【まどマギ】小巻「見滝原中に転入したわ」【安価あり】

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396 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/13(月) 23:06:54.30 ID:AwPAl5K/0



 放課後になるとキリカと一緒に学校を出た。

 駅についたら電車移動だ。行き先は三年の途中まで通い続けた校舎。何も考えなくてもまだ身体が覚えていた。


小巻(人を通して聞いてはいたけど……実際に足を運んでみるのが早いわよね)


 目的の駅について歩いていくと、その建物が見えた。

 下校の時間からは少し経ってるから、校門付近にいる生徒は多くない。部活動の音も聞こえてくる。


 一見して活気と華やかさに溢れたその場所を眺めていると、見覚えのある教師に声をかけられた。


*「……部外者がどうされたんです? 忘れ物ですか? もう貴女の私物は残っていないと思いますよ」


 高圧的な雰囲気。見下したように冷たい目。

 在学中はここまでではなかった。事件を境に評価が一変した美国も似たような衝撃を受けたのだろう。

 自分たちとは関係ない、自分たちよりも劣ったものに向ける態度。


小巻「ええ。私物は残してないわね。でも、忘れられない『心残り』ならあるのよ」

*「まさか、一度自ら離れておきながら、復学したいとでもおっしゃるつもりですか? 戻ってきたところで居場所なんてもうありませんよ」

小巻「そんなわけないじゃない。何を思い上がっているの? ……あたしの心残りは、美国のことよ」

397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/13(月) 23:20:09.87 ID:1ZCKlx9V0
やな教師だなー。
398 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/14(火) 00:02:29.18 ID:GVwFKu9B0


小巻「あれから三週間は経つのに何も変わってないみたいね。アンタも教師なら、アイツのこと変な目で見る輩を止めなさいよ」

小巻「もし最悪……そのせいであいつが自殺でもしたらどうするわけ」

*「それはいたましい例えですが、こちらのせいにされても。わが校では責任は負いかねますので」

小巻「あー、そうね……アンタたちってそういう奴らよね」

*「それを言いにここへ?」

小巻「そうよ。不本意だけどね、アイツと関わることはあるのよ」


 くだらない事とでも言いたげだ。それから、教師は呆れたように話し始めた。


*「随分と仲がよろしいようですし、どうしてもと言うのなら彼女のことも他校へ連れて行かれたらいいのでは?」

小巻「そう言うなら在学証明書と教科書給与証明書、だっけ? あの書類ちょうだいよ」

*「それは美国さん本人か保護者の方に来ていただかないことにはどうにも」

*「そうしてもらえるのならこちらとしても嬉しいのですけどね。まだ未練があるようで」


 こいつらが考えるのは厄介事をかわしたいってことだけだ。

 それは問題を起こして部外者になったあたしのことも、問題を抱えた美国のことも同じ。


 そんな感情がありありと伝わってきて、目の前の教師に、そして周りの生徒に向かって叫んだ。


小巻「アンタたち、間違ってるわよ!」

小巻「美国自身が何をしたわけでもないのに寄ってたかって一人を除け者にして!」

小巻「つい最近にもきっと落ち込むようなことがあったのよ……! アンタたちは相手の気持ちも考えられないの!?」


 そうしていると、すれ違う周りの生徒がざわめき出す。


「なにあれ? 他校の生徒……? 怖い」

「あれって浅古さん? また美国さんのことでつっかかりにきたの? 美国さんのこと好きすぎない?」


 ひそひそ声に向かって、あたしは怒鳴る。


小巻「言いたいことあるなら直接言え!」

*「もっ、もういいからお帰りいただけます!? 警備員を呼びますよ……!」



 ……教師に追い出されるようにして、今日のところは帰っていった。

 久しぶりに来たこの学校で、最悪な思い出が一つ増えた。


399 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/14(火) 00:14:11.81 ID:GVwFKu9B0
------------------------
今回更新はここまで
次回は14日(火)19時くらいからの予定
400 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/14(火) 19:53:33.12 ID:GVwFKu9B0



 ――――まだ心の落ち着かないその帰り道の途中で、携帯が鳴った。



小巻「……美国?」



――――――
――――――



 休日。見滝原から東に位置する隣町、風見野の地に“二人”の魔法少女の姿があった。



「――――いやあ、好きに動けるっていいですねえ。魔女もたくさん手に入ります」

「佐倉杏子はわざわざ私を追いたがる性格じゃないみたいですし、だったらそんな面倒そうな人と争いたくもありません。そのくらいは我慢ですっ」

「織莉子さんもしばらくは風見野にいる予定なんでしょう?」


織莉子「……ええ」

「まあ、それはいいんですけど」


 優木沙々はその幼さの残る顔立ちに醜悪な悪意で歪んだ笑みを浮かべて、機嫌良さそうにしていた。


沙々「この調子で、浅古小巻もそろそろ殺っちゃいましょうよ?」

沙々「縄張りは一つ手に入りました。あっちにも面倒な人はいますし、ソイツのことはまあ置いといてもいいです」

沙々「でも一度手を付けた獲物を取り逃がしたままなのは癪です。あの人、猪みたいにこっちまで突っ込んできそうな雰囲気ですし」



織莉子「考えてはいるわ」



――――――
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/14(火) 19:55:37.62 ID:yFj2hLzE0
やっぱり織莉子と沙々は組んでたか
402 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/14(火) 20:40:47.25 ID:GVwFKu9B0
――――――




織莉子『突然で悪いのだけど、今からうちに来てくれないかしら?』



 白女との道のりを往復して、もう夕焼けも落ちる時間だ。優雅にお茶するって雰囲気でもない。

 昼に聞いたマミの予定は美国のことではなかったのか。それともマミは帰ったのだろうか。


 少なくとも、今までのことからしたら、コイツがこんなふうにあたしを呼ぶなんて只事ではなかった。


小巻「……待ってなさい」



 最寄り駅で降りたのち、進路を変えた。



――――――
――――――



マミ「…………」


 時同じくして、マミの心中も穏やかじゃなかった。

 思いも寄らなかった真実を“三つ”、知ってしまったからだ。


マミ(美国さんは魔法少女だった……まさかこんな近くにまだ新人が増えていたなんて)

マミ(美国さんとならきっと仲間になれるわ。すぐにはみんなと一緒に行動できなくても。でも――――まさか、“あんなもの”を見てしまうなんて)


マミ(魔法少女は魔女になる……私達の命はもう人と同じじゃない)

マミ(そう思うと、もう仲間が増えたなんて喜べるわけがない)

403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/14(火) 20:45:52.15 ID:LyV/eOEVO
いきなり状況が動いたな
どうなるんだ、これ
404 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/14(火) 20:47:31.57 ID:GVwFKu9B0
――――――



 それは、まだカーテンの隙間から漏れる光が眩しく、日が落ちる前のことだった。



織莉子「……マミさん。実は、話しておきたいことがあるの」


 家を訪れたマミは、いつものようにお茶を用意した席で織莉子と向かい合って話していた。

 しかしそこには雑談を楽しむような空気はなく、マミはいつもとは違う雰囲気を感じ取った。


マミ「どうしたの? 急に改まって」

織莉子「私、実は契約してるのよ。キュゥべえのことも見えるの。でも小巻さんを心配させたくなかったからずっと言えなくて」

織莉子「言い出すきっかけもなくて、今まで契約してないフリをしてたの」

マミ「え……? そうだったのね。けど、それはちゃんと話したほうがいいと思うわ。心配はするだろうしもしかしたら怒るかもしれないけど、浅古さんなら……」

マミ「なんなら私から伝えておきましょうか? 仲間が増えるのなら大歓迎よ! みんなでパトロールにも行ったりしてるのよ。特に今は一人じゃ危ないんだし」

織莉子「いいえ。お願い、小巻さんにはまだ言わないで。いつか私から言うわ。その決心ができるまでは、待っていてほしいの」

マミ「わかったわ。美国さんがそう言うなら」


405 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/14(火) 21:16:48.97 ID:GVwFKu9B0
――――――
――――――



小巻「――――な…… によ、これ……!?」



 目的の場所にたどり着く。

 そこは確かに美国の家だ。でも何度確認してもやっぱりそこから魔女の気配がした。

 『家に魔女結界が張られてる』ってことだ。


 こんなに近くにあったら美国だって囚われててもおかしくない。

 そう思うと、弾かれたように身体が動いた。急いで結界の中に乗り込んでいく。


小巻(何よこれ、ありえるの!? こんなに不幸なことってある!? まさかアイツのウジウジっぷりが魔女を引き寄せたとでもいうわけ!?)

小巻(美国は無事なんでしょうね!?)



 しかし、そこで聞こえたのは思いがけない声だった。

 ――――考えていたことは、半分は当たっていた。



沙々「くふふっ、やっと来てくれたんですねぇ。お待ちしてましたよ」

小巻「なんでお前がここにいるのよ! 優木!」

沙々「なんでだと思います?」


 優木の隣には美国の姿もあった。なぜかその手には包丁を持っている。その切っ先は自分に向いていた。


沙々「ご友人のためにのこのこつられに来てくれるなんて、お優しいですね」

小巻「まさかあたしのこと探ってたの!? またこんなこと!!」

沙々「下手なこと考えるなよ? それに、あの時と同じとは思わないほうがいい。今回は準備する時間がありましたから」

沙々「言っておきますが、私の魔法って魔女を操るだけじゃないんですよ? 答えは『洗脳』です。人間だって、操れちゃうんですよ」

406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/14(火) 21:20:41.80 ID:RxD+E7r60
おりマギ別編では織莉子は沙々に魔法かけられてたなぁ。
織莉子は最初から沙々に洗脳されてたのか、はたまた擬態なのかどっちだ?
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/14(火) 21:23:16.97 ID:LyV/eOEVO
マミに魔女化の事話してるから擬態じゃね?
沙々が魔女化の真実知ってたらもっと取り乱しそうだからな
408 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/14(火) 21:47:13.22 ID:GVwFKu9B0


沙々「あの時は予想外でしたけどね。もうあんなことは起こるはずないんです。それどころか、グサッ!!!!」

小巻「っ……」

沙々「――――って、なっちゃうかもしれませんね!」


 優木にとっても、あの時一般人に反撃されてあたしを逃したことはかなりの屈辱のようだ。

 苦虫を噛み潰したかのように語っていたが、その表情は笑みへと歪んでいった。


 あたしを呼び出したのもこいつがやらせたのか。


小巻「美国、聞こえてないの!?」

小巻「洗脳なんかにやられてんじゃないわよ。そんなもの手を放しちゃいなさい!」


 呼びかけるが、声が届いていないかのように反応はなかった。


沙々「無駄なことを」


 優木が合図をすると、魔女がこっちに襲いかかってくる。

 斧の柄を握り込みながら、あたしは躊躇っていた。……おとなしくコイツに殺されろと?

 でもこのまま無抵抗でいたって、美国もあたしも死ぬだけだ。


沙々「別に魔女と戦ってくれてもいいですよ? 平常心で戦えるなら、ですけど」

沙々「今はたくさん『手持ち』があるんで! 抵抗虚しく殺されちゃうって姿を見るのは楽しそうですしね!」




小巻 魔力[100/100]  状態:動揺
GS:6個
・[20/100] ・[100/100]
・鳥かご[100/100] ・お菓子[100/100]
・ハコ[100/100] ・銀[86/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]

敵:魔女Aleiler <-攻撃対象A
  使い魔Maid×5 <-攻撃対象B

  優木沙々(攻撃不可)
 

1破壊的斬撃 :近接武器戦闘・斧(魔力-0)まともにヒットすれば必殺技レベルの威力を誇る
2投刃(魔力-5) :遠心力をつけて武器をぶん投げる。繰り出すのと武器再装備には時間がかかる。
3ガード(魔力-3〜5/1ターン) :攻撃に対処するための盾。格闘中の判定結果によって自動使用する
4バリアバインド(魔力-10) :敵をバリアに閉じ込める
・自分の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
・他人の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
5自由安価

 下2レス
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/14(火) 21:59:21.74 ID:RxD+E7r60
5、ガードをかけ防御に徹しながら冷静になれと自分を叱咤する。

落ち着け!
美国が人質っていっても最後までいかしておかなきゃ意味がない。
それにあいつの陰険さから絶対にあたしをいたぶろうとするはず・・・でなきゃ前みたいにすぐに武装解除させるでしょうし。
ここは応戦しながらあいつの隙を伺うしかない!
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/14(火) 22:01:26.56 ID:LyV/eOEVO

さすがにここで撤退は出来ないよな
411 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/14(火) 22:18:55.54 ID:GVwFKu9B0


 攻撃を盾で受ける。

 防御に徹しながら、あたしは考えていた。


小巻(落ち着け! 美国が人質っていっても最後まで生かしておかなきゃ意味がない)

小巻(前はすぐ武装解除を求めたけど、今はあたしをいたぶろうとしてる。慢心してるんだ)

小巻(だったら、戦ってるうちに隙が出来るのを待つしかない!)


 美国より先にあたしが死ぬのは論外。まだ死ぬわけにはいかない。


沙々「あらら……? 気に食わない目ですね。なんですかそれ」

沙々「でもほら、使い魔が増えてきましたよ? いつまで耐えてるんでしょうか?」


 そろそろ防御し続けるのも限界だ。使い魔は時間と共に無限に湧く。数が増えれば押し切られる。

 魔女を倒してもすぐ次がくるんだろうけど。



小巻 魔力[95/100]  状態:正常
GS:6個
・[20/100] ・[100/100]
・鳥かご[100/100] ・お菓子[100/100]
・ハコ[100/100] ・銀[86/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]

敵:魔女Aleiler <-攻撃対象A
  使い魔Maid×7 <-攻撃対象B

  優木沙々(攻撃不可)
 

1破壊的斬撃 :近接武器戦闘・斧(魔力-0)まともにヒットすれば必殺技レベルの威力を誇る
2投刃(魔力-5) :遠心力をつけて武器をぶん投げる。繰り出すのと武器再装備には時間がかかる。
3ガード(魔力-3〜5/1ターン) :攻撃に対処するための盾。格闘中の判定結果によって自動使用する
4バリアバインド(魔力-10) :敵をバリアに閉じ込める
・自分の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
・他人の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
5自由安価

 下2レス
412 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/14(火) 22:21:59.44 ID:LyV/eOEVO
魔女に2
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/14(火) 22:24:04.04 ID:RxD+E7r60
先に魔女を倒した方がいいのかな?
安価↑
414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/09/14(火) 22:24:13.74 ID:o1NSJX7l0
使い魔 1
415 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/14(火) 22:45:27.45 ID:GVwFKu9B0


 斧を横に構えた。そのまま力を込める。


小巻「っらぁあああ――っ!」


 遠心力に任せるようにして、周りの使い魔ごと薙ぎ払う。

 まだ勢いは衰えない。そのまま魔女に投げ込むようにして、結界の壁に叩きつけてやった。

 磔になった魔女はその一撃で倒せたようだ。


 ……強引に攻勢に出た時、使い魔から攻撃を受けていた。でもまだかすり傷。


沙々「わぁ、すごい力技ですね。でもまだ序の口ですよ」


 消えたと思った矢先にまた結界があたりを包む。


 次に沸いた魔女は、杖を持ちシルクハットを被ったマジシャンのような巨体だった。

 その周りに浮かぶナイフにトランプ、飛び道具まであるのは厄介だが、まだ使い魔がいないだけ楽か。



小巻 魔力[90/100]  状態:負傷(軽傷)
GS:6個
・[20/100] ・[100/100]
・鳥かご[100/100] ・お菓子[100/100]
・ハコ[100/100] ・銀[86/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]

敵:魔女Paladin-Lite

  優木沙々(攻撃不可)
 

1破壊的斬撃 :近接武器戦闘・斧(魔力-0)まともにヒットすれば必殺技レベルの威力を誇る
2投刃(魔力-5) :遠心力をつけて武器をぶん投げる。繰り出すのと武器再装備には時間がかかる。
3ガード(魔力-3〜5/1ターン) :攻撃に対処するための盾。格闘中の判定結果によって自動使用する
4バリアバインド(魔力-10) :敵をバリアに閉じ込める
5自分の負傷を回復(肩・かすり傷 魔力-7) 【回復:B】
・他人の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
6自由安価

 下2レス
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/14(火) 22:49:24.56 ID:RxD+E7r60
GS拾ってる余裕もないか・・・
4して倒した魔女GSを拾う、秘奥のが無理ならそのまま1
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/14(火) 22:50:18.06 ID:LyV/eOEVO
418 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/09/14(火) 22:50:59.33 ID:o1NSJX7l0
419 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/14(火) 23:16:16.98 ID:GVwFKu9B0


 魔女に向かって走り出す。


 グリーフシードに戻った魔女は、優木が手を加えなければただの物。新しく出来た結界には取り込まれてない。

 でも手を加えられればまた襲ってくるんだから、こいつの手札にはキリがない。

 結局元凶をなんとかしないと――――……!




 下1レスコンマ判定 戦況
0〜(劣勢) < 99(優勢)

+一桁0クリティカル(優勢時は自分)
+ゾロクリティカル(自分)
+補正 自[格闘Lv3]*3
420 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/14(火) 23:18:15.00 ID:LyV/eOEVO

421 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/14(火) 23:20:05.61 ID:RxD+E7r60
00!?
これどうなるんだ?
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/14(火) 23:21:24.14 ID:LyV/eOEVO
ゾロ目クリだから自分、Okじゃね?
423 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/14(火) 23:45:25.32 ID:GVwFKu9B0


 魔女に向けて振り抜いた斧は、一撃でその巨体を切り裂いた。



沙々「……たくさん用意してあるとはいえ、使えない部下には腹が立ちますね」

小巻「片っ端からたたっ斬ってやるわよ!」



 優木は淡々と言ってのけ、たいして堪えた素振りは見せなかった。

 また次の結界が覆う。

 気づけば目の前には、大きな刀が浮いているように見えた。あれが魔女だろうか。



小巻 魔力[90/100]  状態:負傷(軽傷)
GS:6個
・[20/100] ・[100/100]
・鳥かご[100/100] ・お菓子[100/100]
・ハコ[100/100] ・銀[86/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]

敵:魔女Toil

  優木沙々(攻撃不可)
 

1破壊的斬撃 :近接武器戦闘・斧(魔力-0)まともにヒットすれば必殺技レベルの威力を誇る
2投刃(魔力-5) :遠心力をつけて武器をぶん投げる。繰り出すのと武器再装備には時間がかかる。
3ガード(魔力-3〜5/1ターン) :攻撃に対処するための盾。格闘中の判定結果によって自動使用する
4バリアバインド(魔力-10) :敵をバリアに閉じ込める
5自分の負傷を回復(肩・かすり傷 魔力-7) 【回復:B】
・他人の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
6自由安価

 下2レス
424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/14(火) 23:48:34.54 ID:RxD+E7r60
魔女をバリアに閉じ込めて1
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/14(火) 23:49:14.27 ID:LyV/eOEVO
お決まりの4して1
426 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/15(水) 00:23:47.50 ID:V0YB/3M00



 魔女は直線的にこっちに突っ込んでくるようだ。

 その刀身が届く前にバリアに閉じ込める。


 刃先の衝突した部分がヒビが入った。けど、使い魔に邪魔されることがなければ。


 回り込んでから斧を振り下ろした。


小巻「はあああッ!」


 手応えは硬く、その刀身が砕けていく感触がジンと手を痺れるように伝わってきた。

 息が切れる。嫌な汗も滲んでくる。本来だったらトドメ、文字通り“最後”になるはずの一撃だ。

 魔女にはトドメとなっているけど……――――。


 ……さっきから全力で斧を振りっぱなしだ。


 景色が白黒に変わる。次の結界が覆っていた。


沙々「もうお疲れですよね?」

小巻「うるさいわよ……!」



 ――――優木には一撃も与えられない。アイツはずっと余裕そうにこっちを見てる。

 人質を簡単には殺さないのはわかってる。でも、簡単に感づかれる状況で攻撃するわけにもいかない。


 考えているうちに、黒い影のようなものが迫ってきていた。


小巻「!」

沙々「よそ見してる場合ですか?」



 影を咄嗟に盾で防いで、切り落とす。



小巻 魔力[77/100]  状態:疲労・負傷(軽傷)
GS:6個
・[20/100] ・[100/100]
・鳥かご[100/100] ・お菓子[100/100]
・ハコ[100/100] ・銀[86/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]

敵:魔女Elsamaria

  優木沙々(攻撃不可)
 

1破壊的斬撃 :近接武器戦闘・斧(魔力-0)まともにヒットすれば必殺技レベルの威力を誇る
2投刃(魔力-5) :遠心力をつけて武器をぶん投げる。繰り出すのと武器再装備には時間がかかる。
3ガード(魔力-3〜5/1ターン) :攻撃に対処するための盾。格闘中の判定結果によって自動使用する
4バリアバインド(魔力-10) :敵をバリアに閉じ込める
5自分の負傷を回復(肩・かすり傷、疲労 魔力-15) 【回復:B】
・他人の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
6自由安価

 下2レス
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/15(水) 00:27:59.89 ID:lQkCV12F0
1人で魔女連戦はキツいな・・・
織莉子に正気に戻れと怒鳴りながら1
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/15(水) 00:30:09.40 ID:cUDO/0CpO
GSでも疲労は回復出来ないんだっけ?
出来るなら疲労回復、出来ないなら4して1
429 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/15(水) 00:34:08.35 ID:V0YB/3M00
-----------------------------
今回更新はここまで
次回は15日(水)19時くらいからの予定
430 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/15(水) 00:36:42.33 ID:lQkCV12F0
乙です。

小巻、孤軍奮闘してますがこのままだとヤバいですね。
431 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/15(水) 09:43:13.90 ID:SAAEFEwIO

よくみたら5で出来ると書いてあるな
5で疲労回復のあと↑↑に変更
432 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/15(水) 20:05:09.63 ID:V0YB/3M00


 回復しなきゃやってられない。

 迫ってくる敵を最低限に対処しつつ、魔女の攻撃を盾で受けながら治療に集中する。


 まずは肉体の疲れと傷を治さないと。


小巻「いい加減正気に戻れ、美国!」

小巻「こっちは必死で戦ってんのよ! こんなヤツにいいようにされるなんて悔しくないの!?」


 近寄ってきてる使い魔を一体切り捨てると、再び走り出した。

 背を向け続ける魔女と、その間に立ちふさがるように首を生やした使い魔のほうめがけて。



 下1レスコンマ判定 戦況
0〜(劣勢) < 99(優勢)

+一桁0クリティカル(優勢時は自分)
+ゾロクリティカル(自分)
+補正 自[格闘Lv3]*3
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/15(水) 20:07:14.47 ID:vfDtj9BIO
434 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/15(水) 21:08:48.49 ID:V0YB/3M00
優勢:56



 使い魔一体はさほど硬くはない。

 蛇のようにうねる動きと、次から次へと沸いて群れることが問題だった。


小巻「アンタ見てるといっつもそうよ……!」


 使い魔の湧くスピードが速い。魔女の妨害もある。

 魔女に刃が届く距離まで追いつく前には阻まれてしまう。


小巻「あたしはこのまま誰かにいいようにされて死ぬなんて絶対にイヤ」



 下1レスコンマ判定 戦況
0〜(劣勢) < 99(優勢)

+一桁0クリティカル(優勢時は自分)
+ゾロクリティカル(自分)
+補正 自[格闘Lv3]*3
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/15(水) 21:10:35.91 ID:wEkrphE9O
436 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/15(水) 21:33:44.72 ID:V0YB/3M00


 魔女は移動しない。黒い地面に根を生やしたように座り込んだままだ。

 進むことができればいつかは届く。




*優勢:100(どちらを選んでも撃破できます)*
1短期決戦を仕掛ける(新しい技を考案)
2このまま粘り勝つ

 下2レス
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/15(水) 21:35:33.90 ID:ld2XKesVO
1
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/15(水) 21:36:45.84 ID:lQkCV12F0
ここは新しい技が出来る1で。
439 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/15(水) 22:07:40.50 ID:V0YB/3M00


 持っているのと同じ斧をもう一つ増やす。

 気を抜けば自分が振り回される重量だ。いつもの全力以上に無茶はするだろうけど、とはいえ次も耐えて回復することはできる。

 幸い、グリーフシードはまだある。


 魔力を滾らせ、使い魔を切り裂いていく。足は止めない。

 魔女の背中から繰り出される攻撃を1つ斧を投げて破壊し、続けて斧を両手に持ち直して振り下ろした。



小巻「アンタもっ、死にたくなければ戦え――……!」



 ――――結界が消えた。

 現実であるそこにはあたりにグリーフシードが散らばっているのが見えて、そこにまた一つ落ちる音がした。

 こんなに倒してきたんだ――一瞬そんな感傷が沸いたけど、浸るほどの暇はくれなかった。


 いつのまにか、美国はあたしの後ろにいた。

 そして、近づいてくる。手の包丁を振り上げて。


小巻「っ……!」


 咄嗟にその腕を掴むと、包丁が落ちた。

 さっきまでの戦いとは違って、なんの力もない美国の手はそっと掴んだだけで止められた。むしろ無駄に傷つけてないかのほうが心配になる。


 もしかして優木のやつ、一般人に反撃された屈辱を根に持ってるわけ。そんで本命は魔女じゃなくて美国にあたしを殺させようと。

 まあ、あたしが魔女に負けるならそれでもよかったんだろうけど。

440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/15(水) 22:11:31.77 ID:lQkCV12F0
織莉子は本当に操られているのか、操られるのも織り込み済みなのかどっちかねぇ?
どっちにしろ自分の意思で契約したのなら小巻とは相容れないのは確定なんだが・・・
441 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/15(水) 22:44:20.08 ID:V0YB/3M00


 でも、これこそ“慢心から生まれた隙”だ。また魔女を差し向けられていれば、戦いはまだ長引いていた。


小巻「残念だったわね。魔女にばっかり戦わせてるアンタと一緒にしないでくれる?」

沙々「……」


 すかさず美国をバリアで覆った。

 もう物騒なモノはなくなったのだから自殺もさせられない。素手じゃ暴れようにも何もできない。


小巻「アンタの作戦は失敗よ。もう人質もいなくなったのよ。これで安心してアンタをやれる!」


 優木に向き直る。今のあたしは鬼の形相をしていることだろう。

 あたしの友達や知り合いに手を出しただけじゃなく、あれだけのことをしでかしてきた奴だ。両断されたって文句は言えないはずだ。

 次の魔女結界が包んだが、どんな魔女だろうとどうでもいい。あたしの狙いは優木だけ――――!



小巻「ッ…………――――!?」



 瞬間、痛みが走り、生温かいものがこみ上げる。胸から『ナニカ』が飛び出てくるのが見えた。

 思考が追いつかない。こんなに早く使い魔だって沸かないはず。



 崩れ落ちていく身体をなんとか後ろを向けると、ぼやけかかった視界でこちらに向けて手をかざしている美国の姿が見えた。



――――
――――


――――――
442 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/15(水) 22:46:48.43 ID:lQkCV12F0
ああああああ・・・BAD ENDか、これは?
443 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/15(水) 22:49:31.85 ID:aHH5fa3RO
やっぱり織莉子はクズだったな
444 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/15(水) 23:16:36.11 ID:V0YB/3M00
――――――



沙々「お疲れ様です」



 結界内が静まり返ると、優木沙々は手を叩いた。

 血を流し続ける“死体”に近寄っていく。


沙々「……包丁は注意を引くためのフェイク。私も武器持たせただけの一般人は近づけさせたりしませんって」

沙々「好意を利用しておびき出し、洗脳された“フリ”で行動を制限して疲弊させる。最後に人質助け出して安心したところに魔法でズドン」

沙々「さすがですね。私一人じゃここまで思いつきませんよ!」

織莉子「油断させるためとはいえ、貴女一人を悪者にしちゃったでしょう。嫌ではなかったの?」

沙々「あー、へいきへいき。悪者でもなんでも気にしませんって。おかげでいいもの見せてもらいましたし」

沙々「死んだ相手が自分をどう思ってたかなんて、一番どうでもいいことです」

織莉子「そう」


 織莉子は淡々と、軽く返した。


沙々「それより、あなたのほうこそ少しは躊躇ったりしなかったんですか? 織莉子さんの友人だったんでしょう?」

織莉子「……友人ではないわ。生かしておくデメリットが多すぎる。彼女から隠れるのにもそろそろ困っていたところだった」

沙々「最高です! 本当、織莉子さんって私より性格悪い!」


 冷たく感情の見えない顔をした織莉子とは対照的に、沙々は心底楽しそうに笑っていた。

445 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/15(水) 23:54:39.56 ID:V0YB/3M00


 ……織莉子にはわかっていた。もしも『躊躇った』場合、沙々は本当に洗脳魔法をかけるつもりだったことも。

 提案した時点でもう引き返す選択肢なんて無いことは決まっていた。


沙々「これで邪魔者が一人減りました。それにあの面倒な巴マミまで引き込む気だなんて」

沙々「あの『偽の記憶』でどう引き込むのかはわかりませんが…… 魔法少女が魔女になるなんて、また悪趣味な作り話を思いつきますね?」

織莉子「もしも作り話じゃなかったとしたらどうする?」

沙々「……え?」


 沙々は思わず目を丸くする。織莉子はまだ真剣な表情をしていた。

 ……それから、織莉子はその表情を目の笑わない微笑みに変えた。


織莉子「冗談よ?」

沙々「で、ですよね? 織莉子さんはそんな顔で冗談を言うから冗談に聞こえないんですよ!」

織莉子「この戦いでも、魔法の効果を持続させるために貴女に傷をつけさせるわけにはいかなかった」

織莉子「これからもよろしく頼むわね」

沙々「はい! 私も織莉子さんのことは頼りにしてますからね!」


 笑みを交わす。一見すれば仲の良い二人に見えただろう。しかし、その笑顔の裏側に本当の絆はあるのだろうか。


 織莉子はゆったりとした動作で沙々の隣に――死体の前に立つ。

 そして、少し前までは力強く自分に呼びかけていたその姿を見下ろした。……目をそらさずに見ようと決めていた。


沙々「これどうします? 死体はいりませんよね?」

織莉子「ええ。処理は任せるわ」




織莉子「……これが私の『戦い』よ。貴女の守りたかったものも、きっと救ってあげるから」



――――――
――――――



★新技習得

両斧斬撃 :近接武器戦闘・両斧(魔力-5/1ターン)単純に手数を二倍にする。相当なパワーが必要になるため、長くは使えない。



―22日目終了―



小巻 魔力[死の絶望の淵]  状態:仮死
GS:0個

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]
446 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/15(水) 23:57:27.27 ID:V0YB/3M00
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今回更新はここまで
次回は18日(土)18時くらいからの予定
447 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/16(木) 00:01:19.78 ID:WOmgLN110
乙です。

小巻編でも織莉子はキュウベェ並みに通常営業でしたね・・・
主役が死んだ(?)まま話が続くのは初めてですかね?
このあとどうなるのか全然予想がつきませんね・・・
448 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/16(木) 00:29:14.68 ID:4fBan/leO

気になるところで終わったな
449 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/18(土) 20:36:23.21 ID:9Mo917DiO
来ないな
450 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/18(土) 21:02:51.28 ID:ckY+msPe0
――――――



 ――――人間は死んだらどうなるのか。みんな一度くらいは考えたことがあると思う。


 善人の魂は天国に上って幸せに暮らしながら現世を見守り、悪人は地獄に落ちて裁かれ苦しむのだという人もいる。

 霊魂になって漂うという人もいる。いつかどこかの誰かとして生まれ変わるのだという人もいる。

 そんなものはただの都合の良い妄想で、死んだら“無”……『魂』なんてどこにも残らず消えてなくなるという人もいる。


 『無』というのはある意味で優しい。死んだあとには悲しむことも苦しむこともないのだから。

 それならあたしは、無に向かっているのだろう。しかし、それはそんな生易しいものではなかった。


 人間性がガリガリと剥がれ落ちていくような、生きて存在していたはずの『自分自身』を形作るものがなくなっていく感覚。

 悪夢ほどはっきりとしていない、しかし魘されているような、その感覚はまさしく地獄よりも地獄というにふさわしかった。




 どうしてこんな目に遭う。何に向けてかもわからない憎悪すら向けたくなるほど。



 ……『どうして』。

 その問いとともに瞼の奥に浮かんだのは、死ぬ直前に見た『誰か』の姿だった。



――――――
451 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/18(土) 21:02:54.92 ID:56iq7w6C0
スレ主さん、用事か何かかな?
それともまた曜日間違えてるとか・・・?
452 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/18(土) 21:03:54.40 ID:56iq7w6C0
と思ったら来た!
わずか3秒差とは・・・w
453 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/18(土) 21:57:11.40 ID:ckY+msPe0
――――――
23日目




マミ「……ねぇキュゥべえ、どうして黙ってたの?」

QB「なんの話だい?」

マミ「ソウルジェムのことと魔女のこと。……どちらも私達の“魂”のことよ」


 いつもどおりふらりと姿を表したソレに疑問をぶつけてやれば、またいつもの悪びれない様子で答えた。


QB「キミたちが知らないほうがいいことだからだよ」

マミ「は……?」

QB「真実を知ったキミは、事実そうして態度を変えた。キミも知りたくなかったんだろう?」

QB「それなら、やっぱり聞かれない限りは話さないのが正解だということだよね」

マミ「勝手なこと言わないで。私はずっとあなたを信じてたのに……!」


 昨日からこうして詰め寄ってやりたい気持ちだったが、やってみてもそれで何かが出来るわけじゃなかった。

 ……私には何も出来ない。身体のことも、魔女のことも。

 ひしひしと感じられる無力さに涙が伝った。

454 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/18(土) 22:24:00.44 ID:9Mo917DiO
このままだとマミは織莉子の駒になりそうだな
455 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/18(土) 23:01:34.99 ID:ckY+msPe0


QB「マミ、ここは学校だ。あまり声を荒げたりしたら不自然に思われるんじゃないのかい」

QB「……それと、杏子から伝言を預かっているよ。ボクが伝えにきたのはそのことだ」


 今聞くと思わなかった名前が聞こえて、ハッとする。


マミ「どうして今更?」

QB「それは本人に聞いてみるといい。これからこっちに来るようだからね」

マミ「まさか縄張り争いでもする気なの?」

QB「君たちに協力してもいいって言ってたよ」


 まさかこれも罠。……そう浮かんだが、どっちにしても来るというのだから対応しないわけにいかない。


 涙を拭う。

 今日は朝から足取りが重かった。

 ここまで来られたのは、積み上げてきた優等生としての習慣と、まだ『何も知らない』仲間がいるからに過ぎなかった。


 私は友達を一人失った。誰よりも深く信頼してた友達を。

 本人はそう思っていないかもしれない。でも私にとっては裏切られたも同然だった。


マミ「今日もお昼に話があるんだけど……」


 教室を訪ねてみる。探していた姿がそこには一人見当たらなかった。


キリカ「小巻なら今日きてないよ?」


456 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/18(土) 23:05:51.89 ID:56iq7w6C0
翌日ってことは大分時間経ったね。
小巻、身体を処理されちゃったらもうどうにもならないんだよね・・・
457 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/18(土) 23:38:48.99 ID:ckY+msPe0
――――
――――



 帰り際にテレパシーを受けて示された場所に向かうと、そこには久しぶりに見る顔があった。

 それと、初めて見る小さな子もその傍に寄り添っていた。


マミ「……佐倉さん、今日は一体どういうこと?」

杏子「気が変わったっつってんだよ。協力してやってもいいってな」

キリカ「キミが『風見野の魔法少女』?」

杏子「そうだよ。そっちこそ、『小巻』はどうしたんだよ」


 どうしてその名前を知ってるのかと一瞬身構える。

 多分キュゥべえが教えたのだろう。


マミ「……浅古さんはおやすみよ」


 このこともずっと引っかかっていた。休みの連絡は来ていないらしい。

 どうにも嫌な予感がする。同じことは呉さんも感じてきているようだった。

 優木さんのこと、それから、私が見た光景が浮かぶ。


杏子「死んだか?」

マミ「滅多なことを言わないで。……協力してくれるっていうのが本気なら感謝はするわ。悪いけど、お話は手短にお願いするわね」

杏子「なんだよ。せっかく来てやったのに邪魔者扱いかよ」


 佐倉さんが機嫌悪そうにポケットの中から出したお菓子を貪る。

 すると、小さな子が佐倉さんを守るように私達の前に出た。


「ケンカしないでっ。キョーコは悪い魔法少女じゃないもん!」

458 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/19(日) 00:01:04.30 ID:oy176i/j0
ゆまちゃんが一緒となると杏子も少し丸くなったのかな?
459 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/19(日) 00:22:17.44 ID:EF9zyLSb0


 思わず毒気が抜かれる。佐倉さんもそれは同じだったようで、『本題』を切り出した。


杏子「あー…… こいつはゆま。今日来たのはこいつのことで聞きたいことがあるからだ。協力ってのはその代わりにしてやってもいいかなってこと!」

マミ「この子のことで……?」

杏子「『織莉子』って名前を知ってるか?」

マミ「それがどう関係があるの?」

杏子「ゆまは昨日契約したんだよ。織莉子に言われてな。ソイツ、絶対なにか企んでやがる!」


 心当たりはもちろんあった。それに、あまり聞かない名前。


マミ「本当にそんなことを……?」

杏子「は!? それって、心当たりあるってことでいいんだな?」

マミ「え、ええ。心当たりだけなら。でも美国さんは――」

杏子「ソイツに会わせろ」

マミ「ちょっと、いきなり変なことする気じゃないでしょうね?」

杏子「そんなの返答次第だろ! 明らかに怪しいことしてんだぞ。肩持つほうが意味わかんねえ」

杏子「知り合いかしらないけどマミもさ、いいように口車に乗せられて騙されてんじゃないの?」

マミ「え……?」


 美国さんがそんなことをした理由はわからない。

 魔法少女だったってことも昨日まで知らなかった――いや、その理由は知ってる。話してくれた。

 でも、私の知らなかった美国さんの顔が見えた気がして、私は戸惑っていた。


――――――
460 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/19(日) 00:25:56.51 ID:EF9zyLSb0
-----------------------------
今回更新はここまで
次回は19日(日)19時くらいからの予定
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/19(日) 00:30:31.97 ID:oy176i/j0
乙です。

小巻の件、杏子も知らないとなるとどうなったのか不安ですね・・・
ひょっとして小糸が契約することになるのか?
462 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/19(日) 21:19:01.35 ID:EF9zyLSb0
――――――




キリカ(“美国”って、小巻と一緒にいた人だよね?)


 歩きながら考える。いつものようなパトロールをしてるわけではない。

 風見野の魔法少女――杏子たちとの話の途中から、どこか置いていかれたような気分だった。

 マミはその人のことを知ってるらしい。


 それから、小巻のことを除けば気になることはもうひとつだ。


キリカ(朝教室にきた時のマミ、目が赤くて泣いてたみたいだった。なにがあったんだろ?)


 小巻のことは今探してる。まずはどうにかして連絡がとれないかを試した。今のところ連絡はなし。

 マミは話に出てきた魔法少女『美国織莉子』にも連絡をとろうとしてたようだった。でもそっちからの連絡もなし。

 ……杏子はああ言ってたけど、そもそも味方なのかな?


キリカ「小巻の家は先生に聞けたしそこは行くとして、なんもわかんなかったら手分けして探す?」

マミ「……」

キリカ「……おーい?」


 マミは今日はこうやってたまにぼーっとしてる。


マミ「あ、あぁ、そうね。でも、一人になったら危険もあるわよ」

キリカ「それもそうだけど」

マミ「ねぇ、呉さん」

463 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/19(日) 22:09:38.37 ID:EF9zyLSb0


 マミの声のトーンはいやに真剣だった。


キリカ「ん?」

マミ「辛い事を知らずに死んでしまったら、それ以上は辛い思いをせずにすむのかしら」 


 その言葉に、さすがになんて返したらいいかもわからず。

 呆気にとられているうちにマミが慌てたように言った。


マミ「……なんでもないわ! ごめんなさいね、嫌なことばかり考えてしまうの」


 なんかよくないことがあったのはわかる。そのことでなんか隠してるっていうのも。


 小巻の家に行くと妹さんが出てきてくれたけど、やっぱり小巻はいなくて、昨日から帰ってないって言ってた。

 それからしばらくマミと一緒に探し回って、それでも見つけられずに今日は別れた。



 薄々思ってる。もう見つからないんじゃないかと。もし見つかったとしても――――……



「...!」



 もう『無事』ではないんじゃないかと。




「......――――!」


――――――
――――――
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/19(日) 22:15:06.91 ID:oy176i/j0
うーん・・・小巻どうなるんだ、これは?
465 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/19(日) 22:31:03.31 ID:mIb05u5RO
まどポのさやかBADにあった身体がゾンビ化してたら流石に嫌だな
そういやほむら全然出てこないな
466 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/19(日) 22:32:25.09 ID:EF9zyLSb0




 ……『誰か?』 違う。

 このまま全部忘れてなにも無くなるとか冗談じゃない。


 そんなの――!



小巻「『美国』…………!」



 あたしはまだここにいる。

 浅古小巻だ。消えてなくなったりしない。たとえ死んだってあたしはあたし。そんな簡単なこと見失ってたまるか。


 アイツ、なんで魔法なんか。キュゥべえ見えてないって嘘だったの?


 その名を呼んだ先には、あたしの手を掴む人がいた。


キリカ「私だよ! 今、美国って言ったの!? わっ、手冷た……!?」

キリカ「生きてるんだよね!? 救急車呼ぶからね!?」


 キリカはひどく焦った様子で呼びかけていた。

 ――――――“生きてる”?


 気づけばそのまま意識はブラックアウトして、また別の場所で目を覚ました。

467 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/19(日) 22:36:13.91 ID:oy176i/j0
キリカが見つけてくれたのか!
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/19(日) 22:46:13.88 ID:mIb05u5RO
何て言うか、小巻のメンタルくそ堅いな
マミの豆腐メンタルとは大違いだな
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/19(日) 22:52:15.76 ID:oy176i/j0
>>あたしはまだここにいる。

なんか涼宮○○ヒみたいなセリフだな・・・小巻のCV平野綾で脳内保管できたわw
470 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/19(日) 23:35:13.05 ID:EF9zyLSb0


小巻「ここは……!?」


 白い天井。意識ははっきりとしていて傷もない。

 怪我を負ったことも優木との戦いも夢だったかのように、すっきりとした目覚めだった。


 ……そんな都合の良いことを考えて、思い直した。

 救急車呼ぶって言ってたから、ここは病院なんだろう。あたしたちなら傷を治す方法も考えられる。

 そうして現実に思考を戻した頃、泣きつく妹の姿が見えた。


小糸「お姉ちゃん! 生きててよかった! 死んじゃうかと思ったんだから!」

小巻「そ……そんな簡単に死なないわよ」

小糸「そんなこと……ないよ」


 弱くつぶやくような声が聞こえた気がして、首を傾げる。

 それから他にも周りに人がいることに気づいた。


キリカ「覚えてる? 路地裏のせまっこいトコから小巻の声が聞こえた気がして、見てみたら本当に小巻がいたんだから驚いたんだよ!」

小巻「路地裏?」

マミ「記憶にないなら、後からそこに運ばれたのかしらね。とにかく助かってよかったわよね」

キリカ「あれから目は覚まさないし、すっごい血まみれで身体は冷たくて、もうダメかと思ったんだから! もうなんともないの?」

マミ「……」


 マミはどこか目をそらすような素振りをした。よほど酷い怪我だったのだろうか。

 誰が治してくれたんだろう。


小糸「それとね、お姉ちゃん、実は私……」

小巻「え?」



 小糸が何かを言いたさそうに手を胸の位置まで挙げる。

 ――――……その指には、あたしたちにあるのと同じ指輪がはまっていた。



――――――
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/19(日) 23:45:48.53 ID:oy176i/j0
やっぱり小糸は契約したか・・・
マンガとは違う願いなのかな?
472 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/19(日) 23:59:15.63 ID:EF9zyLSb0
――――――



 そこは誰もいない突きあたりの廊下。

 佇むマミの傍にはキュゥべえがいた。



マミ「……ねえ、魔法少女は身体が傷ついても死ぬことはないんでしょう? 小糸さんが契約する必要はあったの?」

QB「そのことを小巻は知らない」

QB「あのまま運ばれてたら『死亡してる』と判断されただろうし、いずれは心のほうが耐えられなくなって魔女になる可能性もあったんじゃないかな」

QB「マミが浄化しておいて助かったね。もうかなり濁っていたみたいだったから」

マミ「……」

QB「納得できないかい? 君たちが望んだ通りに事は進んだじゃないか」

マミ「ええ。だって、誰もそのことを知って契約してないから」



 キュゥべえはそう言うマミのことを、まったく理解できなさそうに見上げていた。



―23日目終了―



小巻 魔力[100/100]  状態:正常
GS:0個

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]
473 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/20(月) 00:02:21.52 ID:PZyfwj1D0
----------------------------
今回更新はここまで
次回は20日(月)20時くらいからの予定
474 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/20(月) 00:23:50.28 ID:mVxpPc6Q0
乙です。

うーん、何が起こったのか・・・
紗々は小巻の身体の処理に失敗したのか、雑な処理をしたのかはたして・・・
475 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/20(月) 22:18:52.36 ID:RH/XRy7j0
――――――
24日目



 あのあとは駆けつけてきた両親に泣かれたり、味の薄いご飯を食べて、検査したり。

 あたしのことは、行方不明で意識を失っていたものの、これといった外傷はなく検査でも異常はなかった――っていう扱いだ。



 ――――昼には退院して、今に至る。

 契約しちゃったばっかりの小糸も含めて四人で話してた。



小巻「それじゃあやっぱり、美国は契約してたのね?」

マミ「ええ。本当は本人から話すって言ってたのだけど、まさかこんなことになるなんて……」


 風見野の魔法少女が協力するって言ってきたこと、小さな女の子の契約を美国がそそのかしたってのも聞いたけど、

 マミがこのことを知ってたのが一番の衝撃だった。


小巻「でもこれではっきりしたじゃない! 美国のとこには優木がいた」

小巻「何企んでんのかは知らないけど、それも全部アイツに操られてたんだわ!」

マミ「そうよね。じゃあやっぱり早く優木さんを見つけないと……」


「あれ? 昨日より一人増えてる。くたばってなかったのか」


 その時、この場にもう一つ声が響く。

 風見野の魔法少女も呼ぶとは言ってたけど。まさか。

476 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/20(月) 22:25:47.65 ID:mVxpPc6Q0
あー、小巻は織莉子が沙々に操られてると思ってるのか。
これなら沙々倒した後の保険にもなるからなぁ・・・
477 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/20(月) 22:31:55.59 ID:mVxpPc6Q0
あれ、小巻は杏子を知ってるのはGS強盗にあったからか?
名前を聞いてもピンとこなかったのは杏子がその時の魔法少女だと一致しなかったからか?
478 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/20(月) 22:36:30.99 ID:1yTThfPLO
昨日杏子たちに会ってたのはマミとキリカだから増えたのは1人じゃなくて2人じゃね?
479 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/20(月) 23:04:27.23 ID:RH/XRy7j0


小巻「佐倉杏子ってコイツ?」

杏子「そうだよ」

小巻「アンタ、この前ヘンなこと言ってきた強盗じゃない!」

マミ「佐倉さん……悪い噂は聞いてたけど、どうしてそうやって人に迷惑かけるようなことするの?」

杏子「うるせーよ! もうあたしと何の関係もないくせに、今更説教すんな!」

小巻「それに、一人じゃなくて少なくとも二人でしょ? 小糸が契約したのは夜なんだから」


 そう言ってやると、佐倉は不遜に腕を組んだまま小糸をジーッと見た。

 小糸は縮こまるようにしてる。


小糸「……は、はじめまして」

杏子「地味過ぎて目に入ってなかったわ。……契約した? なんでだよ」

小糸「お姉ちゃんの怪我を治すために。本当に死ぬかもしれないとこだったんです。冗談でもあんなこと言わないで」


 縮こまりながらもはっきりそう言うと、佐倉は少したじろいで、それから不機嫌そうな表情をした。


杏子「……揃いも揃って他人のために契約しやがって」

ゆま「キョーコ! いじわるなこと言っちゃダメだよ!」

ゆま「それに、ゆまはキョーコを助けたこと後悔してないよ?」


 小さな女の子っていうのはこの子のことだろう。

480 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/20(月) 23:08:08.22 ID:1yTThfPLO
上手いカバーリングだな
481 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/20(月) 23:17:25.36 ID:mVxpPc6Q0
杏子、やっぱりGS強盗やってたのか。
ゆまの契約内容は原作通りみたいだけど、小糸は変わってますね。
2人とも治癒能力系か・・・
482 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/21(火) 00:20:18.65 ID:LV+shFI+0


小巻「人のためにナントカとか、そういえば前も聞いたわ。いちいち人の契約した理由まで探ってケチつけるなんて女々しいやつ!」

杏子「ああ?」

小巻「言っとっけど、あたしは他人のために契約したわけじゃないからね!」

小巻「あたしのやりたいことを、あたしの力でやろうとしただけ! アンタに文句言われる筋合いないから!」

小巻「ていうか、みんなそんなもんじゃないの。誰かを大事だと思うのも、助けたいって思うのも、結局は自分の気持ちなんだから」


 いつだか、キュゥべえにあたしの考え方は変わってるって言われたっけ。

 あれ正直いまだに納得できないけど。……それとも、他の人は違うっての?


杏子「……そうかよ。ずっとそう思ってられるといいな」

ゆま「ゆまはこれからもずっと後悔しないよ!」

杏子「これから先のことなんてわかんないだろ?」


 佐倉はぶっきらぼうに言う。一体何がそんなに気に食わないんだろう。



 それから、さっき話した優木のことを佐倉たちにも言ってやると、改めてみんなで『打倒優木』を目標に決めた。

 あたしたちにとってはこれまでと変わらない。でも、これで心から全員が一致団結できた。

 風見野でも堂々と探せるようになったというのは大きい。人数も増えたし、こっちが有利にはなったはずだ。



小巻「そうと決まったら優木を追うわよ!」

キリカ「これだけいれば手分けもできるね」

ゆま「ゆまはキョーコと一緒がいいな」

杏子「わかったわかった」

マミ「私は美国さんのところをまた訪ねてみるわ。優木さんがまた接触してくるかもしれないし、安全は確保したいもの」



1あたしもそうする
2風見野に探しにいく

 下2レス
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/21(火) 00:41:38.71 ID:7FrLN+Hv0
ゆまに自己紹介してから1

ひとまず今日は美国のとこにマミとキリカ、小糸も一緒に行きましょう。
洗脳を解くためにあのすまし顔にグーパン叩きこんでも良いわよね?
操られていたとはいえ胸に風穴開けられて死にかけたんだから、こっちも1回くらいやりかえしても文句を言われる筋合いはないわよね?

風見野のほうは佐倉とゆまちゃんの2人の地元組みに任せるわ。
ゆまちゃん、佐倉が『また』やられたら助けてあげてね?


484 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/21(火) 00:51:48.58 ID:ok6PFZ1NO

てっきり杏子は織莉子の家に突撃すると思ったけどしないのか?
485 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/21(火) 00:58:13.50 ID:LV+shFI+0
----------------------------
今回更新はここまで
次回は23日(木)18時くらいからの予定です
486 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/23(木) 20:21:16.55 ID:dfLwgn6j0


小巻「あたしもそうする。アイツ、美国につきまとってるみたいだしね。知り合いのあたしたちがついててやるのが一番でしょ」

小巻「で、もしまた襲ってくんなら顔面にパンチ入れて目を覚まさせてやる!」

小巻「こっちは胸に風穴空けられて、小糸まであたしのために契約することになったんだから!」

マミ「そ…… そうね。まぁ出来るだけ穏便にいきましょう? 洗脳魔法の仕組みもわからないんだもの」

小巻「ま、当然優先すべきは優木をぶっ飛ばすことよ。アイツさえやっつければ全部解決するんだしね」

杏子「……そうだな。優木を見つけたらなんでゆまを契約させたのかも聞いといてくれ。くだらない理由だったらその場でシメとけ」



 その言葉にみんなが頷いて、それぞれ分かれていく。

 土地に慣れてる佐倉とゆまには風見野を、キリカと小糸には見滝原と風見野両方で怪しいとこを調べて探ってもらうようにしてる。



 そして、あたしとマミは美国の家へと向かった。もちろん事前に連絡なんかはしてない。



小巻「美国! いたら出てきなさい!」


 いつか以上に乱暴にインターホンを押しながら叫ぶと、ほどなくして扉が開く。



マミ「……いきなりでごめんなさいね。今お一人?」

小巻「てか単刀直入に言うわ! 優木はここにいない? あたしたちはアンタを守りにきてやったの。優木を懲らしめるついでにね」

織莉子「守る……?」

小巻「自覚もないわけ? そんなんだからあんなヤツに付け込まれるのよ。アンタどこまでわかってんの?」

小巻「話したいからあがっていい? ていうかあがるわよ。今は緊急事態なの」


 美国は今のところ襲ってくる様子はない。

 洗脳魔法といっても、術者が傍にいない状態でどこまで制御がきくものなのか。


 突然豹変する可能性もないわけじゃないから、一応警戒はしておく。

 でも契約してるってわかってればもうやられてあげるわけない。こっちにはマミだっているんだ。


織莉子「……ええ。入って」


487 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/23(木) 21:12:26.31 ID:dfLwgn6j0


 こんな時でものんきにお茶を淹れてるのを見ると、緊急事態って言葉が伝わってんのかわからなくなる。

 でも、その姿を眺めている分にはいつもの美国と変わらなくて、少しほっとした。


小巻「アンタさ、契約してるんでしょ?」


 紅茶も入って腰を落ち着けると、話の続きを再開した。


 今は指輪があることも隠していない。当たり前のように着いているそれに目がいった。

 あたしの前ではわざわざ取ったり見られないようにしてたんだろうか。


小巻「なんで隠してたのよ。わざわざ小細工までして」

織莉子「……小巻さん、すごく反対してたじゃない。魔法少女になること」

小巻「なっちゃってるものはしょうがないでしょ! そんなこと責めたりしないわよ!」

小巻「いたずらバレそうになって隠してる子供か!? アンタ意外と幼稚なとこあるわよね! あたしはアンタの親かっての!」


 本当になんで隠そうとなんてしたんだ。もっと早く気づけてればよかった。

 そしたら一緒に動けたし、一緒に戦えたかもしれない。


 美国は何か言いたそうにひくりと眉を動かした。……けど、一瞬見えた怒気は次には消え去って戻ってた。いつもの澄まし顔に。


小巻「一人でいるからああいうことになるのよ」

マミ「優木沙々について、知っていることがあったら教えてくれないかしら? 覚えていれば、出会った時のこととか」

小巻「あたしと優木が戦ってる時のこととかね」


 美国はしばらく考えるように沈黙を続ける。

 それから静かに口を開いた。


織莉子「……覚えていないわ」

小巻「何も?」

織莉子「優木沙々さんについて小巻さんから聞かせてもらったのは覚えているのだけど、それ以上は何も」

織莉子「でも最近、ボーっとしていた時があった気がするの」


 じゃあ、その時が操られてた時なんだろう。

 操られてる間やその前後についても、丸ごと記憶を消されてるなら聞いても意味がない。



1なんとか思い出せない?
2心を強く持て、と言う
3この街の魔法少女について話す
4自由安価

 下2レス
488 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/23(木) 21:19:57.19 ID:/fY8uTCsO
1
追加でゆまの契約についても問い詰める
489 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/23(木) 21:42:31.91 ID:mIIelpSK0


とにかく一発殴らせろと言う。
そのあと怒りか逆に冷静になって織莉子が本当に覚えていないというのが演技ではないかと疑念を持つ。

あー、もうイラつく!
あんたは覚えてないみたいだけど、こっちはあんたに後ろからなんかされて胸に風穴開けられたのよ!
おかげで小糸も契約するはめになっちゃったし、とにかく一発殴らせなさい!
壊れたテレビも叩けば直るんだから、あんたの記憶もショックで思い出すかもしれないしあたしも溜飲下がって一石二鳥よ!

こいつ記憶がないっていうの本当なのかしら?
仮に洗脳されてる間は記憶がないっていうの、あまりに都合よすぎるのよね・・・
あたしに契約したこと黙ってたのも何か変よね?
490 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/23(木) 22:43:48.20 ID:dfLwgn6j0


小巻「一風見野のほうに行ってたことも知らないのよね?」

織莉子「ええ…… 風見野に?」

小巻「優木と一緒に行ってたらしいのよ。聞いた話ではね。なんとか思い出せない?」

織莉子「そう言われても…………」


 再び考え込む美国。


 自覚がないのは良いことなんだろうか。知り合いを殺させて罪悪感煽るとか、もし出来るなら優木がいかにも好きそうだし。

 ともかく、やってたことを責めるなら優木本人だ。罪はアイツに償ってもらう。


 もしくは。


マミ『浅古さん、どう思う?』

小巻『……どうって』

マミ『今の状態は素かしらね? それとも、今も操られていてこの話も演技だった……ということも考えられなくはないけど』


 マミからテレパシーが飛んでくる。……紅茶を淹れるのんきな姿は素に見えたけど。

 洗脳魔法について詳しくわからないから、どのくらいのことが出来るのか疑ったらキリがなかった。

 ぶん殴って解決するならそれでもいいけど、あたしにぶん殴られた魔女や使い魔が正気に戻らないんだから、結局優木をなんとかしなきゃ解けなさそうだ。


マミ『さっきの話が本当なら、行動を操るだけじゃなくて記憶も操作したりできるみたいね。今のところはそう考えておきましょう』


 すると、ずっと沈黙してた美国がやっと口を開いた。


織莉子「……やっぱり、わからないわ」

小巻「ここまで収穫なしかー。あとは優木が来るかどうか待つしかしかないわね。優木はいつから接触していたのかしら?」

マミ「確実なのは一昨日よね。それ以前は……」

小巻「そうだわ、その前からぼーっとしてた日があったんじゃなかったっけ? そのことは覚えてんの?」

491 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/23(木) 23:27:35.38 ID:dfLwgn6j0


織莉子「あぁ…… マミさんを心配させてしまった時のこと?」

マミ「そうそう、それから美国さんが魔法少女だってことを聞いて…… あの時はこうなるとは思ってなかったわね」

織莉子「そうね。小巻さんにも私から話そうと思っていたのに、こんな形で知られてしまうなんて思ってなかったわ」


 これは操られてのことではない、だろう。

 せっかく美国のことは他の魔法少女に知られてなかったのに、マミに明かされちゃったら悪いこと企むにはメリットがない。はず。


織莉子「紅茶のおかわり淹れてきましょうか? まだ居るんでしょう?」

マミ「あら、ありがとう。気を使わせてしまって。頼むわね」

小巻「もう、ホント気が抜けるわね! まあ美味しいからいいけどさ」



 ……こっちは気を張ってんのに。疑ってんのがバカバカしく思えてきた。まさかこれもアイツの作戦だったりしない?


 美国が席を外してるうちに携帯を確認する。

 すると、ちょうど画面に電話の着信が現れた。どうやら有事の最中らしく、ほぼ一方的に伝えたいことを喋っていった。


マミ「浅古さん、今のは?」

小巻「マミ、やったわよ! 小糸たちが優木を見つけて、途中で佐倉たちとも合流して追ってるって!」

マミ「本当に良い報せね。随分と逃げるのが得意なようだけど、こうなったらもう逃げ続けられないでしょう」


 優木は結界ごと逃げてるらしい。大まかな現在地はわかった。

 今までみすみす逃走を許してきたけど、二つの縄張りを敵に回したのは大きい。

 あとはまた他の街に移られる前に懲らしめてやらないと。


織莉子「私達はどうするの?」



1ここで待機
2家を出る

 下2レス
492 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/23(木) 23:30:23.71 ID:mIIelpSK0
ここは2かな?
493 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/23(木) 23:37:14.27 ID:/fY8uTCsO
2
494 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/24(金) 00:12:27.01 ID:4rBbK3G+0


 もし優木と会ったら美国も戦う気なんだろうか。

 洗脳の影響が残ってるのかもよくわからないから警戒してたってのに。


小巻「アンタも戦えるの?」

織莉子「私も魔法少女よ。こんな時に何もしないのは……」

小巻「足手まといになったりしない? それが心配なのよ!」

マミ「でも、私達が行くなら置いていくわけにはいかないわよね。私達は美国さんを守りに来たんだから」


 マミがあたしのほうを見る。どっちに決めてもいいってことだろう。

 向こうも仲間が揃ってるけど、今度は絶対に逃したくない。


小巻「あいにく、こんな時に紅茶飲んでゆっくりしてる場合じゃないって考えはあたしも同じ!」

マミ「ええ、じゃあ行きましょう」



 あたしたちも追うことに決める。美国の家を後にした。


495 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/24(金) 00:16:59.71 ID:4rBbK3G+0
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今回更新はここまで
次回は25日(土)18時くらいからの予定
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