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【艦これ】龍驤「足りないもの、その後」その9【安価】
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808 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/04(日) 00:07:34.67 ID:z8kHYXtao
>>807
809 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/04(日) 00:27:06.17 ID:/6jhScNd0
伊400「くくくくく…」
タシュケント「変な笑い方だね」
伊400「殺されて両腕が無くなった?最高過ぎんだよ!」
伊400「退屈する暇も無ぇよ!流石はボスだよなぁ!」
整備士「え?」
伊400「ボスが居るなら龍驤もあいつらもどうでもいい!もっと興奮させて濡れさせてくれよ!」
タシュケント「ふぅん…これはちょっと面白くなりそうだね」
810 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/04(日) 00:31:39.59 ID:/6jhScNd0
ーー
夕雲「本当にやるの…?」
吹雪「これしか無いと思うんです」
夕雲「失敗したら怪我じゃ済まないのに……」
吹雪「整備士さんに分かってもらうにはこれしかありません!」
夕雲「クレーンに紐をわざと引っかけて首吊りみたいなことを…」
吹雪「きっと大丈夫です。準備を手伝ってもらってありがとうございました!」
夕雲「気を付けて……」
下1 この後の展開やその他起こったことなど
811 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/04(日) 00:45:28.12 ID:bN3JfiaDO
モニターを見ながら
何を考えてるのか知らないけど止めなきゃなあ…と整備士
あたしの方が速い
任せてよ
タシュケントが向かう
812 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/04(日) 00:49:33.63 ID:/6jhScNd0
ーー
整備士「何を考えてるのか知らないけど止めなきゃ…」
タシュケント「あたしの方が速いから任せてよ」
整備士「うん…お願いできるかな?」
タシュケント「怪我もさせずに終わらせるから大丈夫だよ」タタタッ
整備士「それにしても吹雪にあんな癖があったとは…誰の影響を受けたんだろう」
整備士「死ぬことに快楽を覚える……どこかで聞いたことがある気がするんだけどなぁ」
813 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/04(日) 00:52:27.75 ID:/6jhScNd0
タタタッ
吹雪(よし、向こうから整備士さんが来ました!あとはこの紐をクレーンに…!)
タシュケント「…」シュッ
吹雪「あぇっ!?」
タシュケント「……」
吹雪(整備士さんじゃなくてタシュケントさん…!?それに今どうやって紐を切断したんですか…?)
タシュケント「余計なことはしない方がいいよ」
吹雪「あ……」
タシュケント「分かったね?」
吹雪「は……はい…!」
タシュケント「やれやれ、世話が焼けるよ」
吹雪(私…頑張れるかなぁ……)
ーー
814 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/04(日) 00:52:57.35 ID:/6jhScNd0
今日はここまでです
815 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/04(日) 00:56:26.24 ID:YjPD8xl6O
おつでした
整備士チームはでこぼこながらもやっていけそうね
816 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/04(日) 01:10:43.35 ID:bN3JfiaDO
お疲れ様でした
伊400は何だかスナック感覚で死ぬキャラに思えてきた
前もなんか殺されてたし
そして整備士は今の危うい感じがむしろ魅力になってる気もする
夕雲は平和に暮らしたいならそいつらから離れた方がいいよ…
817 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/04(日) 19:06:54.10 ID:/6jhScNd0
ーー龍驤の部屋
霞「おめでたらしいわね。心から嬉しいわ」
龍驤「ありがとうな」
霞「その割には元気が無さそうね」
龍驤「司令官のことや。霞とは話したいと思ってたからちょうどええわ」
霞「どうしたのよ」
龍驤「長々と説明するより単刀直入に言うわ。司令官のこと頼むで」
霞「……」
龍驤「ウチと司令官は別れれへんよ、ウチらのどっちかだけが離れることはない。あるとすれば二人いっぺんに死ぬしかない」
龍驤「ウチらは絡み合い過ぎたんや。どうやっても解けることはないし、そのつもりもない」
龍驤「こんな女は司令官の奥さんに相応しくはない。あの人を支えられるのは霞なんやで」
818 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/04(日) 19:11:54.61 ID:/6jhScNd0
霞「私を侮辱するつもりなの?」
龍驤「気分悪くしたらごめんな。でもこれが司令官にとって最善なんよ」
龍驤「霞は司令官に抱いてもらう時に好きって言われてる?」
霞「ふざけたこと言ってないで…」
龍驤「ウチはもう言ってもらえれへんのよ」
霞「……」
龍驤「子育てで忙しい司令官を支えなあかん。一番大変な時に側におられへんかった」
龍驤「霞は違う、司令官を妻としてこれ以上ないくらいに支ええくれた。ほんまに感謝してるんや」
龍驤「わざと離れたんと違うけど結果的にそうなってしもた。こういう運命やったんよ」
龍驤「子育てがひと段落したら戻ってくる…こんな女は都合の良い女で十分なんや」
龍驤「ウチらの関係はこれからも変わらへん、ただ正妻の座が霞になるだけや。霞にやったら司令官を任せられるから」
龍驤「あの人の理想の家族になったって。ウチも手伝うから幸せになろな」
下2 この後の展開やその他起こったことなど
819 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/04(日) 19:20:56.15 ID:blyQRw5No
こういう場合は先達に意見を聞こう
島風提督も当初の相手とは違う相手だと
820 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/04(日) 19:29:57.67 ID:bN3JfiaDO
別れるとか出ていくとか言わないだけまだマシなのかもしれないけどまた一人で勝手に決めて…
ちゃんと司令官と話し合いなさいと霞
821 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/04(日) 19:44:04.65 ID:/6jhScNd0
霞「まったく… 別れるとか出ていくとか言わないだけまだマシなのかもしれないけど、また一人で勝手に決めてるわね」
霞「ちゃんと司令官と話し合いなさい。話はそれからよ」
龍驤「……それこそウチを侮辱してるわ」
霞「なにがよ」
龍驤「もうウチのことは好きやないよねって…ウチが言うん?」
霞「……」
龍驤「頼むわ……話は霞からしたってよ」
霞「そんなつもりじゃなかったけど…分かったわ、私からしてみるから」
822 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/04(日) 19:48:11.40 ID:/6jhScNd0
ーー執務室
提督「二人で話したいということはかすみ絡みか?」
霞「あの子はあまり関係ないわ、龍驤さんについてよ」
提督「……」
霞「龍驤さんは正妻の座を私に譲るらしいわよ。司令官と私と龍驤さんの関係はそのままでそれだけが違う」
霞「あなたの理想の家族には私が必要…龍驤さんが妻である必要は無い」
霞「自分は都合の良い女で十分…それが龍驤さんの意見らしいわ」
霞「それについてあなたはどう思う?」
提督「安価」
下2 この後の展開やその他起こったことなど
823 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/04(日) 19:51:14.50 ID:blyQRw5No
どういう答えを言っても誰かが傷つく問いだなと
824 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/04(日) 20:48:59.98 ID:z8kHYXtao
>>823
825 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/04(日) 21:01:15.41 ID:/6jhScNd0
提督「どういう答えを言っても誰かが傷つく問いだな…」
霞「……」
提督「どうした?」
霞「前の司令官ならそんなことはないって、即答してたわよね」
提督「違うそれは…」
霞「司令官の中で龍驤さんの順位が下がったのか…私が上がったのかよね」
霞「正直に言って司令官、私の言ったことに間違いはあった?」
提督「いや……」
霞「その答えで十分よ」
826 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/04(日) 21:06:13.82 ID:/6jhScNd0
霞「そういえば榛名お姉さまとも随分と仲良くなったわね。子どもが産まれてから特にそうよ」
霞「『家族』が増えて嬉しかった?」
提督「そうじゃない…違うんだ……」
霞「私は龍驤さんのおこぼれをもらうつもりは一ミリも無かった。龍驤さんが辞退するから代わりに、なんて死んでも嫌」
霞「でも司令官が私を一番にしてくれるなら…」
提督「なあ霞……」
霞「龍驤さんも言ってたけど関係を切る必要なんて無いの。ただ順位が変わるだけ」
霞「それ以外は何も変わらない。それが分かったならそれでいいの」
霞「さあ…そろそろかすみが起きる時間よ。一緒に部屋まで行って子守りをしましょうね」
下2 この後の展開やその他起こったことなど
827 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/04(日) 21:13:54.01 ID:bN3JfiaDO
いつからか司令官は龍驤さんの事で悩んだり辛そうな表情が増えたように思う
それは龍驤も同様で暗い顔をしているのをよく見かけた
端から見ても幸せそうな二人だったとは言えなかった
どうしてこうなったんだろう
男女の事は自分も詳しくないけど長い付き合いだとそうなってしまうのかと霞は内心思う
828 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/04(日) 21:21:12.54 ID:7UP7Q/flO
かすみの世話をしながら霞に吐露
代わりはいない、それが本当の答え
誰が1番とかではなく自分にとって龍驤は龍驤しかいないし霞は霞しかいない、かすみもそう
全員が唯一無二の存在で等しく愛する存在になった
これは都合のいい考え方なのだろうか
829 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/04(日) 21:31:40.38 ID:/6jhScNd0
ーー霞の部屋
かすみ「ぱ…ぱ……」
提督「よしよし…」
霞「言葉が話せるようになってきてるわね」
提督「……代わりは居ない。それが本当の答えなんだ」
提督「誰が一番とかではなく、自分にとって龍驤は龍驤しかいないし霞は霞しか居ない。かすみだってそうなんだ」
提督「全員が唯一無二の存在で等しく愛する存在になった…これは都合のいい考え方なのだろうか」
霞「そう思うわ」
提督「……」
霞「この国の法律では愛する人は一人。籍を入れられるのは一人。そう決まっているの」
霞「司令官はそれに反いて皆を愛そうとしている。ルールからは離れるけど私はそれでいいと思うわ」
霞「あなたにその覚悟と甲斐性があればだけど…ね」
830 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/04(日) 21:37:22.51 ID:/6jhScNd0
提督「誰かを愛さないのは家族を手放すことと同じだ。甲斐性は無いかもしれないがそんなことはしない」
霞「はぁ…ファミコンでロリコンだと本当に困ったことになるわね」
霞「私も龍驤さんも一人だけを選んで、なんて言うつもりは無い。でもいつ言われても大丈夫なように心掛けておいて」
提督「そうだな、それが俺にできることになる」
霞「この子の親はあなただけど家族は龍驤さんも皆を含んでる。これでいいの?」
提督「そう…そうだ」
霞「なら愛想を尽かされないように頑張りなさい。私も龍驤さんもよーく見てるから」
提督「肝に銘じておこう…」
下2 この後の展開やその他起こったことなど
831 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/04(日) 22:02:44.75 ID:bN3JfiaDO
全員を同じだけ…か
それが出来る司令官ならそもそもこういう事にはなってない気もすると内心思う霞
司令官のキャパシティ的には三人くらいが限度
そこには子供も含まれる
愛情というのは実際は有限なのよね…と
832 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/04(日) 22:05:49.13 ID:blyQRw5No
>>831
833 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/04(日) 22:11:39.59 ID:/6jhScNd0
霞(全員を同じだけ…ね。それが出来る司令官ならそもそもこういう事にはなってない気もするけど)
霞(司令官のキャパシティ的には三人くらいが限度よね。三人にはもちろん子どもが含まれる)
提督「現代艦娘の成長は早いな…」
かすみ「ま…ま……」
霞(愛情というのは実際は有限なのよ。使い切ってしまえばきっと…)
霞(龍驤さんが子どもを産んで家族が増える。それを機に龍驤さんが少しずつ離れていくとする)
霞(そうすれば司令官が壊れずに皆を愛せる。龍驤さんと完全に離れることは無くなるけど家族ではある)
霞(龍驤さんは将来的にこうなろうとしているのね…それが悪いのかどうかは、これから決まる)
834 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/04(日) 22:16:21.79 ID:/6jhScNd0
ーー
龍驤(愛って何なんやろうな)
龍驤(あれだけ司令官に執着してたのに、今はその気持ちが無い)
龍驤(もうウチを手放せへんのが分かったから安心してんのかな?どうなんやろ)
龍驤(幸せか……なにが幸せなんやろ)
龍驤(男相手に股開いてた時も正直幸せやった。あんなに優越感に浸れることは無かった)
龍驤(司令官に愛されて横須賀鎮守府まで来た。これを幸せと言わずに何と言うんや)
龍驤(……よく分からへんわ)
龍驤(この子を産めばなにか変わるんかな?まだ妊娠してるって実感は無いけど確かにウチの中におる)
龍驤(頼むから…ウチみたいなクズにはなったらあかんで)
下2 この後の展開やその他起こったことなど
835 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/04(日) 22:42:44.07 ID:bN3JfiaDO
愛されていた実感はあったし確かに幸せではあった
だけど満たされていたかと考えるとどうだろう
クズだった頃は毎日楽しかった
ほどよく刺激的で退屈もしない
難しい事も考えずに済んでいた
今は…何かしら悩んでばかりだと龍驤はため息
836 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/04(日) 22:46:28.15 ID:t0cxQb3ho
少しバランスを崩した時倒れることはなかったけどとっさにお腹を庇おうとした龍驤
愛とは形を変えるもの、求める者ではなく与える者へ
愛とは激しく燃え上がるものだけではなく穏やかに他者を温めるものでもある
837 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/04(日) 22:52:35.60 ID:/6jhScNd0
龍驤「……お腹空いたし、ちょっと…」ムクッ
龍驤「司令官はもう食べ終わってるやろし…一人で……」
グラッ
龍驤「あ…っ!!」
龍驤「う、うう……危…な……こけ…る…とこやった…」
龍驤「いつもやったら……受け身とか…踏ん張ってたのに……なんで…お腹…庇ったん……」
龍驤「なんで……そんな…なんでなんよ……」
838 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/04(日) 22:57:50.33 ID:/6jhScNd0
「愛とは形を変えるものなんだって」
龍驤「やめて……誰が喋ってんのよ…」
「愛は激しく燃え上がるものだけじゃなくて、他者を温めるものでもある。ふーん」
龍驤「そんな…違うよ……」
「求める者ではなく与える者へ。お前は母親になったんだからその責任を果たせ」
龍驤「愛……この子にウチの全てを…」
「提督に捨てられてもそれは既定路線。足掻くより子どもを愛しろ」
龍驤「子ども……ウチの子………」
「甘えるのもいい加減にしとかないとね〜」
龍驤「甘え……ウチは…」
下2 この後の展開やその他起こったことなど
839 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/04(日) 23:26:10.36 ID:bN3JfiaDO
子供の為を思えば自分の恐れやこだわりを捨てるべきではないかと考える龍驤
高性能の義手義足は家計にも負担がかかる
北上が作ってくれるにしても経費はかかるのでそれは同じ
そしてこまめなメンテナンスも欠かせない
全てを子供第一にするならやっぱり身体を…?と
840 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/04(日) 23:28:36.47 ID:7UP7Q/flO
不安になって提督の元へ行って幻聴の相談する龍驤
元々提督も愛を求めて誰かを愛そうとしていた
それが愛するための愛に変わっている
強要されるものでは無く、責任でも無く、自然な変化だと思う
でも不安なら今の様にしてくれれば良い
俺も誰かを頼っている様に龍驤も頼って良い、それは甘えじゃない
人は、龍驤は独りで生きているんじゃない
自分の変化に戸惑い強迫観念から聴こえていた幻聴がなくなる
841 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/04(日) 23:39:15.32 ID:/6jhScNd0
ーー執務室
ガチャッ
龍驤「なあ司令官……」
提督「な…どうしたんだ?要があるなら言ってくれれば良かったんだ」
龍驤「助けて……」
提督「何があった…?」
龍驤「幻聴が……また……聞こえて…」
提督「……」
龍驤「愛ってなんなん……?ウチは司令官と…司令官はウチを……?」
龍驤「なにをすれば良かったん……?どうすればいいん……教えて…」
提督「俺は……愛を求めて誰かを愛そうとしていた」
提督「それが愛するための愛に変わっているんだ。強要されるものでも無く、責任でも無く……これは自然な変化だと思う」
龍驤「変化……?」
842 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/04(日) 23:44:10.46 ID:/6jhScNd0
提督「龍驤が不安なら今の様にしていればいいんだ」
龍驤「ええの……?」
提督「俺も誰かを頼っている様に龍驤も頼って良い。それは甘えなんかじゃない」
龍驤「甘えやないの……?」
提督「人は、龍驤は独りで生きているんじゃない。誰かに頼り、頼られるものなんだ」
龍驤「そうなん……そうなんやね…」
「……」
龍驤「幻聴が……聞こえへんようになった…ウチの…」
提督「幻聴は俺も何度も経験している。思い込みやこうしないといけないと強く思うことが良くないんだ」
龍驤「あ……ありがとうな…」
下2 この後の展開やその他起こったことなど
843 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/05(月) 00:11:47.70 ID:qEl2i+DEo
それから霞筆頭のママ先輩達、榛名伯母さん、提督が知識を伝授してアドバイス
霞からは産んでからはもっと大変よって楽しそうにニヤリとされたりも
母親になるって想像以上に大変やし忙しいんやなぁと思いつつとても充実してて気づくのは幸せの形も1つじゃないこと
今まではこだわりや思い込みのせいで気付けなかった
844 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/05(月) 00:13:58.74 ID:hhmWcTmDO
それを見ている霞
甲斐性は無いかもしれないけどやっぱり司令官は司令官ねぇ
普段口下手なのにこういう時はさすがよね
ねーかすみもそう思うでしょ?とあやしながら
そして
>>843
845 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/05(月) 00:15:08.74 ID:Rr2NctuGO
>>843
北上からはアタシとの約束が枷になるなら忘れること!って忠告も
北上も母になったから何を大切にするべきかが変わってた
846 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/05(月) 00:29:28.36 ID:G6R2DDmt0
ーー龍驤の部屋
霞「先輩達の話はどうだった?」
龍驤「うん……母親になるって想像以上に大変で忙しいんやなぁ」
霞「北上もガングートもちゃんと母親なのよ。電話越しでもいいアドバイスが聞けたわよね?」
龍驤「榛名もそうや…いつの間にあんなに精神的に成長してるるんよ…」
霞「甲斐性は無いかもしれないけど、やっぱりあの人は司令官ね。口下手なのを自覚してるからこうさせてるのよ」
霞「司令官を選んでよかった………かすみもそう思うわよね?」
かすみ「りゅ…じょ……」
龍驤「ウチの名前……覚えてくれたんやね…」
847 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/05(月) 00:35:31.59 ID:G6R2DDmt0
龍驤「皆んな充実してて幸せそうやけど、同じ形は一つも無かった……北上なんて特にそうや…」
龍驤「こうあるのが幸せなんやって…ウチが思い込んでたから気付けれへんかったんか…」
龍驤「ウチには司令官も霞も子どももおって…それでええんや……それが良かったんや…」
龍驤「良かった……この子を産む前に気付けて…」
霞「そうね、産んでからは想像以上に大変よ」
龍驤「楽しそうに…言うんやね…」
霞「だって楽しいのよ。司令官が居てお姉さまも居て…龍驤さんも居る。こんな未来想像できなかった」
霞「これは私の幸せ。龍驤さんとは違って当たり前だけど私はこれで満足してるのよ」
龍驤「霞…色々と教えてくれてありがとう……」
ーー
848 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/05(月) 00:35:59.35 ID:G6R2DDmt0
今日はここまでです
849 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/05(月) 00:39:28.56 ID:hhmWcTmDO
お疲れ様でした
割とこの先の展開が透けて見えてきたかな…
850 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/05(月) 19:25:34.30 ID:G6R2DDmt0
ーー足りないもの鎮守府
菊月提督「あれからどうだ」
多摩「必死に勉強してるにゃあ」
菊月提督「なら楽しみだ」
多摩「なにが楽しみなんだにゃ?」
菊月提督「来週にお前の課題であるペーパーテストがある。まずはそれで合格点を出さなければお前が提督には…」
多摩「来…週…?」
菊月提督「……」
多摩「……」
菊月提督「……」
多摩「こっちを見ろ」
菊月提督「…………」
851 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/05(月) 19:30:24.23 ID:G6R2DDmt0
多摩「提督になる話はまだ先のことなんじゃなかったのか」
菊月提督「それはそうだがすぐに提督になれるわけじゃない。資格を取っておかなければその準備にすら入れない」
多摩「そんな大切なテストが来週にある?」
菊月提督「あるな…」
多摩「なぜ教えなかった?」
菊月提督「いや…誰かに知らせたはずなんだが…」
多摩「多摩に直接言ったのか?」
菊月提督「それは言ってないな…」
多摩「秘書艦でずっと仕事を共にしているのに、直接言わなかったのか?」
菊月提督「そうなるな……」
多摩「ぶん殴られるのと爪で引っ掻かかれるの。どっちがいい?」
菊月提督「じゃ…じゃあ……」
多摩「答えは両方だにゃ!!」
菊月提督「!!」
下2 この後の展開やその他起こったことなど
852 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/05(月) 19:43:04.54 ID:NQV9MhIVo
一週間後のテストはマーク式
論文式は1ヶ月後
面接試験は更に1ヶ月
853 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/05(月) 19:47:40.08 ID:teb+ANspO
頬に紅葉もみじと浅ーい引っかき傷をつけて試験対策することになる菊月提督
854 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/05(月) 20:00:43.50 ID:csYHZndqO
ーー
菊月提督「つまりだな…この問題ができないと話にならないんだ」
多摩「…??」
菊月提督「基礎から説明するしかないのか…」
多摩「誰かさんのせいだにゃ」
菊月提督「お前の理解力が足りないのが悪い」
多摩「にゃあぁぁ!!」
菊月提督「二発目はやめてくれ…」
多摩「平手打ちと浅い引っ掻きで許してやっただけ有難いと思うにゃ」
855 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/05(月) 20:04:11.48 ID:csYHZndqO
菊月提督「お前がそこまでバカだったとは予想外だ…」
多摩「艦娘に勉強は必要無かったにゃ!」
菊月提督「提督になるには豊富な知識が必要になるんだ」
多摩「うぐっ……」
菊月提督「艦娘から提督になるのは、普通に提督になるより優しい。いくつもの工程を飛ばすことができる」
菊月提督「これでもマシな方なんだ、諦めて勉強しろ」
多摩「偉そうに言うにゃ!時間があればもっと勉強してたにゃ!!」
菊月提督「む……」
多摩「もし落ちたら一生恨んでやるにゃ…!!」
下2 この後の展開やその他起こったことなど
856 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/05(月) 20:18:14.14 ID:NQV9MhIVo
戦場で当たり前だった事を思い出させるとすぐ解けるようになる多摩
なんの事はない、当たり前の事を難しい言葉で言い換えてるだけだと菊月提督
857 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/05(月) 20:20:06.33 ID:qEl2i+DEo
>>856
858 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/05(月) 20:37:23.62 ID:G6R2DDmt0
ーー
菊月提督「……お前が旗艦だったとして、提督の指示は南だが北東に敵影が見える。どうするのがベストだ?」
多摩「空母がいるなら偵察機を飛ばして索敵。居なければ進軍せず指示を仰ぐ」
菊月提督「お前は旗艦ではなく護衛の駆逐艦だ。回避行動をしつつ気を付けなければいけないことは?」
多摩「ソナーの確認を怠らない」
菊月提督「対空は?」
多摩「防空駆逐艦以外では最優先ですべきことじゃない」
菊月提督「…全て合っている」
多摩「にゃあ…?」
菊月提督「お前らからすればなんて事はない。当たり前のことを小難しい言葉で言い換えているだけなんだ」
859 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/05(月) 20:41:04.91 ID:G6R2DDmt0
菊月提督「戦場で当たり前だった事を思い出せば良いと分かったな」
多摩「問題文も悪いにゃ!なんでこんな分かりにくく書くんだにゃ!」
菊月提督「資格のかかった試験で砕けた表現なんか使うはずないだろう」
多摩「でもこれで光が見えたにゃ!試験まで問題文がなにを言ってるか解読するのに集中すればいいにゃ!」
菊月提督「そうだろうな」
多摩「だからってお前のことは許さないにゃ」
菊月提督「……また手伝う」
多摩「にゃーーー!!」
菊月提督「手伝わせて…もらう」
多摩「分かればいいんだにゃ」
下2 この後の展開やその他起こったことなど
860 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/05(月) 20:50:46.04 ID:teb+ANspO
菊月「彼奴等ふたりきりで…」
海月姫「あのねぇ…猫ちゃんが試験に合格しないと困るでしょ」
菊月「だがしかし…」
海月姫「駄菓子も案山子もないわよ。というか幹部やってたなら貴女も教えればいいじゃない」
菊月「その手があったか!」
861 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/05(月) 21:08:23.28 ID:ezepwJ+8o
>>860
862 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/05(月) 21:14:54.37 ID:G6R2DDmt0
菊月「多摩め…二人きりでなにをしているんだ」
深海海月姫「猫ちゃんが試験に合格しないと困るのは貴女でしょう?」
菊月「だがしかし…」
深海海月姫「駄菓子じゃないのよぉ」
菊月「許せん……」
深海海月姫「……というか貴女は元幹部よね?なら貴女も教えればいいじゃない」
菊月「そうかその手があったか!」
深海海月姫「気付きなさいよもぅ」
863 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/05(月) 21:18:49.97 ID:G6R2DDmt0
ーー
多摩「お前は入ってくるにゃ」
菊月「ふざけているのか?」
多摩「ふざけているのはお前にゃ。そんな高圧的に言われて捗ると思うのかにゃ?」
菊月「教えてやるだけ有難いと思え」
多摩「おみゃーに教えて欲しいと言った覚えはないにゃ」
菊月「浮気か」
多摩「は?」
菊月「面食いの軽巡洋艦はここで沈める」
多摩「頭までおかしくなっかたにゃ」
菊月「覚悟…!」
多摩「!!」ガタッ
菊月「逃げるということはやましいことがあるからだ!」
多摩「殺意を振り撒きながら近付くな!」
下2 この後の展開やその他起こったことなど
864 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/05(月) 21:29:34.21 ID:UTTa8CKBO
とか言いながら襲ってきたんだにゃ!と医者相手に家でヤケ酒
酔っ払って浮気なんかするはずないにゃあとゴロにゃん状態に
865 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/05(月) 21:36:13.61 ID:qEl2i+DEo
>>864
でも少し焼いちゃいました
にゃっ!?にゃぁぁぁ…にゃぁん…///にゃぁん…///
翌日
おみゃーが教えるのを許してやるにゃ!
昨日のやり取りは何だったんだ…
866 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/05(月) 21:49:14.06 ID:G6R2DDmt0
ーー先生のマンション
多摩「……とか言いながら菊月が襲ってきたんだにゃ!」
先生「かなりお酒を飲んでるみたいですね…」
多摩「浮気なんかするはずないにゃあ〜!」
先生「可愛い猫ちゃんになっちゃってますね」
多摩「にゃぉ〜ん」
先生「勉強の為とはいえ男の人と二人きり…」
多摩「んにゃ?」
先生「分かっていても少し焼いちゃいますね」
多摩「にゃっ!?」
先生「ふふっ」
多摩「にゃぁぁぁ…にゃぁ〜〜」
867 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/05(月) 21:51:13.70 ID:G6R2DDmt0
ーー翌日、足りないもの鎮守府
多摩「おみゃーが教えるのを許してやるにゃ!」
菊月「昨日のやり取りは何だったんだ…」
多摩「文句を言うにゃ!そもそもは菊月提督のせいだからにゃ!」
菊月「誰にだってミスはある」
多摩「菊月提督のことになると甘々にゃ!!」
菊月「悪いか?」
多摩「…もういいにゃ。早く教えてくれにゃ」
菊月「仕方ない、特別に教えてやるとしよう」
下2 この後の展開やその他起こったことなど
868 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/05(月) 22:05:05.03 ID:teb+ANspO
艦娘→士官になった菊月が教えると多摩にとってはとてもわかり易かった様子
869 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/05(月) 23:04:56.47 ID:NQV9MhIVo
>>868
870 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/05(月) 23:08:20.33 ID:G6R2DDmt0
ーー
多摩「菊月提督より分かりやすかったにゃ」
菊月「当たり前だ」
多摩「これで試験はなんとかなると思うにゃ」
菊月「ふんっ」
多摩「……どこに行くんだにゃ?」
菊月「何の話だ」
多摩「多摩がここの提督になるということは、菊月提督は…」
菊月「為すべきことがある、それだけだ」
多摩「何をするんだにゃ?」
菊月「言う必要は無い」
871 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/05(月) 23:13:09.36 ID:G6R2DDmt0
多摩「死にに行くなら全力で止める」
菊月「無理だ」
多摩「無理じゃない」
菊月「お前たちには関係のない…関われない話だ」
多摩「関われない?」
菊月「私達が住む世界は本来ならここじゃない」
菊月「いや、この表現は正しく無いな。『世界』は同じでもお前たちに干渉してしまったことでおかしくなった」
多摩「なにを言ってるんだにゃ?」
菊月「物語が崩壊したとしても私達には関係ない。本棚から落ちた本を元に戻すだけなんだ」
下2 この後の展開やその他起こったことなど
872 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/05(月) 23:33:43.50 ID:qEl2i+DEo
本が落ちる本棚なら落ちない本棚を作らなきゃいけないにゃあ
本は大切にしないとにゃ
873 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/05(月) 23:52:15.63 ID:teb+ANspO
>>872
元に戻すだけじゃまた傷んじゃうにゃ
874 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/05(月) 23:58:08.65 ID:G6R2DDmt0
多摩「元に戻すだけじゃまた傷んじゃうにゃ」
菊月「どういうことだ」
多摩「戻しても本が落ちるような本棚なら意味無いにゃ。もう二度と落ちない本棚を作らなきゃいけないにゃあ」
菊月「黙れ」
多摩「本は大切にしないといけないにゃよ」
菊月「言ってる意味が分かるのか、お前は…」
多摩「ある程度は分かるにゃよ」
菊月「…」
多摩「超能力なんて普通は無いにゃ。世界が違うっていうのはそういうことにゃ」
多摩「多摩が言ってる本を戻すだけじゃまた傷むだけっていうのは分かるにゃ?」
菊月「お前は全てを知らない。解釈もなにもかもが違う」
多摩「知らないから言えることがあるにゃ」
875 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/06(火) 00:04:31.39 ID:OquL0ui+0
多摩「おみゃー達が居たから助かったことは一度や二度じゃないにゃ。でも多摩達なら乗り換えられてたはずにゃ」
菊月「無理だ」
多摩「やってみなきゃ分からないにゃ」
菊月「お前は関係ない。下手に近付けば不幸になるだけだ」
多摩「朝霜みたいにかにゃ?」
菊月「違う……いや、違わないことはないが」
多摩「本棚を作って落ちた本をハードカバーで覆うところから始めるべきゃ」
菊月「…もうそんな時間は無い。あと100ちょっとと1スレしか…」
「喋り過ぎ」
菊月「……ゃ
下2 この後の展開やその他起こったことなど
876 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/06(火) 00:27:51.20 ID:qqL66ZLDO
例えばグラーフのおかげで助かった奴は何人も居る
普通なら絶対助からない程の重傷だった
居なかった事になったらどうなる?と多磨
877 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/06(火) 00:30:55.64 ID:tOFVB7pzO
傷だらけの世界からのあの来訪者を食い止める
それが成すべきこと
この世界の為にあの世界の自分達がやらねばならない
878 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/06(火) 01:17:54.03 ID:OquL0ui+0
菊月(傷だらけの世界からの来訪者を食い止める、それが成すべきこと)
菊月(この世界の為にあの世界の自分達がやらなくてはいけない)
菊月(その結果、私達が消えても仕方ない。そもそもこの世界に存在することがイレギュラーなんだ)
菊月(その後はこの為に存在している。それは間違いない)
菊月(深海棲艦の成虫を倒して終わりでは都合が悪かった。私達の存在は異質過ぎた)
菊月(八島)
菊月(いつまでもお前に震えていると思うな。来訪者はお前にとっても…)
(そんなのとっくに知ってるけど?)
菊月(……)
(向こうが早いかこっちが早いか。決着がつくならそれしかない)
(ちなみにこっちの準備は全然できてないよ。十個のうち一つしか確定で埋まってない。もう一つは実質埋まってるようなもんだけど…)
(きひひひひ、まさに神のみぞ知るって感じかもね)
菊月(…私は信じるしかない)
ーー
879 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/06(火) 01:18:23.17 ID:OquL0ui+0
今日はここまでです
880 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/06(火) 02:12:12.77 ID:qqL66ZLDO
お疲れ様でした
もしあっちの世界がまだ存在しているとしたらどれだけ肥大化してるのか想像もつかない
本来あっちで色々な問題を解決していく役割であろう菊月達は今こっちに居て長い時間が経ったわけで…
881 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/06(火) 19:08:01.94 ID:OquL0ui+0
ーー
望月「司令官を探して奪い返すのが目的で動いてた。それが達成された瞬間に戻っても良かったんだよね」
アケボノ「残念ながらその選択肢は無かったみたいね」
菊月「本来交わることの無かった世界が混ざり合ってしまった。どうやっても悪影響しか出ない」
望月「そもそもあたし達が異端だしね。こっちの世界とあっちの世界のことを知ってるってさ」
アケボノ「『扉』もそうよ。偶然開かれるものをアイツに開かされたからこうなったのよ!」
菊月「やはり全ての元凶はアイツということか」
望月「そして今回のラスボスもアイツと。まあ正確に言えばあたし達の世界のアイツだけどね」
882 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/06(火) 19:12:52.96 ID:OquL0ui+0
望月「あたし達の居た世界ってどうなってると思う?」
菊月「世界の形を保っていないだろう」
望月「だよね〜」
アケボノ「『世界の中』に居る時はこんな事に気付けない。けどこうやって自分たちの世界の外側に来ると気付けることがある」
アケボノ「あたし達は世界の中心だった。どんな困難が待ち受けていてもそれを乗り越えることができたはず」
菊月「滅ぼしたい側からすれば私達の存在は邪魔でしかない」
望月「そこで別の世界に送っちゃいましょう〜似たような世界があるからちょうどいい!……はぁぁぁ」
アケボノ「甘い言葉に騙されたあたし達も悪いわよ。だから決着は自分達で付ける!」
菊月「奴が全てを終わらせる前にこちらがアイツを終わらせる」
下2 この後の展開やその他起こったことなど
883 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/06(火) 19:57:49.57 ID:qqL66ZLDO
で、そいつはいつ来るの?
さあな
えぇ…せっかく気合い入れたのに
とにかく備えておけと菊月
884 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/06(火) 20:14:05.34 ID:UPDqHFT+O
三日月を探し出す作戦会議
885 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/06(火) 20:29:11.52 ID:OquL0ui+0
菊月「どうやっても三日月がキーになる。だが奴は簡単に姿を現さない」
望月「そこが厄介なんだよねぇ〜」
アケボノ「今は大本営の地下で実験してるんじゃないの?」
菊月「確認しに行ったが姿は無かった」
望月「行動が早いねぇ〜」
アケボノ「どうにかできればいいんだけど…」
菊月「考えが無い事もない」
望月「お、いいね。教えてよ〜」
886 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/06(火) 20:32:59.33 ID:OquL0ui+0
ーー
朝霜「ギ……ギギ…」
望月「薬が隠されてた部屋で監禁してた朝霜をねぇ」
菊月「三日月はこれを欲しがっている。棺の中に入れたいそうだ」
アケボノ「残りカスはもう棺の中に入ってたわよね」
菊月「棺は10個ある。それに対して中身は1つしか入っていない」
望月「そりゃ朝霜は欲しいって話だ」
菊月「これを餌に三日月を釣る」
下2 この後の展開やその他起こったことなど
887 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/06(火) 21:30:17.09 ID:UPDqHFT+O
三日月を呼び出した菊月達
世界が滅ぼされるのを止めるために協力を呼びかける
888 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/06(火) 21:41:16.32 ID:qqL66ZLDO
それには気付く三日月だったが誘いなのは見え見えで菊月達の前にはなかなか現れない
全員まとめて棺の中に入れる方法はあるでしょうか…?と考える
889 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/06(火) 21:49:36.44 ID:OquL0ui+0
ーー
三日月「確かに朝霜さんは欲しいですけど、そんな見え見えなトラップに引っかかるほど馬鹿じゃありません」
三日月「菊月達は私の力が欲しい、会いたがっているのはとっくに気付いてましたから逃げ続けていたんです」
三日月「菊月達を倒すのは難しいですが逃げるのは簡単なんですよ。予知は行動が起こらないとそれが見えないし、千里眼は場所が分からないと意味がない」
三日月「逃げ続けるだけならいくらでもできますが…そうも言ってられなくなりました」
三日月「あの世界はあと少しで完全に滅びます。そうなれば次はこの世界の番」
三日月「あの人を止めるには10個の棺を埋める必要がある……全員まとめて棺の中に入れる方法を探さないと」
三日月「そうしなければこの世界も滅んでしまう…せめてそれだけは回避したいです」
890 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/06(火) 21:55:28.01 ID:OquL0ui+0
三日月「棺に入れて用事が済んだ後…菊月達が生きているとは思えません。命と引き換えにあの人を止めるんです」
三日月「棺の中に入れるのはただの人間や艦娘では意味がありません。力、業、縁。何かを持っていないといけません」
三日月「菊月達はもう元の世界に帰ることはできない…なら生きていても意味は無い……」
三日月「そもそもこの世界に居るべきじゃないのは自覚しているはず。説得して…いや、多分無理です」
三日月「やっぱり無理矢理…力を使うしかないんでしょうか。暴力は避けたいんですが仕方ないのかもしれません」
三日月「一番楽なのはハグロですね…でも望月の予知があるし迂闊に近付けばアケボノに見つかってしまう」
三日月「時間に余裕は無いのに…困りました…」
下2 この後の展開やその他起こったことなど
891 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/06(火) 22:45:51.33 ID:qqL66ZLDO
まだあちらの世界の存在は感じている
いっそあの世界そのものを牢獄としてあれを隔離出来ないだろうか…と三日月
何をするにも結局一人では限界がありますね…やはり会うべきでしょうか
892 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/06(火) 22:52:03.76 ID:0w0Q5KI0o
>>891
893 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/06(火) 23:02:40.90 ID:OquL0ui+0
三日月「まだあちらの世界の存在は感じます…いっそあの世界そのものを牢獄として…あれを隔離出来るなら…」
三日月「うーん…何をするにも結局一人では限界がありますね」
三日月「やはり会うべきでしょうか……」
三日月「ですがあの鎮守府…向こうの懐に飛び込むのは得策じゃありません。何か策が必要です」
三日月「手荒な方法ですがこれしかありませんね…」
894 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/06(火) 23:06:32.52 ID:OquL0ui+0
ーー
菊月「私宛ての荷物と聞いてピンと来た。何も頼んでいないのは確実だったから詐欺の類いを普通なら想像するだろう」
菊月「しかしこちらは餌を撒いている状態だ。そんな時に私への荷物とくれば…」ゴソゴソ
三日月「……ふぅ」
菊月「やはりお前か」
三日月「朝霜さんを貰いに来たのではありません。貴女と話がしたかったんです」
菊月「お前はなにも語らなくていい」
三日月「もうすぐ何が起こるのか貴女も知っているはずです。それについての話なんです」
菊月「少しでも怪しい動きをすれば、どうなるか分かるな?」
三日月「それで大丈夫です。本当に話がしたいだけなんですから」
下2 この後の展開やその他起こったことなど
895 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/06(火) 23:14:13.80 ID:UPDqHFT+O
あの世界のあれをあの滅びゆく世界に閉じ込めて滅ぼす
その為には八島の力も借りなければならないかもしれない
そして八島の世界を滅ぼす因果もあの世界を滅ぼすことで解消する
896 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/06(火) 23:20:30.02 ID:qqL66ZLDO
あちらの世界の詳しい状況
生き残りは居ないのか
人間というのはそれこそ存続の為ならなんだってする
そしてあちらにも艦娘や深海棲艦は居る
いくら何でもただで滅ぶとは思えない
如月ならわかるのではないかと話す
897 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/06(火) 23:28:53.51 ID:OquL0ui+0
ーー
菊月「生き残りは居ないのか。人間というのは存続の為ならなんだってする」
三日月「生き残っているのは確かに存在するけど、もう時間の問題。あの兵器が世界を荒廃へ導いた挙句、ウイルスで僅かな人間も死んでいく」
菊月「艦娘はどうしたんだ」
三日月「兵器として使われて……全て死んでしまった。深海棲艦も同じ、もう生物は殆ど残っていません」
菊月「本当に世界が滅ぶのか」
三日月「滅びます」
菊月「それは…」
三日月「菊月達が居れば防げたんです」
菊月「そうなるのか」
三日月「そうなってしまったんです」
898 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/06(火) 23:35:07.38 ID:OquL0ui+0
三日月「あの人は世界を滅ぼした後、こちらの世界に来ます。この世界も滅ぼす為に…」
菊月「止められるのは私達だけなのか」
三日月「はい…棺を全て埋めれば、100パーセント止められます」
菊月「全て埋まらなければ確実ではないんだな」
三日月「そして棺の中に入った人は、アレを起動したあと…命を失います」
菊月「私達に死ねというのか」
三日月「これしか方法は無いんです!私が棺の中に入っても意味がありません!協力者が絶対に必要なんです!」
三日月「貴女達が居るべき世界は滅びます…帰っても仕方ないじゃないですか!」
三日月「この世界に来た時点で菊月達にはハッピーエンドは存在しないんです!」
下2 この後の展開やその他起こったことなど
899 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/07(水) 00:06:27.66 ID:WuSP0GaDO
三日月は1か0かに囚われているな…
あれがこちらに来た時点でかなりの被害が出るだろう
理想はその前にどうにかする事
こちらから打てる手はあるだろうか?と菊月
その生き残り達に力を貸して向こうで決着を付けてもらう事は出来るか
むざむざ死にたくはないだろうし必死にはなってくれるはず
まずそのウィルスの詳細を教えろ
900 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/07(水) 00:22:15.71 ID:pSRCHb9DO
ハッピーでなくともベターは勝ち取って見せる
棺が埋まると起こることを教えろ
一人で行き詰まっていたなら考慮不足があるかもしれん
如月にも協力してもらう
901 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/07(水) 00:28:17.20 ID:dnZqdSV10
菊月「ハッピーでなくともベターは勝ち取って見せる。棺が埋まると何が起こる?」
三日月「私の八島が起動します」
菊月「お前が想定していた本来の八島か」
三日月「力を持った人型を触媒に八島を使って、向こうの世界の富士を倒します」
菊月「棺の数は出力に影響するのか」
三日月「そうです、棺が全て埋まれば絶対に勝てるんです。今のままじゃ勝率は一割なんです」
菊月「お前の言いたいことは分かった。ここからは奴にも意見を聞く」
902 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/07(水) 00:33:33.36 ID:dnZqdSV10
ーー
如月「私の見てきた世界……その中では八島は負けることが無かった…」
菊月「どうやってもか?」
如月「富士ですら勝てない……必殺の兵器…その威力は世界を滅ぼす…」
三日月「認めたくありませんが、私の兵器は抑止力として一切働かないんですね」
如月「どの世界でも……悪用されていたわ…」
菊月「八島を使えば富士をやれる。それは確かなようだな」
三日月「八島が起動した時…なにを使って八島は動いていたんですか?」
如月「能力を持った人や艦娘…人工的に作られた人も居たわ…」
菊月「燃料にする為に人と艦娘を使う。想像の範囲内だな」
三日月「使われた人達は…」
如月「全員…死んだわ……」
三日月「触媒にされる人はどうやっても助からない…」
下1 この後の展開やその他起こったことなど
903 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/07(水) 00:40:50.06 ID:rDu9amIio
起動した八島はその後どうなる?
八島が世界を滅ぼすのでは本末転倒だぞ
904 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/07/07(水) 00:43:00.23 ID:WuSP0GaDO
八島を使えば勝てるのは解ったがそれは最後の手段だ
私達だって死にたくはないんでなと菊月
まずはあちらの滅びを阻止を試みる
そんなのは不可能です…
どちらにせよ何もしなければ滅ぶなら試してみても構わないだろう?
まずはそのウィルスの詳細を教えろ
905 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/07(水) 00:53:34.90 ID:dnZqdSV10
菊月「起動した八島はその後どうなる? 八島が世界を滅ぼすのでは本末転倒だ」
三日月「それは大丈夫です…多分」
如月「多分って貴女……」
三日月「本人が言ってたんです!アイツを倒せばそれでなんとかなるって!」
菊月「八島の言うことを信じるのか」
三日月「だってそれしか無いじゃないですか…」
如月「そんな世界は見たことが無い……けど…この状況も見たことが無かった…」
菊月「本当か?」
如月「ええ…三日月の偶然のタイムスリップといい……こんなに世界が…交わることは一度も無かった……」
三日月「ならなんとかなるかもしれません!」
菊月「私はアイツを信用できない。私が触媒になるのなら発射後に壊すことができない」
如月「富士に滅ぼされるか……八島で滅ぶのかの……二択になるだけよ……」
906 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/07(水) 01:00:57.29 ID:dnZqdSV10
ーー
八島「きひひひひ、ようやく出番が来たね」
八島「世界が違っても愚姉には変わりない。クソ姉を殺せるなら大歓迎!!」
八島「富士を誘き出す道具はもうこっちの手の中にあるんだよねぇ」スッ
八島「この手鏡…本当なら苦労して手に入る予定だったけど、思わぬ形で手に入った」
八島「この時点であたしの勝ちは…いや、まだだ。出力が100パーセントじゃなきゃ、勝てるかは運次第」
八島「なんで棺が10個なのか。賢い人なら分かってたでしょ?」
八島「10分の1でコンマを引けるならそれでいいよ。負けたら終わるだけ」
八島「犠牲無くして勝利なし…だっけ?便利な言葉だよね」
八島「一人しか殺せなかったのはどう影響するのかな?それともしないのかな?以上八島でした〜」
ーー
907 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/07/07(水) 01:01:30.09 ID:dnZqdSV10
今日はここまでです
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