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【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「私はこの絆を諦めません」【安価進行】

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279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/03(火) 22:14:04.48 ID:nwZmrdgpO
する
280 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/03(火) 22:15:55.33 ID:Yd1VA74N0
【スキル:一番星の魔法を使用しました】

【残りのモノクマメダル枚数…148枚】

-------------------------------------------------

【灯織の部屋】

あの事件が起きたのももう一か月近く前になる。
全ては、あの事件から始まったんだったよね……

……真乃。
今の私は、間違ってない、よね……

【自由行動開始】

灯織「まだ、時間はあるかな」

【事件発生前最終日の自由行動です】

-------------------------------------------------

1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在モノクマメダル148枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/03(火) 22:23:02.68 ID:Wu7eRyTU0
2 愛依
282 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/03(火) 22:26:03.14 ID:Yd1VA74N0
2 愛依選択

【武道場】

灯織「愛依さん、やはりこちらにいらっしゃったんですね」

愛依「あれ、灯織ちゃん?どしたし、なんか用事?」

灯織「少し雑談でもと思ったのですが……今は取り込み中でしたか?」

愛依「ううん、大丈夫!うちも誰かと話したい気分だったからばっち歓迎〜!」

(愛依さんと二人で雑談をして過ごした……)

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?

・現在の所持品

【虹色の乾パン】
【色恋沙汰リング】×2
【スカラベのブローチ】×2
【あしたのグローブ】
【おでこのメガネ】×2
【はっぱふんどし】×2
【もちプリのフィギュア】
【ラジオ君人形】
【残鉄剣】
【狂戦士の鎧】
【毛虫くん】
【昭和ラジオ】
【黄金のスペースシャトル】
【聖徳太子の地球儀】
【ミレニアム懸賞問題】
【携帯ゲーム機】
【プロジェクトゾンビ】
【動くこけし】
【オブラート】
【スモールライト】
【古代ツアーチケット】×2
【もしもFAX】
【隕石の矢】
【アゴドリル】×2
【みどりの着ぐるみ】
【あかの着ぐるみ】
【EYE GRASS】
【ジャスティスV変身ベルト】
【ログインボーナス】


↓1
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/03(火) 22:33:13.46 ID:Wu7eRyTU0
渡す 【EYE GRASS】
284 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/03(火) 22:37:49.88 ID:Yd1VA74N0
【EYE GRASSを渡した……】

灯織「このメガネ、見覚えないですか?」

愛依「えっ?……あれ、これって……」

灯織「はい、結華さんがメガネメーカーとのタイアップで作ったデザイングラス……と同じものです」

愛依「うわっ!ホントだ……!これって結構レアもんじゃん?!」

灯織「愛依さん、辛いときはこれを見て、結華さんのことを思い出して元気を出してください」

愛依「……ありがとう、灯織ちゃん」

愛依「でもさ、せっかくなら……あの子に渡してあげるべきなんじゃないかってうちは思うんだけど……」

(うっ……別のものを渡せばよかったかな……)

-------------------------------------------------

愛依「……ねえ、灯織ちゃん」

(愛依さんの表情は、いつもよりも真剣だ。私に今から投げかける質問に対し、かなり慎重になっていることが分かる)

(……真剣に、答えないと)

愛依「この前の……咲耶ちゃんと凛世ちゃんの事件、あったじゃん?」

灯織「……はい」

愛依「うちさ、あの事件の後……二人の言ってたことを改めて考えてみたんだよね」

愛依「したら……二人とも、他のユニットメンバーを人質に取られてたって言ってたんだよね」

灯織「確かに、死に際の凛世の言葉を振り返ると、そう言った胸の言葉がありましたね」

愛依「……それってさ、あさひちゃんと冬優子ちゃんも無事ってことになんないかな」

灯織「……!!」

愛依「二回目の事件の時、うちが見させられたのは二人が酷い目にあうビデオ。正直、生きたままいられるとも思えないような……そんぐらい、目もそむけたくなるようなやつだった」

愛依「でも、恋鐘ちゃんとか、果穂ちゃんとか……みんな無事だったんなら……もしかして、二人も……」

(愛依さんの声は少しばかりうわずっていて、感情が露出していた)

(淡い可能性に縋るような気持ち……それはこの生活における弱みになる)

(でも、これは愛依さんにとってか細くも大切な……生きていく希望なんだ)

愛依「灯織ちゃん!……灯織ちゃんは、どう思う?!二人は、生きてると思う!?」


1.二人を信じましょう
2.残念ながら……
3.自由安価

↓1
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/03(火) 22:40:50.98 ID:Wu7eRyTU0
1
286 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/03(火) 22:49:58.26 ID:Yd1VA74N0
1 選択

灯織「愛依さんの気づいた可能性……それがたとえどんな細い可能性でも、それを信じる価値はあると思います」

愛依「……灯織ちゃん」

灯織「今の私たちが、冬優子さんとあさひとのためにできるのは、二人を信じることだけ。でもそれで十分じゃないですか」

愛依「え?」

灯織「あの二人がそう簡単に命を落とすとは、私にも思えませんから」

愛依「……だよね!そーだよね!」

灯織「モノクマにどれだけの力があって、どれほどの脅威なのかはまだ完全には推し量りかねます」

灯織「でも、きっと……ストレイライトのお二人なら、それをはねのけることだって可能だと思います。常に進化を続ける、限界を超え続けるユニット……ですから」

愛依「灯織ちゃん……うちらのこと、よくわかってるね!」

愛依「ストレイライトはこんなところでくたばるタマじゃない!……これってこういう使い方で合ってる?」

灯織「ふふ、最適解だと思います」

愛依「うん、うちらは負けない……こんなとこで負けたりしないから!」

愛依「ありがと灯織ちゃん!うち、この希望を大事にする!この希望があれば、うちもまだまだ戦える!」

(愛依さん……喜んでいただけて良かった)

(ただの希望的観測に過ぎないかもしれないけど……それでも、信じていればきっとそれは叶うって……今はその言葉を信じるしかない)


【親愛度が上昇しました!】

【スキル:HAPPY-!NGの効果により親愛度上昇値がわずかに増えます!】

【現在の和泉愛依の親愛度…4.0】

-------------------------------------------------

【スキル:ポシェットの中にはの判定に移ります】

【直下コンマの末尾の数字と同じ枚数のモノクマメダルを獲得できます】

↓1
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/08/03(火) 22:53:52.03 ID:aUh4OOWXO
っす
288 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/03(火) 22:55:55.74 ID:Yd1VA74N0

【コンマ03】

【モノクマメダル3枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル枚数…151枚】

【CHAPTER05におけるすべての自由行動が終了しました】

【事件発生パートへと移ります】
289 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/03(火) 22:56:22.37 ID:Yd1VA74N0





……私はきっと最初っから間違えていたんだろう。





290 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/03(火) 22:57:38.34 ID:Yd1VA74N0

今日という一日の最初、この1週間の最初、この学園生活の最初…………彼女と出会ってからの『最初』。

『最初』を間違えていなければ、彼女の心情を少しなりとも理解して、葛藤を少しなりとも感じ取って、決意を少しなりとも写し取って。
ちゃんととるべき対応を、しかるべき警戒をしていたはずなんだ。

(きっとまだ樋口さんは動かない)

そうやって胡座を掻いていた。
この世界は散文的な物語でもないし、まして漫画の世界、御伽話の世界でもないんだ。
一度途切れてしまった糸はもう繋ぎ止めることはできない。
彼女との間の糸がプッツリと切れる瞬間は私自身が見ていたのに、そこから目を背けてしまっていた。





_____だから、見えていた結末に気づくことができなかった。
291 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/03(火) 22:59:45.14 ID:Yd1VA74N0

-------------------------------------------------
【灯織の部屋】

「……なに、これ」


それは突然に舞い込んだ一枚の写真。
自室に帰った私が模擬刀を手に取り、今日こそ返り討ちにしてやるなんて子どもじみた決意を胸にしていた時にやってきた知らせ。


____光沢紙に映し出されていたのは、どこかの部屋で拘束されて項垂れるめぐるの姿。



……樋口さんだ。
樋口さんが口にしていた【絶望計画】が動き出したに違いない。
だとしたら、これが罠なのは明白。
めぐるを餌にして私をおびき出し、ひいては私を殺そうとすらしているのかもしれない。

でも、無視することなんてできない。
めぐるを見捨てるなんて、地球が滅亡しようともありえない。
私にとってはこの星なんかよりも、めぐるは大切な存在だから。

私は手元の模擬刀を改めて握り直した。
めぐると一緒に取りに行った、護身用の模擬刀。

黒幕を打ち倒すためのはずだったのに、仲間を守るために、かつての仲間を挫くために手にしている。


「……行こう」
292 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/03(火) 23:01:46.47 ID:Yd1VA74N0

そして、私が間違えていた『最初』がもう一つ。
この部屋に写真が差し込まれた時の、『最初』。

完全に頭に血が上っていて、冷静でなくなっていた。
この部屋に写真を入れるなんて、ドア下からしかできやしない。
私の部屋の前に直接出向かない限りできやしないのに。



……樋口さんが、【ドアの前で待っている】ことなんて想像にたやすいのに。

不用意にも扉を空けてしまった。


円香「こんばんは」

灯織「……!?ひぐっ……!?」


樋口さんが視界に入ったことを脳で処理するよりも先にその右手が伸びてきた。
右手に掴まれていたハンカチがそのまま私の口元を覆う。
薬品特有のツンとさす匂いが一瞬で脳へと到達した。
トロンと口元が開けっぱなしになるのを感じる。
どんどん全身が弛緩していく。
足元からドロドロに溶けていき、そのまま昏倒。

293 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/03(火) 23:02:33.00 ID:Yd1VA74N0





_____私の世界は黒に染まった。





294 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/03(火) 23:03:24.83 ID:Yd1VA74N0
-------------------------------------------------
【???】


???「……円香、本気なんだね」

???「それならわたしももう逃げないよ……わたしにしかできない、わたしにたくされたことがあるから」

???「もうこれ以上、誰も死なせない……殺させない」

???「それが二人と、みんなと誓った約束だから」




???「……いくよ」


-------------------------------------------------
295 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/03(火) 23:06:27.68 ID:Yd1VA74N0

というわけで本日はここまで。
結局購買に行かずに自由行動パートが終わってしまったので、メダルがどうしようもなく余ってしまいますね…
裁判でも効力を発揮するアイテムなど一応メダル複数枚交換で用意していたのですが……
要望があれば裁判前に買う機会を設けてもいいかもしれませんね。

次回更新は8/5 21:00〜を予定しています。
死体発見→捜査パートまでやる予定です。

それではお疲れ様でした。
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/03(火) 23:08:12.43 ID:Wu7eRyTU0
お疲れ様でした
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/03(火) 23:09:08.97 ID:q8jHxkBYO
お疲れ様でした!
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/08/04(水) 07:57:54.40 ID:yULTsOsG0
お疲れ様でした。出来れば購買使いたいです
299 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 21:02:21.82 ID:B6IyU65v0

それでは参ります
購買については今章の裁判前に購入できるように、
捜査パートの終わりに購買のテンプレを貼っておいて
購入物の指定を皆さんに次回更新までに書き込んでもらう形にしようかなと思います。

多分今日で捜査パートは終わらないと思うので、次回更新の終わりかな…
300 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 21:03:50.86 ID:B6IyU65v0
【???】

……あれから、どれくらい経ったんだろう。

私の視界は依然として真っ黒なまま。何かアイマスクのようなもので目隠しを付けられてるんだろう。おかげでここがどこなのかもわからない。
それに加えて、耳栓までつけられている。自分の唾液の音ぐらいしか聞こえないので今が朝か夜か、アナウンスすらも聞こえない。
極め付けには後ろ手に椅子に拘束されている。脚は自由になっているけれど、手が使えないので目も耳も自由にならない。


こんな状態のまま、既に数時間の時が経った……と思う。
時間の感覚もあやふやなのは拘束の時に吸わされた薬のせい。
意識がしばらく安定せず、平衡感覚すら怪しい時期もあった。
それにこの拘束は思った以上に体力を持っていく。体も同じ姿勢を余儀なくされるので、節々が痛む。
苦痛に喘いでも助けてくれる人はいない。疲弊は加速度的に増していく。


何も出来ぬまま時間だけが過ぎていき、

何もわからぬまま時間だけが過ぎていき、

何も起きないまま時間だけが過ぎていき、

闇が晴れたのは、一眠りした後だった。
301 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 21:05:28.15 ID:B6IyU65v0





「灯織ちゃん、大丈夫〜〜〜〜〜?!」

唐突に晴れた暗闇の果て、目の前に現れたのは雛菜だった。





302 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 21:06:25.61 ID:B6IyU65v0

灯織「ひ、雛菜……?」

雛菜「よかった、無事だぁ〜〜〜!!雛菜、寂しかった〜〜〜〜〜!」

灯織「ちょ、ちょっと待って……じょ、状況が掴めてないから……まず雛菜がどうしてここに?」

雛菜「え〜?鍵が開いてたからだよ〜?」

灯織「鍵……?」


そう言われて気がついた、ここは私の部屋だ。
樋口さんに気絶させられた後、そのまま自分の部屋に監禁されていたらしい。


雛菜「鍵は開いてたけど、外からドアストッパーを噛ませてあったから内側からは開けようがなかったけどね〜」

灯織「ど、ドアストッパー……?」


雛菜の手には黒い台形状の物体が。
本来なら扉を開けっぱなしにするためのものだけど、使用用途によっては犯罪にも使いうる品だと最近ニュースで見たっけ。


雛菜「他の部屋にもいっぱい噛ませてあったから、多分みんな閉じ込められてるんだよね〜」

灯織「そ、それホント?!雛菜?!」

雛菜「う、うん……」

灯織「急いでみなさんの無事を確認しないと……!雛菜、とりあえず私の拘束を解いてくれる?!」

雛菜「わ、わかった〜!」
303 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 21:08:18.91 ID:B6IyU65v0

雛菜に拘束を解いてもらうとその勢いのまま廊下へ。
手も足も久しぶりの活動で慣れない痛みに突き刺されるけど、今はそれどころじゃない。緊急も緊急だ。

雛菜の話通り、寄宿舎の個室のいくつかには不自然にドアストッパーが噛ませてある。私以外の生存者の部屋だ。
私は片っ端から扉を開けて、みなさんを解放していく。


智代子「灯織ちゃん……!あ、ありがとう……お腹が空いちゃってたんだよ……!」

愛依「ひ、灯織ちゃん……!ありがとう、マジで怖かった……」

摩美々「灯織……これって……?」

灯織「……わかりません、恐らく樋口さんが全員を拘束していたんだとは思うんですが」

摩美々「……これで全員?」

灯織「……そういえば、めぐるの部屋にはドアストッパーが噛ませてなかった」


……嫌な予感が全身を突き抜けた。これまでに何度も味わってきたそれとはまた違う、電流にも似た寒気。
あの時、私を部屋から吊り出すために使っためぐるの写真。
この学園では画像加工なんかできっこない以上、めぐるは本当に監禁されているはず。
だとしたら、私たちと違った形で危険に晒されている……!?


灯織「……めぐるっ!?」


思わず摩美々さんに向けていた爪先を魔反対に向けて走り出したくなる衝動に襲われる。
そんな私の右手を愛依さんが掴んだ。
304 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 21:09:18.17 ID:B6IyU65v0

愛依「灯織ちゃん、待って!不安なのはわかるけど、ここで一人で走り出しちゃダメ」

灯織「……愛依さん」

雛菜「円香先輩が動き出してる以上、単独で動くのは危険だよ〜」

智代子「うん、みんな一緒に探したほうがいいよ!」

摩美々「みんなの言う通り、いったん灯織も落ち着いてー。めぐるの身に何かあったって決まったわけじゃないじゃーん」

灯織「そ、そうですね……すみません、冷静を欠いていました」

雛菜「でも、何かしらに巻き込まれてるのは間違いないし早く助けてあげないと〜」

灯織「あ、だったらこの写真……」


めぐるが拘束されている写真を皆さんにお見せした。


摩美々「……この写真、摩美々たちみたいに個室で撮影されたものじゃないねー」

雛菜「う〜ん、どこだろ〜……?」

智代子「……あ!わかったよ!多分これ、5Fの植物庭園だよ!」

灯織「植物庭園……?」

智代子「うん、植物庭園には園芸用の道具を仕舞い込んでる倉庫があるんだけどね?この端に写ってる肥料の袋に見覚えがあるんだ!」

愛依「チョコちゃんちょーお手柄じゃん!」

智代子「えへへ、結構出入りしてたから!」

摩美々「それじゃあ植物庭園に向けてしゅっぱーつ」
305 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 21:11:08.41 ID:B6IyU65v0

私たちは息を揃えて植物庭園へと向かった。
途中樋口さんからの襲撃が来る可能性も考慮し、最大限の警戒態勢。
周囲を見渡しながら、慎重に歩みを進めた。

___そして短くも長い時間の後、ようやっと植物庭園へと辿り着いた。


愛依「灯織ちゃん、大丈夫。落ち着いて。きっとめぐるちゃんは無事だから」

灯織「……はい」

摩美々「……灯織、開けるよ」

灯織「お願いします……!」


そして私たちは息を整え、観音開きのその扉を開けた。

めぐるの無事を確かめるために。

樋口さんの企てを食い止めるために。

もう誰の手も汚させないために。

誰も悲しまないで済むように。

絆の存在を証明するために。

希望が挫けないことを改めて知るために。
306 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 21:12:15.52 ID:B6IyU65v0





……もう一度絶望に向き合うために。




307 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 21:13:14.04 ID:B6IyU65v0





【植物庭園の中央には、覆面をした謎の人物の刺殺体が転がっていた】





308 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 21:15:09.69 ID:B6IyU65v0
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CHAPTER05

Die the sky.

非日常編


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309 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 21:16:09.62 ID:B6IyU65v0

二度見、なんて言葉があるけどあれはまやかしだ。
実際人間は理解できないものを目にした時、視線を外すことすらできないから。

凝視して凝視して、その謎を解明しようと本能が試みる。
それでも人は理解できない時、一つの反応をあげる。


「うわあああああああああ!?!?!?」


予想だにしていなかった死体を目にしたことで、理性より先に絶叫が出た。
これまでのどの死体よりも異常な光景に、思考は全く追いつかなかった。


愛依「な、なんで?!なんで、死体があんの?!」

智代子「こ、この死体って……!?」

摩美々「覆面って……これ……」


そして、混迷を極める思考は行動を律することができなかった。
気がつけば私は死体に駆け寄り、その覆面をはごうとしていた。
その死体の正体を確かめるため、その死体の正体がめぐるでないことを証明するため。
私の両手を止めることはできなかった。


____結果から言えばそれは失敗。
だって、私がここでこの選択をとったことにより……
310 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 21:17:21.83 ID:B6IyU65v0


カッ


摩美々「灯織……!!」


バーーーーーーーーン!!


瞬間、私の視界は真っ白になった。

そして次に気がついたのは無重力。
私の体は文字通り滞空状態にあり、そしてそのまま勢いに乗せられたまま地面へと打ち付けられる。
それでことは終わらない、私を吹き飛ばそう消し飛ばそうとする爆風。
それに抗うことはできずそのまま後方へ。

これだけのことがわずか1、2秒の間に巻き起こり、理解するにはその倍の時間を要した。
311 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 21:18:18.76 ID:B6IyU65v0

愛依「ひ、灯織ちゃん!?」

智代子「なんで爆発が突然?!ど、どうなってるの?!」

摩美々「灯織も心配だけど、消火しないと……死体が誰だったのかすらわからないままになるよー?」

雛菜「雛菜が火は消すから、灯織ちゃんのことはお願いします〜」

愛依「お、オッケー!」


遠くに聞こえる皆さんの声。
全身を強く打ったけど、どうやら一応無事みたい。呼吸もできる、体も動く。


愛依「灯織ちゃん、大丈夫?!うちんこと分かる?!」

灯織「愛依さん……だ、大丈夫です……それより、死体は……」

智代子「今雛菜ちゃんと摩美々ちゃんが消火してるから大丈夫だよ!……ただ、顔の付近が爆発しちゃったから、死体には損傷が……」


愛依さんとチョコの力を借りて立ち上がり、なんとか元いた場所へ。
もくもくと上がる煙、ジューという消火の音。鼻を刺す肉の焼ける匂い。

そういったあらゆる不快を詰め込んだ空間で、再度死体に向き合った。
312 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 21:21:20.75 ID:B6IyU65v0

雛菜「あ〜……これじゃあもう誰だかわかんないですね〜……」

愛依「……うっぷ」

摩美々「無理はしなくていいから、流石にこれはぁ……」


顔の部分が吹き飛んだせいで、上半身の損傷は激しい。
目も当てられないほど無残な姿になっている。
付近には発見時に死体が羽織っていた白衣の燃えかすや、突き刺さっていたナイフが転がっている。
なぜ、犯人はこれに加えて爆破なんか……


ピンポンパンポーン

『死体が発見されました!一定の捜査時間の後、学級裁判を開きまーす!』


モノクマ「はいはい!とりあえずひと段落した感じなのでアナウンス鳴らしときますね〜!」

モノクマ「いやぁ〜ボクってば空気の読めるクマ!死体発見からここまでの流れ、アナウンスで茶々入れない辺り出来る大人だよね〜!」

灯織「モノクマ……これは……」
313 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 21:22:45.25 ID:B6IyU65v0

モノクマ「見ての通り殺人事件発生だよ!オマエラの中の誰かが、オマエラの中の誰かを殺したってことだね!」

摩美々「……それ、おかしくないですか〜?」

モノクマ「はぬ?」

摩美々「誰かを殺したって、被害者すら教えてくれないってコト?」

モノクマ「あ〜、それね!被害者ね!今回は犯人が意図的に被害者の正体を隠してると思うので、それをボクの一存で明かすのは公平な裁判の進行に反すると思いまして!」

灯織「ということは、モノクマ自体は被害者は把握しているんですね?」

モノクマ「当たり前田のクラッカー!犯行も始めから終わりまで、おはようからおやすみまでバッチリ見届けておりました!」

モノクマ「というわけで……ザ・モノクマファイル〜〜〜!オマエラのやるべきこと自体は変わらないからね、今回もバッチリ頼みましたよ!」


モノクマはやることだけやり終えると、私たちを置き去りにしてそそくさとどこかに行ってしまった。
残ったのは、被害者すらわからないという異例の事態を前に当惑する私たち。
314 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 21:23:42.51 ID:B6IyU65v0

摩美々「……とはいえ、被害者は二択だよねー」

愛依「……え?」

摩美々「今ここにいない人物、めぐると円香。そのどちらかと見るのが普通でしょー」

智代子「……だとしたら可能性が高いのって」

雛菜「……」

灯織「……」

摩美々「ごめん、失言だったかもー」

灯織「いえ、気になさらないでください……摩美々さんのご指摘は正しいですから」


真実から目を背けてはいけない、それは真乃とめぐるとも誓ったことだから。
たとえそれが残酷な事実を映し出していようとも、それを有耶無耶にするようなのは違う。
めぐるだってそれは望まないはずだ。

でも、弱い心自体を打ち消すわけではない。
めぐるじゃなければいいのに、その心は決して樋口さんの死を望むようなものではなく……ただ純粋に友人を思う気持ち。

この気持ちにも嘘はつきたくない。
混じり気のない感情、それが私にできる精一杯なんだ。


……孤独な戦いが始まる。
315 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 21:26:43.74 ID:B6IyU65v0
-------------------------------------------------
【捜査開始】

今回はめぐるが近くにいない。私一人で行う初めての捜査になる。
……大丈夫、できる。何も不安に思うことなんてない。
自分に強く言い聞かせて、モノクマに渡されたモノクマファイルを開封する。

『被害者は不明。死亡推定時刻は5時ごろ。死体は発見当時胸部にナイフが突き刺さっていた。その後覆面を剥がそうとした際に仕掛けてあった爆弾が起動。上半身の損壊は激しく、顔は判別不可』

やっぱりこっちにも被害者の記載はない。
今回の推理はそこから始めないといけないらしい。
樋口さんかめぐるか、どちらが今回の事件の被害者なのか見定めるのが前提の事件だ。

コトダマゲット!【モノクマファイル5】
〔被害者は不明。死亡推定時刻は1時ごろ。死体は発見当時胸部にナイフが突き刺さっていた。その後覆面を剥がそうとした際に仕掛けてあった爆弾が起動。上半身の損壊は激しく、顔は判別不可〕

-------------------------------------------------
さて、今回の事件は調べることも多いぞ。
私が爆弾を起動させてしまったことで、おそらく変わってしまったこともある。
みなさんへの聞き込みを入念に行うことで事実確認をしないといけないな。

1.死体周辺を調べる
2.植物庭園の設備を調べる
3.倉庫を調べる
3.雛菜に話を聞く
4.愛依に話を聞く
5.摩美々に話を聞く

↓1
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/05(木) 21:29:19.08 ID:l5+l5sA+0
1
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/05(木) 21:29:55.49 ID:WYF4HQc50
5

死亡推定時刻は5時のほうが合ってるのかな?
318 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 21:35:45.43 ID:B6IyU65v0
>>317 早速ミスってますね……こちら、コトダマの方の表記が正しいです。死亡推定時刻は【1時】です。

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1 選択

【死体周辺を調べる】

今回の事件の被害者の死体だ。上半身は爆弾の衝撃で損傷も激しく、焼け焦げてもいる。見た目で誰か判別するのは不可能だろう。
……ん?そういえばこの死体、上半身だけ濡れてるな。


雛菜「ん〜?ああ、それは雛菜たちが消火したからだよ〜!」

灯織「雛菜……そっか、私が爆風で吹き飛んでる間にやってくれてたんだね」

雛菜「うん〜♡だって何が起きたのかすらわかってないのに爆発が起きちゃったから、犯人の証拠隠滅の可能性もあるかな〜って!」

灯織「うん、ありがとう……欠損が上半身で済んだのはかなり大きな成果だよ」

雛菜「やは〜!雛菜えらい〜〜〜〜〜!」


コトダマゲット!【謎の死体】
〔死体の上半身は爆破の衝撃で損傷が激しい。爆弾により引火した際に摩美々と雛菜が消火したため、上半身のみが濡れてしまっている〕
319 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 21:36:53.77 ID:B6IyU65v0

……さて、どうにかこの死体から二人を判別しなくちゃいけないんだけど。

うっ……今回は今までのどの事件よりも直視しがたいな。
剥き出しになった肉がなんとも痛ましい。
損傷部位じゃないところからわからないだろうか。

爆発のあった上半身に背を向けるようにして、死体を触診していく。
下半身自体に怪しいところはなさそう。
年頃の女子高生の肉付きに、骨格。
流石に誰かまではわからないけど……

靴もご丁寧に履き替えさせられている。
倉庫で見かけた量産品のスニーカーだ。特定に至るための情報は削り取られている。
困ったものだなと腰をあげようとした時、ある違和感が私の視線を集めた。

……この手、おかしくない?
被害者がめぐるであれ、樋口さんであれ……この手はおかしい気がする。
だって、二人とも【右利き】なんだから。


コトダマゲット!【左手のペンだこ】
〔爆破された死体の左手にはペンだこができていた。めぐるも円香も右利きなので通常できるはずがない〕
320 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 21:38:38.79 ID:B6IyU65v0

一部焼け焦げて煤のようになっているけど、死体には上から白衣が被せられている。


摩美々「化学室にあった白衣ですねー、薬品調合の際に本来は用いられるやつ」

灯織「なるほど……でもなんでわざわざ白衣をかぶせたり?」

摩美々「シルエットを隠す目的じゃないかなぁ、女性ってどうあがいても胸元で特徴が出ちゃうしー」


確かに死体を最初に発見した時、白衣はだいぶゆったりとした掛け方をされていたと思う。そしてその上からナイフが刺さっていた。
ということは犯人はその状態で刺し殺したことになるのかな?


摩美々「……ナイフについてる血痕は新しい、近くに輸血パックはない……」

灯織「ですね、それならこの血痕は被害者の……」

摩美々「いや、そう考えるのは早計だよー。あっちを見てみなよー」


摩美々さんに促されるまま目を向けたのは、ニワトリ小屋?
植物庭園の一角で飼育されているニワトリたちがどうしたというのだろう。
疑問を胸にニワトリに目を向けると……


灯織「……あれ?」

摩美々「気づいたぁ?」

灯織「なんだか元気がないですね……」

摩美々「そうなんですよねー、なんか動きが鈍いって言うかぁ……それにぃ、ニワトリの数自体、1匹減ってるんだよねー」

灯織「……この事件に関係、しているんですよね?」

摩美々「まぁ、何に使われたのかも今の灯織ならすぐわかるでしょー」


コトダマゲット!【植物庭園のニワトリ】
〔植物庭園内で飼育されていたニワトリ。なんだかニワトリの元気がなく、さらには事件前後でニワトリが一体減っていた〕
321 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 21:39:49.66 ID:B6IyU65v0

死体の付近には爆風で散乱したものが転がっている。
やっぱり目につくのは……このナイフだ。
このナイフ……めぐるが教室から回収したものと同じだ。
あの夜、体育館前で私に見せてくれた武器。これがどうして……?


智代子「死体を見つけたときにはナイフが深々と刺さってたんだよね……」

灯織「うん、白衣の上から死体にまっすぐ。血痕もべったりついてたしね」

智代子「これが今回の凶器ってことになるんだよね……?だとしたら、犯人はこのナイフを持っていた人物?」


いや、それは違う……はず。
だってその理論だと犯人になるのは、なってしまうのはめぐるだ。
感情で答えをねじ曲げるわけじゃない、けど……

…………


灯織「まだ、結論を下すには証拠が足りないよ」

智代子「そうだよね!他の証拠も合わせて検討しないとだよね!」


違うんだよね、めぐる……?


コトダマゲット!【ナイフ】
〔死体に突き刺さっていた凶器と思しきナイフ。他のナイフにはない装飾がついている一品もの。事件発生前はめぐるが所持していた〕
322 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 21:41:29.89 ID:B6IyU65v0

死体の付近に落ちていて気になるものはもう一つ。
これは、木札だろうか?

愛依「あ、それって武道場のやつじゃん?」

灯織「愛依さん……これの使用用途をご存じなんですか?」

愛依「うん、武道場にはその札を使うロッカーがあって誰でも使用可能だったはず……多分それに使う系のやつだね」

灯織「なるほど、ありがとうございます」

現場に落ちていた以上、これも事件に無関係ではないはず……
ともなると、あとで確認しておいた方が良さそうかな?

-------------------------------------------------
さて、死体の周りで調べるのはこれぐらいかな?
植物庭園は結構な広さだ。他にも調べるところはたくさんあるし、整理しないとね。

1.植物庭園の設備を調べる
2.倉庫を調べる
3.雛菜に話を聞く
4.愛依に話を聞く
5.摩美々に話を聞く

↓1
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/08/05(木) 21:44:53.02 ID:ILOiFlPC0
3
324 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 21:45:53.97 ID:B6IyU65v0
【雛菜に話を聞く】

灯織「そういえば雛菜、私を助け出してくれたけど……雛菜は拘束されてなかったの?」

雛菜「ん〜?雛菜も捕まってたよ〜?」

灯織「そうなの?でもだとしたら、部屋から出ることはできなかったはずだよね?」

雛菜「雛菜は灯織ちゃんたちみたいに、部屋にドアストッパーを噛まされてなかったから、手さえ解ければ自由に動けたんだよね〜」

灯織「え……?」

雛菜「でも、長い間眠っちゃってたから動けるようになったのはついさっきのことだよ〜?」

(眠っちゃってた……?)

雛菜「一度縛り付けられた後に運ばれた食事、多分樋口先輩があ〜んして雛菜に食べさせたんだと思うけど……そのあと急に眠たくなっちゃったから〜」

(それって睡眠薬が盛られたってこと?……だとすると、雛菜がこの時間に目を覚ますように調整したってことなのかな)

雛菜「それにね〜、みんながみんな部屋にドアストッパーが噛まされてたわけじゃないんだよ〜?」

灯織「え?そ、そうなの?」

雛菜「うん〜!灯織ちゃんと仲の良かったイルミネの子の部屋、ドアストッパーがなかったけど鍵はかかってたんだよね〜」

雛菜「だから雛菜じゃ開けられない、ってなったから諦めちゃったんだ〜」

(めぐるの部屋だけ鍵がかかっていた……?それってどうして……?)


コトダマゲット!【雛菜の証言】
〔雛菜も灯織たちと同様に部屋に監禁されていたが、部屋にはドアストッパーは噛まされておらず睡眠薬を盛られていた。同様にめぐるの部屋もドアストッパーが噛ませておらず、鍵がかかっていたらしい〕

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1.植物庭園の設備を調べる
2.倉庫を調べる
3.愛依に話を聞く
4.摩美々に話を聞く

↓1
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/08/05(木) 21:48:09.03 ID:ILOiFlPC0
1
326 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 21:49:27.49 ID:B6IyU65v0
1 選択

【植物庭園の設備を調べる】

植物庭園の入り口付近にはスプリンクラーの操作パネルがついている。
どうやら今は朝の7時半になると一体に水が散布される設定になっているらしい。

自分で設定を変えられるか少し手を触れてみるけど……


ダメ。まるでこちらの制御を受け付けない。


モノクマ「うぷぷ……スプリンクラーを自由に操ってラッキースケベを呼び込もうったってそうは問屋が卸さないよ!」

灯織「モノクマ!?」

モノクマ「お年頃なんだから、すぐなんでも性と結びつけようとするのが悪いとこだよ!ほらそこ!童貞のことを灯織って呼ぶのやめろよ!」

灯織「し、失礼な!」

モノクマ「ボクの大事大事なスプリンクラーをオマエラの性のはけ口にしようたってそうは許さないかんな!」


モノクマの妄想はさておいても、調整が生徒側で行えないのは有力な情報だ。
事件の起きた日でもスプリンクラーは朝の7時30分の設定だった。覚えておこう。


コトダマゲット!【スプリンクラー】
〔植物庭園一体を水やりするための設備。生徒側から設定をいじることはできず、毎朝7時30分に作動する設定になっていた〕
327 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 21:51:03.23 ID:B6IyU65v0

植物庭園の中央にそびえ立つように生えている大きな花。まさかこれは事件に関係ないよね……?
と近づいていくと、またしてもモノクマが現れた。


モノクマ「フリーーーーーーズ!!」

灯織「な、なんですか……捜査の邪魔はしないんじゃなかったんですか」

モノクマ「邪魔じゃないよ、これは忠告!このまま放って置いたら風野さんは死んでたかもしれないんだからね!」


そういえばめぐるの報告にもあったモノクマフラワーってやつ……それがこれなのか。
なんだか物々しい風格はあるけど、近づくだけで本当に食べられちゃうのかな。


モノクマ「モノクマフラワー鑑賞の際は、そちらのプレートに書いてある説明に留意した上で楽しんでくださいね」

『モノクマフラワー:食虫植物
全長:約5m
食虫と書いてあるけど、人でもなんでも食べちゃうぞ!Wow wow wow 人を食え!!
※夜時間の間はおやすみしてます。
食べさせたかったらお昼においで』

……ふざけた説明文だ。でも、夜時間の間は活動を停止しているのは重要な情報。
証拠隠滅にも使える可能性のあるモノクマフラワーが動けない時間は犯人の行動にも制約を与えるはず……


コトダマゲット!【モノクマフラワー】
〔人でも金属でもなんでも食べてしまう食虫植物。全長は約5mほどで見上げる高さ。夜時間の間は活動を停止する〕

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1.倉庫を調べる
2.愛依に話を聞く
3.摩美々に話を聞く

↓1
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/05(木) 21:51:35.02 ID:Yo+Gp68UO
2
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/08/05(木) 21:52:12.75 ID:ILOiFlPC0
1
330 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 21:53:22.00 ID:B6IyU65v0
2 選択

【愛依に話を聞く】

灯織「愛依さん、先程はありがとうございました」

愛依「ううん、いいのいいの!それより灯織ちゃんこそ大丈夫?めっちゃ吹き飛ばされて体も打ってたでしょ?」

灯織「ええ、捜査できるくらいには」

愛依「無茶はしちゃダメだかんね?……で、うちに何か聞きたいこととかそーゆー系?」

灯織「は、はい……死体が爆発したときのことなど、何か気になった点があればと思いまして……」

愛依「ん〜……うちもあん時はテンパってたしなぁ……あ!そういえば爆発が起きた時、なんかめっちゃ飛んできた布があったんだよね!」

灯織「布、ですか……?」

愛依「待ってて、確かこっちの方に飛んで行ったはず……」


愛依さんは植物庭園の端へ駆けて行き、そのまま一枚の布切れを持って戻ってきた。


愛依「これ!なんかタオル生地っぽいんだけどさ……なんかの証拠にならん?」

灯織「……なんだかこの生地、焼け煤けてるほかに何かで裂かれたような跡もついてますね」

愛依「確かに……何かで切ったのかな?」

灯織「しかし、そもそもこの布はどこから……?」

愛依「そう、それもわかんないよね!死体を発見したときにも、タオルなんかなかったはずだし……」


どこから出てきたのかすらわからないタオル……
これも事件に関係あるのかな?


コトダマゲット!【タオル】
〔事件後に愛依が拾ったタオル。焼け煤けているほか、何かで裂かれたような痕跡も残っている〕

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1.倉庫を調べる
2.摩美々に話を聞く

↓1
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/08/05(木) 21:54:35.79 ID:ILOiFlPC0
1
332 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 21:55:47.90 ID:B6IyU65v0
【植物庭園の倉庫】

チョコの話だと、めぐるが写真で監禁されていたのはここ……のはず。
だとするとそれに関係する証拠があるかもしれない。

肥料や芝刈り機といった園芸の道具を退けていくと一つ気になるものが見つかった。


灯織「……メガホン?」


どうしてこんなところにメガホンがあるんだろう。スイッチを引いて声を出してみる。


灯織「あー……」


でも壊れているのかまるで声が大きくなることすらない。
一体何に使ったんだろう……

コトダマゲット!【メガホン】
〔植物庭園の倉庫の中に置いてあったメガホン。壊れているのか声を大きくする機能が使えない〕

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【選択肢が残り一つとなったので自動進行します】
333 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 21:56:48.64 ID:B6IyU65v0
【摩美々に話を聞く】

摩美々「ねえ灯織ー、今回の事件……一つ灯織に聞いておかなくちゃいけないことがあるんだケド」

灯織「摩美々さん……?な、なんでしょう……」

摩美々「死体の上半身を吹き飛ばした爆発、あれの原因ってなんだと思うー?」

灯織「え?や、やっぱり爆弾……ですよね」

摩美々「そう、その爆弾なんだケド……この学園でそれを持ってた人って一人しかいないんだよねー」

灯織「え?…………わ、私ですか?!」

摩美々「そう、モノクマを解体したときに手にした爆弾。あれは灯織に預けっぱなしだったからさー。あの爆弾、他の誰かに預けたりはした?」

灯織「い、いえ……自分の部屋で保管していました……」

摩美々「……」

灯織「わ、私は違いますよ……?」

摩美々「……わかってるから安心しなよー」


そうだ、この爆発は爆弾を用いない限りは有り得ない。それこそモノクマを解体でもしない限りは入手不可能なんだ。
……私の部屋の爆弾、あれをもう一度確認しておくべきかもしれない。


コトダマゲット!【爆弾】
〔モノクマの内部に存在する爆弾。死体の上半身を吹き飛ばすにはこれを用いる他ない。学園内で現在所持しているのは灯織のみ〕
334 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 21:58:32.30 ID:B6IyU65v0

さて、植物庭園で調べることはこれくらいかな?


摩美々「さて、捜査を進めて行かなきゃなんだケド……ここにある死体は一つ、めぐるか円香のどちらかは生きているはずだから……そっちも合わせて捜索したいよねー」

愛依「ん、それならうちがやっとくよ!推理とかは任す!」

雛菜「雛菜にもやらせてもらえませんか〜?円香先輩が生きているのかどうなのか、雛菜自身で確かめたいので〜」

摩美々「摩美々は異論なしですー」

灯織「はい、私からもお任せします……どうかご武運を」

智代子「捜査はわたしたちに任せてよね!」

摩美々「……でも、妙なんだよねー。死体発見アナウンスはすでに学校中に流れてるはずなのに、まるで反応がないのがさぁ」

灯織「……」


ダメだ。今は捜査に集中。
私がすべきなのは愛依さんと雛菜を信じることだけだ。


摩美々「今回の事件はまるで流れが掴めてない……とりあえず時間いっぱい学園中を探すぐらいのつもりの方がいいかもねー」

灯織「……そうですね」


悩んでいる時間がもったいないぐらいだ。
まさに暗中模索、手につくところからやっていかないと……!

-------------------------------------------------
1.生物室
2.武道場

↓1

335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/08/05(木) 21:59:06.67 ID:ILOiFlPC0
1
336 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 22:01:07.91 ID:B6IyU65v0
【学校エリア 5F廊下】

灯織「な、なにこれ……?!」

事件の起きた五階、どこかに他の手がかりがあるはずと思って歩いていると衝撃的な光景を目にすることになった。

生物室の扉が開いている。
しまっている筈だった扉は無防備にも開けっ放し、というよりもむしろ閉めることのできない状態。扉を破壊されているのである。


灯織「い、いったい誰がこんなことを……」


扉には真っ黒な焦げ跡が付いており、強い衝撃を受けたせいか形が歪んでしまっている。
しかし、こんな形で扉を破壊してしまって大丈夫なのだろうか?
この学園には校則があり、それを破るとモノクマによってお仕置きされてしまう筈。これは明らかにそれに抵触する行為だろう。


灯織「……一体、誰が、なんのために?」


コトダマゲット!【生物室の扉】
〔締め切られていたはずの生物室は何か強い衝撃で破壊されていた。開放した生徒は校則に抵触していた恐れがある〕


ひとまず、中に入ってこの部屋でなにが起きたのかを確かめないと……
事態を把握しないことにはなにも始まらない。
337 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 22:02:05.56 ID:B6IyU65v0
【生物室】

部屋に入った瞬間全身を包み込む冷気。まるで来るもの全員を拒むような肌を突き刺す冷たさに思わず身震い。

そういえば、男子トイレの奥の空間で見た学園の見取り図で生物室も見たんだっけ。
あのときの図説通り、壁面にはロッカーのようなものが並んでいる。
ランプが点灯しているもの、そうでないもの……この違いは?


モノクマ「うわあああああ?!?!なんで風野さんがこの部屋に侵入してるのさ!」

灯織「モノクマ……」

モノクマ「こ、校則違反だ!イカサマだ!」

灯織「校則違反になるのは施錠された扉を無理やり破壊したとき、でしたよね?誰かが開けたままの扉に入るのは校則違反にならないと思いますが」

モノクマ「ああ言えばこういう……これだから元気もりもりご飯パワー世代のガキはよぉ……」

灯織「それよりこの部屋について説明してもらえますか?今回の事件に関係しているのは明白だと思います」

モノクマ「……ノリ悪いなぁ、わかったよ、わかりましたよ。お伝えします」

モノクマ「言ってしまえばここは霊安室!これまでのコロシアイで犠牲になったみんなが保管されてるんだよ!」

灯織「れ、霊安室……!?」


この部屋で感じる冷たさは単純な気温の低さだけではなかった。
生を失った者の発する、深淵から見据える視線の冷たさだったんだ。
338 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 22:03:09.91 ID:B6IyU65v0

灯織「ってことはこの中に、真乃も……?」

モノクマ「そうだね、入ってるよ。とはいえ櫻木さんはカラスに突っつかれて死んじゃったし、グロくて死体は見れたもんじゃないけどね!」


モノクマの言葉で真乃の受けたおしおきが鮮明に蘇る。
アイドルとしての真乃を極限まで踏みにじった最低最悪の死……
今でもトラウマのように刻み込まれている。


モノクマ「死体が入ってる棚はランプがついてる、使用中の印だね!」

灯織「……なるほど」

モノクマ「まあ細かいことはこの仕様書を見てくれればOKだよ!」

モノクマに手渡された仕様書にはこの冷凍庫について詳細に書かれている。これと併せて見てみようか。


『本製品はご遺体安置を目的とした冷凍庫です。ご遺体をいつまでも美しい姿のまま保つべく、全方位から冷気を放出することにより急速冷凍を可能にしております。また、冷凍機能をオフにして使用することも可能です。冷凍機能のオンオフはランプの点灯をご参照ください』


なるほど、あのランプは冷凍機能を使っているかどうかの証明なんだ。それもそうか、収納道具なんだもんね。
じゃああのランプの数と、これまでの事件で犠牲になったみんなの数が一致すれば全員がここに保管されているということになる。

えっと、真乃と浅倉さん、樹里と小糸、霧子さんと甘奈・甜花さん、凛世と咲耶さん……で9人か。
それで点灯しているランプの数は……あれ、8?
数が合わないな……どうなってるんだろう?


コトダマゲット!【生物室の冷凍庫】
〔死体を保管するために使われているもの。これまでに犠牲になった9人に対し、ランプが点灯しているのは8つで数が合わない〕

コトダマゲット!【冷凍庫の仕様書】
〔本製品はご遺体安置を目的とした冷凍庫です。ご遺体をいつまでも美しい姿のまま保つべく、全方位から冷気を放出することにより急速冷凍を可能にしております。また、冷凍機能をオフにして使用することも可能です。冷凍機能のオンオフはランプの点灯をご参照ください〕

-------------------------------------------------
【選択肢が残り一つとなったので自動進行します】
339 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 22:04:19.65 ID:B6IyU65v0
【学校エリア5F 武道場前】

死体の付近に落ちていたこの木札。
この中のロッカーで使うものって愛依さんにお聞きしたし、中を確かめておく必要があるな。





____私はまったくもって無警戒だった。
事件は起きてしまった、捜査も始まっている。

真実に向けて目を向ける必要がある以上、感情からは目を背けて、不安や恐怖も感じることの無いように必死に努めていた。

だからこの扉を開くことにはいささかの躊躇もなかったし、
340 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 22:05:13.33 ID:B6IyU65v0





____まさかその中で更なる絶望が待ち受けていることなんて予想もしていなかった。





341 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 22:05:55.45 ID:B6IyU65v0





【武道場に備え付けられた弓道の的、そこには樋口円香の体を貫いて矢が刺さっていた】






342 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 22:06:56.64 ID:B6IyU65v0





……は?

理解という言葉はそこに『理』が存在するからこそ成立する。
完全に人が理解を放棄した瞬間、そこにあるのは無秩序と無制限の異常のみである。
私はその『無』の大波に真正面から呑み込まれ、再び思考を完全に停止することになった。

「うわああああああああああああああああああああああ!??!?」

学校中に響き渡る絶叫。他のみなさんが集まるまでに時間はそうかからなかった。


ピンポンパンポーン

『死体が発見されました!一定の捜査時間の後、学級裁判を開きまーす!』
343 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 22:08:11.73 ID:B6IyU65v0

愛依「……ま、円香ちゃん……?」

雛菜「……う、そ……円香先輩……?」

摩美々「……嘘でしょー」

智代子「そ、そんな……」


誰しもがその光景を前に言葉を失った。
だってそこで事切れているのは私たち全員を脅かせ続けた樋口円香その人だったから。
誰よりも殺意をむき出しにして、殺人予告までしていた彼女が、力なくうなだれている。
その手足には生命が全く感じ取れず、枯れた柳の葉のように風にその身を任せる。


モノクマ「いやはや、いつ見つけてくれるのか、それとも見つからないまま終わるのか!なんて心配もしちゃってましたけど杞憂でしたね!」

雛菜「……」

灯織「雛菜……」


雛菜はモノクマの言葉に耳もかさず、スタスタと樋口さんに歩み寄り、その手をとる。

344 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 22:09:56.40 ID:B6IyU65v0

雛菜「ホント雛菜はずっと円香先輩のことが分かんないままだったよ、透先輩も小糸ちゃんも他の誰かを殺せなんて言うわけないのに……円香先輩は雛菜の事なんにも聞いてくれないんだもん」

雛菜「最後まで円香先輩の事、雛菜はずっと嫌い……だと思いたかったよ」

灯織「……」

雛菜「……本当に円香先輩のことが嫌いなら、涙を流したりなんかしないよ」


雛菜に声をかけるわけにもいかず、私たちは雛菜のその背中を見守ることしかできなかった。
でも、その背中の小刻みな震え、すすり上げるような水音が微かに聞こえる所から見ても、雛菜の表情は想像できた。


雛菜「幼馴染みんないなくなっちゃったら雛菜一人になっちゃうじゃん……本当に円香先輩ってば無責任〜……」

雛菜「…………」

雛菜「はいっ!終わり〜〜〜〜!!」

灯織「ひ、雛菜……?無理しなくても……」

雛菜「無理なんかしてない〜〜〜!むしろ、円香先輩が死んじゃったからこそ、雛菜は燃えてるんですよね〜〜〜〜!」

雛菜「透先輩も、小糸ちゃんも、円香先輩も……みんなみんないなくなっちゃったから……だからこそ、雛菜が頑張らないと……絆が無駄になっちゃう、でしょ〜?」

灯織「……!!」

雛菜「円香先輩からしたら絆なんてありがた迷惑かもしれないけど〜、でも雛菜はちゃんと円香先輩のために戦いたいって思うから〜!」


雛菜が口にしたのは私がこれまでにもなんども口にした言葉。
樋口さんの死を前にこの言葉を口にするのは、私にはためらわれた。

この言葉は樋口さんにとっては目の敵のシンボルのようなものだったから。それを口にする権利は、雛菜にしかない。
345 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 22:12:04.40 ID:B6IyU65v0

灯織「……わかった、雛菜の気持ちは受け取ったよ」

摩美々「……なら、さっさと捜査を始めた方がいいんじゃないー?被害者が増えた現在、これまで通りの捜査だと間に合わないかもしれないしー」

愛依「そ、そうだよね……急がないといけない系だよね」

灯織「モノクマ、モノクマファイルをもらえますか?」

モノクマ「あいよ合点承知!流石に事件も5回目になるとボクとも連携をとれてきたね!すごい一体感を感じるよ!今までにない何か熱い一体感を!風……なんだろう吹いてきてる確実に、着実に、ボクたちのほうに!」


私は無言でモノクマファイルを受け取った。


『被害者は樋口円香。死因となったのは腹部を矢のような形状のもので貫かれたために臓器を損傷したことに伴う失血死およびショック死。死因となった腹部以外にも、全身には同様の殺傷痕がある』


遠めに見ても樋口さんの亡骸は異様だ。
腹部に限らず全身を貫く矢が体を固定してまるで磔のようになっている。
何かに見立ててているように、残虐かつ荘厳な雰囲気を漂わせている様相はこれまでの事件のいずれとも違う。

これを、私たちの誰かが……?


コトダマゲット!【モノクマファイルEX】
〔被害者は樋口円香。死因となったのは腹部を矢のような形状のもので貫かれたために臓器を損傷したことに伴う失血死およびショック死。死因となった腹部以外にも、全身には同様の殺傷痕がある〕


さて、ここから先は植物庭園の死体と並行して樋口さんの捜査も行わなければならない。
これが同一の事件で起きたものなのか、それとも別個のものなのかもわからない。謎は広がるばかりだ……

-------------------------------------------------
1.死体を調べる
2.ロッカーを調べる

↓1
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/08/05(木) 22:12:51.07 ID:ILOiFlPC0
2
347 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 22:14:53.74 ID:B6IyU65v0
2 選択

そもそもこの部屋にやってきたのはこのロッカーを調べるためだったけど、想定外の方向に話が進んでしまったな……
樋口さんのことは気にかかるけど、こちらもしっかり調べておかないと。
もしかすると二つの事件をつなぎとめる証拠になるかもしれない。

正体不明の死体のそばに落ちていた木札を取り出し、ロッカーと確かめる。札ごとに対応するロッカーが一つずつ決まっている形みたい。
この木札が対応しているのは『伍』番のロッカーだ。
ロッカーを開けてみると、そこにあったのは……弾薬?変わった形状で一般的に見かけるような弾ではない。これって……?

-------------------------------------------------

一つ目の引き出しを引くと現れたのは……弾薬?
ドラマとかで見るのとは少し違う角張った形だ。リボルバー式の拳銃とかじゃ使えない、何か専用の銃がありそうなものだ。
危険物には変わりないし、これも回収しておいたほうがいいかな……?

-------------------------------------------------

……あのとき男子トイレの奥の謎の空間で見つけた弾薬だ!
襲撃を受けた際にこの弾薬も回収されていたはず。
あの時に比べると、弾数が結構減ってしまっている?
このロッカーを使用した人間が使った後にしまい込んだってことでいいのかな。
でも、その弾薬がここにあるってことは……私をあの時襲撃した犯人って……

コトダマゲット!【弾薬】
〔武道場のロッカーに残されていた弾薬。通常の銃では使用不可能な形状をしていて、専用の銃を必要とする。灯織が男子トイレ奥の空間で見つけた時に比べると弾数が減っている〕

-------------------------------------------------
【選択肢が残り一つとなったので自動進行します】
348 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 22:16:15.09 ID:B6IyU65v0
【死体を調べる】

樋口さん……死んでしまったことに全く現実味がない。
私たちをここ数日監禁していたのは樋口さん自身なんだし、それに私たちが何かを仕掛けてもすぐ退けるための薬品A/Bの調合薬も常備していた。
そんな彼女が不意を突かれたとでもいうのだろうか。


智代子「ねえ、円香ちゃんを下ろしてあげない?このままなのは流石に可哀想だよ……」

愛依「うん、そーだね……ハリツケは流石にね……」

灯織「そ、その……お腹を貫いてる矢はどうすれば……」

雛菜「……抜いちゃって大丈夫だよ〜」


チョコに促されて、私たちは樋口さんを解放。一旦床に降ろすことに。
お腹を貫いていた矢が姿勢を固定していた部分が大きく、なかなか降ろすのには難儀した。


灯織「こんなに深々と突き刺さって……犯人はどんな力をふるったんでしょうか」

摩美々「……夏葉でもない限り、私たちじゃ難しいと思うんだケド」

摩美々「大体この円香に突き刺さってるのは矢っていうより槍みたいな感じだよねー」

灯織「そうですね、実際この弓道場に備え付けの矢とも異なるようです」

摩美々「……この槍ってどこから来たんだろうねー」


弓道場に遺体があるから樋口さんを貫いているのも矢だと思ってしまいがちだけど、形状からして槍の方が近い。
投てき競技なんかで私も見たことがある。
でも、それを軽々と振るって人に突き刺すとなると話は別だ。ましてや相手は樋口さん。
警戒心も人一倍なのにどうしてこんな方法で犯人は殺害を試みたんだろう。


コトダマゲット!【死体に突き刺さっていた槍】
〔全身を貫き、磔のようにしていた槍。弓道場の矢とは形状が異なり、出所不明〕
349 :捜査パート最後までやっちゃいますね ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 22:18:26.44 ID:B6IyU65v0

雛菜「灯織ちゃん、捜査をまだ続けると思うんだけどね〜」

灯織「雛菜?どうかした……?」

雛菜「雛菜と一緒に円香先輩の部屋も見に行ってもらえないかな〜、きっと手掛かりがあると思うし……」

そういう雛菜の表情は強張っていて、決意と哀愁を感じさせた。
誰よりも樋口さんの側で、樋口さんを理解しようと試みていた雛菜。
最後まで改心させることは叶わず、別離の時を迎えてしまった。
向き合おうとする雛菜の勇気、答えてあげないと。


灯織「うん、一緒に行こう……私でいいなら」

雛菜「灯織ちゃんだからこそだよ〜〜〜!」

灯織「そう言ってくれるのは私もありがたいな……それじゃあ樋口さんの部屋に行くときは声をかけるから、その時一緒に行こうか」

雛菜「うん〜〜〜!」


樋口さんの部屋には、私自身行ってみたい。浅倉さんと小糸の死を受けて変わってしまった樋口さん、その内面に少しでも私たちは迫っておくべきだから。

____覚悟が出来たら雛菜に声をかけよう。


-------------------------------------------------
まずは学園の捜査を続けよう……それがひと段落したら、樋口さんの部屋に行こう。

1.【学校エリア】学園長室
2.【寄宿舎エリア】灯織の部屋

↓1
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/08/05(木) 22:18:45.56 ID:ILOiFlPC0
2
351 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 22:21:01.21 ID:B6IyU65v0
2 選択

【灯織の部屋】

死体の覆面を取ったときの爆発……あれを引き起こせるのって、私の持っていた爆弾のほかにないよね……?
となると、私がみなさんから預かっていたあの爆弾は……

個室に入って自分の机の引き出しを開ける。
ガラガラという音とともに、本来ならあの赤い球体、爆弾が姿を現すはずだけど……

無い。

そこにあるはずの爆弾が忽然とその姿を消してしまっている。
……この部屋に足を踏み入れたのは、救出の際にやってきた雛菜のほかには、私自身と樋口さんしかいない。
となると死体に爆弾を仕掛けたのって……

コトダマアップデート!【爆弾】
〔モノクマの内部に存在する爆弾。死体の上半身を吹き飛ばすにはこれを用いる他ない。灯織がずっと所持していたが、監禁の際に円香に奪い取られたものと思われる〕

-------------------------------------------------
【選択肢が残り一つとなったので自動進行します】
352 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 22:22:11.20 ID:B6IyU65v0
【4F 学園長室】

摩美々「……」

灯織「あれ、摩美々さん……?こんなところでどうしたんですか?」

摩美々「や、ちょっと気になったことがあってねー」

灯織「と、言いますと……?」

摩美々「ここ、第三の動機で私たちに渡されるはずだったプレゼントがどうしても気になってねー」

灯織「樹里の分だけ無くなっていた、あれですか?」

摩美々「うん、もしかして今回の事件の証拠品のいずれかにそれに類するものがあるんじゃないかと思って見直しに来たんだよー」

(今回の事件で見つかった証拠品……そして、樹里に与えられた【超高校級の応援団長】という才能……それを合わせて考えると、樹里に与えられるはずだったプレゼントって……)

灯織「メガホン、でしょうか……?」

摩美々「やっぱりそれっぽいよねー、でもあのメガホンが事件にどう関係しているのかも分からないしぃ、結局手掛かりにはなってないカンジ?」

(そもそもあのメガホンは故障していた……そんなものをプレゼントとして用意してたっていうの……?)


コトダマアップデート!【メガホン】
〔植物庭園の倉庫の中に置いてあったメガホン。もともとは樹里に第三の動機で渡されるはずだった物だと思われる。壊れているのか声を大きくする機能が使えない〕
353 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 22:23:31.19 ID:B6IyU65v0
【円香の部屋前】

灯織「雛菜、待たせたね。準備できたよ」


樋口さんの部屋の前では、既に雛菜が私のことを待っていた。
扉は既に開錠済み、モノクマは捜査のこととなると本当に仕事が早い。


雛菜「灯織ちゃん……うん、行こっか〜」


私たちを拒み続けた樋口さん、もう部屋の主はいないというのに彼女の個室は依然として私たちを拒むような空気を放っている。
ネームプレートに触れる。肌に張り付くような無機質な冷たさを感じた。


雛菜「……灯織ちゃん?」


この扉を開けるのは、私じゃない。
この事件を解き明かすのは全員に等しくのしかかる義務の十字架だけど、彼女に最初に踏み入るのは雛菜に義務がある。
私は雛菜を一瞥すると、すぐに身を引いた。ドアノブを引くのは私の役目じゃない。
そんな私の所作を見て意図をくみ取ってくれたのか、何も言わず雛菜はそのままドアノブを掴んだ。


雛菜「円香先輩、ごめんね……雛菜は、円香先輩のことも全部知りたい、真実を確かめたいから」


______そしてその扉は開かれた。
354 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 22:24:28.17 ID:B6IyU65v0
【円香の部屋】

当然のことながら、間取りは私の部屋とも同じだ。
ベッドにデスク、もともと最低限のものしか置かれていない。
見た目の上では私の部屋とは同じ、それはそうなのに……言葉に詰まる物々しさが充満していた。

間違いない。この部屋には何かがある。
彼女が私たちに抱き続けた敵意と殺意の炎、それが灯された松明のように今もこの部屋では燃え続けている。


灯織「雛菜」

雛菜「うん、灯織ちゃん……全部、全部全部暴き出そう……雛菜はそうじゃないと満足しないから〜」

灯織「……よし!」


私はその敵意の焔の中へと踏み込んだ。
355 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 22:25:48.18 ID:B6IyU65v0
【机】

消しカス一つなく、机の上は整然と整えられている。
筆記用具とメモ帳も使っているとき以外はしっかり片付ける性格なんだろう。いかにも樋口さんらしいなと思いながら、引き出しを開けていく。


一つ目の引き出しから息が止まる。これは……薬品のボトルだ。
化学室で見たパッケージが並ぶ。薬品AB、そしてそれを調合したものと思われる……あの時食堂で見たボトル。
おそらくこれを開封すればものの数秒後に転がっているのは私の屍だ。
震える手でそのままボトルをもとの場所に戻す。


続いて二つ目の引き出しへ。そこに入っていたのは赤青の二冊のファイル。
……ってこれ、あの男子トイレの奥の部屋で私が見ていたファイル!?
あの時私が見た通りのラベリング、『希望ヶ峰学園歌姫計画』と書かれた青のファイル。
学園の見取り図が入った赤のファイル。どちらも私があの日見たものと全くの同一だ。
でもどうしてこれが樋口さんの部屋に?
私をあの時襲ったのは黒幕ではなく、樋口さん……だったの……?

少なくともこの部屋にファイルがあって、こうして引き出しに入っていた以上は樋口さんがこれを見ていた可能性は高い。そしてそれは、『このコロシアイは浅倉透のためのもの』という怪しい走り書きも同様。
……樋口さんは、何を思っていたんだろう。

……

いや、感慨にふけるのはまだ先だ。ひとまずはこの事実だけを記憶しておこう。


コトダマゲット!【円香の部屋のファイル】
〔灯織が男子トイレの奥の部屋で見たのとまったく同じファイルが円香の部屋に保管されていた。ファイルの中身は詳細不明の『希望ヶ峰歌姫計画』と学園内の見取り図の二つ〕
356 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 22:27:17.57 ID:B6IyU65v0

とうとう最後の引き出しに手を付ける。
そこにあったのは、全員に支給されている裁縫道具セットそして……樋口さんの日記だ。
A4サイズのキャンパスノート、罫線の上にはつらつらとここに来てからの出来事と心情が合わせて記されている。

……私たちのことを、恨み始めるまでも。

『5日目 透が殺された。このコロシアイはただ殺せばいいってものじゃないらしい、学級裁判とやらで犯人当てをして、犯人との間で命を懸けた推理ゲームに挑まないといけない。灯織の活躍もあって犯人の真乃を特定することはできた。でも、私は透の仇を取ることはできなかった。私の目の前で真乃は処刑されて、私の行動は小糸に諫められてしまった。私は、間違ってはいない。人を恨むこと、憎しむことは人間として当然の心情。そこから逃避することは果たして正しいの?』

『9日目 小糸が殺された。殺したのは樹里。小糸が深夜に出かけるのを偶然目撃し、後をつけた結果、小糸が図書室で本棚を使って押しつぶして殺されてしまう音を聞いてしまった。その音は、私にとっての天啓のようなものにも感じられた。ぴしゃんと頬をぶたれたような気分、酔いから醒めた気分。絆なんて世迷言を掲げていても何も救えない、何も守れない。現実から逃げて縋りつく生に何の意味があるというの?くだらない、くだらないくだらないくだらない。見ているだけで反吐が出る。私は絶対に否定する』
357 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 22:28:56.05 ID:B6IyU65v0

心臓を握られているような感覚だった。
指はミシミシと食い込んでいき、この胸の痛みもずきずきと増していく。
人の敵意を浴びた事よりも、樋口さんの真意を私が甘く見積もる楽観視をしていたことに対する自責の念がこみあげてきているんだ。

どこでボタンを掛け違えてしまった、なんて言葉を使うわけにはいかない。
これはそんな小手先の問題じゃない、もっと重要な“布地”の話だ。

そのまま目で字を追っていく。
怨嗟のこもった文字は乱れたり、時には力がこもったり、樋口さんの生きたままの感情が写し取られていて……正直読むのはかなり堪える。
特に私に対しては名指しされているところもある。

そんな中でもなんとかなんとか読み進めていくと、ある一節が目に付いた。
この合宿生活の中で、人を憎しみ続けた樋口さんのもう一つの本音。それを目にした瞬間、私は雛菜を呼び寄せていた。


灯織「雛菜、樋口さんの日記なんだけど……これは雛菜が読むべきだと思う」

雛菜「へ〜?」

灯織「……読んであげて」

358 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 22:29:34.00 ID:B6IyU65v0

雛菜は訝しみながらもその日記に目を落とす。
私は少し身を引いて、雛菜の様子を見つめていた。
残された者の気持ちは、私が一番わかるつもりだ。
真乃の死のとき、私は直接お別れを言うことができたから、彼女の真意にもそこで触れることができた。

最後に人が想うのは、大切な人に対する想いだ。
他の人はどうあれ、自分にとって大切な人間の無事を願う、慈しみの心。
それを失することあれば、それはもう人間とは言えない。


____樋口さんは復讐の獣になんかなっていない。彼女も最後まで『人間』だった。


『今となっては幼馴染で生きているのは私と雛菜だけ。ならせめて、雛菜だけでも。雛菜にだけは生き残ってほしい』


……大丈夫、樋口さん。私は雛菜と一緒に、生き残ってみせるよ。
359 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 22:31:03.18 ID:B6IyU65v0
キーンコーンカーンコーン……

『時は金なり、なんて言葉があるけどまるっきり詭弁だよね!時間様とお金ごときが釣り合うわけないじゃん!』

『時間は人を老いさせ、殺すこともできるけど、お金は藪医者を雇って延命処置するしかできない。時間は友情を解決してくれるけど、お金は友情を破壊する。時間は砂漠を森林に還すけど、お金は苗木を買うことしかできない』

『結局お金って時間の後追いでしかないんだよね!それなのに人は愚かにもお金のために人を殺してしまう……時間が有り余るホームレスやってる方がよっぽど有意義なのにさ!』

『なんて無駄話をしてると時間が過ぎちゃいますよね!さあさ、学級裁判の時間ですよ〜〜〜!学校エリア1Fの、赤い扉のエレベーターホールに全員集合〜〜〜!』


……時間だ。いつもこの時には、私の隣にはめぐるがいた。
命のやり取りをすることに怯えるお互いを鼓舞し合い、勇気を沸かせ合う時間は今回はない。
これから始まるのは生存をかけた孤独の戦いなんだ。

……めぐる、信じてるから。
めぐるは無事なんだよね……
あの死体は、めぐるなんかじゃない。そう信じてるよ。


「……よし!」
360 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 22:32:22.16 ID:B6IyU65v0
【エレベーターホール】

エレベーターホールに入るとみなさんが待ち構えていて、それでもめぐるの姿はやっぱりそこにはなくて。
惑いブレる心臓をなんとか抑え込む。


摩美々「……二人とも、大丈夫―?」

雛菜「……はい〜、ご心配感謝ですけど雛菜は万全ですよ〜」

灯織「私も、覚悟は決めています」


替えの効かない、大切な大切な幼馴染の全員を失った雛菜。
人生で一番の親友、その所在が分からなくなっている私。

みなさんが私たちのことを心配するのは当然のことだった。
今すぐにでもその心配に甘んじて、ここで涙で目をはらしてしまいたい衝動はあった。でも、それは奥歯をグッとかみしめて押さえつける。

めぐるの生存を信じてあげられるのは私だけ。樋口さんの敵意に向き合う義務があるのも私。この事件から私は一番逃げちゃいけない存在だ。


灯織「絶対に犯人を見つけて、生き延びてみせます……!!」

摩美々「ホント、強くなったねー」

361 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 22:33:28.54 ID:B6IyU65v0
-------------------------------------------------

エレベーターに私が乗り込むと、すぐ直後に後ろで扉が閉まった。
ゴウンゴウンと音を立てて下っていくエレベーターもこれで五回目。

気づけばエレベーターの中は私を含めて5人しかいなくなっていた。さらにここから戻るときには、一人減って4人になる。
めぐるの生存は未確定で、生きていれば帰るときは5人のままだけど、数の問題なんかじゃない。
心を通わせ合った仲間は数なんかで推し量れるものじゃない。感情に、想いに、結びつきに、ぽっかりと穴が開いてしまう。

穴、穴、穴。

そして私たちはまた穴へと堕ちていく。
希望も絶望も一緒くたにして呑み込んでしまう、暗くて深い、深淵の穴。

その穴から這い出るために、この命を燃やさなければならない。
_______他の誰かの命を代わりにして。





チーン!

そしてエレベーターは、穴底に到達した。

-------------------------------------------------
362 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 22:34:33.38 ID:B6IyU65v0

モノクマ「やあやあ!よく来てくれましたね!準備はバッチリ整ってますよ〜!」

摩美々「……内装、なんかいつも以上にごちゃついてますねー」

モノクマ「うん!コロシアイ合宿生活もそろそろ佳境だからね!人間の命のやり取りといえば戦争でしょ?だからそれを模したトラジェディックな内装にしてみたんだ!」

灯織「……」

モノクマ「……うぷぷ、今日は流石に風野さんもいつもと表情が違いますね!」


モノクマの言葉に耳なんか貸さなくていい。
私には、私のやるべきことがある。

363 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 22:35:37.23 ID:B6IyU65v0

めぐる……今どこで何をしているの?
めぐるは死んでない、生きているって私は信じているから。
めぐるが帰ってくるその時まで、私は一人で戦い続けるよ。
戦って戦って、生き残って……きっとめぐるを迎えに行くから。
だから……待っててほしい。

樋口さん……最後まであなたとは和解できなかった。
でも私はずっとあなたとも一緒に生きて還りたいと思っていました。きっとまた前のように笑い合える日が来ると、そう信じていました。
でも、そんな日はもう戻ってこない。
……なら、私にあなたのために戦わせてもらえませんか。きっと樋口さんははた迷惑だというでしょう、それでも……あなたとの絆を手放すのは嫌だ。
樋口さんとの間の絆も、私に背負わせてください。


私には、闘う理由がある。
私には、生き残る理由がある。

だから私は……この裁判でも絶対に勝ってみせる。
364 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 22:36:16.27 ID:B6IyU65v0





_______この『理由』のために。





365 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 22:40:01.52 ID:B6IyU65v0

というわけで本日の更新はここまで、なんだかんだ捜査パートはすぐ終わっちゃいますね。
次回更新から学級裁判に入ります。
この三連休でやってしまいたい……早めに更新の連絡は書き込ませていただきます。

そして次回までに購買が利用できるように、後でテンプレを貼っておきます。
次回更新までに購入したい商品を書いていただき(複数個可能)、裁判に持ち込めるようにしておきます。
メダルの利用先ももうなくなるので、直下とかじゃなく書き込まれたやつで先行順で買えるところまでぐらいで大丈夫ですかね。


念のため、事件の確信に関わるネタバレ考察などは書き込みを控えていただけると助かります。
それではお疲れ様でした。
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/05(木) 23:12:08.51 ID:7zU9W2FX0
お疲れ様でした
367 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/05(木) 23:21:41.43 ID:B6IyU65v0
-------------------------------------------------
【購買】

灯織「さて……せっかくだし何か買っておこうかな?」

【以後交流の時間が無くなるため、お役立ち品購入推奨です】

【一部アイテムの効果が変更になりました】

-------------------------------------------------
【自動販売機】

※【贈答用】
『メダル10枚で購入可能』
・希望のパーカー 
・最高にカッコいいネックレス 
・即席ちゃんぽん
・EYE GRASS
・無銘の巾着
・ジャスティスV変身ベルト
・ダンベル君主論
・冬優子ちゃん育成キット
・デウス・エクス・翁
・ノロマ号
・にちかちゃん人形 
・柄入りブルゾン 
・カミサマの憤懣 

『メダル20枚で購入可能』
・親愛のお守り 


【お役立ち品】

・ロボット掃除機 30枚…生活が豊かなものになるかも?
・283プロのタオル 30枚…裁判で有利に働くかも?
・サイリウムブレード 40枚…裁判で有利に働くかも?
・虹の羽 50枚…裁判で有利に働くかも?
・はじまりのメッセージカード 50枚…裁判で有利に働くかも?
・敏腕記者の名刺 60枚…交流がやりやすくなるかも?
・※アイドルコミュの鍵 60枚…新しい力が手に入るかも?
・スーパーはづきさん人形 99枚…?????

-------------------------------------------------

【現在のモノクマメダル枚数…151枚】

【購入したい品物があれば次回までに書き込んでください、相談などもご自由にどうぞ】

【複数購入可能なものは※がついています】
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/05(木) 23:24:05.50 ID:0ustZNX/0
ここはやっぱりスーパーひとし君人形でしょ
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/05(木) 23:41:22.37 ID:D0Rult7nO
お疲れ様でした
はづきさん買っときたいな
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/08/06(金) 00:40:45.36 ID:mnMyjv1G0
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/06(金) 06:54:13.93 ID:1uPZNPG80
はづきさん
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/06(金) 06:56:08.37 ID:1uPZNPG80
虹の羽
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/06(金) 13:58:51.81 ID:mYNIZhSVO
枚数的にはづきさん+虹の羽って感じかなぁ
374 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/06(金) 20:31:12.06 ID:2c7LQDl30

購買ははづきさんを買いたい方が多そうなので、はづきさん+虹の羽でよさそうですかね。
異論がなければこの二つ購入で次回更新時に確定します。

さて、肝心の更新日なのですが明日8/7の21:00〜で現状考えています。
しかし、明日ワクチンを接種する都合上、副反応等で更新できない可能性もあることをあらかじめご了承ください…
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/07(土) 21:02:59.26 ID:mUuddADP0
ちょうど追いついた!楽しみです
376 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/07(土) 21:08:26.64 ID:r2nFS9Bi0

少し遅くなりましたが予定通り再開します。
購買での商品購入もはづきさん人形+虹の羽で確定します。

-------------------------------------------------

灯織「よし、これとこれで……学級裁判も乗り切れるかな?」

・虹の羽
〔輝く羽は希望を語る。ロジカルダイブで誤答した時、どこの選択肢があっていてどこが違うのかがわかる〕

・スーパーはづきさん人形 
〔どんな事務仕事もたちどころに終わらせてしまう伝説の事務員を模した人形。反論ショーダウンでコンマ値をあげるスキル・アイテムがパニックトークアクション、議論スクラムでも適用されるようになる〕


【モノクマメダルを149枚消費しました】

【残りのモノクマメダル枚数…2枚】
377 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/07(土) 21:09:45.47 ID:r2nFS9Bi0
【コトダマ】

‣【モノクマファイル5】
〔被害者は不明。死亡推定時刻は1時ごろ。死体は発見当時胸部にナイフが突き刺さっていた。その後覆面を剥がそうとした際に仕掛けてあった爆弾が起動。上半身の損壊は激しく、顔は判別不可〕

‣【謎の死体】
〔死体の上半身は爆破の衝撃で損傷が激しい。爆弾により引火した際に摩美々と雛菜が消火したため、上半身のみが濡れてしまっている〕

‣【左手のペンだこ】
〔爆破された死体の左手にはペンだこができていた。めぐるも円香も右利きなので通常できるはずがない〕

‣【植物庭園のニワトリ】
〔植物庭園内で飼育されていたニワトリ。なんだかニワトリの元気がなく、さらには事件前後でニワトリが一体減っていた〕

‣【ナイフ】
〔死体に突き刺さっていた凶器と思しきナイフ。他のナイフにはない装飾がついている一品もの。事件発生前はめぐるが所持していた〕

‣【スプリンクラー】
〔植物庭園一体を水やりするための設備。生徒側から設定をいじることはできず、毎朝7時30分に作動する設定になっていた〕
378 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/08/07(土) 21:10:39.02 ID:r2nFS9Bi0
‣【モノクマフラワー】
〔人でも金属でもなんでも食べてしまう食虫植物。全長は約5mほどで見上げる高さ。夜時間の間は活動を停止する〕

‣【雛菜の証言】
〔雛菜も灯織たちと同様に部屋に監禁されていたが、部屋にはドアストッパーは噛まされておらず睡眠薬を盛られていた。同様にめぐるの部屋もドアストッパーが噛ませておらず、鍵がかかっていたらしい〕

‣【タオル】
〔事件後に愛依が拾ったタオル。焼け煤けているほか、何かで裂かれたような痕跡も残っている〕

‣【爆弾】
〔モノクマの内部に存在する爆弾。死体の上半身を吹き飛ばすにはこれを用いる他ない。学園内で現在所持しているのは灯織のみ〕

‣【生物室の扉】
〔締め切られていたはずの生物室は何か強い衝撃で破壊されていた。開放した生徒は校則に抵触していた恐れがある〕

‣【生物室の冷凍庫】
〔死体を保管するために使われているもの。これまでに犠牲になった9人に対し、ランプが点灯しているのは8つで数が合わない〕
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