ロッチ中岡「俺ってドラゴンやんか」

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2 : ◆z.6vDABEMI [saga sage]:2021/08/30(月) 18:02:20.05 ID:ZIJVc4nTo
中岡「まあ俺のことはええやん」

コカド「全然良くないけど」

中岡「そんなことより、ほんま何年ぶり?俺ら会うの」

コカド「あー……二十歳になった時にみんなで集まったやん、梶本とかも入れて。そん時ぶりやから、」

中岡「20年くらい会ってへんのかあ」

コカド「ああ、そうよ。そんだけ経つと人間、こうなんねんな」

中岡「何がいな」

コカド「お前そんなんやったっけ?」

中岡「ええ?俺は前からこんなんやったって、やんちゃで元気で」

コカド「それ自分で言うの、悲しくない?」

中岡「イノシシやったし」

コカド「また(笑)真っ直ぐしか走られへんかったとかそういうことやろ?」

中岡「近所のおばあちゃんの畑行って、じゃがいも掘って食うてた」

コカド「マジのアカンやつや」

中岡「めっちゃ怒られたし」

コカド「まあ犯罪やからな」

中岡「美味かったで?褒めたんやで?」

コカド「よお捕まらんかったね、その倫理観で」

中岡「野山も走り回ってたし」

コカド「例えとか関係なく?!どんな子供やってんお前!?」

中岡「ノミや」

コカド「は!?」

中岡「俺は子供の頃はノミやったわ……」

コカド「なんの例えやねん!小さいってこと!?」

中岡「ビビリ」

コカド「ノミの心臓ってこと!?伝わらへんで、そこまで説明してくれんと!」
3 : ◆z.6vDABEMI [saga sage]:2021/08/30(月) 18:09:52.62 ID:ZIJVc4nTo
中岡「けどまあそっからはスクスク!」

コカド「成長?そこで止める人なかなかいてないのよ」

中岡「そう考えると、あの頃の俺は風の子やったわ!」

コカド「元気な子ね?」

中岡「足早かったから、稲妻やったし」

コカド「稲妻のような速さ、はあ」

中岡「諦め悪いから、納豆やった」

コカド「あー、粘り強い的なこと?」

中岡「けど宿題は嫌いやってん」

コカド「おお」

中岡「やから、子供の頃の俺はー……」

コカド「え?」

中岡「いや、つまり総括するとやで?」

コカド「何を総括しようとしてんねん」

中岡「風雷納豆ナマケイノシシやな」

コカド「ふうらいなっとうなまけいのしし!?」

中岡「あ、違うわ」

コカド「さすがに違ってくれ、例えやと分かってんねんけど、きしょい生物誕生させんな」

中岡「疾風迅雷のノミ納豆ナマケイノシシや」

コカド「二つ名みたいにしてもアカンで?」

中岡「事実やで?」

コカド「その『ノミ納豆』の部分が死ぬほどダサくてキモいねんよ」

中岡「事実なのに?」

コカド「事実でもないけどな」
4 : ◆z.6vDABEMI [saga sage]:2021/08/30(月) 18:22:21.42 ID:U/0lNl/go
中岡「そう言うコカドは昔どんなんやってん」

コカド「は?俺?俺は特になんも」

中岡「何もってことはないやろ」

コカド「いや、至って普通やって。勉強そこそこ、体育もそこそこ」

中岡「そんな普通やった?」

コカド「お前が覚えてへんだけよ、俺の小学生時代なんてほんま普通すぎんねんから」

中岡「顔とかデカぁならんかった?」

コカド「なんの例えそれ?怖いわ突然そういうの来ると!」

中岡「それにしても普通、普通て。何やねんお前」

コカド「ほんまのことやししゃあないやん……」

中岡「お前あれか」

コカド「なに?」

中岡「テンプレか」

コカド「テンプレ」

中岡「普通やった、なんもなかった、つまり子供の頃のお前はテンプレや」

コカド「テンプレート?」

中岡「そ。定型文みたいな子供時代……はっ!
テンプレケンタロウってことか!!!」どやぁぁぁぁぁぁ!!!

コカド「ドツキ回すぞ?」

中岡「……え?ちょっと待って?」

コカド「何やねんさっきっから!」

中岡「ほな大人になるまでめっちゃ足怪我したんちゃうん?」

コカド「ずっと何言うてるのお前?」

中岡「茨の道歩いてきたんやろ?」

コカド「あれ物理的な障害のことちゃうねん」

中岡「え!?違うの!?」

コカド「……おお、そこは普通に勘違いしてただけなん!?難しいなお前!?」
5 : ◆z.6vDABEMI [saga sage]:2021/08/30(月) 18:33:36.02 ID:U/0lNl/go
中岡「俺も足めっちゃ怪我しながらおっきなったから、そうなんかと思ってたわ」

コカド「足を怪我?どういうこと?」

中岡「やから、茨の道やんか」

コカド「それはたとえであって、ホントの茨のある道行けってことちゃうんやって」

中岡「ええ?俺それ知らんからさ」

コカド「なんで誰も教えてやらんねん」

中岡「大人になるまで、ずっと茨歩いてたで?」

コカド「それでよお怪我残らんかったな!?」

中岡「毎日よ?」

コカド「うわ、痛い」

中岡「毎日、足が血だらけになって」

コカド「うわ痛い痛い、お前もお前の足もどっちもイタい」

中岡「結果俺の足は鋼」

コカド「皮膚エグいくらい強なってる!」

中岡「もう茨くらいじゃ傷付かへんから」

コカド「アホやこいつ……」

中岡「つまりダイアモンドでもあるってことやな」

コカド「めちゃくちゃすぎるわ」

中岡「鉛かつ、鋼かつ、ダイアモンドや」

コカド「……ていうかそんなん、なんで親に聞かんねん」

中岡「はぇ?」

コカド「おとんとか、おかんに聞けたやろ。これどういう意味?って」

中岡「いや、聞いてん」

コカド「え?ちゃんと聞いた?」

中岡「聞いたら、『自分で調べてごらん』って言われてな」

コカド「めっちゃ当たり前のこと言われてる」 

中岡「けど俺、その頃『疾風迅雷のノミ納豆ナマケイノシシ』やんかぁ」

コカド「さも当然のようにその気持ち悪い生物の名前出すなや」

中岡「略して『シノナシ』やんか」

コカド「分からんもんを分からん言語に変換すんのやめてもらえる?」

中岡「シノナシやから、図書館行って調べたりすんの面倒くさかってんな?」

コカド「そこと天秤にかけて怪我し続けるなら調べろや!」
6 : ◆z.6vDABEMI [saga sage]:2021/08/30(月) 18:34:01.29 ID:U/0lNl/go
一旦休憩ですね
7 : ◆z.6vDABEMI [saga sage]:2021/08/30(月) 19:44:10.01 ID:U/0lNl/go
中岡「けど俺がシノナシであったおかげで、」

コカド「おい中岡」

中岡「足が強靭になったわけやから」

コカド「さも当たり前のようにその言葉使うな」

中岡「捨てたもんやないやろ?」

コカド「それは捨ててええやろ」

中岡「おかげで今の俺があるわけや」

コカド「キショすぎる生物になってるけど……」

中岡「それにな、俺もまあまあ頑張ってんねんで」

コカド「なにが?」

中岡「ほら、俺とお前は20年ぶりに会ったやろ」

コカド「おう、そうやな……」

中岡「お前、俺今何してるか知ってる?」

コカド「え?あ、そういえば……」

中岡「社長やで」

コカド「社長……」

中岡「おう」

颯爽と名刺を取り出す中岡。

コカド「うわ、ほんまや!社長なってるやん、すご」

中岡「そうやろ?」

コカド「まさかやったわ」

中岡「今俺、なんて呼ばれてるか知ってる?」

コカド「え?シノナシ?」

中岡「シノナシは小学生の時よ」

コカド「今はなに?」

中岡「うなぎ」

コカド「うなぎ」

中岡「おう、登ってってるって言われた」

コカド「鰻登りの『うなぎ』部分の話してる?」
8 : ◆z.6vDABEMI [saga sage]:2021/08/30(月) 20:01:18.93 ID:U/0lNl/go
中岡「しかも、しかもよ?」

コカド「まずお前は中岡であってうなぎではないし」

中岡「まあ落ち着けって。俺はほんますごいねんから」

コカド「いや、むしろなんでお前そこまで落ち着けんねんな」

中岡「社長やからかな」

コカド「死ぬほどムカつく顔してんな」

中岡「ていうかな、コカド、聞いてくれ」

コカド「何がよ!」

中岡「俺ってトラやん」

コカド「なんて!?」

中岡「なんか言われんねん」

コカド「誰に!何を!」

中岡「それに俺って馬やし」

コカド「はあ!?」

中岡「俺ってドラゴンやんか」

コカド「なんて!?」

中岡「いや言われんねんよ」

コカド「なにを!」

中岡「虎の威かってますね〜って」

コカド「それバカにされてるで?」

中岡「馬脚も現れてますし〜って」

コカド「バカにされてますよね?」

中岡「竜の頭で尻尾ヘビですやーんって!」

コカド「全部バカにしてんのよ!それ!」

中岡「はぃ?」

コカド「『虎の威を借る狐』、『馬脚を現す』、『竜頭蛇尾!』」

コカド「強いやつに頼って威張ってる、実力無いのがバレてもうてる、見た目派手やけど先っぽなんも良くない!」

コカド「全部よ!全部お前があかんってことを言う例え!ことわざ!!」

中岡「え?これ褒めてんちゃうの?」

コカド「ちゃうわ!」

中岡「虎飼ってるって言われて喜んでたわ」

コカド「そのちょいちょいマジで知らんのなんやねん!!」

中岡「まあええわ、社長なんは事実やし」

コカド「そんで余裕やな!?」

中岡「それに俺ダイアモンドやし」

コカド「それはなってへんねん」
9 : ◆z.6vDABEMI [saga sage]:2021/08/30(月) 20:08:34.30 ID:U/0lNl/go
中岡「まあええねん、社長はマジやから!マジやからぁ!!」

コカド「お前それの一本槍でやってくつもりか」

中岡「社長かつ槍になったわ今」

コカド「槍にはなってへんねん!……うわ、めんど、お前そんなダルいやつやったっけ?」

中岡「いや、これはこの何年かでやってんねんな」

コカド「は?どういうこと」

中岡「うん、いやな、何年か前に言われてん」

コカド「……なんて」

中岡「もらったものは全部吸収していきなさいって」

コカド「すでにそこから間違ってんねん!」

中岡「やからその人からも吸収したしな」

コカド「こわ!?言い方怖いから考えろってぇそれ」

中岡「全部吸収した……」

コカド「こわいこわい!なんで突然怖なんねん!!」

中岡「けど大事やねんて、人からもらったものを吸収するのは」

コカド「もうええってそれ!忘れろ全部!」

中岡「そんな言うなや、せめてこれだけ聞いてくれって」

コカド「もうええもうええ、お前もうめんどいって!」

中岡「いや、俺が革命になった話をやな……」

コカド「めんどぉーーー!!」
10 : ◆z.6vDABEMI [saga sage]:2021/08/30(月) 20:09:37.47 ID:U/0lNl/go
一年ぶりなので初投稿です。
また一週間後とかに書けるようなSSになりたいです。

キングオブコント、楽しみですね。
また思いついた頃に。
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