無職「伝説にでもなるか」【安価・コンマ】

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

27 : ◆dUKmCC1WQo [sage]:2021/09/29(水) 22:05:07.82 ID:7dTqB0mRo
22:30からぼちぼちと再開。
プロローグと言いつつ、実質キャラメイクで終わったので今回が本当のプロローグです。

>>22-26
安価ではないけど全部採用しました。
28 : ◆dUKmCC1WQo [sage]:2021/09/29(水) 22:28:18.82 ID:7dTqB0mRo
――私はおおよそ幸福ではないのだろう。

その名前とは裏腹に孤独とは群れをなしてやって来る。

歩みを止めるのをゆっくりと待っているのだ。私が1人倒れ、くたばるのを待っている。

そしてこの狼どもはもはや待ちきれぬ様子で、今にも私の喉元に噛みつき、四肢を引き裂き、バラバラに食い荒らそうとしているのだ。

そうはさせん。そうはさせんさ。

この物語の結末こそが私の終わりだ。

書くまでは死なん。死ぬときが書き終わるときなのだ。

………………
…………
……
29 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/09/29(水) 22:31:19.73 ID:7dTqB0mRo
―――――――――――――――――――――――
履歴書追加項目

霧崎壮一の作品
ジャンル 長編伝奇小説

概要
霧崎壮一が学生時代の終わりから、書き続けている小説。
作品は自伝的な日記を除けば、シリーズとして後にも先にもこれ1つである。

あらすじ
かつて教会を破門された過去を持つ殺し屋の主人公が、
妖怪との出会いをきっかけに妖怪陣営に立ち、
神の教えではなく自らの善によって
人間社会の悪、時には妖怪とも戦っていく
勧善懲悪伝奇俺TUEEEEE物。

―――――――――――――――――――――――――

作品名↓3「安価」
ペンネーム ↓2「コンマ」

01〜80 本名とおなじ
81〜00 さらに安価で決定
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/29(水) 22:33:18.13 ID:+U9FDsX80
加速
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/29(水) 22:35:01.03 ID:9M4vg4AfO
32 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/09/29(水) 22:56:37.07 ID:7dTqB0mRo
ペンネームは本名と同じ。
作品名もお願いします。

タイトル ↓1【安価】
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/29(水) 22:58:34.11 ID:XYlnvRut0
妖怪と人怪
34 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/09/29(水) 23:04:57.34 ID:7dTqB0mRo
―――――――――――――――――――――――
履歴書追加項目

霧崎壮一の作品

『妖怪と人怪』

ジャンル 長編伝奇小説

概要
霧崎壮一が学生時代の終わりから、書き続けている小説。
作品は自伝的な日記を除けば、シリーズとして後にも先にもこれ1つである。

あらすじ
かつて教会を破門された過去を持つ殺し屋の主人公が、
妖怪との出会いをきっかけに妖怪陣営に立ち、
神の教えではなく自らの善によって
人間社会の悪、時には妖怪とも戦っていく
勧善懲悪伝奇俺TUEEEEE物。

―――――――――――――――――――――――――

もうひとつ安価取ります。
これから霧崎が出会う人間です。
人物名が好ましいですが、なにかのキャラクター名でも問題はありません。

とある人物の名前 ↓2【安価】
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/29(水) 23:09:33.66 ID:XYlnvRut0
水野 空
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/29(水) 23:09:56.89 ID:RapwTEXDO
森宮 緑 (もりみやみどり)
37 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/09/29(水) 23:12:39.39 ID:7dTqB0mRo
……
…………
………………

チュンチュン

霧崎「……朝か」

1日中、各地の怪異や伝説にまつわる資料を読み漁ればこうもなろう。

気が付かない内に意識をなくして朝に至る。

忌々しいことに、老いはどんどん私の体を蝕んでいた。

50代は働き盛りという人間もいるのだろうか?

最近では徹夜することもままならない。

体の軋みを確かめつつ、どこも痛めていないことに安堵する。

それがなくても調子の良い体ではないのだから。
38 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/09/29(水) 23:23:42.50 ID:7dTqB0mRo
本来であれば軽く茶漬けでもかきこんでから物語の続きを書きたいところだが……。

電源の抜けた冷蔵庫を開けてみる。

中には腐りかけの葉物とわずかばかりの味噌のみ。

米などとっくに尽きていた。

それを買う金もすでに底が見えている。

――あぁ、そうだ。

そこまで来てようやく私は気づいた。

今日は午前中に森宮緑と会わなければならない。

他人と会うとき、私はたいてい陰鬱な気持ちになるが、森宮に対してはあまりそういう方向に傾かない。

限りなく怪しいが、信頼のおける人物であることは私の中では確かだった。

なにしろ私の住むアパートを紹介してくれたのは森宮である。

食い扶持の紹介もほとんどが森宮からだった。もはや森宮に生かされていると言っても過言ではないだろう。

今日も仕事を紹介してもらう予定だ。

私は可食できそうなものをなんとか鍋にぶち込み、味噌汁にして食った。

そして採点減の身支度を整えるといつもの待ち合わせ場所へと出かけた。

………………
…………
……

――森宮緑とはどんな人物?

【性別】 ↓3まで多数決

【年齢】 01〜30 20代+【コンマ下2一桁】
     31〜60 30代+【コンマ下2一桁】
     61〜90 40代+【コンマ下2一桁】
     91〜99 50代+【コンマ下2一桁】
     00   まさかの10代
     ↓2【コンマ】
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/29(水) 23:25:57.42 ID:+U9FDsX80
女性
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/29(水) 23:29:29.76 ID:XYlnvRut0
女性
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/29(水) 23:35:08.08 ID:RapwTEXDO
一応女性
42 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/09/29(水) 23:43:25.10 ID:7dTqB0mRo
いつもの喫茶店で待ち合わせ。

というよりも彼女に対して御用聞きをするというのが正しい物の見方か。

いつもの喫茶店を経営しているのが、件の森宮緑なのだから。


森宮「いらっしゃい……ではありませんでしたね。お久しぶりです。霧崎さん」

霧崎「うん」

森宮「さぁさカウンターにお掛けになってください。今、飲み物をお持ちしますからね」


森宮という女は不思議な女だった。

子供のような愛嬌があるかと思えば、年上の私に世話を焼いてみる。

まるで姉のようにふるまうこともあるのだ。嫌悪する前に辟易してしまう。
43 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/09/29(水) 23:54:02.64 ID:7dTqB0mRo
しばらくしないうちにカウンターにグラスがおかれた。中身は透明。ただの水だ。

私に金がないことを知っているのだ。いつものことなので私は手を付けない。

世話を焼くが甘やかしはしないのが他人に対するこの女の常だった。



霧崎「それで……仕事のことなんだが」

森宮「えぇ、えぇ。存じております。ありますよ、ぴったりの仕事が」



森宮に頼んだ仕事の条件は2つ。
@他人と積極的に話さなくてよいこと。
A長くても2か月程度の短期であること。

この条件の時点で仕事はかなり限られてしまうのだが、そこを森宮は上手く見つけてくる。

求人情報よりもよほど頼りになるのだ。

森宮「↓1【安価】なんてどうでしょう?」
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/30(木) 00:06:06.66 ID:2ue9jebq0
小規模な(しかし裏では縁切りで有名な)神社にて、21:00頃の見回り
45 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/09/30(木) 00:24:32.68 ID:42rtNpyho

森宮「簡単に言えば夜の神社の見回りです」

霧崎「それは……またずいぶんと……キナ臭いな」

森宮「興味はあるでしょう? 詳しいことは神主から直接聞いてくださいな」


森宮には小説のことは話していない。(無論誰にも話すつもりはないが)

しかし私の資料集めやら節々の雑談から、そういうものが好きだという認識があるらしい。

その神社は小さいながらも縁結びや悪縁を絶つご利益があるという神社だ。

実際に興味を惹かれることは確かだ。そしてそういった数多の伝承や伝説が私の創作に活かされていることも確かだ。

この依頼を断れば面倒だろう。また仕事探しから始めなければならない。悠長に構えている時間も金もない。

あらゆる理由が私の中で正当化されていく。

ちなみに報酬は……

01〜30 3日程度なら生きられる
31〜60 1週間は大丈夫
61〜90 かなり切り詰めれば1か月は大丈夫だろう
91〜00 1年…?
↓2 【コンマ】
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/30(木) 00:30:17.45 ID:m1MmpS9p0
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/30(木) 00:30:55.57 ID:Fcw13aZDO
はい
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/30(木) 00:31:09.61 ID:4LUnmH6S0
49 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/09/30(木) 00:46:28.71 ID:42rtNpyho

提示された金額なら1週間は食べていけるだろう。

21時から0時まで3時間の見回り、たった1日の報酬としては高すぎるのが気にかかるが。

結局、私は森宮の提案を呑み、この仕事を受けることにした。

しかし特別なものが必要ないとはいえ、仕事はなんと今日の夜に現地集合だという。

私は嘆息したが、森宮に形式的な礼だけ言い。自宅へ戻った。

そして神社へ出発するまでの間、ひたすら文字を走らせたのだ。

この物語は続いていく。今ここで死ぬわけにはいかない。

………………
…………
……
50 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/09/30(木) 00:58:45.73 ID:42rtNpyho

うーん、書くスピードを早くしていかなくては……。

霧崎の目的がはっきりしてきましたのでこれがお話の軸になります。
つまり【道半ばで死なずに作品を完結させる】ことが目的です。
どういうことかというと、おそらく彼はこの後神社で死にかけるということです。
それも安価とコンマ次第ですが伝奇物の文芸家自らが伝奇に巻き込まれていきそうですね。

本日はここまでです。ありがとうございました。
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/30(木) 01:32:24.22 ID:2ue9jebq0
1週間生きられる、が食費だけの事なら時給2000円程度、丑の刻参りの多い所なら妥当ではある
さてさて楽しみな事よ
52 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/01(金) 00:07:12.30 ID:MUPNJ/ZYo

――日も沈み、あたりがすっかり暗くなった頃。私は約束の場所へ時間通りに到着していた。

暗く、車通りの少ないところで、それに比例して人通りも少なくなっている。


霧崎 (森宮の話では階段の下で待っていればいいはずだが……)

??? 「失礼、あなたは……」

霧崎「ん?」

1〜60  「森宮さんの紹介でいらっしゃった方ですか?」
61〜90 「縁切りに興味がお有りで?」
91〜00 「『ニンゲン』かな?」


↓1【コンマ】
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/01(金) 00:13:01.36 ID:b52duj+Uo
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/01(金) 00:13:09.08 ID:OnKA4uUY0
55 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/01(金) 00:22:19.29 ID:MUPNJ/ZYo

神主「森宮さんの紹介でいらっしゃった方ですか?」

霧崎「あぁ……はい。霧崎です」

霧崎(若いな……二十歳そこそこに見えるぞ)

神主「今回は引き受けて下さってありがとうございます」

霧崎「いえ……仕事ですから」

神主「では早速境内を回りながら説明させていただきますのでついてきてください」


そういうと神主の男はスタスタと階段を昇っていく。私も遅れぬよう後を追った。
56 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/01(金) 00:39:11.49 ID:MUPNJ/ZYo
神主「この神社は基本的には24時間、境内の出入りは自由になっています」


この神社には縁結びや悪縁を絶つ等、縁にちなんだご利益がある。

しかし神主の説明ではここ最近、夜中にこっそりと縁切りの儀式を行うものが後を絶たないようだ。

いわゆる『丑の刻参り』である。


神主「私としては例え神聖な場所であろうとも、人が行うことなどに興味はありませんし何も言いますまい」


極端な話、野球をしようが、賽銭を盗もうが至極どうでもいいことだと神主はのたまう。

ただこの男はどうも草木が好きらしく、儀式のために草木へいたずらに釘などを撃ち込まれるのは我慢ならないらしい。
57 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/01(金) 01:05:09.44 ID:MUPNJ/ZYo
神主「本来であれば警備会社などに依頼するのが筋なのでしょうがそれも難しく……」

霧崎「何が難しいんだ?」

神主「主神の機嫌が悪くなるのです。……半分は冗談ですよ?」


神主は笑ったが、半分は真実らしい。

以前警備会社に依頼したところ、極端な頻度で監視カメラが故障し見回りの警備員の事故が相次いだ。

それ以来、警備会社には頼みづらくなっているという。


神主「制服が好きではないんですかねぇ」


神主は随分とのん気だ。境内で何をしようと興味はないなどとのたまう方がよほど罰当たりにも思えるが。

その後、各ポイントを回って鳥居の前まで戻ってきた。

あとはここからしばらく見回りを続けて、引継ぎの人間と交代すればいいらしい。


神主「この時間だけどうしても都合がつかなかったんです。助かりますよ」

霧崎「念のために伺いたいのだが、見回りの際本当に丑の刻参りをしている奴を見つけたらどうする? 捕まえるのか?」

神主「そこまでしなくて結構です。暗がりから大声でも出せば驚いて逃げ出すでしょう。そもそも見つかってはいけない儀式ですから神経過敏になっているでしょうし」

神主「見回りを始めてからそういう人たちも、うんと少なくなりましたからね。しばらく続ければまた前のように静かな神社に戻るでしょう」


最後に『ではよろしくお願いします』と言って神主は去っていった。

私の手には懐中電灯が1本。ただの見回りなら十分な明るさを保っている。

それに静かでひんやりとした空気は物事を考えるのによさそうだ。話の展開を決めるにはうってつけの夜ではないか。
58 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/01(金) 01:08:19.23 ID:MUPNJ/ZYo
私は再び神主と歩いたルートを周り始めた……。

………………
…………
……
59 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/01(金) 01:12:37.67 ID:MUPNJ/ZYo
毎度短いけど本日ここまで。ありがとうございました。
最後に安価取りつつ終了です。
出揃ったら全てを選択肢にしてコンマで展開を決定します。

――この後、霧崎に何が起こるか? ↓【再開するまで】
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/01(金) 01:18:00.27 ID:WjHbsCm50
あんまりにも現実味のない雰囲気の少女と遭遇する
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/01(金) 01:38:39.23 ID:jXYsRHht0
錆びた質感のザリガニのようなサソリのような「両手がハサミ」のものが、ゆっくり空を飛んでいるのを見る
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/01(金) 02:47:12.90 ID:5P3guDjYO
自身の写真が貼られた藁人形が木に打ち付けられているのを発見してしまう
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/01(金) 06:31:08.51 ID:mpUnH6Me0
首吊り死体を見つけ、その死体に話しかけられる
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/01(金) 16:37:09.98 ID:6kPV+hwb0
正気を失った様子の男に追われている女性が助けを求めてくる
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/01(金) 17:35:25.81 ID:bjOa+bNTO
腹痛に襲われてとてもトイレに行きたくなる
66 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/02(土) 00:00:51.52 ID:byp56/SDo
>>60-65まで

6等分して余りは全部乗せ

01〜16 あんまりにも現実味のない雰囲気の少女と遭遇する
17〜32 錆びた質感のザリガニのようなサソリのような「両手がハサミ」のものが、ゆっくり空を飛んでいるのを見る
33〜48 自身の写真が貼られた藁人形が木に打ち付けられているのを発見してしまう
49〜64 首吊り死体を見つけ、その死体に話しかけられる
65〜80 正気を失った様子の男に追われている女性が助けを求めてくる
81〜96 腹痛に襲われてとてもトイレに行きたくなる
97〜00 全部

↓2【コンマ】
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/02(土) 00:03:30.44 ID:CYR9aZ3QO
ksk
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/02(土) 00:04:46.11 ID:/dWiRX/k0
69 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/02(土) 00:25:06.70 ID:byp56/SDo

――長い時間ではなかった。それこそ神主と別れて20分も経っていないはずだ。

霧崎(誰かいる……)


私は念のためにライトを消し、獲物を待つハンターのように身をかがめた。


――思えば、そう思うこと自体が既におかしかった。

私が神主に聞いたように、仮に丑の刻参りをしている人間が実際にいたとしても己の存在を隠す必要などどこにもない。

あえてそうしたのは無意識の危機感からか、もしくは見えざるものの力に引き寄せられていたからなのか。

程なくして私は己の直感が正しかったことを認識する。確かに人はいたのだ。


霧崎(…………っ)


それは少女だった。ライトはつけていない。少女が光源を持っているわけでもない。

他に明かりはなかった。ただはっきりとそれは少女とわかった。
70 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/02(土) 00:34:02.41 ID:byp56/SDo
……厳密には少女が光源を持っていないというのには語弊がある。

なぜなら――目の当たりにしている少女それ自体が光っていたのだ。

うすぼんやりと、儚い蛍のように少女は光っていた。

息を?む。目を奪われる。

そしてうかつだったのは小枝か何かを踏んづけて音を鳴らしてしまったことに今の今まで気づかなかったことだ。


少女「!」

霧崎(気づかれた!)


――少女の行動。もしくはどんな言葉を発したか?

↓2 【安価】
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/02(土) 00:37:45.92 ID:/dWiRX/k0
ksk
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/02(土) 00:38:39.29 ID:2xSqXlPDO
怯え出してオドオドしている
73 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/02(土) 00:47:15.97 ID:byp56/SDo
少女「あ……うぁ……」

霧崎(あれは……怯えているのだろうか?)


心なしか光量も小さくなったような気がする。


霧崎(どうする……?)

1.声をかける
2.逃げる
3.追い払う

↓3まで多数決 同数でコンマ判定
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/02(土) 01:12:36.77 ID:CYR9aZ3QO
1
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/02(土) 01:13:20.26 ID:iwCvRTjy0
2
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/02(土) 01:49:12.67 ID:L6WAn+0q0
1
77 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/02(土) 09:40:39.64 ID:byp56/SDo
寝落ちしたので更新はまた次回。
今日は更新ありません。気長にお待ちください。
―――――――――――――――

霧崎(声をかけてみるか……?)

霧崎「↓10まで【安価の後コンマ】」
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/02(土) 14:51:50.87 ID:iwCvRTjy0
私はただの見回りだ。何もするつもりは無い
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/02(土) 15:00:35.67 ID:/dWiRX/k0
少なくとも君に危害を加えるつもりは無い
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/02(土) 22:24:56.96 ID:f9tukLClO
君はここで何をしているんだ?
81 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/04(月) 11:06:12.72 ID:f0EiF1kfo
>>78-80
似たような系統の発言なので全採用。
――――――――――――――――

霧崎「君はここで何をしているんだ?」

私にできたののは余りにも常識的すぎる対応だった。

むしろ社会経験などろくに持たない私にはそれ以外の方法がなかったともいえる。

少女「……ぁ」

霧崎「私はただの見回りだ。何もするつもりはないし、少なくとも君に危害を加えるつもりはない」

霧崎「もちろん君がおとなしく立ち去ってくれればの話だが」

私は冷静を装っていたが、完全に我を失っていた。無理に決まっている。

どこに体を発光させながら街を歩ける人間がいる?

いないからこの少女はこの人目につきにくい場所に隠れるようにいたのではないのか。

だがそれを考える余裕は今の私にはなかった。
82 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/04(月) 11:16:17.95 ID:f0EiF1kfo
そもそも目の前にいる少女が本当に人間なのかも怪しいところだ。

夜の神社にはよくないものも集まってくる。

目の前にいるのが妖の類であるならば私はなす術もなく喰われてしまうのではないだろうか。

怯えているように見えるが、そう油断をさせておいて隙を見せたら猛然とこちらに襲い掛かってくる可能性もある。

そんなどうにもならない無益な考察のみが私の中で反芻される。

この時点ですでに受け身の態勢だった。

結局、私は逃げ出すことも追い出すこともできずに少女の反応を待つばかりとなってしまった。
83 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/04(月) 11:24:50.71 ID:f0EiF1kfo
少女→霧崎への好感度判定と行動

01が最低値、00が最高値。

↓1【コンマ】 好感度

↓2【コンマ】行動

01〜25 襲い掛かってくる
26〜50 逃げ出す
51〜75 近づいてくる
76〜95 しゃべりだす
96〜00 「やっと……会えた」
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/04(月) 11:33:45.92 ID:mrnythcDO
はい
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/04(月) 13:04:01.97 ID:hLGa4QSk0
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/04(月) 13:12:01.11 ID:pC2hhfuT0
どういう事なのwwww
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/04(月) 19:15:21.60 ID:68gzmv88o
跳ねスギィ!
88 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/05(火) 00:30:24.76 ID:aOrauFYRo
帰ってきたらすごいことになってた。
89 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/05(火) 00:46:20.33 ID:aOrauFYRo
少女→霧崎への好感度 92
――――――――――――――――

少女「やっと……会えた……」ドサッ

少女はフラフラとおぼつかない足取りでこちらに2,3歩寄ってきたかと思うとそのまま地面に倒れこんだ。

霧崎「おい!」

先ほどまであれほど逡巡してたにもかかわらず、私は迷いなくライトを点けて少女に駆け寄った。

私が特別お人よしというわけではない。例えば往来激しい街中で誰かが倒れたならほとんどの人間は何もしないだろう。

ただ自分以外に人がいない状況でこうなれば、ほとんどの人間がこうするに違いない。

つまりこれは人間に刻まれた本能的な行動でしかない。きっとそうなのだ。

少女の発光はその命と同期しているように一層弱々しいものになっていた。

ただ息はしている。脈や鼓動も感じられる。

病気やけがではなく、疲れ果てて衰弱しているというのが素人目の判断だ。
90 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/05(火) 00:56:42.10 ID:aOrauFYRo
霧崎(さて、この娘……一体どうするか)

霧崎(引継ぎの時間まではまだまだある)

霧崎(かといってこのまま放置するのも得策とは言えない……)

霧崎(しかしこの針の穴にも劣るちっぽけな罪悪感のみで食い扶持を潰すわけにもいかん)


救急車を呼ぼうにも携帯電話などは持っていない。そもそもこの神社にだって何も持たずに歩いてきたのだ。


霧崎(全く厄介なことになったぞ……)
91 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/05(火) 01:05:08.08 ID:aOrauFYRo
一体どうすればいいのか皆目見当もつかない。

なにか妙案を思いつければいいのだが……。

↓3まで【安価】の後【コンマ】判定
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/05(火) 02:05:45.43 ID:dvKe6k+v0
神頼みというのも馬鹿らしいが、発光している存在を自力でどうにかする方法も予想つかないし、境内に背負っていく
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/05(火) 15:22:40.36 ID:KoRCZM5GO
自分の血を飲ませてみる
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/05(火) 17:06:32.67 ID:SSL4DPTt0
神主なら何か知っているかもしれないので神主に見てもらう
95 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/06(水) 00:29:26.17 ID:hFwyjYiKo
本日21:00より再開予定。
霧崎の行動からスタート。選択肢は>>92-94
構想上、それぞれの選択はこんな感じに影響していきます。ご期待ください。

@神頼みというのも馬鹿らしいが、発光している存在を自力でどうにかする方法も予想つかないし、境内に背負っていく 【危険度:中】
A自分の血を飲ませてみる 【危険度:低】
B神主なら何か知っているかもしれないので神主に見てもらう 【危険度:高】
96 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/06(水) 21:03:39.96 ID:yvFjtoPxo
霧崎(どうする……?)

安価を3等分。余りはクリティカル扱いで。

01〜33 神頼みというのも馬鹿らしいが、発光している存在を自力でどうにかする方法も予想つかないし、境内に背負っていく 【危険度:中】
34〜67 自分の血を飲ませてみる 【危険度:低】
68〜99 神主なら何か知っているかもしれないので神主に見てもらう 【危険度:高】
   00 神『そこの男……聞こえているか?』

↓1【コンマ】
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/06(水) 21:05:25.11 ID:Qr3gpzln0
98 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/06(水) 21:15:42.50 ID:yvFjtoPxo
霧崎「仕方あるまい……」

結局どちらも捨てきれずに私は少女を背負って巡回を続けることにした。

少し時間を置けば、やはり先ほどの見立ては正しかったようで疲れ果てて眠っていただけのようだ。

背負うのには難儀したが少女が無意識に手をまわしてくれたおかげで何とか背負えることができた。

あぁ、体の節々が痛い。

さすがに2時間背負うことはできないだろうが、休み休みいこう。

誰に見られるわけでもない仕事だ。何周かすれば問題もあるまい。

↓1【コンマ】
何か良くないことが起き……

01〜70 る
71〜00 ない
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/06(水) 21:16:09.42 ID:YFskhYYwO
ru
100 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/06(水) 21:28:38.38 ID:yvFjtoPxo
霧崎「はぁ……ひぃ……」

実に情けないことだ。嘆かわしい。己の老いがこれほど憎いことはない。

肉体労働をしてこなかったわけではないが、人一人背負って歩き続けるのがこれほど辛いものだったとは。

使う筋肉が違うのだろうか? 肉体への疲労度が全く違う。

体力など最初の30分で尽き果てた。

あとは全て気力――執筆の参考になる良い経験だと半ば慰めのような鼓舞しかできなかったが。

そもそも少女を背負った時点で、この後交代の人員と引き継がなければいけないのを失念していた。

仮に少女の意識が戻ったとして、この状況をどう説明すればいいのだろうか?

交代の人間に救急車でも呼んでもらおうか?

どうなるにせよ、面倒なことになるのは間違いない。

本来ならため息の1つでも出るところだが、そんな余裕はない。

ひどく荒い呼吸に紛れ、夜の闇に消えていった。
101 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/06(水) 21:36:17.03 ID:yvFjtoPxo
ガサッ……

霧崎「!」

霧崎(おい……なんだ……?)

霧崎(これ以上の面倒は勘弁してくれ……)

何とか少女を地面に横たわらせ、ライトを構えなおす。

息が整うまでにはまだしばらくかかりそうだ。

――そしてそれは茂みを掻きわけるようにやってきた。


それ ↓2【コンマ】

01〜25 様子のおかしい野良犬
26〜50 様子のおかしい人間
51〜75 様子のおかしい神主
76〜95 異形のモノ
96〜00 「やっと……見つけた」
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/06(水) 21:38:39.79 ID:Qr3gpzln0
てや
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/06(水) 21:50:58.49 ID:MAxBWqVDO
はい
104 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/06(水) 22:01:08.61 ID:yvFjtoPxo
女「ウゥ……」

ライトを当て、茂みから出てきたのは女だった。

ただ明らかに様子がおかしい。ライトに照らされているにもかかわらず、その目の焦点は虚空を見つめていた。

霧崎「また女か……」

思わず独りごつ。

疲れて余計な思考ができなかったからか。

それとも少女との邂逅ですでに現実感を喪失していたのか。

――女の手に握られた大きな杭とカナヅチに対して私は大して動揺もしなかった。
105 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/06(水) 22:12:09.71 ID:yvFjtoPxo
推測しなくても丑の刻参りにやってきたお客さんだろう。

精神を患っているのか、それとも儀式に失敗した代償か。

ゾンビのようにふらふらと。手には凶器を携えてこちらに向かってくる。

この時、私に多少の油断があったことは否めない。

向かってくる女の線は細いし、疲労困憊とはいえ場合によっては逃げることも

いや、襲われるということさえわかっていれば戦っても負けはしないという算段だった
106 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/06(水) 22:31:49.29 ID:yvFjtoPxo
――だから隙を突かれた。

私が女と相対し、何があってもいいように早く息を整えようと深く息を吸おうとした瞬間

女「……シッ!」

女はそれまでの動きは演技だったといわんばかりの素早さでカナヅチを投擲してきた!

霧崎「うおッ!?」

私の頭をめがけて正確に飛来するカナヅチ。とっさに右手でカナヅチを払う。

持っていた懐中電灯に当たったのは幸運でもあり不幸でもあった。

直撃していれば右手はしばらく使い物にならなかったかもしれない。

しかし引き換えに光を失った。当然ながら懐中電灯が割れてしまったのだ。
107 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/06(水) 22:46:49.43 ID:yvFjtoPxo
女はその一瞬で私との間合いを詰めると、全体重を乗せて私に飛びかかってきた!

霧崎「うっ!?」

避けること叶わず、私は地面に押し倒された。

女は間髪入れずに両手へと持ち直したバカでかい杭を私の喉元めがけて振り降ろす!

私も必死に女の腕をつかんで抵抗する!

火事場の馬鹿力という言葉があるが、老いの前には嘘っぱちのようだ。

というよりもこの女の力が尋常ではないのか……!
108 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/06(水) 22:53:37.26 ID:yvFjtoPxo
ジリジリと喉元に杭が迫ってくる。

霧崎(どうにもならないのかっ……!?)


女と霧崎の対抗コンマ
計算後、数字の大きい方が勝利

↓1【コンマ】      女の数値
↓2【コンマ】−20   霧崎の数値
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/06(水) 22:54:41.62 ID:zLLMtXvc0
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/06(水) 22:55:14.83 ID:MAxBWqVDO
はい
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/06(水) 22:55:52.02 ID:5htvXa7q0
めちゃ惜しい
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/06(水) 23:01:49.76 ID:Qr3gpzln0
すげえ勝った
113 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/06(水) 23:06:00.95 ID:yvFjtoPxo
女  62
霧崎 83-20→63
霧崎の勝利
――――――――――

それは紙一重の攻防だった。

少女「ぅ……」

女「!」

偶然にも少女の喉からでた声に女が一瞬だけ反応したのだ。

そちらに意識がとられた、そのわずかな一瞬を今度はこちらが見逃さなかった。

先ほどはないと思っていた火事場の馬鹿力を今こそ使うとき!

霧崎「うおおおおおおおっ!」

咆哮を上げ女を力任せにひっくり返す!
114 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/06(水) 23:16:47.98 ID:yvFjtoPxo
――ここで私が書く小説の主人公であれば華麗に反撃もできただろうが、もはやそこまでの体力は私に残されていない。

女をひっくり返したのはいいものの、とにかくそこから距離をとって呼吸を整えなおすので精一杯だった。

女はさきほどのゆっくりとした動きに戻り、私の方を睨んでいる。

境内はもはや光の届かぬ空間だが気配でわかる。死の淵に経つと夜目も聞くようになるらしい。

女は私の弱り具合を観察するようにジッと動かない。

私は何もないよりはマシかとさらに息を整えながら足元にある砂を握りこんだ。
115 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/06(水) 23:26:42.10 ID:yvFjtoPxo
――しかし突然女は踵を返した。

霧崎(……?)

突然の出来事に戸惑うが、女の向かう先には少女がいる。

そして女は再び杭を力強く握りしめた。

女の意図はわからないが、この後どうなるかはわかる……!

霧崎「待て!」

私は女に砂を投げつけるが女は意にも介さない。

霧崎「クソッ!」
116 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/06(水) 23:41:44.80 ID:yvFjtoPxo
「うおおおおおおおおおおおおおああああああぁぁぁ!!!!!」

……
…………
………………

――その後の記憶は曖昧だ。

女ともみ合った気もするし、案外あっさりと決着がついた気もする。

無我夢中で自分でもどんなことをしたのか……。

確かなことはあの一瞬。私の学生時代から今に至るまでの時間に比べれば一瞬だろう。

あの女との闘いの最中、私は初めて自分の小説について考えるのを忘れていたのだ。

そして自分の小説を完成させるよりも、少女をかばうことを選んだのだ。

『守る』ではなく『かばう』だ。

残念ながらかばうことで精一杯だった。

最後はせめて少女が傷つけられないように、その可能性をわずかでも減らすために私は少女に覆いかぶさった。

それだけははっきりしている。

そして背中に経験したことのない熱さを感じながら、私の意識は途絶えていった……。

………………
…………
……
117 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/06(水) 23:46:16.16 ID:yvFjtoPxo
―――――――――――――――――――――――
履歴書追加項目

霧崎壮一

△△年 ●月×日

神社の警備中、身元不明の女性に襲われ【死亡】。
―――――――――――――――――――――――
118 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/06(水) 23:51:09.14 ID:yvFjtoPxo
……
…………
………………

チュンチュン

霧崎「……朝か」

また意識をなくしてしまっていたらしい。

最近では徹夜をすることもままならない。

調子の良い体ではないのだから養生しなければとは思いつつ起き上がる。

妙なことだがいつもなら体の軋みがあるのにそれがない。

もっとも、老いが進みすぎてそれすら感じないのかもしれないが。

軽く自嘲してしまう。
119 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/06(水) 23:57:39.78 ID:yvFjtoPxo
体が正常なことに異常を感じてしまうとはなんとも皮肉な話だ。

しかしそれだけにはとどまらない。次に異常を感じたのは視覚、次いで嗅覚だった。

はて、私の部屋はこんなにこざっぱりしていただろうか?

この畳の感じや寝具の心地は間違いなく自分の部屋のものだ。

ただ散らかしっぱなしにしていた資料などが見当たらない。ごみどころか塵1つ見つかりそうにない。

それに鼻は懐かしくも芳しい、美味そうな匂いが漂っている。
120 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/07(木) 00:31:23.17 ID:Ra+ffycYo
匂いのする方へ目を向けると台所に人が立っていた。どうやら飯の支度をしているらしい。

支度をしているのは少女だった。さらにいうなればそれは私がかばった少女だった。

――そこまでいくとようやく記憶が次々と蘇ってくる。

助かったのか? なぜここにいる? 給料はどうなった?

私は混乱の極地だった。

すると少女はこちらに気づいたようだ。そして笑顔で世迷言をのたまった。

少女「あっ! おはようお父さん! 今、朝ごはんができますからねっ」

霧崎「……なんだと?」

少女「朝ごはんができますぅ〜……できましたっ! 用意しちゃいますから待ってて下さい」

霧崎「そうではなく。誰が父親だと?」

少女「お父さんはお父さんです! ほら、お話しは食べながらしましょう?」

テキパキと準備を進める少女。

机に並べられたるはパックの白飯にパックのサバの味噌煮。

そして――わかめと豆腐が入った手作りの味噌汁。

疑問は尽きないが、とりあえず目の前の飯を平らげてからでも遅くはないのかもしれない。

霧崎「いや……待て待て!」

最後の理性で正気に戻る。

霧崎「一体、何者なんだお前は!」

ただ口から出る言葉は正義のヒーローに初めて遭遇した小悪党のようで。

こんなか弱い文字の羅列がもちろん目の前の狂人に通じるはずもなく。


少女「だから何度もお父さんっていっているじゃあないですか! 私は……あなたの娘です!」


そう高らかに少女は言い放ち、そして宣言するのであった。


少女「これからお父さんの面倒は全部私がみます。だから助けてください! 私はそのために1人でここまで来たんです!」


――孤独は群れでやってくる。しかし孤独を終わらせるにはたった1人いればいい。

――この日、私に娘ができた。
121 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/07(木) 00:34:37.48 ID:Ra+ffycYo
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
履歴書追加項目

霧崎壮一

△△年 ●月×日

神社の警備中、身元不明の女性に襲われ【死亡】。

備考:その後、観測不明の力により【復活】。娘を名乗る少女と共同生活が始まる。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
122 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/07(木) 00:44:38.34 ID:Ra+ffycYo
お疲れ様です。プロローグ終了といったところでしょうか。
本当であれば少女との関係性は安価やコンマで決めるつもりでしたが、
好感度があれだけ高くて意味深な台詞が出てきたら、もう私の頭ではこうするのが限界でした。

>>109-110のコンマはすごかったですね。
あそこでいったん話を区切る予定もありましたが、しっかり少女を守れたので霧崎にボーナスを追加します。

少女→霧崎の好感度 【92】+↓1【コンマ】/10 端数切捨て

次の再開までに少女の名前と霧崎の小説の主人公の名前を決めようと思います。
【少女】●● 【主人公】●● のように書いていただければそれをコンマの選択肢にさせていただきます。
本日はお付き合いいただきありがとうございました。次回の更新をお待ちください。
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/07(木) 00:45:12.99 ID:BZW/BiEZO
どや
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/07(木) 00:46:19.53 ID:hNfTIX8BO

そして早速草
125 : ◆dUKmCC1WQo [saga]:2021/10/07(木) 00:51:35.92 ID:Ra+ffycYo
100超えちゃった……。

少女→霧崎の好感度【101】

ちなみに少女の名前は霧崎姓である必要はありません。
また今後の展開がどうなるのかを書き込んでいただくのも大歓迎です。
保証はできませんが、展開に詰まったらコンマで決定するなどもあるかもしれません。
ここからどう伝説になっていくんだ……?

では改めてありがとうございました。皆様おやすみなさい。
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/10/07(木) 01:00:47.92 ID:BFzY4+dj0
【少女】炎羅(えんら) 【主人公】紫雲 鏡一(しうん きょういち)


最初からコンマ神が荒ぶっとるな
82.31 KB Speed:0.2   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)