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【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」スペ「2スレ目です!」【安価】
- 1 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/21(水) 01:04:50.27 ID:lgWUywaw0
- 【簡単なあらすじ】
――目標を達成できないとループが始まってしまう。
憧れのトレセン学園のトレーナーとなった主人公は、数奇な運命に囚われる。
ときに喜び、悲しみ、絶望し、挫折しながらも、主人公は進んでいく。
夢のURAファイナルズ、その頂点へと担当ウマ娘を導くために――。
第一ループ:スペシャルウィーク(メイクデビューで敗退、ループ)
第二ループ:ツインターボ(メイクデビューで敗退、ループ)
第三ループ:マヤノトップガン(現行)
――――――
【注意】
・ウマ娘公式が定めたガイドラインに違反しない程度に書きます。
>モチーフとなる競走馬のファンの皆さまや、馬主さまおよび関係者の方々が不快に思われる表現
>ならびに競走馬またはキャラクターのイメージを著しく損なう表現は行わないよう
>ご配慮くださいますようお願いいたします。
(ウマ娘公式サイトより引用)
・新人トレーナーなので、キャラ性を網羅していません。ご容赦を。
・SS初心者です。不作法などあったらすみません。何かありましたらご指摘いただけると幸いです。
・安価は1〜3くらい先に飛ばす予定です。
・仮に安価が一日待っても来なかった場合、ある程度勝手に進行します。
・ウマ娘本編との設定に相違点が発生する場合があります。
―――
▼前スレ
・【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」【安価】
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1623082140/
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1626797090
- 2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/21(水) 01:11:56.12 ID:74tZi83q0
- たておつ
マヤノは止まんねぇからよ…トレーナーくんも止まらず一緒に走り続るんじゃぞ…
- 3 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/21(水) 01:22:26.28 ID:lgWUywaw0
- 新スレ立てたので今日はこれで更新オワリです。
良い夜を〜。
- 4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/21(水) 01:28:51.91 ID:51I46j13o
- おつおつたておつー
正直に言います、マヤちんとはここでお別れと覚悟していました……ごめんなさい
ここまで来たら最後まで添い遂げてくれ!!
- 5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/21(水) 01:34:56.72 ID:RPKGrvbUo
- 前1000ナイス
- 6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/21(水) 01:39:01.56 ID:Q93Y1x7v0
- ここまで来るともう結婚しろよという気持ちで沢山である
- 7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/21(水) 05:20:25.73 ID:FmgZ98XJ0
- たておつ
このスレで自分の中のマヤノの魅力が一層強まった
- 8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/21(水) 08:29:32.47 ID:PhkG8RgJ0
- 追いついたら奇跡が起こってた
よく勝てたなw
- 9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/21(水) 09:12:42.67 ID:Q07dk9Pq0
- たておつ
正直実質負けイベだろこれと思ってました、あれだけ差があっても勝てるんだな…
- 10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/21(水) 16:24:39.03 ID:/GfoHInx0
- >>6
ビューティー安心沢先生に勝負服仕立ててもらおうぜ
- 11 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/21(水) 19:15:23.05 ID:lgWUywaw0
- 皆様に楽しんでいただけていることが何より嬉しいです。まだまだ先は長い気がしますが、気が向くまでお付き合いくだされば幸いです……!
―――
俺はマヤノのことを信じている。
信じているからこそ――今日の勝負は負ける、と。そう考えていた。
マヤノの今の実力では、サイレンススズカには敵わない、と。
他の誰でもない、俺が一番に痛感していた。
していたはずだった。
「――マヤノトップガン、ここで完全に抜け出したッ!」
その声に、がばりと顔を上げる。
地面を切り裂くように走るウマ娘たちの、その先端。
あり得ないと思っていた結果が、しかし確かにそこに存在していた。
夢か何か、なのだと思った。
勝つ可能性が全くなかったわけではない。だが、余りにも狭い門だった。
サイレンススズカというウマ娘は、今代最強の逃げウマ娘と呼ばれるほどのスターウマ娘。同じく逃げを主戦場とするマヤノにとっては厳しい相手――と言うのがもっぱらの評価。
そんな評価など関係ない、と。文字通り蹴り飛ばすように1着でゴールインを果たしたマヤノに……俺はなんて顔をして会えばいいだろう。
……いや、どうもこうもないな。正直に、誠実にあればいい。マヤノはそれ以上をきっと俺に望まないだろうから。
沸き立つ観客席を辞して、控室へと戻る。そうする間、俺の心臓は高鳴りっぱなしだった。
どうしてこうも高鳴るのだろう。自分の中に渦巻く感情のどれもが当てはまらないそれに、俺は困惑すら覚える。
でも、一つだけわかることがあった。――この気持ちの正体は、マヤノに会えばわかる、ということだ。
- 12 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/21(水) 19:35:03.54 ID:lgWUywaw0
- お試しでやりましたけど、既存キャラの一人称吐くほど難しいです。金輪際やりません。
―――
気付いたら、息が痛いくらいに上がってた。
歩くのもめんどくさいのに、どくんどくんと胸を突き上げるような鼓動が、マヤを動かしてる。
ゴールの先に見えたその表情が、驚いたものだったから。
どんなもんだ! って言いたくなったから。
歩くのをやめられない。今すぐにでも走っていきたい。
脚がだんだんと早くなっていって、ちょっとでも気を抜いたら走っちゃいそう。
もう少しだから、と言い聞かせるようにつぶやいて、もう一歩。
この角を曲がれば、もうすぐ。
ゆっくりと、ちょっとおおげさなくらいにゆっくりと、その扉の前に向かう。
立ち止まってドアノブに触れれば、もう抑えきれなかった。
きっと中に居る人は、マヤのことわかってくれてるから。
扉を開けたら何にも考えずに、飛び込むんだ。
だから、きっと受け止めてよね、トレーナーちゃん。
ユー・コピー?
- 13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/21(水) 20:12:26.95 ID:51I46j13o
- うまぴょいした?
- 14 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/21(水) 21:03:29.46 ID:lgWUywaw0
- がちゃり、と強く扉が開かれて、強く踏み込む音が聞こえた。
何となく、”そう”なる気がして。俺は立ち上がって、扉の正面に立った。
オレンジ色の弾丸が飛んできて、腹部に突き刺さる。しっかりと抱きとめ、衝撃を殺すためにくるりと一回転する。
オレンジ色の弾丸――マヤノは、すりすりと胸板に頬を擦り付ける。まるで小動物がじゃれるように。
軽く頭を撫でて上げると、腰に手を回されぎゅっと抱きしめられる。それだけでほんわかした気持ちになって、こちらもお返しにと髪を漉くように撫でる。
……そんな時間がどれくらい続いただろうか。外から響く他のウマ娘の声に、はっと我に返る。同時に、まだ言葉を交わしていなかったことを思い出した。
「……お帰り、マヤノ」
「ただいま、トレーナーちゃん!」
そういうなり、マヤノはもう一度ぎゅっと抱き着いてくる。……少しどころかかなり痛いが、ここは為すがままにされる方がいい気がして、ぐっと我慢する。
すると、小さな兆候を見抜いたのか、マヤノがぱっと手を離した。
「……痛かった?」
「ん、少しな」
「そっか、ごめんね、トレーナーちゃん」
「大丈夫だ」
そう答えるが、脇腹は若干痛む。
そんな俺の様子に気付いたのか、マヤノは少しだけ表情を悲しげなものに変えて――何かを思いついたかのように、ぽん、と手を叩く。
「トレーナーちゃん、マヤ、レース頑張ったよね?」
「……ああ、本当に頑張ったな」
「だから、一つご褒美もらってもいい?」
「ふむ。俺に可能な範囲ならいいぞ」
「やったー! じゃあ……」
マヤノはそういうなり、備え付けのソファに座る。
そして、自らの太ももをぺちぺちと叩いて――。
「膝枕、させてほしーなー……なんて」
「…………ダメだ」
「えー?! 今結構勇気だして言ったのに〜?!」
「いや、そりゃ魅力的な提案だけどさ、今此処ではまずいっていうか、見つかったらやばいだろ?」
「やばいなんてことはないよ! 愛の前には年齢なんて些細な問題だってドラマでも言ってたよー?」
「愛の前では問題なくても、法律の前だと問題がありまくりなんだよ……」
そういうと、マヤノは途端にしょんぼりした表情を浮かべて。
「……じゃあ、お願い聞いてくれないんだ」
「いや、そういうわけじゃ――」
「マヤ、本当に頑張ったのになぁ」
「だから――」
「あーあ……」
ちら、ちら。
「……わかったよ、だけど、ここでは駄目だ!」
「えー? どうして?」
「人に見られたらまずい、って話をしただろ」
「……つまり、人に見られない場所だったらいいってこと?」
「そう、だな。ああ、そうだ」
「やったー! じゃあ、トレーナー室の中だったら大丈夫?」
「……。ああ」
レースに負けるかも、なんて。そんなことを考えていた俺にとっては、そのご褒美は余りに軽すぎる気がしたけれど。
でも、マヤノの表情は、とてもうれしそうで。
その時、ふと先ほどの高揚を思い出した。
だけど、気付いてしまえば――俺はその気持ちに蓋をしなければならない、ということに気付いてしまった。
それは多分毒だろうから、全身に回る前に切り捨てておかなければならない毒だから。
楽しみだと笑うマヤノに、俺はどんな表情で相槌を打てばいいのか、わからなくなっていた。
- 15 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/21(水) 22:07:38.02 ID:lgWUywaw0
- 安価だし忘れマンなので追記です
下1 トレーナーは夜に何をする?
- 16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/21(水) 22:11:49.50 ID:WaYBrjuxo
- トレーナー室へいく
- 17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/22(木) 01:54:58.16 ID:t7WuqfKD0
- マヤノが「これが諦めないってことだ」を発動したのがトレーナーがどこかこのレースの突破を諦めているのを解っていたからと思うとコンマで偶然選択されたにもかかわらずドラマのような展開だな
- 18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/22(木) 02:33:27.99 ID:NF1KA9eao
- これいじょうわたしをしたいにしないd
- 19 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/23(金) 15:20:07.77 ID:NScwutMwO
- ベトナム人の血が騒ぎ始めたのでポケモンユナイトやってました。今日の夜には更新します。ggez
- 20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/23(金) 15:34:37.05 ID:zj7R7RTno
- ういー
- 21 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/23(金) 21:10:13.22 ID:bcBao39p0
- トレーナー「……。なんかいつもの癖でトレーナー室に来てしまった」
トレーナー「思えば、こことの付き合いもそこそこ長くなったよな。もちろんこの世界線の俺が此処を使ったのは大体2年くらいなんだろうけど」
トレーナー「ふと思い返すと、もう3年か。そのうち半分以上をマヤノと一緒に過ごしてきた――そう考えると、少しだけ感慨深いな」
トレーナー「本当は思い入れないほうがいいのに、って思ってるけど、やっぱり人のぬくもりって無意識に求めちゃうんだろうな」
トレーナー「……俺にとってのマヤノっていったい何なんだろうなぁ」
トレーナー「誰よりも大切な担当ウマ娘――。合ってるんだろうけど、なんだかしっくりこない」
トレーナー「明確な、言葉と言うか……感情が欠けている」
トレーナー「そして俺はそれを知っている」
トレーナー「……」
トレーナー「俺は、いつまで大人でいられるのだろうな」
トレーナー「嘘を吐き続けるのって、案外しんどいことだってわかっちゃったらな」
トレーナー「……ホントを吐き出して、楽になりたい――だなんて」
トレーナー「……」
トレーナー「日記でも書くか? 誰にも見せない日記。そこにだけ本音を零せばいい。そしたら隠し通せるんじゃないか?」
トレーナー「そうだ、そうしよう。日記を書くとしようか……どうせなら最初から」
トレーナー「そうと決まれば……。まずは日記帳の用意だな」
トレーナー「書き始めるとするならば、そうだな……」
トレーナー「”――なんかループしてね?”」
―――
▼トレーナーが日記を書き始めました。
- 22 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/23(金) 21:14:07.18 ID:bcBao39p0
- トレーナー「……。なんかいつもの癖でトレーナー室に来てしまった」
トレーナー「思えば、こことの付き合いもそこそこ長くなったよな。もちろんこの世界線の俺が此処を使ったのは大体2年くらいなんだろうけど」
トレーナー「ふと思い返すと、もう3年か。そのうち半分以上をマヤノと一緒に過ごしてきた――そう考えると、少しだけ感慨深いな」
トレーナー「本当は思い入れないほうがいいのに、って思ってるけど、やっぱり人のぬくもりって無意識に求めちゃうんだろうな」
トレーナー「……俺にとってのマヤノっていったい何なんだろうなぁ」
トレーナー「誰よりも大切な担当ウマ娘――。合ってるんだろうけど、なんだかしっくりこない」
トレーナー「明確な、言葉と言うか……感情が欠けている」
トレーナー「そして俺はそれを知っている」
トレーナー「……」
トレーナー「俺は、いつまで大人でいられるのだろうな」
トレーナー「嘘を吐き続けるのって、案外しんどいことだってわかっちゃったらな」
トレーナー「……ホントを吐き出して、楽になりたい――だなんて」
トレーナー「……」
トレーナー「日記でも書くか? 誰にも見せない日記。そこにだけ本音を零せばいい。そしたら隠し通せるんじゃないか?」
トレーナー「そうだ、そうしよう。日記を書くとしようか……どうせなら最初から」
トレーナー「そうと決まれば……。まずは日記帳の用意だな」
トレーナー「書き始めるとするならば、そうだな……」
トレーナー「”――なんかループしてね?”」
―――
▼トレーナーが日記を書き始めました。
- 23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/23(金) 22:12:51.63 ID:yXRI9+ts0
- 大事なことなので(ry
あるいはループしてね?
- 24 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/23(金) 22:54:49.92 ID:bcBao39p0
- トレーナー「……次の目標レースだが、あまり考えたくはないが――ナリタブライアンとぶつかることになるかもしれない」
トレーナー「まだ正式には決定していない。とりあえず今年中に目標レースが設定されることはない――ないのだが」
トレーナー「でも、あんな強敵を前にして、のんびり椅子に座っている暇なんてないことは確かだ」
トレーナー「早くても年明けには、具体的にどのレースに出場するか決めなくてはならない」
トレーナー「……考えろ。マヤノが負けなくていい未来について」
トレーナー「決して未来は、閉ざされていないのだから」
―――
下1
トレーニング/お出かけ/休憩/スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/脚質上昇/会話(秋川理事長)/秘密の特訓/その他(良識の範囲内で自由に)
※■■■まであとXターン(当ターン含む)
- 25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/23(金) 22:55:54.32 ID:yXRI9+ts0
- スキル習得
- 26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/24(土) 08:20:08.50 ID:XYh17D7U0
- トレと休息繰り返した方が良くね?
- 27 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/24(土) 11:44:33.97 ID:TNhEY5QI0
- トレーナー「というわけで、年末まではゆっくりとしてもいい……という事になったんだが、やっぱり不安は残るよな」
マヤノ「……うん。静かに過ごすより、体を動かしてたほうが気がラクかも」
トレーナー「というわけで、今日からは技術を習得する練習に入るわけだが――」
マヤノ「どんな技術を習得するの?」
トレーナー「それは今から考えようと思っている――というか、マヤノの意見を聞こうと思ってな」
マヤノ「マヤの意見?」
トレーナー「マヤノが今足りないと思っているもの、と言えばいいかな」
マヤノ「うーん……なんだろ?」
トレーナー「じっくり考えてくれ」
―――
下1 どのスキルを習得する?
[スキルヒント:ウマ娘]
・読解力 Lv1[作戦:差し]
(中盤に選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+50の補正)
・大局観 Lv1[作戦:差し]
(中盤に選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+100の補正)
・食いしん坊 Lv1[作戦:先行]
(中盤に選択肢追加:終盤のコンマ判定を2段階上のものに上げる)
・魅惑のささやき Lv1[距離:中距離]
(中盤:ライバルウマ娘のコンマ判定を2段階下のものに下げる)
・スカイハイ☆ランデヴーLv2 Lv3[作戦:逃げ] ※フォームチェンジ権
(序盤に選択肢追加:ゴール時のコンマ判定に+200の補正)
・コーナー回復〇 Lv1[汎用]
(中盤に選択肢追加:終盤のコンマ判定を1段階上のものに上げる)
・円弧のマエストロ Lv1[汎用]
(中盤に選択肢追加:終盤のコンマ判定を2段階上のものに上げる)
・善後策 Lv1[短距離]
(中盤に選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+50の補正)
・プランX Lv1[短距離]
(中盤に選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+100の補正)
・押し切り準備 Lv1[作戦:逃げ]
(終盤に選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+50の補正)
・逃亡者 Lv1[作戦:逃げ]
(終盤に選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+50の補正)
- 28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/24(土) 11:57:45.52 ID:F1x3QZNCo
- マエストロ挑戦するか
- 29 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/24(土) 12:17:41.44 ID:TNhEY5QI0
-
マヤノ「うーん……これから、長い距離を走るレースが増えてくるでしょ?」
トレーナー「そうだな、有馬記念も視野に入れるべきだし、長距離対策は必須だ」
マヤノ「そうだとしたら、スタミナがちょっと不安かも〜」
トレーナー「スタミナか、だとしたら……コーナーリングを見直してみるか。直線は上手くいっているようだし」
マヤノ「うん!」
―――
下1 習得コンマ
90以上:円弧のマエストロ習得
50以上:コーナー回復〇習得
50以下:コーナー回復〇のヒントレベル上昇
- 30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/24(土) 12:18:19.01 ID:eUyGd8oPo
- ほい
- 31 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/24(土) 12:26:32.36 ID:TNhEY5QI0
-
トレーナー「……まぁ、さすがに一朝一夕でどうにかなるものでもないよな」
マヤノ「うーん……でもなんかつかめたかも!」
トレーナー「そっか、だったらトレーニングは成功だな!」
マヤノ「えへへ〜」
―――
▼スキルヒント[コーナー回復〇]のレベルが上昇した。
- 32 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/24(土) 12:42:55.44 ID:TNhEY5QI0
- キャンサー杯の方はどうでしょうか。
こちらはおかげさまでオープンリーグ全勝で落ち着きました。
皆様のご健闘をお祈りしております……!
―――
理事長「朗報ッ! 失礼するぞッ!」
トレーナー「おわっ?! 理事長?!」
理事長「決定ッ! ついに正式にトレセン学園に導入されることになったぞッ!」
トレーナー「……? 何のことですか?」
理事長「疑問! 君が嘆願をしたと記憶しているッ! 仕事が多いのだ、と」
トレーナー「……ああ! え、本当に改善されるんですか?!」
理事長「無論ッ!」
トレーナー「え、それってたづなさんには……?」
理事長「……無言」
トレーナー「きちんと決済、取ってくださいね」
理事長「肯定……」
―――
▼トレーナーの業務改善要望が通った。
▼トレーニング効率が上昇した。
- 33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/24(土) 13:00:10.94 ID:eUyGd8oPo
- ポケットマネーでいいじゃん(いいじゃん)
- 34 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/24(土) 13:00:26.90 ID:TNhEY5QI0
- トレーナー「12月に入って、本当に寒くなってきた」
トレーナー「というわけでトレーナー室にも暖房が導入された。されたのだが……」
マヤノ「あったかーい」
ネイチャ「あったかいですなぁ」
トレーナー「……マヤノはともかく、なんでナイスネイチャがここに……?」
ネイチャ「あ、お邪魔させてもらってます〜」
トレーナー「ああ、それは構わないんだけどさ……君寛ぎすぎじゃない?」
ネイチャ「マヤノの空気感にあてられて……。随分と懐かれてるようで」
トレーナー「……ま、信頼の表れってやつだな」
ネイチャ「へー……」
トレーナー(その視線は絶対に疑ってる奴だろ……!)
―――
下1
トレーニング/お出かけ/休憩/スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/脚質上昇/会話(秋川理事長)/秘密の特訓/その他(良識の範囲内で自由に)
※■■■まであとXターン(当ターン含む)
- 35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/24(土) 13:02:52.68 ID:/j/WJNCS0
- 休息
- 36 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/24(土) 13:08:02.64 ID:TNhEY5QI0
- トレーナー「年末も近いし、寒さで関節も強張るし無理な練習は逆に呼称を招きかねない」
マヤノ「つまり?」
ネイチャ「つまり?」
トレーナー「今日は休みだ」
マヤノ「やったー! これで今日はトレーナーちゃんと一緒に居られるね!」
トレーナー「いや、トレーニングの時もいるじゃん……」
マヤノ「じゃあずっと一緒にいる……ってコト?!」
トレーナー「まぁ、そういうことになるんじゃないか?」
ネイチャ「へぇ、やっぱりそういう……」
トレーナー「んなわけないだろ、第一ナイスネイチャはいつ自分のトレーナーのところに戻るんだ?」
ネイチャ「トレーナーさんは今日別のところで会議してるらしいから……」
トレーナー「さてはお前、暇を持て余したから此処に来たとかそういうアレだろ」
ネイチャ「ざっつらいと。良く解ってるじゃないですか」
トレーナー「理解したくなかったよ……本当はな……」
―――
▼休憩を行った。
▼次回トレーニング効果が2倍になった。
- 37 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/24(土) 13:12:32.93 ID:TNhEY5QI0
- トレーナー「もう12月も末か……ミカン買わなきゃ」
マヤノ「今年も紅白見るの、トレーナーちゃん?」
トレーナー「んー。いつも通り簡単なご飯食べて、ぐーたらスマホ見て終わりかなぁ」
マヤノ「ふぅん……」
トレーナー「……? どうかしたか?」
マヤノ「何でもありませーん」
トレーナー(いきなりどうしたんだ……?)
―――
下1
トレーニング/お出かけ/休憩/スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/脚質上昇/会話(秋川理事長)/秘密の特訓/その他(良識の範囲内で自由に)
※■■■まであとXターン(当ターン含む)
- 38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/24(土) 13:15:28.92 ID:MnnfsNRoO
- トレーニング
- 39 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/24(土) 13:23:53.45 ID:TNhEY5QI0
- トレーナー「今年のトレーニングもこれで最後か」
マヤノ「そう考えるとちょっと寂しいかも……」
トレーナー「来年なんてすぐ来るし、また会えるんだ。そう寂しそうな顔されると……困る」
マヤノ「えへへ……そっか、じゃあ……来年もよろしくね、トレーナーちゃん」
トレーナー「ちょっと気が早いぞ、どちらかというと今年はお世話になりました、じゃないのか?」
マヤノ「えへ」
トレーナー「笑って誤魔化すことを覚え始めたな……まったく。トレーニングは誤魔化しなんてさせないからな。するとは思わないけど」
マヤノ「アイ・コピー!」
―――
■[すくらんぶる☆ゾーン]マヤノトップガン
スピード:787(B+)
スタミナ:757(B+)
パワー:760(B+)
根性:1059(S+)
賢さ:352(D+)
やる気:絶好調
―――
下1 トレーニングの内容
スピード/スタミナ/パワー/根性/知識
※サポートカード[スペシャルウィーク]アクティブ。根性の練習時に固定値追加。
※サブイベント[業務改善命令]アクティブ。全ての練習時に固定値追加。
下2 トレーニングの効果量
※ゾロ目の場合は追加イベント
- 40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/24(土) 13:28:34.82 ID:LupfOVho0
- スピード
- 41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/24(土) 13:31:30.03 ID:eUyGd8oPo
- はい!
- 42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/24(土) 13:33:51.09 ID:eUyGd8oPo
- もう…消えたい…
- 43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/24(土) 13:56:12.31 ID:LupfOVho0
- コンマ神マヤノ嫌いなん?(白目)
めっちゃ頑張ってるウマ娘を曇らせるのは違うダルルォ!?
- 44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/24(土) 14:40:08.76 ID:+/NZ3PTVO
- 汚名挽回のチャンスはまだあるから…
- 45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/24(土) 15:14:46.53 ID:KFd6LUQBO
- >>44
汚名を挽回してどーすんねん
名誉返上やろ
- 46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/24(土) 15:17:39.83 ID:F1x3QZNCo
- 名誉を返上してどうすんねん
- 47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/24(土) 17:44:03.64 ID:7NS9QGlBo
- オメー卍解
- 48 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/24(土) 19:37:28.66 ID:TNhEY5QI0
- トレーナー「……マヤノ、ちょっと動きが悪いな?」
マヤノ「え」
トレーナー「マヤノ、お前ひょっとして――釣られたな?」
マヤノ「……はい」
トレーナー「あれほど言ったのに……ッ!」
マヤノ「ごめんなさーい……」
トレーナー「いくら誘惑が強くても――”ふんわりトロッ、マリトッツォ”は2日に1個までって……!」
マヤノ「でもおいしくて……」
トレーナー「黙れ黙れ黙れーい! 今日のトレーニングは1.5倍じゃーい!!!」
マヤノ「ゆるしてーっ!」
―――
▼マヤノトップガンのスピードが上昇した。
スピード:787(B+)+03+[サポートカード:スペシャルウィーク]20+[業務改善命令]10=810(A)
- 49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/24(土) 19:59:47.72 ID:/j/WJNCSo
- 休息分が抜けてない?
- 50 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/24(土) 20:07:01.54 ID:TNhEY5QI0
- 抜けてますね……
スピード:{787(B+)+03+[サポートカード:スペシャルウィーク]20+[業務改善命令]10}×2=853(A)
が正しい結果となります……!
- 51 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/24(土) 20:11:27.17 ID:TNhEY5QI0
- トレーナー「女子の間でマリトッツォなる食べ物が流行っている理由が良く解らないのは、俺がおじさんになってしまったからなのだろうか」
トレーナー「信じたくないが、そろそろクリームがドカンと腹に溜まって気持ち悪くなる年齢だからな……」
トレーナー「ちなみに食べてみたが、普通だった。俺はあれならシュークリームでいい気がした」
トレーナー「見た目は可愛いから、人気の理由はそれかもしれないな」
―――
下1
トレーニング/お出かけ/休憩/スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/脚質上昇/会話(秋川理事長)/秘密の特訓/その他(良識の範囲内で自由に)
※■■■まであとXターン(当ターン含む)
※今ターンが終了し次第イベントが発生します。
- 52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/24(土) 20:16:25.93 ID:/j/WJNCS0
- 秘密の特訓
- 53 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/25(日) 12:45:27.14 ID:kSZaZ/Zr0
- トレーナー「……日が暮れ始めたし、ここ辺りで今日のトレーニングは終了しようか」
マヤノ「うん! おつかれさまー!」
トレーナー「次のトレーニングは年明けだな。それまではゆっくりと体を休めておけよ?」
マヤノ「アイ・コピー!」
―――
マヤノ「……でね、その後にここに来ると……なんか浮気してるみたいだなって思っちゃうんだー」
ルドルフ「はは、噂になっては敵わんな」
マヤノ「その時はカイチョーさんがマヤを寝取ったことになるのかなー?」
ルドルフ「寝取……。あまり褒められた言葉ではないよ、マヤノトップガン……」
マヤノ「でも昼ドラマとかだったら結構こういう展開あるよ?」
ルドルフ「そんなドラマを見てる方がおかしいのではないかな……」
マヤノ「そんなことより! 今日もトレーニング、お願いしまーす!」
ルドルフ「まったく、君の勢いにはついていけんよ……」
ルドルフ「教師役だが、今日、死んでしまいそうだ」
マヤノ「どういうこと?」
ルドルフ「ボケの解説を求めるのはご法度だぞ……」
―――
下1 トレーニングの効果量(コンマ)
※ゾロ目の場合は追加ロール
下2 スキル習得(コンマ)
80以上で習得
50以上でスキルヒント
※ゾロ目の場合は追加ロール
- 54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/25(日) 12:49:17.80 ID:29/hC164o
- ルドマヤ……あり!
- 55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/25(日) 13:06:51.33 ID:ATwAEFBh0
- ゾロこーい
- 56 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/25(日) 13:09:31.67 ID:kSZaZ/Zr0
- アッ、ミスってたのでもう一個安価投げます……!
―――
■[すくらんぶる☆ゾーン]マヤノトップガン
スピード:435(C)
スタミナ:401(C)
パワー:668(B+)
根性:972(A+)
賢さ:264(E+)
やる気:絶好調
―――
下1 トレーニングの内容(コンマ)
01〜20:スピード
21〜40:スタミナ
41〜60:パワー
61〜80:根性
81〜00:知識
- 57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/25(日) 13:13:03.55 ID:WnPxJZ+Uo
- バクシン!
- 58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/25(日) 13:13:15.15 ID:I0AwWJ8ro
- はい
- 59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/25(日) 13:17:29.55 ID:8H//6ebU0
- 近距離パワー型マヤ?
- 60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/25(日) 17:08:40.71 ID:BNojap1L0
- 両方ゾロとはまさしくバクシンですね!
- 61 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/25(日) 17:08:42.79 ID:kSZaZ/Zr0
- ―――
下1 秘密の特訓2回目:達成判定
[スピード:668]+[下1コンマ値]>[3回目判定値:500]の場合成功
※今回自動成功
※ゾロ目の場合は判定の可否に関わらず成功。
※成功するコンマ値でありかつゾロ目の場合は成長コンマに固定値追加。
- 62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/25(日) 17:11:00.60 ID:ATwAEFBh0
- もいっちょゾロこーい
- 63 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/25(日) 17:48:28.43 ID:kSZaZ/Zr0
- 順番が上下して申し訳ない……!
―――
下1 スキル習得の追加ロール
※ゾロ目の場合は追加ロール
- 64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/25(日) 17:49:20.02 ID:XVb1yAZWo
- パクパクですわ
- 65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/25(日) 17:56:45.15 ID:rqz+THiHO
- マックイーンは減量な
- 66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/25(日) 18:21:03.30 ID:Y3MhnRR9o
- あんまりですわぁ
- 67 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/25(日) 18:29:51.31 ID:kSZaZ/Zr0
- マヤノ「むむ……」
ルドルフ「……いつもよりキレが悪いな」
マヤノ「なんか、浮気の話してたらトレーナーちゃんのことが心配になって……」
ルドルフ「……はぁ、君も君で大概鈍いんだろうな」
マヤノ「え?」
ルドルフ「いや、何でもない。こういうのは自分で気づいたほうが為になるからな。気になるのなら自分で探してみると良い」
マヤノ「うーん……。良く解らないけど、それってマヤにとって大事なこと、なんだよね?」
ルドルフ「ああ、間違いなく君には重要なことだろう」
マヤノ「だったら、そうだね、自分で探さなきゃだめだよね!」
ルドルフ「その意気だ。まぁ、今日のトレーニングはその意識が得られただけで成功と言えるかな」
マヤノ「え? もうトレーニング終り?」
ルドルフ「トレーナーから無茶な練習はするな、と伝えられているんだろう? だったらこちらが無理をさせて故障させては……トレーナー君の前に立てない」
マヤノ「……そう、だよね。トレーナーちゃんを心配させないためにやってる練習が、トレーナーちゃんを心配させたら意味がないもんね」
ルドルフ「その通りだ。この後はクールダウン代わりに軽く周辺を歩いてくるといい。ああ、ついでに――」
ルドルフ「歩く間に、トレーナー君のことでも考えておくといい。君にとっての彼についてはよく理解できているようだが、その実、”彼から見た君はどのような存在なのか”についての理解がまだまだ不足しているようだからな」
マヤノ「トレーナーちゃんから見て、マヤの……?」
ルドルフ「ああ。こちらから答えは提示しない。……そもそも私自体理解はしていない。だが、これでもそれなりにウマ娘たちの面倒を見てきたという自負はある。故に、君はそれを顧みるべきだ」
ルドルフ「ほら、早くしないとクールダウンの効果が薄くなってしまうぞ」
マヤノ「……あ、アイ・コピー!」
ルドルフ「……。この手の話題は、あまり得意ではないな」
―――
▼マヤノトップガンのスピードが上昇した
スピード:853(A)+80=933(A+)
▼スキルを習得できなかった……。
- 68 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/25(日) 18:43:39.34 ID:kSZaZ/Zr0
- というわけで年末イベントです。
少し長くなりますがお付き合いください。
前スレ1000のコンマにて決定したイベントは、目標レース直前に差し込まれます。
―――
■積もる銀雪は、斜陽にて地を濡らすので。
――空気が酷く冷たい。
外に出て思い出したのは、今年は例年以上に冷え込むというニュースキャスターの発言だった。
考えてみれば、まともに外に出るのは11月の頭以来。それ以外はいつも部屋の中に居たから、寒さになれていないのは当然のことだった。
マフラーはもちろんのこと、手袋やイヤーカフなどもない。外気に触れている肌が、冷気という極小の針で刺されているかのような、ひりついた痛みを訴えていた。
直ぐに戻ろうか、とも一瞬考えた。だが、今日ばかりは外すことができない用事があった。
電飾が煌びやかに街道を照らす中、俺はとあるお店へと足を踏み入れる。
甘い香りが、鼻を満たして。俺は蕩けてしまいそうな、そんな世界へと足を踏み入れた。
■
- 69 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/25(日) 19:18:16.84 ID:kSZaZ/Zr0
-
「……そういえば、クリスマスの予定は立てたのか?」
秘密の特訓が終わったのち、シンボリルドルフはふとマヤノトップガンに尋ねた。
「まだ! でも、トレーナーちゃんと一緒に過ごしたいなーって」
「そうか。去年はひと悶着があったと聞くし、今年こそは早めに連絡をつけておくことをお勧めする」
「うん! そーするね! ありがと、かいちょーさん!」
満面の笑みで返すと、シンボリルドルフは面食らったような表情を浮かべた。
その表情が良く解らなくて、マヤノトップガンはふと聞き返した。
「どーしたの、かいちょーさん?」
「いや、去年のクリスマスはかなり大変だったんだろう? なのに、君はこの時期のことをなんとも思っていない、というか、むしろ望んですらいる」
「それが、不思議?」
「……ああ、そうだな。不思議、なのかもしれない」
心配してくれていた。マヤノトップガンは、シンボリルドルフの様子をそう解釈した。
だが、その心配はマヤノトップガンにとっては無用のもので。
あの日、あの瞬間の体験は――むしろ、マヤノトップガンにとっては宝物のように煌めいて見えている。
いつも強くて、自分のことを引っ張ってくれるトレーナーが、いつもは隠していた心の"うろ"の扉を開いて、想いを零してくれたこと。そして、それをあまつさえ拾わせてくれたこと。
すべてを知りたいだなんて思ってはいないけど。ただ、自分の知らないトレーナーが知れたことで、まるで、自分の心の寂しさまで消えていくような――そんな気がしたから。
その日は。
「特別な日、なんだ」
特別な言葉で飾る必要はない。だって、それだけでもう、マヤノトップガンにとっては素晴らしい日の最大の形容なのだから。
ルドルフは、その一言で何かを察しとったのか、くすりとほほ笑んだ。
「理解できないな」
「いつか、かいちょーさんにもわかる日が来るといいね」
「……。いつか、私も君みたいに――等身大の存在として、何かを想う日がくるのであれば。きっと理解ができるんだろう」
そうつぶやくシンボリルドルフは、どこか懐かしむような瞳で、遠くを見つめていた――。
■
- 70 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/25(日) 19:49:37.19 ID:kSZaZ/Zr0
- ■
こん、こん。
「トレーナーちゃん、いる?」
返事はない。室内は電気が消されており、主の不在を示していた。
いつもであれば、トレーナーは室内で映像資料を確認しているのだが――。
マヤノトップガンは不思議がってトレーナー室を開けようとするが――開かない。
本格的にマヤノトップガンが異変を感じたのは、施錠を確認してからだった。
トレーナーは基本的に外出時には鍵をかけない。と言うのも、そもそも学内はその性質上セキュリティが万全な状態で24時間機能しており、鍵をかける必要がないからだ。
研究資料などはそもそも書類で残さず、データ媒体にスキャンしたのちに処分するのがトレーナー間での常識だ。それはマヤノトップガンの知るところでもある。
で、あるからにして。トレーナー室が施錠してある状態とは、マヤノトップガンにとって――否、トレセン学園のウマ娘全員にとって異例の事態と言えた。
……ただ、引っかかる点があるとするならば。
「”ただいま外出中”?」
そう、張り紙が張ってあることだ。
つまり、この施錠には何かしらの意図があると考えていい。
ということは。と、マヤノは何かの波動を感知する。
「とりあえず、ネイチャちゃんとこにお邪魔しよーっと」
いつも通りの足取りで、マヤノトップガンはナイスネイチャが居るであろうトレーナー室へと向かうのだった。
- 71 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/25(日) 20:37:23.62 ID:kSZaZ/Zr0
- 一言説明
・会田トレーナー
ナイスネイチャのトレーナー。
同世代の中ではトップクラスとも呼ばれる凄腕のトレーナーにして、世代最優との呼び声も高いコミュニケーター。
■
「……なるほど、トレーナー室に鍵が」
「そうなの〜。まったく、トレーナーちゃんも一言くれればいいのに」
「張り紙が貼ってあったのでしょう? でしたら、それが一言なのでは?」
「それはそうだけど……」
ナイスネイチャの居るであろう場所――会田トレーナーのトレーナー室にマヤノトップガンは訪れていた。
会田トレーナーはちょうど映像資料を確認していたらしく、来客にもスマートに対応した。もっとも、それはマヤノトップガンが此処にしばしば訪れているからでもある。
皐月賞以来、マヤノトップガンとナイスネイチャは良きライバル関係となっていた。時には競い、時には協力する過程で、トレーナー室を利用することもあった。
そして往々にして、利用する時間帯には会田トレーナーがそこにいた。生来の気質的に世話をせずにいられない会田トレーナーは、かいがいしく彼女たちの世話を焼いてしまうのだ。
そんなこともあって、マヤノトップガンから会田トレーナーへの接し方は非常にフランクなものだ。
「ふーん。あのトレーナーさんがねぇ」
「ネイチャ。発言に含みがありますね」
「だって、ねぇ」
「……意味するところは、私にも理解できますが」
小さく、あのウマ娘馬鹿のことですから、と会田トレーナーが呟いたのが、マヤノトップガンには聞こえた。
一体自分のトレーナーは外から見て、どのような評価をされているのだろうと一瞬不安になった。
「まぁ、あの人のことでしょうから時期に戻ってきますよ」
「ま、それまではゆっくりしていきな〜」
「ここは貴方の部屋ではありませんよ、ネイチャ」
「でもいいんでしょ?」
「……いいんですけどね」
「というわけでゆっくりとしていきなされ〜」
なんでだろう、凄い居づらい……。とマヤノトップガンは内心でごちる。むろんだが、逆の状況でナイスネイチャが同じことを考えているなどマヤノトップガンは露にも思っていない。
ある意味似た者同士であると言えるだろう。だからこそ対等に付き合えるのかもしれない。
「でも会田ちゃんはいーの? 研究の最中なんでしょ?」
「構いませんよ。それに、この研究は――他ならぬ君の研究ですかね、マヤノトップガン」
「え?! マヤの?」
「ええ。皐月賞の時、貴方のトレーナーさんに一つ教えられましたからね。貴方が居れば、より素早く研究が進むというものです」
その言葉に首をかしげるマヤノトップガン。思い返せば、確かに控室に来るまでに少しディレイがあった。そこで何かを話したのだろう。
マヤノトップガンが興味を示している。会田はその貪欲ともいえる好奇心に対して思わず笑いを零しながら、マヤノトップガンに向き直った。
「気になりますか?」
「……うん」
「貴方のトレーナーは明言はしなかったものの、こう言ったんですよ。――手腕も大事だが、ウマ娘の気持ちほど大事なものはない、と」
「――あはは、トレーナーちゃんのいいそうなことだ!」
「貴方にとってはそうかもしれませんが、私にとってはそうではありませんでした。だからこそ――今は意思と言うか、気持ちの勉強をしています」
「気持ちの勉強?」
「ネイチャが何をしたら喜ぶか、とか」
そういうと、ナイスネイチャが慌てて二人の会話に飛び込んできた。
「わ、わ! ちょっとちょっとちょっとぉ! トレーナーさん、それ以上は駄目だってば!」
「おや、何が駄目なんですか? ひょっとして、ネイチャが試合後に求めてくるアレ――」
「――あああああああああぁぁぁぁ?!?!?!」
がばり。会田トレーナーの口をナイスネイチャが塞ぐ。
ナイスネイチャの頬はまるでリンゴのように紅潮しており――その様子はまるで、ドラマの中のヒロインのようだ、とマヤノトップガンは思った。
そして――事実は不明のままだが――マヤノトップガンは二人の関係が”解って”しまった。重ねて言うが、事実は不明のままではあるが。
なるほどどうして、これは自分は邪魔な存在であると。マヤノトップガンは理解してそっと会田トレーナーの部屋を辞したのだった。
- 72 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/25(日) 20:57:36.23 ID:kSZaZ/Zr0
- ■
――出会いは案外唐突である。
「あ」
「あ」
マヤノトップガンが会田トレーナーの部屋から出て、ひとまずは寮に戻ろうとした時のことだった。トレーナー室の前で鍵を閉じようとしているトレーナーが、そこにいた。
耳も手も顔も真っ青で、今にでも倒れそうな顔色の悪さだ。肩がうっすらと濡れているのは、先ほどからにわかに降り始めた雪のせいだろうか。
思わず駆け寄って、手を握る。――まるで氷のように冷たくなった指先の温度が、マヤノトップガンの暖かな体温に蕩けていく。
マヤノトップガンの両手は、小さい。対して、トレーナーのごつごつとして大人らしい手は、彼女の両手を合わせてちょうど包み込めるほどの大きさだ。
それでも必死に、温めようとする。なんだか、あの時の記憶がよみがえってきて、無性に寂しくなったから。
「……マヤノ?」
声をかけられても、気が付けないほどに。指先から伝わる熱量が、二人の平均値になってもなお。マヤノトップガンは握り続けた。
ふと、その手が握り返されて――漸くマヤノトップガンは自らを呼び続ける声に気が付いた。
「トレーナー、ちゃん?」
「どうしたマヤノ、何かあったか?」
「……うぅん、何もない、よ?」
「……。嘘ヘッタクソだなぁ、マヤノは」
本当は隠しておきたかったんだけど、とトレーナーはつぶやいて、トレーナー室の扉を開く。
「ちょっと話そう。去年、マヤノが俺にしてくれたみたいに、今度は俺がマヤノの話を聞くからさ」
- 73 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/25(日) 21:17:27.73 ID:kSZaZ/Zr0
- ■
薄暗い部屋が、文明の光によって拓かれる。
そうして、光の灯されたトレーナー室に入ったマヤノは、ようやくトレーナー室が施錠されていた意図を知る。
「サプライズにしたくてさ。マヤノが去年作ってくれたクリスマスケーキのお礼、ろくに出来てなかっただろ?」
まだ準備が終わってないから、明日の午前中に終わらせようと思ってさ。
トレーナーは小さく笑いを漏らして、そう言った。その背後には、煌びやかに飾られた、クリスマス仕様の部屋の内装があった。――おまけに、壁に立てかけられている大きなプラカードには、天皇賞・秋突破おめでとうの文字。
……漸く納得した。トレーナーの両手や耳が青ざめていたのは、この準備のために買い出しに行っていたからだ。マヤノトップガンは、心に温水を流し込まれるような気持ちになった。
だから、トレーナーは……去年のクリスマスみたいなことにはならない。マヤノトップガンはそう考えて――瞳から流れ出すものを感じた。
いうなればそれは、今までため込んできたものの結晶だった。
- 74 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/25(日) 21:43:08.10 ID:kSZaZ/Zr0
- 思い返せば、マヤノトップガンは皐月賞以来泣いたことはなかった。
自身が勝たなければ、トレーナーの記憶が自分以外から無くなってしまう――。言うなれば、孤独な地獄を歩む未来が敗北の先に広がっていた。その責任や苦痛は、マヤノトップガンの眠りを妨げることさえあった。
頭では理解していた。けれども、それを意識は容認することは出来ない。
怖かった。
怖かったのだ。
泣きたい瞬間はいついかなる時にでもあった。
喜んでいるときも。
怒っているときも。
哀しんでいるときも。
楽しい時も。
生きている、トレーナーと共に此処に居るという実感があれば、その瞬間こそが彼女にとっての絶望の旅路への予感でもあった。
……先ほどの、会田トレーナーやナイスネイチャとの会話も、強く予感を刺激する行為だった。
会田トレーナーはトレーナーのことを認めていた。本来であれば、それは紛れもなく、彼にとって強い記憶となって残るはずのものだ。マヤノトップガンにとって、トレーナーが認められるのは――多分、自分自身が褒められるよりも嬉しいことだ。
ナイスネイチャは会田トレーナーと良好な仲を築いていた。本来であれば、それはウマ娘とトレーナーにとって(その感情の大小の差はあれど)当然の経緯であり、そして未来だった。
トレーナーを認めてくれている人がいる。当たり前の未来を送れるウマ娘が目の前にいる。それらが、自身の敗北によって。たった一度の敗北によって崩壊する。
「重いよ」
――それは重かった。彼女の飛翼を、傷付けてしまうくらいに。
「トレーナーちゃん、マヤ、ちょっとふつーじゃないみたい……」
「……俺も、目を背けてたかもしれない。だから、全部聞くよ。君の話を」
「……嫌いにならない?」
「何があっても」
そういうなり、トレーナーは長いソファーに腰かけた。
マヤノトップガンは吸い込まれるように、トレーナーの横に腰を下ろした。
- 75 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/25(日) 21:55:11.22 ID:kSZaZ/Zr0
- (眠いので更新はまた明日にします……。すみません……)
- 76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/25(日) 22:03:46.72 ID:29/hC164o
- おつです
上手くて思い重い…
マヤノ周始まってすぐは次周誰になるかなーとか考えてたけど今はひたすら二人の物語を続けたい…
- 77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/25(日) 23:04:04.54 ID:BNojap1L0
- おつ
解っちゃうマヤノだから、このトレーナーにはあってる気がする
お互いがちゃんと支えあえるようワイらも頑張んなきゃだな(コンマ的に)
- 78 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/26(月) 00:34:33.14 ID:+guTX/1X0
- やっぱり目が覚めたので続けます。
そして安価です。
―――
下1 ?????(1回目)
30以上:■■■
30以下:■■■
- 79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/26(月) 00:35:37.90 ID:895Ult/S0
- おはよう!
- 80 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/26(月) 00:37:41.91 ID:+guTX/1X0
- ※ちょっとガイドラインに抵触するかもしれない表現になるかもしれません……が、そこは出来るだけマイルドにするのでご了承ください。
- 81 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/26(月) 00:41:33.80 ID:+guTX/1X0
- ■
「さて、ちょっと待ってろ。飲み物をついで来るからな」
「……」
「……マヤノ、離してくれないと立てないぞ」
「……近くに居て」
「――解った」
困った。飲み物をつぎにいけないのはまぁいい。あくまであれは話し合いをするときに有ると便利程度のものだから。
ただ、袖をつかまれて立ち上がるのを拒む――とまでなると、マヤノの心の傷は相当に深い。
普段のマヤノは独占欲こそ強いものの、行動を抑制する類のものではなかった。それが今は、行動を抑制するまでになっている。……つまり、俺に片時も離れてほしくないということで。
結論を言えば、この話し合いの主軸は”俺のループについて”だと察した。
「……おおよそ、マヤノが抱えている問題の見当は付いている」
「……うん」
「だけど、改めて聞かせてほしい。マヤノが苦しんでる理由はなんだ?」
問題を自らの口から語ること。それはとても辛いことだ。
大の大人である俺だって、秋川理事長の言葉が琴線に触れ、怒り――漸く吐き出せたものだ。
でも、なんとなくだけど。マヤノはこの問題をするりと口に出してしまう気がした。――本当に追い詰められているときとは、無意識に口が軽くなるものだから。
そして。
- 82 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/26(月) 00:43:35.54 ID:+guTX/1X0
-
「怖くなったんだ。トレーナーちゃんの記憶が周りから無くなっちゃうって思ったら」
当たってほしくはない予想は、往々にして当たるものだ。
だってそれは、マヤノが抱えている闇に気付けなかったという証拠でもあるからだ。悔しいとか、哀しいとか――いろいろ思ってるけど、それよりも強い気持ちは、強い慚愧の念だった。
あまかったんだ、なにもかも。
マヤノは頑張ってるから何でもできるとか、マヤノだったら大丈夫だとか。ウマ娘のことを信じて、信じて、信じて――俺がしたことはそれだけだった。
時には、信じずに疑う事だって必要だった。マヤノは本当にこの重圧に耐えられるのだろうか、とか。……俺は考えていたようで、その実考えていなかったんだろう。
こうなることは分かり切っていた。それでも、マヤノの言葉を全て鵜呑みにして――それで、マヤノは今潰れそうになっている。
もともと爆弾はあった。それが今――着火しようとしている。そのトリガーが、クリスマス付近にあった。
――そして。
――俺は、この爆弾を消してしまう魔法なんてものは、持っていない。
「マヤノはさ……なんで怖いって思ったんだ?」
だけど。諦めに反して口は動き続ける。
そうしないと、導火線が燃え尽きてしまいそうで。
そうしたら、何もかも終わりだって感じたから。
「俺が消えることかな。……あとは、俺が消えたら、記憶がマヤノ以外から消えてしまうこともか?」
「……うん」
「怖いよな……」
「怖いよ……」
「辛いよな」
「うん……辛いよ」
だから、俺が出来ることは、今この場において――たったの一つだけだった。
俺がこうしてしまったのだから。その責任は俺が取るべきだ。
だから、まずは。
「マヤノ、男の膝はあんまり固くないかもだけど……」
「……ぅん」
否定するでもなく、マヤノは俺の膝に頭を預けて横になる。
俺はその髪をゆっくりと漉くように撫でる。いつものように、ゆっくりと――。
……俺のやろうとしていることが、マヤノの未来を消しかねないものであることも理解している。
だけど。深い絶望に沈む誰かを救うには、これしか思いつかない。俺がかつてそうだったように、マヤノが俺に与えてくれたように。俺はそれを与えることしかできない。
その結果、何が起きるのか。体験はしていなくても、理解はしている。何せ――恐らく、俺がその状態だからだ。
「マヤノ」
「……なぁに、トレーナーちゃん」
「マヤノは、俺のことが好きか?」
「……もちろん」
その感情のベクトルがどうであろうと問題ない。要は、感情のベクトルが問題ではなく、その大きさが問題なんだから。
深い絶望に居るのであれば、それを上回る感情で――支配するしかない。
「マヤノ」
「……」
「大人って卑怯だなって思ってくれたって良い。今の君に伝えるべき言葉ではないとも思う」
「……? うん」
- 83 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/26(月) 00:44:10.87 ID:+guTX/1X0
-
感情の支配。孤独を埋めるには、それを上回る存在感を与えるしかない。
俺にとってのマヤノがそうであるように、マヤノにとっての俺が、そうである必要がある。
それが破滅的なものだとしても。
マヤノの未来が、ここで破滅するよりはもっといい。
だから。
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