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【まどマギ】小巻「見滝原中に転入したわ」【安価あり】
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497 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/24(金) 00:43:18.08 ID:4rBbK3G+0
---------------------------------------------------------------
単純な答えになりますが、沙々が身体の真実を知らないからですね
事件になることはどうでもいいと思ってるので適当に目につかなさそうなところに捨てました
別編でもキリカを倒したと思ったまま放置でしたし…あんなかんじです
498 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/25(土) 17:51:11.05 ID:dxam8/qR0
>>497
なるほど、そういう事でしたか。
沙々は死んだはずの小巻が現れたらどんな顔するのやら。
499 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/25(土) 19:01:40.29 ID:BYuvvzXY0
――――――
――――――
その頃、優木沙々は冷や汗を浮かべていた。
沙々(…………――どうしてこうなった)
自身の操る魔女の結界の中で。
沙々(織莉子が味方についてから状況はよくなった! 何が目的かは知らないけど、アイツの力は役に立ったし望んだことは全部うまくいった!)
沙々(あのブルジョアみてーな屋敷も隠れ家としては気に入ってた。……用済みになったら適当に奪っちまおうかなって思ってたくらいには)
ただし、その時はこないだろうとも思っていた。
魔法少女の味方なんて考えたこともなかったけど、織莉子はそのくらい、沙々にとっては都合が良かった。
この先立ちはだかるものがなくなろうとも、傍に置いといて損はない存在――くらいには信頼してた。洗脳魔法があるから、というのも理由にはあるのだが。
沙々(そうだ。風見野にはもう『敵』はいなかったはずだったんだ)
嫌われることはどうでもいい。
『憎まれっ子世にはばかる』なんて言葉もあるくらいだ。誰に嫌われようと憎まれようとやりたいようにやったもん勝ちなんだ。
どうせ手出しできないんだから――。
沙々(なのに、なぜ……)
結界の最奥にある扉が強引に破られる音が響く。
杏子「観念しろっ、テメー! 逃げ続けられると思うなよ!」
ゆま「おいつめたよ!」
自分と同類だと思っていた風見野の魔法少女。そして、手出し出来ないはずの。
キリカ「ついに会えたね?」
小糸「この人が優木沙々……!」
沙々(なぜ、こうなった――――!!)
――――――
500 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/25(土) 19:43:30.68 ID:BYuvvzXY0
――――――
マミ「……!?」
示された場所へ向かう途中、マミがどこかハッとしたように足を止める。
小巻「何っ? どうかしたの?」
織莉子「……マミさん、具合でも?」
マミ「い、いえ…… 私は何も…………」
そんなマミを二人で覗きこむ。
すると、マミはその視線を振り切るように再び強く否定してみせた。
マミ「な、なんでもないのよ! そんなことより、ほら、今は急がないと……!」
戸惑ったけれど、みんなはもう戦ってるかもしれない。
急いだほうがいいのはそのとおりだ。
――――……あたしたちが着いた頃には、すでに優木は追い詰められた後だった。
結界は消え、ヌンチャクのように分かれた槍の柄でぐるぐる巻きに捕らえられ、みんなから囲まれるようにして武器を突きつけられている。
ここまでされては反撃の機会もないだろう。しかし、優木は予想外とでもいったような顔をしていた。
沙々「……な、なんのつもりですかね? これは。これから拷問でもするつもりなんですか?」
杏子「望むならそうしてやってもいいけど?」
沙々「そそんなことはひとことも! ……冗談ですよう冗談! 謝れば許してくれるなら謝りますって! ね? ホント悪かったですからぁ〜もう魔女育てたりしません〜」
501 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/25(土) 20:10:23.64 ID:BYuvvzXY0
なんか調子のいいことをほざいてた。
謝れば許す気があってみんながこうしているとでも思ったらしい。
小巻「今更そんなことよく言うわね! 許されると思ってるの!? 大勢の命をうばっておいて!」
小巻「それにね、あたしだってアンタに二度も大迷惑かけられて死にかけたんだから!」
小巻「ああそうね、あたしからも一発は殴んないと気がすまないわ! このままみんなに倒されたからめでたしじゃあたしの気がおさまらないわよ!」
沙々「きゃああぁっ」
拘束されたままの優木にずかずかと近寄ると、とりあえず二発ぶん殴っといた。
気の抜けるような媚びた悲鳴があがったが、まったく心は痛まなかった。
杏子「あたしは魔女のことはどうでもいいんだよ。どんだけ犠牲が出ようが知らないし、責めるつもりもない。小巻のこともあたしには関係ない」
沙々「じゃあどうして……?」
杏子「なんでゆまを契約させようとした。“織莉子”を使って」
佐倉が詰め寄る。しかし優木はそれに言葉を返す前に、あたしの後ろにいる存在を見た。……美国のほうを。
沙々「あ、あ……!? 織莉子さん! 助けてください! こいつらを殺せええええええええええ!!!」
杏子「!?」
全員が身構えた。やっぱり連れてくるのは間違いだったのかもしれない。
美国のほうにも警戒が移る。しかし、美国が動くことはなかった。
織莉子「……残念、もう魔法は解けているみたいね」
みんなの隣で、美国も優木に向けて手をかざした。
502 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/25(土) 20:41:50.64 ID:dxam8/qR0
うーむ、ここでみんなを油断させておいて裏切るのか?
それとも沙々を口封じするかな?
503 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/25(土) 21:08:05.01 ID:BYuvvzXY0
沙々「テッ……――メェェェェェ! よくも! よくも!!」
沙々「お前のせいなんだろ! 織莉子おおおぉぉ! お前がしくじったから……!!」
優木は美国に向けて呪詛を吐き出す。
織莉子「何を言っているの……?」
小巻「相手にしちゃダメよ。駒を上手く操れなかった責任を押し付けようとしてんでしょ」
沙々「違う! 私は最初から織莉子に洗脳なんてしてない!」
小巻「この前と言ってることが違うわよ」
沙々「それも織莉子の作戦だったんだ! そうすれば浅古小巻を簡単に殺せるって!」
小巻「……」
沙々「契約……、誰か契約したんだな? 知らないヤツが増えてる。願いで生き返らせたんだろ? あの時は確実に心臓を破って殺してた」
沙々「結局作戦は失敗だった……織莉子は約立たずだ」
言ってることが支離滅裂で呆れ返った。こいつ、どうしても全部美国のせいにでもしたいってこと?
優木が卑劣なヤツだということはみんなよく知ってる。耳を貸す人はいなかった。
それに、小糸はキュゥべえからあたしが『大怪我』を負ったことを聞いて契約したと言っていた。
……やっぱり支離滅裂だ。路地裏でキリカが発見した時のことも覚えてる。死んでる人間が一瞬でも目を覚ますはずがないんだから。
杏子「もうどっちでもいいから答えろ! なんでゆまを契約させた!?」
沙々「知るか! 知ってたとしてもお前にゃ教えねえよ!」
杏子「そうかよ。……じゃあ死ね」
佐倉は問い詰めても答えを得られないと判断したのか、優木に深々と槍を突き刺した。
――――……こうして思っていたよりあっさりと、すっきりとしない後味を残しつつ、見滝原と風見野を騒がせていた事件は幕を閉じたのだった。
504 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/25(土) 21:17:25.23 ID:dxam8/qR0
織莉子は洗脳されてたフリをして沙々を口風じか。
あ、これ小巻と一緒でSG壊してないから死んでない?まぁ、沙々本人が『死んだ』と思ってたらそのままなんだけど・・・
さっきマミが何か気づいたのは織莉子以外で魔法少女の真実を知ってるから、下手したらここで魔女化の事実が暴露されると考えたからかな?
505 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/25(土) 22:05:41.23 ID:BYuvvzXY0
向けていた武器を下ろし、優木に目を向ける人、そらす人。
まだ周りを囲んだままそれぞれの反応を返していた。
あたしは覚悟してた。多分、みんなもそうだと思う。もはや優木は魔法少女以外には裁けない存在だったから。
でも、契約したばっかりの小糸とかゆまとかにまで、いきなりこんな光景を見せたくはなかったとも思う。
マミ「……この後どうするの?」
小巻「このままにしといてあげましょうよ。死んだ後くらい、誰かに気づいてもらえたっていいんじゃないの」
キリカ「優木にやられた人は行方不明だったのに。恵まれてるね」
小巻「魔女にだって食べるものくらい選ぶ権利あるでしょ。コイツと同じことはしたくもない」
杏子「あたしはなんでもいい」
佐倉は機嫌が悪そうだった。優木から聞きたいことを聞けなかったからだろう。
それから、美国をほうを見た。
小糸「美国さんを疑ってるの……? さっきの話を聞いたから?」
杏子「いや。でもあたしは信じてもいないからな」
織莉子「……それは仕方ありませんわ。初対面ですもの」
ゆま「キョーコ……」
佐倉はまだ美国のことを睨めつけている。
対して、美国は……優木のことを睨んでいるかのように見えた。 睨む? いつも何言われてもふわふわと澄ましてる美国が?
小巻「はい、やめやめ! もう帰りましょ! こんなとこにずっといたら気分悪くなるわ!」
マミ「……ええ」
織莉子「……」
506 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/25(土) 22:20:12.43 ID:dxam8/qR0
この織莉子がいつも通り(?)の織莉子なら、沙々の事を使えなかった駒として怒りを感じてるのかな?
あと小巻もいい加減織莉子を疑ったほうが良いと思うぞ。
507 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/25(土) 22:49:34.14 ID:BYuvvzXY0
――――――
――――――
――――みんなが日常へと帰っていった、かのように見えた後のことだった。
人目にもつかず、誰もいなくなったその場所に再び一人の影が訪れていた。
織莉子「わかっていたの。貴女も小さい時から私とお父様の周りにいた人たちとよく似てるって」
濁った宝石がかかとで踏み潰される。
小さな破片が床に散らばった。
織莉子「上辺だけの好意に、手のひらを返したような悪意」
織莉子「だからこそ私も『私』でいられた。上辺でも悪くはない付き合いだったわよ。でもね」
破片の上にもう一度強く踏み降ろした。
織莉子「…………貴女のほうが役立たずよ、優木沙々」
織莉子「願いで生き返らせたと言ってたけれど……違う。魂を残さなければ『万が一』の事態は起きなかったのに」
ジリ、と音を立てて破片が更に小さくなっていく。
織莉子「本気で私を駒にした気でいたの? 私が【“操らなければ”指示を出さなければ】何もできなかった駒のくせに」
結局のところ、『洗脳の魔法』すらもただの道具でしかない。
使い手が真に操る側とは限らない。
織莉子が優木との『別れ』を済ませた頃、もう一つの影がここに向かっていた。
マミ(あの時『見た』と思っていたもの…… あれは違う。あんなことはなかった。でも、だったらどうして……)
マミ(あの後キュゥべえと話した記憶は嘘じゃない。あのことは本当だっていうの)
マミ(偽の記憶を植え付ける魔法。あれは優木さんの魔法だわ。でも、優木さんはソウルジェムのことを知らないようだった)
508 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/25(土) 23:06:46.92 ID:dxam8/qR0
ああ、やっぱり織莉子は織莉子だったか。
万が一が起きたことで織莉子の予知はあすみ編の時みたいにガバガバだよなぁ・・・
マミもおそらく織莉子が魔女化のことを話した時、洗脳されてなかったと気づいたっぽいね。
509 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/09/25(土) 23:14:04.32 ID:HJoCQMrGO
織莉子ってやっぱり馬鹿だよなぁ
万が一が起こりうるなら自分で最後までやりゃあいいのに他人が失敗したらそいつのせいとか小物すぎる
世界を救うためとかいいながら予知に振り回されてるピエロじゃん
510 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/25(土) 23:34:30.76 ID:BYuvvzXY0
マミ「美国……さん」
織莉子「あら、ごきげんよう」
その場に現れたマミを、織莉子は物腰柔らかく迎え入れた。
しかし、そんな上品な挨拶も優雅とは思えないほどにその背景は生々しい。足元に散らばった破片も相まって、マミは何かを確信する。
マミ「やっぱり、美国さんは知っていたのね」
織莉子「少し後始末をしようと思って。……『万が一』のことがあっては困るものね」
マミ「じゃあ、優木さんの言ってたことは…………」
織莉子「本当よ」
マミ「……そうだったのね」
マミは衝撃を受けたものの、そう静かに答えていた。
心の中で処理できないことが多すぎて、怒ることにも悲しむことにももう疲れてしまっていた。
マミ「じゃあ、美国さんは私に何を伝えたかったの?」
マミ「優木さんに『ソウルジェムが魂で、そこから魔女が生まれるのをこの目で見た』という偽の記憶を植え付けさせる……なんて遠回しな方法を取ってまで」
織莉子「そこまでわかっているのね。それなら話が早いわ」
マミ「……やっぱり何かあるのね?」
織莉子「私の目的について、聞いてほしいの。ソウルジェムの真実はそれを理解するために必要だった」
織莉子「当然、グリーフシードなんかじゃないわよ。真実を知った貴女にはその重要性もわかるでしょうけど、それは手段であって目的ではない」
織莉子「マミさん、私の力になるって言ってくれたわよね」
織莉子が精神的に追い詰められていた時のこと。
織莉子がマミを『協力者にしたい』と思い始めたのはその時からだった。
織莉子「今度こそ……―――― 貴女とはきっと、今以上にいい関係になれると思うの」
―24日目終了―
小巻 魔力[100/100] 状態:正常
GS:0個
◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]
511 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/25(土) 23:39:03.58 ID:BYuvvzXY0
----------------
今回更新はここまで
織莉子さんはまあ、ストレスが溜まってるんですよ…八つ当たり出来る相手もいないし繕わなきゃいけない場面が多くって
次回は26日(日)18時くらいからの予定
512 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/25(土) 23:45:04.61 ID:dxam8/qR0
乙です。
結局織莉子は自分の考えに賛同してくれるイエスマンが側に居てほしいだけなんですよね。
ストレスが溜まってるとはいえ視野狭窄におちいってるだけなんだよなぁ・・・
小巻もめんどくさい性格とはいえ、ちゃんと織莉子に手を差し伸べたのにその手を取らなかったわけで。
あすみがこき下ろすのもわかるよ、ほんと。
513 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/09/25(土) 23:53:10.24 ID:HJoCQMrGO
乙
またマミは織莉子の駒になるのか
2人とも寂しがりやの癖に虚勢を張るからある意味似た者同士か?
514 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/26(日) 21:25:33.54 ID:q8Fp/QRZ0
――――――
25日目
「浅古さん、退院おめでとう!」
「小巻! 色々大変だったって聞いたよ! でもなんともなくてよかったー」
教室に入るとクラスメイトから次々に声をかけられた。
行方不明とか入院とか、そこそこ話題にもなってたようだ。
歓迎も落ちついてHRがはじまるのを待っていると、昨日のことを思い出す。
ずっとみんなで追っていて、あたしにとっても因縁の相手だった優木をついに倒せたこと。
でも、それよりも――あの時解散する間際に見た美国の表情がどこか胸に引っかかっていた。
昼休みになると、久しぶりに丸々自由な時間になる。
最近はマミたちと集まったり、放課後も優木への対策として固まってパトロールするようになっていた。
風見野の魔法少女――佐倉たちと団結出来てたのも優木のことがあったからだ。解決した今、これからどうするのか。
小巻(そういえば、暁美にも昨日のことは一応メールとしいたほうがいいのかしら……)
携帯を取り出して少し悩んだ。返信は一度も返ってきたことはないし、あの件のことでは関わりもしなかった。
興味がないってのは言ってたし、わざわざ手間を掛けてやる必要なんてあるんだろうかと思ってしまう。
小巻(いいわ、一度は話してたんだから解決したってことくらいは送ってやる。でも向こうがあんな態度ならこっちも一言だけで済ませるわよ!)
結局、『優木のことは解決した』とそれだけの文章を送った。これに対してもどうせ何も返ってこないんだろう。
515 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/26(日) 22:26:14.75 ID:mEFmsa7x0
久しぶりにクーほむの出番あるかな?
516 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/26(日) 22:52:14.24 ID:q8Fp/QRZ0
ヤケクソ気味にメールを送ってから、これからのことを考える。
もう固まってパトロールする必要はない。とはいってもやっぱり小糸のことは気になった。
あたしが契約して、特に学校が離れてからは放課後に一緒に何かをすることってほとんどなくなってた。
パトロールなんかでも、誘ってあげたらよろこぶだろうか。
……でも同時に、ふいに『変身したところが見たい!』なんて言ってた姿も浮かんできた。
昨日はみんないたから仕方なかったけど、パトロールするにも魔法少女の衣装で一緒に戦うと思うとちょっと気が重くなる。
小巻(本当、なんであんな格好しなくちゃいけないのかしらね。あれさえなければ迷うことなんてないのに!)
小巻(みんなは今日はどうするのかしら?)
1マミに声をかけにいく
2キリカに声をかけにいく
3小糸をパトロールに誘う
4美国に予定を聞いてみる
5キュゥべえに佐倉たちのことを聞く
6自由安価
下2レス
517 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/26(日) 23:01:41.60 ID:mEFmsa7x0
6
小糸をパトロールに誘う前に昨日一緒だったキリカにも一緒に行かないかと誘う。
あとキュウベェにも小糸の戦い方について助言が欲しいので付いてきてと呼ぶ。
518 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/09/26(日) 23:11:03.97 ID:WQ/TuOBfO
↑
追加でマミも魔女狩りに誘う
あと合同訓練を再提案する
519 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/26(日) 23:40:47.57 ID:q8Fp/QRZ0
ここ最近ずっと一緒に行動してた仲間だ。
気になって、マミのところに声をかけにいってみる。
今日のことを聞いてみると、マミは少し曖昧な口調で答えた。
マミ「私は今日は……」
小巻「何? 用事?」
マミ「そうね。少し」
小巻「わかった。もう変なヤツもいないんだし、都合が合う時でいいわ」
マミの態度はどこかよそよそしく感じる。何か違和感があるような。
小巻「それってさ、なんか嫌な用事なわけ?」
マミ「どうして?」
小巻「なんとなくよ! しいていうなら、元気がなさそうに見えたから」
マミ「そういうわけじゃないわよ。心配かけたならごめんなさいね」
昨日まではどうだっただろう?
その様子は『大丈夫』と言い続ける美国とも被る気がした。
520 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/09/26(日) 23:55:32.61 ID:WQ/TuOBfO
昨日何を聞いたかわからんがマミはまだ動揺中か
521 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/27(月) 00:27:24.34 ID:ZOWYk2gV0
教室に戻ってから、キリカにも声をかけてみる。
キリカ「私はとくに予定ないよ。パトロール……いく?」
こっちはこっちで曖昧な答え方だった。
小巻「なによ、言っておいて乗り気じゃないわけ?」
キリカ「いや、なんかついに優木も倒したし気が抜けたっていうの?」
小巻「そんなこと言ってると魔女にやられるかもしれないわよ。まだまだ魔女は沸いて出るんだから燃え尽きてらんないわよ」
キリカ「それはそうだけどさあ……」
キリカのは単にやる気の問題のようだった。
そんな漠然とした目的じゃ納得しきれないっていうのか。
小巻「じゃあ、小糸のこと一緒に見てよ。今日は小糸も誘うから。昨日は一緒にいたでしょ?」
小巻「……あたしも家族としてはこれでも心配なの。あたしのために契約させることになって。今までは小糸に心配させてたけど、その気持ちも少しわかったっていうか」
キリカ「なりたてだし家族だもんね」
小巻「後輩もいるなら少しはやる気出たりしない?」
キリカ「まあ、少しかな。私も前よりは魔女と戦うの嫌じゃないしさ」
……悩んだけど、小糸も誘うことにした。
渋る理由が衣装のせいってのもよく考えたらバカバカしい。なんか負けた気がする。
――――
――――
522 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/27(月) 00:34:14.61 ID:ZOWYk2gV0
------------------------
ここまで
次回更新は27日(月)20時くらいからの予定
523 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/27(月) 00:37:24.57 ID:Aa/CoeIX0
乙です。
うーん、マミさんはこのまま織莉子の言われるまま協力者になってしまうのか・・・
小巻は織莉子に疑念を持っても核心に至らないとそのまま信じたままみたいですね。
面倒見の良いツンデレってなかなか厄介だなぁ・・・
524 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/27(月) 23:27:04.43 ID:Aa/CoeIX0
今日はもう来ないかな?
525 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/27(月) 23:27:44.82 ID:ZOWYk2gV0
-------------
今日は時間がとれなかった…
次回は29日(水)20時くらいからの予定
526 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/29(水) 20:36:22.95 ID:Q6sH27gI0
放課後、キリカと学校を出て街を歩き始めた。
小糸が白女からこっちに来るまでにはもう少し時間がかかる。その間にも少し回れそうだ。
パトロールの途中に、こんな話を聞いた。
キリカ「マミ、この前からなんかおかしいんだよね。たまに考え込んで上の空になってるっていうか」
小巻「この前から?」
キリカ「ちょうど小巻がいなくなったあたりだったかなぁ。朝うちの教室きた時、泣いてたんじゃないかって目してたし」
この話は今日の違和感とも関係があるはず。
あたしが倒れてた間に何かあったのか。ただ、それが『何か』はキリカにも想像がつかないようだった。
小巻「個人的なこと?」
キリカ「私にはわかんないよ」
小巻「聞き出すしかないわね。余計なお世話かもしれないけど、泣くほどって相当よ」
さっそく明日やることの一つが決まった。
キリカ「……小巻は頼もしいね」
小巻「そう?」
キリカ「普通人と向き合おうとするのは勇気がいるから」
小巻「なによ、人を普通じゃないみたいに」
キリカ「えーっ。そういう意味で言ったんじゃないけど…… いや、うん、そうかもしれない」
小巻「は?」
キリカ「小巻見てると、やっぱ私とは違うなって思うとこあるから。私はそんなに強くなれないし」
下1レスコンマ判定 1/3
0~20 使い魔
21~40 魔女
527 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/29(水) 21:09:37.29 ID:lGKTDBB+0
ほいさ!
528 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/29(水) 21:50:31.27 ID:Q6sH27gI0
小巻(強い、ね……)
そう言われるのがあたしからすればよくわかんない。
あたしはあたしのやりたいようにやってきた。ただそれだけだった。
小巻「魔女がいるわよ」
キリカ「魔力は足りてる? 優木に襲われてあんなことになって……」
小巻「そういえば……」
指輪を具現する。今まで特に気にかけてなかった。
てのひらの上の宝石は曇りひとつなく、綺麗なままだった。――あれ? でも戦ってたはずなのに。
ポケットに入れてたグリーフシードはくすねられたみたいだけど。
小巻「戦う分はある、わね」
キリカ「綺麗だね」
誰かが浄化してくれた?
小巻「よくわかんないけど、汚いよりはマシね。行きましょう」
529 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/29(水) 22:00:35.24 ID:Q6sH27gI0
―落書きの魔女結界
小巻「この結界は……」
小さくてすばしっこくて、ちょこまかと動く使い魔。
コイツは見覚えがあった。どちらかというと嫌なほうの意味でだ。
その奥には、子供の落書きみたいな使い魔を生み出している魔女本体がいた。
小巻「もーっ、こいつらうっとうしいのよ!」
キリカ「でもその盾のおかげで助かってるよ」
小巻「とっとと魔女をシメて終わりにしたいわね」
道中は飛んできた攻撃を弾いたりとか、サポート役になりがちだった。
でも魔女との戦いなら、あたしの重い攻撃だって活かせるはず。
小巻 魔力[97/100] 状態:正常
GS:0個
◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]
仲間:
キリカ 状態:正常
敵:魔女Albertine <-攻撃対象A
使い魔Anja×7 <-攻撃対象B
1破壊的斬撃 :近接武器戦闘・斧(魔力-0)まともにヒットすれば必殺技レベルの威力を誇る
2両斧斬撃 :近接武器戦闘・両斧(魔力-5/1ターン)単純に手数を二倍にする。相当なパワーが必要になるため、長くは使えない。
3投刃(魔力-5) :遠心力をつけて武器をぶん投げる。繰り出すのと武器再装備には時間がかかる。
4ガード(魔力-3〜5/1ターン) :攻撃に対処するための盾。格闘中の判定結果によって自動使用する
5バリアバインド(魔力-10) :敵をバリアに閉じ込める
・自分の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
・他人の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
6自由安価
下2レス
530 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/29(水) 22:07:01.45 ID:lGKTDBB+0
使い魔をキリカにまかせて魔女に5+1
531 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/09/29(水) 22:08:26.65 ID:B9gNg2IgO
魔女に1
532 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/29(水) 22:38:49.95 ID:Q6sH27gI0
というわけで、あたしは最初から魔女狙いだ。
小巻「アンタさえ倒せば、終わりよっ!」
力強く斧を握り振りかぶる。――すると、魔女は楽しそうに笑いながら走り出しどこかへ隠れてしまった。
使い魔だけじゃなくて魔女もこうなのか。
小巻「もー!!」
キリカ「ありゃ……まー落ち着いて。牛になるよ?」
*魔女はどこだ。
1片っ端から隠れられそうなものを壊す
2出てくるまで使い魔の一掃に加わる
3キリカにも魔女を狙うのに協力してもらう
下2レス
533 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/09/29(水) 22:44:09.96 ID:B9gNg2IgO
1
534 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/29(水) 22:45:20.59 ID:lGKTDBB+0
3で。
535 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/29(水) 23:26:13.16 ID:Q6sH27gI0
どこかの地面から使い魔が増える。
隠れながらも魔女が描いていたようで、その姿が見つかると魔女は『バレちゃった』とばかりにまた走り出した。
小巻「そこか!」
咄嗟に斧を構えて追うが、すぐに隠れてしまう。残るのは地面の亀裂だけ。
向かってくる使い魔はキリカが切り捨てた。
小巻「アンタもちょっと協力してよ。出てくるタイミングはあるんだから……」
キリカ「……なるほど、そうだね」
速度を遅くする魔法。鬼ごっこには役立つんじゃないか。
それは正解だった。
キリカが集中して魔法をかけ、その隙を狙ってあたしが攻撃する。
小巻「――勝ってやったわね! 魔女にもかくれんぼにも」
キリカ「魔法使ったから正々堂々かはわかんないけどね」
小巻「そんなことはいいのよ! 相手は魔女なんだから」
力を合わせれば相性の悪そうな魔女も思ったより簡単に倒すことができた。
小巻 魔力[97/100] 状態:正常
GS:1個
・落書き[100/100]
◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]
536 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/29(水) 23:43:36.81 ID:Q6sH27gI0
そろそろ待ち合わせの時間も近い。あたしたちは駅へと向かって歩いていた。
キリカ「駅前ついたらちょっとエネルギー補給していい?」
小巻「別にいいけど、アンタのそれは本当に補給なの? エネルギーすでに溢れてない?」
キリカ「なんでそういうこと言うんだ! もうシェアしてあげないぞ!」
小巻「はいはい、悪かったわよ。……まあ一戦したんだしあたしも少しくらい良いわよね」
そんなこんなで、駅前で買い食い。
前だったらこんなふうに適当な場所で食べるってなかっただけど……行儀悪いかしら。
小糸「お姉ちゃん!」
待っていると、小糸があたしを見つけて駆け寄ってきた。
小糸「何か食べてる」
キリカ「小糸もエネルギー補給する?」
小巻「小糸は動く前でしょ。大丈夫?」
小糸「これから動くから!」
――腹ごしらえが終わると、いよいよ三人で歩き始めた。
下1レスコンマ判定 2/3
0~20 使い魔
21~40 魔女
537 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/09/30(木) 00:19:44.24 ID:mbykjm/jO
あ
538 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/30(木) 00:36:30.73 ID:9+t9TvZf0
---------------------
今回更新はここまで
次回は2日(土)20時くらいからの予定
539 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/10/02(土) 19:00:47.34 ID:sHYRF9G10
―委員長の魔女結界
小巻「うわああっ、なにこの結界! もうヤダ! もう本当ヤダ!」
キリカ「同感!」
小糸「こんな結界もあるんだ……!」
小さい路地の隅から気づけば青空の中へ放り出される。
結界に足を踏み入れた途端、眼前には不安定な糸の足場とそこを器用に渡り歩く使い魔たちが広がっていた。
キリカ「むやみに斧振り回して足場切っちゃわないでよ? 落ちたらどうなるかわかんないんだから!」
小巻「それはこっちのセリフよ」
こんな結界ではあたしも重く重心の崩れやすい斧は安易に持てない。
いつもと同じ戦い方はできない。魔女の姿を遠くに捉えつつ、どう責めるか思案する。
小巻「魔女はアレ……か」
小糸「その前に使い魔きてるっ!」
小巻 魔力[97/100] 状態:正常
GS:1個
・落書き[100/100]
◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]
仲間:
キリカ 状態:正常
小糸 状態:正常
敵:魔女Patricia
使い魔Mathieu ×5
使い魔teacher ×3
1逆に足場切れば使い魔も倒せる?
2攻撃は他に任せてサポートに集中
3一か八か遠距離から武器を投げる
4指示を出す(自由安価)
下2レス
540 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/10/02(土) 20:34:39.57 ID:r9q6wVYr0
4
小糸に何が出来るか聞いてまずは使い魔から小糸を守る。
大丈夫そうなら2人にガードを頼んで3
541 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/10/02(土) 20:57:44.41 ID:y91JJv7AO
↑
追加で戦いのあと小糸の能力について本人から詳しく聞いて戦いかたを考える
もしきゅうべぇがいたらきゅうべぇにも感想を聞く
542 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/10/02(土) 21:41:17.21 ID:sHYRF9G10
小巻「小糸、戦える?」
小糸「迫ってくる使い魔だけなら……!」
小巻「わかった、あたしもサポートはするから無理はすんな!」
戦いづらいが、協力すれば防戦だけならなんとかなる。
とはいえ追い詰められたままの状況は勘弁だ。
小巻「……どうにかこっから攻撃を届かせられないかしら」
キリカ「え? どうやって?」
小巻「そりゃもちろん、投げるのよ。外したらどっか変なとこが切れるかもしれないけど……そん時はそん時よっ!」
キリカ「ええええっ」
武器を手にして足元を踏ん張ろうとすると、さらに足場がたわんだ。
地面にいる時と違ってうまく力が入らず、狙いがつけづらい。
小巻「ええい、ままよッ!」
下1レスコンマ1桁
0or1 成功
543 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/10/02(土) 21:47:38.85 ID:ZInXQHwt0
あたれ
544 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/10/02(土) 21:53:54.97 ID:r9q6wVYr0
さすがに5/1はキツいか・・・
545 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/10/02(土) 22:48:54.99 ID:sHYRF9G10
投げた斧は魔女の近くに張られた足場までを使い魔ごとぶち破りながら飛んでいった。
それと同時に、こっちも足元にぐらつきが伝わる。しかし魔女は蜘蛛のような腕を器用に動かし、まだ足場の上を渡っていた。
小糸「うわわっ」
小巻「くっ、ダメか!」
キリカ「もーどーすんのー!」
今ので魔女に近づくための足場をいくつか失った。
まともに伝っていくのがますます難しくなった……かも。
キリカ「普段勉強教えてもらってるんだけどなぁ。クラスの優等生とは思えない脳筋っぷりだよ」
小巻「じゃあ他に考えがあるわけ?」
キリカ「ないけど……」
小巻「下がどうなってるかなんて知らないけど、あたしのバリアがあるんだから、最悪落ちて地面に激突したって怪我はさせないわよ」
小巻「その時には魔女も引きずり落としてやるし」
小糸「ちょっ、本当にこの下に落ちるの? 魔女と一緒に?」
小巻「最終手段よ! この下がどうなってるかはわからないんだから!」
1逆に足場切れば使い魔も倒せる?
2攻撃は他に任せてサポートに集中
3届くまで投げてやる!
4指示を出す(自由安価)
※このスレにおける小糸の設定はあとで安価で決めますが、
使える魔法が回復なのでこの戦況に大きく優位に立てる力は持ち合わせてません
下2レス
546 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/10/03(日) 00:25:14.48 ID:Rjqbyoah0
2+3
斧投げでサポートしながらキリカに前へ出てもらう
547 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/10/03(日) 05:52:26.60 ID:+q67oc3YO
1
548 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/10/05(火) 23:22:11.24 ID:EbvabYZl0
---------------------------
今週は忙しいので更新はお休みさせてください。
日曜は夜なら顔出せるかも。
549 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/10/16(土) 21:51:18.62 ID:nWDpmfLl0
……ただでさえ武器が扱いづらいのにここからってのは無謀だ。
ひとまずは限られた足場を渡ってなんとか近づいていくしかない。最終手段とは言ったけど、できるだけ心臓に悪いことはしたくないし。
しかし、青空の結界に残っているのはあたしたちを囲むかのように張り巡らされた足場ばかり。
考えてるうちにも、糸の上をスケートを滑るようにして自由に走る使い魔たちが迫ってきていた。
小糸「わあああっ、また来てるよ」
キリカ「ちょっと伏せて!」
キリカが袖から魔力の刃を出して軽く腕を振るうと、手元を離れて飛んでいき、使い魔のいる糸を切り落とした。
あたしの武器は手斧のような投げやすい形状のものとは違う。そういう使い方ならキリカのほうが向いてるんだろう。
小糸「あ、こうやって敵の足場も落としていけば……!」
小巻「あたしたちが使える足場も限られるけど、魔女や使い魔の移動手段も限られるわね」
周りを囲む糸を落とし、手分けして使い魔を倒しながら進んでいく。
そうして少しずつ近づくと魔女は新しく足場の糸を吐いた。けど、それもその傍から落としてやった。
魔女へとつながる糸はもう一本のみとなった。
キリカ「今だよ!」
小糸「はい!」
小糸が魔女に向かって飛びつく。
……この戦いではあたしもサポートしてたけど、結局二人がよく頑張ってた。
550 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/10/16(土) 22:13:23.76 ID:ckw3UxDH0
お、ほぼ2週間ぶりの更新来た!
お待ちしておりました!
551 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/10/16(土) 23:04:06.47 ID:nWDpmfLl0
「わあああああああああっ!!」
感心したのも束の間。絶叫マシンにでも乗った時みたいな声が響く。
魔女が消えれば今度はなにもない場所へと投げ出されたわけだ。底の見えない場所に落ちるよりはマシか。
すかさずバリアで包み込んだ。
小巻「言ったでしょ? 落ちても激突はさせないって」
小糸「倒したあとも気が抜けないんだね……」
キリカ「お疲れさま。ちょっと休む?」
小巻「それアンタが休みたいだけでしょ?」
キリカ「まあね。あんな変な結界いたら疲れるって」
小糸「私も疲れたなぁ」
小巻「あたしは休むよりとっとと終わらせたいけど……ちょっとだけね」
近くの公園で少しだけ休んでからパトロールを再開した。
小巻(てかまた食べてるし……)
キリカの鞄にはいつでもお菓子が入ってるらしい。
小巻 魔力[84/100] 状態:正常
GS:1個
・落書き[100/100]
◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]
下1レスコンマ判定 3/3
0~20 使い魔
21~40 魔女
552 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/10/16(土) 23:09:43.07 ID:ckw3UxDH0
ほいさ!
553 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/10/17(日) 00:01:55.22 ID:HOvXbFWi0
小巻「――――とりゃっ!」
魔力を感じて立ち寄った駐車場の片隅、回転するマネキンのようなものを薙ぎ払う。
ちらつくように中途半端に侵食する結界は使い魔のものだ。
小糸「これでおしまい?」
キリカ「もういないみたいだよ」
小巻「じゃあこれくらいにしときますか」
逃げることも立ち向かうこともしなかったそれを三人で壊し尽くすと、元来た表通りに戻っていった。
パトロールを終えてからも帰りはまだ少し一緒だ。
帰り道を歩く途中、小糸がキリカに問いかける。
小糸「ところで、お姉ちゃんって優等生なんですか? さっき、空中の結界の時に言ってた……!」
まるで信じられないみたいな顔だった。
キリカ「それはもう、転入初日から小巻は優等生で通ってるよ。何の教科やらせても完璧にこなすし」
小糸「ええぇー」
小巻「何よその反応は」
小糸「だってお姉ちゃんって見ての通り脳筋でしょ? そんなキャラじゃないし、今まで一度もそんな話聞いたことない……」
小巻「失礼な。まあでも、小糸が聞いたことないのは当然でしょうね。白女じゃたいして優れてたわけでもなかったから」
小巻「優等生といえば……白女だと美国がまさにそのイメージだったわ。何やらせても完璧にこなして、誰からも一目置かれて。ムカつくわよね!」
小糸「だからなんでそうなるのっ!?」
別に僻んでるわけじゃない。ただ、何かが気に入らない。
どんな時にもあの涼しい顔を崩さず、優等生で、絵に書いたような完璧であり続ける。そんな姿が。
554 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/10/17(日) 00:29:49.59 ID:HOvXbFWi0
けど同時に、昨日見た美国の表情も脳裏に浮かんだ。怒ってた、ような気がした。何にかはわからない。
小巻「……今は周りの評価は変わってしまったけれど、それで美国のなにかが下がるわけじゃないわ」
小巻「今でもあいつには敵わないのよ。別にあたしは競う気もないけど」
小糸「競ったところでお姉ちゃんじゃ勝てないでしょ……」
小巻「一言余計よっ」
小糸「あいたっ」
げんこつを落とすと、小糸はマンガじみた大げさなリアクションをとる。
キリカは不思議そうな顔をしていた。
キリカ「……そうなんだ」
小巻「ようするに『優等生』なんて相対評価なのよ! アンタは幼稚園児の中に混じって一番になって嬉しいの!?」
キリカ「え、それ私たち幼稚園児扱い?」
小巻「あーもう、なんでこんなとこでまで美国の話してんだ! この話はおしまいよ!」
キリカ「話し始めたのはそっちじゃん。ふーん、あの人ってそんなにすごいんだね」
そんな雑談を交わしながら三人で歩いていたが、キリカは急に何かが足を止めた。
キリカ「……あれ、転校初日? 初日って私、小巻となんか話したっけ?」
小巻「何、どうしたわけ?」
キリカ「いや、なんでもない」
小巻「……?」
何を気にしたというんだろう。
――――そうしているうちに岐路が見えて、キリカとは別れる。小糸と二人の帰り道になった。
そう思ったのだが、すぐにもう一人、いや、『もう一匹』の声がした。
QB「今日は仲間と一緒だったけど、小糸もよく戦えていたね」
小巻「キュゥべえ、着いてきてたの?」
QB「戦いを見させてもらっていたよ。僕のアドバイスなんていらなかったみたいだけど」
小糸「そうだったかな」
555 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/10/17(日) 00:45:46.97 ID:HOvXbFWi0
---------------------------
ここまで
次回は17日(日)20時くらいからの予定、多分安価からはじまります
556 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/10/17(日) 14:35:48.36 ID:K7uUsKfTO
あ、復活してる
557 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/10/17(日) 17:47:19.18 ID:w1QRIpnR0
なんかキリカが不穏なフラグ立ててるような……
558 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/10/17(日) 20:38:59.93 ID:HOvXbFWi0
小巻「ラクショーだったとは言わないけど、できるだけ自分たちのことは自分たちでなんとかするわよ」
小巻「……けどまあ、自分の力について小糸も気づいてないことがあるなら聞かせてあげてほしいわね」
QB「小糸の願いから考えれば、癒やしの魔法の効果は人一倍に発揮できるはずだよ。ゆまとも同系統だね」
小巻「ゆま……か。なるほどね」
佐倉と一緒にいた女の子。
たしか、『キョーコを助けた』とか言ってたっけ。
・小糸の魔法少女としての武器/ギミックみたいなものとか
下4レス中多数決
559 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/10/17(日) 21:24:22.86 ID:n8ETmE8c0
ヴァイオリンのような弦楽器を模した攻守一体の武装。
渦巻きやベグの部位を引き抜くと、弓のような形の片刃の剣が現れ残りの部分はそのまま盾となる。
盾のまま突撃したり不意打ちにも使える、引き抜くのと逆の方(チェロで言うとエンドピンのある方)からパイルバンカーのごとく杭も出せる。
560 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/10/17(日) 21:35:03.18 ID:Pm/OxGEzO
本当は銃とか弓みたいなのが良かったけど委員長の魔女戦でそういう描写なかったから安価↑
561 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/10/17(日) 23:16:05.14 ID:Pm/OxGEzO
なんか安価来ないからもう一度↑↑
562 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/10/18(月) 00:50:50.11 ID:GNANNwJHO
559で
563 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/10/22(金) 23:04:29.15 ID:GLHlngAW0
QB「とはいっても、小糸ならではの戦い方は武器の応用でいくらでも編み出せるだろう。思いついたことは色々試してみるといいよ」
小糸「うん……頑張ってみる!」
小巻「あれバイオリンでしょ? なんか使いづらそうだなって思ってたけど。憧れでもあったの?」
小糸「ま、まあ、少しね?」
小糸はちょっと照れくさそうに言った。
習い事は小さい頃から色々やってたけど、音楽にそんな思い入れがあったなんて知らなかった。
小巻「そっかそっか。いいんじゃない? 悪くないと思うわよ。将来は音楽家でも目指す?」
小糸「さすがにそこまで考えてないよ。もーいいでしょ? その話は」
契約してなかった時は他人事のように言ってたけど、今はあたしの気持ちも少しはわかっただろうか。
あの恥ずかしい衣装も武器も内面から出たものって言うんだから、自分を見透かされるような恥ずかしさがある。
小巻「とにかく、契約しちゃったものはしょうがないものね。これからはあたしもついてられるときは一緒に戦うわよ」
不安はあるけど、やることは今までと変わらない。小糸のこともあたしが守る。……前は助けられたけど、今度こそ。
こうして同じ目線でものが見えるようになったのは悪くない気分だった。
その後も会話を交わしながら小糸との帰り道を歩いていった。
―25日目終了―
小巻 魔力[84/100] 状態:正常
GS:1個
・落書き[100/100]
◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]
564 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/10/23(土) 00:05:49.09 ID:VdH6uQW10
――――――
――――――
美国邸
マミ「――――なるほどね。でも、暁美さんは学校でも厳重に見守ってるわ」
マミ「強力な魔法を持っているんでしょう? 不用意に近付こうものなら警戒されるし、それこそ殺されかねない勢いよ」
織莉子「標的に近づけないなら、守護者の魔法のことだけでも探れないかしら」
マミ「……」
――――
――――――
――――――
26日目
登校して教室に向かおうとする途中、階段の途中で立ち尽くしているマミの姿が見えた。
小巻「おはよう、マミ。どうしたの? 遅刻するわよ」
マミ「……え、ええ。そうね」
マミの態度はやっぱりおかしい。キリカにも同じことを思われてたんだから、相当に重症だ。
今日はマミと話し合おうと思っていたしいい機会だ。
小巻「ねえ、最近なんかあったんでしょ? その前にさ、何に悩んでるのか聞かせてよ」
マミ「別になんでもないわよ。話し込んでたら遅刻してしまうわ。行きましょう」
小巻「時間がかかるなら後でもいいから。なんでもないって態度じゃないでしょ」
マミ「……本当になにもないわよ」
小巻「もう、くどい! いいから話しなさいよ! 話したら楽になるって言うでしょ!」
逃げ腰なマミにイラッときて、人前だが大声を出した。すれ違う生徒の視線がこっちを向く。
マミ「ちょ、ちょっと、浅古さん」
小巻「キリカも気づいてあたしに話してたのよ。ぜんっぜん何もなかったようには見えてないから!」
マミ「……ごめんなさい。私にだって言いたくないことくらいあるの」
それでもマミはあたしを拒んで逃げていった。
――――逃げるようにして、階段を早足で駆けていった。
565 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/10/23(土) 19:31:25.16 ID:VdH6uQW10
小巻(なんなのよまったく……)
マミは意地でも話したくないようだった。
ああなったのはあたしが怪我で倒れてた時かららしいけど、その間に何があったっていうの?
ハッキリしないことがあるともやもやする。こうなればこっちも意地を張ってやろうか。
小巻(とはいっても、それなりに込み入った話になるなら朝はあんまり時間がないわね)
放課後じゃまた逃げられるかもしれないから、昼になったらまた声をかけに行ってみよう。
教室に行けばいつものようにクラスメイトが出迎えて、授業を受けて、午前が過ぎていく。
それから、決めてた通り休み時間になると早速マミのクラスに直行した。
マミ「……浅古さん」
マミはあたしを見るとぎょっとしたような顔をする。会いたくなかったみたいな態度。
小巻「マミ、ちょっと来てよ。いつもの場所で話しましょう」
マミ「朝のことなら本当に気にしないでいいから。それとも……他のこと?」
適当に嘘でもつけば乗ってくれるのかもしれない。
でも、小細工なんて性に合わない。変にごまかすようなことはしたくない。
小巻「ええ、朝のことよ」
マミ「……話したくないって言ったでしょう。どうしてわかってくれないの?」
マミとの間には今までになかったようなギクシャクとした空気が漂っている。
1あたしたち友達よね?
2仲間として心配なのよ
3自由安価
下2レス
566 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/10/23(土) 21:48:47.79 ID:iM2ikcIR0
2+3
マミの態度に怒りと苛立ちを持つが逆に冷静な口調になる。
最後にマミの態度が織莉子の態度と重なりカマをかける様な事を言う。
話したくない?
ならもう良いわ、仲間なのに話さないというならこっちも考えがあるから。
今のあんた、美国みたいね。会わせるんじゃなかったわ。
せいぜいそうやって自分を取り繕っていなさいよ。
567 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/10/23(土) 22:18:23.42 ID:Ne03xlF6O
↑
追加で昼休みにほむらに会いに行く。
マミが変になったけど何か心辺りある?
568 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/10/24(日) 00:06:25.92 ID:hJia5anP0
小巻「仲間として心配なのよ。同じ街のね。マミだって立場とか大事にしてるんでしょ」
マミ「そう…… 縄張りのことね」
小巻「プライベートな悩みだとしても、そんな状態でもし何かあったらこっちだって関係大アリよ! だからほっとけないし、話を聞いてやろうって言ってるの!」
小巻「ねえ、あたしの言ってることなんか間違ってる? 間違ってるっていうなら教えてくれない?」
相変わらずマミの態度には苛立ってる。けど、朝とは違って少しだけ冷静な口調で詰め寄った。
今度こそ逃げるなんて許さないっていうように。
こんな風に思うのはマミが嫌いだからってわけじゃない。そんなことくらいは、マミだってわかってくれてると思ってた。
マミ「浅古さんは間違ってはいないわよ」
マミ「だから嫌になるの。そうやって正しさを盾にして押し付けられると」
マミ「私が間違ってるって言いたいの? あなたは何も知らないくせに……!」
でもマミから返ってきた言葉は、予想もしてなかったことだった。
小巻「は……? だ、だから何をよ!」
マミ「浅古さんは正しいけど、みんながそんなに強いわけじゃない」
マミは少しの間、どこか言いづらそうに視線をそらして落とした。
まるでここじゃない、今じゃないどこかを見つめたように。
マミ「……戦いのことならあなたに心配してもらうようなことじゃないわよ。たとえ万全じゃないとしても、あなたより慣れてるもの。悪いけど今はほっといて」
小巻「そ…… そう! どうしても話したくないってんなら、こっちも考えがあるから!」
小巻「今のアンタ、美国みたいね。マミまでそんなんじゃ、アイツもどう思うのかしら。会わせるんじゃなかったかもね」
マミ「……あなたは随分美国さんのこと信頼してるのね」
小巻「はあ? そんなんじゃないから!」
結局喧嘩腰に吐き捨てて、自分の教室へと戻っていった。
周りはざわめいてた。何か揉めてたってのは気にされてるみたい。
569 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/10/24(日) 00:35:40.91 ID:hJia5anP0
*「なんかあったの? 巴さんとなんか言い合ってたって聞いたよ?」
小巻「……少しね。わかんないわよ。あたしだって何があったか知らないもの」
*「??」
様子を見てた生徒が駆け寄ってくる。こっちはこっちで、あたしも心配されてるってことなんだろう。
……けど、どうしてだろう。こうして詰め寄られる側になるといい気はしなかった。マミに言われたことは理解できないし受け止めきれてもいない。
わかることといったら、あたしはこのくらいのことしか言えないし。
キリカ「いったいどうしたのさ? 過去最高の不機嫌記録更新してるよ?」
小巻「マミに何かあったのかって聞いてきた」
キリカ「聞けたの?」
小巻「いーえ。何が何でも言いたくないってさ」
マミのことは、キリカもあたしも知らないところで何か起きたんだろう。
マミには家族はいない。あとあたしの当たれる範囲でいくと、ダメ元ではあるけど一人が頭に浮かんで立ち上がった。なにより今はじっとしてたくない気分だった。
小巻「二年のほうにも聞きに行ってくる」
キリカ「え、それってあの暁美とかいう?」
久しぶりに直接会いに行く。
教室の外から目が合うと、暁美は変わらずの剣幕で鋭い視線を向けてきた。
ほむら「用件があるならメールでと言ったでしょう」
小巻「……アンタはマミに何があったかって、知らないのよね?」
ほむら「巴マミのこと? 私の知ったことじゃないわ。関わってもいない」
小巻「あっそう!」
こいつと話すのはやっぱりイライラしてくる。相手も同じ気持ちみたいだし、今のところ長いこと話してても良いことはなさそうだ。
……そうしているうちにチャイムが鳴って、もう一度自分の教室へと戻っていった。
570 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/10/24(日) 00:38:44.16 ID:hJia5anP0
-----------------
ここまで
次回は24日(日)18時くらいからの予定
571 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/10/24(日) 19:58:03.46 ID:hJia5anP0
午後の授業もこなせば学校での一日も終わり。放課後だ。
マミとは拗れたままだし、こっちまで暗い気持ちになる。
小巻(元はと言えばマミの相談に乗ろうとしてたのに、どうしてあたしまでこんなこと考えてるのよ……)
小巻(いや。今日はまだプライベートのこともやらなきゃいけないことがあるんだから!)
鞄の中身を整理して、嫌な気持ちを振り切るように立ち上がった。
このあとは習い事だ。それに明日からは休日。
せっかく優木のことも気にしなくてよくなったんだし、この土日は小糸とパトロールもかねて外出しに行こう。
これからの予定に思考を巡らせる。
美国のことも頭に浮かんだ。アイツもいつから契約してたのかは知らないけど、抱えてる問題はそのままだし、状態はいいとは言えない。
アイツは一体、何のために願ったんだ。契約すれば何でも叶うってのにあんな状況で。
小巻(……アイツにも、声をかけてみようかしら)
美国には後で連絡を入れよう。学校を出て、校舎から離れて目的地に歩いていく。
――でも、マミのことは本当にこのままにしといてもいいの?
このままじゃ、仲間としても友達としても離れていってしまうかもしれない。
―26日目終了―
小巻 魔力[84/100] 状態:正常
GS:1個
・落書き[100/100]
◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]
572 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/10/24(日) 23:06:02.49 ID:hJia5anP0
――――――
27日目
小糸「あっ、この映画もう公開してたんだ。今度見にいこうよ!」
小巻「そうね。今度はパトロールじゃなくてまた遊びに行ってもいいかもね」
昼過ぎになって家を出て、まずは二人だけの道中。小糸は街に大きく貼られたポスターを見て言った。
魔女が出てないときはただの散歩と変わらない。とくにずっと一緒にいた家族だからだろうか。
今は魔法少女としての義務感よりも妹と出かけてるって感覚のが大きかった。
小糸「今日は美国さんも一緒なんでしょ? ついに仲直りしたの?」
小巻「仲直りもなにもアイツとは一度もケンカなんかしてないわよ。ケンカ売ったって勝ってもくれない腰抜けなんだから」
小糸「それって腰抜けじゃなくて、『大人』って言うんじゃない?」
小巻「何が『大人』よ! 痩せ我慢のことでしょ? そんな言葉だいっきらいだわ!」
そう言って、昨日のマミとのことを思い出す。……マミとのことは、あれこそケンカだ。
待ち合わせの場所につくと、美国はひと足早くそこに来て待っていた。
織莉子「ごきげんよう」
小巻「……ごきげんよー。なんだ、もう来てたの」
織莉子「ええ」
白女にいる時にも飽きるほど聞いたお上品な挨拶を真似してみる。
美国は気に留めた様子もなくいつもの調子だ。
小巻「さっそく行きましょ! グズグズしてたら置いてくからね」
小糸「もう、誘っておいてその態度はないでしょー? 美国さん、今日はよろしくおねがいしますねっ。私も契約したてなので心強いですっ!」
下1レスコンマ判定 1/2
0~20 使い魔
21~40 魔女
573 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/10/24(日) 23:18:20.90 ID:4lLG/BiO0
ほい!
574 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/10/24(日) 23:41:51.75 ID:hJia5anP0
小巻「小糸はそりゃ契約したてだけど、そもそもアンタはどのくらいなのよ? 頼りにできるほど強いわけ?」
美国を誘ったのは、パトロールが目的っていうよりも色々と話しておきたいことがあるからだった。
どんな戦い方をするのかも、どれだけ強いのかも、魔法少女としてことはあたしはほとんど知らない。
織莉子「私もあまり長くはないわよ。小巻さんから聞くよりも少し前だったから……」
小巻「ふーん、あたしの忠告はちょっとだけ遅かったのか」
織莉子「ま、まあ、そう言うこともできるかしら……?」
小巻「ってことは、あの事件があった後なのね」
そう言うと、美国は言いづらそうに黙ってしまった。それを見た小糸が慌て出す。
心が不安定な方が付け入られやすいのは、魔女や使い魔だけじゃなくきっと契約を迫られる時も一緒。そのほうが願いがあるってことだから。
でもそれを知ると、ますます美国が何を叶えたのか疑問だった。
小糸「もう、お姉ちゃんったらデリカシーなさすぎるよ……! なんか本当ごめんなさい!」
織莉子「いいの。でも、せっかくのご忠告なのだけど、私は契約して後悔はしてないわ。貴女たちも、そうなのでしょう?」
小巻「……まあ、あたしはそうね」
小糸「あ、はい。私も……」
歩き始めて、どんどんと街の中心からは離れていく。
休日で賑わう人混みから遠ざかり、周囲の空気が静かになるのを感じた。
下1レスコンマ判定 2/2
0~20 使い魔
21~40 魔女
575 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/10/24(日) 23:47:27.84 ID:4lLG/BiO0
今度こそ!
576 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/10/25(月) 00:08:37.67 ID:xbqX96XQ0
小巻「魔力の反応、ないわね……」
小糸「この前はわりとすぐに見つけられたけど、なかなか会えない時もあるんだね」
魔女にも使い魔にも会えないまま足を進める。
小糸の言うとおり、狙った場所に魔女がいるかは運頼みだ。もう結構歩いた気がしていた。
「あっ、おねえちゃんたち!」
人気がないと思っていた景色の中、あたしたちに声がかけられる。聞き覚えのある女の子の声だ。
小巻「アンタはたしか、ゆま。 ……と、佐倉」
ゆま「こんにちは!」
小糸「こんにちは」
ゆまは可愛げがあるが、ゆまの隣にはもれなく嫌なものまでついてる。
絶対小さい子の教育にはよくないヤツだけど、少しは絆されて改心してたりするのだろうか?
小巻「そういえばこのあたりはもう街外れね。一旦引き返すかー。言っとくけど、別に縄張り越えようとか思ったわけじゃないから」
杏子「……あっそ。それならいいけど」
ゆま「ねえ、ゆまたちはもう見滝原にはいかないの?」
杏子「行く必要がないだろ。優木ももうぶっ倒したんだし……あっちにはムカつくもんしかない」
577 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/10/25(月) 00:16:17.86 ID:lvr2zq570
ここで杏子にマミが最近おかしいことを伝えたいけど、今織莉子も一緒なんだよなぁ・・・
578 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/10/25(月) 00:40:33.03 ID:xbqX96XQ0
ゆま「コマキやマミとけんかしてるから? だったら仲直りしよーよ! みんな仲いいほうがいいよ!」
ゆま「ね! おねえちゃんたちも……――――」
杏子「……そんなの簡単に言うな! 何も知らないくせに」
ゆま「ご、ごめんなさいっ」
ゆまはこっちにも話をふろうとしたが、あたしが何か言う暇もないうちに佐倉が言葉を遮った。
自分の発言で怒らせてしまったと思ったからか、ゆまは素直に謝っていた。
幼いながらに人一倍敏感に怒気に反応してて、そんなところを見ると代わりに口を挟んでやりたくもなる。そもそも何に怒ってんの?
……でも、そんな時浮かんだのも昨日言われたことだった。あたしはともかく、マミも今は仲直りとか考えられるような余裕はないだろう。
杏子「あたしだってもうゆまを置いてまで誰彼構わずにケンカ売りにいったりはしないさ。でも今更仲良くなんてのはできっこないんだよ」
杏子「だからこれでいいんだ。魔法少女には縄張りってもんがあんの」
杏子「結局優木からは何も聞けなかったのは心残りだけどさ。アンタはあれから何か思い出してない?」
佐倉の目が美国のほうに向けられる。すると、今まで口数の少なかった美国が口を開いた。
織莉子「いえ、何も」
杏子「そうか。期待はしてなかったよ」
579 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/10/25(月) 00:44:31.12 ID:xbqX96XQ0
-------------------
今回更新はここまで
次回は25日(月)20時くらいからの予定
580 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/10/25(月) 00:48:31.49 ID:lvr2zq570
乙です。
うーん、ギクシャクしてますねぇ・・・
マミは織莉子の口車に乗せらてるし、ほむらは相変わらずだしこのままだと原作通りになりそうだけど・・・
581 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/10/25(月) 23:43:31.98 ID:xbqX96XQ0
杏子「ゆま、もう行くぞ」
佐倉が去っていって、ゆまもそれについていく。
初対面よりは少しだけ落ち着いたのはゆまの影響なんだろうけど、変わったというにはまだまだだ。
小糸「巴さんとなにかあったのかな……?」
小巻「あたしも何があったのかは詳しく知らないけど、マミと佐倉って昔組んでたらしいのよ」
小糸「そうなの? あの人が? そういえばそれっぽいことは言ってたけど」
小巻「多分、アイツも昔はあんな感じじゃなかったんでしょ」
小糸「私、あの人のこと苦手だって思ってた。口は悪いし、願いのこともバカにされたし」
小糸「でも元はそうじゃなかったなら、どうにかできればいいのにね」
小巻「……」
小糸「お姉ちゃん?」
たしかに、なにを意地張ってんのかは知らないけど、さっさとどうにかしてくりゃいいって思う。
でも今はあたしもマミと拗れてる。人のこと言えたもんじゃない。
小巻「どうにかするにしても今はどうでしょうね」
小糸「どういうこと?」
小巻「佐倉のほうがあんな態度だってのもあるけど、マミだって今は」
582 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/10/26(火) 00:38:42.43 ID:OgOZvxFY0
小糸「お姉ちゃん……巴さんとケンカでもしたの?」
そういえばあの時美国のことも引き合いに出したっけ。
うじうじ悩んでるヤツ同士が一緒にいたらろくでもないほうに悪化するに決まってる。
織莉子「……マミさんに何か?」
小巻「アンタは知らないでいいのよ! 人のこと心配する暇があるなら自分のことをなんとかしなさいよね!」
織莉子「……」
小巻「アンタは最近どうなのよ? まだ前と変わらずなの?」
織莉子「周りの状況は変わってないけれど、前に比べたらそう辛いわけでもないわよ。『味方』も増えたもの」
小巻「それってマミのこと?」
織莉子「えぇ、そうね」
結局美国の支えはマミしかいないんだ。そう思うと、マミに対してもじれったさが募った。
小巻「味方増やすのもいいけど、まずは元凶をどうにかしたほうがいいんじゃないの」
小巻「ていうか気になってたんだけど……どうして契約の力でどうしてそうしなかったのよ」
美国にとって、核心を突く問いではあったようだ。表情が変わったのが見て取れた。
織莉子「……どうしてそう言えるの」
小巻「そんなの考えなくてもわかるわ。だってアンタはまだ悩んでるし、理不尽なヤツも周りにわんさかいるんだから。何にも変わってないじゃない」
織莉子「そんなことはないわ。私は――そうね、この力を手に入れたことで『生きる意味』を手に入れられたもの」
織莉子「この力で人を救えるんだものね。その使命を持てたのは、私にとっては大きな違いよ。きっと私を見て喜んでいるはずよ……お父様だって」
小巻「なんか大層なこと言ってるけど、本当にそんなことで満足できてるって? そう思ってんの?」
織莉子「私の話はもういいでしょう?」
小糸「お、お姉ちゃんっ、だからデリカシーないって! 行こう!」
逃げるように話を切り上げようとしている。……まるで昨日みたいに。
1全然そう思えない
2本当は後悔してるんじゃないの?
3自由安価
下2レス
583 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/10/26(火) 21:33:37.65 ID:wu5EGq3g0
1+3織莉子の露骨な態度に昨日のマミの事もあって不満が爆発する。
生きる意味を見つけた?その割には何も変わってないわよね。
あんたって前からそう、見栄かプライドだかしらないけどそうやって『美国』って家に縛られてる。
契約で何を願ったか知らないけど、どうせ本心からの願いでなくて自分取りつくろうような願いだったんでしょ?
だから前と何も変わってないのよ!いい加減『美国織莉子』じゃなくて『織莉子』としての本心を出しなさいよ!
584 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/10/26(火) 21:47:57.36 ID:c5X3r2v+O
ケンカ売ってるなぁ
織莉子がぶちギレないか心配だけど↑
585 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/10/27(水) 21:04:18.84 ID:7NQbM8Da0
小巻「アンタを見てたら全然そうは思えないわ。ごまかしてるだけじゃないの?」
織莉子「……」
小巻「……何よ。言い返したいなら言い返せばいいじゃない」
周囲の空気も、聞こえていたはずの木々のざわめきも、シンと静まり返っていた。
美国の口から言葉が返ってくる気配はない。ただいつもと違って、表情の消えた碧の瞳はいくらも冷たい色に映った。
小巻「そう思わないとやってられないだけでしょ」
小巻「何がお父様よ。ソイツは美国を裏切るようなことしたのよ。アンタと親は別でしょ? もう居もしないソイツのためにいい子ぶって何になるってわけ」
さすがにあたしも、今回ばかりは珍しく美国が怒ってるのはわかる。
それでもあたしの口は止まることはなかった。
……美国はずっと怒ってた。
あんなふうに澄ました顔で、なんともないかのようにふわふわと躱しておきながらも、中身のほうではずっと恨みが蓄積されてたんだろう。
そう考えたらふと、この前から抱いていた違和感にも納得がいった。
小糸「お姉ちゃん! いい加減にしなよ! 人には触れられたくないものってのがあるんだよ!」
小糸「悪気がなくても、正しいと思っていても、土足で踏み込んだら相手を傷つけちゃうこともあるの!」
小糸「巴さんともそうやってケンカしちゃったんじゃないの?」
小巻「え……?」
見かねたように小糸が慌てた口調で割り込んだ。
心当たりがズキリと鼓動を揺らした。さすがにまずいことを言ったと思った。
それでも美国はこう言った。
織莉子「…………いいの。いいから」
586 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/10/27(水) 22:33:19.61 ID:7NQbM8Da0
小巻「……い、今のはさすがに悪かったわよ」
織莉子「そんなことより、パトロールを続けるんじゃないの?」
怒ったのなんかわかってる。だからあたしも悪いと思って謝ったし、簡単には許されなくても仕方ないとも思う。
なのにここまでしても言い返すこともしなかった。
今までは苛立ってたけど、今は無理やり鎮めたみたいな態度がひどく不気味に感じられた。
小糸「で、でも……」
小巻「アンタは本当にそれでいいの?」
織莉子「貴女は私に何と言って欲しかったの? それで貴女が満たされるならそうしてあげてもいいけれど、無駄な時間になると思うわよ」
小巻「……ふーん、言うじゃない。それって結局、許す気がないってことでしょ?」
織莉子「……」
なんてねちっこいヤツだ。あたしには真似できそうにない。あたしならたとえ許す気でも一発ぶん殴らせろって言ってるとこ。
それからも美国から言葉はなく、いよいよパトロールを再開して歩き出す。
そんな時、後ろから魔力が沸き起こった。
小糸「えっ……、お姉ちゃん!?」
小糸の呼びかけが聞こえてから“その攻撃”に気づく。
これは、前の時と同じだ。ただ、今は小糸がそばにいるから助かった。
小糸「ちょっ、そんな!? どうして……こんなところで仲間割れなんか」
織莉子「私の邪魔をするな!」
小糸「ひっ……?」
小巻「なによ……やっぱ怒ってるんじゃない。でも、背後から殴るのはやることが卑怯よ。やり返すならさっきにしておきなさいよね!」
織莉子「もう何を言われたところで許す気は無いと、解ってもらえてたんじゃなかったの?」
美国から感じるのは純粋な『怒り』。それが剥き出しになって見えると、その圧はさっきとは比べ物にならないくらいだった。
……でも、少しだけ安心した。美国もあたしと遠い存在ではなかったんだって。
587 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/10/27(水) 22:38:05.83 ID:06LJMs0nO
織莉子ぶちギレ、とうとう化けの皮が剥がれたか
588 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/10/27(水) 23:24:33.24 ID:7NQbM8Da0
立ち上がると同時に、瞬時に変身する。
飛んできた水晶のような珠を斧の刃で受け止めた。
小巻「やっとまともに喧嘩買う気になったんなら受けて立ってやろうじゃない……!」
小糸「お、お姉ちゃんもやめてよ!? 危ないって!」
小巻「大丈夫よ小糸、こんなチンケな玉なんか全部弾いてやるんだから。あたしだってアンタのこと見てるとイライラしてたのよ!」
織莉子「ええ……私もよ。貴女のおせっかい、そろそろ鬱陶しいと思っていたところだった」
小巻 魔力[84/100] 状態:正常
GS:1個
・落書き[100/100]
◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]
仲間:
小糸 状態:怯み(行動は回復のみ)
敵:美国織莉子
1破壊的斬撃 :近接武器戦闘・斧(魔力-0)まともにヒットすれば必殺技レベルの威力を誇る
2両斧斬撃 :近接武器戦闘・両斧(魔力-5/1ターン)単純に手数を二倍にする。相当なパワーが必要になるため、長くは使えない。
3投刃(魔力-5) :遠心力をつけて武器をぶん投げる。繰り出すのと武器再装備には時間がかかる。
4ガード(魔力-3〜5/1ターン) :攻撃に対処するための盾。格闘中の判定結果によって自動使用する
5バリアバインド(魔力-10) :敵をバリアに閉じ込める
・自分の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
・他人の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
下2レス
589 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/10/27(水) 23:27:05.23 ID:06LJMs0nO
4+1
590 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/10/27(水) 23:36:22.28 ID:eNjiHPNE0
↑+織莉子を罵倒。
あんたのそのすまし顔、前から気に入らなかったのよ!
バカにされてるの気にしながら、外面だけで『私は気にしてません』ってお高くとまって取り繕って内心気に病んでたんじゃない!
図星を差されたから逆ギレで殺人未遂とか、親が親ならこも子も子ね!まぁ、あんたの方が子供染みててタチが悪いけどね!
591 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/10/28(木) 00:02:49.64 ID:8OfLE10l0
斧を構え、水晶を砕きながら突っ切っていく。
小巻「はぁっ!」
振り下ろした斧を美国はひらりと躱していった。
外したとわかっていても勢いが止められない。死角から来た攻撃をなんとか盾で防ぐが、全ては捌けなかった。
当たった分には大した威力はなかったのが救いか。
小巻「全然痛くないし! やっぱりこんな玉チンケよ……!」
相手を捉え直し、再び斧を振るいに向かう。
下1レスコンマ判定 戦況
0〜(劣勢) < 99(優勢)
+一桁0クリティカル(相手魔法効果:優勢時のクリティカル無効)
+補正 自[格闘Lv3]*3
+補正 相手[魔力コントロールLv1]*-3
592 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/10/28(木) 02:03:12.71 ID:5u8Aq4Qe0
あ
593 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/10/28(木) 21:51:58.92 ID:8OfLE10l0
77
いつもまっすぐに敵を裂く刃は、服についた装飾一つ傷つけずに空を斬り続ける。
今度こそ近づいたと思ったらまた離れていってしまう。バリアでの拘束もこいつには意味がない。
決して相手に押し負けてるわけじゃないはずなのに、こっちは近づくこともできなくて負けてる気分。
段々腹が立ってきた。
小巻「〜〜っ、ホント逃げてばっか! 戦い方までこうだとは思わなかったけど、お似合いよね!」
織莉子「貴女の言う事はいつも的外れよ。私が何から逃げてると言ってるの?」
避けきれない数の水晶が襲う。
一発一発は大したことないと思っていた水晶の打撃も当たれば体勢が崩れる。
どこまで狙ってたのか、その拍子に重心が安定を失って武器が手から離れた。
小巻「くっ……!」
小糸「きゃあ!」
しかし、ヘタ打ったと思った瞬間に代わりに上がったのは駆け寄ろうとした小糸の悲鳴だった。
頭から一筋血を流してぐったりと力が抜けている。それを見たら背筋が凍った。
小巻「なにやってるのよ! 小糸は関係ないでしょ!」
織莉子「無関係だと言うのなら手助けなどせずに見捨てればいいだけよ。といっても、どちらももう許す気はないわ」
小巻「アンタ……っ! マジで痛い目見させるわよ! 大体さっきもアンタはやりすぎなのよ! 小糸の回復魔法がなかったらどうなってたと思ってんの!」
織莉子「さあ。考えてみたらいいんじゃないかしら?」
美国は黒の溜まった胸元の宝石をグリーフシードで浄化する。
ゾッとするような怒りとも笑みともつかない表情を浮かべていた。
594 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/10/28(木) 22:04:22.85 ID:C/4au+DgO
あれ?状況不利?
595 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/10/28(木) 22:50:59.31 ID:8OfLE10l0
小巻「何を、言ってるのよ……?」
織莉子「貴女、これをただの喧嘩だとでもまだ思っているの?」
織莉子「私は最初から貴女たちを殺す気だったのよ。私は“今回も”ちゃんと心臓を貫いた」
織莉子「……何故まだ生きていられるのか不思議ではない?」
何を言ってるのか理解できない。
心臓を? 言われてとっさに自分の胸のあたりを掴む。今はなんともないけど、さっき痛んだ箇所を思い出す。
たしか、そういえば優木もそんなことを言っていた。
小巻「……今回もですって?」
気になることはまだあるけど、一番に耳に引っかかって無視できないのはそこだった。
織莉子「ええ。貴女が生きてたと知った時には驚いたけど、この期に及んで私を信じてたのは別の意味で驚いたわよ」
織莉子「どこまで愚かなのだろう、とね」
小巻「アンタ……優木なんかとつながってたの?」
織莉子「あんなクズとは一緒にしないで欲しいわね。あれは駒。私は利用しただけ。でも少々、出来損ないだったわ」
優木は自分さえ良ければって考えで、散々好き放題してたようなヤツだ。
美国はそんな嫌なヤツとは違うって思ってたのに。
596 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/10/28(木) 23:10:53.23 ID:T+pynNeIO
まだ目的を果たしてないのに自分からばらしたか
あすみが見たらバカじゃねーの、こいつって酷評するな
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