【まどマギ】小巻「見滝原中に転入したわ」【安価あり】

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83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/12(木) 20:28:27.35 ID:5NTrqEKwO
空飛んでたらマミのリボンで引きずり下ろしてほしいな
84 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/12(木) 20:43:38.20 ID:GSTI77Qo0


 こんな小物だけなら小細工はいらない。踏み込んで斧を振るいにいった。

 あたしには盾がある。こう見えて隙はない。


小巻「!」


 ――そう思っていたが、マミは器用に斧の軌道から外れた使い魔を撃ち落としていた。

 おかげでガードを使う必要も拘束を使う必要もなくなった。


 大振りな攻撃はあたしがやって、漏れた敵はマミがやる。なかなか作戦としてはいいものじゃない?


マミ「……これで全部ね」

小巻「やっぱりすぐ終わったわね。こんなところさっさと出ましょ」


 たった五匹だけの使い魔でも逃げられるのは厄介だ。翌日まで探し回るハメになることもあるし。

 けど、今回に限ってはその心配もなかった。

 やっぱり、一人だとやりづらいところもある……か。そんなことを思いながら、再び街中に戻っていった。



―3日目終了―


小巻 魔力[95/100]  状態:正常
GS:3個
・[100/100]
・[100/100]
・鳥かご[100/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv2]
85 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/12(木) 21:34:23.51 ID:GSTI77Qo0
――――――
4日目



小巻「……やっぱり。制服でわかってたけど、ここの生徒だったのね」

マミ「私は他校の生徒かと思ってたわ。制服が違うもの」


 今日になって、廊下でマミを発見した。

 他のクラスまではさすがに把握してなかったし、もしすれ違ってたとしても今までは意識から漏れていたんだろう。


小巻「制服のことはちょっと都合があるのよ。多分次の週にもなれば届くでしょ」

マミ「最近転入してきたの?」

小巻「ええ、その通り」

マミ「まさか同じ学年にいただなんてね」


 初めて会った時と比べて打ち解けてきた感じがする。


マミ「同じ街に住む魔法少女同士、話しやすいほうがいいわよね。今度、一緒にお茶でもいかがかしら?」

小巻「それは考えておくけど……マミは長くやってるの? 今のところ他に魔法少女はいないって言ってたけど、ずっと一人?」

マミ「長いこと一人だったわ」

小巻「その間誰も契約しなかったの?」

マミ「いいえ、そういうわけじゃないわ。……脅すわけじゃないけど、あなたも気をつけてね。魔女にも魔法少女にも」


 マミの言葉は重い。経験を伴わないような軽い言葉ではなさそうだった。

 でも、そんなの今更。当然のことだ。


小巻「言われなくてもわかってるわよ」

マミ「私もできるだけそのお手伝いをするわ」



 マミと連絡先を交換した。


――――
――――


*放課後*
1魔女狩り(一人)
2魔女狩り(マミを誘う)
3マミのお茶会の誘いに乗ってみる

 下2レス
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/12(木) 21:44:46.97 ID:Gx32l5Xk0
クラスメート達との約束とかぶらないように3、そのあと1
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/12(木) 21:46:00.24 ID:5NTrqEKwO
2
と思ったけど↑
88 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/12(木) 22:35:15.64 ID:GSTI77Qo0


 放課後になると、さっそくマミの誘いに乗って一緒にお茶をすることになった。

 カフェだったら週末に行くクラスメイトとの約束にも被るんじゃないかとも思ったけど、自宅に招いてくれるらしい。


 キッチンのほうからいい香りが漂ってくる。まさか淹れてくれるとは。


マミ「紅茶が入ったわ。どうぞ召し上がれ」

小巻「思ってたより本格的ね。ケーキも焼いたの?」

マミ「趣味なのよ」


 マミの雰囲気は、どちらかというと白女に通うような身分の人たちにも似てるけど……

 いや、ここまで紅茶もお菓子作りも自分で極めようとする人はそうそういないだろう。

 単に努力家なのかもしれない。



*雑談*
1戦い方についてアドバイスをもらう
2お茶の淹れ方についてアドバイスをもらう

 下2レス
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/12(木) 22:40:54.79 ID:h7uZRfhYO
1
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/12(木) 22:45:58.21 ID:Gx32l5Xk0
1で。
91 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/12(木) 23:33:53.75 ID:GSTI77Qo0


小巻「ところで、マミはあたしより契約してからの経験があるのでしょうね。あたしの戦い方について気になるところはあった?」

マミ「武器からしても攻撃が大振りになりがちじゃないかとは思ったけど……何かカバーできる手段は用意していたかしら?」

小巻「いざとなれば盾があるし、バリアを張ることも出来る」

マミ「思ったより器用なのね。でも過信はしすぎないほうがいいかも」

マミ「近づいての攻撃はどうしても危険が伴うものだし、バリアが絶対に破られないとは限らないから」

小巻「……回避できるならそのほうがいいとは思ってるわ。でもあれこれ考えるより先にぶちのめしたほうが早いって思っちゃうのよね」


 そう言うと、マミはどこか懐かしそうに笑う。


マミ「近接系の子ってそう思いがちなのかしらね……。間違ってはいないのだけど、ちゃんと考えないと危ないことがあるわね」



 そのあとも雑談を交わしながら、マミとお茶を楽しんだ。

 魔法少女とこうしてプライベートでお茶するなんて考えたこともなかったけど、いい情報交換になったと思う。


 ――――それから、帰り道。



小巻(今日は少し遅くなったし、明日の予習もしたいから魔女狩りはするとしても少しかしら……)

小巻(まあいいわ。少しだけ寄り道してから帰りましょう)


 暗くなってきた道を、少し回り道をして帰路の方向を目指す。

 その途中で魔力の反応を見つけて、やっと結界の最奥までたどり着いたところだった。

 その倒すべき姿を目にした瞬間。


 結界が、消えた。


小巻(あれ……?)

小巻(……今のところ他の魔法少女はいない、って言ってたわよね?)




―4日目終了―


小巻 魔力[95/100]  状態:正常
GS:3個
・[100/100]
・[100/100]
・鳥かご[100/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv2]
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/12(木) 23:37:43.57 ID:Gx32l5Xk0
さて、誰かな?
93 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/12(木) 23:53:35.52 ID:GSTI77Qo0
---------------------------------
今回更新はここまで
次回は13日(金)19時くらいからの予定
94 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/13(金) 19:18:35.75 ID:IrZxcVMF0
――――――
5日目



 休憩時間になると、あたしは昨日のことを早速マミに話しにいった。

 昨日のうちにメールでも伝えたけど、どうせすぐ会えるなら対面のほうがいい。


マミ「そう……それはおかしいわね。新しい魔法少女が誰か来ているのか、まさか」

小巻「心当たりでもあるの?」

マミ「……いいえ。可能性としては色々と考えられると思う。でも、結界にいて魔女の手前にまで行ったのなら、浅古さんはその魔法少女とも会ったんじゃないの?」


 マミの抱いた疑問は、あたしも考えてみてすぐに気づいた疑問だった。


小巻「そうよね、普通は」

小巻「考えてみればおかしかったのよ。魔女にたどりつくまでの道のりもたどりついてからも、それまで誰か戦っていたようでもなかったし突然すぎたの」

マミ「速攻で魔女を倒して去ったってことかしら……とすると、かなり強力な魔法少女かもしれない」


 マミの言うとおり、相手はわざと接触を避けたってことなんだろう。結局はコソコソと逃げたってことだ。

 グリーフシード目当てではないとはいえ、横取りされたみたいなものだからいい気はしない。


マミ「警戒しておくに越したことはないわね。一度キュゥべえにも聞いてみるわ」

95 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/13(金) 20:41:39.25 ID:IrZxcVMF0


 ――――それから教室に戻ってみると、クラスメイトからはこんなことを言われた。


「最近よく教室を出てるよね。もしかして、さっそく他のクラスの人とも仲良くなったの?」

小巻「まあ、そうね」


 関わったきっかけは魔法少女のことだけど、マミは他のクラスの生徒だし間違ってはいないか。


「えー、さすがだなあ」

「浅古さんって誰とでも気兼ねなく話すし、ズバッともの言うよね。さっきの授業だと先生の間違いまで正してたのカッコよかった〜」

「ねー。それあたしにはムリ! まず訂正できるほど授業わかんない!」

小巻「事前に予習してたらわかるようになるわよ。勉強なんてやるかやらないかの違いでしょ?」


 あたしからすればこの学校の人はどうにもやらずに諦めてる人が多いように思えた。

 他にやりたいことがあるならあたしから強制する気はないけど。


 そんな話をしていたあと、休みの約束をしてた子があたしに頼み事があるって言ってきた。明日は土曜――約束は明日だ。


「ねえ、明日ちょっと勉強も見てもらってもいい? カフェで勉強会ってのも王道でしょ?」

小巻「確かにそうね。あたしは構わないけど」

「あ……、呉さんもどうかな?」


 白女の友達とも前は勉強会開くこともあった。

 といってもこの二人とじゃ、あたしの勉強にはならないかもしれないけど。


「えーべんきょう…………誰かといっしょだったらちょっとは捗るかな?」


 ……あまり返事を期待してないみたいな遠慮がちな誘いだったけど、本人は気にしてないようで結局こいつも頷いた。

96 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/13(金) 21:30:41.24 ID:IrZxcVMF0
――――
――――



 放課後、今日は習い事があった。ここからそう離れた場所ではない。

 予定の場所に向かう途中、マミからメールが来たことに気づく。


小巻(キュゥべえから無事に話を聞けたんだ)


 でも、肝心の内容がよくわからない。わからないまま終わっている。

 『どうやら契約した覚えのない魔法少女がいるっぽい』……というなんとも曖昧な内容だった。

 誰も何かされたというわけじゃないから噂はこの程度に留まっていた。



 それから予定を終えて、その帰り道。



 繁華街の近くを歩いていると、クラスメイトの姿を見かけた。


小巻「あたしは用事があったけど、あんまり夜にうろつかないほうがいいわよ」

「私も用事があるんだよ」

小巻「どう見ても買い食いしてるように見えるんだけど」

「……。 ついで!」

小巻「だといいけど。明日はよろしくね」




―5日目終了―


小巻 魔力[95/100]  状態:正常
GS:3個
・[100/100]
・[100/100]
・鳥かご[100/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv2]
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/13(金) 21:37:12.01 ID:JIaHP/Pc0
状況的にやっぱりほむらですよね、時間停止があるから。
98 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/13(金) 21:54:59.22 ID:IrZxcVMF0
――――――
6日目



*「おまたせしましたー。『エベレストデラックス苺パンケーキ』でございます」

「わぁ!」


 パンケーキが運ばれてくると沸き立った。

 ――――あたしたちは新しくオープンしたというカフェに来ていた。


「すごいね! 写真撮ろ写真!」

「それより早くたべたい!」


 『山ほど乗った』という表現はまさにそのとおりで、マミのところで食べたような上品なケーキとは趣が違うが何しろインパクトがある。

 こういうのが好きな人にはたまらないだろうって思えるメニューだ。

 カフェ自体の雰囲気も、内装は綺麗だしゆったりとしていていい感じ。


「クリームもすごいけど生地もふわっふわだよ!」

小巻「量だけでなく質もなかなかいいみたいだし、美味しいわね」


 まずはみんなで舌鼓を打つ。

99 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/13(金) 22:26:28.72 ID:IrZxcVMF0

「転入して数日だけど、浅古さんはこっちでの学校生活はどう?」

小巻「気楽にやれてるわよ。良い意味でまとまってなくて、面倒も少ないし」

小巻「もしかしたら、あたしにはこっちの雰囲気のが合ってるのかもね」

「やっぱりお嬢様学校って面倒多いの?」

小巻「派閥とか体裁とか、そういうの気にする人は多かったわね」


 あたしが白女から離れてからも数日。だけど、そんなにすぐには変わるものではない。

 いつもと同じ先生が授業して、あたしを除いて同じやつが通って。……相変わらず美国は陰口を叩かれる一方で腫れ物のようにされて。


「今日は一緒に来られてよかったー。それに呉さんも、話してみたら思ったより話しやすかったし」

小巻「こういうのが好きなのね。よく夜に買食いしてるの?」

「か、買食いはともかく甘いものはみんな好きでしょ」

「え、夜遊び疑惑? 夜買食い?」

「夜遊びはしてないよ……買食いはともかく」




*雑談*
1どう思ってたの?
2黄昏れてたのはもうよくなったの?
3自由安価

 下2レス
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/13(金) 22:34:54.45 ID:ndZ8zZcNO
1と2
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/13(金) 22:49:03.66 ID:JIaHP/Pc0
安価↑

追加で甘いものの話をしてる時にマミのことを思い出す。
マミの作ったケーキも美味しかったし、もしかしたらこの2人と話が合うかもしれない。
マミに紹介して本人から許可が出たら会わせてみよう。
102 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/13(金) 23:37:55.60 ID:IrZxcVMF0


小巻「思ったよりって、どう思ってたの?」

「もっと人を寄せ付けないタイプかと思ってたよ」

「えー、そうだった……?」

小巻「思い違いだったってことね。そういえば前に黄昏れてたのはもうよくなったの?」

「黄昏れてた? へ、私のこと? ……そんなことあったっけ?」

小巻「……まあ、アンタにとっても大したことなかったんならそれでいいんじゃない」


 そんな雑談を交わしながら、レモンティーを口に運ぶ。

 そのへんのカフェにしては本格的な紅茶だ。マミとのお茶会のことを思い出す。

 マミは学校の友達ともああしてお茶会を開いたりしてるんだろうか。



 パンケーキを堪能すると、机にノートを取り出した。



「じゃあ、そろそろはじめようか――――……勉強会!」

小巻「まずは何の教科から? どこからやる?」

「昨日の英語の宿題わかんないとこあったんだよね。あのへんから教えてくれると助かるよ」

「私も――」


 途中で飲み物を追加しながら勉強を見る。

 居心地は良い。学校で話すのと同じ雰囲気の延長みたいな感じだった。


――――――
103 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/14(土) 00:16:42.28 ID:pp/KpTtw0
――――――


 魔力の砲撃を撃つ。


マミ「さて……これで『お終い“フィナーレ”』よ」


 魔女は声を上げることもなく、その技の名通りに消え失せた。

 代わりに遺したグリーフシードを拾い上げると、誰もいなかったこの場所に人のではない足音が駆け寄った。


QB「やあマミ。今日も順調だね」

マミ「ええ。仲間も出来たことだし、こんな魔女相手に後れを取っているわけにはいかないもの」

QB「なるほど、仲間という存在が人に元気を与えるんだね」

マミ「素敵な響きね」


 マミは柔らかく笑ったが、それからすぐに表情を戻した。


マミ「それで、昨日言ってた魔法少女については何かわかったの?」

QB「ボクもその姿は見てるんだ。小巻の証言もあるし、結界にいたから魔法少女だとは思うんだけど……」

QB「すぐに見失ってしまったんだ。彼女を追うことができなかったんだよ」

マミ「その魔法少女の魔法かしらね……?」

QB「彼女はボクに見つかりたくないと思っているのかもしれない。もしかしたら、他の魔法少女にも」

QB「……その目的が何かはわからないけどね」


 隠れて何かを企んでいるかもしれない者の存在。それはマミにとっても、心の休まらない事態であった。


マミ「一応、何もされてはいないのよね?」

QB「ボクの知る限りではその覚えはないね。他の魔法少女からも被害は聞いていない」

マミ「『他の魔法少女』? 今、他の魔法少女って言ったの?」

QB「……そうだね」

マミ「私と浅古さんとその魔法少女のほかに、この街に魔法少女がいるってことね? 最近増えたの? どうして言ってくれないのよ、もう……」



QB「ボクの使命は、願いのある者と契約することだからね。伝える前にも増えることはあるよ」

QB「いつか、マミとも会うかもしれないね。その時はよろしく頼むよ。また仲間が出来るかもしれないからね」




―6日目終了―


小巻 魔力[95/100]  状態:正常
GS:3個
・[100/100]
・[100/100]
・鳥かご[100/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv2]
104 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/14(土) 00:23:55.59 ID:pp/KpTtw0
---------------------------
今回の更新はここまで
次回は14日(土)17時くらいからの予定
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/14(土) 00:27:45.86 ID:BBN0id1j0
連日の更新お疲れさまです。

他の魔法少女、キリカか織莉子かはたまたさやかとかまどかって可能性もありますがw
106 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/14(土) 17:43:44.78 ID:pp/KpTtw0
――――――
7日目



小糸「……今日も出かけるの?」

小巻「ええ。ちょっとね。なによ、寂しくなっちゃったわけ?」

小糸「べ、別に……そういうわけじゃないけど、学校も離れちゃってますます何してるかよくわかんなくなっちゃったから」


 魔女狩りのために家を出ようとすると、妹に呼び止められた。

 ……ますます、か。いつのまにそんな風に思われてたんだろうか。


小巻「行ってくるわね。今度の休みには一緒にお出かけでもしましょ」

小糸「! 約束だからね? 行きたいとこつれてってもらうからね!?」


 なんか機嫌を取るみたいになってしまった。

 たしかに最近家族で何かをすることもどこかに行くこともしてなかったな……なんて考えた。



 街を回りはじめる。休日の日中、街は活気に満ちているように見えた。



 下1レスコンマ判定 1/3
0~20 使い魔
21~40 魔女
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/14(土) 17:51:59.07 ID:BBN0id1j0
ほいさ。
108 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/14(土) 18:16:19.09 ID:pp/KpTtw0


 ……しかし、こんな場所にも『沸く』のねぇ。


 魔力を察知して警戒を強める。魔女よりも不安定な魔力の気配がした。使い魔だけの結界だ。

 大きな建物の裏に回ってみると景色が揺らぎ始めた。



―薔薇園の魔女結界



 宙に浮かんだ使い魔があたしを見てベルを鳴らす。

 鋏を持った使い魔がこっちにワラワラと近づいてきて、空を飛ぶ使い魔はその上をくるくると飛び回っている。



小巻 魔力[95/100]  状態:正常
GS:3個
・[100/100]
・[100/100]
・鳥かご[100/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv2]


敵:使い魔Anthony×3 <- 攻撃対象デフォルト
  使い魔Adelbert×4
  使い魔Adelbert(幼)×2

1破壊的斬撃 :近接武器戦闘・斧(魔力-0)まともにヒットすれば必殺技レベルの威力を誇る
2投刃(魔力-5) :遠心力をつけて武器をぶん投げる。繰り出すのと武器再装備には時間がかかる。
3ガード(魔力-3〜5/1ターン) :攻撃に対処するための盾。格闘中の判定結果によって自動使用する
4バリアバインド(魔力-10) :敵をバリアに閉じ込める
・自分の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
・他人の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】

 下2レス
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/14(土) 18:20:55.69 ID:BBN0id1j0
1で充分かな。
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/14(土) 18:41:39.02 ID:AKBnHEZUO
1
111 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/14(土) 19:05:34.84 ID:pp/KpTtw0


 まずはまともに接近戦を挑んでくる奴らから蹴散らすのが早いかしら?


 鋏が斧に勝てるわけがない。このくらいは一気に押し切れる。

 斧を振るえば、三体をいっぺんに倒すことが出来た。


 それより、ちょっと鬱陶しいのは飛び回ってるやつのほうかな。


小巻「ああもうっ、ジリジリうるさい!」



 下1レスコンマ判定 戦況
0〜(劣勢) < 99(優勢)

+一桁0クリティカル(優勢時は自分)
+ゾロクリティカル(自分)
+補正 自[格闘Lv2]*3
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/14(土) 19:08:44.09 ID:BBN0id1j0
どうだ?
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/14(土) 19:09:35.86 ID:BBN0id1j0
あれま、あいかわらずコンマ運がないなぁ・・・
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/14(土) 19:18:40.36 ID:AKBnHEZUO
コンマだからしゃーない
115 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/14(土) 19:35:31.07 ID:pp/KpTtw0
小巻さんも呪われるん…?
---------------------------------
劣勢:15



 突進を盾で受け止める。

 それからベルの使い魔に斧を振るうが、いつのまにか足元に張り付いた小さい奴のせいで思ったように踏み込めなかった。

 ひとまず絡みついた茨を振り切って、踏み潰す。……イライラしてきた。


小巻(もう小さいのはいないわね? あとはこれだけ――!)


 残る使い魔はベルの四匹。

 飛び回る使い魔たちを潰していき、あと一匹となったはずだった。


小巻「ああっ!?」


 いつのまにか一匹がいない。

 気づけばすでに手の届かないほうへと空高く飛んで逃げていた。


小巻「逃げるなバカ! 叩き切ってやるからきなさいよ! くっ、見失った……」



 ……周囲から結界が完全に消える。

 そのうちまた会えると信じて、魔女探しを続けるしかないか。



★ガードを3ターン分を使用しました。

小巻 魔力[84/100]  状態:正常
GS:3個
・[100/100]
・[100/100]
・鳥かご[100/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv2]



 下1レスコンマ判定 2/3
0~20 使い魔
21~40 魔女
41~50 逃した使い魔
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/14(土) 19:37:45.47 ID:AKBnHEZUO
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/14(土) 19:40:36.32 ID:BBN0id1j0
惜しい、魔女じゃないのは残念ですがいきなり再戦ですね。
118 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/14(土) 19:57:07.74 ID:pp/KpTtw0


 最初に探索していた住宅街付近をもう一度歩き回ってから、川を越えて探索の範囲を広げていった。

 あの使い魔、案外遠くまで逃げたらしい。

 ……駅の近くまで来たあたりで再び魔力の反応を見つけた。



小巻「――――まったく、面倒をかけさせられちゃったわ」



 残りは一匹。あれから増えてもいない。

 見つけてしまえばこっちのものだ。路地裏の隅に潜んでた使い魔を仕留めて、やっと肩の荷が降りた気分になる。


 さて……あんまり遅くなるとまた心配されるし、あと少し回ったら帰ることにしようか。



 下1レスコンマ判定 3/3
0~20 使い魔
21~40 魔女
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/14(土) 20:02:03.17 ID:BBN0id1j0
魔女こい!
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/08/14(土) 20:02:35.38 ID:AKBnHEZUO
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/14(土) 20:03:40.33 ID:BBN0id1j0
うああああああ・・・
122 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/14(土) 20:33:30.60 ID:pp/KpTtw0


 少し繁華街のほうを見て回っていると魔力の反応を見つけた。

 また使い魔。

 今度こそ漏らさないようにしなきゃ最悪明日まで延長戦だ。意気込んで使い魔の結界を見つけにいく。



―マジシャンの魔女結界



 人気もなく殺風景な場所に、どこか華やかな景色がチラついて見えた。

 そこに踏み入れるとどこかのステージのような結界に包まれる。


 居るのは小さなからくり人形だけ。



小巻 魔力[84/100]  状態:正常
GS:3個
・[100/100]
・[100/100]
・鳥かご[100/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv2]


敵:使い魔Mr.Clown×4

1破壊的斬撃 :近接武器戦闘・斧(魔力-0)まともにヒットすれば必殺技レベルの威力を誇る
2投刃(魔力-5) :遠心力をつけて武器をぶん投げる。繰り出すのと武器再装備には時間がかかる。
3ガード(魔力-3〜5/1ターン) :攻撃に対処するための盾。格闘中の判定結果によって自動使用する
4バリアバインド(魔力-10) :敵をバリアに閉じ込める
・自分の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
・他人の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】

 下2レス
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/14(土) 20:40:47.43 ID:BBN0id1j0
ここも1かな?
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/14(土) 20:44:59.12 ID:AKBnHEZUO
1
125 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/14(土) 20:57:33.81 ID:pp/KpTtw0


 からくり人形はステッキを持って踊っている。

 そこに斧を振り下ろす。



 下1レスコンマ判定 戦況
0〜(劣勢) < 99(優勢)

+一桁0クリティカル(優勢時は自分)
+ゾロクリティカル(自分)
+補正 自[格闘Lv2]*3
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/14(土) 21:03:47.82 ID:AKBnHEZUO
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/14(土) 21:04:53.71 ID:BBN0id1j0


ナイス!安価しなくて良かった・・・
128 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/14(土) 21:26:10.77 ID:pp/KpTtw0
優勢:88



 使い魔を一刀両断に粉砕する。

 さっきの使い魔のように飛んで逃げるような心配もないだろう。


小巻「もう一発!」


 道化師の人形は跡形もなく消え去った。

 結界も崩れ、景色が戻る。……これで今日はもう帰ろう。


 ――――すっかり日常に戻った気でいた矢先、鋭い何かが迫った。


小巻「!?」


 咄嗟に目の前に盾を出す。

 あたしは驚いていた。相手のほうも驚いた顔をしていた。


「えっ……!?」


 それ以上の攻撃は来ない。

 そういえば、もう一人魔法少女がいるんだった。


小巻「……ああ、警戒しろって言われてたんだったわ」

小巻「キュゥべえの契約した覚えのない魔法少女って、アンタ?」

129 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/14(土) 22:37:48.17 ID:pp/KpTtw0


「なんのはなし……?」


 あの時居合わせた魔法少女だったら、向こうはあたしのことを知ってるはずだ。

 今更とぼけたりするだろうか。それにあの時何もしなかったのに今になって襲ったのは?


小巻「……違うのね。じゃあまた増えたの?」

小巻「なんにしても、一体これはどういうつもりなのかしら?」


 昨日別れたきりだ。こんな身近なところに魔法少女がいるなんて思ってなかった。――まさか、クラスメイトが。

 襲ってきた強気はどこへやら、キリカは気まずそうな顔をしていた。


 ……呆れた。


キリカ「小巻だって気づいてなかったんだよ! わかってたらやらなかったって!」

小巻「違う人だったら襲う気だったの? まったく感心できないわね」

キリカ「うぐ……」

小巻「目的はグリーフシード? さっきの結界には使い魔しかいなかったわよ」

キリカ「……べつに戦ってたのが魔女でも使い魔でも関係ないよ。ちょっと八つ当たりをしてみようかなって思っただけだったんだ」

小巻「やっぱりろくでもない! ……それに、そんなことばっかしてると寿命縮めるわよ。ただでさえ変な魔法少女もいるんだからね」

小巻「ソイツとアンタは別人なんだろうけど、変な疑いもかかるかも」


 一応クラスメイトとして、これがあたしからできる最大限の忠告だった。

 こいつのことはあとでメールでもしておこう。詳しいことは明日だ。


1明日学校には来るわよね?
2アンタは何か聞いてないの?
3自由安価

 下2レス
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/14(土) 22:53:37.25 ID:BBN0id1j0
やっぱりキリカだったか・・・八つ当たりということはまだ織莉子と会う前か。

1+キリカに色々と話して(強制的に)家まで送る

とりあえず明日話すことがあるからちゃんと学校に来ること!
あんたがこんな事しようとした理由とか何を考えて契約をしたのかとか聞くから逃げないこと!
・・・まぁ、襲ったのがあたしである意味良かったかも。
知り合いが知らないところで誰かを襲ってたなんて、取り返しがつかなくなってから知ったら目覚めが悪いしね。
あと、このあと変な気起こさないように家まで送るから!もう遅いし拒否権はないからね!
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/14(土) 23:01:40.09 ID:QQzcY0K0O

さすがファイナルガキ大将小巻
キリカが反論したらげんこつ、明日の朝迎えに行くを追加
132 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/14(土) 23:47:53.29 ID:pp/KpTtw0


 ……明日。転入初日に見た時からたびたび空いていた席が浮かぶ。


小巻「明日、学校には来るのよね?」

キリカ「……行かないとダメ?」

小巻「駄目」

キリカ「だってこれでも気まずいんだよ」

小巻「悪いと思ってるなら逃げようとすんな」


 なんかへらへらした顔がムカついたのでげんこつを落としといた。

 悪いとは思ってるんだろうけど、全然本気で考えてはいなさそうだ。


キリカ「痛いんだけどっ!」

小巻「仕返しよ。これで済んでよかったわね」


 八つ当たりとか言ってたけど、思いつきみたいなもの?

 ろくに考えて行動してないんだろうなって気がした。ますます呆れる。


小巻「まだアンタとは色々話すことがあんのよ。あたしだけじゃなくてね。……今日はもう遅いし送ってく」

キリカ「そこまでしてもらわなくても……」

小巻「また変な気起こすかもしれないでしょーが! アンタの信用いま0だし、拒否権ないからね! で、道どっち!」

キリカ「……こっち」

小巻「本当にこれで済んで良かったわよ。魔法少女なんてろくでもない奴ばっかだけど、知り合いまでそうなったらさすがに気分が悪いんだから」



 ……道を教えてもらいながら、半ば強制的にキリカを家まで連行していった。

 それからあたしも帰宅した。



―7日目終了―


小巻 魔力[81/100]  状態:正常
GS:3個
・[100/100]
・[100/100]
・鳥かご[100/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv2]
133 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/14(土) 23:52:57.56 ID:pp/KpTtw0
----------------------------
今回の更新はここまで
次回は15日(日)18時くらいからの予定

ついに…連休という特大バフが切れる…。久しぶりに集中して書けてこちらも楽しかったです。
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/14(土) 23:55:45.49 ID:BBN0id1j0
乙です。

今週はほぼ毎日の更新お疲れ様でした。
こっちも参加できて楽しかったです!
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/14(土) 23:58:05.43 ID:QQzcY0K0O

136 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/15(日) 18:52:33.30 ID:BQ6SUKXw0
――――――
8日目



 新しい制服が昨日のうちに届いていた。

 あたしも今日からは他の生徒と同じ服装だ。朝教室に入った時にはクラス中から色々な反応が返ってきた。


「あ、制服変わってる!」

「前のもよかったけどこっちも似合ってるねー」

小巻「ありがとう。これでやっと見滝原中の一員って感じね」


 ひととおり反応をもらってから、あたしの横にいる存在のほうにも目を向けられた。


「あれ? 一緒にきたの?」

キリカ「まあちょっと……」

小巻「つれてきた」

「え!?」



 ――――学校での魔法少女会議にも一人増えた。

137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/15(日) 18:58:49.05 ID:PSGGfAfS0
小巻の見滝原中の制服姿か・・・
スレ主さん、久しぶりですがイラストに描いていただけないですかね?
138 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/15(日) 20:17:46.88 ID:BQ6SUKXw0

マミ「確かに私達と『他の魔法少女』がいるってことはキュゥべえも言ってたのよ」

マミ「でも、あなたが……」


 マミは疑いの目で見てる。

 ……あたしはこいつのことについて、隠したりせずにあったことを伝えた。

 八つ当たりで人を襲うような奴。あたしだって、知り合いじゃなかったらただのろくでもない奴としか思わなかったかも。


マミ「聞いておくけれど、私達から隠れてる魔法少女については知らないのよね。……それにあなたでもない、と」

キリカ「知らないし、私じゃないよ」

マミ「そう。私は断定はできないけど、それはキュゥべえに聞けばはっきりするでしょう。でも、それでなくてもあなたの行いは良いとはいえないわね」

マミ「ここは私の縄張りよ。私は危険な存在には対処すると言ったの」

キリカ「……じゃあ私退治されちゃうの?」

小巻「ちょっと、喧嘩するな。ていうかアンタね、やっぱり悪いと思ってないでしょ」


 受けて立つとでも言いたさそうだったから割って入った。……『説教うざい』って顔に書いてありそうだ。

 マミの言い方もわざわざ煽るように好戦的に見えたけど。


 そんな様子を見て、やっぱり本気で考えてないと思った。

 しかしキリカもまだ納得できてないらしく、引き下がらずに言い返してくる。


キリカ「私はキュゥべえから言われたとおり、ちゃんとヒーローしてたんだよ? 魔女だって使い魔だって倒してたしさ」

キリカ「結局何も起きてないじゃん。それに、ちょっとくらい魔が差したからって別にどうにかしてやる気もなかったのに」

139 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/15(日) 20:57:38.41 ID:BQ6SUKXw0


マミ「それを本気で言っているの?」

マミ「魔女を殺すための魔法は、人に向けても命を奪える。……あなたにそれを完璧に制御できる自信があるの?」

キリカ「それは……」

マミ「そんなつもりはなかったとしても、殺したり殺されたりするかもしれない。安易に人に向けるものではないわ」

マミ「それに、襲いかかってきたあなたを意図的に『どうにかしてやろう』とする人もいるでしょうね」

キリカ「!」

マミ「残念だけれど、あなたが思う以上の悪人もたくさんいるのがこの世界なのよ」

マミ「そんな人には私が対処する。あなたが理解していなかっただけなら何もしないわ」

キリカ「……わかったよ。私が悪かったよ」


 マミの話を聞いて、キリカはまだふてくされたみたいなどこか暗い顔してるものの素直に謝った。

 いつまでもつまらない意地を張らないだけ、そういうところはちょっとだけ見直してやってもいい。


マミ「私達の使命は魔女を倒すことよ。でもそれだけしてればいいってわけじゃない」

マミ「人を救うのが目的なの。私はそう考えてる。やっぱり、それを共有できない人とは『仲間』には……」


 キリカのほうも見てみるが、特に反論はなしといったようだ。

 マミは魔法少女の使命ってやつにかなりこだわってるみたいだから。


小巻「……じゃ、戻りましょ。『魔法少女』としてどうでも、あたしは同じクラスの友達だから」



 マミと別れて、並んで教室に戻る。

 横から確かめるように、もしくは驚いたように、『友達……』と小さくつぶやく声が聞こえた。



――――
――――
140 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/15(日) 21:47:16.43 ID:BQ6SUKXw0



 ――――放課後になると、キリカにつれられて屋上に向かった。

 何か話したいことがあるらしい。


 前にもこいつとはここで会ったことがあった。その時のことがちょっと浮かんだ。


小巻「どうしたの? こんなところまで来て」

キリカ「小巻にはちょっと話しておこうと思って……」


 またしょーもなさそうな悩みの続きだろうか。もうどうでもいいみたいな口ぶりだったけど。

 キリカの言葉の続きを待つ。


キリカ「私さ、契約する前の記憶がないんだ」

小巻「はあ!?」

キリカ「正確には、『契約する前の自分』……の」


 記憶喪失、だったら一大事だけどそうでもないらしい。

 それならここまで変わらず生活できていないだろうし。いや、本人にとっては変わるのか。


小巻「どういうこと?」

キリカ「私の願い事、『違う自分になりたい』って願ったらしいんだけど、そのせいか覚えてないこと多くてさ」

キリカ「何を思って契約したのかもわかんないし……キュゥべえに聞いても自分で願ったんだからって、全然とりあってくれなくてムカつくし」

小巻「……まああいつはちょっと融通聞かないとこはありそうよね」

キリカ「それでイライラしてたんだよね。……昨日も」


 一応、襲ったのは思いつきでもその奥に理由はあったらしい。

 前の悩みは解決してたわけじゃなかった。

 あの時何に悩んでたのかは今となっては誰にもわからずじまいで、そこに新しい悩みが取って代わってきたってこと。


キリカ「一応喧嘩売るんだから、反撃されて酷い目に遭わされるかもって、そのくらいは考えてはいたんだよ?」

キリカ「……でも、無意識のうちに、もう死んでもいいやって思ってたのかな?」

キリカ「なんか、私だけおこちゃまみたいでカッコ悪くってもう嫌になる……今の自分だって好きにはなれない」



 ふてくされたような不機嫌さは、自分に向けて――か。

 契約する前のこいつなんてこの学校に来て日の浅いあたしが詳しいわけないし、その時の心情なんて更にわからないけど。



1いつから契約してたの?
2マミには言わないの?
3自由安価

 下2レス
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/15(日) 22:23:14.20 ID:PSGGfAfS0
2+マミに今の理由だけでも話した方が良いと話す。

あんたが契約したのって前に屋上で話した時なの?
なんか次の日会った時に違和感があったもの。

あんたの悩みだけど、何かの拍子で思い出すかもしれないじゃない。
それにこの間パンケーキ食べてる時のあなたの笑顔、本当に幸せそうで良かったわよ?
記憶がなくても味の好みまでは変わらないと思うし、昔から甘党だったんでしょ?
だったら自棄にならずに自分を大切にしなさい?あんた自身の身に何かあったらそんなささやかな幸せだってなくなっちゃうんだから。

あと今の事は私の口よりあなたがマミにちゃんと話しなさい。
人を救う前にまずあなた自身を救わなきゃどうにもならないんだから、そのためにもマミから色々教えてもらった方が良いわよ。
あんたがしっかり今の自分と向き合って何とかしようと思うならあたしも助けてあげるから。
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/15(日) 22:33:36.37 ID:VyDOjXB/O
143 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/15(日) 23:43:55.19 ID:BQ6SUKXw0


小巻「マミには言わないの?」

キリカ「言ってどうなるっていうのさ。私はああいうふうにはなれないよ」

小巻「そうね。アンタの場合、人を助けるより前に自分の気持ちのほうをなんとかしないといけなさそうね」

小巻「それでも事情くらいは話しておいたほうがいいと思うけど」


 マミは魔法少女として、同じ考えを持つ人を求めているようだった。

 助けを求めるとして、縄張りの主としての責任にこだわるマミがそこまでの度量まで持ちあわせているのかはわからない。


小巻「……あのさ、前に屋上で話したのって覚えてる?」


 問いかけても特段の反応が返ってこない。

 心当たりがないんだろう。でもむしろ、そのおかげで確信した。


小巻「契約した日くらいは覚えてるでしょ。先週の火曜の放課後だったりしない?」

キリカ「! そ、そうだけど……!」

小巻「やっぱり。次の日会った時に違和感があったもの。まさか契約したせいだとは思わなかったから流したけどね」

小巻「あの時のアンタは屋上で黄昏れてて、何か悩んでるんじゃないかって思ったのよ。その悩みが契約にも関わってるってこともわかったわね」

キリカ「肝心の内容がわからないんじゃ意味ないよ」

小巻「そんなの、なんかの拍子に思い出すかもしれないじゃない!」


 妙に弱気になってるので一喝してやる。

 こいつは考えなしで動くわりに立ち止まるとウジウジするらしい。

144 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/16(月) 00:08:26.24 ID:bgGujxpB0


小巻「それに、記憶がなくても味の好みまでは変わってないみたいね。前にもいくつも甘いお菓子買ってるの見たわ」

小巻「まさかあの時は休日一緒に過ごすとは思ってなかったけど」


 購買で会ったときのことだ。あの時も甘いものばっか買い込んでると思った。


小巻「パンケーキ頬張ってる時のあなたのお気楽な笑顔は、本当に幸せそうだったわよ」

キリカ「お気楽って!」


 カフェに行った時の様子見てたらそんなこと抱えてたことなんかまったく気づかなかった。

 本当にお気楽そうだったし。


小巻「自棄にならずに自分を大切にしなさい。あの時はイライラなんて忘れてられたんでしょう」

小巻「アンタ自身の身に何かあったらそんなささやかな幸せだってなくなっちゃうんだから」

小巻「あんたがしっかり今の自分と向き合って何とかしようと思うなら、あたしも助けてあげるわよ」


 キリカはなんともいえない表情をして、少し気恥ずかしげに笑ったあと……

 これだけ言った。


キリカ「…………またなんか食べにいこっか」

小巻「ええ。あたしも甘いものは好きよ」



―8日目終了―


小巻 魔力[81/100]  状態:正常
GS:3個
・[100/100]
・[100/100]
・鳥かご[100/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv2]
145 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/16(月) 00:20:26.16 ID:bgGujxpB0
-------------------------
ちょっとだけ解説をしますと、
2日目で小銭落とす判定が出たことによりキリカの契約が予定よりも早まっています
今回は小巻主人公ということもありますが、かなりの運絡みの判定があるので元々原作同様の流れにはそうそうならない予定でした
そう考えると原作は小巻にとってもキリカにとっても、最悪の運を連続で引き続けてしまったって感じですね…

今回の更新はここまで
次回は20日(金)19時くらいからの予定です
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/16(月) 00:23:47.40 ID:4HK6YurD0
乙です。

なるほど、そういう裏の事情がありましたか。
原作であった2人があんなことにならなければ最悪に事態は避けられてたんですよね・・・
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/16(月) 00:38:31.86 ID:ulKazGtMO
連日更新乙
マミは融通が効かないとこあるけど小巻がいれば何とかなりそうか?
148 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/20(金) 22:26:34.21 ID:UvMAEuj40
――――――
9日目



 授業を終えて、鞄の中身を整え始める。



「浅古さん、今日ってこれから時間ある?」

「カラオケ行きたいねーって話してて、もしよかったら浅古さんもどうかなって!」

小巻「ごめんなさい、今日は用事があるの。あたしは今度にさせてもらうわ」


 今日も放課後は塾だ。

 少し余裕はできたけど、大きい予定は入れられない。


「あ、うん! じゃあまた今度ね!」

小巻「ええ、今日のところは二人で楽しんできて。それか他の人でも……」

キリカ「?」


 ふと、目が合った。


キリカ「カラオケ! たまにはいいよね!」

小巻「まあ、アンタは暇そうね」

「じゃあ呉さんも一緒に行こっかー」


 学校で用があれば集まれる魔法少女は増えたが、教室ではクラスメイトに魔法少女がいようと変わらずだ。

 キリカに対する反応も、最初こそわずかに意外そうな反応もあったもののそんな様子もすぐになくなった。

 ……それにしても、今街にいる魔法少女はみんな見滝原中の三年か。


小巻(案外、近いところに固まってるのよね)



*放課後〜余白時間*
1クラスメイトと話す
2校内移動
 a屋上
 b図書室
 cその他
3白女の友達とメール
4自由安価(校外の場所移動は時間がかかりすぎるので無理)

 下2レス
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/20(金) 22:36:24.35 ID:iPpcdvIb0
来ないね。
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/20(金) 22:40:47.37 ID:iPpcdvIb0
失礼。
3+マミに会いに行く。
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/20(金) 22:53:01.96 ID:exrhrDyKO
時間まで他に魔法少女がいないか校内をふらついてみる
152 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/21(土) 00:11:17.36 ID:WLN/+a7f0



 あと、正体不明のだれかもいたっけ。そいつがどこの誰かは知らないけど。


 荷物をまとめて教室を出た。

 もう生徒が下校していく時間だ。段々と廊下からも人が減っていく。

 まさかこの中にいたりして。なんて考えて、すぐにそれを否定した。


 あたしたちは顔も知らないし、パッと見じゃ見つけようがない。でもキュゥべえは姿を見てる。

 大勢の人間の中から一人を見つけ出すことは難しくても、学校ならキュゥべえだってよく見てる。

 この学校に通っていればもうとっくに見つかっているんだろう。



―9日目終了―


小巻 魔力[81/100]  状態:正常
GS:3個
・[100/100]
・[100/100]
・鳥かご[100/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv2]
153 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/21(土) 00:18:08.37 ID:WLN/+a7f0
----------------------------
今回更新はここまで
某獄激辛な焼きそばに挑戦したら結構ぺろっと食えたものの
後々腹壊したという間抜けな理由により微妙に本調子じゃない…

次回は21日(土)18時くらいからの予定
154 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/21(土) 21:08:46.26 ID:WLN/+a7f0
――――――
10日目



キリカ「……充実してそうだよね、キミは」


 今日の最後の授業が終わった後、キリカがぽつりと言った。

 なんでいきなりそう思ったんだろう。思わず『は?』って返した。


キリカ「だって、小巻って大体忙しそうにしてるじゃん。今日も予定あるの?」

小巻「今日は……そうね、何もない日には優先的に魔法――……『仕事』を片付けに行ってるけど」


 ……危ないところだった。

 『魔法少女』とか『魔女』なんて、たとえ周りに聞かれてなくても恥ずかしくて教室で口に出来ない。


キリカ「『仕事』……ね。やっぱり小巻もマミみたいに誇りとか感じてるんだ」

小巻「……で、アンタの言う充実ってのは『忙しい』ことなわけ? だったらアンタも勉強するなり、何か予定を詰めたらいいじゃない」

キリカ「まあそれはそうなんだけど、そうやる気が起きないんだよ」

小巻「何事もやる気なさそうにしてるとそれだけで無意味なものに思えてくるものよ」

キリカ「そういうもんかなぁ」

小巻「とりあえず何でもいいからちょっとは本気出してみたらいいんじゃない。勉強くらいなら少し見てやってもいいけど?」

小巻「この前見た時かなり壊滅的だったし、どれもこれも答えが異次元に飛んでたわよ」


 ある程度下地がないと頑張ろうにも難しいものだろう。

 正直にいってこんなことを言い出させるくらい、ちょっと心配になる出来だった。


キリカ「あはは、ホントに……?」

小巻「ええ、壊滅的なのはホントだったわよ」

キリカ「いやそっちじゃなくて、ていうかそれはわかってるんだけど……忙しそうなのにこれ以上時間使わせるのも」

小巻「休憩時間にでも少しずつね。せっかく同じクラスにいるんだから」




 ――――……チャイムが鳴る。



*放課後*
1魔女狩り(一人)
2魔女狩り(マミを誘う)
3魔女狩り(キリカを誘う)
4【約束/いつでも】キリカと何か食べに行く
5たまには早く帰ってゆっくりしようかな

 下2レス
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/21(土) 21:18:46.44 ID:CURvEfZHO
1
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/21(土) 21:21:23.53 ID:rXQiB02f0
マミに連絡してから3
157 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/21(土) 21:56:15.47 ID:WLN/+a7f0


 帰りのHRが終わると、キリカと一緒に学校を出た。


 放課後は魔女狩りだ。

 多分何もされないとは思うけど、正体不明の魔法少女のこともあるから一応出発前にマミにも連絡しておいた。


 ……何かあったらあっちも気づくでしょう、多分。簡単にどうにかされてやるつもりもないけど。


小巻「言っておくけど、あたしだってマミと同じじゃないわよ」

キリカ「え?」

小巻「マミは『魔法少女』として誇りや使命感があるのでしょうね。あたしはなんかこっ恥ずかしいし、やめられるならやめたいところよ」

キリカ「でも、こうして忙しいなか優先してやってるんでしょ」

小巻「自分で決めたことだってわかってるから」

キリカ「……」



 下1レスコンマ判定 1/3
0~20 使い魔
21~30 ※遭遇
31~40 魔女
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/21(土) 21:58:56.59 ID:CURvEfZHO
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/21(土) 21:59:31.79 ID:rXQiB02f0
ほい
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/21(土) 22:01:16.02 ID:rXQiB02f0
1回目は何もナシっと。
161 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/21(土) 22:34:46.08 ID:WLN/+a7f0


 こいつはそれを忘れてしまったからやる気が出ないし納得できないと言っていた。

 そこを除けばそんなに違うわけじゃない。


 けど、もしあたしがその立場だったとして、同じ行動はとっていなかっただろうとも思ってる。



キリカ「……今日は魔女さんも使い魔さんもいないのかなー?」

小巻「まだ始めたばかりよ」



 下1レスコンマ判定 2/3
0~20 使い魔
21~30 ※遭遇
31~40 魔女
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/21(土) 22:44:04.55 ID:rXQiB02f0
ほいさ。
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/21(土) 22:44:54.47 ID:rXQiB02f0
うーん、コンマ運がないなぁ・・・
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/21(土) 22:48:25.12 ID:CURvEfZHO
何もないとイベント未発生で消化不良になるんじゃね?
165 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/21(土) 22:53:52.92 ID:WLN/+a7f0


 街を回っているものの、今日のところは気配がない。


キリカ「せっかくやろうと思ってもさ、すぐ戦えないのもダルいよね」

小巻「それはわかるわ。見つけたらぶちのめしてやれるけど、見つからないとどうにもできないもの」



 下1レスコンマ判定 3/3
0~20 使い魔
21~30 ※遭遇
31~40 魔女
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/21(土) 23:09:08.78 ID:CURvEfZHO
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/21(土) 23:14:07.87 ID:CURvEfZHO
コンマだからしゃーないけどダルすぎる
168 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/21(土) 23:44:40.19 ID:WLN/+a7f0


小巻「ここまで来ても何もなし、か」

キリカ「きっともう誰かが倒しちゃったんだよ。今日は終わり!」

小巻「アンタねぇ…… まあでもこれ以上歩いてても遅くなるし」

キリカ「お腹空いてきたなぁ」

小巻「仕方ないわね、何か食べに行きましょ」

キリカ「えっ? きみも買い食いとかするの? お嬢様なんでしょ?」

小巻「その辺で売られているものとかはあんまり気が進まないけど、衛生面がきちんとしてるお店ならまあいいわ」


 小腹がすく時間なのも事実。

 万が一おなかでも鳴ったりしたら格好が悪いもの。


小巻「詳しいなら案内してくれない?」

キリカ「……それじゃあイチオシに連れてくから、文句言わないでよ?」

小巻「はいはい」


 入ったのはチェーン店のアイス屋だった。

 そういえば、この前の約束はこれで一応果たしたことになったんだ。


小巻「種類がありすぎて迷うわね」

キリカ「でしょー? 迷うのも楽しいんだよ」


 キリカの顔は言葉通り楽しげだった。 

 今日は魔女狩りはハズレだったけど、誰かと一緒ならこうして楽しめるなら、あたしもこれでこれでいいかなと思った。

169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/21(土) 23:51:36.45 ID:rXQiB02f0
うーん、マミの方で何か問題が起きてなきゃいいけど。
170 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/22(日) 00:03:10.67 ID:Ho7VvXc60
>>168 【訂正】最後の行「これでこれで」→「これはこれで」
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小巻「そういえば、何事もなく魔女狩りが終わったってマミにも報告しておかないと」

キリカ「何事もなさすぎたね。まあよかったけど」


 マミにメールを打つ。


小巻「……アンタ、マミには言ったの? 自分のこと」

キリカ「言ったよ。ちょっと話す機会があったから」

小巻「で、どうだったの」

キリカ「『そう』だってさ。それだけ」



1マミのことどう思ってる?
2あたしからも何か言ってやろうか?
3自由安価

 下2レス
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/22(日) 00:50:19.24 ID:+7xyQDyt0
1+2

あんたは今後も魔法少女やっていくのよね?
だったらささやかな幸せを守るためには強くなる術をみにつけないとね。
マミはあたしよりも強いし責任感もある、あんたにその気があるならあたしとマミとの3人で魔女狩りしたりやアドバイスを聞くべきね。
まだわだかまりもあるだろうけど、マミの言う必要最低限のルールを守るのなら認めてはくれるはずよ。
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/22(日) 01:24:46.86 ID:Tvw5rSB+O
173 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/22(日) 01:43:44.96 ID:Ho7VvXc60
-----------------
今回更新はここまで
次回は22日(日)19時くらいからの予定
174 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/22(日) 19:59:27.80 ID:Ho7VvXc60


小巻「アンタ、マミのことどう思ってる?」

キリカ「どうって言われてもね…… 向こうにどう思われてるかはわかるし」


 マミ自身がどう思うかまでは変えることはできない。その思いは、この前聞いたとおりだろう。

 自分のことをよく思ってないってわかってる相手にすり寄るなんて、そりゃしたくなくなる。こっちから願い下げってやつ。

 こいつだってどう見てもそういうことが出来るタマじゃない。


小巻「……まあそうよね。あたしは『仲間』だけど」


 マミは縄張りの魔法少女としては認めてる。その上で『仲間』になれるかっていうのはもっと感情的な問題だ。

 心から信じられない、気に入らないヤツなんか仲間とは思えないのも当然だ。


 ……でも、それでもなんかモヤっとくるんだ。


小巻「あたしからも何か言ってやろうか?」

キリカ「へ…… 何を?」

小巻「アンタだって契約したばっかでしょ。マミのがベテランで、街ごと仕切ってて、力も強いだろうに」

小巻「自分の眼鏡に適わなかったからって、早々につまづいた新人の手を取りもせず、いつまでも見放すような態度取ってるのは大人気ないってのよ」


 キリカはぽかんとしてた。

175 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/22(日) 20:37:25.71 ID:Ho7VvXc60


キリカ「いや、でもそれは……」

小巻「それは、何よ?」

キリカ「私が悪いってのもあるし、仕方ないんじゃない?」


 言うと思った。後ろめたさか無関心か知らないけど、うんざりした気分だ。


小巻「あのね、あたしの嫌いな言葉教えてあげましょうか?」

小巻「仕方ない、って言葉よ。そういう言葉で片付けるのが一番嫌いなのよ!」

キリカ「で、でもさぁ……」

小巻「は!? 今度は何?」

キリカ「いや……なんでもないよ。なんか、すごい人だね、きみ」



 あたしはマミとは反発する理由もなかったけど、考え方については気になっていたところだ。

 普段聞けないことを話すのにはちょうどいい機会になりそうだ。



―10日目終了―


小巻 魔力[81/100]  状態:正常
GS:3個
・[100/100]
・[100/100]
・鳥かご[100/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv2]
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/22(日) 21:18:07.14 ID:+7xyQDyt0
ほんとリーダーというかガキ大将の気質があるよね、小巻は。
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/22(日) 23:03:03.07 ID:+7xyQDyt0
来ないなぁ・・・
178 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/22(日) 23:21:03.78 ID:Ho7VvXc60
――――――
11日目



 マミのほうの報告が返ってきた後、あたしはすぐに明日話したいことがあるとメールを送った。

 昼休みになると、いつもの場所で向かい合っていた。


 言いたいことを一通り言ってやると、マミは少し意外そうに驚いた顔をしていた。


マミ「……少し驚いたのよ。ずっと一人だったからっていうのもあるけど、そういう風に言ってくれる人って初めてだなって」

マミ「前に仲間がいた時も、私についてきてくれるって感じだったもの……ね」


 いつの話かは知らない。

 その仲間はもう何かあっていなくなってしまったってことは雰囲気でわかった。


小巻「まあ別に、仲良くしろとか言うつもりは最初からないわ」

小巻「でも仲間って言ったって色々あるでしょ。結局同じ街でやってくんだし、のけ者みたいに拒絶されるのは誰だっていい気がしないわよ」

小巻「あたしのことは気にかけてくれるなら、それを少しでもアイツにもしてやったらって、こと」

マミ「でも……向こうは私のことどう思ってるのかしらね?」

小巻「それはマミにもよるんじゃないの? 向こうだって同じこと気にしてたわよ」

小巻「嫌われてると思えばそれなりの対応しかしないものなんだから、出方伺ったりしないで動けばいいのよ」

小巻「相手の気持ちを変えさせるつもりでぶつかれば、案外いつのまにか気の合う仲間になれてるかもしれないわよ」

179 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/23(月) 00:18:21.89 ID:WrPWt3AP0


マミ「……そうね。もう少し接し方は考えてみるわ。もう少し歩み寄ったらわかり合えることもあるかもしれないしね」

マミ「でもやっぱり、私にとって同じ考えを持てる仲間は特別だわ。他の人ともそう……なれたらいいわね」


 マミの言葉は自信なさげにすぼんでいくようだった。


マミ「だって、仲間と思ってても途中で裏切られるかもしれないし、やっぱり嫌になったって言うこともあるかもしれない」

マミ「そう思うと……やっぱり、中途半端な人は信用できないって思っちゃうわ」


 ここまで言うのだから、『何か』はあるんだろう。

 自分の考え以外認めないタイプなのかと最初は思ってたが、それだけでもないのかもしれない。



――――
――――



*放課後*
1魔女狩り(一人)
2魔女狩り(マミを誘う)
3魔女狩り(キリカを誘う)
4たまには早く帰ってゆっくりしようかな

 下2レス
180 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/23(月) 00:48:40.23 ID:WrPWt3AP0
---------------------------
遅筆さがやばいですが更新ここまで
次回は23日(月)20時くらいからの予定です
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/23(月) 09:53:26.43 ID:U6G1NcckO
>>156みたいにしてから3
遭遇判定あったしキリカ1人だとやられるかもしれんしな
182 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/23(月) 20:13:51.44 ID:WrPWt3AP0


 昨日は結局買い食いしかしてないから、今日の放課後もリベンジってことで街に出た。

 明日も明後日も予定が入ってるしやれる時にやらないと。


 同じようにマミにメールを打って、昼の会話を思い出す。


小巻「……言ってきてやったわよ。マミも疑り深いみたいだからいきなり好意的にはならないだろうけど、言わないよりはきっとマシよ」

小巻「アンタのことももう少しは気にかけてくれるようになるでしょ」

キリカ「あ、ありがとう?」


 なぜか疑問系のくっついたような返事がかえってきた。


キリカ「小巻はさ、嫌われたらどうしようとかは考えたりしないの? そっちはそこそこ仲良くしてたんでしょ」

小巻「考えない」

キリカ「うわあ、即答」

小巻「言いたいことを我慢してまで仲良くしたいわけ? それこそしょうもない」

キリカ「……言われてみればそうかも」

小巻「別に今回のこともアンタのために言ったってわけじゃないからね。あたしが言いたいことを言っただけ」



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