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【まどマギ】小巻「見滝原中に転入したわ」【安価あり】
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816 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/17(月) 23:02:36.35 ID:jp3QNqNR0
小巻「……鍛錬のやり方ってさ、それがわかったらやってみてもいいかもとは思う?」
キリカにとっては唐突な質問に感じたかもしれない。
答えが返ってくるまでに少し時間が空いた。
キリカ「うーん、誰かに弟子入りするかってこと?」
誰かの下につくって考えたら面倒臭くも思えてきた。マミが話してた、昔のマミと佐倉の関係みたいな。
あたしはこれまで完全に我流だったし、それで困ったこともなかったから習おうと思ったこともなかった。
キリカ「それだったらどうだろ。まあ、やってみてもいいかもね」
小巻「そう?」
キリカ「前はそう言われてもどうでもよかったけどさ、強くなるってのは悪い気がしないし」
意外な答えが返ってきた。
なんだかんだ、あれからキリカは変わっている。それはもちろん願い事のせいじゃない。
むしろ多分、ちゃんと願い【悩み】と向き合って先に進んだから。
下1レスコンマ判定 2/3
0~20 使い魔
21~40 魔女
817 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/17(月) 23:06:37.67 ID:Vsh8AHFpO
あ
818 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/01/17(月) 23:07:25.52 ID:rXnTr9Ip0
今度こそ。
819 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/01/17(月) 23:08:27.39 ID:rXnTr9Ip0
うーん、駄目かぁ・・・
せめてGSは欲しいとこなんだけど。
820 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/17(月) 23:23:58.00 ID:jp3QNqNR0
せっかくキリカはこう言ってるんだし、今すぐじゃないにしても機会があれば話してみよう。
その時はあたしも一緒にやってやってもいいかな。……置いてかれるのは勘弁だから。
途中で話しながらも魔力には気を配っていた。暗くなるまで街を一通り回る。
下1レスコンマ判定 3/3
0~20 使い魔
21~40 魔女
821 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/01/17(月) 23:29:09.75 ID:rXnTr9Ip0
これで駄目なら1日無駄になっちゃうなぁ・・・
822 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/17(月) 23:30:00.67 ID:Vsh8AHFpO
ダメだこりゃ
823 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/18(火) 00:16:39.33 ID:tKv52bcg0
――――パトロールを終えた。粘ってはみたものの、今日は二人分のグリーフシードは手に入らなかった。
小巻「まあ、こういう日もあるわ」
キリカ「そうだね……」
いや、むしろ、今回怪我も苦戦もしなかったことを喜ぶべきだ。
戦って毎回無事で済むとも限ったわけじゃない。
―31日目終了―
小巻 魔力[100/100] 状態:正常
GS:3個
・落書き[10/100]
・[100/100]
・[100/100]
◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]
824 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/18(火) 00:24:45.34 ID:tKv52bcg0
----------------------------------------------------------------------------------------------
今回更新はここまで
基本ここからワル夜までは大体二人で組むので、2つないと確定でもらえないのきつすぎってことで自動で粘って1個は見つけてきます
ただし判定引けないと1つが誰に渡るかは人と好感度によります…
今一番に手持ちが少ないのは小巻と小糸なのでキリカはくれたってことですね…
次回は19日(水)20時くらいからの予定
825 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/01/18(火) 00:28:56.82 ID:PtEZjrw20
乙です。
うーん、自動で1個ゲット出来るのは良いのですが最後はコンマ運頼みなのか・・・
826 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/18(火) 00:31:54.95 ID:TWdzjANZO
乙
最強の敵はコンマ運だからな
827 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/19(水) 20:44:51.23 ID:cNFBvCM/0
――――――
32日目
ワルプルギスの夜との戦いまで、あと3日。
*今日の予定
1小糸とパトロール
2まどかたちの様子を気にかけにいく
3マミと一緒に行動
4ほむらと一緒に行動
5一人で行動
下2レス
828 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/01/19(水) 20:50:43.34 ID:9hc/ERzM0
3のマミっちと。
メンタル的に回復してるかどうかわからないけど。
829 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/19(水) 20:58:31.34 ID:IE7zhMaTO
杏子たちとどうなったか知りたいから↑
830 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/19(水) 22:51:58.56 ID:cNFBvCM/0
チャイムが鳴る。
放課後になってから廊下に出ると、マミの姿が目にとまった。マミはまだ教室の中だ。
マミ「浅古……さん」
そこに近づいていくとマミがあたしのほうに気づいた。鞄を整理していた手が止まる。
小巻「おつかれ。調子はどう?」
よくある挨拶だけど、今は心配の意味も含んでいた。
そんなに簡単に調子なんて良くなるわけないってことはわかってるつもりだ。あたしだって動揺した。本気で悩む経験だってした。
もう弱さがわからないあたしじゃない。所詮言わなきゃわからないから、その気持ちは素直に伝えたほうがいいことも知った。
小巻「……心配だったのよ。一緒に戦う仲間ってのもあるけど、友達がヘコんだままじゃあたしも気が気じゃないの。少しは休めた?」
マミ「え、ええ。少し」
気になって聞いてはみたものの、ここでは詳しいことを話すのには向かない。
こんなとこで気軽に聞けるほど軽くはない。
そのまま横でマミの支度が終わるのを待つと、自然と一緒に廊下に出て、校舎を出ていった。
それから、その行き先はなんとなくだろうか。前にも一緒に来たことのある土手の片隅に腰掛けた。
マミ「私、迷っていたの」
水の流れる音以外には、通りから聞こえる音も少ない。静かで、どことなく寂しさを感じさせるこの場所でマミは口を開く。
小巻「……、何を?」
マミ「全部」
あたしは今でも、隠された細かな感情の機微や遠回しな表現を汲み取るのは苦手だ。
そう思って聞いてみれば、返ってきたのはそんな身も蓋もないような一言だった。
831 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/19(水) 23:55:44.11 ID:cNFBvCM/0
マミは語り始める。
マミ「なにをするか、どう生きるのか、生きてていいのか、全部よ」
マミ「ワルプルギスの夜を倒すのは決まってる。でもそれが終わったら、その先は。……私は全然わからなかった。もう“何もない”ように思えた」
マミ「どうせ魔女になるのなら死ねばいいのかもとも思った。今もふと気づいたら迷ってしまうことがあるわ」
小巻「そんなこと言わないでよ! この前言ったでしょ? 生きてればいつかきっとなんとかなるって――」
マミ「聞いて。……あなたの言葉は嬉しい。勇気づけられた。でも、いくらそう言われても、私は心からそうは思えなかったの」
そう言われて一旦心を落ち着ける。
心から思えなければ、希望を持った言葉ですら押し付けでしかなくなるのだろうか。
マミ「私はもう話すつもりなんてなかったけど、みんなで集まって話した日、本当は佐倉さんはこっちには来てたのよ」
マミ「あの子は今の浅古さんほども素直じゃないからそんなにはっきりとは言ってなかったけど、きっと心配されてたの」
……あの日、来てたんだ。暁美の家にいたときから今日まで、一切連絡よこしてないし気づかなかった。
マミ「全部打ち明けて…… そうしたら、『今まで強がってばかりでわかろうとしなくてごめんなさい』って伝えた私に対して、『自分も強がってた』って」
マミ「正義とか、悪とか、魔法少女とか、これからはそういうのに縛られないで本当にやりたいようにやろうって。……“だから”、お互いを許して一緒に生きようって」
小巻「……ホントにそんなこと言ったの、アイツが?」
マミ「もちろんすぐにそう言ったわけじゃないし照れ隠しはあったけど、重要なところはこのとおりよ」
正直驚いてた。
どう頑張っても、マミの心に響かせられるのはあたしじゃなかったってわけだ。
マミ「先のことは相変わらずわからないけど、私もそっちのほうがいいって……やっとそう思えたの」
小巻「わかるわけないでしょ。未来のことなんて。……織莉子だってこんな未来はわかってなかったわよ」
マミ「……そうね」
まあでも、あたしの言ったことは間違ってなかったんだろう。
死んでたらそんな話もできなかったんだから。
小巻「ところで、佐倉の昔の話もっと聞かせてよ。マミしか知らない面白い話あるんでしょ?」
マミ「ええ」
こうしてやっと、重苦しかった空気が明るいものへと変わった。
久しぶりにマミと会話を楽しむことができていると、その最中に、いつからかとても気まずそうな顔をした人影が覗いていることに気づいた。
話題の中心人物だ。
832 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/01/20(木) 00:11:46.52 ID:LMDQogo20
良かった、杏子と和解できてたのか・・・
833 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/20(木) 00:39:54.08 ID:mvqT1p/l0
ゆま「かくれんぼー?」
続いてゆまも顔を出す。
杏子「んなわけあるか! ああもうほらっ、見つかっただろ!」
二人揃って前に出た。
マミ「別にゆまちゃんのせいではないわよ」
杏子「なんであたしの話なんてしてるんだよ」
小巻「それより、全部打ち明けたってことはワルい夜のことも知ってるの?」
杏子「あー? ……ワルプルギスの夜がこれから来るってことはマミから聞いた」
小巻「アンタたちも戦うの?」
杏子「戦ってやってもいいけど別にアンタのためじゃないからな。ただマミにああ言った後で自分だけしっぽ巻くとかダサすぎるじゃん」
何を言ったかはマミから聞いた。
こうして内心を知っていれば、思わず引くほど素直じゃなさそうだった。……場合によっては損をしそうな性格だ。
小巻「……ああそう。それで今日は何しにきたわけ?」
杏子「なんとなく寄っただけだけど?」
マミ「せっかくだから、今日は久しぶりに訓練でもしていく? 浅古さんもどうかしら?」
小巻「いいけど、余裕があったらこれからは他にも見てあげたらどうかしら。キリカがやってもいいって言ってたわよ」
しかしあたしがやるのにどこか抵抗があるのは、あの問題があるからだ。
小巻「……ところで、ここで変身するの?」
杏子「しないとろくなことできないだろ。舐めプできると思ってんの?」
マミ「制服が汚れてしまったら困るわ」
小巻「……ソウヨネ」
二人はあたしが何を気にしてるかピンときてないようだった。……腹を括った。
二人に見てもらって過ごした。いつのまにかここは寂しい場所じゃなくなってた。
きっと、二人がよく訓練してた頃も賑やかな場所だったんだろう。それを今日垣間見られた。
―32日目終了―
小巻 魔力[100/100] 状態:正常
GS:2個
・[100/100]
・[100/100]
◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]
834 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/20(木) 00:46:56.14 ID:mvqT1p/l0
-----------------------------------
今回更新はここまで
訓練が解禁されたことで、小巻だけ見ると大した恩恵はありませんが全体的に実力が向上していきます
次回は22日(土)19時くらいからの予定
835 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/01/20(木) 07:55:33.91 ID:LMDQogo20
乙です。
訓練解禁ならマミさんとは最初に会ってたほうが良かったかな?
836 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/01/20(木) 17:55:04.74 ID:g8RiqJRq0
日本保守右派系の大嘘
「太平洋戦争は白人に対するアジア解放の戦いだった」
↓大嘘です
https://news.yahoo.co.jp/byline/furuyatsunehira/20200815-00193356
すべての侵略戦争にあった「大義名分」
「アメリカの経済制裁が気にくわないから」という理由だけでは対米開戦としての大義は弱いので、
日本は対米開戦にあたり「アジア解放(大東亜戦争)」をスローガンに掲げたのである。
当時アメリカの自治国であったフィリピン(フィリピン・コモンウェルス=フィリピン独立準備政府)は
アメリカ議会からすでに1945年の独立(フィリピン・コモンウェルス成立から十年後)を約束されており、
日本軍の侵攻による「アジア解放」というスローガンは全く無意味として映った。
よって南方作戦で日本軍に占領されたフィリピンでは、そもそも日本の戦争大義が受け入れられず、
またアメリカの庇護下のもと自由と民主主義、そして部分的には日本より高い国民所得を謳歌していたフィリピン人は、
日本の占領統治に懐疑的で、すぐさまゲリラ的抵抗や抗日活動が起こった。
日本は、アメリカとの戦争の際「アジア解放」を掲げていたが、それよりさらに前の段階で、
同じアジア人に対し攻撃を加えていたのであった。よって多くのアジア地域では日本の戦争大義「アジア解放」は、美辞麗句で空疎なものと映った。
「アジア解放」を謳いながら、片方で同じアジア人である中国を侵略するのは完全な矛盾である。
「日本のおかげでアジア諸国は戦後独立した」
大嘘です。大日本帝国と関わりない中東やアフリカも独立してます。
「人種的差別撤廃提案で日本は唯一差別と戦った。白人は人種差別を支持した」
大嘘です。フランスやイタリアも日本に賛成してます。
https://w.wiki/4i4Q
日本国民自らが中国人を差別していることを思い起こすべきと主張し、吉野作造も日本が中国人移民を認めるだろうかという問いかけを行った。
事実、賛成しているのはどちらかと言うと移民を送り出す側の国であり、反対しているのが移民を受け入れる側の国である(イギリスも本国としては賛成だったが、オーストラリアの意向をくんで反対に回っている)。
「アメリカはドイツは人間として扱い、日本人を人種差別で化け物扱いした」
大嘘です。ドイツはアメリカに騙し討ちをしてませんから当然です。
開戦前に真珠湾奇襲で多くのアメリカ人を無差別攻撃した日本のイメージが最悪だっただけです。
https://w.wiki/4i4Z
原爆投下前に日本の風船爆弾でアメリカの民間人妊婦が殺害されています。ドイツより日本を恨むのは当然です。
「1945年5月5日、オレゴン州ブライで木に引っかかっていた風船爆弾の不発弾に触れたピクニック中の民間人6人(妊娠中の女性教師1人と生徒5人)が爆死した」
そもそも日本側も、アメリカとイギリスだけを鬼のように扱っていました。日本と開戦した連合国国家は他にもあります。(棚上げ)
日本の戦争犯罪は戦場経験者でもある水木しげるさんが証言して漫画にしてます。
詳しくは「水木しげる 姑娘」「水木しげる 慰安婦」で検索してください。
他には「スマラン慰安所事件」「バンカ島事件」で検索。
837 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/22(土) 19:33:26.87 ID:jT88lv+H0
――――――
33日目
ワルプルギスの夜との戦いまで、あと2日。
*今日の予定
1小糸とパトロール
2まどかたちの様子を気にかけにいく
3ほむらと一緒に行動
4一人で行動
下2レス
838 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/22(土) 19:40:27.10 ID:Z7yJHH0h0
3
839 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/01/22(土) 20:24:09.68 ID:jB0F+WXV0
まどかたちも気になるけどここは3で。
840 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/22(土) 21:44:49.49 ID:jT88lv+H0
学校が終わると、二年のフロアのほうに行った。
向かう先はもちろんあの朝と放課後に話した人たちがいる教室だ。
まどか「おつかれさまです」
さやか「お疲れさま…… っす」
ずっと同じ学校にはいるものの、あれ以降顔を合わせたのはこれがはじめて。
まどかとさやかは二人と知らないクラスメイトを交えて話していて、その途中であたしに気づいて挨拶だけしてくれた。
暁美は少しだけ離れたところにいる。しばらく二人のほうに目を向けていたものの、一足先に帰るようだった。
ほむら「……何の用」
小巻「べつに? 様子見?」
暁美についていくと、廊下に出てからやっと口を開いた。
小巻「前みたいにべったりついて回ることはしないんだ」
暁美の行動でそれが少し意外だった。
マミから“守護者”のことを聞かされたときはそれが暁美だとは知らなかったけど、狙う隙がないくらいだったからここまで持ったんだ。
ほむら「まどかはもうキュゥべえのことも契約のことも知ってしまった。それがどんな結果を生むかということも」
ほむら「そして、まさか命を狙う魔法少女が現れるなんて思ってなかったけど、それももう死んでいる。……今のままの状況なら、契約することはないでしょう」
小巻「まあ、そうね」
ほむら「今はやることがあるの」
暁美は校舎を出た後も言葉少なに歩き続ける。ついて来いとも来るなとも言われなかった。
横顔を見れば、その表情はどこまでも冷たく硬く、少し思いつめたような顔に見えた。
クールぶったこいつの、いつもの顔。協力するようになっても、やっぱりいけ好かないのは変わらなかった。
1この前話した以上に何か作戦でもあるの?
2ワルプルギスの夜を倒した後はどうする?
3自由安価
下2レス
841 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/01/22(土) 22:29:03.35 ID:jB0F+WXV0
1+逆にまどかに魔女化させない願いで叶えさせるのはどうかと提案。(かずみ編の願いみたいな)
あとそうやって自分はなんでもない、独りでもやり通すみたいな態度が織莉子みたいで危ういからほっとけないと話す。
ねぇ、まどかの素質が魔女化したら世界を滅ぼすくらい強いのなら、それを逆手に取れないのかしら?
願いを叶えた時点でそのエネルギーとやらを魔女化させずにキュウベェに吸い込ませるとか、キュウベェの浄化の能力を魔女化させずに無尽蔵にまでにするとか。
あとあんたのその態度、まるで織莉子みたいよ。
そうやって周りを自分から遠ざけて、自分は大丈夫ですなんて態度見ていてイライラするし何より危なっかしいのよ。
あんたが何を恐れてるのか知らないけど少しはこちらを頼りなさい。
842 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/22(土) 22:58:01.09 ID:GHB4ORBLO
↑
あんたまさかワルプルギスを倒してまどかが無事だったらここからいなくなる気?
843 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/22(土) 23:40:21.12 ID:jT88lv+H0
小巻「それってグリーフシード集め?」
ほむら「それもやってはいるわ」
小巻「じゃあこの前話した以上に何か作戦でもあるの?」
ほむら「……作戦というほどでもない。これは私の準備だから」
暁美はどこかへと向かって歩いていく。
足を止めた先の建物がどこなのかを見てみると、何がしたいのかわからなくてに困惑した。
小巻「これって……」
基地、なんだろう。そう書かれている。軍隊が使ってるところだ。
小巻「こんなとこにつれてきてどうすんのよ?」
ほむら「あなたがついてきただけでしょう」
小巻「……まさかねぇ!?」
ほむら「私がここに用事があるの。あなたはどうせ一緒には来られないのだから好きにしていたら?」
小巻「マジで言ってんの!? マジでここから武器を!?」
ほむら「……仕方がないでしょう。私はこうでもしないと戦えないんだから」
小巻「……」
言わんとしてることを察する。
そんなの知らなかった。これから一緒に戦うってのに。
なんとなく強力な魔法少女なんだろうとは思ってたけど、そんなデメリットを抱えてたなんて。
小巻「ああそう。こいつらの代わりに戦ってあげるんだから少しくらいは見逃してくれるでしょ。言われたとおりあたしはもう行くわね?」
ほむら「ええ、さようなら」
小巻「……待って」
放課後こいつの教室を出る時からそうだ。
露骨なまでに居ても居なくてもいいって思いが透けて見えてムカつく。
844 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/01/22(土) 23:51:32.44 ID:jB0F+WXV0
いやいやいや、アニメの頃から思ってたけどあんだけ武器盗んだら自○隊の何人かは確実に首飛んで人生終わるんだが…
845 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/23(日) 00:30:42.88 ID:Gu3wHs8Y0
小巻「アンタのその仏頂面って、ワルプルギスの夜を倒した後はなくなるの?」
ほむら「……どういう意味」
小巻「そのままの意味以外ある!? あたしは初めて会ったときからアンタのその顔が嫌いだわ!」
暁美はまだ『どうでもいい』というように特段の反応を示さない。
これだけでも十分癪に障るしイライラするけど。
小巻「中身を知れば、周りを遠ざけて自分は大丈夫ですなんて強情張ってて。余計にムカついたわ。……あたしの知り合いと同じ。表面の態度だけ見れば全然違うけどね」
ほむら「あなたの知り合いのことなんて私には関係ない」
小巻「そりゃそうね。でもそいつって、美国織莉子、まどかを殺そうとしてたヤツよ」
『まどか』が絡まないことについてはまるで心を動かそうとしないようだ。
その名前を出して、やっと暁美はわずかに嫌悪したように表情を変えた。
小巻「あたしも似たような失敗は二度とゴメンだから。何を恐れてるのか知らないけど…… 少しは誰かを頼ったらどうなの」
なんでこいつにここまで言ってやらなきゃいけないんだ、って気もする。
一度目の失敗の代わりじゃないけど、嫌いなコイツにしてやれる最大限のアドバイスだった。
もちろん、素直に聞いてくれるもんじゃないのはわかってる。
ほむら「私が何を恐れてるかって、ワルプルギスの夜以外にあるの?」
ほむら「まどかはこのままの状況なら契約することはないでしょう。でも、負ければすべて台無しになる。あなたたちの戦力を加味しても」
小巻「……あたしたちじゃ頼りがいがないって?」
思わず何か言い返してやろうと思ったけど、ふと気づく。
暁美にしては珍しいくらいの弱音だった。特にまどかの前ではこんな弱音は吐けない。
ほむら「私はこれからもずっとまどかを守らなくちゃいけない。でも本当はそんな、一緒にいる資格なんてなかったのよ」
小巻「何よ、どうしたのよ急に……」
ほむら「まどかが世界を滅ぼせるほど素質が高くなったのは私が時間を繰り返したせいなんですって」
あたしからすればいつもの顔、だと思ったけど――――。
こんなことを聞くとしたらキュゥべえ、アイツだ。いつのまに。
846 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/01/23(日) 00:50:00.91 ID:aqjiCHnR0
ああ、キュウベェがバラした後なのか。
ほむらも織莉子も目的のためには手段を選ばず、視野が狭くなって狭量で周りを省みないって似たもの同士だよね・・・
847 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/23(日) 01:04:26.66 ID:Gu3wHs8Y0
ほむら「だからきっと、私はこれからもこのままよ。このまままどかの素質がなくなるまで守ることだけを考えて、そして死ぬの」
小巻「それが償いだとでも?」
ほむら「それでも私はこの世界でも友達になってしまったから、私はきっと十分に喜んでしまうけれど……」
ほむら「まずはワルプルギスの夜。コイツを倒せなくちゃ意味がない」
また“次”を求めてしまったら、まどかは今以上になる。
もう後がないというように焦っているんだろう。暁美の覚悟を改めて感じた。
小巻「……じゃあ、さ。まどかにも頼ってみるのはどう? 友達なのに守られるだけは望まないわよ、きっと」
藤色の視線が射抜く。暁美はまっすぐに睨んでいた。
ほむら「気安く口出ししないで。私が決めた事よ」
ほむら「まどかは頼ったら最大限に応えようとしてしまう、優しい子だから。尚更あの子にだけは頼るわけにはいかない」
暁美はそう言い残した後、忽然と姿を消した。
……周りを見てみたがどこにもいない。唐突に一人取り残されたようだった。
暁美は用事を果たしに行ったんだろう。
強制的に会話を切られたようで不本意だが、あたしもこの場から離れることにした。
―33日目終了―
小巻 魔力[100/100] 状態:正常
GS:2個
・[100/100]
・[100/100]
◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]
848 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/23(日) 01:07:22.51 ID:Gu3wHs8Y0
--------------------
今回更新はここまで
次回は24日(月)20時くらいからの予定
849 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/01/23(日) 01:11:06.85 ID:aqjiCHnR0
乙です。
ほむらもまどかも変なところで強情なのがなぁ・・・
なぎさ編やあすみ編みたいに良い方向で支えないとすぐ暴走するのがなんとも。
850 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/24(月) 21:33:02.61 ID:H8CwR7F/0
――――――
34日目
差し込む朝日の中、ベッドから起き上がる。今日は休日だ。
このところは出来るだけ用事は入れないようにしてきたものの、一日使える日って貴重だ。
いつもみたいに慌てて身支度する必要はないけど有意義に使わなくちゃ。
ワルプルギスの夜との戦いはもう前日まで迫っている。
*今日の予定
※以下から2つまで行動を選ぶことが出来ます。1つの行動をめいっぱいやることもできます。
1小糸とパトロール
2マミと連絡をとる
3キリカと連絡をとる
4ほむらと連絡をとる
5キュゥべえを呼ぶ
下2レス
851 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/01/24(月) 21:42:13.59 ID:Hr2cc3UL0
まずマミに連絡して訓練みたいのをするのなら小糸とキリカを誘ってみる。
2回目は保留。
852 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/24(月) 21:53:49.53 ID:5jNLBvofO
↑
訓練とかしないなら4
853 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/24(月) 23:03:57.45 ID:H8CwR7F/0
マミに連絡して今日のことを聞いてみる。
佐倉とは和解したみたいだし、あれからあの土手にいることもあったらしい。
基本的に入り浸って何かやってるのは二人だろうけど、昨日はキリカも混ざって見てもらってきたらしい。
……まあ、『何か』といえばほとんどは鍛錬だろう。余裕があるならやって損はないとは思うし。
小巻(送るだけ送ったし、まずはご飯ね)
いったん朝食をとりにリビングに行って、あとで携帯を見てみると着信がきてた。
今日も例の場所にいるって。
小巻「小糸! 今日……あれ、さ」
小糸「え? お姉ちゃんなに?」
小巻「……アレよ!」
小糸も誘ってみようかと思ったけど言葉が出てこない。
小糸「なにそれ! わかるわけないよ!?」
小巻「その、魔法少女の…… 訓練」
小糸「あぁ、わかったけど、訓練? 二人でするの?」
小巻「マミが見てくれるんですって。小糸が行くならあたしも行こうかなって」
そう言うと小糸が笑った。呆れたような笑いだった。
小糸「もう、ついてってあげるよ。にしても、普段うるさいほどハキハキなのに魔法少女のことだけいきなり曖昧になるんだもんなぁ」
小巻「誰が普段うるさいって?」
二人で土手に向かうことにした。
854 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/01/24(月) 23:46:57.05 ID:Hr2cc3UL0
訓練はもっと早めにやりたかったけど時間がなさ過ぎましたね・・・
それにしても小巻、どんだけ魔法少女名乗るの嫌がってるんだかw
855 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/24(月) 23:50:01.75 ID:H8CwR7F/0
>>853
【訂正】入り浸ってるの二人じゃなくて三人、ネ。二人にスポット当たりがちだけど省いたらだめなの。
------------------------------------------------------------------------------------------------------
マミ「いらっしゃい、こっちよ」
小巻「ああ、もうやってるのね」
小糸「こんにちは!」
マミ「ええ。こんにちは」
ゆま「こんにちは! 今すっごかったんだよ! マミのリボンはキレイで強いの」
マミと佐倉は今日も通りからはすぐ見えないとこにいたみたいだ。
近づいたところでこっちに気づいて呼びかけてくれた。
小巻「少しは顔色が良くなったんじゃない?」
マミ「ええ…… おかげさまで。心配かけたわね」
杏子「ここでこうやってると昔みたいだよな。あの頃はゆまもアンタらもいなかったし、絶対同じにはなれないけど」
マミ「佐倉さんが私に勝てないのも昔と同じ?」
杏子「遠くないうちに負かしてやるよ! せっかく『続き』が出来るんだから。でももう今日は教える側に回ろうかな。そのほうが楽だしな」
キリカも面倒見てもらったって言ってた。
あたしやキリカにとっては、武器が多少近い分1対1でやりあうにはマミよりもやりやすいとこあるし。
ちなみにキリカも誘ってみたけど、今日はいいって返ってきた。まあそれぞれやりたいことがあるんだろう。
……コイツのこと、最初はヤな奴ってとこしか知らなくて、
ほかの内面はマミからの話でしか聞いてなかったけどこうして接するとちょっと印象は変わった。
小巻「じゃあお願いするわよ」
戦いの先輩として認めてやらなくもない。
856 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/24(月) 23:56:48.27 ID:H8CwR7F/0
――――
小糸は契約したてだ。まだ数えるほどしか戦ってないし、それもほとんどはあたしか誰かが一緒だった。
だからか、こうして一度出来る人にちゃんと見てもらうと……――こう、未発達で散らかってたものが一気に整うような。
小糸はある程度までコツが掴めたようだ。
マミもこうしているときは、少しは前みたいにいきいきした表情をしてる気がした。
*半日経過
1一日中訓練
2小糸とパトロール
3キリカと連絡をとる
4ほむらと連絡をとる
5キュゥべえを呼ぶ
下2レス
857 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/25(火) 00:13:41.48 ID:RKbdQzpkO
4
858 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/01/25(火) 00:17:42.05 ID:uV3rOE3B0
うーん、確かにほむらともっと話したいけど、肝心のほむらの方が話しをしてくれるかなぁ?
とえいあえず4で話ができなさそうなら3で。
859 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/25(火) 00:28:36.48 ID:LR7Qg8eL0
-----------------------
今回更新はここまで
次回は26日(水)20時くらいからの予定
860 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/26(水) 23:01:27.53 ID:MYycYawI0
今日も残すところ半日を過ぎた。もう昼の時間だ。
携帯をいじって、暁美に連絡をとって近況を聞いてみる。
暁美は今日もパトロール、まどかとさやかは駅前のほうに遊びに行ってるらしい。
小巻(駅前か……)
二人とはこの前向こうのクラスに行ったときに挨拶だけはしたけど、ちゃんと関わったのはみんなで集まった時くらいだった。
ちょうど昼食もまだだし、少し寄ってみようか。まどかたちとは会えなくても普通に店とか見て回ろう。
小巻「それじゃ、あたしたちはもう行くわね。今日はお疲れ」
マミ「ええ、もうお昼だものね。私もそろそろ一旦帰ろうかと思っていたところよ」
杏子「そうだな。溜め込んでたお菓子もなくなっちまったし。あたしたちもテキトーに……」
ゆま「ごはん!」
マミたちもここからはもう離れるらしい。
みんなと別れて向かった。
……すると、ついたはいいが今は休日の昼過ぎ。街はちょうど混み合っていた。
小巻「どこも混んでるし、こうも人が多いとあんまり落ち着いて食事できる店がなさそうね」
小糸「そうだね。デパートのほう見てく? あ、鹿目さんたちもこのあたりにいるんだよね」
そんな話をしている途中で、見覚えのある色の頭を見た気がしてウィンドウの奥を覗いた。
安っぽそうなチェーン店のハンバーガー屋。そこにいたのは確かにあの二人だった。
このあたりの店の中でもかなり混んでいて、入った覚えはほぼないようなとこ。
小巻「いたわよ」
小糸「えっ! あ、ホントだ。……入る?」
小巻「……まあ、ものは試しよ」
意を決して入店する。近づいてくとまどかたちもあたしたちのほうに気づいた。
861 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/27(木) 00:06:45.89 ID:uNOpKaRJ0
さやか「まどか、あれ小巻さんと小糸じゃん? こんなとこで会うなんて」
まどか「ほ、本当だ。おつかれさまですっ」
小巻「お疲れ。あたしたちも同席いい? 他に空いてないし」
さやか「どうぞどうぞ!」
一応他の席も見てきたけど本当に見事に埋まっていた。
それに、せっかく見つけたんだからちょっと腰を落ち着けて話してみたい気分になった。
小巻「こういうとこよく来るの?」
さやか「よく来ます。なんたって安いから!」
まどか「財布に優しいのうれしいよね」
こういうとこは本当庶民って感じ。
小巻「あれから何も起きてない? キュゥべえが来たとか」
まどか「わたしのほうは来てないです。さやかちゃんは?」
さやか「あたしのほうも特には」
小糸「よかった」
小巻「そうね、よかったわ」
腰を落ち着けて、と思っても、やっぱり深い話をするよりまずは契約のことが浮かんで気にかかってしまう。
それも大事だ。でも疑われてるとか思ったらそれ以上に踏み込んだことなんて話したくなくなるだろうし。
早くも話に一区切りがついてしまった。
小巻「二人はこの後もこのあたりにいるの?」
さやか「いや、あたしはもう行こうかなって思ってます」
小巻「行くって?」
さやか「……病院に。お見舞いです、友達の」
まどか「わたしはもう少しいるんですけどね。帰りにお使い頼まれてるからそれを終わらせないと」
二人とも食べ終わったらそれぞれの用事を済ませるらしい。
戦うための準備はしないといけないけど…… 今更ながら、二人がどんな人間なのかまったく知らないってことに気づいた。
1まどかと一緒に行動する
2さやかと一緒に行動する
下2レス
862 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/01/27(木) 07:40:32.32 ID:8FWH7tSN0
2で。
863 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/27(木) 12:33:27.95 ID:8Kzz1R7tO
2
864 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/29(土) 22:48:57.16 ID:WuHILeUI0
小巻「それ、途中まで一緒についていってもいい?」
さやか「……べつにいいですけど、どうして?」
小巻「あんたたちのことなんも知らないって思ったから、普段どんなこと考えててどんなことしてるか。少し話してみようと思ったのよ」
それに、 明日になる前に少しあたしからも話しておきたいこともあるし。
当日になってからじゃ話してるヒマなんてきっとなくなる。
小糸「じゃあわたしは鹿目さんのほうについていこうかな」
まどか「わたしは本当にただ言われたとおり買い物するだけなんだけどね…… えへへ、一緒に見に行く?」
店を出ると小糸たちとは別れて歩き出していく。小糸とまどかはスーパーのほうへ向かったようだ。
あたしたちが向かうのはさっき言ってたとおり、病院だ。あたしも少し前に入院してたことを思い出す。
といっても、あたしの場合は一晩で帰れたし、そもそも実際には怪我なんてなくなってたんだから大したことはなかった。
小巻「その友達って、入院して長いの?」
さやか「長い、ですね。退院にはまだかかると思います」
小巻「そう。……大変ね」
怪我なのか病気なのかはわからないけど、所詮は関わったこともない人のことだから、あたしには他人事の返事しかできない。
でも、そう答えたさやかの声はさっきよりも少し暗いトーンに聞こえた。
そういえば、さやかは契約してもろくな結果にならないとは言われてたし、それを聞いて本人も諦めてたようだった。
でも現時点でさやかに願いになりそうなことがあるのかははっきりとは言わなかった。
小巻「ねえ、あたしが言うのもなんだけどお見舞い品とか持っていかなくていいの? まだなら行く前にそこらで見てったら?」
さやか「あー…… そうですね。でも喜んでくれるかな」
さやかはあまり乗り気ではなさそうだった。
*お見舞い品といえば?
1果物
2お菓子
3花
4アクセサリーやぬいぐるみなど
5CD・DVD
下2レス
865 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/01/30(日) 14:48:10.33 ID:nfUn/Nem0
4で
でもできればエロ本がいい
866 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/01/30(日) 20:55:28.29 ID:PA6JC5kC0
小巻は一般的なものを選びそうだから1
867 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/31(月) 14:04:44.62 ID:3aIwLhOT0
-------------------------------
(本日20時くらいからやるよ)
868 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/31(月) 21:16:22.21 ID:3aIwLhOT0
小巻「こういうのはね、そんなすごいものじゃなくても嬉しいのよ」
小巻「恥ずかしいなら今日のはあたしからってことにしておきなさい。出してやるから」
さやか「……。べつに恥ずかしいってわけじゃ」
さやかが小声で何か言ったような気がしたが、あたしはちょうど手土産に良さそうな果物を売っている店が目に入って見にいっていた。
果物なら無難な感じがするし。
小巻「念の為聞いておくけど、嫌いなものはないわよね?」
適当に選んだものを手にとって、さやかのほうを振り返る。
さやか「あっ、はい。ないです。ていうかいいんですかこれ。出してやるって」
小巻「言い出したのはあたしでしょ。強制させたいわけじゃないし。そういうことだから決まりね、ちゃんと渡すのよ」
さやか「はい。ありがとうございます……」
さやかは少し戸惑った様子で受け取った。
お見舞い品を手にして病院へと進んでいく。
さやか「小巻さんってしっかりした人なのかなとは思ってたんですけど、めっちゃマイペースな人なんですね?」
小巻「マイペース? 人に合わせるのが面倒なだけよ。所詮他人なんだから、言って聞かせるよりやれることは自分でやったほうが早いでしょ?」
さやか「そういうのをマイペースって言うんじゃ?」
だからこそ、自分じゃどうにもならないことが嫌いだ。
このままじゃダメになるとわかっているのに、何もしない人。ダメな道に進む人。結局自分には何もできなかったこと。
所詮他人だから。……自分の言ったことだが、その響きに不快感を覚えた。
小巻「お見舞い行くくらいだから、相手とは仲良いのよね」
さやか「まあ、そうですね」
小巻「なーによさっきから! さやか、この話になってから曖昧よ。アンタが行きたいから行くんじゃないの?」
869 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/01/31(月) 21:26:11.00 ID:GG+WSt4g0
ここは以前杏子編でやった募金活動とかさやかにやらせたいですね。
恭介の容態、知りたいとこですねぇ・・・
870 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/31(月) 22:47:04.88 ID:3aIwLhOT0
煮えきらない態度も嫌い。
問い詰めると、さやかは真剣な表情で話し始めた。
さやか「……それはもちろんそうです。行きたいから行ってるんです。それがあたしのやれることだと思うから」
こうして話してると、昼話してた時までのような明るいだけの印象はもうなくなってた。
誰だって表面だけじゃ一番大事なとこなんてわからない。裏表とか取り繕ったりするの嫌いだって思ってたけど、あたしにも少しはそういうところもあるんだろう。
小巻「アンタ、叶えたいことがあるんでしょ。もしかしてそのことと関係あんの?」
小巻「隠そうとしないでいいわよ。むしろこんな時じゃないと言い出せないでしょ。疑いの目で見られてる時になんて本音言えるわけないものね」
さやか「……関係はあります。キュゥべえに会った時は、もしかして、やっとチャンスが来たのかもって思ったんです」
さやか「あたしのやれることってなんなんですかね? 契約してもうまくいかないって言うし」
さやかは思いとどまっている。
とはいえ、その問いかけに対してあたしはなんて答えてやればいいんだろうか。
小巻「あたしのほうも本音を言うと、やりたいことやればいいって思う。お見舞いでも、契約して戦うことでもね。その覚悟があるんだったら」
あたしだって、やりたいことをやった結果だ。
魔法少女なんて恥ずかしいしキツいし、そのうえ一歩間違えれば悲惨な末路まで用意されてるんだからやめられるならとっくにやめてる。
でもやっぱり願った結果を後悔したことはないから。
小巻「でも、真実を知った今は別だわ。これ以上魔女は増やしちゃいけない」
小巻「……もちろん、あたしは魔女になる気はないけどね。契約したからといって絶対になるわけじゃないし、あたしのことズルいって思うかもしんないけど」
小巻「元はキュゥべえが悪いとはいえ、魔女が生まれるのがあたしたちの問題なら少しでも契約する人を少なくしてくしかないわけでしょ?」
やりたいことをやって破滅するのは自業自得でも、魔女になって周りを巻き込むのはそれじゃ収まらない。
やりたいことやっていいのは自分が責任を取れる時だけだ。
さやか「そうですね……」
さやかも理解しているようだった。
結局、契約のことも奇跡のことも元々無かったんだと思うしかない。
871 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/31(月) 23:08:47.63 ID:3aIwLhOT0
病院に着くと、受付に行く前にさやかに話した。
小巻「明日のことを言うわね。わかってると思うけど、危ないことはなしよ。避難指示にはちゃんと従って、安全に過ごしていてちょうだい」
さやか「はい」
小巻「あたしたちは外で戦ってるから。もし…… 万が一そっちまで被害が及びそうになった時にはテレパシーでも使って絶対に伝える」
小巻「その時は頼むわね? 魔女のこと知ってる人しか出来ないことがあるはずだから」
今日話して、さやかのことを少し知ることが出来た。
あたしも真剣にさやかに託す。
小巻「ま、もちろんそんなことないようにはするけど!」
さやか「はい。こんなことしか言えないけど、頑張ってください!」
面会の受付を済ませ、廊下に行く姿を見送って、さやかと別れた。
――小糸のほうはまどかと何か話せたかな。
―34日目終了―
小巻 魔力[100/100] 状態:正常
GS:2個
・[90/100]
・[100/100]
◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]
872 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/01/31(月) 23:16:51.76 ID:3aIwLhOT0
-------------------------------------
今回更新はここまで
次回は2日(水)20時くらいからの予定
873 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/01/31(月) 23:28:14.28 ID:GG+WSt4g0
乙です。
次から遂にワルプル戦ですか・・・
人間関係はだいぶマシですけど結界とか合体技の訓練もしてないから不安がありますね。
874 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/31(月) 23:58:40.58 ID:14FlgjCP0
>>869
みたいなクレクレ乞食マジで不快だわ
思い付いたんなら自分で勝手に書いてりゃいいのに
875 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/02(水) 21:25:58.60 ID:CXgxF1AD0
――――――
35日目
朝、黒い雲が渦巻く空の下。あたしたちは家を出た。
小巻「……行きましょ!」
小糸「うん」
例の魔女との戦いまであとどのくらいだろう。暁美から聞いた話じゃ大体の時間しかわからなかった。
すでに何かが起こりそうな予兆は感じる。その元凶が姿を現すまで、もう数時間とない。
親には今日は朝から用事があるって伝えといた。避難指示が出始めたらちゃんと逃げてくれるはずだ。
小糸「きっと、大丈夫だよね……」
少ない準備期間。こんな過ごし方でよかったのかって、今になって不安は押し寄せてくる。
手持ちのグリーフシードは二つ。それも、一つは少し濁った状態だ。
使える魔力は少ない。もっとパトロールを優先させておくべきだったのかもしれない。
……いや、後悔しても仕方ない。今持っている力で挑むしかないんだから。
小巻「出たらわかるのよね? 魔力は感じるんだけど……」
ほむら「ええ。相手は大型の魔女。嫌でもわかるわ」
小糸「じゃあ待つしかないんだね」
向かった先は暁美から聞いた場所だ。
といってもかなりあやふやな指定だったけど、周辺に着いたら仲間の姿はちらほらと見えた。
全員で合流したのはそれから少ししてからだった。
キリカ「ところでこの使い魔みたいのは? 倒さなくていいの?」
杏子「こいつら襲ってこないだろ。ムダな労力使える余裕なんてあるかって」
マミ「使い魔はいくらでも沸いてくる存在よ。それは『ワルプルギスの夜』が相手でも変わらないのだし……」
マミ「手下もこれだけではないかもしれない。温存できるうちはなるべく温存しておいたほうが良いわよね」
魔力の気配が濃くなるのを感じる。それに比例して、風も強くなる。
さらにはあたしたちの周りをただ通り過ぎていく使い魔まで現れはじめていた。
876 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/02(水) 22:42:21.15 ID:CXgxF1AD0
キリカ「うーん、そういうならわかった」
この状況で、落ち着かない気持ちはあたしもわかる。
絶対“いる”気配を感じるのに何もできない。待つしかない時間。
合流してから、暁美は杏子のことを見ていた。
杏子「……戦力多いほうがいいんだろ? 飛び入りだけど、話はマミから聞いてるし」
ゆま「キョーコはつよいんだよ! ゆまもがんばるね!」
ほむら「ええ、わかってる。それはありがたいけど」
何があったのか、とまでは暁美は深堀りしない。単にそこまで興味がないんだろうけど。
ほむら「あなたが来てくれると思ってなかったから」
この反応からして、暁美は杏子のことも知っている、正しくは――過去のループで関わったことがあったんじゃないかと思った。
そういえば、前に優木の事件のことを話した時、暁美は無関心を貫いていたが唯一犯人の『名前』だけは気にしていた。
もし自分の知っている名前だったらと思ったのかも。
異変があったのは、そんな、少し関係のない話をしているときだった。
「!」
全員が息を呑む。
本当に突如として、黒い雲の覆う空に禍々しい気配を持った“巨体”が浮かび上がった。
小巻「思ったよりも……でかいわね」
キリカ「わぁ、やっと出た。うう、デカいくらいでビビんないし! 早くやろう!」
マミ「相手の出方にも気を配って。十分に気をつけて近づくのよ」
銃すらここからじゃ届かない距離だ。みんな魔女のほうを目指していく。まずは近づかなくちゃ話にならない。
ほむら「私が最初に仕掛けるわ」
877 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/02(水) 23:28:16.65 ID:CXgxF1AD0
そう聞こえたと思うと、上空に居る魔女の周りに“細い粒”のようなものが囲んで浮かび上がる。
それがなんなのか考える前に爆発が包んだ。
小巻(……なるほど、この前基地から持ってきたやつってあれか)
暁美はすでに離れたところにいる。
一瞬にしてあの物量の攻撃だ。『魔法』を使ったんだろう。しかし、魔女には効いている素振りもない。
小巻「風も本格的に強くなってうざったいわね」
向かい風自体も鬱陶しいが、風に乗って砂や障害物まで飛来してくる。
小巻「もう、一人だけそんなとこに行って! あたしだってすぐに追いついてやるから待ってなさい!」
小巻 魔力[100/100] 状態:正常
GS:2個
・[90/100]
・[100/100]
◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]
仲間:
小糸 状態:正常
マミ 状態:正常
キリカ 状態:正常
ほむら 状態:正常
杏子 状態:正常
ゆま 状態:正常
敵:ワルプルギスの夜
1破壊的斬撃 :近接武器戦闘・斧(魔力-0)まともにヒットすれば必殺技レベルの威力を誇る
2両斧斬撃 :近接武器戦闘・両斧(魔力-5/1ターン)単純に手数を二倍にする。相当なパワーが必要になるため、長くは使えない。
3投刃(魔力-5) :遠心力をつけて武器をぶん投げる。繰り出すのと武器再装備には時間がかかる。
4ガード(魔力-3〜5/1ターン) :攻撃に対処するための盾。格闘中の判定結果によって自動使用する
5バリアバインド(魔力-40) :敵をバリアに閉じ込める。…頑張れば足止めできなくもない?
・自分の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
・他人の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
下2レス
878 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/02(水) 23:33:07.43 ID:1KPbjbsQO
3
879 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/02/02(水) 23:35:26.84 ID:An3v6YrY0
3かな?
880 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/03(木) 00:20:48.02 ID:xAJ9iG4t0
次々と、追いついた仲間から攻撃を仕掛けていく。
その間にも魔女は衝撃を受けるままにあたしたちから離れ、またふわふわとどこかへ漂いだす。
さっきからまるで、あたしたちの攻撃なんか気にするほどでもないみたいに。……あたしたちのこと、見えてるのかしら?
これは、追いつくだけでも大変そう。
小巻「強いくせに厄介に逃げ回ってんじゃないわよッ!」
あたしもビルの屋上の端からヤツの姿を捉えて足を止めた。
これ以上距離を引き離されないうちに全力で斧を振りかぶって、投げつける。
また追いかけなきゃ。
魔女は今も街のあちこちに火を吹いて燃やしている。
かと思えば、凄まじい突風で倒壊させたビルを根こそぎ持ち上げ、さらに瓦礫を増やしている。
出来る限り守るつもりだった。でも、これだけの攻撃から街並みまで守り切ることはさすがにできない。
被害を抑えるにはさっさと倒すしかないんだ。あたしは改めて覚悟を決めた。
小巻「こっちを見ろ! アンタの相手はあたしたちだ!!」
無関係なものばかり破壊して。悔しさのままに叫ぶ。
すると――――きっと、その言葉が通じたわけじゃない。
こっちに向かって思わず顔を覆いたくなる風が吹きつけて、そして。
いまさっき地面からもがれたばかりのビルだったもの、コンクリートの塊が迫ってきていた。
881 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/03(木) 00:25:49.12 ID:xAJ9iG4t0
---------------------
今回更新はここまで
次回は5日(土)18時くらいからの予定
882 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/05(土) 22:03:26.31 ID:2NzE8kp+0
あたしたちにぶつからないうちに、すかさず強力なバリアを張る。それから周りを見やった。
杏子やゆまなど、もう先に行った仲間もいる。でもまだあたしと同じくここにいる仲間はいた。
小巻(これだけじゃ防げない! 逃げなきゃ潰れる!)
あたしが勢いを最大限に殺し、さらに……これはキリカの魔法だ。周囲を遅くする魔法。おかげで余裕ができた。
あたしたちの魔法を行使して全員なんとか逃げ切ることができた。
しかし、『守りきることを諦めた部分』――さっきまでいた『足場』の惨状を見ればゾッとする。塊が衝突したビル本体は、屋上から大きく抉れ半ばから醜く折れ曲がっていた。
もしも防げなければ、逃げられなければ、あの中にいた。
ふと、一人みんなと離れた場所にいる暁美と目が合った。
小巻「……」
それからすぐ、あたしたちが無事だとわかったからか、再び目を逸らして魔女を追いに走り去ってしまった。
助けてくれるつもりはあったんだろうか? 離れている上考えが読めなくてどうにも連携が取りづらい。
小糸「みんな、怪我はない!?」
キリカ「へーきへーき、私は先にちがうとこ移ってたし。あのビルはあの有様だけど……」
小糸「あのビルからは逃げることはできたけど、みんな無傷じゃないでしょ。この暴風に混じって飛んできたもののせいで少なからず怪我してる。一旦体勢を建て直さないと」
小巻「そうね。この戦い……長引けば長引くほど不利になるわ」
随分と遠くにいってしまった魔女を睨みつける。長く戦えばきっと、防御や回復のほうが重要になるんだろう。
ワルプルギスの攻撃は生半可なものじゃないのはわかったし、なにより環境まで味方しすぎてる。
できるだけ早くに決着に持ち込みたい。けど、そのための魔力がなくなったらそれこそ終わる。
ここは回復の得意な小糸に甘えることにした。体勢を整えてから再び戦うことにした。
小巻 魔力[80/100] 状態:正常
GS:2個
・[90/100]
・[100/100]
◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]
仲間:
小糸 状態:正常
マミ 状態:正常
キリカ 状態:正常
ほむら 状態:正常
杏子 状態:正常
ゆま 状態:正常
敵:ワルプルギスの夜
1破壊的斬撃 :近接武器戦闘・斧(魔力-0)まともにヒットすれば必殺技レベルの威力を誇る
2両斧斬撃 :近接武器戦闘・両斧(魔力-5/1ターン)単純に手数を二倍にする。相当なパワーが必要になるため、長くは使えない。
3投刃(魔力-5) :遠心力をつけて武器をぶん投げる。繰り出すのと武器再装備には時間がかかる。
4ガード(魔力-3〜5/1ターン) :攻撃に対処するための盾。格闘中の判定結果によって自動使用する
5バリアバインド(魔力-40) :敵をバリアに閉じ込める。…頑張れば足止めできなくもない?
・自分の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
・他人の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
6仲間にテレパシー【安価内容】
下2レス
883 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/02/05(土) 22:17:03.04 ID:8FOu+dwK0
5+6
自分がバリアで閉じ込めてみるけど魔力消費が大きい、一度試すから有効だったらGS少し余裕がある人は都合してと頼む。
884 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/05(土) 22:33:43.13 ID:4Ge03jXAO
↑
GSがないのがつらいな
885 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/05(土) 23:44:59.36 ID:2NzE8kp+0
杏子(引き剥がされないように追ってはいるけど、それが精一杯だ。ぜんっぜん攻撃を浴びせてやれてねぇ)
――――小巻よりも先を行っていた仲間たちはまだ地道に攻撃を続けていた。
とはいえちょっとやそっとでは動きを止めさせることすらできない。一度足を止めて技を繰り出せばむしろこちらの隙を生む。
足を止めずに攻撃できるマミの銃撃も効果が出ているとは思いづらかった。
走り続けているだけでも体力は消耗してしまう。
マミ「闇雲に攻撃を続けていても持たないわ。私もそれほど余裕があるわけじゃない…… 大きい攻撃を確実に当てていきましょう」
マミ「相手は宙にいる。浮いているということはどこにも支えがないということよ。その衝撃は間違いなく受けているのだから」
マミは上空に大砲を作ると、魔女の脚部にあたる部位――上を向いた歯車目掛けて魔力を放つ。
ワルプルギスを空から地面へと墜とす攻撃だ。この判断は、その巨体の叩きつけられる先にあった街並みがすでに魔女によって荒れ果てさせられていたからできた判断でもあった。
マミ「攻撃の隙を生むことくらいは出来たはずよ」
そう言って、杏子に目配せをした。
杏子「そうだな。じゃあいくぞっ!」
ゆま「うん!」
杏子は多節に分けて伸ばしていた槍の柄をもとに戻すと、飛び上がって勢いをつけ、狙った一点目掛けて魔力をほとばしらせた刃を打ち込んだ。
続いて、別の角度からはゆまも追撃をし掛ける。
ゆまの武器はハンマー――打撃でありながら、離れた場所にもその威力を及ばせることができる。
だが、その威力を十分に活かすなら相手に直接打ち込むのが一番だ。
ほむら「……」
その後に響いた爆発のような音。魔女を追っている時も他とペースを合わせることはなかったが、暁美ほむらは神出鬼没にどこからか現れて目にも止まらぬ攻撃をしていた。
戦ったことのあるマミにはその絡繰はわかっていた。時間を止めて爆弾か兵器でも撃ち込んだのだろう。
886 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/06(日) 00:29:33.72 ID:Ga/W2aP30
全員が全員、非の打ち所のないほどの必殺技を放ったはずだった。
しかし、魔女はただのひとかけすら傷ついてはいない。動きは止められても、ダメージを負うほどの有効打にはなっていなかったのだ。
であれば、このままやられ続けているわけもなかった。
マミ「せめてもうちょっとくらい……足止めできていればいいのだけど」
そもそも、まだ全員が追いつけていない。
小巻「そうね」
あたしも、やっと追いつけた。マミたちが足止めしてくれてたからだ。
このチャンスを逃すわけにはいかない。
小巻「あたしがやる! 何をするつもりか知らないけどまだ大人しくしててもらうわ!」
ワルプルギスの周囲にバリアを張る。さすがにこの質量を覆い尽くすのは、今までのどの魔女とも比べ物にならない。
それよりも恐ろしいのは、奴が大きいだけじゃなくどの魔女よりも絶大な威力を持った災害を生み出すところだ。
魔女の口から吹き付けられた炎は誰にも届かず遮られた。にも関わらず魔女は笑ってる。
次の瞬間には多方面に放射された闇色のエネルギーがバリアに罅を作っていて、そこから無数に生み出された使い魔たちの攻撃で自然と砕け散らされようとしていた。
でも、そんなのはいい。こっちから攻撃するにはどうせ壊さなくちゃいけないんだから。
小巻「悪いけど誰か使い魔相手してっ! あたしはコイツに一発入れてやらないと気が済まないから!」
バリアが破られると同時に、斧を両手で構えて突進する。
使い魔はマミが対処してくれているようだ。それと暁美も。飛び出して出てきたそばから見事に迎撃してくれている。
これだけ戦力が集まっていれば、本当にやれそうだ。
一発、重い一撃を叩き込んだ後にもう一度斧を振るおうとして、また不気味な笑い声を聞いた。何か仕掛けてくるつもりなのか。
キリカ「今ここで逃しちゃいけない! なんとかしてみんなで隙を作るんだ!」
マミ「ええ!」
887 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/06(日) 00:32:50.17 ID:+YraBRzCO
一応足止めにはなったのか?
888 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/06(日) 00:36:13.44 ID:Ga/W2aP30
--------------------------
今回更新はここまで。
次回は6日(日)18時くらいからの予定
889 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/06(日) 00:41:23.22 ID:+YraBRzCO
乙
890 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/06(日) 19:09:30.52 ID:Ga/W2aP30
そう言ったキリカを筆頭に、あたし以外にも足止めや防御に使える手段は持っている人はいくらかいた。
上空を無軌道に移動するワルプルギスを追っていた時には発揮できなかったキリカの魔法も、すでに追いついて地面に磔にした今なら使える。
そして、感じたのは風圧。あの捥ぎ取られたビルが迫ってきた時に似た、それよりも“直接的”に肌に感じる暴力的なまでの気流の動き。
それがワルプルギスの夜から湧き起ころうとしている。
小巻(コイツ、あたしたちを吹き飛ばして無理にでも距離を取る気……!)
一点だけを狙ってくる炎とは違う。わかっている『だけ』じゃ対処はできない。
小巻(いや、さっきまでの態度見てればそれは思い上がりか。コイツもやりたいようにしてるだけ)
しかしその動作に災害級の威力が伴う。
強力な浮力を纏って再び宙へ浮かび上がろうとする魔女を、今度は細かく編み込むように張られたリボンが障壁となって押さえ込んだ。
こっちも極めて強引な方法で、魔女から生み出される浮力を無に留めた。
それならやることはひとつ。今のうちにまた地面に押しつける。今度こそ迷いなく全力で斧を振るった。
……あたしじゃ今回はこうはできなかった。攻撃の後、一旦グリーフシードを取り出して魔力を補充する。
この規模のバリアとなると、一人じゃ連続して張るには消耗が激しすぎるから。
杏子「そうだ、お前はまだ寝てろっ!」
みんなの猛攻はまだ続いた。文字通り袋叩きってやつだ。ただし、魔女のほうもこれで起き上がることを諦めたってわけじゃなかった。
鎖状に連ねて作られた赤い障壁が風を防ぐ。
杏子が生み出したものだった。
ゆま「えいっ!」
それからゆまが武器を振りかぶって叩きつける。
上から下へ、再び地面まで押し付ける衝撃波が響く。
この一方的な状態を実現できたのは、絶対に逃さないというみんなの執念の結果といってもよかった。
しかし――いくらみんなの力を集めたとしても、どうしようもできない『切れ目』はきてしまう。
891 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/06(日) 20:44:01.89 ID:Ga/W2aP30
風や炎からの防御、沸いてくる使い魔の対処、そして攻撃。こんだけ全力で動くんだから、合間に肉体の疲労も治さなきゃやってられない。
一人じゃ出来ないけど、みんなで力を出し合って出来た。
そして、その全てに必要なのは魔力。
――――その底が見え始めたときに、自然と執念も崩れ始めた。
マミ「!」
キリカ「わぁっ」
小巻「っ……!」
ワルプルギスの夜を逃した。あれだけ続けていた猛攻でも、相手はまだ傷一つついてない。あたしたちの魔力がなくなるほうが早かった。
瞬間、滲むのは後悔。結局グリーフシードが必要だった。
いや、そんなこと今は考えてる場合じゃない。身体が浮く感覚に、咄嗟に自分を包むだけのバリアを張る。
小巻(痛……くはないけど、かなり離された)
後ろは瓦礫。バリアのおかげで叩きつけられた衝撃はない。
見上げると、ワルプルギスは再び宙にいた。
最初は不気味に笑いながら、あたしたちの攻撃なんてじゃれてるくらいあしらってたワルプルギスの夜も、
これだけ長いこと意に反して押さえつけられれば当然――怒っていたんだろう。あたしにはそう見えた。
小巻「小糸…… みんなはっ!」
周囲を見回す。あの時、バリアを張れたのは自分一人だった。
他を守ることはできなかった。そんな思いを感じ取ったのか、返ってきたのは誰かの悪態だった。
杏子「別にアンタに守ってもらわなくても、自分でなんとかするっての」
生意気な声だ。目を向ければ、やっぱり杏子がいた。
892 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/02/06(日) 20:54:43.48 ID:Z0JO8u1I0
うーん、やっぱりキツいみたいですね・・・
893 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/06(日) 21:44:53.37 ID:Ga/W2aP30
小巻「まあ、そうね。みんなあたしが思ってたより強かった。杏子もゆまもキリカも、魔法であそこまでできるって知らなかったし」
杏子「つーか、アンタ……」
小巻「何よ?」
杏子「別に? 名前のほうがあたしもしっくりくるし、いいんじゃない?」
最初は絶対気に入らないタイプの人だって思ってたけど、
コイツのことよく知ってみたら、いつまでも線引きして他人行儀に呼ぶのもバカバカしくなってた。
そんな理由をひっくるめて、“なんとなく”呼び方を変えたってとこだった。
小巻「これでも、認めた相手しか名前で呼ばないのよ」
小糸「お姉ちゃんよく言えた! 言わなかったら私から解説しようと思ってたもん」
後ろのほうから小糸の声が聞こえてきた。
ひとまず小糸も無事らしい。そう思うと安堵した。
小巻「何様よ、アンタは」
そんなやりとりを見て、杏子は一瞬、穏やかな笑みを浮かべる。
しかし、のんきにしている場合でもなかった。敵はまだ宙にいる。それにまだみんな見つかってない。
杏子「それより、おい! あれ」
小糸「え?」
小巻「暁美……?」
……まるで瓦礫の一部。埋もれてたから気づかなかった。
思えば、こいつの魔法って正確にはなんだったんだろう? こいつこそ誰に守られなくとも自分でなんとかしそうなもんなのに。
894 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/06(日) 22:15:53.80 ID:cs+Kr2j3O
砂が落ちきったのか?
895 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/06(日) 23:33:51.88 ID:Ga/W2aP30
小巻「……冗談じゃないわよ。笑い話にもならないのよ」
小糸「今出すよ! それに怪我を……!」
小糸が駆け寄ろうとする。すると暁美は、すでに死んでるみたいな青白い顔色でそれを止める。
ほむら「私のことはほっといて」
小巻「この期に及んで! そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!」
ほむら「見て。そんな暇ない」
それは焦ったような声色だった。再び上を見上げる。いや、周囲の様子からしても異変があった。
暁美が見たものは――今まで見てきたものとは比べ物にならない速度でワルプルギスの夜が駆け抜けていくところだった。
一帯に吹く風が強さを増し、離れているにも関わらず、思わず身構えるほどの余波に吹き付けられた。
ただの余波でこの威力。ワルプルギスが通った後の地上は一瞬で破壊しつくされ、数え切れない数の使い魔が生まれていった。
小巻「嘘でしょ? まだあんな力を!」
杏子「いや、そうじゃねえ」
今までが手加減しすぎてた。怒らせて、遊ぶことをやめた。『少しだけ』本気を出した。
そういうことだって、言いたいんだろう。
ほむら「私はもう魔法が使えない。あなたたちだってそんなに残りはないんでしょう?」
小巻「魔法が、使えない?」
単純に魔力が足りないのか、それ以外に意味があるのか。
896 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/06(日) 23:47:15.24 ID:Ga/W2aP30
長く語っている時間はない。
小糸「ど、どうするの!?」
杏子「あたしもマミから聞いてる。今にも死にそーなツラしてるけど…… 簡単には死なないんだろ。ほっとくしかない」
小巻「とりあえず、こいつらを片付けないことには安心もできないものね」
迫ってくる使い魔の群れに向けて武器を構える。
杏子だってここにいない人のことは気にしてるだろう。いつも一緒にいるゆまがいないんだから。
けれど今仲間を探してる場合でもない。使い魔を倒すと同時に、上空の魔女の動きまで気にかけないといけない。
あんな攻撃がもし直撃したら、ソウルジェムのことがあるから死なないまでも、一瞬で戦える状態じゃなくなる。
いつのまにかあたしたちは、ワルプルギスの夜を追う側でなく、追われる側になっていた。
小巻 魔力[80/100] 状態:正常
GS:1個
・[0/100]
・[100/100]
◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]
仲間:
小糸 状態:正常
マミ 状態:-
キリカ 状態:-
ほむら 状態:行動不能
杏子 状態:正常
ゆま 状態:-
敵:ワルプルギスの夜
ワルプルギスの夜の使い魔 <- 攻撃対象
1破壊的斬撃 :近接武器戦闘・斧(魔力-0)まともにヒットすれば必殺技レベルの威力を誇る
2両斧斬撃 :近接武器戦闘・両斧(魔力-5/1ターン)単純に手数を二倍にする。相当なパワーが必要になるため、長くは使えない。
3投刃(魔力-5) :遠心力をつけて武器をぶん投げる。繰り出すのと武器再装備には時間がかかる。
4ガード(魔力-3〜5/1ターン) :攻撃に対処するための盾。格闘中の判定結果によって自動使用する
5バリアバインド(魔力-10) :敵をバリアに閉じ込める。
・自分の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
・他人の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
下2レス
897 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/02/06(日) 23:53:05.84 ID:Z0JO8u1I0
魔力消費を抑えたいから1。
898 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/06(日) 23:55:30.42 ID:cs+Kr2j3O
↑
まどかが契約しそうだな、こりゃ
899 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/07(月) 00:25:30.72 ID:b9yVWL5C0
-------------------------
今回更新はここまで
次回は9日(水)20時くらいからの予定
900 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/02/07(月) 00:31:07.96 ID:BIMTqQe90
乙です。
ここからどう巻き返すのか、はたまたBADに近いラストになるのか・・・
901 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/09(水) 21:56:39.74 ID:s2cbsi3n0
1対多の戦いはあたしのスタイルではどうしてもやりづらい。
結局のところ、あたしの場合小細工のいらない攻撃が一番強くて他は補助だ。
そのスタイルは魔女を相手してたさっきまでだったら合ってた。
これがいつもの魔女との戦いだったら無視して魔女のほうを倒す選択肢もとれた。けど、ワルプルギスが相手じゃそうもいかない。
小巻(どれだけいるの……! こいつら……!)
使い魔は影が人のような形をしているかのような姿だが、その攻撃手段も多かった。
素早く飛び込んで打撃をかましてくる個体、遠くから攻撃を飛ばしてくる個体。それが何より厄介だ。
こっちの遠くへの攻撃手段といえば投げることくらいだけど、そんな隙がないのはわかりきってる。思い切って踏み込みにいけば、守りきれず傷がつくこともあった。
小糸「お姉ちゃん!」
そんなときは、妹だけは守り切ると決めて。
小糸「……もうっ、無茶するんだから!」
小巻「ありがと、楽になった。でも、ちょっとくらい無茶でもしなきゃ倒せないわよこんなの」
使い魔を引き裂いた後に、優しい感触が身体を包んだ。
小糸の魔法だ。思えばこの魔法にはもう何度も救ってもらってる。無茶できたのは小糸がいるからってのもあった。
多方向から押し寄せてくる使い魔に小糸と二人でなんとか対抗する。
その一方で、杏子のほうは複数の使い魔に囲まれようと怯まない。
守り、薙ぎ払い、行動を封じ、貫く。それらを一つの武器で、あたしたちが二人でやっていることを一人でこなした。
その戦いぶりを見ればやっぱりベテランなのだと、普段偉そうにしてるのも少しは納得できる気になった。
でもまるで、あたしたちに守られることも拒むかのようにも映った。
902 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/09(水) 23:46:40.25 ID:s2cbsi3n0
都市の跡地で影が踊る。
建物は瓦礫となり、塵となり、吹き飛ばされてやがて『無』になっていく。その上では魔女が踊っている。
あたしたちの街はすっかり魔女たちの舞踏会場にされていた。
小巻(全然減らない……倒すペースと増えるペースがさすがに合ってない)
それでも戦わなきゃ増える一方だ。だが、いつまで経ってもこいつらに阻まれて魔女にたどり着ける気がしなかった。
小巻(ただでさえ追いつくだけでも一苦労だったのに)
背の高い建物がなくなったせいで、私達のいる地面とワルプルギスは更に大きく離されている。
このままじゃジリ貧になる。
――――きっとたどり着いたところで勝てない。魔女に本気であれだけ攻撃してもこの余裕を見せているんだ。
弱音が心の中で漏れそうになった。きっと、疲れてるせいだ。
小巻「こいつらもさ、元は人間だったってわけ?」
小糸「……わかんない。誰かが魔女になったところは見たわけじゃない。でも、無関係じゃ、ない気がする」
このやけに個性のある使い魔といい、魔女から見て取れる感情といい。
杏子「そんなこと言ってる場合じゃないだろ。たとえそうだったとして同情なんてできるか」
小巻「そりゃ、そんなの決まってるわよ」
同情するってわけじゃない。
人が変化した魔女ですらあんだけ話が通じないんだ。
その時、背後から絞り出すような声が聞こえて、現実に引き戻された。
ほむら「もういい。私のことは置いていっていいから」
ほむら「私じゃなくて避難所を……まどかたちを守ってあげて」
ほむら「あっちにはまどかたちがいるの。これ以上進ませてしまったら、私の知り合いだけじゃない――――大勢の命が失われることになる」
903 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/09(水) 23:56:21.82 ID:s2cbsi3n0
--------------------------
今回の更新はここまで
次回は12日(土)20時くらいからの予定
904 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/10(木) 17:25:31.68 ID:nJVV8/LDO
SS速報避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/
905 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/12(土) 21:42:54.69 ID:UomkQyPn0
小巻「なっ、何言って……」
そう言われてやっと魔女の進行方向にあるもののことに考えた至った。このままじゃどうなるのかということも。
正直、迫ってくる使い魔だけでも精一杯だった。
小巻「あっち? みんなはあっちにいるのよね!?」
あっちに避難した市民たちがいる。まどかとさやかがいる。ということは、あたしの家族や友達もいるだろう。
みんな身を守る手段すら持たなければ、そのほとんどは魔女のことすら知らない。あたしたち【魔法少女】が守るべきもの。
それだけはなんとしてでも守らなければいけない、と思って居ても立ってもいられなくなる。
小糸「お姉ちゃん!?」
走り出したあたしに小糸は驚きの声を上げた。杏子は無言でついてきてる。
小巻「行くわよ!」
小糸「えっ、でもっ」
小巻「あたしたちは『魔法少女』だから!」
初めて今、その名をはっきりと口にできた。
自分に無理を強いても。たとえ、仲間に無理を強いることになっても。
使い魔の群れの中を無理矢理に突き進んでいく。出来るだけ早く。傷ついてももう気にしなかった。今だけは。
そうしてその先にあったのは、絶望感溢れる光景だった。
魔女の姿はまだこの地上からは遠い。それでもこの身に感じる威圧感はこれまでの何倍もあった。
906 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/02/12(土) 21:49:48.33 ID:K1tZKABK0
うーん、結界も合体技もまど神様の援護どれもない状態だとやっぱりキツいか・・・
907 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/12(土) 23:13:13.59 ID:UomkQyPn0
杏子「ゆま……」
瓦礫に倒れているゆまの元に杏子がふらりと身を寄せる。
キリカ「ごめん、そうするしかなかったんだよ」
キリカ「私達が傷つくたびに必死に治してくれて、誰よりも魔力を使ってるのに無茶をするから」
杏子が慌てて手持ちのグリーフシードをゆまのソウルジェムにあてがう。あたしたちのほうはまだ余裕があった。
三人はあたしたちよりも先に追いついていた。
遠目で見ても食らったらひとたまりもない攻撃に見えた。それを間近で受けて、やりあって。
そう考えたらこの状況になるのも納得がいった。
マミ「正直、私はみんなに『逃げて』って言いたい。でも……」
この場にいる中でゆまだけが意識がなかったが、身体の損傷だけでみれば二人はそれ以上だった。二人だって相当な無茶をしていた。
たしかに、本来ソウルジェムが壊れない限り死ぬことはないし戦い続けられる。でも、それを知ってるせいで、本当に動けなくなるまで足を止められなかったんだから。
小巻「わかってるわよ。みんなを守る。あたしはそのために来たの。……暁美からも託されてきたし、ね」
マミ「暁美さんは……」
マミも察しはついたみたいだった。置いてきたこと。
今アイツがどうしてるかはわからない。気にかけてる余裕もない。そんなことはやるべきことが終わってからでいい。
908 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/13(日) 00:09:39.33 ID://+wdQQU0
もうここまでくれば、勝ち目のない戦いだってわかってた。
三人で歯が立たなかった相手に、もう三人を加えたからって勝ち目が見えるわけでもない。
それなのに戦いを止めないのは馬鹿みたいだって思われるのかもしれない。
でもきっと、ここがあたしたちの『運命』なのだと思った。もしそれで、守りたいものが破滅を辿ってしまう運命を少しでも変えられたのなら。
――――……なんて、大げさすぎるかしら。
小巻「こっちに気づいたわね魔女! アンタを許すわけにはいかないから!」
ワルプルギスの夜はあたしたちのことを敵として見てる。視界に入る限りは潰す気だろう。
武器を手に駆け回り、憎き姿にただ必死で食らいつこうとする。
回復は最低限に。ここに残っている街並みがなくなったら終わりだ。小細工するほどの余裕だってない。
焦る気持ちはあった。落ち着いていられるわけがない。
たとえ自分が助かっても他のみんなが死んでしまったらそのほうが嫌だって、思ってしまったから。
勝てないと思ってた相手。響かないと思ってた攻撃。
それでもある時、空は晴れていった。
分厚い雲に覆われた景色も見慣れてしまっていたが、明けない夜なんてないのだと、そう言わんばかりに。
小巻「ワルプルギスが……!」
小糸「う、うん! 今のは効いてた! それに崩れてった!」
杏子「倒せた、のか……? 倒せたんだ! やった、あたしたちやっと倒したんだよ!」
ここまで諦めなかったから倒せた。あたしたちの希望が勝った。
でも今のは、『誰の』攻撃で。
そんなことを考えたら、そう単純な話ではなかったことを悟った。あたしたちの背後に立っていたのは――――。
909 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/13(日) 00:43:00.99 ID://+wdQQU0
まどか「……ごめんね。約束は破っちゃった」
守らなければいけない一人だったはずの、まどかだった。
――――――
身体が軋んでいる。瓦礫の重さがのしかかる。
避難所の方角へと向かった仲間の背を眺め、それから周囲に視線を移した。
依然として使い魔は多い。こちらに目が向くのも時間の問題だ。身動きも取れず、負傷して一人残った私は恰好の標的にされるだろう。
ほむら(……みんなのことは信じたい。でも、私が死んだらもう過去にも戻れなくなる)
まどかのことをみんなに任せる思いで行かせた。それなのに矛盾する思いだ。
自分がどれだけもつかということを考えて、いつでも廻せるようにそっと盾に手をかけた。しかし、頭に浮かんだ。
キュゥべえ――インキュベーターに言い当てられたことだ。
繰り返したからまどかの素質は増えた。
魔女になれば世界を滅ぼすほどに力を増し、キュゥべえからもまどかの存在を脅威に思う魔法少女からも狙われやすくなった。
だから自分がこれからのまどかの人生も守りきり、責任を果たさなくてはいけないと決意していた。
ほむら(これ以上繰り返したらまどかはどうなってしまうの……?)
この状況はどうだ。自分のことすら手一杯。
まどかを守るどころじゃなく、ワルプルギスの夜の使い魔に殺されそうになっている。
そんな自分がどうしようもなく情けなくて、心底憎らしいと思った。
憎しみ。諦め。後悔。…………無力。
感情がぐるぐると己の中を駆け巡り手が動かない。使い魔は目の前に迫っているのに。
そんなとき、使い魔が消えて空の光が差し込んだ。沸き起こったのは期待と、『また』やってしまったのではないかという不安だった。
――――――
910 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/02/13(日) 00:45:18.53 ID:QUWUBcL70
まどか、やっぱり契約しちゃったか。
911 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/13(日) 00:49:35.54 ID://+wdQQU0
-----------------------------------------------------------
今回更新はここまで
ワルプルは相性いい仲間+αが何かないと倒すのはきついですね…
次回13日(日)18時くらいからの予定
912 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/02/13(日) 01:15:11.08 ID:QUWUBcL70
乙です。
まどか、まどポみたいにいきなり魔女化しないといいんだけど・・・
913 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/13(日) 04:38:09.92 ID:3oJVuZ2fo
SS速報避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/
914 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2022/02/13(日) 19:06:05.53 ID://+wdQQU0
杏子「お、おい……アンタは契約しちゃダメだろ!? いくらあたしたちが手こずってたにしたって――」
小糸「待って。話を聞いてあげて」
小巻「……小糸?」
あれだけまどかが契約すればどうなるかって聞かされて、みんな焦ってる中で小糸は落ち着いてた。
まるで予測してたみたいに。
まどかが小さくうなずいて話はじめる。
まどか「わたしね、自分にも出来ることがあるんじゃないかって考えてみたんだ。魔法少女のことを聞いて、わたし自身のことも聞いて」
まどか「魔法少女は魔女になる。でも、それは絶対じゃないでしょ?」
まどか「みんながまだこうして生きて、普通の人と変わらずに笑ったり怒ったりして……そして、わたしたちのために戦ってくれてたみたいに」
口を挟みたくなる気持ちを今だけは抑えて耳を傾けた。
魔法少女が魔女になるのは『絶対』じゃない。暁美の家に集まって話した時、そう言ったのは確かにあたしだった。
まどか「やっぱりみんなを見捨てられないの。わたしが助かっても、そのせいでみんなが死ぬのは絶対にいや」
まどか「本当は、わたしの知ってる人だけじゃなくて、キュゥべえと契約した魔法少女全員。今いる魔法少女も、過去に契約した人も、これから契約する人も」
まどか「全員を助けてあげたい。希望を願った魔法少女が裏切られることが運命なんて、そんなことあっちゃいけないことでしょ?」
まどかは真剣な表情であたしたちに問いかける。
あたしもそう思っていた。
まどか「……でも、わたしにはそこまでの素質はないんだって。昨日のうちにキュゥべえと話したの」
まどか「決まりきったことを変えたいと願うことは傲慢なことだって、キュゥべえが言ってた」
まどか「だから、本当にごめん。こんなことしかできなくて」
915 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/13(日) 19:49:45.29 ID:FJpN7IBg0
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