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【咲-saki-】京太郎「ウルトラマンの力」咲「光よ!」

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664 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 00:43:57.31 ID:+Vpifffr0

顔を押さえながら起き上がるダイナに、マガジャッパは蹴りを打ち込む

それを受けたダイナが後ろに吹き飛ぶとさらに水流を放った


ダイナ「グアァッ!」


京太郎『やられてますよ!』

ベリアル『あっちみたくベテランじゃねぇからに……しょうがねぇ、さっさと潰すぞ!』

京太郎「雅枝さん、あっちに!」

雅枝「車あるな!」

京太郎「あっちでしたっけ!?」

雅枝「え、車の方ってこと言いたかったんやろ?」

京太郎「えーあーはい」メソラシ

ベリアル『テメェ……』

京太郎『い、良いタイミングで失踪します!』


とは言え、間に合わなくなってからでは遅いのだ

マガジャッパに射撃をすると、次いで他の二方向からも射撃があった


京太郎「……二つ? もう一人は?」


ダイナ「テヤァッ!」


起き上がったダイナがティガのように腕を振るうと、その体の色が赤く変わった

同時に体にかかっていた水が消えたのか、問題無さそうに立つ

このパターンを京太郎は知っている


京太郎「あれは、パワータイプか?」

雅枝「おー、さすがティガを見てきただけあるなぁ、赤は初めてみたけど」

京太郎「それじゃあ紫が?」

雅枝「青やな、超能力戦士や」

京太郎「へぇー」

ベリアル『呑気に話してる場合か』

京太郎「そうだった!」ダッ

雅枝「そうやった!」
665 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 01:00:58.20 ID:+Vpifffr0


赤いダイナが拳を打ち込んでマガジャッパを倒す

反撃しようと水を放つも、ダイナはバリアを張ってそれを凌ぐ

通常のフォームであれば押し負けていたことだろう


ダイナ「ハァッ!」


水流が止むとすぐに走って蹴りを打ち込む

さらに吹き飛んだマガジャッパだが、今度はすぐに起き上がる


マガジャッパ「!」

ダイナ「!」


接近したダイナが拳を打ち込んだその瞬間、マガジャッパはその一撃に耐えつつ両手でダイナの腕を掴む

振り払おうと両腕を振るうダイナだが……


ダイナ「!」

マガジャッパ「!」


その両腕についた吸盤により振り払うことができない

近距離での異臭に悶えるダイナの、カラータイマーが点滅をはじめる


京太郎『くさくて?』

ベリアル『臭くてだな』
666 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 01:15:02.53 ID:+Vpifffr0


ダイナに、マガジャッパがさらに水流を放つ

その水圧を受けるダイナだが、吸盤の力で吹き飛ぶこともない


ダイナ「グアアァッ!」


悶えているダイナに水流を続けるマガジャッパに―――銃撃


マガジャッパ「!!?」


その一撃がマガジャッパの水流を放つ鼻を撃つ

損傷はしないものの、ダメージは大きいのか悶えてダイナを放す

倒れるダイナ、マガジャッパは銃撃のあった方向へ体を向ける。そこには―――


竜華「ッ!」


マガジャッパが頭を少し後ろにすぐに水流を放つ


竜華「まずっ!」


背後には崖、その下には川……


竜華「怜っ!」


飛び込もうとするも、その余裕すらなく水流を受けるかと思われたその瞬間……

竜華の胸の中心に青い光、それと共にその瞳すらも青く輝く

放たれた水流は、竜華の目の前で―――水に弾かれた


竜華「……」


背後の川から、水が逆巻き水流を弾いている
667 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 01:32:52.73 ID:X+dWHAog0


マガジャッパ「!!?」


驚愕するマガジャッパを前に、竜華は眉一つ動かさずそこにいた

逆巻き、舞い上がる水が形を作る

巨大な水の化身―――


京太郎「あれは!?」

ベリアル『確か、ミズノエノリュウ……か?』

京太郎『あれも知ってるんですか?』

ベリアル『ハンッ、当然だ』

京太郎『にしても、なんで?』


雅枝「水の龍……」


その八本の頭を持つ龍、ミズノエノリュウが咆哮を上げて水の弾丸を放つ

それを受けたマガジャッパが大きくひるんで倒れた

立ち上がったダイナが腕を振るい最初のフォーム『フラッシュタイプ』に変身する


ミズノエノリュウ「―――」


静かに、ミズノエノリュウが消える

それと共に、竜華もゆっくりと地面に倒れた


ダイナ「デァ!」

◆BGM:ウルトラマンダイナ【http://www.youtube.com/watch?v=hwxlUyBzWVE

668 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 01:54:33.33 ID:X+dWHAog0


起き上がったマガジャッパにダイナが斬撃を放つ

放たれたそれがマガジャッパの鼻部を斬り裂いた


マガジャッパ「!」

ダイナ「……デヤァッ!」


そして腕を十字にして―――ソルジェント光線が放たれる


マガジャッパ「!!?」


直撃を受けたマガジャッパが、一端止まるも―――爆散


ダイナ「……」コクリ


輝きと共に、地に落ちるのは二条泉

それを見届けたダイナは両手を上げて空へと去って行った
669 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 02:01:38.09 ID:X+dWHAog0


二条泉の元へと、現れる人影


雅枝「泉ぃ!」


駆け寄って、泉を抱き上げる雅枝

周囲の臭いはマガジャッパを倒した影響か徐々に薄れてきている


京太郎「……ウルトラマン、ダイナね」

ベリアル『本人じゃねぇのは間違いねぇな……メダルの力か?』

京太郎『……ま、やれることをやるだけっすよ』


そう言うと、ふと視界のはしに見知った影を見た

即座に、京太郎はそちらへと走り出す


雅枝「え、須賀!」

京太郎「すみません!」


走り去る京太郎、荒れた足場を跳ぶ


ベリアル『お前の知り合いの女か?』

京太郎『はい……!』

ベリアル『……この気配、右だ!』

京太郎『ざっす!』


即座に地を脚で蹴って方向転換と共にそちらへと走った

木々の間、少し開けたその場所に―――立つ


京太郎「咲っ!!」


視線の先、その少女―――宮永咲はいた


咲「……」

670 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 02:15:03.41 ID:Bp54EomZ0


目の前に立つ少女、宮永咲と見合う京太郎

その瞳は真っ暗な闇を彷彿とさせ、その禍々しい気配に京太郎の額に嫌な汗が流れる

ガッツハイパーを即座に抜く


京太郎「貴様誰だ!」

「無礼者が!」


瞬間、光弾がどこからか飛んできて京太郎の手のガッツハイパーを弾く

驚愕しながらそちらを見る京太郎


ベリアル『メフィラス星人か!』

京太郎「メフィラス星人!?」

咲「……ふぅん、やっぱりベリアル」

京太郎「ッ!」


地を蹴ってメフィラス星人から距離を取る

即座にゼットライザーを取り出すも、席が手を前に出す


咲「……ここで消える?」

京太郎「……なに?」

メフィラス「我が皇帝の邪魔をするな!」

ベリアル『まさかアイツは!』

京太郎「ッ!」


さらに放たれた光弾を回避、咲の方を見るが闇の中に消えていく


京太郎「咲ィ!」

メフィラス「消えろ!」

京太郎「ッ!?」

洋榎「やらせるかアホ!」


そう言って銃撃をしたのは洋榎

その一撃を受けたメフィラス星人


メフィラス星人「……さすがに二体が相手では分が悪いな」


そう言うと、メフィラス星人も闇の中に消えた

残された京太郎が隣の木に拳を叩きつける


京太郎「くそっ!」

671 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 02:27:39.22 ID:2HWRIyjh0


―――【特異課大阪基地:休憩室】


座ってコーヒーを飲む京太郎の手にあるマガジャッパメダル

二条泉は精密検査の後、異常がないとのことで医務室で寝ているそうだ


京太郎「……咲も和も、か」


咲もすでに和と同じように怪獣メダルに思考を奪われているようだった

メフィラス星人という新たな敵も現れた


京太郎「新たなウルトラマン……ダイナか」


ティガ、ガイアに次ぐ光の巨人

今回はベリアルとして共に戦うことはなかったが、いずれその時がくるだろう

そうしていると、背中に衝撃


洋榎「辛気臭い顔してどしたー!」バシッ

京太郎「痛ぁっ!?」

洋榎「マガジャッパも倒せて、新しい宇宙人も出おったし宮永妹もおったけど」


腕を組んで頷く洋榎


洋榎「まぁなんとかなるやろ! 少なからず敵の姿は見えたんやからな!」ニッ

京太郎「楽観的っすねー」

洋榎「ポジティブシンキングと言ぃや……格調高く!」

京太郎「ま、そういう人いると助かりますけどー」

洋榎「そやろー!」ナデナデ

ベリアル『こいつ……おい小僧、聞いてみろ』

京太郎『え、なにをっすか?』

ベリアル『……』
672 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 02:34:23.49 ID:2HWRIyjh0


京太郎「さっきの太平風土記じゃ禍邪波じゃなかったっすか?」

洋榎「あーえっと、そやったっけ!!?」

京太郎『めっちゃ動揺してますね』

ベリアル『ハッ、馬鹿は扱いやすいな』

京太郎『悪口っすよ』


彼女がダイナ、あるいはそれに近しいなにかなのは間違いない

まぁ十中八九ダイナなのだろう

だがなにはともあれ……


京太郎「洋榎さん」

洋榎「ん?」

京太郎「お力、お借りします」フッ

洋榎「へ? ああ……むしろお借りしたいんやけど」

673 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 02:36:15.99 ID:2HWRIyjh0


     第15話【水ノ魔王獣】 END

674 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 02:45:43.61 ID:2HWRIyjh0


―――次回予告


京太郎:ダイナミックのダイナ?

セーラ:ダイナマイトのダイナでもある!

竜華:怜……?

セーラ:オレたちでダイナを助ける!

ベリアル:いくぞ、四分の一人前!

京太郎:はい、いきましょう!


次回【戦士の戦い】


洋榎:本当の戦いはここからやぁッ!

675 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 02:47:53.87 ID:2HWRIyjh0

今回はここまでー

ダイナ登場ってことで出すか出さないか迷ってた時期もあった
まぁ出したのだけどもー

とりあえずはこんな感じでー

次回、またちょっと本筋が進みつつ
明日か明後日やるよー
676 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/07(木) 13:17:07.32 ID:uYd9Tysb0

泉臭い言われてて可哀想w
とうとう咲が出てきたけどやっぱ敵か
677 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2021/10/07(木) 21:14:00.40 ID:i4LUsTsh0
やってくよー

徐々に進んできて、そろそろ第二章も佳境だったり
678 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 21:27:21.32 ID:i4LUsTsh0
(また酉ミスった



―――【特異課大阪基地:休憩室】


あれから五日

その状況にはすっかり慣れて、京太郎はのんびりとそこでコーヒーを飲んでくつろいでいる

あれから咲はめっきり姿を見せない

あの須賀京太郎の姿もだ


京太郎「……」ポケー

雅枝「暇そうやなー」

京太郎「え、ああまぁ……パトロール行ってきますよ」

雅枝「もうちょっとあとでええよ、ついでに……私用頼みたいし」

京太郎「?」

雅枝「このあと会議なもんで忙しくて……」


そう言う雅枝の目元にはクマが見える


京太郎「徹夜ですか?」

雅枝「まぁな〜昔は徹マンとかできたんやけどもーむりやな」ハァ

京太郎「……」

雅枝「あ、そや昨日は麻雀で行方不明者二人まとめてやって?」

京太郎「まぁ竜華さんの手伝いしただけっすよ」

雅枝「ん〜でもだいぶ強いんやね。怪獣メダル持ち相手に勝つなんて」

京太郎「まぁ、ある程度……」


ベリアル『テメェの力なんだか胸張って言えよ』

京太郎『うぅ〜なんかなぁ』

ベリアル『メンドくせぇな』

京太郎『す、すみません』


昨日手に入れたクラブガンとアネモスのメダル

確かに自分の麻雀で倒した記憶がはっきりと存在する

ベリアルとして戦った記憶と共に……


雅枝「まぁなにはともあれこのあと頼むわ」

京太郎「あ、はい……それでなにを?」

雅枝「洋榎のバカを起こしに行って欲しいんや」

京太郎「……ファ!?」
679 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 21:30:50.61 ID:i4LUsTsh0


     第16話【戦士の戦い】

680 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 21:38:37.24 ID:i4LUsTsh0


◆安価!


1、松実宥

2、高鴨穏乃

3、福路美穂子

4、瑞原はやり

5、東横桃子

6、竹井久

7、辻垣内智葉

8、ネリー・ヴィルサラーゼ

9、雀明華

10、清水谷竜華

11、江口セーラ


◇5分間で1↓から〜 コンマが一番高い選択肢

681 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/07(木) 21:41:08.52 ID:zZvPeri30
11
682 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/07(木) 21:41:30.10 ID:v77gSgEB0
1
683 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/07(木) 21:42:15.04 ID:LJBcUee20
5
684 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/07(木) 21:43:33.30 ID:FIoTTHc10
10
685 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 21:57:03.95 ID:i4LUsTsh0
11、江口セーラ



街を行く車、目的地へと走る

その助手席の京太郎、運転席には―――江口セーラ

目的地は、愛宕洋榎の家


京太郎「にしても、基地で寝泊まりすりゃいいのに」

セーラ「まぁ、色々あるんやろ……お、あそこや」

京太郎「おー実家」

セーラ「カギもらったって? どしたー監督とそういう関係かー?」ニヤニヤ

京太郎「なっ、なに言ってんすか!?」

セーラ「いんやぁ〜」


狼狽するも、すぐに平静を装う

確かに魅力的な女性ではあるが、娘がいかんせん自分より年上

むしろ向こうがどう思うか……


京太郎「まったく」

セーラ「京太郎ってほら、顔はええやろ?」

京太郎「ハッキリ言いますね……否定はしないっすけど」

セーラ「おー、まぁだからモテるかなー思うたんやけど」

京太郎「……セーラさん的にはありっすか?」

セーラ「は? あぁ、まぁその……か、かっこええと、思うけどぉ……」カァッ

京太郎「え、なに照れてるんっすかかわいい」

セーラ「はあぁっ!!?」


瞬間、車がブレる


京太郎「どわぁっ!?」

セーラ「うわっ!?」
686 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 22:07:28.46 ID:i4LUsTsh0


車は真っ直ぐな軌道を取り戻す

耳まで赤くしたセーラが横目で京太郎の方を見る


京太郎「あ、あぶなぃ……」

セーラ「お前が余計なこと言うからやろ!」


その言葉に、京太郎は苦笑

余計なことは言わない方がいいだろうと思いつつも、ついつい口が滑る

スーツ姿のセーラを見てから、ふと思い出した故に口にする


京太郎「泉に見せてもらった夏のインターハイの写真」

セーラ「あいつなにやってんねん!」

京太郎「可愛かったじゃないっすか」

セーラ「事故るぞマジで!」

京太郎「それは怖い」


マジで怖い


セーラ「たくっ……なんでんな」

京太郎「麻雀で俺が勝ったことを黙ってるという約束のもと」

セーラ「お前話しとるやんけ」

京太郎「別いに良いかなって」

セーラ「泉ぇ……麻雀の特訓やな」

京太郎「ほどほどにしてやってください。病み上がりなんで」

687 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 22:16:58.09 ID:i4LUsTsh0


着くまでやけに長く感じた止まった車

それから降りる京太郎は軽く手を振ってセーラと別れようとする


セーラ「忘れぇよ絶対」

京太郎「えー凄い可愛かったじゃないっすかぁ」

セーラ「ええから!」マッカ


茹蛸状態のセーラに向けて笑みを浮かべると頷く


京太郎「それじゃあまた」

セーラ「むぅ」


不満そうな表情を浮かべつつ、セーラの車が去って行く

手を振って見送った京太郎は目の前の家を向く


京太郎「女の人の家の鍵開けるってどういう状況よ」

ベリアル『年相応の経験があるようで結構じゃねぇか』ハッ

京太郎「ベリアルさんもそういう経験が?」

ベリアル『……オレは寝る。なにかありゃ起こせ』

京太郎「えー」

688 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 22:34:57.49 ID:i4LUsTsh0


鍵をつかって入る京太郎

雅枝は『洋榎にはメッセージ送っとくから大丈夫やろ!』とのことだが動悸は抑えられない

そっと扉をしめると、京太郎は息をつく


京太郎「お邪魔しまーす」


ここで『邪魔すんねやったら帰ってー』とも帰ってこない辺り、やはり……


京太郎「ね、寝ている」


十中八九寝坊とのことだ

京太郎は聞いていた洋榎の部屋である二階へと上って行く

仲良くはなっているが、さすがにこれはどうだろうか


京太郎「……おはようございまーす」


とかなんとか言って、二階の『洋榎』と書いてある部屋前に立つ

軽く握りこぶしを作ってから、扉を叩く


京太郎「はいおはようございます! 須賀京太郎です!」

コンコン

京太郎「……おーい洋榎さーん?」

ガチャッ

京太郎「お?」


後ろに下がる京太郎、扉は開く


京太郎「お、洋榎さ」

洋榎「んぁ?」


出てきた洋榎はパジャマ姿であった

ボタンはいくつか開いていてそれはまぁ……扇情的である


京太郎「oh、こんなイベントがあろうとは……」

洋榎「ふぁ……なあぁっ!!?」ビクッ

京太郎「ああもう」

洋榎「ななな、なにしとんのや!」

バタンッ


扉が閉められる


京太郎「遅刻です」

洋榎「なんでお前そんな冷静やねん!!?」

京太郎「あー……いや、ドキドキしてますよ?」

洋榎「そんな報告いらんわぁっ!」
689 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 22:55:44.62 ID:i4LUsTsh0


一階の居間でくつろぐ京太郎

そうしていると、愛宕洋榎がスーツ姿で降りてくる

その顔はほんのりと赤い


京太郎「……照れちゃってぇ」

洋榎「うっさいわアホ!」カァッ


言ったせいなのか余計に赤くなっている

笑う京太郎の腕を掴んで洋榎を立ち上がらせた


洋榎「ほら、行くで!」

京太郎「まぁそっすね……雅枝さんも怒ってましたし」

洋榎「げきおこ?」

京太郎「げきおこ」

洋榎「えぇ……」

京太郎「ま、行きますか」


そう言って歩き出す京太郎

その後を追って、洋榎も歩き出す


洋榎「もっとこう……動揺したりせぇへんの?」

京太郎「なんかこう、思ったより平気でした」

洋榎「それはそれでムカつく」

京太郎「なんで」
690 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 23:06:56.43 ID:i4LUsTsh0


―――【大阪市内】


ザッ、と音を立てて立つ女性

見上げるのは大型デパート

後ろに立つ男の手には紙袋が複数


??「よっし、当面はここで調査よ!」


そう言って西川順子は満足気に頷く

一方、背後にいる山口大介は訝しげに表情をしかめた


大介「本当に大阪にいるんっすか?」

順子「ええ、私たちが奈良にいる間に東京に出たらしいけど……大阪にもウルトラマンがいるらしいわ」

大介「奈良のガイアと間違ったんじゃなくて?」

順子「ええ、それに私の勘が告げてるわ……ベリアルはここにくる!」ニッ

大介「……てかなんでそんなに見たいんっすか?」

順子「ありのままを伝えるのが報道の義務、よ!」ニッ

大介「余計なことにならなきゃいいけど」ハァ

691 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 23:31:31.78 ID:i4LUsTsh0


―――【大阪市内】


西田順子と山口大介が話をしているそれと同時刻

須賀京太郎は街中で立っていた

腕時計型の端末を開いて、そこに表示されるマップ


京太郎『次で三件目ですか……』

ベリアル『雀荘を巡ってるのは良いが情報がまったくねぇな』

京太郎『まぁとりあえず、いまはやれることをやりましょ』


洋榎と共に大阪基地に向かった後、京太郎は街中に出ていた

雀荘で手がかり集めをしながらも、京太郎は時間になったのでセーラと竜華との合流地点へとやってきている


ベリアル『……おい、この感覚』

京太郎『あたりですか?』

ベリアル『ああ、急げ!』


その言葉を受けて、京太郎が駆けだす

二人との合流もあるが、今はそれどころでもない


ベリアル『雀荘じゃねぇ、裏口だ!』

京太郎「了解っす!」


目と鼻の先の雀荘の横にある路地裏へと入る

692 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/08(金) 00:02:02.04 ID:KD7feXQt0


路地裏に駆けこんだ京太郎

雀荘の裏口、二階の非常階段から降りた直後の少女がそこにいた

いや、少女たち……


京太郎「……咲ぃ、和ァ!」

咲「……」

和「また貴方ですか、須賀京太郎」


忌々しげにつぶやいて、振り返った原村和が京太郎を睨む

一方の宮永咲は現状、興味無さげではあった

素早くガッツハイパーを取り出して銃口を二人、いや三人に向ける


京太郎「撃てるんだぜ俺は……園城寺怜だろうとも」


視界に映っているのは園城寺怜だ

付き合いはない。竜華の友達だが―――撃てなくはない


京太郎「……!」


トリガーを引こうとした瞬間、真上から降ちてくる影

顔をしかめつつ後ろに跳ぶ

目の前に、いるのは―――


京太郎「たくまたかよオレのそっくり野郎……!」

京太郎?「……お前は俺だよ」

ベリアル『なんだあいつは……破滅招来体か?』

京太郎「なにはともあれ……こいつ、人の顔で堂々と!」チャキッ


竜華「京太郎くん!」

セーラ「おい京太郎!」

京太郎「セーラさん竜華さん!」


やってきた二人の仲間はガッツハイパーを構える

軽く視線をそちらに向けてから、即座に前を向く


京太郎「いないっ!」

ベリアル『なんだ、アイツは……?』

竜華「……あ、嘘」

セーラ「なっ!?」

京太郎「っ……!」
693 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/08(金) 00:17:59.23 ID:KD7feXQt0


目の前で、宮永咲と原村和といる園城寺怜

その瞳は虚ろであるものの、両目は輝いていた

ただ一人、真っ直ぐと銃口を向けている京太郎


セーラ「おい怜!」

竜華「怜……?」


いつの間にか消えている京太郎の偽物、周囲に軽く視線を送るが気配はない


ベリアル『やるか?』

京太郎『ともなれば……やらざるをえませんか』


そう言うと懐に手を伸ばす京太郎

和が手を真上に向けるハッとしてそちらを見れば、上空を飛ぶなにか

路地裏のビルの狭間から一瞬だけ見えた球状の白い飛行物体


京太郎「あれは……!?」

ベリアル『スフィア!? メダルであんなもんまで呼べんのか!』

京太郎『スフィア……?』

和「さて、我々はこれで……」

京太郎「待てよ! 結局お前らの目的って」

咲「復讐だよ。この世界の―――異能の力を使って蘇らせた怪獣を使っての」

京太郎「っ!」

ベリアル『こいつまさか……』

咲「この世界の異能の力というのは怪獣をメダルから復活させるどころか、上手くやればより強力にすることもできるからね」フッ

京太郎「っ……復讐って誰への!」


咲の背後に漆黒の闇が広がる

両腕を広げる咲の瞳は赤く輝く


咲「ウルトラマンだ!」
694 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/08(金) 00:36:02.67 ID:KD7feXQt0


京太郎「なっ、貴様っ!」

ベリアル『暗黒の皇帝!』


笑い、闇の中に消えていく咲


京太郎「チッ、逃がした!」

和「須賀京太郎……ここで死んでもらいましょうか」スッ


手を前に出す和の背後が光り輝く

そしてその手から放たれる透明な―――波動

両手を前に出してそれを受ける京太郎


京太郎「ぐっ!!?」


両足を地面につけて凌ごうとするが、徐々に押されていく

顔をしかめる和の背後には闇

それが少しづつ和を包み込もうとしていく


和「現状の力ではこんなものですか……」

京太郎「お、まえっ!」

和「ではだめ押しで」


さらに波動弾が放たれると、京太郎は今度こそ吹き飛ぶ

セーラと竜華の間を後ろに跳んでいく京太郎


京太郎「どわぁっ!!?」
695 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/08(金) 00:39:58.11 ID:zsCCDCsY0
エンペラ星人なのか?メビウス見てないけど
696 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/08(金) 00:51:58.87 ID:KD7feXQt0

路地裏からはじき出された京太郎

そのまま勢いよく地に叩きつけられて、悶える

すぐに京太郎を追って出てくる竜華とセーラの二人


京太郎「ぐっ、あっ……がっ」

セーラ「京太郎!」

ベリアル『小僧ォ!』

京太郎「だ、だいじょう、ぶっす……」

竜華「アホ! どこがやっ!」


京太郎の上体を支える竜華

だが吹き飛ばされた京太郎は既にボロボロで、口や額から血を流している

セーラが拳を握りしめて、路地裏へと通じる方に視線を向けた


竜華「怜ぃ……」

京太郎「園城寺、怜っ……」


地に手をつけて、ふらつきながら立ち上がる京太郎

視線の先には怜がおり、上空にはスフィア


竜華「怜ぃ!」

京太郎「届かないっすよ。ああなったら……」

竜華「そんなこと言うても!」

京太郎「それにあれも……!」


上空のスフィアが街を光弾にて攻撃する

くわえて、轟音と共に怪獣が現れた

二足歩行の恐竜型


京太郎「あれは……」

ベリアル『ネオダランビアだったか……スフィア合成獣か!』

京太郎『ダランビア……確か、最初にダイナと戦ったっていう?』

ベリアル『こっちでもか』

竜華「あれは……!」


ネオダランビアに、別方向から銃撃がある

だがその攻撃がある方向に、スフィアが向かっていく

京太郎は目の前の園城寺怜に視線を向けた
697 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/08(金) 01:04:06.77 ID:KD7feXQt0


一方、京太郎たちが園城寺怜と相対しているのと同時刻

愛宕洋榎が街中を走っていた

人々が走る中を逆走している


洋榎「あいつ……今回はスフィアも一緒かい!」


そう言いながら、銃撃

反対方向に走っている故か、周囲の人々もまばらになってきていた


洋榎「っ!?」


三体のスフィアが攻撃をしかけてくる

その光弾の直撃は回避するも、その爆風により吹き飛ぶ


洋榎「痛ぅ〜」


体を押さえながら、起き上がる洋榎

周囲に誰もいないことを確認しつつ、懐から取り出すのは―――変身アイテム“リーフラッシャー”

それを握りしめると、ネオダランビアと三体のスフィアを睨みつける


洋榎「本当の戦いはここからやぁッ!」


かかげられたリーフラッシャーが展開され、輝く

そして、光と共に現れるのは巨人―――ウルトラマンダイナ

698 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/08(金) 01:17:42.86 ID:x3c4Nqdi0


ダイナが登場、それと共に斬撃を飛ばして三体のスフィアを叩き落とす

京太郎はそれを見て笑みを浮かべた

形勢逆転……とはいかないかもしれないが


京太郎「状況は悪くない……まだ東場だ」

セーラ「んなこと言ってる場合かい」

京太郎「来たでしょウルトラマンが……ダイナミックのダイナ?」


その言葉に、セーラは頷く


セーラ「ダイナマイトのダイナでもある!」

京太郎「セーラさんと竜華さんは、ダイナの方を」

竜華「でも怜がっ!」

京太郎「こういう時の対処法は俺のが詳しいっすよ。一人でいけるけど時間かかるんで、頼みます。二人はダイナを」

竜華「っ」


まだなにか言いたそうにしている竜華だが、セーラがそんな竜華の肩を掴む


セーラ「行くで竜華! オレたちでダイナを助ける!」

竜華「……京太郎くん、怜をお願いっ」

京太郎「……うっす」フッ


そう言って笑うボロボロの京太郎は、しっかりと立つ


京太郎「あっちは頼みましたよ!」ニッ

セーラ「ラジャー! ほら、竜華も!」

竜華「二人で、絶対帰ってきてな?」

京太郎「……」コクリ


去って行く二人

そして残された京太郎と怜
699 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/08(金) 01:40:57.91 ID:x3c4Nqdi0


口の中に溜まった血を吐きだすと、京太郎は懐からゼットライザーを取りだす

目の前の園城寺怜は、例によって黒き輝きを胸の中央から発す


京太郎「園城寺怜ィ! 引っ張って連れ帰る!」

怜「!」


瞬間、闇が怜を包んでその闇は新たな形を作り出す


京太郎「怪鳥の類かっ!」

ベリアル『あいつは……エアロヴァイパーか!』

京太郎「やっぱ知ってますか!」

ベリアル『オレは座学でもケンに引けを取らねぇ!』

京太郎「誰っすか……」


現れた鳥型の怪獣


ベリアル『ともかく、野郎がそのままの力を使えるなら厄介だぞ!』

京太郎「どういうことっすか?」

ベリアル『時間を歪ませる能力だ。時間を移動して自分の都合のいい未来を導き出そうとかする奴だ!』

京太郎「意外と頭良いのか……!」

ベリアル『だがそんな強力な力を使えるほど力が溜まってるようには見えねぇな!』

京太郎「なら!」


トリガーを引くと、真上にゲートが作りだされる


ベリアル『いくぞ、四分の一人前!』

京太郎「はい、いきましょう!」

700 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/08(金) 01:50:43.36 ID:x3c4Nqdi0


―――【インナースペース】


右手にカードを左手のゼットライザーへと差し込む


『キョウタロウ・アクセスグランテッド』

京太郎「レイブラッド星人……」


メダルを弾くと、周囲に闇が広がっていく

落ちるメダルを右手で取ると、赤き瞳が輝く


京太郎「究極生命体……」


ゼットライザーにメダルを差し込みブレードをスライドさせる


『Alien Rayblood』

京太郎「ベリアァルッ!」


トリガーを引き、叫んだ
701 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/08(金) 02:11:56.26 ID:x3c4Nqdi0


時空怪獣エアロヴァイパー

ネオダランビアと戦っていたダイナがそちらを見る

だがエアロヴァイパーと相対するように黒い影が現れた


ベリアル「……」ゴキリゴキリ


首を鳴らしながら現れたベリアル

エアロヴァイパーとネオダランビアが少しばかり後ずさる様子を見せた

溢れだす闇の力


京太郎『なんか、なんっすかこれ?』

ベリアル『散々、闇の残滓が残ったメダルとかを集めてるわけだからな、当然じゃねぇか?』

京太郎『なるほど……まぁ強くなるならなんでも良いっすけど!』

ベリアル『ハッ、良いじゃねぇか!』


構えを取ると、即座にエアロヴァイパーへと跳ぶ

だが、その瞬間にエアロヴァイパーの角が輝く

ベリアルはすぐに構えをといて着地した


京太郎『その手の攻撃なら、種がわかってりゃなぁ!』

ベリアル『後ろだァ!』


振り返ったベリアルが即座に腕を振るうと光弾が放たれる

その一撃はエアロヴァイパーを―――撃たない


京太郎『あぁ?!』

ベリアル『避けただァ!?』


空へと飛ぶエアロヴァイパー

それを追って飛びたつベリアルだが、エアロヴァイパーは旋回して口から火球を放った

回避しようと動くベリアルだが、さらに放たれた火球がベリアルの回避した方向に飛ぶ


ベリアル『チィッ、妙に避けにくい真似しやがるっ!』


バリアを張って火球を空に逸らす


エアロヴァイパー「!」

京太郎『まるで未来が見えてるような……未来が!?』

ベリアル『あいつの能力はそこまで戻ってねぇはずだ』

京太郎『いや……園城寺怜は一巡先を見る能力があるとか聞いたことがあります!』

ベリアル『ああ? 巡……いや、エアロヴァイパーメダルと共鳴強化されたなら未来視になったなんてことも、あるかもしれねぇな……!』

702 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/08(金) 02:24:38.92 ID:x3c4Nqdi0


空を飛ぶベリアルが、いくつかの光弾を放った

だがエアロヴァイパーの目が輝きを放つ

エアロヴァイパーは未来が見えているかのように攻撃を回避していく


京太郎『やっぱコイツ!』

ベリアル『ッ!』


放たれるエアロヴァイパーの火球をバリアで凌ぐ

だが目の前に迫った瞬間、その角が光り輝いた


京太郎『っ!』

ベリアル『こいつぁ不味ぃな』


後ろを振り返るがいない

火球が―――真横からベリアルを襲う


ベリアル「ガァッ!」


地上へと落ちるベリアルに、さらに火球を放つエアロヴァイパー

爆発と共に、周囲のビルが破壊されていく

そこから離れた場所で戦うダイナがそちらに助けに入ろうとするが、ネオダランビアの攻撃に押されていた


ベリアル『チィッ! 未来が見える、でもあいつは最強じゃぁねぇんだろ?』

京太郎『はい、咲の姉貴、照さんに負けてる……』


起き上がったベリアルの前方に降りてくるエアロヴァイパー

胸のカラータイマーが点滅を始める


ベリアル『どうやって勝ったとか、知らねぇよな』

京太郎『まぁ……でも未来を視るようなのを倒す方法はいつだって一つですよ』


その言葉に、ベリアルは笑った


ベリアル「ハァッ!」

ベリアル『どんな未来もあいつをぶっ潰す未来にすりゃ良いんだろ!』

京太郎『そういうことです!』

703 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/08(金) 02:33:02.18 ID:x3c4Nqdi0
今回はここまでー

色々と話が進んだような進んでないような……たぶん進んだー

次はまた明日か明後日にでもー
そんじゃまたー
704 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/08(金) 03:35:40.47 ID:zsCCDCsY0
乙です
京太郎もすっかり染まってきたな
敵の目的わかったけど今後はどう動くんだろう?
705 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/08(金) 07:10:37.29 ID:TPw/WJvg0
おつ
バトル物で相手の動きを予測できるってラスボス級の能力だよな
706 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/09(土) 01:00:42.93 ID:AYn1XPelO

ダイナは序盤の敵なのに京ちゃんハードすぎるw
707 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/09(土) 22:15:11.95 ID:bydFScek0
やってくよーん
エアロヴァイパーはわりかしチートよね
708 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/09(土) 22:29:19.87 ID:bydFScek0


空へと飛びあがったべリアルを追うエアロヴァイパー

その角が輝くと共に、エアロヴァイパーの姿は消える

止まるべリアルは両腕を振るって周囲に電撃を放つ


べリアル「ハアッ!」

京太郎『ぐっ、さすがにこれは消耗激しいっ!』


その周囲に放たれた電撃に、火球がぶつかり爆散する

放たれたのは背後からで、もちろんエアロヴァイパーもそこにいた


べリアル『やはり見れる未来に限界があるか!』

京太郎『せいぜい数十秒先っすね!』

べリアル『やりようはいくらでもあるな!』ハッ


笑うべリアルが、更に空へと向かって飛ぶ

エアロヴァイパーは角を輝かせる


べリアル「ハァッ!」


火球が飛んでくるのは、背後から

それを爪で切り裂く


べリアル『追いついてこれなきゃ意味がねぇな!』

京太郎『未来が見えてもなぁ!』


地上へと加速するべリアル

それを追うエアロヴァイパーの瞳が輝く

さらに、角も輝くが―――


べリアル『意味ねぇってんだよ!』


振り返ったべリアルが素早く光弾を放つ

それが火球とぶつかり爆散
709 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/09(土) 22:34:29.26 ID:bydFScek0

地上へと降りたべリアルが、空を見上げるとそこにはエアロヴァイパー


京太郎『やるっきゃないか!』

べリアル『へばるんじゃねぇぞ!』

京太郎『おっす!』


迫るエアロヴァイパーへと―――べリアルが飛ぶ

だがその少し前にエアロヴァイパーは方向を転換していた


京太郎『視えてる!』

べリアル『だがなぁ!』


そのままエアロヴァイパーを追って飛ぶべリアル

エアロヴァイパーが振り返って火球を放つ

だがべリアルとてそれを読んでいる


べリアル『避けれる軌道じゃねぇ!』

京太郎『けどなぁ!』


バリアを張ってその火球を凌ぐ

エアロヴァイパーとの距離が離れるが即座に距離を詰めるために加速

それでもエアロヴァイパーは直撃コースに火球を放つ


べリアル「ジャアッ!」


クローで火球を切り裂く

減速して再びエアロヴァイパーに距離を離される

だが、再度加速


べリアル『バテてねぇだろうな!』

京太郎『当然ッッ!!』
710 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/09(土) 22:42:26.80 ID:bydFScek0


一方のダイナは、ネオダランビアの攻撃で吹き飛ぶ

点滅するカラータイマー

立ち上がったダイナが両腕を振るい、変わる


ダイナ「チャアッ!」


その姿は青

超能力戦士ダイナ、ミラクルタイプ

ネオダランビアが体当たりしようとダイナに走るが、ダイナは真上へと回転しながら飛ぶ


ダイナ「ハッ!」


体を丸めつつ回転

ネオダランビアを飛び越えて着地すると、体をそちらに向けて構える

突進していたネオダランビアが止まるが背中はがら空きだ


ダイナ「チャアッ!」


両手を突き出して光線を放つ

その攻撃を受けて、ネオダランビアの尻尾が落ちる

大きくひるみつつネオダランビアが右腕を振るうと、その右腕が触手のように伸びた


ダイナ「!」


素早くダイナが腕をかざす

落ちていたネオダランビアの尻尾を超能力により盾する

触手が尻尾にぶつかり、力が相殺された

ダイナは素早くナイフ型の光弾で斬撃を放ち、ネオダランビアの触手を切り裂く


ネオダランビア「!」

ダイナ「ハァァッ……!」


叫ぶネオダランビアを前に、ダイナが右腕に光を宿す

そして、右腕を真っ直ぐに突き出す


ダイナ「チャアッ!」」


放たれる超衝撃波

711 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/09(土) 22:47:06.36 ID:bydFScek0


ネオダランビア「!!?」


衝撃波を受けたネオダランビア

そしてその背後に現れるのは小さなブラックホール

それがネオダランビアを吸い込んでいく


歪むネオダランビアがその中に吸い込まれると、それは即座に閉じる


ダイナ「……」


ブラックホールを出現させて次元の狭間にて圧殺するレボリウムウェーブにより、ネオダランビアは塵一つ残さず地上より消え去った

712 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/09(土) 22:54:35.93 ID:bydFScek0

ベリアルから距離を取ろうと飛ぶエアロヴァイパー

その瞳と角が一瞬だけ輝く

背後から迫る光弾を回避


ベリアル「ハアァッ!」


だが、さらに接近してくるベリアルに気づき再び瞳と角を輝かせるも……


エアロヴァイパー「!」


わずかに怯むような動作を見せる

だがベリアルがそれを逃すはずもなく、背中に電撃を受けた


エアロヴァイパー「!!?」

京太郎『っしゃあ!』


落ちていくエアロヴァイパー

そのまま地上へと打ちつけられるも、起き上がる

ベリアルの方を見ようとするも……見当たらない


エアロヴァイパー「!」

ベリアル『ここだァ!』


空から勢いよく飛んできたベリアルが、エアロヴァイパーのその頭部に蹴りを打ち込む

その衝撃でエアロヴァイパーの角が破壊される

鳴き声を上げるエアロヴァイパーをしり目に、その勢いのまま着地したベリアルはスライディングしながら体をそちらに向けた


京太郎『これでェ!』

ベリアル『終わりだァ!』

713 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/09(土) 23:04:12.88 ID:bydFScek0


地上に跡を作りながらもエアロヴァイパーへと向くベリアル

膝を地に着けたその体勢のまま、黒と赤の光を宿す右腕を左腕に添える


ベリアル・京太郎『デスシウム光線!』


放たれた暗黒の光線

エアロヴァイパーがよろけながらも瞳を輝かせて、横に避ける

だが―――


京太郎『やらせるかァ!』


勢いよく立ち上がったベリアルがデスシウム光線を―――曲げた


ベリアル「デヤアァッ!」

エアロヴァイパー「!!!?」


その一撃を受けたエアロヴァイパーが爆散する


巻き起こる爆煙を前に、ベリアルが右腕を払って首を鳴らす

714 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/09(土) 23:13:40.35 ID:bydFScek0


そして、漆黒のウルトラマンことベリアルが顔をそちらに向ける

そこにいるのはウルトラマン―――ダイナ

通常のフラシュタイプのダイナをしり目に、ベリアルは背を向けて歩いていく


洋榎『ベリアル! なんでここに! 誰なんやあんたは!』

ベリアル「……」


その疑問に答えるわけにもいかず、ベリアルはそのまま空へと飛び去って行く

残されたダイナが、去って行く姿を見送る


洋榎『なんやねん、味方なんやろけど……』


ウルトラマンのはずだが、自分やティガやガイアとは違いすぎる

その疑問の答えが見つかるはずもなく、ダイナも空へと去って行く


ダイナ「……シュワッ!」

715 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/09(土) 23:32:53.46 ID:bydFScek0


―――【地上】


京太郎は園城寺怜をおぶったまま歩く

右手にはしっかりとメダルも握ったままだ

目的地付近へと近づくと、すでに待ち人がいた


京太郎「お待たせしましたー!」


そう言うと、振り返る二人の少女

清水谷竜華と江口セーラ


セーラ「っ!」

竜華「と、怜ぃっ!」


駆け寄る二人に、京太郎へ笑みを浮かべる

二人はすぐに怜の方を見るが別段、異常があるようには見られない

元々身体が弱いということもありすぐに精密検査にかけるつもりではあるが……


京太郎(怪獣メダルも取り除いたし、そんな気配もないし……たぶん平気なんだろうけど)

洋榎「おーい!」

セーラ「お、アイツも帰ってきよった」

竜華「洋榎っ!」


現れるのは愛宕洋榎、その背中には―――上重漫を背負っていた


京太郎「ふぃ……まぁなにはともあれ、無事で良かった」ホッ

ベリアル『にしても、またどっか行きやがったな』

京太郎『ならば追うだけっすよ。あいつらの目的を果たさせるわけにはいかない』

ベリアル『ならどうする?』

京太郎『そろそろ、マジでなりふり構ってらんなくなってきましたね』


覚悟は決めなければならない……咲や和を本当に“傷つける”という覚悟を
716 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/09(土) 23:43:01.10 ID:bydFScek0


―――【特異課大阪基地:作戦室】



今度はしっかりと、口にした

驚愕するような表情の竜華とセーラ、そして洋榎

同席している二条泉は小首をかしげている


竜華「もう行ってまうん!?」

京太郎「はい、応援要請がきたので」

雅枝「お前も人気やな」ケラケラ

京太郎「まぁ多少は……役に立ってるようで」


苦笑しながら言うと、雅枝は笑って頷く

名残惜しいと言いながら、京太郎は立ち上がる

そしてそれに合わせるように同時に立ち上がる洋榎


洋榎「送ってくわ、駅まで」

京太郎「え、良いんですか?」

竜華「そ、それなら私が! 怜のお礼もあるし!」

洋榎「ええから」

竜華「……まぁ、洋榎がそういうなら」

洋榎「行くで」

京太郎「ん、ありがとうございます」フッ

717 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/09(土) 23:51:28.23 ID:bydFScek0


その後、車に乗り込んで運転席の洋榎の隣に座る京太郎

助手席で揺られながらも、短かった大阪でのことを思いだす

やるべきことはやったつもりだ


赤信号で車が止まる


京太郎(ダイナのことも、多少はわかったしな)

洋榎「……気づいてるか?」

京太郎「え?」


前を向いたまま、洋榎はつぶやくように言う


洋榎「……うちのこと」

京太郎「あー……まぁ」フッ

洋榎「やっぱかぁ」


溜息をついて苦笑する洋榎

どこで気づいたと気づいたのか疑問だが、それはそれで良い


洋榎「……どうなんやろ、うちの戦い方」

京太郎「え?」

洋榎「光の戦士の戦いができとるんかなって」


そんな言葉に、京太郎は顔をしかめる

お生憎様、彼はそのような戦いをしているつもりもないし、するつもりもない

ただ守れるならば守れる。最大限被害を出さない努力をする……というのが彼なりのやりかただ


故に―――


京太郎「きっとできますよ」

洋榎「ほんま?」

京太郎「そういう戦い方をしようと思いながら戦うってことが……大事なんじゃないっすかね」


月並みな台詞、ただ本当にそう思って言っている


京太郎「光の戦士なんっすよ。きっとそうやって戦うのが」

洋榎「……そっか」フフッ


笑顔の洋榎は信号が青になったことを確認するとアクセルを踏む

走り出した車、洋榎は上機嫌で会話を再開していく


ベリアル『憧れてんのか?』

京太郎『そういうのは過ぎましたよ。俺には俺ができることをやるだけっす……こういう人らができないこととか』

ベリアル『ハッ! 良い戦士になってきたじゃねぇか』

京太郎『どうも』フッ

718 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/09(土) 23:52:52.64 ID:bydFScek0


    第16話【戦士の戦い】 END

719 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/10(日) 00:18:25.08 ID:kVpCKqh60


―――次回予告


京太郎:トシさん

トシ:あたしの大事な教え子……のおまけさ

葵:誰がおまけ!?

塞:私に近寄るなぁ!

葵:小瀬川さんのために私はぁ!

京太郎:俺のできることは!


次回【星】


京太郎:だから奪い返すんだろうがッ!
720 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/10(日) 00:26:22.11 ID:kVpCKqh60
今回はここまでー!

次は明日ーでなきゃ明後日ー

テンポ速いけど移動!
まぁ全国二週目もあるからねー

次回は岩手っす!
そんじゃまたー
721 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/10(日) 00:30:21.07 ID:okR5HrAj0
乙〜
722 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/10(日) 02:31:54.40 ID:PMSufypL0
鈴木&三浦 ディズニーヴィランズ説
・悪役っぽい←実際悪役
・おとぼけキャラと陽気なキャラ←親しみやすい気さくなキャラクターを演じているプロスペクターやデラクルスなどに共通するキャラクター性
・正体を表すと1633797564225.jpg
のような邪悪な表情を浮かべる
・大抵中盤で正体を現す←三浦も中盤で見たけりゃ見せている
・主人公や環境に嫉妬を抱いていることが多い←ケツ舐められたことあんのかよ誰かによ(嫉妬)
・卑怯な手を使って主人公を絶体絶命の危機に陥れる←難癖で木村をレイプ寸前まで持っていく
・最終的に制裁される←2人もBB劇場でよくAKYSに制裁される
・ココアライオン(スカー)
・ビールビール!←デラクルスは酒に毒を盛ってヘクターを殺した
723 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/10(日) 11:19:04.80 ID:GAsjn7rZ0

岩手は宇夫方さんが出てくるのか安価なしの強制進行だからなんかあるのか?
724 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/10(日) 21:25:29.04 ID:dChXXoYk0
はっじまっるよ〜

なんやかんやでそろそろ中盤!
725 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/10(日) 21:31:54.98 ID:dChXXoYk0

―――【岩手県・遠野市】


その地を歩く柄の悪い男、そう―――


京太郎(―――俺です)


スーツを着たグラサン金髪長身男が歩いている

おそらく、相当目立つ

故に合流はしやすいのだが……


京太郎「お、トシさん」

トシ「よっ」


目の前の車、片手を上げる運転手のトシ


トシ「助手席乗りな」

京太郎「うっす」

726 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/10(日) 21:41:20.30 ID:dChXXoYk0


素直に助手席へと乗り込む京太郎

シートベルトをつけると車が走り出す


京太郎「東京からこっちに?」

トシ「色々あるからねぇ、大阪ではお疲れさん」

京太郎「大したことできてませんけどね」

トシ「魔王獣を一体と、エアロヴァイパーを倒した功績はでかいね」

京太郎「マガジャッパの方はダイナですけど」

トシ「愛宕洋榎か」

京太郎「なんでも知ってるんですね」

トシ「さて、なんでもだったらこっちはこんなことになってないよ」

京太郎「俺を呼んだ理由って……」

トシ「あたしじゃ、手におえなくてね」


そう言って苦笑するトシを横に、京太郎は顔をしかめた

トシがそこまで言う問題なのだ

巨人の力がが必要なのだろう……


京太郎「で、ここからどこに?」

トシ「特異科岩手支部、あたしのホームさ」フッ
727 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/10(日) 21:54:11.84 ID:dChXXoYk0

―――【特異科岩手基地】


ガレージに停まった車から出る京太郎とトシの二人

東京と大阪、いや長野よりも小さい基地だった

スタッフもそれほどいないのだろう、その基地で京太郎はトシの後をついていく


京太郎「ところで、俺を呼び出した理由って?」

トシ「焦らない」


そう言うと、トシは手で扉を開く

そこには―――作戦室

ただしそこまで派手でもない


京太郎「普通にキーボード置いてあるし……モニターもなんか小さい」

トシ「プロトタイプだからね」

京太郎「へぇ〜」


そう言いながら座ると、トシも座った


京太郎「……」

トシ「……」

京太郎「……え、なんの時間ですか?」

トシ「待ってな、もう一人来る」

京太郎「そういうの早く言ってくださいよ」


そう言って息をつく京太郎

すると、扉が開かれた

知らない少女―――宮守麻雀部にもいなかった気がする

728 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/10(日) 22:00:07.50 ID:dChXXoYk0


黒い髪、真ん中分け、タレ目

少しばかり訝しげな表情をしつつ、京太郎を見る


京太郎(誰じゃ……)


黙って歩くと、少女はトシと京太郎から距離を置いて座った

結局わかりもしないまま、京太郎はトシの方へと視線を向ける


京太郎(誰?)

べリアル『誰だ?』

京太郎『わかんないんっすよ』


視線を向けると、うなずくトシ


トシ「この子は宇夫方葵」

京太郎「……う、宇夫方さん?」

葵「よろしく」

トシ「あたしの大事な教え子……のおまけ」

葵「誰がおまけ!?」


聞いたことがない名前だった


トシ「ご察しの通り麻雀部じゃないよ」

京太郎「え!?」

葵「良いでしょ別に、正義の味方全員が雀士とでも?」ジト

京太郎「いや、そんなつもりじゃぁ……」

葵「ところで熊倉さん、この男子がキーマン?」


その言葉に、小首をかしげる京太郎


トシ「そ、須賀京太郎……あんたの大事なものを取り戻すために来た」フッ

729 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/10(日) 22:21:46.06 ID:WpJCFJlR0


京太郎「……え、なんで俺?」

トシ「そりゃあ実績さ」フッ


その言葉に、なにかを反論しようとするもそうするわけにもいかない

自分がベリアルということはともかく、麻雀で怪獣メダル持ちを倒しているのも事実

しかし―――


京太郎「宮守麻雀部、倒せますか俺に?」

トシ「……まぁとりあえずだ」


京太郎の疑問に答えるわけでもなく、トシは置いてあるキーボードを叩く

モニターが点き、画像が表示される

そこに映るのは―――


京太郎「あれは確か、臼沢塞さん?」

葵「よく知ってるね」

京太郎「うちと戦ってますからね……和とやりあってました」

葵「……そう、だったね」


そう言って、どこか懐かしむように言う葵


京太郎「?」

トシ「まぁなにはともあれ、塞が見つかった」

葵「どこでですか?」

トシ「数日前、葵が胡桃を倒しただろ……その近く」

京太郎「胡桃って、鹿倉胡桃さん?」

葵「そ」

京太郎「麻雀部でもないのになんでそんなに……」

葵「なんでも良いでしょ、とりあえず臼沢さんが見つかった場所に行こうか」

京太郎「うっす!」
730 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/10(日) 22:46:51.68 ID:gam4J/C90


葵が先に歩いていく

さっそくトシは本部待機らしく、二人にされるらしい

後ろを歩く京太郎を見送るために隣を歩くトシ


京太郎「……臼沢さんが見つかったって怪獣化の兆候でも?」


小声で、隣のトシに声をかける


トシ「いやあの子は、もうちょっとは耐えてくれるはずだ」

京太郎「え?」

トシ「ともかく急いでよ?」

京太郎「そりゃ当然ですけど……」


その言葉に頷く京太郎

隣のトシが前を向いて苦笑する

京太郎もそちらを見れば、そこには……


トシ「どした?」

葵「いや……別に」

京太郎「?」

トシ「大好きなシロじゃなくて悪いけど、頼んだよ」

葵「ちょ! そういう言い方!」

京太郎「え、どういう?」

葵「ほらー!」
731 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/10(日) 23:00:32.69 ID:gam4J/C90


ガレージの車に乗り込む京太郎と葵の二人

トシが外から手を振って見送るので、京太郎はそれに軽く応える

走り出す車、ガレージを出て陽の光が当たる外へと飛びだす


京太郎「ところで、宇夫方さんと小瀬川さんってどういう?」

葵「……友達、と思いたい」


そう言いながら、道を曲がって車は市街地へと入る


葵「わ、私はただ小瀬川さんの大事な麻雀部を救いたいだけでっ!」

京太郎(うわぁ、ガチっぽい)

葵「ガチっぽいと思ったでしょ!? そんな眼をしてる! 見慣れた眼!」

京太郎「慣れてるし」

葵「くっ、どいつもこいつも恋愛脳でっ!」ギリギリ

京太郎(なんだこの人)


ベリアル『おい小僧』

京太郎『はい、どうしたんっすか?』

ベリアル『妙な気配するな』

京太郎『え、どこから?』

ベリアル『目の前の女から一瞬だが……』

京太郎『……怪獣メダル持ちに勝てる雀士っすからね』

ベリアル『こいつにも入ってんじゃねぇか?』

京太郎『まさ、か……とも言い切れないかぁ』

ベリアル『ちょっと小突いてみるか?』

京太郎『なんで敵増やすんっすかぁ』

ベリアル『ハッ、冗談だ』ケラケラ

京太郎(ベリアルさん、冗談とか言うんだ……)
732 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/10(日) 23:28:03.60 ID:CkUNLCIF0


車は塞が発見されたポイント付近へと接近する

駐車場が近場になく、仕方ないと葵は道に駐車して車を出た

京太郎も共に車を出ると、周囲を見渡す


葵「雀荘もないけど……っていうか」


周囲は、というより視線の先は森


京太郎「こっちっすか?」

葵「田舎はこれだから」ハァ

京太郎「JKみたいなこといいますね」

葵「JKだよ!」


だがおそらくむかった先はそちらということだろう

溜息をついて、京太郎はスーツ内側からガッツハイパーを取り出した

カートリッジも確認して頷く


京太郎「いつでもどうぞ」

葵「ちょ、撃ったらただじゃおかないから!」

京太郎「ショック弾ですよ?」

葵「ひ、人の小瀬川さんの友達のことなんだと思ってんの!?」

京太郎「……ん?」

葵「あ、今のはあれね! 焦って言い間違えた!」

京太郎「……」ウワァ

葵「だから違うって! ていうかあんた自分の仲間でも撃つの!?」

京太郎「撃ちますよ」

葵「……え、正気?」

京太郎「当然です」

葵「……とりあえず行こう、撃たなくてよさそうなら撃たないでね」

京太郎「了解っす」

733 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/10(日) 23:52:50.27 ID:L7oyotFj0


森の中を行く二人

なぜこのような場所に、とも思う

怪獣メダルが入れられた者は麻雀で力を集めるはずだが……


京太郎「なんで?」

葵「……鹿倉さんは普通に雀荘だったけど」

京太郎「ですよね」


麻雀で勝ったのでなければ怪獣を倒したということになる

それはまずないだろう

そうだったとしたら、トシからなにかしらの報告があるはずだ


ベリアル『本当にこっちか?』

京太郎『わかりませんけど……』

葵「……臼沢さん、どこに」

ベリアル『気配はないな』


彼がそういうのならば、やはりこちらではないのだろうか?

京太郎は眉をひそめつつ、葵のあとを追って歩いていく

突如、葵がハッとした表情で走り出す


京太郎「ちょ、宇夫方さん!?」

葵「足跡!」


足元には確かに、靴跡のようなものがあった

それに従い京太郎は葵と共に走る
734 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/11(月) 00:13:58.40 ID:HKIiBoY30


そして、ほぼ山中と言って差し支えないまでに侵入した二人

前の葵が止まると、その隣で止まる京太郎

少しばかり開けた、木々に囲まれたそこに―――


葵「臼沢さん!」

塞「っ……」


臼沢塞がいた

ヒビの入ったモノクルをつけたその少女は、自らの体を押さえるように抱いている

肩で息をしながら、葵たちから一歩後ずさった


京太郎「臼沢塞……」

ベリアル『撃たねぇのか?』

京太郎『一人ならともかくっすよ。今は宇夫方葵がいるんですよ』

ベリアル『チッ』


右手のガッツハイパーの銃口は下を向いている

隣にいる葵は武器一つもたないまま、両手を広げて歩いていく

丸腰のまま、ゆっくりと


塞「っ、あ、おいっ……」

葵「臼沢さん、大丈夫……きっとトシさんがなんとかしてくれるから」


そう言いながら近寄る葵


京太郎「おい待て、俺の知らない情報ばっかじゃないか……?」

ベリアル『そういうことか、あいつ抑え込んでやがるな!』

京太郎「抑えるって」

ベリアル『溢れ出そうなのに蓋をしてやがる!』

京太郎「蓋……塞ぐ、ってそういう!?」
735 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/11(月) 00:31:57.43 ID:b2gOsdN10


自らの体を抱いて、膝をつく塞

京太郎はショック弾を入れたガッツハイパーを確認する

だが、それに気づいた葵


葵「ちょっと待って須賀っ」

京太郎「このままじゃ臼沢さんも!」

塞「塞ぐっ、シロたちを、早く見つけて……わたしはっ」


そのような状況で他人のそれを“塞ぐ”ことなどできるわけもないだろう

京太郎は顔をしかめて葵を見る


葵「無理だよっ、小瀬川さんを助けて欲しいけど……だからって臼沢さんが犠牲になったら」

京太郎「……っ」

葵「奪われた場所を……小瀬川さんのために私はぁ!」


葵が塞に駆け寄ろうとするが、顔を上げた塞のモノクルに新たにひびが入って行く


塞「私にっ」

葵「臼沢さんっ!」

塞「私に近寄るなぁ!」


瞬間―――モノクルが砕け散る
736 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/11(月) 01:04:28.12 ID:b2gOsdN10


―――【特異課岩手基地:作戦室】


トシ「……塞か」チッ


作戦室で座っている熊倉トシ

モニターに表示されている映像は、ティガやダイナやガイア

さらに、銀色の巨人もいた


トシ「葵、あれも早いとこなんとかしないと……」


頭を押さえて天井を見上げる


トシ「……模造品とは、なんつーか皮肉だねぇ」ハァ


モニターに映る画像は、ベリアルとは別の黒きウルトラマンの横顔が描かれたメダル
737 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/11(月) 01:33:02.36 ID:b2gOsdN10


―――【山中】


森の中、塞からあふれ出した闇

塞がれていた故なのか、その質量は異常だ

京太郎は葵の腕を掴んで下がる


葵「須賀っ!」

京太郎「不味い、怪獣が出る!」

葵「怪獣がなんだよっ!」

京太郎「小瀬川さんのためなんだろっ、テメェが死んでどうする!」


そう言い葵の手を掴んで離れるが、闇はすぐにその正体を現す

巨大な鳥のようでもあるその菱形の怪獣


ベリアル『ベムスターか!』

京太郎『強敵っすか!?』

ベムスター『個体による!』

京太郎『そりゃなにより!』


確実に、強力な敵のはずだ


京太郎「……!」

葵「怪獣になってしまった……もう、これじゃぁっ!」

京太郎「トシさん、予想してたのかこれ!」


ベムスターに対してガッツハイパーを放つ

弾丸はベムスターの顔に当たるも、大したダメージもないのかぽりぽりと当たった部分を掻く

舌打ちをする京太郎は、ガッツハイパーを懐にしまった


葵「くそっ!」


奪われた場所と、葵は言っていた

この今の世界にはありふれたことだが、だからこそ―――


葵「逃げよう、これじゃっ」

京太郎「……俺にできることは!」


前に出て、ゼットライザーを取り出す
738 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/11(月) 01:42:11.20 ID:b2gOsdN10


そんな京太郎の背を見て、今度は葵がその手を掴む


葵「豆鉄砲で今更どうしようっての!」

京太郎「だから、俺が……俺達が戦うんだよ」


そう言って腕を振り払う

宇夫方葵はその京太郎の背に、ベリアルの背中を感じ取る

頭を横に振って、しっかりとベムスターを見上げた


葵「……遠くで見てるだけで良かったんだ」

京太郎「……」カチッ


トリガーを押すと、京太郎の真上にゲートが開く


葵「たまに話して、その輪に入れてもらったりして……それだけで良かったのに」

京太郎「だから……」

葵「それを奪われてっ」

京太郎「だから奪い返すんだろうがッ!」


そして、地を蹴って京太郎はゲートへと突入する

739 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/11(月) 01:49:01.64 ID:b2gOsdN10


―――【インナースペース】


現れるアクセスカードを右手で掴んだ

カードを左手のゼットライザーへと差し込むと音声が響く


『キョウタロウ・アクセスグランテッド』

京太郎「レイブラッド星人……」


メダルを弾き、周囲に闇が広げる

落ちてきたメダルを右手で取ると、赤き瞳が輝かせた


京太郎「究極生命体……」


ゼットライザーにメダルを差し込みブレードをスライドさせる


『Alien Rayblood』

京太郎「ベリアァルッ!」


トリガーを引き、叫んだ

740 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/11(月) 02:01:32.77 ID:j9yXfN/E0


現れるベリアルが、その勢いのままベムスターの腹に拳を打ち込み、離れた

凄まじい強風、地上の葵が髪を押さえながらそちらを見る

戦闘の余波がほぼない範囲まで距離を取るベリアルとベムスター


葵「須賀がベリアルっ……熊倉さん知ってたなっ!」


だが、それで色々納得するところもある

彼が功績者な理由も―――キーマンと言われた訳も


葵「……お願い」


頷くと、葵はその戦いをもう少し離れたとこから見守ろうと走る

足手まといになるわけにはいかない

自分のため、ではないだろうけれど……塞たちのために戦っているのだ

741 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/11(月) 02:40:50.52 ID:j9yXfN/E0


倒れたベムスターから離れるベリアル

起き上がったベムスターに、ベリアルは接近して拳を打ち込む

少し怯むも、即座に反撃とばかりに右腕を振るう


ベリアル「グッ!」


振るわれた右腕を、ベリアルが左腕で凌ぐ

すぐに空いている右腕を伸ばして、拳をその腹部に―――


ベリアル『おい止めろ!』

京太郎『へっ!?』


―――突き刺す


京太郎『えっ』

ベリアル『っんのバカが!』


その手ごたえに違和感を感じるがもう遅い

右腕が生温かな感触に包まれている


京太郎『う、腕がくわれたっ!?』

ベリアル『アトラクタースパウト! こいつがベムスターの本当の消化器官だ!』


ベムスターの腹部の口に突き刺さった右腕を引き抜こうとするも、そうもいかない

腕が飲み込まれたそのまま、ベムスターが頭を振るう

ベリアルの肩にそのクチバシが直撃し、火花が散る


京太郎『ぐっ!』

ベリアル『ガッ、おい』


さらにその至近距離で、ベムスターは角から破壊光線を放つ


ベリアル「グアァッ!」

京太郎『くそっ、このままやられっか!』


空いた右腕でエルボーを打つと、ベムスターがわずかに怯む

純粋に耐久力などが高いのだろう

闇の力が強い故なのか、それはわからない


京太郎『だとしても!』
742 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/11(月) 03:06:24.26 ID:j9yXfN/E0


自由な右腕での打撃の連続

ベムスターがクチバシ攻撃をしかけるために頭を後ろに振るう

だが、ベリアルはその頭を右腕でおさえる


京太郎『こいつでぇ!』

ベリアル『えらい気合い入ってんな!』

京太郎『あんなもん目の前でみりゃあ!』


右腕からの電撃攻撃

ベムスターが叫びながら腹の口を緩める

そこから蹴りを打ち込むと同時に腕を引き抜くと、素早く光弾を放ちつつ後ろへと跳ぶ


ベリアル「シャアッ!」

ベムスター「!!?」


だが、ベムスターはそれを腹の口で吸収してしまう


京太郎『チィッこいつ!』

ベリアル『腹の容量には限界があるがな』

京太郎『だったら!』

ベリアル『今のオレたちにそんな力の余裕はねぇよ!』


その言葉に、顔をしかめる京太郎

だがやれることはある

吸収さえされなければ、戦うことはできる


京太郎『根気勝負とか苦手なんっすよね!』

ベリアル『ケンの奴に足止めされたのを思い出すな……』


接近するベリアルが爪撃を放つ

腹での吸収を回避するために、その攻撃場所は腕や頭だ

だが、ベムスターが今度は翼を振るった


ベリアル「ッ!!?」


その強風により、ベリアルの攻撃の手が止まる

さらに強風を生み出すベムスターが、同時に破壊光線を放つ

直撃を受けて、吹き飛ぶベリアル


ベリアル「ガアァッ!」
743 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/11(月) 03:14:20.18 ID:j9yXfN/E0


吹き飛んだベリアルだが、即座に起き上がる

さらにベムスターが破壊光線を放つも、それをバリアでなんとか凌ぐ


京太郎『こいつっ!』


破壊光線を凌ぎ切ると即座に光弾を放つが、ベムスターがやはりそれを吸収する

カラータイマーが点滅をはじめた


ベリアル『チィッ! 』

京太郎『ならもう一度接近戦で!』


牽制に光弾を放つと、ベムスターは腹を突きだす

再び吸収―――と思いきや


ベムスター「!?」

京太郎『当たった!?』


怯み、叫ぶベムスターが、突如腹をおさえる

その口部分が、妙な挙動をしていた

違和感に気づく


京太郎『あれ、口が閉じっぱなし?』

ベリアル『なんだ?』

?『べ、ベリアルっ!』


声が聞こえた


京太郎『臼沢塞!?』

塞『はやくっ、私が押さえてるうちにっ……はやくぅっ!』


紛れもない臼沢塞の声に、京太郎は頷く


ベリアル『ハッ、やるじゃねぇか……いくぜ』

京太郎『……おっす!』
744 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/11(月) 03:31:44.28 ID:j9yXfN/E0


ベリアルが右腕に闇の力を集める

その挙動に気づいたのかベムスターが自らの腹を叩くがなにも起きない

そのまま、ベリアルは腕をクロスさせた


ベリアル・京太郎『デスシウム光線!』


放たれた一撃、それは真っ直ぐにベムスターの腹に直撃

口が開くこともなくそのまま―――爆散


京太郎『ヤキトリだな』ニッ


右腕を振るって首を鳴らす

爆煙の中、光が地上へと落ちていくのを確認すると、ベリアルは空へと飛び去った


それを見ていた宇夫方葵が、走り出す

745 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/11(月) 03:44:20.47 ID:j9yXfN/E0


地上に降り立った京太郎は、すぐに塞へと駆け寄る

クレーターのようになっている中心に塞は倒れており、メダルもあった

すぐにメダルを拾うと、膝をついて塞の上体を起こす


京太郎『大丈夫そうっすね』

ベリアル『大した奴だったな、この女』

京太郎『ベリアルさんが褒めるなんて、ほんと大したもんですね』


葵「須賀! 臼沢さん!」

京太郎「宇夫方さん」


駆け寄ってくる葵が、塞の傍で膝をつく

意識はもちろんない

それでもホッとしたような表情を見せる葵


京太郎「背負うんで、帰りましょうか」

葵「あ、うん! 精密検査と事後処理班お願いするね!」


そういうとすぐに腕に着いた端末の操作を始める

塞を腕に抱えて立ち上がる京太郎

二人で車の方へと向かっていく


葵「ふぅ」

京太郎「通信終わりましたか」

葵「うん……ああ、それと一つ」

京太郎「はい?」

葵「小瀬川さん助けた時にその抱え方したらもぐから」

京太郎「こっわ……てかラブじゃん」

葵「ライクだよ! 誰がレズだ!」

京太郎「そこまで言ってねぇ……」

746 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/11(月) 04:08:02.92 ID:dSe4j3eh0


―――【特異課岩手基地:作戦室】


帰ってきた京太郎と葵は座っている

熊倉トシももちろんいた

臼沢塞は精密検査


京太郎「てかわかってて俺と宇夫方さんいかせましたね」

葵「なんで須賀がベリアルなのさ」

京太郎「俺とベリアルさんは色々あったの……」

葵「別人なの?」

京太郎「憑依ってかそんな感じ」

葵「へぇ〜」


不思議そうに頷く葵

数分で説明できるようなものでもないと、京太郎は説明を省く

そこにそれほど興味があるわけではないのか葵はなにも言わない


京太郎「ていうかあの感じ絶対バレざるをえなかったじゃないですか、どうして」

トシ「風水的にその方がイイって」

葵「うわ雑にスピリチュアル」

トシ「あと葵に男も悪くないよってことを教えようと」

葵「余計なお世話だよ!」

京太郎「……」

トシ「……」

葵「女好きじゃねぇから!」

京トシ「おー」

葵「感心すんな!」

747 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/11(月) 04:36:58.95 ID:F8Zq58xt0


◆安価!

1、松実宥
2、高鴨穏乃
3、福路美穂子
4、瑞原はやり
5、東横桃子
6、竹井久
7、辻垣内智葉
8、ネリー・ヴィルサラーゼ
9、雀明華
10、清水谷竜華
11、江口セーラ
12、愛宕洋榎
13、宇夫方葵

◇安価は次回!

748 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/11(月) 04:41:00.98 ID:F8Zq58xt0

ここまでー

ちょくちょく寝落ちしてしまったー
次回は安価してから次回予告して、もしかしたらちょっとやる

ってことでまた明日ー
749 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/11(月) 14:55:26.52 ID:CaazL9Z90

宇夫方さんはやっぱそのイジられ方なのかw
750 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/11(月) 22:31:11.65 ID:Ue+h61JQ0
遅くなったけどやってくよーん
安価からやー
751 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/11(月) 22:35:33.27 ID:Ue+h61JQ0

◆安価!

1、松実宥
2、高鴨穏乃
3、福路美穂子
4、瑞原はやり
5、東横桃子
6、竹井久
7、辻垣内智葉
8、ネリー・ヴィルサラーゼ
9、雀明華
10、清水谷竜華
11、江口セーラ
12、愛宕洋榎
13、宇夫方葵

◇10分間で1↓から〜 コンマが一番高い選択肢
752 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/11(月) 22:37:11.02 ID:Lg6Um4Y+0
1
753 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/11(月) 22:39:35.42 ID:xr5yBn/h0
7
754 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/11(月) 22:56:08.19 ID:Ue+h61JQ0
7、辻垣内智葉



―――【特異課岩手基地:屋上】


星々が空に輝く

街の明かりは都会ではないためか少なく、星が良く見える

ベンチに座り、缶コーヒーを飲む


京太郎「んぁ、電話……」


ケータイを出して、名前を見ると通話ボタンを押す


京太郎「もしもし、どうしたんっすか智葉さん」

智葉『あ、その、久しぶりだな……』

京太郎「そうっすね」フッ

智葉『その、何も言わずに行ったから……嫌になったのかと』

京太郎「そんなことないっすよ。なにかあればすぐに跳んでいきますし」

智葉『……知ってる』フッ


ケータイの向こうから聞こえてくる智葉の笑う声に、京太郎も口元を綻ばす


京太郎「そっちは大丈夫っすか? 怪獣とか」

智葉『ああ、そっちは今のところどうにかなってる。今日はメグも取り戻せたし』

京太郎「メガンダヴァンさんが……」

智葉『もしも怪獣が出たら、助けに来てくれるか?』

京太郎「もちろんっすよ」フッ
755 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/11(月) 23:14:11.39 ID:Ue+h61JQ0


空を見上げる

思い出すのは助けてきた雀士たち

そして、仲間として戦ってきた者達


京太郎「俺は、自分の守りたいものだけを守るんっすから」

智葉『……そ、そうかっ』

京太郎「?」


どこか上ずったような智葉の声に京太郎は小首をかしげる


京太郎「なにはともあれまた行くこともあるでしょうし、連絡頼みます」

智葉『ああ、それと……帰ってくるならすぐに連絡しろ』

京太郎「はい」フッ

智葉『私が一番に迎えに行くから……』


そんな言葉に、京太郎はフッと笑みを浮かべた

そこまでしっかり仲間として認識してくれていたのかと、京太郎も胸の奥が熱くなる感覚を覚える

仲間―――夏の時とは違う、隣で戦うことのできる……


智葉『その』

京太郎「はい」

智葉『わ、私も早く……お前に会いたいっ』

京太郎「へ?」

智葉『そ、それじゃあおやすみ!』


プツッ


京太郎「き、切れた……にしても、一体?」


なんだか、妙な感覚だった

やけに熱のこもった声音で、京太郎は理解できずに小首をかしげる

ともかくだ、今度東京に行ったときには彼女となにかありそうだと、妙な予感を感じていた

756 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/11(月) 23:23:25.05 ID:Ue+h61JQ0


智葉との電話が終わったあと、基地の廊下を歩く京太郎

トシを探して右往左往していると、ふと見つける

彼女も京太郎を探していたようで片手をあげて近づいてきた


京太郎「そういえばトシさん、俺の部屋って」

トシ「うちを使いな」

京太郎「へ?」

トシ「あたしの家、部屋はあるしね……行くよ」

京太郎「う、うっす!」

トシ「にしても免許持ってないの?」

京太郎「まだ15歳っすよ」


そう口にしつつ、顔をしかめる京太郎


トシ「……そんななりして?」

京太郎「う゛っ!」

757 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/11(月) 23:26:07.98 ID:Ue+h61JQ0


◆まさかのもう一回!

1、松実宥
2、高鴨穏乃
3、福路美穂子
4、瑞原はやり
5、東横桃子
6、竹井久
×、辻垣内智葉
8、ネリー・ヴィルサラーゼ
9、雀明華
10、清水谷竜華
11、江口セーラ
12、愛宕洋榎
13、宇夫方葵

◇10分間で1↓から〜 コンマが一番高い選択肢

758 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/11(月) 23:29:29.26 ID:MzqVrg7J0
12
759 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/11(月) 23:32:57.88 ID:Lg6Um4Y+0
今度こそ1
760 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/11(月) 23:55:45.88 ID:aUouUeea0
1、松実宥


―――【熊倉家】


トシに連れられて、基地から車で3分ほどのトシの家へとやってきた京太郎

晩御飯を食べた後に、与えられた和室へと入る

布団で横になろうした直前―――ケータイが鳴った


京太郎「ん、今度は……宥さんか」

ピッ

宥『あ、もしもし……?』

京太郎「久しぶりです」フッ

宥『うんっ、久しぶりぃ』エヘヘ


ケータイの向こうから聞こえる久しい声

松実玄が見つかったという話は未だに聞かない


京太郎「……またそっちに行きますね」

宥『うんっ、帰る時も忙しなかったし』


確かに、しっかりとあいさつもできていない


宥『お父さんも心配してたよ?』

京太郎「えーあーまぁ、ありがとうございます……?」

宥『えへへ、また松実館、きてね?』

京太郎「うっす」フッ

京太郎(でも宥さんのお父さん、誤解してるのか外堀埋めにかかってくるんだよなぁ)

761 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/12(火) 00:13:07.13 ID:lsoOa9wt0



宥『それに赤土先生たちも、灼ちゃんも京太郎くんに会いたいって』

京太郎「鷺森さんが?」

宥『うんっ』


どういうことだろう

なにか気になることでもあっただろうか?


京太郎「……俺、なんかしました?」

宥『ううん、やっぱり私たちのために頑張ってくれたから』エヘヘ

京太郎「自分のためっすよ?」

宥『私たちのこと、自分のためだと思ってくれてるんだ』フフッ

京太郎「うっ、そういう……」

宥『京太郎くんのそういうところ、好き、だよ?』

京太郎(うわぁぁぁっ! 好きにされるぅぅぅ!)

宥『だからまた、ね?』

京太郎「はい!」キリッ

宥『それじゃあ、またね……おやすみぃ』

京太郎「おやすみなさい」フッ

プツッ

京太郎「……ふぅ、好きになるとこだったぜ」

ベリアル『お前のことだから胸だけだろ』

京太郎「失敬な!」

762 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/12(火) 00:28:16.56 ID:lsoOa9wt0


―――???


夢の中、そんなことはすぐに理解できた

妙な浮遊感、京太郎はただそこにいた


京太郎「ベリアルさん?」


青いウルトラマンと戦うベリアルの姿がいくつも映る

さらに、ベリアルに似た別のウルトラマンの姿も見えた

歩くベリアル、その背後に並ぶ宇宙人たち


京太郎「……ダークネスファイブ?」


それに、人型の宇宙人もそこにいた


京太郎「あれもまた……ベリアルさんの?」


二本の角を持ったウルトラマン、その横には女性のようなウルトラマン

再び、ベリアルに似たウルトラマン

それにベリアルに似た怪獣


京太郎「っ」


焦燥感、憧憬、様々な感情が流れ込んでくる


京太郎「なんだ、この感じ、どこか……俺と……?」
763 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/12(火) 00:38:58.62 ID:lsoOa9wt0


    第17話【星】 END

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