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【艦これ】龍驤「足りないもの、その後」その9【安価】

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723 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/30(水) 21:15:39.37 ID:DJOerF4to
>>722
724 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/06/30(水) 21:38:25.08 ID:ofgTHtC30
ーー


龍驤「お迎えありがとうやで司令官」


提督「ああ…」


龍驤「一週間後が楽しみやなぁ」


提督「……」


龍驤「どなしいたん?なんか変な顔しとるけど」


提督「俺は龍驤の思いは最大限尊重したいとは思ってる」


龍驤「ありがとうな」


提督「左腕と脚を治すつもりはないか?」


龍驤「……」
725 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/06/30(水) 21:43:27.92 ID:ofgTHtC30
提督「龍驤のとの子どもの為には治して欲しいと思っている」


龍驤「親が障害艦娘やと嫌?」


提督「そうじゃない。このままだと三割もお腹の子に影響が出るそうだ」


龍驤「……」


提督「俺は龍驤と子どもの両方を大切にしたい。決してどっちかじゃないんだ」


龍驤「この腕と脚を治すのはウチを否定することになる」


提督「そうは言って……言ったのも同じなのか」


龍驤「この腕と脚があってウチなんや。それは譲られへん」


提督「……」


龍驤「治せへんかったせいで子どもがあかんようになったら……司令官に任せるよ。司令官の子どもやったら誰でも産みたいって言うやろし」


龍驤「簡単には治すつもりはないよ。それだけは知っといてな」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
726 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/30(水) 22:02:56.87 ID:Fmz2QxSDO
そこに乱入する伊400
タシュケントがすぐ後ろで見張ってるので襲いかかったりはしない
はっ…結局自分優先かよ
それでよく人の為とか抜かしてたもんだな、ああ?
直接復讐が出来ない鬱憤を口撃で晴らすかの如く
727 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/30(水) 22:16:42.94 ID:ydVLP+TQO
命に関わる問題なのだから簡単な話の訳がない
授かった命に対して最善を尽くさず駄目だったら代わりがなんて話はない
子供の命は親の物じゃないのだから
728 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/06/30(水) 22:44:55.73 ID:kcq9dT7d0
ーー


提督「……」


龍驤「……」


提督(結局龍驤とは帰る道中で一言も会話をしなかった。命に関わる問題なのだから簡単に済む話じゃない)


提督(授かった命に対して最善を尽くさず、駄目だったら代わりがなんて話は本来は無い)


提督(子どもの命は親の物じゃない。今回がダメだったから次なんてもっての外だ)


提督(龍驤にも譲れないものがあるのは分かるし、言いたいことも理解できる)


提督(そもそも失った手足が元に戻ることがおかしいんだ。整備士に頼り過ぎている)


提督(本当なら整備士は居ない。そう思えば腕と脚を治すだなんて…)
729 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/06/30(水) 22:50:15.16 ID:kcq9dT7d0
龍驤(…言わへんとか思っとる顔やなこれは。ウチが言いたいのはそこじゃないねん)


龍驤(そもそも今は義手や義足の技術が発達しとる。今よりいい義手なんかお金を出せば手に入るねん)


龍驤(北上との約束もある。ウチはアイツの作った義足しか使えへん)


龍驤(司令官…多分その約束忘れとるやろうな。北上は一生ウチの義足作るとかって話)


龍驤(司令官はやっぱり子どもに固執し過ぎとる……妊娠してんのが分かったら姿くらましたろかな)


龍驤(霞がやってたみたいに少しの間だけマンション借りて…明石の力も借りたろかな。あいつアパートか何かに逃げとった時あったやろ)


龍驤(何人かには事情を話しとく必要はあるけど誰にするかやな…今から悩まなあかんわ)


下2 この後の展開やその他起こったことなど
730 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/30(水) 23:11:11.97 ID:rcCcVAVko
黙ったまま歩いていると声をかけてくる人影が
さみだれが訓練学校を卒業する運びとなり本土から離れるため挨拶に来ていた
731 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/30(水) 23:21:53.74 ID:ydVLP+TQO
それぞれ二人共の話を聞く霞
うーん…お互い考えてる事が噛み合ってないわね…
732 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/06/30(水) 23:31:15.81 ID:kcq9dT7d0
ーー霞の部屋


霞「うーん……」


かすみ「だぁ」


霞「司令官も龍驤さんも、お互いに考えてることが噛み合っていないわね」


霞「厄介なのはどっちもある程度筋が通っていること。こうだって思い込んでるから修正は難しいわね」


霞「こう考えると私の妊娠と出産はスムーズにいったわね……」


霞「そりゃ多少揉めたり問題は起こったけど解決の糸口はあった。けど今回はそうはいきそうに無い…」


霞「どうすればいいのかしら…司令官に寄ると龍驤さんは良い顔しないし、龍驤さんに寄れば司令官が落ち込む」


霞「これは困ったわよ……」


かすみ「んだぁ」
733 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/06/30(水) 23:37:10.03 ID:kcq9dT7d0
霞「……一か八かしかないかしら」


霞「私が二人目を妊娠したかも……って騒げば二人の注意は私に向く」


霞「でもハイリスクよね…それなら龍驤さんは三人目はいらないって言って、平気で堕ろしそうだし」


霞「司令官も落ち込むどころの騒ぎじゃないわよねぇ…」


かすみ「だ、だぁ」


霞「よしよし……さて、どうしましょう」


霞「正攻法でいくなら司令官から話して次に龍驤さん。逆は良くないわ」


霞「ハイリスクハイリターンなのは私の妊娠騒ぎ……うぅぅぅん…」


霞「一週間以内にこれを決めないといけないのね…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
734 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/01(木) 00:04:02.74 ID:omPnRf/DO
それに龍驤さんはあくまでも司令官の為に子供を作りたいのであって子供自身に愛情を注げるのか多少不安な霞
とはいえ産まれたら自分のようにまず子供優先の意識が芽生えるかもしれないけど…と
735 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/01(木) 00:09:53.10 ID:pGekKzalo
>>734
一時しのぎは根本の解決にはならないから一度自分から話した上で冷静な会話の場を作るしかない
736 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/01(木) 00:23:28.80 ID:1EUwvLwZ0
ーー


提督「……」


龍驤「……」


霞(二人には私の考えを話した上で会話の場を作ろうと提案したわ。とりあえず来てくれたから事態は進みそうね)


霞(一時凌ぎじゃ根本的な解決にならない。結論を先延ばししても結局同じこと)


霞(司令官が龍驤さんを思う気持ちは嫌というほど分かる。家族に固執して拘るのも同じ)


霞(それに比べると龍驤さんは……あくまで司令官の為に子どもを作りたいと考えてる。そんな状態で子どもに愛情を注げるの?)


霞(私は…違った。子どもは司令官との繋がるための道具だと思ってたけど……)


霞(いざ産んでみるとそんなことは無かった。気が付いたらどんな時でも子どもを優先するようになってた)


霞(龍驤さんも同じことが起こるかもしれないけど…希望的観測かしら)
737 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/01(木) 00:26:48.26 ID:1EUwvLwZ0
龍驤「……腕と脚は治さんよ」


提督「子どもと龍驤のことを思えば…」


霞「はいはい勝手に話すの禁止!全く噛み合ってないんだから永遠に結論は出ないわよ!」


提督「……」


霞「まずは私が二人に言いたいことを言っていくからそれの答えを考えて。すぐに答えられなくてもいいから」


霞「これは司令官と龍驤さんだけの問題じゃないの。結論ありきで話し合いは進まないわよ!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
738 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/01(木) 00:44:59.31 ID:omPnRf/DO
今の私はもし司令官と子供、どちらかを選ばなきゃならなくなったら迷わず子供を選ぶし司令官もそうであってほしいと思ってると霞
だけどこれが司令官と龍驤さんの話になるとまた違ってくる
正直二人にはまだ早いんじゃないかというのが霞の印象であると
739 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/01(木) 01:00:35.10 ID:nv+Qch38O
本気だからこそキツイことも言う霞

龍驤には
過去への負い目や約束がある事はよくわかってる。
でも全く妥協しないことが新しい命を見殺しにする可能性に気づいている?
守るべき存在を危険に晒して取り返しの付かない事になる。どこかで聞いた話じゃない?

提督には
腕と足が無いことは直接の不妊の原因にはならない。
言い方は悪いけれどもっと良い義肢で内臓への負担を減らすことでもいいはず。
整備士の言葉だけに流されてない?冷静な判断はできてる?
今まで流されるままになった結果はどうだった?

その上で今の自分の考えを貫きたいのか
740 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/01(木) 01:21:24.60 ID:1EUwvLwZ0
霞「龍驤さん。貴女の過去への負い目や北上との約束がある事はよくわかってるわ」


霞「でも全く妥協しないことが、新しい命を見殺しにする可能性に気付いてる?」


龍驤「……」


霞「守るべき存在を危険に晒して取り返しの付かない事になる……どこかで聞いた話じゃない?」


霞「次は司令官ね。腕と足が無いことは不妊の原因にはならないのは分かってる?」


提督「もちろんだ、俺が言ってるのは…」


霞「リスクの問題でしょ。三割だって言ってるけどなにを根拠にした三割かちゃんと聞いたの?」


提督「……」


霞「身体への負担の話ならもっと良い義肢で内臓への負担を減らすことはできるわよ」


霞「ねぇあなた、整備士の言葉だけに流されてない?冷静な判断はできてる?」


霞「今まで流されるままになった結果はどうだったか言える?」


提督「……」


霞「二人とも結論ありきで話を聞く気が無いのよ、まずはそれをやめて」


霞「このままじゃ子どもを作るのはまだ早いって言われるのがオチよ。お互いによく考えて!」


ーー
741 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/01(木) 01:21:55.30 ID:1EUwvLwZ0
今日はここまでです
742 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/01(木) 01:30:18.42 ID:omPnRf/DO
お疲れ様でした
ここに来て失敗安価は出ないだろうし一気に子供産まれるまで行ってハッピーエンドもあり得るかと思ってたけどもう少しかかりそう
出産に耐えられないという話は前からあったけど結局龍驤自身が産む流れで大丈夫なんだろうか
743 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/01(木) 17:51:48.78 ID:++6c7gm3O
ーー


整備士『三割っていうのは義足と義手のままならってことだよ』


霞「なにがどう違うの?」


整備士『義足で歩くと内臓への負担が増える。これは僕が実験して得たデータだから間違いないよ』


霞「仮に脚だけ治すとどうなの?」


整備士『それだと二割かな。腕がない分バランスが悪いから身体には良くないよね』


霞「義手をつけるのよ?」


整備士『24時間付けるわけじゃないでしょ?もしそんなことしたら身体へのストレスが凄いことになっちゃうからね』


霞「そう……」
744 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/01(木) 17:56:17.24 ID:++6c7gm3O
整備士『起きてる間は高性能の義足と義手を付けて過ごしたとして…良くて一割かな』


霞「完璧に治す以外にはリスクがあるのね」


整備士『もちろんだよ。そもそも出産に耐えられるか分からないし』


霞「え…」


整備士『まあお腹を開いて取り出せば問題無いけどね。そこは大きな問題じゃない』


整備士『僕が協力するんだから治した方がいいとは君にも言っておくよ。もし不幸なことがあれば彼女は二度と立ち直れないと思う』


霞「その心配はしてないわ」


整備士『そうなの?』


霞「もし子どもが流れたりしたら……死ぬと思うから」


整備士『ふーん大変なんだね』


下2 この後の展開やその他起こったことなど
745 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/01(木) 18:09:54.91 ID:qYCtqMmMO
龍驤になにかあった時に対処を早くするためにタシュケントを派遣してもいいかいと整備士
746 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/01(木) 19:11:08.04 ID:kpAB7jBfo
>>745
747 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/01(木) 19:19:40.77 ID:P5gwhkTb0
整備士『ところでそっちにタシュケント君を派遣してもいいかな?龍驤さんに何かあった時に役立ってくれると思うよ』


霞「何かあってからじゃ遅いと思うけど…」


整備士『応急手当でなんとかなるかもしれない。実はもうそっちに向かってるからお願いね』


霞「用意がいいわね…」


整備士『臨床試験は成功して意味がある。つまらないことで失敗なんかしたくないんだ』


整備士『概要はタシュケント君も知ってるから彼女に任せるといいよ。じゃあ頑張ってね』


霞「本当に大丈夫なのかしら…」
748 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/01(木) 19:23:44.14 ID:P5gwhkTb0
ーー龍驤の部屋


タシュケント「霞から聞いてるよね?あたしも手伝うよ」


龍驤「ん……」


タシュケント「ついでだからって教えてもらったんだけど、腕と脚のことで揉めてるみたいだね」


龍驤「他人が入ってこやんといて…」


タシュケント「あたしも関係者だから首を突っ込むよ。普通なら治すと思うけどな」


龍驤「ウチのことを知ってる…あんたでもか」


タシュケント「だってそれとは関係ないでしょ?あたしは人や艦娘を殺してた過去はあるけど、この治療とは関係ない」


タシュケント「なんでもかんでも関連付ければいいとは思わないけどなぁ」


龍驤「……勝手に言うといて」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
749 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/01(木) 19:36:24.85 ID:UVuxrek1O
龍驤も葛藤してる
助けられるはずのあの子を助けられんかった
それを背負うって思いがまた同じような事を起こしてしまいそうになってる
750 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/01(木) 19:57:55.82 ID:omPnRf/DO
五体満足になってしまうと喉元過ぎればという感じで昔の自分に戻ってしまうのではないかという恐れもあった
目に見える戒めが無くなるのがむしろ不安だと
751 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/01(木) 20:13:30.57 ID:P5gwhkTb0
龍驤「あんたにやったら言える…… 五体満足になってしまったら…喉元過ぎればで……」


タシュケント「昔の自分に戻るかもって話だね」


龍驤「……そうや」


タシュケント「これは自分の心の強さじゃないかな。あたしはどんなことがあっても、もう殺そうとは思わない」


龍驤「ほんまか?」


タシュケント「え?」


龍驤「この先自分の大切な人が出来て、その人が惨殺されても同じことが言えるか?」


タシュケント「……」


龍驤「ウチが言うてるのはそういうことなんや」
752 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/01(木) 20:24:46.08 ID:P5gwhkTb0
龍驤「子どもの世話がひと段落して自由な時間ができたら…ウチは同じ過ちを繰り返すと思う」


龍驤「ウチには目に見える枷が必要なんや」


タシュケント「自分の都合で子どもを危険に晒すんだね」


龍驤「そうや」


タシュケント「開き直りは感心しないよ」


龍驤「司令官の為に子どもを産むんや、少しくらいウチのわがまま聞いて欲しいわ」


タシュケント「君には子どもを産む資格は無いんじゃないのかな?」


龍驤「……うるさい」


タシュケント「子どもは夫婦のどちらも欲しいと思わないと作る意味がないと思うんだ」


龍驤「欲しいよ子ども。司令官の子やったら産めるだけ産みたいわ」


タシュケント「……相変わらず難しいね」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
753 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/01(木) 20:27:27.49 ID:UVuxrek1O
でも自分の都合の為に誰かを危険に晒す
同じことを繰り返さない為に同じことを繰り返すのは矛盾してるよ
754 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/01(木) 21:03:56.17 ID:pGekKzalo
>>753
この話を提督にするタシュ
755 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/01(木) 21:49:08.39 ID:P5gwhkTb0
ーー


タシュケント「龍驤さんがこんなことを言ってたんだ」


提督「…そうか」


タシュケント「自分の都合の為に誰かを危険に晒すなんて。同じことを繰り返さない為に、また同じことを繰り返すのは矛盾してると思うよ」


提督「俺もそう思う」


タシュケント「なら止めるべきだよ。彼女の腕と脚を再生させないと」


提督「それは…難しい……」


タシュケント「どうしてだい?」


提督「龍驤の言う枷が……分かってしまうんだ」


提督「俺も龍驤もまだ未熟だ、目の前に誘惑があれば乗ってしまう」


タシュケント「子どもが生まれてもかい?」


提督「自信が…無い……龍驤が浮気すれば別れればいいんだろうが…それができない……」
756 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/01(木) 21:53:25.67 ID:P5gwhkTb0
提督「左腕と脚が元に戻っても龍驤を愛せる。だが龍驤はそうは思わないかもしれない…」


タシュケント「信じられないの?」


提督「信じたい!信じる自信はあるが……」


タシュケント「百人以上と遊んでた緩い女は簡単には信用できないよね」


提督「俺は龍驤を…」


タシュケント「…やっぱり子どもは早かったんだよ。今の二人が子育てという壁を乗り越えられると思わない」


タシュケント「周りが支えたとしてもいつか終わりが来る。そうなったら提督は全てを失うよ」


タシュケント「霞との間に既に子どもはいるし…そっちに集中した方がいいっていうアドバイスをしたくなるよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
757 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/01(木) 22:08:06.35 ID:omPnRf/DO
それに君と龍驤はまだ精神的にも不安定で薬にも頼り続けてるだろう?
そんな状態で子育ての負担を背負うのはリスクが高いね
それに加え君には新しい仕事が待っているようだしね…とタシュケント
758 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/01(木) 22:34:28.82 ID:UVuxrek1O
とはいえ既に施術はしてしまったからね
自分たちが許容できる範囲のことはしなければならないよ
759 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/01(木) 22:47:43.28 ID:++6c7gm3O
タシュケント「とはいえ既に施術はしてしまったからね。自分たちができる範囲のことはしなければならない」


タシュケント「君は彼女をどうしたいんだい?」


提督「龍驤は大切な存在で…家族で……俺の全て…」


タシュケント「彼女との子どもは必須じゃないんだね」


提督「子どもは…欲しい……」


タシュケント「どっちもは無理なんだ。彼女は腕と脚を治すつもりは無い、だからそのつもりで生きなきゃいけない」


タシュケント「無事に妊娠できたとしても今の身体じゃ危険なまま。でもそれを受け入れるしかない」


タシュケント「彼女が信頼できないから枷を付けたまま。これでいいじゃないか」


提督「……」


タシュケント「もちろん成功する可能性もあるよ。そうなったら一番いいんだけどね」
760 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/01(木) 22:51:30.26 ID:++6c7gm3O
タシュケント「第三者から言わせてもらえるなら、あんな女を選んだ時点でこうなるのは分かっていたんだよ」


タシュケント「改心したとしてもそれは一時的なもの。本質までは変わらないんだ」


タシュケント「何人も殺したあたしだから分かる。クズはどうやってもクズなんだ」


タシュケント「クズには生きる価値が無い」


提督「龍驤は…違う」


タシュケント「違うなら信用できるでしょ」


提督「それは…」


タシュケント「彼女から枷が無くなれば終わってしまう。ならこのまましか選択肢はない」


タシュケント「君が折れるしかない。彼女との駆け引きは最初から勝てないんだよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
761 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/01(木) 23:09:00.21 ID:omPnRf/DO
悩む提督を残しじっくり…といっても一週間しかないけどしっかり考えるといいよと部屋を出るタシュケント
部屋の前に居る漣に君はどう思う?と
ごっこならともかく本当の母親になる資格はあの女には無いと思ってますと漣
それでも提督が望むなら全力でサポートはするつもりでもあると
762 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/01(木) 23:25:18.63 ID:kpAB7jBfo
>>761
763 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/01(木) 23:29:19.18 ID:1EUwvLwZ0
タシュケント「じっくり…といっても一週間しかないけどね。『しっかり』考えるといいよ」ガチャッ


提督「……」


「君はどう思う?良かったら直接言ってあげたらどうかな」


バタンッ


漣「ご主人様」


提督「……聞かせてくれ」


漣「今のようにごっこならともかく、本当の母親になる資格はあの女には無いと思います」


提督「……」


漣「あんな女に育てられた子どもはロクな大人になりませんし、不幸になるに決まっています」
764 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/01(木) 23:36:04.50 ID:1EUwvLwZ0
漣「それでもご主人様が望むのなら、全力でサポートはするつもりです」


提督「……そうか」


漣「ご主人様…龍驤さんと別れませんか?家族のことを思うなら大事な選択肢だと思うんです」


漣「その代わりに漣をなんて言いません。ご主人様は既に理想の奥さんを捕まえています」


漣「霞ですよ」


漣「霞ならご主人様を受け止めることができますし、子どももまだ産めます。ご主人様が思い描いていた家族像に近いんです」


漣「霞にも危なっかしい所はあります。でもそれはカバーできる範囲内なんです」


漣「あの女は……無理です。抱えている闇も廃れた本質もご主人様の手には負えないんです」


漣「鎮守府にいる間は今まで通りでいいんです。ご主人様が次の仕事をやるにしても霞と龍驤を連れて出て行けばいい」


漣「だだ違うのは正妻、籍を入れるのが霞であること。こうすればご主人様は幸せになれるんですよ」


提督「安価」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
765 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/01(木) 23:57:24.93 ID:omPnRf/DO
ここまで来て龍驤を捨てるという事は俺のこれまでを否定する事になる
龍驤は俺の全てだとまた繰り返す提督
あ…そうか…同じなんだ…と漣は気付く
766 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/02(金) 00:43:32.16 ID:e0gAnNyRo
>>765
767 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/02(金) 01:01:05.55 ID:EDUhhc9n0
提督「ここまで来て龍驤を捨てるという事は…俺のこれまでの全てを否定する事になる」


提督「龍驤は俺の全てだ…俺の…全てなんだ……」


漣(そうか…同じなんだ……提督も龍驤も…)


漣(旧大本営とやり合って勝利した。でもそれを改めて思い返すと絶対に勝てない試合だった)


漣(外から不思議な力でも働かない限りどうやっても無理…それを可能にしたのが……)


漣(提督と龍驤が居たから不可能が可能になった。どちらかが欠けていれば全て終わっていた)


漣(この二人は離れられない…離れた瞬間……終わってしまう…)


提督「龍驤……」


漣(共依存なんて可愛い言葉でしかない。この二人は複雑に絡み合ってほどけることがない)


漣(これを解消しようとするなら……根元から…二本とも切るしか無い)


ーー
768 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/02(金) 01:01:45.92 ID:EDUhhc9n0
今日はここまでです
769 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/02(金) 01:29:56.31 ID:YKJ2SMEDO
お疲れ様でした
これまでの龍驤思い出すと言動の端々に自分勝手さが出てる事がよくあった
やっぱり本質はそう変わらないのか…
提督の本質って何だろう
770 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/03(土) 17:35:50.41 ID:+iwe3dcX0
ーー


整備士「さて、あれから一週間になるけどどうかな?」


龍驤「うん…」


整備士「色々あったみたいだけど安静にはしてたみたいだね。話は聞いてるよ」


龍驤「早く検査して…」


整備士「そうだね龍驤さんはその為に来てくれたんだ。急いで調べるよ」


龍驤「……なあ整備士さん。ウチの腕と脚…」


整備士「その話はまた後にしよう。今は妊娠してるかどうかを調べるのが優先だからね」


龍驤「……」
771 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/03(土) 17:41:49.43 ID:+iwe3dcX0
龍驤(子どものことを思うんやったら腕と脚は治すしかない。けどそうなったらウチは…)


龍驤(いや…考えるのはやっぱり後回しや。妊娠してなかったらもうこれで終わりなんから)


龍驤(司令官は霞と出会えてほんまに良かった。霞にはどう足掻いてもウチは勝たれへん)


龍驤(死にたがる癖はあるけどウチと比べたら大したことはない。司令官の奥さんに相応しいやろうな)


龍驤(……潮時なんかなぁ)


龍驤(司令官のことやからこれからずっと面倒はみてくれる。ウチも司令官を支えることはできる)


龍驤(でもそれは司令官にとって幸せなんかウチには判断できれへん。責任を取るだけなんかもしれん)


龍驤(何も言わずに出ていくんやなくて、ちゃんと話し合って司令官から離れていけば……みんな幸せになると違うんかなぁ)


龍驤(とにかく今は妊娠してるかどうかや。それによって話も変わってくる…)


下2 この後の展開やその他起こったことなど
772 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/03(土) 17:46:19.50 ID:yGpnnMIcO
一方そのころ無間地獄
ある魂の前に一本の蜘蛛の糸が降りてくる
773 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/03(土) 18:06:40.81 ID:OzMXoFtZO
無事おめでた
整備士からは龍驤が望む範囲でできる限りサポートはするよって
774 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/03(土) 18:34:32.65 ID:DBx0DS3e0
ーー


整備士「おめでとう。着床が確認できたから無事に妊娠してたよ」


龍驤「……」


整備士「これで臨床試験は成功だね。身体に負担がある龍驤さんで成功したんだから、かなり信頼度はある」


龍驤「…ありがとうな」


整備士「こちらこそ協力してくれて感謝だよ。さて、龍驤さんはこれからのことを考える必要が出てくるね」


龍驤「そうやね…」


整備士「妊娠したのが嬉しくないのかい?」


龍驤「腕と脚のことから…ウチと司令官の関係で悩んでんねん」


整備士「僕としては腕と脚は治したい方がいいとしか言えないよ。龍驤さんにも事情はあるだろうから強制はしない」
775 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/03(土) 18:39:43.64 ID:DBx0DS3e0
龍驤「司令官と話し合うわ…子どものこととこれからのこと」


整備士「やっぱり別れるのかい?」


龍驤「…やっぱりってなに?」


整備士「提督さんも龍驤さんも精神疾患を抱えているよね。そういう夫婦は長続きしないんだ」


整備士「どちらかが治ればいいらしいんだけど、龍驤さんには幻肢痛もある。提督さんを支えるには力不足かなって思ってたんだ」


龍驤「……」


整備士「何事も例外はある。二人がいい夫婦であり続けられるかもしれないから頑張ってね」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
776 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/03(土) 19:17:27.21 ID:PkrJYi2vo
迎えに来た提督は妊娠を喜びつつ龍驤の選択がどうであれ全力で支える宣言
777 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/03(土) 19:25:49.80 ID:IIeItWJDO
伊400
ふーん…龍驤が妊娠ね
タシュケント
何かしたら駄目だよ

なあ、私は直接謝られてもいないのに恨むのも許されないのか?
夕雲だっていまだにトラウマ抱えてんだぞ?と
778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/03(土) 19:31:24.26 ID:DBx0DS3e0
ーー


伊400 「ふーん…あの龍驤が妊娠とはな」


タシュケント「分かってると思うけど何かしたら駄目だよ」


伊400「なあ、こっちは直接謝られてもいないのに恨むのも許されねぇのかよ。夕雲だって未だにトラウマ抱えてんだぞ?」


タシュケント「恨むのは勝手にすればいいよ。でも復讐をするのはまた別の話さ」


タシュケント「あたしが居る限りそんなことはさせない。どうしてもっていうなら…分かる?」


伊400「お前をどうにかできるわけないだろうが。ふざけたこと言いやがって」
779 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/03(土) 19:36:57.68 ID:DBx0DS3e0
伊400「アイツらは絶対に幸せになれねぇ」


タシュケント「なぜそう言い切るんだい?」


伊400「偽善者は地獄に落ちるんだよ」


タシュケント「彼らは偽善者なんかじゃないよ」


伊400「正義の使者だって言うつもりかぁ!?」


タシュケント「ただの人間と艦娘さ。正義のことなんか考えてなかった」


タシュケント「やるべきことの延長線上に正義があっただけ。たったそれだけなんだよ」


伊400「……認めねぇ。龍驤のガキは流産してアイツらも不幸になるんだ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
780 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/03(土) 19:44:28.79 ID:PkrJYi2vo
まあ君が自分の事を棚に上げて他人を恨む限り何も成すことはないと思うよ
あたしは自分に起きたことは報いだと割り切ってる
いくつもの身体で死に続けてやっと気づけた間抜けだけどね
たがらこうやってせめてもの罪滅ぼしをやってるのさ
781 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/03(土) 19:48:45.20 ID:Q3QUrhvQO
>>780
782 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/03(土) 20:02:14.85 ID:DBx0DS3e0
タシュケント「まあ君が自分の事を棚に上げて他人を恨む限り、何も成すことはないと思うよ」


伊400「なんだと」


タシュケント「あたしは自分に起きたことは報いだと割り切ってるから。いくつもの身体で死に続けてやっと気づけた間抜けだよ」


タシュケント「それに比べれば君のは子どもの癇癪みたいなものだよね」


伊400「殺すぞ…」


タシュケント「あたしは子どもじゃない。たがらこうやって罪滅ぼしをやってるのさ」


伊400「舐めたことばっかり言いやがって…ぶちのめしてやるからな」
783 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/03(土) 20:06:52.54 ID:DBx0DS3e0
ーー


夕雲「それは…!!」


タシュケント「見ての通り彼女の首だよ」ポタ…ポタ…


夕雲「ひぃ……!!」


タシュケント「襲いかかってきたから仕方ないんだ。同志に言って彼女を作ってもらわないと」


夕雲「もう…嫌……!」


タシュケント「君達は幸せだよ。何度も死ねるからいくらでも罪を償える」


タシュケント「地獄なんて生易し過ぎる。共に生き地獄を味わおう」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
784 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/03(土) 20:13:40.34 ID:IIeItWJDO
私やその子が何をしたというの
死ぬような目に遭うのが当然な何をしたと…?と夕雲
785 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/03(土) 20:14:54.40 ID:0QzJlAD2o
しかし彼女もよくよく妊婦に対して攻撃的だねと移し替えの身体を準備しながら整備士
羨ましく感じているところでもあるのかねと
786 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/03(土) 20:24:32.75 ID:DBx0DS3e0
ーー


整備士「彼女の身体か出来たよ」


タシュケント「ありがとう同志」


吹雪「こんなに簡単に身体ができるだなんて…」


整備士「しかし彼女もよくよく妊婦に対して攻撃的だね。羨ましく感じているところでもあるのかな?」


タシュケント「妊婦に対してというより、幸せそうな艦娘に対してだと思うよ」


整備士「なるほど…妊娠ということは殆どの場合が幸せだろうからね」


タシュケント「自分は悪くないと悔い改める気が無い。このままじゃ彼女は一生変わらないよ」


整備士「うーんだったらちょっと弄っちゃおうか」
787 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/03(土) 20:29:03.29 ID:DBx0DS3e0
タシュケント「どうするんだい?」


整備士「両腕を無くすよ。他人の力を借りないと食事もなにもできなくなる」


タシュケント「トイレにすらいけなくなるね」


吹雪「そんなの…ダメですよ……整備士さんは…神様じゃないんです…」


整備士「僕は僕だよ。できるからそれをするだけさ」


タシュケント「彼女にも分かってもらえる時がくるよ」


吹雪(純粋な感情…狂気とも言える…こんなの…間違ってます)


下2 この後の展開やその他起こったことなど
788 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/03(土) 20:35:22.84 ID:GZjAyffaO
整備士さんって某深淵漫画の黎○卿がモデルなんかね?
安価下
789 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/03(土) 20:39:11.43 ID:Q3QUrhvQO
吹雪、整備士さんに普通の感性も持ってもらえるように頑張ります!えいえいおー!
まず日頃の生活面からごく一般的と言える振る舞いを取り入れてくよう頑張る
790 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/03(土) 20:49:11.84 ID:DBx0DS3e0
ーー


吹雪「整備士さんお茶です!休憩しましょう!」


整備士「そんなことしなくても、倒れたら新しい身体を作るよ」


吹雪「適度な休憩は効率を高めるんですよ!」


整備士「そう言われてもなぁ」



吹雪「整備士さん…私の淹れたお茶……飲んでくれないんですか…?」ウルウル


整備士「うん飲むよ。休憩にしようか」


吹雪(整備士さんは悪い人じゃありません。感性が少し…かなりおかしいのでまずは普通になってもらうんです!)
791 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/03(土) 20:52:29.91 ID:DBx0DS3e0
整備士「美味しいお茶菓子だね」


吹雪「流行りのものを買ってきたんです!」


整備士「艦娘の内臓をオヤツに食べたことはあるけど、市販品はやっぱり美味しいなぁ」


吹雪(整備士さんは私、吹雪に固執しているのは知ってます。それを最大限に利用します!)


整備士「…さてそろそろ仕事に戻ろうか」


吹雪「私もお手伝いしますね」


吹雪(吹雪、頑張ります!)


下2 この後の展開やその他起こったことなど
792 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/03(土) 21:08:56.13 ID:IIeItWJDO
両腕の無い伊400とその世話をする夕雲
ここの人達はおかしい
何で簡単にあんな…と夕雲

(伊400って言動こそアレだけどそこまでの罪犯したっけ…
793 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/03(土) 21:26:18.88 ID:PkrJYi2vo
夕雲はトラウマがありつつも自分自身と向き会おうとしてる
そんな中のとにかく普通の吹雪で友人としてお喋りしたりが心の癒やし
794 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/03(土) 21:40:56.46 ID:0QzJlAD2o
妊娠中の五月雨の頭痛スイッチ連打して堕ろさせようとしたくらい?
795 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/03(土) 21:44:23.80 ID:PkrJYi2vo
暁攫ってボコボコにして戦線拡大させようとしてたとかもあるかな?
796 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/03(土) 21:57:55.35 ID:IIeItWJDO
なるほど…そのくらい…と言えるかは判らないけど地獄行きと言われると微妙
タシュケントは早まったかな
夕雲だって何かやらかす前に捕まったしそれ以前に出番が無かった
797 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/03(土) 21:58:12.94 ID:XJ+Vg7PWO
ーー


夕雲「私は旧大本営を利用しようとしてたの…でもそれは結果的に間違っていた…」


夕雲「私は死ぬのが怖かった……死にたくなかったから…旧大本営を…」


吹雪「あんな組織に所属した時点で間違っています」


夕雲「そう……今ならそう思えるけど…当時はそこまで頭が回らなかったのよ」


夕雲「強い者の仲間になれば死ぬことはないと思っていた……相手がどれだけ悪であっても、強ければ問題ないと…」


吹雪「今なら間違っていると言えますか?」


夕雲「言える……断言できるわ…」


吹雪「そう思えることが大切だと思いますよ」
798 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/03(土) 22:02:57.90 ID:XJ+Vg7PWO
夕雲「ありがとう……話をしてくれて…」


吹雪「これくらい普通です!あの…今まで会話もさせてもらえなかったんですか?」


夕雲「違うの……会話はしてたけど…あの人達は普通じゃない…」


吹雪「あぁ……」


夕雲「好き勝手に身体を作るマッドサイエンティストと元殺し屋に頭の狂った潜水艦!これのどこが普通なのよ!?」


吹雪「気持ちは分かります」


夕雲「懺悔しようにも相手が……!一人で考えても殺されない立ち回りで頭が一杯なのよ!!」


吹雪(伊400さんはともかく夕雲さんはまだなんとかなっていた…?でもここの環境のせいでそのチャンスすらなかった)


吹雪(早く整備士さんを普通の感性にしないと…)


下2 この後の展開やその他起こったことなど
799 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/03(土) 22:15:57.94 ID:PkrJYi2vo
>>796
暁の件は小型の核持ってた深海吹雪を好きにさせてもっと無茶苦茶な状況にしようとしてたって意図があるから止められたから良かっただけで割とアウトでしょ
それを反省すらしてないし

ksk
800 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/03(土) 22:18:36.48 ID:0QzJlAD2o
整備士という人間はどういう人生を送ってきたのか
そこに解決の糸口があるのではないかと考える吹雪
801 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/03(土) 22:30:38.23 ID:XJ+Vg7PWO
ーー


吹雪(整備士さんは人生を送ってきたのか、それが知れたらプラスになると思って幹部さんに話を聞きました)


吹雪(幹部さんが教えてくれた話はとても真実とは思えませんでした。整備士さんには倫理もなにも無いんです)


吹雪(彼は死を超越した。幹部さんの言っていることを理解したくはありませんでした。でもこれが真実なんです)


吹雪(たとえ明日隕石が落ちてきて整備士さんが死んだとしても、身体を再生して記憶を引き継いだ整備士さんが作られる。こんなのおかしいです)


吹雪(命は一つだけだから尊いのに…その前提がなければただの物です)


吹雪(コップを落として割ってしまったくらいに命が軽いものになってしまう。そんなのは間違ってます)
802 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/03(土) 22:34:36.59 ID:XJ+Vg7PWO
吹雪(整備士さんは認めたくはなかったようですが、彼は『吹雪』という存在に執着している。ならそれを利用するしかない)


吹雪(私が死ぬと言えば整備士さんは止めるはず。なぜ止めるのか理解する前に反応してくれる……)


吹雪(でもいきなり死にます!なんて言っても変に思われるだけだし…)


吹雪(少し危険だけど…事故にみせかけて死ぬようなことを整備士さんの前でやってみる?)


吹雪(タシュケントさん達が居ない隙を狙ってやれば整備士さんはきっと…)


吹雪(大丈夫、分かってくれます。今すぐじゃなくてもきっと分かってもらえる日が来るんです!)


下2 この後の展開やその他起こったことなど
803 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/03(土) 23:10:43.49 ID:0QzJlAD2o
でもそれこそ命を軽視してるのではないかと思い返す吹雪
何もそういう事をせずとも、前の吹雪と今の自分が違う事を分からせればいいんじゃないかと
804 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/03(土) 23:12:09.69 ID:IIeItWJDO
今度は吹雪を失わない為に
整備士は吹雪を常にモニターしていた
GPSは元より体調や精神状態も観測出来るようにされている
805 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/03(土) 23:20:18.52 ID:dZWR6p+b0
ーー


整備士「幹部さんに僕のことを聞きに行ったっていうのはどういうことなんだろう」


タシュケント「覗き見は感心しないよ同志」


整備士「これは必要なことなんだよ。吹雪を失わない為には常にモニターしていればいいんだ」


タシュケント「彼女にもプライベートはある」


整備士「覗き見がしたい訳じゃ無い。GPSは勿論だし体調や精神状態も観測してるからね」


タシュケント「そんなに吹雪が好きなのかい?」


整備士「彼女はどんなことがあっても失いたくないんだ」


タシュケント「吹雪のことになると同志らしく無くなってしまうね」
806 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/03(土) 23:24:15.43 ID:dZWR6p+b0
タシュケント(とはいえあたしも吹雪がなにをしようとしてるのか分からない。過去を知って何になるんだろう)


タシュケント(親密になりたいなら直接聞けばいい。でも幹部さんに聞きに行ったということはそうじゃない)


タシュケント「同志、彼女の精神状態はどうなんだい?」


整備士「安定しているよ。なにかをしたいっていう決意に溢れた状態かな」


タシュケント(吹雪はなにかをしようとしている。一体なにを?)


タシュケント(夕雲達とは違うだろうけど同志を利用しようとしている可能性がある。僅かでも可能性があるなら潰しておこう)


タシュケント(少し脅せば分かってくれる。力じゃどうやってもあたしを止められないのが分かればいいんだ)


下2 この後の展開やその他起こったことなど
807 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/03(土) 23:35:59.41 ID:IIeItWJDO
そんな二人を尻目に伊400両腕が無いのに何やら楽しそうだ
自身の死すら楽しむ為の要素でしかなかった
さすがはボスだなあ、退屈させない
ボスが居るなら龍驤もあいつらもどうでもいい
タシュケントもちょっと面白くなりそうだしなと
808 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/04(日) 00:07:34.67 ID:z8kHYXtao
>>807
809 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/04(日) 00:27:06.17 ID:/6jhScNd0
伊400「くくくくく…」


タシュケント「変な笑い方だね」


伊400「殺されて両腕が無くなった?最高過ぎんだよ!」


伊400「退屈する暇も無ぇよ!流石はボスだよなぁ!」


整備士「え?」


伊400「ボスが居るなら龍驤もあいつらもどうでもいい!もっと興奮させて濡れさせてくれよ!」


タシュケント「ふぅん…これはちょっと面白くなりそうだね」
810 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/04(日) 00:31:39.59 ID:/6jhScNd0
ーー


夕雲「本当にやるの…?」


吹雪「これしか無いと思うんです」


夕雲「失敗したら怪我じゃ済まないのに……」


吹雪「整備士さんに分かってもらうにはこれしかありません!」


夕雲「クレーンに紐をわざと引っかけて首吊りみたいなことを…」


吹雪「きっと大丈夫です。準備を手伝ってもらってありがとうございました!」


夕雲「気を付けて……」


下1 この後の展開やその他起こったことなど
811 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/04(日) 00:45:28.12 ID:bN3JfiaDO
モニターを見ながら
何を考えてるのか知らないけど止めなきゃなあ…と整備士
あたしの方が速い
任せてよ
タシュケントが向かう
812 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/04(日) 00:49:33.63 ID:/6jhScNd0
ーー


整備士「何を考えてるのか知らないけど止めなきゃ…」


タシュケント「あたしの方が速いから任せてよ」


整備士「うん…お願いできるかな?」


タシュケント「怪我もさせずに終わらせるから大丈夫だよ」タタタッ


整備士「それにしても吹雪にあんな癖があったとは…誰の影響を受けたんだろう」


整備士「死ぬことに快楽を覚える……どこかで聞いたことがある気がするんだけどなぁ」
813 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/04(日) 00:52:27.75 ID:/6jhScNd0
タタタッ


吹雪(よし、向こうから整備士さんが来ました!あとはこの紐をクレーンに…!)


タシュケント「…」シュッ


吹雪「あぇっ!?」


タシュケント「……」


吹雪(整備士さんじゃなくてタシュケントさん…!?それに今どうやって紐を切断したんですか…?)


タシュケント「余計なことはしない方がいいよ」


吹雪「あ……」


タシュケント「分かったね?」


吹雪「は……はい…!」


タシュケント「やれやれ、世話が焼けるよ」


吹雪(私…頑張れるかなぁ……)


ーー
814 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/04(日) 00:52:57.35 ID:/6jhScNd0
今日はここまでです
815 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/04(日) 00:56:26.24 ID:YjPD8xl6O
おつでした
整備士チームはでこぼこながらもやっていけそうね
816 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/04(日) 01:10:43.35 ID:bN3JfiaDO
お疲れ様でした
伊400は何だかスナック感覚で死ぬキャラに思えてきた
前もなんか殺されてたし
そして整備士は今の危うい感じがむしろ魅力になってる気もする

夕雲は平和に暮らしたいならそいつらから離れた方がいいよ…
817 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/04(日) 19:06:54.10 ID:/6jhScNd0
ーー龍驤の部屋


霞「おめでたらしいわね。心から嬉しいわ」


龍驤「ありがとうな」


霞「その割には元気が無さそうね」


龍驤「司令官のことや。霞とは話したいと思ってたからちょうどええわ」


霞「どうしたのよ」


龍驤「長々と説明するより単刀直入に言うわ。司令官のこと頼むで」


霞「……」


龍驤「ウチと司令官は別れれへんよ、ウチらのどっちかだけが離れることはない。あるとすれば二人いっぺんに死ぬしかない」


龍驤「ウチらは絡み合い過ぎたんや。どうやっても解けることはないし、そのつもりもない」


龍驤「こんな女は司令官の奥さんに相応しくはない。あの人を支えられるのは霞なんやで」
818 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/04(日) 19:11:54.61 ID:/6jhScNd0
霞「私を侮辱するつもりなの?」


龍驤「気分悪くしたらごめんな。でもこれが司令官にとって最善なんよ」


龍驤「霞は司令官に抱いてもらう時に好きって言われてる?」


霞「ふざけたこと言ってないで…」


龍驤「ウチはもう言ってもらえれへんのよ」


霞「……」


龍驤「子育てで忙しい司令官を支えなあかん。一番大変な時に側におられへんかった」


龍驤「霞は違う、司令官を妻としてこれ以上ないくらいに支ええくれた。ほんまに感謝してるんや」


龍驤「わざと離れたんと違うけど結果的にそうなってしもた。こういう運命やったんよ」


龍驤「子育てがひと段落したら戻ってくる…こんな女は都合の良い女で十分なんや」


龍驤「ウチらの関係はこれからも変わらへん、ただ正妻の座が霞になるだけや。霞にやったら司令官を任せられるから」


龍驤「あの人の理想の家族になったって。ウチも手伝うから幸せになろな」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
819 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/04(日) 19:20:56.15 ID:blyQRw5No
こういう場合は先達に意見を聞こう
島風提督も当初の相手とは違う相手だと
820 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/04(日) 19:29:57.67 ID:bN3JfiaDO
別れるとか出ていくとか言わないだけまだマシなのかもしれないけどまた一人で勝手に決めて…
ちゃんと司令官と話し合いなさいと霞
821 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/04(日) 19:44:04.65 ID:/6jhScNd0
霞「まったく… 別れるとか出ていくとか言わないだけまだマシなのかもしれないけど、また一人で勝手に決めてるわね」


霞「ちゃんと司令官と話し合いなさい。話はそれからよ」


龍驤「……それこそウチを侮辱してるわ」


霞「なにがよ」


龍驤「もうウチのことは好きやないよねって…ウチが言うん?」


霞「……」


龍驤「頼むわ……話は霞からしたってよ」


霞「そんなつもりじゃなかったけど…分かったわ、私からしてみるから」
822 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/04(日) 19:48:11.40 ID:/6jhScNd0
ーー執務室


提督「二人で話したいということはかすみ絡みか?」


霞「あの子はあまり関係ないわ、龍驤さんについてよ」


提督「……」


霞「龍驤さんは正妻の座を私に譲るらしいわよ。司令官と私と龍驤さんの関係はそのままでそれだけが違う」


霞「あなたの理想の家族には私が必要…龍驤さんが妻である必要は無い」


霞「自分は都合の良い女で十分…それが龍驤さんの意見らしいわ」


霞「それについてあなたはどう思う?」


提督「安価」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
823 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/04(日) 19:51:14.50 ID:blyQRw5No
どういう答えを言っても誰かが傷つく問いだなと
824 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/04(日) 20:48:59.98 ID:z8kHYXtao
>>823
825 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/04(日) 21:01:15.41 ID:/6jhScNd0
提督「どういう答えを言っても誰かが傷つく問いだな…」


霞「……」


提督「どうした?」


霞「前の司令官ならそんなことはないって、即答してたわよね」


提督「違うそれは…」


霞「司令官の中で龍驤さんの順位が下がったのか…私が上がったのかよね」


霞「正直に言って司令官、私の言ったことに間違いはあった?」


提督「いや……」


霞「その答えで十分よ」
826 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/04(日) 21:06:13.82 ID:/6jhScNd0
霞「そういえば榛名お姉さまとも随分と仲良くなったわね。子どもが産まれてから特にそうよ」


霞「『家族』が増えて嬉しかった?」


提督「そうじゃない…違うんだ……」


霞「私は龍驤さんのおこぼれをもらうつもりは一ミリも無かった。龍驤さんが辞退するから代わりに、なんて死んでも嫌」


霞「でも司令官が私を一番にしてくれるなら…」


提督「なあ霞……」


霞「龍驤さんも言ってたけど関係を切る必要なんて無いの。ただ順位が変わるだけ」


霞「それ以外は何も変わらない。それが分かったならそれでいいの」


霞「さあ…そろそろかすみが起きる時間よ。一緒に部屋まで行って子守りをしましょうね」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
827 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/04(日) 21:13:54.01 ID:bN3JfiaDO
いつからか司令官は龍驤さんの事で悩んだり辛そうな表情が増えたように思う
それは龍驤も同様で暗い顔をしているのをよく見かけた
端から見ても幸せそうな二人だったとは言えなかった
どうしてこうなったんだろう
男女の事は自分も詳しくないけど長い付き合いだとそうなってしまうのかと霞は内心思う
828 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/04(日) 21:21:12.54 ID:7UP7Q/flO
かすみの世話をしながら霞に吐露
代わりはいない、それが本当の答え
誰が1番とかではなく自分にとって龍驤は龍驤しかいないし霞は霞しかいない、かすみもそう
全員が唯一無二の存在で等しく愛する存在になった
これは都合のいい考え方なのだろうか
829 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/04(日) 21:31:40.38 ID:/6jhScNd0
ーー霞の部屋


かすみ「ぱ…ぱ……」


提督「よしよし…」


霞「言葉が話せるようになってきてるわね」


提督「……代わりは居ない。それが本当の答えなんだ」


提督「誰が一番とかではなく、自分にとって龍驤は龍驤しかいないし霞は霞しか居ない。かすみだってそうなんだ」


提督「全員が唯一無二の存在で等しく愛する存在になった…これは都合のいい考え方なのだろうか」


霞「そう思うわ」


提督「……」


霞「この国の法律では愛する人は一人。籍を入れられるのは一人。そう決まっているの」


霞「司令官はそれに反いて皆を愛そうとしている。ルールからは離れるけど私はそれでいいと思うわ」


霞「あなたにその覚悟と甲斐性があればだけど…ね」
830 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/04(日) 21:37:22.51 ID:/6jhScNd0
提督「誰かを愛さないのは家族を手放すことと同じだ。甲斐性は無いかもしれないがそんなことはしない」


霞「はぁ…ファミコンでロリコンだと本当に困ったことになるわね」


霞「私も龍驤さんも一人だけを選んで、なんて言うつもりは無い。でもいつ言われても大丈夫なように心掛けておいて」


提督「そうだな、それが俺にできることになる」


霞「この子の親はあなただけど家族は龍驤さんも皆を含んでる。これでいいの?」


提督「そう…そうだ」


霞「なら愛想を尽かされないように頑張りなさい。私も龍驤さんもよーく見てるから」


提督「肝に銘じておこう…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
831 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/04(日) 22:02:44.75 ID:bN3JfiaDO
全員を同じだけ…か
それが出来る司令官ならそもそもこういう事にはなってない気もすると内心思う霞
司令官のキャパシティ的には三人くらいが限度
そこには子供も含まれる
愛情というのは実際は有限なのよね…と
832 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/04(日) 22:05:49.13 ID:blyQRw5No
>>831
833 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/04(日) 22:11:39.59 ID:/6jhScNd0
霞(全員を同じだけ…ね。それが出来る司令官ならそもそもこういう事にはなってない気もするけど)


霞(司令官のキャパシティ的には三人くらいが限度よね。三人にはもちろん子どもが含まれる)


提督「現代艦娘の成長は早いな…」


かすみ「ま…ま……」


霞(愛情というのは実際は有限なのよ。使い切ってしまえばきっと…)


霞(龍驤さんが子どもを産んで家族が増える。それを機に龍驤さんが少しずつ離れていくとする)


霞(そうすれば司令官が壊れずに皆を愛せる。龍驤さんと完全に離れることは無くなるけど家族ではある)


霞(龍驤さんは将来的にこうなろうとしているのね…それが悪いのかどうかは、これから決まる)
834 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/04(日) 22:16:21.79 ID:/6jhScNd0
ーー


龍驤(愛って何なんやろうな)


龍驤(あれだけ司令官に執着してたのに、今はその気持ちが無い)


龍驤(もうウチを手放せへんのが分かったから安心してんのかな?どうなんやろ)


龍驤(幸せか……なにが幸せなんやろ)


龍驤(男相手に股開いてた時も正直幸せやった。あんなに優越感に浸れることは無かった)


龍驤(司令官に愛されて横須賀鎮守府まで来た。これを幸せと言わずに何と言うんや)


龍驤(……よく分からへんわ)


龍驤(この子を産めばなにか変わるんかな?まだ妊娠してるって実感は無いけど確かにウチの中におる)


龍驤(頼むから…ウチみたいなクズにはなったらあかんで)


下2 この後の展開やその他起こったことなど
835 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/04(日) 22:42:44.07 ID:bN3JfiaDO
愛されていた実感はあったし確かに幸せではあった
だけど満たされていたかと考えるとどうだろう
クズだった頃は毎日楽しかった
ほどよく刺激的で退屈もしない
難しい事も考えずに済んでいた

今は…何かしら悩んでばかりだと龍驤はため息
836 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/04(日) 22:46:28.15 ID:t0cxQb3ho
少しバランスを崩した時倒れることはなかったけどとっさにお腹を庇おうとした龍驤
愛とは形を変えるもの、求める者ではなく与える者へ
愛とは激しく燃え上がるものだけではなく穏やかに他者を温めるものでもある
837 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/04(日) 22:52:35.60 ID:/6jhScNd0
龍驤「……お腹空いたし、ちょっと…」ムクッ


龍驤「司令官はもう食べ終わってるやろし…一人で……」


グラッ


龍驤「あ…っ!!」


龍驤「う、うう……危…な……こけ…る…とこやった…」


龍驤「いつもやったら……受け身とか…踏ん張ってたのに……なんで…お腹…庇ったん……」


龍驤「なんで……そんな…なんでなんよ……」
838 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/04(日) 22:57:50.33 ID:/6jhScNd0
「愛とは形を変えるものなんだって」


龍驤「やめて……誰が喋ってんのよ…」


「愛は激しく燃え上がるものだけじゃなくて、他者を温めるものでもある。ふーん」


龍驤「そんな…違うよ……」


「求める者ではなく与える者へ。お前は母親になったんだからその責任を果たせ」


龍驤「愛……この子にウチの全てを…」


「提督に捨てられてもそれは既定路線。足掻くより子どもを愛しろ」


龍驤「子ども……ウチの子………」


「甘えるのもいい加減にしとかないとね〜」


龍驤「甘え……ウチは…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
839 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/04(日) 23:26:10.36 ID:bN3JfiaDO
子供の為を思えば自分の恐れやこだわりを捨てるべきではないかと考える龍驤
高性能の義手義足は家計にも負担がかかる
北上が作ってくれるにしても経費はかかるのでそれは同じ
そしてこまめなメンテナンスも欠かせない
全てを子供第一にするならやっぱり身体を…?と
840 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/04(日) 23:28:36.47 ID:7UP7Q/flO
不安になって提督の元へ行って幻聴の相談する龍驤

元々提督も愛を求めて誰かを愛そうとしていた
それが愛するための愛に変わっている
強要されるものでは無く、責任でも無く、自然な変化だと思う
でも不安なら今の様にしてくれれば良い
俺も誰かを頼っている様に龍驤も頼って良い、それは甘えじゃない
人は、龍驤は独りで生きているんじゃない

自分の変化に戸惑い強迫観念から聴こえていた幻聴がなくなる
841 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/04(日) 23:39:15.32 ID:/6jhScNd0
ーー執務室


ガチャッ


龍驤「なあ司令官……」


提督「な…どうしたんだ?要があるなら言ってくれれば良かったんだ」


龍驤「助けて……」


提督「何があった…?」


龍驤「幻聴が……また……聞こえて…」


提督「……」


龍驤「愛ってなんなん……?ウチは司令官と…司令官はウチを……?」


龍驤「なにをすれば良かったん……?どうすればいいん……教えて…」


提督「俺は……愛を求めて誰かを愛そうとしていた」


提督「それが愛するための愛に変わっているんだ。強要されるものでも無く、責任でも無く……これは自然な変化だと思う」


龍驤「変化……?」
842 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/04(日) 23:44:10.46 ID:/6jhScNd0
提督「龍驤が不安なら今の様にしていればいいんだ」


龍驤「ええの……?」


提督「俺も誰かを頼っている様に龍驤も頼って良い。それは甘えなんかじゃない」


龍驤「甘えやないの……?」


提督「人は、龍驤は独りで生きているんじゃない。誰かに頼り、頼られるものなんだ」


龍驤「そうなん……そうなんやね…」


「……」


龍驤「幻聴が……聞こえへんようになった…ウチの…」


提督「幻聴は俺も何度も経験している。思い込みやこうしないといけないと強く思うことが良くないんだ」


龍驤「あ……ありがとうな…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
843 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/05(月) 00:11:47.70 ID:qEl2i+DEo
それから霞筆頭のママ先輩達、榛名伯母さん、提督が知識を伝授してアドバイス
霞からは産んでからはもっと大変よって楽しそうにニヤリとされたりも
母親になるって想像以上に大変やし忙しいんやなぁと思いつつとても充実してて気づくのは幸せの形も1つじゃないこと
今まではこだわりや思い込みのせいで気付けなかった
844 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/05(月) 00:13:58.74 ID:hhmWcTmDO
それを見ている霞
甲斐性は無いかもしれないけどやっぱり司令官は司令官ねぇ
普段口下手なのにこういう時はさすがよね
ねーかすみもそう思うでしょ?とあやしながら
そして>>843
845 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/05(月) 00:15:08.74 ID:Rr2NctuGO
>>843
北上からはアタシとの約束が枷になるなら忘れること!って忠告も
北上も母になったから何を大切にするべきかが変わってた
846 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/05(月) 00:29:28.36 ID:G6R2DDmt0
ーー龍驤の部屋


霞「先輩達の話はどうだった?」


龍驤「うん……母親になるって想像以上に大変で忙しいんやなぁ」


霞「北上もガングートもちゃんと母親なのよ。電話越しでもいいアドバイスが聞けたわよね?」


龍驤「榛名もそうや…いつの間にあんなに精神的に成長してるるんよ…」


霞「甲斐性は無いかもしれないけど、やっぱりあの人は司令官ね。口下手なのを自覚してるからこうさせてるのよ」


霞「司令官を選んでよかった………かすみもそう思うわよね?」


かすみ「りゅ…じょ……」


龍驤「ウチの名前……覚えてくれたんやね…」
847 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/05(月) 00:35:31.59 ID:G6R2DDmt0
龍驤「皆んな充実してて幸せそうやけど、同じ形は一つも無かった……北上なんて特にそうや…」


龍驤「こうあるのが幸せなんやって…ウチが思い込んでたから気付けれへんかったんか…」


龍驤「ウチには司令官も霞も子どももおって…それでええんや……それが良かったんや…」


龍驤「良かった……この子を産む前に気付けて…」


霞「そうね、産んでからは想像以上に大変よ」


龍驤「楽しそうに…言うんやね…」


霞「だって楽しいのよ。司令官が居てお姉さまも居て…龍驤さんも居る。こんな未来想像できなかった」


霞「これは私の幸せ。龍驤さんとは違って当たり前だけど私はこれで満足してるのよ」


龍驤「霞…色々と教えてくれてありがとう……」


ーー
848 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/05(月) 00:35:59.35 ID:G6R2DDmt0
今日はここまでです
849 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/05(月) 00:39:28.56 ID:hhmWcTmDO
お疲れ様でした
割とこの先の展開が透けて見えてきたかな…
850 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/05(月) 19:25:34.30 ID:G6R2DDmt0
ーー足りないもの鎮守府


菊月提督「あれからどうだ」


多摩「必死に勉強してるにゃあ」


菊月提督「なら楽しみだ」


多摩「なにが楽しみなんだにゃ?」


菊月提督「来週にお前の課題であるペーパーテストがある。まずはそれで合格点を出さなければお前が提督には…」


多摩「来…週…?」


菊月提督「……」


多摩「……」


菊月提督「……」


多摩「こっちを見ろ」


菊月提督「…………」
851 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/05(月) 19:30:24.23 ID:G6R2DDmt0
多摩「提督になる話はまだ先のことなんじゃなかったのか」


菊月提督「それはそうだがすぐに提督になれるわけじゃない。資格を取っておかなければその準備にすら入れない」


多摩「そんな大切なテストが来週にある?」


菊月提督「あるな…」


多摩「なぜ教えなかった?」


菊月提督「いや…誰かに知らせたはずなんだが…」


多摩「多摩に直接言ったのか?」


菊月提督「それは言ってないな…」


多摩「秘書艦でずっと仕事を共にしているのに、直接言わなかったのか?」


菊月提督「そうなるな……」


多摩「ぶん殴られるのと爪で引っ掻かかれるの。どっちがいい?」


菊月提督「じゃ…じゃあ……」


多摩「答えは両方だにゃ!!」


菊月提督「!!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
852 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/05(月) 19:43:04.54 ID:NQV9MhIVo
一週間後のテストはマーク式
論文式は1ヶ月後
面接試験は更に1ヶ月
853 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/05(月) 19:47:40.08 ID:teb+ANspO
頬に紅葉もみじと浅ーい引っかき傷をつけて試験対策することになる菊月提督
854 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/05(月) 20:00:43.50 ID:csYHZndqO
ーー


菊月提督「つまりだな…この問題ができないと話にならないんだ」


多摩「…??」


菊月提督「基礎から説明するしかないのか…」


多摩「誰かさんのせいだにゃ」


菊月提督「お前の理解力が足りないのが悪い」


多摩「にゃあぁぁ!!」


菊月提督「二発目はやめてくれ…」


多摩「平手打ちと浅い引っ掻きで許してやっただけ有難いと思うにゃ」
855 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/05(月) 20:04:11.48 ID:csYHZndqO
菊月提督「お前がそこまでバカだったとは予想外だ…」


多摩「艦娘に勉強は必要無かったにゃ!」


菊月提督「提督になるには豊富な知識が必要になるんだ」


多摩「うぐっ……」


菊月提督「艦娘から提督になるのは、普通に提督になるより優しい。いくつもの工程を飛ばすことができる」


菊月提督「これでもマシな方なんだ、諦めて勉強しろ」


多摩「偉そうに言うにゃ!時間があればもっと勉強してたにゃ!!」


菊月提督「む……」


多摩「もし落ちたら一生恨んでやるにゃ…!!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
856 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/05(月) 20:18:14.14 ID:NQV9MhIVo
戦場で当たり前だった事を思い出させるとすぐ解けるようになる多摩
なんの事はない、当たり前の事を難しい言葉で言い換えてるだけだと菊月提督
857 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/05(月) 20:20:06.33 ID:qEl2i+DEo
>>856
858 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/05(月) 20:37:23.62 ID:G6R2DDmt0
ーー


菊月提督「……お前が旗艦だったとして、提督の指示は南だが北東に敵影が見える。どうするのがベストだ?」


多摩「空母がいるなら偵察機を飛ばして索敵。居なければ進軍せず指示を仰ぐ」


菊月提督「お前は旗艦ではなく護衛の駆逐艦だ。回避行動をしつつ気を付けなければいけないことは?」


多摩「ソナーの確認を怠らない」


菊月提督「対空は?」


多摩「防空駆逐艦以外では最優先ですべきことじゃない」


菊月提督「…全て合っている」


多摩「にゃあ…?」


菊月提督「お前らからすればなんて事はない。当たり前のことを小難しい言葉で言い換えているだけなんだ」
859 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/05(月) 20:41:04.91 ID:G6R2DDmt0
菊月提督「戦場で当たり前だった事を思い出せば良いと分かったな」


多摩「問題文も悪いにゃ!なんでこんな分かりにくく書くんだにゃ!」


菊月提督「資格のかかった試験で砕けた表現なんか使うはずないだろう」


多摩「でもこれで光が見えたにゃ!試験まで問題文がなにを言ってるか解読するのに集中すればいいにゃ!」


菊月提督「そうだろうな」


多摩「だからってお前のことは許さないにゃ」


菊月提督「……また手伝う」


多摩「にゃーーー!!」


菊月提督「手伝わせて…もらう」


多摩「分かればいいんだにゃ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
860 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/05(月) 20:50:46.04 ID:teb+ANspO
菊月「彼奴等ふたりきりで…」
海月姫「あのねぇ…猫ちゃんが試験に合格しないと困るでしょ」
菊月「だがしかし…」
海月姫「駄菓子も案山子もないわよ。というか幹部やってたなら貴女も教えればいいじゃない」
菊月「その手があったか!」
861 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/05(月) 21:08:23.28 ID:ezepwJ+8o
>>860
862 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/05(月) 21:14:54.37 ID:G6R2DDmt0
菊月「多摩め…二人きりでなにをしているんだ」


深海海月姫「猫ちゃんが試験に合格しないと困るのは貴女でしょう?」


菊月「だがしかし…」


深海海月姫「駄菓子じゃないのよぉ」


菊月「許せん……」


深海海月姫「……というか貴女は元幹部よね?なら貴女も教えればいいじゃない」


菊月「そうかその手があったか!」


深海海月姫「気付きなさいよもぅ」
863 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/05(月) 21:18:49.97 ID:G6R2DDmt0
ーー


多摩「お前は入ってくるにゃ」


菊月「ふざけているのか?」


多摩「ふざけているのはお前にゃ。そんな高圧的に言われて捗ると思うのかにゃ?」


菊月「教えてやるだけ有難いと思え」


多摩「おみゃーに教えて欲しいと言った覚えはないにゃ」


菊月「浮気か」


多摩「は?」


菊月「面食いの軽巡洋艦はここで沈める」


多摩「頭までおかしくなっかたにゃ」


菊月「覚悟…!」


多摩「!!」ガタッ


菊月「逃げるということはやましいことがあるからだ!」


多摩「殺意を振り撒きながら近付くな!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
864 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/05(月) 21:29:34.21 ID:UTTa8CKBO
とか言いながら襲ってきたんだにゃ!と医者相手に家でヤケ酒
酔っ払って浮気なんかするはずないにゃあとゴロにゃん状態に
865 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/05(月) 21:36:13.61 ID:qEl2i+DEo
>>864
でも少し焼いちゃいました
にゃっ!?にゃぁぁぁ…にゃぁん…///にゃぁん…///

翌日
おみゃーが教えるのを許してやるにゃ!
昨日のやり取りは何だったんだ…
866 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/05(月) 21:49:14.06 ID:G6R2DDmt0
ーー先生のマンション


多摩「……とか言いながら菊月が襲ってきたんだにゃ!」


先生「かなりお酒を飲んでるみたいですね…」


多摩「浮気なんかするはずないにゃあ〜!」


先生「可愛い猫ちゃんになっちゃってますね」


多摩「にゃぉ〜ん」


先生「勉強の為とはいえ男の人と二人きり…」


多摩「んにゃ?」


先生「分かっていても少し焼いちゃいますね」


多摩「にゃっ!?」


先生「ふふっ」


多摩「にゃぁぁぁ…にゃぁ〜〜」
867 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/05(月) 21:51:13.70 ID:G6R2DDmt0
ーー翌日、足りないもの鎮守府


多摩「おみゃーが教えるのを許してやるにゃ!」


菊月「昨日のやり取りは何だったんだ…」


多摩「文句を言うにゃ!そもそもは菊月提督のせいだからにゃ!」


菊月「誰にだってミスはある」


多摩「菊月提督のことになると甘々にゃ!!」


菊月「悪いか?」


多摩「…もういいにゃ。早く教えてくれにゃ」


菊月「仕方ない、特別に教えてやるとしよう」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
868 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/05(月) 22:05:05.03 ID:teb+ANspO
艦娘→士官になった菊月が教えると多摩にとってはとてもわかり易かった様子
869 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/05(月) 23:04:56.47 ID:NQV9MhIVo
>>868
870 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/05(月) 23:08:20.33 ID:G6R2DDmt0
ーー


多摩「菊月提督より分かりやすかったにゃ」


菊月「当たり前だ」


多摩「これで試験はなんとかなると思うにゃ」


菊月「ふんっ」


多摩「……どこに行くんだにゃ?」


菊月「何の話だ」


多摩「多摩がここの提督になるということは、菊月提督は…」


菊月「為すべきことがある、それだけだ」


多摩「何をするんだにゃ?」


菊月「言う必要は無い」
871 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/05(月) 23:13:09.36 ID:G6R2DDmt0
多摩「死にに行くなら全力で止める」


菊月「無理だ」


多摩「無理じゃない」


菊月「お前たちには関係のない…関われない話だ」


多摩「関われない?」


菊月「私達が住む世界は本来ならここじゃない」


菊月「いや、この表現は正しく無いな。『世界』は同じでもお前たちに干渉してしまったことでおかしくなった」


多摩「なにを言ってるんだにゃ?」


菊月「物語が崩壊したとしても私達には関係ない。本棚から落ちた本を元に戻すだけなんだ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
872 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/05(月) 23:33:43.50 ID:qEl2i+DEo
本が落ちる本棚なら落ちない本棚を作らなきゃいけないにゃあ
本は大切にしないとにゃ
873 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/05(月) 23:52:15.63 ID:teb+ANspO
>>872
元に戻すだけじゃまた傷んじゃうにゃ
874 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/05(月) 23:58:08.65 ID:G6R2DDmt0
多摩「元に戻すだけじゃまた傷んじゃうにゃ」


菊月「どういうことだ」


多摩「戻しても本が落ちるような本棚なら意味無いにゃ。もう二度と落ちない本棚を作らなきゃいけないにゃあ」


菊月「黙れ」


多摩「本は大切にしないといけないにゃよ」


菊月「言ってる意味が分かるのか、お前は…」


多摩「ある程度は分かるにゃよ」


菊月「…」


多摩「超能力なんて普通は無いにゃ。世界が違うっていうのはそういうことにゃ」


多摩「多摩が言ってる本を戻すだけじゃまた傷むだけっていうのは分かるにゃ?」


菊月「お前は全てを知らない。解釈もなにもかもが違う」


多摩「知らないから言えることがあるにゃ」
875 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/06(火) 00:04:31.39 ID:OquL0ui+0
多摩「おみゃー達が居たから助かったことは一度や二度じゃないにゃ。でも多摩達なら乗り換えられてたはずにゃ」


菊月「無理だ」


多摩「やってみなきゃ分からないにゃ」


菊月「お前は関係ない。下手に近付けば不幸になるだけだ」


多摩「朝霜みたいにかにゃ?」


菊月「違う……いや、違わないことはないが」


多摩「本棚を作って落ちた本をハードカバーで覆うところから始めるべきゃ」


菊月「…もうそんな時間は無い。あと100ちょっとと1スレしか…」


「喋り過ぎ」


菊月「……ゃ



下2 この後の展開やその他起こったことなど
876 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/06(火) 00:27:51.20 ID:qqL66ZLDO
例えばグラーフのおかげで助かった奴は何人も居る
普通なら絶対助からない程の重傷だった
居なかった事になったらどうなる?と多磨
877 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/06(火) 00:30:55.64 ID:tOFVB7pzO
傷だらけの世界からのあの来訪者を食い止める
それが成すべきこと
この世界の為にあの世界の自分達がやらねばならない
878 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/06(火) 01:17:54.03 ID:OquL0ui+0
菊月(傷だらけの世界からの来訪者を食い止める、それが成すべきこと)


菊月(この世界の為にあの世界の自分達がやらなくてはいけない)


菊月(その結果、私達が消えても仕方ない。そもそもこの世界に存在することがイレギュラーなんだ)


菊月(その後はこの為に存在している。それは間違いない)


菊月(深海棲艦の成虫を倒して終わりでは都合が悪かった。私達の存在は異質過ぎた)


菊月(八島)


菊月(いつまでもお前に震えていると思うな。来訪者はお前にとっても…)


(そんなのとっくに知ってるけど?)


菊月(……)


(向こうが早いかこっちが早いか。決着がつくならそれしかない)


(ちなみにこっちの準備は全然できてないよ。十個のうち一つしか確定で埋まってない。もう一つは実質埋まってるようなもんだけど…)


(きひひひひ、まさに神のみぞ知るって感じかもね)


菊月(…私は信じるしかない)


ーー
879 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/06(火) 01:18:23.17 ID:OquL0ui+0
今日はここまでです
880 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/06(火) 02:12:12.77 ID:qqL66ZLDO
お疲れ様でした
もしあっちの世界がまだ存在しているとしたらどれだけ肥大化してるのか想像もつかない
本来あっちで色々な問題を解決していく役割であろう菊月達は今こっちに居て長い時間が経ったわけで…
881 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/06(火) 19:08:01.94 ID:OquL0ui+0
ーー


望月「司令官を探して奪い返すのが目的で動いてた。それが達成された瞬間に戻っても良かったんだよね」


アケボノ「残念ながらその選択肢は無かったみたいね」


菊月「本来交わることの無かった世界が混ざり合ってしまった。どうやっても悪影響しか出ない」


望月「そもそもあたし達が異端だしね。こっちの世界とあっちの世界のことを知ってるってさ」


アケボノ「『扉』もそうよ。偶然開かれるものをアイツに開かされたからこうなったのよ!」


菊月「やはり全ての元凶はアイツということか」


望月「そして今回のラスボスもアイツと。まあ正確に言えばあたし達の世界のアイツだけどね」
882 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/06(火) 19:12:52.96 ID:OquL0ui+0
望月「あたし達の居た世界ってどうなってると思う?」


菊月「世界の形を保っていないだろう」


望月「だよね〜」


アケボノ「『世界の中』に居る時はこんな事に気付けない。けどこうやって自分たちの世界の外側に来ると気付けることがある」


アケボノ「あたし達は世界の中心だった。どんな困難が待ち受けていてもそれを乗り越えることができたはず」


菊月「滅ぼしたい側からすれば私達の存在は邪魔でしかない」


望月「そこで別の世界に送っちゃいましょう〜似たような世界があるからちょうどいい!……はぁぁぁ」


アケボノ「甘い言葉に騙されたあたし達も悪いわよ。だから決着は自分達で付ける!」


菊月「奴が全てを終わらせる前にこちらがアイツを終わらせる」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
883 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/06(火) 19:57:49.57 ID:qqL66ZLDO
で、そいつはいつ来るの?
さあな
えぇ…せっかく気合い入れたのに
とにかく備えておけと菊月
884 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/06(火) 20:14:05.34 ID:UPDqHFT+O
三日月を探し出す作戦会議
885 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/06(火) 20:29:11.52 ID:OquL0ui+0
菊月「どうやっても三日月がキーになる。だが奴は簡単に姿を現さない」


望月「そこが厄介なんだよねぇ〜」


アケボノ「今は大本営の地下で実験してるんじゃないの?」


菊月「確認しに行ったが姿は無かった」


望月「行動が早いねぇ〜」


アケボノ「どうにかできればいいんだけど…」


菊月「考えが無い事もない」


望月「お、いいね。教えてよ〜」
886 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/06(火) 20:32:59.33 ID:OquL0ui+0
ーー


朝霜「ギ……ギギ…」


望月「薬が隠されてた部屋で監禁してた朝霜をねぇ」


菊月「三日月はこれを欲しがっている。棺の中に入れたいそうだ」


アケボノ「残りカスはもう棺の中に入ってたわよね」


菊月「棺は10個ある。それに対して中身は1つしか入っていない」


望月「そりゃ朝霜は欲しいって話だ」


菊月「これを餌に三日月を釣る」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
887 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/06(火) 21:30:17.09 ID:UPDqHFT+O
三日月を呼び出した菊月達
世界が滅ぼされるのを止めるために協力を呼びかける
888 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/06(火) 21:41:16.32 ID:qqL66ZLDO
それには気付く三日月だったが誘いなのは見え見えで菊月達の前にはなかなか現れない
全員まとめて棺の中に入れる方法はあるでしょうか…?と考える
889 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/06(火) 21:49:36.44 ID:OquL0ui+0
ーー


三日月「確かに朝霜さんは欲しいですけど、そんな見え見えなトラップに引っかかるほど馬鹿じゃありません」


三日月「菊月達は私の力が欲しい、会いたがっているのはとっくに気付いてましたから逃げ続けていたんです」


三日月「菊月達を倒すのは難しいですが逃げるのは簡単なんですよ。予知は行動が起こらないとそれが見えないし、千里眼は場所が分からないと意味がない」


三日月「逃げ続けるだけならいくらでもできますが…そうも言ってられなくなりました」


三日月「あの世界はあと少しで完全に滅びます。そうなれば次はこの世界の番」


三日月「あの人を止めるには10個の棺を埋める必要がある……全員まとめて棺の中に入れる方法を探さないと」


三日月「そうしなければこの世界も滅んでしまう…せめてそれだけは回避したいです」
890 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/06(火) 21:55:28.01 ID:OquL0ui+0
三日月「棺に入れて用事が済んだ後…菊月達が生きているとは思えません。命と引き換えにあの人を止めるんです」


三日月「棺の中に入れるのはただの人間や艦娘では意味がありません。力、業、縁。何かを持っていないといけません」


三日月「菊月達はもう元の世界に帰ることはできない…なら生きていても意味は無い……」


三日月「そもそもこの世界に居るべきじゃないのは自覚しているはず。説得して…いや、多分無理です」


三日月「やっぱり無理矢理…力を使うしかないんでしょうか。暴力は避けたいんですが仕方ないのかもしれません」


三日月「一番楽なのはハグロですね…でも望月の予知があるし迂闊に近付けばアケボノに見つかってしまう」


三日月「時間に余裕は無いのに…困りました…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
891 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/06(火) 22:45:51.33 ID:qqL66ZLDO
まだあちらの世界の存在は感じている
いっそあの世界そのものを牢獄としてあれを隔離出来ないだろうか…と三日月
何をするにも結局一人では限界がありますね…やはり会うべきでしょうか
892 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/06(火) 22:52:03.76 ID:0w0Q5KI0o
>>891
893 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/06(火) 23:02:40.90 ID:OquL0ui+0
三日月「まだあちらの世界の存在は感じます…いっそあの世界そのものを牢獄として…あれを隔離出来るなら…」


三日月「うーん…何をするにも結局一人では限界がありますね」


三日月「やはり会うべきでしょうか……」


三日月「ですがあの鎮守府…向こうの懐に飛び込むのは得策じゃありません。何か策が必要です」


三日月「手荒な方法ですがこれしかありませんね…」
894 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/06(火) 23:06:32.52 ID:OquL0ui+0
ーー


菊月「私宛ての荷物と聞いてピンと来た。何も頼んでいないのは確実だったから詐欺の類いを普通なら想像するだろう」


菊月「しかしこちらは餌を撒いている状態だ。そんな時に私への荷物とくれば…」ゴソゴソ


三日月「……ふぅ」


菊月「やはりお前か」


三日月「朝霜さんを貰いに来たのではありません。貴女と話がしたかったんです」


菊月「お前はなにも語らなくていい」


三日月「もうすぐ何が起こるのか貴女も知っているはずです。それについての話なんです」


菊月「少しでも怪しい動きをすれば、どうなるか分かるな?」


三日月「それで大丈夫です。本当に話がしたいだけなんですから」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
895 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/06(火) 23:14:13.80 ID:UPDqHFT+O
あの世界のあれをあの滅びゆく世界に閉じ込めて滅ぼす
その為には八島の力も借りなければならないかもしれない
そして八島の世界を滅ぼす因果もあの世界を滅ぼすことで解消する
896 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/06(火) 23:20:30.02 ID:qqL66ZLDO
あちらの世界の詳しい状況
生き残りは居ないのか
人間というのはそれこそ存続の為ならなんだってする
そしてあちらにも艦娘や深海棲艦は居る
いくら何でもただで滅ぶとは思えない
如月ならわかるのではないかと話す
897 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/06(火) 23:28:53.51 ID:OquL0ui+0
ーー


菊月「生き残りは居ないのか。人間というのは存続の為ならなんだってする」


三日月「生き残っているのは確かに存在するけど、もう時間の問題。あの兵器が世界を荒廃へ導いた挙句、ウイルスで僅かな人間も死んでいく」


菊月「艦娘はどうしたんだ」


三日月「兵器として使われて……全て死んでしまった。深海棲艦も同じ、もう生物は殆ど残っていません」


菊月「本当に世界が滅ぶのか」


三日月「滅びます」


菊月「それは…」


三日月「菊月達が居れば防げたんです」


菊月「そうなるのか」


三日月「そうなってしまったんです」
898 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/06(火) 23:35:07.38 ID:OquL0ui+0
三日月「あの人は世界を滅ぼした後、こちらの世界に来ます。この世界も滅ぼす為に…」


菊月「止められるのは私達だけなのか」


三日月「はい…棺を全て埋めれば、100パーセント止められます」


菊月「全て埋まらなければ確実ではないんだな」


三日月「そして棺の中に入った人は、アレを起動したあと…命を失います」


菊月「私達に死ねというのか」


三日月「これしか方法は無いんです!私が棺の中に入っても意味がありません!協力者が絶対に必要なんです!」


三日月「貴女達が居るべき世界は滅びます…帰っても仕方ないじゃないですか!」


三日月「この世界に来た時点で菊月達にはハッピーエンドは存在しないんです!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
899 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/07(水) 00:06:27.66 ID:WuSP0GaDO
三日月は1か0かに囚われているな…
あれがこちらに来た時点でかなりの被害が出るだろう
理想はその前にどうにかする事
こちらから打てる手はあるだろうか?と菊月
その生き残り達に力を貸して向こうで決着を付けてもらう事は出来るか
むざむざ死にたくはないだろうし必死にはなってくれるはず
まずそのウィルスの詳細を教えろ
900 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/07(水) 00:22:15.71 ID:pSRCHb9DO
ハッピーでなくともベターは勝ち取って見せる
棺が埋まると起こることを教えろ
一人で行き詰まっていたなら考慮不足があるかもしれん
如月にも協力してもらう
901 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/07(水) 00:28:17.20 ID:dnZqdSV10
菊月「ハッピーでなくともベターは勝ち取って見せる。棺が埋まると何が起こる?」


三日月「私の八島が起動します」


菊月「お前が想定していた本来の八島か」


三日月「力を持った人型を触媒に八島を使って、向こうの世界の富士を倒します」


菊月「棺の数は出力に影響するのか」


三日月「そうです、棺が全て埋まれば絶対に勝てるんです。今のままじゃ勝率は一割なんです」


菊月「お前の言いたいことは分かった。ここからは奴にも意見を聞く」
902 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/07(水) 00:33:33.36 ID:dnZqdSV10
ーー


如月「私の見てきた世界……その中では八島は負けることが無かった…」


菊月「どうやってもか?」


如月「富士ですら勝てない……必殺の兵器…その威力は世界を滅ぼす…」


三日月「認めたくありませんが、私の兵器は抑止力として一切働かないんですね」


如月「どの世界でも……悪用されていたわ…」


菊月「八島を使えば富士をやれる。それは確かなようだな」


三日月「八島が起動した時…なにを使って八島は動いていたんですか?」


如月「能力を持った人や艦娘…人工的に作られた人も居たわ…」


菊月「燃料にする為に人と艦娘を使う。想像の範囲内だな」


三日月「使われた人達は…」


如月「全員…死んだわ……」


三日月「触媒にされる人はどうやっても助からない…」


下1 この後の展開やその他起こったことなど
903 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/07(水) 00:40:50.06 ID:rDu9amIio
起動した八島はその後どうなる?
八島が世界を滅ぼすのでは本末転倒だぞ
904 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/07(水) 00:43:00.23 ID:WuSP0GaDO
八島を使えば勝てるのは解ったがそれは最後の手段だ
私達だって死にたくはないんでなと菊月
まずはあちらの滅びを阻止を試みる
そんなのは不可能です…
どちらにせよ何もしなければ滅ぶなら試してみても構わないだろう?
まずはそのウィルスの詳細を教えろ
905 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/07(水) 00:53:34.90 ID:dnZqdSV10
菊月「起動した八島はその後どうなる? 八島が世界を滅ぼすのでは本末転倒だ」


三日月「それは大丈夫です…多分」


如月「多分って貴女……」


三日月「本人が言ってたんです!アイツを倒せばそれでなんとかなるって!」


菊月「八島の言うことを信じるのか」


三日月「だってそれしか無いじゃないですか…」


如月「そんな世界は見たことが無い……けど…この状況も見たことが無かった…」


菊月「本当か?」


如月「ええ…三日月の偶然のタイムスリップといい……こんなに世界が…交わることは一度も無かった……」


三日月「ならなんとかなるかもしれません!」


菊月「私はアイツを信用できない。私が触媒になるのなら発射後に壊すことができない」


如月「富士に滅ぼされるか……八島で滅ぶのかの……二択になるだけよ……」
906 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/07(水) 01:00:57.29 ID:dnZqdSV10
ーー


八島「きひひひひ、ようやく出番が来たね」


八島「世界が違っても愚姉には変わりない。クソ姉を殺せるなら大歓迎!!」


八島「富士を誘き出す道具はもうこっちの手の中にあるんだよねぇ」スッ


八島「この手鏡…本当なら苦労して手に入る予定だったけど、思わぬ形で手に入った」


八島「この時点であたしの勝ちは…いや、まだだ。出力が100パーセントじゃなきゃ、勝てるかは運次第」


八島「なんで棺が10個なのか。賢い人なら分かってたでしょ?」


八島「10分の1でコンマを引けるならそれでいいよ。負けたら終わるだけ」


八島「犠牲無くして勝利なし…だっけ?便利な言葉だよね」


八島「一人しか殺せなかったのはどう影響するのかな?それともしないのかな?以上八島でした〜」


ーー
907 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/07(水) 01:01:30.09 ID:dnZqdSV10
今日はここまでです
908 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/07(水) 01:12:27.55 ID:rDu9amIio
うーん…
死なせた数がクリアの条件なんて認めたくない
909 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/07(水) 01:24:31.54 ID:WuSP0GaDO
お疲れ様でした
ろくに戦力増強を計ってこなかったツケが回ってきたかな
むしろ全体的には弱体化してるくらい
現代艦は増えたけどまだ赤ちゃんだし…
今棺に入ってるのって誰だろう
確か結局連れて行かなかったあいつ…?
910 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/07(水) 11:41:59.39 ID:/qvndpf8O
大鳳?
911 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/07(水) 11:54:56.59 ID:3B8w1c88O
今入ってるのは富士じゃなかったっけ
912 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/07(水) 18:28:39.98 ID:MeLM98bJO
ーー横須賀鎮守府


提督「多摩は試験に合格したらしい。とりあえず最初の壁は乗り越えたということだ」


龍驤「多摩が提督とはなぁ…でも足りないもの鎮守府を率いるっていうのはよく分かるわ」


提督「医者である先生の為に、鎮守府の敷地内に病院を作れないか検討しているそうだ」


龍驤「近い方がええやろうけど、敷地内に出来たら最高やね」


提督「一般人が簡単に鎮守府の敷地に入れてしまう問題もあるが、監視や警備を増やせば問題無い」


龍驤「憲兵さんの仕事が増えて喜ぶんと違うか」


提督「嫌な顔をしながら文句を言いそうだ」


龍驤「違いないやろうね」
913 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/07(水) 18:30:42.76 ID:MeLM98bJO
龍驤「ほんで…菊月らとは連絡取られへんの?」


提督「ああ。菊月提督は事情を知っているようだが、何も教えてくれない」


龍驤「やるべきこと…色々と事情はあるんやね」


提督「こちらが助けられるのならいいんだが…」


龍驤「多分無理やで。関わるなとか言われて終わるやろ」


提督「一応準備はしてあるが…果たしてどうなるかだな」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
914 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/07(水) 20:15:25.84 ID:3B8w1c88O
八島さんとS朝潮ちゃんのトーク
今の私達で向こうの世界の相手には勝つまでも行かなくてもこちらへ来ないよう押し込めることはできないのでしょうか
915 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/07(水) 20:17:04.71 ID:JI9BCqLUo
>>914
916 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/07(水) 20:28:08.89 ID:fi3fVl0K0
ーー


S朝潮「八島さん」


八島「どうしたの朝ちゃん」


S朝潮「今の私達で向こうの世界の相手に、勝つまでも行かなくても対処はできませんか?」


S朝潮「例えばこちらへ来ないよう押し込めたりとか、です」


八島「やろうと思えばできるよ」


S朝潮「じゃあ…」


八島「放置したらどうなるか分かんないもん。こっちに来るのが分かってるなら倒した方が良くない?」


S朝潮「でも今のままじゃ倒せませんよね」


八島「倒せるけど菊月達は死ぬ。それで済むなら安いものじゃん」


S朝潮「それは…」


八島「たった十人の犠牲で世界は救われる。どう考えてもそっちの方がお得じゃん」
917 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/07(水) 20:34:05.33 ID:fi3fVl0K0
八島「何十億というモブを救うのに主要キャラを十人も使う。これをどう見るかだよ」


S朝潮「なんとかならないんですか?」


八島「ここはそういう世界だから無理。登場人物を殺せば殺すほどクリアが近付く世界なんだもん」


八島「これは正史なのかそうじゃないのか。それすら分からない」


S朝潮「全ては富士さんを倒せるかどうかにかかっているんですね」


八島「世界が混じり合ってる混沌を突かれたからね。菊月達を消すという荒技でしか特効薬が無いんだよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
918 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/07(水) 22:04:04.80 ID:WuSP0GaDO
>>904
919 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/07(水) 22:28:14.18 ID:rDu9amIio
>>918
何が正史かわからない混沌なら八島の言うとおりでクリアに近づくかどうかだって定かじゃないよね!
そもそもクリアが何を指すのかすら定かじゃない気もする!
920 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/07(水) 22:44:01.85 ID:MeLM98bJO
ーー


菊月「八島を使えば勝てるのは解ったがそれは最後の手段だ。私達はまだ死ぬつもりは無い」


三日月「でも方法がありません」


菊月「向こうの世界の滅びを止めるんだ」


三日月「そんなのは不可能です」


菊月「このまま何もしなければ滅ぶなら、試してみても構わないだろう」


望月「さっき言ってたウィルスってタチの悪いやつ?」


三日月「死の病と言われているもので毒性が強いものです」


菊月「対処法は無いのか」


三日月「あの世界ではもうありません」


望月「もう無いっていうのが気になるけど。詳しく聞かせて〜」
921 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/07(水) 22:49:17.86 ID:MeLM98bJO
三日月「放射性の何かなのか分かりませんが、兵器として開発されたウイルスではありません」


三日月「ワクチンを作れれば死の病…ウイルスをなんとかできるかもしれません」


望月「でもその人間が居ないと」


三日月「作る人間も残っていません…」


菊月「特効薬も無いのか」


三日月「本当だったら作れたんです、でも……もう無理なんです」


三日月「戦争で艦娘は使われ残っていた艦娘も処分されました。深海棲艦も滅んでしまっています」


三日月「もし艦娘が生き残っていれば……死の病は防げたんです…」


菊月「……」


三日月「艦娘の血液があればそこから簡単に血清を作れたんです。でもあの世界に艦娘はもう存在しません」


三日月「こちらからあっちの世界に行くことは不可能…そんな力はこっちにはありません」


三日月「あの人だけが世界を行き来できる…全てを滅ぼした後にこちらに来ようとしているんです」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
922 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/07(水) 23:01:07.78 ID:WuSP0GaDO
とりあえず血清はこちらで作る
今のあちらの世界の事をそこまで詳しく把握出来るのは観測可能だからだろう
隔絶はされていない
元々は私達の居た世界だ
知らない場所じゃない
神威の力で転送出来るかもしれないと菊月
923 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/08(木) 00:05:26.36 ID:f0b8ciFNo
>>922
924 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/08(木) 00:28:46.88 ID:oKhJhIi60
菊月「とりあえず血清はこちらで作る。今のあちらの世界の事をそこまで詳しく把握出来るのは観測可能だからだろう」


望月「つまり隔絶はされていないっと」


菊月「それに元々は私達の居た世界だ、知らない場所じゃない。神威の力を使えば…」


三日月「もうあの世界は知らない場所と言えるくらいに、荒廃してしまっています」


望月「世界は変わらないでしょ?」


三日月「場所は変わりませんけど…」


菊月「ならどうにかなる。神威達の力を集めれば血清の一つくらい送ってやる」
925 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/08(木) 00:33:14.59 ID:oKhJhIi60
三日月「無事に送れたとしても、向こうの人がどう扱うかは分かりません」


菊月「だからといって何もしない馬鹿じゃない」


望月「血清は専門家に頼むしかないとして…神威が本当にできるのかって話になるね〜」


菊月「アケボノの力も使う。私達の能力も直列で繋いでいけばいい」


望月「ハイリスクだね〜」


菊月「自分達が死ぬかどうかなんだ。命より軽いものは全て使うのは当たり前だ」


下1 この後の展開やその他起こったことなど
926 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/08(木) 00:41:56.13 ID:N3PSvqmrO
世界を救う血清の話を聞いて腕がなる整備士
かつ冷静に違う世界に送るなら元いた君達の血液をベースにするがベストだろうと考える
927 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/08(木) 00:55:08.23 ID:oKhJhIi60
ーー大本営地下


整備士「僕が世界を救うなんて、腕が鳴りそうな仕事だね」


菊月「大和から作られたウイルスのワクチンを作ったお前なら任せられる」


整備士「どうやるかは知らないけど、君達が居た世界に送るなら元いた艦娘の血液をベースにするがベストだね」


菊月「血くらい協力する」


整備士「ありがたいよ、血をもらったら早速作っちゃうね」


菊月「富士…お前の思う通りにはならない」


整備士(彼は新しい世界を創造した。僕は再構築をしようとしている。ひょっとして彼はこの為に僕にアレを託したのかな?)


整備士(それは考え過ぎかもしれない、けどそう思ったっていい。受け取った力はどう使っても自由だからね)


ーー
928 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/08(木) 00:55:36.50 ID:oKhJhIi60
今日はここまでです
929 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/08(木) 01:19:12.79 ID:K4MBHLcDO
お疲れ様でした
十人の命か滅亡か
そんな二択にそのまま乗る人は居なかった
まあ超兵器大決戦は見たい気もするけど失うものが大きすぎる
名無しモブでも命なら八島は動くようだけど
930 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/08(木) 18:14:55.68 ID:KhLPB82oO
ーー


菊月「血清が出来上がった。これで物は揃ったということになる」


アケボノ「あとはそれをあたし達が居た世界に送ればいいって話ね」


望月「本当にそんなことできるの?」


菊月「やるしか無い。そうしなければあの世界は滅ぶ」


神威「瞬間移動の要領で物を異世界に飛ばす…」


菊月「異世界とは違う、私達が居た世界だから知らない場所じゃない」


アケボノ「そうは言っても世界が違うのは事実じゃない」
931 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/08(木) 18:19:31.06 ID:KhLPB82oO
望月「それにさ、無事に送れたとして向こうの人がそれを使う?あたしなら怪しさ全開のそんなの使わないけど」


アケボノ「血清が何か分からない人間が拾うかもしれないわね」


菊月「そんなことは分かっている。だがこのままでは私達は死ぬしかない」


望月「お、八島の燃料になる気はあるんだ」


菊月「私達の命でこの世界が守れるのなら安い」


グラーフ「死にたいなぃぃ…!」


菊月「そうなった時は諦めろ、元々アイツに騙された時点で死んでいてもおかしくなかったんだ」


ハグロ「しぬ?」


アケボノ「ハグロは助けてあげたいけど……」


千代田「失敗した時の話なんかしても意味ないでしょ!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
932 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/08(木) 18:58:25.48 ID:N3PSvqmrO
ウイルス…艦娘の血でしか直せず艦娘のいなくなった世界では不治の病、即ち富士
血清を送り込みあちらの世界に特効薬が存在できた事実そのものが不治(富士)という概念、存在を消す
933 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/08(木) 19:28:51.80 ID:gi3jcFRno
>>932
934 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/08(木) 19:54:59.17 ID:1DyjLyu50
ーー


菊月「……どうだ」


神威「血清は…送れた……?」


アケボノ「目の前からは消えたわね…」


千代田「疲れた……もう一回やれって言われても…無理よ……」


グラーフ「……」


菊月「しれっと自分を回復しているグラーフがいることを忘れるな。もう一度くらいすぐにできる」


グラーフ「バレた…!?」


望月「ふぃ〜ダルいよ〜〜」


菊月「後はどうなったか……その結果を待つ」


望月「とりあえず解散でいいんじゃない?もう一回できても血清が無いし」


菊月「…そうだな」
935 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/08(木) 20:01:00.06 ID:1DyjLyu50
ーー


『ギャァァァァァ…!』


八島「おー苦しんでる苦しんでる。そりゃ自分の存在が消える瀬戸際だもんねぇ」


八島「この手鏡を通して向こうの様子は見れる。前からチラチラは見てたけどこれは決まったかな?」


八島「艦娘の血でしか直せないのにその艦娘が居ないから不治の病、即ち富士。死の病って言ってたのに軽〜くバレちゃった」


八島「血清はまだ誰かが受け取ったわけじゃない。けど世界に特効薬が存在できた事実そのものが富士という概念を消そうとしている」


八島「名前を呼んだら存在が確定する、その逆ってとこかな〜」


八島「素直におめでとうと言えるのかな?それともまだ早いのかな?」


八島「それこそまさに、神のみぞ知る…ってね」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
936 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/08(木) 20:38:22.05 ID:lXCnOnMbo
ある歳老いた医者

不思議な症状の彼らがいなくなった後、世界は荒れ病が流行った。
自分の医者としての勤めを果たそうとしたが病には力及ばなかった。
しかし病に効果があると書かれた謎の薬が今目の前にある。
全くの謎だが、この容器についた、感染った錆には見覚えがある。
ならこのまま終わるより信じてみよう。
937 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/08(木) 20:42:55.30 ID:K4MBHLcDO
手鏡越しに眼光がこちらを向いた
舌打ちして鏡を割ろうとする八島
鏡もまた世界を繋ぐ道
ふん…当然見てるのには気付いてたか
まあ直接あたしの所に出てくる愚行は犯さないか
938 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/08(木) 20:51:56.27 ID:1DyjLyu50
『ギ…ィ……!』ギロッ


八島「は……?こっち…見た?」


八島「向こうは世界を滅ぼすまでこっちの存在すら知れないのに?」


八島「鏡は世界を繋ぐ道。それが煉獄を通じてA島の残骸にあったのは納得できる」


八島「向こうの世界がどれだけ荒廃してもA島だけは無事。だからこの手鏡を通じてこの世界に来れる」


八島「チッ……まさかこっちを見てるとは思わなかった。これじゃあ無理矢理にでも世界を渡ってくる」


八島「直接あたしの所に出てくるはずがない。自分が消えかけている事実を消す為には……」


八島「あの艦娘を消すしか無い」
939 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/08(木) 20:54:50.82 ID:1DyjLyu50
ーー


荒潮「そうよねぇ〜私を殺せば時間は巻き戻るのよ〜」


荒潮「いま私を殺せば血清が送られる前に戻る。じゃあ殺すしかないわよね〜」


荒潮「無理矢理世界の扉をこじ開けるのだから〜向こうは万全ではないわ〜」


荒潮「それでも神様くらい凄い相手だから〜どうかるか分からないわ〜」


荒潮「うふふふ〜どうなるのか楽しみね〜」


荒潮「神のみぞ知る…なんて便利な言葉よね〜」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
940 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/08(木) 20:57:43.75 ID:5jc1iTDqO
なんでこの状況でまだわざわざややこしい状況にしたいのかわからない
941 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/08(木) 21:00:22.90 ID:lXCnOnMbo
>>936
八島が菊月達の元にやってきて薬を送り直した時間軸で
942 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/08(木) 21:21:39.61 ID:1DyjLyu50
書き方が悪かったです、荒潮は死んでません


荒潮を殺すために富士は動いたのか、動けかなったのか


それとも別な方法をとったのか、とれなかったのか


もう一度安価を出してみます
下2
943 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/08(木) 21:43:21.39 ID:K4MBHLcDO
不完全な状態で世界を渡る富士
荒潮の前に現れるが
自分の事だもの、追い詰められたらどういう行動を取るかもちろん判るわ
荒潮に憑いていた芙蓉
霊砲の小型化された形態を持っている
一発しか撃てないけどそれで充分
944 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/08(木) 21:45:59.70 ID:lXCnOnMbo
行動を起こせなかった
八島の行動で荒潮を狙うことに気を取られ、弱った体で世界を越えようともがいていたことで薬を放置してしまった
結果>>936で薬が実際に使われたことで存在が消え去った

神のみぞ知り得た知らなくていい事に気を取られ自身を滅ぼした
945 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/08(木) 22:23:04.96 ID:KhLPB82oO
ーーーー


「ギ……ギギィ…!」


「お嬢さんやどうしたんじゃ」


「こんな……はずじゃ…!」


「…これはもう間に合わん。何があったのか知らんが既に手遅れじゃ」


「荒病にかかったわけじゃ無さそうじゃな。もしそうならこの薬で治せたんじゃが」スッ


「がぁぁ…!!それ…は……!」


「突然現れた血清。死に至る病に効くと書いてあったがとても信じられるものでは無かった」


「じゃが容器に付着していた錆…これがどうしても気になってのう」


「信じるしかないと使ってみたところ、大当たりじゃった。まさに神からの贈り物だったのかのぉ」


「黙れ……!カミサマは……この…私……!」
946 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/08(木) 22:30:09.59 ID:KhLPB82oO
「そうじゃな…お主はカミサマじゃったな」


「ぐ……っ…!」


「世界を滅ぼさねば異世界へ行くことは出来ん。無理矢理やっても力を浪費するだけじゃ」


「この……死に損ない…!」


「……ぎひ」


八島´「きひひひひひひひひ」バッ


八島´「お姉ちゃぁ〜〜ん〜よくもあたしを殺してくれたねぇ?」


富士´「ふざけるな……!」


八島´「愚姉が消えかかったんで無事復活と。ほんとにバカだよね〜」


富士´「お前だけは……許さない……!」



八島´「勝手に言ってれば?死にかけのクソカミサマ」
947 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/08(木) 22:35:03.52 ID:KhLPB82oO
八島´「お前の敗因は向こうの世界を見たこと。見たから色々と考えて余計な行動をした」


八島´「あの血清を壊せばこうはならなかったのに。本当にバカで救いようがないよね」


富士´「ぎぃ……!」


八島´「残念ながらこの世界が滅ぶことは無くなりました。あたしが復活したから自由に八島も使えなくなったしね」


八島´「さーてお姉ちゃん?楽しい楽しい地獄行きだよ〜」


富士´「やめろ……!私を…誰だと……!」


八島´「カミサマモドキの勘違いした出来損ない」


富士´「ぁ……!」


八島´「そっちのあたし〜見てる見てる?こっちからは分かんないから見てる前提でやっちゃうね〜」


八島´「八島の名において……」


富士´「あぁぁぁぁ……!!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
948 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/08(木) 22:50:42.19 ID:K4MBHLcDO
八島
見てるよ
ま…そっちの世界はもうかなり衰退してしまった
艦娘も深海棲艦も居ない
この先復興出来るかは人間次第であたし達にはもう関係無いかな

さて使わずに終わったこの棺だけど中身どうしようか…
949 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/08(木) 22:58:25.05 ID:41tToEquO
>>948
おーい!残りカス起きろー!
はっ!?世界は!?
安心してください。無事ですよ。
残りカスのクセに体張ったから案の定間抜けなツラで起きてやんの
カァァァ…///
950 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/08(木) 23:21:05.21 ID:oKhJhIi60
ーー


八島「見てたよ。ま…そっちの世界はもうかなり滅んじゃってるよね。艦娘も深海棲艦も居ないし」


八島「この先復興出来るかは人間次第で、あたし達にはもう関われないかな」


八島「さ、て、と。使わずに終わったこの棺だけど中身はどうしよう」


八島「結局朝霜は入れてないし、入ったのはアイツだけ」


八島「うーん……とりあえず起こしとこっか」


「……」


八島「おーい!残りカス起きろー!!」バゴッ


芙蓉「へぁっ!?」


八島「やーい残りカスのクセに体張ったからだって、間抜けなツラで起きてやんの」


芙蓉「……その様子だとなんとかなったみたいね」


八島「冷静ぶっても事実は変わりませーん」


芙蓉「ぐ……!!」
951 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/08(木) 23:26:01.07 ID:oKhJhIi60
芙蓉「…八島を使わない結果があるとは思わなかったわ」


八島「あたしもそう思ってた」


芙蓉「これからどうなるの?」


八島「さぁ?その後は10人殺せばハッピーエンドの世界だったから、もう役目は終わったのかもね」


芙蓉「この世界は貴女が作ったの?」


八島「そうそう。向こうの富士が来ることが分かったから、それに対抗しようとしたんだよ」


芙蓉「役目が終わるということは世界が終わることを意味する…」


八島「それを決めるのはあたしじゃないから。ね?」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
952 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/08(木) 23:35:31.34 ID:K4MBHLcDO
どうやら終わったようですと三日月
判るのか?と菊月
私達からは何が起きているのか判らないからまるで実感は無いが…
また騙そうとしてないだろうな?とジト目
953 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/08(木) 23:54:35.01 ID:lXCnOnMbo
>>952
三日月さん菊月にお願いして兵器を錆の粉に
これはもう必要ないですから

一行(三日月含む)は鎮守府へ帰還
954 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/08(木) 23:59:10.77 ID:oKhJhIi60
ーー


三日月「…どうやら終わったようです」


菊月「わかるのか?」


望月「あたし達は実感は無いけどね」


千代田「あんたまた騙そうとしてないわよね!?」


三日月「大丈夫です。菊月さん、棺とアレを処分しておいて下さい」


菊月「もう必要ないんだな」


三日月「はい。貴女の能力で全てを錆にしておいて下さい」


菊月「分かった、やっておく」
955 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/09(金) 00:03:31.36 ID:9efcaKz60
三日月「うまくいったかどうか…分かりやすいものがあります」


千代田「なによ言ってみなさいよ」


三日月「……」スッ


千代田「どこを指差して……ぇ!?」


如月「あら?」


菊月「誰だ」ジャキッ


如月「如月よ、身体が崩壊して魂だけの存在だったはずだけど……」


望月「これが成功した結果?」


三日月「そうとしか思えません」


如月「地上を歩くなんて久しぶりねぇ」


グラーフ「お化け…じゃない!?」


菊月「とにかく一度鎮守府に戻る。細かい話はそれからだ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
956 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/09(金) 00:15:13.91 ID:IFbnaJhDO
戻って朝霜の様子を見る菊月
中身が居ない…?何処へ行った…
絶望しながらも朝霜を諦めきれない早霜
普通の魂では無間には行けない、その資格が無い
だけど私の魂の重さなら降りていけるかもしれない
きっと帰っては来られないだろうが姉さんだけでも…と
957 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/09(金) 00:25:04.34 ID:Ixu4BxwFo
>>956
958 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/09(金) 00:30:48.75 ID:9efcaKz60
ーー足りないもの鎮守府


菊月 「朝霜の中身が居ない…?何処へ行った」


菊月「何処にも行けないはずだというのに、何をしようとしているんだ」


早霜(……まだ姉さんを諦めきれないの)


早霜(普通の魂では無間地獄には行けない。だけど私の魂の重さなら降りていけるかもしれない)


早霜(きっと私は帰っては来られない……けど姉さんだけでも)


早霜(お願い……姉さんを…)


(……)
959 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/09(金) 00:34:05.69 ID:9efcaKz60
ーー


早霜(姉さん……どこ…何処に居るの…)


早霜(ここには姉さんが居るはず……そうじゃなければ…)


「うううう…」


早霜(あ……)


「パパ……助けて…あたい……」


早霜(姉さん……私のせいで…)


「ママ……あたいが…」


早霜(お願い……せめて…姉さんだけは……)


下1 この後の展開やその他起こったことなど
960 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/09(金) 00:53:24.93 ID:IFbnaJhDO
自分からここに来るやつは初めてだよ
何しに来たの?と門番が立ちはだかる
ああ言わなくていいや
罪人共の事情なんて知った事じゃないから
姉さんは罪人じゃない!
早霜のその魂の力に目を見張る門番
なるほど…ここに来れるわけだ…
961 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/09(金) 01:03:30.72 ID:9efcaKz60
門番「自分からここに来るやつは初めてだよ、何しに来たの?」


早霜(私は…)


門番「ああ言わなくていいよ、罪人共の事情なんて知った事じゃないからね」


早霜(姉さんは罪人じゃない…!)


門番「ん?なにその力。そんなの残してここに来れるわけ…」


門番「ふぅんそっか、ここに来れるわけだ。引いちゃうくらい業が深いね」


早霜(姉さんは私の代わりに地獄に落とされたの…)


門番「それで?」


早霜(お願い……どうか姉さんだけは…)


門番「勘違いしてもらったら困るんだけど私は門番。そんな権限無いから」


早霜(姉さん……姉さん…)


門番「勝手に地獄に来て騒がれるとか凄い迷惑…勝手に帰れないだろうし、放置しとくしかないかな」


ーー
962 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/09(金) 01:04:08.80 ID:9efcaKz60
今日はここまでです
963 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/09(金) 01:13:01.82 ID:zSlJaxvso
おつでした
不治=富士はファインプレーかな?
964 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/09(金) 01:18:11.06 ID:Ixu4BxwFo
>>1もスゴいが安価取る人達もスゴい上手い
おつ
965 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/09(金) 01:23:57.52 ID:IFbnaJhDO
お疲れ様でした
ラスボス候補だったんだろうけどあっさりすぎてちょっと拍子抜けかな…
普通に戦える相手ならよかったんだけどウィルス体って…
しかもこっちの世界でなら簡単に治療可能って富士に勝ち目無いよね
あと棺の中はてっきり錏かと思ってたけどじゃあ何処へ…
966 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/09(金) 01:28:27.75 ID:zSlJaxvso
あれは彼岸に行ったでしょ
今頃こたつに入ってみかん食べながらテレビ見てるよ
967 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/09(金) 01:35:44.09 ID:wliQ/1lrO
あの世界だからウイルス同一の存在になってただけでこっちに来てたら形を変えてたんじゃない?
それにしてももうこれ以上変にこねくり回して難易度求めるのは勘弁かな…
後1スレはハッピーエンドまでそのまま突っ走っていきたい
ずっとずっと本当に見たかったのは殺伐なその後じゃなくて幸せなその後なんだよ…
968 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/09(金) 22:46:52.07 ID:ZmonmjEpO
ーー


白鶴「白鶴まるっ、セカンドシーズン。本日は生配信でお送りしています」


白鶴「急な配信にも関わらず見て下さっている方には本当に感謝です…ああ早速コメントをいただきました」


『そこは何処ですか?』


白鶴「ここは関西の方のキャンプ地です。明日の収録に向けて前乗りをすることになっていたんですか…」


白鶴「スケジュールミスで私だけがこちらに来てしまったんです。ホテルも取れていませんしライちゃんも居ません」


白鶴「ビジネスホテルにでも泊まることを考えたんですが、折角だからとキャンプをすることになったんです」
969 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/09(金) 22:49:50.31 ID:ZmonmjEpO
白鶴「こう見えてキャンプは得意なんですよ。昔ホームレスの時には虫をよく食べてましたし」


『それはキャンプじゃなくてサバイバルでは?』


白鶴「サバイバルかキャンプか。人によって答えは違っていいと思います」


『配信は何時までですか?』


白鶴「何時までは考えていません。私とゆっくりとした時間を過ごしましょうね」


白鶴「食べ物は近くのスーパーで購入したので心配ありません。それではまず、火を付けていきましょう」
970 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/09(金) 22:53:24.74 ID:ZmonmjEpO
白鶴「炭で火を付けるのは簡単です。着火剤を使えばもっと簡単ですよ」


『白鶴さん火起こし上手い』


白鶴「ありがとうございます、褒めてもらえると嬉しいですね」


『艦娘は出撃する時にキャンプとかするんですか?』


白鶴「うーん基本的にはしませんね。やるとしてもサバイバルの意味合いが強いかもしれません」


白鶴「もちろん趣味でやられている方は大勢いらっしゃると思います。普段は海で過ごしている艦娘ですから、山に行きたくかるのかもしれません」


パチパチ…


白鶴「火もいい具合になってきたので…お肉を焼いちゃいましょう!」


白鶴「うーん美味しそうなお肉とお魚!今から楽しみです!」
971 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/09(金) 22:58:33.16 ID:ZmonmjEpO
ジュー


白鶴「こうやって肉を焼いているとある花を思い出します。横須賀に来る前の鎮守府で、ある軽巡洋艦さんが大きな獣を狩ったんです」


白鶴「それが地元のテレビ局に知れて取材をさせて欲しいということで、その軽巡洋艦さんにインタビューをしたんですが…」


白鶴「その時の話が何度聞いても……ふふっ」


白鶴「すいません笑ってしまいました。勘違いから起きた騒動なんですが…」


白鶴「あ、スーパーチャットありがとうございます。えーと忍びさんからですね」


『名前を出したらどうなるか分かる?』


白鶴「すぅ……ふぅぅ」


白鶴「……」


白鶴「さて、お魚も焼いていきましょうね」
972 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/09(金) 23:02:21.58 ID:ZmonmjEpO
白鶴「美味しかったです、大満足の夕食になりました」


ポツ、ポツ


白鶴「あ……雨ですね。天気予報では今晩は持ち堪えると言ってたんですが、外れたみたいです」


白鶴「せっかく火を起こしたのに消えてしまうのは勿体ないですね。七輪のように移動できるタイプですのでこのままテントの中に入れましょう」


白鶴「もちろんカメラも持っていきますよ。配信はまだ続きます」


『やめろ』


白鶴「いえいえやめろだなんて言われても配信はまだまだ続きますからね」


『やめろって!』
『白鶴さん気付いて!』


白鶴「大丈夫ですよ皆さんのコメントは読めています……あら、随分と騒がしくなってきちゃいましたね」
973 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/09(金) 23:05:02.94 ID:ZmonmjEpO
白鶴「……あ!私としたことが…!テントの中にあった下着が丸見えに…!」


白鶴「皆さんがやめろって騒がしかったのはこれだったんですね、ありがとうございました」


白鶴「今日は過激なものは持ってきていなかったので不幸中の幸いでしょうか」


『違う違う違う!』


白鶴「……」


白鶴「うーん…?なんだか急に眠たくなってきたような……?」


白鶴「おかしいですね…今日はお酒は飲んでいないんですけど……」


白鶴「うぅん……」


白鶴「もうコメントも読めなく…なってきちゃいましたぁ……」


白鶴「明日…早くないんですけど……今日は…ここまで…」


白鶴「……」ドサッ


『え』
『白鶴さーーーん!』
『起きて!起きて!』
『キャンプ場特定して電話しろ!』


白鶴「……」
974 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/09(金) 23:13:36.40 ID:9efcaKz60
シュバッ


由良「居た」


白鶴「……」


由良「換気」


白鶴「……」


由良「…」バチンッ


白鶴「んぃ…」


由良「意識はある」


由良「病院に」


由良「…」


由良「テントの中で炭」


由良「死ぬ気?」


白鶴「……」


由良「…」


ブチッ


このチャンネルはご覧になることはできません。詳しくはホームページを確認し……
975 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/09(金) 23:14:34.13 ID:9efcaKz60
本当にこれでBANされるかは知りませんが、白鶴さんなら垢BANです
976 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/09(金) 23:16:31.52 ID:Ixu4BxwFo
おつです
自殺配信はアカンて……
977 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/09(金) 23:20:08.80 ID:IFbnaJhDO
その後あの白鶴さんを助けた美人は誰ですか?との質問が殺到したり
978 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/09(金) 23:22:25.64 ID:NCRvuaRhO
ドジっ子だねぇ
979 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/10(土) 22:45:27.50 ID:yHtvM3SFo
【艦これ】龍驤「足りないもの、その後」その10【安価】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1625908959/
誘導
980 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/13(金) 11:14:18.83 ID:RDnVlnigo
お気に入りからうっかり消えてて昨日来てないかと勘違いして完結に立ち会えなかった…
乙でした
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