このスレッドは1000レスを超えています。もう書き込みはできません。次スレを建ててください
【咲-saki-】京太郎「ウルトラマンの力」咲「光よ!」
- 416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/22(水) 21:10:22.77 ID:tMn6rg+x0
- 安価取ったキャラのヒロイン度が毎回爆上がりするな
- 417 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/22(水) 21:18:46.95 ID:UwhGgoVQ0
-
その後、二人は気恥ずかしさで無言になりながらも歩く
松実館へと着くと、宥について玄関から旅館内に入る
奥から足音が聞こえてきた
???「お、宥おかえ……り?」
宥「あ、お父さん、子の人」
松実父「じ、地上げかっ!!?」
京太郎「人聞き悪りぃ!」
宥「?」
京太郎「と、とりあえず誤解を! 誤解を解いてください!」
どうにか宥に訴えかけると、理解したのか頷く
宥「あ、えっと……お父さん、この人、今日うちに泊まる」
京太郎(なんか嫌な予感)
松実父「まさか! かかか、かか、かかかか、か、かれっ、かれっ」
京太郎「誤解です! 誤解ですから!」
松実父「か、カレピッピ!!?」
京太郎「ちょっと古い!」
宥「……ふぇっ!?」カァッ
京太郎「初心なのはかわいいけど否定してください!」
宥「あ、えっと! ちち、違うよ!?」
松実父「本当っぽい!」
京太郎「とりあえず聞いてください!」
松実父「玄が麻雀合宿行ってる間に大変なことになったぁ!」
京太郎「だから聞けって!」
- 418 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/22(水) 21:30:37.45 ID:UwhGgoVQ0
-
その後、誤解が解けた京太郎は松実館の一室を借りていた
松実父『なぁんだ、そういうことなら早く言ってくれよ』
京太郎『最初から言ってましたけど』
松実父『はははは!』
ほぼ手ぶらの京太郎は、そのほどほどの広さの部屋で腰を下ろす
最近は旅行客も少ないらしく、一室貸すぐらい問題もないそうだ
松実玄はと言えば、麻雀合宿というていでいなくなっているらしい
京太郎「やっぱ特異課ブランド凄いな……快く受け入れてくれるとは」
コンコン
京太郎「あ、はい」
ガラッ
宥「あ、須賀君」
京太郎「松実さん」
宥「その……改めてこれからよろしくね」
京太郎「こちらこそ」フッ
宥「玄ちゃん、早く見つけてあげないと」
京太郎「ですね。俺も協力します……」
宥「ん、私もなにかあった協力するからね、須賀君に」
京太郎「……もう、してもらってますから」
宥「こんなことで?」
京太郎「自分が戻る場所が必要なんっすよ。人間」
宥「……そっか」フフッ
宥(戻る場所……かぁ)
- 419 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/22(水) 21:47:02.30 ID:pTC6lcdC0
-
―――【松実館:温泉】
温泉に胸まで浸かっている京太郎
頭に乗せたタオル、緩みきった表情
深い息をついて、屋根の隙間から空を見上げる
京太郎「長い、一日だったぁ……」
ベリアル『ハッ、ご苦労だったな』
京太郎「ありがとうございます」フッ
労いの言葉を素直に受け取りつつ、京太郎は自らの手を真上に上げた
少しばかり内側のナニカに力を込めると、その手にベリアルの手が重なって見える
ベリアル『妙な感覚は消えてねぇ、まだなんかあるな』
京太郎「それって……」
ベリアル『デビルスプリンター、とか呼ばれてるもんだろぉな』
京太郎「デビルスプリンターっていったい……」
ベリアル『そのうちわかんだろ』
彼がなにかしらの予想がついていることは、なんとなく京太郎とて理解はしている
だがそれを食い下がって聞くほど野暮でもなかった
踏み込まれたくない部分があるだろう……
京太郎「……ふぅ、待ってろよ。みんな」
立ち上がると、星々煌めく空を見上げつつ……手を握りしめた
- 420 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/22(水) 21:51:18.79 ID:pTC6lcdC0
-
第9話【大地の光】 END
- 421 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/22(水) 22:07:14.07 ID:pTC6lcdC0
-
―――【特異課奈良支部:医務室】
起きている穏乃の前に赤土晴絵
別に問題はないそうだが、今夜はそこに泊まることとなったようだ
晴絵は軽く穏乃の頭を撫でて頷く
穏乃「すみません、心配かけて」
晴絵「まぁ良いけどさ」
穏乃「でもあのウルトラマン、なんで……」
その言葉に、晴絵は笑みを浮かべた
晴絵「ま、倒すしかないでしょ」
穏乃「同じウルトラマンなのに、なんでガイアと戦うんだろう」
そんな穏乃の肩をポンと叩くと、踵を返す
晴絵「……目に見えるものだけを信じるな」
穏乃「え?」
晴絵「じゃあね」フッ
それだけを言うと、晴絵は部屋を出る
残された穏乃は首をかしげた
部屋を出た晴絵は、暗い廊下の闇に溶けるように去って行く
- 422 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/22(水) 22:28:45.32 ID:pTC6lcdC0
-
―――次回予告
京太郎:強くなってきちゃったな
宥:麻雀、強いんだねぇ
ベリアル:麻雀だけじゃねぇがな
穏乃:和!?
京太郎:和!?
晴絵:根源的破滅招来体か!
ベリアル:こいつは!
穏乃:ガイアー!
次回【破滅の使徒】
京太郎:決めたぜ、覚悟!
穏乃:京太郎!?
- 423 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/22(水) 22:56:07.96 ID:yR0l5iMX0
-
―――【特異課奈良支部:休憩所】
椅子に座ってコーヒーを飲んでいるのは―――須賀京太郎
すっかり見慣れたスタッフが行き来する
欠伸を噛み殺しつつ、京太郎は立ち上がった
京太郎「見回りでも行くか」
ベリアル『めっきりだな』
京太郎『めっきりっすね』
あれから一週間と少し、10月へと突入したもののまるで状況の変化はない
戦ったのは三度だが、どれも麻雀だった
一度目、無酸素怪獣カンデア
二度目、奇怪生命ディーンツ
三度目、宇宙雷獣パズズ
京太郎(メダル、全部渡しちゃってるけど)
ベリアル『また麻雀か?』
京太郎『さぁ……麻雀のが被害少ないし俺も強くなるしで良いことだらけですけどね』
ベリアル『俺はデビルスプリンターを殲滅できりゃなんでも良いけどな』
京太郎「そりゃなにより」
穏乃「なにが?」
京太郎「うおっ!」
突然の横からの声に驚き、立ち止まって跳ねる
穏乃「あはははは! 京太郎、びっくりしすぎ!」
京太郎「んなビックリするわ」
頭を掻きながら、京太郎は穏乃の方を向く
笑う穏乃は前よりも懐いたような笑みを浮かべていた
- 424 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/22(水) 23:13:59.80 ID:8cWU/9Ht0
-
穏乃「そういえば一緒に行ったことないよね、パトロール!」
京太郎「あーそういえばそうだ」
京太郎(穏乃がガイアと思えば……どうにもなぁ、美穂子さんときも変身できないから見てるだけになってたし)
穏乃「これでも強いんだよ? 麻雀!」
京太郎「知ってるよ」フッ
夏、自分の目で見ていた
白糸台の大星淡、臨海のネリー・ヴィルサラーゼ、そして宮永咲を追いこんだ
今の自分ではどのくらい食い付けるだろうか……
穏乃「清澄でも打ってたんでしょ? というか怪獣メダル持ちを倒せるって結構凄いよ?」
京太郎「……まぁ鶴賀の人たちとかも打ってたしな」
穏乃「おー加治木さんたちと!? 勝率は!?」
京太郎「……まぁまぁ」
穏乃「すご!」
?「麻雀、強いんだねぇ」
京太郎「うお、宥さん」
宥「えへへ、おはよう」
京太郎「朝会ったじゃないですか」
松実館に泊まっているのも変わりない
宥「それじゃパトロール行っちゃう?」
京太郎「お願いしまーす」
宥「お任せあれっ!」ニコッ
穏乃「おー!」
- 425 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/22(水) 23:30:11.45 ID:8cWU/9Ht0
-
第10話【破滅の使徒】
- 426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/22(水) 23:32:01.76 ID:tMn6rg+x0
- またさらりと距離縮まってるw
- 427 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/22(水) 23:38:03.34 ID:8cWU/9Ht0
-
車に揺られる京太郎と穏乃
運転席には松実宥
三人で揺られながら、街を行く
京太郎「ところでこのまま通信待ち?」
穏乃「そうだねー、京太郎はいままで三回だっけ、どうしてたの?」
京太郎「歩いてたら通信入って向かうだけ」
穏乃「へぇ〜」
だが、穏乃たちの知り合いも、自分の知り合いもどこにも見つからない
ベリアルは順調のようで、京太郎も戦いでストレス解消程度にはなっているのだが……
やはりこうも時間が過ぎると思うところがある
穏乃「憧も見つからないしなぁ」
京太郎「新子さんか、和の幼馴染の一人だよな。松実玄さんも」
穏乃「うん、憧はね……凄い麻雀に一生懸命で、私のとっても大事な親友で幼馴染で相棒で」
京太郎(幼馴染、か……)
宥「ライバル、でもあるんじゃないかなぁ」
京太郎「ライバル?」
穏乃「え、別に敵対なんて」
宥「そうじゃなくって、なんていうのかなぁ……う〜ん」
悩む宥と、不思議なものでなんとなく理解できた穏乃
そんな関係性を、どこかうらやましくも思う
京太郎「……相棒で、ライバルね」フッ
ベリアル『……ハッ、拮抗してるからこそ成り立つ関係だろ』
京太郎「?」
- 428 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/22(水) 23:52:34.21 ID:8cWU/9Ht0
-
そこから少しばかり車で街を散策していく
ついでに穏乃のガイド付きである
余談が多めではあるが……
ベリアル『おい! 止まれ小僧!』
京太郎「!? と、止めて!」
宥「えっ! ちょ、ちょっと待って!」
すぐに路肩に駐車する宥
京太郎「ありがとうございます!」
ベリアル『あっちだ!』
穏乃「京太郎!!?」
宥「え、二人共!?」
車を跳びだす京太郎と、そのあとを追う穏乃
戸惑いつつ、宥は駐車場を探すために車を走らせた
- 429 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/23(木) 00:22:19.27 ID:ouhMKmMs0
-
車を飛び出て、走る京太郎
急ぎ道を戻って、ベリアルの指示通りに狭い道へと飛び込んだ
個人店の居酒屋などの合間を縫って、走る
京太郎「こっちですか!」
ベリアル『ああ、この先だ……間違いねぇ、今は気配が薄れてきやがったが』
京太郎「逃がすかァッ!」
そして、視界に映ったのは―――雀荘
京太郎「!」
その雀荘の扉が、開いた
京太郎「あれはっ!」
ベリアル『出たぞ!』
だが、その雀荘から出てくるのは―――
京太郎「和!?」
原村和だった
ベリアル『この鬱陶しい感覚、間違いねぇ……メダルにくわえて』
京太郎「デビルスプリンターってやつか……!」
和「……」
冷たい目が、京太郎を貫く
和「……ああ、須賀京太郎ですか」
京太郎「貴様ッ! 和をォ!」
和「外れが、よくもここまで……」
表情を変えない原村和、その背後に現れる少女
京太郎「松実玄!」
和「……どうして生きてるかなんて、どうでもいいことですね」
京太郎が口を開こうとした瞬間、走ってきた穏乃が京太郎の前に立つ
穏乃「和!? 玄さんも!?」
和「……高鴨穏乃ですか、メダルの力を集めるのを邪魔してたのは貴女ですか」
穏乃「私たちだ! 京太郎も、私も、和を見つけるために戦った!」
和「……麻雀、強くなったんですね。須賀君」フフッ
ベリアル『麻雀だけじゃねぇがな』
京太郎「その顔でっ! その声でっ!」
- 430 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/23(木) 00:42:50.96 ID:ouhMKmMs0
-
拳を握りしめる
全身の血が熱く沸騰するような感覚に陥っていく
瞳が、赤く輝いた
京太郎「オレを呼ぶなァッ!!」ゴゥッ
穏乃「えっ!?」ビクッ
和「……」
なにかが変わったわけでは無いが、穏乃は胸の奥が振るえるような感覚を覚える
怒りに満ちた京太郎の怒気だけを感じる
原村和が、自らの違和感に手を見た
和「震えている……この生命体の?」
京太郎「和、お前を! お前達を!」
和「厄介ですね」
すると、原村和と松実玄の背後から現れるのは、一人の少女
穏乃「巽由華さんッ!? 晩成の二年生がどうして!?」
京太郎「こっちの雀士か!」
和「……では、お願いします」
笑みを浮かべて、巽由華の背中に手をそえる原村和
その背後に浮かぶのは……
京太郎「天使っ!?」
由華の体が黒い光に包まれる
そして黒い光は空へと舞いあがった
その異様な不快感に、京太郎と穏乃は顔をしかめる
和「……」
玄「っ」ググッ
和「……いえ、まだですね」
- 431 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/23(木) 00:53:19.43 ID:ouhMKmMs0
-
苦しむような松実玄
和が手をかざすと、輝くゲートが現れた
そしてその中に苦悶の表情を浮かべて入って行く松実玄
京太郎「貴様ッ!」
ベリアル『小僧!』
穏乃の前に跳びだした京太郎
だがその瞬間、上から振ってくる影が目の前に着地した
京太郎「ッ!?」
和「アレの差し金ですか」
なにかを呟いて、和はゲートへと消える
もちろん、ゲートは即座に消滅した
一方、京太郎の前に着地したのは人型だが人でない者
京太郎「こいつはっ!?」
ベリアル『グローザ星系人か!』
銀色の体を持つ宇宙人が、腕のブレードを構えて京太郎へと接近する
素早くゼットライザーを持つが、それより速く目の前に―――“ナニか”が現れた
- 432 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/23(木) 01:05:41.62 ID:ouhMKmMs0
-
グローザ星系人「!?」
??「なんだお前……あーどっかに記憶、が?」
目の前で、刀を持った宇宙人―――のようなものがいた
それがグローザ星系人のブレードを受け止めている
穏乃「あれは、トゲトゲ星人!」
京太郎「そんな名前!?」
ベリアル『こいつは!』
トゲトゲ星人「んなわけないから! ったく」
そう言って、目の前のグローザ星系人に蹴りを打ち込む
後ろに吹き飛んだグローザ星系人を、さらに刀で追い打ちをかけようとする
だが、グローザ星系人は氷の壁を作った
トゲトゲ星人「無駄ァ!」
振るわれた刀、氷の壁が斬り裂かれて砕けるも―――グローザ星系人には逃げられていた
トゲトゲ星人「逃げられたか……」
京太郎「っ……」
穏乃「くるっ!」
空を見上げる二人、と一体
上空の黒い光が弾け、中から現れたのは巨大な怪獣
どこか虫を思い出すような姿だがハッキリと手足は存在する
京太郎「ッ!」
トゲトゲ星人「カイザードビシ、なるほどねぇ」
ベリアル『ジャグラス・ジャグラーの姿をしてるこいつはなんだ!』
京太郎「え、じゃぐじゃぐ?」
トゲトゲ星人「ふーん、なるほどね……」
- 433 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/23(木) 01:16:57.98 ID:ouhMKmMs0
-
京太郎「お前一体なんな」
トゲトゲ星人「じゃーねー」シュン
即座に消えるトゲトゲ星人
京太郎が真上を向くと、怪獣ことカイザードビシがそらから落ちようとしてきていた
手に持ったゼットライザーを穏乃は気にしていないようだ
京太郎「逃げるぞ!」
穏乃「ッ!」
素早く、穏乃がなにかを取り出す
京太郎「おい穏乃っ!」
穏乃「私は、私は戦う!」
京太郎「ッ!」
ベリアル『見せてもらうとしようじゃねぇか』
その手に持った“エスプレンダー”を掲げる
穏乃「ガイアー!」
そして、高鴨穏乃は赤い光と共に―――ウルトラマンになる
- 434 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/23(木) 01:36:30.50 ID:4nL/MMW80
-
ウルトラマンガイアが、地上へと着地する
土が舞い上がり、それと共にカイザードビシはガイアの方を向く
素早く構えを取るガイアが、両手を広げるカイザードビシに接近していく
ガイア「デヤァッ!」
そして、接近と共に格闘戦を挑む
拳はカイザードビシを怯ませる
ガイア「ッ!」
穏乃『効くならやりようはある!』
さらに格闘戦をしかけようとするも、カイザードビシは腹にある口のようなものを開く
そこから出てきたのは口の付いた触手だった
それが伸びると、ガイアの首に巻きつく
ガイア「グアッ!」
そんなガイアを見上げながら、走る京太郎
京太郎「穏乃っ!」
ベリアル『ハッ、あの程度じゃカイザードビシはキツいだろうな』
京太郎「……なら!」バッ
ベリアル『おい!』
京太郎「!」
視線を感じて、そちらに目を向ける
ビルの屋上、そこから京太郎を見ていたのはトゲトゲ星人
ベリアル『付き纏われるぜ?』
京太郎「……」
ベリアル『覚悟を決めておけよ』
だが即座に、京太郎はゼットライザーのトリガーを押した
目の前に開くゲート
京太郎「……決めたぜ、覚悟!」
ベリアル『!? ハッ、おもしれぇじゃねぇか……!』
京太郎「ウオォッ!」
- 435 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/23(木) 01:48:21.74 ID:4nL/MMW80
-
―――【インナースペース】
深く息を吐く京太郎が、笑みを浮かべる
ようやく見つけた
自らの目的、欲望を満たす。そのために……
京太郎「いくぜ!」
右手にカードを取ると、左手のゼットライザーを差し込む
『キョウタロウ・アクセスグランテッド』
京太郎「究極生命体……!」
弾かれたメダルが周囲を闇に包む
すっかり居心地の良さを感じる空間
京太郎「……!」
『Alien Rayblood』
京太郎「ベリアルッッ!」
トリガーを引き、その名を叫ぶ
- 436 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/23(木) 02:01:12.47 ID:XqIyjg8Z0
-
カイザードビシの腹部から伸びたバトル触手に首をしめられているガイア
だが黒い光と共に現れたベリアルがその爪で触手を斬り裂く
勢いによって、後ろに下がるカイザードビシ
カイザードビシ「―――!!?」
ベリアル「ハッ!」
ベリアル『楽しませてもらおうじゃねぇか!』
首を鳴らすベリアル
そしてその背後では、ガイアは首を押さえながら立ち上がった
カイザードビシが、その上半身の目と、膝の目からビームを放つ
ベリアル「フンッ!」
だがバリアを張って、それらを上空へと弾くベリアル
そんなベリアルをビルの上から見るトゲトゲ星人
刀を肩に当てながら、鼻で笑うような仕草を見せた
トゲトゲ星人「ハッ、私の記憶の中のベリアルとは全然違うじゃん」
そう言うと、トゲトゲ星人の姿が変わる
現れたのは―――赤土晴絵
その手に持っているのは、トゲトゲ星人ことジャグラス・ジャグラーが描かれたメダル
晴絵「……ったく、私もわけわかんなくなるなこのメダル使うと」ハァ
視線の先には、ベリアルとガイア
- 437 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/23(木) 02:11:20.37 ID:XqIyjg8Z0
-
構える二人の巨人
同時に光弾を撃つと、カイザードビシが怯む
即座に、カイザードビシが光線を放つもベリアルが爪撃にて相殺した
ベリアル『ハッ、大したことねけな……これなら一人でもやれたんじゃねぇか?』
京太郎『ベリアルさんっ!』
ベリアル『あぁ?』
焦ったような声に、ベリアルがそちらに意識を向ける
そちらにはガイアがいて、そのガイアは別方向に視線を向けていた
視線の先を辿れば、そこには―――神社
京太郎『あれはっ!』
その境内の鳥居の下、見覚えのある少女がいた
穏乃『憧!』
ガイア「!」
手をそちらに向けるガイアだが、その先に入る“新子憧”は表情を変えることはない
ただ静かに、右腕を前に出し、そのまま拳を真上に向けた
そしてその手首につけられた“アグレイター”が開き、回転する
- 438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/23(木) 02:13:04.45 ID:NPPRyzEp0
- レジェンドがジャグラー?
本人が憑依してるとかそういう感じじゃないんだろうけど
- 439 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/23(木) 02:22:15.38 ID:XqIyjg8Z0
-
そして青い輝きと共に、現れるのは―――ウルトラマンアグル
勢いよく地上に降りると、土を舞い上がらせる
そして、静かに構えをとった
穏乃『憧がアグル!? な、ならなんで攻撃なんて!』
◆BGM:アグルの戦い【http://www.youtube.com/watch?v=rh8gv1BGJl8】
ベリアル『おい、あれ大丈夫なのか!』
京太郎『わかんないっすよ!』
カイザードビシに向かって走り、爪撃を打ち込む
だがその結果、ガイアとアグルから遠ざかる
さすがにそちらを気にしながら戦えるほど器用でも、余裕でもない
アグル「ハアッ!」
素早くガイアに近づいたアグルが、ガイアに蹴りを放つ
その直撃を受けて倒れるガイアだが、すぐに起き上がった
穏乃『っ……なら、憧なら……私は!』
立ち上がったガイアが拳を握りしめる
穏乃『私は光で、ぶん殴るッ!!』
ガイア「チャアァッ!」
アグル「ハアァッ!」
二体のウルトラマンが組みあう
そちらにカイザードビシを相手にしながら視線を送るベリアル
京太郎『新子だとわかっても……いや、わかったから殴れるか』
ベリアル『フン、オレ達はまずこいつをヤるぞ!』
京太郎『はい!』
- 440 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/23(木) 02:25:42.11 ID:XqIyjg8Z0
-
そこそこ進んだ気がするしここまでー
まぁ色々と仕込みつつ、阿知賀編の根幹というかなんというか
展開早い気もするけども気のせい気のせい
そんじゃまた明日か明後日ー
- 441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/23(木) 03:07:51.81 ID:NPPRyzEp0
- 乙
アグルは原典通り人類の掃除が目的か?
思ったより色々クロスオーバーしてて先が読めないな
- 442 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/23(木) 09:37:35.80 ID:7a1ARo/eo
- レジェンドお前もかよ!
乙
- 443 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/23(木) 22:11:29.80 ID:FhfUC18S0
- よっしやってくぞい
ちょっと駆け足な気もするけどアグル登場からですぞー
根源的破滅招来体って字体がいいよね
>>441
アグルについては追々ー
- 444 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/23(木) 22:20:33.39 ID:FhfUC18S0
-
ガイアがアグルに走る
アグルは立ち止まったまま右腕を振るう
その右手の青い光が―――剣となる
ガイア「!?」
アグル「ハァッ!」
立ち止まったガイアに、接近したアグルが剣を振るう
だが、それをなんとか開始して蹴りを打ち込むガイア
アグル「グゥッ!」
ガイア「ハアアッ!」
穏乃『憧ォ!』
さらに拳を打ち込もうとするも、アグルは素早く腕を返して剣を振るう
その一撃がガイアに直撃、火花を散らしながら後ろに下がる
穏乃『ぐっ! まだァッ!』
ガイア「チャッ!」
光弾を放つと、アグルは剣を振るってその光弾を斬り裂く、だがその隙をついて接近したガイアは回し蹴りでアグルの手を蹴る
その手から離れて消える青い剣、そこでガイアはアグルに掴みかかると巴投げをかけた
アグル「グアァッ!」
ガイア「ハアァッ!」
さらに、勢いよく立ち上がらせると背負い投げでアグルを投げ飛ばした
離れた場所に倒れるアグルだが、起き上がりガイアと向き合う
ガイア「ッ!」
アグル「……!」
- 445 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/23(木) 22:35:25.34 ID:FhfUC18S0
-
街中、ガイアとアグル、ベリアルとカイザードビシ
二組の戦いから離れて道路の真ん中で立っている赤土晴絵
顔をしかめて、メダルを握り歩く
晴絵「憧が、アグル……どうしてだ?」
彼女もそこがわからないのか、歯がゆい感情を顔に出していた
そしてそんな晴絵の傍に走ってくる車
宥「先生!」
晴絵「宥か、ありがとう」
礼だけを言うと助手席に座る
走り出す車が戦いの場から遠ざかって行くが、サイドミラー越しに後ろの方にある戦いが見えた
ハッとして窓を開けると、身体を乗り出す
宥「せ、先生!?」
晴絵「そうか、そういうことか!」
風の音で宥に晴絵の声は届いていない。逆もまたしかり
そして晴絵の目に映っているウルトラマンアグルは、ピンク色の眼でガイアを睨んでいた
晴絵「根源的破滅招来体か!」
宥「先生っ!」
ガンッ
瞬間、なにかに後頭部をぶつける晴絵
晴絵「いったぁぁぁっ!?」
宥「だから言ったのにぃ……」
- 446 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/23(木) 22:54:57.45 ID:FhfUC18S0
-
カイザードビシと戦っているベリアル
再生したのか再び腹からバトル触手を伸ばされる
即座にそれを回避すると、ベリアルは走りだしカイザードビシへと接近
ベリアル「フハァッ!」
跳び蹴りを喰らわせてひるませると、すぐにクローを使い再びバトル触手を切断
さらにもう片方の手で斬撃を放ってカイザードビシを怯ませた
ベリアル『相手にならねぇな!』
京太郎『さっさと終わらせて穏乃の方に!』
素早い攻撃、さらなる斬撃
だがカイザードビシが飛んで距離を取った
上空へと跳び上がったカイザードビシが目から放つ光線を、飛んで回避する
京太郎『ならっ!』
光線を放つカイザードビシだが、すべて回避していくベリアル
効かないとわかったのか、カイザードビシは次に腹を開いた
バトル触手でなく、出てくるのは小さな虫―――破滅魔虫ドビシの群れを放つ
ベリアル『ハッ、気持ちわりぃやつだな!』
京太郎『あれを喰らうのは遠慮したいんで……!』
ベリアル・京太郎『デスシウムリッパー!』
放たれた斬撃がドビシを斬り裂き進む
カイザードビシ「―――!!」
上昇して回避しようとするが、もう遅い
その両足を斬り裂くデスシウムリッパー
京太郎『よし!』
ベリアル『まだだ小僧ォ!』
だが、カイザードビシの脚がバラバラになり、小さなドビシが大量に出現した
素早く光弾を放つと、爆発で出現したドビシを消滅させる
両足を失くしたカイザードビシが残った一つの目から光線を放つ
- 447 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/23(木) 23:03:39.24 ID:FhfUC18S0
-
京太郎『これでハコ割れだ!』
ベリアルの右腕に黒い光と赤い雷が奔る
空中で素早く、ベリアルは腕を十字に構えた
ベリアル・京太郎『デスシウム光線!』
放たれた一撃はカイザードビシの光線をかき消して真っ直ぐにカイザードビシへと直撃する
カイザードビシ「―――」
そして、空中でカイザードビシは爆散
ベリアルはカイザードビシの殲滅を確認すると、ガイアとアグルの方へと視線を向けた
戦いは佳境のようだった
京太郎『……』
ベリアル『あぁ? なにもしねぇのか?』
京太郎『……はい、まだ』
ベリアル『ハッ、好きにしろ』
- 448 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/23(木) 23:28:51.84 ID:FhfUC18S0
-
ガイアとアグルの二人のウルトラマン
そのカラータイマーが点滅をしているものの、お互いに攻撃の手はゆるめないようだった
アグルが剣でガイアを袈裟切りする
ガイア「グアアッ!」
アグル「フッ!」
その隙を逃さず素早い突きを放つも、ガイアは切っ先を回避するとその腕を掴む
アグル「ッ!」
ガイア「ハァッ!」
掴んだ方とは別の手でその剣を持つ手を攻撃し、剣を手放させると素早く拳を叩き込んだ
怯むアグルに、ガイアは距離を取る
アグル「グゥッ!」
ガイア「ハァァ……」
アグル「! オォォッ!」
ガイアとアグルが、お互いの必殺技の準備に入る
二体のウルトラマンの額から伸びる光刃
そして、ベリアルは静かに地上へと降りた
京太郎『ベリアルさん?』
ベリアル『いや、止めるぞ!』
京太郎『……はい!』
抗議をしようとなんて考えなかった
ベリアルの言葉に頷くと、即座に間に立ってアグルに光弾を放つ
驚愕するアグルだが、その光弾を受けると後ろへと吹き飛んだ
ガイア「!?」
穏乃『ベリアル! どうして!?』
吹き飛んだアグルが、光となって消える
ガイアが驚愕しながらも光刃を消すと、空へと飛びたった
京太郎『どうして?』
ベリアル『妙な予感がしてな……』
京太郎『まぁ、ベリアルさんがそう言うなら反対の意思はありませんけど』
ベリアル『ハッ!』
京太郎の返事に、なにかおもしろかったのか笑うベリアルも、遅れて空へと飛び立つ
- 449 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/23(木) 23:49:18.26 ID:Z0NIfZvW0
-
地上で、破壊された街中を走る京太郎
自衛隊や特異課の事後処理部隊等も到着するころだろう
宥からの連絡により『巽由華』の保護は確認されたのだが……
京太郎「このへんのはずだ……」
その中でも走る理由は、穏乃だ
京太郎「このへん、ですよね……?」
ベリアル『さてな』
京太郎「うーむ」
アグルが光へと変わった場所、その周囲
探すのは穏乃
新子憧を探す穏乃だ
京太郎「穏乃ー!」
「京太郎?」
京太郎「穏乃、ここって青い巨人が倒れた場所だよな」
穏乃「あ、うん……」
あの青い巨人が新子憧だと、知っているものの知らないふりをする京太郎
とりあえず周囲を見渡すがなにも無いようだった
すでに撤退したのだろう……
京太郎「……帰ろう、たぶん事後処理部隊がそろそろくる」
穏乃「京太郎は、なにも言わないの?」
京太郎「……なにがだ」
穏乃「私が!」
京太郎「別に良いよ……お前が一緒に戦うってのは変わらないだろ?」
穏乃「……ありがと」
京太郎「おう」
歩いていく京太郎のあとを追っていく穏乃
遠くに宥が運転する車が見えた
手を振りながら、そちらへと歩いていく
- 450 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/24(金) 00:04:29.72 ID:aL+wWFoL0
-
―――【特異課奈良支部:作戦室】
いつも通り四人が集まる
映し出された画像に、はカイザードビシとウルトラマンアグル
そしてさらに……
晴絵「京太郎、よくあのタイミングで撮ったね」
京太郎「まぁ、サングラスさまさまってことで」
胸ポケットに入れていたサングラスでこっそり撮っていた写真
それに映っていたのは和と玄
晴絵「……灼は、いないか」
宥「玄ちゃん……っ」
京太郎(余計なことしたかなぁ……)
悲しそうな表情をしている宥、顔をしかめる晴絵
京太郎は眉をひそめて穏乃を見た
穏乃は静かに、自らの手を見ている
京太郎「……まだここ、吉野でやることはありそうっすね」
晴絵「頼んだよ京太郎」
京太郎「お任せあれっすよ晴絵さん」フッ
- 451 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/24(金) 00:09:39.33 ID:aL+wWFoL0
-
◆唐突な安価
1、松実宥
2、高鴨穏乃
3、赤土晴絵
4、福路美穂子
5、瑞原はやり
6、東横桃子
7、竹井久
◇↓5分間でコンマが一番高い選択肢
- 452 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/24(金) 00:11:22.73 ID:3lPmNQ2V0
- 2
- 453 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/24(金) 00:11:32.68 ID:QURnUncK0
- 1で
- 454 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/24(金) 00:27:30.90 ID:aL+wWFoL0
- 2、高鴨穏乃
作戦室での話を終えて、京太郎は休憩所でコーヒーを飲んでいた
そんな彼の視線の先に高鴨穏乃を見つける
目が合うと共に、穏乃は笑みを浮かべて近づいてきた
京太郎「よ、今日はお疲れ」
穏乃「京太郎も……にしても危なかったねぇ」
対面に座る穏乃
京太郎「……ああ、グローザ星系人の時」
穏乃「え、あの宇宙人知ってるの?」
京太郎「あ、いや〜長野でみた!」
穏乃「あ〜熊倉さんかぁ」
京太郎「そうそう」
京太郎『っぶね〜!』
ベリアル『お前、ほんと変なとこで抜けてんなぁ』
咳払いをして、話を再開する
京太郎「あのトゲトゲ星人、なんなんだ?」
穏乃「さぁ、トゲトゲ星人……たまに助けてくれるトゲトゲ」
京太郎「へぇ〜トゲトゲかぁ」
晴絵「っくしゅっ!」
宥「風邪ですか?」
晴絵「ははは、まさか〜」
- 455 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/24(金) 00:37:00.04 ID:aL+wWFoL0
-
周囲に人がいないことを確認して、穏乃が京太郎の隣に移動する
丸テーブルに二人なのに隣同士なのに違和感を感じた
それによって理解はして、京太郎は穏乃の方に耳を傾ける
京太郎「どした」
穏乃「その、黙っててくれて」
京太郎「いいよ。それよりなんだけどさ……」
穏乃「どしたの?」
京太郎「ありがとうな、戦ってくれて」
そんな言葉に、穏乃は驚いたような表情をしてからはにかんで笑う
穏乃「……えっと、こっちこそありがとね!」
逆に面喰って黙る京太郎が、首をかしげる
穏乃「色々!」
京太郎「……お前はさ」
穏乃「ん?」
京太郎「どうして戦うんだ?」
素朴だが、京太郎にとっては大事な質問だった
それに迷走した者として、同じ悩みを持っているのだとしたら……
- 456 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/24(金) 00:41:25.49 ID:aL+wWFoL0
-
穏乃「……私はさ、戦いたいからさ」
京太郎「好き、なわけじゃないだろ」
大凡、穏乃のことは理解していたつもりだ
だからこそ、言葉の本質は違うとわかる
穏乃「うん、でも私はこの地球を、そこに住む生き物たちを守るために戦いたいんだ」
京太郎「……」
穏乃「植物や動物とかも含めてさ」
京太郎「そっか……」
そんな本心からの言葉を聞いて、京太郎は穏乃の頭に手を置いて撫でる
穏乃「わっ、な、なにっ!?」カァッ
京太郎「お前は、ウルトラマンだよ……うん、光の巨人ウルトラマン」ニッ
穏乃「……う、うんっ……あ、ありがとっ」
うつむいてそういう穏乃に、京太郎は笑みを浮かべて頷く
- 457 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/24(金) 00:48:32.61 ID:aL+wWFoL0
-
―――【東京:???】
とある出版社、その休憩所
そこにいたのは―――西田順子である
もちろん山口大介も一緒だった
順子「奈良よ」
大介「え?」
順子「奈良に行くわ! ベリアルが出た!」
大介「いやティガがいる長野じゃ」
順子「奈良に他の巨人も確認されたし、追加でベリアル……なにかあるでしょ絶対」
そう言うと、ノートパソコンを叩いて大介に画面を向ける
そこに映るのはベリアルとガイア、そしてアグルの画像もあった
順子「やっぱベリアルが一番なにかあると思うのよね」
大介「じゃあ、次は奈良っすか?」
順子「ええ、それにあそこには阿知賀学院があるわ」
大介「麻雀、やっぱ関係あるんですか?」
順子「絶対あるから!」
大介「はぁ……」
順子「絶対、手掛かりを見つけてやるわよ!!」
そう言うと、テーブルを叩いて両腕を上に上げた
溜息をついて大介は頷く
- 458 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/24(金) 00:50:22.02 ID:aL+wWFoL0
-
第10話【破滅の使徒】 END
- 459 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/24(金) 00:51:18.63 ID:QURnUncK0
- シズかわいい!そしてまたか!
- 460 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/24(金) 00:58:43.84 ID:aL+wWFoL0
-
―――次回予告
京太郎:邪魔ァすんなら!
晴絵:灼!
宥:玄ちゃぁん!
ベリアル:闇も光もねぇ
和:さよならです
晴絵:しょうがないなぁ
ベリアル:逃げるぞ!
穏乃:そのために、ガイアの光を託された!
次回【悪魔】
京太郎:さよならだ、新子憧
穏乃:憧ォ!
- 461 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/24(金) 01:01:51.79 ID:aL+wWFoL0
-
今回はここまでー
まぁ駆け足風だけども大丈夫!
とりあえず伏線ばら撒きつつ阿知賀編とかは一回終わるー
全国編は二度あるから!
そんじゃまたー
- 462 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/24(金) 08:15:02.83 ID:QURnUncK0
- 乙!
あらたそ来るっぽいけど京太郎なんか不穏でこわ
- 463 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/25(土) 00:13:52.35 ID:BIOTr5bBO
- 乙
阿智賀終わりか、次は千里山とか気になるな
他にウルトラマンいそうな場所あればそこ行きたいが
- 464 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/25(土) 00:52:28.74 ID:u1q0J2d10
- 今日はなかったのか
>>463
プロとかにウルトラマンいそうだし東京?
- 465 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/25(土) 21:18:23.26 ID:ZPJk9T8R0
- やってく所存ー
とりま続きからでごぜーます
- 466 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/25(土) 21:30:19.16 ID:HK2K41Su0
-
―――【松実館:廊下】
あれから三日、京太郎は相も変わらず松実館だった
それなりにここでの暮らしも慣れてきた……慣れてきてしまったのだ
これでは良くない。目的と違う
京太郎「……」
ベリアル『良い目をするようになったじゃねぇか』
京太郎『え?』
ベリアル『なんでもねぇよ……とりあえず、また気配があったら教えてやる。潰させろ』
京太郎『是非っすよ』
宥「あ、おはよう京太郎くん」
京太郎「ん、おはようございます宥さん」フッ
松実父「京太郎くーん」
京太郎「おはようございますおとうっ……えっと、松実さん」
松実父「お義父さんで良いって!」バシバシ
京太郎「そういうの普通逆なんじゃ……」
宥「あぅっ」カァッ
赤くなる宥、京太郎は松実父の方に眼をやるが笑いながら去って行くのみ
少し気恥ずかしそうに、京太郎は後頭部を掻きながら宥に笑いかけた
京太郎「……それじゃ、いきます」
宥「あ、うんっ……わ、私もすぐ行くから玄関で待ってて!」
京太郎「はい」フッ
そう返事をして去って行く京太郎の背を見送る宥
少しばかり赤い顔、だが宥は少しばかり心配そうな視線を京太郎の背中に送る
宥「大丈夫かなぁ、恐い目してたけど……」
- 467 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/25(土) 21:33:31.13 ID:HK2K41Su0
-
第11話【悪魔】
- 468 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/25(土) 21:50:55.32 ID:HK2K41Su0
-
―――【特異課奈良支部:作戦室】
宥と共に、基地へとやってきたが今そこにいるのは京太郎一人である
机の上に並べられているのは京太郎が持っているメダル
中々な枚数になったなと思いながら、一枚一枚を見ながらしまっていく
京太郎「増えたなぁ」
ベリアル『まぁなんの足しにもなんねぇけどな』
京太郎「たしかに」フッ
・ベムラー
・ネロンガ
・ゴモラ
・レッドキング
・グビラ
・エレキング
・ゴドラ星人
・クレージーゴン
・アーストロン
・タッコング
・アリブンタ
・ガギ
・シルバゴン
・レギュラン星人
・ガグマ(α・β)
・レイブラッド星人
京太郎「……しかし」
ベリアル『ああ?』
京太郎「レギュラン星人、こいつってメダルじゃないって言ってませんでした?」
ベリアル『よーやくか』
京太郎「はい……なのにメダルになった」
ベリアル『こいつはかなりのエネルギーを持ってたんだろうな。それこそメダルを必要としないほどにな』
京太郎「元は、メダルなんですよね?」
ベリアル『ああ、だが意思と執念とエネルギー、それで実体化したんだろぉよ』
京太郎「そんなこと、が……」
ベリアル『あるんだろぉな、見た通りな』
京太郎「……」
メダルをすべてしまい終ったその瞬間、扉が開く
京太郎「ん?」
晴絵「よ!」
京太郎「晴絵さん」
- 469 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/25(土) 22:13:34.43 ID:G/ZltYch0
-
入ってきたのは赤土晴絵
そもそも、今ここにいるのは晴絵に呼ばれたからだ
だからこそ待っていましたとばかりに顔をそちらに向けた
京太郎「で、今日はなんですか?」
晴絵「いやぁ〜どうかなって」
京太郎「近況報告なんて聞きたいですか? 俺の」
晴絵「なんていうか、進展なさ過ぎてね」
京太郎「まぁ……」
手がかりはあの日から一切ない
顔をしかめる京太郎と、苦笑する晴絵
立ち上がった京太郎はケータイを確認する
京太郎「行ってきますよ?」
晴絵「待った」
京太郎「?」
晴絵「ほい」
投げられたガッツハイパーのカートリッジ、それを受け取る
京太郎「なんで?」
晴絵「さぁ、なんかの役に立つかもだし……って熊倉さんが」
京太郎「……トシさんか、どうもです」
そう言うと、それをポケットに入れて京太郎は部屋を出る
座った晴絵がため息をついて一枚のメダルを取り出した
そこに描かれているのは―――トゲトゲ星人ことジャグラス・ジャグラー
晴絵「私はどーすれば良いのかねぇ」
- 470 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/25(土) 22:14:55.95 ID:G/ZltYch0
-
入ってきたのは赤土晴絵
そもそも、今ここにいるのは晴絵に呼ばれたからだ
だからこそ待っていましたとばかりに顔をそちらに向けた
京太郎「で、今日はなんですか?」
晴絵「いやぁ〜どうかなって」
京太郎「近況報告なんて聞きたいですか? 俺の」
晴絵「なんていうか、進展なさ過ぎてね」
京太郎「まぁ……」
手がかりはあの日から一切ない
顔をしかめる京太郎と、苦笑する晴絵
立ち上がった京太郎はケータイを確認する
京太郎「行ってきますよ?」
晴絵「待った」
京太郎「?」
晴絵「ほい」
投げられたガッツハイパーのカートリッジ、それを受け取る
京太郎「なんで?」
晴絵「さぁ、なんかの役に立つかもだし……って熊倉さんが」
京太郎「……トシさんか、どうもです」
そう言うと、それをポケットに入れて京太郎は部屋を出る
座った晴絵がため息をついて一枚のメダルを取り出した
そこに描かれているのは―――トゲトゲ星人ことジャグラス・ジャグラー
晴絵「私はどーすれば良いのかねぇ」
- 471 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/25(土) 22:36:33.06 ID:DdSWADeE0
-
そのまま、ケータイでの連絡通りに京太郎は基地の正面玄関へとやってくる
手を振られてそちらに近づく
立っていたのは穏乃と宥の二人
京太郎「珍しいっすね歩きとは」
穏乃「まぁやることないしねー」
宥「玄ちゃんも、灼ちゃんも、憧ちゃんも……和ちゃんの手がかりもないし」
その言葉に頷く京太郎は、二人と共に歩き出す
基地を出て、街中へと出る
カイザードビシやアグルとの戦いの爪痕はまだ残っているがそれでも復興速度はかなりのものだ
京太郎(特異課ってか、御上のパワー?)
宥「どうしよっかぁ」
穏乃「当てもなく歩いててもしょうがないしなぁ」
そう言いながらも三人で歩く
スーツ姿の穏乃、宥の違和感、そして京太郎の納得感
それでも不思議なものでこう日数が経てばそれなりに慣れているのか街中では挨拶までされる
- 472 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/25(土) 22:50:56.78 ID:YzVVhoFV0
-
歩く三人、京太郎はふと立ち止まった
後ろの二人も足を止める
京太郎「もう、いないのかなぁ」
穏乃「……和かぁ、玄さんたち連れてっちゃったかなぁ」
宥「憧ちゃんも……」
穏乃「……はぁ」
手がかりさえ見つかれば、動きようがあるのだ
だが最近ではベリアルですら気配を掴めていない
ともなれば……
京太郎「もう、いないのか?」
ベリアル『っ! おい小僧ォ!』
京太郎「え?」
?「誰がいないんですか?」
三人の、誰の言葉でもなかった。声でなかった
だがしかし、聞き覚えのある。聞きなれた声だ
だからこそ勢いよく振り返った京太郎
京太郎「ッ!?」
その視界に映るのは―――原村和
さらに振り返った穏乃と宥の二人の腕を掴んで、原村和から離して京太郎は自分の後ろにやる
流れるような動きで、京太郎はガッツハイパーを抜いた
京太郎「……なんで」
和「なんでなんて、簡単なことじゃぁありませんか?」
京太郎「……」
和「別れの挨拶です」
京太郎「……は?」
- 473 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/25(土) 23:38:49.04 ID:zo6/eFgX0
-
拍子抜けして、止まる
言いたいことは何一つとして思い浮かばない
目の前の和は和では無い。それもそうだ
和「とりあえず、ここはもう用はありません」
穏乃「……あ、あなたたちは一体何が目的で!」
和「?」
京太郎「やめろ穏乃、どうせ根源的破滅招来体なんだ……」
和「その通り」
京太郎「その、紛い物だけどな」
和「……」
殺気を感じて、京太郎は眼を鋭く細めてからガッツハイパーをしっかりと和に向ける
だが、その後ろにさらに現れる影
それは、松実玄と鷺森灼
京太郎「ッ!」
和「さよならです」
そう言う和の前に立つのは鷺森灼
消える和と玄の二人
宥「玄ちゃぁん!」
宥が伸ばそうとする手を下げさせて、京太郎は鷺森灼に銃口を向けた
穏乃「京太郎!?」
京太郎「下がれ!」
灼の中心から溢れるのは―――光
穏乃「光!? 闇!?」
京太郎「いや……!」
ベリアル『闇も光もねぇ』
京太郎「純粋な、破滅の意思……!」
そして舞い上がる光と共に現れるのは―――
ベリアル『宇宙悪魔ベゼルブ!』
- 474 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/25(土) 23:57:46.65 ID:/m/60dX/0
-
空に現れる黒い蟲型怪獣こと宇宙悪魔ベゼルブ
羽音を立てながら一度飛び上がると、勢いよく地面に降り立った
吹き飛ばされそうになる京太郎は宥と穏乃をしっかりと抱えている
京太郎「くそっ!」
穏乃「きょ、京太郎っ!」
暴風がおさまると、二人の手を握って走る
近場の路地裏へと入ると、息をついてガッツハイパーを握り直す
カートリッジは実弾へと変えた
穏乃「ちょっと京太郎!」
宥「京太郎くんっ!」
京太郎「大人しくしとけよ」
路地裏の向こう、大通りの方では暴風が吹いている
瓦礫が飛んでいるのも見えた
穏乃は、グッとスーツの内側にしまってあるそれを握る
穏乃「ダメだよ!」
京太郎「は?」
穏乃「……行くよ私が、でなきゃ一緒に」
その強い瞳を真っ直ぐと見て、言い返すこともできなかった
静かに息をつくと頷いて宥の方を見る
首を横に振る宥の頭を、そっと撫でた
京太郎「いってきます」
宥「だ、ダメだよ! 玄ちゃんも帰ってこないのにっ、京太郎くんと穏乃ちゃんまでっ!」
京太郎「……俺たちは、死なないから」
宥「そ、そんなっ」
頷いた京太郎が、宥の制止を振り切って飛びだす
同じく穏乃も飛びだすので、宥が追いかけようとするが路地裏からの出口を丁度、瓦礫が塞いだ
僅かな隙間から走って行く二人が一瞬だけ見えた
宥「ッ……玄ちゃんっ、私一体どうすればっ」
- 475 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/26(日) 00:17:21.36 ID:peVSvvL80
-
路地裏から飛び出た京太郎と穏乃の二人がベゼルブへと走る
勿論ガッツハイパーを撃ちながらな京太郎だが、その隣の穏乃は周囲を見回すとエスプレンダーを握った
やることは一つ、なのだろう……
京太郎「……」
穏乃「行ってくる!」
無言でうなずくと、穏乃は笑みを浮かべてベゼルブの方へと走る
宇宙悪魔ベゼルブは爪と口から火炎弾を撃ち出した
穏乃「ガイアァァッ!」
爆発―――だが、赤き光と共に、土を巻き上げてウルトラマンガイアが現れる
ガイア「チャァッ!」
◆BGM:逆転のクァンタムストリーム【http://www.youtube.com/watch?v=LleQVTBhwXQ】
素早く構えを取ると、ベゼルブもガイアを警戒しているのか動きを止める
ベゼルブを中心に、円を描くように横に移動するガイア
出方を待っているのだろう……
京太郎「光の巨人、ガイアか……」
ベリアル『ハッ、どうしたい?』
京太郎「まだ、前と同じなら……!」
ベリアル『そういうことか、ちったぁ頭使うじゃねぇか』
京太郎「案外頭脳派っすよ。これでも雀士なんで!」
- 476 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/26(日) 00:41:16.81 ID:peVSvvL80
-
ベゼルブが尾を伸ばす
穏乃『やばい気がする!』
その尾の先の針に当たらぬよう回避
長いその手のものは先のカイザードビシのバトル触手で学習済みだ
ガイアが素早く光弾を放って尾を破壊する
ベゼルブ「―――!」
ガイア「ハアァッ!」
素早く接近して拳を打ち込み、怯んだところで回し蹴り
仰け反るベゼルブにさらに拳を打ち込んだ
だが、ベゼルブはその一撃を耐えた
ガイア「!」
ベゼルブ「!」
口から、火球が放たれる
その直撃をうけてガイアが後ろへと吹き飛ぶ
倒れるガイアの傍、ビルの屋上に立つ影
ガイア「ッ!」
穏乃『―――憧!?』
そこに立っているのは、新子憧だった
虚ろな瞳で、ガイアを見つめる
穏乃『憧ォ!』
咆哮を上げてから、ゆっくりと近づくベゼルブ
屋上の憧へと手を伸ばすガイア
そして―――
京太郎「ホールドアップだ……ベタ下りを勧めるぜ新子憧」
憧「……」
京太郎「いや、ウルトラマンアグル……根源的、破滅招来体……」
真っ直ぐに、ガッツハイパーの銃口を新子憧に向けていた
- 477 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/26(日) 00:45:09.67 ID:peVSvvL80
- よもやよもや今回はここまでー
ここで阿知賀編が一旦一区切りつく、かも? どうなる憧!
またどこ行くか安価って感じでー
そんじゃまたー
- 478 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/26(日) 01:26:56.86 ID:l0PC3AMb0
- 乙
やっぱ京太郎は正統派っぽくないなベリアルだから当然だけど
あこちゃーはやっぱ洗脳されてる感じか?
- 479 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/26(日) 22:02:28.07 ID:mDDPBhgJ0
- よっし、やってくよー
- 480 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/26(日) 22:17:13.78 ID:mDDPBhgJ0
-
京太郎「……俺は撃つぞ、生身だろうと」
憧「……」
迷いのない京太郎の瞳
ゆっくりと、新子憧が振り返った
その瞳は“アグルと同じくピンク”だ
京太郎「……」
ベリアル『やはりな、あれはアグルじゃねえ!』
京太郎「なら!」
その言葉を聞き、トリガーにそえた指に力を込め引く
ガッツハイパーから銃弾が放たれる。スタン能力が宿ったショック弾
だがその弾丸が憧にぶつかるよりも早く、憧の体から光が溢れる
京太郎「ッ!?」
穏乃『嘘っ!?』
倒れる新子憧だがその光は上空でカタチとなった
起き上がるガイア、そこから少し離れたベゼルブの前に降り立つのは―――アグル
土を舞い上げ、降臨する
京太郎「アグルっ!」
ベリアル『やはりな、あれは本物のアグルじゃねぇ』
京太郎「ガイア! 新子憧はここにいる!」
倒れている憧を抱き上げて叫ぶ京太郎
それに頷いて、ガイアはアグルとその隣に並ぶベゼルブに構えをとった
ビルの中に入る京太郎が、勢いよくかけていく
京太郎「……さっさとやる!」
ベリアル『アグルじゃねぇってもあれは、能力を丸々コピーした代物だ』
京太郎「了解、注意しますよ……」
そう言ってビルから出る京太郎
その背後でガイアが走り出す
- 481 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/26(日) 22:29:56.10 ID:mDDPBhgJ0
-
大きく腕を振るって、拳を振るうガイア
その一撃がベゼルブを怯ませるが、アグルが素早くガイアの胴体に蹴りを打ち込む
ひるんだガイアを、ベゼルブが火球で攻撃
ガイア「グアァッ!」
吹き飛び、地上へと倒れるガイアだが転がって距離を取り起き上がる
だがその瞬間、目の前へとやってきたアグルが腕を振るう
そしてその腕に出現していた光の剣がガイアを斬り裂いた
穏乃『ぐっ、ああぁっ!』
ガイアが膝をつく
その正面に立つアグルは、ゆっくりと剣を持った右手を振り上げる
アグルの口元が歪に曲がる
穏乃『ぐっ! こいつはぁっ!』
アグル「フッ!」
京太郎「やらせるかよぉ!」
走る京太郎がゲートをくぐる
- 482 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/26(日) 22:47:04.00 ID:mDDPBhgJ0
-
黒い光が真っ直ぐに飛び、途中で漆黒のベリアルが現れる
その勢いのまま、ベリアルはアグルの体をクローで斬り裂く
吹き飛んだアグルが、ビルを破壊しながら倒れる
ベリアル「ハァッ!」
京太郎『次はァ!』
ベゼルブが放つ火球をクローで斬り裂くと、光弾を放ちベゼルブを怯ませた
素早く、ベゼルブへと近づくと膝蹴り、さらに爪撃を打ち込む
ベゼルブ「―――!」
ベリアル「ハァッ!」
京太郎『鷺森灼だろうと!』
さらなる爪撃で、ベゼルブは吹き飛んで倒れた
右腕を空に振るうベリアル
そこから少し離れた場所で、起き上がるアグル
アグル「グウッ!」
ガイア「……シュワッ!」
穏乃『憧に憑りついてあんなことしてッ!』
アグルが両手を構える
強く握った拳を目の前に構えたガイア
穏乃『……許さんッ!』
- 483 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/26(日) 23:02:02.27 ID:mDDPBhgJ0
-
ベゼルブを蹴り飛ばして、ベリアルが振り返る
インナースペースの京太郎は握りしめた拳を見つつ、開く
そこにあるのは、一枚のメダル
怪獣メダルとは違う
京太郎「……」
初めて見る―――ウルトラマンのメダル
そこにはアグルが描かれていて、目に色はもちろん白
その本物のアグルのメダルを握りしめて、しっかりと正面のベゼルブを見据える
京太郎「ならっ!」
素早く回し蹴りをすると、外側ではベリアルが蹴りを放つ
ベゼルブが吹き飛んだのを確認して、京太郎はガイアの方を向く
アグル相手に防戦一方のガイア
京太郎「……受け取れよ、ガイア!」
腕を振るい、メダルを投げた
インナースペースで投げられたメダルは、外側のベリアルのカラータイマーから放たれる
そのまま真っ直ぐに、ガイアへと跳ぶアグルメダル
穏乃『ッ!!?』
それは途中で青い光へと変わり、ガイアの胸のカラータイマーへと吸い込まれていく
立ち上がるガイア、その体が輝きを放つ
アグルがその光に怯む
- 484 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/26(日) 23:17:09.36 ID:mDDPBhgJ0
-
そして、ガイアの姿が変わる
玄が混ざり、その胸には青き光すらも宿していた
ウルトラマンガイアV2―――新たなる光の誕生である
それを見ていたベリアル
その中で、苦笑を浮かべる京太郎
京太郎『……光、か』
ベリアル『あぁん? 憧れたか、今更?』
京太郎『まさか、今は闇の力が強い。だから使うだけっすよ……光が強けりゃそれを使う』
ベリアル『ハッ、上等だ!』
飛び上がったベゼルブを追い、ベリアルも飛び上がる
相対するガイアV2とニセアグル
剣を出現させるアグルと、相成すようにガイアもその手に剣を出現させた
二つのアグルの力、だが本物の光は―――
穏乃『これが、地球から、アグルから受け取った光の力ッ!!』
ガイア「シェアッ!」
アグル「フンッ!」
二つの剣がぶつかりあう
- 485 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/26(日) 23:54:37.58 ID:zkAlcSlz0
-
素早い剣戟の応酬、だがガイアのパワーの方が上なのか、アグルは徐々に押されていく
剣を振るう速度を上げるアグルだが、ガイアの剣を止めるのにペースが乱れる
そして―――
ガイア「チャァッ!」
アグル「グアッ!」
斬撃を受けて、吹き飛ぶアグル
立ち上がるアグルが、怒りをあらわにするように両腕を左右に振るう
怒りのままに、アグルは右腕を真上へと上げていく
穏乃『なら!』
アグルの額から伸びる光刃
だが、ガイアも同じように構えを取る
そしてガイアの額からも同じように光刃が出現する
いつものフォトエッジとは違う……光の剣
ガイア「ッ……!」
アグル「……デヤアァッ!」
ガイア「ハアァァッ!」
二つの光刃が、ぶつかり合う
- 486 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/27(月) 00:12:27.08 ID:gWIe4LpM0
-
空中でベゼルブがベリアルへと飛ぶ
一方のベリアルはそのまま、真っ直ぐに飛んでいる
京太郎『正面から潰す!』
ベリアル『わかりやすいな!』
ベゼルブ「―――!」
そしてそのまま―――すれ違う
だが、ベゼルブの羽が斬り裂かれて地上へと落ちていく
京太郎『俺達かなり強くなってんじゃないっすか?』
ベリアル『ハッ、本来のオレの半分の力もねぇよ』
アスファルトと土を巻き上げて落下するベゼルブ
その正面に降り立つ、ベリアル
起き上がったベゼルブが、ベリアルへと走り出す
京太郎『いきまァす!』
ベリアル『いくぞォ!』
クロスする腕、右腕の手の平は相手の方に向けている
ベリアル・京太郎『デスシウム光線!』
そして、光線が放たれる
- 487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/27(月) 00:24:33.41 ID:uudAP7Ie0
- 最近の京太郎基本余裕勝ちしてるな
- 488 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/27(月) 00:27:52.52 ID:gWIe4LpM0
-
ガイアとアグルの二つの光刃がぶつかりあう
だが、ガイアの光刃のパワーは圧倒的だった
そのまま真っ直ぐにアグルにがぶつかり、それと共にアグルは爆散
ガイア「!」
吹き飛んだ破片は金属、それが正体だったのだろう
そして一方、ベゼルブもデスシウム光線を受けて爆散した
右腕を払うように振るベリアルが、振り返ってガイアの方を向く
穏乃『誰、なの? ベリアル……あなたは一体!』
ベリアル「……シャッ!」
穏乃『ベリアル……』
空へと消えるベリアル
それを見送ると、ガイアもまた上空へと飛んでいく
そして地上、ベゼルブがいた場所には―――鷺森灼がいた
- 489 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/27(月) 00:44:59.33 ID:gWIe4LpM0
-
地上で横たわる鷺森灼
そしてそこに現れるのは―――アンドロイド兵 バリスレイダー
バリスレイダー「……!」
手を伸ばすその瞬間、バリスレイダーの手が切断されて宙を舞う
バリスレイダーが攻撃があった方向を向く
だが遅い、刀はバリスレイダーを真っ二つにする
晴絵「……」
トゲトゲ星人こと無幻魔人ジャグラス ジャグラーの姿をした赤土晴絵がそこにいた
真っ二つになったバリスレイダーを前に、刀を逆手持ちして膝をつく
晴絵「灼!」
灼「うっ……」
晴絵「……灼」ホッ
息をつく晴絵だが、すぐに立ち上がった
視線の先には、少女―――を抱いた少年
晴絵「お前か」
京太郎「離れろ……」
晴絵「はいはい、なんだよ助けてやったのに」
京太郎「信用ならないだろ。顔も見せない奴」
晴絵「やっぱベリアルと一緒の奴は違うねぇ」
その言葉に返すことなく、京太郎はそのまま灼に近づいて憧を降ろす
上着を脱ぐと、それをまくらにして二人の頭をそっと降ろした
晴絵「優しいねぇ」
京太郎「うるせ」
- 490 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/27(月) 00:56:31.59 ID:gWIe4LpM0
-
晴絵「それじゃ私はこれで……」
京太郎「おい、お前一体なにが目的で」
晴絵「さて……じゃあな」
それだけ言うと、黒い閃光となって消えるジャグラス ジャグラー
息を吐いた京太郎
敵意を感じないことに確かな納得を感じつつ、膝をつく
京太郎「怪我は、許してくれよな……鷺森さん」
穏乃「おーい!」
京太郎「穏乃……」
走ってきた穏乃が、憧と灼を見て安心したように息をついた
京太郎「……アグルの光、か」
穏乃「え」
京太郎「……いや」
フッと微笑みつつも憧の方を見る
穏乃には見えていないようだが、京太郎には見えた
暗い場所からだからこそ見える僅かな星の光
京太郎『……まだ、残ってるんですね』
ベリアル『みてぇだな、金属生命体とウルトラメダルを合わせることでウルトラメダルの力を強制的に引き出すたぁ考えたな』
京太郎『でも』
ベリアル『ま、どうなるかはわかんねぇがな』
- 491 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/27(月) 01:14:06.08 ID:gWIe4LpM0
-
頭の中でベリアルと話をしていると、声が聞こえる
そちらを見れば―――揺れていた
京太郎「宥さん!」
宥「きょ、京太郎くんっ! 穏乃ちゃんっ!」
勢いよく走ってきた宥を受け止める
ギュッと背中に回された腕に、戸惑うも穏乃は笑みを浮かべていた
後から歩いてくる晴絵
晴絵「私は?」
京太郎「すみません見えませんでした」
晴絵「宥の胸しか見てなかったの間違いじゃ?」
京太郎「う゛!」
宥「あぅっ」カァッ
離れる宥、いたしかたないと汗を浮かべながら頷く京太郎
ともかくだ、今はそんなことをしている場合ではない
晴絵「灼、憧……」
宥「玄ちゃん、は……」
京太郎「和と共に、か」
顔をしかめる京太郎だが、穏乃は頷く
穏乃「やるよ、私は……玄さんも、和も救い出す!」グッ
京太郎「……そうか」フッ
穏乃「そのために、ガイアの光を託された!」
京太郎・晴絵「あ」
宥「え」
穏乃「……え、あ、うわぁっ!!?」
京太郎「お前が驚くな、驚くタイミング逃すから」
宥「え、え!? ど、どういうこと!?」
晴絵「あーなるほどね」
穏乃「どどど、どうしよう!」
京太郎「ま、まぁ二人なら良いだろ、うん」
穏乃「ま、まぁ確かに……?」
無理矢理納得する穏乃、そして京太郎
とりあえず状況説明も必要だろうと、話すことを頭で整理する
まずは―――
- 492 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/27(月) 01:30:27.17 ID:9b4S8r0J0
-
「こっち! こっちにウルトラマンの気配ィ!」
「絶対いないですってぇ!」
突然、声が聞こえた
数十メートル離れた場所に人影が見えた
晴絵「ん? マスコミ?」
京太郎「この声……」
ベリアル『逃げるぞ!』
京太郎『ベリアルさんが即座にその判断とは……了解です!』
即座に持ち物を確認して頷くと、宥、晴絵、穏乃の順で顔を合わせる
言いたいことを理解してくれたのか、笑顔を浮かべて頷く晴絵
宥「また来たら、松実館に……お帰りお待ちしてます」ニコッ
京太郎「また帰ってきます。お父さんにもよろしくっす」
穏乃「ありがとう京太郎! また一緒に!」
京太郎「……ああ、また一緒に」コクリ
次に目線は、新子憧―――アグル守られた者に
京太郎(さよならだ、新子憧)
静かに頷くと、京太郎は走り出した
目的地はまだ決まっていない
だが、友と約束した……
京太郎「―――和、玄さん、必ず……!」
ベリアル『いくぞ小僧ォ!』
京太郎「はい!」
返事と共に、京太郎はゼットライザーのトリガーを引いた
- 493 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/27(月) 01:41:55.07 ID:9b4S8r0J0
-
第11話【悪魔】 END
- 494 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/27(月) 02:02:18.27 ID:9b4S8r0J0
-
◆どこへ向かう!
×、奈良(阿知賀・晩成)
2、東京(臨海)
3、大阪(千里山→姫松)
4、大阪(姫松→千里山)
5、岩手(宮守)
6、東京(アナ・プロ)
7、東京(白糸台)
8、北海道(有珠山)
9、長野(鶴賀・風越)
◇
- 495 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/27(月) 02:05:30.15 ID:9b4S8r0J0
- 今回はここまでー
次回は明日たぶん22時ぐらいからはじめまーす
安価ってことで是非ー
阿知賀編一回目、晩成の出番ほぼなし!
まぁ次回はある次回はー
そんじゃまたー
- 496 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/27(月) 02:32:46.09 ID:GcEtqBaV0
- 乙
安価なら4で
- 497 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/27(月) 02:55:45.80 ID:uudAP7Ie0
- 乙
阿知賀が終わったけどまだなんかありそうだな
安価は789が追加で出たけど悩むな
- 498 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/27(月) 22:09:16.55 ID:nv3Okrwo0
- お待たせしましたー
やってくよー
15分ぐらいから安価投下してくー
- 499 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/27(月) 22:13:34.85 ID:uudAP7Ie0
- きた!
とりあえず臨海狙ってみるか
- 500 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/27(月) 22:15:08.12 ID:nv3Okrwo0
-
◆どこへ向かう!
×、奈良(阿知賀・晩成)
2、東京(臨海)
3、大阪(千里山→姫松)
4、大阪(姫松→千里山)
5、岩手(宮守)
6、東京(アナ・プロ)
7、東京(白糸台)
8、北海道(有珠山)
9、長野(鶴賀・風越)
◇5分間で1↓から〜 コンマが一番高い選択肢
- 501 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/27(月) 22:15:37.70 ID:uudAP7Ie0
- 2
- 502 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/27(月) 22:41:45.41 ID:okMKpijE0
- 2、東京(臨海)
―――次回予告
京太郎:東京……久しぶりだな
ベリアル:余計なもんをさっそく感じんな
京太郎:余計なもの、ですか?
智葉:男?
ネリー:でもカネゴンはどうかな?
京太郎:どこに行ってもこれだな!
次回【東京の風】
京太郎:ヤキトリにしてやらァ!
- 503 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/27(月) 22:55:36.91 ID:PZofMT9+0
-
―――【江東区】
駅を出て、京太郎は背を伸ばす
10月ともなれば空気もずいぶん涼しく夏来た時とはまた違った雰囲気を感じる
腕時計型の端末を開く
京太郎「……和の目撃情報、東京とはな」
ベリアル『にしてもその小娘ばかりだな、他は?』
京太郎「優希、まこ先輩、それに咲……」
誰一人見つかっていない
今は和しか、手掛かりがないのだ
京太郎「……とりあえず合流を待つか」
ベリアル『ハッ、面倒なことだな』
京太郎『走ってくのはナンセンスですよ。今の運動能力だとしたら余計に』
京太郎はロータリーで周囲を見回す
そうしていると、一台の車が目の前に止まった
窓が開いて、運転席に見たことがある顔
??「待たせたな」
京太郎「いえ……いいなぁ車」ボソッ
??「辻垣内智葉だ、よろしく頼む」フッ
- 504 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/27(月) 23:05:12.60 ID:PZofMT9+0
-
辻垣内智葉の運転する車の助手席に乗り込む京太郎
目的地はここからそう遠くはないらしいものの、緊張が隠しきれない
自分の仲間たちと戦った相手……
智葉「君が、熊倉トシさんの秘蔵っ子か」
京太郎「秘蔵っ子って、どういう伝わり方しているんですか」
智葉「言った通りのだ……まぁ尾ひれはついてるだろうが」
京太郎「だと思いますよ」
長野や阿知賀とはまた違った街並みを横目に、京太郎は苦笑する
ただ、ベリアルだから色々と動いているにすぎない
智葉「だが奈良からとは……良く働くみたいだな」
京太郎「まぁ仲間もやられてますからね」
智葉「そうなのか?」
京太郎「はい、清澄高校の」
智葉「清澄に……男?」
京太郎「あ〜そうなりますよねぇ」ハハハ
当然のことだという風に京太郎は笑った
- 505 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/09/27(月) 23:11:07.48 ID:Zj9NZDJG0
- スパイクタンパク単体で心臓やその他臓器に悪影響を及ぼすことがわかっています
何故一旦停止しないのですか
何故CDCが接種による若い人の心筋炎を認めているのに情報発信がないのですか
20代はたった1ヶ月で接種後死亡がコロナ死と同等になってます
因果関係の調査は?
- 506 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/27(月) 23:21:54.21 ID:PZofMT9+0
-
―――【特異課東京支部】
ガレージに入った車
出てくるのは京太郎と智葉の二人
体を伸ばして、長野とも阿知賀とも違う雰囲気の基地
ベリアル『余計なもんをさっそく感じんな』
京太郎『余計なもの、ですか?』
ベリアル『基地内だ』
京太郎「え、それってとってもマズイ状況では……」
智葉「どうした?」
京太郎「ああいえ! いいえ!」
ついつい普通にベリアルに応えてしまった京太郎
両手を振りながら頭を振るうと、外はは首をかしげる
智葉「まぁいいか……行くぞ」
京太郎「はい!」
長い髪をなびかせて歩く智葉の後ろを歩いていく
少しばかり警戒しながら……
京太郎(警戒……警戒……)
ガンッ
京太郎「痛ぁ! なんで一斗缶ンンッ!」
智葉「ああ、気を付けろ」
ベリアル『どこが警戒だ』
- 507 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/27(月) 23:31:28.77 ID:PZofMT9+0
-
扉が開く、長野基地と同じつくりの作戦室に入るのは二人
辻垣内智葉と、足を気遣いながら歩く京太郎
智葉「戻ったぞ」
???「おかえりー」
京太郎「痛ぁ……」
智葉「あー……ネリー、こちら」
???「須賀京太郎、でしょ?」
そこに座っていたネリー・ヴィルサラーゼがそう言うと、智葉は意外そうな表情をした
それもそうだ。須賀京太郎を知っている人物なんぞ長野の雀士でも珍しい部類
清澄だからなんとなく知っているという人間がいるぐらいである
京太郎「し、知ってるとは意外……」
ネリー「宮永の彼氏でしょ?」
智葉「そうな」
京太郎「違います」
智葉(だいぶ食い気味……)
- 508 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/27(月) 23:44:28.57 ID:PZofMT9+0
-
作戦室のテーブル
やはり囲むように座るのが正解らしく、モニターに背を向けぬように智葉は座る
既に座っているネリーが、指差すのでそちらに座ろうとするも―――
ガンッ
京太郎「いったぁぁあぁぁっ!」
智葉「次はなんだ!」
ネリー「あー、それねこの間、しおりんが買ったダイエット器具」
智葉「あの人は……」
ネリー「ねー体重増えたって言ってたけど絶対おっぱいにいってるだけだよ」
あまりの激痛に倒れる京太郎
ネリー「うわぁ」
智葉「どんだけ痛いんだ……」
京太郎「ぐおぉ……いてぇ」
チャリンチャリン
立とうとした時、なにかが落ちた音がした
ネリー「お金!」バッ
京太郎「はえーよ、ちげぇし」
ネリー「……ほんとだ怪獣メダルだ」ハァ
京太郎「露骨にガッカリするなぁ」
ネリー「ネリーは許そう……」
瞬間、作戦室の扉が開いてナニカが入ってくる
????「お金!!?」
京太郎「怪獣だぁぁぁっ!!?」
ネリー「でもカネゴンはどうかな?」
- 509 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/27(月) 23:54:45.27 ID:PZofMT9+0
-
入ってきた怪獣カネゴン
京太郎の方を、いや落としたメダルを見る
前に出る智葉
智葉「どうどうどう」
カネゴン「なぁんだメダルかぁ……」
智葉「ほら、今は真面目な話をしてるんだ」
そう言って智葉が京太郎の方を見る
手でメダルをしまえとジェスチャーされるので、京太郎はメダルをホルダーに入れた
カネゴン、と呼ばれた怪獣をマジマジ見る
京太郎「……怪獣だ」
ネリー「カネゴンの怪獣メダル入れられててさぁ」
京太郎「え」
ネリー「最近、ネリーから出てきて……あ、メダルと一緒に」
京太郎「なにそのパターン」
少し気になりもする
ネリーの話ぶりからしておそらく被害などはなかったのだろう
智葉「ほら、小銭は別でやるから」
カネゴン「サトハは優しいねぇー!」
智葉「現金だな」
カネゴン「現金!?」
智葉「そういう意味じゃない」
ネリー「智葉は表に出せないお金一杯あるだろうし、処理に困ったらカネゴンにあげてね」
智葉「あるか!」
京太郎「やっぱり……」
智葉「お前も私をなんだと思ってるんだ!?」
- 510 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/28(火) 00:13:42.54 ID:8IpIgfJV0
-
カネゴンが出て行き、京太郎、智葉、ネリーの三人がそこにいた
キーボードを叩く智葉
モニターの表示が切り替わり、画像が出てくる
京太郎「これは……」
智葉「昨日の画像だ。原村和、だろ?」
京太郎「ええ、それに玄さん……」
智葉「ああ、松実玄……覚えている」
その言葉の重み
戦ったからこそわかることもあるのだろう
京太郎「この二人、どこで?」
智葉「案外近場だ……やはり雀荘らしいが」
ネリー「むぅ、麻雀さえできればネリーがメダル吐き出させたるのにぃ!」
京太郎「怪獣メダル入ってる奴は舐めない方が良いぞ」
ネリー「ネリーだって入ってたからわかるよぉ」
京太郎「でも、だよ」
戦ったからこそよくわかる原村和の異常さ
自分はともかく南浦数絵と染谷まこの二人を封殺した強さを……
智葉「まぁともかくだ。まずはこの場所に行ってみるとしようか」
京太郎「はい、ついでにここ最近でここらで起きたこととか教えてもらえれば」
ネリー「ネリーもいく!」
智葉「ああ、監督もまだ戻ってこないし……とりあえず私たちでできることをやろう」
- 511 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/28(火) 00:15:24.05 ID:k3Xrtwi00
- 最初に来たらカネゴンの話あったのかね
- 512 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/28(火) 00:27:34.63 ID:8IpIgfJV0
-
走る車の運転席に座る智葉、助手席に京太郎
そして後部座席にネリー
京太郎「え、神代がスポンサーをしてる?」
智葉「と聞いたが……」
京太郎「なんでまた」
頭に思い浮かぶのは永水女子の雀士たち
石戸霞、神代小蒔、滝見春、石戸霞、石戸霞、狩宿巴、石戸霞、薄墨初美
京太郎(いかん、おもち欠乏症だ)
ベリアル(たぶんアホなこと考えてやがんな)
智葉「それはまぁ、日本の……いや、地球の危機だからな」
ネリー「他の大手企業とかもこぞって特異課にお金出してるらしいよ!」
京太郎「そうか、まぁそうなれば不思議じゃないか」フム
ネリー「やったね須賀! お給料が増えるよ!」
京太郎「おいやめろ」
ネリー「なんで?」
京太郎「なんでも」
そう言って深く頷く
智葉「仲良くてなによりだが……着くぞ」
ネリー「おー禍々しい気配」
京太郎「そうか?」
ネリー「たぶん」
- 513 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/28(火) 00:49:33.01 ID:JBm5g1HU0
-
駐車場に車を置いて、三人は雀荘の前に立つ
ネリーが言っていたこともあながち間違いでもないのか、京太郎は顔をしかめる
異様な雰囲気が、漂っていた
京太郎「……電話繋がります?」
智葉「ダメだ、中に電話したがつながらない」
京太郎「こりゃダメだ」
ネリー「えー」
ガッツハイパーを持つ三人
おまけに智葉は、なぜか帯刀している
京太郎「……なんで?」
智葉「……放っておけ」
京太郎「はぁ」
そう言って頷くと、息をつく京太郎が二人を見る
頷く二人に頷いて扉を蹴破るとガッツハイパーを構えながら入った京太郎
そして後から、智葉とネリー
京太郎「……」
智葉「やはり……」
暗い雀荘……その中で雀卓に座っている少女が一人
脚を組んで座っているその少女、原村和は妖艶に笑みを浮かべた
風も無いのにそのピンク色の髪が揺れている
京太郎「和ぁ……」
和「また貴方ですか」ハァ
- 514 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/28(火) 01:19:15.37 ID:JBm5g1HU0
-
銃口の先に原村和
動揺の色すら見せず、原村和がため息をついた
松実玄の姿はどこにもないように見える
京太郎「……玄さんは」
和「今回の目的は雀士なので、あまり連れ回したくないんですよね。私の大事な殲滅兵器なので」
京太郎「貴様ッ!」
トリガーを引いてショック弾を放つも、見えないバリアに阻まれた
和「まぁこの辺で怪獣メダル持ちを倒す雀士がいると聞いたので……私が直々に来てみたわけですけど」
智葉「偉そうに……!」スチャッ
和「偉いんですよ実際に人類よりよほど理性的です」
京太郎「だったらさっさと大人しく和の体から出ろ!」
そう言って近づこうとする京太郎
だが和は眉一つ動かさずに、指を鳴らす
ベリアル『小僧ォ!』
京太郎「っ!」
即座に後ろに跳ぶと、一瞬前までいた場所に“光の鞭”が振るわれた
近くの雀卓が真っ二つに斬り裂かれる
京太郎「こいつっ!」
和「さすがですね」フッ
暗闇の影から現れたのは―――宇宙人
青い体、両腕がハサミ
金色のマントをつけた異質な宇宙人
ベリアル『テンペラー星人か!』
ネリー「雀荘は戦う場所じゃないでしょぉ!」
京太郎「まったく同意見だよ!」
- 515 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/28(火) 01:37:52.31 ID:JBm5g1HU0
-
テンペラー星人「避けられた!?」
和「まぁ他の方法でいきましょう。勿体ないですし」
テンペラー星人「悠長なことを!」
言い争う和とテンペラー星人
京太郎は素早くガッツハイパーを放つも、やはりバリアで防がれた
ネリーが、テンペラー星人に銃を撃つが、ビームウィップで弾かれる
テンペラー星人「鬱陶しい!」
京太郎「ッ!」
ビームウィップが攻撃のため、ネリーに振るわれた
確実な直撃コースで、京太郎は顔をしかめつつネリーを抱きかかえる
ネリー「須賀っ?!」
京太郎「ッ!」
ベリアル『くるぞ!』
智葉「させるかッ!」
素早い抜刀―――智葉がビームウィップを弾いた
テンペラー星人「なに!?」
智葉「かの錦田小十郎景竜の刀だ、並ではない!」
和「倒してはもったいない……撤退ですよ」
そう言うと、和とテンペラー星人は闇の中に消える
744.64 KB Speed:0.8
↑
VIP Service
SS速報VIP
更新
専用ブラウザ
検索
全部
前100
次100
最新50
続きを読む
スポンサードリンク
Check
荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service)
read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)