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【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」【安価】

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1 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/08(火) 01:09:00.54 ID:0Dx5gvhR0
【簡単なあらすじ】

憧れのトレセン学園のトレーナーになれたと思った主人公。
しかし、うまく担当ウマ娘を育てることができず、担当を外されてしまう。
目の前が真っ暗になり――次の瞬間には、トレセン学園の校門前。

疑問と困惑。日付を確認すると、メイクデビュー約五か月前。
あれ、これループしてね?

とりあえずトレーナーは現状を打破するために、ウマ娘の育成を決めたのだった。

――――――
【注意】
・ウマ娘公式が定めたガイドラインに違反しない程度に書きます。

>モチーフとなる競走馬のファンの皆さまや、馬主さまおよび関係者の方々が不快に思われる表現
>ならびに競走馬またはキャラクターのイメージを著しく損なう表現は行わないよう
>ご配慮くださいますようお願いいたします。
(ウマ娘公式サイトより引用)

・新人トレーナーなので、キャラ性を網羅していません。ご容赦を。

・SS初心者です。不作法などあったらすみません。何かありましたらご指摘いただけると幸いです。

・安価は1〜3くらい先に飛ばす予定です。

・仮に安価が一日待っても来なかった場合、ある程度勝手に進行します。

・その他補記すべきことがあれば、都度補記します。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1623082140
2 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/08(火) 01:12:36.54 ID:0Dx5gvhR0
トレーナー「目標不達成かなんかでウマ娘の担当外されたら目の前真っ暗になって、気付いたらトレセン学園の真ん前に居るんだけど……」

トレーナー「ま、いっか。多分育成しきれたら未来変わるかもしれないし」

トレーナー「じゃあ……まずは >>3 を育成するか!」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/08(火) 01:58:12.26 ID:77Hg9Cy00
スペ
4 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/08(火) 02:31:51.26 ID:0Dx5gvhR0

トレーナー「やっぱり素朴で言う事を聞いてくれそうな子がいいよな。幸先よく行きたいし」

トレーナー「……と、なると。スペシャルウィークあたりが妥当か」

トレーナー「日本総大将って響きがなんかかっこいいし、強そうだよな!」

トレーナー「さて、じゃあ早速――」

―――

 トレーナーはトレセン学園の門を叩き、扉を開く。
 眩いばかりの光がトレーナーの網膜を焼き、その視界を強制的にシャットアウトする。
……やがて目が開いた時飛び込んできたのは――あまりに広大な敷地に巨大な校舎、そして馬場。
 高らかに上がる、ウマ娘の気炎万丈たる喊声。それらに掛けられる野太い指示はトレーナーのものか。
 そんな雰囲気に圧倒される中、ふとトレーナーは馬場の影から彼らを覗き込んでいる姿を見る。

 ブルネットの髪に一筋、白い前髪。まん丸な紫の瞳。
 いかにも純朴そうな少女。彼女こそ、トレーナーが探し求めていたウマ娘――スペシャルウィーク。
 声をかけようとトレーナーが近づくも、気付く様子はない。
 小さく開けた口から、声とも音ともつかない吐息を――感嘆の息を吐いている。
 よほど中の様子に見入っているらしく、スカートが土で汚れていることにも気づいていなさそうだ。

―――

トレーナー(さて、どう声をかけようか――そうだ)

トレーナー「>>5
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/08(火) 04:01:15.18 ID:77Hg9Cy00
こんにちは。僕もご一緒していいかな?

時間帯もアレやし人おらんな
6 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/08(火) 04:30:27.07 ID:0Dx5gvhR0
トレーナー(ここは気さくに、警戒心を持たれないように……)

トレーナー「こんにちは。僕もご一緒していいかな?」

―――

 限りなく柔和に、だが軽く感じられないように。
 スペシャルウィークの後ろから話しかける。
 反応は劇的。彼女は跳ねるように驚き、飛ぶように後ずさった。
 警戒するようにしっぽが逆立つ。一瞬トレーナーを見たかと思うと、訝しげに彼女は問うた。

―――

スペ「だ、だ、誰ですか貴方?!」

トレーナー「おおっと、怪しいものじゃない。ほら、これ」

スペ「確かに、これはトレセン学園の……。じゃあ、トレーナーさん……なんですね?」

トレーナー「その通り!」

―――

 そう呟いた時、一陣の風がトレーナーの頬を掠めた。
 否、それはただの風ではない。
 地を疾駆し、天をも駆けんとする少女たちが起こす、自身の存在証明。
 馬場から数メートルは離れているのに、しかしトレーナーの頬をも掠める彪風こそ、スペシャルウィークが見つめていたもの。
 やがて彼女が至るべき、戴きの風。高らかに響く勝利の喊声は、トレーナーの、スペシャルウィークの耳朶を揺らす。

―――

トレーナー(見惚れるほどの、速度だ)

トレーナー(そこに何故という説明なんていらない。その速さがあるだけで、僕達はきっと魅了されてしまう。そんな速さ)

トレーナー(…………導きたい)

トレーナー(彼女を頂きへ、この高揚の果てに……!)

トレーナー(スペシャルウィーク、彼女にはその素質がーーW強さWがある)

トレーナー(さぁ、なんと声を掛けようか)

トレーナー「>>7



7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/08(火) 05:49:22.79 ID:ptultCl9O
日本一を目指さないか?
8 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/08(火) 12:20:49.35 ID:nS+5yABP0

トレーナー「日本一を目指さないか」

ーーー

ーーそれは、雷鳴の落ちるような衝撃だったに違いない。
 それほどに、唐突に放たれた言葉は重かった。……視線を思わず釘付けにするほどに。
 喊声鳴り響く馬場で、しかしその声はあまりに大きくスペシャルウィークの耳に届く。
 日本一……と蕾がほころぶように、唇から息と音が漏れだした。
 その言葉は彼女の誓いであり、原風景の1つ。お母ちゃんと約束した、違えることは出来ない、したくない約束。
 目の前の人物が信用に足るかは、スペシャルウィークには分からない。ただ、瞳に宿る熱量は、自分のそれと同等に思える。
 彼女が日本一という言葉に抱く憧憬と熱量ーー。それこそが今、彼女の気持ちを、まだ何も分からないながらもひとつの結論に帰結させた。

ーーー

Chapter1.スペシャルウィークとの出会い

ーーー

トレーナー「あれから一週間が経った」

トレーナー「正式にスペシャルウィークは僕の担当ウマ娘となり、今はメイクデビューに向けての調整中だ」

トレーナー「さて、今日はどんな練習をしようか」

練習内容>>9
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/08(火) 12:28:12.70 ID:2m1ymIWoO
スピード
10 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/08(火) 13:39:08.22 ID:nS+5yABP0



トレーナー「速度こそ命、命こそ速度。やっぱりウマ娘と来たら速さだよな」

トレーナー「という訳だスペシャルウィーク、今から走り込みするぞ!」

スペ「はい!」

ーーー

▼スペシャルウィークのスピードがFに上がった!

ーーー

トレーナー「……ラスト1ハロン!」

スペ「はいっ……!」

トレーナー(速い……が、やはりまだまだ発展途上、だな。誰かに併走してもらえれば、実力も上がるのかもしれないが……)

トレーナー(そういえば、近くには色んな興行施設があるらしいし、そこに行けば誰かと会えるのかもしれない。頼み込めば併走も叶うかもしれない)

トレーナー(どこに行こう……)

どこに行く? >>10
誰と出会う? >>11

ーーー
※ゲームのように数値を上昇させた上で段階ごとに評価する手も考えましたが、管理が難しいので、練習するとその能力値の評価が上がる感じにします。
※展開が間延びしている気がするんですが、如何でしょうか。もう少し早い方が良いでしょうか?よろしければご意見を頂戴したく。
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/08(火) 13:41:24.14 ID:YZ8t1qTAO
コンマも適宜使うといいかもね
プール
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/08(火) 13:41:41.48 ID:3OQs/sJjO
本屋
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/08(火) 13:42:19.31 ID:dabx5ew6O
ウイニングチケット
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/08(火) 13:53:24.72 ID:77Hg9Cy00
レースとかイベントでもコンマで能力上昇、とかあってもいいかもしらん
最後まで書いてくれるなら地の文はうれしい
15 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/08(火) 14:52:28.39 ID:nS+5yABP0
こんにちは。先程の安価ミスってたので、今回は先着順で対応します……!送っていただき感謝……ッ!

能力値上昇分については皆様の意見を踏まえ
・練習すると特定の能力値が安価先コンマ分上昇する
・レースやイベントでは能力値を1段階上昇させる(場合による)
と致します。ご意見ありがとうございます。

展開についてご意見ありがとうございます。完結までのプロットは出来ており、そこそこ長くはなるかもですが、完結させていきたいと考えています。
冗長に感じられるかもしれませんが、当面はこれくらいの展開スピードでやっていこうと思います。

改めて、読んでいただいてありがとうございます。次回更新は多分夕方です。よろしくお願い致します。
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/08(火) 15:51:56.88 ID:aRK+TufGO
育成2人目3人目の予定はあり?
17 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/08(火) 16:48:17.54 ID:nS+5yABP0
>>16

あります。割と短いスパンで回す感じになるのかな……と思います。筆が乗って伸びることはあるかもですが。
18 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/08(火) 18:45:51.14 ID:0Dx5gvhR0
トレーナー(今のスペシャルウィークに不足しているものが何か、と問われれば、それはきっとありとあらゆるもの、と答えることができるはずだ)

トレーナー(だけど、一度にすべての問題を改善することはできない。そう、地道に――地道に行くべきだ)

トレーナー(中距離、長距離を制するには何を置いてもスタミナが必要だ。そう考えると、高負荷状態で鍛錬しているウマ娘がいれば、スペシャルウィークにとってもいい刺激になるはず)

トレーナー(と、なると向かうべきは……)

トレーナー「スペシャルウィーク、今から時間空いてるか?」

スペ「はい、まだ夕ご飯までは時間がありますから!」

トレーナー「少し考えがある。プールに来てくれないか?」

スペ「……プール? えっと、何をするつもりですか?」

トレーナー(……訝しまれている。さすがに出会いが出会いだからしょうがないが――ここは本心を話すことにしよう)

トレーナー「……スペシャルウィーク、今の君に足りないものは何だと思う?」

スペ「……いきなりどうしたんですか?」

―――

 そう言いながらも、スペシャルウィークは目を細めて黙り込む。
 その様子は悩んでいるようにも見えるし、どこかを見つめている――あるいは、思い出しているようにも見えた。

 風が吹いて、ブルネットの髪が揺れる。僅かに汗と、制汗シートのシトラスが、二人を何時かの光景に連れていく。
 二人が出会った日。日本一を目指さないかと声をかけ、掛けられた日。
 あの日のことを思い出して――そして、スペシャルウィークは確信めいて、ぽつりとつぶやいた。

―――

スペ「全部、です」

スペ「あの日見てたウマ娘さんは、今の私なんかよりとても速かったです。風を切って……いや、まるで風みたいに! びゅん、って走ってました。でも、それだけじゃありません。力強さも、スタミナも、知識も――全部全部、凄いんです」

トレーナー「……そうだ。今の君に足りないものは、力強さであり、スタミナであり、知識であり、根性であり、賢さであり、スピードでもあり――つまりすべてだ」

スペ「そう、ですね」

トレーナー「でも、逆にこうも言える」

トレーナー「――君には、全てを育むことができる、権利がある」

トレーナー「あふれんばかりの未来がある」

トレーナー「……プールに行く理由は、スペシャルウィーク、君の将来のヴィジョンを定めるためだ」

スペ「将来の、ヴィジョン……」

トレーナー「君の脚はどんな足なのか、僕たちがデータで得ている資質以上に、スペシャルウィークが知っている自分についての情報以上に、きっと可能性があるはずだ」

トレーナー「だから、まずは先輩のことをよく観察するんだ。あわよくばその技を盗んで、自分のものにする」

トレーナー「……語りすぎたけど、まぁここ辺りがプールに行く理由かな」

―――

 トレーラーがそういうなり、スペシャルウィークは大きくうなずいて、自分の部屋へと戻っていく。
 数分後、準備を整えたスペシャルウィークとトレーナーは、学内に敷設されているプールに向かうのだった――が。

―――

チケゾー「う゛わ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ん゛!!! タイシンのバカぁーーーッ!」

トレーナー(……なんとも情けない声に、出迎えられてしまった)

ウイニングチケットから何を学ぶ? >>19
スピード/スタミナ/パワー/根性/賢さ/スキル

※安価先のコンマの数値によって獲得できる報酬が増減する。(10刻み。高いほうがより良い報酬を得ることができる) 
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/08(火) 18:48:39.82 ID:06Jar1zxo
根性
20 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/08(火) 21:47:15.26 ID:0Dx5gvhR0
トレーナー「……なるほど、ナリタタイシンと特訓の約束をしていたらすっぽかされた、と」

チケゾー「そうなんだよぉーっ! アタシ……アタシ約束じでだのにーーーッ!!!」

スペ「あはは……」

トレーナー(苦笑を浮かべたくなる気持ちは良く解る……けど、世に聞こえるナリタタイシンであっても約束をすっぽかすことはないんじゃないか……?)

トレーナー「ウイニングチケット、君がナリタタイシンと約束をしたのはいつの話だ?」

チケゾー「え……? 今日の朝だけど、トレーナーさんがどうしてそんなこと気にするの?」

トレーナー「なんとなく、ウイニングチケットの悩みに協力してあげようかな、と思って……」

スペ「わ、私も協力しますよ、チケゾーさん!」

チケゾー「本当……? う゛ぁ゛ぁ゛ぁあ゛り゛か゛と゛う゛ーーーーッ!」

トレーナー(さて、とはいえなんとなく背景は察した……)

トレーナー(ナリタタイシンといえば小柄かつ小食で有名だ。体調を万全に整えるにもかなりの気遣いが必要な、繊細なウマ娘……)

トレーナー(ナリタタイシンの出走予定を考えれば、この時期に彼女の調整を行っていることは、まず考えられない。とすれば――彼女の体調は悪いとは言わないまでも万全ではない)

トレーナー(つまり――)

トレーナー「とりあえず、一度校舎に戻ってみよう」

スペ「え? 校舎にですか?」

トレーナー「ああ、なんとなくだけど、校舎に行けば解決しそうな気がするんだ」


―――

 直感に従って動いているのだろうか。スペシャルウィークはふと思う。
 確かにトレーナーは、今まで直情的に動くこともあった。
 出会いなど特にそうだった、と走りながらスペシャルウィークは心中で頷いた。

 それにしても、ちょっときついかも。――そう思った瞬間、スペシャルウィークは自らの不出来に気付いた。

 先頭を走るウイニングチケット……彼女のペースに飲み込まれ、ペース配分を考えればあり得ない速度で走っていたのだ。
 いかに学園内の移動といえど、トレセン学園は通常では考えられないスケールで作成されている。
 当然だが、走って移動する場合はペースを考えなければすぐにばててしまう。
 次第に息が荒くなっていく。
 酸素が不足して白む視界。覚束なくなりそうな足取り。歯を食いしばって、意識を保とうとする。体が重い。脚が軋む。自分の体が、だんだんと自分の制御下を離れていく感覚。

――スペシャルウィークとウイニングチケットが校舎にたどり着くころには、スペシャルウィークのスタミナは尽きてしまっていた。

―――

トレーナー(学内移動に乗り物を使わなきゃいけない学校イズ何……)

トレーナー(……と、あれ? スペシャルウィーク、なんか疲労してる……?)

トレーナー「おーい、大丈夫か?」

スペ「と、とれーなぁ……さん……。すみません……」

トレーナー(ウイニングチケットが近くに居ない。保健室の方が騒がしいところを見ると、氷嚢か何かを取りに行ったんだな)

トレーナー(……なるほど、まんまとペースに乗せられたわけだ)

トレーナー「なんとなく理解したか? これが先輩の力だ」

スペ「……ふぅ。はい、あの爆発的な速度、それを保ち続けるスタミナ。さすがです……!」

トレーナー「……頑張らなきゃな」

スペ「……。はい!」
21 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/08(火) 21:47:56.84 ID:0Dx5gvhR0
―――

 その後ウイニングチケットが氷嚢を持ってきたところで、この事態は収束する。
 校舎の柱からこっそりと、ナリタタイシンがこちらを見ていたのだ。
 それをウイニングチケットが驚異的な観察眼で発見。
 紆余曲折合って引っ張り出されたナリタタイシンに聞けば、そのような約束はしてない、と答えた。
 
 やっぱりな、とトレーナーは一人ごちる。
 そもそも意識もはっきりとしていない朝に、何を言われたか覚えている人間の方が少ない。ウマ娘にも違いはないだろう。
 特に小食なナリタタイシンならば、エンジンがかかるのも遅くなるのも道理。色々と不幸な事故が重なって、ウイニングチケットが一人取り残される羽目になったのだ。

―――

トレーナー「意思伝達の重要性が理解できたな」

スペ「……はい」

トレーナー「……スペシャルウィーク、どうした?」

スペ「……なんだか、すごいなぁって」

トレーナー「……」

スペ「チケゾーさんたち先輩もそうだけど、トレーナーさんも。その、しっかりいろんなことを考えているんだな、って」

トレーナー「……遠回しにバカにしてないか?」

スペ「ば、バカにしてないですよ! でも、その……ここ一週間というか……出会いが衝撃的だったから……」

トレーナー「……。まぁ、そうかもしれないが。仮にもスペシャルウィークのトレーナーだからな。君のことであれば、常に考えている」

スペ「……! そう、ですか」

スペ「あの、トレーナーさん」

トレーナー「なんだ?」

スペ「私、もっと強くなりたいです。強くなって……日本一のウマ娘になって、お母ちゃんに勝ったよ! って言いたいです……!」

トレーナー「そうか」

―――

「だから、その……」

 スペシャルウィークは、ふと振り返る。
 夕暮れの空が長い影を作り、まるでトレーナーの影を踏むように、彼女はステップした。
 そして、どこまでも真剣な表情で――一方でワクワクしているようにも見える表情で――、笑う。

「よろしくお願いしますね、トレーナーさんっ!」

 それは、花の弾けるような、笑みだった。

―――
22 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/08(火) 21:56:51.19 ID:0Dx5gvhR0
▼スペシャルウィークの根性が80上昇した!

▼根性が180になった

▼[食い下がり]を習得した!


■[スペシャルドリーマー]スペシャルウィーク
スピード:100(F)
スタミナ:88(F)
パワー:98(G)
根性:180(F)
賢さ:91

[固有スキル]
シューティングスター lv 1
[スキル]
食い下がり

―――

トレーナー「……さて、そろそろメイクデビューの時期だな」

トレーナー「今日は何をしようか」

今日は何をする? >>23
トレーニング/お出かけ/休憩/その他(良識の範囲内で自由に)
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/08(火) 22:00:19.02 ID:bKmSOHqp0
G1レースを見に行く
24 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/09(水) 01:53:09.46 ID:cq4jTXCQ0

トレーナー(そうだ、G1に行こう)

トレーナー「そうだ、G1に行こう」

スペ「トレーナーさん?!」

トレーナー「G1だよG1、スペシャルウィークもわかるだろ?」

スペ「それはまぁわかります……けど、唐突ですね?!」

トレーナー「あのな、こういう時に使える日本語があるんだ」

スペ「……それは?」

トレーナー「百聞は一見に如かず! さぁ行くぞ!」

―――

 四月後半、一帖の盾を巡って有力なウマ娘が集うレース。
 名をば天皇賞。3000mにも及ぶ長大なコースを、足自慢のウマ娘が駆け抜ける、日本最高峰と呼び声高いレースだ。
 当然ながらウマ娘のレベルも非常に高い。何せ競馬に触れたことがない一般人ですら名前を知っている名馬がそろい踏みで出てくるレースである。低い訳がない。
 だからこそトレーナーはスペシャルウィークを連れてきた。
 百聞は一見に如かず。だが、一見でもビデオ越しと生では大きく異なる。
 その一つが、今二人の頭上から降り注いだ、割れんばかりの声援。
 まるで轟雷。さながら大地の奏でる旋律。ともすれば応援している人間が燃え上がってしまうほどの、壊滅的な熱量。

 人を熱くさせる戦い――否、人を狂わせる戦いのそれを、スペシャルウィークはただただ呆然と見つめていた。
 そして、今自分が立っている場所に気付いて、思わず深い安堵の息を吐いた。
 天皇賞という文字は、ウマ娘にとって非常に重い。だが、その文字以上に――埋め尽くさんばかりの人、そして人々が寄せる期待。

――まさに、重圧(プレッシャー)。

 スペシャルウィークはその渦中に自らがいないことを、今は幸運にしか思えなかった。
 いずれ立つ舞台なのだろう。いずれは走らなければならない馬場なのだろう。そう考えると、スペシャルウィークの体はいやに寒くなり、震える。

―――

トレーナー(雰囲気に気圧されてるな。やはりG1は違う)

トレーナー(最高峰のレースだ。そのどれもが出場するウマ娘にとって名誉であり、誇りであり――同時に重圧だ)

トレーナー(ビデオで見るだけでは伝わらない。それが馬場の持つ雰囲気やこの熱量。だからこそ一度味わってほしかった)

トレーナー「スペシャルウィーク」

スペ「……」

トレーナー「スペシャルウィーク?」

スペ「……あの、トレーナーさん」

トレーナー「……なんだ?」

スペ「……此処に、将来立つかもしれないんですよね」

トレーナー「……。ああ」

スペ「…………そっかぁ」

スペ「……今、私――凄く震えてる」

スペ「これが恐怖……? いや、違う……。これはきっと、多分……」

―――

 声をさえぎるように、ファンファーレが鳴り響く。
 最後に呟いた言葉が何か、トレーナーにはわからない。
 だが、その目に宿る熱量が、その発言が決してネガティブなものではないことを物語っている。
 トレーナーは小さく安堵の息をつき、スペシャルウィークを席へといざなう。
 パドックでは既に各ウマ娘が思い思いの行動に移っている。

―――

スペ(……あの人、あの人の走りが見たい――)

―――

 スペシャルウィークは、星に導かれた光のように、>>26 から目が離せなかった。
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/09(水) 04:32:23.81 ID:mkCwaWgU0
だれじゃー
安価下
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/09(水) 05:47:21.20 ID:UFmaX7xlO
スズカ
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/09(水) 07:35:40.36 ID:fEzbyvAjo
???????「私は……?」
28 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/09(水) 18:22:47.22 ID:cq4jTXCQ0
お疲れ様です。
ウマ娘初めて一週間経って、ようやく当初気になっていたメジロマックイーンが入手できたので、そちらの育成にかまけています。
更新がちょっと遅めになるかもしれません。(自分語りです、すみません……)

実はと言うかスペシャルウィーク、ストーリーとサポート、あと育成でちょこっと顔を見たくらいで何もわからないまま書いてたりします……設定の齟齬とか細かい差異とかあったら申し訳ないです、今頑張って解像度を高めてる最中なので……!
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/09(水) 18:40:19.97 ID:K33acIDL0
ススズは春天勝てるかなぁ……史実的に言えば2400のダービーですらボロ負けだったわけだが…
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/09(水) 20:05:32.68 ID:2lehRHIKo
あの鞍上の人が3200でも勝てると当時言ったくらいだから、ポテンシャルはあったと思う
31 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/09(水) 23:33:55.27 ID:cq4jTXCQ0
お待たせしました……!
無事にエルコンドルパサーの育成が終わったので今から更新します……!
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/10(木) 00:11:28.44 ID:Vs8XGtUqo
おけー
33 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/10(木) 00:27:35.52 ID:DxMttZ320
――異次元の逃亡者。

 世界を切り開くが如きスピード。
 第四コーナーを回り、最後の直線でなおも加速する、異次元の末脚。
 先頭の景色を誰にも譲らず駆け抜けていく彼女を、人々はそう呼んだ。
 遠距離に適性がないのか、それとも今まで隠されていたのか。彼女――サイレンススズカが長距離のレースに出てくることは、今まで一回もなかった。
 それがここにきての出走。観客も沸かずにはいられない。

―――

スペ「スズカ先輩……」

トレーナー(あれはサイレンススズカじゃないか……。こんな長距離を走らせて大丈夫なのか? なんにせよ見ものだな)

トレーナー「……気になるか、”異次元の逃亡者”が」

スペ「……はい。それに、マイルや中距離に強いスズカ先輩が長距離でどこまで通用するのかも気になりますね」

トレーナー「僕も、周りのみんなも同じ気持ちだ。それだけの実績が、あのウマ娘にはある。”一芸に秀でる者は万芸に通ずる”とも言うしな」

スペ「頑張ってください、スズカ先輩――っ!」

トレーナー(……とは言ったものの、やはり彼女の適正はマイルや中距離。長距離では彼女自慢のスピードも、異次元のノビもどこまで通用するかわからない。もしかすると通用しないかもしれない)

トレーナー(だが、これから様々な壁にぶち当たるスペシャルウィークにとって、挑戦するウマ娘の存在は大きな光になるはずだ。それが彼女が憧れてるっぽいサイレンススズカならなおさら)

トレーナー(……意気軒昂の為にも、ぜひ勝ってほしいものだけど)

―――

 ナレーションが高らかに響き、パドックに居たウマ娘が続々とゲートインする。
 いずれも名だたる名馬だ。ゲートインするだけでも大きな歓声が上がり、拍手が響く。
 レースに向けて神経を集中させるウマ娘。彼女らの調子に乗せられるように、観客もまた、水を打ったように静まり返る。
 数秒。息遣いしか聞こえてこない静寂。――そして、爆発。
 ゲートが開かれ、せき止められた水のように一斉にウマ娘が駆け出していく。

―――

トレーナー(さて、出だしは上々。どうなるかな)

―――
34 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/10(木) 00:28:32.26 ID:DxMttZ320

下1 レース序盤のサイレンススズカの調子(コンマ)

01〜10:出遅れ(ゴールのコンマ判定に-50の補正)
11〜20:掛り(ゴール時のコンマ判定に-25の補正)
21〜30:順調な出だし(ゴールのコンマ判定の補正なし)
31〜40:コーナー巧者発動(ゴールのコンマ判定に+25の補正)
41〜50:シックスセンス発動(ゴールのコンマ判定に+50の補正)
51〜60:逃げけん制発動(中盤のコンマ判定を一段階上のものに上げる)
61〜70:直線加速発動(ゴールのコンマ判定に+75の補正)
71〜80:円弧のマエストロ発動(中盤のコンマ判定を二段階上のものに上げる)
81〜90:先頭プライド発動(ゴールのコンマ判定に+100の補正)
91〜00:先頭プライド、シックスセンス発動(ゴールのコンマ判定に+150の補正)
ゾロ目:補正効果1.5倍。マイナス補正の効果は消える。
―――

下2 レース中盤のサイレンススズカの調子(コンマ)
01〜10:ブロック(ゴールのコンマ判定に-50の補正)
11〜20:掛り(ゴールのコンマ判定に-25の補正)
21〜30:好走(ゴールのコンマ判定の補正なし)
31〜40:逃げ焦り発動(ゴールのコンマ判定に+25の補正)
41〜50:尻尾上がり発動(ゴールのコンマ判定に+50の補正)
51〜60:前途洋々発動(中盤のコンマ判定を一段階上のものに上げる)
61〜70:曲線のソムリエ発動(ゴールのコンマ判定に+75の補正)
71〜80:鋼の意思発動(中盤のコンマ判定を二段階上のものに上げる)
81〜90:ハヤテ一文字発動(ゴールのコンマ判定に+100の補正)
91〜00:ハヤテ一文字、尻尾上がり発動(ゴールのコンマ判定に+150の補正)
ゾロ目:補正効果1.5倍。マイナス補正の効果は消える。

―――

下3 レース終盤のサイレンススズカの調子(コンマ)

01〜33:好走(ゴールのコンマ判定の補正なし)
34〜66:末脚(ゴールのコンマ判定に+100の補正)
67〜99:先頭の景色は譲らない…!Lv1発動(ゴール時のコンマ判定に+150の補正)
00  :先頭の景色は譲らない…!Lv3発動(ゴール時のコンマ判定に+300の補正)
ゾロ目:補正効果1.5倍。

―――

下4 ゴールイン 着順確定
[ 下4 のコンマ+序盤補正+中盤補正+終盤補正]=達成値
達成値+逃げ適正A(+50)+バ場補正/芝A(+50)-長距離適正E補正(-150)=最終達成値

最終達成値が300を越した場合  1着
最終達成値が275を越した場合  2〜3着
最終達成値が250を越した場合  4〜5着(掲示板)
最終達成値が250を下回った場合 着外

―――

連続で4つ安価を出しますが、何卒宜しくお願い致します……!
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/10(木) 00:33:29.98 ID:Vs8XGtUqo
逃げろ逃げろ
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/10(木) 00:35:07.25 ID:lppzZ4J4o
時間的に厳しくない?
ある程度経ったら連投するわだめならずらしてくれ
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/10(木) 01:15:16.81 ID:lppzZ4J4o
二回目
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/10(木) 01:28:08.97 ID:ksUU/Ftx0
ほなラスト
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/10(木) 01:54:00.58 ID:4MexIvEZ0
強すぎて草
40 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/10(木) 04:04:10.05 ID:DxMttZ320
■結果
・序盤(98)
先頭プライド、シックスセンス発動(+150)

・中盤(25)
好走(±0)

・終盤(81)
先頭の景色は譲らない…!発動(+150)

・着順確定(97)
97+150+0+150=397
397+50+50-150=347

結果……サイレンススズカ1着!

ーーー

※安価連取の想定をしていませんでした。20分くらいの間を置いていただければ連取りしていただいても構いません。
※このサイトに来て日が浅いのでよく分からないのですが、やはり〜23:00くらいまでがピークなのでしょうか?
※本文は本日の夕方になるかも。
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/10(木) 07:37:40.83 ID:lppzZ4J4o
おつおつ
対応ありがとうね
1時過ぎると流石に人減るんじゃない?と思った次第
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/10(木) 12:59:03.24 ID:D9TvKW8MO
異次元の強さや
43 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/10(木) 14:35:09.92 ID:Ar/XhrKRO


「先頭はサイレンススズカ! 譲らないっ! 追いすがるマンハッタンカフェ! 逃げるサイレンススズカ! 第4コーナー回って最後の直線、サイレンススズカが逃げ切ってーー今1着でゴールッ!!!」

 腹の底を突き破るような歓声が響いた。
 サイレンススズカに長距離は難しいーーそう考えていた人々の思惑をも、異次元の逃亡者は追い抜いて行った。
 結果は2位と3バ身差をつけた1着。改めてその力を見せつけたサイレンススズカは、大勢のスズカコールを受けながら手を振っていた。

ーーー

スペ「スズカさん、勝っちゃいましたよ……?」

トレーナー「…………勝ったな」

スペ「スズカさん買っちゃっいましたよ?!」

トレーナー「なんで勝てたんだろうな?! 本当に快挙だと思うぞ!!」

スペ「流石スズカさんです……!」

トレーナー(この会場のどこを見ても、同じような反応が帰ってくるだろう。流石にこれは誰も予想していなかったーー)

トレーナー(異次元の逃亡者は、長距離にも健在かーー。その事実が、どれだけのウマ娘を絶望に追いやり、あるいは希望を持たせるのだろうか)

トレーナー(……まぁ、今はスペシャルウィークがやる気を出しているようだからそれでいいか)

スペ「トレーナーさん! こうしちゃいられません! 帰ってトレーニングしませんか?!」

トレーナー「ああ、そうだなーー」

スペ「よーし、私もけっぱるべーッ!」

下1 リザルト
※コンマが高ければ高いほど良いスキルを習得する。
※サイレンススズカ1着のため、判定に+50の補正。
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/10(木) 14:39:50.11 ID:yn31WsVVo
これはSランスズカ
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/10(木) 14:48:46.30 ID:4sI2vdF4O
ゾロ目はなんかあるかな
46 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/10(木) 15:20:51.40 ID:Ar/XhrKRO
ゾロ目の時は基本的にイベントを入れます。
リザルトの詳細については夕方までお待ちを……!
47 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/10(木) 18:29:31.16 ID:DxMttZ320
【リザルト】

▼ハヤテ一文字 習得!

▼やる気が上がった。(現在のやる気:好調)

▼因子[スピード★☆☆]を獲得した


■[スペシャルドリーマー]スペシャルウィーク
スピード:100(F)
スタミナ:88(F)
パワー:98(G)
根性:180(F)
賢さ:91(G)
やる気:好調

[固有スキル]
シューティングスター lv 1(レース終盤に選択肢追加:ゴールの判定に+150の補正)
[スキル]
食い下がり(中距離レース時、マイナス補正を低減する)
ハヤテ一文字(最終判定に無条件で+100の補正)

※コンマぞろ目なのでイベントが発生します。

―――
下1 どんなイベントが起きる?
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/10(木) 18:34:37.42 ID:BwdUNq7/O
ウィニングライブの特等席を取れる
49 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/10(木) 19:21:18.00 ID:DxMttZ320
スペ「……! と、トレーナーさんっ!」

トレーナー「ぉう?! いきなりどうしたんだ、服引っ張って」

スペ「ウイニングライブ!」

トレーナー「ああ、サイレンススズカのウイニングライブか。それがどうかしたのか?」

スペ「取れたんですよ……」

トレーナー「おお、席が取れたんだな。そりゃよかった――」

スペ「それも特等席です!」

トレーナー「うんうん、よかった……って、えぇ?!」

トレーナー(サイレンススズカが伝説的偉業を果たしたレースのウイニングライブ、それだけで価値のある経験なのに――寄りにもよって特等席って……)

トレーナー「運が良かったな!」

スペ「――はいっ!」

―――

 その後に行われたサイレンススズカのウイニングライブは、ウマ娘の歴史に残る盛況ぶりで幕を開いた。
 あまりに美しく、それでいて力強い歌声。普段のトレーニングで鍛えられた足腰とスタミナによる、どこまでも律動的なダンス。
 ウマ娘であれば誰もが憧れてしまうほどの光景がそこにある。
 スペシャルウィークも、トレーナーも。いや、この会場のいる全てのウマ娘ファンが、彼女の歌声とダンスに酔いしれた。
 最後の一声が会場を支配し、静寂が訪れる。――数秒後。レースが終了した時よりもなお大きい声援が、会場を満たしたのだった。

―――
▼スペシャルウィークのやる気が上がった!
50 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/11(金) 03:55:03.68 ID:CF0co4jI0
トレーナー「昨日のG1、スペシャルウィークにとても大きなものをもたらしたはずだ。あの経験は、きっといつか役に立つ――!」

トレーナー「さて、もうトゥインクルシリーズの幕開けは間近だ。何をしようか……」

今日は何をする? 下1
トレーニング/お出かけ/休憩/その他(良識の範囲内で自由に)

※一連のイベントが終了し次第、メイクデビューに移ります。
※メイクデビューが終了し次第、イベントが発生します。
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/11(金) 04:03:16.30 ID:OhYB9cm20
トレーニング
52 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/11(金) 22:17:34.85 ID:CF0co4jI0
トレーナー「メイクデビューも近い。ここで僕たちにとって必要なものは――ずばり」

スペ「ずばり……?!」

トレーナー「地道な練習だ」

スペ「えぇーっ?! ここは何か、こう……でっかいことやるぞ〜! っていうところですよね?!」

トレーナー「知らん、第一でっかいことならこの前やっただろうが」

スペ「えっと……? 記憶にない、んですけど?」

トレーナー「サイレンススズカが」

スペ「うわぁ、日本人っぽいやりとりだ……」

トレーナー「……。兎にも角にも、僕たちに不足しているもの――それは地力だ! よって今からトレーニングを行うぞ!」

スペ「うぅ、なんだかやり込められてしまった気分です……。でも、確かにトレーナーさんの言う通りです。基礎が足りていない気がします……!」

トレーナー「よし、じゃあ早速トレーニングをしようじゃないか」

―――

下1 トレーニングの内容
スピード/スタミナ/パワー/根性/賢さ

下2 トレーニングの効果量(コンマ)
ゾロ目は追加で安価 安価先コンマの数が大きければ大きいほどより良いプチイベントが発生する。

―――
すみません、お待たせしております……!
セイウンスカイの育成が楽しくて更新が滞っておりました……!
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/11(金) 22:36:40.97 ID:T0NhcdL4O
パワー
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/11(金) 22:36:51.87 ID:1eCpeEDoO
賢さ
55 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/11(金) 23:01:08.58 ID:CF0co4jI0
トレーナー「というわけで、今回はパワーを重点的に鍛えていこうと思う」

スペ「パワー、ですか」

トレーナー「スペシャルウィークもそうだが、君たちの世代には有力なウマ娘が多数在籍している。エルコンドルパサー、セイウンスカイ、キングヘイロー、グラスワンダー……。いずれも名だたる名馬だ」

スペ「確かに、みんなは強力なライバルです……」

トレーナー「そんな環境下だから、君たちは注意すべき存在となる。つまり、君たちはブロックされやすくなる――。道理としてはこうなるが、わかるか?」

スペ「……はい」

トレーナー「だからこそパワーだ。力イズパワー。ユー・コピー?」

スペ「……? よくわかりませんが、はい!」

トレーナー「そこはアイ・コピー!だ」

スペ「???????????????」

―――

 トレーナーに連れられてやってきたのは、トレセン学園の一角に存在するトレーニング用の黄土色の馬場――つまりはダートである。
 しっかりと体をほぐすように言われ、スペシャルウィークはしっかりと柔軟をこなす。

――ウマ娘の身体能力は人間より格段に上であるが、それ故に高負荷がかかるとケガをしやすくなる。

 いわば普通車にマッハエンジンを積んでいるようなものだ。トレーナーは十分にそのことを承知している。むろんだが、ウマ娘本人も。
 体をほぐし終えたスペシャルウィークがダートへと駆け出す。もちろん依頼などはしていないので、並走する相手もいない。
 周囲との差――同学年のウマ娘との差が分かりにくい練習だった。それにもかかわらず、トレーナーはその走りに戦慄の感情すら抱く。
 さすがに、天皇賞・春のサイレンススズカに比べれば見劣りはするものの、もはや同年代のウマ娘とは比べがたい力量となっている。
 何が彼女をそうさせたのか――それはきっと、サイレンススズカの姿なのだろう。トレーナーは一人ごちり、練習の風景を粛々と眺めていた。

「来週のメイクデビュー。一体どうなることやら――」

―――

▼スペシャルウィークのパワーが87上がった!

■[スペシャルドリーマー]スペシャルウィーク
スピード:100(F)
スタミナ:88(F)
パワー:98(G)→185(F)
根性:180(F)
賢さ:91(G)
やる気:絶好調

[固有スキル]
シューティングスター lv 1(レース終盤に選択肢追加:ゴールの判定に+150の補正)
[スキル]
食い下がり(中距離レース時、マイナス補正を低減する)
ハヤテ一文字(最終判定に無条件で+100の補正)

[因子]
スピード★☆☆

56 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/11(金) 23:50:39.50 ID:CF0co4jI0
――五月某日。

 春が過ぎ、梅雨に差し掛かろうかという時期。
 天津神がこの戦いを見定めんと睥睨しているかのように、余りにあっぱれな晴れ模様がターフを照らしていた。
 トレーナーとスペシャルウィークは、青々と茂る芝の美しさに目をやりながら談笑していた。

「ついにメイクデビューだな」
「ど、どうしよう……! なんだか緊張してきました……!」
「……はは、大丈夫大丈夫。よほどのことが無ければ勝てるさ」

 トレーナーは呵呵大笑とスペシャルウィークの言を笑い飛ばす。
 スペシャルウィークは、そんなトレーナーの横顔を覗き込みながら頬を膨らませる。
 からかわれたかのように感じたからか、それともよほどのことが無ければ、という縁起の悪い言葉を使われたから、だろうか――。
 いずれにせよトレーナーにはわからない。だが、その言葉がスペシャルウィークの緊張を多少ほぐしたのは事実だ。
 いつもの素朴な表情を取り戻したスペシャルウィークは、トレーナーの意図をふと察してほほ笑んだ。
 ブルネットの髪が、そよ風に揺れる。

「トレーナーさん、ありがとうございます!」
「何のことだ?」

 トレーナーは飄々として言葉を受け流す。
 暖簾に腕押し。スペシャルウィークは、トレーナーのつかみどころのない立ち回りを奇怪に思いながらも、しかしその余裕ぶった態度に安心を覚えていた。
 今にでも口笛を吹いてやろうとする、少し髭の伸びた横顔。笑うと目のところにしわが寄って――ついでにからかうような言葉が飛んでくる。
 スペシャルウィークは、今までトレーナーとの間柄に関して、具体的な言葉を探すことをしなかった。――否、やろうとすら思わなかった。
 そんなことを考えなくても、トレーナーはトレーナーだったから。ただ――今ならば断定できる。スペシャルウィークは心中で一人ごちった。

――トレーナーさんは、私のパートナーだ。

 蒼天に駆ける風が、ブルネットの髪を激しく揺らした。

57 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/12(土) 00:33:57.96 ID:ICXtl3UQ0
トレーナー「行ってこい、スペシャルウィーク……!」

―――
■レース

下1 作戦決定(コンマ)
逃げ[G]/先行[A]/差し[A]/追込[C]

01〜10:逃げ[G]
11〜55:先行[A]
55〜90:差し[A]
91〜00:追込[C]

――

下2 レース序盤のスペシャルウィークの調子

01〜30:出遅れ(ゴールのコンマ判定に-50の補正)
31〜60:掛り(ゴールのコンマ判定に-25の補正)
61〜90:順調な出だし(ゴールのコンマ判定の補正なし)
91〜00:集中状態(ゴールのコンマ判定に+25の補正)
ゾロ目:補正効果1.5倍。マイナス補正の効果は消える。

――
下3 レース中盤のスペシャルウィークの調子

01〜30:ブロック(ゴールのコンマ判定に-50の補正)
31〜60:掛り(ゴールのコンマ判定に-25の補正)
61〜90:順調な出だし(ゴールのコンマ判定の補正なし)
91〜00:快走(ゴールのコンマ判定に+25の補正)
ゾロ目:補正効果1.5倍。マイナス補正の効果は消える。

――
下4 レース終盤のスペシャルウィークの調子

01〜33:好走(ゴールのコンマ判定の補正なし)
34〜66:鋭い差し(ゴールのコンマ判定に+50の補正)
67〜99:シューティングスター Lv1発動(ゴールのコンマ判定に+150の補正)
00  :シューティングスター Lv3発動(ゴールのコンマ判定に+300の補正)
ゾロ目:補正効果1.5倍。

――

下5 ゴールイン 着順確定

――

▼作戦
●逃げ[G](補正:スピード、スタミナ)
補正がある能力値-100
補正がない能力値-150

●先行[A](補正:スピード、スタミナ)
補正がある能力値に+100

●差し[A](補正:スピード、スタミナ、パワー)
補正がある能力値に+50

●追込[C](補正:パワー、根性)
補正がある能力値に+100

▼着順決定
[ 下5のコンマ+序盤補正+中盤補正+終盤補正]=レース中達成値
※中盤にマイナス補正があった場合は計算式に(中盤マイナス補正-25)が追加される。
[ウマ娘の能力値から賢さを除いた合計]=能力値参照値
【[レース中達成値]+[能力値参照値]+バ場補正/芝A(+100)+中距離適正A(+100)+ハヤテ一文字(+100)+やる気/絶好調(+100)=達成値】
達成値-(レース中全てのマイナス補正-賢さ)=最終達成値

最終達成値が1100を超した場合 1着
※(100超えるごとにバ身が1伸びる。報酬増)
最終達成値が1000を越した場合 2〜3着
最終達成値が900を越した場合  4〜5着(掲示板)
最終達成値が900を下回った場合 着外

―――
連取は一度目の投稿から15分後から可能とします。
少し多めの安価になりますが、よろしくお願いします……!
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/12(土) 00:36:36.04 ID:ZW3OpMGKo
ぬん
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/12(土) 00:51:31.36 ID:bZ/w21dyo
ぬおお
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/12(土) 00:52:51.26 ID:fo7tMhj+O
運が悪いか
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/12(土) 01:11:51.50 ID:fc40hSV20
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/12(土) 01:34:07.62 ID:+BSMpQ8g0
逃げでかかってブロックか、これはボロ負けですね……
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/12(土) 01:34:28.59 ID:QLMfIYTTo
ススズ強過ぎやったんやなって……
64 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/12(土) 02:17:48.33 ID:ICXtl3UQ0
※一部計算式に誤りがあったため訂正します。
達成値+補正後賢さ=最終達成値
ただし補正後賢さの上限値はレース中全てのマイナス補正と同値とする。

▼レース展開
序盤(36):掛り(-25)
中盤(26):ブロック(-50) + 食い下がり(+25)
終盤(50):鋭い差し(+50)
着順決定:62
――――――――――――
[-25]+[-50]+[25]+[50]+[62]=62 レース中達成値


▼作戦:逃げ
スピード:100(F)→1
スタミナ:88(F)→1
パワー:185(F)→35
根性:180(F)→30
賢さ:91(G)→1
――――――――――――
1+1+35+30+=67 能力値参照値


▼着順
[レース中達成値:62]+[能力値参照値:67]
+[バ場補正/芝A:100]+[中距離適正A:100]
+[ハヤテ一文字:100]+[やる気/絶好調:100]
=529 達成値
―――――――――――――
[達成値:529]
[レース中全てのマイナス補正:651]
[補正後賢さ:1] 
―――――――――――――
[最終達成値:529+1]


よってスペシャルウィーク、着外――。
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/12(土) 02:30:50.31 ID:u9ZDdcet0
よっぽどのことがありましたねぇ
66 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/12(土) 02:40:00.19 ID:ICXtl3UQ0
なっちゃい……ましたねぇ……
67 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/12(土) 02:40:41.05 ID:ICXtl3UQ0
――大丈夫。

 僕はその言葉の無意味さをよく知った。

――勝てるさ。

 僕はその言葉の無責任さをよく知った。

 ああ、よく思い知ったさ。
 だから、だから――思い知ったから。
 目の前で走っているあの子だけは、どうか救ってくれよ、三女神様――ッ!

――――――

 パドックに入り、スペシャルウィークは周囲をまず見渡した。
 ウマ娘にそのような器官があるわけではないが、なんとなく戦うウマ娘がどれくらいの力量を持つか、理解することができる。
 だからこそ、スペシャルウィークは少しだけ拍子抜けした。

――ここには、"みんな"みたいに強い子はいない。

 理性では異なるとわかっていても、しかし本能があまりに高らかにスペシャルウィークの脳裏に事実を焼き付ける。
 此処に居るのは、スペシャルウィークよりも格下のウマ娘たち。ふと脳裏に、よほどのことが無ければ勝てる、と励ましたトレーナーの言葉が過る。
 確かに、勝てるのではないか――。そう思うことは、もはや致し方のない帰結だった。だが同時に、その思い込みこそが、彼女の脚を破滅へと追いやる。

 きっかけは些細なことだった。
 無意識下で油断していたから、ゲートから出遅れた。
 たったそれだけのことだった。これであれば、まだ巻き返せる。気を入れなおせば。
 スペシャルウィークがそう思った直後だった。

――スペシャルウィークもそうだが、君たちの世代には有力なウマ娘が多数在籍している。エルコンドルパサー、セイウンスカイ、キングヘイロー、グラスワンダー……。いずれも名だたる名馬だ。
――そんな環境下だから、君たちは注意すべき存在となる。つまり、君たちはブロックされやすくなる――。道理としてはこうなるが、わかるか?

 はい、と答えたはずだった。もちろん、スペシャルウィークとてトレーナーの言葉を忘れるはずもなかった。――だが、既に賽は投げられていたのだ。
 スペシャルウィークの出遅れを察知したウマ娘が、途端にスペシャルウィークの周囲を囲う。――ブロックだ。
 彼女らよりもスペシャルウィークのパワーは勝っていたが、しかし戦いは数であるというように、彼女たちは数の力でスペシャルウィークを完封した。抜け出せない。

 どうして、という声が脳内でリフレインした。

 次第に息が切れ、差すことも不可能なほどに足が重くなり、全身が鉛になったかのような重い倦怠感がのしかかる。
 ブロックしていたウマ娘も、スペシャルウィークのスタミナが完全に切れたことを察知し、ペースを上げて離脱している。スペシャルウィークは、今此処でレースをしている状態であるのにも関わらず。

――孤独だった。

 そう理解した瞬間、恐怖した。負けてしまうことに?
……否、置いていかれることに。
 黄金の世代とまで呼ばれるスペシャルウィークの世代。彼女も見劣りはしないものの――しかし、現に今おいていかれている。
 レースにも。そして――"みんな"にも。

 息が重い。
 肺から血の香りが昇ってきて、鼻腔に満ちてくらくらする。
 足が重い。動かない。
 先ほどまではターフの先を映していた瞳は、白んで何も捉えていない。
 少しだけ動く耳だけが、誰かが叫ぶ声を感じとる。
 でも、何を言っているのかわからない。
 ああ、きっと応援してくれているんだな。――そう思うが、スペシャルウィークの心はもはや動かない。
 
――日本一になれなどしない。

――私は、スズカさんにみたいには、なれない。

 輝かんばかりのステージでセンターを飾る、憧れのウマ娘のように、私はなることができない。
 できない、出来ない。できないできないできない、できないできない出来ない出来ない――。不可能だ。無理だ。難しいのだ。これこそが否定と――拒絶の念だった。
 もうやめてしまいたい。
 スペシャルウィークは、そう思う他、何もできなかった――。
68 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/12(土) 02:51:09.85 ID:ICXtl3UQ0
「―――がんばれッッッッ!」

 稲妻のように走った声が、スペシャルウィークの体を強く打つ。
 どこまで暗い気持ちに支配され、泥濘を進むような魂に、緋を入れるような、強く、温かい声が。
 動ける、まだ、脚は動く。そう認識して、足を一歩、また一歩と強く前に出す。
 諦めるものか。絶対に――負けてたまるものか。

「誓ったんだ――ッ」

 一歩、また一歩。
 鉛の行脚は、やがて飛翔へと変化する。

「日本一の、ウマ娘になるって―――ッ!!!」

 今、日本総大将が再起動する。
 大地が蠢き、雲は裂け、海は鳴動する。
 森羅万象。ありとあらゆるものが観客となり、彼女の力となるかのように。
 動け。動け。物理法則も、この世の真理すらも、今は彼女の力とならんと動き出した。

―――

――願いは形となり、祈りは強さとなる。

 真摯な祈りは時代を、時空を超え、何時かどこかの彼女の力を、彼女に託す。
 勝ちたい。その四文字に、魂すら賭ける彼女らの思いに呼応して、神性は導きを露わにする。

 やがて、一着とはならないまでのゴールを果たしたスペシャルウィークは深く息をつき、あたりを見まわした時だった。
 あの時かけてくれた声のお礼を言うつもりだった。よくやった、と言ってもらうつもりだった。

――でも、彼女の視線の先には、誰もいなかった。
69 :いぬ ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/06/12(土) 03:01:22.35 ID:ICXtl3UQ0
■一週目クリア報酬

▼ウマ娘関連
[因子]
スピード★☆☆
シューティングスター★☆☆

▼トレーナー関連
下1(ドット) 一週目クリア報酬
01〜33:やる気ドロップス(使用するとやる気を上げることができる)
34〜66:トレーナー白書(使用するとスキルを獲得することができる)
67〜99:夢のきらめき(使用するとウマ娘の潜在能力を開花させる)
00:導き(定められた運命を変える。ラウンド数が常に+1される)

下2(ドット) 一週目クリア報酬
・俯瞰視(確定)
残されたラウンド数を認知することができるようになる。
01〜33:目覚まし時計(安価を再判定させることが可能になる。やる気が上昇する)
34〜66:サポートカード[スペシャルウィーク](サポートカードの使用により、特定の能力値の上昇を恒常的に効率化させる)
67〜99:因子/全身全霊[★☆☆]
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