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【艦これ】龍田「私とあの人と……愛宕と高雄、とその他」

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348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/12(火) 20:48:49.81 ID:q8XBBOG/o
お疲れ様です
349 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/12(火) 21:10:35.99 ID:tqllrbsB0

< 授狩者 >







雲龍「ぅ、…………ふぅ……おはよ」

提督「? おはようございますお姉さん」

雲龍「なんでもない。…………あれだけ注がれれば孕んでもよさそうなのにね」

提督「俺がそういう意味で不能なのかもしれないぜ? 」

雲龍「まさか。あなたみたいなクズはそういうところでだけは優秀だと相場が決まっているのよ」

提督「どこの何の相場だよ。…………もし、さ」

雲龍「ええ」

提督「俺が政略結婚させられる程度には無能だったらよかったのかもな」

雲龍「ふふ、そうね。それは今まであの手この手で逃げてきてやった自慢? 恩着せがまし過ぎていっそ愉快だわ」

提督「暴露たか。…………こんなんでも子供服とか選んでみたくはあるんだぜ? 一応それなりには」
350 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/12(火) 21:11:56.61 ID:tqllrbsB0

< 分かりやすいクズというのはふっつーに逆転無くクズなのです >







雲龍「ふふ、女の服ばかり選ばされているものね」

提督「まぁ……そうだな」

雲龍「いいのよ? そんなに孕ませてみたいんなら」

提督「あん? 」

雲龍「養育費だけ払って時々服でも贈ってあげればいいじゃない。
外で適当に見繕った人間の女相手に」

提督「悪虐非道極まってんな」

雲龍「それこそ今更。……孕ませるって征服欲物凄く満たされるんじゃない?
心に決めた相手ではなくて最初から屈服させたい格下相手だと尚更」

提督「最低にも程があるだろ……俺そういうことしそうに見える? いや、割と本気で訊きたいんだけど」
351 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/12(火) 21:13:19.47 ID:tqllrbsB0

< 妬みや僻みと笑ってさえくれないから >







雲龍「今は見えないは、今は」

提督「あのな」

雲龍「ふふ……でも、あなたのあり得た、若しくはあり得る未来の一つではあると思うわ。
そういう絵に描いたようなクズ男」

提督「はぁ」

雲龍「今なら高雄と愛宕を喪ったらとか、
少し前なら叢雲と出会っていなかったらとか、
もっと前なら親友と呼べる友人を得られなかったらとか」

提督「いやいやいや」

雲龍「よかったわね。大事に想い合える相手が沢山いて」

提督「なんなの君……一応二人で起きてまだベッドだよ? 何があってそんな攻撃的なの? 」
352 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/12(火) 21:17:43.50 ID:tqllrbsB0

< 悪口は人伝に聞くと云々 >






時雨「付き合うなら誰か、ねぇ」

あきつ丸「女所帯ということもあるが……千代田や筑摩が言っていたのであります」

時雨「どうせそれ自分の姉妹は無しで、ってレギュレーションなんだろう? 」

あきつ丸「でなければ話にならんからな」

時雨「あぁ。……いる? 君の場合は鈴谷さん無しでだよ? 」

あきつ丸「勿論いな……鹿島? 」

時雨「……鹿島さんがいなくてよかったね。真っ直ぐ振るより酷いよ今の反応」
353 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/12(火) 21:21:45.34 ID:tqllrbsB0

< 誘導尋問近似 >






あきつ丸「ま、まぁ、自分は一途なのでありますよ。この想いが消えて無くなればそこで初めて次を探せる」

時雨「詩人みたいなこと言いそうだね。全く似合わない」

あきつ丸「だろうな。……時雨殿はいるのか? 色々と前提は投げ捨てて想えそうな相手は」

時雨「鈴谷さん」

あきつ丸「…………」

時雨「ふふ……冗談だよ。君のその顔が見たかったんだ」

金剛「普段の二人を見ていなければ直球の牽制だと思うところデース」

時雨「やめてよね。僕はそんな陰湿女じゃないんだから」

金剛「同意はしておきますケドー……割と今のは性格悪いやり方だったと思うネー」
354 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/12(火) 21:22:40.24 ID:tqllrbsB0

< 金剛石への霹靂 >







時雨「まぁ……金剛は付き合うなら良い相手だと思うよ。
分かりやすく振り回してくれて、それとなく気遣ってくれて」

金剛「What???? 」

あきつ丸「珍しく全面的に褒めるな」

時雨「別に嘘で言ってるわけじゃないし実際僕が僕じゃなければ告白でもしてたかもしれないさ」

あきつ丸「ほう……」

時雨「恋人としては理想的だと思うよ。仮に結婚したとしても悪いことなんか無いと思うし」

あきつ丸「……ふむ」

金剛「何? この……えっと……怖いデース……」

時雨「はぁ……しっつれいな顔するね、君」
355 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/12(火) 21:25:32.82 ID:tqllrbsB0

< 酔いも一瞬で醒めようというもの >







あきつ丸「まぁ、自分も割と分からなくはない。
男女問わずに好かれるというのは得難い才能ではある」

時雨「そうだね。やってやれないことは無いけどそれを演じて自分にストレス与えてたら世話無いし」

あきつ丸「そう考えると金剛をさえ嫌う女がいるというのは腐り切った女もいるものでありますね」

金剛「許して……許してください……私の時雨とあきつ丸を返して。
ほら、そろそろ私を意味も無く罵倒するところネー……? 」

時雨「……」

あきつ丸「……」

金剛「……? 」

鈴谷「……たぶん物凄く変なタイミングが噛み合って本音で言ってたんだと思うよ。
鈴谷もなんか気持ち悪いくらいだけど」
356 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/12(火) 21:26:32.45 ID:tqllrbsB0

< 追い討つ >







あきつ丸「」

時雨「ふ、ふふ……傑作だね。気持ち悪いってさ」

鈴谷「や、あの、別に悪意持って言ったわけじゃない」

時雨「あぁ、悪意の無い素直な感想みたいだ」

あきつ丸「」

鈴谷「あのさ……」
357 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/12(火) 21:28:15.34 ID:tqllrbsB0

< 悪意無く誠意のみで追い詰める >







金剛「そう! そういうのが私の時雨らしい時雨デース」

時雨「ふん、いつから僕は君のものになったんだい? 」

金剛「? 仲良くなったときから時雨は時雨デース。
私の中に住んでる女の子の一人ネー」

時雨「…………大湊の女衒に弟子入りでもしてきたの?
生憎と僕はそういうの好きじゃない」

金剛「んふ、照れなくてもいいんデスヨー? 」

時雨「……」

あきつ丸「……」

鈴谷「強過ぎる……でもあきつちゃんはいつまで固まってるの? ほら、部屋行くよ? 」
358 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/12(火) 21:29:09.81 ID:tqllrbsB0

< 危機テレパス >







鹿島「はっ?! なんだか出遅れたような」

大井「あなたは突然何言い出したのよ怖いわね」

那珂「そうだね。……お風呂でいきなり北上さんに呼ばれている?! とか言い出すのと全然変わんないけど」
359 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/12(火) 21:33:27.94 ID:tqllrbsB0

< 舞台からはけた後で >






時雨「まったく……君の所為で時間いっぱいまであきつ丸を弄れなかったじゃないか」

金剛「私は時雨を弄れたから問題無いし」

時雨「ふん」

金剛「ふふ。……時間いっぱい? 」

時雨「鈴谷さんが呼びに来ただろう? そのまま部屋に連れてったし」

金剛「うん」

時雨「鈴谷さんに頼んだんだってさ、巻き髪とか色々見せてほしいって」

金剛「なるほど? 」

時雨「本当はその辺も弄ってやるつもりだったのに……あれじゃあ免疫も準備も無くやられて終わるよ」

金剛「や、そんな防御の為に弄ってやってる感出されても困りマース……」
360 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/12(火) 21:40:23.00 ID:tqllrbsB0

< ありふれたモノだから簡単に見つかるというわけではないのです >






大井「ふぅ……で? 」

鹿島「あきつ丸さん以外かぁ……うーん」

那珂「那珂ちゃんは大井かな。女子力高いし」

大井「あっそ、と言いつつ私も北上さん除いてしまうと割とあなたは安牌な気がするわ」

那珂「だよね。や、別にじゃあ付き合おっかとかそういうんじゃなくて」

大井「そうね。結局そこそこ話せて別々の趣味があって出来るだけ配慮できる相手ならいいのよ」

那珂「そういう相手って貴重なんだけどね」

大井「だから幸せって言うんじゃない」

那珂「御尤もなことでございます」
361 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/12(火) 21:42:05.55 ID:tqllrbsB0

< 絞り出してやっと >






鹿島「うーん……ぁ、香取姉ぇ……? 」

大井「……何か違うと思うけど」

那珂「……間接的に振られたような相手と姉しか考えられないって大井より酷いよある意味」
362 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/12(火) 21:43:31.20 ID:tqllrbsB0

< 素面では話せないことを話す場なの >








漣「はぁ、やれやれ。漣様を華麗にエスコートする気概も能力も無いくせに」

提督「え、いや、ヤりたくなったらふっつーに本気で誘うけど君馬鹿? 」

漣「そのヤりたくなったらってーのが来るわけないって話してんでしょーが」

提督「分かんねぇと思うけどな。別に好みだけで女の子選ばねぇし言いたくないけど俺の奔放さなんて今更だろう」

漣「ご主人様の奔放さは一応ご主人様なりの腐った指針がありますからなぁ」

提督「さてね。……で? 」

漣「はい? 」

提督「次のカード、出せば? 」

漣「んぎぎぎぎっ……」

江風「四人で大富豪してる自覚持ってくれねーかな」

叢雲「そんなの無理に決まってんでしょうが……」
363 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/12(火) 21:43:58.35 ID:tqllrbsB0

ありがとうございました
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/12(火) 22:10:08.31 ID:0Ve0puPI0
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/13(水) 12:36:38.62 ID:E4ZkojOZo
お疲れ様です
366 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/13(水) 22:51:01.77 ID:5hf1DGj60

< まだ日が登り切ってもいませんが >







提督「ふぃ……おっしごっと始めますかーっと」

高雄「ん……煙草変えたんですか? 」

提督「臭う? 」

高雄「そこまでは。でも別の臭いだったから」

提督「偶には甘いのでも吸おうかなって。気紛れ」

高雄「……そう」

提督「うん? 」

高雄「いえ……その、誰か他の女と一緒にいた残り香かと」

提督「違うよ。…………そのギュって裾握るの駄目。グッとき過ぎる」
367 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/13(水) 22:51:57.72 ID:5hf1DGj60

< 実生活より生まれ出る >







漣「漣の好きな方の作品だと妾って一人称結構見るんだけどさ」

叢雲「わらわぁ? 」

漣「あれ謙ってる言い方なんだね。どっちかというと尊大なイメージあったけど」

叢雲「まぁ……でも実質的には尊大に感じていいのかもしれないわ。
それが本当に実社会で使われていた頃の妾なんて自称使う女は位が高かったんでしょうし」

漣「頭おかしい糸目のサイコパスキャラが私って言うみたいな? 」

叢雲「知らないけどそれでいいんじゃないもう」

漣「漣もどうでもいいけど。……本題はそんなことじゃなくて最近スッと自然にメカケって読んで文脈思い出すんだよね」

叢雲「……ノーコメント」
368 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/13(水) 22:54:27.05 ID:5hf1DGj60

< 自称風評被害 >






初月「でもここの人たちはある意味では明るくて楽天的でさ、
妾って単語が孕む淫靡さとかは大分少ないと思うんだ」

叢雲「その辺は扶桑があるかどうかね」

初月「一人暮らしで落ち着いた雰囲気の一軒家に住んでいてくれたらよかったな」

漣「それはもう愛人を仕事にしてるザ・お妾さんってやつだね」






扶桑「はぁ。…………もういっそ一軒家とお手当でもねだってみようかしら」

山城「……はい? 」
369 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/13(水) 22:55:08.57 ID:5hf1DGj60

< ガチ偉人 >








叢雲「今日はあれね、この国の人間が初めてエクスプローラーズ・グランドスラムを達成した日らしいわ」

江風「エクスプロ……なンだって? 」

叢雲「エクスプローラーズ・グランドスラム。七大陸の最高峰と南極点と北極点の全てに到達すること」

江風「なるほど。……すげーなそれ」

叢雲「しかも最年少二十歳の上に女なのよね。なんなら2017年達成だから今もまだ二十代」

江風「ほえー……世の中には意味わかンないくらい凄い人もいるもンだな」

漣「まぁ、やってることの凄さって視点を少しズラすとご主人様の方がよっぽど凄いんだよなー。
全く褒めてないしその凄い人とは全く正反対の負の方だけど」

叢雲「……そうね」

江風「……あぁ」

海風「なんでもかんでもさ……今日は何の日的な話って前座だったの? 」
370 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/13(水) 22:55:59.31 ID:5hf1DGj60

< それこそ信頼の証なのですよ? >







叢雲「私はそんなつもりで喋ってない」

海風「そりゃそうだろうけど。……ていうか普通に比べるなんて失礼だよね。その人に対して」

漣「まぁ、局所的に好かれるゴキちゃんと少しでも比べられた時点で不愉快でしょうなぁ」

江風「そうだね。……よくこの為体でテートクのこと信頼してるとか愛してほしいとか宣えるよ、ホント」
371 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/13(水) 22:56:49.78 ID:5hf1DGj60

< 聞いていただけの話が実際に降りかかってくると >








提督『クッソどうでもいいんだけどな』

明石『どうせそれ私にとってだけクソどうでもいい話なんでしょうね』

提督『約束してた部屋のベッドで半裸のナースが寝乱れてるのはどうしたらいいんだろう』

明石『知りませんよそんなの……雲龍さんですか? 』

提督『いいや、聞いて驚くな。天城だったぞ』

明石『雲龍さんに上手く酔わされてハメられたんですかねぇ……ははっ』

提督『実際困る。ドア普通に閉めて出てきちゃったよ』

明石『はぁ』






瑞穂「んぅ…………ぁか、し……さん…………Zzz」

明石「マジか……マジかぁ…………確かにこれは困る。
クッソどうでもいい感じもするけど困りますね、うん」
372 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/13(水) 22:58:06.83 ID:5hf1DGj60

< スルー安定といえる >







提督「な? 実際困るだろう? 」

明石「ふっつーにドア閉めて逃げてくるところまでトレースしちゃいましたよ私」

提督「なんか逃げるよなあれ」

明石「まだパジャマとかなら普通に隣に入るんですけどね」

提督「うん」

明石「はぁ、っても自分の部屋だしなぁ……あなたは例の日どうしたんですその後」

提督「ちょっと時間置いて酒持って行って二人で飲んだよ」

明石「うーん……」

提督「ようは乖離し過ぎた二人の空気近いのに変えていってな?
どうしたいか確かめればいいだけだから小道具はなんでもいい筈だぞ」

明石「その難易度が途轍も無いと思うんですが……天城さんへのお酒みたいな特効あるものも思い付きませんしねぇ」
373 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/13(水) 22:59:40.28 ID:5hf1DGj60

< 迸る違和感 >






瑞穂「明石さんに酷いこと吹き込まないでいただけます? 無視なんてされたら泣いてしまいます」

提督「え、えぇ……」

明石「…………ナースのまま部屋出てくるって頭でも打ったんですか? 」

瑞穂「?? 」
374 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/13(水) 23:03:18.29 ID:5hf1DGj60

< だからスルー安定(要:生贄) >






瑞穂「いえ、別にこれくらいハロウィンだとか麻雀の罰ゲームでしているでしょう?
特に露出度が高いわけでもありませんし」

明石「まぁ、それたぶんこの前の罰ゲームで貰ってたやつだし見られて困るものでもないかもしれないけど」

提督「それならあれだな、雲龍がガチで用意したやつだからエロい意味でのナースじゃなくて普通にそのまま仕事できる看護師だわ」

瑞穂「ね? 何も問題がありません」

明石「……う、うぅん? 」

提督「別に酒の臭いしてるわけでもねぇしなぁ……本格的にぶっ壊れた感じもしないしどうしたものか」
375 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/13(水) 23:05:45.54 ID:5hf1DGj60

< 呼ばれた気がしたので >






瑞穂「あぁもう! ほら、行きますよ明石さん」

明石「え、えぇ……? 」

提督「いってらー。……………………誘うとかプレイとかが目的のコスプレで部屋出るってヤバくない? 」

雲龍「頭おかしいと思うわ」

提督「うん。……出てくると思ったから呟いたけど本当に湧き出るように現れたなお前」

雲龍「うん? 」
376 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/13(水) 23:06:15.63 ID:5hf1DGj60

ありがとうございました
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/13(水) 23:10:25.12 ID:jX8UTaU70
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/14(木) 13:06:32.58 ID:0jF9LsWUo
連日ありがとうございます
お疲れ様です
379 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/14(木) 22:13:52.64 ID:gSTtffqc0

< つまらないとは言わないけど楽しいとも言えない >








「フ-……ところで先輩」

提督「ん……なんだ」

「初めて会員制の店行ったのっていつです」

提督「酒の話だな? それかバー」

「女の話ですよ。……ちょっとミスりましてもう断れないところなんです。一回は利用しないとヤバい」

提督「好きな女抱いた後のクールタイムでそんな話されてもな……民間のやつからか? 」

「ええ。上官や海軍省のやつらは上手く躱してきたつもりでしたがね」

提督「フ-……ま、十年以上前、かな。年会費を勝手に払われてたよ、完全招待制で一般に受け付けてない店」

「その頃ならまぁ俺も結婚してないし嫁とも出会ってませんから嬉しかったかも」

提督「つまらないことはないぞ。頭の良い子とか趣味を指定しておけばな」

「なるほどね。…………ふぅ」

提督「避けるんなら今よりもっと辛い場面がやってくるわけだしな。……本ッ当、ダルい伝統だ」
380 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/14(木) 22:14:43.60 ID:gSTtffqc0

< 首輪って割に心地良いものなんですけどね >







「権力を持った男を囲うなら女、っていうのはつまらないとかダルいを通り越して根腐れした伝統ですよ」

提督「ご希望ならその招待主に黙っていただく方法を教授して差し上げるが」

「結構。次の債権者があんたになるだけです、それは」

提督「まぁな。……それでも俺の方がまともな首輪だと思うけどなぁ……」
381 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/14(木) 22:15:41.93 ID:gSTtffqc0

< この後も神っていくのかは知らない >







江風「まだまだ始まったばっかだけどメジャー的にはスズキがまた当たり扱いされンな」

Littorio「? 」

Roma「? 」

愛宕「朝のニュースで観たからその人は知ってるけど他のスズキって誰? 」

江風「……テートク」

提督「叢雲とか明石とかせめて天気予報のおまけでニュース観てる加賀がいるところで言え」

江風「だってその辺は合わせてくれるだけじゃン。
テートクじゃないとちゃンと分かってくれないよ」

提督「そうだな。……野球は知ってる江風くんに知らないだろうことおしえてやろうか?
俺、執務中、OK? せめて四人でお喋りしてろ間抜け」
382 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/14(木) 22:17:29.65 ID:gSTtffqc0

< 露悪的偽悪 >







Littorio「でもLittorioも野球のルールは大体覚えましたよ。流し見でも続けていれば、えーと……うん? 」

江風「あのさぁ、江風と一緒になったのは……あれ? 」

Roma「えぇ……」

愛宕「2015年8月20日。あと少しで七年」

江風「そうそんな感じ。七年も観てればそりゃあね」

Littorio「愛宕はよく覚えてますねそんな瑣末なこと」

愛宕「家族が増えた日なんて絶対に忘れないから。
……まぁこれあざと重い発言なんだけどね? 」
383 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/14(木) 22:18:32.09 ID:gSTtffqc0

< 個人的にはどちらも高得点 >







江風「審議! 」

Littorio「かなり嬉しかったので騙されておきます。肯定」

Roma「特に否定する材料も無いわね。肯定」

江風「可決! 」

愛宕「あ、そう」

江風「やったね! 」

愛宕「……何が? 」

Roma「まぁ、悪感情は無いわ。……あざといのと重いののどちらが良い意味で可決されたのかは分からないけど
384 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/14(木) 22:19:34.12 ID:gSTtffqc0

< 突き抜けたクズっぽい方がまだ >








瑞穂「ヤンデレ相手にはいっそ無理に攻めて蕩けさせるを自で行く少将閣下ですけれど」

明石「ある種の防衛本能か何か染みてますよねあれ」

瑞穂「攻めの防衛本能ですか」

明石「それでギリギリ刺されてないわけですね」

瑞穂「なるほど。……でもそんな人がいても瑞穂は明石さん一す……一す……一筋です! 」

明石「……せめて雲龍さんとか他のヒトは性欲処理とか言ってくれればよかったのに。
一筋って言って良いですから躊躇わないでくださいよ」
385 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/14(木) 22:21:16.05 ID:gSTtffqc0

< そろそろ一口くらいはね? >







旗風「大概のギャンブルはやったことあるって聞きましたけど今でもやってるのは何故競馬だけなんですか? 」

提督「うーん……動物好きだし馬って単純にカッコいいじゃん。
あと俺のなりたい職業上位に馬主がある」

叢雲「馬主って職業なの? 」

提督「じゃあ俺が是非欲しい社会的地位」

旗風「はぁ」

提督「なんだよクズ度際限無いとか思ってんのか」

旗風「あなたのクズ言動これくしょんではまだマシな方です。
……だとしても好評価とは言えませんけど」
386 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/14(木) 22:23:42.93 ID:gSTtffqc0

< 逆を言えば負の感情が勝るのは辛過ぎる >








提督「あ、そう……うーん、まぁ、そうだな」

旗風「ええ」

提督「親に牧場とか連れて行ってもらってたってのは大きいかな。
ガキの頃からお馬さん見て育った感は割とある。
あぁ、あとオートとかお舟は俺の生まれたところだと馴染みが薄い」

旗風「その純真さ保てればよかったのに」

提督「ピュア芸極めてるやつに言われるとそうかもな。
それとパチンコ辺りは単純に黙って座ってるってのがどうも無理だし音が多いとこあんま好きじゃない」

旗風「そんなものは極めてません。……競馬場も大概では? 」

提督「好きは嫌いに勝る」

叢雲「まったくね。…………ええ、好きって感情の重さ、嫌悪の根深さとそれに反しての軽さ……その通りだわ」

提督「お、おう」

旗風「叢雲ちゃんがそんな深く同意する内容は知りたくないなぁ……」
387 : ◆rIScy2rRWY [saga]:2022/04/14(木) 22:24:32.28 ID:gSTtffqc0

< 年間収支がプラスなら全てよかろうなの >







海風「あの、何で江風に地方競馬なんておしえたんです。
何故選択肢を与えてしまったんですか馬鹿なんですか? 」

提督「馬鹿です。……ほら、なんか知らねぇけどあいつ俺より見極め上手いし」

海風「確かに何故か今日もプラスでしたけど」

提督「じゃあいいじゃん。門別開幕したからついおしえたけどよかったな」

海風「よくないです」

提督「まぁ、勝った分だけここの麻雀とかカードに突っ込むもんなあいつ」

海風「そうだけどそうじゃないです。単純に続くわけないじゃないですか……」
388 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/14(木) 22:25:19.04 ID:gSTtffqc0

< シンプル本音真実罵倒 >







鹿島「あきつ丸さん、昨日は別に鈴谷さんといやらしいことしてませんよね」

あきつ丸「……は? 」

鹿島「いいですか? 私、まだ諦めてませんからね。
もし一線越えてたら私も手段選ばないですから」

あきつ丸「……?? 」

時雨「……遂に鹿島さんもぶっ壊れちゃったか」
389 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/14(木) 22:26:15.97 ID:gSTtffqc0

< モッテモテ♥︎ >







鈴谷「てーか飲んでるとしても鈴谷がいるところでそれ言う理由」

鹿島「鈴谷さんがいるからですがぁ? あきつ丸さん、渡しません」

鈴谷「んー……? 」

あきつ丸「…………」

時雨「何か取り敢えず言っときなよせめて。
……二人の内片方でも共感してくれるかは別として」
390 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/14(木) 22:27:44.54 ID:gSTtffqc0

>>378
っても好きでやってることですからね……リアルの影響で長期失踪してましたけど

ありがとうございました


391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/14(木) 22:32:12.02 ID:+Cdt1EUw0
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/15(金) 11:03:49.23 ID:PjQ6kE3mo
>>390

マイペースで投下して頂ければ十分
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/15(金) 23:22:11.98 ID:WIKxId5do
お疲れ様です
無理の無い範囲で続けてほしいです
394 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/17(日) 22:39:14.42 ID:upeqNGl50

< 禁じられる程求めたくなる云々 >







叢雲「暫くあいつに身体を許さなければ求めてくるわけだからそのときに過激なこと要求してみれば」

雲龍「私が耐えられるかどうかは置いといて……どう? 」

天城「五分五分といったところでしょうね。今更引かれるなんてことは無いでしょうけれど」

雲龍「『カリギュラ』を観なくても映画なんて沢山あるってことね」

天城「ええ」

叢雲「あ、そう……あなたたち知識的には普通にカリギュラ効果とか知ってるのね。割と頭はおかしいのに」
395 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/17(日) 22:44:40.68 ID:upeqNGl50

< 本来ならば出落ちする話 >






雲龍「そこはほら、そういう単語とか概念の好きな男が好きだから」

天城「『カリギュラ』を観させられながらおしえられましたよ天城は」

叢雲「あ、そう……それっぽいけどあれを自分の女と一緒に観れるわけ?
あのクソ男のメンタルはどんな形してんのよ頭おかしいんじゃない? 」
396 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/17(日) 22:45:21.13 ID:upeqNGl50

< ちなみに獺祭は好きです >







海風「うーん……」

江風「うン? 」

海風「ネット見ててさ」

江風「うン」

海風「洒落るって何? ダッサイ言葉だなぁ、とか思ったんだけどね」

江風「あぁ」

海風「言葉に対してダッサイとか考えたのはどうなのって上に若者言葉かも怪しい言葉にダッサイって感じたことに疑問浮かんで」

江風「うぅン? 」

海風「そもそもそんなこと考えた時点で海風がダッサイなって思ったの」

江風「……うーン? 」
397 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/17(日) 22:46:06.19 ID:upeqNGl50

< それを信じられずして生きている意味など >








涼月「ただいてくれるだけでいい、なんて私にはとても高尚過ぎて望めません」

雲龍「ふぅん……私は、それで十分だけれど。
もちろんいてくれるっていうのは物言わぬ人形が欲しいわけじゃなくて」

涼月「それはそうでしょうけど……愛情への報酬が欲しくはなりませんか、普通は」

雲龍「セックスじゃ駄目なの? それ」

涼月「それは恋愛感情への報酬でしょう。
クズ発言なのかそれとも所謂クサい発言なのかは分かりませんが私はそう思います」

雲龍「そ……要らないなんてとても言えないけれど、殊更に欲しくならないわ。
愛情というか、感情そのもの、好きになったら私はそこで、自分で完結するタイプだから」

涼月「……強いんですね」

雲龍「ええ。だって、私のことなんて心の片隅にしか住まわせてくれない男でも良いと信じた心だもの」
398 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/17(日) 22:46:36.84 ID:upeqNGl50

< ココロパリ-ン…… >








涼月「はぁ。……それでも、心の片隅にはいるんですね」

雲龍「何もかもを盲信することはできないけれど、それでも好きになった男のことだもの。
仮令それが自己暗示の類いだと謗られても、私は私の好きになった男の心を信じるわ」

涼月「…………」

雲龍「愛を信じさせてくれる相手っていうのは、そういうものよ。
時々不安にさせてくれるのはご愛嬌っていうところね」

涼月「…………」

雲龍「安心しなさい。Romaは、あなたのことを大事に思っているし、Littorioとは別の意味で愛の対象だわ」

涼月「雲龍さんの言葉を信じるのはちょっと……」

雲龍「」
399 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/17(日) 22:47:16.02 ID:upeqNGl50

< 喧嘩が始まればそれが万々歳 >







雲龍「」

涼月「えっと……」

天城「…………何をやったんです涼月さん」

葛城「雲龍姉ぇが暗い意味での愛情とかくっだらない下ネタとかの雰囲気以外で固まってる……」

涼月「冗談だったんです……あまりにも自分が惨め過ぎて軽口でもと……あぁ、ごめんなさい、私が悪いんです……私が、全部、悪いんです」

雲龍「…………え、ええ……そうね、私も軽く愛情とか言って悪かっ

天城「はぁ。……姉様、涼月さんに何を言わせたんです。天城でも仲間を傷付けられれば怒りますよ」

雲龍「ぇ…………」

天城「??…………?? 」

雲龍「…………」

葛城「ぁ……………………あーあ、しーらない。素面でヤってもいない雲龍姉ぇを素面の天城姉ぇがイジメた図とかしーらない」
400 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/17(日) 22:49:24.59 ID:upeqNGl50

< 沈黙よりも痛々しい >







雲龍「…………まぁ、これが映画や舞台なら惨劇、暗転……みたいなところね」

涼月「…………ごめんなさい」

天城「…………いっそ引っ叩いってください」

葛城「何この大惨事……さすがに私も言葉が無いよこの状況じゃあ」
401 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/17(日) 22:51:40.60 ID:upeqNGl50

< They lived happily ever after() >







提督「ブラしたまま横になって見つめてくれてるときの胸の形、好き」

愛宕「馬鹿? 」

提督「あと横に流れてる髪の形も好き」

愛宕「馬鹿? 」

提督「横転した視界で正対する女の子って不思議な可愛さだよね、好き」

愛宕「馬鹿? 」

提督「真理の探究者だよ。……ふぅ、でも結局全部好き」

愛宕「ばーか」
402 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/17(日) 22:52:17.10 ID:upeqNGl50

ありがとうございました
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/17(日) 23:43:44.50 ID:iT/HxA9T0
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/19(火) 07:25:42.40 ID:P4ZHVQU10
乙です
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/19(火) 21:22:33.36 ID:ID6VdscCo
お疲れ様です
406 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/20(水) 23:10:38.25 ID:JZ7rZJzG0

< 両方かもしくはどちらにもNoで >







提督「ふぅ……ぶっ殺されるかと思った」

叢雲「あら、いつにも増して死んだ顔してるわね」

提督「ん? あぁ、むーちゃんおはよう」

叢雲「むーちゃんではないけど、おはよう。
……疲れてんなら煙草は控えておきなさいな」

提督「や、良いセックスの後吸う煙草が俺の活力なんだよ……フゥ……」

叢雲「馬っ鹿みたい」

提督「馬鹿ですから。…………いや、でも本当ぶっ殺されるかと思ったんだよ。
それくらいこう、えーと……あー…………愛が重かったんだ」

叢雲「あっそ。……言葉選ぼうとしてその為体ってあんたの頭と夜の相手どっちに嘆けばいいわけ? 」
407 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/20(水) 23:12:29.88 ID:JZ7rZJzG0

< 餌(皿)不足 >







時雨「軍施設内にATMって普通あるものなのかな」

あきつ丸「さぁな。ここにはある、それだけでいいであります」

時雨「まぁね。……籠の鳥に与える餌としては不足している気がするけど」

あきつ丸「然もありなん、といったところだな。
籠の鳥が求めるままに与えれば肥太った挙句そのうち飛べなくなろう」

時雨「飛ぶ機会を与えられるかは別としてね。……あのさ」

あきつ丸「知らん」

時雨「……何故ATMが誤作動起こしたくらいで化け物女が雁首並べて叫んでるんだろうか」

あきつ丸「…………知らん」
408 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/20(水) 23:13:11.34 ID:JZ7rZJzG0

< でもなんというか取り敢えずは楽しい >







叢雲「で、あれでしょう? どうせ高雄でしょう? 」

提督「よく分かったな。昨日はむーちゃん早めに部屋戻ってたのに」

叢雲「一番気遣って長生きさせようとしてるようであんたのことなんて何にも考えないようなのはあれが筆頭でしょうが」

提督「悪意あり過ぎか。……まぁでも、なんだ、むーちゃん」

叢雲「だからむーちゃんじゃない」

提督「はいはい。…………我ながらテッペン近くまで昂った高雄の目に射抜かれて俺ってよく正気保ってるなとは思うよ」

叢雲「はぁ。…………あんたそれ、何が楽しくてヤってるわけ? 」

提督「さぁ? 」
409 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/20(水) 23:13:46.00 ID:JZ7rZJzG0

< 小心者民族と言うべきか規律正しいと言うべきか >







鈴谷「別にお金なんか無くたって取り敢えず生きていられるのにね」

あきつ丸「そういうことでは無いと思うが、そうだな」

時雨「わざわざATMまで来てそれが壊れてるんじゃあ化け物の理性が保たないのかな? 」

浜風「いえいえ……それでも一時の激情ってあるものでしょう」

時雨「そりゃそうだけど」

浜風「かくいう私も一応お金を下ろしに来たわけなんですけどね」

あきつ丸「なるほど。…………誰も散らばった紙幣に目もくれず金が下ろせないと叫ぶのは何か、怖いであります」
410 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/20(水) 23:14:22.94 ID:JZ7rZJzG0

< 誰までかは聞きたくもない >








提督「つーかな、お前ら全員戦場で昂ったら瞳が光ったり目元から綺麗な燐光放ち始めるじゃん」

叢雲「虚数空間がどうたら精神感応兵器故の想いの強さがどうたらってやつね」

提督「あれを素でベッド上る前から出せるんだぜあいつら。普通に怖いわ」

叢雲「狂気に片足どころか両肩まで浸かってるじゃない……というか、“ あいつら ”なのね」
411 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/20(水) 23:15:26.86 ID:JZ7rZJzG0

< オチないというオチということでここは一つ >







時雨「まぁ、お札なんて薄汚いやつらの手垢に塗れてるからね。
皆できることなら新札がいいんじゃないの」

あきつ丸「何かの映画で札なんてものは麻薬中毒者とストリッパーの汗に塗れているなどと言っていたな」

時雨「滅茶苦茶B級っぽいセリフだね」

あきつ丸「そうだな」

時雨「大湊の女衒か速吸さんか、ってところだね観てたのは」

鈴谷「っても実際鈴谷も普通に新札の方がいいけど」

時雨「まぁね」

あきつ丸「そうでありますね」

浜風「お金はお金だと思いますが」

若葉「どちらも間違ってはいないな」

時雨「……」

あきつ丸「……」

浜風「……」

鈴谷「……あれ? オチは? 」

若葉「う、うぅん……? 何を言いたいのか分からない」
412 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/20(水) 23:16:05.85 ID:JZ7rZJzG0

< 美化凄まじい味 >







提督「ふへぇ……テンション下がるぅ」

愛宕「? 面倒な案件なんてあった? 」

提督「や、友達とよく行ってた中華屋が廃業したんだってよ。
人生であと一回くらいは行っておきたかったのに」

愛宕「ふぅん? 」

提督「町中華ってのはこう、うん、実に思い出化しやすいものでさ」

愛宕「よく分からないわねぇ〜」

提督「分かれとは言わないよ。…………嗚呼、我が青春の麻婆拉麺セット」

愛宕「うぅん……? 」
413 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/20(水) 23:17:00.40 ID:JZ7rZJzG0

< しんみりと青春の解釈違い >







高雄「犯人が分かりましたよ。犯人というか犯店ですが」

提督「あん? 」

高雄「あなた時々麻婆豆腐が食べたいラーメンが食べたい青椒肉絲が食べたいって唐突に言うでしょう」

提督「あぁ……そうかも。あの味が染み付いてるのかもしれないね」

高雄「別に悪いことではありませんけど」

愛宕「想い出の味っていいわよねぇ〜」

提督「うん。…………あ、犯店ってのは飯店と掛けた高度な駄洒落だな? 」

高雄「…………」

愛宕「…………」
414 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/20(水) 23:17:44.62 ID:JZ7rZJzG0

< 自分も化け物と呼べるのかな、なんて >








提督「俺が博多のラーメン屋で目撃されたらしいぞ」

明石「はい? 」

提督「いや、まぁ、単に似てるやつを友達が見たってだけなんだけど」

明石「世の中に三人だか五人だか十人だかいるんでしたっけ、似てる人」

提督「結局何人なのかハッキリしねぇけどそうらしいな」

明石「実際は結構いそうですけどね。……私たちにもいるのかな」

提督「お前が生み出そうとしてるんだろう? 」

明石「それは似てるヒトではなくて全く同じヒトですよ。
正確には姿形が全く同じで記憶が違う化け物ですけど」

提督「化け物ではないと思うが」

明石「姿形が全く同じ存在なんて化け物以外無いでしょ? 」

提督「どうかな。……博多にいたやつが俺と全く同じ存在なら面白いのに」
415 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/20(水) 23:19:34.05 ID:JZ7rZJzG0

< 自由であるということ >






明石「そんなの全く面白くないですよ、馬鹿」

提督「あん? 」

明石「完全フリーで民間人のあなたとかここのあなた要らないじゃないですか」

提督「……」

明石「……」

提督「…………」

明石「…………」

提督「……………………そうだな、うん。俺要らねぇわそれ」
416 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/20(水) 23:20:58.98 ID:JZ7rZJzG0

< 御奉仕という名のそれを苦悦という >








葛城「雲龍姉ぇって本気出したら何時間ヤってららるんだろうね」

天城「さぁ……案外とお腹が空いた、なんて言って中断するかも」

葛城「それを越えて、なんて簡単にやらかしそうじゃない? 」

天城「まぁ……天城のいる寝台での姉様はもしかするとお遊びなのかもしれませんけど、どうでしょうね」

葛城「あれで中々ここだとヒーリングタイプらしいんだよねぇ……」







高雄「……何か責められている気がしますね」

山城「こっち見ないでくれるかしら」

扶桑「…………甚だ納得がいかないわ。こっち側に入れられるなんて」
417 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/20(水) 23:23:12.56 ID:JZ7rZJzG0

< 癒されるという意味でもなく >






愛宕「うーん……言いたいことは分からないでもないけど私がヒーリング? タイプでいいの? 」

明石「消去法では? 」

海風「明石さんと私が体力負けテク負けで楽なんだとしたら愛宕さんがオンリーワンなのでは? 」

愛宕「なるほど。…………あんまり嬉しくないんだけどもしかしてこれが私の夜の個性だと思われてるのかしら」
418 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/20(水) 23:23:42.38 ID:JZ7rZJzG0

< 流れに乗られると取り戻せない >








葛城「ま、あれでこいぬちっくな乙女ちゃんなときも多いらしいし?
下品な言動って寝台の上ではあんまりしないのかな」

天城「あれをされたいこれをやられたいとは言いますけどね、
姉様の身体は綺麗過ぎて下品な部分がありませんから」

葛城「う、うぅん? 」

加賀「随分と微妙なラインの話を……葛城も簡単に言葉に詰まらないでほしいわ」
419 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/20(水) 23:24:50.00 ID:JZ7rZJzG0

< 何もかも世話をしている自慢かもしれなくも無い >








葛城「えー、いや、でも実際雲龍姉ぇの身体って綺麗だと思うし。
身長高いからか無駄な肉が少なく見えるし変に脈打ったりとか下品感は無いかなって」

加賀「それなら私が下品な身体をしているとでもいうのかしらあなた」

葛城「そうじゃなくてね、うーん……」

天城「いいじゃないですか、綺麗なものはただ綺麗だということで」






雲龍「……怖いんだけど、私って昨日の夜天城に何かしてた? 」

海風「そんな穿ち過ぎた見方しなくても……確かに恐ろしい暴走だとは思いますけど」
420 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/20(水) 23:25:17.64 ID:JZ7rZJzG0

ありがとうございました
421 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/20(水) 23:27:20.31 ID:kGLUYieQ0
422 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/21(木) 23:28:47.49 ID:1M9RvyMU0

< れっつはいきんぐ! >







「巫山戯た……ええ、途轍も無く巫山戯たことを言うものね」

提督「ふふん、君はいつから上位者に居丈高な文句を言える立場になったのかね、__くん」

「これはこれは失礼致しました帝国海軍随一の守戦将校にして帝国有数の女衒たる__少将閣下。
軍需局の中佐風情が行き過ぎた暴言を」

提督「靴を舐めろとでも言うべきかい俺は」

「舐めろと言われれば、ふふ」

提督「靴底の裏で跳梁してくれるのかな」

「或いは夫が望むのなら、彼の為にならば」

提督「ご馳走様。…………ふぅ、いい? 」

「ええ、寧ろ私の前でよく同意なんて求めたものね」

提督「礼儀というかまぁ敬する相手への通例みたいなものだよ、フゥ…………。
同期の中で君だけだ、負けた男の山と灰皿に芸術的な山の両方を築く女の子は」
423 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/21(木) 23:31:40.57 ID:1M9RvyMU0

< 戯言も真心さえあれば >







「ハン……私のことさえ女の子扱いする馬鹿は同期の中で二人しかいないわ」

提督「同期の桜の中で本物の桜を見つけたのは君の夫だけだから実質それは一人じゃないか。
俺は君にそういう意味で興味は無いし君の方こそ余程無いだろう」

「家桜なんて柄でもないけれど……そうね。
あなたの魅力を感じ取れる能力はあるけどそれは好みじゃない」

提督「嬉しいことを言ってくれる。君に僅かばかりでも男として認識されていること程の誉れはそう無い」

「クソが…………まったくあなた程男としての魅力に溢れた男はいないでしょうよ。
女を何人も囲って納得とはいかずとも御せているのだから」

提督「嗚呼何というお言葉。海軍省随一の麗しき才媛たる__殿が口にしていい言葉とは到底思えませんよ、おfuckなどと」

「自分の夫を無理矢理fuckしたビッチにはお似合いの言葉でございますからねぇ……はぁ」

提督「愛ってそういうことだと思うけどね。……ほら、火。燐の匂いじゃなくて申し訳無いが」

「フゥ……どうも。……そんなもの、要らないんだけどね。目の前の人間があなたみたいなクズじゃあ、なければ」
424 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/21(木) 23:33:56.82 ID:1M9RvyMU0

< 舌が滑る >







「大体、私を下に置いていて今でも軍人なのは銀時計のキチガイとあなた、それから呉のゴミだけでしょうが」

提督「海軍省の眼鏡は入らねぇのか」

「あいつはあなたとゴミの友人だからそこにいるのよ。
芯が曖昧な代わりに友と認めた相手に全て尽くす男だから」

提督「まぁ、そうかな」

「或いは、打算で言えばあなたかゴミのどちらかが生き残ればそれで次官まで行けると踏んだ男だけれど」

提督「違い無い。本人もそう言ってたからな」

「でしょうね。そういうところが嫌われないでいて且つ本命には好かれる所以」

提督「君も好きかい、あいつ」

「ええ。夫があの人じゃなければそっちに跨っていたでしょうよ」

提督「それはそれは。……俺は? 」

「あなたを一番に見てあなたには一番にされない女で妥協できる女じゃないのよ私は。
……何か、文句があって? 」

提督「御座いませんとも。ええ……それは俺が一番分かっておりますとも」
425 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/21(木) 23:37:22.36 ID:1M9RvyMU0

< 言葉遊びが生き甲斐なのです >







「まったく……あなたといると戯言しか吐けなくて困る」

提督「俺は困ってないよ。雑談の為に君が呼んでくれたのならこれ程嬉しいことも無い」

「クソが。…………気を付けなさい」

提督「あん? 」

「あなたを狙ってる馬鹿がいるのよ。私に了解まで取り付けに来たわ」

提督「それはそれは……それはそれはとしか言いようが無いね」

「ええ。…………同期の桜、大切にしたいのよ」

提督「夫の為に? 」

「全ては、そう。……これであなたに媚びてるって言える? 」

提督「半々かな。…………忠告、痛み入っちゃうよ、まったく」
426 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/21(木) 23:40:32.97 ID:1M9RvyMU0

< 桜、咲けよと >






「まぁ……でも、そうね、あなたみたいな歴史オタク崩れの好みで言うと」

提督「ええ、何でございましょう姐御」

「吐き気がする呼び方をするな。……フゥ、どこぞの髭伍長や太平天国の間抜けみたいなやつよ」

提督「美大に落ちたのか科挙に落ちたのかでもしたので? 」

「海兵の席次に納得がいってないのよあれ」

提督「アホかな? 」

「アホなのよ。……よかったわね、私もあなたもゴミもついでに未来の次官殿もあれより上よ、席次」

提督「そりゃ最高ですね。……で? 」

「大層な理由をつくる能力も無かったのか陸軍に取り込まれてしまったみたい」

提督「へぇ」

「ただまぁ……私やあなたみたいなどこの馬の骨とも分からぬ卑しい家柄ではないのよ彼。
ただの無能なら恙なく次代に家と財産と名誉を残せる血統なの」

提督「それも処世術だろう。旧軍の教訓を鑑みれば陸と仲良くしていて損は無い」

「あなたってあれみたいな間抜けの真似得意よね」

提督「一歩間違えれば俺もああなってたから」

「程度の低い嘘ね。あなたがあれならそもそも軍人なんて志さない」

提督「そりゃまぁ俺という俺ならね。……借り一? 」

「私が返しただけ。何年か前の要港部さえ纏め切れなかったボンクラを支援してたこと、隠してくれたでしょう? 」

提督「さてね。……告げ口をしないというのを支援というなら、そうかもしれないかなぁ」
427 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/21(木) 23:41:57.07 ID:1M9RvyMU0

< 作品のルーツを見なければまぁ楽しいかもしれない >








時雨「うーん……」

あきつ丸「どうした、金剛に告白でもするか悩んでいるのでありますか」

時雨「するか馬鹿。……速吸さんにさ、映画を勧められたんだ」

あきつ丸「観る価値なんぞあると思うのかそんなもの」

時雨「世間的には割に評価の高い映画なんだ。
これなら私の評価があっても観る気になるでしょう? って」

あきつ丸「む……」

時雨「でもさ、漫画の実写なんだ。アニメも普通に評価高いやつ」

あきつ丸「むむ……」

時雨「悩むよね……絶対的なゲテモノ食いの言う世間的評価の高い実写っていう事実……うぅん? 」
428 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/21(木) 23:45:38.69 ID:1M9RvyMU0

< 明日なんて必ず来るとは限らないから >








提督「じゃ、お暇するけども」

「ええ、二度と会いたくないわ。会わずにはいられない関係だけど」

提督「甘い意味なんて微塵も無くね。……俺の幸せは君と君の言うゴミにかかってるんだからな」

「気に入らないけれど許してあげる」

提督「そりゃどうも。……どうぞ、姐御」

「だからあなたの火なんて……うん? 」

提督「燐寸に仕込んでもよかったけど流儀に反するから」

「あいつはデュポンに仕込むわけね。……しかと受領致しました、__少将閣下」

提督「うん。…………次も、助けてくれよ」

「こっちの台詞ね。…………フゥ……ええ、私も長生き、しなくちゃいけないから、そう頼むわ」
429 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/21(木) 23:48:22.55 ID:1M9RvyMU0

< 平和な日常です、勿論 >








初月「帝都旅行なんてほざいてたけど楽しんでるのかな今」

雲龍「さぁ。……これの顔見つめてみれば分かると思うわ」

初月「うん? 」

愛宕「うふ……どう見える? 」

初月「いつも通り魅力的だね」

愛宕「ありがと」

初月「…………」

雲龍「…………」

愛宕「…………」

初月「…………レズって悪くない、のかい? 」

涼月「はい? 」

葛城「勿論」

雲龍「うぅん……? 」

愛宕「…………あ、っは」
430 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/21(木) 23:51:30.68 ID:1M9RvyMU0

< 言葉にはしないという流儀 >







提督「ふん。……じゃあ本当にお暇するけど置き土産置いてくよ」

「あら、お高い葉巻でもくれるのかしら」

提督「次に色々お願いしたいときは贈り物にするよ。
……君は自分であいつを獲ったと思っているようだけど」

「あん? 」

提督「入学して一目見て君のことを可憐だ……なんて言ったあいつの思惑通りだと思うね、俺は」

「素敵じゃない。あの人の手の平でなら永遠に踊っていられるわ」

提督「だろうね。……あ、そうだ」

「帰れ」

提督「帰るよ。…………ゴミと眼鏡と俺からお土産。
出世の道具にしてくれると嬉しいな」

「いいから帰れ。……ねぇ」

提督「うん? 」

「…………」

提督「…………」

「…………」

提督「…………」

「…………チョコレイト、お好き? 」

提督「君がくれるなら。……板チョコなんて嬉しいなぁ。でもこれって中に入ってるシール的なのがメインだろう? 」

「知ってるなら早く帰りなさい。今日、早く帰れそうなのよ」

提督「はいはい。……ありがたく、いただきます姐御」
431 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/21(木) 23:54:52.87 ID:1M9RvyMU0

< 素養って何かな? >







初月「でもさ、我ながら素養はあると思うんだ」

愛宕「レズの素養って何? 」

初月「レズの素養じゃないよ。好きになったら性別なんてどうでもよくなる素養」

愛宕「それ、レズとどう違うの? 」

初月「男でもいいってことさ。仮令相手が女を女として不幸にするクズだとしてもね」

加賀「あら、私もレズの素養あるのね」

海風「私もあったんだね」

天城「天城もあったって今知りました」

初月「あのさ……」

龍田「クズを好きになる潜在的クズってだけよねぇ〜……私は、違うけど? 好きになったのはあの人、だけだし? 」
432 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/21(木) 23:58:36.78 ID:1M9RvyMU0

< グランドフィナーレまで、ずっと一緒に >







提督「ふぅ……楽しかった」

高雄「……どこがどう楽しかったのか訊いても? 」

提督「同期と仲良く話すのは楽しいもんなんだよ。
仮令相手が口の悪くてヘビースモーカの他人妻だとしてもね」

高雄「はぁ」

提督「ま、分かれとは言わないさ。……高雄? 」

高雄「? 」

提督「ちょっと、付き合ってくれる? いつもとは違う覚悟で、いつもと同じことがしたい」

高雄「よく分かりませんが……あなたがそう言うのなら」

提督「ん。…………取り敢えず明後日、誕生日には期待してるよって言っておく」

高雄「当然。…………あなたがその日幸せを実感できないなら、殺してくださいね」

提督「うん。……………………いつもとは違う覚悟、してくれた? 」

高雄「馬鹿、いつも、してますよそんなこと」

提督「そ。……………………手、繋いでよ」
433 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/21(木) 23:59:08.79 ID:1M9RvyMU0

たぶんだいたいきっとおそらく畳むわけではございません

ありがとうございました
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/21(木) 23:59:57.63 ID:JDtVvmjg0
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/22(金) 03:37:59.87 ID:Zmk5ydq0o
おつ
436 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/22(金) 07:11:20.58 ID:20iGwhNno
お疲れ様です
437 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/22(金) 23:09:15.98 ID:r+MCfbQ/O

< 切り替え >







提督「ふぁ……眠い」

高雄「然程睡眠時期が短かったわけでも」

提督「自分のベッドじゃないとちょっとね。……the ってあるじゃん。定冠詞の」

高雄「はぁ? あるというか……まぁ、ありますが」

提督「あれこの国の言葉相手でも“ ジ ”って発音すんのかな」

高雄「……? 」

提督「や、テキトーに雑誌見てたら“ ザ おふくろの味 ”って書いてあってな」

高雄「“ ジ おふくろの味 ”では? と? 」

提督「そう」

高雄「くだらなさ極まれりって感じですね」

提督「そうかな? そうかも」

高雄「そうですとも」

提督「うん。…………よし、気合い、入れた。今日もなんとか乗り切ろうか、高雄大尉」
438 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/22(金) 23:10:25.98 ID:r+MCfbQ/O

< 比較対象にダメージを受ける >







初月「ハンストってさ」

涼月「パンストに聞こえるよねとか言ったら泣くんだけど」

初月「そうか。…………姉さん」

涼月「何? 」

初月「言わないよそんなこと。姉さんこそ僕を嘆かせたいんじゃないのか」

涼風「今のはひでぇなって。雲龍さんでも初っ端からそんな飛ばし方しないよ」

涼月「…………」
439 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/22(金) 23:11:24.26 ID:wuGhnAuNO

< Reトライと言えるかどうか怪しいところ >







天城「えーと……別に構いませんけれどね」

初月「やめておきなよ姉さん。別に天城さんに迷惑じゃないとしても自分がダメージ負うだけだって」

涼風「あたいはまぁ好きにすれば、としか」

涼月「納得いかないんだもん……雲龍さんがどう反応するか試してみる価値はあるでしょう? 」

初月「だから無いって……無理して傷口拡げなくてもさ」

Littorio「負けが込んだギャンブラーを諭す気持ちなんでしょうかこれ。
……割とこういう場面で自然に説得してくれる男が今はいませんものね」
440 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/22(金) 23:11:53.94 ID:2Y3b44icO

< ただただゆったりと幸せな状況 >








天城「ふぅ……今日は風が強いですね」

雲龍「ええ、でも暖かいしそろそろハンモックを出してもいい頃合かしら」

天城「いいのじゃないですか? 今年は天城も用意してみようかな、なんて」

雲龍「そう……」

天城「ええ」

雲龍「…………」

天城「…………」

雲龍「…………どうしたの? 」

天城「別に、いい風だなって。…………どう切り出せというんですこの状況で」
441 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/22(金) 23:12:56.85 ID:2Y3b44icO

< あなたの禍福が私の禍福 >








提督「ふぅ……疲れんな帝都行脚」

高雄「殆ど友人同期の類いでそれ以外も利害の一致する相手ばかりでしょう」

提督「だから疲れないってわけでもないし。……ごめん、ちょっと手握って」

高雄「ん……」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………夜、何食べたい? まぁまぁの可能性で叶えてあげられないけど」

高雄「あなたが好きなものを。……なんならばあなたが要らないなら私も要りませんよ」
442 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/22(金) 23:13:25.49 ID:2Y3b44icO

< それでも無理矢理に >








天城「えーと……ハンストって」

雲龍「? ええ」

天城「……」

雲龍「……」

天城「…………」

雲龍「…………? 」

天城「…………ハンストってパンストに聞こえません? 」

雲龍「滑舌が悪ければそうかもね。……何? 飲み過ぎてあなた壊れてしまったの? 」
443 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/22(金) 23:14:27.71 ID:2Y3b44icO

< 世間的穴馬が推しに見え始めると終わりだよねって >







雲龍「馬鹿なの? 」

涼月「」

天城「ノーコメントで」

初月「だから言ったじゃないか、もう」

涼風「実に分の悪い賭けだったなー」

Littorio「その辺りの反応を読み切れる男の判断を聞くべきでしたね。……不幸なことにいませんけれど」
444 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/22(金) 23:19:22.84 ID:2Y3b44icO

< 変わりたいというわけでもなく >






時雨「ふーん……そうなんだ」

あきつ丸「そうらしい」

時雨「まぁ時間の問題だったかなって気もするけど」

あきつ丸「そうでありますね。あれで変化を恐れない辺りが無能と言えない理由であります」

時雨「そりゃああの人捕まえて無能って言えるような人間はいないさ」

あきつ丸「人間性のマイナスを補って余りある小賢しさ、か」

時雨「うん。…………僕たちの特務にも利益はあるのかいそれ」

あきつ丸「さてな。恩は売ってやったでありますが……」

時雨「ならいいじゃん。あの人可愛いと思った女に売られた恩は言い値で買うよ」

あきつ丸「意図せぬ喧嘩も買われてしまうが。…………ふぅ」

時雨「僕たちにも覚悟を決めて変化を受け入れられる器が必要なのかもねぇ……」
445 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/22(金) 23:20:14.47 ID:2Y3b44icO

< 疲れた >







提督「拾いなぁ! この貧乏人がよぉ! みたいな」

高雄「みたいな? 」

提督「そういうこと言われて臆面も無く這いつくばって銅貨を拾う人間になりたい」

高雄「あなたは世間に喧嘩を売らなければいけない病気なんですか、高給取りの将校でしょうあなた」

提督「初期中世で遺跡がまだ遺跡じゃない頃の廃墟で遊んで現実の蛮族に刃向かって幼馴染と恋したいぃ……」

高雄「はぁ……」

大淀「帰っていいですか……女を会話だけで楽しませられるのが数少ない取り柄でしょうに」
446 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/22(金) 23:22:45.87 ID:2Y3b44icO

< 或いはそれを見せているのか >







提督「阿賀野と離されたタイミングで禁断症状出たわ、すまん」

大淀「他の女の名前を出すなんて高雄さんに謝るべきでは」

提督「高雄が西洋史の話喜んでしてくれたら女神じゃん? 完璧じゃん? 」

高雄「あなたを独占できるのなら幾らでも詰め込みますが」

提督「それはただ合わせてくれるだけじゃん……駄目じゃん……」

大淀「駄目なのはあなたの品性かと」

提督「ひっでぇこと言うね」

大淀「ひっでぇのはあなたの人間性かと」

提督「確かに」

高雄「はいはい。……ほら、官費でホテル取ってるでしょう。
車内では寝てもいいですからホテルの玄関からはエスコートしてくれますよね? 」

提督「うん」

大淀「はぁ。……あなたがまともな数の護衛も無しに帝都で酔っているなんて周りにどう思われると思ってるんです。
鎮守府ではないにしろどこに陸軍だか政敵だかがいるか分からないんですから」
447 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/04/22(金) 23:23:57.64 ID:2Y3b44icO

< 知りたいかね? >






提督「だってもう用は済ませたし。大淀に渡した資料が今回最後の用だよ」

高雄「だからあとは好きに飲んでいよう、と」

提督「そういうことだね」

大淀「はぁ。これでも一応は接待の体で来ているんですけど私」

提督「じゃあ任務通り接待してくれ。
俺の話適当に聞き流してそれっぽく見える時間いっぱいこの店にいてくれればいいよ」

大淀「はぁ」

高雄「ま、そう面倒なことも無いわけですから好きに飲み食いしなければ損ですよ」

大淀「そうなんでしょうけどね。…………このレベルの資料を対価にあなたは何を欲したんです」
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