【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」ターボ「3スレ目だ!」【安価】

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37 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/09/05(日) 19:54:59.50 ID:v2+k5mIX0
▼トレーナースキル【分岐する業】が発動します。

▼今までの探索で獲得したスキルヒントを全て習得します。

――――――――――――――――――――――――――

・スキルヒント[直線回復〇]Lv1を獲得した。
・スキルヒント[好転一息]Lv1を獲得した。

・スキルヒント[読解力]Lv1を獲得した。
・スキルヒント[大局観]Lv1を獲得した。

・スキルヒント[コーナー回復〇]Lv1を獲得した。
・スキルヒント[円弧のマエストロ]Lv1を獲得した。

・スキルヒント[善後策]Lv1を獲得した。
・スキルヒント[プランX]Lv1を獲得した。

・スキルヒント[直線加速]Lv1を獲得した。
・スキルヒント[一陣の風]Lv1を獲得した。

・スキルヒント[上昇気流]Lv1を獲得した。
・スキルヒント[業脚]Lv1を獲得した。

――――――――――――――――――――――――――




38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/05(日) 19:56:23.94 ID:I2R+7qMN0
なんだ…何が起きているんだ…!?
39 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/09/05(日) 20:05:20.37 ID:v2+k5mIX0
というわけで今日はここ辺りで一旦。
1スレ目から小さく小さく要素自体は盛り込んでました。お時間ある方は是非探してみるのもありかもしれません。
というわけで、改めて注意を。


・ウマ娘本編との設定に相違点が発生します。


ご了承くださると幸いです。
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/05(日) 20:06:41.54 ID:c0RN/mN6O
三女神と関係あるのかな
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/05(日) 20:16:06.84 ID:rSdcLHpQo
おつです
思ってたより更に会長との関係が親密だったわ、これはルナモード全開でしたねぇ!
……本編で会長悪役ルート進まなくて良かった……
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/05(日) 21:26:22.52 ID:1HsB9YdfO
…ルナ呼びまで許してるほどに関係深かったって事は…
この会長どのタイミングで負けたんだ…?
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/05(日) 21:40:14.53 ID:ki1lvuw20
マヤノとこうなる前のトレーナーと会長はどこまで深い仲だったんだろうな…
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/05(日) 21:49:14.82 ID:ki1lvuw20
ところであんなこと言って会長と膝枕とかハグしてるトレーナーをチームメンバーが目の当たりにしたら大変なことですよこれ
45 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/09/06(月) 00:13:24.67 ID:FCb8NHh60
――海を漂うような、浮遊感を伴った微睡から、ふと覚める。


 今日はこんなことばっかりだな、なんて簡単に思っていたら――唐突に頭上から降ってきた大声に思わず飛び起きた。

 そして、俺はそれと頭をぶつけてしまった――。


「テメ、倒れたと思って飛んできたらこの仕打ちたぁ……随分なご挨拶じゃねーか、お?」
「……キンイロリョテイ」
「おう、アンタの愛しの担当ウマ娘だ。で、何か言い残すことは?」


 言い残すこと……。


「墓は作らなくてもいいぞ」
「そう言うことを言ってんじゃ……アンタ、そう言う冗談言うタイプだったか?」
「……もともと言うタイプだった、って話だよ」


 俺のその言葉に、キンイロリョテイは苦虫を噛み潰したかのような渋面を浮かべた。

 そして俺から少し距離をとって、体をかき抱いた。


「なんだよ、アンタ誰だよ……。突然変わって気持ちわりぃな……」
「……憑き物が落ちたような心地だ」
「ま、顔つきはだいぶマシになったようだな。昨日とか一昨日のアンタと比べたら大違いだ」


 からからと笑うキンイロリョテイは、どう見ても心の底から愉快そうに笑っている。

 昨日の問答があったから、少しはこう、なんというか、ごたつくんじゃないかな、なんて思っていたけれど。

 すると、そんな俺の表情の機微を読み取ったのだろう。

 キンイロリョテイは俺の眠っているベッドに腰を下ろし、いいたいことは分かるぜ、と起点を作る。
46 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/09/06(月) 00:17:02.07 ID:FCb8NHh60

「そりゃ私もまだモヤモヤしてんだ。結局アンタがどうしたいのかさっぱりわからねぇ」
「……言うつもりもなかったからな」
「そうかい、でももう十分だ。仔細は会長さんに教えてもらったからな」
「……」


 驚いた。まさかルナの方から彼女たちに説明がなされるとは。


「驚いたって顔してんな。もうすでに事情を知ってるからってアレか? それとも――アンタの事実を知ったうえで、変わらずに接してることにか?」
「はっきり言えば、後者だな」
「なるほど、アンタは担当ウマ娘以前に、自分の存在の価値について理解が足りてねぇみたいだな」


 そう言いながら、キンイロリョテイは棒状の機械を取り出す。

 ……多分、ボイスレコーダー。普段からそんなものを仕込んでいることに驚きを隠せない……が。

 そんな俺の驚きをよそに、キンイロリョテイは再生ボタンを押してしまう。


『トレーナーさんは確かに隠し事をしてて、多分その隠し事のせいで動きが制限されてるって思うんですよ、アタシ』

『それで、ほら。やっぱりアタシたちって担当ウマ娘じゃないですか。だったら、さあ』

『――分かち合いたい、そう思っちゃうんですよね〜……』


 ナイスネイチャの声だ。いつの録音なのだろうか。

 波が寄せる音が聞こえるところを見ると、最近であることは確かだけど……。


「アンタは気付いてないかもしれないが、私たちもただ”私たちのトレーナーだから”ってアンタに従ってるわけじゃねーんだよ。アンタは自分が思っている以上に……その、なんだ。し、慕われてんだよ」
「……俺を?」
「気付いてないとでも思ってんのか。いつも遅くまでトレーナー室で仕事してるの知ってんだぞ。私たちのトレーニングメニューとか、いろんな調整とかしてくれてるの、気付いてるぜ」


 だから余計に許せなかった、と。続けられた言葉に、申し訳なさ以前に――喜びを覚えていた。

 てっきり認められていないとばかり思っていた。

 俺が彼女にあんな言葉を吐かれたのは、内心俺のことを嫌っているからだと思っていた。

 でも、違った。

 心配だったから、彼女は怒った。


「本当はアンタから話してほしかったけど、事情が事情だからしょうがないと思ってる。これで隠し事もナシだろ? だったらアンタを邪険にする理由もねーよ」
「……キンイロリョテイ」
「勘違いするなよ、あくまでアンタをトレーナーとして真に認めたってだけだ! それに……浪漫を一緒に追い掛けるんだろ。私がアンタのこと認めずに負けたら、悔しいじゃねーか」
「……お前、案外かわいいよな」
「……あ?」


 ぽろりと漏らせば、まるで水を打ったように静かになるキンイロリョテイ。

 次の瞬間、彼女は劣化の形相を一瞬浮かべて、そっぽを向いてしまった。


「そう言うやり口で会長さんのことも丸め込んだのかよ、スケコマシ」
「……いや、別にシンボリルドルフは」
「”は”ってことは他の誰かは丸め込んだってコトだな」


 逃げ場がない。否定したところでなんやかんやいわれるだろうし、かといって肯定してしまえばそこでおしまいだ。

 辟易としながらも、俺はなおも顔をこちらに向けないキンイロリョテイを見る。


「……明日、来いよ」
「ああ」
「遅刻したら絶対に許さないから」
「ああ」
「じゃあな、ケダモノトレーナー!」


 そう言いながら、勢いよく去っていくキンイロリョテイ。

 言葉は苛烈で、否定的。

 でも、どうしてだろう。

 何故だか、キンイロリョテイの尻尾は……大きく揺れていた。
47 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/09/06(月) 00:19:46.06 ID:FCb8NHh60
――――――――――――――――――――――――――

リミテッドイベント:追憶  終了

リミテッドイベント:常識とは破られるために存在する。 開始

リミテッドイベント:回顧  発生

――――――――――――――――――――――――――
※リミテッドイベント:回顧は特定イベントをクリアすると無条件で開始します。
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/06(月) 00:47:34.11 ID:6YekUpA30
かーわーいーいー
ラーメンもトロフィーもいっぱい食わせちゃるけぇのお
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/06(月) 01:30:23.72 ID:bVwmy86r0
今日の更新は終わりかと思ってたら本当に今日の更新が終わりなだけだった
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/06(月) 08:09:18.65 ID:7NTkCRx/O
ネイチャの方だったと予想したがはずれたよ!

後1000スレのターボの話は、まだかなー
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/06(月) 19:08:09.09 ID:GOgWdWxUO
私はトレーニング中にうっかりルナと呼びかけてルで詰まってルドルフと誤魔化すトレーナーが見たい
52 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/09/07(火) 00:48:16.44 ID:svMVbXxA0
トレーナー「なんだかあの後だと会いづらい気がするんだが、どうだろう……?」

トレーナー「でもまぁ、トレーニングはしなければならないし、ナイスネイチャにも心配を掛けたから謝りに行かないといけないし」

トレーナー「……キンイロリョテイ、機嫌を直しているといいんだがな」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:470(C)
スタミナ:204(E)
パワー :215(E)
根性  :142(F)
賢さ  :79(G+)
やる気 :絶好調

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1
トレーニング/休憩/探索/メインイベント進行/その他(良識の範囲内で自由に)
※あと1ターンで夏合宿が終了します。
※ホープフルステークスまであと3ターン(当ターン含む)

―――――――――――――――――――――――――――――――
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/07(火) 00:49:04.75 ID:PLktrBeDo
トレーニング
54 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/09/07(火) 01:00:42.10 ID:svMVbXxA0
トレーナー「……」

リョテイ「……」

ネイチャ「……」

リョテイ「おい、何か話せよ」

トレーナー「……いや、話しづらいな、と思って」

リョテイ「そりゃアンタが無言だったら怖いだろ、成人男性だぞ、アンタ」

トレーナー「それだけじゃない気もするけど……」

ネイチャ「……。随分とトレーナーさんは、態度が軟化しましたね?」

トレーナー「憑き物が落ちたからな。……ネイチャにも心配かけた」

ネイチャ「いいってことよ。ま、いつかきちんと戻ってくるって思ってましたけどね」

トレーナー「……ありがとう。今度からは君たちとも苦楽を分かち合っていきたいと思っている」

ネイチャ「……」

ネイチャ「リョテイさん、あの」

ネイチャ「少し話が」

リョテイ「……トレーニング、やろうぜ」

ネイチャ「リョテイさん」

リョテイ「トレーニング! やろうぜ!!」

トレーナー「……説明はしておけよ、キンイロリョテイ……」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:470(C)
スタミナ:204(E)
パワー :215(E)
根性  :142(F)
賢さ  :79(G+)
やる気 :絶好調

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1 トレーニングの種類
スピード/スタミナ/パワー/根性/賢さ

下2〜3 トレーニングの効果量
※[サポートカード:スペシャルウィーク]アクティブ。根性の上昇値に固定値を追加。
※ゾロ目は追加ロール。
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/07(火) 01:04:11.35 ID:ZPFYLM+b0
早押しクイズ大会の時間だ!オラァ!!
かしこさ
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/07(火) 01:06:03.82 ID:27Ouq+CH0
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/07(火) 01:20:29.66 ID:OlYjS6b50
もいっこカンッ
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/07(火) 01:20:33.76 ID:vEFSp0OEo
おほー
59 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/09/07(火) 01:25:54.04 ID:svMVbXxA0
おや……

下1 トレーニングの効果量(追加ロール)
※ゾロ目の場合は追加ロール
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/07(火) 01:29:12.52 ID:evNuAkqe0
おや、リョテイの賢さのようすが…?
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/08(水) 00:56:50.70 ID:+BdNSM8u0
やっとこさ追い付いた。
安価結果良さそうで集計が楽しみだ。
62 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/09/08(水) 01:19:33.92 ID:/atYQeCk0
リョテイ「頭の良さってなんなんだろうな」

ネイチャ「……勉強のし過ぎで、リョテイさんがついに壊れてしまった」

トレーナー「なんだか哲学めいたことを呟き始めてるな……」

リョテイ「いきることってなんだろう」

トレーナー「なんだかこのまま放っておくとまずい気がするんだけど、どう思う?」

ネイチャ「同感」

トレーナー「……おーい、キンイロリョテイ」

リョテイ「空の美しさは仮初のものなのか」

トレーナー「おーい……」」

リョテイ「諸君、我々は失敗した」

トレーナー「それはいろんな意味で悲しくなるからやめろ……」

トレーナー「にしても、どうしたら戻ってくるんだろうな……?」

ネイチャ「時の流れに身をまかせるしかないですね……こりゃ……」

リョテイ「幸運を。死にゆく者より敬礼を」

トレーナー「いったいどうしちまったんだ、キンイロリョテイ……」

―――――――――――――――――――――――――――

▼キンイロリョテイの賢さが上昇した。

賢さ:79(G+)+{(82+66+52)×1.25}×1.1=275(E+)

―――――――――――――――――――――――――――
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/08(水) 01:26:02.49 ID:wcCOPtaU0
275は上昇値だから元の賢さと足さないといかんのとちゃうか?
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/08(水) 01:35:03.68 ID:Hj3RVH1q0
リョテイに賢さを吸い取られたのか
65 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/09/08(水) 01:42:19.55 ID:/atYQeCk0
あ、確かにそうですね

正しくは354(D+)となります……!
66 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/09/08(水) 01:49:52.87 ID:/atYQeCk0
最近ウマ娘の育成が楽しくてしょうがないので、少しだけお時間をいただくやもしれません。
よろしくお願いいたします。
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/08(水) 02:54:23.10 ID:Hj3RVH1q0
ええんやで
絶好調になって帰っておいで
68 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/09/09(木) 23:58:04.53 ID:QdT2cV8T0
トレーナー「……そろそろホープフルステークスだ」

トレーナー「キンイロリョテイの仕上げにはまだ遠いが、段々と形にはなりつつある」

トレーナー「次の目標レースまでに完成するかどうかはさておいて、そろそろ効果は出てきそうなものだが……」

トレーナー「ともあれ、今日からまたトレーニングの日々が始まる。心機一転、頑張らなきゃな」

トレーナー「えい、えい、むん!」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:470(C)
スタミナ:204(E)
パワー :215(E)
根性  :142(F)
賢さ  :354(D+)
やる気 :絶好調

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行/スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/その他(良識の範囲内で自由に)
※ホープフルステークスまであと2ターン(当該ターン含む)。

―――――――――――――――――――――――――――――――
        【現在立っているフラグ】

■エクストライベント
・「????」/不明
―――――――――――――――――――――――――――
■メインイベント
・[地に閃く黄金の旅程]/開始中
―――――――――――――――――――――――――――
■メジャーイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■サブイベント
・[全てはこの一杯の為に――!]/担当ウマ娘とラーメンを食べに行く
―――――――――――――――――――――――――――
■プチイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■リミテッドイベント
・常識とは破られるために存在する/ホープフルステークス終了後
・回顧/かつての担当ウマ娘と出会う
―――――――――――――――――――――――――――――――
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/09(木) 23:59:25.20 ID:C/pps2mEo
えいむんの使い手がここにも…
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/10(金) 00:00:59.67 ID:efbDnyDfo
トレーニング
71 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/09/10(金) 00:06:13.09 ID:NcC1gizA0
トレーナー「さて、今日はトレーニングを行うわけだが」

リョテイ「おう」

ネイチャ「ほいさ」

トレーナー「……二人はなんでそんなに厚着なんだ?」

リョテイ「……日焼けのあとって、結構長引くもんなんだよ」

トレーナー「……なるほどな。配慮が足りんかった」

リョテイ「ま、いいってもんさ。それに察しろって方が難しいからな」

ネイチャ「それに、まぁ……これから知っていけばいいわけですし?」

トレーナー「その通りだな。学ばせていただくことにしようか」

リョテイ「学ぶのはいいけどよ、トレーナー」

リョテイ「そろそろトレーニング始めないともったいないぜ?」

トレーナー「おおっと、そんな時間か」

トレーナー「――さて、今日のトレーニングは……」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:470(C)
スタミナ:204(E)
パワー :215(E)
根性  :142(F)
賢さ  :354(D+)
やる気 :絶好調

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1 トレーニングの種類
スピード/スタミナ/パワー/根性/賢さ

下2 トレーニングの効果量
※[サポートカード:スペシャルウィーク]アクティブ。根性の上昇値に固定値を追加。
※ゾロ目は追加ロール。
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/10(金) 00:08:49.30 ID:AepbEUbyo
スタミナ
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/10(金) 00:16:07.25 ID:4iXAyci80
肉だ、肉を食え
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/10(金) 15:14:03.81 ID:vDyMJ0EkO
これトレーニングの裏ではチーム加入の認可が降りるのを今か今かと生徒会長でソワソワしてる会長がいるって事なのでは?
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/10(金) 16:31:46.21 ID:6g0idfWSo
ルナかわいい
76 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/09/10(金) 23:26:27.63 ID:NcC1gizA0
トレーナー「スタミナトレーニングだ」

リョテイ「スタミナねぇ」

トレーナー「ん、何か言いたいことでもあるのか?」

リョテイ「いいや? ただ、スタミナと言えばニンニク、ニンニクと言えば肉だな、と思ってな」

トレーナー「……肉好きなのか?」

リョテイ「おう」

トレーナー「ふむ……。まぁ体重の調整自体もかなりうまくいってるし、今日くらいは羽目を外してもいいか」

リョテイ「お……?」

トレーナー「このトレーニングが終わったら、焼き肉でも食べに行くか!」

リョテイ「うおおおおおおおおおおおお! アンタ神様か?!」

トレーナー「まぁ、この前のお詫びもかねて。ナイスネイチャはどうだ?」

ネイチャ「ニンニクは臭さが残っちゃうから遠慮します。だけど、お肉は食べたいので、そりゃまぁ着いていきますよ」

トレーナー「決まりだな。じゃあ――トレーニング、頑張っていこう!」

リョテイ「ああっ!」

―――――――――――――――――――――――――――――――

▼キンイロリョテイのスタミナが上昇した。

スタミナ:204(E)+(25×1.25)=236


77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/11(土) 08:27:59.74 ID:L+i8952nO
焼き肉ならトンテキ(知らないならググる事)で十分です

後、理事長に会って仕事改善要求しないとトレーナーがヤバそう
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/11(土) 09:08:56.66 ID:13dxDIxEO
ホープフル終わったら理事長に会長加入申請しないとな
79 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/09/11(土) 09:18:47.21 ID:7dDG1CMU0
トレーナー「レースが間近に迫ってくると、やっぱり仕事が多くなるよな……」

トレーナー「出走登録関係にウマ娘のトレーニング、体調管理とかもろもろ」

トレーナー「あと、それに併せて通常業務……となると、手が回らないところも増えてくる」

トレーナー「前回ループ時の予算編成、あれがあればまた変わってくるんだろうけどなぁ……」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:470(C)
スタミナ:204(E)
パワー :215(E)
根性  :142(F)
賢さ  :354(D+)
やる気 :絶好調

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行/スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/その他(良識の範囲内で自由に)
※ホープフルステークスまであと1ターン(当該ターン含む)。

―――――――――――――――――――――――――――――――
        【現在立っているフラグ】

■エクストライベント
・「????」/不明
―――――――――――――――――――――――――――
■メインイベント
・[地に閃く黄金の旅程]/開始中
―――――――――――――――――――――――――――
■メジャーイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■サブイベント
・[全てはこの一杯の為に――!]/担当ウマ娘とラーメンを食べに行く
―――――――――――――――――――――――――――
■プチイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■リミテッドイベント
・常識とは破られるために存在する/ホープフルステークス終了後
・回顧/かつての担当ウマ娘と出会う
―――――――――――――――――――――――――――――――
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/11(土) 09:34:45.10 ID:W3FHDQM/0
お出かけ
81 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/09/11(土) 11:08:34.78 ID:7dDG1CMU0
トレーナー「ホープフルステークス前だし、練習は軽めで流すぞ」

リョテイ「おう。……で、その後は何すんだ?」

トレーナー「何もしないが?」

リョテイ「はぁ? マジで言ってんの、アンタさぁ……」

トレーナー「マジもマジ、大マジだ。レース前に強い負荷を与えることが出来るかってんだ」

リョテイ「はぁ……なるほどなあ。それでアンタはたづなさんとしっぽりよろしくやるって寸法か……」

トレーナー「……」

トレーナー「なんで知ってる?」

リョテイ「あ」

トレーナー「おい目を逸らすな、なんで知ってる?」

リョテイ「そ、想像だよ」

トレーナー「声が震えてるんだが、それは……」

トレーナー「まぁいい、今後はそう言う真似をしないようにな」

リョテイ「や、やってないけどな!」

トレーナー「まだ言うか……。いいんだぞ、こっちはナイスネイチャに強く聞けばいい話だからな」

リョテイ「く……」

リョテイ「ネイチャ、話してくれるなよ……!」

―――――――――――――――――――――――――――――――

▼キンイロリョテイのやる気は既に絶好調だ。

―――――――――――――――――――――――――――――――
82 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/09/11(土) 11:10:23.78 ID:7dDG1CMU0
――ホープフルステークスまで、あと0ターン。
83 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/09/11(土) 11:17:35.18 ID:7dDG1CMU0
―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:470(C)
スタミナ:204(E)
パワー :215(E)
根性  :142(F)
賢さ  :354(D+)
やる気 :絶好調

―――――――――――――――――――――――――――――――
[固有スキル]
・[黄金天馬]Lv4(作戦:追込/判定)
レース終盤に加速すると、勢いを付けて加速力を上げる。
(レース終盤の判定値に+100し、判定値の和を1.8倍する)
―――――――――――――――――――――――――――
・[ひらめき☆ランディング]Lv2(汎用/判定)
最終コーナーで競り合うと、直線で抜け出しやすくなる。
(レース中盤に+補正が発生した場合、判定値+[200×SLv])
―――――――――――――――――――――――――――
・[シューティングスター]Lv1 (汎用/判定)
レース終盤で相手を抜くと、勢いに乗って速度が上がる。
(レース中盤までに+補正が発生した場合、判定値+[150+(25×SLv)])
―――――――――――――――――――――――――――
・[これが諦めないってことだァ!]Lv2 (作戦:逃げ/展開)
レース終盤で最後の力を振り絞り、速度が上がる。
(レース中盤までに-補正が発生している場合、判定値+[250×SLv))
―――――――――――――――――――――――――――――――
[通常スキル]
・先駆け(作戦:逃げ/展開)
レース序盤ですこし前に行きやすくなる。
(レース序盤に選択肢追加:+50の補正値)
―――――――――――――――――――――――――――
・先駆け(作戦:逃げ/展開)
レース序盤で前に行きやすくなる。
(レース序盤に選択肢追加:+100の補正値)
―――――――――――――――――――――――――――
・末脚(汎用/展開)
ラストスパートですこし速度が上がる。
(レース終盤に選択肢追加:+50の補正値)
―――――――――――――――――――――――――――
・全身全霊(汎用/展開)
ラストスパートですこし速度が上がる。
(レース終盤に選択肢追加:+100の補正値)
―――――――――――――――――――――――――――
・お見通し(作戦:追込/判定)
左右に移動すると視野が広くなる。
(レース中盤のブロックによるマイナス補正を半分にする)
―――――――――――――――――――――――――――――――

[脚質]
逃げ:D(G) 先行:A 差し:C 追込:B

[バ場適性]
芝:A ダート:G

―――――――――――――――――――――――――――――――
[所持アイテム]

・目覚まし時計(当ループ限定品) 1つ
 使用するとレース開始前まで時間が巻き戻り、やる気が上昇する。
 当ループ中のみ使用可能。

・目覚まし時計 1つ
 使用するとレース開始前まで時間が巻き戻り、やる気が上昇する。

・夢のきらめき 1つ
 使用するとウマ娘の潜在能力を開花させる。
 開花させたウマ娘の潜在能力はループしても引き継がれる。
 担当ウマ娘選択直後に使用可能。探索時獲得。

・やる気ドロップス 4つ
 使用するとウマ娘のやる気を2段階上昇させる。
 どのタイミングでも使用可能。探索時獲得。

・サポートカード[スペシャルウィーク]/アクティベート
 願いの結晶。強く在らんとし、夢を駆けるウマ娘の親愛の証。
 根性を上昇させる練習に固定の効果値をプラスする。
 願いがいつか力となって、貴方の力になりますように。

・サポートカード[サンライトブーケ:マヤノトップガン]/インアクティベート
 願いの結晶。比翼連理を誓い、願いに駆けるウマ娘の親愛の証。
 スタミナを上昇させる練習に固定の効果値をプラスする。
 どれだけ時間が経っても、きっと会いに行きます。
―――――――――――――――――――――――――――――――
84 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/09/11(土) 16:11:25.31 ID:7dDG1CMU0


 頭上に広がる鈍色の空は、今にでも落ちてきそうなほどに鈍重な雰囲気をまとっていた。

 今朝の予報は雨だったが、まだ降っていないことを幸運と思い安堵するべきか。あるいは、これから降るかもしれないと心配に頭を悩ませるべきか。

 いずれにせよ――この時を待っていたことに変わりはない。

 調整は万全といえた。

 キンイロリョテイの脚はまだ完成していないとはいえ、それでも彼女の持つポテンシャルはまさに黄金。

 今日も中山競馬場のターフに、黄金の走りを体現してくれるだろう――。


「で、何やってるんだ……?」
「何ってそりゃあ……知恵の輪だけど?」


 かちゃり、と今まさに解けたらしいそれをこちらへと差し出してくるキンイロリョテイ。

 俺はそれを受け取りながら、ため息交じりに問いかける。


「緊張とかしてないのか?」
「あ? するわけ無いだろ」
「……随分と肝が坐ってるんだな?」


 その言葉に、キンイロリョテイは少し目を見開いた後――口を大きく開いて大笑した。


「肝が坐ってるとかどの口が言ってんだ? アンタが私をこうしたんだよ」
「……俺が?」


 首をかしげる俺に、もう一方の知恵の輪を押し付けたキンイロリョテイは笑って――指を立てた。


「ああ、だから見てろよ。アンタが育てた私は――誰よりも強いってことを証明してやるよ、トレーナー!」


 歯を見せて笑うキンイロリョテイに、俺は思わず呆気に取られてしまった。

 まさかそんなことを言われるとは思っていなかったから。

 だが、そんな言葉が、とてもうれしく思えて。


「君なら勝てるよ、キンイロリョテイ」
「当然だろ?」
「ああ、当然だ」


 満足げに頷いたキンイロリョテイは、さて、と一つ呟いて扉の方へ歩みだす。


「じゃ、今日の帰りはステーキな?」
「……考えとくよ」


 うし、と小さくつぶやいて、外へ出ていくキンイロリョテイ。

 その背中は俺よりも小さいが――何処までも大きな、頼もしいものに見えた。

85 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/09/11(土) 16:13:55.93 ID:7dDG1CMU0

トレーナー「黄金の輝きは、何にも屈しない煌めき。君の歩みこそ、黄金の二文字に相応しいってこと、証明して来い! キンイロリョテイ!」


―――――――――――――――――――――――――――――――

■レース

下1 作戦決定(コンマ)
逃げ[D]/先行[A]/差し[C]/追込[B]

01-10:逃げ[D]
11-50:先行[A]
51-70:差し[C]
71-00:追込[B]

―――――――――――――――――――――――――――――――
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/11(土) 16:15:34.27 ID:QCnZj6pGo
30%(逃げ、差し)引かなきゃまだ勝てるレースのはずだ!
87 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/09/11(土) 16:20:16.13 ID:7dDG1CMU0
―――――――――――――――――――――――――――――――

▼キンイロリョテイの作戦が[先行:A]に決定しました。

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1 キンイロリョテイの序盤の調子

01-25:出遅れ(ゴールのコンマ判定に-50の補正)
26-50:掛り(ゴールのコンマ判定に-25の補正)
51-75:順調な出だし(ゴールのコンマ判定の補正なし)
76-00:集中状態(ゴールのコンマ判定に+25の補正)
ゾロ目:補正効果1.5倍。マイナス補正の効果は消える。

―――――――――――――――――――――――――――

下2 キンイロリョテイの中盤の調子

01-25:ブロック(ゴールのコンマ判定に-50の補正)
26-50:掛り(ゴールのコンマ判定に-25の補正)
51-75:順調な出だし(ゴールのコンマ判定の補正なし)
76-00:快走(ゴールのコンマ判定に+25の補正)
ゾロ目:補正効果1.5倍。マイナス補正の効果は消える。

―――――――――――――――――――――――――――

下3 キンイロリョテイの終盤の調子

01-33:好走(ゴールのコンマ判定の補正なし)
34-66:末脚(ゴール時のコンマ判定に+50の補正)
67-00:全身全霊(ゴール時のコンマ判定に+100の補正)
ゾロ目:補正効果1.5倍。マイナス補正の効果は消える。

―――――――――――――――――――――――――――

下4 ゴールイン 着順確定

―――――――――――――――――――――――――――
【作戦】

■先行[A](補正:スピード、スタミナ)
補正がある能力値:1.5倍

―――――――――――――――――――――――――――
▼着順決定

[ 下4のコンマ+序盤補正+中盤補正+終盤補正]=レース中達成値

[ウマ娘の能力値から賢さを除いた合計]=能力値参照値

―――――――――――――――――――――――――――

【[レース中達成値]+[能力値参照値]+バ場補正/芝A(+100)+中距離適正A(+100)+やる気/絶好調(+100)=達成値

【判定スキル+達成値=固有達成値】

―――――――――――――――――――――――――――

固有達成値-(レース中全てのマイナス補正-賢さ)=最終達成値

―――――――――――――――――――――――――――

最終達成値が2000を超した場合 1着
※(100超えるごとにバ身が1伸びる。報酬増)
最終達成値が1800を越した場合 2〜3着
最終達成値が1700を越した場合  4〜5着(掲示板)
最終達成値が1700を下回った場合 着外

継続ライン:〜3着

―――――――――――――――――――――――――――

レースなので連取は5分間隔で可能なものとします。
よろしくお願いいたします。
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/11(土) 16:21:42.29 ID:MaLdANgyo
はい!
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/11(土) 16:25:22.80 ID:BSdlofIJO
ウオオオオ
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/11(土) 16:26:05.53 ID:W3FHDQM/0
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/11(土) 16:28:06.89 ID:MaLdANgyo
勝つ
92 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/09/11(土) 16:37:34.98 ID:7dDG1CMU0
■キンイロリョテイ

▼レース展開
序盤(29):掛り(-25)
中盤(80):快走(+25)
終盤(53):末脚(+50)
着順確定:89
――――――――――――
[-25]+[25]+[50]+[89]=139
139×[賢さ:D+]1.45=201.55 レース中達成値


▼作戦:先行(A) (スピード、スタミナに1.5倍の補正)
スピード:470(C)×1.5=705
スタミナ:204(E)×1.5=306
パワー :215(E)
根性  :142(F)
賢さ  :354(D+)
――――――――――――
[705]+[306]+[215]+[142]=1368 能力値参照値



▼着順
[レース中達成値:201.55]+[能力値参照値:1368]
+[バ場補正/芝A:100]+[中距離適正A:100]
+[やる気/絶好調:100]
=1869.55 達成値
―――――――――――――
・[ひらめき☆ランディング]Lv2 発動!
+400
・[シューティングスター]Lv1 発動!
+175
―――――――――――――
[達成値:2444.55]
[レース中全てのマイナス補正:25]
[補正後賢さ:354] 
―――――――――――――
[最終達成値:2470]

結果、キンイロリョテイ――大差にて1着!
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/11(土) 16:45:15.32 ID:J+Ws8S/e0
これはURAファイナルズ勝ったなガハハ
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/11(土) 16:51:02.15 ID:MaLdANgyo
これは来年のクラシック本命と言われるね
95 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/09/11(土) 17:01:24.14 ID:7dDG1CMU0

――キンイロリョテイは、周囲を見渡す。


 パドック内のどのウマ娘も、強力無比なライバルだと言える。

 少なくとも、トレーナーに聞いていた範囲では、キンイロリョテイはそう思っていた。

 だからこそ、パドックに入ったキンイロリョテイが感じたのは――少しの物足りなさだった。


「……物足りないな」


 小さくつぶやいたその言葉は、周囲の喧騒に巻き込まれて掻き消えた。

 ……物足りなさを感じたキンイロリョテイだが、そこに油断はない。

 実際、メイクデビューでは自身よりも実力が高いとは言えないウマ娘たちに遅れを取っているわけであり。

 黄金の歩みを黄金の歩みたらしめるのは、実力以前に驕らない心だと理解したキンイロリョテイに――この段階で、敵う相手はいない。

 これであれば、今日のステーキは確実だな。

 キンイロリョテイは誰にも見られないように、舌なめずりをした。


―――――――――――――――――――――――――――


「アンバランスではあるが……さすがだな、キンイロリョテイ」


 出だしから先頭集団に潜り込み、うまい具合にスタミナの消費を抑えているキンイロリョテイ。

 前回あった心の隙やアンバランスさが少なくなっていて、見れば見るほど強力な走りだ、と感心するほど。

 特に素晴らしいのは強力無比なパワーだ。特に抜け出すときのパワーは、存在するだけで周囲のウマ娘が道を譲るほどに、強い。

 あの小さな体躯にどれだけの膂力を込めているのかと思うと、知らず体が震えていた。

 これであれば、トレーニングが結実したら――。


「怪物――いや、無双のウマ娘が産まれるかもしれないな」



 四バ身の差をつけてゴールしたキンイロリョテイを見つめて、俺は知らず手を握っていた――。

―――――――――――――――――――――――――――

■下1〜6 リザルト
※コンマの分だけ数値が上昇します。
※一着、4バ身差のため、能力値の上昇に固定値が付与されます。
※ゾロ目の場合は追加ロール

―――――――――――――――――――――――――――

スピード:下1+60
スタミナ:下2+60
パワー:下3+60
根性:下4+60
知識:下5+60

習得コンマ:下6+40 

―――――――――――――――――――――――――――
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/11(土) 17:07:25.70 ID:Fg6i3+GA0
たあっ
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/11(土) 17:08:05.63 ID:13dxDIxEO
肉を食え
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/11(土) 17:09:01.65 ID:QCnZj6pGo
クラシック戦線が楽しみです!
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/11(土) 17:09:45.94 ID:W3FHDQM/0
はい
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/11(土) 17:09:55.60 ID:MaLdANgyo
はい
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/11(土) 17:10:51.17 ID:BSdlofIJO
ぞろり
102 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/09/11(土) 17:19:57.10 ID:7dDG1CMU0
―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:470(C)+70+60=600(B)
スタミナ:204(E)+63+60=327(D)
パワー :215(E)+65+60=340(D)
根性  :142(F)+94+60=296(E+)
賢さ  :354(D+)+60+60=474(C)
やる気 :絶好調

―――――――――――――――――――――――――――――――

▼スキル[仕掛け抜群]を獲得した。

―――――――――――――――――――――――――――――――
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/11(土) 22:50:39.55 ID:MJ3L5uL+0
いいコンマだ、感動的だな
実に有意義だ
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/12(日) 17:11:28.88 ID:+aXbhXLB0
脚質追い込みAにしたいね
105 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/09/12(日) 23:53:35.22 ID:rWgXFW140

「ステーキよろしくな」
「帰ってくるなりそれか……」


 控室に意気揚々と戻ってきたキンイロリョテイは、開口一番にそう言い放った。

 あまりにも食い気が勝っている態度に、俺は思わずため息をついた。どんだけ肉が好きなんだろうか、彼女は――。

 兎にも角にも、勝利したことには変わりない。お祝いの気持ちも込めて、今日はそこそこ高いステーキ屋に連れていくとして……。


「……誰を連れてきてるんだ、君は」
「見りゃわかんだろ、まさかこのお人を知らないとは言わせないぜ?」


 差し出されるようにして前に出てきたのは、いつかマヤノと共に戦った最強格の逃げウマ娘――サイレンススズカだった。

 どのようにして連れてこられたのか、その困惑する表情を見ていれば察しが付く。恐らく彼女の強引極まりない牽引があったのだろう。


「……世話を掛けたな」
「……いえ」


 今日はレースに出走していなかったが、敵情視察という事で訪れていたのだろうか。

 いつものフォルムが美しい勝負服ではなく――冬らしく暖色系でまとめられた、ふんわりとしたコーデの普段服で訪れていた。

 寒さによる間接へのダメージをケアするために、かなり厚ぼったく着られたその服で客席からここまでくる苦労は――うん、ひとまず。


「お詫びに、君も食事の席にどうだ?」
「え、私もですか……?」
「ああ。……どうやらキンイロリョテイが迷惑を掛けたみたいだし」
「でも、私もレースが控えてるので……。ありがたいですが、お断りします」


 なるほどな、と思う。

 確かに、走ることを至上とするサイレンススズカらしい断り方だ。


「飯の話なんてどうでもいいんだよ、どうでも」
「……少しは反省するそぶりを見せたらどうなんだ?」
「でも、ここでしなきゃダメな話だ。万が一……クラシック路線のホープ、サイレンススズカに宣戦布告、なんて見出しが描かれた日にゃ……」
「書かれた日にゃ……?」
「いいな、それ」


 二転三転とするキンイロリョテイの話にずっこけながら、俺はある程度この話の落としどころを見つけていた。


「つまり、君は――サイレンススズカと同じレースを走りたい、と」
「ああ! ようやく理解してくれたか、トレーナー!」
「まぁ、な。……で、君はどうなんだ、サイレンススズカ」
「ええ……」


 困惑気味に呟くサイレンススズカ。さすがにいきなり過ぎただろうか――などと思っていると、彼女はふと、いつもの様子を取り戻して顔を上げる。


「私は別に……。と、いいますか――どちらにしても、先頭の景色を譲るつもりはありませんから」
「へぇ、かかってくるなら勝手に、ってことか」
「……」


 無言の肯定。サイレンススズカの体から、何か闘気めいたオーラが漂う。


「いいじゃねぇか。で、スズカはどのレース出るんだよ」
「私は――」

―――――――――――――――――――――――――――――――
106 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/09/12(日) 23:54:04.90 ID:rWgXFW140

下1 目標設定
――――――――――――
・桜花賞(マイル:適性B)
ターン数:10
難易度:高
報酬:高
――――――――――――
・日本ダービー(中距離:適性A)
ターン数:15
難易度:特高
報酬:特高
――――――――――――
・天皇賞秋(中距離:適性A)
ターン数:20
難易度:極高
報酬:極高
――――――――――――
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/13(月) 00:16:53.92 ID:KuPPPNqZ0
ここは華のダービーでいこうか
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/13(月) 00:25:25.77 ID:Iem24DS4o
妙に存在感のあるススズパイセン、ここに来て初台詞

いや以前の周とは違うとは分かっているが春天ぶっちぎりやSS×2のインパクトはヤバかった
109 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/09/13(月) 22:28:27.23 ID:RCFJOhnJ0
「――ダービーかしら」
「随分と……妙な出走をするんだな、アンタにしちゃ」


 キンイロリョテイの言う通り、妙なチョイスだな、と思う。

 サイレンススズカの適性などを鑑みると、クラシック三冠路線ではなくティアラ路線に進むのが普通だ。

 何か特別な理由があるのだろうか、と思った時だった。サイレンススズカは……静かにキンイロリョテイに視線を向けた。


「そちらの方が、”浪漫がある”――。そうでしょう」
「――ッ! はは、いいね、いいねェ……!」


 猛禽のような瞳。矮躯に纏う捕食者としての空気が、一瞬にして濃厚な威圧を周辺に振りまく。

 その気配は――皇帝にも負けず劣らず。

 サイレンススズカも思わず息を呑んで――しかししっかりと、キンイロリョテイをみすえていた。


「じゃあ、日本ダービーでまた会おうぜ」
「ええ」


 小さくそれだけ呟いて、サイレンススズカは控室を去った。


「……大丈夫か?」
「ああ。アンタのほうこそ、大丈夫だったか?」
「……俺?」
「予定とか、そう言うアレだよ。問題はなかったか?」


 ああ、と一つ手を打つ。


「そろそろ目標レースを決めなければならない時期だったし、問題はないぞ」
「そっか、じゃあ――よろしくな、トレーナー」
「おう」

110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/13(月) 22:38:54.29 ID:KOxlQlEV0
ヤンデレかポンコツかストイックかイケメンか先頭民族かポンコツかどのスズカなんだ
111 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/09/13(月) 22:57:10.71 ID:RCFJOhnJ0
■リミテッドイベント:常識とは破られるために存在する。


「――なるほど。論旨は理解したぞ」


 ぱちりと扇子が開かれ、理事長の眼のみがこちらから伺うことのできる唯一の感情となる。

 そこに浮かぶのは、歓喜か、あるいは……悲哀か。

 読み取ることは出来ない。それを見越して彼女も扇子を開いたのだろうから、当然だと言える。

 見定めるように細める瞳が、こちらのことを透かし見るような気がして。

 思わず手を握ったところで。彼女はようやく口を開いた。


「肯定ッ、素晴らしい心意気だと思う」
「では……」
「――だが、条件がある」


 扇子を閉じ、先端をぴしゃりとこちらに指す。

 やがてそれを口元に持っていき――にやりと、人の悪い笑みを浮かべた彼女は、嘯くように述べた。


「”皇帝”シンボリルドルフをチームに加えることを、全校生徒に認めさせる――」


 扇子を懐にしまって、仁王立ちする理事長。そして、声高らかに、条件は述べられる。


「――つまり、君のチームで”皇帝”を超えて見せろ!」


 ……こうして、現状明らかに超えられない壁が設定されたのだった。

112 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/09/13(月) 23:26:57.76 ID:RCFJOhnJ0



「面倒なことになったな」
「まさか、私とトレーナーくんのチームメンバーが競うことになるとは思っていなかった」


 ホープフルステークス終了後、理事長室に直談判に行った結果はあまりにも無謀すぎた。

 ”皇帝”シンボリルドルフの存在は、学園の内外に広く知られており、実力も指折りだ。

 逆立ちしても、今の俺たちではルナに勝つことは出来ない。


「……とはいえ、手加減してもらうわけにもいかないしなぁ」
「そうだな、私が手加減してしまえば忖度を疑われる。それに――君たちチームメンバーの為にもならないだろう」


 確かに、と俺は頷いた。

 広く知られている以上、ルナが出し惜しみしてしまえばそれだけでバレるリスクがある。

 いやリスクと言うか、モロバレする。それはひとえに実力が違いすぎるためだ。

 カメとウサギが真面目に戦えば、必ずウサギが勝つ。それは必然だ。


「うーむ……どうしたものか」
「まぁ、直ぐに、という話でもないし――一度持ち帰って話し合ってみてはどうだろう?」
「……そうだな」


 確かに、俺とルナ二人だけの問題ではない以上、キンイロリョテイもナイスネイチャも巻き込むのが筋だろう。

 早速伝えに行こうと席を立ったところで――ふと、服の裾を掴まれる。


「……どうした?」
「……いや、なんでもない」


 ぱ、と離された手。表情や耳、尻尾などに特に変化はないけれど――なんだか寂しそうに見えたので。


「ルナ」
「――!」
「いつもお疲れ様。今日も気にかけてくれてありがとね」


 これでいいのだろうか、なんて思いながら、ルナの頭を小さく撫でる。

 一瞬ルナの体が震えて――そしてぱた、と一瞬だけ尻尾が揺れた。


「もう少ししたら、迎えに行くから」
「……ああ、待っている。いつまででも、幾星霜の時が過ぎようと待っている――!」
「そんなに待たせるつもりはないさ。だから――負ける準備をしておいてくれよ、”皇帝”さん?」


 ぽんぽん、と。頭を最後に撫でて、俺は席を立つ。

 今度は裾を引かれることはなかったが――ルナが、何かを小さくつぶやいた。

 声が小さすぎて良く解らなかったが、表情を見るに――気にすることもないだろう。いつもの独り言だ。

 じゃあな、と手を振って、俺は生徒会室を後にした。


「……君にはもう負けているんだよ、トレーナーくん」


 
113 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/09/13(月) 23:30:28.12 ID:RCFJOhnJ0
今日はここまでです。

最近いろいろとやることが増えてきたせいか、更新が遅くなってしまい申し訳ございません。
時期に解消するとは思いますが、しばらくは今日のような短文更新が多くなると思います。

114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/13(月) 23:43:01.06 ID:NeYEV1350

シンボリに勝つことが本人の意向よりも大事か
仲良しこよしとかどうでもいいからとりあえず最強チーム作りたいんかな
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/14(火) 00:10:04.54 ID:LVDCQc4ro
おつ
速攻ルナ化で駄々こねるカイチョーはいなかった……!


ちょい残念()
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/14(火) 01:09:08.45 ID:hCHRAkia0
激ムズミッションで草
会長には幸せになってもらいたい
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/14(火) 03:04:23.39 ID:k2cynWht0
実際ぽっと出トレーナーの新設チームに皇帝が参加したら???ってなるからしょうがないね
118 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/09/15(水) 22:30:58.89 ID:2nxh5HsD0

「――んで、モテるトレーナーはついに皇帝にまで手を出した、と」


 ところは変わってファミレス。キンイロリョテイはサイコロステーキをつまみながら、意地が悪そうに顔をゆがめた。

 何故ファミレスに来たかというと、「チームでの話し合いはファミレスだろ、それが浪漫だ」と主張するキンイロリョテイの要望に沿ったからである。

 さて、当のキンイロリョテイは話だけ聞く態度である。特に意見などはなさそうで……というか、仲間が増えるなら賛成と手放しに認めている節がある。

 諦めて視線をナイスネイチャへ動かせば、彼女はストローから口を離して気まずそうに笑った。


「まー、何を考えているか、大体わかりますけど……」
「そう言うことだ。頼れるのは君しかいない、ナイスネイチャ」
「へぇ、アタシしか、ねぇ」


 髪をくるくると弄ぶナイスネイチャ。つい、と顔を逸らされたせいで表情が見えないが――なんだか、機嫌が良い感じがする。

 ともかく、話は聞いてくれそうな気配だ。


「シンボリルドルフのチーム・エルタニン加入に際して、条件が設けられた」
「……その条件とは?」
「――シンボリルドルフとの勝負、そして勝利だ」


 ぴた、と。

 キンイロリョテイがその場に制止する。


「……理由は?」
「まあ、恐らくだけど――発生しうる非難への正当性を作るためだと思う」
「なるほど。確かに会長さんが、いきなり聞いたこともないようなチームに加入する……ってなったら、何かしら波紋を呼びそうですしねぇ」


 そう、シンボリルドルフは、文字通り頭一つ抜けた実力を持つウマ娘。

 どこかのチームに所属すれば、その実力を以て確実な栄光をもたらすだろう。


「でもよ、チーム加入はウマ娘の意思が尊重されるべきだろ? だったら、皇帝サンがどこのチームに加入しようと勝手だろ」
「ま、本当ならそうなんだろうな。ただ、今回は――そもそも俺が無理を通した形だ。こんな形でも認めてくれる秋川理事長に感謝しないとな」
「ふーん、そんなもんか」
「……それで、チーム・エルタニンで会長さんに勝てるの、トレーナーさん?」


 ふむ、と一つ考える振り。だが、答えは既に決まっていた。


「ムリだよ」
「……ですよねえ」


 百人いたら百人が皇帝の勝利にベットする。

 別に俺たちが弱いわけではない。ルナが強すぎるだけなのだ。


「ただ、そこは理事長も十分に承知している。だからこそ――付け入る隙を作ってくれたんだよ」
「隙、ねぇ」


 そう、秋川理事長の言葉を振り返れば――俺たちにはとある抜け道が用意されている。

 ルナを超え、それでいて大衆を納得させるための抜け道が。


「俺に秘策がある。大船に乗ったつもりでいてくれ」
「……まぁ、トレーナーさんがそう言うなら」
「ま、アンタがそう言うんなら勝てるだろ」


 信頼が温かい。

 俺は二人の言葉に大きく頷いて、早速作戦の立案を行うために席を立ったのだった――。
119 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/09/15(水) 22:47:43.51 ID:2nxh5HsD0

――勝負に際して設けられた詳細な条件は3つだ。


 ひとつ、レースに関連する勝負であること。種目は秋川理事長の判断で可否が決定する。

 ひとつ、人数差による有利があまりにも働きすぎない勝負であること。

 ひとつ、八百長は許されない。その他の不正行為も認められない。

 至極当然の条件設定だと言える。当然でベーシックな条件が設けられた以上、そこから抜け道を探すのは難しいこと……のように見えて、実はそうではない。

 人数差による有利が働きにくく、かつレースに関連する勝負であること。

 そう考えると、俺の頭にはある種目が浮かんできていた。

 これであれば、ルナに勝つことも出来る。


「……そしてついでに、チーム・エルタニンの強化も出来る」


 一石二鳥。

 俺はルナとの対戦を通じて、チーム・エルタニンの能力を高める方策を練っていた。

 ……やがて、俺の出した提案に、秋川理事長の正式な認可が下りる。

 こうして、”皇帝”シンボリルドルフのチーム・エルタニン加入への戦いが始まった――!
120 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/09/15(水) 22:48:26.07 ID:2nxh5HsD0
今日はここまでです……!
多分次の更新でリミテッドイベントが終わります……!多分……、
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/15(水) 22:49:55.00 ID:8/cOFKO+0
おつ
想像力足りないから何するか全然わかんねー
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/15(水) 22:53:42.87 ID:vdJyVJCP0
レースに関する勝負、かつ人数差で有利が出にくい…
つまりこれは…勝ウマ投票券…!
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/17(金) 08:21:10.15 ID:6kU1IAqHO
人数差とかかいてるから、こっちはうま娘二人のリレー方式が予想されるが

後はわからない
124 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/09/20(月) 15:25:46.62 ID:jvIMOsaq0

「……なあ、本当にこんな競技で勝てるのかよ」
「ああ、勝てるよ」


 自信たっぷりに頷けば、懐疑的な表情を浮かべたキンイロリョテイは「はぁ」と答える。

 ……俺たちの目の前には、今日の会場となる山が広がっている。


「山登りの経験なんて数えるほどしかねーぞ?」
「アタシも。本当に大丈夫なんですかねえ」
「まぁ、正直に言えば……五分五分かな」


 どれだけ策を練ったとしても、覆される想像がぬぐえない。

 それがルナの凄まじい所だ。フィジカルだけではなく、思考力や観察力なども軒並み頭一つ抜けている。

 しかし、彼女には明確に弱点と言うか――皇帝が皇帝であるが故の隙がある。

 それを加味するのであれば、勝率は八割ほど、だろうか。


「まぁ、何にせよ――油断は出来ない相手ってことだな」
「ああ、その通りだ。気を引き締めて掛かってほしい。……作戦について、もう一回確認するぞ」
「はーい」


 観客が集まる中、俺たちは作戦会議に打ち込むのだった――。
125 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/09/20(月) 15:46:49.87 ID:jvIMOsaq0

「ルール説明だッ!」


 開会式、口上もそこそこに、理事長によるルール説明が行われる。

 この競技の名前は――フット・オリエンテーリング。

 軍事教練を起源とする、山野で行われる競技だ。

 誰が最も早く、山に設置されている構造物を巡り終えることが出来るか競う、という競技だ。

 それらすべてを巡り終えて、設置されたゴールに一番に到着した者が勝者となる。

 通常のレースと大きく異なる点として、ルートがあらかじめ決められていない。

 事前に配られる地図を上手に把握することが出来る能力と、山野を駆け巡ることが出来るスタミナ、そして時には悪路を走破するパワーが要求される、かなりハードな競技である。


「――以上ッ! 参加選手は今から十分以内に準備を整えてほしいッ!」


 いつもの高笑いを残して、秋川理事長は段上から降りる。

 その後、たづなさんからのアナウンスで、俺たちチーム・エルタニンとルナは、その場から離れることとなる。

 が、離れようとしたとき、ルナがこちらに近寄ってきたので俺は立ち止まった。


「……シンボリルドルフ」
「まさか、君と戦う時が来るとは思わなかった」
「俺も。君とは戦いたくなかった」
「ふふ、そう言ってくれるな。こちらは手舞足踏の心持ちなのだから」


 確かに、尻尾や耳はいつもより気迫満点で、やる気にあふれているのが見える。


「ま、今日は胸を借りることにするよ、シンボリルドルフ」
「今日だけとは言わず、いつでも借りてくれていいんだがね」
「そうはいかんだろ。あ、でも……これからは、否が応でも借りることになるかもな?」


 言外に”今日は勝つ”と含めれば、ルナの気迫が膨れ上がる。

 背筋が泡立つ感覚を覚えながら、しかし笑みを浮かべたルナから視線を外さない。


「勝負の場だ、これ以上の言葉は必要あるまい」
「ああ、そうだな」
「……では、次は表彰台で」
「先に待ってるよ」

 
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/20(月) 15:51:45.38 ID:WyrPrqXXo
ふむふむ
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/20(月) 17:05:24.20 ID:L0mjGq7Ro
更新やったぜ
128 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/09/20(月) 22:39:24.54 ID:jvIMOsaq0

「では、銃声と共にスタートです。出走予定のウマ娘は、所定の位置についてください」
「……よし、行ってくるぜ、トレーナー」
「バッチシ勝ってきますからね〜」


 スタートラインへと歩きだす二人は、今から最強の”皇帝”に挑むというのに怖気づいていなくて。

 俺は彼女たちの表情に、その言葉に頼もしさを感じる。

 もとより負ける想定なんてしていないが、それでも。


「勝ってこい」


 おうとも、と二人からの返事を受け取り、俺はトレーナー用に設けられた中継室へと戻る。

 画面には、様々なところに設置されたカメラによって各地点の様子が映し出されている。


「……さて、スタートでどれだけ食らいつけるかが勝負だぞ、二人とも……!」


 祈るように手を組んだ時――たづなさんがゆっくりとその手に持つスターターピストルを掲げた。

 周囲のざわめきが消えていき。


「スタートッ!」


 乾いた銃声が晴天に響き、レースが始まった――!

129 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/09/20(月) 22:54:12.22 ID:jvIMOsaq0

「ふッ……!」


 スターターピストルの乾いた音とともに、弾かれるように飛び出るキンイロリョテイ。

 ここでどれだけ差を詰められるかが勝負のカギ。出来る限りの踏み込みで前を狙うが――。


(追いつけない、な)


 さすがは”皇帝”と言うべきか、シンボリルドルフの走りは圧倒的だった。

 その驚異的な踏み込み、スムーズな運脚。超前景のストライドだが、そこに疲労やダメージの蓄積など感じさせない。

 キンイロリョテイは改めて、目の前の敵が明らかに自身のレベルを超えていることを思い知らされる。

 だが、これくらいでへこたれるわけにもいかない。

 トレーナーの為にも……何よりも、他ならぬシンボリルドルフの為にも。

 この勝負には勝たなければならない。


「……案外着いてくるじゃないか」
「はッ、余裕出せるのも今のうちだッ!」


 山中へ駆け込む三名のウマ娘。彼女たちの差は先頭から殿までおよそ2バ身。

 ……そこまで離れていない。キンイロリョテイは心の中でひとまず安どした。

 だが、ここからだ。


「リョテイさん、作戦通り……っ!」
「ああ!」


 トレーナーの秘策。必ず勝てるわけではないがそれでももともと低い確率を五分以上に跳ね上げるそれを、今実行する。

 ナイスネイチャはそのまま外周を回る進路を取り、キンイロリョテイは内側を通る進路をとった。


「あんまり飛ばしてへばんなよ?」
「そちらこそ!」


 
130 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/09/20(月) 23:27:18.95 ID:jvIMOsaq0

「こりゃ、やっぱり応えますなぁ……っ!」


 外周を回るコースをとったナイスネイチャは、一人ごちった。

 外周……つまり、山の中で最も範囲が広い場所を走る。それはつまり、スタミナとの勝負であるといえた。

 ナイスネイチャに無尽蔵のスタミナがあるかと言われれば、そうではない。

 中長距離を走るステイヤーではあるが、例えばメジロマックイーンやスーパークリークのようにスタミナが抜きんでているというわけではない。

 彼女の実力の本懐とは、遠く離れた環境。言うなれば、自分との戦い。

 だから、負けられない。ここで負けてしまえば、それはトレーナーのことを――ようやく認めることが出来そうな自分を否定することになる。


「まず一つ――ッ!」


 大きく声を張り上げ、一つ目のポイントにたどり着く。

 所持している記録紙に、備え付けのパンチで穴を開け、間隙を置かず走り出す。

 重い土砂に足を掬われそうになるが、しかしそれでも彼女の歩みは止まらない。

 時にはペースを落としながらも、外周に設置されているポイントを全て回り切ったナイスネイチャ。

 息も絶え絶えだが……それでも、後に繋ぐことが出来たはずで。


「……あとは任せましたよ、リョテイさん……ッ!」


 
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/21(火) 00:20:19.94 ID:QJHp7uUco
(やはりチームメイト視点の話も挟まるのでチーム作れるようになったのすきー)
132 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/09/21(火) 00:43:33.08 ID:dT3BXBOE0

「まさか君と肩を並べて走る羽目になるとはね」
「遠慮したかったけどな……ッ!」


 肩を並べながら、同じ方向に走るキンイロリョテイ。ただプライドに任せて走っているように見えるが――。

 キンイロリョテイの脳裏には、トレーナーから授けられた秘策が浮かんでいた。


「やっぱり遠慮するわ」
「……へぇ」


 あからさまに笑みを浮かべて、キンイロリョテイは速度を下げ――シンボリルドルフの後ろにつく。

 それを見てシンボリルドルフはなるほどな、と息を吐いた。


「スリップストリーム……それだけではないな」
「……多くは語らないぜ?」


 にやりとそれらしく微笑むキンイロリョテイ。

 誰が見ても、スリップストリーム……空気抵抗をシンボリルドルフの後ろを走ることによって減らすこと以上に、障害物排除の手間を省こうとしていることは明白だった。

 事実、シンボリルドルフの後をぴったりとくっついて走るキンイロリョテイは疲労の色が見られない。


「姑息とは言わない、だろ?」
「ああ、それも作戦だ――だが、いいのかな?」
「あ――?」


 聞き返した直後、キンイロリョテイはシンボリルドルフが口を弓なりに逸らしたのを見て。

 咄嗟にサイドステップを踏む。

 瞬間、先ほどまでキンイロリョテイが居た位置に、強力無比な踏み込みで巻き上げられた土砂が猛烈に飛来する。


「皇帝さんがダーティープレイたぁ、随分と見上げた根性だなぁ、オイ……!」
「回避できて何よりだ。では、精一杯着いてくるといい」
「クソが……」


 悪態を吐きながら、しかし懸命に食らいつこうと脚の回転を速めるキンイロリョテイ。

 シンボリルドルフは感嘆の息を吐いて、思わず満足げに笑みを漏らした。

 しかし、その笑みこそキンイロリョテイにとって苛立たしいものであり。


「いいぜ皇帝サン……アンタのその顔、必死なモンに変えてやるッ!」


 喉元に食らいつかんとする獰猛な瞳が、シンボリルドルフの背を捉えて離すことはない。

 負け必至の勝負はしかし、ここにきてその雲行きを妖しくしながらも進むのであった。
133 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/09/21(火) 00:45:55.90 ID:dT3BXBOE0
今日はここまでです。

更新が滞っていてすみません……!
ヴァルゴ杯に向けてウマ娘を育成しまくってたらいつの間にか何日間も更新していませんでした……。
今回の更新で終わるなんて言ってましたが、終わりませんでした。
近いうちに終わります。
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/21(火) 00:49:09.62 ID:QJHp7uUco
おつおつ
デジたんもきたししゃーない
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/22(水) 03:50:37.50 ID:INFKIfsI0
過去スレから追いついた、応援してます
136 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/09/23(木) 14:31:25.53 ID:snrHRKre0

「……良く着いてくるな」
「はッ、アンタにゃ負けられないんでね……!」
「志操堅固。心持ちが優れていることは結構だ」


 キンイロリョテイが速度を上げるも、シンボリルドルフは突き放す。

 ……繰り返しの最中、シンボリルドルフは微笑んでそう言った。

 何処か諧謔を弄するような言葉の調子には、明らかに「だがそれだけで何を為せるのか」と彼女なりに問うニュアンスが含まれている。

 言葉をなぞるように、なおも加速してシンボリルドルフは続ける。


「君は何故勝ちたい。自分の為か、それとも君のトレーナーのためか?」
「そりゃアンタ、決まってるさ――自分の為だ!」
「……トレーナー君に似て嘘が下手だな、君も」


 ふ、とほほ笑むシンボリルドルフ。折り返しとなるポイントにたどり着いた彼女は脚をいったん止め、余興とばかりにキンイロリョテイに話しかけた。


「本当のことを言おうか」
「あ?」
「――君たちの作戦には気付いている。というか、彼のことだから……私が気付くことすらも作戦のうちなんだろう?」


 ま、さすがに解るか、と。キンイロリョテイは思う。

 全てのウマ娘の上に立つ”皇帝”。彼女の強さはフィジカルだけではない。

 そしてそのことは、全てのウマ娘の知るところにあり、トレーナーの知るところでもあった。

 だからこそ、見抜かれるのは承知の上。


「でも、君たちの作戦を理解していても、私は止められない。それを逆手に取ることも出来ない」
「そうだろうな、それが我らがトレーナーの策略だ」
「――私が”皇帝”であることをこうも利用されるとは思わなかったな」


 ”この作戦はそもそもバレる前提のもとに成り立っている”。

 トレーナーから聞かされていた言葉が、キンイロリョテイの脳内を奔った。


「先ほどから聞こえる歓声に交じって、ナイスネイチャの声が聞えた。恐らくは、声を発した場所がポイントの在りか。そうだろう?」
「……へっ」
「君は私と競り合ってポイントを取り終えた段階で、ナイスネイチャがもたらした情報をもとに最速でポイントを獲得する。だが、私はその方法を使えない」
「名声に足を引っ張られたな」
「ああ、まったくもってそうだ――”皇帝”たる私は、誰かが残した轍を辿ることは許されない。常に誰かの前に立ち続ける必要がある」


 ……トレーナーの考えた作戦は、酷く簡単なものだ。

 一定以上のスタミナが備わっているナイスネイチャに外周を、天性のパワーが備わっているキンイロリョテイに内周を担当させる。

 ナイスネイチャはポイントに到達するたびに声をあげ、その位置をキンイロリョテイに知らせる。

 キンイロリョテイが内周を回り終えたら、ナイスネイチャのもたらした情報をもとに、最短距離でポイントを獲得。

 ここで問題となるのは、シンボリルドルフに作戦を察知されることだが――それも彼女が”皇帝”であるが為に特に問題にはならない。

 即ち、シンボリルドルフは大衆からの名声……常にウマ娘の前を往く存在であるという評価の為、ナイスネイチャの後を追い掛けるような真似は出来ない。

 彼女は自分で道を切り開くことを望まれており、仮にナイスネイチャのヒントを用いた戦術に乗るのであれば、その評価は地に落ちることになる。

 ……盤外戦術。それがどの要素でも負けることを悟ったトレーナーが取れる、最善の一手だった。
 
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