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【まどマギ】小巻「見滝原中に転入したわ」【安価あり】
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859 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/25(火) 00:28:36.48 ID:LR7Qg8eL0
-----------------------
今回更新はここまで
次回は26日(水)20時くらいからの予定
860 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/26(水) 23:01:27.53 ID:MYycYawI0
今日も残すところ半日を過ぎた。もう昼の時間だ。
携帯をいじって、暁美に連絡をとって近況を聞いてみる。
暁美は今日もパトロール、まどかとさやかは駅前のほうに遊びに行ってるらしい。
小巻(駅前か……)
二人とはこの前向こうのクラスに行ったときに挨拶だけはしたけど、ちゃんと関わったのはみんなで集まった時くらいだった。
ちょうど昼食もまだだし、少し寄ってみようか。まどかたちとは会えなくても普通に店とか見て回ろう。
小巻「それじゃ、あたしたちはもう行くわね。今日はお疲れ」
マミ「ええ、もうお昼だものね。私もそろそろ一旦帰ろうかと思っていたところよ」
杏子「そうだな。溜め込んでたお菓子もなくなっちまったし。あたしたちもテキトーに……」
ゆま「ごはん!」
マミたちもここからはもう離れるらしい。
みんなと別れて向かった。
……すると、ついたはいいが今は休日の昼過ぎ。街はちょうど混み合っていた。
小巻「どこも混んでるし、こうも人が多いとあんまり落ち着いて食事できる店がなさそうね」
小糸「そうだね。デパートのほう見てく? あ、鹿目さんたちもこのあたりにいるんだよね」
そんな話をしている途中で、見覚えのある色の頭を見た気がしてウィンドウの奥を覗いた。
安っぽそうなチェーン店のハンバーガー屋。そこにいたのは確かにあの二人だった。
このあたりの店の中でもかなり混んでいて、入った覚えはほぼないようなとこ。
小巻「いたわよ」
小糸「えっ! あ、ホントだ。……入る?」
小巻「……まあ、ものは試しよ」
意を決して入店する。近づいてくとまどかたちもあたしたちのほうに気づいた。
861 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/27(木) 00:06:45.89 ID:uNOpKaRJ0
さやか「まどか、あれ小巻さんと小糸じゃん? こんなとこで会うなんて」
まどか「ほ、本当だ。おつかれさまですっ」
小巻「お疲れ。あたしたちも同席いい? 他に空いてないし」
さやか「どうぞどうぞ!」
一応他の席も見てきたけど本当に見事に埋まっていた。
それに、せっかく見つけたんだからちょっと腰を落ち着けて話してみたい気分になった。
小巻「こういうとこよく来るの?」
さやか「よく来ます。なんたって安いから!」
まどか「財布に優しいのうれしいよね」
こういうとこは本当庶民って感じ。
小巻「あれから何も起きてない? キュゥべえが来たとか」
まどか「わたしのほうは来てないです。さやかちゃんは?」
さやか「あたしのほうも特には」
小糸「よかった」
小巻「そうね、よかったわ」
腰を落ち着けて、と思っても、やっぱり深い話をするよりまずは契約のことが浮かんで気にかかってしまう。
それも大事だ。でも疑われてるとか思ったらそれ以上に踏み込んだことなんて話したくなくなるだろうし。
早くも話に一区切りがついてしまった。
小巻「二人はこの後もこのあたりにいるの?」
さやか「いや、あたしはもう行こうかなって思ってます」
小巻「行くって?」
さやか「……病院に。お見舞いです、友達の」
まどか「わたしはもう少しいるんですけどね。帰りにお使い頼まれてるからそれを終わらせないと」
二人とも食べ終わったらそれぞれの用事を済ませるらしい。
戦うための準備はしないといけないけど…… 今更ながら、二人がどんな人間なのかまったく知らないってことに気づいた。
1まどかと一緒に行動する
2さやかと一緒に行動する
下2レス
862 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/01/27(木) 07:40:32.32 ID:8FWH7tSN0
2で。
863 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/27(木) 12:33:27.95 ID:8Kzz1R7tO
2
864 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/29(土) 22:48:57.16 ID:WuHILeUI0
小巻「それ、途中まで一緒についていってもいい?」
さやか「……べつにいいですけど、どうして?」
小巻「あんたたちのことなんも知らないって思ったから、普段どんなこと考えててどんなことしてるか。少し話してみようと思ったのよ」
それに、 明日になる前に少しあたしからも話しておきたいこともあるし。
当日になってからじゃ話してるヒマなんてきっとなくなる。
小糸「じゃあわたしは鹿目さんのほうについていこうかな」
まどか「わたしは本当にただ言われたとおり買い物するだけなんだけどね…… えへへ、一緒に見に行く?」
店を出ると小糸たちとは別れて歩き出していく。小糸とまどかはスーパーのほうへ向かったようだ。
あたしたちが向かうのはさっき言ってたとおり、病院だ。あたしも少し前に入院してたことを思い出す。
といっても、あたしの場合は一晩で帰れたし、そもそも実際には怪我なんてなくなってたんだから大したことはなかった。
小巻「その友達って、入院して長いの?」
さやか「長い、ですね。退院にはまだかかると思います」
小巻「そう。……大変ね」
怪我なのか病気なのかはわからないけど、所詮は関わったこともない人のことだから、あたしには他人事の返事しかできない。
でも、そう答えたさやかの声はさっきよりも少し暗いトーンに聞こえた。
そういえば、さやかは契約してもろくな結果にならないとは言われてたし、それを聞いて本人も諦めてたようだった。
でも現時点でさやかに願いになりそうなことがあるのかははっきりとは言わなかった。
小巻「ねえ、あたしが言うのもなんだけどお見舞い品とか持っていかなくていいの? まだなら行く前にそこらで見てったら?」
さやか「あー…… そうですね。でも喜んでくれるかな」
さやかはあまり乗り気ではなさそうだった。
*お見舞い品といえば?
1果物
2お菓子
3花
4アクセサリーやぬいぐるみなど
5CD・DVD
下2レス
865 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/01/30(日) 14:48:10.33 ID:nfUn/Nem0
4で
でもできればエロ本がいい
866 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/01/30(日) 20:55:28.29 ID:PA6JC5kC0
小巻は一般的なものを選びそうだから1
867 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/31(月) 14:04:44.62 ID:3aIwLhOT0
-------------------------------
(本日20時くらいからやるよ)
868 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/31(月) 21:16:22.21 ID:3aIwLhOT0
小巻「こういうのはね、そんなすごいものじゃなくても嬉しいのよ」
小巻「恥ずかしいなら今日のはあたしからってことにしておきなさい。出してやるから」
さやか「……。べつに恥ずかしいってわけじゃ」
さやかが小声で何か言ったような気がしたが、あたしはちょうど手土産に良さそうな果物を売っている店が目に入って見にいっていた。
果物なら無難な感じがするし。
小巻「念の為聞いておくけど、嫌いなものはないわよね?」
適当に選んだものを手にとって、さやかのほうを振り返る。
さやか「あっ、はい。ないです。ていうかいいんですかこれ。出してやるって」
小巻「言い出したのはあたしでしょ。強制させたいわけじゃないし。そういうことだから決まりね、ちゃんと渡すのよ」
さやか「はい。ありがとうございます……」
さやかは少し戸惑った様子で受け取った。
お見舞い品を手にして病院へと進んでいく。
さやか「小巻さんってしっかりした人なのかなとは思ってたんですけど、めっちゃマイペースな人なんですね?」
小巻「マイペース? 人に合わせるのが面倒なだけよ。所詮他人なんだから、言って聞かせるよりやれることは自分でやったほうが早いでしょ?」
さやか「そういうのをマイペースって言うんじゃ?」
だからこそ、自分じゃどうにもならないことが嫌いだ。
このままじゃダメになるとわかっているのに、何もしない人。ダメな道に進む人。結局自分には何もできなかったこと。
所詮他人だから。……自分の言ったことだが、その響きに不快感を覚えた。
小巻「お見舞い行くくらいだから、相手とは仲良いのよね」
さやか「まあ、そうですね」
小巻「なーによさっきから! さやか、この話になってから曖昧よ。アンタが行きたいから行くんじゃないの?」
869 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/01/31(月) 21:26:11.00 ID:GG+WSt4g0
ここは以前杏子編でやった募金活動とかさやかにやらせたいですね。
恭介の容態、知りたいとこですねぇ・・・
870 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/31(月) 22:47:04.88 ID:3aIwLhOT0
煮えきらない態度も嫌い。
問い詰めると、さやかは真剣な表情で話し始めた。
さやか「……それはもちろんそうです。行きたいから行ってるんです。それがあたしのやれることだと思うから」
こうして話してると、昼話してた時までのような明るいだけの印象はもうなくなってた。
誰だって表面だけじゃ一番大事なとこなんてわからない。裏表とか取り繕ったりするの嫌いだって思ってたけど、あたしにも少しはそういうところもあるんだろう。
小巻「アンタ、叶えたいことがあるんでしょ。もしかしてそのことと関係あんの?」
小巻「隠そうとしないでいいわよ。むしろこんな時じゃないと言い出せないでしょ。疑いの目で見られてる時になんて本音言えるわけないものね」
さやか「……関係はあります。キュゥべえに会った時は、もしかして、やっとチャンスが来たのかもって思ったんです」
さやか「あたしのやれることってなんなんですかね? 契約してもうまくいかないって言うし」
さやかは思いとどまっている。
とはいえ、その問いかけに対してあたしはなんて答えてやればいいんだろうか。
小巻「あたしのほうも本音を言うと、やりたいことやればいいって思う。お見舞いでも、契約して戦うことでもね。その覚悟があるんだったら」
あたしだって、やりたいことをやった結果だ。
魔法少女なんて恥ずかしいしキツいし、そのうえ一歩間違えれば悲惨な末路まで用意されてるんだからやめられるならとっくにやめてる。
でもやっぱり願った結果を後悔したことはないから。
小巻「でも、真実を知った今は別だわ。これ以上魔女は増やしちゃいけない」
小巻「……もちろん、あたしは魔女になる気はないけどね。契約したからといって絶対になるわけじゃないし、あたしのことズルいって思うかもしんないけど」
小巻「元はキュゥべえが悪いとはいえ、魔女が生まれるのがあたしたちの問題なら少しでも契約する人を少なくしてくしかないわけでしょ?」
やりたいことをやって破滅するのは自業自得でも、魔女になって周りを巻き込むのはそれじゃ収まらない。
やりたいことやっていいのは自分が責任を取れる時だけだ。
さやか「そうですね……」
さやかも理解しているようだった。
結局、契約のことも奇跡のことも元々無かったんだと思うしかない。
871 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/31(月) 23:08:47.63 ID:3aIwLhOT0
病院に着くと、受付に行く前にさやかに話した。
小巻「明日のことを言うわね。わかってると思うけど、危ないことはなしよ。避難指示にはちゃんと従って、安全に過ごしていてちょうだい」
さやか「はい」
小巻「あたしたちは外で戦ってるから。もし…… 万が一そっちまで被害が及びそうになった時にはテレパシーでも使って絶対に伝える」
小巻「その時は頼むわね? 魔女のこと知ってる人しか出来ないことがあるはずだから」
今日話して、さやかのことを少し知ることが出来た。
あたしも真剣にさやかに託す。
小巻「ま、もちろんそんなことないようにはするけど!」
さやか「はい。こんなことしか言えないけど、頑張ってください!」
面会の受付を済ませ、廊下に行く姿を見送って、さやかと別れた。
――小糸のほうはまどかと何か話せたかな。
―34日目終了―
小巻 魔力[100/100] 状態:正常
GS:2個
・[90/100]
・[100/100]
◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]
872 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/31(月) 23:16:51.76 ID:3aIwLhOT0
-------------------------------------
今回更新はここまで
次回は2日(水)20時くらいからの予定
873 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/01/31(月) 23:28:14.28 ID:GG+WSt4g0
乙です。
次から遂にワルプル戦ですか・・・
人間関係はだいぶマシですけど結界とか合体技の訓練もしてないから不安がありますね。
874 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/31(月) 23:58:40.58 ID:14FlgjCP0
>>869
みたいなクレクレ乞食マジで不快だわ
思い付いたんなら自分で勝手に書いてりゃいいのに
875 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/02(水) 21:25:58.60 ID:CXgxF1AD0
――――――
35日目
朝、黒い雲が渦巻く空の下。あたしたちは家を出た。
小巻「……行きましょ!」
小糸「うん」
例の魔女との戦いまであとどのくらいだろう。暁美から聞いた話じゃ大体の時間しかわからなかった。
すでに何かが起こりそうな予兆は感じる。その元凶が姿を現すまで、もう数時間とない。
親には今日は朝から用事があるって伝えといた。避難指示が出始めたらちゃんと逃げてくれるはずだ。
小糸「きっと、大丈夫だよね……」
少ない準備期間。こんな過ごし方でよかったのかって、今になって不安は押し寄せてくる。
手持ちのグリーフシードは二つ。それも、一つは少し濁った状態だ。
使える魔力は少ない。もっとパトロールを優先させておくべきだったのかもしれない。
……いや、後悔しても仕方ない。今持っている力で挑むしかないんだから。
小巻「出たらわかるのよね? 魔力は感じるんだけど……」
ほむら「ええ。相手は大型の魔女。嫌でもわかるわ」
小糸「じゃあ待つしかないんだね」
向かった先は暁美から聞いた場所だ。
といってもかなりあやふやな指定だったけど、周辺に着いたら仲間の姿はちらほらと見えた。
全員で合流したのはそれから少ししてからだった。
キリカ「ところでこの使い魔みたいのは? 倒さなくていいの?」
杏子「こいつら襲ってこないだろ。ムダな労力使える余裕なんてあるかって」
マミ「使い魔はいくらでも沸いてくる存在よ。それは『ワルプルギスの夜』が相手でも変わらないのだし……」
マミ「手下もこれだけではないかもしれない。温存できるうちはなるべく温存しておいたほうが良いわよね」
魔力の気配が濃くなるのを感じる。それに比例して、風も強くなる。
さらにはあたしたちの周りをただ通り過ぎていく使い魔まで現れはじめていた。
876 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/02(水) 22:42:21.15 ID:CXgxF1AD0
キリカ「うーん、そういうならわかった」
この状況で、落ち着かない気持ちはあたしもわかる。
絶対“いる”気配を感じるのに何もできない。待つしかない時間。
合流してから、暁美は杏子のことを見ていた。
杏子「……戦力多いほうがいいんだろ? 飛び入りだけど、話はマミから聞いてるし」
ゆま「キョーコはつよいんだよ! ゆまもがんばるね!」
ほむら「ええ、わかってる。それはありがたいけど」
何があったのか、とまでは暁美は深堀りしない。単にそこまで興味がないんだろうけど。
ほむら「あなたが来てくれると思ってなかったから」
この反応からして、暁美は杏子のことも知っている、正しくは――過去のループで関わったことがあったんじゃないかと思った。
そういえば、前に優木の事件のことを話した時、暁美は無関心を貫いていたが唯一犯人の『名前』だけは気にしていた。
もし自分の知っている名前だったらと思ったのかも。
異変があったのは、そんな、少し関係のない話をしているときだった。
「!」
全員が息を呑む。
本当に突如として、黒い雲の覆う空に禍々しい気配を持った“巨体”が浮かび上がった。
小巻「思ったよりも……でかいわね」
キリカ「わぁ、やっと出た。うう、デカいくらいでビビんないし! 早くやろう!」
マミ「相手の出方にも気を配って。十分に気をつけて近づくのよ」
銃すらここからじゃ届かない距離だ。みんな魔女のほうを目指していく。まずは近づかなくちゃ話にならない。
ほむら「私が最初に仕掛けるわ」
877 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/02(水) 23:28:16.65 ID:CXgxF1AD0
そう聞こえたと思うと、上空に居る魔女の周りに“細い粒”のようなものが囲んで浮かび上がる。
それがなんなのか考える前に爆発が包んだ。
小巻(……なるほど、この前基地から持ってきたやつってあれか)
暁美はすでに離れたところにいる。
一瞬にしてあの物量の攻撃だ。『魔法』を使ったんだろう。しかし、魔女には効いている素振りもない。
小巻「風も本格的に強くなってうざったいわね」
向かい風自体も鬱陶しいが、風に乗って砂や障害物まで飛来してくる。
小巻「もう、一人だけそんなとこに行って! あたしだってすぐに追いついてやるから待ってなさい!」
小巻 魔力[100/100] 状態:正常
GS:2個
・[90/100]
・[100/100]
◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]
仲間:
小糸 状態:正常
マミ 状態:正常
キリカ 状態:正常
ほむら 状態:正常
杏子 状態:正常
ゆま 状態:正常
敵:ワルプルギスの夜
1破壊的斬撃 :近接武器戦闘・斧(魔力-0)まともにヒットすれば必殺技レベルの威力を誇る
2両斧斬撃 :近接武器戦闘・両斧(魔力-5/1ターン)単純に手数を二倍にする。相当なパワーが必要になるため、長くは使えない。
3投刃(魔力-5) :遠心力をつけて武器をぶん投げる。繰り出すのと武器再装備には時間がかかる。
4ガード(魔力-3〜5/1ターン) :攻撃に対処するための盾。格闘中の判定結果によって自動使用する
5バリアバインド(魔力-40) :敵をバリアに閉じ込める。…頑張れば足止めできなくもない?
・自分の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
・他人の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
下2レス
878 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/02(水) 23:33:07.43 ID:1KPbjbsQO
3
879 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/02/02(水) 23:35:26.84 ID:An3v6YrY0
3かな?
880 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/03(木) 00:20:48.02 ID:xAJ9iG4t0
次々と、追いついた仲間から攻撃を仕掛けていく。
その間にも魔女は衝撃を受けるままにあたしたちから離れ、またふわふわとどこかへ漂いだす。
さっきからまるで、あたしたちの攻撃なんか気にするほどでもないみたいに。……あたしたちのこと、見えてるのかしら?
これは、追いつくだけでも大変そう。
小巻「強いくせに厄介に逃げ回ってんじゃないわよッ!」
あたしもビルの屋上の端からヤツの姿を捉えて足を止めた。
これ以上距離を引き離されないうちに全力で斧を振りかぶって、投げつける。
また追いかけなきゃ。
魔女は今も街のあちこちに火を吹いて燃やしている。
かと思えば、凄まじい突風で倒壊させたビルを根こそぎ持ち上げ、さらに瓦礫を増やしている。
出来る限り守るつもりだった。でも、これだけの攻撃から街並みまで守り切ることはさすがにできない。
被害を抑えるにはさっさと倒すしかないんだ。あたしは改めて覚悟を決めた。
小巻「こっちを見ろ! アンタの相手はあたしたちだ!!」
無関係なものばかり破壊して。悔しさのままに叫ぶ。
すると――――きっと、その言葉が通じたわけじゃない。
こっちに向かって思わず顔を覆いたくなる風が吹きつけて、そして。
いまさっき地面からもがれたばかりのビルだったもの、コンクリートの塊が迫ってきていた。
881 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/03(木) 00:25:49.12 ID:xAJ9iG4t0
---------------------
今回更新はここまで
次回は5日(土)18時くらいからの予定
882 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/05(土) 22:03:26.31 ID:2NzE8kp+0
あたしたちにぶつからないうちに、すかさず強力なバリアを張る。それから周りを見やった。
杏子やゆまなど、もう先に行った仲間もいる。でもまだあたしと同じくここにいる仲間はいた。
小巻(これだけじゃ防げない! 逃げなきゃ潰れる!)
あたしが勢いを最大限に殺し、さらに……これはキリカの魔法だ。周囲を遅くする魔法。おかげで余裕ができた。
あたしたちの魔法を行使して全員なんとか逃げ切ることができた。
しかし、『守りきることを諦めた部分』――さっきまでいた『足場』の惨状を見ればゾッとする。塊が衝突したビル本体は、屋上から大きく抉れ半ばから醜く折れ曲がっていた。
もしも防げなければ、逃げられなければ、あの中にいた。
ふと、一人みんなと離れた場所にいる暁美と目が合った。
小巻「……」
それからすぐ、あたしたちが無事だとわかったからか、再び目を逸らして魔女を追いに走り去ってしまった。
助けてくれるつもりはあったんだろうか? 離れている上考えが読めなくてどうにも連携が取りづらい。
小糸「みんな、怪我はない!?」
キリカ「へーきへーき、私は先にちがうとこ移ってたし。あのビルはあの有様だけど……」
小糸「あのビルからは逃げることはできたけど、みんな無傷じゃないでしょ。この暴風に混じって飛んできたもののせいで少なからず怪我してる。一旦体勢を建て直さないと」
小巻「そうね。この戦い……長引けば長引くほど不利になるわ」
随分と遠くにいってしまった魔女を睨みつける。長く戦えばきっと、防御や回復のほうが重要になるんだろう。
ワルプルギスの攻撃は生半可なものじゃないのはわかったし、なにより環境まで味方しすぎてる。
できるだけ早くに決着に持ち込みたい。けど、そのための魔力がなくなったらそれこそ終わる。
ここは回復の得意な小糸に甘えることにした。体勢を整えてから再び戦うことにした。
小巻 魔力[80/100] 状態:正常
GS:2個
・[90/100]
・[100/100]
◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]
仲間:
小糸 状態:正常
マミ 状態:正常
キリカ 状態:正常
ほむら 状態:正常
杏子 状態:正常
ゆま 状態:正常
敵:ワルプルギスの夜
1破壊的斬撃 :近接武器戦闘・斧(魔力-0)まともにヒットすれば必殺技レベルの威力を誇る
2両斧斬撃 :近接武器戦闘・両斧(魔力-5/1ターン)単純に手数を二倍にする。相当なパワーが必要になるため、長くは使えない。
3投刃(魔力-5) :遠心力をつけて武器をぶん投げる。繰り出すのと武器再装備には時間がかかる。
4ガード(魔力-3〜5/1ターン) :攻撃に対処するための盾。格闘中の判定結果によって自動使用する
5バリアバインド(魔力-40) :敵をバリアに閉じ込める。…頑張れば足止めできなくもない?
・自分の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
・他人の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
6仲間にテレパシー【安価内容】
下2レス
883 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/02/05(土) 22:17:03.04 ID:8FOu+dwK0
5+6
自分がバリアで閉じ込めてみるけど魔力消費が大きい、一度試すから有効だったらGS少し余裕がある人は都合してと頼む。
884 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/05(土) 22:33:43.13 ID:4Ge03jXAO
↑
GSがないのがつらいな
885 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/05(土) 23:44:59.36 ID:2NzE8kp+0
杏子(引き剥がされないように追ってはいるけど、それが精一杯だ。ぜんっぜん攻撃を浴びせてやれてねぇ)
――――小巻よりも先を行っていた仲間たちはまだ地道に攻撃を続けていた。
とはいえちょっとやそっとでは動きを止めさせることすらできない。一度足を止めて技を繰り出せばむしろこちらの隙を生む。
足を止めずに攻撃できるマミの銃撃も効果が出ているとは思いづらかった。
走り続けているだけでも体力は消耗してしまう。
マミ「闇雲に攻撃を続けていても持たないわ。私もそれほど余裕があるわけじゃない…… 大きい攻撃を確実に当てていきましょう」
マミ「相手は宙にいる。浮いているということはどこにも支えがないということよ。その衝撃は間違いなく受けているのだから」
マミは上空に大砲を作ると、魔女の脚部にあたる部位――上を向いた歯車目掛けて魔力を放つ。
ワルプルギスを空から地面へと墜とす攻撃だ。この判断は、その巨体の叩きつけられる先にあった街並みがすでに魔女によって荒れ果てさせられていたからできた判断でもあった。
マミ「攻撃の隙を生むことくらいは出来たはずよ」
そう言って、杏子に目配せをした。
杏子「そうだな。じゃあいくぞっ!」
ゆま「うん!」
杏子は多節に分けて伸ばしていた槍の柄をもとに戻すと、飛び上がって勢いをつけ、狙った一点目掛けて魔力をほとばしらせた刃を打ち込んだ。
続いて、別の角度からはゆまも追撃をし掛ける。
ゆまの武器はハンマー――打撃でありながら、離れた場所にもその威力を及ばせることができる。
だが、その威力を十分に活かすなら相手に直接打ち込むのが一番だ。
ほむら「……」
その後に響いた爆発のような音。魔女を追っている時も他とペースを合わせることはなかったが、暁美ほむらは神出鬼没にどこからか現れて目にも止まらぬ攻撃をしていた。
戦ったことのあるマミにはその絡繰はわかっていた。時間を止めて爆弾か兵器でも撃ち込んだのだろう。
886 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/06(日) 00:29:33.72 ID:Ga/W2aP30
全員が全員、非の打ち所のないほどの必殺技を放ったはずだった。
しかし、魔女はただのひとかけすら傷ついてはいない。動きは止められても、ダメージを負うほどの有効打にはなっていなかったのだ。
であれば、このままやられ続けているわけもなかった。
マミ「せめてもうちょっとくらい……足止めできていればいいのだけど」
そもそも、まだ全員が追いつけていない。
小巻「そうね」
あたしも、やっと追いつけた。マミたちが足止めしてくれてたからだ。
このチャンスを逃すわけにはいかない。
小巻「あたしがやる! 何をするつもりか知らないけどまだ大人しくしててもらうわ!」
ワルプルギスの周囲にバリアを張る。さすがにこの質量を覆い尽くすのは、今までのどの魔女とも比べ物にならない。
それよりも恐ろしいのは、奴が大きいだけじゃなくどの魔女よりも絶大な威力を持った災害を生み出すところだ。
魔女の口から吹き付けられた炎は誰にも届かず遮られた。にも関わらず魔女は笑ってる。
次の瞬間には多方面に放射された闇色のエネルギーがバリアに罅を作っていて、そこから無数に生み出された使い魔たちの攻撃で自然と砕け散らされようとしていた。
でも、そんなのはいい。こっちから攻撃するにはどうせ壊さなくちゃいけないんだから。
小巻「悪いけど誰か使い魔相手してっ! あたしはコイツに一発入れてやらないと気が済まないから!」
バリアが破られると同時に、斧を両手で構えて突進する。
使い魔はマミが対処してくれているようだ。それと暁美も。飛び出して出てきたそばから見事に迎撃してくれている。
これだけ戦力が集まっていれば、本当にやれそうだ。
一発、重い一撃を叩き込んだ後にもう一度斧を振るおうとして、また不気味な笑い声を聞いた。何か仕掛けてくるつもりなのか。
キリカ「今ここで逃しちゃいけない! なんとかしてみんなで隙を作るんだ!」
マミ「ええ!」
887 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/06(日) 00:32:50.17 ID:+YraBRzCO
一応足止めにはなったのか?
888 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/06(日) 00:36:13.44 ID:Ga/W2aP30
--------------------------
今回更新はここまで。
次回は6日(日)18時くらいからの予定
889 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/06(日) 00:41:23.22 ID:+YraBRzCO
乙
890 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/06(日) 19:09:30.52 ID:Ga/W2aP30
そう言ったキリカを筆頭に、あたし以外にも足止めや防御に使える手段は持っている人はいくらかいた。
上空を無軌道に移動するワルプルギスを追っていた時には発揮できなかったキリカの魔法も、すでに追いついて地面に磔にした今なら使える。
そして、感じたのは風圧。あの捥ぎ取られたビルが迫ってきた時に似た、それよりも“直接的”に肌に感じる暴力的なまでの気流の動き。
それがワルプルギスの夜から湧き起ころうとしている。
小巻(コイツ、あたしたちを吹き飛ばして無理にでも距離を取る気……!)
一点だけを狙ってくる炎とは違う。わかっている『だけ』じゃ対処はできない。
小巻(いや、さっきまでの態度見てればそれは思い上がりか。コイツもやりたいようにしてるだけ)
しかしその動作に災害級の威力が伴う。
強力な浮力を纏って再び宙へ浮かび上がろうとする魔女を、今度は細かく編み込むように張られたリボンが障壁となって押さえ込んだ。
こっちも極めて強引な方法で、魔女から生み出される浮力を無に留めた。
それならやることはひとつ。今のうちにまた地面に押しつける。今度こそ迷いなく全力で斧を振るった。
……あたしじゃ今回はこうはできなかった。攻撃の後、一旦グリーフシードを取り出して魔力を補充する。
この規模のバリアとなると、一人じゃ連続して張るには消耗が激しすぎるから。
杏子「そうだ、お前はまだ寝てろっ!」
みんなの猛攻はまだ続いた。文字通り袋叩きってやつだ。ただし、魔女のほうもこれで起き上がることを諦めたってわけじゃなかった。
鎖状に連ねて作られた赤い障壁が風を防ぐ。
杏子が生み出したものだった。
ゆま「えいっ!」
それからゆまが武器を振りかぶって叩きつける。
上から下へ、再び地面まで押し付ける衝撃波が響く。
この一方的な状態を実現できたのは、絶対に逃さないというみんなの執念の結果といってもよかった。
しかし――いくらみんなの力を集めたとしても、どうしようもできない『切れ目』はきてしまう。
891 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/06(日) 20:44:01.89 ID:Ga/W2aP30
風や炎からの防御、沸いてくる使い魔の対処、そして攻撃。こんだけ全力で動くんだから、合間に肉体の疲労も治さなきゃやってられない。
一人じゃ出来ないけど、みんなで力を出し合って出来た。
そして、その全てに必要なのは魔力。
――――その底が見え始めたときに、自然と執念も崩れ始めた。
マミ「!」
キリカ「わぁっ」
小巻「っ……!」
ワルプルギスの夜を逃した。あれだけ続けていた猛攻でも、相手はまだ傷一つついてない。あたしたちの魔力がなくなるほうが早かった。
瞬間、滲むのは後悔。結局グリーフシードが必要だった。
いや、そんなこと今は考えてる場合じゃない。身体が浮く感覚に、咄嗟に自分を包むだけのバリアを張る。
小巻(痛……くはないけど、かなり離された)
後ろは瓦礫。バリアのおかげで叩きつけられた衝撃はない。
見上げると、ワルプルギスは再び宙にいた。
最初は不気味に笑いながら、あたしたちの攻撃なんてじゃれてるくらいあしらってたワルプルギスの夜も、
これだけ長いこと意に反して押さえつけられれば当然――怒っていたんだろう。あたしにはそう見えた。
小巻「小糸…… みんなはっ!」
周囲を見回す。あの時、バリアを張れたのは自分一人だった。
他を守ることはできなかった。そんな思いを感じ取ったのか、返ってきたのは誰かの悪態だった。
杏子「別にアンタに守ってもらわなくても、自分でなんとかするっての」
生意気な声だ。目を向ければ、やっぱり杏子がいた。
892 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/02/06(日) 20:54:43.48 ID:Z0JO8u1I0
うーん、やっぱりキツいみたいですね・・・
893 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/06(日) 21:44:53.37 ID:Ga/W2aP30
小巻「まあ、そうね。みんなあたしが思ってたより強かった。杏子もゆまもキリカも、魔法であそこまでできるって知らなかったし」
杏子「つーか、アンタ……」
小巻「何よ?」
杏子「別に? 名前のほうがあたしもしっくりくるし、いいんじゃない?」
最初は絶対気に入らないタイプの人だって思ってたけど、
コイツのことよく知ってみたら、いつまでも線引きして他人行儀に呼ぶのもバカバカしくなってた。
そんな理由をひっくるめて、“なんとなく”呼び方を変えたってとこだった。
小巻「これでも、認めた相手しか名前で呼ばないのよ」
小糸「お姉ちゃんよく言えた! 言わなかったら私から解説しようと思ってたもん」
後ろのほうから小糸の声が聞こえてきた。
ひとまず小糸も無事らしい。そう思うと安堵した。
小巻「何様よ、アンタは」
そんなやりとりを見て、杏子は一瞬、穏やかな笑みを浮かべる。
しかし、のんきにしている場合でもなかった。敵はまだ宙にいる。それにまだみんな見つかってない。
杏子「それより、おい! あれ」
小糸「え?」
小巻「暁美……?」
……まるで瓦礫の一部。埋もれてたから気づかなかった。
思えば、こいつの魔法って正確にはなんだったんだろう? こいつこそ誰に守られなくとも自分でなんとかしそうなもんなのに。
894 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/06(日) 22:15:53.80 ID:cs+Kr2j3O
砂が落ちきったのか?
895 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/06(日) 23:33:51.88 ID:Ga/W2aP30
小巻「……冗談じゃないわよ。笑い話にもならないのよ」
小糸「今出すよ! それに怪我を……!」
小糸が駆け寄ろうとする。すると暁美は、すでに死んでるみたいな青白い顔色でそれを止める。
ほむら「私のことはほっといて」
小巻「この期に及んで! そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!」
ほむら「見て。そんな暇ない」
それは焦ったような声色だった。再び上を見上げる。いや、周囲の様子からしても異変があった。
暁美が見たものは――今まで見てきたものとは比べ物にならない速度でワルプルギスの夜が駆け抜けていくところだった。
一帯に吹く風が強さを増し、離れているにも関わらず、思わず身構えるほどの余波に吹き付けられた。
ただの余波でこの威力。ワルプルギスが通った後の地上は一瞬で破壊しつくされ、数え切れない数の使い魔が生まれていった。
小巻「嘘でしょ? まだあんな力を!」
杏子「いや、そうじゃねえ」
今までが手加減しすぎてた。怒らせて、遊ぶことをやめた。『少しだけ』本気を出した。
そういうことだって、言いたいんだろう。
ほむら「私はもう魔法が使えない。あなたたちだってそんなに残りはないんでしょう?」
小巻「魔法が、使えない?」
単純に魔力が足りないのか、それ以外に意味があるのか。
896 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/06(日) 23:47:15.24 ID:Ga/W2aP30
長く語っている時間はない。
小糸「ど、どうするの!?」
杏子「あたしもマミから聞いてる。今にも死にそーなツラしてるけど…… 簡単には死なないんだろ。ほっとくしかない」
小巻「とりあえず、こいつらを片付けないことには安心もできないものね」
迫ってくる使い魔の群れに向けて武器を構える。
杏子だってここにいない人のことは気にしてるだろう。いつも一緒にいるゆまがいないんだから。
けれど今仲間を探してる場合でもない。使い魔を倒すと同時に、上空の魔女の動きまで気にかけないといけない。
あんな攻撃がもし直撃したら、ソウルジェムのことがあるから死なないまでも、一瞬で戦える状態じゃなくなる。
いつのまにかあたしたちは、ワルプルギスの夜を追う側でなく、追われる側になっていた。
小巻 魔力[80/100] 状態:正常
GS:1個
・[0/100]
・[100/100]
◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]
仲間:
小糸 状態:正常
マミ 状態:-
キリカ 状態:-
ほむら 状態:行動不能
杏子 状態:正常
ゆま 状態:-
敵:ワルプルギスの夜
ワルプルギスの夜の使い魔 <- 攻撃対象
1破壊的斬撃 :近接武器戦闘・斧(魔力-0)まともにヒットすれば必殺技レベルの威力を誇る
2両斧斬撃 :近接武器戦闘・両斧(魔力-5/1ターン)単純に手数を二倍にする。相当なパワーが必要になるため、長くは使えない。
3投刃(魔力-5) :遠心力をつけて武器をぶん投げる。繰り出すのと武器再装備には時間がかかる。
4ガード(魔力-3〜5/1ターン) :攻撃に対処するための盾。格闘中の判定結果によって自動使用する
5バリアバインド(魔力-10) :敵をバリアに閉じ込める。
・自分の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
・他人の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
下2レス
897 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/02/06(日) 23:53:05.84 ID:Z0JO8u1I0
魔力消費を抑えたいから1。
898 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/06(日) 23:55:30.42 ID:cs+Kr2j3O
↑
まどかが契約しそうだな、こりゃ
899 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/07(月) 00:25:30.72 ID:b9yVWL5C0
-------------------------
今回更新はここまで
次回は9日(水)20時くらいからの予定
900 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/02/07(月) 00:31:07.96 ID:BIMTqQe90
乙です。
ここからどう巻き返すのか、はたまたBADに近いラストになるのか・・・
901 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/09(水) 21:56:39.74 ID:s2cbsi3n0
1対多の戦いはあたしのスタイルではどうしてもやりづらい。
結局のところ、あたしの場合小細工のいらない攻撃が一番強くて他は補助だ。
そのスタイルは魔女を相手してたさっきまでだったら合ってた。
これがいつもの魔女との戦いだったら無視して魔女のほうを倒す選択肢もとれた。けど、ワルプルギスが相手じゃそうもいかない。
小巻(どれだけいるの……! こいつら……!)
使い魔は影が人のような形をしているかのような姿だが、その攻撃手段も多かった。
素早く飛び込んで打撃をかましてくる個体、遠くから攻撃を飛ばしてくる個体。それが何より厄介だ。
こっちの遠くへの攻撃手段といえば投げることくらいだけど、そんな隙がないのはわかりきってる。思い切って踏み込みにいけば、守りきれず傷がつくこともあった。
小糸「お姉ちゃん!」
そんなときは、妹だけは守り切ると決めて。
小糸「……もうっ、無茶するんだから!」
小巻「ありがと、楽になった。でも、ちょっとくらい無茶でもしなきゃ倒せないわよこんなの」
使い魔を引き裂いた後に、優しい感触が身体を包んだ。
小糸の魔法だ。思えばこの魔法にはもう何度も救ってもらってる。無茶できたのは小糸がいるからってのもあった。
多方向から押し寄せてくる使い魔に小糸と二人でなんとか対抗する。
その一方で、杏子のほうは複数の使い魔に囲まれようと怯まない。
守り、薙ぎ払い、行動を封じ、貫く。それらを一つの武器で、あたしたちが二人でやっていることを一人でこなした。
その戦いぶりを見ればやっぱりベテランなのだと、普段偉そうにしてるのも少しは納得できる気になった。
でもまるで、あたしたちに守られることも拒むかのようにも映った。
902 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/09(水) 23:46:40.25 ID:s2cbsi3n0
都市の跡地で影が踊る。
建物は瓦礫となり、塵となり、吹き飛ばされてやがて『無』になっていく。その上では魔女が踊っている。
あたしたちの街はすっかり魔女たちの舞踏会場にされていた。
小巻(全然減らない……倒すペースと増えるペースがさすがに合ってない)
それでも戦わなきゃ増える一方だ。だが、いつまで経ってもこいつらに阻まれて魔女にたどり着ける気がしなかった。
小巻(ただでさえ追いつくだけでも一苦労だったのに)
背の高い建物がなくなったせいで、私達のいる地面とワルプルギスは更に大きく離されている。
このままじゃジリ貧になる。
――――きっとたどり着いたところで勝てない。魔女に本気であれだけ攻撃してもこの余裕を見せているんだ。
弱音が心の中で漏れそうになった。きっと、疲れてるせいだ。
小巻「こいつらもさ、元は人間だったってわけ?」
小糸「……わかんない。誰かが魔女になったところは見たわけじゃない。でも、無関係じゃ、ない気がする」
このやけに個性のある使い魔といい、魔女から見て取れる感情といい。
杏子「そんなこと言ってる場合じゃないだろ。たとえそうだったとして同情なんてできるか」
小巻「そりゃ、そんなの決まってるわよ」
同情するってわけじゃない。
人が変化した魔女ですらあんだけ話が通じないんだ。
その時、背後から絞り出すような声が聞こえて、現実に引き戻された。
ほむら「もういい。私のことは置いていっていいから」
ほむら「私じゃなくて避難所を……まどかたちを守ってあげて」
ほむら「あっちにはまどかたちがいるの。これ以上進ませてしまったら、私の知り合いだけじゃない――――大勢の命が失われることになる」
903 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/09(水) 23:56:21.82 ID:s2cbsi3n0
--------------------------
今回の更新はここまで
次回は12日(土)20時くらいからの予定
904 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/10(木) 17:25:31.68 ID:nJVV8/LDO
SS速報避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/
905 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/12(土) 21:42:54.69 ID:UomkQyPn0
小巻「なっ、何言って……」
そう言われてやっと魔女の進行方向にあるもののことに考えた至った。このままじゃどうなるのかということも。
正直、迫ってくる使い魔だけでも精一杯だった。
小巻「あっち? みんなはあっちにいるのよね!?」
あっちに避難した市民たちがいる。まどかとさやかがいる。ということは、あたしの家族や友達もいるだろう。
みんな身を守る手段すら持たなければ、そのほとんどは魔女のことすら知らない。あたしたち【魔法少女】が守るべきもの。
それだけはなんとしてでも守らなければいけない、と思って居ても立ってもいられなくなる。
小糸「お姉ちゃん!?」
走り出したあたしに小糸は驚きの声を上げた。杏子は無言でついてきてる。
小巻「行くわよ!」
小糸「えっ、でもっ」
小巻「あたしたちは『魔法少女』だから!」
初めて今、その名をはっきりと口にできた。
自分に無理を強いても。たとえ、仲間に無理を強いることになっても。
使い魔の群れの中を無理矢理に突き進んでいく。出来るだけ早く。傷ついてももう気にしなかった。今だけは。
そうしてその先にあったのは、絶望感溢れる光景だった。
魔女の姿はまだこの地上からは遠い。それでもこの身に感じる威圧感はこれまでの何倍もあった。
906 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/02/12(土) 21:49:48.33 ID:K1tZKABK0
うーん、結界も合体技もまど神様の援護どれもない状態だとやっぱりキツいか・・・
907 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/12(土) 23:13:13.59 ID:UomkQyPn0
杏子「ゆま……」
瓦礫に倒れているゆまの元に杏子がふらりと身を寄せる。
キリカ「ごめん、そうするしかなかったんだよ」
キリカ「私達が傷つくたびに必死に治してくれて、誰よりも魔力を使ってるのに無茶をするから」
杏子が慌てて手持ちのグリーフシードをゆまのソウルジェムにあてがう。あたしたちのほうはまだ余裕があった。
三人はあたしたちよりも先に追いついていた。
遠目で見ても食らったらひとたまりもない攻撃に見えた。それを間近で受けて、やりあって。
そう考えたらこの状況になるのも納得がいった。
マミ「正直、私はみんなに『逃げて』って言いたい。でも……」
この場にいる中でゆまだけが意識がなかったが、身体の損傷だけでみれば二人はそれ以上だった。二人だって相当な無茶をしていた。
たしかに、本来ソウルジェムが壊れない限り死ぬことはないし戦い続けられる。でも、それを知ってるせいで、本当に動けなくなるまで足を止められなかったんだから。
小巻「わかってるわよ。みんなを守る。あたしはそのために来たの。……暁美からも託されてきたし、ね」
マミ「暁美さんは……」
マミも察しはついたみたいだった。置いてきたこと。
今アイツがどうしてるかはわからない。気にかけてる余裕もない。そんなことはやるべきことが終わってからでいい。
908 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/13(日) 00:09:39.33 ID://+wdQQU0
もうここまでくれば、勝ち目のない戦いだってわかってた。
三人で歯が立たなかった相手に、もう三人を加えたからって勝ち目が見えるわけでもない。
それなのに戦いを止めないのは馬鹿みたいだって思われるのかもしれない。
でもきっと、ここがあたしたちの『運命』なのだと思った。もしそれで、守りたいものが破滅を辿ってしまう運命を少しでも変えられたのなら。
――――……なんて、大げさすぎるかしら。
小巻「こっちに気づいたわね魔女! アンタを許すわけにはいかないから!」
ワルプルギスの夜はあたしたちのことを敵として見てる。視界に入る限りは潰す気だろう。
武器を手に駆け回り、憎き姿にただ必死で食らいつこうとする。
回復は最低限に。ここに残っている街並みがなくなったら終わりだ。小細工するほどの余裕だってない。
焦る気持ちはあった。落ち着いていられるわけがない。
たとえ自分が助かっても他のみんなが死んでしまったらそのほうが嫌だって、思ってしまったから。
勝てないと思ってた相手。響かないと思ってた攻撃。
それでもある時、空は晴れていった。
分厚い雲に覆われた景色も見慣れてしまっていたが、明けない夜なんてないのだと、そう言わんばかりに。
小巻「ワルプルギスが……!」
小糸「う、うん! 今のは効いてた! それに崩れてった!」
杏子「倒せた、のか……? 倒せたんだ! やった、あたしたちやっと倒したんだよ!」
ここまで諦めなかったから倒せた。あたしたちの希望が勝った。
でも今のは、『誰の』攻撃で。
そんなことを考えたら、そう単純な話ではなかったことを悟った。あたしたちの背後に立っていたのは――――。
909 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/13(日) 00:43:00.99 ID://+wdQQU0
まどか「……ごめんね。約束は破っちゃった」
守らなければいけない一人だったはずの、まどかだった。
――――――
身体が軋んでいる。瓦礫の重さがのしかかる。
避難所の方角へと向かった仲間の背を眺め、それから周囲に視線を移した。
依然として使い魔は多い。こちらに目が向くのも時間の問題だ。身動きも取れず、負傷して一人残った私は恰好の標的にされるだろう。
ほむら(……みんなのことは信じたい。でも、私が死んだらもう過去にも戻れなくなる)
まどかのことをみんなに任せる思いで行かせた。それなのに矛盾する思いだ。
自分がどれだけもつかということを考えて、いつでも廻せるようにそっと盾に手をかけた。しかし、頭に浮かんだ。
キュゥべえ――インキュベーターに言い当てられたことだ。
繰り返したからまどかの素質は増えた。
魔女になれば世界を滅ぼすほどに力を増し、キュゥべえからもまどかの存在を脅威に思う魔法少女からも狙われやすくなった。
だから自分がこれからのまどかの人生も守りきり、責任を果たさなくてはいけないと決意していた。
ほむら(これ以上繰り返したらまどかはどうなってしまうの……?)
この状況はどうだ。自分のことすら手一杯。
まどかを守るどころじゃなく、ワルプルギスの夜の使い魔に殺されそうになっている。
そんな自分がどうしようもなく情けなくて、心底憎らしいと思った。
憎しみ。諦め。後悔。…………無力。
感情がぐるぐると己の中を駆け巡り手が動かない。使い魔は目の前に迫っているのに。
そんなとき、使い魔が消えて空の光が差し込んだ。沸き起こったのは期待と、『また』やってしまったのではないかという不安だった。
――――――
910 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/02/13(日) 00:45:18.53 ID:QUWUBcL70
まどか、やっぱり契約しちゃったか。
911 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/13(日) 00:49:35.54 ID://+wdQQU0
-----------------------------------------------------------
今回更新はここまで
ワルプルは相性いい仲間+αが何かないと倒すのはきついですね…
次回13日(日)18時くらいからの予定
912 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/02/13(日) 01:15:11.08 ID:QUWUBcL70
乙です。
まどか、まどポみたいにいきなり魔女化しないといいんだけど・・・
913 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/13(日) 04:38:09.92 ID:3oJVuZ2fo
SS速報避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/
914 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/13(日) 19:06:05.53 ID://+wdQQU0
杏子「お、おい……アンタは契約しちゃダメだろ!? いくらあたしたちが手こずってたにしたって――」
小糸「待って。話を聞いてあげて」
小巻「……小糸?」
あれだけまどかが契約すればどうなるかって聞かされて、みんな焦ってる中で小糸は落ち着いてた。
まるで予測してたみたいに。
まどかが小さくうなずいて話はじめる。
まどか「わたしね、自分にも出来ることがあるんじゃないかって考えてみたんだ。魔法少女のことを聞いて、わたし自身のことも聞いて」
まどか「魔法少女は魔女になる。でも、それは絶対じゃないでしょ?」
まどか「みんながまだこうして生きて、普通の人と変わらずに笑ったり怒ったりして……そして、わたしたちのために戦ってくれてたみたいに」
口を挟みたくなる気持ちを今だけは抑えて耳を傾けた。
魔法少女が魔女になるのは『絶対』じゃない。暁美の家に集まって話した時、そう言ったのは確かにあたしだった。
まどか「やっぱりみんなを見捨てられないの。わたしが助かっても、そのせいでみんなが死ぬのは絶対にいや」
まどか「本当は、わたしの知ってる人だけじゃなくて、キュゥべえと契約した魔法少女全員。今いる魔法少女も、過去に契約した人も、これから契約する人も」
まどか「全員を助けてあげたい。希望を願った魔法少女が裏切られることが運命なんて、そんなことあっちゃいけないことでしょ?」
まどかは真剣な表情であたしたちに問いかける。
あたしもそう思っていた。
まどか「……でも、わたしにはそこまでの素質はないんだって。昨日のうちにキュゥべえと話したの」
まどか「決まりきったことを変えたいと願うことは傲慢なことだって、キュゥべえが言ってた」
まどか「だから、本当にごめん。こんなことしかできなくて」
915 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/13(日) 19:49:45.29 ID:FJpN7IBg0
この話のまどかはアニメ本編ほど素質がないのか
916 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/13(日) 20:16:28.41 ID://+wdQQU0
その時、地面を踏みしめて誰かが走ってくる音が聞こえた。
暁美だ。ずっと全力で走ってきていたからか息を切らしていたが、まどかの姿を見ると大きく息を呑んで、呼吸するのも忘れたかのように崩れ落ちた。
まどか「わたしの願いは、『魔女になっても誰も傷つけないこと』『“わたし”のままでみんなと話せること』」
まどか「みんなが教えてくれたからこうやって願えたんだよ」
見てみれば、あの攻撃で限界だったのだろうか。胸元の宝石はすでに黒に染まりきっていた。
表面には罅が刻み込まれ、次第にその数は増えていく。それでもまどかは穏やかに話し続ける。
まどか「約束をしてくれる? ほむらちゃん。“次”に行って……もう一度、ううん。ほむらちゃんが本当に納得できる結末になるまではやりなおして」
まどか「とても残酷な頼み事だと思う。重たすぎる枷で縛ることになると思う」
ほむら「何を言って…… 今の自分はどうでもいいっていうの?」
まどか「わたしの思いは次につなぐ。わたしが願ったことは、いつかのわたしがきっと叶える。……繰り返したら、わたしの素質は増えるんだよね?」
暁美は図星を突かれたという顔をした。それもキュゥべえと話す中で確認をしたんだろう。
まどか「人間が願うことが傲慢なら、神様にでもなんでもなる。いつか……そのときは…………」
罅から中のものが溢れ出して、砕け散った。
溢れ出したものが黒い形を描いていく。世界を滅ぼせる力を持った魔女。
ワルプルギスよりも更に凶悪な巨体なのに、不思議とあの時感じた威圧感のようなものは感じなかった。
――――『ほむらちゃんのこともみんなのことも助けてあげるから。だから絶望しないで。これから先わたしがどうなっても、ほむらちゃんのせいじゃない』
傍には意識のない身体が転がっていた。
ほむら「うあぁぁぁぁぁぁぁあああ!」
絶叫するような泣き声が響き渡る。
小巻「何をするか、知ってたの?」
小糸「……うん。昨日一緒に話した時に。最終手段だってことだったけど」
まどかがこうなったことについて、何かを言う気にはなれなかった。
あたしだってワルプルギスと戦ってる時、自分よりも他の人が助かるならいいって思ってた。
同じことを考えていたから。
917 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/02/13(日) 20:29:53.56 ID:QUWUBcL70
まどか、結局魔女化か・・・
>>「人間が願うことが傲慢なら、神様にでもなんでもなる。いつか……そのときは…………」
この考えがそもそも傲慢なんだけどね。
なぎさ編で神様自身が後悔してたからなぁ・・・
918 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/13(日) 20:43:22.97 ID:jHFOIH/EO
これ小巻がまどかと腹割って話してたら安価次第で避けられたんじゃね?
安価あったかどうかはわからんけど
919 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/13(日) 20:53:00.25 ID://+wdQQU0
ワルプルギスの夜を倒してから数日が経った。
あまりに街が破壊されすぎてどこにも戻れない人が多い。道がないし、家もない。
幸いあたしは親戚の家のほうに行くことが決まったけど、今はまだ避難所にいた。
ほむらは“まどか”のところに入り浸っているらしい。
他の人には邪魔できない雰囲気があって、あたしたちはあまり寄ることはなかった。久しぶりに顔を出すと、やっぱりほむらがいた。
ほむら「…………決心がつかなかったの」
ほむら「魔女にはなったけど“まどか”はまだ生きてる。意思を通わせられる。今まで誰にも話せなかったようなことすら話せる」
ほむら「そんな相手が出来たのは契約してからはじめてよ。しかも、その相手がよりによってまどかになるなんて」
ほむらの顔色は元にも増して白く、隈が目立ち、まるで幽鬼のようだった。
でもどこか憑き物が落ちたみたいに、さっぱりしたようにも見えていた。
ほむら「でもいつまでもこうしてちゃいけないわよね。まどかだってあんな姿になりたかったわけじゃない。もっと幸せな未来がある……」
そう言うと、ほむらは少しの間考え込んだ。
小巻「まどかの言ってた、神様になってみんなを救うのが幸せな未来?」
ほむら「いいえ、私はそうは思わない。……思いたくない。私はそんな未来にさせないためにこれからも挑み続けることにする」
ほむらはほむらで決心を固めたらしい。まどかの意思とは相反することになるけれど。
……あたしのほうは、やっぱりどちらとも言えずにいた。
まどかのことを思うなら契約もせず人のまま幸せになったほうがいいんだろう。ほむらの気持ちもわかる。
でもあたしは……――――。
――――――
――――――
920 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/13(日) 21:34:24.38 ID://+wdQQU0
――――――
これは、いつ、どこのことかわからない。
自分が何をしていて、何をしてきてここにいるのか。時系列が曖昧だった。
ただ、たくさん同じような日々を過ごして、とても長い“時間”が経った後のような気がした。
あたしは見知ったマンションの一室――――マミの家にいた。
テーブルの上にはケーキがあって、紅茶がある。小糸やマミ、キリカ、杏子、ゆま、さやか、まどかもいて、みんなでお茶会をしていた。
小巻「ま、いいんじゃないの」
紅茶を一口飲んで、カップを置いた。
キリカ「え? 意外。小巻のことだから、またいつもの調子で『馬鹿じゃない!?』って言うかと思ってた」
小巻「魔女のことはどうにかしなきゃいけないと思ってた。その責任をすべてまどかに取らせるのは違うけど、まどかが『やる』って決めたことならとやかく言うつもりはないわ」
小糸「私はわかってたよ。だから話を聞いた時も黙って受け入れることにしたんだ」
キリカ「それもそうか。小巻自身そういう人だもんね。全然似てるとこないと思ってたけど、『出来ること』を探してあんなことになったくらいだし」
マミ「でもきっと、想像よりもずっと重いものを背負うことになるわよ。救ってもらう立場で言えたことじゃないけど……それは大丈夫?」
まどか「はい。覚悟はしてます」
まどかはきっぱりと答える。前に見た時の自信がなさそうな姿とは違った。
921 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/13(日) 21:57:00.82 ID://+wdQQU0
杏子「ずっと前から決めてたんだもんな」
さやか「まどかってこう見えて芯あるからねぇー。……あたしなんかよりも」
小巻「でもさ、あたしはアンタにやりたいことやればいいって言ったことあるじゃない。その時は結局魔女のことがあるから否定せざるを得なかったんだけど」
小巻「これまでは全部を自分で背負うことはできなかったから最後の最後まで後悔した。これからは変わるんじゃない?」
さやか「そうですね! すごいぞ、まどか」
まどかが笑う。
ゆま「こっちのケーキも食べていい?」
杏子「好きに食べな。全部うまいぞ」
マミ「もう、佐倉さんったら。まあでも、随分やりたいことも言えるようになったわよね。いいことだわ。好きに食べていいのよ」
みんな笑っていた。
でも一人、まどかの近くにいたはずなのに姿がない人がいる。
部屋の外を見てみると、その人は離れた場所で俯いてた。
922 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/13(日) 22:00:39.48 ID://+wdQQU0
小巻「……アンタの希望通りにはならなかったのね」
ほむら「私が力不足だったのよ。何回繰り返しても『私が』本当に納得のいく結末にはならなかった」
小巻「あー、まあそうなんでしょうけど」
何と言ったものか、少し悩む。
慰めるっていうのもなんか違う。
小巻「まどかの意思も少しくらい認めてやれば?」
結果、反発されるかもしれないけど思ったことが口から出た。やっぱりあたしには言葉を繕うことはできない。
というかもう、何を思ったって認めるしか道はないんだ。願いは叶っちゃったんだから。
それでもなぜか、ほむらが諦めているようには見えなかった。
923 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/02/13(日) 22:05:49.85 ID:QUWUBcL70
これは・・・原作ラスト辺りなのか、叛逆の場面なのかどっちだろ?
924 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/13(日) 22:20:36.02 ID://+wdQQU0
この場所ももう夢のように消えていく。
消えた後にどうなるのかわからないけど、予測はついた。
みんないたはずの場所に戻るだけだ。
まどか一人をここに残して。
ここにいたことも忘れてしまう。戻った場所はすべてが同じではない。
少し名残惜しく思いながら、あたしたちはこの場所を後にした。
―ENDA―
925 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/02/13(日) 22:23:45.50 ID:QUWUBcL70
うーん・・・BADに近いノーマルENNDかな、これは?
926 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/13(日) 22:30:59.85 ID:ZN8Hyt+cO
なんかアニメの結末に巻き込まれた感じで終わったな
927 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/13(日) 22:56:19.70 ID://+wdQQU0
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小巻の考え方的にまどかの願いには肯定的なのと、ほぼ勝つことができない状況なのでこんな感じになってますかね
他の話でやってるみたいにやり過ごすのもなまじ前半戦で善戦してて怒らせてるからできず
他に分岐があるとすれば、魔女化をみんなに話さない展開だとまどかは契約しなかったっていうのはあります
その結果どうなるかは詳細決めてませんが…
ちなみに
>>841
みたいに願いを変えようとしても、まどかの性格上かずみのようにはならないですね
まどかは自分が神様になってでも助けたいものは全て助ける
かずみは自分は神様じゃないから大事な人でも死んだ命は蘇らせない って感じです
928 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/13(日) 23:05:57.71 ID:ZN8Hyt+cO
つまりどうにもならないってことかー
織莉子は倒さず仲間にするとかしたら何とかなるか?
頭がガタガタになってなきゃ有能だからな、織莉子
929 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/13(日) 23:08:30.65 ID://+wdQQU0
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今回更新はここまで
ちょっとこれから忙しくなりそうなのでお休みいただいて、次回は5月くらいを目安にします
前スレもちょっと残してるので、次回まずはそっちのおまけの続きを書くかなぁ
900付近でちょい残ししたスレを量産するのはよろしくないね
930 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/02/13(日) 23:15:40.73 ID:QUWUBcL70
乙でした。
今回の結末から見るとどうすればいいのかちょっと難しいですね。
せめてまどかを原作の願いを翻意させる理由が見つかれば良いんだけど・・・
スレ主さんもお忙しいみたいですのでお仕事(?)頑張って下さいね。
5月ということはGWに再開ですかね?再開を楽しみにしてます。
931 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/13(日) 23:24:36.29 ID:ZN8Hyt+cO
乙
次は5月か、間空くけど待ってますよ
932 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/15(火) 00:06:01.28 ID:7L0HGD+lo
SS速報避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/
933 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/06/15(水) 21:11:50.28 ID:3tczg7aM0
来ないなぁ・・・・・・スレ主さん、せめて生存報告をお願いします。
934 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/06/26(日) 20:49:58.23 ID:SiQ90L/v0
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5月目安とか言いながらもうすぐ7月になるということで月日の経過の早さにビビっています…
モチベーションは死にかけてましたが実は生きてます(?)
前スレのほうのおまけに加筆してるのでそちらよければ見てってくださいー
935 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/06/27(月) 22:19:26.68 ID:U1dkoyNk0
スレ主さん、お久しぶりです。
続きは楽しみですがモチベーヨンの低下はどうしようもありませんので、負担にならないペースで頑張って下さい。
それではこれからおまけの方を読んできます^^
936 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/07/02(土) 13:50:11.14 ID:dKVr5q2kO
こっちの続きも待ってるよー
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