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【咲-saki-】京太郎「ウルトラマンの力」咲「光よ!」

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353 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/19(日) 23:20:03.05 ID:RH8EkDKj0


―――翌朝【特異課施設】


廊下を歩く京太郎

そんな廊下に置いてあるベンチに座っている女性が一人

軽く手を上げると、そちらは気づいたようで隣をポンポンと叩いた


京太郎「じゃあお邪魔して」

はやり「どーぞ」


そう言って隣に座った


京太郎「どうしたんっすか?」

はやり「……その、ね」

京太郎「?」

はやり「その……着いて行こうかな」

京太郎「え?」

はやり「あーいや、その……どう、かな?」


お勧めはできない

なぜならば、彼の原動力は彼の欲望だと理解した

自分のために、自分のためだけに、原村和を取り戻す


京太郎「……その、ですね」

ビービー

京太郎「っ!」

はやり「敵!?」

裕子『キングジョーの出現を確認! 戦闘メンバーはただちにガレージへ!』

京太郎「っ……行きましょう!」

はやり「うんっ!」
354 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/19(日) 23:27:00.95 ID:RH8EkDKj0

ガレージへとやってくる京太郎とはやりの二人

いつもの車がそこに止まっているのだが、既に後部座席には一人

ドアを開けると二人で車内へ


京太郎「な、なにやってんですか!」

はやり「そうだよ。安静にしてないと!」

美穂子「いえ、戦います。幸い大した怪我じゃありませんし」

はやり「でもっ、ウルトラマン同士の戦いに巻き込まれ」

美穂子「お願い、します」

京太郎「……行きましょう」

はやり「京太郎くん!?」

裕子「言って引き下がるならもうやってますよ」フッ

はやり「……」

京太郎「美穂子さん、無理せず下がってくださいよ。いざとなったら」

美穂子「……ええ」コクリ

はやり「ああもう……行こう!」

裕子「!」コクリ

美穂子「ありがとう、ございます!」


アクセルをベタ踏みして、裕子は車を発進させる

355 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/19(日) 23:42:24.32 ID:RH8EkDKj0

―――【市街地】


街中を進むキングジョー

なにが目的かなど考える必要もない

ただ暴れているならばやることは一つだけ


裕子「はいどうぞ!」


車が止まると即座に降りる裕子を除いた三人

走り去る車だが、裕子も銃撃をしているようだ


キングジョー「―――!」


機械音を出しながら、車の方を向くキングジョー

三人で同時にガッツハイパーにて銃撃を行うと、次はこちらを見る

動き出そうとする三人


京太郎「……」

美穂子「……京太郎」

京太郎「?」

美穂子「私は、一人で戦う」

はやり「……!」

京太郎「美穂子さん!?」


ハッキリと美穂子は口にした

彼女とて先日の戦いで京太郎がベリアルだということは理解している

だからこそ、なのだろう……


美穂子「私は一人で、大丈夫……戦えるからッ!!」


そう言うと、スパークレンスを掲げる

京太郎とはやりの前で、美穂子は―――ティガ-光-になる

はやりは、京太郎の手を取るとキングジョーと逆方向へと走り出す
356 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/19(日) 23:58:02.95 ID:pV28kx5m0

ティガが再び、キングジョーへと立ち向かっていく

パワータイプへと変わりキングジョーの胴体に拳を打ち込む

力強い攻撃に怯むキングジョー


はやりに先導されて離れる京太郎


京太郎「なんで知ってんだよ、美穂子さんが……俺が行くって!」

はやり「わかんないけど、でも! あの子は一人で戦うって言った!」

京太郎「っ」

はやり「!?」


瞬間、はやりの前に現れる影

青みがかった黒髪を振り乱して、池田華菜ははやりの腹部を蹴る

京太郎は、はやりを抱えて即座に後ろに跳んで背中から落ちた


華菜「……」

京太郎「っ!」

はやり「げほっ、えほっ……う゛っ」


衝撃を殺すために後ろに跳んだが、完全には殺し切れずに咳き込み嘔吐するはやり

その背を軽く撫でてから、立っている華菜を睨む

特に、彼女とは話したことはない。見たことはあるがそれ以上はない


京太郎「お前……池田さんを操ってんのが誰か知らないけどな」


立ち上がった京太郎の瞳が赤く輝く


京太郎「効くと思うなよ、俺にィ! 人質なんかが!」


麻雀関係の知人が少なかったが故の、自分の強みではある

多少手を出したところで無事であれば問題ないという、どこか他人事のような思考

否、事実そうである。須賀京太郎にとっては


京太郎「多少怪我させてでも連れてくッ!!」

華菜「……!」ダッ

京太郎「ちったぁ勘弁しろよ池田ァ!」


はやり「きょ、きょうちゃっ」ゲホッ
357 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/20(月) 00:13:09.47 ID:Baa7Fog+0


ティガのパンチがキングジョーのボディに叩きこまれる

怯んだキングジョーがすぐに張り手をするも、今回こそティガは受け止めて耐えた

お返しとばかりにさらに拳を打ち込む


美穂子『これなら……京太郎くん、私は大丈夫だから……!』

ティガ「タァッ!」

キングジョー「―――!」


さらに拳を打ち込もうとした瞬間、キングジョーが破壊光線を放つ

即座にティガは回避

その光である美穂子の両の瞳は、はっきりとキングジョーを捉えている


美穂子『もう、同じ手は!』

ティガ「テアッ!」


光弾を放つ―――だが、キングジョーはバリアを張って光弾を凌ぐ


美穂子『知らない技、でも!』


キングジョーがさらに破壊光線を放つ

バリアが解除されるも、回避せねばならないため横に転がった

しかし、すぐにキングジョーが大股で歩くような蹴りをティガに打ち込む


ティガ「グアッ!」
358 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/20(月) 00:32:12.37 ID:NZXuWEF40


そこから離れた道路、池田華菜が路地裏から吹き飛ばされて転がる

体にいくつかの擦り傷がついているも、表情は変えない

鼻から出てくる鼻血を拭う仕草を見せる


京太郎「……」


路地裏から出てくるのは須賀京太郎

素早くスーツの内側から取り出すのはガッツハイパー


華菜「!」

京太郎「大人しくしとけよじゃじゃ猫っ!」


すぐに目の前まで接近してくる華菜の振るう手を後ろに反って避ける

立てた爪、それが京太郎の前髪を僅かに掠った

背中から地面に倒れる京太郎が、ガッツハイパーを池田華菜に向ける


華菜「!」

京太郎「正体を現せよォ!」

華菜「!!?」


放たれたガッツハイパーのスタン弾

それが華菜の体にぶつかり、その意識を刈り取る

前のめりに倒れる華菜を、即座に起き上がって抱きとめた


京太郎「池田さんっ!」


だが池田がいたその場所に現れるのは、宇宙人


京太郎「ッ!」

ベリアル『ゴドラ星人か!』

ゴドラ星人「巨大化するエネルギーすら収穫できずに……!」
359 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/20(月) 00:48:01.78 ID:mf5Tl7ls0


すぐに華菜を寝かせて、両手を地に着くと勢いのままに加速し、ゴドラ星人へと蹴りを打ち込む

放たれたその蹴りを、両手で防ぐゴドラ星人だが勢いにより京太郎から離される

いや、敢えて離れたのか……


京太郎「ッ!」

ゴドラ星人「!」

ベリアル『両手のハサミ! ゴドラガンの光線に気ィつけろよ!』

京太郎「ッ! ……了解っす!」


ガッツハイパーのカートリッジを排出させると、ゴドラ星人に向かって平行に走る

放たれるリング状の光線を回避していく


京太郎「ベリアルさん、俺は……一人じゃないんっすよね。最初から」

ベリアル『アァ?』

京太郎「だからッ!」


カートリッジをはめると、ゴドラ星人の方を向く

加速を殺すために脚を横に出して砂煙をあげて止まる

放たれる光線は、頭部に向けて


ベリアル『ビビんじゃねぇぞ!』

京太郎「当然!」


頭を下げて、光線を真上に加速

驚愕するゴドラ星人がさらに京太郎に光線を放つも、横にステップして回避

ガッツハイパーを撃つ


ゴドラ星人「ぐわっ!」

京太郎「まだッ!」


さらに銃弾を撃ち、ゴドラ星人を怯ませつつ接近

どんどんと距離を詰めていく

3メートル、1メートル、そして―――


ゴドラ星人「ぬおぉ!」

ベリアル『小僧ォ!』

京太郎「今ァッ!」


ゴドラ星人の右手のハサミが振るわれる!

360 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/20(月) 00:56:15.85 ID:mf5Tl7ls0


京太郎たちの戦場から離れた場所で戦うティガとキングジョー

一進一退の戦いは繰り広げられている

そんな二体の戦いを見ているのは―――熊倉トシ


トシ「さすがだねぇ……セブンを追いつめただけある」


背後にはトシが乗ってきた車両

そしてその後部座席には……


久「あれが光の力……」


熊倉トシの視線はティガとキングジョーの戦いから逸らされる

視線の先にはビル、その屋上―――そこに立つ、ゼットン星人

だがそのゼットン星人の意識はキングジョーとティガの戦いに向けられていた


ゼットン星人「いいぞキングジョー! ペダニウムの光で、消し去れ!」


両手を広げ、ゼットン星人は高らかに笑う

361 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/20(月) 01:08:30.28 ID:mf5Tl7ls0


京太郎とゴドラ星人

振るわれた爪は、京太郎を斬り裂くことなく止まっている

その斬撃を止めているのは―――ゼットライザーのブレード


ベリアル『ハッ、やるじゃねぇか!』

京太郎「……そうだよ。そりゃな!」

ゴドラ星人「なんだとぉ!?


超至近距離、京太郎はガッツハイパーの銃口をゴドラ星人の眼前に突き付けた


京太郎「これで和了ってな―――!」


トリガーが引かれると、ゴドラ星人が真後ろに倒れる


ベリアル『やったか』

京太郎「っ……はぁ」


立ち上がった京太郎

ゴドラ星人が粒子となって消えると、メダルが落ちる

それを拾うと、離れた場所に見えるキングジョーとティガの方に眼を向けた


京太郎「ッ!」ダッ

362 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/20(月) 01:16:30.12 ID:mf5Tl7ls0


キングジョーの張り手を受け止めて、ティガが蹴りを打ち込む

怯むキングジョーが再び破壊光線を撃つ

吹き飛んだティガ、そのカラータイマーが点滅する


ティガ「ヴアッ!」

キングジョー「―――!」


さらに放たれる破壊光線を、バリアで防いだ

だが照射される破壊光線を防ぎ続けるのも無理がある


ティガ「グッ!」

美穂子『みんなを、守る! それが私の力の源……だから!』


バリアで破壊光線を防ぎながらも、立ち上がる

一歩一歩進むが、押し込まれて怯む


美穂子『だから、私は一人でもっ!』

キングジョー「―――!」


だが、キングジョーに銃撃が飛ぶ

それに僅かに怯むキングジョー


ティガ「!」バッ

美穂子『京太郎!?』


ガッツハイパーを撃つ京太郎、その横には瑞原はやり

二人で銃撃をしていると、さらに他の方向からも銃撃、おそらく裕子なのだろう

京太郎は、ティガの方をはっきりと見た


美穂子『私は、私は一人でも!』

京太郎「一人でっ……一人で戦えるわけないだろッ!」

美穂子『ッ!!?』

363 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/20(月) 01:28:32.97 ID:mf5Tl7ls0


銃撃を続ける京太郎とはやり

それにより僅かに破壊光線の威力が弱まっている

だが、まだだ……


京太郎「ならッ!」

ベリアル『あの小娘は、まだ負けてねェんだろ?』

京太郎「でもっ!」

ベリアル『ここで死ぬような奴はいらねぇだろ』


言いたいことは理解できるが、それでもだ

だがその瞬間、前に差し出される何か

京太郎はそれを差し出した相手、熊倉トシを見る


京太郎「トシさん」

トシ「こいつを使いな」

はやり「……もらうよ」


受け渡されたそのカートリッジを、はやりが受け取る

驚く京太郎に、はやりは笑みを浮かべた


トシ「ライトン30弾、一発きりだよ」

はやり「りょーかいです☆」

京太郎「ちょ、なんではやりさん」

はやり「……大丈夫だよ」

京太郎「へ?」

はやり「福路ちゃんは……一人で戦ってるわけじゃ、ないからね!」


そう言うと、ガッツハイパーをキングジョーへと向ける


はやり「京ちゃん……行ってらっしゃい」

京太郎「……はい!」


京太郎が走り出すと同時に、はやりはトリガーを引いた

364 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/20(月) 01:41:55.75 ID:Astajtfw0


放たれたガッツハイパーの新たな弾丸

はやりの照準に狂いはない

ライトン30弾は、キングジョーに直撃―――爆発


キングジョー「―――!」

ティガ「!」

美穂子『そうよ、私は……一人で戦ってるんじゃない!』


◆BGM:TAKE ME HIGHER【http://www.youtube.com/watch?v=2FzlpZqyuKg


エラーしたかのようなキングジョーを前にティガがマルチタイプへと変わる

張り手をするキングジョーの手を弾くと、拳を打ち込む

パワーダウンしているキングジョーは、僅かに怯んだ


ティガ「タァッ!」

キングジョー「!」


はやり「そうだよ! 頑張って、ティガ!」


通常の銃撃だが、キングジョーを怯ませる

裕子も、別の場所から銃撃を放っていた


美穂子『ハアァァッ!』

ティガ「デヤァッ!」


蹴りを打ち込むと、後ろへと下がり―――そして、必殺の構えを取る


美穂子『これで終わり!』

ティガ「タアァッ!」


紫の光と共に、ゼぺリオン光線が放たれた

365 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/20(月) 01:48:23.84 ID:Astajtfw0


キングジョー「―――!」


ゼぺリオン光線の直撃を受けて、キングジョーが止まる

ずっと上げていた両手を下に下げ、後ろ向きに倒れた


ティガ「……」


ゼットン星人「私のキングジョーがあぁぁっ!」


そして―――爆散

キングジョーの破片が周囲に散らばる

そしてティガは光となってその場に収束していく


地に立っているのは福路美穂子

膝をついて、その顔に疲労を滲ませた


美穂子「っ……ありがとう。みんなっ」


そして空を見上げる


美穂子「大事なこと、忘れてた……仲間がいる。ありがとう、京太郎っ」


思い出すは、はるか遠くに感じるあの夏

仲間たちとの―――絆

366 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/20(月) 02:00:57.92 ID:Astajtfw0


ビルの屋上で、ゼットン星人がガクリと崩れ落ちる

膝をつき、地面を殴った


ゼットン星人「ペダニウムの光おぉっ!」

「なんの光がなんだって?」

ゼットン星人「っ! 貴様!」


そこにいたのは、闇の巨人―――ベリアル


ゼットン星人が後ずさるが、即座に接近するとその首を掴んで投げ飛ばす

吹き飛んだゼットン星人がビルの貯水槽にぶつかり、めりこむ


ベリアル「ハッ! 雑魚は小細工が好きだなァ」

ゼットン星人「ぐっ……卑怯と、言いたいか?」

ベリアル「あぁ? 言わねェよ、卑怯もラッキョウもあるものかとか言われかねねぇからな」

ゼットン星人「メフィラス、そうかいたな……貴様の昔の仲間に」

ベリアル「はっ、オレの仲間っつうには微妙だけどな


そう言うと、ベリアルは両足で地をふみしめる


ベリアル「オレの中の奴も相当ォキレてっからな……生半可な威力じゃねぇぞ」

ゼットン星人「人間風情、がっ」

ベリアル「ハッ、いつもそのたかが人間に苦渋舐めさせられてる奴が言うセリフじゃねぇなぁ」


右腕に集まる闇の力、赤い雷


京太郎『闇の力で、消し去る!』

ベリアル・京太郎「デスシウム光線!」


放たれた光線は、真っ直ぐにゼットン星人を飲み込む


ゼットン星人「オォォォ!!?」


貯水槽を貫き、そのまま光線は空へと―――伸びていく
367 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/20(月) 02:09:43.85 ID:Astajtfw0


手を降ろしたベリアルが、右腕を振るう

左手を顎にそえて首を鳴らすと、空を見上げた


ベリアル『行くか? このまま』

京太郎『はい、名残惜しくなりそうなんで』

ベリアル『ハッ、そうか……』

京太郎『どうしたんっすか?』

ベリアル『昔を思い出しただけだ……』

京太郎『昔にそんな仲間が?』

ベリアル『しもべだ、まぁ着いてきたがな』

京太郎『良い、仲間ですね』

ベリアル「オイ! だから下僕だって」

京太郎『じゃあ、これが初めてっすね』


勢いあまって荒々しく喋るベリアル

それと反対に京太郎は優しげな声


京太郎『帰るべき場所に仲間がいるの……』

ベリアル「……」

京太郎『たぶん、きっとそれは……良いもんっすよ』

ベリアル「ハンッ! どーだかな」


そう言うと、ベリアルが飛び立つ

次の目的地は既に決まっている

やるべきことも……


京太郎『きっとまた強敵ばっかですよ』

ベリアル「ハッ、上等だ!」
368 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/20(月) 02:19:10.60 ID:Astajtfw0


空を行くベリアル

その小さな影を、福路美穂子と瑞原はやりが見上げる

救護班の車に乗せられている池田華菜

その近くにいた熊倉トシもまた然り


トシ「行ってらっしゃい……」

はやり「……」

美穂子「京太郎……」


グッと、拳を握りしめるはやり


はやり(京ちゃん……待ってるから、君の帰ってくるココで)

美穂子(守るから、京太郎が帰ってくる場所を)


はやりは満面の笑顔を浮かべ、戦士を見送る

369 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/20(月) 02:23:29.08 ID:Astajtfw0


     第8話【いつかの再開へ】 END

370 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/20(月) 02:33:18.42 ID:Astajtfw0

よーっし第一部完!
展開早い気もするけどこんなもんだって!

次回から第二章全国編!
どこいく的なー


1、奈良(阿知賀・晩成)
2、東京(臨海)
3、大阪(千里山→姫松)
4、大阪(姫松→千里山)
5、岩手(宮守)
6、東京(アナ・プロ)


以上選択肢でございますー
ちなみに明日の10時ぐらいから開始予定ー

そんじゃまたー
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/20(月) 02:43:27.81 ID:2ePRBCDw0

多分、晩成の面々はダイジェストで片付けるんだろうなw
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/20(月) 02:57:06.27 ID:u4cuItw70

はやりんキャップがめっちゃヒロインだし京太郎カッコイイ
目的地悩むな千里山も良いけど阿知賀か東京狙ってみるか
373 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/20(月) 21:53:03.78 ID:Jm5FS51B0

ご唱和ください、スレの名を!

てことでやってくー
と言いつつも安価なんで22時からー

どこに行くのかー
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/20(月) 21:56:35.13 ID:u4cuItw70
きた!
375 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/20(月) 22:00:04.19 ID:Jm5FS51B0


◆原村和が発見された場所へ向かう!


1、奈良(阿知賀・晩成)
2、東京(臨海)
3、大阪(千里山→姫松)
4、大阪(姫松→千里山)
5、岩手(宮守)
6、東京(アナ・プロ)


◇5分間でコンマが一番高い選択肢↓
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/20(月) 22:00:43.64 ID:u4cuItw70
1
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/20(月) 22:01:55.74 ID:2ePRBCDw0
1
378 : ◆T3wZhmz5ZM [saga]:2021/09/20(月) 22:07:27.34 ID:ddxE2U0Ao
4
379 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/20(月) 22:07:32.12 ID:Jm5FS51B0


1、奈良(阿知賀・晩成)

380 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/20(月) 22:15:53.52 ID:Jm5FS51B0
>>378 こっちのスレに派遣!


―――次回予告


京太郎:吉野についたぞ!

ベリアル:さっそくろくでもねぇ感覚だ

穏乃:須賀君だ!

宥:ゆっくりしていってね

晴絵:特異課奈良支部にようこそ

京太郎:デビルスプリンターっていったい……


次回【大地の光】


京太郎:また、ウルトラマン!?

晴絵:目に見えるものだけを信じるな

381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/20(月) 22:23:47.25 ID:u4cuItw70
レジェンドもしかして
382 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/20(月) 22:29:45.58 ID:Jm5FS51B0


あれからそれほど時間はかからなかった

ベリアルとなって奈良の地、吉野までやってきた京太郎

街中を歩き、まずは目的地まで向かう


京太郎「吉野についたぞ!」

ベリアル『デカい独り言だな』

京太郎「良いじゃないっすか……ちょっとテンションあがってるんですよ」


それにしてもだ、原村和が見つかった地

思い入れなどがあったからこそ、なのだろうか


京太郎「まぁまずは」


そのまま真っ直ぐと道路を下って行く


京太郎「……あった」

ベリアル『ああ? 寝床探しか?』

京太郎「まぁ、そんなもんっす」


ベリアルの疑問に軽く返して、その旅館“松実館”へと入って行く

383 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/20(月) 22:41:49.79 ID:Jm5FS51B0


松実館へと入ると、そこに立っていたのは9月にしても厚着の少女

マフラーとセーター、ロングスカート

見間違えるわけがない。一度とはいえ見た時は度胆を抜かれた


京太郎「えっと、松実宥さん……ですよね?」

宥「あ、はい、須賀京太郎君、ですよね?」


お互いに恐る恐ると言った様子で挨拶をする

合流予定があったのは京太郎がしっかりと連絡をしていたからと、トシの根回しのおかげだろう

スーツ姿の京太郎と、私服である宥の二人


京太郎「……えっと、案内をお願いしても?」

宥「あ、はい! ご、ごめんねっ」

京太郎「いえいえ、急にお邪魔しちゃってすみません」

宥「ううん、赤土先生は驚いてたけど」

京太郎「ハハハ、まぁ……色々あって」

宥「そっか、ちょっとボロボロに見えるけど」

京太郎「まぁ色々ありまして」


あの戦いから直接来たのだ

砂埃がスーツを汚している

軽く叩いて払うと、先を行き松実館を出る宥の後を追う
384 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/20(月) 23:05:41.11 ID:Jm5FS51B0


松実館から五分ほど歩いて、宥と京太郎は阿知賀学院近くの5階建ての小さなビルへと入る

ロビーに入ると受付に女性がいて、宥が軽く頭を下げて服の内側から首にかけていた証明章を出した

京太郎もスーツのポケットに入った証明章を出す


「どうぞ、五階へ」


受付の女性の言葉に宥の方を見ると頷かれる

そのまま着いていき、エレベーターへと入った


宥「えっと、久しぶり……だよね?」

京太郎「憶えてます? 話してもないっすよ?」

宥「あ、でも唯一の男子生徒だったから、和ちゃんからもお話聞いたらしいから玄ちゃんが」

京太郎「ああ、松実玄さん」ハハッ


そう笑う京太郎は、僅かに宥の表情が曇るのを見逃さなかった

妙な感覚だが、憶えがある

顔をしかめて上のエレベーターのランプに視界を向けた


京太郎「ん」

宥「あ、ついたね」


扉が開くと廊下、そこを歩き大きな扉の前に立つ

軽くノックをする宥、中から声が聞こえた


??「どうぞー」

宥「入りまーす

ガチャッ


扉を開くと、そこは長野の特異課施設の作戦室を思い出す作り

大きなテーブルと、モニター、そして機材

そのテーブルを前に座っているのは二人


??「須賀君だ!」


声を上げるのは高鴨穏乃

そして、もう一人……赤土晴絵


晴絵「特異課奈良支部へようこそ」フッ

385 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/20(月) 23:07:25.89 ID:Jm5FS51B0


     第9話【大地の光】

386 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/20(月) 23:36:49.63 ID:Jm5FS51B0

テーブルを囲んで座る面々

須賀京太郎、松実宥、高鴨穏乃、赤土晴絵

アンバランスというかなんというか、穏乃のスーツ姿が見慣れない


京太郎「……特異課なんですね」

晴絵「その通り、特異災害及び特異現象及び超常現象対策課……の奈良支部」

京太郎「しかも、いやしかももなにもないか、そりゃ雀士が必要だ」

晴絵「話早くて助かるねーうん」


満足げに頷く晴絵


京太郎「で、さっそく本題なんですけど」

晴絵「和のことだよね」

穏乃「……」

京太郎「はい、場所は掴んでるんですか?」

晴絵「いいや、掴んでたら早かったんだけどね……また行方不明」

京太郎「……そうっすか」


そう返事をして、息をつく


晴絵「悪いね。こっちもこっちで色々あってさ」

京太郎「察しはついてますよ」

穏乃「やっぱり、そっちも同じなんだ」


無言でうなずく


京太郎「……和が相手だから、そっちも油断するわな」

晴絵「そういうこと、憧と玄、そして灼」

宥「それに晩成の小走さんたちも……」

京太郎「長野と一緒か」ハァ

387 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/20(月) 23:46:57.48 ID:Jm5FS51B0


晴絵がキーボードを叩くと、モニターに画像が表示される

それはトシからの見せられたものと別の原村和が映る画像


京太郎「これは……」

穏乃「和……」グッ


映っているのは和、さらに憧と玄

三人の少女、そこから灼も犠牲になったのだろうと想像がつく


京太郎「……しばらく、次の手がかりが見つかるまでこちらにいても?」

穏乃「えっ」

京太郎「協力する……させてもらう」

晴絵「おっ、そりゃ助かる! 噂はかねがね聞いてるからね」

宥「あ、ありがとうっ!」

京太郎「いえ、ただその代わりと言っちゃぁなんですが」


その言葉に、晴絵はウインクで返す


晴絵「させてもらうよ、色々サポートさ!」ニッ

388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/21(火) 00:00:06.08 ID:Zx7wbrqNo
さきほどはすいませんでした。
以後気をつけます
389 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/21(火) 00:09:29.33 ID:FNg1wCSV0


その後、京太郎は代えのスーツをもらい更衣室で着替える

納得したようで頷くと、サングラスを胸ポケットに入れてゼットライザーをしまう


ベリアル『おい、ここにいつくつもりか?』

京太郎「とりあえず次の手がかりをつかむまでは、ですね……なにがあるかわからないし」

ベリアル『ま、オレはこの妙な感覚全部を消し飛ばせれば、どーだって構わねぇ』

京太郎「そりゃなによりです」


自分とベリアルの目的は一致している

そうでなくても、身体の貸し借りをしているのだからある程度譲歩をしてくれるのはわかっている

だからこそ、今までもこれからも上手くやっていける気がしていた


京太郎「……まずは、メダルを回収しつつ和をあぶりだせれば上々ってとこっす」

ベリアル『ハッ、戦士の面構えと思考になってきやがったな』

京太郎「……褒められるとは」

ベリアル『褒めてねぇ、まともになったって言ってるだけだ』


それを褒めているというのでは、と思うがそうでもないのだろう

未だにベリアルは本来の力を出せていないのだろうし……

ドアを開いて廊下へと出る


京太郎「さてと……」

穏乃「お、須賀君!」

京太郎「ん、高鴨さん」

穏乃「これから一緒に戦うわけだから、ね!」


目の前に手が差しだされる
390 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/21(火) 00:23:45.62 ID:FNg1wCSV0


差し出された手をじっと見つめて、京太郎は手を出す

二人の手が合わさり、グッと握手が交わされた


京太郎「っ」


だがその瞬間、京太郎の視界が揺れた

一瞬だけ変わった景色の中に見えた穏乃の胸に宿る“赤い光”

すぐに元に戻ると、京太郎は頭を振って笑みを浮かべる


京太郎「その、よろしく」

穏乃「うん、京太郎!」ニッ

京太郎「……ああ、穏乃」フッ


そうして手を離すと、京太郎はまずやるべきことを頭で整理しようと考える……のだが


穏乃「それじゃあ京太郎には話しておかないとかな」

京太郎「ん?」

穏乃「この街にいる、ウルトラマンのこと!」

京太郎「……え、そんなの聞いたことないぞ」

ベリアル『あのばあさんからも聞いてねぇよな』

穏乃「まぁまだ二回しか出てないし」

京太郎「そ、それでも」

穏乃「あれじゃない、じょ、じょ」

晴絵「情報統制、ね」


廊下の向こうからやってきたのは赤土晴絵


穏乃「あ、それです!」

京太郎「いやにしたって」

晴絵「大概の話題は長野に取られてたし、デマ情報もネットにゃ多かったからね」

京太郎「そういうもんっすか?」

晴絵「そういうもんだよ。それに被害はほとんど出てなかったし余計にね……次からは、どうなるかな」


そう言う晴絵はなにかを含んだような笑みを浮かべる
391 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/21(火) 00:36:03.43 ID:FNg1wCSV0


京太郎「それで、ウルトラマンってどんな?」

ベリアル『ハッ、知ってる奴だったらどうすっかな』

京太郎『なんかマズイんですか……ってそっか』

ベリアル『オレがいて不味くない場合が知りてぇもんだな』


頭の中で、ベリアルの笑い声が聞こえる


晴絵「それは……ん?


瞬間、ビル内に警報が鳴る


京太郎「これはっ!」

晴絵「タイミングが悪いなぁ」ハッ

京太郎「ここってどういう感じっすか!?」

晴絵「そっちと変わらないよ。出撃! 車で!」

穏乃「了解です!」

京太郎「なるほど!」

392 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/21(火) 00:46:56.06 ID:FNg1wCSV0


特異課奈良支部の一階

入口と反対方向にあるガレージから発進する車

運転席には赤土晴絵、助手席に松実宥


京太郎「松実さんもっすか!」

宥「うん、一応……正規隊員じゃないんだけど」

京太郎「なるほど」


後部座席に座っているのは京太郎と穏乃の二人

その手にはガッツハイパーとは別の大型銃DUNKショットがある


晴絵「見えてきた」


車の進行方向、そちらには鉄の塊のようなものがあった

地面に刺さっているようにも見える


晴絵「アーカイブに情報なし……なにあれ」

京太郎「あれは……怪獣?」

穏乃「とりあえず撃ってみます! オーッス!」

晴絵「ちょっ! バカ!」


窓から乗り出した穏乃が大型銃を撃つ

それが真っ直ぐに金属塊へとぶつかると、それが形を変えて巨大な人型怪獣に変わった

しかしそれは……


京太郎「ウルトラマンに、似てる?」


どこか、そんな雰囲気があった


ベリアル『金属生命体アパテーだな』

京太郎『知ってるんですか!?』

ベリアル『名前と容姿だけだがなぁ』

京太郎「なにはともあれ、やるしかないか……!」


車が止まると共に出てくる京太郎、宥、穏乃の三人


京太郎「さて、やるか!」

宥「須賀君、銃似合うねぇ」

京太郎「それ、褒めてます?」

393 : ◆dBIP2XuQhg [sage]:2021/09/21(火) 00:49:01.14 ID:FNg1wCSV0
>>388
ええんやで(ニッコリ)
394 : ◆dBIP2XuQhg [sage]:2021/09/21(火) 00:59:00.66 ID:FNg1wCSV0


金属生命体アパテーが、勢いよく民家を踏み潰す

次にマンションを破壊しようとするが、銃撃によって怯む

その銃撃は二か所から、片方は京太郎と宥の二人だ


京太郎「穏乃どこいった!」

宥「須賀君っ!」


宥が指差す方向に、穏乃が走って行くのが見えた


京太郎「たくっ、合流し」


瞬間、目の前に建物の残骸が落ちる


京太郎「うおぉっ!!?」

宥「あ、あぶないよ!」


合流するにはいかんせん障害が多い

だが、宥と共にいても変身ができないのは確かだ

とりあえずやるべきことは……


京太郎「……例のウルトラマン、出てこないんっすか?」

宥「わ、わからないから、がんばらないと……!」

京太郎「確かに……速攻でウルトラマン頼りも良くないか」ハァ


そう言って苦笑を浮かべると、銃撃を再開する

宥も反動に耐えながら銃撃をしていく


京太郎「逆になんで穏乃はサクサク撃ててんだ」

395 : ◆dBIP2XuQhg [sage]:2021/09/21(火) 01:07:35.95 ID:FNg1wCSV0


宥の手を取って走る京太郎

走りながら銃撃をしつつ、穏乃を確認した

場所は真反対、距離はかなり空いている


京太郎「っ!」

アパテー「―――!」


瞬間、手から光弾を放ったアパテー

それは真っ直ぐ穏乃がいる場所に―――


京太郎『ベリアルさん!』

ベリアル『いや、これで良い!』


その瞬間、赤い光の柱が立つ

隣の宥が立ち止まり、つられて京太郎も止まった

ベリアルの言っていた意味を悟る


京太郎「あれは……」

宥「ウルトラマン、ガイア……」


空中に現れたガイアが、着地

それと共に地面、砂が舞い上がった

ティガとは違う光の巨人


京太郎「ガイア……」

ベリアル『地球が生んだウルトラマンか……』

396 : ◆dBIP2XuQhg [sage]:2021/09/21(火) 01:23:38.78 ID:FNg1wCSV0


現れたウルトラマンガイアが、勢いよく構えを取る

ベリアルともティガともまったく違うスタイル

現れたガイアを相手に、アパテーが変わる


アパテー「!」


体に追加装甲を纏い、右腕を槍に変形させた


ガイア「タァッ!」


走り出すガイアがアパテーの胴体に拳をぶつける

ひるみつつ、アパテーが右腕を振るう

ガイアは腕を使ってその槍を凌ぎ、さらに拳を振るった


アパテー「!」


そんな二体の戦いを見守る京太郎

その左手はメダルホルダーに添えられている


京太郎「なんで奈良にまで?」

宥「わからないけど、助けてくれてるよ。私たちを」

ベリアル『脅威に対する抗体みたいなもんか……それか』

京太郎『それか?』

ベリアル『メダルの力かもな、ウルトラメダルの』

京太郎「……」


アパテーを追いこんでいくガイアを見る京太郎

その“変身者”が誰であろうと、おそらくそれなりに戦い慣れしている

ガイアは今まで二回出現したと聞いたが、おそらく“麻雀”を何度もしているのだろう


ベリアル『確かぁ……量子物理学者、とかがガイアだったって聞いたことがある』

京太郎「……たぶん、いや絶対そんな頭良いタイプじゃないよなぁ」

宥「え?」

京太郎「ああいや、なんでもないっす!」
397 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/21(火) 01:46:20.67 ID:c5iFS6rl0


ガイアの拳が、アパテーの胸部を打つ

後ろへと怯むアパテーに、回転蹴りを放った


アパテー「!」

ガイア「テアッ! タァッ! デヤァッ!」


さらに二撃、三撃と回転蹴りを放ち怯ませていく

アパテーが徐々に後退していき、後ろに吹き飛んで倒れる

倒れていたアパテーが、溶解する鉄のように形を崩すと、八本の槍へと姿を変わった


ガイア「!!?」


その槍が持ち上がるとひとりでに回転、切っ先がガイアの方を向く


ガイア「チャッ!」


向かってくる槍を、素早く光弾で落とす

落とし切れなかった槍はバリアで凌いだ


京太郎「やるな……」

ベリアル『ハッ、おもしれぇ』

京太郎『やめてくださいよ、わざと敵にまわったりするの』

ベリアル『やらねぇよ、今はな』

京太郎『一生やめてください』


弾かれた槍が、再び人型のアパテーへと戻る

弱っているのか追加装甲も外れ、ふらついている


ガイア「フンッ!」


ガイアが両腕を前に構えて、足を開き、頭を後ろへと逸らす

赤い光が、その額へと集まり、エネルギーが伸びる


ガイア「……タアアァァァァァッ!」


頭を真っ直ぐに振るうと、そのエネルギーは鞭の如くしなり―――真っ直ぐに伸びていく


アパテー「!!?」


その光線がアパテーに突き刺さり、その体を粉々に―――爆散させる

吹き飛んだアパテー、そしてそこに立つのはウルトラマンガイア

静かに、そこに立つ


京太郎「終わった……のか」

宥「良かったぁ」ホッ

398 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/21(火) 01:59:04.68 ID:c5iFS6rl0


ガイアが例に洩れず飛び立とうとする


京太郎「ッ!」


その瞬間―――青い光がガイアを背中から撃つ


ガイア「グアアァッ!」


吹き飛んだガイアが、地上へと落ちる

そのカラータイマーを赤く点滅させながらも、起き上がり攻撃の飛んできた方向を見た

そこにいるのは……


京太郎「青い、ウルトラマン!?」

ベリアル『アグルか!』


◆BGM:アグル降臨【https://www.youtube.com/watch?v=qTa7XrlYBR4】


立っているのは青い巨人、ウルトラマンアグル

青と銀の体を持ったウルトラマンはガイアへと近づいていく

ガイアがなんとか起き上がり、構えを取ろうとするが……蹴りを受けて倒れる


京太郎「くっ!」ダッ

宥「あ、須賀君!!?」


走り、アグルの方へと走る京太郎

宥から離れていき、銃を撃つ

そのレーザーを受けたアグルが少しばかり怯み、京太郎の方を向く


ベリアル『あぁん? 嫌な感じがしやがる……あれは普通じゃねぇ! 小僧ォ!』

京太郎「ベリアルさん!」


ゼットライザーのトリガーを引く

その瞬間、アグルの光弾が京太郎のいた場所を爆破した

399 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/21(火) 02:05:46.13 ID:c5iFS6rl0


―――インナースペース


そこに立つ京太郎が、アクセスカードを右手に取る


京太郎「また、ウルトラマン!?」

ベリアル「アグルねぇ」

京太郎「どんなウルトラマンなんですか?」

ベリアル「詳しくは知らねぇよ」

京太郎「そうっすか……でも、このままじゃガイアが」


ならば、やることは一つだ―――だが


京太郎「っ!」フラッ

ベリアル「一日に二回目、しかも休憩ほとんどしてねぇんだから当然だな」

京太郎「っ……一気に決めます!」

ベリアル「ハッ、良いじゃねぇか! おもしれぇ!」


カードを差し込む


『キョウタロウ・アクセスグランテッド』

京太郎「さらに! 究極生命体!」


弾かれたメダルから闇が溢れだす

赤い瞳が輝く

レイブラッド星人メダルがセットされる


『Alien Rayblood』

京太郎「ベリアァルッ!」


トリガーが引かれた
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/21(火) 02:07:22.77 ID:fh8hnAjy0
アグルがまたなんかしてる!
401 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/21(火) 02:16:31.74 ID:c5iFS6rl0


暗い光と共に現れるのは闇の巨人ベリアル

黄色の目でアグルを見る

一方のアグルはベリアルを見据えて構えを取った


ベリアル『時間はそんなねぇぞ!』

京太郎『南入りやきとりって感じっすね! 上等ォ!』


素早く、ベリアルも構えを取って走り出す

膝をついたガイアがその二体の巨人を見ていた


ベリアル「ハアァッ!」

アグル「デヤァッ!」


二人の巨人、蹴りを同時に放ち、ぶつかりあう

即座に体を返して、二人は同時に光弾を放つ

相殺されるが、衝撃波が周囲に広がった


そして一人、その戦いを離れた場所から苦笑交じりに見ている者がいた


晴絵「あ〜あ、マズい気がするなぁこれ」

402 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/21(火) 02:22:42.94 ID:c5iFS6rl0
ということで今回はここまでー

全国編第一回は阿知賀でしたー
ちなみに他の場所だと他のウルトラマンいないパターンもあったり
ここから少し阿知賀編、そしてまた別の場所へーって感じになるっす

まぁ先とか後に行ってたら展開変わったかな、とかそこらも感じてもらえればー

そんじゃまた水曜の夜にでもー
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/21(火) 02:43:18.69 ID:fh8hnAjy0

アグルと戦うことになるパターンだとは予想外だったな中身は誰だ?
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/21(火) 13:27:45.14 ID:uSNGrTGYO
乙です
京太郎忙しいw
アグルはあらたそと予想してみる
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/22(水) 11:12:13.42 ID:tMn6rg+x0
そういやベリアルだとやすやすとM78とか絡ませれないしTDGメインになるのか?
406 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/22(水) 19:45:36.08 ID:gCtEykWI0
珍しめの時間からやってくー
アグルは誰かなーわりかし直球だけど! たぶん!

>>405
TDGがメインというかなんというかー
ダイナは出生とかの関係でたぶん使えない……かも?
407 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/22(水) 19:55:11.94 ID:gCtEykWI0

ベリアルとアグルの二人の巨人がぶつかりあう

素早い格闘戦、拳と拳、脚と脚、素早い連打をお互いに行う


ベリアル「グッ!」

京太郎『疲労してるっても……こいつっ!』


一瞬組みあうと、すぐに離れる

ベリアルはガイアの前に立って、素早く構えをとった

黒い巨人ベリアルは即座に光弾を放つ


??『べ、ベリアル!? どうして!』

京太郎(……あんま話さない方がイイか?)

アグル「フッ!」


両手を前に出してバリアを張るアグルに対して、ベリアルは地を蹴り接近し宙に浮いた状態で連続蹴りを打ち込む

それらを後ろに下がりながらさばいていくアグルだが、フェイントをかけつつ蹴りを一撃打ち込むことに成功した


アグル「グアッ!」


僅かに吹き飛び後ろに跳ぶアグルだが、無事着地

地上に脚をついたベリアル

だが、ガイアが立ち上がるとベリアルの隣にたった


??『手伝います!』

ベリアル「……」


黙って構えを取るベリアル、そしてガイア

だがアグルは、青い光となって―――消える
408 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/22(水) 20:05:48.41 ID:gCtEykWI0


消えたアグルに、京太郎は驚愕しながらもガイアに声が通らないようにベリアルに語りかける


京太郎『逃げられましたね』

ベリアル『弱ってるお前とオレとでそれなりにやれるんだ。二体一はそーはいかねぇんだろぉな』ハッ

京太郎『なら、やれますね』


軽く肩を回すと、ベリアルが首を鳴らす

隣のガイアが、赤い光となって消えた

ベリアルはというと、空へと飛び立っていく


京太郎『なんなんっすかね、奈良にきたとたんこんな』

ベリアル『オレたちが来たからトラブルがおきたんじゃねぇ、トラブルのある場所に乗りこだんだから当然だろ?』

京太郎『まぁ、確かに』

ベリアル『例の原村和は潰す、ついでにアグルは潰す、それで良いんだろ?』

京太郎『うっす! わかりやすい!』

ベリアル『ハッ、お前も良い感じになってきたじゃねぇか』

京太郎『ありがとうございます!』


そして一方、地上では誰かが膝ついて上空を見上げる

黒い影が見えなくなっていく……


??「べ、ベリアル……どうしてここに」


そう言うと、高鴨穏乃は倒れて意識を手放した

409 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/22(水) 20:21:14.53 ID:UwhGgoVQ0


黒い光と共に、地上へと現れる京太郎

破壊された街、京太郎はその中を歩いて穏乃を探す

おそらく、普通でいないはずだ


京太郎『にしても、さっそく長野とは違うパターンですね。ウルトラマンが敵とは』

ベリアル『まぁ別に珍しいことじゃねぇ、オレはな』

京太郎『俺には凄いことなんっすよ……』


そう言いながら、瓦礫を飛び越えつつ周囲を見回す


京太郎『まぁ、俺の邪魔すんなら……それなりに痛い思いはしてもらいます、けど』

ベリアル『ハッ、良いじゃねぇか』

京太郎『邪魔されないにこしたことないんですけどね』


そう言うと、視線の先に高鴨穏乃を見た

だがそんな穏乃はというと……


京太郎「赤土さん!」

晴絵「ああ、須賀か」

京太郎「穏乃、怪我したんっすか?」

晴絵「まぁ一人で飛び込んで行ったしね」


赤土晴絵が背負っている穏乃は少しばかり怪我をして眠っている

息をついて、車の方へと二人で歩き出す

そうしていると、車の前には少女が一人


京太郎「あ、松実さん」

宥「あ、須賀君」ホッ

京太郎「心配かけました」

宥「ううん……安心した」フフッ


そう言って笑みを浮かべる宥

その豊満な胸が揺れた


京太郎(あー! 好きになる!)

410 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/22(水) 20:36:01.50 ID:UwhGgoVQ0

―――【特異課奈良支部:作戦室】


そこにいるのは、京太郎と晴絵と宥の三人

穏乃は医務室に寝かせているらしいが……


京太郎「えっと……」

晴絵「ガイアがなんとかあの金属生命体を倒してくれたわけだけど……」

京太郎「あ、メダルは?」

晴絵「研究班に送った。欲しがってたから」

京太郎「そうっすか」


まぁ集めている理由も無いので別に構わない


晴絵「にしてもあっちのウルトラマンだよね」

京太郎「ああ……青い、ウルトラマンですか」

宥「が、ガイアを攻撃したってことは……」

晴絵「敵かぁ」

京太郎「ですねぇ」

晴絵「問題が増えるなぁ」

京太郎「まぁ俺は和を探すだけっすけど」

晴絵「おー薄情だねぇ」ニヤニヤ

京太郎「……だけなことないですけど、とりあえず和最優先で」

晴絵「好きなのか!」

京太郎「違います!」

宥「えっ、そ、そうなの?」カァッ

京太郎「違うって!」


強く否定してから、咳払いを一つ


京太郎「とりあえず、俺はその……」

晴絵「わかってるわかってる。仲間だもんな、うちもそうだから」

宥(あ、違ったんだ……)

京太郎「たく、からかわないでくださいよぉ」
411 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/22(水) 20:43:52.02 ID:UwhGgoVQ0


◆唐突な安価


1、松実宥

2、高鴨穏乃

3、赤土晴絵

4、福路美穂子

5、瑞原はやり

6、東横桃子

7、竹井久


◇↓5分間でコンマが一番高い選択肢

412 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/22(水) 20:45:30.15 ID:tMn6rg+x0
1
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/22(水) 20:46:22.63 ID:UqQyqj9f0
1
414 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/22(水) 20:55:14.95 ID:UwhGgoVQ0
1、松実宥



作戦室、解散ということで京太郎が立ち上がり背を伸ばす

とりあえずは部屋でももらおうかとしていると、降ろした手の裾が引っ張られらた

振り返る京太郎、そこには―――松実宥


京太郎『かわいぃぃぃぃぃ!』

ベリアル『うるせぇ!』


平静を装う京太郎が、フッと笑みを浮かべる


京太郎「どうしました?」

宥「その、泊まるところこまってるなら……うち、くる?」

京太郎(え、なんか始まった?)

宥「松実館、泊まる?」エヘヘ

京太郎「はい」キリッ

ベリアル『お前、女に弱いな』

京太郎『稀に強い場合もあります!』

415 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/22(水) 21:05:02.32 ID:UwhGgoVQ0

そのまま、宥と共に松実館に向かう

昼間の時と逆だなと、京太郎は街並みを目に焼き付けつつ歩く

仲間が育った街の一つ


京太郎「……和」

宥「私は、原村和さん、よく知らないからなんとも言えないけど……」

京太郎「俺も、良くわかってないですよ……シンプルに憧だったんですよ。きっと」

宥「だった?」

京太郎「もうわかんないですけどね。色々あって知見も広がって」


そう言いながら、立ち止まって振り返る

見えないが、遠い空にのぼっている黒煙は戦火の痕だ


京太郎「ま、もう終わった話ですから」

宥「……」

京太郎「ん?」


そっと近づいてきた宥が、京太郎にジェスチャー

少し頭をかがめろと言う意味だと理解して、そっと頭を下げた

すると、宥の手が伸びて京太郎の頭に置かれる


宥「……きっと頑張ってるの知ってるよ、和ちゃんは」ナデナデ

京太郎「そうっすか、ね?」

宥「うん、玄ちゃんに須賀君のこと話してるぐらいだから」

京太郎「……」

宥「それに私も今日見たから、須賀君が頑張ってるの」フフッ

京太郎「……ありがとうございます」

宥「ううん、こちらこそ……ありがとう」ニコリ
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/22(水) 21:10:22.77 ID:tMn6rg+x0
安価取ったキャラのヒロイン度が毎回爆上がりするな
417 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/22(水) 21:18:46.95 ID:UwhGgoVQ0

その後、二人は気恥ずかしさで無言になりながらも歩く

松実館へと着くと、宥について玄関から旅館内に入る

奥から足音が聞こえてきた


???「お、宥おかえ……り?」

宥「あ、お父さん、子の人」

松実父「じ、地上げかっ!!?」

京太郎「人聞き悪りぃ!」

宥「?」

京太郎「と、とりあえず誤解を! 誤解を解いてください!」


どうにか宥に訴えかけると、理解したのか頷く


宥「あ、えっと……お父さん、この人、今日うちに泊まる」

京太郎(なんか嫌な予感)

松実父「まさか! かかか、かか、かかかか、か、かれっ、かれっ」

京太郎「誤解です! 誤解ですから!」

松実父「か、カレピッピ!!?」

京太郎「ちょっと古い!」

宥「……ふぇっ!?」カァッ

京太郎「初心なのはかわいいけど否定してください!」

宥「あ、えっと! ちち、違うよ!?」

松実父「本当っぽい!」

京太郎「とりあえず聞いてください!」

松実父「玄が麻雀合宿行ってる間に大変なことになったぁ!」

京太郎「だから聞けって!」
418 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/22(水) 21:30:37.45 ID:UwhGgoVQ0

その後、誤解が解けた京太郎は松実館の一室を借りていた


松実父『なぁんだ、そういうことなら早く言ってくれよ』

京太郎『最初から言ってましたけど』

松実父『はははは!』


ほぼ手ぶらの京太郎は、そのほどほどの広さの部屋で腰を下ろす

最近は旅行客も少ないらしく、一室貸すぐらい問題もないそうだ

松実玄はと言えば、麻雀合宿というていでいなくなっているらしい


京太郎「やっぱ特異課ブランド凄いな……快く受け入れてくれるとは」

コンコン

京太郎「あ、はい」

ガラッ

宥「あ、須賀君」

京太郎「松実さん」

宥「その……改めてこれからよろしくね」

京太郎「こちらこそ」フッ

宥「玄ちゃん、早く見つけてあげないと」

京太郎「ですね。俺も協力します……」

宥「ん、私もなにかあった協力するからね、須賀君に」

京太郎「……もう、してもらってますから」

宥「こんなことで?」

京太郎「自分が戻る場所が必要なんっすよ。人間」

宥「……そっか」フフッ

宥(戻る場所……かぁ)
419 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/22(水) 21:47:02.30 ID:pTC6lcdC0

―――【松実館:温泉】


温泉に胸まで浸かっている京太郎

頭に乗せたタオル、緩みきった表情

深い息をついて、屋根の隙間から空を見上げる


京太郎「長い、一日だったぁ……」

ベリアル『ハッ、ご苦労だったな』

京太郎「ありがとうございます」フッ


労いの言葉を素直に受け取りつつ、京太郎は自らの手を真上に上げた

少しばかり内側のナニカに力を込めると、その手にベリアルの手が重なって見える


ベリアル『妙な感覚は消えてねぇ、まだなんかあるな』

京太郎「それって……」

ベリアル『デビルスプリンター、とか呼ばれてるもんだろぉな』

京太郎「デビルスプリンターっていったい……」

ベリアル『そのうちわかんだろ』


彼がなにかしらの予想がついていることは、なんとなく京太郎とて理解はしている

だがそれを食い下がって聞くほど野暮でもなかった

踏み込まれたくない部分があるだろう……


京太郎「……ふぅ、待ってろよ。みんな」


立ち上がると、星々煌めく空を見上げつつ……手を握りしめた

420 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/22(水) 21:51:18.79 ID:pTC6lcdC0


     第9話【大地の光】 END

421 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/22(水) 22:07:14.07 ID:pTC6lcdC0

―――【特異課奈良支部:医務室】


起きている穏乃の前に赤土晴絵

別に問題はないそうだが、今夜はそこに泊まることとなったようだ

晴絵は軽く穏乃の頭を撫でて頷く


穏乃「すみません、心配かけて」

晴絵「まぁ良いけどさ」

穏乃「でもあのウルトラマン、なんで……」


その言葉に、晴絵は笑みを浮かべた


晴絵「ま、倒すしかないでしょ」

穏乃「同じウルトラマンなのに、なんでガイアと戦うんだろう」


そんな穏乃の肩をポンと叩くと、踵を返す


晴絵「……目に見えるものだけを信じるな」

穏乃「え?」

晴絵「じゃあね」フッ


それだけを言うと、晴絵は部屋を出る

残された穏乃は首をかしげた


部屋を出た晴絵は、暗い廊下の闇に溶けるように去って行く

422 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/22(水) 22:28:45.32 ID:pTC6lcdC0


―――次回予告


京太郎:強くなってきちゃったな

宥:麻雀、強いんだねぇ

ベリアル:麻雀だけじゃねぇがな

穏乃:和!?

京太郎:和!?

晴絵:根源的破滅招来体か!

ベリアル:こいつは!

穏乃:ガイアー!


次回【破滅の使徒】


京太郎:決めたぜ、覚悟!

穏乃:京太郎!?

423 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/22(水) 22:56:07.96 ID:yR0l5iMX0


―――【特異課奈良支部:休憩所】


椅子に座ってコーヒーを飲んでいるのは―――須賀京太郎

すっかり見慣れたスタッフが行き来する

欠伸を噛み殺しつつ、京太郎は立ち上がった


京太郎「見回りでも行くか」

ベリアル『めっきりだな』

京太郎『めっきりっすね』


あれから一週間と少し、10月へと突入したもののまるで状況の変化はない

戦ったのは三度だが、どれも麻雀だった

一度目、無酸素怪獣カンデア

二度目、奇怪生命ディーンツ

三度目、宇宙雷獣パズズ


京太郎(メダル、全部渡しちゃってるけど)

ベリアル『また麻雀か?』

京太郎『さぁ……麻雀のが被害少ないし俺も強くなるしで良いことだらけですけどね』

ベリアル『俺はデビルスプリンターを殲滅できりゃなんでも良いけどな』

京太郎「そりゃなにより」

穏乃「なにが?」

京太郎「うおっ!」


突然の横からの声に驚き、立ち止まって跳ねる


穏乃「あはははは! 京太郎、びっくりしすぎ!」

京太郎「んなビックリするわ」


頭を掻きながら、京太郎は穏乃の方を向く

笑う穏乃は前よりも懐いたような笑みを浮かべていた
424 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/22(水) 23:13:59.80 ID:8cWU/9Ht0


穏乃「そういえば一緒に行ったことないよね、パトロール!」

京太郎「あーそういえばそうだ」

京太郎(穏乃がガイアと思えば……どうにもなぁ、美穂子さんときも変身できないから見てるだけになってたし)

穏乃「これでも強いんだよ? 麻雀!」

京太郎「知ってるよ」フッ


夏、自分の目で見ていた

白糸台の大星淡、臨海のネリー・ヴィルサラーゼ、そして宮永咲を追いこんだ

今の自分ではどのくらい食い付けるだろうか……


穏乃「清澄でも打ってたんでしょ? というか怪獣メダル持ちを倒せるって結構凄いよ?」

京太郎「……まぁ鶴賀の人たちとかも打ってたしな」

穏乃「おー加治木さんたちと!? 勝率は!?」

京太郎「……まぁまぁ」

穏乃「すご!」

?「麻雀、強いんだねぇ」

京太郎「うお、宥さん」

宥「えへへ、おはよう」

京太郎「朝会ったじゃないですか」


松実館に泊まっているのも変わりない


宥「それじゃパトロール行っちゃう?」

京太郎「お願いしまーす」

宥「お任せあれっ!」ニコッ

穏乃「おー!」
425 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/22(水) 23:30:11.45 ID:8cWU/9Ht0


     第10話【破滅の使徒】

426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/22(水) 23:32:01.76 ID:tMn6rg+x0
またさらりと距離縮まってるw
427 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/22(水) 23:38:03.34 ID:8cWU/9Ht0


車に揺られる京太郎と穏乃

運転席には松実宥

三人で揺られながら、街を行く


京太郎「ところでこのまま通信待ち?」

穏乃「そうだねー、京太郎はいままで三回だっけ、どうしてたの?」

京太郎「歩いてたら通信入って向かうだけ」

穏乃「へぇ〜」


だが、穏乃たちの知り合いも、自分の知り合いもどこにも見つからない

ベリアルは順調のようで、京太郎も戦いでストレス解消程度にはなっているのだが……

やはりこうも時間が過ぎると思うところがある


穏乃「憧も見つからないしなぁ」

京太郎「新子さんか、和の幼馴染の一人だよな。松実玄さんも」

穏乃「うん、憧はね……凄い麻雀に一生懸命で、私のとっても大事な親友で幼馴染で相棒で」

京太郎(幼馴染、か……)

宥「ライバル、でもあるんじゃないかなぁ」

京太郎「ライバル?」

穏乃「え、別に敵対なんて」

宥「そうじゃなくって、なんていうのかなぁ……う〜ん」


悩む宥と、不思議なものでなんとなく理解できた穏乃

そんな関係性を、どこかうらやましくも思う


京太郎「……相棒で、ライバルね」フッ

ベリアル『……ハッ、拮抗してるからこそ成り立つ関係だろ』

京太郎「?」
428 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/22(水) 23:52:34.21 ID:8cWU/9Ht0


そこから少しばかり車で街を散策していく

ついでに穏乃のガイド付きである

余談が多めではあるが……


ベリアル『おい! 止まれ小僧!』

京太郎「!? と、止めて!」

宥「えっ! ちょ、ちょっと待って!」


すぐに路肩に駐車する宥


京太郎「ありがとうございます!」

ベリアル『あっちだ!』

穏乃「京太郎!!?」

宥「え、二人共!?」


車を跳びだす京太郎と、そのあとを追う穏乃

戸惑いつつ、宥は駐車場を探すために車を走らせた

429 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/23(木) 00:22:19.27 ID:ouhMKmMs0

車を飛び出て、走る京太郎

急ぎ道を戻って、ベリアルの指示通りに狭い道へと飛び込んだ

個人店の居酒屋などの合間を縫って、走る


京太郎「こっちですか!」

ベリアル『ああ、この先だ……間違いねぇ、今は気配が薄れてきやがったが』

京太郎「逃がすかァッ!」


そして、視界に映ったのは―――雀荘


京太郎「!」


その雀荘の扉が、開いた


京太郎「あれはっ!」

ベリアル『出たぞ!』


だが、その雀荘から出てくるのは―――


京太郎「和!?」


原村和だった


ベリアル『この鬱陶しい感覚、間違いねぇ……メダルにくわえて』

京太郎「デビルスプリンターってやつか……!」

和「……」


冷たい目が、京太郎を貫く


和「……ああ、須賀京太郎ですか」

京太郎「貴様ッ! 和をォ!」

和「外れが、よくもここまで……」


表情を変えない原村和、その背後に現れる少女


京太郎「松実玄!」

和「……どうして生きてるかなんて、どうでもいいことですね」


京太郎が口を開こうとした瞬間、走ってきた穏乃が京太郎の前に立つ


穏乃「和!? 玄さんも!?」

和「……高鴨穏乃ですか、メダルの力を集めるのを邪魔してたのは貴女ですか」

穏乃「私たちだ! 京太郎も、私も、和を見つけるために戦った!」

和「……麻雀、強くなったんですね。須賀君」フフッ

ベリアル『麻雀だけじゃねぇがな』

京太郎「その顔でっ! その声でっ!」
430 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/23(木) 00:42:50.96 ID:ouhMKmMs0


拳を握りしめる

全身の血が熱く沸騰するような感覚に陥っていく

瞳が、赤く輝いた


京太郎「オレを呼ぶなァッ!!」ゴゥッ

穏乃「えっ!?」ビクッ

和「……」


なにかが変わったわけでは無いが、穏乃は胸の奥が振るえるような感覚を覚える

怒りに満ちた京太郎の怒気だけを感じる

原村和が、自らの違和感に手を見た


和「震えている……この生命体の?」

京太郎「和、お前を! お前達を!」

和「厄介ですね」


すると、原村和と松実玄の背後から現れるのは、一人の少女


穏乃「巽由華さんッ!? 晩成の二年生がどうして!?」

京太郎「こっちの雀士か!」

和「……では、お願いします」


笑みを浮かべて、巽由華の背中に手をそえる原村和

その背後に浮かぶのは……


京太郎「天使っ!?」


由華の体が黒い光に包まれる

そして黒い光は空へと舞いあがった

その異様な不快感に、京太郎と穏乃は顔をしかめる


和「……」

玄「っ」ググッ

和「……いえ、まだですね」

431 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/23(木) 00:53:19.43 ID:ouhMKmMs0


苦しむような松実玄

和が手をかざすと、輝くゲートが現れた

そしてその中に苦悶の表情を浮かべて入って行く松実玄


京太郎「貴様ッ!」

ベリアル『小僧!』


穏乃の前に跳びだした京太郎

だがその瞬間、上から振ってくる影が目の前に着地した


京太郎「ッ!?」

和「アレの差し金ですか」


なにかを呟いて、和はゲートへと消える

もちろん、ゲートは即座に消滅した

一方、京太郎の前に着地したのは人型だが人でない者


京太郎「こいつはっ!?」

ベリアル『グローザ星系人か!』


銀色の体を持つ宇宙人が、腕のブレードを構えて京太郎へと接近する

素早くゼットライザーを持つが、それより速く目の前に―――“ナニか”が現れた

432 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/23(木) 01:05:41.62 ID:ouhMKmMs0


グローザ星系人「!?」

??「なんだお前……あーどっかに記憶、が?」


目の前で、刀を持った宇宙人―――のようなものがいた

それがグローザ星系人のブレードを受け止めている


穏乃「あれは、トゲトゲ星人!」

京太郎「そんな名前!?」

ベリアル『こいつは!』

トゲトゲ星人「んなわけないから! ったく」


そう言って、目の前のグローザ星系人に蹴りを打ち込む

後ろに吹き飛んだグローザ星系人を、さらに刀で追い打ちをかけようとする

だが、グローザ星系人は氷の壁を作った


トゲトゲ星人「無駄ァ!」


振るわれた刀、氷の壁が斬り裂かれて砕けるも―――グローザ星系人には逃げられていた


トゲトゲ星人「逃げられたか……」

京太郎「っ……」

穏乃「くるっ!」


空を見上げる二人、と一体

上空の黒い光が弾け、中から現れたのは巨大な怪獣

どこか虫を思い出すような姿だがハッキリと手足は存在する


京太郎「ッ!」

トゲトゲ星人「カイザードビシ、なるほどねぇ」

ベリアル『ジャグラス・ジャグラーの姿をしてるこいつはなんだ!』

京太郎「え、じゃぐじゃぐ?」

トゲトゲ星人「ふーん、なるほどね……」
433 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/23(木) 01:16:57.98 ID:ouhMKmMs0

京太郎「お前一体なんな」

トゲトゲ星人「じゃーねー」シュン


即座に消えるトゲトゲ星人

京太郎が真上を向くと、怪獣ことカイザードビシがそらから落ちようとしてきていた

手に持ったゼットライザーを穏乃は気にしていないようだ


京太郎「逃げるぞ!」

穏乃「ッ!」


素早く、穏乃がなにかを取り出す


京太郎「おい穏乃っ!」

穏乃「私は、私は戦う!」

京太郎「ッ!」

ベリアル『見せてもらうとしようじゃねぇか』


その手に持った“エスプレンダー”を掲げる


穏乃「ガイアー!」


そして、高鴨穏乃は赤い光と共に―――ウルトラマンになる
434 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/23(木) 01:36:30.50 ID:4nL/MMW80


ウルトラマンガイアが、地上へと着地する

土が舞い上がり、それと共にカイザードビシはガイアの方を向く

素早く構えを取るガイアが、両手を広げるカイザードビシに接近していく


ガイア「デヤァッ!」


そして、接近と共に格闘戦を挑む

拳はカイザードビシを怯ませる


ガイア「ッ!」

穏乃『効くならやりようはある!』


さらに格闘戦をしかけようとするも、カイザードビシは腹にある口のようなものを開く

そこから出てきたのは口の付いた触手だった

それが伸びると、ガイアの首に巻きつく


ガイア「グアッ!」


そんなガイアを見上げながら、走る京太郎


京太郎「穏乃っ!」

ベリアル『ハッ、あの程度じゃカイザードビシはキツいだろうな』

京太郎「……なら!」バッ

ベリアル『おい!』

京太郎「!」


視線を感じて、そちらに目を向ける

ビルの屋上、そこから京太郎を見ていたのはトゲトゲ星人


ベリアル『付き纏われるぜ?』

京太郎「……」

ベリアル『覚悟を決めておけよ』


だが即座に、京太郎はゼットライザーのトリガーを押した

目の前に開くゲート


京太郎「……決めたぜ、覚悟!」

ベリアル『!? ハッ、おもしれぇじゃねぇか……!』

京太郎「ウオォッ!」
435 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/23(木) 01:48:21.74 ID:4nL/MMW80


―――【インナースペース】


深く息を吐く京太郎が、笑みを浮かべる

ようやく見つけた

自らの目的、欲望を満たす。そのために……


京太郎「いくぜ!」


右手にカードを取ると、左手のゼットライザーを差し込む


『キョウタロウ・アクセスグランテッド』

京太郎「究極生命体……!」


弾かれたメダルが周囲を闇に包む

すっかり居心地の良さを感じる空間


京太郎「……!」

『Alien Rayblood』

京太郎「ベリアルッッ!」


トリガーを引き、その名を叫ぶ

436 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/23(木) 02:01:12.47 ID:XqIyjg8Z0


カイザードビシの腹部から伸びたバトル触手に首をしめられているガイア

だが黒い光と共に現れたベリアルがその爪で触手を斬り裂く

勢いによって、後ろに下がるカイザードビシ


カイザードビシ「―――!!?」

ベリアル「ハッ!」

ベリアル『楽しませてもらおうじゃねぇか!』


首を鳴らすベリアル

そしてその背後では、ガイアは首を押さえながら立ち上がった

カイザードビシが、その上半身の目と、膝の目からビームを放つ


ベリアル「フンッ!」


だがバリアを張って、それらを上空へと弾くベリアル


そんなベリアルをビルの上から見るトゲトゲ星人

刀を肩に当てながら、鼻で笑うような仕草を見せた


トゲトゲ星人「ハッ、私の記憶の中のベリアルとは全然違うじゃん」


そう言うと、トゲトゲ星人の姿が変わる

現れたのは―――赤土晴絵

その手に持っているのは、トゲトゲ星人ことジャグラス・ジャグラーが描かれたメダル


晴絵「……ったく、私もわけわかんなくなるなこのメダル使うと」ハァ


視線の先には、ベリアルとガイア
437 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/23(木) 02:11:20.37 ID:XqIyjg8Z0


構える二人の巨人

同時に光弾を撃つと、カイザードビシが怯む

即座に、カイザードビシが光線を放つもベリアルが爪撃にて相殺した


ベリアル『ハッ、大したことねけな……これなら一人でもやれたんじゃねぇか?』

京太郎『ベリアルさんっ!』

ベリアル『あぁ?』


焦ったような声に、ベリアルがそちらに意識を向ける

そちらにはガイアがいて、そのガイアは別方向に視線を向けていた

視線の先を辿れば、そこには―――神社


京太郎『あれはっ!』


その境内の鳥居の下、見覚えのある少女がいた


穏乃『憧!』

ガイア「!」


手をそちらに向けるガイアだが、その先に入る“新子憧”は表情を変えることはない

ただ静かに、右腕を前に出し、そのまま拳を真上に向けた

そしてその手首につけられた“アグレイター”が開き、回転する
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/23(木) 02:13:04.45 ID:NPPRyzEp0
レジェンドがジャグラー?
本人が憑依してるとかそういう感じじゃないんだろうけど
439 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/23(木) 02:22:15.38 ID:XqIyjg8Z0


そして青い輝きと共に、現れるのは―――ウルトラマンアグル

勢いよく地上に降りると、土を舞い上がらせる

そして、静かに構えをとった


穏乃『憧がアグル!? な、ならなんで攻撃なんて!』


◆BGM:アグルの戦い【http://www.youtube.com/watch?v=rh8gv1BGJl8


ベリアル『おい、あれ大丈夫なのか!』

京太郎『わかんないっすよ!』


カイザードビシに向かって走り、爪撃を打ち込む

だがその結果、ガイアとアグルから遠ざかる

さすがにそちらを気にしながら戦えるほど器用でも、余裕でもない


アグル「ハアッ!」


素早くガイアに近づいたアグルが、ガイアに蹴りを放つ

その直撃を受けて倒れるガイアだが、すぐに起き上がった


穏乃『っ……なら、憧なら……私は!』


立ち上がったガイアが拳を握りしめる


穏乃『私は光で、ぶん殴るッ!!』

ガイア「チャアァッ!」

アグル「ハアァッ!」


二体のウルトラマンが組みあう

そちらにカイザードビシを相手にしながら視線を送るベリアル


京太郎『新子だとわかっても……いや、わかったから殴れるか』

ベリアル『フン、オレ達はまずこいつをヤるぞ!』

京太郎『はい!』

440 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/23(木) 02:25:42.11 ID:XqIyjg8Z0

そこそこ進んだ気がするしここまでー

まぁ色々と仕込みつつ、阿知賀編の根幹というかなんというか
展開早い気もするけども気のせい気のせい

そんじゃまた明日か明後日ー
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/23(木) 03:07:51.81 ID:NPPRyzEp0

アグルは原典通り人類の掃除が目的か?
思ったより色々クロスオーバーしてて先が読めないな
442 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/23(木) 09:37:35.80 ID:7a1ARo/eo
レジェンドお前もかよ!
443 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/23(木) 22:11:29.80 ID:FhfUC18S0
よっしやってくぞい
ちょっと駆け足な気もするけどアグル登場からですぞー
根源的破滅招来体って字体がいいよね

>>441
アグルについては追々ー
444 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/23(木) 22:20:33.39 ID:FhfUC18S0

ガイアがアグルに走る

アグルは立ち止まったまま右腕を振るう

その右手の青い光が―――剣となる


ガイア「!?」

アグル「ハァッ!」


立ち止まったガイアに、接近したアグルが剣を振るう

だが、それをなんとか開始して蹴りを打ち込むガイア


アグル「グゥッ!」

ガイア「ハアアッ!」

穏乃『憧ォ!』


さらに拳を打ち込もうとするも、アグルは素早く腕を返して剣を振るう

その一撃がガイアに直撃、火花を散らしながら後ろに下がる


穏乃『ぐっ! まだァッ!』

ガイア「チャッ!」


光弾を放つと、アグルは剣を振るってその光弾を斬り裂く、だがその隙をついて接近したガイアは回し蹴りでアグルの手を蹴る

その手から離れて消える青い剣、そこでガイアはアグルに掴みかかると巴投げをかけた


アグル「グアァッ!」

ガイア「ハアァッ!」


さらに、勢いよく立ち上がらせると背負い投げでアグルを投げ飛ばした

離れた場所に倒れるアグルだが、起き上がりガイアと向き合う


ガイア「ッ!」

アグル「……!」

445 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/23(木) 22:35:25.34 ID:FhfUC18S0


街中、ガイアとアグル、ベリアルとカイザードビシ

二組の戦いから離れて道路の真ん中で立っている赤土晴絵

顔をしかめて、メダルを握り歩く


晴絵「憧が、アグル……どうしてだ?」


彼女もそこがわからないのか、歯がゆい感情を顔に出していた

そしてそんな晴絵の傍に走ってくる車


宥「先生!」

晴絵「宥か、ありがとう」


礼だけを言うと助手席に座る

走り出す車が戦いの場から遠ざかって行くが、サイドミラー越しに後ろの方にある戦いが見えた

ハッとして窓を開けると、身体を乗り出す


宥「せ、先生!?」

晴絵「そうか、そういうことか!」


風の音で宥に晴絵の声は届いていない。逆もまたしかり

そして晴絵の目に映っているウルトラマンアグルは、ピンク色の眼でガイアを睨んでいた


晴絵「根源的破滅招来体か!」

宥「先生っ!」

ガンッ


瞬間、なにかに後頭部をぶつける晴絵


晴絵「いったぁぁぁっ!?」

宥「だから言ったのにぃ……」
446 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/23(木) 22:54:57.45 ID:FhfUC18S0


カイザードビシと戦っているベリアル

再生したのか再び腹からバトル触手を伸ばされる

即座にそれを回避すると、ベリアルは走りだしカイザードビシへと接近


ベリアル「フハァッ!」


跳び蹴りを喰らわせてひるませると、すぐにクローを使い再びバトル触手を切断

さらにもう片方の手で斬撃を放ってカイザードビシを怯ませた


ベリアル『相手にならねぇな!』

京太郎『さっさと終わらせて穏乃の方に!』


素早い攻撃、さらなる斬撃

だがカイザードビシが飛んで距離を取った

上空へと跳び上がったカイザードビシが目から放つ光線を、飛んで回避する


京太郎『ならっ!』


光線を放つカイザードビシだが、すべて回避していくベリアル

効かないとわかったのか、カイザードビシは次に腹を開いた

バトル触手でなく、出てくるのは小さな虫―――破滅魔虫ドビシの群れを放つ


ベリアル『ハッ、気持ちわりぃやつだな!』

京太郎『あれを喰らうのは遠慮したいんで……!』


ベリアル・京太郎『デスシウムリッパー!』


放たれた斬撃がドビシを斬り裂き進む


カイザードビシ「―――!!」


上昇して回避しようとするが、もう遅い

その両足を斬り裂くデスシウムリッパー


京太郎『よし!』

ベリアル『まだだ小僧ォ!』


だが、カイザードビシの脚がバラバラになり、小さなドビシが大量に出現した

素早く光弾を放つと、爆発で出現したドビシを消滅させる

両足を失くしたカイザードビシが残った一つの目から光線を放つ
447 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/23(木) 23:03:39.24 ID:FhfUC18S0


京太郎『これでハコ割れだ!』


ベリアルの右腕に黒い光と赤い雷が奔る

空中で素早く、ベリアルは腕を十字に構えた


ベリアル・京太郎『デスシウム光線!』


放たれた一撃はカイザードビシの光線をかき消して真っ直ぐにカイザードビシへと直撃する


カイザードビシ「―――」


そして、空中でカイザードビシは爆散

ベリアルはカイザードビシの殲滅を確認すると、ガイアとアグルの方へと視線を向けた

戦いは佳境のようだった


京太郎『……』

ベリアル『あぁ? なにもしねぇのか?』

京太郎『……はい、まだ』

ベリアル『ハッ、好きにしろ』

448 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/23(木) 23:28:51.84 ID:FhfUC18S0


ガイアとアグルの二人のウルトラマン

そのカラータイマーが点滅をしているものの、お互いに攻撃の手はゆるめないようだった

アグルが剣でガイアを袈裟切りする


ガイア「グアアッ!」

アグル「フッ!」


その隙を逃さず素早い突きを放つも、ガイアは切っ先を回避するとその腕を掴む


アグル「ッ!」

ガイア「ハァッ!」


掴んだ方とは別の手でその剣を持つ手を攻撃し、剣を手放させると素早く拳を叩き込んだ

怯むアグルに、ガイアは距離を取る


アグル「グゥッ!」

ガイア「ハァァ……」

アグル「! オォォッ!」


ガイアとアグルが、お互いの必殺技の準備に入る

二体のウルトラマンの額から伸びる光刃

そして、ベリアルは静かに地上へと降りた


京太郎『ベリアルさん?』

ベリアル『いや、止めるぞ!』

京太郎『……はい!』


抗議をしようとなんて考えなかった

ベリアルの言葉に頷くと、即座に間に立ってアグルに光弾を放つ

驚愕するアグルだが、その光弾を受けると後ろへと吹き飛んだ


ガイア「!?」

穏乃『ベリアル! どうして!?』


吹き飛んだアグルが、光となって消える

ガイアが驚愕しながらも光刃を消すと、空へと飛びたった


京太郎『どうして?』

ベリアル『妙な予感がしてな……』

京太郎『まぁ、ベリアルさんがそう言うなら反対の意思はありませんけど』

ベリアル『ハッ!』


京太郎の返事に、なにかおもしろかったのか笑うベリアルも、遅れて空へと飛び立つ
449 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/23(木) 23:49:18.26 ID:Z0NIfZvW0


地上で、破壊された街中を走る京太郎

自衛隊や特異課の事後処理部隊等も到着するころだろう

宥からの連絡により『巽由華』の保護は確認されたのだが……


京太郎「このへんのはずだ……」


その中でも走る理由は、穏乃だ


京太郎「このへん、ですよね……?」

ベリアル『さてな』

京太郎「うーむ」


アグルが光へと変わった場所、その周囲

探すのは穏乃

新子憧を探す穏乃だ


京太郎「穏乃ー!」

「京太郎?」

京太郎「穏乃、ここって青い巨人が倒れた場所だよな」

穏乃「あ、うん……」


あの青い巨人が新子憧だと、知っているものの知らないふりをする京太郎

とりあえず周囲を見渡すがなにも無いようだった

すでに撤退したのだろう……


京太郎「……帰ろう、たぶん事後処理部隊がそろそろくる」

穏乃「京太郎は、なにも言わないの?」

京太郎「……なにがだ」

穏乃「私が!」

京太郎「別に良いよ……お前が一緒に戦うってのは変わらないだろ?」

穏乃「……ありがと」

京太郎「おう」


歩いていく京太郎のあとを追っていく穏乃

遠くに宥が運転する車が見えた

手を振りながら、そちらへと歩いていく
450 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/24(金) 00:04:29.72 ID:aL+wWFoL0


―――【特異課奈良支部:作戦室】


いつも通り四人が集まる

映し出された画像に、はカイザードビシとウルトラマンアグル

そしてさらに……


晴絵「京太郎、よくあのタイミングで撮ったね」

京太郎「まぁ、サングラスさまさまってことで」


胸ポケットに入れていたサングラスでこっそり撮っていた写真

それに映っていたのは和と玄


晴絵「……灼は、いないか」

宥「玄ちゃん……っ」

京太郎(余計なことしたかなぁ……)


悲しそうな表情をしている宥、顔をしかめる晴絵

京太郎は眉をひそめて穏乃を見た

穏乃は静かに、自らの手を見ている


京太郎「……まだここ、吉野でやることはありそうっすね」

晴絵「頼んだよ京太郎」

京太郎「お任せあれっすよ晴絵さん」フッ
451 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/09/24(金) 00:09:39.33 ID:aL+wWFoL0


◆唐突な安価


1、松実宥

2、高鴨穏乃

3、赤土晴絵

4、福路美穂子

5、瑞原はやり

6、東横桃子

7、竹井久


◇↓5分間でコンマが一番高い選択肢

452 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/24(金) 00:11:22.73 ID:3lPmNQ2V0
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