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【咲-saki-】京太郎「ウルトラマンの力」咲「光よ!」

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1 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/08/30(月) 02:02:32.62 ID:21IOf5zl0

◆最初に

※咲-Saki-とウルトラマンシリーズのクロスオーバー

※京太郎もの

※基本平成

※地の文多め、かも

※麻雀関係あるようなないような、これウルトラファイト

>>1以外はsageでお願いします

※“たまに”安価


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1630256552
2 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/08/30(月) 02:04:31.91 ID:21IOf5zl0

◆プロローグ

須賀京太郎、15歳、高校一年生

夏、自らの在籍している清澄高校のインターハイでの団体戦優勝を見届けた

もちろん、自らが親友【宮永咲】の個人戦優勝すらも

過ぎゆく平和な日々

そして夏が過ぎ―――光と闇の混沌とした戦いが始まる
3 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/08/30(月) 02:05:16.49 ID:21IOf5zl0


     第1話【幻影を継ぐ者】

4 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/08/30(月) 02:07:11.71 ID:21IOf5zl0

―――9月7日・夜


彼、須賀京太郎は麻雀をしていた。そのはずだった

“いつも通りの敗北”だったはずだ

だがおかしい


「っ!」


麻雀卓によりかかり、そのまま椅子から転げ落ちる

対面にいた【原村和】が立ち上がり、京太郎を見下ろす

体中に激痛、それと共に薄れ行く意識


「のど、か……」


さらに両面に座っている【染谷まこ】と【南浦数絵】も意識を失っている

立ち上がった和が“メダルのようなもの”を投げると、目の錯覚かそれが二人の身体に入っていった


「な、にを……」


這うように手を伸ばすと、自らの鞄に手が届く

かといってなにかができるわけでもないが……


「外れ、ですか……ここまでの力量の差では持ちませんね」


傍によってきた原村和が口を開いているのは見えるが、それが和の言葉のようには聞こえない


「まぁ結果的には同じです。待っているものは」


頬に和の手が添えられるのを感じ、見上げる

その背後に光り輝くなにかが見えた気がした

掠れた声で、思わず呟く


「天使……?」

「ふふっ、ふふふ……もったいない。でもさよならです。すぐにみんなそちらに」


手が離れていくが、気力だけで起き上がろうと上体を起こした

固定されている椅子を背に、和を見上げる


「人類的な表現であれば……“根源的破滅”ですか、それをお贈りします」


女神のような笑顔を浮かべる和

そんな彼女を視線の先に、京太郎は“お守り”を握りしめたまま、暗闇に意識を鎮める
5 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/08/30(月) 02:13:34.92 ID:21IOf5zl0


―――数日前


緑の葉も赤みがかかり始め、季節は秋へと移っていく

夕日に照らされる道も、すっかり夏と違って見える

街中を、二つの影が並んで動く


「そういえば京ちゃん」

「ん?」


彼、須賀京太郎に声をかけるのは宮永咲

同じ麻雀部、今日も今日とて麻雀をやった帰りである


「お母さん、今日からいないんだって?」

「ん、ああ……しばらく外国だって」

「相変わらずだねぇ」

「まぁ楽しそうでなによりだ。慣れたし」


ケラケラと笑う京太郎と、それを見てクスリと笑う咲

二人の様子からして別段珍しいことではないということがわかる

父は京太郎が物心ついてから一度も会ったことがない

たまに送りものが届くぐらいでほぼ母子家庭であったのだが、別段それを憂うこともなく育ってきた


「あ、そういえば親父から珍しくお土産っぽいもの送られてきたなぁ」

「へぇ〜珍しいね?」

「ん、たまに送られてくるものもそのまま親父の書斎に入れちゃうからなぁ」

「で、なにもらったの?」

「え〜っと、なんでもない……ただその、お、お守り」


少しばかり気恥ずかしさがあるのか、ほんのりと赤い顔でそっぽを向きポケットからそれを取り出す

京太郎の手にあるのはお守り、すこしばかり硬いなにかが入ったそれを手に取って咲に見せる

ニヤニヤと笑う咲、そんな顔を見て京太郎は軽く肘でつついた


「笑うなよ」

「え〜だって京ちゃん嬉しそうだし〜」


幼馴染二人、影を左右に揺らしながら帰路を行く

6 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/08/30(月) 02:17:25.70 ID:21IOf5zl0

―――9月7日・夕方


茜色に染まる校門前、立っているのは二つの影

須賀京太郎と原村和の二人だ

部活が終わってから帰路につこうとしていたのだが、咲と仲間である片岡優希を待つために校門にいる


(和と二人きりとか久しぶりだなぁ……)

「須賀君と二人きりなんて、久しぶりですね」

「あっ、お、おう……」


最近はこうして彼女から話を振られることも多くなってきた

憧れの少女、彼女がいたから麻雀の道に足を踏み入れたぐらいだ。緊張もしよう


「その、和」


ぐっと拳を握りしめる

あくまでナチュラルに自然に、意識しつつうなずく


「俺は次のインターハイ、必ず清澄にふさわしい活躍をしてみせる」

「?」

「そしたら、俺と……」

「和ちゃん、京ちゃん!」

「あっ、咲さん!」


決意を決めて言おうとした“なにか”が言い終わる前に、やってきたのは宮永咲

そちらへと軽く駆けていく和を見て京太郎は少しばかり顔をしかめる

まぁ仕方のないことだとあきらめて息をつくと、京太郎もそちらへと歩いていく


「京ちゃん聞いてよ! 私今度お姉ちゃんと一緒に取材で―――」


景気の良い話である。きっと普段ならばもっと喜べたはずなのだが……

一緒だった友達、いや親友とどんどんと離れていく感覚を覚える

端から違うのだが……それでも感情ではそうもいかずに


「さすが、だな」


笑みを浮かべる京太郎、そんな彼のポケットのケータイが震えた

まだ気づかぬものの、それはそばにいた和からのメッセージ

気づくのは一人になった帰り道で、喜んですぐ肯定の返事を返すことになる提案


『夜、麻雀でもしませんか? まこ先輩のお店で』


―――そしてそれが、彼にとっての始まりの終わり
7 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/08/30(月) 02:22:35.61 ID:21IOf5zl0


―――9月7日・深夜


ふと、目を覚ました

雀荘でもなんでもない、そこは―――


京太郎「俺の、家?」


自宅の自室―――ベッドの上


??「おはよう」


その声に、勢いよく上体を起こす

和に倒された後の激痛は余韻もなく、倦怠感すら感じさせない

だが俊敏に起き上がった京太郎は声のした方に視線を移した


??「危なかったね……父親に感謝しときな」

京太郎「あなた、は?」


そこには白髪の老婆―――老婆というには若いかもしれない

なにはともあれそこには女性が座っていた

知らない人間でありなぜ自分の家にいるのか、なぜ自分すらも自宅にいるのか理解が追いつかない


??「原村和がやられてるとはね、意外……でもないか、あれもまた能力を持った者」

京太郎「な、なんの話ですか?」

??「リトルスターの、もっと邪悪なものか……」

京太郎「だからなんの話かって」

??「おいで……きっとあんたの父親が鍵だ。いや、鍵はむしろ―――」


その言葉と共に、女性が立ち上がるので京太郎も立ち上がる

なぜだかその女性の言葉に説得力を感じた


??「私は熊倉トシ……通りすがりの、風来坊ってことにでもしとくかね」

京太郎「は?」

8 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/08/30(月) 02:27:18.12 ID:21IOf5zl0


なぜかその熊倉トシを先導に部屋へと入る

父の部屋に入るのは久しぶりで、他の部屋とは違う匂いに違和感を感じながらも足を踏み入れた

妙な感覚を感じる


京太郎「前は、こんな感じ……」

トシ「あんたの中のそれと関係あるのか、とりあえず、ここか?」

京太郎「俺の中って……って、あ」


ポケットになにかが入っているのを感じて出してみればそれは父からのお守り

なんだか軽くなっている気がする。硬さもない


京太郎「……なんで?」

トシ「ほら、やっぱり」

京太郎「って、何勝手に開けてるんですか」


そう言って近づくと、父の机の引き出し

その一番下に金庫のようなものがはめてあった

だが鍵穴が見つからない、ダイヤルも


トシ「開けて」

京太郎「え? 別に閉まって」

トシ「閉まってるよ」


その言葉に、訝しげな表情を浮かべつつなぜか従い金庫の取っ手に手をかけて上に持ち上げるように開く

別段、光が広がるわけでも闇があふれるわけでもない

ただ純粋に、そこにはモノが在った


京太郎「なんだ、これ?」

トシ「ゼットライザー……設計図でもパクッてきたか?」

京太郎「へ? ぜ、ぜっと?」

トシ「いい、あんたのものだ……本来の使い道とはたぶん、違うけど」


そういうと、熊倉トシはその【ゼットライザー】を手に持って、京太郎に渡す

受け取った京太郎は、その重みを感じつつ手を上下させる

さらに中に入っていたものを、トシが京太郎の腰横につけた


トシ「ホルダー……“メダル”を拾ったらそこに入れときな」

京太郎「え、メダル? ゲーセンでも行くんですか? あ! これ太鼓の達人のマイ鉢的な」

トシ「……」

京太郎「あ、違いますよね、はい」
9 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/08/30(月) 02:29:17.65 ID:21IOf5zl0

軽く手を返してゼットライザーを見て、触ってみる

両についたブレードのようなものがスライドし、丸い何かをはめる場所もあった

なるほど、とうなずく。メダルとゼットライザーの関係、つまりはそういうことだろう


京太郎「で、なんなんですこれ?」

トシ「運命は動き出した。もう止まらない……いや、既に動き出してたのか」


溜息をつく熊倉トシを見て、京太郎は小首をかしげた


京太郎「一体、なにが起こってるんですか?」

トシ「それは……」


瞬間―――咆哮が聞こえる
10 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/08/30(月) 02:30:08.01 ID:21IOf5zl0

野犬やらの声ではない。そんなものわかる

窓が揺れるような咆哮

そんなもの聞いたこともない


京太郎「なっ、なんだよ!?」

トシ「きたか……」


カーテンを開けたトシの視線の先、蠢く影

街が燃えているのか、影に赤い光が当たっている


京太郎「か、怪獣!!?」

トシ「始まりの怪獣―――ベムラー!」


それは怪獣、黒く棘の生えた鱗

二足歩行、短い前足、長い尻尾、口から吐くのは青い炎


京太郎「な、なんだよあれっ……」

トシ「まだ本格的に市街地、ではないか」

京太郎「そ、そんなこと言ってる場合じゃ!」

トシ「行くよ」

京太郎「どこに!? なにしに!?」

トシ「……あんたにしかできないことさ」
11 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/08/30(月) 02:32:55.97 ID:21IOf5zl0

数分後、京太郎とトシの二人は【ベムラー】と呼ばれた怪獣が近くに見える丘に来ていた

熊倉トシの、年齢に合わぬ体力と走力についてきた京太郎

だが、中学の頃にハンドボールをやっていたころより走力も体力も上に感じた


京太郎(むしろ、自分でブレーキをしてた気すらする……)

トシ「デビルスプリンター……やっぱり」

京太郎「?」


少し離れた場所に見えるベムラー

いつ自分たちがその炎の餌食になるかわからない


京太郎「あ、危なくないっすか?」

トシ「……京ちゃん」

京太郎「は、はい」

トシ「ごめん、すまないと思ってる……あんたに背負わせて」


意味がわからない。自分にしかできないことがあるというからついてきたが、説明がない


トシ「戦うんだ。あんたが……」

京太郎「いきなりなにを」


街を壊すベムラーが、トシの背後に見えた

人々が走っているのすら見える

ゼットライザーを握った拳に、自然と力がこもる


京太郎「……はい!」

トシ「トリガーを」


ゼットライザーのトリガーを引く

それと共に、目の前に輝く扉が現れた

別空間に通じているであろうその扉を前に、京太郎は迷うことなく走る


トシ「あ、待った」

京太郎「え?」

トシ「最後にもう一回トリガーだよ、忘れないでね」

京太郎「あ……はい」


そう返事をすると、深呼吸

仕切り直しだと言わんばかりに深く息を吐いてから、光る扉-ゲート-に飛び込んだ
12 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/08/30(月) 02:37:17.79 ID:21IOf5zl0

真っ白に輝く空間

入り口は既にふさがっており、中にいるのは京太郎のみ

両の足を踏みしめて立つ京太郎の右手にはゼットライザー


京太郎「っ!」


そして左手に現れるのは、京太郎が映った赤いカード

それを見つめる京太郎の赤い瞳


『ジーッと見つめててもどうにもならないぞ』

京太郎「ッ!?」

『気に入らない感覚だ……カードを差し込め!』

京太郎「は、はい!」


威圧感のある声に押される

息をついて、右手のゼットライザーに左手のカードを差し込む


【キョウタロウ・アクセスグランテッド】

京太郎「!」


異様な力を感じる

目の前の怪獣から街を、人々を守る力

自分の内に感じる―――“チカラ”


京太郎「!」


ゼットライザーのブレードを


『叫べ! 俺の名を!』

「ウルトラマン―――」


ゼットライザーを掲げ―――トリガーを引く


「―――ベリアル!!」
13 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/08/30(月) 02:41:06.26 ID:21IOf5zl0

―――【街中】


青い炎を吐く宇宙怪獣ベムラー

そんなベムラーが“蹴り飛ばされる”


ベムラー「……!!」


倒れたベムラーがハッキリと視線をそちらに向ける

そこに立つのはベムラーとほぼ同サイズの、光の巨人

白銀と赤の身体を持ち、胸に輝く星-カラータイマー-


京太郎『こ、これは?』

べリアル『ハッ! 腕慣らしには丁度良いが、こっちは素人か……』

京太郎『え、そ、そんなこと言われても』

べリアル『まぁ良い……気に入らん奴は潰す!』


爪を立てた両手で構えを取る京太郎こと、ウルトラマンべリアル


今ここに―――【最恐のウルトラマン】が復活した
14 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/08/30(月) 02:43:22.16 ID:21IOf5zl0

京太郎が消えた丘の上で、熊倉トシはベムラーと対峙するべリアルを見やる

その瞳に映るのは喜びでもなんでもなかった

そんな感情は存在しない。彼女は顔をしかめる


トシ「すまないね、京ちゃん……」


謝罪は闘う運命を選ばせたこと

戦いに駆りだしたこと、頼らざるをえなかったこと

そしてその謝罪は、まだ続く


トシ「そしてべリアル……そっとしておいてやりたかったよ。私だって」


その視線の先、ウルトラマンべリアルは【始まりの怪獣-ベムラー-】を前に構えを取った

15 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/08/30(月) 02:48:04.04 ID:21IOf5zl0

今回はここまでー
プロローグって感じでとりあえず初変身
結構前から咲とウルトラマンでやりたいなとは思ってたけどようやく

ホントはゴリゴリの安価スレの予定だってけども変更
まぁちょくちょく、ではないけど安価たまに入れてくのでよろしければ是非

明日は22時ぐらいから開始してってもしかしたら第一回目の安価までいく、かも?

そんじゃまたー
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