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あなた「血果て、羽根尽きるまで」
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1 :
◆3m7fPOKMbo
[sage saga]:2021/07/31(土) 00:11:19.48 ID:dufJE7X/0
*スクスタの世界線です。色々思うところはある作風だけど見逃して。
*数か月前に別スレで投下された者の改訂版です。
あなた(刹那の一瞬でもいい、そこに享楽があるなら、それでいい)
あなた(刹那的快楽主義者、そんな風に例えるならば自分というものを当てはめるべきか、もしくは好き放題しているを「楽しい」に変換し続ける行為を繰り返して生きる、そんな感じか)
あなた(高校二年生新学期最初の一日ですら、そんな感じだ)
あなた(なにかに潜むびっくりに会いたいお年頃でなにがきたってへのへのかっぱ。多言語的に言うなら無問題がよく似合う)
あなた(誰もが同じスピードじゃ生きられない、そういうのを良く知っているからこそ、夜を越えて朝を迎えるときに朝目覚めた自分に安堵してしまう、たとえ頭が割れそうな程痛んでも)
あなた(胸の七つの傷跡が痛んでもって具合に。愛と勇気が友達なのか北斗神拳の伝承者なのか、あるいは俺より強い奴に会いに行ったのかはっきりしたい夢を見て明けた朝がこれだ)
アナウンサー『訃報をお伝えいたします。昨夜、世界的に知られる天才少女画家、鍾■■さんが、カフカ・ぺチャック症候群による多臓器不全で亡くなりました。13歳でした』
あなた「うわーお。朝の頭痛によく効く嫌なニュースだよ、訃報ってさ…あー、頭痛い…ガンガンする」
アナウンサー『9歳でカフカ・ぺチャック症候群を発症後、大好きな絵を描き続けたいと筆を執り、キャンパス全てに色を置く力強い絵が多くの人たちに評価され、日本でも三船グループ後援の元、五度目の個展開催を一週間後に控え…』
あなた「こんな頭痛じゃ、バイクは無理か。トホホ、我が愛車よ、お前が校門をくぐるのは翌日だぁ〜」
あなた(今年の頭に買ったばかりのハンターカブCT125だが、なかなか通学に使えないのが難点ある。バイクというものは何度も乗り回したいものなのだが。休日の遠征や帰宅後のツーリングにしか使ってない)
ぴんぽーん
あなた「あ…歩夢ちゃんもう来たのかな…今出るよ」
かちゃり
あなた「おはよー、歩夢ちゃん」
歩夢「おはよう、あなた。ふふっ、今日もまた眼鏡とサングラス、間違えてるよ。学校に行くときは眼鏡じゃないとダメだよ?」
あなた「はーい…昨日届いたばかりのモデル見せたかったんだけどなぁ」
歩夢「朝ごはん…はまだみたいだね。卵焼きでいいかな? 今日の焼き加減は?」
あなた「中身がとろりとした感じのスクランブルエッグを頼もうかな。ちょっと朝から嫌なニュース見てた」
歩夢「ああ……そういえば、前に日本で個展あった時に、一緒に行ったよね」
あなた「うん。五度目の個展、開かれるといいけどな」
あなた(こんな風に刹那的快楽主義で過ごす日々。その日々がまったく変わらない筈だった)
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1627657879
2 :
◆3m7fPOKMbo
[sage saga]:2021/07/31(土) 00:14:24.52 ID:dufJE7X/0
初夏 スクールアイドル同好会 部室
あなた(人間、一日あれば変わるというが今年も暮れまで世界中の快楽に身を委ねて過ごすつもりがそうもしてられず、なんの因果かスクールアイドルのサポーターというものを始めた)
あなた(理由なんてやりたくなったからしょうがないだろ、好きになったらそれはもう好きである。邪魔する奴には立てた中指か逆Vサインでもかましてやればいい)
愛「かすかすー、悪いんだけどそっちのペン取って〜」
かすみ「だからかすみんそんな頭すかすかなあだ名じゃないですよー」
愛「とは言っても少しは勉強しない事にはねー。果林も勉強してる事だし」
あなた「まあ、確かに愛ちゃんの言う通りだね、かすみちゃん。勉強しなきゃ」
かすみ「でも先輩さっきからサイコロタワー建設してますよね…?」
あなた「かすみちゃんが一問解く間に二個重ねるが目標さ」
かすみ「あ、ペンが飛んでっちゃいましたー!」
あなた「おうふっ!? なんてこった、記録五十二段、まだまだ行けるぜ五ミリサイコロタワー」
愛「ちょっと待って、地味にすごいね部長さんそれ」
愛「だってサングラスして手元見えづらい筈なんだよ?」
かすみ「あ、かすみんも思ってました。なんで部活中はサングラスしてるんです?」
あなた「知りたい? それは、そうしたいからさ!」
あなた(魅力的なスクールアイドルたち、彼女たちのサポーターとして頑張る事は、私をどこか彩った)
かすみ「ただの筋金入りのサングラス好き!?」
愛「ああ、だから毎日サングラスのデザイン違うんだ」
あなた「お? 愛ちゃんわかっちゃう? そうなんだよ、サングラスの形も色々だからそれもまた魅力なんだよね〜」
あなた「愛ちゃんやかすみちゃんに似合いそうなのも持ってるからね、そのうち持ってきたいけど歩夢ちゃんに怒られるからなぁ」
かすみ「……あ、そういえば歩夢先輩よくサングラス外してって言ってますね」
あなた「威圧感でもあるのかなぁ? でも、私には威圧感もへったくれもないぞ。璃奈ちゃんマイナス1センチ、されど1センチだもんなぁ」
愛「でも部長は部長だから可愛いよー」
かすみ「愛先輩、かすみんも可愛いって言ってくださいよー!」
愛「かすかすも可愛いよ」
かすみ「だからかすみんですって!」
3 :
◆3m7fPOKMbo
[sage saga]:2021/07/31(土) 00:15:56.86 ID:dufJE7X/0
ワイワイ ガチャリ
せつ菜「生徒会が…また紛糾…」青い顔
しずく「演劇部の練習が早めに終わったので…」
あなた「やぁせつ菜ちゃん、しずくちゃん」
あなた「例の一年生役員ちゃんか、再選挙だなんて、穏やかじゃないね」
せつ菜「ええ、まあ……」
あなた「気分でも変えようか、せつ菜ちゃん。背中に乗ってくかい? ツーリングに行こうぜ、川崎の工業地帯とか、多摩川沿いを走るとかさ」
せつ菜「その部長のバイクの事でも今日三船さんに突っ込まれたのですが…」
あなた「昨日の帰りにバイク使ってるの見られて追い回されたからかな」
しずく「思いっきりそれじゃないですか…先輩、ただでさえ目立ちますからね」
しずく「でも、その朝の雪みたいな色の髪、すごく素敵です」
愛「うん。愛さんも好きだよ…なんか、まっさらで、なんでも包んでくれるような、それでいて小さいのがまたギャップで」
あなた「あっはっはっは。ありがと、二人とも」
せつ菜「ところで部長、バイクはどこに隠しているのです? 三船さん、あの様子だとローラー作戦でもやりかねないですよ」
あなた「ああ、大丈夫。フツーにバレない所さ」
あなた「まあ、それに歩夢ちゃんが日直とか委員会とかで先に登校する日でもないと使えないしね。歩夢ちゃんは私がバイク乗るの嫌がるから」
がちゃり
歩夢「もう! また今日もバイクで来たでしょ!」
エマ「日本は道の狭さに加えて車が多いから…」まあまあ
あなた「やあ、歩夢ちゃん。エマさん。いやー、うっかりね? 歩夢ちゃんがいないとさ、寝過ごす前まで寝たくてね?」
彼方「…歩夢ちゃんは事故とか心配してるからだと思うなー」むくり
せつ菜「うわぁっ!? 彼方さんいたんですか!?」
彼方「最初からずっとすやぴだよー……目が覚めたら顔にサングラスが五本かかってたよ」サングラスだらけ
歩夢「また彼方さんをサングラスだらけにして! この前かすみちゃんだよーとか言ってたけどあなたでしょ!?」
あなた「えへっ」
歩夢「えへって何なのもう!」ぷんすか
4 :
◆3m7fPOKMbo
[sage saga]:2021/07/31(土) 00:17:14.41 ID:dufJE7X/0
璃奈「ただいま。それと、果林さん、ようやく見付けた」
果林「違うのよ璃奈、これはそう、人生という旅路に迷っていたのよ。だからたまたま、よ。たまたま。部室へなんて目をつむっていても行けるわ」
あなた「果林さんは写輪眼持ってないから道に迷うのも無理はないね」
果林「も、もう部長ったら……あ! 待って、そのサングラス!」キラキラ
果林「もしかしてイタリアの―――――――」
あなた「おおう、流石果林さん。昨日届いたんだよねー。かけてみ、かけてみ?」
あなた「幸い他のサングラスもあるしね。彼方さんごめんねー」ヒョイ
彼方「彼方ちゃんはサングラス置き場じゃないんだけどね…そこで雫型のサングラスを選ぶのが部長さんらしいや」
あなた「彼方ちゃんストックと名付けよう」
せつ菜「石川ストックじゃないんですから」
果林「ど、どうかしら」
あなた「やっぱ果林さんには勝てないや…世界で一番似合ってる」
果林「あなたもすごく似合ってると思うけど」
あなた「あはは、どうだろう。私はあんがい背伸びしてええかっこしい事したいだけかも知れないよ?」
歩夢「じゃあ、かっこつけるのを止めたら案外気が抜けるかも知れないよ?」
あなた「歩夢ちゃんが辛辣だぁ! この悲しみを癒してくれるのはしずくちゃんだけだぁ〜」だきっ
しずく「わわっ!? も、もう先輩やめてくださいスリスリしないでくださいよ…」
あなた「しずくちゃんが可愛いからさ」
かすみ「あ、しず子ずるい! かすみんも! かすみんも可愛いですよね!?」
あなた「もちろんさ、かすみちゃんの可愛さは世界を照らして、愛ちゃんの可愛さは楽しさを分け与えてくれて」
あなた「せつ菜ちゃんだってエマさんだって、彼方さんも果林さんも璃奈ちゃんも歩夢ちゃんも皆それぞれの可愛さがあって、大好きだよ」
あなた(そんな彼女たちのサポーターでいられる、その輝かせる背中を押していけるのが、何よりも楽しくてそうやって輝いてくれるのを、見るのが好きなんだ)
あなた(大好きはそこにある、明日はどんな風になるかを楽しみになれるように)
しずく「も、もう……」
あなた「あはは、悪かったよ、しずくちゃん」
5 :
◆3m7fPOKMbo
[sage saga]:2021/07/31(土) 00:18:29.32 ID:dufJE7X/0
せつ菜「しかし部長、どこにバイクを隠したのです? 流石に三船さんにローラー作戦されたのでは」
あなた「それは言えないかな」
歩夢「だーめ。バイク通学はそもそも禁止だよ」
あなた「………」
歩夢「………」
あなた「マルセイユ・ルーレット!」逃亡
歩夢「あ、こら!」リコーダー取り出しー
歩夢「サスケ、出ておいで。♪〜♪♪」
サスケ\やぁ/
あなた「ひぃっ!」急ブレーキ
あなた「歩夢ちゃん、いきなり蛇使いはやめて」
歩夢「♪♪♪」
あなた「だからサスケをけしかけないで怖いから! 私の身長並みに長いんだからさ、サスケ!」
かすみ「そもそもマルセイユ・ルーレットって、サッカーのフェイントじゃないですか……」
しずく「この前もそれで逃げてましたけどすぐ捕まってましたものね」
璃奈「先輩、私より体力ない」
あなた「それは言わないお約束だよ、璃奈ちゃん。いやぁ、まぁ、貧弱貧弱なのは認めるけどさ」
エマ「本当に体力ないもんね…サスケ、ほら、大人しくしないとダメだよ?」
歩夢「♪ー♪♪♪ー♪」
あなた「いいからもうサスケをしまいなよ」
しずく「体力ない、かぁ…うーん……」
あなた「おや、しずくちゃん。もしかしたら今度は病人の人を演じるのかな?」
しずく「え、ええ…」
しずく「カフカ・ぺチャック症候群の患者役だそうなんですけど…」
あなた「ああー」
かすみ「……」
歩夢「……」
6 :
◆3m7fPOKMbo
[sage saga]:2021/07/31(土) 00:19:39.41 ID:dufJE7X/0
あなた「なかなか変わった病気の一つではあるよね」
果林「…聞いた事のない病気ね。どんな病気なの?」
せつ菜「最近どこかで聞いた事があるようなないような…」
あなた「若年者に多い、患者の七割以上が20歳以下、二十代の患者は大半が十代後半に発症した人」
あなた「ガンのように細胞が増殖していくという疾患だけどその進行速度は様々、予後は極めて悪く明確な治療法は殆どない、進行が様々なので余命は年単位になる事も多い、5年生存率は一桁。進行を遅らせる方法は不明だが強いストレスなどが進行を早める事もあり。高熱や苦痛を伴う症状が出た際に対症療法はあるけど、その症状が出る頃にはガンに例えるとステージ3か4レベル」
あなた「自分の中で何かに変わっていくという感覚からカフカの変身に、身体がいう事を聞かないロボットのように変わっていくということからカフカ・ぺチャック症候群なんて名付けられた説もあるね」
しずく「先輩、ずいぶん詳しいんですね」
あなた「まあね。毎日のネットサーフィンは変な事にも詳しくなるよ。ウィキペディアのコピペ程度さ」
あなた「確かに難しいな、こういう役目は…うーん、時限爆弾を仕掛けられながら日常を送る人みたいなイメージかも知れないね」
しずく「わかるようなわからないような……」
かすみ「まあまあしず子。案外、しず子みたいに、夢があって、それを追いかける為に一生懸命日々を生きてる、そういう人たちかも知れないよ?」
しずく「…なるほど」
7 :
◆3m7fPOKMbo
[sage saga]:2021/07/31(土) 00:21:01.12 ID:dufJE7X/0
コンコン
エマ「どうぞー?」
栞子「とうとう見つけましたよ! 今朝もバイクで通学していたと報告がありました! 廃部にしますよ!」
あなた「あっ、妖怪廃部姫!」
栞子「誰が妖怪ですか!」
あなた「マルセイユ・ルーレット!」インターセプト
栞子「あっ! ま、待ちなさい! 廊下は走らない! そこは理事長室です!」
果林「あれ、何の音?」
せつ菜「バイクのエンジン音…ですね」
あなた「残念無念また来週〜!」ヘルメット装備
栞子「だからバイク通学は禁止ですと何度言ったら! 待ちなさい!」
かすみ「先輩理事長室にバイク隠してたんですか!?」
あなた「せつ菜ちゃんゴメン! ツーリングの予定はまた今度で! 今は明日に向かってバカヤローを叫びに、果てしなく続く男坂を登ってくるんだ!」
あなた「バイバイさよならまーたーねー!」
愛「部長さんハンターカブCT125乗ってるのかぁ……確かに原付二種二人乗り出来るけど…」
*原付二種こと小型自動二輪での二人乗りは条件があります。
璃奈「確か高速走れないって、この前乗せてもらった時に」
愛「りなりー、部長の背中乗ったんだ?」
璃奈「ゲームセンターの遠征に行こうよって誘われて、埼玉の方まで。半日過ごせたけど帰るのも時間かかった」
果林「…璃奈ならまだいいけど、私たちが後ろに乗ったら部長さん大変じゃないかしら?」
エマ「部長、小さいからね」
しずく「しがみつくのも大変ですよね…高速走れないってのもありますし。あ、でも…二週間ぐらい前の土曜日に、鎌倉で見かけましたよ。早朝から江の島見たくなったから来ちゃったとか言ってて。美味しいパスタの店聞いてましたけど、なんでパスタなんでしょう?」
歩夢「この前の土曜日一日いないと思えば…」
かすみ「うわー、しお子まだ走ってる先輩追いかけてる。あ、へばった」
せつ菜「無謀な挑戦でしたね、三船さん…」
彼方「やれやれ、部長さんめ。サングラスは彼方ちゃんが責任を持って預かっておくとしよう」
果林「あ、私も返すの忘れてたわ…彼方ごめん、預かっててくれるかしら?」
彼方「いいよー」
『サングラスと彼方ちゃんストック』
8 :
◆3m7fPOKMbo
[sage saga]:2021/07/31(土) 00:22:45.78 ID:dufJE7X/0
あなた「スクールアイドルフェスティバル目指して、こうも働きづめ練習漬けというのは疲れる訳だよ」
せつ菜「ええ、まあ…」
果林「そうね、確かに」
愛「ああー」
かすみ「で、先輩。なんでわざわざお台場に?」
あなた「おいおい、決まってるだろ、もうすぐ夏だぜ? 夏と言えばビーチの女の子さ!」
あなた「ナンパに行こうぜ」
かすみ「それならせめてせつ菜先輩の服なんとかしましょう」
果林「そうね、一人だけ小学生が混じってるわ」
せつ菜「小学生!?」
愛「いくらなんでも小学生はいいすぎだよー、中一にしてあげなよ」
せつ菜「フォローになってませんよ愛さん! それなら部長も見栄っ張り系女子小学生ですよ!」
果林「ほら、馬子にも衣裳って言うから…」
あなた「果林さんひでぇ」
せつ菜「サングラスで無理に大人風にしてても誤魔化せませんよ!」
果林「まあ同好会でもかなり小さいものね、部長さん」
あなた「ぐぬぬぬ〜!」
かすみ「で、どんなプランで行くんです?」
あなた「なに、うまく食事に誘えばいい。愛ちゃんのお店に誘って愛ちゃんのお客さんも増える、一石二鳥」
愛「だからお台場でやるんだね。考えたよ」
あなた「大丈夫、かすみちゃんとせつ菜ちゃんと愛ちゃんの可愛さと果林さんの溢れ出るエロスがあれば問題ない」
果林「ちょっと待ちなさい、溢れ出るエロスってなによ」
あなた「かすみちゃんが可愛い系、愛ちゃんがスマイル系、せつ菜ちゃんがカッコ可愛い系、果林さんいやらし系って分類さ」
果林「一文字! せめて一文字抜いて! ら抜き言葉にしなさいよ!」
愛「あっはっは、果林、さっきのお返しされたねー」
せつ菜「部長、それを言うなら部長さんはどうなんでしょう?」
あなた「もちろん、決まってるだろ?」
9 :
◆3m7fPOKMbo
[sage saga]:2021/07/31(土) 00:24:29.68 ID:dufJE7X/0
あなた「無邪気系って奴さ。おっと、あの子はどうだい? 後ろ姿がいい」
せつ菜「どれどれ……むむっ、あの人はいけませんね。胸囲の戦闘力ですよ」
あなた「戦闘力53万だね…胸囲だ」
千鶴子「………?」
あなた「おお、人妻みたいなアンニュイな顔がいいな」
果林「少したれ眼なのがミステリアスな感じがするわね」
かすみ「それでいてあの大きさですよ…」
愛「いやいや、お尻の方もだね…」
せつ菜「部長、ここは誰が行きます?」
「おい」
あなた「はい?」
仁美「俺の連れ合いに何か用か?」ポキポキ
五人「「「「「すいませんでしたぁ!」」」」
仁美「いや、そこの白いチビは特に反省してない顔だな、ちょっと顔貸せ」
あなた「すみません、そこの服装女子小学生が言い出しました!」
せつ菜「いや誘ったの部長ですよね!?」
仁美「とりあえず全員来やがれ」
五人「「「「「」」」」」
あなた「…ひどい目にあった。畜生、気を取り直してもう一度だ」
果林「滅茶苦茶怖かったわ…なんで本物の不良がやってくるのよ」
せつ菜「今時あんな番長いるんですね」
愛「……あの子とかどう? 少し背が高い、りなりーみたいな髪の色の」
かすみ「クール系みたいですからね、なしのつぶてですよきっと」
優理「……」スマホポチポチ
あなた「待って…おお! すごい可愛い子が近寄ってきて、あの子に!」
愛「うん! すごい可愛いよねあのツインテールの子!」
せつ菜「チャンスですね!」
果林「チャンスの前髪は離さないわよ!」
かすみ「先輩、ここは一つ見本を!」
10 :
◆3m7fPOKMbo
[sage saga]:2021/07/31(土) 00:25:59.17 ID:dufJE7X/0
あなた「任せろ。Hey、そこのお二人さん。お姉さんたちと一緒にお昼ご飯食べに行かない?」
優理「んー?」
ココ「あ、あの…友達と待ち合わせしてますから」
あなた「その子も良いって言うならどうだい?」
「優理ちゃん、ココちゃん、お待たせ〜…あれ?」
遥「虹ヶ咲の…こんにちは、皆さん」
あなた「あれ? 遥ちゃん?」
遥「はい、友達と買い物に…皆さん、どうして恥ずかしそうな顔してるんです?」
あなた「いやぁ、まぁ運命論とアガスティアの葉の因果関係について考えてたのさ」
遥「?」
あなた「まさかの二連敗、まだまだ行くぜ」
果林「二連敗どころか不戦敗よ不戦敗」
せつ菜「しかしまだ諦めないですね、部長」
あなた「仕方ない、この前まで付き合ってた子に振られちゃったんだ。ここで彼女をゲットできなきゃ夏は悲しい事になるぞ」
かすみ「振られたって何があったんです?」
あなた「なに。栞子ちゃんを背中に乗せて秋葉原を爆走したのを見られてたらしくて『ツーリングに付き合ってくれるような子が良いのでしょう?』って笑顔でビンタ食らったよ」
果林「あらあら、残念」
あなた「畜生、カムバック姫乃ちゃんと言いたいけれどここは新しい恋に…よし、あの子に決めた! Hey、そこの素敵な長い髪の…」
姫乃「あら、この前、後ろに乗せてた子はどうしたのでしょう?」くるっ
あなた「………」ダラダラ
かすみ「部長、本日三敗目ですね」
バシーン
あなた「でも負けない、女の子だもん…」ヒリヒリ
愛「そもそもなんでしおってぃーを背中に乗せて秋葉原に行ったのさ?」
あなた「この前μ’sの皆がスクールアイドルフェスティバルの打ち合わせに来た時に忘れ物をしたんだけど、栞子ちゃんが届けたいって言ってたから」
かすみ「タイミングが悪いというかなんというか先輩目立ちますからね…」
あなた「やれやれ、サングラスやっと拾えた…」サングラス装着
せつ菜「で、どうします? 大人しく愛さんの所でもんじゃ焼き食べにいきます?」
あなた「いいや、わんちゃんだ。セカンドチャンスは必ず…お」
11 :
◆3m7fPOKMbo
[sage saga]:2021/07/31(土) 00:27:29.98 ID:dufJE7X/0
果林「あら、どうしたの?」
あなた「あの子、どう?」
愛「あの子…すごいね、あの身長で胸が大きい。花丸ちゃんにも負けないよ」
あなた「でしょ? それでいて、少し落ち着いた服装…地方の子かも知れない」
あなた「たぶん中学生だな、よし、君に決めた!」
千歌ママ「……(まいったなぁ、千歌たちどこにいったのかなぁ。三姉妹揃って昔から迷子になりやすいからねぇ)」キョロキョロ
あなた「Hey、そこの可愛い人よ。迷子かい?」
千歌ママ「へ?」
あなた「どうだい、お姉さんたちが一緒に保護者を探してあげるよ?」
千歌ママ「(うわぁ、この子サングラスしてるけど背伸びしたがりの女子中学生よね…? 女子中学生に年下扱いされるぐらいに見えるって私もまだまだ捨てたもんじゃないなぁ)」
千歌ママ「いいの? ありがと〜!」がしっ
あなた「うんうん、大船に乗った気持ちで任せると良いのだ。お腹空いてないかな? それならごちそうして…」
「おかあさーん…あ、いた」
愛「あれ? 千歌っち?」
千歌「あ、愛ちゃん! あれ? お母さん、同好会の部長さんに抱き着いて何してるの?」
あなた「…へ?」
果林「…千歌の……お母さん?」指さし指さし
千歌「果林さんに、せつ菜ちゃん…かすみちゃんも。うん、お母さん」
あなた「」真っ白
千歌「……部長さんはなんで真っ白になってるの?」
せつ菜「そうですね、部長のナンパ成功率は壊滅的という事ですね」
千歌「まあ、部長さん私と同い年に見えないから…」
千歌ママ「あはは……え? この子、千歌と同い年なの!? てっきり一人だけ中学生かって思ってた」
あなた「」
かすみ「先輩、頑張りましょうよ。明日は必ず来ますって。スクールアイドルフェスティバルを成功に導けば彼女もできますよ!」
あなた「そうだなぁ、世界一かわいいかすみちゃんがいてくれると嬉しいなぁ」
かすみ「います! いますからー! かすみんは先輩の傍にいますよー!」
あなた「あはは、そうだね。ようし、かすみちゃん! デートしようぜ」
愛「いいなーいいなー、かすかすー、愛さんも混ぜてよー」
せつ菜「ああっ! ずるいですよかすみさん! 私! 私もです!」
あなた「よしきた。午後は四人でいやらし系な果林さんを眺めるとしよう」
果林「だから一文字! 一文字多いわよ!」
せつ菜「しかし果林さんはえちえち、これは譲れません」
果林「せつ菜ぁ!」
千歌ママ「うーん、若いっていいなぁ」
『苦いナンパな女の子』
12 :
◆3m7fPOKMbo
[sage saga]:2021/07/31(土) 00:30:44.19 ID:dufJE7X/0
あなた「何かを始めるのに遅すぎるなんて事はない。どんな時であっても、だ」
かすみ「そうですね、先輩。それは認めます」
歩夢「かすみちゃんの言う通りだね。でもね」
歩夢「学生向けクラブイベントの出演者抽選についノリで申し込んで、パフォーマー忘れたなんてありえないよもう! 何考えてるの!」
あなた「本当に忘れてたんだよ…」
かすみ「まあ、先輩のお願いですからかすみん、本気出して覚えますよー」
あなた「ありがとう、かすみちゃん…こういう曲目で行きたいんだけどね」
かすみ「しかしクラブイベントでダンス、ですか。こういうのはやった事ないですけど…」
あなた「他の出演者にもスクールアイドルが割といるみたいだしね」
かすみ「なるほど、新しい分野、ですね。できるでしょうか」
あなた「出来るさ。何かを始めるのに遅すぎるなんて事は無い。新しい世界を広げるのは、いつだって思いついたら、やるのさ」
かすみ「先輩らしいですね」
あなた「そゆこと」
歩夢「ダンスの振り付けは?」
あなた「今考えてる」
歩夢「手で何してるの?」
あなた「ゲームのログインボーナスを忘れて…」
歩夢「振り付けを考えようか?」ゴゴゴ
あなた「わかった! わかったから!」
13 :
◆3m7fPOKMbo
[sage saga]:2021/07/31(土) 00:32:24.32 ID:dufJE7X/0
あなた「こうきて、こうで、こう」
かすみ「こうで、こうですか?」
あなた「そんな感じに。最初は飛ばさないで、テンポは少しずつ上げていく」
あなた「意外と難しいけれど、大丈夫さ。かすみちゃんなら出来る」
かすみ「もう、先輩ったら。褒めてもコッペパンぐらいしか出ませんよ?」
あなた「これで後十年戦える」
かすみ「張り切ります!」
歩夢「もう…かすみちゃんも無理はしないようにね。スクールアイドルフェスティバルも近いんだから」
かすみ「はーい!」
あなた「よし、流石かすみちゃんだ!」
かすみ「先輩が出来るって信じてくれて、先輩がかすみんを選んでくれました。それだけで、かすみんは思いっきり行けるんです」
かすみ「先輩がいてくれて良かったって、心の奥底から思えるんですよ」
あなた「そう言ってくれて」
あなた「私も嬉しいよ。かすみちゃん」
歩夢「……」
あなた「世界に放った輝きは、長く残さないと。その一瞬ですらも、誰かの人生という歴史に刻むものであればいい。スクールアイドルとは、そういうものさ」
かすみ「そうですね。世界で一番かわいいかすみんが、世界中の人たちのかすみんであって欲しいです!」
かすみ「その為に、先輩だって背中を押してくれますから!」
あなた「へへっ、その調子その調子!」
ガチャリ
せつ菜「あ、部長。ここにいましたか」
あなた「やぁ、せつ菜ちゃん? どうしたのさ?」
せつ菜「生徒会からまたボランティアの件で…」
あなた「うげ、またか。しょうがないな…」
歩夢「私も行くよ」
あなた「かすみちゃん、とりあえず音源は残しておくから、しばらく聞いて身体を慣らしておいて」
かすみ「はい、先輩」
スタスタ
かすみ「……先輩」
かすみ「先輩も覚えていてくださいね、世界にかすみんがいたことを」
かすみ「あなたが生きた世界の輝きの一つに、私がいて欲しい」
かすみ「その為なら、どこまでも。なんでも」
かすみ「それが今の…私の生きる意味なんですから」
『その星は永遠』
14 :
◆3m7fPOKMbo
[sage saga]:2021/07/31(土) 00:34:07.98 ID:dufJE7X/0
あなた「福引チケットたくさんかぁ…何回分だ、これ?」
あなた「……少し遠いけど、よし。日曜日だしな、そういう日もいい。えーと」スマホスマホ
一時間後
彼方「わざわざ迎えに来てもらっちゃって悪いねー」
あなた「いやいや、気にしない気にしない」
彼方「それにしても彼方さんでいいの? 部長がもらった福引チケットなんでしょ」
あなた「グルメで有名な商店街の福引チケットだからさ、うまいもの当たれば美味いものを作ってくれる人を誘うって寸法よ。おー、やってるやってる」
あなた「ブレーキ、ブレーキっと」
彼方「二人乗り、大変じゃない?」
あなた「慣れれば簡単さ」
愛「あれ? 部長にカナちゃん」
あなた「やぁ、愛ちゃん」
彼方「愛ちゃんもこの商店街に買い物?」
愛「ああ、この商店街業務用の道具売ってるとこもあるから、それを見に来たんだよ。まあ、頼まれたわけじゃないから、値段と品ぞろえ見にきたのかな」
あなた「へへっ、さすが愛ちゃん。よっ、若女将」
彼方「よっ、日本一」
愛「褒めても何も出ないぞー?」
あなた「では、福引チケットはどうだろう? こんなにあるのさ」
愛「うわ、すごっ!? どうしたのさ、そんなに」
あなた「私立の学童クラブに寄付をした返礼品」
愛「へー、そうなんだ」
愛「…部長ってさ」ヒソヒソ
彼方「時々、ミステリーだよね…彼方ちゃんも思うよ」ヒソヒソ
あなた「?」
15 :
◆3m7fPOKMbo
[sage saga]:2021/07/31(土) 00:35:26.62 ID:dufJE7X/0
商店街の人「福引やってまーす!」
あなた「よーし、回そうぜ。三人でチケット分割してーの」
愛「えーと……この枚数だと、合計50回分だから…部長さん、二十回分にしよう。はい」
彼方「トップバッターは部長さんだね、任せるよー」
あなた「いや、残り十回は二人の後に回そう。何が出るかはお楽しみ方式だ」
あなた「十回分だね」ガラガラ
あなた「なにが出るかな♪ なにが出るかな♪」
コロコロ
彼方「透明なのが出たよ」
あなた「おおっ、これは?」
商店街の人「おめでとうございます! 7.5等のいわし水です!」
愛「7.5等!?」
あなた「その0.5に何の格差があるんだ…いわし水か…なんでひらがなでいわし水? ま、いいや。愛ちゃんどうぞ」
愛「ありがと……なんか成分表にイワシって書いてあるんだけど?」
あなた「なぜ作ったそんなもん」ガラガラ
コロコロ
愛「白い球に何か書いてあるね」
商店街の人「えーと…スカですね」
あなた「」ずるっ
あなた「残り八回もスカだった、愛ちゃん十五回分よろしく」
愛「はいよー」ガラガラ
彼方「深緑が出たね」
商店街の人「おめでとうございます! 6と2/1等のヘチマです!」
あなた「6.5等じゃないのかよ!?」
愛「もはや何がなんだか」ガラガラ
愛「その後、愛さん、二回もヘチマが出たよ…」
16 :
◆3m7fPOKMbo
[sage saga]:2021/07/31(土) 00:36:27.33 ID:dufJE7X/0
彼方「いいのが当たると良いねー」ガラガラ
コロコロ
彼方「緑色に黒い縞々が…これはまさか!」
商店街の人「おめでとうございます! 4等のスイカ柄ウクレレです!」
彼方「目立つねぇ」
あなた「いつの時代のアイドルグループだよ」
愛「?」
あなた「すいかの名産地ー♪」
彼方「まあ、まだ少しは役に立つかもね」ガラガラ
商店街の人「おめでとうございます! 4等のスイカ柄ウクレレです!」
あなた「しかもまた当てた!?」
愛「もう何も突っ込まないよ、愛さん」
彼方「だろうね」ガラガラ
商店街の人「おめでとうございます! 4と3/1等のスイカ柄マラカスです!」
あなた「もうわざとだろこの景品ラインナップ」
彼方「その後は大したものは出なかったよ、いわし水が三本増えた」
あなた「残り十回が怖いな」ガラガラ
コロコロ
商店街の人「お、おめでとうございまーす!」
商店街の人「特等、神戸牛・松坂牛・近江牛・米沢牛・但馬牛ブロック肉各1キロ詰め合わせです!」
あなた「え」
あなた・愛・彼方「「「ええええええええっ!!!!!」」」
17 :
◆3m7fPOKMbo
[sage saga]:2021/07/31(土) 00:37:49.89 ID:dufJE7X/0
あなたちゃん宅 キッチン
彼方「ブロック肉だよ、塊だよ…」
愛「だよね…見た事ないよ…」
あなた「……この大きさがあれば、あれが出来るかも知れない」
彼方「あれって?」
あなた「タテだかヨコだかわからんビフテキ。いわゆるマンガ肉の一種だね」
彼方「彼方ちゃんもラーメンライスは好きだけどさ、本当に部長そんな古いマンガをよく知ってるね」
愛「ラーメンライスと言えば愛さんはラーメンライス食法かな」
あなた「いや、あれ最後の食べ方は乱れ食いしてるだけでしょ」
彼方「ビフテキというぐらいだから、普通に焼いてみようか」
愛「しかしこの厚さだからねぇ」
あなた「頑張れ火力…ファイヤー」
彼方「強火にすると外だけ焦げそう」
愛「確かに」
あなた「フランベでもしてみる? ウォッカしかないけど。まあ、唐辛子漬けこんでる奴だから、風味もつくけどさ」
彼方「辛そうだね、コーレーグースみたいだよ」
愛「匂いだけで辛そうだよ」
あなた「じゃあ、最後の手段にでも取っておくか」
あなた「暇潰しにギターでも弾いちゃうかな」
愛「おおー、いいねいいね」
彼方「ノリノリな奴を頼もうかなー」
〜♪ Hit in the USA/Beat crusaders
愛「しかし焼けないね…」
彼方「中まで焼ける気がしない」
あなた「マンガ肉は回転させて焼くお約束だからねぇ。上手に焼けました〜♪」
愛「なんでサビに合わせた」
彼方「うーん……なんてこった、頑張れ神戸牛」
あなた「もっと熱くなれよ、神戸牛! コービー・ブライアントがお前を誇ってるぞ!」
愛「……コービー・ブライアントって誰さ?」
彼方「なんか有名なスポーツ選手」
あなた「神戸牛が名前の由来なんだってさ」
18 :
◆3m7fPOKMbo
[sage saga]:2021/07/31(土) 00:38:44.05 ID:dufJE7X/0
彼方「なんだか焦げ付いてきたね」
あなた「最終兵器だ。ファイアーしようぜ」
彼方「行けるかな?」
ぶわっ
彼方「わわわっ!?」
愛「やっぱこうなるよねー」
彼方「……とりあえず切ろうか」
サクサク
あなた「…レアですらないな」
彼方「この大きさ、やはり無理だったか」
あなた「一朝一夕でうまくいくはずもない、か」
愛「上手に焼けませんでした、だね」
あなた「あ、残った四キロ分の肉は二人で分けていいよー」
『タテでもヨコでもないからどうしようもない』
19 :
◆3m7fPOKMbo
[sage saga]:2021/07/31(土) 00:41:19.53 ID:dufJE7X/0
果林「あら、そこにいるのって部長じゃない?」
エマ「本当だね。なにかに並んでるよ?」
果林「ファッションの店ね、今日何かの発売日だったかしら…?」
果林「読者モデルとして知らないのはまずいわね、ちょっと見てみましょう」スタスタ
記者「すみません、そこのサングラスの子、ちょっと取材いいですかー?」
あなた「んー? なんの取材? テレビ、ラジオ?」
記者「あ、ネットラジオの取材です。首都短波放送チャンネルの『深夜のテンションと賢者タイム』って…」
あなた「ああー。聞いてます聞いてます。水曜日の全力で突っ走るミュージック天国のコーナーとか好き」
記者「え、こんなに小さいリスナーさんいるの? 午前0時からのライブ放送だけどお母さん大丈夫?」
あなた「面白いからいいじゃん」
記者「それで、金曜日の名前のないファッションショーってコーナーで……」
あなた「あ、だから発売日に取材に来たんだ。あれ聞いて買いに来たからさ」
果林「…ずいぶんマニアックな番組というかなんというか…」
エマ「果林ちゃんが知らないのも無理はないね」
記者「はい。当番組の働きかけで、ジンバブエ発、アフリカのブランドなのにアロハ風シャツブランド、日本初上陸! こんなところにファンがいるとは、心境はどうですか?」
あなた「乗るしかない、このビッグウェーブに!」
記者「ありがとうございましたー」スタスタ
あなた「どうもー」
果林「どんなシャツなのよ、逆に気になるわ…こんにちは、部長」
エマ「こんにちは」
あなた「おお、果林さんにエマさん」
エマ「それにしても素敵な返事だったね。乗るしかない、このビッグウェーブにって」
果林「例のI Phoneおじさんのコメントじゃない…エマに変な日本語を覚えさせないで頂戴」
あなた「あはは、悪かったよ」
果林「ところで、さっきのブランドってどんなシャツなの?」
あなた「ああ、見てみる? ステージ衣装のベース用にいいかなって、皆の分も買うつもりで来たんだ」
果林・エマ「「え」」
果林(何を買う気だったのよこの子…)
あなた「ちょうど皆のイメージカラーもあったしね。ああ、見本が出てきた。あれとかせつ菜ちゃんカラーだよ」
エマ「……あれ、柄、何?」
あなた「ダイオウグソクムシだね。赤ベースにダークブルーのダイオウグソクムシが乱舞する柄。ラジオによると職人が一匹一匹ミシンで縫ってるってさ」
20 :
◆3m7fPOKMbo
[sage saga]:2021/07/31(土) 00:42:41.48 ID:dufJE7X/0
果林「どんな柄なのよ、これ他が怖くなったわ…」ヒソヒソ
エマ「でもせつ菜ちゃん…意外と喜びそう」ヒソヒソ
果林「…イメージできるのが怖いわ」ヒソヒソ
あなた「ありゃ、ブルーがベースカラーの奴、サイズがないなぁ…なんだよ、2Lしかないって」
果林「(良かった、私のは回避出来たわね…)どんな柄なの?」
あなた「背中にでかでかとイセエビ。デザイナーが三重県に取材したってさ」
エマ「イセエビだけ妙にリアルだね」
あなた「むーん…サイズにいいのがない、しずくちゃん用とせつ菜ちゃん用はあるけど…あ、エマさんの奴は別の柄になるけどあるか」
エマ「え、あるんだ」
あなた「タツノオトシゴ柄はSサイズしかなかったからね、当初のイメージとは変わるけど」
あなた「タコの柄。足を広げるタコ、タコ、タコ」
果林「……古来より、日本の女体とタコは切っても切り離せないわね」
エマ「もーっ!!」プンプン
あなた「…諦めてせつ菜ちゃん用としずくちゃん用を買うとしよう」
エマ「しずくちゃんはどんな柄なの? 水色ベースなのは分かるけど」
あなた「四方八方から顔を出すチンアナゴ」
果林・エマ「「………」」
後日 同好会部室
せつ菜「しずくさんもなかなか可愛らしいですね。イメージカラーがこうもあると」ウキウキ
しずく「あはは…せ、せつ菜さんはすごく独特ですよね…あれ、先輩は?」
かすみ「しず子とせつ菜先輩が着替えてる間に果林先輩たちから話を聞いた歩夢先輩に追い回されてどっか行っちゃった」
『ビッグウェーブに乗っていこうぜ、または作っていこうぜ』
21 :
◆3m7fPOKMbo
[sage saga]:2021/07/31(土) 00:43:53.33 ID:dufJE7X/0
かすみ「海岸沿いはもうやめましょうよ〜、先輩。かすみんごと吹き飛びそうでしたよ〜」
あなた「まさかあんなに風が強いとは思わなかったんだよ…おっと、見なよ、かすみちゃん、横浜ランドマークタワーだ」
かすみ「こうして見るとなかなか大きいですよね」
あなた「そりゃ関東で一番でかいビルだもんね。璃奈ちゃんとしずくちゃんはもう着てるかな?」
かすみ「まあ、りな子は昨日しず子の家に泊まってますからね」
あなた「今日はかすみちゃんも泊まる訳だ。明日は日曜日、楽しい女子会トークを楽しめよ」
かすみ「先輩はいいんですか?」
あなた「いいんだよ、かすみちゃんを背中に乗せてのツーリングもしたかったからね。妖怪廃部姫も載せてるのにかすみんは乗せてくれないんですかーなんてね」
かすみ「地味に似てないです」
かすみ「あとちょっとですけど、少し休憩してきましょうよ。かすみん腕が痺れそうです。先輩に掴まり過ぎると前のめりで転びそうでして」
あなた「ふーんだ。かすみちゃんは私よりデカいですからね」
かすみ「先輩怒らないでくださいよー。飲み物奢りますからー」
あなた「おお、よろしく」
かすみ「先輩、こんな日々もきちんと思い出にしてくれますか? 忘れないでいてくれますか?」
あなた「もちろんだよ、かすみちゃん」
あなた「こんな日々も、会話一つ一つも、全部立派な思い出として魂にも残してる」
あなた(そしていつか屍者の帝国に送られても、その魂が朽ちないように残してくれる命綱であるんだ)
あなた(輝いていく、かすみちゃん達は知るべきではない、ぼくだけに残った――――――だからぼくが屍者の帝国でいずれ朽ち果て無数に転がる灰の一部になっても、かすみちゃん達も覚えていて欲しい)
かすみ「ありがとうございます、一番かわいいかすみんを、ずっと覚えていてくださいよ?」
あなた「もちろんだよ。ようし、そう言っているかすみちゃんにご褒美だ」
あなた「璃奈ちゃんとしずくちゃんには悪いけど、もうちょっとツーリングだ! 日産スタジアムでも見に行こうか?」
かすみ「ちょっとちょっと! 二人を待たせてますから〜! そこまで先輩独り占めしちゃ悪いですよー!」
22 :
◆3m7fPOKMbo
[sage saga]:2021/07/31(土) 00:45:37.52 ID:dufJE7X/0
かすみ「お陰でこっちの駐車場に向かわせるのが大変だったよ」
璃奈「おつかれ」
しずく「で、駐車場にバイクを置きに行った先輩は…」
しずく「本屋で立ち読みしてる…」
璃奈「部長、もう」
あなた「あ、ごめんごめん…つい、ね。これを買いに行こうっと」
しずく「何を夢中になって読んでたんです?」
あなた「伊藤計劃の虐殺器官。電子書籍版は持ってるんだけど、紙で読んでるとやはりいいね」
璃奈「映画は見たことある、ハーモニーとかと一緒に」
あなた「ハーモニーの映画はただでさえ難解な原作を詰め込んで余計に解らなくなったからなぁ」
『今日のことを思い出すいつかを思う』
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