辻野あかり「7人が行く・EX3・出郷りんご」

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1 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2021/08/24(火) 20:34:58.06 ID:lF0ws9bq0
あらすじ
この因果が終わるのは、縁が結ばれし時。さぁ、歴史ごと吹き飛ばしましょう。

前話
久川凪「7人が行く・EX2・トクベツなフツウ」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1607170950/


7人が行くシリーズの後日譚、その3。
設定はドラマ内のものです。

それでは投下していきます



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1629804897
2 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2021/08/24(火) 20:36:32.78 ID:lF0ws9bq0
メインキャスト

SDsメンバー
1・辻野あかり
2・砂塚あきら
3・夢見りあむ
4・日下部若葉
5・久川凪
6・白雪千夜
7・江上椿

速水奏

依田芳乃

クラリス
柳瀬美由紀
久川颯

持田亜里沙
3 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2021/08/24(火) 20:38:13.40 ID:lF0ws9bq0
・Apple

名詞
リンゴ
イディオム:Apple of Discord;争い火種と同義。ギリシャ神話に由来する。
4 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2021/08/24(火) 20:38:46.09 ID:lF0ws9bq0


久方ぶりに感じた地上には、見知らぬ赤い果実。

重たい砂の色と比して、なんと生命力にあふれた灯り色。

ああ、忌々しい。

だが、枯れた地としなかったことが隙。

その赤ごと、復活の礎に喰らい尽くそうぞ。
5 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2021/08/24(火) 20:40:09.10 ID:lF0ws9bq0


9月下旬のとある火曜日(祝日)

お昼前

S大学近くのアンテナショップ

S大学近くのアンテナショップ
あかりが手伝っている山形の物産品を扱うアンテナショップ。ライバル、というわけではないが、通り沿いには別のアンテナショップも複数あるとか。

砂塚あきら「あかり、掃除終わった」

砂塚あきら
SDsメンバー。新潟県にルーツがある。お米にうるさい家族にも山形米は好評だったらしい。

辻野あかり「あきらちゃん、ありがとうございます!掃除までやってもらって、助かりましたっ」

辻野あかり
SDsメンバー。最近山形県から引っ越してきた。父親が任されているアンテナショップの手伝いをしている。

あきら「どうも。隣、工事してるからホコリとか気になって」

あかり「猫カフェができるみたいですよ」

あきら「普通の建物じゃなさそうだし、納得」

あかり「それで、お給料は出せないんですけど……」

あきら「それは約束通りだから平気」

あかり「それじゃあ、これをどうぞ!今日入れ替えの冷凍食品一袋ですっ」

あきら「へー、色々あるな。お肉系が多い?」

あかり「山形の牧場で育った牛さん豚さんを使ってます、賞味期限近いから早めに食べて欲しいんご」

あきら「あっ、冷凍餃子がある。りあむサンに焼いてもらって、お昼にしようかな」

あかり「りあむさん?アピールしてたくさん買ってもらえば……いや、変なこだわりがあって自作してるから冷凍餃子はいらないかな?」

あきら「これから部室に行くけど、あかりは?」

あかり「これからレジ当番だから、夕方に行きます、旅行の打合せの時間に」

あきら「わかった。待ってるから」

あかり「はいっ。財前さんのお友達が考えてくれたプランでいいと思うんご!」

あきら「伝えとく」

テレビ『ニュースです。日曜日から行方不明の成宮由愛ちゃんは以前として……』

あきら「あれ、このニュース……」

あかり「あきらちゃん、どうしました?」

あきら「そのテレビ、録画?」

あかり「うん、山形のローカルニュースを録画したデータを貰ってるんです。都会のアナウンサーより訛ってて安心するんご」

あきら「ヒーリングミュージックみたいな使い方なんだ」

あかり「でも、昨日から中学生が行方不明の話題で持ち切りです……あっ、いらっしゃいませっ!中も見て行ってください!」

あきら「あかり、がんばってね」
6 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2021/08/24(火) 20:43:27.17 ID:lF0ws9bq0


S大学・部室棟・SDs部室

SDs部室
夢見りあむが代表を務めるサークル、SDsの部室。スペース的には余裕がある、美容室代わりになるくらいに。

あきら「どーも」

白雪千夜「砂塚さん、こんにちは」

白雪千夜
SDsメンバー。出身は北海道。幼少の頃はよく牧場に遊びに行ったらしい。

あきら「千夜サン、膝の上の子は?」

千夜「アッキーさんです」

アッキー「……♪」

アッキー
太田優の飼い犬。抱かれるのは苦手だが、千夜のブラッシングテクニックで大人しくなった。

あきら「もこもこでカワイイデスね」

太田優「そーでしょ!トリミングもこの前はすっごく上手にできたんだー」

太田優
ペット関係の専門学生。出身は千葉県。人のヘアカット、ヘアカラーも得意とする。大学生時代は時子と同じサークルに所属していた。

あきら「こんにちは。はじめまして?」

千夜「ご紹介が遅れました。太田優さん、財前さんのご友人です」

あきら「財前サンの、なるほど」

優「こんにちはー。あきらちゃんであってる?」

あきら「はい。千夜サン、紹介した?」

千夜「いいえ。そこのてるてる坊主がペラペラと喋ったのでしょう」

夢見りあむ「白雪ちゃん、ぼくのことを言ったな?悪い風に!振り向けないけど、わかるぞ!」

夢見りあむ
SDsの代表。あきらによると、何故か出身を教えてくれないらしい。餃子好きだが宇都宮でも浜松の出身ではなさそう。

あきら「あれ、りあむサンだったんデスか」

りあむ「そうだよ!何だと思ってたのさ!」

あきら「誰かが持ち込んだ人形かと」

りあむ「人と認識されてないとは思わなかったよっ!」

優「あはっ、仲良しだねー♪」
7 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2021/08/24(火) 20:45:09.75 ID:lF0ws9bq0
あきら「優サン、でいいかな」

優「いいよー」

あきら「優サンはりあむサンに何してるんデスか?」

りあむ「あきらちゃん。それには深い事情が……」

あきら「千夜サン、お願いします」

千夜「もうすぐに看護実習も始まります」

あきら「わかった、染めてるんだ。あの髪色はヤバイし」

千夜「財前さんとも相談しまして、このような対応をとることにしました。実習中くらいは誤魔化せるように」

あきら「このタイミングで変えるつもりは?」

千夜「ないようです。私には分からないこだわり、無駄なこだわりがあるのでしょう」

あきら「りあむサンのワガママにつきあってくれてありがとうございます」

優「そんなことないよぉ、人の髪もいじるの楽しいからぁ」

千夜「そう言っていただけると、幸いです」

りあむ「ぼくのいないところで話がまとまり過ぎてるよ!置いてけぼりかよ!」

千夜「何か間違いでも?」

りあむ「ないけどさ!優さん、ありがとう!こんなぼくに付き合ってくれて神かよ!」

優「毛先もすっごく痛んでたからメンテしちゃった」

あきら「そんなカラーしてるのに、美容室サボってたんデスか?」

りあむ「う……美容師さんって怖いじゃん。ぼくとは対極の世界に生きてるんだよ、眩しすぎて消えちゃうよ」

千夜「そんなことだろうとは思いましたが」

あきら「あかりから貰った冷凍餃子を焼いて欲しいけど、りあむサンは動けない?」

優「動き回るのは良くないかなぁ。仕上がりは出来てからのお楽しみ♪」

あきら「楽しみにしてます」

千夜「冷凍餃子なら私が焼きます。私も昼食にします。太田さんもいかがですか」

優「いいの?それじゃあ、お言葉に甘えちゃうー」

千夜「アッキーさん、良い子でした。太田さんの元へお戻りください」

優「アッキー、おいでぇ。アッキーもご飯にしようねぇ」

アッキー「わん!」

千夜「砂塚さん、その袋を受け取ります」

あきら「どーぞ。山形県産の素材を使ったものらしいデス」

りあむ「あかりんごのアンテナショップの餃子!?気になる!もしかして、あーんしてくれる?」

千夜「しません。別に終わったあとでいいでしょう」

りあむ「うぇーん、メイドなのに優しくないよっ!メイドはどんな時でも優しくあるべきだよ!」

千夜「別にお前のメイドではありませんので。太田さん、砂塚さん、こいつは気にせずにお待ちください」

あきら「わかった」
8 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2021/08/24(火) 20:48:00.10 ID:lF0ws9bq0


S大学・部室棟・SDs部室

あきら「うん、美味しい」

千夜「……」

りあむ「ねぇ、白雪千夜ちゃん?なんで、ぼくの目の前で餃子を食べてるの?嫌がらせか!?」

千夜「はい」

りあむ「即答かよ!そういうのは隠すものだぞ!」

千夜「我ながら素晴らしい出来栄えです。よく焼けているのが見えるでしょう?」

りあむ「うぇーん!追い打ちをかけるように見せつけてくるよぉ!」

あきら「優サン、後どれくらいデスか?」

優「15分くらいかなぁ。仕上がりが気になるから動かないでねぇ」

千夜「お前の分がないわけではありません。大人しくしていればいい」

コンコン!

あきら「お客サン?」

優「あっ、どうぞー♪」

千夜「太田さんが呼んだのですか?」

優「りあむちゃんに用事があるんだって」

佐藤心「こんちはー」

佐藤心
CGプロ所属のアイドル。愛称は名前からしゅがーはぁと♡。丸めたポスターを担いで来た。

優「はぁとちゃん、やっほー♪」

あきら「あっ、見たことある」

千夜「砂塚さんのお知り合いですか」

あきら「ううん、アイドル。テレビで見た」

心「はぁとを見てくれてた?有名になって嬉しいな♡お礼にポスターをプレゼント♡」

あきら「グリーンランドでサンタを探すやつ見たよ。ポスターは部室にはります」

心「あー、よりによってそれかぁ、行かなくていいのわかってたのに。まっ、今は売れっ子なんでなるはやで!優ちゃん、対象は?」

優「そこでカラー待ち。良いタイミングで来たよぉ」
9 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2021/08/24(火) 20:48:59.04 ID:lF0ws9bq0
心「よしっ。ゆっくりと立ち上がれ!」

りあむ「えっ!?なになに!?そもそも誰なのさ!?」

千夜「言われたことには従うのですね」

心「教会から頼まれてる。すぐ終わるから」

あきら「教会?」

りあむ「……断りにくいこと言うなよぉ。そういう人なんだ」

千夜「つまり、人間ではないのですか」

心「ちがーう。はぁとは人間だぞ?優ちゃん、言っても良い系?」

優「大丈夫だよぉ、ここなら」

心「はぁとは魔法使い」

りあむ「魔法使い!聞いたことある!裕美ちゃんの衣装作った人だ!」

あきら「衣装デスか?」

心「そーいうこと。唯一使える魔法は自分で作った衣装に魔力を込めること」

りあむ「ん?ということは?」

心「採寸するから大人しくしてろ☆」

りあむ「え、ヤバイ!」

優「動いちゃダメだよぉ」

りあむ「逃げられない!罠だっ!」

千夜「どうして、採寸をそんなに嫌がるのですか?」

りあむ「ねぇ、椿さんと採寸情報のやり取りしてないよね?ね?」

心「してないしてない。はい、腕あげてー」

りあむ「それなら、いっか……って、ことはりあむちゃんに何か作るの?」

心「そーいうこと。万が一のためにね」

りあむ「……わかった」

あきら「意外と受け入れるのが早いデスね」

千夜「……」

心「わー、結構マニアックな体形してるな☆」

りあむ「言わなくていいよう!ぼくが一番良く分かってるよ!」
10 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2021/08/24(火) 20:49:49.89 ID:lF0ws9bq0


S大学・部室棟・SDs部室

千夜「佐藤心さんは行ってしまいましたね」

あきら「忙しいのは本当みたいデス」

千夜「ええ」

久川凪「こんにちは。凪が参りました」

久川凪
SDsメンバー。出生地は徳島県。阿波女は働き者、だそうです。

千夜「凪さん、こんにちは。お早いですね」

凪「はーちゃんをS大学付属病院にご案内しました」

あきら「病院?体調悪い?」

凪「いいえ、はーちゃんは元気です。病院にいる人物に用事があると」

千夜「病院にいる人物ですか?」

凪「ヒミツということなので聞いていません」

あきら「教会の関係かな」

千夜「おそらく」

凪「りあむは、何をされてるのですか?」

千夜「カラーの仕上げで髪を洗われています」

優「ふふふーん♪」

あきら「流し台なくても洗えるんデスね」

凪「まるで宇宙飛行士のヘルメット」

優「水が嫌いな子とかいるからねぇ、最小限の水で洗えるように練習してるんだー」

あきら「へー」

千夜「災害時にもいいかもしれませんね」

りあむ「ぼくを犬みたいに!」

優「りあむちゃんは、カワイイから大丈夫だよぉ」

りあむ「飼ってるわんちゃんに言う時と同じ言い方だよ、それは!」

凪「おや?」

アッキー「わん!」
11 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2021/08/24(火) 20:50:47.18 ID:lF0ws9bq0
凪「もこもこの犬が凪に近づいてきた。カワイイ。この子はどなたでしょうか」

千夜「アッキーさんです。そちらにいる太田優さんが飼われています」

あきら「大人しいから撫でても平気」

凪「フムン、それでは。これは、ふかふかです」

千夜「このように撫でると喜びますよ」

アッキー「♪」

凪「ほうほう。はーちゃんにも見せましょう。ぱしゃり」

あきら「優サン、アッキーさんの写真取っていい?」

優「もちろん!たくさん撮ってぇ。ドライヤー使うからコンセント借りるよぉ」

千夜「ご自由にどうぞ」

あきら「アッキーさん、カメラ慣れしてるね」

凪「ぱしゃりぱしゃり」

あきら「うん、上手く撮れた。どうかな?」

凪「どれどれ」

千夜「良いと思います」

あきら「椿さんに習っておけばよかったかな」

凪「どうでしょうか。オスは専門外かもしれません」

千夜「江上さんは、そんな人ではないと思います。おそらく」

あきら「断定はしないんデスね……」

優「できた!みんな、見て見て〜」
12 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2021/08/24(火) 20:52:19.83 ID:lF0ws9bq0


S大学・部室棟・SDs部室

りあむ「待って、ぼくがどうなってるか見てないよ!というか、1回たりとも見てないからね!」

千夜「お任せと言ったのはお前です」

凪「今の流行りはフリースタイルです。構いません」

りあむ「凪ちゃんが決めることじゃないよね!って、3人共もう並んでるし、さては仲良しだな!」

優「それじゃあ、おひろめ〜」

千夜「……」

凪「ほう」

あきら「なるほど」

優「ふっふーん♪」

りあむ「その薄い反応はなんだよぉ。笑い飛ばしてくれた方が精神的に楽だぞ?ああ、りあむちゃんはもう地べたを這いつくばる虫ぐらいの存在感しかないんだ……」

あきら「なんでそういう考えになるんデスかね……」

凪「ぱしゃぱしゃ」

りあむ「凪ちゃん、ネットで拡散はダメだぞ!S大学のブランドがりあむちゃんによって地に堕ちるぞ!」

千夜「お前にそこまで影響力はありません」

りあむ「そっか!いや、それはそれで寂しい!」

凪「第一印象は感心です」

あきら「同じく。優サン、センス良いね」

優「ありがとー」

あきら「真っ黒になってたら爆笑してたけど、そうじゃないから」

りあむ「えっ、そうなの?黒髪乙女になってないの?」

千夜「はい」
13 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2021/08/24(火) 20:52:57.32 ID:lF0ws9bq0
優「りあむちゃんは真っ黒は似合わなそうだからぁ、清良ちゃんみたいにしてみたんだー」

りあむ「え、あの看護師さんと一緒なの?恐れ多いよ!」

凪「どうみても看護学生です」

りあむ「鏡、鏡を!白雪ちゃん!」

千夜「姿見を……どうぞ」

りあむ「お、おおお……」

優「こうやって、シニョンにするといいよ〜」

千夜「フムン、実習中でも邪魔にならなそうですね」

あきら「おー、りあむサンも女子大生だったんデスね」

りあむ「それ以外の何者でもないぞ!何だと思ってたのさ!」

あきら「それは、答えるのは辞めておく」

りあむ「そんな深刻なことにされても困る!」

優「千夜ちゃん、どうかな?」

千夜「良いと思います」

あきら「来月からの実習は何とかなりそうデスね」

千夜「ええ。これで門前払いはなさそうです」

りあむ「うーん……」

千夜「何か気になることでもあるのですか」

りあむ「やっぱり地味じゃない?」

凪「確かに物足りない。りあむ感が足らない」

りあむ「凪ちゃん、やっぱりそうだよね!ぼくもそう思うよ!」

千夜「……」

りあむ「うわっ!思いっきり冷たい視線が刺さる!」
14 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2021/08/24(火) 20:53:47.07 ID:lF0ws9bq0
千夜「はぁ……こいつは本当にどう性根を治せばいいものか。太田さん、申し訳ありません」

りあむ「ため息が深すぎるよぅ。これでちゃんと実習は受けるからさ、ね?」

あきら「というか、それが当然」

凪「りあむ感は別のところで補うか」

優「謝らなくていいよぉ。今は色々やってみるべきだと思うから」

りあむ「すげぇ優しい……名前通りだ。名は体を表すんだ、って、りあむちゃんは何を表すんだ?ヤバイ奴じゃん」

優「しつけはちゃんとしないとだもんねぇ。あたしもアッキーのしつけはちゃんとしたもんねー」

りあむ「あれ?本当に優しいか分からなくなってきたぞ?」

千夜「なるほど、かしこまりました」

りあむ「白雪ちゃんも凄く納得した表情やめない?これから不安だよ?」

千夜「待ても出来ましたし、餃子を焼きますよ。手でも洗っていてください」

りあむ「色々気になるけど、やったー!白雪ちゃん、最高かよ!」

優「お片付けするねぇ。手伝ってくれる?」

凪「もち」

優「そうだ、あきらちゃんがいいかな?」

あきら「自分デスか?」

優「りあむちゃんの髪、お手入れと簡単なカラーはやってみる?」

あきら「うん。興味もあるし。りあむサンなら気兼ねないから」

りあむ「あきらちゃん、ぼくをカットマネキン代わりにするとか言った?」

あきら「そこまでは言ってないデス」
15 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2021/08/24(火) 20:54:56.43 ID:lF0ws9bq0


S大学・部室棟・SDs部室

あきら「ふむ……りあむサン、右向いて」

凪「はい。ぐるり」

りあむ「なんで凪ちゃんが答えるのさ。まぁ、向くけど」

あきら「椿サン、写真お願い」

江上椿「はーい」

江上椿
SDsメンバー。出身は新潟県。柿の種にこだわりがあるらしい。

りあむ「椿さん、そんなに撮らなくて良くない?」

椿「資料ですから。多めに」

りあむ「何の?何の資料なの?」

椿「もちろん、あきらさんのためですよ。どうですか?」

あきら「うん。優サンの資料分かりやすいし、できそう」

椿「それは良かったです。写真は何枚か印刷しておきますね」

あきら「椿サン、ありがと」

りあむ「次からはあきらちゃんがやってくれるの?それだと気が楽になる!シャレオツお姉さんはぼくにはハードルが高い!」

あきら「すぐにはムリ。来てもらいながら教わらないと」

椿「次来た時はお礼をしないとですね、考えておきます」

千夜「お茶を淹れました。はじめますか」

りあむ「あれ?もうそんな時間なのか。休み明けが近づいてる……やむ」

凪「時は午後3時。予定通り、あかりんごと若葉お姉さんはいません」

りあむ「よーし、集合!椿さん、ファイルは持って来た?」

椿「はい。こちらに」

千夜「先ほど太田さんから資料も受け取りました」

凪「さすが社会の先生、興味深い内容です」

りあむ「あきらちゃん、あかりんごは!?」

あきら「まだアンテナショップにいる」

りあむ「よーし、凪ちゃんは天使サマを招集しておいて!」

凪「うむ。ぽちぽち、送信」

りあむ「白雪ちゃん、今日のお茶は!?」

千夜「伊集院さんから頂いた紅茶です。氷を入れてレモンでお楽しみください」

りあむ「それめっちゃ美味いやつだよ!それじゃ、はじめるよ!手短に!」
16 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2021/08/24(火) 20:56:14.77 ID:lF0ws9bq0


夕方

S大学・部室棟・SDs部室

あかり「ちょっと遅れちゃいました!」

凪「あかりんごが到着です。お待ちはしていません」

速水奏「辻野さん、こんにちは」

速水奏
N高校に通う高校生。山形旅行の発案者。出身地はとても美しくて本当に退屈だったとのこと。

あかり「凪ちゃん、奏さん、こんにちは!何してるんご?」

凪「ドラマの上映会です。予習です」

あかり「映画セットを使ってるドラマですねっ。山形でも話題だったんご」

奏「そういうことだから、急いではいないわ」

あかり「あきらちゃん達は、どこに行ったんですか?」

凪「写真を印刷しに行きました。千夜さんはキッチンに」

あかり「写真?」

千夜「辻野さん、いらっしゃったのですね。餃子いただきました、美味しかったです」

あかり「千夜さん、喜んでもらって嬉しいんご」

日下部若葉「こんにちは〜」

日下部若葉
SDsメンバー。出身は群馬県。地元には仲間がそこそこいる、らしい。

凪「赤の若葉お姉さんです。ごきげんよう」

若葉「間に合いましたね〜」

千夜「ええ。凪さん、地図の準備を」

凪「りょ」

奏「上映会も終わりね。片づけてしまいましょうか」

あかり「手伝います」

奏「大丈夫よ」

千夜「戻られたようです」

あきら「りあむサンは気にし過ぎデスよ」

椿「はい、自信を持ってくださいな」

りあむ「うー、りあむちゃんが突然地味色になってたら怪しくない?ひそひそ陰口叩かれない?いや、絶対そうだ!騙されないぞ!」

あきら「これ、逆に自信過剰?」

椿「そもそも、りあむさんを知ってる人もそんなにいませんから」

りあむ「そうかぁ?そうかな、プリンターまでの行きかえりだったけど大丈夫だったかな?」

あきら「大丈夫デスよ、あ、あかり来てたんだ」

あかり「はいっ。あっ!りあむさん、それ!ふふっ」

りあむ「笑うなようあかりんご!ぼくだってコスプレ感漂うのは分かってるよぉ!」

あかり「そんなことないんご!似合ってます、前と違ってまともな女子大生に見えるんご!」

りあむ「前はまともじゃなかったみたいに!」

あきら「それは仕方ない。ピンクと青はまともじゃないし」

りあむ「あきらちゃん、ひどい!」
17 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2021/08/24(火) 20:57:03.34 ID:lF0ws9bq0
椿「前のりあむさんも今のりあむさんもカワイイですよ」

りあむ「椿さんの言葉は信じて良いのかな、悩むよぅ」

あきら「信じておけばいいデス。椿サン、写真ありがと」

椿「どういたしまして」

りあむ「あかりんごに、若葉お姉さんもいる!時間にみんな正確だね!真人間っぷりに、りあむちゃんは感心しちゃうよ!」

あかり「りあむさんも遅れたりしないですよね?」

りあむ「りあむちゃんは、大体ここにいるからね!いつもいれば遅れないのは当然だよ!」

あきら「授業とかはどうしてたんデスか?りあむサン、夜型だし」

りあむ「朝の授業は寝ないで行ってた!」

若葉「頭に入りませんからダメですよ〜。実習もありますから、直していきましょうねぇ」

りあむ「若葉お姉さん、来てたんだ。うん、ぼくもそうしたい。というか、ちょっと治ってるよね?ね?」

椿「ちょっとどころか、この前は早寝早起きでしたよ」

あかり「それじゃ、りあむさんのためにモーニングコールするんご!」

りあむ「いや、そこまではいいから。うん、多分、きっと」

あきら「学校行ってるし、いいかもね」

凪「地図とホワイトボードの準備ができました。凪は山形旅行への興味で満ちています」

りあむ「凪ちゃん、ありがとう!ぼくの中学生時代の百億倍くらいしっかりしてるよ!」

あかり「りあむさんの中学生時代……どんな子だったんだろう?」

りあむ「あー!黒歴史だから聞くな!聞いても話さない!想像もするなよ!」

あきら「だそうデス」

千夜「速水さんもいらっしゃっていますから、はじめますか。お茶も用意してあります」

りあむ「えっと、白雪ちゃん!今日のお茶は!?」

千夜「伊集院さんから頂いた紅茶です。氷を入れてレモンでお楽しみください」

あかり「財前さんのお友達の、とっても美味しそうですっ」

りあむ「集合!週末の山形旅行プランを発表するぞ!」
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