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【咲-saki-】京太郎「ウルトラマンの力」咲「光よ!」
- 588 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/02(土) 23:36:45.93 ID:1lswkanY0
-
明華「えっと、呪術っていうと……呪い、ですよね?」
栞「色々と暗躍してたみたいなんだけど、見て欲しいのは……」
映っていた魔頭鬼十郎本人の絵から、別の絵へと変わる
天使のような絵、黒い人型の絵、色々な絵が描かれていた
アレク「それにこれ……今回の事件についても触れてる」
ネリー「えっ!? 太平風土記みたいな!?」
アレク「まぁそれに近いんだろう……もっと邪悪なもののように見えるが」
栞「魔頭さんは呪術を使って数々の戦国武将さんたちを暗殺していったみたいなんですけど……」
掌に眼がついたような絵
栞「……最後は、一人の剣士に追いつめられて自害したって」
京太郎「自害ですか」フム
栞「でも魔頭さんは最後に、色々と布石を打ってたらしくて」
智葉「っ……メダルを使ってでも、世界をものにすると?」
アレク「ん、その通りだが……どうして?」
智葉「邪な者の考えそうなことです」
京太郎「……」
栞「そして魔頭さんの真の姿が、これなんだとか」
映るのは―――巨大な眼の化け物
京太郎「これは……」
ベリアル『ガンQ……』
- 589 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/02(土) 23:39:41.67 ID:1lswkanY0
-
第14話【呪いの微笑】
- 590 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/02(土) 23:43:12.79 ID:1lswkanY0
-
◆安価!
1、松実宥
2、高鴨穏乃
3、福路美穂子
4、瑞原はやり
5、東横桃子
6、竹井久
7、辻垣内智葉
8、ネリー・ヴィルサラーゼ
9、雀明華
◇5分間で1↓から〜 コンマが一番高い選択肢
- 591 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/02(土) 23:45:01.50 ID:4Qz2NhhB0
- 9
- 592 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/03(日) 00:07:13.19 ID:M4GeDWCM0
- 9、雀明華
―――【江東区】
壁に背を預けている京太郎
少しばかりの肌寒さ、京太郎はコンビニで買ったホットコーヒーを飲む
その隣にやってくるのは、同じくホットコーヒーを持っている少女
京太郎「ん」
明華「お待たせしました」
京太郎「いえ、別にいまいち……5キロ圏内までは絞れたっぽいですけど」
明華「中途半端な予言ですね」
そう言いながら、両手でコーヒーのカップを持って飲む明華
京太郎「……」
明華「どうしました京太郎くん?」
京太郎「ああ、いえ」
京太郎(数ヶ月前じゃ考えられなかったなこんなの……)
雀士としても中途半端だった自分
まさかこんな事態になって、こんな状況になるなんて想像もしていなかった
明華「それにしても京太郎くんは凄いですね」
京太郎「?」
明華「人々を守るために、見も知らぬ人々を助けるために、戦ってるんですよね」
京太郎「そんな上等なもんじゃないっすよ」フッ
明華「……え?」
京太郎「俺は顔も知らない人らを助けるタイプじゃないんで」
遠くを見る京太郎に、明華は少しばかり首をかしげる
京太郎「顔を知ってる仲間や、知り合いだけですよ助けたいのは……最初ここに来たのはただ和追って来ただけですし」
明華「……でも、今は違う?」
京太郎「智葉さんとかネリーとか監督さんとか、栞さんも……」
明華「優しいんですね」クスッ
京太郎「え?」
明華「それで守る対象になるんですから、優しいんですよ」
京太郎「……そういうもんっすかね」
明華「そうですよ、私はそう思ってます」フフッ
- 593 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/03(日) 00:19:32.16 ID:Eiv6Vr0m0
-
気恥ずかしそうに、後頭部を掻く京太郎
笑う明華が歩き出すのでその後ろをついていく
京太郎「にしても、なんでついてきたんですか」
明華「私だって麻雀できますから」フフン
京太郎「麻雀だけだとは限りませんよ? 最近は特に」
麻雀を介する力、それを溜めてメダルから怪獣を生み出す
最近は、こちらが後手に出ているせいか力が十分に溜まっている場合が多い
怪獣の出現が増えてきた……
京太郎「……危ないんっすからね」
明華「ふふっ、私も守ってくれます?」
京太郎「もちろんっすよ」
そう言って笑う京太郎に、明華は嬉しそうに笑みで返す
京太郎(ぐおぉぉ! 俺は俺に優しい巨乳のおしとやか系女子に弱い!)
ベリアル『おい』
京太郎『あーベリアルさんご察ししてます!?』
ベリアル『大体わかるようになってきた』
京太郎『さーせん!』
ピピピピ
明華「ん、通信ですか?」
京太郎「あ……栞さんから」
- 594 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/03(日) 00:33:16.74 ID:aS5+THyG0
-
腕時計のような端末を開く
そこに映るのは―――
京太郎『おっぱい』
ベリアル『オレに聞こえるように言うんじゃねぇ』
栞『あれ、あってる? ああ、京太郎君!』
京太郎「どうもっす」キリッ
明華「?」
しっかりと宇野沢栞の顔が映る
栞『京太郎くんたちの近くに妙なエネルギー反応があって……』
京太郎「妙なエネルギー反応って……」
明華「例の、魔頭鬼十郎関係、でしょうか?」
京太郎「さぁ……魔頭鬼十郎、怪獣メダルを使ってでも蘇って世界征服をしようとする輩、か」
栞『気を付けてね。一応他のみんなにも連絡するから』
京太郎「了解です」
明華「……行きますか?」
京太郎「ええ、とりあえず先に向かってから、近くで待って合流しましょう」
明華「はい!」コクリ
- 595 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/03(日) 00:57:25.42 ID:aS5+THyG0
-
反応があったという場所―――から数メートル離れた場所
広い陸橋の上にいる京太郎と明華
目的地、というより反応があった場所を見下ろせる陸橋の上
京太郎「……どう思います?」
明華「え、うーん……特に変な感じはしないと思うんですが」
京太郎「同意です、だから気になるんっすよ」
眼を細める京太郎、その赤い瞳が輝く
明華(むしろ、こちらの方が妙な風を感じる……)
京太郎「……」
明華(いえいえ、京太郎くんになにを考えてるんですかっ)フリフリ
頭を振る明華の方を向く京太郎
京太郎「どうかしました?」
明華「ああいえ……ネリーちゃんたちは?」
京太郎「まだみたいっすけど―――だぁッ!!」
明華「ふぇっ!?」
京太郎が、明華を抱くと大きく跳んで転がる
明華を抱えたまま地面を転がり、起き上がると同時に即座に明華を片手に右手でガッツハイパーを構えた
状況を理解できずに、眼を点にしている明華
京太郎「罠ってわけか!」
明華「え……っ!」
バッとそちらを見る明華の視界の先
ピンク色の髪をなびかす少女……
明華「原村、和……」
京太郎「またお前かよ……」
和「こちらの台詞ですが」
そう言う原村和の体を使うナニカの真上に現れ、浮遊する人影……
京太郎「ッ!」
明華「あれは、あの人は確か……」
京太郎「国広一ッ!!」
- 596 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/03(日) 01:31:18.72 ID:w4sjys6T0
-
浮遊する国広一は笑顔を浮かべたまま、右腕を向ける
京太郎が立ち上がると明華を後ろにガッツハイパーを国広一へと向けた
向けられた一の右掌に描かれている目玉の絵
京太郎「っ……」
和「魔頭鬼十郎、頼みます」
一「……銭の思念ごときが私に指示するな」
和「それは失礼、しかし力はかしてもらいますよ……須賀京太郎を潰します」
その言葉と共に、殺気が京太郎を貫く
顔をしかめつつトリガーを引くと、その弾丸は国広一の前で止まる
結界のようななにかに止められて弾丸が落ちる
京太郎「っ!」
一「破ァ!」
放たれる紫色の弾
避ける余裕もなく、京太郎は手を前にクロスさせて受け止める
吹き飛ぶ京太郎が背中から地面にぶつかった
京太郎「ぐっ!」
ベリアル『なんで避けねぇ!』
京太郎『明華さんに当たるコースだった!』
ベリアル『ハッ、立てんだろうな?』
京太郎「もちろんですよっ……こんなところでっ」
明華「京太郎くんっ」
起き上がる京太郎をささえる明華
妙に違和感のある両腕に顔をしかめる京太郎は、まだマシな左腕でガッツハイパーを持つ
視線の先には和と一……いや、その中には根源的破滅招来体と魔頭鬼十郎だ
京太郎「テメェ、らっ……!」
和「……」
一「良い魔力を感じる。それ手に入れて我がガンQは完璧になる!」
京太郎「人を素材みたいに言いやがって……!」
- 597 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/03(日) 01:46:09.79 ID:w4sjys6T0
-
さらに、一の手に魔力が集まる
紫色の弾が京太郎へと放たれた
京太郎「ッ!」
明華「京太郎くんっ!」バッ
京太郎「明華ッ!?」
前に出て両手を広げる明華
京太郎が顔をしかめてゼットライザーを取り出そうとしたその瞬間―――
「ハァッ!」
紫色の魔力の弾丸が、目の前で斬り裂かれた
呆気にとられている明華
京太郎は安堵に息を吐く
明華「……さ、智葉ちゃんっ」
ガクリと、膝をついて息をつく明華
京太郎は笑みを浮かべながら立ち上がる
智葉は手に持った刀を納刀して、敵を見据えた
一「……貴様、錦田小十郎景竜!」
智葉「の、刀を持っているだけだ……魔頭鬼十郎!」
京太郎「なんなんっすか一体」ハァ
智葉「魔頭鬼十郎を討つならばおあつらい向きということだ」フッ
京太郎「……そりゃなによりっす」
一「消し去れぇ!」
和「私はこれで、ですね」
黒いゲートに消える和
京太郎が追おうとするが、魔頭鬼十郎こと国広一の上空に現れる影
それは―――
智葉「眼、だと?」
- 598 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/03(日) 01:54:10.23 ID:w4sjys6T0
-
離れた場所で、ネリーとアレクサンドラが立っていた
本来目的地である場所、だが離れた陸橋の上……
アレク「なんであそこで起こってんのよ!」
ネリー「わかんないよ!」
二人が陸橋の方に視線を向ける
突如、黒き光
アレク「えーっと、なにあれ?」
ネリー「眼ェ!?」
アレク「眼……魔頭鬼十郎!?」
- 599 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/03(日) 02:10:10.91 ID:mSL/+yGe0
-
現れるのは巨大な眼の魔物
国広一に憑りついた魔頭鬼十郎―――ガンQ
現れた不条理の魔物が体を揺らす
ガンQ「―――!」
京太郎「……」
独特の鳴き声をあげるガンQ
京太郎「撤退しますよ!」
智葉「チッ!」
明華「は、はい!」
智葉と明華を逃がす京太郎は、ガンQにガッツハイパーを放つ
放たれた弾丸はガンQをすり抜けていく
ガンQ「―――!」
鳴き声と共に放たれた光弾が、京太郎と智葉、明華の間を寸断する
巻き上がる砂煙、智葉たちの声が聞こえるので無事なのだろうと頷く
スーツの内側からゼットライザーを取り出した
京太郎「ベリアルさん、あいつは……」
ベリアル『魔頭鬼十郎、だったか? おそらくガンQのメダルを触媒に蘇ったんだろうよ』
京太郎「ちょっとわかりませんね」
ベリアル『だろぉな……まぁ良い、やるんだろ?』
京太郎「はい!」
そして、トリガーを引く
真上に開かれたゲートが落ちて京太郎をインナースペースに転送する
- 600 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/03(日) 02:16:03.13 ID:mSL/+yGe0
-
インナースペースに、京太郎は立って頷く
右手にカードを持ち左手のゼットライザーへと差し込む
『キョウタロウ・アクセスグランテッド』
京太郎「レイブラッド星人……!」
メダルを弾くと、周囲に闇が広がる
落ちるメダルを右手で取ると、赤い瞳が輝く
京太郎「究極生命体……」
ゼットライザーにメダルを差し込むと、ブレードをスライドさせる
『Alien Rayblood』
京太郎「ベリアルゥッ!」
トリガーを引き、叫ぶ
- 601 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/03(日) 02:21:04.89 ID:mSL/+yGe0
-
漆黒の光と共に現れる巨人
闇の巨人―――ベリアル
ベリアル「……!」
ガンQ「!!!」
巨大なその背中を見る智葉と明華の二人
駆けていく明華の後ろを追う智葉の足が、止まる
智葉「……京太郎」
つぶやいてから、明華を追って行く
体を震わすガンQの正面、ベリアルが構えをとった
魔頭鬼十郎「闇の巨人……よいではないか、私と共に」
京太郎『寝言は寝て良いなァ!』
ベリアル『気に入らねぇ……テメェは殺す!』
魔頭鬼十郎「ならば、死ねェ!」
ガンQが魔弾を放った
- 602 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/03(日) 02:24:59.36 ID:mSL/+yGe0
-
おっし今回はここまでー!
ガンQ戦ってことで、魔頭鬼十郎周りの話をぼんやり
唐突な龍門渕組登場
ちなみに今回が終わったら新しく場所移動ー
そんじゃまたー
- 603 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/03(日) 02:56:18.91 ID:JDm+/+tU0
- 乙
てか錦田小十郎景竜を調べたらちゃんと魔頭鬼十朗と関係あるのか
次は岩手か北海道狙ってみたいな
- 604 : ◆dBIP2XuQhg [sage]:2021/10/03(日) 16:24:42.39 ID:xBbFn0K+0
- ちなみに今夜やりますー
- 605 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/03(日) 22:00:23.03 ID:0IIV0zRe0
- 待ってます
- 606 : ◆dBIP2XuQhg [sage]:2021/10/03(日) 22:42:32.57 ID:6pdBsuWp0
- おっしやってく所存ー
- 607 : ◆dBIP2XuQhg [sage]:2021/10/03(日) 22:56:28.63 ID:6pdBsuWp0
-
ガンQから放たれた魔弾を、爪で斬り裂くベリアル
肩を回し、首を鳴らしながらガンQへと歩いていく
京太郎『ベリアルさん、こいつ知ってるんですよね?』
ベリアル『ガンQってもひとくくりにできねぇよ。魔頭鬼十郎のガンQはそれこそ不条理の怪獣だとか聞いたことある』
さらにガンQが放つ魔弾を、弾き、斬り裂く
京太郎『不条理ってどういう?』
ベリアル『かつての下僕のその下僕にガンQがいたがな……おそらくこいつとはまた違う』
京太郎『なら、こいつはまた別の怪獣ってことで良いっすか!』
ベリアル『ああ、問題ねぇ……いくぞ!』
歩いていたベリアルが、強く踏み込み―――跳ぶ
一気に距離をつめるようにガンQへと跳ぶベリアルは、そのままクローを振るう
京太郎『もらったァ!』
ベリアル「ジャアァッ!」
振るわれたクローが斬撃を放つ―――だが
ベリアル「!?」
智葉「バカな!」
明華「すり抜けた!?」
ベリアルの斬撃も体もすり抜けて、ガンQの背後に着地する
振り返るベリアルに対してガンQも振り返った
そしてガンQの全身についた眼が輝くと、ベリアルは見えない攻撃を受けて吹き飛ぶ
ベリアル「ガアァッ!」
ビルを破壊して倒れるベリアル
京太郎『なんっ、だと……!』
ベリアル『これが、魔頭鬼十郎のガンQかっ!』
- 608 : ◆dBIP2XuQhg [sage]:2021/10/03(日) 23:06:17.70 ID:6pdBsuWp0
-
立ち上がったベリアルに、ガンQが魔弾を放つ
バリアを張るベリアルがその魔弾を弾き返す
京太郎『テメェの攻撃ならどうだッ!』
弾き返された魔弾は―――再びガンQをすり抜けた
ベリアル『チッ、これでもダメか!』
ガンQがさらに魔弾を乱射する
数発を弾くも、全てを弾けず直撃を受けて怯む
ベリアル「グァッ!」
京太郎『こ、いつっ……!』
倒れたベリアル、京太郎は顔をしかめる
さらに、ガンQの全身の眼が輝く
京太郎『ウアァッ!!』
その一方的な攻撃、ダメージに胸のカラータイマーが点滅を始めた
- 609 : ◆dBIP2XuQhg [sage]:2021/10/03(日) 23:25:55.57 ID:J0DMloBD0
-
そこから離れた場所で、智葉が歯ぎしりをする
蘇った魔頭鬼十郎とガンQ
激しい攻撃でベリアルを追いつめている
ネリー「一方的じゃん!」
アレク「京太郎は!」
明華「わ、わかりません……爆発に巻き込まれてっ」
涙目の明華の肩を掴んで、頭を振る智葉
智葉「あいつは大丈夫だ……」フッ
明華「ほんとですかぁ?」ウルウル
智葉「……たぶん」
明華「ふぇっ」
智葉(私も、私も力になれれば……!)
刀を握りしめる
??(ほう、物の怪か……)
智葉「え、なにか……いや、男の声」
ネリー「へ、どしたの?」
智葉「え、あ、いや……」
??(あの大きさになると拙者の手にはおえんな)
智葉「っ……!」ダッ
ネリー「へ、智葉!?」
走る智葉はアレクサンドラたちから離れる
頭の中に声が聞こえていた
??(あちらの人の形をした巨人も十分に邪な気配を感じるが……)
智葉「あっちは、私の友達だ……!」
??(ほう女子、あの巨大な魔頭鬼十郎をどうするつもりだ? 宿儺鬼しかり、拙者はあの寸法では)
智葉「魔頭鬼十郎さえ、ダメージさえ追わせられればいいんだ……錦田小十郎景竜!」
錦田小十郎景竜(そういうことであれば拙者に一案)
- 610 : ◆dBIP2XuQhg [sage]:2021/10/03(日) 23:39:00.14 ID:J0DMloBD0
-
ベリアルが、バリアを使って魔弾を凌ぐ
バリアを解くと、ガンQの眼が輝く
京太郎『こっちなら!』
ベリアル『もう少しだ!』
京太郎『おっす!』
力強く、地を蹴り横に跳ぶ
元いた場所に爆発が起きるが、ベリアルはダメージを受けずに回避した
だが、着地したベリアルが放つ光弾はガンQをすり抜ける
京太郎『このままじゃぁっ!』
ベリアル『焦んじゃねえよ、あっちも決め手に欠けてやがる』
京太郎『でも……!』
魔頭鬼十郎「ええい、小賢しい……!」
ガンQが体を震わせてさらなる魔弾を放とうとする
その瞬間―――
智葉「魔頭鬼十郎ぉ!」
京太郎『智葉っ!?』
叫ぶ辻垣内智葉の方を、ガンQが向く
その中の魔頭鬼十郎もだ
魔頭鬼十郎「錦田小十郎景竜の血統の者めぇ……忌々しい!」
智葉「やらせるか……京太郎をぉ!」
刀を抜いて、右手で逆手に持つ
ガンQが瞳に魔翌力を溜めているが、智葉は即座に刀を―――投擲した
魔頭鬼十郎「ん!?」
- 611 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/03(日) 23:48:03.14 ID:J0DMloBD0
-
なにかの力が宿っているかのように、真っ直ぐに飛ぶ刀
それは真っ直ぐに、ガンQに―――突き刺さる
魔頭鬼十郎「ぬおぉ!!?」
今までダメージが一切通らなかったガンQが、苦しむ
刀が刺さった部分から紫色の液体を撒き散らす
ガンQ「!!?」
京太郎『あれは……!』
ベリアル『いくぞ小僧ォ!』
京太郎『はい!』
ガンQへと接近したベリアルが、腕を振るう
放たれる斬撃は、ガンQを怯ませる
京太郎『当たる!』
さらに爪撃、蹴り
魔頭鬼十郎「ぬおぉ!? おのれ再びぃ!」
京太郎『いきますよォ!』
ベリアル「シャアッ!」
次々と放たれる攻撃にガンQの巨大な目玉はへこみ、体中から液体を撒き散らしていく
- 612 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/04(月) 00:03:16.06 ID:BEAUJ56J0
-
バックステップでガンQから距離を取る
魔頭鬼十郎「貴様ァ!」
ガンQが鳴き声を上げながら揺れる
魔力を集めているようだが、もう遅い
ベリアルの右手に赤い稲妻
ベリアル・京太郎『デスシウム光線!』
放たれる必殺光線
魔頭鬼十郎「いずれ! 私はいずれぇ!」
ベリアル『いずれなんて来ねぇよ!』
京太郎『消え去れェ!』
デスシウム光線を受けたガンQが、爆散する
破片が周囲へと撒き散らされるも、すぐに塵と消えていく
右手を振るい首を鳴らすベリアルが、視線を智葉の方へと向ける
智葉「……!」ニッ
ベリアル「……」
何も言わずになにもせず、ベリアルは視線を上空へと向けると空へと去って行く
- 613 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/04(月) 00:20:19.43 ID:d7G4HbFy0
-
立っている智葉
そこにやってくるのはネリー、明華、アレクサンドラの三人
笑みを浮かべて頷く智葉
智葉「……終わった」フッ
ネリー「まだでしょ」
明華「ええ、魔頭鬼十郎を倒してもまだ……私たちは」
その通り、この事件の根本は魔頭鬼十郎ではない
頷いた智葉が思い出すのは、原村和とテンペラー星人
アレク「ところで、京太郎は?」
智葉「京太郎なら……」
「おーい!」
智葉「帰ってきた……」
明華「京太郎くんっ……」
歩いてくる京太郎
その手に刀を持って、近づいてくる
スーツ姿、サングラス―――からの刀
アレク「ジャパニーズヤクザ」
ネリー「智葉の家の人?」
智葉「!!?」
明華「……おかえりなさい」ホッ
ネリー「明華の家の人だったらしいよ」
明華「ふぇっ!?」カァッ
ネリー「いや、そういうことじゃないから」
- 614 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/04(月) 00:34:50.89 ID:d7G4HbFy0
-
―――【特異課東京基地:休憩所】
座ってコーヒーを飲んでいる京太郎
なんだか妙な日だった
智葉には助けられたものの、京太郎の手にメダルはない
京太郎「テンペラー星人か和に回収されたか……?」
ベリアル『だろうな、ガンQメダルは喉から手が出るほどほしいだろ』
京太郎「……そうなんっすか?」
ベリアル『まぁな』
静かに、京太郎は息をつく
すると突如、通信が入った
手首の端末を開くとそこにはトシ
京太郎「いつの間にどっか行ったんですか」
トシ『こっちは色々忙しいの……いや“こっちも”か』
京太郎「……お互いさまです」
苦笑する京太郎
トシ『フッ、それと……新しい情報だ』
京太郎「なんの?」
トシ『……原村和じゃない』
京太郎「そっすかぁ」
トシ『宮永咲の』
京太郎「!」
- 615 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/04(月) 00:50:00.38 ID:d7G4HbFy0
-
―――【特異課東京基地:屋上】
難しい顔をしつつ屋上への扉を開ける京太郎
目の前には―――
京太郎「……誰だ」
ベリアル『あぁ? 嫌な感じだな』
京太郎「……」
―――須賀京太郎が、いた
京太郎「ハッ、なんだよその顔」
二人の須賀京太郎が向きあっている
京太郎は即座にガッツハイパーを抜くが、相手こと京太郎は何をするでもなく笑っていた
迷いなくトリガーを引く
京太郎?「おっと危ねぇ」
軽く体をかたむけて回避する京太郎(?)
京太郎?「ちょっと顔見せにきただけだよ」
京太郎「なに?」
京太郎?「じゃあな、俺はあいつの方に行く―――咲の方にな」
京太郎「お前は一体なんだ!」
京太郎?「わかってるんだろ?」
笑みを浮かべる京太郎(?)
京太郎「俺はお前だよ須賀京太郎!」
- 616 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/04(月) 01:04:44.33 ID:jdjI7KP10
-
―――翌朝【特異課東京基地:作戦室】
京太郎「それじゃ出ます」
アレク「え、なんでまた?」
京太郎「ちょっと次の目的地が決定したんで」
そう言うと財布とケータイをポケットにあるのを確認する
頷いた京太郎が、アレクサンドラの方を見て笑う
アレク「……また戻ってくるの?」
京太郎「まぁ別れの挨拶も済まさず行くつもりですからね」
アレク「……そうか、みんなには話しとくよ」
京太郎「お願いします」フッ
アレク「なにかあったの?」
サングラスをかけた京太郎は、静かに息をつく
その奥の瞳は僅かに歪む
京太郎「……いえ、俺の問題ですから」
アレク「……京太郎」
京太郎「?」
アレク「お前の問題はきっと、私たちの問題でもあるからね」
京太郎「……うっす」ニッ
アレク「行ってらっしゃい」
- 617 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/04(月) 01:16:54.91 ID:jdjI7KP10
-
基地を出る正面玄関から出る京太郎
朝日が照らす道、しかし京太郎の視界は暗い
きっとサングラスだけのせいではない
京太郎「ん……風?」
揺れる日傘、隣に立つ少女
京太郎「明華さん……」
明華「行ってしまうんですか、挨拶もなしで」ムゥ
京太郎「すいません、名残惜しくなるんで」
明華「それは嬉しいことを聞きました」フフッ
そんな少女の笑みに、京太郎は顔をしかめる
涼しく心地の良い10月の空気、風は京太郎の背を押す
明華「しっかり帰ってきてくださいね」
京太郎「……はい」フッ
明華「それでは……行ってらっしゃい」フフッ
京太郎「行ってきます」ニッ
- 618 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/04(月) 01:19:47.04 ID:jdjI7KP10
-
第14話【呪いの微笑】 END
- 619 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/04(月) 01:24:18.68 ID:jdjI7KP10
-
◆どこへ向かう!
1、奈良(阿知賀・晩成)
×、東京(臨海)
3、大阪(千里山→姫松)
4、大阪(姫松→千里山)
5、岩手(宮守)
6、東京(アナ・プロ)
7、東京(白糸台)
8、北海道(有珠山)
9、長野(鶴賀・風越)
◇
- 620 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/04(月) 01:28:15.49 ID:jdjI7KP10
- (いや、人いるかわからんけどやっちゃうか
◆どこへ向かう!
1、奈良(阿知賀・晩成)
×、東京(臨海)
3、大阪(千里山→姫松)
4、大阪(姫松→千里山)
5、岩手(宮守)
6、東京(アナ・プロ)
7、東京(白糸台)
8、北海道(有珠山)
9、長野(鶴賀・風越)
◇10分間で1↓から〜 コンマが一番高い選択肢
- 621 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/04(月) 01:32:46.60 ID:JDgnsiTD0
- 3!
- 622 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/04(月) 02:00:42.06 ID:jdjI7KP10
- 3、大阪(千里山→姫松)
―――次回予告
京太郎:なぜに銭湯?
竜華:水きったな!
京太郎:くっさぁぁぁ!?
セーラ:なんじゃこりゃぁぁぁっ!!
京太郎:あれも魔王獣っすか!?
セーラ:上流からおいださんかい!
洋榎:出番か!
京太郎:愛宕のおっぱいない方!
次回【水ノ魔王獣】
京太郎:お借りしても?
洋榎:むしろお借りしたいんやけど
- 623 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/04(月) 02:03:10.55 ID:jdjI7KP10
-
今回はここまでー
なんか最後の方テンポ悪くなってしもうたー
まぁ気を取り直して大阪編
色々と出てくる出すぎるー
そんじゃまた明日ってか今夜ー
- 624 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/04(月) 02:06:43.91 ID:Ueav3ViA0
- 乙やで〜
- 625 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/04(月) 03:46:42.61 ID:M+BXQ3k9O
- 乙です
ガンQメダルは取られたのね
大阪にはウルトラマンいるのかな?
- 626 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/04(月) 12:36:55.65 ID:YsoqJaHU0
- 乙
ガイトさん寂しがってそうで見たい
- 627 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/04(月) 22:41:48.47 ID:QDIuUM3o0
- 遅くなったけどやってく所存ー
- 628 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/04(月) 22:52:13.13 ID:QDIuUM3o0
-
―――【大阪駅】
新幹線に乗って、東京から大阪までやってきた
ザッ、と音を立てて駅を出てあたりを見回す京太郎
スーツ、サングラス、そしてトランク一つ
京太郎「……」
職質されないという奇跡
京太郎「ん」
ピピピピ
京太郎「はい須賀です」
???『おーお前が須賀京太郎か、車見えるやろ』
京太郎「ん?」
窓が開いている車がある
そこから手を振っている―――短髪の少女
新幹線車内での情報通りだと、そちらに近寄る
京太郎「どうも、お迎えありがとうございます」
???「ん、別にええけどな……結構成果あげてるって聞いとるし」
京太郎「尾ひれとかついてなきゃいいですけど」
苦笑しつつ、助手席に座る
京太郎「にしてもよくわかりましたね?」
???「自分、めっちゃ目立っとったで」
京太郎「マジっすか?」
???「大マジ……あ、そういやオレはセーラ、江口セーラや」ニッ
京太郎「よろしくです。須賀京太郎です」フッ
- 629 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/04(月) 23:06:10.79 ID:QDIuUM3o0
-
江口セーラの運転する車が新大阪の特異課基地のガレージへと入った
大したことはないただの会話をしていた
ほとんどあの夏と阿知賀の話だ
セーラ「ふぅ……さってと」
京太郎「ここが……」
奈良とはまた違った空気に、京太郎は気を引き締める
セーラ「さて、とりあえず行こか……作戦室」
京太郎「なにかあったんですか?」
セーラ「お前がきた」
指を向けてそういうセーラに、京太郎は小首をかしげた
歩いていくセーラについて歩く
京太郎「俺がきたってだけで?」
セーラ「一番功績上げてる奴やからな、いった場所じゃ必ず成果上げてくるやろ」
京太郎「……偶然ですよ。みんなやウルトラマンのおかげってだけで」
セーラ「その偶然を呼ぶのが勝利につながるんやろ? 麻雀にしろなんにしろ」
京太郎「そういうもんですかね」
セーラ「そういうもんや」
京太郎『ベリアルさん、この基地またなんかあったりします?』
ベリアル『あぁ? いやわかんねぇな……カネゴンみたいなのはいなさそうだ』
京太郎『了解っす』
- 630 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/04(月) 23:21:46.28 ID:QDIuUM3o0
-
―――【特異課大阪基地:作戦室】
扉の向こうには、作戦室があった
長野や東京と変わらぬ部屋
座っているのは二人
セーラ「ただいまー」
京太郎「お邪魔します」ペコリ
一人は知っている
京太郎「清水谷竜華さん?」
竜華「お、知ってるんや」エヘヘ
セーラ「さすがうちのエースやな」ニッ
京太郎(おっぱいです。おっぱいだからです!)
須賀京太郎はおっぱいが好きという感情をコントロールできない
??「私のことは、さすがに知らんか」フッ
京太郎「え、あ、すみません」ペコリ
??「まぁええねんけど……愛宕雅枝や」
京太郎「あ、たご……ああ、愛宕って姫松の!」
雅枝「そういうこと」
京太郎「よろしくお願いします」ペコ
雅枝「そんじゃ現状についてお話ししよか」
- 631 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/04(月) 23:41:07.67 ID:IEhXR2Vl0
-
現状、大阪の雀士で行方不明なのは未だ数十人を超えるとのことだ
最近では各地での雀士行方不明事件も徐々に明るみに出てしまっているらしい
怪獣事件とのつながりが判明される日もそう遠くはないだろう
京太郎「それで……夏のインターハイに出た雀士は」
雅枝「行方不明なのは船久保浩子、二条泉、園城寺怜」
竜華「……」
セーラ「上重漫、真瀬由子、末原恭子、愛宕絹恵……」
そうそうたるメンバーだ
夏で清澄と戦った姫松高校も五人中四名が行方不明
あげく……
ベリアル『同じ姓だな』
京太郎『……愛宕雅枝さんは愛宕絹恵さんのお母さんです』
ベリアル『親、なぁ……』
京太郎『……?』
京太郎「手がかりとかは?」
セーラ「それが見つかってたら苦労せぇへんねんけども……」
- 632 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/04(月) 23:52:22.97 ID:IEhXR2Vl0
-
京太郎「なるほど、ねぇ……」
雅枝「それで、須賀君はどう思う?」
京太郎「え、なんで俺なんっすか?」
その言葉に、逆に雅枝が首をかしげた
雅枝「そりゃ一番成果をあげてる人やからなぁ……噂はかねがね」
京太郎「えーってもなぁ」
セーラ「今までの共通点とか?」
京太郎「情報がないとどうにも……」
ウィーン
??「情報あるで!」
セーラ「情報でかした!」
京太郎(愛宕のおっぱいない方!)
愛宕のおっぱいない方「愛宕のおっぱいない方って思ったやろ!」
京太郎「めめめめめっそうもございません!」
雅枝「洋榎ぇ、ちったぁ大人しくしい!」
洋榎「そんなおかん!」
雅枝「須賀君、そんなこと思ってへんよな?」タユン
京太郎「はい」
京太郎『おっぱい』
ベリアル『黙れ』
- 633 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/05(火) 00:06:00.41 ID:vmvMWTnk0
-
少し状況が落ち着いたのか、雅枝が咳払い
雅枝「で、情報って?」
京太郎「ん、お聞きしたい」コクリ
洋榎「そやそや! あ、そういやうちが愛宕洋榎な!」
京太郎「ご丁寧に、須賀京太郎です」フッ
なるだけクールに、紳士的に笑みを浮かべる
洋榎「おー、まぁ久に聞いたことあるけど」
京太郎「うちの部長から? なんか変なこときいてないっすか?」
洋榎「乳が好きなんやろ」
京太郎「うぉい!」
竜華「えー」ジト
京太郎「部長のお茶目! 部長の!」
必死の言い訳、洋榎が両手で自らの体を抱く
洋榎「いやや! うちの体が目的なんやな!」
京太郎「ハァ?」
竜華「ちょっとなに言うてるかわからんな」
セーラ「地獄に落ちろ」
洋榎「うぉい! 冷たぁ!」
雅枝「ええから早く喋らんかぁい!」
- 634 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/05(火) 00:16:19.74 ID:vmvMWTnk0
-
洋榎「それで、や……」
深刻そうな顔をして座っている洋榎の頭部にはたんこぶ
少し涙目だった
そしてご立腹の雅枝
京太郎「……」
洋榎「泉を見つけた……らしい」
セーラ「なんやて!?」
竜華「っ! ら、らしいって?」
洋榎「いやぁ写真とかは撮れなかったらしいからしゃあないねんけど……うちの後輩から情報入ってなぁ」
京太郎「なるほどぉ」
ふむ、と頷く
さっそく情報がまいこんできてくれたおかげで役立たずの汚名は被らずに済みそうだ
戦いは避けられないだろう。麻雀にしろなんにしろだ
雅枝「で、どこで発見したんや?」
洋榎「……銭湯!」
セーラ「銭湯!?」
竜華「銭湯!」
雅枝「銭湯!!」
京太郎「……なぜに銭湯?」
洋榎「銭湯に行くでぇ!」
- 635 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/05(火) 00:20:43.55 ID:bqM64KZo0
- さすが愛宕のおもしろい方ww
- 636 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/05(火) 00:23:58.58 ID:vmvMWTnk0
-
第15話【水ノ魔王獣】
- 637 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/05(火) 00:39:29.23 ID:vmvMWTnk0
-
―――【銭湯:男湯】
その後、当然のように銭湯に来ていた
両腕を縁に乗せて湯船に入っている京太郎
頭の上にタオルを乗せたまま、天井を見つめる
京太郎「二条泉が見つかったのはともかく……俺、来る必要あった?」
二条泉が見つかった銭湯がここなのは間違いない
だが、間違いなく男湯ではないはずだ
京太郎「俺、必要かなぁ……」
洋榎「おーいガースー聞こえるかー!」
京太郎「……」
周囲に客はいない
それもそうだ、まだ夕方にもなっていない
息を吸うと、京太郎は洋榎に応える
京太郎「なんっすかー!」
洋榎「おー聞こえた」
セーラ「そっちはどうやー?」
京太郎「いたらもっと騒いでますー」
竜華「そらそうやねー」
京太郎(この向こうに清水谷さんが……)
京太郎「くっ、俺としたことが邪念を!」
ベリアル『いつも通りだろが』
- 638 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/05(火) 00:53:57.70 ID:vmvMWTnk0
-
それから数十分
京太郎は―――茹蛸だった
京太郎「……しぬ」
ベリアル『そろそろ出ろ』
洋榎「すが〜ど〜や〜うちはまだ入っとるでぇー」
京太郎「……え〜」
竜華「うちは入ってへんけど……ていうかずっと入ってる意味ある?」
京太郎「確かに!」ザパーン
洋榎「天才やな竜華!」
セーラ「アホか!」
- 639 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/05(火) 01:08:52.37 ID:IRUcANZg0
-
脱衣所の椅子に座っている京太郎
扇風機を前にしながら、うちわで自らをあおぐ
したたる汗、空いてる片手でコーヒー牛乳を飲む
京太郎「だぁ〜!」
ベリアル『何やってんだお前は』
京太郎「すいませんつい」
しかしこういうのも久々な感じがした
松実館での温泉を思い出す
京太郎「ふぃ〜」
徐々に人が増えてきている
京太郎「……出るか」
ベリアル『まぁ興味深いもんでもあったな』
京太郎『そうなんっすか?』
ベリアル『ジャグラスジャグラーは気にいってたらしいぞ』
京太郎『トゲトゲ星人が、ですか』
- 640 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/05(火) 01:17:13.44 ID:IRUcANZg0
-
肩にタオルをかけたまま出てくる京太郎
緩められたネクタイ、Yシャツのボタンも上から二つは外している
外に出ると、既に雅枝が立っていた
京太郎「ただいまっす」
雅枝「色っぽ」
京太郎「はじめて言われた」
雅枝「マジか」
京太郎「ところでそちらは、なにか手がかりとか?」
雅枝「あるわけなかった」
京太郎「……ただ銭湯に入っただけでは」
雅枝「勘が良いな、そういうことや」
京太郎「……」
竜華「監督、洋榎が」
やってきた竜華、その後ろにセーラに肩をかされた洋榎
洋榎「……う、うちの勝ちや」
雅枝「捨て置け」
セーラ「ラジャー」パッ
洋榎「ぐへっ! この人でなしども!」
京太郎「……」
竜華「なんとも言えん顔しとるね」
京太郎「なんとも言えないので」
雅枝「違いない」
- 641 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/05(火) 01:23:47.34 ID:IRUcANZg0
-
◆???
1、清水谷竜華
2、江口セーラ
3、愛宕雅枝
4、愛宕洋榎
◇10分間で1↓から〜 コンマが一番高い選択肢
- 642 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/05(火) 01:25:05.76 ID:cc9ilcAh0
-
1、清水谷竜華
- 643 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/05(火) 01:26:53.06 ID:bqM64KZo0
- 3!
- 644 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/05(火) 01:43:52.27 ID:4a3LwELw0
- 1、清水谷竜華
―――夜【特異課大阪基地:休憩所】
晩御飯、コンビニ弁当を食べる京太郎
キッチンなんかもあるらしいが、面倒という立派な理由がある
京太郎「……ん、清水谷さん」
竜華「ん、須賀君、ここええ?」
京太郎「どーぞ」モグモグ
正面に座る竜華、晩御飯はおそらく自分で作ったのだろう料理
京太郎「にしても意外っすね。地元こっちの方でしょう?」
竜華「うん、だけど……家じゃ気ぃ抜けるからなぁ」
京太郎「気を張るためにわざわざここに」
竜華「ん、親友……怜がいつ見つかるかもわからへんから」
その言葉に、京太郎は笑みを浮かべる
ここにもいたのだと安心感すら覚えたためだ
京太郎「みんな、なくしたものを取り戻すために、ですね」
竜華「せやね……須賀君も?」
京太郎「はい、仲間を」
そもそも、ここに来たのも咲と自分の姿をしたなにかがいると聞いたからいる
竜華「そっか、清澄の……」
京太郎「まだ、部長しか見つかってないから」
竜華「そか、お互い頑張らんとやね」フッ
京太郎「はい」フッ
竜華「……下の、名前で呼んでええ?」
京太郎「あ、はい。じゃあこっちも」
竜華「ん、それじゃよろしくな! 京太郎君!」
京太郎「はい、竜華さん」ニッ
- 645 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/05(火) 02:08:28.66 ID:4a3LwELw0
-
それから食事を終えてコーヒーを飲む京太郎
テレビの方を見ているがティガもガイアも戦っている姿が映っていた
ベリアルは―――
竜華「ベリアルの映像っていつも少なない?」
京太郎「目つき悪いから」
ベリアル『ハッ』
苦笑する京太郎
竜華「でもな、情報だと一番色々なとこ行って敵倒してるのはベリアルなんよ?」
京太郎「……そう、ですか」
ベリアル『嬉しそうにしてんじゃねぇよ』
京太郎『嬉しくないっすか?』
ベリアル『オレが暴れれる場所で暴れてるだけだ、そこで他人からどう思われようと関係ねぇよ』
京太郎『……そういうとこ、ほんと好きっす』
ベリアル『どうしたお前』
京太郎『いや、素直に気持ちを』
ベリアル『気持ちわりぃ』
京太郎『ひどい』
ニュースを見ると、ウルトラマンの特集をやるようだった
京太郎「園城寺さん、見つかるといいっすね」
竜華「うん、そしたら京太郎君にも紹介したいな」
京太郎「……是非」フッ
- 646 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/05(火) 02:19:03.80 ID:4a3LwELw0
-
―――翌朝【銭湯】
ガラッ
今日も今日とてやってきた京太郎たち
脱衣所で服を脱ぎ腰にタオルを巻いて扉を開いた、その瞬間―――
竜華「水きったな!」
京太郎「くっさぁぁぁ!? 」
セーラ「なんじゃこりゃぁぁぁっ!!」
番頭のおばあちゃんはおっとりと前を向いている
女湯の方からも響いてくる声
洋榎「ゲロはく! ゲロ!」
雅枝「ゲロゲロ言うんやない!」
竜華「京太郎くん大丈夫かぁ!?」
京太郎「くさぁぁぁい!」
銭湯の見ずというかお湯がおかしい
その異臭に思わず口を押える
京太郎「なんなんだよぉ……」
ベリアル『こいつぁ……』
- 647 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/05(火) 02:26:30.35 ID:4a3LwELw0
-
銭湯の前で立っている四人
異臭騒ぎは銭湯だけでないようだ
「くっさぁ!」
「くさぁい!」
「くさすぎる!」
四人とも鼻をつまんだまま会話をはじめる
京太郎「……これは?」
雅枝「……水源やな」
竜華「水源ですね」
セーラ「いくで水源」
京太郎「洋榎さんは?」
雅枝「なんか水が目に入ったらしくて悶えてた」
京太郎「御愁傷さんです」
雅枝「とりあえず行くで」
京太郎「うっす……水源ってことは、琵琶湖?」
雅枝「いや、もっと手前らしい」
京太郎「なるほど、早くいきましょう……まじやべぇんで」
セーラ「かつてない危機や」
- 648 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/05(火) 02:29:44.81 ID:4a3LwELw0
-
今回はここまでー
大阪編開幕、千里山→姫松は優先度的なやつ
とりあえず次回は15話後編ー
次回は水曜の夜、かな?
そんじゃまたー
- 649 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/05(火) 02:41:51.29 ID:cc9ilcAh0
- 乙です
洋榎ちゃんは癒しやな
- 650 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/05(火) 04:07:48.35 ID:HB9BElLoO
- 乙
大阪のノリもいいね、竜華落ちるかな?
- 651 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/05(火) 05:41:36.62 ID:y16jGWL70
- 雅枝さんのノリ好き
- 652 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/05(火) 19:27:21.92 ID:v/o9Uyzy0
- 乙
大阪はネキが女の顔見せてからが本番だ
- 653 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/06(水) 22:55:08.23 ID:UA2WhUax0
- また遅くなってしまったけどもやるよー
- 654 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/06(水) 23:03:58.42 ID:UA2WhUax0
-
雅枝の運転する車に揺られる助手席の京太郎
そして後部座席には竜華、セーラ、洋榎の三人
窓を開けて涼しい風を浴びる
京太郎「……はぁ」
雅枝「憂鬱そうやな」
京太郎「いやまぁ、なんていうか……」
顔をしかめつつ、言い淀む
雅枝「?」
竜華「どないしたん?」
京太郎「言って良いのかなんなのか」
セーラ「ん?」
京太郎「臭いません?」
洋榎「うちの目がか!」
京太郎「ちげぇから!」
洋榎「ならな……うっ!」
瞬間、風が異臭を運んでくる
瞬時に窓をしめる面々
京太郎「あぶねぇ……」
雅枝「近いな!」
- 655 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/06(水) 23:17:40.29 ID:UA2WhUax0
-
森の中……鼻をつまんでそこにいる面々
だがしかし、その強烈な臭いはその程度で防ぐこともできない
車から離れて森の中へとやってきたものの、目の前の川に浸かっている怪獣に苦笑を禁じ得ない
京太郎「最悪だ……」
セーラ「確かに、この悪臭」
京太郎「いや、ていうか……」
ベリアル『マガジャッパか』
そのマガジャッパを見ている面々
雅枝「さっきからずいぶん言い淀むやないか、どないしたん?」
京太郎「どないもなにも……」
洋榎「ん、お前の意見は貴重や言うてみい!」
京太郎「たぶん二条さんなんだよなぁあの怪獣……」
セーラ「おい臭いぞ泉ィ!」
洋榎「泉ィ臭いんちゃうかぁ!」
竜華「なんでそんなこと言ったん」ジト
京太郎「だから言わなかったじゃないっすかぁ!」
雅枝「遊んでへんと解決策探さんかい!」
- 656 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/06(水) 23:31:11.32 ID:e1yL3ss10
-
怪獣、マガジャッパを見上げる
京太郎「……どうしますか」
ベリアル『水ノ魔王獣マガジャッパ……まぁやるしかねぇな』
京太郎『あれも魔王獣っすか!?』
ベリアル『ああ、厄介な奴だろうな』
京太郎「戦う、かぁ」
ガッツハイパーを取り出して顔を銃口をマガジャッパへと向ける
雅枝「え、勝てるん?」
京太郎「でもこのままじゃ水が、でしょう……少なからず移動はさせないと」
竜華「せやな、じゃあみんな!」
全員が、ガッツハイパーを取り出した
洋榎「あ、そういやなんやけどこの場合って」
雅枝「あ」
マガジャッパが京太郎たちの方を見る
面々の目とマガジャッパの眼が合う
息を吸うように頭を少し後ろに振るマガジャッパ
京太郎「散開ィ!」
その声と共に“洋榎を除いたメンバー”が散開する
残された洋榎が、遅れて走り出す
だが―――遅い
マガジャッパ「―――!」ブシャァッ
洋榎「ぬにゃあぁぁっ!!!?」
- 657 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/06(水) 23:45:43.51 ID:e1yL3ss10
-
放たれた黄色い水
しかし、洋榎は直撃だけは避けたのか、地面に転がっていた
それでも多少、かかってはいるのだが……
洋榎「くっさあぁぁぁっぁぁっ!」
マガジャッパ「!」
立ち上がったマガジャッパが川の中で暴れる
セーラ「なにやってんのや! 上流からおいださんかい!」
洋榎「鬼か!」
京太郎「鬼と言うか魔王というか」
ベリアル『おい、さっさとやるぞ!』
京太郎『よくあんなのとやる気になりますね!』
ベリアル『耐えれねえからさっさと潰すってんだよ!』
京太郎『納得だけども……!』
雅枝が京太郎の腕を掴む
京太郎「!?」
雅枝「とりあえず避難や! 全員ちゃんと逃げえや!」
竜華「りょ、了解です!」
セーラ「ラジャー!」
洋榎「うおぉぉぉ! くさぁぁっ!」
それぞれが逃げていく
- 658 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/06(水) 23:53:01.63 ID:e1yL3ss10
-
マガジャッパはとうとう川から出ると、なにを感じたのか街のほうへと歩いていく
京太郎と雅枝の二人は銃撃をしながら走るも、マガジャッパの気を引くにいたらない
それにその異臭に気力がゴリゴリ削られていく
京太郎「このままじゃ……」
ベリアル『さっさと離れて変身しろ!』
京太郎『わ、わかってるんですけど!』
別方向からの銃撃が、マガジャッパの目に直撃する
大きく怯んだマガジャッパが、銃撃のあった方向を向く
京太郎「お?」
雅枝「誰や!」
- 659 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 00:00:54.36 ID:qqPMbpM60
-
マガジャッパを怯ませた銃撃
それを撃ったのは―――愛宕洋榎だった
洋榎「よっしゃ! みたかうちの超ファインプレー!」
グッと拳を握りしめて舞い上がる
マガジャッパ「!」
洋榎「あ」
目と目が合う
洋榎「……!」ダッ
マガジャッパ「!」
水を放つわけでもなく、シンプルに走り出す
迫るマガジャッパを前に、洋榎が懐からなにかを取り出した
洋榎「やったらぁ!」
そして“それ”を持った右腕を振り上げる
洋榎「ダイナァッ!」
- 660 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 00:18:06.25 ID:qqPMbpM60
-
京太郎「光!!?」
雅枝「きたかっ!」
京太郎「!?」
光と共に、現れるのは巨人
どこかティガを思い出す、光の巨人だった
赤と青と銀、その巨人の名は―――
ベリアル『ダイナ……!』
雅枝「ダイナ!」
◆BGM:われらのダイナ【http://www.youtube.com/watch?v=TTQtHBH5hE8&list=PL69534061E9D0C813&index=2】
京太郎『さすがベリアルさん、知ってるんすね! 会ったことが?』
ベリアル『ああ、まぁ良い思いはしてねぇけどな』
京太郎『ですよね』ハハハ
雅枝「知らんかったやろ、ガイアとティガに負けんとおるんやでこっちも!」
京太郎「しかしまぁ……奈良の隣にいるとは」
雅枝「三回目やしガイアやと間違えられてそうやし」
京太郎「ところで俺、いりました?」
雅枝「それとこれとは話が別やろ?」
京太郎(まぁ、そりゃそうか……?)
- 661 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/07(木) 00:21:23.54 ID:gifohMeMo
- ダイナァ!!
- 662 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 00:28:01.41 ID:qqPMbpM60
-
現れたウルトラマンダイナ
すぐにマガジャッパを相手に両手を構えた
ティガやガイアとはまた違った構え―――
京太郎『行った方がイイっすか?』
ベリアル『さてな、状況見てで良いんじゃねぇか?』
京太郎『……まぁやりたくなさそうでしたもんね』
雅枝「逃げるで!」
京太郎「え、あ……はい!」ダッ
ダイナ「デヤァッ!」
マガジャッパ「!!?」
ダイナが接近して拳をぶつける
ひるむマガジャッパにさらに追撃をかけようと―――するも
ダイナ「グアッ!」
その臭さに、怯む
マガジャッパ「!」
放たれる黄色い高圧水流
それを受けて、ダイナは吹き飛んで背中から地面に倒れる
さらにその悪臭からもだえていた
京太郎『大丈夫っすか?』
ベリアル『ああいうもんだ』
京太郎『えー……援護、いかなくて』
ベリアル『さてな』
京太郎『……行きたくないんっすね』
ベリアル『たりめぇだろ』
京太郎『ですよねぇ……』
- 663 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/07(木) 00:29:34.65 ID:0tNT53Ym0
- ダイナきた!TDG揃い踏みか!
- 664 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 00:43:57.31 ID:+Vpifffr0
-
顔を押さえながら起き上がるダイナに、マガジャッパは蹴りを打ち込む
それを受けたダイナが後ろに吹き飛ぶとさらに水流を放った
ダイナ「グアァッ!」
京太郎『やられてますよ!』
ベリアル『あっちみたくベテランじゃねぇからに……しょうがねぇ、さっさと潰すぞ!』
京太郎「雅枝さん、あっちに!」
雅枝「車あるな!」
京太郎「あっちでしたっけ!?」
雅枝「え、車の方ってこと言いたかったんやろ?」
京太郎「えーあーはい」メソラシ
ベリアル『テメェ……』
京太郎『い、良いタイミングで失踪します!』
とは言え、間に合わなくなってからでは遅いのだ
マガジャッパに射撃をすると、次いで他の二方向からも射撃があった
京太郎「……二つ? もう一人は?」
ダイナ「テヤァッ!」
起き上がったダイナがティガのように腕を振るうと、その体の色が赤く変わった
同時に体にかかっていた水が消えたのか、問題無さそうに立つ
このパターンを京太郎は知っている
京太郎「あれは、パワータイプか?」
雅枝「おー、さすがティガを見てきただけあるなぁ、赤は初めてみたけど」
京太郎「それじゃあ紫が?」
雅枝「青やな、超能力戦士や」
京太郎「へぇー」
ベリアル『呑気に話してる場合か』
京太郎「そうだった!」ダッ
雅枝「そうやった!」
- 665 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 01:00:58.20 ID:+Vpifffr0
-
赤いダイナが拳を打ち込んでマガジャッパを倒す
反撃しようと水を放つも、ダイナはバリアを張ってそれを凌ぐ
通常のフォームであれば押し負けていたことだろう
ダイナ「ハァッ!」
水流が止むとすぐに走って蹴りを打ち込む
さらに吹き飛んだマガジャッパだが、今度はすぐに起き上がる
マガジャッパ「!」
ダイナ「!」
接近したダイナが拳を打ち込んだその瞬間、マガジャッパはその一撃に耐えつつ両手でダイナの腕を掴む
振り払おうと両腕を振るうダイナだが……
ダイナ「!」
マガジャッパ「!」
その両腕についた吸盤により振り払うことができない
近距離での異臭に悶えるダイナの、カラータイマーが点滅をはじめる
京太郎『くさくて?』
ベリアル『臭くてだな』
- 666 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 01:15:02.53 ID:+Vpifffr0
-
ダイナに、マガジャッパがさらに水流を放つ
その水圧を受けるダイナだが、吸盤の力で吹き飛ぶこともない
ダイナ「グアアァッ!」
悶えているダイナに水流を続けるマガジャッパに―――銃撃
マガジャッパ「!!?」
その一撃がマガジャッパの水流を放つ鼻を撃つ
損傷はしないものの、ダメージは大きいのか悶えてダイナを放す
倒れるダイナ、マガジャッパは銃撃のあった方向へ体を向ける。そこには―――
竜華「ッ!」
マガジャッパが頭を少し後ろにすぐに水流を放つ
竜華「まずっ!」
背後には崖、その下には川……
竜華「怜っ!」
飛び込もうとするも、その余裕すらなく水流を受けるかと思われたその瞬間……
竜華の胸の中心に青い光、それと共にその瞳すらも青く輝く
放たれた水流は、竜華の目の前で―――水に弾かれた
竜華「……」
背後の川から、水が逆巻き水流を弾いている
- 667 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 01:32:52.73 ID:X+dWHAog0
-
マガジャッパ「!!?」
驚愕するマガジャッパを前に、竜華は眉一つ動かさずそこにいた
逆巻き、舞い上がる水が形を作る
巨大な水の化身―――
京太郎「あれは!?」
ベリアル『確か、ミズノエノリュウ……か?』
京太郎『あれも知ってるんですか?』
ベリアル『ハンッ、当然だ』
京太郎『にしても、なんで?』
雅枝「水の龍……」
その八本の頭を持つ龍、ミズノエノリュウが咆哮を上げて水の弾丸を放つ
それを受けたマガジャッパが大きくひるんで倒れた
立ち上がったダイナが腕を振るい最初のフォーム『フラッシュタイプ』に変身する
ミズノエノリュウ「―――」
静かに、ミズノエノリュウが消える
それと共に、竜華もゆっくりと地面に倒れた
ダイナ「デァ!」
◆BGM:ウルトラマンダイナ【http://www.youtube.com/watch?v=hwxlUyBzWVE】
- 668 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 01:54:33.33 ID:X+dWHAog0
-
起き上がったマガジャッパにダイナが斬撃を放つ
放たれたそれがマガジャッパの鼻部を斬り裂いた
マガジャッパ「!」
ダイナ「……デヤァッ!」
そして腕を十字にして―――ソルジェント光線が放たれる
マガジャッパ「!!?」
直撃を受けたマガジャッパが、一端止まるも―――爆散
ダイナ「……」コクリ
輝きと共に、地に落ちるのは二条泉
それを見届けたダイナは両手を上げて空へと去って行った
- 669 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 02:01:38.09 ID:X+dWHAog0
-
二条泉の元へと、現れる人影
雅枝「泉ぃ!」
駆け寄って、泉を抱き上げる雅枝
周囲の臭いはマガジャッパを倒した影響か徐々に薄れてきている
京太郎「……ウルトラマン、ダイナね」
ベリアル『本人じゃねぇのは間違いねぇな……メダルの力か?』
京太郎『……ま、やれることをやるだけっすよ』
そう言うと、ふと視界のはしに見知った影を見た
即座に、京太郎はそちらへと走り出す
雅枝「え、須賀!」
京太郎「すみません!」
走り去る京太郎、荒れた足場を跳ぶ
ベリアル『お前の知り合いの女か?』
京太郎『はい……!』
ベリアル『……この気配、右だ!』
京太郎『ざっす!』
即座に地を脚で蹴って方向転換と共にそちらへと走った
木々の間、少し開けたその場所に―――立つ
京太郎「咲っ!!」
視線の先、その少女―――宮永咲はいた
咲「……」
- 670 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 02:15:03.41 ID:Bp54EomZ0
-
目の前に立つ少女、宮永咲と見合う京太郎
その瞳は真っ暗な闇を彷彿とさせ、その禍々しい気配に京太郎の額に嫌な汗が流れる
ガッツハイパーを即座に抜く
京太郎「貴様誰だ!」
「無礼者が!」
瞬間、光弾がどこからか飛んできて京太郎の手のガッツハイパーを弾く
驚愕しながらそちらを見る京太郎
ベリアル『メフィラス星人か!』
京太郎「メフィラス星人!?」
咲「……ふぅん、やっぱりベリアル」
京太郎「ッ!」
地を蹴ってメフィラス星人から距離を取る
即座にゼットライザーを取り出すも、席が手を前に出す
咲「……ここで消える?」
京太郎「……なに?」
メフィラス「我が皇帝の邪魔をするな!」
ベリアル『まさかアイツは!』
京太郎「ッ!」
さらに放たれた光弾を回避、咲の方を見るが闇の中に消えていく
京太郎「咲ィ!」
メフィラス「消えろ!」
京太郎「ッ!?」
洋榎「やらせるかアホ!」
そう言って銃撃をしたのは洋榎
その一撃を受けたメフィラス星人
メフィラス星人「……さすがに二体が相手では分が悪いな」
そう言うと、メフィラス星人も闇の中に消えた
残された京太郎が隣の木に拳を叩きつける
京太郎「くそっ!」
- 671 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 02:27:39.22 ID:2HWRIyjh0
-
―――【特異課大阪基地:休憩室】
座ってコーヒーを飲む京太郎の手にあるマガジャッパメダル
二条泉は精密検査の後、異常がないとのことで医務室で寝ているそうだ
京太郎「……咲も和も、か」
咲もすでに和と同じように怪獣メダルに思考を奪われているようだった
メフィラス星人という新たな敵も現れた
京太郎「新たなウルトラマン……ダイナか」
ティガ、ガイアに次ぐ光の巨人
今回はベリアルとして共に戦うことはなかったが、いずれその時がくるだろう
そうしていると、背中に衝撃
洋榎「辛気臭い顔してどしたー!」バシッ
京太郎「痛ぁっ!?」
洋榎「マガジャッパも倒せて、新しい宇宙人も出おったし宮永妹もおったけど」
腕を組んで頷く洋榎
洋榎「まぁなんとかなるやろ! 少なからず敵の姿は見えたんやからな!」ニッ
京太郎「楽観的っすねー」
洋榎「ポジティブシンキングと言ぃや……格調高く!」
京太郎「ま、そういう人いると助かりますけどー」
洋榎「そやろー!」ナデナデ
ベリアル『こいつ……おい小僧、聞いてみろ』
京太郎『え、なにをっすか?』
ベリアル『……』
- 672 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 02:34:23.49 ID:2HWRIyjh0
-
京太郎「さっきの太平風土記じゃ禍邪波じゃなかったっすか?」
洋榎「あーえっと、そやったっけ!!?」
京太郎『めっちゃ動揺してますね』
ベリアル『ハッ、馬鹿は扱いやすいな』
京太郎『悪口っすよ』
彼女がダイナ、あるいはそれに近しいなにかなのは間違いない
まぁ十中八九ダイナなのだろう
だがなにはともあれ……
京太郎「洋榎さん」
洋榎「ん?」
京太郎「お力、お借りします」フッ
洋榎「へ? ああ……むしろお借りしたいんやけど」
- 673 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 02:36:15.99 ID:2HWRIyjh0
-
第15話【水ノ魔王獣】 END
- 674 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 02:45:43.61 ID:2HWRIyjh0
-
―――次回予告
京太郎:ダイナミックのダイナ?
セーラ:ダイナマイトのダイナでもある!
竜華:怜……?
セーラ:オレたちでダイナを助ける!
ベリアル:いくぞ、四分の一人前!
京太郎:はい、いきましょう!
次回【戦士の戦い】
洋榎:本当の戦いはここからやぁッ!
- 675 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 02:47:53.87 ID:2HWRIyjh0
-
今回はここまでー
ダイナ登場ってことで出すか出さないか迷ってた時期もあった
まぁ出したのだけどもー
とりあえずはこんな感じでー
次回、またちょっと本筋が進みつつ
明日か明後日やるよー
- 676 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/07(木) 13:17:07.32 ID:uYd9Tysb0
- 乙
泉臭い言われてて可哀想w
とうとう咲が出てきたけどやっぱ敵か
- 677 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2021/10/07(木) 21:14:00.40 ID:i4LUsTsh0
- やってくよー
徐々に進んできて、そろそろ第二章も佳境だったり
- 678 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 21:27:21.32 ID:i4LUsTsh0
- (また酉ミスった
―――【特異課大阪基地:休憩室】
あれから五日
その状況にはすっかり慣れて、京太郎はのんびりとそこでコーヒーを飲んでくつろいでいる
あれから咲はめっきり姿を見せない
あの須賀京太郎の姿もだ
京太郎「……」ポケー
雅枝「暇そうやなー」
京太郎「え、ああまぁ……パトロール行ってきますよ」
雅枝「もうちょっとあとでええよ、ついでに……私用頼みたいし」
京太郎「?」
雅枝「このあと会議なもんで忙しくて……」
そう言う雅枝の目元にはクマが見える
京太郎「徹夜ですか?」
雅枝「まぁな〜昔は徹マンとかできたんやけどもーむりやな」ハァ
京太郎「……」
雅枝「あ、そや昨日は麻雀で行方不明者二人まとめてやって?」
京太郎「まぁ竜華さんの手伝いしただけっすよ」
雅枝「ん〜でもだいぶ強いんやね。怪獣メダル持ち相手に勝つなんて」
京太郎「まぁ、ある程度……」
ベリアル『テメェの力なんだか胸張って言えよ』
京太郎『うぅ〜なんかなぁ』
ベリアル『メンドくせぇな』
京太郎『す、すみません』
昨日手に入れたクラブガンとアネモスのメダル
確かに自分の麻雀で倒した記憶がはっきりと存在する
ベリアルとして戦った記憶と共に……
雅枝「まぁなにはともあれこのあと頼むわ」
京太郎「あ、はい……それでなにを?」
雅枝「洋榎のバカを起こしに行って欲しいんや」
京太郎「……ファ!?」
- 679 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 21:30:50.61 ID:i4LUsTsh0
-
第16話【戦士の戦い】
- 680 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 21:38:37.24 ID:i4LUsTsh0
-
◆安価!
1、松実宥
2、高鴨穏乃
3、福路美穂子
4、瑞原はやり
5、東横桃子
6、竹井久
7、辻垣内智葉
8、ネリー・ヴィルサラーゼ
9、雀明華
10、清水谷竜華
11、江口セーラ
◇5分間で1↓から〜 コンマが一番高い選択肢
- 681 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/07(木) 21:41:08.52 ID:zZvPeri30
- 11
- 682 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/07(木) 21:41:30.10 ID:v77gSgEB0
- 1
- 683 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/07(木) 21:42:15.04 ID:LJBcUee20
- 5
- 684 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/07(木) 21:43:33.30 ID:FIoTTHc10
- 10
- 685 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 21:57:03.95 ID:i4LUsTsh0
- 11、江口セーラ
街を行く車、目的地へと走る
その助手席の京太郎、運転席には―――江口セーラ
目的地は、愛宕洋榎の家
京太郎「にしても、基地で寝泊まりすりゃいいのに」
セーラ「まぁ、色々あるんやろ……お、あそこや」
京太郎「おー実家」
セーラ「カギもらったって? どしたー監督とそういう関係かー?」ニヤニヤ
京太郎「なっ、なに言ってんすか!?」
セーラ「いんやぁ〜」
狼狽するも、すぐに平静を装う
確かに魅力的な女性ではあるが、娘がいかんせん自分より年上
むしろ向こうがどう思うか……
京太郎「まったく」
セーラ「京太郎ってほら、顔はええやろ?」
京太郎「ハッキリ言いますね……否定はしないっすけど」
セーラ「おー、まぁだからモテるかなー思うたんやけど」
京太郎「……セーラさん的にはありっすか?」
セーラ「は? あぁ、まぁその……か、かっこええと、思うけどぉ……」カァッ
京太郎「え、なに照れてるんっすかかわいい」
セーラ「はあぁっ!!?」
瞬間、車がブレる
京太郎「どわぁっ!?」
セーラ「うわっ!?」
- 686 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 22:07:28.46 ID:i4LUsTsh0
-
車は真っ直ぐな軌道を取り戻す
耳まで赤くしたセーラが横目で京太郎の方を見る
京太郎「あ、あぶなぃ……」
セーラ「お前が余計なこと言うからやろ!」
その言葉に、京太郎は苦笑
余計なことは言わない方がいいだろうと思いつつも、ついつい口が滑る
スーツ姿のセーラを見てから、ふと思い出した故に口にする
京太郎「泉に見せてもらった夏のインターハイの写真」
セーラ「あいつなにやってんねん!」
京太郎「可愛かったじゃないっすか」
セーラ「事故るぞマジで!」
京太郎「それは怖い」
マジで怖い
セーラ「たくっ……なんでんな」
京太郎「麻雀で俺が勝ったことを黙ってるという約束のもと」
セーラ「お前話しとるやんけ」
京太郎「別いに良いかなって」
セーラ「泉ぇ……麻雀の特訓やな」
京太郎「ほどほどにしてやってください。病み上がりなんで」
- 687 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/10/07(木) 22:16:58.09 ID:i4LUsTsh0
-
着くまでやけに長く感じた止まった車
それから降りる京太郎は軽く手を振ってセーラと別れようとする
セーラ「忘れぇよ絶対」
京太郎「えー凄い可愛かったじゃないっすかぁ」
セーラ「ええから!」マッカ
茹蛸状態のセーラに向けて笑みを浮かべると頷く
京太郎「それじゃあまた」
セーラ「むぅ」
不満そうな表情を浮かべつつ、セーラの車が去って行く
手を振って見送った京太郎は目の前の家を向く
京太郎「女の人の家の鍵開けるってどういう状況よ」
ベリアル『年相応の経験があるようで結構じゃねぇか』ハッ
京太郎「ベリアルさんもそういう経験が?」
ベリアル『……オレは寝る。なにかありゃ起こせ』
京太郎「えー」
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