【まどマギ】小巻「見滝原中に転入したわ」【安価あり】

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306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/04(土) 23:34:07.04 ID:mHeITOSI0
この3人、役割分担がはっきりしてるからなかなか良い感じで戦えてますね。
307 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/04(土) 23:47:11.75 ID:mEN12GPq0


小巻「あたしが持ってていいの?」

マミ「ええ。さっきの戦いは浅古さんのおかげですぐに倒せたもの。私一人ならもう少し魔力は使うわね」

キリカ「べつに私もそれで問題ないよ」


 キャッチしたのが近くにいたあたしだった。

 二人は目的が目的だから当然だけど、魔法少女同士でする会話にしては平和だな、なんて思っていた。

 一人で活動してると奪い合いみたいのばっかり目についたから。


小巻「じゃあ今回はそうするけど。あたしも戦いやすかったわよ」


 ――そう、今のところは普通に平和だ。

 でも、今も優木はどこか知らないところで人を食い物にしてるのだろうか。



 下1レスコンマ判定 2/3
0~20 使い魔
21~40 魔女
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/04(土) 23:51:41.03 ID:rJqHyuo4O
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/04(土) 23:52:32.95 ID:mHeITOSI0
ほいさ!
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/04(土) 23:53:18.14 ID:rJqHyuo4O
使い魔か
311 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/05(日) 00:21:27.26 ID:xsAlPUNQ0


 再び街中を歩き出す。


 マミはその途中にもニュースをチェックしていた。

 やっぱり、マミも優木の動向を気にしてるんだろう。


小巻「何か手がかりは見つけられそう?」

マミ「いえ……まだ今日の分は新しい情報はないわ。でも、少し調べてみると風見野での行方不明も度々起きてるのみたいなのよね」

小巻「アイツの仕業? それとも普通の魔女かしら」

マミ「わからないけど、でも風見野のほうっていうと……」


 マミは言いかけてから、不自然に言葉を途切れさせる。


小巻「何か心当たりでもあるの?」

マミ「少し知り合いがいるってだけ。使い魔を放置する魔法少女はいるから。私も縄張りの外にまでは口出しできないしね……」

マミ「でも、優木さんのように意図的に人を殺している魔法少女がいるなら、今回と同じく話題になるくらいの頻度になっていると思うの」

小巻「そっか。もうちょっと調べなきゃってとこね」

マミ「ええ。……と、話してるうちに今度は使い魔ね」

キリカ「今度はさらに楽できそうかな?」

小巻「そうね。さくっと片付けちゃいましょ」



―落書きの魔女結界


 使い魔の気配を追っておくと、それは人気のない通りにいた。

 魔女や使い魔はこうして変なところばかり好んで居座るみたいで、やっぱり気が知れない。


 一人一匹、と少しくらいを相手にすれば事足りそうだ。


小巻 魔力[95/100]  状態:正常
GS:5個
・[55/100]
・[100/100]
・鳥かご[100/100]
・お菓子[100/100]
・ハコ[100/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]


仲間:
マミ 状態:正常
キリカ 状態:正常

敵:使い魔Anja ×4

1破壊的斬撃 :近接武器戦闘・斧(魔力-0)まともにヒットすれば必殺技レベルの威力を誇る
2投刃(魔力-5) :遠心力をつけて武器をぶん投げる。繰り出すのと武器再装備には時間がかかる。
3ガード(魔力-3〜5/1ターン) :攻撃に対処するための盾。格闘中の判定結果によって自動使用する
4バリアバインド(魔力-10) :敵をバリアに閉じ込める
・自分の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
・他人の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
5自由安価

 下2レス
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/05(日) 00:39:25.33 ID:B0NzgHve0
1
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/05(日) 00:40:04.81 ID:3/GUw2SJO
1
314 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/05(日) 00:45:30.09 ID:xsAlPUNQ0


 使い魔とはいえ1対1。余裕で倒していいとこ見せたいけど。



 下1レスコンマ判定 戦況
0〜(劣勢) < 99(優勢)

+一桁0クリティカル(優勢時は自分)
+ゾロクリティカル(自分)
+補正 自[格闘Lv3]*3

結果:40以上orクリティカルで『余裕で倒せた』。仲間がいるので1ターン撃破は確定。
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/05(日) 00:56:40.30 ID:3/GUw2SJO
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/05(日) 00:57:50.29 ID:3/GUw2SJO
ありゃ
クリティカルだけど1足りないか
317 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/05(日) 01:14:24.56 ID:xsAlPUNQ0
劣勢:39(相手クリティカル)



 武器を構えてひと振り。この一撃で決める。


小巻「終わりよっ! ――あれっ」


 狙いを定めたつもりだったけど使い魔が刃の下をすり抜けていった。

 こいつ、すばしっこい……!


小巻「ちょっと、ちょこまかするな! 使い魔のくせに!」


 その後も何振りかしているものの、振り下ろす時には移動していてなかなか刃が当たらない。

 使い魔と格闘しているうちに、ほどなくして銃弾が撃ち抜いていった。


小巻「あっ…… 今回はいいとこ見せられなかったわね」

マミ「いえ、大丈夫よ。相性の問題だと思うわ」


 これで全部倒したみたい。

 たしかに、さっきみたいにトドメまで整ってればいいけれど、細々と使い魔を相手にするのはあまり得意じゃない。

 少し悔しいけど、仲間がいるときは頼らせてもらおうか。



★ガードを1ターン分を使用しました。

小巻 魔力[92/100]  状態:正常
GS:5個
・[55/100]
・[100/100]
・鳥かご[100/100]
・お菓子[100/100]
・ハコ[100/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]
318 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/05(日) 01:17:11.64 ID:xsAlPUNQ0
-------------------------
今回更新はここまで
次回は5日(日)18時くらいからの予定
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/05(日) 01:28:17.89 ID:B0NzgHve0
乙です。

最後がしまりませんでしたが次の遭遇で何かきそうですね。
子悪党の沙々か、はたまた縄張りを荒らされて激オコの杏子か・・・
320 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/05(日) 20:48:18.67 ID:xsAlPUNQ0



 ――再び歩き続けて、パトロールも時間的にはあともう少しってところ。

 今日も何事もなく終わりそうだけど。




 下1レスコンマ判定 3/3
0~20 使い魔
21~40 魔女
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/05(日) 20:50:44.57 ID:7seYgf/SO
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/05(日) 22:21:22.84 ID:7seYgf/SO
レスに気づいてない?
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/05(日) 23:01:55.13 ID:B0NzgHve0
スレ主さん、寝落ちしちゃった?
324 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/05(日) 23:14:03.69 ID:xsAlPUNQ0


マミ「今日はこのくらいにしましょうか」


 夕焼けが沈む時間になってマミがそう宣言した。

 いくらか戦いもしたし、パトロールの成果としては上出来ってとこ。


小巻「無事なのはいいけど、今日も優木には会えずじまい……か」

マミ「もしかしたらもう風見野のほうに移ってるってこともあるかもしれないしね」

マミ「とりあえず、無事に済んだのは本当によかったわ。みんなお疲れ様」


 風見野のほうでも出ている被害。そっちも気になる。

 あたしたちに目をつけられたことで一時的に逃げたのかもしれないし。隣町に移ったから安心、とは言えない。


マミ「……この後、うちでお茶でもどうかしら?」

キリカ「お茶? お茶にはあんまり興味ないけど……」

小巻「ふうん? そう? あたしはマミに少し話しておきたいこともあるし、お邪魔させてもらおうかしら」


 お茶菓子とか用意するなら多分あとで悔しがりそうだけど、とりあえず本人がそう言うんならいいや。

 あたしだけあがらせてもらうことになった。

325 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/05(日) 23:43:58.75 ID:xsAlPUNQ0


 カップから紅茶の香りが立ち上る。

 お茶のお供はクッキーだ。チョコレートとプレーンが渦の模様を描いている。


小巻「これも手作り?」

マミ「こういうの作っておくと便利なのよ。ちょっとしたお茶請けになるしね」


 ……キリカはまあ、何か違うもんでも想像したんだろう。それにまだ壁は感じてるのかも。

 マミはパトロールが終わってからもう一度、携帯の画面を眺めていた。


マミ「……風見野での被害、増えてるわね」

小巻「違う縄張りに行っちゃったらあたしたちに出来ることってないのかしら?」

マミ「向こうの魔法少女に注意しておくことくらいでしょう。向こうと協力できればそれもいいのだけど……」


 向こうにはマミとは考え方の違う知り合いがいるらしい。マミは言いながらも少し渋った様子だった。


マミ「そういえば話しておきたいことがあるって言ってたわね」

小巻「ああ、そうそう。この前覚えといてって言った件よ。向こうには話したからさっそく会ってもらいたいと思って」

小巻「その知り合い、美国織莉子って言うんだけどね。ニュースとかよく見てるなら、その名前は聞いたこともあるのかしら」

マミ「美国さん……? ニュースに出るような人なの?」

小巻「どっちかっていうと悪い方のニュースだけど、それは関係ないのよ。アイツと親は違うし」


 そう言うと、マミも思い当たる名はあるようだった。けど特に調子を変えることなく続けた。


マミ「わかったわ。その人と会ってほしいのね?」

小巻「そういうこと。……まあ、初対面のときくらいはあたしも一緒にいるわよ」



1美国について話す
2風見野の魔法少女とは協力できそうか
3自由安価

 下2レス
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/05(日) 23:58:00.58 ID:B0NzgHve0
1+マミにキリカの分のクッキーを包んでもらう。

このクッキー、美味しいわね。
そうそう。キリカって甘いものに目がないのよ、この間パンケーキ食べに行ったときは目を輝かせてたくらいにね。
これ、キリカに渡す分包んでもらっていいかしら?
まだ関係がぎこちなく思うのなら、こういった手段が有効かもしれないからね。

マミからって言えば受け取るの躊躇するかもしれないけど、一度餌付けちゃえばいいのよ。
意外とこういったことでストンと憑き物が落ちたみたいに上手くいくかもしれないからね。
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/06(月) 00:18:40.27 ID:fp/wVNwQO

風見野の魔法少女と何かあったのか、話しづらいのなら今は聞かないけどを追加
328 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/06(月) 00:59:18.40 ID:Or7yPesx0


小巻「わかってたけど、ちょっと安心したわ。マミが態度を変えなくて」

小巻「あたしの元いた学校、美国は今も通ってるとこだけど、そこだと露骨に避けたり嫌がらせしたりするヤツばっかなのよ」

マミ「そうなのね…… それは辛いわね。だから私に話を?」

小巻「まあね。別にアイツのためってわけじゃないけど! いつまでもウジウジしてばっかで、あたしの思い通りにならないのが気に入らないのよ!」


 ……マミは苦笑いを浮かべてた。


マミ「わかったわ。仲良くなれるようにしてみる」

小巻「ところで、話戻るけど、風見野の魔法少女とは協力できそう?」

マミ「……わからないわ」

小巻「何かあったの?」

マミ「ええ……すこしね」

小巻「そう、話しづらいなら今は聞かないけどさ」


 クッキーはまだ残っている。

 これ以上は手を付けないことにして、尋ねてみる。


小巻「これおいしいわね。キリカも来てみればよかったのに」

小巻「さっきはわざわざ気を使ってくれたんでしょ? 渡す分を包んでもらってもいいかしら?」

小巻「アイツって甘いものに目がないし、こういうのがあるって知れば次は来てくれるかもしれないからね」

マミ「ええ、それは構わないけど」

小巻「まだぎこちないんだろうけど、こういう手はきっと有効よ。この間パンケーキ食べに行ったときなんか目を輝かせてたんだから」


 キリカの分のクッキーを包んでもらった。

 それからお茶がなくなると、今日はお開きにして遅くなりすぎないうちに帰った。



 ……帰宅した後、小糸に見つかってねだられたのはまた別のはなし。


329 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/06(月) 01:03:47.75 ID:Or7yPesx0
――――
――――


小糸「あっ、もしかしてお菓子? それお土産?」

小巻「アンタにじゃないわよ。それより、今日はまたキュゥべえこなかった?」

小糸「えぇ、それよりって」

小巻「それよりよ」

小糸「今日は来てないけど……そういえば、魔法少女って変身して戦うんでしょ? お姉ちゃんの見せてよ」

小巻「見せるか!」



 げんこつを落とした。本当に魔法少女の大変さをわかってんのか心配になる。



小巻(……妹にも今度なんか買ってきてやるか)



―17日目終了―


小巻 魔力[92/100]  状態:正常
GS:5個
・[55/100]
・[100/100]
・鳥かご[100/100]
・お菓子[100/100]
・ハコ[100/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]
330 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/06(月) 01:06:44.67 ID:Or7yPesx0
---------------------------
今回更新はここまで
次回は6日(月)19時くらいからの予定
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/06(月) 01:10:23.29 ID:cB3/1Hlu0
乙です。

結局マミと織莉子会わせる事になりましたが、まだ織莉子が契約したかどうかわからないから不安が・・・

332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/06(月) 01:40:16.97 ID:fp/wVNwQO

また手駒扱いされなきゃいいけど
333 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/06(月) 19:58:43.25 ID:Or7yPesx0
――――――
18日目



小巻「昨日はお疲れ様。マミの家で出されたお茶菓子、包んでもらったからあげるわ」

キリカ「お茶菓子? 砂糖の塊かなにか……?」


 やっぱり、お茶っていっても麦茶とかウーロン茶とか、もしくは結構なお手前で……みたいなのを想像してたとか。

 色んな人が集まるこの学校の中でもキリカの発想はザ・庶民って感じだ。逆に面白い。


キリカ「!」

小巻「砂糖の塊って…… 何想像してたわけ?」


 ラッピングを見ると一気に反応が変わる。


キリカ「いや、なんかあるじゃん……とにかくこういうのとは想像してなかった」

小巻「マーブルクッキーですって。しかも手作り。おいしかったわよ」

キリカ「ありがとうね。まあ紅茶もコーヒーもそんなに好きでもないけどさ。お菓子を主役にして持ってきてくれるなら大歓迎だよ!」


 ともかくキリカは機嫌良さそうだ。

 朝の時間を教室で過ごしつつ、携帯が振動したのを感じ取って見てみる。

 晶からだ。美国のほうは今日でも都合は悪くないって。



小巻(向こうは暇してるみたいだし、それなら早いほうがいいわよね)


334 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/06(月) 20:49:30.50 ID:Or7yPesx0


 ――――放課後になると、適当な場所でマミと待ち合わせる。

 こっちのほうが一足だけ早かったようだ。


マミ「おまたせ、浅古さん」

小巻「そんなに待ってないわよ。じゃ、ゆっくり行きましょうか」


 家を知ってるあたしが少し先を歩く。その間に昨日の話の続きもした。


マミ「……風見野の魔法少女へはキュゥべえに伝言を頼んでおいたけど、返事をくれるかどうかはわからないわ」

マミ「私としては久しぶりに一度会って話してみたいのだけどね」

マミ「それと、過去のニュースも遡って見てみたのだけど、少し気になる動きなのよ。この街に来る前、優木は元々風見野のほうにいたんじゃないかって」

小巻「あたしたちが思ってたのとは逆で、風見野のほうからこっちにきたってこと?」

マミ「ええ、恐らくその前はまた隣の街から。目をつけられては逃げるってことを幾らか繰り返してるのかもしれない」

小巻「そうなると余計に厄介ね…… 逃げ回るのに慣れてるんだ」


 どこに行っても被害を出すんだろうから、そんなヤツいつまでも取り逃がしてたくはない。

 ――話しているうちに美国の家が見えてくる。


小巻「着いたわ。ここよ」

マミ「まあ…… お嬢様とはわかっていたけど、さすがに立派なお家ね」


 マミは少し圧倒されたみたいに驚いていたが、よく見るといたずらで汚されたりした痕跡もある。

 それがどこか暗い雰囲気を放っているようにも見えていた。


小巻「家の前で話してると変な勘違いをされかねないわ。早いところ入ってしまいましょう」


 チャイムを押した。

335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/06(月) 20:55:34.75 ID:cB3/1Hlu0
マミと織莉子の邂逅、今までの話からすると不安しかない・・・
336 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/06(月) 21:26:47.90 ID:Or7yPesx0


織莉子「……いらっしゃい」

マミ「はじめまして。私は巴マミ。浅古さんと同じ学校の友達よ」

織莉子「マミさんというのね。はじめまして。私の名前は美国織莉子。立ち話もなんだから上がって」

織莉子「紅茶が好きだと聞いたわ。色々と種類は揃えてあるけど、何か好みはあるかしら?」

マミ「そうね、私は最近は――――」


 紅茶談義がはじまったのを眺める。

 出会ったばかりなのに、こうしてると入れない雰囲気だ。とりあえずこれだけ伝えとく。


小巻「あたしは適当におすすめのにしといて。美味しければいいから」


 『ええ』と言った声が重なって、二人が顔を見合わせた。

 相性は悪くなさそうだ。


織莉子「ケーキも用意してあるわ。近くのパティスリーで選んできたのだけどね」

マミ「お洒落な箱ね。楽しみだわ」

小巻「なるほど、もてなす準備はちゃんと整えたのね」


 しかしどこか、すでに甘い匂いが漂っていることに気づく。

 箱に入っているケーキとはまた別だろう。甘い、だけじゃなく、苦くもあるような。


小巻「ちょっと美国! なによこれ!?」

織莉子「あ……! ごめんなさい、片付け忘れていたわ。見なかったことにしてくれる?」


 ……キッチンのほうを見ると、その元凶が置いてあった。

 放置されたままの、歪に凹んだスポンジケーキのような何かだ。ついでに美国も慌てはじめていた。


小巻「さては手作りに失敗して急遽買ってきたのね……?」

織莉子「ええ…… 慣れないことはするものじゃないわね」

マミ「ま、まあそんな時もあるわよ」

小巻「マミも失敗なんてするの? いつも下手な店より上手く作ってるじゃない」


 これのおかげでさらに空気は緩んだ気がした。あたしも美国のこんな失態見られるとは思ってなかった。

337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/06(月) 21:43:35.10 ID:cB3/1Hlu0
そういえば織莉子はケ−キ作りが苦手だったけ。
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/06(月) 22:12:27.16 ID:Pll3lVpFO
ここで織莉子がコケてイチゴパンツ丸出しになったらウケるんだがなw
339 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/06(月) 22:34:11.74 ID:Or7yPesx0


 ……紅茶が入り、お茶会がはじまると改めて腰を落ち着けて会話がはじまる。



織莉子「マミさんはケーキも普段から手作りされるのね。今度コツとか聞いてもいいかしら?」

マミ「ええ、もちろん。私のはただの趣味だけど、それが役に立つなら嬉しいわ」

織莉子「ちなみに、今回のは何が悪かったのかわかる?」

マミ「泡立て方や材料の分量、焼き方……考えられる原因はいくらかあるわね」

織莉子「なるほど、気にしなければいけないことが多いのね」

マミ「難しく考え過ぎないで、慣れちゃえば出来るわよ」


 あたしも詳しくないから、マミの話にふむふむと相づちを打って聞いていた。

 こうして見ているとマミが講師かなにかのように見えてくる。


マミ「美国さんは、浅古さんが見滝原に転入する前に同じ学校にいたのよね? 浅古さんとも仲良かったの?」

小巻「仲良くないから!」

マミ「そ、そう。でも色々と気にかけてるのよね?」

小巻「それはコイツが揶揄い甲斐もないくらいふわっふわな態度で、やられたい放題で、そのうえ暗い顔ばっかしてるからよ」

小巻「……そのせいで、魔女にも食われかけるし」

マミ「魔女に? 魔法少女のこと知ってるの?」

織莉子「小巻さんから聞かせてもらったわ。もしかしてマミさんも魔法少女なの? あんな存在がいるなんて驚きね……」

小巻「でもコイツはキュゥべえも見えないし、そっちとはなんも関係ないから。普通にただのあたしの知り合いとして接してよ」

マミ「わかったわ。美国さんが無事でよかった」



 ……この調子なら大丈夫そうだ。これでちょっとはマシになってくれるといいけど。

 ケーキの箱が入ってた袋にあるロゴを見る。この近くって言ってたし、帰りに寄って妹に何か買っていってやるか。



*お茶会*
1優木について注意喚起
2様子を見る
3早めに帰ろうかな?
4自由安価

 下2レス
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/06(月) 22:47:32.30 ID:cB3/1Hlu0
1+4
マミと一緒に帰る際にうっかりケーキ屋の名前を聞き忘れたので1人で織莉子に聞きに戻る。

とりあえず注意しとくけど、今見滝原と風見野にそうとうヤバい奴がうろついてるのよ。
そいつは人を魔女に食わせるようなとんでもなく最低な奴よ!
どんな理由やご大層な大儀名文があっても、誰かを犠牲にするやり方しか出来ないのはただ逃げてるだけよ。
私はそんなやり方をするような奴は絶対に許さないし許すつもりもない!
とにかくそいつの事が片付くまであんたも人気のないとこに行ったりしないで、放課後はすぐに帰りなさい、いいわね!?
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/06(月) 22:54:17.67 ID:Pll3lVpFO
↑+2
342 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/07(火) 00:18:16.97 ID:ltsDfmG90


小巻「ところで美国、ちゃんと放課後は寄り道しないですぐ帰ってるわよね?」

織莉子「ええ。気をつけてるわ、大丈夫よ」


 最後に、人づてには伝えてもらったけど、優木についても一度直接注意喚起してやろう。


小巻「伝わってるとは思うけど、優木とかいう魔法少女。相当ヤバい奴だからね。今見滝原と風見野をうろついてるらしいから気をつけておきなさいよ」

小巻「会わないように安全な道だけ歩くのが一番だし、なんの力もないアンタが目をつけられればアウトなの」

小巻「優木ってのは、そんな人すら食い物にする最低なヤツなんだから」

織莉子「もしかして、小巻さんはその魔法少女と戦う気なの……?」

小巻「当たり前よ! アンタと違って、あたしは戦える力があるもの。あんなヤツは絶対に許しておけないわ」

小巻「何が楽しいのか知らないけど、なんであっても誰かを犠牲にするってやり方を選んだ時点で理解してやる気もないわ。当然、あたしはそんなのには負けないから!」


 それから、マミも美国を安心させるように言った。


マミ「浅古さんだけじゃなくて私も仲間よ。それに、他にも仲間にできる人はいるかもしれないから」

織莉子「そう。そうなのね」

織莉子「……あなたの考えは、よくわかったわ」



 ……一瞬、美国が息を呑むほどの気迫を持って見えた。

 ただその一瞬だけだ。気のせいだったのかと思い直す。美国はまたいつものふわふわとした澄ました表情を浮かべている。

 なんで考えていたことが上手くいって、安心しようとしたその矢先にこんな『気のせい』が起こるのだろう。



織莉子「二人とも、今日は来てくれてありがとう。どうか気をつけて」

小巻「……ええ。じゃあ、帰るわね」



 忘れずに、お土産も買っていかなきゃ。

 でも、なぜだか、ほんの少しだけ心にヒヤリとしたものが暫く残っていた。



―18日目終了―


小巻 魔力[92/100]  状態:正常
GS:5個
・[55/100]
・[100/100]
・鳥かご[100/100]
・お菓子[100/100]
・ハコ[100/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]
343 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/07(火) 00:21:16.94 ID:ltsDfmG90
--------------------------
今回更新はここまで
次回は8日(水)19時くらいからの予定
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/07(火) 00:23:46.49 ID:rDlPXCJU0
乙です。

うわっ、これはやっぱり織莉子は契約済みでまどかを狙ってますね・・・
345 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/08(水) 19:59:08.18 ID:79Nrd5ij0
――――――
――――――



 ――――……抱いたのは殺意。言い換えれば『殺す覚悟』だ。それがもう一人増えた。

 私にとってはひどく今更なものだった。



織莉子「……やはり、そう。わかりきっていた事だった」


 彼女はその刃を汚せない。彼女はこの道を択ばない。……だから私も彼女は択ばなかった。そしてそれは、正解だった。


織莉子「私の味方はそっちで、彼女は味方にできないのだから」

織莉子「私はまだ“あの駒”は失うわけにはいかない。まだ利用できる駒を、決して味方につかない駒のために落とす理由はない」


 だからこれも、仕方の無い事。

 力のある者がやらなければいけない。私も彼女と同じ事を考えているはずなのに、なぜこんなにも――。


 自分の中で答えを導く為の思考。自問自答に似たモノローグは、自分を見つめるもう一人の自分への言い訳でもあるのかもしれない。

 そんなことをどこか心の隅で感じはじめたのは、『運命』を識り、この使命を背負ってからだった。



織莉子「敵対するのなら、殺さなきゃいけなくなった」




――――――
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/08(水) 20:04:25.95 ID:l6Ilg53UO
あ、やっぱりね
347 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/08(水) 20:25:20.22 ID:79Nrd5ij0
――――――
19日目



 いつになく落ち込んでる様子のマミがやってきた。

 ……またキュゥべえを介した伝言だけど、風見野の魔法少女からの返答はこんな感じだったらしい。


 『関係ない人たちの被害なんて知ったこっちゃない』

 『自分の魔法を活かしてグリーフシードを稼いでるんだから魔法少女としては正しいし冴えてる』

 『マミも見習えば?』


 そしてトドメに、

 『自分に手を出してくるようだったら殺す、それ以外で関わる気はない』――――だそうだ。



 うん、どんなヤツかってマミから聞いてはいたけどね。それにしても。



小巻「そいつなんなの!? バカ!?」

小巻「そういうヤツの考えてることってわかるわよ。自分では利口なつもりでしょうけど、あたしから言わせればバカよ!」

小巻「自分にさえ火の粉がかからなければどうでもいいってわけ? 今が団結しなきゃいけない時でしょうよ!」

マミ「あ、浅古さん、ちょっと落ち着いて……」


 思ったことを捲し立てると、マミがたじろいだように言った。

 人気はないとはいえちょっと廊下で騒ぎすぎた。それは反省する。


小巻「……やっぱ、そんなヤツばっかなのね。マミが縄張りに変なの入れないように気を張ってる気持ちも少しわかったわ」

マミ「それだけじゃないのよ」

小巻「え?」


 たしかに協力できなかったのは残念だけど、

 それだけと言うにはマミはどこか悲しそうな顔をしているように見えた。

348 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/08(水) 21:15:22.89 ID:79Nrd5ij0


マミ「見滝原に魔法少女が増えたことはもうあっちも知ってるみたい。そのことも良く思ってないみたいでね」

小巻「はあ? そんなのこっちの勝手でしょ?」

マミ「……『また』仲間なんて作るんじゃない、って」


 そろそろその魔法少女に対してイライラが最高潮になってたところだったけど、その言葉には違和感を覚えて聞き返す。


小巻「『また』?」

マミ「その魔法少女のことは詳しく話してなかったけど、昔はその子と私で組んでたのよ」


 ソイツとの間に何かあったとか、前に仲間のことで嫌なことがあったのかもしれないとか、そんな片鱗は感じてたものの意外だった。

 どう考えてもマミとは合わないだろうに。裏切られて酷い目に遭うのは目に見えてる。

 だから少し呆れ気味だった。


小巻「なんでまたそんなヤツと……」

マミ「……」


 すると、マミはまた少し悲しそうな顔をした。それとも最初は善人ぶってて、騙されでもしたんだろうか。


キリカ「まあまあ。それよりまさかだけど、その魔法少女まで敵に回ったりしないよね……?」

マミ「優木さんと組むってことはさすがにない……とは思いたいけれど。注意はしておいたほうがいいわね」

マミ「……ごめんなさい。いい結果にならなくて。むしろ危険を増やしてしまったかもしれない」

小巻「そんなのマミのせいじゃないわよ」

キリカ「そ、そうだよ」


 結局、ソイツの協力なしでなんとかしなきゃいけないってことだ。


小巻「今、優木って見滝原と風見野のどっちにいるわけ? どっちも?」

マミ「今朝までだと風見野での被害が増えていたわね。見滝原のほうは増えていなかった。あと他の街でもいくらか行方不明の文字はあったけど……」

マミ「メインは風見野に戻ったと考えてもいいのかも」


 とはいえ、またいつこっちに来るかわからない。

 風見野の縄張りに踏み込んだとして、もし魔女を狩らないにしても……間違いなくその魔法少女とは揉め事になるだろう。



1とりあえず見滝原を守ることに徹する
2揉め事覚悟で風見野に行く
3あたしからもソイツに伝言してやる!
4自由安価

 下2レス
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/08(水) 21:36:07.94 ID:3n4Am+T90
1+3、追加で増えてる魔法少女達にマミの命題で集まるように提案する。

きゅうべぇ!悪いけど風見野のソイツに伝えて頂戴。

『あんたとマミの間に何があったかなんて知らないけど、いちいちこっちに指図するな!』

『チンピラまがいのことしか考えない、出来ないくせにマミにはケンカを売れない臆病者は口をつぐんでひっこんでなさい!』
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/08(水) 21:39:48.55 ID:l6Ilg53UO

追加でマミに今日は魔女狩りではなく訓練を提案

351 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/08(水) 22:01:01.07 ID:79Nrd5ij0
------------------------------------------------------------------------------------------------------------
【補足】>>348 『見滝原に魔法少女が増えた』はキリカや(前から契約はしてたものの正式に仲間になった)小巻を指しています
小巻たちの視点では他に魔法少女がいるかどうかについては知らないです
------------------------------------------------------------------------------------------------------------
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/08(水) 22:14:40.99 ID:3n4Am+T90
>>351
では『追加で増えてる魔法少女達にマミの命題で集まるように提案する。』は削除で。
代わりにほむらに現状から決まった事を伝えておく、でお願いします。
353 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/08(水) 22:43:17.58 ID:79Nrd5ij0


小巻「とりあえずは見滝原を守ることに徹したほうがいいわね。こっちが手空きになりすぎても思う壺って感じがするし……」


 守りの体勢しかとれないのはじれったい。あたしは一度会ってるのに。

 暁美もどうせ協力してくんないし。……後で現状は伝えるだけは伝えておくか。


小巻「それと、あたしからもソイツに伝言してやることがあるわよ! キュゥべえ、悪いんだけど伝えて!」


小巻「アンタとマミの間になにがあったかなんて知らないけど、いちいちこっちに指図するな!」

小巻「チンピラまがいのことしか考えない、出来ないくせに、マミにはケンカを売れない臆病者は口をつぐんでひっこんでなさい――――!」




――――――
――――――



 ――――……それから、遠く離れたどこか、“風見野の魔法少女”は言葉を伝えに来た白い獣とともにいた。

 その顔に浮かべるのは不機嫌を表す怒りの表情ではなく、勝ち気な笑みだった。



「……はっ、いいじゃん。新入りのクセに言ってくれるじゃないか」

QB「小巻は新入りってほどでもないよ」

「“小巻”? それ言った『お仲間』の名前、小巻っての? ははっ、それウケるんだけど?」


 キュゥべえは、何がツボに入ったのかまったく理解できないという様子で見上げている。


「変わんねえよ。あたしに比べりゃあいつの戦いぶりなんかド素人だ」

QB「まあ、キミと比べたら大半の魔法少女はそうだろうね」


 そこは見滝原でも風見野でもないどこかの街。


「喧嘩売れないだって? あたしはマミに勝ってこっちに来たんだよ。わざわざ言うなら売ってやろうじゃねえの」

「そしたら見滝原の縄張りもこっちのモン……――!」


 彼女は機嫌よさそうに話していたが、そこで不自然に言葉を切る。


QB「この近くに魔女がいるようだね」

「言われなくたってそのくらいわかる。あたしを誰だと思ってんの?」



 そこで狩りを行うのはルールに反する。しかし、先程の伝言の内容もあっていつもに増して攻撃的な考えになっていた。

 ……それに、彼女からしたらもう一つ、感づいていたことがあった。


QB「佐倉杏子、だろう?」

杏子「……別に名前を言えって意味じゃないよ。アンタと話しててもイマイチ盛り上がんないわ。つまんないやつ」



――――――
354 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/08(水) 23:29:48.87 ID:79Nrd5ij0
――――――



小巻「……これもおかしいわね」

キリカ「えー、じゃあ不正解?」


 授業の合間の休憩時間、前に約束したとおり勉強を見てやっていた。


小巻「不正解中の不正解よ」

キリカ「不正解なのはわかったから! そこまで言わなくてもいいじゃん!」

小巻「これもこれも、アンタやっぱり解き方覚えてないでしょ?」

キリカ「だってむずかしいし」

小巻「公式ってのがあるでしょ? 毎回いちから考えようとするから異次元いくのね。ある意味すごいわよ」

キリカ「褒めてる?」

小巻「褒めてない」


 案の定考えられないくらいボロボロだったけど、見ているとその原因ってのはなんとなく読めてきた。

 最近じゃ未知との遭遇みたいでちょっと面白く思えてきてる。


小巻「まずは公式や文法覚えなさいよ。解き方もわかってないのに解けるわけないじゃない。数学も英語も原因は同じよ」

小巻「単語や漢字は出来てきてるのに」

キリカ「公式って、覚えた後計算しなくちゃいけないじゃん。要求されるステップいっこ増えてる。そのまま答えにできるやつとは違うよ」


 出来ない人からしたらそういうものなのかしら。

 そうしていると、キリカはぽつりとこんなことを言い出した。他の人からも言われることはある話だ。


キリカ「にしても、小巻って何の授業でも活躍してて本当にすごいよね」

小巻「努力しないで出来てるってわけじゃないわよ」

キリカ「そっか、そうだね。塾とか習い事とかやってるんだもんね」

キリカ「でもこっちのがレベルは下でしょ。ただでさえ忙しいのに、まだ頑張る必要ってあるの?」

小巻「それに白女を辞めてから成績が落ちたとも品がなくなったとも言われたくないから、今も勉強に手は抜きたくないの」

小巻「ま…… のことなら、それはそれ、これはこれよ。自分で決めたのに他のことを犠牲にするようじゃいけないわ」


 『魔法少女』、その言葉をボカして言う。キリカも人に聞かれそうなところではおおっぴらに言うことは少ない。

 ゲームか何かの話ってことにしたらごまかせるにはごまかせそうだけど、やっぱり素では口にしたくない。

355 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/09(木) 00:15:03.32 ID:pPcDdhKS0


キリカ「……キミはそういう人だよね」

キリカ「ホントすごいと思う。何も知らない時はただ優等生なんだなとしか思ってなかったけど、でも今は小巻を見てると……」


 最初はクラスメイトから向けられるのと同じような、純粋な情景に見えた。

 『でも』、何を言いかけたんだろう?


小巻「何よ?」

キリカ「いや! 別に。 ……あ、活躍してないのなんて技術のパソコンの授業くらい?」

小巻「パソコンなんて使えなくたって生きていけるのよ」

キリカ「それを言ったら数学だって出来なくても生きられるし!」

小巻「数学は五教科でしょ?」

キリカ「まあそうなんだけど」



 ――――それからチャイムが鳴って、それぞれ席に戻っていった。

 今日は習い事の日だ。キリカにもああ言ったんだから手は抜かない。

 魔法少女のこと優先するにしても、本当にいざっていう時にしないと怪しまれるし。



小巻『今日は放課後パトロール行くの?』


 思念を伝える。すると、テレパシーで返ってくる。


キリカ『面倒だけど、マミが行くなら。今はそうも言ってられないし……』

小巻『そうね』



 面倒だ面倒だと言ってる割には、こいつも頑張ってるほうだと思う。

 なんだかんだで、優木を倒すって具体的な目的があるからか。



小巻(……連絡もらったらあたしも駆けつけられるようには整えておこう)




―19日目終了―


小巻 魔力[92/100]  状態:正常
GS:5個
・[55/100]
・[100/100]
・鳥かご[100/100]
・お菓子[100/100]
・ハコ[100/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]
356 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/09(木) 00:17:57.60 ID:pPcDdhKS0
-------------------------------
今回更新はここまで
次回は11日(土)18時くらいからの予定
357 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/11(土) 18:54:57.53 ID:XjdWJyuw0
――――――
20日目



 優木のことを聞いてから、あたしもマミがやってるように地域のニュースというものを気にするようになった。

 この日も風見野での被害は増えていて、メインはあっちに戻ったというのは確かなんだと思う。


小巻(風見野のヤツが少しは協力してくれてれば…… いや、そういうのは考えても仕方ないか)


 まずは見滝原の被害を減らすことを考えよう。

 元々魔女が沸いている場所には不審な話が流れやすいから、パトロールする場所の目星をつけるにはもってこいだ。


 それに、ニュースになるのは暗いことばかりではない。こうして見てれば街の事情に詳しくなれるようだった。


小糸「地域の情報なんて熱心に見て、出馬でもするつもりなの?」

小巻「考えてないわよ。少なくとも今のところは」

小糸「えー、似合いそうだけどなぁ。小巻議員」


 議員、と聞いて嫌でもアイツのことが浮かんだ。親がそういうのやってる生徒は白女にはいくらかいる。親のしたことは関係ない。

 けど、アイツは何事も無ければそっちの道を目指すつもりだったのだろうか。

 あんなことがあった今ではアイツがあの父親と同じものを目指すとも思えなかった。


小巻「……優木や魔女への対策のためよ。って、どっちも魔女だったわね」

小巻「今日もちょっと出かけてくるわね。キュゥべえが来ても契約は」

小糸「しないで、でしょ! 耳にタコができるほど聞いた!」



 妹にこっちのことを知られた日からいつもしている忠告を言いつけて、家を出る。

358 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/11(土) 19:58:22.96 ID:XjdWJyuw0


小巻「――で、妹は契約はする気ないみたいなんだけど、たまに中途半端な関心を向けてくるから困りものなのよ」

キリカ「中途半端って?」

小巻「この前は衣装見たいとかバカなこと言うし! 絶対どっかのんきに考えてるわ」

キリカ「変身するだけなら減るものでもないんじゃない?」

小巻「減る! 確実にあたしの中の何かが減るわよ! アンタは家族の前で変身とかできんの!?」

キリカ「……いや、やっぱムリ」


 今日のパトロールをはじめて、街を歩きながら愚痴をこぼす。

 優木が今この街にいる可能性は低いものの、いつ遭遇してもいいようにできるだけ一人で行動しないってのはまだ継続中だ。

 会ったら今度こそ確実にぶっ倒してやりたいし。


 マミは今日は用事があるらしいって聞いた。美国の家に行って、一緒にケーキ作りをするんだとか。

 いきなり会わせちゃったけど、趣味の合う者同士、二人は順調に仲を深められているようだ。



 下1レスコンマ判定 1/3
0~20 使い魔
21~40 魔女
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/11(土) 20:05:13.49 ID:zPTEV3KoO

今回はイベント戦闘ありそうだな
360 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/11(土) 20:42:21.75 ID:XjdWJyuw0


小巻「でしょう!? 大体なんでこんなこっ恥ずかしい衣装と名称がついてるのかしら」

キリカ「あー……たしかに。私も魔法少女になったって言われた時、新手の詐欺かと思ったもんね」

キリカ「そんな子供だまし信じるわけないじゃんって。まあ、その話してるのが理解不能なしゃべる毛玉生物だったわけだけど……」

小巻「そりゃ最悪ね……」


 そんなことを心構えもなしに告げられた時の心情たるや、そのショックは計り知れないだろう。

 そりゃキュゥべえのことが嫌いにもなったりするわけだ。今更ながら心底同情した。



 朝に見たニュースの情報も頭に入れて、怪しそうなとこは片っ端から回る。



 下1レスコンマ判定 2/3
0~20 使い魔
21~40 魔女
361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/11(土) 20:47:59.39 ID:aUowBFGt0
魔女来い!
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/11(土) 20:48:21.57 ID:zPTEV3KoO
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/11(土) 20:49:50.58 ID:aUowBFGt0
よしっ、ギリギリだけど久々に魔女の安価取れた!
364 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/11(土) 21:35:22.78 ID:XjdWJyuw0


 火のないところに煙は立たないっていうけど、やっぱりその認識は間違ってなかったようで。

 日の光を通さないトンネルの中、事故の情報があった付近で魔女の気配を感じ取った。


 ……警戒しなきゃいけないのは行方不明や事件だけではないらしい。結界の近くでバイクと人が倒れていた。


キリカ「これは……」

小巻「まだ治せるわよ。あたしがやるからちょっと先に行っててくれる?」

キリカ「わかった!」

小巻「何かあったらすぐ知らせて」



―銀の魔女結界



 怪我人を回復させてから結界の中に入り込む。

 途中の使い魔はほとんど倒してくれていたからすぐに追いつくことができた。

 合流して進んでいく。残すは魔女のいる最深部のみだ。


キリカ「ここの使い魔、動きは大したことないね。魔女も似たような感じ?」

小巻「見た目はそっくりね。でも、使い魔の中に今までと違うのも混じってるわよ」



小巻 魔力[75/100]  状態:正常
GS:5個
・[55/100]
・[100/100]
・鳥かご[100/100]
・お菓子[100/100]
・ハコ[100/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]


仲間:
キリカ 状態:正常

敵:魔女Gisela <-攻撃対象A
  使い魔Dora×10 <-攻撃対象B
  使い魔Dora(変形)×3 <-攻撃対象C

1破壊的斬撃 :近接武器戦闘・斧(魔力-0)まともにヒットすれば必殺技レベルの威力を誇る
2投刃(魔力-5) :遠心力をつけて武器をぶん投げる。繰り出すのと武器再装備には時間がかかる。
3ガード(魔力-3〜5/1ターン) :攻撃に対処するための盾。格闘中の判定結果によって自動使用する
4バリアバインド(魔力-10) :敵をバリアに閉じ込める
・自分の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
・他人の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
5自由安価

 下2レス
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/11(土) 21:46:37.79 ID:aUowBFGt0
1、キリカと2人でまずはCを倒す。
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/11(土) 21:49:08.45 ID:zPTEV3KoO

この魔女ってマミが倒せなかった魔女だっけ?
367 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/11(土) 22:25:53.99 ID:XjdWJyuw0


キリカ「じゃ、まずはあいつから?」

小巻「そうね」


 周りの錆達磨とは違って、バイク型のは無駄なものを振り落としたように俊敏だ。

 でも、二人でかかればこんなの。



 下1レスコンマ判定 戦況
0〜(劣勢) < 99(優勢)

+一桁0クリティカル(優勢時は自分)
+ゾロクリティカル(自分)
+補正 自[格闘Lv3]*3
+共闘 [格闘Lv2]*2
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/11(土) 22:29:59.93 ID:zPTEV3KoO

369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/11(土) 22:31:15.05 ID:aUowBFGt0
圧倒的ではないか、我が軍は!w
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/11(土) 23:07:42.22 ID:zPTEV3KoO

それ負けフラグだぞ、ギ◯ン総帥
371 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/11(土) 23:08:57.00 ID:XjdWJyuw0


 錆に覆われていない使い魔は俊敏ではあったが、浅く刃が当たっただけでも簡単に倒せるほど脆かった。

 加えて、キリカのほうは素早さでも遅れは取ってない。回り込んで蹴り倒すくらいの余裕があるほどだった。


 蹴っただけでは使い魔は消えないが、それならトドメはあたしが刺せばいいだけの話だ。

 三体いたバイク型はとっくに蹴散らされて動かなくなっているのだから、後始末は簡単だった。


 最初に目標にしてた相手を倒しきったところで、他の使い魔が迫ってくる。


キリカ「こんな奴らくらいならスルーできちゃうけど?」


 キリカは意に介さず使い魔を撒いてすり抜けると、余裕の表情で飛び上がり、錆の魔女へと爪を振るった。

 ……まるで必殺の一撃みたいにカッコつけたわりに、刃は入っていかなかった。


キリカ「あれっ!?」


 不安定に空中に浮いたままのキリカに魔女の錆がまともに降り掛かった。……元から黒いのに真っ黒だ。


小巻「ちょっと! 大丈夫でしょうね!? 安易に飛び上がったりするんじゃないわよ!」

キリカ「あ、あんま痛くないけど……なんか重い……」



 さっきまでの威勢は一体どこに。



小巻 魔力[75/100]  状態:正常
GS:5個
・[55/100]
・[100/100]
・鳥かご[100/100]
・お菓子[100/100]
・ハコ[100/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]


仲間:
キリカ 状態:鈍足(いっかいやすみ)

敵:魔女Gisela <-攻撃対象A
  使い魔Dora×10 <-攻撃対象B

1破壊的斬撃 :近接武器戦闘・斧(魔力-0)まともにヒットすれば必殺技レベルの威力を誇る
2投刃(魔力-5) :遠心力をつけて武器をぶん投げる。繰り出すのと武器再装備には時間がかかる。
3ガード(魔力-3〜5/1ターン) :攻撃に対処するための盾。格闘中の判定結果によって自動使用する
4バリアバインド(魔力-10) :敵をバリアに閉じ込める
・自分の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
・他人の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
5自由安価

 下2レス
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/11(土) 23:10:05.70 ID:WRg6LHrSO
1
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/11(土) 23:12:26.67 ID:zPTEV3KoO
キリカはファンブルしたか
安価↓
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/11(土) 23:13:46.84 ID:aUowBFGt0
魔女をバリアに閉じ込めて1
375 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/11(土) 23:58:07.00 ID:XjdWJyuw0


 魔女の周りにバリアを展開し、閉じ込める。こうすれば錆を振りまいたところで意味がない。


小巻「適材適所ってやつでしょ。アンタは引っ込んでなさいよ」


 斧を力いっぱい振りかぶる。

 すると、魔女はバリアごと砕けて崩れ落ちていった。



 結界が消えて戻ってくると、使いかけのグリーフシードでソウルジェムを浄化する。

 ついでに、魔女を倒したらキリカが押しつぶされていた錆もすっかりと消えていた。



キリカ「身体が軽くなった! もう肩凝りそうだったよ!」

小巻「倒せたわね。アンタ、魔力はどれだけ使った?」

キリカ「そんなには使ってないかな? 小巻のほうが治療とかしてたでしょ」

小巻「そうね。じゃあ、濁ってる分は使って。残りはもらっとくわ」



小巻 魔力[100/100]  状態:正常
GS:6個
・[20/100]
・[100/100]
・鳥かご[100/100]
・お菓子[100/100]
・ハコ[100/100]
・銀[86/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]

376 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/12(日) 00:07:24.91 ID:CevoOECL0


キリカ「それにしても、キミってほんと馬鹿力だよね」

小巻「そっちこそ、力だけじゃうまくいかないときにはまあ、助かってるわよ」

キリカ「それに怪我まで治してたし」

小巻「それってみんなできるんじゃないの?」


 今まであたし以外の魔法少女がどうとかは考えたことがなかった。敵対しなければいいって感じだった。

 みんなできそうなことでも得意不得意とかあったりするんだろうか。

 キリカがそういう使い方を考えなかっただけかもしれないけど。


 もうここには用はない。

 浄化が終わってソウルジェムも戻すと、次の魔女のいる場所を探して歩いていった。



 下1レスコンマ判定 3/3
0~20 使い魔
21~40 魔女
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/12(日) 00:17:30.84 ID:Xz+uCzYLO
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/12(日) 00:20:15.45 ID:1Sy5Ci/V0
今回は魔女1体だけか。
まぁ、1回でも当たりを引いたから良いほうだよね。
379 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/12(日) 00:28:02.73 ID:CevoOECL0
------------------------
今回更新はここまで
次回は12日(日)18時くらいからの予定
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/12(日) 00:28:34.73 ID:1Sy5Ci/V0
おっと。そろそろアニレコの時間だな。
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/12(日) 00:30:46.57 ID:1Sy5Ci/V0
乙です。

今回はマミさん抜きでも何とかなりましたね。
マミさんが織莉子に変な事吹き込まれてなきゃ良いけど・・・
382 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/12(日) 19:34:34.80 ID:CevoOECL0



 ……日も暮れてきたところで、そろそろお開きにする。目星つけてたとこには行けた。



小巻「だいたい回れたかしらね」

キリカ「帰ろっか。あー、その前にお腹へったなぁ」


 キリカといるとあたしもつられて何か食べたくなってくる。

 しかしそれはそれで問題もあった。なんかこう、腹回りが。……ちゃんと動いたんだから大丈夫だとは思うけど。



小巻(ま、今日はあっちでもケーキ食べてるんだろうし)




――――――




マミ「こうすると……――――ほら、綺麗に膨らんだでしょ?」

織莉子「本当ね。この前の失敗作とは大違いだわ」

マミ「焼き上がったばかりだとまだ熱いから、デコレーションは粗熱を取ってからね」

マミ「キッチンコーナーには専用の台も売ってるわよ。早く完成させたい時には使っても便利だわ」

織莉子「…………」

マミ「美国さん?」


 今日のこの家に来てから、マミには織莉子が度々ボーっとしているように見えていた。

 心がここにないような感じだった。それでいてどこか焦燥しているような、張り詰めた雰囲気。


 ケーキは見事に焼き上がったのに。


織莉子「……少し待つんだったわね。リビングに戻りましょうか」


 やっぱり、心労からくるものだろうか。

 学校でも家でも心無い嫌がらせを受けて、魔女にもとらわれたのだという。

 マミはそう思うと少しの同情と、なんとかしてあげたい気持ちに駆られた。


マミ「美国さん、困ったことがあったら言ってね? できることなら力になるわよ」

織莉子「……ええ」




―20日目終了―


小巻 魔力[100/100]  状態:正常
GS:6個
・[20/100] ・[100/100]
・鳥かご[100/100] ・お菓子[100/100]
・ハコ[100/100] ・銀[86/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/12(日) 20:07:29.58 ID:QGmQxsveO
マミの方はまだ大丈夫だったか
今回は取り込まれるかどうかわからんが
384 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/12(日) 22:31:30.72 ID:CevoOECL0
――――――
21日目



小巻「……美国が悩んでる?」

マミ『ええ、なんだか昨日はボーっとしてることが多くて。この間はそうでもなかったと思うのだけど』


 マミからのメールにはたしかにそう書いてあった。

 ほどなくして電話がきて、今に至る。


マミ『まあでも、あんな状況じゃ辛いわよね。私も一人だから少しは気持ちがわかるの』


 そういえば、マミはそうだった。だからこそより心配しているのが伝わった。

 でもあたしに言われたって。


小糸「お姉ちゃーん! ご飯できたって!」

マミ『浅古さんも、家族は大切にね』


 そんなの言われなくたって。

 ……そう思ったけど、この前も気づかないうちにあんなに心配させてたんだ。



*休日午後*
1もう一度マミと話す
2美国の家に行く
3今日は家にいよう
4自由安価

 下2レス
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/12(日) 22:55:26.41 ID:1Sy5Ci/V0
1+4
家にはいるが電話帳で織莉子の自宅の電話番号を調べて電話する。
織莉子が電話に出たら再度織莉子に転校を進める。
織莉子の態度が煮え切らなかったら白女にいき転校の書類を持って帰り織莉子に突きつける。

あんたねぇ、せっかく人が気をつかってあんたの気を紛らわせてあげるようとマミを紹介したのに逆に気を使わせるなんて何考えてるのよ!
いつまでもあんな学校にいるから気が休まらないのよ、ていうか今すぐ解決策もってくから!
私は大丈夫だの、気にしてないだの聞き飽きたのよ。今のあんたの様子だと精神的に参ってるの明白じゃない!
とにかく短期転校でもいいから状況を変える努力をしなさい!

386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/12(日) 23:09:54.31 ID:QGmQxsveO

マミと話した際に後日訓練を頼むを追加
387 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/13(月) 00:04:08.07 ID:AwPAl5K/0



 昼食を終えて部屋に戻って、もう一度マミに連絡して美国の番号を聞いた。

 あたしには励ましてやることなんかできないけど。


小巻「……なんで出ないのよ」


 1コール、2コール、繰り返す電子音に苛立ちがつのる。

 いくつだかわからないくらいになって、かけるのをやめた。


 家の電話なら出るのかしら? もう使うことのなくなった昔の連絡網を漁る。


小巻「家にいないの?」


 結局美国は出なかった。それから、もう一度マミのほうにかけた。


マミ『美国さんとは連絡とれた?』

小巻「出なかったわ」

マミ『そう…… 気づいてないのかしら?』

小巻「暇になったからちょっと付き合ってよ。まあそっちも暇なら、だけど」

マミ『パトロール?』

小巻「いや、今日は長々歩き回る気はないわ。ちょっと人目につかないとこ知らない?」


388 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/13(月) 00:39:53.95 ID:AwPAl5K/0



 マミに案内されたのは土手の通りからは死角になる場所だった。



マミ「懐かしいわね。ここでよく一人で新しい必殺技を考えたのよ」

小巻「そ、そう…… 必殺技はつくんないけどさ」


 そこまで熱心なのはすごいけど、マミの感性はこういうとこはやっぱ理解できない。

 もしあたしにも提案してこようものなら全力で拒否させてもらおうと思う。


小巻「あたしも素振りくらいならやってみようかなって」

マミ「浅古さんはもう魔女を倒すには十分な腕力があるのに?」

小巻「まあ、そのくらいですぐどうにかなるとは思ってないけど。アドバイスとかしてくれるなら参考にはするわ」


 こんなとこで変身なんかしたくないし、振るうのはソウルジェムから直接出した武器だ。

 いつもより重く感じるが、このくらいのほうが鍛えられる気がする。


 マミはあたしの横でどこか懐かしむような目で見ていた。


マミ「私、前に弟子がいたことがあるのよ。その時にもここで二人で訓練してたわ」

小巻「……それって、もしかしてこの前の?」


 風見野の魔法少女と組んでたって聞いたときは『なんでそんなヤツとなんか』としか思わなかった。

 殊勝にも誰かに弟子入りとかしてたのか。その時の関係性は本当に悪くなかったらしい。


マミ「浅古さんはそれとは違うけど、その時のことを少し思い出したの」


 あたしは弟子入りまではしない。マミの実力は認めるけど、仲は対等だ。

 ただ、『仲間』として。


小巻「……まあ、たまには身体動かしに来るかもしれないから、その時は付き合ってよ」

389 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/13(月) 01:23:31.46 ID:AwPAl5K/0



 美国から連絡があったのは、その夜になってからだった。



小巻「昼に連絡入れてこんな時間まで気づかないって何事よ!?」

小巻「携帯にも家にも連絡したのよ! どんな生活してたらそうなるわけ!?」


 応答を押して通話がつながった瞬間、電話越しに噛み付く。


織莉子『……ちょ、ちょっと今日は買い物に出かけたの』

小巻「どこまで買い物行ってんのよ」

織莉子『一人だと色々とやらなきゃいけないことが多くて大変なのよ』


 一人。マミも言ってたことだ。

 そう言われるとあたしにはそれ以上責め立てられない。


小巻「それよりアンタさ、マミが心配してたわよ。ボーっとしてばっかだったって!」

小巻「気を使わせてるんじゃないわよ」

織莉子『そうね。……これではいけないのはわかってるわ』


 聞いてるこっちが気が重くなりそうな返事だ。

 ……励ますなんてできないが、別にあたしは美国をさらに追い込みたいわけじゃない。


小巻「〜〜……だから、周りのヤツも周りのヤツだけど、アンタも自分から状況を変える努力をしてみれば」

小巻「こっちももう『私は大丈夫』だの『気にしてない』だの聞き飽きたから」

織莉子『ええ』

小巻「……えっ?」


 今まで曖昧な返事しかしてこなかった美国にしてはやけにあっさりと、自然にそう返ってきた。


小巻「何か考えてんの?」

織莉子『考えてはいるわ。ずっと。何もしていないわけではないの』




―21日目終了―


小巻 魔力[100/100]  状態:正常
GS:6個
・[20/100] ・[100/100]
・鳥かご[100/100] ・お菓子[100/100]
・ハコ[100/100] ・銀[86/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv3]
390 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/13(月) 01:27:09.82 ID:AwPAl5K/0
-----------------------
今回更新はここまで
次回は13日(月)19時くらいからの予定
391 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/13(月) 20:07:36.91 ID:AwPAl5K/0
――――――
22日目



 『考えてはいるわ。ずっと。何もしていないわけではないの』



 あたしにはそれが本当のことだとは思えなかった。

 とはいえ、そこから発せられる雰囲気は、どうせただの強がりだとは言い切れなかった。


小巻(やっぱり今日は白女に寄って、転校の書類でも持ってこさせようかしら?)


 時間は戻せないし、過ぎた運命を変えることはできない。何をしたって根本的には解決はしないのはわかってる。

 それでもどうにかして乗り越えるしかないんだ。アイツはまだ生きてるんだから。

 ……それなのにこれまであたしから見えていた美国には、そういう前向きさが見えなくて心底苛立っていた。



 ――――昼休みになると、もう何度目かの対策会議だ。

 優木に動きはない。といってももちろん、被害者が増えてないって意味じゃない。

 あっちの魔法少女は優木の行いを許容するみたいだし、風見野で落ち着いたということだろうか。



小巻「アイツ…… あたしたちから逃げてんじゃないわよ。優木も風見野の魔法少女もどっちも臆病者ね」

マミ「あれからあっちから連絡はないのよね?」

QB「とくに伝言は聞いてないね」

マミ「そう……」


 マミは少し落ち込んで見えた。

 一悶着あった相手に協力を頼むなんて、それなりに勇気のいることだっただろうに。


 あっちはあっちでホント今なにしてんの。

392 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/13(月) 20:50:53.43 ID:AwPAl5K/0


キリカ「今日はどうする?」

小巻「このままじゃいつまで経っても膠着状態よ! 風見野に乗り込んでやらない?」


 風見野の町には腐った魔法少女しかいない。このままあっちに任せといたら優木の被害を許してるのと同然だ。

 たとえ自分たちの町でなくても放っておくことなんてできない。

 そもそもあたしは、縄張りなんてものに囚われすぎるのもどうかと思ってたとこだ。


マミ「ごめんなさい、私は今日は予定があって。行くなら私も一緒に行くわ」

マミ「優木さんに会うかもしれないし…… 元仲間のことだもの。けじめをつけるなら自分の手でつけたいの」

小巻「わかったわ。それなら、次にみんなの都合の合う日に決行してやりましょ」


 マミもキリカも力強く頷いた。

 優木をなんとかするって目的はみんな同じなんだ。



小巻(マミの予定……って、また美国のことなのかしら。だったら一人にしておけないのはわかるけど)



*放課後*
1パトロール
2久しぶりに白女に行ってみる
3自由安価

 下2レス
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/13(月) 21:01:19.05 ID:1ZCKlx9V0
今日は無理でも3人で魔法少女としての訓練を提案。
それからキリカを誘って2、そのあと織莉子の家に寄る。

むこうの動きがないとはいえ、なんにしても今バラバラに行動するのは危険かもね。
マミ、風見野の元仲間の魔法少女って強いんでしょ?
優木といいそいつといい襲ってきて各個撃破されたら目も当てられないし。
キりカは予定ないなら今日は私に付き合って、ちょっと行きたいことがあるから。
マミ、用事が済んだら美国のとこに顔を出すって伝えておいて。
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/13(月) 21:09:39.52 ID:LWPdOwzEO

追加でマミに元仲間の名前や戦い方、や強さを聞く
395 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/13(月) 22:42:30.78 ID:AwPAl5K/0



 次に都合の合う日っていうと、明日はあたしが予定あるし、早くても明後日だ。

 人の命がかかってるんだからのんびりとはしてられないし、いざとなったら塾は休んだっていい。

 ただ、一日で会えるかどうかもわからない。こっちの動きを察したら風見野の魔法少女は何か行動は起こしそうだけど。


小巻「ところで風見野の魔法少女って、名前は?」

マミ「佐倉杏子というわ」

小巻「強いの?」

マミ「私が見てたのは昔のことだから、今のことは正確にはわからないわね」

小巻「そう、まあ関係ないけど!」


 昔からやってるってことはベテランってことだから、強いには強いんだろう。

 時間もない中、昨日みたいに素振りした程度じゃ簡単には経験は埋められないだろうけど、それでも戦えないわけじゃない。

 それに、あたし一人で戦うわけじゃないから。


小巻「あたしも用事片付けてきちゃおうかな。……ちょっと遠出することになるけど」

キリカ「一人で大丈夫?」

小巻「子供のおつかいじゃないんだから心配しないでよ。そんなに言うなら途中までついてきてもらってもいいけど」



――――
――――
396 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/13(月) 23:06:54.30 ID:AwPAl5K/0



 放課後になるとキリカと一緒に学校を出た。

 駅についたら電車移動だ。行き先は三年の途中まで通い続けた校舎。何も考えなくてもまだ身体が覚えていた。


小巻(人を通して聞いてはいたけど……実際に足を運んでみるのが早いわよね)


 目的の駅について歩いていくと、その建物が見えた。

 下校の時間からは少し経ってるから、校門付近にいる生徒は多くない。部活動の音も聞こえてくる。


 一見して活気と華やかさに溢れたその場所を眺めていると、見覚えのある教師に声をかけられた。


*「……部外者がどうされたんです? 忘れ物ですか? もう貴女の私物は残っていないと思いますよ」


 高圧的な雰囲気。見下したように冷たい目。

 在学中はここまでではなかった。事件を境に評価が一変した美国も似たような衝撃を受けたのだろう。

 自分たちとは関係ない、自分たちよりも劣ったものに向ける態度。


小巻「ええ。私物は残してないわね。でも、忘れられない『心残り』ならあるのよ」

*「まさか、一度自ら離れておきながら、復学したいとでもおっしゃるつもりですか? 戻ってきたところで居場所なんてもうありませんよ」

小巻「そんなわけないじゃない。何を思い上がっているの? ……あたしの心残りは、美国のことよ」

397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/13(月) 23:20:09.87 ID:1ZCKlx9V0
やな教師だなー。
398 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/14(火) 00:02:29.18 ID:GVwFKu9B0


小巻「あれから三週間は経つのに何も変わってないみたいね。アンタも教師なら、アイツのこと変な目で見る輩を止めなさいよ」

小巻「もし最悪……そのせいであいつが自殺でもしたらどうするわけ」

*「それはいたましい例えですが、こちらのせいにされても。わが校では責任は負いかねますので」

小巻「あー、そうね……アンタたちってそういう奴らよね」

*「それを言いにここへ?」

小巻「そうよ。不本意だけどね、アイツと関わることはあるのよ」


 くだらない事とでも言いたげだ。それから、教師は呆れたように話し始めた。


*「随分と仲がよろしいようですし、どうしてもと言うのなら彼女のことも他校へ連れて行かれたらいいのでは?」

小巻「そう言うなら在学証明書と教科書給与証明書、だっけ? あの書類ちょうだいよ」

*「それは美国さん本人か保護者の方に来ていただかないことにはどうにも」

*「そうしてもらえるのならこちらとしても嬉しいのですけどね。まだ未練があるようで」


 こいつらが考えるのは厄介事をかわしたいってことだけだ。

 それは問題を起こして部外者になったあたしのことも、問題を抱えた美国のことも同じ。


 そんな感情がありありと伝わってきて、目の前の教師に、そして周りの生徒に向かって叫んだ。


小巻「アンタたち、間違ってるわよ!」

小巻「美国自身が何をしたわけでもないのに寄ってたかって一人を除け者にして!」

小巻「つい最近にもきっと落ち込むようなことがあったのよ……! アンタたちは相手の気持ちも考えられないの!?」


 そうしていると、すれ違う周りの生徒がざわめき出す。


「なにあれ? 他校の生徒……? 怖い」

「あれって浅古さん? また美国さんのことでつっかかりにきたの? 美国さんのこと好きすぎない?」


 ひそひそ声に向かって、あたしは怒鳴る。


小巻「言いたいことあるなら直接言え!」

*「もっ、もういいからお帰りいただけます!? 警備員を呼びますよ……!」



 ……教師に追い出されるようにして、今日のところは帰っていった。

 久しぶりに来たこの学校で、最悪な思い出が一つ増えた。


399 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/14(火) 00:14:11.81 ID:GVwFKu9B0
------------------------
今回更新はここまで
次回は14日(火)19時くらいからの予定
400 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/14(火) 19:53:33.12 ID:GVwFKu9B0



 ――――まだ心の落ち着かないその帰り道の途中で、携帯が鳴った。



小巻「……美国?」



――――――
――――――



 休日。見滝原から東に位置する隣町、風見野の地に“二人”の魔法少女の姿があった。



「――――いやあ、好きに動けるっていいですねえ。魔女もたくさん手に入ります」

「佐倉杏子はわざわざ私を追いたがる性格じゃないみたいですし、だったらそんな面倒そうな人と争いたくもありません。そのくらいは我慢ですっ」

「織莉子さんもしばらくは風見野にいる予定なんでしょう?」


織莉子「……ええ」

「まあ、それはいいんですけど」


 優木沙々はその幼さの残る顔立ちに醜悪な悪意で歪んだ笑みを浮かべて、機嫌良さそうにしていた。


沙々「この調子で、浅古小巻もそろそろ殺っちゃいましょうよ?」

沙々「縄張りは一つ手に入りました。あっちにも面倒な人はいますし、ソイツのことはまあ置いといてもいいです」

沙々「でも一度手を付けた獲物を取り逃がしたままなのは癪です。あの人、猪みたいにこっちまで突っ込んできそうな雰囲気ですし」



織莉子「考えてはいるわ」



――――――
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/14(火) 19:55:37.62 ID:yFj2hLzE0
やっぱり織莉子と沙々は組んでたか
402 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/14(火) 20:40:47.25 ID:GVwFKu9B0
――――――




織莉子『突然で悪いのだけど、今からうちに来てくれないかしら?』



 白女との道のりを往復して、もう夕焼けも落ちる時間だ。優雅にお茶するって雰囲気でもない。

 昼に聞いたマミの予定は美国のことではなかったのか。それともマミは帰ったのだろうか。


 少なくとも、今までのことからしたら、コイツがこんなふうにあたしを呼ぶなんて只事ではなかった。


小巻「……待ってなさい」



 最寄り駅で降りたのち、進路を変えた。



――――――
――――――



マミ「…………」


 時同じくして、マミの心中も穏やかじゃなかった。

 思いも寄らなかった真実を“三つ”、知ってしまったからだ。


マミ(美国さんは魔法少女だった……まさかこんな近くにまだ新人が増えていたなんて)

マミ(美国さんとならきっと仲間になれるわ。すぐにはみんなと一緒に行動できなくても。でも――――まさか、“あんなもの”を見てしまうなんて)


マミ(魔法少女は魔女になる……私達の命はもう人と同じじゃない)

マミ(そう思うと、もう仲間が増えたなんて喜べるわけがない)

403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/14(火) 20:45:52.15 ID:LyV/eOEVO
いきなり状況が動いたな
どうなるんだ、これ
404 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/14(火) 20:47:31.57 ID:GVwFKu9B0
――――――



 それは、まだカーテンの隙間から漏れる光が眩しく、日が落ちる前のことだった。



織莉子「……マミさん。実は、話しておきたいことがあるの」


 家を訪れたマミは、いつものようにお茶を用意した席で織莉子と向かい合って話していた。

 しかしそこには雑談を楽しむような空気はなく、マミはいつもとは違う雰囲気を感じ取った。


マミ「どうしたの? 急に改まって」

織莉子「私、実は契約してるのよ。キュゥべえのことも見えるの。でも小巻さんを心配させたくなかったからずっと言えなくて」

織莉子「言い出すきっかけもなくて、今まで契約してないフリをしてたの」

マミ「え……? そうだったのね。けど、それはちゃんと話したほうがいいと思うわ。心配はするだろうしもしかしたら怒るかもしれないけど、浅古さんなら……」

マミ「なんなら私から伝えておきましょうか? 仲間が増えるのなら大歓迎よ! みんなでパトロールにも行ったりしてるのよ。特に今は一人じゃ危ないんだし」

織莉子「いいえ。お願い、小巻さんにはまだ言わないで。いつか私から言うわ。その決心ができるまでは、待っていてほしいの」

マミ「わかったわ。美国さんがそう言うなら」


405 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/09/14(火) 21:16:48.97 ID:GVwFKu9B0
――――――
――――――



小巻「――――な…… によ、これ……!?」



 目的の場所にたどり着く。

 そこは確かに美国の家だ。でも何度確認してもやっぱりそこから魔女の気配がした。

 『家に魔女結界が張られてる』ってことだ。


 こんなに近くにあったら美国だって囚われててもおかしくない。

 そう思うと、弾かれたように身体が動いた。急いで結界の中に乗り込んでいく。


小巻(何よこれ、ありえるの!? こんなに不幸なことってある!? まさかアイツのウジウジっぷりが魔女を引き寄せたとでもいうわけ!?)

小巻(美国は無事なんでしょうね!?)



 しかし、そこで聞こえたのは思いがけない声だった。

 ――――考えていたことは、半分は当たっていた。



沙々「くふふっ、やっと来てくれたんですねぇ。お待ちしてましたよ」

小巻「なんでお前がここにいるのよ! 優木!」

沙々「なんでだと思います?」


 優木の隣には美国の姿もあった。なぜかその手には包丁を持っている。その切っ先は自分に向いていた。


沙々「ご友人のためにのこのこつられに来てくれるなんて、お優しいですね」

小巻「まさかあたしのこと探ってたの!? またこんなこと!!」

沙々「下手なこと考えるなよ? それに、あの時と同じとは思わないほうがいい。今回は準備する時間がありましたから」

沙々「言っておきますが、私の魔法って魔女を操るだけじゃないんですよ? 答えは『洗脳』です。人間だって、操れちゃうんですよ」

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