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【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」【安価】

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71 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/12(土) 03:50:23.88 ID:ICXtl3UQ0
>>70
一応ここで終わりです。次回安価の時にスペちゃん来たらあるいは……。
今育成してるエアグルーヴが地獄みたいにやる気下げてくるので苦戦中……です……お互いがんばりましょう……!

あ、安価下です。
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/12(土) 06:54:08.81 ID:fc40hSV20
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/12(土) 10:53:40.81 ID:bZ/w21dyo
おつおつ
うおおん……
74 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/12(土) 12:44:37.62 ID:ICXtl3UQ0

▼トレーナー白書を獲得した!

▼因子[全身全霊★☆☆]を獲得した!

▼スキル[俯瞰視]を獲得した!

――――
―――
――

 視界が暗転する。
 僕が今どこにいるのか。あるいはそもそも生きているのかすらわからない、無限に等しい闇が僕の視界を覆っていた。

――スペシャルウィークの走りを見届けてから早一時間が経過した。

 最後に自身の"願い"――"想い"かもしれないが――を取り戻した彼女は、見事な走りで駆け抜けた。このままいけば、日本一のウマ娘になることもそう難しいことではないだろう。
 あの日、あの時の彼女の走りを見て、彼女を放っておくものはいない。あの世界で僕の扱いがどうなっているかはわからないが、スペシャルウィークが悪い方向に進むことはもう、ないと思えた。

……そう、僕にはもう認識できている。
 何かしらの条件を果たしたか、あるいは規則性に従って僕はループしているのだと。理解しなければならないかのように、認識が"植え付けられている"のだ。
 何が起こっているのか語るには、余りに情報が足りない。兎にも角にも、僕は今時間の流れの中に居るのだろう、と思う。

 ふと、視界が開ける。
 大小さまざまなモニターが浮かぶ部屋だった。
 得た所感を、語弊を覚悟して言うと――監視室のようだ、と思った。
 そこには生物はいない。ただ、モニターとそこから繋がれたケーブルが世界を埋め尽くしているような部屋だ。どこまでも、無機質な。
 僕がモニターの前に立つと、一人でにモニターが立ち上がった。まるで歓迎するように一度明滅し、その後、何かの映像を流し始める。

――トレーナーさん……? どこですか……?

 スペシャルウィークだ。もう夜だというのに、学園内部を探し回っている。
 見れば、彼女の友人までもがトレーナーを……多分僕を探していた。
 ひどく取り乱した様子だった。それもそうだろう、目の前で人がいなくなれば、焦りもする。
 どこですか、どこですか……と、必死に探し回る彼女の姿は、昼間見た勇猛なそれとは似ても似つかない。どことなく憔悴したような面持ちだ。

「……ごめんな」

 思わず声が漏れる。
 導いてやれなかったこと。日本一に出来なかったこと。……目の前から消えたこと。
 もう探さなくてもいいんだよ、と声をかけても、きっとあちらには届くまい。
 僕にできることは、彼女の今後を切に祈ることくらいだろう。

 気付けば、僕の後ろに扉があった。
 扉を潜れば、またあのループが始まる。
 それはきっと――理事長が設けた夢の祭典……URAファイナルズを勝ち残るまで終わることはないのだろう。
 どれだけ長い旅路になるか、予想すらできない。でも、動かないことには始まらない。

「……頑張れよ、スペシャルウィーク」

 静かな部屋に、僕の声だけが、反響した。
 やがて、扉は――開かれる。

75 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/12(土) 12:53:03.49 ID:ICXtl3UQ0
トレーナー「……さて。またここからやり直し、か」

トレーナー「少し心にクるものはあるが、挫けてもいられない」

トレーナー「それに、前回と違う点が、確実にある」

トレーナー(トレーナー白書……熟練のトレーナーが書き記した、ウマ娘育成に関する本。その一遍でも、物凄くためになることが書かれている。これを全て読んだトレーナーはきっと、素晴らしいトレーナーとなるのだろうな)

トレーナー(そして、因子、と呼ばれる謎の石……。スピードと全身全霊、と呼ばれるスキルらしい。なぜこの石の名前を理解することができるか、僕にはわからないが――)

トレーナー(……最後に、重要なのは[俯瞰視]と呼ばれるスキルだ。5R、と書いてある。これがきっと、僕に設けられたループまでの期限なのだろう。目的を達成すると延長するのか、あるいは目的を達成したところでループするのかはわからないが――)

トレーナー「考えても仕方がない。情報が出ていない以上、むやみに考えるのはむしろ悪手」

トレーナー「まずは育成するウマ娘を選ぶか」

トレーナー「うーん。>>76 なんて、どうだろうか……」
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/12(土) 12:53:15.82 ID:bZ/w21dyo
ツインターボ
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/12(土) 13:00:40.00 ID:u9ZDdcet0
記憶は残ったままいなくなっちゃうのか…
スペちゃん病みそう(こなみ)
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/12(土) 13:18:29.12 ID:+BSMpQ8g0
そういやダブルジェット師匠もそうだけど育成馬実装されてない子はレース判定どうするんやろ
師匠ならとりあえず逃げA追込Gなのは確定だろうけど
79 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/12(土) 13:41:45.73 ID:ICXtl3UQ0
トレーナー「……ツインターボ。中央最後の異色路線のウマ娘、ともいわれているほどの大逃げスタイルが特徴的なウマ娘だな」

トレーナー「良くも悪くもピーキーな性能でファンを引き付けそうだが……」

※まだプレイアブルではないので、ナリタブライアンのストーリーで登場したツインターボの性能をそのまま転用します。
※固有スキルの記載と、初期ステータスの記載がないので、以上2点については安価を取ります。
80 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/12(土) 13:41:45.69 ID:ICXtl3UQ0
トレーナー「……ツインターボ。中央最後の異色路線のウマ娘、ともいわれているほどの大逃げスタイルが特徴的なウマ娘だな」

トレーナー「良くも悪くもピーキーな性能でファンを引き付けそうだが……」

※まだプレイアブルではないので、ナリタブライアンのストーリーで登場したツインターボの性能をそのまま転用します。
※固有スキルの記載と、初期ステータスの記載がないので、以上2点については安価を取ります。
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/12(土) 17:59:41.78 ID:ZW3OpMGKo
>>78
馬群に飲まれたらビビっちゃう馬だったから
先行も差しもGと思う
82 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/12(土) 18:56:41.01 ID:ICXtl3UQ0
■[ターボエンジン全開!]
スピード:下1+50
スタミナ:下2
パワー:下3
根性:下4
賢さ:下5
やる気:普通

[固有スキル]
下6 名前
効果はコンマの高さで変化させる。

ちなみにナリタブライアン戦の師匠は逃げ以外Gでした。
今回のコンマ安価、ちょっとサクッと終わらせたいので練取2分くらいにします。よろしくお願いします。
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/12(土) 19:38:43.63 ID:WnYeXPEhO
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/12(土) 19:47:58.24 ID:bZ/w21dyo
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/12(土) 19:48:29.95 ID:QLMfIYTTo
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/12(土) 20:05:32.42 ID:bZ/w21dyo
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/12(土) 20:09:58.03 ID:bZ/w21dyo
連投
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/12(土) 20:10:25.74 ID:u9ZDdcet0
スタミナと根性が低めなの微妙にリンクしてて草
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/12(土) 20:14:58.80 ID:ptHVQkoZo
スキル名なら「これが諦めないってことだァ!」
90 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/12(土) 20:52:43.45 ID:ICXtl3UQ0
■[ターボエンジン全開!]ツインターボ
スピード:63+50=113
スタミナ:24
パワー:95
根性:42
賢さ:03
やる気:普通

[固有]これが諦めないってことだァ! Lv2
ゴール前でスタミナが尽きた場合、遮二無二、がむしゃらに走って速度を上げる。
(終盤に選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+200の補正)


賢さヤバい……な……
91 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/12(土) 20:57:29.01 ID:ICXtl3UQ0
ナチュラルに安価ガン無視してしまった
何となくこんな感じの進行です……不手際とかあったらすみません
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/12(土) 21:07:49.37 ID:bZ/w21dyo
実にターボらしいステ草
固有も(発動すれば)強い
今回は一つは勝ちたいなぁ!
93 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/12(土) 21:09:10.34 ID:ICXtl3UQ0
★――メイクデビューまで、あと3ラウンド
94 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/12(土) 21:20:39.83 ID:ICXtl3UQ0
トレーナー「……何というか、派手な髪型と髪色で見つけやすくて助かるな。おまけに騒がしいし……」

ターボ「違うもん! これはターボが先に触ったんだもん!」

トレーナー(どうやら、お昼ご飯のパンを巡る熾烈な争いが繰り広げられているようだ……。争いのレベルが低い……)

トレーナー(はてさて。どのように声をかけるかな……)

トレーナー「 下1 」
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/12(土) 21:25:29.45 ID:/AyH+R5yO
ジェミニブーストってのは君の事か?
96 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/12(土) 21:53:14.62 ID:ICXtl3UQ0
トレーナー「ジェミニブーストってのは君の事か?」

ターボ「ツインターボだッ……って、誰?」

―――

 おどけるような言葉が頭上から降ってくる。あからさまに名前を弄るような言葉に、ツインターボは反応せざるを得ない。
 あの帝王のような立ち振る舞い、げに許しがたき――。さながら仇敵を見つけたかのような心持ちで視線を動かした先に、その人物はいた。

……その表情が、ツインターボの口を思わず動かした。

―――

ターボ「……悲しいのか?」

トレーナー「……。いきなりどうした、ダブルジェット」

ターボ「ツインターボっ!!!! なんかふざけてるくせにかなしそーな顔してたから聞いただけ!!!」

トレーナー「そうか、そう見えるか」

ターボ「見える!!!」

トレーナー「そりゃ……心配おかけしました?」

ターボ「あーっ?! パンがなくなってる!!」

トレーナー(この騒ぎに乗じて持って行ったな……強かだ……)

ターボ「もーっ! ターボのパン、ターボが食べたかったのに!!」

トレーナー「いやぁ、すまんすまん」

ターボ「謝るだけで済んだらケーザツはいらないっ!」

トレーナー「すまんすまん。あとでパン一個奢るってことでどうだ?」

ターボ「許した!」

トレーナー「転身早っ……」

ターボ「? ターボは早いぞ!」

トレーナー「まぁ、そうだろうな?」

ターボ「……というか、何しに来たんだ? ターボのパンを盗んだつみは重いぞ!」

トレーナー(……盗んでないんだけど)

トレーナー(さて、なんて声をかけようかな)

トレーナー「下1」

97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/12(土) 21:58:22.23 ID:bZ/w21dyo
お詫びと言っちゃ何だが、俺と一緒に一番になってくれないか
98 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/13(日) 16:09:19.80 ID:IxDmJBWv0
トレーナー「お詫びと言っちゃ何だが、俺と一緒に一番になってくれないか」

ターボ「一番? なる!」

トレーナー「俺に君を導かせてくれないか――って、決断はや……」

ターボ「じんそくかだん? はって副会長が言ってた!」

トレーナー「熟慮断行という言葉を知ってるか?」

ターボ「知らん!!! でもターボを一番にしてくれるんでしょ? だったら任せる!」

トレーナー「……。その信頼に応えることができるように、精進するよ」

ターボ「しょうじん? 頑張るってこと? わかった!」

―――

 ターボは、この人物がどのような人物かはわからなかった。だが、それよりも――自分を一番にしてくれること、そして何よりも、自分よりも
99 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/13(日) 16:10:22.34 ID:IxDmJBWv0
テキストエディタで書いてないことがバレてしまいましたね………………………………。
100 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/13(日) 16:11:40.83 ID:IxDmJBWv0
描きなおします、少々お待ちを……。
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/13(日) 16:34:10.86 ID:6RjShkSNo
よいのよ
102 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/13(日) 16:40:51.42 ID:IxDmJBWv0
トレーナー「お詫びと言っちゃ何だが、俺と一緒に一番になってくれないか」

ターボ「一番? なる!」

トレーナー「俺に君を導かせてくれないか――って、決断はや……」

ターボ「じんそくかだん? はって副会長が言ってた!」

トレーナー「熟慮断行という言葉を知ってるか?」

ターボ「知らん!!! でもターボを一番にしてくれるんでしょ? だったら任せる!」

トレーナー「……。その信頼に応えることができるように、精進するよ」

ターボ「しょうじん? 頑張るってこと? わかった!」

―――

 ターボは、この人物がどのような人物かはわからなかった。
 だが、それよりも――自分を一番にしてくれること、そして何よりも、今まで日の目を浴びてこなかった自分を見出してくれた。
 そんな人物が、自分をどうこうするような悪い人間ではないことを、なんとなく理解している。そんな人物がどんな世界を見せてくれるのか、ターボは少しだけ楽しみだった。

―――

ターボ「そういえば、昼ご飯食べてなかったんだった……」

トレーナー「……とりあえず、何か頼むか」

ターボ「うん!」

―――
――

トレーナー「さて、あれから一週間がたったわけだが……」

トレーナー「相変わらずターボがどこにいるのかはわかりやすいな……」

トレーナー「さて、今日は何をしようか」

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/その他(良識の範囲内で自由に)
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/13(日) 16:45:01.47 ID:xOAgaqgLO
トレーニング
104 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/13(日) 22:19:38.84 ID:IxDmJBWv0
トレーナー「今日はトレーニングだ!」

ターボ「おおーっ!」

トレーニング「今日のトレーニングは……これだーッ!」

トレーニングの内容は?
スピード/スタミナ/パワー/根性/賢さ/その他
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/13(日) 22:21:16.91 ID:8+MDAcZlo
テンポ走でスタミナ
106 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/15(火) 00:44:11.38 ID:W0rZ6CIj0
トレーナー(テンポ走……競走馬のトレーニングのうち、特に競走馬になる前のタイミング、持久力をつける際に行うトレーニングだ)

トレーナー(ツインターボの弱点、それは端的に言えば持続力の無さだ。レース序盤は正しくターボエンジンが起動したかのような速さがあるが、失速してしまえばーーそこでツインターボの先頭はここで終わり、ということになりかねない)

トレーナー(だが裏を返せば、この欠点にある程度の解決策を見出すことが出来れば、彼女が輝く舞台を作ることは容易になる、とも言える)

トレーナー(基礎中の基礎。やらせるなら土台の増強か)

トレーナー「よしターボ、テンポ走をやるぞ!」

ターボ「えー、テンポ走? そんなのターボ何回もやってるよ!!」

トレーナー「だからこそだ。基本に立ち返ることで、自分というウマ娘を振り返ることこそが、ターボが輝くことに繋がる」

ターボ「……テンポ走やったら、沢山走れる?」

トレーナー「それはターボ次第だな」

ターボ「……。わかった! 沢山走る!」

トレーナー「ペースは一定に保てよ〜! 1ハロンを一定のペースで走り続けるんだ!」

トレーナー(さて、どれだけの効果があるかな……)

下1
訓練の効果(コンマ)
※ゾロ目で追加イベント

ーーーー

長距離ウマ娘の育成で更新が遅くなりました……!
皆様のチャンピオンズミーティング、幸先良い始まりが切れたことをお祈りしております。ちなみに私は全敗でした。




107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/15(火) 00:56:28.68 ID:g20CItM7o
〜〜〜〜
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/15(火) 01:29:09.66 ID:gFrz5+h80

おつ
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/15(火) 01:41:52.79 ID:vpJqungho
うっわ全敗……?

仲間やんけ!
おつおつ頑張ろうな……
110 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/16(水) 00:06:30.66 ID:YCFF8GGe0
ターボ「うりゃりゃりゃりゃーっ!!!」

トレーナー(全力で走っているように見えるけど、案外繊細なスピードトレーニングだ……。そのあり方が常にターボを全力に見せているのかもしれないが、その実、内面はあまり強くないのかもしれない――)

ターボ「トレーナー、終わったぞ!」

トレーナー「おー、よしよし頑張ったな……!」

ターボ「えへへ……。で、レースはいつなんだ?」

トレーナー「気が早い……。メイクデビューは一か月くらい後だ。まだまだ先だと思うかもしれないが、案外一か月ってのは光みたいに過ぎてくからな〜」

ターボ「光……。さすがに、ターボと光だったら、光の方が早い……。むぅうううーっ! ターボまけない、まけないもん!!!」

トレーナー「いつかは光に追いつけるといいな……って、何を走ろうとしてるんだ?! これ以上はオーバーワークだ……って……。早いし速い……。まぁ、もう1ハロンくらいだったら誤差の範囲内だろ……」

トレーナー(それにしても、メイクデビューまであと2ターン……とはどういう意味なんだろうか。1ターン経過するごとに、約半月が経過している。完全にそうとはいいがたいが、1ターンイコール半月と考えるべきだろうか)

トレーナー(そう考えると、トレーニングなどで一定の成果が上がるタイミングがちょうど合致する。つまりターンとは、これまでの半月間のリザルトを何らかの形で集計した数値とも言えるだろう)

トレーナー(……理解を深めなければ、いけない気がする。そうすることによって、きっと、俺は――何かを得ることができるような気がする)

―――

 日が落ちてくる。
 濃い橙と、ラスト1ハロンを最速で駆け抜けたターボの長い影。ターフの青臭い香り。遠くなる生徒たちのざわめき声。
 その一瞬を切り抜くように、ターボは1ハロンの区切りを突き抜けた。

――まるで蒼天に駆ける風。

 青い髪がふわふわと浮かぶ中、しかしそれを後ろへ送る速度は確実に人間の常識外のそれだ。
 学園の外では全速力を出してはいけないというルールは、まさしく彼女らウマ娘の超常的膂力や速力を危惧して設けられたものである、とトレーナーは愚考する。
 だからこそ、トレーナーはふと疑問に思う。
 ウマ娘とは、いったいどのようなものなのか。
 ツインターボは笑っている。最後に、一番気持ちがいい走りをして、無邪気に。スペシャルウィークは微笑んでいた。レースに負けそうになって、落ち込んで、でも前を向いていた。
 ウマ娘と人間。根本は何も変わらないのに、身体的特徴という一点で確実に異なっている。そのルーツがどこにあるのか。そして、ルーツをたどった先に何があるのか――今は、誰も知らない。知ってはならない。

 ターボが、トレーナーの袖をつかむ。まるで向日葵のような大輪の笑顔を浮かべ、夕食の時間であることを彼女は告げた。
 トレーナーは思考を寸断し、彼女に導かれるままにこの場所を後にした。

――その時、トレーナーは気付いた。懐に持つ石が、本が、光を放ったことに。

―――

■[ターボエンジン全開!]ツインターボ
スピード:113+12(因子:スピード★☆☆)(F)
スタミナ:24+68(トレーニング)=92(G)
パワー:95(G)
根性:42(G)
賢さ:03(G)
やる気:普通

[固有]これが諦めないってことだァ! Lv2
ゴール前でスタミナが尽きた場合、遮二無二、がむしゃらに走って速度を上げる。
(終盤に選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+200の補正)
[通常]
全身全霊(終盤に選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+100の補正)

下1 トレーナー白書を使う?使わない?
※前回のループ報酬は、今回のループでのみ使用可能ですが、トレーナー白書はこれに含まれません。
※トレーナー白書は使用することにより、ウマ娘に適合するスキルをランダムで一つ獲得可能です。
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/16(水) 00:19:57.93 ID:zfwBiJyZ0
消費アイテム?
安価下
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/16(水) 01:19:34.35 ID:voZhSDyx0
わからんけど使っちゃう
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/16(水) 07:18:55.25 ID:2tbM7Ghfo
おつおつ
さわやか師匠
勝ってほしいなぁ!
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/16(水) 13:04:12.01 ID:SqHCDF4lO
だがこういった娘を曇らせるのもまたオツなもんやでぇ
115 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/17(木) 21:57:44.73 ID:L45r/Gto0
ナリタタイシン頑張って育ててたらいつの間にか時間が経ってました。おかげさまで全勝しました、ありがとうございます。
更新していきます〜
116 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/17(木) 22:01:39.29 ID:L45r/Gto0
▼トレーナー白書を使用した!
獲得スキルは下1(コンマ)
※コンマが大きいほど良いスキルを習得する。今回は[逃げ]か汎用性の高いスキル(円弧とかハヤテとか弧線とか)。
※ゾロ目は追加で何かしらの安価を取ります
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/17(木) 22:14:38.22 ID:l6lZxLOvo
おかおめ
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/17(木) 22:43:22.78 ID:l+C2hYw5o
ゾロか完全に師匠流れ乗ってんな
119 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/17(木) 22:55:22.14 ID:L45r/Gto0
▼ツインターボは[先駆け]を習得した!

[先駆け]
レース序盤で僅かに前に行きやすくなる(レース序盤の選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+50)

ゾロ目ボーナス
下1 コンマ50以上でスキル進化、先駆け→先手必勝へ。
   コンマ50以下で現状維持、[先手必勝]のスキルヒントLv1を獲得する。
※スキルヒント:ターンを消費することで、該当するスキルを獲得できるチャンスを獲得する。Lvに応じて難易度は下がる。
※さらにゾロ目だった場合追加でスキルが獲得できます。
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/17(木) 22:57:26.17 ID:hv7Kgnd6o
そい
121 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/18(金) 02:49:36.27 ID:JBwdv+s90
 ツインターボにとって、その出来事は全くの想定外のことだった。
 夕焼け空を眺め、流れる雲を見ながら、自分もあれくらい早く走れるようになりたいだのなんだのと思考を重ねて。ふと気付いた時には体が熱かった。
 夏の茹だるような――あるいは自分の中で隠されていた何かが、今詳らかに明かされようとするような感覚。
 吐息は熱く、視界はぐらりと揺れる。でも、不思議と不快感はない。
 まるで熱いシャワーを浴びた後の、意識の混濁めいた酩酊のような、ゆるりとしていてどこかふわふわした快感がせり上がる。
 ふぅ、と一つ息を吐くと、その感覚は即座に消え去った。
 しばらく何があったか考えるが、しかし特に異常は見つからない。――強いていえば、ご飯を食べる前にシャワーを浴びたくなったことくらいか。
 ツインターボは独りごちって、やがて小さく鼻歌を鳴らした。

 だが、ツインターボはまだ知らない。その身に宿った力が、如何に自身を引き立てるものであるかを。

▼[先手必勝]のヒントLv1を取得した


 
122 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/18(金) 02:56:02.82 ID:JBwdv+s90
トレーナー「昨日、去り際になんか本とか石が光ったと思ったら消えてた……」

トレーナー「朝起きて気づいたんだけど、家に帰ってから朝まで、俺の部屋に誰かが侵入した痕跡がない――」

トレーナー(まぁループ特典らしいし、そもそも存在自体がスピリチュアルなものか……深く気にすると負けな気がする)

トレーナー「さて、あと2ターンか。何をするべきだろうか?」

下1 ?・トレーニング下1
・お出かけ
・休憩
・スキル習得(現在は先手必勝のヒント所有中)
・その他(良識の範囲内で自由に)
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/18(金) 04:29:15.60 ID:DiVIqjdc0
スキル習得
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/18(金) 09:40:28.22 ID:j3g1kqXVo
ターボのシャワーシーンはよはよはよはよはよ
125 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/18(金) 12:14:21.16 ID:VlCwLJwFO
トレーナー「でもさ、昨日まであったものが消えてるとちょっと気になるじゃん」

ターボ「?」

トレーナー「というわけで、どうして消えたのか検証したいと思うが――手伝ってくれるか、ターボ」

ターボ「よくわからないけどわかった!!」

トレーナー「ターボは素直で可愛いなぁ」

ターボ「もっと褒めて褒めて!!」

トレーナー「さて……取り敢えずは走ってもらうか。本番想定で1200m。行けるか?」

ターボ「じゅんびおーけー!」

トレーナー「じゃあ、合図出すからそれでスタートしてくれ」

トレーナー「3、2、1――GO!」

下1 コンマ
50以上なら習得
50以下の場合ヒントレベル上昇
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/18(金) 12:26:51.53 ID:ErSWXDk9O
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/18(金) 12:43:47.05 ID:Uajbht64O
ないすー
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/18(金) 12:53:33.03 ID:WG+NztfUO
師匠はカワイイなぁ
129 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/18(金) 13:45:03.73 ID:VlCwLJwFO
――風を肩で切り、飛び出す。

 幾千幾万と繰り返したスタートアップはいつもよりも若干キレが良く、巧かった。
 昨日の不思議な暑さが、心を押すような。まるでいっぱいに帆を張ったところに強風が通り過ぎるような、正しく爆発的な加速の予感がターボを襲っていた。
 芝を1歩踏みしめる度に、その予感は核心となってターボに力を与える。速さの限界点、その先へ至らんとするターボの心意気を推し量ったかのように。
 序盤400メートルの時点で、既にターボはこの練習の結果を予想出来ていた。何よりも素早い自分を、きっとトレーナーは喜んで迎えてくれるだろう、と。

 だが、それは大きな間違いであった。

 ゴールインした時、ターボを待っていたのはトレーナーの姿だった。だが、彼はまるで惚けたように立ち尽くしていたのだ。
 その両目からは色が失せていて――しかし、ターボが瞳を覗き込めば、急激に色を取り戻す。
……情熱という名の、色を。
 気づけばターボはトレーナーに抱きしめられていて。トレーナーは涙を流す勢いでターボのことを褒めに褒めまくった。
 ターボの予想は、大きく裏切られた。

――そう、ターボの予想よりも、より良い形で。

―――

▼[先手必勝]を習得した!

▼ツインターボのやる気が上がった!
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/18(金) 15:05:26.22 ID:DiVIqjdc0
よーしよしよしってわしゃわしゃしたい
131 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/18(金) 17:33:24.08 ID:VlCwLJwFO
■閑話
(何となく書いたので乗っけます。)
――――――
 それは1日も終わり、ようやくご飯を食べようとしていた時の事だった。久しく鳴らないスマートフォンに、珍しくメッセージ受信の通知が来た。
 正直にいえば、何事かと思った。
 トレーナーとなるにあたって対立した、両親含める家族が連絡を寄越すことはまずありえないし、かと言って友人がいる訳でもない。
 担当ウマ娘がいて、それなりの期間一緒にいるのであれば連絡を取りあっていてもおかしくは無い。
 が、ツインターボとはまだ出会って数週間程度で、連絡先を交換する程度の関係。それに直接会って話す方を好むタイプだろうし、メッセージを送るようには思えない。
 ごちゃごちゃと並べたが、結論は「セールスか、アプリ公式からの連絡」だろうと思う。それ以外にない。
 兎にも角にも、あえて見るほどのものでもない。取り敢えずはシャワーを浴びてから食堂へ行くことに決めた。

――だが、俺は気づいていなかった。

 この通知が、本当はセールスや公式からのものでは無いことを。
 そして、楽観視した己の愚かしさに……。
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/18(金) 17:37:48.85 ID:j3g1kqXVo
お?
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/18(金) 17:46:51.75 ID:DiVIqjdc0
地の文が長めに入るときは、段落ごととかで一行空けてくれるとありがたいかも
自分だけかもしらんが、横書きで密度高いと若干読みづらい
134 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/18(金) 17:53:26.51 ID:VlCwLJwFO
undefined
135 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/18(金) 17:56:24.81 ID:VlCwLJwFO
段落詰め気味に書いちゃうのはいつもの癖ですね……。ちょっと段落開けて描きます!すみません!!
136 :いぬ- ◆FaqptSLluw :2021/06/18(金) 17:58:17.71 ID:VlCwLJwFO
undefined
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/18(金) 18:01:03.94 ID:j3g1kqXVo
(改行規制に引っかかってるようです。レスを分けてもらうといけるはずです)
138 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/18(金) 18:03:18.83 ID:JBwdv+s90
(教えていただいてありがとうございます……! ちょっと続きます)
139 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/18(金) 18:05:35.87 ID:JBwdv+s90
トレーナー業に邁進することになってから、何事も早く済ませる事に貪欲になった。

 入浴もそのひとつで、正しくカラスの行水とも言えるくらいの速さで済ませる。そちらの方が、ウマ娘への理解を深める時間が増えるからだ。

 さて、入浴を済ませれば、その次は夕食だ。

 他のトレーナーがどのようにして夕食を済ませているか分からないが、俺は近くにあるコンビニに足を運んで、そこで弁当を買っている。

 栄養バランスやかかるコストのことを考えると、おそらくは食堂に行った方が良いとは思うのだが、何となくスペシャルウィークと顔を合わせるのが気まずくて使えていない。

 これもトレセン学園の福利厚生のひとつなのだろうし、有効に活用すべきだとは思っている。思っているのだ。

―――
140 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/18(金) 18:07:16.16 ID:JBwdv+s90
「ありがとござっしたー」


 間延びした店員の声を聞きながら、コンビニから出る。今日はサラダチキンとおにぎりふたつだ。運良く鮭おにぎりが残っていたので、やる気がちょっと上がる。

 さて、このままトレセン学園に帰ることになるのだが――そこでひとつの失策に気づいてしまう。


「しまった、今日のクーポン使ってなかったわ……!」


 UmaPayとコンビニアプリを連携させると、何とおにぎりかコーヒーを50円引きで買えるクーポンが1日1枚配布される。

 今日が期限のクーポンが1枚ある。おにぎりはもう買ってしまったので、これはコーヒーに使うべきだろう。

 スマホを取り出す。待機画面を開く。そして俺は、異常に気が付いた。

 メッセージの受信量が、いつの間にか10を越していた。通常ありえない事態に、俺の頭は一瞬フリーズする。

 何がどうなっているんだ。訳が分からない。ただ送り主の名前だけは、混乱する頭の中で鮮明に見えた。


「ついん、たーぼ……?」


 呟いて、ようやく落ち着く。まさか、メッセージを送ることがないだろうと踏んでいた相手からのメッセージ。しかも10件近くも。

 驚きこそあれ、少し嬉しくなった。ツインターボとの距離が近くなった気がするからだ。

 さて、メッセージの内容は……と開いてみて、俺は思わずスマホを落としそうになった。


「はやく」
「たすけて」


 その文字の指し示す意味を問い質す前に、俺は走り始めた――。
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/18(金) 18:59:27.64 ID:Cn2TrQoFo
引きがウマい
142 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/18(金) 19:13:04.94 ID:JBwdv+s90
 トレセン学園、美浦寮。距離的にも近くはなかったが、かなり早く到着できたと思う。

 道中ヒシアマゾンに何事かと聞かれたが、ツインターボに何かあったかもしれないことを告げると、苦笑を浮かべてすごすごと引き下がった。なにがあったんだ?

 ともかく、今はツインターボの身に危機が迫っている。どたどたと大きな音が立っているのは承知で、ツインターボの部屋の戸を叩く。


「――ターボっ!」
「? トレーナー?」


 中からは間延びした声。寝転がっていたのだろうか。

 にしても変だ。あんなメッセージを残した割に、中から響く声はとてもリラックスしているというか、今も寝そべっているような、そんな印象を抱く。

 だが、それも彼女なりの演技かもしれない。


「大丈夫か?!」
「え……? ターボは元気だぞ!」
「……? 何かあったんじゃないのか?」
「……? ターボ、なにかしたっけ?」


 え?


「……。ツインターボ、勘違いだったら申し訳ないが、一つ教えてくれ」
「な、なんだ……?」
「あのメッセージは何だったんだ……?」
「メッセージ……? あっ!!! トレーナーってユーレイって信じる?!」
「……まぁ、今は信じてるかもだが……。幽霊がどうかしたのか?」


 そういうと、ターボは扉を少しだけ開ける。そこには勝負服に負けず劣らずのカラフルな寝間着に身を包んだターボの姿。

 ターボは少し恥ずかしそうに、ちょいちょいと手招く。耳を寄せろ、と言いたいらしい。


「あのね、トレーナー……。ネイチャがね、ネイチャがね……"今のターボには鬼が住んでますなぁ"って……」
「ナイスネイチャが? どうして?」
「わかんない……。でもね、見まわしても鬼なんてどこにもいなくて……。だから、どこ?って聞いたら、ネイチャが"さぁどこでしょうね〜"って言って……」
「うんうん」
「何処にも見えなくて……だから、ユーレイだと思ったんだ! だから、今のターボにはユーレイが住んでるんだ!!!!」


 叫んでおののくツインターボ。そんな姿を見て、どっと疲れが湧いてきた。

 いろいろ言いたいことはあるが、今はツインターボが無事でよかった。その一心である。


「で、ヒシアマの姉さんに相談したら、追い払ってくれて……」
「ああ、だからか……」
「だからか?」
「何でもない。ヒシアマゾンに追い払ってもらったならもう心配はいらないな」
「うん!」


 笑顔を浮かべるツインターボ。必死で走ってきた結果がこれなら少しは文句も出るかもな、とは思っていたが、案外文句は一言も出てこなかった。

 親ってこんな気持ちなのかもしれないな――。


「……トレーナー? なんで頭を撫でるんだ?」
「ああ、無意識に……。すまん」


 そういいながら手を放そうとするが、ツインターボの頭から手が離れると耳がシュンと下がった。試しに置いてみれば、ぴんと耳が立つ。

 つまりこれは――そういうことなのか?

 試しついでに、ツインターボの髪を軽く撫でてみる。すると、ツインターボの表情が見る見るうちに緩み、口からは声にならない声を漏らす。

 どうやら気に入ったらしい。トレーナーの勉強の中にはマッサージ術も含まれていたから、それなりに自信はあったが――こうも喜んでくれると、素直にこちらも嬉しい。

 そのままツインターボが満足するまで頭を撫で続けたのだが――。


「おーおー、おアツい二人の登場だねぇ〜」


……ナイスネイチャを筆頭に、廊下での一幕を見ていたウマ娘たちに、変にからかわれてしまうのだった。
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/18(金) 19:17:46.91 ID:j3g1kqXVo
あぁ^〜
廊下でデジタ君尊死案件
144 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/18(金) 19:26:51.47 ID:JBwdv+s90
トレーナー「さて、ナイスネイチャにからかわれたり、あれから事あるごとにターボがこちらを期待の目で見てくるようになったりして、一週間くらいが経ったな」

トレーナー「鬼が住んでいる――とはまぁ、なんとも独特の言い回しだけど、ナリタタイシンにも鬼が住んでたりするし、地上最強の生物の背中にも住んでたりするしな。案外何処にでも住んでるのかもしれない」

トレーナー「確かに、ツインターボの大逃げにはさらに磨きがかかった。タイムが以前よりも何回りか短くなっている」

トレーナー「このままいけば、メイクデビューも勝てそうだな」

トレーナー「だが、やはり日々をどう過ごすかも非常に重要だ」

トレーナー「今日は何をしようか」

※あと1ターンでメイクデビューです。


下1 
・トレーニング
・お出かけ(やる気アップ)
・休憩(イベント)
・その他(良識の範囲内で自由に)
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/18(金) 19:37:54.16 ID:Cn2TrQoFo
おでかけ
146 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/18(金) 23:18:11.10 ID:JBwdv+s90
トレーナー「メイクデビューも直近に控えていることだし、下手にトレーニングしてツインターボの調子を崩したくないな」

トレーナー「うーむ。となれば、ツインターボのモチベーションを上げに行くか」

ターボ「?」

トレーナー「ターボは気にしなくていいぞ。……さて、どうしようか」

下1
お出かけで何をする?(良識の範囲で自由に)
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/18(金) 23:27:11.89 ID:dNpbj8WGo
カラオケに行く
148 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/18(金) 23:35:53.57 ID:JBwdv+s90
トレーナー「そういえばターボって、カラオケとかで遊んだことはあるのか?」

ターボ「うーん。あんまりない。ターボ、走ってる方が楽しいし!」

トレーナー「……なるほどね。とりあえず今日はターボのコンディションとかもろもろを鑑みて――遊ぶことにしました」

ターボ「やったー! トレーナーとお出かけだーっ!」

トレーナー「じゃあどこに行こうか。参考までにカラオケの話を出したが……」

ターボ「じゃあカラオケ!」

トレーナー「早いな。あんまり行ったことないんだろ? いいのか?」

ターボ「行ったことがあんまりないから行ってみたい! 未知へのチョーセンだっ!」

トレーナー「……まぁ、挑戦する姿勢は素晴らしいと思うが、そもそも楽しむための施設だからな?」

ターボ「ふんす!」

トレーナー(わかってんのかなぁ……?)

―――

トレーナー「さて、カラオケボックスだ。ドリンクはとりあえずフリーにしておいたぞ」

ターボ「トレーナー歌おう! 何歌う?」

トレーナー「二人でカラオケに来たからって、必ずしもデュエットしなきゃいけないわけじゃないぞ……」

ターボ「ターボがデュエットしたいの! トレーナーが曲選んで!」

トレーナー「しゃーないな……。さて、どの曲を選ぼうか」

下1 
何の曲を選ぶ?(デュエットでなくても良いかもしれない。ゾロ目は追加イベント)
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/18(金) 23:41:44.33 ID:Cn2TrQoFo
うまぴょい伝説
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/18(金) 23:49:23.01 ID:j3g1kqXVo
師匠ゾロ目出過ぎてない?
流石デュアルブースト師匠
151 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/19(土) 00:33:44.69 ID:cLiN9Ma70
ターボ「イメトレは大事だってイクノも言ってた!!!」

トレーナー「いきなり何を――って、ここで今"うまぴょい"するのか?!」

ターボ「当然ッ!!! トレーナーも一緒に、せーの!」

トレーナー「ええい、ままよ……!」

ターボ/トレーナー「うまぴょいッッッ!!!!!」


▼ツインターボのやる気が上がった!
※コンマゾロ目の為追加イベント発生
152 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/19(土) 00:53:26.93 ID:cLiN9Ma70
■追加イベント

「にしても、今日は歌ったなー」


 夕日に染まっていく街の中、先頭を進むツインターボは声高らかに笑った。

 とても楽しそうな表情をしているツインターボには、やはり年相応の無邪気さや可愛らしさを感じる。

 人との関係を形容する意味は薄いが、あえて形容すればターボは娘のようなものだ。彼女の悲しむ顔は見たくないし、いつでも喜んでいてほしい。


――トレーナーさん、ありがとうございます!


 ふと、スペシャルウィークがメイクデビュー前に見せた笑顔を思い出す。今頃彼女はどうしているのだろうか。正しく時が進んでいれば、今頃G1レースに出走している頃だろうか。

 ……そんな風にいろんなことを考えていたから、俺は立ち止まっていたターボにぶつかってしまった。

 いて、と声を上げるターボに詫びながら、ターボの視線の先を追う。


「トレーナー、ターボ、あの場所に立てるかなぁ」
「……有馬記念、か」


 該当の巨大テレビジョンからは、数年前の有馬記念がリバイバル放送されていた。様々なウマ娘が並び、全員が全員、歴戦の風格を漂わせていた。ターボと同じスタイルの大逃げウマ娘も、そこに。

 いくら無邪気なターボとはいえど、さすがに先達のことくらいは知っているらしい。ターフに駆ける一陣の風を、バ場に滾る鋼の意思を、コーナーに駆けるマエストロとしての意地を、それぞれ最高のポテンシャルを以て発揮していた。

 だが、大逃げのウマ娘にはそれが無かった。もちろん実力はあったはずだ。だが、彼女の脚質以上に――他のウマ娘が強かっただけ。

 第四コーナーを曲がり、最後の直線。彼女はいとも簡単に追い抜かれ、瞬く間に掲示板外へと転がり落ちていく。カメラのフォーカスは、華麗な差しを決めた一着のウマ娘へと絞られる。

 勝負は酷く残酷だ。どれだけ頑張っていたとしても結果が全て。結果を出せなければ、後には何も残らない。でも、だからこそウマ娘は走る。自らの栄誉のために――。

 ターボはどういうモチベーションで走ってきたかを、実のところ知らなかった。ただの好奇心かな、と思ったり、あるいは気まぐれなのかな、と思ったりもした。

 その内実を、俺は知らない。彼女の口から語られるまでは、こちらから聞いてはいけないものだとも思っている。

 ただ、願わくば――彼女の今後が輝かしいものになりますように。あの日のスペシャルウィークのような辛い顔は、もう見たくないから。

 願いは形となる。祈りは強さとなる。多分、きっと、そうなんだろう。

 だから、俺は祈るし願う。彼女の勝利を。そして――幸せを。


「トレーナー? とれーなーッ!」
「……! どうした、ターボ」
「ターボお腹空いた! 早く帰ろ!」


 ……ああ、いや。でも。祈らなくても多分大丈夫だと思う。

 彼女は多分、俺がいなくてもやっていける。幸せになれると思う。

 いつか俺が消えるその時まで、ターボに教えることができるすべてを教えよう。

 それがせめてもの餞になれば、御の字かな。

―――

▼因子:[スピード★☆☆]を獲得した!

▼因子:[逃げ★☆☆]を獲得した!
153 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/19(土) 01:08:40.48 ID:cLiN9Ma70
■[ターボエンジン全開!]ツインターボ
スピード:125(F)
スタミナ:92(G)
パワー:95(G)
根性:42(G)
賢さ:03(G)
やる気:普通

[固有]これが諦めないってことだァ! Lv2
ゴール前でスタミナが尽きた場合、遮二無二、がむしゃらに走って速度を上げる。
(終盤に選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+200の補正)
[通常]
末脚(終盤に選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+50の補正)
全身全霊(終盤に選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+100の補正)
先駆け(序盤に選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+50の補正)
先手必勝(序盤に選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+100の補正)

※全身全霊の前提スキル[末脚]を通常スキル欄に追加しました。純粋に処理漏れです。すみません……。


――――


――五月某日。

 春が過ぎ、梅雨に差し掛かろうかという時期。

 蒼天は今や黒く塗りつぶされ、どんよりとした空模様がトレーナーの憂慮を表しているかのようだった。

 ツインターボはそんな天気の中でも、太陽のような笑みと溌溂さでトレーナーと最終調整に臨んでいた。


「メイクデビュー! ターボはこの時を――待っていたっ!」
「……掛かり気味か? スタミナは温存しとけよ」
「むぅ。ターボ掛かってないもん! いつも通りだもん!」


 興奮気味に笑うターボ。それを心配そうに見つめるトレーナー。

 失敗は成功の母とも言うが、しかし正しい昇華のさせ方をしなければただただ拗らせることになってしまう。トレーナーは典型的なそのタイプであった。

 だが、そんなトレーナーの憂慮をも吹き飛ばす言葉を、ツインターボは発した。


「絶対勝つよ、トレーナー」


 ターフの芝を揺らすくらい、力強い言葉だった。


「ターボは絶対負けないもん。絶対、ぜったいぜったいぜーったい負けないもん!!」


 煌めく相貌には、もはや勝利しか映っていないとでもいうように、視線はまっすぐトレーナーを貫く。

 その気丈な瞳に火を灯されるかのように、トレーナーはハッとした。


「……そうだよな、始まる前から弱気になってどうすんだ。勝てる、俺たちは――勝てるぞーッ!」
「勝つ、勝つぞーッ!」
「勝って帰るぞーッ!」
「勝ってにんじんアイストリプル買ってもらうぞーッ!」
「おーッ……いや賛同しかけたけど、トリプル食べると夜ご飯はいらなくなるから駄目だ!」


 えー、と口をとがらせるツインターボ。そんな彼女をトレーナーはどこまでも優しく、力強い瞳で見つめていた。


――勝つぞ。


 その一言を、心の中に閉じ込めながら。
154 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/19(土) 01:23:41.05 ID:cLiN9Ma70
※ごめんなさい、ツインターボの現在のやる気は絶好調です。
155 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/19(土) 01:25:49.27 ID:cLiN9Ma70
トレーナー「行ってこい、ツインターボ……!」

―――
■レース

下1 作戦決定(コンマ)
逃げ[G]/先行[A]/差し[A]/追込[C]

01〜70:逃げ[A]
71〜80:先行[G]
81〜90:差し[G]
91〜00:追込[C]

――

下2 レース序盤のツインターボの調子

01〜20:出遅れ(ゴールのコンマ判定に-50の補正)
21〜40:掛り(ゴールのコンマ判定に-25の補正)
41〜60:順調な出だし(ゴールのコンマ判定の補正なし)
61〜81:先駆け(ゴールのコンマ判定に+50の補正)
81〜00:先手必勝(ゴールのコンマ判定に+100の補正)
ゾロ目:補正効果1.5倍。マイナス補正の効果は消える。

――
下3 レース中盤のツインターボの調子

01〜30:ブロック(ゴールのコンマ判定に-50の補正)
31〜60:掛り(ゴールのコンマ判定に-25の補正)
61〜90:順調な出だし(ゴールのコンマ判定の補正なし)
91〜00:快走(ゴールのコンマ判定に+25の補正)
ゾロ目:補正効果1.5倍。マイナス補正の効果は消える。

――
下4 レース終盤のツインターボの調子

01〜25:好走(ゴールのコンマ判定の補正なし)
26〜50:末脚(ゴールのコンマ判定に+50の補正)
51〜75:全身全霊(ゴール時のコンマ判定に+100の補正)
76〜99:これが諦めないってことだァ!Lv2発動(ゴールのコンマ判定に+200の補正)
00  :これが諦めないってことだァ!Lv4発動(ゴールのコンマ判定に+400の補正)
ゾロ目:補正効果1.5倍。

――

下5 ゴールイン 着順確定

――

▼作戦
●逃げ[A](補正:スピード、スタミナ)
補正がある能力値に+150

●先行[G](補正:スピード、スタミナ)
補正がある能力値-100
補正がない能力値-150

●差し[G](補正:スピード、スタミナ、パワー)
補正がある能力値-75
補正がない能力値-100

●追込[G](補正:パワー、根性)
補正がある能力値-100
補正がない能力値-150

▼着順決定
[ 下5のコンマ+序盤補正+中盤補正+終盤補正]=レース中達成値
[ウマ娘の能力値から賢さを除いた合計]=能力値参照値
【[レース中達成値]+[能力値参照値]+バ場補正/芝A(+100)+中距離適正A(+100)+やる気/絶好調(+100)=達成値】
達成値-(レース中全てのマイナス補正-賢さ)=最終達成値

最終達成値が1100を超した場合 1着
※(100超えるごとにバ身が1伸びる。報酬増)
最終達成値が1000を越した場合 2〜3着
最終達成値が900を越した場合  4〜5着(掲示板)
最終達成値が900を下回った場合 着外

※二回目のメイクデビュー。継続ラインを提示します。
継続ライン:〜3着

―――
遅めの時間の安価なので、連取は一度目の投稿から10分後から可能とします。
少し多めの安価になりますが、よろしくお願いします……!
156 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/19(土) 01:27:12.60 ID:cLiN9Ma70
(コピペして使いまわしてることが明確にわかる誤植ですね……。師匠の適正はナリタブライアン戦のものを参照しています。逃げ以外は全部Gです。訂正しておきます。安価は下です)
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/19(土) 01:29:01.94 ID:6CDUL6jZ0
コンマ高けりゃいいってもんでもない辺りが緊張感あるなー
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/19(土) 02:37:50.34 ID:WbJzsrWX0
大丈夫か?
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/19(土) 02:51:15.52 ID:WbJzsrWX0
やば
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/19(土) 03:23:49.76 ID:5ir30MwWO
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/19(土) 05:58:47.11 ID:AqmEBYU2O
どうだ
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/19(土) 08:38:31.40 ID:L93uO8xK0
あー…これって
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/19(土) 09:28:04.34 ID:bMugVOW2o
師匠ぉ……
164 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/19(土) 13:18:09.15 ID:cLiN9Ma70
▼レース展開
序盤(34):掛り(-25)
中盤(52):掛り(-25)
終盤(76):これが諦めないってことだァ!Lv2(+200)
着順決定:11
――――――――――――
[-25]+[-25]+[200]+[11]=161 レース中達成値


▼作戦:追込み
スピード:125(F)-150=1
スタミナ:92(G)-150=1
パワー:95(G)-100=1
根性:42(G)-100=1
賢さ:03(G)-150=1
――――――――――――
1+1+1+1=4 能力値参照値


▼着順
[レース中達成値:161]+[能力値参照値:4]
+[バ場補正/芝A:100]+[中距離適正A:100]
+[やる気/絶好調:100]
=465 達成値
―――――――――――――
[達成値:465]
[レース中全てのマイナス補正:402]
[補正後賢さ:1] 
―――――――――――――
[最終達成値:465+1]


よってツインターボ、着外――。
165 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/19(土) 13:27:35.68 ID:cLiN9Ma70
ジェミニ杯の方はいかがでしょうか。
私信ですが、当方は序盤の全敗をどうにかひっくり返してジェミニ杯オープンリーグBグループ1位になれました。
皆様のウマ娘のご健闘をお祈りしています。
この後少ししたら更新します。
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/19(土) 13:27:42.54 ID:L93uO8xK0
ストーリーラストのレースかなにか?(しろめ)
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/19(土) 13:43:45.22 ID:bMugVOW2o
ウマ娘かと思ってたらウイポだったか……
ススズ本当強過ぎィ
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/19(土) 13:46:49.97 ID:6CDUL6jZ0
2連続脚質でずっこけてるから次はマヤちん辺りのオールラウンダーでいきたいとこだの
いや俺のせいなんですけどね!
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/19(土) 13:50:01.02 ID:crxTVV/xo
ススズさんの異次元っぷりがわかる
170 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/19(土) 13:59:24.30 ID:cLiN9Ma70

 空は人の手が届かないほど高く広がっているように。海は人の手が届かないほど深く広がっているように。陸は人の手が届かないほどに大きく広がっているように。

 人にも。ウマ娘にも限界はある。

 トレーナーはまだ知らなかった。己に課されたループの宿命が、どれほどに重いものなのか。そして――その過程で、どれだけの絶望を垣間見るのかを。

―――

 パドックに入るや否や、ツインターボはきょろきょろとあたりを見渡す。

 自分より少し劣るウマ娘、自分より少し勝るウマ娘。精鋭中の精鋭が集まるとされるトレセン学園の生徒たちだけあって、力量の差はあれど全員レベルが高い。

 負けたくない。負けない。胸に秘めた熱情が燃え上がるように滾る。絶対に負けないという気持ちが、今にでも彼女の脚をゲートへと向かわせそうだった。

 煮えたぎる闘志。それを隠そうともしない彼女は、パドックに居るウマ娘たちに強い警戒心を抱かせた。彼女をどうにかしなければ、自分たちの輝かしいメイクデビューは……失敗に終わるという認識を。

 ヒトとは、出る杭を打つ生物である。そのことをツインターボは、レースで思い知ることになる。

―――

「各ウマ娘、今順調にゲートイン! この戦い、目が離せません――!」

 高らかに響くファンファーレと、観客の声援。音という音がバ場を支配し、埋め尽くす。――その後に訪れるのは静寂だ。耳が痛いほどの。

 ツインターボはそんな中で、やはり少し浮ついた心地にあった。自らの強さを証明するのはもちろんのことだが、これで勝つことができれば――きっとトレーナーはまた自分のことを褒めてくれるのだろう、と。

 もちろん勝っても負けてもトレーナーは褒めてくれるはずだろう、とはツインターボ自身も思っている。でもどうせならば――勝利を捧げたい。

 全力の意識を以て、ターボはスタートを待つ。一秒、二秒と時が過ぎ、一瞬にも永遠にも思える時が過ぎた時――ついにゲートが開かれる。

 ターフに足を叩きつけるように飛び出すターボ。だが、その脚はどこか空回りしていた。浮ついていたせいか、彼女の脚は不確かに地面を叩くばかり。速度が上がっていくが、しかしスタミナは急激に減少していく。

 周りのウマ娘たちも、彼女のことを少なからず研究していたらしい。彼女のペースをさらに狂わせるように緩急をつけたレース展開を繰り広げる。――そして、見事にツインターボは、惑わされた。

 いつもであれば快調に飛ばしながら最後のスタミナを振り絞って逃げ切りを狙う第四コーナー。視界の前には誰もいない。その事実が勝利の確信をターボに与えた。

 ……だが、そこまでだった。

 最終直線に差し掛かり、各ウマ娘が一斉にスパート。これまで力を温存していたウマ娘たちはいっせいに脚を伸ばし、ゴールへと食らいつかんと走っていく。

 一人、また一人と、ツインターボを追い抜くウマ娘たち。そこで初めて、自分の失策に気付いたツインターボだったが――もう遅い。

 脚が重く、体は鉛のように重い。何処までも逃げられると思っていたツインターボというウマ娘はしかし、今此処に、置いていかれている。

――孤独だった。

 そう理解した瞬間、恐怖した。負けてしまうことに――ではない。ただ、ただトレーナーの悲しそうな顔を思い浮かべてしまって。

 それが彼女にとって、酷く恐ろしいことのように感じた。以前まではこうではなかったはずなのに、どうしてこれほどに、失望の表情が痛いのだろう。苦しいのだろう。

 解らないことだらけだった。いずれわかるとも思えなかった。この痛みは、この苦しみは、いつだって彼女が自分で覚えるものではない。他者から与えられるものでしかないからだ。

 気付けば息はつまり、肺は潰れんばかりに稼働を続けていた。

 前方のウマ娘が蹴り上げた芝がひらひらとあたりに舞い、頬にくっつく。


(ごめん、ごめん……!)


 心の中で謝るツインターボ。しかし、思ったところで何も始まらない。願ったところで何も始まらない。だからそれは――いうなれば"逃げ"だった。

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