯織「今の私たちのコロシアイ、それの理由とも言うべき証拠なのではないでしょうか」

摩美々「しかしとんでもない話だよねー、高い技術力を持ってるのもそうだけど、それを実行に移すだけの【資金力】」

摩美々「それこそ世界が滅んでた方がいっそ納得がいくんだケド」

(……あれ、【資金力】?)

愛依「摩美々ちゃん!?でもさ、希望ヶ峰学園は……」

摩美々「わかってるー」

摩美々「だからこそ、信じられないんだよねー……そんな並外れた資金力……普通の人間じゃこんなコロシアイを始めること、不可能でしょー」

(……あれ?)

愛依「灯織ちゃん?どうしたん?」

灯織「……その……このコロシアイの黒幕は、私たちと同じく283プロの人間、なんですよね……?」

摩美々「モノクマの言うコトを信じるならねー」

灯織「……だとしたら、なんですが」
103 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/06(水) 22:16:10.82 ID:nIJh/7Zu0






灯織「そんな資金力のある人間って【あの方】しか残らない気がするんですが……」





104 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/06(水) 22:17:02.72 ID:nIJh/7Zu0

よく考えれば、何も資金の話だけではない。
彼女の存在を感じ取れる場面は、他にもあった。
学校エリア地下階にあったトレーニングルーム、あんな設備を作るような人間私たちの事務所には彼女しかいない。

そして、学園長室の個人部屋のパスワード『PERFECT』……彼女の口癖にそっくりだ。
極めつけは、地下階のパスコード『0816』





____それは、彼女の誕生日だ。




105 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/06(水) 22:18:39.55 ID:nIJh/7Zu0

智代子「そ、そんな……」

愛依「で、でもさ!?誰かが急に宝くじ当たって大金持ちになった可能性とかもあるんじゃん!?ほ、ほら、甜花ちゃんいつかクリスマスにプロデューサーから宝くじ貰ってたりしたし!?」

摩美々「……ちょっと苦しいかなぁ」

雛菜「それに、黒幕が特定できそうなんだったらそこから目を背けるべきじゃないですよね〜?」

智代子「……!!」

雛菜「辛くたって、苦しくたって進む……みんなそうやってきたんだし……ここも同じだよ〜」

智代子「……そっか」

雛菜「それに、辛くても雛菜も隣にいるから〜〜〜〜!」

智代子「……雛菜ちゃん」

モノクマ「ストップストップ!人が気絶してる間になんだかとんでもない話になってない!?」

愛依「あ、起きた!?」

モノクマ「流石に黙っちゃいられないね!資金力があるからってだけで黒幕を断定するつもり?!そうは問屋が卸さないってんだ!」

灯織「そうですよね……黒幕を特定しようというタイミングになればモノクマが立ちふさがってくる。そうなると思いました」

モノクマ「むき〜〜〜〜!放っておけばろくなことにならないんだから……!これだからガキの御守りは嫌いだよ!」

灯織「なら、分かりました……黒幕であるあなたとここで正々堂々と雌雄を決しましょう」

灯織「今ここで、あなたに引導を渡して見せます!」

モノクマ「それはこっちのセリフだよ!」

モノクマ「絶望に染め上げてやる……これで全部終わりだよ!」
106 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/06(水) 22:22:20.31 ID:nIJh/7Zu0
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【パニックトークアクション開始!】

モノクマ「何が現実だッ!」【防御力75】
モノクマ「何がフィクションだッ!」【防御力80】
モノクマ「そんなの全部全部希望的観測だよ!」【防御力85】
モノクマ「明日に絶望しろッ!」【防御力90】
モノクマ「未知に絶望しろッ!」【防御力95】
モノクマ「思い出に絶望しろーーーーッ!」【防御力100】

【盾の防御力をコンマで削り取れ!】

【スキルとアイテムの効果によりコンマ値が+70されます】

↓直下より六回連続判定

107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/06(水) 22:22:46.70 ID:nGz1h4B80
すごいのよ
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/06(水) 22:23:12.13 ID:nGz1h4B80
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/06(水) 22:23:26.27 ID:MhSj+/GZ0
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/06(水) 22:23:35.60 ID:zVe8xM4L0
スライドするわ
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/06(水) 22:23:41.14 ID:nGz1h4B80
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/06(水) 22:24:23.24 ID:nGz1h4B80
あんたはここでふゆと死ぬのよ
113 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/06(水) 22:28:51.51 ID:nIJh/7Zu0
これよく考えたら失敗したとこで次ターンもアイテム効果発動するからクリアじゃん
パニックトークアクション……破綻してますね……

-------------------------------------------------
【ALL BREAK!】

灯織「私たちは絶望に屈しない!」


【モノクマ「黒幕の正体を特定する証拠なんか、何一つ存在しないよね!?」】


メー/への/A/ル


【正しい順番に並び替えて、コンマ値100以上でとどめをさせ!】

【スキルとアイテムの効果によりコンマ値が+70されます】

↓1

114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/06(水) 22:29:24.97 ID:nGz1h4B80
Aへのメール
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/06(水) 22:29:48.32 ID:/seZy6opO
Aへのメール
116 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/06(水) 22:32:12.14 ID:nIJh/7Zu0

灯織「これで終わりにしましょう!」

【BREAK!】

灯織「モノクマ……いや、黒幕……あなたの正体を特定するのは何もお金の問題だけじゃありません」

モノクマ「なんだって……!?」

灯織「地下階のおしおきメンテナンスルーム。そこに備え付けられた黒幕の私物と思しきパソコンの中のメール。そこにはAと称される人物に対するメールが送られていました」

モノクマ「……」

愛依「A……?コードネーム的な……?」

灯織「その可能性もありますが……地下室のトレーニングルームの存在、資金力の問題を鑑みると、このAにはもう一つの可能性が沸いてくるはずです」

智代子「もしかして……イニシャル?」

雛菜「そういうことかぁ〜、あのメールって苗字か名前の頭文字が“A”の人間に向けて送られてたんだね〜?」

灯織「283プロダクションの人間、経済的な力、トレーニングルーム、イニシャルはA……これらの要素を繋いでいくと、おのずと一人の存在が浮かび上がってきます」

モノクマ「……」

灯織「私たちと同じステージに立ち、同じ夢を描いてきたあなたが黒幕だとは思い難い……でも、真実から目を背けるわけにはいかない」

モノクマ「……」

灯織「……だから、私は迷いません。ここで黒幕であるあなたの正体を明らかにして、このコロシアイを終わらせます!」

灯織「このコロシアイ合宿生活の黒幕とは……!」


-------------------------------------------------

【クロを指摘しろ!】

↓1
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/06(水) 22:32:36.89 ID:nGz1h4B80
有栖川夏葉
118 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/06(水) 22:35:01.01 ID:nIJh/7Zu0

【解!】


間違いなら、どれほどよかったことか。
彼女ほどストイックで、心優しく、頼りになる存在も他にいないのに……
いつしか、いや……初めから彼女は私たちのイメージとはかけ離れた存在だったんだ。

「いい?目指すならトップだけよ!」

あの言葉の裏で、彼女は何を考えていたのだろう……

-------------------------------------------------


灯織「黒幕の正体は……夏葉さん、ですよね」

智代子「……っ!」

灯織「経済的な後ろ盾、有栖川家の資本力と政財界へのコネクションがあれば……これほど壮大なデスゲームも主催できたはず」

灯織「そして何より、イニシャルは【A】……黒幕へとつながる手掛かりが、夏葉さんの一点で結集してしまうんですよ……!」

灯織「……違うなら、そう言ってもらえませんか。夏葉さん」

モノクマ「……」

摩美々「ちょっとー?」

モノクマ「…………」

愛依「も、モノクマ……?また静かになっちゃってるけど……?」

モノクマ「………………」

雛菜「あは〜〜〜〜?」

モノクマ「…………………」

智代子「……本当に、夏葉ちゃんなの?」

モノクマ「…………………………」
119 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/06(水) 22:36:29.67 ID:nIJh/7Zu0






モノクマ?「……ふふっ」






120 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/06(水) 22:38:03.15 ID:nIJh/7Zu0

モノクマ?「流石ね、灯織。あなたならいずれはこの結末にたどり着くものだと確信していたわ」

灯織「……その喋り方!」

モノクマ?「どう?見事なものだったでしょう?希望ヶ峰学園なんて存在しない学園の存在をでっちあげて、あなたたちを欺いた」

摩美々「すっかり騙されちゃってましたケド、夏葉ってそんな器用な人間だったっけー?」

モノクマ?「あら?私はある程度機転の利く人間だと自負していたわよ」

愛依「夏葉ちゃんが、絶望のためにこんなことをしたっての……?」

モノクマ?「自分自身の記憶が確証の無いものになっていく感覚、なんて絶望的なのかしら。足元が震えて、背筋が凍えて、世界がぐらついて……何物にも代えがたい喪失感と快感、それを味わえるなんて少しばかり嫉妬してしまうわ」

智代子「なんで……なんでそんなひどいことをしたの……夏葉ちゃん!?」

モノクマ?「ふふっ、違うわ智代子。絶望は決してあなたたちを打ち砕くものなんかではないの。むしろその逆境から立ち上がろうとするその超克の心得は大きく成長させてくれるのよ」

雛菜「でも、その過程で雛菜たちは仲間を失っちゃってるんだよ〜?そんな成長、雛菜たちは求めてない〜〜〜〜〜!」

モノクマ?「そうかもしれないわね、でも今のあなたたちほど輝いているアイドルもいないと思うわ。絶望の渦から必死に這い出ようとする、絆という素晴らしい指針を片手に。どんな芸術よりも美しく、どんな戯曲よりも目を奪う……希望の象徴よ!」

灯織「……それがあなたがこのコロシアイで目指したものだって言うんですか!?」
121 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/06(水) 22:39:12.03 ID:nIJh/7Zu0

モノクマ?「ええ、今のあなたたちは私たちの追い求めた希望。まさに【完璧な】アイドル像、新時代のアイドルよ!」

モノクマ?「ああ、この舞台にあなたたちと共にいれる幸運に感謝しなくてはいけないわね。希望が生まれるこの瞬間、これは何物にも代えがたい幸福だもの!」

モノクマ?「……さて、そろそろ私も姿を見せなければ失礼に当たるわよね。あなたたち完璧なアイドルに対して礼儀を尽くさせてもらうわ」

彼女はモノクマ越しにそう宣言すると、モノクマの右手を天高く挙上させた。
何においても頂点を目指す彼女をほうふつとさせるポーズと共にモノクマの体は輝きだし、やがて……



カッ



閃光と共に爆発。
場内を爆風とスモークとが一瞬で埋め尽くす。
右手を覆いにして証言台の上で堪える私たち、モノクマに向けた視線の中でそれは姿を現した。
あのぬいぐるみのような小さな躰の代わりに、すらりと伸びた長身のシルエット。
並外れて美しいスタイルのシルエットは、モノクマ同様に天を己が指で指していた。

_____まるで、自分自身がその【完璧】を体現する存在であるかのように。
122 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/06(水) 22:40:31.43 ID:nIJh/7Zu0




夏葉「私こそがこのコロシアイ合宿生活の黒幕、有栖川夏葉よ!」




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【超大学生級の絶望 有栖川夏葉】

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123 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/06(水) 22:41:25.03 ID:nIJh/7Zu0
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【To be continued…】




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124 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/06(水) 22:45:00.20 ID:nIJh/7Zu0

というわけで本日はここまで、一つの区切りがつきましたね。
なんとか夏葉登場までやってこれた……
いやぁ……長かった……

途中またしても捜査パートと情報に齟齬がある場面(新聞記事など)がありました、申し訳ない……
パニックトークアクションも別途調整が必要ですね、スキル・アイテムで数値のインフレどころではない騒ぎなので。
全体の数値の底上げをしてしまうとスキルアイテム習得の意味もなくなってしまうのが難しい。
もう飛ばしちゃってもいいっちゃいいんですが……

明日も21:00〜で更新予定です。
それではお疲れさまでした。
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/06(水) 22:48:21.15 ID:MhSj+/GZ0
お疲れさまでした
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/06(水) 23:08:29.82 ID:zVe8xM4L0
お疲れ様でした
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/06(水) 23:22:17.41 ID:r5P+bKnxo
1週間ぶりくらいに覗きにきたらめっちゃ更新来てる!
そしてクライマックスになってる!
お疲れ様でした!
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/06(水) 23:28:50.69 ID:r5P+bKnxo
sage忘れ済まない…
129 :最後の学級裁判、後半戦始まります ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 21:03:04.22 ID:1PTEZRlO0





「……さて、改めて自己紹介を行わせてもらおうかしら」





130 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 21:04:39.97 ID:1PTEZRlO0

夏葉「普段のアイドルとしての『私』のことはよく知ってるでしょうけど、もう一つの側のことをあなたたちは知らないだろうから」


夏葉「コロシアイ、いわばデスゲーム興行自体はこの国……というかこの世界ではもうそれなりの歴史があるの。もちろん表舞台には出てこない、いわば裏のエンタメ産業としてそのシェアを広げていき、今や一般家庭の食卓で夕食中にコロシアイを見る、なんてこともあるそうよ」


夏葉「……ええ、あなたたちの日常にそんな光景がないことは勿論承知。でもね、そのあなたたちの日常から推し量れるほど世界というのは単純なものでもないの。むしろ、一個人の観測できる範疇なんてたかが知れているということよ」


夏葉「私は、そういったデスゲームを運営する立場にある人間なの。言ってしまえば家業のようなものね。有栖川の血を引く人間は、必ず成人するまでの過程でこのコロシアイというものを勉強させられる。人の生き死にをエンタメとして昇華し、人々の目に届けるマネージメントをね」


夏葉「そして私のキャリアにも、既にいくつものコロシアイが刻まれているわ。あなたたちもさっき新聞記事で確認した通り、全国的に頻発する未成年連続失踪事件。あれの裏には私たち、有栖川家の活躍があるの」


夏葉「彼らは私たちの運営する闇サイトの閲覧者、デスゲームを見るうちに自分も参加したいと思うようになった少年少女なの。私たちは彼らに場所とシチュエーションを提供して、それをまた配信する。そういってこの産業は回っているのよ」

131 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 21:06:05.08 ID:1PTEZRlO0

世界がどんどんと歪んでいく。
自分の良く知る人物が、信頼のしていた人物が、大好きだった人物が人の命を軽んじるばかりでなく、
それをお金へと変え、さらには自分の手で少年少女の命を奪う手助けをしているという自白。
どれだけ覚悟をしていようとも、その事態の異常さには思わず立ち眩みがしてしまう。


摩美々「摩美々たちもやっぱり、その産業の一端を担わされてるってコト……?」

夏葉「ええ、そうなるわね。今のあなたたちは、『シャイニーダンガンロンパ それでもこの世界で私たちは歌う』の参加者として配信されているわ」

愛依「しゃ、シャイニー……ダンガン……?」

夏葉「あら、その様子だと【ダンガンロンパ】も知らないの?困ったわね、そこから説明をしなくてはいけないのかしら」

(……え?)

灯織「な、夏葉さん……今、なんて言いました……?」

夏葉「『シャイニーダンガンロンパ それでもこの世界で私たちは歌う』、この配信枠のタイトル名よ。どう?人類史上最大最悪の絶望的事件の起きた世界でのコロシアイとしてはピッタリじゃないかしら。……まあ、これも設定に過ぎないけど」

雛菜「灯織ちゃん〜?どうしたの、顔が真っ青だよ〜?」

灯織「……その、皆さん……私は……この、コロシアイを……」
132 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 21:07:32.39 ID:1PTEZRlO0






灯織「【ダンガンロンパ】を、知っているかもしれません……」






133 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 21:08:53.49 ID:1PTEZRlO0

智代子「え、えええええ!?ひ、灯織ちゃんもしかして闇サイトに本当は……」

灯織「ち、違うの……そうじゃなくって……私は、ダンガンロンパという名前を、この学園に来てから一度目撃しているんです」

愛依「ダンガンロンパ、ダンガンロンパ……いや、うちにはまるで心当たりないよ!?」

摩美々「……灯織、私にもサッパリなんだケド」

灯織「ええ、それはこの中でも私しか知らないことですから……」

(思えば、あの時からこのコロシアイを……私たちの置かれている状況を疑問に思うことはできたんだ)

(私はあの瞬間、ダンガンロンパを知ることができたんだから……)


【正しいコトダマを選べ!】

>>5>>7

↓1
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/07(木) 21:09:58.55 ID:39oawL9h0
【コロシアイの動機】
135 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 21:12:21.71 ID:1PTEZRlO0

灯織「これです!」

【解!】

灯織「黒幕に提示された第三の動機……あのタイミングです」

夏葉「私が参加者のあなたたちに、それぞれの才能に応じたプレゼントを渡したタイミングね」

雛菜「ん〜?灯織ちゃんって確か水晶玉じゃなかったっけ〜?」

灯織「うん、私のプレゼントは水晶玉。でも、私はある人にプレゼントの一部を譲り受けているんです」

摩美々「何それ、そんなのあったっけー?」

灯織「……甜花さんです」

智代子「甜花ちゃん……って確か、ゲームソフトの詰め合わせじゃなかった?」

灯織「うん、私はあの時に、その一部を布教と題して手渡されたんだけど……」


-------------------------------------------------

灯織「しかしものすごい数のゲームですね……甜花さん、全部ご存知なんですか?」

甜花「もちろん……!基本ハードは全部抑えてるから……あ、風野さんにも分けた方がいい、かな……?」

灯織「え、わ、私にですか?」

甜花「いやむしろ、分けてあげるべき……布教はゲーマーとして、闘うものとしての、義務……!!」

灯織「は、はぁ……」

甜花「例えばこの携帯機なんだけど……」

灯織「これって……男子がモンスターを狩りに行くときに持ってたゲーム機では……?」

甜花「更にそれをアップグレードしたやつ……!液晶タッチ操作に背面タッチパッドを搭載してたんだ……!」

甜花「でも、末期にはちょっとエッチなゲームの移植版ばっかりになっちゃったんだけど……」

灯織「え、えぇ……?」

甜花「甜花はやったことないけど、これなんか人気だったらしいんだ……ノベルゲームらしいし、風野さんの好みに合う……かな……?」

(なんだか悪趣味なパッケージだ……)

甜花「デスゲームを題材にしてるらしいんだけど……」

(しかも今の私たちと同じような……)


甜花さんに半ば強引にゲーム機を手渡されてしまったけど、流石にこの状況ではプレイする気は起きそうにないな……


-------------------------------------------------
136 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 21:13:32.99 ID:1PTEZRlO0

灯織「あの時に、デスゲームを題材としたゲームを手渡されていたんです。その時は、自分の置かれている状況との符合がなんとも心地悪くて、プレイはしなかったんですが……」

灯織「あのパッケージに書かれていた文字列は、確かに【ダンガンロンパ】でした……」

摩美々「そ、それ……今の摩美々たちのコロシアイの配信のタイトルと同じ……?」

智代子「な、なんで……?!ゲームの中にわたしたちが入っちゃったわけじゃないよね!?」

夏葉「ふふ、智代子は相変わらず冗談が得意ね。ここで経験してきた人の死、実際にあなたたちはその熱を感じて来たでしょう?」

夏葉「ただ、灯織の目の付け所は正解よ。パーフェクトね」

灯織「それじゃやっぱり、あのゲームと私たちの今の状況は関係があるんですね……?」





夏葉「というよりも、あのゲームがなければあなたたちはここにいないのよ」




137 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 21:16:09.79 ID:1PTEZRlO0

摩美々「はぁ?」

夏葉「あなたたちに倣って、私も一つ馬鹿げた話をしましょうか」


そういうと夏葉さんはモニターをリモコンで操作し始めた。
画面はあのフェイクの中継映像から、私が甜花さんから譲り受けたゲームのパッケージに移り変わる。


夏葉「今から十年と少し前になるわね。ダンガンロンパと言われるゲームが、あるゲーム会社からリリースされたの。そのゲームが題材としたのが、コロシアイ学園生活という突飛極まりない設定でのデスゲーム」

愛依「こ、コロシアイ学園生活……って、さっきまでうちらが本当にあったと思い込んでいたフィクションのやつ……?」

摩美々「もしかして、あの設定とかって全部ここから……?」

夏葉「独特な世界観の下でのコロシアイは人々の関心を集めてならなかったわ。それまで退屈な、平和な日常に飽き飽きしていた民衆は人の生死がエンターテインメントとして散っていくスリルに魅了されたのね。でも、それだけではなかった」

夏葉「このゲームの中に出てくるキャラクター達。彼らの生きざまそして死にざまが感動を生み、共感を生み……そして、その思想に感化されるものまで現れたの」

灯織「思想に、感化……?」

雛菜「ゲームにはまりすぎちゃったってことですか〜?」
138 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 21:17:10.21 ID:1PTEZRlO0


夏葉「中でも多くの人々は作中のカリスマ的存在のキャラクター、【江ノ島盾子】……すべての絶望の根源とも言うべき存在。彼女の退廃的かつ革新的な発想は多くの人に衝撃を与えたわ。事実、このゲームの影響を受けていくつもの人間の人生が狂わされたわ」

夏葉「あなたたちもニュースで聞いたことがあるでしょう?不自然な株取引で、まるで自殺をするかのように倒産していった企業の数々を。あれは経営ミスなんてちんけなものではないの、彼らの間で談合が行われ、秘密裏に彼らは結集し新たな団体を立ち上げていったの」


確かにそんな報道があったような気もする。
まだ幼かった私は、会社がつぶれるということの意味、
一つの企業が無くなることで発生する経済損失なんかもまるで頭になく、聞き流すことしかできなかった情報だ。
でも、既に、その幼いころの日常からこの狂ったコロシアイは水面下で動いていたのである。


夏葉「ダンガンロンパの思想を体現し、この世界に生死をも超越した至高のエンタテインメントを提供する。腐りきったこの日常を刺激的な興奮で吹き飛ばしてくれる、そんな最高の団体を作り出したの」




夏葉「そう、それこそが……」
139 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 21:17:58.39 ID:1PTEZRlO0



パチン

夏葉「【チーム・ダンガンロンパ】なのよ!」




140 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 21:19:01.29 ID:1PTEZRlO0

夏葉さんの合図とともにモニターが一斉に切り替わる。
画面中を埋め尽くすのは【DR】という文字がモノクマを模したロゴマークに準えた謎のシンボル。
これがおそらく、夏葉さんの言うデスゲームの運営元、
そのダンガンロンパというゲームの思想に感化された人間で集まってできた団体のシンボルなのだろう。
夏葉さんは自信満々といった様子で、首元に付けた全く同じシンボルのバッジを見せびらかしている。


夏葉「チーム・ダンガンロンパはあのコロシアイ学園生活のように刺激的なコロシアイの実現をスローガンに、これまでに幾度となくコロシアイを実施してきたわ。そうね、全体の数としては50をくだらないかもしれないわね」

摩美々「こんなコロシアイが、既にこの国でそれだけ行われてきたってことですかぁ……?」

夏葉「ええ、そうよ。しかもあなたたちもそのうちの一つ。今も絶賛生配信中なんだから!」


夏葉さんが指を鳴らすと、またモニターは別の画面へ。
右から左へとコメントが流れていく、あの見慣れた形式の画面。でもそこを流れている文字は、私たちの常識的倫理感からは大きく外れている。


『さっさと殺せ!』『風野灯織のおしおきマダー?』『人が死なないとつまんない!』
『摩美々ちゃんは惨めな死に方してほしいw』『もっと絶望させろよ!』
『これから全員処刑するんだよな?』『今北 おしおきには間に合ったみたいだな』


画面の中の人間は、全員が全員……揃って人の死を望んでいる。私たちがここで命を散らす瞬間を一目見ようと集まっているのである。
141 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 21:20:45.39 ID:1PTEZRlO0

夏葉「みんなのおかげね、このコロシアイは今までにもないほどに注目を集めているわ」

愛依「こ、こんなん嘘だって……ありえないって……」

智代子「なんで……なんで助けを求めている人間を見捨てることができるの……」

雛菜「それどころか雛菜たちに死んでほしそうにしてるんだもんね〜……」

摩美々「同じ人間とは思えないんですケド……」

灯織「なんで、なんでこんな真似ができるんですか!?」

夏葉「あら、アイドルなのにそんな質問をするのは野暮じゃないかしら」

夏葉「いい?彼らはあくまでデスゲームという一つの映像作品を見ているだけの気持ちなの。もちろん画面の向こうで人が本当に人が死んでいるのは承知の上、それでも彼らはそこに罪悪感なんて抱くことはない」

夏葉「自分たちの今いる場所は平穏、こんなコロシアイなんか起きるはずもない。彼らは平和と退屈に飼い潰されてしまっているの。もうその心に慈善なんて残っていない、いくらあなたたちが助けを求めても、それを本気には受け取らないでしょうね」

夏葉「所詮エンタメ産業というのはそういうものだもの」

灯織「……なんで、なんでそんな……プロデューサーが教えてくれたことと摩反対のことを平然と言えるんですか!?」


それは自分の意志とは関係なしに口を継いで出ていた言葉。
一人の人間として、283プロのアイドルとして黙っておくことなんかできなかった言葉。

今夏葉さんが口にしたのは、私たちがこれまで歩んできた道を、プロデューサーと一緒に歩んできた道を蔑ろにするような許されざる発言だ。
この胸で煮えたぎるものを、彼女に向けてぶつけずにはいられなかったんだ。
142 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 21:23:05.49 ID:1PTEZRlO0

灯織「私たちアイドルはどんな媒体でも、見てくれる人、応援してくれる人にその想いを伝える……そういうお仕事だってプロデューサーは教えてくれましたよね!?」

灯織「なのに、どうして……それを唾棄するようなこんなデスゲーム興行なんか……!」


涙交じり、声も上ずってしまっていたと思う。半ば絶叫に近しい形だったと言ってもいい。
あれほどまでに真摯に自分自身に向き合い、プロデューサーと共に邁進してきたアイドルの夏葉さんがこんなことを口にするわけがない。
そういう感情と願いとがイガイガとなって喉を引っ掻いて、痛かった。

反響する痛みと願いとが、夏葉さんの耳孔に振動として届く。



夏葉「ええ、灯織の言う通りよ」

灯織「夏葉さん……!」



そしてその振動は、夏葉さんの心をも揺らした。


143 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 21:23:49.95 ID:1PTEZRlO0





____ように思えた。

夏葉「だからこそ、私はこのコロシアイを始めたの」





144 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 21:25:20.00 ID:1PTEZRlO0

灯織「夏葉、さ……」

夏葉「灯織の言う通り、アイドルとは常に画面越しだろうとなんだろうとみるものを魅了し、感動させ、その心を動かすような存在でなくてはならない。そうでないと、一番にはなれないわ」


彼女の理想と、それに対する努力は既にねじ曲がっていた。


夏葉「残念だけど、今の私たちではまだその段階に達しているとは言えないわ。私たちはまだ、人々に希望をもたらせるようなそんなアイドルには慣れていない。だってそうでしょ? 絶望も知らないのに、希望を振りまくなんて土台無理な話」

摩美々「じゃあなんですかぁ?夏葉は私たちに、本当のアイドルになってもらうためにコロシアイを始めたとでもー?」

夏葉「ええ、そうね。あなたたちなら、本当のアイドルのその先にも到達できると思ったからよ」

雛菜「本当のアイドルの、その先〜〜〜?」

夏葉「あら、あなたたちなら私の目指す最終到達点も想像ついている者だと思っていたのだけれども」

(夏葉さんの目指す最終到達点……?それって……)


【正しいコトダマを選べ!】

>>5>>7

↓1
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/07(木) 21:26:31.10 ID:39oawL9h0
【VERTEX】
146 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 21:28:31.90 ID:1PTEZRlO0

灯織「これです!」

【解!】

灯織「もしかして、夏葉さんは……VERTEXの優勝を目指しているんじゃ……」

愛依「え?!VERTEXってあのVERTEX……?」

摩美々「アイドル業界の文字通り頂点、優勝者とその所属事務所は一気に名が売れて、世代を超えて愛される存在になる……ただ、それゆえに優勝者は本当に一握りしかいない……」

智代子「ここ十数年は優勝者も出てないオーディション、なんだよね……?」

夏葉「流石ね、灯織。あなたなら分かってくれると思っているわ」

夏葉「私はアイドルとしても妥協するつもりはないの、アイドルになったからには文字通りのトップになる。それは私にとっての理想であり、義務なのよ」

雛菜「そのためにこのコロシアイを成長の機会にしたってことですか〜」

夏葉「ええ、ここで起きた事件の一つ一つに意味があるの。おそらくそれに摩美々はもうぴんと来ているんじゃないかしら」

摩美々「もしかして、動機に書いてあった奴ですかぁ?」

灯織「動機って……先ほども確認しましたよね?」

摩美々「さっきはその中身を議論したケド……それぞれ動機には説明が書き添えられてたんだよねー、その動機を設定した意図とかそーゆーやつ」

夏葉「ええ、その通りよ。あれを見たらわかる通り、私が動機として定めた要素はすべて目的と意味があったの」
147 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 21:29:39.46 ID:1PTEZRlO0

『一つ目の動機は【疑心暗鬼】、あえて黒幕との接点を公開することにより必要のない疑いあいに持ち込む。お互いがお互いを信じ合えない状況下でアイドルたちは信頼をどんな形で発揮してくれるのか』

夏葉「猜疑心に飲まれることなく、他人を信じ続ける。それは簡単なものではない……でも、あなたたちならそれができると信じていた。そして実際、灯織やめぐるのおかげであなたたちはこのステップを通過したの」

灯織「……この事件から私たちは【絆】を指標として掲げて進むことになりました。他の人を信じるということを真乃から譲り受けて……」

愛依「それが、黒幕の狙い通りだったってことなん……?」


『二つ目の動機は【焦燥】、フェイク映像による近縁者の危機を告示する。この学園から出たいという意思を一層駆り立てた上で、真のアイドルになるための決断力を養成する』

夏葉「私が五体満足でここに立っている時点でフェイク映像だったのはもはや自明ね。でもこの動機の時には思わず感心させられたわ。みんな焦燥にかられる中でも理性をしっかりと保ち、凶行に走ろうとした人間が誰一人として出なかった……流石ね」

灯織「でも、それを跳ね除けて強くなろうとした小糸は事故に巻き込まれてしまった。加えてそれを皮切りに樋口さんとの間はどんどん開いていってしまうことになった」

摩美々「まさか円香とのこういう流れも織り込み済みだったのー?」

夏葉「まさか、そこまでは予測していないわ。デスゲームの運営ができるのは場所と同期の提供だけ。誰が死に、誰が生き残るまでは決められないし……それが決まっていたらショーとして退屈でしょう?」

夏葉「その意味で円香の功績は大きいわね。全体を大いに盛り上げてくれたし、あなたたちの希望をより輝かせるための舞台装置として立派にその後付けの職責を全うしてくれたわ」

雛菜「……希望を輝かせるため、雛菜たちをアイドルとして成長させるための犠牲になったって言いたいの〜?」

夏葉「ええ、概ね雛菜の言う通りよ」

雛菜「……」

(雛菜、よく堪えたね……)
148 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 21:30:50.60 ID:1PTEZRlO0

『三つ目の動機は【才能】、各人の才能を伸ばすためのヒントを授ける。柔軟な思考力のもと、与えられた道具をどう活用するかに着目したい』

夏葉「アイドルとしては、常に機転の利いた立ち回りが求められるわ。パフォーマンスしかり、バラエティ番組の出演しかりね。ここはそのための予行といったところかしら」

智代子「人の命を使っておいて予行だなんて……」

摩美々「ねえ、夏葉。今改めて聞くけど、なんで霧子には道具じゃなくて人格を移植したのー?」

摩美々「あの時は保健室の設備で足りてるから渡すものがなかったって言ってたケド、それって本当?」

夏葉「ええ、大きな理由としてはその通りよ」

夏葉「しかし少し運営側としては介入しすぎてしまったと反省すべき点ね。あなたたちならもっと斬新な発想でコロシアイに臨んでくれた、あなたたちを信じる気持ちが足りなかったかもしれないわね」

智代子「……夏葉ちゃん、それは違うよ」


『四つ目の動機は【犠牲】、集団としての生存のために1人を切り捨てる決断を迫る。損得勘定と個人の感情との間のすり合わせを適正化し、これから先生き残っていく上での野心を研ぎ澄ますのも狙いの一つである』

夏葉「アイドルの世界は弱肉強食。より上を目指そうとすれば仲間であろうと踏み台にする覚悟が必要。私たちは283プロで生活するうちに、いつしかそんな常識を失ってしまっていたわ」

夏葉「勿論私だって放課後クライマックスガールズのメンバーをはじめとして、事務所のみんなはかけがえのない仲間だと認識している。だからこそ、彼女たちを見捨てて自分が生き抜くという判断を絶望の中から選び取るとき……それは輝きを放つとは思わないかしら」

灯織「そのために、ここで二人を切り捨てたんですか……」

摩美々「咲耶はまだしも、同じユニットの仲間だった凛世まで……」

夏葉「彼女たちには少し悪いことをしたわね。チーム・ダンガンロンパの同士ではないとはいえ、私に協力してくれた存在……利用するだけ利用して捨てたような形なんだもの」

灯織「凛世は、私たちを守るために咲耶さんを手にかけて……コロシアイ続行の道を選んだ……」

夏葉「その結果あなたたちは絆という者をより一層強固にしたの。死にゆくものから受け継いだ想い、それを完遂するという義務感に近い心構え……とても美しいわ」

149 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 21:32:56.12 ID:1PTEZRlO0

雛菜「最後の事件には動機はなかった……円香先輩がそれまでに積もり積もった感情を爆発させたから……」

夏葉「ええ、でもそれがあなたたちにとって一番の成長の場になったわ。仲間を信じつつも疑う、そのために頭脳をかつてないほどはたらかせる……いい頭の運動になったわね」

夏葉「それに何より大きかったのがめぐるの死よね、ここまでで誰よりも成長していた灯織がその死を受けて、なおも前を向こうと必死に立ち上がる姿勢。さらには自らが犠牲となって周りを救おうという態度。あれには画面の前の視聴者たちも思わず感涙したでしょうね」

摩美々「でも、それは結局冤罪だったじゃーん……」

夏葉「……」

夏葉「それより、これで分かってもらえたかしら。私がこのコロシアイを仕組んだ目的が」

灯織「仲間の死を経験させることでアイドルとして成長させ、VERTEXの優勝を目指す……」

灯織「……本当に、どうしてしまったんですか……夏葉さん」

夏葉「ふふ、私はどうもしないわよ?あなたの知らない一面があなたたちと出会う前からあったというだけのこと」

夏葉「このコロシアイこそが、私の本来立っていたステージだというだけの話なのよ!」

(……馬鹿げてる)

(コロシアイが成長の機会……?絶望の中でこそ最高に輝く……?)

(そんな論理、理解できない……理解したくもない。これまで積み重ねて来たすべては、そんな名誉のためだけに消費されるような存在じゃない。他に代えがたいもっと尊くも貴重な存在なのに……)
150 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 21:34:39.93 ID:1PTEZRlO0


理解の前で足踏みしているのは私だけではなかった。
他の4人も全員、夏葉さんの演説を受けてもなお、夏葉さんに対して投げかける言葉が見つかっていない。
目の前の人間が本当に夏葉さんなのかどうかすら受けとめることができていないといった様子で、視点が右往左往。
現実と虚構とが既に翻った現在、この言葉もすべて虚構であってほしいと願う気持ちが湧いて出る。

でも、なおも悠然と立っている夏葉さんの風格は、その言葉のすべてに偽りがないことを強く印象付ける。
彼女は仲間たちの命を成長のための道具として昇華させることに何の躊躇もない。

それこそが彼女の目指す【完璧】なのだと言わんばかりに。


夏葉「……あら?どうしたの、みんな」

愛依「……どうしたも何もないって……うちはもうキャパオーバーだよ……」

智代子「……夏葉ちゃんが言った言葉の意味がわからないんだ……本当に、夏葉ちゃんがそんなことを言うとは思えなくて……」

夏葉「もう、智代子。そんなことでどうするの?この合宿生活であなたが学んだのは現実逃避ではないはずよ」

夏葉「仕方ないわね、あなたたちが受け入れられないというのなら改めてあなたたちにかみ砕いて説明してあげるわ」

夏葉「私がこのコロシアイを主催した理由、そしてあなたたちがここにいる理由を、ね」

灯織「……」

摩美々「……」

(流石の摩美々さんも、あの状態だ……)

(それも当然だよね。ここで私たちはいくつもの絶望を実際経験してきたけど、それは仲間たちが葛藤の末に起こしてしまった絶望……いわば私たちの範疇での絶望だったから)

(今私たちは、絶望に内側から食い破られようとしている……仲間だと思っていた存在がはじめから、仲間ではなかった……天地がひっくり返るような衝撃で、地の底へと私たちの体はどんどん、どんどんと堕ちていく……)

(信じるとか、疑うとか……そういう次元の話じゃ……)
151 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 21:35:33.77 ID:1PTEZRlO0





智代子「みんな、待って!」




152 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 21:36:25.38 ID:1PTEZRlO0

灯織「……チョコ?」

智代子「ごめんね、みんな……少しだけ、聞いてほしいんだけどね? わたし、ここまで来てもやっぱり……夏葉ちゃんの言葉が受け止められなくて」

智代子「……だから、私は夏葉ちゃんのことを信じようと思うんだ」

灯織「……え?」

智代子「わたしの良く知る夏葉ちゃんは、こんなことは間違っても言わない……誰かの命を軽く見たり、人の想いをなかったことになんかしない!だから、だから……」

智代子「わたしは、【わたしの中の夏葉ちゃん】を信じることにしたんだ!」

(チョコの中の、夏葉さん……)

(私の中の、夏葉さん……)



「ええ、私は放課後クライマックスガールズのみんなでトップになるの!プロデューサーにもそう誓ったんだから!」



(……!!)

(そうだ、私にも夏葉さんは自分自身の夢と理想を語ってくれた。あのときの彼女は、放課後クライマックスガールズの仲間と、あの5人と一緒にトップを目指すと語っていた)

(その時の笑顔に、偽りなどあるはずもない……!!)

(だとすれば、今ここで余裕ぶった不敵な笑みを掲げているこの人は……)

灯織「……チョコ、分かったよ。私も、【信じる】ために【疑う】」

灯織「信じたいものを、守るために……!!」

智代子「灯織ちゃん……」

夏葉「……? あなたたちの言っている意味が、よくわからないのだけど……」

夏葉「まあいいわ! 私はただあなたたちに絶望を突き付けるだけよ、その中から希望と共に立ち上がってみなさい!」

153 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 21:38:18.06 ID:1PTEZRlO0
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

コトダマ
‣【プレゼン資料】
‣【Aへのメール】
‣【希望ヶ峰歌姫計画】
‣【被検体α】
‣【コロシアイの動機】
‣【新聞記事】
‣【モノクマの証言】
‣【怪しいメモ】


夏葉「私は元からチーム・ダンガンロンパの人間よ」

夏葉「今回のコロシアイは、あなたたちに【アイドルとして大きく成長してもらうため】」

夏葉「ひいてはVERTEXで優勝してもらうためにコロシアイを行ってもらったわ」

夏葉「あなたたちにはいくつもの動機を与えて来た」

夏葉「そのすべてに【アイドルとして培うべき能力を託していた】わ」

夏葉「そしてこのコロシアイは【私たちの管理する闇サイトで配信済み】」

夏葉「このコロシアイの評判も上々よ!」

夏葉「私としても【組織から託された任務】をしっかりと完遂出来て本懐だわ」

夏葉「チーム・ダンガンロンパにおけるキャリアアップにもつながったし……」

夏葉「アイドルとしての表現力にも幅ができたわ!」

夏葉「そう、私たちは【新時代の希望となるアイドルになれる】のよ!」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】

※スキル:アップ・トゥ・ユーの効果を任意のタイミングで一度使用可能

↓1
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/07(木) 21:39:18.41 ID:39oawL9h0
アップトーユー 使います
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/07(木) 21:40:28.29 ID:r1ntUhj20
【組織から託された任務】に【Aへのメール】
156 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 21:42:16.93 ID:1PTEZRlO0

【スキル:アップ・トゥ・ユーの効果を使いました】

【仲間たちとの絆が正答を導く……!】

【Aへのメール】→【組織から託された任務】

-------------------------------------------------

灯織「それは違います!」

【BREAK!】

灯織「すみません、チーム・ダンガンロンパという組織で夏葉さんがどういう役職なのか確認させてもらってもよろしいでしょうか?」

夏葉「……? ええ、構わないけど……私はゼネラルマネージャーのようなものと考えてくれていいわ。コロシアイの運営実績も結構あるの、ふふっ。組織内でもそれなりに信頼されているのよ」

灯織「では、このコロシアイの運営においても?」

夏葉「ええ、そうよ。今回も組織の期待を一身に背負って開催させてもらったわ」

灯織「なるほど、流石夏葉さんは組織内でも優秀でいらっしゃるんですね」

夏葉「なんだか棘のある言い方をするのね、灯織。何か皮肉を込めているのかしら」

灯織「……皮肉、というわけではないのですが」

灯織「私の知る有栖川夏葉という人間は、確かに自分自身に強い自信を持っていらっしゃる方でした。でも、だからといって……自分自身の失態や汚点を誤魔化すような真似をする方ではなかったはずなんです」

智代子「うん、間違いないよ……!夏葉ちゃんは確かに強くてすごいけど……頼るべきところはちゃんとわたしたちのことを頼ってくれたもん!」

夏葉「……二人とも、ずいぶんな物言いね。それじゃまるで私が私じゃないみたいじゃない」

灯織「……」
157 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 21:44:43.45 ID:1PTEZRlO0

灯織「ここで先ほど、黒幕が夏葉さんだと断定するに至った証拠の一つ。チーム・ダンガンロンパから黒幕へとむけたメールの文面を改めてさせてもらいます」


『A、君のこれまでの功績は評価に値する。我々は実際君に高い期待を寄せていた。だからこそ、今回の独断での行動は看過することはできない。即座に計画を打ち切ってほしい、我々の要求に応じない場合立場を追われることも覚悟しておいてくれ。理解ある行動を我々は望む』


愛依「こ、これって……どうみても夏葉ちゃんが組織から任されたって感じじゃないよね……?!」

雛菜「むしろその逆、組織と意思が噛み合わなかった結果独断で暴走したようにも見えますよね〜……」

灯織「それなのに、あなたはこの事実を隠匿してあたかも組織とは一枚岩なように装っていました。こんな行動、私たちの知る夏葉さんでは考え難いんですよ」

夏葉「……ち、ちがう……こんなの、私は知らないわ」

灯織「このメールが保存されていたのは、学園長個人部屋のコンピュータ。どう考えてもあなたの私物ですよね?」

夏葉「そ、そうだけれど……違うのよ、そのメールはまた別件。今回のこのコロシアイとはなんら関係がないわ」

摩美々「えー、そんな理屈が通るのー?」

夏葉「理屈も何も、それが事実なのよ」

夏葉「それともそのメールが直接的にこのコロシアイに対するものだという証拠があるのかしら?」

灯織「そ、それは……ないですが……」

158 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 21:48:16.34 ID:1PTEZRlO0

雛菜「ん〜〜〜……」

愛依「雛菜ちゃん、どしたん? なんか気になる?」

雛菜「今改めてメール読んでたら〜、やっぱりこれがコロシアイとは無関係だとは思えないな〜って!」

智代子「そうだよね……夏葉ちゃんがチーム・ダンガンロンパの人間だってわかった今だと、どう考えても無関係ってことはないと思うな」

雛菜「……これって、チーム・ダンガンロンパ側はやめるように黒幕に要求してるんだよね〜?」

灯織「うん……そうなると思うけど」

雛菜「だとしたら、雛菜たちはこの組織と黒幕の対立を目の前で目撃してるかもしれないね〜〜〜〜!」

(……えっ?)

(組織と黒幕の対立……? この合宿生活でそんなタイミングが……?)

(思い出せ……思い出すんだ……!)

(夏葉さんにとって、このメールは弱点の一つになる……!)

-------------------------------------------------
【ひらめきアナグラム開始!】


『ノ/き/う/い/マ/モ/ん/の/し/ゅ/ク/て/き』


【正しい順番に並べ替えろ!】

↓1
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/07(木) 21:56:37.35 ID:r1ntUhj20
モノクマきのうていし
160 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 21:58:29.77 ID:1PTEZRlO0

(うーん、ちょっと違うな……)

(概ねの方向は間違ってないはず、あとは細部を詰めていこう……)

-------------------------------------------------
【ひらめきアナグラム開始!】


『ノ/き/う/い/マ/モ/ん/の/し/ゅ/ク/て/き』


【正しい順番に並べ替えろ!】

↓1
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/07(木) 21:59:06.46 ID:39oawL9h0
モノクマのきんきゅうていし
162 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 22:00:40.55 ID:1PTEZRlO0

灯織「そうか、わかりましたよ!」

【解!】

(モノクマの緊急停止……そう、めぐるの事件が起きる前のあの出来事)

(あれは明らかに外部の干渉を受けてモノクマが作動しなくなってしまったが故のアクシデント)

(黒幕と組織の対立構造が見えてきた意味……その意味は大きく変わってくる)

(……そして、もう一つ思い当たる出来事がある……!)

-------------------------------------------------
【ひらめきアナグラム開始!】


『し/ぱ/き/お/っ/い/の/し/お』


【正しい順番に並べ替えろ!】

↓1
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/07(木) 22:01:06.14 ID:39oawL9h0
おしおきのしっぱい
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/07(木) 22:01:26.22 ID:B0QZ6MvKO
おしおきのしっぱい
165 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 22:03:02.78 ID:1PTEZRlO0

灯織「そうか、わかりましたよ!」

【解!】

灯織「……以前にも一度、黒幕側が一人ではなく複数人なのではないかという議論になったことがあります」

摩美々「それって、円香の事件の前……モノクマが緊急停止した時の話―?」

灯織「はい、モノクマは私たちに関わることはおろか、アナウンスすら流す暇もないほど別の何かにかかりっきりになっているタイミングがありました」

灯織「もしかして、あの時……夏葉さんはチーム・ダンガンロンパがコロシアイを強制的に中断させようとしてきたのに対応していたのではないですか?」

夏葉「なっ……!」

灯織「それに、黒幕の意図通りにいかなかったことはもう一つ。私のおしおきですよ」

灯織「黒幕は完全にあそこで私を殺しにかかっていた。それなのにおしおきは中断され、私を殺し損ねてしまいました」

摩美々「その時にもモノクマはめちゃくちゃに焦ってた、『あいつら』なんてのも言ってたっけー」

夏葉「そ、それは……」

灯織「夏葉さん、本当にこのコロシアイはチーム・ダンガンロンパの意図するコロシアイなんですか?……というよりも」




灯織「あなたは本当に夏葉さんなんですか?」



166 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 22:05:19.64 ID:1PTEZRlO0

夏葉「……な、なにを言っているの灯織!どこからどう見ても私は私でしょ?!」

灯織「確かに見た目の上では夏葉さんですが……放課後クライマックスガールズをまとめあげてきた、落ち着きと配慮ある夏葉さんの行動とはとても思えないですよ」

智代子「夏葉ちゃんはそれでもわたしたちの知らない一面があっただけって言うんだろうけど……そうじゃないってわたしは思うんだ」

智代子「友達ってね、表面上の会話、表面上のかかわりだけじゃないんだよ。仲良くなった相手のことってなんとなくわかっちゃうんだから」

智代子「好きなものとか、性格とか……全部が全部、言われなくたってなんとなくわかるんだよ。でもね、今の夏葉ちゃんはそうやって感じる、私に見せてこなかった夏葉ちゃんとも違う」

智代子「全くの別物にしか感じないんだよ!」

夏葉「智代子……残念よ、あなたに信じてもらえないなんて」

智代子「わたしの中の夏葉ちゃんはそんなに弱々しく情に縋るような真似をしないんだよ!」

摩美々「ちょっと、二人とも……ヒートアップしてるけどさぁ、これって本気であの夏葉が別人だって主張してるわけー?」

愛依「見た目はガチで夏葉ちゃんだけど……」

灯織「確信があるわけではないですが……この中で誰よりも長い時間を一緒に過ごした智代子の直感を私は信じようと思います」

智代子「灯織ちゃん……!!」

愛依「……よし、そんならうちもチョコちゃんを信じるよ! うちも、あの夏葉ちゃんが偽物だった方が気楽だし!」

雛菜「あは〜!それなら雛菜もチョコちゃんを応援する〜〜〜!」

摩美々「ふふー、それじゃあ摩美々もチョコに後のりしよっかなぁ」

167 :システムとして議論スクラムと被りますがどうかご容赦を…… ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 22:09:09.61 ID:1PTEZRlO0

夏葉「ちょっと……あなたたち、滅茶苦茶よ!?自分の目で見ているのが全てでしょ!?なぜ現実を受け止めないの!?」

灯織「現実が全てじゃない、それを教えてくれたのは夏葉さんですよね」

智代子「……みんな、わかったよ!わたしが責任をもって……夏葉ちゃんの真実を暴いてみせるよ!」

夏葉「智代子、まさかあなたとここで対決することになるとはね……いいわ、手加減はしない。全身全霊、全力であなたも立ち向かって来なさい!」

智代子「夏葉ちゃんこそ!」

-------------------------------------------------
【パニックトークアクション開始!】


夏葉「私こそが有栖川夏葉よ!」
夏葉「現実を受け入れなさい!」
夏葉「私に勝てると思うのかしら?」
夏葉「全身全霊、全力で行くわ」
夏葉「あなたたちは最高のアイドルになれるわ」
夏葉「完璧な反証をしてみなさい!」


【コンマの合計値600以上で相手に反論しろ!】

【スキルとアイテムの効果によりコンマ値が+70されます】

↓直下より六回連続判定
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/07(木) 22:09:25.93 ID:B0QZ6MvKO
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/07(木) 22:10:09.15 ID:r1ntUhj20
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/07(木) 22:10:16.66 ID:B0QZ6MvKO
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/07(木) 22:10:45.22 ID:q+7IbvV90
それ
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/07(木) 22:12:17.34 ID:q+7IbvV90
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/07(木) 22:12:52.14 ID:39oawL9h0
すごいのよ
174 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 22:14:38.96 ID:1PTEZRlO0

【コンマ判定 93+15+66+22+34+14+70×6>600】

【ALL BREAK!】

-------------------------------------------------

智代子「わたしはわたしの中の夏葉ちゃんを信じるよ!」


【夏葉「私は有栖川夏葉よ、誰が何と言おうと有栖川夏葉なのよ!】


ッ/油/に/ケ/ロ/醤/コ


【正しい順番に並び替えて、コンマ値100以上でとどめをさせ!】

【スキルとアイテムの効果によりコンマ値が+70されます】


↓1
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/07(木) 22:15:38.56 ID:39oawL9h0
醤油にコロッケ
176 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 22:17:23.54 ID:1PTEZRlO0

(あ、あれ……? これってかけてるのとかけられてるのが逆……?)

(さ、さすがにメインはお醤油じゃなくてコロッケだよ!)

-------------------------------------------------

智代子「わたしはわたしの中の夏葉ちゃんを信じるよ!」


【夏葉「私は有栖川夏葉よ、誰が何と言おうと有栖川夏葉なのよ!】


ッ/油/に/ケ/ロ/醤/コ


【正しい順番に並び替えて、コンマ値100以上でとどめをさせ!】

【スキルとアイテムの効果によりコンマ値が+70されます】


↓1
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/07(木) 22:17:49.56 ID:39oawL9h0
コロッケに醤油
178 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 22:19:40.55 ID:1PTEZRlO0

智代子「真実はちょこっとだけほろ苦い!」

【BREAK!】

智代子「夏葉ちゃん、本当に本物の夏葉ちゃん……なんだね」

夏葉「智代子……ようやくわかってくれたのね」

智代子「ごめん、夏葉ちゃん……この質問だけ、最後にさせてもらってもいいかな?」

夏葉「え、ええ……なにかしら。それで信用がもらえるのならお安い御用よ」

智代子「……うん、あのね」

智代子「わたし、園田智代子がコロッケを食べるときに何をかけるのか教えてもらってもいいかな?」

摩美々「……はぁ、チョコ、なにその質問……」

灯織「摩美々さん、今はチョコを信じてみましょう。何も考えなしに質問を投げかけるような人ではないですから……」

摩美々「や、割とチョコは行き当たりばったりな気もするケド……?」

夏葉「コロッケを食べるときに、どうするか……?そんな質問、なんの意味があるのかしら」

智代子「いいから答えてみて!」


夏葉「……」



夏葉「…………」



179 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 22:20:47.05 ID:1PTEZRlO0






夏葉「………………ソース、じゃないのかしら」






180 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 22:21:33.36 ID:1PTEZRlO0

智代子「……!!」

愛依「……チョコちゃん?」

智代子「これではっきりしたよ……この夏葉ちゃんは、本物の夏葉ちゃんなんかじゃない!」

愛依「ええ!?い、今ので!?」

雛菜「別に何もおかしなところなかったよ〜?」

智代子「ううん、それがあるんだよ!致命的な、本物の夏葉ちゃんとの矛盾点がね!」

夏葉「……」
181 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 22:22:12.99 ID:1PTEZRlO0






智代子「だって、わたしはコロッケの時は醤油だから!」





「「「「「……」」」」」


182 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 22:23:18.20 ID:1PTEZRlO0

灯織「こ、コロッケに……」

摩美々「醤油……」

雛菜「そんな人いるんだ〜!」

愛依「うちも醤油は使わないかな……?」

夏葉「智代子、そういう驚きって誰しもが通る道だわ。私も似たような経験があるの」

夏葉「メインがシチューなのに、パンがなかったのよ……!」

智代子「夏葉ちゃん、そのくだり……もう放クラのみんなで一度、昔に経験してるんだよ!」

夏葉「な、なんですって!?」

智代子「反応まで夏葉ちゃんのそのままなのはすごいけど……あの時の記憶を失っているとは言わせないよ!」

摩美々「私たちなら記憶を取られてるって説明がつくケド、黒幕側が記憶を失ってるわけないもんねー」

愛依「じゃあ、この夏葉ちゃんは……」

雛菜「偽物さんだね〜〜〜〜♡」

夏葉「ち、違うの……違うのよ……」




夏葉「私は……私は……」




183 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 22:23:51.12 ID:1PTEZRlO0





「いやああああああああああああああああああああああ!!」






バタン!



184 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 22:24:58.45 ID:1PTEZRlO0

灯織「……ケリはついたみたいですね」

愛依「えっと……まぁそこの夏葉ちゃんが本物の夏葉ちゃんじゃないってわかったならさ……」

愛依「あれは結局誰なん?誰かのヘンソ―ってこと?」

摩美々「チョコでも区別がつかないレベルで夏葉そのもの、となるとマスクをつけたとか服装をまねたとかそんなレベルじゃないよねー」

摩美々「……夏葉そのものになるために、整形したとかぁ」

灯織「せ、整形……」

智代子「だとしたら、どうして黒幕は夏葉ちゃんの整形をしたのかな……そこまでして、夏葉ちゃんに罪をかぶせたかったの?」

(夏葉さんを騙ることの意味……?)

摩美々「……今思えば、地下のトレーニングルームとかは夏葉っぽさを出すにはくどいぐらいでしたよねー」

雛菜「トレーニングのイメージの強いアイドルって言ったら限られますもんね〜」

愛依「ね、真っ先に夏葉ちゃんのことを思ったもん!」

灯織「つまり、あれは夏葉さんに疑いを向けさせるためのミスリードの設備だったということですか……」

(……ん?)

(だとすると、黒幕は夏葉さんの存在を【隠れ蓑】にしようとしたってことになるの……?)
185 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 22:26:11.44 ID:1PTEZRlO0

灯織「じゃあ、黒幕は他にいるってことなんですか……?」

愛依「ええ?!ここに来て!?」

摩美々「この夏葉を騙っている誰かの取り乱し様……本当の黒幕のスケープゴートってところですかねー」

雛菜「裁判での黒幕特定を間違った結論に導くためだったってこと〜?」

智代子「じゃあわたしたちがこれまでの議論で話し合ってきた証拠品もそのミスリードのためだったの?」

灯織「いや……その全部がそうだってわけじゃないと思う」

摩美々「 “A”っていう人間へのメールは、まず間違いなくこのコロシアイの黒幕に充てられたメールだったはずだしねー」

雛菜「それに、未成年連続失踪事件にかかわるぐらいに社会的な権力がある人なのは間違いないですよね〜」

愛依「あ、あとモノクマが宣言してたし、うちらの事務所の人ってのは外せないよね!?」

摩美々「そこを揺るがせば、それこそチーム・ダンガンロンパの配信を視聴している人間が納得しないでしょうしねー」

雛菜「ん〜……でも、それに該当するアイドルってなると夏葉さんしかいなくない〜?」

智代子「あ、美琴さんはどう?! 苗字のイニシャルもA、だよ!」

灯織「うーん……美琴さんはまだ事務所に入って日も浅いから……このコロシアイを指揮するうえで必要な私たちに対する知識が乏しいかも」

愛依「あと大人なのは千雪さんだけど……苗字も下の名前もイニシャルはAじゃないし……」

雛菜「候補がいなくなっちゃったね〜」

(……現実的な問題として、こんな規模のコロシアイを運営できる人間はそうそういない)

(黒幕の特徴を満たした存在、そうなると自然と夏葉さんになってしまう……)
186 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 22:27:37.96 ID:1PTEZRlO0

夏葉「……」

愛依「夏葉ちゃんの偽物も、なんかあんな感じになっちゃってるし……」

智代子「真の黒幕、真の黒幕……うーん!アイドルの中には該当者がいないよ〜!」

灯織「……ん?」

灯織「ごめん、チョコ! 今のもう一回言ってもらってもいいかな!」



智代子「え? 【アイドルの中には該当者がいない】……」




灯織「そうか……そうだったんだ……」

摩美々「灯織―?」

灯織「私たちの事務所の中で、先ほどの条件を同時に満たす人間が夏葉さんのほかにもう一人だけいます」

愛依「えっ?! マジ!?」

灯織「本来なら、黒幕候補にあの方の名前が並んでもおかしくないのに……地下一階のトレーニングルームの印象だけで雲隠れしていたんです」

灯織「あの人に、そんなイメージはありませんから」

雛菜「え〜? 誰の事〜?」
187 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/07(木) 22:29:27.29 ID:1PTEZRlO0


(わかった、このコロシアイの真の黒幕が……!)


(イニシャルがA、社会的な権力、283プロダクションの人間……)


(私たちのすぐそばで、ずっと私たちのことを見ていたあの人なら……)


(このコロシアイを指揮することだって可能なはず……!)


摩美々「灯織、真実が見えているなら怖がることはないよー」

愛依「だってうちらがいるじゃん! ね!」

智代子「うん! 覚悟はとっくに決めてるよ!」

雛菜「灯織ちゃん、一緒にその一歩を踏みだそうよ〜!」

灯織「……ありがとうございます、おかげで不思議とこの瞬間でも落ち着いていられる」

灯織「私の口から、述べさせていただきます」

灯織「このコロシアイを始めた、その黒幕の名前は……!」

-------------------------------------------------

【真の黒幕を指摘しろ!】

↓1
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/07(木) 22:29:49.64 ID:39oawL9h0
天井 努
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