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【まどマギ】小巻「見滝原中に転入したわ」【安価あり】
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380 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/12(日) 00:28:34.73 ID:1Sy5Ci/V0
おっと。そろそろアニレコの時間だな。
381 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/12(日) 00:30:46.57 ID:1Sy5Ci/V0
乙です。
今回はマミさん抜きでも何とかなりましたね。
マミさんが織莉子に変な事吹き込まれてなきゃ良いけど・・・
382 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/12(日) 19:34:34.80 ID:CevoOECL0
……日も暮れてきたところで、そろそろお開きにする。目星つけてたとこには行けた。
小巻「だいたい回れたかしらね」
キリカ「帰ろっか。あー、その前にお腹へったなぁ」
キリカといるとあたしもつられて何か食べたくなってくる。
しかしそれはそれで問題もあった。なんかこう、腹回りが。……ちゃんと動いたんだから大丈夫だとは思うけど。
小巻(ま、今日はあっちでもケーキ食べてるんだろうし)
――――――
マミ「こうすると……――――ほら、綺麗に膨らんだでしょ?」
織莉子「本当ね。この前の失敗作とは大違いだわ」
マミ「焼き上がったばかりだとまだ熱いから、デコレーションは粗熱を取ってからね」
マミ「キッチンコーナーには専用の台も売ってるわよ。早く完成させたい時には使っても便利だわ」
織莉子「…………」
マミ「美国さん?」
今日のこの家に来てから、マミには織莉子が度々ボーっとしているように見えていた。
心がここにないような感じだった。それでいてどこか焦燥しているような、張り詰めた雰囲気。
ケーキは見事に焼き上がったのに。
織莉子「……少し待つんだったわね。リビングに戻りましょうか」
やっぱり、心労からくるものだろうか。
学校でも家でも心無い嫌がらせを受けて、魔女にもとらわれたのだという。
マミはそう思うと少しの同情と、なんとかしてあげたい気持ちに駆られた。
マミ「美国さん、困ったことがあったら言ってね? できることなら力になるわよ」
織莉子「……ええ」
―20日目終了―
小巻 魔力[100/100] 状態:正常
GS:6個
・[20/100] ・[100/100]
・鳥かご[100/100] ・お菓子[100/100]
・ハコ[100/100] ・銀[86/100]
◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]
383 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/09/12(日) 20:07:29.58 ID:QGmQxsveO
マミの方はまだ大丈夫だったか
今回は取り込まれるかどうかわからんが
384 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/12(日) 22:31:30.72 ID:CevoOECL0
――――――
21日目
小巻「……美国が悩んでる?」
マミ『ええ、なんだか昨日はボーっとしてることが多くて。この間はそうでもなかったと思うのだけど』
マミからのメールにはたしかにそう書いてあった。
ほどなくして電話がきて、今に至る。
マミ『まあでも、あんな状況じゃ辛いわよね。私も一人だから少しは気持ちがわかるの』
そういえば、マミはそうだった。だからこそより心配しているのが伝わった。
でもあたしに言われたって。
小糸「お姉ちゃーん! ご飯できたって!」
マミ『浅古さんも、家族は大切にね』
そんなの言われなくたって。
……そう思ったけど、この前も気づかないうちにあんなに心配させてたんだ。
*休日午後*
1もう一度マミと話す
2美国の家に行く
3今日は家にいよう
4自由安価
下2レス
385 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/12(日) 22:55:26.41 ID:1Sy5Ci/V0
1+4
家にはいるが電話帳で織莉子の自宅の電話番号を調べて電話する。
織莉子が電話に出たら再度織莉子に転校を進める。
織莉子の態度が煮え切らなかったら白女にいき転校の書類を持って帰り織莉子に突きつける。
あんたねぇ、せっかく人が気をつかってあんたの気を紛らわせてあげるようとマミを紹介したのに逆に気を使わせるなんて何考えてるのよ!
いつまでもあんな学校にいるから気が休まらないのよ、ていうか今すぐ解決策もってくから!
私は大丈夫だの、気にしてないだの聞き飽きたのよ。今のあんたの様子だと精神的に参ってるの明白じゃない!
とにかく短期転校でもいいから状況を変える努力をしなさい!
386 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/09/12(日) 23:09:54.31 ID:QGmQxsveO
↑
マミと話した際に後日訓練を頼むを追加
387 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/13(月) 00:04:08.07 ID:AwPAl5K/0
昼食を終えて部屋に戻って、もう一度マミに連絡して美国の番号を聞いた。
あたしには励ましてやることなんかできないけど。
小巻「……なんで出ないのよ」
1コール、2コール、繰り返す電子音に苛立ちがつのる。
いくつだかわからないくらいになって、かけるのをやめた。
家の電話なら出るのかしら? もう使うことのなくなった昔の連絡網を漁る。
小巻「家にいないの?」
結局美国は出なかった。それから、もう一度マミのほうにかけた。
マミ『美国さんとは連絡とれた?』
小巻「出なかったわ」
マミ『そう…… 気づいてないのかしら?』
小巻「暇になったからちょっと付き合ってよ。まあそっちも暇なら、だけど」
マミ『パトロール?』
小巻「いや、今日は長々歩き回る気はないわ。ちょっと人目につかないとこ知らない?」
388 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/13(月) 00:39:53.95 ID:AwPAl5K/0
マミに案内されたのは土手の通りからは死角になる場所だった。
マミ「懐かしいわね。ここでよく一人で新しい必殺技を考えたのよ」
小巻「そ、そう…… 必殺技はつくんないけどさ」
そこまで熱心なのはすごいけど、マミの感性はこういうとこはやっぱ理解できない。
もしあたしにも提案してこようものなら全力で拒否させてもらおうと思う。
小巻「あたしも素振りくらいならやってみようかなって」
マミ「浅古さんはもう魔女を倒すには十分な腕力があるのに?」
小巻「まあ、そのくらいですぐどうにかなるとは思ってないけど。アドバイスとかしてくれるなら参考にはするわ」
こんなとこで変身なんかしたくないし、振るうのはソウルジェムから直接出した武器だ。
いつもより重く感じるが、このくらいのほうが鍛えられる気がする。
マミはあたしの横でどこか懐かしむような目で見ていた。
マミ「私、前に弟子がいたことがあるのよ。その時にもここで二人で訓練してたわ」
小巻「……それって、もしかしてこの前の?」
風見野の魔法少女と組んでたって聞いたときは『なんでそんなヤツとなんか』としか思わなかった。
殊勝にも誰かに弟子入りとかしてたのか。その時の関係性は本当に悪くなかったらしい。
マミ「浅古さんはそれとは違うけど、その時のことを少し思い出したの」
あたしは弟子入りまではしない。マミの実力は認めるけど、仲は対等だ。
ただ、『仲間』として。
小巻「……まあ、たまには身体動かしに来るかもしれないから、その時は付き合ってよ」
389 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/13(月) 01:23:31.46 ID:AwPAl5K/0
美国から連絡があったのは、その夜になってからだった。
小巻「昼に連絡入れてこんな時間まで気づかないって何事よ!?」
小巻「携帯にも家にも連絡したのよ! どんな生活してたらそうなるわけ!?」
応答を押して通話がつながった瞬間、電話越しに噛み付く。
織莉子『……ちょ、ちょっと今日は買い物に出かけたの』
小巻「どこまで買い物行ってんのよ」
織莉子『一人だと色々とやらなきゃいけないことが多くて大変なのよ』
一人。マミも言ってたことだ。
そう言われるとあたしにはそれ以上責め立てられない。
小巻「それよりアンタさ、マミが心配してたわよ。ボーっとしてばっかだったって!」
小巻「気を使わせてるんじゃないわよ」
織莉子『そうね。……これではいけないのはわかってるわ』
聞いてるこっちが気が重くなりそうな返事だ。
……励ますなんてできないが、別にあたしは美国をさらに追い込みたいわけじゃない。
小巻「〜〜……だから、周りのヤツも周りのヤツだけど、アンタも自分から状況を変える努力をしてみれば」
小巻「こっちももう『私は大丈夫』だの『気にしてない』だの聞き飽きたから」
織莉子『ええ』
小巻「……えっ?」
今まで曖昧な返事しかしてこなかった美国にしてはやけにあっさりと、自然にそう返ってきた。
小巻「何か考えてんの?」
織莉子『考えてはいるわ。ずっと。何もしていないわけではないの』
―21日目終了―
小巻 魔力[100/100] 状態:正常
GS:6個
・[20/100] ・[100/100]
・鳥かご[100/100] ・お菓子[100/100]
・ハコ[100/100] ・銀[86/100]
◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]
390 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/13(月) 01:27:09.82 ID:AwPAl5K/0
-----------------------
今回更新はここまで
次回は13日(月)19時くらいからの予定
391 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/13(月) 20:07:36.91 ID:AwPAl5K/0
――――――
22日目
『考えてはいるわ。ずっと。何もしていないわけではないの』
あたしにはそれが本当のことだとは思えなかった。
とはいえ、そこから発せられる雰囲気は、どうせただの強がりだとは言い切れなかった。
小巻(やっぱり今日は白女に寄って、転校の書類でも持ってこさせようかしら?)
時間は戻せないし、過ぎた運命を変えることはできない。何をしたって根本的には解決はしないのはわかってる。
それでもどうにかして乗り越えるしかないんだ。アイツはまだ生きてるんだから。
……それなのにこれまであたしから見えていた美国には、そういう前向きさが見えなくて心底苛立っていた。
――――昼休みになると、もう何度目かの対策会議だ。
優木に動きはない。といってももちろん、被害者が増えてないって意味じゃない。
あっちの魔法少女は優木の行いを許容するみたいだし、風見野で落ち着いたということだろうか。
小巻「アイツ…… あたしたちから逃げてんじゃないわよ。優木も風見野の魔法少女もどっちも臆病者ね」
マミ「あれからあっちから連絡はないのよね?」
QB「とくに伝言は聞いてないね」
マミ「そう……」
マミは少し落ち込んで見えた。
一悶着あった相手に協力を頼むなんて、それなりに勇気のいることだっただろうに。
あっちはあっちでホント今なにしてんの。
392 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/13(月) 20:50:53.43 ID:AwPAl5K/0
キリカ「今日はどうする?」
小巻「このままじゃいつまで経っても膠着状態よ! 風見野に乗り込んでやらない?」
風見野の町には腐った魔法少女しかいない。このままあっちに任せといたら優木の被害を許してるのと同然だ。
たとえ自分たちの町でなくても放っておくことなんてできない。
そもそもあたしは、縄張りなんてものに囚われすぎるのもどうかと思ってたとこだ。
マミ「ごめんなさい、私は今日は予定があって。行くなら私も一緒に行くわ」
マミ「優木さんに会うかもしれないし…… 元仲間のことだもの。けじめをつけるなら自分の手でつけたいの」
小巻「わかったわ。それなら、次にみんなの都合の合う日に決行してやりましょ」
マミもキリカも力強く頷いた。
優木をなんとかするって目的はみんな同じなんだ。
小巻(マミの予定……って、また美国のことなのかしら。だったら一人にしておけないのはわかるけど)
*放課後*
1パトロール
2久しぶりに白女に行ってみる
3自由安価
下2レス
393 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/13(月) 21:01:19.05 ID:1ZCKlx9V0
今日は無理でも3人で魔法少女としての訓練を提案。
それからキリカを誘って2、そのあと織莉子の家に寄る。
むこうの動きがないとはいえ、なんにしても今バラバラに行動するのは危険かもね。
マミ、風見野の元仲間の魔法少女って強いんでしょ?
優木といいそいつといい襲ってきて各個撃破されたら目も当てられないし。
キりカは予定ないなら今日は私に付き合って、ちょっと行きたいことがあるから。
マミ、用事が済んだら美国のとこに顔を出すって伝えておいて。
394 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/09/13(月) 21:09:39.52 ID:LWPdOwzEO
↑
追加でマミに元仲間の名前や戦い方、や強さを聞く
395 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/13(月) 22:42:30.78 ID:AwPAl5K/0
次に都合の合う日っていうと、明日はあたしが予定あるし、早くても明後日だ。
人の命がかかってるんだからのんびりとはしてられないし、いざとなったら塾は休んだっていい。
ただ、一日で会えるかどうかもわからない。こっちの動きを察したら風見野の魔法少女は何か行動は起こしそうだけど。
小巻「ところで風見野の魔法少女って、名前は?」
マミ「佐倉杏子というわ」
小巻「強いの?」
マミ「私が見てたのは昔のことだから、今のことは正確にはわからないわね」
小巻「そう、まあ関係ないけど!」
昔からやってるってことはベテランってことだから、強いには強いんだろう。
時間もない中、昨日みたいに素振りした程度じゃ簡単には経験は埋められないだろうけど、それでも戦えないわけじゃない。
それに、あたし一人で戦うわけじゃないから。
小巻「あたしも用事片付けてきちゃおうかな。……ちょっと遠出することになるけど」
キリカ「一人で大丈夫?」
小巻「子供のおつかいじゃないんだから心配しないでよ。そんなに言うなら途中までついてきてもらってもいいけど」
――――
――――
396 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/13(月) 23:06:54.30 ID:AwPAl5K/0
放課後になるとキリカと一緒に学校を出た。
駅についたら電車移動だ。行き先は三年の途中まで通い続けた校舎。何も考えなくてもまだ身体が覚えていた。
小巻(人を通して聞いてはいたけど……実際に足を運んでみるのが早いわよね)
目的の駅について歩いていくと、その建物が見えた。
下校の時間からは少し経ってるから、校門付近にいる生徒は多くない。部活動の音も聞こえてくる。
一見して活気と華やかさに溢れたその場所を眺めていると、見覚えのある教師に声をかけられた。
*「……部外者がどうされたんです? 忘れ物ですか? もう貴女の私物は残っていないと思いますよ」
高圧的な雰囲気。見下したように冷たい目。
在学中はここまでではなかった。事件を境に評価が一変した美国も似たような衝撃を受けたのだろう。
自分たちとは関係ない、自分たちよりも劣ったものに向ける態度。
小巻「ええ。私物は残してないわね。でも、忘れられない『心残り』ならあるのよ」
*「まさか、一度自ら離れておきながら、復学したいとでもおっしゃるつもりですか? 戻ってきたところで居場所なんてもうありませんよ」
小巻「そんなわけないじゃない。何を思い上がっているの? ……あたしの心残りは、美国のことよ」
397 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/13(月) 23:20:09.87 ID:1ZCKlx9V0
やな教師だなー。
398 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/14(火) 00:02:29.18 ID:GVwFKu9B0
小巻「あれから三週間は経つのに何も変わってないみたいね。アンタも教師なら、アイツのこと変な目で見る輩を止めなさいよ」
小巻「もし最悪……そのせいであいつが自殺でもしたらどうするわけ」
*「それはいたましい例えですが、こちらのせいにされても。わが校では責任は負いかねますので」
小巻「あー、そうね……アンタたちってそういう奴らよね」
*「それを言いにここへ?」
小巻「そうよ。不本意だけどね、アイツと関わることはあるのよ」
くだらない事とでも言いたげだ。それから、教師は呆れたように話し始めた。
*「随分と仲がよろしいようですし、どうしてもと言うのなら彼女のことも他校へ連れて行かれたらいいのでは?」
小巻「そう言うなら在学証明書と教科書給与証明書、だっけ? あの書類ちょうだいよ」
*「それは美国さん本人か保護者の方に来ていただかないことにはどうにも」
*「そうしてもらえるのならこちらとしても嬉しいのですけどね。まだ未練があるようで」
こいつらが考えるのは厄介事をかわしたいってことだけだ。
それは問題を起こして部外者になったあたしのことも、問題を抱えた美国のことも同じ。
そんな感情がありありと伝わってきて、目の前の教師に、そして周りの生徒に向かって叫んだ。
小巻「アンタたち、間違ってるわよ!」
小巻「美国自身が何をしたわけでもないのに寄ってたかって一人を除け者にして!」
小巻「つい最近にもきっと落ち込むようなことがあったのよ……! アンタたちは相手の気持ちも考えられないの!?」
そうしていると、すれ違う周りの生徒がざわめき出す。
「なにあれ? 他校の生徒……? 怖い」
「あれって浅古さん? また美国さんのことでつっかかりにきたの? 美国さんのこと好きすぎない?」
ひそひそ声に向かって、あたしは怒鳴る。
小巻「言いたいことあるなら直接言え!」
*「もっ、もういいからお帰りいただけます!? 警備員を呼びますよ……!」
……教師に追い出されるようにして、今日のところは帰っていった。
久しぶりに来たこの学校で、最悪な思い出が一つ増えた。
399 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/14(火) 00:14:11.81 ID:GVwFKu9B0
------------------------
今回更新はここまで
次回は14日(火)19時くらいからの予定
400 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/14(火) 19:53:33.12 ID:GVwFKu9B0
――――まだ心の落ち着かないその帰り道の途中で、携帯が鳴った。
小巻「……美国?」
――――――
――――――
休日。見滝原から東に位置する隣町、風見野の地に“二人”の魔法少女の姿があった。
「――――いやあ、好きに動けるっていいですねえ。魔女もたくさん手に入ります」
「佐倉杏子はわざわざ私を追いたがる性格じゃないみたいですし、だったらそんな面倒そうな人と争いたくもありません。そのくらいは我慢ですっ」
「織莉子さんもしばらくは風見野にいる予定なんでしょう?」
織莉子「……ええ」
「まあ、それはいいんですけど」
優木沙々はその幼さの残る顔立ちに醜悪な悪意で歪んだ笑みを浮かべて、機嫌良さそうにしていた。
沙々「この調子で、浅古小巻もそろそろ殺っちゃいましょうよ?」
沙々「縄張りは一つ手に入りました。あっちにも面倒な人はいますし、ソイツのことはまあ置いといてもいいです」
沙々「でも一度手を付けた獲物を取り逃がしたままなのは癪です。あの人、猪みたいにこっちまで突っ込んできそうな雰囲気ですし」
織莉子「考えてはいるわ」
――――――
401 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/09/14(火) 19:55:37.62 ID:yFj2hLzE0
やっぱり織莉子と沙々は組んでたか
402 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/14(火) 20:40:47.25 ID:GVwFKu9B0
――――――
織莉子『突然で悪いのだけど、今からうちに来てくれないかしら?』
白女との道のりを往復して、もう夕焼けも落ちる時間だ。優雅にお茶するって雰囲気でもない。
昼に聞いたマミの予定は美国のことではなかったのか。それともマミは帰ったのだろうか。
少なくとも、今までのことからしたら、コイツがこんなふうにあたしを呼ぶなんて只事ではなかった。
小巻「……待ってなさい」
最寄り駅で降りたのち、進路を変えた。
――――――
――――――
マミ「…………」
時同じくして、マミの心中も穏やかじゃなかった。
思いも寄らなかった真実を“三つ”、知ってしまったからだ。
マミ(美国さんは魔法少女だった……まさかこんな近くにまだ新人が増えていたなんて)
マミ(美国さんとならきっと仲間になれるわ。すぐにはみんなと一緒に行動できなくても。でも――――まさか、“あんなもの”を見てしまうなんて)
マミ(魔法少女は魔女になる……私達の命はもう人と同じじゃない)
マミ(そう思うと、もう仲間が増えたなんて喜べるわけがない)
403 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/09/14(火) 20:45:52.15 ID:LyV/eOEVO
いきなり状況が動いたな
どうなるんだ、これ
404 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/14(火) 20:47:31.57 ID:GVwFKu9B0
――――――
それは、まだカーテンの隙間から漏れる光が眩しく、日が落ちる前のことだった。
織莉子「……マミさん。実は、話しておきたいことがあるの」
家を訪れたマミは、いつものようにお茶を用意した席で織莉子と向かい合って話していた。
しかしそこには雑談を楽しむような空気はなく、マミはいつもとは違う雰囲気を感じ取った。
マミ「どうしたの? 急に改まって」
織莉子「私、実は契約してるのよ。キュゥべえのことも見えるの。でも小巻さんを心配させたくなかったからずっと言えなくて」
織莉子「言い出すきっかけもなくて、今まで契約してないフリをしてたの」
マミ「え……? そうだったのね。けど、それはちゃんと話したほうがいいと思うわ。心配はするだろうしもしかしたら怒るかもしれないけど、浅古さんなら……」
マミ「なんなら私から伝えておきましょうか? 仲間が増えるのなら大歓迎よ! みんなでパトロールにも行ったりしてるのよ。特に今は一人じゃ危ないんだし」
織莉子「いいえ。お願い、小巻さんにはまだ言わないで。いつか私から言うわ。その決心ができるまでは、待っていてほしいの」
マミ「わかったわ。美国さんがそう言うなら」
405 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/14(火) 21:16:48.97 ID:GVwFKu9B0
――――――
――――――
小巻「――――な…… によ、これ……!?」
目的の場所にたどり着く。
そこは確かに美国の家だ。でも何度確認してもやっぱりそこから魔女の気配がした。
『家に魔女結界が張られてる』ってことだ。
こんなに近くにあったら美国だって囚われててもおかしくない。
そう思うと、弾かれたように身体が動いた。急いで結界の中に乗り込んでいく。
小巻(何よこれ、ありえるの!? こんなに不幸なことってある!? まさかアイツのウジウジっぷりが魔女を引き寄せたとでもいうわけ!?)
小巻(美国は無事なんでしょうね!?)
しかし、そこで聞こえたのは思いがけない声だった。
――――考えていたことは、半分は当たっていた。
沙々「くふふっ、やっと来てくれたんですねぇ。お待ちしてましたよ」
小巻「なんでお前がここにいるのよ! 優木!」
沙々「なんでだと思います?」
優木の隣には美国の姿もあった。なぜかその手には包丁を持っている。その切っ先は自分に向いていた。
沙々「ご友人のためにのこのこつられに来てくれるなんて、お優しいですね」
小巻「まさかあたしのこと探ってたの!? またこんなこと!!」
沙々「下手なこと考えるなよ? それに、あの時と同じとは思わないほうがいい。今回は準備する時間がありましたから」
沙々「言っておきますが、私の魔法って魔女を操るだけじゃないんですよ? 答えは『洗脳』です。人間だって、操れちゃうんですよ」
406 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/14(火) 21:20:41.80 ID:RxD+E7r60
おりマギ別編では織莉子は沙々に魔法かけられてたなぁ。
織莉子は最初から沙々に洗脳されてたのか、はたまた擬態なのかどっちだ?
407 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/09/14(火) 21:23:16.97 ID:LyV/eOEVO
マミに魔女化の事話してるから擬態じゃね?
沙々が魔女化の真実知ってたらもっと取り乱しそうだからな
408 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/14(火) 21:47:13.22 ID:GVwFKu9B0
沙々「あの時は予想外でしたけどね。もうあんなことは起こるはずないんです。それどころか、グサッ!!!!」
小巻「っ……」
沙々「――――って、なっちゃうかもしれませんね!」
優木にとっても、あの時一般人に反撃されてあたしを逃したことはかなりの屈辱のようだ。
苦虫を噛み潰したかのように語っていたが、その表情は笑みへと歪んでいった。
あたしを呼び出したのもこいつがやらせたのか。
小巻「美国、聞こえてないの!?」
小巻「洗脳なんかにやられてんじゃないわよ。そんなもの手を放しちゃいなさい!」
呼びかけるが、声が届いていないかのように反応はなかった。
沙々「無駄なことを」
優木が合図をすると、魔女がこっちに襲いかかってくる。
斧の柄を握り込みながら、あたしは躊躇っていた。……おとなしくコイツに殺されろと?
でもこのまま無抵抗でいたって、美国もあたしも死ぬだけだ。
沙々「別に魔女と戦ってくれてもいいですよ? 平常心で戦えるなら、ですけど」
沙々「今はたくさん『手持ち』があるんで! 抵抗虚しく殺されちゃうって姿を見るのは楽しそうですしね!」
小巻 魔力[100/100] 状態:動揺
GS:6個
・[20/100] ・[100/100]
・鳥かご[100/100] ・お菓子[100/100]
・ハコ[100/100] ・銀[86/100]
◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]
敵:魔女Aleiler <-攻撃対象A
使い魔Maid×5 <-攻撃対象B
優木沙々(攻撃不可)
1破壊的斬撃 :近接武器戦闘・斧(魔力-0)まともにヒットすれば必殺技レベルの威力を誇る
2投刃(魔力-5) :遠心力をつけて武器をぶん投げる。繰り出すのと武器再装備には時間がかかる。
3ガード(魔力-3〜5/1ターン) :攻撃に対処するための盾。格闘中の判定結果によって自動使用する
4バリアバインド(魔力-10) :敵をバリアに閉じ込める
・自分の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
・他人の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
5自由安価
下2レス
409 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/14(火) 21:59:21.74 ID:RxD+E7r60
5、ガードをかけ防御に徹しながら冷静になれと自分を叱咤する。
落ち着け!
美国が人質っていっても最後までいかしておかなきゃ意味がない。
それにあいつの陰険さから絶対にあたしをいたぶろうとするはず・・・でなきゃ前みたいにすぐに武装解除させるでしょうし。
ここは応戦しながらあいつの隙を伺うしかない!
410 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/09/14(火) 22:01:26.56 ID:LyV/eOEVO
↑
さすがにここで撤退は出来ないよな
411 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/14(火) 22:18:55.54 ID:GVwFKu9B0
攻撃を盾で受ける。
防御に徹しながら、あたしは考えていた。
小巻(落ち着け! 美国が人質っていっても最後まで生かしておかなきゃ意味がない)
小巻(前はすぐ武装解除を求めたけど、今はあたしをいたぶろうとしてる。慢心してるんだ)
小巻(だったら、戦ってるうちに隙が出来るのを待つしかない!)
美国より先にあたしが死ぬのは論外。まだ死ぬわけにはいかない。
沙々「あらら……? 気に食わない目ですね。なんですかそれ」
沙々「でもほら、使い魔が増えてきましたよ? いつまで耐えてるんでしょうか?」
そろそろ防御し続けるのも限界だ。使い魔は時間と共に無限に湧く。数が増えれば押し切られる。
魔女を倒してもすぐ次がくるんだろうけど。
小巻 魔力[95/100] 状態:正常
GS:6個
・[20/100] ・[100/100]
・鳥かご[100/100] ・お菓子[100/100]
・ハコ[100/100] ・銀[86/100]
◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]
敵:魔女Aleiler <-攻撃対象A
使い魔Maid×7 <-攻撃対象B
優木沙々(攻撃不可)
1破壊的斬撃 :近接武器戦闘・斧(魔力-0)まともにヒットすれば必殺技レベルの威力を誇る
2投刃(魔力-5) :遠心力をつけて武器をぶん投げる。繰り出すのと武器再装備には時間がかかる。
3ガード(魔力-3〜5/1ターン) :攻撃に対処するための盾。格闘中の判定結果によって自動使用する
4バリアバインド(魔力-10) :敵をバリアに閉じ込める
・自分の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
・他人の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
5自由安価
下2レス
412 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/09/14(火) 22:21:59.44 ID:LyV/eOEVO
魔女に2
413 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/14(火) 22:24:04.04 ID:RxD+E7r60
先に魔女を倒した方がいいのかな?
安価↑
414 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/09/14(火) 22:24:13.74 ID:o1NSJX7l0
使い魔 1
415 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/14(火) 22:45:27.45 ID:GVwFKu9B0
斧を横に構えた。そのまま力を込める。
小巻「っらぁあああ――っ!」
遠心力に任せるようにして、周りの使い魔ごと薙ぎ払う。
まだ勢いは衰えない。そのまま魔女に投げ込むようにして、結界の壁に叩きつけてやった。
磔になった魔女はその一撃で倒せたようだ。
……強引に攻勢に出た時、使い魔から攻撃を受けていた。でもまだかすり傷。
沙々「わぁ、すごい力技ですね。でもまだ序の口ですよ」
消えたと思った矢先にまた結界があたりを包む。
次に沸いた魔女は、杖を持ちシルクハットを被ったマジシャンのような巨体だった。
その周りに浮かぶナイフにトランプ、飛び道具まであるのは厄介だが、まだ使い魔がいないだけ楽か。
小巻 魔力[90/100] 状態:負傷(軽傷)
GS:6個
・[20/100] ・[100/100]
・鳥かご[100/100] ・お菓子[100/100]
・ハコ[100/100] ・銀[86/100]
◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]
敵:魔女Paladin-Lite
優木沙々(攻撃不可)
1破壊的斬撃 :近接武器戦闘・斧(魔力-0)まともにヒットすれば必殺技レベルの威力を誇る
2投刃(魔力-5) :遠心力をつけて武器をぶん投げる。繰り出すのと武器再装備には時間がかかる。
3ガード(魔力-3〜5/1ターン) :攻撃に対処するための盾。格闘中の判定結果によって自動使用する
4バリアバインド(魔力-10) :敵をバリアに閉じ込める
5自分の負傷を回復(肩・かすり傷 魔力-7) 【回復:B】
・他人の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
6自由安価
下2レス
416 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/14(火) 22:49:24.56 ID:RxD+E7r60
GS拾ってる余裕もないか・・・
4して倒した魔女GSを拾う、秘奥のが無理ならそのまま1
417 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/09/14(火) 22:50:18.06 ID:LyV/eOEVO
↑
418 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/09/14(火) 22:50:59.33 ID:o1NSJX7l0
1
419 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/14(火) 23:16:16.98 ID:GVwFKu9B0
魔女に向かって走り出す。
グリーフシードに戻った魔女は、優木が手を加えなければただの物。新しく出来た結界には取り込まれてない。
でも手を加えられればまた襲ってくるんだから、こいつの手札にはキリがない。
結局元凶をなんとかしないと――――……!
下1レスコンマ判定 戦況
0〜(劣勢) < 99(優勢)
+一桁0クリティカル(優勢時は自分)
+ゾロクリティカル(自分)
+補正 自[格闘Lv3]*3
420 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/09/14(火) 23:18:15.00 ID:LyV/eOEVO
あ
421 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/14(火) 23:20:05.61 ID:RxD+E7r60
00!?
これどうなるんだ?
422 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/09/14(火) 23:21:24.14 ID:LyV/eOEVO
ゾロ目クリだから自分、Okじゃね?
423 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/14(火) 23:45:25.32 ID:GVwFKu9B0
魔女に向けて振り抜いた斧は、一撃でその巨体を切り裂いた。
沙々「……たくさん用意してあるとはいえ、使えない部下には腹が立ちますね」
小巻「片っ端からたたっ斬ってやるわよ!」
優木は淡々と言ってのけ、たいして堪えた素振りは見せなかった。
また次の結界が覆う。
気づけば目の前には、大きな刀が浮いているように見えた。あれが魔女だろうか。
小巻 魔力[90/100] 状態:負傷(軽傷)
GS:6個
・[20/100] ・[100/100]
・鳥かご[100/100] ・お菓子[100/100]
・ハコ[100/100] ・銀[86/100]
◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]
敵:魔女Toil
優木沙々(攻撃不可)
1破壊的斬撃 :近接武器戦闘・斧(魔力-0)まともにヒットすれば必殺技レベルの威力を誇る
2投刃(魔力-5) :遠心力をつけて武器をぶん投げる。繰り出すのと武器再装備には時間がかかる。
3ガード(魔力-3〜5/1ターン) :攻撃に対処するための盾。格闘中の判定結果によって自動使用する
4バリアバインド(魔力-10) :敵をバリアに閉じ込める
5自分の負傷を回復(肩・かすり傷 魔力-7) 【回復:B】
・他人の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
6自由安価
下2レス
424 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/14(火) 23:48:34.54 ID:RxD+E7r60
魔女をバリアに閉じ込めて1
425 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/09/14(火) 23:49:14.27 ID:LyV/eOEVO
お決まりの4して1
426 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/15(水) 00:23:47.50 ID:V0YB/3M00
魔女は直線的にこっちに突っ込んでくるようだ。
その刀身が届く前にバリアに閉じ込める。
刃先の衝突した部分がヒビが入った。けど、使い魔に邪魔されることがなければ。
回り込んでから斧を振り下ろした。
小巻「はあああッ!」
手応えは硬く、その刀身が砕けていく感触がジンと手を痺れるように伝わってきた。
息が切れる。嫌な汗も滲んでくる。本来だったらトドメ、文字通り“最後”になるはずの一撃だ。
魔女にはトドメとなっているけど……――――。
……さっきから全力で斧を振りっぱなしだ。
景色が白黒に変わる。次の結界が覆っていた。
沙々「もうお疲れですよね?」
小巻「うるさいわよ……!」
――――優木には一撃も与えられない。アイツはずっと余裕そうにこっちを見てる。
人質を簡単には殺さないのはわかってる。でも、簡単に感づかれる状況で攻撃するわけにもいかない。
考えているうちに、黒い影のようなものが迫ってきていた。
小巻「!」
沙々「よそ見してる場合ですか?」
影を咄嗟に盾で防いで、切り落とす。
小巻 魔力[77/100] 状態:疲労・負傷(軽傷)
GS:6個
・[20/100] ・[100/100]
・鳥かご[100/100] ・お菓子[100/100]
・ハコ[100/100] ・銀[86/100]
◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]
敵:魔女Elsamaria
優木沙々(攻撃不可)
1破壊的斬撃 :近接武器戦闘・斧(魔力-0)まともにヒットすれば必殺技レベルの威力を誇る
2投刃(魔力-5) :遠心力をつけて武器をぶん投げる。繰り出すのと武器再装備には時間がかかる。
3ガード(魔力-3〜5/1ターン) :攻撃に対処するための盾。格闘中の判定結果によって自動使用する
4バリアバインド(魔力-10) :敵をバリアに閉じ込める
5自分の負傷を回復(肩・かすり傷、疲労 魔力-15) 【回復:B】
・他人の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
6自由安価
下2レス
427 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/15(水) 00:27:59.89 ID:lQkCV12F0
1人で魔女連戦はキツいな・・・
織莉子に正気に戻れと怒鳴りながら1
428 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/09/15(水) 00:30:09.40 ID:cUDO/0CpO
GSでも疲労は回復出来ないんだっけ?
出来るなら疲労回復、出来ないなら4して1
429 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/15(水) 00:34:08.35 ID:V0YB/3M00
-----------------------------
今回更新はここまで
次回は15日(水)19時くらいからの予定
430 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/15(水) 00:36:42.33 ID:lQkCV12F0
乙です。
小巻、孤軍奮闘してますがこのままだとヤバいですね。
431 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/09/15(水) 09:43:13.90 ID:SAAEFEwIO
乙
よくみたら5で出来ると書いてあるな
5で疲労回復のあと↑↑に変更
432 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/15(水) 20:05:09.63 ID:V0YB/3M00
回復しなきゃやってられない。
迫ってくる敵を最低限に対処しつつ、魔女の攻撃を盾で受けながら治療に集中する。
まずは肉体の疲れと傷を治さないと。
小巻「いい加減正気に戻れ、美国!」
小巻「こっちは必死で戦ってんのよ! こんなヤツにいいようにされるなんて悔しくないの!?」
近寄ってきてる使い魔を一体切り捨てると、再び走り出した。
背を向け続ける魔女と、その間に立ちふさがるように首を生やした使い魔のほうめがけて。
下1レスコンマ判定 戦況
0〜(劣勢) < 99(優勢)
+一桁0クリティカル(優勢時は自分)
+ゾロクリティカル(自分)
+補正 自[格闘Lv3]*3
433 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/09/15(水) 20:07:14.47 ID:vfDtj9BIO
あ
434 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/15(水) 21:08:48.49 ID:V0YB/3M00
優勢:56
使い魔一体はさほど硬くはない。
蛇のようにうねる動きと、次から次へと沸いて群れることが問題だった。
小巻「アンタ見てるといっつもそうよ……!」
使い魔の湧くスピードが速い。魔女の妨害もある。
魔女に刃が届く距離まで追いつく前には阻まれてしまう。
小巻「あたしはこのまま誰かにいいようにされて死ぬなんて絶対にイヤ」
下1レスコンマ判定 戦況
0〜(劣勢) < 99(優勢)
+一桁0クリティカル(優勢時は自分)
+ゾロクリティカル(自分)
+補正 自[格闘Lv3]*3
435 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/09/15(水) 21:10:35.91 ID:wEkrphE9O
あ
436 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/15(水) 21:33:44.72 ID:V0YB/3M00
魔女は移動しない。黒い地面に根を生やしたように座り込んだままだ。
進むことができればいつかは届く。
*優勢:100(どちらを選んでも撃破できます)*
1短期決戦を仕掛ける(新しい技を考案)
2このまま粘り勝つ
下2レス
437 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/09/15(水) 21:35:33.90 ID:ld2XKesVO
1
438 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/15(水) 21:36:45.84 ID:lQkCV12F0
ここは新しい技が出来る1で。
439 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/15(水) 22:07:40.50 ID:V0YB/3M00
持っているのと同じ斧をもう一つ増やす。
気を抜けば自分が振り回される重量だ。いつもの全力以上に無茶はするだろうけど、とはいえ次も耐えて回復することはできる。
幸い、グリーフシードはまだある。
魔力を滾らせ、使い魔を切り裂いていく。足は止めない。
魔女の背中から繰り出される攻撃を1つ斧を投げて破壊し、続けて斧を両手に持ち直して振り下ろした。
小巻「アンタもっ、死にたくなければ戦え――……!」
――――結界が消えた。
現実であるそこにはあたりにグリーフシードが散らばっているのが見えて、そこにまた一つ落ちる音がした。
こんなに倒してきたんだ――一瞬そんな感傷が沸いたけど、浸るほどの暇はくれなかった。
いつのまにか、美国はあたしの後ろにいた。
そして、近づいてくる。手の包丁を振り上げて。
小巻「っ……!」
咄嗟にその腕を掴むと、包丁が落ちた。
さっきまでの戦いとは違って、なんの力もない美国の手はそっと掴んだだけで止められた。むしろ無駄に傷つけてないかのほうが心配になる。
もしかして優木のやつ、一般人に反撃された屈辱を根に持ってるわけ。そんで本命は魔女じゃなくて美国にあたしを殺させようと。
まあ、あたしが魔女に負けるならそれでもよかったんだろうけど。
440 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/15(水) 22:11:31.77 ID:lQkCV12F0
織莉子は本当に操られているのか、操られるのも織り込み済みなのかどっちかねぇ?
どっちにしろ自分の意思で契約したのなら小巻とは相容れないのは確定なんだが・・・
441 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/15(水) 22:44:20.08 ID:V0YB/3M00
でも、これこそ“慢心から生まれた隙”だ。また魔女を差し向けられていれば、戦いはまだ長引いていた。
小巻「残念だったわね。魔女にばっかり戦わせてるアンタと一緒にしないでくれる?」
沙々「……」
すかさず美国をバリアで覆った。
もう物騒なモノはなくなったのだから自殺もさせられない。素手じゃ暴れようにも何もできない。
小巻「アンタの作戦は失敗よ。もう人質もいなくなったのよ。これで安心してアンタをやれる!」
優木に向き直る。今のあたしは鬼の形相をしていることだろう。
あたしの友達や知り合いに手を出しただけじゃなく、あれだけのことをしでかしてきた奴だ。両断されたって文句は言えないはずだ。
次の魔女結界が包んだが、どんな魔女だろうとどうでもいい。あたしの狙いは優木だけ――――!
小巻「ッ…………――――!?」
瞬間、痛みが走り、生温かいものがこみ上げる。胸から『ナニカ』が飛び出てくるのが見えた。
思考が追いつかない。こんなに早く使い魔だって沸かないはず。
崩れ落ちていく身体をなんとか後ろを向けると、ぼやけかかった視界でこちらに向けて手をかざしている美国の姿が見えた。
――――
――――
――――――
442 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/15(水) 22:46:48.43 ID:lQkCV12F0
ああああああ・・・BAD ENDか、これは?
443 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/09/15(水) 22:49:31.85 ID:aHH5fa3RO
やっぱり織莉子はクズだったな
444 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/15(水) 23:16:36.11 ID:V0YB/3M00
――――――
沙々「お疲れ様です」
結界内が静まり返ると、優木沙々は手を叩いた。
血を流し続ける“死体”に近寄っていく。
沙々「……包丁は注意を引くためのフェイク。私も武器持たせただけの一般人は近づけさせたりしませんって」
沙々「好意を利用しておびき出し、洗脳された“フリ”で行動を制限して疲弊させる。最後に人質助け出して安心したところに魔法でズドン」
沙々「さすがですね。私一人じゃここまで思いつきませんよ!」
織莉子「油断させるためとはいえ、貴女一人を悪者にしちゃったでしょう。嫌ではなかったの?」
沙々「あー、へいきへいき。悪者でもなんでも気にしませんって。おかげでいいもの見せてもらいましたし」
沙々「死んだ相手が自分をどう思ってたかなんて、一番どうでもいいことです」
織莉子「そう」
織莉子は淡々と、軽く返した。
沙々「それより、あなたのほうこそ少しは躊躇ったりしなかったんですか? 織莉子さんの友人だったんでしょう?」
織莉子「……友人ではないわ。生かしておくデメリットが多すぎる。彼女から隠れるのにもそろそろ困っていたところだった」
沙々「最高です! 本当、織莉子さんって私より性格悪い!」
冷たく感情の見えない顔をした織莉子とは対照的に、沙々は心底楽しそうに笑っていた。
445 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/15(水) 23:54:39.56 ID:V0YB/3M00
……織莉子にはわかっていた。もしも『躊躇った』場合、沙々は本当に洗脳魔法をかけるつもりだったことも。
提案した時点でもう引き返す選択肢なんて無いことは決まっていた。
沙々「これで邪魔者が一人減りました。それにあの面倒な巴マミまで引き込む気だなんて」
沙々「あの『偽の記憶』でどう引き込むのかはわかりませんが…… 魔法少女が魔女になるなんて、また悪趣味な作り話を思いつきますね?」
織莉子「もしも作り話じゃなかったとしたらどうする?」
沙々「……え?」
沙々は思わず目を丸くする。織莉子はまだ真剣な表情をしていた。
……それから、織莉子はその表情を目の笑わない微笑みに変えた。
織莉子「冗談よ?」
沙々「で、ですよね? 織莉子さんはそんな顔で冗談を言うから冗談に聞こえないんですよ!」
織莉子「この戦いでも、魔法の効果を持続させるために貴女に傷をつけさせるわけにはいかなかった」
織莉子「これからもよろしく頼むわね」
沙々「はい! 私も織莉子さんのことは頼りにしてますからね!」
笑みを交わす。一見すれば仲の良い二人に見えただろう。しかし、その笑顔の裏側に本当の絆はあるのだろうか。
織莉子はゆったりとした動作で沙々の隣に――死体の前に立つ。
そして、少し前までは力強く自分に呼びかけていたその姿を見下ろした。……目をそらさずに見ようと決めていた。
沙々「これどうします? 死体はいりませんよね?」
織莉子「ええ。処理は任せるわ」
織莉子「……これが私の『戦い』よ。貴女の守りたかったものも、きっと救ってあげるから」
――――――
――――――
★新技習得
両斧斬撃 :近接武器戦闘・両斧(魔力-5/1ターン)単純に手数を二倍にする。相当なパワーが必要になるため、長くは使えない。
―22日目終了―
小巻 魔力[死の絶望の淵] 状態:仮死
GS:0個
◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]
446 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/15(水) 23:57:27.27 ID:V0YB/3M00
---------------------------
今回更新はここまで
次回は18日(土)18時くらいからの予定
447 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/16(木) 00:01:19.78 ID:WOmgLN110
乙です。
小巻編でも織莉子はキュウベェ並みに通常営業でしたね・・・
主役が死んだ(?)まま話が続くのは初めてですかね?
このあとどうなるのか全然予想がつきませんね・・・
448 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/09/16(木) 00:29:14.68 ID:4fBan/leO
乙
気になるところで終わったな
449 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/09/18(土) 20:36:23.21 ID:9Mo917DiO
来ないな
450 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/18(土) 21:02:51.28 ID:ckY+msPe0
――――――
――――人間は死んだらどうなるのか。みんな一度くらいは考えたことがあると思う。
善人の魂は天国に上って幸せに暮らしながら現世を見守り、悪人は地獄に落ちて裁かれ苦しむのだという人もいる。
霊魂になって漂うという人もいる。いつかどこかの誰かとして生まれ変わるのだという人もいる。
そんなものはただの都合の良い妄想で、死んだら“無”……『魂』なんてどこにも残らず消えてなくなるという人もいる。
『無』というのはある意味で優しい。死んだあとには悲しむことも苦しむこともないのだから。
それならあたしは、無に向かっているのだろう。しかし、それはそんな生易しいものではなかった。
人間性がガリガリと剥がれ落ちていくような、生きて存在していたはずの『自分自身』を形作るものがなくなっていく感覚。
悪夢ほどはっきりとしていない、しかし魘されているような、その感覚はまさしく地獄よりも地獄というにふさわしかった。
どうしてこんな目に遭う。何に向けてかもわからない憎悪すら向けたくなるほど。
……『どうして』。
その問いとともに瞼の奥に浮かんだのは、死ぬ直前に見た『誰か』の姿だった。
――――――
451 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/18(土) 21:02:54.92 ID:56iq7w6C0
スレ主さん、用事か何かかな?
それともまた曜日間違えてるとか・・・?
452 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/18(土) 21:03:54.40 ID:56iq7w6C0
と思ったら来た!
わずか3秒差とは・・・w
453 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/18(土) 21:57:11.40 ID:ckY+msPe0
――――――
23日目
マミ「……ねぇキュゥべえ、どうして黙ってたの?」
QB「なんの話だい?」
マミ「ソウルジェムのことと魔女のこと。……どちらも私達の“魂”のことよ」
いつもどおりふらりと姿を表したソレに疑問をぶつけてやれば、またいつもの悪びれない様子で答えた。
QB「キミたちが知らないほうがいいことだからだよ」
マミ「は……?」
QB「真実を知ったキミは、事実そうして態度を変えた。キミも知りたくなかったんだろう?」
QB「それなら、やっぱり聞かれない限りは話さないのが正解だということだよね」
マミ「勝手なこと言わないで。私はずっとあなたを信じてたのに……!」
昨日からこうして詰め寄ってやりたい気持ちだったが、やってみてもそれで何かが出来るわけじゃなかった。
……私には何も出来ない。身体のことも、魔女のことも。
ひしひしと感じられる無力さに涙が伝った。
454 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/09/18(土) 22:24:00.44 ID:9Mo917DiO
このままだとマミは織莉子の駒になりそうだな
455 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/18(土) 23:01:34.99 ID:ckY+msPe0
QB「マミ、ここは学校だ。あまり声を荒げたりしたら不自然に思われるんじゃないのかい」
QB「……それと、杏子から伝言を預かっているよ。ボクが伝えにきたのはそのことだ」
今聞くと思わなかった名前が聞こえて、ハッとする。
マミ「どうして今更?」
QB「それは本人に聞いてみるといい。これからこっちに来るようだからね」
マミ「まさか縄張り争いでもする気なの?」
QB「君たちに協力してもいいって言ってたよ」
まさかこれも罠。……そう浮かんだが、どっちにしても来るというのだから対応しないわけにいかない。
涙を拭う。
今日は朝から足取りが重かった。
ここまで来られたのは、積み上げてきた優等生としての習慣と、まだ『何も知らない』仲間がいるからに過ぎなかった。
私は友達を一人失った。誰よりも深く信頼してた友達を。
本人はそう思っていないかもしれない。でも私にとっては裏切られたも同然だった。
マミ「今日もお昼に話があるんだけど……」
教室を訪ねてみる。探していた姿がそこには一人見当たらなかった。
キリカ「小巻なら今日きてないよ?」
456 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/18(土) 23:05:51.89 ID:56iq7w6C0
翌日ってことは大分時間経ったね。
小巻、身体を処理されちゃったらもうどうにもならないんだよね・・・
457 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/18(土) 23:38:48.99 ID:ckY+msPe0
――――
――――
帰り際にテレパシーを受けて示された場所に向かうと、そこには久しぶりに見る顔があった。
それと、初めて見る小さな子もその傍に寄り添っていた。
マミ「……佐倉さん、今日は一体どういうこと?」
杏子「気が変わったっつってんだよ。協力してやってもいいってな」
キリカ「キミが『風見野の魔法少女』?」
杏子「そうだよ。そっちこそ、『小巻』はどうしたんだよ」
どうしてその名前を知ってるのかと一瞬身構える。
多分キュゥべえが教えたのだろう。
マミ「……浅古さんはおやすみよ」
このこともずっと引っかかっていた。休みの連絡は来ていないらしい。
どうにも嫌な予感がする。同じことは呉さんも感じてきているようだった。
優木さんのこと、それから、私が見た光景が浮かぶ。
杏子「死んだか?」
マミ「滅多なことを言わないで。……協力してくれるっていうのが本気なら感謝はするわ。悪いけど、お話は手短にお願いするわね」
杏子「なんだよ。せっかく来てやったのに邪魔者扱いかよ」
佐倉さんが機嫌悪そうにポケットの中から出したお菓子を貪る。
すると、小さな子が佐倉さんを守るように私達の前に出た。
「ケンカしないでっ。キョーコは悪い魔法少女じゃないもん!」
458 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/19(日) 00:01:04.30 ID:oy176i/j0
ゆまちゃんが一緒となると杏子も少し丸くなったのかな?
459 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/19(日) 00:22:17.44 ID:EF9zyLSb0
思わず毒気が抜かれる。佐倉さんもそれは同じだったようで、『本題』を切り出した。
杏子「あー…… こいつはゆま。今日来たのはこいつのことで聞きたいことがあるからだ。協力ってのはその代わりにしてやってもいいかなってこと!」
マミ「この子のことで……?」
杏子「『織莉子』って名前を知ってるか?」
マミ「それがどう関係があるの?」
杏子「ゆまは昨日契約したんだよ。織莉子に言われてな。ソイツ、絶対なにか企んでやがる!」
心当たりはもちろんあった。それに、あまり聞かない名前。
マミ「本当にそんなことを……?」
杏子「は!? それって、心当たりあるってことでいいんだな?」
マミ「え、ええ。心当たりだけなら。でも美国さんは――」
杏子「ソイツに会わせろ」
マミ「ちょっと、いきなり変なことする気じゃないでしょうね?」
杏子「そんなの返答次第だろ! 明らかに怪しいことしてんだぞ。肩持つほうが意味わかんねえ」
杏子「知り合いかしらないけどマミもさ、いいように口車に乗せられて騙されてんじゃないの?」
マミ「え……?」
美国さんがそんなことをした理由はわからない。
魔法少女だったってことも昨日まで知らなかった――いや、その理由は知ってる。話してくれた。
でも、私の知らなかった美国さんの顔が見えた気がして、私は戸惑っていた。
――――――
460 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/19(日) 00:25:56.51 ID:EF9zyLSb0
-----------------------------
今回更新はここまで
次回は19日(日)19時くらいからの予定
461 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/19(日) 00:30:31.97 ID:oy176i/j0
乙です。
小巻の件、杏子も知らないとなるとどうなったのか不安ですね・・・
ひょっとして小糸が契約することになるのか?
462 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/19(日) 21:19:01.35 ID:EF9zyLSb0
――――――
キリカ(“美国”って、小巻と一緒にいた人だよね?)
歩きながら考える。いつものようなパトロールをしてるわけではない。
風見野の魔法少女――杏子たちとの話の途中から、どこか置いていかれたような気分だった。
マミはその人のことを知ってるらしい。
それから、小巻のことを除けば気になることはもうひとつだ。
キリカ(朝教室にきた時のマミ、目が赤くて泣いてたみたいだった。なにがあったんだろ?)
小巻のことは今探してる。まずはどうにかして連絡がとれないかを試した。今のところ連絡はなし。
マミは話に出てきた魔法少女『美国織莉子』にも連絡をとろうとしてたようだった。でもそっちからの連絡もなし。
……杏子はああ言ってたけど、そもそも味方なのかな?
キリカ「小巻の家は先生に聞けたしそこは行くとして、なんもわかんなかったら手分けして探す?」
マミ「……」
キリカ「……おーい?」
マミは今日はこうやってたまにぼーっとしてる。
マミ「あ、あぁ、そうね。でも、一人になったら危険もあるわよ」
キリカ「それもそうだけど」
マミ「ねぇ、呉さん」
463 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/19(日) 22:09:38.37 ID:EF9zyLSb0
マミの声のトーンはいやに真剣だった。
キリカ「ん?」
マミ「辛い事を知らずに死んでしまったら、それ以上は辛い思いをせずにすむのかしら」
その言葉に、さすがになんて返したらいいかもわからず。
呆気にとられているうちにマミが慌てたように言った。
マミ「……なんでもないわ! ごめんなさいね、嫌なことばかり考えてしまうの」
なんかよくないことがあったのはわかる。そのことでなんか隠してるっていうのも。
小巻の家に行くと妹さんが出てきてくれたけど、やっぱり小巻はいなくて、昨日から帰ってないって言ってた。
それからしばらくマミと一緒に探し回って、それでも見つけられずに今日は別れた。
薄々思ってる。もう見つからないんじゃないかと。もし見つかったとしても――――……
「...!」
もう『無事』ではないんじゃないかと。
「......――――!」
――――――
――――――
464 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/19(日) 22:15:06.91 ID:oy176i/j0
うーん・・・小巻どうなるんだ、これは?
465 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/09/19(日) 22:31:03.31 ID:mIb05u5RO
まどポのさやかBADにあった身体がゾンビ化してたら流石に嫌だな
そういやほむら全然出てこないな
466 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/19(日) 22:32:25.09 ID:EF9zyLSb0
……『誰か?』 違う。
このまま全部忘れてなにも無くなるとか冗談じゃない。
そんなの――!
小巻「『美国』…………!」
あたしはまだここにいる。
浅古小巻だ。消えてなくなったりしない。たとえ死んだってあたしはあたし。そんな簡単なこと見失ってたまるか。
アイツ、なんで魔法なんか。キュゥべえ見えてないって嘘だったの?
その名を呼んだ先には、あたしの手を掴む人がいた。
キリカ「私だよ! 今、美国って言ったの!? わっ、手冷た……!?」
キリカ「生きてるんだよね!? 救急車呼ぶからね!?」
キリカはひどく焦った様子で呼びかけていた。
――――――“生きてる”?
気づけばそのまま意識はブラックアウトして、また別の場所で目を覚ました。
467 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/19(日) 22:36:13.91 ID:oy176i/j0
キリカが見つけてくれたのか!
468 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/09/19(日) 22:46:13.88 ID:mIb05u5RO
何て言うか、小巻のメンタルくそ堅いな
マミの豆腐メンタルとは大違いだな
469 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/19(日) 22:52:15.76 ID:oy176i/j0
>>あたしはまだここにいる。
なんか涼宮○○ヒみたいなセリフだな・・・小巻のCV平野綾で脳内保管できたわw
470 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/19(日) 23:35:13.05 ID:EF9zyLSb0
小巻「ここは……!?」
白い天井。意識ははっきりとしていて傷もない。
怪我を負ったことも優木との戦いも夢だったかのように、すっきりとした目覚めだった。
……そんな都合の良いことを考えて、思い直した。
救急車呼ぶって言ってたから、ここは病院なんだろう。あたしたちなら傷を治す方法も考えられる。
そうして現実に思考を戻した頃、泣きつく妹の姿が見えた。
小糸「お姉ちゃん! 生きててよかった! 死んじゃうかと思ったんだから!」
小巻「そ……そんな簡単に死なないわよ」
小糸「そんなこと……ないよ」
弱くつぶやくような声が聞こえた気がして、首を傾げる。
それから他にも周りに人がいることに気づいた。
キリカ「覚えてる? 路地裏のせまっこいトコから小巻の声が聞こえた気がして、見てみたら本当に小巻がいたんだから驚いたんだよ!」
小巻「路地裏?」
マミ「記憶にないなら、後からそこに運ばれたのかしらね。とにかく助かってよかったわよね」
キリカ「あれから目は覚まさないし、すっごい血まみれで身体は冷たくて、もうダメかと思ったんだから! もうなんともないの?」
マミ「……」
マミはどこか目をそらすような素振りをした。よほど酷い怪我だったのだろうか。
誰が治してくれたんだろう。
小糸「それとね、お姉ちゃん、実は私……」
小巻「え?」
小糸が何かを言いたさそうに手を胸の位置まで挙げる。
――――……その指には、あたしたちにあるのと同じ指輪がはまっていた。
――――――
471 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/19(日) 23:45:48.53 ID:oy176i/j0
やっぱり小糸は契約したか・・・
マンガとは違う願いなのかな?
472 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/19(日) 23:59:15.63 ID:EF9zyLSb0
――――――
そこは誰もいない突きあたりの廊下。
佇むマミの傍にはキュゥべえがいた。
マミ「……ねえ、魔法少女は身体が傷ついても死ぬことはないんでしょう? 小糸さんが契約する必要はあったの?」
QB「そのことを小巻は知らない」
QB「あのまま運ばれてたら『死亡してる』と判断されただろうし、いずれは心のほうが耐えられなくなって魔女になる可能性もあったんじゃないかな」
QB「マミが浄化しておいて助かったね。もうかなり濁っていたみたいだったから」
マミ「……」
QB「納得できないかい? 君たちが望んだ通りに事は進んだじゃないか」
マミ「ええ。だって、誰もそのことを知って契約してないから」
キュゥべえはそう言うマミのことを、まったく理解できなさそうに見上げていた。
―23日目終了―
小巻 魔力[100/100] 状態:正常
GS:0個
◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]
473 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/20(月) 00:02:21.52 ID:PZyfwj1D0
----------------------------
今回更新はここまで
次回は20日(月)20時くらいからの予定
474 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/20(月) 00:23:50.28 ID:mVxpPc6Q0
乙です。
うーん、何が起こったのか・・・
紗々は小巻の身体の処理に失敗したのか、雑な処理をしたのかはたして・・・
475 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/20(月) 22:18:52.36 ID:RH/XRy7j0
――――――
24日目
あのあとは駆けつけてきた両親に泣かれたり、味の薄いご飯を食べて、検査したり。
あたしのことは、行方不明で意識を失っていたものの、これといった外傷はなく検査でも異常はなかった――っていう扱いだ。
――――昼には退院して、今に至る。
契約しちゃったばっかりの小糸も含めて四人で話してた。
小巻「それじゃあやっぱり、美国は契約してたのね?」
マミ「ええ。本当は本人から話すって言ってたのだけど、まさかこんなことになるなんて……」
風見野の魔法少女が協力するって言ってきたこと、小さな女の子の契約を美国がそそのかしたってのも聞いたけど、
マミがこのことを知ってたのが一番の衝撃だった。
小巻「でもこれではっきりしたじゃない! 美国のとこには優木がいた」
小巻「何企んでんのかは知らないけど、それも全部アイツに操られてたんだわ!」
マミ「そうよね。じゃあやっぱり早く優木さんを見つけないと……」
「あれ? 昨日より一人増えてる。くたばってなかったのか」
その時、この場にもう一つ声が響く。
風見野の魔法少女も呼ぶとは言ってたけど。まさか。
476 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/20(月) 22:25:47.65 ID:mVxpPc6Q0
あー、小巻は織莉子が沙々に操られてると思ってるのか。
これなら沙々倒した後の保険にもなるからなぁ・・・
477 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/09/20(月) 22:31:55.59 ID:mVxpPc6Q0
あれ、小巻は杏子を知ってるのはGS強盗にあったからか?
名前を聞いてもピンとこなかったのは杏子がその時の魔法少女だと一致しなかったからか?
478 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/09/20(月) 22:36:30.99 ID:1yTThfPLO
昨日杏子たちに会ってたのはマミとキリカだから増えたのは1人じゃなくて2人じゃね?
479 :
◆xjSC8AOvWI
[saga]:2021/09/20(月) 23:04:27.23 ID:RH/XRy7j0
小巻「佐倉杏子ってコイツ?」
杏子「そうだよ」
小巻「アンタ、この前ヘンなこと言ってきた強盗じゃない!」
マミ「佐倉さん……悪い噂は聞いてたけど、どうしてそうやって人に迷惑かけるようなことするの?」
杏子「うるせーよ! もうあたしと何の関係もないくせに、今更説教すんな!」
小巻「それに、一人じゃなくて少なくとも二人でしょ? 小糸が契約したのは夜なんだから」
そう言ってやると、佐倉は不遜に腕を組んだまま小糸をジーッと見た。
小糸は縮こまるようにしてる。
小糸「……は、はじめまして」
杏子「地味過ぎて目に入ってなかったわ。……契約した? なんでだよ」
小糸「お姉ちゃんの怪我を治すために。本当に死ぬかもしれないとこだったんです。冗談でもあんなこと言わないで」
縮こまりながらもはっきりそう言うと、佐倉は少したじろいで、それから不機嫌そうな表情をした。
杏子「……揃いも揃って他人のために契約しやがって」
ゆま「キョーコ! いじわるなこと言っちゃダメだよ!」
ゆま「それに、ゆまはキョーコを助けたこと後悔してないよ?」
小さな女の子っていうのはこの子のことだろう。
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