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【咲-saki-】京太郎「ウルトラマンの力」咲「光よ!」

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769 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/13(水) 03:12:40.60 ID:7AUgda+N0
この始まりの感じ……トシさんや葵が主要メンツに来る……もしやスパロボとかデジモンとかライダーの方?
770 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/13(水) 13:29:00.86 ID:9f8BA+On0
>>768
葵はトシさんが見てたメダル的にダークネス系統っぽい
771 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/13(水) 22:53:31.16 ID:OQUs+arm0
やってくよーん
徐々に進んできたー!

>>767
実はもうちょい早めにくるとヤメタランスだったりしたりー

>>769
酉間違って出しちゃってるし白状するとせやで!
772 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/13(水) 23:00:18.99 ID:OQUs+arm0


―――【熊倉家】


あれから二日、特に何事もなく

10月も半ばにさしかかり、スーツ姿もすっかり悪くない環境となってきた

それでも今は―――


ジャラジャラジャラ

京太郎「なぜに麻雀?」

葵「だって情報ないし……」

トシ「当てもなく歩くにはねぇ」


その言葉に、頷く葵


京太郎「小瀬川さんを早く見つけたいんじゃないんっすかぁ?」

葵「そうだけど!?」

京太郎「うおっ、圧が強い」

トシ「グラビティレズ」

京太郎「あ、そういう」

葵「ちげぇから!」


なんだかんだ、基地にいるよりもトシの家にいるほうが長くなっている

情報があれば端末に送られるし、そうでなければなにもない

京太郎は手慣れた仕草で雀牌を並べていく


葵「まぁなにはともあれ」

トシ「やろうか」

京太郎(なら一旦、ほかの場所に行くのが良いかもなぁ)


こうしているのは楽しい、だが……

773 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/13(水) 23:09:20.47 ID:OQUs+arm0


―――少しして


べリアル『おい小僧!』

京太郎「!?」


南三局の三本場、開始直後に声が聞こえた

ハッとする京太郎の手元の牌が倒れる


葵「うわチョンボ……てか国士聴牌ってるし」

トシ「三麻だし多少はね」

京太郎「ってそれどころじゃ!」

葵「え、あ! べリアル……さん?」

べリアル『わかってる女だな』

京太郎「そうじゃなくて!」

べリアル『っと、妙な気配がしやがる』

京太郎「妙な気配?」

べリアル『ああ……!』


立ち上がった京太郎

それに次いで、トシと葵も立ち上がる

べリアルが京太郎だと知っていることもあり、二人とも行動が早い


京太郎「次は……」

トシ「シロか豊音だろうね」

京太郎「ウィッシュアートさんの可能性は?」

トシ「あの子はこの事件が起きる前に一旦、ニュージーランドに帰ってる」
774 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/13(水) 23:18:02.82 ID:n4LTJIQp0


京太郎「え、そうなんっすか?」

トシ「ああ、だから次は……」

葵「小瀬川さんか姉帯さん……!」


気合の入った様子の葵

頷いた京太郎が玄関に向かって歩き出す

ほか二人ももちろん一緒だ


京太郎『べリアルさん、位置は?』

べリアル『わりと近ぇぞ……』

京太郎『……なんでまた』

べリアル『罠かもな、あっちにはメフィラスにテンペラー星人もいる』

京太郎『狡猾なんですか?』

べリアル『姑息で狡猾だ』


そりゃ厄介だと、京太郎は顔をしかめつつも車に乗り込む

運転席に乗った葵と後部座席に乗るトシ

すぐにギアを変えて葵がスーツの内側からしっかりとガッツハイパーに視線を送った


京太郎「撃たなくていい」

葵「え」

京太郎「そういう罪は俺が背負う」


そんな言葉に、葵はふっと笑ってアクセルを踏む


べリアル『かっこつけてんじゃねぇよ』

京太郎『いいじゃないっすかカッコつけたくなる年頃なんっすよ』


バックミラーに視線を向けると、トシが温かく笑っているのが見えた


京太郎『……男なら誰かのために強くなるんですよ』

べリアル『クハハハッ!』

775 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/13(水) 23:20:47.34 ID:n4LTJIQp0


    第18話【絶えぬ執念】

776 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/13(水) 23:32:38.81 ID:n4LTJIQp0


京太郎がべリアルのナビの元、葵をナビする

二度手間的な行為ではあるがいたしかたないだろう

場所はやはり―――雀荘


京太郎「位置は動いてます?」

べリアル『いいや、待ってんじゃねぇか?』


駐車場に車を停めて、三人が降りる

ガッツハイパーを持つ京太郎が、サングラスを外してポケットに入れた

暗い雀荘―――東京の時を思い出す


京太郎『どうっすか?』

べリアル『気配が強いな……』


やはりデビルスプリンターかメダルの力を感じているのだろう

しゃがんだまま、静かに息を吐く


京太郎「……いきます」

葵「了解……!」


トシは後ろで立っているが、頷く

扉を蹴破ってから突入―――しない

開いている扉には、なにもない


京太郎「……」

葵「肝冷やすわぁ」


呟くように言ってから今度こそ突入

転がるように侵入した京太郎が素早くガッツハイパーを構える

そしてそんな彼の背後から葵も銃を構えていた
777 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/13(水) 23:40:16.31 ID:n4LTJIQp0

京太郎「……誰も?」

葵「須賀っ!」

べリアル『小僧ォ!』

京太郎「っ」


殺気を感じて、前に転がる

先までいた場所に―――ナイフが突き刺さった


京太郎「ゾッとした……」


そう言いながら、ナイフが飛んできた方向を見る

そこには―――


葵「っ……小瀬川さんっ」

京太郎「小瀬川白望!?」


白い髪の少女、小瀬川白望がいた

その瞳は虚ろであり、メダルの力で動いているのだと理解できる

だが妙な感覚、それは通常とはまた違う


京太郎(いや、覚えはある……これは)

トシ「操られてる。思考誘導とかその類じゃぁないね」

京太郎「ゆみさんの……エースキラーの時と同じ!」

白望「……」


なにを言うでもなく、白望はいた

右手にハンマー、左手に鎌を持っている

やけに物騒な武装をした小瀬川白望に、京太郎は銃口を向けた


京太郎「ダルそうなイメージなんっすけどね……」

葵「小瀬川さんが、そんな感じなわけない!」


そう叫びながらも、宇夫方葵が構えるガッツハイパーの銃口は震えている

表情一つ変えることなく、小瀬川白望は口を開く


白望「見つけたぞべリアル……エースキラーを倒したぐらいで調子に乗るなよ」

葵「っ!?」

京太郎「コイツっ!」

べリアル『ヤプールか!』

京太郎「ヤプール?」

白望「貴様がいまだ弱いこともわかっているのだ」

京太郎「っ……!」

葵「小瀬川さんの口でべらべらとっ!」
778 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/14(木) 00:09:35.65 ID:gii0zsIM0


それでも、銃口は震えていた

小瀬川白望に向けられるわけがない

憧れていた、その場所にいるべき一人―――


葵「くっそ!」

白望「……ハッ、なんだ小娘」

葵「小瀬川さんの顔で、声でクソみたいな台詞喋んなよっ!」


歯を食いしばって、しっかりと銃口を小瀬川白望に向けた


葵「解釈違いにも程があんだよっ!」

白望「……!」


迷った末に引かれたトリガー

放たれた弾丸は、小瀬川白望に当たることもない

飛び上がって空中へと回避する小瀬川白望に京太郎が銃口を向ける


京太郎「こいつでッ!」

ベリアル『まだいるぞ!』

京太郎「!?」


さらなる殺気に、京太郎が後ろへと跳ぶ

京太郎が元いた場所に火球がぶつかる

爆散する火球、炎の向こうに着地するのは―――小瀬川白望


京太郎「外したっ」

葵「なにあいつっ!」

トシ「そうきたか……」

京太郎「!」バッ


火球が放たれた方向、そちらにいたのは―――宇宙人


京太郎「何者っすか!」

ベリアル『今度はデスレ星雲人か!』


そこにいたのは黒い体に白い骨のようなものを纏った宇宙人

左手は扇型で右手に比べて大きい

そんなデスレ星雲人は、さらに顔部分から火球を放つ


京太郎「っ!」

葵「須賀っ!」


素早く転がって回避すると、出口付近の葵の隣に立つ
779 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/14(木) 00:31:54.28 ID:gii0zsIM0


ガッツハイパーを小瀬川白望に向ける京太郎

葵はというと、デスレ星雲人に向けている

二人が同時にトリガーを引く


デスレ星雲人「しゃらくさい!」

白望「この私にそのような攻撃」


再び跳ねて、小瀬川白望は回避

迫る銃弾をデスレ星雲人は左腕で弾く


京太郎「こいつっ!」

デスレ星雲人「一時撤退するぞヤプール!」

白望「私に指示するな!」

葵「返せよォ!」


さらに放たれた弾丸を、デスレ星雲人は弾き、手を向ける

京太郎が素早くポケットから出したカートリッジを弾く


デスレ星雲人「消えろ!」

葵「っ!?」


放たれた火球、京太郎が近くにあった椅子を勢いよく蹴る

少しでも衝撃を消せるようにと素早くだ

さらに、先ほど弾いたカートリッジを素早くガッツハイパーに装填すると、トリガーを引く


京太郎「っ!」


放たれた弾丸が目の前で小さなバリアを形成する


京太郎「葵っ!」

葵「っ!?」


素早く身を翻し、葵を抱いて背をバリアの方に向けた

火球が爆散してバリアが砕ける

その衝撃を受けて、吹き飛ぶ京太郎
780 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/14(木) 00:47:31.20 ID:7Uf3K40z0


雀荘の外に、葵を抱えたまま転がり出る京太郎

京太郎の腕の中から出た葵が、京太郎の上体をそっと起こす

怪我をしているようで、痛みに顔をしかめながら眼を開く


京太郎「っそが!」

ベリアル『おい小僧、あいつらの気配が消えた!』

京太郎「っ……そりゃ、なによりでっ」

トシ「京ちゃん……」


傍に寄るトシが、京太郎の胸に手を当てる

息をつくと頷いた


トシ「早く基地に運ぶよ」

葵「あっ、はい……ご、ごめん須賀っ」

京太郎「いや、謝ることなんて……痛っ」

葵「須賀、肩貸すからっ」


そう言いながら、葵の肩に腕を回してなんとか起き上がる


京太郎(アイツ、ヤプール……潰すッ!)

781 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/14(木) 01:07:34.37 ID:tuUDOuhC0


―――【特異課岩手基地:休憩所】


ベンチに座って京太郎は静かに、息をつく

顔にガーゼをつけて、頭には包帯を巻いていた

さらに左手は首からかけた包帯で吊るしている


京太郎「……軽傷かな」

塞「重傷でしょ」


隣に座っていた臼沢塞にそう言われて、苦笑する


京太郎「……ですよね」

塞「どうしたの、また……戦い?」

京太郎「階段から落ちて……って言えば信じます?」

塞「信じないけど」


その言葉い、笑う京太郎

そりゃそうだろうと頷くと素早く自分の右手を見る

別に問題なさそうな右手……


京太郎「どうすっかなぁ」

塞「なにが?」

京太郎「ああいや……」


塞は、京太郎がベリアルだということをわかっていない

京太郎と葵が助けようとしたことは憶えているが、そこ以外は曖昧

小首をかしげる塞が、そっと京太郎の顔を覗き込む


京太郎「聞いてます?」

塞「……葵に聞いた。シロでしょ?」

京太郎「はい」コクリ
782 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/14(木) 01:36:55.35 ID:ir9ZAa5S0


その言葉に、塞が苦々しい表情を浮かべた

やはり仲間が敵に回るというのはそういうものなのだろう

いつだって……


京太郎「大丈夫っす、なんとかしますよ」

塞「葵じゃ無理なのに?」

京太郎「だからこその俺でしょ。俺が撃つ……それに」

塞「それに?」


息をついてコーヒーを一口

喉を鳴らして苦味を飲み込むと、口元を綻ばす


京太郎「葵さんにとっての夢らしいですよ」

塞「ゆ、め?」

京太郎「はい、臼沢さんたちがいた場所を取り戻すことが、それを見ていることが」

塞「……そこは一緒にとかで良いのに」フフッ

京太郎「それができる人じゃないっすから」

塞「確かに……シロコンだし」


言いえて妙である


京太郎「ま、なんとかしますよ」

塞「そのさ」

京太郎「?」

塞「いざとなったら、撃ちなよ?」


そんな言葉に、眼を見開く


塞「あっちは、殺しに来るんでしょ?」

京太郎「まぁ、異次元人らしいですし中身」

塞「だから撃ちな」

京太郎「……」

塞「須賀君が死んだらきっと一生後悔する。私も葵も」


死ぬ気なんてない。だが……


京太郎「……それで、シロさんが戻ったら?」

塞「シロが戻ったらきっとシロが苦しむ」

京太郎「わかりました」フッ


歩いていく京太郎、その背中に塞は口を開いた


塞「死んだら、一生許さないからっ!」


無事な右手をあげ応えつつ、京太郎は歩いている

783 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/14(木) 01:40:33.06 ID:ir9ZAa5S0

◆安価!

1、松実宥
2、高鴨穏乃
3、福路美穂子
4、瑞原はやり
5、東横桃子
6、竹井久
7、辻垣内智葉
8、ネリー・ヴィルサラーゼ
9、雀明華
10、清水谷竜華
11、江口セーラ
12、愛宕洋榎
13、宇夫方葵

◇10分間で1↓から〜 コンマが一番高い選択肢
784 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/14(木) 01:41:29.09 ID:9FrokIqZ0
10
785 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/14(木) 01:42:15.71 ID:bYgsVLZC0
4
786 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/14(木) 01:43:34.44 ID:5uzCJ6g20
13
787 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/14(木) 01:46:32.71 ID:eMTmm9VJO
7
788 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/14(木) 01:53:08.12 ID:bYgsVLZC0
どうなんだこれw
789 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/14(木) 02:10:18.02 ID:XlcxgabG0
(まさかの同数……両方やっちゃうよー


4、瑞原はやり



歩いていた京太郎のポケットのケータイが鳴る

小首をかしげながら、右手でポケットからケータイを取る

画面に表示される名前


京太郎「はやりさん……」ピッ

はやり『あ、もっし〜君の愛しの牌のおねーさん、はやりんだよ☆』

京太郎「……」

はやり『あれ、聞こえない?』


その言葉に、京太郎は息をつく


京太郎「はいはい、聞こえてますよ愛しのおねーさん」

はやり『はやっ!? なに恥ずかしいこと言ってるの!?』

京太郎「あんたが言ったんでしょうが」

はやり『まったくもぉ、はやりんはみんなのアイドルなんだから、ダメだよ?』


どこか上ずったようなはやりの声が聞こえる


京太郎「ところで、なんの用で?」

はやり『えー用がないと電話しちゃだめー?』

京太郎「まぁ俺も久しぶりに声聞きたかったし良いけど」

はやり『はやっ!?』

京太郎「声でかっ」キーン

はやり『すぐそーやってぇ!』

京太郎「そうやって、ってなんっすか?」

はやり『なな、なんでもないけどぉ!』

790 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/14(木) 02:20:02.28 ID:XlcxgabG0


なんだか妙だと、京太郎は眉をひそめる

立ち止まって壁を背に、口を開く


京太郎「……え、なんかありました?」

はやり『……なんかあったと言えばあったけど』

京太郎「異変っすか?」

はやり『いやそうじゃなくって……もー』


その言葉に京太郎は小首をかしげる

察して系は苦手である

そういう鈍感さで咲に怒られた記憶もある


はやり『もーなに言おうとしたか忘れちゃったぁ』

京太郎「俺もわかんないっすよ」

はやり『……まぁなにはともあれ、あまり無理しないでよ?』

京太郎「……それは無理っすよ」フッ


そう言う京太郎の怪我を、はやりは知らないだろう

無理も無茶もしないわけにはいかない

前とは違う。使命感等でもない。ただ純粋に自分の望みのためだ


京太郎「ありがと、はやりさん」

はやり『うん、また会いにきてね?』

京太郎「近いうちに、必ず……」
791 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/14(木) 02:38:59.14 ID:XlcxgabG0
7、辻垣内智葉



はやりとの会話が終わって電話を切る

その瞬間、電話が再び鳴った

驚きながらも通話ボタンを押す


京太郎「……智葉さん?」

智葉『あ、京太郎か』ホッ

京太郎「どうしたんっすか……てかタイミング良いっすね」

智葉『かけたの七回目だし』

京太郎「あ、へ……ふ、ふぅん」


少しばかり眉がピクピクと動く


智葉『い、いや友達を心配してだぞ!』

京太郎「わ、わかってますよ」

智葉『わかってなさそう!』

京太郎「心配かけてますからね、はい」

智葉『本当に、わかってるか?』

京太郎「もちろん」フッ


そんな言葉に、智葉はケータイの向こうでクスリ、と笑う


京太郎「そういえば、メガンダヴァンさんは?」

智葉『起きた、そういえば国広一は長野に帰った』

京太郎「え、はやりさんなにも言ってなかったなぁ」

智葉『はやり……瑞原はやりか』

京太郎「はい、世話になってるんで」フッ

智葉『その……』

京太郎「?」

智葉『瑞原はやりとはどういう関係だ?』

京太郎「えっ……あ、いや普通に仲間っすよ!? 普通に!」

智葉『怪しい……』

京太郎「怪しくないって!」
792 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/14(木) 02:46:27.27 ID:XlcxgabG0


京太郎「俺なんかがあの瑞原はやりと親密になれるわけないじゃないっすかぁ」

智葉『お前のような奴の言うことは信用しない』

京太郎「え〜そんな上等な男じゃないですってぇ」


そう言って笑う京太郎

ケータイの向こうの声は、少し震えるようだった


智葉『京太郎は……』

京太郎「?」

智葉『そ、それぐらい上等で……かっこいいと、思う』

京太郎「……ふぇっ!?」カァッ

智葉『い、以上! また異常があったら連絡する!』

京太郎「ちょ、智葉さ」プツッ


そしてケータイが消れた

少しばかり赤い顔の京太郎が、そのままケータイをぽっけに突っ込む

後頭部を掻きつつ、京太郎は息をつく


京太郎「……なんだよもぉ」

793 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/14(木) 02:49:44.59 ID:XlcxgabG0

今回はここまでー

次回はもう一回安価からー
その後に後編……

それからとうとう第二部も佳境にー

そんじゃまたー
794 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/14(木) 03:20:39.06 ID:3Yl1MXyC0
乙〜
795 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/14(木) 07:49:37.88 ID:eMTmm9VJO
796 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/14(木) 09:29:06.81 ID:Gl/FKLXM0
もし京太郎に「処女のアソコの毛ってお守りになるらしいっすよ」と冗談を言われたら
はやりんは恥じらう。ガイトさんはまとまった量を送ってくる。そんな感じだな
797 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/14(木) 12:56:28.15 ID:bYgsVLZC0

はやりんもガイトさんもかわいい
ちゃんと怪我したけど変身できるのか?
798 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/16(土) 00:12:01.33 ID:/bTiQ6WuO
乙です
べリアルとだいぶ仲いいな
他ともだが
799 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/16(土) 22:48:10.07 ID:erknlitE0
遅くなったけどやってく所存ー
次は誰や!
800 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/16(土) 22:55:12.89 ID:erknlitE0


◆安価!

1、松実宥
2、高鴨穏乃
3、福路美穂子
×、瑞原はやり
5、東横桃子
6、竹井久
×、辻垣内智葉
8、ネリー・ヴィルサラーゼ
9、雀明華
10、清水谷竜華
11、江口セーラ
12、愛宕洋榎
13、宇夫方葵

◇10分間で1↓から〜 コンマが一番高い選択肢

801 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/16(土) 22:57:59.75 ID:h9nwppMP0
はじまったか
1
802 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/16(土) 23:05:51.24 ID:HgPFxrhy0
13
803 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/16(土) 23:26:09.23 ID:b8dC/Lv+0
8
804 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/16(土) 23:26:12.26 ID:B59WI06F0
1、松実宥


―――【熊倉家:京太郎の部屋】


静かに、息をつく京太郎

シャワーはなんとか浴びて晩御飯も食べ終えた

あとは再び、白望の情報を待つのみだ


京太郎「……」

ベリアル『黄昏てるんじゃねぇよ。そんな暇ありゃ歩け、んで戦え』

京太郎「そうできりゃ……てか鍛えるとかできるんっすか?」

ベリアル『お前が強くなりゃ良いだけだろ』

京太郎「シンプルっすね」

ベリアル『場合によっちゃ麻雀、とかだろ?』

京太郎「ああ、そういう戦いなら……」

ピリリリ

京太郎「ん?」


音を鳴らすケータイを取り出す

その画面に表示されるのは―――


京太郎「宥さんだ」

ベリアル『あの暑がり女か』

京太郎「可愛いじゃないっすか」


そう言いながら、通話ボタンを押す
805 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/16(土) 23:38:18.33 ID:B59WI06F0


京太郎「もしもし?」

宥『あ、京太郎くん?』

京太郎「はい、京太郎です」フッ


おっとりとしたその声に自然と、笑みが浮かぶ


宥『その、元気?』

京太郎「え、そりゃまぁ……」

宥『そのね、私ね……』

京太郎「ん?」

宥『……最近、寒がりになっちゃって』


京太郎(元々では?)

ベリアル(元々じゃねぇのか?)


京太郎「えっと……」

宥『い、いつもよりだよ?』

京太郎「どういう状況ですか」

宥『いま、こたつから出れなくて……ストーブも』

京太郎「本格的な冬になったらどうするんっすか」

宥『ど、どうしよぉ……』

京太郎「ん〜」ムムム

京太郎(でも、宥さんの縦セーターなら見て見たいかも)

宥『だから、その……』

京太郎「はい?」

宥『……ふ、不安だから早く、きて?』

京太郎(ああぁぁ!!!! 好きされるぅ! あぶねぇ!)
806 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/16(土) 23:57:55.30 ID:SH76M+3n0

京太郎「あぶねぇあぶねぇ」

宥『なにが?』

京太郎「ああいや、行きますよ……近いうちに」


そう言う、自分の感情がどうとかではない

穏乃や憧、玄や灼に近い彼女になにかあったということは、メダル関係かもしれない

もしくは異星人関係か……


京太郎「絶対」

宥『……うんっ、うれしぃ』エヘヘ


京太郎『やばぁい! 好きになっちゃう!』

ベリアル『うるせぇよ』


宥『ぜったい、きてね?』

京太郎「行きます。穏乃や晴絵さんたちにも会いたいし」

宥『……ぅん』

京太郎「?」

宥『帰ってくるときは、ぜったい連絡してね?』

京太郎「はい……ちゃんと」

宥『絶対、だからね?』


その念の押しように、小首をかしげる


京太郎「はい」フッ

宥『それじゃ、約束……』

京太郎「約束します」

宥『うん、じゃあ……待ってるね』

京太郎「……はい」コクリ


そう言うと京太郎は星空を見上げる

今、やるべきことは一つだ

だが、それでも次にやれることがあるならば……

807 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/17(日) 00:20:28.23 ID:tLbuMdXB0


―――朝【街中】


その後ろには宇夫方葵と臼沢塞がいる

片手を頭に当てて立ち止まっている京太郎

そんな京太郎の顔を覗き込む葵


葵「なにその顔?」

京太郎「……」

葵「愛しの辻垣内さんとの電話でなにかあった〜?」ニヤリ

京太郎「は!? なんで知って! って愛しってなんっすか!?」

葵「おーおー動揺しちゃって」

京太郎「そーいうんじゃないですって、俺が頭抱えてたのは!」


その言葉の直前で、言い淀む

小首をかしげる葵と塞の二人に、京太郎は頭を抱える

溜息をついてから、京太郎は葵の方を向く


京太郎「塞さん、なんでいるんです?」

塞「えー仲間外れ?」

京太郎「なんでトシさんも許可だしてんですか」

塞「……二人だけじゃ気が気じゃないからね」

葵「私も!?」

塞「そ、葵は葵でシロのためなら無茶しちゃうしねぇ」

葵「こ、小瀬川さんのためだし!」

塞「……まぁそこに偽りはないだろうけど」ジト

葵「……レズじゃねぇわ!」

京太郎「はいはい」

葵「だからぁ!」

京太郎「行きますよ」

塞「りょーかい!」

葵「ちょっ!」
808 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/17(日) 00:36:15.38 ID:SqLuZIrX0


そうして街中を歩いていると、ふと京太郎が立ち止まる

その後ろを歩いていた葵と塞も立ち止まり、京太郎の横から顔を出す


塞「っ」

葵「……」


動揺する塞、顔をしかめる葵

京太郎は眼を細めて目の前の相手を見据える

そこにいるのは―――


京太郎「……和」

和「お待たせしました」


―――原村和


京太郎「待ってねぇよ、今回限りはな」


そう言った京太郎の目の前に現れる原村和

横に立っているのは、小瀬川白望

後ろの二人は顔をしかめつつ、ガッツハイパーを持つ


京太郎「俺は撃てるぞ」


そう言って、ガッツハイパーを真っ直ぐ構えた

瞳に迷いはなく、素早くトリガーを引く

だがその弾丸は小瀬川白望が振るった鎌に弾かれる


京太郎「っ」

和「無駄ですよ」

白望「終わらせるぞ、ベリアル……!」


瞬間、黒く輝き白望の内からあふれ出す闇

そしてその背後に蠢くのはさらに深く憎悪と執念に満ちた闇だ

京太郎はガッツハイパーをしまうと、代わりにゼットライザーを持ちだす
809 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/17(日) 00:51:19.84 ID:SqLuZIrX0


大きくなっていく闇を前に、葵は塞の腕を取る

引かれたことにより葵の傍に体を寄せる塞

だが、京太郎は―――


塞「ねぇなんで!」

葵「っ……」

塞「葵……?」


顔をしかめる葵に、首をかしげる塞

だが、京太郎は巨大な闇を前に立っている


葵「須賀ぁ!」

京太郎「?」


振り返る京太郎を相手に、葵が手を下から上に振るう

放り投げられたなにかを受け取った京太郎が、そっと手を開く

そこにあるのは……


京太郎「マスコット?」

葵「ガンバルクイナくん! お守り!」

京太郎「お守り?」

葵「あとで返してよ!」

京太郎「……りょーかいっす」


そう言う京太郎の返事を聞くと、頷く葵

二人が去って行く

ただ一人残った京太郎が見上げる闇が巨大になっていく

810 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/17(日) 01:03:58.53 ID:SqLuZIrX0

―――【特異課岩手基地:作戦室】


一人残っている熊倉トシ

その隣に座っているのは―――鹿倉胡桃

インカムをつけたままキーボードを叩く


トシ「……」

胡桃「塞と葵、撤退済み……あと須賀も」

トシ「そうか、あの闇は?」

胡桃「ちょっと待って」


そう言うと、素早くキーボードを叩く

映像の闇が個体となって形を形成していくのが見える

横にはそのデータなどが表示されていく


胡桃「これ……出てくるっ」

トシ「っ!」


闇が巨大な怪獣へと変わる

頭部には剣、右手にハンマー、左手には鎌

その怪獣。否、超獣は―――


トシ「きたね殺し屋超獣!」


―――殺し屋超獣バラバ
811 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/17(日) 01:04:37.87 ID:wNOapWfc0
ガンバルクイナくんやめろ!
812 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/17(日) 01:09:07.29 ID:SqLuZIrX0


咆哮をあげる殺し屋超獣バラバ

京太郎は、ゼットライザーを構えて頷いた

その口元に浮かべるのは笑み


ベリアル『ハッ、小僧いつからそんな好戦的になった?』

京太郎「戦うのが楽しいわけじゃないっすよ。ただ―――」

ベリアル『あぁ?』


トリガーを引くと、正面に現れるゲート


京太郎「夢に、近づくっぽいです」

ベリアル『夢だぁ?』

京太郎「はい、ベリアルさんにはあります?」

ベリアル『ねぇよ。そんなもん』

京太郎「……俺にも夢はない」


一歩一歩、進んでいく

ヤプール人が中にいるというバラバの視線を受けながら、京太郎はゲートへと歩む


京太郎「でも、夢を守ることはできる……から!」

813 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/17(日) 01:22:57.74 ID:SqLuZIrX0


街中に現れた殺し屋超獣バラバを、突如として暗い光が打つ

後ろへと怯むバラバを前に、暗い光が漆黒の闇を纏い姿を現す


バラバ『ベリアルぅ……!』


目の前の漆黒の闇を纏いし巨人、ベリアルにバラバが殺意を向ける

ベリアルは首を鳴らしながらバラバを見据えた


京太郎『恨みかってるらしいっすよ。何個目っすか?』

ベリアル『ハッ、今更数えきれるか』

バラバ『ベリアルゥ!』


右腕のハンマーを振るうバラバ

その先についたアンカーがチェーンにつながれ伸びる

それをベリアルは上に飛んで回避すると、素早く光弾を放つ


バラバ「!!?」


その光弾をうけて、バラバが怯む

さらに上空から蹴りを放つベリアル

それを受けて、さらにバラバは怯んだ


京太郎『厄介だけど……』

ベリアル『オレにはなァ!』


接近するベリアル

振るわれる鎌を爪で凌ぐと、もう片手の爪で斬撃を放つ

それを受けたバラバがさらに後ずさった


京太郎『俺達ならぁ!』

ベリアル「ハッ……ハァッ!」


さらに、膝蹴りを打ち込んでから拳を打ち込む

814 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/17(日) 01:43:50.06 ID:/qcDEUiW0


その拳によってバラバが怯む

だが、ベリアルは攻撃の手を緩めない

数々の戦い、闇を受け入れるということ―――それらを持ってベリアルは


京太郎『さっきの闇は、取り込ませてもらった!』


闇のオーラがその拳に宿る

そして放たれた一撃がバラバの巨体を吹き飛ばす

吹き飛んだバラバはそのまま倒れるも、すぐに起き上がり頭部の剣を射出する


ベリアル「! ハァッ!」


放たれたその剣を、爪で弾く


バラバ『まだだぞベリアルぅ!』

ベリアル『しつけぇ野郎だ!』

京太郎『俺達であればなァ!』


弾かれた剣は、バラバの思いのままに動く

ベリアルの背後から迫る剣が、バラバの背中に斬撃を放つ

ひるむベリアル


京太郎『ぐっ、でもなぁ……!』


倒れることなく、前に走る

ベリアルが接近するとバラバはアンカー伸ばした右腕を振るった

伸びるアンカーがベリアルを襲う


ベリアル「ハアァッ!」


だが、即座に爪撃を放ちアンカーを弾く


ベリアル『オレの本来の力ももどってきたぞぉ!』

京太郎『これなら、闇だろうが光だろうがァ!』

バラバ『闇に堕ちた……ウルトラマンがァ!』
815 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/17(日) 02:01:20.27 ID:fvMq2ZPZ0


ベリアル『闇に堕ちた? ナマ言ってんじゃねぇよ!』

京太郎『闇だって使うだけだろ、力を手に入れるためならァ!』


バラバの、振るわれた鎌を受けるベリアル

だが怯まない、後退りもしない

ただその場で、腕を振るった


バラバ「!!」


爪撃に怯むバラバ、だがさらにバラバが反撃をしようとする

だが、ベリアルはそのまま拳を打ち込む

追撃に次ぐ追撃によってさらに怯んでいくバラバ


バラバ『一度、距離をっ!』

ベリアル『距離なんてなぁ!』

京太郎『これで、終・わ・り・だァァァッ!』


振るわれた鎌を、暗い光と赤い稲妻が宿った右腕で弾く

そして、両腕を十字の形に構える


ベリアル・京太郎『デスシウム光線ッ!!』


放たれた光線が、超至近距離でバラバを撃つ

その光線はバラバを貫く


バラバ「!!?」

京太郎『うおぉぉぉ!』

ベリアル『消え去れェッ!』


バラバの両目が、飛びだす


ヤプール『ベリアルぅぅぅぅ!!!』


そして―――爆散
816 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/17(日) 02:14:51.63 ID:fvMq2ZPZ0


爆煙渦巻く中、イエローに輝く瞳

腕を振るい爆煙を張らすベリアルが、そこにはいた

右腕を振るって首を鳴らすと、目の前に落ちていく光を見つめる


ベリアル「……」


その光は地上へと落ちる

小瀬川白望が眠っていた

駆け寄る葵と塞を見て、頷く


京太郎『守れたみたいっすよ。俺にも……』

ベリアル『そうかよ……いくぞ』


空へと飛び去って行くベリアル

地上の葵は、白望を抱き上げたまま空を見上げ強く頷いた

817 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/17(日) 02:29:45.73 ID:sPOr8mxI0


―――【特異課岩手基地:作戦室】


気の抜けたような表情で、京太郎は息をつく

ホットコーヒーの湯気はすでに出ていない

そこにいたトシは深く息をつく


京太郎「……はぁ」

胡桃「気の抜けた顔しない!」ビシッ

京太郎「厳しいっすね」

塞「まぁ、京太郎も頑張ってくれたみたいだから、ね?」

胡桃「……そうなの?」

塞「まぁほとんどベリアルらしいけど、てかよくあそこに残ったね京太郎」

京太郎「勝てる見込みあったんですけどね」アハハ


そういう京太郎の顔を見て、小首をかしげる塞と胡桃

立ち上がった京太郎が背を伸ばす

手に持っているのはガンバルクイナくんのストラップ


塞「ん、もういく?」

京太郎「はい……長野、なんかあるっぽいんで」

塞「そっか」

胡桃「……ありがと」

京太郎「いいえ」


そう言って笑うと、荷物を確認する


トシ「送ってく……とりあえずガレージで待ってるね」

京太郎「?」

トシ「葵にも挨拶してきな」

京太郎「……了解です」フッ

818 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/17(日) 02:41:41.78 ID:sPOr8mxI0


歩く京太郎が、休憩所付近で葵を見つけた

向こうも京太郎に気づいたようで笑みを浮かべて片手をあげる

向かっているのは出口の方だ


京太郎「これから帰りですか?」

葵「……まぁね」

京太郎「俺もっす」

葵「もう行くんだ」


その言葉に頷くと、そっと手を差し出すその掌には―――


葵「ありがと、ガンバルクイナくん」

京太郎「効果覿面でしたよ。ベリアルとバラバに踏み潰されずに済みましたし?」

葵「はいはい」


彼の手の中にあるストラップを勢いよく取る葵

そしてストラップを握りしめた葵は、京太郎の胸に拳を当てる

笑みを浮かべて、頷く


京太郎「?」

葵「頑張って、あんたのおかげであたしの夢……かないそうだから」

京太郎「うっす、そっちも……早く帰ってくるといいですね。エイスリンさん」


そう言うと、去って行く京太郎
819 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/17(日) 02:55:33.83 ID:sPOr8mxI0


京太郎の背中が見えなくなると同時に、葵が膝をつく

顔をしかめて、自らの胸部分を押さえる

そこから僅かに滲みだすのは―――闇


葵「ぐっ……さっさとここ、離れないとっ」


漏れだす闇に蓋をするように胸を押さえる葵


葵「っ……はぁっ、はぁっ」


立ち上がると、一歩ずつ歩き出す

一刻も早くその場から去るために……

820 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/17(日) 03:02:59.56 ID:sPOr8mxI0


ガレージへとたどり着いた京太郎

先に車に乗っていたトシの助手席に座る


京太郎「ありがとうございます」

トシ「いや……こっちこそありがとう」


その言葉に、笑みを浮かべて頷く京太郎


京太郎「……だって、ベリアルさん」

ベリアル『あ? なにがだ?』

京太郎「お礼ですって」

ベリアル『……んなもんどーだっていい』


その言葉に苦笑する京太郎は、トシの方を見る

表情で察したのか、トシも苦笑を浮かべた

闇を手にし、ベリアルと共に歩む京太郎


トシ「奴もいずれ……いや、どうだかね」

京太郎「?」

トシ「いや、いくよ」

京太郎「はい……」

トシ「長野―――」


―――始まりの地へ

821 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/17(日) 03:09:28.32 ID:sPOr8mxI0


    第18話【絶えぬ執念】 END

822 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/17(日) 03:25:36.18 ID:sPOr8mxI0


―――次回予告


京太郎:しつこいんだよ!

和:お互い様です

ベリアル:レイキュバスか!

?:氷塵と朽ち果てろ

京太郎:長野に海はねぇんだよぉ!

久:闇と光……!


次回【終わりがはじまる日】


ベリアル:じゃあな

京太郎:ベリアルさんっ!?

823 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/17(日) 03:36:40.37 ID:sPOr8mxI0

今回はここまでー

ようやくや、ようやくここまできたぞ
とりあえず色々伏線ばら撒きつつ

そうですガンバルクイナくんです

そんじゃまた明日ってか今夜ー
824 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/17(日) 09:56:34.10 ID:wNOapWfc0

葵がヤバそうだけどベリアルもヤバそう
825 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/17(日) 10:19:24.01 ID:SVNh8V+yO
乙です
強くなってきたしべリアル弱体化きそうね
826 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/17(日) 22:52:06.63 ID:lw2RnXgb0
やってくよー

SS書くのに究極生命体アブソリューティアンの戦士、アブソリュートタルタロスの能力使いやすそう
827 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/17(日) 22:59:16.57 ID:lw2RnXgb0


故郷へとたどり着いた京太郎

左手を確認して、それほどない違和感に頷く

心配をかけるわけにもいかないと、体の動作を確認した


京太郎「さて……このへんも久しぶりだな」

ベリアル『ずいぶん復興が進んでるみてぇだな』

京太郎『そうっすね。しかしまぁ、あのあとも戦いが何度もあったらしいですけど』


今いるあたりはかつてベムラーと戦った場所だ

その周囲は復興が進んでいるが、それ以外の戦場ではどうなっているかわからない


京太郎『とりあえず行きましょう』

ベリアル『迎えは?』

京太郎『一応、くるとは聞いてますよ。実家に来てくれるらしいんで一度帰りますけど』

ベリアル『お前の家、ねぇ……』

京太郎『初めてでしたっけ?』

ベリアル『まぁな』
828 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/17(日) 23:15:45.26 ID:LArrACE50


歩いて、自宅へと帰ってきた京太郎

財布に入っている鍵を使ってドアを開けて入る

変わらぬ雰囲気、匂い


京太郎「……ただいま」


息をついてそう言うと、ほっとしたような表情で靴を脱いで中に入る


ベリアル『普通だな』

京太郎「裕福な方っすよ」

ベリアル『ハッ、ぼんぼんか』

京太郎「そこまでじゃないっすけど……」


言いながら、居間などを見回る

別段問題はないようで、京太郎は次に階段を上って行く


京太郎「親父の部屋へ行きます」

ベリアル『ゼットライザーを持ってたとかいう親父か?』

京太郎「はい、盗ったらしいっすけど」


苦笑しながらそう言う京太郎


ベリアル『相変わらずのザル警備だな、光の国』

京太郎「光の国?」

ベリアル『ウルトラマン共が住んでる星だ』

京太郎「……ベリアルさんも?」

ベリアル『昔はな、オレもあそこから盗んだり、あそこを襲ったりしたしな』

京太郎「え〜」

ベリアル『滅ぼす一歩手前までいったもんだ』

京太郎「……やることやってますね」

829 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/17(日) 23:37:49.07 ID:LArrACE50


階段を上り、廊下を歩く

父の書斎を前に、ドアノブに手をかける

ふと妙な感覚を覚えて、扉を開く


京太郎「ッ!」

ベリアル『こいつは……』


書斎には―――1人、いる


京太郎「……しつこいんだよ!」


目の前にいるのは、須賀京太郎の顔をした男

曰く、彼自身……


京太郎?「そう言うなって、俺の家に俺がいるだけだろ?」

京太郎「気安く俺の家とか言うな」


そう言いながら、ガッツハイパーを構える京太郎

本を持ったまま、京太郎(?)は京太郎へと近づいていく

迷いなく引かれたトリガー、放たれた弾丸は京太郎(?)に当たることなく―――床にぶつかる


京太郎?「脚を撃つか、尋問目的か?」

京太郎「調べてもらわなきゃだろ」

京太郎?「冷静なこった……なぁ!」


投げられた本、それが視界を覆うもすぐに右手で本を払いのけてガッツハイパーを構えた

だが、そこには誰もいない

投げられた本すら存在せず、床に弾痕だけが残されている


京太郎「……なに?」

ベリアル『おい小僧、奴は……』

京太郎「え、あ……すみま、せん」


そう言うと頭を振るう


京太郎「あいつ、一体……」

ベリアル『さぁな』


顔をしかめて、京太郎は父の書斎の机へと歩く
830 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/17(日) 23:50:35.60 ID:LArrACE50


ゼットライザーの入っていた金庫を開ける

だがやはり、そこにはなにもない

顔をしかめて他の引き出しを開けるも―――


京太郎「なんもない?」

ベリアル『そもそもお前の父親ってのはなんだ? 地球人じゃねぇのか?』

京太郎「いや、普通の親父だったように見えましたけど」

ベリアル『ヒューマノイドタイプってのもなくはねぇが、もしかするかもしれねぇぞ?』

京太郎「……トシさん曰く、ウルトラマンになりたかったらしいじゃないっすか?」


その言葉に、ベリアルは黙る

やはりベリアルには『ウルトラマンになりたかった』という思考が理解できないのだろう

今となっては京太郎は“なれない”という思考に至っているので別段思うことは特にない


京太郎「……」

ベリアル『で、なにが調べたかったんだ?』

京太郎「なんかあると思ったんですけど」

ベリアル『……』

京太郎「いっか、また戻ってくれば……」


そう言って、京太郎は苦笑を浮かべた


京太郎「ベリアルさんが、ちゃんと分離できる方法とかあるかもしれないし」

ベリアル「そりゃ魅力的なこったな」

831 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/17(日) 23:57:52.07 ID:LArrACE50


◆安価!

1、福路美穂子
2、東横桃子
3、竹井久
4、加治木ゆみ
5、蒲原智美
6、津山睦月
7、妹尾佳織
8、瑞原はやり
9、佐藤裕子

◇10分間で1↓から〜 コンマが一番高い選択肢

832 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/18(月) 00:02:11.23 ID:AdQgBKWn0
8
833 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/18(月) 00:21:50.28 ID:WkXeW+pz0
8、瑞原はやり



家の前、立っている京太郎

見慣れた車が走ってくると前で止まる

窓が開くと……


京太郎「久しぶりっす」フッ

はやり「ほんとだよ、まったく」クスッ


瑞原はやりがそこにいた

電話で連絡はしていたが実際に会うともなればまた別だ

助手席に乗り込むと、息をつく


はやり「美穂子ちゃんたちも会いたがってるよ?」

京太郎「あはは、そりゃ嬉しいことで」

はやり「一ちゃんも、お礼言いたいってさ」

京太郎「国広さんか……」


なんだか妙な感覚だった

遠くから見ているだけと思っていた咲たちの好敵手たち

その面々から自分が認知されているというのは……

走り出す車、黙っている京太郎


京太郎「……」

はやり「……また無茶したでしょ?」

京太郎「っ、な、なんでまた?」

はやり「女の勘だゾ☆」

京太郎「咲にもそれで何度看破されたことか」アハハ…

はやり「咲ちゃん、かぁ」

京太郎「はい」フッ
834 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/18(月) 00:34:54.48 ID:WkXeW+pz0


はやり「うらやましいなぁ」

京太郎「ん?」


横を見るが、はやりは前を向いて運転をしている

不思議に思い首をかしげるもそれは伝わっていない


はやり「……私が、京ちゃんと同じ歳だったらなぁ」アハハ

京太郎「変わらないっすよなにも」

はやり「え〜変わるよ〜」


不満そうにそういうはやりがどこか可愛らしく見えて、笑う


はやり「アイドルのはやりを一人占めできるかもだゾ☆」

京太郎「いえ、それはちょっと」

はやり「即答!!?」

京太郎「はやりさんはみんなの牌のお姉さんっすからね」フッ

はやり「……そんなこと言ってるとはやりが30代になっちゃうんだよ!!?」クワッ

京太郎「え、はい」


なんだか、苦しそうな表情をしている


はやり「30代はまだしも……後半なんて」

京太郎(アイドルじゃ別に不思議じゃないんじゃ……?)

はやり「はやりは辛い、耐えられない!」

京太郎「あ、はい」

はやり「……だから、ね?」ニコリ

京太郎「……?」

はやり「あ、ダメなやつだこれ」トオイメ

京太郎「?」

835 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/18(月) 00:49:13.60 ID:WkXeW+pz0


    第19話【終わりがはじまる日】

836 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/18(月) 00:54:48.74 ID:WkXeW+pz0

短いけど今回はここまでー
次回はまた明日ってか今夜

誤字が多いけどなんとなく脳内変換よろしくっすー

そんじゃまたー
837 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/18(月) 12:49:33.70 ID:ybWJfAJIO

はやりんかなり露骨なアタックしてくるなw
838 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/18(月) 20:11:26.64 ID:IqdYdoGF0
乙です
もしかして終わりが近い?
839 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/18(月) 22:59:44.35 ID:LHn44iHF0
またまた遅くなったけどもやってく所存ー

ちなみにまだ終わらない。まだまだ終わらない
なんならこっから
840 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/18(月) 23:12:42.77 ID:Uxesuh7C0


―――【特異課長野基地】



はやりに着いて歩く京太郎

離れて短いながらも、その懐かしさに感慨深さを感じる

作戦室の扉が開かれると、はやりに続いて京太郎が入った


京太郎「お久しぶりです」


そこにいたのは福路美穂子をはじめとする風越高校の面々と鶴賀学園の面々

さらに、国広一と竹井久

京太郎自身は見知っている顔だ……


美穂子「京太郎っ!」パァッ

ゆみ「おかえり」フッ

桃子「京さんっ!」

京太郎「ただいま」


そう言いながら、椅子に座る

自身が倒した池田華菜と目が合う


華菜「……」

京太郎(睨まれてる? なぜ?)

華菜「須賀ぁ……キャップ、キャップが……」

京太郎「はい?」

華菜「キャプテンがお前の話ばっかするし!」シャー!

京太郎(しらんがな)

美穂子「か、華菜! やめなさいっ」

華菜「この野郎キャップとなにをした!」

京太郎「いやなにも」

美穂子「な、なにもないからっ、京太郎とは……ね?」

京太郎「あ、はい」

華菜「なんかあった顔してるし!!?」

桃子「ちょ、匂わせはよくないっすよ!」ビシッ

美穂子「えっ、そ、そんなんじゃっ」
841 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/18(月) 23:19:55.19 ID:BQw4eozZ0


京太郎「なんの話っすか」

ゆみ「相変わらず人気者だな」


そう言うゆみに小首をかしげる

これまで人気者だったことが一度でもあっただろうか、ハンドボールやってた時ぐらいのものだ


末春「あはは、須賀くんも中々……」

睦月「うむ」コクリ

星夏「さすが特異課のエース」

純代「怪獣を何頭も撃ち殺してるとか」


おそらく噂が独り歩きしてるのは確定だろう


智美「ワハハ、とりあえずはじめないか?」

佳織「智美ちゃん、誰もきいてないよ」

智美「ワハハ……」

一「えっと、もうちょっと落ち着かない?」

久「同意……てか須賀君、あなたね」

京太郎「俺のせい?」

久「うん」

京太郎「えぇ〜」


不満そうな表情をする京太郎に、眉をひそめる久

どこか、拗ねているようにも見える


はやり「まぁまぁみんな! 京ちゃんははやりんのだか落ち着いてネ☆」


瞬間、空気が凍る


はやり「え?」

京太郎「なにはともあれ会議はじめましょ」

はやり「あ、はい……」
842 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/18(月) 23:37:11.91 ID:jrvgveco0


面々がテーブルを中心にして座る

待っていると、入ってくるのは―――


裕子「お久しぶり」

京太郎「裕子さん!」

裕子「ん、みんな揃ってるようね……熊倉さんは?」

京太郎「まだやることあるって岩手です」

裕子「……そう」


そうとだけ答えると、佐藤裕子はそのままキーボードを前にした席に座る

全員がモニターの方に顔を向けた

そこに映る映像は監視カメラのようで―――


京太郎「これは、路地裏?」

裕子「各地の雀荘周辺には最近、設置してるの」

京太郎「こういうのある程度文句とかきそうっすけど」

ゆみ「まぁ現状、致し方なしだな……」

桃子「怪獣災害も増えてるっす」


その言葉にうなずいて、裕子はさらにボタンを押す

監視カメラの映像が動いていくと人間が奥からやってくるのが見える


京太郎「これは……和と咲」

ゆみ「そういうことだ……」

一「宮永咲っ……」

久「咲のせいじゃないわよ」

一「わかっているけど、どう呼べばいいのさ」

久「……確かに、ね。嫌なことだけどそう呼ばざるをえないのか」ハァ

京太郎「部長……」

久「なにはともあれ、見つかったのよ。二人が……」


やることは決まっている

だが……


京太郎「俺がみつけても麻雀、付き合ってくれねぇんだよな」ハァ

美穂子「わかってるわ。それに異星人を差し向けられて逃げられる場合も多いし」

843 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/18(月) 23:45:41.29 ID:jrvgveco0


京太郎「……それでも、やることは一つっす」


その言葉に、頷くはやりと美穂子

わかっているからこそ、理解しているからこそだ


京太郎「ぶっとばしてでも連れ帰る」フッ

ベリアル『ハッ、良いじゃねぇかわかりやすい!』


末春「や、野蛮だねぇ」

純代「でも、理にかなってる」

星夏「というよりそれしかない、ですね」フム


京太郎は自らの手を見る

幻視するのは漆黒の手、ベリアルのその手

真っ直ぐモニターの方を向けばそこには、その手で倒すべき相手


京太郎「場所は?」

裕子「数件の目撃情報があるけれど、どれも……清澄高校の近く」

ゆみ「帰巣本能か?」

はやり「そんな可愛いもんじゃないよ」

京太郎「挑発してるんですよ。たぶん……向こうも準備が整ったってことでしょ」


そう言って立ち上がる京太郎


はやり「……」

佳織「あ、でも怪獣が出てきちゃったらどうしよう……また、ティガが来てくれるかなぁ?」

智美「ワハハ、ウルトラマン頼りはよくないぞー……そろそろベリアルあたりが来てくれ」

ゆみ「お前もウルトラマン頼りか」コツ

智美「確かに」ワハハ


京太郎『ウルトラマン、ですって』

ベリアル『ハッ、呼びたきゃ好きに呼ばせとけ……』


美穂子「やれるだけやりましょう。人の力で、でも」

華菜「キャップの言うとおりだし!」

京太郎「……ですね」フッ
844 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/18(月) 23:55:32.01 ID:jrvgveco0


会議が終わって、京太郎は休憩所でコーヒーを飲んでいた

それぞれパトロールに行ったり、情報を待つために作戦室に残ったりだ


京太郎(俺だけ暇してるなぁ)

ベリアル『情報が来りゃまっさきに向かってやりあわなきゃなんねぇんだ、大人しくしてろ』

京太郎『俺の思考漏れてました?』

ベリアル『でなくてもわかる』


そんな言葉に、苦笑を浮かべる

すっかり相棒という感じだ

まぁベリアルに言えば拒否されるのだろうけれど―――


京太郎「……」ズズッ

一「須賀、くん」

京太郎「へ? ああ、国広さん」


ガンQ、いや魔頭鬼十郎に憑依されていた彼女

フリルのついた服を着てそこにいる


京太郎「……」

一「……いや、肌寒い季節だし厚着だよ」

京太郎「いや別になにも言って」

一「眼は口ほどにモノを言うんだよ」

京太郎「顔じゃ?」

一「ほらボクって目玉の化け物だから、ちょっとかけてみた」

京太郎「……」

一「冗談だって、真面目な話ありがとうって……言いそびれたからさ?」

京太郎「いや、別に……俺はお礼をされるようなこと」

一「戦ってくれたんでしょ? 聞いたよ、雀さんに」

京太郎「明華さん……」

一「だからね」


そう言って軽く笑みを浮かべる国広一


京太郎「……はい」フッ

845 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/19(火) 00:04:14.12 ID:XdG4uEGV0


基地内を歩いていると、前から見慣れない人物が歩いてくる

見たことがないわけではない。ただ見慣れないだけだ

先ほどはいなかったが……


京太郎「久保、貴子さん?」

貴子「んぁ? 須賀京太郎……そっか、戻ってたんだっけ」

京太郎「ああ、どうもです」ペコ

貴子「こちらこそ、お礼がまだだった……ありがとう」


そう言って頭を下げる貴子を相手に、京太郎は動揺する


京太郎「い、いいですって!」

貴子「いや、私だけじゃなくて、私の生徒たちもたすけてくれたからな」

京太郎「それでも、頭を上げてください。みなさんは俺の仲間を救うために戦ってくれてるんですし」

貴子「……」


頭を上げる貴子が、フッと笑みを浮かべた


京太郎「……今後とも、お願いします」

貴子「ああ、この礼はかならず返す……結果でな」ニッ

京太郎(こんな女教師が許されるんですか!?)

846 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/19(火) 00:23:00.20 ID:sYvGwwVG0


貴子と別れて歩く京太郎

目的地など特にはないのだが、なんとなく足を運んだのは前にババルウ星人と戦った部屋

巨大な機械が置いてあるが不思議とそれは、邪な気配を感じる


京太郎「……なんなんですか、これ」

ベリアル『おそらくだが、メダルを製造するもんだな』

京太郎「メダルを?」

ベリアル『ああ、怪獣の素材を入れてその怪獣メダルを製造するもんだ』

京太郎「なっ! なんでこんなものっ」

ベリアル『さぁな、あのばあさんがなにを考えてるのかわかんねぇが……』


目の前にあるのは怪獣メダルを生成するもの

そんなものが必要になるとは思わない……

ならばなぜ、彼女はそんなものを作ったのか


京太郎「トシさん……」

ピピピピピピ

京太郎「っ!」


手首についている端末が音を鳴らす

即座にそれを開いてボタンを押すと、声が聞こえた


裕子『原村和を発見しました!』

京太郎「行きますッ!」

847 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/19(火) 00:31:15.10 ID:sYvGwwVG0


走る京太郎

ガレージへとたどり着くと、車がある

運転席には―――


京太郎「はやりさん!?」

はやり「はやく!」

美穂子「行きましょうっ!」

京太郎「……はい!」


素早く、助手席へと乗り込む

運転席のはやりが勢いよくアクセルを踏むと、車が走り出す

目的地は……


京太郎「清澄の近く、か」チッ

美穂子「私も戦う……たぶん、すぐに戦うことになるでしょうし」

京太郎「まぁそりゃそうっすね。まともに麻雀でやり合うなら俺達である必要もない」


懐から、ゼットライザーを取り出す


京太郎「ベリアルさん……アイツらは」

ベリアル『今までのどいつよりも強ぇだろうな……』

京太郎「でも俺達なら」グッ
848 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/19(火) 01:01:37.64 ID:sYvGwwVG0


大通りのど真ん中に、原村和はいた

その前に、ドリフトして止まる車

そこから出てくるのは京太郎、はやり、美穂子の三人


和「……きましたか」

京太郎「テメェ、今日こそ潰す!」

和「お互い様です」


そう言う原村和に立つのは―――


京太郎「天江衣!?」

美穂子「龍門渕さん!?」


―――天江衣と龍門渕透華の二人


京太郎「っ」

和「さて……スヒューム」


天江衣が邪悪な笑みを浮かべ、指を鳴らした

その瞬間、龍門渕透華の胸の中心から黒い闇が溢れだす


衣「さぁ、沈め人類!」


闇は透華を包み込み、巨大な影を形成していく

天江衣と原村和の二人を巻き込まないためか、少し離れた場所に現れる怪獣

蟹のようなその姿……


ベリアル『レイキュバスか!』

京太郎「あれはっ!?」

衣「氷塵と朽ち果てろ!」


巨大な蟹型怪獣が咆哮をあげた


衣「地球を水の星にする……そして、私たちの星にする! まずはここからだ!」

京太郎「長野に海はねぇんだよぉ!」

849 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/19(火) 01:17:06.56 ID:sYvGwwVG0


背後の美穂子が、素早くスパークレンスを取り出す

京太郎もゼットライザーを手にするも、目の前の原村和が手から波動を放つ

顔をしかめつつ、トリガーを引いた


はやり「京ちゃん!?」

京太郎「クソっ!」


吹き飛ばされる京太郎の背後に現れるゲート

その勢いのまま、京太郎はゲートへと吸い込まれた

フッと、笑みを浮かべる原村和を前に、美穂子は眼を鋭くする


美穂子「あなたは、京太郎をッ!」

和「あとはよろしくお願いします」

衣「ふん、至極当然」

850 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/19(火) 01:24:45.61 ID:sYvGwwVG0


―――【インナースペース】


転がる京太郎が、その勢いのまま起き上がる

両足と右手を地につけてしっかりと止まると、立ち上がって前髪を払う

左手のゼットライザーを持つ手に力がこもる


京太郎「ベリアルさん!」

ベリアル「あぁ、オレたちを見下した奴だ……ぶっ潰す!」

京太郎「はいッ!! 速攻で決めます!」


右手持ったアクセスカードを挿入


『キョウタロウ・アクセスグランテッド』

京太郎「レイブラッド星人!」


メダルを弾くと、周囲に広がる闇

落ちるメダルを右手で取ると、赤き瞳が輝く


京太郎「究極生命体……」


ゼットライザーにメダルを差し込みブレードをスライドさせる


『Alien Rayblood』


トリガーを引く
851 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/19(火) 01:29:32.25 ID:sYvGwwVG0


美穂子が、腕を回してスパークレンスをかかげる

はやりは素早くその場から車を走らせ離れていく


美穂子「ティガぁ!!」


京太郎「ベェリアァルッ!!」



そして光と闇の二色と共に現れる二体の巨人

レイキュバスを前に構える

ベリアルとティガ

852 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/19(火) 01:38:44.14 ID:sYvGwwVG0


二体の巨人を見上げる天江衣ことスヒューム

その影の形がクラゲのような生き物に変わる


衣「闇に堕ちた巨人と、闇から光に還った巨人」


笑みを浮かべつつ、その手に三つのメダルを持つ


衣「……ゴルザ、メルバ、超ゴッヴ」


三種類のメダルを天江衣は吸収する

そして胸から闇を溢れさせていく

瞳が輝き、巨大な闇を形成していった


衣「さぁ、終末の時だ……!」


現れるのは、強大な闇


―――トライキング


853 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/19(火) 02:08:17.12 ID:sYvGwwVG0


ベリアルとティガの前のレイキュバス

そこからさらに現れるトライキング


京太郎『あいつ、合体怪獣!?』

ベリアル『ゴルザ、メルバ、超コッヴの合体怪獣か!』


その言葉に、京太郎は顔をしかめる

レイキュバスが赤い目を輝かせながら火球を放つ

トライキングは腹部から拡散ビームを放った


ベリアル「ジャアッ!」

ティガ「タッ!」


二体の巨人が横に転がって回避する

起き上がると同時に、二体は光弾を放った

それを弾くレイキュバスとトライキング


ベリアル「シャアッ!」


レイキュバスへと接近したベリアルが爪を振るう

だがレイキュバスも爪を振るい、斬撃を相殺した


京太郎『チィ!』

美穂子『京太郎!』


ティガ「フンッ……チャアッ!」


パワータイプへと変わったティガがレイキュバスを殴りつける

怯んだレイキュバスへすかさず光弾を放つベリアル

ティガが追撃で光弾を放つも、その背後に迫るトライキング


ベリアル「ハアッ!」


だがそんなトライキングを膝蹴りで怯ませると、即座に爪を振るった

それを受けて僅かに怯むトライキングだが、即座に頭部から超音波攻撃を放つ

ベリアルはバリアでそれを凌ぐ


レイキュバス「―――!」

美穂子『京太郎っ』


レイキュバスの目が青く変わると、冷凍ガスを放つ

それを受けたティガが、怯む

トライキングの音波攻撃をバリアで凌いだベリアルがレイキュバスを相手に両腕を振るう
854 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/19(火) 02:14:59.98 ID:sYvGwwVG0


ベリアル・京太郎『デスシウムリッパー!』

レイキュバス「!!?」


放たれた斬撃がレイキュバスを弾き飛ばす

切断までに至らないのはそれほどの強さだから、だろう

冷凍ガスの攻撃を免れたティガはベリアルへと頷き、さらにタイプをスカイタイプへと変化させる


トライキング「!」


スヒューム『消えろベリアル……!』

ベリアル『オレを誰だと思ってんだ。テメェ如きがそんな言葉言っていい相手じゃねぇんだよぉ!』

京太郎『ベリアルさんと、オレを……舐めるなァ!』


振るわれた拳、を受けてトライキングが怯む


スヒューム『やはり、三つでは……!』

ベリアル『さっさとやるぞ小僧!』

京太郎『当然ッ!』


トライキングへの攻勢を強めるベリアル

一方のティガは、レイキュバスの冷凍ガスを飛んで避けると背後へと着地

背中を向けたまま両腕にエネルギーを溜め、右手に集める


美穂子『ランバルト光弾で!』

ティガ「チャアッ!」


振り返ると同時に放ったランバルト光弾がレイキュバスの背中に直撃する

大きく怯んだレイキュバスが振り返り、眼を赤く変えた

口から放たれる火球を、パワータイプに変わったティガがバリアで凌いだ


京太郎『強くなってる……!』

ベリアル『ハッ! オレ達ほどじゃねぇがよくやる!』

855 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/19(火) 02:25:35.12 ID:sYvGwwVG0


トライキングを爪撃で怯ませると、素早く後ろへと下がる

同じく下がってきたティガが背中合わせになった


ベリアル『まさか……おい!』

美穂子『え、私ですか!?』

ベリアル『テメェ、レイキュバスを倒すな!』

美穂子『え、えぇっ!?』

ベリアル『いいから先にこっちをやる!』

京太郎『……ということで!』


地を蹴り、トライキングへと飛ぶベリアルが膝蹴りを放つ

怯むトライキングにさらに蹴りを打ち込む


スヒューム『くっ、読んでいるかベリアルっ』

ベリアル『戦闘向きでもねぇ半端クラゲが調子に乗ってんじゃねぇよ!』


さらなる攻撃で怯むトライキング


スヒューム『ならばっ……!』

ベリアル『あぁ?』


トライキングが超音波を放つ

それを回避するベリアルを確認すると、即座に拡散ビームを放った

射線上にはティガだが、素早く回避する


ティガ「!」

レイキュバス「!!?」


ビームの直撃を受けたレイキュバスが、爆散する


ベリアル『こいつッ!!』


吹き飛んだレイキュバスから光が地に落ちる

それは龍門渕透華

だがメダルは、トライキングの方へと飛んで行った


京太郎『あれはっ!』

ベリアル『チィッ!』


スヒューム『きたぞぉ!』

856 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/19(火) 02:35:11.40 ID:sYvGwwVG0


吸収されるメダル

トライキングの両腕が輝く


スヒューム『レイキュバス! ガンQ!』


―――ファイブキング


ベリアル『きやがった!』

京太郎『さらに!?』

美穂子『合体した!!?』


右腕にレイキュバスの顔とハサミ、左腕にガンQの顔が現れる

それこそが真の姿、ファイブキング

叫びをあげながらファイブキングは右腕から冷気と火炎を放つ


ティガ「!!」


その射線上には龍門渕透華

ティガは素早くその射線上に立つが、バリアを張る余裕がなく真正面から受ける


ティガ「グアァッ!」


攻撃が止まると、膝をつく

そのカラータイマーが点滅を始めた

地上の龍門渕透華の元へと、車が近づくと中にいたはやりが素早く透華を回収していく


はやり「頑張って! お願い、二人共!」


その言葉に、ティガは顔をあげて立ち上がると素早く構えた

ベリアルもファイブキングの方を見て腕を構える

咆哮をあげるファイブキングに、光弾を放つティガ


ベリアル『マズいな!』

京太郎『ガンQの腕ってことは……!』


放たれた光弾を、左腕のガンQの瞳が光弾を吸収

そして、そこから光弾が射出される

そのまま放たれた光弾を、ベリアルはティガの前に出て弾く


美穂子『ベリアルさんっ、京太郎!』

京太郎『コンビネーションでやります。ベリアルさんなら攻略法知ってるでしょ!』

ベリアル『ハッ、誰に口きいてやがる……当ォ然だ!』
857 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/19(火) 02:47:17.23 ID:sYvGwwVG0


ベリアルとティガが、走り出す

ファイブキングが拡散ビームを放つも、素早くそれを回避してベリアルとティガが斬撃を放つ

ガンQの腕がベリアルの斬撃を吸収するも、レイキュバスの腕がティガの斬撃でダメージを受ける


スヒューム『くっ、この程度で!』

ベリアル「ジャアッ!」


さらに放たれた音波攻撃

それをガンQの腕から斬撃を放ちかき消す

転がってそれを回避するベリアル、だがティガは―――


美穂子『デラシウム光流!』


放たれたティガの赤い光が、レイキュバスの腕を完全に破壊した

驚愕するスヒュームがメルバの翼を広げて空へと飛ぶ


ティガ「チャッ!」


素早くスカイタイプへと変わったティガが空へと飛ぶと、ベリアルも飛び上がる

高度を合わせたティガとベリアルに、ファイブキングが上空から拡散ビームと音波攻撃を同時に放つ


ベリアル『ハッ、大したことねぇな!』

京太郎『オレ達なら!』


その攻撃を回避していくティガとベリアル

ティガは高速でファイブキングの背後へと飛ぶと、手から放つ光弾でメルバの片翼を撃つ

怯むファイブキングに接近したベリアルが背中から両翼を掴んで、その背に足をかけた


京太郎『こんなもん!』

ベリアル「ハアァッ!」


勢いよく、その翼をもぎ取る

地上へと落ちるファイブキング

その正面に降りたベリアルとティガ


京太郎『これで決める!』

美穂子『うんッ!』


マルチタイプへと変わるティガ

そして二体の巨人が腕を構える


スヒューム『なぜ、こんな……私たちの戦力で!?』
858 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/19(火) 02:59:02.56 ID:sYvGwwVG0


京太郎『当然だろォが!』

ベリアル『下っ端如きがオレ達に勝てるわけねぇだろォが!』


ティガが腕を脇に構えた後に、目の前で合わせ―――離す

紫色の光、そしてベリアルの漆黒の光

腕をクロスする


ベリアル・京太郎『デスシウム光線!』

美穂子『ゼぺリオン光線!』


放たれた二つの光線

デスシウム光線の方をガンQの腕が吸収するも、ゼぺリオン光線がその体を撃つ

その直撃により、ガンQの腕がズレ、デスシウム光線もその体を撃つ


スヒューム『キャアアァァァァッ!!』


断末魔が響き、ファイブキングが爆散する

光りと共にメダルと天江衣が地に落ちていく

すかさず走って行く車、それを見て頷くティガ


美穂子『……終わった、の?』

京太郎『呆気ないもんっすね』

ベリアル『……まだだ』


その声と共に、眩い輝きがベリアルとティガの背後に現れる

白銀の光、そして真っ白な―――女神が現れた


京太郎『なん、だ?』

美穂子『天、使……?』

ベリアル『ゾグ……!』


和『さぁ審判の刻です』

京太郎『ッ、和ァッ!』



―――根源破滅天使ゾグ
859 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/19(火) 03:01:22.27 ID:sYvGwwVG0

今回はここまでー
再開は水曜の夜にでもー

とうとう大ボス

ってことでそんじゃまたー
860 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/19(火) 13:47:15.26 ID:IXSYcTOE0

ファイブキングのあとにゾグってすごいな
861 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/20(水) 22:56:58.97 ID:1gJ9vHTO0

やってくゾイガー

今回でこの話だけでも終われればいいなー
862 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/20(水) 23:00:33.58 ID:1gJ9vHTO0


現れたゾグを相手に構えるティガとべリアル

白銀の天使が笑みを浮かべている


京太郎『でかくないっすか!?』

べリアル『そういうもんだ……チッ、こっちも本来の力に戻ってねぇんだがな』

美穂子『輝いているけれど、あれは強大な闇に感じるわッ!』


べリアルとティガが光弾を放つ

だがそれは、ゾグが手をかざし出現させたバリアで凌ぐ

今まで戦ってきた敵とは桁違いの強敵


京太郎『べリアルさんっ』

べリアル『チッ、情けねぇ声出すんじゃねぇよ……やんぞ!』

京太郎『……はいッ!!』
863 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/20(水) 23:04:47.21 ID:1gJ9vHTO0


地上にて、離れた高台で二体の巨人と女神を見据える久

歯ぎしりをしながら、そちらを見る


久「闇と光……!」


拳を握りしめると、爪が掌の食い込んで血が滲む

悔しそうな表情で勢いよく柵を殴りつける

今度はハッキリと、血が流れた


久「強大な、力っ……!」


ゾグの波動により街が破壊される

わずかに攻撃を受けたのか、ふらついているべリアルとティガが見えた


久「私にも……光をっ……力を!」


奥歯がギリッと音を鳴らす
864 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/20(水) 23:17:26.70 ID:1gJ9vHTO0

ゾグが軽やかに手を振るう

ベリアルと京太郎が回避するために体を翻そうとするが―――


京太郎『ぐっ!?』

ベリアル『拘束、超能力まで使うんだったか!』

美穂子『京太郎っ!』


ティガが素早く光弾を放つも、ゾグがもう片方の手をかざしバリアでそれを凌ぐ

超能力により体を拘束されるベリアルが、空中に持ち上げられる


京太郎『この拘束はッ!』

ベリアル『だが奴の本来の能力は強大だ!』

京太郎『なら連発も長時間使用もできないっ』


抵抗を試みるも、ゾグはそのままもう片方の手をベリアルへと向けた

不味い―――そう思うが抵抗の方法もない


和『消え去り、闇に還りなさい―――!』

美穂子『京太郎ォ!』


透明の波動が放たれる

その一撃は真っ直ぐにベリアルに直撃、そのまま吹き飛ばす

波動は当たって消えることもなく、ベリアルを地上へと吹き飛ばし……


京太郎『これはっ!』

ベリアル「グアァッ!」

美穂子『やらせ、ないっ!』


地上で、ティガがベリアルを受け止める

だがそれでもその波動の威力に押されて、今度は二人まとめて吹き飛ばし“続けた”
865 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/20(水) 23:25:21.53 ID:1gJ9vHTO0


地上を波動によって引きずられるベリアルとティガ

ベリアルのカラータイマーが点滅を始める

だが―――


京太郎『まだまだァッ!』

ベリアル『気張れよ小僧ォ!』


爪を左右のビルに突き立てる

それでも後ろへと吹き飛ばされ続けるのだが、勢いは消えていく


美穂子『キャアァッ!!!?』

京太郎『美穂子ォ!』


瞳が赤く輝く、波動が消えてベリアルとティガが止まった

ふらつきながら起き上がるベリアル


京太郎『っ、はぁ……はぁ……』

美穂子『きょ、うたろっ……』


美穂子の声が聞こえる

ティガは起き上がろうとするも膝をついた。そのカラータイマーの点滅は激しくなっていく

ゾグを睨みつける京太郎、そしてベリアル


和『っ!』


少しばかりゾグが怯んだが、ベリアルが致命傷を受けたことには変わりない

カラータイマーは点滅している

もはや大技もそう連発できないだろう


和『ッ、ここで終わらせます。ベリアル……!』

ベリアル『ハッ勝手に終わってろ!』

京太郎『ここで和を奪い返して、お前らの終わりを初めてやるよ!』

866 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/20(水) 23:41:51.39 ID:1gJ9vHTO0

地を蹴り走り出すベリアル

そんな彼の背後で、ティガは立ち上がろうとするがやはり膝をついてしまう

手を伸ばすがそれも届きはしない


美穂子『京太郎! ベリアルさん!』


強く地を蹴り、飛び上がるベリアル


ベリアル「ハアッ!」

和『愚かな……』

ゾグ「フフフフ!」


笑みを浮かべるゾグが、右手を前に出す

だがベリアルはさらに上昇

右手をそちらに向けるが、ベリアルは上空でジグザグに移動しその射線上から回避していく


和『ちょこまかと!』

ベリアル『ハッ、小僧のわりに良い考えじゃねぇか』

京太郎『相手によって色々変えてかないとっす!』

ベリアル『……ハッ』ニッ


動きながら、両腕を振るう


ベリアル・京太郎『デスシウムリッパー!』


放たれた斬撃だが、ゾグが手をかざしてバリアでそれを凌ぐ

だが反撃の手を打たれるより早く、ベリアルは光弾を両手で放つ

放たれた二発の内、一発がバリアを抜けてゾグにダメージを与える


ゾグ「あぁっ!?」

ベリアル『ハッ、やはりこいつも本来の力は出せてねぇな!』

京太郎『ならばァッ! 』


さらに、接近するベリアル

だがゾグが右手で攻撃を放つ

波動ではなく、光線


ベリアル「ガアァッ!!」


胸に放たれた光線、だがそれを耐えるベリアル

光線を浴びながらベリアルは、そこから一歩も下がらない


京太郎『サンダーを受けろォっ!』

ベリアル『骨の髄まで焼けなァ!』


放たれた電撃が、光線を放つゾグへとダメージを与える

さらに怯んだゾグは攻撃の連続もあってか、かなり弱っていた
867 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/21(木) 00:02:05.58 ID:2CYWVEZH0


ゾグが放っていた光線が怯んだことにより止まる

ベリアルはゾグの目の前で、腕を構えた

カラータイマーの点滅が激しくなっていく


京太郎『ベリアルさんッ!』

ベリアル『やるぞ!』

京太郎『闇の力、お借りしますッ!!』


周囲に充満する闇を右腕に集めていく

そしてその右手に闇の光と共に、赤い稲妻を纏う

ゾグがハッと気づいて右手を前に出す


和『ベリアルゥぅゥ!!』

ベリアル『デスシウム光線!!』


放たれたデスシウム光線、ゾグが両手を前に出して光線を放つ

その二つがぶつかり合うも力は拮抗していた

光線がぶつかる中心がバチバチと音を立てている


京太郎『デアァァァァァッ!』

ベリアル『オォォォォッ!』


空中にて、ゾグの前にて……ベリアルが前方に加速していく

ゾグへと接近していくベリアルと反対に、ゾグが後ろへ下がろうとするがその余裕も既にない

超至近距離へと接近した瞬間、その二つの光線の中心部分が―――爆発を起こす


和『アアァァァァアァッ!!!?』


叫ぶゾグの中の和、ベリアルの中で―――京太郎はゆっくりに時間を感じていた


京太郎『これで、終わるっ……』

ベリアル『もろともなぁ』

京太郎『……はい』フッ

ベリアル『チッ、テメェといたせいで碌でもねぇ結末だ』

京太郎『す、すみません』


相打ちというつもりはなかった

もろとも死ぬつもりもなかった

だが―――


京太郎「ベリアルさんを、元に戻すつもりだったんですよこれでも……」

ベリアル「ハッ、元になら戻るだろ」

京太郎「え?」

ベリアル「オレは元々死んでんだよ」
868 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/21(木) 00:27:15.61 ID:tk9sIAC70


そんな言葉に、京太郎は頷く


京太郎「知ってます。それでも……」

ベリアル「メダルの残留思念とデビルスプリンターだったか、あれが干渉して生み出された人格がオレだ」

京太郎「……」

ベリアル「死ぬも生きるもねぇよ」


笑うベリアルはどこか自嘲しているようだった

それでも京太郎は思う。夢見たベリアルの記憶は本物のはずだと


京太郎「それでも……俺にとってのベリアルさんはベリアルさんですから」

ベリアル「ハッ、テメェはテメェの心配だけしやがれ」

京太郎「自分の心配って言われても……」

ベリアル「京太郎」

京太郎「え?」

ベリアル「じゃあな」

京太郎「ベリアルさんっ!?」


それだけを言って笑うベリアル

瞬間、京太郎が自身の体に違和感を感じる

ハッとするも既に遅い


京太郎「これっ!?」


既に、京太郎は“外”にいた

黒い闇に包まれたまま、地上へと降ろされる

ハッとして上空を見上げる、ベリアルとゾグの姿が視線の先に見えた


京太郎「ベリアルさぁん!」


そして―――爆発

869 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/21(木) 00:38:56.48 ID:tk9sIAC70


上空での爆発

それを見守っていたティガが、光と共に消える

その場にいた美穂子が、ふらつきながらそちらを見ていた


美穂子「ベリアルさんっ、京太郎ぉ……」


ゆっくりと歩いていくも、足をもつれさせ地に倒れる


美穂子「あぁっ」


痛みに顔をしかめながら、両手を使ってどうにか起き上がった

未だに晴れない爆煙だがそこから邪悪な気配は感じない

ゾグは既にいないのだろう、けれど……


美穂子「京太郎っ、ベリアルさんっ、無事なの……?」


一歩一歩を踏み出し、歩いていく

そしてそんな彼女を影から見ている―――竹井久


久「……私にも、光があればっ」

870 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/21(木) 00:58:24.84 ID:wC2YyL0Y0
最後に名前呼ぶのは王道でいい
てか久ヤバい
871 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/21(木) 01:12:46.56 ID:yH88GLPy0


地上にて、上空を見上げる京太郎

爆煙が晴れるがそこにはなにも残っていなかった

ゾグも、ベリアルすらもだ


京太郎「なんでっ、ベリアルさん……そんなことできたなら、言っといてくださいよっ」


悔しさが顔ににじみ出る

顔をしかめ、膝を地につけその爆煙が晴れた空を見上げていた


京太郎「俺はっ、ベリアルさんなしで、一体なにができるってんだォ!」

「できるよ」

京太郎「!」バッ


振り返ったそこにいるのは―――熊倉トシ


トシ「これは読めなかった。あのベリアルが……」

京太郎「俺に、なにが……できるってんですか」

トシ「なんでもできるってんだよ。それにね京ちゃん」


近づいた熊倉トシが、京太郎の胸倉をつかむ


トシ「闇を受け入れた男が、仲間一人死んだからって―――うじうじ悩むな」

京太郎「うじうじ!? 誰がッ!」

トシ「……悩むなとは言わない。だから」


力強く立ち上がる


京太郎「……やれることを探します。それにやるべきことを」

トシ「そうだね……」フッ

京太郎「闇だろうが光だろうなにを使ってでも、オレがやるべきことは……」

トシ「それでこそベリアルの……」


どこか嬉しそうに笑みを浮かべて、頷く熊倉トシ
872 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/21(木) 01:25:19.22 ID:yH88GLPy0


車が走ってきて目の前で止まる

そこから降りてくるのは、瑞原はやり

福路美穂子も乗っている


美穂子「京太郎っ」ダッ


走ってきた美穂子を受け止めて、そっと離す


美穂子「その、ベリアルさんはっ」

京太郎「……」


なにも言わない京太郎に、美穂子とはやりが同時に察する

その手に持ったゼットライザーのトリガーを引くが、なにも起きはしない


はやり「京ちゃん」

美穂子「京太郎、ウルトラマンになれなくなっちゃったね」

京太郎「ええ、でも……ウルトラマンになれなくても俺は、オレは戦える……いや」


見上げる夕焼け空

その空も相まって、血のように赤い瞳は上空を見る

敵はまだいる。戦うべき相手も、取り戻すべき相手もだ……


京太郎(戦いたい……!)


その手のゼットライザーを、強く握りしめる

873 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/21(木) 01:27:28.96 ID:yH88GLPy0


    第19話【終わりがはじまる日】 END

874 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/21(木) 01:48:43.84 ID:9UzPQl2Z0


―――次回予告


京太郎:レイオニクス?

トシ:レイブラッドの遺伝子か

美穂子:戦えない京太郎のためにっ、私が!

久:なんでッ、なんであなたが光なのよっ!

はやり:バトルナイザー……?

京太郎:オレは、オレたちでもっと……!

トシ:いけ京ちゃんッ!

京太郎:戦いたいッ!


次回【闇-ダークネス-】


京太郎:闇よォォォッッ!!

875 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/21(木) 01:50:52.85 ID:CqoyREe30

今回はここまでー

よーやっと中盤
ここから話がぐいぐいと、いやどうだろーか

とりあず新展開、ネクサスだと二人目が出るぐらい

そんじゃまたー
876 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/21(木) 02:56:28.97 ID:wC2YyL0Y0

ベリアル帰ってきてからまたなんかありそうだな
京ちゃんは結構精神安定してるな
877 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/22(金) 16:53:14.51 ID:qjpGCQvk0
ひっそりとやってみるー

ここが終わったら色々それっぽい感じになるかもー
878 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/22(金) 17:12:59.79 ID:qjpGCQvk0


―――【特異課長野基地:作戦室】


あれから一日、時刻は午前10時15分

須賀京太郎がそこにはいた

他にはもちろん鶴賀、風越の面々、さらに久と一、はやりや裕子、そしてトシもいる


京太郎「はぁ」

貴子「どした?」

京太郎「あぁ、いやなんでも」


近くにいた久保貴子が心配そうに京太郎を見るが、笑みを浮かべて頭を横に振る

だが美穂子やはやりは顔をしかめた

理解しているからだ、彼がこの戦いでなにを失ったか


京太郎「……」

トシ「さて、昨日はお疲れ様だったね……“みんな”」


その言葉は、避難誘導や救助をした面々に向けても言った言葉だ

戦いだけが特異課の仕事でもない

裕子がキーボードを叩くとモニターに表示される画像は龍門渕透華と天江衣


トシ「龍門渕透華及び、天江衣の救出は完了……だけども」

久「……和っ」

トシ「そう、原村和が行方不明」

京太郎「足取り、手掛かりは?」

トシ「ないね。でも足取りがないってのが」

はやり「まだ終わってないって証拠、かな?」

トシ「そういうこと」


溜息をつくトシが、京太郎の方を向く

苦々しい表情を浮かべているのは自分が捕り逃した故、というのもあるのだろう

誰一人としてそんなことは思っていないのだが、失ったモノと見合わない結果


トシ「……しかしまぁ、生きていたところで、だ」

京太郎「?」

トシ「相当弱ってるだろうね」フッ

京太郎「なら今の俺達でも?」

トシ「たぶんね」

京太郎「なら、やることは一つか」ニッ

トシ「そういうこと」クスッ
879 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/22(金) 17:29:11.69 ID:qjpGCQvk0


今の京太郎にベリアルはいない

だが、やれることはあると理解はしている

だからこそ京太郎は原村和-ゾグ-を探しに行くつもりだったのだが……


トシ「ってことでとりあえず解散、それぞれ街の探索に」

桃子「パトロールってことっすか? その……」チラッ

ゆみ「ん、原村等を見つけた場合は、即行動に移って良いのでしょうか熊倉女史」

トシ「ダメ、必ず連絡入れること……戦力によっては許可出すけど」

ゆみ「了解しました」コクリ


とりあえずはやることが決まった

だが同時に、まだ見つかっていない生徒は多いのだ

龍門渕で言えば井上純、沢村智紀、杉乃歩が見つかっていない


京太郎「みんな気を付けて……」

一「いや、昨日爆心地にいたらしい君に言われたくはないよ」

京太郎「うっ」

一「……ジョーダン、君が頑張ってくれてることは知ってる」

京太郎「一さん……」

一「しっかり休みなよ? 1人で色々やろうとするタイプだって聞いてるし」

京太郎「え、どこから?」

一「色々だよ」フッ


そう言って立ち上がった一が京太郎の肩をポンと叩いて部屋を出る

他の面々も続々出ていく中、トシが手を叩く


トシ「瑞原と福路、京ちゃんは集合ー」

京太郎「えっ」

美穂子「私も?」

華菜「キャップが残るなら私も!」

はやり「鰹節あげるから行っておいで☆」

華菜「誰が猫だし!?」

京太郎(お前しかいないだろ……)

880 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/22(金) 17:47:53.63 ID:qjpGCQvk0


結局、残ったのは京太郎と美穂子とはやり

華菜は美穂子がやんわりと出て行かせた


トシ「で、残ってもらったわけだけど」

京太郎「なんでまた?」

トシ「いや京ちゃんだけでも良かったっちゃそうなんだけど」

はやり「えー」


その言葉にはやりが不満そうな表情をする

美穂子が苦笑しながらも京太郎の方に視線を向けた


トシ「京ちゃんはベリアルからレイオニクスについてなんか聞いた?」

京太郎「え、あ……聞いたことあるような、バードンとの戦いんときだったか」

トシ「なんて?」

京太郎「いや詳しくは……バードンを使うとか使わないとか」

はやり「怪獣を、使う?」

美穂子「怪獣使い?」


その言葉に今度はトシの方が苦笑した

軽く平手を出して中指と人差し指だけをつけたり離したり


トシ「まぁそれとはちょっと違う気もするけど……いや、似たようなもんか?」

京太郎「それでそのレイオニクスってのは?」

トシ「今となっちゃ怪獣を使役しやすい遺伝子を持った者って考えで良い」

京太郎「えっと、ベリアルさんが……そのレイオニクスなんっすよね?」

トシ「そういうこと、それとたぶんあんたも」

京太郎「へ?」

はやり「は?」

美穂子「えぇっ!? ベリアルさんと京太郎って血がつながってるんですか!?」

トシ「いやそういうことじゃない」

京太郎「で、ですよねっ」ホッ

881 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/22(金) 18:03:29.68 ID:qjpGCQvk0


トシ「レイブラッド星人は様々な種族に因子をばら撒き埋め込んだ……そして生まれたのがレイオニクス」

京太郎「なんで俺が?」

トシ「正確にはベリアルと融合してあんたにそれが残ってるってことだ」

京太郎「……外見でわかったりします?」

トシ「あたしの場合は感覚だよ」

京太郎「風水的な?」

トシ「スピリチュアルじゃない」


そう言いながら取り出したのは、小さな端末

スロットが一つ付いている不思議な横長の機械だった


京太郎「これは?」

トシ「バトルナイザー」

美穂子「?」

トシ「怪獣を召喚して使役するものだ」

京太郎「えっ、スゴイ!」

美穂子「でも今の話の内容的に、その……れ、レイオニクスにしか使えないってことよね?」

トシ「いやこれは誰でも使える」

はやり「えっ!?」


その言葉に、はやりが食いつく

バトルナイザーに顔を近づけて色々な角度から見た

天才故の好奇心なのか……


はやり「私にくれます!?」

トシ「今はこれ一個だからダメだよ。あたしのだ」

はやり「えー」

トシ「できたら渡す」

はやり「やった! できるならさらに解体とか」

トシ「ダメ、人類には早すぎるから」

はやり「トシさん宇宙人?」

トシ「さぁね」フッ


まぁ不思議でもないなと、三人は同時に頷いた

今更未来人だろうが異星人だろうが異世界人だろうが驚ける気がしない


トシ「……と言いつつ京ちゃんにはあげる」

はやり「なんで!?」

トシ「なにも渡さない方が危ないからね」

はやり「う゛っ」

京太郎「面目ない」メソラシ
882 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/22(金) 18:17:42.61 ID:qjpGCQvk0


トシ「それにさ、戦いたいんだろ?」フッ

京太郎「っ……はい」フッ


笑みを浮かべて、バトルナイザーを受け取る

そこから感じる異様な気配

だがそれでも、京太郎は戦う


京太郎(ベリアルさん、あなたのためとかじゃない……俺のためにオレは戦いたい)


だがバトルナイザーを持つ、その手を掴む者がいた―――美穂子だ


美穂子「だ、ダメよっ」

京太郎「え?」

美穂子「京太郎はもう戦わなくて良い。沢山戦って、傷ついたのも知ってる!」


真っ直ぐに、京太郎の眼を見る美穂子、そして逆に美穂子の両目をしっかりと見つめる京太郎


美穂子「戦わなくても良い。戦えない京太郎のためにっ、私が!」

京太郎「美穂子さん」

美穂子「っ」


京太郎は自らの手を掴む彼女の手に、そっと手を乗せる

はやりが何かを言おうとするが、トシが口を塞いだ


京太郎「俺は戦いたい、戦いたいんだ」

美穂子「っ、なんで?」

京太郎「みんなのため、なんかじゃない。前から一緒だよ」


美穂子の手がそっと下りていく

バトルナイザーを握った手を見て京太郎は笑った


京太郎「俺は俺のために戦うんだよ」

美穂子「自分の、ため?」

京太郎「俺が守りたいから、俺の大切な人たちを」ニッ


その意味を理解してかしないでか、美穂子は少しばかり頬を赤らめて微笑む

はやりが口を塞がれたまま大声を出そうとするも……京太郎と美穂子に届くことはなかった

883 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/22(金) 18:31:49.60 ID:qjpGCQvk0


その後、バトルナイザーの説明も受けた京太郎

美穂子も頷き、共に戦うということを了承した様子……なのだが


京太郎「なんっすかはやりさんの不満そうな顔は」

はやり「なんでもー」ジトー

京太郎「?」


よくわからないので、とりあえず置いておくこととした

当面の目標のつもりだった“怪獣と戦う力”は手に入れたのだ

だがもう一つ、雀士たちを怪獣メダルから解き放つ方法はそれだけではない

というより最悪、バトルナイザーを使って戦うことになるというだけであって、その前段階でなんとかできればそれに越したことはない


京太郎「ちょっと麻雀しなきゃな」

美穂子「どうしてまた?」

京太郎「今までは怪獣メダル所有者の雀士と一緒でメダルで強くなってたんで……ベリアルさんがいなくなって今はどうなのかなって」

はやり「丁度良いから一緒に雀荘行こっか☆」

京太郎「確かに一石二鳥っすね」

トシ「それじゃ行ってらっしゃい……福路は?」

美穂子「竹井さんか華菜と合流するつもりです」


その言葉にうなずいて、椅子に腰を下ろすトシ


トシ「それじゃ気を付けてね、特に京ちゃん」

京太郎「うっす!」

美穂子「それじゃあ、またね京太郎」ニコッ

京太郎「はい」フッ

はやり「……あー! 早く行くよ京ちゃん!」ガシッ


腕を組むように掴まれる京太郎

胸が当たる。豊満な


京太郎(ぐっ! なんてプレッシャー!)

美穂子「行ってらっしゃい」フリフリ

はやり「ぐぬぬ、余裕ぶってぇ……京ちゃん!」

京太郎「あーはいはい」


引っ張られるままについていく京太郎


トシ「やはりおっぱいか京ちゃん」

美穂子(おっぱい、京太郎はおっぱいが……な、なら私も……?)カァッ

トシ(おもしろいことになりそう……)

884 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/22(金) 18:44:42.59 ID:qjpGCQvk0


◆安価!

1、松実宥
2、高鴨穏乃
3、福路美穂子
4、瑞原はやり
5、東横桃子
6、竹井久
7、辻垣内智葉
8、ネリー・ヴィルサラーゼ
9、雀明華
10、清水谷竜華
11、江口セーラ
12、愛宕洋榎
13、臼沢塞

◇10分間で1↓から〜 コンマが一番高い選択肢

885 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/22(金) 18:48:37.16 ID:it2p9BYu0
5
886 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/22(金) 19:04:28.13 ID:qjpGCQvk0
5、東横桃子


基地からはやりと出ようとガレージに入ると、ケータイに電話がかかってくる

はやりが先に車に入ってると指で合図するのでそれに頷く


京太郎「……モモ?」

スッ

京太郎「もしもし?」

桃子『あ、京さん』

京太郎「どした?」

桃子『京さんって、調査行きます?』

京太郎「ああ、雀荘に行く予定で」

桃子『えへへ、それじゃこれから私と合流してー』

京太郎「ああ、人手が多い方がはやりさんも助かるだろうし」

桃子『はやりんも一緒っすか!?』

京太郎「お、おう」

桃子『危うく二人きりになるとこでしたね! はやりんと!』


やけに焦ったように言う声に、京太郎は小首をかしげた

言わんとしていることの意味が理解できない


京太郎「危うくって……はやりさんとなら安心だろ?」

桃子『逆に危ない! そういうとこ!』

京太郎「……もしかしてはやりさん、宇宙人が化けてたり?」

桃子『そーいうことじゃなくって!』

京太郎「えーどういうこと?」

桃子『こっちの台詞っすよ……』

887 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/22(金) 19:15:49.84 ID:qjpGCQvk0


京太郎「まぁともかく、合流するならあとでポイント送るから」

桃子『お願いします!』


やけに迫真、むしろ桃子が偽物の可能性まで考えてしまう

まぁ言葉の熱的にそれはないのだろうが……


京太郎「大丈夫か?」

桃子『むしろそれでよく今までなにもなかったすね』

京太郎「なにが?」

桃子『いいえなんでもー! このモモがすぐに行くんで先走んないでくださいっす!』

京太郎「わかってるよ、打たずに待ってる」

桃子『はい! あ、それと京さん』

京太郎「ん?」


ケータイの向こうで、桃子の息を飲む音が聞こえた


桃子『こ、今度はちゃんと二人でお出かけ、っすからね?』

京太郎「お、おう……」

桃子『そ、それじゃあまたあとで!』


それだけ言うと、桃子が通話を切った

京太郎はケータイをポケットにしまって腕時計側の端末を開く

目的地に目星をつける


京太郎「なんなんだ、モテ期きたか俺」カァッ

888 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/22(金) 19:30:28.20 ID:qjpGCQvk0


◆安価!

1、松実宥
2、高鴨穏乃
3、福路美穂子
4、瑞原はやり
×、東横桃子
6、竹井久
7、辻垣内智葉
8、ネリー・ヴィルサラーゼ
9、雀明華
10、清水谷竜華
11、江口セーラ
12、愛宕洋榎
13、臼沢塞
14、佐藤裕子

◇10分間で1↓から〜 コンマが一番高い選択肢

889 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/22(金) 19:39:28.24 ID:it2p9BYu0
連投してもいいかな?
1
890 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/22(金) 20:18:51.21 ID:1WNEuAa/0
>>889 人おらんし大丈夫ですよー


1、松実宥



車を降りて、雀荘の近くで桃子を待つ京太郎とはやり

合流の話をした時になにか言っていたがもうすっかり普通になっている

時計を見るがまだ十分かかりそうだ


京太郎「……」

はやり「ちょっとそこのコンビニ行ってくるね」

京太郎「うっす」


そのままはやりが去って行く

1人で待つことになってしまったと、どうしたものかとケータイを出すと丁度電話がかかってくる

名前を見てすぐに通話に出た


京太郎「もしもし」

?『あ、京太郎くん?』

京太郎「宥さん」フッ

宥『あ、ごめんね突然電話しちゃって』

京太郎「いえ、どうかしました?」

宥『ううん、その、ニュース見て』

京太郎「ニュースですか?」


少し心配そうなその声に京太郎は眉をひそめる


宥『ベリアルがその、長野で……』

京太郎「ああ、死んだとか言われてますね」

宥『……京太郎くん、いるかなって』

京太郎「なんでまた?」

宥『いつも同じところにいるでしょ?』クスッ

京太郎(ごもっともで)
891 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/22(金) 20:29:41.67 ID:1WNEuAa/0


宥『だから心配になって……被害も大きかったでしょ?』


たの戦った地域周辺は確かに、大きかった

だがこのあたりはそうでもない


京太郎「……でも平気です。人的被害は最小限におさえましたし」

宥『ちゃんと、京太郎くんは自分のことも考えないとダメだよ?』

京太郎「え?」

宥『大事な体、なんだから……』


その言葉に、フッと口元が綻ぶ


京太郎「はい」

宥『えへへ、いいこだねっ』

京太郎(うわぁぁぁぁ! 宥さんは俺の母親になってくれるかもしれない!)

京太郎「ぐっ、冷静になれ」フゥ

宥『どうしたの?』

京太郎「ああいえなんでも、また近々……」

宥『うん、待ってるからね』フフッ

京太郎「はい」

宥『いつでも、ね』クスッ

京太郎「……うっす」

892 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/22(金) 20:35:25.03 ID:1WNEuAa/0


通話を切って京太郎が欠伸をしながら背を伸ばす

そうすると、走ってくる桃子がはっきりと“視える”

そちらを見ていると、驚いたように首をかしげる桃子


桃子「なんで視えるんっすか」

京太郎「なんでもなにも……」

桃子「もしかして運命!!?」

京太郎「んなことない」

桃子「えー」

ゆみ「相変わらず仲がいいな」フッ

京太郎「ゆみさんも一緒でしたか、そりゃそうかセットだし」

ゆみ「まぁな」

桃子「えへへー」


クールに笑うゆみと、嬉しそうに笑う桃子

そうしていると右腕に重さを感じる


はやり「じゃあはやりと京ちゃんはセットだネ☆」

京太郎「そうっすか?」シレッ

はやり「冷たー」

ゆみ「さ、それでこの雀荘になにか?」

京太郎「ああいや、一局付き合っていただけます?」

ゆみ「ほう……もちろん」フッ

桃子「どんとこいっす!」ニコッ

はやり「お見せしようかな、牌のお姉さんの実力を!」

京太郎「あはは……お手柔らかに」
893 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/22(金) 20:41:49.22 ID:1WNEuAa/0

今回はここまでー次は明日やるっすー
次回はなにか出てくるかなーって感じで

あと安価なんだけども
救出済みのキャラで追加してほしいキャラとかいたら書いといていただければ追加しますー

そんじゃまたー
894 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/22(金) 22:13:52.88 ID:Y63D8CEm0
そういえばシノさんおらんね
おじさんいるドイツに帰った?
895 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/23(土) 01:38:45.62 ID:rX0qKkbHo
乙ー
896 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/23(土) 01:50:55.64 ID:dsxu4H1D0

やっぱ始まりだったしかおりん欲しいな
みんなヒロイン力高くていいな!
897 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/23(土) 02:25:17.79 ID:+Ea7XDdo0
乙です
ハギヨシさんはどうしてるんやろ?
あの人なら人型宇宙人倒せそう
898 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/23(土) 09:42:50.87 ID:M4KLh2PG0
追加かー…直近なら透華かな。泉もいいな
899 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/23(土) 23:09:44.73 ID:7eTTaUkc0
おっしやってくよー
今回でこの話は終わらせたいとこー

>>894
慕はまた後々にって感じになるっすー
調査員的な設定が生きる!

>>894
かおりんオッケーっす!

>>897
なんやかんや、出てくるのいつになるかなぁ

>>898
透華と泉了解っすー
900 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/23(土) 23:24:04.61 ID:7eTTaUkc0


雀荘にて座るのは京太郎、はやり、桃子、ゆみの四人

全国レベルの雀士と言えど、学生が二人なのだからとはやりは少しばかり手を抜こうとする

だが、突如妙な雰囲気を感じた


はやり(これは、京ちゃん……?)

桃子(これは……っ?)

ゆみ(なんだ、二人の表情が変わった……?)


スゥッ、と息をつく京太郎

静かに、そっと目の前にせり上がってきた雀牌に触れる

失ったはずの何かが、戻ってくるような妙な感覚


京太郎「これは……いや、そういうわけではないか」

はやり(ベリアルが抜けたのに、深い闇を感じる……?)

京太郎「さて、やりますか……胸をお借りしますよ」フッ

はやり「はやりのおっぱいは京ちゃんのものだゾ☆」

桃子「なぁっ!?」

京太郎(マジで?)

京太郎「マジで?」

はやり「責任とってネ☆」

京太郎「さて、麻雀やりましょうか」

はやり「はやぁっ!?」

桃子「高1には重いっすよ」フフッ

ゆみ(なぜに得意気?)
901 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/23(土) 23:35:37.77 ID:7eTTaUkc0


そして―――


京太郎「ふぃ〜」

はやり「はぁ〜」


大きく息をついて背を背もたれに預ける京太郎とはやりの二人

桃子とゆみの二人はというと、疲れた表情を浮かべている


ゆみ「京太郎、こんなに強かったのか?」

京太郎「あ〜いや」

桃子「前やった時よりはマシっすよ」

ゆみ「そうなのか? それで県予選敗退?」

京太郎「強くなったんですよ。それなりに修行したので」


記憶にあるのは確かにした闘牌である

もう一つ同時間軸には、精神世界でベリアルと共に戦った記憶もあった

修行と言っていいのかは微妙だが、自ら得た力ということに間違いはない。間違いなどと言わせない


京太郎「……これで、ちょっと確認したいことも終わりました」


ベリアルがいなくても、どの程度麻雀ができるか……

はやりと同レベルでやれるということは、麻雀で雀士を解放することもできるということだ


京太郎「さて、出ますか」

ゆみ「ああ……今度、私の修行に付き合ってもらおうか」フッ

京太郎「俺の修行のためにも、是非」ニッ
902 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/23(土) 23:47:13.75 ID:7eTTaUkc0


外に出る四人

ともかく、やるべきことは決まった

戦い方もおおよそは固まってきた


京太郎(ともなれば、今やるべきことは……)

桃子「……」ジー

京太郎「ん?」

桃子「なんでもないっす」フフッ

京太郎(何この子かわいい、好きになっちゃうよ?)


自らを覗き込んで笑う桃子……その胸は豊満である

京太郎の弱点である


京太郎「ふむ……」

はやり「もう京ちゃんったら、わかるよ?」

京太郎「え、なにが!?」


明らかな動揺


はやり「……はやりをお嫁さんにした時のこと考えてたんでしょ?」フフフ

京太郎「なんか変なメダルでも入ってますか?」

はやり「なんで!?」

ゆみ「瑞原さん……」

はやり「そんな目で私を見ないで!」
903 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/24(日) 00:00:21.53 ID:kosH5Exs0


車までの道を歩いていると、突如四人の腕に付けている端末が鳴る

同時に手首の端末を開く

そこに映るのは佐藤裕子



京太郎「なにが!」

裕子『異常な反応です!』

京太郎「っ……敵ですか!?」

裕子『雀荘とかじゃない。もうメダルの力は溜まってたのか、溜めたのか……とりあえずエネルギーの波長がどんどんとっ』


その言葉を言い終える前に、轟音が響き地が揺れる

驚きながらも両足をしっかりと地につけて耐える京太郎

ふらつく桃子を支える


京太郎「っと!」ガシッ

桃子「ひゃっ!?」カァッ

京太郎「大丈夫か?」

桃子「は、はぃっ……」

はやり「わー倒れそう!」フラフラ

ゆみ「おっと大丈夫ですか?」スッ

はやり「違うよ!」

ゆみ「?」


くわっと表情を変えるはやりに、首をかしげるゆみ


京太郎「ふざけてないで!」

はやり「ふざけてないよ!」

京太郎「あ、え、いや……あれを見ろ!」

はやり「っ!?」

ゆみ「あれは!」
904 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/24(日) 00:17:53.85 ID:kosH5Exs0

離れた場所、ビルの間の道

そこを通る―――


京太郎「背びれ?」

はやり「さ、サメだ!?」

京太郎「サメって!」


だが確かに背びれが通っていた

さらに、再び視界に映る背びれ……道を泳ぐ、サメ


京太郎「このアスファルトを泳ぐサメだぁ!?」

桃子「よくあることっす!」

ゆみ「どういうことだ、まるで意味がわからんぞ!?」

桃子「相手はサメっすよ!?」


わけがわからないが、そういうことなのだろう


はやり「どどど、どうしようこっち来てるよ!?」

京太郎「……やります!」


そう言うと、バトルナイザーを取り出す

理解はしている

だがやるのは初めてだ


京太郎(俺にベリアルさんの力が僅かでも残ってるのだとしたら……!)

「―――!!」


背びれだけの姿だったサメがその顔を地上へと出す

地中鮫ゲオザークが咆哮を上げる


京太郎「ッ!」

905 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/24(日) 00:44:07.60 ID:kosH5Exs0


掲げたバトルナイザーが輝きだす

“本来のバトルナイザー”とはまた違ったモノ

だがその能力に遜色はない


京太郎「いけ、バギラ!」


光と共に、現れるのは怪獣―――裂刀怪獣バギラ


京太郎「……でき、た?」


現れた怪獣バギラが咆哮をあげる

京太郎は顔を引き締めて、そのバトルナイザーに力を込めた

バギラは全身につけた鋭いナイフを輝かせながら、腕を振るう


バギラ「!」


放たれた剣閃がゲオザークを撃つ

怯むゲオザークだが即座に地中にもぐり背びれをみせたままバギラの方へと突っ込む

勝手がわからないながらも、回避のためにバギラを移動させようとするが、背びれでの攻撃を受けてバギラが怯む


京太郎「っ!」


痛みが僅かに伝わり顔をしかめる

それは“通常のバトルナイザーであれば本来起きないこと”であった


京太郎「ぐっ、でも!」

はやり「京ちゃんっ」

京太郎「いいから早く撤退して!」

はやり「でもっ」

桃子「っ……」

ゆみ「行くぞ瑞原さん! モモ!」


二人の手を掴んで走り出すゆみ

そちらに視線を向けて、京太郎は笑みを浮かべて頷く

視線をそちらへ向けたゆみが、苦虫をかみつぶしたような表情で頷いて走る
906 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/24(日) 01:03:53.88 ID:kosH5Exs0


バギラが徐々に押されていく

その度に、京太郎の体には負荷と痛みが増していく

膝をつく京太郎が、悪態をつく


京太郎「っ……慣らし運転もしないで使うからかっ」

バギラ「!」


ゲオザークが地上から飛びだす

それがバギラを吹き飛ばす直前で、京太郎はバトルナイザーにバギラを戻す


京太郎「セーフっ」

ゲオザーク「!」


だが次に地上にいるゲオザークの視線が向く先は―――


京太郎「俺かっ」


だがその瞬間、京太郎の前に立ち上る光

そして、現れたウルトラマンティガが、ゲオザークを受け止めた


ティガ「タァッ!」


パワータイプに変わったティガがそのままゲオザークを投げ飛ばす


京太郎「っ、美穂子か!」

ティガ「!」


膝を突く京太郎の方へと視線を向けるティガ

頷く京太郎にティガは同じく頷いて、ゲオザークに構えを撮った

ティガが光弾を放つが、ゲオザークはそのまま地中へと潜航する


京太郎「っ」

ティガ「!」

907 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/24(日) 01:15:45.55 ID:kosH5Exs0


周囲を見回すティガの背後から、ゲオザークが突っ込む

その勢いのまま、ティガが背中からゲオザークの突撃を受けて吹き飛ぶ


ティガ「グァッ!」


倒れたティガ

ゲオザークはそのまま再び潜航する

立ち上がるティガのカラータイマーが鳴る


京太郎(まだ回復しきってないのか……?)


再び、ゲオザークが飛びだす

もちろん背後からであり、ティガは振り向くと同時にゲオザークを受け止める

だがその尖った鼻先から光線が放たれる


ティガ「グッ!」

京太郎「ッ、もう一回、行けるか?」


もう一度バトルナイザーを握りしめる


ティガ「!」


だが、ティガは光線に耐えながらもゲオザークを振り回して空に飛ばす

吹き飛んでいくゲオザークに、ティガが両腕を構える


ティガ「タァッ!」


―――デラシウム光流

放たれた一撃が空中のゲオザークに直撃し、爆散させる

ティガが光と共に消え去った


京太郎「ッ!」


光と共に、目の前に降り立つのは福路美穂子

立ったまま現れるも、すぐに膝から崩れ落ちる

ハッとして京太郎は美穂子を受け止めた


京太郎「ぐっ!」


美穂子を受け止めつつ、そっと地面に座る京太郎と美穂子


美穂子「ご、ごめんねっ……」ハァハァ

京太郎「無理、しないでくださいよ……っ」

美穂子「お互いさま、でしょ?」フフッ

京太郎「まぁ」フッ
908 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/24(日) 01:26:43.30 ID:kosH5Exs0


そう言って笑う二人

だが、再び轟音が響く


京太郎「!?」

美穂子「そ、んなっ」


視線の先に現れるのは―――ゴルザ


京太郎「なっ」

美穂子「でも、少し違う……」


その怪獣はファイヤーゴルザ

赤い体を持つそのゴルザは、角から光線を放った

京太郎が美穂子を抱えて走り出すも、その光線が二人が元いた場所にぶつかった衝撃から逃れることもできない


京太郎「っ!」

美穂子「京太郎ぉっ」


吹き飛んだ二人

地上を転がるが、止まった

しっかりと目を見開いて確認すれば、周囲に砂埃が巻き起こっている

建造物の残骸が周囲に散らばっていた


京太郎「ぐっ」


美穂子は近くに倒れていた


京太郎「俺はっ、俺にはっ」


うつぶせのまま、京太郎は美穂子から視線を動かした

吹き飛んだ時に落としたメダルやゼットライザー


京太郎「ぐっ……」

美穂子「京太郎っ……」

京太郎「っ」


近くに落ちているメダルを取る

それは―――


京太郎「レイブラッド星人……っ」
909 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/24(日) 01:39:35.71 ID:kosH5Exs0


右掌にあるそのメダル

青い宇宙人を視界に入れて、顔をしかめた

ベリアルを利用し、ベリアルが利用した究極生命体


京太郎「……」


そのメダルを握りしめて、京太郎は力を振り絞りつつ立ち上がろうとする

視界の先にいるのはファイヤーゴルザ

一歩一歩近づいてくる姿を視えた


京太郎「ッ!」


その赤い瞳が輝く


京太郎「俺は……オレは、戦いたい!」


自らの欲望のために、戦う……

誰を、誰かを守りたいという欲望


京太郎「オレはァッ!!」


その京太郎の胸からあふれ出した闇


美穂子「あ、れはっ……」


闇は京太郎の握りしめた右手へと集まる

その赤い瞳、京太郎の左手にひとりでに舞い戻るゼットライザー


京太郎「面子は、揃った……!」

910 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/24(日) 01:43:27.98 ID:kosH5Exs0


ファイヤーゴルザの跡地を走るのは、はやり

ゆみからの手を振り払いやってきたが、足に当たったそれを見て眼を見開く

そっと腰を下ろしてそれを撮った


はやり「バトルナイザー……?」


そことは離れた場所、砂煙だけではない

周囲には何かが焦げたようなにおいと共に黒煙もあがっている

立っているのは―――竹井久


久「なんで……なんでッ、なんであなたが光なのよっ!」


視界の先に小さく映るのは美穂子と京太郎

歩く京太郎、そんな彼が纏っているのは―――闇


久「あれは、闇……?」

911 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/24(日) 01:48:23.41 ID:kosH5Exs0


歩く京太郎が、トリガーを引く

それと共に真上に現れるゲート


京太郎「オレは、オレたちでもっと……!」


真下に落ちたゲートが京太郎を消し去る

残された美穂子が、顔をしかめた

そこに現れる人影


美穂子「っ熊倉さん……!」

トシ「いけ京ちゃんッ!」

912 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/24(日) 02:03:19.37 ID:kosH5Exs0


―――【インナースペース】



京太郎「もっと、もっとだ!」


赤い瞳を爛々と輝かせる京太郎

左手のゼットライザーにひとりでに挿入されるアクセスカード


『キョウタロウ・アクセスグランテッド』


京太郎「もっとオレ達で……戦いたいんだ!」


右手を開くと、レイブラッド星人メダルが赤い雷と共に変わる

それは―――ベリアル


京太郎「ベリアルさんっ!」


取り出したのはさらに二枚のメダル


京太郎「ゴモラ、レッドキング」


ブレードに、三枚のメダルを差し込む


『Belial』『GOMORA』『RED KING』


京太郎「これでオーラスだ!」


そして、トリガーが引かれる


『Skull Gomora』


深い闇の力が増幅していく

だがそれは京太郎にとって別れてからそれほど経ってないにも関わらず懐かしさを感じさせる

眼を見開き、咆哮した


京太郎「闇よォォォッッ!!」


そして―――ベリアル融合獣、スカルゴモラが顕現する

913 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/24(日) 02:05:24.65 ID:kosH5Exs0


    第20話【闇-ダークネス-】

914 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/24(日) 02:19:36.32 ID:yqrFy0Jd0

てことで今回はここまでー
また明日かもー

ようやくベリアル融合獣
今後はこんな感じでなんやかんや

次回こそは終わるかなーそんじゃまたー
915 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/24(日) 08:51:47.21 ID:qKb1mHusO
おつ
京ちゃんとキャップ、もうお互いを名前で呼び捨てにできる仲なんやね
916 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/24(日) 09:42:17.69 ID:IL5iLOYh0

ベリアル融合獣そういう感じか今後が楽しみね
京ちゃんはとことん正統派じゃないなw
917 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/24(日) 18:07:54.39 ID:SlEPpAcgO
乙です
しれっとバギラ出たな!
918 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/25(月) 23:11:48.80 ID:KfWZoA4S0
やってくよー

今後は遅くなるけどもー
安価の方法考えないとだのぅ

>>915
好感度ゴリゴリ上がっちゃっておりまする

>>916
イッチの京ちゃんはいかんせん正統派にはなれないのよねー
今までそういうもんだったからそうせざるをえなくなってるのよね因果的にー

>>917
まぁゲストゲスト!
919 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/25(月) 23:28:51.80 ID:KfWZoA4S0


―――【街中】


ファイヤーゴルザの正面に現れる黒い光

それと共に溢れる闇

ゴルザが僅かに怯むのは本能故か……


スカルゴモラ「!!!」


そして現れるのはベリアル融合獣スカルゴモラ

古代怪獣と髑髏怪獣の力を纏う、ベリアルの力を借りた京太郎の新たな姿

紫色のカラータイマーを持つ怪獣が咆哮を上げた


京太郎『闇の力、お借りします!』


走り出したスカルゴモラ

相対するようにゴルザも走り出す

地上で見ている人類からはどう見えるのだろうか、仲間割れに見えるのかそれとも―――


スカルゴモラ「!」

ファイヤーゴルザ「!」


二体の怪獣が同時に体を回す

振るわれる尻尾同士がぶつかるも、スカルゴモラの尻尾がゴルザの尻尾を掴む

驚愕するゴルザだが、スカルゴモラはそのままのパワーでゴルザを引っ張り体勢を崩させる


京太郎『まだまだぁ!』


体勢が崩れてふらつくゴルザの尻尾を離すと、接近してその拳をぶつける

ゴルザは後ろに吹き飛んで倒れた
920 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/25(月) 23:41:31.99 ID:KfWZoA4S0


戦う二体の怪獣を見据える美穂子とトシ

さらに隣に立つのははやり


美穂子「あれは……」

はやり「京ちゃんっ!」

トシ「自らに残っていたベリアル因子を使ってメダルを進化させたか……さすがだね」


フッと笑みを浮かべて頷くトシ

言っている意味はわからないが、ベリアルが復活したわけではないのだろう

だが京太郎が新たな力を手に入れて戦っているのは理解できた


はやり「頑張れっ、がんばれ京ちゃん……!」

美穂子「京太郎を、また……」

トシ「良いのさ、あの子が望んだことだ」


そう言うと美穂子の腕を掴んで起き上がらせた

ふら付く美穂子だが―――


ガシッ

久「大丈夫……?」

美穂子「久、ありがとう」

久「……」


遠くの怪獣たちの戦いを見る

ゴルザが超音波攻撃を放つと、スカルゴモラは振動波でそれを相殺した

ぶつかりあう怪獣

さらに現れる仲間たち


ゆみ「どうなるんだ?」

華菜「勝った方があたしたちの敵になるだけだし!」

桃子「でも、そうはならない気がするっす……」

佳織「うん、私もそう思う……」

華菜「?」

佳織(後から出てきた方の怪獣に、なにか感じる……荒々しいけどあたたかい、感じ)
921 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/25(月) 23:57:19.21 ID:KfWZoA4S0


ゴルザが拳を振るう

それを受けて怯むスカルゴモラだが、すぐに体勢を整えた

さらにゴルザが音波攻撃を放つ


京太郎『ッ、スカル振動波!』


またしても相殺、京太郎は舌打ち

接近し尻尾でゴルザを怯ませようとするが、ゴルザが尻尾を掴む

ハッとするが遅く、そのままゴルザに尻尾を引っ張られてスカルゴモラはビルに突っ込んだ


スカルゴモラ「!!?」

京太郎『ガァァッ! っ……!』


咆哮するゴルザ、スカルゴモラが起き上がる


インナースペースで、京太郎が新たにメダルホルダーからメダルを取り出した

その手に握ったのはベリアルメダルと、新たに取り出した二枚のメダル


京太郎「ベリアルさん!」


差し込まれるベリアルメダル

さらに、二枚のメダルも差し込む


京太郎「ベムラー、アーストロン!」


『Belial.』

『Bemular.』

『Arstron』


そして、京太郎の双眸が輝きトリガーが引かれる


『Burning Bemustra』
922 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/26(火) 00:10:46.96 ID:qcXOEFkD0


スカルゴモラが、黒き光と共に姿を変える

現れるのは新たな怪獣、バーニング・ベムストラ

咆哮を上げながら現れた怪獣はスカルゴモラと同じく、その胸に紫色のカラータイマーがある


京太郎『ウオォォッ!』


走り出すバーニング・ベムストラにゴルザが尻尾を振るう

だがその尻尾を、今度はバーニング・ベムストラの方が掴み強く引く


ゴルザ「!!?」


先ほどのスカルゴモラとはまた違った腕、腕力はこちらの方が上なのかゴルザは抵抗できない

そのまま体勢を崩したゴルザ

スカルゴモラと違い、バーニング・ベムストラでは軽い光弾や光線は放てない


だが―――切り札はこちらの方が強力だ


ゴルザ「!!」

京太郎『……ならッ!』


しっかりと起き上がったゴルザが、走り出す

それに相対するように、バーニングベムストラも走り出す


京太郎『これで、決めるッッ!!』

923 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/26(火) 00:24:47.28 ID:qcXOEFkD0


走りながら、ゴルザが頭部から光線を放つ

だが、バーニング・ベムストラはその攻撃を回避した


京太郎『ッ!』


◆BGM:運命のしずく〜Destiny's star〜【http://www.youtube.com/watch?v=AcqDZYSxKNg


体勢を低くしてそのまま頭部を狙ったその攻撃を避けつつ、ゴルザへと接近

走った二体の怪獣、その勢いは凄まじく―――


京太郎『オラァ!』


バーニング・ベムストラのその角がゴルザの腹部を突く

驚愕するゴルザ、勢いが消失するより先にバーニング・ベムストラは頭を上げる

走った勢いをそのままに上空へと舞い上がるゴルザ


京太郎『高度は低い、それでもォ!』


空のゴルザが自由落下を始めるより早く、バーニング・ベムストラはその口から青い光線を放つ


京太郎『ペイルゥ……サイックロォン!!』


渦巻く青き光線、ペイルサイクロンが真っ直ぐに上空のゴルザへと放たれた


ゴルザ「!!?」

バーニング・ベムストラ「!!」


その一撃を受けたゴルザは―――爆散する

924 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/26(火) 00:43:20.46 ID:qcXOEFkD0


その強力な一撃の余波により、爆散したゴルザから近いビルが崩れる

咆哮を上げるバーニング・ベムストラ

その姿は闇となって四散していった



地上に、黒い光と共に降り立つ影


京太郎「……ふぅ」


立っているのは須賀京太郎、ベリアル融合獣へと変わった者

静かに手を見て、開いて閉じてを繰り返した

できることは見えた、はずだ……


京太郎「っ」


少しばかりふらつくのと体の痛みや気怠さは、バトルナイザーのせいか融合獣を使用したせいか

それも今後わかってくることだろう


京太郎「ありがとう、ベリアルさん……」


笑みを浮かべつつ、手にあるメダルを見る

925 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/26(火) 00:49:39.04 ID:qcXOEFkD0


メダルをしまうと、すぐに声が聞こえてくる

そちらを見れば歩いてくるのは―――仲間たち


京太郎「……」フッ


美穂子「京太郎ッ!」

桃子「京さんっ」

はやり「京ちゃぁん!」


駆け寄ってくる少女たち、笑みを浮かべながらゆっくりと歩きだす


京太郎「おーい!」


手を振って、この後の言い訳を考える

まぁ深く考える必要もないだろう

はやりのフォローもある


京太郎(俺は、オレたちはまだ―――)


―――戦える。

926 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/26(火) 00:56:51.63 ID:qcXOEFkD0


    第20話【闇-ダークネス-】 END

927 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/26(火) 01:29:01.43 ID:qcXOEFkD0

今回はここまでー

次回は空いて金曜とかになるかもー
水曜というか木曜の0時からはアレがアレなもんでしてー
ULTRAMAN参戦おめでとうっていうか……

そんじゃまたー
安価置いてくー


◆どこへ向かう!


1、奈良(阿知賀・晩成)
2、東京(臨海・白糸台)
3、大阪(千里山→姫松)
4、岩手(宮守)
5、北海道(有珠山)
6、長野(滞在)
7、福岡(新道寺)
×、鹿児島(永水)
9、東京(プロ・アナウンサー)


◇1↓から5↓まででコンマが一番高い選択肢
928 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/26(火) 01:39:33.54 ID:tgaFozXT0
3
929 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/26(火) 01:43:40.85 ID:QXzIgG8k0

バーニングベムストラ知らなかったわ
ベリアル融合獣で戦ってくの楽しみ

安価は2で
930 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/26(火) 01:51:17.25 ID:9xWmFAMf0
乙。6
931 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/26(火) 05:29:07.63 ID:PLRi06Ur0

932 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/26(火) 08:24:41.89 ID:vRp4afxmO
4
933 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/26(火) 21:03:37.05 ID:pbmaWHS+0
934 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/27(水) 02:19:09.22 ID:HH2QbSGK0
岩手でありそうなのははエイスリンと葵の異変関係か
935 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/27(水) 04:18:31.43 ID:uLGo+qy50
豊音ちゃんもなんかありそう
鹿児島(永水)選べないみたいやけどベリアル融合獣になったからかな?
936 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/27(水) 11:31:33.17 ID:HH2QbSGK0
豊音は強キャラっぽいな
永水は条件で解放とかありそう
937 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/27(水) 14:38:15.88 ID:POFyRj8LO
乙です
べリアル融合獣イイネ
938 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/27(水) 20:40:09.01 ID:Gdwgvib30
今日も高級なぶぶづけ食ったか
939 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/27(水) 20:40:44.79 ID:Gdwgvib30
今日も高級なぶぶづけ食ったか
940 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/27(水) 20:41:32.94 ID:Gdwgvib30
今日も高級なぶぶづけ食ったか
941 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/27(水) 20:42:02.96 ID:Gdwgvib30
今日も高級なぶぶづけ食ったか
942 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/27(水) 20:42:32.00 ID:Gdwgvib30
今日も高級なぶぶづけ食ったか
943 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/27(水) 20:43:02.79 ID:Gdwgvib30
今日も高級なぶぶづけ食ったか
944 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/27(水) 20:43:28.99 ID:Gdwgvib30
今日も高級なぶぶづけ食ったか
945 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/27(水) 20:43:59.83 ID:Gdwgvib30
今日も高級なぶぶづけ食ったか
946 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/27(水) 20:44:32.84 ID:Gdwgvib30
今日も高級なぶぶづけ食ったか
947 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/27(水) 20:44:58.70 ID:Gdwgvib30
今日も高級なぶぶづけ食ったか
948 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/27(水) 20:45:32.49 ID:Gdwgvib30
今日も高級なぶぶづけ食ったか
949 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/27(水) 20:45:58.92 ID:Gdwgvib30
今日も高級なぶぶづけ食ったか
950 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/27(水) 20:46:26.79 ID:Gdwgvib30
今日も高級なぶぶづけ食ったか
951 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/30(土) 20:20:11.02 ID:yXf/z5yw0
今日はあるかな?
ベリアル融合獣楽しみなんだが
952 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/30(土) 22:36:07.74 ID:wYpdab5y0
岩手で誰とイチャイチャできるかも楽しみ
塞さんかな?
953 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/01(月) 01:03:02.34 ID:wvniyEpc0

やってくよー!
あいだ空いちゃった

岩手で決定ってことで
ちなみに鹿児島はとある場所行くと解放されるっすー
954 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/01(月) 01:04:56.21 ID:iLgLdMEYo
来たー
あちこち行ってみたいわね
955 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/01(月) 01:17:19.14 ID:wvniyEpc0


―――次回予告


トシ:あんたを呼ぶ理由なんて一つだろ

京太郎:葵さんは!?

塞:豊音は!?

デスレ星雲人:器だ。人間にしては素晴らしいな!

トシ:京ちゃんに託す……!

京太郎:オレがやるべきと思ったこと、できること……!

胡桃:お願い!

葵:須賀ァ!!


次回【暴君を超えていけ!】


京太郎:質が違うんだよ!

956 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/01(月) 01:28:22.68 ID:wvniyEpc0


―――【特異課長野基地:作戦室】


あれから一日

作戦室にいるのは京太郎、トシ、はやり、美穂子の四人だ

京太郎のことを理解している面々である


京太郎「で、なんっすけど……」

トシ「ゲオザークこと染谷まこはまだ寝てるよ」

京太郎「わかってますよ」

はやり「はや?」

京太郎「いやその、トシさんが来た理由って」

トシ「もちろん京ちゃんを呼びに来た。とんぼ返りになるから悪いんだけどね」


その言葉に、岩手に行くことになるのだということは理解できた


京太郎「それって……」

トシ「あんたを呼ぶ理由なんて一つだろ」

京太郎「確かに」

はやり「もう行っちゃうの?」

京太郎「まぁ呼ばれたなら、それに」


そう言いつつ、視線は美穂子の方に


美穂子「……ええ」フフッ

京太郎「任せました」

美穂子「うんっ」ニコッ

957 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/01(月) 01:33:36.43 ID:wvniyEpc0


    第21話【暴君を超えていけ!】

958 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/01(月) 01:53:00.13 ID:wvniyEpc0

―――【岩手:遠野市】


岩手基地の最寄駅に降りる京太郎とトシの二人

改札を通ってロータリーに出ると、見慣れた車を見つける


京太郎「久しぶり、でもないか」


車の窓が開く


塞「久しぶりーじゃないか」

京太郎「うわぁ」

塞「なにその顔」

京太郎「いやぁ、被ったというかなんというか」

塞「?」

トシ「被りたくないならもうちょっとおもしろいこと考えな」

京太郎「ぐうの音もでねぇ……」

塞「いいから乗りなよ」

京太郎「うっす」コクリ

959 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/01(月) 02:03:27.72 ID:wvniyEpc0

―――【特異課岩手基地:作戦室】


扉が開いて、入るのは塞と京太郎、そしてトシだ

先にいるのは二人、否三人

鹿倉胡桃、小瀬川白望、そして―――


京太郎「慕さん?」

慕「おひさだね」

京太郎「久しぶりです……ってか、なんでここに!? てか、葵さんは!?」

塞「なんここ?」

トシ「その略し方やめな」

慕「まぁ色々あってここにね」

白望「……須賀京太郎」

京太郎「あ、どうもです」


バラバだった少女、小瀬川白望

軽く会釈をするが白望の方は軽く片手を上げて応えるのみ

ダルそうにしているが知っている。片岡優希がやりあった相手だ


京太郎(にしてもおっぱい)


その胸は豊満である


慕「まぁ座って座って、離すことは一杯あるしね」

京太郎「うっす」コクリ

胡桃「京ちゃん久しぶり!」

京太郎「久しぶりっす」フッ

960 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/01(月) 02:22:02.69 ID:wvniyEpc0


椅子に座った京太郎、塞、トシ

元々座っていた慕がキーボードを操作してモニターに画像を表示させる

そこに映っていたのは少女―――なのだが違和感を感じた


京太郎「これは?」

慕「とりあえずこれは最近手に入れた画像」


その違和感の正体に気づいた


京太郎「ああ、遠近法が狂ってる感じするけど……」

胡桃「豊音が大きいだけだね」

京太郎「はい」


映っている姉帯豊音

全身黒い服、黒い長髪、そして黒い帽子

表情が視えないのが不気味さを感じさせる


京太郎「……じゃあ今度は?」

トシ「まぁ通例であれば豊音だろうけど……」

京太郎「和と同じパターンですか」

トシ「そういうこと、敵の幹部クラスであれば、だね」

京太郎「……」

塞「なにはともあれ豊音を追うのを手伝ってほしいんだよね」

京太郎「了解です……ところでその、葵さんは?」

塞「えっと……」

胡桃「それは……」

京太郎「あんなに小瀬川さんが起きるのを待ってたのに」

白望「……消えた」

京太郎「え?」

白望「私が起きるより前に、いなくなった」

京太郎「葵さんが、行方不明……」
961 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/01(月) 02:43:53.99 ID:pr8dXYOt0


作戦室を出て、休憩所に座る京太郎

飲んでいるのは案の定コーヒー

だがその表情は憂鬱だった


京太郎「……葵さんが、ね」


彼女は行方不明なのだが、原因が不明

あまりに突然で誰も予測も、理由すらも出てこないらしい


京太郎(ならなんで……元々敵だったとか敵対していたわけじゃないはずだ)


敵だったとしたらあの動きはおかしい

白望を助けようとするあの熱は演技で出せるものではない


京太郎「……」


考えても答えは出ない

そもそもそういうタイプでもない


京太郎(体でも動かすか……)

962 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/01(月) 03:08:24.62 ID:pr8dXYOt0

短いけど今回はここまでー
次スレおいてくー
遅い時間にしかやれんくなるから安価はどうにもねー

岩手到着で葵行方不明
豊音はなんやかんやで、エイちゃんは影も形も……そろそろ影ぐらいでるかも


【咲-saki-】京太郎「ウルトラマンの力」美穂子「誰だって」【Part2】
・https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1635702994/


そして安価ー


◆安価!

1、松実宥
2、高鴨穏乃
3、福路美穂子
4、瑞原はやり
5、東横桃子
6、竹井久
7、辻垣内智葉
8、ネリー・ヴィルサラーゼ
9、雀明華
10、清水谷竜華
11、江口セーラ
12、愛宕洋榎
13、臼沢塞
14、小瀬川白望
15、鹿倉胡桃

◇1↓から5↓まででコンマが一番高い選択肢二つを採用
963 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/01(月) 03:18:02.95 ID:pr8dXYOt0

リンクミスしたー
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1630256552/

安価ずらしでー
964 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/01(月) 03:21:50.57 ID:pr8dXYOt0
あれ、またミスごめんですー
今度こそはー

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1635702994/
965 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/01(月) 04:45:17.15 ID:Q7hyRntj0

1ユウチャーで
966 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/01(月) 06:13:03.91 ID:5aFNDmeg0

14
967 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/01(月) 07:05:11.52 ID:iLgLdMEYo
13
968 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/01(月) 07:37:04.80 ID:PS6QiRZbO
3
969 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/01(月) 08:21:42.94 ID:nQ+7fY1z0
更新来てる乙
10
970 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/01(月) 17:38:45.47 ID:g2Q9/aUF0
竜華とシロとはおもちだな
971 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/01(月) 22:58:18.83 ID:DKO84tTQ0
やってくでー

竜華白望の二人ということでー
今回で次スレいきたいとこー
972 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/01(月) 23:20:36.99 ID:DKO84tTQ0


基地内にあるトレーニングルーム

ランニングマシンを止めると、京太郎は息をついて額に伝う汗をタオルで拭う

そうしていると、自分の腕に巻かれた端末が鳴った


京太郎「ケータイじゃなくてこっちに……竜華さん?」

ピッ

京太郎「どうも」

竜華『あ、京太郎くん……久しぶりやね』

京太郎「はい」フッ

竜華『あれからな、怜が起きたりとかして』

京太郎「園城寺さんが……」

竜華『私の方もなんか最近、変やし』

京太郎「え、変?」

竜華『ああえっと、大したことやないんやけど……怪獣が出てきて危ないってなった時にその、意識がなくなるっていうか』

京太郎(例の、ミズノエノリュウだったか、あれのメダルのせいか……?)


ベリアルが言っていたことを思いだす

あの水の龍、だが害があるようではない

おそらく助けにはなっているのだろう……


竜華『ダイナも頑張ってくれてるしな』

京太郎「そりゃなにより、お大事にって伝えといてください」フッ

竜華『ダイナに?』

京太郎「……そっちで戦ってる人たちに」

竜華『う、うん……?』
973 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/01(月) 23:36:06.18 ID:6p8FRr/f0


やや、ぼろが出そうになった

そうなったら洋榎に顔向けができないというものだ


京太郎「そういえば、そっちは他になにか?」

竜華『由子が帰ってきたぐらいであとは……』

京太郎「真瀬さんか……」

竜華『うん、ちょっとずつやけど元に戻って来てるんかなって』


それならば良い。だが……


京太郎(咲、優希……和は、無事なのか?)

竜華『あ、ごめんな……京太郎君も仲間がまだ戻ってきてへんのに』

京太郎「いや構いませんよ。こうやって一歩一歩やってくのが大事だし」


グッと、拳を握りしめる


京太郎「俺が取り戻してみせますから……竜華さんの仲間も俺の仲間も」フッ

竜華『っ……かっこいいこと言わんといてよぉ』

京太郎「え、ダメでした?」

竜華『……ううん、ええと思う』クスッ

京太郎(ぐっ、好きになってしまう!!)

竜華『また声、聞かせてな』

京太郎「……はい」フッ

竜華『それと、また来てな? 怜たちも会いたがってるし』

京太郎「ああ、挨拶は必ず」

竜華『私も、会いたいからっ』カァッ

京太郎(ぐっ、落とされるっ!!?)

974 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/01(月) 23:57:03.28 ID:6p8FRr/f0
14、小瀬川白望


トレーニングルームを出て、着替えた京太郎

いつも通り、スーツ姿のまま更衣室を出て、出口へと向かう

だが―――


京太郎「あれ?」

白望「ん」


ベンチに小瀬川白望が座っていた


京太郎「どうしたんっすかこんなとこで」

白望「……街行くでしょ?」

京太郎「まぁ」

白望「私も行く、一緒にいこ」

京太郎「了解っす……熊倉さんの指示っすか?」

白望「私の意思だよ」

京太郎「……なんか、外出るのとか面倒って思うイメージありました」

白望「まぁ実際ダルいけどね」

京太郎「そうなんっすか」ハハ

白望「でも個人的に、話してみたかったしね」

京太郎「……行きますか、てか歩きで?」

白望「運転ぐらいする」

京太郎「へ、へぇ〜」

白望「そんな動揺しなくても」
975 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/02(火) 00:29:07.93 ID:bhiShqRp0


一台の車が街を行く

運転しているのは小瀬川白望、助手席には須賀京太郎


白望「葵は、どうだった?」

京太郎「他の人にきいてないっすか?」

白望「聞いてる。けど聞きたいのは……京太郎の口から」

京太郎(呼び捨て早いな……別に良いけど)


思い出そうとするが、別段特別な思い出はない

彼女は他の者たちとはまた違った

一線を引いているようにすら見えた


京太郎「……別段特別なことはないですよ。あえて言うなら宮守麻雀部に固執してたぐらいで」

白望「そっか、じゃあ……あまり変わらないね」

京太郎「普段から変わらないってのも不思議な話っすね」

白望「私を御飯誘ってくれたりしてたよ、前から……でも」

京太郎「でも?」

白望「なんだか、一歩引くタイプだから」

京太郎「まぁ間違いないっすね……」

白望「今は豊音。だけど次は……」

京太郎「なにがあったとかはわかってないですよ?」

白望「ん、でもいないのは違うから……絶対、連れてくる」

京太郎「……俺も、それが良いと思います」フッ
976 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/02(火) 00:57:10.40 ID:Jax1rIGF0


車をコンビニの駐車場に止めて、京太郎は車に寄りかかったままコーヒーを飲む

静かに息を吐くと、白い


京太郎「もう、冬だなぁ……」


そろそろ、冬服の季節である


京太郎「冬服のおっぱいも良いよなぁ」

白望「なに言ってんの?」

京太郎「どわぁっ!? ななな、なに聞いてんっすか!?」

白望「独り言でもそういうのやめた方が」

京太郎「くっ、ちゃんとダメだしっ」


隣によりかかる白望が、ホットの紅茶をすする

視線は―――


白望「……ん、むね?」グイッ

京太郎「持ち上げないでください痴女っすか」

白望「京太郎が見たそうだったから」

京太郎「お気遣いどうもっす」カァッ


なぜだか妙な展開になってきた。そんな時―――


ピピピピ

京太郎「んぁ」

白望「通信だ……」ピッ

胡桃『ししし、シロ! と、豊音がっ!』

京太郎「出番っすね」

白望「ん、すぐ行く……飛ばすよ」

京太郎「法に触れない範囲でお願いしますよ」

977 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/02(火) 01:20:44.66 ID:Zq3BI2o+0


街から少し離れた場所

和風な平屋が多く立ち並ぶ中、歩いているのは身長190OVERの少女

姉帯豊音だ

そしてそれを電柱に隠れて見ているのは―――


胡桃(間違いない……間違うわけないけど)


その豊音と相対するように小さな少女、鹿倉胡桃


京太郎「鹿倉さん」

胡桃「須賀くん……シロも」


二人が壁の後ろから少しばかり、顔を出して歩いてる少女を一瞬視界に入れる

すぐに壁の後ろに下がるも、京太郎は顔をしかめた

歩く影は間違いなく姉帯豊音、真っ黒な装い、長い黒髪


京太郎「気配が淀んでますね。なんなら周囲の空間すら……八尺様も良いとこっす」

胡桃「誰が座敷童って?」

京太郎「言ってないから」

白望「どう、するの?」

京太郎「……」


少しばかり考えながら、ガッツハイパーを手に持つ

カートリッジがスタン性のものなのも確認してから頷いた

胡桃と白望の二人もなにも言わない


京太郎「俺がやります」

胡桃「……お願い」

京太郎「はい」コクリ

塞「お待たせっ」


軽く駆けてくるのは臼沢塞


塞「豊音は!?」

白望「静かに……」

京太郎「俺が行くんで、なにかあったらお願いします」

白望「……了解」


そう言うと、白望もスーツの内側からガッツハイパーを取り出す

いざという時のため、だろう


京太郎「……行きます!」ダッ


豊音を三人に撃たせないために飛びだす京太郎


塞「……押し付けちゃった」

胡桃「ん」

白望「せめて援護ぐらい……」

978 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/02(火) 01:56:09.41 ID:4e0OTJye0


飛びだした京太郎が、姉帯豊音に近寄るとガッツハイパーを構えた

振り向く様子はないことを確認すると、引き金に指をかけて


京太郎「っ!?」


瞬間、京太郎は後ろへと飛ぶ

目の前をかすめる―――つま先


京太郎「くそっ」

豊音「……」ユラッ


振り返る姉帯豊音、そしてその前に立つのは


京太郎「……偽物か」

京太郎(?)「俺は本物、須賀京太郎だよ」

京太郎「ッ!」


素早くガッツハイパーを構え直す

黒いコートを着た自分自身の姿をしたモノは、邪悪に笑う


京太郎「退けよ、テメェッ!」

京太郎(?)「お前が退けば……いや必要ないか」

京太郎「?」

白望「京太郎……!」

京太郎「なんで?!」


横に立ってガッツハイパーを豊音に構える白望

その銃口は震えている

さらに少し後ろに二人分の気配を感じた


京太郎「二人も、そそっかしいから……!」

白望「っ」

京太郎(?)「あんまり生真面目にやってるとバカみちゃうぜ?」」

京太郎「ッ!」ピキンッ


瞬間、妙な気配を感じ白望を抱えて後ろに跳ぶ

先ほどいた場所に、火球がぶつかった


京太郎「チィッ!」


爆煙の中、すでに自分自身の偽物は存在しない

だが代わりに現れるのは―――


京太郎「デスレ星雲人……!」

デスレ星雲人「ふん、やはり貴様か……」

京太郎「憶えていただけてたようでなにより!」
979 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/02(火) 02:25:44.55 ID:Ny3wS15i0


抱いていた白望を離して、京太郎はガッツハイパーをデスレ星系人へと向ける

敵はデスレ星雲人―――ではない

その背後の姉帯豊音の口が三日月のように歪む


京太郎「ッ!!?」

デスレ星雲人「ふはは!」


豊音がデスレ星雲人より前にでる

そして左腕を振るうと、そこからあふれ出た闇が長く伸びて京太郎を襲う

驚愕しつつ、身体を逸らす


京太郎「!?」


前髪を掠めるその闇

直撃はしなかったものの、それがしなりぶつかった隣の塀が粉々に砕ける

冷や汗を拭いつつ、京太郎は素早くガッツハイパーを構えた


デスレ星雲人「おもしろい!」


そう言ったデスレ星雲人がメダルを投げる―――豊音に


京太郎「!?」

豊音「あぐっ!」


そのメダルが、豊音の中に吸収された


白望「豊音……!」

京太郎「貴様! 豊音さんになにをっ!」

デスレ星雲人「器だ。人間にしては素晴らしいな!」

京太郎「器だと?」

デスレ星雲人「複数のメダルを入れられる人間なぞ、そうはいないからなぁ……さぁ目覚めろ!」


豊音「アアァァァァァッ!」

京太郎「チッ、下がりますよ!」

980 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/02(火) 02:35:25.98 ID:Ny3wS15i0


京太郎と塞と白望と胡桃の四人が、豊音から離れる

本来ならばそのまま連れ帰りたいがそういうわけにはいかない

それぐらい理解している……


京太郎「経験が違うしな……」


振り返れば、闇が大きくなっているのが見えた

住人達が避難する中、京太郎たちも同じ方向に避難しているのだが……


京太郎「……」ダッ

塞「ちょ、京太郎!?」

白望「京太郎……!」


逆方向に走り出す京太郎

巨大な闇が徐々に、実体を形成していく

数多の怪獣、京太郎も戦ったバラバやベムスター、レッドキング

それらの力を器に集め、融合させ誕生する―――


京太郎「ッ!」

「―――!!!」


―――暴君怪獣、タイラント
981 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/02(火) 02:40:24.09 ID:Ny3wS15i0

今回はここまでー
次は水曜日っすー

こっちのスレ終わらんかったー
とりあえずタイラント出現ってことで

次回はようやく戦闘、色々ある

そんじゃまたー
982 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/02(火) 03:14:51.84 ID:JA3A1lyK0
983 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/03(水) 13:19:19.42 ID:a/3GjAs20

タイラント個体によって強さにバラつきあるけどこれはどうなんだろう
984 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/03(水) 23:35:21.74 ID:X/5r/A9e0
おっしやれる!
みんな大好きタイラント!
985 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/03(水) 23:58:27.18 ID:X/5r/A9e0


目の前に現れた暴君怪獣タイラントを前に、京太郎はゼットライザーを取り出す

前と同じだ。戦い方は一つ

周囲を見回すが知り合いも見ている人間もいない


タイラント「―――!」

デスレ星雲人「ハハハ! この数のメダルの融合だ。ファイブキングの比ではない!」

京太郎「ならば!」

トシ「今の京ちゃんじゃ相性が悪い」


その言葉に、止まる京太郎とデスレ星雲人

咆哮を上げるタイラントが左腕を振るい、周囲の民家を破壊する


京太郎「トシさん!?」

トシ「……」バッ


投げられたメダルを受け取る京太郎

手を開くと、そこにはエースキラーのメダル


京太郎「これは?」

トシ「前に倒したエースキラーの破片を使ってメダル製造機で作った……力になるはず」


故に―――


トシ「京ちゃんに託す……!」

京太郎「……」コクリ


トリガーを引くと、ゲートが開かれる

デスレ星雲人はなにをするでもなくそこにいた

勝てるという自信があるのだろう


京太郎「やってやるよ……オレがやるべきと思ったこと、できること……!」

986 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/04(木) 00:10:49.48 ID:aTDnRqjv0


―――【インナースペース】


ゲートをくぐり、インナースペースに立つ京太郎

ベリアルはいない

だが、それでもやることは視えている


京太郎「面子は揃った!」


三枚のメダルを取り出す


京太郎「宇宙怪獣、異次元超人、ベリアルさん!」


ベリアルメダルを弾くと、闇が周囲に溢れる

そして二枚のメダル【エレキング・エースキラー】をセット

落ちてきたベリアルメダルを取ると、さらにゼットライザーに差し込み、ブレードを可動させる


『Eleking. Ace-Killer. Belial.』


京太郎「これでオーラスだ!」


『Thunder Killer.』


そして現れるのはベリアル融合獣“サンダーキラー”

987 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/04(木) 00:35:08.88 ID:aTDnRqjv0


火炎を吐きだし民家を破壊するタイラント

だが次の瞬間、暗い光が輝くと共に吹き飛ぶ


タイラント「―――!?」


そしてその黒い光が、巨大な怪獣へと変わった

エレキングがエースキラーの鎧を纏ったような姿で、胸には紫色のカラータイマー

左腕は巨大な鉤爪になっている


サンダーキラー「!!」

京太郎『姉帯さんを返してもらう!』

デスレ星雲人「これは我々の器だ!」

京太郎『なら闇の住人らしく奪ってかせてもらう!』


咆哮をあげたサンダーキラーが体勢を整えようとするタイラントに走り、左腕を振るう

雷を纏ったその斬撃に怯むタイラントが、すかさず口から炎を吐く

左腕でその炎を凌ぐエレキング


京太郎『グッ!』


僅かに怯みながらも、その炎を受けて耐える

周囲の民家が燃えていく

988 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/04(木) 00:55:10.45 ID:aTDnRqjv0


京太郎『このままじゃ!』


耐えるサンダーキラーだがこのままでは防戦一方

せっかくの新たな力なのに活用できていない


京太郎『チィッ!』


視線を移せば、白望と塞と胡桃の姿が見えた

ハッとするが既に周囲が炎に包まれているようだ

自分を追って来たのかなんなのか……


京太郎『クソッ!』

タイラント「!」

京太郎『しまっ!?』


瞬間、接近していたタイラントが鎌を振るうも、サンダーキラーは鉤爪で凌ぐ

だがさらにタイラントのハンマーがサンダーキラーを打つ


サンダーキラー「!!?」


吹き飛び、倒れるサンダーキラー

それは奇しくも塞たちのすぐそばだった


京太郎『ぐっ……!』


白望「怪獣……」

塞「べ、ベリアルっぽい……てか、味方?」

胡桃「っ」


声が聞こえる

眼を見開いてそちらを見ると、戸惑う様子の三人が見えた

熊倉トシはなにをしているのかどこに行っているのか、考えても仕方がない


京太郎『ベリアルさんの力を借りておいてこの始末って!』

タイラント「!!」

京太郎『ッ!?』


咆哮を上げるタイラントが、左腕のハンマーを振るいその先端の錨を伸ばす

それがしなりサンダーキラーを押そうとする

回避しようとするも、このままでは白望たちにその攻撃の余波が襲い掛かりかねない


京太郎『クソがっ!』
989 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/04(木) 01:21:13.77 ID:krtwkUpE0


だが―――黒い腕がそれを凌いだ

巨人の、ウルトラマンのような黒い腕

それが白望たちの正面から現れていた


京太郎『あれは―――葵!!?』


宇夫方葵がそこにいて、右腕を前に出している

その突きだした右腕と同じように空から伸びる黒い腕


トシ「葵……」

葵「ぐっ、あんま動揺させないでよっ」


さらにそこに現れるのは、熊倉トシ

だが白望たちは葵の方にしか見えていない


葵「ぐっ……!」

白望「葵!?」

塞「葵!」

胡桃「葵!」


驚愕するようなタイラント、葵が右腕を勢いよく振るうと空から伸びた腕も振るわれる

それがタイラントの錨を弾いた


トシ「アンノウンハンドってとこかね」

京太郎『どうなって……!』

葵「私が、守るからっ」

白望「っ」

胡桃「……お願い!」


その言葉に、振り返って笑みを浮かべた葵

だが次に、鋭い瞳をサンダーキラーに向ける


葵『須賀ァ!』

京太郎『わぁってんだよッ!!』


立ち上がるサンダーキラーが、咆哮を上げた

990 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/04(木) 02:06:03.48 ID:feOlDdM40


対抗するように咆哮を上げるタイラント

その口に炎を溜めている

先ほどの火炎放射がくるのは明白


京太郎『ならばッ!』


その瞬間、サンダーキラーの体が輝く

タイラントの火炎放射【デスファイヤー】が放たれる

だが、その火炎の中から現れるのは―――


『Skull Gomora.』


―――スカルゴモラ


京太郎『ダラァッ!』

スカルゴモラ「―――!」


咆哮と共に、スカルゴモラが頭突きを放つ

それを鼻先で受けたタイラントが大きく怯む

すかさず、スカルゴモラは右足を地に叩きつける


京太郎『ハァァッ!』


スカルゴモラは右足の前にマグマのようなエネルギー球を生成すると、足を振るう


京太郎『ショッキングヘルボール!』

タイラント「!」


錨を伸ばし、前方で回転させてそのショッキングヘルボールを凌ぐ

タイラントはすかさず錨をスカルゴモラに伸ばすも、角からの振動波でその錨を弾いた

スカルゴモラの胸が輝き、口部分にエネルギーが集まっていく


京太郎『インフェルノ・マグマ!』


放たれた赤い光線を、タイラントは“腹部”で受ける

991 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/04(木) 02:21:22.41 ID:feOlDdM40


京太郎『ベムスターか!』


光線を腹部のベムスターの口で吸収したタイラント

次の行動は読めている。ベリアルの“記憶”で見た憶えがある


京太郎『これでハコ割れだ!』

『Thunder Killer.』


さらに黒い輝きと共に、サンダーキラーが現れる

タイラントが、腹部から吸収したインフェルノ・マグマを放つ

サンダーキラーが左腕を前に突き出し受ける


京太郎『七体だか、チートイだかなんだか知らないけどなァ!』

タイラント「!!」


さらに、タイラントはその耳から光線を放つ

それもまた、同じく光線を受けている左手で―――


京太郎『オォォォッ!』


光線が止んだその瞬間、眩いエネルギーがサンダーキラーの口部に集中していく


京太郎『質が違うんだよ!』


そしてサンダーキラーの口から、光線が放たれる

真っ直ぐと伸びる光線をタイラントが腹部で受けようとするも―――


京太郎『貫けェ!』


―――タイラントの腹部を突きぬけていく


タイラント「」

京太郎『ダメ押しィ!』


三日月形の光刃が放たれ、タイラントの首が落ち―――爆散


サンダーキラー「―――!!」


咆哮、そして黒い光と共にサンダーキラーは消えていく

992 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/04(木) 02:38:21.96 ID:dWBNlZDe0

地上に降り立つ京太郎

その手に握っていたベリアルメダルを見て頷くと、歩きだす

周囲の民家は破壊されているし、燃えている


京太郎「水でも出せれば、良いんだけどなぁ」


ぼやきながら、目的地にたどり着くと軽く駆ける

そこで少女が横になって眠っていた


京太郎「姉帯豊音……と、葵さん」

葵「……遅かったね」


豊音の近くで立っているのは宇夫方葵

先ほどの“謎の手”もそうだが、聞きたいことは山ほどある

前はなかったはずの、闇の感覚


京太郎「……」

葵「まぁ悪いことする気はないよ。しなきゃなって衝動はあるけど」

京太郎「……トシさんとこに」

葵「行かない。私は私でなんとかする」

京太郎「なんで……」

葵「私はあそこにいるべきじゃない、からね……」

京太郎「前までいたのに?」


会話を続けながら、京太郎は豊音の傍によって片膝をつく

上体をそっと上げてその手の中の『タイラントメダル』を自らの手に取り、ホルダーに入れた

視線を豊音から葵の方に向けるが、その表情は苦々しいものだ


葵「私は偽物だよ。模造品……集まるまでの、代わりに守護する者ってとこだよ」ハッ

京太郎「でも、確かにあんたは仲間で」

葵「……そういうの、良いから。それじゃ」

京太郎「葵!」


そのまま、歩いていく葵

だが、追いかけるわけにもいかない

それに追いかけても―――なにも変わりはしないだろう


塞「豊音ー! 京太郎ー!」

胡桃「どこー!」


目の前に倒れている少女の仲間たちの声が聞こえた

京太郎は息をついて、呼ぶ声に返事を返すために―――とりあえずは深呼吸
993 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/04(木) 02:42:18.40 ID:dWBNlZDe0


    第21話【暴君を超えていけ!】 END

994 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/04(木) 02:45:33.39 ID:dWBNlZDe0

今回はここまでー

タイラント終了、で葵がなんやかんや
あと一回だけ岩手回

あとスレ埋めていただければ僥倖っすー

>>1000なんか絡んで欲しいキャラとか無理ない範囲でイベントとかリクエストもらったらやるー

そんじゃまたー
995 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/04(木) 03:40:07.02 ID:NeOHWiHm0

かいのーさんとか見てみたい
996 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/04(木) 06:18:53.95 ID:3EFphVZF0

タイプチェンジみたいにして戦うのいいね
葵はなんだ?
997 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/04(木) 09:51:20.51 ID:nqolPUxK0
おつ。どうせ絡んでくるならおもちの大きい子がいいよね!
漫ちゃんや絹ちゃんを希望
998 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/04(木) 22:21:21.98 ID:5Qm7agmb0
かいのーさん
999 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/05(金) 01:38:24.47 ID:U3Cy4Q4D0
そういえばリクエスト忘れてた
松実丼ください
1000 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/05(金) 02:24:49.52 ID:Ps+UIbpF0
かいのーさん見たいっす
1001 :1001 :Over 1000 Thread
              わ〜い、>>1001ゲット〜
               __
                    ‖ _~",ー 、,,_
      |           ‖ /  |ノ  ,>
   \ |  /      ‖ /ヽ_,:-−'´
                ‖/~         ヽ | /
                    ‖     ,   ))
       ,、      ,、   /'ll__/ ヽ
      / ヽ__/ ヽ/ _‖   _  ヽ.    ∧___∧
    /       /  ´ ‖ー/  `   l ロ. / _    _
    / ´ 、__,  ` |.    ‖∨      ,! || | l--l `
   _l    ∨    ヽ/ ̄)( ̄ ̄`"::::ノ (⌒ヽ, ..ヽノ   ,
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