【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」ターボ「3スレ目だ!」【安価】

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405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/03(金) 11:10:46.38 ID:FiIInSxL0
踊(ダンス)っちまってたんならしかたないわね
406 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/12/05(日) 22:14:08.49 ID:UMcAqtYO0
■キンイロリョテイ

▼レース展開
序盤(05):出遅れ(-50)
中盤(86):快走(+25)
終盤(97):全身全霊(+100)
着順確定:77
――――――――――――
[-50]+[25]+[100]+[77]=152
152×[賢さ:B]1.6=243.2 レース中達成値


▼作戦:差し(C) (パワー、スタミナに0倍の補正)
スピード:610(B)+研究成果C+200
スタミナ:495(C)
パワー :493(C)
根性  :390(D+)
賢さ  :691(B)
――――――――――――
[810]+[495]+[493]+[390]=2188 能力値参照値



▼着順
[レース中達成値:243.2]+[能力値参照値:2188]
+[バ場補正/芝A:100]+[中距離適正A:100]
+[やる気/絶好調:100]+[研究成果D【天候:雨】+200]
=2831.2 達成値
―――――――――――――
・[ひらめき☆ランディング]Lv2 発動!
+400
・[シューティングスター]Lv1 発動!
+175
―――――――――――――
[達成値:3406.2]
[レース中全てのマイナス補正:-50]
[補正後賢さ:691] 
―――――――――――――
[最終達成値:3557]

結果、キンイロリョテイ――大差にて1着……?
407 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/12/05(日) 22:15:19.27 ID:UMcAqtYO0
■サイレンススズカ

▼レース展開
序盤(92):コンセントレーション(+100)
中盤(96):脱走術+逃げコーナー◎(+150)
終盤(58):逃亡者(+100)
着順確定:57
――――――――――――
[100]+[150]+[100]+[57]=407
407×[賢さ:B+→SS]2.30=936.1 レース中達成値


▼作戦:逃げ(S) (スピード、賢さに1.7倍の補正)
スピード:(800(A)-研究成果A100)×1.7=1190
スタミナ:350(D+)
パワー :300(D)
根性  :300(D)
賢さ  :(750(B+)-研究成果B100)1.7=1105
――――――――――――
[1190]+[350]+[300]+[300]=2140 能力値参照値



▼着順
[レース中達成値:936.1]+[能力値参照値:2140]
+[バ場補正/芝A:100]+[中距離適正A:100]
+[やる気/絶好調:100]
=3376.1 達成値
―――――――――――――
・[先頭の景色は、譲らない…!]Lv3 発動!
+900

※研究成果@によりランクダウン※

・[先頭の景色は、譲らない…!]Lv1 発動
+100
―――――――――――――
[達成値:3476.1]
[レース中全てのマイナス補正:0]
[補正後賢さ:1105] 
―――――――――――――
[最終達成値:3476]

結果、サイレンススズカ――2着!
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/05(日) 22:16:49.15 ID:eyZhryN9o
来ちゃー!!
影どころじゃねぇ実体抜いたっ!
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/05(日) 23:32:20.85 ID:dq4JSr890
やったぜ
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/05(日) 23:58:05.68 ID:ZOBW7Gp4o
100で1馬身差という事なので3/4馬身差位か
ダービー取るとはリョテイの旅路大分順調や
411 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/12/06(月) 01:13:30.94 ID:vo5qICds0
――ああ、此処にはアタシの敵はいないんだな。


 パドックに立ち周囲を見回す。雨に打たれた他のウマ娘たちは、頬に滴る水滴のせいか、集中力が切れているようだ。

 本能か、あるいは理性か。キンイロリョテイは確信を抱いていた。


「……と、なると。アタシの敵は……スズカ、アンタだけってことになるな」


 遠くで目を閉じ、集中力を高めるウマ娘。

 最速の名をほしいままにするたたずまいに、油断や隙は感じられない。

 へっ、と一つ息を吐いて、キンイロリョテイは再度前を見る。

 東京競馬場は、今や鈍色のヴェールを羽織っている。明らかな重バ場。

 パワーが必要になるレースになるだろう。そう聞いていたキンイロリョテイは、むしろありがたいとばかりに手を握る。


(……アタシにとっちゃ、庭みたいなバ場だ。格上のアンタに届くなら、これ以上の環境はない)


 そして握り締めた拳を――そのまま前へと突き出す。

 水滴を弾いた拳の先にいた静謐さすら感じる顔は……しかし、薄っすらとほほ笑んでいた。
412 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/12/06(月) 01:32:14.13 ID:vo5qICds0


『雨が降りしきる東京競馬場、バ場の発表は重となってしまいました』


 イヤホンから聞こえてくる実況の声が、思考に浸っていた俺の意識をターフへ戻す。

 ……重バ場。雨に塗れたレース場は、スピード以上にスタミナとパワーを要求してくる。

 キンイロリョテイにとって、これ以上に適切なバ場はないだろう。そう思わせるほどの絶好の状態だと言えるだろう。

 しかし、どれだけ最良の条件を想定しても、”あの”サイレンススズカに確実に勝てるとは断言できない。

 何せサイレンススズカは、キンイロリョテイにとっては格上の存在だ。バ場や天候、レースのカテゴリ――それらをそろえてようやく、肩を並べられるほどの存在だ。

 そこまで考えて、静かに息を吐きだす。レインコートを打ち付ける雨はますます激しくなり、これからの勝負の波乱を表すかのようだった。

 負けてほしくない。俺の為というよりも、リョテイ自身のために。

 サイレンススズカに勝利することができれば、リョテイの浪漫への道のりは今以上に大きく進むことになる。


『各バがゲートインしました。準備が整ったようです』


 かちゃり、と。ゲートが閉められる音がひときわ大きく響く。

 何処までも穏やかな静かさが、俺たちを、空間を支配する。


(君の旅程はここでは終わらないってことを、見せつけてやれ――!)


 ひときわ高い音が響き、今、ゲートが開かれた。
413 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/12/06(月) 03:08:06.91 ID:vo5qICds0

 ゲートが開く音と共に、一気呵成に飛び出たのはサイレンススズカだった。

 持ち前の逃げ足で素早く先頭へ躍り出て、後続と5バ身差のリードを築く。

 たったそれだけで、目の前に大きな壁が出来るほどの威圧感をリョテイは抱く。


(相変わらず追い掛けたくなるような背中だこって――ッ!)


 ターフを鋭く蹴り込み、中団に滑り込むリョテイ。ぬかるんで、僅かにスリップした脚の回転はしかし、スタミナをいたずらに消費させる。

 小さく息を漏らし、しかし前を見据えることをリョテイはやめない。僅かにぬかるみだしたターフの土を蹴り飛ばすように走る。


(――序盤から中盤は様子見だ。スズカに離され過ぎない程度の位置につく)


 一瞬で思考を終わらせ、前のウマ娘の背中を見つめる。矮躯を更にかがめ、前のウマ娘の体躯で風の抵抗を一度切る。

 スタート時点で余計なスタミナを消費している以上、リョテイに余分なスタミナはない。少しでもラストスパートを早く繰り出すことが勝利の鍵。

 400mを過ぎてリョテイの位置は14人目。中団でもやや低い位置で走っていた。


(勝負所は下り坂、最終コーナー前……だな)


 目の前の2mもの高低差を誇る坂を見据えながら、レースプランを確立させていく。懸念するべき事項は周囲のウマ娘によって進路が阻まれることだが、先行策を取っているウマ娘が多く、その可能性は低いといえた。

 このままいけば、中盤から中団から躍り出ることは簡単そうだ――リョテイはそう考え、ひとまず中団でも前気味に位置を付けようと脚を伸ばす。

 14着から8着へ、8着から5着へ。こちらを見て対抗意識を燃やすウマ娘のことを僅かに見据えながら、位置を前に上げる。

 もちろんそんな彼女のことをどうにかしようとウマ娘たちが動くが、彼女のパワーの前には無力。

 体勢を整えることに成功したウマ娘は順位をキープしたが、失敗したウマ娘はスタミナを過分に使用したせいか、順位を落としていく。

 2mの坂に差し掛かるころには、もはや走ることが精いっぱいといった様子なウマ娘がほとんど。まともに走れているのは、しっかりとしたレースプランを編み出し、それを施行できたウマ娘だけになっていた。


「……やっぱり敵は、アンタしかいないよ」


 坂を上り、二番手を大きく引き離しているサイレンススズカに、リョテイは小さくごちった。

 雨が叩きつける音、風を切る音。僅かな声量で発されたその声を聞き届ける者は誰もいない。

 もちろん、サイレンススズカにも。

 だからこそ、この声を届けるためにも――。

 残り800m、坂を下り切った瞬間に。


「撫で切る――ッ!」

414 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/12/06(月) 03:09:07.95 ID:vo5qICds0


 ひと際強くターフを蹴る。衝撃によって周囲の雨は霧散し、瞬間的に空気は震えた。

 飛び散った雨によって一瞬虹が出現し、多くの人はそこに太陽のようなきらめきを幻視する。

 ここからこのウマ娘は飛翔する。多くの人々の期待と確信をその背に抱え――キンイロリョテイは行軍を開始する!

 先頭、サイレンススズカとの差は実に8バ身。影をも踏ませぬ快速バとしての彼女を差し切れる存在などこの世界に居ないと言わんばかりのセーフティリード。

 最終コーナーに差し掛かり、サイレンススズカの脚がさらに伸びていく。1ハロンを類を見ないほどのスピードで駆け抜けた彼女は、今や”天駆けるウマ”。

 そんな存在を差せるウマ娘など居るのか、という質問に、裂帛の気合が答えた、応えた。


「タイマンと洒落込もうぜ、”異次元の逃亡者”サン――ッッ!」
「――受けて立つわ、”解放者”……っ!」


 それぞれが静かに、あるいは声高に吐き出し、スパートをかける。

 最終コーナーを回り、最終直線に飛び出したサイレンススズカ。それを追い掛ける――いや、追い詰めるかのように距離を詰めるキンイロリョテイ。

 1900m次点で、7あったバ身は既に3にまで縮まっており、ついにキンイロリョテイはサイレンススズカの影を踏む。


「影、踏ませてもらったぜ?」
「影くらいならいくらでもどうぞ。――でも」


 雨すら衣装のようにまとう彼女は、静かに笑う。まるで突き放すような笑み。


「――先頭の景色は、譲らない……!」


 鋭くターフを蹴る音。体をギリギリまで前に倒し、運ぶ脚はまるで飛ぶように前へ向かう。

 ”異次元の逃亡者”の本懐が、今此処に顕現する。正しく次元の違う逃げ足は、優駿の頂点を定める戦いの終止符を打つ鐘そのものだった。

 ……だが、それをキンイロリョテイが許すはずもない。口元を大きくゆがめて、キンイロリョテイは笑う。


「次はアンタが、アタシの影を踏む番だぜ、サイレンススズカッ!」


 ”異次元の逃亡者”の逃げ足が終末を告げる鐘であれば、キンイロリョテイの差し足はさながら開闢の光だった。

 鈍色のヴェールを払い飛ばすような力強い運脚は、見るものすべてに畏怖を覚えさせる金剛の歩み。

 そこに見るのは、”皇帝”を妨げた、絶対への反逆。決まりきった因果からの、解放。

 解放者《リベレイター》。全ての想像を超える歩みは――。


「お先ッ!」


 たった今、沈黙から東京競馬場を解放する。

 最終直線200m、もはや二人以外は見る影もないほどの遠くにあり。故に総ては二人にそそがれる。

 熱意も、視線も、希望も、何もかも。

 絶対不変の逃亡者が、差し切られるその姿に――!


 
415 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/12/06(月) 03:11:05.03 ID:vo5qICds0
―――――――――――――――――――――――――――

■下1〜6 リザルト
※コンマの分だけ数値が上昇します。
※一着、ライバルとの一騎打ちのため、能力値の上昇に固定値が付与されます。
※ゾロ目の場合は追加ロール

―――――――――――――――――――――――――――

スピード:下1+50
スタミナ:下2+50
パワー:下3+50
根性:下4+50
賢さ:下5+50

習得コンマ:下6+50 

―――――――――――――――――――――――――――
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 04:53:18.31 ID:fBDl6X4/o
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 06:08:05.28 ID:rMi+aF9Uo
はい
418 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 06:15:19.84 ID:lds42K1n0
てい
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 07:14:39.82 ID:NUEgp82so
うい
420 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 07:35:26.34 ID:KQXhaF0to
やー
421 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 07:39:43.69 ID:ZxgNBo1JO
ヌッ
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 08:29:26.20 ID:e77/Uc5HO
次はネイチャとお話で良いのか?

たぶん会長同様昔の縁でもあると思うし

Ps
もう師走だし、次の作者の書き込みも来年になって
からだろうと予想してます
423 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/12/06(月) 18:36:26.22 ID:vo5qICds0

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:610(B)+31+50=691(B)
スタミナ:495(C)+28+50=573(C+)
パワー :493(C)+84+50=627(B)
根性  :390(D+)+82+50=522(C+)
賢さ  :691(B)+34+50=775(B+)
やる気 :絶好調

―――――――――――――――――――――――――――――――

▼スキル[追込コーナー〇]を獲得した。

―――――――――――――――――――――――――――――――
424 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/12/06(月) 18:49:04.27 ID:vo5qICds0

「――」


 雨に打たれながら、サイレンススズカは静かに俯いていた。

 視線の先には、水分を吸いきってぐずぐずになっているターフがあった。

 しかし、瞳にそれを映しているかと言われれば、そうではない。

 彼女の瞳には、何も映っていなかった。


「――負けた」


 確かにキンイロリョテイは脅威だった。だが同時に、勝てない相手ではないとは思っていた。

 彼女の差し足には光るものがあるが、サイレンススズカには自慢の逃げ足がある。この足があれば、もうレース中に誰かの背中を見ることはないだろう、と思っていた。

 だが、蓋を開けてみれば、彼女はキンイロリョテイの背中を見ていた。離れていく背中を必死に追い越そうと足掻き、苦しみ――遂に届かずレースは幕を閉じた。

 手をぐっと握り締める。それが苦しみから来たのか、それとも悲しみから来たものなのか、既にわからなくなっていて。

 それこそが、彼女の――サイレンススズカの願いを表していた。


「次は、負けない……!」


 踵を返し、ターフを後にするサイレンススズカ。

 悠然と歩き去るその姿を見たものは誰もいなかったが、もし見たものがいたならば、こう形容していただろう。


――今にでも天を駆け上がりそうだ、と。

425 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/12/06(月) 19:22:36.55 ID:vo5qICds0
「なぁトレーナー。次の目標レース、アタシが決めていいか?」


 控室に戻るなり、キンイロリョテイは俺に提案してきた。

 なるほどな、などと思いながら、まずはタオルを渡して髪を乾かすように促した。

 タオルを受け取り、髪をがしがしと拭いたリョテイは「聞いてくれるか?」と問う。


「サイレンススズカ、アイツはアタシにとって格上の存在だった。絶好のバ場状態、距離適性、レース場との相性――どれか一つでも欠けていれば、この勝利は危ういものだった」


 ……その通りだ、とは思う。

 リョテイにとって最上の状態とも言える状況を用意してもなお、サイレンススズカは食らいついてきた。その逃げ足の凄まじさたるや、リョテイが最終200mでつけた3バ身差のリードを、1バ身にまで縮めてくるほどだ。

 この逃げ足が十全であれば、リョテイでも危うかった。そう思わせるレース。


「サイレンススズカだって本気で挑んできた。どんな悪条件だろうと、な。だから、条件が良かったから勝ったなんて、本気で戦ったサイレンススズカを貶すことになる」
「ああ、言う通りだ。ただ、やっぱりアタシは思うんだよ、トレーナー」


 ……ああ、”やっぱりそうなるよな”。

 このレース場でリョテイが勝利したならば、こうなることはもう予測で来ていた。

 負けず嫌いだとか、浪漫が好きだとか、そう言うのもひっくるめて――。

 いや、それよりも。自分と戦ってくれた相手に対しての最上の敬意を、彼女はきっと表するんだろうな。

 だから、リョテイはきっとこうするだろうという確信が、俺には芽生えていた。

 ……つまり、彼女がやりたいこととは――。


「――天皇賞、秋か」
「――! へへ、流石はトレーナー。やっぱそう来なくっちゃな?」


 相手の土俵に上がる、ということ。

 サイレンススズカが次に出走すると目されている天皇賞秋への、出走。

 すべてフラットな状態で、鬩ぎあい、競い合い、一帖の楯を手にしたい。

 勝ちたい。


「……リョテイ、天皇賞に出るとなると、本当の本当に、100%のパフォーマンスを発揮したサイレンススズカとかちあうことになる。それでもいいのか?」
「むしろ願ったりかなったりだ、スズカが100%のパフォーマンスを出してくるなら、アタシはそれを上回るパフォーマンスを演出する! それだけの話だろ?」


 ここまで来たリョテイは梃子でも動くことはない。

 もうすでに一年近くの付き合いになっている。彼女がこういう時、絶対にひかないってことは理解してる。


「……いいよ。じゃあ、天皇賞秋、ね」


 そう告げればリョテイは小さく手を握り、ガッツポーズ。

 そのままソファに座ろうとするので、俺は慌ててリョテイをとどめた。


「おいおい、先にシャワー浴びて来いよ。風邪でも引いたら大変だ」
「……それもそうだな。じゃ、行ってくるよ」


 おう、と声を掛け、リョテイを見送る。


「にしても、サイレンススズカに天皇賞秋、か――」


 頭に浮かんだそれを、軽く頭を振って消し飛ばす。

 きっと、それは今関係ない話で。

 あるいは、そうであってほしいと思ったからだ。


 
426 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/12/06(月) 19:24:47.63 ID:vo5qICds0
―――――――――――――――――――――――――――――――

▼キンイロリョテイの目標レースが[天皇賞・秋]に決定しました。
・難易度 :極高
・ターン数:10

―――――――――――――――――――――――――――――――
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 19:49:54.03 ID:KQXhaF0to
(スズカ先輩ここで負けた事でこの周は大丈夫な気がする……!根拠はない)
428 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/12/06(月) 21:45:31.96 ID:vo5qICds0
トレーナー「リョテイのレースが終わったら、次はネイチャのレースか」

トレーナー「……おちおち落ち着いてもいられないな。これがチームを持つ人間の宿命ってことか」

トレーナー「まあ、それを覚悟の上で受け入れたんだから、しっかりと役目は果たすんだけどさ。ただの独り言だ――」

トレーナー「さて、ナイスネイチャの出来上がりはどうだろうか?」

―――――――――――――――――――――――――――――――


ナイスネイチャの好感度:★★★/★★☆☆☆☆☆☆(好感度:+2/好感)


[ボインセチア・リボン]ナイスネイチャ
スピード:300(D)
スタミナ:300(D)
パワー :400(C)
根性  :300(D)
賢さ  :350(D+)
やる気 :絶好調

―――――――――――――――――――――――――――――――
429 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/12/06(月) 21:48:42.19 ID:vo5qICds0
▼ナイスネイチャの作戦が[差し:A]に決定しました。
補正:パワー、スタミナ1.5倍

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1 ナイスネイチャの序盤の調子

01-25:出遅れ(ゴールのコンマ判定に-50の補正)
26-50:掛り(ゴールのコンマ判定に-25の補正)
51-75:順調な出だし(ゴールのコンマ判定の補正なし)
76-00:集中状態(ゴールのコンマ判定に+25の補正)
ゾロ目:補正効果1.5倍。マイナス補正の効果は消える。

―――――――――――――――――――――――――――

下2 ナイスネイチャの中盤の調子
01-20:掛り(ゴールのコンマ判定に-50の補正)
21-40:ブロック(ゴールのコンマ判定に-20の補正)
41-60:ペースアップ(ゴールのコンマ判定に+50の補正)
61-80:コーナー巧者〇(ゴールのコンマ判定に+50の補正)
81-00:ペースアップ+コーナー巧者〇(ゴールのコンマ判定に+100の補正)
ゾロ目:補正効果1.5倍。マイナス補正の効果は消える。

―――――――――――――――――――――――――――

下3 ナイスネイチャの終盤の調子

01-33:好走(ゴールのコンマ判定の補正なし)
34-66:快走(ゴール時のコンマ判定に+25の補正)
67-00:末脚(ゴール時のコンマ判定に+50の補正)
ゾロ目:補正効果1.5倍。マイナス補正の効果は消える。

―――――――――――――――――――――――――――

下4 着順決定

―――――――――――――――――――――――――――
▼着順決定

[ 下4のコンマ+序盤補正+中盤補正+終盤補正]=レース中達成値

[ウマ娘の能力値から賢さを除いた合計]=能力値参照値

―――――――――――――――――――――――――――

【[レース中達成値]+[能力値参照値]+バ場補正/芝A(+100)+中距離適正A(+100)+やる気/絶好調(+100)=達成値

【判定スキル+達成値=固有達成値】

―――――――――――――――――――――――――――

固有達成値-(レース中全てのマイナス補正-賢さ)=最終達成値

―――――――――――――――――――――――――――

最終達成値が2000を超した場合 1着
※(100超えるごとにバ身が1伸びる。報酬増)
最終達成値が1800を越した場合 2〜3着
最終達成値が1600を越した場合  4〜5着(掲示板)
最終達成値が1600を下回った場合 着外

報酬増加ライン:3着以上

―――――――――――――――――――――――――――
430 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 21:53:14.97 ID:uZ916l850
そい
431 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 21:56:56.54 ID:rMi+aF9Uo
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 21:57:03.74 ID:cS+qpee90
はい
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 22:03:02.67 ID:KQXhaF0to
ねいちゃー
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/06(月) 23:45:52.74 ID:EVP8o+hv0
これは勝つる?
435 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/12/07(火) 01:26:28.45 ID:ih1xWl5k0
■ナイスネイチャ

▼レース展開
序盤(97):集中状態(+25)
中盤(54):ペースアップ(+50)
終盤(74):末脚(+50)
着順確定:67
――――――――――――
[25]+[50]+[50]+[67]=192
192×[賢さ:D+]1.45=278.4 レース中達成値


▼作戦:差し(A) (パワー、スタミナに1.5倍の補正)
スピード:300(D)
スタミナ:300(D)×1.5=450
パワー :400(C)×1.5=600
根性  :300(D)
賢さ  :350(D+)
――――――――――――
[300]+[450]+[600]+[300]= 能力値参照値



▼着順
[レース中達成値:278.4]+[能力値参照値:1650]
+[バ場補正/芝A:100]+[中距離適正A:100]
+[やる気/絶好調:100]
=2228.4 達成値
―――――――――――――

・アタシもたまには、ね? Lv1 発動!
+250

―――――――――――――
[達成値:2478.4]
[レース中全てのマイナス補正:0]
[補正後賢さ:2478.4] 
―――――――――――――
[最終達成値:2479]

結果、ナイスネイチャ――大差で1着!
436 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/12/07(火) 01:32:06.98 ID:ih1xWl5k0
―――――――――――――――――――――――――――

■下1〜5 リザルト
※コンマの分だけ数値が上昇します。
※5バ身差の為、コンマに係る係数が上昇します。
※ゾロ目の場合は追加ロール

―――――――――――――――――――――――――――

スピード:下1×(1.5+バ身ボーナス0.5)
スタミナ:下2×(1.5+バ身ボーナス0.5)
パワー:下3×(1.5+バ身ボーナス0.5)
根性:下4×(1.5+バ身ボーナス0.5)
賢さ:下5×(1.5+バ身ボーナス0.5)

―――――――――――――――――――――――――――
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/07(火) 01:40:22.81 ID:fyTtLGqdo
強い
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/07(火) 01:43:54.01 ID:2qxLiVTV0
そい
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/07(火) 06:13:01.22 ID:snJ0u5M3O
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/07(火) 06:13:38.74 ID:sGnL1ea1o
ぬん
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/07(火) 06:49:18.94 ID:dO+fC7Be0
はい
442 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/12/18(土) 12:46:37.60 ID:XL+/KxCZ0
■キンイロリョテイ
[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:691(B)+(81×2)=853(A)
スタミナ:573(C+)+(01×2)=575(C)
パワー :627(B)+(22×2)=671(B)
根性  :522(C+)+(74×2)=670(B)
賢さ  :775(B+)+(94×2)=963(A+)

■ナイスネイチャ
[ボインセチア・リボン]ナイスネイチャ
スピード:300(D)+(81×2)=462(C)
スタミナ:300(D)+(01×2)=302(D)
パワー :400(C)+(22×2)=444(C)
根性  :300(D)+(74×2)=448(C)
賢さ  :350(D+)+(94×2)=538(C+)

―――――――――――――――――――――――――――――――

▼ナイスネイチャの好感度が上昇した。
ナイスネイチャの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)

[ボインセチア・リボン]ナイスネイチャ
スピード:462(C)+60=522(C+)
スタミナ:302(D)+60=362(D+)
パワー :444(C)+60=504(C+)
根性  :448(C)+60=608(B)
賢さ  :538(C+)+60=598(C+)


―――――――――――――――――――――――――――
443 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/12/18(土) 12:53:29.81 ID:XL+/KxCZ0

ネイチャ「……一着?」

ネイチャ「――っ!」

ネイチャ「やった……っ!」

トレーナー(ナイスネイチャ――素晴らしい素質。名前に相応しい堅実で、安定した走りだ)

トレーナー(彼女であれば、強者並み居るURAでも一等星のようなかがやきを発することが出来るだろうな)

トレーナー(……で、あれば。次のネイチャの目標レースは)

―――――――――――――――――――――――――――

下1 ナイスネイチャの目標レース

ナイスネイチャの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)

[ボインセチア・リボン]ナイスネイチャ
スピード:522(C+)
スタミナ:362(D+)
パワー :504(C+)
根性  :608(B)
賢さ  :598(C+)

―――――――――――――――――――――――――――

・宝塚記念(中距離:適性A)
ターン数:5
難易度:高
報酬:高

トレーナーの所感
「このレベルの仕上がりなら、ほぼほぼ勝てそうだな」
―――――――――――――――――――――――――――

・秋華賞(中距離:適性A)
ターン数:10
難易度:特高
報酬:特高

トレーナーの所感
「順当に行けば勝てそうだ」

―――――――――――――――――――――――――――

・ジャパンカップ(中距離:適性A)
ターン数:15
難易度:極高
報酬:極高

トレーナーの所感
「チャレンジだな。これに勝つことができれば、間違いなく本人の努力が◎ってことだ」
―――――――――――――――――――――――――――
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/18(土) 12:57:44.79 ID:7y+HVnPF0
秋華賞

史実では菊4着なんで(^^)
445 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/18(土) 20:55:49.79 ID:cPnq2Qhpo
宝塚
446 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/12/19(日) 12:31:59.89 ID:bLgHf1H70
トレーナー(秋華賞――)

トレーナー(今のナイスネイチャのレベルなら、十分に一着を狙える)

トレーナー「……順調だな」

ネイチャ「おや? 独り言です?」

トレーナー「ああ、お疲れ様、ネイチャ」

ネイチャ「へへん、やってやりましたよ」

トレーナー「ああ、素晴らしい走りだった。やっぱりネイチャのレースは見てて安心できるな」

ネイチャ「嬉しい限りなんですけどねぇ、レースを見てもらう以上はワクワクしてもらいたいわけで……」

ネイチャ「次はトレーナーさんのコト、ワクワクさせてあげますからね?」

トレーナー「……ああ! 楽しみにしてる!」

―――――――――――――――――――――――――――

▼ナイスネイチャの目標レースが秋花賞に設定されました。
447 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/12/19(日) 12:55:59.84 ID:bLgHf1H70

トレーナー「……リョテイもネイチャも素晴らしい戦績を残してくれている」

トレーナー「彼女たちであれば、URA優勝もそう難しい話ではないと思わせてくれるのだけれど、しかし……」

トレーナー「やっぱり不安は募る。もし負けてしまえば、小さくない傷を彼女たちに残すことになるだろう」

トレーナー「負けられない」

トレーナー「もう二度と、負けてはならない」

トレーナー「出来ることはやり尽くそう、人事を尽くして天命を待つってな」

トレーナー「……今日の夜は時間がありそうだ、何をしようか」

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1 トレーナーは夜に何をする?
448 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/19(日) 13:00:30.06 ID:wt5kCbs+0
チーム<エルタニン>全員で
ネイチャとの友情トレーニング
449 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/19(日) 13:15:07.87 ID:B29ip7ato
夜だしトレーニングは出来ないのでは?
リミテッドイベ狙いでマヤノと通話で会話
450 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/19(日) 15:35:28.41 ID:eIs+k4ipO
トレーナー本人のみの行動のみ、可能だったような気がするんだが

違ったか?
451 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/12/19(日) 22:12:13.65 ID:bLgHf1H70
夜の行動なので、基本的にトレーナーが一人で行動できるようなものを安価として採用させていただきます……!
レスしていただいたうえで申し訳ないのですが、今回は>>449を安価として取ります。
次回からは注記の方をしてまいりますので、平にご容赦ください……!
452 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/12/19(日) 22:12:13.57 ID:bLgHf1H70
夜の行動なので、基本的にトレーナーが一人で行動できるようなものを安価として採用させていただきます……!
レスしていただいたうえで申し訳ないのですが、今回は>>449を安価として取ります。
次回からは注記の方をしてまいりますので、平にご容赦ください……!
453 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/12/19(日) 22:12:52.95 ID:bLgHf1H70
夜の行動なので、基本的にトレーナーが一人で行動できるようなものを安価として採用させていただきます……!
レスしていただいたうえで申し訳ないのですが、今回は>>449を安価として取ります。
次回からは注記の方をしてまいりますので、平にご容赦ください……!
454 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/12/19(日) 22:30:48.60 ID:bLgHf1H70

トレーナー「……とはいえ、あまり気を張っていても翌日のパフォーマンスを落とすだけだしな」

トレーナー「軽く休憩でもするか。最近仕事詰めだったし……」

トレーナー「紅茶でも淹れるか。お茶請けは何かあったかな……」

―――
――
455 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/12/19(日) 22:41:33.62 ID:bLgHf1H70


 ふと、どろりとした、粘性の高い感情が首をもたげてくることがある。

 それは俺の心を溶かすように感情に入り込んでは、僅かなメッセージを残していく。

 ……俺の手はソーサーから離れて、スマートフォンへ至る。

 ディスプレイには色鮮やかな色調のデフォルト画面。

 ちかりちかりと光る通知。

 SNSのメッセージが、一件届いていて。

 それは俺に語り掛けてくる。

 もう一度、あの温もりが欲しくないのか、と。

 もう一度、あの日の思い出の続きを紡ぎたくはないのか、と。

 まるで誘蛾灯に誘われる蛾のように、ゆっくりとメッセージの通知をタップした。


「ああ、やっぱり――」


 やっぱり、連絡が来ていた。

 送り主を確認するまでもなく、誰が送ったか確信できるような内容。

 俺はもう躊躇うことはなく、確信めいた指使いで、電話を掛けたのだった。

 
――――――――――――――――――――――――――


リミテッドイベント:夢千夜 開始
456 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/19(日) 22:53:00.75 ID:IoaNE9Z5o
きたわね
457 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/12/20(月) 03:40:15.86 ID:78RceAwu0


 コール音が、暗闇に包まれた部屋に響く。

 ひとつ、ふたつと鳴った後――電話は取られる。


『――もしもし?』


 鈴を転がすような、甘い声。

 夢にまで願った彼女の声が、今スマートフォンから響いていた。


「……遅い時間にごめん、今大丈夫か?」
『うん、大丈夫だよ、トレーナーちゃん』


 喜びに上ずる声。

 俺はわずかばかり安堵して、握っていた拳を開いた。


「さっきはメッセージ、ありがとな」
『えへへ、トレーナーちゃんのことだからキンチョーしてるんじゃないかって思って、少しでも落ち着いてくれたら嬉しいなって思って送ったんだ〜』


 ……マヤノトップガン。前回ループ時に育成した、担当ウマ娘。

 有馬記念で敗北したことによって、引き離されてしまった比翼連理のウマ娘。

 そして……俺にとって大事な存在。

 一度喪失を経験した俺たちだからこそ、お互いがどういうタイミングで心理的に張り詰めているのかを理解できる。

 そして今、マヤノは俺の緊張の糸を解す目的でメッセージを送ってきた。

 その事実が、胸が躍るほどに喜ばしい。


「ありがとな」
『今度はマヤが潰れちゃいそうなとき、トレーナーちゃんが支えてよね? ユー・コピー?』
「……アイ・コピー。この返答も久しぶりだな」


 だね、と通話口から聞こえる笑い声。

 俺も自然と口が綻んで、声ともつかない笑い声が漏れた。


『――で、トレーナーちゃんはなんでマヤに電話してくれたの? 疲れてるんじゃない?』
「……笑わないで聞いてくれるか?」
『うん、笑わないよ。マヤは話し上手の聞きじょーずってよく言われるんだ〜』


 誰からそんなこと言われるんだ……? 等と思いつつ、話しやすい空気にしてくれたマヤノに心の中で感謝する。

 ……と言うのも、理由と言うのは酷く女々しいものだ。


「声が。声が、聞きたくなった……」
『……』
「乗り越えたと思ったら、安心してさ。安心したら、結構疲れてたってことに気付いたんだよ」


 物理的にもそうだが、心理的に。

 いつループするかもわからない恐怖や、今ループになって展開した事実への心理的な折り合い。

 ……特に、ターボやマヤノに関することは、心に呵責を問うていた。

 とても浅ましい考えだが、マヤノにこの心の中の暗いものを聞いて、それを赦してもらいたかった。

 あと、単純に。好きな人と話していたい――他の何を考えるでもなく、自然に、一番に出てきた考えはこれだった。


「……あ、あはは。やっぱり気持ち悪いよな。成人男性が、そんなこと――」
『……あのね、トレーナーちゃん』


 通話口から聞こえる、平坦な声。感情を抑え込んでいるようだ。

 ここからどんな言葉が飛び出してくるのかわからない。俺は生唾を飲んで、続く言葉を待った。
458 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/12/20(月) 03:41:32.70 ID:78RceAwu0


『けっこう、トレーナーちゃんってカワイイよね?』
「……はい?」
『ドラマとかで、そーいう理由で電話かけるっていう展開があるんだけど、ホントにあるんだな〜って思って……』
「ドラマ……」


 確かに、マヤノはその手のドラマを見ることを好む傾向にあるってことは知っていた。

 けれども、ある程度感情も脚色されたそれと等しいことをやっていると聞かされると……少し恥ずかしいと言うか、狙いすぎと思われそうと言うか。

 なんだ、なんというか、あれだ。

 1mmでも、悪く思われたくないんだ。俺。

 そう気づいたら、なんだか全てが氷解するような気がした。

 結局自分本位なところは何も変わっちゃいない。でも、それは他者の為であって、完全に自分の為、というわけではない。

 エゴを吐くことと、人間として正しくあることは決して背反しない。なんとなく、そう思った。


「……じゃあ、そんな、なんていうか。ドラマの登場人物みたいなことを言った俺を、マヤノはどう思うんだ……?」


 だから、これは確認の言葉だ。

 返ってくる言葉は既に予測出来ているけれど、念のため。


『――好きだよ』


 一秒にも満たない間ののち、呟かれた四文字。

 その一言が、わかっていたのにたまらなくうれしくて。

 頭を、心を、とろとろと温かい何かで満たしてくれた。

 粘性の高い感情が入り込んでいた余地なんて、もうなくなってしまうくらいに。

459 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/12/20(月) 03:49:10.63 ID:78RceAwu0

実はこういうの書いてる時が一番こっぱずかしいです。(恋愛系とホラーの描写が本当に苦手なので……)
今回はここまで、次回はそう遠くないうちに投げます。よろしくお願いいたします。


皆様、チャンミ育成の方はいかがでしょうか?
育成にハマりすぎて、最近はこちらの更新が疎かになってしまってすみません。
育成も終了したので、今後はますます力を入れて更新できると思います!
こちらは全力のSランマヤノで追込3人衆とサンタオグリに勝ちに行きます。
皆様のご健闘をお祈り申し上げます!


感想に返信はしておりませんが、全てに目を通してにやついております。
ありがとうございます。
これからも、拙い文筆ではございますが、見守っていただけると何よりの幸運です……!
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/20(月) 10:09:24.33 ID:8LefQE5lo
おつー
マヤちんいい女…はようちにも来て??
ターン消費じゃなく行動できると心置きなくイベント回収に突っ込めるので良き…
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/20(月) 20:55:21.29 ID:R9kRt6lV0
人生二周目で酸いも甘いも経験した世界のマヤノはあまりにもいい女すぎる
462 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/20(月) 21:22:02.81 ID:IwJvJv9Zo
タマモクロス参戦!
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/23(木) 22:12:56.08 ID:pQm94RwxO
うーんいいおんな!
464 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/12/27(月) 20:06:01.12 ID:il/KSp010


 数秒の、沈黙が横たわる。

 俺も、マヤノも。なにも口にしない。

 お互いが、発言を、受け止めた言葉を、咀嚼するための時間。

 ……たっぷり30秒ほど経っただろうか。

 マヤノは小さく笑いを漏らして、『トレーナーちゃんはね』と前置きした。


『多分、自分で思ってるよりも……皆に悪く思われることはないと思う、よ?』
「悪く思われることは、ない……?」
『うん。だってトレーナーちゃん、カワイイもん』
「……。良く解らないし、第一カワイイってどういうことだ?」
『そういうトコ』


 再度笑いを漏らすマヤノ。


「……まぁ、精神年齢的には俺より上、ってことだしな」
『え〜? その言い方はヒドいよ〜! まるでトレーナーちゃんより、マヤのほうがおばあちゃんみたいになっちゃう……』


 小さく「実際そうなんじゃないか?」なんて返せば、マヤノは『トレーナーちゃんがそう思うならそうなんじゃなーい?』なんて返してくる。

 ほら、俺の言葉なんてもうあしらわれている。以前なら、ここで頬を膨らませていた……。

 時間の変遷を感じて、俺はすこしだけ、チクリと胸が痛むのを感じた。

 ……俺に時間経過の実感はないけれど、マヤノには時間経過の実感がある。

 言い換えるならば、マヤノは地に足を付けた生き方をして、全うしていて。

 俺は、全うできていない。その差が、俺の胸を痛ませた。

 もしかすると、もう、二度と同じ歩幅で歩けないのかもな、なんて思って――。


――僅かに、いや、かなり強く……そうなってしまうんじゃないか、って確信が得られた。


 何故そう思ってしまったのか、わからない。

 歩けると信じることが、俺には出来るはずなのに。

 まるで”信じる”という機能が抜け落ちてしまったかのように。

 俺は、俺を……信じることが、今このひととき、出来ずにいた。


『……トレーナーちゃん?』


 電話越しに聞こえてくる声が、俺の耳朶を揺らして。

 俺はようやく、夢見るように意識を耳に傾けた。


『そう言えばトレーナーちゃん、マヤ、ふと思ったことがあるんだ〜』
「……思った、ねぇ。なにを?」


 唐突に切り出された話題に、わずかに気後れしながらも。

 俺は続くマヤノの言葉を待つ。まるで、雨垂れが地面を叩くように。

 
『……”夢十夜”って、知ってる?』
465 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/12/27(月) 21:15:15.74 ID:il/KSp010

「”夢十夜”――夏目漱石の?」
『うん。トレーナーちゃんを待ってる間、いろんな本を読んでてね――それで、心に残ったのが、”夢十夜”……とりわけ、第一夜だったんだ』


 ”こんな夢を見た”のワンフレーズがとりわけ有名なそれは、夏目漱石によって著された、短編小説集だ。

 第一夜から第十夜までが綴られており、どこか胡乱な気配のする文章が特徴だ。

 そんな中でも第一夜はとりわけ胡乱――幻想的な内容だ。

 その内容は――。


「……100年待ち続ける男の話、だったか」
『うん。最後には埋めた女の人が、百合になって男の人のところに戻ってくるって話。――知ってる?』
「まぁ、教養として、もちろん」


 逆に第一夜以外は知らない。それくらいに、夢十夜の中で”第一夜”というのはとびぬけた知名度を持つ。

 それがどういう理由かは、わからないけれど。


『あれを読んで、トレーナーちゃんに記憶を戻してもらった時”わかっちゃった”の』
「”わかった”って、何を?」
『きっとマヤは、あの百合の花なんだ、って』
「――百合の花?」


 俺がそう返すと、マヤノは小さく肯定する。


『……トレーナーちゃんは、どうして女の人が”百年待っていて下さい”って言ったんだと思う?』
「わからない。でも……あてずっぽうだけど……女の人は、男のことを、好いていた」
『マヤもそう思うな。そして男の人も、女の人のことを、好きだった』
「じゃなきゃ、百年も待てないよな」


 そこまで言って、なんとなくこの話の稜線が見えてきた。


「マヤノが花で、俺が男の人ってことか?」
『うん、そういうこと!』


 ぴんぽんぴんぽん! と嬉しそうに声をあげるマヤノ。

 なるほど、彼女らしい感情移入の仕方だ、とは思う。

 けれどそれだけなら、この世界にはもっと彼女の興味を引く作品はあるはずで。

 だから猶更、何故マヤノが”第一夜”に興味を持ったのかが気になった。

 それに違和感もある。


「……普通、逆じゃないか?」
『うん、そーだね。だって、マヤのいる世界から消えたのはトレーナーちゃんだから』
「じゃあ、なんで俺が男の人なんだ? 性別で決めた、って話でもないだろ?」


 うん、と頷く声。


『だって、トレーナーちゃんはずーっと、マヤのこと待っててくれたんでしょ?』
「……まぁ、そうだけど」
『だったら、100年後に合う……百合の花に、マヤはピッタリなんじゃないかなって』


 ほんとはそんなに過ぎてないけどね、とマヤノは小さく笑った。

 俺がいなくなってから、マヤノが天寿を全うするまで。

 確かに100年ではないけれど。なんだか、確かにその通りだと思えた。


『それに、キスするなら……』
「……キス?」
『……うぅん、何でもない。とにかく、トレーナーちゃんは男の人で、マヤは百合の花なの!』

 
466 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/12/27(月) 21:42:30.61 ID:il/KSp010

『……でもね、多分それだけじゃないんだ。心に残ってる理由』
「多分、か。マヤノでもわかりかねてる、ってことか?」
『うん、そう。いつもなら、マヤが自分で感じたことは、わかるはずなのにね』


 理解することにおいて右に出ない存在、しかも内面だけで言うのであれば、俺の二倍程度経験を得ているマヤノであっても、わからない何か。

 それは、”些細な”と形容するには大きすぎて、かといって”明白な”と形容するには漠然としすぎた疑問だった。

 理解のできないものは、この世界にごまんと存在する。けれども、俺にも、ましてマヤノにも理解できないものなんて、もはや神様くらいなもので。

 だから、なんとなく。その疑問は、わずかなほころびは。


「――予感、じゃないか」
『予感?』
「俺にも説明は出来ないけれど、マヤノが、俺がわからないんなら、未来くらいなんじゃないかって」
『……未来、かぁ』


 マヤノは小さく息を吐いて、吸う。

 わずかな間の後、マヤノは『確かに、そうかも』と呟いた。


『マヤが、何か別のものに置き換わる――みたいな?』
「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない」
『うーん……やっぱりわかんないかも』
「まぁ、未来のことだしな。良く解らなくて当然だ」
『……あ、でも。一つだけわかることがあるよ?』


 そう言って、マヤノは小さく笑う。

 さっきまでの不安な声は、どこかに消して。

 それが取り繕ったものなのか、それとも切り替えたものなのか、俺にはわからない。

 何もかも解らない。けれど、その声は――。


『トレーナーちゃんと一緒なら、どんな未来でも悪くないなって、思えるってこと!』


 とても朗らかで。

 暖かくて。

――俺の不安を、相変わらず溶かしてくれる。

 きっと、どんな時だって。

 あるいは夢千夜――10000年経ったって。

 無明の闇の中、差し込む光みたいに、俺を導いてくれるんだな、って思えた。


―――――――――――――――――――――――――――――――

▼[リミテッドイベント:夢千夜]が終了しました。

▼[リミテッドイベント:夢千夜]が終了したことにより、[エンディングイベント:夢n夜]
が追加されました。

※[エンディングイベント]
エンディングイベントはその名の通り、当SSのエンディングの一つです。
エンディングイベントは、行動安価によって発生する可能性のあるイベントです。
当イベントが発生した場合、当SSは終幕へと至ることになります。

―――――――――――――――――――――――――――――――
467 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/12/27(月) 23:43:06.63 ID:il/KSp010

トレーナー「……さて、そろそろ夏合宿も近くなってきたな」

トレーナー「二回目の夏合宿、何が起こるかもわからないし、事前準備を怠らないようにしないと」

トレーナー「……というか、何かわからないことに対して準備を怠るも怠らないもないのでは……?」

トレーナー「……深く考えないようにしよう」

トレーナー「さて、今日はどうしようか?」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:853(A)
スタミナ:575(C)
パワー :671(B)
根性  :670(B)
賢さ  :963(A+)

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行
スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/その他(良識の範囲内で自由に)
※天皇賞・秋まであと10ターン(当該ターン含む)
※夏合宿まであと4ターン

―――――――――――――――――――――――――――――――

ナイスネイチャの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)

キンイロリョテイの好感度:★★★/★★★★☆☆☆☆(好感度:+4/友人以上)

シンボリルドルフの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

ツインターボの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)

マヤノトップガンの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

―――――――――――――――――――――――――――――――
        【現在立っているフラグ】

■エクストライベント
・「祈りは力に、願いは形に」/特定の時期に、ある場所を訪ねる
・「地を支え、海を拝せよ」/探索の進捗を終了させる
―――――――――――――――――――――――――――
■メインイベント
・[地に閃く黄金の旅程]/開始中 3/5
―――――――――――――――――――――――――――
■メジャーイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■サブイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■プチイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■リミテッドイベント
・なし
―――――――――――――――――――――――――――
■エンディングイベント
・[夢n夜]/?????
―――――――――――――――――――――――――――――――
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/28(火) 00:12:17.86 ID:T/QX3DdE0
人も増えたしみんなでラーメン食べに行こう
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/28(火) 00:20:48.06 ID:lnfjifjto
?????ー???「やはりラーメンですか……いつ出発する?わたしも同行する」
470 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/28(火) 17:34:29.61 ID:letbj91MO
ラーメンとうま娘のSSなら別にあるのでそちらにどうぞ
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/28(火) 20:51:49.88 ID:P8HHpBqEo
別にあるからと言ってこっちで書いちゃいけない理由もないだろうて
472 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/28(火) 23:50:25.15 ID:Hs1VwKPm0
ファ院…!
473 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/29(水) 23:42:00.34 ID:veSyoaw7O
けっぱりウマ娘Sも迎えに行ったほうがいいんかね?
あんまりやりすぎても良くない気がするけど
474 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/30(木) 18:06:01.60 ID:VIQY/NVDO
最初の担当だし早く迎えにいってやりたいところだな
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/31(金) 08:01:41.86 ID:+BjgfnZjO
正論書いて文句言われるとは

そこまで言うなら毎回各うま娘ごとにラーメン食いに行くでターン消費すれば
476 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/31(金) 10:59:43.77 ID:WB9pz/QlO
特定時期に特定の場所に行くイベント、名前的に因子継承っぽいから3月ごろに三女神の像の前に行くとかかね
477 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/31(金) 11:06:27.50 ID:zhjMGKVko
>>475
ただの暴論で草
478 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/31(金) 11:10:00.69 ID:5z42A+qIo
>>476
これは賢さS
479 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/01/02(日) 20:20:27.51 ID:9hzTTx9wO
そうか
三女神か
480 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/01/03(月) 00:14:29.13 ID:6V9k1BuB0
あけましておめでとうございます。
481 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/01/03(月) 00:15:06.70 ID:6V9k1BuB0
https://imgur.com/SRS7xk1
拙いものですが、新年のあいさつです。
今年もよろしくお願いします。
482 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/01/03(月) 00:15:32.98 ID:6V9k1BuB0
https://imgur.com/SRS7xk1
拙いものですが、新年のあいさつです。
今年もよろしくお願いします。
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/03(月) 00:19:04.25 ID:N6xrjp95o
あけましておめでとうございます
今年も楽しみにしてます

晴着会長やったぜ
隣に居るべき人とはどうなるのか…
484 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/03(月) 03:12:25.34 ID:l8TmfIwh0
今のルートはもうきっとマヤノだけど、もしこのスレが完結したらIFで会長とのルートも見てみたい
485 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/01/05(水) 22:08:08.58 ID:12V37JZ60

トレーナー「……ええと、この集まりは?」

リョテイ「お、ようやく来たな――」

ネイチャ「待ってたんですよ、トレーナーさんのコト」

トレーナー「え、俺を?」

トレーナー(一体どうして……?)

ルドルフ「ふふ、一体どうしてって顔をしているな」

トレーナー「何故バレた……」

ルドルフ「そこまで顔を顰めているのであれば、誰でもわかってしまうよ……」

リョテイ「ともかく、これからラーメンを食べに行くぞ」

トレーナー「ラーメン?」

トレーナー「ちょっと待ってくれ、話に追いつけてない。なんでラーメンなんだ?」

リョテイ「なんでってそりゃ……そう言う気分だからだろ」

トレーナー「えぇ?!」

ネイチャ「敢えて食べに行くのに理由なんて必要なのかなって、ネイチャさんは思うんですよ」

ルドルフ「二人の言う通りだ。熟慮断行とは言えないが、時には軽挙妄動の機会をも貴ばなければね」

トレーナー「……まぁいいけどさ」

リョテイ「っし! じゃあ軽く着替えてくるとするか!」

ネイチャ「ですね〜」

ルドルフ「うむ」

トレーナー「おう、いってらっしゃい――」

トレーナー「……」

トレーナー(女の子三人連れてラーメン店なんて、今まで考えたこともなかったな)

トレーナー(やばい、そう考えたらなんか落ち着かなくなってきた……!)

トレーナー(どうしよう、スーツでも着ていくか……?!)

トレーナー(……いや、どう考えてもバカだろ。カジュアルな服装にしようかな……)

―――――――――――――――――――――――――――――――

▼休憩効果発動、次回トレーニング効果2倍
486 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/01/06(木) 15:24:37.04 ID:+ramOubw0
undefined
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/06(木) 15:27:57.40 ID:Jd9obPBeo
undefinedは行数多すぎって事やで
488 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/01/06(木) 15:28:00.77 ID:+ramOubw0
トレーナー「微かに聞こえる蝉の鳴き声を聞いていると、酷く懐かしい気持ちになる」

トレーナー「大人になって上京してからは飽きるほど聞いたけど、昔は山が遠くて木も無いもんで、蝉の音が聞こえるのも珍しくて……」

トレーナー「珍しい、とかなんとか思いながら、あぜ道で小石蹴飛ばしながら遊んだりしたっけ……」?
トレーナー「………………」

トレーナー「ーーそういえば、俺ってどこの出身だったっけ?」
?―――――――――――――――――――――――――――――――
??[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:853(A)
スタミナ:575(C)
パワー :671(B)
根性  :670(B)
?賢さ  :963(A+) ??―――――――――――――――――――――――――――――――
下1 ?トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行 ?スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/その他(良識の範囲内で自由に)
?※天皇賞・秋まであと9ターン(当該ターン含む)
※夏合宿まであと3ターン
※休憩効果発動中、次回トレーニング効率2倍?―――――――――――――――――――――――――――――――
ナイスネイチャの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)
キンイロリョテイの好感度:★★★/★★★★☆☆☆☆(好感度:+4/友人以上)
シンボリルドルフの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)
ツインターボの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)
マヤノトップガンの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理) ??―――――――――――――――――――――――――――――――
        【現在立っているフラグ】
??■エクストライベント
・「祈りは力に、願いは形に」/特定の時期に、ある場所を訪ねる
・「地を支え、海を拝せよ」/探索の進捗を終了させる ?―――――――――――――――――――――――――――
?■メインイベント ?・[地に閃く黄金の旅程]/開始中 3/5 ?―――――――――――――――――――――――――――
?■エンディングイベント ?・[夢n夜]/????? ?―――――――――――――――――――――――――――――――
489 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/06(木) 15:43:29.24 ID:z84AsuPnO
リョティに話する、合言葉は「おはよう」だ!
490 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/06(木) 19:42:33.58 ID:EE+A0vl90
リョテイに…?
それはともかく合宿近いから倍率貯めとくのはアリではある
491 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2022/01/06(木) 20:11:02.41 ID:/UhBkOcTO
第3回アプリ王優秀作品(90点)
「ウマ娘」パロディゲーム

『【カト娘 館山ダービー】を全クリする放送』
(20:00〜放送開始)
 
https://youtube.com/watch?v=v-vQpGo70A8
492 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/06(木) 20:52:13.00 ID:17e9QsnW0
「覚えてないだけでリョテイにもちょっかいかけてた」可能性はあるわな
493 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/06(木) 21:40:00.70 ID:ueQqHGUv0
校内放送とか使って全校に呼びかければ一気に目覚めさせられそう
それがダメなら、朝校門に立って一人ひとりおはようって声かけるとかすればいいし
494 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/01/09(日) 17:37:57.63 ID:UEG2SsUQ0
3スレ経た今言うことでもないと思うのですが、一応……
書き溜め0なので、更新速度がかなり遅いです。ご了承ください……。

―――――――――――――――――――――――――――――――


「――リョテイ、本当にやるのか?」
「二度も言うなよ、アタシが”やれ”って言ったんだ」


 強い意思が籠った、鋭い視線が俺を貫く。

 未だに困惑を隠せない俺がその瞳に映って――まるで逃がさないと言わんばかりに、その瞳を細めた。

 何故こうなったのかはわからない。何を考えてそう言いだしたのかも。

 このままの状態でレースを勝ち進んだほうが、リョテイの目的も、俺の目的も果たしやすいだろうに。

 だけれども。今俺を見つめる翡翠の瞳が、あまりにも真っすぐで。

 そうするべきだ、と漠然と思えるほどに、確信を抱いたから。


「……何かあったら、キチンと言えよ」
「ああ」


 その一言と共に、リョテイは目を閉じる。

 まるで、現実から目を逸らすように――。


「――”おはよう”、リョテイ」

495 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/01/09(日) 17:55:44.63 ID:UEG2SsUQ0

「――トレーナー、アタシにあのおまじないかけてみろよ」
「は?」


 トレーニング前、トレーナー室。

 唐突にそんなことを口走ったリョテイに、俺は思わず素っ頓狂な声をあげてしまう。


「……え? いや、一体どういうことだ……?」
「どうもこうも無いだろ、あのおまじない、制限ないんだろ?」
「まぁ、確かに回数制限自体はないけれど……」


 おまじない――以前ルナに教えてもらった、記憶を呼び起こす呪文。

 以前担当したウマ娘の記憶を呼び覚ますおまじないで、今現在は二人呼び起こしている。

 方法は簡単で、呼び覚ましたいウマ娘の前で”おはよう”と声を掛けるだけ。

 ただし、”担当ウマ娘が生まれてから死ぬまでの記憶”を一気に脳に呼び覚ますため、まじないをかける相手にはかなりの負担がかかる。


「理由を聞かせてくれないか」
「……サイレンススズカ。アイツの走りは異次元だ。アタシもこのまま普通の練習をしたところで勝てるとは思えない」
「だから、あわよくばヒントを得ようと?」
「そういうことだ」


 なるほど、過去の体験から学ぶことが出来れば、それは大きな力となるだろう。

 ……だが、その提案には違和感を感じる。過去の自分に頼ると言うのは、ダービーで宣言した”正々堂々と戦う”という信条に反している気がしたからだ。


「……リョテイ、お前それ以外にも何か理由があるんだろ」
「……ね、ねぇよ」
「……あるんだろ?」
「……。あっちゃ、悪いか?」


 頬をわずかばかり染めて、リョテイは俯き加減で呟く。

 何かを訴えかけるような目線が、意味ありげに俺の瞳を、そして手を見つめる。


「――理由は言いたくない。でも、少なくとも、それを悪いことには使わない」
「……。まぁ、理由を言いたくないのは解った。でも、大丈夫なのか……?」


 この”おまじない”には負担がかかる。それは、おまじないを掛けた場に同席していたリョテイも知るところにある。

 その上でおまじないをかけることを望むのは、何かしら大きな理由があるはずで。

 精神的にも、肉体的にも。元気でいるのか、あるいはいられるのか。その確認としての、問いかけだった。


「大丈夫だ、だからやってくれ」


 そうつぶやくリョテイの弱弱しさに、俺は僅かな心配を覚えたのだった――。
496 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/09(日) 18:51:20.03 ID:+VUuXkqxo
(しっとりリョテイ……そういうのもあるのか…!)
497 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/10(月) 12:12:05.72 ID:0t5Zb7oAO
万が一失敗しても、リョティとイチャイチャできたら役得だよ
498 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/01/13(木) 15:48:10.87 ID:LIPjFPQr0
(長らくおまたせしています……!本日更新します!)
499 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/13(木) 17:06:04.52 ID:TvtYjNK0O
報告おつー
500 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/01/14(金) 00:33:58.86 ID:+cHDeyDn0

「――”おはよう”、リョテイ」


 呟いた直後、リョテイの身体から光が淡くはじけた。

 柔らかい、白みがかった黄色の光。

 ふわふわと中空に浮かんだと思うとくるくると回り――もと来た道を遡るように、リョテイの身体へと吸い込まれていく。

 ……しばらく、静かな時間が続いて――ふと、リョテイは静かに目を閉じた。

 空虚な瞳。そこに電流めいた光が一筋走ると、知性の輝きが宿る。


「……トレーナー、収まってきたよ」
「大丈夫か、リョテイ」
「ああ……不思議なくらい、大丈夫だ」


 呟く表情は苦し気で、言葉通り十全な状態であるとは考えづらい。

 とはいえ、肉体的な変調が見られない。つまり、精神的に堪える何かがあったのだろうか。


「何を見た?」
「……あー。なんていうか、そうだな……。あんまり気持ちのいい光景ではない、な」


 渋面をより深くするリョテイ。先ほどの精神的な云々の核心は、恐らくここなのだろう。

 深呼吸をして、近くのソファにどっかりと座り込むリョテイ。手のひらをひらひらと振って、俺にも着席を促してくる。

 話をするつもりらしい。とりあえず俺は、リョテイの対面に腰かけた。


「なぁトレーナー、このおまじないって……どういう効果を持ってるかとか知ってるか?」
「……いや。過去のループの記憶を呼び覚ます、ってことくらいしか……」
「アタシもそう思ってた。というか大体はそれであってると思う」


 リョテイは小さく脚を組んで、手を顎にやる。

 しばらくの思考の後、「実はさ」と口火を切った。


「三回、見たんだ」
「……三回?」
「ああ、三回」


 三回、と聞いて、それが一体何を示す回数なのか俺は一瞬理解することが出来なかった。

 思考し、リョテイの言葉を反芻する。そして咀嚼。

 数秒の後、ふと頭の中に浮かんできた可能性は――なるほど、ある意味では道理であると言えるかもしれない。

 つまり、”ループの記憶を呼び覚ます”おまじないの結果発生した、三回のナニカ。


「――つまりリョテイ、君は……ループした世界を見てきたのか?」
「そういうこった。最初はスペシャルウィークを担当したループ、次はツインターボのループ、そしてマヤノトップガンのループ」
「……何故、リョテイだけがそんな回数のループを見ることが出来たんだ?」


 さぁな、とリョテイは肩をすくめる。確かに、彼女に聞いても仕方のない質問だった。


「三回とも、リョテイの視点だったのか?」
「ああ、アタシの主観だった。ただ漠然と、今がどのループか、誰を担当していた時期かっていうのは理解できてた」
「……なるほど。で、あんまり気持ちのいいものではない光景って、何を見たんだ?」


 ああ、とリョテイは小さく声をあげて、手を組んだ。

 そしてそのままのけぞるようにソファにもたれ、天を仰いだ。


「――アンタが消滅して一年、世界が突然そこで”消えちまう”のさ」
501 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/01/14(金) 00:58:34.98 ID:+cHDeyDn0
「――は?」


 疑問よりも先に、それを嘘だと断じたい気持ちが前に出た。

 だって、つまり、それは。


「嘘だって信じたい気持ちは理解できるぜ。何せ、もしアタシが見た光景が真実だとするのであれば――」
「――俺が呼び起こした記憶は、全て嘘ってことになる」


 言葉にしてしまえば、確信となってそれは俺を絡めとる。


「なぜそうなってるのかはアタシにもわからない。ただ、アタシから見たアンタのループ後の真実はそうなってた」
「……一体、どうなってるんだ?」
「……気持ちは痛いほどわかる。なにがなんだか分からなくなってくるって気持ちは、アタシにもあるからな」


 よいしょっと、と声を漏らしながら、リョテイはその場から立ち上がる。


「気分転換がてら、外の空気を吸ってくる。アンタも整理する必要があるだろ?」
「……ああ。そうさせてもらう」


 じゃあ、また明日。

 リョテイは一瞬俺へと視線を向けて、トレーナー室をあとにした。

 そこに込められている感情は――悲哀だった。

 まるで、見たくなかったものを見てしまったかのような彼女の表情は……きっとこれからずっと、俺の脳裏から離れることはないだろう。


―――――――――――――――――――――――――――――――


▼[リミテッドイベント:須臾]が終了しました。
▼[リミテッドイベント:過去]のフラグが立ちました。
▼[リミテッドイベント:現在]のフラグが立ちました。
▼[リミテッドイベント:未来]のフラグが立ちました。


―――――――――――――――――――――――――――――――
502 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/01/14(金) 01:06:27.34 ID:+cHDeyDn0

トレーナー「……この世界には、何か大いなる謎が存在するのか?」

トレーナー「……」

トレーナー「……あるいは。それとも……俺が作り出した虚構なのか?」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:853(A)
スタミナ:575(C)
パワー :671(B)
根性  :670(B)
賢さ  :963(A+)

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行
スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/その他(良識の範囲内で自由に)
※天皇賞・秋まであと8ターン(当該ターン含む)
※夏合宿まであと2ターン
※休憩効果発動中、次回トレーニング効果2倍

―――――――――――――――――――――――――――――――

ナイスネイチャの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)

キンイロリョテイの好感度:★★★/★★★★★☆☆☆(好感度:+5/親友)

シンボリルドルフの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

ツインターボの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)

マヤノトップガンの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

―――――――――――――――――――――――――――――――
        【現在立っているフラグ】

■エクストライベント
・「祈りは力に、願いは形に」/特定の時期に、ある場所を訪ねる
・「地を支え、海を拝せよ」/探索の進捗を終了させる
―――――――――――――――――――――――――――
■メインイベント
・[地に閃く黄金の旅程]/開始中 3/5
―――――――――――――――――――――――――――
■リミテッドイベント
・[過去] / 行動安価で[リミテッドイベント:過去]の開始を選択する
・[現在] / [リミテッドイベント:過去]の終了後条件解禁
・[未来] / [リミテッドイベント:現在]の終了後条件解禁
―――――――――――――――――――――――――――
■エンディングイベント
・[夢n夜]/?????
―――――――――――――――――――――――――――――――
503 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/14(金) 01:20:46.24 ID:W2Mm6tQk0
メインイベント進行
504 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/14(金) 01:37:32.54 ID:4DaSCag2o
突然終わる世界……ウイポかな?
冗談は置いといてこれはしっとりトレーナーの可能性が……?
505 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/14(金) 07:01:17.37 ID:+J8YAqKA0
トレーナーが消えた瞬間に世界が消えるなら
トレーナー中心で世界を視てるからですむけど
きっかり1年後に消えるのか
506 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/14(金) 07:47:21.50 ID:W2Mm6tQk0
リョテイがと違って会長を除く周回を見られたのは単に今まで育成対象にならなかったからか、それとも彼女はこの世界ではモブ(舞台装置)の筈で本来育成対象になるはずでないイレギュラーだったからか……
507 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/01/30(日) 16:16:11.59 ID:4nnUILjg0

 ターフを吹き抜ける風。

 わずかばかり湿ったそれは、梅雨特有の陰鬱な雰囲気を俺に感じさせた。

 ……いや、俺の気持ちが、吹き付ける風をそうさせたのだ。

 とはいえ、だ。分からないことがあったとしても、例えそれが重大な何かであったとしても。

 リョテイのレースは待ってはくれない。天皇賞秋は、そしてそこで待つサイレンススズカは――。


「――! ―――っ!」


 何だろう、ひどくシリアスな雰囲気なのに、なんというか……ギャグマンガ的な何かがこちらに来ているような気がして。

 不意に耳に訪れた音に、視線をそちらに向けて。


「ゴルシちゃんを何か月も待たせるって――どういう了見、じゃいッ!」


 こちらに突っ込んでくるセグウェイと、それに乗り突貫してくる喜色満面のゴールドシップを最後に、俺の意識は立ち消えた――。


―――――――――――――――――――――――――――――――


「やーわりぃわりぃ! まさか避けられないなんて考えてもいなかったぜ!」
「そりゃウマ娘だったら避けられるかもしれないけどさ……」


 渋面を浮かべた俺に対し、悪びれもしない様子でゴールドシップは笑いかける。

 まぁ思ったよりも威力は低くて助かったけど、それでも何の了見があって人にセグウェイで突っ込んでくるのだろうか。

 俺が問いかけると、ゴールドシップは「さっきも言ったけどな」と前置きして、トレーナー室据え置きのルービックキューブを弄り始めた。


「アンタが言ってきたんだろ、ウチのウマ娘の指導をお願いしたいって」

「……」


 そういえば。

 どれだけ前かは忘れたけれど、リョテイの指導を依頼した記憶がある。

 リョテイの才能が花開くのは追込。俺が指導してもいいのだが、餅は餅屋とも言うし、蛇の道は蛇とも言うし。

 ……というわけで、ゴールドシップに依頼をしたんだった。

 ということは。


「……俺の落ち度だ、すまん」

「ま、いいぜ。おかげで”あの”トレーナーのマヌケ面を見れたことだしな」


 くつくつと笑って、ゴールドシップは意味ありげにこちらに視線をよこしてくる。


「さて、早速指導と洒落込もうぜ?」

「あ、ああ……」

「早く行こうぜ! 化石になっちまう!」


 化石……? 
508 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/01/30(日) 16:27:14.20 ID:4nnUILjg0

ゴールドシップ「ってワケで、ビシバシしごいてやるからなっ!」

リョテイ「……おい、トレーナー。アンタ、なんでコイツ連れてきたんだよ」

トレーナー「そりゃ、ゴールドシップって言えばトレセン学園でも有数の実力者だし」

リョテイ「それはそうだけどな……。でも、実力があるからって指導がうまいってイコールでつながるモンなのか?」

トレーナー「……」

トレーナー「……なんだかんだ、ゴールドシップって要領良さそうじゃん?」

リョテイ「……」

リョテイ「まあ、せっかく設けてくれた機会なんだ。モノにしてみせる」

トレーナー「ああ、此処での成果がそのまま天皇賞秋に影響してくるはずだ。応援してるぞ!」

リョテイ「……あいよ」


―――――――――――――――――――――――――――――――

下1 コンマ
50以下:スキルヒント[お見通し]Lv1 獲得
50以上:スキルヒント[視界良好!異常なし!]Lv1 獲得
ゾロ :??? 獲得
509 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/30(日) 16:30:16.54 ID:3n1lv2WdO
てす
510 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/02/01(火) 21:45:51.45 ID:QTJMkJiZ0
追いついた。本当に面白くて一気読みしてしまった
511 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/02(水) 00:00:49.96 ID:X5X1JqOW0
上げてまで書き込む内容か?
512 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/02/03(木) 21:25:38.59 ID:hQ27ucl80
ゴールドシップ「上むいて走ると前が見えないし、目が乾くだろ?」

リョテイ「おう」

ゴールドシップ「でも下向いて走ると、猫背になっちまう」

リョテイ「まぁ、その通りだ」

ゴールドシップ「つまり前むいて走ればいいんじゃね?」

リョテイ「……」

リョテイ「……当然のことを言われてるのに、なぜだろう。何だか新しい発見をした気持ちになれるのは……」

ゴールドシップ「じゃあ物は試しだッ! 目ぇひん剥いて舌出しながら走ろうぜ!」

リョテイ「おうッ!」

トレーナー「……」

トレーナー(なんでリョテイはゴールドシップのノリについていけてるんだ……?)

ゴールドシップ「ダメダメ、そんな走り方じゃガンジス川は横断できないぜ?」

ゴールドシップ「もっとこう……インダスの香りを感じながら、モヘンジョ・ダーロに想いを馳せて!」

リョテイ「……つまり、こうか?」

ゴールドシップ「!! まさかゴルシちゃん以外にこの走法をマスターできるウマ娘がいようとは……」

ゴールドシップ「お前……ナニモンだ?!」

トレーナー(なんか意気投合してるし……)

―――――――――――――――――――――――――――――――

▼スキルヒント[視界良好!異常なし!]Lv1を獲得した。

▼[地に閃く黄金の旅程]の進捗が進んだ。(3/5→4/5)
513 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/02/03(木) 21:41:09.67 ID:hQ27ucl80

トレーナー「さて、そろそろ夏合宿の時期だけど……」

トレーナー「……」

トレーナー「もし、もし……この世界が俺の作り出した思い込みの世界なら」

トレーナー「あの場所で築いてきた思い出も全部、俺の独りよがりな妄想だったのかな……?」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:853(A)
スタミナ:575(C)
パワー :671(B)
根性  :670(B)
賢さ  :963(A+)

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行
スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/その他(良識の範囲内で自由に)
※天皇賞・秋まであと7ターン(当該ターン含む)
※夏合宿まであと1ターン
※休憩効果発動中、次回トレーニング効果2倍

―――――――――――――――――――――――――――――――

ナイスネイチャの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)

キンイロリョテイの好感度:★★★/★★★★★☆☆☆(好感度:+5/親友)

シンボリルドルフの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

ツインターボの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)

マヤノトップガンの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

―――――――――――――――――――――――――――――――
        【現在立っているフラグ】

■エクストライベント
・「祈りは力に、願いは形に」/特定の時期に、ある場所を訪ねる
・「地を支え、海を拝せよ」/探索の進捗を終了させる
―――――――――――――――――――――――――――
■メインイベント
・[地に閃く黄金の旅程]/開始中 4/5
―――――――――――――――――――――――――――
■リミテッドイベント
・[過去] / 行動安価で[リミテッドイベント:過去]の開始を選択する
・[現在] / [リミテッドイベント:過去]の終了後条件解禁
・[未来] / [リミテッドイベント:現在]の終了後条件解禁
―――――――――――――――――――――――――――
■エンディングイベント
・[夢n夜]/?????
―――――――――――――――――――――――――――――――
514 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/03(木) 21:49:24.95 ID:v0Ou5e8do
メインイベント進行
515 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/03(木) 22:00:23.08 ID:ozA1FDSmo
そら黄金の血族の元締めやしな…
516 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/02/04(金) 02:37:39.20 ID:FsolJFE70

「なるほどな、事情は把握したぜ」
「本当に……?」


 知恵の輪をいじりながら、ゴールドシップは俺の言葉に頷いた。


「要は、本人の気質と脚質がうまく噛み合ってないってことだろ?」
「まぁ、そうなんだけど……」


 以前から感じていた、リョテイの脚質と本人の気質の合わなさ。

 素晴らしい資質を持っているのに、それを活かし切れていない。

 それを導ききれないのはトレーナーとして恥ずかしく思うが、餅は餅屋。

 追込をメインの脚質とするゴールドシップであれば、教師役としてこれ以上の存在はいない。

 とはいえ、奇人変人のカテゴリに間違いなく、確実に、もうこれ以上ない好例としてロックインされるのがゴールドシップというウマ娘で。


「――とはいえ、だ」


 ふと、ゴールドシップが解いた知恵の輪を机上において、こちらをしっかりと見据えた。

 オパールの瞳が一瞬優しげな色を帯び、ゴールドシップは小さく微笑んだ。


「後輩が困ってんだ。ここは先輩の肌の脱ぎどころってヤツだろ」
「ゴールドシップ……」


 ……奇行が目立つゴールドシップだが、彼女はある程度計算して動いている節がある。

 時折見せる表情が違ったり、ふとした拍子に零れる言葉が、彼女の真実は表面にはないことを物語っていた。

 そして、この表情こそが、彼女の真実の一つなのだろう。俺は何故かそう確信した。


「アンタがどんな心配をしてるか、ゴルシちゃんにはマルっとお見通しだぜ?」
「……ありがとう」
「おおっと、礼を言われるにはまだ早い。行動には対価というものが伴うってテレビで言ってなかったか?」


 また組み直した知恵の輪を机の上に戻しながら、ゴールドシップは僅かにほほ笑む。


「見事改善出来たら、ゴルシちゃん無二の相棒を取り戻す手伝いをしてくれ!」
「……無二の相棒? 取り戻す?」
「ああ! アイツはゴルシちゃん無二の相棒だ……。ターフを駆ける時も、健やかなるときも病める時も、タイ漁でオケラだったときも、いつも一緒だった……」


 四六時中共に居たらしい。では、それは何なのか……。

 悲しそうに、あるいは大仰に哀しんで見せたゴールドシップの視線の先には、窓。

 いや、その先にある中庭だろうか。そこに何かの黒い残骸が見える。

 これは、ひょっとして――。


「セグウェイ?」
「ゴルシちゃん号だ」


 何処から突っ込めばいいのかわからない。

 だが、とりあえず……一つ言えることがあるとするなら。


「機械なんだから海に持っていくなよ……」


 錆びて動かなくなるぞ。
517 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/04(金) 11:13:52.40 ID:r6dfREIp0
うーんなんて事のない事実を無駄に壮大に語るこのゴルシクオリティ
518 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/02/05(土) 17:58:24.80 ID:MtUa99lX0


「――そこ、跳ねる魚のように!」
「跳ねる魚ってなんだ――よッ!」


 並走するゴールドシップが、リョテイに告げる。

 リョテイは意味の解らなさから僅かに渋面を浮かべつつ、しかし走法をがらりと変えた。

 すると――先ほどまで背中を追うだけだったゴールドシップに、リョテイが並ぶ。


「お、いい感じに並んできたじゃねぇか!」
「なんで上から目線なんだよ、クソッ!」
「くやしーなら追いついてみろ! カジキマグロみたいに!」


 やはり上手く理解が出来ない言葉を吐きながらも、その表情は真剣そのものだ。

 ゴールドシップなりに、問題解決へと動いてくれているという事だろうか。

 まぁ、交換条件自体もしっかりと取り決めたうえでの指導だから、当然と言えば当然なんだけど。


「だらっしゃーい!」


 ……ゴールドシップの指導は、太陽が地に沈むまで行われた!

519 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/02/05(土) 22:23:23.84 ID:MtUa99lX0

「疲れた……」
「お疲れ様」


 ゴールドシップとのトレーニングが終了し、俺たちは彼女と別れてトレーナー室に戻った。

 ゴールドシップの無尽蔵にも近いスタミナでしごかれたリョテイはかなりしんどそうで、戻るなりソファに倒れこむように座った。

 机の上に、備え付けの冷蔵庫から取り出したスポーツドリンクを置きながら、リョテイの反対側に俺は座った。


「それで、何か得られたか?」
「あのしごきにも近いトレーニングで何か得られなかったら、アタシは今頃アンタを訴えてる……」


 二度とゴメンだと吐き捨て、リョテイは顔を顰めた。先ほどまでのトレーニングを思い出したのだろうか。


「――得られたよ。なんとなく、これよりももっと走れそうな気がする」


 そうつぶやくリョテイの瞳は、何かを見据えたかのように爛々と輝いていて。

 いつか彼女が語った浪漫が、まるで今眼前にあるとでもいうような――。


「なぁ、トレーナー」
「……なんだ?」
「この脚があれば、何処にでも届くよな」


 それは、と言葉を吐きかけて、噤む。

 確かに、洗練されたリョテイの脚があれば、URAを掴めるかもしれない。

 だが、だが。”それだけ”で優勝できるほど、URAという舞台は優しくない。


「……」


 だから、これは多分、事実とかじゃなくて。


「届くよ」


 願いだ。

 俺の進化したスキルたちと因子。そして、天賦の才を持つリョテイであれば成し遂げることが出来るはず。

 顔をあげて、リョテイの瞳を見る。興奮から血液が循環し、僅かに拡大した瞳孔は――俺の言葉を疑うべくもないと信じ込む瞳だ。

 あの日、あの時――彼女に”浪漫”を説いた俺は、今、少しずつ……。


「絶対に、届く」


 彼女の走りに、浪漫を感じ始めていた。

 ターフを走るごとに刻まれていく輝かしい記録を知るたびに、まるで俺の人生に、黄金色の足跡が付いていくような気すらする。


――地に閃く、黄金の旅程。


 もし、彼女の……キンイロリョテイの走りにタイトルを付けるのであれば、この一文こそ冒頭に相応しい。


―――――――――――――――――――――――――――――――

▼[地に閃く黄金の旅程]の進捗が進んだ。(4/5→5/5)

▼[地に閃く黄金の旅程]の全進捗が終了した。
 キンイロリョテイの[脚質:追込]適性が上昇した。(B→A)
 固有スキル[黄金天馬]の固有スキルレベルが上昇した。(Lv4→Lv5)

▼メジャーイベント[未だ見ぬ黄金郷]のフラグが立った。
520 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/06(日) 11:57:41.90 ID:1ru7wZeWo
追込いいねえ
521 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/02/06(日) 17:30:25.97 ID:COhKVNmC0


 バスのエンジンの音に紛れて、僅かに海鳴りが聞こえてきた。

 環境とか、俺の気持ちとか、変わるものはたくさんある。

 けれど、この音が近寄るにつれて、早鐘を打つ心臓の感覚だけは変わることはない。

 ……変わらないものなんて、この世に存在しないことなんて、もう理解してる。

 だからこそ、俺はこの感覚を何よりも大事に、いつまでも持っていたいって思うんだろうな。


「おい、トレーナー。ボーっとしてたら置いてくぞ!」


 遠くからリョテイが俺を呼ぶ声が聞こえる。

 俺はその声に応えるように、あるいは心内に蔓延っていた悩みを振り払うように。


「今行く!」


 抜けるような青空に向かい、大きく返事をした――!


―――――――――――――――――――――――――――

■夏合宿について
夏合宿中は以下のことが行えます
・トレーニング
・休憩(トレーニング効率2倍)
・探索

■トレーニングについて
普段より効率のいいトレーニングを行うことができます。

■休憩について
トレーニング効率がアップします。また、やる気が下がっている場合は1段階上昇します。

■探索コマンドについて
夏合宿中、付近の探索を行うことができます。
このコマンドによって発生した進捗はループを経ても記録されます。
直接ウマ娘の成長に結びつくかどうかは運次第。ですが結びついた時のリターンは大きい、言わばギャンブルのような要素です。
また、探索の結果によっては次回ループ時に影響が発生する可能性があります。

―――――――――――――――――――――――――――

下1
今日は何をする?
トレーニング/休憩/探索/その他(良識の範囲内で自由に)

※休憩効果発動中。次回トレーニング効率2倍。
522 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/06(日) 17:44:29.89 ID:YesbBxIRo
探索
探索完了ボーナスってまだだったよね…?(自信ないすまぬ)
523 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/02/06(日) 18:28:07.36 ID:COhKVNmC0
――――――――――――――――――――――――――


■探索について

・探索とは?
夏合宿中にのみ行える特殊な行動です。
様々なスキルのヒントや、ループに役立つものなどが獲得できる唯一の行動ですが、時には何の成果も得られず終わる、いわばギャンブルのような行動です。
探索は13の探索度を有しており、一度探索するとその是非を問わず、探索度を1増やします。
※現在の探索度は[2/13]です。

・探索の特徴
探索は【ループしても探索度が保持されます】。
また、探索度を増やせば増やすほど、報酬を得る機会は増加します。
最終到達地点に到着すると、イベントが発生します。

・道中の判定について
下5コンマ安価を一気に取ります。
コンマの集計が終了した後、再度下5コンマ安価を取ります。
最終的に今までに集計した10コンマ安価を総合した数値によってリザルトを算出します。
道中の安価にも報酬が存在することがありますが、それなりに難度が高いものだと考えてください。
基本的にはコンマの数値が高ければ高いほど、ウマ娘やトレーナーにとって有用なものが入手できます。
コンマがゾロ目だった場合は、原則として終了後に追加ロールが発生するものとします。

・その他
追記すべき事項があれば都度追記します。
連取は性質上1分経過後であれば可能なものといたします。
ご協力のほどお願い致します――。


――――――――――――――――――――――――――
524 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/02/06(日) 18:28:56.57 ID:COhKVNmC0

>>522
現在の進捗は、今回の探索を含めると[6/13]です。

――――――――――――――――――――――――――

リョテイ「……んでトレーナー。アンタ夏合宿来たってのに早速散歩かよ」

トレーナー「まぁ、何というかルーティン? みたいなのになってるからな」

リョテイ「はぁ……。アンタも結構解らない行動するとは思ってるが、夏合宿のコレだけはいまだによく理解できてない……」

トレーナー「あれ、言ってなかったっけ? この島で散歩すると、なんかいい感じのスキルを手に入れることが出来るんだ」

リョテイ「スキルっていうとアレか、アタシたちウマ娘が走るにあたって効果を発揮する走法とか――」

トレーナー「ああ。たとえばコーナーでの足さばきとか体勢とかだな。あれを何というか――ゲームっぽくしたヤツがスキルだ」

リョテイ「ほーん。そんなものが散歩で手に入るなんて、想像だにしなかったな……」

トレーナー「俺も取得できるって気付いたのは偶然だよ」

リョテイ「なるほどな」

リョテイ「……にしても、去年とは大違いだな」

トレーナー「何が? 風景は変わってない気がするけど」

リョテイ「アタシたちと、トレーナーとの関係。以前は冷たくあしらってただろ?」

トレーナー「ああ……」

トレーナー(あの時は事務的に接しようとするあまり、冷たい対応をしてしまったからな……)

トレーナー「確かに、そう考えると今は少し違うな。事情についても理解してくれているし、何より気心が知れた? っていうか」

リョテイ「まぁ、お互いのことを深く知りつつあるって言うのは確かだな」

トレーナー「それもこれも、リョテイが歩み寄ってくれたおかげだ。ありがとな」

リョテイ「……」

トレーナー「どうした? 顔が赤いぞ?」

リョテイ「な、何でもねぇよ! ただ、その……こっぱずかしいだけだッ!!」

トレーナー「ちょ、リョテイ!? ここデコボコだから走ったら――」

トレーナー「はぁ、どうしてそんなに恥ずかしがるかね……?」

――――――――――――――――――――――――――


[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:853(A)
スタミナ:575(C)
パワー :671(B)
根性  :670(B)
賢さ  :963(A+)


――――――――――――――――――――――――――


下1〜5 探索安価

下1:コンマ値+30
下2:コンマ値+10
下3:コンマ値+20
下4:コンマ値+20
下5:コンマ値+35


――――――――――――――――――――――――――
525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/06(日) 18:33:42.59 ID:xlBKTOGHo
ヌン
526 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/06(日) 18:37:08.60 ID:ZVKdd7Bl0
はあっ
527 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/06(日) 18:40:25.80 ID:KGjcY+DPo
やー
528 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/06(日) 18:48:22.59 ID:r+5EoN6mo
529 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/06(日) 18:50:39.75 ID:+XcbePv4o
530 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/02/07(月) 01:25:28.76 ID:OyBeqx5o0

トレーナー「人間がウマ娘に勝てるはずが無いだろ……」

リョテイ「悪い悪い……。何というか恥ずかしさが勝って……」

トレーナー「ま、気持ちがわからないってわけじゃないけどな」

トレーナー「……と、切り株が見えてきたな」

リョテイ「こんなところに切り株があるって言うのも珍しいよな。手入れがされている様子もないし」

トレーナー「……言われてみれば、手入れがされていないのに切り株があるのもおかしな話だよな」

リョテイ「まぁ、もしかしたら誰かが以前手入れしてただけかもしれないしなぁ」

トレーナー「そこのところの真偽は不明――ってところか。まぁ、不思議な島だし、特に理由もなく存在している可能性も微粒子レベルには……」

リョテイ「ロジカルじゃねぇなぁ……」

トレーナー「そもそも俺の存在こそロジカルじゃないんだけどなぁ……」


――――――――――――――――――――――――――


[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:853(A)
スタミナ:575(C)
パワー :671(B)
根性  :670(B)
賢さ  :963(A+)


――――――――――――――――――――――――――


下1〜5 探索安価

下1:コンマ値+30
下2:コンマ値+10
下3:コンマ値+20
下4:コンマ値+20
下5:コンマ値+35


――――――――――――――――――――――――――
531 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/07(月) 06:12:28.49 ID:NfZsk2o1o
ほい
532 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/07(月) 06:14:47.48 ID:k0/4dRIeo
ヌッ
533 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/07(月) 07:40:46.50 ID:3MmvSRfHo
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/07(月) 08:19:19.05 ID:x2iJMc4Ho
535 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/07(月) 08:45:54.91 ID:ZkNYVOADo
536 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/02/12(土) 01:34:08.65 ID:SD1xuYpA0
トレーナー「すっかり日が暮れてしまったな」

リョテイ「ああ。結構歩いたなぁ」

リョテイ「と、ここは……」

トレーナー「……懐かしいな」

リョテイ「海岸……か。ここで何かあったのか?」

トレーナー「ああ、ここで花火をしているスペシャルウィークと出会って……励まされたっけ」

リョテイ「ふぅん……」

リョテイ「トレーナーにとって、この島は思い出の場所なんだな」

トレーナー「……まぁ、そうなるな。と言っても、この島に担当トレーナーとウマ娘として訪れるのは、君が二人目なんだけどね」

リョテイ「……一人目って言うのは、やっぱりマヤノトップガンのことか?」

トレーナー「ああ」

リョテイ「……」

リョテイ「……なぁ、トレーナー」

トレーナー「ん、どうした?」

リョテイ「アンタさ、抵抗とかないのか?」

トレーナー「……抵抗?」

リョテイ「だって、アタシたちとアンタってだいぶ年の差開いてるだろ? その……それくらい離れてても、恋愛の対象になるのか、って聞いてんだよ」

トレーナー「……」

トレーナー「まぁ、確かにロリコンとかの誹りを受けたことはある。でも、抵抗とかは感じたことがなかったかな」

トレーナー「何というか……多分俺が好ましいと思っていればそれでいいんだと思う。俺の中ではね」

リョテイ「そっか……」

リョテイ「じゃあ、良いわけだ」

トレーナー「……何か言ったか?」

リョテイ「いや、何でもない。ただの独り言だ」

トレーナー「……」

トレーナー「そうか」

リョテイ「そうだ」

リョテイ「なぁ、トレーナー」

リョテイ「――星が綺麗だな」


――――――――――――――――――――――――――


[59+30]+[60+10]+[80+20]+[59+20]+[75+35]
+
[49+30]+[48+10]+[50+20]+[05+20]+[91+35]
――
合計:806

▼スキルヒント[影打]Lv1を獲得した。(100)
▼スキルヒント[真打]Lv1を獲得した。(500)

▼スキルヒント[別腹タンク]Lv1を獲得した。(200)
▼スキルヒント[火事場のバ鹿力]Lv1を獲得した。(600)

▼トレーナー下位スキルヒント[隠れ潜むもの]Lv1を獲得した。(800)

▼アイテム[やる気ドロップス]を獲得した。(300)

▼アイテム[目覚まし時計]を獲得した。(400)

▼アイテム[夢のきらめき]を獲得した。(700)
537 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/02/12(土) 01:39:55.69 ID:SD1xuYpA0


トレーナー「潮騒の魔力か、あるいは俺の言動がそうさせたのか……」

トレーナー「万が一にも俺があの言葉を聞き逃すことなんてない、って、リョテイも理解しているはずなのに」

トレーナー「それなのに、あの言葉を放り投げた、その真意はどこにある――?」

トレーナー「それとも、真意なんて無くて、ただ……」

トレーナー「……考えすぎだな」


―――――――――――――――――――――――――――

■夏合宿について
夏合宿中は以下のことが行えます
・トレーニング
・休憩(トレーニング効率2倍)
・探索

■トレーニングについて
普段より効率のいいトレーニングを行うことができます。

■休憩について
トレーニング効率がアップします。また、やる気が下がっている場合は1段階上昇します。

■探索コマンドについて
夏合宿中、付近の探索を行うことができます。
このコマンドによって発生した進捗はループを経ても記録されます。
直接ウマ娘の成長に結びつくかどうかは運次第。ですが結びついた時のリターンは大きい、言わばギャンブルのような要素です。
また、探索の結果によっては次回ループ時に影響が発生する可能性があります。

―――――――――――――――――――――――――――

下1
今日は何をする?
トレーニング/休憩/探索/その他(良識の範囲内で自由に)

※休憩効果発動中。次回トレーニング効率2倍。
538 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/12(土) 01:51:50.02 ID:e44zXBNso
トレーニング
539 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/02/12(土) 09:54:10.94 ID:SD1xuYpA0

トレーナー「今日も太陽は高いなぁ……」

ルドルフ「太陽がたかいよう……?」

トレーナー「微妙に踏めてないぞ、韻」

ルドルフ「……研鑽が足りてないな」

トレーナー「そんな研鑽を積むな積むな……」

ネイチャ「いいじゃないですか、トレーナーさんや。磨けば光る原石ってモンですよ?」

トレーナー「そんな原石があってたまるか……もっと別のところで輝いてくれ……」

リョテイ「夫婦漫才はそこそこにトレーニングやろうぜ」

マヤノ「ねーねートレーナーちゃん! マヤとも夫婦漫才やろーよ!」

リョテイ「夫婦漫才はやろうと思って出来るものでもないだろ!」

ルドルフ「原義を引けば、夫婦で漫才をするだけだから可能だろう? だが、そもそも――二人は夫婦でもあるまいし、不可能だろう?」

マヤノ「へぇ……」

ルドルフ「何か、言いたいことでも?」

ネイチャ「なんか空気がいきなり重くなっちゃった……」

トレーナー「……」

トレーナー「……とりあえずトレーニング、始めようか」

ターボ「全開だーッ!」


――――――――――――――――――――――――――


[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:853(A)
スタミナ:575(C)
パワー :671(B)
根性  :670(B)
賢さ  :963(A+)


――――――――――――――――――――――――――


下1 トレーニングの種類
スピード/スタミナ/パワー/根性/賢さ

下2〜3 トレーニングの効果量
※コンマゾロ目の場合は追加ロール、追加イベント

540 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/12(土) 10:22:06.67 ID:pVOJfwip0
スタミナ
541 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/12(土) 10:24:46.12 ID:jTYizpYN0
大地が弾んで
542 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/12(土) 11:22:42.34 ID:e44zXBNso
しっとり
543 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/14(月) 02:12:21.08 ID:yojUi1Uz0
「月が綺麗ですね」は「貴方を愛しています」の意味
リョテイの言った「星が綺麗ですね」は「貴方は私の想いを知らない」
リョテイ…
544 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/02/14(月) 22:52:44.81 ID:RQYerYNJ0

トレーナー「……なんか、ルナの変な冗談で気合が入らないな」

ルドルフ「む、トレーナーくん。人のせいにするとはいただけないな」

ネイチャ「そーですよ。トレーナーさんの問題はトレーナーさんで解決するべきで……」

ターボ「何々?! 何か悩みでもあるのか、トレーナー!」

トレーナー「いや無いけど」

リョテイ「無いのか?」

トレーナー「……や、あるかも」

マヤノ「トレーナーちゃんと言えばアレって問題があるよね〜」

トレーナー「アレってなんだ……?」

トレーナー「……」

トレーナー「あれ、トレーニング出来てなくね?」

――――――――――――――――――――――――――

▼キンイロリョテイのスタミナが上昇した
スタミナ:575(C)+{(12+34+[マヤノトップガン:20]+[サンライトブーケ:マヤノトップガン:60])×1.25}×[休憩効果:2倍]=890(A)
545 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/02/14(月) 22:56:50.41 ID:RQYerYNJ0

トレーナー「日焼けのことを考えると、容易に肌を晒せなくなるよな……」

トレーナー「若いころは何も考えずに日焼けしてたけど、大人になった今は何というか、全てに対して臆病になった気さえする」

トレーナー「臆病というより……躊躇? あるいは価値観の変化ともいえるだろうか」

トレーナー「子供に戻りたい、って気持ちはちょっとあるよなぁ……」

トレーナー「ポケットにファンタジー……」

―――――――――――――――――――――――――――

■夏合宿について
夏合宿中は以下のことが行えます
・トレーニング
・休憩(トレーニング効率2倍)
・探索

■トレーニングについて
普段より効率のいいトレーニングを行うことができます。

■休憩について
トレーニング効率がアップします。また、やる気が下がっている場合は1段階上昇します。

■探索コマンドについて
夏合宿中、付近の探索を行うことができます。
このコマンドによって発生した進捗はループを経ても記録されます。
直接ウマ娘の成長に結びつくかどうかは運次第。ですが結びついた時のリターンは大きい、言わばギャンブルのような要素です。
また、探索の結果によっては次回ループ時に影響が発生する可能性があります。

―――――――――――――――――――――――――――

下1
今日は何をする?
トレーニング/休憩/探索/その他(良識の範囲内で自由に)
※夏合宿終了まであと2ターン
※天皇賞秋まであと4ターン
546 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/14(月) 23:25:29.50 ID:IWOnjqK/o
探索
547 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/14(月) 23:41:10.41 ID:ujbB74Rg0
ポケットにファンタジーは20年前は特に何とも思わないけど今聞くとガチ泣きする筆頭曲だからやめてくれ
548 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/15(火) 00:04:48.28 ID:7L0HGD+lo
SS速報避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/
549 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/02/15(火) 00:05:17.64 ID:kOUiSDyg0

トレーナー「もし無人島に何か一つ持っていくとしたら、なんてベタな問いかけがあって」

トレーナー「じゃあ、俺は何を持っていくかって言われたら――何を選ぶんだろうな」

トレーナー「実利を取るならナイフとかだろうか。木を切ったり、外敵の排除に使ったり……とにかく便利だ」

トレーナー「あるいは簡単に火を熾せるライターとかだろうか。動物は火に恐怖するというし、大体の食べ物は加熱すれば食べることが出来る」

トレーナー「……文化的な側面を取るなら本だろうか。内容があるものならば、一文一文を読み解いて飽きることはないだろう。内容がないものならば、何か筆記できるものを探して、日記を付けるのもいい」

トレーナー「あるいは……」

トレーナー「あるいは、傍に居てほしいと思う人」

トレーナー「どれだけ苦しくても分かち合えて、どれだけ悲しくても決して離れない、磁石のような誰か」

トレーナー「実利は本能、文化的な側面は理性と捉えることが出来る。であれば、誰か傍に居てほしいひとを選ぶと言うのは、本能と理性の間、あるいはどちらも超克したところにある選択なんじゃないか――」

トレーナー「……”星”か」

トレーナー「リョテイは一体、俺にどうあってほしいんだろうか」

トレーナー「彼女にとって俺は、無人島に持っていくナニカ1つ程度の存在になっているのだろうか」


――――――――――――――――――――――――――


[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:853(A)
スタミナ:890(A)
パワー :671(B)
根性  :670(B)
賢さ  :963(A+)


――――――――――――――――――――――――――


下1〜5 探索安価

下1:コンマ値+30
下2:コンマ値+30
下3:コンマ値+20
下4:コンマ値+20
下5:コンマ値+35


――――――――――――――――――――――――――
550 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/15(火) 00:18:13.52 ID:3QfTl6wuo
yo
551 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/15(火) 00:23:12.07 ID:+KrRqC41o
はい
552 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/15(火) 00:28:33.44 ID:HHI19EdAo
553 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/15(火) 03:09:33.62 ID:g5QQRZB70
雨のち晴れ
554 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/15(火) 04:49:31.69 ID:A9FsOAnjO
555 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/02/17(木) 01:11:26.46 ID:no9gwMIg0

トレーナー「――海だ」

トレーナー「沢山の思い出が蘇ってくる場所だ」

トレーナー「スペシャルウィークとの会話で救われたり、マヤノと花火したり、ここで告白したり――」

トレーナー「……」

トレーナー「潮騒の魔力、かぁ」

トレーナー「もしかすると、俺も潮騒の魔力に憑りつかれていたのかもしれないな」

トレーナー「何というか、海の近くって気が浮き立ちやすいのか……?」

トレーナー「どうなんだろうな」


――――――――――――――――――――――――――


[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:853(A)
スタミナ:890(A)
パワー :671(B)
根性  :670(B)
賢さ  :963(A+)


――――――――――――――――――――――――――


下1〜5 探索安価

下1:コンマ値+30
下2:コンマ値+30
下3:コンマ値+20
下4:コンマ値+20
下5:コンマ値+35


――――――――――――――――――――――――――
556 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/17(木) 01:18:09.42 ID:KNGHQOJL0
はい
557 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/17(木) 01:33:20.31 ID:7FM0q5u80
558 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/17(木) 05:54:57.58 ID:oUOetUhDO
ほい
559 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/17(木) 06:18:20.65 ID:NQeFfejXo
ヌッ
560 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/17(木) 07:38:06.10 ID:JEplhQtgo
561 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/02/17(木) 20:45:44.56 ID:no9gwMIg0
ゾロ目があるので、追加ロールです。

下1 ゾロ目安価
※ゾロ目の場合追加ロール
562 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/17(木) 20:51:08.89 ID:8O2MheGco
アヤベさん!
踏んで下さい!
563 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/21(月) 07:23:10.19 ID:SHUxHxf6o
SS速報避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/
564 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/02/23(水) 00:03:08.99 ID:6ofPnTOA0
トレーナー「……もう暗くなってきたな」

トレーナー「思えば、こんな風に夕日が沈んでいく海を見たのは初めてなんじゃなかろうか」

トレーナー「いっつも此処に来るのは日が落ち切ってからだったからなぁ……」

トレーナー「……」

トレーナー「星が綺麗、かぁ」

トレーナー「意味は――”あなたに憧れています”」

トレーナー「憧れる対象になるのは悪い気はしない。でも、リョテイが本当に俺に対して憧れなんて持つだろうか?」

トレーナー「……とすると、その真意は」

トレーナー「考えすぎ、なのか――?」

トレーナー「それとも……」

トレーナー「……」

トレーナー「夕陽が、綺麗だとは言えないよなぁ」

――――――――――――――――――――――――――


[52+30]+[07+30]+[44+20]+[62+20]+[69+35]
+
[42+30]+[31+30]+[58+20]+[65+20]+[10+35]
+
89
――
合計:799

▼スキルヒント[静かな呼吸]Lv1を獲得した。(100)
▼スキルヒント[潜伏態勢]Lv1を獲得した。(500)

▼スキルヒント[ありったけ]Lv1を獲得した。(200)
▼スキルヒント[決死の覚悟]Lv1を獲得した。(600)


▼アイテム[やる気ドロップス]を獲得した。(300)

▼アイテム[目覚まし時計]を獲得した。(400)

▼アイテム[夢のきらめき]を獲得した。(700)
565 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/02/26(土) 11:31:49.31 ID:VnL75X4O0

トレーナー「気付けば夏の終わりも近いな」

トレーナー「大体二ヶ月くらいの期間だけど、まるで光のように過ぎ去っていく――」

トレーナー「体感の短さに、少しの寂しさを感じたりすることもあるよな」

トレーナー「そういえば、一年の長さって年齢を重ねるごとに加速度的に短くなっていくらしいな」

トレーナー「子供のころ、夏休みが長く感じたのも、体感する時間の速度が遅かったからなのかなぁ」

―――――――――――――――――――――――――――

■夏合宿について
夏合宿中は以下のことが行えます
・トレーニング
・休憩(トレーニング効率2倍)
・探索

■トレーニングについて
普段より効率のいいトレーニングを行うことができます。

■休憩について
トレーニング効率がアップします。また、やる気が下がっている場合は1段階上昇します。

■探索コマンドについて
夏合宿中、付近の探索を行うことができます。
このコマンドによって発生した進捗はループを経ても記録されます。
直接ウマ娘の成長に結びつくかどうかは運次第。ですが結びついた時のリターンは大きい、言わばギャンブルのような要素です。
また、探索の結果によっては次回ループ時に影響が発生する可能性があります。

―――――――――――――――――――――――――――

下1
今日は何をする?
トレーニング/休憩/探索/その他(良識の範囲内で自由に)
※夏合宿終了まであと1ターン
※天皇賞秋まであと3ターン
566 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/26(土) 12:47:40.26 ID:pgwQUzTqo
トレーニング
567 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/03/09(水) 01:57:07.55 ID:askU1R530


新シナリオにのめり込んでたらいつの間にか凄く時間が経ってました……!


――――――――――――――――――――――――――

トレーナー「夏合宿も終わりが近いしな、そろそろ追い込みの時期だろう」

リョテイ「まぁな」

ルドルフ「追込ウマ娘の追い込みトレーニング……ウマいな……ふふっ」

ネイチャ「ウマいですなぁ……」

トレーナー「……」

トレーナー「トレーニングを、始めよう」

リョテイ「やる気が下がりましたって顔するなよ」

トレーナー「茶目っ気があるのはいいことなんだけどな、いかんせんいつものルナのことを思い出すと、何とも言い難い気持ちが、こう……」

リョテイ「……わかるけどな」


――――――――――――――――――――――――――


[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:853(A)
スタミナ:890(A)
パワー :671(B)
根性  :670(B)
賢さ  :963(A+)
やる気 :絶好調

――――――――――――――――――――――――――


下1 トレーニングの種類
スピード/スタミナ/パワー/根性/賢さ

下2〜3 トレーニングの効果量
※[サポートカード:スペシャルウィーク]アクティブ。根性の上昇値に固定値を追加。
※[サポートカード:ツインターボ]アクティブ。スピードの上昇値に固定値を追加。
※[サポートカード:マヤノトップガン]アクティブ。スタミナの上昇値に固定値を追加。
※[サポートカード:サンライトブーケ/マヤノトップガン]アクティブ。スタミナの上昇値に固定値を追加。
※ゾロ目は追加ロール。
568 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/09(水) 07:40:37.52 ID:GT8jkNmHo
スピード
569 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/09(水) 08:36:11.94 ID:kcN8jYZh0
570 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/09(水) 09:23:55.43 ID:SizVbU5e0
571 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/03/09(水) 16:14:00.50 ID:25TktijN0


トレーナー「スピードのトレーニングを行うぞ」

ターボ「ターボについてこーい!!」

トレーナー「先走るな先走るな――って、速っ……」

ルドルフ「ふふ、実に純真無垢だな」

トレーナー「元気すぎるのもたまにキズだな……」

ルドルフ「喪家乃犬となるよりはいい事だと思わないか?」

トレーナー「それもそうか……」

ターボ「ついてこーい!!!!」

トレーナー「………………」

トレーナー「うん、元気なことが何よりだな」

――――――――――――――――――――――――――

スピード:853(A)+{(94+43+[ツインターボ:20]×1.25}=1025(S)
572 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/16(水) 22:15:53.68 ID:SZLjXS/U0
提督「嫌われスイッチ?」明石「はいっ」
http://hayabusa3.open2ch.net/test/read.cgi/news4viptasu/1427368381/
提督「嫌われスイッチだと?」夕張「そうです!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1428849410/
魔剣転生というスレの作者ですが、断筆する事に致しました。
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1602503948/

外野の反応に負けてエタった先人たち
彼らの冥福を祈りつつ我々は二の舞を演じない様に注意しよう
573 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/31(木) 06:38:00.37 ID:DI0fVab5O
安価で1月一回なら、エンディング書いて畳んでくれよ
574 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/04/04(月) 14:45:54.32 ID:2ItMsT6mO
安価だから仕方ないけど、公式から供給されてないリョテイを書くのが厳しそうだなぁ
575 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/11(月) 00:31:25.67 ID:Ei3yjxHo0
やれる時にやってくれればええんやで
イッチのストーリー面白いから、いつまでも待ってる
576 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/11(月) 20:26:33.89 ID:ORVOXcVf0
私は待ってる。リョテイさんとスズカさんの勝負を一年先でも待っています
577 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/04/23(土) 20:14:51.82 ID:NHwSPPUI0


更新が途絶えてしまい、大変申し訳ございません。
公私にわたって忙しい時期が続いており、今後も安定したペースで書くことは難しいと思います。
書けるペースで細々と書いていこうと思いますので、何卒よろしくお願い申し上げます。


―――――――――――――――――――――――――――


トレーナー「……夏合宿が終了した。ということは、サイレンススズカとの対決も目と鼻の先になった、という事でもある……」

トレーナー「リョテイは仕上がりつつある。だが……だが、サイレンススズカに勝つには更に上のグレードにリョテイを仕上げる必要がある」

トレーナー「俺から彼女に出来ることは、限られている。でも八方手づまりではない」

トレーナー「さて、今日はどうしようか――?」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:1025(S)
スタミナ:890(A)
パワー :671(B)
根性  :670(B)
賢さ  :963(A+)
やる気 :絶好調

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行
スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/その他(良識の範囲内で自由に)
※天皇賞・秋まであと2ターン(当該ターン含む)

―――――――――――――――――――――――――――――――

ナイスネイチャの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)

キンイロリョテイの好感度:★★★/★★★★★☆☆☆(好感度:+5/親友)

シンボリルドルフの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

ツインターボの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)

マヤノトップガンの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

―――――――――――――――――――――――――――――――
        【現在立っているフラグ】

■エクストライベント
・「祈りは力に、願いは形に」/特定の時期に、ある場所を訪ねる
・「地を支え、海を拝せよ」/探索の進捗を終了させる
―――――――――――――――――――――――――――
■メインイベント
・[未だ見ぬ黄金郷]/目標外レースに出走し、一定以上の成績を収める。
―――――――――――――――――――――――――――
■リミテッドイベント
・[過去] / 行動安価で[リミテッドイベント:過去]の開始を選択する
・[現在] / [リミテッドイベント:過去]の終了後条件解禁
・[未来] / [リミテッドイベント:現在]の終了後条件解禁
―――――――――――――――――――――――――――
■エンディングイベント
・[夢n夜]/?????
―――――――――――――――――――――――――――――――
578 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/23(土) 20:30:45.27 ID:bkYi74Xyo
メインイベント進行

リアル大事に
続けてくれてありがとう
579 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/23(土) 23:13:30.78 ID:zO7OFGGh0
リアルが忙しいとかWi-Fiが不安定ってのはよくある手口だな
エタったスレで頻繁に見るフレーズだしね
580 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/04/23(土) 23:52:42.73 ID:NHwSPPUI0

現在出走できるレースは以下の通りです。
>>下1 どのレースに出走する?

―――――――――――――――――――――――――――――――

・ローズステークス/1800m(マイル:適性B)
難易度:中
報酬:中

・新潟記念/2000m(中距離:適性A)
難易度:低
報酬:低

・丹頂ステークス/2600m(長距離:適性A)
難易度:極低
報酬:極低
581 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/24(日) 00:01:41.78 ID:N7fUDhvWo
新潟で

ほぼ連闘はなかなかハードスケジュールだが原作ステ……さんも輸送でガチ痩せした時に金星上げたしちょうどいいのかも知らん
582 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/24(日) 00:01:44.24 ID:M2CxQ7B6o
新潟記念
583 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/04/24(日) 00:57:09.27 ID:bObbjpKL0

新潟記念に決定します。
では、脚質コンマです。

―――――――――――――――――――――――――――――――

■レース

下1 作戦決定(コンマ)
逃げ[D]/先行[A]/差し[C]/追込[B]

01-20:逃げ[D]
21-50:先行[A]
51-70:差し[C]
71-00:追込[A]

―――――――――――――――――――――――――――――――
[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:1025(S)
スタミナ:890(A)
パワー :671(B)
根性  :670(B)
賢さ  :963(A+)
やる気 :絶好調

―――――――――――――――――――――――――――――――
[固有スキル]
・[黄金天馬]Lv5(作戦:追込/判定)
レース終盤に加速すると、勢いを付けて加速力を上げる。
(レース終盤の判定値に+100し、判定値の和を1.9倍する)
―――――――――――――――――――――――――――
・[ひらめき☆ランディング]Lv2(汎用/判定)
最終コーナーで競り合うと、直線で抜け出しやすくなる。
(レース中盤に+補正が発生した場合、判定値+[200×SLv])
―――――――――――――――――――――――――――
・[シューティングスター]Lv1 (汎用/判定)
レース終盤で相手を抜くと、勢いに乗って速度が上がる。
(レース中盤までに+補正が発生した場合、判定値+[150+(25×SLv)])
―――――――――――――――――――――――――――
・[これが諦めないってことだァ!]Lv2 (作戦:逃げ/展開)
レース終盤で最後の力を振り絞り、速度が上がる。
(レース中盤までに-補正が発生している場合、判定値+[250×SLv))
―――――――――――――――――――――――――――――――
[通常スキル]
・先駆け(作戦:逃げ/展開)
レース序盤ですこし前に行きやすくなる。
(レース序盤に選択肢追加:+50の補正値)
―――――――――――――――――――――――――――
・先駆け(作戦:逃げ/展開)
レース序盤で前に行きやすくなる。
(レース序盤に選択肢追加:+100の補正値)
―――――――――――――――――――――――――――
・末脚(汎用/展開)
ラストスパートですこし速度が上がる。
(レース終盤に選択肢追加:+50の補正値)
―――――――――――――――――――――――――――
・全身全霊(汎用/展開)
ラストスパートですこし速度が上がる。
(レース終盤に選択肢追加:+100の補正値)
―――――――――――――――――――――――――――
・お見通し(作戦:追込/判定)
左右に移動すると視野が広くなる。
(レース中盤のブロックによるマイナス補正を半分にする)
―――――――――――――――――――――――――――
・仕掛け抜群(作戦:追込/判定)
終盤に位置を僅かに上げる。
(レース終盤に通常スキルが発動した場合、効果量を1.25倍にする)
―――――――――――――――――――――――――――
・追込コーナー〇(作戦:追込/展開)
コーナーで速度が僅かに上がる。
(レース中盤に選択肢追加:+50の補正値)
―――――――――――――――――――――――――――――――
584 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/24(日) 01:03:09.72 ID:AqNTvwJIo
そい
585 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/04/24(日) 11:52:20.97 ID:bObbjpKL0
▼作戦が追込[A]に決定した。

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1 キンイロリョテイの序盤の調子

01-25:出遅れ(ゴールのコンマ判定に-50の補正)
26-50:掛り(ゴールのコンマ判定に-25の補正)
51-75:順調な出だし(ゴールのコンマ判定の補正なし)
76-00:集中状態(ゴールのコンマ判定に+25の補正)
ゾロ目:補正効果1.5倍。マイナス補正の効果は消える。

―――――――――――――――――――――――――――

下2 キンイロリョテイの中盤の調子

01-20:ブロック(ゴールのコンマ判定に-50の補正)
21-40:掛り(ゴールのコンマ判定に-25の補正)
41-60:順調な出だし(ゴールのコンマ判定の補正なし)
61-80:快走(ゴールのコンマ判定に+25の補正)
81-00:追込コーナー〇(ゴールのコンマ判定に+50の補正)
ゾロ目:補正効果1.5倍。マイナス補正の効果は消える。

―――――――――――――――――――――――――――

下3 キンイロリョテイの終盤の調子

01-33:好走(ゴールのコンマ判定の補正なし)
34-66:末脚(ゴール時のコンマ判定に+50の補正)
67-00:全身全霊(ゴール時のコンマ判定に+100の補正)
ゾロ目:補正効果1.5倍。マイナス補正の効果は消える。

―――――――――――――――――――――――――――

下4 ゴールイン 着順確定

―――――――――――――――――――――――――――
586 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/04/24(日) 11:56:10.48 ID:bObbjpKL0
―――――――――――――――――――――――――――
【作戦】

■追込[A](補正:パワー、根性)
補正がある能力値:1.5倍

―――――――――――――――――――――――――――
▼着順決定

[ 下4のコンマ+序盤補正+中盤補正+終盤補正]=レース中達成値

[ウマ娘の能力値から賢さを除いた合計]=能力値参照値

―――――――――――――――――――――――――――

【[レース中達成値]+[能力値参照値]+バ場補正/芝A(+100)+中距離適正A(+100)+やる気/絶好調(+100)=達成値

【判定スキル+達成値=固有達成値】

―――――――――――――――――――――――――――

固有達成値-(レース中全てのマイナス補正-賢さ)=最終達成値

―――――――――――――――――――――――――――

最終達成値が1500を超した場合 1着
※(100超えるごとにバ身が1伸びる。報酬増)
最終達成値が1400を越した場合 2〜3着
最終達成値が1300を越した場合  4〜5着(掲示板)
最終達成値が1300を下回った場合 着外

―――――――――――――――――――――――――――

記載忘れの為追記、安価は下を取ります。
587 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/24(日) 12:17:55.37 ID:2D1trn6w0
おりゃ
588 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/24(日) 12:41:42.71 ID:2uLJRgKko
はい
589 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/24(日) 12:44:39.45 ID:M2CxQ7B6o
590 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/24(日) 12:47:19.82 ID:QxmCr21DO
はい
591 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/04/25(月) 00:48:56.07 ID:BQqsB4Fa0
■キンイロリョテイ

▼レース展開
序盤(37):掛り(-25)
中盤(71):快走(+25)
終盤(45):末脚(+50)
着順確定:82
――――――――――――
[-25]+[25]+[50]+[82]=132
※1(黄金天馬の効果発動、終盤の判定に+100の追加補正値)
132+100=232
※2(黄金天馬の効果発動、判定の和を1.9倍)
232×1.9=440.8
440.8×[賢さ:A+]1.8=793.44 レース中達成値


▼作戦:追込(A) (パワー、根性に1.5倍の補正)
スピード:1025(S)
スタミナ:890(A)
パワー :671(B)×1.5=1006.5
根性  :670(B)×1.5=1005
賢さ  :963(A+)
――――――――――――
[1025]+[890]+[1006.5]+[1005]=3926.5 能力値参照値



▼着順
[レース中達成値:793.44]+[能力値参照値:3926.5]
+[バ場補正/芝A:100]+[中距離適正A:100]
+[やる気/絶好調:100]
=5019.94 達成値
―――――――――――――
・[黄金天馬]Lv5 発動!
※1/終盤の判定値に+100
※2/判定の和に1.9倍
・[ひらめき☆ランディング]Lv2 発動!
+400
・[シューティングスター]Lv1 発動!
+175
―――――――――――――
[達成値:5594.94]
[レース中全てのマイナス補正:-25]
[補正後賢さ:963] 
―――――――――――――
[最終達成値:5619.94]≒[最終達成値:5620]

結果、キンイロリョテイ――大差にて1着!
592 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/04/25(月) 01:25:15.41 ID:BQqsB4Fa0

 降りしきる歓声を背に受けながら、リョテイはゆっくりと控室へ戻っていく。

 その表情に、僅かな疑問を残しながら――。


―――――――――――――――――――――――――――――――


■下1〜5 リザルト
※コンマ分の能力値上昇
※ゾロ目の場合は追加ロール

スピード:下1 +25
スタミナ:下2 +25
パワー:下3 +25
根性:下4 +25
賢さ:下5 +25

下6:コンマが75(基準値50+バ身ボーナス25)以下なら[中距離]あるいは[作戦:追込]あるいは汎用スキルのヒントレベル上昇


―――――――――――――――――――――――――――――――

本日はここまで、次回はメインイベントが進行します……!
593 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/25(月) 01:52:19.25 ID:+rYl7VW0o
おつー
594 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/25(月) 04:16:54.38 ID:LGxvH1Jf0
595 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/25(月) 05:45:37.87 ID:aiuuTEiN0
おつつ
596 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/25(月) 07:24:25.99 ID:wABVg9QTo
はい
597 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/25(月) 07:25:03.66 ID:rGptQsxl0
はい
598 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/25(月) 09:22:10.81 ID:t1IPuKLmo
やわ
599 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/04/26(火) 01:00:08.54 ID:pEMWNlUz0
ゾロ目が出たので追加ロールです

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1 根性分の追加ロール

下2 賢さ分の追加ロール
600 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/26(火) 01:03:57.40 ID:4IiUVpc00
根性根性ど根性
601 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/26(火) 02:27:32.62 ID:FCtzfr0N0
602 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/04(水) 20:29:38.56 ID:kfXlXO6n0
支援
603 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/06(金) 17:51:11.87 ID:rYV+b3N9O
SS避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/
604 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/27(金) 23:01:23.44 ID:ljj/G3Zj0
1ヶ月か。熱が覚めるのには充分すぎる期間だな
605 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/28(土) 00:08:35.72 ID:JV/JCYYDo
キャラ付けもさほどされてないキンイロリョテイを選んだのも原因の一つかねぇ
606 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/28(土) 08:27:51.28 ID:ICeCepAVO
SS速報で書き逃げなんかざらにあるし諦めろしかねーな。安価で捌けなかったから変な言い訳して逃亡
607 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/08/07(日) 18:23:50.84 ID:LGWUOqHc0
無理なシナリオなら、強制敗北なりで、仕切り直せばよかったけど、しゃーない。>>1乙でした。
608 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/11(木) 23:47:29.08 ID:dJiiDAch0
ああ
609 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/10/04(火) 00:31:09.17 ID:WG6zFm6z0
あなたが半年も書いていないのを見て、私はここで大胆に一つのことを言います。よろしければ、この本の続きを書くことに同意してください。あなたのこの本は同人作を出して、あなたが同意することを望みます、もちろんあなたは引き続き書くことができるのは最も良いです。(私は自分のために続編を書きたい、私は中学生のIQの愚か者だけがこの物語を終わらせたい)
610 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/10/16(日) 02:33:37.87 ID:3V/sPGTd0
100年だろうが1000年だろうが待つぞ俺は!
611 : ◆FaqptSLluw [sage]:2022/10/18(火) 01:21:43.38 ID:ONfMs8sQ0
こんばんわ。お久しぶりです。
半年もの間放置してしまっていて申し訳ございません。
言い訳を重ねてしまうようで申し訳ないのですが、リアルをはじめとしてほうぼうで様々な要因があり、筆を一時期手放してしまっていました。
精神的にも肉体的にも落ち着いてきたので、執筆を開始しようと考えています。

大変お待たせしていますが、ゆっくりと書いていきますので何卒宜しくお願い致します。
612 : ◆FaqptSLluw [sage]:2022/10/18(火) 01:51:32.52 ID:ONfMs8sQ0
「これくらいなら余裕――って言いたいトコだけど」

 額からこぼれ落ちる汗を拭い、キンイロリョテイはごちる。
 レース後の余韻などそこに存在しない。あるのはただの違和感だけだった。
 それが何によってもたらされるのか、今までのキンイロリョテイには不明で。
 しかし、ゴールドシップとの並走が、彼女に明確な気付きを齎す。

「なぁトレーナー、アタシに足りないモノ……何か掴めたぜ」
「そうか」

 一言だけ呟くトレーナー。その表情には確信が宿っていた。
 ゴールドシップはその奇抜さゆえに軽んじられやすいが、しかし指折りの追込ウマ娘であり、トレセン学園でもトップクラスの実力を持っている。

――得られたよ。なんとなく、これよりももっと走れそうな気がする。

 キンイロリョテイの発言を、トレーナーは疑わない。疑う余地はない。

「だから、とりあえず見といてくれ。アンタに一番の景色、見せてやる」

―――――――――――――――――――――――――――――――

スピード:1025(S)+(25+25)=1075(S+)
スタミナ:890(A)+(38+25)=953(A+)
パワー :671(B)+(87+25)=783(B+)
根性  :670(B)+(99+25)+40=834(A)
賢さ  :963(A+)+(66+25)+62=1116(SS)

▼[メインイベント:未だ見ぬ黄金郷]が終了しました。
固有スキルヒント:[黄金天馬Lv6]Lv1を獲得しました。
※固有スキルヒントは、特定イベントで獲得が出来る「固有スキルをレベルアップさせるヒント」です。固有スキルは通常スキルと同様、1ターンを消費することによって習得コンマに挑戦することが可能となります。

▼[メインイベント:猛き黄金、黎明に吼える]が発生しました。

613 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/10/18(火) 06:17:49.07 ID:MJRVaPQO0
生きていてくれてよかった
614 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/10/18(火) 07:33:22.74 ID:I14ddSk3o
おかえりなさい!
615 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/10/18(火) 21:22:09.60 ID:ONfMs8sQ0
トレーナー「天皇賞・秋までもういくばくの時間もない……」

トレーナー「リョテイのために何かできることはないだろうか」

トレーナー「そんな風に考えても、終ぞ何をしたらいいのかは分からない。まるで閉塞しているかのような……」

トレーナー「……いや、俺にもできることはあるはずだ。きっと」

トレーナー「とはいえ、何が出来るんだろうか――」

トレーナー「おっと、これでは思考が堂々巡りになってしまうな」

トレーナー「さて、今日はどうしようか――」
―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:1075(S+)
スタミナ:953(A+)
パワー :783(B+)
根性  :834(A)
賢さ  :1116(SS)
やる気 :絶好調

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行
スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/その他(良識の範囲内で自由に)
※天皇賞・秋まであと1ターン(当該ターン含む)

―――――――――――――――――――――――――――――――

ナイスネイチャの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)

キンイロリョテイの好感度:★★★/★★★★★☆☆☆(好感度:+5/親友)

シンボリルドルフの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

ツインターボの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)

マヤノトップガンの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

―――――――――――――――――――――――――――――――
        【現在立っているフラグ】

■エクストライベント
・「祈りは力に、願いは形に」/特定の時期に、ある場所を訪ねる
・「地を支え、海を拝せよ」/探索の進捗を終了させる
―――――――――――――――――――――――――――
■メインイベント
・[猛き黄金、黎明に吼える]/サイレンススズカに勝利する。
―――――――――――――――――――――――――――
■リミテッドイベント
・[過去] / 行動安価で[リミテッドイベント:過去]の開始を選択する
・[現在] / [リミテッドイベント:過去]の終了後条件解禁
・[未来] / [リミテッドイベント:現在]の終了後条件解禁
―――――――――――――――――――――――――――
■エンディングイベント
・[夢n夜]/?????
―――――――――――――――――――――――――――――――
616 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/10/18(火) 22:59:21.20 ID:DaqtuDiW0
確か1人だけ(スぺちゃんだっけ?)記憶まだ戻してなかったよね?できるならそれで
無理ならメインイベント進行
617 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/10/22(土) 01:03:53.07 ID:g26hUAG30
リミテッドイベント気になるけど秋天負けたら洒落にならんしトレーニングでパワー上げたい。
メインイベントのスズカって秋天で勝てばいいんよね
618 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/10/22(土) 01:04:37.97 ID:g26hUAG30
リミテッドイベント気になるけど秋天負けたら洒落にならんしトレーニングでパワー上げたい。
メインイベントのスズカって秋天で勝てばいいんよね
619 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/10/22(土) 01:06:31.40 ID:g26hUAG30
リミテッドイベント気になるけど秋天負けたら洒落にならんしトレーニングでパワー上げたい。
メインイベントのスズカって秋天で勝てばいいんよね
620 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/10/22(土) 01:21:32.31 ID:LMCP7AUyo
大事だからね、念押ししなきゃね
621 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/10/22(土) 10:13:34.25 ID:Zgob8xZh0
支援
622 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/10/23(日) 10:24:08.56 ID:n5vwQvDd0
すまん、なんかめちゃめちゃ連投なってたww
623 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/10/23(日) 10:25:52.89 ID:n5vwQvDd0
すまん、なんかめちゃめちゃ連投なってたww
624 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/10/23(日) 21:22:08.99 ID:wOfuYZgyo
掛かってますね!冷静さを取り戻せるといいのですが

この板は反映遅いから一回書いたら深呼吸、5分くらい様子をみるのだ!
625 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/10/23(日) 21:32:34.73 ID:p8KxDKM60
落ち着くのだ
626 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/10/23(日) 23:59:52.22 ID:3x4JNPzb0
更新は明日の夕方以降になると思います!

あと、別の意見が出ているので
下3くらいまでで、スペちゃんのイベントを進行するか、トレーニングを選ぶかの多数決を取ります。

安価スレとしてはどうなのか分かりませんが、初心者ゆえ何卒ご了承くださいまし……
627 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/10/24(月) 00:36:34.74 ID:pEs8TgqQo
スペちゃんに一票で
628 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/10/24(月) 19:58:27.85 ID:HBQDhCu80
安価取った本人が入れるのはどうかとは思うけど、他に書き込みも無いのでスぺちゃんに1票入れておきますね
ダメならスルーしてください

今更だけど、スぺちゃんだけ指定じゃなくて、朝校門にでも立って
スぺちゃんを含む登校してきた生徒全員に「おはよう」って言いまくればよかった
629 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/10/25(火) 00:34:00.69 ID:BxxUETtg0

 地面を、靴が叩く音が聞こえる。

 何処からともなく、聞こえてくる。

 俺は僅かに上体を起こして、今から訪れるであろうそれを眺めていた。

 階上から見下げるその光景は羨ましくて――どこか、苦しくも感じる。

 僅かな風にレースのカーテンが揺れて、一瞬だけ光景が遮られた。

 その一瞬の間に、靴の音の主は横切ってしまったのだろう。

 音は、遠くに消えていた。

 いつだって、「彼女たち」はそうだった。

 俺なんかよりも、ずっと速くて、追いつけない。

 ……いや、本当は。体格や筋量で勝る俺の方が早い。

 それでも、彼女たちに追いつけない理由が、俺にはあった。


――この脚が、竦んで動かない。


 歩くことも、立つことも。きっと可能なはずなのに。

 いざ地面に触れれば、まるで足が消えてしまったかのように動くことがない。

 何故、いつからこうなったのだろう。

 その原因を、俺は知っているけれども思い出せない。

 知っているという直感はあるのだが、その仔細について思い出せない。

 まるで、記憶にロックがかかったかのようだった。
630 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/10/25(火) 00:35:40.77 ID:BxxUETtg0

…………
……



 その日の目覚めは本当に穏やかだった。

 まさしく秋晴れ。カーテンの隙間から降り注ぐ太陽の光は、にわかに冷えた俺の肌を温めた。

 もうそのころには、俺の中に先ほどの夢の記憶はおぼろげにしか残っていない。

 荒唐無稽に過ぎた。だって、俺は人間で、彼女たちは人間ではない。

 ウマ娘。人間よりも強靭で、しなやかで――とても、速い。

 俺なんかが追いつくことなど、出来はしないんだから。

 よく晴れた九月の、ある一日。変な夢を、俺は見た。

631 : ◆FaqptSLluw [sage]:2022/10/25(火) 00:36:19.09 ID:BxxUETtg0

――リミテッドイベント:回顧、開始。
632 : ◆FaqptSLluw [sage]:2022/11/23(水) 22:23:35.55 ID:vJkGWX/F0
「もちろん気にしているさ。だが、承前啓後……新たな風を少し吹かせてみることもときには肝要だ」
「……それがリョテイにとっていい刺激になる、と?」


 そうだ、と言わんばかりに頷くルナ。日の光を浴びプリズムめいた煌めきを見せる瞳には、言外のメッセージが込められている気がした。

 ……ルナは、俺よりも長い――永い年月をトレセン学園で過ごしている。

 少なくとも、俺より3年。しかも、俺とは違い他のウマ娘のことに目を向けながら、だ。

 その意味が、俺にはよく理解できないようで理解できる。

 頭によぎったのは、マヤノトップガンと共に挑んだ有馬記念でのナリタブライアンのことだった。


(――切羽詰まった、というか。なんか異常な雰囲気を放っていた)


 ”総てを賭けた戦い”。ふと頭によぎった言葉だが、何故かしっくりと来る言葉だった。

 極限まで研いで研いで研いで――たった一閃のために研ぎ澄ました刀のような、危うい鋭さがナリタブライアンにはあって。

 そこに潜む事情に、俺たちは触れることがなかった。……出来なかった、という方が正しいが。

 ともかく。そのような細やかな事情は俺の知るところではない。


――だけど、ルナならあるいは……?


 もし、新しい風という言葉が、そこに込められている以上の意味を孕んでいるのであれば。


「……分かりました。受けましょう」
「歓喜ッ! そうであるなら早速希望者を選抜して、君に連絡をするとしようッ!」


 理事長の快闊な笑い声に、ルドルフの短い吐息が混ざる。

 まるで安堵したかのような立ち振る舞いに、俺はにわかに違和感を覚えた――。
633 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/24(木) 00:36:37.69 ID:SwatoqfI0
1ヶ月放置でこりゃもうだめかと思ったが

それにしても22233555ってなんだよなんかスゲーな
634 : ◆FaqptSLluw [sage]:2022/11/30(水) 20:05:02.52 ID:tw0m1Ope0

 俺がチーム体験を承諾してから一週間が経過した。

 準備は滞りなく進み、もう出迎える準備は万全。

 あとはウマ娘のことを待つだけだ――と一息ついたところに、着信が入る。

 相手は――ルナだった。電話を取れば、どうやら生徒会室かららしい。エアグルーヴの声や、トウカイテイオーの声が電話越しに聞こえてくる。


「いきなりすまないね。チームへの体験加入、今日からだっただろう?」
「あ、ああ。確かに今日来る手はずになっているが……」


 とはいえ、誰が来るのかはいまだに聞かされていない。

 決まってはいるそうで、ルナはどうやら具体的に誰が訪れるかを把握している様子だが……なぜかたくなに正体を明かそうとしないのかが気になって仕方がない。
 
 ……とはいえ、ルナが意味もなくこのようなことをやるはずがない。ルナへの信頼が、ヴェールに包まれた謎への言及をやめていた。


「トレーニングに入る前に、君に少し伝えておきたくて」
「……何をだ?」
「君が思っているよりも、ウマ娘は――難儀な生き物なのだよ」


 その言葉の本義を質そうとしたが、直ぐに電話は切れてしまった。

 難儀な生き物。何をもってして難儀な生き物とするのか、俺にはわからない。

 それでも、その言葉はまるで胸に刺さったかのように俺の元から離れることはない。

 ……何というか。こう。

 ”むしろなぜ今まで忘れていたのだろうか”と。

 その言葉は、そう思ってしまうほどに……しっくりと来ていた。
635 : ◆FaqptSLluw [saga]:2022/11/30(水) 20:25:38.36 ID:tw0m1Ope0

「そろそろ来る時間じゃないか?」
「そうだな。……もう少し落ち着いたらどうだ?」
「……落ち着いてるって。アンタこそソワソワしてんじゃねーのか?」

 濡れ羽の烏色の尻尾が揺れる。こういう時の、こういう尻尾の揺れ方は――リョテイがワクワクしている時の揺れ方だ。

 何となくこういうイベント好きそうだもんな、と俺は内心で思いながらも、浮足立つリョテイをなだめる。


「リョテイは誰が来るのか聞いてるのか?」
「いや? むしろアンタこそ知らないのかよ、トレーナーの癖に」
「ほんとにな……なんで俺が知らないんだろうな」


 理事長も、俺に少しくらい教えてくれたっていいのに。

 この前理事長室に問い合わせた時に返ってきた「緘口ッ! 私は口を開かないッ!」という言葉を脳裏で反芻して、俺はため息を吐いた。

 なんでそこまで正体をかたくなに隠すのだろうか。訪れる人物が俺にとってよっぽど質の悪い誰かなのか……。

 あるいは、俺にとってよっぽど価値のある誰かなのか――。


「トレーナーさん、どうやら来たみたいですよ?」
「ん、来たか――」


 ナイスネイチャの声と共に腰を上げ、ノックを待つ。

 コンコンコン、と。規則正しい三回のノックが響き……その人物がトレーナー室へと入ってくる。

 その姿に、俺は思わず手に持っていたバインダーを落とす。

 ブルネットの髪に一閃の流星。アメジストの瞳は、俺がいつか見た時よりも少し濁って見えた。

 だが、その身にまとう雰囲気は紛れもなく、俺が知っている姿だ。何度も何度も、勇気を貰った姿だ。

 有馬で勝ったあの日、夏合宿で凹んでいたあの日、もうだめだと諦めて全てを投げ出そうとしたクリスマス。

 その姿が脳裏によぎるたびに、その声が響くたびに、俺は何度も彼女の名前をそらで呼んだ。


「――失礼します。今日からお世話になる、スペシャルウィークって言います!」


 夕陽のような、少しだけ陰のある笑顔で。

 彼女は――スペシャルウィークは、ほほ笑んだ。
636 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/02/14(火) 00:46:48.54 ID:5T63SDu10
保守
637 : ◆FaqptSLluw [saga]:2024/06/25(火) 21:46:22.76 ID:KfwqF3Hv0
「スペシャルウィーク……?」


気づけば、うわごとのようにつぶやいていた。

出会う事はないと思っていた。あったとしてもすれ違うくらいで。

感情のパスは一方通行。俺から彼女へ向ける感情はあっても、彼女から俺へ向かう感情は一つもないはずだった。

だけど。今ここで、交わってしまった。想定だにしないことが起こってしまった。

漏れて溢れた言葉は、俺にとっては吐しゃ物のようなものだ。

吐き出すべくして吐き出そうとしてモノではない。

むしろその逆。押しとどめておくべき言葉だったというほかに、これを説明することはできない。

……俺は。俺は、彼女と会話をするべきではない。

俺がいなくなった後も努力して、有馬に勝った彼女に。

過去を顧みるばかりで、過去に停滞している俺が。

声を、かけることが出来るわけがなかった。
638 : ◆FaqptSLluw [saga]:2024/06/25(火) 22:31:16.95 ID:KfwqF3Hv0
「……おい。おい、トレーナー……!」

「……っ!」

「しっかりしろ、アンタの目の前にいるのは何も知らない”スペシャルウィーク”だぞ……!」


リョテイに小さく背を突かれて、ようやくまともに思考が回り出す。

そうだ、スペシャルウィークは俺が過去に何があったのかなんてこれっぽっちも知らないんだ。

状況だけ見たら、優秀なチームを取りまとめるトレーナーがいきなり取り乱しているってことになる。

……困惑、してしまうだろうな。


「すまない、スペシャルウィーク。少し考え事をしていたんだ」

「考え事……ですか。あの、顔色が悪いですが、体調は大丈夫なんですか……?」


心配そうにこちらをのぞき込むアメジストの瞳に、俺は思わずどきりとした。

わずかな暗さはあるものの、以前と変わることなく煌めいている瞳に。

……罪悪感を感じて、どきりとしたんだ。魅力的だけど、それよりも後ろめたくて。

声がうまく紡げているのも、俺が彼女の顔を見ていないからだ。瞳をそらしているからだ。


「……あ〜。すまん、スペシャルウィーク。ちょっとコイツと話しがあるから一旦離籍してもいいか?」

「え、あ。はい……!」

「ほらほら、こっちのソファでゆっくりできますよ〜っと」


行くぞ、とリョテイに手を引かれて部屋を出る。

廊下に出て扉を後ろ手で締めたリョテイは、あきれたようにため息を吐いて、俺の顎を掴んだ。


「顔色、悪すぎだろ」

「……そんなにか?」


俺の言葉に、リョテイはもう一度息をついて。そして顎をくい、と持ち上げた。


「死人もかくや、って感じだ。今のアンタは、誰が見ても憔悴してるってわかるぜ?」

「……」


今朝、夢を見た。心が抉られるような夢だった。もちろんそれもある。

それよりも俺の心を満たしているのは、後悔とうしろめたさだ。

本当に、俺はスペシャルウィークと向き合うことが許されているのだろうか?



「――許されてるか、許されてないかの話じゃないんじゃないか?」


ふと、リョテイの言葉が耳に響いた。

許す、と俺はリョテイの言葉を反芻して。リョテイも、許すと、俺の言葉を反芻した。



639 : ◆FaqptSLluw [saga]:2024/06/25(火) 22:31:51.77 ID:KfwqF3Hv0
「アンタは何だ? スペシャルウィークの元カレかなんかかよ」

「……そんなんじゃない! 俺は、あの子のトレーナーで……!」

「前だろ。今はそうじゃない」


そんなこと知っている。知っているんだ。

だからこそ、俺はあの子に話しかけることができないでいたんだ。

理性では彼女は俺の担当ウマ娘ではないことを理解している。ただ、本能が……俺の心の奥底が、彼女は俺が担当していたウマ娘であると叫んでいる。

背反する二つの感情がごちゃ混ぜになって、俺は動くことが出来なかった。言葉を吐くことも出来なかった。


「……とりあえず、だ。ここで話し込むわけにもいかないだろ。会長サンに説明とかお願いして、アンタは必要な指示だけ出しとこうぜ」


それはトレーナーとしていかがなものかとは思う。ただ、リョテイの言葉はとても正しかった。今の俺にまともなコミュニケーションをとる能力は……きっとない。

ルナはこのチームについてもかなり考えてくれている。彼女に説明を任せるのであれば問題はない。……問題はない。


「決まりだな。じゃあとりあえず部屋に戻るぞ、トレーナー」
640 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/26(水) 00:01:43.96 ID:Sc88OVqzo
おお…おおお……生きとったんかワレェ!!!
おかえりなさい!帰還に感謝ぁ!
641 : ◆FaqptSLluw [saga]:2024/06/26(水) 00:59:26.30 ID:nzNiyhvc0
「――チーム・エルタニンへようこそ、スペシャルウィーク」
「え、シンボリルドルフさん……?!」
「ああ。トレーナーが訳あって席を外すそうだから、戻るまでの間は私がこのチームの説明をしよう」


 わあ、とスペシャルウィークの声が上がった。それを聞きながら、俺は隣の部屋で今後どうするかを考えている。

 ……考えている、というよりかは、決めあぐねているといったほうが正しいかもしれない。

 スペシャルウィークとまともに話をするのか。それともただ事務的な対応に徹するのか。


「……でも、事情を話したところで恨まれるだけなんじゃないか?」


 マヤノの例を考えれば、おそらくスペシャルウィークも俺が消えてからの記憶が舞い戻ってくるはずだ。

 有馬記念を制して、それでも戻ってこない俺のことを、スペシャルウィークがどう思っているんだろうか?

 待たされに待たされて。日本一のウマ娘にすると誓って。でも戻ってこなかった男のことを。

 スペシャルウィークは、どう思うだろうか。

 ああ、なんでこんなに悩んでいるのか今ようやく理解した。


――結局のところ、俺は怖いんだ。


 スペシャルウィークに嫌われるのが。

 ……俺に勇気をくれた相手が、俺のことを嫌いになっているという可能性が。

 俺は弱い人間だ。すぐに挫けるし、折れてしまいそうになる。そんな可能性だけで、もう動けない。


「……事務的に、接しよう」


 本当は。その五文字を胸の奥に深く押しとどめて。

 俺は、彼女のためを思って。……違う。

 俺のためを思って、そう決めた。
642 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2024/06/26(水) 01:36:45.95 ID:nzNiyhvc0
https://imgur.com/a/2XOOaw8

お詫びといっては何ですが、ささやかな絵です。
643 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/26(水) 12:38:13.01 ID:x9lKebqKo
帰ってきてくれてありがとう
644 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2024/06/26(水) 22:10:30.09 ID:nzNiyhvc0

例えば、牛を見ると懐かしいと思う瞬間がある。

それは、私が幼いころに触れあったことがあるからだ。

例えば、駄菓子屋を見かけて懐かしいと思う瞬間がある。

それは、子供のころに通ったことがあるからだ。

例えば、あの人を見て懐かしいと思う瞬間がある。

何故か、わからないけれど。

既視感、というか。デジャヴっていうか。

私には、あの人に関する記憶がないんだけれど。


――懐かしかった。とっても。


まるで、会いたい人に出会えたかのようだった。

だから、顔を合わせただけであんな態度を取られたのが少し……。

いや、かなりショックだった。
645 : ◆FaqptSLluw [saga]:2024/06/26(水) 22:28:23.22 ID:nzNiyhvc0
「――いったん休憩しようか」


 ルナのそんな声で、リョテイたちはランニングをやめた。

 秋風のからりとしたのが、彼女たちの熱を奪い去るように吹いていた。

 俺は……そんな様子を遠巻きに眺めていた。少しでもスペシャルウィークと接触しないように、と。

 そうすることが最善だと思っているし、疑わない。……疑えない、今の俺には。

 視線をエルタニンの面々に送れば、スペシャルウィークを囲んで談笑しているリョテイたちの姿があった。

 あれが本来のウマ娘であることを、俺は最近ようやく理解した。

 いくら身体能力が高くたって、俺たちと違う生き物だからって。

 その本質は、少女だってことを。


「ちょっと席を外しますね。開始時間までには戻ります!」


 スペシャルウィークがそんなことを言って、リョテイがトイレかなどとからかっている。

 顔を赤くして走り去るスペシャルウィーク。そう、アレが本来のスペシャルウィークであるべきだった。

 ……俺が担当したウマ娘は、本来あるべき姿から外れてしまう。

 それがたまらなく……恐ろしかった。おぞましかった。

 まして、それが俺にとっての――ヒーローであるならば、特に。


「――見つけましたよ、トレーナーさん」


 ああ。だから、スペシャルウィーク。

 そんなまっすぐに、俺を見つけないでほしい。

 そんなまっすぐに、俺を見つめないでほしい。


「話を、しませんか」


 第三ループ、あの岩部でかけられたあの言葉。

 それよりももっと強く、もっと大きく。

 彼女は、俺にたたきつけてきた。
646 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/26(水) 22:34:18.95 ID:Zac7bD+W0
帰ってきてくれて、ありがとう!
続きを書いてくれて、本当にありがとうございます!!
647 : ◆FaqptSLluw [saga]:2024/06/26(水) 23:36:28.03 ID:nzNiyhvc0
「……問い詰めるとか。怒ってるとか。そういうのじゃないんです。ただ聞きたいんです」


 秋風が、スペシャルウィークのブルネットの髪を巻き上げる。

 その奥に見え隠れしていたアメジストの瞳が、俺のことをしっかりと見ていた。

 ……彼女のことを、視界に半分しか入れていない俺のことを。


「私、何かしましたか……? あなたを傷つけることをしたんですか……?」

「……してないな」

「じゃあ、なんで目を合わせてくれないんですか……」


 一歩、スペシャルウィークが近づいてくる。

 一歩、俺はスペシャルウィークから離れる。


「……」

「私が、怖いんですか」

「違う」


 一歩、スペシャルウィークが踏み出して。

 一歩、俺は後ずさる。



「じゃあ、なんでそんなに震えているんですか……?」

「これは……」


 一歩、スペシャルウィークが近づいて。

 かつり、俺はこれ以上後ろへと進めなくなる。

 木々のざわめきが間近に聞こえて、そこでようやく俺は木に背中をぶつけたのだと理解した。


「怖くて、苦しくて震えて。そんな顔をしているあなたを、私はなんでだか”知っている”んです」

「俺は……俺はただ、君に」


 うわごとのようにつぶやいた言葉を、口を真一文字に結んで締め切る。

 それ以上を言ってしまえば、彼女を遠ざけた意味がなくなってしまうから。

 でも、それでも。俺が壁を作っているのにもかかわらず、スペシャルウィークは踏み出してくる。

 踏み入れてくる。いつか見せた、あの行進のように。


「――あなたは、私がなんでこんな気持ちになっているのかを知っている。そうですよね?」


 驚くべき言葉ではなかった。彼女の言葉を聞いていれば、何か想いを抱いていることは明白で。

 だから、その言葉に驚き以外で返したことこそが……俺が、彼女の想いの何かしらのファクターになることは明白だった。
648 : ◆FaqptSLluw [saga]:2024/06/27(木) 01:25:24.65 ID:QRT8ZZ1e0
「なんで、私はこんな気持ちになってるんですか……」


 まるでこぼれるように、スペシャルウィークの口から言葉が溢れた。

 先ほどまで俺のことをしっかりと見据えていたアメジストの瞳は、今は俺以外の何かを見つめている。

 一歩、一歩と近づくスペシャルウィークに、俺は動くことが出来ずにいて。

 やがて俺の目の前までたどり着いたスペシャルウィークは――俺の胸元へと手を宛がった。

 ……暖かい手だ。じんわりと、胸辺りから温度が広がっていくような。


「なんで、こんな悲しくなるんですか……」


 カッターシャツをぎゅ、と握って。スペシャルウィークは言葉をこぼした。

 ……コップから水があふれ出るみたいな、訥々とした言葉たちだった。


「今日、あなたに敬遠されたとき、本当に、ほんとうに苦しかったんです」
「なんでこんなにきゅっと胸が痛くなるんだろうって」
「私の感情は、地続きだったはずなのに。あなたへの気持ちだけはまるで……」
「まるで、私ではない私が、私の気持ちの中にいるみたいで……!」


 堰を切ったかのように、言葉たちがあふれ出す。

 ぽたりぽたりと、スペシャルウィークの瞳から涙があふれて。

 地面を、ゆっくりと濡らした。


「おかしくなっちゃった、私……」
「教えて、教えてください、トレーナーさん……あなたは、私のなんなんですか……?」
「私は、あなたの……なんだったんですか……?」


 袖を引いて。スペシャルウィークは泣きじゃくる。布が伸びるのも気にせずに。

 俺も何もできずにいた。触れることも許されないと思っているし、言葉をかけることすら本来許されていいことではないと思っている。
 
 それでも、一つだけ彼女に伝えるべき言葉がある。
649 : ◆FaqptSLluw [saga]:2024/06/28(金) 12:25:52.56 ID:ppyp0opk0

「……俺は、君の味方だ。世界で一番の味方……だった」
「みか、た……?」


 トレーナーは、担当ウマ娘にとって一番の理解者であり――味方だ。それを俺はターボに、マヤノに、リョテイに教えてもらった。

 だから、これはしっかりと伝えなきゃいけないことだった。俺が俺であるならば、俺は君たちの味方なんだって。

 ……味方のくせに、俺は君を傷付けるばっかりだけど。


「俺の言葉は、きっと君にとっては信じがたいものだろう」
「……本当なら、信じられないって思っちゃうところです。でも……」


 でも、と。スペシャルウィークは都度2回、小さくつぶやいた。


「そうじゃなかったら納得できないくらい、胸が痛いんです」
「……そうか」


 ぎゅっと握られた袖はそのままに、スペシャルウィークはこちらを見上げる。
 
 そこにはやはりいまだに困惑が宿っていて。迷っていて。


「だったらあなたは……私にとってのトレーナーさんのような存在だったのかもしれないですね」
「そう、かもしれないな……」
「でも、だったらなんで私は忘れているんでしょう」


 そんな人のこと、忘れるわけがないのに。スペシャルウィークはそう呟いた。

 覚えていないのも無理はない。仕方のない話だ。

 俺が知っている事情を話せば、スペシャルウィークはきっと理解してくれる。

 だが、それはリスキーな行為だと俺は考えている。鼻血を出すだけならいいが、心理的に――大きなダメ―ジを受けるのではないか、と。


――トレーナーさんッ! 私、どこにいてもトレーナーさんが見つけられるくらいに輝きますから! いつかまた、会いに来てください……! 私にいつか、あの時のお礼をさせてください!!


 有馬記念の、スペシャルウィークの言葉。俺はこの言葉に何回も勇気をもらった。

 彼女に会うために、目標を達成しなければならないと思った。

 だから、こうして不意にめぐってきた機会に、タイミングに、俺は逆に考えるんだ。

 ……俺は、彼女に会うことはなかったんだ、と。

 俺は会いに行くつもりだった。URAの頂点に立てば、すべての因果から解き放たれると、そう思っていた。優勝を果たした後で、あの時のスペシャルウィークと話ができる確信が、俺にはあった。

 だけど、その考えの主体は俺でしかない。スペシャルウィークからしてみれば、唯一の味方が生涯会いに来てくれなかったという事実だけがそこにあるわけで。

 勇気をもらったからこそ、怖かった。俺のことを考えて走って、走って……その末に待ち受けた未来が一体何だったのか、俺はわからないからだ。


「……大丈夫、ですか?」
「……大丈夫だ」
「大丈夫じゃない、って顔してます」
「大丈夫だよ。俺は、君に比べたら」


 口をついて出た言葉に、スペシャルウィークは首を傾げた。

「私に比べたら?」
「……ああ」
「どういうことですか、それは」
「……」


 この言葉が、きっと彼女への対応の分水嶺になるだろう。

 ……どんな言葉を、彼女へ送ろうか。

―――――――――――

下1 トレーナーはどんな言葉をスペシャルウィークへと送る?
650 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/28(金) 15:03:48.59 ID:stZSe+Eyo
スペシャルウィーク、おはよう

(ここまできて避けるのはなしだ
頑張ってくれトレーナー)
651 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/28(金) 16:29:44.77 ID:m51FBEEH0
ドリジャの育成ストーリーでリョテイの元ネタであるステイゴールド出てきちゃったね
652 : ◆FaqptSLluw [saga]:2024/06/28(金) 18:57:16.82 ID:ppyp0opk0

 スペシャルウィークは、俺の言葉を待っていた。

 真剣なまなざしを向けてくる様子に、いつかの有馬記念のスペシャルウィークの様子が重なった。

 あの時も、今も。スペシャルウィークは俺のことを待っている。

 ……それに気づいたら、はっとした。

 迎え行くのが恐ろしい、だなんて俺が思っているうちも。彼女に勇気をもらっているうちも。

 彼女は、俺がやってくるのを待っていた。世界で唯一の味方を。自身の夢への共犯者を。


「……もし、もしだ。世界で唯一の味方が、目の前からいなくなったら、どう思う?」


 口をついて飛び出した質問に、スペシャルウィークは驚いて目を見開いた。

 だが、その質問は彼女にとってあまりにも簡単なものだったのだろう。小さく笑って、けれどしっかりと答える。


「何か事情があるんじゃないかな、と思うのがまず一つ」


 指を一つ立てる。その言葉は、いつかマヤノが……一年目のクリスマスのときに教えてくれたことと一緒で。


「消えちゃったら……次は、会いに来るときに分かるように輝こうって思うのが、もうひとつ」


 指を一つ立てる。その言葉は、俺の支えでもあった。有馬記念の歓声が、ふと脳裏によみがえる。

 有限実行。実際に優駿の頂上に立ったスペシャルウィークは、俺のことを待っていた。

 だから、これは聞きたいことじゃなくて。聞かなければならないことだ。


「もし、名声が日本中に轟いても、その人が現れなかったら……?」

「――次は世界中に名前を轟かせてみせます」

「それでも現れなければ……」


 そこで、スペシャルウィークは何故か小さく笑った。驚いて俺がスペシャルウィークを見れば、彼女は……。

 彼女は、どこまでも挑戦的な笑みで宣誓する。


「世界で無理なら宇宙を、宇宙で無理なら次元を、もっともっと上へ、もっともっと広く!」

「……はは、なんて無茶な」

「だって、言うじゃないですか」


 秋風が、飄風が頬をかすめた。それは、いつかスペシャルウィークを夢の舞台へいざなったときのような。

 ぱちりぱちりと目の前ではじけるかのように、記憶が蘇る。ああ、”そう”なのか。

 この後に続く言葉を、俺はきっと一度聞いたことがある。

 あの日も、こんな風が――海風が、頬に吹き付けていた。
653 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2024/06/28(金) 18:57:50.65 ID:ppyp0opk0

「――明けない夜はない。止まない雨もありません!」
654 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2024/06/28(金) 19:00:01.26 ID:ppyp0opk0

 俺は、夜を駆け抜けてきたこの子を。雨に降りしきられたこの子を。

 きっと、迎える必要がある。

 資格がどうとか、そんなの関係ない。俺がそうしたいから、そうする。

 それだけでよかったんだ。


――これから朝を迎えるスペシャルウィークへかける言葉。それは、これでしかない。
655 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2024/06/28(金) 19:00:29.87 ID:ppyp0opk0

「スペシャルウィーク、おはよう」
656 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2024/06/28(金) 19:28:14.03 ID:ppyp0opk0

 きょとん、と。スペシャルウィークは首を傾げる。


「午後ですよ、今――っ!」


 次の瞬間、スペシャルウィークは頭を押さえてのけぞる。このままでは地面に倒れ込んでしまう……!

 とっさに俺は彼女を抱きとめる。その間もスペシャルウィークは眉間にしわをよせて、歯を噛みしめて痛みに耐えている。


「とれ、な、さん……私……!」

「大丈夫。大丈夫だ。俺がそばにいる」

「……あは、うれ、しい、です」


 にへら、と精一杯の笑みを浮かべて見せるスペシャルウィークに、俺はただ頭を撫で続けることしか出来なかった。







「だ、だいぶ収まりました……」

「……俺が言うのもなんだが、大丈夫か?」

「ちょっと体がけだるいんですけど……ただ、気分はそんなもんじゃないくらいです」


 うつむいたスペシャルウィークの表情は、俺には見えない。

 声音でうかがい知れる感情も、俺自身の動揺もあってわからない。

 ……もしかして、待たせてしまったことに何か思うところがあるのだろうか。

 いや、思うところはあるはずだ。なにせ……彼女は一生俺と出会うことはなかったのだから。


「その、迎えに行けなくて、すまなかった……」

「……」

「怒ってる、よな? どんな言葉を吐かれても仕方がないことをしたと思う……」

「……はい」

「許せなんて言わない、ただ――」

「――く、んふふ、あはは!」


 突然、噴き出すように笑い始めたスペシャルウィーク。俺は驚いて手を放すが、スペシャルウィークはその手をしっかりとつかんできて。

 そのまま、背後の木へと追いやられた。何を――と思って見れば、スペシャルウィークはわずかな逡巡ののち、掴んだ手を自身の頭へと置いた。


「そんな慌てたトレーナーさんを見るのは、初めてだべ……」

「……そう、だったか?」

「はい! 前は全然オトナ〜って感じで、落ち着いていてカッコ良いな〜ってイメージだったので、余計に」

「新鮮だった?」

「はい……!」


 くすりくすりと、鈴を転がしたように笑うスペシャルウィーク。その間も、スペシャルウィークは俺の手を放そうとはしなかった。


「トレーナーさん、私、私、ずっと言って欲しかったことがあるんです」

「言って欲しかったこと?」

「はい! メイクデビューのとき、かけてほしかった言葉があるんです。何かわかりますか?」

「……当然だ」


 俺は、君の味方なのだから。
657 : ◆FaqptSLluw [saga]:2024/06/28(金) 19:29:12.93 ID:ppyp0opk0


「――よくやったな、スペシャルウィーク」

「……はいっ!!」
658 : ◆FaqptSLluw [saga]:2024/06/28(金) 20:00:28.27 ID:ppyp0opk0

「……落ち着いてきました」

「ならよかった。この手は?」

「そのままで」

「はいよ」


 ……あれから十数分。俺はスペシャルウィークの頭をただ撫で続けていた。

 記憶が流れ込んできたショックでハイになっていたスペシャルウィークも、今は落ち着いているようだ。

 ただ、まだリラックスは出来ていないようで、緊張しているかのように耳としっぽは立っている。

 なんとなくだが、今は咀嚼している段階なのかな、と思う。

 だったら、スペシャルウィークが話せるようになる段階まで俺は待つだけだ。


「……トレーナーさんは、なんで消えちゃったんですか?」

「あんまり信じられない話かもしれないけど、笑わないで聞いてくれるか?」


 スペシャルウィークが頷いたのを見て、俺は口を開く。もちろん頭を撫でるのは忘れずに。


「俺は、各レースごとに設けられた目標を達成できない場合にループしてしまうらしいんだ」

「ループ、ですか」

「そうだ。トレセン学園の校門をくぐる前まで時間が巻き戻る……っていうのかな」

「じゃあ、私がメイクデビューで負けちゃったから……」


 はい、とは死んでも言えない。

 スペシャルウィークは才気あふれるウマ娘だ。俺以外の、もう少し実力があるトレーナーに育ててもらっていれば、メイクデビューなんて簡単に勝ってしまうだろう。

 だから、あの結果はスペシャルウィークのせいじゃない。俺のせいなんだ。


「君のせいじゃない。事実、君は中山の……日本一に一度輝いた素質あるウマ娘だ」

「じゃあ、あの負けはトレーナーさんのせい、って言いたいんですか?」

「……事実、そうだと思っている」

「あんまり自分をバカにしないでください、トレーナーさんとはいえ怒りますよ?」


 たしなめるように微笑むスペシャルウィーク。上目遣いでこちらを見上げてくるのも、頬を膨らませているのも、見れば見るほど年相応の少女のものだった。

 それでも、その言葉たちには数十年の含蓄がある。彼女の言葉は、説得力に満ち溢れていた。


 ……それから、少し時間が経って。スペシャルウィークの様子がようやく落ち着いてきた。

 緊張でぴんと張りつめていた耳も尻尾も、今はゆらりと揺れている。……相変わらず手は頭から離せそうにはないけれど。

 離れていた時間が長いからだろうか。この体制のままとなるとスペシャルウィークにとってはキツそうだが、崩しそうにない。

 ここは……。


「立ちっぱなしじゃなんだから、一回座らないか?」


 俺の言葉にスペシャルウィークは頷いて、近くのベンチについてきてくれる。

 俺が座った位置にスペシャルウィークも座ろうとするが、俺はそれを止めることはできなかった。

 ……さて、席を移したが先ほどまでと状況自体は何も変わっていない。ここは何か話をするべきだろう。


――――――――――――

下1 トレーナーは何を話す?
659 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/28(金) 22:37:45.43 ID:UdglwaYuo
スペ周以降のループのこと
660 : ◆FaqptSLluw [saga]:2024/06/30(日) 00:18:56.56 ID:dnFcDoLu0

 何を話すべきか考えたとき、真っ先に浮かんだのは今までのループについてだった。

 他の子たちに話している、というのもそうだけど……スペシャルウィークにはきちんと話しておきたかった。

 君に貰った勇気が、どれだけ俺を突き動かしてくれたのかってことを。


「スペシャルウィーク――」

「――むぅ。トレーナーさん、ここまで来てその呼び方は少し水臭くないですか?」

「……どう呼んだら?」

「自分で考えてみてくださいっ」


 いたずらっぽい笑みを浮かべて、スペシャルウィークはこちらを見つめる。期待に満ちた目だ。

 それにしてもどう呼ぼうか。いや、どう呼ぶかなんてもう決まってるんだよな。実際のところは”そう”呼んでもいいのかという気持ちがあるだけで。

 ……いや、ここで呼ばないのは逆にスペシャルウィークに失礼だ。


「……スペって呼んでいいか?」

「ぜひっ!」

「正解だったようで何よりだよ」


 スペが浮かべた笑顔は底抜けに明るくて。ああ、この笑顔に俺は何度も救われてきたのだなと再認識することができる。

 ひとしきり笑いあった後、わずかな沈黙が場に振り下りた。……言うなればそれはクールダウンのようなものだった。

 新たな話題へと向かうための。


「――スペ、俺の話をしてもいいか?」

「はい。そのあとに私の話も、聞いてくださいね」

「当然だ。むしろこちらから聞かせてくれとお願いしたいくらいだ」


 知らず、俺とスペは向かい合っていた。ひざとひざがくっつくくらいの距離だった。

661 : ◆FaqptSLluw [saga]:2024/06/30(日) 00:19:33.95 ID:dnFcDoLu0


「最初はさ、君を選んだのはかなり打算的な理由だった」

「そうなんですか?」

「ああ。最初は”素直そうな子がいいよな”って理由で育成ウマ娘を君に決めたんだ」

「びっくりしました、流石にもっとまともな理由だと思ってました……」


 まぁ、そう思うのは無理もないよな。


「……でも、本当に最初だけだった。君と話してるうちに、君の目的がしっかりと見えてきて」

「”日本一のウマ娘にならないか?”でしたよね」

「ああ。君の瞳にはどこまでも熱がこもってて。君なら勝ち抜けるっていう確信が俺にはあった」

「でも、私は負けました」


 ぐ、と拳を握るスペ。その表情は何処までも暗くて。

 ああ、ずっと後悔してきたんだなって一発で分かった。

 分かったからこそ。俺はあの時伝えたかった言葉を。


「君のせいじゃないよ」

「トレーナーさんのせいじゃ……いや、これだとずっと続いちゃいますね」

「俺は君のせいじゃないと思ってるし、君は俺のせいじゃないと思ってる」

「はい。だから……半分こにしましょう。責任も、後悔も」


 スペはそういうと、小指を差し出してきた。

 俺は……その小指に、自分の小指を絡めた。

 すると、スペは淡く微笑んで指をゆるゆると振った。


「ゆびきりげんまん、嘘ついたら……そうだなぁ、ニンジン100本のーます」

「指き……100は流石に死ぬぞ」

「そうだと思います。だから、今後はトレーナーさん一人の責任だなんて死んでも思わないでくださいね?」


 ぎゅ、と手を握ったスペ。そこで初めて、スペの手が震えていることに俺は気づいた。

 気丈にふるまっているだけで、スペは確かに恐怖していた。何に対してか、なんて。俺にはすでに分かり切っている。

 別離だ。


「スペ、安心してほしい。君を担当していたころの俺と、今の俺は違う。こうして君の記憶を呼び覚ましたのだって、今回でループを終わらせる覚悟があったからだよ」

「……じゃあ、もう離れ離れにならない、ってコトですか?」

「ああ。俺の全身全霊をもって、ループの運命を壊して見せるさ」

「トレーナーさん……」


 繋いだ手から伝わる震えは、小さくなっていた。


「……歯が浮くような言葉、言えるようになったんですね」

「うるさいわい」

662 : ◆FaqptSLluw [saga]:2024/06/30(日) 00:33:47.77 ID:dnFcDoLu0
「そんなセリフを吐けるようになったのが、私以外の子の影響だって言うのが少しだけ悔しいです」

「……知ってるのか?」

「知ってるっていうか、あれだけ盛大に態度が変わったら誰しもが噂しますよ?」

「そんなにあからさま過ぎたか……?」

「それはもう」


 態度が変わった、つまり俺がマヤノに「おはよう」と伝える以前と、以後のマヤノの態度の差だろう。

 できるだけ表に出ないように振舞ってきたつもりだったが、やっぱり少女の感性は敏感だ。些細な違いを読み取ってしまう。


「でも、これで疑問が一つ解けました」

「疑問?」


 俺が問えば、スペは頷いた。


「なんでマヤノちゃんがいきなりあんなに態度を変えたのか」

「なるほど」

「まるで人が変わったみたいだって友達の……セイちゃんが言ってたんですけど、当たらずも遠からずって感じでしたね」


 一生分の記憶が入るのだから、今までのマヤノとは確実に違いが生じる。


「次からは気を付けなきゃな」

「私も気を付けなきゃいけないですね。……でも、大手を振ってトレーナーさんに甘えにくいのは残念です」

「チームに入ればどうにかなりはするんだろうけどな……。ただ、ルナをチームに入れてすぐスペまで、というわけにはいかないだろうしな」

「シンボリルドルフさんがチームに入るだけで、かなりいろんな意見が出てましたし……」


 まぁ正直あれはかなり強引だったとは思う。理事長のゴリ押しが無ければそもそも実現していなかっただろうし。


「それは置いといて。私、トレーナーさんの話を聞きたいです!」

「俺の話?」

「はい、今までのループで何をしてきたかを教えてほしいんですっ!」

「……面白い話、ではないけど」

「安心してください、私の話もそんなに面白いものじゃないので!」


 それは自信満々にいう事なのか、と俺は小さく笑みをこぼした。

 スペもスペで「自信満々に言う事ではないですね?」だなんて笑いをこぼした。


「じゃあ、話すか。――今までの、俺の話を」


 今までの旅路を、振り返るためにも。
663 : ◆FaqptSLluw [saga]:2024/06/30(日) 00:49:38.81 ID:dnFcDoLu0


 俺は新人トレーナー。気づいたらトレセン学園の門前に立っていた。

 生まれてからここに至るまでの記憶は確かにある。何故か、それに加えて――未来の記憶があった。

 とはいえ、記憶と本当に呼んでいいのかってくらいあやふやだ。ただ漠然と”俺はURAの舞台に立てなかった”ってことだけは分かった。

 そんな記憶があるからこそ、俺はこの場にループしたんだと気づけた。俺が数奇な運命のただなかに居るんだと。


――校門をくぐって、俺はまず誰を担当するかを考えた。


 脳内に何故か存在した、ウマ娘のデータベース。そこから、適している子のデータを引っ張り出してきた。

 俺の目に留まったのは、日本総大将という二つ名まであるウマ娘、スペシャルウィークの名前だった。

 スペを選んだのは、さっきも言った通り、まず打算が大きな割合を占めてる。

 素直そうで、言うことを聞いてくれそうだからっていう、そんな理由。

 そこから瞳の熱量を見初めて、トレーナーになることを申し出たのは、さっき言ったとおりだ。ここから俺に打算はない。


 他のウマ娘との交流や、トレーニングをこなすうちに、メイクデビューがやってくる。

 このときの俺は、今と違って”ターン数を認識する”ことが出来なかった。

 だから理論的にトレーニングを行うことは出来ていなかったし、勝つための努力に欠けていた。

 ……正直、スペと約束しはしたが、スペがメイクデビューで負けたのは俺が原因だって今でも思っている。


「――行ってこい、スペシャルウィーク……!」


 ターフに送り出した言葉は、今でも覚えている。そのあとの展開も。

 ブロックされ、抜け出せず。スタミナをいたずらに消費するスペシャルウィーク。

 もう二度と走れなくなりそうな体験を前に、俺はただ声をかけることしか出来なかった。

 そこからは、すさまじいの一言だった。掲示板の外ではあったが、その走りはまさに”神がかっていた”。


 素晴らしい走りを見届けた俺は、ループした。糸が切れた人形のような、ってあんな感じなんだろう。


 ループした俺は様々なスキルや因子を得て……次のループに備える。モニターのたくさんついた部屋で。

 そのモニターのうち一つが、スペが俺を探し回っている映像を映し出してて。……それからだ。俺が負けたくないと思い始めたのは。

 そんな思いを胸に、俺はループした。次はもっとうまくやってみせるって、そんなことを想いながら。
664 : ◆FaqptSLluw [saga]:2024/06/30(日) 01:06:08.72 ID:dnFcDoLu0
 ループした先で待っていたのは、今までの決意をほぐす見たいな日常の景色だった。

 カフェテリアでのパンの奪い合い。そのさなかに、次の育成ウマ娘――ツインターボはいた。

 俺が声をかけちゃったせいで、ツインターボはパンを食い損ねたと怒ってたな……。

 で、いろいろあって俺がターボのトレーナーになることになって。


 ターボといろいろなところに出かけたり、トレーニングしたり。

 そんな日常の中で、ふと有馬のニュースが流れてきた。思えばあの時が初めて有馬について意識した瞬間だったな。

 ターボも有馬の舞台に立ちたいって言ってて、いつかそんなことができるのか、なんて思ってたり。

 それもこれもメイクデビューに勝たないと何も始まらないのに、そんな夢想ばっかりしてて。


 だからなのかな。ターボの時も俺は漠然と「勝てる」って思いこんでた。


 勝たなきゃって思いが、多分そういう思い込みを強くしたのかな、と思っている。

 「行ってこい、ツインターボ……!」って、ターボの背中を押したのも覚えてる。

 結果は、散々だった。大逃げはスタミナを使う事なんてわかり切っていたのに、俺はそれを伸ばしてやれなかった。

 途中でターボはダレて、着外だった。……それでも、ターボは諦めていなかったな。

 負けて、ほうほうの体になって。倒れ込むターボが、そのループで見た最後のターボだった。


……悔しかった。ターボは諦めてなかったのに、俺が彼女の足を折ってしまうんじゃないかと思えてしまって。


 でも、それでもターボは走っていた。それがどれだけうれしかったかなんて……スペ、君にも分かってもらえると思う。

 ……まぁ、このときの俺は正直かなり憔悴してた。ループして、あのモニタールームに行って。

 そこで何もなければ、俺は次のループでも似たような展開を繰り返していたかもしれない。


 そのときだ。スペが有馬を優勝した映像を見たのは。……俺がそれにどれだけ勇気をもらったかは、何度も言ってるから割愛しよう。
665 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2024/06/30(日) 01:12:22.46 ID:dnFcDoLu0
「……トレーナさん、こういっちゃなんですけど、言ってもいいですか?」

「どうぞ」

「感情の矢印の大きさを感じれて、私はちょっとうれしいですよ」

「……」


 否定は、しない。俺は確かに担当したウマ娘のことを全員好ましく思っている。

 大好きだ。愛している。だからこそ、みんながつらい思いをすることに責任を感じていた。

 ……だからこそ、俺は多分ちょっとだけ壊れてしまった。
666 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2024/06/30(日) 01:23:46.24 ID:dnFcDoLu0
体調が悪いので今日はここまで。次回までにはこのイベント終わらせて秋天の前座まで進めたいところです。
667 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/30(日) 03:23:19.13 ID:9PkVY3Kho
おつ
ご自愛ください
トレーナーくん、いっそ堂々とチーム作ろう
668 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2024/06/30(日) 23:00:34.55 ID:dnFcDoLu0

 彼女との――マヤノとの関係を一言でいえば、それは比翼連理だ。


 俺が今こうして羽ばたけているのは彼女のおかげだと確信を持って言える。マヤノにとっても、俺はそうあったと信じていたい。

 マヤノとの出会いもカフェテリアだった。体格故にケーキを取れないところに声をかけた……かけたのか? まぁそれがきっかけだった。

 天才ゆえに孤独を感じていたマヤノと、特異な状況に置かれて孤独を感じていた俺。思えば共通点があったからこそ、俺のオファーをマヤノは受けてくれたのかもな。


 このループから、俺は残りのターン数を視認できるようになった。


 だから、マヤノのことも以前の二人と比べたらより適切に育てることができるようになったと思う。

 実際、メイクデビューを突破したのはマヤノが初めてだった。あのときは喜びよりも安堵が勝ったな。

 メイクデビューを超えたら次は京都ジュニアステークス。いきなりG1に挑むのは難しいと思ったからこその采配だったが……。

 華々しい勝利だった。さすがはマヤノトップガンだと思ったし、俺は彼女となら、と思えるくらいには落ち着いてた。

 ……まぁ、結果から言うと”落ち着いたフリ”だったんだけど。

 それからナイスネイチャとの勝負の約束やらなんやらあって、クリスマス。


 正直に言えば、あの時の俺はかなりどうにかしていた。トレーナーをやめたいとか言い出して……。


 理事長が居なければ、きっと俺はそのままあの場から逃げていただろう。……今になってみれば、黒歴史のそれだ。

 理事長からの喝、滅茶苦茶後になって効いてくるんだよ。トレーナー室に戻ったらマヤノがいてさ。それで俺の未明を恥じた。

 そのクリスマスから、俺はある程度落ち着いた。多少心理的に不安定になるときもあったが、それでも前に比べたらマシになった。

 ナイスネイチャとの戦いに向けておちおち慌てても居られなかった、っていうのもあったのかな。

 だから、シンボリルドルフ――ルナが、マヤノの面倒を見ると言い出したのにも驚きはしたが否やは唱えなかった。


 まぁ、そんなルナ本人がマヤノをぶっちぎって皐月賞に勝ったわけなんだけど。


 あれで、俺たちは壁の高さを再認識した。ルナに勝るとも劣らない怪物……ナリタブライアンを相手どろうとしていたのもあって、特にな。

 だからこそ、天皇賞・秋に出走するという決断にも、さして驚かずに従ってくれたんだと思う。

 サイレンススズカがライバルとして立ち塞がるだなんて思ってもみなかったけどな。そして、まさか彼女に勝つなんて。
669 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2024/06/30(日) 23:04:38.37 ID:dnFcDoLu0
「ここまで聞くと順調に思えるんですけど……ここにトレーナーさんがいるってことは」

「……ああ。正直あれは、骨肉を削る――戦争のようなレースだった」

「それほど、ですか。……影をも恐れぬ怪物は」

「ああ。それほどの存在だったよ」


 だからこそ、俺は彼女――ナリタブライアンを知りたいとも思った。
670 : ◆FaqptSLluw [saga]:2024/06/30(日) 23:05:18.85 ID:dnFcDoLu0

――ナリタブライアンは、形容するなら抜き身の剣のようなウマ娘だった。
671 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2024/06/30(日) 23:12:29.92 ID:dnFcDoLu0

 二年目のクリスマスを経て、俺とマヤノはお互いを失わないように、失いたくないという思いから……依存関係に陥った。

 そんな依存関係を断ち切ってくれたのが、ナリタブライアンだった。

 彼女はそれほどに鋭かった。俺とマヤノをがんじがらめにしていた糸を断ち切るくらいには。

 ……断ち切られたからこそ、俺には分かった。彼女は、何かを強く求めているということに。

 それが何かは、ついぞわからなかったが……有馬記念に見せた彼女のスキル――”総てを賭けた戦い”。

 もう二度と走れなくてもいい、だなんて。そんな悲壮な決意が彼女の瞳から、体から、スキルから見え隠れしていて。


「だから、彼女には絶対に勝たなくちゃって。俺はそう思ったんだ」


 結果は……言うまでもない。俺の力量不足が、最後の最後にマヤノを有馬の頂点に押し上げることを許さなかった。

672 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2024/06/30(日) 23:21:42.05 ID:dnFcDoLu0
「……これが、今までの話だ」

「……」


 スペシャルウィークは、俺の話を最後まで真剣に聞いてくれた。

 まるで咀嚼するように、目を閉じて何度も頷いて、考えて。そして数分後、ゆっくりと目を開いた。


「大変、だったんですね」


 月並みにも聞こえる一言だけど、スペが語れば鉛よりも重い言葉だと思えた。

 俺は担当ウマ娘という理解者がいた。でもスペにはいなかったのだ。

 俺の道のりを大変だとするなら、スペの道のりは地獄にも似ていただろう。


「……ありがとう」


 だから、俺は彼女への敬意を忘れない。漏れ出た言葉は、彼女の尊重に対する、感謝の言葉だった。

 俺の言葉が以外だったのか、スペはちょっとだけ驚いて。そしてそのあといつもよりも優しい笑みを浮かべた。

 まるで母親のような、すべてを包み込むほほえみだった。


「どういたしまして」



673 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2024/06/30(日) 23:40:25.04 ID:dnFcDoLu0
「……あ、忘れてた」

「何をだ?」

「練習から抜け出してここに来たんです! 今頃私が居ないって大騒ぎに――」

「――なってるワケないだろ」


 声のしたほうに振り向けば、そこにはリョテイの姿があった。

 こちらを見てはニヤ付いた表情を隠していない。

 ……さてはコイツ、ここまでのやり取りを聞いてたな。


「にしてもトレーナーサンよ、アタシの話はしてくれないのか?」

「リョテイの話?」

「だってよ、スペにターボにマヤノの話をしてただろ? アタシの話は何処に行ったんだっての」

「ああ……」


 なるほど、さっきからちょっと機嫌悪そうなのはそういうことだったのか。

 であれば簡単だ。俺がリョテイの話をしなかったのは……ここまでのループを経た俺だからこそ至った結論ゆえだ。


「俺は、君との旅路に句読点を付けるつもりはないからな」


 未来は変えられないだなんて、俺は思っていない。

 いわば、描かれていく日記。その白紙のページのような、そんな連続性ある未来こそが俺の望むもので。

 閉塞しきった未来がもし待っているのなら、俺はそれをこじ開ける。可能性に満ちているなら、それもきっとできるはずだ。

 だから俺は、可能性を収束させない。そうすることで、俺たちはきっと、未来に生きることができるのだから。


―――――――――――――――――――――――――――――――


▼過去の担当ウマ娘の記憶を呼び覚ました。
サポートカード[日之本一の総大将:スペシャルウィーク]を入手しました。
サポートカード[日之本一の総大将:スペシャルウィーク]がアクティブ化しました。


▼スペシャルウィークから受け継いだ因子が強化された。

スピード★☆☆→スピード★★★
シューティングスター★☆☆→シューティングスター★★☆
全身全霊★☆☆→全身全霊★★☆



―――――――――――――――――――――――――――――――
674 : ◆FaqptSLluw [saga]:2024/07/01(月) 00:44:25.14 ID:MSnVTOqo0
「――明日か」


 窓際で俺は、温めたミルクを飲んでいた。

 こうでもしなければ眠りに就けなさそうだった。実際のところ、飲んでも眠りにはつけなさそうだ。

 明日、明日――運命の天皇賞が始まる。天気は、予報では秋晴れ。すがすがしいほどの晴日だそうだ。

 リョテイとスズカの戦いの場にとって、これ以上ないほどの舞台になる予定だ。


(だけど、胸騒ぎがしてならない)


 俺がループするから、とか。確かにその懸念もないわけではない。

 それよりも気になるのはレースの行方だった。このレースが一筋縄ではいかないことを、俺の直感が告げている。

 ……気にしても仕方がないことだった。だが、気になって仕方がないのもまた事実で。

 本番前にあまりよくはないとは思うが、寝付きをよくするために酒でも一献傾けようかとした時だった。

 ふと、スマホが通知を鳴らして。


「……リョテイ?」


 メッセージの主とその内容に、わずかな呆れと……やっぱりそうなのかと納得の念を覚えた。

 俺は軽く身支度して、外に出ることにした。

 秋冷えのする午後11時。この日の夜空は、想像よりも明るかった。


675 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2024/07/01(月) 00:45:14.78 ID:MSnVTOqo0




「――ンだよ、やっぱり起きてるじゃねぇか」

「君のほうこそ。明日は大事な大事な天皇賞だぞ?」

「ンなことくらいわかってる。でも、なんだか今日は夜空が綺麗でさ。……アンタと話したくなったんだ」


 背中越しにそんなことをのたまったリョテイは、ようやくこちらを振り替える。

 月のように静かに煌めく、金色の瞳。夜のような長髪。華奢な手足は、ともすれば浮いて見えるほどに真っ白だった。

 幽霊のように妖しく、しかし存在感のある居ずまいの彼女は――今淡く笑った。

 普段とは違う笑い方に、少しドキリとするものの……流石に見惚れるわけにはいかないとかぶりを振る。

 どうやらそれすらも見抜かれているようで。


「……惚れたか?」

「正直キレイだとは思った」

「……ありがとよ」


 白い頬に、朱がさした。そうすれば、彼女がようやく血の通った生き物のように見えてくる。


「で、どうしたんだ、いきなり呼び出したりして」

「どうしたもこうしたも最初に話したろ。アンタと夜空が見たくなったって」

「方便か何かだと思った」

「このアタシが方便でこんなロマンあることを言うかって話だけどな、ソレ」


 変に納得した。確かにこれは……ロマンある展開だ。

 大きな戦いを前に、空を、月を見て語らう。うん、ロマンだ。


「だから、トレーナーサンよ。こっちに来て座ろうぜ」


 どかり、とベンチに座ったリョテイは、隣へ俺をいざなう。

 小さく息を吐きながら、リョテイのガス抜きと思えば安いもんかと自分を正当化。彼女の横へと座り込んだ。


「こんなに空が綺麗で星が瞬いてるとさ、アタシたちってちっぽけな存在だと思えてくるよな」

「気持ちはわからんでもないな」

「だろ? 月並みな言葉だけど、素がデカいと説得力がある」


 確かに、この夜空の美しさは月並みな言葉にも正当性を持たせてくれる。
676 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2024/07/01(月) 00:46:04.33 ID:MSnVTOqo0

「なぁ、トレーナー」

「なんだ?」

「――アタシも、星になれるかな」


 天を仰いで、手を伸ばす。星を掴んで、引きずりおろすみたいにだらりと手を下げた。

 実際は、その手には何も握られていない。当然だ。星は悠久の彼方から光を俺たちに届けている。

 ただ、リョテイの掴んだ掌の中には、何かがありそうな気がした。それが実態を伴うかは、ともかくとして。


「アタシはロマンの求道者だ。レースのさなかにロマンを求めて……その結果、星になってみたい」

「星に」

「ああ。きらきら光って、誰かの目標や目的になるような輝きに、だ」

「……それはロマンだな」

「だろ?」


 に、と笑うリョテイ。そこで俺は、先ほどリョテイが何を掴んだのかをようやく理解した。

 あこがれだ。彼女は、憧れを手にしたんだ。


「星が綺麗ですね、ってか」

「ん、知ってたか」

「その手の表現が好きだった時代があってな」

「ああ、忘れてたわ」


 こちらを見てけらけらと笑うリョテイに、俺は疑問の目を向けた。

 リョテイは俺の目を心外そうに見つめ返して、もう一回空を見上げて、うそぶいた。


「――アンタは、ロマンの嚮導者だってことを、よ」

「嚮導者、ねぇ」


 先に立つ人間かと言われれば、俺はきっと違う。

 けれど、リョテイがそう感じているのであれば、きっと俺はそうあらんと努力する意味がある。

 ……一歩踏み違えれば、中二病のイタい奴になりそうだけど。
677 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2024/07/01(月) 00:47:34.60 ID:MSnVTOqo0

「なぁリョテイ。君は想像したことがあるか? 君が天皇賞・秋に出たときの歓声を」

「したこたねぇな。想像すらしたことない」

「だろうと思った。じゃあそれもロマンの一つだな」

「……どういうことだよ」


 空から視線をこちらに戻して、リョテイは聞く。

 何だ、そんなこともわからないのか? と俺はわざと煽り口調で返して――リョテイに問いかけた。


「リョテイ。君は天皇賞・秋のパドックで大歓声を浴びるだろう」

「かもな。それが何のロマンだっていうんだよ」

「――君の勝ち方次第では、パドックの何倍もの歓声を、君は浴びることになる」


 それはとても気持ちがいいことだってことは、リョテイも知っているはずだ。

 さぁ、想像してみろ。君が抱くべきロマンを。君の描くべき、冒険譚のヤマを。


「――」


 夜空に浮かぶ月のような瞳が、いっそう煌めきを増していた。

 まるで、満天の星星を従えたかのような、輝きだった。

 夜のような墨染めの長髪が、期待に揺れ動いていた。

 まるで、夜を切り裂いてしまうかのような、情熱があった。

 浮いて白く見える肌は、今や紅潮して熟れていた。

 まるで、幽霊が人になったかのように、生気があふれ出ていた。

 恋をしている。恋をしているかのような表情だった。


「――ああ、良いな、それ」


 嫋やかだった指先が、何かを求めて空をさまよったかと思えば――強く握られる。

 再び、そこには憧れを掴んでいた。そうに違いない。


「勝つぜ、アタシは」

「勝てるよ、君は」


 熱に浮かされる様に、俺たちは拳をぶつけて振り返る。

 言葉はいらなかった。それぞれが自分の気持ちを高めるために、あるいは明日へぶつけるために。

 種火は、薪は、もう胸の中にくべられていた。
678 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2024/07/01(月) 00:48:03.94 ID:MSnVTOqo0

――天皇賞・秋まで、あと0ターン。
679 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2024/07/01(月) 00:50:05.59 ID:MSnVTOqo0
今日はここまで。
次回、天皇賞・秋――
680 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/01(月) 02:25:54.85 ID:hDVBvzEKo
おつおつ
このドキドキをまた経験できるとは……待ってて良かった!
681 :いぬ ◆FaqptSLluw [saga]:2024/07/01(月) 21:21:18.23 ID:MSnVTOqo0

 空を見上げれば、そこには鉛色が広がっていた。

 前日の予報では快晴だったが、突如として雨雲が立ち込めたらしい。

 先ほどまで秋晴れだった分、立ち込めた雨雲に不吉さを感じずにはいられなかった。


「よく眠れたか、リョテイ」


 不吉なことなんてない、と。俺は浮かんだ考えを振り払うようにリョテイへと話しかける。

 俺の言葉に振り返ったリョテイは、俺の顔を見るなり怪訝な顔を浮かべる。


「……アンタ、寝てないのか?」

「結局寝れなくてさ」

「それはアタシがそうあるべきだったろ。まったく……それでアタシの走りを見逃しでもしてみろ、殺すからな」

「それはないよ。君の走りを見届けるのは、俺のつとめだからね」


 はん、と鼻を鳴らしてそっぽを向くリョテイ。耳としっぽがきちんと動いているので、気を悪くしたわけではなさそうだ。


「にしても、晴れるって予報だったのにな」

「ああ。まさかこんな天気になるとは」

「……まぁ、バ場が重くなれば有利になるのはアタシだ。そうなるかはわからないが、そうならなくても勝ってみせるぜ?」

「君ならできる。根拠は……そうだな、俺の直感だ」

「そこは嘘でも時間だとかなんとか言えよ。締まらねぇな」


 俺に話の締まりをよくする能力なんてないこと、知ってるくせに。

 そっぽを向いた背中越しに声をかけると、これまたはんと鼻を鳴らして返答。

 ……本当は、俺がリョテイの方の力を抜こうとしたんだけど、逆に俺が助けられることになってしまった。


「……勝てよ、リョテイ」


――――――――――

下1〜3:コンマ判定

高低によって分岐します。合計値で計算。

〜100
〜200
〜300

※連取りは都合上3分間隔で可能なものとします。
682 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2024/07/01(月) 21:23:54.76 ID:MSnVTOqo0
※勝敗に関連する安価ではありません。安価は下。
※用意のため、本日の更新はここまでです。
683 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/01(月) 21:25:34.56 ID:spf5m6fdo
おつおつ
684 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/01(月) 22:42:17.62 ID:sYHtCtUG0
乙!
685 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/03(水) 00:11:30.84 ID:c79P/Ug5o
乙です
686 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/22(木) 21:41:12.75 ID:OphUxpnTo
おつ。復活してたとは!!
続きまってます!!
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